(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】出産前に女性の産道の準備をさせるシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/42 20060101AFI20240412BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240412BHJP
A61M 29/00 20060101ALI20240412BHJP
G01B 21/14 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A61B17/42
A61B5/00 101M
A61M29/00
G01B21/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561160
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 FR2022050642
(87)【国際公開番号】W WO2022214767
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523377449
【氏名又は名称】マミング
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズュベー トマ
(72)【発明者】
【氏名】メレリオ ゴンザグ
【テーマコード(参考)】
2F069
4C117
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
2F069AA40
2F069BB40
2F069DD16
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG09
2F069HH09
2F069JJ02
2F069KK10
2F069MM04
2F069QQ05
2F069RR01
4C117XE27
4C117XH02
4C160HH20
4C160KL02
4C160MM32
4C267AA07
4C267BB27
4C267BB33
4C267BB42
4C267BB45
4C267BB47
4C267BB48
4C267BB62
4C267CC25
4C267EE11
4C267HH08
(57)【要約】
本発明は、出産前に女性の産道の準備をさせるシステム(1)に関し、システム(1)は、女性の産道内に配置されるよう意図された膨張可能な本体(2)であって、膨張可能な本体(2)は、空気が膨張可能な本体内に入ること、又は空気が膨張可能な本体から出ることを可能にするよう意図された第1開口端(22)と、第1開口端(22)の反対側に位置する第2閉端(24)とを含む壁(20)を備える、膨張可能な本体(2)と、膨張可能な本体(2)を膨張させるように機能し、導管(12)によって、膨張可能な本体(2)の第1開口端(22)に流体接続された、前記膨張可能な本体(2)の膨張装置(4)と、膨張可能な本体の寸法を測定するように構成された測定装置(6)と、測定装置(6)の寸法の測定データを収集するように構成された制御装置(8)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出産前に女性の産道の準備をさせるシステム(1)であって、
前記システム(1)は、
前記女性の前記産道内に配置されるよう意図された膨張可能な本体(2)であって、
前記膨張可能な本体(2)は、空気が前記膨張可能な本体内に入ること、又は空気が前記膨張可能な本体から出ることを可能にするよう意図された第1開口端(22)と、前記第1開口端(22)の反対側に位置する第2閉端(24)とを含む壁(20)を備える、
膨張可能な本体(2)と、
導管(12)によって、前記膨張可能な本体(2)の前記第1開口端(22)に流体接続された、前記膨張可能な本体(2)の膨張装置(4)と、
前記膨張可能な本体の寸法を測定するように構成された測定装置(6)と、
前記測定装置(6)の寸法の測定データを収集するように構成された制御装置(8)とを備える、
システム(1)。
【請求項2】
前記制御装置(8)は、特にワイヤレス通信リンクによって、前記測定装置(6)から、前記測定装置の寸法の測定データを受け取り表示するように構成されたインターフェイス装置へ、寸法の測定データを送信するように構成される、
請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記測定装置(6)は、前記膨張可能な本体(2)の断面に対応する、前記膨張可能な本体(2)の寸法を測定するように構成される、
請求項1又は2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記膨張可能な本体(2)は、前記本体が膨らまされたときに、実質的に円形の断面を有し、
前記システム(1)は、前記膨張可能な本体の前記断面の直径を求めるように構成される、
請求項3に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記測定装置(6)は、前記膨張可能な本体内に組み込まれ、少なくとも1つの距離センサ(6’,6’’)を備え、
前記膨張可能な本体(2)は、前記膨張可能な本体(2)内へ延びる中央支持部材(200)と、前記膨張可能な本体(2)の前記中央支持部材に配置された、前記少なくとも1つの距離センサ(6’,6’’)とを備え、
前記測定装置(6)は、前記中央支持部材(200)と、前記膨張可能な本体(2)の壁(20)の内側表面に位置される点との間の距離を測定するように構成される、
請求項1-4のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記中央支持部材(200)は、半硬質の棒であり、前記少なくとも1つの距離センサ(6’,6’’)は、前記半硬質の棒の自由端(202)に配置される、
請求項5に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの距離センサ(6’,6’’)は、赤外線センサ、超音波センサ、及びレーザセンサからなる群から選択されるセンサである、
請求項5又は6に記載のシステム(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの距離センサは、撮影装置(6’’)であり、前記膨張可能な本体(2)は、前記膨張可能な本体(2)の壁の内側表面に配置された、少なくとも1つのパターン又はリブを備える、
請求項5又は6に記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記システム(1)は、前記産道内に配置されるよう意図された第1部分と、前記産道の外側に留まるよう意図された第2部分とを備え、
前記第1部分は、前記膨張可能な本体(2)を備え、
前記第2部分は、前記膨張装置(4)、前記制御装置(8)、及び前記測定装置(6)を備え、
前記測定装置(6)は、少なくとも1つの圧力センサ(34)と、前記膨張可能な本体に入る空気の量及び/又は前記膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成された少なくとも1つのコンピュータ(40)とを備える、
請求項1-4のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記コンピュータ(40)は、モータ(4’’)によって伝達された情報を使って、前記膨張可能な本体に入る空気の量を計算するように構成される、
請求項9に記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記コンピュータ(40)は、ソレノイド弁(12)によって伝達された情報を使って、前記膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成される、
請求項9又は10に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記膨張可能な本体の前記第2閉端(24)は突起(25)を備える、
請求項1-11のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記システム(1)は、前記女性の前記産道内における前記膨張可能な本体の位置決めを可能にするよう意図される把持手段(40)を備え、
前記把持手段は、半硬質の握りである、
請求項1-12のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項14】
前記半硬質の握り(40)は、伸縮式である、
請求項13に記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出産前に女性の産道の準備をさせるよう意図されたシステムに関する。特に、本発明は、産道の軟化を目的として女性の産道内に配置されるよう意図された膨張可能な本体と、膨張可能な本体の寸法を測定するように構成され、膨張可能な本体の寸法の測定データが、女性が自身の出産の経過を追跡することを可能にするためにリアルタイムで収集される測定装置とを備える、接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自然分娩の間、女性の産道(膣、骨盤底及び会陰を含む)は、望まれない損傷を生じ得る伸張にさらされる。
【0003】
特定の場合において、会陰切開が、新生児の通過を促進するために実行される。
【0004】
この外科的な処置は、多かれ少なかれ激しい身体的な苦痛及び精神的な苦痛などの女性への重大な結果を起こし得て、いくらかの治療期間も要し得る。
【0005】
これらの欠点を克服するために、出産時に新生児の通過のための産道の準備を可能にする出産準備運動がある。
【0006】
これらの運動の実施を可能にするシステムには、さまざまな様式がある。例えば、Epi-no(登録商標)として知られる、使用者の産道内に配置されるよう意図された膨張可能な本体を備え、導管を通して膨張可能な本体に接続されたインフレーション用ボールによって手動で膨張されるように構成されたシステムが知られている。操作中に、使用者はインフレーション用ボールを使用して膨張可能な本体を膨張させる。この膨張可能な本体は、使用者の産道の筋肉に力を加え、使用者の産道を徐々に軟化させることを可能にする。この膨張可能な本体の拡張が、準備期間の間、次第に増大され得る。
【0007】
このシステムの欠点は、膨張可能な本体の拡張を確実に定量化することが不可能なことであり、したがって産道の軟化の進展を正確に追跡することができないことにある。
【0008】
このシステムの別の欠点は、リアルタイムで、かつ簡単な方法により出産の準備の経過に関する情報を取得することが、使用者には不可能なことにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この開示は、上述された欠点の全て又は一部を解決することを目的とする。
【0010】
この説明は、出産前に女性の産道の準備をさせるシステムに関し、
このシステムは、
女性の産道内に配置されるよう意図された膨張可能な本体であって、
膨張可能な本体は、空気が膨張可能な本体内に入ること、又は空気が膨張可能な本体から出ることを可能にするよう意図された第1開口端と、第1開口端の反対側に位置する第2閉端とを含む壁を備える、
膨張可能な本体と、
導管によって、膨張可能な本体の第1開口端に流体接続された、膨張可能な本体を膨張させる装置と、
膨張可能な本体の寸法を測定するように構成された測定装置と、
測定装置の寸法の測定データを収集するように構成された制御装置とを備える。
【0011】
本発明に係るシステムは、損傷と、損傷の結果とを避けるように、出産のために筋肉、皮膚及び粘膜の準備をさせることを可能にする。
【0012】
本説明に関するシステムは、出産を促進するために、女性の産道の準備をさせることを可能にする。
【0013】
さらに、本発明は、使用者による準備の進み具合のリアルタイムな監視を可能にし、女性の会陰のより良い調整を可能にする。
【0014】
一態様によれば、膨張可能な本体の壁は、一定の断面又は可変の断面の管状部を有する。
【0015】
一実施形態によれば、制御装置は、特にワイヤレス通信リンクを通して、測定装置の寸法の測定データを受け取り表示するように構成されたインターフェイス装置へ、測定装置の寸法の測定データを送信するように構成される。
【0016】
一実施形態によれば、このインターフェイス装置は、携帯通信端末において実行されるコンピュータアプリケーションを備える。このシステムは、インターフェイス装置を備え得る。代替として、インターフェイス装置は、測定装置の寸法の測定データを処理するように構成されたアプリケーション又はサードパーティ製装置からなり得る。
【0017】
本発明は、膨張可能な本体の寸法がリアルタイムでわかり、例えば、スクリーンを有する物(電話、タブレット、コンピュータ等)を介して、使用者に伝達されるシステムを提供することを可能にする。
【0018】
本発明の有利な点は、使用者を装置の適切な使用へ誘導し、よって使用者の経過を改善するために、膨張可能な本体の使用データをリアルタイムで読み取り転記することができることにある。
【0019】
一実施形態によれば、この測定装置は、膨張可能な本体の断面に対応する、膨張可能な本体の寸法を測定するように構成される。
【0020】
横断面は、産道内へ膨張可能な本体を挿入する方向を横断する面で考えたときの膨張可能な本体の断面を意味する。
【0021】
一実施形態によれば、膨張可能な本体は、本体が膨らまされたときに、実質的に円形の断面を有する。この実施形態において、このシステムは、膨張可能な本体の前記断面の直径を求めるように構成される。
【0022】
一実施形態によれば、測定装置は、膨張可能な本体内に組み込まれ、少なくとも1つの距離センサを備える。この実施形態において、膨張可能な本体は、膨張可能な本体内へ延びる中央支持部材と、膨張可能な本体の中央支持部材に配置された距離センサとを備え、測定装置は、中央支持部材と、膨張可能な本体の壁の内側表面に位置される点との間の距離を測定するように構成される。
【0023】
一特徴によれば、この中央支持部材は、半硬質の棒であり、前記少なくとも1つの距離センサが、この半硬質の棒の自由端に配置される。
【0024】
一特徴によれば、前記少なくとも1つの距離センサは、赤外線センサ、超音波センサ、及びレーザセンサからなる群から選択されるセンサである。
【0025】
一特徴によれば、前記少なくとも1つの距離センサは、撮影装置であり、膨張可能な本体は、膨張可能な本体の壁の内側表面に配置された、少なくとも1つのパターン又はリブを備える。
【0026】
例えば、この撮影装置は、カメラ、デジタルカメラである。
【0027】
一実施形態によれば、このシステムは、産道内に配置されるよう意図された第1部分と、産道の外側に留まるよう意図された第2部分とを備える。この第1部分は、膨張可能な本体を備え、この第2部分は、膨張装置、制御装置、及び測定装置を備え、測定装置は、少なくとも1つの圧力センサと、膨張可能な本体に入る空気の量及び/又は膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成された少なくとも1つのコンピュータとを備える。
【0028】
一特徴によれば、この装置は、少なくとも1つの温度センサを備える。
【0029】
よって、測定装置は、膨張可能な本体内の圧力値、温度値、及び空気の量の関数として、膨張可能な本体の寸法を求めるように構成される。測定装置が、この目的のために、別個であり得る処理ユニット、又は制御装置及び/又は測定装置に割り当てられ得る処理ユニットを備えてよいことには、注目されたい。
【0030】
一特徴によれば、コンピュータは、モータによって伝達された情報を使って、膨張可能な本体に入る空気の量を計算するように構成される。
【0031】
一特徴によれば、コンピュータは、ソレノイド弁によって伝達された情報を使って、膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成される。
【0032】
一特徴によれば、膨張可能な本体の第2端は突起を備える。
【0033】
一特徴によれば、このシステムは、女性の前記産道内における膨張可能な本体の位置決めを可能にするよう意図される把持手段を備え、この把持手段は、半硬質の握りである。
【0034】
一特徴によれば、半硬質の握りは、伸縮式である。
【0035】
本発明の他の特徴及び有利な点は、以下の非限定的な記述と、本発明に係るシステムのいくつかの実施形態を概略的に示す添付された図面とを読めば明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る出産の準備をさせるシステムの説明図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る準備させるシステムの膨張可能な本体の拡大図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る測定装置を備えるシステムを示す。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る測定装置の変形例を示す。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態に係る測定装置を備えるシステムを示す。
【
図6】
図6は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図7】
図7は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図8】
図8は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図9】
図9は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図10】
図10は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図11】
図11は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【
図12】
図12は、変形例に係るシステムの膨張可能な本体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
簡略化のため、同一の要素は、全ての図面において同一の参照符号によって特定される。
【0038】
図1は、本開示に係る、出産のために女性に準備をさせるシステム1を示す。
【0039】
このシステム1は、女性の産道に配置されるよう意図された膨張可能な本体2と、膨張可能な本体を膨らませるよう意図された膨張装置4と、膨張可能な本体の寸法を測定するように構成された測定装置6と、測定装置6からの寸法の測定データを収集するように構成された制御装置8とを備える。
【0040】
膨張可能な本体2は、例えば空気のような気体によって本体が膨らまされた時に、産道の軟化を目的として、女性の産道の筋肉に力を加えるように構成される。
【0041】
この膨張可能な本体2は、人体との適合性のある材料からなり、例えば膨張可能な本体2はラテックス又はシリコンからなり得る。
【0042】
図2に示されるように、膨張可能な本体2は、空気が膨張可能な本体内に入ること、又は空気が膨張可能な本体から出ることを可能にするよう意図された第1開口端22と、第1端22の反対側に位置する第2閉端24とを含む壁20を備える。
【0043】
第1態様によれば、膨張可能な本体の壁は、不変の断面の部分又は可変の断面の部分を有する。
【0044】
例えば、膨張可能な本体の壁は、不変の断面の管状部分又は可変の断面の管状部分を有する。
【0045】
壁の形状の例が、いくつかの実施形態に係る膨張可能な本体の長手方向断面図を示す
図6-12に示される。
【0046】
示される例において、第2端24は、突起25を備え得る。この突起25は、使用者の産道内への膨張可能な本体の挿入を容易にすることを可能にするため、膨張可能な本体に潤滑要素が取り付けられることを可能にする。
【0047】
膨張可能な本体2は、膨張可能な本体2内へ延びる中央支持部材200を備え得る。例えば、中央支持部材200は、女性の産道内への膨張可能な本体2の挿入を容易にすることを可能にする半硬質の棒である。この半硬質の棒は、膨張可能な本体2の中央区間において延びる第1自由端202と、膨張可能な本体2の開口端22に接続された第2端204とを備える。例えば、半硬質の棒は、握り10を形成するカラーに固定される。膨張可能な本体2は、この握り10に固定される。この握り10は、産道内への膨張可能な本体2の挿入を誘導することも可能にする。
【0048】
この本体が膨らまされたとき、本体は、
図1,3,4及び5に示されるように、実質的に円形の断面「T」を有する。
【0049】
断面「T」によって、産道内における膨張可能な本体の挿入方向「d」を横断することが考慮された膨張可能な本体の断面が表される。この構成において、膨張可能な本体は、新生児の頭部の通過をシミュレートすることも可能にする。
【0050】
この膨張可能な本体は、たとえ使用者が膨張可能な本体に力を加えたとしても、膨張可能な本体がしぼまないように、所定の厚さを有する。よって、このシステムは、使用者が、例えば運動の間に膨張可能な本体に圧力をかけることによって、これらの筋肉を運動させることを可能にする。
【0051】
この膨張可能な本体2は、可撓性のパイプのような導管12によって、膨張可能な本体2の開口端204に流体接続された膨張装置4によって膨らまされる。
【0052】
図1に示される第1実施形態によれば、この膨張装置4は、手動のインフレーション用ボール4’を備える。この実施形態において、手動の球は、膨張可能な本体2をわずかにしぼませること、又は完全にしぼませることを可能にするバルブ(不図示)を備え得る。
【0053】
図3-5に示される第2実施形態によれば、この膨張装置4は、電動式装置であり、モータ4’’を備える。
【0054】
このモータは、空気ポンプのように機能する。
【0055】
例えば、このモータは、この目的のために設けられた開口を介して、大気から空気を入れるよう意図されたアダプタを含むソレノイド電気モータである。
【0056】
この第2実施形態において、このシステムは、膨張可能な本体2をわずかにしぼませること、又は完全にしぼませることを可能にするソレノイド弁14を備える。モータ4’’及びソレノイド弁14は、導線36,37を介して制御装置に接続される。
【0057】
測定装置6は、本体の膨張中に、膨張可能な本体の寸法を測定するように構成される。特に、この測定装置は、膨張可能な本体2の断面「T」に対応する本体の寸法を測定するように構成される。
【0058】
さらに測定装置6は、システム1が、測定装置6によって測定された測定値の関数として、膨張可能な本体の円形の断面の直径「D」を求めるように構成されることを可能にする。
【0059】
さらに、測定装置6の寸法の測定データが、制御装置8によって収集される。
【0060】
この制御装置8は、例えばマイクロコントローラを備える。このシステムは、マイクロコントローラに電力を供給するよう意図されたバッテリ(不図示)を備える。
【0061】
制御装置8は、特にワイヤレス通信リンクによって、測定装置から、測定装置からの寸法の測定データを受け取り表示するように構成されたインターフェイス装置(不図示)へ、寸法の測定データを転送するように構成される。
【0062】
一実施形態によれば、このインターフェイス装置は、携帯通信端末において実行されるコンピュータアプリケーションを備える。
【0063】
このシステムは、インターフェイス装置を備え得る。
【0064】
代替として、インターフェイス装置は、測定装置の寸法の測定データを処理するように構成されたアプリケーション又はサードパーティ製装置からなり得る。
【0065】
このシステムは、リアルタイムで使用者に情報を表示することを可能にし、その情報を一般に観測される測定値と比較することも可能である。
【0066】
さらに関連深い情報を提供するため、このシステムは、使用者が彼女の妊娠状態についての情報(無月経の週数、年齢、体重、身長、靴の大きさ)を入力することを可能にするように構成される。もし使用者がこのデータをシステムに統合するなら、その後システムは、リアルタイムに収集された測定値と、同年齢の人間、同じ大きさの人間、及び彼女らの妊娠期間の同時期における人間について一般に観測された測定値と比較する。
【0067】
図3及び
図4に示される第1実施形態によれば、測定装置6は、膨張可能な本体2内に組み込まれる。
【0068】
この実施形態において、この測定装置は、少なくとも1つの距離センサ6’を備える。
【0069】
示される例において、センサは、膨張可能な本体2の中央支持部材200に配置される。
【0070】
例えば、中央支持部材200が半硬質の棒のとき、この距離センサ6’は、膨張可能な本体の棒の自由端202に配置される。
【0071】
測定装置6は、中央支持部材200と、膨張可能な本体の壁20の内側表面に位置される点「P」との間の距離を測定するように構成される。
【0072】
さらに、この距離は、膨張可能な本体の半径と対応する。
【0073】
例えば、距離センサ6’は赤外線センサである。
【0074】
この赤外線センサは、送信機と受信機とを備える。この送信機は、膨張可能な本体によって反射される赤外線光を、膨張可能な本体の壁に向けて放射するように構成され、この受信機は、膨張可能な本体によって反射されたエネルギの量を測定するように構成される。
【0075】
別の例によれば、この距離センサ6’は、超音波センサである。
【0076】
この超音波センサは、送信機と受信機とを備える。この送信機は、膨張可能な本体によって反射される超音波信号を、膨張可能な本体の壁に向けて放出するように構成される。この受信機は、距離を推定するために、超音波信号の放出と超音波信号の受信との間の経過時間を計算するように構成される。
【0077】
さらに別の例によれば、距離センサ6’は、レーザセンサである。レーザセンサは、送信機と受信機とを備える「飛行時間」センサである。
【0078】
この送信機は、膨張可能な本体によって反射されるレーザ放射を、膨張可能な本体の壁に向けて放出するように構成される。この受信機は、距離を推定するために、レーザ放射の放出とレーザ放射の受信との間の経過時間を計算するように構成される。
【0079】
この例において、測定装置は、膨張可能な本体の内側に照明を提供するよう意図される発光ダイオード(LED)を備え得る。
【0080】
図4に示される例において、前記少なくとも1つの距離センサは、カメラ、つまりデジタルカメラ6’’のような撮影装置であり、膨張可能な本体2は、膨張可能な本体の壁の内側表面に配置された、少なくとも1つのパターン(不図示)又はリブ18を備える。
【0081】
例えば、このパターンは、特定のランダム又は所定の、色又はテクスチャでよい。
【0082】
このパターン及びリブは、撮影装置が膨張可能な本体の歪みを検出することを可能にするよう意図される。
【0083】
図4に示される例において、膨張可能な本体2は、膨張可能な本体2の壁の内側表面に配置された複数のリブ18を備える。
【0084】
この撮影装置は、膨張可能な本体の壁の内側表面の状態を、リアルタイムで知ることを可能にする。時間T1において撮影された画像と、時間T0において撮影された最初の画像とを比較することによって、膨張可能な本体の寸法の増加量を、画像解析を用いて推定することを可能にする。例えば、測定装置6は、膨張可能な本体の内側に照明を提供するよう意図される発光ダイオード(LED)を備え得る。
【0085】
上述のそれぞれの例において、距離センサは、導線32によって制御装置のマイクロコントローラ8に接続される。
【0086】
図3及び
図4に示される例において、この導線は、握り10を通過する。
【0087】
距離センサは、膨張可能な本体の半径を計算することを可能にする。
【0088】
直径は、計算された半径から推定される。
【0089】
測定装置が、この目的のために、別個であり得る処理ユニット又は制御装置に割り当てられ得る処理ユニットを備え得ることには、注目されたい。
【0090】
図5に示される第2実施形態によれば、測定装置6は膨張可能な本体の外側に配置される。
【0091】
この実施形態において、膨張可能な本体の膨張装置4は、モータ4’’とソレノイド弁14とを備えなければならない。
【0092】
この実施形態において、このシステムは、産道内に配置されるよう意図された第1部分と、産道の外側に留まるよう意図された第2部分とを備える。第1部分は、膨張可能な本体2を備え、第2部分は、膨張装置4、制御装置8及び測定装置6を備える。
【0093】
この実施形態において、測定装置6は、システムの導管12に接続された少なくとも1つの圧力センサ34と、膨張可能な本体に入る空気の量及び/又は膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成された少なくとも1つのコンピュータ40とを備える。この圧力センサ34は、システム1の導管12に接続される。
【0094】
例えば、コンピュータ40は、モータ4’’によって伝達された情報を使って、膨張可能な本体に入る空気の量を計算するように構成される。
【0095】
例えば、コンピュータ40は、ソレノイド弁14によって伝達された情報を使って、膨張可能な本体から出る空気の量を計算するように構成される。
【0096】
モータ4’’、ソレノイド弁14、及び圧力センサ34は、導線35,36,37によって制御装置に接続される。このコンピュータ40は制御装置8に接続されているが、例えば制御装置がコンピュータ40を備えてもよい。
【0097】
測定装置は温度センサ(不図示)を備えることがあり、温度センサはシステム1の導管12に接続される。
【0098】
測定装置6は、圧力値、温度値及び膨張可能な本体内の空気の量に係る膨張可能な本体の寸法を求めるように構成される。
【0099】
測定装置が、この目的のために、別個であり得る処理ユニット又は制御装置に割り当てられ得る処理ユニットを備えてよいことには、注目されたい。
【0100】
この実施形態において、膨張可能な本体の寸法は、理想気体の状態方程式及び関係式PV=nRTに基づいて求められ、
Pは、圧力センサ34によって求められる圧力に相当し、
Tは、温度センサ(この場合においては、測定装置が備える少なくとも1つの温度センサ(不図示))によってか、又は周囲温度の推定値によって求められる温度に相当し、
Rは、8.314Jmоl-1K-1と等しい一般気体定数に相当し、
nは、コンピュータによって計算され、かつモータによって伝達される情報(モータの始動からの経過時間及び圧力の関数としての流量がバルーンに吹き込まれる空気の量を知ることを可能にする)を介して、及び/又はソレノイド弁によって伝達される情報(ソレノイド弁の開放時間及び圧力が、バルーンから出る空気の量を知ることを可能にし、モータによって吹き込まれる空気の量から差し引かれる)を介して求められる、膨張可能な本体に入る空気の量又は膨張可能な本体から出る空気の量に相当する。
【0101】
これらのパラメータが、膨張可能な本体内に存在する空気の体積を推定することを可能にする。膨張可能な本体の直径が、この体積から、膨張可能な本体の形状を知ることによってか、又は膨張可能な本体の挙動を知ることを可能にする一連の試験によって実験的に推定され得る。
【0102】
これまでに記述された全ての実施形態において、このシステムは、女性の産道内における膨張可能な本体の位置決めと、膨張可能な本体の除去との最適化を可能にするよう意図される把持手段40(
図1)を備え得る。例えば、この把持手段は、半硬質の握りである。
【0103】
一例によれば、この半硬質の握りは伸縮式である。例えば、このハンドルは、展開された位置において40cmの最大長を有し得る。
【0104】
明らかに、本発明はこれまでに記述された例に制限されることなく、かつ数多くの修正が、本発明の範囲から外れることなくこれらの例になされ得る。特に、本発明の異なる特性、形状、変形例及び実施形態が、それらが互いに両立せず、かつ排他的ではない限り、様々な組み合わせにおいて、互いに関連付けられ得る。
【国際調査報告】