(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ヒノキチオールを含む化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20240412BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240412BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240412BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240412BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/49
A61K8/41
A61Q17/04
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023561343
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022058359
(87)【国際公開番号】W WO2022214370
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/085846
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】メリントン,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】タン,シュエジ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AC172
4C083AC211
4C083AC212
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC331
4C083AC341
4C083AC342
4C083AC351
4C083AC371
4C083AC551
4C083AC552
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC792
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB05
4C083BB46
4C083BB53
4C083CC38
4C083EE01
4C083EE23
(57)【要約】
ヒノキチオールと、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびこれらの混合物から選択される有機UVAフィルタとを含む化粧品組成物が開示される。ヒノキチオールの安定性を改善することが示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ヒノキチオール;
(ii)ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびそれらの混合物から選択される有機UVAフィルタ;ならびに
(iii)化粧品として許容される担体;
を含み、
前記UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が少なくとも1:20である、化粧品組成物。
【請求項2】
前記組成物が、有機化合物を更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記有機化合物が、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、安息香酸C12-15アルキル、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、カプリル酸プロピルヘプチル、ココグリセリド、オクトクリレン、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、ジエチルヘキシルシリンギリデンマロネートおよびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、プルヌスアミグダルス(Prunus Amygdalus)、カプリル酸/カプリン酸カプリリル、ココカプリレート、パルミチン酸イソプロピル、バクサス・チネンシス(Buxus Chinensis)およびそれらの混合物、好ましくは、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルから選択される、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が1:20~10:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記ヒノキチオールの量が、前記組成物の0.01重量%~10重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記有機UVAフィルタの量が、前記組成物の0.1重量%~15重量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
クレンジング界面活性剤、好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記組成物が、コンディショニング剤、好ましくはシリコーン油、より好ましくはジメチコン、ジメチコノールまたはそれらの混合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記組成物が、好ましくはセルロース、カチオン性グアーまたはそれらの混合物から選択される、カチオン性ポリマーを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記組成物が、カチオン性グアーポリマー、好ましくはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを含む、請求項9に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記組成物が、シャンプーである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を個体の頭皮表面に塗布し、続いて前記表面を水ですすぐ工程を含む、頭皮上のヒノキチオールの安定性を高める方法。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を頭皮および/または毛髪に塗布する工程を含む、頭皮および/または毛髪上のフケの症状を予防または緩和する非治療的方法。
【請求項14】
フケの症状を予防または緩和するのに使用するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、好ましくはヘアケア組成物に関する。より詳細には、本発明は、ヒノキチオールを含む化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フケは、世界中の多くの人々が経験する状態である。フケの状態は、皮膚の剥離などの軽度の症状から、頭皮の重度の炎症およびかゆみまで様々である。マラセチア・フルフル(Malassezia furfur)などのマラセチア酵母は、フケの主な原因であると一部に考えられており、これは状況の完全な科学的描写を表すものではないかもしれないが、マラセチア酵母はフケと密接に関連しているようである。したがって、フケの治療に従来使用されている戦略は、通常シャンプーを介して送達されるジンクピリチオン(ZnPTO)、ピロクトンオラミン、クリンバゾールおよびケトコナゾールなどの抗真菌剤の局所塗布である。
【0003】
ヒノキチオールは、抗真菌、抗菌および抗増殖特性を含む多様な生物学的活性を有するT.プリカタ(T.plicata)の心材に由来して単離されたトロポロンである。ヒノキチオールは、オーラルケア、ヘアケアおよびスキンケア製品に使用されている。一般に、ヒノキチオールは、界面活性剤、水、ポリマー、着色成分および芳香成分を含む、製品のベース組成物に溶解される。使用者が組成物を毛髪、口腔または皮膚に塗布した場合、ヒノキチオールの化合物がその上に堆積する。しかしながら、ヒノキチオールは光不安定性であり、堆積されたヒノキチオールは、ヒノキチオールがその不安定化をもたらすUV放射線と反応する傾向があるため、生物利用可能ではない可能性があることが知られている。
【0004】
したがって、本発明の目的は、ヒノキチオール生物活性剤の安定性を高めることである。
【0005】
米国特許第8382856号明細書(富士フイルム株式会社)は、良好な耐光性、染色性および安全性を有する非酸化性染料に関する。実施例9のD1は、ヒノキチオールと、オキシベンゾン-3であるUVAフィルタとを含む染毛剤組成物を開示している。
【0006】
国際公開第2018172948号(RATTI KARAN)は、皮膚の美白、および色素沈着過剰の低減のための組成物に関する。これは、有機光保護剤およびヒノキチオールを含む。
【0007】
XP007125378は、ヒノキチオールを含む抗フケ毛髪組成物を開示している。
【0008】
XP055860817は、ヒノキチオールおよびチャ葉エキス(Camellia Sinensis Leaf Extract)を含む抗脱毛機能性トニックを開示している。
【0009】
XP055860871は、フケに対抗するリーブオン処理を開示しており、これはヒノキチオールおよびサリチル酸ベンジルを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第8382856号明細書
【特許文献2】国際公開第2018172948号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】XP007125378
【非特許文献2】XP055860817
【非特許文献3】XP055860871
【発明の概要】
【0012】
本発明者らは、ヒノキチオールである感光性活性剤の光安定性の問題を改善する新しい方式を決定した。本発明者らは、ヒノキチオールと有機UVAフィルタとを特定の比率で組成物に共配合した場合、ヒノキチオールの光安定性が改善され得ることを決定した。
【0013】
第1の態様によれば、
(i)ヒノキチオール;
(ii)ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびそれらの混合物から選択される有機UVAフィルタ;ならびに
(iii)化粧品として許容される担体;
を含み、
前記UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が少なくとも1:20である、化粧品組成物が開示される。
【0014】
第2の態様によれば、安全かつ有効な量の第1の態様の組成物を塗布する工程を含む、局所抗菌利益を提供する方法が開示される。
【0015】
第3の態様によれば、第1の態様による組成物を頭皮および/または毛髪に塗布する工程を含む、頭皮および/または毛髪上のフケの症状を予防または緩和する方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
疑念を避けるために、本発明の一態様の任意の特徴は、本発明の任意の他の態様で利用することができる。「含む(comprising)」という語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)、または「で構成される(composed of)」を意味することを意図していない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。以下の説明で与えられる実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していないことに留意されたい。同様に、別段の指示がない限り、すべてのパーセンテージは重量/重量パーセンテージである。操作例および比較例を除いて、または他に明示されている場合を除いて、材料の量もしくは反応の条件、材料の物理的特性および/または使用を示す本明細書および特許請求の範囲のすべての数字は、「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。「x~y」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。特定の特徴について、複数の好ましい範囲が「x~y」の形式で記載されている場合、異なる終点を組み合わせたすべての範囲も企図されることが理解される。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」または「an」およびその対応する定冠詞「the」は、特に指定されない限り、少なくとも1つ、または1つ以上を意味する。上記の個々のセクションで言及された本発明の様々な特徴は、必要に応じて、他のセクションに準用して適用される。したがって、1つのセクションで指定された特徴は、必要に応じて他のセクションで指定された特徴と組み合わせることができる。任意のセクションの見出しは便宜上追加されているにすぎず、決して本開示を限定することを意図するものではない。
【0017】
本明細書で使用される「化粧品組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪および/または頭皮に局所塗布するための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に、数秒~24時間の期間、身体の所望の局所表面に塗布される。塗布時間が例えば数秒~数分程度で短く、その後、組成物が水ですすぎ落とされるか、または拭き取られる場合、そのような組成物は、クレンジング組成物またはウォッシュオフ組成物として知られている。一方、組成物が、例えば数分~24時間のより長い期間塗布され、通常のパーソナルクリーニングの過程の間に通常洗い流される場合、そのような組成物はリーブオン組成物として知られている。本発明による組成物は、外観、クレンジング、臭気制御または一般的な審美性も改善するために人体に塗布される任意の製品を含む。
【0018】
本明細書で使用される「ヘアケア組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの毛髪または頭皮に局所塗布するための組成物を含むことを意味する。局所とは、組成物が身体の外面に塗布されることを意味する。本発明では、これは、組成物を毛髪または頭皮に塗布することによって達成される。そのような組成物は、一般に、リーブオンまたはリンスオフとして分類することができ、頭皮および毛髪の外観、クレンジング、臭気制御または一般的な審美性を改善するために塗布される任意の製品を含む。本発明のヘアケア組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ゲル、シャンプー、コンディショナー、シャワーゲルまたはシャワーバーの形態であり得る。本発明のヘアケア組成物は、好ましくはリーブオン組成物である。代替的に、本発明のヘアケア組成物は、ウォッシュオフ組成物である。人体への摂取によって所望の利益を達成するための組成物は、本発明の範囲から除外される。
【0019】
ヒノキチオール
本発明によるヒノキチオール(ベータ-ツヤプリシン)は、2位のヒドロキシ基および4位のイソプロピル基で置換されたシクロヘプタ-2,4,6-トリエン-1-オンであるモノテルペノイドである。CAS番号は499-44-5であり、化合物は以下の一般式(I):
【化1】
を有する。
【0020】
本発明の組成物中のヒノキチオールの量は、化粧品組成物の種類および使用される他の抗菌剤の正確な性質に依存する。組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%の前記ヒノキチオール、より好ましくは0.05重量%~5重量%、さらに好ましくは0.1重量%~3重量%を含むことが好ましい。
【0021】
有機UVAフィルタ
ヒノキチオールは、光不安定性であることが知られている。本発明のUVAフィルタは、ヒノキチオールの安定性を意想外にも高めることが分かった。組成物は、UVAフィルタとヒノキチオールとを少なくとも1:20、好ましくは少なくとも1:10の重量比で含む。組成物は、UVAフィルタとヒノキチオールとを1:20~10:1、好ましくは1:10~10:1、より好ましくは1:5~10:1、最も好ましくは1:2~5:1の重量比で含むことが好ましい。
【0022】
有機UVAフィルタは、紫外線A(UVA)光を吸収する個々の化合物または混合物である。本発明による有機UVAフィルタは、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびそれらの混合物から選択される。さらに好ましくは、本発明による有機UVフィルタは、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびそれらの混合物から選択される。
【0023】
本発明による有機UVAフィルタはブチルメトキシジベンゾイルメタンであることが最も好ましい。
【0024】
組成物に組み込まれる有機UVAフィルタの量は、使用されるヒノキチオールの量に依存し得る。有機UVAフィルタの好ましい量は、全組成物の0.1重量%~15重量%、より好ましくは0.5重量%~5重量%、さらに好ましくは1重量%~3重量%である。
【0025】
本発明の組成物は、有機化合物を追加で含むことが好ましい。このような有機化合物は、組成物に使用される有機UVAフィルタの溶解度を向上させることができる。有機化合物中のUVAフィルタの溶解度は、少なくとも5%である。有機化合物は、精油、皮膚軟化油、例えばアルコール、脂肪エステル、エーテル、トリグリセリド、カーボネートおよびそれらの混合物から選択することができる。より好ましくは、有機化合物は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、C12-15安息香酸アルキル、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、カプリル酸プロピルヘプチル、ココグリセリド、オクトクリレン、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、ジエチルヘキシルシリンギリデンマロネートおよびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、プルヌスアミグダルス(Prunus Amygdalus)(アーモンド油)、カプリル酸/カプリン酸カプリリル、ココカプリレート、パルミチン酸イソプロピル、バクサス・チネンシス(Buxus Chinensis)(ホホバ油)およびそれらの混合物から選択することができる。有機化合物は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルであることがより好ましい。
【0026】
組成物中の追加の有機化合物の量は、使用される有機UVAフィルタの量に依存し得る。このような有機化合物の好ましい量は、全組成物の0.2重量%~30重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、さらに好ましくは2重量%~6重量%である。
【0027】
ブチルメトキシジベンゾイルメタンが組成物中に使用される場合、有機化合物は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルを含むことが好ましい。組成物に組み込まれるメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの量は、使用されるブチルメトキシジベンゾイルメタンの量に依存し得る。メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの好ましい量は、全組成物の0.2重量%~30重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、さらに好ましくは2重量%~6重量%である。
【0028】
化粧品組成物
本発明の組成物は、好ましくは化粧品として許容される担体を含む。化粧品として許容される担体は、組成物が、例えばシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、手洗いもしくは洗顔製品、クリーム、ローション、ゲル、粉末、軟膏、デオドラント、手指消毒剤または石鹸バーとして調製され、残りの成分がそれに応じて変化し得るようなものである。
【0029】
組成物は、リンスオフおよびリーブオン製品を含む皮膚または毛髪製品、より好ましくはヘアケア組成物であることが好ましい。好ましくは、組成物はリンスオフ製品である。
【0030】
ヘアケア組成物
好ましくは、組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、ヘアゲル、ヘアセラム、ムースまたはヘアオイルである。より好ましくは、組成物はシャンプー組成物である。
【0031】
抗フケ剤は、フケに対して活性な化合物であり、典型的には抗菌剤、好ましくは抗真菌剤である。抗フケ剤は、典型的には、マラセチアに対して約50mg/ml以下の最小発育阻止濃度を示す。
【0032】
ヒノキチオールに加えて、本発明によるヘアケア組成物はまた、それとは異なる遊離のさらなる抗フケ剤を含んでもよい。存在する場合には必ず、本発明のヘアケア組成物は、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.5%~2%のさらなる抗フケ剤を含む。
【0033】
追加の抗フケ剤は、好ましくは、ピロクトン化合物、アゾール、硫化セレン、サリチル酸およびそれらの組み合わせから選択される。アゾールとしては、ケトコナゾールおよびクリンバゾール、好ましくはクリンバゾールが挙げられる。追加の抗フケ剤は、ピロクトン化合物であることが好ましく、ピロクトンオラミンであることがより好ましい。
【0034】
ヘアケア組成物はカチオン性ポリマーも含むことが好ましい。適切なカチオン性ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、または2種類以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの分子量は、一般に、5,000~10,000,000g/mol、典型的には少なくとも10,000g/mol、好ましくは100,000~2,000,000g/molである。ポリマーは、第四級アンモニウム基もしくはプロトン化アミノ基、またはそれらの混合物などのカチオン性窒素含有基を有する。カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、カチオン性窒素含有基は、スペーサーの非カチオン性モノマー単位を含有することができる。カチオン性モノマー単位対非カチオン性モノマー単位の比は、必要な範囲のカチオン電荷密度を有するポリマーが与えられるように選択される。
【0035】
適切なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性アミン官能基または第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンとのコポリマーが挙げられる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1~C7アルキル基、より好ましくはC1~C3アルキル基を有する。他の適切なスペーサーとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。
【0036】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、カチオン性グアー、カチオン性デンプンおよびカチオン性セルロースなどのカチオン性多糖ポリマーである。適切には、そのようなカチオン性多糖ポリマーは、100,000g/mol~2,300,000g/mol、より好ましくは150,000g/mol~2,000,000g/molの分子量を有する。このようなカチオン性多糖ポリマーは、好ましくは0.1~4meq/gのカチオン電荷密度を有する。
【0037】
本発明の組成物に使用するのに適したカチオン性多糖ポリマーとしては、一般式:
A-O-[R1-N+(R2)(R3)(R4)X-]
で表されるものが挙げられ、
式中、Aは、デンプンまたはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基である。R1は、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基、またはそれらの組み合わせである。R2、R3およびR4は、独立して、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシアリール基を表し、各基は約18個までの炭素原子を含む。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R2、R3およびR4の炭素原子の合計)は、好ましくは約20個以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0038】
カチオン性セルロースは、Polyquaternium 10と業界(CTFA)で呼ばれる、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として、Polymer JR(商標)およびLR(商標)シリーズのポリマーでAmerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)から入手可能である。別の種類のカチオン性セルロースとしては、Polyquaternium 24と業界(CTFA)で呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料は、Polymer LM-200の商品名でAmerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)から入手可能である。
【0039】
他の適切なカチオン性多糖ポリマーとしては、(例えば、米国特許第3,962,418号明細書に記載されているような)第四級窒素含有セルロースエーテルおよび(例えば、米国特許第3,958,581号明細書に記載されているような)エーテル化セルロースとデンプンとのコポリマーが挙げられる。
【0040】
本発明の組成物に使用することができる特に好ましい種類のカチオン性多糖ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(例えば、それらのJaguar商標シリーズでSolvayから、またはそれらのN-Hance商標シリーズでAshlandから市販されている)などのカチオン性グアーガム誘導体である。そのような材料の例は、Jaguar(登録商標)C-13S、Jaguar(登録商標)C-14S、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)Excel、Jaguar(登録商標)C-162、Jaguar(登録商標)C-500、Jaguar(登録商標)Optima、Jaguar(登録商標)LS、N-Hance(商標)BF17、N-Hance(商標)BF13およびN-Hance(商標)CCG45である。
【0041】
上記のカチオン性ポリマーのいずれかの混合物を使用してもよい。カチオン性ポリマーは、好ましくは、カチオン性セルロース、カチオン性グアーまたはそれらの混合物を含む。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが特に好ましい。
【0042】
使用される場合、カチオン性ポリマーは、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、ヘアケア組成物の0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.01重量%~0.5重量%、最も好ましくは0.03重量%~0.3重量%の量で存在する。
【0043】
ヘアケア組成物は、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドを含むコポリマーを追加で含んでもよい。好ましくは、コポリマーは、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドに加えてアクリルアミドも含む。特に好ましいコポリマーは、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーである。
【0044】
コポリマーは、好ましくは1.0~3.0meq毎グラム(meq/g)、より好ましくは1.1~2.5meq/g、さらにより好ましくは1.2~2.5meq/g、最も好ましくは1.3~2.5meq/gの電荷密度を有する。コポリマーは、好ましくは100,000~3,000,000 グラム毎モル(g/mol)、より好ましくは500,000~2,800,000g/mol、さらにより好ましくは800,000~2,500,000g/mol、最も好ましくは1,000,000~2,500,000g/molの分子量を有する。適切なコポリマーの例は、商品名N-Hance SP-100(登録商標)でAshlandから市販されている。N-Hance SP-100(登録商標)は、1.8~2.2meq/gの電荷密度および1,800,000~2,200,000g/molの分子量を有する。
【0045】
本発明のヘアケア組成物は、好ましくは、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.001~2%、より好ましくは0.01~1%、さらにより好ましくは0.01~0.8%、最も好ましくは0.05~0.5%の量のコポリマーを含む。
【0046】
ヘアケア組成物は、コンディショニング利益を提供するためのコンディショニング剤を追加で含んでもよい。好ましくは、ヘアケア組成物は、15ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満、より好ましくは5ミクロン未満、最も好ましくは3ミクロン未満の平均液滴径(D3,2)を有する水不溶性コンディショニング剤の個別分散液滴を含む。水不溶性コンディショニング剤の平均液滴径(D3,2)は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0047】
水不溶性コンディショニング剤は、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物などの非シリコーン油性または脂肪性材料を含む非シリコーンコンディショニング剤を含み得る。好ましくは、水不溶性コンディショニング剤は乳化シリコーン油である。
【0048】
適切なシリコーンとしては、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。また、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンも、本発明の組成物(特にシャンプーおよびコンディショナー)に使用するのに適している。また、例えば国際公開第96/31188号に記載されているように、わずかな架橋度を有するシリコーンガムも、本発明の組成物に使用するのに適している。好ましくは、シリコーン油は、ジメチコン、ジメチコノールまたはそれらの混合物を含む。
【0049】
本発明のヘアケア組成物に使用するのに適した乳化シリコーンは、Dow CorningおよびGEのシリコーンなどの、シリコーン供給業者から予め形成されたシリコーンエマルジョンとして入手可能である。このような予め形成されたシリコーンエマルジョンの使用は、シリコーン粒径の加工および制御を容易にするために好ましい。このような予め形成されたシリコーンエマルジョンは、典型的には、適切な乳化剤を追加で含み、乳化重合などの化学的乳化プロセスによって、または高剪断ミキサーを使用した機械的乳化によって調製することができる。適切な予め形成されたシリコーンエマルジョンの例としては、DC1785、DC1788、DC7128が挙げられ、すべてDow Corningから入手可能である。これらはジメチコノール/ジメチコンのエマルジョンである。
【0050】
使用され得る別のクラスのシリコーンは、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味するアミノ官能性シリコーンなどの官能化シリコーンである。適切なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。
【0051】
水不溶性コンディショニング剤は、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.05~15%、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.5~8%、最も好ましくは1~5%の量で存在する。
【0052】
好ましい実施形態では、ヘアケア組成物はシャンプーである。したがって、好ましい実施形態では、組成物はクレンジング界面活性剤を含む。適切なアニオン性クレンジング界面活性剤の非限定的な例は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N-アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムならびにモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩である。アルキル基およびアシル基は、一般に、8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェートならびにアルキルエーテルカルボン酸およびその塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含有し得る。本発明の組成物に使用するための典型的なアニオン性クレンジング界面活性剤としては、限定されないが、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸、N-ラウリルサルコシン酸ナトリウムまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましいアニオン性クレンジング界面活性剤は、アルキルサルフェートおよびアルキルエーテルサルフェートである。好ましいアルキルサルフェートは、C8~18アルキルサルフェート、より好ましくはC12~18アルキルサルフェートであり、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンとの塩の形態である。例は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。アニオン性クレンジング界面活性剤がアルキルエーテルサルフェートであることが特に好ましい。好ましいアルキルエーテルサルフェートは、一般式:RO(CH2CH2O)nSO-3Mを有するものであり、式中、Rは、8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;nは、少なくとも0.5より大きい、好ましくは1~3、より好ましくは2~3の平均値を有する数であり;Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。一例は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。好ましいアルキルエーテルサルフェートは、0.5~3、好ましくは1~3、より好ましくは2~3の平均エトキシ化度を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
【0053】
アニオン性クレンジング界面活性剤は、典型的には、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.5~45%、より好ましくは1.5~35%、最も好ましくは5~20%のレベルで存在し、その中に包含されるすべての範囲が含まれる。
【0054】
本発明による組成物は、組成物にマイルドさを提供するために、両性および双性イオン性界面活性剤などの共界面活性剤を任意に、好ましくは追加で含む。適切な例としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインが挙げられ、アルキル基は8~19個の炭素原子を有する。好ましくは、共界面活性剤はベタイン界面活性剤である。コカミドプロピルベタイン(CAPB)が特に好ましい。
【0055】
使用される場合、共界面活性剤は、典型的には、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、ヘアケア組成物の0.1~15%、より好ましくは0.5~8%、最も好ましくは0.5~4%を構成し、その中に包含されるすべての範囲が含まれる。
【0056】
好ましくは、本発明の組成物は、懸濁化剤をさらに含む。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0057】
アクリル酸とアクリレートエステルとの適切な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0058】
上記懸濁化剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0059】
懸濁化剤は、一般に、本発明のヘアケア組成物中に、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、0.1~10%、より好ましくは0.2~6%、最も好ましくは0.3~4%の量で存在し、その中に包含されるすべての範囲が含まれる。
【0060】
潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、防腐剤もまた、本発明のヘアケア組成物に組み込んでもよい。適切な伝統的な防腐剤としては、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および様々な第四級アンモニウム化合物が挙げられる。本発明で使用され得る防腐剤の種類の例示的で非限定的な例としては、例えば、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウム、メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル、カプリリルグリコール、EDTA二ナトリウムまたはそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸ナトリウムまたはそれらの混合物である。防腐剤は、好ましくは、ヘアケア組成物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用される。
【0061】
本発明のヘアケア組成物は化粧品成分を含むことがさらに好ましい。好ましくは、化粧品成分は、シリコーン、抗フケ剤以外の抗菌剤、起泡力増進剤、香料、カプセル化剤(例えば、カプセル化芳香)、染料、着色剤、顔料、防腐剤、増粘剤、タンパク質、リン酸エステル、緩衝剤、pH調整剤、真珠光沢剤(例えば、雲母、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、エチレングリコールジステアレート(INCIグリコールジステアレート))および/または乳白剤、粘度調整剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤、乳化剤、感覚惹起剤(例えば、メントールおよびメントール誘導体)、ビタミン、鉱油、精油、脂質、天然活性物質、グリセリン、天然毛髪栄養素、例えば植物抽出物、果実抽出物、糖誘導体およびアミノ酸、微結晶性セルロースならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0062】
好ましくは、本発明の組成物は、全組成物の、0.01重量%~20重量%の少なくとも1つの化粧品成分、より好ましくは0.05重量%~10重量%、さらにより好ましくは0.075重量%~7.5重量%、最も好ましくは0.1重量%~5重量%の少なくとも1つの化粧品成分を含む。
【0063】
本発明の組成物はまた、その特性を増強し、細菌/真菌の増殖をさらに阻害するために抗菌活性物質と組み合わせて使用した場合に相乗的な抗菌利益を与える相乗的な抗菌化合物を含んでもよい。これらの化合物の非限定的な例としては、アルコール基(例えば、ホノキオール、マグノロールまたはペオノール)を有する化合物、ピペラジン、ならびに天然植物抽出物、すなわちチモールおよびテルペニオールに見られるフェノール化合物が挙げられる。
【0064】
方法および使用
本発明はまた、第1の態様の組成物を個体の頭皮表面に塗布し、続いて表面を水ですすぐ工程を含む、頭皮上のヒノキチオールの安定性を高める方法を提供する。この方法は、好ましくは本質的に非治療的であり、より好ましくは本質的に化粧品である。
【0065】
本発明はまた、第1の態様の組成物を頭皮および/または毛髪に塗布する工程を含む、頭皮および/または毛髪上のフケの症状を予防または緩和する非治療的方法を提供する。
【0066】
本発明はまた、フケの症状を予防または緩和するのに使用するための第1の態様の組成物を提供する。この使用は、好ましくは、本質的に非治療的であり、好ましくは本質的に化粧品である。
【0067】
使用モード
本発明の組成物は、主に毛髪および皮膚、好ましくは毛髪および頭皮への局所塗布を意図している。
【0068】
組成物がシャンプーである場合、組成物は毛髪に局所的に塗布され、次いで毛髪および頭皮に擦り込まれる。次いで、毛髪の乾燥前に水ですすがれる。リーブオンヘアケア組成物であるヘアオイルまたはヘアセラムは、塗布後1~10時間放置した後、洗い流される。
【0069】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明され、特に明記しない限り、引用されるすべてのパーセンテージは総重量に基づく重量基準である。
【0070】
実施例は、本発明を例示することを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していない。
【0071】
[実施例]
[実施例1]
この実施例は、UVAフィルタがモデル皮脂溶液中のヒノキチオールの安定性に影響を及ぼし得ることを実証した。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0072】
表1に示すようにモデル皮脂を調製した。
【0073】
【0074】
溶液試料を表2に示すように調製した。
【0075】
【0076】
上記の表2に示す組成物/成分を、UV光に長時間曝露した後のヒノキチオールの残存量の推定値を与える実験に供した。モデル皮脂は、ヒノキチオールが頭皮に堆積した後の環境を模倣するために使用される。ヒノキチオールの平均残存量%は、後述するインビトロ法を使用して測定した。
【0077】
方法
1mLの試料を2mLの透明ガラスバイアルに入れた。バイアルをチャンバに入れ、UV光(UVA:250μw/cm2;UVB:110μw/cm2)で4時間UV曝露する。UV曝露した皮脂溶液のアリコート200μLを取り、メタノール800μLで希釈し、混合物をMini-shakerで1分間激しく振盪する。皮脂層がメタノール溶液から底に沈降した後、UPLC分析のために上清200μLを取り、UV曝露後に残ったヒノキチオールの量(Aleftと表される)を定量する。ヒノキチオールおよびUVフィルタを含み、UV曝露のない別のモデル皮脂溶液を上記のようにメタノールを使用して希釈し、溶液中のヒノキチオールの量(Atotalと表される)をUPLC法によって定量する。次いで、UV曝露後のヒノキトール残存量は、以下の式:ヒノキチオール残存量(%)=Aleft/Atotal*100%に基づいて計算することができた。
【0078】
結果を表3にまとめた。
【0079】
【0080】
表3に含まれるデータは、ヒノキチオールの安定性が、本発明の外部の対応する試料(UVフィルタを含まない組成物A、有機UVBフィルタを含む組成物BおよびC、他のUVAフィルタを含む組成物G、Hおよび1)と比較して、実験中に本発明による有機UVAフィルタを使用した場合(組成物2~5)に顕著に改善されることを明確に示している。
【0081】
[実施例2]
この実施例は、UVフィルタ対ヒノキチオールの重量比がモデル皮脂溶液中のヒノキチオールの安定性に影響を及ぼし得ることを実証した。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0082】
溶液試料を表4に示すように調製した。
【0083】
【0084】
上記の表4に示す組成物/成分を、UV光に長時間曝露した後のヒノキチオールの残存量の推定値を与える実験に供した。モデル皮脂は、ヒノキチオールが頭皮に堆積した後の環境を模倣するために使用される。ヒノキチオールの平均残存量%は、実施例1に記載したのと同じインビトロ法を使用して測定した。
【0085】
結果を表5にまとめた。
【0086】
【0087】
表5に含まれるデータは、有機UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が少なくとも1:20である場合、ヒノキチオールの安定性が改善され得ることを明確に示している。より高い重量比の有機UVAフィルタ対ヒノキチオールを含む試料8および9は、試料6および7と比較してヒノキチオールの有意に良好な安定性を示した。
【0088】
[実施例3]
この実施例は、UVAフィルタが、頭皮にシャンプー組成物を塗布した後のヒノキチオールの安定性に影響を及ぼし得ることを実証した。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0089】
シャンプー試料を表6に示すように調製した。
【0090】
【0091】
方法
-堆積プロトコル
1枚のVITROSKIN(5.2cm×5.2cm)をプラスチックリングに固定し、VITROSKINプレート(面積約11cm2)を得た。ヒノキチオールシャンプー試料0.2gをプレートに添加した。DI水1.8mLを添加し、Teflon撹拌棒によってVITROSKINプレート上でシャンプーと60秒間混合した。次いで、シャンプーのスラリーをピペットで除去した。すすぎのために、DI水4mLをプレートに添加し、Teflon棒で30秒間撹拌し、すべての液体をプレートから除去した。すすぎ工程を1回繰り返した。シャンプー処理したVITROSKINプレートを光保護状態で自然乾燥させた。次いで、乾燥VITROSKINプレートをプラスチックホルダから切断し、15mL遠心管中の7mLメタノールに浸漬し、10分間の超音波処理に供した。メタノール溶液1mLを0.2μmのPTFEフィルタに通し、濾液を液体クロマトグラフィー分析のために試料バイアルに移して、堆積したヒノキチオールの量(D0と表される)を得た。
【0092】
-UV処理プロトコル
1枚のVITROSKINプレートを上記のヒノキチオールシャンプー試料で洗浄し、暗所で自然乾燥させた後、モデル皮脂120μLをVITROSKINプレートに塗布し、均一に分散させた。プレートをチャンバに置き、UV光(UVA:250μw/cm2;UVB:110μw/cm2)で1時間UV曝露した。次いで、VITROSKINプレートをプラスチックホルダから切断し、15mL遠心管中の7mLメタノールに浸漬し、10分間の超音波処理に供した。メタノール溶液4mLを濃縮乾固した。残留物をメタノール0.2mLで再溶解した。メタノール溶液0.2mLを0.2μmのPTFEフィルタに通し、濾液を液体クロマトグラフィー分析のために試料バイアルに移して、UV処理後に残ったヒノキチオールの量(Dと表される)を得た。
【0093】
次いで、堆積およびUV処理後のヒノキチオール残存量は、以下の式:ヒノキチオール残存量(%)=D/D0*100%に基づいて計算することができた。
【0094】
結果を表7にまとめた。
【0095】
【0096】
表7に含まれるデータは、本発明による有機UVAフィルタを含むシャンプー試料の場合、頭皮に塗布した後のヒノキチオールの安定性が顕著に改善されることを明確に示している。
【0097】
[実施例4]
この実施例は、ヒノキトールおよびブチルメトキシジベンゾイルメタンを含むシャンプーにメトキシケイ皮酸エチルヘキシルを組み込むことが、頭皮にシャンプー組成物を塗布した後のヒノキチオールの安定性に影響を及ぼし得ることを実証した。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【0098】
シャンプー試料を表8に示すように調製した。
【0099】
【0100】
方法
頭皮にシャンプーを塗布した後のヒノキチオールの平均残存量%を、実施例3で開示したのと同じインビトロ法を使用して測定した。
【0101】
結果を表9にまとめた。
【0102】
【0103】
表9に含まれるデータは、本発明による組成物中に有機UVAフィルタのための有機化合物を組み込むことが、ヒノキチオールの安定性を改善し得ることを明確に示している。
【0104】
[実施例5]
この実施例は、本発明の範囲外のUVAフィルタがモデル皮脂溶液中のヒノキチオールの安定性を改善することができないことを実証した。すべての成分は、配合物全体の重量パーセントで、有効成分のレベルとして表される。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ヒノキチオール;
(ii)ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびそれらの混合物から選択される有機UVAフィルタ;ならびに
(iii)化粧品として許容される担体;
を含
む化粧品組成物であって、
前記UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が少なくとも1:20であ
り、前記組成物がシャンプー組成物である、化粧品組成物。
【請求項2】
前記組成物が、有機化合物を更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記有機化合物が、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、安息香酸C12-15アルキル、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、カプリル酸プロピルヘプチル、ココグリセリド、オクトクリレン、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、ジエチルヘキシルシリンギリデンマロネートおよびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、パルミチン酸エチルヘキシル、プルヌスアミグダルス(Prunus Amygdalus)、カプリル酸/カプリン酸カプリリル、ココカプリレート、パルミチン酸イソプロピル、バクサス・チネンシス(Buxus Chinensis)およびそれらの混合物、好ましくは、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルから選択される、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記UVAフィルタ対ヒノキチオールの重量比が1:20~10:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記ヒノキチオールの量が、前記組成物の0.01重量%~10重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記有機UVAフィルタの量が、前記組成物の0.1重量%~15重量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
クレンジング界面活性剤、好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウムを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記組成物が、コンディショニング剤、好ましくはシリコーン油、より好ましくはジメチコン、ジメチコノールまたはそれらの混合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記組成物が、好ましくはセルロース、カチオン性グアーまたはそれらの混合物から選択される、カチオン性ポリマーを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記組成物が、カチオン性グアーポリマー、好ましくはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを含む、請求項9に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の組成物を個体の頭皮表面に塗布し、続いて前記表面を水ですすぐ工程を含む、頭皮上のヒノキチオールの安定性を高める方法。
【請求項12】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の組成物を頭皮および/または毛髪に塗布する工程を含む、頭皮および/または毛髪上のフケの症状を予防または緩和する非治療的方法。
【請求項13】
フケの症状を予防または緩和するのに使用するための、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組成物。
【国際調査報告】