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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】電気自動車用の高電圧部品
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20240412BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20240412BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20240412BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20240412BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20240412BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240412BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20240412BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240412BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240412BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240412BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20240412BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240412BHJP
【FI】
H01B7/00 302
C08L101/02
C08L67/00
C08K7/14
C08K3/34
H01M50/505
H01M50/591
H01M50/588
H01M50/249
H01M50/296
H01R4/58 C
B60K1/04 Z ZHV
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560027
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 US2022024410
(87)【国際公開番号】W WO2022225749
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,448
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500100822
【氏名又は名称】ティコナ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケント
(72)【発明者】
【氏名】タウト,モニカ
【テーマコード(参考)】
3D235
4J002
5G309
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB12
3D235CC32
3D235FF32
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH44
3D235HH61
4J002AA031
4J002CF041
4J002CF161
4J002CF181
4J002DJ047
4J002DL007
4J002FA047
4J002FD017
4J002FD096
4J002GQ00
4J002GT00
5G309BA06
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AT06
5H040DD03
5H040DD05
5H040LL06
5H040NN00
5H040NN05
5H043AA04
5H043AA13
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA08
5H043CA21
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA25
5H043JA17F
5H043KA11F
5H043KA15F
5H043KA22F
5H043KA27F
5H043KA39F
5H043LA00F
5H043LA02F
5H043LA14F
5H043LA15F
5H043LA31F
5H043LA33F
5H043LA34F
5H043LA41F
(57)【要約】
電気自動車用の高電圧電気部品が提供される。前記部品は、液晶ポリマー含有ポリマーマトリックスを含むポリマー組成物を含む。前記組成物は、3ミリメートルの厚さにおいて、IEC 60112:2003にしたがって決定された場合、約125ボルト以上の比較トラッキング指数を示す。さらに、前記組成物は、約55~約75のL*値、約18~約38のa*値、および約22~約42のb*値によって特徴付けられるオレンジ色の表面を示し、ここで、L*、a*、およびb*は、ASTM D2244-16にしたがって、CIELAB単位を使用して計算される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用の高電圧電気部品であって、前記部品が、液晶ポリマー含有ポリマーマトリックスを含むポリマー組成物を含み、前記組成物が、3ミリメートルの厚さにおいて、IEC 60112:2003にしたがって決定された場合、約125ボルト以上の比較トラッキング指数を示し、さらに、前記組成物が、約55~約75のL*値、約18~約38のa*値、および約22~約42のb*値によって特徴付けられるオレンジ色の表面を示し、ここで、L*、a*、およびb*は、ASTM D2244-16にしたがって、CIELAB単位を使用して計算される、高電圧電気部品。
【請求項2】
前記ポリマー組成物が、約0.3ミリメートル~約3.2ミリメートルの厚さでUL94 V0の等級を示す、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項3】
前記ポリマー組成物が、ISO試験番号179-1:2010にしたがって23℃で測定された場合、約10kJ/m以上のノッチ付きシャルピー衝撃強度を有する、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項4】
前記ポリマー組成物が、ISO試験番号527:2019にしたがって23℃で決定された場合、約50~約500MPaの引張強度、約0.5%以上の引張破断ひずみ、および/または約5,000MPa~約30,000MPaの引張弾性率を示す、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が、ISO 75-2:2013にしたがって、1.8MPaの規定荷重で決定された場合、約200℃以上の荷重たわみ温度を示す、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項6】
前記液晶ポリマーが、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸、またはそれらの組み合わせから誘導される繰り返し単位を含有する、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項7】
前記ポリマーが、芳香族ジオール、芳香族アミド、芳香族アミン、またはそれらの組み合わせから誘導される1つまたは複数の繰り返し単位をさらに含む、請求項6に記載の高電圧電気部品。
【請求項8】
前記液晶ポリマーが、全芳香族性である、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項9】
前記液晶ポリマー中の、ナフテン系ヒドロキシカルボン酸および/またはナフテン系ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量が約15mol%以下である、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項10】
前記液晶ポリマーが、4-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、テレフタル酸、4,4’-ビフェノールおよびアセトアミノフェンから誘導されるモノマー単位を含有する、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項11】
前記ポリマーマトリックスが、前記ポリマー組成物の約30重量%~約80重量%を構成する、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項12】
オレンジ色着色剤が前記ポリマーマトリックス中に分散されている、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項13】
前記オレンジ色着色剤が、オレンジ色顔料、黄色顔料、赤色顔料、またはそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の高電圧電気部品。
【請求項14】
黄色顔料が、前記着色剤に用いられる顔料の総重量の約60重量%~約95重量%を構成し、オレンジ色顔料が、前記着色剤に用いられる顔料の総重量の約5重量%~約40重量%を構成する、請求項13に記載の高電圧電気部品。
【請求項15】
前記オレンジ色着色剤が、キャリア樹脂をさらに含有する、請求項12に記載の高電圧電気部品。
【請求項16】
前記キャリア樹脂が、液晶ポリマーを含む、請求項15に記載の高電圧電気部品。
【請求項17】
前記ポリマーマトリックス中に、前記ポリマーマトリックス100重量部に対して約10重量部~約80重量部の量で分散されたガラス繊維をさらに含む、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項18】
前記ポリマーマトリックス中に、前記ポリマーマトリックス100重量部に対して10重量部~約80重量部の量で分散された鉱物フィラーをさらに含む、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項19】
前記鉱物フィラーが、タルク粒子を含む、請求項18に記載の高電圧電気部品。
【請求項20】
前記電気部品が、電気コネクタである、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項21】
前記電気コネクタが、第1のコネクタ部分と第2のコネクタ部分とを備え、前記第1のコネクタ部分が、1つまたは複数の電気ピンを備え、前記第2のコネクタ部分が、前記1つまたは複数の電気ピンを受容するためのレセプタクルを備える、請求項20に記載の高電圧電気部品。
【請求項22】
バスバーである、請求項1に記載の高電圧電気部品。
【請求項23】
前記バスバーが、導電性主部の少なくとも一部を覆う絶縁性部分を含有し、前記絶縁性部分が、前記ポリマー組成物を含む、請求項22に記載の高電圧電気部品。
【請求項24】
第1のバッテリーセルおよび第2のバッテリーセルを含むバッテリーアセンブリであって、請求項23に記載の高電圧電気部品が、前記第1のバッテリーセルを前記第2のバッテリーセルに接続する、バッテリーアセンブリ。
【請求項25】
請求項1に記載の高電圧電気部品を備える、電気自動車。
【請求項26】
前記電気自動車が、少なくとも1つの電気推進源と、少なくとも1つのパワーエレクトロニクスモジュールを介して前記推進源に接続されるトランスミッションとを含むパワートレインを備える、請求項25に記載の電気自動車。
【請求項27】
前記推進源が、バッテリーアセンブリを含む、請求項26に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年4月19日の出願日を有する米国仮特許出願番号第63/176,448号に基づき、その優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]バッテリー式電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、マイルドハイブリッド電気自動車、またはフルハイブリッド電気自動車などの電気自動車は、一般に、電気推進源(例えば、バッテリー)およびトランスミッションを含有する電動パワートレインを有する。プラスチック絶縁材料は、高電圧コネクタ、電力コンバータハウジング、バッテリーアセンブリハウジング、バスバー(busbar)、ツイストケーブル、個々のセンスリードワイヤ、ワイヤクリンプ、グロメットモールディングなど、電気自動車のさまざまな部品に用いられることが多い。部品が高電圧用であることをユーザーや設置者に知らせるのを助けるために、プラスチック絶縁体がオレンジ色(例えば、米国規格では480VAC)であることが望まれることが多い。しかしながら、1つの問題は、多くのプラスチック材料において、高電圧における絶縁特性などの他の特性に悪影響を与えることなくオレンジ色を得ることが困難な場合が多いということである。そのため、現在、電気自動車に用いられるような、オレンジ色を呈し、なおかつ他の望ましい特性を保持することができる高電圧電気部品が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明の一実施形態によれば、電気自動車用の高電圧電気部品が開示される。前記部品は、液晶ポリマー含有ポリマーマトリックスを含むポリマー組成物を含む。前記組成物は、3ミリメートルの厚さにおいて、IEC 60112:2003にしたがって決定された場合、約125ボルト以上の比較トラッキング指数を示す。さらに、前記組成物は、約55~約75のL*値、約18~約38のa*値、および約22~約42のb*値によって特徴付けられるオレンジ色の表面を示し、ここで、L*、a*、およびb*は、ASTM D2244-16にしたがって、CIELAB単位を使用して計算される。
【0004】
[0004]本発明の他の特徴および態様は、以下においてより詳細に記載される。
[0005]当業者にとって最良の形式を含む、本発明の完全かつ実施可能な程度の開示は、以下を含む添付の図面を参照することを含め、本明細書の残りの部分に、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】[0006]本発明に従って形成され得るバスバーの一実施形態を示す図である。
図2】[0007]本発明に従って形成され得るバスバーの別の実施形態を示す図である。
図3】[0008]絶縁コーティングの切断図を含む、本発明に従って形成され得るバスバーの一部を示す図である。
図4】[0009]本発明に従って形成され得るバスバーの一実施形態の端部を示す図である。
図5】[0010]本発明に従って形成され得るコネクタの一実施形態の透視図である。
図6】[0011]第1および第2のコネクタ部分が係合解除された図5のコネクタの平面図である。
図7】[0012]第1および第2のコネクタ部分が係合された図5のコネクタの平面図である。
図8】[0013]本発明に従って形成され得る部品の例を示す。
図9】[0014]本発明の高電圧電気部品を用いることができる電気自動車の一実施形態を示す図である。
図10】[0015]本発明の高電圧電気部品を用いることができるバッテリーアセンブリを示す図である。
図11】[0016]本発明において用いられ得る、複数のバッテリーセルが並べられたバスバーの2つの透視図である。
図12】[0017]本発明において用いられ得る、ハウジングを含むバッテリーアセンブリに嵌合された図11のバスバーを示す図である。
図13】[0018]本発明において用いられ得る、複数のバッテリーセルが並べられたバスバーの別の実施形態を示す図である。
図14】[0019]本発明において用いられ得るバッテリーアセンブリの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0020]本明細書および図面における参照符号の繰り返し使用は、本発明の同じまたは類似の特徴または要素を表すことが意図されている。
[0021]本議論は、例示的な実施形態の記載のみであり、本発明のより広範な態様を限定することが意図されるものではないことは、当業者には理解されよう。
【0007】
[0022]一般的に言えば、本発明は、バッテリー駆動電気自動車、燃料電池駆動電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、マイルドハイブリッド電気自動車(MHEV)、フルハイブリッド電気自動車(FHEV)などの電気自動車に使用され得る高電圧電気部品に関する。例えば、電気部品は、バスバー、ブラケット、インサート、コネクタ、ハウジングなどであってもよい。電気部品は、約200ボルト以上、例えば約200ボルト~約1000ボルト、またはいくつかの実施形態において約400ボルト~約800ボルトの動作電圧で動作するように構成されていてもよい。電気部品は、部品の導電性部分を絶縁するよう機能することができるポリマー組成物を含む。例えば、ポリマー組成物は、バスバーの導電性主部を周囲の部品から絶縁することができる。
【0008】
[0023]本発明者らは、ポリマー組成物中の成分の性質および相対濃度を選択的に制御することにより、比較的小さい厚さの値、例えば、約8ミリメートル以下、いくつかの実施形態において約4ミリメートル以下、いくつかの実施形態において約0.2~約3.2ミリメートル以下、いくつかの実施形態において約0.4~約1.6ミリメートル、いくつかの実施形態において約0.4~約0.8ミリメートルでも、得られるポリマー組成物において、絶縁特性とオレンジ色との、特徴的な組み合わせを実現することができることを発見した。前記ポリマー組成物の絶縁特性は、上述のような部分厚さ(例えば、3ミリメートル)において、例えばIEC 60112:2003にしたがって決定された場合、約125ボルト以上、いくつかの実施形態において約150ボルト以上、いくつかの実施形態において約170ボルト以上、いくつかの実施形態において約180~約300ボルトなどの高い比較トラッキング指数(「CTI」)によって特徴付けられ得る。高いCTI値を示す一方で、組成物は依然としてオレンジ色を示し得る。オレンジ色は、ASTM D2244-16にしたがって、照度D65、鏡面反射条件を含む10°観察者の下でCIELAB単位を使用して特徴付けられ得る。本方法は、3つの色座標L*、a*、およびb*を規定する。これらの座標は色知覚の反対色説(opponent theory)に基づく知覚色の3つの特性に対応し、以下のように規定される。
【0009】
L*=0~100の範囲の明度値で、0=黒、100=白である。
a*=-150~100の範囲の赤/緑軸で、正の値は赤味、負の値は緑味が強い。
b*=-100~100の範囲の黄/青軸で、正の値は黄味、負の値は青味が強い。
【0010】
[0024]より詳細には、ポリマー組成物(または該組成物から形成される成形部品)は、約55~約75、いくつかの実施形態において約58~約72、いくつかの実施形態において約59~約70、いくつかの実施形態において約60~約66のL*値;約18~約38、いくつかの実施形態において約19~約36、いくつかの実施形態において約21~約32、いくつかの実施形態において約24~約30のa*値;および/または約22~約42、いくつかの実施形態において約24~約40、いくつかの実施形態において約27~約38、いくつかの実施形態において約28~約36のb*値を示すオレンジ色を有する表面を示し得る。
【0011】
[0025]ポリマー組成物はまた、難燃性および耐熱性であり得る。燃焼性は、「Tests for Flammability of Plastic Materials, UL94」と題されたUnderwriter’s Laboratory Bulletin 94の手順に従って特徴付けられ得る。以下に詳述するように、消火までの時間(5つの試験片のセットにおける合計残炎時間)および耐ドリップ性を基準にして、いくつかの等級が適用され得る。この手順によれば、例えば、組成物は、上述のような部分厚さ(例えば、約0.3~約3.2ミリメートル、約0.4~約2ミリメートル、約0.5ミリメートル~約1ミリメートル、例えば、0.8ミリメートル)でV0の等級を示すことができる。これは、約50秒以下の合計残炎時間を有することを意味する。V0の等級を得るために、組成物はまた、綿に引火する燃焼粒子の総落下数0を示すことができる。
【0012】
[0026]優れた絶縁特性および熱特性に加えて、ポリマー組成物は、高電圧用途での使用に望ましい機械的特性を示すことができる。例えば、組成物は、ISO試験番号179-1:2010にしたがって23℃で測定された場合、約10kJ/m以上、いくつかの実施形態において約20~約40kJ/m、いくつかの実施形態において約25~約30kJ/mのシャルピー衝撃強度(例えば、ノッチ付き)を示し得る。組成物はまた、約50~約500MPa、いくつかの実施形態において約80~約400MPa、いくつかの実施形態において約100~約350MPaの引張強度;約0.5%以上、いくつかの実施形態において約0.8%~約15%、いくつかの実施形態において約1%~約10%の引張破断ひずみ;および/または約5,000MPa~約30,000MPa、いくつかの実施形態において約7,000MPa~約25,000MPa、いくつかの実施形態において約10,000MPa~約20,000MPaの引張弾性率を示し得る。引張特性は、ISO試験番号527:2019にしたがって23℃で決定され得る。組成物はまた、約80~約500MPa、いくつかの実施形態において約100~約400MPa、いくつかの実施形態において約150~約350MPaの曲げ強度;約0.5%以上、いくつかの実施形態において約0.8%~約15%、いくつかの実施形態において約1%~約10%の曲げ破断ひずみ;および/または約7,000MPa以上、いくつかの実施形態において約9,000MPa以上、いくつかの実施形態において約10,000MPa~約30,000MPa、いくつかの実施形態において約12,000MPa~約25,000MPaの曲げ弾性率を示し得る。曲げ特性は、ISO試験番号178:2019にしたがって23℃で決定され得る。組成物はまた、ISO試験番号75-2:2013にしたがって、1.8MPaの規定荷重で測定された場合、約200℃以上、いくつかの実施形態において約240℃以上、いくつかの実施形態において約250℃~約300℃の荷重たわみ温度(DTUL)を示し得る。
【0013】
[0027]ここで、本発明のさまざまな態様がより詳細に説明される。
I.ポリマー組成物
A.ポリマーマトリックス
[0028]ポリマー組成物は、1種または複数の液晶ポリマーを含むポリマーマトリックスを含有する。ポリマーマトリックスは、一般に、ポリマー組成物の約30重量%~約80重量%、いくつかの実施形態において約40重量%~約75重量%、いくつかの実施形態において約50重量%~約70重量%を構成する。液晶ポリマーは、ポリマーの特定の性質に応じて、比較的高いガラス転移温度および/または高い融解温度を有するという点で、一般に「高性能」ポリマーと考えられる。このような高性能ポリマーは、したがって、得られるポリマー組成物にかなりの程度の耐熱性をもたらすことができる。例えば、液晶ポリマーは、約220℃以上、いくつかの実施形態において約260℃~約420℃、いくつかの実施形態において約300℃~約400℃の融解温度を有し得る。融解温度は、当該技術分野において周知のように、示差走査熱量測定(「DSC」)を使用して決定されてもよく、例えば、ISO試験番号11357-3:2018によって決定される。
【0014】
[0029]液晶ポリマーは、金型の小さな空間を効果的に充填することを可能にする高い結晶化度を有する。液晶ポリマーは、一般に、棒状構造を有し、溶融状態(例えば、サーモトロピックネマティック状態)において結晶挙動を示し得る限り、「サーモトロピック」に分類される。このようなポリマーは、当該技術分野において公知であるように、1種または複数の繰り返し単位から形成され得る。液晶ポリマーは、例えば、一般に以下の式(I)で表される1種または複数の芳香族エステル繰り返し単位を含有してもよい。
【0015】
【化1】
(式中、
環Bは、置換もしくは非置換の6員アリール基(例えば、1,4-フェニレンもしくは1,3-フェニレン)、置換もしくは非置換の5員もしくは6員アリール基と縮合した置換もしくは非置換の6員アリール基(例えば、2,6-ナフタレン)、または置換もしくは非置換の5員もしくは6員アリール基と結合した置換もしくは非置換の6員アリール基(例えば、4,4-ビフェニレン)であり;
およびYは、独立して、O、C(O)、NH、C(O)HN、またはNHC(O)である)
[0030]典型的には、YおよびYのうちの少なくとも1つはC(O)である。このような芳香族エステル繰り返し単位の例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸繰り返し単位(式I中、YおよびYはC(O)である)、芳香族ヒドロキシカルボン酸繰り返し単位(式I中、YはOであり、YはC(O)である)、ならびにこれらのさまざまな組み合わせを挙げることができる。
【0016】
[0031]芳香族ヒドロキシカルボン酸繰り返し単位は、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸;4-ヒドロキシ-4’-ビフェニルカルボン酸;2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸;2-ヒドロキシ-5-ナフトエ酸;3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸;2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸;4’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸;3’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸;4’-ヒドロキシフェニル-3-安息香酸などから誘導されるもの、ならびにそれらのアルキル、アルコキシ、アリールおよびハロゲン置換基、ならびにそれらの組み合わせが用いられ得る。特に好適な芳香族ヒドロキシカルボン酸は、4-ヒドロキシ安息香酸(「HBA」)および6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(「HNA」)である。用いられる場合、ヒドロキシカルボン酸(例えば、HBAおよび/またはHNA)から誘導される繰り返し単位は、典型的には、ポリマーの約40mol%以上、いくつかの実施形態において約45mol%以上、いくつかの実施形態において約50mol%~100mol%を構成する。一実施形態において、例えば、HBAから誘導される繰り返し単位は、ポリマーの約30mol%~約90mol%を構成してもよく、いくつかの実施形態においてポリマーの約40mol%~約85mol%を構成してもよく、いくつかの実施形態においてポリマーの約50mol%~約80mol%を構成してもよい。HNAから誘導される繰り返し単位も同様に、ポリマーの約1mol%~約30mol%、いくつかの実施形態においてポリマーの約2mol%~約25mol%、いくつかの実施形態においてポリマーの約3mol%~約15mol%を構成してもよい。
【0017】
[0032]芳香族ジカルボン酸繰り返し単位はまた、芳香族ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニル、ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4-カルボキシフェニル)ブタン、ビス(4-カルボキシフェニル)エタン、ビス(3-カルボキシフェニル)エーテル、ビス(3-カルボキシフェニル)エタンなどから誘導されるもの、ならびにそれらのアルキル、アルコキシ、アリールおよびハロゲン置換基、ならびにそれらの組み合わせが用いられ得る。特に好適な芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸(「TA」)、イソフタル酸(「IA」)、および2,6-ナフタレンジカルボン酸(「NDA」)を挙げることができる。用いられる場合、芳香族ジカルボン酸(例えば、IA、TA、および/またはNDA)から誘導される繰り返し単位は、典型的には、ポリマーの約1mol%~約50mol%、いくつかの実施形態において約2mol%~約40mol%、いくつかの実施形態において約5mol%~約30mol%を構成する。
【0018】
[0033]他の繰り返し単位もポリマー中に用いられ得る。特定の実施形態において、例えば、芳香族ジオール、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(または、4,4’-ビフェノール)、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンなどから誘導される繰り返し単位、ならびにそれらのアルキル、アルコキシ、アリールおよびハロゲン置換基、およびそれらの組み合わせが用いられ得る。特に好適な芳香族ジオールとしては、例えば、ヒドロキノン(「HQ」)および4,4’-ビフェノール(「BP」)を挙げることができる。用いられる場合、芳香族ジオール(例えば、HQおよび/またはBP)から誘導される繰り返し単位は、典型的には、ポリマーの約1mol%~約30mol%、いくつかの実施形態において約2mol%~約25mol%、いくつかの実施形態において約5mol%~約20mol%を構成する。また、芳香族アミド(例えば、アセトアミノフェン(「APAP」))および/または芳香族アミン(例えば、4-アミノフェノール(「AP」)、3-アミノフェノール、1,4-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミンなど)から誘導される繰り返し単位なども用いられ得る。用いられる場合、芳香族アミド(例えば、APAP)および/または芳香族アミン(例えば、AP)から誘導される繰り返し単位は、典型的には、ポリマーの約0.1mol%~約20mol%、いくつかの実施形態において約0.5mol%~約15mol%、いくつかの実施形態において約1mol%~約10mol%を構成する。また、さまざまな他のモノマー繰り返し単位がポリマーに組み込まれてもよいことが理解されるべきである。例えば、特定の実施形態において、ポリマーは、脂肪族または脂環式ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、アミド、アミンなどの非芳香族モノマーから誘導される1つまたは複数の繰り返し単位を含有してもよい。もちろん、他の実施形態において、ポリマーは、非芳香族(例えば、脂肪族または脂環式)モノマーから誘導される繰り返し単位がないという点で、「全芳香族性」であってもよい。
【0019】
[0034]必ずしも必要ではないが、液晶ポリマーは、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸(「NDA」)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(「HNA」)、などの、ナフテン系ヒドロキシカルボン酸およびナフテン系ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位、またはそれらの組み合わせの含有量が比較的少ないという点で、「低ナフテン系」ポリマーであってもよい。すなわち、ナフテン系ヒドロキシカルボン酸および/またはジカルボン酸(例えば、NDA、HNA、またはHNAとNDAとの組み合わせ)から誘導される繰り返し単位の総量は、典型的には、ポリマーの約15mol%以下、いくつかの実施形態において約10mol%以下、いくつかの実施形態において約1mol%~約8mol%である。
【0020】
B.オレンジ色着色剤
[0035]オレンジ色着色剤は、一般に、所望の色をもたらすためにポリマーマトリックス中に分散される。着色剤は、例えば、オレンジ色顔料、黄色顔料、赤色顔料などの、所望のオレンジ色をもたらす1種または複数の顔料、およびそれらの組み合わせを含むことができる。特に好適な顔料としては、これらに限定されないが、Paliotol(登録商標) Yellow K 0961 HD、Paliotol(登録商標) Yellow K 1700、Paliotol(登録商標) Yellow K 1841、Paliotol(登録商標) Yellow K 1800、Paliotol(登録商標) Yellow K 2270、Diarylide Yellow (opaque) 1270、Rightfit(登録商標) Yellow K 1220、Rightfit(登録商標) Yellow 8G 1222、Rightfit(登録商標) Yellow R 1226、Rightfit(登録商標) Yellow K 1994、Rightfit(登録商標) Yellow 1292、Rightfit(登録商標) Yellow 1293、Rightfit(登録商標) Yellow 1296、Rightfit(登録商標) Yellow 3R 1298、Synergy(登録商標) Yellow HG 6202、Synergy(登録商標) Yellow 6204、Synergy(登録商標) Yellow 6205、Synergy(登録商標) Yellow 6207、Synergy(登録商標) Yellow 6210、Synergy(登録商標) Yellow 6213、Synergy(登録商標) Yellow 6222、Synergy(登録商標) Yellow 6223、Synergy(登録商標) Yellow 6225、Synergy(登録商標) Yellow 6226、Synergy(登録商標) Yellow 6233、Synergy(登録商標) Yellow 6234、Synergy(登録商標) Yellow 6235、Synergy(登録商標) Yellow 6261、Synergy(登録商標) Yellow 6268、Synergy(登録商標) Yellow 6290、Synergy(登録商標) Yellow 6298、Paliotol(登録商標) Orange K 2920、Dianisidine Orange 2915、Synergy(登録商標) Orange 6103、Synergy(登録商標) Orange 6106、Synergy(登録商標) Orange 6112、Synergy(登録商標) Orange 6113、Synergy(登録商標) Orange Y 6114、Synergy(登録商標) Orange RL 6118、Synergy(登録商標) Orange Y 6135、Synergy(登録商標) Orange HL 6136、Synergy(登録商標) Orange 6139、Synergy(登録商標) Orange G 6164、Synergy(登録商標) Orange 6170、PV FAST(登録商標) orange 6RL、fast light(登録商標) yellow 5GL、direct fast yellow 2R、directly Everbright(登録商標) fast yellow 5R、direct fast yellow GC、direct fast yellow G、direct fast yellow RS、direct fast yellow L-5R、direct fast yellow ARL、directly Everbright(登録商標) fast orange TGL、direct Fast Orange GGL、Vulcan(登録商標) Fast Yellow、C. I. 12055 red、C. I. 12075 Permanent Orange、C. I. 12175 Lithol Fast Orange 3GL 、C. I. 12305 Permanent Orange GTR、C. I. 11725 Hansa Yellow 3R、C. I. 21165 Vulcan(登録商標) Fast Orange GG、Paliogen(登録商標) Red K 3580、Paliogen(登録商標) Red K 3911 H、Citation(登録商標) Red Light Barium 1058、Naphthol Red Light 3169、Naphthol Red 3170、Naphthol Red 3172、Naphthol Red 3175、MadderLake conc. 1092、Pigment Scarlet 1060、Rightfit(登録商標) Red K 3790、Rightfit(登録商標) Red K 4350、Rightfit(登録商標) Red 1117、Rightfit(登録商標) Pink 1118、Synergy(登録商標) Scarlet 6012、Synergy(登録商標) Red 6016、Synergy(登録商標) Red 6019、Synergy(登録商標) Red 6054、Synergy(登録商標) Red 6065、Synergy(登録商標) Red 6069、Synergy(登録商標) Red 6075、Transbarium 2B Red 1057、Synergy(登録商標) Magenta 6062、Synergy(登録商標) Red 6027、Supermaroon ST 1090、Paliogen(登録商標) Red K 4180を挙げることができる。
【0021】
[0036]特定の実施形態において、所望の色を得るために、顔料の組み合わせが用いられ得る。例えば、着色剤は、1種または複数のオレンジ色顔料と組み合わせて、1種または複数の黄色顔料を含有してもよい。このような場合、黄色顔料は、着色剤に用いられる顔料の総重量の約60重量%~約95重量%、いくつかの実施形態において約70重量%~約95重量%、いくつかの実施形態において約80重量%~約92重量%、およびポリマー組成物全体の約0.1重量%~約8重量%、いくつかの実施形態において約0.2重量%~約6重量%、いくつかの実施形態において約0.5重量%~約4重量%を構成してもよい。オレンジ色顔料も同様に、着色剤に用いられる顔料の総重量の約5重量%~約40重量%、いくつかの実施形態において約5重量%~約30重量%、いくつかの実施形態において約8重量%~約20重量%、およびポリマー組成物全体の約0.01重量%~約1重量%、いくつかの実施形態において約0.05重量%~約0.8重量%、いくつかの実施形態において約0.1重量%~約0.6重量%を構成してもよい。ポリマー組成物中で用いられる顔料の総量は、典型的には、ポリマー組成物全体の約0.2重量%~約10重量%、いくつかの実施形態において約0.3重量%~約8重量%、いくつかの実施形態において約0.6重量%~約5重量%の範囲である。
【0022】
[0037]所望により、着色剤はまた、顔料が取り扱われ、ポリマーマトリックスに組み込まれやすくするために、キャリア樹脂を含むこともできる。任意の公知のキャリア樹脂がこの目的のために用いられ得るが、キャリア樹脂が上記のような液晶ポリマーを含むことが特に望まれる。実際、特定の実施形態において、キャリア樹脂の液晶ポリマーは、ポリマーマトリックスに用いられる液晶ポリマーと同じ融解温度および/またはモノマー成分を有する。キャリア樹脂は、典型的には、顔料とあらかじめブレンドされて着色剤マスターバッチを形成し、後にポリマーマトリックスと組み合わされ得る。用いられる場合、キャリア樹脂は、典型的には、着色剤の約60重量%~約99重量%、いくつかの実施形態において約70重量%~約95重量%、いくつかの実施形態において約80重量%~約90重量%を構成する。顔料も同様に、着色剤の約1重量%~約40重量%、いくつかの実施形態において約5重量%~約30重量%、いくつかの実施形態において約10重量%~約20重量%を構成してもよい。
【0023】
[0038]決して必須ではないが、顔料をキャリア樹脂、ポリマーマトリックス、および/または組成物の他の成分と処理されやすくするのを助けるために、着色剤中に相溶化剤を用いることも望ましい場合がある。用いられる場合、そのような相溶化剤は、着色剤の約0.01重量%~約8重量%、いくつかの実施形態において、約0.1重量%~約4重量%、いくつかの実施形態において、約0.2重量%~約3重量%、およびポリマー組成物全体の約0.001重量%~約2重量%、いくつかの実施形態において約0.01重量%~約0.8重量%、いくつかの実施形態において約0.05重量%~約0.5重量%を構成してもよい。用いられ得る1つの好適な相溶化剤は、鉱物油である。鉱物油は、さまざまな分子量の直鎖状、分枝鎖状および環状アルカン(パラフィン)を主成分とする化学的に不活性な油であり、白色ワセリンと関連している。好適な鉱物油としては、例えば、Blandol(登録商標)白色鉱物油、Carnation(登録商標)白色鉱物油、Klearol(登録商標)白色鉱物油、Semtol(登録商標)白色鉱物油、Witco 40 Oil(登録商標)白色鉱物油が挙げられる。
【0024】
C.無機繊維
[0039]機械的特性を向上させるのを助けるために、ポリマー組成物は、ポリマーマトリックス中に分散された無機繊維を任意選択で含有してもよい。このような繊維は、例えば、ポリマーマトリックス100重量部に対して約10~約80部、いくつかの実施形態において約20~約70部、いくつかの実施形態において約30~約60部を構成してもよい。無機繊維は、同様に、ポリマー組成物の約5重量%~約50重量%、いくつかの実施形態において約10重量%~約45重量%、いくつかの実施形態において約15重量%~約35重量%を構成してもよい。無機繊維は一般に、その質量に対して高い引張強度を有する。例えば、繊維の極限引張強度は、典型的には約1,000~約15,000MPa、いくつかの実施形態において約2,000MPa~約10,000MPa、いくつかの実施形態において約3,000MPa~約6,000MPaである。高強度繊維は、ガラス、セラミック(例えば、アルミナまたはシリカ)など、およびそれらの混合物のような、事実上電気絶縁性でもある材料から形成されてもよい。ガラス繊維、例えば、Eガラス、Aガラス、Cガラス、Dガラス、ARガラス、Rガラス、S1ガラス、S2ガラスなど、およびそれらの混合物が特に好適である。無機繊維は、例えばISO 13320:2009にしたがって、レーザー回折技術を使用して(例えば、Horiba LA-960粒子径分布測定装置で)決定された場合、約50マイクロメートル以下、いくつかの実施形態において約0.1~約40マイクロメートル、いくつかの実施形態において約2~約20マイクロメートルなどの比較的小さいメディアン径を有し得る。このような繊維の直径が小さいと、溶融混練の際に繊維の長さをより容易に短くすることができ、これにより表面外観および機械的特性をさらに向上させることができると考えられる。ポリマー組成物の形成後、例えば、無機繊維の平均長さは、約10~約800マイクロメートル、いくつかの実施形態において約100~約700マイクロメートル、いくつかの実施形態において約200~約600マイクロメートルなど、比較的小さくてもよい。無機繊維はまた、約1~約100、いくつかの実施形態において約10~約60、いくつかの実施形態において約30~約50などの比較的高いアスペクト比(平均長さを公称直径で割った値)を有してもよい。
【0025】
D.鉱物フィラー
[0040]所望により、ポリマー組成物はまた、1種または複数の鉱物フィラーを含有し得る。用いられる場合、そのような鉱物フィラーは、典型的には、ポリマーマトリックス100重量部に対して約10~約80部、いくつかの実施形態において約20~約70部、いくつかの実施形態において約30~約60部を構成してもよい。鉱物フィラーは、例えば、ポリマー組成物の約1重量%~約50重量%、いくつかの実施形態において約5重量%~約30重量%、いくつかの実施形態において約10重量%~約20重量%を構成してもよい。本発明者は、鉱物フィラーの種類および相対量を選択的に調整することにより、機械的特性が向上し得るだけでなく、ポリマー組成物の他の特性に大きな影響を与えることなく熱伝導率が高められ得ることを発見した。これにより、組成物が、得られる電子デバイスを離れる熱伝達のための熱経路を生成することができるため、「ホットスポット」が迅速に除去され得、使用中の全体的な温度が下げられ得る。組成物は、例えば、ASTM E 1461-13にしたがって決定された場合、約0.2W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.5W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.6W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.8W/m・K以上、いくつかの実施形態において約1~約3.5W/m・Kの面内方向熱伝導率を示し得る。組成物はまた、ASTM E 1461-13にしたがって決定された場合、約0.3W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.5W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.40W/m・K以上、いくつかの実施形態において約0.7~約2W/m・Kの面外方向熱伝導率を示し得る。このような熱伝導率は、固有の熱伝導率が高い従来の材料を使用することなく達成され得る。例えば、ポリマー組成物は、固有の熱伝導率が50W/m・K以上、いくつかの実施形態において100W/m・K以上、いくつかの実施形態において150W/m・K以上であるフィラーを一般に含まなくてもよい。このような固有の熱伝導率が高い材料の例としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素マグネシウム、グラファイト(例えば、膨張グラファイト)、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、アルミニウム粉末、および銅粉末を挙げることができる。通常、このような固有の熱伝導率が高い材料の存在を最小限に抑えることが望まれるが、それでも、このような材料は、特定の実施形態においてポリマー組成物の約10重量%以下、いくつかの実施形態において約5重量%以下、いくつかの実施形態において約0.01重量%~約2重量%の量など、比較的少ない割合で存在してもよい。
【0026】
[0041]ポリマー組成物に用いられる鉱物フィラーの性質は、鉱物粒子、鉱物繊維(または「ウィスカー」)など、およびそれらのブレンドなど、さまざまであってもよい。好適な鉱物繊維としては、例えば、ケイ酸塩から誘導されるもの、例えば、ネオケイ酸塩、ソロケイ酸塩、イノケイ酸塩(例えば、ウォラストナイトなどのカルシウムイノケイ酸塩;トレモライトなどのカルシウムマグネシウムイノケイ酸塩;アクチノライトなどのカルシウムマグネシウム鉄イノケイ酸塩;アンソフィライトなどのマグネシウム鉄イノケイ酸塩;など)、フィロケイ酸塩(例えば、パリゴルスカイトなどのアルミニウムフィロケイ酸塩)、テクトケイ酸塩など;硫酸塩、例えば硫酸カルシウム(例えば、半水石膏(dehydrated gypsum)または無水石膏);ミネラルウール(例えば、ロックまたはスラグウール);などを挙げることができる。特に好適なものは、イノケイ酸塩、例えばNyco Minerals社からNYGLOS(登録商標)(例えば、NYGLOS(登録商標) 4WまたはNYGLOS(登録商標) 8)の商品名で入手可能なウォラストナイト繊維である。鉱物繊維は、約1~約35マイクロメートル、いくつかの実施形態において約2~約20マイクロメートル、いくつかの実施形態において約3~約15マイクロメートル、いくつかの実施形態において約7~約12マイクロメートルのメディアン径を有してもよい。鉱物繊維はまた、狭いサイズ分布を有することができる。すなわち、繊維の少なくとも約60体積%、いくつかの実施形態において繊維の少なくとも約70体積%、いくつかの実施形態において繊維の少なくとも約80体積%が、上述の範囲内のサイズを有してもよい。理論によって限定されることを意図するものではないが、上述のサイズ特性を有する鉱物繊維は、成形装置内をより容易に移動することができ、これはポリマーマトリックス中での分布を向上させ、表面欠陥の発生を最小限に抑えると考えられる。上述のサイズ特性を有することに加えて、鉱物繊維は、得られるポリマー組成物の機械的特性および表面品質をさらに向上させるのを助ける、比較的高いアスペクト比(平均長さをメディアン径で割った値)を有してもよい。例えば、鉱物繊維は、約2~約100、いくつかの実施形態において約2~約50、いくつかの実施形態において約3~約20、いくつかの実施形態において約4~約15のアスペクト比を有してもよい。このような鉱物繊維の体積平均長さは、例えば、約1~約200マイクロメートル、いくつかの実施形態において約2~約150マイクロメートル、いくつかの実施形態において約5~約100マイクロメートル、いくつかの実施形態において約10~約50マイクロメートルの範囲であってもよい。
【0027】
[0042]他の好適な鉱物フィラーは、鉱物粒子である。粒子の平均直径は、例えば、約5マイクロメートル~約200マイクロメートル、いくつかの実施形態において約8マイクロメートル~約150マイクロメートル、いくつかの実施形態において約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの範囲であってもよい。粒子の形状は、粒状、フレーク状など、所望に応じてさまざまであってもよい。いくつかの実施形態において、粒子は、沈降分析(例えば、Sedigraph 5120)によって決定された場合、約1~約25マイクロメートル、いくつかの実施形態において約2~約15マイクロメートル、いくつかの実施形態において約4~約10マイクロメートルのメディアン粒子径(D50)を有してもよい。所望される場合、粒子はまた、約1平方メートル/グラム(m/g)~約50m/g、いくつかの実施形態において約1.5m/g~約25m/g、いくつかの実施形態において約2m/g~約15m/gなどの高い比表面積を有してもよい。表面積は、DIN 66131:1993に準拠した物理ガス吸着(BET)法(吸着ガスは窒素)によって決定され得る。含水率はまた、105℃の温度でISO 787-2:1981にしたがって決定される場合、約5%以下、いくつかの実施形態において約3%以下、いくつかの実施形態において約0.1~約1%など、比較的低くてもよい。
【0028】
[0043]その特性にかかわらず、粒子は、典型的には、タルク、マイカ、ハロイサイト、カオリナイト、イライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、パイロフィライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ウォラストナイトなどの天然および/または合成ケイ酸塩鉱物から形成される。タルクとマイカが特に好適である。一般に、任意の形態のマイカが用いられてもよく、例えば、白雲母(KAl(AlSi)O10(OH))、黒雲母(K(Mg,Fe)(AlSi)O10(OH))、金雲母(KMg(AlSi)O10(OH))、リチア雲母(K(Li,Al)2-3(AlSi)O10(OH))、海緑石(K,Na)(Al,Mg,Fe)(Si,Al)10(OH))などが挙げられる。
【0029】
E.任意成分
[0044]ポリマー組成物にはまた、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、難燃剤、ドリップ防止添加剤、核剤(例えば、窒化ホウ素)、および特性や加工性を向上させるために添加される他の材料など、多種多様な追加の添加剤が含まれてもよい。潤滑剤は、例えば、ポリマー組成物の約0.05重量%~約1.5重量%、いくつかの実施形態において約0.1重量%~約0.5重量%(重量比)の量でポリマー組成物中に用いられ得る。このような潤滑剤の例としては、エンジニアリングプラスチック材料の加工において潤滑剤として一般的に使用される種類の脂肪酸エステル、その塩、エステル、脂肪酸アミド、有機リン酸エステル、および炭化水素ワックス(これらの混合物を含む)が挙げられる。好適な脂肪酸は、典型的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、モンタン酸、オクタデシン酸、パリン酸などのように、炭素原子が約12~約60個の骨格炭素鎖を有する。好適なエステルとしては、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールエステル、ワックスエステル、グリセリンエステル、グリコールエステル、複合エステルが挙げられる。脂肪酸アミドとしては、脂肪酸第一級アミド、脂肪酸第二級アミド、メチレンおよびエチレンビスアミド、ならびに例えばパルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N,N’-エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルカノールアミドが挙げられる。また、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸の金属塩、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、酸化ポリオレフィンワックス、およびマイクロクリスタリンワックスを含む炭化水素ワックスも好適である。特に好適な潤滑剤は、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸カルシウム、またはN,N’-エチレンビスステアラミドなどのステアリン酸の酸、塩、またはアミドである。
【0030】
II.形成
[0045]ポリマー組成物の成分(例えば、液晶ポリマー、着色剤など)は、一緒に溶融加工または溶融混練され得る。成分は、バレル(例えば、円筒形バレル)内に回転可能に取り付けられ受容された少なくとも1つのスクリューを含み、スクリューの長さに沿って供給セクションおよび供給セクションの下流に位置する溶融セクションを画定し得る押出機に、別々にまたは組み合わせて供給され得る。押出機は、単軸または二軸押出機であってもよい。スクリューの速度は、所望の滞留時間、せん断速度、溶融処理温度などが得られるように選択されてもよい。例えば、スクリュー速度は、約50~約800回転毎分(「rpm」)、いくつかの実施形態において約70~約150rpm、いくつかの実施形態において約80~約120rpmの範囲であってもよい。溶融混練中の見かけのせん断速度はまた、約100sec-1~約10,000sec-1、いくつかの実施形態において約500sec-1~約5000sec-1、いくつかの実施形態において約800sec-1~約1200sec-1の範囲であってもよい。見かけのせん断速度は、4Q/πR(ここで、Qはポリマー溶融物の体積流量(「m/s」)であり、Rは溶融ポリマーが流れるキャピラリー(例えば、押出機ダイ)の半径(「m」)である)に等しい。
【0031】
[0046]ポリマー組成物が形成される特定の手法にかかわらず、得られるポリマー組成物は優れた熱特性を有することができる。例えば、ポリマー組成物の溶融粘度は、小さな寸法を有する金型のキャビティに容易に流入することができるように十分に低くてもよい。特定の一実施形態において、ポリマー組成物は、1,000sec-1のせん断速度で決定された場合、約10~約250Pa・s、いくつかの実施形態において約15~約200Pa・s、いくつかの実施形態において約20~約150Pa・s、およびいくつかの実施形態において約30~約100Pa・sの溶融粘度を有してもよい。溶融粘度は、組成物の融解温度よりも15℃高い温度(例えば、約335℃の融解温度に対して約350℃)で、ISO試験番号11443:2021にしたがって決定され得る。
【0032】
III.高電圧電気部品
[0047]本明細書に記載されるポリマー組成物を使用して、さまざまな異なる高電圧電気部品が形成され得る。例えば、電気部品は、第1の端子(例えば、正極端子)を有する第1のバッテリーおよび第2の端子(例えば、正極端子または負極端子)を有する第2のバッテリーを含有するバッテリーアセンブリに用いられ得る。バッテリーの第1および第2の端子は、導電性主部と絶縁性部分とを含むバスバーで互いに接続されていてもよい。絶縁性部分は、本発明のポリマー組成物から形成されていてもよい。
【0033】
[0048]図1を参照すると、導電性主部12を含むバスバー10の一実施形態が示されている。主部12は、銅、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性材料18を含み、一般に、中実の棒、中空の管などの形態であってもよい。バスバー10は、2つ以上のバッテリーにおけるそれぞれの終端と嵌合するように構成されたコネクタ部分14を両端に含む。本明細書に記載されるポリマー組成物を含む絶縁性部分16(例えば、コーティングまたは成形材料)は、主部12の導電性材料の一部を覆っていてもよい。バスバー10を形成するために、絶縁性部分16が導電性材料18の表面に付着されてもよい。例えば、導電性材料18の棒または管が、絶縁コーティング16のあらかじめ形成された管、例えば、適切な比率にサイズ決めおよび切断された押出管に挿入されてもよく、その後、バスバー10は任意の好適な形状に成形されてもよい。別の実施形態において、絶縁コーティングは、溶融状態で導電性材料18の表面に塗布されてもよく、塗布された領域の導電性材料の表面で固化されてもよい。
【0034】
[0049]図2は、導電性主部上に配置されたコーティングの形態の絶縁性部分を含むことができるバスバー20の別の実施例を示す。本実施形態において、バスバー20は、記載されるようなポリマー組成物を含んでもよい絶縁コーティング26で、長さに沿って覆われた管状の導電性主部を含む。バスバー20はまた、バッテリーの受電端子に接続するように構成されたコネクタ部分24を両端に含んでもよい。
【0035】
[0050]図3~4は、高表面積絶縁性部分を含んでもよいバスバー30の部分を示す。より詳細には、絶縁性部分36が、山部31と谷部32とが交互に形成された波形管状の導電性主部38の上に配置されている。絶縁性部分36は、本発明のポリマー組成物を含有してもよい。所望により、谷部32は、導電性主部38の外径よりもわずかに大きい内径を有してもよく、一方、山部31は、導電性主部38と山部31の壁との間に空間33を有してもよい。一実施形態において、山部31は、特定の位置にベントホール34を含んでもよい。バスバー30はまた、導電性主部38の端部に、バッテリーと嵌合するためのプレート33aおよび開口33bを含む端子33を含む。一実施形態において、絶縁性部分36は、その全長にわたって軸方向に延びる切り込み39を含み、周方向に開閉可能であってもよい。したがって、開放された絶縁性部分36に、導電性主部38が挿入され得る。任意選択で、絶縁性部分36内における導電性主部38のずれを防止するために、導電性主部38の端部に耐熱テープ35が巻き付けられてもよい。
【0036】
[0051]バスバーとは別に、他の高電圧電気部品にも本発明のポリマー組成物を用いることができる。例えば、少なくとも1つの電気接点を含有する第1のコネクタ部分と、コネクタ部分の少なくとも一部を取り囲む絶縁部材とを含む電気コネクタが用いられてもよい。絶縁部材は、本発明のポリマー組成物を含有してもよい。第1のコネクタ部分は、電気接点を受容するためのレセプタクルを含有する、対向する第2のコネクタ部分と嵌合するように構成されてもよい。このような実施形態において、第2のコネクタ部分は、第1のコネクタ部分の電気接点を受容するように構成された少なくとも1つのレセプタクルと、第2のコネクタ部分の少なくとも一部を取り囲む絶縁部材とを含有してもよい。第2のコネクタ部分の絶縁部材も、本発明のポリマー組成物を含有してもよい。例えば、特定の実施形態において、第2のコネクタ部分の絶縁部材の厚さは、上述の範囲内であってもよく、したがって、本ポリマー組成物から有利に形成される。
【0037】
[0052]図5~7を参照すると、比較的高電圧の用途、例えば電気自動車のパワートレインで使用するためのコネクタ200の特定の一実施形態が示されている。コネクタ200は、第1のコネクタ部分202および第2のコネクタ部分204を含有する。第1のコネクタ部分202は、1つまたは複数の電気ピン206を含んでもよく、第2のコネクタ部分204は、電気ピン206を受容するための1つまたは複数のレセプタクル208を含んでもよい。第1の絶縁体部材212は、ピン206を取り囲むように第1のコネクタ部分202の基部203から延びていてもよく、同様に、第2の絶縁体部材218は、レセプタクル208を取り囲むように第2のコネクタ部分204の基部201から延びていてもよい。特定の場合には、第1の絶縁体部材212の周縁部は電気ピン203の端部を越えて延び、第2の絶縁体部材218の周縁部はレセプタクル208の端部を越えて延びていてもよい。第1のコネクタ部分202の基部203および/または第1の絶縁体部材212、ならびに第2のコネクタ部分204の基部201および/または第2の絶縁体部材218は、本発明のポリマー組成物から形成されてもよい。
【0038】
[0053]決して必須ではないが、第1のコネクタ部分202はまた、第1の保護部材212によって固定または画定された識別マーク210を含んでもよい。第2のコネクタ部分204はまた、任意選択で、部分が完全に嵌合されたことをより容易に判定するために、識別マーク210に応じてサイズ決めされたアライメントウィンドウ220を画定することができる。例えば、ブロッカー221が識別マーク210の一部を覆わない限り、識別マーク210を読み取ることができない場合がある。任意選択で、第2のコネクタ部分204は、アライメントウィンドウ220に隣接して配置された補助マーク224を含んでもよい。
【0039】
[0054]図8は、ポリマー組成物から形成され得るスペーサ、コネクタ、および支持体など、本発明のポリマー組成物を用いることができる高電圧部品のさらに他の実施例を示す。
【0040】
[0055]電気部品は、さまざまな異なる技術を使用して、本ポリマー組成物から形成され得る。好適な技術としては、例えば、射出成形、低圧射出成形、押出圧縮成形、ガス射出成形、発泡射出成形、低圧ガス射出成形、低圧発泡射出成形、ガス押出圧縮成形、発泡押出圧縮成形、押出成形、発泡押出成形、圧縮成形、発泡圧縮成形、ガス圧縮成形などを挙げることができる。例えば、ポリマー組成物が射出され得る金型を含む射出成形システムが用いられ得る。インジェクター内における時間は、ポリマーマトリックスがあらかじめ固化しないように制御し、最適化され得る。サイクル時間に達し、バレルが排出のために満杯になると、ピストンが使用されて金型キャビティに組成物を注入することができる。圧縮成形システムも用いられ得る。射出成形と同様に、ポリマー組成物から所望の物品への成形も金型内で行われる。組成物は、自動ロボットアームによってピックアップされるなど、任意の公知の技術を使用して圧縮金型内に入れられてもよい。金型の温度は、固化を可能にするために所望の時間、ポリマー組成物の固化温度以上に維持され得る。その後、成形品を融解温度未満の温度にすることで固化させることができる。得られた製品は脱型されてもよい。十分な結合を達成し、全体的なプロセスの生産性を高めるために、各成形プロセスのサイクルタイムは、ポリマー組成物に合わせて調整されてもよい。
【0041】
[0056]前述されたように、高電圧電気部品は電気自動車での使用において特に有益である。例えば図9を参照すると、パワートレイン110を含む電気自動車112の一実施形態が示されている。パワートレイン110は、トランスミッション116に接続された1つまたは複数の電気機械114を含有し、トランスミッション116は、ドライブシャフト120および車輪122に機械的に接続されている。決して必須ではないが、この特定の実施形態において、トランスミッション116はエンジン118にも接続されている。電気機械114は、推進力および減速能をもたらすために、モータまたは発電機として動作可能であってもよい。パワートレイン110はまた、電気機械114により使用されるエネルギーを蓄積および供給するバッテリーアセンブリ124などの推進源も含む。バッテリーアセンブリ124は、典型的には、1つまたは複数のバッテリーセルを含み得る1つまたは複数のバッテリーセルアレイから高電圧電流出力(例えば、約400ボルト~約800ボルトの電圧の直流電流)を供給する。
【0042】
[0057]パワートレイン110はまた、バッテリーアセンブリ124に接続され、電力変換器(例えば、インバータ、整流器、電圧変換器など、およびそれらの組み合わせ)を含有してもよい少なくとも1つのパワーエレクトロニクスモジュール126を含有してもよい。パワーエレクトロニクスモジュール126は、典型的には、電気機械114に電気的に接続され、バッテリーアセンブリ124と電気機械114との間で電気エネルギーを双方向に伝達する能力をもたらす。例えば、バッテリーアセンブリ124は直流電圧を供給し得る一方、電気機械114は機能するために三相交流電圧を必要とし得る。パワーエレクトロニクスモジュール126は、直流電圧を、電気機械114に必要とされる三相交流電圧に変換することができる。回生モードでは、パワーエレクトロニクスモジュール126は、発電機として機能する電気機械114からの三相交流電圧を、バッテリーアセンブリ124によって必要とされる直流電圧に変換することができる。本明細書の説明は、純粋な電気自動車にも同様に適用可能である。バッテリーアセンブリ124は、他の車両電気システムにエネルギーを供給することもできる。例えば、パワートレインは、バッテリーアセンブリ124からの高電圧直流出力を、コンプレッサや電気ヒータなどの他の車両負荷に適合する低電圧直流電源に変換するDC/DCコンバータモジュール128を用いてもよい。一般的な車両では、低電圧システムは補助バッテリー130(例えば、12Vバッテリー)に電気的に接続されている。バッテリーアセンブリ124のコントローラとして機能し、各バッテリーセルの温度および充電状態を管理する電子監視システムを含み得る、バッテリーアセンブリ124と通信するバッテリーエネルギー制御モジュール(BECM)133も存在し得る。バッテリーアセンブリ124はまた、サーミスタまたは他の温度計などの温度センサ131を有してもよい。温度センサ131は、バッテリーアセンブリ124に関する温度データを提供するために、BECM133と通信してもよい。温度センサ131はまた、トラクションバッテリー124内のバッテリーセル上またはその近傍に配置されてもよい。バッテリーセルの温度を監視するために、2つ以上の温度センサ131が使用され得ることも企図される。
【0043】
[0058]特定の実施形態において、バッテリーアセンブリ124は、コンセントなどの外部電源136によって再充電され得る。外部電源136は、電源36と車両112との間の電気エネルギーの伝達を調整および管理する電気自動車供給装置(electric vehicle supply equipment、EVSE)に電気的に接続されていてもよい。EVSE138は、車両112の充電ポート134に差し込むための充電コネクタ140を有してもよい。充電ポート134は、EVSE138から車両112に電力を伝達するように構成された任意の種類のポートであってもよく、充電器または車載電力変換モジュール132に電気的に接続されていてもよい。電力変換モジュール132は、EVSE138から供給される電力を調整して、適切な電圧および電流レベルをバッテリーアセンブリ124に供給することができる。電力変換モジュール132は、EVSE138と連動して、車両112への電力供給を調整することができる。
【0044】
[0059]本明細書に記載される電気部品は、図9に示されるように、電気自動車のさまざまな部品に含まれてもよい。例えば、バッテリーアセンブリ124の個々のセルを電気的に接続するために、バスバー(図示せず)が使用され得る。図10を参照すると、例えば、バッテリーアセンブリ124は、多数のバッテリーセル158を含むことができる。バッテリーセル158は、横に積み重ねられて、バッテリーアレイと呼ばれることもあるバッテリーセルの集合体を構成してもよい。一実施形態において、バッテリーセル158は、角柱状のリチウムイオンバッテリーである。しかしながら、他の形状(円筒形、パウチ型など)および/または化学物質(ニッケル水素、鉛蓄バッテリーなど)を有するバッテリーセルが、本開示の範囲内で代替的に利用され得る。各バッテリーセル158は、正極端子(記号(+)によって明示される)および負極端子(記号(-)によって明示される)を含む。バッテリーセル158は、各バッテリーセル158の端子が、隣接するバッテリーセル158の、反対の極性を有する端子に隣接して配置されるように並べられる。本明細書で使用される場合、「バッテリー」、「セル」、および「バッテリーセル」という用語は、バッテリーシステムで使用される任意の種類の、個々のバッテリー要素を指すために互換的に使用され得る。本明細書に記載されるバッテリーは、典型的には、リチウムをベースとするバッテリーを含むが、リン酸鉄、金属酸化物、リチウムイオンポリマー、ニッケル水素、ニッケルカドミウム、ニッケルをベースとするバッテリー(水素、亜鉛、カドミウムなど)、および電気自動車に適合する任意の他のバッテリータイプを含むさまざまな化学物質および構成を含むこともできる。例えば、いくつかの実施形態において、Panasonic(登録商標)社製の6831 NCR 18650バッテリーセル、または6.5cm×1.8cm、約45gの18650フォームファクタのバリエーションを使用することができる。
【0045】
[0060]バスバーが図10に示されるような個々のバッテリーセルに接続する方法は、当該技術分野において公知であるようにさまざまであってもよい。例えば、図11を参照すると、上面等角図900および底面等角図902により、複数の列になるように複数のバッテリーセル904が並べられた板状のバスバー906が示されている。複数のバッテリーセル904は、上の図10に示されるように、隣接する列のセットで並べられている。バスバー906の切り欠き部901は、個々のバッテリーセル904を切り欠き部901の一部内に配置することを可能にする凹部を含んでもよい。これらの実施形態において、バスバー906は、製造される各バッテリーアセンブリにおいて均一に個々のバッテリーセルを配置するためのテンプレートとして使用されてもよい。バスバー906はまた、製造プロセス中に個々のバッテリーセル904を所定位置に保持することができ、本明細書に記載されるポリマー組成物で形成され得る任意のサーマルパッドまたは射出ハウジングが、個々のバッテリーセルの位置をずれさせることなく追加され得る。902の図によって示されるように、各切り欠きの中央タブ910は、はんだ付けまたは他の種類の機械的接続を必要とすることなく、個々のバッテリー端子のそれぞれにおける下側とバネのように接触することができる。バスバー906は、各バッテリーセル904の端部を保持することができる各切り欠き部901の各接触領域/周囲に、本明細書に記載される絶縁体912を含むことができる。絶縁体912は、いくつかの実施形態において、切り欠き部901を越えてバスバー906上に延びることができる。
【0046】
[0061]図12は、ハウジング1004を有するバッテリーアセンブリと嵌合されたバスバー906の底面等角図1002を示す。所望により、ハウジング1004は、本明細書に記載されるポリマー組成物で形成され得る。ハウジング1004は、バッテリーセル904に取り付けられ、かつバッテリーセル904を保持するように、射出成形金型内への射出により形成され得る。一実施形態において、ハウジング1004は、個々のバッテリーセル904の上面と水平になるように取り付けられる。いくつかの実施形態において、ハウジング1004は個々のバッテリーセル904の頂部または底部を覆わない。その代わりに、個々のバッテリーセル904におけるこれらの領域は、ハウジングが取り付けられた後に個々のバッテリーセル904とバスバー906との間で電気的接続が行われ得るように、露出したままとされる。他の実施形態(図示せず)では、ハウジング1004は、バッテリーアセンブリの頂部および/または底部端子までのすべてにわたって延びない。いくつかの実施形態において、個々のバッテリーセル904の露出部分は、1.0mm~15.0mmの間であってもよい。個々のバッテリーセル904の露出量は、個々のバッテリーセル904それぞれの頂部と底部とで異なっていてもよい。個々のバッテリーセル904の一部を露出させることによって、個々のバッテリーセルへのある種の電気的接続がより容易に行われ得る。
【0047】
[0062]いくつかの実施形態において、バスバー906がハウジング1004内に配置されてもよく、ハウジング1004は、バスバーとバッテリーセル904との接続部を覆ってもよい。一実施形態において、バッテリーアセンブリは、ハウジング1004内に射出された、本明細書に記載されるポリマー組成物を含むことができ、固体バッテリーアセンブリが形成され得る。いくつかの実施形態において、バスバー916は、ハウジング1004によって、またはネジおよび/もしくは接着剤などの他の機械的手段によって、バッテリーアセンブリの底部に固定され得る。
【0048】
[0063]図11図12は、バッテリーアセンブリの描かれたセクション内におけるすべてのバッテリーに接触する連続平面により画定されるプレート式バスバー906を示す。しかしながら、他の実施形態はそれほど限定される必要はない。例えば、図12は、バッテリーアセンブリにおいて利用され得る、本明細書に記載されるバスバー914、916の別の実施形態を図示する。図示されるように、バッテリーアセンブリは、バスバーの1つまたは複数の部分を覆う絶縁体を含む導電性バーの個々の長さを有する形状の複数のバスバー914、916を含むことができる。バスバーは、単一直線状の914、またはZバスバー916、または先に記載されたような三次元形状など、任意の好適な幾何学的形状であってもよい。例えば、直線状のバスバー914は、バッテリーアセンブリにおける単一列の各バッテリーセル904に接続されてもよく、Zバスバー916は、バスバー914からシステムの他の電気部品(例えば、インバータ)への接続をもたらすことができる。図12~13に示されるように、バッテリーアセンブリはまた、図9に示されるようなパワーエレクトロニクスモジュール126、DC/DCコンバータモジュール128、および/または電力変換モジュール132のようなパワーエレクトロニクスモジュールなど、電気自動車の他の部品にバッテリーアセンブリを電気的に接続するための、上記のような1つまたは複数のコネクタ908を含むことができる。
【0049】
[0064]図14は、本発明のポリマー組成物を用いることができるバッテリーアセンブリの別の実施形態を示す。図示されるように、バッテリーアセンブリは、長手方向Yに連続して並べられた複数のバッテリーセル301、エンドプレート306、サイドプレート307、およびワイヤハーネスアセンブリ308を含む。バッテリーアセンブリはまた、その頂部から外側に突出した2つの電極端子、すなわち正電極端子T1および負電極端子T2を含むことができる。一実施形態において、エンドプレート306およびサイドプレート307は、図示されるように、一緒に接続されて矩形のフレームを形成することができる。バッテリーセル301は、接着によってフレームに固定されてもよい。バスバーアセンブリは、平板状の複数のバスバー302、303、305を含み、ワイヤハーネスアセンブリ308に固定される。所望により、バスバー302、303、および/または305は、例えば、バスバーの一部におけるコーティングとして、またはバスバーと別の部品との間のセパレータとして、本明細書に記載されるポリマー組成物を含んでもよい。
【実施例
【0050】
[0065]本発明は、以下の実施例を参照することにより、よりよく理解され得る。
試験方法
[0066]溶融粘度
溶融粘度(Pa・s)は、Dynisco LCR7001キャピラリーレオメーターを使用して、せん断速度1,000s-1、および融解温度より15℃高い温度で、ISO試験番号11443:2021にしたがって決定され得る。レオメーターオリフィス(ダイ)の直径は1mm、長さは20mm、L/D比は20.1、入口角度は180°であった。バレルの直径は9.55mm+0.005mm、ロッドの長さは233.4mmであった。
【0051】
[0067]融解温度
融解温度(「Tm」)は、当該技術分野において公知であるように、示差走査熱量測定(「DSC」)によって決定され得る。融解温度は、ISO試験番号11357-2:2020によって決定される示差走査熱量測定(DSC)ピーク融解温度である。TA Q2000装置で実施されるDSC測定を使用するDSC手順では、ISO規格10350に記載されているように、サンプルを毎分20℃で加熱および冷却した。
【0052】
[0068]荷重たわみ温度(「DTUL」)
荷重たわみ温度は、ISO試験番号75-2:2013(ASTM D648-18と技術的に同等)にしたがって決定され得る。より詳細には、長さ80mm、厚さ10mm、および幅4mmを有するテストストリップサンプルを、規定荷重(最大外繊維応力)1.8メガパスカルでエッジワイズ3点曲げ試験に供してもよい。試験片は、0.25mm(ISO試験番号75-2:2013では0.32mm)たわむまで、毎分2℃で温度が上昇するシリコーン油浴内に下げられてもよい。
【0053】
[0069]引張弾性率、引張応力、および引張破断伸び
引張特性は、ISO試験番号527:2019(ASTM D638-14と技術的に同等)にしたがって試験することができる。弾性率および強度の測定は、長さ80mm、厚さ10mm、および幅4mmを有する同じテストストリップサンプルに対して行うことができる。試験温度は23℃であってもよく、試験速度は1mm/minまたは5mm/minであってもよい。
【0054】
[0070]曲げ弾性率および曲げ応力
曲げ特性は、ISO試験番号178:2019(ASTM D790-10と技術的に同等)にしたがって試験することができる。本試験は、支持スパン64mmで実施され得る。試験は、切断されていないISO 3167多目的試験片(multi-purpose bar)の中央部分で実施され得る。試験温度は23℃であってもよく、試験速度は2mm/minであってもよい。
【0055】
[0071]シャルピー衝撃強度
シャルピー特性は、ISO試験番号ISO 179-1:2010)(ASTM D256-10、方法Bと技術的に同等)にしたがって試験することができる。本試験は、形状Aノッチ(底面半径0.25mm)および/またはタイプ1試験片サイズ(長さ80mm、幅10mm、厚さ4mm)を使用して実施され得る。試験片は、シングルトゥースフライス盤を使用して多目的試験片の中心から切り出すことができる。試験温度は23℃であってもよい。
【0056】
[0072]比較トラッキング指数(「CTI」)
比較トラッキング指数(CTI)は、国際規格IEC 60112-2003にしたがって決定され、湿潤および/または汚染条件下で電気絶縁材料として機能する組成物の能力の定量的指標を提供することができる。組成物のCTI評価を決定する際には、成形試験片上に2つの電極を配置する。次いで、0.1%塩化アンモニウム水溶液を試験片に滴下しながら、電極間に電圧差を設ける。50回滴下する試験の間、5つの試験片が故障することなく耐えられる最大電圧が決定される。試験電圧は25V刻みで100~600Vの範囲である。電解液を50回滴下して故障が起こる電圧の数値が「比較トラッキング指数」である。この値は、材料の相対的な耐トラッキング性の指標となる。UL746Aによれば、公称部分厚さ3mmは、他の厚さにおける性能の代表と考えられる。
【0057】
[0073]UL94
試験片を垂直に支持し、試験片の底部に接炎させる。炎は10秒間接炎され、その後炎が止まるまで離され、炎はさらに10秒間接炎され、その後離される。5つの試験片を2セット試験する。サンプルのサイズは、長さ125mm、幅13mm、厚さ0.8mmである。2セットの試験片は、エージング前とエージング後にコンディショニングされる。エージングなしの試験では、23℃、相対湿度50%の条件下で48時間コンディショニングした後に各厚さを試験する。エージングありの試験では、5つの各厚さのサンプルを70℃で7日間コンディショニングした後に試験する。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例1~2
[0074]オレンジ色着色剤は、以下の表1に記載されるように、液晶ポリマーキャリア樹脂(LCP 1)、黄色顔料、オレンジ色顔料および白色鉱物油から形成される。LCP 1は、HBA 60mol%、HNA 5mol%、BP 12.5mol%、TA 17.5mol%、およびAPAP 5mol%から形成される。黄色顔料はPaliotol(登録商標) Yellow K1800(BASF社)、オレンジ色顔料はPV(登録商標) Fast Orange 6RL(Clariant社)である。
【0060】
【表2】
【0061】
[0075]オレンジ色着色剤は、その後、表2に上記のように追加の液体ポリマー樹脂(LCP 1)、ガラス繊維、タルク、および/または潤滑剤と溶融混練され、2種の異なるポリマー組成物サンプルを形成する。これらの成分を二軸押出機に供給してペレット化し、次いで射出成形でISO引張試験片(ISO tensile bar)(80mm×10mm×4mm)に成形して試験した。
【0062】
【表3】
【0063】
[0076]次いで、サンプルを、上述のようにさまざまな電気的および機械的特性について試験する。結果が以下の表3に記載される。
【0064】
【表4】
【0065】
[0077]本発明の、これらのおよび他の修正および変形は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。さらに、さまざまな実施形態の態様は、全体的または部分的に互換され得ることが理解されるべきである。さらに、当業者であれば、前述の説明は例示に過ぎず、添付の特許請求の範囲においてさらに説明される本発明を限定することが意図されるものではないことを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】