(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】患者固有の神経調節調整構造
(51)【国際特許分類】
A61N 7/00 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569783
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022028096
(87)【国際公開番号】W WO2022240682
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ショーディ,デイヴィッド・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ギャリガン,クレイグ・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,ウエストン・ブレイン
(72)【発明者】
【氏名】アッシュ,ジェフリー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】サバティーニ,ジェームズ・エンリコ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ22
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】再現可能な方法で標的解剖学的領域への超音波治療ビームの適用を容易にするための構造及び装置を提供する。
【解決手段】特定の態様では、非臨床環境にある場合でも、解剖学的領域を標的とするために装置を繰り返し使用できるように、一般的なプローブ位置決め構造を特定の患者に合わせて構成できるようにする調整可能な位置決め構造が説明される。他の態様では、プローブ位置決め構造は、非臨床環境であっても、プローブ位置決め構造の使用により標的解剖学的領域の反復可能な標的化が提供されるように、それぞれの患者の解剖学的構造に特有であるように製造される。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスであって、
超音波プローブと、
前記超音波プローブを保持するように構成された位置決め構造と、
を含み、
前記超音波プローブは、1つ以上の超音波トランスデューサを備え、
前記1つ以上の超音波トランスデューサは、治療ビームを放射するように構成され、
前記1つ以上の超音波トランスデューサは、撮像ビームを放射するように構成される、ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
同じ前記1つ以上の超音波トランスデューサが前記撮像ビーム及び前記治療ビームを放射する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記治療ビームは、0.2MHzから2MHzの周波数範囲にある、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記位置決め構造は、1つ以上の調整可能なフィッティング機構を備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の調整可能なフィッティング機構が、ストラップ、クリップ、ラチェット、プルコード、レーシングテンショナ、又は膨張可能な構造のうちの1つ以上を含む、請求項4に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記超音波プローブを受け入れて確実に保持するように構成されて設けられたプローブ結合構造をさらに備える、請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
使用前の前記位置決め構造の最初の取り付け操作及び/又は前記位置決め構造のその後の適用を測定及び案内するように構成された1つ以上のセンサをさらに備える、請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサが、慣性測定ユニット(IMU)、接触力センサ、又は張力又は歪みセンサのうちの1つ以上を含む、請求項7に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサによって生成されたセンサデータは、前記超音波プローブの位置及び方向の調整を容易にするために、前記ウェアラブルデバイスの1つ以上の調整可能なフィッティング特徴の調整をガイドするために使用される、請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサによって生成されたセンサデータは、動作中に、前記ウェアラブルデバイスの1つ以上の調節可能な装着機能を自動的に調節して、超音波プローブの位置および向きの調節を容易にする1つ以上の自動化ルーチンへの入力として提供される、請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記位置決め構造は、1つ以上の自由度での前記超音波プローブの移動を可能にするように構成された可動フレームを備えるプローブホルダを備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
前記位置決め構造は、ロック、傾斜、又はスピン角度配向のうちの1つ以上での前記超音波プローブの移動を可能にするように構成された球面ジョイントを備えるプローブホルダを備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
前記位置決め構造は、前記位置決め構造に対して固定位置及び/又は固定方向で前記超音波プローブをロックする1つ以上のロック機構を備えるプローブホルダを備える、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のロック機構は、フィッティング操作の一部として構成され、所与の患者に対する後続の治療セッションにおいて係合されたまま変更されない、請求項13に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記超音波プローブに取り付けられたプローブキャップをさらに備え、前記プローブキャップは、適用されたときの前記超音波プローブの角度配向、減衰特性、又は幾何学的形状もしくは集束特性のうちの1つ以上を決定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項16】
前記超音波プローブ、前記位置決め構造体、または前記プローブキャップのうちの1つ以上が、対応するモジュール構造と交換可能なモジュール交換構造体である、請求項15に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項17】
前記位置決め構造は、患者に適合するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項18】
ウェアラブルデバイスを構成する方法であって、
ウェアラブルデバイスを被験者に適用するステップであって、超音波プローブが前記ウェアラブルデバイスの位置決め構造に結合され、前記超音波プローブが1つ以上の超音波トランスデューサを備え、前記1つ以上の超音波トランスデューサが治療ビームを放射するように構成され、前記1つ以上の超音波トランスデューサは、画像ビームを放射するように構成されている、前記ステップと、
前記被験者の解剖学的標的領域に対して前記ウェアラブルデバイス、前記位置決め構造、又は前記超音波プローブのうちの1つ以上を調整するステップと、
前記解剖学的標的領域に位置合わせされたときの前記ウェアラブルデバイス、前記位置決め構造、又は前記超音波プローブの1つ以上のフィッティングパラメータを決定するステップと、
前記ウェアラブルデバイスがその後治療セッションのために被験者に適用されるときに使用するために、1つ以上のパラメータを保存するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記1つ以上のパラメータを保存する前記ステップが、前記超音波プローブの位置又は向きの一方又は両方に対する後続の調整を防止するために、ロック機構を使用して前記超音波プローブを所定の位置にロックするステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ロック機構は、前記超音波プローブのx、y、及びz次元での移動および配向角度を可能にするプローブホルダの一部として提供され、前記ロック機構は、前記超音波プローブを前記x、y、及びz次元の位置にロックするとともに、前記超音波プローブの配向をロックする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記調整するステップの実行中に、画像データ又はセンサデータの一方又は両方に基づいてガイダンスが受信される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、標的化された生理学的結果(targeted physiological outcomes)を引き起こすための、神経調節エネルギーの適用を介した対象における関心領域の標的化及び/又は投与(targeting and/or dosing)に関する。特に、開示された技術は、訓練を受けていない人が標的領域(targeted region)に繰り返し治療を施すのを助けるのに役立つ可能性がある。
【背景技術】
【0002】
神経調節(Neuromodulation)は、さまざまな臨床状態を治療するために使用されてきた。ただし、神経調節による特定の組織の標的化は困難な場合がある。たとえば、神経調節エネルギーの正確な集中は、個々の患者の解剖学的構造に基づいて異なる場合がある。特定の患者は、身長、体重、年齢、性別、臨床状態などに基づいて、他の患者と比べて臓器のサイズや位置が異なる場合があり、これがさまざまな神経調節技術を使用する場合の標的設定や投与量送達(dose delivery:投与送達、線量送達)に影響を与える可能性がある。
【0003】
超音波装置を使用した神経調節の状況(context of neuromodulation)において、他の一般的な課題は、治療領域の複数回の反復治療を含む治療計画の状況において、処方された用量(prescribed dose:処方された投与量)で正確かつ一貫した超音波治療を繰り返し送達することの困難さに関係する可能性がある。さらに、そのような治療は、最小限の訓練を受けた人には施すのが難しい場合があり、患者は治療セッションごとに臨床現場に入り、及び/又は医学的に訓練を受けた職員による治療を受ける必要がある。したがって、患者自身による治療、又は家庭環境での治療は、通常、超音波ベースの神経調節療法では実現可能とは考えられない。
【0004】
例えば、臨床医が従来の超音波検査を行う場合、臨床医はプローブを身体上に配置し、目標走査面に到達するまであらゆる自由度(DOF:degrees-of-freedom)で操作する。対照的に、患者又は自己管理の在宅環境では、訓練されていないユーザは、超音波画像が利用可能であっても、それを理解し、ハンドヘルド超音波プローブをインテリジェントに操作(intelligently maneuver)してターゲットを見つける能力がほぼゼロである。このような問題により、特に在宅環境において、従来のアプローチを使用して正確に標的を絞った超音波ベースの治療を自己投与することは非現実的になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
開示された実施形態は、請求される主題の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ、これらの実施形態は、可能な実施形態の簡単な概要を提供することだけを意図するものである。実際、本開示は、以下に説明する実施形態と同様又は異なる様々な形態を包含することができる。
【0007】
一実施形態では、ウェアラブルデバイスが提供される。この実施形態によれば、ウェアラブルデバイスは、超音波プローブと、超音波プローブを保持するように構成された位置決め構造とを備える。超音波プローブは、1つ以上の超音波トランスデューサを備える。1つ以上の超音波トランスデューサは、治療ビームを放射するように構成され、1つ以上の超音波トランスデューサは、撮像ビームを放射するように構成される。
【0008】
別の実施形態では、ウェアラブルデバイスを構成する方法が提供される。この実施形態によれば、ウェアラブルデバイスは被験者に適用され(applied)る。超音波プローブは、ウェアラブルデバイスの位置決め構造に結合される。超音波プローブは、1つ以上の超音波トランスデューサを備える。1つ以上の超音波トランスデューサは、治療ビームを放射するように構成され、1つ以上の超音波トランスデューサは、撮像ビームを放射するように構成される。ウェアラブルデバイス、位置決め構造、又は超音波プローブのうちの1つ以上は、被験者の解剖学的標的領域に対して調整される。ウェアラブルデバイス、位置決め構造、又は超音波プローブの1つ以上のフィッティングパラメータは、解剖学的標的領域に位置合わせされたときに決定される。1つ以上のパラメータは、その後ウェアラブルデバイスが治療セッションのために被験者に適用されるときに使用するために保存される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解されるであろう。添付の図面では、図面全体にわたって同様の文字が同様の部分を表す。
【
図1】本開示の実施形態による神経調節送達システムのブロック図である。
【
図2】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図3】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造のさらなる図を示す。
【
図4】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造とともに使用するためのプローブホルダの一例を示す。
【
図5】本開示の態様による、
図4のプローブホルダの断面図を示す。
【
図6】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造とともに使用するためのプローブキャップの例を示す。
【
図7】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図8】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図9】本開示の態様による、表面特徴を有し、超音波プローブ位置決め構造での使用に適したプローブモジュールを示す。
【
図10】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図11】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図12】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造としての使用に適したウェアラブル構造を示す。
【
図13】本開示の態様による、
図12のウェアラブル構造の患者への応用を示す一連の漫画を示す。
【
図14】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造に対してプローブモジュールを保持するのに適したプローブホルダポケットを示す。
【
図15】本開示の態様による、超音波プローブ位置決め構造を取り付けるステップを示すプロセスフローを示す。
【
図16】本開示の態様による、複数のプローブとウェアラブル構造の組み合わせについて導出された等角等高線を示す。
【
図17】本開示の態様による、表面形状測定及びアディティブマニュファクチャリングを使用してカスタムフィット固定具を製造するステップを示すプロセスフローを示す。
【
図18】本開示の態様による、熱成形可能な材料を使用してカスタムフィット固定具を製造するステップを示すプロセスフローを示す。
【
図19】本開示の態様による、キャスティング技術を使用してカスタムフィット固定具を製造するステップを示すプロセスフローを示す。
【
図21】本開示の態様による、成形されたボディインプレッションを示す。
【
図22A】本開示の態様による、トランスデューサ装着プレートを示す。
【
図22B】本開示の態様による、追加のトランスデューサ装着プレートを示す図である。
【
図23】本開示の態様による、カスタムフィット固定具を形成する態様の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ以上の具体的な実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装のすべての特徴が明細書に記載されているわけではない。このような実際の実装の開発では、エンジニアリング又は設計プロジェクトと同様に、システム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実装固有の多数の決定を下す必要があることを理解してください。実装ごとに異なる場合がある。さらに、そのような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それでも本開示の恩恵を受ける当業者にとっては日常的な設計、製造、製造の作業であることを理解されたい。
【0011】
本明細書で与えられるいかなる例又は図も、それらが使用される任意の用語に対する限定、限定、又はその定義の明示として決してみなされるべきではない。むしろ、これらの例又は図は、様々な特定の実施形態に関して説明されており、単なる例示としてみなされるべきである。当業者であれば、これらの例又は図が利用される任意の用語は、それとともに本明細書の他の場所で与えられる場合も与えられない場合もある他の実施形態を包含し、そのような実施形態はすべてその用語または用語の範囲内に含まれることが意図されることを理解するであろう。このような非限定的な例及び図を指定する文言には、「例えば:for example」、「例示的には:for instance,」、「例を挙げると:such as.」、「例:e.g」、「含む:including」、「特定の実施形態では:in certain embodiments」、「いくつかの実施形態では:in some embodiments」及び「一実施形態において:in one (an) embodiment」が含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
明細書で議論されるように、標的超音波神経調節の複数のセッション(例えば、1日1回、1週間に3回、1週間に1回)を伴う治療技術に関して生じ得る1つの問題は、標的超音波神経調節の一貫した正確な位置合わせを提供する必要があることである。各セッション。医療訓練をほとんど又は全く受けていない個人(患者を含む)が非臨床環境(例えば自宅)で実施できる治療という状況では、そのようなターゲティングと位置合わせのガイダンスが、次のような単純な形式で可能な限り提供されることが望ましい。例えば、表示された画像に基づく手動ガイダンスを使用せずに、及び/又はユーザエラーやフラストレーションの一般的な原因を除去又は最小限に抑えて、ターゲット設定及び/又は位置合わせ支援を提供することが望ましい場合がある。さらに、患者の体内の状態や外部の解剖学構造の状態は大きく異なるため、「1つのサイズですべてに適合するアプローチ」は実現不可能であるにもかかわらず、幅広い患者集団での使用に適した1種類の位置合わせ装置を使用することはさらに有用である可能性がある。これを念頭に置いて、現在説明されるアプローチ、構造、及び技術は、カスタマイズ可能な要素を有する、及び/又は各患者の固有の外部身体形状及びサイズ、ならびに患者の内部解剖学的構造の形状、サイズ、及び位置に合わせて個別化される超音波治療位置合わせ装置を包含する。このシステム及び装置は、患者集団全体の大きなばらつきに対処するためにカスタマイズ可能であると同時に、非臨床環境(例えば、患者による家庭での使用)での使用にも適している。
【0013】
一例として、本明細書で論じられる特定の実施形態では、位置合わせ装置は、構成可能(configurable)なサイズ設定又は調整機能、設定、任意の交換可能な機能、パーソナライゼーションのためのコンポーネントやセンサを含むウェアラブル超音波治療位置合わせ装置(例えば、ベルト、ベストなど)として提供される。また、個人化された設定を決定するためのプロトコル、およびそれぞれの治療目標のために所定の位置合わせ装置(アライメントデバイス)を患者に構成するための位置合わせ装置の適合のためのプロトコル(すなわち、適合プロトコル:fitting protocols)も提供され、適合された位置合わせ装置を自宅などの非臨床環境で実施される治療セッションで使用するためのプロトコル(すなわち、使用プロトコル)も記載される。カスタマイズ後、パーソナライズされたサイズ設定及び/又は位置合わせ機能により、各患者の身体上での反復可能な位置決めが可能になり、名目上は超音波治療ビームを内部解剖学的標的に向けて焦点を合わせることができる。このような標的領域は、肝臓内の肝門領域又は脾臓内の門領域などの、より大きな器官又は構造の一部又は小部分であってもよい。
【0014】
各患者の全体的な身体の形状及びサイズ、ならびに身体上の選択された外部位置の独自性(uniqueness)に対処するために、ウェアラブル位置合わせデバイスは、カスタマイズ可能なサイズ設定、調整可能な超音波プローブの配置、及びプローブを所定の位置に固定する機能を備えている。再現可能な方法とハンズフリー動作(hands-free operation)を実現する。各患者の内部解剖学的構造の独自性に対処するために、位置合わせ装置は、目標領域に治療ビームを名目上向けて焦点を合わせるための角度調整(例えば、ロック、チルト、スピン:rock, tilt, spin)及び構成可能な深さを含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、標的の位置が決定された後、システムは、治療用量(therapy dos)を適用するときに決定された位置に治療ビームを電子的に操縦することによって、その位置で治療を送達するように構成され得る。あるいは、適切な治療トランスデューサ特性(例えば、出力処理、周波数範囲、形状など:power handling, frequency range, geometry and so forth)を有する治療トランスデューサ、及び/又は適切なプローブキャップ特性(例えば、角度調整、減衰調整(例えば、スタンドオフ高さ、及び/又はコンポジション:standoff height and/or composition)を有するプローブキャップ)治療用量を適用するときに、治療ビームを所定の位置に向けるために、ビームの焦点、整形、又は標的化(focusing, shaping, or targeting the beam)に有用な他の幾何学的形状又は特徴など)を選択及び採用することができる。
【0015】
フィッティングセッションの一部として個人設定(personalized settings)を決定するとき、調整のロック及びロック解除(locking and unlocking the adjustments)を可能にする物理的特徴、及びベースラインターゲット深度、画像面内のターゲット位置、比較のためのベースライン画像データ、及び他のセンサ読み取り値を使用することもできる。非臨床環境(例えば、家庭)で使用する場合、患者又は他のユーザは、身体の選択された外部位置に位置合わせデバイスを配置し、位置合わせデバイスを所定の位置に固定(例えば、ロック)するように誘導され得る。希望の位置合わせを達成するために微調整を実行する。位置合わせ装置は、患者用に保存された事前情報のほか、オンラインセンサデータやライブ超音波画像(利用可能な場合)を活用して、適切なフィットとプローブの配置を保証する。
【0016】
さらなる例では、本明細書で論じられる特定の実施形態は、患者の外部解剖学的構造に適合するように特注で製造又は成形される位置合わせデバイス又は構造を利用して、内部の超音波刺激標的領域に対する再現性のある正確な位置合わせを保証する。カスタム製造システムを使用すると、非臨床環境の訓練を受けていないユーザ(自宅の患者など)でも、超音波検査技師や臨床医の支援を必要とせずに、複数のセッションにわたって特定の神経標的領域の超音波刺激を安全に実施できる可能性がありる。特に、そのような実施形態では、治療トランスデューサの初期配置精度を再現するカスタム製造プロセスを採用することができる。これにより、自宅などで患者だけが治療を行うことが可能になる可能性がある。すなわち、そのようなカスタム製作構造を使用して、トランスデューサを所与の患者に対してほぼ正しい位置に繰り返し配置することができ、それによって患者が内部標的領域に超音波神経調節を自己投与できるようになる。これにより提供されるターゲットの位置合わせの程度は、カスタム製作の固定具の助けを借りないガイドなしの位置決めに比べて改善される。特に、神経標的領域に対する標的の位置合わせは、患者固有の解剖学的特徴を利用して治療トランスデューサを正しい位置及び向きに固定できる位置合わせ装置のカスタマイズされた性質により改善される。
【0017】
これを念頭に置いて、
図1は、治療プロトコルの一部として神経調節エネルギーを送達する(deliver neuromodulating energy)ために使用されるように構成され、本明細書で論じられる位置合わせ及び/又は位置決め装置又は構造とともに使用され得る神経調節システムの一例を示す。特に、
図2は、
図1は、エネルギーの印加に応答したシナプスの構成要素(例えば、シナプス前細胞、シナプス後細胞)の神経伝達物質放出及び/又は活性化などの神経調節効果を達成するための神経調節のためのシステム10の概略図である。図示のシステムは、エネルギー適用装置(例えば、プローブモジュール14の一部として図示されるような超音波トランスデューサ)に結合されたパルス発生器(治療モジュール12の一部として)を含む。エネルギー印加装置は、例えば、リード線又は無線接続を介して、使用中に対象の内部組織又は器官の標的領域に向けられるエネルギーパルスを受信するか、又はその他の方法で生成するように構成されており、その結果、標的となる生理学的作用がもたらされる。
【0018】
特定の実施形態では、エネルギー印加装置及び/又はパルス発生器は、例えばパルス発生器に命令を与えることができるコントローラと無線で通信することができる。本明細書で論じられるように、エネルギー印加装置は体外装置であってもよく、例えば、対象の体の外側の位置から経皮的又は非侵襲的にエネルギーを印加するように動作してもよく、特定の実施形態では、パルス発生器及び/又はコントローラと一体化されてもよい。エネルギー印加装置が体外にある実施形態では、エネルギー印加装置は、介護者又は患者によって操作され、エネルギーパルスが所望の内部組織に経皮的に送達されるように対象の皮膚上又は皮膚上の箇所に配置されてもよい。エネルギーパルスを所望の部位に印加するように配置されると、システム10は、1つ以上の神経経路の神経調節を開始して、目標とする生理学的結果又は臨床効果を達成することができる。いくつかの実施形態では、システム10は、要素の一部又はすべてが有線又は無線方式で互いに通信できるように実装され得る。
【0019】
システム10は、エネルギー適用装置(energy application device)14の配置及び配向を示す特性を評価する評価装置又はロジックを含むことができる。そのような評価に基づいて、治療用超音波エネルギーの送達を変更、変調、又は操作することができる。自動的に処方された治療結果を達成する。一例として、治療用量を適用する際に、治療ビームを標的位置に電子的に誘導することができる。加えて、又は代替として、エネルギー印加装置12の配置及び/又は向きに関するガイダンスを提供するために、可聴、可視、又は触覚インジケータなどを介して、表示又はガイダンスがユーザに提供されてもよい。
【0020】
本明細書で提供されるシステム10は、所定量のエネルギーを適用するための治療プロトコルの一部として、様々な変調パラメータに従ってエネルギーパルスを提供することができる。例えば、変調パラメータには、連続的なものから断続的なものまでのさまざまな刺激時間パターンが含まれ得る。断続的な刺激では、信号オン時間中に特定の周波数でエネルギーが一定期間送達される。信号オン時間の後には、信号オフ時間と呼ばれる、エネルギーが供給されない時間が続く。変調パラメータには、刺激適用の周波数と継続時間も含まれる場合がある。適用頻度は、連続的であってもよいし、例えば、1日又は1週間以内など、さまざまな期間で送達されてもよい。さらに、治療プロトコルは、エネルギーを適用する時刻、又は食事やその他の活動に関連する時間を指定する場合がある。目標とする生理学的結果をもたらすための治療期間は、数分から数時間までを含むがこれらに限定されない様々な期間にわたって継続することができる。特定の実施形態では、特定の刺激パターンによる治療期間は、1時間継続し、例えば72時間間隔などの間隔で繰り返され得る。特定の実施形態では、エネルギーは、より高い頻度で、例えば3時間ごとに、より短い持続時間、例えば30分間送達され得る。治療期間、周波数、振幅などの変調パラメータに従ってエネルギーの適用を調整可能に制御して、所望の結果を達成することができる。
【0021】
前述の状況を念頭に置いて、
図1に示される追加の特徴を以下にさらに詳しく説明する。特に、システム10の実装形態の態様及びコンポーネントは、上述した特定の機能に対応するモジュールとして示されている。上で述べたように、
図1のブロック図は次のとおりである。
図1は、本明細書に記載の治療機能を実行するために使用できる治療モジュール12及びプローブモジュール14を示す。撮像モジュール16も図示されているが、特定の実施形態では、そのような撮像モジュール16が存在しなくてもよいことが理解されよう。このような代替実施形態では、画像データに対して実行される分析は、再構成されていない(すなわち生の)画像データ、又は再構成されたが表示されない画像データに対して実行され得る。例として、撮像トランスデューサを使用して又は撮像モジュール16で取得されたデータに基づく治療管理及び/又は制御は、再構成画像(例えば、再構成画像データ内のシグネチャ)に基づくか、又は未再構成画像データに存在する超音波シグネチャ(ultrasound signatures present in the unreconstructed image data)に基づいてもよい。
【0022】
プローブモジュール14から始めて、図示の例では、プローブモジュール14はトランスデューサ20を含む。本明細書で使用される「トランスデューサ」とは、第1のエネルギー源(すなわち、電気、機械、磁気など)及び超音波エネルギーへの変換及び/又は第1のエネルギー源からの変換のための任意のサイズ及びセグメント化された物理的構造を指し、プローブモジュール14は、1つ以上のトランスデューサの集合を含む。本明細書で説明するように、トランスデューサの集合の幾何学的形状は、線形(1D)アレイ、2Dアレイ、又は任意のサイズの他の任意の適切な幾何学的形状とすることができるが、本明細書で説明するイメージング及び治療トランスデューサは、独立していても、部分的に共有していてもよく、又は、完全に共有されている。状況によっては、「画像化トランスデューサ」又は「治療トランスデューサ」は、関連する画像化又は治療機能に使用される1つ以上のトランスデューサの集合を指すために使用される場合がある。他の状況では、1つ以上のトランスデューサの集合から生成される「撮像ビーム」又は「治療ビーム」について議論することができ、撮像ビーム及び治療ビームを生成するために使用されるトランスデューサの集合は、独立していても、部分的に共有されていてもよく、又は、完全に共有されていてもよい。
【0023】
これを念頭に置いて、図示の例では、トランスデューサ20は、撮像トランスデューサ(イメージングトランスデューサ)22と治療トランスデューサ24の両方を含む。一実施形態では、治療トランスデューサ24は、0.2MHz~2MHzの範囲内の周波数で動作することができる(例えば、0.5MHz又は2MHzとして)。プローブモジュール14及び/又はトランスデューサ20は、臨床医が患者又は標的領域の状況に最も適合する適切なプローブモジュールモデル又はタイプを選択できるようにするために、特定の実装形態では選択可能又は交換可能であってもよい。適切な公称深さ(nominal depth)、軸方向焦点位置特性、電力処理、周波数範囲、角度調整、減衰調整などを有するプローブモジュール14及び/又はトランスデューサ20を選択する。さらに、マルチトランスデューサの実施形態では、臨床医は、作動するトランスデューサのサブセットを選択することによってプローブモジュール14をカスタマイズして、解剖学的構造(例えば、肋骨、肋骨など)の妨害による干渉を最小限に抑えながら解剖学的標的領域での治療ビームのコヒーレントな加算を可能にすることができる。など)。
【0024】
代替実施形態では、トランスデューサ20は、代わりに、それぞれのイメージング周波数と治療周波数(例えば、治療動作中は0.2MHz~2MHz、イメージング動作中は2MHz~12MHz)の両方で動作可能な1種類のトランスデューサを備えてもよい。それぞれの操作のタイプごとに別個のトランスデューサが提供されるわけではない。このような実施形態では、単一のトランスデューサ又はトランスデューサのタイプは、治療を提供することと画像化タイプのデータを取得することの両方を行うように動作することができる。このような単一トランスデューサタイプのアプローチは、ターゲット領域が浅い、及び/又は高出力が必要ない状況において適している可能性がある。プローブモジュール14及び/又はトランスデューサ20は、臨床医が患者又は標的領域の状況に最も適合する適切なプローブモジュールモデル又はタイプを選択できるようにするために、特定の実装形態では選択可能又は交換可能であってもよい。適切な公称深さ、軸方向焦点位置特性、電力処理、周波数範囲、角度調整、減衰調整などを有するプローブモジュール14及び/又はトランスデューサ20を選択する。
【0025】
図示の例では、プローブモジュール14は又はドウェアコントローラ30を含み、図示の例では、ハードウェアコントローラ30は、治療モジュール12のマスターコントローラ(例えば、プロセッサ)80と通信するマイクロコントローラ(MCU)32を含む。フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)34は、MCU32と、プローブモジュール14に存在して関連付けられ得るセンサ40及び/又はアクチュエータ50と通信する。この構成では、MCU32及びFPGA34は双方向で通信することができる。マスターコントローラ80の構成要素と通信して、プローブモジュール14の諸態様、又は存在する場合には、アクチュエータ50及び/又はセンサ40など、プローブモジュール14に直接的又は間接的に関連付けられた構成要素の動作を調整及び/又は記録する。センサ40に対して、様々なタイプのセンサが、プローブモジュール14と一体化され得るか、又は別個の場合にはプローブモジュール14と通信され得る。一例として、センサ40は、慣性測定ユニット(IMU)(姿勢センサとして機能し得る)、接触力センサ、張力または歪みセンサなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
図1に示すように、1つ以上のセンサ40が存在する場合、FPGA34またはその他のハードウェアコントローラ30に通信可能に結合される場合がある。
【0026】
治療モジュール12に関しては、前述したように、治療モジュール12の実装は、マスターコントローラ(例えば、プロセッサ)80を含むことができ、それ自体は、メモリ構造84に格納され得るような様々なサブモジュール又はルーチンを含むか又は実行し得る。例えば、マスターコントローラ80は、画像ストリーマ及び遠隔制御、人工知能(AI)解剖学的構造の認識及び追跡、ガイド付き投与エンジン、ユーザインターフェース、サポート分析、データロガーなどの機能を提供するモジュールまたはルーチンを含むか、または実行することができる。
【0027】
プローブモジュール14と同様に、特定の実施形態では、治療モジュール12は、それ自体のMCU88及びFPGA90を含むことができるハードウェアコントローラ86を含むことができる。図示及び説明の目的で別個のモジュールとして示されているが、実際には、プローブモジュール14及び治療モジュール12は、実際には同一であってもよい(すなわち、本明細書で説明するように、治療モジュール及びプローブモジュールの両方の機能を実行するように構成された一体構造又はデバイスであってもよい)。これを念頭に置いて、本明細書では別個に説明するが、実際には、ハードウェアコントローラ30及び86は単一のハードウェアコントローラとして実装され得る。図示の例では、MCU88は、マスターコントローラ80及びそのコンポーネント及びモジュールと通信するように図示されている。FPGA90は、治療パルサ受信機92(プローブモジュール14の治療トランスデューサ24と通信するように示されている)、安全回路94、及び/又は電源などの治療モジュール12の他の構成要素と通信し、及び/又は制御する。実際には、マスターコントローラ80は、ハードウェアコントローラ86、30と連携して、本明細書に記載されるプロセス及び構造に従って治療の適用を実行するなど、治療モジュール12及びプローブモジュール14の動作を制御することができる。また、
図1に示すように、マスターコントローラ80及び/又はハードウェアコントローラ86の一方又は両方は、1つ以上のメモリ構造84(例えば、揮発性又は不揮発性メモリ、ファームウェア構造、大容量データストレージなど)と通信することができる。理解されるように、動作(例えば、治療手順又はプロトコル)を実行するためのコード又は実行可能ルーチンは、他の構成要素による使用のためにメモリ84に記憶され得る。さらに、1つ以上の構成可能なパラメータ(例えば、システム設定、イメージャ設定、センサ設定又は閾値など)は、使用のためにシステム10を構成又は較正したユーザなどによってメモリ構造84に記憶され得る。それぞれの治療プロトコルに対して特定の患者によって行われる。さらに、メモリ構造84は、後の読み出し及び評価などのために、治療手順の一部として取得又は生成されたデータ(例えば、画像データ)を格納するために使用され得る。
【0028】
図示の例では、撮像モジュール16もシステム全体のコンポーネントとして図示されている。このようなモジュールが存在する場合、トランスデューサ20(例えば、撮像トランスデューサ22)の動作を制御又は監視して、イメージングデータの生成、収集、及び/又は処理(例えば、再構成)を制御することができる。図示の例では、画像化モジュール16は、治療モジュール12のマスターコントローラ80と通信するものとしても示されており、画像化モジュール16の動作を制御するか、又は画像化モジュール16からのフィードバック及びデータに応答することができる。プローブモジュール14と同様に、上述の治療モジュール12と同様に、画像化モジュール16は、
図1では別個のモジュールとして示されている。機能概念の図示と説明を容易にするために、
図1に示されている。しかしながら、前述の例と同様に、撮像モジュール16は、実際には、プローブモジュール14及び治療モジュール12の一方又は両方と全く同じであってもよい(すなわち、本明細書で論じるように、撮像モジュール及び治療モジュール及びプローブモジュールの一方又は両方の複合機能を実行するように構成された一体構造又はデバイスであってもよい)。
【0029】
前述のシステムの説明を念頭に置き、状況(as context)として、本技術は画像(又は再構成されていない画像データ)誘導超音波治療システム(guided ultrasonic therapy system)に関する。特定の実施形態では、手動誘導なしで目標設定及び/又は位置合わせ支援を提供する装置又は構造が、
図1に関して論じたシステム10と併せて使用される。このようなターゲティング及び位置合わせ装置は、カスタマイズ可能な要素を含んでもよく、及び/又は各患者の固有の外部身体形状及びサイズ、ならびに患者の内部解剖学的形状、サイズ、及び位置に合わせて個別化されてもよい。このシステム及び装置は、患者集団全体の大きなばらつきに対処するためにカスタマイズ可能であると同時に、非臨床環境(例えば、患者による家庭での使用)での使用にも適している。
【0030】
本明細書では集合的にプローブ位置決め構造と呼ばれる、ターゲティング及び位置合わせ装置の様々な例示的な実施形態が本明細書に記載される。これらの装置は、使用されると、非臨床環境で、及び/又は訓練を受けていないユーザ(例えば、患者自身、又は臨床又は医療訓練を受けていない他の個人)によって操作される場合を含め、安全で効果的な超音波神経調節療法の適用を容易にすることができる。したがって、現在説明されている実施形態のいくつかは、エンドユーザが使いやすいように設計又は構成されている。
【0031】
状況により(By way of context)、従来の超音波スキャンでは、患者集団全体にわたって高度のばらつき(high-degree of variability)が存在する。訓練を受けた超音波検査技師は、身体上のプローブの配置位置、プローブの角度、システム設定を調整することで、このような患者のばらつきに適応して、ターゲットの診断画像を取得する。本明細書に記載されるように、本プローブ位置決め構造は、そのような手動操作を回避するのに役立ち(それにより、訓練を受けていない個人による配置及び使用が容易になる)、治療セッション中の個人化された、簡単かつ再現可能なプローブ位置決め及びハンズフリー操作を可能にする。
【0032】
これを念頭に置いて、
図1に示すように、ウェアラブル構造100の形態のプローブ位置決め装置の実装の第1の例において、
図2を参照すると、ハンズフリー使用に適した、身体装着型の調整可能なプローブ位置決め構造が示されている(すなわち、装置も取り付けられたプローブも動作中に保持する必要がない)。この例では、プローブ位置決め構造は、ウェアラブルベルト106(図示)、ベスト、ハーネスなどとして提供され得るが、他のウェアラブルデバイス又はリグ(適切な体の位置に適した)も使用され得る。これを念頭に置いて、この実施形態におけるプローブ位置決め構造は、少なくとも最初に調整可能である(つまり、最初の使用時、又は較正又はフィッティング操作を通じて)。ベルト106の図示の例では、ユーザは、ベルト106を装着し、ウェアラブル構造100に設けられた1つ以上のフィッティング機構112を調整すること(例えば、1つ以上のストラップを締めたり緩めたりすることなど)によって、ベルト106を調整又はフィットさせることができる。又はその他の調整可能な機能)。このようにして着用及び取り付けられると、ベルト106(又は同等のウェアラブル構造100)は、治療又は治療セッションの間、ハンズフリーの方法で着用及び使用することができる。
【0033】
1つ以上のフィッティング機構112には、クリップ114、ロック、調節可能なストラップ116、ラチェット、プルコード、紐張力システム(lace tensioning systems)、又は膨張可能な機構(inflatable features)などの締め付け機構及び/又は締め付け機構が含まれてもよいが、これらに限定されない。このような締め付け及び/又は緩めの特徴は、本明細書で説明するように、手動(すなわち、ユーザ操作又は調整)又は自動(例えば、センサ及び/又は画像データに応答して電動機構を利用して自動的に調整)のいずれかであり得る。ウェアラブル構造100のフィット感に関して、ウェアラブル構造100は複数のサイズ(例えば、小、中、大、特大)で提供され、調整前に患者に最も近いサイズが選択され得る。あるいは、ウェアラブル構造100は、単一のサイズ(つまり、すべてに適合するフリーサイズ)で提供され、フィッティング特徴112は、プローブ位置決め構造の各患者へのフィットを調整又は適合させるためだけに依存してもよい。
【0034】
図2を参照すると、プローブ14(例えば、中央デュアルモード撮像/治療用超音波プローブ)が、ウェアラブル構造100の結合構造又は機構(coupling structure or feature)140(例えば、プローブクリップ又はコネクタ)に取り付けられたものとして示されている。ウェアラブル構造100に接続されるか、又はウェアラブル構造100上に配置される他のプローブ構成(例えば、非中心及び/又は複数のトランスデューサ構成)も可能である。
【0035】
ウェアラブル構造100又はプローブ14の一方又は両方は、ウェアラブル構造100のフィッティングを測定及びガイドするために使用され得るセンサを含み得る。一例として、プローブ14及び/又はウェアラブル構造100は、姿勢センサとして慣慣性測定ユニット(IMU)150を含むことができる。 このようなIMU150は、プローブ14内に埋め込むことができ、フィッティングセッションにおいて、治療またはセラピーのセッションに適したデバイス(例えば、プローブ)の向き(患者の姿勢に対応し得る)を測定するために採用することができる。次いで、IMU150からの測定値を投与セッション又は治療セッション(a dosing or treatment session)で使用して、患者の姿勢がフィッティングセッションに基づいて予想されるものに確実に対応するようにすることができる。さらなる例として、接触力センサ152を、プローブ14の患者に面する表面などに設けることもできる。そのような例では、接触力センサ152をフィッティングセッションで使用して、接触力を測定することができる。これにより、プローブ面から患者に向かう(すなわち患者に向かう)方向のz寸法の調整のための測定値又は指針が得られる。次いで、接触力センサ152からの測定値を投与セッション又は治療セッションで使用して、投与量が適用される前に適切な接触力が存在することを確認することができる。追加の例として、ベルト106上の接続点などに、張力又は歪みセンサ156を設けることもできる。そのような例では、張力センサ156は、ベルト106(又は他のウェアラブル構造100)が患者に適切にフィットするときのベースラインベルト張力を測定するためにフィッティングセッションで使用することができる。次いで、張力センサ156からの測定値を投与セッション又は治療セッションで使用して、用量が適用される前に適切な張力を確保することができる。
【0036】
図3に目を向けると、ベルト106の形態のウェアラブル構造体100のさらなる例が、x方向及びy方向(すなわち、z次元における患者に向かってとは対照的に、垂直方向及び水平方向における患者の表面に沿った方向)における想定される手動調節機構を説明する目的で提供されている。この例では、ベルト106は、
図1に関して説明したような機構を用いて患者に装着することができる。患者に向いたトランスデューサ20を有するプローブ14は、ベルト106の一体的な特徴として、または装着可能な(例えば、クリップ可能な)付属品として、ベルト106に設けられる。例えば、本明細書で述べたように、プローブ14(中央デュアルモード撮像/治療超音波プローブであってもよい)は、ウェアラブル構造体100、ここではベルト106の結合特徴(例えば、プローブクリップまたはコネクタ)に取り付けられてもよい。
図3において、ベルト106は、ベルト106に設けられた音響窓180を通してプローブ14の患者に面する面が見える透視図から示されている。
【0037】
図3に示されるようなウェアラブル構造100を利用する一実施形態では、ベルト106を患者及びプローブ14に適用することができ、関連する1つ以上のトランスデューサ20をベルト106の音響窓180に対してx、y次元で移動させて、プローブの配置を達成することができる。このような特定の実施形態では、システム10が同時に取得された超音波画像データを分析している間に、ユーザは、音響窓180に対してx次元及びy次元でプローブ14を移動させることによって、1つ以上のトランスデューサ20の位置を調整することができる。一実施形態では、システム10は、(例えば、光学的、可聴的、及び/又は触覚的なフィードバック又は手がかりを使用して)音響窓180に対してx次元及びy次元でプローブ14を移動させて、標的領域との位置合わせを取得するようにユーザを誘導する。あるいは、別の実施形態では、ユーザは、システム10が標的領域との位置合わせが達成されたことを示すまで、音響窓180内でプローブ14及び関連する1つ以上のトランスデューサ20をランダムに移動させる。この指示は、二値のはい/いいえであってもよく、システム10は、光学的、聴覚的、及び/又は触覚的な手がかり又はフィードバック(例えば、ユーザが受け取るにつれてビープ音を速く又は大きくすること(又は同様の視覚的フィードバック)によって)を使用して、ランダムな動作中にガイドしてもよい。
【0038】
図2に関して説明した例と同様に、
図3のベルト106は、ベルト106の取り付けを測定しガイドするために使用できるセンサ40を取り付けることもできる。一例として、センサ40を使用して、ベルトの締め付け、接触力、姿勢、及び/又は体の位置に関するフィードバックを測定及び/又は提供するために採用することができる。
【0039】
さらなる実施形態では、ベルト106は、ベルト106が所定の位置に固定された後のx、y次元におけるトランスデューサ20の調整を許容しないか、又は制限する可能性がある。このような実施形態では、トランスデューサ20のx、y位置合わせは、治療セッションのためにベルト106をロックダウンする(すなわち、固定する)前に行うことができる。例えば、ユーザ(例えば、患者)は、ベルト106(又は他の位置決め装置)を患者の適切な全体位置に配置することができる(例えば、ベルト106を所定の位置に締め付けたりロックしたりすることなく)。次いで、ユーザは、上述したようなフィードバック又は通知機構などを介して、標的領域との位置合わせが達成されるまで、プローブ14又はプローブ14が取り付けられたウェアラブル構造100(例えば、ベルト106)の配置を移動又は調整することができる。標的領域との位置合わせが得られると、ユーザ(例えば、患者)は、治療セッションのためにプローブ14を所定の位置にロックするためにウェアラブル構造100を締めるか固定する(tighten or secure)ことができる。
【0040】
別の実施形態では、ベルト106などのウェアラブル構造100は、臨床医がフィッティングセッション中にベルト106の位置及び向きをロック又は固定するために利用できるロック機構(例えば、クイックロック機構)を含んでもよい。適切な位置及び方向が決定され、プローブがベルト106に再係合又は取り付けられると、プローブ14は再び動かされる。このような実施形態では、ロック機構は、一旦ロックされると、プローブの位置及び方向設定の操作又は調整を防止又は制限する。これは、使用していないときなど、プローブ14がプローブ位置決め構造100から係合解除されているか、又はプローブ位置決め構造100から取り外されている(例えば、クリップが外されている)場合でも、臨床医によって指定される。このようにして、臨床医以外のユーザは、装着プロセス後にウェアラブル構造体100に取り付けられるときに、プローブ14の位置を変更したり、方向を変更したりする能力を妨げるか、制限することができる。
【0041】
そのような一例では、最初のフィッティング又は較正セッション中に、臨床医は、音響窓180に対するベルト106及びベルト106に結合されたプローブ14のフィット感を手動で調整して、音響窓180のトランスデューサ20を位置合わせする。プローブ14を標的領域に合わせる。適合中、臨床医は、標的領域に対する最適なプローブ配置のために、また適合時に患者との良好な音響接触を確保するために、z次元でのプローブ14の適合を調整することもできる。フィッティングセッションはまた、ターゲット領域に関して適切な(例えば、最適な)走査面に較正又はロックされるように、ベルト106に取り付けられたときのプローブ14のロール、ピッチ又は、ヨー(例えば、揺動、傾斜、回転など)のうちの1つ以上を調整することによって、ベルト106に固定されるときのプローブ14の向き(プローブのx、y、及びz次元の位置決めとは対照的に)を固定することもできる。プローブ14の位置及び配向が標的領域と整列するように決定されると、ロック機構は、プローブ14がウェアラブル構造100に結合されたときに標的領域と整列するように設定又はロックされ得る。ウェアラブル構造100は患者に適用され、固定される。
【0042】
このようにして、ウェアラブル構造100及びプローブ14が後続の治療セッションに適合すると、ユーザ(例えば、患者)は、プローブ14が適切に位置決めされるように、治療セッション中にウェアラブル構造100及びプローブ14を適用することができる。そして治療を適用することを目指している。特定の実施形態では、ユーザは、音響窓180に対してx、y、及び/又はz次元でプローブ14を移動させることによって、限定された能力で1つ以上トランスデューサ20の位置を調整することが許可され得る。システム10は、同時に取得された超音波画像データを分析する。すなわち、いくつかの実施形態では、ロックアウト機構が使用される場合、ユーザが取り付けられたプローブ14の位置及び/又は方向を調整できる範囲は、本質的にユーザが微調整又は最適化する能力を可能にする場合に制限される可能性がある。プローブ14の位置及び向きは、ロック機構によって設定された制限内にある。一実施形態では、システム10は、(例えば、光学的、可聴的、及び/又は触覚的なフィードバック又は合図を使用して)音響窓180に対してx次元及びy次元でプローブ14を移動させ、標的領域との最終的な位置合わせを取得するようにユーザを誘導する。
【0043】
前述の説明は、一般化されたプローブ配置デバイスの設計及び関連するフィッティング概念の様々な態様に関するものであるが、そのようなアプローチの現実世界又は実用的な実装又は態様を説明するために、様々な例示的な設計及び使用例が以下に提供される。一例として、
図4(外観図)及び
図5(対応する断面図)を参照すると、ウェアラブル構造100(例えば、音響窓180において、結合特徴部(coupling features)140を使用する)に結合するのに適したプローブホルダ200の一実施形態の例が示されている。プローブホルダ200の図示の例は、患者の皮膚表面に直交するz次元及び/又はプローブ14の角度又は傾き(すなわち、角度調整)だけでなく、x次元及びy次元(すなわち、ウェアラブル構造100の音響窓180内のx次元及びy次元の位置決め及び/又はウェアラブル構造100自体の配置)に関しても、(初期フィッティング又は較正を行う臨床医による、又は非臨床ユーザによるような)手動調整を可能にすることができる。さらに、図示の実施例は、患者に装着されると、z軸位置決め、角度位置決めなどの両方をロックするためのロック機構を提供する。
【0044】
プローブキャリッジフレーム208は、プローブモジュール14がプローブキャリッジフレーム208に取り付けられたときに、z次元(つまり、患者に向かうか、患者から遠ざかる)に移動させることができるように、z軸キャリッジ212を介してz軸レール210に連結されている。
図5の断面図により明確に示されるように、部分的にz軸キャリッジ212のくぼみ内に存在し、プローブキャリッジフレーム208に接続する球面ジョイント220も設けられる。この例では、球面ジョイント220により、プローブキャリッジフレーム208(及び取り付けられたプローブモジュール)を取り付けることができる。14)球面ジョイント220によって提供される運動範囲に基づいて揺動、傾斜、及び/又は回転する。
【0045】
球面ジョイント220をz軸キャリッジに対して固定する球面ジョイントクランプ222が設けられている。図示の例では、球面ジョイントクランプ222は、ロック位置とロック解除位置との間で手動で作動させることができるクランプレバー226に接続されている。図示の例では、クランプレバー226は、z軸レール210の側面に沿って示されており、球面ジョイントクランプ222と係合するために、z軸レール210及びz軸キャリッジ212を通過する延長部に結合されている。クランプレバー226をアンロック位置からロック位置に移動させることにより、ユーザは、z軸キャリッジ212と球面ジョイント220の動きを同時にロックして、プローブキャリッジフレームをz次元で回転、ロック、及びチルト方向でロックすることができる。
【0046】
z次元における焦点に関して、z次元におけるプローブモジュール14の移動及び固定は、適切な焦点面を達成するための1つのアプローチであるが、適切なプローブモジュールの選択が重要であることも理解されるべきである。利用可能なプローブモジュールのセットの中から
図14に示すプローブモジュールを選択することも、適切なz焦点を達成する一部となり得る。例として、適切な治療トランスデューサ(例えば、単一素子トランスデューサ)を有する一組の利用可能なプローブモジュールはそれぞれ、異なるそれぞれの固有のz次元焦点(例えば、6cm、8cm、10cmなど)を有することができる。フィッティングセッションにおいて、臨床医は、利用可能なプローブモジュールのセットから、それぞれの患者の標的領域の深さに最もよく適合するプローブモジュール14を選択することができる。固有のz焦点を有する選択されたプローブモジュールは、取り付け及び/又は較正のためにプローブホルダ200と組み合わせることができる。
【0047】
さらに、利用可能なセットからのそれぞれのプローブモジュール14は、患者に対するプローブモジュール14の角度又は向きに関して(又は代わりに)異なっていてもよい。
図6に示されるように、患者に対するそれぞれのプローブモジュール14の角度方向(すなわち、焦点面内の標的領域に対応する正しいx位置に焦点ビームを向けること)は、プローブキャップ204によって決定され得る。プローブモジュール14が取り付けられる。このようなプローブキャップ204は、プローブモジュール14に永久的に取り付けられてもよいし、取り外し可能で交換可能であってもよい。異なるプローブキャップ204は、プローブキャップ204の選択によってプローブキャップ204の角度方向が決定されるように、それぞれ異なる角度方向(例えば、-20°、-10°、0°、10°、20°など)に関連付けられ得る。一例として、交換可能なプローブキャップは、プローブモジュール14が体表面に接触する角度を適合させて、患者に対する揺動角又は傾斜角を減少させたり、音響開口部のサイズを小さくしたりして、患者のアクセスゾーンと解剖学的ターゲットに最適に適合させることができる。この角度調整に加えて、又はその代わりに、プローブキャップ204は、減衰特性又は調整(例えば、スタンドオフ高さ、スタンドオフ組成(standoff height, standoff composition)など)、ビームの焦点合わせ、整形、又はその他のターゲット設定に有用な形状及び/又は集束特徴によって区別され、それらに基づいて選択されてもよい。
【0048】
図4及び
図5に示すように、プローブホルダ200は、ベルト、ベスト、又は他の位置決め構造への取り付けインターフェースとして機能して、プローブ位置決め集合構造を形成するフレーム250を含む。この例では、z軸レール210は、z軸レール210に接続された構成要素(例えば、プローブホルダ200の残りの部分)をフレーム250に取り付けるように(レール取り付け点などを介して)フレーム250に取り付けられる。この例では、フレーム250は、ベルトなどの位置決め装置上の相補的構造(例えば、アンカーポイント又は取り付けレール)と係合し得る取り付け点254(例えば、ベルトレール取り付け点)を含む。例えば、フレーム250上の取り付け点254は、プローブ位置決め構造のベルト又はベストに設けられた取り付けレール上の相補的な取り付け点に係合又は固定することができる。
【0049】
一般的に説明されるように、ウェアラブル構造100と組み込むのに適し得るプローブホルダ200を念頭に置いて、以下の3つの例は、プローブ位置決め構造を実装するための異なるアプローチを示す。以下の例は、単に異なる概念を例示するものであり、プローブ位置決め構造が提供され得る方法を限定することを意図するものではないことを理解されたい。代わりに、次の例は、そのようなプローブ位置決め構造がどのように実装及び使用されるかをよりよく図示して説明するために、コンテキストと現実世界のフレームワークを提供することを目的としているだけである。理解されるように、本明細書で論じられる様々なウェアラブル構造100の実装が適切なサイズ及び/又は柔軟性を有する範囲で、そのようなプローブ位置決め構造は、治療モジュール12内のコンパートメントに適合するように、又はそうでなければ保管されるように構成され得る。このようにして、ウェアラブル構造100は、それが使用されるデバイスとともに便利に保管され得る。
【0050】
図7及び
図8を参照すると、1つ以上の張力機構(tensioning features)を有し、着脱が容易なベルト106の形態のウェアラブル構造100が示されている。一実施形態では、ベルト106は、異なる身体サイズ又は体重に適合するようにカスタマイズ又は構成可能な「フリーサイズ」ベルトであってもよい。例えば、
図7に示され、また
図8及び
図9で強調表示された特定のフィッティング及び/又は調整機能有する実施態様は、フィッティングセッションで最初に構成又はフィッティングされ、その後、治療セッションのために臨床医又は非臨床医によって適用され得る。理解されるように、実際には、ベルト106は、プローブモジュール14を臨床的に適切な位置及び配向に保持するように配向又は配置され得、したがって、プローブモジュール14は、患者の前面、背面、又は側面に保持され得る。特定の実施形態では、臨床医でなくても使いやすいように、プローブモジュール14は、起動を容易にするための外向き表面の電源オン/オフボタン又はスイッチ246を含んでもよい。
【0051】
一例として、ベルト106は、操作が簡単かつ迅速である磁気クロージャ256を介して固定及び解放することができる。調整は、
図7及び
図8に示され、引きハンドル(プルハンドル)242を有する引き紐240を含み、ベルト106の1つ以上の紐又はウェビング部分(lace or webbing portions)244によってもたらされる分離を制御し、それによってベルト106を締めたり緩めたりすることを可能にする、引き紐締めシステム(pull-string lace tightening system)を使用して達成することができる。一例として、フィッティングセッションでは、ベルト106は、磁気クロージャ256などを介して固定され得、一旦固定されると、引きハンドル242が締め付けられて、プローブモジュール14を適切な位置及び向きに配置する方法でベルト106を患者に適合させることができる。次いで、引き紐240及び引きハンドル242は、フィット感の調整を防ぐために、ケーブル又はコード留め具252によって固定され得る。ケーブル留め具(cable fastening features)252は、治療モジュールとプローブモジュール14との間に延びるプローブモジュールケーブル260などの他のケーブル又はストリングを固定するために使用することもできる。
【0052】
特定の実施形態では、プローブモジュール14は、電子的なトラブルシューティング又は位置合わせを容易にするために、治療モジュール又は家庭用電子デバイス(例えば、患者の携帯電話上で実行されるアプリケーション)と通信するように構成され得る。一例として、装着されたベルト106及びプローブモジュール14が患者に適用されると、患者は、携帯電話上のアプリケーションを利用して、小さなミスアライメント(整列の誤り)に対処するように治療ビームを電子的に整列、誘導する自動調整又は位置合わせプロセスを実行することができる。
【0053】
これは、患者への調整及び/又はフィッティングを容易にする他の態様とともに
図8に示されている。例えば、
図8では、引きハンドル242及びプルストリング240は、引きハンドル242を引くとウェビング部分244が締め付けられるような操作可能な構成で示されている。さらに、ベルト106は、フィッティング操作中など、余分な長さ270を除去するためにトリミング可能であるように示されている。例えば、ベルト106が「フリーサイズ」である実施形態では、ベルト106は、装着時に、装着作業を行う臨床医によって切断及び除去できる余剰長さ270を含み得る。クリップ272がベルトに固定され、端部を固定し、切断端が存在する場合にはそれを覆う。
【0054】
図9を参照すると、更なる改良では、プローブモジュール14は、プローブモジュール14が患者に対して位置決めされると滑りを制限又は排除するために、患者に面する表面に滑り止めの突起(例えば、バンプ、バンパー、「足」:bumps, bumpers, “feet”)を含んでもよい。一例として、突起は、取り付けられたベルト106が患者に適用されるときに、プローブモジュール14の動きを抑制するために患者に押し付けることができる。
【0055】
図10及び11を参照すると、自動張力を採用したベルト106の形態のウェアラブル構造100の一例が示されている。前述の例と同様に、ベルト106は、異なる身体サイズに適合する「フリーサイズ」ベルトであってもよいし、又は、異なる身体サイズ(例えば、1つ、2つ、又は3つのサイズ)のベルトであってもよい。以下でより詳細に説明するように、自動張力プロセスを使用して、ベルト106を適用した後に患者にベルト106を適合させることができる。理解されるように、実際には、ベルト106は、プローブモジュール14を臨床的に適切な位置及び配向に保持するように配向又は配置され得、したがって、プローブモジュール14は、患者の前面、背面、又は側面に保持され得る。
【0056】
図示の例では、ベルト106は、片面に沿った面ファスナーシステム(hook-and-loop fastening system)280を使用して患者に適用又は装着され得るが、他の締結機構も適宜使用され得る。患者に適用されると、自動プロセスを使用して、ベルト106と一体化された膨張式締め付けシステムを、患者に対して所定の張力で作動させることができる。所定の張力は、初期フィッティングプロセスの一部として臨床医によって構成又は設定されてもよく、及び/又は標準化された張力パラメータに基づいて事前に定義されてもよい。張力付与プロセスの一部として、プローブモジュール14又はウェアラブル構造100(例えば、ベルト106)の一方又は両方に設けられた1つ以上のセンサ(例えば、接触力センサ、張力又は歪みセンサ)を使用して、以下を提供することができる。ひずみ又は力の測定値を、自動張力プロセスを実行するプロセッサベースのデバイスに送信する。一例として、プロセッサベースのデバイスは、
図11に示すように、治療モジュール12、プローブモジュール14、又は以下で説明するように、コンピュータ、タブレット、もしくは携帯電話290などの別個のデバイスであってもよい。
【0057】
図11に示されるように、ベルト106の丸い(例えば、円形又は楕円形)形状を維持し、ベルト106の着脱を容易にする、ベルト106のばね鋼部品(影で示す)などの内部構造部品292を設けることができる。例えば、そのような構造部品292は、ベルト106の形状を維持するのに役立ち、ベルト106を取り付けたり取り外したりするために容易に分離することができる。
【0058】
さらに、ベルト106は、(接触力又は張力に基づいて)患者への規定又は定義されたフィット感を達成するために、様々な程度に膨張させることができる空気袋又は他の膨張可能部分を含むことができる。例えば、上で述べたように、プローブモジュール14又はウェアラブル構造100(例えば、ベルト106)の一方又は両方に設けられた1つ以上のセンサ(例えば、接触力センサ、張力又は歪みセンサ)を使用して、以下を提供することができる。張力又は力の測定値を、膨張可能部分の膨張を制御する実行可能な張力ルーチンにリアルタイムで送信し、張力ルーチンが所定の張力又は接触力に達するまで膨張可能部分を膨張し続けるようにする。規定の張力又は接触力に達すると、プローブモジュール14はさらに電子的に(必要に応じて)位置合わせされ、治療が施される。
【0059】
図示の例では、張力ルーチン及びプローブモジュール14及び/又は治療モジュール12の動作を実装又は制御することができる、携帯電話290の形態のプロセッサベースのデバイスが示されている。携帯電話290は、ベルト106の膨張を開始及び制御する、及び/又は膨張が完了すると治療セッションを開始することができるアプリケーションを記憶及び実行することができる。さらに、ベルト106を膨張させるステップと治療を適用するステップとの間に、携帯電話290上で実行されるプロセス(又は携帯電話290によって制御されるプロセス)が、小さなミスアライメントに対処するために治療ビームを電子的に位置合わせし、方向付けることができる自動調整又は位置合わせプロセスを実行することができる。
【0060】
図12、13、及び14を参照すると、より広い患者範囲及び/又はより優れたプローブ位置の制御を提供する、ベスト300の形態のウェアラブル構造100の例が示されている。ベスト300は、異なる身体サイズ又はタイプに適合する複数のサイズ(例えば、XS、S、M、L、XL)で提供され得る。理解されるように、実際には、ベスト300は、プローブモジュール14を臨床的に適切な位置及び配向に保持するように配向又は配置することができ、したがって、プローブモジュール14を患者の前面、背面、又は側面に保持することができる。
【0061】
図示の例では、ベスト300の形態のウェアラブル構造100は、所与のベスト300の各患者への装着を容易にするための1つ以上の張力機構を含む。例えば、
図12に示される実装は、フィッティングセッションで最初に構成又はフィッティングされ、その後、臨床医又は非臨床医によって治療セッションに適用され得る。
【0062】
一例として、ベスト300は、操作が簡単かつ迅速である磁気閉鎖手段を介して固定及び解放することができる。代替として、又は追加として、適用時にベスト300を固定するために1つ以上のジッパー306を設けることができる。一実施形態では、調整は、引き紐締め付けシステムを使用して達成することができ、引きハンドル242を有する引き紐又はストラップ240を含むものとして
図12に示され、ベスト300の1つ以上のレース又はウェビング部分によって提供される分離を制御する。一例として、引きハンドル242を介したプルストリング又はストラップ240の締め付けは、患者の腹部及び/又は肩の周りでベスト300のプルウェビング部分を締め付けることができ、ベスト300の部分を締め付ける(又は緩める)ために利用することができる。
【0063】
図示の例では(
図14に示すように)、プローブモジュール14は、ポケット310又は他のホルダ内に嵌合して患者の皮膚304と接触する。一例として、ポケット310は、ポケット310に挿入されるときにプローブモジュール14が係合するブラケット又は他の構造的特徴を含んでもよい。ポケット310は、プローブモジュール14間の張力を確実にするように構築されてもよい。(挿入時)及び患者(すなわち、プローブモジュール14がフィットしたベストに挿入されるとき、プローブモジュール14は患者の体内に押し込まれる)。ポケット310内にあるとき、プローブモジュールに関連付けられたコード260は、ベスト300を通って(例えば、ベスト300内に形成された層又は通路を通って)配線され得る。
【0064】
図13を参照すると、患者がベスト300を着用し、一体型ポケット310にプローブモジュール14を挿入する例を示す一連の図が示されている。この例に示されているように、患者は最初にベスト300を頭の上に着用する(左上:頭の上からかぶる)。次いで、ベスト300の側面が磁気クロージャなどによって固定され、ジッパー306を使用してベスト300を垂直方向(すなわち、上から下)に固定する(右上)。引き紐240を引いて、患者の腹部及び/又は肩の周りでベスト300を締め付けることができる(左下)。次に、プローブモジュール14をベストのポケット310に固定することができる(右下)。
【0065】
特定の実施形態では、
図12に示されるように、プローブモジュール14は、プローブモジュール14及び/又は治療モジュール12の動作を実装又は制御し得るプロセッサベースのデバイス(例えば、携帯電話290)と通信するように構成され得る。290は、電子的なトラブルシューティング又は調整を容易にするアプリケーションを格納及び実行することができる。一例として、フィットしたベスト300及びプローブモジュール14が患者に適用されると、患者は携帯電話上のアプリケーションを利用して、治療ビームを電子的に位置合わせし、方向付けることができる自動調整又は位置合わせプロセスを実行することができる。小さなミスアライメントに対処する。
【0066】
前述の実装形態のいくつかは、本明細書で論じられるように、プローブ位置決め構造を調整するためのフィッティング操作又はセッションに言及している。このようなフィッティングセッションは、それぞれの患者及び治療プロトコルに対するプローブ位置決め構造の初回セットアップに使用することができる。このようなフィッティングセッションでは、ウェアラブル構造100に対する患者固有の物理的調整、撮像パラメータ、及びアクセス位置がすべて決定され、記録され、その結果、ウェアラブル構造100がいつでもその患者に対して再構成され得る。フィッティングセッションとは対照的に、投与セッション(dosing session)は通常の動作モード(すなわち、治療の適用)であり、患者又は別の非臨床医が自宅などで自分でフィッティングされたウェアラブル構造100を操作する。このような投与セッションの一例では、患者は、システムガイダンスを受けながら、ターゲットに対する超音波画像の位置合わせが見つかるまで、装着されたウェアラブル構造100(例えば、個人装着型デバイス)を装着する。その後、システムは治療用量(treatment dose)が完了するまでハンズフリー自律方式で動作する。
【0067】
図15を参照すると、フィッティングセッションで実行されるステップの例がプロセスフローの形式で示されている。説明されたステップ及びそれらの順序は単に説明のために提供されており、実際には、特定のアクションは異なる順序で、又は互いに並行して実行され得ることを理解されたい。実際、説明されているステップとその順序は、単に説明の目的で提供され、現実世界のコンテキストと実装の一例を提供するものであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0068】
図15を参照すると、ウェアラブル構造100が複数のストックサイズ又はタイプ(stock size or type)で提供される実装形態では、臨床医は最初にウェアラブル構造100のサイズ(例えば、小、中、大)又はタイプ(ベルト、ベスト)を選択し(ステップ350)、患者に装着する。次いで、選択されたウェアラブル構造100を使用して、基本的なフィッティングステップが患者に対して実行され得る(ステップ354)。一例として、臨床医は、ウェアラブル構造100を患者に固定し(例えば、身体装着装置を患者にストラップで固定する)、基本的なフィット感を得るためにデバイスの1つ以上の機能を調整する場合がありる。次に、プローブモジュール14が適用され(ステップ358)、初期プローブ調整が実行される(ステップ362)。例として、初期プローブ調整には、患者が通常に呼吸している間に、臨床医がプローブモジュール14を6自由度(x、y、及びz位置、揺動、傾斜、及び回転(例えば、ロール、ピッチ、及びヨー))で操作し、ターゲット領域を特定し、アクセスポイント又は窓(つまり、x、y位置)を患者の身体上に配置することが含まれるが、これらに限定されない。このプロセスの一部として、臨床医は、最良の位置合わせ、深さ、電力供給を得るために、プローブモジュール14の構成要素(選択されたトランスデューサ20及び/又はプローブキャップ204など)又はプローブモジュール14自体を選択又は交換することができる。角度範囲など、システム全体の制約内でターゲット領域を設定する。一例として、この段階で臨床医は、決定された構成に最もよく適合する適切なプローブSKU(stock-keeping unit、固有の構成用の在庫管理ユニット)又は部品を選択することができる。このアプローチの例には、公称深さ、周波数、電力供給、及び/又は軸方向焦点位置(nominal depth, frequency, power delivery, and/or axial focus locatio)を調整する交換可能な治療トランスデューサ、及び/又は必要なロック角又はチルト角を低減するためにプローブモジュール14の角度を変える交換可能なプローブキャップを選択することが含まれ得る。体表面に合わせて治療ビームを減衰又は成形したり、音響開口部(acoustic aperture)のサイズを患者のアクセスゾーン及び解剖学的標的に最適に適合させたりすることができる。
【0069】
これらの最初のステップが完了すると、張力をかけるステップを実行することができる(ステップ370)。このステップ中に、臨床医は、ウェアラブル構造100(例えば、ベルト又はベスト)を張って、アクセスポイント(x、y位置)を所定の位置にロックすることができる。最終的なプローブ位置決めステップは、張力をかけた後に実行することができる(ステップ374)。このステップ中に、臨床医は4つの自由度(z位置、ロック、チルト、スピン)で微調整を実行して、治療セッションに最適なプローブ位置を見つけることができる。このような最適なプローブ位置は、典型的には、呼吸サイクルの十分な割合(例えば、60%、70%、80%など)に対して許容可能なターゲット位置合わせに基づくことになる。このようなターゲット位置合わせの最適化は、ターゲットが視野の中心に維持されること、ターゲットが撮像面内にあること、ターゲットがプローブモジュール14などの電子ステアリング機能内にあること、に基づくことができるが、これらに限定されない。
【0070】
最終的なプローブの位置決めが実行されると、臨床医はプローブモジュール14を所定の位置にロックすることができる(ステップ378)。その後、臨床医はプローブモジュール14を解放し、身体へのプローブモジュール14のフィットの安定性を確認することができる(ステップ382)。これらのステップは、観察された安定性が満足できるものであると判断されるまで、反復して繰り返すことができる。
【0071】
臨床医は、プローブの位置決めが完了すると、撮像装置の設定を最適化することができる(ステップ386)。一例として、臨床医は、治療管理を支援又はその一部として画像化(imaging:撮像)が実行される実施形態において、最良の画質を得るために画像化装置の設定を最適化することができる。以下に説明する画像設定は、患者が今後使用するために保存される場合がある。超音波画像設定の例には、深さ、ゲイン、周波数、及び画質を最大化するためのその他の一般的なパラメータが含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
上述のように位置及び撮像装置の設定が確立されると、患者に対して1つ以上の試行(test runs:テストラン)を実行することができる(ステップ390)。例として、患者はウェアラブル構造100の装着方法を教えられ、着用構造の再現性をテストするためにいくつかの試行(例えば、1、2、3、4、5など)を実行するのを観察され得る。患者の治験プロセスの一部として、臨床医は、ウェアラブル構造体100の確実かつ反復可能な装着を提供するために、初期のステップの1つ以上を繰り返すことができる。ウェアラブル構造体100及びプローブモジュール14が装着及び構成されると、プローブモジュール14のシステム設定が行われる。組み込みイメージャ及びコンピューティング電子機器が決定され、今後の使用に備えて保存される。一例として、ウェアラブル構造100の物理的調整398の設定を記録し、保存することができる(ステップ394)。さらに、臨床医又はシステムは、フィット感に関連するイメージャ設定402及び/又はセンサ読み取り値406を記録し、保存することができる。構造100の状態(例えば、接触力又は張力、姿勢など)。このような画像及び/又はセンサ適合設定(例えば、センサ出力)は、非臨床治療状況におけるウェアラブル構造100の適合をチェック及びガイドするために後続のセッションで使用され得る。同様に、最適な走査面内のターゲットの位置(深さと軸方向の位置)を決定し、その後の使用のために保存することができる。保存された設定は、自宅(又は別の非臨床環境)にいるユーザが、非臨床環境で使用されるときにウェアラブル構造100の適切なフィット感を確認するようにガイドするために使用され得る。
【0073】
上記は、プローブ位置決め構造を取り付けるステップ例に関するものであるが、フィッティングセッションの一部として追加のステップを実行できることを理解されたい。たとえば、そのようなセッションの一部として、患者固有のベースライン画像データが自動処理のために取得される場合がある。同様に、性能をテストするために模擬投与シーケンスを実行することもできる。
【0074】
プローブモジュール14及び/又はプローブホルダ200の設計及び/又は選択が、フィッティング又は設計プロセスの一態様であり得ることにも留意されたい。特に、プローブモジュール14、プローブホルダ200、及びプローブとホルダの特定の組み合わせは、ウェアラブル構造100に装着され取り付けられるとき、それらの可動範囲の範囲が変化する可能性がある。フィッティングプロセスでは、あるタイプの動きは、プローブの方向の他の側面によって制限されたり、それに依存したりする場合がある。たとえば、プローブの最大の「ロック」方向は、プローブの傾斜角及び/又はスピン角に依存する可能性がある。この依存性は、プローブモジュール14及びプローブホルダ200の設計(例えば、ウェアラブル構造100に対するホルダのボール捕捉機構(ball capture mechanism))の関数である。
【0075】
これを念頭に置いて、プローブモジュール14、プローブホルダ200、及びプローブとホルダの特定の組み合わせは、それらの運動依存性及び相互関係に関して特定の又は既知の特性を有するように設計され得る。このようにして、適合プロセスにおいて適切なプローブモジュール14及びプローブホルダ200を選択することができる。
【0076】
特性評価に関して、特定の技術を使用することができ、完全を期すためにここで説明する。このような特徴付け技術の1つでは、プローブモジュール14とプローブホルダ200の異なる組み合わせが、向きの異なる順列に対して全動作範囲を通って移動しながら、ウェアラブル構造100に対する(取得されたフレームごとに)相対的な向きについて光学的に追跡される。一例では、逆運動学(inverse kinematic)及び問題のコンポーネントの既知のモデルを使用して、プローブ及びウェアラブル構造(例えば、ベルト)の相対方向が計算される。
【0077】
動作範囲の範囲を決定するために、球面ジョイントを表す3つの角度である、x値=ロック、y値=傾斜、z値=スピン(x-values = rock, y-values = tilt, and z-values = spin)の3空間に表示される方位動作範囲値に基づいて、ドローネー三角形分割(Delaunay triangulation)の凸包(すなわち、凸状三次元(3D)構造)を作成することができる。実際には、凸包(convex hull)は、(追跡プローブホルダ200内に取り付けられた)追跡プローブモジュール(tracked probe module)14をウェアラブル構造に対して移動させながら、相対角ジョイントデータ(relative angular joint data)に変換された観察された追跡データ(observed tracking data)から導出された3空間点群(3-space point cloud)を使用して生成された包絡線であってもよい。所与のプローブモジュール14及びプローブホルダ200のこの三角測量面は、凸面としての可動範囲の範囲を表す。このようにして、1つの方向における所与の値(例えば、所与の「傾斜」)について、所与のプローブモジュール14及びプローブホルダ200の他の角度(例えば、「ロック」及び「スピン」)で利用可能な運動の範囲が決定されるかもしれない。同様のアプローチを使用して、非球面ジョイント(つまり、角柱及び/又は回転状ジョイント:prismatic and/or revolute)を備えた特定のプローブ及びプローブホルダの可動範囲と構成に依存する制限を決定できる。あるいは、設計プロセス中にCADモデルの相対運動をシミュレートして凸包を生成することもできる。
【0078】
実際には、凸包の外側境界は、動きの範囲を表すため、主に重要である。つまり、この状況では、凸包の境界は、特定のプローブとプローブホルダの組み合わせに対する、ロック、傾斜、及びスピン角パラメータの構成依存のを表し、それによって、3つの方向角の構成に依存する可動範囲のエンベロープを定義する。
【0079】
凸包に対応する3D構造の解釈を簡略化するために、所与の2つの配向角の可動範囲をより良く見るために、軸に沿って3D構造を通して2次元の「スライス:slices」を生成することができる。これは、概念的には、1つの角度を固定し、他の2つの角度を移動し、固定された最初の角度に対する角度(たとえば、固定されたスピン角度に対してロック角度とチルト角度をどの程度変化させることができるか)を見つけることに対応する。
【0080】
図16では、一連の等角輪郭410として図示されており、各輪郭は、z次元(ここではスピン次元:spin dimension)の異なる位置に対応し、所与の患者(又は特定の場合にはウェアラブル構造100)に対するプローブ/プローブホルダの運動範囲が異なる。この例における各等角等高線410のエッジは、一定のスピンの異なる値(異なるサブプロット)における異なるプローブ/プローブホルダの組み合わせに対するチルト(tilt、垂直軸)及びロック(rock、水平軸)の運動範囲を示す。このような技術を使用して、異なるプローブモジュール14、プローブホルダ200、及び/又はプローブとホルダの組み合わせが、本明細書で論じられるフィッティング操作における適合性について評価され得る。
図16に示す例では、プローブとホルダの2つの異なる組み合わせ410a(H2run1、H2run2、及びH2run3)及び410b(H2wTilt)が、7人の異なる患者(集合的に患者412(G7、T0、H8、Q4、X7、D2、W2))に対する適合性の適合性について評価される。プローブ及びホルダ410a及び410bは両方とも7人の患者全員に対応できるが、プローブ及びホルダ410bは、患者X7に対して構成されたスピン角度で(spin angle)の揺動及び傾斜調整のためのマージンがほとんど残らないため、望ましくない可能性がある。ここで、プローブ及びホルダ410aは、7人の異なる患者全員に対してより適切な適合を提供する。同様に、プローブモジュール14及び/又はプローブホルダ200は、可動範囲を評価するためのこれらの技術を利用して、所望の可動範囲を提供するように設計することができ、又は代替として、既存の設計をそれらの可動範囲に関して比較することができる。
【0081】
前述の説明は、ウェアラブル構造100又はウェアラブル構造100の一態様が、様々なフィッティング構造又は技術(例えば、ウェビングを締めるために使用されるプルストラップ、調節可能な、又はトリミング可能なストラップ、膨張可能な空気袋など)を介して調節され得る構成可能な衣服または物品である例に関する。他の実施形態では、ウェアラブル構造100(又はカスタマイズされたトランスデューサ配置固定具又はプレートなどのプローブ位置決め構造と併せて使用されるコンポーネント)は、代わりに、個々の患者の身体に基づいて製造又は構築されてもよい。すなわち、調整可能な「フリーサイズ」のデバイス又は衣類であるか、又はカスタマイズ可能なデバイス又は衣類の別個のサイズのビンを有する代わりに、プローブ位置決め構造と併せて使用される個々のウェアラブル構造100又はコンポーネントは、以下に基づいて構築され得る。患者の身体をその患者に特有のものにする。したがって、そのような実装形態では、フィッティングプロセス又はセッションは、より一般的なウェアラブル構造100又は患者に適合するコンポーネントを調整するのとは対照的に、カスタムフィットされたプローブインターフェースデバイスなど、カスタムフィットされたウェアラブル構造100又は患者に特有のコンポーネントをパラメータ化及び構築するために代わりに実行されてもよい。
【0082】
一例として、
図17を参照すると、一実施形態では、赤外線深さセンサ、レーザ走査技術、又は他の人体測定手段を使用して、表面形状測定422のために患者をデジタルスキャンすることができる(ステップ420)。表面プロファイルスキャンは、臨床環境(例えば、臨床医のオフィス)で、又は非臨床環境(例えば、患者の自宅でポータブルシステム及び出張オペレーターを使用して、又は患者自身によって、例えば、プロファイルスキャン技術を使用する携帯電話アプリケーション)で実施され得る。このようなスキャンは、一実施形態では、1分未満(例えば、30秒)かかり、患者と接触することなく、患者が服を着たまま(例えば、体にぴったり合った衣服)のまま実行できるなど、特定の利点を提供する可能性がある。したがって、患者のプライバシーが確保される。
【0083】
デジタル表面プロファイル走査データ(例えば、表面形状測定422)は、どのように取得されたとしても、治療セッション中にプローブモジュール14を患者さんに保持及び位置決めするために使用されるカスタムフィット固定具426(例えば、超音波プローブインターフェースデバイス)を製造するために使用され得る。カスタムフィット固定具(custom-fitted fixture:カスタム取り付け固定具)426は、患者の解剖学的構造に適合するカスタム製作コンポーネント(custom fabricated component)に固定又は一体化されたトランスデューサ装着プレートを含むことができるが、これに限定されない。表面プロファイルスキャンデータ(surface profile scan data:表面特徴走査データ)422に基づくそのようなカスタムフィット固定具426の製造に関して、そのような固定具は、適切なカスタム製造技術を使用して付加的に製造(例えば、3Dプリント)又は他の方法で製造されてもよい(ステップ424)。例えば、カスタムフィット固定具426に組み込まれるトランスデューサ装着プレートに関しては、必要なカスタムプレートは1つだけであるため、3D印刷アプローチが適切である可能性がある。このような実装形態では、固定具の患者に面する側は、表面形状測定422によって決定される幾何学的形状を有してもよく、一方、反対側の面又は表面(すなわち、露出側:exposed side)は、プローブモジュール14が取り付けられる共通のトランスデューサ装着フランジを有してもよい。このアプローチにより、トランスデューサアセンブリを、患者の解剖学的構造に適合するカスタムフィット固定具426に取り付けることが可能になり得る。
【0084】
別の実施形態では、
図18に示されるように、説明されるプロセスフローに従って、熱成形可能な基材(thermoformable substrate)を使用するなどして、熱成形可能な(例えば、熱モールド可能な:thermomoldable)カスタムフィットプレートを形成することができる。そのような例の1つでは、患者は介在する衣類をすべて脱いで、治療セッション中に採用される姿勢をとる。熱成形可能なフォーム又はポリマーシートなどの熱成形可能なシート(例えば、熱成形可能な基材480)を加熱して(ステップ484)、成形可能な基材488を形成し、その後、これを治療標的領域上に配置し(ステップ492)、圧力を加える。熱成形可能なシートが下層の解剖学的構造に適合していることを確認するために適用される。このような実施形態では、患者との接触時間は5分以下であってもよい。一実施形態では、基材(例えばシート)は、治療標的領域を露出する開口部(例えば中央窓)を有し、感圧接着剤(pressure sensitive adhesive)によって囲まれている。治療トランスデューサ装着アセンブリ(例えば、プローブ装着プレート496)は、接着剤のこの周囲に接着され(ステップ500)、装着アセンブリ(mounting assembly:取り付けアセンブリ)504を形成する。基材がまだ適合可能である間に、治療用トランスデューサを有するプローブモジュール14を装着アセンブリ504に導入し(ステップ508)、解剖学的標的を取得するために操作する(ステップ512)。患者は治療体位のまま、基材が冷却され(ステップ516)硬くなり、患者の身体に適合するカスタムフィットプレート520の形でトランスデューサアセンブリ用の強固なマウントが形成される。その後、ベルト、衣服、または他の機構を使用して、カスタムフィットプレート520を患者に固定して治療セッションを行うことができる。
【0085】
図19を参照すると、さらなる実施形態では、未硬化(流動性又は成形可能:flowable or moldable)状態及び硬化(固体:solid)状態を有する材料を使用して、トランスデューサ20が患者と接触する部位で患者の身体の印象を形成することができる。例として、一実施形態では、キャスティング領域を制限するために、周囲壁(例えば接着発泡シールリング(adhesive foam sealing ring)464)と併せて液体キャスティング材料(liquid casting material)として急速硬化二液型シリコーン(quick curing two-part silicone)を使用することができる。あるいは、別の実施形態では、キャスティング材料は、石膏、膨張発泡体(例えば、バッグ内の急速硬化発泡体)、又は硬化していないときに成形可能な類似の材料であってもよい。
図19に示すように、これは、図示されるようなプロセスフローの一般化されたステップとして表すことができる。この例では、キャスティングを形成する領域を画定するために、患者が治療位置にある間にシールリング464(すなわち周囲壁)が標的治療領域に適用される(ステップ542)。シールリング464は、治療対象領域に一時的に貼り付く接着剤付き発泡構造であってもよい。このようなシールリング464の1つの例が
図20に示されている。
【0086】
未硬化のキャスティング材料550(例えば、未硬化のシリコーン、未硬化の石膏)は、シールリング464によって画定された領域に注入され(ステップ552)、硬化したときに成形体インプレッション(molded body impression)460を形成するように、この画定された領域で患者の解剖学的構造に適合し得る。シールリング464は、未硬化のキャスティング材料550の流れを遮断し、キャスティング材料の十分な高さ(例えば、厚さ)を蓄積して、所望の成形体インプレッション460を形成することを可能にする。その一例を
図21に示す。状況によっては、キャスティング材料がバッグ内の膨張する発泡体であり、バッグが患者の解剖学的構造に押し付けられる実施形態など、キャスティング材料を患者に適合させるために圧力がキャスティング材料に加えられることがある。特定の実施形態では、注型材料は、7~10分間(例えば、シリコーン又は石膏の場合)又は5分間以内(例えば、発泡フォームの場合)で硬化することができる。
【0087】
トランスデューサ装着プレート454(例えば、剛性のトランスデューサ統合プレート:rigid transducer integration plate)は、未硬化のキャスティング材料550上又はその中に配置され得る(ステップ560)。一実施形態では、トランスデューサ装着プレート454は、機械的に固定するための複数のアンカー又はボスを有し得る。キャスティング材料が硬化(すなわち、硬化)した後、装着プレート454をキャスティング材料に固定する。アンカー580を有するそのようなトランスデューサ装着プレート454Aの例が
図22Aに示されている。あるいは、
図22Bに示されるように、トランスデューサ装着プレート454Bは、全体に複数の穴582を含み、キャスティング材料(例えば、シリコーン)がトランスデューサ装着プレート454Bを通って流れ、沈められ、設置されたときにプレートをキャスティング材料内に埋め込むことができる。
【0088】
上で述べたように、トランスデューサを所定の位置に取り付けた状態で、適切な環境トリガー(温度、時間、化学反応、特定の波長の放射線への曝露(例えば、紫外光)を利用して、キャスティング材料をトランスデューサ装着プレート454に固化し、プローブモジュール14の取り付けのために設けられた領域の反対側に患者に適合する表面を提供する。このようにして、カスタムフィットプレート520を製造することができる。トランスデューサ装着プレート454は、ベルト又は他の取り付け機構とともに使用して患者に固定することができ、それによって、患者に合わせてカスタマイズされた固定具を使用してプローブモジュール14を患者に取り付けることができる。トランスデューサ装着プレート454、プローブモジュール14、成形体インプレッション460、及びシールリング464が
図23の分解図に示されている。
【0089】
一例として、プローブモジュール14を患者に配置するためのカスタムフィットプレート520の製造及び使用に関する本明細書に記載のそれぞれの例については、本明細書に記載のさまざまなベルト、ベスト、又は他の衣類を使用することができる。プローブモジュール14が取り付けられた状態でカスタムフィットプレート520を患者に位置決めして保持するために使用される。一例として、様々なベルトアセンブリを使用して、毎日又は定期的な治療のためにカスタムフィットプレート520(及び取り付けられたプローブモジュール14)を保持及び位置決めすることができる。本明細書で論じられるように、ベルトは調節可能であってもよく、胴体の周りの単純なストラップ、肩又は他の解剖学的アンカーポイントに係合することができる複数のストラップ、又は患者の胸部全体、側面、及び背中全体に接触するフルベストで構成することができる。本明細書で説明するように、そのようなベルト(又は他の位置決め装置)の適合及び調整は、本明細書で説明するシステム又は技術を使用して達成することができる。例えば、装置の張力調整は、弾性材料、ラチェット及びロック式ケーブル張力調整システム、ポンプによる膨張、又は紐締めを使用して達成することができる。弾性材料を張った後、面ファスナーを使用してベルトを所定の位置にロックすることができる。さらに、ベルト、ベスト、又は他の衣類タイプの装置は、プローブモジュール14又はカスタムフィットプレート520及び/又はの取り付け点として機能するのに役立つ剛性構造(例えば、直線又は湾曲したプレート、ロッドなど)を組み込んでもよい。又は、特定の解剖学的特徴(肋骨、脊椎、胴体の側面など)に適合し、「固定」するのに役立つ場合がある。そのような実施形態では、そのような特徴は、ベルト、ベスト、又は他の衣類が所定の位置に固定されると、身体に対して移動することを防止するのに役立ち得る。
【0090】
上記は概して、患者の解剖学的構造の標的領域(例えば、カスタムフィットプレート520)に接触するプローブモジュール用のカスタマイズされた患者固有のインターフェースを製造するための技術に関する。しかしながら、カスタムフィット構造が可能であることも理解されるべきである。胴体、腕、脚などに取り付けられるなど、より大きな解剖学的領域に適合し、それを確認するようにカスタマイズされたより大きな構造など、より実質的又は包括的なもの。このようなアプローチでは、カスタマイズされた構造を製造するために、本明細書に記載されるのと同様の技術、例えば、成形可能な又は熱的に柔軟なプラスチック又はポリマー(例えば、熱成形可能な発泡シート又はポリマー)、膨張後に硬化する硬化可能な材料(例えば、シリコーン、石膏、発泡フォームなど)を使用したキャスティング技術などを採用することができる。
【0091】
プローブモジュール14を患者の標的領域に再現可能かつ信頼性の高い方法で保持するための技術に関する上記のアプローチに加えて、本技術のさらなる態様は、非臨床療法への応用を促進するために、完全又は部分的な標的の固定化を可能にする。一例として、神経調節療法中の目標ドリフトは、呼吸又は患者の動きによって発生する可能性がある。このようなドリフトにより、トランスデューサと解剖学的ターゲットの位置合わせを維持することが困難になる場合がある。
【0092】
このような標的ドリフトを回避するために、いくつかの実施形態では、外部圧力又は制約(external pressure or constraints)を利用して、標的治療領域及びプローブモジュール14の接触点に対する患者の動きの程度を低減するか、又は患者の動きを排除することができる。これに関連して、ターゲットドリフトを補償するために電子ステアリングが必要とされない可能性があるため、電子ステアリング能力が低いプローブモジュールを使用することができる。
【0093】
一例として、トランスデューサをターゲットに向かって内側に押すことによって外部圧力を加えることができ、トランスデューサとターゲットの解剖学的構造との間の組織を局所的に変位させるのに必要な力を加えるために剛性クランプ機構(rigid clamp mechanism)を使用することができる。この組織が変位すると、トランスデューサからターゲットの解剖学的構造までの距離も短縮され、より短い焦点深度のトランスデューサがより深いターゲット領域に到達できるようになる。本明細書で説明するようなベルト又は他のプローブ位置決め構造を使用して、その領域により一般的な圧縮を加えることもでき、これによりターゲットの動きを低減することができる。
【0094】
この書面による説明は、ベストモードを含む本発明を開示するため、また、任意のデバイス又はシステムの製造及び使用、及び組み込まれた任意の方法の実行を含む、当業者が本発明を実施できるようにするために例を使用する。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含む場合がある。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言語と実質的な差異がない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
10:神経調節システム 12:治療モジュール 14:エネルギー適用装置/プローブモジュール 16:撮像モジュール 20:トランスデューサ 22:撮像トランスデューサ 24:治療トランスデューサ 30:HWコントローラ 32:MCU 34:FPGA 40:センサ 50:任意のアクチュエータ 80:マスターコントローラ 84:メモリ 86:HWコントローラ 88:MCU 90:FPGA 92:治療パルサ受信機 94:安全回路 96:電力管理 100:ウェアラブル構造体 106:ベルト 112:フィッティング機能 114:クリップ 116:ストラップ 140:結合特徴部 150:IMU 152:接触力センサ 156:張力センサ 180:音響窓 200:プローブホルダ 204:プローブキャップ 206:ビームコーン 208:プローブキャリッジフレーム 210:Z軸レール 212:Z軸キャリッジ 220:球面ジョイント 222:球面ジョイントクランプ 226:クランプレバー 240:引き紐 242:引きハンドル 244:紐又はウェビング部分 246:電源オン/オフボタン 250:フレーム 252:ケーブル留め具 254:取り付けポイント 256:磁気クロージャ 260:プローブモジュールケーブル 270:余分な長さ 272:クリップ 280:面ファスナーシステム 290:携帯電話 292:内部構造部品 300:ベスト 304:皮膚 306:ジッパー 310:ポケット 410:等角輪郭 412:患者 454、454A、454B:トランスジューサ取付け板 460:成形体インプレッション 464:シールリング 520:カスタムフィットプレート 580:アンカー 582:穴
【国際調査報告】