IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドンペ・ファルマチェウティチ・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

特表2024-517007変形可能な容器、キットおよびパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】変形可能な容器、キットおよびパッケージ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568187
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022061844
(87)【国際公開番号】W WO2022233866
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102021000011387
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523050391
【氏名又は名称】ドンペ・ファルマチェウティチ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】Dompe Farmaceutici S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ディオニージ,ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA01
4C047AA05
4C047AA11
4C047BB11
4C047BB13
4C047BB24
4C047BB26
4C047CC04
4C047CC14
4C047DD22
4C047DD32
4C047DD35
4C047GG15
4C047HH01
4C047HH04
4C047HH05
4C047HH06
(57)【要約】
医療物質を分配するための変形可能な容器は、流体物質を受け取るように構成された内部容積を形成するボディを備える。ボディは、流体物質を受け取るように構成された充填アクセスと、流体物質を分配するように構成された分配出口と、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能である充填アクセスに配置されたバルブと、を備える。ボディは、内部容積を形成する弾性変形可能な壁を備える。本開示はさらに、変形可能な容器の充填アクセスに流体接続するように構成された第1の結合部と、バイアルの内部区画に流体接続するように構成された第2の結合部と、を備える接続アクセサリに関する。容器および接続アクセサリは、接続アクセサリが容器の充填アクセスに結合され、容器のバルブが開放構成にある結合構成に構成可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療物質を分配するための変形可能な容器(1)と、接続アクセサリ(51)と、を備えるキット(50)であって、
前記変形可能な容器(1)は、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備え、
前記ボディ(2)は、
前記ボディ(2)の前記内部容積(3)を充填するために前記流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
前記内部容積(3)から或る量の前記流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
前記充填アクセス(8)に配置されるとともに、バルブ(20)が前記充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、前記バルブ(20)が前記充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を有し、
前記ボディ(2)は、前記内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備え、
接続アクセサリ(51)は、
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)に流体接続するように構成された第1の結合部(52)と、
バイアル(101)の内部区画(102)に流体接続するように構成され、特に前記バイアル(101)の前記内部区画(102)が前記流体物質(4)を収容する第2の結合部(60)と、
前記第1の結合部(52)を前記第2の結合部(60)と流体連通させるかまたその逆を行う内部通路(70)と、を有し、
前記キット(50)は、結合構成で構成可能であり、
前記接続アクセサリの前記第1の結合部(52)が前記容器(1)の前記充填アクセス(8)に結合され、
前記容器(1)の前記バルブ(20)は、前記容器(1)の前記内部容積(3)が前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)と流体連通するように、特に、前記容器(1)の前記内部容積(3)が前記バイアル(101)の前記区画(102)と流体連通するように、前記開放構成にある、キット(50)。
【請求項2】
前記結合構成において、
前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)は、前記容器(1)の前記バルブ(20)に当接し、
前記容器(1)の前記バルブ(20)は、前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)によって変形され、それによって閉位置から開位置に移動し、
前記接続アクセサリ(51)は、前記変形可能な容器(1)と前記バイアル(101)との間に流体的に介在可能である、請求項1記載のキット(50)。
【請求項3】
前記容器(1)の前記バルブ(20)が、休止状態で前記閉位置を保つように構成された自己密閉バルブ(20)であり、
前記接続アクセサリ(51)が前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)に結合すると、前記バルブ(20)が前記閉位置から前記開位置に移動するように構成され、
前記充填アクセス(8)と前記接続アクセサリ(51)との間の接続が、前記バルブ(20)の前記閉位置から前記開位置への切り替えを決定して、
前記充填アクセス(8)と前記接続アクセサリ(51)との間の切り離しが、前記バルブ(20)の前記開位置から前記閉位置への切り替えを決定する、請求項1または請求項2に記載のキット(50)。
【請求項4】
前記内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁が弾性材料で作られ、特に前記弾性材料は、シリコーン、ゴムおよびプラスチックの少なくとも1つであり、特にポリエチレンであり、
前記容器(1)の前記内部容積(3)は、前記流体物質(4)の有無に実質的に依存せず、
前記少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、任意選択で0.5mmから0.9mmの厚さを有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項5】
前記容器(1)の前記ボディ(2)の前記少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、前記ボディ(2)の側壁(7)を含み、
前記変形可能な容器(1)の前記ボディ(2)は、絞られた後に元の形状に戻るように構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項6】
前記変形可能な容器(1)の前記ボディ(2)は、
特に前記容器(1)に外部負荷がかからない場合、たとえば、前記容器(1)が使用者によって絞られていない場合、前記内部容積(3)の所定のサイズを画定する休止時の元の形状と、
前記ボディ(2)が使用者によって絞られた場合の前記内部容積(3)の縮小サイズを画定する絞られた形状であって、特に前記内部容積(3)の前記縮小サイズが前記内部容積(3)の所定のサイズよりも小さく絞られた形状と、を有し、
前記容器(1)の前記少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、使用者が前記ボディ(2)を絞ることを解除した後、前記絞られた形状から前記元の形状に弾性的に戻るように構成される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項7】
前記バルブ(20)が前記充填アクセス(8)の内側に配置され、前記充填アクセス(8)が前記バルブ(20)を取り囲むカラー(9)を画定し、前記カラー(9)は、前記バルブ(20)を完全に取り囲み、前記充填アクセス(8)の内側へのアクセスを形成し、前記バルブ(20)はアクセスを閉鎖し、前記バルブ(20)は、前記閉位置と前記開位置との間の通路を決定する弾性変形可能な部材(21)を備え、特に、前記弾性変形可能な部材(21)は、シリコーンおよびゴムの少なくとも1つで作られる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項8】
前記バルブ(20)の前記変形可能な部材(21)がスリット(22)を有し、前記充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)に結合すると前記スリット(22)が流体通路を開放し、前記充填アクセス(8)が切り離されると前記スリット(22)が流体通路を閉鎖し、前記バルブ(20)の部材は、前記充填アクセス(8)が前記接続アクセサリ(51)に結合されると変形するように構成され、前記変形によって、前記スリット(22)が開き、特に、前記バルブ(20)は、前記充填アクセス(8)が前記接続アクセサリ(51)に結合される場合に、前記接続アクセサリ(51)によって押圧されるように構成される、請求項7に記載のキット(50)。
【請求項9】
前記ボディ(2)は、円筒形状を有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項10】
前記容器(1)の前記ボディ(2)は、長手方向軸(X)に沿って長さが延在し、横軸(Y)に沿って幅が延在し、前記長さは前記幅よりも大きく、特に、前記長さは、前記幅の少なくとも1.5倍であり、より特に、前記長さは、前記幅の少なくとも2倍であり、特に、前記長さは、前記幅の少なくとも3倍であり、
特に、前記容器(1)の前記ボディ(2)は、30mmから60mmの長さと、10mmから15mmの幅または直径とを有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項11】
前記容器(1)の前記ボディ(2)は、前記充填アクセス(8)を担持する第1の端部(5)と、前記分配出口(10)を担持する第2の端部(6)と、前記第1の端部(5)と前記第2の端部(6)との間に介在される側壁(7)と、を備え、
前記充填アクセス(8)および前記分配出口(10)は、前記容器(1)の前記ボディ(2)の前記側壁(7)に関して互いに反対側に位置する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項12】
前記ボディ(2)は、前記ボディ(2)の長さに沿って延在し、任意選択で前記側壁(7)に平行である長手方向軸(X)を規定し、前記分配出口(10)および前記充填アクセス(8)は、前記ボディ(2)の前記長手方向軸(X)に実質的に平行または一致する軸に沿って互いに整列している、請求項11に記載のキット(50)。
【請求項13】
前記容器(1)の前記内部容積(3)は、3ミリリットルから15ミリリットルであり、特に4ミリリットルから12ミリリットルであり、前記容器は、プラスチック製の複数用量の絞り出し容器であり、前記分配出口(10)は、それぞれの個別の使用者の要求に応じて複数の個別量の流体溶液を分配するように構成され、前記個別量が個別の時間間隔で送達可能であり、前記ボディ(2)の前記内部容積(3)は、前記分配出口(10)によって毎回分配される各個別量よりも大きく、特に前記内部容積(3)は、5~500の個別量を分配可能にする、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項14】
前記容器(1)は、前記分配出口(10)に接続されたかまたは接続されるように構成された分配アクセサリ(11)をさらに備え、前記分配アクセサリ(11)は、前記内部容積(3)に収容された前記流体物質(4)を分配するように構成され、前記分配アクセサリ(11)は点滴器またはスプレーノズルである、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項15】
前記分配アクセサリ(11)は、ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置され、前記流体物質(4)の個別の滴を分配するためのバルブ(20)として機能する内部の膜(13)とを備える点滴器であり、
前記膜(13)は、
前記膜(13)が前記容器(1)の前記内部容積(3)と前記分配出口(10)との間の流体連通を阻止して、特に前記流体物質(4)が前記容器(1)の前記分配出口(10)を通じて流出することを阻止する密封位置と、
前記膜(13)が前記容器(1)の前記内部容積(3)と前記分配出口(10)との間の流体連通を可能にし、特に個別量の流体物質(4)が前記容器(1)の前記分配出口(10)を通じて流出することを可能にする送達位置と、の間で移動可能である、請求項14に記載のキット(50)。
【請求項16】
前記分配アクセサリ(11)は、前記密封位置を維持するために前記膜(13)に対して付勢する弾性部材(14)をさらに備え、特に、前記弾性部材(14)が金属であり、
前記弾性部材(14)は、前記容器(1)の前記内部容積(3)内での所定の圧力に基づいて前記膜(13)が前記密封位置から前記送達位置に切り替わることを可能にするように構成される、請求項15に記載のキット(50)。
【請求項17】
前記容器(1)の前記充填アクセス(8)は、ネジ付き結合部(9a)を備え、前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)は、前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記ネジ付き結合部(9a)に接続するためのそれぞれのネジ付き結合部(53)を備え、
前記容器(1)の前記充填アクセス(8)と前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)とは、それらの相互結合を可能にするスナップオン結合を備える、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項18】
前記容器(1)の前記充填アクセス(8)はルアーコネクタを備え、前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)は、前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記ルアーコネクタに接続するためのそれぞれのルアーコネクタを備え、
前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記ルアーコネクタは、雌型ルアーコネクタであり、前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)の前記ルアーコネクタは、雄型ルアーコネクタである、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項19】
前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)の前記雄型ルアーコネクタは、前記充填アクセス(8)の剛性リムに入り込むとともに当接する突出部(54)を備え、前記結合構成にある場合、前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記バルブ(20)に対して、前記バルブ(20)を前記開位置に移動させる、請求項18に記載のキット(50)。
【請求項20】
前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)は、
前記バイアル(101)に接続するための中空の針(61)であって、前記接続アクセサリ(51)が、前記針(61)と、前記内部通路(70)と、前記第1の結合部(52)および第2の結合部(60)とを通じて流体通路を形成する中空の針(61)と、
前記バイアル(101)のそれぞれの部分に結合して前記接続アクセサリ(51)を前記バイアル(101)に機械的に拘束するように構成されたカラー(62)であって、前記第2の結合部(60)の前記カラー(62)は前記針(61)の外側を取り囲み、特に前記針(61)は、前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)の前記カラー(62)によって完全に取り囲まれるカラー(62)と、を備え、
前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)の前記カラー(62)は、前記バイアル(101)に接続するためのスナップオン結合を画定するとともに、前記第2の結合部(60)を前記バイアル(101)に結合させる間に、外側に拡張するように構成された2つ以上の可撓性を有する壁またはフィンガ(63)を備え、特に前記接続アクセサリ(51)は、3個~12個の前記可撓性を有する壁またはフィンガ(63)を備える、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項21】
前記接続アクセサリ(51)は、プラスチック製の単一部品であり、代替的に、前記第1の結合部(52)、前記第2の結合部(60)および前記内部通路(70)は、プラスチック製であり、前記針(61)は、金属製すなわちステンレス鋼製である、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項22】
前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)および前記第2の結合部(60)は、共通の接続軸(Z)に沿って整列しており、特に、前記第1の結合部(50)、前記第2の結合部(60)および前記内部通路(70)は、同じ接続軸(Z)に沿って整列している、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のキット(50)。
【請求項23】
医療物質を分配するための変形可能な容器(1)であって、前記変形可能な容器(1)は、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備え、前記ボディ(2)は、
前記ボディ(2)の前記内部容積(3)を充填するために前記流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
前記内部容積(3)から或る量の前記流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
前記充填アクセス(8)に配置され、前記バルブ(20)が前記充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、前記バルブ(20)が前記充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を備え、
前記ボディ(2)は、前記内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備える、変形可能な容器(1)。
【請求項24】
請求項1から請求項28のいずれか1項に記載のキット(50)と、
物質を含むための区画(102)を形成するバイアル(101)と、を備えるアセンブリ(100)であって、
前記アセンブリ(100)は、組立形態で構成可能であり、
前記変形可能な容器(1)および前記接続アクセサリ(51)は、前記結合構成にあり、
前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)は、前記バイアル(101)に接続され、前記組立形態において、前記変形可能な容器(1)の前記内部容積(3)は、前記接続アクセサリ(51)を通じて前記バイアル(101)の前記区画(102)と流体連通する、アセンブリ(100)。
【請求項25】
前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)は、前記接続アクセサリ(51)の前記内部通路(70)を、前記バイアル(101)の前記区画(102)に流体接続するための中空の針(61)を備え、前記組立形態において、前記針(61)は、前記バイアル(101)の前記区画(102)の内側に突出している、請求項24に記載のアセンブリ(100)。
【請求項26】
前記バイアル(101)は、前記接続アクセサリ(51)の前記針(61)が貫通可能であるダイヤフラム(110)を備え、前記組立形態において、前記接続アクセサリ(51)の前記針(61)は、前記バイアル(101)の前記ダイヤフラム(110)を通過し、
特に、前記バイアル(101)の前記ダイヤフラム(110)は、弾性材料で作られ、特にゴムまたはシリコーンで作られる、請求項25に記載のアセンブリ(100)。
【請求項27】
前記バイアル(101)の前記区画(102)は、前記流体物質(4)、医療用液体および粉末物質における1つを含み、前記バイアル(101)は、前記内部区画(102)を形成するハウジング(103)を備え、前記ハウジングはガラス製である、請求項24から請求項26のいずれか1項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項28】
前記バイアル(101)は、液体または粉末の形態での眼科用の滅菌医療製品を含む、請求項24から請求項27のいずれか1項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項29】
前記バイアル(101)の前記区画(102)は、前記変形可能な容器(1)の前記内部容積(3)と同等または実質的に等しい容積を有し、前記バイアル(101)の前記区画(102)の容積は、3ミリリットルから15ミリリットルであり、特に4ミリリットルから12ミリリットルである、請求項24から請求項28のいずれか1項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項30】
前記アセンブリ(100)は、前記組立形態において、前記容器(1)の前記内部容積(3)と前記バイアル(101)の前記区画(102)と前記接続アクセサリ(51)の前記内部通路(70)との組合せとして規定される閉鎖容積を形成する、請求項24から請求項29のいずれか1項に記載のアセンブリ(100)。
【請求項31】
前記組立形態において、前記容器(1)と前記接続アクセサリ(51)と前記バイアル(101)とは、共通の軸に沿って互いに整列している、請求項29または請求項30に記載のアセンブリ(100)。
【請求項32】
変形可能な容器(1)において流体物質(4)を移動させるための方法(200)であって、前記方法は、
請求項29から請求項37のいずれか1項に記載のアセンブリ(100)を提供するステップ(201)と、
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)を前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)に接続するステップ(202)と、
前記組立形態を画定するために、前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)を前記バイアル(101)に接続するステップ(203)と、
前記内部容積(3)を減少させるために、前記変形可能な容器(1)を絞るステップであって、特に手動で絞るステップ(204)と、
前記変形可能な容器(1)の前記ボディ(2)が弾性的に戻ることを可能にするために、前記変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップ(205)と、
任意選択で、前記流体物質(4)が前記変形可能な容器(1)の中に完全に移動するまで、絞りステップおよび絞りの解除ステップを順次繰り返すステップと、を少なくとも備える方法。
【請求項33】
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)を前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)に接続するステップと、
前記組立形態を画定するために、前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)を前記バイアル(101)に接続するステップと、は、
前記バイアル(101)の前記区画(102)が、前記接続アクセサリ(51)を通じて前記変形可能な容器(1)の前記内部容積(3)と流体連通するように決定する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)を前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)に接続するステップの前に、前記容器(1)の前記充填アクセス(8)での前記バルブ(20)が閉位置にあり、
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)を前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)に接続するステップは、流体通過を可能にするために前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記バルブ(20)が開位置に移動するように決定する、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記変形可能な容器(1)の前記充填アクセス(8)を前記接続アクセサリ(51)の前記第1の結合部(52)に接続するステップは、前記容器(1)の前記充填アクセス(8)の前記バルブ(20)の変形可能な部材(21)の変形を決定して、流体通過を可能にするために、前記変形によって前記バルブ(20)が開位置に移動する、請求項32から請求項34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)を前記バイアル(101)に接続するステップは、前記接続アクセサリ(51)の前記第2の結合部(60)に配置された中空の針(61)が前記バイアル(101)のダイヤフラム(110)を貫通するステップを含み、
前記ステップは、前記バイアル(101)の前記区画(102)を前記容器(1)の前記内部容積(3)と流体連通させるために、前記中空の針(61)が前記バイアル(101)の前記区画(102)の中に入るように決定する、請求項32から請求項35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記容器(1)が最初は空である場合、前記変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、前記容器(1)の前記内部容積(3)から前記バイアル(101)の前記区画(102)へのガスまたは空気の通過を決定し、特にそれによって前記バイアル(101)における圧力が増加し、
前記容器(1)が医療用液体すなわち生理食塩水または滅菌水を最初に含む場合、前記変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、前記容器(1)の前記内部容積(3)から前記バイアル(101)の前記区画(102)への前記医療用液体の通過を決定する、請求項32から請求項36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記容器(1)が医療用液体を最初に含むとともに前記バイアル(101)が粉末物質または別の濃縮液体を最初に含む場合、前記変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、前記容器(1)の前記内部容積(3)から前記バイアル(101)の前記区画(102)への前記医療用液体の通過を決定し、それによって前記区画(102)において前記医療用液体と前記粉末物質または濃縮液体とを混合し、
前記混合によって前記流体物質(4)が生成される、請求項32から請求項37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップは、前記変形可能な容器(1)の前記ボディ(2)の弾性戻しをもたらし、前記弾性戻しは、前記容器(1)が前記バイアル(101)から前記変形可能な容器(1)の前記内部容積(3)に前記流体物質(4)を吸引する吸引ステップを引き起こす、請求項32から請求項38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記内部容積(3)を減少させるために前記変形可能な容器(1)を手動で絞るステップの間に、前記方法は、前記変形可能な容器(1)を前記バイアル(101)の上に配置するステップを含み、
前記変形可能な容器(1)の前記ボディ(2)が弾性的に戻ることを可能にするために前記変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップの間に、前記方法は、前記バイアル(101)を前記変形可能な容器(1)の上に配置するステップを含む、請求項32から請求項39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記方法(200)は、前記変形可能な容器(1)の長手方向軸(X)を前記バイアル(101)のバイアル軸(V)に整列させるステップを含み、特に、前記方法(200)は、前記変形可能な容器(1)の長手方向軸(X)を前記バイアル(101)の前記バイアル軸(V)および前記接続アクセサリ(51)の接続軸(Z)に整列させるステップを含み、前記長手方向軸(X)、前記バイアル軸(V)および前記接続軸(Z)は、互いに一致するかまたは互いに平行である、請求項32から請求項40のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、後続の分配のために流体すなわち液体を受け取るように構成された変形可能な容器に関する。
【0002】
この発明はまた、変形可能な容器をバイアルと流体連通して接続するように構成された接続アクセサリに関し、バイアルは、薬剤すなわち溶液または粉末状の薬剤を含んでもよい。注目すべきことに、この発明は医療分野および薬剤投与に関し、医療用液体をガラス製バイアルから投与のために変形可能な容器に移すためのデバイスの分野に属する。
【0003】
この発明はさらに、変形可能な容器と接続アクセサリとを含むキットに関する。この発明はさらに、接続アクセサリの有無にかかわらず、変形可能な容器を含むパッケージに関する。
【0004】
最後に、この発明はさらに、接続アクセサリを介して変形可能な容器をバイアルに接続する方法に関する。より具体的には、この発明は、変形可能な容器(例えば、プラスチックの絞り)の圧縮を通じた、点鼻スプレー、経口点眼薬、または点眼薬として投与される液体の移送に関する。
【背景技術】
【0005】
医療用の変形可能なプラスチック製容器は変形可能な壁を備えており、圧力が加えられると、所定用量の液体(溶液または懸濁液)が液滴またはスプレーの形で放出される。ただし、プラスチックの変形可能な容器への充填には特定の生産ラインが必要であり、臨床試験用の小バッチ生産の場合など、企業によっては独自のガラス製バイアルラインの使用を好む場合もある。
【0006】
さらに、場合によっては、通常はポリエチレンまたはポリプロピレンをベースとする変形可能な容器の材質が、必要な保存期間全体にわたって医療用液体と接触するのに適さない場合がある(つまり、いわゆる長期安定性をサポートするため)。
【0007】
針を使用せずに、ガラス製バイアルとシリンジとの間の液体の移送を簡素化するデバイス(例えば、国際公開第2012/004784号)、または2つのガラス製バイアルの間(例えば、国際公開第2017/203511号または国際公開第2011/104711号)はあるが、現在まで液体を移送できるそのようなデバイスは存在しない。同じ圧縮システムを使用して、液体を変形可能な複数用量用の容器に移す。この圧縮システムは、各段階で確実に滅菌性を維持することにより、投与用の液体のアリコートをその後で送達するために使用される。
【0008】
独国特許出願公開第102006009611号明細書には、治療目的で乾燥物質を媒体と混合することによって形成される流動性媒体を調製して利用可能にするためのシステムが記載されている。このシステムは、a)流体を受け取る第1の容器と、復元力に抗して変形して容器の体積を変化させることができる壁部分とを有する第1の容器と、b)乾燥物質を受け取る第2の容器と、c)第1の容器と第2の容器との間の流体連通を生成するための移送デバイスと、を含む。
【0009】
欧州特許出願公開第0702968号明細書は、当該容器のボディの一端に化学物質を取り出すための部分を有する化学物質用のアコーディオン容器を示している。ボディの他端には一方向バルブと屈曲式のフックとが設けられている。一方向バルブを介してボディへの医療用流体の注入、ボディからの医療用流体の抜き取りが可能である。
【発明の概要】
【0010】
発明の目的
この発明の目的は、以前の技術的解決策の1つ以上の欠点および/または制限を少なくとも部分的に解決することである。
【0011】
第1の目的は、液体溶液を、特に防腐剤を含まない医療溶液を、安全な方法で収容するための変形可能な容器を提供することである。
【0012】
目的は、溶液を受け取り、溶液特性を長期にわたって維持するために、特に溶液の寿命を延ばすために、溶液を安全に保つように構成された変形可能な容器を提供することである。
【0013】
さらなる目的は、溶液を受け取り、使用者の必要に応じて時々溶液を送達できるように構成された変形可能な容器、すなわち、適切な複数用量用の送達容器を提供することである。
【0014】
さらなる目的は、変形可能な容器から後続の送達のためにバイアルから変形可能な容器への溶液の移送を容易にする変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0015】
さらなる目的は、移送中の溶液の汚染を回避するために、バイアルから変形可能な容器に溶液を滅菌状態で移送することを可能にする変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0016】
さらなる目的は、バイアルから変形可能な容器への移送中の溶液の汚染のリスクをさらに低減できる変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0017】
さらなる目的は、バイアルから変形可能な容器への溶液の移送を迅速にかつ安全に行うことができる変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0018】
さらなる目的は、変形可能な容器内の溶液の寿命を最大限にするために、バイアルから変形可能な容器に溶液を滅菌状態で移すことを可能にする変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0019】
さらなる目標は、当業者が使用中に上記の目的を容易にかつ安全に達成できるように、変形可能な容器および接続アクセサリを提供することである。
【0020】
これらの目的およびその他の目的は、以下の説明からさらに明らかになるが、以下の1つまたは複数の請求項および/または態様に係る変形可能な容器および接続アクセサリによって実質的に達成される。
【0021】
要約
第1の態様は、医療物質を分配するための変形可能な容器(1)に関し、
変形可能な容器(1)は、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備え、前記ボディ(2)は、
ボディ(2)の内部容積(3)を充填するために流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
内部容積(3)から、或る量の流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
充填アクセス(8)に配置され、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を備え、
ボディ(2)は、内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備える。
【0022】
第2の態様は、医療物質を分配するための変形可能な容器(1)に関し、
変形可能な容器(1)は、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備え、前記ボディ(2)は、
ボディ(2)の内部容積(3)を充填するために流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
内部容積(3)から或る量の流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
充填アクセス(8)に配置されて、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を備える。
【0023】
第3の態様は、キット(50)に関し、
キット(50)は、
医療物質を分配するための変形可能な容器(1)であって、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備える変形可能な容器(1)であって、前記ボディ(2)は、
ボディ(2)の内部容積(3)を充填するために流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
内部容積(3)から或る量の流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
充填アクセス(8)に配置されて、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、バルブ(20)が前記充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を有し、
ボディ(2)は、内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備える変形可能な容器(1)と、
接続アクセサリ(51)であって、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)に流体接続するように構成された第1の結合部(52)と、
バイアル(101)の内部区画(102)に流体接続するように構成された第2の結合部(60)であって、特にバイアル(101)の内部区画(102)が流体物質(4)を収容する第2の結合部(60)と、
第1の結合部(52)を第2の結合部(60)と流体連通させ、またその逆を行う内部通路(70)とを有する接続アクセサリ(51)と、を備え、
キット(50)は、結合構成で構成可能であり、
接続アクセサリの第1の結合部(52)は、容器(1)の充填アクセス(8)に結合され、
容器(1)のバルブ(20)は、容器(1)の内部容積(3)が接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)と流体連通するように開放構成にあり、特に、容器(1)の内部容積(3)がバイアル(101)の区画(102)と流体連通している。
【0024】
第4の態様は、アセンブリ(100)に関し、アセンブリ(100)は、
前述の態様に係るキット(50)と、
物質を収容するための区画(102)を形成するバイアル(101)と、を備え、
アセンブリ(100)は、組立形態で構成可能であり、
変形可能な容器(1)と接続アクセサリ(51)とは結合構成にあり、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)は、バイアル(101)に接続され、
組立形態において、変形可能な容器(1)の内部容積(3)は、接続アクセサリ(51)を介してバイアル(101)の区画(102)と流体連通する。
【0025】
第5の態様は、以下を含むキット(50)を含むアセンブリ(100)に関し、
医療物質を分配するための変形可能な容器(1)であって、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するボディ(2)を備え、前記ボディ(2)は、
ボディ(2)の内部容積(3)を充填するために流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
内部容積(3)から或る量の流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
充填アクセス(8)に配置されて、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を有し、
ボディ(2)は、内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備える変形可能な容器(1)と、
接続アクセサリ(51)であって、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)に流体接続するように構成された第1の結合部(52)と、
バイアル(101)の内部区画(102)に流体接続するように構成された第2の結合部(60)であって、特にバイアル(101)の内部区画(102)が流体物質(4)を収容する第2の結合部(60)と、
第1の結合部(52)を第2の結合部(60)と流体連通させ、またその逆を行う内部通路(70)とを有する接続アクセサリ(51)と、を備え、
キット(50)は、結合構成で構成可能であり、
接続アクセサリの第1の結合部(52)は、容器(1)の充填アクセス(8)に結合され、
容器(1)のバルブ(20)は、容器(1)の内部容積(3)が接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)と流体連通するように開放構成にあり、特に、容器(1)の内部容積(3)がバイアル(101)の区画(102)と流体連通しており、
アセンブリ(100)は、物質を収容するための区画(102)を形成するバイアル(101)をさらに備え、アセンブリ(100)は、組立形態で構成可能であり、
変形可能な容器(1)と接続アクセサリ(51)とは結合構成にあり、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)はバイアル(101)に接続され、
組立形態において、変形可能な容器(1)の内部容積(3)は、接続アクセサリ(51)を介してバイアル(101)の区画(102)と流体連通している。
【0026】
第6の態様は、変形可能な容器(1)において流体物質(4)を移動させるための方法(200)に関し、該方法(200)は、
前述の態様のいずれか1つに係るアセンブリ(100)を提供するステップ(201)と、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップ(202)と、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)に接続して、組立形態を画定するステップ(203)と、
内部容積(3)を減少させるために、変形可能な容器(1)を絞るステップ、特に手動で絞るステップ(204)と、
変形可能な容器(1)のボディ(2)が弾性的に戻ることを可能にするために、変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップ(205)と、
任意選択で、流体物質(4)が変形可能な容器(1)の中に完全に移動するまで、絞りステップおよび絞りの解除ステップを順次繰り返すステップと、を備える。
【0027】
前述の態様のいずれか1つに係る第7の態様では、容器(1)の内部容積(3)は、流体物質(4)の有無に実質的に依存しない。
【0028】
前述の態様のいずれか1つに係る第8の態様では、内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁は弾性材料で作られ、特に材料はシリコーン、ゴム、プラスチックでの少なくとも1つである。好ましくは、材料はプラスチックであり、容器ボディはプラスチックのみから構成されてもよい。考えられる代替案は、シリコーン、ゴム、プラスチック、またはその他の変形可能で弾性のある材料からなる複数の材料を含む複数材料の容器である。
【0029】
前述の態様のいずれか1つに係る第9の態様では、少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、0.5mmから0.9mmの厚さを有する。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)で作られた変形可能な容器は、上記範囲内の厚さ、例えば0.7mmを有してもよい。
【0030】
前述の態様のいずれか1つに係る第10の態様では、少なくとも1つの弾性変形可能な壁におけるボディ(2)の変形によって、内部容積(3)の減少が決定される。
【0031】
前述の態様のいずれか1つに係る第11の態様では、少なくとも1つの弾性変形可能な壁においてボディ(2)を絞ることにより、内部容積(3)の減少が決定される。
【0032】
前述の態様のいずれか1つに係る第12の態様では、容器(1)のボディ(2)の少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、側壁(7)である。
【0033】
前述の態様のいずれか1つに係る第13の態様では、変形可能な容器(1)のボディ(2)は、絞られた後に元の形状に戻るように構成される。
【0034】
前述の態様のいずれか1つに係る第14の態様では、特に容器(1)が外部からの負荷がかかっていない場合、たとえば容器(1)が使用者によって絞られていない場合、変形可能な容器(1)のボディ(2)は、内部容積(3)の所定サイズを画定する休止時の元の形状を有する。
【0035】
前述の態様のいずれか1つに係る第15の態様では、ボディ(2)が使用者によって絞られる場合、特に、内部容積(3)の縮小サイズは、内部容積(3)の所定サイズよりも小さいと、変形可能な容器(1)のボディは、内部容積(3)の縮小サイズを画定する絞られた形状を有する。
【0036】
前述の態様のいずれか1つに係る第16の態様では、容器(1)の少なくとも1つの弾性変形可能な壁は、使用者がボディ(2)の絞りを解除した後、絞られた形状から元の形状に弾性的に戻るように構成される。
【0037】
前述の態様のいずれか1つに係る第17の態様では、バルブ(20)は、閉位置を休止状態に保つように構成された自己密閉バルブ(20)である。
【0038】
前述の態様のいずれか1つに係る第18の態様では、バルブ(20)は、接続アクセサリ(51)が変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)に結合する場合、閉位置から開状態に移動するように構成される。
【0039】
前述の態様のいずれか1つに係る第19の態様では、充填アクセス(8)と接続アクセサリ(51)との間の接続は、バルブ(20)の閉位置から開位置への切り替えを決定する。
【0040】
前述の態様のいずれか1つに係る第20の態様では、充填アクセス(8)と接続アクセサリ(51)との間の切り離しは、バルブ(20)の開位置から閉位置への切り替えを決定する。
【0041】
前述の態様のいずれか1つに係る第21の態様では、バルブ(20)は充填アクセス(8)の内部に配置される。
【0042】
前述の態様のいずれか1つに係る第22の態様では、充填アクセス(8)は、前記バルブ(20)を取り囲むカラー(9)を画定し、特に前記バルブ(20)を完全に取り囲むカラー(9)を画定する。
【0043】
前述の態様のいずれか1つに係る第23の態様では、バルブ(20)は、閉位置と開位置との間の通路を決定する弾性変形可能な部材(21)を備える。
【0044】
前述の態様のいずれか1つに係る第24の態様では、バルブ(20)、特に変形可能な部材(21)は、弾性変形可能な材料で作られ、特に前記弾性変形可能な部材(21)はシリコーンとゴムの少なくとも1つから作られる。
【0045】
上記態様1から態様23のいずれか1つに係る第24の2の態様では、バルブ(20)は、移動体と、外力が存在しないときに移動体に作用するバネと、を備え、バネは移動体に作用してバルブが閉位置にあることを保つ。特に、接続アクセサリが変形可能なボディに結合されると、突出部(54)が移動体に作用し、バネ力に打ち勝ち(変形可能なボディを動かす)、それによってバルブ(20)が開く。
【0046】
前述の態様のいずれか1つに係る第25の態様では、バルブ(20)は、スリット(22)を有する変形可能な部材(21)を備え、スリット(22)は、充填アクセス(8)の結合時に流体通路を開く。接続アクセサリ(51)と充填アクセス(8)とが切り離されたときに流体通路を閉じる。
【0047】
前述の態様のいずれか1つに係る第26の態様では、バルブ(20)の変形可能な部材(21)は、充填アクセス(8)が接続アクセサリ(51)に結合される場合に変形するように構成され、変形によりスリット(22)が開く。
【0048】
前述の態様のいずれか1つに係る第27の態様では、バルブ(20)は、充填アクセス(8)が接続アクセサリ(51)に結合される場合に、接続アクセサリ(51)によって押圧されるように構成される。
【0049】
前述の態様のいずれか1つに係る第28の態様では、充填アクセス(8)は、バルブ(20)を取り囲むカラー(9)を画定し、カラーは、アクセス(8)の内側に向かうアクセスを形成する剛性リムを有し、バルブ(20)はアクセスを閉じて、充填アクセス(8)が接続アクセサリ(51)に結合されている場合に、特にバルブ(20)は、接続アクセサリ(51)が少なくとも部分的に硬質リムを通じて変形可能な容器の内部容積(3)に向かって進入することによって押圧されるように構成される。
【0050】
前述の態様のいずれか1つに係る第29の態様では、容器(1)のボディ(2)は細長い形状を有する。
【0051】
前述の態様のいずれか1つに係る第30の態様では、ボディ(2)は円筒形状を有する。
【0052】
前述の態様のいずれかに係る第31の態様では、容器(1)のボディ(2)は、長手方向軸(X)に沿って長さが延在し、横軸(Y)に沿って幅が延在する。
【0053】
上記態様に係る第32の態様では、長さは前記幅より大きく、特に、長さは、前記幅の少なくとも1.5倍であり、特に、長さは、幅の少なくとも2倍であり、特に、長さは、幅の少なくとも3倍である。
【0054】
前述の態様のいずれか1つに係る第33の態様では、容器(1)のボディ(2)は、充填アクセス(8)を担持する第1の端部(5)と、分配出口(10)を担持する第2の端部(6)と、第1の端部(5)と前記第2の端部(6)との間に介在される側壁(7)と、を備える。
【0055】
上記態様に係る第34の態様では、充填アクセス(8)および分配出口(10)は、容器(1)のボディ(2)の側壁(7)に関して互いに対向している。
【0056】
前述の態様のいずれか1つに係る第35の態様では、充填アクセス(8)および分配出口(10)は、共通の軸に沿って互いに整列している。
【0057】
前述の態様のいずれか1つに係る第36の態様では、ボディ(2)は、ボディ(2)の長さに沿って延在し、任意選択で側壁(7)に平行な長手方向軸(X)を画定する。
【0058】
上記態様に係る第37の態様では、側壁(7)は、長手方向軸Xに沿って長さ方向に延在する。
【0059】
前述の2つの態様のいずれか1つに係る第38の態様では、分配出口(10)および充填アクセス(8)は、ボディ(2)の長手方向軸(X)に実質的に平行または一致する軸に沿って互いに整列している。
【0060】
前述の態様のいずれか1つに係る第39の態様では、容器(1)のボディ(2)は、30mmから60/80mmの長さ、および10mmから25mmの幅または直径を有する。
【0061】
前述の態様のいずれか1つに係る第40の態様では、容器(1)の内部容積(3)は、3ミリリットルから15ミリリットルであり、より具体的には4ミリリットルから12ミリリットルである。
【0062】
前述の態様のいずれか1つに係る第41の態様では、ボディ(2)は一体形である。
【0063】
前述の態様のいずれか1つに係る第42の態様では、容器(1)はプラスチック製の複数用量の絞り出し容器である。
【0064】
前述の態様のいずれか1つに係る第43の態様では、分配出口(10)は、それぞれの個別の使用者要求で複数の個別量の流体溶液を分配するように構成され、特に、個別量は個別の時間間隔で送達可能である。
【0065】
上記態様に係る第44の態様では、ボディ(2)の内部容積(3)は、分配出口(10)によって毎回分配される体積の各個別量よりも大きく、特に内部容積(3)は、5から500の個別量を分配できる。
【0066】
前述の態様のいずれか1つに係る第44の2の態様では、ボディ(2)の内部容積(3)は、移送される流体(例えば、バイアルから)の容積よりも大きく、特に内部容積(3)は、移送される流体の体積より少なくとも5倍大きく、特に内部容積(3)は移送される流体の体積より少なくとも10倍大きく、特に内部容積(3)は移送される流体の体積より少なくとも20倍大きく、特に内部容積(3)は、移送される流体の容積より少なくとも30倍大きい。
【0067】
前述の態様のいずれか1つに係る第45の態様では、分配出口(10)によって分配される流体物質(4)の体積の各個別量は、0.020ミリリットルから0.2ミリリットルである。
【0068】
前述の態様のいずれか1つに係る第46の態様では、分配出口(10)は点滴器である。
【0069】
前述の態様のいずれか1つに係る第47の態様では、容器(1)は、分配出口(10)に接続された、または接続されるように構成された分配アクセサリ(11)をさらに備え、分配アクセサリ(11)は、内部容積(3)に収容されている流体物質(4)を分配するように構成される。
【0070】
前述の態様のいずれか1つに係る第48の態様では、分配アクセサリ(11)は点滴器またはスプレーノズルである。
【0071】
前述の態様のいずれか1つに係る第49の態様では、分配アクセサリ(11)は、ハウジングと、ハウジングの内側に配置され、流体物質(4)の個別の液滴を分配するためのバルブ(20)として機能する内部膜(13)とを備える点滴器である。
【0072】
上記態様に係る第50の態様では、膜(13)は、
密封位置であって、膜(13)が、容器(1)の内部容積(3)と分配出口(10)との間の流体連通を阻止し、特に流体物質(4)が容器(1)の分配出口(10)を通じて流出することを阻止する密封位置と、
送達位置であって、膜(13)が容器(1)の内部容積(3)と分配出口(10)との間の流体連通を可能にし、特に個別量の流体物質(4)が容器(1)の分配出口(10)を通じて流出することを可能にする送達位置と、の間で移動可能である。
【0073】
第49の態様および第50の態様での分配アクセサリの主な目的は、(防腐剤が存在しない場合であっても)各薬剤用量の送達中および送達後に、変形可能な容器に含まれる液体の(外部からの)汚染を防止することである。
【0074】
前述の態様のいずれか1つに係る第51の態様では、分配アクセサリ(11)は、密封位置を維持するために膜(13)に対して付勢する弾性部材(14)をさらに備え、特に弾性部材(14)は、金属製のバネである。
【0075】
前述の態様のいずれか1つに係る第52の態様では、弾性部材(14)は、膜(13)が容器(1)の内部容積(3)内での所定の圧力に基づいて密封位置から送達位置に切り替わることを可能にするように構成される。
【0076】
前述の態様のいずれか1つに係る第53の態様では、容器(1)は、分配出口(10)に配置可能なキャップ(15)をさらに備え、キャップ(15)は、分配出口(10)がキャップ(15)で覆われた被覆位置と、分配出口(10)が覆われていない非被覆位置との間で移動可能であり、キャップ(15)は、被覆位置と非被覆位置との間で移動可能であり、その逆も同様である。
【0077】
前述の態様のいずれか1つに係る第54の態様では、充填アクセス(8)は、接続アクセサリ(51)に接続するためのネジ付き結合部(53)を備える。
【0078】
前述の態様のいずれか1つに係る第55の態様では、充填アクセス(8)は、カラー(9)を画定する内部容積(3)から突出しており、特にバルブ(20)は、前記カラー(9)内に配置されている。
【0079】
第56の態様では、カラー(9)は、接続アクセサリ(51)に接続するための取付要素(9a)を備え、取付要素(9a)は、ネジ、バヨネットカップリングおよびスナップオンカップリングの1つを含む。
【0080】
前述の態様のいずれか1つに係る第57の態様では、充填アクセス(8)のカラー(9)は、接続アクセサリ(51)に接続するための雄ネジ(9a)を備える。
【0081】
前述の態様のいずれか1つに係る第58の態様では、カラー(9)および容器(1)のボディ(2)は、一緒に組み立てられた2つの別個の部品である。
【0082】
前述の態様のいずれか1つに係る第59の態様では、充填アクセス(8)は、接続アクセサリ(51)に接続するためのルアーコネクタ、例えば雌型ルアーコネクタを備える。
【0083】
前述の態様のいずれか1つに係る第60の態様では、容器(1)は、分配出口(10)に配置された着脱可能なキャップ(15)をさらに備える。
【0084】
前述の態様のいずれか1つに係る第61の態様では、容器(1)の内部容積(3)は、前述の状態で、医療用流体、すなわち生理食塩水または滅菌水または溶媒またはシンナーを含み、医療用流体は、ガラス製バイアルに入った凍結乾燥剤、乾燥薬、粉末薬、または濃縮溶液を再構成するために使用される。
【0085】
任意選択で前述の態様のいずれか1つに係る第62の態様は、キット(50)に関し、キット(50)は、
医療物質を分配するための変形可能な容器(1)であって、変形可能な容器(1)は、流体物質(4)を受け取るように構成された内部容積(3)を形成するように構成されたボディ(2)を含み、ボディ(2)は、
ボディ(2)の内部容積(3)を充填するために流体物質(4)を受け取るように構成された充填アクセス(8)と、
内部容積(3)から或る量の流体物質(4)を分配するように構成された分配出口(10)と、
充填アクセス(8)に配置されて、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を可能にする開放構成と、バルブ(20)が充填アクセス(8)を通じた流体通過を阻止する閉鎖構成と、の間で移動可能であるバルブ(20)と、を有し、ボディ(2)は、内部容積(3)を形成する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備え、
接続アクセサリ(51)であって、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)に流体接続するように構成された第1の結合部(52)と、
バイアル(101)の内部区画(102)に流体接続するように構成されて、特にバイアル(101)の内部区画(102)が流体物質(4)を収容する第2の結合部(60)と、
第1の結合部(52)を第2の結合部(60)と流体連通させるかまたその逆を行う内部通路(70)と、を有する接続アクセサリ(51)と、を備え、
キット(50)は、結合構成で構成可能であり、
接続アクセサリの第1の結合部(52)は、容器(1)の充填アクセス(8)に結合され、
容器(1)のバルブ(20)は、容器(1)の内部容積(3)が接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)と流体連通するように開放構成にあり、特に、容器(1)の内部容積(3)がバイアル(101)の区画(102)と流体連通している。
【0086】
前述の態様のいずれか1つに係る第63の態様では、結合構成において、
接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)が容器(1)のバルブ(20)に当接し、
容器(1)のバルブ(20)は、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)によって変形し、それによって閉位置から開位置に移動する。
【0087】
前述の態様のいずれか1つに係る第64の態様では、結合構成において、接続アクセサリ(51)は、変形可能な容器(1)とバイアル(101)との間に流体的に挿入される。
【0088】
前述の態様のいずれか1つに係る第64の態様では、結合構成において、接続アクセサリ(51)は、長手方向軸Xに沿って変形可能な容器(1)とバイアル(101)との間に介在される。
【0089】
前述の態様のいずれか1つに係る第65の態様では、
容器(1)の充填アクセス(8)は、ネジ付き結合部(9a)を備え、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)は、容器(1)の充填アクセス(8)のネジ付き結合部(9a)に接続するためのそれぞれのネジ付き結合部(53)を備え、および/または、
容器(1)の充填アクセス(8)と接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)とは、それらの相互結合を可能にするスナップオン結合を備える。
【0090】
前述の態様のいずれか1つに係る第66の態様では、容器(1)の充填アクセス(8)は、ルアーコネクタを備え、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)は、容器(1)の充填アクセス(8)のルアーコネクタにそれぞれ接続するためのルアーコネクタを備える。
【0091】
前述の態様のいずれか1つに係る第67の態様では、容器(1)の充填アクセス(8)のルアーコネクタは雌型ルアーコネクタであり、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)のルアーコネクタは雄型ルアーコネクタである。
【0092】
前述の態様のいずれか1つに係る第68の態様では、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)の雄型ルアーコネクタは、充填アクセス(8)の剛性リムに入り、結合構成にあるとき、容器(1)の充填アクセス(8)のバルブ(20)に当接して、バルブ(20)を開位置に移動させる突出部(54)を備える。
【0093】
前述の態様のいずれか1つに係る第69の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)は、バイアル(101)に接続するための中空の針(61)を備え、接続アクセサリ(51)は、針(61)、内部通路(70)、および第1および第2の結合部(52、60)を通る流体通路を形成する。
【0094】
前述の態様のいずれか1つに係る第70の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)はカラー(62)を備え、カラー(62)はバイアル(101)のそれぞれの部分に結合して、接続アクセサリ(51)をバイアル(101)に機械的に拘束するように構成されている。
【0095】
上記態様に係る第70の2の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)のカラー(62)は針(61)の外側を取り囲み、特に針(61)は接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)のカラー(62)によって完全に取り囲まれている。
【0096】
前述の態様のいずれか1つに係る第71の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)のカラー(62)は、バイアル(101)に接続するためのスナップオン結合を形成する。
【0097】
前述の態様のいずれか1つに係る第72の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)のカラー(62)は、バイアル(101)に対して第2の結合部(60)を結合する間に外側に拡張するように構成された2つ以上の可撓性を有する壁またはフィンガ(63)を備え、特に、接続アクセサリ(51)は、3個から12個の、特に4個から8個の、可撓性を有する壁またはフィンガ(63)を備える。
【0098】
前述の態様のいずれか1つに係る第73の態様では、接続アクセサリ(51)は単一部品である。
【0099】
前述の態様のいずれか1つに係る第74の態様では、接続アクセサリ(51)はプラスチック製であり、あるいは、第1の結合部(52)、第2の結合部(60)および内部通路(70)はプラスチック製であり、針(61)は金属製すなわちステンレス鋼製である。通常、ポリカーボネート(PC)は、例えば射出成形によって接続アクセサリ(51)を製造するために使用される。
【0100】
前述の態様のいずれか1つに係る第75の態様では、接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)と第2の結合部(60)とは、共通の接続軸Zに沿って整列しており、特に、第1の結合部(52)、第2の結合部(60)および内部通路(70)は、同じ接続軸Zに沿って整列している。
【0101】
前述の態様のいずれか1つに係る第75の2の態様では、接続アクセサリ(51)はバルブを備えていない。
【0102】
前述の態様のいずれか1つに係る第75の3の態様では、接続アクセサリ(51)の内部通路(70)は、第1の結合部(52)を第2の結合部(60)と流体連通させるチャネルである。
【0103】
前述の態様のいずれか1つに係る第75の4の態様では、第1の結合部(52)は、常に第2の結合部(60)と流体連通している。
【0104】
任意選択で前述の態様のいずれか1つに係る第76の態様は、アセンブリ(100)に関し、アセンブリ(100)は、
前述の態様のいずれか1つに係るキット(50)と、
物質を含むための区画(102)を形成するバイアル(101)と、を備え、
前記アセンブリ(100)は、組立形態で構成可能であり、
変形可能な容器(1)と接続アクセサリ(51)とは結合構成にあり、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)は、バイアル(101)に接続され、
組立形態において、変形可能な容器(1)の内部容積(3)は、接続アクセサリ(51)を通じてバイアル(101)の区画(102)と流体連通している。
【0105】
前述の態様のいずれか1つに係る第77の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)は、接続アクセサリ(51)の内部通路(70)を流体接続するための中空の針(61)を備え、針(61)は、組立形態において、バイアル(101)の区画(102)の中に突出している。
【0106】
前述の態様のいずれか1つに係る第78の態様では、バイアル(101)は、接続アクセサリ(51)の針(61)が貫通可能なダイヤフラム(110)を備える。
【0107】
上記態様に係る第79の態様では、接続アクセサリ(51)の針(61)は、バイアル(101)のダイヤフラム(110)を通過する。
【0108】
前述の態様のいずれか1つに係る第80の態様では、バイアル(101)のダイヤフラム(110)は、弾性材料で作られており、特にゴムまたはシリコーンで作られている。
【0109】
前述の態様のいずれか1つに係る第81の態様では、バイアル(101)の区画(102)は、流体物質(4)、医療用流体および粉末物質における1つを含む。
【0110】
前述の態様のいずれか1つに係る第82の態様では、バイアル(101)は、液体または粉末の形態で眼に使用するための医療用滅菌製品を含む。
【0111】
前述の態様のいずれか1つに係る第83の態様では、バイアル(101)は、側壁(104)、底壁、および、底壁(105)の反対側の上縁(106)を備える。
【0112】
上記態様に係る第84の態様では、ダイヤフラム(110)は上縁(106)に配置される。
【0113】
前述の態様のいずれか1つに係る第85の態様では、バイアル(101)は、内部区画(102)を形成するハウジング(103)を備え、ハウジングはガラス製である。
【0114】
前述の態様のいずれか1つに係る第86の態様では、バイアル(101)の区画(102)は、変形可能な容器(1)の内部容積(3)と同等または実質的に等しいかそれよりも小さな容積を有する。
【0115】
前述の態様のいずれか1つに係る第87の態様では、バイアル(101)の区画(102)の容積は、3ミリリットルから15ミリリットルであり、特に4ミリリットルから12ミリリットルである。
【0116】
前述の態様のいずれか1つに係る第88の態様では、アセンブリ(100)は、組立形態において、容器(1)の内部容積(3)と、バイアル(101)の区画(102)と、接続アクセサリ(51)の内部通路(70)との組合せとして規定される密閉容積を形成する。
【0117】
前述の態様のいずれか1つに係る第89の態様では、密閉容積は流体密である。
【0118】
前述の態様のいずれか1つに係る第90の態様では、組立形態において、容器(1)の長手方向軸X、接続アクセサリ(51)の接続軸Z、およびバイアルのバイアル軸Vは、互いに整列している。
【0119】
任意選択で前述の態様のいずれか1つに係る第91の態様は、変形可能な容器(1)内で流体物質(4)を移動させるための方法(200)に関し、方法(200)は、
前述の態様のいずれか1つに係るアセンブリ(100)を提供するステップ(201)と、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップ(202)と、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)に接続して、組立形態を画定するステップ(203)と、
内部容積(3)を減少させるために、変形可能な容器(1)を絞るステップ(204)であり、特に手動で絞るステップと、
変形可能な容器(1)のボディ(2)が弾性的に戻ることを可能にするために、変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップ(205)と、
任意選択で、流体物質(4)が変形可能な容器(1)の中に完全に移動するまで、絞りステップおよび絞りの解除ステップを順次繰り返すステップと、を少なくとも備える。
【0120】
前述の態様のいずれか1つに係る第92の態様では、
変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップと、
組立形態を画定するために接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)に接続するステップと、によって、
バイアル(101)の区画(102)が接続アクセサリ(51)を通じて変形可能な容器(1)の内部容積(3)と流体連通するように決定される。
【0121】
前述の態様のいずれか1つに係る第93の態様では、変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップの前に、容器(1)の充填アクセス(8)でのバルブ(20)は、閉位置にある。
【0122】
前述の態様のいずれか1つに係る第94の態様では、変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップは、流体通過を可能にするために、容器(1)の充填アクセス(8)のバルブ(20)が開位置に移動することを決定する。
【0123】
前述の態様のいずれか1つに係る第95の態様では、変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップは、容器(1)の充填アクセス(8)のバルブ(20)の変形可能な部材(21)の変形を決定して、流体通過を可能にするために、変形によってバルブ(20)を開位置に移動させる。
【0124】
前述の態様のいずれか1つに係る第96の態様では、変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)を接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)に接続するステップは、変形可能な容器(1)の充填アクセス(8)上の接続アクセサリ(51)の第1の結合部(52)を回転させることによってネジ込むことを含む。
【0125】
前述の態様のいずれか1つに係る第97の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)に接続するステップは、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)の上縁(106)に押し付けるステップ、または、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)を回転させることによってバイアル(101)にネジ込むステップのいずれかを備える。
【0126】
前述の態様のいずれか1つに係る第98の態様では、接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)をバイアル(101)に接続するステップは、
接続アクセサリ(51)の第2の結合部(60)に配置された中空の針(61)がバイアル(101)のダイヤフラム(110)を貫通するステップを含み、当該ステップは、バイアル(101)の区画(102)を容器(1)の内部容積(3)と流体連通させるために、中空の針(61)をバイアル(101)の区画(102)に進入させることを決定する。
【0127】
前述の態様のいずれか1つに係る第99の態様では、容器(1)が最初は空である場合、容器(1)の内部容積(3)を減少させるために、変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、容器(1)の内部容積(3)からバイアル(101)の区画(102)へのガスまたは空気の通過を決定して、特にそれによってバイアル(101)における圧力が増加する。
【0128】
前述の態様のいずれか1つに係る第100の態様では、容器(1)が最初に医療用液体を、すなわち生理食塩水または滅菌水を、収容している場合、容器(1)の内部容積(3)を減少させるために、変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、容器(1)の内部容積(3)からバイアル(101)の区画(102)への医療用液体の通過を決定する。
【0129】
前述の態様のいずれか1つに係る第101の態様では、容器(1)が最初に医療用液体を含み、バイアル(101)が最初に粉末物質または別の濃縮液体を含む場合、変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、容器(1)の内部容積(3)からバイアル(101)の区画(102)への医療用液体の通過を決定し、それにより区画(102)において医療用液体と粉末物質または濃縮液体とを混合し、混合によって流体物質(4)が生成される。
【0130】
前述の態様のいずれか1つに係る第102の態様では、変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップは、変形可能な容器(1)のボディ(2)の弾性戻しをもたらし、弾性戻しは、容器(1)がバイアル(101)から変形可能な容器(1)の内部容積(3)に流体物質(4)を吸引する吸引ステップを引き起こす。
【0131】
前述の態様のいずれか1つに係る第103の態様では、内部容積(3)を減少させるために、変形可能な容器(1)を手動で絞るステップの間に、方法は、変形可能な容器(1)をバイアル(101)の上に配置するステップを備える。
【0132】
前述の態様のいずれか1つに係る第104の態様では、変形可能な容器(1)のボディ(2)の弾性戻しを可能にするために変形可能な容器(1)の絞りを解除するステップの間に、方法は、バイアル(101)を変形可能な容器(1)の上に配置するステップを備える。
【0133】
前述の態様のいずれか1つに係る第105の態様では、変形可能な容器(1)を手動で絞るステップは、内部容積(3)を減少させる。
【0134】
前述の態様のいずれか1つに係る第106の態様では、方法(200)は、変形可能な容器(1)の長手方向軸Xをバイアル(101)のバイアル軸Vに整列させるステップを含む。
【0135】
前述の態様のいずれか1つに係る第107の態様では、方法(200)は、変形可能な容器(1)の長手方向軸Xをバイアル(101)のバイアル軸Vおよび接続アクセサリ(51)の接続軸Zに整列させて、長手方向軸X、バイアル軸Vおよび接続軸Zが互いに一致するかまたは互いに平行であるステップを含む。
【0136】
液体移送用のバルブを備えたデバイスの実施形態
この実施形態は、投与のために液体をガラス製バイアルから別の容器に移すためのデバイスの分野に属する。より具体的には、この実施形態は、プラスチック製の絞り出し容器の圧縮を通じて点鼻スプレー、経口点滴、または点眼薬として投与される液体の移送に関する。この実施形態は、底部に双方向シールバルブを有し、上部に液体ディスペンサを有するプラスチック製の複数用量の絞り出し容器からなるデバイスからなる。バルブはルアーによって作動する。つまり、バルブがバイアルアダプタの上部に接続されているときにバルブが開いて開いたままになる。バイアルアダプタは、デバイスのバルブを開いてバイアルアダプタをデバイス自体にロックするために雄型ルアーが上部にあることに加えて、ガラス製バイアルのゴム栓を貫通して内容物にアクセスすることを目的とした針が基部に有する。或る容器から別の容器に、たとえばガラス製バイアルからプラスチック製の絞り出し容器に、液体を移すには、バイアルアダプタをデバイスのバルブとガラス製バイアルとの両方に接続する必要がある。このように組み立てられたシステムは、液体を移す準備ができており、ガラス製バイアルが上部に配置されるように使用者が方向を決める必要がある。プラスチック製容器の側壁を絞るか絞りを解除したりすることで、容器内の空気がガラス製バイアルに押し込まれ、その中に含まれている液体がバイアルアダプタの針と開いたバルブとを通じてプラスチック製の絞り出し容器に押し込まれる。液体の移送が完了すると、バイアルアダプタとガラス製バイアルで構成されるユニットをプラスチック製の絞り出し容器から取り外すことができる。プラスチック製の絞り出し容器は、デバイスのバルブによって密封されたままになる。絞り出し容器は、通常の絞り出し容器として使用でき、キャップを取り外すと分配チップを通じてスプレーまたは滴の形で用量の液体を放出できる。この発明の別の実施形態では、デバイスおよびバイアルアダプタを備えてなるユニットは、事前に組み立てられた状態で供給される。この実施形態では、デバイスのバルブは、最初から開いたままにするか(すでにバイアルアダプタに接続されている)、またはバイアルアダプタが押圧されてガラス製バイアルのゴム栓を貫通するときにのみ開くことができる。この実施形態は、バイアルアダプタの上部に可動部品があり、それがバイアルストッパーを貫通し、同時にデバイスのバルブを開き、システムを液体の流れと連通させることを必要とする。この実施形態は、ガラス製バイアルに含まれる粉末の再構成(または濃縮液体の希釈)を容易にすることにも適している。この場合、デバイスのプラスチック製の絞り出し容器には希釈剤があらかじめ充填されており、ガラス製バイアルに接続されたら、容器を絞って、希釈剤を底部にあるガラス製バイアルに強制的に流し込む。希釈剤がガラス製バイアルに入っている粉末を溶解した(または液体を希釈した)場合、システムを上下逆にして、ガラス製バイアルが上部になるようにする。この時点で、最初の部分で説明した手順を繰り返して、ガラス製バイアルからデバイスのプラスチック製の絞り出し容器に液体を移す。この実施形態により、針付き注射器の助けを借りずに、外部環境から完全に隔離されて、或る容器から別の容器に液体を移すことができ、それによって液体自体の微生物学的品質が保たれる方法に注目することが重要である。汚染のリスクをさらに低減するために、デバイスのディスペンサは、防腐剤を含まない滅菌液体(例えば、国際公開第2014/048668号にあるような点眼薬)を複数用量投与するように設計された市販のディスペンサの1つであり、バイアルアダプタはデバイスバルブに接続されてもよい。これらの1つは、滅菌フィルタを装備しており、市販されている。実施形態の一例を以下に説明する。(A)3つの要素が組合せ容易であり、すなわち、デバイスは、ディスペンサおよび双方向ルアー作動バルブを備えたプラスチック製の絞り出し容器から構成され、バイアルアダプタおよびガラス製バイアルは、移送される液体を含む。容器は、市販のほとんどのスプレーまたは滴下用ディスペンサと同様に、絞ることを可能にする側壁を備えたプラスチック製である。休止状態のルアー作動バルブの可動要素は、容器を外部環境から完全に隔離した状態に保つ。バイアルアダプタは、その上部において、デバイスのバルブを開く雄型ルアーコネクタと、バルブにロックするルアーロックとの両方を有し、その基部においてバイアルのゴム栓を突き刺す針を有する。(B)同じ3つの要素が相互に接続されている。この構成では、デバイスの開いたバルブにおいて、変形した可動要素と、ガラス製バイアルのゴム栓を突き刺したアダプタの針と、を見ることができる。プラスチック製の絞り出し容器の壁を押圧したり押圧を解除したりすることで、容器内の空気がガラス製バイアルに押し込まれ、液体が重力によってアダプタの針と開いたバルブを通じてプラスチック製容器の中に強制的に落下する。(C)ユニットは、デバイスから分離されたガラス製バイアルに接続されたバイアルアダプタで構成される。どちらが、最初にガラス製バイアルに含まれていた液体を含む。バルブは休止位置にあり、プラスチック製の容器を密閉状態に保つ。このデバイスは、ディスペンサからキャップを取り外して液体をスプレーまたは滴の形で放出することで、一般的な複数用量の絞り出し容器として通常使用できる。(C’)例えば、得られた液体を容器に戻す前に、その内容物を再構成または希釈するために、このデバイスがどのようにしてプラスチック製容器からガラス製バイアルに希釈剤を移すことを可能にするのか。この操作は常に容器の壁を押圧したり押圧を解除したりすることによって行われる。この場合、壁はバイアルよりも高い位置にあり、希釈剤は重力によってバイアル自体の中に強制的に落下する。最後にシステムをひっくり返すと(B)の構成に戻る。(D)この発明の変形例では、スペーサを備えたデバイスとバイアルアダプタとが単一のブロックに事前に組み立てられている。スペーサ要素は、バルブを開くことなく、変更されたルアーのロッキングタブを介してバイアルアダプタに接続されたデバイスを保持する。したがってバルブは休止位置にある。(E) (D)に記載の別の実施形態では、既にバイアルアダプタに接続されているユニットが、ガラス製バイアルに接続されている。要素を接続するために加えられる圧力により、バルブも開き、前述したように液体の通過が可能になる。タブは新しい構成においてシステムをロックし、バルブを開いたままにする。(F) (C)と同様に、ガラス製バイアルと要素との両方に接続された改造アダプタを備えてなるユニットは、液体が入ったデバイスから分離されており、通常どおり使用できる。最初の組合せでは、液体の調製および投与のためのデバイスが提供され、これは、ディスペンサを一端に備え、バイアルアダプタに接続された場合にのみ開く双方向ルアー作動式シールバルブを他端に備えた複数用量の絞り出し容器を備えてなる。絞り出し容器の弾性壁を押圧したり押圧を解除したりすることで、次の3つの異なる操作、すなわち、内容物を再構成または希釈することを意図している場合に、アダプタに接続されたガラス製バイアルに容器から液体を押し込むこと、アダプタに接続されたバイアルから液体を吸引すること、アダプタがバルブから取り外されたら、ディスペンサを通じて複数用量用の液体を放出することを実行できる。
【0137】
前述の組合せに係る第2の組合せでは、バルブの固定部分は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはその他のプラスチック材料で構成される。バルブの可動部分は、弾性変形可能なポリマー、たとえばシリコーンゴムの単一要素で構成されるかまたは、ゴムまたはシリコーン要素と、金属またはプラスチックバネとの組合せによって構成される。
【0138】
前述の組合せのいずれか1つに係る第3の組合せでは、絞り出し容器は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルもしくは他の可撓性プラスチック材料、または弾性プラスチック材料の組合せから構成される。
【0139】
前述の組合せのいずれか1つに係る第4の組合せでは、絞り出し容器は、チューブであり、それにバルブがヒートシールまたは接着される。
【0140】
前述の組合せのいずれか1つに係る第5の組合せでは、ディスペンサは、薬剤または他の液体をスプレーまたは滴の形態で放出する。
【0141】
前述の組合せのいずれか1つに係る第6の組合せでは、ディスペンサは、防腐剤を含まない滅菌液体を複数用量分配できるタイプのものであり、例えば、外部からの汚染空気の侵入を防ぐフィルタ、分配するたびに自己シールする膜、および/または、分配される液体と接触して滅菌する要素を備える。
【0142】
前述の組合せのいずれか1つに係る第7の組合せでは、第1の組合せに記載のバイアルアダプタは、ガラス製バイアルのゴム栓を貫通することを目的とした中空の尖った要素と、反対側において、デバイスのバルブと互換性がある雄型ルアーコネクタおよびルアーロックとを有する。
【0143】
前述の組合せのいずれか1つに係る第8の組合せでは、第7の組合せに記載のバイアルアダプタは、容器内への汚染された液体または空気の侵入を防止する滅菌フィルタを含む。
【0144】
前述の組合せのいずれか1つに係る第9の組合せでは、デバイスはバイアルアダプタに事前に組み立てられており、使用者はそのように構築されたユニット全体を単一の操作でガラス製バイアルに接続できる。
【0145】
前述の組合せのいずれか1つに係る第10の組合せでは、プラスチック製のスペーサは、バイアルアダプタを備えたデバイスの事前組み立て時にデバイスのバルブが開くことを阻止して、アダプタをガラス製バイアルに接続する時までバルブは閉鎖したままである。
【0146】
この発明のいくつかの実施形態およびいくつかの態様は、例示のみを目的として提供される添付図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0147】
図1】非組立状態での変形可能な容器、接続アクセサリおよびバイアルの長手方向軸に沿った断面図である。
図2】組立形態での変形可能な容器、接続アクセサリおよびバイアルの長手方向軸に沿った断面図である。
図3】変形可能な容器、接続アクセサリ、およびバイアルの長手方向軸に沿った断面図であり、組立形態に関して経時的に示されており、容器は、バイアルから液体が移送された後、接続アクセサリおよび空のバイアルから分離されている。
図4】非組立状態での変形可能な容器、接続アクセサリおよびバイアルのさらなる実施形態の長手方向軸に沿った断面図である。
図5図4のさらなる実施形態の長手方向軸に沿った断面図であり、変形可能な容器、接続アクセサリおよびバイアルが組立形態にある。
図6図4のさらなる実施形態の長手方向軸に沿った断面図であり、組立形態に関する後続の断面図であり、容器は、液体がバイアルから移送された後、接続アクセサリおよび空のバイアルから分離される。
図7】非組立状態での変形可能な容器、接続アクセサリおよびバイアルのさらなる実施形態の断面図である。
図8】結合された構成での変形可能な容器と接続アクセサリとを含むパッケージを示す図である。
図9】変形可能な容器を含むパッケージ、および接続アクセサリを含むさらなるパッケージを示す図である。
図10】容器が最初は空である実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示す。
図11】容器が最初は液体を収容する実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示す。
図12】変形可能な容器における流体物質を得るための方法の主なステップを含むフローチャートである。
図13a】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
図13b】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
図13c】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
図13d】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
図13e】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
図13f】別の実施形態に係る、変形可能な容器における流体物質を得るための主なステップを示し、変形可能な容器は、再構成または希釈用の液体を含み、バイアルは、それぞれ粉末または液体濃縮物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0148】
定義
この詳細な説明では、さまざまな図に示された対応する部分は、同じ参照符号で示されている。図面は、縮尺を変えずにこの発明を図示してもよい。したがって、この発明の目的に関連する図に示される部分および構成要素は、もっぱら模式図に関連してもよい。
【0149】
詳細な説明
以下の開示は、変形可能な容器1と、変形可能な容器1および接続アクセサリ51を含むキット50と、に関する。以下の説明では、変形可能な容器1、接続アクセサリ51およびバイアル101を備えるアセンブリ100も開示する。さらに、この説明は、接続アクセサリ51を通じて、変形可能な容器1をバイアル101に流体接続するための方法200をさらに開示する。変形可能な容器1、キット50およびアセンブリ100は、薬剤投与のための医療分野に属する。特に、変形可能な容器1、キット50、およびアセンブリ100は、家庭用に薬局で販売されてもよい。注目すべきことに、変形可能な容器1、キット50およびアセンブリ100は、患者自身が使用してもよい。この発明は必ずしも医療分野の当業者によって使用される必要はない。変形可能な容器1、キット50およびアセンブリ100は、使用者の必要に応じて液体の形態での医療物質4を分配することに関してもよい。
【0150】
一実施形態によれば、物質は眼科用の製品であってもよく、変形可能な容器1は、溶液を収容し、使用者の必要に応じて時間間隔をおいて個別の量で分配する(すなわち、複数用量で投与する)ように構成されてもよい。特に、変形可能な容器1の中に収容された眼科用製品は、液滴の形態で分配されてもよい。流体物質4は、中等度(持続性上皮欠損)の治療または重度(角膜潰瘍)の神経栄養性角膜炎の治療として使用してもよい。流体物質は、チェネゲルミン溶液を含んでもよく、またはそれからなってもよい。セネゲルミン溶液は、神経栄養性角膜炎の治療に使用される滅菌の防腐剤を含まない薬である。神経栄養性角膜炎は、目の表面に栄養を供給する三叉神経の損傷により感覚喪失や自然治癒しない病変が生じる目の病気である。
【0151】
さらなる実施形態によれば、変形可能な容器1は、医療物質をスプレーとして分配するように構成されてもよい。
【0152】
変形可能な容器1、キット50およびアセンブリ100の構造に関する詳細については、後で説明する。
【0153】
変形可能な容器1
参照番号1は、図1図11に示すような変形可能な容器を指す。
【0154】
変形可能な容器1は、流体物質4を受け取るように構成された内部容積3を形成するボディ2を備える。ボディ2は、第1の端部5、第2の端部6、および第1の端部5と第2の端部6との間に長手方向に介在される側壁7を備えてもよい。第1の端部5および第2の端部6は、側壁7に対して互いに対向してもよい。ボディ2の側壁7は、側壁7と実質的に平行な長手方向軸Xに沿って長さ方向に延在する。長手方向軸Xは、第1の端部5および第2の端部6に対して直交していてもよい。ボディ2は、長手方向軸Xに直交する横軸Yに沿って幅方向に延在する。特に、側壁7は、ボディ2の最大幅を画定できる。第1の端部5および第2の端部6は、実質的に横軸Yに沿って延在してもよい。
【0155】
ボディ2は、実質的に円筒形の形状を有してもよく、特にこの実施形態では、第1の端部5および第2の端部6は円形状を有してもよく、側壁7は円筒形状を有し、変形可能な容器1のボディ2の直径を画定する。代替の実施形態によれば、ボディは、楕円形状または多角形状を有してもよく、特に、長手方向軸に直交する平面に沿った断面は、楕円形または多角形、すなわち正方形、長方形、三角形、または六角形の形状を有する側壁7を画定してもよい。
【0156】
ボディ2は、長円形状を有してもよく、長手方向軸に沿った長さは、横軸に沿ったそれぞれの幅よりも長い。特に、長さは、幅の少なくとも1.5倍であってもよく、特に、長さは、前記幅の少なくとも2倍であってもよく、任意選択で、長さは、幅の少なくとも3倍または5倍であってもよい。一実施形態では、ボディ2の長さは、ボディの幅の1.5~5倍、特に2~4倍であってもよい。
【0157】
容器のボディ2は、長さが20mmから90mmで、特に30mmから60mmで延在してもよい。容器のボディ2は、幅または直径が5mmから30mmで、特に10mmから25mmで延在してもよい。少なくとも1つの弾性変形可能な壁、すなわちボディ2の側壁7は、0.5mmから0.9mmの厚さを有してもよい。
【0158】
ボディ2の内部容積3は、概して3ミリリットルよりも大きい。それは、特に絞られていない休止状態で、3ミリリットルから15ミリリットルであってもよく、より具体的には4ミリリットルから12ミリリットルであってもよい。
【0159】
注目すべきことに、ボディ2は、内部容積3の境界を画定する少なくとも1つの弾性変形可能な壁を備える。特に、変形可能な壁は、ボディ2の側壁7を構成してもよい。さらに、変形可能な壁は、側壁7に加えて、または側壁7の代わりとして、ボディの第1の端部5および/または第2の端部6を含んでもよい。ボディは、一体形のプラスチックまたはシリコーン材料、あるいはそれらの組合せで作られてもよい。特に、少なくとも側壁7および第2の端部6は、単一部品として作製されてもよい。より具体的には、ボディは、単一の部品として、特にシームレスに作製されてもよい。これに関して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、または他の可撓性材料、またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、異なるプラスチック材料を使用してもよい。好ましい実施形態では、ポリエチレン、すなわちLDPEが使用される。ボディ2は、射出成形やブロー成形によって作製してもよい。
【0160】
ボディ2の少なくとも1つの変形可能な壁を指す「弾性的に変形可能な」という表現は、変形可能な壁が使用者によって繰り返し絞られて、その後、その元の形状、例えば元の円筒形状に実質的に戻ることを表している。言い換えれば、変形可能な容器のボディ2は、絞られた後に元の形状に戻るように構成されており、元の形状は円筒形であってもよい。実際、変形可能な容器のボディ2は、特に容器に外部負荷がないとき、例えば容器が使用者によって絞られていないとき、休止時の元の形状を有し、これにより内部容積の所定のサイズが規定される。
【0161】
注目すべきことに、容器1の内部容積3は、流体物質の有無に実質的に依存しない。実際、容器内に流体が存在しても容器自体の膨張は起こらないし、流体が存在しなくても容器の崩壊は起こらない。変形可能な容器のボディ2は、使用者によってボディが絞られると、内部容積の縮小サイズを画定する絞られた形状を取ってもよい。注目すべきことに、内部容積の縮小されたサイズは、内部容積の事前に画定されたサイズよりも小さくなる。実際には、変形可能な容器1が使用者によって絞られると、元の形状が変化し、内部容積が縮小する。
【0162】
ボディ2を作るための上述の材料、すなわちプラスチック、シリコーン、または同様の機械的および弾性的な特性を有する他の材料によって、ボディがこの弾性および変形可能な挙動を提供できるようになる。
【0163】
ボディ2は、ボディ2の内部容積3を充填するための流体物質4を受け取るように構成された充填アクセス8を含む。充填アクセス8は、内部容積3との流体連通を可能にするためにボディ2において開口を画定する。その結果、流体物質は、充填アクセス8を通じて内部容積3から出てもよい、および/または、流体物質は、使用者の必要に応じて後続の分配のために、充填アクセス8を通じて内部容積に入ってもよい。変形可能な容器の充填手順についてのさらなる詳細は、次のセクションで後述する。充填アクセス8は、3.5mmから5mmの最小サイズ、すなわち直径を有してもよい。
【0164】
添付した図面に示されるように、充填アクセス8は、ボディ2の第1の端部5によって担持されてもよい。充填アクセス8は、特に第1の端部5から始まり、カラー9を画定する内部容積3から離れて突出してもよい。カラーは、第1の端部5から2mmから5mmの高さで延在してもよい。カラーは円筒形であってもよい。カラーによって内部に形成される管腔は、3.5mmから5mmのサイズを有してもよい。
【0165】
カラー9は、接続アクセサリ51に接続するための取付要素9aをさらに備えてもよい。取付要素は、ネジ、バヨネットカップリングおよびスナップオンカップリングにおける1つを備えてもよい。図に示される実施形態は、接続アクセサリ51に接続するための雄ネジを有する充填アクセス8のカラー9を備える。注目すべきことに、カラー9および容器1のボディ2は、一緒に組み立てられた2つの別個の部品であってもよい。あるいは、カラー9および容器1のボディ2は、単一部品として、特に継ぎ目なく作製されてもよい。充填アクセス8は、接続アクセサリ51に接続するためのルアーコネクタを備えてもよい。特に、充填アクセス8のルアーコネクタは、添付した図面の実施形態に示されるような雌型ルアーコネクタであってもよい。
【0166】
変形可能な容器1は、充填アクセス8に配置され、充填アクセス8を通じた流体通過を可能にする開放構成と、充填アクセス8を通じた流体通過をバルブ20が阻止する閉鎖構成との間で移動可能なバルブ20をさらに備える。特に、バルブ20は、開位置に配置されると、流体が充填アクセス8を通じて容器1から流出すること、および、流体が充填アクセス8を通じて容器1の内部容積3に流入することの両方を可能にする。換言すれば、バルブ20は、開位置に配置されると、流体の流入方向および流出方向の両方を可能にする。逆に、バルブが閉位置に配置されると、流体の流入方向および流出方向の両方が阻止される。注目すべきことに、閉位置と開位置との間の通路、またはその逆は、ボディ2の内部容積3内の圧力に依存せず、バルブ20は、内圧を加えることによって開くことができない。添付した図面に示されるように、バルブ20は、カラー9がバルブ20の外側を取り囲むように、特に全体的に取り囲むように、充填アクセスのカラー9の内側に配置されてもよい。したがって、バルブ20の外側は、バルブの側方保護を画定するカラー9によって完全に取り囲まれてもよい。
【0167】
バルブ20は、休止状態において閉位置を維持するように構成された自己密閉バルブであってもよい。したがって、バルブは、「非接触の」ときは閉位置にあり、充填アクセス8を通じた流体通過を阻止し、実際に、容器を密封する。バルブ20は、接続アクセサリ51が変形可能な容器の充填アクセス8に結合されると、閉位置から開状態に移動するように構成される。特に、充填アクセス8と接続アクセサリ51との間の接続は、バルブの閉位置から開位置への切り替えを決定する。逆に、充填アクセス8と接続アクセサリ51との間の切り離しは、バルブ20の開位置から閉位置への切り替えを決定する。
【0168】
バルブは、閉位置と開位置との間の通路を決定する弾性変形可能な部材21を収容する外側ボディを備えてもよい。特に、容器1の充填アクセス8への接続アクセサリ51の接続によって引き起こされる変形可能な部材21の変形は、閉位置と開位置との間の通路を、またはその逆を決定する。変形可能な部材21は、例えばシリコーンやゴムなどの弾性変形可能な材料から作られてもよい。外側ボディは、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックで作られてもよい。変形可能な部材および外側ボディの両方は、それぞれ射出成形によって製造されてもよい。バルブ20の変形可能な部材21は、スリット22を備えてもよい。スリット22は、充填アクセス8を接続アクセサリ51に結合すると流体通路を開き、充填アクセス8が切り離されると流体通路を閉じるように構成される。特に、バルブ20の変形可能な部材21は、充填アクセス8が接続アクセサリ51に結合されるときに変形するように構成され、この変形によりスリット22が開く。バルブ20の開位置の作動を可能にする接続アクセサリ51の構造についてのさらなる詳細は、キット50に関連する次のセクションにおいて提供される。
【0169】
容器のボディ2は、内部容積3から或る量の流体物質4を分配するように構成された分配出口10をさらに備える。分配出口10は、ボディ2の第2の端部6に配置されてもよい。特に、ボディ2の第2の端部6は、側壁7が第1の端部5および第2の端部6の間で長手方向に介在されるように、分配出口10を担持してもよい。任意選択で、充填アクセス8および分配出口10は、容器1のボディ2の側壁7に関して互いに対向してもよく、特に、充填アクセス8および分配出口10は、ボディ2の長手方向軸Xに平行である共通の軸に沿って整列されるか、またはボディ2の長手方向軸Xに沿って整列されてもよい。
【0170】
説明の冒頭で既に述べたように、容器1は、流体物質を様々な方法で、例えば滴またはスプレーとして分配するように構成してもよい。分配モードすなわち滴下またはスプレーとは無関係に、分配出口10は、それぞれの個別の使用者要求に応じて、複数の個別量の流体溶液4を分配するように構成されており、個別量は、個別の時間間隔で送達可能であってもよい。「個別の」という用語は、流体物質の2つの後続の送達の間に時間間隔が挟まれることを示し、時間間隔は、分配出口10が物質滴を分配する頻度、または治療の頻度を規定してもよい。より一般的な用語では、「個別の」という用語は、分配出口10が物質の「複数の」送達を分配するように構成されていることを示す。特に、分配出口10は、容器1の内部容積3に含まれる全物質を一度に分配することを阻止する。分配出口10は、分配をいくつかのイベントすなわち複数のイベントに分割するように構成される。
【0171】
実際、この発明の容器1は、例えば1日から28日の間、一般に少なくとも1週間または2週間の貯蔵期間にわたって流体物質を収容するように構成されており、その間に分配出口10は、使用者の必要に応じて、例えば保管期間中1日に1回または2回または3回以上、個別の量の流体物質を分配する。
【0172】
例えば、容器内の医療用流体は、0.5ミリリットルから10ミリリットルであってもよく、通常、変形可能な容器に移送される医療用流体は、2ミリリットルから6ミリリットルである。
【0173】
ボディ2の内部容積3は、その中に移送される医療用流体の総量よりも大きく、かつ、分配出口10によって毎回分配されるそれぞれの個別の体積量よりも大きい。内部容積(3)は、移送される流体の体積よりも少なくとも5倍、10倍または20倍大きい。特に内部容積(3)は移送される流体の体積よりも少なくとも30倍大きい。さらに、内部容積(3)により、5~500の個別の体積量を分配できる。分配出口10によって分配される流体物質の体積のそれぞれの個別の体積量は、0.020ミリリットルから0.2ミリリットルである。
【0174】
容器は、分配出口10に接続された、または接続されるように構成された分配アクセサリ11を備えてもよい。分配アクセサリ11は、ボディ2とは別個の構成要素であってもよく、ボディ2の製造中に組み立てられてもよい。分配アクセサリ11は、点滴器またはスプレーノズルであってもよい。分配アクセサリ11は、ネジ結合またはスナップオン結合を通じて容器1のボディ10に接続されてもよい。図示された実施形態によれば、分配アクセサリ11は、ハウジング12と、ハウジング12の内側に配置された内部膜13とを備える点滴器である。膜13は、流体物質4の個別の滴を分配するためのバルブとして機能する。膜13は、密封位置と送達位置との間で移動可能である。密封位置では、膜13は、容器1の内部容積3と分配出口10との間の流体連通を阻止し、特に流体物質が容器の分配出口10を通じて流出することを阻止する。送達位置では、膜13は、容器1の内部容積3と分配出口10との間の流体連通を可能にして、個別の量の流体物質が容器の分配出口10を通じて流出することができる。
【0175】
ハウジング12は、分配アクセサリ11の外部構造を画定し、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどのプラスチック材料で(例えば、射出成形によって)作られる。ハウジング12は、容器のボディと同じ形状を有してもよく、例えば、ハウジング12は円筒形状を有してもよい。
【0176】
膜13は、例えばシリコーンまたはゴムなどの弾性材料で作られてもよい。膜13は、容器1のボディ2の長手方向軸Xと平行または一致してもよいディスペンサ軸に沿って密封位置と送達位置との間で移動可能であってもよい。分配アクセサリ11は、密封位置を維持するために膜13に対して付勢する弾性部材14をさらに備えてもよく、弾性部材14は金属バネであってもよい。弾性部材14は、容器1の内部容積内での所定の圧力で膜が密封位置から送達位置に切り替わることを可能にするように構成される。容器1内部での圧力は、ボディ2を絞ることによって増加してもよく、例えば、使用者が指を使ってボディ2の側壁7を絞ってもよい。その結果、内圧は、密封位置から配送位置への切り替えを決定する閾値を超えて増加する。あるいは、弾性部材14は膜13の一部であってもよく、したがって、弾性部材14および膜13は一体的に作製されてもよい。この場合、膜の弾性材料は、密封位置を維持するために弾性部材14として機能してもよい。
【0177】
さらなる実施形態によれば、分配出口10は、ボディと一体に作られた点滴器である(実施形態は添付した図には示されていない)。
【0178】
容器は、分配出口10に配置可能であり、被覆位置と非被覆位置との間、およびその逆に移動可能なキャップ15をさらに備えてもよい。被覆位置では、キャップ15は分配出口10を覆い、分配出口10を保護し、分配出口10を滅菌状態に保つ。特に、キャップ15は、被覆位置に配置されると、流体密な方法で分配出口10または分配アクセサリ11に接続されてもよい。キャップ15が非被覆位置にあるとき、流体物質の送達を可能にするために、分配出口10は覆われていない。
【0179】
注目すべきことに、容器1の内部容積3には、最初はいかなる物質も入っていなくてもよく、すなわち、販売時に容器1は空であってもよい。あるいは、容器1の内部容積3は、最初から医療用液体、すなわち生理食塩水または滅菌水で満たされていてもよい。容器1に収容される医療用液体の量は、内部容積の最大サイズより少なくてもよい。例えば、容器は、内部容積3の最大サイズの1/10、1/3、1/2、または2/3で充填されてもよい。
【0180】
キット50
本開示はさらに、キット50を対象とする。キットは、説明の前のセクションで説明され、態様および添付の特許請求の範囲に係る変形可能な容器1を含む。キット50は、容器1の充填アクセス8に接続されるかまたは接続されるように構成される、図1図11に示される接続アクセサリ51をさらに備える。接続アクセサリ51は、変形可能な容器1の充填アクセス8に流体接続するように構成された第1の結合部52を備える。接続のために、接続アクセサリ51の第1の結合部52は、容器の充填アクセス8のネジ結合部(取付要素9a)に接続するためのネジ結合部を備えてもよい。あるいは、容器1の充填アクセス8および接続アクセサリ51の第1の結合部52は、それらの相互結合を可能にするスナップオン結合を備える。
【0181】
図1図11に示される実施形態によれば、接続アクセサリ51の第1の結合部52は、容器1の充填アクセス8のルアーコネクタに接続するためのルアーコネクタを備える。特に、接続アクセサリ51の第1の結合部52のルアーコネクタは雄型ルアーコネクタであってもよく、一方、容器1の充填アクセス8のルアーコネクタは雌型ルアーコネクタであってもよい。接続アクセサリ51の第1の結合部52の雄型ルアーコネクタは、結合構成にあるときに、容器1の充填アクセス8のバルブ20に当接し、バルブ20を開位置に移動させる突出部54を備える。結合構成は、接続アクセサリ51の第1の結合部52が容器1の充填アクセス8に結合されるときに規定される。特に、突出部54は、結合構成にあるとき、容器1の充填アクセス8のバルブ20の変形可能な部材21に当接する。突出部54は、結合構成にあるとき、バルブ20の変形可能な部材21のスリット22に貫通(またはいずれの場合も変形)してもよく、それによってスリットを開き、それによって開いた流体通路を形成する。
【0182】
接続アクセサリ51の第1の結合部52が容器1の充填アクセス8に結合されるとき、接続アクセサリの突出部54は、容器1の充填アクセス8のカラー9の内側に配置されてもよい。特に、容器1のカラー9は、接続アクセサリ51の第1の結合部52が容器1の充填アクセス8に結合されるとき、接続アクセサリの突出部54を完全に取り囲んでもよい。任意選択で、バルブ20の変形可能な部材21は、接続アクセサリ51の第1の結合部52が容器1の充填アクセス8に結合されるときに、特にカラー9と突出部54との間に挟まれて絞られてもよい。注目すべきことに、キット50が結合構成にあるとき、容器1のバルブは開放構成にある。したがって、容器1の内部容積と接続アクセサリの第1の結合部52との間の流体連通は、キット50が結合構成にあるときのみ許容される。
【0183】
接続アクセサリ51は、バイアル101の内部区画102に流体接続するように構成された第2の結合部60をさらに備え、これについては、アセンブリ100に関する次のセクションにおいてより詳細に説明される。第2の結合部60は、接続アクセサリ51の内部通路70を通じて第1の結合部52と流体連通している。内部通路70は、第1の結合部52と第2の結合部60との間に介在される。特に、第1の結合部52および第2の結合部60は、共通の接続軸Zに沿って整列されてもよい。任意選択で、第1の結合部52、第2の結合部60および内部通路70は、同じ接続軸Zに沿って整列されてもよい。接続軸Zは直線である。
【0184】
したがって、接続アクセサリ51の第1の結合部52、第2の結合部60および内部通路70は、バイアル101の内部容積と容器1の内部容積との間の流体連通を可能にするために流体通路を組合せて画定する。
【0185】
一実施形態では、内部通路を通過するあらゆる液体を濾過するために、内部通路に沿って滅菌フィルタを配置してもよい。滅菌フィルタにより、移送中の汚染のリスクがさらに軽減される。
【0186】
第1の結合部52は、第1の結合部52の突出部54の外側を少なくとも部分的に取り囲むカラー55をさらに備えてもよい。第1の結合部52のカラー55は、第2の結合部60から離れて接続軸Zに沿って高さ方向に延在してもよい。特に、第1の結合部52のカラー55は、結合軸Zに平行に延在する円筒形状を有してもよい。第1の結合部52のカラー55は、充填アクセス8のカラー9の取付要素9aに接続するための取付要素55aを有してもよい。取付要素55aは、ネジ山、バヨネットカップリングおよびスナップオンカップリングにおける1つを含んでもよい。特に、ネジ山は、第1の結合部52のカラー55の内壁に配置されてもよい。この場合、ネジ山は突出部54に面する。
【0187】
図1図3および図7図11に示される実施形態によれば、第1の結合部52のカラー55は、結合構成にあるとき、変形可能な容器1のカラー9に直接結合されるように構成される。特に、図1図3および図7図11に示される実施形態によれば、接続アクセサリ51は、例えば射出成形によって作られる、ポリカーボネートなどのプラスチック材料で作られた単一部品である。
【0188】
接続アクセサリのさらなる実施形態が、図4図6に示されている。接続アクセサリ51は、接続アクセサリ51の第1の結合部52のカラー55を容器1のカラー9に係合するように構成されたコネクタ56を備える。コネクタ56は、接続アクセサリ51のカラー55とは別個の構成要素である。コネクタ56は、接続アクセサリ51の第1の結合部52のカラー55に対してインターロック結合または接着剤で接続されている。コネクタ56は、接続アクセサリ51の第1の結合部52のカラー55の外側を取り囲んでいる。さらに、コネクタ56は、結合構成にあるとき、容器のカラー9の外側を取り囲むように構成される。特に、コネクタ56は、接続アクセサリ51の第1の結合部52のカラー55の外面と、容器1のカラー9の外面とに拘束するように構成された内面を画定する円筒形状を有する。接続アクセサリ51の第2の結合部60は、バイアル101に接続するための中空の針61を備えてもよい。針61は、バイアル101の区画102との流体連通を可能にするために中空である。したがって、接続アクセサリ51は、針61、内部通路70、および第1および第2の結合部52、60を通る流体通路を形成する。針61は、接続軸Zに沿って整列されてもよい。針61は、0.83mmから0.32mmのゲージ(すなわち内腔の直径)を有するG18からG24の針であってもよい。もちろん、他の針を使用してもよい。針は、ガラス製バイアル上部と結合するカラー62の高さよりも小さな長さを有し、その結果、針がアクセサリの垂直方向全体の幅から出なくなり、刺される危険性が低減される。針は、4mmから10mmの長さを有してもよい。針61は、プラスチック製、すなわち、第1の結合部52、第2の結合部60、および内部通路70の製造に使用されるのと同じ材料で作られてもよい。あるいは、針61は、金属、すなわちステンレス鋼で作られてもよい。接続アクセサリ51の第2の結合部60は、針61を取り囲むカラー62を備えてもよい。カラー62は、接続アクセサリ51をバイアル101に機械的に拘束するために、バイアル101のそれぞれの部分に結合するように構成されてもよい。接続アクセサリ51の第2の結合部60のカラー62は、図1図11に示すように、バイアルに接続するためのスナップオン結合を画定してもよい。例えば、第2の結合部60のカラー62は、第2の結合部60をバイアル101に結合する際に外側に拡張するように構成された2つ以上の可撓性を有する壁またはフィンガ63を備えてもよい。特に、接続アクセサリ51は、3~12個の可撓性壁またはフィンガ63、特に4つ~8つの可撓性を有する壁またはフィンガ63を備えてもよい。可撓性を有する壁またはフィンガは、プラスチック製であってもよい。あるいは、可撓性を有する壁またはフィンガは、金属、ゴム、またはシリコーンで作られていてもよい。一つの実施形態によれば、接続アクセサリ51は、例えばプラスチックで一体的に作られる。
【0189】
アセンブリ100
本開示はまた、アセンブリ100を対象とする。アセンブリ100は、容器1、接続アクセサリ51およびバイアル101を備える。換言すれば、アセンブリ100は、キット50とバイアル101とを備える。アセンブリ100は、使用者(製品を適用する人)が、例えば患者または患者に薬剤を投与する人が、バイアル101の区画102に収容された物質を、内部容積3の中に移動できるようにするためのものである。バイアル101は、流体物質4、医療用流体物質または粉末物質を収容してもよい。例えば、バイアル101は、液体または粉末の状態にある眼科用製品を収容してもよい。バイアル101は、内部区画102を形成するハウジング103を備える。ハウジング103はガラス製であってもよく、これにより内部の物質の寿命を最大限に延ばすことができる。ハウジング103は、円筒形であってもよいし、多角形であってもよい。
【0190】
ガラス製バイアルは、通常、ゴム栓とそれをブロックするアルミニウムのリングとを有する。多くの場合、キャップを清潔に保つためにプラスチックのフリップオフを有する。バイアルの区画102は、変形可能な容器1の内部容積3と同等または実質的に等しい容積を有してもよい。あるいは、変形可能な容器1の内部容積3は、区画102よりも容積が大きくてもよく、例えば、変形可能な容器1は、区画102よりも容積が1.5倍または5倍大きくてもよい。特に、バイアルの区画102の容積は、3ミリリットルから15ミリリットルであり、特に4ミリリットルから12ミリリットルであってもよい。バイアル101のハウジング103は、側壁104、底壁105、および底壁105の反対側の上縁106を備えてもよい。側壁は、底壁と上縁106との間でバイアル軸Vに沿って長さ方向に延在する。バイアルが円筒状である場合、バイアル軸は円筒軸である。バイアルはさらに、接続アクセサリ51の針61によって貫通可能なダイヤフラム110を備える。ダイヤフラム110は、ハウジング103の上縁106に配置されてもよい。ダイヤフラム110は、バイアル軸に対して実質的に直交してもよい。バイアルのダイヤフラム110は、弾性材料、すなわちゴムまたはシリコーンで作られてもよい。ダイヤフラム110は、バイアル101の上縁106に流体密に拘束される。その結果、バイアル101内に収容された流体が保存される。接続アクセサリの針61がダイヤフラム110を貫通して区画内に入る前に、バイアル1の区画102は、気密に閉じられる。アセンブリ100は、図2および図5に示される組立形態に構成可能である。変形可能な容器1および接続アクセサリ51は結合構成にあり、接続アクセサリ51の第2の結合部60がバイアルに接続される。特に、接続アクセサリ51の第2の結合部60は、可撓性を有する壁またはフィンガ63を介してバイアル101に接続されてもよい。図10の(d)、図10の(e)、および図11の(g)から図11の(l)も、組立形態のアセンブリ100を示す。アセンブリ100は、組立形態にあるとき、容器1の内部容積3、バイアル101の区画102、および接続アクセサリ51の内部通路70の組合せとして規定される閉鎖容積を形成する。
【0191】
注目すべきことに、組立形態にあるとき、バイアル101、変形可能な容器1、および接続アクセサリ51は、共通軸に沿って整列され、接続アクセサリ51はこの共通軸に沿ってバイアルと容器との間に介在される。共通軸は、変形可能な容器の長手方向軸Xと一致してもよい。特に、組立形態にあるとき、バイアル101のバイアル軸Vは、変形可能な容器1の長手方向軸と一致してもよい。特に、組立形態にあるとき、バイアル101のバイアル軸Vは、変形可能な容器1の長手方向軸および接続アクセサリ51の接続軸Zと一致してもよい。
【0192】
方法200
本開示はさらに、薬液をバイアル101から容器1に移動させるための方法200を対象とする。特に、方法200は、前述の変形可能な容器1における流体物質4を移動させることを目的とする。図12は、方法200の複数のステップをフローチャートで示している。さらに、図10図11および図13は、方法のステップを順番に示している。
【0193】
方法200は、前述の説明に係るアセンブリ100を提供するステップ201(図10の(a)、図10の(b)、図11の(a)および図11の(b)を参照)を含む。特に、方法200は、変形可能な容器1、接続アクセサリ51およびバイアル101を提供するステップを含む。
【0194】
ステップ201では、図1図3図5図8および図10の(a)に示すように、容器1は最初は空であってもよい。あるいは、ステップ201において、図11の(a)に示すように、容器1は最初に医療用液体4a、すなわち生理食塩水または滅菌水を含んでもよい。ステップ201において、バイアル101は、流体物質4、医療用液体および粉末物質のいずれかを含む。容器1の医療用流体4aとバイアル101の粉末物質との混合により、使用者に後続の送達を行うための流体物質4が生成される。明らかに、バイアル101は、変形可能な容器に含まれるシンナーによって希釈する必要がある濃縮液を代わりに収容してもよい。粉末物質は、凍結乾燥された物質であってもよい。
【0195】
ステップ201は、製造後、すなわち輸送および保管の間に変形可能な容器1を保護するように構成されたパッケージ300(図10の(b)および図11の(b)を参照)から変形可能な容器1を取り出すステップをさらに含んでもよい。ステップ201は、製造後、すなわち輸送および保管の間に接続アクセサリ51を保護するように構成されたさらなるパッケージ301(図10の(b)および図11の(b)を参照)から接続アクセサリ51を取り出すステップをさらに含んでもよい。ステップ201は、製造後、すなわち輸送および保管の間にバイアル101を保護するように構成されたパッケージからバイアル101を取り出すステップをさらに含んでもよい。注目すべきことに、ステップ201において、容器1および接続アクセサリ51は、別個に提供されてもよく、例えば、図9に示すように、異なるパッケージに収容されてもよい。あるいは、容器1および接続アクセサリ51は、結合されていないが、同じパッケージ内で提供されてもよい。さらに代替的な実施形態では、ステップ201において、容器1および接続アクセサリ51は、図8に示すように、共通のパッケージ302において結合構成で提供されてもよい。
【0196】
この方法は、変形可能な容器1の充填アクセス8を接続アクセサリ51の第1の結合部52に接続するステップ202(図10の(c)、図11の(d)および図11の(e)を参照)をさらに含む。変形可能な容器51の充填アクセス8を接続アクセサリ51の第1の結合部52に接続するステップ202は、開位置に移動して流体通過を可能にするために容器1の充填アクセス8のバルブ20を決定する。特に、ステップ202は、容器のバルブ20の変形可能な部材21の変形を決定し、バルブを開位置に移動させる。変形可能な容器1の充填アクセス8を接続アクセサリ51の第1の結合部52に接続するステップ202は、変形可能な容器1の充填アクセス8において接続アクセサリ51の第1の結合部52を回転することによってネジ込むことを含んでもよい。あるいは、ステップ202は、スナップオン結合を実行するために、変形可能な容器1の充填アクセス8を接続アクセサリ51の第1の結合部52に対して押圧するステップを含んでもよい。
【0197】
この方法はさらに、組立形態を画定するために、接続アクセサリ51の第2の結合部60をバイアル100に接続するステップ203を含む(図10の(c)~図10の(d)および図11の(f)~図11の(g)を参照)。接続アクセサリ51の第2の結合部60をバイアル101に接続するステップ203は、可撓性を有する壁またはフィンガ63の変形を決定するために、バイアル101の上縁106に接続アクセサリの第2の結合部60を外側に押圧して、可撓性を有する壁またはフィンガ63がバイアル101の上縁106に拘束されるステップを含むことができる。あるいは、ステップ203は、接続アクセサリ51の第2の結合部60をバイアル101に回転させることによってネジ込むことを含んでもよい。注目すべきことに、接続アクセサリ51の第2の結合部60をバイアル101に接続するステップ203は、中空の針61によってバイアル101のダイヤフラム110を貫通するステップを含む。特に、針61がダイヤフラム110を貫通することは、接続アクセサリ51の第2の結合部60をバイアル101に接続するステップ203の間に起こる。したがって、ステップ203は、中空の針61をバイアル101の区画102内に進入させ、バイアル101の区画102を容器1の内部容積3と液体連通させる。注目すべきことに、ステップ202および203により、バイアルの区画102が接続アクセサリ51を通じて変形可能な容器1の内部容積3と流体連通し、組立形態を画定する。逆に、変形可能な容器1の充填アクセス8を接続アクセサリ51の第1の結合部52に接続するステップ202の前には、容器の充填アクセス8でのバルブ20は閉位置にある。
【0198】
この方法は、内部容積3を減少させるために変形可能な容器1を、絞るステップ、特に手動で絞るステップ204をさらに含む(図10の(d)および図11の(i)を参照)。ステップ203は、使用者、例えば患者によって実行される。使用者は、手の指を使って容器の側壁7を絞る。側壁7が変形して内部容積3の減少を引き起こす。容器1が最初は空である場合、変形可能な容器1を手動で絞るステップ204により、容器の内部容積3からバイアル101の区画102へのガスまたは空気の通過が決定され、それによってバイアル内での圧力が増加する。バイアル101が空の圧縮可能な容器の上にある場合、容器の壁の絞りが解除されると、この圧力によって液体がバイアルから変形可能な容器に流れることになる。注目すべきことに、容器1が最初は空である場合、バイアルは液体状態の流体物質4を含む。あるいは、図11の(a)に示すように、容器1が最初に医療用液体4a、すなわち生理食塩水または滅菌水を含む場合、変形可能な容器1を手動で絞るステップ204により、容器1の内部容積3からバイアル1の区画102へのこの医療用液体4aの通過が決定される。この手順は、液体の入った圧縮可能な容器よりも低い位置に位置するバイアル101を用いて実行する必要がある。注目すべきことに、図11の(a)のように容器1が最初に医療用液体4aを含む場合、ステップ204の結果、容器1の医療用液体4aと、バイアル101の物質すなわち液体物質または粉末物質とが混合される。容器1の医療用流体4aとバイアル101の物質との混合は、液体状の流体物質4を生成する。容器1が最初に医療用液体4aを含む場合、方法200は、図11の(h)に示すように、変形可能な容器1をバイアル101の上に配置するステップを備えてもよい。変形可能な容器1は、変形可能な容器1を手動で絞るステップ204の間、バイアル101の上に維持されなければならない。
【0199】
この方法はさらに、ボディ2の弾性戻しを可能にするために変形可能な容器1の絞りを解除するステップ205を含む(図10の(e)および図11の(l)を参照)。ステップ205の間では、ボディ2は元の形状に戻り、すなわちステップ201でボディが有していた形状に戻る。変形可能な容器1の絞りを解除するステップ205により、絞られた後に内部容積3が再膨張する。特に、ボディ2の弾性戻しは、容器1がバイアル101から容器1の内部容積3に流体物質4を吸引する吸引ステップを引き起こす。
【0200】
注目すべきことに、方法200は、図10の(e)および図11の(1)に示すように、変形可能な容器1の絞りを解除するステップ205の間に、バイアル101を変形可能な容器1の上に配置するステップを備えてもよい。方法200はまた、流体物質4が変形可能な容器1内に完全に移動するまで、絞りステップおよび絞りの解除ステップを順次繰り返すことを含んでもよい。最後に、この方法は、容器1からバイアル101および接続アクセサリ51を切り離すことを含む。これで、使用者は、医師によって規定された時間間隔で流体物質4aを分配できる。この方法は、変形可能な容器1の長手方向軸Xをバイアル101のバイアル軸Vと位置合わせするステップをさらに含んでもよい。特に、方法200は、変形可能な容器1の長手方向軸Xを、バイアル101のバイアル軸Vおよび接続アクセサリ51の接続軸Zと位置合わせするステップを含むことができる。このようにして、長手方向軸X、バイアル軸Vと接続軸Zは、互いに一致するかまたは平行である。注目すべきことに、ステップ201、ステップ202、ステップ203、ステップ204およびステップ205は、この番号順で連続的に実行できる。
【0201】
図13の特定の例を見ると、方法は、バイアル101が再構成されるかまたは希釈されるかのいずれかでなければならない物質16を含む構成を参照している。換言すれば、バイアル101は、粉末形態の薬剤または濃縮溶液のいずれかを収容する。同様に、変形可能な容器は、物質16を再構成するかまたは希釈するために溶液4を含む。
【0202】
変形可能な容器1はそのパッケージ300内にあり、接続アクセサリ51はそれぞれのさらなるパッケージ301内に収容されている(図13aを参照)。滅菌パッケージが開かれ、接続アクセサリ51が変形可能な容器1に結合される。その結果、バルブが開位置に移動する(図13b)。次に、キットは、図13cに示すようにバイアル101にさらに結合され、変形可能な容器51の内部容積3とバイアル101の内部区画102との間に流路を形成する。あるいは、接続アクセサリ51は、逆に、最初にバイアル101に結合され、次に2回目に変形可能な容器1に結合されてもよい(図13の順序には示されていない)。
【0203】
使用者は、図13dに示すように、変形可能な容器2の側壁を押圧する。液体4は、バイアル内の物質16と混合するために、通路70を通じてバイアル101内で下方に押し込まれる。2つの成分が適切に混合されると、アセンブリ100は、図13eに示すように上下逆にされる。変形可能な容器1(図13dに示すように押圧された後、元の形状に戻る)は、図に示すように、使用者によって再び押圧されて変形する。空気は針を通じてバイアル101の中に入り、内部区画102での圧力を高める。使用者によって圧力が解除されるとすぐに、変形可能な容器1は元の形状に弾性的に戻り始め、混合された液体は変形可能な容器1の中に下方に流れ込む。溶液全体が通過すると、バイアル101はアセンブリから取り外され、容器1は薬剤を送達する準備が整う。
【0204】
使用者は、図13fに示すように、変形可能な容器の側壁を再び押圧する。バルブ20が閉じているので、内部圧力により分配アクセサリ11が製品を放出する。たとえば、点滴器は液滴を排出する。もう一度、図13fを参照すること。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d-13f】
【国際調査報告】