(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】炭素繊維ボビンを巻き出すデバイス
(51)【国際特許分類】
B65H 57/00 20060101AFI20240412BHJP
B29C 70/32 20060101ALI20240412BHJP
B29C 70/54 20060101ALI20240412BHJP
B65H 57/16 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
B65H57/00
B29C70/32
B29C70/54
B65H57/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565560
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 FR2022050792
(87)【国際公開番号】W WO2022229554
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・マニエ
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ヴィラロンガ
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・フルヴァ
【テーマコード(参考)】
3F110
4F205
【Fターム(参考)】
3F110BA05
3F110CA03
3F110DA09
3F110DB05
4F205AD16
4F205AG07
4F205AJ08
4F205HA02
4F205HA23
4F205HA37
4F205HB01
4F205HC02
4F205HF23
4F205HL02
4F205HT22
(57)【要約】
本発明は、ボビン(38)から少なくとも1本の粗糸(M)を巻き出すためのデバイス(36)であって、
- 固定されたフレーム(40)と、
- プレート(42)に対して略垂直な軸(B)に沿って延在する少なくとも1つのリールホルダ(56)でありこのリールホルダ(56)の前記軸周りに回転できるリール(38)を受容することを意図する少なくとも1つのリールホルダ(56)を担持するプレート(42)と、
- 前記ボビン(38)からの前記少なくとも1本の粗糸(M)を堆積させるヘッド(44)であり、堆積ヘッド(44)が、プレート(42)によって担持され、前記ボビンホルダ(56)の軸(B)に対して平行な軸に沿って前記ボビンホルダ(56)の反対方向に延在するヘッド(44)と、
- プレート(42)を貫通して形成され、ボビン(38)から分配ヘッド(44)までの前記少なくとも1本の芯(M)の通りを可能にするように、分配ヘッド(44)の軸によって横切られるオリフィスと
を備え、
- ここで、プレート(42)が、フレーム上における堆積のためにヘッド(44)の軸(F)周りに回転可能である、
デバイス(36)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビン(38)から少なくとも1本のストランド(M)を巻き出すためのデバイス(36)であって、
固定されたフレーム(40)と、
プレート(42)に対して略垂直な軸(B)に沿って延在する少なくとも1つのボビンホルダ(56)であり前記ボビンホルダ(56)の前記軸周りに回転できるボビン(38)を受容することを意図する少なくとも1つのボビンホルダ(56)を担持するプレート(42)と、
前記ボビン(38)からの少なくとも1本のストランド(M)を堆積させる敷設ヘッド(44)であり、前記プレート(42)によって担持され、前記ボビンホルダ(56)の前記軸(B)に対して平行な軸に沿って前記ボビンホルダ(56)とは反対の方向に延在する敷設ヘッド(44)と、
前記プレート(42)を貫通して形成され、前記ボビン(38)から前記敷設ヘッド(44)までの前記少なくとも1本のストランド(M)の通りを可能にするように、前記敷設ヘッド(44)の軸によって横切られるオリフィスと
を備え、
ここで、前記プレート(42)が、前記フレーム上において前記敷設ヘッド(44)の前記軸(F)周りに回転可能である、
デバイス(36)。
【請求項2】
各ボビンホルダ(56)が、偏向ロッド(62)および偏向ローラ(64)と協働し、前記偏向ロッド(62)が、前記プレート(42)に対して略垂直な軸(C)に沿って延在し、前記ロッド(62)に対して接線方向の平面が、前記スプールホルダ(56)の前記回転軸(B)に対して略垂直な回転軸を有する前記偏向ローラ(64)の軌道を遮るように配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記接平面が、リターンローラ(64)の前記回転軸に対して略垂直である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記偏向ロッド(62)が、動作の際、第1のストランド部(M1)が、前記ボビンホルダ(56)上に取り付けられた前記ボビン(38)と前記偏向ロッド(62)との間に延在し、第2の粗糸部(M2)が、前記偏向ロッド(62)と前記偏向ローラ(64)との間に延在し、第1の粗糸部(M1)と前記第2の粗糸部(M2)とが、90°未満、好ましくは45°未満の角度を形成する、ように配置される、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
各偏向ロッド(62)が、前記プレート(42)上にその軸(C)周りに回転するように取り付けられる、請求項2から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
1つまたは複数の前記ローラ(64)が、前記プレート(42)の前記オリフィスに対向して配置される、請求項2から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記トレイが、N個のリールホルダ(56)を担持し、ここで、Nが1から4の間である、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記リールホルダ(56)が、前記プレート(42)の前記オリフィス(67)周りに配置される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
各ボビンホルダ(56)が、前記プレート(42)上に回転可能に取り付けられ、前記ボビン(38)が前記ボビンホルダ(56)上に取り付け締め付けられたときに前記ボビン(38)の前記粗糸(M)に張力を印加するためのシステムに結合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
ボビン(38)上に少なくとも1本の粗糸(M)を巻き付ける装置であり、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイスと、前記ボビン(38)の前記少なくとも1本のストランド(M)によって全体または一部が覆われることが意図される物体を動かすためのロボットとを備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、例えば具体的には水素ガスなどの加圧流体を受容することができるリザーバを形成することが意図される中空マンドレルなどの物体の周りにボビンの少なくとも1本のストランドを巻き付けることを目的として1つまたは複数のボビンを巻き出すためのデバイスに関する。本明細書はさらに、フィラメントワインディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のフィラメントワインディングは、複合材料を回転軸のある部材(円筒、錐体など)へと成形するプロセスである。このプロセスは、大量生産に適しており、主に、高い機械的応力を受ける部材(タンク、パイプなど)の製造に使用される。
【0003】
図1は、略水平長手方向軸A周りにフレーム14上に回転可能に取り付けられたマンドレル12を備える既知の技術を用いたフィラメントワインディング装置10を示す。装置10は、長手方向軸Aに沿って並進運動で動くことができるディスペンサ16を備える。ディスペンサ16は、ディスペンサのパネルに対して略垂直に、略水平に延在する複数のボビン18を担持する。各ディスペンサ18は、ストランド20を備える。ストランド20は、シートを形成するように、敷設ヘッド22において一緒に隣り合うように並ばされる。敷設ヘッド22は、長手方向軸Aに沿って並進運動で動かされ得るキャリッジ24によってディスペンサ16に取り付けられる。
【0004】
いくつかの構成(図示せず)では、敷設ヘッドはさらに、マンドレルの軸に対して横断方向に動く、または前記横断方向軸周りに回転する、または長手方向軸周りに枢動する、またはさらに垂直軸上を動く場合もある。
【0005】
フィラメントワインディング装置の始動前に、シートがマンドレルに取り付けられる。ディスペンサのテンショナが起動されて、繊維が張力下に置かれ、それによって積み重なりが制限され、堆積される連続的な層が可能な限り圧縮される。層は、シートが覆われるべきマンドレルの表面全体にわたって堆積されることを可能にする、ワインディングによって画定される。円筒の表面全体および半球形底部の所望の領域を覆うために、シートがヘリカルを形成することによって堆積される、ヘリカルタイプの層を作り出すことが可能である。やはりまた、シートがマンドレルの円筒領域のすべてまたは一部にわたってマンドレルの軸に対して概ね横断方向に堆積される、円周方向層を作り出すことも可能である。
【0006】
フィラメントワインディングによる構造化によって、物体の所望の機械的性能を達成するために、一連のヘリカルおよび/または円周方向層が積み重ねられ得る。一般に、機械は、数値制御装置によって制御される。この数値制御はしばしば、フィラメントワイディング専用のソフトウェアを用いてオペレータによってプログラムされる。
【0007】
接触分配機(contact dispensing machine)は、捩じれの危険のない短いリボンの分配用に知られている。しかし、これらの機械は、長い連続的な繊維を、敷設し、掛けられ調節される張力下または繊維の方向における軸方向の機械的応力下で保持することはできない。
【0008】
このタイプの既知のプロセスは、ATL(自動テープ積層法)およびAFP(自動繊維配置)である。
【0009】
ATLプロセスは、幅広テープ(一般に、100から300mm)を用いる。この技術は、民間航空機の翼などの、小さな曲率半径方向の大表面に用いられ得る。AFPプロセスは、幅10mm未満のリボンを並置し、ヘッドエンドで最大32リボンをアセンブルする。
【0010】
主な適用例は、平坦部材または大きな曲率半径の部材の製造である。主なアイデアは、定められた繊維配向の継続的な折り畳み敷設を行う手作業に取って代わることである。
【0011】
すべての現在のシステムは、較正済み(calibrated)プリプレグリボン(繊維/樹脂)を、収納ボビン上の層同士の間の分離フィルムとともに使用する。これらの較正済みテープは、再切断された一方向プリプレグシートから作られ、したがって縁の補強物の部分的な切断の危険がある。材料コストは、この場合、高く、ドレーピング作業の間に分離フィルムを巻き取るシステムを有する必要がある。
【0012】
(繊維の方向の)牽引により連続的な張力(または応力)をストランドに加えることは、プライを作り出す1本または複数のストランドが完成品の各端部で切断されるので、不可能である。
【0013】
今日まで、複合材料の使用における継続的な開発は、自動車部門および航空宇宙部門から発せられる著しい必要性によって促進されてきた。水素貯蔵技術(例えば、700barでの動作圧力)の開発および重量容量(すなわち、貯蔵水素量と容器の質量との比)の増加は、複合材料をそれらの使用の限界まで推し進めている。
【0014】
従来のフィラメントワインディングプロセス(専用機械)およびよりロボット化されたプロセス(多用途機械)は、性能の損失の点で、プロセスの強烈なインパクトをまったく考慮していなかった。大半の場合、ボビン支持体は、敷設ヘッドから遠くにあり、ストランドは、その敷設ヘッドに達する前に、多数のディフレクタおよびローラを通過する。方向および/または回転の各変化によって、ローラの壁に対する粗糸(roving)のこすれが引き起こされ、それによって粗糸が捩じれるまたはそれ自体の上に折り返され可能性がある。この捩じれは、ストランドを作り上げるフィラメントのいくらかの劣化および/または早期破損による材料性能の損失の主な原因である。加えて、いくつかの層が重ね合わされるときの幾何形状の変化が、マトリックスおよび/または強化用繊維の多くの孔のある外観(appearance of porosities)または局所的な余剰に通ずる。
【0015】
接触式コーティング機は、この技術的問題に対する部分的な解決策を提供するただ1つのものである。張力のレベルは、接触の適用によって(張力下では)材料に予応力が加えられ得ないので、(フィラメントワインディング技術とは対照的に)ゼロまたは非常に低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本明細書は、ボビンから少なくとも1本の粗糸を巻き出すためのデバイスであって、
- 固定されたフレームと、
- プレートに対して略垂直な軸に沿って延在する少なくとも1つのボビンホルダであり前記ボビンホルダの軸周りに回転できるボビンを受容することを意図する少なくとも1つのボビンホルダを担持するプレートと、
- 前記ボビンからの前記少なくとも1本のストランドを敷設し、プレートによって担持され、前記ボビンホルダの軸に対して平行な軸に沿って前記ボビンホルダとは反対の方向に延在する敷設ヘッドと、
- プレートを貫通して形成され、ボビンから敷設ヘッドまでの少なくとも1本のストランドの通りを可能にするように、敷設ヘッドの軸によって横切られるオリフィスと
を備え、
- ここで、プレートが、フレーム上において敷設ヘッドの軸周りに回転可能である、
デバイスを提案する。
【0017】
本構成によれば、敷設ヘッドは、1つまたは複数のボビンのための支持プレートと回転的に一体形成される。したがって、各ボビンのストランドは、プレートおよび敷設ヘッドの参照マークに固定され、それによって、ボビンから出て敷設ヘッドへと向かうストランドの捩じれの危険が大幅に減少される。
【0018】
1つまたは複数のボビンの支持プレートおよび敷設ヘッドの同時回転は、敷設ヘッドの角度位置が何であっても、例えば解放ローラのところで、敷設ヘッドを離れるシート、すなわちすべてのストランドの配置を固定させる。繊維の方向に軸方向予応力、すなわち軸方向張力を加えることができ、それは数ニュートンになり得る。これは、捩じれ、ローラの壁との摩擦、ストランドまたは各ストランドの捩じれまたはそれ自体の上への折り返しの発生を大幅に低減させる。
【0019】
したがって、層同士の間の分離フィルムのない標準的な市販のリールを使用し続けることができ、それによって、較正済みシートよりも値段が安くなる。
【0020】
加えて、この組合せによって、各ストランドが、敷設ヘッドの方向において良好に中心合わせされることが確実になり、ボビンの配置、(このようにして配向されたこのボビンに結合された)ローラの存在、および支持体の回転による捩じれが低減される。
【0021】
好ましくは、敷設ヘッドは、例えば物体上への1つまたは複数のシートの、例えばフィラメントワインディングによる非接触敷設(contactless laying)のためのガイドシステムを備える。前記ガイドシステムは、例えば、1つおよび/または複数のローラのアイレットまたはアセンブリを備える。
【0022】
他の特徴によれば、各ボビンホルダは、偏向ロッドおよび偏向ローラと協働し、偏向ロッドは、プレートに対して略垂直な軸に沿って延在し、ロッドに対して接線方向の平面がリールホルダの回転軸に対して略垂直な回転軸を有する前記偏向ローラの軌道を遮るように配置される。
【0023】
このように、偏向ロッドから出たストランドは、偏向ローラの軌道上ですぐに休止状態になり、次いで、ストランドは、前記偏向ローラによって、プレートのオリフィスを通って敷設ヘッドの方に向けて戻される。
好ましくは、前記接平面は、アイドラの回転軸に対して略垂直である。
【0024】
偏向ロッドは、動作の際、第1のストランド部が、前記ボビンキャリア上に取り付けられたボビンと偏向ロッドとの間に延在し、第2のストランド部が、偏向ロッドと偏向ローラとの間に延在し、第1のストランド部と前記第2のストランド部とが、90°未満、好ましくは45°未満の角度を形成する、ように配置され得る。
【0025】
この配置は、ボビン上のストランドに適切に張力が印加されることを確実にし、さらに、捩じれの形成を制限する。
【0026】
各ガイドロッドは、それ自体の軸周りに回転できるようにプレート上に取り付けられ得る。
【0027】
1つまたは複数のローラは、トレイの開口に対向して配置され得る。ローラは、プレートから突出しプレートによって担持される単一の支持体によって担持され得る。
トレイは、N個のボビンホルダを担持し、ここで、Nは1から4の間である。特定の一構成では、トレイは、4個のボビンホルダを備える。
ボビンホルダは、トレイの開口周りに配置され得る。
各ボビンホルダは、前記プレート上に回転可能に取り付けられ、ボビンがボビンホルダ上にしっかりと取り付けられたときにボビン粗糸に張力を印加するためのシステムに結合され得る。
【0028】
本明細書はさらに、ボビンからの少なくとも1本のストランドを巻き付ける装置であり、上述したようなデバイスと、ボビンからの前記少なくとも1本のストランドによって全体または一部が覆われることが意図される物体を動かすためのロボットとを備える、装置に関する。
【0029】
以下の段落で述べられる特徴は、適宜、相互に独立してまたは相互に組合わせて実施することができる。
【0030】
さらなる特徴、詳細および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面の分析から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】すでに説明した、従来技術を用いたフィラメントワインディング装置の概略的な斜視図である。
【
図2】本明細書による、フィラメントワインディング装置の概略的な斜視図である。
【
図3】コイルがトレイ上に取り付けられている、第1の側からのコイル支持トレイの概略図である。
【
図4】ターンテーブルの支持回転駆動脚部の2つの向きを示す、
図4Aと称される部分A、および
図4Bと称される部分Bの図である。
【
図5】プレート上にコイルが取り付けられていない、
図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図2を参照すると、
図2には、ボビン38の1本または複数のストランドMによって全体または一部が覆われることが意図される物体30を動かすためのロボット28を備える、フィラメントワインディング装置26が示されている。当該物体は、金属製であってもよい中空支持体30であり、リザーバを形成することを目的とし、このリザーバの高圧での機械的強度は、炭素フィラメントストランドを堆積させることによって大幅に増加される。
【0033】
ロボット28は、軸B周りに回転できるように取り付けられたマンドレル30を支持する2つのアーム34を含むレール32を備える。
【0034】
装置26はさらに、各リール38から1本または複数の芯(wicks)Mを巻き出すためのデバイス36を含む。
【0035】
このデバイス36は、シート39すなわち隣同士に並んで配置された複数のストランドMを堆積させるように、上述したロボット28と協働する。デバイス36は、プレート42および敷設ヘッド44の回転運動を制御および駆動する手段を収容する垂直ベース41を有するフレーム40を備える(
図4Aおよび
図4B)。プレート42および敷設ヘッド44は、互いに一体化されており、敷設ヘッド44は、フット41の一方側に配置され、他方側にはプレート42が配置されている。敷設ヘッド44は、プレート42に対して垂直な軸Fに沿ってその第1の面から延在する。
【0036】
ベース41は、モータ(図示せず)を収納し、その略水平回転軸Dは、ベルト50を介して中空シャフト52を回転駆動する。このシャフト52は、適切な軸受システムを介してベース41上に回転可能に取り付けられ、第1の端部にトレイのプレート42への固定のための外側プレート54を備える。シャフト52は、敷設ヘッド44と同じ軸Fに沿って延在する。シャフト52は、第2の端部に、敷設ヘッド44上の対応するプレートへの取り付けのための他の外側プレートを備えてもよい。シャフト52に対する敷設ヘッドの回転結合の他の手段も、本発明の目的から逸脱することなく使用することができる。
【0037】
プレート42は、第1の面が敷設ヘッド44またはフット41の方に向き、第2の反対面がそこから離れた方に向く、略平坦プレートによって形成される。
【0038】
プレート42は、複数のボビンホルダ56を担持する。
図5には、それらの内の4つがあるが、より多くてもより少なくてもよい。各リールホルダ56は、プレート42に対して略垂直な軸Bに沿って第2の面から延在し、プレート42上にその軸B周りに回転するように取り付けられる。各リールホルダ56は、リール38を受容することができ、リール38は、リールホルダ56上に取り付け、締め付けられる。各ボビンホルダ56は、ボビン38の粗糸への張力印加のためのシステムに連結される。この張力印加システムは、プラテンによって担持されその第2の面上に配置されるモータ60と、回転するモータシャフトをプーリを介してボビンホルダ56のシャフトBに結合するベルトとを備える。各張力印加システムは、ベルトに張力を印加する張力印加ローラをさらに備える。
【0039】
プレート42は、中央オリフィス67を備え、このオリフィス周りにボビンホルダが配置されることが見られる。このオリフィス67は、敷設ヘッド44の軸に対応する軸Cを有し、ボビン38からプレート42を貫通して、フット41のシャフト52を通って敷設ヘッド44に向かうストランドの流れを可能にする。
【0040】
見てわかるように、各リールホルダ56は、偏向ロッド62および偏向ローラ64に関連付けられる。
【0041】
各偏向ロッド62は、プレート42と一体化した支持アーム66上に回転可能に取り付けられる中空円筒を備える(図面)。偏向ロッド62は、プレート42に対して略垂直、すなわちリールホルダ56の軸Bと平行な軸Cに沿って延在する。各偏向ロッド62は、ロッド62に対して接線方向の平面が、前記ロッドが関連付けられる前記偏向ローラ64の軌道64aを遮るように、ローラに関連付けられ、位置決めされる(
図5)。より具体的には、各偏向ロッド62の前記接平面は、偏向ロッドに関連付けられる偏向ローラ64の回転軸に対して略垂直である。
【0042】
各偏向ローラは、ボビンホルダ56の回転軸に対して略垂直な回転軸を有する。偏向ローラ64はすべて、プレート42の第2の面から突出し第2の面によって担持されている単一の支持体によって担持される。
【0043】
図3に示されるように、各偏向ロッド62は、動作の際、第1の粗糸部M1が前記ボビンホルダ56上に取り付けられたボビン38と偏向ロッド62との間に延在し、第2の粗糸部M2が、偏向ロッド62と偏向ローラ64との間に延在し、第1の粗糸部M1および第2の粗糸部M2が、90°未満、好ましくは45°未満の角度αを形成するように、配置される。
【0044】
粗糸は、リターンローラ(return roller)64に入るとき、プレート42の平面内で回転することに留意されたい。このように、異なるボビンからの粗糸が隣同士に並んで配置され、敷設ヘッドで、マンドレルへともたらされることを意図する粗糸が形成される。
【符号の説明】
【0045】
26 フィラメントワインディング装置
28 ロボット
30 物体、中空支持体、マンドレル
32 レール
34 アーム
36 デバイス
38 ボビン、リール
39 シート
40 フレーム
41 ベース、フット
42 プレート、トレイ
44 敷設ヘッド
50 ベルト
52 シャフト
54 外側プレート
56 リールホルダ、ボビンホルダ
60 モータ
62 偏向ロッド
64 偏向ローラ、リターンローラ
64a 軌道
66 支持アーム
67 中央オリフィス
B 軸
C 軸
F 軸
M ストランド
M1 第1の粗糸部
M2 第2の粗糸部
【国際調査報告】