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特表2024-517069一体化されたボルトをもつコンバーター
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  • 特表-一体化されたボルトをもつコンバーター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】一体化されたボルトをもつコンバーター
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/10 20060101AFI20240412BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20240412BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20240412BHJP
【FI】
H04R17/10 330A
H10N30/20
H10N30/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023560801
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022057274
(87)【国際公開番号】W WO2022207379
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021108462.8
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523372123
【氏名又は名称】ヘルマン ウルトラシャルテクニーク ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】HERRMANN ULTRASCHALLTECHNIK GMBH & CO.KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】フォグラー、ウルリッヒ
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA18
5D019AA21
5D019BB16
5D019FF06
(57)【要約】
コンバーター基部と、コンバーター基部に接続されたボルト(4)と、張力素子と、ボルト(4)が貫通する貫通孔をもつ少なくとも一つの圧電素子を有し、張力素子が少なくとも一つの圧電素子に対してコンバーター基部の方向に張力を与えている、コンバーターが開示される。開示のコンバーターは、ボルト(4)が、コンバーター基部に材料接合されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーター基部と、前記コンバーター基部に接続されたボルト(4)と、張力素子と、貫通開口をもつ少なくとも一つの圧電素子(6)とを有し、前記ボルト(4)が前記貫通開口を貫通し、前記張力素子が前記少なくとも一つの圧電素子に対して前記コンバーター基部の方向に張力を与える、コンバーターにおいて、前記ボルト(4)が、材料接合で前記コンバーター基部と接続されることを特徴とするコンバーター。
【請求項2】
前記ボルト(4)及び前記コンバーター基部が、一片の材料から製造されることを特徴とする、請求項1に記載のコンバーター。
【請求項3】
前記ボルト(4)が、前記コンバーター基部との接続部において、0.5mmより大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きいの遷移半径Rをもつように設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンバーター(1)。
【請求項4】
貫通開口をもつスペーサーディスク(7)が設けられ、前記スペーサーディスク(7)及び前記少なくとも一つの圧電素子(6)は、前記ボルト(4)が、最初に前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口を貫通し、次に前記少なくとも一つの圧電素子(6)の前記貫通開口を貫通して、前記スペーサーディスク(7)が前記コンバーター基部及び前記圧電素子(6)の両方に当接するように配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンバーター(1)。
【請求項5】
前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口が、その前記コンバーター基部に対向する側において拡大し、前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口が、長さIに沿う長手方向に平行な断面図において、その前記コンバーター基部に対向する側に、0.5mmよりも大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きい入口半径Eを好ましくは有することを特徴とする、請求項4に記載のコンバーター(1)。
【請求項6】
前記入口半径Eに、2R>E>Rが適用され、好ましくは1.2R>E>Rが適用されることを特徴とする、請求項5に記載のコンバーター(1)。
【請求項7】
前記ボルト(4)が、前記コンバーター基部から離れる側にあり且つ雄ねじが設けられた端部を有し、好ましくは前記雄ねじが鋸歯ねじであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンバーター(1)。
【請求項8】
前記コンバーターが、ソノトロードとして設計され、前記コンバーター基部が、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンバーター。
【請求項9】
前記コンバーター基部が、前記溶接面(2)の反対側に配置された後側を有し、凹部が前記後側に形成され、その中に前記ボルト(4)が配置されることを特徴とする、請求項8に記載のコンバーター。
【請求項10】
前記コンバーターが、前記溶接面から前記後側まで長さIを有し、前記ボルトが、前記長さIの方向に延在し、好ましくは、前記長さIが、ソノトロードとして設計された前記コンバーターを共振振動状態にすることができる超音波振動の波長の半分に対応していることを特徴とする、請求項8~9のいずれか一項に記載のコンバーター。
【請求項11】
前記少なくとも一つの圧電素子(6)が、前記長さIの範囲内で前記長手方向に配置され、好ましくは、それぞれが貫通開口をもつ4つの圧電素子(6)が設けられ、それらが前記ボルト(4)により貫通され、それらの全てが、前記長さIの範囲内で前記長手方向に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載のコンバーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動部のためのコンバーターに関する。このコンバーターは、AC電圧を音響振動に変換するように設けられて適用される。
【背景技術】
【0002】
コンバーターは、コンバーター基部と、ボルトと、張力素子と、貫通開口をもつ少なくとも一つの圧電素子とを有し、コンバーターのボルトが貫通開口を貫通し、張力素子が少なくとも一つの圧電素子に対してコンバーター基部の方向に張力を与える。コンバーター基部は、ボルトが螺合されるねじ穴を有する。
【0003】
張力素子は、圧電素子の機械的振動がコンバーター基部に伝達されることを確保する。
【0004】
この場合、幾つかの圧電素子はボルトでディスクの形態で互いに積載されて、スクリューナットの形態の張力素子の助けを得てコンバーター基部の一表面に挟持されることにより、AC電圧を圧電素子に印加することにより、圧電素子がコンバーター基部の機械的振動を励起するものが多い。
【0005】
そのようなコンバーターの多くは、ソノトロード及びコンバーターからなる超音波振動部において使用される。コンバーター又はコンバーター基部は、コンバーター基部の機械的振動がソノトロードに伝達されるように、ソノトロードに螺合される。多くの場合、そのような超音波振動部は、コンバーターとソノトロードとの間に配置され、振動の振幅を変換、すなわち概して増加させることを意図した振幅変換器も有する。それにより、圧電素子によって生成された機械的振動が増幅される。
【0006】
特に限定された空間における用途において、振幅変換器が省略されることが多いため、コンバーターを使用してより大きな振幅を生成する必要がある。しかしながら、既知のコンバーターでは、この結果、ボルトがコンバーター基部に螺合された領域に過剰応力領域が形成され、超音波振動部の寿命を大きく低下させる。一般に、経時的にねじ接続の近傍において材料に亀裂が形成されると、振動挙動に対して悪影響が生じる。
【0007】
この問題は、例えば、前もって与えられる負荷、すなわち少なくとも一つの圧電素子をコンバーター基部に対して押圧する力を減らすことによって対処されている。しかしながら、これは、圧電素子とコンバーター基部との間の接続が弱いことにより振動振幅及び振動品質を低下させ、全ての用途で受け入れられるものではない。他の可能性として、印加されるAC電圧の振幅を低下させて、結果として超音波振動の振幅を低下させることがある。この対策もまた全ての用途に適しているわけではない。いずれにせよ、これは、必要な加工時間が増加する。
【0008】
最後に、ボルトが螺合されたコンバーター基部のボアにおける特別に選択されたコーナー半径及び対応するアンダーカットを使用することによって、応力を制御する試みがあった。実際、これは寿命の増加に繋がるが、比較的複雑であるため高価である。
【0009】
従って、実際に、これらのシステムは、低振動振幅でのみ動作させることができ、動作時間も限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、上述の先行技術に基づき、本発明の課題は、高い振幅で動作することができ、同時に長い動作時間を確保できるコンバーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この課題は、ボルトが実質的にコンバーター基部に接合されていることによって解決される。
【0012】
材料接合は、互いに対応する接続部位、すなわちここでは、コンバーターのボルトとコンバーター基部とが原子的又は分子的力によって互いに保持されているあらゆる接続として理解される。
【0013】
原則として、ボルトは、コンバーター基部に溶着又は溶接することができる。
【0014】
しかしながら、これは時間を要する。従って、好ましい実施形態において、ボルト及びコンバーター基部は、一片の材料から作成される。従って、ボルト及びコンバーター基部は、一体的に共に形成される。
【0015】
更に好ましい実施形態において、ボルトは、そのコンバーター基部との接続部において、0.5mmより大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きいの遷移半径Rをもつように設けられる。
【0016】
その遷移半径を与えることによって、切り欠き効果係数が小さくなり材料における応力が軽減されるため、ボルトとコンバーター基部との間の安定化に繋がる。原則として、遷移半径が大きければ大きいほど、安定化がより大きくなる。しかしながら、圧電素子が、ボルト上に押され、コンバーター基部に対して押圧されることに注意すべきである。これは、超音波振動を伝達し且つ圧電素子を損傷させないように、出来るだけ全面に亘って圧電素子とコンバーター基部とを接触させる必要がある。圧電素子は、通常、圧電セラミックで形成され、それは非常に脆く、引張応力に対して極めて反応しやすく、その結果変形することになる。従って、圧電素子は、その遷移半径に位置してはならない。
【0017】
更に好ましい実施形態において、貫通開口をもつスペーサーディスクが設けられ、前記スペーサーディスク及び前記少なくとも一つの圧電素子は、前記ボルトが、最初に前記スペーサーディスクの前記貫通開口を貫通し、次に前記少なくとも一つの圧電素子の前記貫通開口を貫通して、前記スペーサーディスクが前記コンバーター基部及び前記圧電素子の両方に当接するように配置されることが提供される。最適な力の伝達を確保するために、例えば、チタン又はチタン合金から形成されるスペーサーディスクが有用である。
【0018】
好ましい実施形態によれば、コンバーター基部及びボルトが一片から作られるため、製造の観点から、高い表面品質でボルトとの接続領域にコンバーター基部の表面を製造することが可能ではない。通常のラッピング加工は、ボルトの存在のために、行うことができない。しかしながら、コンバーター基部の表面における不均一性は、圧電素子がその表面に当接する際に振動の伝達を低減する。非常に高い表面品質(粗さRaが0.01よりも小さく及び平坦度が0.005mmよりも小さい)で製造できるスペーサーディスクを設けることによって、少なくとも一つの圧電素子からスペーサーディスクへの少なくとも一つの超音波振動の伝達が高品質で可能となる。スペーサーディスクが、完全な平坦ではないコンバーター基部の表面に対して押圧される場合でも、圧電素子がコンバーター基部の表面に対して直に押圧される場合よりも超音波振動が良好に伝達される。
【0019】
別の好ましい実施形態において、前記スペーサーディスクの前記貫通開口は、その前記コンバーター基部に対向する側において拡大する。これは、例えば、対応する縁部に面取りを施すことによって得られる。それに応じて、スペーサーディスクの反対側も設計することが有利となる。これは、超音波振動システムを組み立てる際にスペーサーディスクがコンバーターのボルトに対して正しい向きで押し込まれていることを確認する必要がない点で有利である。
【0020】
その拡大は、ボルトのコンバーター基部への接続部に遷移半径が設けられる場合に、その遷移半径が比較的大きい場合でも、スペーサーディスクをコンバーター基部上に平坦に載置できるため、特に有利となる。好ましい実施形態において、その拡大は、長さIに沿う長手方向に平行な断面図において、スペーサーディスクの貫通開口が、コンバーター基部に対向する側に、0.5mmよりも大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きいの入口半径Eを有するように設計される。
【0021】
特に、前記入口半径Eに、2R>E>Rが適用され、好ましくは1.2R>E>Rが適用されると有利である。
【0022】
更に好ましい実施形態において、前記ボルトは、前記コンバーター基部から離れる側にあり且つ雄ねじが設けられた端部を有する。この点に関して、前記雄ねじが鋸歯ねじとして形成されることが最適であることが分かっている。鋸歯ねじは、非対称であり、鋸の歯に似た輪郭形状を有する。
【0023】
すでに述べたように、好ましい実施形態において、前記ボルト及び前記コンバーター基部は、一片の材料から作られる。
【0024】
この手段によって、コンバーターのボルトが、コンバーター基部よりも、横断方向、すなわち、長さIに沿って伸びる長手方向軸線に対して垂直な方向において極めて小さい伸長をもつため、材料の消費は通常高くなり、従って、ボルトを製造するために、一片の製造においてボルトの領域において多くの材料を除去する必要がある。
【0025】
従って、上述の手段は、コンバーターがソノトロードとして設計される場合に特に有利となる。前記コンバーター基部は、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面を有する。
【0026】
そのような、コンバーターと一体化されたソノトロードは、コンパクトバイブレーターとも呼ばれる。コンパクトバイブレーターにおいて、ボルトは、ソノトロードの内部に位置付けられ、すなわち、ソノトロード又はそのコンバーター基部は、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面と、その溶接面に対向するように配置された後側とを有し、それにより、凹部が、ボルトが配置される後側に形成される。
【0027】
ソノトロード内部のボルトのこの配置は、実際的に、ボルトを形成するために追加の材料が必要ないことを意味する。逆に、この実施形態では、コンバーターのボルトが定位置に維持されるため、後側における凹部を完全に開ける必要がないため、材料も節約できる。
【0028】
更に好ましい実施形態において、前記コンバーターは、前記溶接面から前記後側まで長さIを有し、前記ボルトは、前記長さIの方向に延在し、好ましくは、前記長さIが、ソノトロードの形態の前記コンバーターを共振振動状態にすることができる超音波振動の波長の半分に略対応している。
【0029】
更に好ましい実施形態において、前記ボルトが前記コンバーター基部に締結される位置は、前記長さIの中間の周辺に配置される、すなわち、前記溶接面から、0.4l>d>0.7lが適用される距離dだけ離間する。
【0030】
前記少なくとも一つの圧電素子が、前記長さIの範囲内で前記長手方向に、すなわち、前記溶接面と前記後側との間に配置されるのが特に好ましい。
【0031】
例えば、少なくとも4つの圧電素子を設けることができ、それぞれが貫通開口を有し、それらの全ての圧電素子はボルトにより貫通され、コンバーター基部の溶接面と後側との間、すなわち長さIの範囲内で長手方向に配置される。これは、そのソノトロードが基本的にその内側において励起されるため、振動的に有利である。
【0032】
本発明の更なる利点、特徴及び可能な用途は、好ましい実施形態の以下の説明及び添付の図面より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明に係るコンバーターの斜視図である。
図2図2は、図1の実施形態の断面図である。
図3図3は、図1の実施形態の部分切断側面図である。
図4図4は、圧電素子を除いた図1の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明に係るコンバーターの斜視図を示す。コンバーター1は、ソノトロードとして設計されており、溶接面2を有する。溶接面2は、加工対象の材料と接触して、その材料に超音波振動を伝達するようになっている。
【0035】
コンバーター1は、図2の横断面図から明らかに分かるように、溶接面2と反対側に配置される後側の後部10と、前部11とを有するコンバーター基部3を有する。ここで、円周カラー15が、前部11と後部10との間の境界を形成する。振動中、定常波が、コンバーターにおける長さIに沿って縦方向に形成される。円周カラーは、最小振動の周辺に位置する。コンバーターは、コンバーターの振動挙動に対して大きく影響を及ぼすことなく、例えばOリングを介して円周カラー上に保持させることができる。
【0036】
溶接面2を有する前部11は、その大部分において、後部10よりも非常に細い。この結果、この前部で振幅変換が得られる。後部10には、コンバーター基部に、ボルト4が一体的に結合される凹部が形成されている。
【0037】
図3は、コンバーター1の部分切断側面図を示す。
【0038】
コンバーター基部3は、コンバーター基部3の後部10の長さと前部11の長さとから構成される長さIを有する。従って、この長さIは、溶接面2とコンバーター基部の後側との間の距離を画定する。使用時、長さIの2倍に相当する波長をもつ定常波が、コンバーターで形成される。
【0039】
コンバーター基部3の前部11には、溶接面2までは延在しないスリット9もある。スリット9は、ソノトロードとして設計されるコンバーター基部3の振動挙動を向上するために、ボルト4の軸線上に配置される。対応する中央開口を有するスペーサーディスク7が、最初にボルト4に対して押し込まれる。スペーサーディスク7は、ボルト4を含むコンバーター基部3と同様にチタンで形成され、ボルト4の直近の周辺におけるコンバーター基部の表面上の不均一性を吸収するように働く。スペーサーディスク7は、コンバーター基部3の表面上に出来るだけ平坦に載置されるべきであるが、スペーサーディスク7を損傷することなく、表面品質におけるわずかなずれに対処することができる。さらに、スペーサーディスクは、ボルトの力を圧電素子に亘って均一に分散する。これにより、力の不均一な印加による圧電素子に対する過度な応力がかかるおそれを防止する。
【0040】
スペーサーディスク7の上側、すなわち、コンバーター基部の表面から離れるように向く側には、好ましくは、高い表面品質が設けられる。これは、例えば、研削又はラッピングによって行うことができる。
【0041】
幾つかの、図示の例では6つの圧電素子6が、スペーサーディスク7に当てられ、それらは、電気AC電圧信号を機械的振動に伝達することを意図している。圧電素子6のコンバーター基部3から離れる側には、例えばスチールで作ることができる圧力ディスク5が設けられる。ボルト4は、コンバーター基部3から離れる側のその端部に雄ねじを有し、それは図示の例では、ナット8が係合する鋸歯ねじとして設計されている。ナット8を締めることによって、力が圧力ディスク5に働き、且つ、圧電素子6上の圧力ディスク5を介して、ひいてはスペーサー素子7を介して、振動が、ソノトロードとして設計されるコンバーター基部3に伝達される。
【0042】
圧電素子6、スペーサーディスク7並びに圧力ディスク5が、ボルト4の外径よりも若干大きい内径を有することで、これがボルト4に対して影響することなく、それらが軸線方向、すなわち長さIの方向に伸長縮小できるようになっていることが分かる。従って、圧電素子は、ボルト4によって影響されることなく音響振動を行うことができる。更に、圧電素子に印加される無視のできない電圧がボルトを介して分散しないように注意が必要である。この理由でも、ボルト4の外径と圧電素子6の内径との間に十分に大きな距離が必要である。
【0043】
図4は、コンバーター1の部分切断側面図を示す。ここで、図1~3に示す圧電素子6、並びにスペーサーディスク7、圧力素子5及びナット8は省かれている。
【0044】
この図において、ボルトが、図示の例では0.75mmである遷移半径12を有することが明らかに分かる。コンバーター基部から離れる側のその端部において、ボルトは、圧力素子5及びスペーサー素子7と共に圧電素子6をコンバーター基部3に対して押圧するためにナット8を螺合させることができるねじ部14を有する。コンバーターのボルト4及びコンバーター基部3の記載の設計によって、超音波振動部1の動作時間を大きく向上させることができる。ボルトは、ナット8を保持するために必要であり、それにより、それらをコンバーター基部に対して(又は、スペーサーディスクに対して)押圧するために必要な力が圧電素子に印加される。
【符号の説明】
【0045】
1 コンバーター
2 溶接面
3 コンバーター基部
4 ボルト
5 圧力ディスク
6 圧電素子
7 スペーサーディスク
8 ナット
9 スリット
10 後部
11 前部
12 遷移半径
14 ねじ部
15 カラー
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動部のためのコンバーターに関する。このコンバーターは、AC電圧を音響振動に変換するように設けられて適用される。
【背景技術】
【0002】
コンバーターは、コンバーター基部と、ボルトと、張力素子と、貫通開口をもつ少なくとも一つの圧電素子とを有し、コンバーターのボルトが貫通開口を貫通し、張力素子が少なくとも一つの圧電素子に対してコンバーター基部の方向に張力を与える。コンバーター基部は、ボルトが螺合されるねじ穴を有する。対応するコンバーターは、米国特許出願公開第2017/274420号や米国特許出願公開第2016/001498号により知られている。
【0003】
張力素子は、圧電素子の機械的振動がコンバーター基部に伝達されることを確保する。
【0004】
この場合、幾つかの圧電素子はボルトでディスクの形態で互いに積載されて、スクリューナットの形態の張力素子の助けを得てコンバーター基部の一表面に挟持されることにより、AC電圧を圧電素子に印加することにより、圧電素子がコンバーター基部の機械的振動を励起するものが多い。
【0005】
そのようなコンバーターの多くは、ソノトロード及びコンバーターからなる超音波振動部において使用される。コンバーター又はコンバーター基部は、コンバーター基部の機械的振動がソノトロードに伝達されるように、ソノトロードに螺合される。多くの場合、そのような超音波振動部は、コンバーターとソノトロードとの間に配置され、振動の振幅を変換、すなわち概して増加させることを意図した振幅変換器も有する。それにより、圧電素子によって生成された機械的振動が増幅される。
【0006】
特に限定された空間における用途において、振幅変換器が省略されることが多いため、コンバーターを使用してより大きな振幅を生成する必要がある。しかしながら、既知のコンバーターでは、この結果、ボルトがコンバーター基部に螺合された領域に過剰応力領域が形成され、超音波振動部の寿命を大きく低下させる。一般に、経時的にねじ接続の近傍において材料に亀裂が形成されると、振動挙動に対して悪影響が生じる。
【0007】
この問題は、例えば、前もって与えられる負荷、すなわち少なくとも一つの圧電素子をコンバーター基部に対して押圧する力を減らすことによって対処されている。しかしながら、これは、圧電素子とコンバーター基部との間の接続が弱いことにより振動振幅及び振動品質を低下させ、全ての用途で受け入れられるものではない。他の可能性として、印加されるAC電圧の振幅を低下させて、結果として超音波振動の振幅を低下させることがある。この対策もまた全ての用途に適しているわけではない。いずれにせよ、これは、必要な加工時間が増加する。
【0008】
最後に、ボルトが螺合されたコンバーター基部のボアにおける特別に選択されたコーナー半径及び対応するアンダーカットを使用することによって、応力を制御する試みがあった。実際、これは寿命の増加に繋がるが、比較的複雑であるため高価である。
【0009】
従って、実際に、これらのシステムは、低振動振幅でのみ動作させることができ、動作時間も限定される。
【0010】
小さい振動振幅を生成することを目的としたその他のコンバーターは、国際特許出願公開第2008/156116号、独国特許出願公開第10023302号、米国特許出願公開第2018/0304308号に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/274420号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/001498号
【特許文献3】国際特許出願公開第2008/156116号
【特許文献4】独国特許出願公開第100 23 303号
【特許文献5】米国特許出願公開第2018/304308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、上述の先行技術に基づき、本発明の課題は、高い振幅で動作することができ、同時に長い動作時間を確保できるコンバーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、この課題は、請求項1によって解決される。
【0014】
材料接合は、互いに対応する接続部位、すなわちここでは、コンバーターのボルトとコンバーター基部とが原子的又は分子的力によって互いに保持されているあらゆる接続として理解される。
【0015】
原則として、ボルトは、コンバーター基部に溶着又は溶接することができる。
【0016】
しかしながら、これは時間を要する。従って、好ましい実施形態において、ボルト及びコンバーター基部は、一片の材料から作成される。従って、ボルト及びコンバーター基部は、一体的に共に形成される。
【0017】
本発明によれば、ボルトは、そのコンバーター基部との接続部において、0.5mmよりも大きい、好ましくは1mmよりも大きい、更に好ましくは2mmよりも大きいの遷移半径Rをもつように設けられる。
【0018】
その遷移半径を与えることによって、切り欠き効果係数が小さくなり材料における応力が軽減されるため、ボルトとコンバーター基部との間の安定化に繋がる。原則として、遷移半径が大きければ大きいほど、安定化がより大きくなる。しかしながら、圧電素子が、ボルト上に押され、コンバーター基部に対して押圧されることに注意すべきである。これは、超音波振動を伝達し且つ圧電素子を損傷させないように、出来るだけ全面に亘って圧電素子とコンバーター基部とを接触させる必要がある。圧電素子は、通常、圧電セラミックで形成され、それは非常に脆く、引張応力に対して極めて反応しやすく、その結果変形することになる。従って、圧電素子は、その遷移半径に位置してはならない。
【0019】
更に好ましい実施形態において、貫通開口をもつスペーサーディスクが設けられ、前記スペーサーディスク及び前記少なくとも一つの圧電素子は、前記ボルトが、最初に前記スペーサーディスクの前記貫通開口を貫通し、次に前記少なくとも一つの圧電素子の前記貫通開口を貫通して、前記スペーサーディスクが前記コンバーター基部及び前記圧電素子の両方に当接するように配置されることが提供される。最適な力の伝達を確保するために、例えば、チタン又はチタン合金から形成されるスペーサーディスクが有用である。
【0020】
好ましい実施形態によれば、コンバーター基部及びボルトが一片から作られるため、製造の観点から、高い表面品質でボルトとの接続領域にコンバーター基部の表面を製造することが可能ではない。通常のラッピング加工は、ボルトの存在のために、行うことができない。しかしながら、コンバーター基部の表面における不均一性は、圧電素子がその表面に当接する際に振動の伝達を低減する。非常に高い表面品質(粗さRaが0.01よりも小さく及び平坦度が0.005mmよりも小さい)で製造できるスペーサーディスクを設けることによって、少なくとも一つの圧電素子からスペーサーディスクへの少なくとも一つの超音波振動の伝達が高品質で可能となる。スペーサーディスクが、完全な平坦ではないコンバーター基部の表面に対して押圧される場合でも、圧電素子がコンバーター基部の表面に対して直に押圧される場合よりも超音波振動が良好に伝達される。
【0021】
別の好ましい実施形態において、前記スペーサーディスクの前記貫通開口は、その前記コンバーター基部に対向する側において拡大する。これは、例えば、対応する縁部に面取りを施すことによって得られる。それに応じて、スペーサーディスクの反対側も設計することが有利となる。これは、超音波振動システムを組み立てる際にスペーサーディスクがコンバーターのボルトに対して正しい向きで押し込まれていることを確認する必要がない点で有利である。
【0022】
その拡大は、ボルトのコンバーター基部への接続部に遷移半径が設けられる場合に、その遷移半径が比較的大きい場合でも、スペーサーディスクをコンバーター基部上に平坦に載置できるため、特に有利となる。好ましい実施形態において、その拡大は、長さIに沿う長手方向に平行な断面図において、スペーサーディスクの貫通開口が、コンバーター基部に対向する側に、0.5mmよりも大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きいの入口半径Eを有するように設計される。
【0023】
特に、前記入口半径Eに、2R>E>Rが適用され、好ましくは1.2R>E>Rが適用されると有利である。
【0024】
更に好ましい実施形態において、前記ボルトは、前記コンバーター基部から離れる側にあり且つ雄ねじが設けられた端部を有する。この点に関して、前記雄ねじが鋸歯ねじとして形成されることが最適であることが分かっている。鋸歯ねじは、非対称であり、鋸の歯に似た輪郭形状を有する。
【0025】
すでに述べたように、好ましい実施形態において、前記ボルト及び前記コンバーター基部は、一片の材料から作られる。
【0026】
この手段によって、コンバーターのボルトが、コンバーター基部よりも、横断方向、すなわち、長さIに沿って伸びる長手方向軸線に対して垂直な方向において極めて小さい伸長をもつため、材料の消費は通常高くなり、従って、ボルトを製造するために、一片の製造においてボルトの領域において多くの材料を除去する必要がある。
【0027】
従って、上述の手段は、コンバーターがソノトロードとして設計される場合に特に有利となる。前記コンバーター基部は、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面を有する。
【0028】
そのような、コンバーターと一体化されたソノトロードは、コンパクトバイブレーターとも呼ばれる。コンパクトバイブレーターにおいて、ボルトは、ソノトロードの内部に位置付けられ、すなわち、ソノトロード又はそのコンバーター基部は、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面と、その溶接面に対向するように配置された後側とを有し、それにより、凹部が、ボルトが配置される後側に形成される。
【0029】
ソノトロード内部のボルトのこの配置は、実際的に、ボルトを形成するために追加の材料が必要ないことを意味する。逆に、この実施形態では、コンバーターのボルトが定位置に維持されるため、後側における凹部を完全に開ける必要がないため、材料も節約できる。
【0030】
更に好ましい実施形態において、前記コンバーターは、前記溶接面から前記後側まで長さIを有し、前記ボルトは、前記長さIの方向に延在し、好ましくは、前記長さIが、ソノトロードの形態の前記コンバーターを共振振動状態にすることができる超音波振動の波長の半分に略対応している。
【0031】
更に好ましい実施形態において、前記ボルトが前記コンバーター基部に締結される位置は、前記長さIの中間の周辺に配置される、すなわち、前記溶接面から、0.4l>d>0.7lが適用される距離dだけ離間する。
【0032】
前記少なくとも一つの圧電素子が、前記長さIの範囲内で前記長手方向に、すなわち、前記溶接面と前記後側との間に配置されるのが特に好ましい。
【0033】
例えば、少なくとも4つの圧電素子を設けることができ、それぞれが貫通開口を有し、それらの全ての圧電素子はボルトにより貫通され、コンバーター基部の溶接面と後側との間、すなわち長さIの範囲内で長手方向に配置される。これは、そのソノトロードが基本的にその内側において励起されるため、振動的に有利である。
【0034】
本発明の更なる利点、特徴及び可能な用途は、好ましい実施形態の以下の説明及び添付の図面より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明に係るコンバーターの斜視図である。
図2図2は、図1の実施形態の断面図である。
図3図3は、図1の実施形態の部分切断側面図である。
図4図4は、圧電素子を除いた図1の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明に係るコンバーターの斜視図を示す。コンバーター1は、ソノトロードとして設計されており、溶接面2を有する。溶接面2は、加工対象の材料と接触して、その材料に超音波振動を伝達するようになっている。
【0037】
コンバーター1は、図2の横断面図から明らかに分かるように、溶接面2と反対側に配置される後側の後部10と、前部11とを有するコンバーター基部3を有する。ここで、円周カラー15が、前部11と後部10との間の境界を形成する。振動中、定常波が、コンバーターにおける長さIに沿って縦方向に形成される。円周カラーは、最小振動の周辺に位置する。コンバーターは、コンバーターの振動挙動に対して大きく影響を及ぼすことなく、例えばOリングを介して円周カラー上に保持させることができる。
【0038】
溶接面2を有する前部11は、その大部分において、後部10よりも非常に細い。この結果、この前部で振幅変換が得られる。後部10には、コンバーター基部に、ボルト4が一体的に結合される凹部が形成されている。
【0039】
図3は、コンバーター1の部分切断側面図を示す。
【0040】
コンバーター基部3は、コンバーター基部3の後部10の長さと前部11の長さとから構成される長さIを有する。従って、この長さIは、溶接面2とコンバーター基部の後側との間の距離を画定する。使用時、長さIの2倍に相当する波長をもつ定常波が、コンバーターで形成される。
【0041】
コンバーター基部3の前部11には、溶接面2までは延在しないスリット9もある。スリット9は、ソノトロードとして設計されるコンバーター基部3の振動挙動を向上するために、ボルト4の軸線上に配置される。対応する中央開口を有するスペーサーディスク7が、最初にボルト4に対して押し込まれる。スペーサーディスク7は、ボルト4を含むコンバーター基部3と同様にチタンで形成され、ボルト4の直近の周辺におけるコンバーター基部の表面上の不均一性を吸収するように働く。スペーサーディスク7は、コンバーター基部3の表面上に出来るだけ平坦に載置されるべきであるが、スペーサーディスク7を損傷することなく、表面品質におけるわずかなずれに対処することができる。さらに、スペーサーディスクは、ボルトの力を圧電素子に亘って均一に分散する。これにより、力の不均一な印加による圧電素子に対する過度な応力がかかるおそれを防止する。
【0042】
スペーサーディスク7の上側、すなわち、コンバーター基部の表面から離れるように向く側には、好ましくは、高い表面品質が設けられる。これは、例えば、研削又はラッピングによって行うことができる。
【0043】
幾つかの、図示の例では6つの圧電素子6が、スペーサーディスク7に当てられ、それらは、電気AC電圧信号を機械的振動に伝達することを意図している。圧電素子6のコンバーター基部3から離れる側には、例えばスチールで作ることができる圧力ディスク5が設けられる。ボルト4は、コンバーター基部3から離れる側のその端部に雄ねじを有し、それは図示の例では、ナット8が係合する鋸歯ねじとして設計されている。ナット8を締めることによって、力が圧力ディスク5に働き、且つ、圧電素子6上の圧力ディスク5を介して、ひいてはスペーサー素子7を介して、振動が、ソノトロードとして設計されるコンバーター基部3に伝達される。
【0044】
圧電素子6、スペーサーディスク7並びに圧力ディスク5が、ボルト4の外径よりも若干大きい内径を有することで、これがボルト4に対して影響することなく、それらが軸線方向、すなわち長さIの方向に伸長縮小できるようになっていることが分かる。従って、圧電素子は、ボルト4によって影響されることなく音響振動を行うことができる。更に、圧電素子に印加される無視のできない電圧がボルトを介して分散しないように注意が必要である。この理由でも、ボルト4の外径と圧電素子6の内径との間に十分に大きな距離が必要である。
【0045】
図4は、コンバーター1の部分切断側面図を示す。ここで、図1~3に示す圧電素子6、並びにスペーサーディスク7、圧力素子5及びナット8は省かれている。
【0046】
この図において、ボルトが、図示の例では0.75mmである遷移半径12を有することが明らかに分かる。コンバーター基部から離れる側のその端部において、ボルトは、圧力素子5及びスペーサー素子7と共に圧電素子6をコンバーター基部3に対して押圧するためにナット8を螺合させることができるねじ部14を有する。コンバーターのボルト4及びコンバーター基部3の記載の設計によって、超音波振動部1の動作時間を大きく向上させることができる。ボルトは、ナット8を保持するために必要であり、それにより、それらをコンバーター基部に対して(又は、スペーサーディスクに対して)押圧するために必要な力が圧電素子に印加される。
【符号の説明】
【0047】
1 コンバーター
2 溶接面
3 コンバーター基部
4 ボルト
5 圧力ディスク
6 圧電素子
7 スペーサーディスク
8 ナット
9 スリット
10 後部
11 前部
12 遷移半径
14 ねじ部
15 カラー
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーター基部と、前記コンバーター基部に接続されたボルト(4)と、張力素子と、貫通開口をもつ少なくとも一つの圧電素子(6)とを有し、前記ボルト(4)が前記貫通開口を貫通し、前記張力素子が前記少なくとも一つの圧電素子に対して前記コンバーター基部の方向に張力を与える、コンバーターであって、前記ボルト(4)が、材料接合で前記コンバーター基部と接続され、前記コンバーターが、ソノトロードとして設計され、前記コンバーター基部が、加工対象の材料と接触するようになっている溶接面を有し、前記コンバーター基部が、前記溶接面(2)の反対側に配置された後側を有し、凹部が前記後側に形成され、その中に前記ボルト(4)が配置される、コンバーターにおいて、前記ボルト(4)が、その前記コンバーター基部との接続部において、0.5mmより大きい遷移半径Rをもつように設けられていることを特徴とするコンバーター。
【請求項2】
前記ボルト(4)及び前記コンバーター基部が、一片の材料から製造されることを特徴とする、請求項1に記載のコンバーター。
【請求項3】
前記ボルト(4)が、前記コンバーター基部との接続部において、1mmよりも大きい、好ましくは2mmよりも大きいの遷移半径Rをもつように設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンバーター(1)。
【請求項4】
貫通開口をもつスペーサーディスク(7)が設けられ、前記スペーサーディスク(7)及び前記少なくとも一つの圧電素子(6)は、前記ボルト(4)が、最初に前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口を貫通し、次に前記少なくとも一つの圧電素子(6)の前記貫通開口を貫通して、前記スペーサーディスク(7)が前記コンバーター基部及び前記圧電素子(6)の両方に当接するように配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンバーター(1)。
【請求項5】
前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口が、その前記コンバーター基部に対向する側において拡大し、前記スペーサーディスク(7)の前記貫通開口が、長さIに沿う長手方向に平行な断面図において、その前記コンバーター基部に対向する側に、0.5mmよりも大きい、好ましくは1mmよりも大きい、特に好ましくは2mmよりも大きい入口半径Eを好ましくは有することを特徴とする、請求項4に記載のコンバーター(1)。
【請求項6】
前記入口半径Eに、2R>E>Rが適用され、好ましくは1.2R>E>Rが適用されることを特徴とする、請求項3に従属する請求項5に記載のコンバーター(1)。
【請求項7】
前記ボルト(4)が、前記コンバーター基部から離れる側にあり且つ雄ねじが設けられた端部を有し、好ましくは前記雄ねじが鋸歯ねじであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンバーター(1)。
【請求項8】
前記コンバーターが、前記溶接面から前記後側まで長さIを有し、前記ボルトが、前記長さIの方向に延在し、好ましくは、前記長さIが、ソノトロードとして設計された前記コンバーターを共振振動状態にすることができる超音波振動の波長の半分に対応していることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンバーター。
【請求項9】
前記少なくとも一つの圧電素子(6)が、前記長さIの範囲内で前記長手方向に配置され、好ましくは、それぞれが貫通開口をもつ4つの圧電素子(6)が設けられ、それらが前記ボルト(4)により貫通され、それらの全てが、前記長さIの範囲内で前記長手方向に配置されていることを特徴とする、請求項に記載のコンバーター。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】