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特表2024-517015体管腔内に細長い部材を配置するためのデバイス、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】体管腔内に細長い部材を配置するためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240411BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B1/00 530
A61B1/00 732
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568701
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 US2022028943
(87)【国際公開番号】W WO2022241087
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,664
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス フォレロ、ダイアナ カタリーナ
(72)【発明者】
【氏名】サエンス ビラロボス、ゴンサロ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】マケビリー、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】シバニ、エリアス ミラド
(72)【発明者】
【氏名】カルボ カマチョ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブレネス アコスタ、アレハンドロ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C601
【Fターム(参考)】
4C161AA07
4C161CC04
4C161DD04
4C161FF43
4C601BB14
4C601BB24
4C601EE09
4C601EE11
4C601FE01
4C601FE02
4C601FF06
4C601FF11
4C601GA20
4C601GA21
4C601GA25
(57)【要約】
本開示は、概して、末梢気道から生体検査を取得するためなど、体管腔内の標的部位に細長い部材を配置することに関する。いくつかの実施形態は、特に、埋め込みトランスデューサを備えた細長い部材を対象としており、埋め込みトランスデューサは、細長い部材の第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されている。多くのそのような実施形態では、回転トランスデューサが、細長い部材の第2のルーメン内に配置されて、埋め込みトランスデューサの印を含むラジアル画像を生成することができる。したがって、操作者は、ルーメンから器具を延出させる前に、器具の突出位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサは、光ファイバなどの前方撮像トランスデューサを含んでいてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
細長い部材であって、前記細長い部材は、近位端と、遠位端と、前記近位端から前記遠位端に近接する第1の遠位開口部まで延在する第1のルーメンと、前記近位端から前記遠位端まで延在する第2のルーメンと、前記細長い部材の壁に配置された埋め込みトランスデューサとを有し、前記埋め込みトランスデューサは、前記第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されている、細長い部材と、
前記第2のルーメンに配置された回転トランスデューサと
を備え、前記回転トランスデューサは、前記第2のルーメン内からラジアル画像を生成するように構成されており、前記ラジアル画像は、前記器具の前記突出位置に対する前記所定の回転角度における前記埋め込みトランスデューサの印を含む、医療デバイス。
【請求項2】
前記埋め込みトランスデューサは、撮像トランスデューサの少なくとも一部を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記埋め込みトランスデューサは、光ファイバセンサの遠位部分を備える、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記回転トランスデューサは、回転撮像トランスデューサを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記回転撮像トランスデューサは、超音波トランスデューサを備える、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記埋め込みトランスデューサは、前記細長い部材の前記第2のルーメンの壁内に配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2のルーメンは、前記第1のルーメンと前記埋め込みトランスデューサとの間の前記細長い部材内に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記器具は、予め湾曲された器具を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記予め湾曲された器具は、予め湾曲された針を備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具の遠位端が前記第1のルーメンの前記遠位開口部から第1の距離に配置される場合に、第1の方向に屈曲するように構成されている、請求項8または9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具が前記第1の距離から前記第1のルーメンの前記遠位開口部まで移動されると、真っ直ぐになるように構成されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具が前記第1のルーメンの前記遠位開口部から延出されるとき、実質的に真っ直ぐであるように構成されている、請求項10または11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記所定の回転角度は、約45度から約315度の範囲にある、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記器具は、アブレーションプローブを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記細長い部材は、2mm未満の外径を有している、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスの分野に関する。特に、本開示は、細長い部材を体管腔内の標的部位に配置することを容易にするためのデバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療デバイスが、診断または治療目的のために体管腔内に配置される。例えば、内視鏡検査は、体内を見るために内視鏡を使用する処置である。通常、内視鏡検査処置は、診断または治療目的で、身体の中空器官または体腔の内部にアクセスし、検査し、または相互作用するために、細長い部材(例えば、内視鏡)を利用する。内視鏡は、典型的には、体内を観察するための直接可視化機能を有し、および/または超音波観察機能を備えていてよい。そのような内視鏡は、特定の直径を有する、より大きい体管腔(例えば、胃腸(GI)管または気管)内に内視鏡が挿入されることを可能にする外形直径を有している。例えば、内視鏡の一種である気管支鏡は、診断および治療目的で、気管支鏡の直径を収容することができる直径を有する特定の次数(generation)の気道まで、気道の内側を可視化するために使用することができる。気管支鏡は、口、鼻、または気管切開を介して気道に挿入される。これにより、医師は、異物、出血、腫瘍、または炎症などの異常について患者の気道を検査することができる。場合によっては、肺の内部から生検が行われることもある。特定のより高い次数の気道において、気道の直径は、従来の気管支鏡を収容するには狭すぎるようになり、これは、これらのより小さい気道内または最小直径の他の管腔内で組織を正確にナビゲートし、見つけ出し、および生検するための手段を有する改善されたデバイスに対する課題を提示する。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を必ずしも特定することを意図するものではなく、請求される主題の範囲を決定する際の補助として意図されるものでもない。
【0004】
一態様では、本開示は、細長い部材および回転トランスデューサを備えた医療デバイスに関する。細長い部材は、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端に近接する第1の遠位開口部まで延在する第1のルーメンと、近位端から遠位端まで延在する第2のルーメンと、細長い部材の壁に配置された埋め込みトランスデューサとを有していてよい。埋め込みトランスデューサは、第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されていてよい。回転トランスデューサは、第2のルーメンに配置されるとともに、第2のルーメン内からラジアル画像(radial image)を生成するように構成されていてよい。ラジアル画像は、器具の突出位置に対する所定の回転角度における埋め込みトランスデューサの印(indicia)を含んでいてよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサは、撮像トランスデューサの少なくとも一部を含む。いくつかのそのような実施形態では、埋め込みトランスデューサは、光ファイバセンサの遠位部分を備える。様々な実施形態において、回転トランスデューサは、回転撮像トランスデューサを備える。種々のそのような実施形態では、回転撮像トランスデューサは、超音波トランスデューサを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサは、細長い部材の第2のルーメンの壁内に配置されている。多くの実施形態では、第2のルーメンは、第1のルーメンと埋め込みトランスデューサとの間の細長い部材内に配置されている。いくつかの実施形態では、器具は、予め湾曲された器具を備える。いくつかのそのような実施形態では、器具は、針およびアブレーションプローブの一方または両方を備える。種々のそのような実施形態では、細長い部材は、予め湾曲された器具の遠位端が第1のルーメンの遠位開口部から第1の距離に配置される場合に、第1の方向に屈曲するように構成されている。多くのさらなるそのような実施形態では、細長い部材は、予め湾曲された器具が第1の距離から第1のルーメンの遠位開口部まで移動させられると、真っ直ぐになるように構成されている。いくつかのさらなるそのような実施形態では、細長い部材は、予め湾曲された器具が第1のルーメンの遠位開口部から延出されるとき、真っ直ぐ(または実質的に真っ直ぐ)のままとなるように構成されている。様々な実施形態において、所定の回転角度は、約45度から約315度の範囲にある。多くの実施形態では、細長い部材は、2mm未満の外径を有している。
【0006】
別の態様では、本開示は、細長い部材と、器具と、回転トランスデューサとを備えるシステムに関する。細長い部材は、近位端と、遠位端と、第1のルーメンと、第2のルーメンと、埋め込みトランスデューサとを有していてよい。器具は、第2のルーメンに配置されていてよい。埋め込みトランスデューサは、第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されていてよい。回転トランスデューサは、第2のルーメンに配置されていてよい。回転トランスデューサは、第2のルーメン内からラジアル画像を生成するように構成されていてよい。ラジアル画像は、器具の突出位置に対する所定の回転角度における埋め込みトランスデューサの印を含んでいてよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、器具は、予め湾曲された針を備える。様々な実施形態において、器具は、予め湾曲されたアブレーションプローブを備える。
さらに別の態様では、本開示は、方法に関する。方法は、細長い部材の遠位端を体管腔の中に挿入することを含んでいてよい。細長い部材は、近位端と、遠位端と、第1のルーメンと、第2のルーメンと、埋め込みトランスデューサとを有していてよい。方法は、細長い部材の第2のルーメンに配置された回転トランスデューサを用いて、ラジアル画像を生成することを含んでいてよい。ラジアル画像は、細長い部材の第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度における埋め込みトランスデューサの印を含んでいてよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、細長い部材を回転させて、器具の突出位置に対して所定の回転角度に標的組織を位置合わせすることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、細長い部材の第1のルーメンの遠位開口部から器具を延出させて、標的組織の生体検査を取得することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明されるが、これらの図面は概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図していない。図において、図示された同一または略同一の構成要素の各々は、通常、単一の数字によって表される。本開示に含まれる様々な図は、いくつかの構成要素を省略し、いくつかの構成要素の一部を示し、および/または、いくつかの構成要素を透明なものとして提示して、そうでなければ隠れているように見え得る構成要素の図示および説明を容易にし得ることが理解されよう。明確にする目的で、すべての構成要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
図1図1は、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による例示的な医療デバイスを示す図である。
図2A図2A図2Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による操縦の様々な態様を示す図である。
図2B図2A図2Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による操縦の様々な態様を示す図である。
図2C図2A図2Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による操縦の様々な態様を示す図である。
図3A図3A図3Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による撮像の様々な態様を示す図である。
図3B図3A図3Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による撮像の様々な態様を示す図である。
図3C図3A図3Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による撮像の様々な態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、概して、末梢気道から生体検査を取得するためなど、体管腔内の標的部位に細長い部材を配置することに関する。いくつかの実施形態は、特に、埋め込みトランスデューサを備えた細長い部材を対象としており、埋め込みトランスデューサは、細長い部材の第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されている。多くのそのような実施形態では、回転トランスデューサが、細長い部材の第2のルーメン内に配置されて、埋め込みトランスデューサの印を含むラジアル画像を生成することができる。したがって、操作者は、ルーメンから器具を延出させる前に、器具の突出位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサは、光ファイバなどの前方撮像トランスデューサを含んでいてよい。様々な実施形態では、器具は、所定の湾曲を有していてよい。種々のそのような実施形態では、器具の所定の湾曲を利用して、細長い部材を操縦することができる。例えば、細長い部材の撓み角度は、細長い部材の遠位端に対する予め湾曲された器具の距離を変化させることによって調節され得る。加えて、これらの特徴のうちの1つまたは複数は、狭い末梢体管腔にアクセスするために十分に小さい寸法の細長い部材に組み合わせられていてよい。これらおよび他の実施形態が説明されるとともに請求される。
【0011】
医療デバイスの細長い部材を体管腔内の標的部位に配置することには、狭い体管腔へのアクセスを制限する外形寸法などの課題がある。例えば、気管支内超音波(EBUS)スコープは、大きすぎて(例えば、4.2mmを超えるスコープフレックスチューブOD)、疑わしい癌性結節が位置し得る体管腔の特定の末梢部分(例えば、特定の次数の末梢気道)に到達することができない。電磁(EM)気管支鏡検査を使用して、標的部位(例えば、気道の末梢における疑わしい癌性結節)の位置を特定することができる。しかしながら、金属歪みと術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンとの組み合わせによって術中の患者の位置の逸脱に導入されるような誤差は、標的部位における適切な配置の確認を複雑にし得る。したがって、操作者は、標的部位における適切な配置を確認するために、EM気管支鏡検査と併せて使用される、再利用可能な単一素子(回転)超音波プローブなどの他の技術に依存し得る。しかしながら、これらのプローブは、典型的には、操縦不可能であり、ルーメン(例えば、作業チャネル)全体を塞ぎ、器具(例えば、生検針)がルーメンに挿入される前に、プローブの取り外しを必要とする。さらに、デバイス交換は、先端の動きに寄与する可能性があり、超音波プローブの取り外しにより、器具が挿入された後に、細長い部材の位置の確認を不確実にし、生検の診断率の低下などのいくつかの課題につながる。そのような制限により、細長い部材を標的部位に配置するための医療デバイスの有用性および適用性が低下する可能性があり、場合によっては、機能が制限された非効率的なデバイスの一因となり得る。これらの考慮事項を念頭に置いて、本開示のデバイス、システム、および方法によって、様々な有利な医療成果が実現され得る。
【0012】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、そのような実施形態は変化し得る。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。最後に、本開示の実施形態は、胃腸系を治療するための医療デバイスおよびシステムおよび処置を具体的に参照して説明され得るが、そのような医療デバイスおよび方法は、腹腔、消化器系、尿路、生殖管、呼吸器系、心血管系、循環系などの組織を治療するために使用され得ることを理解されたい。流体流路を安定させ、維持し、および/または助けるために、構造および構成、ならびに展開する方法は、本明細書で議論される治療を超えた有用性を見出し得る。
【0013】
本明細書で使用される場合、「近位端」は、デバイスを患者に導入するときにデバイスに沿ってユーザ(医療専門家または臨床医または技術者または操作者または医師など、そのような用語は本明細書では限定する意図なく互換的に使用され、自動コントローラシステムなどを含む)に最も近いデバイスの端部を指し、「遠位端」は、埋め込み、配置、または送達中にデバイスに沿ってユーザから最も遠いデバイスまたは物体の端部を指す。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「または」という用語は、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「および/または」を含む意味で一般に使用される。
【0015】
本明細書で使用される場合、接続詞「および」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、そのように接続された構造、構成要素、特徴などの各々を含み、接続詞「または」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、そのように接続された構造、構成要素、特徴などの1つまたは他のものを、単独で、および任意の組合せおよび数で含む。
【0016】
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると想定される。数値の文脈における「約」という用語は、一般に、記載された値と同等である(例えば、同じ機能または結果を有する)と当業者が考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。「約」という用語の他の使用(例えば、数値以外の文脈における)は、別段の指定がない限り、本明細書の文脈から理解され、本明細書の文脈と一致するように、それらの通常の慣習的な定義を有すると想定することができる。端点による数値範囲または値の記載は、端点を含むその範囲内の全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)、およびそれらの分数を含む。
【0017】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が1つまたは複数の特定の特徴、構造、および/または特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような記載は、必ずしもすべての実施形態が特定の特徴、構造、および/または特性を含むことを意味するわけではない。加えて、特定の特徴、構造、および/または特性が一実施形態に関連して説明される場合、そのような特徴、構造、および/または特性は、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して使用されてもよいことを理解されたい。
【0018】
本明細書に含まれる開示は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、限定的なものではないことを理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはかかるプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素を含むことができるように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。「例示的(exemplary)」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。内視鏡および内視鏡システムが本明細書で言及されるが、内視鏡、内視鏡システム、または内視鏡検査への言及は、開示される態様の可能な用途を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、開示される態様は、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、カテーテル、診断もしくは治療ツールもしくはデバイス、または他のタイプの医療デバイスもしくはシステムと組み合わせて使用され得る。
【0019】
次に図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために使用される。以下の記載では、説明の目的で、その完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、新規な実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施可能であることは明らかであろう。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、その説明を容易にするためにブロック図の形態で示されている。その意図は、特許請求の範囲内のすべての修正、均等物、および代替物を包含することである。
【0020】
図1は、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による医療デバイス100を示す。医療デバイス100は、細長い部材102と、器具112と、回転トランスデューサ114とを含む。細長い部材102は、近位端108と、遠位端110と、近位端108から遠位開口部106aまで延在する第1のルーメン104aと、近位端108から遠位開口部106bまで延在する第2のルーメン104bと、埋め込みトランスデューサ116とを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサ116は、細長い部材102の壁に埋め込まれた前方撮像トランスデューサを備えていてよい。多くの実施形態では、回転トランスデューサ114は、ラジアル撮像トランスデューサを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、図1は、本開示の1つまたは複数の他の構成要素と同一の、または類似する1つまたは複数の構成要素を含んでいてよい。さらに、図1の1つまたは複数の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよく、または説明される実施形態から除外されてもよい。例えば、医療デバイス100の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、器具112を除外してもよい。さらに、本開示の他の実施形態の1つまたは複数の構成要素またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、図1の1つまたは複数の構成要素に組み込まれ得る。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
【0021】
種々の実施形態では、細長い部材102の近位端108は、1つまたは複数のコントローラおよび/またはユーザインタフェースを含んでいてよく、またはそれらに結合されていてよい。例えば、医療デバイス100は、埋め込みトランスデューサ116および/または回転トランスデューサ114に通信可能に結合されたコントローラを含んでいてよい。コントローラは、操作者が回転トランスデューサ114および/または埋め込みトランスデューサ116を制御および監視することを可能にするインタフェースを提供することができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、回転トランスデューサ114を回転させるためのトルクを提供することができる。
【0022】
多くの実施形態では、埋め込みトランスデューサ116は、細長い部材102の遠位開口部106aからルーメン104aまで延在する器具112の突出位置に対して、所定の回転角度で配置されている。例えば、埋め込みトランスデューサ116は、遠位開口部106aからルーメン104aに延在する器具112の突出位置に対して所定の回転角度で回転トランスデューサ114の視野を通って延在することができる。さらに、埋め込みトランスデューサ116、または少なくとも回転トランスデューサ114の視野を通って延在する部分は、ラジアル画像に印を生じさせる材料(例えば、回転トランスデューサ114によって放出される撮像エネルギーと特徴的な方法で相互作用する材料)から構築されていてよい。
【0023】
種々の実施形態では、ルーメン104a,104bは、細長い部材102の近位端108から遠位開口部106a,106bまでそれぞれ延在していてよい。いくつかの実施形態では、ルーメン104aは、ルーメン104bよりも前で終端していてよい。いくつかのそのような実施形態では、ルーメン104bよりも前にルーメン104aを終端させることは、回転トランスデューサ114がルーメン104b内に留まっている間に、回転トランスデューサ114を用いて器具112の突出位置を撮像することを容易にし得る。したがって、埋め込みトランスデューサ116は、器具112の突出位置を示す印をラジアル画像内に生じさせることができる。いくつかの実施形態では、遠位開口部104a,104bは、互いに対して平行であってよい。別の実施形態では、遠位開口部104a,104bは、互いに対して垂直であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、埋め込みトランスデューサ116は、細長い部材102の壁に配置されていてよい。例えば、埋め込みトランスデューサ116は、第2のルーメン104bの壁に配置されていてよい。別の例では、埋め込みトランスデューサ116は、第1のルーメン104aの壁に配置されていてもよい。埋め込みトランスデューサ116を細長い部材102の壁に配置して、埋め込みトランスデューサ116を器具112の突出に対して所定の回転角度に配置し得ることが理解されるであろう。
【0025】
図3A図3Cなどに関して以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、所定の回転角度は、約45度~約315度の範囲にあってよい。例えば、所定の回転角度は、約180度であってよい。いくつかの実施形態では、回転トランスデューサ114は、ルーメン104b内に配置されて、埋め込みトランスデューサ116の印を含むラジアル画像を生成することができる。したがって、操作者は、ルーメン104aから器具112を延出させる前に、器具112の突出位置を決定することができる。図2A図2Cなどに関して以下により詳細に説明されるように、多くの実施形態では、器具112は、追加的または代替的に、細長い部材102の遠位端110を操縦するために利用されてもよい。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、埋め込みトランスデューサ116は、前方撮像トランスデューサなどの撮像トランスデューサの少なくとも一部(例えば、遠位部分)を備えていてよい。例えば、埋め込みトランスデューサ116は、光ファイバセンサに結合されるか、または光ファイバセンサに含まれる光ファイバケーブルなどの導波路を指すか、または含むことができる。いくつかのそのような例では、光ファイバセンサの少なくとも一部は、細長い部材102の遠位端から延出することなどによって、細長い部材に埋め込まれていなくてもよい。一実施形態では、埋め込みトランスデューサ116は、光ファイバセンサの遠位部分を備えていてよい。様々な実施形態において、埋め込みトランスデューサ116は、複数の導波路を含んでいてよい。例えば、第1の導波路は、(例えば、撮像のために)遠位端110から光を収集するために利用されてもよく、第2の導波路は、(例えば、照明のために)遠位端110に光を提供するために利用されてもよい。他の例では、単一の導波路が、光の収集と提供とを交互に行ってもよい。種々の実施形態では、ルーメン104bは、ルーメン104aよりもさらに遠位に延在していてよい。様々なそのような実施形態では、これは、回転トランスデューサ114がルーメン104a内に配置されている間、器具112の突出位置を撮像することを促進し得る。
【0027】
多くの実施形態では、トランスデューサ116を埋め込むことは、埋め込みトランスデューサ116の向きが固定され、既知のままであることを可能にし得る。したがって、回転トランスデューサ114に対する埋め込みトランスデューサ116の向き(およびそれによって生成されるラジアル画像における向き)が容易に決定され、ナビゲーションを支援するために利用することができる。例えば、埋め込みトランスデューサ116が前方撮像トランスデューサを備える場合、埋め込みトランスデューサ116の印を含む、回転トランスデューサ114によって生成されるラジアル画像は、細長い部材100の遠位端を取り囲むドーム形の画像に使用され得る。
【0028】
様々な実施形態では、細長い部材102の外径は、1.5mmまたは1.9mmなど、2mm未満であってよい。1つまたは複数の実施形態では、回転トランスデューサ114の外径は、1.1mmなど、1.3mm未満であってよい。いくつかの実施形態では、回転トランスデューサ114は、ラジアル気管支内超音波(radial endobronchial ultrasound,rEBUS)プローブを備えていてよい。いくつかのそのような実施形態では、rEBUSプローブは、40ヘルツなど、10~70ヘルツで動作することができる。多くの実施形態では、器具112は、経気管支性針吸引(transbronchial-needle aspiration,TBNA)などのための生検針を含んでいてよい。多くのそのような実施形態では、器具112は、25ゲージ針など、10~40ゲージの針を備えていてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、トランスデューサは、概して、エネルギーを1つの形態から別の形態に変換するデバイスを指すことができる。多くの実施形態では、各トランスデューサは、1つまたは複数の電気信号を1つまたは複数の物理量(例えば、エネルギー、力、トルク、光、運動、位置など)に変換し、および/または1つまたは複数の物理量を1つまたは複数の電気信号に変換するように動作することができる。例えば、トランスデューサ(例えば、回転トランスデューサ114および/または埋め込みトランスデューサ116)は、撮像センサ、フェーズドアレイセンサ、位置センサ、発光ダイオード、圧力センサ、アクチュエータ、誘導センサ、光ファイバセンサ、電磁位置センサなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0030】
図2A図2Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による医療デバイス200を操縦する様々な態様を示す。医療デバイス200は、細長い部材202と、予め湾曲された器具204と、回転トランスデューサ206とを含む。細長い部材202は、遠位端214を有し、遠位開口部216aを有するルーメン208aと、遠位開口部216bを有するルーメン208bとを含む。いくつかの実施形態では、図2A図2Cは、本開示の1つまたは複数の他の構成要素と同一の、または類似する1つまたは複数の構成要素を含んでいてよい。例えば、細長い部材202は、細長い部材102と同一または類似であってよい。さらに、図2A図2Cの1つまたは複数の構成要素、またはそれらの態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよく、または説明される実施形態から除外されてもよい。例えば、予め湾曲された器具204は、本開示の範囲から逸脱することなく、医療デバイス100に組み込まれていてよい。さらに、本開示の他の実施形態の1つまたは複数の構成要素またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、図2A図2Cの1つまたは複数の構成要素に組み込まれ得る。例えば、埋め込みトランスデューサ116は、本開示の範囲から逸脱することなく、細長い部材202に組み込まれていてよい。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
【0031】
図2Aにおいて、予め湾曲された器具204は、遠位開口部216aから第1の距離でルーメン208a内に配置され、細長い部材202は、水平軸210に対して角度212だけ撓んでいる。図2Bにおいて、予め湾曲された器具204は、遠位開口部216bから第2の距離でルーメン208a内に配置され、細長い部材202は、水平軸210と整列されている。図2Cにおいて、予め湾曲された器具204は、遠位開口部216bから延出され、細長い部材202は、水平軸210と整列されている。換言すれば、細長い部材202は、予め湾曲された器具が第1のルーメンの遠位開口部から延出されるとき、真っ直ぐ(または実質的に真っ直ぐ)のままとなるように構成されていてよい。本明細書に説明される種々の実施形態では、細長い部材202の撓みは、操縦のために使用されてよい。例えば、細長い部材202の回転と組み合わされた角度212は、標的組織に対して細長い部材202の遠位端214を配置するために利用されてよい。そのような例では、細長い部材202に含まれる1つまたは複数のトランスデューサを用いた撮像は、標的組織に対して細長い部材202の遠位端214を配置する際に利用される誘導を提供する。様々な実施形態において、角度212は、細長い部材202の遠位端に対する予め湾曲された器具204の距離を変化させることによって調整され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、角度212は、細長い部材202の遠位端214に対する予め湾曲された器具204の距離を変化させることによって、最小角度と最大角度との間で連続的に調節され得る。多くの実施形態では、細長い部材202の遠位端214に対する予め湾曲された器具204の距離の印が、ラジアル画像において提供されていてよい。例えば、ルーメン208aに沿って等間隔に配置されたストリップは、ラジアル画像において、細長い部材202の遠位端214に対する予め湾曲された器具204の距離の印を提供し得る。1つまたは複数の実施形態において、細長い部材202は、所定の曲率を有していてよい。例えば、図2Aは、細長い部材202の所定の曲率を示すことができる。いくつかの実施形態は、埋め込みトランスデューサおよび/または回転トランスデューサを含むことなく、操縦などのために予め湾曲された器具204を利用し得ることが理解されるであろう。
【0033】
図3A図3Cは、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態による医療デバイス300を用いた撮像の様々な態様を示す。医療デバイス300は、近位端314および遠位端316を備えた細長い部材302と、予め湾曲された器具304と、埋め込み撮像トランスデューサ306と、回転撮像トランスデューサ308とを含む。加えて、医療デバイス300は、回転撮像トランスデューサ308を利用して、ラジアル画像318を生成することができる。いくつかの実施形態では、図3A図3Cは、本開示の1つまたは複数の他の構成要素と同一の、または類似する1つまたは複数の構成要素を含んでいてよい。例えば、細長い部材302は、細長い部材202と同一または類似であってよい。さらに、図3A図3Cの1つまたは複数の構成要素、またはそれらの態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよく、または説明される実施形態から除外されてもよい。例えば、埋め込み撮像トランスデューサ306は、本開示の範囲から逸脱することなく、細長い部材202に一体化されていてよい。さらに、本開示の他の実施形態の1つまたは複数の構成要素またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、図3A図3Cの1つまたは複数の構成要素に組み込まれ得る。例えば、図2A図2Cに関して説明された操縦性の1つまたは複数の態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、医療デバイス300に組み込まれていてよい。実施形態はこの文脈に限定されるものではない。
【0034】
図3Aは、体管腔312内に配置された医療デバイス300の側面図を含む。より具体的には、図3Aは、細長い部材302の遠位端316を標的組織310に対して配置する際に利用することができる埋め込み撮像トランスデューサ306および回転撮像トランスデューサ308の視野を示すことができる。加えて、図示される実施形態は、細長い部材302から延出したときの予め湾曲された器具304の突出位置を含む。様々な実施形態では、医療デバイス300は、埋め込み撮像トランスデューサ306および回転撮像トランスデューサ308を利用して、操作者が、予め湾曲された器具304を用いて、生体検査を取得する、またはアブレーション治療を送達するなどのために、標的組織310に対して細長い部材302を配置することを可能にし得る。したがって、種々の実施形態では、予め湾曲された器具304は、生検針またはアブレーションプローブを含んでいてよい。さらに、いくつかの実施形態では、前述の操縦性を撮像能力と組み合わせて、末梢気道にナビゲートし、効率的かつ経済的な方法で生体検査を取得し、またはアブレーション治療を送達することが可能な医療デバイスを提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医療デバイスは、肺の末梢気道における結節の生検を取得するため、または結節に治療を送達するために利用されてもよい。いくつかの実施形態は、操縦のためなどの、予め湾曲された器具204を含むことなく、埋め込みトランスデューサおよび/または回転トランスデューサを利用し得ることが理解されるであろう。
【0035】
様々な実施形態では、医療デバイス300は、埋め込み撮像トランスデューサ306および回転撮像トランスデューサ308を利用して、操作者が、予め湾曲された器具304を用いて生体検査を取得するなどのために、標的組織310に対して細長い部材302を配置することを可能にし得る。したがって、種々の実施形態において、予め湾曲された器具304は、生検針を含んでいてよい。さらに、いくつかの実施形態では、前述の操縦性を撮像能力と組み合わせて、末梢気道にナビゲートし、効率的かつ経済的な方法で生体検査を取得することが可能な医療デバイスを提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医療デバイスは、肺の末梢気道における結節の生検を取得するために利用されてもよい。図3Bは、細長い部材302の遠位端316の正面図を含む。より具体的には、図3Bは、回転撮像トランスデューサ308に対する、埋め込み撮像トランスデューサ306と予め湾曲された器具304との間の所定の回転角度324を示す。図3Cは、予め湾曲された器具の印320、埋め込みトランスデューサの印322、および所定の回転角度324と併せて、回転撮像トランスデューサ308によって生成されたラジアル画像318を含む。図示の実施形態では、所定の回転角度324は、180度である。しかしながら、様々な実施形態において、所定の回転角度324は、0度から360度の間であり得る。いくつかの実施形態では、所定の回転角度324は、90度から270度の間など、0度から360度の間のサブセットであってもよい。多くの実施形態では、ラジアル画像内の標的組織の視野を不明瞭にする印をもたらす所定の回転角度は、回避されてもよい。例えば、0度から45度の間の角度および315度から360度の間の角度は回避され得る。いくつかの実施形態では、所定の回転角度324は、180度など、120度から240度の間であってもよい。
【0036】
様々な実施形態において、埋め込み撮像トランスデューサ306は、細長い部材302から延出した予め湾曲された器具304の突出位置に対して所定の回転角度324で回転埋め込み撮像トランスデューサ306の視野を通って延在することができる。加えて、埋め込み撮像トランスデューサ306、または少なくとも回転トランスデューサ114の視野を通って延在する部分は、ラジアル画像に印を生じさせる材料(例えば、回転撮像トランスデューサ308によって放出される撮像エネルギーと特徴的な方法で相互作用する材料)から構築されていてよい。いくつかの実施形態では、埋め込み撮像トランスデューサ306の光ファイバケーブルが、埋め込みトランスデューサの印322を提供してもよい。1つまたは複数の実施形態では、埋め込みトランスデューサの印322は、ラジアル画像318内の埋め込み撮像トランスデューサ306の影を備えていてよい。いくつかの実施形態では、回転撮像トランスデューサ308は、細長い部材302内に配置されて、埋め込みトランスデューサの印322を含むラジアル画像318を生成することができる。したがって、操作者は、予め湾曲された器具304を細長い部材302から延出させる前に、予め湾曲された器具304の突出位置を決定することができる。
【0037】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図していない。本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、技術思想、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の態様、実施形態、または構成に、一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理または技術思想または範囲から逸脱することなく、多くの修正、または特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの修正とともに使用され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、または変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。同様に、動作またはアクションまたは手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきではなく、あるいはすべての動作またはアクションまたは手順が実行されるべきであると理解されるべきではない。加えて、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。したがって、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、または本明細書で説明もしくは図示されている特定の実施形態もしくは構成に限定されない。上記を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて請求されてもよく、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0038】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という語句は、動作において接続的および選言的の両方であるオープンエンド表現である。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」エンティティは、本明細書で使用される場合、そのエンティティの1つまたは複数を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、または使用に関して関連する要素を限定するものではない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも示唆するものではない。識別に関する参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を含意することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0039】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「備える/備えている」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、有利に組み合わせられる可能性があり、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを意味するものではない。加えて、単数の参照は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確にする例として提供されており、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【0040】
本明細書によって開示され、請求されるデバイスおよび/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、製造および実行することが可能である。本開示のデバイスおよび方法は、好ましい実施形態に関して説明されているが、本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書によって開示されるデバイスおよび/または方法、ならびに方法のステップまたは一連のステップに変形を適用できることは、当業者にとって明らかであろう。当業者に明らかな全てのそのような類似の代替物および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の技術思想、範囲、および概念の範囲内であるとみなされる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
【手続補正書】
【提出日】2023-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
細長い部材であって、前記細長い部材は、近位端と、遠位端と、前記近位端から前記遠位端に近接する第1の遠位開口部まで延在する第1のルーメンと、前記近位端から前記遠位端まで延在する第2のルーメンと、前記細長い部材の壁に配置された埋め込みトランスデューサとを有し、前記埋め込みトランスデューサは、前記第1のルーメンの遠位開口部から延出する器具の突出位置に対して所定の回転角度で配置されている、細長い部材と、
前記第2のルーメンに配置された回転トランスデューサと
を備え、前記回転トランスデューサは、前記第2のルーメン内からラジアル画像を生成するように構成されており、前記ラジアル画像は、前記器具の前記突出位置に対する前記所定の回転角度における前記埋め込みトランスデューサの印を含む、医療デバイス。
【請求項2】
前記埋め込みトランスデューサは、撮像トランスデューサの少なくとも一部を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記埋め込みトランスデューサは、光ファイバセンサの遠位部分を備える、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記回転トランスデューサは、回転撮像トランスデューサを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記回転撮像トランスデューサは、超音波トランスデューサを備える、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記埋め込みトランスデューサは、前記細長い部材の前記第2のルーメンの壁内に配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2のルーメンは、前記第1のルーメンと前記埋め込みトランスデューサとの間の前記細長い部材内に配置されている、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記器具は、予め湾曲された器具を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記予め湾曲された器具は、予め湾曲された針を備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具の遠位端が前記第1のルーメンの前記遠位開口部から第1の距離に配置される場合に、第1の方向に屈曲するように構成されている、請求項に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具が前記第1の距離から前記第1のルーメンの前記遠位開口部まで移動されると、真っ直ぐになるように構成されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記細長い部材は、前記予め湾曲された器具が前記第1のルーメンの前記遠位開口部から延出されるとき、実質的に真っ直ぐであるように構成されている、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記所定の回転角度は、約45度から約315度の範囲にある、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記器具は、アブレーションプローブを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記細長い部材は、2mm未満の外径を有している、請求項1~のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【国際調査報告】