(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-18
(54)【発明の名称】スポーツシャフトの制振装置
(51)【国際特許分類】
A63B 60/54 20150101AFI20240411BHJP
A63B 53/10 20150101ALI20240411BHJP
A63B 53/12 20150101ALI20240411BHJP
【FI】
A63B60/54
A63B53/10 Z
A63B53/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569896
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 US2022027223
(87)【国際公開番号】W WO2022240601
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045213
【氏名又は名称】トゥルー テンパー スポーツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザレズニック,ヨナ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ドノヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジュニア,ドナルド コリンズ
(72)【発明者】
【氏名】モルナー,ブライアン クリストファー
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002CS05
(57)【要約】
スポーツシャフトの内部空洞内に挿入される制振装置であって、前記スポーツシャフトの前記内部空洞に直接接触して嵌められるように構成された外側部分と、前記外側部分と同軸にのび、前記外側部分の内側に配置される中央の塊と、外側にのび、前記中央の塊を前記外側部分に接続する少なくとも2本のアームと、少なくとも、前記中央の塊と前記外側部分との間に配置された複数の開口と、を含む、制振装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツシャフトの内部空洞内に挿入される制振装置であって、
前記スポーツシャフトの前記内部空洞に直接接触して嵌められるように構成された外側部分と、
前記外側部分と同軸にのび、前記外側部分の内側に配置される中央の塊と、
外側にのび、前記中央の塊を前記外側部分に接続する少なくとも2本のアームと、
少なくとも、前記中央の塊と前記外側部分との間に配置された複数の開口と、を含む、制振装置。
【請求項2】
(a)前記中央の塊と前記少なくとも2本のアームの質量を、(b)前記制振装置の総質量で割った割合が2分の1より大きい、請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記制振装置の単位長さあたりの質量が均一である、請求項1に記載の制振装置。
【請求項4】
前記外側部分、前記中央の塊および前記少なくとも2本のアームは、ショアデュロメータによって測定される硬度が約40~100のショアA硬度である材料で、製造されている、請求項1に記載の制振装置。
【請求項5】
前記外側部分、前記中央の塊および前記少なくとも2本のアームが、粘弾性材料、エラストマー材料、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、ウレタン注入フォーム、固体フォームおよび撚り編みラウンドフォームのうちの1つで製造されている、請求項1に記載の制振装置。
【請求項6】
前記外側部分が、約7/16インチ(1.11125cm)~1/2インチ(1.27cm)の外径を有する円筒管を形成する、請求項1に記載の制振装置。
【請求項7】
前記制振装置は、押出成形されたもの、成形されたもの、3Dプリンティングされたもののうちの1つである、請求項1に記載の制振装置。
【請求項8】
前記少なくとも2本のアームは、3本のアームを含み、前記3本のアームは、外側にのび、前記中央の塊を前記外側部分に接続する、請求項1に記載の制振装置。
【請求項9】
前記3本のアームが、
前記中央の塊から前記外側部分まで放射状方向外側にのびる第1のアームと、
前記中央の塊から前記外側部分に向かって放射状方向外側にのびる第1の部分と、前記第1の部分から前記外側部分までのびる第2の部分と、を含む第2のアームと、
前記中央の塊から前記外側部分に向かって放射状方向外側にのびる第3の部分と、前記第3の部分から前記外側部分までのびる第4の部分と、を含む第3のアームと、を含む、請求項8に記載の制振装置。
【請求項10】
前記制振装置の長さが約0.5~8インチである、請求項1に記載の制振装置。
【請求項11】
前記制振装置の総質量が2~4グラムである、請求項1に記載の制振装置。
【請求項12】
前記少なくとも2本のアームのうちの少なくとも1本が湾曲部分を含む、請求項1に記載の制振装置。
【請求項13】
前記少なくとも2本のアームが、4本のアームを含む、請求項1に記載の制振装置。
【請求項14】
前記4本のアームが各々、第1の凹部と第2の凹部とを含む、請求項13に記載の制振装置。
【請求項15】
前記第1の凹部が、時計回り方向と反時計回り方向のうちの一方向に、前記中央の塊から放射状方向外側にのび、前記第2の凹部が、前記時計回り方向と前記反時計回り方向のうちの他方に外側にのびる、請求項14に記載の制振装置。
【請求項16】
前記外側部分の外面が、前記スポーツシャフトの前記内部空洞に嵌められるように構成された特徴を含む、請求項1に記載の制振装置。
【請求項17】
前記外側部分が、スクワークル形状の管、円筒形状の管、六角形状の管、矩形状の管および八角形状の管のうちの1つを形成する、請求項1に記載の制振装置。
【請求項18】
前記外側部分の1本以上の辺が、凸形および凹形のうちの一方である、請求項1に記載の制振装置。
【請求項19】
前記中央の塊は、その中央を貫通する中空の開口を含む、請求項1に記載の制振装置。
【請求項20】
前記中空の開口内に配置されたインサートをさらに含む、請求項19に記載の制振装置。
【請求項21】
前記少なくとも2本のアームが、各々少なくとも1つの突出部を含む、請求項1に記載の制振装置。
【請求項22】
スポーツシャフトであって、
内部空洞を有する細長い管状部分と、
制振装置と、を含み、
前記制振装置は、
前記スポーツシャフトの内部空洞に直接接触して嵌められるように構成された外側部分と、
前記外側部分と同軸にのび、前記外側部分の内側に配置される中央の塊と、
外側にのびて前記中央の塊を前記外側部分に接続する少なくとも2本のアームと、
少なくとも、前記中央の塊と前記外側部分との間に配置された複数の開口と、を含む、スポーツシャフト。
【請求項23】
前記スポーツシャフトは、ゴルフシャフト、ホッケースティックのシャフト、ラクロススティックのシャフト、野球バットのうちの1つである、請求項22に記載のスポーツシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2021年5月12日に出願された米国特許仮出願第63/187,578号の優先権の利益を主張するものである。上記で言及した出願の開示内容全体を、本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、ゴルフシャフト、ラクロスシャフト、ホッケーシャフト、野球バットなどのスポーツシャフトに関し、特に、スポーツシャフト用の振動抑制装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景についての説明は、本開示の内容を大まかに示すことを目的としたものである。この背景技術に記載した範囲において現行の発明者の業績、ならびに出願時における先行技術としては適さないかもしれない説明の態様については、明示的にも黙示的にも、これを本開示に対する先行技術として認めるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
種類の異なる様々なゴルフクラブ用に、様々な長さのゴルフシャフトが製造されている。ゴルフシャフトには、スチール製のゴルフシャフトもあれば、グラファイト製のゴルフシャフトもある。
【0005】
ゴルフでは、ゴルフボールを打つためにゴルフクラブが用いられる。目的は、ゴルフボールをティーからホールまで最少のストローク数で移動させることである。ウッド、アイアン、ウェッジ、パターなどの様々なタイプのゴルフクラブが使用される。ゴルフシャフトには、ゴルフクラブのヘッドが取り付けられる先端と、ゴルフグリップが装着される太い側の端がある。
【0006】
ゴルフクラブでゴルフボールを打つと、ゴルフシャフトの内部に振動が発生し、ゴルフグリップを介して、この振動が手で感じられる場合がある。ゴルフボールがゴルフクラブのスイートスポットに当たったときには、ゴルフクラブの別の部分、例えばゴルフクラブのヒールまたはトウなどに当たったときと比べると、異なる振動が感じられる場合もある。
【0007】
スポーツシャフトは、他のスポーツでも、スポーツ用具を打ったり移動させたりするのに使用される。例えば、ホッケーでは、ホッケーパックまたはボールを打つのにホッケースティックが使用される。野球では、野球のボールを打つのに野球バットが使用される。ラクロスでは、ラクロスのボールを移動したりパスしたりするのにラクロススティックが使用される。他のスポーツでは、他の種類のスポーツシャフトが使用される。
【0008】
スポーツシャフトを介して使用者の手に伝わる振動は、不快な場合がある。
【0009】
ある特徴において、スポーツシャフトの内部空洞内に挿入される制振装置は、前記スポーツシャフトの前記内部空洞に直接接触して嵌められるように構成された外側部分と、前記外側部分と同軸にのび、前記外側部分の内側に配置される中央の塊と、外側にのび、前記中央の塊を前記外側部分に接続する少なくとも2本のアームと、少なくとも、前記中央の塊と前記外側部分との間に配置された複数の開口と、を含む。
【0010】
さらなる特徴において、(a)前記中央の塊と前記少なくとも2本のアームの質量を、(b)前記制振装置の総質量で割った割合が2分の1より大きい。
【0011】
さらなる特徴において、前記制振装置の単位長さあたりの質量が均一である。
【0012】
さらなる特徴において、前記外側部分、前記中央の塊および前記少なくとも2本のアームが、ショアデュロメータによって測定される硬度が約40~100のショアA硬度である材料で、製造されている。
【0013】
さらなる特徴において、前記外側部分、前記中央の塊および前記少なくとも2本のアームが、粘弾性材料、エラストマー材料、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、ウレタン注入フォーム、固体フォームおよび撚り編みラウンドフォームのうちの1つで製造されている。
【0014】
さらなる特徴において、前記外側部分が、約7/16インチ(1.11125cm)~1/2インチ(1.27cm)の外径を有する円筒管を形成する。
【0015】
さらなる特徴において、前記制振装置は、押出成形されたもの、成形されたもの、3Dプリンティングされたもののうちの1つである。
【0016】
さらなる特徴において、前記少なくとも2本のアームは、3本のアームを含み、前記3本のアームは、外側にのび、前記中央の塊を前記外側部分に接続する。
【0017】
さらなる特徴において、前記3本のアームが、前記中央の塊から前記外側部分まで放射状方向外側にのびる第1のアームと、前記中央の塊から前記外側部分に向かって放射状方向外側にのびる第1の部分と、前記第1の部分から前記外側部分までのびる第2の部分と、を含む第2のアームと、前記中央の塊から前記外側部分に向かって放射状方向外側にのびる第3の部分と、前記第3の部分から前記外側部分までのびる第4の部分と、を含む第3のアームと、を含む。
【0018】
さらなる特徴において、前記制振装置の長さが約0.5~8インチである。
【0019】
さらなる特徴において、前記制振装置の総質量が2~4グラムである。
【0020】
さらなる特徴において、前記少なくとも2本のアームのうちの少なくとも1本が湾曲部分を含む。
【0021】
さらなる特徴において、前記少なくとも2本のアームが、4本のアームを含む。
【0022】
さらなる特徴において、前記4本のアームが各々、第1の凹部と第2の凹部とを含む。
【0023】
さらなる特徴において、前記第1の凹部が、時計回り方向と反時計回り方向のうちの一方向に、前記中央の塊から放射状方向外側にのび、前記第2の凹部が、前記時計回り方向と前記反時計回り方向のうちの他方に外側にのびる。
【0024】
さらなる特徴において、前記外側部分の外面が、前記スポーツシャフトの前記内部空洞に嵌められるように構成された特徴を含む。
【0025】
さらなる特徴において、前記外側部分が、スクワークル形状の管、円筒形状の管、六角形状の管、矩形状の管および八角形状の管のうちの1つを形成する。
【0026】
さらなる特徴において、前記外側部分の1本以上の辺が、凸形および凹形のうちの一方である。
【0027】
さらなる特徴において、前記中央の塊は、その中央を貫通する中空の開口を含む。
【0028】
さらなる特徴において、前記中空の開口内に配置されたインサートをさらに含む。
【0029】
さらなる特徴において、前記少なくとも2本のアームが、各々少なくとも1つの突出部を含む。
【0030】
さらなる特徴において、スポーツシャフトは、内部空洞を有する細長い管状部分と、 制振装置と、を含み、前記制振装置は、前記スポーツシャフトの内部空洞に直接接触して嵌められるように構成された外側部分と、前記外側部分と同軸にのび、前記外側部分の内側に配置される中央の塊と、外側にのびて前記中央の塊を前記外側部分に接続する少なくとも2本のアームと、少なくとも、前記中央の塊と前記外側部分との間に配置された複数の開口と、を含む。
【0031】
さらなる特徴において、前記スポーツシャフトは、ゴルフシャフト、ホッケースティックのシャフト、ラクロススティックのシャフト、野球バットのうちの1つである。
【0032】
本開示を適用可能なさらに別の領域が、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明と具体例については、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0033】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、ゴルフシャフトの内部に制振装置を挿入する前のゴルフクラブシャフトと制振装置の例示図を含む。
【
図2】
図2は、ゴルフシャフトの内部に固定された制振装置の例示図である。
【
図3】
図3は、ゴルフシャフト用制振装置の例示的な一実施形態の端部の断面図を含む。
【
図4】
図4は、ゴルフシャフト用制振装置の例示的な一実施形態の一部の端部を拡大した斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4の制振装置の断面図、側面図および斜視図を含む。
【
図6】
図6は、ゴルフシャフト用制振装置の別の実施形態の端部の斜視図である。
【
図7】
図7は、ゴルフシャフト用制振装置の例示的な一実施形態の端部の断面図である。
【
図8】
図8は、制振装置を含むホッケースティックを含む例示図を含む。
【
図9】
図9は、制振装置を含む、ゴールキーパーのホッケースティックを含む例示図を含む。
【
図10】
図10は、ホッケースティックのグリップ部の例示的な一実施形態の断面図を含む。
【
図11】
図11は、ホッケースティック用の制振装置の例示的な一実施形態の断面図を含む。
【
図14】
図14は、制振装置を有するラクロススティックを含む例示図を含む。
【
図15】
図15は、ラクロススティックのグリップ部の例示的な一実施形態の断面図を含む。
【
図16】
図16は、ラクロススティック用の制振装置の例示的な一実施形態の端部の斜視図を含む。
【
図17】
図17は、制振装置を含む野球バットを含む例示図を含む。
【
図18】
図18は、野球バット用の制振装置の例示的な一実施形態の端部の斜視図を含む。
【
図19】
図19は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図20】
図20は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図21】
図21は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図22】
図22は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図23】
図23は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図24】
図24は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図25】
図25は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図26】
図26は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図27】
図27は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【
図28】
図28は、中空のスポーツシャフト用の制振装置の他の例示的な実施形態を含む。
【0035】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照符号を繰り返して用いることがある。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願は、スポーツシャフト内に配置された1つ以上の振動減衰装置(制振装置および振動抑制装置とも呼ばれる)を含む中空のスポーツシャフト(例えば、ゴルフシャフト、ホッケースティックのシャフト、野球バット、ラクロススティックなど)に関する。振動減衰装置は、これがなければ1本以上の手に感じられる場合がある振動を減衰させる。
【0037】
各振動減衰装置は、スポーツシャフトの内側部分に嵌められる外側部分を含む。また、振動抑制装置は、(a)中央の塊と、(b)中央の塊を外側部分に連結する2本以上のアームも含む。振動の減衰を最大にするために、振動抑制装置の総質量のうち少なくとも所定の割合(例えば、2分の1)が中央の塊とアームにある。振動抑制装置は、これがなければボールやパックなどのスポーツ物品との接触に応じて使用者の1本以上の手に感じられるかもしれない振動を、減少させる。
【0038】
図1は、ゴルフシャフト104の内部に制振装置114を挿入する前のゴルフクラブシャフト104および制振装置114の例示図を含む。ゴルフシャフト104は、グラファイト製のゴルフクラブシャフト、スチール製のゴルフクラブシャフト、スチールとグラファイトのハイブリッド構造のゴルフクラブシャフト、または他のタイプのゴルフクラブシャフトであってもよい。ゴルフシャフト104は、テーパー付き(段付き)の外側部分を1つ以上含むものであってもよいし、段のないシャフトであってもよい。ゴルフシャフト104の内部は中空である。
【0039】
ゴルフシャフト104は、先端108および太い側の端112を含む。太い側の端112の外径は、先端108の外径よりも大きい。ゴルフクラブヘッドは、ゴルフシャフト104の先端108に取り付けることが可能である。ゴルフグリップは、ゴルフシャフト104の太い側の端112に固定して、先端108に向かってのばすことができる。太い方の端112から先端108に向かって移動するにつれてゴルフシャフト104の内径が小さくなっていてもよい。
【0040】
制振装置114は、単位長さあたりの質量が均一であってもよい。制振装置114は、ショアデュロメータによって測定される硬度が約40~100のショアA硬度または約50~90のショアA硬度の材料で作られている。硬度がこれらの範囲内にあると、他の硬度よりも振動減衰特性がより望ましいものになる場合がある。材料は、例えば、粘弾性材料、エラストマー材料、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、ウレタンフォーム、固体(例えば、連続気泡または独立気泡)フォーム、撚り編みラウンドフォーム(例えば、0.25インチ)または上述した硬度範囲内の他の適切な材料であってもよい。
【0041】
制振装置114をゴルフシャフト104に挿入するには、挿入棒120を使用してもよい。この挿入棒120を、ゴルフシャフト104とほぼ同軸で直線的にゴルフシャフト104の中空の内部の中まで移動させ、制振装置114をゴルフシャフト104の内部の所定の位置まで押し込むことができる。所定の位置とは、先端108とゴルフグリップが終わる位置との間である。より一般的に言えば、所定の位置は、ゴルフシャフト104上の手が置かれることが想定された位置と先端108との間である。
【0042】
あくまで例にすぎないが、挿入棒120は、制振装置114をゴルフシャフト104に挿入するためにゴルフシャフト104が静止して保持されている間に、制振装置114に少なくとも約200ポンドの力(約889ニュートン)を加えることができる。しかし、制振装置114に加えられる力は、200ポンドより大きくても小さくてもよい。制振装置114を挿入するのに、リニアアクチュエータによって挿入棒120をゴルフシャフト104内に直線的に作動させてもよい。様々な実施形態において、挿入棒120を、人間が手動で挿入してもよい。
【0043】
制振装置114を挿入することで、制振装置114とゴルフシャフト104の内部との間を締り嵌めの状態にすることができる。ゴルフシャフトごとに制振装置を追加して、このゴルフシャフトの振動を減衰させる。
【0044】
ゴルフシャフトの例では、制振装置114は、例えば、外径が7/16インチ(1.11125cm)、外径が1/2インチ(1.27cm)、外径が約7/16インチと約1/2インチとの間であってもよいし、他の適切な外径であってもよい。制振装置114の外径は、所定の位置、例えば太い側の端112から先端108までの2/3の位置の内径よりも大きくてもよい。制振装置114の外径がゴルフシャフト104の内径よりも大きいと、ゴルフシャフトへの挿入時に制振装置114がわずかに変形する場合があるが、ゴルフシャフトは塞がれてはいない。中実/非中空の制振装置を使用した場合に起こり得る)ゴルフシャフトが塞がれることによって、ゴルフクラブのヘッドおよびグリップの少なくとも一方をゴルフシャフトに固定しにくくし、最適でない状態にする可能性がある。また、塞がれることによって、ゴルフシャフトの中に水が閉じ込められる場合がある。
【0045】
上述したように、締り嵌めによって、制振装置114をゴルフシャフト104の中に保持することができる。上記に加えてまたは上記に代えて、ゴルフシャフト104には、1期間以上の所定の期間、1処理以上の熱処理を施してもよい。例えば、制振装置114の融点温度以下である所定の温度まで、所定の期間(例えば、炉によって)ゴルフシャフト104を加熱してもよい。様々な実施形態において、所定の温度がインサートの融点温度よりも高くてもよい。そのような実施形態では、所定の期間は、制振装置114の外側のスキン部分を、制振装置114の残りの部分の溶融を防ぎつつ溶融させることができるだけの、十分な低さに設定されてもよい。
【0046】
ゴルフシャフト104および制振装置114を加熱すると、制振装置114をゴルフシャフト104の内面に接着することができ、制振装置114をゴルフシャフト104から取り外すのに必要な力が大きくなる。様々な実施形態では、制振装置114の外面とゴルフシャフト104の内面との間の接着剤によって、制振装置114をゴルフシャフト104内に固定してもよい。様々な実施形態では、制振装置114の外面とゴルフシャフト104の内面との間に両面テープを配置して、制振装置114をゴルフシャフト104内に固定してもよい。制振装置114は、他の適切な方法で固定してもよい。
【0047】
図2は、ゴルフシャフト104の内部に固定された制振装置114の例示図である。ゴルフシャフトの例を最初に説明するが、本願は、ホッケースティック(例えば、
図8および
図9)、ラクロススティック(例えば、
図14)、野球バット(例えば、
図17)および他のタイプの中空のスポーツシャフトなどの他のスポーツシャフトの振動装置にも適用可能である。本明細書で説明する制振装置114は、例えば、押し出し成形されたもの、成形されたもの、(例えば、3Dプリンティングによる)プリントされたものであってもよいし、他の適切な方法で製造されたものであってもよい。
【0048】
図3は、ゴルフシャフト用の制振装置114の例示的な一実施形態の端部の断面図を含む。一般的に言えば、異なるスポーツシャフトの制振装置114は、外側の形状または幾何学形状が、関連するスポーツシャフトの内側の形状または幾何学形状と同一または類似の外側部分を含む。各制振装置の外側部分は、関連するスポーツシャフトの内面に嵌められるように構成されている。また、制振装置には、制振装置の中央部分を制振装置の外側部分に接続する2本以上のアームが含まれている。
【0049】
例えば、ゴルフシャフトは、内側の形状が中空で円形である。ゴルフシャフトの内側部分にテーパーが付いていてもよいため、ゴルフシャフトの内側部分が円錐台形であってもよい。様々な実施形態において、ゴルフシャフトの内側部分は、テーパーがない円筒形であってもよい。
図3に示すように、ゴルフシャフト104の制振装置114は、円形の外側部分304を含む。円形の外側部分304は、中空の円筒管または中空の円錐台形の管を形成してもよい。
【0050】
また、制振装置114は、円形の外側部分304に接続された中央部分308を含む。中央部分308は、中実の円柱形部材であってもよいし、他の適切な形状を有していてもよい。中央部分308は、アーム312などの2本以上のアームで円形の外側部分304に接続されている。アーム312は、
図3の例では、中央部分308から円形の外側部分304に向かって外方向に(例えば、放射状方向外側に)のびている。アームとアームとの間および外側部分304と中央部分308との間には、開口316が設けられている。一般的に、制振装置の中央部分は、制振装置の外側部分と同軸にのびている。
【0051】
アーム312および中央部分308による制振装置114の質量を、最大にするために、円形の外側部分304の厚さを最小にしてもよい(例えば、所定の厚さ未満)。アーム312および中央部分308の質量を最大にすると、制振装置114がもたらす減衰量が増える。
【0052】
図4は、ゴルフシャフト用制振装置114の別の例示的な実施形態の一部の端部を拡大した斜視図である。
図5の例は、
図4の制振装置114の断面
図504、側面
図508および斜視
図510を含む。
図4に示すように、制振装置114には、3本のアーム512が含まれていてもよい。
【0053】
図4~
図5の例では、アーム512のうちの1本は、中央部分308から円形の外側部分304に向かって放射状方向外側にのびている。アーム512の他の2本はそれぞれ、2つの部分、すなわち、中央部分308から円形の外側部分304に向かって放射状方向外側にのびる第1の部分516と、第1の部分516に垂直に円形の外側部分304までのびる第2の部分520と、を含む。第1の部分516は、円形の外側部分304までのびていない。
図5には、制振装置114の寸法例(インチ)も示してある。図示のように、制振装置114は、長さが2インチであってもよいし、0.5~5インチの間の別の適切な長さであってもよい。
図4および
図5の例は、
図3の例に示した例示的な制振装置や
図6および
図7の例のようなゴルフシャフト用の他の制振装置よりも製造コストが低い場合がある。
【0054】
例示的な寸法を示したが、本願は他の寸法にも適用可能である。例えば、制振装置114のアームおよび円形の外側部分の厚さは、様々な実施形態において0.02~0.04インチであってもよい。振動の減衰を最大にするために、(a)中央部分308およびアームの質量を(b)制振装置114の総質量(中央部分308、アームおよび円形の外側部分の質量)で割った割合が、所定の割合より大きくてもよい。所定の割合は、ゼロより大きく、例えば、1/2(50%)、約3/5(60%)、約3/4(75%)より大きくてもよいし、1未満の他の適切な割合であってもよい。約とは±10%を意味する場合がある。制振装置114の総質量は、ゴルフシャフト104の総質量が最小になるように、2~4グラムの間であってもよい。
【0055】
図6は、ゴルフシャフト用制振装置114の別の例示的な実施形態の端部の斜視図である。
図6に示すように、制振装置114には、4本のアーム604が含まれていてもよい。アーム604には各々、1つ以上の湾曲部分が含まれていてもよい。例えば、アーム604には各々、第1の凹部608および第2の凹部612が含まれていてもよい。第1の凹部608は、中央部分308から第1の方向(例えば、反時計回り)に放射状方向外側にのびていてもよく、第2の凹部612は、第1の方向とは異なる(例えば、反対の)第2の方向(例えば、時計回り)に外方向にのびていてもよい。円形の外側部分304の放射状方向外側の部分は平滑でなくてもよく、616で大雑把に図示したような、隆起、波形、凹部、凸部および/または突起などの特徴が含まれていてもよい。特徴616があることで、制振装置114とゴルフシャフト104との間の締り/摩擦嵌めがより良い状態になり得る。円形の外側部分304の放射状方向外側の縁に設けることが可能な他の例示的な特徴を、
図22および
図23に示す。
【0056】
図7は、ゴルフシャフト用制振装置114の別の例示的な実施形態の端部の断面図である。図示のように、制振装置114の外側部分は非円形であってもよい。例えば、外側部分は、スクワークル(角が丸い正方形)の形状であってもよい。様々な実施形態において、
図7に示すように、スクワークルの辺は凸状であってもよい。
【0057】
ゴルフシャフトおよび野球バット用の制振装置114の他の例示的な実施形態を、
図19~
図28に示す。
図25の例に示すように、中央部分308は中空で開口2504が含まれていてもよい。中央部分308の質量を増加させ、減衰量を増すために、開口2504に1つ以上の材料(例えば金属)を挿入してもよい。正方形の中央部分308および正方形の開口2504の例を示したが、中央部分308および開口2504は、円形、三角形、楕円形、菱形、矩形などの他の適切な形状であってもよい。中空の中央部分と開口は、ホッケースティックやラクロススティックにも用いることができる。
【0058】
図8は、制振装置114を含む(プレーヤー用の)ホッケースティック10を含む例示図を含む。
図9は、ゴールキーパーのホッケースティック10を含む例示図を含む。ホッケースティック10は、プレーヤー14が握るスティック(またはグリップ)部12(すなわち、シャフト)と、ホッケーパック18またはボールを制御するのに使用されるブレード部16(すなわち、ブレード)とを含む。ホッケースティック10は、ゴールキーパーのポジションを含む、ホッケーチームのあらゆるポジションに適応することができる。言い換えれば、ホッケースティック10は、(例えば、
図9のような)ゴールキーパーが用いるホッケースティックであってもよいし、ホッケーの他のポジションで使用するように構成されたホッケースティック(例えば、
図8のようなプレーヤーのスティック)であってもよい。また、ここでは例としてアイスホッケー用スティックを示すが、本願は、フィールドホッケー用のスティック、ローラーホッケー用のスティック、その他の種類のスポーツ用具にも適用可能である。
【0059】
グリップ部12については、長手方向に細長い中空にすることができる。いくつかの実施形態では、グリップ部12には、カバー(例えば、カーボン繊維を有する複合材)の中に埋め込まれて包まれた中空のコアを含むことができる。
図10は、グリップ部12の例示的な一実施形態の断面図を含む。グリップ部12は、断面がほぼ矩形であってもよい。
図10に示すように、1つ以上の角が丸みを帯びていてもよい。矩形の断面の1つ以上の辺は、様々な実施形態において凸形であってもよい。
【0060】
再び
図8を参照すると、グリップ部12は、ブレード接続端13を含む。グリップ部12のブレード接続端13には、ブレード部16が固定されている。このブレード部16は、任意の適切な方法でブレード接続端13に固定することができる。グリップ部12とブレード部16とを別々に製造し、あとから一体にしてもよい。あるいは、グリップ部12とブレード部16を一緒に製造してもよい。
【0061】
ブレード部16は一般的に、ホッケーパック18を受けて移動させる(例えば、パス、シュート、停止など)のに使用可能な前面20と、同じくホッケーパック18を受けて移動させるのに使用可能な後面22と、を含む。ブレード部16は、グリップ部12のブレード接続端13に接続された第1の端28も含む。ブレード部16は、第1の端28とは反対側にある第2の端30も含む。
【0062】
また、ブレード部16は、上縁24と、上縁24とは反対側にある下縁26とを含む。上縁24は通常、競技面(例えば、氷)から離れている。下縁26は、競技面に接触する場合もある。
【0063】
上縁24および下縁26は、どちらもブレード部16の第1の端28と第2の端30との間にある。前面20が凹状で後面22が凸状になるか、あるいはその逆になるように、第1の端28と第2の端30との間で、上縁24および下縁26と前面20および後面22を湾曲させることができる。ゴールキーパーのスティックの例などの様々な実施形態では、ブレード部16は平らであってもよい。
【0064】
図8~
図9に示すように、ホッケーパック18またはボールとの接触によって生じる振動などの振動を減衰させるために、グリップ部12の内部に制振装置114を配置してもよい。制振装置114(例えば、長手方向の中心)は、ブレード部16とグリップ部12とが接続された場所から所定の距離だけ離れて配置されていてもよい。所定の距離は、例えば、ゴールキーパーのスティックの例では、1~3インチであってもよいし、他の適切な距離であってもよい。所定の距離は、プレーヤーのスティックの例では、4~8インチであってもよい。
図8に示すように、プレーヤーのスティックのグリップ部12の中に2つの制振装置114が含まれていてもよい。例えば、第2の制振装置114は、グリップ部12における、プレーヤーが通常ホッケースティックを保持する両手の位置の間に配置されていてもよい。
【0065】
図11は、ホッケースティック(プレーヤーのスティックまたはゴールキーパーのスティック)用の制振装置114の例示的な一実施形態の断面図を含む。
図12は、
図11の制振装置114の斜視図を含む。
図13は、
図11の制振装置114の側面図を含む。
【0066】
グリップ部12の制振装置114には、外側部分1104が含まれる。外側部分1104は、中空の矩形管を形成してもよい。外側部分1104の対向する側面の2組すなわち両方の組は、図示のように凸状であってもよい。外側部分1104は、グリップ部12の内側部分(内壁)と同一の形状/幾何学形状を有していてもよい。
【0067】
また、制振装置114には、外側部分1104に接続された中央部分1108が含まれている。中央部分1108は、中実の円柱形部材であってもよいし、他の適切な形状を有していてもよい。中央部分1108は、アーム1112などの2本以上のアームを介して外側部分1104に接続されている。アーム1112は、中央部分1108から円形の外側部分1104に向かって放射状方向外側にのびている。アーム1112は、直線状であってもよいし、1116および/または1120などの1つ以上の放射状方向外側部分(塊)を含んでもよい。放射状方向外側の部分1116および/または1120は、振動をさらに減衰させることができる。放射状方向外側の部分1116および1120は、アーム1112の他の部分よりも大きい少なくとも1つの寸法(例えば、厚さ)を有する。
【0068】
アーム1112および中央部分1108による制振装置114の質量を、最大にするために、外側部分1104の厚さを最小にしてもよい。アーム1112および中央部分1108の質量を最大にすると、制振装置114による減衰量が増える。上述したように、ここでは2本のアームの例を示したが、制振装置114に2本以上のアームが含まれていてもよい。
【0069】
制振装置114の寸法例(インチ単位)を、
図11および
図13に示す。図示のように、制振装置114の長さは、3インチであってもよいし、約1~8インチの別の適切な長さであってもよい。例えばプレーヤーのスティックの重量を最小にし、ゴールキーパーのスティックの減衰を最大にするために、ゴールキーパーのスティックの制振装置は、プレーヤーのスティックの制振装置よりも長くてもよい。
【0070】
例示的な寸法を示したが、本願は他の寸法にも適用可能である。例えば、制振装置114のアームおよび外側部分の厚さは、様々な実施形態において0.02~0.04インチの間であってもよい。振動の減衰を最大にするために、(a)中央部分1108およびアームの質量を(b)制振装置114の総質量(中央部分308、アームおよび円形の外側部分の質量)で割った割合が、所定の割合より大きくてもよい。
【0071】
この制振装置114を、締り嵌めによって、接着剤によって、両面テープによって、あるいは、他の適切な方法で、ホッケースティックのグリップ部12の中に固定することができる。例えば、ブレード部16をグリップ部12に接続する前に、制振装置114をグリップ部12の内部に固定してもよい。
【0072】
別の例として、制振装置114は、ラクロススティック内に実装されていてもよい。
図14は、制振装置114を有するラクロススティック1404を含む例示図を含む。ラクロススティック1404は、プレーヤーが握るグリップ部1408と、ラクロスのボールを制御し、パスし、シュートするのに使用されるヘッド部1412とを含む。グリップ部1408は管状であり、細長く長手方向に直線状にすることが可能である。グリップ部1408には、グリップ部1408がヘッド部分1412に接続する部分の近くで長手方向に真っ直ぐであることからずれるオフセットが含まれていてもよい。
【0073】
図15は、ラクロススティックのグリップ部1408の例示的な一実施形態の断面図を含む。グリップ部1408は、中空の六角形の管であってもよく、
図15の例に示すような長さが等しい6本の辺を含むものであってもよい。様々な実施形態において、辺が2通り以上の長さを有していてもよい。様々な実施形態において、これらの辺のうちの1本以上が凹形であってもよい、および/または、辺の1本以上が凸形であってもよい。上記に加えてまたは上記に代えて、2本の辺が接する角は丸みを帯びていてもよいし、角張っていても、丸みと角張っているものの組み合わせであってもよい。六角形のグリップ部1408の例を示したが、グリップ部1408は、代わりに4本の辺、5本の辺または6本以上の辺を有してもよい。一例としての形状を示したが、本願は、ラクロススティックの他の断面形状のグリップ部にも適用可能である。
【0074】
図16は、ラクロススティック(プレーヤーのスティックまたはゴールキーパーのスティック)用の制振装置114の例示的な一実施形態の端部の斜視図を含む。
【0075】
グリップ部1408の制振装置114は、外側部分1604を含む。外側部分1604は、中空の六角形の管を形成していてもよい。外側部分1604の対向する辺の1つ以上の対は、凹形、凸形または凹形と凸形との組み合わせであってもよい。外側部分1604は、グリップ部1408の内側部分(内壁)と同一の形状/幾何学形状を有していてもよい。
【0076】
また、制振装置114は、外側部分1604に接続された中央部分1608を含む。中央部分1608は、中実の円柱形部材であってもよいし、他の適切な形状を有していてもよい。中央部分1608は、アーム1612などの2本以上のアームを介して外側部分1604に接続されている。アーム1612は、中央部分1608から外側部分1604に向かって放射状方向外側にのびている。アーム1612は、直線状であってもよいし、
図11の例のように、1つ以上の放射状方向外側の部分が含まれていてもよい。
【0077】
アーム1612および中央部分1608による制振装置114の質量を最大にするために、外側部分1604の厚さを最小にしてもよい。アーム1612および中央部分1608の質量を最大にすると、制振装置114による減衰量が増える。上述したように、ここでは4本のアームの例を示したが、制振装置114には2本以上のアームが含まれていてもよい。
【0078】
制振装置114は、長さが約0.5インチ~約8インチの間であってもよい。制振装置114のアームおよび外側部分の厚さは、様々な実施形態において、0.02インチ~0.04インチの間であってもよい。振動の減衰を最大にするために、(a)中央部分1608およびアームの質量を(b)制振装置114の総質量(中央部分1608、アームおよび円形の外側部分の質量)で割った割合が、所定の割合より大きくてもよい。
【0079】
制振装置114は、グリップ部1408がヘッド部分1412に接続されたグリップ部1408の端から、所定の距離(例えば、約2~8インチ)だけ中央寄りに、配置されていてもよい。
【0080】
制振装置114は、締り嵌めによって、接着剤によって、両面テープによって、あるいは他の適切な方法で、ラクロススティックのグリップ部1408内に固定されていてもよい。
【0081】
別の例として、制振装置114は、野球バット内に実装されていてもよい。
図17は、制振装置114を含む野球バット1704を含む例示図を含む。野球バット1704は、プレーヤーが握るグリップ部1708と、ボールを打つのに使用されるヘッドまたは胴部1712とを含む。野球バット1704は、野球用の金属(例えば、アルミニウム)バット、野球用の複合バットまたは他のタイプの中空の野球バットであってもよい。
【0082】
制振装置114が固定されるグリップ部1708は、中空の錐台形管または中空の円筒管であってもよい。
図18は、野球バット用制振装置114の例示的な一実施形態の端部の斜視図を含む。
【0083】
制振装置114には、円形の外側部分1804が含まれる。外側部分1804は、(
図18に示すような)中空の円筒管または中空の錐台形管を形成してもよい。外側部分1804は、グリップ部1708の内側部分(内壁)と同一の形状/幾何学形状を有していてもよい。
【0084】
また、制振装置114には、外側部分1804に接続された中央部分1808が含まれる。中央部分1808は、中実の円柱形部材であってもよいし、他の適切な形状を有していてもよい。中央部分1808は、アーム1812などの2本以上のアームを介して外側部分1804に接続されている。アーム1812は、中央部分1808から外側部分1804に向かって放射状方向外側にのびている。アーム1812は、直線状であってもよいし、
図11の例のように、1つ以上の放射状方向外側の部分が含まれていてもよい。様々な実施形態において、野球バットの制振装置114のアーム1812は、
図4~
図6の例のアームと類似または同一であってもよい。
【0085】
アーム1812および中央部分1808による制振装置114の質量を、最大にするために、外側部分1804の厚さを最小にしてもよい。アーム1812および中央部分1808の質量を最大にすると、制振装置114による減衰量が増える。上述したように、ここでは3本のアームの例を示したが、制振装置114には2本以上のアームが含まれていてもよい。
【0086】
制振装置114は、長さが約0.5インチ~約8インチの間であってもよい。制振装置114のアームおよび外側部分の厚さは、様々な実施形態において、0.02インチ~0.04インチの間であってもよい。振動の減衰を最大にするために、(a)中央部分1108およびアームの質量を(b)制振装置114の総質量(中央部分1808、アームおよび円形の外側部分の質量)で割った割合が、所定の割合より大きくてもよい。
【0087】
制振装置114は、グリップ部1708がヘッド部または胴部1712に接続されたグリップ部1708の端から所定の距離(例えば、約2~8インチ)だけ中央寄りに配置されてもよい。一般的に言えば、制振装置114はいずれも、衝撃が発生する場所と、使用者の1つ以上の手がシャフトまたはグリップ部に通常触れる場所との間の、シャフトまたはグリップ部の内部に固定されていてもよい。
【0088】
制振装置114は、締り嵌めによって、接着剤によって、両面テープによって、あるいは他の適切な方法で、バットのグリップ部1708の内部に固定されていてもよい。
【0089】
上記の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、どのような形であっても、本開示、その応用または用途を制限することを意図するものではない。本開示の広い教示内容を、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示には特定の例が含まれるとはいえ、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。なぜなら、図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討すれば、他の改変例も明らかになるためである。ある方法の1つ以上の工程が、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことが理解されるべきである。さらに、上記では各実施形態を特定の特徴を有するものとして説明したが、本開示のいずれかの実施形態に関して述べたそれらの特徴のいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかの特徴に実装するおよび/またはそれらの特徴と組み合わせることができる。たとえその組み合わせが明示的に記載されていない場合も、同様である。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を置換しても、本開示の範囲内にとどまる。
【0090】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的および機能的関係については、「接続され(connected)」、「嵌められ(engaged)」、「連結され(coupled)」、「隣接して(adjacent)」、「隣り合って(next to)」、「の上に(on top of)」、「上に(above)」、「下に(below)」および「配置されて(disposed)」を含む様々な用語を用いて説明されている。「直接(direct)」であることが明記されていない限り、第1の要素と第2の要素との関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との関係は、これらの要素の間に1つ以上の介在要素が(空間的にまたは機能的に)存在する間接的な関係であってもよい。本明細書で使用する場合、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、包含的論理和を用いた論理的「AまたはBまたはC」を意味すると解されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、Cのうちの少なくとも1つ」を意味するとは解されるべきではない。
【国際調査報告】