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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】土木機械
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/14 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
E02D7/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567069
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 EP2022058916
(87)【国際公開番号】W WO2022228833
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】21171346.6
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】321014285
【氏名又は名称】エルテーゲー ラフテヒニク ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】523410388
【氏名又は名称】テクネ キロウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィプマイセル ステファン
(72)【発明者】
【氏名】リンダーマイアー ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ケルナー ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ケーネ ラディック
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050CB11
2D050EE10
2D050EE14
2D050EE26
(57)【要約】
本発明は、軌道用シャーシを備える下部走行体と、垂直回転軸の周りに回転可能であるように下部走行体に取り付けられた上部構造と、リニアガイドを有するリーダであって、建設作業器具を有する作業走行体が、このリニアガイドに沿って移動可能に取り付けられた、リーダと、リーダを上部構造に調節可能に取り付ける関節機構とを有する土木機械に関する。本発明によれば、関節機構は、上部構造に対するリーダの距離を調節することができる伸縮アームを備えることが提示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシ(21)を備える下部走行体(20)と、
垂直回転軸(31)の周りに回転可能であるように前記下部走行体(20)に取り付けられた上部構造(30)と、
リニアガイド(54)を有するリーダ(50)であって、建設作業器具(70)を有する作業走行体(60)が、前記リニアガイド(54)に沿って移動可能に取り付けられた、リーダ(50)と、
前記リーダ(50)を前記上部構造(30)に調節可能に取り付ける関節機構(40)と
を備える土木機械であって、
前記関節機構(40)が、実質的に水平に向けられた伸縮アーム(42)を備え、それによって、前記上部構造(30)に対する前記リーダ(50)の距離を、前記伸縮アーム(42)の入れ子式の伸縮によって、前記リーダ(50)の垂直位置を実質的に変えることなく調節することができ、
前記下部走行体(20)が、鉄道軌道(6)上を走行するための車輪を有するシャーシ(21)を有する軌道拘束型下部走行体(20)として構成され、
前記伸縮アーム(42)が、水平枢動軸(43)の周りに枢動可能に前記上部構造(30)に取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項2】
請求項1に記載の土木機械であって、
前記リーダ(50)が、保持装置(46)によって前記伸縮アーム(42)に保持され、
前記リーダ(50)が、そのリニアガイドに平行に移動可能であるように前記保持装置(46)に取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項3】
請求項2に記載の土木機械であって、
前記保持装置(46)が枢動ユニット(48)を備え、前記枢動ユニット(48)によって、前記リーダ(50)の前記リニアガイド(54)に平行な向きの前記リーダの枢動軸の周りに前記リーダ(50)を枢動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項4】
請求項2または3に記載の土木機械であって、
取外し可能な接続ユニット(45)が前記保持装置(46)に配置され、前記接続ユニット(45)によって、前記リーダ(46)を容易に取外し可能に前記伸縮アーム(42)に接続することができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項5】
請求項4に記載の土木機械であって、
前記取外し可能な接続ユニット(45)を自動的に作動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記リーダ(50)を、実質的に垂直の動作位置から、前記上部構造(30)の前に長手方向に配置される実質的に水平の休止位置に枢動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項7】
請求項6に記載の土木機械であって、
前記リーダ(50)が、前記休止位置で支持部(82)上に置かれ、
前記接続ユニット(45)を取り外すことによって、前記リーダ(50)を、前記伸縮アーム(42)から、前記支持部(82)上の置かれた休止位置で取り外すことができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記支持部(82)が、前記リーダ(50)を運搬車両上に置くために構成されている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記伸縮アーム(42)を液圧で作動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記保持装置(46)が、前記伸縮アーム(42)に対して枢動可能であるように前記接続ユニット(45)に取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記建設作業器具(70)が、前記作業走行体(60)にバイブレータ(74)、ドリル駆動装置(72)、杭打ち機(76)、矢板プレス(78)、またはカッターを備える
ことを特徴とする土木機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによれば、走行装置を備える下部走行体と、垂直回転軸の周りに回転可能であるように下部走行体に取り付けられた上部構造と、リニアガイドを有するリーダであって、建設作業器具を有する作業走行体が、このリニアガイドに沿って移動可能に取り付けられた、リーダと、リーダを上部構造に調節可能に取り付ける関節機構とを備える土木機械に関する。
【背景技術】
【0002】
リーダを有する土木機械はよく知られており、例えば、地盤に埋込み杭を生成したり、アースアンカーを生成したり、あるいは振動または衝撃によって矢板を地盤に挿入したりするために使用される。土木機械は特に、建造物のための基礎工事、または建造物に沿った基礎工事を行うために使用される。
【0003】
リーダは本質的に垂直マストを構成し、その前側に長手方向ガイドを有して形成される。建設作業器具を有する作業走行体は、長手方向ガイドに沿って移動可能に取り付けられている。リーダを有するこのような土木機械は、例えば欧州特許第3228382(B1)号に開示されており、ここでは、建設作業器具としてバイブレータが設けられている。
【0004】
リーダは、関節機構を介して移動キャリア装置に接続されている。欧州特許第3228382(B1)号では、関節機構は、いわゆる平行四辺形構成体の枢動レバーを有し、リーダとキャリア装置との間の距離は、枢動レバーを枢動させることによって調節することができる。この機構により、リーダとキャリア装置との間の距離の変化は、常に、垂直方向の位置の特定の変化をもたらす。これは、垂直リーダを垂直方向に調節可能に枢動レバーの平行四辺形構成体に接続する保持装置によって補正することができる。
【0005】
特定の場合には、このような基礎工事を鉄道軌道の近くでまたは軌道に沿って実施する必要がある。この目的のために、例えば一般的な欧州特許第0392310(B1)号は、従来の土木機械の下部走行体に、レール上を走行可能にする車輪を装備することができることを開示している。これは、このように装備および改造された土木機械が、軌道上の作業位置から適切な土木工事を実施するために、軌道上を走行することができることを意味する。
【0006】
原則として、このような改造された土木機械は、比較的短い距離しか軌道上を走行することができない。加えて、軌道上の軌道幅が比較的狭いことにより、通常のホイール式またはクローラ式シャーシに比べて転倒安全性が低下する。
【0007】
請求項1のプリアンブルを示す中国特許公開第108505518(A)号は、リーダを支持し、リーダを取り付けるための水平に固定された調節シリンダを提案している。リーダの垂直方向のアライメントは、第2の伸縮調節シリンダによって補正される。英国特許公開第1133072(A)号もまた、リーダ用の同様の取付具を提案しており、ここでは、水平に固定された作動シリンダが機械的に作動する。
【0008】
欧州特許出願公開1077306(A1)号は、伸縮する上部調節シリンダと固定長の下部枢動支持アームとでリーダを支持するための公知の平行四辺形構成体を開示している。特開2014-025200(A)号は、これに実質的に同等のリーダの取付具を提案している。
【0009】
中国実用新案出願公開第211898371(U)号は、スライドブロックを水平にスライドすることができ、対応する機械に取り付けることができるブームへの取り付けを提案している。
【0010】
また、ホイール式またはクローラ式シャーシを有する既存の土木機械全体を鉄道運搬車両上に配置することも知られている。このような従来の鉄道車両では、原理的に、より長い距離をより高速で軌道上を走行することができる。しかしながら、従来の土木機械をこのように配置すると、架線または鉄道トンネルによって規定される最大高さを超えないように、比較的小型の土木機械しか使用することができないという問題がたびたび生じる。加えて、従来の土木機械を鉄道運搬車両上に配置すると、地盤からの機械の重心が高くなり、転倒安全性も低下する。その結果、土木機械の作業領域および可能な用途はこれに対応して制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第3228382号明細書
【特許文献2】欧州特許第0392310号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第108505518号明細書
【特許文献4】英国特許出願公告第1133072号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開1077306号明細書
【特許文献6】特開2014-025200号公報
【特許文献7】中国実用新案公開第211898371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の根本的な目的は、建設作業を特に効率的に実施することができる、リーダを備える土木機械を明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1の特徴を有する土木機械によって達成される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に明示される。
【0014】
本発明による土木機械は、関節機構が、上部構造に対するリーダの距離を調節することができる伸縮アームを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の基本的な考え方は、伸縮アームを有する関節機構を、リーダを有する土木機械に使用することであり、ここでは、伸縮アームは実質的に水平に向けられている。したがって、伸縮アームの入れ子式の伸縮によって、リーダと上部構造、したがってキャリアとの間の距離を変えることができる。特に、長さを変えることができる伸縮アームを使用することによって、枢動レバーを有する平行四辺形構成体を置き換えることができる。
【0016】
加えて、長さを変えることができる伸縮アームにより、リーダの垂直位置を大きく変えることなく、リーダの距離を変えることができる。さらに、関節機構は、単純でコンパクトに構成することができる。この結果、土木機械は、特に上部構造および関節機構の全高が比較的低い、全体として特にコンパクトな設計にもなる。
【0017】
本発明によれば、伸縮アームが、水平枢動軸の周りに枢動可能に上部構造に取り付けられている場合、リーダを特に良好に調節することができる。特に、伸縮アームは、上部構造の上部領域で枢動可能に関節接続することができる。伸縮アームまたは関節機構はリーダを前方に折り曲げることができるように、下部領域のリーダに接続されている。枢動シリンダ、特に液圧シリンダは、伸縮アームを枢動させるために設けることができる。
【0018】
本発明による土木機械の別の有利な実施形態の変形は、リーダが、保持装置によって伸縮アームに保持され、リーダが、そのリニアガイドに平行に移動可能であるように保持装置に取り付けられていることである。保持装置は、特に、伸縮アームに枢動可能に取り付けられた支持ビームを有することができる。リーダは、保持装置の支持ビームに沿ってそのリニアガイドに平行に移動することができるように取り付けられることが好ましい。これにより、リーダの垂直位置および伸縮アームに対する相対位置を容易に変えることができる。
【0019】
リーダをよりよく調節することができるようにするために、本発明の一実施形態によれば、保持装置は枢動ユニットを有し、この枢動ユニットによって、リーダのリニアガイドに平行な向きのリーダの枢動軸の周りにリーダを枢動させることができることが好ましい。したがって、リーダは、リニアガイドに平行な向きの垂直軸の周りに調節および配置することができる。
【0020】
本発明のさらに有利な実施形態は、取外し可能な接続ユニットが保持装置に配置され、接続ユニットによって、リーダを容易に取外し可能に伸縮アームに接続することができることである。したがって、必要な場合、リーダを伸縮アームから機械的に取り外し、そこから取り除くことができる。
【0021】
取外し可能な接続ユニットを自動的に作動させることができることが特に有利である。接続ユニットが、係止位置と係止解除位置との間で調節可能な液圧作動可能な保持ピンを有することができることが好ましい。このようにして、例えば、リーダがほぼ水平な運搬位置まで折り曲げられるときに、リーダと伸縮アームとの間をわずかに機械的に連結解除することができる。既存の接続線、特に電力線および/またはデータ線も、リーダと伸縮アームとの間で切り離すことができ、または、好ましくはそのままにしておくことができる。この目的のために、接続線は、これに対応する追加の長さを有して構成することができる。
【0022】
本発明をさらに発展させたものによれば、リーダを、実質的に垂直の動作位置から、上部構造の前に長手方向に配置される実質的に水平の休止位置に枢動させることができることが特に有利である。したがって、水平の休止位置または運搬位置にリーダを容易に折り曲げることが可能である。
【0023】
この場合、リーダが、休止位置で支持部上に置かれ、接続ユニットを伸縮アームから取り外すことによって、リーダを、伸縮アームから支持部上の置かれた休止位置で取り外すことができることが特に好都合である。切り離しは部分的または完全に行うことができる。
【0024】
本発明によれば、下部走行体は、鉄道軌道上を走行するための車輪を有する走行装置を有する軌道拘束型下部走行体として構成される。関節機構を伸縮アームと組み合わせることによって、リーダが折り曲げられたときに、全高が特にコンパクトな軌道拘束型土木機械を作り出すことができる。これは、トンネルおよび既存の架線に関して厳しい高さ制限を受ける鉄道軌道に沿って走行するのに特に有利である。
【0025】
支持部が、リーダを運搬車両上に(運搬車両に)置くために構成されていることが、この場合、特に有利である。特に、この運搬車両は、それ自体、鉄道軌道上を走行するための車輪を有する軌道拘束型運搬車両とすることができる。運搬車両は、補助車両として土木機械の下部走行体に連結することができる。リーダは運搬車両上に置くことができ、リーダと伸縮アームとの間の接続は完全にまたは部分的に切り離され、接続線のみによって形成される。
【0026】
本発明をさらに発展させたものによれば、伸縮アームを液圧で作動させることができることが好ましい。この場合、液圧シリンダは、伸縮アーム内に配置することができることが好ましい。伸縮アームが入れ子式に出入りする間、リーダを確実に直線的に案内することができるように、伸縮アームは、角張った、好ましくは矩形の断面を有することができることが好ましい。伸縮アームは、少なくとも1つの枢動シリンダを介して水平枢動軸の周りに調節することができ、したがって、水平に対して傾斜させることができる。
【0027】
本発明のさらなる実施形態の変形例によれば、接続ユニットが伸縮アームに対して枢動可能であるように取り付けられることが特に好都合である。枢動させるために、さらなる作動シリンダを接続ユニットに設けることもできる。接続ユニットを伸縮アームに対して枢動させることによって、伸縮アームが角度をもって配置されているときでも、リーダを確実に垂直に向けることができる。
【0028】
一般に、任意の器具を建設作業器具として土木機械に取り付けることができる。本発明の1つの実施形態変形例によれば、走行体上の建設作業器具が、作業走行体にバイブレータ、ドリル駆動装置、杭打ち機、矢板プレス、またはカッターを備えることが特に有利である。特に、杭打ち機は、衝撃ユニットまたはハンマーユニットを備えてもよい。
【0029】
掘削装置は、特に、埋込み杭または基礎杭を地盤に生成するドリル駆動装置で生成することができ、生成されたボーリング穴は、好ましくは硬化可能な塊、特にコンクリートで充填される。掘削装置はまた、基礎工事のための貫入アンカー(drilled anchors)またはねじ込みアンカー(screwed anchors)を挿入するために使用することができる。
【0030】
カッターによって、地盤に垂直溝を生成し、硬化可能な塊で充填した後、地盤に溝壁セグメントまたは連続した溝壁を形成することができる。バイブレータ、杭打ち機、ハンマー、または矢板プレスによって、杭状または板状の基礎要素を地盤に打ち込むことができる。
【0031】
本発明は、図面に概略的に示される好ましい例示的な実施形態を参照して以下にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明による第1の土木機械の側面図である。
図2】枢動させられる上部構造を有する図1の土木機械の拡大詳細図である。
図3】本発明による土木機械の概略上面図である。
図4】運搬位置にある、図1による本発明による土木機械の側面図である。
図5図4による運搬位置にある、バイブレータを有する本発明による別の土木機械の側面図である。
図6図4および図5に対応する運搬位置にある、杭打ち機を有する本発明による別の土木機械の側面図である。
図7図4図6に対応する運搬位置にある、矢板プレスを有する本発明による別の土木機械の側面図である。
図8】補助車両を有する、運搬状態にある本発明による土木機械の別の実施形態の図である。
図9図8による土木機械の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明による第1の土木機械10を図1および図2と結び付けて説明する。鉄道軌道6上の走行のために、土木機械10は、シャーシ21を有する平坦な支持フレーム22を有する軌道拘束型下部走行体20を含み、その各端部には、軌道車輪26を有する4つの車輪セット25を有するボギー24がそれぞれ配置されている。下部走行体20の長さは約12~18メートルであってもよく、約15メートルが好ましい。各車輪セット25は2つの車輪を備える。ボギー24は、支持フレーム22に垂直軸の周りに回転可能に取り付けられている。
【0034】
運転室32を有する上部構造30は、垂直回転軸31の周りに回転することができるように、下部走行体20のほぼ中央に取り付けられている。伸縮アーム42は、長さを調節することができ、水平枢動軸43の周りに枢動することができるように上部構造30に取り付けられており、少なくとも1つの作動シリンダ38によって水平枢動軸43の周りに枢動することができる。作動シリンダ38を2つ設けることができることが好ましい。伸縮アーム42は関節機構40の一部であり、伸縮アーム42の自由端には、リーダ50を保持するための保持装置46が取外し可能な接続ユニット45を介して配置されている。保持装置46は、チルトシリンダ47によって、図1および図2に示す実質的に垂直の動作位置と実質的に水平の運搬位置との間で枢動することができる。
【0035】
加えて、枢動ユニット48が保持装置46に配置され、この枢動ユニット48によって、垂直調節ユニット49を、図1では垂直である枢動軸の周りにリーダ50と共に枢動することができる。垂直調節ユニット49によって、リーダ50を、垂直支持部52を介して垂直方向またはリーダ50の長手方向に調節することができる。
【0036】
土木機械10を駆動するための駆動ユニットは、図1および図2には示されていないが、下部走行体20の支持フレーム22上の受入れ空間23に実質的に配置されている。この駆動ユニットは、自動走行のための下部走行体20の走行駆動装置としての役割、上部構造30および関節機構40を調節する役割、ならびにリーダ50の建設作業器具70を動作させる役割の両方を果たす。
【0037】
図1および図2によれば、リニアガイド54がリーダ50の垂直支持部52の前側に形成され、これに沿って、建設作業器具70を有する作業走行体60が垂直方向に調節可能となるように取り付けられている。図示の例示的な実施形態では、建設作業器具70は、穴を掘削するように構成されている。この目的のために、ドリル駆動装置72は作業走行体60に取り付けられている。ドリル駆動装置72は、ケーブルを介してリーダ50から吊り下げられたケリーバー71を回転駆動する。掘削工具73は、ケリーバー71の下端に取外し可能に取り付けられている。
【0038】
鉄道軌道6に沿って建設工事を実施するために、図2に概略的に示すように、建設作業器具70は、上部構造30と共に、垂直回転軸31の周りに、通常約30°~60°、個々の場合には、最大90°まで外側に枢動される。土木機械10の傾斜安定性を確保するために、横方向外側に枢動可能な枢動キャリア28を有する横方向支持システム27が下部走行体20に配置されている。各枢動キャリア28の自由端には、垂直方向に伸びることができる支持体29が配置されている。これにより、垂直支持体29を地盤または用意された支持要素8上に支持することができる。加えて、リーダ50の垂直支持部52の下端に、任意選択の液圧で伸びることができる支持足58を配置することができ、これによって、リーダを地盤に直接支持することができる。
【0039】
図3は、図1および図2による土木機械10の可能な作業範囲または調節範囲を概略的に示す。内側半径R1内のハッチングされていない領域は、リーダ50が関節機構40の伸縮アーム42のみによって保持される作業領域を示す。内側半径R1と外側半径R2との間のハッチングされた作業領域では、リーダ50を支持足58によって地盤に支持する必要がある。
【0040】
鉄道軌道6に沿った土木機械10のそれぞれの走行位置、垂直回転軸31の周りの上部構造30の回転位置、支持足58を有するリーダ50の支持、および伸縮アーム42の伸ばされる位置に応じて、最大外側半径R2に対応する距離の作業領域を、このように、軌道に沿って確実に作業することができる。
【0041】
図4は、図1および図2による土木機械10の第1の運搬位置を示す。この運搬位置では、上部構造30は、下部走行体20に対して長手方向を向いている。関節機構40の伸縮アーム42は軸方向に伸ばされる。同時に、チルトシリンダ47は、リーダ50が水平に対してある一定の角度だけ傾いたほぼ水平に配置されるように伸ばされている。この運搬位置では、リーダ50は、したがって、実質的に、実際の下部走行体20の前で横になった位置に配置されている。必要に応じて、リーダ50のマストヘッド56は、折り畳みシリンダ57によって折り畳むことができ、その結果、鉄道輸送のために許容可能な最大高さになるように、輸送位置における軌道拘束型土木機械10の全高Hをさらに下げることができる。好ましいことに、これは、建設作業器具70の操作が、マストヘッドに配置された滑車を介したロープ案内を必要としないときに可能である。この状態では、例えば建設現場内で、特に短い距離を低速で走行することができ、その結果、第1の運搬位置はオフセット位置とも呼ばれる。
【0042】
図5は、図4による運搬位置にある本発明によるさらなる土木機械10を示しており、これは上記の機械にほぼ対応しているが、バイブレータ74が建設作業器具70としてリーダ50に調節可能に取り付けられている。バイブレータ74は、特に、例えば、矢板を地盤に打ち込むために目標の振動を発生させることができる回転駆動可能なアンバランス質量を有する。
【0043】
図6は、図4および図5による運搬位置にある本発明による別の土木機械10を示しており、建設作業器具70は杭打ち機76を備える。杭打ち機76は、梁または杭を地盤に打ち込むための目標の衝撃パルスを加えるために使用することができる。
【0044】
図7を参照すると、本発明による別の土木機械10が図4図6に対応する運搬位置に示されており、矢板を地盤に押し込むための矢板プレス78が建設作業器具70としてリーダ50に取り付けられている。
【0045】
図8および図9は、別の運搬位置にある本発明による土木機械10を示しており、これは、より長い距離をより高速で走行するのに特に適している。この目的のために、軌道拘束型下部走行体20を有する土木機械10は、下部走行体20に取外し可能に連結することができる補助車両80を備える。この場合、土木機械10および補助車両80は、例えば、機関車などの外部駆動ユニットを有する列車編成に組み込むことができる、または、機関車などの外部駆動装置のみで駆動することができる。補助車両80の上側は、リーダ50の支持部82として形成することができる。
【0046】
これを置くために、リーダ50は、好ましくは、リーダが、枢動手段48によってリーダの長手方向に平行な軸に沿って90°枢動された後、上部構造30の関節機構40によって実質的に水平の位置に持ってこられ、補助車両80の支持部82の上に直に置かれる、または、好ましくは、側方に90°枢動された後に支持部82の上に置かれる。この90°の枢動は、マストが垂直位置にある状態で行われることが好ましい。次いで、伸縮アーム42と関節機構40の保持装置46との間の接続ユニット45を取り外すことができる。これで、伸縮アーム42を再び引っ込めることができる。任意選択で、またはこれに加えて、リーダ50と作業走行体60とのユニットの重心を補助台車80の中心にできるだけ近づけるために、置かれたリーダ50を補助台車80上で横方向および/または軌道方向に移動させることができる。マストヘッド56は、補助車両80の幅を越えて横方向に突出しないように折り畳むことができる。これによって、接続線66は、上部構造30上の伸縮アーム42と補助車両80上に置かれたリーダ50との間にそのままにしておくことができる。接続線は、電力線および/またはデータ線であってもよい。これにより、別の建設現場に到達したときに、作業を開始する前に接続線66を再確立する必要なく、伸縮アーム42を伸ばして接続ユニット45を閉じることにより、リーダ50を上部構造にほぼ自動的に再接続することができる。
【0047】
図1図9に示す土木機械10は、使用する建設作業器具70の種類が大きく異なるが、基本的には同じ構造を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシ備える下部走行体
垂直回転軸周りに回転可能であるように前記下部走行体取り付けられた上部構造
リニアガイド有するリーダあって、建設作業器具有する作業走行体、前記リニアガイド沿って移動可能に取り付けられた、リーダ
前記リーダ前記上部構造調節可能に取り付ける関節機構
を備える土木機械であって、
前記関節機構、実質的に水平に向けられた伸縮アーム備え、それによって、前記上部構造対する前記リーダ距離を、前記伸縮アーム入れ子式の伸縮によって、前記リーダ垂直位置を実質的に変えることなく調節することができ、
前記下部走行体、鉄道軌道を走行するための車輪を有するシャーシ有する軌道拘束型下部走行体として構成され、
前記伸縮アーム、水平枢動軸周りに枢動可能に前記上部構造取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項2】
請求項1に記載の土木機械であって、
前記リーダ、保持装置よって前記伸縮アーム保持され、
前記リーダ、そのリニアガイドに平行に移動可能であるように前記保持装置取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項3】
請求項2に記載の土木機械であって、
前記保持装置枢動ユニット備え、前記枢動ユニットよって、前記リーダ前記リニアガイド平行な向きの前記リーダの枢動軸の周りに前記リーダ枢動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項4】
請求項に記載の土木機械であって、
取外し可能な接続ユニット前記保持装置配置され、前記接続ユニットよって、前記リーダ容易に取外し可能に前記伸縮アーム接続することができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項5】
請求項4に記載の土木機械であって、
前記取外し可能な接続ユニット自動的に作動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項6】
請求項に記載の土木機械であって、
前記リーダ、実質的に垂直の動作位置から、前記上部構造前に長手方向に配置される実質的に水平の休止位置に枢動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項7】
請求項6に記載の土木機械であって、
前記リーダ、前記休止位置で支持部に置かれ、
前記接続ユニット取り外すことによって、前記リーダ、前記伸縮アームから、前記支持部の置かれた休止位置で取り外すことができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項8】
請求項に記載の土木機械であって、
前記支持部、前記リーダ運搬車両上に置くために構成されている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項9】
請求項に記載の土木機械であって、
前記伸縮アーム液圧で作動させることができる
ことを特徴とする土木機械。
【請求項10】
請求項に記載の土木機械であって、
前記保持装置、前記伸縮アーム対して枢動可能であるように前記接続ユニット取り付けられている
ことを特徴とする土木機械。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の土木機械であって、
前記建設作業器具、前記作業走行体バイブレータドリル駆動装置杭打ち機矢板プレスまたはカッターを備える
ことを特徴とする土木機械。
【国際調査報告】