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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ガス駆動式アンローダ弁
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
F04B39/10 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567034
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 US2022027300
(87)【国際公開番号】W WO2022235571
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】17/314,138
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】サンフォード,ヨエル ティー.
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AC02
3H003CC02
3H003CC06
3H003CC07
3H003CC08
3H003CD02
3H003CE01
(57)【要約】
アンローダ弁であって、複数の入口開口部を備えたシートを備え、入口開口部は、互いに離間され、複数の並行な入口の軸の1つに沿ってシートを貫通して延在する。シートに対して固定して接続されて、複数の出口開口部を備えるマニホールド・プレートを備え、出口開口部は、互いに離間され、複数の並行な出口の軸の1つに沿ってマニホールド・プレートを貫通して延在する。また、アンローダ弁は、複数のプラグ穴と、マニホールド・プレート内に形成された制御チャンバと、マニホールド・プレートによって画定されて、制御チャンバとプラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置された制御空間とを備える。また、アンローダ弁は、制御チャンバ内に配置される制御部を備えるが、これは、制御空間が圧力源に対して露出される第1の位置と、制御空間が孤立される第2の位置との間で移動できる。また、アンローダ弁は、複数のプラグを備えるが、夫々、プラグ穴の1つの中に配置され、プラグの夫々が入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置と、複数の入口開口部が複数の出口開口部と流通する開放位置との間を移動できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンローダ弁であって、
複数の入口開口部を備えるシートであり、前記入口開口部の夫々が、他の前記入口開口部から離間されて、複数の並行な入口の軸の1つに沿って前記シートを貫通して延在している、前記シートと、
前記シートに対して固定して接続されて、複数の出口開口部と、複数のブラインド・プラグ穴と、制御チャンバと、制御空間とを備えるマニホールド・プレートであり、
前記複数の出口開口部の夫々は、他の前記出口開口部から離間されて、複数の並行な出口の軸の1つに沿って前記マニホールド・プレートを貫通して延在しており、
前記複数のブラインド・プラグ穴の夫々は、複数の並行な入口の軸の1つの入口の軸に沿って中心に整列されており、
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレート内に形成されており、
前記制御空間は、前記マニホールド・プレートによって画定されて、前記制御チャンバと前記複数のブラインド・プラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置されている、前記マニホールド・プレートと、
前記制御チャンバ内に配置される制御部であり、前記制御空間が圧力源に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が孤立される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグの夫々は、前記ブラインド・プラグ穴のいずれか1つの中に配置されて、前記プラグの夫々が前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置と、前記複数の入口開口部が前記複数の出口開口部と流通する開放位置との間を移動可能である前記複数のプラグと、
を備えた、アンローダ弁。
【請求項2】
前記制御部が前記第1の位置に配置されて、前記圧力源の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグの夫々は、前記閉鎖位置から前記開放位置まで移動する、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項3】
前記制御部が前記第1位置から前記第2位置まで移動することに応じて、前記プラグの夫々は、前記開放位置に留まる、請求項2に記載のアンローダ弁。
【請求項4】
さらに、複数の付勢部材を備えており、前記付勢部材は夫々、前記ブラインド・プラグ穴の1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項5】
前記マニホールド・プレートは単一部品であって、前記マニホールド・プレートを破壊しなければ、分離することができない、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項6】
前記マニホールド・プレートは、付加製造法を用いて形成される、請求項5に記載のアンローダ弁。
【請求項7】
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレートの中心に形成され、前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、前記制御チャンバの全側部の周囲に配置されている、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項8】
前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、縦横に並んで配置されている、請求項7に記載のアンローダ弁。
【請求項9】
前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、交互のパターンで配置されている、請求項7に記載のアンローダ弁。
【請求項10】
往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、前記往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、前記アンローダ弁は、
複数の入口開口部を備えたシートと、
前記シートに対して固定して接続されるマニホールド・プレートであり、
複数の出口開口部と、
複数のプラグ穴と、
前記マニホールド・プレートに形成された制御チャンバと、
前記マニホールド・プレートによって完全に画定されて、前記制御チャンバと前記プラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置された制御空間と、
を備える前記マニホールド・プレートと、
前記制御チャンバ内に配置される制御部であり、前記制御空間が前記圧縮空間に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が前記圧縮空間から隔離される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグは夫々、前記プラグ孔の1つの中に配置され、前記制御部が前記第1の位置に配置されることと、前記制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることとに応じて、前記プラグは夫々、前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、前記プラグは夫々、前記制御部が前記第2の位置にあることに応じて、前記開放位置に維持される、前記複数のプラグと、
を備える、アンローダ弁。
【請求項11】
さらに、複数の付勢部材を備え、前記付勢部材は夫々、前記プラグ穴の1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項12】
前記マニホールド・プレートは単一部品であって、前記マニホールド・プレートを破壊しなければ、分離することができない、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項13】
前記マニホールド・プレートは、付加製造法を用いて形成される、請求項12に記載のアンローダ弁。
【請求項14】
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレートの中心に形成され、前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、前記制御チャンバの全側部の周囲に配置された、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項15】
前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、縦横に並んで配置されている、請求項14に記載のアンローダ弁。
【請求項16】
前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、交互のパターンで配置されている、請求項14に記載のアンローダ弁。
【請求項17】
往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、前記往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、前記アンローダ弁は、
複数の入口開口部を備えたシートと、
複数の出口開口部と複数の取付開口部とを備えたマニホールド・プレートと、
前記マニホールド・プレートに対して螺合されて、前記シートと前記マニホールド・プレートとを固定して取り付ける制御シートと、
前記シートと前記マニホールド・プレートとの間に配置されて、前記マニホールド・プレートと協働して制御空間を画定するインターフェース・プレートと、
複数のバルブ・カップであり、前記バルブ・カップの夫々が、前記マニホールド・プレートに対して螺合されて、前記バルブ・カップと前記マニホールド・プレートとの間に前記インターフェース・プレートを挟持させるように動作可能な、前記複数のバルブ・カップと、
前記制御シート内に配置される制御部であり、前記制御空間が前記圧縮空間に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が前記圧縮空間から隔離される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグは夫々、前記バルブ・カップの1つの中に配置され、前記制御部が前記第1の位置に配置されて、前記制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグは夫々、前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、前記プラグは夫々、前記制御部が前記第2の位置になることに応じて、前記開放位置に維持される、前記複数のプラグと、
を備える、アンローダ弁。
【請求項18】
前記制御部が前記第1の位置に配置されて、前記圧力源の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグは夫々、前記閉鎖位置から前記開放位置まで移動する、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項19】
前記制御部が前記第1位置から前記第2位置まで移動することに応じて、前記プラグの夫々は、前記開放位置に留まる、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項20】
さらに、複数の付勢部材を備え、前記付勢部材は夫々、前記バルブ・カップの1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項21】
さらに、前記マニホールド・プレートの一部として形成された城郭風スペーサを備え、前記インターフェース・プレートは、前記城郭風スペーサと直接的に当接する、請求項17に記載のアンローダ弁。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガス圧縮機、特に、往復動式ガス圧縮機には、しばしば、圧縮されるガスの圧縮機内への流れを制御するアンローダ弁が備えられている。このアンローダ弁は、流れと、動作上の制約のため、しばしば、複数の小型の弁を備えているが、これら弁は、夫々、同時に開放・閉鎖する。その動作は、複雑な機械システムにより行われていて、別個の電気、油圧、又は空気圧システムにより制御又は駆動されている。この別個のシステムのため、操作及び保持にコストがかかりやすく、また、往復動式ガス圧縮機を用いるガス圧縮システムに相当な複雑さが加えられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、アンローダ弁(unloader valve)であって、複数の入口開口部を備えたシートを備える。入口開口部の夫々は、他の入口開口部から離間されて、複数の並行な入口の軸の1つに沿ってシートを貫通して延在する。また、シートに対して固定して接続されて、複数の出口開口部を備えるマニホールド・プレートを備える。出口開口部の夫々は、他の出口開口部から離間されて、複数の並行な出口の軸の1つに沿ってマニホールド・プレートを貫通して延在する。また、アンローダ弁は、複数のブラインド・プラグ穴を備えるが、ブラインド・プラグ穴の夫々は、複数の並行な入口の軸の1つに沿って中心に整列される。また、アンローダ弁は、マニホールド・プレート内に形成された制御チャンバを備える。また、アンローダ弁は、マニホールド・プレートによって画定されて、制御チャンバと複数のブラインド・プラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置された制御空間を備える。また、アンローダ弁は、制御部を備えるが、この制御部は、制御チャンバ内に配置されて、制御空間が圧力源に対して露出される第1の位置と、制御空間が孤立される第2の位置との間で移動可能である。また、アンローダ弁は、複数のプラグを備えるが、プラグの夫々は、ブラインド・プラグ穴のいずれか1つの中に配置されて、プラグの夫々が入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置と、複数の入口開口部が複数の出口開口部と流通する開放位置との間を移動可能である。
【0003】
別の態様では、往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、アンローダ弁は、複数の入口開口部を備えるシートと、シートに対して固定して接続されるマニホールド・プレートとを備える。マニホールド・プレートは、複数の出口開口部と、複数のプラグ穴と、マニホールド・プレートに形成された制御チャンバと、マニホールド・プレートによって完全に画定されて、制御チャンバと複数のプラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置された制御空間とを備える。また、アンローダ弁は、制御チャンバ内に配置される制御弁を備えるが、これは、制御空間が圧縮空間に対して露出される第1の位置と、制御空間が圧縮空間から隔離(又は孤立)される第2の位置との間で移動可能にされる。また、アンローダ弁は、複数のプラグを備えるが、プラグは夫々、プラグ孔の1つの中に配置される。制御部が第1の位置に配置されることと、制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることとに応じて、プラグは夫々、入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、プラグは夫々、制御部が第2の位置にあることに応じて、開放位置に維持される。
【0004】
別の態様では、往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、アンローダ弁は、複数の入口開口部を備えたシートと、複数の出口開口部と複数の取付開口部とを備えたマニホールド・プレートと、マニホールド・プレートに対して螺合されて、シートとマニホールド・プレートとを固定して取り付ける制御シートと、シートとマニホールド・プレートとの間に配置されて、マニホールド・プレートと協働して制御空間を画定するインターフェース・プレートとを備える。複数のバルブ・カップを備え、バルブ・カップの夫々が、マニホールド・プレートに対して螺合されて、バルブ・カップとマニホールド・プレートとの間にインターフェース・プレートを挟持させるように動作可能である。制御シート内に配置される制御部を備え、制御空間が圧縮空間に対して露出される第1の位置と、制御空間が圧縮空間から隔離される第2の位置との間で移動可能にする。複数のプラグを備え、プラグは夫々、バルブ・カップの1つの中に配置される。制御部が第1の位置に配置されて、制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、プラグは夫々、入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、さらに、プラグは夫々、制御部が第2の位置になることに応じて開放位置に維持される。
【0005】
特定の構成要素又は動作の説明が容易に識別できるように、参照番号の最上位の桁又は数字は、その構成要素が最初に用いられる図の番号を示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、往復動式ガス圧縮機の一部の断面図である。
図2図2は、アンローダ弁を備えた、図1の往復動ガス圧縮機の一部の斜視図である。
図3図3は、図2のアンローダ弁の斜視図である。
図4図4は、図3のアンローダ弁の一部の斜視図である。
図5図5は、図4の往復動式ガス圧縮機とアンローダ弁の一部の概略的な断面図である。
図6図6は、図4のアンローダ弁のマニホールド・プレートの斜視図である。
図7図7は、図6のライン6-6に沿って切り取られた図4のアンローダ弁の断面図である。
図8図8は、図6のマニホールド・プレートに形成される制御空間を画定するための様々な空間の斜視図である。
図9図9は、アンローダ弁の中心線を通って切り取られた、別のアンローダ弁の断面図である。
図10図10は、図9のアンローダ弁と共に用いられるのに適したインターフェース・プレートの斜視図である。
図11図11は、取り付け可能なバルブ・カップを含む、図10のアンローダ弁の一部の拡大図である。
図12図12は、図11の取り付け可能バルブ・カップとマと、プラグとの間に配置されるシールの幾つかの構成を例示した図である。
図13図13はアンローダ弁の一部の別の態様の斜視図である。
図14図14は、図13の態様のバルブ・シリンダの断面図である。
図15図15は、図13の態様のマニホールド・プレートの斜視図である。
図16図16は、図13の態様のインターフェース・プレートの斜視図である。
図17図17はマニホールド・プレートの中心線に沿って切り取られた、図13の態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で用いられる「構成要素」と「システム」という用語は、ハードウエア、ソフトウエア、又はハードウエアとソフトウエアの組合せに対応することが意図されている。従って、例えば、システム又は構成要素は、プロセス(方法)でもよいし、プロセッサ上で実行されるプロセスでもよいし、又はプロセッサでもよい。さらに、構成要素又はシステムは、単一のデバイスに限定して用いられてもよく、又は複数のデバイスに分散されて用いられてもよい。
【0008】
さらに、複数の機能/プロセスを実行するように構成された構成要素(例えば、プロセッサ)について、「少なくとも1つ」という用語が用いられる場合、それは、1つ又は複数の構成要素(例えば、プロセッサ)であって、その夫々がその機能/プロセスを実行可能なものに対応することができる。あるいは、それは、2つ又は複数の構成要素(例えば、プロセッサ)であって、それぞれが1つ又は複数の異なる機能/プロセスの異なるものを実行可能なものに対応してもよい。
【0009】
また、幾つかの実施例では、明示的に限定されない限り、本明細書で使用される用語又は語句は、広義に解釈されることを理解されたい。例えば、「備える」及び「有する」という用語、並びにそれらの派生物は、非限定的に、含むこと(又は包括すること)を意味する。また、単数の態様(例えば、英語の冠詞「a」、「an」、及び「the」を用いるもの)は、そうでないことが明示的に示されていない限り、複数の態様をも含むものとする。さらに、本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連して列挙された項目の内の1つ又は複数の全ての可能な組み合わせを含むものとする。また、「又は」という用語は、そうでないことが明示的に示されていない限り、包括的であって、「及び/又は」をも意味し得るものとする。また、「と関連する」及び「と共に関連する」という用語、並びにそれらの派生物は、「を含む」、「の中に含まれる」、「と相互接続する」、「を収容する」、「の中に収容される」、「と接続される」、「と連結される」、「と通信可能である」、「と協働する」、「をとじこめる」、「と並置する」、「と近接する」、「と結合される」、「を有する」、「の傾向を有する」等を意味することができる。
【0010】
また、本明細書では、様々な構成要素、情報、機能、又は動作を指すために、「第1」、「第2」、「第3」等の用語が用いられ得るが、これらの構成要素、情報、機能、又は動作は、これらの用語によって限定されないことを理解されたい。むしろ、これらの数形容詞は、異なる構成要素、情報、機能又は動作を互いに区別するために用いられているに過ぎない。例えば、第1の構成要素、情報、機能、又は動作は、第2の構成要素、情報、機能、又は動作として参照することができる。同様に、第2の構成要素、情報、機能、又は動作は、第1の構成要素、情報、機能、又は動作として参照することができる。ただし、その際、本開示内容の範囲から逸脱することがないものとする。
【0011】
さらに、「隣接する」という用語は、文脈上、そうでないことが明示的に示されていない限り、構成要素が別の構成要素と相対的に近くにあるが、それと当接していない場合と、又は、構成要素が別の構成要素と当接している場合とを意味し得る。さらに、「に基づく」という用語は、そうでないことが明示的に示されていない限り、「に、少なくとも部分的に、基づく」ことを意味し得るものとする。
【0012】
図1には、電気モータ又は他のエンジンなどの原動機によって駆動されて、圧縮ガスを生じさせる、往復動式ガス圧縮機100の一部が例示されている。往復動式ガス圧縮機100には、1つ又は複数のケース106が含まれているが、夫々、シリンダ114を画定して、その中で往復移動が行えるようにピストン110を支持している。ピストン110とケース106とは、協働して、圧縮空間108を画定しており、ピストン110の往復運動に伴ってその容積を変化させていて、公知なように、圧縮されるガス(又は気体)を吸引して、そのガスを圧縮させている。
【0013】
圧縮されるガスの供給を受け入れるため、ケース106にはガス入口102が設けられており、また、往復動式ガス圧縮機100によって生じた圧縮されたガスを集めるために、ケーシングにはガス出口104が形成されている。より詳細に説明されるように、ケース106には複数のアンローダ弁300が連結されていて、ガス入口102と圧縮空間108との間に配置されて、圧縮空間108内への非圧縮ガスの受け入れを制御している。同様に、圧縮空間108とガス出口104との間には複数の排出弁112が設けられていて、圧縮ガスの流出を制御している。
【0014】
図2には、往復動式ガス圧縮機100の一部が例示されているが、これは、ケース106を備えていて、複数の入口/出口の穴(ボア)202を画定している。4つの入口/出口の穴202の夫々に、1つのアンローダ弁300が取り付けられている。また、これら4つの入口/出口の穴202の残りに、4つの排出弁112(図示略)が取り付けられている。勿論、必要に応じて、より多くの数又はより少ない数のアンローダ弁300と排出弁112とを備えた他の構成を適当に構成することができる。
【0015】
図3には、図2の複数のアンローダ弁300の1つが例示されている。なお、全てのアンローダ弁300は、実質的に同じである。アンローダ弁300には、残りの構成要素を所望の動作位置に支持するための弁ハウジング302と、ケース106へのアンローダ弁300の取り付けを容易にするために設けられたフランジ304とが含まれる。例示した構造では、フランジ304は、ケース106へのアンローダ弁300の取り付けを行うために、締結具の受け入れを可能にする複数の開口部が設けられている。
【0016】
アクチュエータ306は、最終的には、動作中に、ケース106の外側の位置でフランジと隣接して配置される。より詳細に説明されるように、アクチュエータ306は、電気式、油圧式、空圧式、又は、アクチュエータにとって望ましい他の任意の種類のものでもよい。また、制御部308(図4に、より詳細に例示している)が、より詳細に説明されるように、移動を行うためにアクチュエータ306と連結されている。
【0017】
また、アンローダ弁300は、弁ハウジング302の一端側に配置されたマニホールド・プレート312とシート(又は座)310とを含み、アンローダ弁300がケース106に対してその動作位置で取り付けられるとき、マニホールド・プレート312がピストン110に対して最も近接して配置されるようにしている。
【0018】
図4では、マニホールド・プレート312、シート310、及び制御部308が例示されているが、アンローダ弁300の他の部位は省略されている。制御部308は、細長い軸(シャフト)を含み、それは、シート310から、アクチュエータ306内の位置まで延出しており、アクチュエータ306が、制御部308を第1の位置と第2の位置との間で移動させることを可能にしている。制御シート402が、シート310と、マニホールド・プレート312との一方側に連結されていて、制御部308の動作中に制御部308と協働する。
【0019】
シート310には、複数の入口開口部404が設けられるが、入口開口部404は、夫々、シート310を貫通している。入口開口部404は、縦横に並んで(又は一連の行及び列で)配列されているが、他の配列も可能である。例示した構造では、48個の入口開口部404が用いられているが、典型的な用途では、20個以上が含まれる。勿論、入口開口部404は、必要に応じて、任意の適切な数で用いられてもよい。
【0020】
図6では、マニホールド・プレート312の可能な実施形態の1つが例示されている。例示した構造では、マニホールド・プレート312には、中央の穴(又はボア)602と、一連の出口開口部502と、一連のプラグ穴504とが設けられている。中央の穴602は、図7に例示されているように、制御シート(又は調整シート)402を受け入れられる大きさにされており、マニホールド・プレート312にシート310を取り付けるように作用する。具体的には、制御シート402は、マニホールド・プレート312と螺合(又はねじ状に係合)し、さらに、シート310を所望の位置に保持するカラー702を含む。
【0021】
出口開口部502及びプラグ穴504は、互いに隣接して、縦横に並んで配置されている。この構成では、夫々の出口開口部502は、4つのプラグ穴504によって、最も近接して取り囲まれている。同様に、夫々のプラグ穴504は、4つの出口開口部502によって、最も近接して取り囲まれている。夫々のプラグ穴504は、シート310の入口開口部404と整列されて、同軸上にされる。一方、出口開口部502は、入口開口部404と平行に配置されるが、オフセットされたり、又は位置がずらされる。
【0022】
図7では、図6を参照して上述した、縦横の配置を横切る断面図が例示されている。夫々のプラグ穴504は、ブラインド・プラグ穴(又は塞がれたプラグ穴)504(つまり、一一端が閉ざされている)であり、その中に付勢部材704とプラグ506とを受け入れている。各プラグ穴504は、入口開口部404の1つと同軸上に整合されていて、付勢部材704が、プラグ506を閉鎖位置に向かって付勢するように動作しており、その位置では、シート310の一部として形成されたプラグ・シート708とプラグ506が当接している。閉鎖位置では、夫々のプラグ506は、整合すると、入口開口部404を閉鎖しており、シート310を通る流れを防止させている。夫々のプラグ506は、さらに、閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、その位置では、プラグ506は、プラグ・シート708から後退して、入口開口部404及び出口開口部502を通る流れを可能にし、さらに圧縮空間108までの流れを可能にする。
【0023】
マニホールド・プレート312は、制御空間508、制御シート706、及び制御開口部510を含むが、特に、これらはマニホールド・プレート312の一部として形成されている。好適な構造では、これら特徴部は、一部品(ワンピース)又は一体型のマニホールド・プレート312の一部として形成されており、マニホールド・プレート312を破壊しない限り、分離できないようにされている。これら特徴部の好適な形状のため、マニホールド・プレート312を形成する際、付加製造又はAM製造(AM:additive manufacturing)法が、最も実行可能しやすい方法である。一般的に、従来の製造方法では、これら特徴部の所望な形状について、所望の表面仕上げを備えるように形成することが困難で、特に、制御空間508を形成することができなかった。
【0024】
制御開口部510は、圧縮空間108と制御空間508との間での流通を可能にする。制御シート706は、圧縮空間108と制御空間508との間の流通を遮断する位置に、制御部308を移動できるように配置されており、このため、制御空間508を効果的に密封及び隔離(又は孤立)できるようにしている。従って、制御部308が第2の位置に移動して、制御空間508を隔離すると、制御空間508内の圧力が固定されるが、そのことは、制御部308が第2の位置に移動するのに先立って、どの位置にあったのかにかかわらない。
【0025】
図8は、マニホールド・プレート312の一部分について、反転した図が例示されているが、この際、制御空間508を画定する空間が実線で示されていて、ソリッド領域が除外されている。同図から理解できるように、制御シート402と制御開口部510とは、大きな制御チャンバ(又は制御室)802を画定しており、流体の受け入れを可能にしている。4つの分配チャネル804によって、制御チャンバ802が一連のランナ808と接続されており、後者は、各プラグ穴504を制御空間508と接続させており、プラグ空間806を制御空間508と流通させている。
【0026】
図7及び図8に例示した構造を動作させるため、まず、図5に概略的に例示しているように、アンローダ弁300が、往復動式ガス圧縮機100の中に組み付けられる。具体的には、マニホールド・プレート312が、圧縮空間108と流通して、そして、シート310が、圧縮されるガスの源と流通する位置にされる。アクチュエータ306は、制御器(又はコントローラ)512と接続されており、それによって、制御部308を第1の位置と第2の位置との間で移動できるようにしている。幾つかの構成では、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:programmable logic controller)などのデジタル制御を用いて、電子式のアクチュエータ306を動作させて、最終的に制御部308を移動させてもよい。
【0027】
制御部308が第1の位置(図5参照)にある状態では、制御空間508は、圧力源として作用する圧縮空間108に対して露出されている。ピストン110が後退すると(図1のピストンと比較して、ピストン110が90度回転して例示されていることに注意されたい)、圧縮空間108が拡大して、圧力が低下する。制御空間508内の圧力が所定のレベルに達すると、付勢部材704の付勢力に打ち勝って、プラグ506が開放位置まで引っ張られる。圧縮されるガスが圧縮空間108内に流入すると、圧力が上昇することが可能になって、付勢部材704がプラグ506を閉鎖位置まで戻すことが可能になる。これを阻止するため、一旦、プラグ506が開放位置まで移動すると、制御部308を、制御器512及びアクチュエータ306により、第2の位置まで移動させて、制御空間508を密閉及び隔離させる。これによって、圧縮空間108内の圧力にかかわらず、効果的にプラグ506を開放位置に保持することを可能にする。ピストン110がその圧縮ストロークを開始する直前の時点又は直後の時点で、制御器512は、制御部308を第1の位置まで戻して、制御空間508をより高い圧力のガスで満たして、圧縮ストローク中にプラグ506を閉鎖位置まで戻すことを可能にする。このプロセスは、必要に応じて、各回転サイクルで、所望なようにガスを圧縮するため、個々の入口/出口の穴202及びアンローダ弁300用に繰り返される。
【0028】
図9乃至図12では、アンローダ弁900の異なる構成が例示されている。アンローダ弁900は、マニホールド・プレート902と、インターフェース・プレート910と、制御シート904と、上述したシート310と非常に類似したシート310とを備えている。マニホールド・プレート902は、上述したものと非常に類似した複数の出口開口部502を備えている。加えて、マニホールド・プレート902は、一連の取り付け開口部1106(図11に最もよく例示されている)を備えており、複数のバルブ・カップ908のうちの1つを受け入れるように螺合される。
【0029】
制御シート904は、制御シート402と同様に構成されて、上述のように、シート310及びマニホールド・プレート902に対して取り付けられて、保持される。制御シート904には、1つ又は複数の制御通路906が備えられているが、それらは、制御開口部510と制御空間912との間での流通を選択的に可能にするように配置されている。
【0030】
マニホールド・プレート902とインターフェース・プレート910との間に制御空間912が形成されている。インターフェース・プレート910は、図10に良好に例示されているように、マニホールド・プレート902と係合して、複数のバルブ・カップ908によって適所に保持されるが、後者は、マニホールド・プレート902に対して螺合されて、それらの間にインターフェース・プレート910を挟持させている。マニホールド・プレート902及びインターフェース・プレート910は、バルブ・カップ908と対応する空間を画定しており、その中に形成されたカップ孔1102(これは、マニホールド・プレート902とインターフェース・プレート910との間の制御空間912内に配置される)を介して、バルブ・カップ908に流体が流入することを可能にしている。
【0031】
図10に例示するように、インターフェース・プレート910は、プレート部分1004と、中央の穴1002と、一連のカップ開口部1006と、一連の出口の穴1008とを備えている。プレート部分1004は、実質的に平らであって、マニホールド・プレート902内に嵌合されるように形成されている。中央の穴1002は、プレート部分1004の中心又はその近くに形成されていて、その大きさは、そこを通って制御シート904が通過することを可能にしている。
【0032】
出口の穴1008は、プレート部分1004を貫通するボアである。出口の穴1008は、バルブ・カップ908を螺合可能に受け入れることができるように、その大きさを定めた螺合部(又はねじ部)を備えることができる。あるいは、出口の穴1008は、ボアを貫通するように、マニホールド・プレート902内の取り付け開口部1106が螺合されてもよい。出口の穴1008は、中央の穴1002の周囲に延在して、縦横に並んで配列されている。
【0033】
カップ開口部1006は、プレート部分1004を貫通して延在する貫通穴であり、夫々、カップ開口部1006を取り囲む壁部1010を備えるが、後者は、マニホールド・プレート902から離れる方向で、プレート部分1004から離れるように延在している。カップ開口部1006は、中央の穴1002の周囲に延在するように、縦横に並んで(又は一連の行及び列で)配列されている。
【0034】
図10では、カップ開口部1006の複数の列と、出口の穴1008の複数の列とが、交互に配列した態様で例示されているが、他の配列の仕方、例えば、複数の列と行とが、カップ開口部1006と出口の穴1008の双方を含む態様も可能である。なお、本発明は、カップ開口部1006と出口の穴1008の配置の態様によって限定されない。
【0035】
図11では、図9に例示したアンローダ弁900の一部を拡大した断面図が例示されている。インターフェース・プレート910は、制御空間912を画定するように、マニホールド・プレート902の内面に配置されており、制御空間912には、壁部1010とマニホールド・プレート902との間の空間が含まれている。バルブ・カップ908の夫々は、カップ開口部1006の一つと螺合する螺合カップ・ステム(又は軸)1104が備えられている。バルブ・カップ908が設置されると、最終的に、そのカップ開口部1006を取り囲む壁部1010と当接して、バルブ・カップ908と壁部1010の間にシールが形成される。各カップ・ステム1104は、1つ又は複数のカップ孔1102を備えており、制御空間912とバルブ・カップ908の内部との間での流通を可能にしている。各バルブ・カップ908には、プラグ506が備えられて、プラグ506の背後の制御空間912をシールする。従って、バルブ・カップ908、インターフェース・プレート910、及びマニホールド・プレート902は、唯一の開口部を備えた制御空間912を完全に密閉するように協働しており、制御部308によって、制御開口部510が選択的に開放又は閉鎖されている。
【0036】
アンローダ弁900は、アンローダ弁300とほぼ同様に動作するが、主に、制御空間912の形成のし方とその形状とが相違している。
【0037】
図12に例示されるように、好ましくない漏洩のリスクを減らすため、傘型弁(マッシュルーム・プラグ)1204又は円筒形状プラグ1206と、バルブ・カップ908との間でシールを形成することを可能にしている。図12には、2つの異なる形状のプラグを用いてシールを形成するための、異なる態様が例示されている。はじめの2つの図には、傘型弁1204が用いられているが、これは、バルブ・カップ908内で移動する円筒形状本体と、それよりも拡径された円筒形状頭部とを含んでいる。この構成では、より大きな頭部を有することで、より小さな直径のバルブ・カップ908の適用を可能にしている。次の2つの図には、バルブ・カップ908内で移動するように均一な円筒形状プラグ1206が用いられている。
【0038】
傘型弁1204の中に形成されたシール溝内には、第1のシール部材1202aが配置されている。バルブ・カップ908内のプラグ506の長さと比較して、第1のシール部材1202aの長さはより短い。第1のシール部材1202aは、ゴムなどの弾性材料から形成することができ、又は、テフロン(登録商標)、真ちゅう、又は青銅などの、より剛性の高い材料から形成することができる。より剛性の高い材料から形成する場合、バルブ・カップ908内を滑動するプラグ506の性能を高めることができる。第4のシール部材1202dは、第1のシール部材1202aと同様であるが、傘型弁1204ではなく、円筒形状プラグ1206に対して適用されている。
【0039】
第2のシール部材1202bは、傘型弁1204又は円筒形状プラグ1206の中ではなく、バルブ・カップ908の中に形成されたシール溝内に配置されている。第2のシール部材1202bは、第1のシール部材1202aよりもはるかに長いが、必要に応じて第1のシール部材1202aと同じ材料を用いて作成することができる。第3のシール部材1202cは、第2のシール部材1202bと同様であるが、傘型弁1204ではなく、円筒形状プラグ1206と共に使用されるように、バルブ・カップ908に適用されている。
【0040】
図13では、マニホールド・プレート1500及びインターフェース・プレート1600の他の配置が例示されているが、これらは、インターフェース・プレートを用いる上述した実施形態のうちの任意のものへの使用に適している。マニホールド・プレート1500は、マニホールド壁1304で囲まれたマニホールド基部1302を含み、マニホールド内部1306を画定している。インターフェース・プレート1600は、マニホールド基部1302の上に配置されていて、それと直接的に当接している。バルブ・シリンダ1400は、インターフェース・プレート1600の上に配置されるため、これも同様にマニホールド内部1306の中に配置される。このため、インターフェース・プレート1600の一部が、マニホールド・プレート1500とバルブ・シリンダ1400との間で挟持される。
【0041】
マニホールド・プレート1500及びインターフェース・プレート1600の夫々には、複数のプラグ穴1308と複数の出口開口部1310とが備えられるが、それらは、インターフェース・プレート1600がマニホールド内部1306の中に配置されるとき、互いに対して位置合わせされる(又は整合される)。プラグ穴1308及び出口開口部1310は、所望の任意のパターンで配列することができるが、その仕方には、既に説明した配列が含まれる。
【0042】
図14には、バルブ・シリンダ1400が、円筒形状部品として、例示されているが、その環状の断面には、中央の穴1402が画定されることが例示されている。バルブ・シリンダ1400の第1の端部には、肩部1404と延長部1406とが備えられており、これらは、マニホールド・プレート1500とバルブ・シリンダ1400の間でインターフェース・プレート1600を挟持させるように配置される。このことは、図17を参照して詳述される。
【0043】
図15を参照すると、バルブ・シリンダ1400及びインターフェース・プレート1600が取り外された状態で、マニホールド内部1306が例示されている。同図に例示するように、マニホールド基部1302は、所望のレベルでの整合を確保できるように、インターフェース・プレート1600のパターンと適合するパターンで配列された、複数のプラグ穴1308と複数の出口開口部1310とを備えている。プラグ穴1308の数と、出口開口部1310の数とは、インターフェース・プレート1600のものと厳密に一致する必要はない。ただし、好適な実施形態では、マニホールド基部1302のプラグ穴1308の数は、インターフェース・プレート1600のプラグ穴1308の数と一致する。
【0044】
マニホールド内部1306の中では、マニホールド・プレート1500の中心に、城郭風スペーサ1502が配置されている。例示した構造では、城郭風スペーサ1502は、マニホールド・プレート1500と共に単一の部品として形成されていて、複数のウエッジ・ボス(又は楔形ボス)1504を有するが、これらは、マニホールド基部1302から延出している。ウエッジ・ボス1504は、楔形状のボスであって、個々のウエッジ・ボス1504の間に間隙を画定する仕方で、円形のパターンで配置されている。ウエッジ・ボス1504は、肩部1404と隣接してバルブ・シリンダ1400の延長部1406を受け入れる大きさで内径を画定して配置されているが、このことは、図17を参照して詳述される。なお、「城郭風」という用語は、城郭風スペーサ1502の外観を指しており、これは、交互に背の高い特徴(ウエッジ・ボス1504)と、それらの間に交互に背の低い空間(隙間)とを有している。
【0045】
図16には、インターフェース・プレート1600の当接側が詳細に例示されている。夫々のプラグ穴1308は、マニホールド基部1302と当接する壁によって画定されている。また、これら壁は協働して、マニホールド基部1302とインターフェース・プレート1600との間に制御空間を形成していて、流体の流れを可能にしている。プレート穴(プレート・ボア)1602は、インターフェース・プレート1600内に形成されていて、バルブ・シリンダ1400の延長部1406を受け入れる大きさを有している。このことは、図17を参照して詳述される。
【0046】
図17には、バルブ・シリンダ1400と、マニホールド・プレート1500と、インターフェース・プレート1600とについて、それらの組立てられた位置又は動作位置での断面図が例示されている。同図に例示されるように、インターフェース・プレート1600は、マニホールド基部1302の上に配置されていて、マニホールド・プレート1500の各プラグ穴1308が、インターフェース・プレート1600の対応するプラグ穴1308と整合している。
【0047】
プレート穴1602の大きさは、インターフェース・プレート1600の一部が、城郭風スペーサ1502の上に置かれているようにされており、特に、各ウエッジ・ボス1504と当接するようにしている。ただし、プレート・ボス1602は、城郭風スペーサ1502の内径よりも大きい径を有しており、インターフェース・プレート1600が配置されたとき、プレート・ボス1504の夫々の一部が覆われないままにしている。
【0048】
弁シリンダ1400は、インターフェース・プレート1600の上に配置されると、肩部1404がインターフェース・プレート1600と当接して、肩部1404によって画定される延長部1406が、ウエッジ・ボス1504の露出部分と当接するようにしている。弁シリンダ1400をマニホールド基部1302に向けて付勢又は押すことが可能であり、それによって、肩部1404とウエッジ・ボス1504との間で、インターフェース・プレート1600を挟持することを可能にしている。この構成では、肩部1404とインターフェース・プレート1600とが協働して、それらの間にシールを定める。加えて、インターフェース・プレート1600は、肩部1404とウエッジ・ボス1504との当接によって適所に保持される。ただし、複数のウエッジ・ボス1504の間の隙間のため、城郭風スペーサ1502とインターフェース・プレート1600との間にはシールが形成されない。この構成では、インターフェース・プレート1600とマニホールド・プレート1500との間に形成される制御空間内への流路が提供される。この制御空間は、上記の制御空間508、912とほぼ同様に機能する。
【0049】
以上、本開示内容について、例示的な実施形態に基づいて詳述したが、当業者であれば、本技術思想と本開示内容の中で、その最も広い態様から逸脱することなく、本開示内容について、様々な変更、代替、変形、又は改良をすることができるであろう。
【0050】
本明細書の説明では、特定の構成要素、ステップ、動作、又は機能について、任意に、特許請求の範囲に含められるべき必須の構成要素として解釈されるべきではない。つまり、特許対象となる発明主題の範囲は、許可された特許請求の範囲によってのみ画定されるものとする。なお、特許請求の範囲に含まれる各請求項では、厳密に、「ミーンズ・フォー(means for)」の語句が分詞に続いて用いられていない限り、「ミーンズ・プラス・ファンクション・クレーム(米国特許法)」を構成するものとして意図されていないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンローダ弁であって、
複数の入口開口部を備えるシートであり、前記入口開口部の夫々が、他の前記入口開口部から離間されて、複数の並行な入口の軸の1つに沿って前記シートを貫通して延在している、前記シートと、
前記シートに対して固定して接続されて、複数の出口開口部と、複数のブラインド・プラグ穴と、制御チャンバと、制御空間とを備えるマニホールド・プレートであり、
前記複数の出口開口部の夫々は、他の前記出口開口部から離間されて、複数の並行な出口の軸の1つに沿って前記マニホールド・プレートを貫通して延在しており、
前記複数のブラインド・プラグ穴の夫々は、複数の並行な入口の軸の1つの入口の軸に沿って中心に整列されており、
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレート内に形成されており、
前記制御空間は、前記マニホールド・プレートによって画定されて、前記制御チャンバと前記複数のブラインド・プラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置されている、前記マニホールド・プレートと、
前記制御チャンバ内に配置される制御部であり、前記制御空間が圧力源に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が孤立される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグの夫々は、前記ブラインド・プラグ穴のいずれか1つの中に配置されて、前記プラグの夫々が前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置と、前記複数の入口開口部が前記複数の出口開口部と流通する開放位置との間を移動可能である前記複数のプラグと、
を備えた、アンローダ弁。
【請求項2】
前記制御部が前記第1の位置に配置されて、前記圧力源の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグの夫々は、前記閉鎖位置から前記開放位置まで移動する、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項3】
前記制御部が前記第1位置から前記第2位置まで移動することに応じて、前記プラグの夫々は、前記開放位置に留まる、請求項2に記載のアンローダ弁。
【請求項4】
さらに、複数の付勢部材を備えており、前記付勢部材は夫々、前記ブラインド・プラグ穴の1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項5】
前記マニホールド・プレートは単一部品であって、前記マニホールド・プレートを破壊しなければ、分離することができない、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項6】
前記マニホールド・プレートは、付加製造法を用いて形成される、請求項5に記載のアンローダ弁。
【請求項7】
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレートの中心に形成され、前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、前記制御チャンバの全側部の周囲に配置されている、請求項1に記載のアンローダ弁。
【請求項8】
前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、縦横に並んで配置されている、請求項7に記載のアンローダ弁。
【請求項9】
前記複数の出口開口部と前記複数のブラインド・プラグ穴とは、交互のパターンで配置されている、請求項7に記載のアンローダ弁。
【請求項10】
往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、前記往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、前記アンローダ弁は、
複数の入口開口部を備えたシートと、
前記シートに対して固定して接続されるマニホールド・プレートであり、
複数の出口開口部と、
複数のプラグ穴と、
前記マニホールド・プレートに形成された制御チャンバと、
前記マニホールド・プレートによって完全に画定されて、前記制御チャンバと前記プラグ穴の夫々とを互いに流通させるように配置された制御空間と、
を備える前記マニホールド・プレートと、
前記制御チャンバ内に配置される制御部であり、前記制御空間が前記圧縮空間に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が前記圧縮空間から隔離される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグは夫々、前記プラグの1つの中に配置され、前記制御部が前記第1の位置に配置されることと、前記制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることとに応じて、前記プラグは夫々、前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、前記プラグは夫々、前記制御部が前記第2の位置にあることに応じて、前記開放位置に維持される、前記複数のプラグと、
を備える、アンローダ弁。
【請求項11】
さらに、複数の付勢部材を備え、前記付勢部材は夫々、前記プラグ穴の1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項10に記載のアンローダ弁。
【請求項12】
前記マニホールド・プレートは単一部品であって、前記マニホールド・プレートを破壊しなければ、分離することができない、請求項10に記載のアンローダ弁。
【請求項13】
前記マニホールド・プレートは、付加製造法を用いて形成される、請求項12に記載のアンローダ弁。
【請求項14】
前記制御チャンバは、前記マニホールド・プレートの中心に形成され、前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、前記制御チャンバの全側部の周囲に配置された、請求項10に記載のアンローダ弁。
【請求項15】
前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、縦横に並んで配置されている、請求項14に記載のアンローダ弁。
【請求項16】
前記複数の出口開口部と前記複数のプラグ穴とは、交互のパターンで配置されている、請求項14に記載のアンローダ弁。
【請求項17】
往復動ガス圧縮機に使用されるアンローダ弁であって、前記往復動ガス圧縮機は、ピストンとシリンダとによって画定される圧縮空間を有し、前記アンローダ弁は、
複数の入口開口部を備えたシートと、
複数の出口開口部と複数の取付開口部とを備えたマニホールド・プレートと、
前記マニホールド・プレートに対して螺合されて、前記シートと前記マニホールド・プレートとを固定して取り付ける制御シートと、
前記シートと前記マニホールド・プレートとの間に配置されて、前記マニホールド・プレートと協働して制御空間を画定するインターフェース・プレートと、
複数のバルブ・カップであり、前記バルブ・カップの夫々が、前記マニホールド・プレートに対して螺合されて、前記バルブ・カップと前記マニホールド・プレートとの間に前記インターフェース・プレートを挟持させるように動作可能な、前記複数のバルブ・カップと、
前記制御シート内に配置される制御部であり、前記制御空間が前記圧縮空間に対して露出される第1の位置と、前記制御空間が前記圧縮空間から隔離される第2の位置との間で移動可能な前記制御部と、
複数のプラグであり、前記プラグは夫々、前記バルブ・カップの1つの中に配置され、前記制御部が前記第1の位置に配置されて、前記制御空間内の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグは夫々、前記入口開口部の1つを閉鎖する閉鎖位置から開放位置まで移動可能であって、前記プラグは夫々、前記制御部が前記第2の位置になることに応じて、前記開放位置に維持される、前記複数のプラグと、
を備える、アンローダ弁。
【請求項18】
前記制御部が前記第1の位置に配置されて、力源の圧力が所定の圧力を下回ることに応じて、前記プラグは夫々、前記閉鎖位置から前記開放位置まで移動する、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項19】
前記制御部が前記第1位置から前記第2位置まで移動することに応じて、前記プラグの夫々は、前記開放位置に留まる、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項20】
さらに、複数の付勢部材を備え、前記付勢部材は夫々、前記バルブ・カップの1つの中に配置されて、前記閉鎖位置に向けて前記プラグの1つを付勢するように動作可能である、請求項17に記載のアンローダ弁。
【請求項21】
さらに、前記マニホールド・プレートの一部として形成された城郭風スペーサを備え、前記インターフェース・プレートは、前記城郭風スペーサと直接的に当接する、請求項17に記載のアンローダ弁。
【国際調査報告】