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特表2024-517090直接投影型の多重化ライトフィールドディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】直接投影型の多重化ライトフィールドディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/00 20200101AFI20240412BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240412BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240412BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240412BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240412BHJP
   H04N 13/307 20180101ALI20240412BHJP
   G02F 1/07 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
G02B30/00
G02F1/13357
G03B21/14 Z
G09F9/00 361
G09F9/00 313
G03B21/00 D
H04N13/307
G02F1/07
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562710
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 CA2021050562
(87)【国際公開番号】W WO2022221933
(87)【国際公開日】2022-10-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521093576
【氏名又は名称】アヴァロン ホログラフィックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】ペッカム ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ハース ウォーリー
【テーマコード(参考)】
2H199
2H391
2K102
2K203
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA20
2H199BA67
2H199BB03
2H199BB26
2H199BB27
2H199BB30
2H199BB44
2H199BB52
2H199BB59
2H199BB62
2H391BA01
2H391BA12
2H391BA13
2H391BA23
2H391BA29
2H391FA04
2K102AA10
2K102BA05
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD08
2K203FA02
2K203FA24
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA80
2K203FA93
2K203FB02
2K203FB16
2K203GA36
2K203GA40
2K203GA49
2K203GA52
2K203GB26
2K203GB30
2K203GC09
2K203HA14
2K203HA45
2K203HA48
2K203HA65
2K203HA67
2K203HA69
2K203HA74
2K203HA82
2K203HB05
2K203HB10
2K203HB13
2K203MA26
2K203MA40
5G435AA01
5G435BB12
5G435BB17
5G435CC11
5G435DD11
5G435FF15
5G435GG02
5G435GG03
5G435GG04
(57)【要約】
ライトフィールド画像を出力する、多重化ライトフィールドプロジェクタ、及び、多重化ライトフィールドディスプレイについて記載する。プロジェクタは、光線を出力して投影画像を形成するように構成された投影光学系、並びに、投影画像の光線をコリメートして第2の投影画像を形成するように構成されたコリメート光学系を伴う、プロジェクタベースを有し、第2の投影画像が表示光学系に向けられて、ライトフィールド画像が生成される。ライトフィールドプロジェクタ、又は、代替的なプロジェクタは、個別に、あるいは、多重化された直接投影型ライトフィールドディスプレイを形成するように配置することができる、1つ又はそれ以上の、その他のプロジェクタと組み合わせて、使用することができる。プロジェクタは、個別の表示光学系を有する、あるいは、共有の表示光学系を有するように、配置することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタであって、
発光ダイオード(LED)を備える光源と、
投影光学系であって、
前記光源から光を受け取り、前記光を単一の光路に向ける、少なくとも1つの照明光学部品と、
前記照明光学部品からの光を受け取り、ピクセルアレイに変換する、ピクセル形成装置と、
前記ピクセルアレイを受け取る、拡大光学部品と、を含む投影光学系と、
前記ピクセルアレイからの光をコリメートし、コリメート投影画像を生成する、コリメート光学系と、
表示光学部品を含む、表示光学系と、
前記照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、及び表示光学部品のうちの、少なくとも1つに接続され、前記光線経路をシフトさせて多重化ライトフィールド出力を提供する、多重化装置と、を備えるプロジェクタ。
【請求項2】
前記照明光学部品が、平凸レンズ、ダイクロイックミラー、マイクロレンズアレイ、メニスカスレンズ、両凸レンズ、単一プリズム、及び折り返しプリズムのうちの、少なくとも1つを備える、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記ピクセル形成装置が、液晶onシリコン(LCOS)パネル、又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である、請求項1又は2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記拡大光学部品が、投影用ダブレット、又は両凸レンズである、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記コリメート光学系が、ライトフィールド投影(LFP)レンズ、両凸レンズ、及び複数のコリメートレンズレットを含むコリメートレンズアレイのうちの、少なくとも1つを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記複数のコリメートレンズレットの各コリメートレンズレットが、2つの平凸レンズを備える、請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記表示光学部品が、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、及びメタレンズのうちの、少なくとも1つを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記多重化装置が、第1の電極及び第2の電極に接続された電圧発生器を備え、前記第1の電極及び前記第2の電極が、カー効果をもたらすことのできる、照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、又は、表示光学部品の多重化装置に取り付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記多重化装置が、前記表示光学系の前方に位置する多重化層である、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記多重化装置が、多重化アクチュエータである、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記多重化アクチュエータが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は、形状記憶合金ベースのアクチュエータである、請求項10に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記多重化ライトフィールド出力が、第1の位置に第1の画像を含み、かつ第2の位置に第2の画像を含み、前記第2の画像が、前記第1の画像に対して1ピクセル幅未満の距離だけオフセットされている、請求項1から11のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
多重化ライトフィールド画像を生成する方法であって、
光源から、光線経路に沿って光線を生成するステップと、
前記光線を、ピクセル形成装置に向けるステップと、
前記光線を、ピクセルアレイに変換するステップと、
ピクセルアレイを拡大して、拡大ピクセルアレイを形成するステップと、
前記拡大ピクセルアレイをコリメートして、コリメート投影画像を生成するステップと、
前記コリメート投影画像を表示光学部品に向けて、ライトフィールド出力を生成するステップと、
前記ライトフィールド出力を多重化するために、前記光線経路をシフトさせて、多重化ライトフィールド画像を生成するステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記光線が、1つ又はそれ以上の、平凸レンズ、ダイクロイックミラー、マイクロレンズアレイ、メニスカスレンズ、両凸レンズ、単一プリズム、及び折り返しプリズムによって、前記ピクセル形成装置に向けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光線が、液晶オンシリコン(LCOS)パネル、又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)によって、ピクセルに変換される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ピクセルアレイが、投影用ダブレット又は両凸レンズによって、光学的に拡大される、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記拡大ピクセルアレイが、ライトフィールド投影(LFP)レンズ、両凸レンズ、又は、複数のコリメートレンズレットを含むコリメートレンズアレイによって、コリメートされる、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第1の電極及び第2の電極に電圧を印加することによって前記光線経路をシフトさせるステップを更に含み、前記第1の電極及び前記第2の電極が、カー効果をもたらすことのできる、照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、又は、表示光学部品の多重化装置に取り付けられる、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
多重化層を使用して、前記光線経路をシフトするステップを更に含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
1つ又はそれ以上の圧電アクチュエータ、電気熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、及び形状記憶合金ベースのアクチュエータを使用して、前記プロジェクタ内の光学部品の位置を動かすことによって、前記光線経路をシフトさせるステップを更に含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記多重化ライトフィールド出力が、第1の位置にある第1の画像、及び、第2の位置にある第2の画像を含み、前記第2の画像が、前記第1の画像に対して1ピクセル幅未満の距離だけオフセットされている、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
多重化ライトフィールド画像を生成する方法であって、
光源から、光線経路に沿って光線を生成するステップと、
前記光線を、ピクセルアレイに変換するステップと、
前記ピクセルアレイを拡大するステップと、
前記拡大ピクセルアレイをコリメートして、コリメート投影画像を生成するステップと、
前記コリメート投影画像を表示して、ライトフィールド出力を生成するステップと、
前記ライトフィールド出力を多重化するために、前記光線経路をシフトさせて、多重化ライトフィールド画像を生成するステップと、を含む方法。
【請求項23】
前記光線経路をシフトさせるステップが、前記プロジェクタ内で移動可能な光学部品の位置を動かすこと、カー効果が可能な、光学部品の多重化装置に電圧を印加すること、変形可能な光学部品を変形させること、又は、前記光線経路内に多重化層を配置することを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ライトフィールドディスプレイ技術に関し、より具体的には、投影ベースのライトフィールドディスプレイ、及びライトフィールドプロジェクタに関する。本開示は、特に、独立して、又は装置のアレイ内で、多重化され、角度分解能が高く、広視野のマルチビューディスプレイを形成する、単体の多重化ライトフィールドプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ライトフィールドディスプレイは、複数のビューを提供するものであり、ユーザは、それぞれの目で別々のビューを受け取ることができる。この分野における現在のディスプレイは、興味深い視聴体験をもたらすが、魅力的なライトフィールドディスプレイには、ピクセル密度が高いこと、ビュー間の角度分離が低いこと、及び、視野角が大きいことが要求される。高品質の視聴体験のためには、ユーザが、隣接するビューからの独立した知覚可能なビューを維持しながら、ビューゾーン間の滑らかな遷移を体験することが望ましい。三次元ディスプレイにより、視聴者は、視聴している画像に対して、より広い視点を得ることができる。一部の三次元ディスプレイでは偏光が使用され、視聴者が専用の眼鏡を着用することが必要となる。その他の三次元ディスプレイは、一次元で何らかの視差を提供する画像を生成する。
【0003】
投影ベースのライトフィールドディスプレイは、一般に、1つ又はそれ以上のプロジェクタからなり、一般に、ライトフィールドを生成するために、一連の光学系を必要とする。高精細なライトフィールドディスプレイを実現するためのピクセル数を得るには、複数の光学系と組み合わせてプロジェクタの数を増やす必要があり、その結果、システムは大型化し、多くの場合コスト高になる。
【0004】
Chungらによる米国特許出願公開第2018/0101018号には、スクリーン、格子ピクセルアレイ、及び画像生成器を含む、ライトフィールドディスプレイが記載されている。このシステムは、出力されたライトフィールド画像を表示するために、格子ピクセルアレイを必要とし、したがって、電力要件の大きな、大型のディスプレイとなる。
【0005】
Pasoliniの米国特許第9383591号には、光ビームを生成するための光源、光ビームを表示面に向けるためのミラー機構、及び、投影画像を安定化するための補償信号を生成かつ除去するために、ミラー機構のための駆動信号を供給する駆動回路を有する、ピコプロジェクタが記載されている。記載されたピコプロジェクタでは、装置の動きを補償するために、ジャイロスコープが使用される。この装置では、投影画像を生成することができるが、ライトフィールドを生成するために、追加の光学部品及び処理が必要となる。
【0006】
この背景情報は、本発明に関連することがあると出願人が考える、公知の情報を得るために提供されるものである。前述した情報のいずれかが、本発明に対する先行技術を構成することを必ずしも意図しておらず、そう解釈すべきものでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0101018号
【特許文献2】米国特許第9383591号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、多重化ライトフィールドプロジェクタ、及び、多重化ライトフィールドディスプレイを提供することを目的とする。多重化ライトフィールドプロジェクタ、又は任意のその他の適切なプロジェクタは、多重化装置を含み、それらをアレイ状に配置して、多重化された直接投影型ライトフィールドディスプレイを形成することができる。多重化ライトフィールドプロジェクタは、1つ又はそれ以上の発光ダイオード、プロジェクタ本体、及び、発光ダイオードが生成する複数の光線を多重化ライトフィールドにする、光学系で構成される。本発明の更なる目的は、高精細なライトフィールドディスプレイを構築するための、多重化方法を提供することである。このライトフィールドディスプレイは、投影ベースのライトフィールドディスプレイ、又はフラットパネルディスプレイとすることができる。どちらのタイプにも、多重化装置が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を備える光源、並びに、光源からの光を受け取って単一の光線経路に導く、少なくとも1つの照明光学部品と、照明光学部品からの光を受け取ってピクセルアレイに変換するピクセル形成装置と、ピクセルアレイを受け取る拡大光学部品と、を含む投影光学系、ピクセルアレイからの光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するコリメート光学系、表示光学部品を含む表示光学系、照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、及び表示光学部品のうちの、少なくとも1つに接続され、多重化ライトフィールド出力を提供するために光線経路をシフトさせる多重化装置、を備えるプロジェクタが提供される。
【0010】
一実施形態では、照明光学部品には、平凸レンズ、ダイクロイックミラー、マイクロレンズアレイ、メニスカスレンズ、両凸レンズ、単一プリズム、及び折り返しプリズムのうちの、少なくとも1つが含まれる。
【0011】
別の実施形態では、ピクセル形成装置は、液晶onシリコン(Liquid Crystal On Silicon:LCOS)パネル、又はデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device:DMD)である。
【0012】
別の実施形態では、拡大光学部品は、投影用ダブレット、又は両凸レンズである。
【0013】
別の実施形態では、コリメート光学系には、ライトフィールド投影(Light Field Projection:LFP)レンズ、両凸レンズ、及び、複数のコリメートレンズレットを含むコリメートレンズアレイのうちの、少なくとも1つが含まれる。
【0014】
別の実施形態では、複数のコリメートレンズレット内の各コリメートレンズレットには、2つの平凸レンズが含まれる。
【0015】
別の実施形態では、表示光学部品には、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、及びメタレンズのうちの、少なくとも1つが含まれる。
【0016】
別の実施形態では、多重化装置は、第1の電極及び第2の電極に接続された電圧発生器を備え、第1の電極及び第2の電極は、カー効果をもたらすことのできる、照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、又は表示光学部品の多重化装置に取り付けられる。
【0017】
別の実施形態では、多重化装置は、表示光学系の前方に位置する多重化層である。
【0018】
別の実施形態では、多重化装置は、多重化アクチュエータである。
【0019】
別の実施形態では、多重化アクチュエータは、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータである。
【0020】
別の実施形態では、多重化ライトフィールド出力は、第1の位置にある第1の画像、及び第2の位置にある第2の画像を含み、第2の画像は、第1の画像に対して1ピクセル幅未満の距離だけ、オフセットされている。
【0021】
別の態様では、光源から、光線経路に沿って光線を生成するステップと、光線をピクセル形成装置に向けるステップと、光線をピクセルアレイに変換するステップと、ピクセルアレイを拡大して拡大ピクセルアレイを形成するステップと、拡大ピクセルアレイをコリメートして、コリメートされた投影画像を生成するステップと、コリメートされた投影画像を表示光学部品に向けて、ライトフィールド出力を生成するステップと、光線経路をシフトさせてライトフィールド出力を多重化し、多重化ライトフィールド画像を生成するステップとを含む、多重化ライトフィールド画像の生成方法が提供される。
【0022】
一実施形態では、1つ又はそれ以上の平凸レンズ、ダイクロイックミラー、マイクロレンズアレイ、メニスカスレンズ、両凸レンズ、単一プリズム、及び折り返しプリズムによって、光線がピクセル形成装置に向けられる。
【0023】
別の実施形態では、液晶onシリコン(LCOS)パネル、又はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)によって、光線がピクセルに変換される。
【0024】
別の実施形態では、ピクセルアレイは、投影用ダブレット又は両凸レンズによって、光学的に拡大される。
【0025】
別の実施形態では、ライトフィールド投影(LFP)レンズ、両凸レンズ、又は複数のコリメートレンズレットを含むコリメートレンズアレイによって、拡大ピクセルアレイがコリメートされる。
【0026】
別の実施形態では、本方法は、第1の電極及び第2の電極に電圧を印加することによって、光線経路をシフトするステップを更に含み、第1の電極及び第2の電極は、カー効果をもたらすことのできる、照明光学部品、ピクセル形成装置、拡大光学部品、又は、表示光学部品多重化装置に取り付けられる。
【0027】
別の実施形態では、本方法は、多重化層を使用して、光線経路をシフトするステップを、更に含む。
【0028】
別の実施形態では、本方法は、1つ又はそれ以上の圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、及び形状記憶合金ベースのアクチュエータを使用して、プロジェクタ内の光学部品の位置を動かすことによって、光線経路をシフトするステップを更に含む。
【0029】
別の実施形態では、多重化ライトフィールド出力は、第1の位置にある第1の画像、及び第2の位置にある第2の画像を含み、第2の画像は、第1の画像に対して1ピクセル幅未満の距離だけ、オフセットされている。
【0030】
別の態様では、光源から、光線経路に沿って光線を生成するステップと、光線をピクセルアレイに変換するステップと、ピクセルアレイを拡大するステップと、拡大ピクセルアレイをコリメートして、コリメート投影画像を生成するステップと、コリメート投影画像を表示して、ライトフィールド出力を生成するステップと、光線経路をシフトさせて、ライトフィールド出力を多重化し、多重化ライトフィールド画像を生成するステップを含む、多重化ライトフィールド画像の生成方法が提供される。
【0031】
本方法の一実施形態では、光線経路をシフトさせるステップには、プロジェクタ内でシフト可能な光学部品の位置を動かすステップ、カー効果をもたらすことのできる、光学成分の多重化装置に電圧を印加するステップ、変形可能な光学部品を変形させるステップ、又は、多重化層を光線経路内に配置するステップが含まれる。
【0032】
別の態様では、光路に沿って、LED光源、並びに、マイクロレンズアレイ、レンズ、プリズムとピクセル形成装置、レンズを備えるコリメート光学系、表示光学系、及び、光路をシフトさせる多重化装置を有する投影光学系を備える、多重化ライトフィールドプロジェクタが提供される。
【0033】
一実施形態では、LED光源は、赤色、緑色、及び青色の光源を備え、投影光学系は、LED光源からの光を導く、複数のダイクロイックミラーを更に備える。
【0034】
別の実施形態では、多重化装置は、マイクロレンズアレイ、レンズ、プリズム、ピクセル形成装置、コリメート光学系のレンズ、又は表示光学系の光学部品の、少なくとも1つに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明のこれらの特徴、及びその他の特徴は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明において、より明らかになるであろう。
【0036】
図1】本開示の一実施形態による、ライトフィールドプロジェクタの等角図である。
【0037】
図2A】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0038】
図2B】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0039】
図2C】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0040】
図2D】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0041】
図2E】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0042】
図2F】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0043】
図2G】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0044】
図2H】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0045】
図2I】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの構成を示す図である。
【0046】
図3A】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの、別の構成を示す図である。
【0047】
図3B】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの、別の構成を示す図である。
【0048】
図3C】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの、別の構成を示す図である。
【0049】
図3D】投影光学系の配置、及びコリメート光学系を伴う、多重化ライトフィールドプロジェクタの、別の構成を示す図である。
【0050】
図4A】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0051】
図4B】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0052】
図4C】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0053】
図4D】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0054】
図5A】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0055】
図5B】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0056】
図5C】投影光学系の配置、及びコリメート光学系の、別の構成を示す図である。
【0057】
図6A】コリメートレンズアレイの正面図である。
【0058】
図6B図6Aのコリメートレンズアレイの、2×4グリッドの拡大図である。
【0059】
図6C図6Aのコリメートレンズアレイの、輪郭図である。
【0060】
図6D図6Aのコリメートレンズアレイにおける、単一レンズの等角図である。
【0061】
図7A】工学的ディフューザの図である。
【0062】
図7B】レーザエッチングされた、工学的ディフューザの拡大図である。
【0063】
図7C】ディフューザレンズアレイの、拡大図である。
【0064】
図8A】表示光学系の、表示レンズの図である。
【0065】
図8B】メタサーフェスを備える、別の表示光学系の図である。
【0066】
図8C】別の表示光学系の図である。
【0067】
図9】ライトフィールドプロジェクタの一実施形態の、単一ピクセルの光線経路を示すサンプル図である。
【0068】
図10】ライトフィールドプロジェクタの別の実施形態の、単一ピクセルの光線経路を示すサンプル図である。
【0069】
図11】ライトフィールドプロジェクタの一実施形態の、単一ピクセル、及び光学系部品の光線経路を示すサンプル図である。
【0070】
図12】ライトフィールドプロジェクタの別の実施形態の、単一ピクセル、及び光学系部品の光線経路を示すサンプル図である。
【0071】
図13】ライトフィールドプロジェクタの別の実施形態の、単一ピクセル、及び光学系部品の光線経路を示すサンプル図である。
【0072】
図14】工学的ディフューザアレイ内の、ピクセルの点拡がり関数の図である。
【0073】
図15】光プロジェクタのアレイからなるシステムの、等角図である。
【0074】
図16】光プロジェクタのアレイからなるシステムの、分解図である。
【0075】
図17】3×4の表示ユニット、及びライトフィールドプロジェクタのアレイを含む、ライトフィールドプロジェクタの別の構成を示す図である。
【0076】
図18】ライトフィールドディスプレイを構築するための、表示ユニットのアレイ、及びすべての光学系を含む、ライトフィールドプロジェクタの別の構成を示す図である。このシステムをタイリング/スタックして、より大きなディスプレイを構築することができる。
【0077】
図19】光プロジェクタのブロック図である。
【0078】
図20A】プロジェクタ及び投影画像を、光路とともに示す図である。
【0079】
図20B】アクティブ画像、オーバーラップ領域、及び補正バッファについての、プロジェクタフレーム内のピクセルの割り当てを示す図である。
【0080】
図21】ライトフィールドディスプレイの、分解等角図である。
【0081】
図22】ライトフィールドディスプレイの、例示的な実施形態の分解等角図である。
【0082】
図23】ライトフィールドディスプレイの上面ビューで、本開示による多重化方法を示す図である。
【0083】
図24】ライトフィールドディスプレイの別の実施形態の上面ビューで、多重化方法を示す図である。
【0084】
図25】多重化フラットパネルライトフィールドディスプレイの、一実施形態の上面図を示す図である。
【0085】
図26】多重化フラットパネルライトフィールドディスプレイの、別の実施形態の上面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本明細書では、多重化されたマルチビューであり、自動立体視であり、かつ高角度分解能の、ライトフィールドディスプレイについての説明を行う。ライトフィールドディスプレイは、水平視差及び垂直視差の両方で、見ることができる。ライトフィールドディスプレイの多重化とは、プロジェクタ内、又はプロジェクタからの、光線経路又はライトフィールドをシフトすることによって、ビュー(ピクセル)の密度を高める方法である。
【0087】
多重化とは、一般に、リンクを介して複数の信号を同時に送信する方法である。具体的には、ライトフィールドディスプレイの場合、多重化とは、ディスプレイの光学系のある変化に対応して、非多重化ディスプレイにおいて単一のフレームが送信される時間フレームで、各多重化フレームに対し、複数の画像を送信することである。多重化画像には、2つ以上のライトフィールド画像が含まれ、各ライトフィールド画像は、異なる位置に投影される。これは、非多重化画像、又は、単一の投影されたライトフィールド画像のみを出力する、又は含む、非多重化出力とは対照的なものである。高速フレームレートでの多重化を使用して、同じプロジェクタから複数の画像を生成することで、ライトフィールドの画像又はピクセル密度は、各多重化画像の画像数で効果的に乗算される。
【0088】
空間及び時間における光に基づくオブザーバベースの関数、又はプレノプティック関数の概念は、視覚系によって知覚される、視覚刺激を表現するために開発されたものである。プレノプティック関数に属する基本的な変数には、光が見られている三次元(3D)座標(x,y,z)、及び、角度(θ,Φ)によって記述される、この視聴位置に光が進む、方向が含まれる。光の波長λ及び観測時間tとともに、これらがプレノプティック関数となる。
P(x,y,z,θ,Φ,λ,t)
【0089】
プレノプティック関数の代わりに、ある点における3D空間内の光線に沿った放射輝度を使用することができ、ライトフィールドによって特定の方向を表すことができる。ライトフィールドの定義は、プレノプティック関数の定義と同義とすることができる。ライトフィールドは、5D関数として、すべての可能な方向に、すべての点を通って流れる、放射輝度として説明することができる。静的ライトフィールドの場合、ライトフィールドは、スカラ関数として表すことができる。
L(x,y,z,θ,Φ)
式中、(x,y,z)は、位置の関数としての放射輝度を表し、光の進行方向は、(θ,Φ)によって記述される。3Dの実世界で物体を見るものは、無限のビュー、又は、連続的に分散されたライトフィールドにさらされる。これを実質的に再現するために、本開示では、連続的に分散されたライトフィールドを、有限数のビュー又は複数のビューにサブサンプリングして、ライトフィールドを近似する、直接投影型ライトフィールドディスプレイを記載する。直接投影型ライトフィールドディスプレイの出力はライトフィールドであり、これは、人間の目の角度分解能を超える角度分解能を有する、有限数のビューに基づく、連続的に分散されたライトフィールドの3D表現である。
【0090】
2つ以上の画像を時間的又は空間的に多重化、又は重畳することによって、多重化ライトフィールドディスプレイが実現される。空間多重化ディスプレイは、異なる視野角で別々のビューを表示するために、レンズ、モータ、又は他の同等の光学的又は機械的部品を、光源と組み合わせて使用するものとして説明することができる。空間多重化ライトフィールドディスプレイは、複数の視聴者又は観察位置に対して、固有の画像を生成することができる。同じハードウェアを使用して、異なる位置又は角度に投影される2つ以上の画像を生成し、視聴者が識別できる速度よりも速い速度で画像位置を変更することによって、ライトフィールドディスプレイのピクセル数を、多重化システムによって実現することのできる投影画像の位置の数で、効果的に乗算することができる。人間の目が識別できない最小レートは、約30Hz未満であることに基づいて、ディスプレイの最小フレームレートは、24Hzから30Hzである。したがって、多重化システムの場合、フレーム当たりの多重化フレームの数が増加するのと同じ係数だけ、フレームレートを増加させなければならない。一実施例では、通常のディスプレイが30Hzでリフレッシュする場合、それぞれが異なる位置にある4つの出力ライトフィールド画像を有する多重化画像では、4つの出力ライトフィールドのそれぞれが、少なくとも30Hzのリフレッシュレートを有するため、全体では120Hzのフレームリフレッシュレートが必要となる。したがって、多重化部品を使用するライトフィールドプロジェクタの、各プロジェクタの投影画像位置を高速で変更することにより、同じハードウェアで、ピクセル密度を大幅に増加させることができる。
【0091】
本発明のプロジェクタを用いて、多重化及び多重化画像を実現するために、少なくとも1つの多重化光学要素を、プロジェクタ内の1つ又はそれ以上の光学部品に追加して、多重化画像が人間の目で識別できないほど十分に速い速度で、LEDによって放射された光線又はその下流の光路を、所望の量だけシフトさせる。2つの異なるライトフィールド画像を有する多重化画像を生成するために、プロジェクタは、多重化光学要素を使用して、第1の画像が投影される第1の位置から第2又は次の位置まで、第1の画像位置に対して1ピクセル幅未満の距離で、第1の画像の投影方向に対して所望の角度で、光線の投影角度を変更する。これにより、2つの異なる位置に2つの画像が投影され、この合成画像は多重化画像と呼ばれる。多重化プロジェクタは、3つ以上のライトフィールド画像を生成するために、1つ又はそれ以上の多重化装置を使用することができ、その結果、3つ以上の角度的にオフセットされたライトフィールド画像から構成される、多重化画像が得られることが理解される。
【0092】
様々なタイプの多重化装置を、使用することができる。好ましくは、多重化装置は、多重化アクチュエータ、カー効果としても知られる二次電気光学効果が可能な光学部品、又は、光路方向を調整するために変形させることのできる光学部品、のいずれかである。プロジェクタの光学部品を機械的にシフトさせて光線経路を調整するために、様々なタイプのアクチュエータを、多重化装置として使用することができる。これらには、限定するものではないが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータが含まれる。カー効果をもたらすことのできる多重化装置は、印加された電場に応じて、材料の屈折率を調整することができる材料からなる構成要素である。二次電気光学効果をもたらすことのできる様々な材料が知られており、材料の屈折率を調整するために必要な電場を生成することができる装置と組み合わせて、これらの材料から1つの光学部品を使用することで、同一の、又は同様の多重化画像を得ることができる。二次電気光学(Quadratic Electro-Optic:QEO)効果とも呼ばれるカー効果は、印加された電場に応じた材料の屈折率の変化であり、引き起こされた屈折率の変化は、電場とともに線形に変化するのではなく、電場の二乗に正比例する。あらゆる材料がカー効果を示すが、特定の液体は、他の液体よりも強くカー効果を示す。また、変形可能な光学部品を変形させることのできる部品とともに、プロジェクタにおいて適応可能な光学部品を用いて、光路を変化させる光学要素の変形を実現することができる。光学系内の波面を操作するために、適応光学部品を使用することもできる。例えば、ミラーなどの変形可能な光学部品は、外部からの制御信号が印加された場合に、その形状を変えることによって、波面を補正することができる。適応光学系における光学部品のいくつかの非限定的な例は、変形可能なミラー、及び波面センサである。
【0093】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと、同じ意味を持つものである。
【0094】
「comprising(含む)」という用語と組み合わせて本明細書で使用される場合の、「a」又は「an」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又はそれ以上」という意味にも相当するものである。
【0095】
本明細書で使用される場合、「comprising(含む)」、「having(有する)」、「including(含む)」、及び「containing(含有する)」という用語、及びそれらの文法的変形は、包括的又はオープンエンドであり、列挙されていない更なる要素及び/又は方法のステップを、排除するものではない。「consisting of(からなる)」という用語は、組成物、装置、物品、システム、使用、又は方法に関連して本明細書で使用される場合、更なる要素及び/又は方法のステップの存在を除外するものである。また、特定の要素及び/又はステップを含むものとして本明細書に記載される、組成物、装置、物品、システム、使用、又は方法は、特定の実施形態では、基本的にこれらの要素及び/又はステップで構成することができ、他の実施形態では、それらの実施形態で具体的に言及されているか否かにかかわらず、これらの要素及び/又はステップで、その実施形態を構成することができる。
【0096】
本明細書で使用される場合、「about(約)」という用語は、特定の値からの約+/-10%の変動を指すものである。そのような変動は、具体的に言及されているか否かにかかわらず、本明細書で示されるあらゆる特定の値に、常に含まれることを理解されたい。
【0097】
本明細書における範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲、及び範囲内に入る個々の値の両方を、範囲を示すために使用される数字と同じ部分の値とすることを意図している。
【0098】
例、又は例示的な用語、例えば「such as(など)」、「exemplary embodiment(典型的な実施形態)」、「illustrative embodiment(例示的な実施形態)」、及び「for example(例えば)」の使用は、本発明に関連する態様、実施形態、変形形態、要素又は特徴を、例示又は示すことを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0099】
本明細書で使用される場合、「connect(接続する)」及び「connected(接続された)」という用語は、本開示の要素又は機能間の、あらゆる直接的又は間接的な物理的結合を指すものである。したがって、これらの用語は、接続されていると記載された要素又は機能の間に、他の要素又は特徴が介在している場合であっても、互いに部分的又は完全に含まれ、取り付けられ、結合され、配置され、ともに接合され、通信し、動作可能に関連付けられた、要素又は機能を示すと理解することができる。
【0100】
本明細書で使用される場合、「ピクセル」という用語は、ディスプレイを構築するために使用される、空間的に別個の発光機構を指す。
【0101】
本明細書で使用される場合、「サブピクセル」という用語は、光学マイクロキャビティ内に収容された、発光素子を有する構造を指す。光学マイクロキャビティは、光を実質的にコリメートし、操作し、又は調整するために、複数の反射面と作用可能に関連付けられる。反射面の少なくとも1つは、マイクロキャビティから光を伝播するために、光学マイクロキャビティに接続された、光伝播反射面である。本開示では、個別にアドレス指定することのできる、赤色、緑色、及び青色(RGB)のサブピクセルが提供される。本開示で記載されているようなサブピクセルのサイズは、ナノスケールから数ミクロンの範囲であり、これは当該技術分野でこれまで知られているピクセルサイズよりも、はるかに小さいものである。
【0102】
本明細書で使用される場合、基本的なレベルでの「ライトフィールド」という用語は、開放された空間内の点を通って、あらゆる方向に流れる光の量を表す関数を指すものである。したがって、ライトフィールドは、自由空間における光の位置及び方向の関数としての、放射輝度を表すものである。ライトフィールドは、様々なレンダリング処理によって合成的に生成することができ、あるいは、ライトフィールドカメラ、又はライトフィールドカメラのアレイから、取り込むことができる。
【0103】
本明細書で使用される場合、「ライトフィールドディスプレイ」という用語は、装置に入力された有限数のライトフィールドの放射輝度サンプルから、ライトフィールドを再構成する装置を指すものである。放射輝度サンプルには、同色のLEDに由来する、赤色、緑色、及び青色(RGB)の色成分が含まれる。ライトフィールドディスプレイにおける再構成では、ライトフィールドは、四次元空間から単一のRGB色へマッピングすること、として理解することもできる。四次元には、ディスプレイの垂直及び水平の次元、並びに、ライトフィールドの指向性成分を表す、2つの次元が含まれる。ライトフィールドは、以下の関数として定義することができる。
LF:(x,y,u,v)→(r,g,b)
ライトフィールドLF(xf,yf,u,v)内の固定位置(xf,yf)は、「要素画像」と呼ばれる二次元(2D)画像を表すものである。要素画像は、固定位置(xf,yf)からのライトフィールドの指向性画像である。複数の要素画像が並んで連結された場合、その画像を「積分画像」と呼ぶ。積分画像は、ライトフィールドディスプレイに必要な、ライトフィールド全体として理解することができる。
【0104】
本明細書で使用される場合、「LFPレンズ」という用語は、ライトフィールド投影レンズを指す。このLFPレンズは、入射光をコリメートする役割を果たす。
【0105】
本明細書で使用される場合、頭字語「FWHM」は、「半値全幅(Full-Width at Half Maximum)」を指す。これは、従属変数がその最大値の半分に等しい、独立変数の2つの極値の差によって与えられる、関数の程度を表すものである。
【0106】
本明細書で使用される場合、「ホーゲル」という用語は、従来のピクセルのクラスタであり、方向制御を伴う、ホログラフィックピクセルの代替用語である。ホーゲルのアレイによって、ライトフィールドを生成することができる。ピクセルが二次元ディスプレイの空間解像度を表すように、ホログラフィックピクセル又はホーゲルは、3次元ディスプレイの空間解像度を表す。
【0107】
本明細書で使用される場合、「ホーゲルピッチ」という用語は、1つのホーゲルの中心から隣接するホーゲルの中心までの距離を指すものである。
【0108】
本明細書で使用される場合、「光学ミラー」という用語は、ある波長範囲の入射光に対して、反射光が元の光の詳細な物理的特性の多く、又は大部分を維持するように、光を反射する物体を指すものである。これを、鏡面反射とも呼ぶこともできる。正確に平行に位置合わせされ、互いに対向する2つ以上のミラーは、無限ミラー効果とも呼ばれる、反射の無限の退行をもたらすことができる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「ピクセルピッチ」という用語は、1つのピクセルの中心から隣のピクセルの中心までの距離を指すものである。
【0110】
本明細書で使用される場合、「ピクセルアレイ」という用語は、ホーゲル内でのピクセルの配列を指すものである。
【0111】
本明細書で使用される場合、「波長」という用語は、光又は音といった伝播エネルギーの繰り返しパターンである、波の2つの同一のピーク(高い点)の間、又は谷(低い点)の間の、距離の尺度である。
【0112】
本明細書で使用される場合、「シミュレーション」という用語は、物体又は物理現象のコンピュータモデルを指すものである。シミュレーションは、例えば、研究目的や、造形仕様の開発・改良などに利用することができる。限定するものではないが、有限差分時間領域(Finite Difference Time Domain:FDTD)法、光線追跡、有限要素解析(Finite Element Analysis:FEA)、有限要素法(Finite Element Method:FEM)を含む、様々なシミュレーション手法を使用することができる。
【0113】
本明細書で使用される場合、ライトフィールドディスプレイの1つ又はそれ以上のパラメータには、ホーゲルピッチ、ピクセルピッチ、及び焦点距離のうちの、1つ又はそれ以上が含まれる。ピクセルという用語は、赤色、緑色、及び青色の、サブピクセルのセットを指す。ピクセルピッチは、1つのピクセルの中心から、隣のピクセルの中心までの距離として定義される。本明細書で使用される場合、ピクセルアレイとは、ホーゲル内のピクセルの配列を指すものである。ホーゲルは、ホログラフィックピクセルの代用語であり、方向制御を伴う、従来のピクセルのクラスタである。ホーゲルのアレイによって、ライトフィールドを生成することができる。したがって、ホーゲルピッチは、1つのホーゲルの中心から、隣接するホーゲルの中心までの距離として定義される。レンズの視野角は、その焦点距離によって定義される。一般に、焦点距離が短くなるほど、視野が広くなる。なお、焦点距離は、レンズの後部主面から測定されることに、留意されたい。レンズの後部主面が、撮像レンズの機械的背面に位置することは、ほとんどない。このため、システムの近似値及び機械的設計は、一般に、コンピュータシミュレーションを使用して計算される。
【0114】
本明細書に開示される組成物、装置、物品、方法、及び用途の、あらゆる実施形態は、当業者によって、そのままで、あるいは、本発明の範囲から逸脱することのないような、変形物又は等価物を作製することによって、実施することができると考えられる。
【0115】
本明細書では、多重化ライトフィールドディスプレイを実現することのできる、多重化ライトフィールドプロジェクタについて説明を行う。本発明のライトフィールドプロジェクタは、マルチビュー、自動立体視、及び、高角度分解能の、ライトフィールドディスプレイに使用することができる。ライトフィールドディスプレイは、水平視差及び垂直視差の両方で見ることもできる。現在の直接投影型ライトフィールドディスプレイの設計を改善するために、本開示では、特に、ピクセルサイズを最小化し、表示視野パラメータを最適化するために、多重化ライトフィールドディスプレイを構築するように設計された、プロジェクタの説明を行う。本開示では、本体正面の全開口部を満たすために光学系の設計を活用する、ライトフィールド投影(LFP)用のレンズ設計の説明を行う。後続の光学アーキテクチャがライトフィールドを生成することを可能にしつつ、投影画像が縁部で重なり合うことを可能にするために、LFPレンズによって生成された画像では、発散はわずかである。
【0116】
通常動作において、ライトフィールドプロジェクタは、1つ又はそれ以上の光源から光を受け取り、投影光学系内の照明光学部品を使用して、ピクセル形成装置上に光を向ける。照明光学部品には、限定するものではないが、平凸レンズ、ダイクロイックミラー、マイクロレンズアレイ、メニスカスレンズ、両凸レンズ、単一プリズム、又は折り返しプリズムを含めることができる。ピクセル形成装置は、照明光学部品から到来する光を、複数のピクセルに変換する。ピクセル形成装置に入る光は、照明光学系内の1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)から発せられ、ピクセル形成装置によって、ピクセルアレイに変換される。次いで、ピクセル形成装置からの光は、ピクセル形成装置から到来するピクセルアレイを拡大して、拡大ピクセルアレイを形成する役割を果たす、拡大光学部品内の一連の投影光学部品又は投影部品を通って進む。拡大光学部品は、投影用ダブレット、両凸レンズ、又はその他の適切な光学部品にすることができる。次いで、投影光学系からの光は、コリメート光学系においてコリメートされ、コリメート投影画像が生成される。このことは、ピクセル密度の高い、小さな画像を取得し、光をコリメートし、それによって、最小の発散、低発散、又は発散のない、光線のアレイを生成することを伴う。プロジェクタ内の表示レンズは、発散入射光がほとんど、又は全くないときに最も機能するため、コリメート光学系によって、実質的にコリメートされた光が、表示光学系内の表示レンズに提供される。
【0117】
従来のプロジェクタは、一般に、典型的な投影画像サイズ、及び、部屋サイズ又は投影スクリーンまでの距離を想定して、例えば約1ピクセル/mm2の粗いピクセル密度の、大きな画像を生成するように構成されている。本明細書に記載のプロジェクタでは、約1万ピクセル/mm2の、はるかに高いピクセル密度が実現される。本システムにおける投影光学部品は、複数の投影装置によって生成された画像からもたらされる、タイリング効果を克服するために、低倍率で設計される。しかし、それは、ピクセル密度の妨げになるような、著しい倍率ではない。ライトフィールドディスプレイを構築するために、複数のプロジェクタからのライトフィールド画像出力は、完全なライトフィールド画像をもたらすように、一緒にタイリングされる。2つの投影画像の間にライトフィールド画像の切れ目がある場合、それぞれの光装置からのライトフィールド画像出力の間に、光が投影されていない暗い継ぎ目、又は境界面が引き起こされ、各投影装置からの出力間の継ぎ目に柵がある、杭柵のような効果、又はタイリング効果を引き起こすことがある。本明細書に記載のプロジェクタでは、表示装置によって形成された画像を拡大することによって、タイリングの問題が克服される。したがって、表示装置からの画像を拡大することにより、表示光学系レンズの出力における画像は、少なくともプロジェクタ自体の物理的寸法と同じ大きさであり、プロジェクタのアレイによって生成されたライトフィールド画像間の重なり合いが保証される。投影光学系では、タイリング効果を克服するのには十分であるが、ピクセル密度を犠牲にすることのないように、光が拡大される。したがって、ライトフィールドディスプレイに必要とされる、高いピクセル密度が実現される。人間の目は、良好な視力、及び最適な観察条件を想定しても、約35ミクロンのピクセルサイズしか分解することができない。表示レンズがなければ、本明細書に記載のプロジェクタによって実現されるピクセル密度は、10ミクロン程度のものである。したがって、本発明のプロジェクタによって生成された画像は、流体のようであり、鮮明であり、ピクセル化されていないように見える。
【0118】
一般に、当技術分野で知られているライトフィールドディスプレイには、非常に高輝度のプロジェクタが必要である。本明細書に記載のライトフィールドプロジェクタによる利点の1つは、プロジェクタ自体の輝度要件が低減されることである。本明細書に記載のプロジェクタによる、低減された輝度要件は、ライトフィールドプロジェクタの光学系の設計によって、光の角度分布を制御できること、並びに、光ビームに点拡がり関数を適用することによって実現される。光の角度分布を制御する能力、並びに、適用される点拡がり関数によって、最小限の損失で、効率的に光を出力することが保証される。輝度要件が低減されることにより、内部冷却要件なしに小型LEDを使用することができ、装置の全体的な設置面積を小さくすることができる。本明細書に記載の設計による、2つ以上のライトフィールドプロジェクタを互いに組み合わせて使用する場合、より緊密な実装密度を実現することもできる。
【0119】
プロジェクタアレイベースのディスプレイは、設計の課題をもたらす場合がある。それは、少なくとも、密集して配向された多くのプロジェクタを、正確に位置合わせして、小さな空間に含める必要があるためである。光のコリメーション及び拡散のために複数の光学系と組み合わせた、プロジェクタベース内の光学部品を、ここで説明するように配向することで、ピクセルサイズの低減、最低限のプロジェクタ設置面積、より大型のディスプレイへの完全にスケーラブルな設計、公差制約の低減、及び、複数の光学系があるライトフィールドディスプレイ設計による色収差の低減を、実現することができる。
【0120】
ライトフィールドプロジェクタの様々な特徴は、各図面における図表と併せ、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲を、限定することを意図しない実施形態を表す、様々な実施例を参照して、本明細書に開示されるライトフィールドプロジェクタ及び構造の、設計パラメータ、設計方法、構成、及び使用についての説明を行う。本発明が属する分野の当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に従って実施することができる、本明細書に開示されていない本発明のその他の変形物、実施例、及び実施形態があり得ることを、理解するであろう。
【0121】
ライトフィールドディスプレイでは、ディスプレイの空間及び/又は方向の分解能を高めるために、実現可能な最小のピクセルサイズが必要となる。直接投影型ライトフィールドディスプレイで使用されるライトフィールドプロジェクタでは、プロジェクタの焦点距離における有効領域の投影画像サイズによって、ピクセルサイズが決定される。ここで、単一のプロジェクタの全体的な空間は、画像の寸法と同じでなければならない。ピクセルが存在する空間全体が埋められている場合、ピクセル間の間隔、又はピクセルピッチは、ピクセルサイズに等しい。ピクセルピッチ及びホーゲルピッチのパラメータは、ディスプレイの空間解像度、及び被写界深度を決定し、そのため、ユーザエクスペリエンスを決定付けるものである。ホーゲルピッチが小さいほど、ライトフィールドディスプレイの空間解像度が高くなる。ホーゲル内のピクセル数が多いほど、ディスプレイの被写界深度は高くなる。ピクセルの密度を増加させることにより、設計者は、用途によって、異なるライトフィールドディスプレイを設計することができる。例えば、ホーゲルピッチを増加させ、空間解像度を低下させることによって、被写界深度を増加させることができる。
【0122】
最小のピクセルサイズを実現するためには、単一のプロジェクタが占有する空間を最小にする必要がある。プロジェクタの設置面積を最小化する方法の1つは、直接取付け方式である。ここでは、図16に示すように、プロジェクタアレイ内のプロジェクタ本体がシャシーに直接取り付けられ、隣接するプロジェクタ間に残される空間は、最小限となる。その場合、プロジェクタの設置面積は、プロジェクタで使用される表示装置の寸法に、最大限に近しいものである。プロジェクタを直接取り付けることで、ディスプレイ内でプロジェクタの位置合わせを調整する機械的手法は失われるため、各プロジェクタの有効領域の外側で、更なる数の補正ピクセルがもたらされるように、デジタル式のプロジェクタ補正手法が必要となる。こうした補正ピクセルにより、表示装置のx次元及びy次元の両方でプロジェクタフレームをオフセットして、6自由度において位置ずれを補正することが可能となる。
【0123】
補正に必要なピクセル数は、プロジェクタアレイシステムの機械的設計に直接関係しており、可能な限り小さい公差でプロジェクタを取り付けることで、必要な補正ピクセル数は最小となる。デジタル補正の一例は、単一のプロジェクタのフレーム内にあるピクセルを、ライトフィールド画像、オーバーラップピクセル、及び補正バッファに分割することである。この補正バッファは、プロジェクタアレイの設定された公差、及びピクセルの最大位置ずれに基づいて決定される。例えば、投影画像の最大解像度が2048×1080である場合、プロジェクタのライトフィールド画像が1944×1000の解像度となるように、投影画像内のピクセルを分割することができ、20ピクセルが隣接するプロジェクタと重なり合う。オーバーラップピクセルは、タイル型ディスプレイをブレンドするための強度関数が適用された、隣接するプロジェクタとの重複データを表示するものである。ライトフィールドのフレーム、及び、オーバーラップピクセルの解像度は、1984×1040ピクセルであり、また、歪曲収差や色収差などを光学補正することによって、画像サイズが増加することも考慮しなければならない。この1984×1040の解像度画像は、x方向に64ピクセル、y方向に40ピクセルに相当する、プロジェクタごとの位置ずれ補正を可能にするために、2048×1080内で、表示装置の中心からオフセットされている。この実施例では、プロジェクタの最大設置面積は、ライトフィールドディスプレイにおける相当するピクセルサイズを乗算した、ライトフィールドプロジェクタの解像度として計算される。
【0124】
プロジェクタ及びディスプレイの、キャリブレーション手順の概要を示す。まず、ディスプレイの全色範囲を通じてプロジェクタ出力を位置付けることによって、各プロジェクタに対し、ディスプレイの指定された白色点に関連したキャリブレーションファイルを生成する。各プロジェクタをキャリブレーションすることで、LEDの電圧、電流、及び混合比を変更して、ディスプレイ全体の色の均一性が達成されるのと同時に、各色ステップの強度が、指定された許容値内にあることが保証される。プロジェクタのキャリブレーションは、ディスプレイに設置されたプロジェクタを用いて、あるいは、設置前に、光度計、色度計、又はデジタル一眼レフカメラ(Digital Single-Lens Reflex Camera:DSLR)といった、キャリブレーションされた撮像装置を使用して、個々のプロジェクタで実行することができる。この段階で、歪み、反り、又は、その他のプロジェクタに基づく数量に、光学補正を適用することができる。
【0125】
次のステップでは、あらゆる強度の不均一性を補正することができるように、表示光学系が表示システムに設置される。光学部品のレンズの数、及び光学的品質によっては、このステップは不要となる場合がある。ディスプレイに設置されたライトフィールドプロジェクタでは、ディスプレイの特性評価及び補正を行う前に、プロジェクタのデジタルオフセットが決定され、設定される。ライトフィールドプロジェクタのフレームは、各プロジェクタ内で照明され、デジタルオフセットは、DSLRを用いた反復プロセスによって、自動的に決定される。各プロジェクタには、個別の値のセットが必要となる。オフセット値が決定されると、隣接するプロジェクタとのオーバーラップに割り当てられた、プロジェクタ内の更なるピクセルが照明される。デフォルトの係数セットが各プロジェクタに割り当てられ、外縁のプロジェクタには異なる係数が記録される。次いで、これらの係数は、必要なブレンドを実現するために、自動化された手順で更新される。最後のステップは、ライトフィールドディスプレイのキャリブレーションであり、これは、プロジェクタのピクセルからライトフィールドのピクセルへの、ピクセル間の対応関係を調整するために行われる。
【0126】
前述したように、空間多重化技術又は時間多重化技術によって、ライトフィールドプロジェクタの多重化を実現することができる。本開示の目的は、ライトフィールドプロジェクタのための、多重化方法を記載することである。複数の視聴者又は観察位置に、複数の固有の画像を提供するために、単一のプロジェクタによって生成された2つ以上のライトフィールド画像を、時間的又は空間的に、多重化又は重畳することによって、多重化ライトフィールドディスプレイが実現される。空間多重化ディスプレイは、異なる視野角で別々のビューを表示するために、レンズ、モータ、又は他の同等の光学的又は機械的部品を、光源と組み合わせて使用するものとして説明することができる。一実施例では、開示されたライトフィールドプロジェクタにアクチュエータ装置を追加することによって、多重化を実現することができる。アクチュエータは、ピクセルサイズからのわずかな距離でプロジェクタからの光をシフトさせるために、光学要素を一次元又は二次元に移動させる、機械的及び/又は電気的構成要素として、定義することができる。本明細書では、これを「多重化アクチュエータ」と呼ぶ。
【0127】
図1は、ライトフィールドプロジェクタの等角図である。すべての光学部品は、プロジェクタのハウジング60、又は、部品を固定する、その他のハウジング又は構造体内に、収容することができる。投影光学系内にあるLEDのセットによって生成されたライトフィールド画像は、ライトフィールド投影(LFP)レンズを含む、コリメート光学系18を通じて投影される。また、図示のライトフィールドプロジェクタには、ライトフィールドプロジェクタ及び光源を駆動電子機器に接続するための、ライトフィールドプロジェクタ・フレックスケーブルとも呼ばれる、フレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit:FPC)130が含まれる。ライトフィールドプロジェクタの本体は、プロジェクタ内の光学部品を収容するとともに、固定する役割を果たす。プロジェクタ本体の別の構成では、光学部品を所定の位置に固定又は保持することができる、1つ又はそれ以上の、単一の表面又は構造を含めることができる。
【0128】
図2Aは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Aは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路は、コリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、ライトフィールド投影(LFP)レンズ98から構成される。動作中、ライトフィールドプロジェクタは、1つ又はそれ以上の光源から光を受け取り、照明光学部品を使用して、光を表示装置に向ける。ピクセル形成装置により、照明光学部品からの光は、複数のピクセルに変換される。表示装置に入る光は、照明光学系内の1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)から発せられ、表示装置によってピクセルアレイに変換される。次いで、表示装置からの光は、表示装置からの画像を拡大するように機能する、一連の投影光学部品又は投影光学を通って進む。次いで、投影光学系からの光は、コリメートされる。コリメート光学系により、ピクセル密度の高い小さな画像が形成され、光がコリメートされ、最小の発散、低発散、又は発散のない光線が生成される。図2Aには、表示光学系22も含まれる。表示光学系は、表示レンズを備え、発散入射光がほとんど、又は全くないときに最適に機能する。したがって、コリメート光学系により、実質的にコリメートされた光が、表示光学系22内の表示レンズに提供される。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。設計に基づいて一方向に更なるピクセルを生成するために、例えば相当するフレームに対応する四半整数又は半整数のピクセル値だけ、入射ピクセルをシフトするようにプログラムされた、多重化アクチュエータを使用して、第2の軸線116又は第3の軸線122に沿って、LFPレンズ98をシフトすることによって、多重化を実現することができる。また、アクチュエータを備える多重化装置によって、LFPレンズ98を第2の軸線116及び第3の軸線122に沿って、各方向に四半整数又は半整数のピクセル値だけシフトすることによって、多重化を実現することができる。各移動の終わりはフレームに対応しており、両方向で有効ピクセルが増加される。また、LFPレンズ98を変形させることによって、又は、材料の屈折率を操作して、両方向で効果的に解像度を向上させることによっても、多重化を実現することができる。
【0129】
図2Bは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、別の実施形態を示す。図2Bは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Bには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。図2Bは、多重化の一実施形態を示しており、多重化装置によって、第1の軸線114に沿って正のz方向に、LFPレンズ98が移動されることで、投影画像内のピクセルの発散がわずかに増加され、例えば、四半整数又は半整数のピクセル値のシフトを引き起こす量と同等なだけ、撮像面における投影画像のサイズが増加される。同様に、発散を減少させるために、多重化装置によってLFPレンズ98を負のz方向に移動させることができ、設計の空間制約に応じて、撮像面でより小さい投影画像を生成することができる。例えば、多重化アクチュエータによって、この移動を実現することができる。
【0130】
図2Cは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Cは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Cには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22には、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。この実施形態では、ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、あるいは、多重化アクチュエータ、又はその他の適切な構成要素、もしくは多重化方法を使用して操作することができる、その他の表示装置にすることができる。図2Cに示すように、多重化を実現するために、多重化アクチュエータなどの多重化装置を使用して、第1の軸線114、第2の軸線116、又は両方の軸線の組み合わせに沿って、ピクセル形成装置76をシフトさせることができる。装置が移動することによって、一次元又は二次元で解像度が高められるように、ピクセル形成装置76の位置の操作は、入力画像と同期される。
【0131】
図2Dは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Dは、投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Dには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。本実施形態では、多重化アクチュエータなどの多重化装置を使用して、入力フレームと同期して、第2の軸線116、第3の軸線122、又は両方の軸線に沿って、折り返しプリズム74の角度及び/又は位置を操作して、一方又は両方の方向の有効解像度を高めることによって、多重化が実現される。多重化アクチュエータは、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができるが、これらに限定されない。
【0132】
図2Eは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Eは、投影光学系14を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Eには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。図2Eは、多重化を伴う、開示されたライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。この実施形態では、多重化装置124は、折り返しプリズム74及びピクセル形成装置76と、一直線上にある。多重化装置124は、光路をシフトさせ、プロジェクタから1つ又はそれ以上の更なるライトフィールドを生成するために、この場合には折り返しプリズム74の位置及び/又は角度をシフトさせる、機械的装置である。多重化装置124の動きを制御することで、視聴者がこの動きを検出できないように、人間の目の分解能を超える速度及び角度分解能で、更なるライトフィールドの形成することができる。これにより、多重化装置124によって両方の構成要素をx、y、z方向、又はそれらの任意の組み合わせに、1Dもしくは2Dでシフトさせることができる。多重化装置124は、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができるが、これらに限定されない。
【0133】
図2Fは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Fは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Fには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。この実施形態では、多重化装置124は、折り返しプリズム74及びピクセル形成装置76に接続された、多重化アクチュエータである。投影装置のx、y、z方向、又はそれらの任意の組み合わせにおける、有効解像度を高めるために、多重化装置124によって、これらの構成要素が所望の量だけシフトされる。
【0134】
図2Gは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Gは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Gには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、任意の適切な表示光学部品にすることができる。図2Gは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。この実施形態では、第2の両凸レンズ72bが、多重化アクチュエータ、又は、その他の適切な構成要素、もしくは多重化方法を使用して操作される。特に、例えば、第2の軸線116、第3の軸線122、又はそれらの任意の組み合わせに沿ってシフトさせることができ、シフトされた終点ごとに、相当するフレームで出力装置の有効分解能が高まるように、第2の両凸レンズ72bを構成することができる。別の実施形態では、第2の両凸レンズ72bは、印加された電場に応じて屈折率を変化させることができる材料で製造され、第2の両凸レンズ72bに印加された電場を変化させることができる、多重化装置に接続することができる。これにより、有効解像度を高めるために、入力フレームレートに相当する周波数でキャリブレーションされた量だけ、要素72bの焦点をシフトさせることができる。光学部品の変形によって多重化装置が実現される実施形態では、変形可能又は弾性の材料で、光学部品を作製することができる。ここでの変形は、レンズ表面の曲率を変化させるものである。光学部品を形成するのに適した変形可能又は弾性の材料には、エラストマポリ(エチレン-オクテン)及びガラス状ポリマーのポリカーボネートの層からなるポリマー、例えば超純水及びポリジメチルシロキサンといった2つの不混和液、誘電エラストマアクチュエータに結合されたシリコンエラストマレンズが含まれるが、これらに限定されない。光学部品に物理的な力を加えて材料を変形させることによって、変形をもたらすことができる。これらに限定されるものではないが、圧電トランスデューサ、熱駆動、液晶、エレクトロウェッティング、調整可能な音響勾配屈折率、及び誘電エラストマの作動によって、変形をもたらすことができる。最も単純な用途では、この変形は、第1の構成では第1のレンズ曲率であり、第2の構成では第2のレンズ曲率であるような、2値の変形であり得る。多重化装置に接続して適切な電圧を生成することのできる、あらゆる電源を、変形可能な光学部品と組み合わせて使用することができる。
【0135】
別の実施形態では、光学部品の屈折率の変化によって、多重化が実現される。第1の事例では、光学部品の材料に電圧を印加することで、その屈折率の変化がもたらされる。印加された電圧に基づき、キャリブレーションされた方法で、屈折率の変化を制御することができる。この屈折率の変化は、元の出力とは異なる角度出力を、更にもたらす屈折に相当するものである。最も単純な用途では、光学部品の屈折率の変化は2値、又はキャリブレーションされた2値にすることができる。ここでは、第1の電圧を印加することで第1の屈折率がもたらされ、第2の電圧を印加することで第2の屈折率がもたらされる。別の事例では、材料が抵抗特性を有するように、光学部品の材料に電圧差を加えることができる。この事例では、光学部品に取り付けられた2つの電極間に電圧降下が生じ、材料に屈折勾配が生じる。このことは、表面全体で角度出力の変化をもたらすことができ、光学部品に入射するピクセルに角度勾配をもたらすため、有益であり得る。適切な光学部品の材料は、二硫化モリブデン(MoS2)単層、五酸化タンタル(Ta25)及び二酸化ケイ素(SiO2)の層、例えば、アルミニウムゲートを有する酸化インジウム錫(ITO)のメタサーフェス、グラフェン及びアモルファスシリコンからなる誘電体スペーサと結合したメタサーフェス、並びに、hBN/MoS2/hBNからなるファンデルワールスヘテロ構造を含む、電気的に調整可能な光学特性を有する半導体材料にすることができるが、これらに限定されない。多重化装置に接続して適切な電圧を生成することのできる、あらゆる電源を、変更可能な屈折率を有する光学部品と組み合わせて、使用することができる。
【0136】
図2Hは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Hは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は、LFPレンズ98から構成される。図2Hには、表示光学系22も含まれる。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98を備える、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品にすることができる。図2Hは、第1の投影用ダブレット78a、又は第2の投影用ダブレット78bの位置が、多重化装置によって第1の軸線114に沿って操作される、多重化技術を示す。一実施例では、投影用ダブレットのうちの1つを移動させることで、投影システムの焦点が変更され、投影画像の倍率が増減する。例えば、要素78aの移動が、入力フレームに対応して、四半整数、又は半整数のピクセルだけ画像サイズを増加させるものである場合、両方の次元で多重化効果が発生し、有効解像度が増加する。わずかな動きが求められるため、このことは、小型の圧電トランスデューサを使用することによって、実現することができる。
【0137】
図2Iは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。図2Iは、図示のような投影光学系14の配置を示しており、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。また、図2Iは、表示光学系22の直前に配置された、本明細書では多重化層118と呼ばれる、更なる光学部品を含む。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この実施形態では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光が、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路はLFPレンズ98に進む。光線経路は、多重化層に進み、次いで、表示光学系22に進む。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。他の実施形態で説明したように、1つ又はそれ以上の多重化装置を使用して、多重化を実現することができるが、この構成に加えて、追加の多重化層118の屈折率を変更することによって、多重化を実現することができる。カー効果をもたらすことのできる多重化層118は、印加された電場に応じて、材料の屈折率を調整することができる材料で作製された構成要素であるために、このことが実現される。二次電気光学効果をもたらすことのできる様々な材料が知られており、材料の屈折率を調整するために必要な電場を生成することができる装置と組み合わせて、これらの材料から1つの光学部品を使用することで、同一の、又は同様の多重化画像を得ることができる。このことは、一次元及び/又は二次元で実現することができる。
【0138】
図3Aは多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す図である。この構成には、一連の光学系が含まれており、投影光学系14は図示のように配置され、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は両凸レンズ72cから構成される。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この構成では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光は、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態では更なる両凸レンズ72cを含む、コリメート光学系18に進み、表示光学系22に至る。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。
【0139】
設計に基づいて一方向に更なるピクセルを生成するために、相当するフレームに対応する四半整数又は半整数のピクセル値だけ、入射ピクセルをシフトするようにプログラムされた、多重化アクチュエータを使用して、第2の軸線116又は第3の軸線122に沿って、両凸レンズ72cをシフトすることによって、多重化を実現することができる。また、両凸レンズ72cを、第2の軸線116及び第3の軸線122に沿って、四半整数又は半整数のピクセル値だけ各方向にシフトすることによって、多重化を実現することができる。各移動の終わりはフレームに対応しており、両方向で有効ピクセルが増加される。また、両凸レンズ72cを変形させることによって、又は材料の屈折率を操作して、両方向において効果的な解像度の向上をもたらすことによっても、多重化を実現することができる。更に、両凸レンズ72cを第1の軸線114に沿って正のz方向に向かって移動させて、投影画像内のピクセルの発散をわずかに増加させ、四半整数又は半整数のピクセル値だけをシフトさせた量と同等に、撮像面における投影画像のサイズを、増加させることができる。同様に、両凸レンズ72cを負のz方向に移動させて発散を減少させることで、設計の空間制約に応じて、撮像面において小さい投影画像を生成することができる。また、その他の多重化技術には、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又は多重化アクチュエータを使用するその他の表示装置であり得る、ピクセル形成装置76を操作することを含めることができる。図3Aに示すように、第1の軸線114、第2の軸線116、又は両方の軸線の組み合わせに沿って、ピクセル形成装置76をシフトさせることができる。装置が移動することによって、一次元又は二次元で解像度が高められるように、ピクセル形成装置76の位置の操作は、入力画像と同期される。また、入力フレームと同期して、第2の軸線116、第3の軸線122、又は両方の軸線に沿って、多重化アクチュエータを使用して折り返しプリズム74を操作して、一方又は両方の方向の有効解像度を高めることによって、多重化を実現することもできる。
【0140】
また、図3Aに示すようなプロジェクタ構成は、多重化アクチュエータ、又は、その他の適切な構成要素もしくは多重化方法を使用して、第2の両凸レンズ72bを操作することによって、多重化することもできる。一実施例では、第2の軸線116、第3の軸線122、又は、第1、第2、第3の軸線、114、116、122の任意の組み合わせのいずれか一つに沿って、第2の両凸レンズ72bをシフトさせることができ、シフトされた終点ごとに、相当するフレームで、出力装置の有効解像度が高められる。また、第2の両凸レンズ72bは、結晶、あるいは、印加された電場又はカー効果に応じて屈折率を変化させる他の材料を用いて、かつ、所望の屈折率の変化をもたらすために、所望の電気を制御可能に印加することができる装置に関連して、製造することができる。これにより、有効解像度を高めるために、入力フレームレートに相当する周波数でキャリブレーションされた量だけ、要素72bの焦点をシフトさせることができる。図3Aに示す更なる多重化技術は、第1の投影用ダブレット78a、又は第2の投影用ダブレット78bの位置が、第1の軸線114に沿って操作されるものである。投影用ダブレット78a、78bの一方を移動させるか、あるいは、投影用ダブレット78a、78b間の距離を第1の軸線114に沿って変化させることで、投影システムの焦点が変化し、投影画像の倍率が増減する。例えば、投影用ダブル78aが移動することで、入力フレームに対応して画像サイズを四半整数、又は半整数のピクセルだけ増加させた場合、両方の次元で多重化効果が引き起こされ、有効解像度が増加する。わずかな動きが求められるため、このことは、例えば、小型の圧電トランスデューサを使用することによって、この移動を実現することができる。
【0141】
図3Bは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。この構成には、一連の光学系が含まれており、投影光学系14は図示のように配置され、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は両凸レンズ72cから構成される。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この構成では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光は、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態では更なる両凸レンズ72cを含む、コリメート光学系18に進み、表示光学系22に至る。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。本実施形態において、多重化装置124は、折り返しプリズム74及びピクセル形成装置76と一直線上に接続された、多重化アクチュエータである。これにより、多重化装置124によって、x、y、又はz方向、又はそれらの任意の組み合わせにおいて、両方の構成要素を、一次元、二次元、又は三次元でシフトさせることができる。多重化装置124は、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータとすることができるが、これらに限定されない。
【0142】
図3Cは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。この構成には、一連の光学系が含まれており、投影光学系14は図示のように配置され、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は両凸レンズ72cから構成される。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタの本体に収容されている。この構成では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光は、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態では更なる両凸レンズ72cを含む、コリメート光学系18に進み、表示光学系22に至る。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。この実施形態では、多重化装置124は、折り返しプリズム74及びピクセル形成装置76に隣接して配置された、多重化アクチュエータである。これらの構成要素を、x、y、又はz方向、あるいはそれらの任意の組み合わせに、多重化ライトフィールド出力112を実現するための所望の量だけシフトさせることで、投影装置の有効解像度が高まる。
【0143】
図3Dは、多重化を伴うライトフィールドプロジェクタ構成の、一実施形態を示す。この構成には、一連の光学系が含まれており、投影光学系14は図示のように配置され、光線経路はコリメート光学系18に向けられる。コリメート光学系18は両凸レンズ72cから構成される。また、図3Dでは、表示光学系22の直前に多重化層118が配置されている。投影光学系14及びコリメート光学系18は、図1に示すように、プロジェクタ本体に収容されている。また、図3Dでは、表示光学系22の直前に多重化層118が配置されている。この構成では、緑色LED10a、赤色LED10b、及び青色LED10cから放射された光は、投影光学系14に向けられる。図示されている投影光学系14には、LED10a、10b、10cのそれぞれに対して1つずつ、それぞれのLEDからの光が向けられる、一連の3つの平凸レンズ80a、80b、80cがある。次いで、3つのLED10a、10b、10cから生じる3つの個別の光線経路が、一連のダイクロイックミラー66a、66bを通って導かれ、合流することで、単一の光線経路が形成される。ダイクロイックミラー66aにより、LED10aからの緑色光は透過され、LED10bからの赤色光は反射される。同様に、ダイクロイックミラー66bにより、LED10a及び10bからの緑色光及び赤色光は透過され、LED10cからの青色光は反射される。これにより、赤色光、緑色光、及び青色光が合流して、単一の光線経路が形成される。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、折り返しプリズム74を、順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、又はその他の表示装置とすることができる。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を通って第2の両凸レンズ72bに戻り、一連の投影用ダブレット78a及び78bへと進む。次いで、光線経路は、この実施形態では更なる両凸レンズ72cを含む、コリメート光学系18に進む。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、任意の適切な表示光学部品にすることができる。この構成では、更なる多重化層118の屈折率を変更することによって、多重化を実現することができる。この構成において多重化装置の役割を果たす多重化層118は、例えば、ゲート調整可能な応答特性を有する光変調器、周期及び対称性を調整可能な自己組織化ナノパターンを有するメタマテリアル、又は、マルチナノ層の調整可能材料の形態をとることができる。この実施例では、一次元又は二次元で、光路の方向転換を実現することができる。
【0144】
図4Aは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれて収容された、投影光学系14及びコリメート光学系18の、別の構成を示す。この構成では、LEDパッケージ100内の光源から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、緑色、赤色、及び青色のそれぞれを含む、少なくとも3つのLEDを備える。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光を受け取る、照明光学系で構成される。まず、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80に受け取られる。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aに向けられ、続いて一対のメニスカスレンズ70a、70bに向けられ、次いで単一のプリズム82に向けられる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74、及び好ましくはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であるピクセル形成装置76に向けられ、次いで折り返しプリズム74を通って戻る。光線経路は、第2の両凸レンズ72b、及びそれに続く一連の投影用ダブレット78a、78bを有する、拡大光学部品を通って進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズを含むが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品にすることができる。設計に基づいて、一方向に更なるピクセルを生成するために、相当するフレームに対応する四半整数、又は半整数のピクセル値だけ、入射ピクセルをシフトするようにプログラムされた、多重化アクチュエータを使用して、第2の軸線116又は第3の軸線122に沿ってLFPレンズ98をシフトすることによって、多重化装置を用いて、多重化を実現することができる。また、LFPレンズ98を第2の軸線116及び第3の軸線122に沿って各方向に四半整数、又は半整数のピクセル値だけシフトすることによって、多重化を実現することができ、各移動の終わりはフレームに対応しており、両方向で有効ピクセルが増加される。また、LFPレンズ98を変形させることによって、又は、材料の屈折率を操作して、両方向で効果的に解像度を向上させることによっても、多重化を実現することができる。更に、LFPレンズ98を第1の軸線114に沿って正のz方向に向かって移動させて、投影画像内のピクセルの発散をわずかに増加させ、四半整数、又は半整数だけピクセル値をシフトさせた量と同等に、撮像面における投影画像のサイズを、増加させることができる。同様に、発散を減少させるためにLFPレンズ98を負のz方向に移動させることもでき、設計の空間制約に応じて、撮像面でより小さい投影画像を生成することができる。
【0145】
また、多重化技術には、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、あるいは、多重化アクチュエータ、又はその他の適切な構成要素もしくは手法を使用する、その他の表示装置であり得る、ピクセル形成装置76を操作することを、含めることもできる。図4Aに示すように、第1の軸線114、第2の軸線116、又は両方の軸線の組み合わせに沿って、ピクセル形成装置76をシフトさせることができる。装置が移動することによって、一次元又は二次元で解像度が高められるように、ピクセル形成装置76の位置の操作は、入力画像と同期される。また、入力フレームと同期して、第2の軸線116、第3の軸線122、又は両方の軸線に沿って、多重化アクチュエータを使用して折り返しプリズム74を操作して、一方又は両方の方向の有効解像度を高めることによって、多重化を実現することもできる。図4Aに示すようなプロジェクタ構成は、多重化アクチュエータ、又はその他の適切な構成要素、もしくは多重化方法を使用して、第2の両凸レンズ72bを操作することによって、多重化することができる。第2の両凸レンズ72bは、第2の軸線116、第3の軸線122、又はそれらの任意の組み合わせに沿ってシフトさせることができ、シフトされた終点ごとに、相当するフレームで、出力装置の有効分解能が高められる。同等の実施形態には、印加された電場又はカー効果に応答して、屈折率を変化させる結晶材料を有する、要素72bを製造することが含まれる。これにより、有効解像度を高めるために、入力フレームレートに相当する周波数でキャリブレーションされた量だけ、要素72bの焦点をシフトさせることができる。図4Aに示す更なる多重化技術は、第1の投影用ダブレット78a又は第2の投影用ダブレット78bの位置が、第1の軸線114に沿って操作されるものである。投影用ダブレットのうちの1つを移動させることで、投影システムの焦点が変更され、投影画像の倍率が増減する。例えば、要素78aの移動が、入力フレームに対応して、四半整数、又は半整数のピクセルだけ画像サイズを増加させるものである場合、両方の次元で多重化効果が発生し、有効解像度が増加する。わずかな動きが求められるため、このことは、小型の圧電トランスデューサを使用することによって、実現することができる。
【0146】
図4Bは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれて収容された、投影光学系14及びコリメート光学系18の、別の構成を示す。この構成では、LEDパッケージ100内の光源から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、緑色、赤色、及び青色のそれぞれを含む、少なくとも3つのLEDを備える。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光を受け取る、照明光学系で構成される。まず、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80に受け取られる。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aに向けられ、続いて一対のメニスカスレンズ70a、70bに向けられ、次いで単一のプリズム82に向けられる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74、及び好ましくはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であるピクセル形成装置76に向けられ、次いで折り返しプリズム74を通って戻る。光線経路は、第2の両凸レンズ72b、及びそれに続く一連の投影用ダブレット78a、78bを有する、拡大光学部品を通って進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。LFPレンズ98は、入射光をコリメートする役割を果たす。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。本実施形態では、多重化装置124は、単一プリズム82、折り返しプリズム74、及びピクセル形成装置76と一直線上にある。これにより、多重化装置124によって両方の構成要素をx、y、z方向、又はそれらの任意の組み合わせに、1Dもしくは2Dでシフトさせることができる。多重化装置124は、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができるが、これらに限定されない。
【0147】
図4Cは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれて収容された、投影光学系14及びコリメート光学系18の、別の構成を示す。この構成では、LEDパッケージ100内の光源から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、緑色、赤色、及び青色のそれぞれを含む、少なくとも3つのLEDを備える。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光を受け取る、照明光学系で構成される。まず、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80に受け取られる。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aに向けられ、続いて一対のメニスカスレンズ70a、70bに向けられ、次いで単一のプリズム82に向けられる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74、及び好ましくはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であるピクセル形成装置76に向けられ、次いで折り返しプリズム74を通って戻る。光線経路は、第2の両凸レンズ72b、及びそれに続く一連の投影用ダブレット78a、78bを有する、拡大光学部品を通って進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズを含むが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品とすることができる。この実施形態では、多重化装置124は、単一プリズム82、折り返しプリズム74、及びピクセル形成装置76に接続され、これらの構成要素を所望の量だけシフトさせて、多重化ライトフィールド出力112を生成し、投影装置の有効解像度を高める。
【0148】
図4Dは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれて収容された、投影光学系14及びコリメート光学系18の別の構成を示す。図4Dには、表示光学系22の直前に位置する、多重化層118も含まれる。この構成では、LEDパッケージ100内の光源から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、緑色、赤色、及び青色のそれぞれを含む、少なくとも3つのLEDを備える。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光を受け取る、照明光学系で構成される。まず、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80に受け取られる。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aに向けられ、続いて一対のメニスカスレンズ70a、70bに向けられ、次いで単一のプリズム82に向けられる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74、及び好ましくはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であるピクセル形成装置76に向けられ、次いで折り返しプリズム74を通って戻る。光線経路は、第2の両凸レンズ72b、及びそれに続く一連の投影用ダブレット78a、78bを有する、拡大光学部品を通って進む。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品にすることができる。この構成では、更なる多重化層118の屈折率を変更することによって、多重化を実現することができる。このことは、例えば、一次元又は二次元で実現することができる。
【0149】
図5Aは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれて収容された、投影光学系14及びコリメート光学系18の、別の構成を示す。この構成では、発光ダイオード(LED)10又は発光ダイオード(LED)パッケージ100から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、少なくとも2つのLEDを備える。LED10からの光は、それ自体の平凸レンズ80aを介して導かれ、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80bに導かれる。次いで、2つの個別の光線経路は、光を合流させて単一の光線経路を形成する、ダイクロイックミラー66aから始まる照明光学系に向けられる。LED10は、ダイクロイックミラー66aによって透過される単色とすることができ、LEDパッケージ100には、ダイクロイックミラー66aによって反射されて単一の光線経路を形成する、任意の他の色を備えることができる。例えば、LEDパッケージ100が青色及び赤色の光を放射し、LED10が緑色のLEDである場合、ダイクロイックミラー66aによって、LED10からの緑色の光は透過され、LEDパッケージ100からの赤色及び青色の光は反射される。照明光学系における光線経路は、マイクロレンズアレイ68を通り、メニスカスレンズ70を通り、ダイクロイックミラー66bへと進む。ダイクロイックミラー66bは、LED10及びLEDパッケージ100からの緑色、赤色、及び青色の光を反射する。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78に進む。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78a、78bを含む、拡大光学部品を通る。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。コリメート光学系18におけるLFPレンズ98の機能は、投影光学系14からの光をコリメートすることである。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズが含まれるが、これらに限定されない、あらゆる適切な表示光学部品であってもよいことに留意されたい。設計に基づいて、一方向に更なるピクセルを生成するために、相当するフレームに対応する四半整数、又は半整数のピクセル値だけ入射ピクセルをシフトするようにプログラムされた、多重化アクチュエータを使用して、第2の軸線116又は第3の軸線122に沿ってLFPレンズ98をシフトすることによって、多重化装置を使用して、多重化を実現することができる。また、多重化装置を使用して、LFPレンズ98を、第2の軸線116及び第3の軸線122に沿って、各方向に四半整数、又は半整数のピクセル値だけシフトすることによって、多重化を実現することができる。各移動の終わりはフレームに対応しており、両方向で有効ピクセルが増加される。また、LFPレンズ98の変形をもたらす多重化装置を使用して、又は、材料の屈折率を操作して、両方向において効果的な解像度向上をもたらすことによっても、多重化を実現することができる。ある事例では、LFPレンズは変形可能な材料から作製され、多重化装置は、変形をもたらすために、LFPレンズに制御可能な変形力を加える。別の事例では、屈折率を変化させることのできる材料又は構成で製造されたLFPレンズによって、LFPレンズの屈折率の変化を実現することができ、多重化装置は、LFPレンズに屈折率の変化を生じさせる電気装置を備える。更に、LFPレンズ98を第1の軸線114に沿って正のz方向に向かって移動させて、投影画像内のピクセルの発散をわずかに増加させ、四半整数、又は半整数だけピクセル値をシフトさせた量と同等に、撮像面における投影画像のサイズを、増加させることができる。同様に、発散を減少させるためにLFPレンズ98を負のz方向に移動させて、設計の空間制約に応じて、撮像面でより小さい投影画像を生成することができる。
【0150】
また、多重化技術には、例えば、液晶onシリコン(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、あるいは、多重化アクチュエータ、又はその他の適切な構成要素もしくは手法を使用する、その他の表示装置であり得る、ピクセル形成装置76を操作することを、含めることもできる。図5Aに示すように、第1の軸線114、第2の軸線116、又は両方の軸線の組み合わせに沿って、ピクセル形成装置76をシフトさせることができる。装置が移動することによって、一次元又は二次元で解像度が高められるように、ピクセル形成装置76の位置の操作は、入力画像と同期される。また、入力フレームと同期して、第2の軸線116、第3の軸線122、又は両方の軸線に沿って、多重化アクチュエータを使用して単一プリズム82を操作して、一方又は両方の方向の有効解像度を高めることによって、多重化を実現することができる。図5Aに示す更なる多重化技術は、第1の投影用ダブレット78a、又は第2の投影用ダブレット78bの位置が、第1の軸線114に沿って操作されるものである。投影用ダブレットのうちの1つを移動させることで、投影システムの焦点が変更され、投影画像の倍率が増減する。例えば、要素78aの移動が、入力フレームに対応して、四半整数、又は半整数のピクセルだけ画像サイズを増加させるものである場合、両方の次元で多重化効果が発生し、有効解像度が増加する。わずかな動きが求められるため、このことは、小型の圧電トランスデューサを使用することによって、実現することができる。
【0151】
図5Bは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれた、投影光学系14及びコリメート光学系18の構成を示す。この構成では、発光ダイオード(LED)10又は発光ダイオード(LED)パッケージ100から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、少なくとも2つのLEDを備える。LED10からの光は、それ自体の平凸レンズ80aを介して導かれ、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80bに導かれる。次いで、2つの個別の光線経路は、光を合流させて単一の光線経路を形成する、ダイクロイックミラー66aから始まる照明光学系に向けられる。LED10は、ダイクロイックミラー66aによって透過される単色とすることができ、LEDパッケージ100には、ダイクロイックミラー66aによって反射されて単一の光線経路を形成する、任意の他の色を備えることができる。例えば、LEDパッケージ100が青色及び赤色の光を放射し、LED10が緑色のLEDである場合、ダイクロイックミラー66aによって、LED10からの緑色の光は透過され、LEDパッケージ100からの赤色及び青色の光は反射される。照明光学系における光線経路は、マイクロレンズアレイ68を通り、メニスカスレンズ70を通り、ダイクロイックミラー66bへと進む。ダイクロイックミラー66bは、LED10及びLEDパッケージ100からの緑色、赤色、及び青色の光を反射する。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78に進む。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78a、78bを含む、拡大光学部品を通る。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。コリメート光学系18におけるLFPレンズ98の機能は、投影光学系14からの光をコリメートすることである。光線経路は、表示光学系22へと続く。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、限定するものではないが、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、又はメタレンズを含む、あらゆる適切な表示光学部品にすることができ、これは、ピクセルを異なる視聴領域に向けて、3D表示をもたらす役割を果たすことに留意されたい。この実施形態では、多重化装置124は、単一プリズム82及びピクセル形成装置76と、一直線上にある。これにより、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができるが、これらに限定されない多重化装置124によって、両方の構成要素を、1D又は2Dでシフトさせることができる。
【0152】
図5Cは、図1に示すように、プロジェクタ本体に組み込まれた、投影光学系14及びコリメート光学系18の構成を示す。図5Cには、表示光学系22の直前に位置する、多重化層118も含まれる。この構成では、発光ダイオード(LED)10又は発光ダイオード(LED)パッケージ100から放射された光が、投影光学系14に向けられる。LEDパッケージ100は、投影光学系14内に向けられた複数の光線を生成する、1つ又はそれ以上のLEDから構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、LEDパッケージ100から発せられた光がかなり集束され、かつ小径であるように、アレイ状又は密集した構成で配置されることが好ましい。また、LEDパッケージ100には、システム設計に応じて、1つ又はそれ以上の色のLEDを含めることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、少なくとも2つのLEDを備える。LED10からの光は、それ自体の平凸レンズ80aを介して導かれ、LEDパッケージ100からの光は、平凸レンズ80bに導かれる。次いで、2つの個別の光線経路は、光を合流させて単一の光線経路を形成する、ダイクロイックミラー66aから始まる照明光学系に向けられる。LED10は、ダイクロイックミラー66aによって透過される単色とすることができ、LEDパッケージ100には、ダイクロイックミラー66aによって反射されて単一の光線経路を形成する、任意の他の色を備えることができる。例えば、LEDパッケージ100が青色及び赤色の光を放射し、LED10が緑色のLEDである場合、ダイクロイックミラー66aによって、LED10からの緑色の光は透過され、LEDパッケージ100からの赤色及び青色の光は反射される。照明光学系における光線経路は、マイクロレンズアレイ68を通り、メニスカスレンズ70を通り、ダイクロイックミラー66bへと進む。ダイクロイックミラー66bは、LED10及びLEDパッケージ100からの緑色、赤色、及び青色の光を反射する。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78に進む。光は、両凸レンズ72を通り、かつ単一プリズム82を通って、向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、次いで、単一プリズム82を通って戻り、一連の投影用ダブレット78a、78bを含む、拡大光学部品を通る。次いで、光線経路は、この実施形態ではLFPレンズ98である、コリメート光学系18に進む。コリメート光学系18におけるLFPレンズ98の機能は、投影光学系14からの光をコリメートすることである。光線経路は、表示光学系22へと続く。
【0153】
図2Aから図2I図3Aから図3D図4Aから図4D、及び図5Aから図5Cは、本開示による、ライトフィールドプロジェクタの一実施形態を多重化するための、様々な装置及び方法を示すものである。ライトフィールドプロジェクタ、及びライトフィールドディスプレイを作り出すのに適したあらゆるプロジェクタの変形形態を、前述した方法を用いて多重化することができることが理解される。
【0154】
図6Aは、コリメート光学系においてコリメートレンズアレイの役割を果たす、コリメートレンズアレイの正面図である。この実施例では、コリメートレンズアレイ26は、ほぼ長方形であり、レンズレットとも呼ばれる複数のコリメートレンズレット32を有し、その拡大図が、図6Dに示されている。複数の小型レンズ又はコリメートレンズレット32に接着された基材を使用して、基材に固定された単一部品を形成することで、コリメートレンズアレイ26を構成することができる。例えば、特定の屈折率を有する光学的に透明な接着剤、又は光学的に透明なテープを使用して、この接着を行うことができる。例えば、環状オレフィン共重合体(Cyclic Olefin Copolymer:COC)、ガラス、環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Polymer:COP)、PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン、イソプラスト、Zeonex(登録商標)E48R、光学ポリエステル、アクリル、ポリエーテルイミド(PEI)、又はその他の適切な材料から、この基材を作製することができる。コリメートレンズアレイ26は、各コリメートレンズレット32がLEDからの光を受け取るように、投影光学系の上流で対応するLEDと整列するように配置された、1つ又はそれ以上のコリメートレンズレット32を備える。コリメートレンズアレイ26の片面又は両面を、反射防止コーティングで覆うことができる。図6Bの実施例では、コリメートレンズレット32は、2つの平凸レンズ、及び基材を含む。凸レンズは、例えば、Zeonex(登録商標)E48R、ガラス、環状オレフィンポリマー(COP)、PMMA、ポリスチレン、アイソプラスト、光学ポリエステル、アクリル、ポリエーテルイミド(PEI)、又はその他の適切な材料で形成することができる。2つの平凸レンズ及び基材は、コリメートレンズレット32として作用することができる、単一の非球面双凸レンズを形成するように、配置することができる。
【0155】
図6Bは、図6Aに示すコリメートレンズレット32を有する、コリメートレンズアレイの2×4グリッドの拡大図である。
【0156】
図6Cは、レーザエッチング加工された工学的ディフューザ34を有する、図6Aに示すコリメートレンズアレイの輪郭図である。工学的ディフューザは、入力ビームを均一化し、出力強度プロファイル、及び光が空間に分散される進路を成形することができる、高度な光ビーム成形器である。工学的ディフューザは、入射面から発散する、円形又は正方形のビームプロファイルに、非ガウス強度分布をもたらすことができる。工学的ディフューザは、例えば、ガラス基材上の複製ポリマーなどのポリマーオンガラス、プラスチックエンボス加工された溶融シリカ、シリコン、又はゲルマニウムなどのエッチング加工された硬質材料、射出成形プラスチック部品、又は可撓性基材上のマイクロ光学要素にすることができる。工学的ディフューザのいくつかの具体的な実施例は、レーザエッチング加工されたディフューザ、及び工学的ホログラフィックディフューザである。
【0157】
図6Dは、図6Aに示すコリメートレンズアレイにおける、単一のコリメートレンズレット32の拡大等角図である。
【0158】
図7Aは、場合によっては、光線経路に沿ってコリメート光学系の下流でプロジェクタ内に存在し得る、ディフューザ36の図である。この実施形態では、ディフューザ36は、光線を散乱させる役割を果たす、レーザエッチング加工されたディフューザである。一部の実施例では、ディフューザ36は、単一のディフューザレンズレット、又は、図7Cに示すようなディフューザレンズレットアレイである。本開示の一実施態様では、ディフューザ36は、3.5度の円形角度を有し、コーティングを必要としない。
【0159】
図7Bは、図7Aの断面Aとして拡大された、レーザエッチング加工された工学的ディフューザ34の拡大図である。これは、レーザエッチング加工された工学的ディフューザの、分子配列を表す図である。
【0160】
図7Cは、レーザエッチング加工された工学的ディフューザの一実施形態である、ディフューザレンズレットアレイ38の拡大図である。ディフューザレンズレットアレイ38は、レーザエッチング加工された工学的拡散表面とは対照的に、複数の拡散レンズレットから構成される、別の拡散構成要素である。
【0161】
図8Aは、単一の表示レンズとして示される、表示光学系22を示す。表示レンズは、ホーゲルのアレイから構成され、コリメートされた光線の集合体がライトフィールド画像を形成するように、ディスプレイの視野によって表される角度範囲にわたる光線の分布に、コリメート光学系からのコリメートされた光線を向け直す役割を果たす。
【0162】
図8Bは、メタサーフェス、メタレンズ、又はメタマテリアルとしての、更なる表示光学系を示す。表示レンズは、例えば、レンズの周期的アレイ、メタサーフェス、メタレンズ、又はあらゆるタイプの光導波路にすることができる。光学メタサーフェスは、光の偏光、位相、及び振幅を操作するために使用される、工学的表面である。光学メタサーフェスは、一般に、衝突する波面と相互作用する、ピラー型構造の二次元格子からなる。格子の定数及び構造サイズは、その構造が相互作用するように設計された電磁波長範囲に対する、サブ波長の厚さのものである。所望の光学特性を得るために、メタサーフェスにおけるピラーの寸法及び間隔の設計を、変更することができる。ライトフィールド表示技術においてメタサーフェスを使用することで、実質的に平坦な光学装置をもたらすことができ、光学要素の性能を改善し、かつ、光を操作して、光学系に新しい特性をもたらすことができる。
【0163】
図8Cは、コリメートされた光線の集合体がライトフィールド画像を形成するように、ディスプレイの視野によって表される角度範囲にわたる光線の分布に、コリメート光学系18からのコリメートされた光線を向け直す役割を果たす、工学的表面としての、更なる代替の表示光学系を示す。
【0164】
図9は、ライトフィールドプロジェクタにおける、LED10又はLEDパッケージから放射される光の、光線経路を示す。図示のように、光線12は、場合によってはLEDパッケージ内の複数のLEDにすることができる光源、好ましくは発光ダイオード(LED)10から、投影光学系14を介して放射される。投影光学系14には、前述したように、様々な配置で光学プロジェクタの構成要素を含めることができる。次いで、投影光学系14から光が出力され、コリメート光学系18に進む第1の投影画像16が形成され、第2の投影画像20を形成する光線が、コリメートされ拡散される。ピクセルピッチは、第2の投影画像20における、隣接したピクセル間の間隔である。ピクセルピッチは、拡大光学部品の拡大効果により、画像がピクセル形成装置を離れた後に大きくなる。焦点距離は、コリメート光学系18と表示光学系22との間の距離である。コリメート光学系18は光をコリメートし、例えば、コリメートアレイ、コリメート可能な1つ又はそれ以上のレンズ構造又は光学構成要素を、そこに含めることができる。次いで、第2の投影画像20は、この事例では表示レンズである、表示光学系22に進む。表示レンズは、例えば、レンズレット、メタサーフェス、メタレンズのアレイといった、あらゆる適切な表示光学部品で形成することができ、空間ピクセルを指向性ビューに変換する。表示光学系22における表示レンズからの出力により、ライトフィールド画像24が形成される。ホーゲルにより、ピクセルの空間位置は、指向性光線、又は十分に制御された指向性光線に変換される。ホーゲル実装の一実施例は、一連のピクセルが入射するレンズによって、もたらされるものである。ライトフィールド画像24には、ホーゲルのアレイが含まれる。
【0165】
また、ライトフィールドプロジェクタには、投影画像又は光線経路の方向を調整する、調整機構を含めることができる。調整により、機械的公差による誤差、光学収差、又は、定格値からの光線経路の逸脱を引き起こすその他の誤差を、補償することができる。一実施例では、この調整機構は、設計公差内で、6自由度のすべてにおいてプロジェクタの微調整を可能にするための、運動学的調整機構とすることができる。具体的には、プロジェクタ本体は、すべてのデカルト方向x、y、z、並びに、角度方向ヨー、ピッチ、及びロールにおいて、調整することができる。また、ライトフィールドプロジェクタには、デジタル調整機構を含めることができる。デジタル調整機構は、物理的な公差で特定の自由度を設定することができ、装置の位置合わせのために、表示装置の周囲の更なるピクセルを使用する。運動学的調整機構とデジタル調整機構の両方を、組み合わせて使用することもできる。内部の光学構成要素の一部とすることができる他の機能には、これらに限定されないが、静的絞り、光学的拡散器、及びコリメーションレンズ又はコリメーション装置、光学レンズ、回折格子、ファイバ光学部品、レーザ光学部品のうちの、1つ又はそれ以上を含めることができ、これらの1つ又はそれ以上を、ライトフィールドプロジェクタの設計に組み込むことができる。コリメーションレンズは、例えば、ライトフィールドプロジェクタの本体前面のレンズ開口部を満たすために、光学部品の両凸設計を活用することができる、フレームレスコリメーションレンズ設計とすることができる。レンズ開口部は、光が通過するのに必要な孔、又は開口として定義することができる。また、ライトフィールドプロジェクタは、プリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)、1つ又はそれ以上のメモリ、及びハウジングといった、1つ又はそれ以上の従来のプロジェクタ構成要素を、更に備えることができる。また、プロジェクタには、光の更なる操作、拡散、及び/又は、コリメーションのための、1つ又はそれ以上の、更なる内部の光学構成要素を含めることができる。こうした内部の光学構成要素の1つは、これらに限定されないが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができ、それが、多重化装置としての役割を果たすことができる。
【0166】
図10は、ライトフィールドプロジェクタにおける、単一ピクセルの光線経路を示す。投影光学系14を介して、発光ダイオード(LED)10から、光線12が放射される。投影光学系14には、様々な配置で光学プロジェクタの構成要素を含めることができる。投影光学系14は光線を放射し、コリメート光学系18に進む、第1の投影画像16を形成する。コリメート光学系18は、第2の投影画像20を形成する光線を、コリメートして拡散させる。コリメート光学系には、光をコリメートするコリメートレンズアレイ26、及び、光を拡散させるディフューザ36が含まれる。第2の投影画像20は、表示レンズである表示光学系22に進む。表示レンズの出力により、ライトフィールド画像24が形成される。コリメートレンズアレイ26には、1つ又はそれ以上のレンズ、レンズレット、光学ミラー、又はコリメート光学部品を含めることができる。コリメートレンズアレイ26により、投影光学系14から放射される光の発散が低減される。コリメートレンズアレイ26は、投影光学系14から投写距離だけ離れた位置にある。一実施例では、この投写距離は、投影画像の各ピクセルのサイズが隣接するピクセルに比例して増加し、ピクセルに重複が生じないような距離である。投影光学系14は、投影光学系14とコリメートレンズアレイ26との間の距離により、コリメートレンズアレイ26内の単一のレンズレットと同じサイズの投影画像が生成されるように配置される。
【0167】
コリメートレンズアレイ26を出たコリメート光30は、ディフューザ36に進む。一部の実施例では、ディフューザ36には、光学的ディフューザアレイ、又は、1つ又はそれ以上のレンズ、光学ミラー、もしくは拡散に適し得る光学材料を含めることができるディフューザ36は、コリメートレンズアレイ26と表示光学系22との間に位置し、かつ、ディフューザ36は、コリメートレンズアレイ26からの光を受け取る。コリメートレンズアレイ26及びディフューザ36は、単一の一体部品、又は、別個の部品とすることができる。表示光学系22は、ディフューザ36から第2の投影画像20を受け取るように、配置することができる。したがって、コリメートレンズアレイ26からの光は、一実施例では光学的ディフューザアレイである、ディフューザ36に進む。第1の投影画像16を形成する、投影光学系14からの出力光線は、画像の投影サイズを維持するために、コリメートされる。ディフューザ36では、各ピクセルの発散は、以下の係数で増加する。
√(C2・fm 2
ここで、Cは、サンプリングされた波面を適切に再構成するために選択される定数であり、fmは、フィルファクタである。一実施例では、Cの値は約2である。そのような場合、フィルファクタfmは約0.9であり、スポットサイズxsはピクセル間隔xpに関連し、次式のようになる。
s=xp・√(C2・fm 2
ここで、xpはレンズピッチを角度サンプルの数で除算したものである。
【0168】
したがって、ディフューザ36は、画像内の各ピクセルに、点拡がり関数を付与する。次いで、ディフューザ36からの点拡がり関数を有するピクセルが、表示レンズを構成する、表示光学系22の背面に入射する。光がディフューザ36に入射して通過すると、ガウス関数として近似された、点拡がり関数に従って分散される。ディフューザ36には、所望の拡散関数を実現し、隣接するピクセルからの光の投影からのブリードを防止するために使用される、角度ディフューザ又は工学的ディフューザアレイを含めることができる。一実施例では、投影光学系14は、プロジェクタの投写比によって定義される距離で、20mm×10mmのサイズの画像を生成する。この投写比は、レンズからスクリーンまでの(投写)距離と、スクリーン幅との比である。次いで、この画像は、コリメートレンズアレイ26に投影され、例えば、ディフューザスクリーン又は工学的ディフューザアレイである、ディフューザ36に向かって投影された、正確なサイズ(20mm×10mm)のパケット画像をもたらすことができる。次いで、ディフューザ36は、小さな、定義された点拡がり関数を生成することができる。所望の点拡がり関数を使用して、分解能バイアス誤差、又は杭柵効果を低減し、より良い視聴体験のための光を分布させるように、ピクセル間の適切な重なりが実現される。分解能バイアス誤差は、スペクトル内のサンプル間の欠落情報である。分解能バイアス誤差を低減することで、滑らかな視聴領域の遷移が可能となる。この場合のディフューザ36は、例えば、設計された発散が5度の環状のFWHMである場合、光学系を通るビームも5度の強度プロファイルを有するように、極めて特有の角度出力に設計される。この出力は、表示光学系22の表示レンズに向けられた光である。表示レンズは、メタサーフェス、メタレンズ、屈折率分散型レンズ材料、又は上述したようなプレノプティックサンプリング関数に従って、各ピクセルからの光を分配するための、あらゆる適切な表示光学部品にすることができる。ディスプレイへの入力フレームに対応して、既知の距離だけ光学系をシフトさせるために、何らかの形態の多重化アクチュエータ、又はカスタムデバイスを使用して、第1の軸線114、又は第2の軸線116、又はこれらの任意の組み合わせに沿って、表示光学系22をシフトさせることによって、多重化を実現することができる。また、表示光学系22を変形させることによっても、多重化を実現することができる。その他のディスプレイベースの多重化技術には、表示光学系22の材料の屈折率を操作すること、又はピンホールアレイの表示光学系22の開口を調整することが含まれる。
【0169】
マルチデバイス構成又はマルチプロジェクタ構成では、コリメート光学系18を出る光が表示光学系22に垂直に当たるように、投影光学系14のそれぞれを、位置合わせすることができる。このように、各投影光学系14には、プロジェクタ内で光線を方向付けるための、位置合わせハードウェア、及び、微調整機構を備えることができる。必要な公差に応じて、プロジェクタ又は投影光学系14を位置合わせするための、いくつかの手法がある。一実施例では、一度に大まかな位置合わせを行うために、ねじアジャスタを備えた、1つ又はそれ以上の調整要素、例えば機械的マウントを設けることができる。別の実施例では、例えば、ナノからマイクロスケールの電子的調整を行うための、1つ又はそれ以上の圧電トランスデューサを設けることができる。場合によっては、これらは、フィードバックを利用する、アクティブキャリブレーション手法にも有用であり得る。その他の調整要素には、上述した圧電トランスデューサといった、運動学的なマウント、及び/又は、デジタル制御式の調整要素を含めることができる。必要な調整の最大量は、各投影光学系14に照明される、レンズレットの寸法によって決定される。複数のライトフィールドプロジェクタを一緒にタイリングして、ライトフィールドディスプレイを形成することができる。この場合、様々な手法を用いて、多重化を実現することができる。一実施形態では、プロジェクタは、システムの様々な光学構成要素(すなわち、ピクセル形成装置、ライトフィールド投影レンズ、折り返しプリズムなど)にそれぞれ接続された、複数の多重化装置を備え、各多重化装置は、すべて同じフレームレートで同時に多重化される。別の事例では、2つ以上の異なる多重化装置、又は2つ以上の異なる多重化手法で、同じ内部光コンポーネント(すなわち、ピクセル形成装置、光照射レンズ、折り返しプリズムなど)を同時に操作することによって、増加されたフレームレートで、多重化を実現することができる。また、表示レンズ又は表示レンズアレイといった、アレイ内のすべてのプロジェクタに共有される、共通の光学部品を多重化することによって、プロジェクタアレイの多重化を実現することができる。ディスプレイへの入力フレームに対応する既知の距離だけ光学システムをシフトさせるための、多重化アクチュエータ、又はカスタム装置によって、共有された光学構成要素の多重化を実現することができる。また、共通の光学構成要素を変形させることによっても、多重化を実現することができる。その他のディスプレイベースの多重化技術には、共通の光学構成要素の材料の屈折率を操作すること、又は、共通の光学構成要素の開口を調整することが含まれる。
【0170】
図11は、投影光学系14の光学部品を伴う、本開示によるライトフィールドプロジェクタの、光線経路を示す。3つのLED10a、10b、10cからの出力光線12によって、投影光学系14を介して、コリメート光学系18に進む第1の投影画像16が形成される。図示のコリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22に向けられた、第2の投影画像20を出力する、単一レンズである。コリメート光学系18は、ライトフィールド投影レンズで構成することができる。また、プロジェクタには、光の更なる操作、拡散、及び/又は、コリメーションのための、更なる内部光学構成要素を含めることができる。こうした内部の光学構成要素の1つは、これらに限定されないが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができ、それが、多重化装置としての役割を果たすことができる。
【0171】
図12は、本開示によるライトフィールドプロジェクタの、代替的な光線経路図を示しており、投影光学系14の光学部品は、図11に示す配置のものである。投影光学系14を通る、一連の3つのLED10a、10b、10cからの出力光線12は、第1の投影画像16をコリメート光学系18に投影する。コリメート光学系18には、ここではコリメートレンズアレイ26及びディフューザ36として示されている、複数のレンズ又は光学構成要素がある。コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22に向けられた、第2の投影画像20を出力する。また、プロジェクタには、光の更なる操作、拡散、及び/又は、コリメーションのための、更なる内部光学構成要素を含めることができる。こうした内部の光学構成要素の1つは、これらに限定されないが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができ、それが、多重化装置としての役割を果たすことができる。
【0172】
図13は、本開示によるライトフィールドプロジェクタの、更なる代替の光線経路図を示しており、投影光学系14の光学部品は、図11及び図12に示す配置のものである。投影光学系14を通る、一連の3つのLED10a、10b、10cからの出力光線12は、第1の投影画像16をコリメート光学系18に投影する。コリメート光学系18には、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22に向けられた、第2の投影画像20を出力する、複数のレンズ又は光学構成要素がある。この構成では、コリメート光学系18は、ディフューザアレイ又は工学的ディフューザにすることができるディフューザ36に、コリメート光ビーム30を出力する複数のコリメートレンズレット32を含む、コリメートレンズアレイからなる。ディフューザは、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22に向けられた、第2の投影画像20を出力する、光学系又は他の光学構成要素にすることができる。また、プロジェクタには、光の更なる操作、拡散、及び/又は、コリメーションのための、更なる内部光学構成要素を含めることができる。こうした内部の光学構成要素の1つは、これらに限定されないが、圧電アクチュエータ、電熱アクチュエータ、磁気アクチュエータ、静電アクチュエータ、又は形状記憶合金ベースのアクチュエータにすることができ、それが、多重化装置としての役割を果たすことができる。
【0173】
図14は、ディフューザ内のレンズレットのための、本開示の一実施形態による、定格点拡がり関数を示す。一実施例では、点拡がり関数40は、2つの指向性ピクセル間の角度の、2倍のFWHMを有することができる。ディフューザの関数として、光線の強度46に対する、方位角42及び極角44に関する、ピクセルの角度広がりのグラフ表示が示されている。本明細書に記載のプロジェクタでは、特定の投写比によって特徴付けられる光が、投影光学系から放射され、投影画像の各ピクセルは、隣接するピクセルに比例してサイズが増加するため、ピクセルの重なりが生じない。続いて、コリメートレンズアレイにおいて、画像の投影サイズを維持するために、投影光学系の出力がコリメートされる。次いで、コリメートされたビームはディフューザに入射し、ここでは、ビームの幅は両方の光学系でほぼ等しい。最後に、ディフューザからの点拡がり関数40を有するピクセルは、表示レンズを構成する表示光学系の背面に入射する。表示光学系とコリメート光学系との間の距離により、画像ごとにピクセルの出力幅を微調整することができる。多重化によって生成されたピクセル、すなわち多重化されたピクセルの位置は、多重化されたピクセルが正しい位置に対応する画像データを示すように、その位置が、入力画像フレームがレンダリングされる場所を示すものとして決定されなければならない。一般に、正確な量の、小さな動き(すなわち、1/4ピクセルピッチ、又は1/2ピクセルピッチの距離)が求められる。これらは、より長い距離であってもよいが、そのことが認識されていなければならない。
【0174】
多重化されたピクセルの位置は、多重化方法によって決まる。また、多重化構成要素、又は多重化装置の仕様を使用して、多重化されたピクセルの位置を決定することができる。これは、ライトフィールド補正ルーチンの一部としてピクセルをマッピングするために、ディスプレイのキャリブレーションの形態をとる。この場合、多重化されたピクセルの位置は、シミュレーション、及び/又は、計算から決定される。
【0175】
図15は、本明細書に記載されるようなライトフィールドプロジェクタのアレイを備える、ライトフィールド画像ディスプレイの等角図を示す。図示されたシステムには、サイドレール54を伴うライトフィールド画像ディスプレイのハウジング内に固定された、複数のライトフィールドプロジェクタがある。このシステムは、プリント制御基板(PCB)アーキテクチャ56によって、制御されることが好ましい。表示光学系22は、ライトフィールド画像を出力し、表示レンズのマウント48によって、ライトフィールド投影システムに固定される。
【0176】
図16は、ライトフィールドプロジェクタのアレイを有する、ライトフィールド画像ディスプレイ、又はシステムの分解図である。このシステムは、PCBアーキテクチャ56を含む。電源及び冷却システムが、サイドレール54に収容されており、また、サイドレール54には、システムを冷却するための、ファンマウントがある。PCBアレイ52は給電され、プロジェクタマウント58によって、ライトフィールドプロジェクタアレイ50に接続される。表示光学系22は、ライトフィールド画像を出力し、表示レンズのマウント48によって、ライトフィールド投影システムに固定される。図示されたこの実施例では、ライトフィールド画像ディスプレイには、18行×12列のライトフィールドプロジェクタがあり、合計216個のライトフィールドプロジェクタがアレイ内にある。その他のアレイサイズにすることもでき、あらゆるサイズのアレイが可能である。本発明のライトフィールド画像ディスプレイ、又はシステムの一動作構成では、表示光学系22は、高さ187mm、幅228mmであり、これは、ほぼ小型タブレットのサイズである。
【0177】
図17は、単一のプロジェクタ本体内に、3×4のプロジェクタを複数備える、プロジェクタアレイを有する、ライトフィールドプロジェクタの代替構成を示す。
【0178】
図18は、ライトフィールドディスプレイを構築するための表示装置のアレイ、及びすべての光学系を含む、ライトフィールドプロジェクタの代替構成を示す。このシステムをタイリング/スタックして、より大きなライトフィールドディスプレイを構築することができる。
【0179】
図19は、本開示のブロック図を示す。バックプレーン84により、入力デバイスからの映像及び制御データが、ライトフィールドプロジェクタ96に送信される。ディスプレイパネルコントローラ86は、フレームシーケンシャル駆動方式で、光源ドライバ88にイネーブル信号を送信して、光源LED10に電力を供給しつつ、表示パネル90への映像入力を生成する。プロジェクタでは、光源LED10からの光が表示パネル90に入射し、表示光学系22に投影される。
【0180】
図20A及び図20Bは、アクティブ画像、オーバーラップ領域、及び補正バッファについての、プロジェクタフレーム内のピクセルの割り当てを示す。いくつかの実施形態では、プロジェクタには、図20Aに示すように、プロジェクタの前縁を包み込む、カスタム設計されたエッジレス光LFPレンズ98が含まれる。図20Aは、LFPレンズ98を通る、LED光源10からの第1の投影画像16を示す。LFPレンズ98は、第2の投影画像20を出力する、コリメート光学系18の役割を果たす。このエッジレス設計により、プロジェクタの位置合わせ、及びレンズアレイの組立て公差に起因する、ライトフィールドディスプレイのタイリングアーティファクトが除去される。各プロジェクタの、投影されたライトフィールド画像24のサイズにより、システム内のプロジェクタのタイリングによる表示アーティファクトを除去することができ、かつ、ライトフィールドディスプレイをデジタル補正することができる。以下の図は、LFPレンズ98を通る光線経路を示し、ライトフィールドディスプレイにおける、各プロジェクタのピクセルの使われ方を示すものである。図20Bは、オーバーラップピクセル92を割り当てた、投影されたライトフィールド画像24を示しており、補正ピクセル94及びライトフィールド画像ピクセルに着目したものである。図20Aには、オーバーラップピクセル92、及び、補正ピクセル94の側面図も示されている。
【0181】
本開示の別の実施形態は、フラットパネルベースの多重化ディスプレイについてのものである。フラットパネルベースのディスプレイには、液晶ディスプレイ(Liquid-Crystal Display:LCD)、又は発光ダイオード(LED)技術、あるいは、多重化された自動立体視、及び高角度分解能のライトフィールドディスプレイとしての、両方の組み合わせを含めることができるが、これらに限定されない。ライトフィールドディスプレイは、水平視差及び垂直視差の両方で見ることができ、一次元又は二次元の有効解像度を増加させ、表示品質を向上させるために、多重化が使用される。
【0182】
プロジェクタアレイベースのディスプレイには、少なくとも、正確に位置合わせされた、多くの高密度重視のプロジェクタを含める必要があることから、設計が困難なことがある。図21を参照すると、ライトフィールドディスプレイは、プロジェクタアレイ50、並びに、コリメート光学系18又は拡散光学系、及び表示光学系22の、2つのレンズ系を収容する、エンクロージャ104が含まれる。プロジェクタアレイ50には、それぞれが光を生成する、複数のプロジェクタが含まれる。プロジェクタアレイ内のプロジェクタは、拡張現実ヘッドセット、又は、自動車用ヘッドアップディスプレイ(Heads-Up Displays:HUD)に特化した、ピコプロジェクタとすることができる。プロジェクタは、画像データを受け取り、画像データを投影光に変換する。次いで、投影された光は、プロジェクタから、レンズ系又はアレイを備える、コリメート光学系18に伝送される。次いで、光は、コリメート光学系18から、多重化ライトフィールド画像を形成する、表示光学系22に伝達される。すべての光学機械構成要素は、レンズエンクロージャ108内に取り付けられる。
【0183】
一般に、当技術分野で知られているライトフィールドディスプレイには、非常に高輝度のプロジェクタが必要である。本開示のライトフィールドディスプレイの利点は、プロジェクタアレイ50内のプロジェクタの輝度要件が低減されることである。直接投影型ディスプレイのレンズ系に、光の角度分布を制御する能力を設計すること、並びに、光ビームに点拡がり関数を適用することによって、輝度要件の低減が実現される。プロジェクタアレイ50の輝度要件を低減することにより、内部冷却要件のない小さなLEDを使用することができる。したがって、プロジェクタの設置面積がより小さいことにより、プロジェクタアレイ50のより緊密な実装密度、個々のプロジェクタのサイズ及び重量の低減、並びに、直接投影型ライトフィールドディスプレイの電力要件の低減を、もたらすことができる。コリメート光学系18は、コリメートアレイとすることができ、それにより、プロジェクタアレイ50から放射された光の発散が低減される。コリメート光学系18は、プロジェクタアレイ50から、投写距離を隔てて配置される。一実施例では、この投写距離は、投影画像の各ピクセルのサイズが隣接するピクセルに比例して増加し、ピクセルに重複が生じないような距離である。プロジェクタは、プロジェクタとコリメート光学系18との間の距離により、コリメート光学系18内の単一のレンズレットと等しいサイズの投影画像が生成されように、配置される。プロジェクタアレイ50からの発散パターンは、単一のプロジェクタとほぼ同じサイズであり、コリメートアレイレンズレットから構成することのできるコリメート光学系18と、プロジェクタアレイ50内の各プロジェクタとの比率を、1:1にすることができる。
【0184】
図22は、本開示によるライトフィールドディスプレイの、一実施形態を示す。コリメート光ビームは、この実施形態ではコリメートレンズアレイ26及びディフューザ36を含む、コリメート光学系を出る。ディフューザ36は、光学的ディフューザアレイとすることができる。ディフューザ36は、コリメートレンズアレイ26と表示光学系22との間に位置し、コリメートレンズアレイ26からの光を受け取る。コリメートレンズアレイ26及びディフューザ36は、単一の一体部品又は別個の部品とすることができ、いずれもがコリメート光学系18を形成する。表示光学系22は、コリメート光学系18から、拡散されたコリメートビームを受け取るように配置することができる。したがって、コリメートレンズアレイ26からの光は、一実施例では光学的ディフューザレンズレットアレイである、ディフューザ36に進む。プロジェクタの出力は、画像の投影サイズを維持するために、コリメートされる。
【0185】
ディフューザ36では、各ピクセルの発散は、以下の係数で増加する。
√(C2・fm 2
ここで、Cは、サンプリングされた波面を適切に再構成するために選択される定数であり、fmは、フィルファクタである。一実施例では、Cの値は約2である。そのような場合、フィルファクタfmは約0.9であり、スポットサイズxsはピクセル間隔xpに関連し、次式のようになる。
s=xp・√(C2・fm 2
ここで、xpはレンズピッチを角度サンプルの数で除算したものである。したがって、ディフューザ36は、画像内の各ピクセルに、点拡がり関数を付与する。図14は、前述した点拡がり関数のグラフ図である。
【0186】
次いで、ディフューザ36からの点拡がり関数を有するピクセルは、表示レンズを構成する、表示光学系22の背面に入射する。表示光学系22とコリメート光学系18との間の距離によって、画像ごとにピクセルの出力幅を微調整することができ、この距離は、システム空間を縮小するために、最小化することができる。光がコリメートレンズアレイ26に入射して通過するとき、光はガウス関数として近似された、点拡がり関数に従って分散される。ディフューザ36には、所望の角度を実現し、隣接するプロジェクタからの光の投影からのブリードを防止するために使用される、角度付きディフューザ又は工学的拡散小型レンズレットアレイを含めることができる。本開示の一実施例では、個々のプロジェクタピクセルのそれぞれからの光に、特定の点拡がり関数が適用され、ピクセルは特定の角度に方向付けられる。1つのプロジェクタ及びそのピクセルが、小さな画像を生成することができる。
【0187】
図22に示すように、プロジェクタの投写比によって定義される距離で、各プロジェクタが26mm×15mmの画像を生成することを、確認することができる。次いで、この画像は、コリメートレンズアレイ26に投影され、ディフューザスクリーン又は工学的ディフューザレンズレットアレイからなる、ディフューザ36に向かって投影された、その正確なサイズ(26mm×15mm)のパケット画像をもたらすことができる。コリメートレンズアレイ26は、ディフューザ36とともに、コリメート光学系18を形成する。次いで、ディフューザ36は、小さな、定義された点拡がり関数を生成することができる。所望の点拡がり関数を使用して、分解能バイアス誤差、又は杭柵効果を低減し、より良い視聴体験のための光を分布させるような、ピクセル間の適切な重なりが実現される。分解能バイアス誤差は、スペクトル内のサンプル間の欠落情報である。分解能バイアス誤差を低減することで、滑らかな視聴領域の遷移が可能となる。この場合のディフューザ36は、例えば、設計された発散が5度の環状のFWHM(半値全幅)である場合、レンズ系を通るビームも5度の強度プロファイルを有するように、極めて特有の角度出力に設計される。この出力は、表示光学系22に向けられた光であり、表示光学系22は、メタサーフェス、メタレンズ、屈折率分布型レンズ材料、又は、上述したようなプレノプティックサンプリング関数に従って、各ピクセルからの光を分散させるための、あらゆる適切な光学部品とすることができる。
【0188】
各プロジェクタは、コリメート光学系18を出る光が表示光学系22に対して垂直に当たるように、位置合わせすることができる。したがって、各プロジェクタには、位置合わせのためのハードウェア、並びに、精密な制御装置を備えることができる。必要な公差によって、プロジェクタを位置合わせするための、いくつかの手法がある。ある手法では、一度に大まかな位置合わせを行うために、ねじアジャスタを備えた1つ又はそれ以上の機械的マウントなどの、調整要素を使用することができる。別の手法では、圧電トランスデューサによって、ナノスケールからマイクロスケールの、電子的調整をもたらすことができる。その他の調整要素には、上述した圧電トランスデューサといった、運動学的なマウント、及び/又は、デジタル制御式の調整要素を含めることができる。調整の最大量は、各プロジェクタによって照明される、レンズレットの寸法によって決定される。これらの手法はすべて、フィードバックを利用する、アクティブキャリブレーション手法に有用なものである。
【0189】
図23は、ライトフィールドディスプレイのための、本開示による多重化方法を示す。図23は、プロジェクタアレイ50、コリメート光学系18からなるライトフィールドディスプレイの実施形態を示しており、出力光線12は、表示光学系22に向けられる。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、メタレンズ、又はあらゆるその他の適切な表示光学部品にすることができる。ディスプレイへの入力フレームに対応する既知の距離だけ光学系をシフトさせるために、何らかの形態のアクチュエータ又はカスタムデバイスを使用して、第1の軸線114、又は第2の軸線116、又はこれらの任意の組み合わせに沿って、表示光学系22をシフトさせることによって、多重化を実現することができる。また、2D又は3Dで行うことのできる、表示光学系22の変形によって、多重化を実現することができる。その他のディスプレイベースの多重化技術には、表示光学系22を備える表示光学部品の材料の屈折率を操作すること、又はピンホールアレイの表示光学系22の開口を調整することが含まれる。
【0190】
図24は、プロジェクタアレイ50、コリメート光学系18を含むライトフィールドディスプレイの、別の実施形態を示し、出力光線12は、まず、表示光学系22の直前に配置された更なる多重化層118に向けられ、次いで、表示光学系22に向けられる。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、メタレンズ、又は、あらゆるその他の適切な表示光学部品にすることができる。図23のような、先に開示されたすべての方法によって多重化を実現することができるが、この構成に加えて、材料に電場又は電圧を印加して、更なる多重化層118の屈折率をアクティブに変更することで、2Dの有効解像度を高めるためにピクセル位置を既知のピクセル距離だけシフトさせることによって、多重化を実現することができる。
【0191】
図25は、多重化フラットパネルライトフィールドディスプレイの、一実施形態を示す。図25は、フラットパネルディスプレイ120、コリメート光学系18からなる、ライトフィールドディスプレイの実施形態を示し、出力光線12は表示光学系22に向けられる。フラットパネルディスプレイ120は、LED、LCD、プラズマパネル、又はエレクトロルミネセンスパネルにすることができるが、これらに限定されない。発光ダイオード(LED)は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、又は量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diode:QLED)、又は別の適切なダイオードにすることができる。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、メタレンズ、又は、あらゆるその他の適切な表示光学部品にすることができる。第1の軸線114、第2の軸線116に沿って、表示光学系22をシフトさせることによって、又は、第3の軸線122に沿って、あるいは、これらの3つの任意の組み合わせに沿って、表示光学系22をシフトさせることによって、多重化を実現することができる。また、2Dで行うことのできる、表示光学系22の変形によって、多重化を実現することができる。その他のディスプレイベースの多重化技術には、表示光学系22を備える表示光学部品の材料の屈折率を操作すること、又はピンホールアレイの表示光学系22の開口を調整することが含まれる。開口を調整する多重化方式は、液晶アレイ等を用いて、1D又は2Dで実現することができる。
【0192】
図26は、多重化フラットパネルライトフィールドディスプレイの、別の実施形態を示す。この実施形態は、フラットパネルディスプレイ120と、コリメート光学系18を含み、出力光線12は、まず、表示光学系22の直前に配置された更なる多重化層118に向けられ、次いで、表示光学系22に向けられる。表示光学系22から投影された、多重化ライトフィールド出力112には、実線による第1の光線セット、及び、破線による第2の光線セットとして示されている、2つの別個のライトフィールド画像が含まれる。これらは、ともに多重化ライトフィールド出力112を構成するものである。この構成では、表示光学系22は、単一レンズ、レンズアレイ、ピンホールアレイ、メタサーフェス、メタレンズ、又は、あらゆるその他の適切な表示光学部品にすることができる。図25のような、先に開示されたすべての方法によって多重化を実現することができるが、この構成に加えて、更なる多重化層118の屈折率を変更することによって、多重化を実現することもできる。このことは、1D及び2Dで実現することができる。
【0193】
多くの実施形態の説明を行ってきた。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されよう。例えば、上述したステップのいくつかは、独立した順序であり得るため、記載された順序とは異なる順序で実行することができる。
【0194】
本明細書で参照されるすべての特許、特許出願、刊行物の開示は、そのような個々の特許、特許出願、刊行物及びデータベースエントリが参照により組み込まれることが、具体的かつ個別に示されているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に具体的に組み込まれる。ある特定の実施形態を参照して、本発明の説明を行ってきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行えることは、当業者には明らかであろう。当業者に明らかであるような、すべてのそのような修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】