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特表2024-517112基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法
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  • 特表-基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/00 20060101AFI20240412BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240412BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240412BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240412BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G05D23/00 H
H01L21/31 B
H01L21/302 103
H01L21/205
C23C16/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564388
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 KR2022004645
(87)【国際公開番号】W WO2022225221
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0050898
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォン オ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク イン ウ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5H323
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA04
4K030FA10
4K030GA02
4K030JA10
4K030KA11
4K030KA23
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
5F004AA01
5F004BA19
5F004BB21
5F004BB22
5F004BB24
5F004BB25
5F004BB26
5F004BC06
5F004BD04
5F004CA04
5F004CB12
5F045AA03
5F045AF03
5F045CA13
5F045DP03
5F045EB09
5F045EF05
5F045EJ03
5F045EK07
5F045EM03
5F045EM04
5F045EM05
5F045EM10
5F045EN04
5F045GB05
5F045GB11
5H323AA29
5H323BB01
5H323CA09
5H323CB02
(57)【要約】
本発明は基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法に関し、本発明による基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバーと、基板が着座することができるサセプタと、前記サセプタを加熱するヒーター部と、前記基板の温度を測定する温度測定部と、前記基板の温度を用いて前記ヒーター部を制御する制御部と、を含み、前記温度測定部は、前記チャンバーの内部で前記基板の温度を測定する第1測定部と、前記チャンバーの外部で前記基板の温度を測定する第2測定部と、前記第1測定部で測定した第1データ、第2測定部で測定した第2データおよび前記第1データおよび第2データを用いて算出した第3データを保存する保存部と、前記第3データを用いて前記基板の温度を算出する判断部と、を含み、チャンバーの外部で基板を移送しながら基板の温度を測定し、参照温度に基づいて基板がチャンバーの内部にあるときの温度を算出して、基板を加熱するための手段の温度を制御することができる効果を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を提供するチャンバーと、
基板が着座することができるサセプタと、
前記サセプタを加熱するヒーター部と、
前記基板の温度を測定する温度測定部と、
前記基板の温度を用いて前記ヒーター部を制御する制御部と、を含み、
前記温度測定部は、
前記チャンバーの内部で前記基板の温度を測定する第1測定部と、
前記チャンバーの外部で前記基板の温度を測定する第2測定部と、
前記第1測定部で測定した第1データ、第2測定部で測定した第2データおよび前記第1データおよび第2データを用いて算出した第3データを保存する保存部と、
前記第3データを用いて前記基板の温度を算出する判断部と、
を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記第3データは、前記第1データと前記第2データとの間の差値であることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記第2データに前記第3データを足して前記基板の温度を算出することを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2測定部はスロットバルブに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2測定部は複数であることを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
チャンバーの内部に着座した基板を搬出する段階と、
前記チャンバーの外部で前記基板の温度を測定する段階と、
前記チャンバーの外部で測定した基板温度に既に保存された補正値を反映して前記基板の温度を決定する段階と、
を含む、温度測定方法。
【請求項7】
前記チャンバーの外部で基板の温度を測定する段階は、スロットバルブで基板の温度を測定することを特徴とする、請求項6に記載の温度測定方法。
【請求項8】
前記補正値は、
チャンバーの内部で基板の温度を測定した第1データを保存する第1段階と、
チャンバーの外部で前記基板の温度を測定した第2データを保存する第2段階と、
前記第1データおよび前記第2データを用いて算出した第3データを温度測定に必要な補正値として保存する第3段階とによって生成することを特徴とする、請求項6に記載の温度測定方法。
【請求項9】
前記第3データは、前記第1データと前記第2データとの間の差値であることを特徴とする、請求項8に記載の温度測定方法。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載の温度測定方法で算出した前記基板の温度を用いて、前記基板を加熱するための手段の温度を制御する、温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置、温度測定および制御方法に関し、より詳しくはチャンバーから排出される基板の温度を測定し、予め保存された補正値を用いてチャンバーの内部の基板の温度を算出し、基板を加熱するための手段を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子、表示装置および薄膜太陽電池を製造するためには、基板に特定の物質の薄膜を蒸着する薄膜蒸着工程、感光性物質を使用してこれらの薄膜のうちで選択された領域を露出または隠蔽させるフォト工程、選択された領域の薄膜を除去してパターニングする食刻工程などを経ることになる。これらの工程のうち、薄膜蒸着工程および食刻工程などは真空状態に最適化した基板処理装置で実行する。
【0003】
真空状態に最適化した基板処理装置で、加熱手段を用いて基板を加熱し、チャンバーの反応空間に工程ガスを供給して薄膜蒸着工程または食刻工程を実行する。基板処理工程において、基板の温度が製品の品質に影響を与えるから、基板の温度を正確に測定して制御しなければならない。
【0004】
一般に、光温度計のような非接触温度測定装置を用いて基板の温度を測定する。光温度計を使用する場合、長時間の工程を経れば、基板処理過程中に工程ガスの反応によって発生する異物が光温度計に沈積することがある。温度測定装置に異物が沈積すると、基板の温度を正確に測定しにくい問題が発生する。したがって、基板の温度を正確に測定することができる装置および方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はチャンバーの内部での基板の温度を正確に測定して基板の温度を制御することができる基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、基板の温度制御のための基板の温度補正値を算出することができる基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明による基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバーと、基板が着座することができるサセプタと、前記サセプタを加熱するヒーター部と、前記基板の温度を測定する温度測定部と、前記基板の温度を用いて前記ヒーター部を制御する制御部と、を含み、前記温度測定部は、前記チャンバーの内部で前記基板の温度を測定する第1測定部と、前記チャンバーの外部で前記基板の温度を測定する第2測定部と、前記第1測定部で測定した第1データ、第2測定部で測定した第2データおよび前記第1データおよび第2データを用いて算出した第3データを保存する保存部と、前記第3データを用いて前記基板の温度を算出する判断部と、を含むことができる。
【0008】
本発明による基板処理装置において、前記第3データは、前記第1データと前記第2データとの間の差値を示す。
【0009】
本発明による基板処理装置において、前記判断部は、前記第2データに前記第3データを足して前記基板の温度を算出することができる。
【0010】
本発明による基板処理装置において、前記第2測定部はスロットバルブに配置されることが好ましい。
【0011】
本発明による基板処理装置において、前記第2測定部は複数で構成され得る。
【0012】
本発明による温度測定方法は、チャンバーの内部に着座した基板を搬出する段階と、前記チャンバーの外部で前記基板の温度を測定する段階と、前記チャンバーの外部で測定した基板温度に既に保存された補正値を反映して前記基板の温度を決定する段階と、を含むことができる。
【0013】
本発明による温度測定方法において、前記チャンバーの外部で基板の温度を測定する段階は、スロットバルブで基板の温度を測定する動作でなり得る。
【0014】
本発明による温度測定方法において、前記補正値は、チャンバーの内部で基板の温度を測定した第1データを保存する第1段階と、チャンバーの外部で前記基板の温度を測定した第2データを保存する第2段階と、前記第1データおよび前記第2データを用いて算出した第3データを温度測定に必要な補正値として保存する第3段階とによって生成することができる。
【0015】
本発明による温度測定方法において、前記第3データは、前記第1データと前記第2データとの間の差値によって算出することができる。
【0016】
本発明による温度制御方法は、本発明による温度測定方法で算出した前記基板の温度を用いて、前記基板を加熱するための手段の温度を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による基板温度制御装置および制御方法は、チャンバーの内部での基板の温度を正確に測定して基板を加熱するための手段を制御することにより、基板全体の温度を均一にすることができる効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による基板処理装置の一部構成を概略的に示す構成図である。
図2】本発明による基板処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】本発明による温度測定方法のための補正値生成過程を示すフローチャートである。
図4】本発明による図3の第1データ生成のための進行過程を示すフローチャートである。
図5】本発明による図3の第2データ生成のための進行過程を示すフローチャートである。
図6】本発明による温度測定および制御方法の進行過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本文に開示されている本発明の実施例についての特定の構造的または機能的説明は単に本発明の実施例を説明するための目的で例示したものであり、本発明の実施例は多様な形態に実施可能であり、本文で説明する実施例に限定されるものと解釈されてはいけない。
【0020】
本発明は多様な変更を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しながら本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物および代替物を含むものと理解しなければならない。
【0021】
「第1」、「第2」などの用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲内で1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と名付けることができる。
【0022】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」されているまたは「接続」されていると言及したときには、その他の構成要素に直接的に連結されているかまたは接続されていることもできるが、中間にさらに他の構成要素が存在することもできると理解しなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか「直接接続」されていると言及したときには、中間にさらに他の構成要素が存在しないものと理解しなければならないであろう。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~の間に」、「すぐ~の間に」または「~に隣り合う」、「~に直接隣り合う」なども同様に解釈しなければならない。
【0023】
本出願で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用するものであり、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上で明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」又は「有する」などの用語は開示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0024】
他に定義しない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解しているものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならなく、本出願で明白に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味と解釈しない。
【0025】
以下で、添付図面を参照して本発明による基板処理装置、温度測定方法および温度制御方法を説明する。図1は本発明による基板処理装置の一部構成を概略的に示す構成図であり、図2は本発明による基板処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0026】
本発明の一実施例による基板処理装置100は、反応空間を備えているチャンバー110、前記チャンバー110内に備えられ、少なくとも一つの基板10を支持するサセプタ120と、前記サセプタ120の下部に配置され、前記サセプタ120を加熱するヒーター部130と、前記サセプタ120と対向するチャンバー110内の他側に備えられ、工程ガスを噴射するガス分配装置140と、前記チャンバー110の外側に備えられ、前記ガス分配装置140に工程ガスを供給するガス供給部150と、チャンバー110の内部を排気するための排気部160と、を含むことができる。
【0027】
チャンバー110は基板10に対する蒸着工程のための空間が内部に形成された筒状に構成され得る。このようなチャンバー110は基板10の形状によって多様な形状に構成され得る。ここで、基板10としては、半導体製造用シリコン基板を用いることができ、またはフラットディスプレイ製造用ガラス基板を用いることもできる。すなわち、シリコン基板などのように基板10が円形の場合、チャンバー110は円形横断面を有する円筒状に構成され、ガラス基板などのように基板10が方形の場合、チャンバー110は方形横断面を有する六面体状に構成され得る。
【0028】
サセプタ120とガス分配装置140とはチャンバー110の内部に互いに対向するように備えられ得る。例えば、サセプタ120がチャンバー110の下側に備えられ、ガス分配装置140がチャンバー110の上側に備えられ得る。また、チャンバー110の一側には基板10が導入されたり引き出されたりする基板出入口111が備えられ得る。チャンバー110には、チャンバー110の内部に工程ガスを供給するガス供給部150と連結されたガス流入口151が備えられ得る。
【0029】
また、チャンバー110には、チャンバー110の内部圧力を調節するか、または工程ガスやチャンバー110の内部のその他の異物などを排気するために、チャンバー110の下部に備えられた排気口112に排気部160が連結され得る。
【0030】
例えば、基板出入口111は、チャンバー110の一側面に基板10が出入することができる程度の大きさに形成され、ガス流入口151はチャンバー110の上部壁に貫設され、排気口112はサセプタ120よりも低い位置のチャンバー110の下部壁に貫設され得る。
【0031】
サセプタ120はチャンバー110の内部に備えられ、その上面にチャンバー100の内部に導入される少なくとも一つの基板10が着座する。このようなサセプタ120は、ガス分配装置140と対向する位置に備えられる。例えば、チャンバー110の内部下側にサセプタ120が備えられ、チャンバー110の内部上側にガス分配装置140が備えられ得る。
【0032】
サセプタ120は基板10が着座して支持されるように、例えば静電チャックなどを備えることで、基板10との静電気力によって吸着を維持することもでき、真空吸着または機械的力によって基板10を支持することもできる。また、サセプタ120は、基板10の形状に対応する平面形状、例えば円形または方形に構成され、基板10よりも大きく製作され得る。
【0033】
サセプタ120の下部には、サセプタ120を上下に移動させる昇降装置121が備えられ得る。昇降装置121はサセプタ120の少なくとも一領域、例えば中央部を支持するように構成され、サセプタ120上に基板10が着座すると、サセプタ120をガス分配装置140に近づくように移動させる。
【0034】
また、サセプタ120の下部または内部にはヒーター部130が装着され得る。ヒーター部130は所定の温度に発熱して基板10を加熱することにより、薄膜蒸着、積層工程、食刻工程などを基板10上で容易に実施することができるようにする。サセプタ120の内部には冷却水供給路(図示せず)を備えることで、冷却水を供給して基板10の温度を低めることもできる。
【0035】
ガス分配装置140はチャンバー110の内部上側に備えられ、サセプタ120上に載置された基板10に向けて工程ガスを噴射する。このようなガス分配装置140は、サセプタ120と同様に、基板10の形状に対応する形状に製作され得る。すなわち、略円形または方形に製作され得る。
【0036】
前記基板出入口111が形成された前記チャンバー110の外側にはスロットバルブ(slot valve)221が配置され、その上部には第2測定部220が位置する。前記第2測定部220は複数の光学式温度計からなり得る。前記第2測定部220は、基板10をチャンバー110の外部に搬出するとき、基板10の複数領域の表面温度を測定することができる。
【0037】
一方、本発明による基板処理装置100は図1に示すチャンバー110を中心とする構成を含み、図2に示すように、温度測定部200および制御部300をさらに含んでなる。温度測定部200は、前記チャンバー110の内部で前記基板10の温度を測定する第1測定部210と、前記チャンバー110の外部で前記基板10の温度を測定する第2測定部220と、前記第1測定部210で測定した第1データおよび第2測定部220で測定した第2データ、並びに前記第1データおよび第2データを用いて算出した第3データを保存する保存部230と、前記第3データを用いて前記基板の温度を算出する判断部240と、を含む。
【0038】
前記第1測定部210は、チャンバー110の内部に基板10が配置された状態で、基板10の温度を測定し、前記第2測定部220は前記スロットバルブ221の上端に配置され、基板10をチャンバー110の外部に搬出するとき、基板10の表面温度を測定する。
【0039】
以下の説明で、前記第1測定部210および第2測定部220によってそれぞれ測定された基板の温度データはそれぞれ「第1データ」および「第2データ」と言う。第1データおよび第2データは保存部230に保存される。温度測定部200の判断部240は、前記保存部230に保存された第1データおよび第2データを用いて第3データを算出する。前記第3データは第1データと第2データとの間の差値になり得る。前記判断部240によって算出されて保存部230に保存される前記第3データは以後の説明で「補正値」として用いられる。
【0040】
制御部300は、前記補正値を用いてチャンバー110の内部のヒーター部130を制御する。
【0041】
本発明による温度測定方法は温度補正値を予め設定した後に実行し、温度補正値を設定するための過程は、図3のフローチャートに示すように実行する。図3に示すように、この過程は、チャンバーの内部で基板の温度を測定した第1データを獲得する過程(S11)と、チャンバーの外部で前記基板の温度を測定した第2データを獲得する過程(S12)と、前記第1データおよび前記第2データを用いて第3データを算出する過程(S13)と、前記第3データを補正値(温度補正値)として保存する過程(S14)とからなる。
【0042】
一方、第1データを獲得する過程は図4に示すように実行する。まず、第1基板をサセプタ120に着座させる。前記第1基板としてTCウエハーを使用することができる。TCウエハーは、チャンバーの内部でウエハーの特定の位置の温度を測定して温度データを得るために使用されるウエハーを示す。ウエハーの内部に一定の深さに複数の孔を形成し、その内部にサーモカップル(thermocouple)を内蔵することにより、熱的抵抗による温度を測定するものである。
【0043】
第1基板に配置されて複数の基板領域の表面温度を測定する構成は図2の第1測定部210に相応する。一方、第1測定部210は、第1基板としてTCウエハーを用いる方法の他に、チャンバーの上部で基板の温度を測定することができる形態の測定装置によっても具現可能である。例えば、チャンバーの内部上側のガス分配装置に隣接した位置に光温度計のような非接触温度測定装置を配置して基板の温度を測定するように具現することもできる。
【0044】
製造工程と同じ条件のチャンバーの内部でサセプタの上部に配置されるので、基板と言うことにする(S111)。
【0045】
所定の温度に到達するようにチャンバー110の温度を上昇させた後、チャンバー110を安定化させる(S112)。
【0046】
チャンバー110の温度が安定化した状態で、前記第1測定部210を用いて第1基板の温度を測定する(S113)。
【0047】
前記第1測定部210によって測定された基板の温度情報を保存部230に第1データとして保存する。例えば、基板を2×2の4個の領域に分割して温度を測定する場合を仮定すると、前記第1測定部210によって測定されたデータを次のようにTP11~TP22の値として保存部230に保存する(S114)。
【0048】
【数1】
【0049】
温度測定が完了すると、チャンバー110の温度が常温になるまでチャンバーを冷却させながら待機し、チャンバーの温度が安定化すると、前記第1基板をチャンバー110から搬出する段階(S115)を含むことで、第1データ生成のための過程を完了する。
【0050】
一方、第2データを生成するための過程は図5に示すように実行する。まず、第2基板をチャンバー110の内部のサセプタ120に配置する。ここで、前記第2基板は補正値算出のために必要な第2データ生成のための基板であり、第1基板と同様に、製造工程と同じ条件のチャンバーの内部でサセプタの上部に配置されるので、「基板」と言うことにする。第1データは第1測定部で第1基板の温度を測定して生成したが、第2データは第2測定部で生成することができる(S121)。
【0051】
工程に必要な所定の温度に到達するようにチャンバーを加熱した後、チャンバーを安定化させる(S122)。
【0052】
チャンバー110の温度が安定化した状態でサセプタ120の上部の基板をリフトアップ(lift up)した後、チャンバーの一側に配置されたスロットバルブ221を開放する(S123)。
【0053】
スロットバルブ221とともに開放する基板出入口を通して、真空ロボットなどで基板をチャンバーの外部に搬出する。サセプタ120からのリフトアップ、スロットバルブ221の開放、および真空ロボット(図示せず)による移動によって基板の温度下降が発生する(S124)。
【0054】
基板をチャンバー110の外部に搬出しながら、スロットバルブ221の上部に配置された第2測定部220で基板の温度を測定する。第2測定部220は複数の光学温度計を含んでなることができ、基板がチャンバーの外部に移動する時間を考慮して測定動作の周期を設定することができる。例えば、第2測定部220が二つの光学温度計からなる場合、基板を2×2の4個の領域に分割して温度を測定するために、前記第2測定部220の温度測定動作は、基板がチャンバーの外部に移動する方向によって基板の温度を測定することができる。すなわち、基板をチャンバーの外部に搬出する過程で、第1時点の第1地点に対する温度を測定し、第2時点の第2地点に対する温度を測定することができる(S125)。
【0055】
第2測定部220で測定される基板の複数の領域の温度情報は保存部230に第2データとして保存される。第1データと同様に、基板を4個の領域に分割して測定した温度データを次のようにTR11~TR22の値として保存する段階(S126)を含むことで、第2データ生成のための過程を完了する(S126)。
【0056】
【数2】
【0057】
温度測定部200の判断部240は、以上で説明した過程で生成された第1データおよび前記第2データを用いて第3データを算出する。第3データは第1データと第2データとの間の差値になり得る。
【0058】
【数3】
【0059】
温度測定部200の判断部240は前記第3データを補正値として保存する。
【0060】
以上で説明したように、補正値算出のための前処理過程を先行した後、処理工程で温度測定および制御方法を図6のフローチャートに示すように実行する。
【0061】
基板10をサセプタ120に着座させた後、チャンバー110の内部の温度が上昇し得るようにチャンバーを加熱する。この際、基板は処理工程で使用される基板を意味する。チャンバー110の内部温度が安定化した状態で、サセプタ120の上部の基板10をリフトアップし、チャンバー110の一側に形成されたスロットバルブ221を開放する。開放されたスロットバルブ221を通して、真空ロボットで前記基板10をチャンバー110の外部に移送させながら、スロットバルブ221の上端部に配置された第2測定部220で基板10の温度を測定する。複数の光学式温度計で構成された前記第2測定部220は基板10の複数の領域の温度を測定する。このような動作は第2データ生成過程と同様に実行する。チャンバーの外部に搬出される基板の温度データ(TS11~TS22)をメモリに保存することができる(S1)。
【0062】
【数4】
【0063】
チャンバーの外部に移送しながら基板の温度測定を完了すると、制御部300は保存部230に保存された補正値を読み取る。制御部300は、メモリに保存された基板の温度データに補正値を加えることにより、前記基板10がチャンバー110の内部にあるときの温度と推定し得る温度値(TSi11~TSi22)を算出することができる(S2)。
【0064】
【数5】
【0065】
次いで、制御部300は、基板の各部分の温度データの均一度を判断する。制御部300は、基板の各領域の温度差が誤差範囲内に含まれるかを確認する。制御部300は、TCウエハーを使用して測定した温度測定値である第1データ(TP11~TP22)に補正値を反映して算出した温度値(TSi11~TSi22)を比較する。一例として、基板の同一位置に対応する二つの温度値(TP11:TSi11、TP12:TSi12、TP21:TSi21、TP22:TSi22)を比較することができる。他の方法として、TSi11~TSi22の平均値(AVRTSi)を算出し、各領域の温度値(TSi11~TSi22)と平均値との間の差が所定の範囲を外れるかを判別することもできる。ここで、所定の範囲は、基板の材質、基板の用途、基板の大きさおよびチャンバーの蒸着条件などによって設定することができる(S3)。
【0066】
制御部300は、前記比較結果によって温度の均一度または温度の分布を判断し、前記温度データの均一度を用いて、ヒーター部を制御するための温度補償値を算出することができる。例えば、TSi11の値が平均値(AVRTSi)よりも10℃だけ低い場合であると、制御部は、基板のTSi11領域の下部のサセプタ120を加熱するための加熱手段であるヒーター部130に対する温度補償値として10℃を選択することができる。このような制御によって全体基板の温度を均一にすることができる(S4)。
【0067】
以上で説明したように、本発明による温度制御方法は、温度補正値を予め算出して保存した後、基板をチャンバーの外部に移送させながら温度を測定し、補正値を反映することにより、基板がチャンバーの内部にあるときの温度を算出することができ、これを用いて基板を加熱するための手段であるヒーター部を制御することにより、基板全体の温度が均一になるように補償することができる効果を奏することができる。
【0068】
以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更することができることが理解可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0069】
前述した実施例による基板処理装置は、半導体素子の基板上に薄膜を蒸着する工程の他に、平面表示装置および薄膜太陽電池などを製造する工程などに使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】