(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】電気モータ、遊星歯車ボックスおよび電磁ブレーキを有する駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 7/102 20060101AFI20240412BHJP
F16D 55/06 20060101ALI20240412BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H02K7/102
F16D55/06 A
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565525
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022062398
(87)【国際公開番号】W WO2022234138
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520300482
【氏名又は名称】マクソン インターナショナル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MAXON INTERNATIONAL AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フプファー, フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルジッヒ, ニコ
【テーマコード(参考)】
3J058
5H607
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA78
3J058AA88
3J058BA67
3J058CC07
3J058CC12
3J058CC72
3J058CC77
3J058CD24
3J058CD35
3J058FA28
5H607AA12
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE07
5H607EE10
5H607EE19
5H607EE33
5H607EE36
(57)【要約】
電気モータ、遊星歯車ボックスおよび電磁ブレーキを有する駆動ユニット。本発明は、駆動ユニットに関し、駆動ユニットは、モータシャフトを駆動する電気モータと、輪歯車を有し、少なくとも1つの第1歯車段を有する遊星歯車ボックスであって、前記第1歯車段は、少なくとも1つの遊星歯車を有する遊星歯車ボックスと、励磁コイルを有する電磁ブレーキであって、前記電磁ブレーキは、前記電気モータと前記遊星歯車ボックスとの間に配置されている、電磁ブレーキと、を備える。本発明によれば、励磁コイルの少なくとも一部は輪歯車の凹部に収容されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット(1)において、
モータシャフト(3)を駆動する電気モータ(2)と、
輪歯車(5)を有する遊星歯車ボックス(4)であって、少なくとも1つの第1歯車段を有し、前記第1歯車段は、少なくとも1つの遊星歯車を有する、遊星歯車ボックス(4)と、
励磁コイル(8)を有する電磁ブレーキであって、前記電磁ブレーキは、前記電気モータ(2)と前記遊星歯車(4)との間に配置され、前記モータシャフト(3)を制動するように適合されている、電磁ブレーキと、
を備え、
前記励磁コイル(8)は、少なくとも一部が輪歯車(5)の凹部に収容されていることを特徴とする、駆動ユニット(1)。
【請求項2】
前記励磁コイル(8)は、遊星歯車(7)の軸方向範囲が前記励磁コイル(8)の軸方向範囲と少なくとも50%、好ましくは、少なくとも70%重複するように、前記凹部内で収容されていることを特徴とする、請求項1に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項3】
前記電気モータ(2)に対向する前記励磁コイル(8)の端面の軸方向位置は、前記電気モータ(2)に対向する前記遊星歯車(7)の端面の軸方向位置に対応するか、または、前記電気モータ(2)に対向する前記励磁コイル(8)の端面の軸方向位置が、前記電気モータ(2)に対向する前記遊星歯車(7)の端面の軸方向位置よりも前記電気モータ(2)から離れていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項4】
環状溝(6)が、前記輪歯車(5)の前記凹部を形成し、前記電気モータ(2)と対向する前記輪歯車(5)の端面に開口していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項5】
前記励磁コイル(8)は、軸方向から見て、前記凹部内で完全に収容されるように前記凹部内に収容されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項6】
前記モータシャフト(3)は、前記遊星歯車ボックス(4)の前記第1歯車段の太陽歯車を形成することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項7】
前記電磁ブレーキは、前記電気モータ(2)から始まる軸方向の圧力板(12)と、前記モータ軸(3)に接続されたブレーキディスク(10)と、アーマチュア板(9)と、少なくとも1つの付勢手段とを備え、前記付勢手段が前記アーマチュア板(9)を前記ブレーキディスク(10)に押圧して前記ブレーキディスク(10)を前記圧力板(12)に押圧する適用条件を有し、前記励磁コイル(8)が発生した電磁力による前記付勢手段の力に抗して前記アーマチュア板(9)を引っ張るる解除状態を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項8】
前記アーマチュア板(9)の軸方向範囲は、前記輪歯車(5)の軸方向範囲の一部と少なくとも部分的に、好ましくは、完全に重なっていることを特徴とする、請求項7に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項9】
前記アーマチュア板(9)は、前記輪歯車(5)に対して回転不能に保持されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項10】
前記電気モータ(2)の中間板、特にモータフランジ(12)が前記圧力板(12)を形成することを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項11】
前記ブレーキディスク(10)は、前記モータシャフト(3)のモータピニオン(15)に直結されていることを特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項12】
前記付勢手段は、前記輪歯車(5)の凹部(14)に着座していることを特徴とする、請求項7~11のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項13】
前記電気モータ(2)に対向する前記輪歯車(5)の端面の接触面と、前記ブレーキディスク(10)に対向する前記圧力板(12)の面との間にスペーサ(16)を配置することを特徴とする、請求項7~12のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【請求項14】
前記駆動ユニット(1)は、車輪駆動装置であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の駆動ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前文に記載の駆動ユニットに関する。
【0002】
モータシャフトを駆動する電気モータと、輪歯車を有する遊星歯車ボックスとを備え、遊星歯車ボックスは少なくとも1つの第1歯車段を有し、第1歯車段は少なくとも1つの遊星歯車段を有する汎用駆動ユニットと、励磁コイルを有する電磁ブレーキとを備え、電磁ブレーキは電気モータと遊星歯車ボックスとの間に配置されている。
【0003】
独立請求項1の前文に係る駆動ユニットは、たとえばCN 102170191から知られている。本明細書は、電気モータ、遊星歯車ボックス及び電磁ブレーキを備えた短軸構造の駆動ユニットを示しており、遊星歯車ボックス及びブレーキは、互いに後方に配置され、モータの中心に半径方向に一体化されている。これにより、駆動ユニットの軸方向の長さを短くすることができるが、駆動ユニットの径を大きくする必要がある。従って、上述した構成要素を備えた、より一層コンパクトな駆動ユニットが依然として必要とされている。
【0004】
【概要】
【0005】
従って、本発明は、駆動ユニットの特にコンパクトな構造、特に軸方向の構造を可能とする一般的な駆動ユニットを提供することを目的とする。
【0006】
この問題は、独立クレーム1の特徴によって解決される。従って、励磁コイルの少なくとも一部が輪歯車の凹部に収容されていれば、本発明に係る駆動ユニットが提供される。
【0007】
励磁コイルを輪歯車の凹部に少なくとも部分的に収容することにより、駆動ユニットを、特に軸方向に、特にコンパクトな構造とすることができる。また、コイル体を必要としないので、駆動ユニットを更にコンパクトに構成することができる。好ましくは、使用される遊星歯車ボックスは、駆動ユニットが軸方向に特にコンパクトな構造を有することができるように、可能であれば、1つまたは2つの歯車段のみを有する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、サブクレームの主題である。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、励磁コイルは、遊星歯車の軸方向の範囲が励磁コイルの軸方向の範囲と少なくとも50%、好ましくは、少なくとも70%重複するように、凹部内に収容される。この構成により、遊星歯車の軸方向の広がりと、遊星歯車が輪歯車と係合する領域における輪歯車の関連する軸方向の広がりとを利用して励磁コイルを配置することができるので、駆動ユニットを軸方向に非常にコンパクトに構成することができる。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態において、電気モータに対向する励磁コイルの端面の軸方向位置は、電気モータに対向する遊星歯車の端面の軸方向位置に対応するか、または電気モータに対向する励磁コイルの端面の軸方向位置が、電気モータに対向する遊星歯車の端面の軸方向位置よりも電気モータから離れている。これはまた、励磁コイルが遊星歯車ボックスに対して位置決めされるので、追加の軸方向設置スペースが必要とされず、駆動ユニットの特に複雑な構造を可能にする。
【0011】
本発明の他の好適な実施形態によれば、環状溝が輪歯車の凹部を形成し、環状溝は、電気モータに対向する輪歯車の端面に開口している。好ましくは、環状溝および輪歯車は同軸である。このように構成された輪歯車の凹部は、製造が容易かつ安価である。また、励磁コイルを環状溝内に容易に配置することができる。
【0012】
好ましくは、励磁コイルは、軸方向から見て完全に凹部に収容されるように、凹部に収容される。これにより、駆動ユニットの構造をコンパクトにすることができる。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、モータシャフトは、遊星歯車ボックスの第1歯車段の太陽歯車を形成する。これにより、駆動ユニットの構成を簡素化することができる。また、駆動装置などの追加の構成要素が必要ないため、設置に必要なスペースが増える。好ましくは、輪歯車は電気モータのハウジングに連結されている。従って、輪歯車は、静止した輪歯車である。これにより、駆動ユニットの構造を簡単かつコンパクトにすることができる。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態によれば、電磁ブレーキは、電気モータから始まる軸方向に、圧力板と、モータシャフトに連結されたブレーキディスクと、アーマチュア板と、少なくとも1つの付勢手段とを備え、ブレーキは、付勢手段がアーマチュア板をブレーキディスクに押圧し、それによってブレーキディスクが圧力板に押圧される適用状態を有し、ブレーキは、励磁コイルが発生した電磁力による付勢手段の力に抗して、励磁コイルがアーマチュア板を付勢手段に向かって引っ張る解除状態を有する。このように構成された電磁ブレーキは、励磁コイルに電流が流れなくなると直ちにブレーキが適用状態に切り替わるので、安全ブレーキとして好適に用いることができる。また、極めてコンパクトな構造とすることができる。好ましくは、付勢手段は、少なくとも1つの圧縮バネである。これにより、付勢手段は比較的安価な構成要素となり、追加的に少数の構成要素または1つの構成要素のみを必要とし、したがって非常にコンパクトに構成することができる。
【0015】
本発明の特に好ましい実施形態において、アーマチュア板の軸方向範囲は、輪歯車の軸方向範囲の一部と少なくとも部分的に、好ましくは完全に重複する。その結果、駆動ユニットを軸方向に一層コンパクトに構成することができる。好ましくは、アーマチュア板は円形の開口を有し、輪歯車と同軸に構成される。したがって、たとえば、輪歯車上の突出部は、遊星歯車のカバーまたはシールを保持する円形開口内に存在し得る。
【0016】
好ましくは、アーマチュア板は、輪歯車に対して回転不能に保持される。
【0017】
本発明の特に好ましい実施形態において、電気モータの中間板、特にモータフランジが圧力板を形成する。その結果、駆動ユニットを特にコンパクトに構成することができる。とりわけ、追加の圧力板は必要とされず、1つの構成要素を省略することができる。
【0018】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、ブレーキディスクは、モータシャフトのモータピニオンに直結される。好ましくは、ブレーキディスクが形態適合的に連結されるモータピニオンは、遊星歯車ボックスの第1歯車段の太陽歯車を同時に形成する。これにより、ブレーキディスクとモータシャフトとの間に駆動装置を追加する必要がなく、部品点数を少なくして、ブレーキ及び駆動ユニットを非常にコンパクトに構成することができる。
【0019】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、付勢手段は輪歯車の凹部内に置かれる。これにより、駆動ユニットの構造をよりコンパクトにすることができる。好ましくは、ブレーキの解除状態において、アーマチュア板は、ブレーキディスクに対向する輪歯車の端面に当接する。
【0020】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、電気モータに対向する輪歯車の端面の接触面と、ブレーキディスクに対向する圧力板の面との間にスペーサが配置されている。これにより、圧力板と輪歯車との軸方向距離を正確に固定することができる。これにより、ブレーキの制動効果を正確に設定することができる。
【0021】
本発明の特に好ましい実施形態において、駆動ユニットは車輪駆動装置である。電磁ブレーキを安全ブレーキとした非常にコンパクトな駆動ユニットは,好ましい車輪駆動装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【
図1】
図1は、本発明による駆動システムの一実施形態の縦断面図であって、明確にするために、電気モータは断面図に示されていない。
【
図2】
図2は、本発明による駆動システムの実施形態の縦断面の詳細図である。
【0023】
【詳細な説明】
【0024】
以下の説明において、同一部分には同一の符号を付して説明する。図が、関連する図の説明において詳細に取り扱われていない参照符号を含む場合は、先行する又は後続する図の説明を参照する。
【0025】
図1および
図2は、本発明による駆動システム1の一実施形態の縦断面を示す。明確にするために、電気モータは
図1の断面には示されていない。
図2は、縦断面の詳細図のみを示す。
図2の縦断面は、
図1の縦断面と対応していないことに注意すべきである。断面平面は、駆動システム1の軸に対してある角度だけ回転する。
【0026】
本発明に係る駆動ユニット1は、モータシャフト3を駆動する電気モータ2を有する。モータシャフト3のモータピニオン15には遊星歯車ボックス4が連結されており、モータシャフト3は遊星歯車ボックス4の太陽歯車を形成し、遊星歯車ボックス4も遊星歯車7と1つの輪歯車5を有する。遊星歯車ボックス4は、2段の遊星歯車ボックスとして構成されている。電気モータ2と遊星歯車ボックス4との間には電磁ブレーキが配置されている。電磁ブレーキの構成要素は、励磁コイル8、圧縮バネ13の形態の付勢手段、アーマチュア板9、ブレーキディスク10および圧力板12である。
【0027】
輪歯車5には、凹部としての環状溝6を有し、ここには、ブレーキの励磁コイル8が収容され、これが、電気モータ2に対向する輪歯車5の端面に向かって開口している。この場合、環状溝6は、軸方向から見て励磁コイル8を完全に収容するように構成され、励磁コイル8は、可能な限り最大の巻線密度を達成し、それによって励磁コイル8によって発生可能な電磁力をその設置スペースに対して最大にするために、可能な限り環状溝6を埋めている。励磁コイル8は、電気モータ2に対向する端面が、電気モータ2に対向する遊星歯車7の端面と同じ軸方向位置になるように環状溝6内に配置されている。
【0028】
輪歯車5は、環状溝6に加えて、電気モータ2と対向する輪歯車5の端面に向かって開口し、圧縮バネ13の付勢手段が着座する凹部14を更に有する。図示の実施形態において、これらの凹部14は環状溝6の半径方向外側に配置されている。
【0029】
電気モータ2と対向する輪歯車5の端面に隣接して、輪歯車5に回転不能に装着され、かつ駆動ユニット1の軸方向に移動可能なアーマチュア板9が配置されている。アーマチュア板9は、その軸方向の少なくとも一部が輪歯車5の軸方向の一部と重なるように配置されている。特に、アーマチュア板9は環状ディスクとして構成されており、遊星歯車ボックス4のカバーを保持する輪歯車5の突出部は、環状ディスク/アーマチュア板9の開口内へと軸方向に延びている。一方、アーマチュア板9には、圧力バネ13の押圧力が作用して、アーマチュア板9と圧力板12との間に軸方向に配置されたブレーキディスク10の方向にアーマチュア板9を押圧する。励磁コイル8の電磁力は、それに応じて励磁コイル8が通電されたときに、圧縮バネ13の圧縮力に抗して作用する。
【0030】
ブレーキディスク10は、モータシャフト3のモータピニオン15に直結されており、ブレーキパッド11を有している。励磁コイル8が通電されなくなったり、励磁コイル8の電磁力が圧縮バネ13の圧縮力よりも小さくなったりして、アーマチュア板9が圧縮バネ13の圧縮力によってブレーキディスク10またはブレーキパッド11に押圧されると、ブレーキディスク10のブレーキパッド11が同時に圧力板12に押圧される。ブレーキディスク10は、このようにして両側から加圧され、電気モータ2はブレーキディスク10とモータシャフト3のモータピニオン15との間の形態適合を介して制動される。この状態は、ブレーキの適用状態とも呼ばれる。励磁コイル8が再び十分に通電されると、励磁コイル8の電磁力が圧縮バネ13の圧縮力に抗して作用し、アーマチュア板9が輪歯車5の方向に引っ張られて、ブレーキディスク10がアーマチュア板9と圧力板12との間をモータシャフト3で再び回転できるようになる。従って、ブレーキは解除状態にある。
【0031】
この相互作用を正確に設定するために、輪歯車5の電気モータ2側の端面と圧力板12のブレーキディスク10側の端面との間にスペーサ16が配置されている。これらは、アーマチュア板9およびブレーキディスク10がある軸方向空間を規定する。
【0032】
図示された実施形態において、圧力板12はまた、電気モータ2のモータフランジ12を形成する。これに関連して、モータフランジ12は、スペーサ16をディスタンスピースとして輪歯車5にねじ込まれる。したがって、輪歯車5は固定輪歯車である。ネジ及びスペーサ16は、アーマチュア板9の径方向溝のガイドとして機能することができ、これによりアーマチュア板9は回転不能であるが軸方向に移動可能であるように装着される。
【0033】
駆動ユニット1は、一方では別個の圧力板を使用せず、他方では励磁コイル8およびアーマチュア板9が、その軸方向の大部分が輪歯車5の軸方向の一部と重なり合うことにより、軸方向に特にコンパクトな構造を有している。この目的のために、別個のコイルホルダまたは別個の圧力板のような構成要素を省くことができ、それによってコストおよび重量の両方を節約することができる。
【0034】
好適な態様において、このような駆動ユニット1は、車輪駆動装置として使用することができる。
【0035】
【符合の説明】
【0036】
1…駆動ユニット、
2…電気モータ、
3…モータシャフト、
4…遊星歯車ボックス、
5…輪歯車、
6…環状溝、
7…遊星歯車、
8…励磁コイル、
9…アーマチュア板、
10…ブレーキディスク、
11…ブレーキパッド、
12…圧力板/モータフランジ、
13…圧縮バネ、
14…凹部、
15…モータピニオン、
16…スペーサ。
【国際調査報告】