(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61M25/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023562615
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 IB2022000202
(87)【国際公開番号】W WO2022219400
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508080986
【氏名又は名称】コンバテック リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ミンリャン ローレンス
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA03
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB26
4C267BB38
4C267CC24
(57)【要約】
カテーテルの例は、管状本体部分とカフを含む。管状本体部分は、近位端部分と遠位端部分を有する。遠位端部分は管状本体部分の遠位面を画定する。カフは遠位端部分に取り付けられ、カフの遠位面を画定する。特定の実施形態では、管状本体部分は、本体部分の遠位面がカフの遠位面の近位に位置するように、カフ内で終端する。特定の実施形態では、カフと本体部分の間にポケットが形成される。特定の実施形態では、本体部分の方がカフより剛性が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部分および遠位端部分を有する管状本体部分であって、前記遠位端部分が前記管状本体部分の遠位本体部分の面を画定する、管状本体部分、および
前記遠位端部分に取り付けられており、カフの遠位カフ面を画定するカフ、を有し、
前記管状本体部分は、前記遠位本体部分の面が前記遠位カフ面の近位に位置するように前記カフ内で終端する、カテーテル。
【請求項2】
前記遠位本体部分の面が第1の直径を有する本体部分の入口を画定し、
前記遠位カフ面は、第2の直径を有するカフ入口を画定し、
前記第1の直径は前記第2の直径より小さい、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記管状本体部分は、前記カフよりもより高い剛性を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遠位端部分と前記カフとの間に半径方向に配置されたポケットをさらに有し、
前記ポケットは、開いた近位端と、閉じた遠位端と、を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カフは、長手方向の長さを有し、
前記遠位本体部分の面と前記遠位カフ面との間にオフセット距離が画定されており、
前記オフセット距離は、前記長手方向の長さの40%以上60%以下である
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
開口部を画定する前記カフは、
第1の直径を有する近位部分、および
前記第1の直径から第2の直径まで近位から遠位の方向に拡大する遠位部分、を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
排出通路を画定するカテーテルであって、
前記排出通路の近位出口を画定する管状本体部分、および
前記管状本体部分の遠位端部分に取り付けられたカフであって、前記排出通路の遠位入口を画定するカフ、を有し、
前記近位出口は第1の直径を有し、
前記遠位入口は、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する、カテーテル。
【請求項8】
前記カフによって画定された開口部は、前記第2の直径から前記第1の直径に対応する第3の直径まで遠位から近位の方向に狭くなっている、
請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記開口部は、
前記遠位から近位の方向に前記第2の直径から前記第3の直径に狭まる遠位部分、および
前記第3の直径を有する近位部分、を有する
請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記近位部分は、長手方向の長さに沿って前記第3の直径を有し、
前記カフはカフの長手方向の長さを有し、
前記近位部分の長手方向の長さは、前記カフの長手方向の長さの40%以上60%以下である
請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記管状本体部分は、前記カフよりもより高い剛性を有する、
請求項7に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記管状本体部分と前記カフとの間の界面に画定されたポケット開口部をさらに有する、
請求項7に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記管状本体部分と前記カフとの間に半径方向に画定されたポケットをさらに有し、
前記ポケットは開いた近位端を有する、
請求項7に記載のカテーテル。
【請求項14】
近位端部分と遠位端部分を有する管状本体部分、
近位部分と遠位部分を有する開口部を画定するカフであって、前記管状本体部分の前記遠位端部分が前記近位部分に受け入れられるカフ、および
前記管状本体部分と前記カフの間に位置するポケット、を有し、
前記管状本体部分は、前記カフより高い剛性を有する、カテーテル。
【請求項15】
前記ポケットは、開いた近位端および閉じた遠位端を有する、
請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記ポケットの閉じた遠位端は、前記カフの近位面の近位に配置されている、
請求項14に記載のカテーテル。
【請求項17】
遠位端部分によって画定される遠位本体部分の面は、前記カフの遠位カフ面の近位に配置されている、
請求項14に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記開口部によって画定される排出通路入口は、第1の直径を有し、
前記開口部の近位部分の直径は、遠位から近位の方向で前記第1の直径から第2の直径に向かって小さくなっている、
請求項14に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記遠位端部分は、その外径として前記第2の直径を有する、
請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記管状本体部分は、前記カフよりも潰れにくい、
請求項14に記載のカテーテル。
【請求項21】
カテーテル用のカフであって、
近位面、
前記近位面に対向し、第1の直径を有する入口を画定する遠位面、および
長手方向軸に沿って延び、前記近位面および前記遠位面を貫通する開口部であって、前記開口部の少なくとも一部が前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、前記開口部が入口に対して開口した第1の部分を有し、前記第1の部分は、近位から遠位方向に前記第2の直径から前記第1の直径まで拡大する開口部、を有する、
カフ。
【請求項22】
前記開口部は、前記第1の部分の近位に位置する第2の部分をさらに有し、前記第2の部分は、第2の部分の長さに沿って前記第2の直径を有する、
請求項21に記載のカフ。
【請求項23】
前記カフは、カフの長手方向の長さを有し、
前記第2の部分の長手方向の長さは、前記カフの長手方向の長さの40%以上60%以下である、
請求項22に記載のカフ。
【請求項24】
前記開口部内に配置されたポケットをさらに有し、前記ポケットは開いた近位端を有する、
請求項21に記載のカフ。
【請求項25】
前記ポケットはフラップを有し、
前記フラップの周縁の第1の部分は、少なくともが部分的に前記開口部を画定する壁に固定され、
前記フラップの周縁の第2の部分は、それによって前記開いた近位端を画定するために前記壁に固定されていない、
請求項24に記載のカフ。
【請求項26】
前記第1の部分が円錐台形である、
請求項21に記載のカフ。
【請求項27】
前記カフは、前記開口部を取り囲み、前記カフを膨張させるための流体を受け入れるように動作可能なチャンバをさらに有する、
請求項21に記載のカフ。
【請求項28】
前記カフに接続された管状本体部分をさらに有し、遠位本体部分の面は前記カフの前記遠位面の近位に配置されている、
請求項21に記載のカフを有するカテーテル。
【請求項29】
前記管状本体部分の遠位端部分が前記開口部内に延びている、
請求項28に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記管状本体部分は、前記カフよりも剛性が高い、
請求項28に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【関連開示の相互参照】
【0001】
本開示は、2021年4月12日に出願された米国出願第63/173,814号および2021年5月10日に出願された米国出願第63/186,528号の利益を主張するものであり、これらの開示は本明細書にその全体が組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、カテーテルおよび関連システムに関し、より詳細には、排便カテーテルおよび関連システムに関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
便管理用留置カテーテルは、歩行できない入院患者の液体または半液体の便を管理するためにしばしば使用される。しかし、既存の便管理カテーテルの多くは、患者が座位にあるときに圧迫点を提供する。
【0004】
米国特許第7,727,188号は、カテーテル壁とバルーン壁との間に凹部またはポケットを形成する方法でバルーンがカテーテルの端部に取り付けられたバルーンカテーテルを開示している。凹部またはポケットはカテーテルの近位端に向かって開く。導入要素または指の剛性端は、カテーテルに取り付けるために凹部に受け入れられる。カテーテルの遠位端は、導入要素の端が凹部にある状態で、導入要素または指を操作することによって腸内に挿入され、配置される。カテーテルが腸内に適切に配置された後、導入要素または指が引き抜かれ、導入要素の端が凹部からスライドして腸から外に出るにつれて、カテーテルから取り外される。バルーンは導入要素を引き抜く前または引き抜いた後に膨らませ、カテーテルの先端を腸内の所定の位置に固定する。遠位端のカテーテルは全体が柔らかく柔軟な素材で作られているため、カテーテルが長期間にわたって体内の所定の位置に留まっている場合でも、デバイスの使用による軟組織の損傷は発生しない。
【0005】
上で参照した文献に記載されているものを含む多くの既存のアプローチは、挿入の容易さおよび/または軟組織の損傷の抑制に関するものなど、1つまたは複数の欠点または制限に悩まされる可能性がある。特にこれらの理由により、この技術分野では依然としてさらなる改善が必要である。
【発明の概要】
【0006】
カテーテルの例には、管状本体部分とカフが含まれる。管状本体部分は、近位端部分と遠位端部分を有する。遠位端部分は、管状本体部分の遠位面を画定する。カフは遠位端部分に取り付けられており、カフの遠位面を画定する。特定の実施形態では、管状本体部分は、本体部分の遠位面がカフの遠位面の近位に位置するように、カフ内で終端する。特定の実施形態では、カフと本体部分の間にポケットが形成される。特定の実施形態では、本体部分の方がカフより硬い。本出願のさらなる形態、特徴、および実施形態は、本明細書に提供される図面および説明を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、特定の実施形態によるカテーテルの断面図である。
【
図2】
図2は、特定の実施形態によるカフの透視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すカテーテルの遠位端部分の断面図である。
【
図6】
図6は特定の実施形態によるポケットを示している。
【
図7】
図7は、
図1のIV-IV線に沿った別の断面図である。
【
図8】
図8は、特定の実施形態によるポケットの構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の概念は様々な修正および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示および添付の特許請求の範囲に合致するすべての変更、等価物、および代替物を対象とする意図があることを理解されたい。
【0009】
本明細書における「一実施形態」、「一実施形態」、「例示的実施形態」等への言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む可能性があることを示すが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない。さらに、このような表現は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、「好ましい」構成要素または特徴への言及は、ある実施形態に関する特定の構成要素または特徴の望ましさを示すことがあるが、本開示は、そのような構成要素または特徴を省略できる他の実施形態に関してそれほど限定的ではないことをさらに理解すべきである。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に関連して実施することは当業者の知識の範囲内であることを提出する。
【0010】
さらに、「A、B、Cのうちの1つ少なくとも」という形式のリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(BおよびC)、(AおよびC)、または(A、BおよびC)を意味し得ることを理解されたい。同様に、「少なくともはA、B、Cのいずれか」という形で記載されている項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(BおよびC)、(AおよびC)、または(A、B、C)を意味することがある。「A、B、および/またはC」の形式でリストされている項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(BおよびC)、(AおよびC)、または(A、B、およびC)を意味する場合もある。さらに、特許請求の範囲に関して、「1つ(a)」、「1つ(an)」、「少なくとも一部分」、および/または「少なくとも一部分」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、そのような要素を1つのみに限定するように解釈されるべきではなく、「少なくとも一部分」、および/または「一部」などの語句の使用は、特に反対の記載がない限り、そのような要素の一部のみを含む実施形態と、そのような要素の全体を含む実施形態との両方を包含するように解釈されるべきである。
【0011】
図面では、いくつかの構造的または方法的特徴が、特定の配置および/または順序で示されている場合がある。しかしながら、そのような特定の配置および/または順序は必ずしも必要ではないことを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、反対の指示がない限り、例示的な図に示されているのとは異なる方法および/または順序で配置されてもよい。さらに、特定の図に構造的特徴または方法的特徴を含めることは、そのような特徴がすべての実施形態において必要であることを意味するものではなく、実施形態によっては、省略されてもよく、または他の特徴と組み合わされてもよい。
【0012】
図1を参照すると、そこには特定の実施形態による留置カテーテル100が示されている。図示のカテーテル100は、近位方向(
図1では下向き)と反対側の遠位方向(
図1では上向き)とを規定する長手方向軸101に沿って延び、一般に、近位端部分112および反対側の遠位端部分114を有する管状本体部分110と、本体部分110の遠位端部分114に配置されたカフ120と、本体部分110とカフ120との間に配置された指ポケット130と、カフ120から膨張/収縮ポート102まで延びる膨張/収縮内腔140と、膨張/収縮ポート102に取り付けられた第1の取付具104と、一部が本体部分110によって画定され、一部がカフ120によって画定された排出通路150とを含む。図解形式では、留置カテーテル100は便用カテーテルの形態で提供され、遠位端部分114は患者の直腸に挿入するように構成されている。また、カテーテル100は、尿道カテーテルや気道カテーテルなど、別の形態で提供されることも想定され得る。
【0013】
カテーテル本体部分110は近位端部分112から遠位端部分114まで延び、膨張/収縮内腔140と排出通路150を部分的に画定している。遠位端部分114は、カフ120の中央開口部122に受け入れられる管状の壁117を含み、本体部分入口直径d116を有する本体部分入口116を画定する遠位面115を有する。図解形式では、遠位面115がカフ120内で排出通路150の入口154の近位に配置されている。本明細書に記載されているように、本体部分110は、カフ120と比較してより剛性の高い構造として提供され、特定の形態では非折り畳み式チューブとして提供される。
【0014】
さらに
図2および
図3を参照すると、カフ120は本体部分110の遠位端に位置しており、チャンバ121および漏斗状の中央開口部122を画定している。チャンバ121は、カフ120が膨張状態にあるときに流体(例えば、空気又は生理食塩水)を保持するように構成されており、この流体は、カフ120を圧縮又は収縮させるために排出され得る。
図3に示されるように、中央開口部122は、カフ120の近位面124から延びる近位部分123と、カフ120の遠位面126まで延びる遠位部分125とを含む。近位部分123は、本体部分110の遠位端部分114を受け入れるようなサイズおよび形状であり、第1の内径d127を有する実質的に環状の壁127によって画定される。遠位部分125は、近位部分123の遠位側に配置され、第1の直径d127から第1の直径d127よりも大きい第2の直径d154まで拡大する錐形壁128によって画定される。図示例では、遠位部分125を画定する壁128は実質的に錐形であり、第1の直径d154から第2の直径d127まで、長手方向軸101に対して一定の勾配で先細になっている。遠位部分125の断面が凸状または凹状であることも想定される。
【0015】
カフ120は、近位部分123の長さL123と遠位部分125の長さL125からなる合計長手方向の長さL120を有する。図示例では、近位部分の長さL123が全長L120の半分弱(例えば約45%)であり、遠位部分の長さL125が全長L120の半分強(例えば約55%)である。また、他の比率を利用することも考えられる。例えば、近位部分の長さL123は、全長L120の40%以上60%以下であってもよい。
図1および
図3に示す図示例では、遠位本体部分の面115は、遠位カフ面126から遠位部分の長さL125だけオフセットされており、これは代替的にオフセット距離L125と呼ばれることもある。
【0016】
さらに
図4~6を参照すると、ポケット130は、カフ120の開口部122の近位部分123に配置され、一般に開いた近位端132と閉じた遠位端134を含む。ポケット130は、環状壁127と遠位端部分114の管状壁117との間に配置され、例えば、環状壁127及び/又は管状壁117に固着されていてもよい。ポケット130は、カテーテル100の遠位部分の患者の開口部(例えば、直腸)への挿入を容易にするために、指または挿入ツールを受け入れるための領域を提供する。図示例では、ポケット130は、環状壁127と遠位端部分114との間にある別体の構成要素として設けられている。より詳細には、ポケット130は、ポケット130の内側が壁117によって画定され、ポケット130の外側が壁127に接着されたフラップ136によって画定されるように、本体部分110の管状壁117にその周縁137に沿って3辺がシール109’によって固定された第1のフラップ136を含む。また、ポケット130の一部が遠位端部分114によって少なくともと画定されることも想定される。一例として、開いた近位端132は、本体部分110のフラップ136と管状壁117との間のシール109の一部を省略することによって作成され得る。加えて、または代わりに、フラップ136は、図示のフラップ136が環状壁127に固定されるのと同様の方法で、遠位端部分114の管状壁117に固定されてもよい。
【0017】
膨張/収縮内腔140は、チャンバ121に対して開口している遠位端142と、膨張/収縮ポート102と接続された近位端144と、任意選択で、チャンバ121が膨張/収縮ポート102と流体連通するように、遠位端142と近位端144との間に延在し、遠位端142と近位端144とを接続する第2の細長い内腔146とを有する。その結果、カフ120は、常時は閉じた逆止弁として設けられてもよく、嵌合シリンジを用いて作動させて開いた通路にすることができる第1の取付具104を介して膨張および収縮するように動作可能である。
【0018】
排出通路150は、流体(例えば、空気、液体、または半液体)が入口154から出口152に流れるように構成されている。例えば、図示例では、排水は入口154から出口152に流れ、出口152から排出される。カテーテル100が気道カテーテルとして利用されるような特定の実施形態では、通路150は、例えば患者による吸入の間、出口152から入口154への流体(例えば空気)の流れをさらに促進できる。
【0019】
図示例において、排出通路入口154は、カフ120の遠位面126によって画定され、入口直径d154を有し、排出通路出口152は、本体部分110の近位面によって画定され、入口直径d154よりも小さい出口直径d154を有する。より詳細には、排出通路150は、壁128のテーパ状又は湾曲状の性質により、入口直径d154から第3直径d127まで遠位から近位への方向(
図1及び
図4では下方)において狭くなり、本体部分110の厚さt110により、第3直径d127から出口直径d154まで段差が形成される。排出通路150が別の方法で遠位から近位への方向を狭めることも想定されている。排出通路150に大きな入口154を設けると、患者の体腔から迂回される流体の回収を強化するのに役立つことが分かっている。
【0020】
上で述べたように、図示のカテーテル本体部分110はカフ120よりも剛性の高い構造であり、入口154まで延びないように任意に設けられる。遠位本体部分の面115と遠位カフ面126との間のこのオフセット距離L125は、患者が座位にあるときの潜在的な圧迫点を減少させ得る。
【0021】
また、上述したように、図示例では、開放包囲の指ポケット130があり、これは、2つの構成要素間の接続部の全周のシール109の一部を省略することによって、カフ120とカテーテル本体110との間に形成できる。カフ120とカテーテル本体110との間に開放空間凹部を有するこの指ポケット130は、カフ120の挿入中に指または挿入ツールをそこに配置することを可能にし、より剛性の高いカテーテル本体110を入口154まで延ばさないという付加的な利点を提供し得る。この機能は、同様に、患者が座位でいるときの潜在的な圧迫点を最小限に抑えることができる。指ポケットのない装置では、体腔内へのカフの挿入を容易にするために、遠位端までずっと硬いカテーテル本体の先端が必要になる場合がある。
【0022】
さらに
図7と
図8を参照すると、ポケット130の代替配置が図示されている。フラップ136は、幅W136、高さH136を有し、本体部分110のカフ120と遠位端部分114との間の三方をシール109’することにより固定されている。こうして、開いた近位端132が、接着されていない唯一の面である第4の面に作製される。
【0023】
本願に関する特定の実施形態からなるカテーテル100は、近位端部分112および遠位端部分114を有する管状本体部分110であって、遠位端部分114が管状本体部分110の遠位本体部分の面115を画定する、管状本体部分110と、遠位端部分114に取り付けられ、カフ120の遠位カフ面126を画定するカフ120であって、遠位本体部分の面115が遠位カフ面126の近位に配置となるように、管状本体部分110がカフ120内で終端する、カフ120と、を備える。
【0024】
特定の実施形態では、遠位本体部分の面115は、第1の直径d116を有する本体部分入口116を画定し、遠位カフ面126は、第2の直径d154を有するカフ入口129を画定し、第1の直径d116は、第2の直径d154より小さい。
【0025】
特定の実施形態では、管状本体部分110はカフ120よりもより高い剛性を有する。
【0026】
特定の実施形態では、カテーテルは、遠位端部分114とカフ120との間に半径方向に配置されたポケット130をさらに備え、ポケット130は、開いた近位端132と閉じた遠位端134とを有する。
【0027】
特定の実施形態では、カフ120は長手方向の長さL120を有し、遠位本体部分の面115と遠位カフ面126との間にはオフセット距離L125が定義され、オフセット距離L125は長手方向の長さL120の40%以上長手方向の長さL120の60%以下である。
【0028】
特定の実施形態において、カフ120は、第1の直径d127を有する近位部分123と、第1の直径d127から第2の直径d154まで近位方向から遠位方向に拡大する遠位部分125とを含む開口部122を画定する。
【0029】
本願出願の特定の実施形態では、排出通路150を画定するカテーテル100に関し、カテーテル100は、排出通路150が遠位端部分114に取付けられた環状本体部分110、および、管状本体部分110の遠位端部114に取付けられたカフ120とを有し、カフ120は排出通路150の遠位入口154を画定し、近位出口152は第1の直径d152を有し、遠位入口154は第1の直径d152よりも大きい第2の直径を有する。
【0030】
特定の実施形態では、カフ120によって画定された開口部122が、第2の直径d154から第1の直径d152に対応する第3の直径d127まで遠位から近位への方向で狭くなっている。
【0031】
特定の実施形態において、開口部122は、遠位から近位への方向において第2の直径の直径d154から第3の直径d127まで狭くなる遠位部分125と、第3の直径d127を有する近位部分123とを有する。
【0032】
特定の実施形態において、近位部分123は、その長手方向の長さL123に沿って第3の直径d127を有し、カフ120は、カフの長手方向の長さL120を有し、近位部分123の長手方向の長さL123は、カフの長手方向の長さL120の40%以上60%以下である。
【0033】
特定の実施形態では、管状本体部分110はカフ120よりもより高い剛性を有する。
【0034】
特定の実施形態では、カテーテルはさらに、管状本体部分110とカフ120との間の界面に画定されたポケット開口部132を有する。
【0035】
特定の実施形態では、カテーテルはさらに、管状本体部分110とカフ120との間に半径方向に画定されたポケット130をさらに有し、ポケット130は開いた近位端132を有する。
【0036】
本願関連の特定の実施形態からなるカテーテル100であって、近位端部分112および遠位端部分114を有する管状本体部分110と、近位部分123および遠位部分125を有する開口部122を画定するカフ120であって、管状本体部分110の遠位端部分114が近位部分123に受け入れられるカフ120と、管状本体部分110とカフ120との間に配置されたポケット130であって、管状本体部分110がカフ120よりもより高い剛性を有するポケット130と、を有する。
【0037】
特定の実施形態では、ポケット130は、開いた近位端132と閉じた遠位端134とを有する。
【0038】
特定の実施形態において、ポケット130の閉じた遠位端134は、カフ120の近位面126の近位に配置されている。
【0039】
特定の実施形態において、遠位端部分114が画定する遠位本体部分の面115は、カフ120の遠位カフ面126の近位に配置されている。
【0040】
特定の実施形態において、開口部122によって画定された排出通路入口154は、第1の直径d154を有し、開口部122の近位部分125の直径は、遠位から近位への方向において、第1の直径d154から第2の直径d127まで減少する。
【0041】
特定の実施形態において、遠位端部分114は、その外径として第2の直径d127を有する。
【0042】
特定の実施形態では、管状本体部分110の方がカフ120よりも折り畳みにくい。
【0043】
本出願の特定の実施形態は、カテーテル100用のカフ120に関し、カフ120は、近位面124、近位面124に対向し、第1直径d154を有する入口154を画定する遠位面126、および、長手方向軸101に沿って延び、近位面124および遠位面126を貫通する開口部122であって、開口部122の少なくとも一部が第1の直径d154よりも小さい第2の直径d127を有し、開口部122が入口154に対して開口した第1の部分125を有し、第1の部分125は、近位から遠位方向に第2の直径d127から第1の直径d154まで拡大する開口部122と、を有する。
【0044】
特定の実施形態では、開口部はさらに、第1の部分125の近位に配置された第2の部分123を有し、第2の部分123は、第2の部分の長さL123に沿って第2の直径d127を有する。
【0045】
特定の実施形態では、カフ120がカフの長手方向の長さL120を有し、第2の部分の長手方向の長さL123がカフの長手方向の長さL120の40%以上60%以下である。
【0046】
特定の実施形態では、カフは、開口部122内に配置されたポケット130をさらに備え、ポケット130は開いた近位端132を有する。
【0047】
特定の実施形態では、ポケット130はフラップ136を有し、フラップ136の周囲137の第1の部分は、少なくともが開口部122を部分的に画定する壁127に固定され、フラップ136の周囲137の第2の部分は壁127に固定されておらず、それによって開いた近位端を画定する。
【0048】
特定の実施形態では、第1の部分125は円錐台形である。
【0049】
特定の実施形態では、カフ120は、開口部122を取り囲み、カフ120を膨張させるための流体を受け入れるように動作可能なチャンバ121をさらに有する。
【0050】
本出願の特定の実施形態は、カフ120を有するカテーテル100に関し、カテーテル100は、カフ120に接続された管状本体部分110をさらに有し、遠位本体部分の面115は、カフ120の遠位面126の近位に配置されている。
【0051】
特定の実施形態では、管状本体部分110の遠位端部分114が開口部122に延びている。
【0052】
特定の実施形態では、管状本体部分がカフ120よりも剛性が高い。
【0053】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に図示および記載されているが、これらは例示的なものであり、制限的な性格を有するものではないと考えられるが、好ましい実施形態のみが図示および記載されており、本発明の精神の範囲内にあるすべての変更および修正が保護されることが望まれることが理解される。
【0054】
上記の説明において利用された好ましい、好ましくは、好ましい、またはより好ましいなどの言葉の使用は、そのように記載された特徴がより好ましい可能性があることを示すが、それにもかかわらず、それは必要ではない可能性があり、同じものを欠く実施形態は、本発明の範囲内として企図され得るが、その範囲は、後に続く特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。特許請求の範囲を読む際、「一つ(a)」、「一つ(an)」、「少なくとも1つ」、または「少なくとも一部分」のような言葉が使用されている場合、特許請求の範囲に特に反対の記載がない限り、特許請求の範囲を1つの項目のみに限定する意図はないことが意図されている。「少なくとも一部」および/または「一部」という文言が使用されている場合、特に反対の記載がない限り、その項目は一部および/または全部の項目を含むことができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部分および遠位端部分を有する管状本体部分であって、前記遠位端部分が前記管状本体部分の遠位本体部分の面を画定する、管状本体部分、および
前記遠位端部分に取り付けられており、カフの遠位カフ面を画定するカフ、を有し、
前記管状本体部分は、前記遠位本体部分の面が前記遠位カフ面の近位に位置するように前記カフ内で終端する、カテーテル。
【請求項2】
前記遠位本体部分の面が第1の直径を有する本体部分の入口を画定し、
前記遠位カフ面は、第2の直径を有するカフ入口を画定し、
前記第1の直径は前記第2の直径より小さい、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記管状本体部分は、前記カフよりもより高い剛性を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遠位端部分と前記カフとの間に半径方向に配置されたポケットをさらに有し、
前記ポケットは、開いた近位端と、閉じた遠位端と、を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カフは、長手方向の長さを有し、
前記遠位本体部分の面と前記遠位カフ面との間にオフセット距離が画定されており、
前記オフセット距離は、前記長手方向の長さの40%以上60%以下である
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルは、糞便カテーテルである、
請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
開口部を画定する前記カフは、
第1の直径を有する近位部分、および
前記第1の直径から第2の直径まで近位から遠位の方向に拡大する遠位部分、を有する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
排出通路を画定するカテーテルであって、
前記排出通路の近位出口を画定する管状本体部分、および
前記管状本体部分の遠位端部分に取り付けられたカフであって、前記排出通路の遠位入口を画定するカフ、を有し、
前記近位出口は第1の直径を有し、
前記遠位入口は、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する、カテーテル。
【請求項9】
前記カフによって画定された開口部は、前記第2の直径から前記第1の直径に対応する第3の直径まで遠位から近位の方向に狭くなっている、
請求項
8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記開口部は、
前記遠位から近位の方向に前記第2の直径から前記第3の直径に狭まる遠位部分、および
前記第3の直径を有する近位部分、を有する
請求項
9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記近位部分は、長手方向の長さに沿って前記第3の直径を有し、
前記カフはカフの長手方向の長さを有し、
前記近位部分の長手方向の長さは、前記カフの長手方向の長さの40%以上60%以下である
請求項
10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記カテーテルは、糞便カテーテルである、
請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記管状本体部分は、前記カフよりもより高い剛性を有する、
請求項
8に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記管状本体部分と前記カフとの間の界面に画定されたポケット開口部をさらに有する、
請求項
8に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記管状本体部分と前記カフとの間に半径方向に画定されたポケットをさらに有し、
前記ポケットは開いた近位端を有する、
請求項
8に記載のカテーテル。
【請求項16】
近位端部分と遠位端部分を有する管状本体部分、
近位部分と遠位部分を有する開口部を画定するカフであって、前記管状本体部分の前記遠位端部分が前記近位部分に受け入れられるカフ、および
前記管状本体部分と前記カフの間に位置するポケット、を有し、
前記管状本体部分は、前記カフより高い剛性を有する、カテーテル。
【請求項17】
前記ポケットは、開いた近位端および閉じた遠位端を有する、
請求項
16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記ポケットの閉じた遠位端は、前記カフの近位面の近位に配置されている、
請求項
16に記載のカテーテル。
【請求項19】
遠位端部分によって画定される遠位本体部分の面は、前記カフの遠位カフ面の近位に配置されている、
請求項
16に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記開口部によって画定される排出通路入口は、第1の直径を有し、
前記開口部の近位部分の直径は、遠位から近位の方向で前記第1の直径から第2の直径に向かって小さくなっている、
請求項
16に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記遠位端部分は、その外径として前記第2の直径を有する、
請求項
20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記管状本体部分は、前記カフよりも潰れにくい、
請求項
16に記載のカテーテル。
【請求項23】
カテーテル用のカフであって、
近位面、
前記近位面に対向し、第1の直径を有する入口を画定する遠位面、および
長手方向軸に沿って延び、前記近位面および前記遠位面を貫通する開口部であって、前記開口部の少なくとも一部が前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、前記開口部が入口に対して開口した第1の部分を有し、前記第1の部分は、近位から遠位方向に前記第2の直径から前記第1の直径まで拡大する開口部、を有する、
カフ。
【請求項24】
前記開口部は、前記第1の部分の近位に位置する第2の部分をさらに有し、前記第2の部分は、第2の部分の長さに沿って前記第2の直径を有する、
請求項
23に記載のカフ。
【請求項25】
前記カフは、カフの長手方向の長さを有し、
前記第2の部分の長手方向の長さは、前記カフの長手方向の長さの40%以上60%以下である、
請求項
24に記載のカフ。
【請求項26】
前記カテーテルは、糞便カテーテルである、
請求項25に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記開口部内に配置されたポケットをさらに有し、前記ポケットは開いた近位端を有する、
請求項
23に記載のカフ。
【請求項28】
前記ポケットはフラップを有し、
前記フラップの周縁の第1の部分は、少なくともが部分的に前記開口部を画定する壁に固定され、
前記フラップの周縁の第2の部分は、それによって前記開いた近位端を画定するために前記壁に固定されていない、
請求項
27に記載のカフ。
【請求項29】
前記第1の部分が円錐台形である、
請求項
23に記載のカフ。
【請求項30】
前記カフは、前記開口部を取り囲み、前記カフを膨張させるための流体を受け入れるように動作可能なチャンバをさらに有する、
請求項
23に記載のカフ。
【請求項31】
前記カフに接続された管状本体部分をさらに有し、遠位本体部分の面は前記カフの前記遠位面の近位に配置されている、
請求項
23に記載のカフを有するカテーテル。
【請求項32】
前記管状本体部分の遠位端部分が前記開口部内に延びている、
請求項
31に記載のカテーテル。
【請求項33】
前記管状本体部分は、前記カフよりも剛性が高い、
請求項
31に記載のカテーテル。
【国際調査報告】