(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成のための技術
(51)【国際特許分類】
H04B 7/185 20060101AFI20240412BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20240412BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20240412BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240412BHJP
【FI】
H04B7/185
H04W84/06
H04W16/26
H04W16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023561144
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2022019835
(87)【国際公開番号】W WO2022216410
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ビュアー,ケネス ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ペトラノヴィッチ,ジェームズ イー.
【テーマコード(参考)】
5K067
5K072
【Fターム(参考)】
5K067EE08
5K072AA29
5K072BB13
5K072BB22
5K072DD07
5K072EE01
(57)【要約】
衛星通信システム及び動作の方法により、複数のユーザカバレッジエリアに関して地上ベースのエンドツーエンドのビーム形成を同時に実行することに基づいて、複数の重複していないユーザカバレッジエリア内の複数のユーザ端末にサービスが提供される。衛星通信システム及び動作の方法により、複数のユーザカバレッジエリアに関して地上ベースのエンドツーエンドのビーム形成を同時に実行することに基づいて、複数の重複していないユーザカバレッジエリア内の複数のユーザ端末にサービスが提供される。システムは、順方向又は逆方向に多数の同時ビームを提供し、それぞれのユーザカバレッジエリアへのビームの割り当てを制御することにより、それぞれのユーザカバレッジエリアに対する容量割り当てが決定される。システム内の衛星に搭載された複数の送信/受信経路は、エンドツーエンドのビーム形成をサポートし、ビーム割り当てを制御することは、それぞれのユーザカバレッジエリアへのそのような経路の割り当てを制御することに基づく。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセスノードと複数のユーザ端末との間の通信を提供するための衛星を備えた衛星通信システムであって、前記複数のアクセスノードが、対応するアクセスノードエリア内に地理的に分散され、前記複数のユーザ端末が、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリア内に地理的に分散され、前記衛星が、
複数の合成入力順方向信号を受信するために前記アクセスノードエリアを照らすように構成された複数のフィーダリンク構成要素を備えるフィーダリンクアンテナサブシステムであって、前記複数の合成入力順方向信号の各々が、前記複数のアクセスノードからの複数の順方向アップリンク信号の重畳として、前記複数のフィーダリンク構成要素のうちの対応する1つによって受信される、フィーダリンクアンテナサブシステムと、
複数の順方向信号経路であって、前記複数の順方向信号経路の各々が、前記複数のフィーダリンク構成要素のうちのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの入力を有し、前記複数の合成入力順方向信号のうちのそれぞれの1つを取得し、複数の順方向合成ダウンリンク信号のうちのそれぞれの1つをそれぞれの出力で生成する、複数の順方向信号経路と、
前記第1のユーザカバレッジエリアを照らすように構成された複数の第1のユーザリンク構成要素を備えた第1のユーザリンクアンテナサブシステムと、
前記第2のユーザカバレッジエリアを照らすように構成された複数の第2のユーザリンク構成要素を備えた第2のユーザリンクアンテナサブシステムであって、前記第2のユーザカバレッジエリアが前記第1のユーザカバレッジエリアと重複していない、第2のユーザリンクアンテナサブシステムと、
前記第1のユーザリンクアンテナサブシステムと前記第2のユーザリンクアンテナサブシステムとの間で前記複数の順方向信号経路を動的に割り当てるように、制御信号に応答して再構成可能な選択器サブシステムであって、前記選択器サブシステムの第1の構成では、前記複数の順方向信号経路の第1のサブセットの前記それぞれの出力が、前記複数の第1のユーザリンク構成要素の第1のサブセットのうちのそれぞれの1つと選択的に結合され、前記複数の順方向信号経路の第2のサブセットの前記それぞれの出力が、前記複数の第2のユーザリンク構成要素の第1のサブセットのうちのそれぞれの1つと選択的に結合される、選択器サブシステムと、を備える、衛星通信システム。
【請求項2】
前記選択器サブシステムの第2の構成では、前記複数の順方向信号経路の第3のサブセットが、前記複数の第1のユーザリンク構成要素の第2のサブセットのうちのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの出力を有し、前記複数の順方向信号経路の第4のサブセットが、前記第2のユーザリンク構成要素の第2のサブセットのうちのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの出力を有する、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項3】
前記第1のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、第1の数の前記第1のユーザリンク構成要素であり、前記第1のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、第2の数の前記第1のユーザリンク構成要素あり、前記第1の数は、前記第2の数とは異なり、
前記第2のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、第3の数の前記第2のユーザリンク構成要素であり、前記第2のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、第4の数の前記第2のユーザリンク構成要素であり、前記第3の数は、前記第4の数とは異なる、請求項2に記載の衛星通信システム。
【請求項4】
前記第1の数と前記第2の数との総計が、前記第3の数と前記第4の数との総計に等しい、請求項3に記載の衛星通信システム。
【請求項5】
前記選択器サブシステムの前記第1の構成が、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間への容量の第1の割り当てを定義し、前記選択器サブシステムの前記第2の構成が、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間への容量の第2の割り当てを定義し、前記容量の第2の割り当てが、前記容量の第1の割り当てとは異なる、請求項2に記載の衛星通信システム。
【請求項6】
前記第1の構成が、第1のビーム重み行列に対応し、前記第2の構成が、前記第1のビーム重み行列とは異なる第2のビーム重み行列に対応する、請求項2に記載の衛星通信システム。
【請求項7】
前記複数の第1のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、前記複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第1のサブセットを送信するように構成され、前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の前記送信された第1のサブセットが、前記第1のユーザカバレッジエリアでの第1のユーザビームの形成に寄与するように重畳し、
前記複数の第2のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、前記複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第2のサブセットを送信するように構成され、前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の前記送信された第2のサブセットが、前記第2のユーザカバレッジエリアでの第2のユーザビームの形成に寄与するように重複する、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項8】
前記複数の順方向アップリンク信号の各々が、前記第1のユーザビーム及び前記第2のユーザビームの双方の形成に寄与する、請求項7に記載の衛星通信システム。
【請求項9】
前記第1のユーザビームが、前記第1のユーザカバレッジエリア内の前記複数の端末の第1のサブセットに対する第1のユーザデータストリームに対応し、前記第2のユーザビームが、前記第2のユーザカバレッジエリア内の前記複数の端末の第2のサブセットに対する第2のユーザデータストリームに対応する、請求項7に記載の衛星通信システム。
【請求項10】
前記選択器サブシステムが、前記複数の順方向信号経路の前記出力に結合された複数の順方向リンクスイッチを備え、前記複数の順方向リンクスイッチの各々が、前記制御信号に応答して、前記複数の順方向信号経路のうちの1つの前記それぞれの出力を、第1のスイッチ状態を介して前記複数の第1のユーザリンク構成要素のうちのそれぞれ1つ、又は第2のスイッチ状態を介して前記複数の第2のユーザリンク構成要素のうちのそれぞれ1つのいずれかに選択的に結合し、前記選択器サブシステムの前記第1の構成では、前記複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットの前記それぞれの出力に結合された前記複数の順方向リンクスイッチの第1のサブセットが、前記第1のスイッチ状態にあり、前記複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットの前記それぞれの出力に結合された前記複数の順方向リンクスイッチの第2のサブセットが、前記第2のスイッチ状態にある、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項11】
複数の戻り信号経路を更に備え、前記複数の戻り信号経路の各々が、前記フィーダリンク構成要素のうちのそれぞれの1つに結合されたそれぞれの出力を有し、前記選択器サブシステムが、前記第1のユーザリンクアンテナサブシステムと前記第2のユーザリンクアンテナサブシステムとの間で前記複数の戻り信号経路を動的に割り当てるように、前記制御信号に応答して再構成可能である、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項12】
前記選択器サブシステムの前記第1の構成では、前記複数の戻り信号経路の第1のサブセットのそれぞれの出力が、前記複数の第1のユーザリンク構成要素の第3のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合されており、前記複数の戻り信号経路の第2のサブセットのそれぞれの出力が、前記複数の第2のユーザリンク構成要素の第3のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合されている、請求項11に記載の衛星通信システム。
【請求項13】
前記アクセスノードエリアが、前記第1のユーザカバレッジエリアと重複せず、かつ、前記第2のユーザカバレッジエリアと重複しない、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項14】
順方向ビーム成形器を更に備え、前記順方向ビーム成形器が、
順方向ビーム信号入力と、
前記複数のアクセスノードと通信する複数のエンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力であって、前記エンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力が、1セットのエンドツーエンド順方向ビーム重みに従った前記順方向ビーム信号入力のそれぞれの重み付けに対応する、複数のエンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力と、を備える、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項15】
前記複数のアクセスノードが、前記複数のアクセスノードと前記衛星との間に導入されたそれぞれの経路遅延及び位相シフトを補償するために、前記複数の順方向アップリンク信号を事前に補正する、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項16】
前記選択器サブシステムが、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間で容量を動的に割り当てるために、前記第1のユーザリンクアンテナサブシステムと前記第2のユーザリンクアンテナサブシステムとの間で前記複数の順方向信号経路を動的に割り当てる、請求項1に記載の衛星通信システム。
【請求項17】
複数のアクセスノードと複数のユーザ端末との間の通信を提供するための方法であって、前記複数のアクセスノードが、対応するアクセスノードエリア内に地理的に分散され、前記複数のユーザ端末が、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリア内に地理的に分散され、前記方法が、
衛星のフィーダリンクアンテナサブシステムの複数のフィーダリンク構成要素を介して、複数の合成入力順方向信号を受信することであって、前記複数の合成入力順方向信号の各々は、前記複数のアクセスノードからの複数の順方向アップリンク信号の重畳として、前記複数のフィーダリンク構成要素のうちの対応する1つによって受信される、受信することと、
前記フィーダリンクアンテナサブシステムを複数の順方向信号経路を介して第1のユーザリンクアンテナサブシステム及び第2のユーザリンクアンテナサブシステムに選択的に結合するように、第1の構成における前記衛星の選択器サブシステムを構成することであって、前記複数の順方向信号経路の各々が、前記複数のフィーダリンク構成要素のうちのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの入力を有し、前記第1の構成では、前記複数の順方向系路の前記第1のサブセットのそれぞれの出力が、前記第1のユーザリンクアンテナサブシステムの複数の第1のユーザリンク構成要素の第1のサブセットのそれぞれの出力と選択的に結合され、前記複数の順方向信号経路の第2のサブセットのそれぞれの出力が、前記第2のユーザリンクアンテナサブシステムの複数の第2のユーザリンク構成要素の第1のサブセットのそれぞれの出力と選択的に結合されている、構成することと、
前記複数の系路の前記出力で、前記複数の合成入力順方向信号から複数の順方向合成ダウンリンク信号を生成することと、
前記第1のユーザリンクアンテナサブシステムの前記複数の第1のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットを介して、前記複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第1のサブセットを送信して、前記第1のユーザカバレッジエリア内の第1の複数の順方向ビームの形成に寄与することと、
前記第2のユーザリンクアンテナサブシステムの前記複数の第2のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットを介して、前記複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第2のサブセットを送信して、前記第2のユーザカバレッジエリアにおける第2の複数の順方向ビームの形成に寄与することであって、前記第2のユーザカバレッジエリアは、前記第1のユーザカバレッジエリアと重複していない、寄与することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記方法が、
前記衛星の前記選択器サブシステムを前記第1の構成から第2の構成に再構成することであって、前記第2の構成では、前記複数の順方向信号経路の第3のサブセットが、前記複数の第1のユーザリンク構成要素の第2のサブセットのうちのそれぞれの1つに結合され、前記複数の順方向信号経路の第4のサブセットが、前記第2のユーザリンク構成要素の第2のサブセットのそれぞれの1つを有する、再構成することと、
前記第1のユーザリンクアンテナの前記複数の第1のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットを介して、前記複数の信号経路の前記第3のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第3のサブセットを送信して、前記第1のユーザカバレッジエリアでの第3の複数の順方向ビームの形成に寄与することと、
前記第2のユーザリンクアンテナサブセットの前記複数の第2のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットを介して、前記複数の順方向信号経路の前記第4のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第4のサブセットを送信して、前記第2のユーザカバレッジエリアでの第4の複数の順方向ビームの形成に寄与することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、第1の数の前記第1のユーザリンク構成要素であり、前記第1のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、第2の数の前記第1のユーザリンク構成要素あり、前記第1の数は、前記第2の数とは異なり、
前記第2のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、第3の数の前記第2のユーザリンク構成要素であり、前記第2のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、第4の数の前記第2のユーザリンク構成要素であり、前記第3の数は、前記第4の数とは異なる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の数と前記第2の数との総計が、前記第3の数と前記第4の数との総計に等しい、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記選択器サブシステムの前記第1の構成が、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間への容量の第1の割り当てを定義し、前記選択器サブシステムの前記第2の構成が、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間への容量の第2の割り当てを定義し、前記容量の第2の割り当てが、前記容量の第1の割り当てとは異なる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の構成が、第1のビーム重み行列に対応し、前記第2の構成が、前記第1のビーム重み行列とは異なる第2のビーム重み行列に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の第1のユーザリンク構成要素の前記第1のサブセットが、前記複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第1のサブセットを送信するように構成され、前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の前記送信された第1のサブセットが、前記第1のユーザカバレッジエリアでの第1のユーザビームの形成に寄与するように重畳し、
前記複数の第2のユーザリンク構成要素の前記第2のサブセットが、前記複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットによって生成された前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の第2のサブセットを送信するように構成され、前記複数の順方向合成ダウンリンク信号の前記送信された第2のサブセットが、前記第2のユーザカバレッジエリアでの第2のユーザビームの形成に寄与するように重複する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の順方向アップリンク信号の各々が、前記第1のユーザビーム及び前記第2のユーザビームの双方の形成に寄与する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のユーザビームが、前記第1のユーザカバレッジエリア内の前記複数の端末の第1のサブセットに対する第1のユーザデータストリームに対応し、前記第2のユーザビームが、前記第2のユーザカバレッジエリア内の前記複数の端末の第2のサブセットに対する第2のユーザデータストリームに対応する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の構成における前記衛星の前記選択器サブシステムを構成することが、
第1のスイッチ状態において、複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットの各々のそれぞれの前記出力が、前記複数の第1のユーザリンク構成要素のうちのそれぞれの1つに選択的に結合されるように、前記複数の順方向信号経路の前記第1のサブセットの前記それぞれの出力に結合された複数の順方向リンクスイッチの第1のサブセットを構成することと、
第2のスイッチ状態において、複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットの各々のそれぞれの出力が、複数の第2のユーザリンク構成要素のうちのそれぞれの1つに選択的に結合されるように、前記複数の順方向信号経路の前記第2のサブセットのそれぞれの出力に結合された前記複数の順方向リンクスイッチの第2のサブセットを構成することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の構成における前記衛星の前記選択器サブシステムを構成することが、前記第1及び第2のユーザリンクアンテナサブシステムを前記フィーダリンクアンテナサブシステムに選択的に結合するように複数の戻り信号経路を構成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記選択器サブシステムの前記第1の構成では、前記複数の戻り信号経路の第1のサブセットのそれぞれの出力が、前記複数の第1のユーザリンク構成要素の第3のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合されており、前記複数の戻り信号経路の第2のサブセットのそれぞれの出力が、前記複数の第2のユーザリンク構成要素の第3のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記アクセスノードエリアが、前記第1のユーザカバレッジエリアと重複せず、かつ、前記第2のユーザカバレッジエリアと重複しない、請求項17に記載の衛星通信システム。
【請求項30】
順方向ビーム信号入力を取得することと、
前記複数のアクセスノードと通信する複数のエンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力を生成することであって、前記エンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力が、1セットのエンドツーエンド順方向ビーム重みに従った前記順方向ビーム信号入力のそれぞれの重み付けに対応する、複数のエンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力を生成することと、を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のアクセスノードにおいて、前記複数のアクセスノードと前記衛星との間に導入されたそれぞれの経路遅延及び位相シフトを補償するために、前記複数の順方向アップリンク信号を事前に補正することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
前記選択器サブシステムを構成することにより、前記第1のユーザカバレッジエリアと前記第2のユーザカバレッジエリアとの間での容量を動的に割り当てる、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示されている技術は、衛星などのエンドツーエンド中継器を介して、地理的に重複しないカバレッジエリア内に同時にビーム形成を行うエンドツーエンドビーム形成を使用する。
【背景技術】
【0002】
衛星通信システムなどの無線通信システムは、通信衛星を使用して、音声、映像、及び様々な他のタイプのデータを含む情報がある場所から他の場所に通信され得る手段を提供する。典型的には、通信衛星は様々な地上のターゲットデバイスと通信するための1つ以上のアンテナアセンブリを含み、これらのデバイスは、地上ベースのアクセスノード端末又はユーザ端末を含み、そのいずれもが、(例えば、永久設置場所に設置される、ある固定設置場所から他の場所に移動されるなどの)固定式、又は移動式(例えば、車両、ボート、飛行機、ハンドヘルドなど)であり得る。
【0003】
通信衛星のアンテナアセンブリは、ダウンリンク信号(例えば、ユーザ端末への順方向リンク信号又はアクセスノードへの戻りリンク信号)を送信し、かつ/又は、アップリンク信号(例えば、アクセスノードからの順方向リンク信号及びユーザ端末からの戻りリンク信号)を受信するように構成され得る。アンテナアセンブリは、サービスカバレッジエリアに関連付けられてよく、そのサービスカバレッジエリアの中でデバイスにアンテナアセンブリを介して通信サービスが提供されてよい。
【0004】
場合によっては、通信衛星が静止衛星であってよく、その場合、通信衛星の軌道が地球の回転と同期され、地球に対して本質的に静止しているサービスカバレッジエリアを維持してよい。その他の場合には、通信衛星がその軌道経路を移動する際に、サービスカバレッジエリアを地表上で移動させる異なる軌道(例えば、地球周回軌道)を使用してもよい。
【0005】
いくつかの通信衛星は、スポットビームのカバレッジエリアを固定された場所に配置してもよい。しかしながら、これらの通信衛星は、スポットビームを移動させてサービスカバレッジエリアへの変更に対応する能力を有していない可能性がある。更に、そのような衛星通信アーキテクチャは、本質的に、サービスカバレッジエリア上に均一に分散された容量を提供する。例えば、スポットビーム当たりの容量は、スポットビーム当たりの割り当てられた帯域幅と強く関連しており、スポットビーム毎に予め決められ得、それゆえ柔軟性や設定可能性はほとんど考慮されていない。
【0006】
これらの衛星通信アーキテクチャは、所望のサービスカバレッジエリアが周知であり、容量の要求がサービスカバレッジエリア上に均一に分散されている場合には価値があり得るが、前述のアーキテクチャの柔軟性の欠如は、特定の用途に対して制限的となる可能性がある。例えば、通信衛星は再タスクされてもよく、又は展開条件(例えば、軌道スロットなど)が変更されてもよい。加えて、衛星通信サービスは、ユーザの要求の変化(例えば、固定ユーザ対モバイルユーザなど)を観察してもよい。
【0007】
ビーム形成のような信号処理技術は、スポットビームの配置やサービスカバレッジエリアを適応させる能力をある程度提供するが、サービスカバレッジエリアやスポットビームの配置の適応において、更なる柔軟性が望まれる場合がある。例えば、衛星通信システム及びそれに応じた通信衛星が、ユーザ端末及びアクセスノード端末の位置、通信サービス容量の空間分散、及び通信サービスの容量割り当てなどの要因に基づいて、サービスカバレッジエリアの位置及び寸法を柔軟かつ動的に調整することが望ましい場合がある。加えて、衛星通信システム及びそれに応じた通信衛星が、異なるサービスカバレッジエリア間で通信リソースを柔軟かつ動的に割り当てること、例えば、動的に変化する条件に基づいて、より高いスループットのサービスを異なるカバレッジエリアにシフトすることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0008】
同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成のための方法、システム、及びデバイスが記載されている。
【0009】
説明される方法及び装置の適用性の更なる範囲は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。説明の範囲内の様々な変更及び修正が当業者には明らかとなるので、詳細な説明及び具体例は、単に例示として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態の性質及び利点の更なる理解は、以下の図面を参照することによって実現することができる。添付の図では、類似のコンポーネント又は機構が同一の参照ラベルを有する場合がある。更に、同一のタイプの様々なコンポーネントは、参照ラベルの後にダッシュ及び類似したコンポーネントを区別する第2のラベルを付けて、区別する場合がある。本明細書において第1の参照ラベルのみが使用される場合、本説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同一の第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれか1つに適用可能である。
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする衛星通信システムを図示する。
【
図2】
図2は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする衛星通信システム構成を図示する。
【
図3】
図3は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする、順方向リンク衛星アンテナスイッチングスキームの例示のダイアグラムを図示する。
【
図4】
図4は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする例示の順方向信号経路の図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする戻りリンク衛星アンテナスイッチングスキームの例示のダイアグラムを図示する。
【
図6】
図6は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする例示の戻り信号経路の例の図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする、エンドツーエンド通信プロセッサのブロックダイアグラムを示す。
【
図8】
図8は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする制御器のブロックダイアグラムを示す。
【
図9】
図9は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする例示の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示されるような衛星通信システム10(「システム」)は、複数のユーザカバレッジエリア14に関して地上ベースのエンドツーエンドビーム形成を同時に実行することに基づいて、複数の重複しないユーザカバレッジエリア14、例えば、第1のユーザカバレッジエリア14-1及び第2のユーザカバレッジエリア14-2内の複数のユーザ端末12にサービスを提供する。以下、別段の記載がない限り、又はコンテキストから明らかでない限り、「ビーム形成」という用語は、地面ベースのエンドツーエンドのビーム形成を指し、接尾辞の参照番号は、明瞭さが接尾辞を含むことを必要とする場合にのみ議論される。
【0013】
図1は、ユーザ端末12に向かって順方向にビーム形成するための詳細を強調し、説明を容易にし、かつ、明確さを維持するためにいくつかの簡略化に頼っている。簡略化された主なものは、第1のユーザカバレッジエリア14-1内の単一のユーザ端末12-1及び第2のユーザカバレッジエリア14-2内の単一のユーザ端末12-2の描写であり、対応する順方向ビーム16-1が第1のユーザ端末12-1にサービスを行い、対応する順方向ビーム16-2が第2のユーザ端末12-2にサービスを行う。「サービスを行うこと」とは、ユーザ端末12-1用に意図された順方向ユーザ信号(複数可)18-1が順方向ビーム16-1内に搬送されるという事実を意味する。同様に、順方向ビーム16-2がユーザ端末12-2用に意図された順方向ユーザ信号18-2を搬送する。
【0014】
システム10の動作には、第1のユーザカバレッジエリア14-1及び第2のユーザカバレッジエリア14-2に潜在的に多くの順方向ビーム16が同時に形成されることが伴う。各順方向ビーム16は、1つ以上のユーザ端末12にサービスを行い、例えば、各順方向ビーム16は、それらが全て同一のビームカバレッジエリア20内にあるという意味で「クラスタ化された」複数のユーザ端末12にサービスを提供する。
図1は、順方向ビーム16-1の地上の「フットプリント」としてのビームカバレッジエリア20-1の例と、順方向ビーム16-2の地上のフットプリントとしてのビームカバレッジエリア20-2の例と、を示す。順方向ビーム16-1のフットプリント内のユーザ端末12は、そのビームによってサービスを受けてよく、同様に、順方向ビーム16-2のフットプリント内のユーザ端末12は、そのビームによってサービスを受けてよい。
【0015】
システム設計の観点から、各ユーザカバレッジエリア14が論理的に複数のビームカバレッジエリア20、すなわち、ビームフットプリント20の既知又は予想される大きさに基づくビームカバレッジエリア20の所定のパターン-に分割され、ユーザカバレッジエリア14全体にわたって順方向カバレッジを提供する例示のアプローチを考える。ユーザカバレッジエリア14へサービスを行うには、事前に定義されたビームカバレッジエリア20が存在するのと同一の数の順方向ビーム16を同時に形成する必要はない。代わりに、時分割多重化(TDM)パターンが使用されてよく、より少ない数の順方向ビーム16が、異なる時間に所定のビームカバレッジエリア20の異なるサブセットを照らすために使用される。
【0016】
特定の地理的エリアを照らすために任意の所与の順方向ビーム16を形成すること、すなわち、ビームカバレッジエリア20がユーザカバレッジエリア14の全体内の所望の場所に位置する順方向ビーム16を形成することは、ビームフォーミングに関与する各アクセスノード22から所望のビーム中心の地理的中心又はその近傍に位置する受信器までの送信チャネルを記述するチャネル推定値を有することが必要である。ビーム形成は、システム10の地上セグメント24の一部を形成する複数の地理的に分散したアクセスノード22を使用することが必要である。
【0017】
実際には、形成された各順方向ビーム16に対して、システム10は、その順方向ビーム16によってサービスを受け、ビーム中心として指定された地理的位置にあるか、又はそれに十分に近いユーザ端末12に関するチャネル推定を取得する。そのようなユーザ端末12は、参照ユーザ端末(RUT)又は指定ユーザ端末(DUT)と称されてよい。したがって、同一の順方向ビーム16によってサービスを受ける全てのユーザ端末12の所与のクラスタに対して、それらのうちの中央に位置する1つは、順方向ビーム16を形成するために使用されるエンドツーエンドチャネルを推定するためのRUTとして機能する。特に、衛星通信システム10は、各順方向ビーム16に関連付けられたRUTに関してチャネル「サウンディング」を使用して、各アクセスノード22からRUTまでのエンドツーエンドチャネルを決定する。「サウンディング」とは、RUTと各アクセスノード22との間のチャネルを推定する際に使用するための既知の基準信号の送信を指す。サウンディングは定期的に実行され、例えば、変動する大気条件に応答してビーム形成重みを適合させ得る。
【0018】
RUTとアクセスノード22のうちのそれぞれ1つとの間の各チャネルはマルチパスチャネルであり、地上セグメント24とユーザ端末12との間のエンドツーエンドの中継器としてシステム10の衛星26が機能する。ここで、マルチパスの誘導は意図的なものであり、各アクセスノード22に対して衛星26を通過する複数の順方向信号経路が存在することに基づいて生じる。誘導されたマルチパスを理解するために、各アクセスノード22が、衛星26に搭載されたフィーダリンクアレイ32のフィード30の一部又は全てによって受信される順方向アップリンク信号28を送信することを考える。フィーダリンクアレイ32は、フィーダリンクアンテナサブシステムと称されてよいと同時に、個々のフィード30が複数の合成入力順方向信号を受信するためにアクセスノードエリアを照らすように構成されたフィーダリンク構成要素と称される。
【0019】
各フィード30は、順方向アップリンク信号28の重畳、すなわち、アクセスノード22のうちの2つ以上からの個々の順方向アップリンク信号28から構成される重畳信号34を受信する。各フィード30での重畳信号34は一意であり、フィード30とアクセスノード22の個々のものとの間のチャネルに依存し、また、アクセスノード22は「衛星アクセスノード」又はSANと称されてよい。また、重畳信号34は合成入力順方向信号とも称されてよい。
【0020】
したがって、各フィード30は、合成入力順方向信号34を受信し、それを衛星26に搭載されたトランスポンダ38の入力端に与えられる受信された合成入力順方向信号36として提供する。各トランスポンダ38は、受信した合成入力順方向信号36のそれぞれを搬送するための衛星26内の信号系路とみなされ得る。フィード30の数は大きくてもよく、例えば、500個以上であってもよく、衛星26は、各フィード30のためのトランスポンダ38を含む。誤動作するトランスポンダ38の代替として、追加の予備のトランスポンダ38が搭載されていてもよい。
【0021】
各トランスポンダ38は、非処理信号経路を提供し、これは、合成入力順方向信号36に関して信号復調及び再変調を実行しないことを意味する。しかしながら、1つ以上の実施形態におけるトランスポンダ38は、アップリンク周波数からダウンリンク周波数へシフトさせるためのフィルタ、増幅器、及び周波数シフタを含む。そのような動作では、各トランスポンダ38に入力された、受信された合成入力順方向信号36が、送信された順方向合成ダウンリンク信号46として、第1のユーザリンクフィードアレイ44-1又は第2のユーザリンクフィードアレイ44-2のいずれかでの対応するフィーダ42から送信される対応する順方向合成ダウンリンク信号40に変換される。第1のユーザリンクフィードアレイ44-1は、第1のユーザカバレッジエリア14-1にサービスを行い、第2のユーザリンクフィードアレイ44-2は、第2のユーザカバレッジエリア14-2にサービスを行う。
【0022】
第1のユーザカバレッジエリア14-1に割り当てられた順方向ビーム16の数及び第2のユーザカバレッジエリア14-2に割り当てられた順方向ビーム16の数を制御することは、衛星26内のトランスポンダ接続性を制御する機能、すなわち、トランスポンダ38のうちのいくつが第1のユーザリンクフィードアレイ44-1に割り当てられ、トランスポンダ38のうちのいくつが第2のユーザリンクフィードアレイ44-2に割り当てられているかを制御する機能である。この配置を理解するために、フィーダリンクアレイ32内のN個のフィード30、衛星26に搭載されたN個のトランスポンダ38、及びユーザリンクフィードアレイ44-1及び44-2の各々における最大N個のフィード42を用いて、ビーム形成において協働するM個のアクセスノード22に基づいて、総計K個の順方向ビーム16を同時に形成することを考える。非限定的な例として、Kは512に等しく、M及びNはKに等しい。各ユーザリンクフィードアレイ44-1又は44-2がN個のフィード42を含み、衛星26に搭載されたスイッチング回路48が、各トランスポンダ38の出力端を第1のユーザリンクフィードアレイ44-1又は第2のユーザリンクフィードアレイ44-2のいずれかに切り替えるように動作すると想定する。
【0023】
全てのN個のトランスポンダ38の出力端を第1のユーザリンクフィードアレイ44-1のN個のフィード42のそれぞれに切り替えることは、K個の順方向ビーム16の全てを第1のユーザカバレッジエリア14-1に割り当てることであると理解することができ、N個のトランスポンダ38の全ての出力端を第2のユーザフィードリンクアレイ44-2のN個のフィード42のそれぞれに切り替えることは、K個の順方向ビーム16を第2のユーザカバレッジエリア14-2に割り当てることである。N個のトランスポンダ38のうちのR個の出力端を第1のユーザフィードリンクアレイ44-1のN個のフィード42のそれぞれに切り替え、出力がR個の順方向ビーム16を第1のユーザカバレッジエリア14-1に割り当てて、第2のユーザカバレッジエリア14-2に対して(N-R)個の順方向ビーム16を形成するために割り当て可能なN個のトランスポンダ38のうちの(N-R)個を残す。
【0024】
1つ以上の実施形態では、第1及び第2のユーザリンクフィードアレイ44-1の各々は、フィーダリンクアレイ32に含まれるフィード30よりも少ないフィード42を含む。非限定的な例として、フィーダリンクアレイ32内に512個のフィード30が存在し、第1のユーザリンクフィードアレイ44-1内に358個のフィード42が存在し、第2のユーザリンクフィードアレイ44-2内に別の358個のフィード42が存在する。そのような配置により、どの時点においても第1のユーザカバレッジエリア14-1又は第2のユーザカバレッジエリア14-2のいずれかに最大70パーセント(358/512)の順方向容量を割り当てることが可能になる。すなわち、最大358個のフィード30及び対応するトランスポンダ38は、任意の所与の時点で第1のユーザカバレッジエリア14-1又は第2のユーザカバレッジエリア14-2のいずれかに接続され得る。もちろん、衛星26は、タイムスロット又は他のスケジューリング間隔にわたって容量割り当てを変更してよく、70%の例は非限定的である。
【0025】
最大割り当ての柔軟性は、全てのトランスポンダ38が第1のユーザリンクフィードアレイ44-1又は第2のユーザリンクフィードアレイ44-2のいずれかに割り当てることができる実施形態で生じる。柔軟性は、追加のスイッチング又は分割回路を犠牲にするものであり、動的に割り当て可能なトランスポンダ38の数は、全ての数よりも少なくなる可能性がある。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、各ユーザリンクフィードアレイ44-1及び44-2は、N/2個以上のフィード42を含み、N個のトランスポンダ38の半分以上が、任意の所与の時点でユーザカバレッジエリア14-1又は14-2のうちのそれぞれの1つに割り当てられることが可能になる。例えば、各ユーザリンクフィードアレイ44は、2N/3個のフィード42を含み、したがって、トランスポンダ38の最大3分の2がユーザリンクフィードアレイ44-1又は44-2のうちの選択された1つに割り当てられることが可能になる。実際には、各ユーザリンクフィードアレイ44に含まれるフィード42の数は、全てのユーザリンクフィードアレイ44の間で同一である必要はないが、各ユーザリンクフィードアレイ44に含まれるフィード42の数により、そのユーザリンクフィードアレイ44によってサービスを受けるユーザカバレッジエリア14に割り当て可能な順方向ビーム16の数に上限が設けられる。
【0027】
スイッチング回路48は、「選択器サブシステム」として動作し、どのトランスポンダ38が第1のユーザリンクフィードアレイ44-1及び第2のユーザリンクフィードアレイ44-2の間で切り替え可能であるか、及び、トランスポンダ38の数を決定する。例えば、制御回路50から出力される制御信号に応答して、トランスポンダ38の接続性(割り当て)を制御する。次に、制御回路50は、ストレージ52、例えば、1つ以上のタイプのメモリ回路を含むか又は関連付けられ、ストレージ52は、例えば、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間のユーザカバレッジエリア14間での容量の動的割り当てを制御するために使用されるスケジュールを記憶する。スケジュールは、例えば、ユーザカバレッジエリア14間での異なる容量必要性などの一般的な条件に依存して、地上セグメント24によって決定された、アップロードされた制御情報に基づいて、動的に決定又は更新され得る。
【0028】
順方向における「容量」の割り当ては、順方向ビーム16の総数が、それぞれのユーザカバレッジエリア14の間でどのように分割されるかを指す。1つ以上の実施形態では、トランスポンダ38のそれぞれのサブセットは、対応するユーザカバレッジエリア14に専用であってもよく、その一方で、トランスポンダ38のセット全体のうちの他のサブセットは、それぞれのサービスエリアにおける変化する容量必要性を考慮して、ユーザカバレッジエリア14間で動的に切り替え可能である。
【0029】
上記の詳細に従ったビーム形成を更に理解するために、1つ以上の外部ネットワーク60から衛星通信システム10の地上セグメント24に着信するユーザデータストリーム62を考える。例示の外部ネットワークは、インターネット又は他のパケットデータネットワーク(PDN)、公衆ランドモバイルネットワーク(PLMN)、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)などのうちのいずれか1つ以上を含む。各ユーザデータストリーム62は、衛星26によってサービスを受けるユーザカバレッジエリア14のうちの1つにおいて、それぞれのユーザ端末12を対象とする。地上セグメント24に含まれる1つ以上のネットワークデバイス64は、ユーザデータストリーム62を受信し、各ユーザデータストリーム62に対して、対象ユーザ端末12を決定し、対象ユーザ端末12にサービスを行うために使用される順方向ビーム16を決定する。同一の順方向ビーム16に割り当てられたユーザデータストリーム62は、対応する順方向ビーム信号66を形成するために使用される。
【0030】
複数の順方向ビーム信号66は、地上セグメント24に含まれるビーム形成器68に提供される。ビーム重み生成器70は、ビーム形成重み72を生成し、ビーム形成器68は、ビーム形成重み72を使用して、ビーム形成に協働するそれぞれのアクセスノード22が順方向アップリンク信号28として送信するための対応する順方向アクセスノード信号74を生成する。順方向アクセスノード信号74は、エンドツーエンドのビーム形成プロセスをサポートするように同期される。
【0031】
ビーム形成重み72は、各々のアクセスノード22と各順方向ビーム16に関連付けられたRUTとの間で決定されたエンドツーエンドチャネルに基づく。すなわち、ビーム形成重み72は、各アクセスノード22から各RUTへのエンドツーエンドチャネルを担当し、これには、各アクセスノード22からフィーダリンクアレイ32内のフィード30の各々へのアップリンクチャネル、衛星26を通過するマルチパスチャネル、及びユーザリンクフィードアレイ44内のフィード42の各々からRUTへのダウンリンクチャネルが含まれる。
【0032】
M個のアクセスノード22及びK個の順方向ビーム16が存在することに基づく詳細な例として、ビーム形成器68は、K個の順方向ビーム信号66の各々を、K個の順方向ビーム信号66のM個のグループに重複させる。ビーム形成器68は、M個のアクセスノードの各々について順方向重み付け及び総計モジュール(図示せず)を含み、各々のそのようなモジュールは、K個の順方向ビーム信号66のM個のグループのうちの1つを受信する。ビーム重み生成器70は、K×Mのエンドツーエンドの順方向マルチパスチャネルの各々についてのエンドツーエンドの順方向ゲインを推定するチャネル行列に基づいて、M×Kの順方向ビーム重み行列を生成する。
【0033】
ビーム形成器68内の第1の重み付け及び総計モジュールは、M×Kの順方向ビーム重み行列の1、1要素の値に等しい重み付けを、Kの順方向ビーム信号66の一番目のものに適用する。M×K順方向ビーム重み行列の1、2要素の値に等しい重みが、K個の順方向ビーム信号66の二番目のものに適用される。行列の他の重みは、K番目の順方向ビーム信号66を介して同様の方法で適用され、これは、M×Kの順方向ビーム重み行列の1、K要素に等しい値で重み付けされる。次いで、K個の重み付けされた順方向ビーム信号66の各々は、
図1に示される順方向アクセスノード信号74の対応するもの1つとして、第1の重み付け及び総計モジュールから総計され、出力される。第1の重み付け及び総計モジュールによって出力された順方向アクセスノード信号74は、複数のアクセスノード22にわたる送信の同期のために時間調整され得る。同様に、ビーム形成器68(図示せず)の他の重み付け及び総計モジュールの各々は、重複したK個の順方向ビーム信号66のそれぞれのセットを受信し、M×K個の順方向ビーム重み行列の対応する要素を使用してそれを重み付けして、総計する。M個の重み付け及び総計モジュールの各々からの出力は、順方向アクセスノード信号74を形成/提供する一部として、タイミング、例えば、遅延及びジッタのために調整されてもよい。
【0034】
地上セグメント24でビーム形成器68によって適用されるビーム重みの結果として、アクセスノード22から衛星26へ/衛星26を介して送信される順方向アップリンク信号28は、順方向ビーム16を形成する。衛星26は、このビーム形成コンテキストにおいてエンドツーエンド中継器として機能する。形成される順方向ビーム16の大きさ及び場所は、展開されるアクセスノード22の数、信号が通過する中継アンテナ素子(フィード30及び42)の数及びアンテナパターン、衛星26の場所、及び/又はアクセスノード22の地理的間隔の関数であってよい。
【0035】
図2は、戻り方向、すなわち、ユーザ端末12からアクセスノード22へのビーム形成を示す。ダイアグラムに示されていない戻りユーザビームは、自由空間内ではなく、地上セグメント24内にデジタル方式で形成される。戻りビーム形成は、隣接するビームカバレッジエリア20に配置されたユーザ端末12によって送信されたアップリンク信号間での分離又は干渉の低減を提供する。
【0036】
第1のユーザカバレッジエリア14-1のビームカバレッジエリア20-1内のユーザ端末12-1が、アップリンク信号80-1、例えば、外部ネットワーク(複数可)60宛てのユーザデータを含むアップリンク信号を送信する例示の場合を考える。同時に、第1のユーザカバレッジエリア14-1内の隣接するビームカバレッジエリア20-3内のユーザ端末12-3が、アップリンク信号80-3を送信する。同様に、第2のユーザカバレッジエリア14-2のビームカバレッジエリア20-2内のユーザ端末12-2が、アップリンク信号80-2、例えば、外部ネットワーク(複数可)60宛てのユーザデータを含むアップリンク信号を送信する。同時に、第2の全体的なユーザカバレッジエリア14-2内の隣接するビームカバレッジエリア20-4内のユーザ端末12-4が、アップリンク信号80-4を送信する。戻り方向でのビーム形成では、そのような信号間の干渉が低減され、それぞれのビームカバレッジエリア20上での周波数再利用が容易になる。
【0037】
戻りビーム形成を理解するために、第1のユーザリンクフィードアレイ86-1内の各フィード84が、対応するユーザカバレッジエリア14-1内のユーザ端末12によって送信されているアップリンク信号80の一意の重畳である重畳信号82を受信することを考える。同様に、第2のユーザリンクフィードアレイ86-2内の各フィード84は、対応するユーザカバレッジエリア14-2内のユーザ端末12によって送信されているアップリンク信号80の一意の重畳である重畳信号82を受信する。更なるユーザカバレッジエリア14が存在する程度まで、追加のユーザカバレッジエリア14のそれぞれに同一のことが当てはまる。
【0038】
各フィード82は、戻り合成戻りアップリンク信号90を出力し、戻り合成戻りアップリンク信号90は、スイッチング回路88によってトランスポンダ92のそれぞれの1つに切り替えられる。順方向のビーム形成と同様に、第1のユーザリンクフィードアレイ86-1に割り当てられたトランスポンダ92の数に対する第2のユーザリンクフィードアレイ86-2に割り当てられたトランスポンダ92の数により、第2のユーザカバレッジエリア14-2に対する第1のユーザカバレッジエリア14-1に割り当てられた戻りビームの数が決定される。1つ以上の実施形態では、戻りビーム(図示せず)の構成及び割り当ては、順方向ビーム16の構成及び割り当てに一致する。
【0039】
各トランスポンダ92は、フィーダリンクアンテナサブシステム98内の対応するフィード96から送信される戻り合成戻りダウンリンク信号94を出力する。各戻り合成戻りダウンリンク信号94の送信バージョンは、送信信号100としてダイアグラムに示される。対応して、各アクセスノード22は、送信信号100の一意の重畳である重畳信号102を受信し、対応する戻り合成信号104をビーム形成器68に提供する。戻り合成信号104は、コヒーレンスのために時間同期されてよく、ビーム形成器68は、ビーム形成重み108を適用して、戻りビーム信号106によって表される、デジタルドメイン内の戻りビームを形成する。
【0040】
ビーム形成重み108は、チャネルデータストアに格納された情報に基づくK×Mの戻りビーム重み行列を含み、チャネルデータストアは、ビーム形成器68に実装された、又はそれに関連付けられたチャネル推定器によって投入される。ビーム重み生成器70におけるビーム形成重み108の導出は、チャネル推定、例えば、それぞれのユーザカバレッジエリア14内のRUTから送信された戻りリンク信号に基づくエンドツーエンドチャネル推定に依存する。これらの戻りリンクエンドツーエンドチャネル推定は、各RUTと各アクセスノード22との間のマルチパス戻りリンクチャネルを担当する。
【0041】
戻りビーム形成に対して、ビーム形成器68はビーム重み入力を有し、ビーム重み入力を介してビーム形成器68はビーム重み生成器70から戻りビーム重み行列(ビーム形成重み108)を受信する。戻り合成信号104の各々は、ビーム形成器68内のM個のスプリッタ及び重み付けモジュール(図示せず)のうちの関連する1つに結合される。
【0042】
各スプリッタ及び重み付けモジュールは、時間合わせされた戻り合成信号104をK個のコピーに分割する。各スプリッタ及び重み付けモジュールは、K×M戻りビーム重み行列のk及びm要素を使用して、K個のコピーの各々を重み付けする。次いで、K個の重み付けされた合成戻り信号の各セットは、各スプリッタ及び重み付けモジュールから出力されたk個の重み付けされた合成戻り信号を組み合わせて、k個の戻りビーム信号106を出力する結合モジュール(図示せず)に結合される。K個の戻りビーム信号106の各々は、対応するビームカバレッジエリア内でアクティブである全てのユーザ端末12からの通信信号サンプルを含む。
【0043】
上記の例示の詳細を念頭に置いて、複数のアクセスノード22と複数のユーザ端末12との間の通信を提供するための衛星26を備える衛星通信システム10。複数のアクセスノード22は、対応するアクセスノードエリア内に地理的に分散されており、複数のユーザ端末12は、第1のユーザカバレッジエリア14-1及び第2のユーザカバレッジエリア14-2内に地理的に分散されている。換言すると、ユーザ端末12の一部が第1のユーザカバレッジエリア14-1内に分散され、ユーザ端末12の一部が第2のユーザカバレッジエリア14-2内に分散される。
【0044】
衛星26に搭載されたフィーダリンクアレイ32は、フィーダリンクアンテナサブシステム32と称されると同時に、フィード30は、フィーダリンクアンテナサブシステム32の複数のフィーダリンク構成要素30と称されてよい。各フィーダリンク構成要素30は、アクセスノードエリアを照らして、合成入力順方向信号34として複数のアクセスノード22から複数の順方向アップリンク信号28の一意の重畳を受信するように構成されている。
【0045】
トランスポンダ38は、順方向信号経路38と称されてよく、衛星26は、複数の順方向信号経路38を提供する。複数の順方向信号経路38の各々は、複数のフィーダリンク構成要素30のうちのそれぞれ1つと結合されたそれぞれの入力を有し、受信した合成入力順方向入力信号36として、複数の合成入力順方向信号34のそれぞれ1つを取得する。それに対応して、各順方向信号経路38は、それぞれの出力で、複数の順方向合成ダウンリンク信号40のうちのそれぞれ1つを提供する。
【0046】
衛星26の第1のユーザリンクアレイ44-1は、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1を参照されてよく、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のフィード42は、第1のユーザリンク構成要素42と称されてよく、それらは、第1のユーザカバレッジエリア14-1を照らすように構成される。同様に、衛星26の第2のユーザリンクアレイ44-2は、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2と称されてよく、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のフィード42は、第2のユーザリンク構成要素42と称されてよく、第2のユーザリンク構成要素エレメント42は、第2のユーザカバレッジエリア14-2を照らすように構成される。第2のユーザカバレッジエリア14-2は、第1のユーザカバレッジエリア14-1と重複していない。
【0047】
スイッチング回路48は、任意のスイッチ行列入力と任意のスイッチマトリックス出力との間の完全なクロススイッチング接続性を有するスイッチ行列を含んでよく、選択器サブシステム48と称されてよい。選択器サブシステム48は、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1及び第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2の間で複数の順方向信号経路38を動的に割り当てるように、制御信号に応答して再構成可能である。特に、選択器サブシステム48の第1の構成では、複数の順方向信号経路38の第1のサブセットのそれぞれの出力が、複数の第1のユーザリンク構成要素42の第1のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合され、複数の順方向信号経路38の第2のサブセットのそれぞれの出力が、複数の第2のユーザリンク構成要素42の第1のサブセットのそれぞれの1つと選択的に結合される。
【0048】
選択器サブシステム48の第2の構成では、複数の順方向信号経路38の第3のサブセットが、複数の第1のユーザリンク構成要素42の第2のサブセットのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの出力を有し、複数の順方向信号経路38の第4のサブセットが、第2のユーザリンク構成要素42の第2のサブセットのそれぞれの1つと結合されたそれぞれの出力を有する。第1のユーザリンク構成要素42の第1のサブセットが、第1の数の第1のユーザリンク構成要素42であり、第1のユーザリンク構成要素42の第2のサブセットが、第2の数の第1のユーザリンク構成要素42であり、第1の数は、第2の数とは異なる。第2のユーザリンク構成要素42の第1のサブセットが、第3の数の第2のユーザリンク構成要素42であり、第2のユーザリンク構成要素42の第2のサブセットが、第4の数の第2のユーザリンク構成要素42であり、第3の数は、第4の数とは異なる。少なくとも1つの実施形態では、第1の数と第2の数との総計は、第3の数と第4の数との総計に等しい。
【0049】
選択器サブシステム48の第1の構成は、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間での容量の第1の割り当てを定義する。選択器サブシステム48の第2の構成は、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間での容量の第2の割り当てを定義し、容量の第2の割り当ては、容量の第1の割り当てとは異なる。第1の構成は、第1のビーム重み行列に対応し、第2の構成は、第1のビーム重み行列とは異なる第2のビーム重み行列に対応する。
図1に示されるビーム形成重み72を参照すると、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間の異なる容量割り当てに対応する、異なるセットのビーム形成重み72-異なるビーム形成行列が存在してよい。
【0050】
複数の第1のユーザリンク構成要素42の第1のサブセットは、複数の順方向信号経路38の第1のサブセットによって生成された複数の順方向合成ダウンリンク信号40の第1のサブセットを、送信された順方向合成ダウンリンク信号46として送信するように構成される。複数の順方向合成ダウンリンク信号40の送信された第1のサブセットは、第1のユーザカバレッジエリア14-1での第1のユーザビーム(第1の順方向ビーム16)の形成に寄与するように重複する。複数の第2のユーザリンク構成要素42の第2のサブセットは、複数の順方向信号経路38の第2のサブセットによって生成された複数の順方向合成ダウンリンク信号40の第2のサブセットを送信するように構成される。複数の順方向合成ダウンリンク信号40の送信された第2のサブセットは、第2のユーザカバレッジエリア14-2での第2のユーザビーム(第2の順方向ビーム16)の形成に寄与するように重複する。
【0051】
複数の順方向アップリンク信号28の各々は、第1のユーザビーム及び第2のユーザビームの双方の形成に寄与する。第1のユーザビームは、第1のユーザカバレッジエリア14-1内の複数のユーザ端末12の第1のサブセットに対する第1のユーザデータストリーム62に対応する。同様に、第2のユーザビームは、第2のユーザカバレッジエリア14―2内の複数のユーザ端末12の第2のサブセットに対する第2のユーザデータストリーム62に対応する。
【0052】
1つ以上の実施形態における選択器サブシステム48は、複数の順方向信号経路38の出力に結合された複数の順方向リンクスイッチを備える。複数の順方向リンクスイッチの各々は、選択器サブシステム48に与えられた制御信号に応答して、複数の順方向信号経路38のうちの1つのそれぞれの出力を、第1のスイッチ状態を介して複数の第1のユーザリンク構成要素42のそれぞれ1つに、又は第2のスイッチ状態を介して複数の第2のユーザリンク構成要素42のそれぞれ1つに選択的に結合させる。したがって、選択器サブシステム48の第1の構成では、複数の順方向信号経路38の第1のサブセットのそれぞれの出力に結合された複数の順方向リンクスイッチの第1のサブセットが第1のスイッチ状態にあり、複数の順方向信号経路38の第2のサブセットのそれぞれの出力に結合された複数の順方向リンクスイッチの第2のサブセットが第2のスイッチ状態にある。
【0053】
図2に示されるように、衛星26は、図に示されるトランスポンダ92によって表されるように、複数の戻り信号経路も備える。複数の戻り信号経路92の各々は、フィーダリンクアンテナサブシステム98内のフィード96のそれぞれ1つと結合されたそれぞれの出力を有する。スイッチング回路88は、制御回路50からの制御信号に応答して、第1のユーザリンクアレイ86-1及び第2のユーザリンクアレイ86-2内のフィード84とフィーダリンクアンテナサブシステム98内のフィード96との間の接続性を制御する。例えば、選択器サブシステム88の第1の構成では、選択器サブシステム88は、第1のユーザリンクアレイ86-1のフィード84の第1のサブセットが、フィーダリンクアンテナサブシステム98のそれぞれのフィード96に結合されるように、トランスポンダ92の入力端と第1のユーザリンクアレイ86-1及び第2のユーザリンクアレイ86-2のフィード84との間の接続性を制御することにより、第1のユーザカバレッジエリア14-1に関する戻りビーム形成をサポートする。更に、第2のユーザリンクアレイ86-2内のフィード84の第2のサブセットは、フィーダリンクアンテナサブシステム98内のそれぞれのフィード96に結合されることにより、第2のユーザカバレッジエリア14-2に関する戻りビーム形成をサポートする。
【0054】
上記は、トランスポンダ92の第1及び第2のサブセットを第1のユーザカバレッジエリア14-1及び第2のユーザカバレッジエリア14-2にそれぞれ割り当てることにより、そのようなユーザカバレッジエリア14毎に使用される戻りビームの数を制御することとして理解してよい。第3のユーザカバレッジエリア14に対して、トランスポンダ92の第3のサブセットが割り当てられてもよい。
【0055】
衛星26に搭載された特定の構成要素は、順方向リンク通信と戻りリンク通信との間で共有されてもよく、例えば、それぞれのアンテナサブシステムに含まれる任意の反射器が共有されてもよい。1つ以上の実施形態では、アンテナフィードが共有されてもよい。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、トランスポンダ92は、トランスポンダ38と部分的又は完全に異なる。
【0056】
地上セグメント24内の対象のアイテムは、ビーム形成器68として
図1及び
図2に示されるビーム形成器を含む。実際に、ビーム形成器68は、順方向ビーム形成器及び戻りビーム形成器を備えてよい。順方向ビーム形成に対して、ビーム形成器68は、順方向ビーム信号入力を有する。
図1のビーム形成器68に供給される順方向ビーム信号66を参照されたい。更に、ビーム形成器68は、複数のアクセスノード22と通信する複数のエンドツーエンドビーム重み付け順方向アップリンク信号出力を有する。
図1の順方向アクセスノード信号74を参照されたい。エンドツーエンドのビーム重み付け順方向アップリンク信号出力は、ビーム重み生成器70によって提供される1セットのエンドツーエンド順方向ビーム重みに従って、順方向ビーム信号入力のそれぞれの重み付けに対応する。1つ以上の実施形態では、複数のアクセスノード22は、複数のアクセスノード22と衛星26との間に導入されたそれぞれの経路遅延及び位相シフトを補償するために、複数の順方向アップリンク信号74を事前に補正する。
【0057】
少なくとも1つの実施形態では、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間の容量を動的に割り当てるために、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1と第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2との間の複数の順方向信号経路38を選択器サブシステム48が動的に割り当てる。
【0058】
図3は、衛星26の例示の実装態様を示し、衛星26は、順方向/戻り信号経路として構成されたトランスポンダ38を含み、その一部又は全ては、例えば、それぞれのユーザカバレッジエリア14-1及び14-2で動作するユーザ端末12の容量必要性に基づいて、第1のユーザカバレッジエリア14-1と第2のユーザカバレッジエリア14-2との間に動的に割り当て可能である。衛星26は、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1を含み、この第1のユーザリンクアンテナサブシステムは、第1のユーザカバレッジエリア14-1内のユーザ端末12に順方向及び戻り方向、すなわち、送信方向及び受信方向でサービスを行うように動作する。更に、衛星26は、第2のユーザカバレッジエリア14-2内のユーザ端末12に順方向及び戻り方向でサービスを行うように動作する第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2を含む。更に、衛星26は、アクセスノードエリア120内の複数のアクセスノード22と通信(送受信)するように動作するフィーダリンクアンテナサブシステム32を含む。それぞれのエリア14-1、14-2、及び120は、重複していない。
【0059】
図4は、衛星26が3つのユーザカバレッジエリア14-1、14-2、及び14-3に関する同時ビーム形成をサポートする例示の構成における、順方向及び戻り信号経路に関する例示の詳細を示す。第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1は、第1のユーザカバレッジエリア14-1に関するビーム形成をサポートし、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2は、第2のユーザカバレッジエリア14-2に関するビーム形成をサポートし、第3のユーザリンクアンテナサブシステム44-3は、第3のユーザカバレッジエリア14-3に関するビーム形成をサポートする。
【0060】
注意すべき用語のポイントは、順方向信号経路又はトランスポンダ38の入力端と、フィーダリンクアンテナサブシステム32内のそれぞれのフィード30との間の接続回路が、順方向受信経路400を参照されてよいことである。同様に、順方向信号経路又はトランスポンダ38の出力端と、第1のユーザリンクアンテナサブシステム14-1、第2のユーザリンクアンテナサブシステム14-2、及び第3のユーザリンクアンテナサブシステム14-3のそれぞれのフィード42との間の接続回路は、順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3と称されてよい。そのような回路は、選択器サブシステム48に含まれる選択器回路の一部であってよいか、又は選択器サブシステム48に含まれる選択器回路と結合してよい。すなわち、順方向受信経路400の個々の経路及び/又は順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3の個々の経路は、特定のトランスポンダ38が第1のユーザリンクアンテナサブシステム14-1内のフィード42に結合するか、第2のユーザリンクアンテナサブシステム14-2内のフィード42に結合するか、又は第3のユーザリンクアンテナサブシステム14-3内のフィード42に結合するかを制御するように切り替えられてもよい。また、順方向信号経路又はトランスポンダ38は、無線周波数変換スタック(RFC)のグループを含んでもよいことに留意されたい。
【0061】
少なくとも1つの実施形態では、トランスポンダ38の第1のサブセットは、第1のユーザカバレッジエリア14-1に関するビーム形成のために、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1専用であり、トランスポンダ38の第2のサブセットは、第2のユーザカバレッジエリア14-2に関するビーム形成のために、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2専用であり、トランスポンダ38の第3のサブセットは、第3のユーザカバレッジエリア14-3に関するビーム形成のために第3のユーザリンクアンテナサブシステム44-3専用である。トランスポンダ38の更なるサブセット内の個々のトランスポンダ38又はそのグループは、それぞれのユーザカバレッジエリア14におけるそれぞれの容量必要性に依存して、3つのユーザカバレッジエリア14-1、14-2、及び14-3のいずれかに割り当てることが可能である。
【0062】
少なくとも1つの実施形態では、トランスポンダ38の一部又は全ては、ユーザカバレッジエリア14のうちのいずれか1つに割り当て可能であるか、又はそれぞれのユーザカバレッジエリア14に任意の所望の比率で割り当て可能である。前述のように、選択器サブシステム48の割り当て能力に対する複雑さ及び重みにはトレードオフが存在し、これは、例えば、順方向受信経路400及び/又は順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3のそれぞれに配置されたスイッチ又はスプリッタを備え、選択器サブシステム48は、どのトランスポンダ入力がどのフィード30に切り替えられるか、又はどのトランスポンダ出力がどのフィード42に切り替えられるかを制御する。したがって、ダイアグラムでは選択器サブシステム48は自己完結型エンティティとして描写されているが、制御回路50からの制御信号に応答して衛星26内の信号系路接続性を制御する、分散されたセットのスイッチ又はスイッチ行列、又は1セットのスプリッタを備えてよい。
【0063】
少なくとも1つの実施形態では、トランスポンダ38の全て又は定義されたサブセットのうちの各トランスポンダ38の出力端は、ユーザリンクアンテナサブシステム44のうちのいずれかのフィード42に選択的に接続可能である。二重偏波であるフィード42に対して、選択器サブシステム48はまた、トランスポンダ出力がどのフィードポートに接続するかを制御してよい。
【0064】
一例では、衛星26はN個のトランスポンダ38(例えば、これは順方向受信経路400の数量に等しくてもよい)を有し、選択器サブシステム48はN・2個の切り替え出力を有し、それぞれが順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3の間の順方向送信経路と選択的に結合される。すなわち、順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3の数量は、N・2に等しくてもよい。例えば、順方向送信経路404-1は、P_1送信経路を含んでよく、順方向送信経路404-2は、P_2送信経路を含んでよく、順方向送信経路404-3は、P_3送信経路を含んでよく、式中では、P_1+P_2+P_3=N・2となる。
【0065】
いくつかの実施形態では、それぞれのアンテナサブシステムと結合された順方向送信経路の数量は、同一であってよい。例えば、衛星26は、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のフィード42と結合されたP_1個の送信経路404-1と、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のフィード42と結合されたP_2個の送信経路404-2と、を有してもよく、P_1とP_2とは等しくてもよい。しかしながら、それぞれのアンテナサブシステムと結合された送信経路の数量は、異なっていてもよい。例えば、衛星26は、第3のユーザリンクアンテナサブシステム44-3のフィード42と結合されたP_3個の順方向送信経路404-3を有してもよく、P_3は、P_1又はP_2と等しくなくてもよい(例えば、場合によっては、P_3は、P_1及びP_2よりも小さくてもよい)。少なくとも1つの実施形態では、トランスポンダ出力を選択的に順方向送信経路404のうちの選択された1つに切り替えるためのスイッチをトランスポンダ38のうちの1つ以上の出力端部が有する。そのようなスイッチは、選択器サブシステム48の一部とみなされてもよく、又はそれぞれの順方向送信経路の一部とみなされてもよく、選択器サブシステム48の制御下で動作してもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、アンテナサブシステムへの順方向送信経路の各々は、同一の偏波のフィードと結合されてよい。例えば、順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3の各々は、単一の偏波(例えば、RHCP又はLHCP)のフィードのポートと結合されてよい。代替的に、いくつかのアンテナサブシステムに対して、順方向送信経路が単一の偏波以上のフィードのポートと結合されてよい。
【0067】
2つのユーザリンクアンテナサブシステム44-1及び44-2のみを考える例では、順方向送信経路404-1及び404-2は、複数の偏波のフィードのポートと結合されてよい。例えば、順方向送信経路404-1の第1のグループ(例えば、半分又はP_1/2)のフィードは、第1の偏波(例えば、LHCP)の第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のフィード42と結合されてよく、順方向送信経路404-2の第2のグループ(例えば、半分又はP_1/2)のフィードは、第2の偏波(例えば、RHCP)の第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のフィード42と結合されてよい。同様に、順方向送信経路404-2の第1のグループ(例えば、半分又はP_2/2)フィード42は、第1の偏波(例えば、LHCP)の第2のユーザリンクアンテナサブシステム42-2のフィード42と結合されてよく、送信経路42-2の第2のグループ(例えば、半分又はP_2/2)フィードは、第2の偏波(例えば、RHCP)の第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のフィード42と結合されてよい。
【0068】
衛星26に搭載された3つのユーザリンクアンテナサブシステム44-1、44-2、及び44-3の例示のコンテキストを考慮すると、選択器サブシステム48の個々のスイッチは、(例えば、地上セグメント24からの制御信号を介して衛星26に送信され得る構成に従って)独立して構成可能であってもよい。したがって、N個のトランスポンダ38の中から、N個のトランスポンダ38のうちのS個は、順方向送信経路404-1のうちのS個に選択的に切り替えられてよく、N個のトランスポンダ38のうちのL個は、送信経路404-2のうちのL個に選択的に切り替えられてよく、N個のトランスポンダ38のうちのT個は、送信経路404-3のうちのT個に選択的に切り替えられてよい。ここで、Sはゼロ(0)とP_1との間であり、Lはゼロ(0)とP_2との間であり、Tはゼロ(0)とP_3との間である。
【0069】
いくつかの実施例では、選択器サブシステム48を使用して選択されるアンテナの各々に対する送信フィードの数量は、それぞれのユーザカバレッジエリア14の各々に関連するサービス容量に基づいて決定されてよい。例えば、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1によって照らされる第1のユーザカバレッジエリア14-1において比較的高い容量が所望される場合、順方向送信経路404-1の中のより多くの送信経路が選択又はアクティブ化されてもよく、その一方で、順方向送信経路404-2及び404-3のうちの比較的少ないものが選択又はアクティブ化されてもよい。
【0070】
追加的に又は代替的に、選択された順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3のグループ又はセット内の送信経路の選択は、それぞれのユーザカバレッジエリア14-1、14-2、及び14-3を介して通信サービスを提供するためのビーム形成構成に依存してよい。例えば、それぞれのビーム形成構成は、ユーザカバレッジエリア14の各々にサービスを提供するために決定されてよく、送信経路404-1、404-2、及び404-3と選択的に関連付けられる特定のフィード30及び対応するトランスポンダ38の組み合わせは、ビーム形成構成を強化又は最適化するフィード30の配置を決定する(例えば、所望のビーム形成構成の外部のエリアにおける寄生信号電力又は望ましくない信号電力の量を低減又は最小化しながら、所望のビーム形成構成に対してより高い信号ゲインを提供する)ために分析されてよい。
【0071】
すなわち、それぞれのユーザカバレッジエリア14-1に割り当てるトランスポンダ38の数量を単に決定するのではなく、衛星26又はシステム10は、フィード30のうちのどの特定のものをユーザリンクアンテナサブシステム14のそれぞれのものと関連付けるかを決定する。ビーム形成性能を改善するフィード割り当ての特定のパターンがあってよい。いくつかの実施例では、アンテナの所与の照射エリアにわたる容量需要は不均一な可能性がある。したがって、ビーム形成構成及び送信経路の選択は、照射エリア内のエリアにおける容量の需要に依存し得る。例えば、照射エリアの一部においてより多くの容量が望まれる場合、そのエリアに向けられたより多くのフィードが、照射エリアの他の部分と比較してそのエリアにおける容量を強化するために選択されてよい。したがって、特定のユーザカバレッジエリアに関するビーム形成のために使用されるフィードパターンは、ユーザ端末12の分散又はユーザカバレッジエリア内の必要な容量に基づいてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、衛星26は、順方向受信経路400及びトランスポンダ38から順方向送信経路404-1、404-2、及び404-3までの複数の構成に従って動作されてよい。例えば、第1の構成では、トランスポンダ38の第1のサブセットが、(例えば、選択器サブシステム48を介して)第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のそれぞれのフィード42と結合された出力を有してよく、トランスポンダ38の第2のサブセットが、(例えば、選択器サブシステム48を介して)第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のそれぞれのフィード42と結合された出力を有してよい。地上セグメント24は、衛星26が第1の構成で動作され、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2、及び第3のユーザリンクアンテナサブシステム44-3に関連付けられた1つ以上のセットの順方向ビーム16を提供する間に、1つ以上のセットのエンドツーエンドビーム重みを順方向アップリンク信号28に適用してもよい。
【0073】
第2の構成では、トランスポンダ38の第3のサブセットが、(例えば、選択器サブシステム48を介して)第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のそれぞれのフィード42と結合された出力を有してよく、トランスポンダ38の第4のサブセットが、(例えば、選択器サブシステム48を介して)第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のそれぞれのフィード42と結合された出力を有してよい。同様に、衛星26が第2の構成で動作され、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1、又は第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2、又は第3のユーザリンクアンテナ44-3に関連付けられた1つ以上の順方向リンクユーザビームのセットを提供する間に、地上ネットワーク24は、1つ以上のセットのエンドツーエンドのビーム重みを順方向アップリンク信号28に適用してよい。場合によっては、トランスポンダ38の第1及び第2のサブセットにおけるトランスポンダ38の数量の総計は、トランスポンダ38の第3及び第4のサブセットにおけるトランスポンダの数量の総計と等しくてもよい。
【0074】
場合によっては、各アンテナに対する単一の偏波とトランスポンダ38の構成が関連付けられてよい。例えば、第1の構成に対して、トランスポンダ38の第1のサブセットが、第1の偏波と関連付けられた第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1のフィード42のポートと(例えば、選択器サブシステム48を介して)結合されたトランスポンダから選択されてよい。同様に、第1の構成に対して、トランスポンダ38の第2のサブセットが、第1の偏波に関連付けられた第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のフィード42のポートと(例えば、選択器サブシステム48を介して)結合されたトランスポンダから選択されてよい。代替的に、第1の構成に対して、トランスポンダ38の第2のサブセットが、第2の偏波に関連付けられた第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2のそれぞれのフィード42と(例えば、選択器サブシステム48を介して)結合されたトランスポンダから選択されてよい。
【0075】
場合によっては、少なくとも1つのアンテナに対する2つ以上の偏波とトランスポンダ38の構成が関連付けられてよい。例えば、第1の構成に対して、トランスポンダ38の第1のサブセットが、第1の偏波及び第2の偏波の双方に関連付けられた第1のアンテナのそれぞれのフィードと(例えば、選択器サブシステム48を介して)結合されたトランスポンダを含んでよい。同様に、第2の構成に対して、トランスポンダ38の第2のサブセットが、第1の偏波及び第2の偏波の双方に関連付けられた第2のアンテナのそれぞれのフィードと(例えば、選択器サブシステム48を介して)結合されたトランスポンダを含んでよい。加えて、選択器サブシステム48で図示及び説明されているが、説明されたスイッチの1サブセット又は全ての代わりに選択器サブシステム48が信号分割器要素を含んでよい。したがって、トランスポンダ38の少なくとも1サブセットの出力は、2つ以上のアンテナの2つ以上のフィードに同時に提供されるように分割されてよい。
【0076】
図4はまた、戻り方向の信号フローを提供する、衛星26内の戻り信号系路又はトランスポンダ92の例示の詳細を示す。戻り受信系路410-1、410-2、及び410-3は、それぞれのユーザリンクアンテナサブシステム86-1、86-2、及び86-3内のフィード84をトランスポンダ92の入力端に結合させる。トランスポンダ92の出力端は、フィーダリンクアンテナサブシステム98内のそれぞれのフィード96に結合される。前述のように、衛星26に搭載されたアンテナ関連要素の少なくとも一部は、順方向通信及び戻り通信のために共有されてもよく、例えば、順方向リンク方向及び戻りリンク方向で使用されるアンテナサブシステムは、同一の反射器を使用してもよい。
【0077】
スイッチング回路88は、スケジュール又はコマンドベースで更新され得る現在構成されている容量割り当てに従って、ユーザリンクアンテナサブシステム86内のフィード84とフィーダリンクアンテナサブシステム98内のフィード96との間の接続性を制御する選択器サブシステムとして動作する。スイッチングは、順方向について上述したように、フィード毎/経路毎に個別に制御可能であってもよく、順方向について記載された同一の偏波ベースの接続性が戻り方向に適用されてもよい。したがって、フィーダリンクアンテナサブシステム98内のそれぞれのフィード96に戻り信号系路又はトランスポンダ92を結合させるN個の戻り送信系路412が存在してよく、戻り受信系路410-1、戻り受信系路410-2、及び戻り受信経路410-3のそれぞれにN個又はN個以下の系路が存在してよい。選択器サブシステム88は、戻り信号系路又はトランスポンダ92と戻り受信系路410-1、410-2、及び410-3との間の接続性を制御するスイッチ又はスプリッタを含むか、又は制御する。つまり、戻り方向でユーザカバレッジエリア14-1、14-2、及び14-3の各々にサービスを行うために使用されるフィード96の数及び/又はパターンは、容量必要性又は他の考慮事項に従って、動的に制御可能である。
【0078】
図5は、例示の順方向信号経路500を示し、別名で順方向リンクトランスポンダ500とも称される。本開示の態様による、そのような複数の順方向信号経路500を所持する衛星26は、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする。順方向信号経路500は、上述したトランスポンダ38のうちのいずれか1つの例示の実装態様である。
【0079】
例示の順方向信号経路500は、フィード532からフィード512又はフィード522のうちの選択された1つまで伸長する。フィード532は、フィーダリンクアンテナサブシステム32内のフィード30に対応する複数のフィーダ530のうちの1つである。フィード512は、第1の複数のフィード510のうちの1つであり、第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1内のフィード42に対応する。フィード522は、複数の第2の複数のフィード520のうちの1つであり、第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2内のフィード42に対応する。
【0080】
順方向信号経路500の入力端とフィード532との間の接続性は、
図4に示される順方向受信経路400のうちの1つとみなされてよい。同様に、順方向信号経路500の出力端からフィード512へと切り替えられた接続性は、順方向送信経路404-1のうちの1つとみなされてよく、順方向信号経路500の出力端からフィード522へと切り替えられた接続性は、順方向送信経路404-2のうちの1つとみなされてよい。
【0081】
フィード510及び520のそれぞれは、ユーザカバレッジエリア14-1及び14-2内のユーザ端末12に順方向ダウンリンク信号を送信するために使用され、フィード530は、複数のアクセスノード22から順方向アップリンク信号を受信するために使用される。したがって、フィード512又は522のどちらかが順方向信号経路500の出力端に結合されているかを制御することによって、第1のユーザカバレッジエリア14-1又は第2のユーザカバレッジエリア14-2のいずれかに順方向信号経路500を割り当て可能である。その接続性は、選択器サブシステム544に含まれるスイッチ556によって制御される。フィード532、512、及び522が(LHCP又はRHCPのうちの1つ又は双方に)偏波されていてもよく、選択器サブシステム544がフィード532、512、及び522から/フィード532、512、及び522への選択された偏波(複数可)への接続性制御を含んでもよい。
【0082】
順方向信号経路500は、順方向信号経路500の入力端を構成するLNA541を有する。順方向信号経路500は、周波数変換器及び関連するフィルタ542と、チャネル増幅器543と、位相シフタ545と、電力増幅器546(例えば、進行波管増幅器(TWTA)、固体電力増幅器(SSPA)など)と、高調波フィルタ547と、を更に含む。いくつかの実装態様は、より多くの又はより少ない構成要素を有することができる。例えば、周波数変換器及び関連するフィルタ542は、アップリンク及びダウンリンクの周波数が異なる場合に有用であり得る。一例として、各々の順方向信号経路500は、第1の周波数範囲の入力を受け入れることができ、第2の周波数範囲で出力することができる。
【0083】
1つ以上の実施形態では、順方向信号経路500は、偏波の任意の組み合わせと結合されてよく、衛星26に搭載された順方向信号経路500の異なるグループは、異なる偏波に結合されてよい。例えば、順方向信号経路500の第1のグループが、第1の偏波(例えば、RHCP)のフィード532のポートに結合された入力と、同一の偏波のフィード512及び522のポートに(例えば、スイッチ556を介して)選択的に結合された出力と、を有してもよい。順方向信号経路500の第2のグループが、第1の偏波(例えば、RHCP)に関連付けられたフィード532のポートに結合された入力と、異なる偏波(例えば、LHCP)に関連付けられたフィード512、522のポートに(例えば、スイッチ556を介して)結合された出力と、を有してよい。
【0084】
場合によっては、衛星26に搭載された順方向信号経路500の3つ以上のグループがあってもよい。例えば、複数の順方向信号経路500が、第1の偏波(例えば、RHCP)のポートにそれらの入力が結合されてもよく、異なるグループが、フィード512及び522のポートに対して異なる偏波割り当てを有してもよい。例えば、グループのための様々な構成は、2つのグループ、3つのグループ、又は4つのグループを含み、各グループは、異なるセットの偏波を有する(例えば、{RHCP、RHCP}、{RHCP、LHCP}、{LHCP、RHCP}、又は{LHCP、LHCP})。加えて、スイッチ556が2つ以上の出力を有する場合、順方向信号経路500の各グループに対する偏波の任意の組み合わせを含む、グループに対する追加の構成が可能であり得る。
【0085】
図6は、例示の戻り信号経路600を示し、戻りリンクトランスポンダ600とも称される。戻り信号経路600は、
図2に示されるそれぞれのトランスポンダ92の例示の実装態様として理解され得る。本開示の態様による、そのような複数の戻り信号経路600を所持する衛星26は、同時ユーザカバレッジの複数のエリアに関して、戻り方向にエンドツーエンドビーム形成をサポートする。
【0086】
例示の戻り信号経路600は、フィード612又はフィード620のうちの選択された1つをフィード632に結合する。フィード612は、複数のフィード610のうちの1つであり、第1のユーザリンクアンテナサブシステム86-1に含まれるフィード84の中の所与のフィード84に対応する。フィード622は、複数のフィード610のうちの1つであり、第2のユーザリンクアンテナサブシステム86-2に含まれるフィード84の中の所与のフィード84に対応する。フィード632は、複数のフィード630のうちの1つであり、フィーダリンクアンテナサブシステム98に含まれるフィード96の中の所与のフィード96に対応する。換言すると、戻り信号経路600は、第1のユーザカバレッジエリア14-1にサービスを行うための第1のユーザリンクアンテナサブシステム86-1、又は第2のユーザカバレッジエリア14-2にサービスを行うための第2のユーザリンクアンテナサブシステム86-2のいずれかに割り当て可能である。
【0087】
図6のコンテキストにおいて、次いで、それぞれのフィード610及び620は、ユーザカバレッジエリア14-1及び14-2内のユーザ端末12から戻りアップリンク信号を受信するために使用され、フィード630は、戻りダウンリンク信号を複数のアクセスノード22に送信するために使用される。戻り信号経路600は、フィード612又は622のうちのどちらが図示された戻りリンクトランスポンダ640の入力端に結合されているかを制御することによって、第1のユーザカバレッジエリア14-1又は第2のユーザカバレッジエリア14-2のいずれかに割り当て可能である。その接続性は、スイッチ656によって制御される。戻り信号経路600の一部として示されているが、スイッチ656は、例えば、
図2に導入されたスイッチング回路88の一部として、選択器サブシステム644の一部であるとみなされてよい。
【0088】
フィード612及び622が偏波されていてもよく、LHCP又はRHCPのうちの一方又は双方を提供してよい、選択器サブシステム644が、例えば、順方向信号経路500について上述した線に沿って、フィード612及び622からの選択された偏波(複数可)への接続性制御を含んでよい。戻りリンクトランスポンダ600は、周波数変換及びフィルタリング回路642と、チャネル増幅器643と、位相シフタ645と、電力増幅器646(例えば、進行波管増幅器(TWTA)、固体電力増幅器(SSPA)など)と、高調波フィルタ647と、を含む。いくつかの実装態様は、より多くの又はより少ない構成要素を有することができる。例えば、周波数変換器及び関連するフィルタ642は、アップリンク及びダウンリンクの周波数が異なる場合に有用であり得る。一例として、各戻りリンクトランスポンダ600は、第1の周波数範囲で入力を受け入れ、第2の周波数範囲で出力を行うことができる。
【0089】
図4に戻って参照すると、戻りリンクトランスポンダ600の入力端とフィード612及び622との間の接続性は、戻り受信経路410-1及び410-2の中のそれぞれのものとして理解され得る。同様に、戻りリンクトランスポンダ600の出力端とフィード632との間の接続性は、戻り送信経路612の中の1つとして理解され得る。
【0090】
図7は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする、エンドツーエンドの通信プロセッサ705のブロックダイアグラムである。エンドツーエンド通信プロセッサ705は、ビーム信号インターフェース710と、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720と、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730と、エンドツーエンドビーム形成行列生成器740と、を含んでよい。これらのモジュールの各々は、(例えば、1つ以上のバスを介して)直接又は間接的に相互に通信してよい。エンドツーエンドの通信プロセッサ705は、
図1に示されるネットワークデバイス64の態様を示し得る。
【0091】
エンドツーエンド通信プロセッサ705は、複数の受信/送信信号経路を備えるエンドツーエンド中継器として機能する衛星26を介して、アクセスノードクラスタと複数のユーザ端末12との間の通信を提供するように構成され得る。アクセスノードクラスタは、アクセスノードエリア120内に地理的に分散された複数のアクセスノード22を含んでよい。複数のユーザ端末12は、衛星26の第1のユーザリンクアンテナサブシステム44-1によって照らされた第1のユーザカバレッジエリア14-1と、衛星26の第2のユーザリンクアンテナサブシステム44-2によって照らされた第2のユーザカバレッジエリア14-2とに地理的に分散されてよい。衛星26は、複数の順方向信号経路、例えば、順方向信号経路500を有し、順方向信号経路500の少なくとも一部は、例えば、K個の順方向ビーム16のうちのいくつが第1のユーザカバレッジエリア14-1に割り当てられるか、及びK個の順方向ビーム16のうちのいくつが第2のユーザカバレッジエリア14-2に割り当てられるかを制御するために、第1のユーザカバレッジエリア14-1又は第2のユーザカバレッジエリア14-2のいずれかに動的に割り当て可能である。もちろん、3つ以上のユーザカバレッジエリア14が存在してもよく、ビーム割り当て制御は、3つ以上のユーザカバレッジエリア14にわたって実行されてもよい。
【0092】
順方向リンク通信に対して、ユーザ端末12への通信のための順方向リンクユーザデータストリーム62を含んだ順方向リンクビーム信号715(
図1のビーム信号66として示される)をビーム信号インターフェース710が受信してよい。ビーム信号インターフェース710は、順方向リンクビーム信号をビームシグナリング725のエンドツーエンドビーム形成プロセッサ720に渡してよい。
【0093】
エンドツーエンドの中継器構成管理プログラム730は、エンドツーエンド中継のために衛星26の構成を管理してよい。例えば、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、複数の地理的地域に同時に通信サービスを提供するために、複数のアンテナのうちの1つに個別に、かつ選択的に結合され得る複数のアンテナ及び複数の受信/送信信号経路を有する衛星26を構成してよい。エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、複数の構成のうちの1つに従って、エンドツーエンド中継器を構成してもよい。例えば、順方向リンクの第1の構成に対して、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第1のサブセットが、第1のアンテナのフィードの第1のサブセットと、第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのそれぞれのフィードとの間に選択的に結合されてよく、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第2のサブセットが、第1のアンテナのフィードの第2のサブセットと、第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのそれぞれのフィードとの間に選択的に結合されてよい。順方向リンクの第2の構成に対して、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第3のサブセットが、第1のアンテナのフィードの第3のサブセットと第2のアンテナのフィードの第2のサブセットのそれぞれのフィードとの間に選択的に結合されてよく、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第4のサブセットが、第1のアンテナのフィードの第4のサブセットと第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのそれぞれのフィードとの間に選択的に結合されてよい。
【0094】
エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、選択器サブシステムを構成するエンドツーエンド中継器に制御シグナリング765を送信することによって、エンドツーエンド中継器を構成してもよい。エンドツーエンドの中継器構成管理プログラム730は、例えば、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリアの相対的なスループット要求に少なくとも部分的に基づいて、第1の構成のために第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンドの中継器の複数の受信/送信信号経路の分散を決定してよい。追加的又は代替的に、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、アクセスノードクラスタのスループット能力に少なくとも部分的に基づいて、第1の構成のために第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の分散を決定してよい。エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、複数の構成間で切り替えるように選択器サブシステムを構成してよい。例えば、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、第2の構成でエンドツーエンド中継器を構成してよく、第2の構成では、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第3のサブセットが、第3のアンテナのフィードの第3のサブセットのポートと第1のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートとの間に選択的に結合され、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第4のサブセットが、第3のアンテナのフィードの第4のサブセットのポートと第2のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートとの間に選択的に結合される。
【0095】
第1の構成では、第1のアンテナのフィードの第1のサブセットが、第1の数量のフィードを有してよく、第2のアンテナのフィードの第1のサブセットが、第2の数量のフィードを有してよい。第2の構成では、第1のアンテナのフィードの第2のサブセットが、第3の数量のフィードを有してよく、第2のアンテナのフィードの第2のサブセットが、第4の数量のフィードを有してよい。いくつかの実施例では、第1の数量のフィードと第2の数量のフィードの総計は、第3の数量のフィードと第4の数量のフィードとの総計に等しい。様々な偏波構成は、選択器サブシステムを使用して選択されてよい。例えば、第1の構成では、第1のアンテナ及び第2のアンテナの各々が、第3のアンテナを介して受信される信号と同一の偏波を有する順方向リンク信号を送信するために使用されてよい。すなわち、第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのポート及び第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのポート及び第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよい。
【0096】
代替的には、第1の構成では、第1のアンテナ又は第2のアンテナのうちの1つ以上を使用して、第3のアンテナを介して受信された信号とは異なる偏波を有する順方向リンク信号を送信してよい。例えば、第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのポート及び第1のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第2の偏波に関連付けられてよい。
【0097】
同様に、第2の構成に対して、第1のアンテナ及び第2のアンテナの各々が、第3のアンテナを介して受信された信号と同一の偏波を有する順方向リンク信号を送信するために使用されてもよく、又は、第1のアンテナ若しくは第2のアンテナのうちの1つ以上が、第3のアンテナを介して受信された信号と異なる偏波を有する順方向リンク信号を送信するために使用されてもよい。追加的又は代替的に、第1の構成又は第2の構成のいずれかに対して、第1のアンテナ又は第2のアンテナのいずれか又は双方が、複数の偏波を有する順方向リンク信号を伝送するために使用されてもよい。例えば、第1の構成又は第2の構成に対して、第1のアンテナ又は第2のアンテナと結合される受信/送信信号経路のサブセットが、複数の偏波のアンテナのフィードのポートと結合されてよい。したがって、順方向アップリンク上の単一の偏波を使用して通信サービスが提供されるとともに、順方向ダウンリンクについての複数のカバレッジエリアをアンテナの各々についての1つ以上の偏波が同時に照らしてよい。
【0098】
エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730はまた、複数の戻りリンク構成間で切り替わるように選択器サブシステムを構成してもよい。例えば、第1の戻りリンク構成に対して、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第3のサブセットが、第1のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートと第3のアンテナのフィードの第3のサブセットのポートとの間に選択的に結合されてよく、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第4のサブセットが、第2のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートと第3のアンテナのフィードの第4のサブセットのポートとの間に選択的に結合されてよい。1つ以上の追加の戻りリンク構成は、第1のアンテナ、第2のアンテナ、及び第3のアンテナのフィードの異なる配置の間に選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の異なるサブセットの入力を含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施例では、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730が、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリアの相対的なスループット需要に少なくとも部分的に基づいて、第1の構成(例えば、順方向リンク又は戻りリンク)に対して、第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の分散を決定してよい。いくつかの実施例では、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730が、アクセスノードクラスタのスループット能力に少なくとも部分的に基づいて、第1の構成に対して第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の分散を決定してよい。いくつかの実施例では、アンテナの所与の照射エリアにわたる容量需要が不均一の可能性があり、したがって、ビーム形成構成及び送信経路の選択は、照射エリア内のエリアにおける容量の需要に依存し得る。例えば、照射エリアの一部においてより多くの容量が望まれる場合には、そのエリアに向けられたより多くのフィードが、照射エリアの他の部分と比較してそのエリアにおける容量を向上するように選択されてよい。エンドツーエンドの中継器構成管理プログラム730は、受信/送信信号経路735の構成をエンドツーエンドのビーム形成行列生成器740に提供してよい。受信/送信信号経路735の構成は、例えば、第1の構成に対する第1の順方向リンクビーム重み行列と、第2の構成に対する第2の順方向リンクビーム重み行列と、を含んでもよい。
【0100】
エンドツーエンドのビーム形成行列生成器740は、複数のカバレッジエリアを同時に照らす複数のアンテナを有するエンドツーエンド中継器を介して、順方向リンク及び戻りリンク通信に対するビーム形成行列745を生成してもよい。例えば、エンドツーエンドビーム形成行列生成器740は、第1の構成に対して、エンドツーエンド中継器を介して複数のアクセスノードから複数のユーザ端末への送信のエンドツーエンドビーム形成のための第1の順方向リンクビーム重み行列を識別してよい。エンドツーエンドのビーム形成行列生成器740は、第1の構成のための追加の順方向リンクビーム重み行列を識別してよい。例えば、エンドツーエンドのビーム形成行列生成器740が、第1の構成に対する第1の順方向リンクビーム重み行列のセットを識別してよく、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720が、第1の順方向リンクビーム重み行列のセットのうちの1つ以上を適用してよい(例えば、順方向リンクビーム重み行列の第1のセットの少なくともサブセットを介してサイクリングするか、又は様々なビーム内の需要などの要因に基づいて順方向リンクビーム重み行列の第1のセットのうちの1つ以上を選択する)。加えて、エンドツーエンドビーム形成行列生成器740は、第2の構成に対して、エンドツーエンド中継器を介して複数のアクセスノードから複数のユーザ端末への送信のエンドツーエンドビーム形成のための第2の順方向リンクビーム重み行列を識別してよい。順方向リンク及び戻りリンクビーム形成行列は、エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730によって決定された受信/伝送信号経路735(例えば、順方向リンク又は戻りリンク)の構成に基づいて生成されてよい。エンドツーエンドのビーム形成行列生成器740は、第2の構成に対して追加の順方向リンクビーム重み行列又は戻りリンクビーム重み行列を識別してよい。例えば、エンドツーエンドのビーム形成行列生成器740は、第2の構成に対して順方向リンクビーム重み行列の第2のセットを識別してよく、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、順方向リンクビーム重み行列の第2のセットのうちの1つ以上を適用してよい(例えば、順方向リンクビーム重み行列の第2のセットの少なくともサブセットをサイクリングするか、又は様々なビーム内の需要などの要因に基づいて、順方向リンクビーム重み行列の第2のセットのうちの1つ以上を選択する)。エンドツーエンド中継器構成管理プログラム730は、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の追加の構成を決定してよく、エンドツーエンドビーム形成行列生成器740は、追加の構成のための順方向リンク又は戻りリンクビーム重み行列の追加のセットを識別してよい。
【0101】
エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、ビーム形成行列745を受信し、アクセスノード固有の信号755を取得又はプロセス処理するために、順方向リンク及び戻りリンク信号にビーム形成行列745を適用してよい。例えば、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720が、複数のアクセスノードによって送信するためのそれぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の第1のセットを生成してよく、それぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の各々が、第1の構成に対する第1の順方向リンクビーム重み行列に従って、それぞれの順方向リンクビーム重みによって重み付けされる第1のセットの少なくともサブセットのそれぞれの順方向リンクビーム信号の合成を含んでよい。エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、第1の構成に対する同一の又は異なるビーム形成行列を使用して、追加の時間期間の間に順方向リンク及び戻りリンク信号に対してビーム形成行列を適用してもよい。更に、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、複数のアクセスノードによって送信されるためのそれぞれのアクセスノード固有の順方向リンクビーム信号の第2のセットを生成してよく、それぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の第2のセットの各々が、第2の構成のための第2の順方向リンクビーム重み行列に従って、それぞれの順方向リンクビーム信号のそれぞれの順方向リンクビーム信号の合成を含んでよい。
【0102】
加えて、エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、複数のユーザ端末の第1及び第2のサブセットに関連付けられたそれぞれの戻りリンクデータストリームを取得するために、戻りリンクビーム重み行列を、複数のアクセスノードにおいて受信されたそれぞれの戻りリンク信号に適用してもよい。エンドツーエンドビーム形成プロセッサ720は、第2の構成に対する同一の又は異なるビーム形成行列を使用して、追加の期間の間に順方向リンク及び戻りリンク信号に対してビーム形成行列を適用してもよい。それぞれの戻りリンク信号の各々は、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第3のサブセットの少なくとも1つと、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第4のサブセットの少なくとも1つとによって中継される信号の合成を含んでよい。
【0103】
図8は、例示の実施形態による、制御器800のブロックダイアグラムである。制御器800は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする。制御器800は、エンドツーエンドの通信プロセッサ805と、プロセッサ810と、メモリ815と、通信インターフェース840と、を含んでもよい。これらの構成要素の各々は、1つ以上のバス835を通じて直接的又は間接的に相互に通信してもよい。制御器800は、地上セグメント24のネットワークデバイス64のうちの1つに実装されてもよく、衛星26に実装されてもよく、又は地上セグメント24と衛星26との間に分散されてもよい。
【0104】
メモリ815は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)を含んでよい。メモリ815は、(例えば、Linux又はWindowsカーネル上に構築された)オペレーティングシステム(OS)820を格納してもよい。また、メモリ815はコンピュータ可読のコンピュータ実行可能コード825も格納してもよい。コンピュータ実行可能コード825は命令を含み、その命令が実行されると、異なるネイティブアンテナパターンに従って、通信サービスを提供することに関連する、本明細書に記載される様々な機能をプロセッサ810に実行させるように構成されている。代替的に、コード825は、プロセッサ810によって直接実行可能ではなく、制御器800に(例えば、コンパイル及び実行時に)本明細書に記載の機能のうちの1つ以上を実行させるように構成されてもよい。
【0105】
制御器800は、エンドツーエンド通信プロセッサ805を含んでもよく、エンドツーエンド通信プロセッサ805は、本明細書に記載されるように、同時ユーザカバレッジの複数のエリアとのエンドツーエンドビーム形成をサポートするために通信衛星の1つ以上の態様を管理してもよい。例えば、通信インターフェース840を介して通信サービスが提供されてもよい。
【0106】
通信サービス管理プログラムとして動作するエンドツーエンド通信プロセッサ805、プロセッサ810、メモリ815、及び/又は通信インターフェース840を含む制御器800は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、又は状態機械であってよい。また、制御器800は、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用した1つ以上のマイクロプロセッサ、内蔵型メモリ、分離型メモリ、又は任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0107】
図9は、本開示の態様による、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを用いたエンドツーエンドビーム形成をサポートする例示の方法900のフローチャートである。方法900の動作は、本明細書に記載されるように、複数のアンテナ又はその構成要素を含む通信衛星のための制御器によって実装されてよい。いくつかの実施例では、以下に説明される機能を実行するために制御器の機能要素を制御するための一組の命令を制御器が実行してもよい。追加的に又は代替的に、専用ハードウェアを使用して以下に説明される機能の態様を制御器が実行してもよい。
【0108】
方法900は、複数の受信/送信信号経路を備えたエンドツーエンド中継器を介して、アクセスノードクラスタと複数のユーザ端末との間に通信を提供してよく、アクセスノードクラスタが、アクセスノードエリア内に地理的に分散された複数のアクセスノードを備え、複数のユーザ端末が、第1のアンテナによって照射された第1のユーザカバレッジエリア及び第2のアンテナによって照射された第2のユーザカバレッジエリアにわたって地理的に分散され、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路が、アクセスノードエリアを照らす第3のアンテナのフィードと結合された入力と、第1のアンテナと第2のアンテナとの間で個別に選択可能な出力と、を有する。
【0109】
905において、制御器は、複数のユーザ端末への送信のための順方向リンクユーザデータストリームを含んだ順方向リンクビーム信号の第1のセットを取得してよい。
【0110】
910において、第1の構成では、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第1のサブセットが、第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートと、第1のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートと、の間で選択的に結合され、かつ、エンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の第2のサブセットが、第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートと、第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートと、の間で選択的に結合されるように制御器が構成されてよい。第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのポート及び第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのポート及び第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよい。代替的には、第3のアンテナのフィードの第1のサブセットのポート及び第1のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第3のアンテナのフィードの第2のサブセットのポートが、第1の偏波に関連付けられてよく、第2のアンテナのフィードの第1のサブセットのポートが、第2の偏波に関連付けられてよい。
【0111】
第1の構成に対して第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の分散は、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリアの相対的なスループット需要に少なくとも部分的に基づいて決定されてよい。第1の構成に対して第1のアンテナ及び第2のアンテナと選択的に結合されたエンドツーエンド中継器の複数の受信/送信信号経路の分散は、アクセスノードクラスタのスループット能力に少なくとも部分的に基づいて決定されてよい。
【0112】
915において、第1の構成に対して、制御器は、エンドツーエンド中継器を介して複数のアクセスノードから複数のユーザ端末への送信のエンドツーエンドビーム形成用の第1の順方向リンクビーム重み行列を識別してよい。制御器は、第1の構成に対して追加の順方向リンクビーム重み行列を識別してよい。
【0113】
920において、制御器は、複数のアクセスノードによって送信するためのそれぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の第1のセットを生成してよく、それぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の各々が、第1の構成に対する第1の順方向リンクビーム重み行列に従って、それぞれの順方向ビーム形成重みによって重み付けされる第1の順方向リンクビーム信号のセットの少なくともサブセットのそれぞれの順方向リンクビーム信号の合成を含んでよい。制御器は、第1の順方向リンクビーム重み行列又は追加の順方向リンクビーム重み行列を使用して、追加の期間のためにそれぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の追加のセットを生成してよい。
【0114】
925において、複数のアクセスノードは、それぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の第1のセットをエンドツーエンド中継器に送信してもよい。エンドツーエンド中継器の受信/送信信号経路は、それぞれのアクセスノード固有の順方向リンク信号の第1のセットを中継して、第1のユーザカバレッジエリア及び第2のユーザカバレッジエリア内にビームを同時に形成してもよい。
【0115】
したがって、方法900は、同時ユーザカバレッジの複数のエリアを有するエンドツーエンドビーム形成をサポートし得る。方法900は、例示の実装態様を説明し、方法900の動作は他の実装態様が可能であるように再配置されてもよく、又はそうでなければ変更されてもよいことに留意されたい。例えば、特定の記載された動作は(例えば、破線を有するボックスによって囲まれたもの、任意選択として説明されたものなどの)任意選択であってもよく、ここで、特定の基準が満たされたとき、構成に基づいて実行されたとき、任意選択の動作が断続的に省略されたとき、完全に省略されたときなどに任意選択の動作が実行されてもよい。
【0116】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示のブロック及び構成要素は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、又は状態機械であってよい。また、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせたマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成としてプロセッサが実装されてもよい。
【0117】
添付の図面に関連して上記で説明された詳細な説明は、例示の実施形態を説明しており、実施され得るか、又は特許請求の範囲内にある唯一の実施形態を表すものではない。本明細書を通して使用される「例」という用語は、「例、実例、又は例証としての役割を果たす」を意味し、「好ましい」又は「他の実施形態より有利」ではない。詳細な説明には、説明されている技術への理解を与える目的で、具体的な詳細が含まれている。ただし、これらの技術は、これらの具体的な詳細なしに実践することができる。いくつかの実施例では、説明されている実施形態の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロックダイアグラムの形態で示されている。
【0118】
情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、若しくはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0119】
本明細書に記載された機能は、異なる材料、特徴、形状、大きさなどを用いて様々な方法で実装されてもよい。他の例及び実装態様は、本開示及び添付の特許請求の範囲内にある。機能を実装する機構は、機能の一部が異なる物理的な位置に実装される形で分散されるなど、様々な位置に物理的に配置される場合もある。また、特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用されるとき、項目のリスト(例えば、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」などの語句によって前置きされた項目のリスト)において使用される「又は」は、例えば、「少なくとも1つのA、B、又はC」のリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味するように、離接的なリストを示す。
【0120】
本明細書において、電気信号経路又はノードに言及する場合、「結合」という用語は、直接的又は間接的にかかわらず、電気的に接続されていることを意味する。更に、電気信号経路又はノードに言及する場合、「選択的に結合される」という用語は、スイッチなどの1つ以上の選択可能な要素を介して直接的又は間接的に接続されるノードを指し、「選択的に結合される」信号経路又はノードを結合し、1つ以上のノードを代替ノード又は信号経路から分離してよい。
【0121】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムのある場所から他の場所への転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の双方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。非限定の例として、コンピュータ可読媒体が、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶デバイス、又は命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用することができ、かつ、汎用目的若しくは特殊目的コンピュータ、又は汎用目的若しくは特殊目的プロセッサによってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むことができる。また、如何なる接続部も、コンピュータ読取可能媒体と正しく称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、ラジオ、及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、ラジオ、及びマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で使用されるとき、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生する一方、ディスク(disc)はレーザで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせについても、コンピュータ読取可能媒体の範囲に含まれる。
【0122】
本明細書に記載されている説明は、当業者が開示内容を作成又は活用できるように提供されている。開示内容への様々な変更は、当業者にとって明白であり、本明細書で定義されている一般原則は、開示の範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載される実施例及び設計に限定されるべきではなく、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の
地理的に分散されたアクセスノード
を含み、かつ、複数の
順方向信号経路を有する衛星を
含む衛星通信システム
による動作の方法であって、
2つ以上のスケジュールされた間隔の各々の間に、前記複数のアクセスノードから
前記衛星に送信することであって、各アクセスノードが、複数の順方向アップリンク信号のうちのそれぞれの1つ
を送信すると同時に、各順方向信号経路が、前記複数の順方向アップリンク信号のそれぞれの
重畳を
対応する順方向
ダウンリンク信号
として中継し、
前記複数の順方向ダウンリンク信号の
重畳が、前記複数の順方向アップリンク信号を形成するために使用されるビーム重み行列に依存して、複数の同時順方向ビームを形成し、前記ビーム重み行列が、エンドツーエンド順方向ビーム重みを備える、送信することと、
各スケジューリング間隔に対して、
重複しない第1及び第2のユーザカバレッジエリアに関する順方向信号経路割り当てを決定することであって、前記順方向信号経路割り当てが、前記順方向信号経路の非ゼロの第1のサブセットを前記第1のユーザカバレッジエリアに割り当て、前記順方向信号経路の非ゼロの第2のサブセットを前記第2のユーザカバレッジエリアに割り当てることである、決定することと、
前記順方向信号経路割り当てに従って、前記複数の順方向信号経路に対する接続性を制御するとともに、前記順方向信号経路の前記第1のサブセットの出力端が、前記第1のユーザカバレッジエリアを照らすように構成された
第1のユーザリンクアレイのそれぞれのフィードとの接続に切り替えられ、かつ、前記順方向信号経路の前記第2のサブセットの出力端が、前記第2のユーザカバレッジエリアを照らすように構成された
第2のユーザリンクアレイのそれぞれのフィードとの接続に切り替えられる、制御することと、
前記順方向信号経路割り当てに対応するエンドツーエンド順方向チャネルに基づいて、前記スケジューリング間隔中に使用するための前記ビーム重み行列を計算することと、を含む、方法。
【請求項2】
各ユーザカバレッジエリアが、ビームカバレッジエリアの所定のパターンに分割され、各スケジューリング間隔中に使用するための前記ビーム重み行列を計算することが、前記スケジューリング間隔中に各ユーザカバレッジエリアで照らされるビームカバレッジエリアに依存して前記ビーム重み行列を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ビームカバレッジエリアが、所望のビームセンターを表す地理的位置を包含し、前記衛星通信システムが、前記それぞれの地理的位置に、又はその近傍に位置するそれぞれの基準ユーザ端末(RUT)からサウンディング信号を受信し、前記方法が、前記受信されたサウンディング信号から前記エンドツーエンド順方向チャネルを推定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各順方向信号経路が、フィーダリンクアレイでのそれぞれのフィードに接続された入力端を有するとともに、各順方向信号経路の前記出力端が、前記第1のユーザリンクアレイでのそれぞれのフィードと前記第2のユーザリンクアレイでのそれぞれのフィードとの間で切り替え可能であり、前記順方向信号経路割り当てを決定することが、前記第1及び第2のユーザカバレッジエリア内でのユーザ端末のそれぞれの分散に依存して、前記第1及び第2のユーザカバレッジエリア内での同時ビーム形成に対してどのフィードパターンを使用するかを決定することを含み、前記フィードパターンが、前記順方向信号経路のうちのどれが前記第1のサブセット内に含まれ、かつ、前記順方向信号経路のうちのどれが前記第2のサブセット内に含まれるかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1
及び第2のユーザカバレッジエリアの間
での容量
必要性の決定の変更に従って、前記スケジューリング間隔のうちの
2つ以上にわたって前記順方向信号経路割り当て
が変化する、請求項
1に記載の
方法。
【請求項6】
前記順方向信号経路割り当てに従って前記複数の順方向信号経路に対する前記接続性を制御することが、複数のスケジュールされた間隔に対して使用する前記順方向信号経路割り当てを示すスケジュールを前記衛星に提供することを含み、前記衛星が、前記スケジュールに従って前記順方向信号経路の前記出力端を切り替えるように動作するオンボードスイッチング回路を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記
順方向信号経路割り当てに従って前記複数の前記
順方向信号経路に対する前記
接続性を制御することが、前記衛星にコマンドを送信
して、前記
順方向信号経路の前記出
力端を切り替えるように
動作する前記
衛星のスイッチング回路を制御する
ことを含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項8】
衛星通信システムであって、
複数の順方向信号経路を有する衛星と、
前記衛星通信ネットワークの地上セグメントに含まれ、2つ以上のスケジュールされた間隔の各々の間に前記衛星に送信するように構成された複数の地理的に分散されたアクセスノードであって、各アクセスノードが、複数の順方向アップリンク信号のうちのそれぞれの1つを送信すると同時に、各順方向信号経路が、前記複数の順方向アップリンク信号のそれぞれの重畳を対応する順方向ダウンリンク信号として中継し、前記複数の順方向ダウンリンク信号の重畳が、前記複数の順方向アップリンク信号を形成するために使用されるビーム重み行列に依存して、複数の同時順方向ビームを形成し、前記ビーム重み行列が、エンドツーエンド順方向ビーム重みを備える、複数の地理的に分散されたアクセスノードと、
前記衛星通信ネットワークの前記地上セグメントに更に含まれる制御器であって、前記制御器が通信インターフェースと、1つ以上のプロセッサであって、
各スケジューリング間隔に関して順方向信号経路割り当てを決定し、各スケジューリング間隔における前記順方向信号経路割り当てが、非重複する第1及び第2のユーザカバレッジエリアに関して決定され、かつ、前記順方向信号経路の非ゼロの第1のサブセットを前記第1のユーザカバレッジエリアに割り当て、前記順方向信号経路の非ゼロの第2のサブセットを前記第2のユーザカバレッジエリアに割り当てることと、
各スケジューリング間隔に対して決定された前記順方向信号経路の前記第1及び第2のサブセットに関して、前記第1の
ユーザカバレッジエリアを照らすように構成された第1のユーザリンクアレイのそれぞれのフィードとの接続に前記順方向信号経路の第1のサブセットの出力端が切り替えられ、かつ、前記第2のユーザカバレッジエリアを照らすように構成された第2のユーザリンクアレイのそれぞれのフィードとの接続に前記順方向信号経路の第2のサブセットの出力端が切り替えられるように、各スケジューリング間隔に対して決定された前記ビーム割り当てに従って前記順方向信号経路の接続性を制御することと、
各スケジューリング間隔に対して決定された前記順方向信号経路割り当てに対応するエンドツーエンド順方向チャネルに基づいて、各スケジューリング間隔中に使用するための前記ビーム重み行列を計算することと、を行うように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える制御器と、を備える衛星通信システム。
【請求項9】
各ユーザカバレッジエリアが、
ビームカバレッジエリアの所定の
パターンに
分割され、前記制御器が、前記
スケジューリング間隔中に各ユーザカバレッジエリアで照らされるビームカバレッジエリアに
依存して、各スケジューリング間隔中に
使用する
ための前記ビーム重み行列を計算するように構成される、請求項
8に記載の衛星通信システム。
【請求項10】
各ビームカバレッジエリアが、所望のビームセンターを表す地理的位置を包含し、前記衛星通信システムが、前記それぞれの地理的位置に、又はその近傍に位置するそれぞれの基準ユーザ端末(RUT)からサウンディング信号を受信し、前記制御器が、前記受信されたサウンディング信号から前記エンドツーエンド順方向チャネルを推定するように構成されている、請求項9に記載の衛星通信システム。
【請求項11】
各順方向信号経路が、
フィーダリンクアレイでのそれぞれの
フィードに
接続された
入力端を有するとともに、各順方向信号経路の前記
出力端が、前記第1の
ユーザリンクアレイでのそれぞれのフィードと前記第2の
ユーザリンクアレイでのそれぞれのフィードとの間で
切り替え可能であり、前記
順方向信号経路
割り当てを決定することの一部として、前記第1及び第2のユーザカバレッジエリア内でのユーザ端末のそれぞれの分散に依存して、前記第1及び第2のユーザカバレッジエリア内での同時ビーム形成に対してどのフィードパターンを使用するかを決定するように
前記制御器が構成され、前記フィードパターンが、前記順方向信号経路のうちのどれが前記第1のサブセット内に含まれ、かつ、前記順方向信号経路のうちのどれが前記第2のサブセット内に含まれるかを決定する、請求項
8に記載の衛星通信システム。
【請求項12】
前記第1
及び第2のユーザカバレッジエリアの間での容量必要性の決定の変更に従って、前記スケジューリング間隔のうちの2つ以上にわたって前記
順方向信号経路
割り当てが
変化する、請求項
8に記載の衛星通信システム。
【請求項13】
前記
制御器が、
複数のスケジュールされた間隔に対して使用する前記順
方向信号経路割り当てを示すスケジュールを前記
衛星に提供することに基づいて、前記複数の
順方向信号経路の前記接続性を制御するように構成され、前記衛星が、前記スケジュールに従って前記順方向信号経路の前記出力端を切り替えるように動作するオンボードスイッチング回路を有する、請求項
8に記載の衛星通信システム。
【請求項14】
前記制御器が、前記コマンドを
前記衛星に送信することによって前記順方向信号経路の前記接続性を制御し、かつ、前記コマンドに従って前記順方向信号
経路の
前記出力端を切り替えるように動作する前記衛星
のスイッチング回路を制御するように構成されている、請求項8に記載の衛星通信システム。
【国際調査報告】