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特表2024-517117マルチビット誤り率を低減するためにデータワードの奇数及び偶数ビットを交互のサブバンクに格納するメモリアレイ及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】マルチビット誤り率を低減するためにデータワードの奇数及び偶数ビットを交互のサブバンクに格納するメモリアレイ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/06 20060101AFI20240412BHJP
   G11C 5/00 20060101ALI20240412BHJP
   G11C 11/418 20060101ALI20240412BHJP
   G11C 7/18 20060101ALI20240412BHJP
   G11C 5/02 20060101ALI20240412BHJP
   G06F 11/10 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
G06F12/06 515H
G11C5/00 100
G11C11/418 120
G11C7/18
G11C5/02 100
G06F11/10 648
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564528
(86)(22)【出願日】2022-04-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 US2022023210
(87)【国際公開番号】W WO2022231766
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/240,935
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】コラール,プラモド
【テーマコード(参考)】
5B015
5B160
【Fターム(参考)】
5B015JJ13
5B015KB07
5B015NN09
5B015PP01
5B160AA16
5B160HA04
(57)【要約】
マルチビット誤り率を低減するために、データワードの奇数及び偶数データビットを交互のサブバンクに格納するためのメモリアレイを開示する。メモリアレイは、第1及び第2メモリバンクの第1サブバンクの連続する列内の第1の複数のデータワードの奇数データビットと、第1及び第2メモリバンクの第2サブバンクの連続する列内の第1の複数のデータワードの偶数データビットを交互に配置する。例えば、N個の各データワードの最下位ビットは、第1サブバンクの第1N個の連続する列に格納される。N個のデータワードの第2ビットは、第2サブバンクの次のN個の連続する列に格納される。N個のデータワードの各ビット位置のN個のデータビットは、対応する列muxセットにインタリーブされる。サブバンク間で奇数ビットと偶数ビットを交互に使用すると、マルチビットソフトエラーが低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリアレイ回路であって、
第1メモリバンクと、
第2メモリバンクと、
を含み、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々は、バンクアレイ回路を含み、
前記バンクアレイ回路は、
列及びメモリ行に配置されたメモリビットセル回路と、
複数のメモリ行を含む少なくとも1つのサブバンクと、
複数の列多重(mux)セットであって、各々が前記列のうちの1つ以上の連続する列を含み、前記複数の列muxセットは、偶数列muxセットと交互に配置された奇数列muxセットを含む、複数の列muxセットと、
を含み、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクのうちの第1の選択されたバンク内のバンクアレイ回路内の少なくとも1つのサブバンクのうちの第1サブバンクの第1メモリ行は、前記第1の選択されたバンクの奇数列muxセットの各々の1つ以上の連続する列のメモリビットセル回路内の少なくとも第1データワードの奇数データビットを格納するように構成され、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクのうちの第2の選択されたバンク内のバンクアレイ回路内の少なくとも1つのサブバンクのうちの第2サブバンクの第1メモリ行は、前記第2の選択されたバンクの偶数列muxセットの各々の1つ以上の連続する列のメモリビットセル回路内の少なくとも第1データワードの偶数データビットを格納するように構成される、
メモリアレイ回路。
【請求項2】
前記第1サブバンクの前記第1メモリ行は、前記第1の選択されたバンクの前記奇数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の少なくとも第2データワードの偶数データビットを格納するように構成され、
前記第2サブバンクの前記第1メモリ行は、前記第2の選択されたバンクの前記奇数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の少なくとも前記第2データワードの奇数データビットを格納するように構成される、
請求項1に記載のメモリアレイ回路。
【請求項3】
前記第1の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第1サブバンクの前記第1メモリ行は、前記第1の選択されたバンクの前記奇数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の第3データワードの奇数データビットを格納するように構成され、
前記第2の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第2サブバンクの前記第1メモリ行は、前記第2の選択されたバンクの前記偶数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の前記第3データワードの前記偶数データビットを格納するように構成される、
請求項2に記載のメモリアレイ回路。
【請求項4】
前記第1の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第1サブバンクの第2メモリ行は、前記第1の選択されたバンクの前記奇数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の第4データワードの奇数データビットを格納するように構成され、
前記第2の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第2サブバンクの第2メモリ行は、前記第2の選択されたバンクの前記偶数列muxセットの各々の前記1つ以上の連続する列内の前記メモリビットセル回路内の前記第4データワードの偶数データビットを格納するように構成される、
請求項3に記載のメモリアレイ回路。
【請求項5】
前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第1サブバンクは、前記第1の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記複数のメモリ行のすべてを含み、
前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第2サブバンクは、前記第2の選択されたバンクの前記バンクアレイ回路内の前記複数のメモリ行のすべてを含む、
請求項2に記載のメモリアレイ回路。
【請求項6】
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々における前記バンクアレイ回路内の前記列の各々は、前記列のうちの1つの列内に配置された前記メモリビットセル回路の各々に結合されたビット線をさらに含み、
前記列のうち少なくとも1つの奇数列を含む前記奇数列muxセットの各々は、前記奇数列muxセットのうちの1つの入力に結合された前記列のうちの前記少なくとも1つの奇数列の前記ビット線をさらに含み、
前記列のうちの少なくとも1つの偶数列を含む前記偶数列muxセットの各々は、前記偶数列muxセットのうちの1つの入力に結合された前記列のうちの前記少なくとも1つの偶数列の前記ビット線をさらに含む、
請求項5に記載のメモリアレイ回路。
【請求項7】
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々における前記バンクアレイ回路内の前記複数のメモリ行は、複数の内側メモリ行及び複数の外側メモリ行を含み、
前記第1の選択されたバンク内の前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第1サブバンクは、前記第1の選択されたバンク内の前記バンクアレイ回路内の前記複数の内側メモリ行及び前記複数の外側メモリ行のうちの一方を含み、
前記第2の選択されたバンク内の前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第2サブバンクは、
前記第1の選択されたバンク内の前記複数の内側メモリ行及び前記複数の外側メモリ行のうちの他方、
前記第2の選択されたバンク内の前記複数の内側メモリ行、
前記第2の選択されたバンク内の前記複数の外側メモリ行、
のうちの1つを含む、請求項2に記載のメモリアレイ回路。
【請求項8】
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々における前記バンクアレイ回路の前記複数の内側メモリ行は、各列に配置された第1の複数のメモリビットセル回路を含み、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々における前記バンクアレイ回路の前記複数の外側メモリ行は、各列に配置された第2の複数のメモリビットセル回路を含み、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクの各々における前記バンクアレイ回路の各列は、
前記第1の複数のメモリビットセル回路の各々に結合された内側サブバンクビット線と、
前記第2の複数のメモリビットセル回路の各々に結合された外側サブバンクビット線と、
を更に含み、
前記奇数列muxセットの各々は、前記奇数列muxセットの入力に結合された前記奇数列muxセットの前記1つ以上の連続する列の各々の前記内側サブバンクビット線と前記外側サブバンクビット線を含み、
前記偶数列muxセットの各々は、前記偶数列muxセットの入力に結合された前記偶数列muxセットの前記1つ以上の連続する列の各々の前記少なくとも内側サブバンクビット線と前記外側サブバンクビット線を含む、請求項7に記載のメモリアレイ回路。
【請求項9】
前記バンクアレイ回路は、前記複数のメモリ行の各々における前記メモリビットセル回路の各々に結合されたワード線を更に含み、
前記第1メモリバンク内の前記バンクアレイ回路の前記複数の内側メモリ行は、前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第1サブバンクの前記第1メモリ行を含み、
前記第2メモリバンク内の前記バンクアレイ回路の前記複数の内側メモリ行は、前記バンクアレイ回路内の前記少なくとも1つのサブバンクのうちの前記第2サブバンクの前記第1メモリ行を含み、
前記第1サブバンク内の前記第1メモリ行の前記ワード線は、前記第1の選択されたバンク内の前記奇数列muxセットの前記1つ以上の連続する列内の前記内側サブバンクビット線上に前記少なくとも第1データワードの前記奇数データビットを生成するように活性化されるように構成され、
前記第2サブバンク内の前記第1メモリ行の前記ワード線は、前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクのうちの前記第2メモリバンクの前記偶数列muxセットの前記1つ以上の連続する列内の前記内側サブバンクビット線上に前記少なくとも第1データワードの前記偶数データビットを生成するように活性化されるように構成される、
請求項8に記載のメモリアレイ回路。
【請求項10】
前記複数の列muxセットのうちの各列muxセットは、マルチプレクサ入力とマルチプレクサ出力とを含むマルチプレクサを含み、
前記各列muxセットの入力は、前記マルチプレクサ入力を含む、請求項9に記載のメモリアレイ回路。
【請求項11】
前記バンクアレイ回路は、
前記第1の選択されたバンク内の前記奇数列muxセットの前記マルチプレクサの各々に結合された第1選択線であって、前記第1選択線は、前記第1の選択されたバンク内の前記奇数列muxセットの各々における前記1つ以上の連続する列の中から、前記第1データワードに対応する前記内側サブバンクビット線を選択するように活性化されるように構成される、第1選択線と、
前記第2の選択されたバンク内の前記偶数列muxセットの各々のマルチプレクサに結合された第2選択線であって、前記第2選択線は、前記偶数列muxセットの各々における前記1つ以上の連続する列の中から、前記第1データワードに対応する前記内側サブバンクビット線を選択するように活性化されるように構成される、第2選択線と、
を更に含む、請求項10に記載のメモリアレイ回路。
【請求項12】
前記第1の選択されたバンク内の前記偶数列muxセットの前記マルチプレクサの各々に結合された第3選択線であって、前記第3選択線は、前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクのうちの前記第1メモリバンク内の前記奇数列muxセットの各々における前記1つ以上の連続する列の中から、前記第2データワードに対応する前記内側サブバンクビット線を選択するように活性化されるように構成される、第3選択線と、
前記第2の選択されたバンク内の前記奇数列muxセットのマルチプレクサの各々に結合された第4選択線であって、前記第4選択線は、前記偶数列muxセットの各々における前記1つ以上の連続する列の中から、前記第2データワードに対応する前記内側サブバンクビット線を選択するように活性化されるように構成される、第4選択線と、
を更に含む、請求項10に記載のメモリアレイ回路。
【請求項13】
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンク内の前記バンクアレイ回路の前記複数の内側メモリ行の各列内の前記内側サブバンクビット線は、第1金属層内に配置され、
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンク内の前記バンクアレイ回路の前記複数の外側メモリ行の各列内の前記外側サブバンクビット線は、
前記第1金属層内に配置され、前記第2の複数のメモリビットセル回路に結合される第1外側サブバンクビット線部分と、
第2金属層内に配置される第2外側サブバンクビット線部分と、
前記第1外側サブバンクビット線部分及び前記第2外側サブバンクビット線部分に結合された垂直相互接続アクセス(via)と、
を含む、請求項10に記載のメモリアレイ回路。
【請求項14】
前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクは、第1方向に分離され、
前記第1メモリバンク内の前記バンクアレイ回路内の第1奇数列muxセット内の列のうちの少なくとも1つの列は、前記第2メモリバンク内の前記バンクアレイ回路内の前記第1奇数列muxセット内の列のうちの少なくとも1つの列と同一直線上にある、請求項1に記載のメモリアレイ回路。
【請求項15】
メモリアレイ回路における方法であって、
メモリアレイ回路の第1メモリバンク及び第2メモリバンクのうちの第1の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンクのうちの第1サブバンク内のメモリビットセル回路の第1メモリ行内の第1ワード線を活性化して、第1サブバンクビット線上に前記第1メモリ行に格納された第1データビットを生成するステップであって、前記第1データビットは、少なくとも第1データワードの奇数データビットを含む、ステップと、
前記メモリアレイ回路の前記第1メモリバンク及び前記第2メモリバンクのうちの第2の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンクのうちの第2サブバンク内のメモリビットセル回路の第2メモリ行内の第2ワード線を活性化して、第2サブバンクビット線上に前記第2メモリ行に格納された第2データビットを生成するステップであって、前記第2データビットは、前記少なくとも第1データワードの偶数データビットを含む、ステップと、
第1選択線を制御するステップであって、
前記第1サブバンクビット線に結合されたマルチプレクサを制御して、前記メモリアレイ回路の第1奇数データ出力に前記第1データワードの前記奇数データビットを生成し、
前記第2サブバンクビット線に結合されたマルチプレクサを制御して、前記メモリアレイ回路の第1偶数データ出力に前記第1データワードの前記偶数データビットを生成する、ステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、デジタルデータを格納するためのメモリシステムに関するものであり、特に、マルチビットエラーの発生を低減するパターンでデータの記憶をサポートするように構成されたメモリアレイ回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子装置に使用されるメモリアレイは、処理装置が迅速にアクセスできる大量のデジタルデータをコンパクトに格納する。メモリアレイは、デジタルデータビットを格納するメモリビットセル回路(「メモリビットセル」)の2次元(2D)アレイ(すなわち、メモリ行及びメモリ列に編成される)である。メモリアレイ内のメモリビットセルのメモリ行は、データワード全体を格納できる。これは、例えば、長さが64、128、又は256ビットであることがよくある。メモリアレイの領域密度を増加させることが、現在望まれている。この目的は、メモリ行のメモリビットセルの領域とメモリビットセル間の距離を削減する技術の向上によって実現される。その結果、入射高エネルギ粒子線によって影響を受ける可能性のある所定の領域に含まれるメモリビットセルの数が増加している。粒子線衝突と呼ばれる、メモリアレイに入射する特定の高エネルギ粒子線は、特定の領域内のメモリビットセルの状態を、格納されているデータの状態を反転させることができる(例えば、「0」から「1」へ、又はその逆)。同じデータワードのデータビットを格納している複数のメモリビットセルが領域内にある場合、データワードの1つ以上のデータビットが影響を受ける可能性がある。従って、マルチビットエラーの数は、通常、メモリアレイ内のメモリビットセルの密度が増加するにつれて、メモリアレイ内で増加する。データワードがエラー訂正コード(ECC)によって保護されている場合、単一ビットエラーを簡単に検出して訂正することができる。使用されるECCスキームに応じて、データワードの2つ以上のデータビットのエラーも検出できる。しかし、複数のビットエラーを訂正すると、ECCに必要な回路の量が増加し、メモリアクセス時間が増加する可能性がある。
【0003】
列多重化は、メモリアレイ100内の複数のビットエラーのインスタンスを減らすために使用されるデータ記憶方式である。図1は、列多重化を説明するために提供されるメモリアレイ100を示している。メモリアレイ100は、第1メモリバンク102A及び第2メモリバンク102Bを含む。第1メモリバンク102A内の第1メモリ行104A(1)は、データワードA~Dを格納するものとして示され、第2メモリバンク102B内の第1メモリ行104B(1)は、データワードE~Hを格納するものとして示される。データワードA~Hは、各々4つのデータビットを有する。データビットA1~A4、B1~B4、C1~C4、及びD1~D4は、データワードのビットが第4メモリビットセルごとに格納されるようにインタリーブされる。例えば、データビットA1とデータビットA2がより離れて、高エネルギ粒子線によってそれらのメモリ状態が反転される可能性が低くなるように、データビットを分配することによって、メモリアレイ100においてマルチビットエラーが低減される。データビットA1~D1は、第1列マルチプレクサ(mux)セット106A(1)に格納される。データビットA2~D2、A3~D3、A4~D4は、第1メモリバンク102Aの列muxセット106A(2)~106A(4)に格納される。例えば、データワードA~Dの第1ビット(すなわち、データビットA1、B1、C1及びD1)は、列muxセット106A(1)の連続するメモリビットセル回路110に格納される。データワードE~Hは、第2メモリバンク102B内の列muxセット106B(1)~106B(4)にまたがって格納される。
【0004】
例えば、データビットC1を格納するメモリビットセル回路110を中心とした粒子線衝突は、データビットC1の状態にエラーを生じさせ、データビットC1のいずれかの側のデータビットB1及びD1のメモリ状態にもエラーを生じさせる。この場合、粒子線衝突は、データワードB-Dの各々にシングルビットエラーを生じさせるが、ダブルビットエラーは生じない。列muxセット106A(1)-106A(4)の各々において、4つのデータワードの対応するデータビット(例えば、A1-D1)をインタリーブすることはCM4として知られており、これは、粒子線衝突がメモリ行104A(1)又は104B(1)のようなメモリ行内の4つ以上の連続するメモリビットセル110のメモリ状態に影響を与えない限り、メモリアレイ100をダブルビットエラーから保護する。
【0005】
列muxセット106A(1)-106A(4)は、対応するmux112A(1)-112A(4)を含み、列muxセット106B(1)-106B(4)は、対応するmux112B(1)-112B(4)を含む。データは、データ出力114A(1)-114A(4)上の第1メモリバンク102Aから読み取られ、データ出力114A(1)-114A(4)は、mux112A(1)-112A(4)及び112B(1)-112B(4)の出力に結合される。データは、データ出力114A(1)-114A(4)上の第2メモリバンク102Bから読み取られる。データ出力114A(1)-114A(4)は、112B(1)-112B(4)の出力に結合される。データワードAの読み出しは、第1メモリバンク102Aの第1メモリ行104A(1)に対応するワード線116A(1)を活性化することを含む。これにより、すべてのメモリビットセル110の値が、mux112A(1)~112A(4)への入力として提供されるビット線118A(1)~118A(16)上に生成される。データビットA1~A4は、選択線120Aを活性化して各mux112A(1)~112A(4)を制御して第1入力を選択することに応答して、データ出力114A(1)~114A(4)上に生成される。選択線120Aは、データワードB~Dの1つを選択するために使用することもできる。選択線120Bは、データ出力114B(1)~114B(4)上でデータワードE~Hの1つを生成するために使用される。データ出力114A(1)~114A(4)及びデータ出力114B(1)~114B(4)は、第1メモリバンク102Aと第2メモリバンク102Bとの間を選択し、メモリアレイ出力124を生成する列回路122(1)~122(4)に結合される。
【0006】
メモリアレイ100に格納されるデータワードは、説明のために4ビットのみの長さである。上述したように、4列の幅の列muxセットを有するメモリバンクは、粒子衝突がメモリ行内の4個のデータビットのみ、又はそれ以下に影響を及ぼす場合、マルチビットエラーから保護する。しかし、列muxセットが4ビット幅のメモリバンクは、データワードの長さの4倍長いメモリ行を有する。このような長いメモリ行を有することは、メモリアレイのプロファイルを著しく変化させ、アレイ特性に悪影響を及ぼし、メモリアレイをチップ上に配置することの困難さを増大させる可能性がある。メモリビットセルジオメトリ(geometries)が減少すると、より多くの連続したビットが同じ粒子線衝突の影響を受ける可能性がある。図1に示すように、マルチビットエラーから保護するには、各列muxセット内の列数を増やす必要があり、メモリアレイプロファイルに基づく問題が更に悪化する。
【発明の概要】
【0007】
ここに開示される例示的な態様は、マルチビット誤り率を低減するために、データワードの奇数及び偶数データビットを交互のサブバンクに格納するためのメモリアレイを含む。列多重化メモリアレイ内のマルチビットエラーを低減する方法も開示される。例示的な態様では、メモリアレイは、第1及び第2メモリバンクの第1サブバンクの奇数列内の第1の複数のデータワードの奇数ビットと、第1及び第2メモリバンクの第2サブバンクの偶数列内の第1の複数のデータワードの偶数ビットを交互に配置する。このようにしてデータワードの奇数/偶数ビットを交互にすることは、マルチビットソフトエラーを低減する。メモリアレイの各メモリバンクは、列及びメモリ行に配置されたメモリビットセルを有するバンクアレイ回路を含む。バンクアレイ回路のサブバンクは、複数のメモリ行を含む。一例では、多数(N)のデータワードが各メモリ行に格納される。この例では、N個のデータワードの各々で同じビット位置に対応するデータビットが列内でインタリーブされ、マルチビットソフトエラーを低減する。例えば、N個のデータワードの各々の最下位ビットは、バンクアレイ回路の第1N個の連続する列に格納され、第1N個の列は列マルチプレクサ(mux)セットに含まれる。N個のデータワードの他のビット位置の各々のデータビットは、N個の連続する列でインタリーブされ、同じビット位置のN個の連続する列の各々は、対応する列muxセットに結合される。列muxセットは、各ビット位置でN個のデータビットの1つを選択するmuxを含むことができる。このように、第1データワードのデータビットは、従来の列muxメモリアレイ内のNビット間隔ではなく、開示されたメモリアレイではメモリ行内で2×Nデータビット間隔であり、マルチビットソフトエラーを実質的に排除する。
【0008】
幾つかの例では、各メモリバンクは、第1の複数のメモリ行を含む第1サブバンクと、第2の複数のメモリ行を含む第2サブバンクとを含む。バンクアレイ回路の各列は、第1の複数のメモリ行内の第1の複数の連続するメモリビットセルを含み、第1の複数の連続するメモリビットセルは、第1サブバンクビット線に結合される。幾つかの例では、バンクアレイ回路の各列は、第2の複数のメモリ行内の第2の複数の連続するメモリビットセルを含み、第2の複数の連続するメモリビットセルは、第2サブバンクビット線に結合される。第1サブバンクビット線及び第2サブバンクビット線は、対応する列muxセットの別々の入力に結合される。このようにして、アレイのアクセス時間を改善するために、多数の負荷が第1及び第2サブバンクビット線間で分割される。
【0009】
例示的な態様において、第1メモリバンク及び第2メモリバンクを含むメモリアレイ回路が開示される。第1メモリバンク及び第2メモリバンクの各々は、列及びメモリ行に配置されたメモリビットセル回路を含むバンクアレイ回路を含む。バンクアレイ回路は更に、複数のメモリ行を含む少なくとも1つのサブバンクを含む。バンクアレイ回路はまた、複数の列muxセットを含み、各列muxセットは、列のうちの1つ以上の連続した列を含み、複数の列muxセットは更に、偶数列muxセットと交互に配置された奇数列muxセットを含む。第1メモリバンク及び第2メモリバンクのうちの第1の選択されたバンク内のバンクアレイ回路の少なくとも1つのサブバンクのうちの第1サブバンクの第1メモリ行は、第1の選択されたバンクの奇数列muxセットの各々の1つ以上の連続した列内のメモリビットセル回路内の少なくとも第1データワードの奇数データビットを格納するように構成される。第1メモリバンク及び第2メモリバンクのうちの第2の選択されたバンク内のバンクアレイ回路の少なくとも1つのサブバンクのうちの第2サブバンクの第1メモリ行は、第2の選択されたバンクの偶数列muxセットの各々の1つ以上の連続した列内のメモリビットセル回路内の少なくとも第1データワードの偶数データビットを格納するように構成される。
【0010】
別の例示的な態様において、メモリアレイ回路内の方法が開示される。メモリアレイ回路の第1メモリバンク及び第2メモリバンクのうちの第1の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンクのうちの第1サブバンク内のメモリビットセル回路の第1メモリ行内の第1ワード線を活性化して、第1サブバンクビット線上に第1メモリ行に格納された第1データビットを生成し、第1データビットは、少なくとも第1データワードの奇数データビットを含む。メモリアレイ回路の第1メモリバンク及び第2メモリバンクのうちの第2の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンクのうちの第2サブバンク内のメモリビットセル回路の第2メモリ行内の第2ワード線を活性化して、第2サブバンクビット線上に第2メモリ行に格納された第2データビットを生成し、第2データビットは、少なくとも第1データワードの偶数データビットを含む。本方法は更に、第1選択線を制御して、第1サブバンクビット線に結合されたマルチプレクサを制御して、メモリアレイ回路の第1奇数データ出力上に第1データワードの奇数データビットを生成し、第2サブバンクビット線に結合されたマルチプレクサを制御して、メモリアレイ回路の第1偶数データ出力上に第1データワードの偶数データビットを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示の幾つかの態様を示しており、説明とともに、開示の原則を説明するのに役立つ。
【0012】
図1】列多重(mux)データビットを有する従来のバンクアレイ回路を各々含む2つのメモリバンクを含むメモリアレイ回路の図である。
【0013】
図2】第1及び第2メモリバンクを含む例示的なメモリアレイ回路の図であり、第1及び第2メモリバンクの各々が、第1メモリバンクの奇数列muxセットの各々に結合された第1メモリバンクの1つ以上の連続する列と、第2メモリバンクの偶数列muxセットの各々に結合された第2メモリバンクの1つ以上の連続する列とを有するバンクアレイ回路を各々含む。
【0014】
図3図2のメモリアレイ回路の例を示す図であり、各バンクアレイ回路は、内側サブバンクビット線に結合された各列のメモリビットセル回路を有する内側メモリ行を含む内側サブバンクと、外側サブバンクビット線に結合された各列のメモリビットセル回路を有する外側行を含む外側サブバンクとを含む。
【0015】
図4図2のメモリアレイ回路から第1データワードを読み出す方法を示すフローチャートであり、各奇数列muxセットに結合された第1及び第2メモリバンクの第1の選択されたバンクの1つ以上の連続する列と、各偶数列muxセットに結合された第1及び第2メモリバンクの第2の選択されたバンクの1つ以上の連続する列とを含むバンクアレイ回路を含む。
【0016】
図5図2に示す2つのメモリアレイ回路を含む集積回路の図であり、各々は、第1データワードの奇数データビットを格納する第1メモリバンク内の奇数列muxセットと、第1データワードの偶数データビットを格納する第2メモリバンク内の偶数列muxセットとを含む2つのメモリバンクを含む。
【0017】
図6】システムバスに結合された複数のデバイスを含む例示的なプロセッサベースのシステムのブロック図であり、プロセッサベースのシステムは、図2図3及び図5に示すメモリアレイ回路のように、第1メモリバンクの奇数列muxセット内の第1データワードの奇数データビット及び第2メモリバンクの偶数列muxセット内の第1データワードの偶数データビットを格納する少なくとも1つのメモリアレイ回路を含む。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここに開示される例示的な態様は、マルチビット誤り率を低減するために、データワードの奇数及び偶数データビットを交互のサブバンクに格納するためのメモリアレイを含む。列多重化メモリアレイ内のマルチビットエラーを低減する方法も開示される。例示的な態様では、メモリアレイは、第1及び第2メモリバンクの間で第1サブバンクの奇数列に第1の複数のデータワードの奇数ビットを、第1及び第2メモリバンクの間で第2サブバンクの偶数列内に第1の複数のデータワードの偶数ビットを、交互に記憶する。このようにしてデータワードの奇数/偶数ビットを交互にすることは、マルチビットソフトエラーを低減する。メモリアレイの各メモリバンクは、列及びメモリ行に配置されたメモリビットセルを有するバンクアレイ回路を含む。バンクアレイ回路のサブバンクは、複数のメモリ行を含む。一例では、多数(N)のデータワードが各メモリ行に格納される。この例では、N個のデータワードの各々で同じビット位置に対応するデータビットが列内でインタリーブされ、マルチビットソフトエラーを低減する。例えば、N個のデータワードの各々の最下位ビットは、バンクアレイ回路の第1N個の連続する列に格納され、第1N個の列は列マルチプレクサ(mux)セットに含まれる。N個のデータワードの他のビット位置の各々のデータビットは、N個の連続する列でインタリーブされ、同じビット位置のN個の連続する列の各々は、対応する列muxセットに結合される。列muxセットは、各ビット位置でN個のデータビットの1つを選択するmuxを含むことができる。このように、第1データワードのデータビットは、従来の列muxメモリアレイ内のNビット間隔ではなく、開示されたメモリアレイではメモリ行内で2×Nデータビット間隔であり、マルチビットソフトエラーを実質的に排除する。
【0019】
幾つかの例では、各メモリバンクは、第1の複数のメモリ行を含む第1サブバンクと、第2の複数のメモリ行を含む第2サブバンクとを含む。バンクアレイ回路の各列は、第1の複数のメモリ行内の第1の複数の連続するメモリビットセルを含み、第1の複数の連続するメモリビットセルは、第1サブバンクビット線に結合される。幾つかの例では、バンクアレイ回路の各列は、第2の複数のメモリ行内の第2の複数の連続するメモリビットセルを含み、第2の複数の連続するメモリビットセルは、第2サブバンクビット線に結合される。第1サブバンクビット線及び第2サブバンクビット線は、対応する列muxセットの別々の入力に結合される。このようにして、アレイのアクセス時間を改善するために、多数の負荷が第1及び第2サブバンクビット線間で分割される。
【0020】
メモリアレイのFailure-In-Time(FIT)レートは、メモリアレイから読み取られるデータでシングルビット又はマルチビットエラーが検出される頻度の指標である。FITレートは、主にソフトエラーレート(Soft-Error Rate (SER))に基づいている。ソフトエラーは、高エネルギ粒子線(例えば、中性子やアルファ粒子)がメモリアレイの領域に衝突すると発生する。メモリアレイは、メモリ行と列に配置されたメモリビットセル回路の2次元アレイにデジタル(例えばバイナリ)データビットを格納する。高エネルギ粒子線衝突は、領域内のすべてのメモリビットセル内のデータビットの論理状態に影響を与える可能性がある。技術が進歩し、メモリビットセルが小さくなるにつれて、高エネルギ粒子線衝突の影響を受ける可能性のあるデータビットの数が増加する。この問題に対処する現在の取り組みには、誤り訂正符号(error-correction codes (ECC))と、列インタリーブとしても知られる列多重化(「column muxing」)がある。ECCを使用すると、比較的少量のロジックで1ビットエラーを検出して訂正することができ、比較的少量の時間でそれを行うことができる。2ビットエラーも検出して訂正することができるが、そのためのコストはロジック回路の大幅な増加であり、メモリアレイの面積が増加し、メモリアレイの消費電力が増加し、メモリアレイのアクセス時間が増加する。
【0021】
列多重化は、マルチビットエラーの数を減らす方法である。メモリ行の連続したメモリビットセル内で互いに異なるデータワードのデータビットを相互にインタリーブすることにより、高エネルギ粒子線衝突の効果は、単一データワード内の複数データビットエラーとは対照的に、複数データワード上の単一ビットエラーになる。列多重化の制限は、インタリーブによってメモリアレイ内のメモリ行の長さが増加し、複数のインタリーブされたデータワードが含まれることである。現在、4列の列多重化(CM4)には、メモリアレイのメモリ行が4つのデータワードを保持するのに十分な長さである必要がある。メモリ行が長くなると、メモリアレイの形状因子(例えば、プロファイル)が変化し、メモリアレイが使用される集積回路(IC)での電力消費とタイミングだけでなく、配置とルーティングのオプションにも影響を与える可能性がある。しかし、メモリビットセルが小さくなると、CM4はマルチビットエラーを回避するのに十分ではない可能性がある。SER又はFITレートを低く保つために、8列を列多重するCM8が考えられるが、CM8を実装すると、CM4と比較してメモリアレイのメモリ行の長さが2倍になり、ICの形状因子に問題が生じる可能性がある。
【0022】
図2に示す例示的なメモリアレイ回路200は、第1メモリバンク202A及び第2メモリバンク202Bを含む。メモリアレイ回路200は、列多重化を採用し、第1メモリバンク202Aと第2メモリバンク202Bとの間で奇数データビット204O及び偶数データビット204Eの記憶を交互に行い、電力、性能、タイミング及び領域への影響を低減してマルチビットエラー保護を増大させる。メモリバンク202A及び202Bは、各々メモリビットセル回路(「メモリビットセル」)208で形成されたバンクアレイ回路206A及び206Bを含む。第1及び第2メモリバンク202A及び202Bは、各々がメモリアレイ回路200の記憶の各々の部分(例えば、半分)を提供する別個のアレイであり、単一のより大きなアレイを使用する問題を低減する。メモリビットセル208は、ワイヤ又はトレースによって相互接続された半導体トランジスタで形成される。メモリビットセル208は、非限定的な例として、シリコンで形成された6個のトランジスタ(6T)、8個のトランジスタ(8T)、又は10個のトランジスタ(10T)のSRAMビットセルのような静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)ビットセル回路であってもよい。メモリアレイ回路200は、SRAMビットセルに限定されず、他のタイプのメモリビットセルを含んでもよい。メモリアレイ回路200及び本明細書に開示される他のメモリアレイ回路は、例えば、基板上及び集積回路内に配置されてもよい。
【0023】
バンクアレイ回路206A及びバンクアレイ回路206Bは同等の構造である。従って、ここでのバンクアレイ回路206Aの説明は、バンクアレイ回路206Bの説明でもある。バンクアレイ回路206Aのメモリビットセル208は、列210A(1)~210A(16)及びメモリ行212A(1)~212A(8)に配置されている。バンクアレイ回路206Bのメモリビットセル208は、列210B(1)~210B(16)及びメモリ行212B(1)~212B(8)に配置されている。メモリアレイ回路200に対応するメモリ回路は、データワードの数、及びパリティ又はECCビットを含む各データワード内のビットの数によって決定される任意の数の列、例えば288列などを有することができる。メモリアレイ回路200に対応するメモリアレイ回路は、所望のアレイ容量に応じて、256などの任意の数のメモリ行を有することができる。
【0024】
メモリアレイ回路200に格納されたデータは、読み出し動作においてメモリアレイ回路内のメモリビットセル208から検索される。これについては、列210A(1)~210A(16)の構成、各列のメモリビットセル208に格納されたデータ、及びメモリアレイ回路200内の読み出し動作を実行するために使用されるその他の特徴について詳細に説明した後に説明する。
【0025】
例示的な態様において、データワードA~Hは、第1行212A(1)及び212B(1)に格納される。データビットA1~D1は、すべてデータワードA~D内の同じビット位置(すなわち、第1ビット位置)に対応するため、本明細書では、データワードA、B、C及びDの対応するビットとして参照される。データワードA~Dの奇数データビット204O及びデータワードE~Hの偶数データビット204Eは、第1バンクアレイ回路206Aの第1メモリ行212A(1)に格納される。データワードE~Hの偶数データビット(204E)及びデータワードA~Dの奇数データビット(204O)は、第1バンクアレイ回路206Bの第1メモリ行212B(1)に格納される。データワードA~Dは、各々ビットA1~A4、B1~B4、C1~C4、D1~D4を含む。データワードA、B、C、及びDの各々第1及び第3ビット位置にあるデータビットA1~D1及びA3~D3は、本明細書では奇数データビット204Oと呼ばれる。各々第2及び第4ビット位置にあるデータビットA2~D2及びA4~D4は、本明細書では偶数データビット204Eと呼ばれる。
【0026】
例えば、列210A(1)~210A(4)は、奇数データビット(204O)が格納されているため、奇数列210Oと呼ばれる。列210A(5)~210A(8)は、偶数列210Eと呼ばれ、偶数データビット(204E)が格納されている。バンクアレイ回路206Aの列210A(1)~210A(4)(奇数列210O)は、mux214(1)に結合され、列muxセット216A(1)を形成する。列muxセット216A(1)は、列210A(1)~210A(4)のいずれかのメモリビットセル208に格納されたデータを読み出すために用いられる。奇数列210Oに結合された列muxセット216A(1)は、奇数列muxセット218Oと呼ばれる。列muxセット216A(3)、216B(1)、及び216B(3)は、奇数列210Oに結合されているため、奇数列muxセット218Oとも呼ばれる。列muxセット216A(2)、216A(4)、216B(2)、及び216B(4)は、偶数列210Eに結合されているため、偶数列muxセット218Eである。従って、メモリアレイ回路200では、奇数列210AO及び210BOは各々奇数列muxセット218Oに結合され、偶数列210AE及び210BEは各々偶数列muxセット218Eに結合される。
【0027】
上述したように、メモリアレイ回路200の例示的な態様は、メモリアレイ回路200の第1メモリバンク202Aの同一のメモリ行212A(1)にデータワードAのすべてのデータビットA1~A4を格納するのではなく、データワードAの第1データビットA1及び第3データビットA3(奇数データビット204O)を第1メモリバンク202Aに格納し、第2及び第4データビットA2及びA4を第2メモリバンク102Bに格納することである。ビットA1及びA3は、各々第1メモリバンク202Aの第1列muxセット216A(1)及び第3列muxセット216A(3)に結合された奇数列210Oのメモリビットセル208に格納される。第2データビットA2及び第4データビットA4(偶数データビット204E)は、各々第2メモリバンク202Bの第2列muxセット216B(2)及び第4列muxセット216B(4)に結合された偶数列210Eのメモリビットセル208に格納される。
【0028】
図2のメモリアレイ回路200では、例えば、ビットA1~D1に対応する奇数列210Oが列muxセット216A(1)に結合されている。他の例では、メモリ行212A(1)は、例えば、32データワードまでの1つ以上のデータワードのデータビットを格納することができる。従って、少なくとも1つの奇数列210Oは、奇数列muxセット218Oの各々に結合され、少なくとも1つの偶数列210Eは、偶数列muxセット218Eの各々に結合される。
【0029】
データワードE~Hは、また、第1バンクアレイ回路206Aの第1メモリ行212A(1)及び第2バンクアレイ回路206Aの第1メモリ行212B(1)に格納される。例えば、データワードEの第1データビットE1及び第3データビットE3は、各々第1列muxセット216B(1)及び第3列muxセット216B(3)に結合された奇数列210Oに格納される。第2データビットE2及び第4データビットE4は、各々第2列muxセット216A(2)及び第4列muxセット216A(4)に結合された偶数列210Eに格納される。
【0030】
別の言い方をすれば、第1メモリバンク202Aのバンクアレイ回路206Aの第1メモリ行212A(1)は、列210A(1)~210A(4)及び210A(9)~210A(12)のデータワードA~Dのうち、奇数列muxセット216A(1)及び216A(3)に対応する奇数データビット204Oをメモリビットセル208に格納する。第2メモリバンク202Bのバンクアレイ回路206Bの第1メモリ行212B(1)は、偶数列muxセット216B(2)、216B(4)に対応する列210B(5)、210B(13)に、データワードA~Dの偶数データビット204Eを格納する。第1メモリバンク202Aのバンクアレイ回路206Aの第1メモリ行212A(1)は、偶数列muxセット216A(2)及び216A(4)に各々結合された列210A(5)~210A(8)及び210A(13)~210A(16)のメモリビットセル208に、データワードE~Hの偶数データビット204E(E2~H2及びE4~H4)を格納する。第2メモリバンク202Bのバンクアレイ回路206Bの第1メモリ行212B(1)は、奇数列muxセット216B(1)及び216B(3)に各々結合された列210B(1)~210B(4)及び210B(9)~210B(12)のメモリビットセル208に、データワードE~Hの奇数データビット204O(E1~H1及びE3~H3)を格納する。
【0031】
バンクアレイ回路206Aの第2メモリ行212A(2)は、奇数列muxセット216A(1)の列210A(1)~210A(4)に奇数データビットI1~L1を格納し、偶数列muxセット216A(2)の列210A(5)~210A(8)にデータビットM2~P2を格納する。具体的には、バンクアレイ回路206Aの第2メモリ行212A(2)は、各々奇数列muxセット216A(1)及び216A(3)に結合された奇数列210A(1)及び210A(9)に、データワードIの奇数データビット204Oを格納し、バンクアレイ回路206Bの第2メモリ行212B(2)は、偶数列muxセット216B(2)及び216B(4)に結合された偶数列210B(5)及び210B(13)に、データワードIの偶数データビット204Eを格納する。同様に、データワード(例えば、Q~T)のデータビットQ1~T1は、奇数列muxセット216A(1)に含まれる奇数列210A(1)~210A(4)内のメモリ行212A(3)に格納される。
【0032】
メモリアレイ回路200の利点を、データビットAについて説明する。第1メモリバンク202Aの列210A(1)内のA1に最も近い、データワードAの別のデータビットは、列210A(9)のデータビットA3である。データビットB1~D1及びE2~H2は、メモリ行212A(1)のデータビットA1とデータビットA3とを分離する。この例では、データビットA3は、第1メモリ行212A(1)のデータビットA1から8列離れており、これは、列多重化のみの場合よりもソフトエラーに対する高い保護を提供する。従って、列多重化は、第1メモリバンク202Aと第2メモリバンク202Bとの間の奇数のデータビット204Oと偶数のデータビット204Eの交互記憶の例示的な態様と組み合わされ、データワードAのデータビットA1~A4の分離を向上させる。従って、データビットA1~A4の複数のビットが単一の入射高エネルギ粒子線の影響を受ける可能性が低くなる。第1メモリバンク202AのデータビットA1及びA3は、8つのデータワードのすべてのデータビットが同じ行にあるCM8列多重化を採用するメモリアレイ回路と同様の程度に保護され、メモリアレイ回路200の場合よりもメモリ行の長さが2倍になる。
【0033】
列210A(1)~210A(16)は、ビット線220A(1)~220A(16)も含む。ビット線220A(1)は、列210A(1)内のすべてのメモリビットセル208に結合される。すなわち、列210A(1)~210A(16)の各々において、対応するビット線220A(1)~220A(16)は、メモリ行212A(1)~212A(8)の各々におけるメモリビットセル208に結合される。この点に関して、バンクアレイ回路206Aは単一サブバンク223Aを含み、バンクアレイ回路206Bは単一サブバンク223Bを含む。ビット線220A(1)~220A(4)は、サブバンク223A及び223Bのサブバンクビット線220A(1)~220A(4)とも呼ばれる。ビット線220A(1)~220A(4)は、mux214A(1)~214A(4)のmux入力222A(1)~222A(4)に結合される。
【0034】
バンクアレイ回路206Aのメモリ行212A(1)~212A(8)は、メモリビットセル208に結合されたワード線224A(1)~224A(8)も含む。例として、ワード線224A(1)は、メモリ行212A(1)内のすべてのメモリビットセル208に結合される。第1メモリ行212A(1)からデータワードA~Hの1つを読み出すことは、ワード線224A(1)を活性化することを含む。ワード線224A(1)を活性化することは、ワード線224A(1)上にデジタル信号225A(1)を生成して、ビット線220A(1)~220A(16)上のデータビットA1~D1、E2~H2、A3~D3、及びE4~H4の生成を制御することを含む。同様に、すべてのデータビットE1~H1、A2~D2、E3~H3、及びA4~D4の状態は、ワード線224B(1)の活性化に応答して、ビット線220B(1)~220A(16)上で各々生成される。これは、ワード線224B(1)上にデジタル信号225B(1)を生成することを含む。例えば、データワードAを読み出す場合、このようにワード線224A(1)を活性化すると、データビットA1及びA3が各々、mux214A(1)及び214A(3)に提供される。データワードAの読み出しには、ワード線224B(1)の活性化も含まれ、mux214B(2)及び214B(4)に結合されたビット線220B(5)~220B(13)上に、データビットA2及びA4が各々生成される。
【0035】
また、メモリアレイ回路200は、選択線226、228を含み、mux214A(1)~214A(4)及び214B(1)~214B(4)を通してデータワードA~Hのうちのどれが読み出されるかを制御する。選択線226は、バンクアレイ回路206Aの奇数列muxセット218Oのmux214A(1)及び214A(3)に結合される。選択線226は、列回路230(1)及び230(3)に供給されるりょうmux入力222A(1)及び222A(9)上のデータビットA1及びA3を選択する。また、選択線226は、バンクアレイ回路206Bの偶数列muxセット218Eのmux214B(2)及び214B(4)に結合され、mux入力222B(5)及び222B(13)上のデータビットA2及びA4を選択して、列回路230(2)及び230(4)に供給されるようにする。デジタル信号227は、選択線226上に生成され、所望のデータワードA~Dの1つに対応する入力を選択する。データビットA1~A4は、列回路230(1)~230(4)のデータ出力232(1)~232(4)上に生成される。データ出力232(1)及び232(3)は、奇数データ出力232(1)及び232(3)とも呼ばれる。データ出力232(2)及び232(4)は、偶数データ出力232(2)及び232(4)とも呼ばれる。
【0036】
選択線228は、バンクアレイ回路206Bの奇数列muxセット218Oのmux214B(1)及び214B(3)、ならびにバンクアレイ回路206Aの偶数列muxセット218Eのmux214A(2)及び214A(4)に結合される。メモリアレイ回路200からデータワードE~Hのいずれかを読み出すとき、選択線228上にデジタル信号229が生成される。例えば、データワードEを読み出すとき、第2奇数データ出力232(1)、232(3)及び第2偶数データ出力232(2)、232(4)上にデータビットE1~E4が生成される。
【0037】
データビットA1~A4は、各々のmux214A(1)、214B(2)、214A(3)、214B(4)の同じビット位置にあるmux入力222A(1)、222B(5)、222A(9)、及び222B(13)に提供される。従って、選択線226で生成されたデジタル信号227により、mux214A(1)、214B(2)、214A(3)、及び214B(4)は、データビットA1~A4を列回路230(1)~230(4)に提供する。同様に、データビットE1~E4は、mux214B(1)、214A(2)、214B(3)、214A(4)の同じ相対位置に結合され、選択線228上に生成されるデジタル信号229は、列回路230(1)~230(4)に供給されるようデータビットE1~E4を選択する。
【0038】
メモリアレイ回路200からデータワードAを読み出すためのアクセス時間は、ビット線220A(1)~220A(16)及び220B(1)~220B(16)の容量によって部分的に決定される。例えば、ビット線220A(1)の容量は、ビット線220A(1)が結合されるメモリビットセル208の数に依存する。図2の例では、メモリアレイ回路200は、8つのメモリ行212A(1)~212A(8)のみを含むが、これは説明のために使用される単なる例である。IC内のメモリアレイ回路は、例えば、最大で数百以上の任意の数のメモリ行を有することができる。これは、各列のビット線が数百以上のメモリビットセル208に結合することを意味する。ビット線の容量は、ビット線に結合されたメモリビットセル208の数と共に増加する。
【0039】
図3に示された例示的なメモリアレイ回路300は、上記に開示された態様を含み、更に、図2のメモリアレイ回路200と比較して、アクセス時間を改善する利点を有するビット線容量を低減するための特徴を含む。以下に説明される態様を除き、メモリアレイ回路300は、図2のメモリアレイ回路200に関して上述したように動作するように構成される。
【0040】
メモリアレイ回路300は、バンクアレイ回路304A及び304Bを含む第1及び第2メモリバンク302A及び302Bを含む。バンクアレイ回路304Aは、列muxセット308A(1)~308A(4)にグループ化される列306A(1)~306A(16)を含む。列306A(1)~306A(4)及び306A(9)~306A(12)は、データビットA1~D1及びA3~D3が格納されるため、奇数列306Oとも呼ばれる。列306A(5)~306A(8)及び306A(13)~306A(16)は、データビットE2~H2及びE4~H4が格納されているため、偶数列306Eとも呼ばれる。列muxセット308A(1)~308A(4)は、奇数列muxセット308O(例えば、308A(1)及び308A(3))及び偶数列muxセット308E(例えば、308A(2)及び308A(4))を含む。バンクアレイ回路304Bはまた、奇数列muxセット308O及び偶数列muxセット308Eを含む。奇数列muxセット308Oは奇数列306Oを含み、偶数列muxセット308Eは偶数列306Eを含む。
【0041】
図2を参照すると、サブバンクビット線220A(2)~220A(16)が各々の列210A(2)~210A(16)のすべてのメモリビットセル208に結合されるのと同様に、列210A(1)のすべてのメモリビットセル208はサブバンクビット線220A(1)に結合される。従って、バンクアレイ回路206A内のすべてのメモリ行212A(1)~212A(8)は、同じサブバンク223Aに含まれる。また、バンクアレイ回路206Bは、サブバンク223B内のすべてのメモリ行210B(1)~210B(8)を含む。
【0042】
バンクアレイ回路304Aが図2のバンクアレイ回路206Aと異なるのは、少なくとも、バンクアレイ回路304Aが単一のサブバンクを有するのではなく、内側メモリ行310AI(1)~310AI(4)を含む内側サブバンク309AIと、外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)を含む外側サブバンク309AOとに論理的に分割されていることである。内側メモリ行310AI(1)~310AI(4)は、列muxセット308(1)~308(4)の列306A(1)~306A(16)に配置された第1の複数のメモリビットセル312を含む。外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)は、列muxセット308(1)~308(4)の列306A(1)~306A(16)に配置された第2の複数のメモリビットセル312を含む。列306A(1)~306A(16)内の第1の複数のメモリビットセル312は、内側サブバンクビット線314AI(1)~314AI(16)に結合される。外側サブバンク309AO内の列306A(1)~306A(16)は、外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)内の第2の複数のメモリビットセル312に結合された外側サブバンクビット線314AO(1)~314AO(16)を含む。外側サブバンクビット線314AO(1)~314AO(16)も、対応する列muxセット308A(1)~308A(4)に含まれる。各列muxセット(例えば、308A(1))は、1つ以上の連続する列(例えば、306A(1)~306A(4))を含み、バンクアレイ回路304Aは、偶数列muxセット308Eと交互に奇数列muxセット308Oを含む。
【0043】
バンクアレイ回路304Aは、列muxセット308A(1)~308A(4)に対応するmux316A(1)~316A(4)を含む。メモリバンク304Bはまた、列muxセット308B(1)~308B(4)に対応するmux316B(1)~316B(4)を含む。例えば、mux316A(1)は、内側サブバンクビット線314AI(1)~314AI(4)に結合された内側mux入力318AI(1)~318AI(4)と、外側サブバンクビット線314AO(1)~314AO(4)に結合された外側mux入力318AO(1)~318AO(4)とを含む。mux316A(2)~316A(4)は、同様に、サブバンク309AIの内側サブバンクビット線314AI(5)~314AI(16)、及びサブバンク309AOの外側サブバンクビット線314AO(5)~314AO(16)に結合される。mux316A(1)~316A(4)及び316B(1)~316B(4)は、アレイ出力321を生成する列回路320に結合されたmux出力319を含む。
【0044】
図3に示す例では、サブバンク309AI内の内側メモリ行310AI(1)及びサブバンク309BI内の内側メモリ行310BI(1)にデータワードA~Hが格納されていることを理解すべきである。なお、混雑回避のため、図3にはデータワードA~Hを示していない。バンクアレイ回路304Aはワード線322A(1)~322A(8)を含み、バンクアレイ回路304Bはワード線322B(1)~322B(8)を含む。データワードAの読み出し動作は、ワード線322A(1)を活性化して、列muxセット308A(1)の列306A(1)~306A(4)の内側サブバンクビット線314AI(1)~314AI(4)上にデータビットA1~D1を生成すること、列muxセット308A(3)の列306A(9)~306A(12)の内側サブバンクビット線314AI(9)~314AI(12)上にデータビットA3~D3を生成することを含む。ワード線322B(1)を活性化すると、列muxセット308B(2)の列306B(5)~306B(9)の内側サブバンクビット線314BI(5)~314BI(9)上にデータビットA2~D2が生成され、列muxセット308B(4)の列306B(13)~306B(16)の内側サブバンクビット線314BI(13)~314BI(16)上にデータビットA4~D4が生成される。なお、ワード線322A(1)及び322B(1)を活性化することにより、データワードE~Hのデータビットが各々mux316B(1)、316A(2)、316B(3)及び316A(4)に生成されるが、データワードE~Hに対応するmux出力319は、データワードA、B、C又はDの読み出し動作において、アレイ出力321に生成するために列回路320によって選択されない。
【0045】
図3の例では、第1メモリバンク302A及び第2メモリバンク302Bのうち、第1の選択されたバンクである第1メモリバンク302A内の内側サブバンク309AIの内側メモリ行310AI(1)に格納された4つのデータワードA~Dが含まれている。奇数列306O(すなわち、列306A(1)~306A(4))は、奇数列muxセット308A(1)に含まれる連続する奇数列306Oである。他の例では、各奇数列muxセットに1つ以上の奇数列306Oが存在し、各偶数列muxセット308Eに1つ以上の偶数列306Eが存在してもよい。例としては、奇数列muxセット308Oに1から32又はそれ以上の連続する奇数列306O、偶数列muxセット308Eに1から32の連続する偶数列306Eが含まれる。この例では、第1の選択されたバンク(例えば302A)の第1サブバンク(例えば、309AI)において、データワードAの奇数データビット(例えば、A1とA3)を、奇数列muxセット308Oの1つ以上の連続する奇数列306Oのうちの1つのメモリビットセル312に格納することができる。第1及び第2メモリバンク302A及び302Bの第2の選択されたバンクのサブバンク309BIのメモリ行310BI(1)において、データワードAの偶数データビット(例えば、A2とA4)を、偶数列muxセット308Eの1つ以上の連続する偶数列306Eのうちの1つのメモリビットセル312に格納することができる。あるいは、データワードAの偶数データビットA2及びA4を、メモリバンク302Aのサブバンク309AOのメモリ行310AO(1)~310AO(4)のうちの1つ、又はメモリバンク302Bのサブバンク309BOのメモリ行310BO(1)~310BO(4)のうちの1つに格納することもできる。
【0046】
すなわち、メモリバンク302Aのサブバンク309AIのメモリ行310AI(1)~310AI(4)のうちの1つは、データワードA~Dの奇数データA1~D1及びA3~D3を、第1の選択されたバンク(302A)の1つ以上の連続する列306AI(1)~306AI(4)に格納するように構成されている。また、メモリバンク302A及びメモリバンク302Bの第2の選択されたバンク内のバンクアレイ回路(304A又は304B)内の第2サブバンク(例えば、309AO、309BI、309BO)のメモリ行(例えば、310AO(1)~310AO(4)、310BI(1)~310BI(4)、又は310BO(1)~310BO(4))のうちの1つは、メモリビットセル312のデータワードAの偶数データビットA2~D2及びA4~D4を、第2の選択されたバンク(302A又は302B)の偶数列muxセット308Eの各々の1つ以上の連続する列(例えば、306BI(5)~306BI(8))に格納するように構成されている。
【0047】
メモリアレイ回路300は、選択線324E、324O、326E及び326Oを含む。選択線324Oは、バンクアレイ回路304A内の奇数選択線324Oとも呼ばれ、奇数列muxセット308Oのmux316A(1)及び316A(3)に結合され、それらを制御する。奇数選択線324Oは、mux316A(1)及び316A(3)を制御して、列306A(1)内の内側サブバンクビット線314AI(1)及び列306A(9)内の内側サブバンクビット線314AI(9)を選択する。選択線324Oは、バンクアレイ回路304A内の偶数選択線324Eとも呼ばれ、偶数列muxセット308Eのmux316A(2)及び316A(4)に結合される。選択線324Eは、mux316A(2)及び316A(4)を制御して、列muxセット308A(2)内の列306A(5)の内側サブバンクビット線314AI(5)を選択し、及び、列muxセット308A(4)内の列306A(13)の内側サブバンクビット線314AI(13)を選択する。選択線326Eは、偶数選択線3246Eと呼ばれ、偶数列muxセット308Eのmux316B(2)及び316B(4)に結合される。選択線326Oは、奇数選択線326Oとも呼ばれ、奇数列muxセット308Oのmux316B(1)及び316B(3)に結合される。偶数及び奇数サブバンク選択線326E及び326Oは、偶数及び奇数列muxセット308A(1)~308A(4)を制御する。
【0048】
このようにして、奇数選択線324O及び偶数選択線326Eは、データワードAを読み出すために活性化される。選択線324O及び326Eは、任意のデータワードB~Dのデータビットを選択するためにも使用することができる。同様に、選択線324E及び326Oは、任意のデータワードE~Hのデータビットを読み出すために活性化される。この文脈において、一例として、選択線324O及び326Eを活性化することは、所望の入力を選択するために、mux316A(1)及び316A(3)、ならびにmux316B(3)及び316B(4)を制御するデジタル信号325Oを生成することを含む。同様の信号は、選択線324E及び326O上で生成される。
【0049】
外側メモリ行310AO(1)、310BO(1)に格納されているデータワードを読み出すために、ワード線322A(5)、322B(5)が活性化される。選択線324O及び326Eは、バンクアレイ回路304Aのmux316A(1)及び316A(3)並びにバンクアレイ回路304Bのmux316B(2)及び316B(4)を制御して、所望のデータワードを選択するために活性化される。或いは、選択線324E及び326Oは、バンクアレイ回路304Aのmux316A(2)及び316A(4)並びにバンクアレイ回路304Bのmux316B(1)及び316B(3)を制御するために活性化される。
【0050】
メモリアレイ回路300において、内側サブバンクビット線314AI(1)~314AI(16)は、各々、集積回路の金属層M1であってもよい第1金属層Mx内の金属線、ワイヤ又はトレースを含む。内側サブバンクビット線314AI(1)は、列306A(1)~306A(16)内の内側メモリ行310AI(1)~310AI(4)内の第1の複数のメモリビットセル312のすべてに結合される。
【0051】
外側サブバンクビット線314AO(1)~314AO(16)は、各々第1外側サブバンクビット線部分328AO(1)と第2外側サブバンクビット線部分330AO(1)とを含む。第1外側サブバンクビット線部分328AO(1)は、第1金属層Mx(図示せず)の金属線、ワイヤ又はトレースである。第1外側サブバンクビット線部分328AO(1)は、列306A(1)~306A(16)の外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)の第2の複数のメモリビットセル312のすべてに結合される。第2外側サブバンクビット線部分330AO(1)は、第2金属層Mz(図示せず)の金属線、ワイヤ又はトレースである。第2金属層Mzは、例えばICのM2層又はM3層であってもよいが、これに限定されない。第2外側サブバンクビット線部分330AO(1)は、垂直相互接続アクセス(ビア、vertical interconnect access (via))332A(1)によって第1外側サブバンクビット線部分328AO(1)に結合される。ビア332A(1)は、第1金属層Mxと第2金属層Mzとの間に垂直に延在する。
【0052】
図2及び図3に示すように、第1メモリバンク302A及び第2メモリバンク302Bは、互いに分離されている。mux316A(1)~316A(4)及び316B(1)~316B(4)は、第1メモリバンク302Aの内側メモリ行310AI(1)~310AI(4)と第2メモリバンク302Bの内側メモリ行310BI(1)~310BI(4)との間の、メモリアレイ回路300の中間領域334に配置されている。内側メモリ行310A(1)~(4)及び内側メモリ行310B(1)~310B(4)は、中間領域334に近いため「内側メモリ行」となる。外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)及び310BO(1)~310BO(4)は、メモリバンク206A及び206Bの外側で、中間領域から遠いため「外側メモリ行」となる。一例では、列306A(1)~306A(16)は、列306B(1)~306B(16)と各々同一線上にあり得る。内側メモリ行310AI(1)~310AI(4)は、第1メモリバンク302Aの第1方向の第1側にあり、外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)は、第1メモリバンク302Aの第1方向の第2側にある。内側メモリ行310BI(1)~310BI(4)は、第2メモリバンク302Bの第1方向の第2側にあり、外側メモリ行310AO(1)~310AO(4)は、第2メモリバンク302Bの第1方向の第1側にある。
【0053】
図4は、図2のメモリアレイ回路200内の方法400のフローチャートである。この方法は、メモリアレイ回路(200)の第1メモリバンク(202A)及び第2メモリバンク(202B)のうちの第1の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンク(223A)のうちの第1サブバンク(223A)内のメモリビットセル(208)の第1メモリ行(212A(1))内の第1ワード線(224A(1))を活性化して、第1サブバンクビット線(220A(1)、220A(9))上に第1メモリ行(212A(1))に格納された第1データビット(A1~D1、A3~D3)を生成し、第1データビット(A1~D1、A3~D3)は、少なくとも第1データワード(A~D)の奇数データビット(204O)を含むことを含む(ブロック402)。この方法は、メモリアレイ回路(200)の第1メモリバンク(202A)及び第2メモリバンク(202B)のうちの第2の選択されたバンクの少なくとも1つのサブバンク(223B)のうちの第2サブバンク(223B)内のメモリビットセル(208)の第2メモリ行(212B(1))内の第2ワード線(224B(1))を活性化して、第2サブバンクビット線(220B(5)、220B(13))上に第2メモリ行(212B(1))に格納された第2データビット(A2~D2、A4~D4)を生成し、第2データビット(A2~D2、A4~D4)は、少なくとも第1データワード(A~D)の偶数データビット(204E)を含むことを含む(ブロック404)。この方法は、第1選択線(226)を制御して、第1サブバンクビット線(220A(1)、220A(9))に結合されたマルチプレクサ(214A(1)、214A(3))を制御して、メモリアレイ回路(200)の第1奇数データ出力(232(1)、232(3))上に第1データワード(A)の奇数データビット(A1、A3)を生成し(ブロック406)、第2サブバンクビット線(220B(5)、220A(13))に結合されたマルチプレクサ(214B(2)、214B(4))を制御して、メモリアレイ回路(200)の第1偶数データ出力(232(2)、232(4))上に第1データワード(A)の偶数データビット(A2、A4)を生成することを含む(ブロック408)。
【0054】
図5は、メモリアレイ502を含むIC500の図であり、メモリアレイ回路504及びメモリアレイ回路506を更に含み、各々が図2のメモリアレイ回路200又は図3のメモリアレイ回路300のいずれかに対応する。メモリアレイ回路504と506の各々は、第1メモリバンク508A及び第2メモリバンク508Bを含む。メモリバンク508A及び508Bの各々は、任意の数のメモリ行512及び列514を有することができるバンクアレイ回路510を含む。メモリアレイ502のマルチプレクサ及びその他の詳細は、図5に示されていない。しかしながら、図5は、メモリアレイ502内のメモリアレイ回路504及び506からの読み書きを制御するアレイアクセスタイマ回路516を含む。アレイアクセスタイマ回路516は、図2の列回路230(1)~230(4)及び図3の列回路320に対応する列回路(図示せず)を制御する。IC500は、メモリアレイ502に対応する追加のメモリアレイ、及び例えばプロセッサを含む他の回路を含むことができる。図5の各列514には1つのビット線518のみが示されているが、第1メモリバンク508A及び第2メモリバンク508Bは、図3のサブバンク309AI、309AO、309BI及び309BOに対応する1つのサブバンク520又は2つのサブバンク520を含むことができる。サブバンク520ごとに異なるレベルの金属であってよい別個のビット線(図示せず)を含めることによって、追加のサブバンク(例えば、3つ以上)を各メモリバンク508A及び508Bに含めることができる。各ビット線518は、メモリバンク508A及び508Bの列514内の複数のメモリビットセルに結合され、対応する列muxセット(図示せず)内のマルチプレクサにも結合される。行512の各々に対するワード線520も図5に示されている。
【0055】
図6は、命令処理回路604を含むプロセッサ602(例えば、マイクロプロセッサ)を含む例示的なプロセッサベースのシステム600のブロック図である。プロセッサベースのシステム600は、プリント回路基板(PCB)のような電子基板カード、サーバ、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピューティングパッド、モバイルデバイス、又は任意の他のデバイスに含まれる1つ以上の回路であってよく、例えば、サーバ又はユーザのコンピュータを表すことができる。この例では、プロセッサベースのシステム600は、プロセッサ602を含む。プロセッサ602は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理回路を表す。より具体的には、プロセッサ602は、EDGE命令セットマイクロプロセッサ、又は、プロデューサ命令の実行から生じる生成値を通信するための明示的な消費者命名をサポートする命令セットを実装する他のプロセッサであってもよい。プロセッサ602は、本明細書で説明する動作及びステップを実行するための命令において処理ロジックを実行するように構成される。この例では、プロセッサ602は、命令処理回路604によってアクセス可能な命令の一時的な高速アクセスメモリ記憶のための命令キャッシュ606を含む。システムバス610を介してメインメモリ608からのようなメモリからフェッチ又はプリフェッチされた命令は、命令キャッシュ606に記憶される。データは、プロセッサ602による低遅延アクセスのために、システムバス610に結合されたキャッシュメモリ612に記憶され得る。命令処理回路604は、命令キャッシュ606にフェッチされた命令を処理し、実行のために命令を処理するように構成される。
【0056】
プロセッサ602及びメインメモリ608は、システムバス610に結合され、プロセッサベースのシステム600に含まれる周辺装置を相互結合することができる。周知のように、プロセッサ602は、システムバス610を介してアドレス、制御及びデータ情報を交換することにより、これらの他の装置と通信する。例えば、プロセッサ602は、バストランザクション要求を、スレーブ装置の例として、メインメモリ608内のメモリ制御部614に通信することができる。図6には示されていないが、複数のシステムバス610を提供することができ、各システムバスは異なるファブリックを構成する。この例では、メモリ制御部614は、メインメモリ608内のメモリアレイ616にメモリアクセス要求を提供するように構成されている。メモリアレイ616は、データを格納するためのストレージビットセルのアレイから構成される。メインメモリ608は、非限定的な例として、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などの動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び静的メモリ(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)など)である。
【0057】
他の装置が、システムバス610に接続することができる。図6に示すように、これらの装置は、例として、メインメモリ608、1つ以上の入力装置618、1つ以上の出力装置620、モデム622、及び1つ以上のディスプレイ制御部624を含むことができる。入力デバイス618は、入力キー、スイッチ、音声プロセッサ等を含むがこれらに限定されない任意のタイプの入力装置を含むことができる。出力装置620は、オーディオ、ビデオ、他の視覚インジケータ等を含むがこれらに限定されない任意のタイプの出力装置を含むことができる。モデム622は、ネットワーク626との間のデータ交換を可能にするように構成された任意の装置であることができる。ネットワーク626は、有線又は無線ネットワーク、私設又は公衆ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、及びインターネットを含むがこれらに限定されない任意のタイプのネットワークであってもよい。モデム622は、所望の任意のタイプの通信プロトコルをサポートするように構成することができる。プロセッサ602は、システムバス610を介してディスプレイ制御部624にアクセスして、1つ以上のディスプレイ628に送られる情報を制御するように構成することもできる。ディスプレイ628は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプのディスプレイを含むことができる。
【0058】
図6のプロセッサベースのシステム600は、命令に従って所望される任意のアプリケーションに対してプロセッサ602によって実行される一組の命令630を含むことができる。命令630は、非過渡的なコンピュータ可読媒体632の例として、メインメモリ608、プロセッサ602、及び/又は命令キャッシュ606に格納することができる。命令630は、その実行中に、完全に、又は少なくとも部分的に、メインメモリ608及び/又はプロセッサ602内に存在することもできる。命令630は、更に、モデム622を介してネットワーク626を介して送信又は受信することができ、ネットワーク626はコンピュータ可読媒体632を含む。
【0059】
コンピュータ可読媒体632は単一の媒体であることが例示的な実施形態で示されているが、用語「コンピュータ可読媒体」は、命令の1つ以上のセットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものとみなされるべきである。用語「コンピュータ可読媒体」はまた、処理装置による実行のための命令のセットを格納、符号化又は伝送することができ、処理装置に本明細書に開示される実施形態の方法のいずれか1つ以上を実行させる任意の媒体を含むものとみなされるべきである。従って、「コンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、固体メモリ、光学媒体及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないものとする。
【0060】
プロセッサベースのシステム600のプロセッサ602は、その中のいずれかの装置において、図2及び図3に示すように、メモリアレイ回路200及び300のように、電力、性能及び領域への影響を低減してマルチビット誤り保護を向上させるために、交互のバンク列多重化を採用するメモリアレイ回路を含むことができる。
【0061】
本明細書に開示される実施形態は、様々なステップを含む。本明細書に開示される実施形態のステップは、ハードウェア構成要素によって形成されてもよく、又は、汎用又は特殊用途のプロセッサをステップを実行するように命令でプログラムさせるために使用できる機械実行可能命令で実施されてもよい。あるいは、ステップは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。
【0062】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書に開示される実施形態によるプロセスを実行するためにコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る、命令を記憶した機械可読媒体(又はコンピュータ可読媒体)を含むコンピュータプログラムプロダクト又はソフトウェアとして提供されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形式で情報を格納又は送信する任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、機械可読記憶媒体(例えば、ROM、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、等を含む。
【0063】
特に明記されていない限り、また、前の議論から明らかなように、記述全体を通じて、「処理」、「計算」、「決定」、「表示」などの用語を使用した議論は、コンピュータシステムのレジスタ内で物理的(電子的)量として表されるデータ及びメモリを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ内で同様に物理的量として表される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算装置又は他のそのような情報記憶装置、送信装置又は表示装置の動作及びプロセスを指すことが理解される。
【0064】
ここで提示されるアルゴリズム及び表示装置は、本質的に特定のコンピュータ又は他の装置に関連していない。種々のシステムは、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用することができ、又は、必要な方法ステップを実行するために、より専門的な装置を構築することが便利であることが証明できる。これらの種々のシステムに必要な構造は、上記の説明から示される。更に、本明細書に記載される実施形態は、特定のプログラミング言語に関しては説明されない。本明細書に記載されるような実施形態の教示を実施するために、様々なプログラミング言語を使用することができることが理解されよう。
【0065】
当業者は、本明細書に開示される実施形態に関連して記載される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムが、電子ハードウェア、メモリ又は別のコンピュータ可読媒体に格納され、プロセッサ又は他の処理装置によって実行される命令、又はその両方の組み合わせとして実施され得ることを更に理解されよう。本明細書に記載される分散アンテナシステムの構成要素は、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、集積回路(IC)、又はICチップに使用され得る。本明細書に開示されるメモリは、任意のタイプ及びサイズのメモリであり得、所望の任意のタイプの情報を格納するように構成され得る。この互換性を明確に説明するために、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能に関して一般的に上述されている。このような機能がどのように実装されるかは、特定のアプリケーション、設計上の選択、及び/又はシステム全体に課される設計上の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに異なる方法で記述された機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本実施形態の範囲から逸脱すると解釈されるべきではない。
【0066】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される種々の例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、本明細書に記載される機能を実行するように設計されたプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲート又はトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを用いて実装又は実行することができる。更に、制御部はプロセッサであってもよい。プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイス(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそのような構成)の組み合わせとして実装されてもよい。
【0067】
本明細書に開示される実施形態は、ハードウェア及びハードウェアに格納される命令において実施され得るものであり、例えば、RAM、フラッシュメモリ、ROM、電気的プログラマブル ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当技術分野で知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体に存在し得る。例示的な記憶媒体はプロセッサに結合され、その結果、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができる。代替的に、記憶媒体は、プロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に配置されてよい。ASICは、リモートステーション内に存在してもよい。別の方法として、プロセッサと記憶媒体は、リモートステーション、基地局、又はサーバ内に個別のコンポーネントとして存在してもよい。
【0068】
また、本明細書の例示的な実施形態のいずれかに記載されている動作ステップは、例及び議論を提供するために記載されていることに留意されたい。記載されている動作は、図示されたシーケンス以外の多数の異なるシーケンスで実施され得る。更に、1つの動作ステップで記述された動作は、実際には多くの異なるステップで実行されてもよい。更に、例示的な実施形態で説明された1つ以上の動作ステップを組み合わせることができる。当業者は、情報及び信号が様々な技術及び技術のいずれかを用いて表現され得ることも理解するであろう。例えば、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、上記の説明を通じて参照され得るものであり、電圧、電流、電磁波、磁場、又は粒子、光場又は粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表現され得る。
【0069】
特に明示的に記載されていない限り、ここに記載されている方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを要求するものとして解釈されることは決して意図されていない。従って、方法の請求項が、そのステップに従うべき順序を実際に記載していない場合、又はステップが特定の順序に限定されることが請求項又は説明に特に記載されていない場合は、特定の順序が推測されることは決して意図されていない。
【0070】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明の精神及び内容を組み込んだ開示された実施形態の変更、組み合わせ、部分的な組み合わせ及び変形は、当業者に起こり得るので、本発明は、添付の請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内のすべてを含むと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】