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▶ チョンチン リ−マーク セラミック テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

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  • 特表-セラミックグロープラグ 図1
  • 特表-セラミックグロープラグ 図2
  • 特表-セラミックグロープラグ 図3
  • 特表-セラミックグロープラグ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】セラミックグロープラグ
(51)【国際特許分類】
   F23Q 7/00 20060101AFI20240412BHJP
   F02N 19/02 20100101ALI20240412BHJP
【FI】
F23Q7/00 V
F23Q7/00 605L
F23Q7/00 605M
F02N19/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567048
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2022119173
(87)【国際公開番号】W WO2023051276
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111147600.7
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518060538
【氏名又は名称】チョンチン リ-マーク テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING LE-MARK TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】15-1,Fengsheng Road,Jiulongpo District,Chongqing 401329 China
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ピーター
(57)【要約】
本出願は、エンジン用の電気発熱装置の技術分野に関する。筐体と、発熱体とを備え、前記発熱体は前記筐体の内部に設置され、正極導線が前記発熱体の頂部に接続されているセラミックグロープラグであって、前記筐体は上側筐体と下側筐体とを有し、前記正極導線と負極導線は両方とも前記上側筐体の中を通り、前記負極導線は前記発熱体に接続されているセラミックグロープラグを開示する。本セラミックグロープラグは、電磁妨害に対して耐性があるという効果を奏する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、発熱体(2)とを備え、前記発熱体(2)が前記筐体の内部に設置され、正極導線(5)が前記発熱体(2)の頂部に接続されているセラミックグロープラグであって、
前記筐体が上側筐体(3)と下側筐体(1)とを有し、前記正極導線(5)と負極導線(4)が両方とも前記上側筐体(3)の中を通り、前記負極導線(4)が前記発熱体(2)に接続されている、ことを特徴とするセラミックグロープラグ。
【請求項2】
前記下側筐体(1)に開口部(6)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項3】
前記開口部(6)が前記下側筐体(1)の頂部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項4】
前記負極導線(4)が前記開口部(6)を通って前記発熱体(2)の中間部に導電接続されていることを特徴とする請求項3に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項5】
前記発熱体(2)と前記下側筐体(1)との間に絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項1または4に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項6】
前記発熱体(2)と前記上側筐体(3)との間に絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項7】
前記発熱体(2)と前記上側筐体(3)との間の空隙に絶縁材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグロープラグ。
【請求項8】
前記上側筐体(3)が前記開口部(6)を包み隠していることを特徴とする請求項2または3に記載のセラミックグロープラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン用の電気発熱装置の技術分野に関し、特に、セラミックグロープラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディーゼルエンジンまたは燃焼器のグロープラグは、装置本体が接続されている金属筐体が電源の負極に接続されて回路を形成している単線構造を有している。例えば、出願番号CN96230894.3の特許には、筐体と、金属キャップと、電熱線と、発熱体とを備え、電熱線が金属キャップに接続されて、発熱体に通電する、筐体を有した回路を形成しているセラミックグロープラグが開示されている。その他の例としては、出願番号US 5880432 Aの特許には、筐体を通電性にすることで回路を形成し、セラミックヒーターに発熱させる単線構造を有するセラミックヒーターが開示されている。従来技術における前記単線構造は、電磁妨害を受け易く、グロープラグの動作に影響が出る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、セラミックグロープラグを提供して電磁妨害の課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
【0005】
筐体と、発熱体とを備え、前記発熱体が前記筐体の内部に設置され、正極導線が前記発熱体の頂部に接続されているセラミックグロープラグであって、前記筐体が上側筐体と下側筐体とを有し、前記正極導線と負極導線が両方とも前記上側筐体の中を通り、前記負極導線が前記発熱体に接続されている、ことを特徴とするセラミックグロープラグ。
【0006】
前記発熱体への前記負極導線の接続を容易にするため、前記下側筐体に開口部が設けられている。
【0007】
さらに、前記開口部は前記下側筐体の頂部に設けられている。
【0008】
さらに、前記負極導線は前記開口部を通って前記発熱体の中間部に導電接続されている。
【0009】
発熱体を固定し、かつ、前記負極導線と筐体との間の接触による干渉を回避するために、前記発熱体と前記下側筐体との間に絶縁層が設けられている。
【0010】
さらに、前記発熱体と前記上側筐体との間に絶縁層が設けられている。
【0011】
さらに、前記発熱体と前記上側筐体との間の空隙に絶縁材が充填されている。
【0012】
全体的な外観の全体性を保つため、前記下側筐体は前記上側筐体と篏合され、前記上側筐体が前記下側筐体の開口部を包み隠している。
【発明の効果】
【0013】
有益な効果
本発明は、セラミックグロープラグを提供し、電極との電磁妨害の課題を解決する。電磁妨害とは、通電時または電磁界を伴う電圧または電流の作用下において発生する電子的ノイズであり、装置や設備、システムの性能を低下させるものである。二線式構造を採用し、正極と負極を筐体から完全に絶縁して、保護する必要がある回路を筐体の内部に包むことで、効果的に電界または磁界からの妨害を防ぐことができ、同時に、両極を帯電させて短絡を防止し、単線構造における接続端子や絶縁リングなどの部品を省いて構造を簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態1におけるセラミックグロープラグの断面図である。
図2図2は、前記セラミックグロープラグの三次元概略図である。
図3図3は、下側筐体の構造概略図である。
図4図4は、上側筐体の断面図である。 符号の説明:1:下側筐体、2:発熱体、3:上側筐体、4:負極導線、5:正極導線、6:開口部
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を、添付の図面と具体的な実施形態を参照してさらに説明する。ただし、以下の実施形態の説明は、本発明の原理と基本的な思想の理解を助けるためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない範囲でなされた本発明に対する改良も本発明の特許請求の保護範囲内であることは明白であろう。
【0016】
実施形態
図1図2図3図4に示すように、セラミックグロープラグは、筐体と発熱体2を備え、前記発熱体2は前記筐体の内部に設置されており、前記筐体は上側筐体3と下側筐体1とを有し、正極導線5と負極導線4が前記上側筐体3の上側から引き入れられ、前記上側筐体3は正極導線5と負極導線4の両方を包み、前記正極導線5は前記発熱体2の頂部に接続され、前記負極導線4は前記発熱体2の中間部に接続され、前記正極導線と前記負極導線は通電時に前記発熱体2と回路を形成して、前記発熱体2の温度を急上昇させる。
【0017】
前記下側筐体1の頂部には開口部6が設けられており、前記負極導線4は前記開口部6を通って前記発熱体2の中間部にはんだ付けされる。開口部6は、負極導線4と発熱体2との接続のための通路を提供している。はんだ付け時には、高温を発生させて負極導線4を熔かし、負極導線4と発熱体2とを接続させて、はんだ接合を形成する。前記開口部6は、前記負極導線4を発熱体2に対してはんだ付けした際に生成されたはんだ接合を収納する空間を提供する。はんだ接合は、より強固であるほど、その導電能力はより安定なものとなる。よって、従来の単線構造の接続端子を代替し、構造的により簡単なものとなる。
【0018】
鋳造時に、発熱体2と、上側筐体3および下側筐体1との間にセラミック絶縁層を設ける。セラミック絶縁層は、発熱体2と、上側筐体3および下側筐体1とを接続させることができ、また、絶縁して導電させない作用を有する。発熱体2と上側筐体3との間の空隙に絶縁性セラミックゲル素材を充填する。セラミックゲル素材は、加熱されると徐々に硬化し、前記発熱体2を上側筐体3から絶縁し、同時に、正極導線と負極導線を包んで導線を保護するのに使用される。
【0019】
前記開口部は、上側筐体3と篏合し、上側筐体3の接続口は開口部6を包み隠して、全体的な外観の全体性を保っている。
【0020】
ディーゼルエンジンが冷却される厳寒時期には、エンジンの各燃焼室の壁にはセラミックグロープラグが螺装されており、セラミックグロープラグは起動性能を高めるための熱を提供する。また、セラミックグロープラグは、急速に昇温し、持久的に高温状態を保持する特性を有することが求められる。エンジンの起動前に、低電圧電源が正極導線および負極導線に接続され、電流が発熱体2に流れると、発熱体2は赤熱状態になる。気筒に進入した可燃混合気はピストンの上昇時には圧縮され、それに応じて温度が上昇する。セラミックグロープラグの熱が混合気の自然発火点に達すると、これにより、混合気は燃焼を開始し、高温高圧の気体を発生して、ピストンを推動し作動させる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】