(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】センサ補助ビーム管理
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240412BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20240412BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240412BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W88/02 140
H04W16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567207
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022071265
(87)【国際公開番号】W WO2022241348
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】メフル・ソマン
(72)【発明者】
【氏名】ラシュミ・クルカルニ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・マグロイン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF03
5K067KK02
(57)【要約】
アンテナビーム管理を実行するために、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定し、モバイルデバイスの位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整するための、システムおよび方法。モバイルデバイスは、メモリと、データを検出するための少なくとも1つのセンサと、メモリに通信可能に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させ、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信し、受信データに基づいて位置情報を決定し、受信データに基づいて活動情報を決定し、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定し、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてモバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスの中のアンテナビームを管理する方法であって、
少なくとも1つのセンサを前記モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させるステップと、
前記少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信するステップと、
前記受信されたデータに基づいて位置情報を決定するステップと、
前記受信されたデータに基づいて活動情報を決定するステップと、
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記モバイルデバイスの順方向位置を推定するステップと、
前記位置情報、前記活動情報、および前記順方向位置に基づいて前記アンテナビームの管理を実行するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記ウェイクアップ期間を調整するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調整されたウェイクアップ期間、対応する前記位置情報、および前記活動情報をメモリの中に記録するステップ
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記推定された順方向位置がしきい値を超えるときに前記アンテナビームの非同期の管理を実行するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェイクアップ期間が接続モード間欠受信(CDRX)モードサイクル期間と整合する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサが、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、または歩数計を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置情報が、前記モバイルデバイスの方向、前記モバイルデバイスの平行移動、または前記モバイルデバイスの動きのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記活動情報が、前記モバイルデバイスを使用または所有する間の前記モバイルデバイスのユーザの活動に関する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記推定された順方向位置が、次のウェイクアップ期間における前記順方向位置を予測するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
接続モード間欠受信(CDRX)モードの間、前記調整されたウェイクアップ期間を基地局に通信するステップ
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
モバイルデバイスであって、
メモリと、
データを検出するための少なくとも1つのセンサと、
前記メモリに通信可能に結合されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサが、
前記少なくとも1つのセンサを前記モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させ、
前記少なくとも1つのセンサによって検出された前記データを受信し、
前記受信されたデータに基づいて位置情報を決定し、
前記受信されたデータに基づいて活動情報を決定し、
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記モバイルデバイスの順方向位置を推定し、
前記位置情報、前記活動情報、および前記順方向位置に基づいて前記モバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行する
ように構成される、モバイルデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記ウェイクアップ期間を調整するように構成される、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記調整されたウェイクアップ期間、対応する前記位置情報、および前記活動情報を前記メモリの中に記録するように構成される、請求項12に記載のモバイルデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記推定された順方向位置がしきい値を超えるときに前記アンテナビームの非同期の管理を実行するように構成される、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項15】
前記ウェイクアップ期間が接続モード間欠受信(CDRX)モードサイクル期間と整合する、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサが、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、または歩数計を含む、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項17】
前記位置情報が、前記モバイルデバイスの方向、前記モバイルデバイスの平行移動、または前記モバイルデバイスの動きのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項18】
前記活動情報が、前記モバイルデバイスを使用または所有する間の前記モバイルデバイスのユーザの活動に関する情報を含む、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項19】
前記推定された順方向位置が、次のウェイクアップ期間における前記順方向位置を予測するものである、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサが、接続モード間欠受信(CDRX)モードの間、前記調整されたウェイクアップ期間を基地局に通信するように構成される、請求項12に記載のモバイルデバイス。
【請求項21】
モバイルデバイスであって、
少なくとも1つのセンサを前記モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させるための手段と、
前記少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信するための手段と、
前記受信されたデータに基づいて位置情報を決定するための手段と、
前記受信されたデータに基づいて活動情報を決定するための手段と、
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記モバイルデバイスの順方向位置を推定するための手段と、
前記位置情報、前記活動情報、および前記順方向位置に基づいて前記モバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するための手段と
を備えるモバイルデバイス。
【請求項22】
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記ウェイクアップ期間を調整するための手段
をさらに備える、請求項21に記載のモバイルデバイス。
【請求項23】
前記調整されたウェイクアップ期間、対応する前記位置情報、および前記活動情報をメモリの中に記録するための手段
をさらに備える、請求項22に記載のモバイルデバイス。
【請求項24】
前記推定された順方向位置がしきい値を超えるときに前記アンテナビームの非同期の管理を実行するための手段
をさらに備える、請求項21に記載のモバイルデバイス。
【請求項25】
接続モード間欠受信(CDRX)モードの間、前記調整されたウェイクアップ期間を基地局に通信するための手段
をさらに備える、請求項22に記載のモバイルデバイス。
【請求項26】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサにモバイルデバイスのアンテナビームを管理させるコードを記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
少なくとも1つのセンサを前記モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させるためのコードと、
前記少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信するためのコードと、
前記受信されたデータに基づいて位置情報を決定するためのコードと、
前記受信されたデータに基づいて活動情報を決定するためのコードと、
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記モバイルデバイスの順方向位置を推定するためのコードと、
前記位置情報、前記活動情報、および前記順方向位置に基づいて前記モバイルデバイスの前記アンテナビームの管理を実行するためのコードと
を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記位置情報および前記活動情報に基づいて前記ウェイクアップ期間を調整するためのコード
をさらに記憶した、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記調整されたウェイクアップ期間、対応する前記位置情報、および前記活動情報をメモリの中に記録するためのコード
をさらに記憶した、請求項27に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
前記推定された順方向位置がしきい値を超えるときに前記アンテナビームの非同期の管理を実行するためのコード
をさらに記憶した、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
接続モード間欠受信(CDRX)モードの間、前記調整されたウェイクアップ期間を基地局に通信するためのコード
をさらに記憶した、請求項27に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(ロングタームエボリューション)ネットワークなどのワイヤレス通信ネットワークでは、基地局およびUE(ユーザ機器)などのデバイスの間で信号を送信および受信するために、アンテナが使用される。LTEのサブ6GHzおよびmmWaveシステムでは、UEは、アンテナの指向性ビームを基地局などの他のデバイスに急速に向けさせることによるビーム切替えを通じて、(UEの移動および回転などの)変化する条件に迅速に反応する必要がある。ビーム切替えは、LTEの接続モード間欠受信(CDRX:Connected Mode Discontinuous Reception)と非CDRXモードの両方において使用される。しかしながら、ビーム切替えの性能は、UEの方向を追跡する際のアンテナ分解能によって限定され、CDRXモードでは、UEのモデムは、性能を向上させるようにUEの方向を正確に追跡してアンテナ利得を調整するために、頻繁にウェイクアップする必要があり得る。モデムのウェイクアップ頻度のそのような増大は、UEの電力消費を増大させる場合がある。非CDRXモードでは、UEのモデムは、増大した電力消費という犠牲を払って性能を維持するために、もっと高速なレートで受信信号をサンプリングするが、そのような増大した信号サンプリングは、UEの回転または移動中に行われるビーム切替えの間、正しいビームの検出を改善しない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は、本明細書で開示する1つまたは複数の態様に関係する簡略化された概要を提示する。したがって、以下の概要は、すべての企図される態様に関係する広範な概観と見なされるべきではなく、また、以下の概要は、すべての企図される態様に関係する主要もしくは重要な要素を識別するか、または任意の特定の態様に関連する範囲を定めるものと見なされるべきでもない。したがって、以下の概要は、以下で提示する詳細な説明に先立って、本明細書で開示するメカニズムに関係する1つまたは複数の態様に関係するいくつかの概念を、簡略化された形態で提示するという唯一の目的を有する。
【0004】
モバイルデバイスの中のアンテナビームを管理する方法であって、方法は、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させることと、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信することと、受信データに基づいて位置情報(positional information)を決定することと、受信データに基づいて活動情報を決定することと、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置(forward position)を推定することと、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてアンテナビームの管理を実行することとを備える。
【0005】
一態様では、モバイルデバイスは、メモリと、データを検出するための少なくとも1つのセンサと、メモリに通信可能に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させ、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信し、受信データに基づいて位置情報を決定し、受信データに基づいて活動情報を決定し、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定し、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてモバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するように構成される。
【0006】
一態様では、モバイルデバイスは、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させるための手段と、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信するための手段と、受信データに基づいて位置情報を決定するための手段と、受信データに基づいて活動情報を決定するための手段と、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定するための手段と、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてモバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するための手段とを備える。
【0007】
一態様では、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサにモバイルデバイスの中のアンテナビームを管理させるコードを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させるためのコードと、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信するためのコードと、受信データに基づいて位置情報を決定するためのコードと、受信データに基づいて活動情報を決定するためのコードと、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定するためのコードと、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてモバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するためのコードとを備える。
【0008】
本明細書で開示する態様に関連する他の目的および利点が、添付図面および発明を実施するための形態に基づいて当業者に明らかとなろう。
【0009】
添付図面は、様々な態様の説明の助けとなるために提示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
【
図2】本開示の態様による例示的なモバイルデバイスを示す図である。
【
図3A】本開示の様々な態様による、アンテナビームを管理する1つまたは複数の方法に対応するフローチャートである。
【
図3B】本開示の様々な態様による、アンテナビームを管理する1つまたは複数の方法に対応するフローチャートである。
【
図4】本開示の様々な態様による、アンテナビームを管理するように構成されたワイヤレス通信デバイスの例示的な実装形態を示す図である。
【
図5】本開示の態様による例示的なCDRX期間のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の態様は、例示の目的で提供される様々な例を対象とする以下の説明および関連する図面において提供される。本開示の範囲を逸脱することなく、代替の態様が考案され得る。追加として、本開示の関連する詳細を不明瞭にしないように、本開示のよく知られている要素は詳細には説明されないか、または省略される。
【0012】
「例示的」および/または「例」という語は、本明細書では、「例、事例、または例示として働くこと」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」および/または「例」として説明するいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。同様に、「本開示の態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明する特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするとは限らない。
【0013】
以下で説明する情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、以下の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、部分的に特定の適用例、部分的に所望の設計、部分的に対応する技術などに応じて、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0014】
さらに、多くの態様が、たとえば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるべきアクションのシーケンスに関して説明される。本明細書で説明する様々なアクションが、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、プログラム命令が1つもしくは複数のプロセッサによって実行されることによって、またはその両方の組合せによって実行され得ることが認識されよう。追加として、本明細書で説明するアクションのシーケンスは、実行時に、本明細書で説明する機能性を、デバイスの関連するプロセッサに実行させることになるかまたは実行するように命令することになる、コンピュータ命令の対応するセットを記憶した、任意の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内で完全に具現されるものと見なされ得る。したがって、本開示の様々な態様は、特許請求する主題の範囲内にそのすべてが入ることが企図されている、いくつかの異なる形態で具現され得る。加えて、本明細書で説明する態様の各々に対して、任意のそのような態様の対応する形態が、たとえば、説明するアクションを実行する「ように構成された論理」として本明細書で説明されることがある。
【0015】
本明細書で使用する「ユーザ機器」(UE)および「基地局」という用語は、別段に記載されていない限り、任意の特定の無線アクセス技術(RAT)に固有であること、またはさもなければそうしたRATに限定されることは、意図されない。一般に、UEは、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するためにユーザによって使用される、任意のワイヤレス通信デバイス(たとえば、モバイルフォン、ルータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンシューマアセットトラッキングデバイス、ウェアラブル(たとえば、スマートウォッチ、スマートグラス、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセットなど)、車両(たとえば、自動車、オートバイ、自転車など)、モノのインターネット(IoT)デバイスなど)であってよい。UEはモバイルであってよく、または(たとえば、いくつかの時間において)静止していてよく、無線アクセスネットワーク(RAN)と通信し得る。本明細書で使用する「UE」という用語は、「アクセス端末」もしくは「AT」、「クライアントデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「加入者デバイス」、「加入者端末」、「加入者局」、「ユーザ端末」もしくは「UT」、「モバイルデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、またはそれらの変形として互換的に呼ばれることがある。概して、UEは、RANを介してコアネットワークと通信することができ、コアネットワークを通じて、UEはインターネットなどの外部ネットワークおよび他のUEに接続され得る。当然、有線アクセスネットワーク、(たとえば、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11仕様などに基づく)ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)ネットワークなどを介するなどの、コアネットワークおよび/またはインターネットに接続する他のメカニズムもUEにとって可能である。
【0016】
基地局は、UEがその中に展開されるネットワークに応じて、UEと通信しているいくつかのRATのうちの1つに従って動作してよく、代替として、アクセスポイント(AP)、ネットワークノード、ノードB、発展型ノードB(eNB)、次世代eNB(ng-eNB)、ニューラジオ(NR)ノードB(gNBまたはgノードBとも呼ばれる)などと呼ばれることがある。基地局は、サポートされるUEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートすることを含む、UEによるワイヤレスアクセスをサポートするために主に使用され得る。いくつかのシステムでは、基地局は純粋にエッジノードシグナリング機能を提供し得るが、他のシステムでは、基地局は、追加の制御および/またはネットワーク管理機能を提供し得る。UEがそれを通じて信号を基地局へ送ることができる通信リンクは、アップリンク(UL)チャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、逆方向制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。基地局がそれを通じて信号をUEへ送ることができる通信リンクは、ダウンリンク(DL)チャネルまたは順方向リンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で使用するトラフィックチャネル(TCH)という用語は、アップリンク/逆方向トラフィックチャネル、またはダウンリンク/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0017】
「基地局」という用語は、単一の物理的な送信受信ポイント(TRP)、またはコロケートされてもまたはされなくてもよい複数の物理的なTRPを指すことがある。たとえば、「基地局」という用語が単一の物理的なTRPを指す場合、その物理的なTRPは、基地局のセル(または、いくつかのセルセクタ)に対応する、基地局のアンテナであってよい。「基地局」という用語が、コロケートされている複数の物理的なTRPを指す場合、それらの物理的なTRPは、基地局の(たとえば、多入力多出力(MIMO)システムにおけるような、または基地局がビームフォーミングを採用する場合の)アンテナのアレイであってよい。「基地局」という用語が、コロケートされていない複数の物理的なTRPを指す場合、それらの物理的なTRPは、分散アンテナシステム(DAS:distributed antenna system)(移送媒体を介して共通のソースに接続された、空間的に分離されたアンテナのネットワーク)、またはリモートラジオヘッド(RRH:remote radio head)(サービング基地局に接続された遠隔の基地局)であってよい。代替として、コロケートされていない物理的なTRPは、UEと、UEがその基準RF信号を測定している隣接する基地局とから、測定報告を受信するサービング基地局であってよい。TRPは基地局がそこからワイヤレス信号を送信および受信するポイントであるので、本明細書で使用するとき、基地局からの送信または基地局における受信への言及は、基地局の特定のTRPに言及するものとして理解されるべきである。
【0018】
UEの測位をサポートするいくつかの実装形態では、基地局は、UEによるワイヤレスアクセスをサポートしないことがあるが(たとえば、UEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートしないことがあるが)、代わりに、UEによって測定されるように参照信号をUEへ送信することがあり、かつ/またはUEによって送信された信号を受信および測定することがある。そのような基地局は、測位ビーコン(たとえば、信号をUEへ送信するとき)、および/またはロケーション測定ユニット(たとえば、UEからの信号を受信および測定するとき)と呼ばれることがある。
【0019】
「RF信号」は、送信機と受信機との間の空間を通じて情報を移送する、所与の周波数の電磁波を備える。本明細書で使用する送信機は、単一の「RF信号」または複数の「RF信号」を受信機へ送信し得る。しかしながら、受信機は、マルチパスチャネルを通じたRF信号の伝搬特性に起因して、送信された各RF信号に対応する複数の「RF信号」を受信することがある。送信機と受信機との間の異なる経路上での、送信された同じRF信号は、「マルチパス」RF信号と呼ばれることがある。
【0020】
図1は、例示的なワイヤレス通信システム100を示す。ワイヤレス通信システム100(ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)と呼ばれることもある)は、様々な基地局102および様々なUE104を含んでよい。基地局102は、マクロセル基地局(大電力セルラー基地局)および/またはスモールセル基地局(小電力セルラー基地局)を含んでよい。一態様では、マクロセル基地局は、ワイヤレス通信システム100がLTEネットワークに相当するeNBおよび/もしくはng-eNB、またはワイヤレス通信システム100がNRネットワークに相当するgNB、あるいはその両方の組合せを含んでよく、スモールセル基地局は、フェムトセル、ピコセル、マイクロセルなどを含んでよい。
【0021】
基地局102は、RANを集合的に形成し得、バックホールリンク122を通じてコアネットワーク170(たとえば、発展型パケットコア(EPC)または5Gコア(5GC))と、およびコアネットワーク170を通じて1つまたは複数のロケーションサーバ172(コアネットワーク170の一部であってよく、またはコアネットワーク170の外部にあってもよい。)に、インターフェースし得る。他の機能に加えて、基地局102は、ユーザデータを転送すること、無線チャネル暗号化および解読、完全性保護、ヘッダ圧縮、モビリティ制御機能(たとえば、ハンドオーバ、デュアル接続性)、セル間干渉協調、接続セットアップおよび解放、負荷分散、非アクセス層(NAS:non-access stratum)メッセージのための配信、NASノード選択、同期、RAN共有、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)、加入者および機器トレース、RAN情報管理(RIM)、ページング、測位、ならびに警告メッセージの配信のうちの1つまたは複数に関係する機能を実行し得る。基地局102は、有線またはワイヤレスであってよいバックホールリンク134を介して、直接または間接的に(たとえば、EPC/5GCを通じて)互いに通信し得る。
【0022】
基地局102は、UE104とワイヤレス通信し得る。基地局102の各々は、それぞれの地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。一態様では、1つまたは複数のセルが、各地理的カバレージエリア110の中の基地局102によってサポートされ得る。「セル」とは、(たとえば、キャリア周波数、コンポーネントキャリア、キャリア、帯域などと呼ばれる、いくつかの周波数リソースを介した)基地局との通信のために使用される論理通信エンティティであり、同じかまたは異なるキャリア周波数を介して動作するセルを区別するための識別子(たとえば、物理セル識別子(PCI)、仮想セル識別子(VCI)、セルグローバル識別子(CGI))に関連付けられ得る。場合によっては、異なるセルが、異なるタイプのUEにアクセスを提供し得る異なるプロトコルタイプ(たとえば、マシンタイプ通信(MTC)、狭帯域IoT(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、または他のもの)に従って構成されてよい。セルが特定の基地局によってサポートされるので、「セル」という用語は、コンテキストに応じて、論理通信エンティティおよびそれをサポートする基地局のうちの一方または両方を指すことがある。場合によっては、「セル」という用語は、地理的カバレージエリア110のいくつかの部分内での通信のためにキャリア周波数が検出および使用され得る限り、基地局の地理的カバレージエリア(たとえば、セクタ)を指すこともある。
【0023】
隣接するマクロセル基地局102の地理的カバレージエリア110は(たとえば、ハンドオーバ領域の中で)部分的に重複することがあるが、地理的カバレージエリア110のうちのいくつかは、もっと大きい地理的カバレージエリア110によって大幅に重複されることがある。たとえば、スモールセル(SC)基地局102'は、1つまたは複数のマクロセル基地局102の地理的カバレージエリア110と大幅に重複する地理的カバレージエリア110'を有することがある。スモールセル基地局とマクロセル基地局の両方を含むネットワークは、異種ネットワークと呼ばれることがある。異種ネットワークはまた、限定加入者グループ(CSG:closed subscriber group)と呼ばれる制限されたグループにサービスを提供し得るホームeNB(HeNB)を含んでよい。
【0024】
基地局102とUE104との間の通信リンク120は、UE104から基地局102へのアップリンク(逆方向リンクとも呼ばれる)送信、および/または基地局102からUE104へのダウンリンク(順方向リンクとも呼ばれる)送信を含んでよい。通信リンク120は、空間多重化、ビームフォーミング、および/または送信ダイバーシティを含む、MIMOアンテナ技術を使用し得る。通信リンク120は、1つまたは複数のキャリア周波数を通じてよい。キャリアの割振りは、ダウンリンクおよびアップリンクに対して非対称であってよい(たとえば、アップリンク用よりも多数または少数のキャリアがダウンリンク用に割り振られてよい)。
【0025】
ワイヤレス通信システム100は、無認可周波数スペクトル(たとえば、5GHz)の中で通信リンク154を介してワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)局(STA)152と通信しているWLANアクセスポイント(AP)150をさらに含んでよい。無認可周波数スペクトルの中で通信するとき、WLAN STA152および/またはWLAN AP150は、チャネルが利用可能であるかどうかを決定するために、通信する前にクリアチャネルアセスメント(CCA)またはリッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実行し得る。
【0026】
スモールセル基地局102'は、認可周波数スペクトルおよび/または無認可周波数スペクトルの中で動作し得る。無認可周波数スペクトルの中で動作するとき、スモールセル基地局102'は、LTEまたはNR技術を採用してよく、WLAN AP150によって使用されるのと同じ5GHz無認可周波数スペクトルを使用してよい。無認可周波数スペクトルの中でLTE/5Gを採用するスモールセル基地局102'は、アクセスネットワークへのカバレージを拡大し得、かつ/またはアクセスネットワークの容量を増大させ得る。無認可スペクトルの中でのNRは、NR-Uと呼ばれることがある。無認可スペクトルの中でのLTEは、LTE-U、認可支援アクセス(LAA:licensed assisted access)、またはMulteFireと呼ばれることがある。
【0027】
ワイヤレス通信システム100は、UE182と通信しておりミリ波(mmW)周波数および/または準mmW周波数の中で動作し得るmmW基地局180をさらに含んでよい。極高周波(EHF)は、電磁スペクトルの中のRFの部分である。EHFは、範囲が30GHz~300GHzであり、1ミリメートルと10ミリメートルとの間の波長を有する。この帯域の中の電波は、ミリ波と呼ばれることがある。準mmWは、波長が100ミリメートルである3GHzの周波数まで下に広がってよい。超高周波(SHF)帯域は、センチメートル波とも呼ばれる3GHzと30GHzとの間に広がる。mmW/準mmW無線周波数帯域を使用する通信は、経路損失が大きく距離が比較的短い。mmW基地局180およびUE182は、極めて大きい経路損失および短い距離を補償するために、mmW通信リンク184を介してビームフォーミング(送信および/または受信)を利用し得る。さらに、代替構成では、1つまたは複数の基地局102もmmWまたは準mmWおよびビームフォーミングを使用して送信し得ることが諒解されよう。したがって、上記の例示が例にすぎず、本明細書で開示する様々な態様を限定すると解釈されるべきでないことが諒解されよう。
【0028】
送信ビームフォーミングは、RF信号を特定の方向に集束させるための技法である。従来より、ネットワークノード(たとえば、基地局)はRF信号をブロードキャストするとき、信号をすべての方向に(全指向的に)ブロードキャストする。送信ビームフォーミングを伴うと、ネットワークノードは、(送信しているネットワークノードに対して)所与のターゲットデバイス(たとえば、UE)がどこに位置するのかを決定し、より強いダウンリンクRF信号をその特定の方向に投射し、それによって、(データレートに関して)もっと高速かつ強力なRF信号を受信デバイスにもたらす。送信するときにRF信号の指向性を変えるために、ネットワークノードは、RF信号をブロードキャストしている1つまたは複数の送信機の各々においてRF信号の位相および相対振幅を制御することができる。たとえば、ネットワークノードは、実際にアンテナを動かすことなく異なる方向における点に「ステアリング」され得るRF波のビームを作成するアンテナのアレイ(「フェーズドアレイ」または「アンテナアレイ」と呼ばれる)を使用してよい。詳細には、望ましくない方向における放射を抑圧するように除去しながら、別個のアンテナからの電波が一緒に加えられて所望の方向における放射を大きくするように、適切な位相関係を伴って送信機からのRF電流が個々のアンテナに給電される。
【0029】
送信ビームは、ネットワークノード自体の送信アンテナが物理的にコロケートされているか否かにかかわらず、受信機(たとえば、UE)には送信ビームが同じパラメータを有するように見えることを意味する、擬似コロケートされ得る。NRでは、4つのタイプの擬似コロケーション(QCL:quasi-co-location)関係がある。詳細には、所与のタイプのQCL関係は、ターゲットビーム上のターゲット基準RF信号についてのいくつかのパラメータがソースビーム上のソース基準RF信号についての情報から導出され得ることを意味する。ソース基準RF信号がQCLタイプAである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、および遅延スプレッドを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプBである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフトおよびドップラースプレッドを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプCである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフトおよび平均遅延を推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプDである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号の空間受信パラメータを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。
【0030】
受信ビームフォーミングでは、受信機は、所与のチャネル上で検出されたRF信号を増幅するために受信ビームを使用する。たとえば、受信機は、特定の方向から受信されるRF信号を増幅するように(たとえば、そうしたRF信号の利得レベルを大きくするように)、その方向においてアンテナのアレイの利得設定を大きくすることおよび/または位相設定を調整することができる。したがって、受信機がいくつかの方向にビームフォーミングすると言われるとき、そのことは、その方向におけるビーム利得が、他の方向に沿ったビーム利得に比べて大きいこと、またはその方向におけるビーム利得が、受信機にとって利用可能なすべての他の受信ビームの、その方向におけるビーム利得と比較して最大であることを意味する。このことは、その方向から受信されるRF信号のより強い受信信号強度(たとえば、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、信号対干渉+雑音比(SINR)など)をもたらす。
【0031】
受信ビームは空間関係があり得る。空間関係とは、第2の参照信号のための送信ビームに対するパラメータが、第1の参照信号のための受信ビームについての情報から導出され得ることを意味する。たとえば、UEは、基地局から1つまたは複数の基準ダウンリンク参照信号(たとえば、測位参照信号(PRS)、トラッキング参照信号(TRS)、位相追跡参照信号(PTRS)、セル固有参照信号(CRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、同期信号ブロック(SSB)など)を受信するために、特定の受信ビームを使用してよい。UEは、次いで、受信ビームのパラメータに基づいて、1つまたは複数のアップリンク参照信号(たとえば、アップリンク測位参照信号(UL-PRS)、サウンディング参照信号(SRS)、復調参照信号(DMRS)、PTRSなど)をその基地局へ送るための送信ビームを形成することができる。
【0032】
「ダウンリンク」ビームが、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであってよいことに留意されたい。たとえば、基地局が参照信号をUEへ送信するためにダウンリンクビームを形成している場合、ダウンリンクビームは送信ビームである。しかしながら、UEがダウンリンクビームを形成している場合、ダウンリンクビームはダウンリンク参照信号を受信するための受信ビームである。同様に、「アップリンク」ビームは、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであってよい。たとえば、基地局がアップリンクビームを形成している場合、アップリンクビームはアップリンク受信ビームであり、UEがアップリンクビームを形成している場合、アップリンクビームはアップリンク送信ビームである。
【0033】
5Gでは、ワイヤレスノード(たとえば、基地局102/180、UE104/182)がその中で動作する周波数スペクトルは、複数の周波数範囲、すなわち、FR1(450MHzから6000MHzまで)、FR2(24250MHzから52600MHzまで)、FR3(52600MHzよりも上)、およびFR4(FR1とFR2との間)に分割される。5Gなどのマルチキャリアシステムでは、キャリア周波数のうちの1つは「1次キャリア」または「アンカーキャリア」または「1次サービングセル」または「PCell」と呼ばれ、残りのキャリア周波数は「2次キャリア」または「2次サービングセル」または「SCell」と呼ばれる。キャリアアグリゲーションでは、アンカーキャリアとは、UE104/182およびセルによって利用される1次周波数(たとえば、FR1)上で動作するキャリアであり、UE104/182は、初期無線リソース制御(RRC)接続確立プロシージャを実行すること、またはRRC接続再確立プロシージャを開始することのいずれかを行う。1次キャリアは、すべての共通制御チャネルおよびUE固有制御チャネルを搬送し、認可周波数の中のキャリアであってよい(ただし、このことは常に事実であるとは限らない)。2次キャリアとは、UE104とアンカーキャリアとの間でRRC接続が確立されると構成されてよく、かつ追加の無線リソースを提供するために使用され得る、第2の周波数(たとえば、FR2)上で動作するキャリアである。場合によっては、2次キャリアは無認可周波数の中のキャリアであってよい。1次アップリンクキャリアと1次ダウンリンクキャリアの両方が通常はUE固有であるので、2次キャリアは、必要なシグナリング情報および信号しか含まなくてよく、たとえば、UE固有であるシグナリング情報および信号は2次キャリアの中に存在しなくてよい。このことは、セルの中の異なるUE104/182が異なるダウンリンク1次キャリアを有してよいことを意味する。アップリンク1次キャリアについて同じことが当てはまる。ネットワークは、任意のUE104/182の1次キャリアをいつでも変更することができる。このことは、たとえば、異なるキャリア上での負荷のバランスをとるために行われる。(PCellまたはSCellにかかわらず)「サービングセル」が、いくつかの基地局がそれを介して通信中であるキャリア周波数/コンポーネントキャリアに対応するので、「セル」、「サービングセル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア周波数」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0034】
たとえば、まだ
図1を参照すると、マクロセル基地局102によって利用される周波数のうちの1つがアンカーキャリア(すなわち「PCell」)であってよく、マクロセル基地局102および/またはmmW基地局180によって利用される他の周波数が2次キャリア(「SCell」)であってよい。複数のキャリアの同時送信および/または同時受信は、UE104/182がそのデータ送信レートおよび/またはデータ受信レートを著しく高めることを可能にする。たとえば、マルチキャリアシステムにおけるアグリゲートされた2つの20MHzキャリアは、単一の20MHzキャリアによって達成されるものと比較して理論的にデータレートの2倍の増大(すなわち、40MHz)に至ることになる。
【0035】
ワイヤレス通信システム100は、通信リンク120を介してマクロセル基地局102と、および/またはmmW通信リンク184を介してmmW基地局180と通信し得る、UE164をさらに含んでよい。たとえば、マクロセル基地局102は、UE164のためにPCellおよび1つまたは複数のSCellをサポートし得、mmW基地局180は、UE164のために1つまたは複数のSCellをサポートし得る。
【0036】
図1の例では、1つまたは複数の地球周回衛星測位システム(SPS:satellite positioning system)スペースビークル(SV:space vehicle)112(たとえば、衛星)は、図示したUE(簡単のために単一のUE104として
図1に示す)のうちのいずれかのためのロケーション情報の独立したソースとして使用され得る。UE104は、SV112からのジオロケーション情報を導出するためのSPS信号124を受信するように特に設計された1つまたは複数の専用SPS受信機を含んでよい。SPSは、通常、送信機から受信される信号(たとえば、SPS信号124)に少なくとも部分的に基づいて、受信機(たとえば、UE104)が地球上または地球の上方のそれらのロケーションを決定することを可能にするように配置された、送信機のシステム(たとえば、SV112)を含む。そのような送信機は、通常、設定されたチップ数の反復する擬似ランダム雑音(PN)コードを用いてマークされた信号を送信する。通常はSV112の中に位置するが、送信機は、時々、地上ベースの制御局、基地局102、および/または他のUE104上に位置することがある。
【0037】
SPS信号124の使用は、1つもしくは複数の世界的および/もしくは地域的なナビゲーション衛星システムを伴う使用に関連し得るか、またはそうした使用のために別のやり方で有効化され得る、様々な衛星ベースオーグメンテーションシステム(SBAS:satellite-based augmentation system)によって補強され得る。たとえば、SBASは、ワイドエリアオーグメンテーションシステム(WAAS)、欧州静止ナビゲーションオーバーレイサービス(EGNOS)、多機能衛星オーグメンテーションシステム(MSAS)、全地球測位システム(GPS)支援ジオオーグメンテッドナビゲーション、またはGPSおよびジオオーグメンテッドナビゲーションシステム(GAGAN)などの、完全性情報、差分補正などを提供するオーグメンテーションシステムを含んでよい。したがって、本明細書で使用するSPSは、1つまたは複数の世界的および/または地域的なナビゲーション衛星システムおよび/またはオーグメンテーションシステムの任意の組合せを含んでよく、SPS信号124は、SPS、SPSのような信号、および/またはそのような1つもしくは複数のSPSに関連する他の信号を含んでよい。
【0038】
ワイヤレス通信システム100は、1つまたは複数のデバイス間(D2D)ピアツーピア(P2P)リンク(「サイドリンク」と呼ばれる)を介して1つまたは複数の通信ネットワークに間接的に接続する、UE190などの1つまたは複数のUEをさらに含んでよい。
図1の例では、UE190は、基地局102のうちの1つに接続されたUE104のうちの1つとのD2D P2Pリンク192(たとえば、それを通じてUE190がセルラー接続性を間接的に取得し得る)、およびWLAN AP150に接続されたWLAN STA152とのD2D P2Pリンク194(それを通じてUE190がWLANベースのインターネット接続性を間接的に取得し得る)を有する。一例では、D2D P2Pリンク192および194は、LTEダイレクト(LTE-D)、WiFiダイレクト(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)などの、よく知られている任意のD2D RATを用いてサポートされ得る。
【0039】
図2を参照すると、CDRXモードおよび非CDRXモードの間、モバイルデバイス200のアンテナビームを管理するためにモバイルデバイス200の位置情報および活動情報を決定するための、プロセッサ220、アンテナアレイ210、トランシーバ222、およびセンサシステム230を有する例示的なモバイルデバイス200の簡略化された概略図が示される。アンテナビーム管理の性能を改善するために、モバイルデバイス200のウェイクアップ期間は位置情報および活動情報に基づいて調整されてよい。モバイルデバイス200はメモリ240をさらに備える。モバイルデバイス200が、UE104、190、または
図1に示すいかなる他のUEとも類似であってよく、当業者に知られているような、ただし
図2に示されない、1つまたは複数の構成要素をさらに備えてよいことに留意されたい。
【0040】
モバイルデバイス200は、モバイルである任意の好適な電子デバイスであってよい。たとえば、モバイルデバイス200は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、輸送追跡デバイスなどであってよい。
【0041】
アンテナアレイ210は、上記で説明したように送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングのための複数のアンテナを含む。アンテナアレイ210はトランシーバ222に結合される。プロセッサ220は、アンテナアレイ210およびトランシーバ222を制御してよい。トランシーバ222は、NRネットワーク、LTEネットワーク、GSMネットワークなどの1つまたは複数のワイヤレス通信ネットワーク(図示せず)を介して通信するための手段(たとえば、送信するための手段、受信するための手段、測定するための手段、同調させるための手段、送信するのを控えるための手段など)を提供する、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバを含んでよい。WWANトランシーバは、対象のワイヤレス通信媒体(たとえば、特定の周波数スペクトルの中の時間/周波数リソースのいくつかのセット)上で少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、NR、LTE、GSMなど)を介して他のUE、アクセスポイント、基地局(たとえば、eNB、gNB)などの他のネットワークノードと通信するために、アンテナアレイ210の中の1つまたは複数のアンテナに接続されてよい。トランシーバ220は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバをさらに含んでよい。WLANトランシーバは、アンテナアレイ210の中の1つまたは複数のアンテナに接続されてよく、対象のワイヤレス通信媒体上で少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、WiFi、LTE-D、Bluetooth(登録商標)など)を介して他のUE、アクセスポイント、基地局などの他のネットワークノードと通信するための手段(たとえば、送信するための手段、受信するための手段、測定するための手段、同調させるための手段、送信するのを控えるための手段など)を提供してよい。
【0042】
加えて、トランシーバ222は衛星測位システム(SPS)受信機を含んでよい。SPS受信機は、それぞれ、アンテナアレイ210の中の1つまたは複数のアンテナに接続されてよく、全地球測位システム(GPS)信号、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)信号、Galileo信号、Beidou信号、インド地域ナビゲーション衛星システム(NAVIC)、準天頂衛星システム(QZSS)などの、それぞれ、SPS信号を受信および/または測定するための手段を提供してよい。SPS受信機は、SPS信号を受信および処理するための、任意の好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えてよい。
【0043】
少なくとも1つの送信機および少なくとも1つの受信機を含むトランシーバ222の中のトランシーバ回路構成は、いくつかの実装形態では、(たとえば、単一の通信デバイスの送信機回路および受信機回路として具現された)統合デバイスを備えてよく、いくつかの実装形態では、別個の送信機デバイスおよび別個の受信機デバイスを備えてよく、または他の実装形態では、他の方法で具現されてもよい。一態様では、送信機は、本明細書で説明するように、それぞれの装置が送信「ビームフォーミング」を実行することを可能にするアンテナアレイ210などの、複数のアンテナを含んでよく、またはそれに結合されてもよい。同様に、受信機は、本明細書で説明するように、それぞれの装置が受信ビームフォーミングを実行することを可能にするアンテナアレイ210などの、複数のアンテナを含んでよく、またはそれに結合されてもよい。一態様では、送信機および受信機は、それぞれの装置が所与の時間において受信または送信のみができ、同じ時間においてその両方はできないような、複数の同じアンテナ(たとえば、アンテナアレイ210)を共有し得る。
【0044】
図2に示すように、プロセッサ220はトランシーバ222に結合される。プロセッサ220は、トランシーバ222およびアンテナアレイ210を制御してアンテナビーム管理を実行してよい。一態様では、プロセッサ220は、モバイルデバイス200のウェイクアップ期間ごとにアンテナビーム管理を実行してよい。たとえば、プロセッサ220が10msごとにアンテナビーム管理を実行する場合、モバイルデバイス200にとってのウェイクアップ期間は10msである。プロセッサ220はまた、
図2に示すようにメモリ240およびセンサシステム230に結合される。センサシステム230は、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、歩数計238、および任意の他のタイプの移動検出センサなどの、センサを含む。センサシステム230の中のセンサの各々は、そのそれぞれの環境を検出および測定し、測定値をデータとしてプロセッサ220へ送信する。一態様では、プロセッサ220がセンサシステム230の動作を制御してよい。
【0045】
一態様では、プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサを制御してよく、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238からデータを受信してよい。ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238は、プロセッサ220によって指示されるように、そのそれぞれのデータをプロセッサ220に提供してよい。言い換えれば、プロセッサ220は、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238に、そのそれぞれのデータをいつ送るべきかを指示してよく、したがって、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238からデータが受信されるタイミングを制御してよい。
【0046】
プロセッサ220は、モバイルデバイス200の方向、平行移動、または動きのうちの少なくとも1つを含む、モバイルデバイス200の位置情報を決定するために、センサ(すなわち、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238)から受信されたデータを使用してよい。位置情報は、センサによって検出されたデータに基づいてプロセッサ220によって処理されるような、複数の軸におけるモバイルデバイス200の角度および移動を含んでよい。その上、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の活動情報を決定するために、センサからの出力を組み合わせてよい。活動情報は、モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を所有する間に関与した活動を含んでよい。たとえば、モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を持って歩いている場合、プロセッサ220によって決定される活動情報は「歩いている」を含んでよい。モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を持って走っている場合、プロセッサ220によって決定される活動情報は「走っている」を含んでよい。一態様では、プロセッサ220は、ある時間期間中にセンサシステム230から受信されたデータに基づいて活動情報を決定してよい。
【0047】
プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報を決定するために、回転ベクトルアルゴリズム、ゲーム回転ベクトルアルゴリズム、または活動認識(AR)アルゴリズムのようなアルゴリズムを使用してよい。そのようなアルゴリズムはメモリ240の中に記憶されてよく、プロセッサ220によって処理されてよい。たとえば、プロセッサ220は、2D座標系および/または3D座標系におけるモバイルデバイス200の位置を算出するために、センサからのデータの組合せを使用してよい。プロセッサ220は、歩くこと、自転車に乗ること、走ること、車両に乗ること、または座ることなどの、モバイルデバイス200の活動情報を決定するために、ARアルゴリズムを使用してよい。
【0048】
一態様では、モバイルデバイス200がCDRXモードの下で動作している場合、各CDRXモード期間の開始および終了においてプロセッサ220がモバイルデバイス200の位置情報および活動情報を正確に決定し得るように、プロセッサ220は、センサシステム230をCDRXモード期間と同期させてよい。したがって、CDRXモードの下では、プロセッサ220は、アンテナビーム管理のためのウェイクアップ期間をCDRXモードサイクル期間と整合させてよい。言い換えれば、あらゆるCDRXモードサイクル期間の冒頭において、プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサからデータを収集するとともに、収集されたデータを以下で説明するように処理することによって、アンテナビーム管理を実行してよい。
【0049】
CDRXモード中の同期を示すタイミング図が
図5に示される。
図5の中の時間T=0において、CDRXサイクル期間が開始し、モバイルデバイス200がスリープ(すなわち、低電力状態)からウェイクアップする。T=0において、センサシステム230の中のセンサは、センサ(すなわち、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238)によって検出されたデータをプロセッサ220へ送信してよい。基本的に、プロセッサ220は、センサによって検出されたデータを送信すべきセンサシステム230をCDRXサイクル期間と同期させてよい。
図5は、「同期」とラベル付けされた下向き矢印を使用することによって、CDRXサイクル期間とのセンサシステム230の同期のタイミングを示す。次いで、プロセッサ220はデータを処理してよく、データに基づいてアンテナビーム管理を実行してよい。したがって、T=1においてモバイルデバイス200が再びウェイクアップすると、T=1において新たなCDRXサイクル期間が開始するので、センサシステム230は、T=1においてセンサによって検出された新たなデータをプロセッサ220へ送信する。次いで、プロセッサ220は新たなデータを処理してよく、新たなデータに基づいてアンテナビーム管理を実行してよい。
図5に示すように、このことはT=2、T=3などにおいて起こる。一態様では、CDRXモードの下では、アンテナビーム管理のためのウェイクアップ期間は、CDRXモードサイクル期間と整合する。
【0050】
センサからデータを受信した後、ただし次のCDRXサイクル期間の開始の前に、プロセッサ220は、センサから受信されたデータを使用してモバイルデバイス200の位置情報および活動情報を決定および生成してよい。プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報を生成するために(回転ベクトルアルゴリズムまたはARアルゴリズムなどの)上述のような様々なアルゴリズムを使用してよい。プロセッサ220は、次いで、アンテナアレイ210の中のアンテナを使用して送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングなどのアンテナビーム管理を実行するために、位置情報および活動情報を使用してよい。たとえば、プロセッサ220は、アンテナアレイ210の中のアンテナを使用して送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングを実行するために、センサによって検出されたデータから生成される回転ベクトルを使用してよい。
【0051】
加えて、プロセッサ220は、センサからのデータを使用して、将来におけるモバイルデバイス200の方向および動きなどの、モバイルデバイス200の位置情報を前方予測または推定してよい。たとえば、T=0においてセンサシステム230の中のセンサから収集されたデータを使用することによって、プロセッサ220は、時間T=1においてモバイルデバイス200の位置情報を前方予測または推定してよい。言い換えれば、プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサから収集される現在のデータに基づいて、将来におけるモバイルデバイス200の方向、動き、または位置を推定する。一態様では、次のCDRXサイクル期間に対して前方予測または推定が行われてよい。プロセッサ220は、ARアルゴリズムまたは歩数計238からのデータによって決定されるようなユーザ活動に基づいて選択される、様々な予測フィルタを使用することによって前方予測してよい。
【0052】
たとえば、プロセッサ220が、ARアルゴリズムまたは歩数計238を使用することによって、モバイルデバイス200のユーザが電話を凝視しながら歩いていることを決定する場合、プロセッサ220は、次のような線形予測器を使用することによって、次のCDRXサイクル期間におけるモバイルデバイス200の角度を前方予測してよい。
【0053】
予測される角度=α*現在の角度+(1-α)*currentGyro*Δt、ただし、
【0054】
予測される角度=次のCDRXサイクル期間におけるモバイルデバイス200の前方予測される角度、
【0055】
α=歩数計238からの入力に基づく定数、
【0056】
現在の角度=モバイルデバイス200の現在の角度、
【0057】
currentGyro=現在のジャイロスコープ232読取り値、
【0058】
Δt=時間の変化。たとえば、CDRXモードでは、これは1つのCDRXサイクル期間であり得る。
【0059】
上の「予測される角度」の式は、モバイルデバイス200の方向を予測する際にジャイロスコープ回転ベクトル予測の一部として使用されてよい。上の式は例示的な式にすぎず、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報を前方予測するために多くの他の式およびアルゴリズムを使用してよい。一態様では、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報を前方予測するために、深層学習ニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを利用してよい。一態様では、次のCDRX期間においてモバイルデバイス200がスリープからウェイクアップするとモバイルデバイス200が基地局から通信を受信する用意ができているように、次のCDRXサイクル期間の開始において、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報(すなわち、方向、動き、および/または位置)の前方予測または前方推定を使用してアンテナビーム管理を実行してよい。
【0060】
しかしながら、前方予測または推定がいくつかのしきい値を超える場合、プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサからのデータの非同期の収集を実行してよい。
図5に示すように、T=2とT=3との間にある時間510において、時間T=2において決定されたモバイルデバイス200の位置情報の前方予測または推定がいくつかのしきい値を超えたので、プロセッサ220は、510における時間がCDRXサイクル期間の冒頭に一致しなくても、センサシステム230の中のセンサによって検出されたデータを収集してよい。たとえば、机の上にあるような静止状態から、モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を使用するためにモバイルデバイス200を拾い上げる場合に、そのようなイベントが発生し得る。モバイルデバイス200が急速に移動するとき、位置情報の前方予測がいくつかのしきい値を超える場合がある。そのようなイベントが発生するとき、プロセッサ220は、次のCDRXサイクル期間の前にアンテナビーム管理を迅速に実行する必要があり得る。したがって、プロセッサ220は、前方予測または推定がいくつかのしきい値を超えるとき、アンテナビームの非同期の管理を実行してよい。言い換えれば、一態様では、センサシステム230の中のセンサからのデータの非同期の収集を最初に実行すること、および非同期的に収集されたデータを使用してアンテナビーム管理を実行することによって、プロセッサ220は、前方予測または推定がいくつかのしきい値を超えるときにアンテナビームの非同期の管理を実行してよい。
【0061】
一態様では、モバイルデバイス200が非CDRXモードの下で動作している場合、プロセッサ220は、いかなるCDRXモードサイクル期間にも一致しない、アンテナ管理のためのウェイクアップ期間を使用してよい。非CDRXモードの下では、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報に基づいて、アンテナビーム管理のためのウェイクアップ期間をフレキシブルに変更してよい。
【0062】
たとえば、モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を持ってゆっくり歩いていることをプロセッサ220が決定する場合、プロセッサ220は、5msごとに(すなわち、ウェイクアップ期間は5msである)アンテナビーム管理を実行する必要があり得るが、モバイルデバイス200が机の上で静止している場合、プロセッサ220は、10msごとに(すなわち、モバイルデバイス200が静止しているので、10msにおいてウェイクアップ期間はもっと長い)アンテナビーム管理を実行する必要があり得る。モバイルデバイス200のユーザが速いペースで歩いている場合、モバイルデバイス200がもっと速い速度で移動しており、したがって、モバイルデバイス200の方向がもっと速い速度で変化し得るので、プロセッサ220は、2msごとにアンテナビーム管理を実行する必要があり得る。したがって、非CDRXモードの下でモバイルデバイス200が動作しているとき、プロセッサ220は、プロセッサ220によって決定されるようなモバイルデバイス200の方向、動き、位置、および/または活動などの、位置情報および活動情報に基づいて、アンテナビーム管理のためのウェイクアップ期間を変えてよい。上記で説明したように、プロセッサ220は、ウェイクアップ期間ごとにセンサシステム230の中のセンサによって検出されたデータに基づいて、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報を決定してよい。基本的に、非CDRXモードの下でさえ、プロセッサ220は、CDRXモードに対して上記で概説された手順に従ってよいが、非CDRXモードの下では、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報に基づいて、アンテナビーム管理のためのウェイクアップ期間をフレキシブルに変えてよい。
【0063】
一態様では、プロセッサ220は、モバイルデバイス200の様々な位置情報および活動情報のためのウェイクアップ期間を、テーブルまたはコードブックフォーマットをなしてメモリ240の中に記録してよい。プロセッサ220は、新たなウェイクアップ期間を決定するのを支援するために、将来においてそのようなテーブルまたはコードブックを参照してよい。
【0064】
一態様では、CDRXモードの下でモバイルデバイス200が動作しているときでさえ、プロセッサ220は、モバイルデバイス200にサービスする基地局とともに動作することによって、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報に基づいてCDRXサイクル期間の長さを変えることを試みてよい。言い換えれば、プロセッサ220は、
図5に示すΔt520を変更することを試みてよい。モバイルデバイス200の活動を収容するために現在のCDRXサイクル期間が長すぎるかまたは短すぎることをプロセッサ220が決定する場合、プロセッサ220は、この情報を基地局に通信してCDRXサイクル期間を調整してよい。たとえば、現在のCDRXサイクル期間が5msでありモバイルデバイス200のユーザが速く歩いている場合、プロセッサ220は、急速に偏移または移動するモバイルデバイス200を収容するために、アンテナビーム管理のための3msのウェイクアップ期間がより良好であることになることを決定してよい。プロセッサ220は、モバイルデバイス200の動きまたは活動に適するようにCDRXモードのための期間の長さが調整され得るように、この情報(すなわち、もっと適切なCDRXサイクル期間)を基地局に通信してよい。基地局は、プロセッサ220によって推奨されるようにCDRXモードサイクル期間を変更してよい。
【0065】
一態様では、いくつかの要因が、センサシステム230の中のセンサの測定確度に影響を及ぼすことがあり、センサとプロセッサ220との間の同期誤差を引き起こすことがある。センサバイアス、センサの感度、アンテナ不整合、およびシステムレベルの同期誤差のような要因が、センサの測定確度における誤差を引き起こすことがある。そのような誤差は、モバイルデバイス200の中に含まれることがあるカメラなどの他の入力ソースを使用することによって軽減され得る。たとえば、モバイルデバイス200上のカメラが基地局を検出する場合、プロセッサ220は、センサを調整すること、およびセンサシステム230とプロセッサ220との間の同期を調整することの助けとなり得る補足的な入力を提供し得る、カメラベースのポーズを推定してよい。したがって、カメラベースのポーズはセンサ誤差を軽減し得る。
【0066】
別の例では、モバイルデバイス200が、磁気影響のない屋外環境に位置するとき、磁力計236は、比較的誤差のない読取り値を提供することがあり、そのため、プロセッサ220は、ジャイロ効果によって引き起こされる誤差蓄積を回避するために、磁力計236読取り値を使用して、計算された任意の回転または方向ベクトルを再設定してよい。
【0067】
一態様では、センサシステム230の中のセンサのドリフトによって引き起こされる誤差は、長期の誤差蓄積を回避するために、プロセッサ220へのあらゆる更新の後にセンサによって測定されるような相対的なポーズ推定値(すなわち、方向推定値と平行移動推定値との組合せ)を計算することによって低減され得る。プロセッサ220は、アンテナビーム管理を補助するためにこれらの相対的なポーズ推定値を利用してよい。
【0068】
図2の構成要素は様々な方法で実装されてよい。いくつかの実装形態では、
図2の構成要素は、たとえば、1つもしくは複数のプロセッサおよび/または(1つまたは複数のプロセッサを含んでよい)1つもしくは複数のASICなどの、1つまたは複数の回路で実装されてよい。ここで、各回路は、この機能性を提供するために回路によって使用される情報または実行可能コードを記憶するための少なくとも1つのメモリ構成要素を使用することおよび/または組み込むことがある。たとえば、ブロック210~240によって表される機能性の一部または全部は、(たとえば、適切なコードの実行によって、および/またはプロセッサ構成要素の適切な構成によって)モバイルデバイス200のプロセッサおよびメモリ構成要素によって実施され得る。しかしながら、諒解されるように、そのような動作、行為、および/または機能は、実際にはアンテナアレイ210、トランシーバ222、プロセッサ220、センサシステム230、およびメモリ240などの、モバイルデバイス200の特定の構成要素または構成要素の組合せによって実行されてよい。
【0069】
態様が、本明細書で開示するプロセス、機能、および/またはアルゴリズムを実行するための様々な方法を含むことが諒解されよう。たとえば、
図3A~
図3Bは、アンテナビーム管理を実行するために、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定し、モバイルデバイスの位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整するための方法300を示す。方法は、モバイルデバイス200、プロセッサ220、UE104、190、または
図1に示す他のUEなどの、デバイスによって実行されてよい。一構成では、
図3で説明する方法300は、
図4を参照しながら以下で説明するモバイルデバイス400によって実行されてよい。
【0070】
ブロック305において、方法は、センサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させる。プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサをモバイルデバイス200のウェイクアップ期間と同期させてよい。CDRXモードでは、プロセッサ220はセンサをCDRXモードサイクル期間と同期させてよい。
【0071】
ブロック310において、方法は、センサによって検出および測定されたデータを受信する。プロセッサ220は、ウェイクアップ期間と同期的にセンサシステム230の中のセンサによって検出および測定されたデータを受信してよい。
【0072】
ブロック315において、方法は、センサによって検出されたデータに基づいてモバイルデバイスの位置情報を決定する。プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサから受信されたデータに基づいて、モバイルデバイス200の方向、平行移動、および動きを含む位置情報を決定してよい。
【0073】
ブロック320において、方法は、センサによって検出されたデータに基づいてモバイルデバイスの活動情報を決定する。プロセッサ220は、センサシステム230の中のセンサによって検出されたデータに基づいてモバイルデバイス200の活動情報を決定してよい。活動情報は、モバイルデバイス200のユーザがモバイルデバイス200を所有する間に関与した活動を含んでよい。たとえば、プロセッサ220は、ユーザがモバイルデバイス200を使用または所有する間に歩いているのか、走っているのか、または静止しているのかを決定してよい。
【0074】
ブロック325において、方法は、位置情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置すなわち将来の位置を推定する。プロセッサ220は、位置情報に基づいてモバイルデバイス200の順方向位置を推定してよい。CDRXモードでは、プロセッサ220は、次のCDRXモードサイクル期間におけるモバイルデバイス200の順方向位置を推定または予測してよい。
【0075】
ブロック330において、方法は、位置情報、活動情報、および推定された順方向位置に基づいてアンテナビーム管理を実行する。プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報、活動情報、および推定された順方向位置に基づいてアンテナビーム管理を実行してよい。プロセッサ220は、アンテナアレイ210の中のアンテナを使用して送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングなどのアンテナビーム管理を実行してよい。
【0076】
ブロック335において、方法は、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスのウェイクアップ期間を調整する。プロセッサ220は、モバイルデバイス200の位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイス200のウェイクアップ期間を調整してよい。CDRXモードでは、プロセッサ220は、基地局がCDRXモードサイクル期間の長さを変更できるように、可能な新たなウェイクアップ期間を基地局に通信してよい。非CDRXモードでは、プロセッサ220は、基地局と通信することなく単独でウェイクアップ期間を調整および変更してよい。
【0077】
ブロック340において、方法は、調整されたウェイクアップ期間ならびに対応する位置情報および活動情報をモバイルデバイスのメモリの中に記録する。プロセッサ220は、調整されたウェイクアップ期間ならびに対応する位置情報および活動情報を、将来の参照のためにモバイルデバイス200のメモリ240の中に記録してよい。記録されたウェイクアップ期間ならびに対応する位置情報および活動情報は、テーブルフォーマットまたはコードブックフォーマットをなして記録されてよい。
【0078】
上記の発明を実施するための形態では、例において様々な特徴が一緒にグループ化されることが理解され得る。開示のこの方式は、例示的な条項が、各条項の中で明示的に述べられるよりも多くの特徴を有するという意図として、理解されるべきでない。むしろ、本開示の様々な態様は、開示する個々の例示的な条項のすべての特徴よりも少数を含むことがある。したがって、以下の条項は、本説明の中に組み込まれるものと、本明細書によって見なされるべきであり、各条項は、別個の例として単独で有効であり得る。各従属条項は、その条項の中で、他の条項のうちの1つとの特定の組合せを参照することができるが、その従属条項の態様は、その特定の組合せに限定されるものでない。例示的な他の条項も、任意の他の従属条項もしくは独立条項の主題との従属条項態様の組合せ、または他の従属条項および独立条項との任意の特徴の組合せを含むことができることが、諒解されよう。本明細書で開示する様々な態様は、特定の組合せが意図されないことが明示的に表現されるかまたは容易に推測され得ない限り(たとえば、絶縁体と導体の両方として要素を定義することなどの、矛盾する態様)、これらの組合せを明確に含む。さらに、条項が独立条項に直接従属しない場合でも、条項の態様が任意の他の独立条項の中に含まれ得ることも意図される。
【0079】
以下の番号付き条項において実装例が説明される。
【0080】
条項1. モバイルデバイスの中のアンテナビームを管理する方法であって、方法は、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させることと、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信することと、受信データに基づいて位置情報を決定することと、受信データに基づいて活動情報を決定することと、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定することと、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてアンテナビームの管理を実行することとを備える。
【0081】
条項2. 条項1の方法であって、位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整することをさらに備える。
【0082】
条項3. 条項2の方法であって、調整されたウェイクアップ期間ならびに対応する位置情報および活動情報をメモリの中に記録することをさらに備える。
【0083】
条項4. 条項1~3のうちのいずれかの方法であって、推定された順方向位置がしきい値を超えるときにアンテナビームの非同期の管理を実行することをさらに備える。
【0084】
条項5. 条項1~4のうちのいずれかの方法であって、ウェイクアップ期間は、接続モード間欠受信(CDRX)モードサイクル期間と整合する。
【0085】
条項6. 条項1~5のうちのいずれかの方法であって、少なくとも1つのセンサは、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、または歩数計を含む。
【0086】
条項7. 条項1~6のうちのいずれかの方法であって、位置情報は、モバイルデバイスの方向、モバイルデバイスの平行移動、またはモバイルデバイスの動きのうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
条項8. 条項1~7のうちのいずれかの方法であって、活動情報は、モバイルデバイスを使用または所有する間のモバイルデバイスのユーザの活動に関する情報を含む。
【0088】
条項9. 条項1~8のうちのいずれかの方法であって、推定された順方向位置は、次のウェイクアップ期間における順方向位置を予測する。
【0089】
条項10. 条項2~9のうちのいずれかの方法であって、接続モード間欠受信(CDRX)モードの間、調整されたウェイクアップ期間を基地局に通信することをさらに備える。
【0090】
条項11. メモリと、通信インターフェースと、メモリおよび通信インターフェースに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備える装置であって、メモリ、通信インターフェース、および少なくとも1つのプロセッサは、条項1~10のうちのいずれかによる方法を実行するように構成される。
【0091】
条項12. 条項1~10のうちのいずれかによる方法を実行するための手段を備える装置。
【0092】
条項13. コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能命令は、条項1~10のうちのいずれかによる方法をコンピュータまたはプロセッサに実行させるための少なくとも1つの命令を備える。
【0093】
次に
図4を参照すると、ワイヤレス通信システムとして実施される別の例示的なデバイス400が図示される。デバイス400は、多くの例示的な態様ではモバイルデバイス200ならびにUE104および190と類似であり、デバイス400の図および説明は、
図1および
図2に示すモバイルデバイス200ならびにUE104および190との関係を有する、図示されない様々な追加の例示的な構成要素を含む。
図4に示すように、デバイス400は、デジタル信号プロセッサ(DSP)464、およびプロセッサ465として図示される汎用プロセッサを含む。アンテナビーム管理を実行するために、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定すること、ならびにモバイルデバイスの位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整することに関する、上記で説明した機能および方法は、DSP464もしくはプロセッサ465またはそれらの処理要素の任意の組合せにおいて実行され得る。したがって、いくつかの態様では、プロセッサ465は、プロセッサ220に関して説明した動作を実行するように構成されてよいが、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定することによってアンテナビームを管理することに関する動作のうちのいくつかが、DSP464において実行され得ること、またさらに、これらの動作がハードウェアとソフトウェアとの任意の好適な組合せで実装され得ることが理解されよう。いくつかの態様では、プロセッサ465は、CDRXモードと非CDRXモードの両方においてアンテナビーム管理を実行するように構成されてよい。DSP464とプロセッサ465の両方は、メモリ460に結合されてよい。ナビゲーションエンジン408は、DSP464およびプロセッサ465に結合されること、ならびにDSP464およびプロセッサ465にロケーションデータを提供するために使用されることが可能である。センサ402は、ジャイロスコープ232、加速度計234、磁力計236、および歩数計238などのセンサを含んでよく、DSP464およびプロセッサ465に結合されること、ならびにDSP464およびプロセッサ465にデータを提供することが可能である。ディスプレイコントローラ426は、DSP464、プロセッサ465、およびディスプレイ428に結合され得る。(モデムの一部であってよい)トランシーバ440および受信機441などの他の構成要素も図示される。トランシーバ440は、WWAN、CDMAなどの、較正された地上ソースからワイヤレス信号を受信するように構成され得る、アンテナアレイ442に結合され得る。受信機441は、衛星からのワイヤレス信号またはGNSS信号を受信するように構成され得る、衛星またはGNSSアンテナ443に結合され得る。システムタイマー404が同じく図示され、時刻または他の時間関連データを決定するためにタイミング信号をDSP464およびプロセッサ465に提供してよい。特定の態様では、DSP464、プロセッサ465、ディスプレイコントローラ426、メモリ460、ナビゲーションエンジン408、トランシーバ440、受信機441、センサ402、およびシステムタイマー404が、システムインパッケージまたはシステムオンチップデバイス422の中に含まれる。
【0094】
特定の態様では、入力デバイス430および電源444が、システムオンチップデバイス422に結合される。その上、特定の態様では、
図4に示すように、ディスプレイ428、入力デバイス430、アンテナアレイ442、GNSSアンテナ443、および電源444は、システムオンチップデバイス422の外部にある。しかしながら、ディスプレイ428、入力デバイス430、アンテナアレイ442、GNSSアンテナ443、および電源444の各々は、インターフェースまたはコントローラなどの、システムオンチップデバイス422の構成要素に結合され得る。
【0095】
一態様では、DSP464およびプロセッサ465のうちの一方または両方は、
図4に示す1つまたは複数の残りの構成要素と一緒に、たとえば、
図3Aおよび
図3Bのブロック305~340において説明したように、アンテナビーム管理を実行するために、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定し、モバイルデバイスの位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整するための、論理/手段を含むことができる。たとえば、DSP464、プロセッサ220、および/またはプロセッサ465は、少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させること、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信すること、受信データに基づいて位置情報を決定すること、受信データに基づいて活動情報を決定すること、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定すること、ならびに位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてアンテナビームの管理を実行することに関する機能を実施するための、論理/手段を含むことができる。
【0096】
図4は、ワイヤレス通信デバイス、DSP464、プロセッサ465、およびメモリ460を示すが、それらがまた、セットトップボックス、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定ロケーションデータユニット、またはコンピュータからなる群から選択されるデバイスの中に統合されてよいことに留意されたい。その上、そのようなデバイスはまた、半導体ダイの中に集積されてもよい。
【0097】
したがって、少なくとも1つの態様が、メモリ、ならびに少なくとも1つのセンサをモバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期させ、少なくとも1つのセンサによって検出されたデータを受信し、受信データに基づいて位置情報を決定し、受信データに基づいて活動情報を決定し、位置情報および活動情報に基づいてモバイルデバイスの順方向位置を推定し、位置情報、活動情報、および順方向位置に基づいてモバイルデバイスのアンテナビームの管理を実行するように構成されたプロセッサを有する、モバイルデバイスを含むことが、上記のことから諒解されよう。
【0098】
開示する様々な態様は、有利なことに、モバイルデバイスが、アンテナビーム管理を実行するために、モバイルデバイスのウェイクアップ期間と同期した、モバイルデバイスの位置情報および活動情報を決定すること、ならびにモバイルデバイスの位置情報および活動情報に基づいてウェイクアップ期間を調整することを可能にする。
【0099】
情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0100】
さらに、本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能性に関して上記で説明されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるのかまたはソフトウェアとして実施されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約によって決まる。当業者は、説明した機能性を特定の適用例ごとに様々な方法で実施し得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0101】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0102】
本明細書で開示する態様に関して説明した方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具現され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体の中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ることおよび記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体はASICの中に存在してよい。ASICはユーザ端末(たとえば、UE)の中に存在してよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、個別の構成要素としてユーザ端末の中に存在してよい。
【0103】
1つまたは複数の例示的な態様では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され得るか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用され得るとともにコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用するとき、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記のものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0104】
上記の開示は本開示の例示的な態様を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正が本明細書で行われ得ることに留意されたい。本明細書で説明した本開示の態様による方法クレームの機能、ステップ、および/またはアクションは、任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、本開示の要素は、単数形で説明または特許請求されることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。
【符号の説明】
【0105】
100 ワイヤレス通信システム
102 基地局(BS)
104 ユーザ機器(UE)
110 カバレージエリア
112 スペースビークル(SV)
120 通信リンク
122 バックホールリンク
124 SPS信号
134 バックホールリンク
150 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント(AP)
152 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)局(STA)
154 通信リンク
164 ユーザ機器(UE)
170 コアネットワーク
172 ロケーションサーバ
180 ミリ波(mmW)基地局
182 ユーザ機器(UE)
184 ミリ波(mmW)通信リンク
190 ユーザ機器(UE)
192、194 デバイス間(D2D)ピアツーピア(P2P)リンク
200 モバイルデバイス
210 アンテナアレイ
220 プロセッサ
222 トランシーバ
230 センサシステム
232 ジャイロスコープ
234 加速度計
236 磁力計
238 歩数計
240 メモリ
400 モバイルデバイス
402 センサ
404 システムタイマー
408 ナビゲーションエンジン
422 システムインパッケージまたはシステムオンチップデバイス
426 ディスプレイコントローラ
428 ディスプレイ
430 入力デバイス
440 トランシーバ
441 受信機
442 アンテナアレイ
443 GNSSアンテナ
444 電源
460 メモリ
464 デジタル信号プロセッサ(DSP)
465 プロセッサ
【国際調査報告】