(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ヒューズおよびヒューズを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01H 85/20 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
H01H85/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023512013
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2022058557
(87)【国際公開番号】W WO2022233504
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102021002383.8
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523054056
【氏名又は名称】シバ ヒュージズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】SIBA Fuses GmbH
【住所又は居所原語表記】Borkerstr. 22, 44534 Luenen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ヴェーバー
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA09
5G502BA04
5G502BA08
5G502BB16
5G502BC07
5G502BC12
5G502BD06
5G502CC04
5G502CC14
5G502JJ01
(57)【要約】
本発明は、ヒューズ(1)、特にSMDヒューズであって、中空室(3)を有する絶縁ハウジング(2)と、該絶縁ハウジング(2)の中空室(3)内に配置されたヒューズエレメント(4)と、ヒューズ(1)の外側での接続接触のためにヒューズエレメント(4)に電気的に接続されたコンタクト手段(5)とを備え、絶縁ハウジング(2)が、中空室(3)を有する基体(6)と、基体(6)の中空室(3)を閉鎖するカバー(7)とを有しており、コンタクト手段(5)の、ヒューズエレメント(4)に電気的に接続された内側区分(8)が、絶縁ハウジング(2)の内部に、かつ外側区分(9)が、絶縁ハウジング(2)、好適には基体(6)の外面(10)にそれぞれ配置されている、ヒューズに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズ(1)、特にSMDヒューズであって、中空室(3)を有する絶縁ハウジング(2)と、該絶縁ハウジング(2)の前記中空室(3)内に配置されたヒューズエレメント(4)と、前記ヒューズ(1)の外側での接続接触のために前記ヒューズエレメント(4)に電気的に接続されたコンタクト手段(5)とを備え、
前記絶縁ハウジング(2)が、前記中空室(3)を有する基体(6)と、前記基体(6)の前記中空室(3)を閉鎖するカバー(7)とを有しており、
前記コンタクト手段(5)の、前記ヒューズエレメント(4)に電気的に接続された内側区分(8)が、前記絶縁ハウジング(2)の内部に、かつ外側区分(9)が、前記絶縁ハウジング(2)、好適には前記基体(6)の外面(10)にそれぞれ配置されている、ヒューズ(1)。
【請求項2】
前記基体(6)が、底部(11)と、端面(12,13)と、長辺側(14,15)とを備えた細長く延びる直方体形状を有している、請求項1記載のヒューズ。
【請求項3】
前記外側区分(9)が、少なくとも部分的に、好適には完全に前記絶縁ハウジング(2)、好適には前記基体(6)の前記外面(10)に接触している、かつ/または該外面(10)に直接に隣接しており、ならびに/または前記外側区分(9)が、少なくとも所定の領域で前記基体(6)および/または前記絶縁ハウジング(2)を折り返して覆っている、請求項1または2記載のヒューズ。
【請求項4】
前記コンタクト手段(5)の前記内側区分(8)がそれぞれ前記ヒューズエレメント(4)に接触接続するために、前記中空室(3)に隣接している、かつ/または前記中空室(3)内に突入している、請求項1から3までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項5】
前記中空室(3)が、前記ヒューズエレメント(4)を導入するための導入開口(16)を有しており、特に前記導入開口(16)が、完全に前記カバー(7)により閉鎖可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項6】
前記導入開口(16)が、細長く延びて形成されており、前記導入開口(16)の長手方向延在方向(C)が、前記基体(6)の長手方向延在方向(L)に延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項7】
前記カバー(7)が、前記基体(6)上に載置している、かつ/または前記カバー(7)が、前記基体(6)を少なくとも所定の領域で、好適には全ての縁部側で折り返して覆う、かつ/または
前記カバー(7)が、前記基体(6)に固定的に結合されていて、特に材料結合式に結合されており、かつ/または前記カバー(7)が、前記基体(6)に形状結合式かつ/または摩擦結合式に、好適には係止可能に結合可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項8】
前記コンタクト手段(5)が、前記基体(6)を通って前記絶縁ハウジング(2)の前記内部へと案内されている、かつ/または
前記コンタクト手段(5)が、一体的に形成されている、かつ/または
前記コンタクト手段(5)、特に前記内側区分(8)および/または前記外側区分(9)が金属を有している、かつ/または金属から成っている、請求項1から7までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項9】
前記コンタクト手段(5)の前記内側区分(8)が、収容部(18)、特に切込み部および/または切欠きを、前記ヒューズエレメント(4)の端部側の領域(19)をそれぞれ配置するために有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項10】
前記内側区分(8)および/または前記内側区分(8)の前記収容部(18)は、前記ヒューズエレメント(4)が少なくとも一方の端部側の領域(19)において少なくとも摩擦結合式に位置固定され、特に挟み込まれているか、かつ/または材料結合式に結合されているように、形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項11】
前記それぞれのコンタクト手段(5)の前記内側区分(8)が、前記ヒューズエレメント(4)の前記端部側の領域(19)に、結合手段(20)、特にはんだ結合部、導電性の接着材結合部および/またはクランプされた結合部を介して電気的に接続されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項12】
前記コンタクト手段(5)が、前記絶縁ハウジング(2)内に、特に前記基体(6)内に挿入されていて、かつ/または前記絶縁ハウジング(2)に、特に前記基体(6)に着脱可能に結合されているか、または前記コンタクト手段(5)が、固定的に、好適には分離不能に、前記絶縁ハウジング(2)に、特に前記基体(6)に結合されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項13】
前記中空室(3)に、少なくとも部分的に消弧剤が充填されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のヒューズ。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のヒューズ(1)を製造する方法であって、
該方法が、好適には相前後して実施される以下の方法ステップ、すなわち、
A)絶縁ハウジング(2)、ヒューズエレメント(4)およびコンタクト手段(5)を提供するステップと、
B)前記絶縁ハウジング(2)の基体(6)の中空室(3)内に前記ヒューズエレメント(4)を導入するステップと、
C)前記ヒューズエレメント(4)を前記コンタクト手段(5)の内側区分(8)に電気的に接続するステップと、
D)前記基体(6)の前記中空室(3)をカバー(7)で閉鎖するステップと
を有している、方法。
【請求項15】
前記ヒューズエレメント(4)を少なくとも一方の端部側の領域(19)において少なくとも摩擦結合式に位置固定、特に挟み込み、かつ/または材料結合式に前記内側区分(8)および/または前記内側区分(8)の収容部(18)に結合する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記コンタクト手段(5)を前記絶縁ハウジング(2)、特に前記基体(6)内に挿入し、かつ/または前記絶縁ハウジング(2)、特に前記基体(6)に着脱可能に結合し、または前記コンタクト手段(5)を固定的に、特に分離不能に前記絶縁ハウジング(2)、特に前記基体(6)に結合する、請求項14または15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズ、特にSMDヒューズであって、中空室を有する絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングの中空室内に配置されたヒューズエレメント(可溶導体)と、ヒューズの外側での接続接触のためにヒューズエレメントに電気的に接続されたコンタクト手段とを備えたヒューズに関する。
【0002】
本発明の意図におけるヒューズもしくはデバイス保護ヒューズは、従来技術において、いわゆる「ヒューズリンク」とも呼ばれ、ヒューズホルダと協働する。ヒューズリンクはヒューズホルダ内に挿入することができる。
【0003】
従来技術において、絶縁ハウジングは絶縁体として形成されており、ヒューズの外側での接触接続は、コンタクトキャップとして形成されたコンタクト手段を介して保証されている。コンタクトキャップは、端面側で絶縁体上に被せ嵌められている。
【0004】
必要に応じて、ヒューズもしくはヒューズリンクには、消弧剤、特に砂、顆粒および/またはガラス玉が充填されており、特に消弧剤は、絶縁体内に配置されている。絶縁体は、絶縁小型管として形成されてよい。ヒューズエレメントは、実際には軸線方向で絶縁体内に挿入される。ヒューズエレメントと絶縁ハウジングに取り付けられた外側のコンタクトキャップとの間の電気的な接触接続は、はんだ結合部により形成される。さらに、はんだ結合部は、外側のコンタクトキャップも材料結合式に絶縁体に結合する。
【0005】
ヒューズエレメントは、運転時に全負荷電流に耐え、特に過負荷電流および/または短絡電流をできるだけ速やかに遮断するように構成されている。
【0006】
プリント基板表面に実装可能であるヒューズリンクは、SMDヒューズと呼ばれる(SMD-Surface Mounted Device:表面実装部品)。したがって、SMDヒューズは、表面実装技術の技術分野(SMT -Surface Mounted Technology:表面実装技術)に属する。表面実装技術では、実装すべき表面として、通常はプリント基板が使用される。特に、SMDヒューズは、その寸法およびその電気的な挙動に関して規格化されている。これに関しては、DIN EN 60127-4 VDE 0820-4:2013-12(2021年4月現在)を参照されたい。
【0007】
従来技術から公知のヒューズにおける欠点は、幾つかのヒューズにおいて、ヒューズエレメントが、ヒューズの製造時に、絶縁体内へヒューズエレメントを導入した後に、絶縁体内で移動するか、もしくはずれることである。結局のところ、ヒューズエレメントは、このヒューズエレメントのために予め規定された組付け位置に留まっていない。したがって、ヒューズの組付け時に、ヒューズエレメントが絶縁体の内壁に接触してしまう、もしくは絶縁体の内壁に直接に当接することが生じてしまう。絶縁体内におけるヒューズエレメントのこのような移動時には、ヒューズ全体の遮断性が変化し、特に設計した値にもはや対応しなくなる。このことは、各ヒューズが特定の値のために設計されており、この値に対応して使用されるので、極めて不都合である。したがって、設計された値に対する逸脱を必ず回避しなければならない。
【0008】
確かに、「移動したヒューズエレメント」を備えたヒューズは、ヒューズの製造後に、光学的な検査法により選外される。しかし、このような手順は、特に各個別のヒューズの光学的な検査を実施しなければならないので、比較的手間がかかり、高コストにつながる。さらに、この光学的な検査は、特に不透明の絶縁体に基づいて、外側のコンタクトキャップがまだ被せ嵌められていない限りにおいてのみ実施することができる。しかし、外側のコンタクトキャップの被嵌め後または被嵌め時にヒューズエレメントのずれが生じた場合、このことは光学的にもはや確認することができない。
【0009】
さらに、従来技術において公知のヒューズもしくは従来技術に基づいて公知のヒューズを製造する方法における欠点は、外側のコンタクトキャップを電気的に接触接続するためのはんだ結合部とのヒューズエレメントの結合が、永続的な電気的な接続のために十分でないことが多いことである。ヒューズエレメントと外側のコンタクトキャップとの間の電気的な接触接続のために、特に、いわゆる「はんだボール」、つまりはんだ材料から成るボールの成形が必要であり、このことは、十分には確実にすることができない。したがって、はんだもしくははんだ材料が、外側のコンタクトキャップと絶縁体との間の中間室内に漏れ、したがってヒューズエレメントと外側のコンタクトキャップとの間の十分な電気的な接続のために十分なはんだがもはや存在していないことが生じる。
【0010】
したがって本発明の課題は、上述の従来技術の欠点を回避するか、または少なくとも実質的に減じることである。
【0011】
本発明によれば、上述の課題は、冒頭に述べた形式のヒューズにおいて、少なくとも実質的に、絶縁体が、中空室を有する基体と、基体の中空室を閉鎖するカバーとを有しており、コンタクト手段の、ヒューズエレメントに電気的に接続された内側区分が、絶縁ハウジングの内部に、かつ外側区分が、絶縁ハウジング、好適には基体の外面にそれぞれ配置されていることによって解決される。結局のところ、基体は、底部、端面壁および側壁を備えた開放した箱であり、この箱内にヒューズエレメントを本発明により挿入し、コンタクト手段に結合することができる。ヒューズを完全に閉鎖するためにカバーを被せ嵌めるまで、ヒューズエレメントとコンタクト手段との結合を容易に行うことができる。
【0012】
これに関して、ヒューズエレメントは、導電性の材料を有しており、かつ/または導電性の材料から成っている。さらに、特に絶縁ハウジングは、電気絶縁性の材料を有しているか、もしくは電気絶縁性の材料から成っているので、基体およびカバーも、電気絶縁性の材料を有していてよく、かつ/または電気絶縁性の材料から成っていてよい。
【0013】
結局のところ、コンタクト手段の外側区分は、絶縁体の外面に接触する、かつ/または隣接してよい。特に、コンタクト手段の外側区分は、絶縁体の外面を超えているか、もしくは外面に対して突出していてよい。コンタクト手段を介して、もしくはコンタクト手段の外側区分を介して、ヒューズの外側での接触接続を行うことができ、内側区分は、結局のところヒューズエレメントに電気的に接続されている。従来技術において必要とされているようなコンタクトキャップは、本発明では省略することができる。
【0014】
これに関して、複数のコンタクト手段、好適にはまさに2つのコンタクト手段が設けられていることは自明である。
【0015】
有利には、本発明により、製造されたヒューズの、手間のかかる光学的かつ手動の検査方法を回避することができる。その結果、本発明に係るヒューズの製造コストを、コンタクト手段が必要であるにもかかわらず、従来技術において公知のヒューズと比較して、破棄されるヒューズがなくなることに起因して、好適には少なくとも10%削減することができる。さらに、本発明によれば、特に、欠陥のあるヒューズによる損傷が発生し得ないことが保証される。
【0016】
さらに、ヒューズエレメントが、特に絶縁ハウジングもしくは基体内で軸線方向に、かつ/またはセンタリングされて配置されていることが確実にされているヒューズを提供することができる。特にヒューズエレメントを位置固定するコンタクト手段の内側区分により、特に、ヒューズエレメントは、製造直後にも、ある程度の使用期間後にも、絶縁体の内壁に寄りかかるもしくは当接することを回避することができる。
【0017】
好適には、ヒューズエレメントが、位置安定的に基体内に配置されている。ヒューズエレメントを、コンタクト手段の内側区分によって少なくとも間接的に位置固定することができる。特にヒューズエレメントを、絶縁ハウジング内、特に基体内で定義して位置決めし、さらにコンタクト手段により確実に位置固定することができる。基体もしくは絶縁ハウジングの内壁へのヒューズエレメントの望ましくない接触は阻止することができる。
【0018】
本発明に係るヒューズは、いわゆる直方体状および/または正方形の(SMD)ヒューズ、すなわち少なくとも実質的に直方体状の絶縁体を備えたヒューズまたは少なくとも実質的に正方形の横断面を有するヒューズとして、かつ円筒形のヒューズ、すなわち少なくとも実質的に円筒形の絶縁体を備えたヒューズもしくは少なくとも実質的に円形の横断面を有するヒューズとして形成されていてよい。円筒形のヒューズも、SMDヒューズとして使用することができる。
【0019】
さらに、特にヒューズエレメントが絶縁ハウジングにおける所定の位置を占め、これによって特に電気的な接続手段および/またははんだ結合部の被着を意図的にかつ確実に行うことができるので、コンタクト手段の内側区分によって、ヒューズエレメントとコンタクト手段の外側区分との間の電気的な接触接続を改善することが達成される。
【0020】
本発明によれば、ヒューズエレメントの配置および特にヒューズの製造全体が簡略化される。なぜなら、ヒューズエレメントを基体の中空室を介して、特に基体の中空室の導入開口を介して絶縁ハウジング内に配置し、コンタクト手段の内側区分に電気的に接続することができるからである。コンタクト手段が内側区分も外側区分も有していることによって、ヒューズエレメントのより確実な電気的な接触接続が保証される。また、ヒューズエレメントの望ましくない位置決めが検知されないことも回避することができる。したがって、基体内におけるヒューズエレメントの配置を、カバーの使用前もしくはカバーと基体との結合前に光学的に検査することができる。内側区分におけるヒューズエレメントの所定の配置も、誤った位置決めが少なくとも実質的に確実に回避され得る点において有意である。
【0021】
好適な1つの実施形態では、ヒューズエレメントが、支持体手段もしくは支持体材料上に、かつ/または支持体手段もしくは支持体材料に配置されていてよく、特に被着されている、かつ/または巻かれていてよいことが規定されていてよい。支持体手段として、特に少なくとも1つのグラスファイバおよび/またはグラスファイバ芯が設けられていてよい。これに関して、好適には、支持体手段がヒューズエレメントと一緒に内側区分に結合されている、好適には位置固定されていることが自明である。支持体手段は、部分的にまたは完全にヒューズエレメントの長さにわたって延びていてよい。
【0022】
好適には、ヒューズエレメントが、端部側の領域によって囲まれた中央の領域を有している。端部側の領域は、ヒューズエレメントの外端部もしくは外側の端面端部を含み得るヒューズエレメントの外側領域であるが、これらに限定されない。特にヒューズエレメントの端部側の領域は、例えばそれぞれヒューズエレメントの長さの少なくとも2%、好適には2%~45%、さらに好適には3%~10%に相当してよい。これに関して、端部側の領域の長さが互いに異なっていてもよいことも自明である。
【0023】
ヒューズエレメントは、さらに、細長く延びるワイヤとして形成されていてよい。
【0024】
特に好適には細長く延びるヒューズエレメントは、その端部の領域において、もしくは端部側の領域において、コンタクト手段の内側区分によって位置固定されていてよい。これに関して、ヒューズエレメントの1つの区分が、コンタクト手段の内側区分に設けられた結合箇所もしくは固定箇所を越えていてよいことも自明である。したがって、内側区分に設けられた位置固定箇所は、必ずしもヒューズエレメントの外側端部もしくは外側の端面を形成する必要はない。
【0025】
特にヒューズエレメントは、内側区分間もしくは位置固定箇所間で、少なくとも実質的に緊張させられている、かつ/または張設されている。
【0026】
これに関して、「位置固定箇所」とは本発明によれば、ヒューズエレメントがコンタクト手段、特にコンタクト手段の内側区分に結合されている箇所であると理解されることは自明である。
【0027】
さらに、特にヒューズエレメントが支持体手段上に巻かれている場合、ヒューズエレメントの長さは、絶縁ハウジングの長さ、特に基体の長さを上回っていてよく、または絶縁ハウジングもしくは基体の長さに対して実質的に同一の大きさに形成されていてよい。代替的には、ヒューズエレメントは、絶縁ハウジングの長さよりも短い長さを有していることが規定されていてよい。
【0028】
好適には、ヒューズエレメントは完全に絶縁体内に配置されていてよく、ヒューズエレメントの外側の接触接続は、コンタクト手段の外側区分を介して行うことができる。
【0029】
さらに、絶縁ハウジング、基体および/またはカバーは、ガラスおよび/またはセラミックのような電気絶縁性の材料を有していている、かつ/または電気絶縁性の材料から成っていてよい。
【0030】
ヒューズエレメントは、材料として導電性の材料、好適には金属を有していてよく、かつ/または導電性の材料から成っていてよい。ヒューズエレメントのための材料として、特に銅、ニッケル、鋼、金および/または銀が使用される。さらに、ヒューズエレメントは、材料として金属合金、例えば銀合金および/または銅合金を有していてもよい。
【0031】
ヒューズエレメントは、ヒューズエレメントワイヤおよび/またはヒューズエレメント帯材として形成されていてよい。さらにヒューズエレメントは、少なくとも実質的に円形および/または楕円形の横断面あるいは少なくとも実施的に方形の横断面を有していてよい。
【0032】
さらに、ヒューズエレメントは狭隘箇所を備えていてよく、この狭隘箇所により、より素早いまたはより緩慢な過負荷特性および/または短絡特性を調節することができる。狭隘箇所は、特に横断面狭隘部として形成されていてよい。
【0033】
特に好適な1つの実施形態では、コンタクト手段の内側区分はそれぞれ、ヒューズエレメントの電気的なコンタクトのために、中空室に隣接している、かつ/または中空室内に突入している。したがって、内側区分は、中空室の(内)壁に面一に終わっているか、または中空室の内壁に対してセットバックされていてよく、内側区分の電気的な接触接続部へのアクセス性は、例えば基体の(内)壁の相応する開口内へのヒューズエレメントの係止により保証されている。
【0034】
しかし、いずれの場合も、特に、コンタクト手段が絶縁ハウジングの底部および/または壁部を貫通して案内されており、外側での電気的な接続接触および特にヒューズエレメントとの結合が可能であるように形成されている。
【0035】
好適には、中空室は、ヒューズエレメントを導入するための導入開口を有している。導入開口は、特にヒューズの上面に形成されていてよく、基体の端面と長辺側とが導入開口を形成する。したがって、ヒューズエレメントを、端面ではなく、上面を介して中空室内に挿入することができる。特に好適には、ヒューズは、唯1つの導入開口を有している。導入開口は、好適には完全にカバーによって閉鎖可能であってよい。したがって、ヒューズエレメントをまず導入開口を介してコンタクト手段の内側区分に結合し、次いで、導入開口を閉鎖するためにカバーを被せ嵌めることができる。
【0036】
好適には、複数のヒューズエレメントが設けられている。特に好適には、ヒューズエレメントが並列に接続されている。これに関して、全てのヒューズエレメントのために、絶縁体もしくは基体内における上述した配置が設けられていることは自明である。ヒューズエレメントは、コンタクト手段に電気的に接続されている。
【0037】
有利には、少なくとも2つのヒューズエレメントの並列接続が定格電流を増大させることができ、したがってさらに有利な特性が、ヒューズの作動時に発生するアークの解消時に生じる。代替的または付加的には、定格電流が同じ場合、唯1つのヒューズエレメントと比較してより良好な遮断特性が達成されるという利点が生じる。なぜならば、電流を少なくとも2つのヒューズエレメントに分配することができるからである。特に、まさに2つのヒューズエレメントが設けられていてよい。
【0038】
別の好適な1つの実施形態では、まさに1つの単独のヒューズエレメントが設けられている。
【0039】
さらに、導入開口が細長く延びて形成されており、導入開口の長手方向延在方向(この長手方向延在方向は、特に1つの長辺に沿って延びていて、端面に沿って延びていない)が、基体の長手方向延在方向に延びていると好適である。基体は、好適には同様に細長く延びて形成されていてよい。したがって、導入開口の長手方向延在方向は、特に少なくとも基体の長手方向延在方向に向けられていてよい。好適には、導入開口は実質的に中空室の全長および/または全幅にわたって延びている。
【0040】
基体は、好適には、少なくとも実質的に方形および/または正方形の横断面を有していてよい。特に基体は、上面が開放した箱として形成されており、この箱は、内部に中空室を有している。したがって、基体は特に、カバー側で開放した直方体形状を有していてよい。
【0041】
さらに、別の好適な1つの実施形態では、カバーは基体に着脱可能に、または固定的に結合可能かつ/または結合されていることが規定されている。したがって、カバーは、中空室内へのヒューズエレメントの導入後、かつコンタクト手段の内側区分へのヒューズエレメントの結合後に基体から取外し可能に、または取外し不能もしくは分離不能に結合されていてよい。結局のところ、カバーと基体との結合は、中空室内へのヒューズエレメントの導入後に行われる。カバーは、基体との形状結合式かつ/または摩擦結合式の結合のための対応するロック手段、特にロック輪郭を有していてよい。基体は、特に結合ために設けられた縁部側に相補的に形成されたロック手段、特にロック輪郭を有していてよい。接着または溶接部が設けられていてもよい。
【0042】
特に好適な別の1つの実施形態では、カバーが基体上に載置している、かつ/またはカバーが、基体を少なくとも所定の領域で折り返して覆うことが規定されている。特に、カバーが、基体を少なくとも実質的に1つの縁部側で少なくとも所定の領域で折り返して覆うことができる。結局のところ、カバーは、基体の少なくとも実質的に面一の閉鎖を可能にする。したがって、カバーによって、気体または液体のような望ましくない構成成分が中空室内に侵入し得ないということを確実にすることができる。したがって、ヒューズエレメントおよび中空室は、カバーを介して外部の影響から保護される。このことは、特にヒューズの正しい機能形式を確実にする。
【0043】
さらに、本発明の思想の別の好適な1つの構成では、カバーが基体に固定的に結合されていて、特に材料結合式に結合されている、かつ/またはカバーが基体に形状結合式に、かつ/または摩擦結合式に、好適には係止可能に結合可能である。したがって、カバーは、基体との上述の結合形式を可能にすることができるように形成されていてよい。特に、カバーを基体内に係止することができる。このことは、カバーの基体との簡単な配置および結合を確実にする。
【0044】
好適には、コンタクト手段が、基体を通じて、特にコンタクト手段が中空室に隣接しているか、または中空室内に突入しているように、外側から絶縁ハウジングの内部へと案内されている。特に、コンタクト手段は、基体の少なくとも1つの側壁および/または端壁および/または底部を通って案内されていてよい。コンタクト手段は、基体に固定的に結合されているか、もしくは基体内に保持されていてよい。特にカバーは、コンタクト手段から分離されており、したがって専ら絶縁体を閉鎖するために働く。したがって、コンタクト手段は、好適には基体の少なくとも1つの壁、つまり側壁および/または底部壁のみを通って案内されるが、絶縁ハウジングの上面を形成することができるカバーを通って案内されていない。
【0045】
したがって、カバーは外側かつ/または内側で、コンタクト手段の当接および/または配置から自由に形成されていてよい。
【0046】
好適には、少なくとも1つのコンタクト手段、特に両方のコンタクト手段が、基体の、カバーとは反対側の底部側に、かつ/または基体の少なくとも1つの長辺側および/または端面側に、少なくとも所定の区分で接触して配置されている。このことは、内側でも外側でも当てはまる。
【0047】
好適には、外側区分が少なくとも部分的にもしくは所定の領域において、好適には完全に、絶縁ハウジング、好適には基体の外面に接触している、かつ/または外面に直接に隣接している。特に、外側区分は少なくとも所定の領域で基体および/または絶縁ハウジングを折り返して覆っている。結局のところコンタクト手段の外側区分は、基体および/または絶縁ハウジングに対して突出しているのではなく、基体および/または絶縁ハウジングに密着している、かつ/または当接している、および/または配置されている。好適には、コンタクト手段の外側区分は、外側区分の特に最大の材料厚さの最大で二倍だけ、絶縁ハウジングおよび/または基体の外面に対して突出している。
【0048】
外側区分の上述の配置は、プリント基板上におけるヒューズの簡略化された配置の利点を有しており、このことはヒューズが、SMDヒューズとして使用される場合に有意である。すなわち、SMDヒューズの場合、ヒューズはプリント基板の上またはプリント基板に配置される。
【0049】
特に好適には、外側区分は、この外側区分が所定の領域で底部、端面および場合によっては両長辺側および/または少なくとも1つの長辺側に特に直接的に接触するように、基体および/または絶縁ハウジングを好適にはコーナ領域において折り返して覆っている。これに関して、外側区分がそれぞれ底部、端面および/または長辺側の面の一部にわたって延びていればよいことは自明である。
【0050】
したがって、接触手段が、基体の、カバーとは反対側の下面もしくは底部において外側区分を形成するために絶縁ハウジングの内部から出ていると特に有利である。したがって、コンタクト手段の外側区分は、基体の下面もしくは底部に配置されていてよい。
【0051】
好適には、コンタクト手段の内側区分、すなわち絶縁ハウジングの内部に配置された区分は、少なくとも1つの領域において屈曲部および/または切欠きおよび/または切込み部を有しているか、もしくは少なくとも1つの領域おいて屈曲して形成されている。内側区分は、少なくとも部分的にS字形に、または曲げられて形成されていてよい。好適には、内側区分は、少なくとも部分的に、基体の対応する端面に対して平行に配置されている。基体の端面は、基体の互いに反対に位置する側に配置されていてよい。好適には、曲げられた屈曲部が、特に、基体におけるコンタクト手段のより良好な保持もしくは位置固定を可能にし、かつ/または外側区分における外側の接触接続のための拡大された当接面を提供する。
【0052】
好適には、コンタクト手段は全体として一体的に形成されている。代替的または付加的には、コンタクト手段の内側区分と外側区分とが、互いに一体的に形成されていて、特に、少なくとも実質的に直接的に互いに移行し合っていることが規定されていてよい。好適には、内側区分と外側区分とが、同一の材料から製造されている。
【0053】
代替的には、内側区分と外側区分とは別個の部材として形成されており、これらの部材が結合部材を介して互いに電気的に接続されていてよく、特に導電性材料、好適には金属から形成されていることが規定されていてもよい。内側区分および/または外側区分が、金属片、金属ワイヤおよび/または金属薄板として形成されていてよい。
【0054】
特に好適には、コンタクト手段、特に外側区分および/または内側区分が、金属を有している、かつ/または金属から成っている。好適には、コンタクト手段、特に内側区分および/または外側区分がはんだを有しておらず、かつ/またははんだ結合部なしに形成されている。
【0055】
特に好適な別の1つの実施形態では、少なくとも部分的に、基体の、互いに反対に位置する端面に、それぞれ1つのコンタクト手段が配置されていることが規定されている。代替的または付加的には、コンタクト手段が互いに反対に位置する側で、基体の下面もしくは底部に配置されていることが規定されていてもよい。
【0056】
好適には、ヒューズエレメントのそれぞれ1つの端部側の領域が、コンタクト手段の結合領域に結合されている。結合領域は、電気的かつ/または機械的な接続を保証することができる。ヒューズエレメントは、その端面端部の領域においてコンタクト手段の内側区分に、特にはんだ結合部を介して結合されている必要はない。
【0057】
さらに好適には、コンタクト手段の内側区分が、収容部を有している。収容部は、ヒューズエレメントの端部側の領域をそれぞれ配置するために形成されていてよい。これに関して、収容部内に、ヒューズエレメントの端部側の領域が収容もしくは配置されており、必ずしもヒューズエレメントの端面が収容もしくは配置されている必要がないことは自明である。収容部が、内側区分の切欠きおよび/または切込み部として、特にヒューズエレメントの外側形状に対応するように形成されていてよい。
【0058】
好適には、内側区分および/または内側区分の収容部は、ヒューズエレメントが少なくとも1つの端部側の領域において少なくとも摩擦結合式に位置固定、特に挟み込まれているように、かつ/または材料結合式に内側区分および/または内側区分の収容部に結合されているように、形成されている。したがってヒューズエレメントは、特に収容部において、または収容部内で確実に位置固定されていてよい。
【0059】
さらに、それぞれのコンタクト手段の内側区分は、ヒューズエレメントの端部側の領域に、結合手段、特にはんだ結合部、導電性の接着剤結合部および/または圧着結合部を介して電気的に接続されていてよい。結局のところ、ヒューズエレメントは、コンタクト手段の2つの内側区分の間に挟み込まれるか、もしくは緊締されていてよく、したがって、中空室内に位置固定されていてよい。
【0060】
さらに、コンタクト手段は絶縁ハウジング内に、特に基体に挿入されていてよい。代替的または付加的には、コンタクト手段が絶縁ハウジング、特に基体に着脱可能に結合されていることが規定されていてよい。好適には、両方のコンタクト手段は、絶縁ハウジング、特に基体に着脱自在に結合されている。コンタクト手段の挿入は、絶縁ハウジングの内部へのコンタクト手段の内側区分の簡単な挿入を可能にする。
【0061】
代替的には、コンタクト手段が、絶縁ハウジング、特に基体に固定的に、好適には分離不能に結合されていてよい。コンタクト手段と基体との間の固定的な結合は、製造中に、特に基体および/または絶縁体の製造中に達成することができる。したがって、例えば、基体を、コンタクト手段の周囲で、好適には基体の材料の射出成形法および/または一次成形法によって形成することができる。好適には、射出成形法において基体のプラスチックもしくはプラスチック材料が加工され、液化もしくは可塑化された形態で、好適には圧力を加えられて、特に基体の形状を形成するために射出される。基本的には、基体の別の製造法も可能である。
【0062】
特に中空室には、少なくとも部分的に消弧手段が充填されていてよい。消弧手段として、消弧砂、特に石英砂が設けられていてよい。消弧手段は、ヒューズの作動時にアークを解消することができ、これにより、ヒューズ全体の安全性および/または遮断性および/または遮断性が高められる。
【0063】
消弧手段は、特に、好適には規定された粒子分布を有する消弧砂を有していてよく、消弧砂は、好適にはヒューズ用途における使用のために適している。さらに、着色砂、砂および/またはセラミック片および/またはガラス小球も消弧手段として使用できる。
【0064】
さらに、基体は、好適には中央の凹設部を有してよい。この凹設部は、例えば、コンタクト手段の内側区分間に配置されてもよい。特に、ヒューズエレメントの下側に自由空間を提供することができる。したがって、ヒューズエレメントは、内側区分、特に内側区分の収容部において、ヒューズエレメントの下側、つまりカバーとは反対側で、例えば消弧手段、特に消弧砂を少なくとも部分的に、好適には完全に充填ことができる自由空間が存在しているように、中空室内に配置されていてよい。
【0065】
さらに、本発明は、上述の実施形態のうちの1つの実施形態によるヒューズを製造する方法であって、当該方法は、好適には相前後して実施される以下の方法ステップ、すなわち、
A)絶縁ハウジング、ヒューズエレメントおよびコンタクト手段を提供するステップと、
B)ヒューズエレメントを絶縁ハウジングの基体の中空室内に導入するステップと、
C)ヒューズエレメントと、コンタクト手段の内側区分とを電気的に接続するステップと、
D)基体の中空室をカバーで閉鎖するステップと
を含んでいる、方法に関する。
【0066】
本発明に係る方法に関して、本発明に係るヒューズの上述の好適な実施形態ならびにヒューズの利点を参照することができ、これらの利点は、特に別に明示的に言及を必要とすることなしに、本発明に係る方法にも同様に当てはまる。同時に、以下に説明する方法の特徴も、上述の本発明に係るヒューズに同様に当てはまる。したがって、不要な繰り返しを避けるために、上述の説明が参照される。
【0067】
これに関して、絶縁ハウジングを、コンタクト手段の提供後に製造することもでき、特にこの場合、絶縁体の基体を、例えばプラスチック加工法、特に射出成形法によってコンタクト手段の周囲に形成することができることは自明である。したがって、絶縁ハウジング、特に基体を、既に製造中に、コンタクト手段に固定的に結合することができることが規定されていてよい。結局のところ、コンタクト手段は、基体の底部および/または壁部を貫通し、内側および外側でコンタクト手段にアクセス可能である。
【0068】
好適には、特にステップB)の後、特にステップD)の実施前に、絶縁ハウジング内に、特に絶縁ハウジングの中空室内に、消弧剤を導入することができる。特に、消弧剤として、消弧砂、顆粒および/またはガラス玉が規定されている。
【0069】
特に、絶縁ハウジングが内部、すなわち中空室において、完全に消弧剤で充填されない、かつ/または満たされていないことが規定されている。好適には、絶縁ハウジングの中空室が少なくとも部分的に消弧剤で充填されかつ/または満たされている。
【0070】
好適には、ヒューズエレメントは基体の導入開口を介して絶縁ハウジングの中空室内に挿入される。導入開口は、上述したように、基体の長手方向延在方向で細長く延びて形成されていてよい。特に、導入開口の長さは、少なくとも、挿入された状態におけるヒューズエレメントの長さを有している。これに関して、「ヒューズエレメントの長さ」とは、ヒューズエレメントが、実際に挿入された状態において占める長さもしくは長手方向延在長さ、例えば支持体手段の長さであると理解される。例えばヒューズエレメントが支持体手段上に巻かれている場合には、挿入された状態におけるヒューズエレメントの長さもしくは長手方向延在長さは、引き出された状態におけるヒューズエレメントの長さよりも短くなっている。導入開口は、結局のところ、特に、ヒューズエレメントが使用状態に対応する形状で簡単に中空室内に挿入され得るように形成されている。特に導入開口は、基体の端面には形成されていない。
【0071】
ヒューズエレメントを、端部側の領域において、コンタクト手段の内側区分に、かつ/またはコンタクト手段の内側区分の収容部に、導電性の接着剤および/またははんだ結合部のような結合手段により結合することができる。この結合部は、好適にはステップD)の実施前に設けられている。これにより、内側区分とヒューズエレメントの端部側の領域との間の材料結合を可能にすることができる。好適には、ヒューズエレメントを、2つのコンタクト手段、つまりコンタクト手段の2つの内側区分を備えた2つの端部側の領域に、特に材料結合式、摩擦結合式に、かつ/または形状結合式に固定的に結合する。
【0072】
特にヒューズエレメントを、絶縁ハウジング内でセンタリングして配置することができ、このことは、ヒューズの挙動にとって特に有利である。
【0073】
その他に、上述の間隔および範囲制限には、間の間隔および個別値が具体的に示されていない場合であっても、あらゆる間の間隔および個別値が含まれていて、本発明にとって重要なものとして開示されていると見なされることは自明である。
【0074】
本発明の別の特徴、利点および使用可能性は、図面および図面自体に基づく以下の実施例の説明から明らかとなる。説明されかつ/または図示された全ての特徴は、それ自体でも任意の組み合わせにおいても、請求項の係りにおけるその関係とは無関係に、本発明の対象を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】本発明に係るヒューズの概略的な斜視図である。
【
図2】
図1に示したヒューズの概略的な側面図である。
【
図3】本発明によるカバーの概略的な側面図である。
【
図4】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図5】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図6】ヒューズエレメントが挿入された、本発明による基体の概略的な平面図である。
【
図7】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な斜視図である。
【
図8a】
図7に示されたヒューズの概略的な断面図である。
【
図8b】本発明によるコンタクト手段の概略的な斜視図である。
【
図9】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図10】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図11】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図12】本発明に係るヒューズの別の実施形態の概略的な断面図である。
【
図13】ヒューズを製造するための本発明に係る方法のシーケンスを示す概略図である。
【0076】
図1は、特にSMDヒューズとして使用することができるヒューズ1を示す。ヒューズ1が、プリント基板上にもしくはプリント基板に配置され、特にプリント基板に固定的に、好適には材料結合式、摩擦結合式、かつ/または形状結合式の結合部により結合されていてよいことは、図示されていない。
【0077】
図1に図示したヒューズ1は、絶縁ハウジング2を有している。
図1は、絶縁ハウジング2の内部に中空室3が設けられていることを示していない。中空室3は、
図4に図示された横断面図から判る。絶縁ハウジング2は、電気絶縁性の材料から成っている。
【0078】
図4は、絶縁ハウジング2の中空室3内にヒューズエレメント4が配置されていることを示している。
【0079】
中空室3内に複数のヒューズエレメント4が配置されていてよいことは図示されていない。
【0080】
特に、中空室3内に少なくとも2つのヒューズエレメント4が配置されていることは図示されていない。ヒューズエレメント4は、並列に接続されていてよい。好適には、ヒューズエレメント4の並列接続により定格電流を増大させることができる。
【0081】
ヒューズエレメント4は、コンタクト手段5に電気的に接続されている。
図1にも図示されているコンタクト手段5は、ヒューズ1の外側での接触接続のために働き、したがって、絶縁ハウジング2の内部に含まれているヒューズエレメント4の外側での接触接続を可能にする。
【0082】
図1には、絶縁ハウジング2が、中空室3を有する基体6と、基体6の中空室3および/または基体6を閉鎖するカバー7とを有していることが示されている。特に、カバー7も基体6も、電気絶縁性の材料から形成されている。
【0083】
基体6は、
図1に示されているように、少なくとも実質的に細長く延びる直方体形状、特に一種の箱の形状を有してよい。基体6の角部は、丸み付けされて形成されていてよいが、必ずしも丸み付けされている必要はない。特に、基体6は細長く延びるように形成されていて、長手方向延在方向Lを有している。カバー7は、特に長手方向延在方向Bを有していてよく、この長手方向延在方向Bは、基体6の長手方向延在方向Lに延びている。カバー7の横断面形状は、基体6の横断面形状に対応して形成されていてよく、これにより結局のところカバー7は基体6を閉鎖することができる。
【0084】
図4には、2つのコンタクト手段5が設けられていることが示されている。各コンタクト手段5は、内側区分8と外側区分9とを有している。内側区分8は、絶縁ハウジング2の内部に配置されている。内側区分8はさらに、特に基体6の壁部を通って案内されている。コンタクト手段5の、基体6もしくは絶縁ハウジング2の外面10に配置されていない区分が内側区分8と見なされる。ヒューズエレメント4は、内側区分8に電気的に接続されている。ヒューズエレメント4は、直接的にまたは間接的に機械的に内側区分8に結合されていてよい。内側区分8とヒューズエレメント4との間の導電性の結合部、例えば導電性の接着剤結合部および/またははんだ結合部が設けられていてもよい。
【0085】
コンタクト手段5は、さらに、絶縁ハウジング2の外面10に配置されている外側区分9を有している。特に、外側区分9は、基体6の外面10に配置されている。
【0086】
好適には、外側区分9はカバー7の外面には配置されていない。
【0087】
図1には、外側区分9が基体6の底部11に配置されていることが図示されており、底部11は、基体6の、カバー7とは反対の側に配置されている。
【0088】
外側区分9は、基体6の端面12,13にも少なくとも所定の領域で配置されていてよい。代替的または付加的には、各コンタクト手段5の外側区分9が、基体6の、長手方向延在方向Lに延びる長辺側14,15に配置されていることが規定されていてよい。特に基体6は、
図1に概略的に示されているように、底部11、端面12,13および長辺側14,15を有していてよく、これにより箱形状を有していてよい。
【0089】
図8aには、外側区分9が、接触接続のために、底部11にのみにおいて少なくとも所定の領域に配置されているか、または底部11を越えて突出していることが図示されている。
【0090】
図示されていない別の実施形態では、外側区分9が、接続接触のために、少なくとも所定の領域で底部11および/または端面12,13および/または長辺側14,15に設けられていることが規定されていてよい。結局のところ、外側区分9は、それぞれの接触接続状況に適合されていて、ヒューズ1の簡単かつ確実な接触接続を行うことができるように構成されている。
【0091】
図11および
図12では、外側区分9が端面12,13に配置されていることが示されている。
【0092】
外側区分9は長辺側14,15のみに配置されていてもよいことは図示されていない。
【0093】
特にコンタクト手段5は、基体6からコンタクト手段5が脱落するか、もしくは基体6から意図せずに外れることを回避することができるように、基体6に結合されている。
【0094】
図8aには、コンタクト手段5の外側区分9が、絶縁ハウジング2および基体6の外面10を超えて延びることができることが図示されている。別の実施形態において、コンタクト手段5の外側区分9が、ヒューズ1の外側での接触接続のために、外面10と面一に終端していてよいことは図示されていない。結局のところ、外側区分9は、基本的に外側での接触接続を可能にしている。
【0095】
図4には、コンタクト手段5の内側区分8が、ヒューズエレメント4の電気的な接触接続のために、中空室3内に突入していることが示されている。代替的には、
図12に概略的に図示されているように、内側区分8が中空室3に隣接していることが規定されていてよい。このような構成では、内側区分8が、基体6の内壁と少なくとも実質的に面一に終端しているか、または基体6の内壁に対してセットバックされていてよく、さらに、例えば基体6の内壁に設けられた対応する開口内に係止することができるヒューズエレメント4の配置のために、アクセス可能であってよい。
【0096】
図4にはさらに、中空室3が、底部11の反対側に位置するように設けられている導入開口16を有していることが示されている。特に、まさに1つの単独の導入開口16がヒューズエレメント4を導入するために設けられている。導入開口16は、特に、少なくとも実質的に完全にカバー7によって閉鎖可能であってよい。カバー7は、基本的に、一部分から、または複数部分から形成されていてよい。
【0097】
図7には、導入開口16が細長く延びるように形成されていることが示されており、導入開口16の長手方向延在方向Cは、少なくとも実質的に、基体6の長手方向延在方向Lの方向に延びている。
【0098】
特に導入開口16は、ヒューズ1の端面12,13に配置されていない。
【0099】
カバー7は、基体6に着脱可能に、または固定的に結合可能であってよい。特にカバー7は、基体6に係止することができる。
【0100】
図1には、カバー7が基体6に載置されていることが示されており、カバー7は、基体6を、好適には全ての縁部側において少なくとも所定の領域で折り返して覆っている。
【0101】
図9は、外側区分9が少なくとも部分的に、好適には完全に絶縁ハウジング2、特に基体6の外面10に載置している、かつ/または外面10に直接に隣接していることを示している。
【0102】
図1は、外側区分9が、少なくとも所定の領域で基体6および/または絶縁ハウジング2を折り返して覆っていることを示している。
図1に図示された実施例では、外側区分9が、直接にそれぞれの端面12,13および底部11に接触している。特に、外側区分9は、長辺側14,15においても、少なくとも所定の領域において接触している。特に好適には、外側区分9は基体6を、この外側区分9が所定の領域において底部11、端面12または場合によっては両方の長辺側14,15に特に直接に接触しているように、折り返すように覆っている。このような配置は、特にSMDヒューズ1にとって、詳細には図示されていないプリント基板上に配置するために特に有利である。
【0103】
図10は、外側区分9が所定の領域で底部11に接触している、もしくは底部11に密着し、かつ直接に底部に隣接していることを示している。特に、外側区分9は、最大でも外側区分9の好適には最大の材料厚さもしくは厚みの二倍だけ基体6もしくは絶縁ハウジング2の外面10を超えているか、もしくは突出している。
【0104】
別の実施形態においてカバー7が、基体6の外側の縁部側に対して後退させられていてよく、特にこれにより段部が形成されることは図示されていない。さらに、カバー7が特に中空室3を覆っている。
【0105】
図1および
図2に示されたカバー7は、
図3の側面図に図示されている。
図3に図示されたカバー7は、基体6に形状結合式かつ/または摩擦結合式に、好適には係止可能に結合可能であってよい。カバー7が基体6に材料結合式に固定的に結合されていることは図示されていない。
【0106】
見やすさの理由から、
図4~
図12ではカバー7は図示されていない。
【0107】
図4に示されたコンタクト手段5もしくは
図4に示された2つのコンタクト手段5は、基体6の少なくとも1つの壁部を通って、
図4に示された実施例では底部11の壁部を通って、絶縁ハウジング2の内部に案内されている。コンタクト手段5は、基体6内に固定的に保持されている。カバー7は、専ら基体6を閉鎖するために働き、貫通部を有しておらず、コンタクト手段5に依存せずに形成されている。
【0108】
図11および
図12には、ヒューズ1の別の1つの実施形態が示されており、概略的に観察するためにカバー7は詳細に図示されていない。さらに、コンタクト手段5の配置を概略的に示すために、横断面図が選択されている。
図11および
図12に図示された実施例では、コンタクト手段5が、基体6の端面12,13を通って案内されていることが規定されている。基本的には、図示していない別の実施形態において、少なくとも1つのコンタクト手段5が、基体6の長辺側14,15を通って案内されていることが規定されていてもよい。このことは、上述したように、結局のところ、それぞれの接触接続状況に依存する。
【0109】
図8aには、コンタクト手段5の外側区分9が、基体6の底部11に少なくとも所定の区分において接触していることが図示されている。
図1に図示した実施例では、これに対してコンタクト手段5の外側区分9が、底部11に部分的に接触しているだけでなく、端面12,13にも、少なくとも1つの領域において長辺側14,15にも接触していることが規定されている。
図1に図示したコンタクト手段5では、このコンタクト手段5が端面12,13の全長にわたって延びていて、長辺の長さ14,15の比較的短い部分にわたってのみ、特に最大で40%、好適には最大で20%、さらに好適には最大で15%にわたってのみ延びていることが規定されている。
【0110】
図11および
図12に図示した実施例では、コンタクト手段5の外側区分9が、少なくとも部分的に端面12,13に延びており、特に、端面12,13の長さの少なくとも10%、好適には少なくとも30%、さらに好適には30%~90%にわたって延びていることが規定されている。
【0111】
図9および10に示されている実施例では、各コンタクト手段5の外側区分9は、単に下面において、もしくは底部11上にわたって延びており、それぞれ好適には底部11の長さの少なくとも10%、さらに好適には少なくとも20%、有利には20%~40%を占めている。底部11の長さは、この基体6の長手方向延在方向Lに延びている。
【0112】
図4および
図10には、コンタクト手段5が内側区分8の領域において、つまり絶縁ハウジング2の内部に、少なくとも1つの屈曲部17を有していることが図示されている。屈曲部17は、曲げられて形成されていてよい。
図10には、コンタクト手段5が少なくとも所定の区分において横断面でS字形に形成されるように、屈曲部17が形成されていることが示されている。屈曲部17は、ヒューズエレメント4に接触する領域において、コンタクト手段5の内側区分8が、少なくとも所定の領域において、それぞれ直接隣接する壁部に対して少なくとも実質的に平行に、
図4および
図10に示した実施例では直接隣接する端面12,13に対して少なくとも実質的に平行に配置されているように、形成されていてよい。
【0113】
さらに、屈曲部17は、
図10に示した実施例では、外側区分9の拡幅された当接面を可能にし、さらに基体6内でのコンタクト手段5の確実な固定も可能にし、これにより、基体6からのコンタクト手段5の望ましくない脱落または解除を阻止することができる。したがって、内側区分8の少なくとも1つの屈曲部17は、特に好適にはコンタクト手段5と基体6との間の形状結合式かつ/または摩擦接続的な結合時に設けられている。
【0114】
基本的には、コンタクト手段5は横断面で、
図8および
図9において概略的に図示されているように、少なくともほぼL字形に、または
図11および
図12において概略的に図示されているように、少なくともほぼT字形に形成されていてもよい。
【0115】
図8bに図示されたコンタクト手段5は、少なくとも実質的に一体的に形成されている。外側区分9は、内側区分8と少なくとも実質的に一体的に形成されていてよい。代替的または付加的には、内側区分8は外側区分9と同一の材料を有しているか、または同一の材料から成っていることが規定されていてよい。特に、内側区分8または外側区分9は、材料として金属を有しているか、または金属から成っている。内側区分8および外側区分9は、金属部分として形成されていてよい。金属はそれぞれ導電性である。
【0116】
図8bは、内側区分8が収容部18を有していることを示している。収容部18は、切込み部および/または切欠きとして形成されていてよい。
図8bに図示されているように、収容部18は、ヒューズエレメント4、すなわちヒューズエレメント4の端部側の領域19を配置するために働く。端部側の領域19は、ヒューズエレメント4の端面を含んでいてよいが、必ずしも端面を含んでいる必要はない。
図7に図示された実施例では、ヒューズエレメント4の端部側の領域19および各端面が、収容部18内に配置されている。
【0117】
図4では、ヒューズエレメント4が少なくとも部分的に収容部18を越えて突出していることが示されている。
【0118】
図8bに図示された収容部18は、ヒューズエレメント4が少なくとも1つの端部側の領域19において少なくとも摩擦接続的に位置固定されている、特に挟み込まれているように形成されていてよい。
【0119】
図11および
図12に図示されたヒューズエレメント4は、内側区分8に材料結合式に結合されている。ヒューズエレメント4を材料結合式に結合するためには、結合手段20、特にはんだ結合部および/または導電性の接着剤結合部が設けられていてよい。
【0120】
図10に図示されたコンタクト手段5、もしくは
図9に図示されたコンタクト手段5(すなわち、2つのコンタクト手段5であり、それぞれヒューズエレメント4の1つの端部側の領域19に対応配置されている)は、絶縁ハウジング2に、すなわち基体6に分離不能に結合されている。この結合は、基体6の製造時に、例えば基体6の製造のための射出成形法が使用されることで達成することができる。コンタクト手段5は基体6の材料内に埋め込まれている。
【0121】
図9に図示されたコンタクト手段5は、基体6に着脱可能に結合されていて、特に基体6内に挿入されている。
【0122】
中空室3に、少なくとも部分的に消弧剤、特に消弧砂が充填されていてよいことは図示されていない。
【0123】
図4には、基体6が、好適には中央の凹設部21を有していることが図示されている。凹設部21は、コンタクト手段5の内側区分8間に配置されてよい。凹設部21は、結局のところヒューズエレメント4の下方の自由空間を拡大することができる。形成されたこの自由空間には、例えば消弧剤を充填することができる。
【0124】
図13には、先行する実施形態のうちの1つの実施形態によるヒューズ1を製造する方法シーケンスが概略的に図示されている。方法は、
図13に図示された実施例において相前後して実施される方法ステップA~Dを含んでいる。しかし、方法ステップの順序は、別の方法シーケンスにおいて完全に変化してもよいことは自明である。
【0125】
ステップAにおいては、絶縁ハウジング2、ヒューズエレメント4およびコンタクト手段5を提供することが規定されている。基本的には、例えば基体6を、射出成形法を介してコンタクト手段5の周囲に形成することによって、コンタクト手段5の提供後に絶縁ハウジング2を形成することが規定されていてよい。
【0126】
方法ステップBでは、ヒューズエレメント4を絶縁ハウジング2の基体6の中空室3内に導入する。特にヒューズエレメント4は、基体6の導入開口16を介して中空室3内に挿入される。この場合、導入開口16は、基体6の長手方向延在方向Lに延びている。さらに、導入開口16の長さは特に少なくとも使用状態におけるヒューズエレメント4の長さに相当する。
【0127】
方法ステップCにおいて、ヒューズエレメント4、特にヒューズエレメント4の2つの端部側の領域19を、コンタクト手段5の内側区分8に結合することが規定されている。特に、2つのコンタクト手段5の2つの内側区分8が設けられており、両コンタクト手段5はそれぞれ、ヒューズエレメント4の端部側の領域19に結合することができる。端部側の領域19を、内側区分8の収容部18内に配置することができ、この収容部18に形状結合式に、摩擦結合式に、かつ/または材料結合式に結合することができる。
【0128】
ヒューズエレメント4が、少なくとも1つの端部側の領域19において挟み込まれることは詳細に図示されていない。
【0129】
さらに、ヒューズエレメント4をコンタクト手段5に結合するために、特にはんだ結合部および/または導電性の接着剤結合部である結合手段20を使用することができることは詳細に図示されていない。端部側の領域19は、結合手段20を介して材料結合式に、収容部18内で内側区分8に、または内側区分8の一部に、内側区分8とヒューズエレメント4との確実な位置固定が達成されるように、結合手段20を介して結合することができる。
【0130】
次いで、方法ステップDにおいて、基体6の中空室3、特に導入開口16をカバー7によって閉鎖することが規定されている。カバー7は、基体6に着脱可能に、または固定的に結合することができる。特にカバー7は、基体6に係止するか、もしくは基体6内に係止することができる。
【0131】
コンタクト手段5は、方法ステップAの後に、絶縁ハウジング2内に、特に基体6内に挿入することができ、かつ/または絶縁ハウジング2に、特に基体6に着脱可能に結合することができる。代替的には、上述したように、コンタクト手段5を、好適には分離不能に、絶縁ハウジング2または基体6に、既に絶縁ハウジング2または基体6の製造中に、絶縁ハウジング2または基体6に結合することができる。
【0132】
中空室3に消弧剤を充填することができることは詳細に図示されていない。消弧剤の導入は、例えば導入開口16を介して行うことができる。消弧剤は、ヒューズエレメント4の中空室3内への挿入前または挿入後にいずれにせよ方法ステップDの前に行われ得る。
【符号の説明】
【0133】
1 ヒューズ
2 絶縁ハウジング
3 中空室
4 ヒューズエレメント
5 コンタクト手段
6 基体
7 カバー
8 内側区分
9 外側区分
10 外面
11 底部
12 基体6の端面
13 基体6の端面
14 基体6の長辺側
15 基体6の長辺側
16 導入開口
17 屈曲部
18 収容部
19 端部側の領域
20 結合手段
21 凹設部
L 基体6の長手方向延在方向
B カバー7の長手方向延在方向
C 導入開口16の長手方向延在方向
【国際調査報告】