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特表2024-517208デュアルルーメンカテーテルアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】デュアルルーメンカテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20240412BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A61M25/14 512
A61M25/14 516
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567103
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022072184
(87)【国際公開番号】W WO2022236332
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/185,343
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/662,340
(32)【優先日】2022-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523410757
【氏名又は名称】アフェレーシス ソリューションズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】APHERESIS SOLUTIONS, LLC
【住所又は居所原語表記】3403 Dartmonth Ave, Dallas, TX 75205(US)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンプトン,フランセス ベノイスト
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267AA22
4C267AA24
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB08
4C267BB09
4C267BB34
4C267BB38
4C267CC08
4C267DD03
4C267DD10
4C267GG03
4C267GG06
4C267HH30
(57)【要約】
カテーテルアセンブリは、静脈からの流体の流入と流出を同時に行うための2つの非連通ルーメンを備えたシャフトを含む。戻りルーメンは、先端の出口アセンブリまで延びている。引き込みルーメンは、吸引による圧力上昇を引き起こす閉塞を回避するための複数の開口部を備えた、出口アセンブリの近位にある入口アセンブリを含む。引き込みルーメンは、より大きな三日月形の輪郭を有し、一方、戻りルーメンは、三日月形のアーム内のより小さな円形の輪郭を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を有するデュアルルーメン末梢カテーテルシャフトアセンブリであって、
遠位先端と、
引き込みルーメンと、
戻りルーメンと、
前記引き込みルーメンと前記戻りルーメンとの間のインタールーメン壁と、
前記戻りルーメンを前記外面に接続する戻り出口アセンブリと、
前記引き込みルーメンを前記外面に接続する引き込み入口アセンブリと、を備える、デュアルルーメン末梢カテーテルシャフトアセンブリを備え、
前記戻り出口アセンブリは前記先端に隣接しており、
前記引き込み入口アセンブリは前記戻り出口アセンブリの近位にあり、
前記引き込み入口アセンブリは複数の入口孔を備える、デュアルルーメンカテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記引き込み入口アセンブリは、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とを備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記側孔より実質的に大きい前記主入口をさらに備える、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記主入口および前記第1の側孔は、約3.0~4.5mmの第1の長手方向入口間隔によって分離され、
前記主入口および前記第2の側孔は、第2の長手方向入口間隔によって分離され、
前記第1および第2の長手方向入口間隔は異なる、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記主入口から角度的に約40~45度分離されている少なくとも1つの前記側孔をさらに備える、請求項4に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記主入口から角度的に約30~55度分離されている少なくとも1つの前記側孔をさらに備える、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記主入口から角度的に異なる方向に分離されている各前記側孔をさらに備える、請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記末梢カテーテルシャフトアセンブリは、
16Gシャフト本体をさらに備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンと前記戻りルーメンとを備え、
前記引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、前記戻りルーメンは少なくとも20Gである、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記シャフト本体は、
デュアルルーメン部分と、
前記デュアルルーメン部分の遠位のシングルルーメン部分と、をさらに備え、
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項8に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
可撓性である前記末梢カテーテルシャフトアセンブリをさらに備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記末梢カテーテルシャフトアセンブリは、
シャフト本体をさらに備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンおよび前記戻りルーメンの周辺に外壁を備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンと前記戻りルーメンとの間のインタールーメン壁を備え、
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記末梢カテーテルシャフトアセンブリは、
デュアルルーメン部分と、
シングルルーメン部分であって、前記シングルルーメン部分は前記デュアルルーメン部分の遠位にある、シングルルーメン部分と、
前記シングルルーメン部分の遠位のテーパ部分と、を備えるシャフト本体をさらに備え、
前記遠位先端は、前記シャフト本体の遠位にある、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記シングルルーメン部分は、その長さに沿って前記デュアルルーメン部分と実質的に同じ直径および輪郭を有する、請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記テーパ部分は、前記遠位先端で終わる、請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
引き込み部分と戻り部分とを備える前記Y字型本体をさらに備え、
前記引き込み部分は、前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記引き込みルーメンに流体接続されたY字型本体引き込みルーメンを備え、
前記戻り部分は、前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンに流体接続されたY字型本体戻りルーメンを備え、
前記Y字型本体戻りルーメンは、前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンと直線上に位置合わせされて、前記針が両方の内部に挿入されることを可能にする、請求項17に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの近位のY字型本体と、
格納可能な針と、をさらに備え、
前記格納可能な針は、前記Y字型本体および前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンに挿入されている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記戻り出口アセンブリは、
主孔と、
複数の追加の開窓と、を備え、
前記主孔は、前記遠位先端に位置し、
前記追加の開窓は、前記主孔の近位に位置する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記追加の開窓は、前記主孔の遠位側約2~6mmに位置する、請求項18に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記戻り出口アセンブリと前記引き込み入口アセンブリとの間に約18~22mmの引き込み/戻り間隔をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項21】
前記戻り出口アセンブリと前記引き込み入口アセンブリとの間に少なくとも約20mmの引き込み/戻り間隔をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項22】
シャフト本体をさらに備え、前記シャフト本体は、
デュアルルーメン部分と、
シングルルーメン部分であって、前記シングルルーメン部分は前記デュアルルーメン部分の遠位にある、シングルルーメン部分と、
前記シングルルーメン部分は、その長さに沿って前記デュアルルーメン部分と実質的に同じ直径および輪郭を有し、
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有し、
前記引き込み入口アセンブリは、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とをさらに備え、
前記主入口および前記第1の側孔は、第1の長手方向入口間隔によって分離され、
前記主入口および前記第2の側孔は、第2の長手方向入口間隔によって分離され、
前記第1および第2の長手方向入口間隔は異なり、
前記側孔のそれぞれは、前記主入口から角度的に異なる方向に分離されている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項23】
末梢静脈から流体を引き込み、かつ戻すためのデュアルルーメンカテーテルアセンブリを使用する方法であって、
引き込みルーメンを外面に接続する引き込み入口アセンブリの複数の入口孔を介して、デュアルルーメン末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記外面から末梢静脈からの流体を引き込むことと、
戻りルーメンを前記外面に接続する戻り出口アセンブリを介して、流体を前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記外面に戻すことと、を含み、
前記戻すステップは、前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの遠位先端に隣接して行われ、
前記引き込むステップは、前記戻すステップの近位で行われる、方法。
【請求項24】
前記流体の再循環を20%未満に維持することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体の再循環を約10%~15%に維持することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記引き込むステップの後、かつ前記戻すステップの前に、前記流体に対してアフェレーシス処置を実行することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記末梢カテーテルアセンブリは、16Gシャフト本体を備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンと前記戻りルーメンとを備え、
前記引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、前記戻りルーメンは少なくとも20Gである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記引き込み入口アセンブリは、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記主入口および前記第1の側孔は、第1の長手方向入口間隔によって分離され、
前記主入口および前記第2の側孔は、第2の長手方向入口間隔によって分離され、
前記第1および第2の長手方向入口間隔は異なる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1つの前記側孔は、前記主入口から角度的に約30~55度分離されている、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記引き込むステップは、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で行われる前記流体の引き込みをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記末梢カテーテルシャフトは、
シャフト本体をさらに備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンおよび前記戻りルーメンの周辺に外壁を備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンと前記戻りルーメンとの間のインタールーメン壁を備え、
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、前記戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
Y字型本体のY字型本体戻りルーメンおよび前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンを格納可能な針上で前進させることとをさらに含み、
前記Y字型本体戻りルーメンは、前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンと直線上に位置合わせされている、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
可撓性である前記末梢カテーテルシャフトアセンブリをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
静脈から流体を引き込み、かつ戻すためのデュアルルーメンカテーテルアセンブリを使用する方法であって、
主引き込み流路によって流体をデュアルルーメンカテーテルアセンブリの外面から引き込みルーメン内に引き込むことと、
ここで、前記引き込むステップは、前記外面から前記引き込みルーメンまで1つ以上の二次流路によって流体を引き込むことをさらに含む、
流体を、前記引き込むステップの遠位側かつ前記カテーテルアセンブリの遠位先端に隣接する前記カテーテルアセンブリの前記外面に戻すことと、を含む、方法。
【請求項37】
前記流体の再循環を20%未満に維持するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記カテーテルアセンブリは、16Gシャフト本体を備え、
前記シャフト本体は、前記引き込みルーメンと戻りルーメンとを備え、
前記引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、前記戻りルーメンは少なくとも20Gである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記引き込むステップは、
前記主流路から第1の入口間隔によって分離された第1の二次流路によって流体を引き込むことと、
前記主流路から第2の入口間隔によって分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことと、をさらに含み、
前記第1および第2の入口間隔は異なる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記引き込むステップは、
前記主流路から角度的に約30~55度分離された第1の二次流路によって流体を引き込むことと、
前記主流路から反対方向に角度的に約30~55度分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことと、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、戻りルーメンは、円形の輪郭を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記引き込むステップは、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で行われる前記引き込むステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記引き込むステップは、
デュアルルーメン末梢カテーテルアセンブリの前記外面から末梢静脈からの流体を引き込むことをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記カテーテルアセンブリの戻りルーメンを、格納可能な針の上で前進させるステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記末梢カテーテルシャフトアセンブリの前記戻りルーメンを、格納可能な針の上で前進させるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮特許出願第63/185,343号および米国特許第17/662,340号に対する優先権を主張し、それらの出願の全体を組み込む。
【0002】
(発明の分野)
概して、本発明は、末梢静脈(つまり、基底静脈などの直径が小さい非主要静脈)へのアクセスを実現するために、末梢静脈からの流体の流入と流出を同時に可能にする2つの非連通ルーメンを備えたカテーテルと、より細い針挿入のためのより細いシャフトを含む、装置、システム、または方法に関する。シングルルーメン、およびシングルルーメンを備えたカテーテルは、流体を身体に向かって、または体から離れる方向に一方向に輸送する。2つのルーメンを備えたカテーテルは、流体を体に向かって(戻す)、体から遠ざける(引き込む)を同時に輸送する必要がある場合に、針刺し、挿入される針および/またはカテーテルの数を減らすのに有利である。特に、アフェレーシス処置では、流体をこのような反対方向に輸送する必要がある。アフェレーシス処置は、体から全血を抜き取り、血液の1つ以上の成分を分離し、残りの血液/流体を体に戻すプロセスであり、体外処置プロセスの一例である。さらに、引き込みプロセスでは、戻り流から引き込み流への再循環(つまり、戻り流によって引き込み流内の血液/流体に導入された血液/流体の混合)を回避、最小限に抑え、および/または減らすこと、ならびに意図した手順が任意の弊害(例えば、カテーテルの崩壊、または圧力上昇による血管壁への癒着が戻りを妨げること)なく確実に実行されるように、引き込みが行われるポイントの周囲の高い陰圧(吸引)を回避、最小化、および/または軽減することが重要である。再循環は、引き込まれた流体に、戻ってきた流体の一部が含まれる場合に発生する。流体の流入と流出の間の再循環の発生は、20%未満(つまり、引き込まれた流体の20%未満が直前に戻ってきた流体であったことを意味する)に抑える必要があり、理想的には約10%~15%、または10%未満である。
【0003】
カテーテルアセンブリは、体への流体と体からの流体の両方を同時に輸送できる2つの別個の非連通ルーメンを含む1本の末梢静脈カテーテルで構成されている。引き込みルーメンは、体外処置/除去のために採取される血液を身体から除去する。引き込みルーメンは、戻りルーメンの開口部のより近位にある静脈への1つの開口部(または複数の開口部)を有する。シングル引き込みルーメンが完全に遮断されることによって生じる吸引圧力の上昇を回避/最小限に抑えるために、異なるサイズの複数の開口部をそこで使用することができる。これにより、ルーメンが隣接する血管壁に付着したり、および/または高い陰圧でカテーテルがつぶれたりする危険性が生じる。戻りルーメンは、処置された血液と流体を体に戻す。戻りルーメンは、流体の連続的な引き込みおよび戻し中の再循環を減少させるために、引き込みルーメンの開口部よりもより遠位にある静脈への1つの開口部(または複数の開口部)を有する。引き込みルーメンは、より大きな(断面積)三日月形(例:18G)として設計され、一方、戻りルーメンは、三日月形のアーム内のより小さな円形(20G)として設計されている(つまり、三日月形の引き込みルーメンが戻りルーメンの円形の周りを包む)。
【0004】
カテーテルのシャフトは末梢静脈に挿入することを目的としており、アフェレーシス、透析、その他の血液処置/除去を含む体外治療を目的で、体への流体の流出と体からの液体の流入を継続的かつ同時に可能にし得る。シングル末梢カテーテルを介して患者から流体の流出と流入を同時に行うことができる能力は、さまざまな種類の処置および手順へのアクセスを改善できるため、患者のケアにとって有利である。カテーテルシャフトは全体として、引き込みルーメンとその周りに巻き付けられた戻りルーメンを収容するのに十分な大きさであり、したがってどちらよりも大きい(例えば、16G)。
【0005】
より大きな流量を可能にするが、より大きなカテーテルを使用する別の実施形態では、引き込みルーメンは18Gであり、戻りルーメンは18Gであり、カテーテルシャフト全体は15Gである。
【0006】
針は静脈にアクセスするためにも使用され、カテーテルシャフトを通して配置されてシャフトを強化し、挿入用の鋭い端を提供する。挿入後、カテーテルは針の上から静脈内に進められる。針は静脈に挿入するために使用され、次にカテーテルを血管内に進めながら抜去される。次にカテーテルが所定の位置に配置されると針は引き込められ、安全に引き抜かれる。針のハブは戻りルーメンの開口部を覆い、(安全上の理由から)針がまだ所定の位置にある間に誰かが別の戻りカテーテルを挿入しようとするのを防ぐ。
【0007】
(粘度を変える)血液のヘマトクリットに応じて、18Gルーメンの全血の流量は最大150ml/分、20Gルーメンの場合は最大120ml/分に達し得る。このデバイスでは、生理食塩水を最大400ml/分の速度で流すことができる。
【0008】
この文書に記載された発明は、2つのルーメンを含むカテーテルを介して流体を反対方向に輸送するデバイスおよび方法、ならびにそのようなカテーテルの挿入に関する新規かつ改良された発明を詳述する。
【0009】
血液および/またはその他の流体の流量は、引き込み方向と戻り方向の両方に関して重要である。アフェレーシスの流量は最大約110ml/分であるが、透析は最大400ml/分の流量で実行されることがよくある。ほとんどのアフェレーシス手順は、100ml/分をはるかに下回る流量で実行される。したがって、アフェレーシス流量は、約60ml/分から約100または110ml/分の範囲となり得る。このような流れを決定する際の重要な要素は、ルーメンのサイズ(内部サイズ/断面積)である。
【0010】
ゲージシステムは、医療現場で使用されているカテーテル、針、チューブ(tube)およびチューブ(tubing)、ならびにその他のデバイスのサイズを測定するために一般的に使用されている。ゲージ番号が小さいほど直径が大きいことを示す。例えば、末梢静脈用のカテーテルには、14Gから26Gまでのゲージサイズがある。表1は、14G~22Gの針の公称外径(O.D.)、内径(I.D.)、および壁の厚さをmmで示す。表1の値はすべて円形針に関するが、非円形の内部輪郭を備えたデバイスのゲージへの言及は、そのゲージの円形デバイスと同様の流断面積も意味する。したがって、例えば18G針の公称内径は0.838mmであり、流断面積はA=0.25π(0.838mm)=0.552mmである。非円形の内部輪郭を備えた18Gカテーテルまたは針は、同様に流断面積A=0.552mmを持つ。
【表1】
【0011】
アフェレーシスのために体から流体を引き込む場合、望ましい最小ゲージサイズは(外径1.3mmを有する)約18Gである必要がある。アフェレーシス中に体液を戻す場合、最小ゲージサイズは(外径約1.0mmを有する)20Gである必要がある。引き込みルーメンは、高流量(150ml/分程度)で生成される陰圧に耐えられるようにより大きくなっている。シングル引き込みルーメンは、(合計サイズが同じ)多数の小さな引き込みルーメンのそれぞれよりも大きいサイズを有するため、引き込まれる流体の成分が損傷する危険性、例えば、せん断力による赤血球の損傷(溶血)を軽減できる。戻りルーメンは、流体を患者に押し戻すために使用され、同じ陰圧を受けないため、より小さくなり得る。アフェレーシス手順の場合、引き込み用に18G、戻り用に20Gのゲージサイズが、必要な全血流量を考慮した適切なルーメンサイズを提供する。
【0012】
理想的には、針およびカテーテルシャフトは静脈の直径の45%を超えてはならず、これは看護基準と考えられている。カテーテルと血管の比率(CVR)は45%以下である必要があり、ここで、CVRは、静脈または動脈血管の領域内に挿入および配置された血管内デバイスによって消費または占有される留置領域を表す。実際には、基準は、カテーテルのゲージ/フレンチ(外径)と血管の直径(内径)を入力(および面積の代用)として使用して組み合わせを特定する、カテーテルと血管の比率(またはCVRツール)を参照することによって評価され、CVRが33%以下(安全)、33%超45%未満(許容可能)、または45%以上(安全でない)である。このツールは、CRT(カテーテル関連血栓症-静脈内の血液凝固であり、中心静脈カテーテル(PICC)挿入の弊害である)を防ぐために作成された。2016年の実施基準では、CVRが血管直径の33%から最大45%以下まで増加できると推奨している。彼らは、CVRが45%未満であれば、危険性の予防としては十分であることがわかった。CVRチャートは、x軸とy軸にそれぞれ血管サイズとカテーテルサイズが表示され、安全ゾーンが色分けされている。
【0013】
アフェレーシスデバイス、またはその他の体外治療デバイスは、血液またはその他の流体を体内および体外に運ぶ手段として圧力を発生させる。外部源からカテーテルに供給される引き込み圧力は陰領域にある。同じ外部源からカテーテルに加えられる戻り圧力は陽領域にある。アフェレーシスの入口圧力は、患者から引き込まれる血流にかかる単位面積当たりの力として定義される。同様に、アフェレーシスの戻り圧力は、患者に戻される流れにかかる単位面積当たりの力として定義される。これらは、アフェレーシス装置に表示される圧力である。例として、半径0.50mmの20Gルーメンを100ml/分で圧力125mmHgで人体内に流す流体の場合、ルーメン内の圧力は約102mmHgであることがわかった。この圧力はアフェレーシス装置の安全限界内である。これらは、血液が引き込まれるまたは返されるときのカテーテルルーメン内の圧力である。例えば、アフェレーシス装置は、圧力のステータス範囲(緑、黄、または赤)を表示するコントロールを備える。緑色のステータスに対応する圧力範囲は、戻りと引き込みではそれぞれ0~182mmHg、0~-182mmHgである。アフェレーシスの場合、緑のステータスが理想的であると考えられており、手順は赤で実行されるべきではない。全体として、これらのステータス範囲は、理想的な圧力が維持されているかどうかを示す。
【0014】
(本発明の簡単な説明)
実施形態は、末梢静脈内の流体の引き込みと戻しを同時に行うことができるデュアルルーメン末梢カテーテルアセンブリを含む。カテーテルアセンブリ(またはその部品)は、医療機器に適した既知の方法と材料を使用して製造され得、これには、カテーテル内のより詳細な細部に対応するための高解像度のステレオリソグラフィーを使用した3Dプリント、成形(例えば、射出成形)、および/または押し出しが含まれ得る。チューブおよびコネクタは、ねじ付きオス/メス接続(例えば、ルアーコネクタ)および軟質PVC医療用チューブなどの標準品であり得る。アセンブリシャフトのカテーテルシャフトアセンブリ部分は、引き込み流(患者から引き込まれる流体の流入)のための18G引き込みルーメンを備えている。実施形態では、その18Gルーメンは、カテーテルの遠位端から約20ミリメートルで始まり、その18Gルーメンに接続された多数の孔を備える引き込み入口アセンブリに接続する。孔の数は、2つ、3つ、4つ、または6~8つになり得る。カテーテルシャフトアセンブリ部分のシャフトはまた、戻り流(流体を患者に戻すカテーテルの遠位端における流体の流出)のための20G戻りルーメンを有し、これは、シャフトアセンブリの先端および/またはその近くに1つ以上の孔を含む戻り出口アセンブリに接続する。
【0015】
シャフトは、静脈に進入するために丸く、横断面では円形であり、進入/前進中に静脈が裂けるのを避けるために先細になっている先端を除いて、その長さに沿って同じまたは実質的に同じ直径および輪郭を有し得る。シャフトは(外形寸法の意味で)16Gであり得る、または約1.65mmのO.D.を有し得る。テーパ部分の直径は約0.78mmであり得る。カテーテルは、シリコーンまたは他のポリマーを含む適切な医療グレードの材料で形成され得、一実施形態では、ポリプロピレンまたはPP様樹脂で十分であり、このような材料は、半透明で可撓性であってもよい、例えば曲げ弾性率1,600MPa。
【0016】
実施形態では、戻りルーメンは円形の横方向輪郭をとり得るが、引き込みルーメンは戻りルーメンおよびインタールーメン壁を反映する三日月形または豆形の輪郭である。実施形態では、戻りルーメンの周囲の円形の壁は、三日月形18Gの引き込みルーメンの凹部の周囲の壁の全部または一部と一致する。したがって、ルーメンの間には、シャフトの内部に形成されたインタールーメン壁があり、それは、三日月形の18Gの引き込みルーメンの凹状外面壁部分の全部または一部を形成し、円形の20Gの戻りルーメンの他の部分を形成する。シャフト本体の円形の外壁は、三日月形の18G引き込みルーメンおよび円形の20G戻りルーメンを取り囲み、三日月形の18G引き込みルーメンおよび円形の20G戻りルーメンの周囲の外壁の凸部の全部または一部と一致する。引き込みルーメンはシャフトの長さの一部にしか延在しないため、インタールーメン壁も同様に延在する。したがって、16Gであってもよいシャフトの長さの一部にわたって、引き込みルーメンと戻りルーメンとの間にインタールーメン壁があり、ルーメンは分離されており、連通していない。引き込みルーメンは引き込み入口アセンブリで終わり、これは、シャフトがデュアルルーメン部分と、デュアルルーメン部分の遠位にあるシングルルーメン部分とを有し、シングルルーメン部分がその長さに沿ってデュアルルーメン部分と同じまたは実質的に同じ直径および輪郭を有することを意味する。デュアルルーメン部分は引き込みルーメンと戻りルーメンとを含み、シングルルーメン部分は戻りルーメンのみを含む。
【0017】
実施形態では、戻りルーメンは円形の横方向輪郭をとり得るが、引き込みルーメンは、円形、楕円形、半円形、または同様の形状など、戻りルーメンおよびインタールーメン壁を反映する内部輪郭を有する。実施形態では、戻りルーメンの周囲の円形壁は、18G引き込みルーメンの周囲の壁の全部または一部と一致する。したがって、ルーメンの間には、シャフトの内部に形成されたインタールーメン壁があり、それは、18Gの引き込みルーメンの凹状外面壁部分の全部または一部を形成し、円形の20Gの戻りルーメンの他の部分を形成する。シャフト本体の円形の外壁は、18G引き込みルーメンおよび円形の20G戻りルーメンを取り囲み、18G引き込みルーメンおよび円形の20G戻りルーメンの周囲の外壁の全部または一部と一致する。引き込みルーメンはシャフトの長さの一部にしか延在しないため、インタールーメン壁も同様に延在する。したがって、15Gまたは16Gであってもよいシャフトの長さの一部にわたって、引き込みルーメンと戻りルーメンとの間にインタールーメン壁があり、ルーメンは分離されており、連通していない。引き込みルーメンは引き込み入口アセンブリで終わり、これは、シャフトがデュアルルーメン部分と、デュアルルーメン部分の遠位にあるシングルルーメン部分とを有し、シングルルーメン部分がその長さに沿ってデュアルルーメン部分と同じまたは実質的に同じ直径および輪郭を有することを意味する。デュアルルーメン部分は引き込みルーメンと戻りルーメンとを含み、シングルルーメン部分は戻りルーメンのみを含む。
【0018】
引き込み入口アセンブリは、シャフトおよびシャフトアセンブリの外面を引き込みルーメンに接続する複数の孔を含む。実施形態では、千鳥状/三角形の構成で配置された、より大きな一次(または主)入口孔と、2つの小さな二次入口孔を含む3つの孔が存在し、例えば、二次(または側面)孔は一次孔から長手方向に分離され、半径方向に分離されている。いずれも近位であっても遠位であってもよい。より大きい方の孔の目的は、本体からの流体が主引き込み流路によって引き込みルーメンに除去される流入/引き込みの起点として機能することである。より小さい孔の目的は、カテーテルが受ける圧力を軽減し、カテーテル壁自体の崩壊を防ぎ、最大吸引圧を0~-327mmHg(または0~-182mmHg)の許容範囲内に維持することである。より小さい孔は、引き込み流が引き込みルーメンに入る二次流路を提供し、それにより、カテーテルの戻りルーメンにかかる吸引圧力の上昇を防止または最小限に抑える。一次孔は、直径約1.0~1.5mm、またはサイズ約1.0~1.5mm×2.5~3.0mm、または約1.24mm×約2.89mmであり得る。側孔は、直径が0.3~0.7mm、または約0.52mmまたは0.5mmであり得る。側孔は、側孔と主孔との間に長手方向の入口間隔を有する。より近い側の孔は、一次孔から約3.0~4.5mm、約3.74mm、または約4.5mm(端から端まで)、およびお互いから約1.0~2.0mm、または約1.48mm(端から端まで)である。側孔も、側孔と主孔との間に角度の間隔またはオフセットを有する。側孔は、主孔から異なる方向に、それぞれ約30~55度、それぞれ約40~45度、またはそれぞれ約45度オフセットされている。実施形態では、単一のもしくは追加の二次孔が備えられてもよく、または同じもしくはほぼ同じサイズの一対の一次孔が備えられてもよい。
【0019】
戻り出口アセンブリは、シャフトおよびシャフトアセンブリの外面を戻りルーメンに接続する1つ以上の孔を含む。実施形態では、シャフトおよびシャフトアセンブリの先端の遠位に位置する1つの孔があり、その形状は完全にまたは実質的に円形であり得る。実施形態では、シャフトおよびシャフトアセンブリの先端の遠位に位置する1つの主孔があり、その形状は完全にまたは実質的に円形であり得、加えて、主孔の近位に位置する3つの追加の(楕円形であり得る)開窓があり得る。これらの追加の開窓は、主孔の約2.0~6.0mm、または約3.0~4.0mmの遠位に位置し得、半径方向に約120度の間隔で等間隔に配置される。実施形態では、シャフトおよびシャフトアセンブリの先端の遠位に位置する1つの主孔があり、その形状は完全にまたは実質的に円形であり得、加えて、主孔の近位に位置する2つまたは4つの追加の(楕円形であり得る)開窓があり得る。これらの追加の開窓は、主孔の約2.0~6.0mm、または約3.0~4.0mmの遠位に位置し得、長軸の周りに等角度間隔で配置されている。
【0020】
引き込み入口アセンブリと戻り出口アセンブリは長手方向に間隔を置いて配置される。それぞれのルーメンへの開口部間の長手方向の分離、または引き込み-戻り流の間隔、または引き込み/戻り間隔により、カテーテル内で再循環が最小限に抑えられる/まったく起こらないことが保証される。引き込み入口アセンブリは、戻り出口アセンブリから長手方向の距離を置いて配置される。その間隔は、少なくとも20mm、約または正確に20mm、約18~22mm、約10~25mm、または約15~20mmであり得る。
【0021】
カテーテルは、コネクタ(例えば、ルアーコネクタなどの雌ねじ付きコネクタ)が取り付けられたチューブを利用して、外部処置装置(例えば、体外処置装置/アフェレーシスデバイス)に接続される。これらのコネクタは、カテーテルを装置のチューブに確実に取り付け、漏れを防ぐ。チューブ内の流量を制御するためのスライド式クランプ、および無菌性を維持するために雌ねじ付きコネクタに接続された雄ねじ付きコネクタ(ルアーキャップ)が備えられ得る。
【0022】
カテーテルシャフトアセンブリは、Y字型本体(またはコネクタ部分または分岐コネクタ)を介してチューブおよび装置に接続される。Y字型本体は、シャフトシートを介してその遠位端でシャフトアセンブリに接続されており、引き込み部分と戻り部分とを備えている。引き込み部分は、Y字型本体引き込み出口(近位)とY字型本体引き込み入口(遠位)を流体接続するY字型本体引き込みルーメンを備える。戻り部分は、Y字型本体戻り入口(近位)とY字型本体戻り出口(遠位)を流体接続するY字型本体戻りルーメンを備える。Y字型本体は、それがデュアルルーメンカテーテルを介して送達/返送するために、(円形輪郭を組み合わせた)シャフトルーメンを単一のボディに結合するため、分岐コネクタを形成し、Y字型本体引き込みルーメンは、Y字型本体戻りルーメンから分岐する。Y字型本体戻りルーメンは、カテーテルシャフトの戻りルーメンと直線に整列しており、剛性の針を両方に整列させることができる。したがって、分岐コネクタの近位側には、例えば、針/装置への接続用の、チューブとコネクタを接続するための2つの別個の開口部があり、1つはシャフトアセンブリの2つのルーメン用の開口部と結合されたコネクタである。この分岐コネクタにより、コネクタとチューブの取り付けがより簡単になるだけでなく、カテーテル挿入中の針の除去も可能になる。
【0023】
格納可能な針は、静脈にアクセスするために、近位コネクタおよびチューブを介してカテーテルシャフトの円形戻りルーメンを通して配置される。針の斜めの端は、先端の戻りルーメン出口を通ってシャフトおよびシャフトアセンブリの遠位側に延びる。針が静脈に入ると、カテーテルは静止針の上で静脈内に進められて、引き込みルーメン開口部と戻りルーメン開口部の両方が静脈内に位置する。カテーテルが所定の位置に配置されると、針は引き込められ、安全に引き抜かれる。針は、直接引き抜くことも、または引っ込められた針からユーザーを保護するためにばね仕掛けの戻りもしくは手動で戻す遮蔽安全デバイス(または針安全チャンバー)に組み込むこともできる。20G戻りルーメンの場合、21Gまたは22G針が使用され得、近位コネクタおよびチューブの近位からシャフトおよびシャフトアセンブリの遠位側に延びるのに十分な長さであり得る。長さ約3~5インチの針を使用し得る。針の近位端にはハブがあり、これは取り扱いのためにその端を囲む単純なハブである場合もあれば、静脈へのアクセスを確認できるようにフラッシュバックチャンバを組み込んでいる場合もある。針の斜角は、カテーテルシャフトの先端によって形成される角度に一致させることができる。
【0024】
実施形態では、デュアルルーメンカテーテルアセンブリは、カテーテルと、それぞれ1つのカテーテルハブに接続する2つのチューブとを含む。1つのチューブは引き込みラインチューブであり、他方は戻りラインチューブである。各チューブは、体から流体を戻したり引き込んだりしたりするための他のデバイスに接続するために、その近位端でカテーテルハブに接続される。
【0025】
実施形態では、カテーテルは、Y字型本体およびデュアルルーメンシャフトアセンブリを備える。Y字型本体は、近位端で2つのチューブに接続し、もう一方でシャフトに接続し、デュアルルーメンカテーテルを介して送達/返送するためにラインを1つの本体に結合する役割を果たす。シャフトは、シャフトシートでY字型本体に結合し、これは、シャフトアセンブリと一体であってもよく、または非一体のシャフトアセンブリを保持する構造であってもよい。Y字型本体は、Y字型本体引き込み出口(近位)とY字型本体引き込み入口(遠位)とを流体接続するY字型本体引き込みルーメンを備えた引き込み部分を含む。Y字型本体は、Y字型本体戻り入口(近位)とY字型本体戻り出口(遠位)とを流体接続するY字型本体戻りルーメンを備えた戻り部分を含む。好ましくは、Y字型本体引き込みルーメンおよびY字型本体戻りルーメンのうちの少なくとも一方は、他方から分岐して、Y字型本体戻り入口とY字型本体引き込み出口との間にチューブまたは他のコネクタの嵌合を可能にする間隔を提供する。
【0026】
実施形態では、デュアルルーメンシャフトアセンブリは、概して約1.65mmのO.D.を有するシャフト、遠位の先端、先端の戻りルーメン出口、および約0.78mmに先細になる先端に隣接するテーパ部分を含む。シャフトは、外面の周りの壁を形成するシャフト本体と、引き込みルーメンおよび戻りルーメンを備えるデュアルルーメン部分を形成するインタールーメン壁とを含み、戻りルーメンのみを備えたシングルルーメン部分を形成するインタールーメン壁はなく、これは、引き込み入口アセンブリの遠位にある。
【0027】
実施形態では、シャフトアセンブリはまた、複数の入口孔、好ましくは主入口および2つの側孔から形成される引き込み入口アセンブリを含む。主入口は約1~1.5mm×2.5~3mmのサイズであり、側孔は約0.3~0.7mm×約0.3~0.7mmのサイズである。主入口は好ましくは約1.24mm×約2.89mmのサイズであり、側孔は約0.52mm×約0.52mmのサイズである。好ましくは、主入口と第1の側孔は、約3~4.5mmの第1の入口間隔(端から端まで)で分離され、主入口と第2の側孔は、約5~6.5mmの第2(および異なる)の入口間隔(端から端まで)で分離され、側孔は、約1~2mmの第3の入口間隔(端から端まで)で分離されている。より好ましくは、主入口と第の側孔は、約3.74mmの第1の入口間隔(端から端まで)で分離され、主入口と第2の側孔は、約5.74mmの第2(および異なる)の入口間隔(端から端まで)で分離され、側孔は、約1.48mmの第3の入口間隔(端から端まで)で分離されている。好ましくは、各側孔は主入口から異なる方向に角度的に約30~55度で分離される。より好ましくは、各側孔、は主入口から異なる方向に角度的に約40~45度で、より好ましくは、異なる方向に約45度で分離される。
【0028】
実施形態では、シャフト本体は、戻りルーメン(デュアルルーメン部分およびシングルルーメン部分内)および引き込みルーメン(デュアルルーメン部分内)を含む。シャフト本体はまた、引き込みルーメンによって引き込み入口アセンブリに流体接続され、シャフトアセンブリをY字型本体引き込み入口でY字型本体に流体接続するシャフト引き込みルーメン出口を含む。シャフト本体はまた、戻りルーメンによって戻りルーメン出口に流体接続され、シャフトアセンブリをY字型本体戻り出口でY字型本体に流体接続するシャフト戻り入口出口を含む。好ましくは、戻りルーメン出口と引き込み入口アセンブリとの間の引き込み/戻り間隔は、約18~22mmであり、好ましくは少なくとも約20mmである。
【0029】
実施形態では、外面を有するデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリを備えるデュアルルーメンカテーテルアセンブリがあり、それは、遠位先端と、引き込みルーメンと、戻りルーメンと、引き込みルーメンと戻りルーメンとの間のインタールーメン壁と、戻りルーメンを外面に接続する戻り出口アセンブリと、引き込みルーメンを外面に接続する引き込み入口アセンブリと、を備え、戻り出口アセンブリは先端に隣接し、引き込み入口アセンブリは戻り出口アセンブリの近位にあり、引き込み入口アセンブリは複数の入口孔を備える。さらなる実施形態は、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とを備える引き込み入口アセンブリを含み、ここで、主入口は、前記側孔より実質的に大きく、主入口および第1の側孔は、約3.0~4.5mmの第1の長手方向入口間隔によって分離され、主入口および第2の側孔は、第2の長手方向入口間隔によって分離され、前記第1および第2の長手方向入口間隔は異なる。さらなる実施形態は、主入口から角度的に約40~45度分離されている少なくとも1つの前記側孔と、主入口から角度的に約30~55度分離されている少なくとも1つの前記側孔と、を含み、前記側孔のそれぞれは、主入口から角度的に異なる方向に分離されている。さらなる実施形態は、16Gシャフト本体をさらに備えるカテーテルシャフトアセンブリを含み、ここで、シャフト本体は、引き込みルーメンと戻りルーメンとを含み、引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、戻りルーメンは少なくとも20Gであり、シャフト本体は、デュアルルーメン部分とデュアルルーメン部分の遠位のシングルルーメン部分とをさらに備え、引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、戻りルーメンは、円形の輪郭を有する。さらなる実施形態は、可撓性であるカテーテルシャフトアセンブリと、三日月形の輪郭を有する引き込みルーメンと、円形の輪郭を有する戻りルーメンと、含む。さらなる実施形態は、シャフト本体をさらに備えるカテーテルシャフトアセンブリと、ここで、シャフト本体は、引き込みルーメンおよび戻りルーメンの周りの外壁を備え、シャフト本体は、引き込みルーメンと戻りルーメンとの間にインタールーメン壁を備え、引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、戻りルーメンは円形の輪郭を有する。さらなる実施形態は、デュアルルーメン部分とシングルルーメン部分とを含み、シングルルーメン部分はデュアルルーメン部分の遠位にある、シャフト本体と、シングルルーメン部分の遠位のテーパ部分と、シャフト本体の遠位にある遠位先端と、さらに備えるカテーテルシャフトアセンブリを含み、シングルルーメン部分は、その長さに沿ってデュアルルーメン部分と実質的に同じ直径および輪郭を有し、テーパ部分は、遠位先端で終わる。さらなる実施形態は、カテーテルシャフトアセンブリの近位のY字型本体と、ここで、Y字型本体は、引き込み部分と戻り部分とを備え、引き込み部分は、カテーテルシャフトアセンブリの引き込みルーメンに流体接続されたY字型本体引き込みルーメンを備え、戻り部分は、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンに流体接続されたY字型本体戻りルーメンを備え、Y字型本体戻りルーメンは、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンと直線上に位置合わせされて、針が両方の内部に挿入されることを可能にし、Y字型本体戻りルーメンおよびカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンに挿入されている格納可能な針と、を含む。さらなる実施形態は、主孔と、複数の追加の開窓と、を備える戻り入口アセンブリを含み、ここで、主孔は、遠位先端に位置し、追加の開窓は、主孔の近位に位置し、追加の開窓は、主孔の遠位側約2~6mmに位置する。さらなる実施形態は、約18~22mmの戻り出口アセンブリと引き込み入口アセンブリの間の引き込み/戻り間隔と、少なくとも約20mmの戻り出口アセンブリと引き込み入口アセンブリとの間の引き込み/戻り間隔を含む。さらなる実施形態は、シャフト本体と、ここで、シャフト本体は、デュアルルーメン部分を含み、シングルルーメン部分と、ここで、シングルルーメン部分はデュアルルーメン部分の遠位にあり、シングルルーメン部分は、その長さに沿ってデュアルルーメン部分と実質的に同じ直径および輪郭を有し、三日月形の輪郭を有する引き込みルーメンおよび円形の輪郭を有する戻りルーメンと、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とをさらに備える引き込み入口アセンブリと、を含み、ここで、主入口および第1の側孔は、第1の長手方向入口間隔によって分離され、主入口および第2の側孔は、第2の長手方向入口間隔によって分離され、第1および第2の長手方向入口間隔は異なり、前記側孔のそれぞれは、主入口から角度的に異なる方向に分離されている。
【0030】
実施形態では、静脈から流体を引き込み、かつ戻すためのカテーテルアセンブリを使用する方法があり、方法は、引き込みルーメンを外面に接続する引き込み入口アセンブリの複数の入口孔を介して、デュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリの外面から流体を引き込むことと、戻りルーメンを外面に接続する戻り出口アセンブリを介して、流体をカテーテルシャフトアセンブリの外面に戻すことと、を含み、戻すステップは、カテーテルアセンブリの遠位先端に隣接して行われ、引き込むステップは、前記戻すステップの近位で行われる。さらなる実施形態は、流体の再循環を20%未満に維持することと、流体の再循環を約10%~15%に維持することと、流体の再循環を10%未満に維持することと、引き込むステップの後、かつ戻すステップの前に、流体に対してアフェレーシス処置を実行することと、を含む。さらなる実施形態は、16Gシャフト本体を備えるカテーテルアセンブリと、引き込みルーメンと戻りルーメンとを備えるシャフト本体と、ここで、引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、戻りルーメンは少なくとも20Gであり、主入口と、第1の側孔と第2の側孔とをさらに備える引き込み入口アセンブリと、第1の長手方向入口間隔によって分離された主入口および第1の側孔と、第2の長手方向入口間隔によって分離された主入口および第2の側孔と、前記第1および第2の長手方向入口間隔は異なり、主入口から角度的に約30~55度分離されている少なくとも1つの前記側孔を備える。さらなる実施形態は、三日月形の輪郭を有する引き込みルーメンと、円形の輪郭を有する戻りルーメンと、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で行われる前記流体の引き込みをさらに含む引き込むステップと、を含む。さらなる実施形態は、シャフト本体をさらに備えるカテーテルシャフトアセンブリと、ここで、シャフト本体は、引き込みルーメンおよび戻りルーメンの周りの外壁を備え、シャフト本体は、引き込みルーメンと戻りルーメンとの間にインタールーメン壁を備え、引き込みルーメンは、三日月形の輪郭を有し、戻りルーメンは円形の輪郭を有する、Y字型本体のY字型本体戻りルーメンからおよびカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンからの格納可能な針を格納することと、ここで、前記Y字型本体戻りルーメンは、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンと直線上に位置合わせされている、また、前進することと、Y字型本体と、Y字型本体のY字型本体戻りルーメンと、カテーテルシャフトアセンブリと、引き込み可能な針の上のカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンと、ここで、前記Y字型本体戻りルーメンは、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンと直線上に位置合わせされている、ことを含む。さらなる実施形態は、カテーテルシャフトアセンブリが可撓性であることを含む。
【0031】
実施形態では、静脈から流体を引き込み、かつ戻すためのカテーテルアセンブリを使用する方法があり、方法は、主引き込み流路によって流体をデュアルルーメンカテーテルアセンブリの外面から引き込みルーメン内に引き込むことと、ここで、引き込むステップは、外面から引き込みルーメンまで1つ以上の二次流路を提供することをさらに含む、流体を、引き込むステップの遠位側かつカテーテルアセンブリの遠位先端に隣接するカテーテルアセンブリの外面に戻すことと、を含む。さらなる実施形態は、流体の再循環を20%未満に維持するステップをさらに含むことと、流体の再循環を10%~15%未満に維持するステップ含むことと、流体の再循環を10%未満に維持するステップを含むことと、を含む。さらなる実施形態は、16Gシャフト本体を備えるカテーテルアセンブリと、引き込みルーメンと戻りルーメンとを備えるシャフト本体と、を含み、ここで、引き込みルーメンは少なくとも18Gであり、戻りルーメンは少なくとも20Gである。さらなる実施形態は、前記主流路から第1の入口間隔によって分離された第1の二次流路および前記主流路から第2の入口間隔によって分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことをさらに含む引き込むステップを含み、ここで、前記第1および第2の入口間隔は異なる。さらなる実施形態は、前記主流路から角度的に約30~55度分離された第1の二次流路および前記主流路から反対方向に角度的に約30~55度分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことをさらに含む引き込むステップを含む。さらなる実施形態は、三日月形の輪郭を有する引き込みルーメンおよび円形の輪郭を有する戻りルーメンと、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で行われる前記流体の引き込みをさらに含む引き込むステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】カテーテルアセンブリの実施形態の左側面図である。
図1B図1Aのデバイスの上面図である。
図2】針およびいくつかのコネクタ部品を省略したカテーテルアセンブリの実施形態の正面左上斜視図である。
図3A】カテーテルアセンブリの実施形態の一部の上面図である。
図3B図3Aのデバイスの左側面図である。
図3C図3Aのデバイスの遠位端図である。
図3D図3Aのデバイスの近位端図である。
図3E図3Bの線A-Aに沿った断面図を示す。
図3F図3Bの線B-Bに沿った断面図を示す。
図3G図3Dの線C-Cに沿った断面図を示す。
図4A】カテーテルシャフトの実施形態の一部の詳細を示す。
図4B】カテーテルシャフトの実施形態の一部の詳細を示す。
図4C】カテーテルシャフトの実施形態の一部の詳細を示す。
図5図5A~5Cは、カテーテルアセンブリの実施形態を使用した静脈アクセスのプロセスの実施形態を断面図で示す。
図6】静脈アクセス後の使用中のカテーテルアセンブリの実施形態による静脈内の血流を示す。
図7A】カテーテルアセンブリの実施形態の一部の上面図である。
図7B図7Aのデバイスの左側面図である。
図8】静脈アクセスのプロセスの実施形態におけるカテーテルアセンブリの実施形態を断面図で示す。
図9A】カテーテルアセンブリの代替実施形態のシャフトアセンブリの断面図を示す。
図9B】カテーテルアセンブリの代替実施形態のシャフトアセンブリの断面図を示す。
図9C】カテーテルアセンブリの代替実施形態のシャフトアセンブリの断面図を示す。
図10】本発明の実施形態を実行するためのプロセスのステップを示す。
図11】本発明の実施形態を実行するためのプロセスのステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(発明の詳細な説明)
図1A、1B、2、および3A~3Gを参照すると、以下に詳細に説明するように、デュアルルーメンカテーテルアセンブリ1は、デュアルルーメンカテーテルシャフト10、Y字型本体60、および針70、ならびに引き込みチューブ91、戻りチューブ92、雌コネクタ93、および雄キャップ94を含む。キャップ94および針70を取り外すと、アフェレーシス装置96(図示せず)への接続が可能になる。
【0034】
デュアルルーメンカテーテルシャフト10は、外面11、遠位先端13、シャフト本体20、引き込み入口アセンブリ40、および戻り出口アセンブリ50を備える。シャフト10の外面11は、使用中、静脈2の内部3およびその中の流体6の流体流7に露出される(図6Aおよび6Bを参照)。シャフト本体20はデュアルルーメンカテーテルシャフト10の近位端にあり、一方で、遠位先端13は遠位端にある。シャフト本体20は、その遠位端にテーパ部分21を含み、その近位に、円形または実質的に円形の輪郭32を有するデュアルルーメン部分31を含み、デュアルルーメン部分31の近位に、円形または実質的に円形の輪郭34を有するシングルルーメン部分33を含む。シャフト本体20はまた、デュアルルーメン部分31内に、引き込み入口アセンブリ40、三日月形の輪郭24を有する引き込みルーメン24、および円形の輪郭27を有する戻りルーメン26、およびそれらの間のインタールーメン壁28、およびその周囲の外壁29を含む。シャフト本体20はまた、シングルルーメン部分31内に、円形の輪郭27を有する戻りルーメン26およびその周りの外壁29を含む。シャフト本体20はまた、テーパ部分21内に、戻り出口アセンブリ50およびそれを通る戻りルーメン26を含む。
【0035】
図3Eは、三日月形の輪郭25、円形の輪郭27、およびインタールーメン壁28を断面で示す。図9A~9Cは、円形輪郭27およびインタールーメン壁28を、代替輪郭25’、25’’および25’’’とともに断面で示す。
【0036】
図1A、1B、2、および3A~3Gを参照すると、実施形態では、引き込み入口アセンブリ40は、主入口41、第1の側孔42、および第2の側孔43を含む。引き込み入口アセンブリ40は、シャフト本体20のデュアルルーメン部分の遠位端にある。引き込み入口アセンブリ40は引き込み入口アセンブリの長さ49を有する。
【0037】
主入口41は、直径約1.0~1.5mm、またはサイズ約1.0~1.5mm×2.5~3.0mm、または約1.24mm×約2.89mmであり得る。側孔42、43は、直径が0.3~0.7mm、または約0.52mmまたは0.5mmであり得る。主入口41は、引き込みルーメン24をデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10の外面11に接続する。主入口41は、引き込みルーメン24への主引き込み流路を形成する。
【0038】
側孔42、43はそれぞれ、それら自体と主入口41との間に長手方向の入口間隔を有する。第1の側孔42は、主入口41から(端から端まで)約3.0~4.5mm、約3.74mm、または約4.5mmの第1の長手方向入口間隔44を有する。第2の側孔43は、第1の側孔42から(端から端まで)約1.0~2.0mm、または約1.48mmの側孔間隔46を有し、第2の長手方向入口間隔45を、側孔間隔46と第1の長手方向入口間隔44とのほぼ合計とする。側孔42、43もそれぞれ、それら自体と主入口41との間に角度間隔またはオフセットを有する。第1の側孔42は、主入口41から約30~55度、約40~45度、または約45度の第1の角度分離47を有する。第2の側孔43は、主入口41から約30~55度、約40~45度、または約45度の第2の角度分離48を有するが、第1の角度分離47の反対方向にある。したがって、引き込み入口アセンブリの3つの孔は、ほぼ三角形の形状を形成する。側孔42、43は、引き込みルーメン24をデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10の外面11に接続する。側孔42、43は、引き込みルーメン24への二次流路を形成する。
【0039】
図4A~4Cは、主入口41、第1の側孔42、および第2の側孔43の代替配置を示し、ここでは、側孔の主入口41への近さが異なる、または一方では、主入口41と、他方では、第1の側孔42および第2の側孔43との遠位/近位位置が入れ替わっている。
【0040】
図1A、1B、2、および3A~3Gに戻ると、戻り出口アセンブリ50は、主孔51と、任意選択で追加の開窓52を含む(図7A~7Bを参照)。戻り出口アセンブリ50は、追加の開窓52が設けられる場合、主孔51と追加の開窓52との間に長手方向の出口間隔54を有し、戻り出口アセンブリの長さ59を有する。戻り出口アセンブリ50はデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10の遠位先端13に隣接しており、一方で主孔51は遠位先端13にある。主孔51は遠位方向を向いており、戻りルーメン26の遠位端にあり、したがって戻りルーメン26をデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10の外面11に接続する。
【0041】
デュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10は、Y字型本体60(またはコネクタ部分もしくは分岐コネクタ)を介して引き込みチューブ91および戻りチューブ92(そしてアフェレーシス装置96)に接続する。Y字型本体60は、その遠位端でデュアルルーメンシャフトアセンブリ10に接続する。Y字型本体60は、引き込み部分61と戻り部分65を含む。引き込み部分61は、Y字型本体引き込みルーメン62、Y字型本体引き込み出口63(近位)、およびY字型本体引き込み入口64(遠位)を含む。Y字型本体引き込みルーメン62は、Y字型本体引き込み入口64(遠位)とY字型本体引き込み出口63(近位)を流体接続する。戻り部分65は、Y字型本体戻りルーメン66、Y字型本体戻り出口67(遠位)、およびY本体戻り入口68(近位)を含む。Y字型本体戻りルーメン66は、Y字型本体戻り入口68(近位)とY字型本体戻り出口67(遠位)を流体接続する。Y字型本体60は、それが(組み合わされた円形の輪郭を有する)シャフト本体20内の引き込みルーメン24と戻りルーメン26を単一の本体に結合してアフェレーシス装置96に送達/返送するための分岐コネクタを形成する。そうすることで、Y字型本体引き込みルーメン62はY字型本体戻りルーメン66から分岐する。したがって、Y字型本体60の近位側には、例えば、針/装置への接続用の、チューブ91、92とコネクタを接続するための2つの別個の開口部があり、1つはシャフトアセンブリの2つのルーメン用の開口部と結合されたコネクタである。Y字型本体戻りルーメン66は、デュアルルーメンカテーテルシャフト10のシャフト本体20の戻りルーメン26と直線上に整列され、剛性針70が両方に整列することを可能にする(そのように整列された針については、図1Aおよび図5Aを参照)。
【0042】
図1A、1B、5A~5C、および8に示されるように、針70は、ハブ71、任意選択でフラッシュバックチャンバ72、シャフト75、針ルーメン74、および傾斜先端73を含む。針ルーメン74はシャフト75の内部を通り、傾斜先端73の開口部を介してフラッシュバックチャンバを外面に接続する。ハブ71は、針70の端を安全に取り扱うために使用される。針70は、20G戻りルーメン26に対して22Gであってもよく、約130mmの針は、近位コネクタ93の近位側から遠位先端13の遠位側まで延びるのに十分な長さであり得る。
【0043】
針70は、(使用前に)静脈2の内部3にアクセスするために、Y字型本体戻りルーメン66、コネクタ93およびチューブ92を介してデュアルルーメンカテーテルシャフト10の戻りルーメン26を通して配置される。傾斜先端73は、戻りルーメン出口アセンブリ50の主孔51を通ってシャフト本体20および遠位先端13の遠位方向に延びる。針70が壁4を通って静脈2に(流体流7の方向と反対の方向に)十分に入ると、デュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10は、引き込み入口アセンブリ40と戻り出口アセンブリ50の両方が完全に静脈2内に入るまで、静止して保持された針70の上を静脈2内に進められる。この時点で、(アセンブリ10が前進する間静止していることにより)針70は部分的に引き込められている。デュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリ10が所定の位置に配置されると、針70の残りの部分は引き込められ、安全に引き抜かれる。図6Aおよび6Bは、静脈2内のシャフト本体20の2つの異なる実施形態の詳細を示し、戻り流9が戻り出口アセンブリ50を出て、引き込み流8が引き込み入口アセンブリ40に入る場所の下流で流体流7に入る(合流する)ことを示している。
【0044】
針70は直接引き抜いてもよいし、または引き込められた針からユーザーを保護するための遮蔽安全デバイス80(図8参照)に組み込んでもよい。遮蔽安全デバイス80は、コネクタ81、ケーシング82、スロット85、および内部83を含む。遮蔽安全デバイス80とともに使用するための針70’は、フラッシュバックチャンバ72、シャフト75、ならびにハンドル87およびグライダー88を備えたハブ71’を含む。コネクタ81は、戻りチューブ92上のコネクタ93と係合するためのものであり、シャフト75全体がそこを通って伸長し、次いで後退することを可能にする。ハンドル87はスロット85を通って延在し、ユーザーが針70’を引き込ませることができる一方、グライダー88はケーシング82の内部83上で針70’を支持する。
【0045】
図10を参照すると、本発明の実施形態は、デュアルルーメンカテーテルアセンブリを使用して、シングルを介して静脈から流体を同時に引き込む、および戻すことを可能にする。方法200は、以下のステップを含む。ステップ201は、Y字型本体戻りルーメンおよびカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメン内に針を挿入することであり、Y字型本体戻りルーメンとカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンは直線上に整列しており、針の斜めの端は先端の出口を通ってデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリの遠位側に延びている。ステップ212は、斜めの端とカテーテルシャフトアセンブリを静脈に十分に挿入することである。ステップ213は、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンおよびカテーテルシャフトアセンブリ、ならびにY字型本体のY字型本体戻りルーメンおよびY字型本体を針のシャフト上で遠位方向に前進させることである。ステップ215は、引き込み入口アセンブリと戻り出口アセンブリの両方が静脈内に完全に入るまで、前進を続けることである。ステップ216は、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメン、およびカテーテルシャフトアセンブリ、およびY字型本体のY字型本体戻りルーメン、およびY字型本体から針を引き込ませることである。ステップ218は、Y字型本体の近位側のチューブおよびコネクタを介してアフェレーシス装置を接続することである。ステップ202は、引き込みルーメンを外面に接続する引き込み入口アセンブリの複数の入口孔を介してデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリの外面から流体を引き込むことであり、引き込みステップは戻すステップ204の近位で行われる。ステップ204は、戻りルーメンを外面に接続する戻り出口アセンブリを介して流体をカテーテルシャフトアセンブリの外面に戻すことであり、戻すステップは、カテーテルアセンブリの遠位先端に隣接して行われる。ステップ206は、流体の再循環を約20%未満に維持することである。ステップ207は、流体の再循環を約10%~15%に維持することである。ステップ208は、引き込みステップ202の後、かつ戻すステップ204の前に、流体に対してアフェレーシス処置を実行する。ステップ210は、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で流体を引き込む。
【0046】
図11を参照すると、本発明の実施形態は、デュアルルーメンカテーテルアセンブリを使用して、シングルを介して静脈から流体を同時に引き込む、および戻すことを可能にする。方法230は、以下のステップを含む。ステップ251は、Y字型本体戻りルーメンおよびカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメン内に針を挿入することであり、Y字型本体戻りルーメンとカテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンは直線上に整列しており、針の斜めの端は先端の出口を通ってデュアルルーメンカテーテルシャフトアセンブリの遠位側に延びている。ステップ252は、斜めの端とカテーテルシャフトアセンブリを静脈に十分に挿入することである。ステップ253は、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンおよびカテーテルシャフトアセンブリ、ならびにY字型本体のY字型本体戻りルーメンおよびY字型本体を針のシャフト上で遠位方向に前進させることである。ステップ255は、引き込み入口アセンブリと戻り出口アセンブリの両方が静脈内に完全に入るまで、前進を続けることである。ステップ256は、カテーテルシャフトアセンブリの戻りルーメンから遮蔽安全デバイス、およびカテーテルシャフトアセンブリ、およびY字型本体のY字型本体戻りルーメン、およびY字型本体内に針を引き込ませることである。ステップ258は、Y字型本体の近位側のチューブおよびコネクタを介してアフェレーシス装置を接続することである。ステップ232は、主引き込み流路によって流体をデュアルルーメンカテーテルアセンブリの外面から引き込みルーメン内に引き込むことである。ステップ233は、外面から引き込みルーメンまでの1つ以上の二次流路を提供することである。ステップ235は、1つ以上の二次流路によって流体をデュアルルーメンカテーテルアセンブリの外面から引き込みルーメン内に引き込むことである。ステップ234は、流体を、引き込むステップの遠位側かつカテーテルアセンブリの遠位先端に隣接するカテーテルアセンブリの外面に戻すことである。ステップ236は、流体の再循環を約20%未満に維持することである。ステップ237は、流体の再循環を約10%~15%に維持することである。ステップ238は、引き込むステップ232、提供するステップ233、および引き込むステップ235の後、かつ戻すステップ234の前に、流体に対してアフェレーシス処置を実行することである。ステップ240は、約18~22mmの引き込み/戻り間隔で流体を引き込むことである。ステップ242では、前記主流路から第1の入口間隔だけ分離された第1の二次流路によって流体を引き込むことである。ステップ243は、前記主流路から第2の入口間隔によって分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことであり、ここで、第1および第2の入口間隔は異なる。ステップ245は、主流路から角度的に約30~55度分離された第1の二次流路によって流体を引き込むことである。ステップ246は、主流路から反対方向に角度的に約30~55度分離された第2の二次流路によって流体を引き込むことである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
【国際調査報告】