IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東美的暖通設備有限公司の特許一覧 ▶ 合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-壁掛形空気調和機 図1
  • 特表-壁掛形空気調和機 図2
  • 特表-壁掛形空気調和機 図3
  • 特表-壁掛形空気調和機 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】壁掛形空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0063 20190101AFI20240412BHJP
   F24F 1/0007 20190101ALI20240412BHJP
   F24F 1/0025 20190101ALI20240412BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
F24F1/0063
F24F1/0007 321
F24F1/0025
F04D29/42 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565543
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2022075656
(87)【国際公開番号】W WO2022252677
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110611174.1
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】523296704
【氏名又は名称】合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 88, Chuangxin Avenue, Boyan Science Park, High-Tech Zone, Hefei City, Anhui 230088, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】周 柏松
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 多▲徳▼
【テーマコード(参考)】
3H130
3L049
3L050
3L051
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB03
3H130AB12
3H130AB26
3H130AB54
3H130AC11
3H130BA97Z
3H130CA02
3H130DJ01X
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA07Z
3H130EA08A
3H130EA08C
3H130EA08Z
3L049BC01
3L049BC03
3L049BD02
3L050BA01
3L050BA05
3L051BE07
(57)【要約】
本開示は壁掛形空気調和機1を提供する。壁掛形空気調和機1はケーシング10と熱交換器20とを含み、熱交換器20はケーシング10内に設けられ、ケーシング10内は風道30を有し、風道30は吸込口311と吹出口312とを有し、吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置する。壁掛形空気調和機1は吸込口311の少なくとも一部をケーシング10の正面に位置させることによって、環境内の空気は必ずしもケーシング10の真上から風道30内に入るとは限らない。これにより、壁掛形空気調和機1と室内の頂壁3との距離を大幅に短縮し又は除去することができ、室内の空間利用率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁掛形空気調和機であって、
ケーシングと熱交換器とを含み、前記熱交換器は前記ケーシング内に設けられ、前記ケーシング内は風道を有し、前記風道は吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口の少なくとも一部は前記ケーシングの正面に位置する、
壁掛形空気調和機。
【請求項2】
前記風道内に設けられるファンホイールをさらに含み、前記熱交換器は前記吸込口と前記ファンホイールとの間に設けられる、
請求項1に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項3】
前記ケーシングの頂面と室内の頂壁との間の距離は20cm以下である、
請求項1又は2に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項4】
前記熱交換器は前記風道内に設けられ、且つ前記吸込口に対向する、
請求項1~3のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【請求項5】
前記吹出口の位置は前記吸込口より低い、
請求項4に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項6】
前記風道は吸込風道と吹出風道とを含み、前記壁掛形空気調和機は、前記風道内に設けられるファンホイールをさらに含み、前記ファンホイールは前記吸込風道と前記吹出風道との境界に設けられる、
請求項1~5のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【請求項7】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記吸込風道の投影の第1の側辺とは第1の境界点で交差し、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記基点と前記第1の境界点との間の第1の接続線と、前記基点から前方の水平線と、の第1の夾角は、60度以上であり、且つ150度以下である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項8】
前記第1の夾角は90度以上であり、且つ110度以下である、
請求項7に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項9】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記ファンホイールの投影の外輪郭との間の最小距離は4ミリメートル以上であり、且つ8ミリメートル以下である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項10】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の中心線と前記吸込風道の中心線との第2の夾角は10度以上であり、且つ85度以下である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項11】
前記第2の夾角は70度以上であり、且つ75度以下である、
請求項10に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項12】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の中心線と鉛直上方向との間の第3の夾角は120度以上であり、且つ155度以下である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項13】
前記第3の夾角は140度以上であり、且つ145度以下である、
請求項12に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項14】
前記ファンホイールの回転軸線に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺は、前記吹出口に隣接する第1のストレートセグメントを有し、前記吹出風道の投影の第2の側辺は、前記吹出口に隣接する第2のストレートセグメントを有する、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項15】
前記第2のストレートセグメントと前記吹出風道の中心線との間の第4の夾角は0度より大きくて30度以下である、
請求項14に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項16】
前記第4の夾角は3度以上であり、且つ10度以下である、
請求項15に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項17】
前記第1のストレートセグメントと前記第2のストレートセグメントとの間の第5の夾角は5度以上であり、且つ45度以下である、
請求項14に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項18】
前記第5の夾角は10度以上であり、且つ20度以下である、
請求項17に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項19】
前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記吸込風道の投影の第1の側辺とは第1の境界点で交差し、前記吹出風道の投影の第2の側辺と前記吸込風道の投影の第2の側辺とは第2の境界点で交差し、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記基点と前記第1の境界点との間の接続線は第1の接続線であり、前記基点と前記第2の境界点との間の接続線は第2の接続線であり、前記第1の接続線と前記第2の接続線との間の第6の夾角は120度以上であり、且つ200度以下である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項20】
前記第6の夾角は155度以上であり、且つ175度以下である、
請求項19に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項21】
前記風道に直交する長さ方向の垂直面内において、前記吹出風道の投影の第2の側辺は円弧セグメントを含み、前記円弧セグメントと前記ファンホイールとは投影の外輪郭が同心である、
請求項6に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項22】
前記円弧セグメントと前記ファンホイールの投影の外輪郭との間の距離は4ミリメートル以上であり、且つ9ミリメートル以下である、
請求項21に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項23】
前記ケーシングの正面は前記ケーシングの背面と直接接続する、
請求項1~22のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【請求項24】
前記ケーシングの正面の上縁は前記ケーシングの頂面により前記ケーシングの背面に接続しており、前記ケーシングの正面の下縁は前記ケーシングの背面に直接接続するか、又は前記ケーシングの底面により前記ケーシングの背面に接続する、
請求項1~22のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【請求項25】
前記頂面は水平面又は後向に向けて下方に傾斜する傾斜面であり、及び/又は前記底面は水平面又は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面である、
請求項24に記載の壁掛形空気調和機。
【請求項26】
前記ケーシングの正面は前方に突き出た曲面又は屈曲面である、
請求項1~25のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【請求項27】
前記ケーシングの正面は上部、下部、及び前記上部と前記下部とを接続する中間部を含み、前記中間部は垂直面又は円弧面であり、前記上部は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面であり、前記下部は後方に向けて下方に傾斜する傾斜面である、
請求項1~26のいずれかに記載の壁掛形空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本出願は2021年06月01日に中国に提出した中国特許出願番号No.202110611174.1の優先権を主張し、その全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は空気調和機分野に関し、具体的に、壁掛形空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、壁掛形空気調和機の吸込口はその頂部に設けられ、頂部から空気を吸い込むニーズを満たすために、壁掛形空気調和機と室内の頂壁との間の間隔を大きくしなければならないので、室内の空間利用率が低くなり、室内空間は狭く見える。そして、関連技術における壁掛形空気調和機は熱交換効率が低いという欠陥がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は関連技術にける技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。そのため、本開示の実施形態は壁掛形空気調和機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の壁掛形空気調和機はケーシングと熱交換器とを含み、前記熱交換器は前記ケーシング内に設けられ、前記ケーシング内は風道を有し、前記風道は吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口の少なくとも一部は前記ケーシングの正面に位置する。
【0006】
本開示に係る壁掛形空気調和機の吸込口が少なくとも部分的にケーシングの正面に位置することにより、環境内の空気(吸込)はケーシングの略前方から風道内に入ることができる。例えば、環境内の空気(吸込)はケーシングの真正面から風道内に入ることができ、ケーシングの前上方から風道内に入ることもでき、ケーシングの前下方から風道内に入ってもよい。また、環境内の空気はケーシングの真正面、前上方及び前下方のうちの少なくとも2つの方向から風道内に入ることができる。
【0007】
つまり、環境内の空気は必ずしもケーシングの真上から風道内に入るとは限らない。これにより、壁掛形空気調和機と室内の頂壁との距離を大幅に短縮し又は除去することができ、室内の空間利用率を向上させることができ、特に低い室内(部屋)に対して、室内空間の窮屈感を効果的に軽減し又は除去することができる。
【0008】
したがって、本開示の実施例の壁掛形空気調和機は、取付空間に対する要件が非常に低く、取付空間が壁掛形空気調和機を収容できる限り、壁掛形空気調和機の上方に吸込空間を確保する必要がなく、壁掛形空気調和機の適用範囲を拡大することができる。
【0009】
さらに、頂部から吸込するシーンでは、頂部空間が限られていて狭い場合が多いので、狭い頂部空間により吸込量が制限されてしまう。本開示の技術案では、吸込口の少なくとも一部をケーシングの正面に位置させることにより、吸込口を通って風道内に入る空気は、熱交換器と充分に熱を交換するように熱交換器を直接流れることができる。つまり、壁掛形空気調和機の吸込量は頂部の狭い空間により制限されず、ケーシングの正面から吸込することができ、吸込量を効果的に増加させることができ、熱交換器を流れる空気の流量を顕著に大きくすることができ、熱交換器の熱交換効率を極めて大きく向上させることができる。
【0010】
本開示の実施形態では、吸込口の少なくとも一部はケーシングの正面に位置し、吸込口の下方に略逆V字型の熱交換器を設置する必要がなく、略逆V字型の熱交換器の下端に幅が略逆V字型の熱交換器の幅より大きい水受け皿を設置する必要もなくなり、これにより、水受け皿の遮蔽により熱交換器の一部がほとんど空気と熱を交換しないことは回避された。吸込口の少なくとも一部がケーシングの正面に位置することにより、水受け皿は気流が熱交換器に流れることを阻止することなく、例えば、水受け皿は、気流が熱交換器に流れる流路を通過しなくてもよく、このように熱交換器の熱交換効率を大幅に向上させることができる。一実施例では、水受け皿は熱交換器の下方に設けられる。
【0011】
したがって、本開示の実施例の壁掛形空気調和機は、取り付けやすく、室内の空間利用率を向上させ、適用範囲が広く、熱交換効率が高い利点を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、壁掛形空気調和機前記風道内に設けられるファンホイールをさらに含み、前記熱交換器は前記吸込口と前記ファンホイールとの間に設けられる。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの頂面と室内の頂壁との間の距離は20cm以下である。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記熱交換器は前記風道内に設けられ、且つ前記吸込口に対向する。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記吹出口の位置は前記吸込口より低い。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記風道は吸込風道と吹出風道とを含み、前記壁掛形空気調和機は、前記風道内に設けられるファンホイールを含み、前記ファンホイールは前記吸込風道と前記吹出風道との境界に設けられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記吸込風道の投影の第1の側辺とは第1の境界点で交差し、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記基点と前記第1の境界点との間の第1の接続線と、前記基点から前方の水平線と、の第1の夾角は、60度以上であり、且つ150度以下である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記第1の夾角は90度以上であり、且つ110度以下である。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記ファンホイールの投影の外輪郭との間の最小距離は4ミリメートル以上であり、且つ8ミリメートル以下である。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の中心線と前記吸込風道の中心線との第2の夾角は10度以上であり、且つ85度以下である。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第2の夾角は70度以上であり、且つ75度以下である。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の中心線と鉛直上方向との間の第3の夾角は120度以上であり、且つ155度以下である。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記第3の夾角は140度以上であり、且つ145度以下である。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記ファンホイールの回転軸線に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺は、前記吹出口に隣接する第1のストレートセグメントを有し、前記吹出風道の投影の第2の側辺は、前記吹出口に隣接する第2のストレートセグメントを有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記第2のストレートセグメントと前記吹出風道の中心線との間の第4の夾角は0度より大きくて30度以下である。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記第4の夾角は3度以上であり、且つ10度以下である。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記第1のストレートセグメントと前記第2のストレートセグメントとの間の第5の夾角は5度以上であり、且つ45度以下である。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記第5の夾角は10度以上であり、且つ20度以下である度。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記風道の長さ方向に直交する垂直面内において、前記吹出風道の投影の第1の側辺と前記吸込風道の投影の第1の側辺とは第1の境界点で交差し、前記吹出風道の投影の第2の側辺と前記吸込風道の投影の第2の側辺とは第2の境界点で交差し、前記ファンホイールの回転軸線と前記垂直面とは基点で交差し、前記基点と前記第1の境界点との間の接続線は第1の接続線であり、前記基点と前記第2の境界点との間の接続線は第2の接続線であり、前記第1の接続線と前記第2の接続線との間の第6の夾角は120度以上であり、且つ200度以下である。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記第6の夾角は155度以上であり、且つ175度以下である。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記風道に直交する長さ方向の垂直面内において、前記吹出風道の投影の第2の側辺は円弧セグメントを含み、前記円弧セグメントと前記ファンホイールとは投影の外輪郭が同心である。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記円弧セグメントと前記ファンホイールの投影の外輪郭との間の距離は4ミリメートル以上であり、且つ9ミリメートル以下である。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの正面は前記ケーシングの背面と直接接続する。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの正面の上縁は前記ケーシングの頂面により前記ケーシングの背面に接続しており、前記ケーシングの正面の下縁は前記ケーシングの背面に直接接続するか、又は前記ケーシングの底面により前記ケーシングの背面に接続する。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記頂面は水平面又は後向に向けて下方に傾斜する傾斜面であり、及び/又は前記底面は水平面又は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面である。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの正面は前方に突き出た曲面又は屈曲面である。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記ケーシングの正面は上部、下部、及び前記上部と前記下部とを接続する中間部を含み、前記中間部は垂直面又は円弧面であり、前記上部は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面であり、前記下部は後方に向けて下方に傾斜する傾斜面である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機の断面図である。
図2】本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機の断面図である。
図3】本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機の構造概略図である。
図4】関連技術における壁掛形空気調和機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例は図面に示される。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本開示を説明することを意図しており、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0040】
本開示は、以下の事実と問題とに対する発明人の発見と認識とに基づいてなされたものである。
【0041】
関連技術では、図4に示すように、壁掛形空気調和機1′の吸込口はその頂部に設けられ、吸込空間を形成するように、壁掛形空気調和機1′の頂部と室内頂壁3との間の間隔を大きくしなければならず、これにより、壁掛形空気調和機1′は室内の頂壁3に密接して設置することが不可能である。壁掛形空気調和機1′の熱交換器10′はクロスフローファンホイール20′の周りに設置される。具体的に、熱交換器10′の略逆V字型である第1の部分11′はクロスフローファンホイール20′の上方に位置し、熱交換器10′の第2の部分12′はクロスフローファンホイール20′の前方に位置する。
【0042】
第1の部分11′の後下端部111′の下方に水受け皿30′が設けられる。水受け皿30′は上下方向において第1の部分11′の後下端部111′に対向し、水受け皿30′は第1の部分11′の後下端部111′とクロスフローファンホイール20′との間に位置する。発明人は、第1の部分11′の後下端部111′が水受け皿30′によって遮蔽され、これにより、第1の部分11′の後下端部111′がほとんど空気と熱を交換せず、浪費をもたらし、熱交換効率を低下させることに気付いた。
【0043】
第2の部分12′と壁掛形空気調和機1′の前面板40′との間に吸込風道50′を限定する。しかし、発明人は、壁掛形空気調和機1′の前後方向のほとんどの空間が熱交換器10′、クロスフローファンホイール20′及びボリュートシェル60′により占められているため、吸込風道50′が狭く、即ち吸込風道50′を通過する空気流量が小さいため、第2の部分12′の熱交換効率が低いことに気付いた。
【0044】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機1を説明する。図1図3に示すように、本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機1はケーシング10と熱交換器20とを含み、熱交換器20はケーシング10内に設けられる。ケーシング10内は風道30を有し、風道30は吸込口311と吹出口312とを有し、吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置する。
【0045】
ケーシング10の正面11は水平後方の視線で見えるケーシング10の表面であり、すなわち、水平後方の視線で見えるケーシング10の表面はケーシング10の正面11である。例えば、観察者の目とケーシング10とが大体同じ水平高さに位置し、且つ観察者がケーシング10の前方に位置する時、観察者が見えるケーシング10の表面はケーシング10の正面11である。
【0046】
前後方向は図1の矢印Aに示すとおりであり、上下方向は図1の矢印Bに示すとおりである。例えば、壁掛形空気調和機1は壁面2に取り付けることができる。水平方向に沿って壁面2から離れる方向は真正面であり、水平方向に沿って壁面2に接近する方向は真背面である。
【0047】
本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機1の吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置し、これにより、環境内の空気(吸込)はケーシング10のほとんどの前方から風道30内に入る。例えば、環境内の空気(吸込)はケーシング10の真正面から風道30内に入ってもよく、ケーシング10の真上から風道30内に入ってもよく、ケーシング10の前下方から風道30内に入ってもよい。また、環境内の空気はケーシング10の真正面、前上方及び前下方のうちの少なくとも2つの方向から風道30内に入ることができる。
【0048】
つまり、環境内の空気は必ずしもケーシング10の真上から風道30内に入るとは限らない。これにより、壁掛形空気調和機1と室内の頂壁3との距離を大幅に短縮し又は除去することができ、室内の空間利用率を向上させることができ、特に低い室内(部屋)に対して、室内空間の窮屈感を効果的に軽減し又は除去することができる。
【0049】
したがって、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は、取付空間に対する要件が非常に低く、取付空間が壁掛形空気調和機1を収容できる限り、壁掛形空気調和機1の上方に吸込空間を確保する必要がなく、壁掛形空気調和機1の適用範囲を拡大することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、吸込口311は正面の部分に位置し、垂直面に対して、壁面2(取り付け面として理解することができる)に向かって斜め上に傾斜する。このように、利用者が室内の床に立つ時、吸込口311を通ってケーシング10(壁掛形空気調和機1)の内部を見ることができず、ケーシング10(壁掛形空気調和機1)の内部構造は利用者に露出しておらず、このように利用者の視覚的な快適性を向上させる。
【0051】
また、頂部から吸込するシーンでは、頂部空間が限られていて狭い場合が多いので、狭い頂部空間により吸込量が制限されてしまう。本開示の技術案では、吸込口311の少なくとも一部をケーシング10の正面11に位置させることにより、吸込口311を通って風道30内に入る空気は、熱交換器20と充分に熱を交換するように熱交換器20を直接流れることができる。つまり、壁掛形空気調和機1の吸込量は頂部の狭い空間により制限されず、ケーシング10の正面11から吸込することができ、吸込量を効果的に増加させることができ、熱交換器20を流れる空気の流量を顕著に大きくすることができ、高熱交換器20の熱交換効率を極めて大きく向上させることができる。
【0052】
本開示の実施形態では、吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置し、吸込口311の下方に略逆V字型の熱交換器を設置する必要がなく、略逆V字型の熱交換器の下端に幅が略逆V字型の熱交換器の幅より大きい水受け皿を設置する必要もなくなり、これにより、水受け皿の遮蔽により熱交換器20の一部がほとんど空気と熱を交換しないことは回避された。吸込口311の少なくとも一部がケーシング10の正面11に位置することにより、水受け皿50は気流が熱交換器20に流れることを阻止することなく、例えば、水受け皿50は、気流が熱交換器20に流れる流路を通過しなくてもよく、このように熱交換器20の熱交換効率を大幅に向上させることができる。一実施例では、水受け皿50は熱交換器20の下方に設けられる。
【0053】
したがって、本開示の実施例の壁掛形空気調和機1は、取り付けやすく、室内の空間利用率を向上させ、適用範囲が広く、熱交換効率が高い利点を有する。
【0054】
図1図3に示すように、本開示の実施例に係る壁掛形空気調和機1はケーシング10と熱交換器20とを含む。ケーシング10は室内の壁面2に取り付けることができる。
【0055】
いくつかの実施例では、ケーシング10が壁面2に取り付けられる場合、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は20センチ以下である。言い換えれば、ケーシング10と室内の頂壁3との上下方向の最小距離は20センチ以下である。このように室内の空間利用率をさらに向上させることができる。
【0056】
いくつかの実施例では、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は15センチ以下である。又は、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は10センチ以下である。又は、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は8センチ以下である。又は、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は5センチ以下である。又は、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3とが接触しており、即ち、ケーシング10の頂面と室内の頂壁3との間の距離は0センチである。このように室内の空間利用率をさらに向上させることができる。
【0057】
図1図3に示すように、本開示の一実施例では、ケーシング10の正面11の上縁はケーシング10の頂面12によりケーシング10の背面13に接続する。ケーシング10の正面11の下縁はケーシング10の背面13と直接接続しており、又はケーシング10の正面11の下縁はケーシング10の底面14によりケーシング10の背面13に接続する。これにより、ケーシング10及び壁掛形空気調和機1の外形をより整然とし、より美しくすることができる。
【0058】
図1図3に示すように、本開示の一実施例では、ケーシング10の正面11は前方に突き出た曲面又は屈曲面である。正面11の面積を増加させることで、正面11により大きな吸込口311を開設することができることにより、より多くの空気は吸込口311を通って風道30内に入ることができ、これにより、吸込口311の吸込量を向上させ、壁掛形空気調和機1の吸込量を大きくし、吸込効率を高くする。
【0059】
屈曲面の正面11は複数の部分を含むことができ、複数の当該部分は上下方向に沿って配列することができ、複数の当該部分は風道30の長さ方向(図3のC方向)に沿って配列することができる。各当該部分は平面であってもよく、隣接する当該部分は異なる平面に位置することができる。各当該部分は曲面であってもよい。又は、複数の当該部分のうちの幾つか(個)は平面であってもよく、複数の当該部分のうちのその他の幾つか(個)は曲面であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、ケーシング10の正面11は前方に突き出た円弧面である。正面11により大きな吸込口311を開設することにより、壁掛形空気調和機1の吸込量及び吸込効率を向上させ、さらにケーシング10の加工製造を容易にすることができる。
【0061】
いくつかの実施例では、ケーシング10の正面11は上部、下部、及び当該上部と当該下部とを接続する中間部を含む。具体的に、当該中間部は当該上部の下縁に沿って接続され、当該中間部の下縁は当該下部の上縁に接続される。
【0062】
当該中間部は円弧面であり、当該上部は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面であり、当該下部は後方に向けて下方に傾斜する傾斜面である。つまり、当該上部と当該下部とはいずれも傾斜面であり、当該上部は当該中間部から後方に向けて上方に延伸し、当該下部は当該中間部から後方に向けて上方に延伸する。また、当該中間部は垂直面であってもよい。
【0063】
頂面12は水平面であってもよく、即ち、頂面12は正面11から水平かつ後ろ向きに延伸することができ、このように、頂面12は水平後方の視線で見えることができない。また、頂面12は後方に向けて下方に傾斜する傾斜面であってもよい。つまり、頂面12は傾斜面であってもよく、頂面12は正面11から後方に向けて下方に延伸することができ、このように、頂面12は水平後方の視線で見えることができない。
【0064】
底面14は水平面であってもよく、即ち底面14は正面11から水平かつ後ろ向きに延伸することができ、このように、底面14は水平後方の視線で見えることができない。また、底面14は後方に向けて上方に傾斜する傾斜面であってもよい。つまり、底面14は傾斜面であってもよく、底面14は正面11から後方に向けて上方に延伸することができ、このように底面14は水平後方の視線で見えることができない。
【0065】
本開示のもう一つの実施例では、ケーシング10の正面11とケーシング10の背面13とは直接接続する。このように、ケーシング10及び壁掛形空気調和機1の外形をより簡潔にすることができる。
【0066】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、熱交換器20はケーシング10内に設けられる。ケーシング10内は風道30を有し、風道30は吸込口311と吹出口312とを有し、吸込口311の少なくとも一部はケーシング10の正面11に位置することで、空気(吸込)の少なくとも一部がケーシング10の大体の前方から風道30内に入ることを容易にする。
【0067】
いくつかの実施例では、吹出口312の位置は吸込口311より低い。言い換えれば、吹出口312の少なくとも一部は吸込口311の少なくとも一部の下方に位置する。これにより、壁掛形空気調和機1の構造をより合理的なものにすることができる。
【0068】
熱交換器20は風道30内に設けられ、熱交換器20は吸込口311に対向する。このように、空気がより直接的に熱交換器20を流れることができ、熱交換器20と壁掛形空気調和機1との熱交換効率をさらに向上させることができる。
【0069】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、壁掛形空気調和機1は風道30内に設けられるファンホイール40をさらに含み、熱交換器20は吸込口311とファンホイール40との間に設けられる。風道30内にファンホイール40を設けることは、熱交換器20を流れる空気の流量と流速とを向上させ、ひいては熱交換器20と壁掛形空気調和機1との熱交換効率を向上させることができる。
【0070】
いくつかの実施例では、図1及び図2に示すように、風道30は吸込風道321と吹出風道322とを含み、ファンホイール40は吸込風道321と吹出風道322との境界に設けられる。これにより壁掛形空気調和機1の構造をより合理的なものにすることができる。例えば、ファンホイール40の一部は吸込風道321内に設けることができ、ファンホイール40の他の部分は吹出風道322内に設けることができる。
【0071】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向(図3に示すC方向)に直交する垂直面内において、吹出風道322の投影は第1の側辺3221と第2の側辺3222とを含むことができ、吸込風道321の投影は第1の側辺3211と第2の側辺3212とを含むことができる。風道30の長さ方向は図3の矢印Cに示すとおりである。風道30の長さ方向は壁掛形空気調和機1の長さ方向と一致することができ、即ち壁掛形空気調和機1の長さ方向は図3の矢印Cの方向に沿っている。
【0072】
いくつかの実施例では、第1の側辺3221の少なくとも一部は第2の側辺3222の少なくとも一部の後方に位置し、第1の側辺3211の少なくとも一部は第2の側辺3212の少なくとも一部の上方に位置する。このように風道30の構造をより合理的にすることができる。
【0073】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、吹出風道322の投影の第1の側辺3221と吸込風道321の投影の第1の側辺3211とは第1の境界点Fで交差し、ファンホイール40の回転軸線と当該垂直面とは基点Oで交差する。基点Oと第1の境界点Fとの間の第1の接続線L1と、基点Oの前方の水平線L2と、の間の第1の夾角θ1は60度以上であり、且つ150度以下である。即ち、第1の水平線は基点Oを通過し、当該第1の水平線は基点Oの前方に位置する前方水平部分を含み、当該前方水平部分と第1の接続線L1との第1の夾角θ160度以上であり、且つ150度以下である。
【0074】
このように、吹出風道322の吸込口(吹出風道322の吸込風道321に隣接する開口部)の少なくとも一部が前方に向けて開放するようにすることができ、吸込口311と吸込風道321に入る空気がより順調に吹出風道322内に入ることができ、これによって壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果を向上させる。言い換えれば、吸込風道321の吹出口(吸込風道321の吹出風道322に隣接する開口部)の少なくとも一部が後方に向けて下方に開放するようにすることができ、吸込風道321内の空気がより順調に吹出風道322内に入ることができ、これによって壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果を向上させる。
【0075】
いくつかの実施例では、第1の夾角θ1は70度以上であり、且つ130度以下である。又は、第1の夾角θ1は80度以上であり、且つ120度以下である。又は、第1の夾角θ1は90度以上であり、且つ110度以下である。このように、吸込口311と吸込風道321とを流れる空気はより順調に吹出風道322内に入ることができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。
【0076】
いくつかの実施例では、第1の夾角θ1は例えば60度、65度、70度、75度、80度、85度、90度、92度、95度、100度、102度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、140度、145度又は150度であってもよいが、これらに限定されない。
【0077】
図1及び図2に示すように、ファンホイール40の回転軸線は当該垂直面に垂直であってもよく、又は垂直面は水平面に垂直であってもよく、ファンホイール40の回転軸線は水平面に平行である。第1の境界点Fと、第1の側辺3221の吹出口312から離れる端点とは、同一の点であってもよい。
【0078】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は4ミリメートル以上であり、且つ8ミリメートル以下である。このように、吹出風道322の空気の流量(吹出風道322の吹出量)を確保した前提で風道30が占有する空間を減少させ、壁掛形空気調和機1が占有する空間を減少させることができる。
【0079】
いくつかの実施例では、吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は5ミリメートル以上であり、且つ7ミリメートル以下である。又は、吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は5.5ミリメートル以上であり、且つ6.5ミリメートル以下である。又は、吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は5.6ミリメートル以上であり、且つ5.9ミリメートル以下である。このように、吹出風道322の空気の流量(吹出風道322の吹出量)を確保した前提で風道30が占有する空間を減少させ、壁掛形空気調和機1が占有する空間を減少させることができる。
【0080】
いくつかの実施例では、吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は例えば4ミリメートル、4.5ミリメートル、5ミリメートル、5.5ミリメートル、5.6ミリメートル、5.7ミリメートル、5.75ミリメートル、5.8ミリメートル、5.9ミリメートル、6ミリメートル、6.5ミリメートル、7ミリメートル、7.5ミリメートル又は8ミリメートルであってもよいが、これらに限定されない。
【0081】
吹出風道322の投影の第1の側辺3221とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の最小距離H1は、第1の側辺3221のいずれか一点と外輪郭41のいずれか一点との間の距離の最小値を指す。
【0082】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の中心線L3と吸込風道321の中心線L4との第2の夾角θ2は10度以85度以下である。このように、風道30内の空気の流動方向が大きく変えることを回避することができ、これによって空気の流動抵抗力を低下させ、空気が風道30内で安定的に流動するようにすることができ、ひいては壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させる。
【0083】
いくつかの実施例では、第2の夾角θ2は20度以上であり、且つ80度以下である。又は、第2の夾角θ2は40度以上であり、且つ75度以下である。又は、第2の夾角θ2は60度以上であり、且つ75度以下である。又は、第2の夾角θ2は70度以上であり、且つ75度以下である。これにより、空気は風道30内でより安定的に流れることができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。
【0084】
いくつかの実施例では、第2の夾角θ2は10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、71度、72度、73度、74度、75度、76度、77度、78度、79度、80度又は85度であってもよいが、これらに限定されない。
【0085】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の中心線L3と鉛直上方向との間の第3の夾角θ3は120度以上であり、且つ155度以下である。鉛直上方向は図1の矢印Dに示すとおりである。
【0086】
このように、吹出風道322から離れる空気は下方に向けて前へ流れることができ、即ち壁掛形空気調和機1は下方に向けて前へ冷気(熱風)を吹き出すことができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。
【0087】
そして、吹出風道322の前方及び/又は後方に取付空間を確保することができ、これにより、元々風道30の長さ方向に取り付ける側部(例えば左側部及び/又は右側部)の部品を当該取付空間内に取り付ける。このように、壁掛形空気調和機1の長さを効果的に短くすることができ、壁掛形空気調和機1の取り付けの難しさや取り付けに必要な空間をさらに減少させることができる。左右方向は図3の矢印Eに示すとおりであり、電子制御コンポーネント、管路、回路、絞り部品などは当該取付空間内に取り付けることができる。
【0088】
いくつかの実施例では、第3の夾角θ3は130以上150度以下である。又は、第3の夾角θ3は140以上145度以下である。これは、壁掛形空気調和機1から吹き出される冷気(熱風)の流動方向をさらに最適化することができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。
【0089】
いくつかの実施例では、第3の夾角θ3は120度、125度、130度、135度、140度、141度、142度、143度、144度、145度、150度又は155度などであってもよいが、これらに限定されない。
【0090】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の投影の第1の側辺3221は吹出口312に隣接する第1のストレートセグメント3223を有し、吹出風道322の投影の第2の側辺3222は吹出口312に隣接する第2のストレートセグメント3224を有する。第2のストレートセグメント3224と吹出風道322の中心線L3との間の第4の夾角θ4は0以上30度以下である。
【0091】
このように、吹出風道322内の空気の流量(吹出風道322の吹出量)を確保した前提で、吹出風道322が占有する空間を減少させ、吹出風道322の前方及び/又は後方に十分な取付空間を確保することで、元々風道30の長さ方向の側部(例えば左側部及び/又は右側部)に取り付けられる部品を当該取付空間内に取り付ける。このように、壁掛形空気調和機1の長さを効果的に短くすることができ、壁掛形空気調和機1の取り付けの難しさと取り付けに必要な空間とを効果的に減少させる。
【0092】
いくつかの実施例では、第4の夾角θ4は1度以上であり、且つ25度以下である。又は、第4の夾角θ4は2度以上であり、且つ20度以下である。又は、第4の夾角θ4は3度以上であり、且つ10度以下である。このように、吹出風道322内の空気の流量をさらに向上させるだけではなく、吹出風道322の前方及び/又は後方の取付空間を増加させることができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができ、壁掛形空気調和機1の長さを効果的に短くすることができ、壁掛形空気調和機1の取り付けの難しさと取り付けに必要な空間とを効果的に減少させる。
【0093】
いくつかの実施例では、第4の夾角θ4は例えば1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、15度、20度、25度又は30度などであってもよいが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施例では、第1のストレートセグメント3223と第2のストレートセグメント3224との間の第5の夾角θ5は5度以上であり、且つ45度以下である。このように、吹出風道322内の空気の流量(吹出風道322の吹出量)を確保した前提で、吹出風道322が占有する空間を減少させ、吹出風道322の前方及び/又は後方に十分な取付空間を確保することで、元々風道30の長さ方向の側部(例えば左側部及び/又は右側部)に取り付けられる部品を当該取付空間内に取り付けることができる。このように、壁掛形空気調和機1の長さを効果的に短くすることができ、壁掛形空気調和機1の取り付けの難しさと取り付けに必要な空間とを効果的に減少させる。
【0095】
いくつかの実施例では、第5の夾角θ5は10度以上であり、且つ40度以下である。又は、第5の夾角θ5は10度以上であり、且つ30度以下である。又は、第5の夾角θ5は10度以上であり、且つ20度以下である。このように、吹出風道322内の空気の流量をさらに向上させるだけではなく、吹出風道322の前方及び/又は後方の取付空間を増加させることができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができ、壁掛形空気調和機1の長さを効果的に短くすることができ、壁掛形空気調和機1の取り付けの難しさと取り付けに必要な空間とを効果的に減少させる。
【0096】
いくつかの実施例では、第5の夾角θ5は例えば5度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、16度、17度、18度、19度、20度、25度、30度、35度、40度又は45度であってもよいが、これらに限定されない。
【0097】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の投影の第1の側辺3221と吸込風道321の投影の第1の側辺3211とは第1の境界点Fで交差し、吹出風道322の投影の第2の側辺3222と吸込風道321の投影の第2の側辺3212とは第2の境界点Pで交差し、ファンホイール40の回転軸線と当該垂直面とは基点Oで交差する。
【0098】
基点Oと第1の境界点Fとの間の接続線は第1の接続線L1であり、基点Oと第2の境界点Pとの間の接続線は第2の接続線L6であり、第1の接続線L1と第2の接続線L6との間の第6の夾角θ6は120度以上であり、且つ200度以下である。このように、吹出風道322の吸込口が大きな吸込角度を有するようにすることができ、したがって、より多くの空気が吹出風道322内に入ることができ、吹出風道322内の空気の流量が大きいことを確保し、壁掛形空気調和機1が大きい吹出量を有するようにすることができ、これによって壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させる。
【0099】
いくつかの実施例では、第6の夾角θ6は130度以上であり、且つ190度以下である。又は、第6の夾角θ6は140度以上であり、且つ180度以下である。又は、第6の夾角θ6は155度以175度以下である。このように、吹出風道322内の大きな空気流量を確保することができ、壁掛形空気調和機1が大きな吹出量を有するようにすることができ、これにより、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。第6の夾角θ6はファンホイール40の吸込角度であってもよい。
【0100】
いくつかの実施例では、第6の夾角θ6は例えば120度、125度、130度、135度、140度、145度、150度、152度、155度、157度、160度、162度、165度、167度、170度、172度、175度、180度、185度、190度、195度又は200度であってもよい。
【0101】
図1及び図2に示すように、本開示の一実施例では、風道30の長さ方向に直交する垂直面内において、吹出風道322の投影の第2の側辺3222は円弧セグメント3226を含み、円弧セグメント3226とファンホイール40とは投影の外輪郭41が同心である。このように、風道30の構造をより合理的にすることができる。
【0102】
例えば、円弧セグメント3226のいずれか一点とファンホイール40の投影の外輪郭41との距離は互いに等しい。円弧セグメント3226のいずれか一点とファンホイール40の投影の外輪郭41との距離は、円弧セグメント3226のいずれか一点と外輪郭41のいずれか一点との間の距離の最小値である。
【0103】
いくつかの実施例では、円弧セグメント3226とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の距離H2は4ミリメートル以上であり、且つ9ミリメートル以下である。このように、空気がより順調に吹出風道322内に入ることができ、これにより、吹出風道322内の空気の流量は大きく、壁掛形空気調和機1が大きい吹出量を有することができ、壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果をさらに向上させることができる。
【0104】
いくつかの実施例では、円弧セグメント3226とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の距離H2は6ミリメートル以上であり、且つ8ミリメートル以下である。又は、円弧セグメント3226とファンホイール40の投影の外輪郭41との間の距離H2は7.1ミリメートル以上であり、且つ7.9ミリメートル以下である。このように、空気はより順調に吹出風道322内に入ることができ、これにより、吹出風道322内の空気の流量を大きくすることができ、壁掛形空気調和機1が大きい吹出量を有するようにすることができ、これによって壁掛形空気調和機1の冷房暖房効果を向上させる。
【0105】
いくつかの実施例では、スクロール舌327とファンホイール40との間の距離H2は例えば4ミリメートル、4.5ミリメートル、5ミリメートル、5.5ミリメートル、6ミリメートル、6.5ミリメートル、7ミリメートル、7.1ミリメートル、7.2ミリメートル、7.3ミリメートル、7.4ミリメートル、7.5ミリメートル、7.6ミリメートル、7.7ミリメートル、7.8ミリメートル、7.9ミリメートル、8ミリメートル、8.5ミリメートル又は9ミリメートルであってもよいが、これらに限定されない。
【0106】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語により指示される方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、本開示を説明しかつその説明を簡素化するためのものに過ぎず、指示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作されることを指示又は暗示するものではないので、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0107】
また、「第1の」、「第2の」という用語は説明という目的に使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するもの、又は指示された技術的特徴を暗黙的に指示するものとして理解してはならない。これにより、「第1の」、「第2の」により限定される特徴は、少なくとも一つの当該特徴を明示又は暗黙的に指示することができる。本開示の説明では、明確かつ具体的な限定がない限り、「複数の」意味は少なくとも2つであり、例えば2つ、3つ等である。
【0108】
本開示では、明確な規定や限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広義的に理解すべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的なものであってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、または互いに通信できるものであってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体による間接的な接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0109】
本開示では、明確な規定や限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触することであってもよく、又は第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体により間接的に接触することであってもよい。又は、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上方又は斜め上にあることであってもよく、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことのみを表す。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、又は第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことのみを表す。
【0110】
本開示では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの用語は、当該実施例又は例に合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0111】
以上は本開示の実施例を示しかつ説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示の制限として理解してはならず、当業者であれば、本開示の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、入れ替えと変形とを行うことができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】