(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】スプリングパッケージとスプリングパッドと家具並びスプリングパッケージを製作するための方法
(51)【国際特許分類】
A47C 27/06 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A47C27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550559
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2022089333
(87)【国際公開番号】W WO2022228436
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110485098.4
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358693
【氏名又は名称】ニュー-テック インテグレーション (シアメン) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ルハオ
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB03
(57)【要約】
【課題】本発明は、スプリングパッケージ、弾性パッド、家具及びスプリングパッケージを製作する方法を提供した。
【解決手段】スプリングパッケージは、大径端と大径端に対向する小径端とを備える錐形状のスプリングと柔性カバーとを含む。柔性カバーは、錐形状のスプリングの外側に位置する外層カバーと錐形状のスプリングの内側に位置する内層カバーとを含み、外層カバーと内層カバーは、錐形状のスプリングが柔性カバー内にパッケージされるように、それぞれ、大径端と小径端において接続される。そのうち、柔性カバーは、全く同じな第一の柔性シート材と第二の柔性シート材を重なり合って配置するとともに、対応する縁部を接続することによって成型される。本発明によれば、柔性カバーの製造プロセスを簡素化し、製造効率を向上できる。柔性カバーを製作するためのシート材は、同一のプロセスによって製作され、正常な寸法と比べ、寸法或いは構造に誤差が存在しても、二枚のシート材が全く同じであるので、お互いにマッチングでき、スムーズに重なり合って配置され、お互いに接続でき、製造誤差による影響を減少することに寄与し、製品の良品率を向上できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具の弾性パッドを製作するためのスプリングパッケージであって、
大径端(111、211)と前記大径端(111、211)に対向して設置される小径端(112、212)とを備える錐形状のスプリング(110、210)と、
前記錐形状のスプリング(110、210)の外側に位置する外層カバー(121、221)と前記錐形状のスプリング(110、210)の内側に位置する内層カバー(122、222)とを含む柔性カバー(120、220)と、を含み、
前記外層カバー(121、221)と前記内層カバー(122、222)は、前記錐形状のスプリング(110、210)が前記柔性カバー(120、220)内にパッケージされるように、それぞれ、前記大径端(111、211)と前記小径端(112、212)において接続されており、
そのうち、全く同じ第一の柔性シート材(123、223、223’)と第二の柔性シート材(124、224、224’)を重なり合って配置するとともに、対応する縁部を接続することによって、前記柔性カバー(120、220)が成型される、
スプリングパッケージ。
【請求項2】
前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)は、いずれも円形であり、前記第一の柔性シート材(123)と前記錐形状のスプリング(110)と前記第二の柔性シート材(124)は、前記錐形状のスプリング(110)の軸方向に沿って配列され、
そのうち、前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)との双方の外縁が、前記大径端(111)の径方向外側において接続されるとともに、前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)との双方における円心に近い位置が、前記小径端(112)の径方向内側において接続される、
請求項1に記載のスプリングパッケージ。
【請求項3】
前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)は、前記錐形状のスプリング(110)が軸方向に圧縮された状態において接続された、
請求項2に記載のスプリングパッケージ。
【請求項4】
前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)は、いずれも、凸六角形であり、前記凸六角形は、少なくとも一対の対向し且つ平行する第一の辺(225、225’)と第二の辺(226、226’)とを備え、前記錐形状のスプリング(210)は、前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)との間に包覆され、前記小径端(211)が、前記第一の辺(225、225’)に向け、前記第二の辺(226、226’)が、前記錐形状のスプリング(210)の外側から前記大径端(211)を回って前記錐形状のスプリング(210)の内側に進入するとともに、前記小径端(212)において前記第一の辺(225、225’)に接続される、
請求項1に記載のスプリングパッケージ。
【請求項5】
前記凸六角形において、前記第一の辺(225、225’)に隣接する二本の隣接辺(227、227’)のそれぞれと前記第一の辺(225、225’)との間の挟角(α、β)が等しいとともに、挟角(α、β)の和が、前記錐形状のスプリング(210)の側面が展開されたときに形成される扇形又は扇に類似する形状の円心角の半分と一つの平角との和に等しい、
請求項4に記載のスプリングパッケージ。
【請求項6】
前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)との継目が、前記柔性カバーの内部に位置する、
請求項4に記載のスプリングパッケージ。
【請求項7】
少なくとも前記第二の辺(226、226’)同士の接続は、前記錐形状のスプリング(210)が前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)によって包覆された後に完成させる、
請求項4に記載のスプリングパッケージ。
【請求項8】
前記外層カバー(121、221)と前記内層カバー(122、222)との前記小径端(112、212)での接続は、前記小径端(112、212)の径方向内側に位置し、且つ前記小径端(112、212)の周方向に沿って延在する環状接続部(102、202)を形成する、
請求項1に記載のスプリングパッケージ。
【請求項9】
前記柔性カバー(120、220)は、ミシン縫い又は超音波溶接の形態によって接続され成型される、
請求項1に記載のスプリングパッケージ。
【請求項10】
前記柔性カバー(120、220)の材質は、不織布である、
請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載のスプリングパッケージ。
【請求項11】
家具を製作するためのスプリングパッドであって、
多数の請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載のスプリングパッケージを含む、
スプリングパッド。
【請求項12】
請求項11に記載のスプリングパッド及び/又は請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載のスプリングパッケージを含む、
家具。
【請求項13】
家具のスプリングパッドを製作するためのスプリングパッケージを製作する方法であって、
第一の柔性シート材(123)と錐形状のスプリング(110)と第二の柔性シート材(124)を前記錐形状のスプリング(110)の軸方向に沿って配置する工程と、
前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)とが少なくとも縁部の位置で貼り付けされるように、前記錐形状のスプリング(110)を軸方向に沿って圧縮する工程と、
前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)を、それぞれ、前記錐形状のスプリング(110)の大径端(111)の径方向外側と小径端(112)の径方向内側において接続する工程と、
前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)のうちの一方が、外側から前記錐形状のスプリング(110)を包覆して外層カバー(121)を形成するとともに、他方が内側から前記錐形状のスプリング(110)を包覆して内層カバー(122)を形成するように、前記錐形状のスプリング(110)に対する圧縮を解除する工程と、を含み、
そのうち、前記第一の柔性シート材(123)と前記第二の柔性シート材(124)は、いずれも、円形であり、且つ全く同じである、
スプリングパッケージを製作する方法。
【請求項14】
家具のスプリングパッドを製作するためのスプリングパッケージを製作する方法であって、
いずれも、少なくとも一対の対向し且つ平行する第一の辺(225、225’)と第二の辺(226、226’)とを備える凸六角形であるとともに全く同じである、第一の柔性シート材(223、223’)と第二の柔性シート材(224、224’)を重なり合って貼り付ける工程と、
少なくとも、前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)の双方の対応する第一の辺(225、225’)及び前記第一の辺に隣接する二本の辺(227、227’)を接続するとともに、少なくとも、第二の辺(226、226’)が接続されないままにする工程と、
前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)からなる巾着をひっくり返す工程と、
小径端(212)が前記第一の辺(225、225’)に向くように、錐形状のスプリング(210)を前記巾着に入れ込む工程と、
前記第一の柔性シート材(223、223’)と前記第二の柔性シート材(224、224’)における接続されていない辺を接続する工程と、
前記第二の辺(226、226’)を、前記錐形状のスプリング(210)の大径端(211)を回って前記錐形状のスプリング(210)の内側に進入させる工程と、
前記第二の辺(226、226’)と前記第一の辺(225、225’)を前記小径端(212)において接続する工程と、を含む、
スプリングパッケージを製作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具分野に係り、具体的に、スプリングパッケージとスプリングパッドと家具並びスプリングパッケージを製作するための方法に係る。
【背景技術】
【0002】
現在のベッドやソファーなどの家具は、通常、弾性パッドを具備し、当該弾性パッドは、一般的に、多数の積重層とスプリングによって形成され、快適な使用体験を提供する。
【0003】
独立なバックに入れるスプリングパッドが知られており、そのうち、各スプリングが独立的にバック又はスリーブにパッケージされており、スプリングバックが、予定の形態に従い、スプリングバックユニットを形成するように配置される。次に、配置されたスプリングバックユニットの外側は、貼付や貼着などによってワンピースのスポンジゴムに覆われ、これによって、家具パッド又は家具パッドのようなスプリングパッドを形成する。このような形態によって、スプリングは、周囲のスプリングに影響を与えないように独立的に湾曲可能であり、そして、使用者の体重をもっと均衡的に分散でき、同時にスプリングパッド上に座り又は寝る二人又はもって多くの人々がお互いに干渉すること(例えば,個人間の体重差が比較的に大きい場合に、一人が寝返りをし又は体を動かすと、他人に影響を与えることを回避できない)を減少できるので、使用者の快適感が向上する。
【0004】
現在、スプリングバックの加工設計には、スプリングの構造について多数の寸法又は構造が異なる組立部分を設置する必要があり、そして、これらの組立部分を一体に組立しスプリングバックを形成し、その後、その中にスプリングパッケージを入れる。このような製作形態では、加工プロセスが多すぎ、製造効率が低い。また、各部分は異なるプロセスを介して独立的に製作されるため、寸法又は構造に誤差が過大となると、各部分間の寸法又は構造がマッチングできず、取付できなくなる事態が起きやすく、製品の良品率に悪影響を与え、原料と人件費の無駄になる。
【0005】
そこで、上記問題の少なくとも一部を解決するために、スプリングパッケージとスプリングパッドと家具並びスプリングパッケージを製作するための方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、スプリングパッケージと、当該スプリングパッケージを備えるスプリングパッドと、家具並び当該スプリングパッケージを製作するための方法を提供することである。本発明のスプリングパッケージによれば、スプリングをパッケージするための柔性カバーは、全く同じな二枚の柔性シート材を重なり合って配置するとともに、対応する縁部を接続することによって成型される。このように、柔性カバーの製造プロセスを簡素化し、特に、寸法が異なる部分又は構造が異なる部分を製作するプロセスを省略でき、製造効率を向上できる。柔性カバーを製作するためのシート材は、同一のプロセスによって製作され、正常な寸法と比べ、寸法或いは構造に誤差が存在しても、二枚のシート材が全く同じであるので、お互いにマッチングでき、スムーズに重なり合って配置され、お互いに接続でき、製造誤差による影響を減少することに寄与し、製品の良品率を向上できる。
【0007】
本発明の第一点によれば、家具の弾性パッドを製作するためのスプリングパッケージを提供し、前記スプリングパッケージは、
大径端と前記大径端に対向して設置される小径端とを備える錐形状のスプリングと、
前記錐形状のスプリングの外側に位置する外層カバーと前記錐形状のスプリングの内側に位置する内層カバーとを含む柔性カバーと、を含み、
前記外層カバーと前記内層カバーは、前記錐形状のスプリングが前記柔性カバー内にパッケージされるように、それぞれ、前記大径端と前記小径端において接続されており、
そのうち、全く同じな第一の柔性シート材と第二の柔性シート材を重なり合って配置するとともに、対応する縁部を接続することによって、前記柔性カバーが成型される。
【0008】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材は、いずれも円形であり、前記第一の柔性シート材と前記錐形状のスプリングと前記第二の柔性シート材は、前記錐形状のスプリングの軸方向に沿って配列され、そのうち、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材との双方の外縁が、前記大径端の径方向外側において接続されるとともに、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材との双方における円心に近い位置が、前記小径端の径方向内側において接続される。
【0009】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材は、前記錐形状のスプリングが軸方向に圧縮された状態において接続された。
【0010】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材は、いずれも、凸六角形であり、前記凸六角形は、少なくとも一対の対向し且つ平行する第一の辺と第二の辺とを備え、前記錐形状のスプリングは、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材との間に包覆され、前記小径端が、前記第一の辺に向け、前記第二の辺が、前記錐形状のスプリングの外側から前記大径端を回って前記錐形状のスプリングの内側に進入するとともに、前記小径端において前記第一の辺に接続される。
【0011】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記凸六角形において、前記第一の辺に隣接する二本の隣接辺のそれぞれと前記第一の辺との間の挟角が等しいとともに、挟角の和が、前記錐形状のスプリングの側面が展開されたときに形成される扇形又は扇に類似する形状の円心角の半分と一つの平角との和に等しい。
【0012】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材との継目が、前記柔性カバーの内部に位置する。
【0013】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、少なくとも前記第二の辺同士の接続は、前記錐形状のスプリングが前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材によって包覆された後に完成させる。
【0014】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記外層カバーと前記内層カバーとの前記小径端での接続は、前記小径端の径方向内側に位置し、且つ前記小径端の周方向に沿って延在する環状接続部を形成する。
【0015】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記柔性カバーは、ミシン縫い又は超音波溶接の形態によって接続され成型される。
【0016】
本発明の一つの好適な実施形態によれば、前記柔性カバーの材質は、不織布である。
【0017】
本発明の第二点によれば、家具を製作するためのスプリングパッドをさらに提供し、前記スプリングパッドは、多数の上記のスプリングパッケージを含む。
【0018】
本発明の第三点によれば、家具をさらに提供し、前記家具は、上記のスプリングパッド及び/又は上記のスプリングパッケージを含む。
【0019】
本発明の第四点によれば、家具のスプリングパッドを製作するためのスプリングパッケージを製作する方法を提供し、前記方法は、
第一の柔性シート材と錐形状のスプリングと第二の柔性シート材を前記錐形状のスプリングの軸方向に沿って配置する工程と、
前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材とが少なくとも縁部の位置で貼り付けされるように、前記錐形状のスプリングを軸方向に沿って圧縮する工程と、
前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材を、それぞれ、前記錐形状のスプリングの大径端の径方向外側と小径端の径方向内側において接続する工程と、
前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材のうちの一方が、外側から前記錐形状のスプリングを包覆して外層カバーを形成するとともに、他方が内側から前記錐形状のスプリングを包覆して内層カバーを形成するように、前記錐形状のスプリングに対する圧縮を解除する工程と、を含み、
そのうち、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材は、いずれも、円形であり、且つ全く同じである。
【0020】
本発明の第五点によれば、家具のスプリングパッドを製作するためのスプリングパッケージを製作する他の方法を提供し、前記方法は、
いずれも、少なくとも一対の対向し且つ平行する第一の辺と第二の辺とを備える凸六角形であるとともに全く同じな、第一の柔性シート材と第二の柔性シート材を重なり合って貼り付ける工程と、
少なくとも、前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材の双方の対応する第一の辺及び前記第一の辺に隣接する二本の辺を接続するとともに、少なくとも、第二の辺が接続されないままにする工程と、
前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材からなる巾着をひっくり返す工程と、
小径端が前記第一の辺に向くように、錐形状のスプリングを前記巾着に入れ込む工程と、
前記第一の柔性シート材と前記第二の柔性シート材における接続されていない辺を接続する工程と、
前記第二の辺を、前記錐形状のスプリングの大径端を回って前記錐形状のスプリングの内側に進入させる工程と、
前記第二の辺と前記第一の辺を前記小径端において接続する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の上記目的及び他の目的、特徴、利点と機能を分かりやすく理解するために、図面に示す好適な実施形態を参照できる。図面において同一の符号は、同一の部材に指す。当業者は、図面が本願の好適な実施形態を模式的に説明するものであり、本願の範囲に対して一切に限定しない、と理解すべきである。
【
図1】本発明によるスプリングパッケージの第一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すスプリングパッケージを模式的に示す縦断面図である。
【
図3】
図1に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図4】
図1に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図5】
図1に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図6】
図1に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図7】
図1に示すスプリングパッケージの柔性カバーを製作するための第一(第二)の柔性シート材を例示的に示す模式図である。
【
図8】スプリングパッケージの製作過程における
図5に示すプロセスに対応する構造を例示的に示す上面図である。
【
図9】本発明によるスプリングパッケージの第二の実施形態を例示的に示す斜視図である。
【
図10】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図11】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図12】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図13】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図14】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図15】
図9に示すスプリングパッケージを製作するプロセスを例示的に示す模式図である。
【
図16】
図9に示すスプリングパッケージの柔性カバーを製作するための第一(第二)の柔性シート材を例示的に示す模式図である。
【
図17】
図9に示すスプリングパッケージの柔性カバーを製作するための第一(第二)の柔性シート材の他の構成を例示的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明するのは、本願による好適な実施形態のみであり、当業者が前記好適な実施形態に基づき想起される本願を実現可能な他の形態も、同様に本願の範囲に入れる。
【0023】
本発明は、スプリングパッケージを提供し、当該スプリングパッケージが、ベッドやソファーなどの家具の弾性パッドを製作することに使用される。
【0024】
図1と
図2には、第一の実施形態によるスプリングパッケージ100が示され、それが錐形状のスプリング110と柔性カバー120と含む。図面に示す実施形態において、錐形状のスプリング100は、断面円錐形に構成され、大径端111と大径端111に対向する小径端112とを備える。例えば、断面四角形又は断面多角形などの他の形状に構成される錐形状のスプリングが本発明によるスプリングパッケージに利用されてもよいと理解すべきである。柔性カバー120は、錐形状のスプリング110を包覆することに使用される。柔性カバー120は、二層構造であり、錐形状のスプリング110の外側から当該錐形状のスプリング110を包覆する外層カバー121と、錐形状のスプリング110の内側に位置し且つ内側から錐形状のスプリング110を包覆する内層カバー122とを含む。外層カバー121と内層カバー122は、一体的な柔性カバー120を形成するように、それぞれ、錐形状のスプリング110の大径端111と小径端112において接続され、これによって,錐形状のスプリング110が柔性カバー120の内部にパッケージされる。
【0025】
本発明によるスプリングパッケージにおいて、柔性カバーは、全く同じな二枚の柔性シート材を重なり合って配置するとともに、当該柔性カバーの対応する縁部を接続することによって成型される。当該二枚の柔性カバーは、第一の柔性シート材と第二の柔性シート材と称されてもよい。柔性カバーを製作するための柔性シート材は、単一な寸法と構造で済むため、実際な製造過程において、柔性カバーを製作するプロセスを一つに設置すればよく、加工プロセスを簡素化し、製造効率を向上できる。そして、柔性シート材は、同一のプロセスによって製作されるため、全ての柔性シート材が略同一の加工誤差を備え、これによって、いくら誤差があっても、柔性シート材が重なり合って配置され且つ対応する縁部が接続されることもでき、柔性カバーを製作するための異なる部分が加工誤差によってマッチングできないことの発生を回避でき、製品の良品率を著しく向上できる。
【0026】
これから、
図3乃至
図8を参照しながら本発明によるスプリングパッケージの製作プロセスを詳しく説明する。
【0027】
図7に示されるように、第一の実施形態において、柔性カバー120を製作するための第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124は、いずれも、円形或いは円形に類似する形状であり、その具体的な材質は、不織布であってもよい。
【0028】
スプリングパッケージを製作するとき,まず、第一の柔性シート材123と錐形状のスプリング110と第二の柔性シート材124を、
図3に示す形態に従い錐形状のスプリング110の軸方向に沿って配列する。そのうち、第一の柔性シート材123は、錐形状のスプリング110の小径端112に対応し、第二の柔性シート材124は、錐形状のスプリング110の大径端111に対応する。そして、軸方向に沿う方向から見ると、第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124が重なり合っている。
【0029】
次に、
図4に示されるように、錐形状のスプリング110が平になるまで軸方向に沿って圧縮されるように、錐形状のスプリング110に対して軸方向に沿う圧力Fを付勢する。同時に、第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124を、少なくとも縁部の位置で貼り付ける。
【0030】
また次に、
図5と
図8に示されるように、第一の接続部101を形成するように、第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124の双方の縁部を接続する。当該第一の接続部101は、錐形状のスプリング110の大径端111の径方向外側に形成されている。そして、第二の接続部102を形成するように、第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124の双方における円心に近い位置を接続する。当該第二の接続部102は、錐形状のスプリング110の小径端112の径方向内側に形成されている。第二の接続部102が、小径端112の周方向に沿って延在する環状接続部に構成されることが好ましい。このように、小径端112に形成された接続を、できるだけ錐形状のスプリング110に近づき、柔性カバー120が錐形状のスプリング110を安定的に保持することに有利である。第一の柔性シート材123と第二の柔性シート材124との間の接続がミシン縫い又は超音波溶接によって実現されることが好ましい。
【0031】
また、
図6に示されるように、接続を完成した後、錐形状のスプリング110に付勢された軸方向圧力Fを解除し、錐形状のスプリング110を元形状に戻せ、スプリングパッケージ100の製作を完成した。第一の実施形態において、錐形状のスプリング110の小径端112に対応する柔性シート材は、製作の完成後、錐形状のスプリング110の外側を包覆し、独立的に、柔性カバー120の外層カバー121に形成され、錐形状のスプリング110が元形状に戻された後、第二の接続部102の引導機能によって、錐形状のスプリング110の大径端111に対応する柔性シート材は、錐形状のスプリング110の内側に進入し、内側から当該錐形状のスプリング110を包覆し、独立的に、柔性カバー120の内層カバー122に形成される。
図1、
図2と
図6に示されるように、柔性シート材が円形であるので、錐形状のスプリング110が元形状に戻された後、外層カバー121と内層カバー122には、いずれも、大体的に錐形状のスプリング110の母線に沿って延在する皺が形成されている。
【0032】
図9乃至
図17は、第二の実施形態によるスプリングパッケージ200及びその製作プロセスを例示的に示している。第二の実施形態によるスプリングパッケージ200は、構造が第一の実施形態によるスプリングパッケージ100の構造と略同じであるが、柔性カバーの構造と製作形態とが異なる。これから、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0033】
図16に示されるように、第二の実施形態によれば、柔性カバーを製作するための柔性シート材(すなわち、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224)は、略凸六角形に構成され、該凸六角形は、少なくとも一対の対向し且つ平行する第一の辺225と第二の辺226、及び第一の辺225に隣接する二本の第一の隣接辺227と第二の辺226に隣接する二本の第二の隣接辺228とを備える。
【0034】
好ましく、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224は、対称的な形状に構成され、例えば、第一の隣接辺227と第二の隣接辺228との交点を繋ぐ線(つまり、
図16における点線AX1)に対して対称するとともに、第一の辺225と第二の辺226との双方の中心点を通し且つ双方に垂直する線(つまり、
図16における点線AX2)に対して対称する。この時、第一の辺225と第二の辺226とは、実際的に同一の辺であり、双方がお互いに交換できるとともに、第一の隣接辺227と第二の隣接辺228とも、同一の辺であり、同様に双方がお互いに交換できる。このため、二枚の柔性シート材を重なり合うようにする対向放置角度が唯一ではない。図面に示す実施形態において、双方を重なり合うようにする対向放置角度が二つである。また、柔性シート材の構造が正六角形になると、このような対向放置角度が六つに増加される。このような設置によって、二枚の柔性シート材をもっと簡単に重なり合うので、もっと加工しやすい、
【0035】
好ましく、二本の第一の隣接辺227は、それぞれ、第一の辺225と鈍角である挟角に形成される。二本の第一の隣接辺227のそれぞれと第一の辺225との挟角αとβが同じであるとともに、二つの挟角αとβとの和は、錐形状のスプリング210の側面が展開されたときに形成される扇形(或いは、断面四角形又は断面多角形に対応される、扇に類似する形状)の円心角の半分と一つの平角との和に等しい。これによって、柔性シート材が柔性カバー220を構成するとき、第一の隣接辺227と錐形状のスプリング210の母線が重なり合い、柔性カバー220を錐形状のスプリング210にうまく貼り付けることに有利である。
【0036】
第二の実施形態によるスプリングパッケージを製作するとき、まず、
図10に示されるように、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224を重なり合って配置する。
【0037】
次に、
図11に示されるように、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224の双方における対応する第一の辺225と第一の隣接辺227を接続する。同時に、第二の辺226が接続されないままにする。第二の隣接辺228について、接続又は非接続又は一部の接続を選択的に行われる。当業者は、実際なプロセスに応じて柔軟的に選択できる。図面に示す実施形態において、第一の隣接辺227に近い第二の隣接辺228の一部を接続し、同時に、第二の辺226に近い第二の隣接辺228の部分が接続されないままにする。
図11に示す工程によって、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224を、略巾着構造に構成された。
【0038】
さらに、
図12に示されるように、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224との間の継目が巾着の内部に位置するように、
図11に示す工程において形成された巾着をひっくり返す。ひっくり返した後、小径端212が第一の辺225に向くように、錐形状のスプリング210を巾着の内に入れ込む。
【0039】
次に、
図13に示されるように、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224における接続されていない辺、即ち、第二の辺226に近い第二の隣接辺228の部分及び第二の辺226を接続する。これによって、錐形状のスプリング210を巾着の内部にパッケージする。この時、錐形状のスプリング210の外部に包覆された部分が柔性カバー220の外層カバー221を構成したと見られ、当該部分は、実際的に、
図16において第一の辺225と二本の第一の隣接辺227及び点線AX1で囲まれた部分に対応する。
【0040】
また、
図14に示されるように、第二の辺226を錐形状のスプリング210の外側から大径端211を回って錐形状のスプリング210の内側に入れる。さらに、
図15に示されるように、錐形状のスプリング210の小径端212において、第一の辺225と第二の辺226を接続し、これによって、小径端212的径方向内側に位置する第二の接続部202を形成する。第二の辺226に伴い錐形状のスプリング210の内側に進入した部分が柔性カバー220の内層カバー222を構成したと見られ、当該部分は、実際的に、
図16において第二の辺226と二本の第二の隣接辺228及び点線AX1で囲まれた部分に対応する。
【0041】
第二の実施形態において、第一の実施形態によるスプリングパッケージ100と異なり、柔性カバー220の外層カバー221と内層カバー222は、いずれも、第一の柔性シート材223と第二の柔性シート材224の一部によって共通的に構成され、二枚の柔性シート材との間に、
図16に示す接続部203が形成される。外層カバー221と内層カバー222は、錐形状のスプリング210の大径端211において、柔性シート材の材料自身によって接続され、小径端212において、第二の接続部202によって接続される。そのうち、第二の接続部202は、小径端212の径方向内側に位置し且つ小径端212の周方向に沿って延在する環状接続部に形成される。また、柔性カバー220は、常に、錐形状のスプリング210が圧縮されない状態で製作し成型されたので、柔性カバー220の外層カバー221と内層カバー222は、皺がなく、滑らかな表面に形成される。
【0042】
図17は、第二の実施形態における柔性カバーを製作するための柔性シート材の他の構成を示す。そのうち、柔性シート材223’(224’)の第一の辺225’と第一の隣接辺227’は、
図16に示す構成と同一である。区別とは、第二の隣接辺228’と第二の辺226’とが略垂直である。このような設置によって、第二の辺226’がより大きい寸法を備える。そこで、
図12に示す工程において、巾着における接続されていない第二の辺226’によって形成された開口は、より大きい寸法を備えるようになり、錐形状のスプリング210を巾着内に入れ込むことをもっとし易くなる。しかし、このような構成において、柔性シート材223’(224’)は、第一の隣接辺227’と第二の隣接辺228’との双方の交点を繋ぐ線に対して対称していない。このため、第一の柔性シート材223’と第二の柔性シート材224’との間、及び第一の辺225’や第二の辺226’と錐形状のスプリング210との間には、いずれも、唯一な位置決め関係を備えると理解すればよい。勿論、他の構成をあってもよく、例えば、第二の隣接辺と第二の辺で形成される挟角が、鈍角又は鋭角であってもよい。
【0043】
なお、当業者は、第二の実施形態において、柔性カバーの材料と接続形態が第一の実施形態で説明されたものと同一である、と理解すればよい。
【0044】
本発明の第二点によれば、家具を製作するための弾性パッドをさらに提供し、当該弾性パッドは、多数の積重層(例えば、スポンジを含んてもよい)と上記のようなスプリングパッケージによって構成される。例えば,スプリングパッケージは、ベース構造上に形成された弾性モジュールに装着され、多数の弾性モジュールがスライドレールなどの構造を介して予定の陣列に従い装着枠に固定され、さらに、スポンジなどを含む積重層が弾性モジュールの陣列に敷設され、最終に、弾性パッドが形成される。
【0045】
本発明の第三方面によれば、家具をさらに提供し、当該家具は、上記のような弾性パッドと/或いは上記のようなスプリングパッケージを備えてもよい。
【0046】
本発明の弾性パッドと家具によれば、本発明のスプリングパッケージによって得られる技術的効果と同様な技術的効果を得られる。
【0047】
本発明の幾つかの実施形態に関する上記の説明は、関連分野での普通な技術者に対して説明するという目的として提供される。本発明を一つの開示された実施形態に排他的に限定する目的ではない。上記のように、当業者は、本発明の他の代替案と変形案を分かっている。このため、幾つかの代替性の実施形態を詳しく説明したが、当業者は、他の実施形態への開発を分かり、或いは相対的に行い易い。本発明は、ここで説明された本発明のすべての代替案と改進案と変形案及び上記のように記載された本発明の精神と範囲内に落ちる他の実施形態を含む。
【国際調査報告】