IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テンテック インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図1
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図2
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図3
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図4
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図5
  • 特表-高周波治療用ハンドピース 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】高周波治療用ハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240411BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20240411BHJP
   A61F 7/10 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61B18/12
A61F7/00 331Z
A61F7/10 300H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569793
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2022000103
(87)【国際公開番号】W WO2022239925
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0059954
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523423470
【氏名又は名称】テンテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム キハン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ミンジ
【テーマコード(参考)】
4C099
4C160
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA19
4C099CA20
4C099EA01
4C099GA17
4C099HA03
4C099JA20
4C099LA01
4C099LA13
4C099LA21
4C099NA20
4C099PA01
4C160KK02
4C160KK12
4C160KK25
4C160KK70
4C160KL03
4C160MM22
4C160MM32
(57)【要約】
本発明は、高周波治療用ハンドピースに関するものであり、内部に第1収容空間を有し、前記第1収容空間内にハンドピースの動作のための回路基板が設置され、前方が開放されているハンドピースハウジングと、前記ハンドピースハウジングに着脱可能に結合されるノズル部が構成され、電源の印加を受けて高周波を発生させるRF電極が備えられる電極チップと、前記第1収容空間に設置され、前記第1収容空間とは別個の第2収容空間及び筐体からガス状冷媒の伝達を受けるバルブ供給流路が形成され、前記電極チップに電源を印加する電源分配部、及び前記バルブ供給流路に連通し、ガス状冷媒の流動を制御するソレノイドバルブが内蔵される電極組立体と、前記第1収容空間の後方に設置され、前記電極組立体と結合され、制御信号に基づいて前記電極組立体を振動させるアクチュエータと、を含み、前記電極組立体は、前記第1収容空間と前記第2収容空間とを連通させる後方排出口が形成された第1本体部と、前記ノズル部の内周面と結合して開放領域を閉鎖するノズル結合部、及び前記バルブ供給流路と連通して前記電極チップへガス状冷媒を伝達する冷媒供給流路と、を含み、前記ソレノイドバルブは、前記冷媒供給流路と前記バルブ供給流路との間に形成され、制御信号に基づいてガス状冷媒の流動を制御することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1収容空間を有し、前記第1収容空間内にハンドピースの動作のための回路基板が設置され、前方が開放されているハンドピースハウジングと、
前記ハンドピースハウジングに着脱可能に結合されるノズル部が構成され、電源の印加を受けて高周波を発生させるRF電極が備えられる電極チップと、
前記第1収容空間に設置され、前記第1収容空間とは別個の第2収容空間及び筐体からガス状冷媒の伝達を受けるバルブ供給流路が形成され、前記電極チップに電源を印加する電源分配部、及び前記バルブ供給流路と連通し、ガス状冷媒の流動を制御するソレノイドバルブが内蔵される電極組立体と、
前記第1収容空間の後方に設置され、前記電極組立体と結合され、制御信号に基づいて前記電極組立体を振動させるアクチュエータと、を含み、
前記電極組立体は、
前記第1収容空間と前記第2収容空間とを連通させる後方排出口が形成された第1本体部と、
前記ノズル部の内周面と結合して開放領域を閉鎖するノズル結合部と、
前記バルブ供給流路と連通して前記電極チップへガス状冷媒を伝達する冷媒供給流路と、を含み、
前記ソレノイドバルブは、
前記冷媒供給流路と前記バルブ供給流路との間に形成され、制御信号に基づいてガス状冷媒の流動を制御することを特徴とする、高周波治療用ハンドピース。
【請求項2】
前記ハンドピースハウジングの前方の外側壁に少なくとも一つ以上の貫通孔が形成され、
前記電極組立体の第1本体部の一側に、前記ノズル部に形成された固定溝に挿入されて結合される段差部、及び前記ハンドピースハウジングの貫通孔に貫通して突出した押圧部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の高周波治療用ハンドピース。
【請求項3】
前記冷媒供給流路は、前記第1本体部の中心軸上に位置するように固定されて前記バルブ供給流路と連通し、
前記電極組立体は、
前記冷媒供給流路が貫通して通過する流路貫通孔が形成され、前記第1収容空間と前記第2収容空間を区画するように形成される第2本体部、及び
前記第2本体部の一端から外側方向に延設される第2フランジをさらに含み、
前記電源分配部は、前記第2本体部に嵌め込まれて固定されることを特徴とする、請求項1に記載の高周波治療用ハンドピース。
【請求項4】
前記電源分配部は、前記冷媒供給流路上に固定されるように設置され、前記電源分配部の一面に複数の電極リードが形成されて前記複数のRF電極と電気的に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の高周波治療用ハンドピース。
【請求項5】
前記第2フランジは、前記複数の電極リードの対応する位置上に複数の貫通孔が形成され、
前記複数の電極リードは、それぞれ複数の貫通孔を貫通して前記RF電極に接触することを特徴とする、請求項3に記載の高周波治療用ハンドピース。
【請求項6】
前記電極チップは、
前記冷媒供給流路から供給されるガス状冷媒を均一に分配して前記RF電極へ提供する分配部、及び
前記電極組立体に連通する側面排出口をさらに含み、
前記RF電極と熱交換が行われたガス状冷媒は、前記側面排出口側へ移動することを特徴とする、請求項3に記載の高周波治療用ハンドピース。
【請求項7】
前記第1本体部の一領域に、前記側面排出口と前記第2本体部とを連通させる第1排出口が形成され、
前記第2本体部は、前記第1排出口と前記第2収容空間とを連通させる第2排出口が形成されることにより、
冷媒熱交換空間、前記第2収容空間、及び前記第1収容空間の順に連通することを特徴とする、請求項6に記載の高周波治療用ハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波治療用ハンドピースに関し、具体的には、皮膚に高周波を発生させるときに火傷を防止するための低温のガス状冷媒を供給し、熱交換の行われたガス状冷媒をハンドピースの内部へ流動させるようにして、電極を含む様々な部品の発熱を冷却するハンドピースの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の皮膚組織は、角質層、表皮層、真皮層、及び皮下(hypodermis)層からなっており、老化及び紫外線作用によってその機能が低下する。
【0003】
前記表皮層は、皮膚の最表面にある層であって、位置と機能によって角質層、透明層、顆粒層、有棘層、及び基底層などの複数の層からなり、保護、防御、分泌などの機能を担当する。
【0004】
前記真皮層は、表皮層の下に基底層と隣接して位置し、皮膚の大部分をなすものであって、水分を始めとしてタンパク質、糖質、ムコ多糖類、無機質、無機塩類などがゼリー状態となり、血液循環に関連する毛細血管及びリンパを運ぶリンパ管が位置する乳頭層と、皮膚のしわに関連する膠原線維であるコラーゲン、皮膚の弾力性を付与する弾性線維であるエラスチン、及び基質(水の貯蔵庫)を含む網状層とから構成される。
【0005】
そして、皮下脂肪層は、真皮と筋肉と骨との間に位置して脂肪を多量含有しており、皮膚の最下層を構成するものであって、人体の全身に均一に広がって弾力性維持及び緩衝作用により外部の圧力や衝撃を吸収して身体内部の損傷を防ぐうえ、体熱の損失を防ぎ、体温を維持させる役割を果たす。
【0006】
一方、皮膚に対する関心の増幅に伴い、皮膚管理に関連する多様な皮膚美容装置が開発されるとともに、皮膚専門病院と皮膚管理施術業者が多く生まれている。
【0007】
最近、最も広く知られている皮膚施術方法は、皮膚に高周波(radio frequency、RF)を加えて皮膚内に局所的な熱損傷を起こし、上皮から真皮に至るまで皮膚の再生を促進させるための微細な傷を作り、微細傷が細胞の成長因子を誘導して皮膚の自然治癒及び再生を極大化する方法である。
【0008】
上述した皮膚施術方法は、高周波を介して高い熱エネルギーを皮膚に伝達することにより、表皮に火傷が起こる可能性が存在する。これにより、冷媒を施術部位側に提供することにより、火傷を負わないように冷却している。水或いは液体性冷媒を使用する場合、冷却に用いられた冷媒は一度の使用後に捨てられるので、冷媒の浪費が問題となり得る。また、上述した水或いは液体性冷媒を使用する場合には、ハンドピースが重くなるので、 長期間施術時に施術者の手と手首などに負担を与えるという問題点などがある。
【0009】
一方、高周波装置の場合、高周波を発生させるときに電極の他にもハンドピースを駆動させるための部品にかなりの熱が発生する。一般に、これらの発熱を冷却させるための別途のファン(fan)などの冷却装置がハンドピースに設置されて使用されている。このような場合も、上述したようにハンドピースが重くなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、被施術者の施術対象部位に対する冷却とハンドピース内部の冷却とを同時に行うことができる、ハンドピースの冷却構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、内部に第1収容空間を有し、前記第1収容空間内にハンドピースの動作のための回路基板が設置され、前方が開放されているハンドピースハウジングと、前記ハンドピースハウジングに着脱可能に結合されるノズル部が構成され、電源の印加を受けて高周波を発生させるRF電極が備えられる電極チップと、前記第1収容空間に設置され、前記第1収容空間とは別個の第2収容空間及び筐体からガス状冷媒の伝達を受けるバルブ供給流路が形成され、前記電極チップに電源を印加する電源分配部、及び前記バルブ供給流路と連通し、ガス状冷媒の流動を制御するソレノイドバルブが内蔵される電極組立体と、前記第1収容空間の後方に設置され、前記電極組立体と結合され、制御信号に基づいて前記電極組立体を振動させるアクチュエータと、を含み、
前記電極組立体は、前記第1収容空間と前記第2収容空間とを連通させる後方排出口が形成された第1本体部と、前記ノズル部の内周面と結合して開放領域を閉鎖するノズル結合部、及び前記バルブ供給流路と連通して前記電極チップへガス状冷媒を伝達する冷媒供給流路と、を含み、前記ソレノイドバルブは、前記冷媒供給流路と前記バルブ供給流路との間に形成され、制御信号に基づいてガス状冷媒の流動を制御することを特徴とする高周波治療用ハンドピースによって達成できる。
【0012】
本発明の一実施形態による高周波治療用ハンドピースは、前記ハンドピースハウジングの前方の外側壁に少なくとも一つ以上の貫通孔が形成され、前記電極組立体の第1本体部の一側に、前記ノズル部に形成された固定溝に挿入されて結合される段差部、及び前記ハンドピースハウジングの貫通孔に貫通して突出した押圧部が形成されることができる。
【0013】
本発明の一実施形態による前記冷媒供給流路は、前記第1本体部の中心軸上に位置するように固定されて前記バルブ供給流路と連通し、前記電極組立体は、前記冷媒供給流路が貫通して通過する流路貫通孔が形成され、前記第1収容空間と前記第2収容空間を区画するように形成される第2本体部、及び前記第2本体部の一端から外側方向に延設される第2フランジをさらに含み、前記電源分配部は、前記第2本体部に嵌め込まれて固定されることができる。
【0014】
本発明の一実施形態による前記電源分配部は、前記冷媒供給流路上に固定されるように設置され、前記電源分配部の一面に複数の電極リードが形成されて前記複数のRF電極と電気的に接続されることができる。
【0015】
本発明の一実施形態による高周波治療用ハンドピースは、前記第2フランジは、前記複数の電極リードの対応する位置上に複数の貫通孔が形成され、前記複数の電極リードは、それぞれ複数の貫通孔を貫通して前記RF電極に接触することができる。
【0016】
本発明の一実施形態による前記電極チップは、前記冷媒供給流路から供給されるガス状冷媒を均一に分配して前記RF電極へ提供する分配部、及び前記電極組立体に連通する側面排出口をさらに含み、前記RF電極と熱交換が行われたガス状冷媒は、前記側面排出口側へ移動することができる。
【0017】
本発明の一実施形態による高周波治療用ハンドピースは、前記第1本体部の一領域に、前記側面排出口と前記第2本体部とを連通させる第1排出口が形成され、前記第2本体部は、前記第1排出口と前記第2収容空間とを連通させる第2排出口が形成されることにより、冷媒熱交換空間、前記第2収容空間、及び前記第1収容空間の順に連通することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によるハンドピースによれば、施術対象部位全体に対する冷却と共に、ハンドピースの内部空間に対する冷却が行われるので、別途の冷却装置がない軽量のハンドピースを提供することが可能であるので、施術時に施術者の手と手首の疲労感及び負担を低減して長時間操作及び使用することができるという効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態によるハンドピースの断面を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態によるハンドピース前方側の断面を示す拡大断面図である。
図3】本発明の実施形態による電極チップが除去された状態のハンドピース構造を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態による電極組立体の上面を示す上面図である。
図5】後方側から見た本発明の実施形態による電極組立体を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態によるハンドピース構造によるガス状冷媒の供給流路と、熱交換の行われたガス状冷媒がハンドピースの内部空間へ移動することを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面において、類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似の機能を称する。
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための具体的な内容を実施形態に基づいて説明し、これらの実施形態は、当業者が本発明を実施し得るのに十分であるように詳細に説明される。
【0022】
本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態として実現できる。
【0023】
したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味で取ろうとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されれば、その請求項が主張するのと均等なすべての範囲と共に添付の請求項のみによって限定される。
【0024】
本発明の実施形態によるハンドピース100は、ハンドピースハウジング110、アクチュエータ120、電極チップ130、及び電極組立体140を含む。以下では、添付図面を参照してそれぞれの構成要素別に先ず説明し、その後、ガス状冷媒の流動経路を基準に各構成要素の接続関係について再度説明する。
【0025】
<ハンドピースの構成要素に関する説明>
以下、図1図5を参照してハンドピース100の構成要素を説明する。
【0026】
ハンドピースハウジング110は、前方が開放されており、内部に第1収容空間110Sを有する。また、第1収容空間110Sの後端は、筐体(図示せず)に接続されるケーブル(図示せず)が接続されている。
【0027】
そして、ハンドピースの動作のための回路基板112がハンドピースハウジング110の内側に設置される。回路基板112は、ケーブル内の複数の電線や信号線などと電気的に接続される。回路基板112は、ハンドピース100内のアクチュエータ120、RF電極131、或いはソレノイドバルブ140Vなどの多様な機械/電気部品に接続される。これにより、高周波発生に対する制御信号、ソレノイドバルブ140Vの開閉制御、電極組立体140の振動制御などの多様な制御信号を受信して、ハンドピースの全体動作を制御する。
【0028】
ハンドピースハウジング110の後方は、ケーブルを介して筐体(図示せず)と接続され、ハンドピースハウジング110の前方側の外側壁上に少なくとも一つ以上の貫通孔111が形成される。この貫通孔111は、以下で説明する電極組立体140との結合のためのものである。
【0029】
ハンドピースハウジング110の第1収容空間110Sは、前方と後方に区画されていないが、説明の便宜上、前方の収容空間と後方の収容空間に分けて説明する。
【0030】
第1収容空間110Sの後方領域にアクチュエータ120が設置される。そして、前方及び後方方向に移動することができるように、アクチュエータ120の駆動シャフトが電極組立体140の後面に結合される。一方、復元ばね120Sの一端はハンドピースハウジング110の一面に固定され、復元ばね120Sの他端は電極組立体140の後面に固定される。
【0031】
このため、アクチュエータ120が作動して電極組立体140を前方及び後方方向に動かす場合、電極組立体140の変位に対応して復元ばね120Sが電極組立体140を元の位置に復元されるようにする。すなわち、電極組立体140は、アクチュエータ120による変位と復元ばね120Sの復元によって前方及び後方方向に振動することができる。このとき、振動数は、アクチュエータ120を動作させる制御信号によって変わることができる。
【0032】
電極チップ130は、ハンドピースハウジング110に対して着脱できるように、テーパーされたチューブ形状のノズル部130Nが構成される。ノズル部130Nの側壁は、ハンドピースハウジング110と電極組立体140との間に少なくとも部分的に位置するように挿入される。そして、電源の印加を受けて高周波を発生させる少なくとも一つのRF電極131がノズル部130Nの開放面を閉鎖するように設置されるが、RF電極131の背面と分配部132との間に所定距離が離隔するようにして所定の冷媒熱交換空間130Sを形成する。一方、RF電極131の前面は皮膚表面と接触状態にあるとき、RF電極131は皮膚表面に容量結合される。実施によって、RF電極131は、単一の電極からなってもよく、複数の電極の組み合わせからなってもよい。
【0033】
分配部132は、冷媒供給流路140Iと機械的に接続されてガス状冷媒をRF電極131の背面全領域に提供されるように微細な流路が形成される。一般に、単一の流路を介してRF電極131へガス状冷媒を供給する場合、冷媒供給流路140Iと同一軸上に位置したRF電極131の背面領域のみを集中的に冷却するので、RF電極131の中心領域から遠くなるほど温度差が激しくなる温度勾配(Temperautre gradient)が生じるという問題点が発生するので、分配部132を形成することにより、RF電極131の背面の全領域を均一に冷却するようにした。
【0034】
また、図面には示されていないが、分配部132の一面或いは内部にRF電極131に均一に電源を提供するための軟性電源分配部、或いはRF電極131の数に対応する複数の電気パッド(pad)がさらに設けられることができる。前記軟性電源分配部の背面或いは前記電気パッドの背面と電源分配部145の電極リード145Eとが電気的に接続される。
【0035】
側面排出口133は、分配部132の外側に位置して形成された微細な流路であって、電極組立体140と連通するようにする。
【0036】
電極組立体140は、ハンドピースハウジング110の第1収容空間110Sの前方に設置される所定のハウジングであって、第1収容空間110Sとは別個の空間を有する第2収容空間140Sが形成され、ハンドピースの動作のための電源分配部が内蔵され、ガス状冷媒の伝達のための流路が形成されている。
【0037】
第1収容空間110Sの前方領域には電極組立体140が設置され、筐体に連通した軟質の冷媒供給チューブ(図示せず)を介して伝達されたガス状冷媒を所定の流路に沿って電極チップ130に伝達する。
【0038】
電極組立体140は、第1本体部141及びノズル結合部142と一体に形成された構造を持つ。そして、第2本体部143と第2フランジ144とが一体に形成されて第1本体部141に固定結合される。説明の便宜のために、それぞれの部分を構成要素に分けて説明する。
【0039】
第1本体部141は、少なくとも一領域に第1収容空間110Sと連通する後方排出口141Hが形成されており、前方側は、できる限り閉鎖されるか、或いは気密性が保障された閉鎖構造を持つことが好ましい。これにより、第1収容空間110Sと第2収容空間140Sが分離される。これらの二つの空間は、後方排出口141Hを介してのみ連通するようにして、ハンドピースハウジング110の内部にガス状冷媒が循環できる所定の閉鎖システム(closed system)を形成することが好ましい。そして、第1本体部141の一領域上に、電極チップ130の側面排出口133と第2本体部143とを連通させる第1排出口141Oが形成される。
【0040】
また、第1本体部141は、加圧時にある程度変形することができ、電気的絶縁性のあるプラスチックなどの軟質の材質で形成されることが好ましいが、これに限定されない。
【0041】
一方、第1本体部141に段差部141Bと押圧部141Pが形成されている。段差部141Bは、第1本体部141の一側面に形成される。これは、ノズル部130Nに形成された固定溝に段差部141bが挿入されて嵌合される。また、押圧部141Pも、第1本体部141の一側面に形成されるが、ハンドピースハウジング110に形成された貫通孔111を貫通するように押圧部141Pが突設されている。
【0042】
これにより、被施術者が全て使用した後に押圧部141Pを押圧すると、第1本体部141が変形して、ノズル部130Nに形成された固定溝から段差部141bが抜け落ちる。その結果、電極チップ130がハンドピースハウジング110から分離され、分離後、被施術者は、押圧部141Pの押圧を中断して第1本体部141が初期状態に復元されるようにする。
【0043】
冷媒供給流路140Iは、第2収容空間140S上に形成されるが、第1本体部141の中心軸上に設置される。具体的には、後述する第2本体部143の中心軸に沿って長さ方向に形成された流路貫通孔143Hを貫通して設置される。冷媒供給流路140iの一側は冷媒熱交換空間130Sと連通し、冷媒供給流路140Iの他側はソレノイドバルブ140Vと機械的に連通している。
【0044】
ソレノイドバルブ140Vは、筐体(図示せず)から高周波を発生させる制御信号と同期化されたバルブ開閉信号を受信して、電極チップ130から高周波を発生させるとともにソレノイドバルブ140Vを開放する。ソレノイドバルブ140Vの一側は冷媒供給流路140Iと機械的に連通し、ソレノイドバルブ140Vの他側はバルブ供給流路140Aと機械的に連通する。
【0045】
一方、バルブ供給流路140Aの一側はソレノイドバルブ140Vと連通し、バルブ供給流路140Aの他側は冷媒供給チューブ(図示せず)と機械的に連通して筐体(図示せず)からガス状冷媒の供給を受ける。
【0046】
これにより、筐体(図示せず)から提供される冷たいガス状冷媒は、バルブ供給流路140Aを介してソレノイドバルブ140V側へ伝達され、ソレノイドバルブ140Vを通過したガス状冷媒は、冷媒供給流路140Iを通過して電極チップ130の冷媒熱交換空間130Sへ提供される。
【0047】
ノズル結合部142は、ノズル部130Nの内周面と結合できるように構成され、開放された領域を閉鎖するように設けられることが好ましい。ノズル結合部142によって電極チップ130と第1本体部141との間の空間が発生し、この空間を第2収容空間140S’として区分される。一方、第2本体部143の後方に位置した第1本体部141の空間を前述した第2収容空間140Sとして区分して説明する。これらの二つの空間を区分して説明する理由は、追っての、ガス状冷媒の流動の説明に便宜を図るためである。
【0048】
第2本体部143は、第1本体部141に設置されて第2収容空間140Sの内部に設置され、所定の円柱状に設けられることができる。第2本体部143の中心軸に冷媒供給流路140Iが貫通して設置されるように、中心軸に沿って長さ方向に流路貫通孔143Hが形成されている。また、第1排出口141Oと第2収容空間140Sとを連通させる第2排出口143Oが第2本体部143の内周面又は下面に形成される。
【0049】
第2フランジ144は、第2本体部143の一端から外側方向に延設される。そして、第2フランジ144上には、電極リード145Eと対応する位置に複数の貫通孔144Hが形成される。また、押圧部141Pの押圧によって中心軸方向に段差部141bが変位することができるように、第2フランジ144に所定の開放溝144Oが形成される。
【0050】
電源分配部145は、冷媒供給流路140I上に固定されて設置されるが、第2フランジ144の後面に隣接して設置される。電源分配部145の一面に複数の電極リード145Eが形成されて電極チップ130のRF電極131と電気的に接続される。好ましくは、電極リード145Eが、第2フランジ144上に形成された貫通孔144Hを通過するように形成される。これにより、電極リード145Eは、前述した電極チップ130の分配部132に位置した前記軟性電源分配部の背面或いは電気パッドの背面と接触して電気的に接続されることができる。
【0051】
以下、ガス状冷媒が流動する経路順に図6を参照して簡略に説明する。
【0052】
<ガス状冷媒の流動経路に関する説明>
図6を参照して、ガス状冷媒の流動経路を順次説明する。
【0053】
1.ガス状冷媒は、ハンドピース100の外部の筐体に設置された冷媒供給手段(図示せず)がバルブ供給流路140Aへガス状冷媒を提供する。[筐体→バルブ供給流路140A]
2.バルブ供給流路140Aは、ソレノイドバルブ140Vと機械的に連通しており、ソレノイドバルブ140Vが開放されると、バルブ供給流路140Aから冷媒供給流路140Iへとガス状冷媒が伝達される。[バルブ供給流路140A→ソレノイドバルブ140V→冷媒供給流路140I]
3.冷媒供給流路140Iは、電極チップ130の冷媒熱交換空間130Sと機械的に連通しており、ソレノイドバルブ140Vを通過したガス状冷媒を冷媒熱交換空間130Sへ伝達する。[冷媒供給流路140I→冷媒熱交換空間130S]
4.ガス状冷媒がRF電極131の背面に当接して熱交換が行われる。
【0054】
5.熱交換の行われたガス状冷媒は、側面排出口133を通過して第2収容空間140S’へ伝達される。[冷媒熱交換空間130S→側面排出口133→第2収容空間140S’]
6.側面排出口133を通過したガス状冷媒が第2収容空間140Sに集まり、ガス状冷媒は第1排出口141Oを介して第2本体部143側へ移動する。[第2収容空間140S→第1排出口141O→第2本体部143]
7.第2本体部143に形成された第2排出口143Oを介して第2収容空間140Sへガス状冷媒が移動する。[第2本体部143→第2排出口143O→第2収容空間140S]
8.第1本体部141に形成された後方排出口141Hへガス状冷媒が移動してアクチュエータ120が冷却される。[第2収容空間140S→後方排出口141H→アクチュエータ120]
以上、本発明では、具体的な構成要素等の特定の事項、限定された実施形態、及び図面によって説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正及び変形が可能である。
【0055】
よって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】