(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】重い物品用の排出システムを備えた高容量3次元プリンタ
(51)【国際特許分類】
B29C 64/357 20170101AFI20240412BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20240412BHJP
B29C 64/241 20170101ALI20240412BHJP
B29C 64/255 20170101ALI20240412BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240412BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240412BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240412BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20240412BHJP
【FI】
B29C64/357
B29C64/124
B29C64/241
B29C64/255
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/00
B29C64/386
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563976
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022027241
(87)【国際公開番号】W WO2022235549
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】アロンゾ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】セイボ,ディヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マンロー,マイケル ダブリュー
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL12
4F213WL43
4F213WL55
4F213WL67
4F213WL72
4F213WL85
4F213WL87
4F213WW50
(57)【要約】
3D物品を製造するための3次元(3D)プリントシステム(2)は、樹脂容器(6)と、造形プレート(8)と、プレート支持体(10)と、フックサブシステム(12)と、エレベータサブシステム(14)と、撮像サブシステム(16)と、コントローラ(20)とを含む。造形プレートは、上面を有し、近位端から遠位端まで延在する。フックサブシステムはフック(46)を含む。コントローラは、以下のように構成される:(a)エレベータサブシステムおよび撮像サブシステムを動作させ、3D物品を作製する;(b)エレベータサブシステムを動作させ、3D物品を樹脂容器内の光硬化性樹脂の上に上昇させる;(c)フックサブシステムを動作させ、フックを造形プレートの近位端に係合させるように構成する;(d)エレベータサブシステムを動作させ、造形プレートの近位端と遠位端との間に垂直分離距離を付与する。垂直分離距離は、3D物品の角度傾斜を画定し、残留光硬化性樹脂の排出を容易にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3D)物品を製造するためのシステムであって、
光硬化性樹脂を収容するように構成された樹脂容器;
近位端から遠位端までY軸に沿って延在する上面を有する造形プレート;
前記造形プレートを支持し、前記造形プレートの前記近位端に対応する近位端から前記造形プレートの前記遠位端に対応する遠位端までY軸に沿って延在する、プレート支持体;
フックを有するフックサブシステム;
エレベータサブシステム;
撮像サブシステム;
コントローラ
を含み、前記コントローラは、
(a)前記エレベータサブシステムおよび前記撮像サブシステムを動作させ、前記3D物品を前記造形プレートの前記上面上に形成しながら、前記造形プレートの前記上面を前記樹脂容器内に徐々に下降させる;
(b)前記エレベータサブシステムを動作させ、前記3D物品を前記樹脂容器内の前記光硬化性樹脂のレベルより上の垂直位置まで上昇させる;
(c)前記フックサブシステムを動作させ、前記フックを非係合構成から係合構成に移動させ、前記係合構成では、前記フックは前記造形プレートの前記近位端と係合するように位置決めされる;
(d)前記エレベータサブシステムを動作させ、前記フックサブシステムによって支持される前記造形プレートの前記近位端と前記プレート支持体によって支持される前記造形プレートの前記遠位端との間に垂直分離距離を付与し、該垂直分離距離は、前記造形プレートおよび前記3D物品の角度傾斜を提供して前記3D物品から前記樹脂容器への残留光硬化性樹脂の排出を容易にする
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記3D物品は100ポンドを超える重さであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エレベータサブシステムを動作させることは、前記プレート支持体を下降させて前記垂直分離距離を提供することを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記フックサブシステムは、4バーリンケージとアクチュエータとを含み、前記4バーリンケージは、前記フックに連結されたフック回転リンクを含み、前記アクチュエータは、前記フック回転リンクを押圧するように構成され、これにより、前記フックは前記非係合構成から前記係合構成に回転されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記造形プレートは、凹部に隣接する下向きに延在するリップを有する下側を有し、前記フックサブシステムを動作することは、前記フックの先端を前記凹部の下に配置することを含み、前記フックは、前記ステップ(d)中に前記造形プレートの遠位端に対する前記造形プレートの近位端の垂直位置を維持するように、前記下向きに延在するリップに係合するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラはさらに、前記造形プレート上面が概ね水平になるまで前記垂直分離距離を低減するように前記エレベータサブシステムを動作させるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記垂直分離距離を低減する間、前記フックは、前記造形プレートの縁部に係合して、前記造形プレートの遠位端を前記プレート支持体に沿って押すように構成されることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プレート支持体の遠位端は、カム面を有し、前記造形プレートの遠位端は、前記垂直分離距離が前記エレベータサブシステムによって変更されるときに前記カム面に追従することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記カム面は、前記遠位端から前記近位端まで下向きに傾斜する傾斜面を含み、該傾斜面は、前記造形プレートの遠位端を基準点の上に上昇させることを容易にすることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記フックは、空間的に分離されて離間した部分位置で前記造形プレートの近位端に係合する2つのフックを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プレート支持体は、前記造形プレートが概ね水平であるときに前記造形プレートの下側に係合するように構成された複数の上方に延びる基準点を有することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の上方に延びる基準点は、Y軸に直交するX軸に対して離間され、前記造形プレートの近位端の下側に係合するように位置付けられる、2つの近位基準点を含むことを特徴とする、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プレート支持体は、X軸に対して離間された一対のカム面を含み、前記造形プレートの遠位端は、前記垂直分離距離が変化するにつれて、Y軸に沿って前記カム面に追従し、該カム面は、前記垂直分離距離が増加するにつれて、前記造形プレートの近位端を前記近位基準点から持ち上げることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記カム面は、
前記造形プレートの遠位端が平坦面に追従する際に、前記基準点の上方に前記造形プレートの遠位端の間隔を維持するように構成される、平坦面;
前記プレート支持体の遠位端から前記平坦面まで上方に傾斜する第1の傾斜部;および
前記平坦面から離れて前記プレート支持体の近位端に向かって下向きに傾斜する第2の傾斜部
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
3Dプリントシステムを用いて3D物品を製造する方法であって、前記3Dプリントシステムは、
光硬化性樹脂を収容するための樹脂容器;
近位端から遠位端までY軸に沿って延在する上面を有する造形プレート;
前記造形プレートの前記近位端に対応する近位端から前記造形プレートの前記遠位端に対応する遠位端までY軸に沿って延在する、プレート支持体;
フックを有するフックサブシステム;
エレベータサブシステム;および
撮像サブシステム
を含み、
(a)前記エレベータサブシステムおよび前記撮像サブシステムを動作させ、前記3D物品を前記造形プレートの前記上面上に形成しながら、前記造形プレートの前記上面を前記樹脂容器内に徐々に下降させる工程;
(b)前記エレベータサブシステムを動作させ、前記3D物品を前記樹脂容器内の前記光硬化性樹脂のレベルより上の垂直位置まで上昇させる工程;
(c)前記フックサブシステムを動作させ、前記フックを非係合構成から係合構成に移動させる工程であって、前記係合構成では、前記フックは前記造形プレートの前記近位端と係合するように位置決めされる工程;
(d)前記エレベータサブシステムを動作させ、前記フックサブシステムによって支持される前記造形プレートの前記近位端と前記プレート支持体によって支持される前記造形プレートの前記遠位端との間に垂直分離距離を付与する工程であって、該垂直分離距離は、前記造形プレートおよび前記3D物品の角度傾斜を提供して前記3D物品から前記樹脂容器への残留光硬化性樹脂の排出を容易にする工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記工程(a)中に、前記3Dプリントシステムは、100ポンドを超える重さである3D物品を形成することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記工程(d)中に、前記エレベータシステムは、前記プレート支持体を下降させて前記垂直分離距離を画定することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フックは直立先端部を有し、前記造形プレートの近位端は下方へ延びるリップを有し、前記工程(d)の間、前記直立先端部は前記下方へ延びるリップに係合して前記造形プレートの近位端の高さを維持することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記フックは斜面を有し、前記工程(d)の後、前記斜面は、前記垂直分離距離が減少するにつれて前記造形プレートの近位端を押圧することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プレート支持体は、前記プレート支持体の遠位端において一対のカム面および一対の基準点を有し、前記カム面は、前記工程(d)中に、前記造形プレートの遠位端に係合して、前記造形プレートの遠位端を前記一対の基準点の上に持ち上げるように構成されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本非仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年5月7日出願の「High Capacity Three-Dimensional Printer with Drain System for Heavy Articles」と題されたDaniel Alonzoらの米国仮特許出願第63/185,712号に対する35 U.S.C.119条に従う優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、造形材料の層ごとの固化による3次元(3D)物品のデジタル製作のための装置および方法に関する。より詳細には、本開示は、大型かつ重い3D物品からの残留光硬化性樹脂の排出を容易にするように構成された機械システムに関する。
【背景技術】
【0003】
3Dプリントシステムは、製品のプロトタイピングおよび製造に広く使用されている。3Dプリントシステムの1つのタイプは、ステレオリソグラフィと呼ばれるプロセスを利用する。典型的なステレオリソグラフィシステムは、樹脂容器と、撮像システムと、樹脂容器によって保持される液体樹脂内の造形プレートとを利用する。三次元(3D)物品は、造形プレート上の樹脂の層を選択的に画像化し固化させることによって、層ごとに製造される。1つの課題は、非常に大きな物体の製造である。3D物品が作製され、樹脂容器から持ち上げられると、未硬化の光硬化性樹脂で覆われる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高価な材料の浪費を回避し、洗浄の必要性を低減するために、この未硬化樹脂をできるだけ多く樹脂容器に戻すことが望まれている。大型かつ重い物品の場合、これは困難であり、安全性の問題を提示する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様では、3次元(3D)プリントシステムは、3D物品を製造するように構成される。3Dプリントシステムは、樹脂容器と、造形プレートと、プレート支持体と、フックサブシステムと、エレベータサブシステムと、撮像サブシステムと、コントローラとを含む。樹脂容器は、液状の光硬化性樹脂を収容するように構成されている。造形プレートは、上面と、対向する下面とを有する。造形プレートは、近位端または縁部から遠位端または縁部までY軸に沿って延在する。プレート支持体は、造形プレートを支持する。プレート支持体は、近位端から遠位端までY軸に沿って延在する。造形プレートの近位端および遠位端は、それぞれ、プレート支持体の近位端および遠位端に対応し、それらを覆う。フックサブシステムはフックを含む。コントローラは、以下のように構成される:(a)エレベータサブシステムおよび撮像サブシステムを動作させ、3D物品を造形プレートの上面上に形成しながら、造形プレートの上面を樹脂容器内の光硬化性樹脂に徐々に下降させる;(b)エレベータサブシステムを動作させ、3D物品を樹脂容器内の光硬化性樹脂のレベルより上の垂直位置まで上昇させる;(c)フックサブシステムを動作させ、フックを造形プレートの近位端に係合させる;(d)エレベータサブシステムを動作させ、フックサブシステムによって支持される造形プレートの近位端とプレート支持体によって支持される造形プレートの遠位端との間に垂直分離距離を付与する。垂直分離距離は、造形プレートおよび3D物品の角度傾斜を画定し、3D物品から樹脂容器への残留光硬化性樹脂の排出を容易にする。フックは、空間的に分離されて離間した部分位置で造形プレートの近位端に係合する2つのフックを含むことができる。
【0006】
一実装形態では、3D物品は、100ポンド超、150ポンド超、または200ポンド超の重さである。従来のシステムは、3D物品を傾けて排出するための手動プロセスを必要とした。非常に大きく重い物品の場合、これは実用的ではなく、3Dプリントシステムのユーザにとって潜在的に危険である。角度傾斜は、少なくとも10度、少なくとも20度、少なくとも20度、少なくとも30度、またはそれ以上である。角度傾斜は、3D物品の幾何学的形状および/または重量に依存し得る。
【0007】
別の実装形態では、フックサブシステムは、4バーリンケージ(four bar linkage)およびアクチュエータを含む。4バーリンケージは、フックに連結されたフック回転リンクを含む。アクチュエータは、フック回転リンクを押圧するように構成され、これはフックを非係合構成から係合構成に回転させる。
【0008】
さらに別の構成では、フックサブシステムは、フックに連結される1つまたは複数の線形および/または回転アクチュエータを含む。1つまたは複数の線形および/または回転アクチュエータの作動により、フックが非係合構成から係合構成に移動する。
【0009】
さらなる実装形態では、造形プレートは、凹部に隣接する下向きに延在するリップを有する下側を有する。凹部は、造形プレートの下側に上向きに延在する。フックサブシステムを操作することは、フックの先端を凹部の下に配置することを含む。フックは、ステップ(d)中に造形プレートの遠位端に対する造形プレートの近位端の垂直位置を維持するように、下向きに延在するリップに係合するように構成される。
【0010】
さらなる実装形態では、コントローラは、造形プレート上面が概ね水平になるまで垂直分離距離を低減するようにエレベータサブシステムを動作させるようにさらに構成される。フックは、造形プレートの縁部に係合して、造形プレートの近位端をプレート支持体に沿って押すように構成することができる。プレート支持体の遠位端は、カム面を含むことができる。造形プレートの遠位端は、垂直分離距離がエレベータサブシステムによって変更されるときにカム面に追従する。例示的な実施形態では、カム面は、遠位端から近位端まで30度未満の傾斜で下向きに傾斜する傾斜面を含むことができる。傾斜面は、過剰な力を伴わずに、造形プレートの遠位端を基準点(datum)の上に上昇させることを容易にする。傾斜は、30度超であり得るが、より低い数値により摺動力要件が低減する。
【0011】
別の実装形態では、プレート支持体は、造形プレートが概ね水平であるときに造形プレートの下側に係合するように構成された複数の上方に延びる基準点を含むことができる。複数の上向きに延在する基準点は、Y軸に直交するX軸に対して離間され、造形プレートの遠位端の下側に係合するように位置付けられる、2つの遠位基準点を含むことができる。プレート支持体は、X軸に対して離間した一対のカム面を含むことができる。造形プレートの遠位端は、垂直分離距離が変化するにつれて、Y軸に沿ってカム面に追従する。カム面は、垂直分離距離が増加するにつれて、造形プレートの遠位端を遠位基準点から持ち上げる。カム面は、Y軸に対して近位基準点に重なる平坦面を含むことができ、平坦面は、造形プレートの遠位端が平坦面;プレート支持体の遠位端から平坦面まで上方に傾斜する第1の傾斜部;および平坦面から離れてプレート支持体の近位端に向かって下向きに傾斜する第2の傾斜部に追従する際に、基準点の上方に造形プレートの遠位端の間隔を維持する。
【0012】
本開示の第2の態様では、3D物品を製造するための方法は、3Dプリントシステムを利用する。3Dプリントシステムは、樹脂容器と、造形プレートと、プレート支持体と、フックサブシステムと、エレベータサブシステムと、撮像サブシステムとを含む。樹脂容器は、液状の光硬化性樹脂を収容するように構成されている。造形プレートは、上面と、対向する下面とを有する。造形プレートは、近位端または縁部から遠位端または縁部までY軸に沿って延在する。プレート支持体は、造形プレートを支持する。プレート支持体は、近位端から遠位端までY軸に沿って延在する。造形プレートの近位端および遠位端は、それぞれ、プレート支持体の近位端および遠位端に対応し、それらを覆う。フックサブシステムはフックを含む。この方法は、以下を含む:(a)エレベータサブシステムおよび撮像サブシステムを動作させ、3D物品を造形プレートの上面上に形成しながら、造形プレートの上面を樹脂容器内の光硬化性樹脂に徐々に下降させる工程;(b)エレベータサブシステムを動作させ、3D物品を樹脂容器内の光硬化性樹脂のレベルより上の垂直位置まで上昇させる工程;(c)フックサブシステムを動作させ、フックを非係合構成から係合構成に移動させる工程であって、係合構成では、フックは造形プレートの近位端と係合するように位置決めされる工程;(d)エレベータサブシステムを動作させ、フックサブシステムによって支持される造形プレートの近位端とプレート支持体によって支持される造形プレートの遠位端との間に垂直分離距離を付与する工程。垂直分離距離は、造形プレートおよび3D物品の角度傾斜を画定し、3D物品から樹脂容器への残留光硬化性樹脂の排出を容易にする。フックは、空間的に分離されて離間した部分位置で造形プレートの近位端に係合する2つのフックを含むことができる。
【0013】
本開示の装置および方法は、ステレオリソグラフィによって形成された大型かつ重い物体からの未硬化樹脂の除去を容易にする。未硬化樹脂は非常に高価であり、ステレオリソグラフィ3Dプリントシステムのオペレータにとって健康上の危険となり得る。より小さい物体の場合、オペレータは、3D物品から樹脂を手動で取り出し、排出することができる。しかし、大型かつ重い物体については、これは実用的でないことがある。本開示の装置および方法は、オペレータの負傷を回避し、大型かつ重い3D物品上の残留樹脂へのオペレータの潜在的な露出を最小限に抑えるために、樹脂を排出する機械化された方法を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】3D物品を製造するための3次元(3D)プリントシステムの一実施形態の概略図
【
図2】3D物品を製造するための方法の一実施形態を示す動作フローチャート
【
図3】3Dプリントシステムの一部の等角斜視図であり、プレート支持体は「排出位置」に垂直に配置され、排出位置は3D物品が樹脂製容器内の樹脂レベルより上にある垂直位置を指す
【
図4】3Dプリントシステムの一部の等角斜視図であり、プレート支持体は「上方位置」に垂直に位置決めされ、上方位置ではプレート支持体は
図3の排出位置の上方の「垂直分離距離」Hであるレベルまで上昇される
【
図5】3Dプリントシステムの一部の側面図であり、プレート支持体は上方位置に垂直に位置決めされ、フックサブシステムは非係合構成で示され、非係合構成ではフックサブシステムは造形プレートが上昇および下降されるときに造形プレートと干渉しない
【
図5A】
図5から取られた詳細5Aであり、フックサブシステムは非係合(5A)構成で示されている図
【
図6】3Dプリントシステムの一部の側面図であり、プレート支持体は上方位置に垂直に位置決めされ、フックサブシステムは係合構成で示され、係合位置ではフックサブシステムはプレート支持体が下降する際に造形プレートの近位端を支持する
【
図6A】
図6から取られた詳細6Aであり、フックサブシステムは係合(6A)構成で示されている図
【
図7】3Dプリントシステムの一部の側面図であり、フックサブシステムが係合構成にある間、プレート支持体は排出位置まで垂直に下げられ、その結果、造形プレートの近位端がフック位置によって支持され、造形プレートの遠位端がプレート支持体によって支持されるので、造形プレートは角度傾斜を示す
【
図8】プレート支持体上の造形プレートを示すオーバーレイ図であり、造形プレートの下のプレート支持体の特徴を示すために図示の造形プレート材料は透明として示されている
【
図9】プレート支持体上の造形プレートを示す側面図
【
図10】プレート支持体の遠位端を示す側面図であり、これにより基準点およびカム面の詳細図が可能になる
【
図11】造形プレートの近位端に係合するフックの詳細な側面図を示す側面図
【
図12】造形プレートの遠位端とプレート支持体のカム面との間の係合を示す側面図であり、プレート支持体とフックサブシステムとの間の相対的な垂直距離が変化すると、造形プレートの遠位端がカム面に追従する
【
図13】造形プレートの遠位端とプレート支持体のカム面との間の係合を示す側面図であり、プレート支持体とフックサブシステムとの間の相対的な垂直距離が変化すると、造形プレートの遠位端がカム面に追従する
【
図14】造形プレートの近位端に係合し、それを押すフックの詳細な側面図を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、3D物品4を製造するように構成された3次元(3D)プリントシステム2の実施形態の概略図である。システム2の説明において、相互に直交する軸X、Y、およびZが利用され、別にX軸、Y軸、およびZ軸と呼ばれる。軸XおよびYは、概して水平である横軸である。軸Zは、重力基準と概ね位置合わせされた垂直軸である。用語「概して」は、方向または大きさが必ずしも正確なものではなく、設計上のものであることを意味する。水平、垂直、直角、または整列等の用語は、概して、工学的設計および意図によるものであり、製造公差の範囲内で正確である。
【0016】
製造公差は、システムの構成要素を構築する際に使用される材料の種類などの要因に影響され得る。製造公差はまた、システムの部品を製造および組み立てる際に使用される特定のプロセスシーケンスによって影響され得る。
【0017】
3Dプリントシステム2は、樹脂容器6と、造形プレート8と、プレート支持体10と、フックサブシステム12と、エレベータサブシステム14と、イメージングサブシステム16と、コーター18と、コントローラ20とを含む。コントローラ20は、フックサブシステム12、エレベータサブシステム14、撮像サブシステム16、およびコーター18に電気的および/または制御可能に連結される。
【0018】
樹脂製容器6は、バット6としても知られており、大量の光硬化性樹脂22を収容するように構成されている。光硬化性樹脂22は、1つまたは複数のモノマーと1つまたは複数の触媒とを含む液状のポリマー樹脂である。光硬化性樹脂22は、放射線硬化プロセス中に重合し、液体状態から固体状態に硬化するように構成される。放射線硬化プロセスは、青色、紫色、および/または紫外放射線への光硬化性樹脂の放射線照射を含む。放射線硬化プロセスは、好ましくは触媒に対して最適化された1つまたは複数のスペクトルピークを有する放射線を利用することができる。光硬化性樹脂22は、光硬化性樹脂22の層が造形プレート8上で硬化される際に造形面26に近接する上面24を有する。
【0019】
造形プレート8は、上面28と、対向する下面30とを有する。造形プレート8は、近位端32から遠位端34までY軸に沿って延在する。近位端32は、エレベータサブシステム14に最も近い造形プレート8の縁部を画定する。プレート支持体10は、近位端36から遠位端38まで延在する。プレート支持体10の近位端36および遠位端38は、それぞれ、造形プレート8の近位端32および遠位端34に対応し、それらによって覆われる。フックサブシステム12は、以下に論じられる。
【0020】
エレベータサブシステム14は、垂直Z軸に対してプレート支持体10を昇降させるように構成される。エレベータサブシステム14はまた、プレート支持体10とフックサブシステム12との間の垂直分離距離を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、フックサブシステム12は、垂直に静止したままであり、垂直分離距離は、プレート支持体10を上昇および下降させることによって調節される。他の実施形態では、エレベータサブシステムは、プレート支持体10およびフックサブシステム12の両方を垂直に平行移動させることができる。
【0021】
第1の実施形態では、エレベータサブシステム14は、モータ駆動ケーブルおよびプーリシステムを使用してプレート支持体10を平行移動させる。このような実施形態では、モータは静止しており、ケーブルの一部と係合するギアを回転させる。ケーブルは、2つのプーリに張架される。プレート支持体10(および/またはフックサブシステム12)は、ケーブルに取り付けられる。モータがギアを回転させると、これはプーリ上でケーブルを移動させる効果を有し、したがって、プレート支持体10(および/またはフックサブシステム12)を上下に平行移動させる。
【0022】
第2の実施形態では、エレベータサブシステム14は、ねじ付き軸受部にねじ込まれる電動親ねじを含む。ねじ付き軸受部は、プレート支持体10に取り付けられる。所定位置に固定されたモータは、親ねじを回転させ、そうすることでプレート支持体10を上下に平行移動させる。第1および第2の実施形態は、エレベータサブシステムがどのようにプレート支持体10(および場合によっては独立してフック支持体12)を平行移動させることができるかの2つの例にすぎない。垂直平行移動の他の手段は、3Dプリンタおよびステレオリソグラフィの技術分野において既知である。
【0023】
撮像サブシステム16は、造形面26上に光硬化性樹脂22の層を選択的に硬化させるために、造形面26に放射線を与えるように構成される。一実施形態では、撮像サブシステム16は、X軸およびY軸に沿って造形面にわたってレーザビーム40を走査するように、2つのガルバノミラーによって順次反射されるレーザを含む。別の実施形態では、撮像サブシステム16は、造形面26にわたって走査される発光ダイオードまたはレーザのアレイを採用することができる。さらに他の撮像サブシステムは、光源および光変調器を採用することができる。光源は、光硬化性樹脂22の層を選択的に硬化させるために、青色、紫色、および/または紫外放射線を放射することができる。様々なタイプの撮像サブシステム16が、ステレオリソグラフィシステムに関して当技術分野で知られている。
【0024】
コーター18は、電動ワイパモジュールを含むことができる。一実施形態では、ワイパモジュールは、造形面26に向かって下向きにかつX軸に沿って延在するワイパブレードを有する矩形ブロックである。ワイパモジュールは、Y軸に沿って平行移動するように拘束され、モータまたはソレノイド弁によってZ軸に沿って上下に移動可能である。ベルトおよびプーリシステムは、Y軸に沿ってワイパモジュールを平行移動させる。ベルトは、2つのプーリ間で張力をかけられ、プーリの一方は、コントローラ20の制御下でモータに連結される。ワイパモジュールは、張力をかけられたベルトの一部に連結される。モータがプーリを回転させると、Y軸に沿ってワイパモジュールが平行移動される。ワイパモジュールによって担持されるねじ付き軸受部内に受容される電動親ねじ等の、ワイパモジュールを移動させるための他の機構が可能である。ステレオリソグラフィを含む3Dプリントにおいて、様々なワイパモジュールがよく知られている。
【0025】
コントローラ20は、プロセッサ44に結合された非一時的または不揮発性の情報記憶装置42を含む。情報記憶装置42は、ソフトウェア命令を記憶する。プロセッサ44によるソフトウェア命令の実行は、コントローラ20に3Dプリントシステム2の構成要素を動作させる。このようにして、コントローラ20は、以下のステップによって3D物品を製造するように構成される:(1)エレベータサブシステム14を動作させ、3D物品4の上面29を造形面26に近接して(当初は造形プレート8の上面28上に)位置決めする;コーター18(電動で平行移動可能なワイパブレードを含むワイパモジュールを含むことができる)を動作させ、上面29上で光硬化性樹脂22の層厚を画定する;(3)撮像サブシステム16を動作させ、上面29上で光硬化性樹脂22の層を選択的に硬化および固化させる;および、(1)~(3)を繰り返して3D物品4の層ごとの製造を完了する。いくつかの実施形態では、動作は、3D物品の下にベース層を形成する工程および3D物品を支持するための足場を形成する工程を含む。3D物品4を参照する際に、足場およびベース層は、本開示に含まれてもよく、または除外されてもよい。
【0026】
図2は、3D物品4を製造する方法200の一実施形態を示す動作フローチャートである。方法200は、
図2に続く図にも示される。コントローラ20は、ステップ204~216を含む方法200の少なくとも一部を、自動的に、またはいくつかのステップについては、ボタンを押すことまたはユーザインターフェースにコマンドを入力することなどのユーザ入力に応答して実行するように構成される。ステップ202などのいくつかのステップは、手動でまたはコントローラ20によって実行することができる。
【0027】
202によれば、造形プレート8がプレート支持体10上に装填される。204によれば、システム2の様々な構成要素は、コントローラ20によって操作されて、3D物品4(足場および/またはベース層を含んでもよい)を作製する。ステップ204の例は上述されている。作製された物品は重く、重量が100ポンド超、150ポンド超、または200ポンド超であり得る。
【0028】
206によれば、エレベータサブシステム14は、プレート支持体10を排出位置(または初期排出位置)に上昇させるように操作される。これは、3Dプリントシステム2の一部の実施形態の等角図である
図3に示されている。図示された排出位置は、光硬化性樹脂22の上面24(
図1)の上に造形プレート8を有し、一部の残留光硬化性樹脂22が樹脂容器6内に排出されることを可能にする。図示の実施形態では、エレベータサブシステムは、親ねじに結合された固定モータを含む。親ねじが回転すると、親ねじの回転方向および大きさに応じてプレート支持体10の垂直位置が変化する。
【0029】
208によれば、エレベータサブシステム14は、プレート支持体10を、排出位置の上方の垂直距離Hだけ上方位置まで上昇させるように操作される。これは、それぞれ等角図および側面図である
図4および
図5に示されている。この状態では、フックサブシステム12は、非係合(5A)構成にある。
図5Aは、フック46を含むフックサブシステム12を示す
図5から取られた詳細5である。フックサブシステム12は、フック回転リンク50を含む4バーリンケージ48を含む。この上方位置では、プレート支持体10は、4バーリンケージ48とほぼ同じ垂直位置にある。
【0030】
210によれば、フックサブシステム12は、フック46を係合(6A)構成または位置に回転させるように操作される。これを
図6および
図6Aに示す。図示の実施形態では、フック46は係合位置にある。係合位置では、フック46の直立先端部52は、造形プレート8の近位端32の下に配置される。
図6Aは、1つのフックの側面詳細図であるが、軸Xに沿って離間された部分である2つのそのようなフック46が存在することを理解されたい。したがって、2つのフック46は、造形プレート8の近位端32に係合するように構成される。
【0031】
図5Aの非係合(5A)位置から
図6Aの係合(6A)位置に移行するために、アクチュエータ54がフック回転リンク50上のローラ56に垂直に押し付けられる。これは、フック回転リンク50を反時計回り方向に回転させ、次にフック46を時計回り方向(図では)に回転させる効果を有する。アクチュエータ54は、いくつか例を挙げると、親ねじ、平行移動ベルトドライブ、またはソレノイド弁によって上下に駆動することができ、そのいずれもフックサブシステム12の一部とすることができる。コントローラ20は、フックサブシステム12にリンクして、フック46を係合(6A)または非係合(5A)位置または構成のいずれかに構成することができる。
【0032】
フックサブシステム12の図示の実施形態は、4バーリンケージタイプの設計を示しているが、他のアプローチも可能である。フック46の運動は、電動ギアトレイン、リニアスライダおよびアクチュエータ、他の回転アクチュエータ、電動親ねじ、および他の機構などの他の装置によって駆動することができる。
【0033】
212によれば、エレベータサブシステム14は、プレート支持体10を下降させて排出位置に戻すように操作される。これにより、造形プレート8の近位端32と遠位端34との間に垂直分離距離Dが付与される。これを
図7に示す。その結果、造形プレート8の角度傾斜が生じ、残留光硬化性樹脂22の樹脂容器6内への排出が容易になる。距離DはHと相関するが、概してわずかに小さい。Dの実際の大きさは、造形プレート8の横方向寸法および3D物品4の重量などの態様または要因、ならびに場合によっては他の要因に依存し得る。
【0034】
214によれば、エレベータサブシステム14は、プレート支持体10を上昇させて上方位置に戻すように操作される。この位置において、造形プレート8は、
図6に示すように再び水平である。216によれば、フックサブシステム12は、
図5および
図5Aに示すように、フック46を非係合位置まで回転させるように操作される。これは、アクチュエータ54を下降させることによって達成することができる。最後に、造形プレート8および3D物品4は、218に従って取り外すことができる。
【0035】
図2~
図7の例示的な実施形態は、フック46が近位端32に係合し、プレート支持体10が下降されるときに、造形プレート8が傾斜していることを示す。他の変形も可能である。例えば、変更されたエレベータ機構14は、同じ結果を達成するために、プレート支持体10が静止したままで、フック46を距離Hだけ上昇させることができる。したがって、エレベータサブシステム14がフックサブシステム12とプレート支持体10との間の垂直方向の分離をどのように付与し、変化させるかに関して、設計に基づくバリエーションがある。
【0036】
図2~
図7のフローチャートおよび図は、3D物品4が取り付けられた造形プレート8を上昇、下降、および傾斜させるための機構の構造および動作への導入を提供している。以下は、特定の実施形態のための機構および動作のいくつかの追加的な有用な詳細である。
【0037】
図8は、プレート支持体10上の造形プレート8のオーバーレイ(下の特徴を見るために透明)を示す。プレート支持体10は、X方向に離間され、造形プレート8の下側30に係合する複数の上方に延びる基準点60を支持する一対の支持ビーム58を含む。支持ビーム58はまた、X軸およびY軸に沿って造形プレート8に横方向の拘束を提供する横方向の拘束部62を支持する。複数の基準点60は、造形プレート8の近位端32を支持する2つの基準点60と、造形プレート8の遠位端34を支持する2つの基準点60とを含む。
【0038】
図9は、プレート支持体10によって支持された造形プレート8を示す側面図である。プレート支持体10の近位端36は、造形プレート8の近位端または縁部32を支持する直立基準点60を含む。プレート支持体10の遠位端38は、造形プレート8の遠位端または縁部34を支持する直立基準点60を含む。図示されるように、基準点60は、造形プレート8の下側30に係合する。
【0039】
図10は、プレート支持体10の遠位端38の側面図である。直立基準点60に加えて、遠位端38はカム面64を含む。カム面64は、第1の傾斜部66、平坦面68および第2の傾斜部70を含む3つの部分を有する。図示の実施形態では、第1の傾斜部66は、遠位端38から近位端36に向かって+Y方向に沿って上方に傾斜し、傾斜は水平Y軸に対して約45度の傾斜角度を画定する。平坦面68は基準点60の上方に延びている。第2の傾斜部70は、+Y方向に沿って下向きに傾斜し、傾斜はY軸に対して30度未満の傾斜角度を画定する。傾斜部66および70の傾斜は重要ではなく、所望に応じて変更することができる。傾斜の大きさが小さいと、遠位端34が上昇する際に、カム面64の上で造形プレート8の遠位端34を摺動させるために必要とされる力が低減する。
【0040】
図11は、方法200のステップ212中の、フック46と造形プレート8の近位端32との係合を示す詳細な側面図である。近位端32は、造形プレート8の下側30の凹部76に接する内側縁部74を有する下方に延びるリップ72を含む。フック46の直立先端部52は、凹部76に入り、次いでリップ72の内側縁部74に係合して、ステップ212の間に造形プレート8の遠位端34が下降する際に近位端32の高さを維持する。
【0041】
図12および
図13は、方法200のステップ212またはステップ214中の、造形プレート8の遠位端34とカム面64との係合を示す側面図である。ステップ212および214の間、遠位端34は、カム面64に追従する(重力下でそれに沿って摺動する)。ステップ212が始まると、カム面64は、遠位端34に係合し、それを基準点60から持ち上げる。次に、
図12の図は、カム面64の平坦面68が遠位端34と基準点60との間のクリアランスをどのように維持するかを示す。
図13を参照すると、第2の傾斜部70の緩やかな傾斜は、ステップ214中に遠位端34を基準点60に向かって押し戻すのを容易にする。
【0042】
図14は、ステップ214中の、フック46と造形プレート8の近位端32との間の係合を示す側面図である。フック46は、遠位端34がカム面64に沿って上方にかつ基準点60の上に押される際に、造形プレート8の近位端32に係合してこれを押すように構成された斜面78を有する。
【0043】
上述の特定の実施形態およびその適用は、例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲によって包含される修正および変形を排除するものではない。
【国際調査報告】