特表 2024-517239 切断構成と研磨構成との間で移行可能な鋏

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-04-19

(54)【発明の名称】切断構成と研磨構成との間で移行可能な鋏

(51)【国際特許分類】

   B26B 13/00 20060101AFI20240412BHJP

   B26B 13/28 20060101ALI20240412BHJP

   B24B 3/36 20060101ALI20240412BHJP

【ＦＩ】

B26B13/00 A

B26B13/00 E

B26B13/28 Z

B24B3/36 M

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023567955

(86)(22)【出願日】2022-05-05

(85)【翻訳文提出日】2023-12-11

(86)【国際出願番号】 EP2022062110

(87)【国際公開番号】W WO2022233998

(87)【国際公開日】2022-11-10

(31)【優先権主張番号】102021111591.4

(32)【優先日】2021-05-05

(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】522359121

【氏名又は名称】ホール １９９３ ゲーエムベーハー

(74)【代理人】

【識別番号】100134832

【弁理士】

【氏名又は名称】瀧野 文雄

(74)【代理人】

【識別番号】100165308

【弁理士】

【氏名又は名称】津田 俊明

(74)【代理人】

【識別番号】100115048

【弁理士】

【氏名又は名称】福田 康弘

(72)【発明者】

【氏名】ホール オットマー

【テーマコード（参考）】

3C065

3C158

【Ｆターム（参考）】

3C065AA03

3C065BA01

3C065BA34

3C065CB16

3C158AA04

3C158CA01

3C158DB02

(57)【要約】

本発明は、刃先（２ａ、３ａ）をそれぞれ有し、材料を切断するために切断構成において互いに移動することができる２つのブレード（２、３）を備える、切断工具（１）特に鋏に関し、特に鋏に関する。本発明の目的は、当該種類の切断工具（１）の刃先（２ａ、３ａ）を研磨及び／又は磨くことを容易にすることである。この目的を達成するために、前記切断工具（１）は、前記切断構成から研磨構成に可逆的に移行することができ、前記研磨構成においては、前記ブレード（２、３）は、研磨又は磨き装置（５）、特にローラ研磨器（５）、によって前記刃先（２ａ、３ａ）の一方又は両方を研磨及び／又は磨くために、互いに分離されており、前記ブレードのそれぞれは個別に平坦な面（Ｕ）上に配置でき、これにより、前記ブレード（２、３）が前記面（Ｕ）に対して一定の作動角（α）で配向されるようにする、又は、前記ブレード（２、３）は互いにロックされている。本発明はまた、そのような切断工具（１）の刃先（２ａ、３ａ）を研磨及び／又は磨く方法にも関する。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

刃先（２ａ、３ａ）をそれぞれ有し、材料を切断するために切断工具（１）の切断構成において互いに移動することができる２つのブレード（２、３）を備える切断工具（１）、特に鋏、であって、
前記切断工具（１）は、前記切断構成から研磨構成に可逆的に移行でき、
前記研磨構成においては、前記ブレード（２、３）は、研磨又は磨き装置（５）、特にローラ研磨器（５）、によって前記刃先（２ａ、３ａ）の一方又は両方を研磨及び／又は磨くために、互いに分離されており、前記ブレードのそれぞれは個別に平坦な面（Ｕ）上に配置でき、これにより、前記ブレード（２、３）が前記面（Ｕ）に対して一定の作動角（α）で配向されるようにする、又は、前記ブレード（２、３）は互いにロックされている
ことを特徴とする切断工具（１）。

【請求項2】

前記切断工具（１）、好ましくは個々のブレード（２ａ、３ａ）は、支持面（ＡＥ）を画定する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、これによって、前記切断工具（１）又は各ブレード（２ａ、３ａ）を個別に平坦な面（Ｕ）上に前記研磨構成において安定して配置でき、
好ましくは、プロセスにおいて以下の要件、
ａ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を備えた前記ブレード（２、３）は、前記支持面（ＡＥ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲の作動角（α）、好ましくは３０～６０°の範囲の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向され、
ｂ．前記ブレード（２、３）はそれぞれ、前記支持面（ＡＥ）を画定する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、好ましくはそれぞれ３つの支持セクション（４）を備え、
前記支持セクション（４）の少なくとも１つは、好ましくは、少なくとも前記研磨構成において前記ブレード（２、３）を支持するために、前記ブレード面の外側に位置し、及び／又は、前記ブレード面の上に突出し、
特に好ましくは、前記研磨構成における前記ブレード面上の前記支持セクション（４）の最大突出量は、前記ブレード（２、３）の最大幅の２０～９０％、好ましくは４０～７０％の範囲であり、
ｃ．前記切断工具（１）は、前記支持面（ＡＥ）を画定し、一直線上にない合計少なくとも３つの支持セクション（４）を備え、
ｄ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記支持面（ＡＥ）に対して最大１０°、好ましくは最大５°、好ましくは０°の角度で配向された平面内に延在するか、又は前記支持面（ＡＥ）に平行であり、
ｅ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記支持面（ＡＥ）から５～５０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１０～３０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１５～２５ｍｍの距離を有し、
ｆ．前記支持面（ＡＥ）に投影すると、前記刃先（２ａ、３ａ）のもう一方との交点から始まる、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の完全に外側に位置し、
ｇ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を備えた前記ブレード（２、３）の遠位部分（２ｂ、３ｂ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の遠位部分（２ｃ、３ｃ）上に、好ましくは平面的に載置され、
ｈ．前記支持面（ＡＥ）に投影すると、前記支持セクション（４）は前記ブレード（２、３）の下にあり、及び／又は、前記ブレード（２、３）又は前記刃先（２ａ、３ａ）の上に突き出ない、
の少なくとも１つが満たされることを特徴とする請求項１に記載の切断工具。

【請求項3】

前記ブレード（２、３）のそれぞれは、その一端に前記刃先（２ａ、３ａ）を備え、他端にハンドル（２ｃ、３ｃ）を備え、
好ましくは、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）及び／又は前記刃先（２ａ、３ａ）とは反対側の前記ブレード（２、３）の後側は、請求項２に記載の支持セクション（４）を備える
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項4】

前記切断工具（１）は、旋回式鋏として構成され、
前記切断構成における前記ブレード（２、３）は、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）と前記刃先（２ａ、３ａ）との間に、それぞれの場合に、配置された軸（Ｘ）上で交差して配置され、前記ブレード（２、３）の両方の前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）と前記刃先（２ａ、３ａ）が、それぞれの場合に、互いに反対側になるように、互いに回転可能に取り付けられており、
好ましくは、前記切断工具（１）は、請求項２に記載の前記軸（Ｘ）に沿って突出する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、前記支持セクション（４）が、特に前記軸（Ｘ）の一部として形成されるか、又は、前記切断工具（１）に取り外し可能に結合され、
好ましくは、前記切断構成と前記研磨構成との間で前記切断工具（１）を移行させるための前記軸（Ｘ）は、前記ブレード（２、３）の少なくとも１つから取り外し可能であり、これにより、前記ブレード（２、３）が互いに分離可能であり、及び／又は、互いに対して異なる構成でロック可能であり、
特に好ましくは、前記軸（Ｘ）は、２つの取り外し可能に結合可能な部品、特にねじボルト及び適合する袋ナットを有する、又は、前記軸（Ｘ）は、前記ブレード（２、３）のうち一方に取り付けられ、バヨネットロックの雄部分を形成し、前記雄部分は、前記ブレード（２、３）のうち他方における、前記バヨネットロックの雌部分に取り外し可能に結合される
ことを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項5】

前記ブレード（２、３）のそれぞれは、前記刃先（２ａ、３ａ）を備えるブレード本体（２ｂ、３ｂ）を含み、
好ましくは、前記ブレード（２、３）のうち一方の前記ブレード本体（２ｂ、３ｂ）は、前記研磨構成において前記ブレード（２、３）のうち他方のハンドル（２ｃ、３ｃ）と少なくとも部分的に重なり、及び／又は、接触し、
好ましくは、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）のそれぞれは、ハンドル開口部（２ｄ、３ｄ）を有し、前記ブレード（２、３）のうち一方の前記ブレード本体（２ｂ、３ｂ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の前記ハンドル開口部（２ｄ、３ｄ）を、前記研磨構成において少なくとも部分的に覆う
ことを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項6】

前記材料を切断するための前記切断構成における前記ブレード（２、３）は、前記刃先（２ａ、３ａ）の間に前記材料を配置できる開位置と、前記刃先（２ａ、３ａ）が互いに直接重なっている閉位置と、の間で可逆的に移行可能であり、
前記ブレード（２、３）の開位置、好ましくは前記ブレード（２、３）の最大開位置、において、前記切断工具（１）は、前記ブレード（２、３）をロックすることによって前記研磨構成に移行することができる
ことを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項7】

前記研磨構成における前記２つの刃先（２ａ、３ａ）は、特に、前記ブレード（２、３）の共通の回転軸（Ｘ）に関して、１３５°から１８０°の範囲、好ましくは１５０°から１８０°の範囲の開き角（β）を含む
ことを特徴とする請求項１～６のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項8】

前記ブレード（２、３）は、磁気的又は機械的に前記研磨構成にロックされる
ことを特徴とする請求項１～７のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項9】

前記ブレード（２、３）は、前記切断工具（１）を前記切断構成から前記研磨構成に移行させるために、互いに取り外したり、異なる構成で互いに結合したりすることができ、
好ましくは、前記研磨構成における前記ブレード（２、３）の前記ブレード本体は、異なる非平行な面に、特に互いに横方向に又は垂直に、配向され、好ましくは、前記ブレード（２、３）は、略Ｔ字形に配置されている
ことを特徴とする請求項１～８のいずれか１項に記載の切断工具。

【請求項10】

切断工具（１）、特に請求項１～９のいずれか１項に記載の切断工具（１）、を研磨及び／又は磨く方法であって、前記切断工具（１）は、それぞれ刃先（２ａ、３ａ）を有する２つのブレード（２、３）を備え、
前記ブレード（２、３）は、材料を切断するために前記切断工具（１）の切断構成において互いに移動することができ、
前記方法は、
ａ．ステップＡ：前記切断工具（１）を前記切断構成から研磨構成に移行させ、前記研磨構成においては、前記ブレード（２、３）が互いに分離されておりそれぞれを平坦な面（Ｕ）に個別に配置でき、これにより、前記ブレード（２、３）が前記面（Ｕ）に対して一定の作動角（α）で配向されるようにし、又は、前記ブレード（２、３）は互いにロックされ、
ｂ．ステップＢ：前記研磨構成において、研磨又は磨き装置（５）、特にローラ研磨器（５）、によって前記刃先（２ａ、３ａ）の一方又は両方を研磨及び／又は磨き、
ｃ．ステップＣ：前記切断工具（１）を前記研磨構成から前記切断構成に移行させる
ことを備えることを特徴とする方法。

【請求項11】

ステップＢにおいて、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を有する前記ブレード（２、３）が前記ブレード（２、３）の他方に支持され、好ましくは、前記ブレード（２、３）の他方のハンドル（２ｃ、３ｃ）に、好ましくは、前記刃先（２ａ、３ａ）とは反対側の前記ブレード（２、３）の他方の端に支持される
ことを特徴とする請求項１０に記載の方法。

【請求項12】

ステップＢでは、前記切断工具（１）又は少なくとも加工される前記ブレード（２ａ、３ａ）が平坦な面（Ｕ）上に安定して保持され、前記ブレード（２、３）は、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）が前記面（Ｕ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向される
ことを特徴とする請求項１０又は１１に記載の方法。

【請求項13】

ステップＢで加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記研磨又は磨き装置（５）の研磨又は磨き面（５ａ、５ｂ）に当接して保持され、前記研磨又は磨き装置（５）は、前記刃先（２ａ、３ａ）に沿って、好ましくは、前記ブレード（２、３）のハンドル（２ｃ、３ｃ）に向かう第１の方向と前記ブレード（２、３）の前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）から遠ざかる第２の方向とに交互に移動させられる、又は、これら２つの方向のいずれかに繰り返し移動させられる
ことを特徴とする請求項１０～１２のいずれか１項に記載の方法。

【請求項14】

前記刃先のうち一方（２ａ）の加工と前記刃先（３ａ）の他方の加工との間で前記ブレード（２、３）の位置が交換され、
好ましくは、それぞれの場合に、加工されない前記ブレード（２、３）が、加工される前記ブレード（２、３）を支持するようにされる
ことを特徴とする請求項１０～１３のいずれか１項に記載の方法。

【請求項15】

請求項１～９のいずれか１項に記載の切断工具（１）と、
研磨治具と、
を備えるセットであって、前記研磨治具によって、
前記切断工具（１）の組み立てられた状態又は分解状態において、平坦な面（Ｕ）に前記ブレード（２、３）のそれぞれが配置されることができ、前記ブレード（２、３）は、前記面（Ｕ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向され、
好ましくは、前記研磨治具は、少なくとも前記切断構成において前記切断工具に固定的に接続され、及び／又は、前記研磨治具を前記研磨構成に移行させるために前記研磨治具は少なくとも前記ブレードのうち１つに対して調整可能である
ことを特徴とするセット。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、刃先を有し、材料を切断するために切断工具の切断構成において互いに移動することができる２つのブレードを備える切断工具、特に鋏に関する。

【背景技術】

【0002】

これらのブレードを研磨又は磨き（sharpening or polishing）装置で加工できるようにするには、これらのブレードの刃先に自由にアクセスできる必要がある。正確な研磨や磨きを行うには、加工されるブレードと研磨又は磨き装置の間の研磨角度を一定に維持することも重要である。しかし、ブレードは互いに可動であるため、ハサミの刃先を研磨又は磨くことは、単一の動かないナイフの刃を研磨又は磨くことよりもはるかに複雑である。

【0003】

本発明の根底にある課題は、一般的な切断工具の刃先の研磨又は磨きを容易にすることである。

【発明の概要】

【0004】

この問題を解決するために、本発明は請求項１の特徴を提供する。本発明は、刃先をそれぞれ有し、材料を切断するために切断工具の切断構成において互いに移動することができる２つのブレードを備える切断工具、特に鋏、であって、前記切断工具は、前記切断構成から研磨構成に可逆的に移行でき、前記研磨構成においては、前記ブレードは、研磨又は磨き装置、特にローラ研磨器、によって前記刃先の一方又は両方を研磨及び／又は磨くために、互いに分離されており、それぞれは個別に平坦面上に配置でき、これにより、前記ブレードが前記面に対して一定の作動角で配向されるようにする、又は、前記ブレードは互いにロックされている切断工具を開示する。

【0005】

園芸鋏などの鋏は、非使用位置では安全上の理由から相互にロックされ、両方の刃先が互いに重なって閉じた状態で知られている。この状態では、鋏はコンパクトな形状を採用しており、容易に収納することができる。更に、ブレードが閉じた位置では、使用者が刃先で怪我をすることはない。ただし、この状態ではブレードを研磨したり磨いたりすることはできない。

【0006】

しかし、鋏の２つのブレードは、切断構成において相互に移動でき、研磨又は磨きの角度は一定に保つべきであるため、刃先を研磨又は磨く際には、ブレードが互いに分離又は固定されており、少なくとも１つの刃先が研磨又は磨くためにアクセス可能である研磨構成に切断工具を移行する移行性は決定的な利点となる。ブレードのロックによってブレード相互の相対的な向きが保証されたり、個々のブレードを個別に向きを変えて加工したりできるため、ユーザは刃先を研磨したり磨いたりすることに集中できる。好ましくは、各ブレードは平坦面上に安定して配置できる。これはブレードが平坦面上に自立することを意味する。ただし、ブレードにかかる力は通常、平坦面上でのブレードの静摩擦を超えるため、研磨及び／又は磨きの場合はブレードを手で固定する必要がある。

【0007】

研磨構成では、研磨又は磨き中に、もう一方のブレードの助けを借りて、加工されるブレードを安定化又は支持でき、又は、ブレード自体を加工可能な状態で平坦面に置くこともでき、つまり、ブレードは独自の研磨治具を形成する。結果として、切断工具は、全体として、２つのブレードが相互に移動できる切断構成よりも、研磨構成の方が加工が容易である。

【0008】

切断工具、できれば個々のブレードに、支持面を画定する少なくとも１つの支持セクションがあると便利であり、支持面に研磨構成の切断工具又は個々のブレードを平坦面に安定して配置でき、好ましくは、プロセスにおいて次の要件の少なくとも１つが満たされることが望ましい。

【0009】

－加工される刃先を備えたブレードは、支持面に対して、１０～８０°の範囲の作動角、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角、特に好ましくは４０～５０°の作動角、とりわけ４５°の作動角で配向される。

【0010】

－ブレードはそれぞれ（つまり、ブレードのそれぞれは）、支持面を画定する少なくとも１つの支持セクションを備え、好ましくはそれぞれ３つの支持セクションを備え、支持セクションの少なくとも１つは、好ましくは、少なくとも研磨構成においてブレードを支持するために、ブレード面の外側に位置し、及び／又は、ブレード面の上に突出し、特に好ましくは、研磨構成におけるブレード面上の支持セクションの最大突出量は、ブレードの（刃先とブレードの後側との間で測定される）最大幅の２０～９０％、好ましくは４０～７０％の範囲である。

【0011】

－切断工具は、支持面を画定し、一直線上にない合計少なくとも３つの支持セクションを備える。

【0012】

－加工される刃先は、支持面に対して最大１０°、好ましくは最大５°、好ましくは０°の角度で配向された平面内に延在するか、又は支持面に平行である。

【0013】

－加工される刃先は、支持面から５～５０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１０～３０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１５～２５ｍｍの距離を有する。

【0014】

－支持面に投影すると、刃先のもう一方との交点から始まる、加工される刃先は、他方のブレードの完全に外側に位置する。

【0015】

－加工される刃先を備えたブレードの遠位部分は、他方のブレードの遠位部分上に、好ましくは平面的に載置される。

【0016】

－支持面に投影すると、支持セクションはブレードの下にあり、及び／又は、ブレード又は刃先の上に突き出ない。

【0017】

これらの要件が満たされると、研磨又は磨き装置を使用して研磨又は磨くために加工される刃先に対してブレードが最適な方向に配置される。好ましくは、切断工具は、各刃先に対して少なくとも１つの個別の支持セクションを有し、この刃先に対して個別の支持面を画定する。

【0018】

各ブレードの一端に刃先があり、他端にハンドルがあることも役立つことを示すかもしれない。これにより、特に切断構成において、切断工具が使いやすくなる。好ましくは、支持セクションが各ブレードのハンドル上に配置される。好ましくは、別の支持セクションは、各ブレードの後側、又は刃先とは反対側のブレードの側に配置される。

【0019】

切断工具は、旋回式鋏として構成され、切断構成におけるブレードは、ハンドルと刃先との間に、それぞれの場合に、配置された軸上で交差して配置され、ハンドルと両方の（一対の）ブレードの刃先が、それぞれの場合に、互いに反対側になるように、互いに回転可能に取り付けられており、好ましくは、切断工具は、請求項２に記載の軸に沿って突出する少なくとも１つの支持セクションを備え、支持セクションが、特に軸の一部として形成されるか、又は、切断工具に取り外し可能に結合され、好ましくは、切断構成と研磨構成との間で切断工具を移行させるための軸は、ブレードの少なくとも１つから取り外し可能であり、これにより、ブレードが互いに分離可能であり、及び／又は、互いに対して異なる構成でロック可能であり、好ましくは、軸は、２つの取り外し可能に結合可能な部品、特にねじボルト及び適合する袋ナットを有する、又は、軸は、一方のブレードに取り付けられ、他方のブレードのバヨネットロックの雌部分に取り外し可能に結合されるバヨネットロックの雄部分を形成することも好ましいかもしれない。旋回式鋏は多用途で扱いやすく、実際には特に一般的である。好ましい実施形態では、各ブレードは、ハンドル上の支持セクション、ブレードの後側上の別の支持セクション、及び軸の延長線上の更に別の支持セクションを含む。これらの３つの支持セクションは、特に研磨構成においてブレードが互いに分離されている場合に、研磨構成におけるブレードの安定した３点支持のための支持面を形成することが好ましい。この場合、軸の延長線上にある支持セクションは、ブレード平面内又はブレード平面の近くにある他の２つの支持セクションの外側に一種の「柱」を形成する。支持面に投影したときに、軸の延長線上の支持セクションが刃先よりも上に突出しないことは便利である。これにより、ブレードを研磨又は磨く際に、ローラ研磨器がこの支持セクションに当接することが防止される。切断構成及び／又は研磨構成におけるブレード面より上の軸の延長における支持セクションの軸方向突出は、刃先とブレードの後側との間で測定されるブレードの最大幅の２０～９０％、好ましくは４０～７０％の範囲であると好ましいかもしれない。支持セクションが平らになっているか、ブレードとは反対側の端に一種のＶエッジを形成していると、この目的に役立つことができる。好ましい実施形態では、軸は、一方のブレードに取り付けられ、他方のブレードのバヨネットロックの雌部分に取り外し可能に結合されるバヨネットロックの雄部分を形成する。この文脈では、軸の遠位端に「キー」を付けることができ、例えば、ブレードが互いに１２０～１８０°、又は１４０～１６０°の範囲の開き角度を形成する位置において、そのキーは、例えば、他方のブレードにある関連する「ロック」に嵌合したり、そこから取り外したりすることができる。これにより、切断構成時にブレードが意図せずに互いに分離するのを防ぐことができる。しかしながら、切断工具が軸用の取り外し可能なカバーを含み、前記カバーが請求項２に記載の少なくとも１つの支持セクションを含むことも便利であるかもしれない。好ましくは、ブレードのそれぞれがそのようなカバーを有するか、又はカバーをブレードのそれぞれに結合することができる。

【0020】

しかしながら、ブレードのそれぞれは、刃先を備えるブレード本体を含み、好ましくは、一方のブレードのブレード本体は、研磨構成において他方のブレードのハンドルと少なくとも部分的に重なり、及び／又は、接触し、好ましくは、ハンドルのそれぞれは、ハンドル開口部を有し、一方のブレードのブレード本体は、他方のブレードのハンドル開口部を、研磨構成において（特に軸方向に見たとき）少なくとも部分的に覆うことも便利であるかもしれない。この配置では、例えば、研磨構成における２つの刃先の開き角度を最大化することができる。しかし、本発明の重要なアイデアは、一方のブレードが、他方のブレード又はその上に配置された刃先を研磨又は磨くための安定したベアリング又は支持体として機能するように、研磨及び／又は磨きのために切断工具の２つのブレードを互いに結合することでもある。これにより、特に正確な研磨や磨きが可能になる。支持セクションは、ハンドル上に、好ましくは他方のハンドルのブレードとは反対側に配置されることが好ましい。加工されるブレードのブレード本体が、特に軸方向又は支持面に投影されたときに重なっている場合、及び／又は、他方のブレードのハンドルと接触している場合、加工されるブレードのブレード本体は、他方のブレードのハンドル上に直接支持又は配置することができる。このようにして、加工位置での２つの刃先の開き角度を更に大きくすることができる。加工位置では、ハンドル開口部は通常必要ないため、２つの刃先の開口角度を最大にするために、他方のブレードのブレード本体で覆うことができる。２つのブレードが共通の回転軸で接続されている場合、加工される刃先を研磨したり磨いたりすると、加工されるブレードに振動が生じる可能性があるかもしれない。加工されるブレードのブレード本体を他方のブレードのハンドル上に配置することにより、これらの振動を減衰又は防止することができる。理想的には、両方のハンドルが弾性材料（プラスチック）で作られているか、及び／又は、他方のブレードのブレード本体との接触側に少なくとも１つの弾性支持セクション（シリコンパッド又は弾性コーティングを施した磁石）を備えている。この支持セクションは、加工されるブレードの担持体として、また、加工位置におけるブレードのロックとして機能することができる。共通の回転軸を介して接続されていない分解した状態において、加工されるブレードが他方のブレードの上で、それによって支持されるような態様で、２枚のブレードを互いに連結することも可能である。特に、これにより、研磨構成における切断工具の安定性を向上させるために、切断工具の設置面積、すなわち支持面を画定する支持セクションによって囲まれた領域を増大させることが可能になる。

【0021】

材料を切断するための切断構成におけるブレードは、刃先の間に材料を配置できる開位置と、刃先が互いに直接重なっている閉位置と、の間で可逆的に移行可能であり、ブレードの開位置、好ましくはブレードの最大開位置、において、切断工具は、ブレードをロックすることによって研磨構成に移行することができることは便利であるかもしれない。その結果、開いた刃先間のスペースが最大限に確保され、研磨又は磨きに利用できる。或いは、研磨構成における２つの刃先の開き角度は、切断構成におけるブレードの最大開き位置における開き角度よりも大きい。これにより、ブレードが切断構成から研磨構成へ、或いはその逆に意図せず移行することを防ぐことができる。これは、切断工具を操作する際に望ましくないことであるからである。

【0022】

研磨構成における２つの刃先は、特に、ブレードの共通の回転軸に関して、１３５°から１８０°の範囲、好ましくは１５０°から１８０°の範囲の開き角を含むことは有利であることができる。これにより、刃先を研磨したり磨いたりする際に特にアクセスしやすくなり、研磨や磨きが特に容易になります。

【0023】

ブレードは、磁気的又は機械的に研磨構成にロックされることは役立つことを示すかもしれない。２つのブレードの磁気ロックは、特に工具を使わずに簡単に確立及び解除できる。他のロックも可能である。研磨又は磨きの際にブレードにかかる大きな力にも耐えられるようにするため、例えばネジによる機械的ロックは特に安全である。

【0024】

ブレードは、切断工具を切断構成から研磨構成に移行させるために、互いに取り外したり、異なる配置で互いに結合したりすることができ、好ましくは、研磨構成におけるブレードのブレード本体は、異なる非平行な面に、特に互いに横方向に又は垂直な面に、配向され、好ましくは、ブレードは、略Ｔ字形に配置されていることは役立つかもしれない。その結果、研磨構成の切断工具は、研磨又は磨き工具で加工するために、平坦面上に特に安定した拠点（footing）を有することができる。更に、この配置では、加工される刃先に特に簡単にアクセスできる。この実施形態では、加工されるブレードは、そのブレード本体、好ましくは切断工具の切断構成における共通の回転軸を収容する開口部が、加工されない他方のブレードのハンドルの端又は後側に載置された状態で、ブレードは分解された状態で互いに結合され、磁気的又は機械的にそこに保持される。この文脈では、加工されるブレードのブレード本体は、加工される刃先が支持面又は表面に面するように、支持面又は表面に対して理想的には４０～５０°の作動角で配向される。次いで、研磨又は磨き装置を、加工される刃先に沿って移動させて、ブレード材料を除去又は研磨することによって刃先を研磨することができる。

【0025】

ブレードを加工位置にロックするために、一方のブレードのブレード本体を他方のブレードのハンドルに結合できれば便利である。通常、ハンドルはブレードの端に配置され、ブレード本体はブレードのもう一方の端に配置されるため、ハンドルとブレード本体を結合すると、加工位置でブレードを特に安定してロックすることができる。更に、これにより、ブレードの自由長は減少するが、ブレードはそうではないときには共通軸でのみ接続される。その結果、研磨や磨きによって生じる振動が加工されるブレードに伝わるのを抑えることができる。

【0026】

本発明の別の独立した態様は、切断工具、特に上記実施形態のうち１つに記載の切断工具、を研磨及び／又は磨く方法に関し、前記切断工具は、それぞれ刃先を有する２つのブレードを備え、ブレードは、材料を切断するために切断工具の切断構成において互いに移動することができ、前記方法は、以下を含む。

【0027】

－ステップＡ：前記切断工具を前記切断構成から研磨構成に移行させ、前記研磨構成においては、前記ブレードが互いに分離されておりそれぞれを平坦面に個別に配置でき、これにより、前記ブレードが前記面に対して一定の作動角で配向されるようにする、又は、前記ブレードは互いにロックされている。

【0028】

－ステップＢ：前記研磨構成において、研磨又は磨き装置、特にローラ研磨器、によって前記刃先の一方又は両方を研磨及び／又は磨く。

【0029】

－ステップＣ：前記切断工具を前記研磨構成から前記切断構成に移行させる。

【0030】

ステップＢにおいて、加工される前記刃先を有する前記ブレードが前記他方のブレードに支持され、好ましくは、前記他方のブレードのハンドルに、好ましくは、前記刃先とは反対側の前記他方のブレードの端に支持されることは役立つかもしれない。その結果、切断工具は、研磨構成において特に安定した拠点を有する。

【0031】

ステップＢでは、前記切断工具又は少なくとも加工される前記ブレードが平坦面上に安定して保持され、前記ブレードは、加工される前記ブレードが前記面に対して、１０～８０°の範囲の作動角、好ましくは１５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の範囲、特に好ましくは４０～４０°の作動角、とりわけ４５°の作動角で配向されることは役立つことができる。これにより、加工される刃先が加工されるときに、一定の作動角を維持しやすくなる。

【0032】

加工される刃先を備えたブレードのブレード本体は、他方のブレードのハンドルがこのブレード本体と表面との間に少なくとも部分的に配置されるように、ステップＢにおいて配置され、好ましくは、ブレードのブレード本体が、加工される刃先が他方のブレードのハンドル上に置かれ、好ましくは、平面上に置かれることは役立つことを示すかもしれない。その結果、研磨構成において一方のブレードのブレード本体を他方のブレードのハンドル上に安定して支持することができる。

【0033】

ステップＢで加工される前記刃先は、前記研磨又は磨き装置の研磨又は磨き面に当接して保持され、前記研磨又は磨き装置は、前記刃先に沿って、好ましくは、前記ブレードのハンドルに向かう第１の方向と前記ブレードの前記ハンドルから遠ざかる第２の方向とに交互に移動させられる、又は、これら２つの方向のいずれかに繰り返し移動させられることは便利であるかもしれない。その結果、特に良好な研磨又は磨きの結果が得られる。

【0034】

ステップＣで両方の刃先を、ブレードの同じ研磨構成で研磨又は磨くことも便利であるかもしれない。これにより、切断工具の両方の刃先の研磨及び／又は磨きが容易になる。なぜなら、切断工具の研磨構成を維持することができ、研磨又は磨き装置の位置のみを変更する必要があるからである。

【0035】

一方の刃先の加工ともう一方の刃先の加工との間でブレードの位置を交換し、好ましくは、いずれの場合も、加工されないブレードが加工されるブレードを支持するようにすると有利であるかもしれない。例えば、加工されない刃先を有するブレード本体のハンドルを、加工される刃先を有するブレード本体の担持体として機能させることができる。

【0036】

本発明の更なる独立した態様は、上記実施形態のうち１つに記載の切断工具と、研磨治具と、を備えるセットであって、前記研磨治具によって、前記切断工具の組み立てられた状態又は分解状態において、平坦面に前記ブレードのそれぞれが配置されることができ、前記ブレードは、前記面に対して、１０～８０°の範囲の作動角、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角、特に好ましくは４５°の作動角で配向され、好ましくは、前記研磨治具は、少なくとも前記切断構成において前記切断工具に固定的に接続され、及び／又は、前記研磨治具を前記研磨構成に移行させるために前記研磨治具は少なくとも前記ブレードのうち１つに対して調整可能であることを特徴とするセットに関する。特に、研磨治具は、請求項４に記載の軸に沿って突出する請求項２に記載の支持セクションによって少なくとも部分的に形成することができ、少なくとも切断構成において、支持面のみを画定するために加工されるブレードの上に突き出ている、又は、必要に応じて、例えば、ハンドル及び／又は加工されるブレードの裏側の他の支持セクションと連携する。

【0037】

好ましくは、このセットはまた、研磨及び／又は磨き装置、特に例えば欧州特許第３２７８９２８号明細書から知られているようなローラ研磨器の形態を備え、この研磨及び／又は磨き装置は、少なくとも１つの研磨及び／又は磨き表面を有し、研磨及び／又は磨き装置が平坦面上で転がされると、この装置は、この表面に対して垂直に配向された平面内で回転する。

【0038】

本発明の更に好ましい実施形態は、明細書、特許請求の範囲、及び図面に開示された特徴の組み合わせから得られる。

【0039】

開位置は、研磨及び／又は磨きのために、又は切断される材料を刃先の間に配置するために、ブレードの刃先が利用可能となるブレードの位置である。

【0040】

ロック状態は、ブレードが研磨構成にあり、したがって相互に移動できない状態である。

【0041】

可逆的に移行可能とは、切断工具を切断構成から研磨構成に移行できるだけでなく、研磨構成から切断構成に戻すこともできることを意味する。これらの移行は、必要に応じて何度でも繰り返すことができることが好ましい。

【0042】

安定とは、切断工具が平坦な水平面（level, horizontal surface）上に置かれ、できれば傾くことなく、また別の力が加えられることがなく、その自重だけによることを意味する。

【図面の簡単な説明】

【0043】

【図1】図１は、部分的に開いた位置で切断構成において共通の回転軸上に交差して取り付けられた２つのブレードを有する旋回式鋏の形態の本発明による例示的な切断工具を示し、見る方向は回転軸に沿っているか、回転軸に平行である。

【図2】図２は、共通の回転軸上に交差して取り付けられた２つのブレードを有する旋回式鋏の形態の本発明による更なる例示的な切断工具を示し、ブレードは研磨構成で互いに対してロックされており、上側ブレードのブレード本体が下側ブレードのハンドル上に載置され、上側ブレードの刃先は、模式的に示したローラシャープナで加工される。

【図3】図３は、図２に示した配置の概略側面図を示し、上側ブレードの刃先をローラシャープナで加工され、上側ブレードのブレード本体が平坦面に対して１５°又は２０°の作動角で配向され、下側ブレードのハンドルは、支持面を画定する支持セクションを備えた表面上に安定して載置され、それによって上側ブレードのブレード本体を支持し、上側ブレードの刃先は、支持面に投影したときに下側ブレードのハンドルの上に突き出ており、従ってローラ研磨器が最適にアクセスできる。

【図4】図４は、本発明による切断工具の研磨構成の写真画像を示し、ブレードは互いに対して最大に開いた位置にロックされ、ユーザは切断工具を手に持ち、ピンの先端でブレードの最大開き角度の停止を指示する。

【図5】図５は、ローラ研磨器による研磨中の研磨構成における図４による切断工具の写真図を示す。

【図6】図６は、研磨構成における代替実施形態による本発明による切断工具の写真図を示す。ブレードは切り離された状態では互いに異なる配置でロックされ、加工されるブレードは、そのブレード本体とともに、加工されないブレードのハンドル後部に支持され、このブレードのブレード本体に対してほぼ垂直な面内に配向され、加工される刃先は表面に面し、ブレード本体は表面に対して４０～５０°の意図された作動角に配向される。

【図7】図７は、図６の配置の拡大詳細図を示します。

【図8】図８は、本発明の更なる実施形態による、コンピュータで生成された切断工具の概略上面図を示し、見る方向はブレード本体の平面又は鋏の動きの平面に対して垂直であり、切断工具は、旋回式鋏として構成され、切断構成におけるブレードは、ハンドルと刃先との間に、それぞれの場合に、配置された軸上で交差して配置され、ハンドルとブレードの両方の刃先が、それぞれの場合に、互いに反対側になるように、互いに回転可能に取り付けられており、切断工具は、軸に沿って突出する少なくとも１つの支持セクションを備え、支持セクションは、シャープニング設定において、ハンドルとブレードの裏側にある更なる支持セクションとともに、加工されるブレードを平坦面に配置するための支持面を画定する。

【図9】図９は、図８による切断工具のコンピュータ生成の概略側面図を示し、見る方向は、ブレード本体の平面に平行である、又は鋏の動きの平面に平行である。

【図10】図１０は、図８及び図９による切断工具のコンピュータ生成の斜視図及び概略図を示す。

【図11】図１１は、平坦面に配置された図８～図１０による切断工具のブレードが研磨構成にある研磨配置をコンピュータで生成した斜視概略図で示し、ブレードが切断工具の他方のブレードから取り外され、切断工具の旋回軸に沿って突出する支持セクションによって平坦面上に支持され、このブレードを研磨及び／又は磨くために表面上に安定して載置される。

【図12】図１２は、ローラ研磨器の形態の研磨又は磨き装置と組み合わせた、図１１による構成を別の角度から示しており、加工されるブレードの刃先は、研磨又は磨き装置の研磨又は磨き面に当接して保持される。

【図13】図１３は、図１２による構成を更に別の角度から示しており、ローラ研磨器の形態の研磨又は磨き装置が半透明で示されている。

【図14】図１４は、ローラ研磨器の形態の研磨又は磨き装置と組み合わせた研磨構成における、図８～図１０に概略的に示される研磨装置のブレードの１つの写真図を示し、ブレードが切断工具の他方のブレードから取り外され、切断工具の旋回軸に沿って突出する支持セクションによって平坦面上に支持され、このブレードを研磨及び／又は磨くために表面上に安定して載置され、加工されるブレードの刃先は、写真において部分的に手が見えるユーザによって研磨又は磨き装置の研磨又は磨き面に当接して保持される。

【図15】図１５は、研磨又は磨き装置を備えていない図１４に示されたブレードを別の視点から示している。

【発明を実施するための形態】

【0044】

以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。

【0045】

第１実施形態（図１～５）：組み立てられた状態での研磨構成
図１は、本発明の第１の実施形態による切断工具１を示しており、切断工具１は鋏１の形状を有する。鋏１は、旋回式鋏１として構成され、それぞれが刃先２ａ、３ａを有する２つのブレード２、３を有し、切断構成において互いに対して移動することができる。各ブレード２、３は、一端に刃先２ａ、３ａを有するブレード本体２ｂ、３ｂと、他端にハンドル２ｃ、３ｃと、を備えている。切断構成では、ブレード２、３は、ハンドル２ｃ、３ｃと刃先２ａ、３ａとの間にそれぞれ配置された軸Ｘ上に交差して配置され、互いに回転可能に支持されており、図１に示すように、ハンドル２ｃ、３ｃとブレード２、３の刃先２ａ、３ａがそれぞれ対で対向する。材料を切断する場合、ブレード２、３は、切断構成において、切断対象の材料を刃先２ａ、３ａの間に配置することができる開位置と、刃先２ａ、３ａは互いに直接重なっている閉位置と、の間で可逆的に移行可能である。

【0046】

本発明によれば、切断工具１は、切断構成から研磨構成へと可逆的に移行することができる。研磨構成においては、ブレード２、３は、研磨又は磨き装置５、特にローラ研磨器を用いて、刃先２ａ、３ａの一方又は両方を研磨及び／又は磨くために、互いに対してロックされている。ロックは、例えば、一方のブレードのハンドル２ｃ、３ｃと他方のブレード２、３のブレード本体２ｂ、３ｂとの間の機械的又は磁気的な結合によって、例えば、ブレード２、３を最大開位置で互いに磁気的又は機械的に結合することによって達成することができる。

【0047】

ここでの研磨構成は、互いにロックされたブレード２、３の最大開放位置に対応し、刃先２ａ、３ａは、約１６５°の開き角βをなし、研磨又は磨き装置５での加工に最適にアクセスできる。

【0048】

鋏１は、各ハンドル２ｃ、３ｃ上に複数の支持セクション４を備え、ロック状態の研磨構成において切断工具１を平坦面Ｕ上に安定して配置できる支持面ＡＥを画定する。加工位置では、ブレード２、３は、支持面ＡＥに対して例えば１５又は２０°の範囲の作動角αで加工される刃先２ａ、３ａを向けて配向される。支持面ＡＥ（図３の見る方向Ｐ）に投影すると、加工される刃先２ａ、３ａは、他方の刃先２ａ、３ａとの交点から始まり、他方のブレード２、３の完全に外側に位置する。理想的には、加工される刃先２ａ、３ａは、支持面ＡＥ又はベースＵに対して平行に約２０ｍｍの距離で延在する。従って、加工される刃先２ａ、３ａは、研磨又は磨き装置５による加工のために最適にアクセスできる。

【0049】

研磨構成では、一方のブレード２、３のブレード本体２ｂ、３ｂは、軸Ｘに沿って見たとき（図３の見る方向Ｂ）、少なくとも一部の部分において、他方のブレード２、３のハンドル２ｃ、３ｃ及びハンドル開口部と重なる。

【0050】

本発明の１つの重要なアイデアは、切断工具１の２つのブレード２、３を研磨構成にロックすることであり、それぞれの場合において、加工されるブレード２、３の研磨及び／又は磨き中に、加工されないブレード２、３が安定した担持体として機能するようにする。しかしながら、２つのブレード２、３は切断構成において互いに対して移動することができるが、刃先２ａ、３ａを加工するための研磨角度は一定のままでなければならない。このため、本発明による切断工具１は、研磨構成に移行することができ、研磨構成において、刃先２ａ、３ａの一方又は両方の研磨及び／又は磨きを容易にするために、２つのブレード２、３の動きがロックによってブロックされる。

【0051】

図３に概略的に示される研磨構成では、ブレード２、３は、表面Ｕに対して１５又は２０°の作動角αで加工される刃先２ａ、３ａを向けて配向される。作動角αは、加工される上側ブレード２のブレード本体２ｂが表面Ｕに対してなす角度に相当する。加工されない下側ブレード３のハンドル３ｃは、加工される上側ブレード２の支持体（support）及び傾斜面（ramp）として機能する。これに関連して、切断工具１は、それによって形成された支持セクション４又は支持面ＡＥを備えた表面Ｕ上に載置される。

【0052】

他方のブレード３の刃先（３ａ）を加工するには、切断工具１をひっくり返して、もともと下側にあったブレード３を上側に置き、もともと上側にあったブレード２は、それ自体の支持面ＡＥを画定するそれ自身の支持セクション４とともに表面Ｕ上に載置される。

【0053】

この切断工具１の刃先２ａ、３ａを研磨及び／又は磨くための本発明による方法では、切断工具１は、まず、切断構成から研磨構成に移行する（ステップＡ）。この研磨構成では、ブレード２、３は互いに対してロックされ、ブレード２、３の相対的な動きが阻止される。続いて、刃先２ａ、３ａは、研磨及び／又は磨く装置５、特にローラ研磨器５を用いて、研磨構成で研磨及び／又は磨かれる（ステップＢ）。この目的のために、切断工具１は支持セクション４とともに、平坦面Ｕ上に安定して配置され、加工されないブレード３は、ここでは例えば、そのハンドル３ｃが、加工されるブレード２の担持体及び傾斜面として機能する（図３参照）。これにより、加工されないブレード３のハンドル３ｃは、加工されるブレード２のブレード本体２ｂと面Ｕとの間の部分に位置することになる。

【0054】

ローラ研磨器５は、図３に概略的に示すように、円筒状の装置本体５ｃと、装置本体５ｃの端面に配置された２つの研磨又は磨き面５ａ、５ｂと、を備える。ローラ研磨器５が平坦な水平面Ｕ上を転がるときに、これらの研磨又は磨き面５ａ、５ｂは、それに垂直な（垂直）面内で回転する。このようなローラ研磨器５は、例えば、独国実用新案第２９７０３３２６号明細書及び欧州特許第３２７８９２８号明細書から知られている。

【0055】

研磨構成では、切断工具１の加工される刃先２ａは、研磨及び／又は磨く装置５の回転する研磨又は磨き面５ａ、５ｂに当接して保持される。これにより、研磨／磨く装置５は、この刃先２ａに沿って、例えば、ブレード２のハンドル２ｃに向かう第１の方向とこのブレード２のハンドル２ｃから遠ざかる第２の方向とに交互に繰り返し移動する。或いは、研磨／磨く装置５をこの刃先２ａに沿ってこれら２つの方向のうちの一方に繰り返し移動させてもよい。

【0056】

ステップＢにおいて、両方の刃先２ａ、３ａがブレード２、３の同じ研磨構成で研磨又は磨かれる場合、切断工具１は、一方の刃先２ａの加工と他方の刃先３ａの加工とにおいて、裏返すことができ、これによって、いずれの場合も、加工されないブレード２、３が表面Ｕ上に載置され、加工されるブレード２、３を支持する。研磨又は磨きが完了したら、ブレード２、３のロックを解除することによって、切断工具１が再び研磨構成から切断構成に移行し（ステップＣ）、これにより、ブレード２、３が再び互いに対して移動できるようになる。

【0057】

第２の実施形態（図６及び７）：分解された状態での研磨構成
図６及び７を参照して以下に説明する第２の実施形態では、ブレード２、３は、切断工具１を切断構成から研磨構成に移行させるために互いに取り外し可能であり、異なる配置で互いに結合することができる。

【0058】

高品質の鋏の研磨角度は通常２５°以上、理想的には４５°である。４５°のベベルを形成するには、ブレード２、３のハンドル２ｃ、３ｃを比較的厚くする必要があり、これにより、研磨／磨く工具５を良好に適用して研ぐことができる。

【0059】

従って、代替実施形態では、鋏１のブレード２、３は、特殊なネジを用いてピボット又は回転軸Ｘで分解することができる。２つのブレード２、３の各ハンドル２ｃ、３ｃ又は鋏のジョー（scissors jaws）の端には、ねじ山（例えば、インサートナット）又は磁石が正しい角度位置に組み込まれており、他方のブレード２、３又は鋏のジョーをしっかりとねじ込むか、磁石を介してクリップで留めることができ、これにより、刃先２ａ、３ａに正しい研磨角度が自動的に生成される。

【0060】

切断工具１の研磨形状を図６及び図７に示す。研磨構成では、ブレード２、３のブレード本体２ｂ、３ｂは、ほぼＴ字形に配置され、異なる非平行な面に配向される。この文脈では、加工されるブレード２は、ハンドル端部３ｃにおいて加工されないブレード３に対して例えば横方向又は垂直に配置され、ブレード本体２ｃは、加工されないブレード３のハンドル端部３ｃに支持される。加工されないブレード３のハンドル端部３ｃは、表面Ｕに対して４５°の作動角で配向するように、加工されるブレード２を支持し磁気的又は機械的に保持するように構成されており、これにより、加工される刃先２ａが面Ｕに向くようになる。

【0061】

第３の実施形態：研磨治具を使用した研磨構成（図示せず）
図６及び図７に示される実施形態の代替として、研磨治具（図示せず）を使用して、切断工具１は組み立てられた状態で、又は、各ブレード２、３を個別に分解した状態で位置決めでき、これによって、加工されるブレード２、３が表面Ｕに対して約４０°～５０°の意図された作動角に配向されるようにする。その結果、表面Ｕに対して垂直に位置合わせされたローラ研磨器５の回転研磨又は磨き面５ａ／ｂに対する意図した研磨角度を、意図された様態で設定することができる。研磨治具は、特に切断構成において、切断工具１の一体部分とすることができる。研磨構成に移行するために、研磨治具は、例えば、ブレード２、３の少なくとも１つから取り外すことができ、又は、ブレード２、３の少なくとも１つに対して調整することができる。

【0062】

第４の実施形態（図９～図１５）：軸に沿った支持セクション
本発明の第４の実施形態について、図８～図１５を参照して以下に詳細に説明する。同一の機能については、前述の実施形態と同一の参照符号を使用し、重複する説明は省略する。

【0063】

第４の実施形態に係る切断工具１は、旋回式鋏として構成されており、様々なコンピュータ支援設計（ＣＡＤ）で図８～図１３に示されており、また、図１４及び図１５に少なくとも部分的に写真図で示されている。

【0064】

切断構成では、旋回式鋏２、３は、それぞれ場合に、ハンドル２ｃ、３ｃと刃先２ａ、３ａとの間に配置された軸Ｘ上に交差して配置され、相互に回転可能に取り付けられており、ブレード２、３の両方のハンドル２ｃ、３ｃと刃先２ａ、３ａが、それぞれの場合において、互いに反対側になる。

【0065】

この場合、軸Ｘは、例えば、ねじボルトと袋ナットによるねじ軸Ｘとして形成され、これらは、ブレード２、３の上で軸Ｘに沿って突出する部分６、７として形成され、切断工具１を切断構成から研磨構成に移行させるために互いに取り外し可能である。ねじボルト６は、頭部と、そこから延びる雄ねじ付きシャンクとを含む。シャンクは、雌ねじを備えた袋ナット７の相補的なねじ付きレセプタクルにねじ込むことができる。接続状態又は切断構成では、ブレード２、３の上方両側には、ねじボルト６と袋ナット７が軸方向に突出している（図８、図９参照）。

【0066】

代替実施形態（図示せず）では、ブレード２、３はバヨネットロックを介して取り外し可能に結合される。これにより、軸Ｘはバヨネットロックの雄部分を形成し、ブレード２、３の１つにしっかりと接続される。遠位端には、軸Ｘに係合プロファイル（つまり「キー」）が付いており、特定の回転位置で、受け側プロファイルに適合したり、受け側プロファイルから解放されたりすることができ、或いは、他方のブレードに「ロック」し、バヨネットロックのメス部分を形成する。このバヨネットロックは、ブレード２、３の上で軸Ｘに沿って突出する部分６、７を形成する取り付けられたキャップによって覆うことができる。

【0067】

軸Ｘに沿って突出する切断工具１の部分６、７は、ほぼ同一又は鏡面対称の形状をしており、特に、互いに反対側の端部に向かって楔形に先細になっている。これらの部分６、７は、平坦面Ｕに対して例えば４５°の一定の作動角αで研磨構成において各ブレード２、３を支持する「研磨治具」の機能を有する。部分６、７の形状は、互いに独立して選択することができる。部分６、７の楔形状は、平坦な支持セクション４を形成し、頂点６ａで交わる２つの側面（side flanks）によって画定される。この頂点６ａから開始して、側面は互いからの距離が増加して、平坦部６ｂを含むＶ字形の縁部を形成する（図１０）。

【0068】

研磨構成では、２つのブレード２、３は互いに分離される。

【0069】

ブレード２の刃先２ａとは反対側の部分６の側面は、支持セクション４を形成し、これは、他の支持セクション４と共に、例えば、ハンドル２ｃの後側及び場合によってはブレード本体２ｂの後側に、支持面ＡＥを策定し、これによって、ブレード２は平坦面Ｕに対して一定の作動角に保持されるように平坦面Ｕ上に支持されることができる。部分６の頂点６ａは、ブレード２のハンドル２ｃの方向を向いている。

【0070】

部分６は、対応するブレード２に対して回転可能であることが好ましく、その結果、支持セクション４を形成する側面が、加工されるブレード２の他の支持セクション４とともに支持面ＡＥに正確に位置するまで、それ自体の向きを変えることができる。所望の回転位置では、部分６をブレード２に対してロックできることが好ましく、このため、ブレード２に対する意図しない回転は不可能となる。しかしながら、部分６を所望の向きでのみブレード２にロックすることも可能であり、これにより、支持セクション４を形成する側面は、加工されるブレード２の他の支持セクション４とともに支持面ＡＥ内に正確に位置する。

【0071】

研磨又は磨きのために、加工されるブレード２、３の刃先２ａ、３ａは、ステップＢにおいて、ローラ研磨器などの研磨又は磨き装置５の研磨又は磨き表面５ａ、５ｂに当接して保持される。この文脈において、研磨又は磨き装置５は、刃先２ａ、３ａに沿って、好ましくは、ブレード２、３のハンドル２ｃ、３ｃに向かう第１の方向とブレード２、３のハンドル２ｃ、３ｃから遠ざかる第２の方向とに交互に移動させられる、又は、これら２つの方向のいずれかに繰り返し移動させられる（図１２及び図１３参照）。

【0072】

一方のブレード２の研磨又は磨きが完了した後、部分６を一方のブレード２から切り離し、他方のブレード３に結合することができ、これによって、図８～図１３を参照して前述したとおり及び図１４及び図１５の写真図を参照して示されたようにこのブレード３も同様の原理により平坦面Ｕ上に安定して支持する。

【0073】

換言すれば、部分６は支持セクション４を形成し、支持セクション４は、軸Ｘに沿って突き出て、表面Ｕ上で一定の作動角αで切断工具１の分解状態において研磨構成で各ブレード２、３を支持する。

【符号の説明】

【0074】

１ 切断工具
２、３ ブレード
２ａ、３ａ 刃先
２ｂ、３ｂ ブレード本体
２ｃ、３ｃ ハンドル
４ 支持セクション
５ 研磨又は磨き装置（ローラ研磨器）
５ａ、５ｂ 研磨又は磨き面
５ｃ 装置本体
６ 軸方向に突き出た部分（ネジボルト）
６ａ 頂点
６ｂ 平坦部
７ 軸方向に突き出た部分（袋ナット）
ＡＥ 支持面
Ｂ 軸に平行な見る方向
Ｐ 支持面に垂直な見る方向
Ｕ 面
Ｘ 軸

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【手続補正書】

【提出日】2023-12-15

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

刃先（２ａ、３ａ）をそれぞれ有し、材料を切断するために切断工具（１）の切断構成において互いに移動することができる２つのブレード（２、３）を備える切断工具（１）、特に鋏、であって、
前記切断工具（１）は、前記切断構成から研磨構成に可逆的に移行でき、
前記研磨構成においては、前記ブレード（２、３）は、研磨又は磨き装置（５）、特にローラ研磨器（５）、によって前記刃先（２ａ、３ａ）の一方又は両方を研磨及び／又は磨くために、互いに分離されており、前記ブレードのそれぞれは個別に平坦な面（Ｕ）上に配置でき、これにより、前記ブレード（２、３）が前記面（Ｕ）に対して一定の作動角（α）で配向されるようにする、又は、前記ブレード（２、３）は互いにロックされている
ことを特徴とする切断工具（１）。

【請求項2】

前記切断工具（１）、好ましくは個々のブレード（２ａ、３ａ）は、支持面（ＡＥ）を画定する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、これによって、前記切断工具（１）又は各ブレード（２ａ、３ａ）を個別に平坦な面（Ｕ）上に前記研磨構成において安定して配置でき、
好ましくは、プロセスにおいて以下の要件、
ａ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を備えた前記ブレード（２、３）は、前記支持面（ＡＥ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲の作動角（α）、好ましくは３０～６０°の範囲の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向され、
ｂ．前記ブレード（２、３）はそれぞれ、前記支持面（ＡＥ）を画定する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、好ましくはそれぞれ３つの支持セクション（４）を備え、
前記支持セクション（４）の少なくとも１つは、好ましくは、少なくとも前記研磨構成において前記ブレード（２、３）を支持するために、前記ブレード面の外側に位置し、及び／又は、前記ブレード面の上に突出し、
特に好ましくは、前記研磨構成における前記ブレード面上の前記支持セクション（４）の最大突出量は、前記ブレード（２、３）の最大幅の２０～９０％、好ましくは４０～７０％の範囲であり、
ｃ．前記切断工具（１）は、前記支持面（ＡＥ）を画定し、一直線上にない合計少なくとも３つの支持セクション（４）を備え、
ｄ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記支持面（ＡＥ）に対して最大１０°、好ましくは最大５°、好ましくは０°の角度で配向された平面内に延在するか、又は前記支持面（ＡＥ）に平行であり、
ｅ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記支持面（ＡＥ）から５～５０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１０～３０ｍｍの範囲の距離、好ましくは１５～２５ｍｍの距離を有し、
ｆ．前記支持面（ＡＥ）に投影すると、前記刃先（２ａ、３ａ）のもう一方との交点から始まる、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の完全に外側に位置し、
ｇ．加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を備えた前記ブレード（２、３）の遠位部分（２ｂ、３ｂ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の遠位部分（２ｃ、３ｃ）上に、好ましくは平面的に載置され、
ｈ．前記支持面（ＡＥ）に投影すると、前記支持セクション（４）は前記ブレード（２、３）の下にあり、及び／又は、前記ブレード（２、３）又は前記刃先（２ａ、３ａ）の上に突き出ない、
の少なくとも１つが満たされることを特徴とする請求項１に記載の切断工具。

【請求項3】

前記ブレード（２、３）のそれぞれは、その一端に前記刃先（２ａ、３ａ）を備え、他端にハンドル（２ｃ、３ｃ）を備え、
好ましくは、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）及び／又は前記刃先（２ａ、３ａ）とは反対側の前記ブレード（２、３）の後側は、請求項２に記載の支持セクション（４）を備える
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項4】

前記切断工具（１）は、旋回式鋏として構成され、
前記切断構成における前記ブレード（２、３）は、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）と前記刃先（２ａ、３ａ）との間に、それぞれの場合に、配置された軸（Ｘ）上で交差して配置され、前記ブレード（２、３）の両方の前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）と前記刃先（２ａ、３ａ）が、それぞれの場合に、互いに反対側になるように、互いに回転可能に取り付けられており、
好ましくは、前記切断工具（１）は、請求項２に記載の前記軸（Ｘ）に沿って突出する少なくとも１つの支持セクション（４）を備え、前記支持セクション（４）が、特に前記軸（Ｘ）の一部として形成されるか、又は、前記切断工具（１）に取り外し可能に結合され、
好ましくは、前記切断構成と前記研磨構成との間で前記切断工具（１）を移行させるための前記軸（Ｘ）は、前記ブレード（２、３）の少なくとも１つから取り外し可能であり、これにより、前記ブレード（２、３）が互いに分離可能であり、及び／又は、互いに対して異なる構成でロック可能であり、
特に好ましくは、前記軸（Ｘ）は、２つの取り外し可能に結合可能な部品、特にねじボルト及び適合する袋ナットを有する、又は、前記軸（Ｘ）は、前記ブレード（２、３）のうち一方に取り付けられ、バヨネットロックの雄部分を形成し、前記雄部分は、前記ブレード（２、３）のうち他方における、前記バヨネットロックの雌部分に取り外し可能に結合される
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項5】

前記ブレード（２、３）のそれぞれは、前記刃先（２ａ、３ａ）を備えるブレード本体（２ｂ、３ｂ）を含み、
好ましくは、前記ブレード（２、３）のうち一方の前記ブレード本体（２ｂ、３ｂ）は、前記研磨構成において前記ブレード（２、３）のうち他方のハンドル（２ｃ、３ｃ）と少なくとも部分的に重なり、及び／又は、接触し、
好ましくは、前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）のそれぞれは、ハンドル開口部（２ｄ、３ｄ）を有し、前記ブレード（２、３）のうち一方の前記ブレード本体（２ｂ、３ｂ）は、前記ブレード（２、３）のうち他方の前記ハンドル開口部（２ｄ、３ｄ）を、前記研磨構成において少なくとも部分的に覆う
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項6】

前記材料を切断するための前記切断構成における前記ブレード（２、３）は、前記刃先（２ａ、３ａ）の間に前記材料を配置できる開位置と、前記刃先（２ａ、３ａ）が互いに直接重なっている閉位置と、の間で可逆的に移行可能であり、
前記ブレード（２、３）の開位置、好ましくは前記ブレード（２、３）の最大開位置、において、前記切断工具（１）は、前記ブレード（２、３）をロックすることによって前記研磨構成に移行することができる
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項7】

前記研磨構成における前記２つの刃先（２ａ、３ａ）は、特に、前記ブレード（２、３）の共通の回転軸（Ｘ）に関して、１３５°から１８０°の範囲、好ましくは１５０°から１８０°の範囲の開き角（β）を含む
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項8】

前記ブレード（２、３）は、磁気的又は機械的に前記研磨構成にロックされる
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項9】

前記ブレード（２、３）は、前記切断工具（１）を前記切断構成から前記研磨構成に移行させるために、互いに取り外したり、異なる構成で互いに結合したりすることができ、
好ましくは、前記研磨構成における前記ブレード（２、３）の前記ブレード本体は、異なる非平行な面に、特に互いに横方向に又は垂直に、配向され、好ましくは、前記ブレード（２、３）は、略Ｔ字形に配置されている
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の切断工具。

【請求項10】

切断工具（１）、特に請求項１又は２に記載の切断工具（１）、を研磨及び／又は磨く方法であって、前記切断工具（１）は、それぞれ刃先（２ａ、３ａ）を有する２つのブレード（２、３）を備え、
前記ブレード（２、３）は、材料を切断するために前記切断工具（１）の切断構成において互いに移動することができ、
前記方法は、
ａ．ステップＡ：前記切断工具（１）を前記切断構成から研磨構成に移行させ、前記研磨構成においては、前記ブレード（２、３）が互いに分離されておりそれぞれを平坦な面（Ｕ）に個別に配置でき、これにより、前記ブレード（２、３）が前記面（Ｕ）に対して一定の作動角（α）で配向されるようにし、又は、前記ブレード（２、３）は互いにロックされ、
ｂ．ステップＢ：前記研磨構成において、研磨又は磨き装置（５）、特にローラ研磨器（５）、によって前記刃先（２ａ、３ａ）の一方又は両方を研磨及び／又は磨き、
ｃ．ステップＣ：前記切断工具（１）を前記研磨構成から前記切断構成に移行させる
ことを備えることを特徴とする方法。

【請求項11】

ステップＢにおいて、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）を有する前記ブレード（２、３）が前記ブレード（２、３）の他方に支持され、好ましくは、前記ブレード（２、３）の他方のハンドル（２ｃ、３ｃ）に、好ましくは、前記刃先（２ａ、３ａ）とは反対側の前記ブレード（２、３）の他方の端に支持される
ことを特徴とする請求項１０に記載の方法。

【請求項12】

ステップＢでは、前記切断工具（１）又は少なくとも加工される前記ブレード（２ａ、３ａ）が平坦な面（Ｕ）上に安定して保持され、前記ブレード（２、３）は、加工される前記刃先（２ａ、３ａ）が前記面（Ｕ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向される
ことを特徴とする請求項１０に記載の方法。

【請求項13】

ステップＢで加工される前記刃先（２ａ、３ａ）は、前記研磨又は磨き装置（５）の研磨又は磨き面（５ａ、５ｂ）に当接して保持され、前記研磨又は磨き装置（５）は、前記刃先（２ａ、３ａ）に沿って、好ましくは、前記ブレード（２、３）のハンドル（２ｃ、３ｃ）に向かう第１の方向と前記ブレード（２、３）の前記ハンドル（２ｃ、３ｃ）から遠ざかる第２の方向とに交互に移動させられる、又は、これら２つの方向のいずれかに繰り返し移動させられる
ことを特徴とする請求項１０に記載の方法。

【請求項14】

前記刃先のうち一方（２ａ）の加工と前記刃先（３ａ）の他方の加工との間で前記ブレ
ード（２、３）の位置が交換され、
好ましくは、それぞれの場合に、加工されない前記ブレード（２、３）が、加工される前記ブレード（２、３）を支持するようにされる
ことを特徴とする請求項１０に記載の方法。

【請求項15】

請求項１又は２に記載の切断工具（１）と、
研磨治具と、
を備えるセットであって、前記研磨治具によって、
前記切断工具（１）の組み立てられた状態又は分解状態において、平坦な面（Ｕ）に前記ブレード（２、３）のそれぞれが配置されることができ、前記ブレード（２、３）は、前記面（Ｕ）に対して、１０～８０°の範囲の作動角（α）、好ましくは２５～７５°の範囲、好ましくは３０～６０°の作動角（α）、特に好ましくは４５°の作動角（α）で配向され、
好ましくは、前記研磨治具は、少なくとも前記切断構成において前記切断工具に固定的に接続され、及び／又は、前記研磨治具を前記研磨構成に移行させるために前記研磨治具は少なくとも前記ブレードのうち１つに対して調整可能である
ことを特徴とするセット。

【国際調査報告】