(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】乾癬の治療のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 38/16 20060101AFI20240411BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240411BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240411BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240411BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240411BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240411BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240411BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240411BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240411BHJP
A61K 36/07 20060101ALN20240411BHJP
C07K 14/375 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
A61K38/16
A61P17/06
A61K9/06
A61K47/10
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/42
A61K47/02
A61K36/07
C07K14/375 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569894
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2022092217
(87)【国際公開番号】W WO2022237835
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518426262
【氏名又は名称】シン シャオチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン シャオチ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C088
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC07
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4C076DD27
4C076DD28
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4C076EE30
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4C084AA02
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4C084BA08
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4C084BA23
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4C084MA28
4C084MA37
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4C084MA63
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB072
4C088AA06
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4C088BA35
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4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZB07
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA15
4H045EA20
4H045FA71
(57)【要約】
本開示は、有効量のマンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質を含む医薬組成物を投与するステップを含む、乾癬を治療もしくは軽減、および/または乾癬の治癒を促進もしくは加速するための方法を提供する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾癬を治療もしくは軽減、および/または乾癬の治癒を促進もしくは加速するための医薬の製造での医薬組成物の使用であって、該医薬組成物は、有効量のマンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質、またはその組み換え体もしくは断片を含む、上記使用。
【請求項2】
前記免疫調節タンパク質が、配列番号3または4のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記免疫調節タンパク質の断片が、配列番号1~2からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記医薬組成物が、ゲル形成剤をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記ゲル形成剤が、前記医薬組成物中の約0.1%(w/w)~約2%(w/w)の量であり、かつ前記免疫調節タンパク質が、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)の量である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記ゲル形成剤が、ポリエチレングリコール(PEG)-ジアクリレート、PEG-アクリレート、PEG-チオール、PEG-アジド、PEG-アルキン、キトサン、ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリン、アラビアガム、アルギン酸、ナットウガム、アロエベラ、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、エラスチン、ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キサンタンガム、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、デンプン、水膨潤性親水コロイド、カラギーナン(carragenan)、ヒアルロン酸塩、アガロース、アルギン酸塩、アクリレートもしくはアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン(VP)コポリマーまたはそれらの組み合わせである、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
前記ゲル形成剤が、キサンタンガム、メチルセルロース、ナットウガム、アロエベラ、またはアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマーである、請求項4に記載の使用。
【請求項8】
前記医薬組成物が、5.5~7.5の範囲のpH値を有する、請求項4に記載の使用。
【請求項9】
前記医薬組成物が、約0.05Pa・s~約200Pa・sの範囲の粘度を有する、請求項4に記載の使用。
【請求項10】
前記免疫調節タンパク質の量が、約0.0001%(w/w)~約0.03%(w/w)の範囲である、請求項4に記載の使用。
【請求項11】
前記ゲル形成剤の量が、約0.5(w/w)~約1.2%(w/w)の範囲である、請求項4に記載の使用。
【請求項12】
前記医薬組成物が、乾癬の領域上に局所的に投与される、請求項4に記載の使用。
【請求項13】
前記免疫調節タンパク質の有効量が、約1mcg/cm
2~約100mcg/cm
2乾癬領域の範囲である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記医薬組成物が、前記被験体に経口的に投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項15】
前記免疫調節タンパク質の有効量が、約0.01mg/kg~約5mg/kgの範囲である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記免疫調節タンパク質の有効量が、約0.1mg/kg~約3mg/kgの範囲である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
前記医薬が、1種以上の治療剤をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項18】
前記乾癬が、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、逆性乾癬、ナプキン乾癬、滴状乾癬、口腔乾癬、乾癬性紅皮症、脂漏様乾癬、爪乾癬、または乾癬性関節炎である、請求項1に記載の使用。
【請求項19】
前記乾癬が家族性乾癬である、請求項1に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乾癬の治療のための方法、特に、マンネンタケ属(Ganoderma)由来の免疫調節タンパク質を利用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乾癬は、最も一般的には膝、肘、胴体および頭皮上の、異常な皮膚の隆起領域により特徴付けられる、長期にわたる非伝染性の自己免疫疾患である。これらの領域は、典型的には赤色または紫色であり、一部の人々ではより暗色の乾燥した痒みを伴う鱗状の皮膚を伴う。乾癬は、周期的に患者を襲う傾向があり、数週間または数ヵ月間にわたって悪化し、続いて治まるかまたは寛解に向かう。乾癬の一般的な誘発因子としては、ストレス、アルコール、外傷、および投薬が挙げられる。
【0003】
乾癬の重症度は、小さな限局した斑点から、完全に身体を覆うものまで様々であり、考えられるメカニズムは複雑かつ全身性である。安全かつ経済的な様式で乾癬に対処することは、困難なままである。
【0004】
皮膚病変が広範囲にわたる、例えば、体表面積のうちの10パーセント以上である場合、メトトレキサート、またはエタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブなどの生物製剤などの全身性療法が治療のために用いられる。乾癬に罹患する多数の患者が、それほど広範囲の影響を有さず、局所的投薬治療が、これらの症例のうちの大多数で比較的安全かつより賢明な選択肢であると考えられている。局所療法には、抗炎症性コルチコステロイド、特にプロピオン酸ハロベタゾールなどの非常に強力な種類、カルシポトリエンなどのビタミンD誘導体、タザロテンとして知られるレチノイド、およびコールタールが含まれる。局所療法のうちのそれぞれが特有の程度の有効性を提供するが、乾癬プラークを改善することができる程度、または生じる有害作用には制限が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、驚くべきことに、マンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質またはその組み換え体が、乾癬の治療もしくは軽減、および/または乾癬の治癒の促進もしくは加速での有利な有効性を提供することを見出した。したがって、本開示は、マンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質を用いる乾癬の治療のための方法を提供する。
【0006】
一態様では、本開示は、それを必要とする被験体に医薬組成物を投与するステップを含む、乾癬を治療もしくは軽減、および/または乾癬の治癒を促進もしくは加速するための方法を提供する。医薬組成物は、有効量のマンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質、またはその組み換え体もしくは断片を含む。
【0007】
本開示の一部の実施形態では、免疫調節タンパク質は、配列番号3または4のアミノ酸配列を含む。本開示の一部の実施形態では、免疫調節タンパク質の断片は、配列番号1~2からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0008】
配列番号1~4の配列は、以下の通りである:
LAWNVK(配列番号1)
DLGVRPSYAV(配列番号2)
MSDTALIFTLAWNVKQLAFDYTPNWGRGRPSSFIDTVTFPTVLTDKAYTY RVVVSGKDLGVRPSYAVESDGSQKINFLEYNSGYGIADTNTIQVYVIDPD TGNNFIVAQWN(配列番号3)
EAEAEFMSDTALIFTLAWNVKQLAFDYTPNWGRGRPSSFIDTVTFPTVLT DKAYTYRVVVSGKDLGVRPSYAVESDGSQKINFLEYNSGYGIADTNTIQV YVIDPDTGNNFIVAQWNYLEQKLISEEDLNSAVDHHHHHH(配列番号4)。
【0009】
本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は、ゲル形成剤をさらに含む。
本開示の一部の実施形態では、ゲル形成剤は、医薬組成物中の約0.1%(w/w)~約2%(w/w)、約0.15%(w/w)~約1.95%(w/w)、約0.2%(w/w)~約1.9%(w/w)、約0.25%(w/w)~約1.85%(w/w)、約0.3%(w/w)~約1.8%(w/w)、約0.35%(w/w)~約1.75%(w/w)、約0.4%(w/w)~約1.7%(w/w)、約0.45%(w/w)~約1.65%(w/w)、約0.5%(w/w)~約1.6%(w/w)、約0.55%(w/w)~約1.55%(w/w)、約0.6%(w/w)~約1.5%(w/w)、約0.65%(w/w)~約1.45%(w/w)、約0.7%(w/w)~約1.4%(w/w)、約0.75%(w/w)~約1.35%(w/w)、約0.8%(w/w)~約1.3%(w/w)、約0.85%(w/w)~約1.25%(w/w)、約0.9%(w/w)~約1.2%(w/w)、約0.95%(w/w)~約1.15%(w/w)、約1.0%(w/w)~約1.1%(w/w)の量である。一部の実施形態では、ゲル形成剤の量は、約0.5%(w/w)~約2.0%(w/w)、約0.5(w/w)~約1.5%(w/w)、約0.5(w/w)~約1.2%(w/w)、約0.5(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.1(w/w)~約1.5%(w/w)、約0.1(w/w)~約1.0%(w/w)、約0.1(w/w)~約0.5%(w/w)、約1.0%(w/w)~約2.0%(w/w)、または約1.5%(w/w)~約2%(w/w)の範囲である。
【0010】
本開示の一部の実施形態では、免疫調節タンパク質は、医薬組成物中の約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0005%(w/w)~約0.045%(w/w)、約0.001%(w/w)~約0.04%(w/w)、約0.005%(w/w)~約0.035%(w/w)、約0.001%(w/w)~約0.03%(w/w)、約0.005%(w/w)~約0.025%(w/w)、約0.01%(w/w)~約0.02%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)の量である。一部の実施形態では、免疫調節タンパク質の量は、約0.0001%(w/w)~約0.03%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.03%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.005%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.003%(w/w)、約0.0001%(w/w)~約0.001%(w/w)または約0.0001%(w/w)~約0.0005%(w/w)の範囲である。
【0011】
ゲル形成剤の例としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)-ジアクリレート、PEG-アクリレート、PEG-チオール、PEG-アジド、PEG-アルキン、キトサン、ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリン、アラビアガム、アルギン酸、ナットウガム、アロエベラ、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、エラスチン、ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キサンタンガム、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、デンプン、水膨潤性親水コロイド、カラギーナン(carragenan)、ヒアルロン酸塩、アガロース、アルギン酸塩、アクリレートおよびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン(VP)コポリマーが挙げられる。
一部の実施形態では、ゲル形成剤は、キサンタンガム、メチルセルロース、またはアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマーである。
【0012】
一実施形態では、医薬組成物は、約5.5~約7.5の範囲のpHを有する。一部の実施形態では、pHは、約6.0~約7.5、約6.5~約7.5、約5.5~約7.0、約6.0~約7.0、約6.5~約7.0、約5.5~約6.5、または約6.0~約6.5の範囲である。
【0013】
一実施形態では、医薬組成物は、約0.05Pa・s~約200Pa・sの範囲の粘度を有する。一部の実施形態では、粘度は、約0.1Pa・s~約200Pa・s、約0.5Pa・s~約200Pa・s、約1.0Pa・s~約200Pa・s、約5Pa・s~約200Pa・s、約10.0Pa・s~約200Pa・s、約20.0Pa・s~約200Pa・s、約40.0Pa・s~約200Pa・s、約60.0Pa・s~約200Pa・s、約80.0Pa・s~約200Pa・s、約100.0Pa・s~約200Pa・s、約120Pa・s~約200Pa・s、約140Pa・s~約200Pa・s、約160Pa・s~約200Pa・s、約0.05Pa・s~約160Pa・s、0.05Pa・s~約140Pa・s、0.05Pa・s~約120Pa・s、0.05Pa・s~約100Pa・s、0.05Pa・s~約80Pa・s、0.05Pa・s~約60Pa・s、0.05Pa・s~約40Pa・s、0.05Pa・s~約20Pa・s、0.05Pa・s~約10Pa・s、0.05Pa・s~約5.0Pa・s、0.05Pa・s~約3.0Pa・sまたは0.05Pa・s~約1.0Pa・sの範囲である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、乾癬の領域上に局所的に投与される。
【0014】
一実施形態では、医薬組成物は乾癬の領域上に局所的に投与され、かつ免疫調節タンパク質の有効量は、約1mcg/cm2~約100mcg/cm2、約1mcg/cm2~約80mcg/cm2、約1mcg/cm2~約60mcg/cm2、約1mcg/cm2~約40mcg/cm2、約1mcg/cm2~約20mcg/cm2、約1mcg/cm2~約10mcg/cm2、約1mcg/cm2~約5mcg/cm2、約5mcg/cm2~約100mcg/cm2、約10mcg/cm2~約100mcg/cm2、約20mcg/cm2~約100mcg/cm2、約40mcg/cm2~約100mcg/cm2、約60mcg/cm2~約100mcg/cm2または約80mcg/cm2~約100mcg/cm2乾癬領域の範囲である。
【0015】
本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は、被験体に経口的に投与される。
本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は被験体に経口的に投与され、かつ免疫調節タンパク質の有効量は約0.01mg/kg~約5mg/kgの範囲である。一部の実施形態では、有効量は、約0.01mg/kg~約4mg/kg、約0.01mg/kg~約4.5mg/kg、約0.01mg/kg~約4mg/kg、約0.01mg/kg~約3.5mg/kg、約0.01mg/kg~約3mg/kg、約0.01mg/kg~約2.5mg/kg、約0.01mg/kg~約2mg/kg、約0.01mg/kg~約1.5mg/kg、約0.01mg/kg~約1mg/kg、約0.01mg/kg~約0.5mg/kg、約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約4.5mg/kg、約0.05mg/kg~約4.5mg/kg、約0.05mg/kg~約4mg/kg、約0.05mg/kg~約3.5mg/kg、約0.05mg/kg~約3mg/kg、約0.05mg/kg~約2.5mg/kg、約0.05mg/kg~約2mg/kg、約0.05mg/kg~約1.5mg/kg、約0.05mg/kg~約1mg/kg、約0.05mg/kg~約0.5mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約4.5mg/kg、約0.1mg/kg~約4mg/kg、約0.1mg/kg~約3.5mg/kg、約0.1mg/kg~約3mg/kg、約0.1mg/kg~約2.5mg/kg、約0.1mg/kg~約2mg/kg、約0.1mg/kg~約1.5mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1.5mg/kg~約5mg/kg、約2mg/kg~約5mg/kg、約2.5mg/kg~約5mg/kg、約3mg/kg~約5mg/kg、約3.5mg/kg~約5mg/kgまたは約4mg/kg~約5mg/kgの範囲である。
【0016】
一実施形態では、方法は、被験体に1種以上の追加の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、治療剤としては、局所用医薬(例えば、コルチコステロイド、ビタミンD類似体、レチノイド、カルシニューリン阻害剤、サリチル酸、コールタール、アントラリン)、光(例えば、日光、ブロードバンドUVB、ナローバンドUVB、ソラレン+紫外線A(PUVA)、エキシマレーザー)または経口もしくは静脈内適用など(例えば、ステロイド、レチノイド、メトトレキサート、シクロスポリン、エタネルセプト(エンブレル)、インフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)、ウステキヌマブ(ステラーラ)、セクキヌマブ(コセンティクス)、イキセキズマブ(トルツ)、チオグアニン(タブロイド(Tabloid))、ヒドロキシ尿素(ドロキシア、ハイドレア)、アプレミラスト(オテズラ))が挙げられる。
【0017】
一部の実施形態では、乾癬は、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、逆性乾癬(inverse psoriasis)、ナプキン乾癬、滴状乾癬、口腔乾癬、乾癬性紅皮症、脂漏様乾癬、爪乾癬、または乾癬性関節炎である。
一部の実施形態では、乾癬は家族性乾癬である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】患者1での本開示のヒドロゲル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図1(A):治療前。
【
図1B】患者1での本開示のヒドロゲル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図1(B):2ヵ月間の治療後。
【
図2A】患者1での本開示のカプセル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図2(A):治療前。
【
図2B】患者1での本開示のカプセル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図2(B):4ヵ月間の治療後。
【
図3】患者2での本開示のカプセル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図3(A):3週目での治療;
図3(B):12週目での治療(皮膚);
図3(C):12週目での治療(爪)。
【
図4】患者3での本開示のカプセル剤を用いる乾癬の治療の効果を示す図である。
図4(A):治療前;
図4(B):2週目での治療;
図4(C):4週目での治療。
【発明を実施するための形態】
【0019】
別途定義されない限り、本明細書中で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または等価ないかなる方法および材料も、本発明の実施または試験で用いることができるが、好ましい方法および材料がここで説明される。言及されるすべての刊行物は、参照のために本明細書中に組み入れられる。
【0020】
本出願では、別途具体的に明記されない限り、単数形の使用は複数形を含み、冠詞「a」または「an」は「少なくとも1つ」を意味し、「または」の使用は「および/または」を意味する。
用語「局所的」とは、身体部分の表面への化合物の塗布による化合物の投与または送達を意味する。
【0021】
本明細書中で用いる場合、「促進する」もしくは「増加させる」、または「促進すること」もしくは「増加させること」は、相互に交換可能に用いられる。これらの用語は、未処置細胞、組織または被験体と比較しての、処置細胞、組織または被験体での測定されるパラメータの増加を意味する。比較はまた、処置前後での同じ細胞または組織または被験体でも行なうことができる。一部の実施形態では、処置細胞、組織または被験体での増加は、未処置細胞、組織または被験体と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍、2倍、3倍、4倍またはそれ以上である。
【0022】
本明細書中で用いる場合、本明細書中の用語「被験体」は、ヒトまたは非ヒト動物などの脊椎動物、例えば、哺乳動物である。哺乳動物としては、限定するものではないが、ヒト、霊長類、家畜、競技動物、げっ歯類およびペットが挙げられる。非ヒト動物被験体の非限定的な例としては、マウス、ラット、ハムスターおよびモルモットなどのげっ歯類;ウサギ;イヌ;ネコ;ヒツジ;ブタ;ヤギ;ウシ;ウマ;ならびに類人猿およびサルなどの非ヒト霊長類が挙げられる。
【0023】
本明細書中で用いる場合、用語「治療すること」または「治療」(および「治療する」などのその文法的変形)は、治療対象の個体または細胞の疾患経過を変化させるための臨床的介入を意味し、予防のためまたは臨床病理の経過中のいずれかで行なうことができる。治療の治療効果としては、限定するものではないが、疾患の発症または再発を予防すること、症状の軽減、疾患のいずれかの直接的または間接的病理学的帰結の消失、転移を予防すること、疾患進行の速度を低下させること、疾患状態の改善または緩和および寛解または改善された予後が挙げられる。
【0024】
本明細書中に提供される通りの有効成分の用語「有効量」とは、所望の機能の所望の調節を提供するための成分の十分量を意味する。以下で指摘される通り、必要とされる正確な量は、被験体の疾患状態、健康状態、年齢、性別、生物種および体重、組成物の具体的な正体および製剤などに応じて、被験体毎に変わるであろう。投薬レジメンは、最適な治療応答を誘導するために調整することができる。例えば、数回の分割用量を毎日投与することができ、または用量は、治療状況の緊急性により示される通りに比例的に低減させることができる。つまり、正確な「有効量」を特定することは可能でない。しかしながら、適切な有効量は、慣用の実験のみを用いて、当業者により決定されることができる。
【0025】
本明細書中で用いる場合、用語「局所製剤」(または「局所組成物」)は、それを必要とする被験体の罹患領域への局所または限局塗布が意図される医薬調製物を意味するために用いられる。
【0026】
本明細書中で用いる場合、用語「製薬上許容される」は、正当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激(irritation)、アレルギー反応および合理的な利益/リスク比に釣り合う他の問題となる合併症を伴わずに、被験体、例えば、哺乳動物またはヒトの組織との接触において好適である、化合物、材料、組成物および/または剤型を意味するように本明細書中で定義される。
【0027】
本開示は、それを必要とする被験体に医薬組成物を投与するステップを含む、乾癬を治療もしくは軽減、および/または乾癬の治癒を促進もしくは加速するための方法を提供し、このとき、医薬組成物は、有効量のマンネンタケ属由来の免疫調節タンパク質、またはその組み換え体もしくは断片を含む。
【0028】
一実施形態では、免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片は、レイシ(Ganoderma lucidum)、レイシ(Ganoderma lucidum)、ガノデルマ・ツガエ(Ganoderma tsugae)、ガノデルマ・ミクロスポルム(Ganoderma microsporum)またはガノデルマ・シネンシス(Ganoderma sinensis)から誘導される。一部の実施形態では、免疫調節タンパク質は、配列番号3または4のアミノ酸配列を含む、免疫調節タンパク質またはその組み換え体である。一部の実施形態では、免疫調節タンパク質の断片は、配列番号1~2からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。免疫調節タンパク質またはその組み換え体の調製は、米国特許第7,601,808号に記載されている。
【0029】
一部の実施形態では、乾癬を治療もしくは軽減すること、および/または乾癬の治癒を促進もしくは加速することは、炎症および鱗屑の低減、皮膚細胞の増殖の遅延、および/またはプラークの低減を含むことができる。
【0030】
本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、単独で、または好適な担体および賦形剤と混合される医薬組成物中のいずれかで被験体に投与することができる。本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質、またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、静脈内注入もしくは輸液、腹腔内注入、皮下注入、または筋内注入によるなど、非経口的に投与することができる。本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などを形成するための担体および賦形剤との適切な製剤化を通して、経口的または直腸的に投与することができる。本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、皮膚パッチ剤によるなど、局所的に投与することができる。本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、皮膚または粘膜表面への局所的塗布に好適な局所用クリーム剤、皮膚もしくは粘膜パッチ剤、または液剤もしくはゲル剤へと製剤化することができる。本明細書中に開示される通りの免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物は、乾癬の局所的または全身性治療のために、気道へと吸入器により投与することができる。
【0031】
免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片あるいは医薬組成物の投与量は、本明細書中の開示に基づいて、当業者により決定されることができる。医薬は、製剤の投与の特定の経路(すなわち、経口、非経口、局所または吸入による)に対して好適な、好適な製薬用担体および賦形剤の有効投与量(投与経路および活性薬剤の薬物動態に応じて)を含有するであろう。免疫調節タンパク質またはその組み換え体もしくはその断片は、混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、乳化、カプセル封入、封入または凍結乾燥プロセスを用いて、医薬組成物へと混合される。非経口投与のための医薬組成物としては、水溶性形態の本発明のポリペプチドの水溶液が挙げられる。加えて、本発明のポリペプチドの懸濁液剤は、油性注入懸濁液剤として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注入懸濁液剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液剤の粘度を増加させる物質を含有することができる。懸濁液剤は、任意により、より濃縮された溶液を可能にするために、安定化剤、または複合体もしくは組み合わせの溶解度を増加させるための薬剤を含有することができる。
【0032】
一部の実施形態では、医薬組成物は、さらに説明される様々な様式で局所的に塗布することが意図される。例えば、医薬組成物は、ヒドロゲル剤として提供することができる。本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は、ゲル形成剤をさらに含む。
本開示の一部の実施形態では、ゲル形成剤は、医薬組成物中の約0.1%(w/w)~約2%(w/w)の量である。
本開示の一部の実施形態では、免疫調節タンパク質は、医薬組成物中の約0.0001%(w/w)~約0.05%(w/w)の量である。
本開示の医薬組成物はまた、ゲル形成剤を含み、約0.05Pa・s~約200Pa・sの範囲の粘度を有する局所用ゲル生成物を形成する。
【0033】
本開示の医薬組成物は、5.5~7.5のpHを有するものとして製剤化される。一実施形態では、水性媒体のpHは、低濃度の好適な生体適合性緩衝性成分を用いて調整することができ、緩衝性成分の非限定的な例は、トロメタミン、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびにリン酸二水素ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムである。
【0034】
本開示の医薬組成物はまた、溶媒、ゲル形成剤/ポリマー剤、増粘剤、乳化剤、抗酸化剤、保存料、pH調整剤、噴射剤および上記の組み合わせなどのさらなる添加剤も含むことができる。
【0035】
本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は、被験体に経口的に投与される。担体は、担体および/もしくは希釈剤および/もしくはアジュバント、または被験体への治療剤の送達のためのビヒクルとして用いられるか、あるいはその取扱いもしくは保存特性を改善するためにまたは経口投与に対して好適なカプセル剤もしくは錠剤などの分離した物品への組成物の用量単位の形成を可能にするかもしくは促進するために、製剤に添加される。好適な担体は、医薬製剤または食品の製造の分野の当業者に周知である。担体としては、例示としてかつ非限定的に、緩衝剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤化剤、ポリマー、滑沢剤、流動促進剤、不愉快な味もしくは匂いをマスクまたは中和するために添加される物質、香味料、色素、香料、および組成物の外観を改善するために添加される物質が挙げられる。許容可能な担体としては、クエン酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー、重炭酸バッファー、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、炭酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、デキストリン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、デンプン、ゼラチン、セルロース材料(アルカン酸のセルロースエステルおよびセルロースアルキルエステルなど)、低融点ワックスカカオバター、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質(例えば、血清アルブミン)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩化ナトリウムまたは他の塩、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、グリセロールまたは粉末、ポリマー(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコールなど)、および他の製薬上許容される材料が挙げられる。担体は、治療剤の薬理学的活性を破壊してはならず、かつ治療的量の薬剤を送達するために十分な用量で投与される場合に、非毒性でなければならない。
【0036】
本開示の一部の実施形態では、医薬組成物は被験体に経口的に投与され、免疫調節タンパク質の有効量は、約0.01mg/kg~約5mg/kgの範囲である。本開示の一部のさらなる実施形態では、免疫調節タンパク質の有効量は、約0.1mg/kg~約3mg/kgの範囲である。
【0037】
一部の実施形態では、方法は、被験体に1種以上の治療剤を投与するステップをさらに含む。治療剤は、局所用医薬(例えば、コルチコステロイド、ビタミンD類似体、レチノイド、カルシニューリン阻害剤、サリチル酸、コールタール、アントラリン)、光(例えば、日光、ブロードバンドUVB、ナローバンドUVB、ソラレン+紫外線A(PUVA)、エキシマレーザー)または経口もしくは注入医薬(例えば、ステロイド、レチノイド、メトトレキサート、シクロスポリン、エタネルセプト(エンブレル)、インフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)、ウステキヌマブ(ステラーラ)、セクキヌマブ(コセンティクス)、イキセキズマブ(トルツ)、チオグアニン(タブロイド(Tabloid))、ヒドロキシ尿素(ドロキシア、ハイドレア)、アプレミラスト(オテズラ))などの乾癬の治療のためのいずれかの公知の医薬であり得、本開示の医薬組成物と組み合わせて用いるか、または本開示の医薬組成物に直接的に組み込むことができる。
【0038】
本開示(present closure)に従う使用に対して好適である医薬組成物の投与量は、本明細書中の開示に基づいて当業者により決定されることができる。医薬は、製剤の局所投与経路に対して好適な、好適な製薬用担体および賦形剤の有効投与量(投与経路および活性薬剤の薬物動態に応じて)を含有するであろう。
【0039】
一実施形態では、投薬レジメンは繰り返され、すなわち、1回、2回、3回またはそれ以上繰り返され;例えば、必要とする被験体の残りの人生にわたって繰り返される。別の実施形態では、患者は、本開示に従う医薬組成物を用いる14日間の治療の投薬レジメンを用いて治療される。また別の実施形態では、患者は、本開示に従う医薬組成物を用いて、2週間、3週間、4週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヵ月間、5ヵ月間、6ヵ月間、7ヵ月間、8ヵ月間、9ヵ月間、10ヵ月間、11ヵ月間、または12ヵ月間にわたって、1日2回または3回の投薬レジメンを用いて治療される。
【0040】
本開示は、乾癬の治療のための医薬組成物および方法を提供する。乾癬の病因は完全には明らかにされていないが、重大な証拠が、皮膚に浸潤する細胞性免疫に対する二次的応答として表皮変化が起こることを示す。乾癬は、発赤、肥厚化、激しい落屑、および一部の場合には掻痒を伴う、分離した領域の皮膚炎症により特徴付けられる。この疾患は、身体的および心理的の両方で、罹患個体のQOLに著しい影響を有する。一実施形態では、治療は、乾癬プラークおよび関連する症状の重症度および程度を低減させることを目的とする。乾癬の治療のための製品を評価する上で米国食品医薬品局により用いられる治療成功の主要な測定は、治験担当医による全般的評価尺度(Investigators Global Assessment)に基づく乾癬重症度での顕著な全体的改善である。以下の実施例は、特許請求される発明を説明するために提供されるが、これを限定するために提供されるのではない。
【実施例】
【0041】
実施例1:本開示のヒドロゲル剤の調製
医薬組成物は、ヒドロゲル剤として提供することができる。ヒドロゲル剤の製剤の実施形態が、以下の通りに列挙される。
【0042】
【0043】
配列番号4を有する免疫調節タンパク質を、超純水に添加し、続いて十分に混合した。続いて、継続して撹拌することにより、得られた混合物にゲルが形成されるまでゲル形成剤を添加した。得られたゲルを、少なくとも16時間にわたって冷蔵庫中、4℃でインキュベートした。得られたゲルを、保存のために適切な容器に入れた。
【0044】
実施例2:本開示のカプセル剤の調製
医薬組成物は、カプセル剤として提供することができる。各カプセル剤は、配列番号3または4を有する350μgの免疫調節タンパク質を含む。
【0045】
実施例3:乾癬患者1の治療
20歳から60年間にわたって両脚上の乾癬に罹患している80歳女性の患者1。患者1は、多数の慣用の処方薬を試したが、状態はほとんど制御されなかった。
実施例1のヒドロゲル剤を左脚に2ヵ月間にわたって1日2回適用した後、左脚上の乾癬の症状は軽減された(
図1(A)~
図1(B))。
実施例2の配列番号4を含有するカプセル剤を4ヵ月間にわたって1日に3個適用した後、左脚上の乾癬の症状は軽減された(
図2(A)~
図2(B))。
【0046】
実施例4:乾癬患者2の治療
20歳から33年間にわたって両脚上の乾癬に罹患している53歳女性の患者2。患者2は、多数の慣用の処方薬を試したが、状態はほとんど制御されなかった。
実施例2の配列番号3を含有するカプセル剤を3週間にわたって1日に3個適用した後、皮膚上の乾癬の症状は3週目に軽減され(
図3(A))、12週目に顕著に改善された(
図3(B))。さらに、爪上の乾癬の症状は、12週目に顕著に改善された(
図3(C))。
【0047】
実施例5:家族性乾癬患者3の治療
家族性乾癬に罹患しており、乾癬病変が皮膚上に現れた17歳男性の患者3。
実施例2の配列番号4を含有するカプセル剤を3週間にわたって1日に3個適用した後、皮膚上の乾癬の症状は2週目(
図4(A)~
図4(B))、および4週目(
図4(C))に顕著に軽減された。さらに、7ヵ月間にわたって症状の再発はなかった。
【配列表】
【国際調査報告】