(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】医療品を固定するための器具及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/02 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568094
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 GB2022051117
(87)【国際公開番号】W WO2022234258
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408905
【氏名又は名称】ジャベロ ヘルス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アシュトン バーネット-ベインズ
(72)【発明者】
【氏名】アラン キッチング
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB19
4C267BB24
4C267BB31
4C267BB32
4C267BB40
4C267CC01
4C267HH07
4C267HH08
(57)【要約】
医療用品を固定するための固定器具、医療品を固定するための固定器具用の部品キット、及び医療品を身体部分に固定する方法が開示される。固定器具(100)は、医療品係合部材(150)及び身体係合部材(140)を備える。医療品係合部材は、開放形態及び閉鎖形態を規定する固定具(130)と、医療品を受容するように構成された基部(120)とを備える。固定具(130)の閉鎖形態では、器具(100)が器具(100)内に固定された医療品の回転、長手方向及び/又は横方向の動きを防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療品固定器具であって、
該医療品固定器具は、
医療品係合部材であって、
医療品を受容するように構成された少なくとも1つの医療品係合部を規定する基部と、
前記医療品を前記基部に可逆的に固定するための固定具であって、開放形態及び閉鎖形態を規定する固定具と、を備える医療品係合部材と、
前記医療品固定器具を人間又は動物の身体部分に固定するように構成された身体係合部材と、
ロック機構であって、前記医療品係合部材の前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記基部の回転軸周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を可能にするように構成され、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部の回転軸の周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を防止するように構成される、ロック機構と、
を備える医療品固定器具。
【請求項2】
前記固定具はクイックリリース/クイックセット固定具であり、任意選択的に、前記固定具はねじ以外の締結固定具である、請求項1に記載の医療品固定器具。
【請求項3】
前記医療品係合部材の前記固定具は長手方向軸を規定し、前記固定具の前記長手方向軸は、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるとき、前記基部の前記回転軸に対して実質的に垂直である、請求項1又は2に記載の医療品固定器具。
【請求項4】
前記固定具はクランプ又は少なくとも1つのバンドを備え、任意選択的に、前記少なくとも1つのバンドは可撓性ストラップであり、更に任意選択的に、前記可撓性ストラップは弾性材料を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項5】
前記固定具及び/又は前記基部のうちの少なくとも1つは、前記固定具を前記基部に解放可能に固定するように構成された締結具を備え、
任意選択的に、前記締結具は、以下のうちの1つ又は複数から選択されるもの、すなわち、
フック&ループファスナー、スナップ嵌めファスナー、アイレット&ピン、フック&アイレット、ボタン&アイレット、ポッパー、孔&リンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、Dリング、磁気スナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、サイドリリースバックル、タイバックル、ラチェット歯&爪、弾性又は片持ちタブである、請求項1~4の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項6】
前記固定具は前記医療品係合部の一方の側で前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に結合され、任意選択的に、前記基部は前記固定具が固定又は枢動可能に結合される前記医療品係合部の反対側で前記固定具の係合部を規定し、任意選択的に、前記固定具は該固定具を前記閉鎖形態で前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の前記係合部と係合し、前記開放形態で前記基部の前記係合部と係合しないように構成される、請求項1~5の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項7】
前記固定具は第1の端部及び第2の端部を有する弾性ストラップであり、前記第1の端部は、前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に固定され、前記第2の端部は前記固定具を前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の係合部と係合するように構成され、前記開放形態において前記基部の前記係合部と係合しない、請求項1~6の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項8】
前記固定具は医療品の周りに嵌合するように構成されたクランプであり、該クランプは第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は前記基部に枢動可能に結合され、前記第2の端部は前記開放形態で前記基部と係合せず、前記閉鎖形態で前記基部と係合するように構成され、
任意選択的に、前記クランプは剛性材料を含み、
更に任意選択的に、前記クランプは、該クランプの内側に配置された弾性インサート、及び/又は前記クランプの外面に配置された弾性材料を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項9】
前記開放形態において、前記固定具は該固定具の長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動を可能にするように前記基部に係合するように構成され、前記固定具の前記長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動は前記基部の前記医療品係合部と、前記基部の前記医療品係合部に反対して配置された前記固定具の部分との間の距離を修正するように構成される、請求項3~7の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項10】
前記固定具は少なくとも1つの一連のラチェット歯を備え、前記基部は、前記固定具及び前記基部を解放可能に固定し、前記固定具の少なくとも第1の長手方向に前記基部に対する前記固定具の移動を可能にするように構成された少なくとも1つのロック歯を備えるか、又は
前記固定具は該固定具の長手方向軸に沿って離間した少なくとも1つの孔又は複数の孔を備え、前記基部は少なくとも1つのフックを備え、該フックは、前記閉鎖形態で、前記固定具の前記長手方向軸に沿って前記基部に対する前記固定具の移動を防止するように、前記固定具の少なくとも1つの孔に係合するように構成される、請求項1~7及び9の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項11】
前記基部は頂部及び底部を有し、使用時に、前記頂部は前記医療品と相互作用するように構成され、前記底部は着用者の身体部分に向かって面するように構成され、
任意選択的に、前記医療品の少なくとも一部は前記医療品係合部内に受容されるように構成され、前記医療品の長手方向軸は前記基部の前記底部に対して約0°~約35°の角度で配置され、
任意選択的に、前記医療品係合部と前記基部の前記底部との間の角度及び/又は前記身体係合部材は可変である、請求項1~10の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項12】
前記身体係合部材は、可撓性材料と、伸張に耐性のある補強セグメント又はインサートとを備え、任意選択的に、前記身体係合部材及び/又は前記補強セグメント又はインサートは細長い、請求項1~11の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項13】
前記身体係合部材は前記基部の前記頂部と前記底部との間に配置される、請求項11又は12に記載の医療品固定器具。
【請求項14】
前記基部は前記固定具を受容するように配置された少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを規定し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを通る前記固定具の長手方向軸に沿った前記固定具の移動を可能にし、
任意選択的に、前記スリットは、直線状スリット、湾曲スリット、又はL字形スリットである、請求項1~7及び9~13の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項15】
前記身体係合部材は、使用時に、着用者の身体部分に面するように構成された下面と、前記着用者の前記身体部分から離れて面するように構成された反対の上面と、を有し、
前記基部の前記底部の少なくとも一部は前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置され、前記基部の前記頂部は前記身体係合部材の前記上面に隣接して配置され、
任意選択的に、以下の構成のうちの一つの構成を含み、すなわち、
前記基部の前記頂部及び前記底部は一体であり、任意選択的に、前記基部の前記底部は前記身体係合部材に規定された開口を通ってスナップ嵌めされるとの構成、又は
前記基部の前記頂部と前記底部とは別個の部分であり、任意選択的に、前記底部は、前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置されるように構成された下側プレートと、前記身体係合部材の前記上面の上方で前記基部の前記頂部と係合するように構成された少なくとも1つの突出部とを備えるとの構成、であり、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記基部の前記頂部は、前記基部の前記底部の少なくとも1つの突出部を受容するように構成された少なくとも1つの開口を規定するとの構成、
前記基部の前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の前記開口を通過するように構成されるか、又は前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の上で折り畳まれ、前記身体係合部材の上面の上で前記基部の前記頂部と係合するとの構成である、請求項11~14の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項16】
前記医療品係合部は、チャネル、又は前記医療品の一部分と係合し、前記基部に対する前記医療品の長手方向の変位を防止するように構成されたスナップ嵌め機構と、を備え、
任意選択的に、前記医療品係合部は、V字形、U字形、又はC字形を規定するチャネルである、請求項1~15の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項17】
前記ロック機構は第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素を備え、前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の距離は前記固定具が前記閉鎖形態にあるときよりも、前記固定具が前記開放形態にあるときの方が大きく、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は前記基部上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記固定具上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたインサート上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるか、又は前記身体係合部材の一部であるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に配置されるとの構成である、請求項1~16の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項18】
前記ロック機構は、以下の少なくとも一つを含む、すなわち、
前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の摩擦ロック、一方向又は双方向ラチェット機構、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第1及び第2のロック構成要素上の爪(又はロック歯、又はインデクサ)、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第2のロック構成要素上の対応する一連の歯、前記第1のロック構成要素内の少なくとも1つの雄型特徴部(たとえばポスト)及び前記第2のロック構成要素内の対応する雌型特徴部(たとえば開口又は孔)である、請求項17に記載の医療品固定器具。
【請求項19】
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の前記歯付き特徴部と係合するように構成された対応する歯付き特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素は少なくとも1つの雄型特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は、前記第1のロック構成要素の雄型特徴部を受容して、係合するように構成された雌型特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素はクランプの一端又は両端に配置された歯付き特徴部/インターフェースであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートに配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記基部から延びる片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部又はプロファイルを備える片持ちタブを備える少なくとも1つのロックインサートであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであり、更に任意選択的に、前記第1のロック構成要素はそれぞれ片持ちタブを備える2つのロックインサートを備え、該2つのロックインサートは直径方向に対向する位置で前記第2のロック構成要素と係合するとの構成である、請求項17又は18に記載の医療品固定器具。
【請求項20】
前記ロック機構は前記医療品係合部材の前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたロック構成要素を備え、前記ロック構成要素は前記医療品係合部材の前記基部と前記固定具とに動作可能に結合され、
任意選択的に、前記ロック構成要素は、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部又は前記身体係合部材上に配置された第2のロック構成要素と係合し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記第2のロック構成要素と係合しないように構成された第1のロック構成要素を備える、請求項17~19の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項21】
前記ロック構成要素は、前記固定具が前記開放形態にあるときの第1の位置と、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときの第2の位置との間で旋回するように構成され、任意選択的に、前記ロック構成要素は、少なくとも2つの対向する位置で前記基部及び/又は前記身体係合部材と係合する、請求項20に記載の医療品固定器具。
【請求項22】
前記固定具は、クランプであり、以下の構成の一つである、すなわち、その構成は、
第1のロック構成要素は、前記身体係合部材に実質的に平行に前記基部から延在し、前記第2のロック構成要素から近い距離に配置されるが、クランプ(又はスナップキャップ)が前記開放形態にあるときに前記身体係合部材に対して前記基部の自由回転を可能にする歯付きカンチレバーアームであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成される歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は、前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は前記基部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプと前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートとの間に配置されたロックインサート上に配置された歯付き特徴部を備える少なくとも1つの片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置され、任意選択的に、少なくとも1つの片持ちタブは前記身体係合部材又はそのインサートのテーパ付きポケット内に配置され、前記ロックインサートの少なくとも1つは前記テーパ付きポケットの形状に一致するボスを有するとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプの第1の端部及び/又は第2の端部のうちの少なくとも1つに配置された歯付き特徴部及び/又は雄型特徴部のうちの少なくとも1つを備え、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置された歯付き特徴部及び/又は対応する雌型特徴部のうちの少なくとも1つを備えるとの構成である、請求項17~21の何れか一項による医療品固定器具。
【請求項23】
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記身体係合部材は前記医療品固定器具を前記身体部分に接着剤なしで固定されるとの構成、
前記身体係合部材は前記医療品固定器具を身体部分の周りに固定するように構成され、任意選択的に、前記身体係合部材は1つ以上のストラップ又はスリーブであり、更に任意選択的に、前記身体係合部材のサイズは可変であり、前記身体係合部材は前記医療品固定器具を前記身体部分の周りに固定するための締結具を備え、任意選択的に、前記締結具は、フック&ループ、スナップ嵌め、アイレット&ピン、フック&アイ、孔&リンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、Dリング、磁性スナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、側方解放バックル、タイバックル、のうちの1つ以上から選択されるとの構成である、請求項1~22の何れか一項記載の医療品固定器具。
【請求項24】
身体部分がヒト又は動物の肢であり、任意選択的に、前記身体部分がヒト又は動物の腕又は脚であり、更に任意選択的に、前記身体部分が上腕であり、更に任意選択的に、前記医療品固定器具が左肢及び右肢の両方に固定されることが可能であり、任意選択的に、前記医療品固定器具が、左腕及び右腕の両方に固定されることが可能である、請求項1~23の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項25】
前記医療品は導管を含む侵襲性器具であり、
任意選択的に、前記医療品は、カテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、リンパ管アクセス器具、末梢血管アクセス器具、中央血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、線、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科的ドレーンから選択される、請求項1~24の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項26】
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記身体係合部材は弾性材料を含み、任意選択的に、前記身体係合部材は拭き取り可能な材料、リサイクル可能材料、生分解性材料のうちの少なくとも1つを含み、更に任意選択的に、前記身体係合部材は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は弾性材料を含み、任意選択的に、前記固定具は拭き取り可能な材料を含み、更に任意選択的に、前記固定具は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は、成形プラスチックなどの硬質又は剛性材料と、任意選択的に弾性インサートとを含むとの構成、
前記基部は、成形プラスチックなどの硬質材料、及び/又はエラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂などの弾性材料を含むとの構成である、請求項1~25の何れか一項に記載の医療品固定器具。
【請求項27】
医療品を固定する方法であって、
請求項1~26の何れか一項に記載の医療品固定器具を提供するステップと、
所望の位置で患者の身体部分上に配置された医療品に対して前記医療品固定器具を接近させるステップと、
前記医療品の下へ前記医療品固定器具を案内するステップと、
医療品係合部を前記医療品と位置合わせするために、前記医療品係合部材を前記身体係合部材に対して随意に回転させるステップと、
前記開放形態での前記固定具を用いて、前記医療品の少なくとも一部を前記医療品係合部と係合させるステップと、
前記固定具を前記閉鎖形態に移動させることによって、前記医療品を前記医療品係合部材に固定するステップと、
前記医療品固定器具の前記身体係合部材を患者の身体部分に固定するステップと、を含み、
前記固定具を前記閉鎖形態に移動させることによって、前記医療品を前記医療品係合部材に固定するステップは、ロック機構をロックし、前記基部の回転軸の周りで前記身体係合部材に対する前記医療品係合部材の回転を防止し、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記医療品は導管を含む侵襲性器具であり、任意選択的に、前記医療品は、カテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、リンパ管アクセス器具、針、末梢血管アクセス器具、中心血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、ライン、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科的ドレーンから選択されるとの構成、
前記身体部分はヒト又は動物の肢であり、任意選択的に、前記身体部分はヒト又は動物の腕又は脚であり、更に任意選択的に、前記身体部分は上腕であるとの構成である、医療品を固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床環境(例えば、ヒト又は動物の健康管理)における医療品の取り付けの分野に関し、特に、臨床環境における患者への導管(例えば、カテーテル、血管アクセス器具、リンパアクセス器具、外科的ドレーンなど)を含む侵襲性器具の固定に関する。
【背景技術】
【0002】
静脈、動脈、リンパ節又は尿路などの体腔に挿入されるように構成された侵襲性医療品の不具合は、複雑な生体力学的及び生理学的プロセスで存在する。3つの既知の故障モードが存在し、侵襲的な医療品(カニューレなど)の故障の原因となっている:チューブの閉塞(40%)、体外への脱落(20%)、内腔から周辺組織への流体の漏出(溢出)(40%)。Nature Scientific Reports誌に発表された2つの主要な研究では、ヒト又は動物の血管内アクセスを得るために使用されるカニューレ(いくつかの国ではカテーテルとしても知られている)に関するこの現象の計算及び生体力学的解析が行われている。彼らは、カニューレ先端の微動に伴う静脈の機械的刺激が失敗の主要な原因であると結論付けた(Piper et al,Scientific Reports.2018;8:3441 and Takahashi et al,Scientfic Reports.2020;10:1-13)。
【0003】
試験は導管を運ぶ侵襲性医療品の20%の失敗が除去/変位によるものであることを示したが、カニューレ失敗の80%は管腔からの注入された材料の閉塞又は漏出によるものである。これらは、注入された原料からの管腔内の刺激、及び不適切な周辺固定の結果として繰り返される医療品(例えば、カニューレ)の微動の生理学的結果に起因して生じる。
【0004】
生体力学的及び計算的研究が示すように、管腔内のカニューレチューブの繰り返しの微小移動は血管の壁を刺激し、損傷させ、カニューレチューブをブロックし得る生理学的応答を開始する。例えば、カニューレ又はカテーテルなどの侵襲性医療品の毎日の使用は医療品に機械的破壊を引き起こし、これは、故障の一因となる。
【0005】
患者は多くの場合、移動可能であり、カニューレについて知らないか、又は忘れる。それらは、多くの場合、カニューレを取り除き、それらの血管に損傷を引き起こす可能性がある引張り力を及ぼす。更に、カニューレは定期的に、抗生物質などの流体を手で一気(ボーラス)に注入する。カニューレに接続されたとき、シリンジは、カニューレをひっくり返したり、物品が挿入された管腔(例えば静脈や動脈)の機械的刺激の一因となり得る大きなモーメント力又はてこ作用を引き起こす。流また、ルアーロックは回転によって接続するため、カニューレにねじれ(トルク)が加わり、流体ラインの接続はカニューレの物理的な破壊につながる。更に、ルアーロックカニューレの取り付けには、カニューレに回転力と反力が必要であり、これも静脈の刺激とピストン運動の一因となる。
【0006】
カニューレは通常、適所に挿入され、創傷部位の感染を最小限に抑えるために、良好なバリア機能(例えば、飛沫に対する)を提供する粘着性ドレッシング材で保護される。しかしながら、これらの粘着性ドレッシング材は患者が体毛又は汗を有する場合、それらの弱い粘着性及びさらなる粘着性損失のために、カニューレのための不十分な固定機能を提供する(動物患者はしばしば体毛を有するので、これは獣医学的ヘルスケア環境において特に重要である)。加えて、粘着剤は皮膚に損傷を与える可能性があり、濡れると粘着性になり、洗浄することができない。プレホスピタル対応、クリティカルケア搬送、救急対応など、タイムリーな治療が不可欠なダイナミックな臨床環境では、医療機器を接続し使用しなければならないスピード、これらの環境における患者/スタッフのより大きな移動性、及び関連する環境上の危険性が、標準的な粘着性ドレッシング材の粘着特性を超えて、医療用品にさらなる力をかける可能性がある。
【0007】
既存の解決策は、血管内カニューレ欠陥の特定の態様を対象とする。2018年のLancetの研究(Rickard et al.,The Lancet.2018;392:419-430)はとりわけ、主要な商業的弱点を強調した。それらはカニューレの生存時間又は滞留時間の増加させる上で明確で再現可能な効果を有さない。
【0008】
ほとんどの利用可能な安定化器具は、様々なカニューレタイプに対応するために異なるモデルを有する。したがって、異なるサイズの医療品(例えば、異なる直径又は形態のカニューレ)を固定することができる汎用的な安定化器具が必要とされている。
【0009】
更に、静脈カニューレの大部分とすべての橈骨動脈カニューレは、上肢の中心を通る大容量の血管が存在するため、四肢に対して平行に挿入される。しかし、かなり少数の患者では、カニューレを挿入する静脈が斜めになっていることがある。これは重要な技術的課題であり、従って、身体の一部(例えば四肢)に平行に固定することができるが、0度から90度の間の角度で医療品(例えばカニューレ)に接触して固定することができる侵襲的医療器具安定化技術が必要とされている。橈骨カニューレの場合、挿入形状は通常固定されているが(0度)、手首の位置は中心ではない。例えば、既存の技術では、角度のあるカニューレに対処するために、四肢全体に塗布される粘着剤固定方法を採用している。
【0010】
特許文献1は、カニューレの長手方向の変位を防止することによって機能する固定器具を開示しており、理論的には、静脈内での往復運動を減少させ、それによってカニューレの閉塞につながる生理学的プロセスを緩和すべきものである。これは、製品を皮膚に接着させるための粘着フィルムに依存している。この粘着フィルムは、患者との接触をしっかりと維持することができないことで知られ、特に、体調が悪く、カニューレの不具合によるリスクが最も高い患者の間では、信頼性が低い。本装置は、カニューレに接続された外部器具を固定するものではないため、カニューレのずれや静脈外滲出への影響は考えにくい。臨床研究では、本製品はカニューレの生存に影響を与えないことが示されている(Rickard et al.,The Lancet,2018;392:419-430)。
【0011】
Sorbaview SHIELD (TM)は皮膚に接着し、補強されたセグメントを通して、カニューレの多方向移動を緩和することを試みるドレッシング材基部の器具である。粘着性ドレッシング材は、信頼性がなく、低負荷で破損する。毛深い、汗かき、肥満の患者は、カニューレ破損のリスクが最も高い。この器具は、カニューレに接続された外部器具には対応していないため、カニューレの変位や静脈外滲出への影響は考えにくい。2018年に行われたSorbaview SHIELDと標準治療を比較した研究では、カニューレ生存率に統計学的有意差は認められなかった(Marsh et al.,Trials.2018;19:596)。
【0012】
特許文献2は、医療用チューブ、カテーテル、及び患者の皮膚の近位にある他の医療用固定具を保持するための固定器具を開示している。器具は、基部と、基部に形成された少なくとも1つのチャネルと、基部を覆うための可撓性ストラップと、ストラップを基部に結合するための結合アセンブリとを有する。器具は特に、体毛を有するか、又は結果として過度に病気で汗をかいている患者において、失敗する可能性が高い接着帯の手段によって、患者の身体部分に取り付けられる。
【0013】
導管(カニューレなど)を運ぶ侵襲性医療品を安定化し、微動を低減し、侵襲性医療品の故障を低減し、血管内(例えば、静脈又は動脈)アクセスを維持するための移動を排除することができる、改善された技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0276542(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許第9463303(B2)号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様では、医療品固定器具が提供される。医療品固定器具は、医療品係合部材を備えてもよい。医療品係合部材は、医療品(又は医療品の一部又は部分)を受容するように構成された少なくとも1つの医療品係合部(又はホルダ)を規定する基部を備えてもよい。
医療品係合部材は、医療品を基部に可逆的に固定するための固定具を備えてもよい。固定具は開放形態及び閉鎖形態を定めることができる。
【0016】
医療品固定器具は、医療品固定器具を人間又は動物の身体(体)部分に固定するように構成された身体係合部材を備えてもよい。
医療品固定器具はロック機構を備えてもよい。ロック機構は医療品係合部材の固定具が開放形態にあるとき、基部の回転軸の周りの身体係合部材に対する医療品係合部材の基部の回転を可能にするように構成され得る。ロック機構は医療品係合部材の固定具が閉鎖形態にあるとき、基部の回転軸の周りの身体係合部材に対する医療品係合部材の基部の回転を防止するように構成されてもよい。
使用時に、医療品(又はその一部)が医療品係合部に受容され、固定具が閉鎖形態にあるとき、固定具は医療品に下向きの力を作用させ、医療品係合部材の基部に医療品をクランプ又は他の方法で固定し、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止するように配置された基部に上向きの力を作用させるように配置されてもよい。
【0017】
固定具はクイックリリース/クイックセット固定具であってもよい。言い換えれば、固定具は、最小の動作で、開放形態と閉鎖形態との間で移動可能であってもよい。固定具は、最大4つの動作において、開放形態と閉鎖形態との間で移動可能であってもよい。固定具は、単一の動作で、開放形態と閉鎖形態との間で移動されてもよい。例えば、医療品の周りの固定具を引っ張り、それを基部上の係合部位と係合させることにより、固定具を開放形態から閉鎖形態に移動させることができる。係合部位から固定具を(例えば、単一の動作で)解放することにより、固定具を閉鎖形態から開放形態に移動させることができる。代替的に、又は追加的に、固定具が係合部位で基部と係合するまで、固定具を基部に向かって押すことは、固定具を単一工程又は動作で閉鎖形態に移動させ得る。固定具を係合部位から解放すること、例えば、リーバ、ラッチ、又はボタンを押すことによって、又は任意の適切な方法で固定具を基部から係合解除すること(例えば、ポッパーを解放すること、固定具をラッチ又はフックから解放することなど)によって、固定具を開放形態に移動させることができる。固定具は、固定具に力を加えることによって、閉鎖形態に移動されてもよい。例えば、固定具は、固定具が引き伸ばされる結果となる引張力、及び/又は固定具を医療品(使用中)のより近くに移動させる押圧力を固定具に加えることによって締め付けられてもよい。固定具を閉鎖形態に移動させる(及び場合により、前記固定具を医療品の一部の周囲に締め付ける)ことは、以下の効果を有する。a)医療品の基部と基部に係合する医療品の部分との間の距離を減少させる(例えば、医療品を基部に押し込むことによって)、医療品と基部との間のより緊密な接触を提供する、及びb)身体係合部材を基部に向かって引き、それによって、ロック機構を作動させ、医療品係合部材の身体係合部材に対する回転を防止する。
【0018】
有利には、本発明のロック動作が利用者が単一の動作で医療品固定器具及び医療品の位置に満足したときにのみ、ロックを同期させることができる。これにより、移動と注意散漫とが起こる可能性のある間に、医療用物品固定具をセットしてからロックするまでの時間を短縮できる。
【0019】
ロック機構は、可逆的にロック及びロック解除することができる。有利なことに、ロック機構のこの可逆的なロック動作は、固定具が、同じ患者の、又は患者の異なる身体部分で、又は異なる患者の医療品に使用され得ることを確実にする。これは、器具の再使用を可能にすることによって、医療品固定器具の二酸化炭素排出量及び/又はコストを削減するために有益であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では医療品係合部材の基部のみが、身体係合部材に対して回転可能であってもよい。他の実施形態では完全な医療品係合部材(すなわち、基部及び固定具)は身体係合部材に対して回転することが可能であり得る。
いくつかの実施形態では、完全な医療品係合部材及び/又は医療品係合部材の基部が開放形態で身体係合部に対して360°回転することが可能であり得る。有利には、この360°回転が無限の医療品の向き、並びに左又は右の四肢における器具の使用に適応し得る。
他の実施形態では、完全な医療品係合部材及び/又は医療品係合部材の基部が60°まで、好ましくは40°まで、最も好ましくは30°まで回転可能であってもよい。
【0021】
医療品係合部及び/又はその基部は時計回り方向のみ、反時計回り方向のみ、又はその両方に回転するように構成されてもよい。
好ましい実施形態では、医療品係合部が時計回り方向に30°まで、反時計回り方向に30°まで回転するように構成されてもよい。これは、合計60°を提供し、医療品は医療品固定器具で最適な位置に固定される前に、最適な配置のために調整され得る。この構成は使用中の医療品との組み立てを複雑にしないように、器具が実際に通常使用される範囲内で回転可能であるように、回転の範囲を制限することによって、利用者のための器具を単純化することができる。
医療品係合部及び/又はその基部は、所定の間隔で回転することができる。言い換えれば、医療品係合部及び/又はその基部の回転は、指標付けされてもよい。例えば、医療品係合部及び/又はその基部は、5°、又は10°、又は15°、又は20°、又は25°、又は30°、又は35°、又は40°、又は45°の間隔など、5°~45°の間隔で回転してもよい。有利には、医療品係合部材(及び/又はその基部)の回転を割り出すことは医療品係合部材の位置の正確かつ迅速な微調整を可能にする。
【0022】
身体係合部材に対する医療品係合部材(及び/又は基部)の回転は、可聴及び/又は触覚フィードバックなどの聴覚フィードバックを提供し得る。例えば、身体係合部に対する医療品係合部の回転は、器具が正しく固定されていることを利用者に安心させることができるクリック音及び/又は触覚クリック音を生成することができる。聴覚フィードバックは、医療品係合部が上記で定義されたように所定の間隔又は距離だけ回転するたびに生成されてもよい。聴覚フィードバックは医療品係合部(例えば、基部)上にインデクサ(例えば、ばね荷重又は弾性インデクサタブ又はポール)を設けることによって達成され得、このインデクサは、身体係合部上又は身体係合部が取り付けられるインサート上に配置された歯付き特徴部(例えば、歯付きリング)上を移動する。身体係合部(又はそのインサート)に対する医療品係合部の回転時に、インデクサはすべての歯の輪郭を通過し、歯の頂部を通過した後、次の歯の凹部に移動し、クリック音及び感触を提供することができる。
【0023】
基部は、医療品と相互作用するように構成された頂部を有する可能性がある。頂部は、身体係合部材の上面に配置されてもよい。上面はロック機構の第1のロック構成要素を備えるか、又は規定することができ、身体係合部材は、ロック機構の第2のロック構成要素を規定することができる。ロック機構の第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素は固定具が開放形態にあるとき、基部が身体係合部材に対して移動することを可能にするように構成され得る。閉鎖形態では、第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素が(たとえば、ロック機構の第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素を係合することによって)身体係合部材に対する基部の移動を防止するように構成され得る。例えば、基部(又は基部の頂部)は一連の歯又は突出部を規定してもよく、身体係合部材は固定具の閉鎖形態において基部の歯又は突出部と係合するように構成された相補的な一連の歯又は突出部を規定してもよい。
【0024】
基部は頂部及び底部を有してもよい。頂部は、医療品と相互作用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、底部が着用者の身体部分に面するように構成されてもよい。他の実施形態では底部が身体係合部材に面してもよい。
【0025】
医療係合部は、医療品(又は医療品の一部又は部分)を受容するように構成されてもよい。医療品係合部は長手方向軸を規定してもよい。使用時に、医療品係合部の長手方向軸は、医療品係合部内に受容されるか、又は医療品係合部に結合される医療品の長手方向軸と整列されるように構成され得る。
【0026】
基部は、この基部がその周りを回転する回転軸を規定してもよい。基部の回転軸は、身体係合部材に対して実質的に垂直であり得る。基部の回転軸は、身体係合部材の長手方向軸に対して実質的に垂直であってもよい。
【0027】
固定具は長手方向軸を規定してもよい。固定具の長手方向軸は、固定具の長さに沿って規定されてもよい。換言すれば、固定具の長手方向軸は、固定具の端部A-A’間に規定されてもよい。固定具の長手方向軸は固定具が閉鎖形態にあるとき、基部の回転軸に対して実質的に垂直であってもよい。いくつかの実施形態では、固定具の長手方向軸が開放形態において基部の回転軸と実質的に平行であってもよい。他の実施形態では、固定具の長手方向軸が開放形態では基部の回転軸に対して実質的に垂直であり得る。本開示の文脈において、実質的に平行とは、回転軸から0°±25°に配置されることを意味し得る。実質的に垂直とは、回転軸から90°±25°に配置されることを意味し得る。
【0028】
医療品係合部は、固定具の長手方向軸に実質的に垂直な軸に沿って配置されてもよい。医療品係合部は、基部の回転軸に対してある角度で配置されてもよい。医療品係合部材は、身体係合部材に対してある角度で配置されてもよい。医療品係合部は、基部の回転軸から約55°~約90°、又は約60°~約85°、又は約70°~約80°、又は約75°~約80°、又は約75°~約90°、又は約70°~約80°の角度αで配置され得る長手方向軸を規定し得る。いくつかの実施形態では、医療品係合部が基部の回転軸から約80°~約75°、好ましくは約80°の角度αで配置され得る長手方向軸を規定し得る。換言すれば、医療品係合部は、身体係合部材に対して傾斜するように構成されてもよい。医療品係合部は、身体係合部材に対して、及び/又は医療品係合部材の基部の下面に対して、約5°~約25°、又は約10°~約25°、又は約15°~約25°、又は約20°~約、又は約10°~約15°、又は約5°~約10°に配置された長手方向軸を規定し得る。有利には、医療品係合部を身体係合部材に対して(及び使用時に身体係合部材が取り付けられる患者の身体部分に対して)ある角度で配置することは医療品(特にカニューレなどの細長い医療品)が受けるモーメントを打ち消すことができ、その重心は医療品の端部(例えば、カニューレの尾端部)に、又はそれに向かって配置され、その重心は接続された流体ラインの残留引張と一緒に、医療品を後方に傾かせ、それによって、前後の微動の機会を作り出す。角度は、器具内に受容されるべき医療品のタイプ及び寸法に応じて修正されてもよい。
【0029】
医療品の少なくとも一部は医療品係合部内に受容されるように構成されてもよく、医療品の長手方向軸は基部の底部に対して及び/又は身体係合部材に対して約0°~約35°、又は約0°~約20°、又は約0°~約15°、好ましくは約5°~約10°、更に好ましくは約6°~約10°、又は約10°又は約7°の角度で配置される。医療品係合部の長手方向軸は、基部の底部に対して約0°~約35°、又は約0°~約20°、又は約0°~約15°、好ましくは約5°~約10°、更に好ましくは約6°~約10°、又は約10°又は約7°の角度で配置され得る。基部の頂部及び底部は、平行であってもよい。頂部は、基部の底部に対して角度をなして配置されてもよい。角度は、約0°~約35°、又は約0°~約20°、又は約0°~約15°、好ましくは約5°~約10°、更に好ましくは約6°~約10°、又は約10°もしくは約7°の角度であり得る。
【0030】
医療品係合部と、基部及び/又は身体係合部材の底部との間の角度は、可変であってもよい。例えば、医療品係合部と、基部及び/又は身体係合部材の底部との間の角度は、約0°~約35°で可変であってもよい。基部の頂部と底部との間の角度は、軸の周りで可変であってもよい。例えば、頂部は、基部の底部に対して可逆的に傾斜してもよい。医療品係合部と基部及び/又は身体係合部材の底部との間の角度は油圧、空気圧及び/又は機械的構成、例えば、ねじ、ポンプ又はシリンジを備えた空気圧導管などの任意の適切な手段によって、利用者によって変更されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、基部の頂部又はその一部は、一方の側で底部、又は頂部の別の部分にヒンジ結合されてもよく、反対側は、頂部のヒンジ結合されていない部分の高さを可逆的に変更することができる機械的、油圧的、又は空気圧的配置によって支持されたヒンジ結合されていない部分であってもよい。例えば、機械装置はねじを備えてもよく、液圧又は空気圧機構は空気、水、生理食塩水溶液などの流体で膨張及び収縮することが可能な流体容器を備えてもよい。ねじの調整又は流体容器内の流体の量は基部の頂部の非ヒンジ部分の高さを変更し、したがって、基部のヒンジ部分をヒンジの周りで回転させ、基部の頂部の角度を変更することができる。有利には、医療用係合部分の角度の可変性を可能にすることは患者の快適さを最大にし、異なるタイプの医療品での器具の使用の柔軟性を提供することができる。利用者(例えば、看護師、看護助手、医師など)は、医療用係合部分の角度を調整して、医療品が所与のシステムに最適な角度で受け入れられることを確実にすることができる。
【0031】
基部の頂部は、上面及び下面を規定してもよい。医療品係合部は、基部の頂部の上面に配置されてもよい。医療品係合部は、基部の頂部の上面に規定されてもよい。基部の頂部の下面は、身体係合部材と平行であるように構成されてもよい。頂部の下面は、身体係合部材の上面に隣接してもよい。
【0032】
基部の頂部の上面は、基部の頂部の下面と平行であってもよい。基部の頂部の上面は、頂部の下面から角度をなして配置されてもよい。角度は、約0°~約35°、又は約0°~約20°、又は約0°~約15°、好ましくは約5°~約10°、更に好ましくは約6°~約8°、又は約7°の角度であってもよい。頂部の少なくとも一部分は、テーパ状であってもよい。例えば、頂部は楔形状を規定してもよい。
【0033】
医療品係合部材は、医療品係合部内に係合された医療品の長手方向、回転及び/又は横方向の動きを防止するように構成されてもよい。有利には、医療用係合部材が基部と固定具との間に医療品をクランプするか、又はしそうでなければ固定するロック、又はピンサーとして働き得、したがって、医療品の移動又は医療品の長手方向軸の周りの医療品の回転を防止する。これは、固定具及び基部(又はその医療品係合部)が共に、医療品に加えられる任意の力(例えば、引張り力、又は人間又は動物のヘルスケア環境で加えられることが必要とされる、回転力)に対抗するように構成されるので、特に有利である。
【0034】
医療品係合部は、基部の頂部の上面に接続されるか、又はそこから延びる直立壁又は突出部であってもよい。直立壁は、医療品を収容するように構成された成形面を規定してもよい。使用時には、医療品が成形表面に対して傾斜し、固定具によってそれに固定されるように構成される。例えば、直立壁は、C字形表面、U字形表面、又はV字形表面などの湾曲表面を規定してもよい。
【0035】
医療品係合部は、医療品の周りにスナップ嵌めするように構成された少なくとも1つのカラーであってもよい。
【0036】
医療品係合部は、基部の頂部に規定されたチャネルであってもよい。チャネルの長手方向軸は、基部の底部を含む平面に対してある角度で配置されてもよい。約5°~約35°の角度であり、更に任意選択で、角度は約15°、又は約10°、又は約7°である。チャネルは、任意の適切な形状又は形態を規定することができる。例えば、チャネルは、V形状、又はU形状、又はC形状を規定してもよい。
【0037】
有利なことに、医療品係合部としてチャンネル、好ましくはV字形のチャンネルを設けることは、チャンネルが医療品の大きさに関係なく医療品を楔で固定するか又は確実に保持することができるため、異なる大きさの医療品と共に医療品固定器具を普遍的に使用することを可能にし得る。例えば、医療品がカニューレである場合、医療品固定器具は異なる直径のカニューレを固定することができ、したがって、普遍的であり得る。V字形状は、多くの寸法のカニューレ/NFCとチャネルとの間の少なくとも2つの規定された接触点を提供し得、チャネル内の摩擦拘束の機会を最大化する。
【0038】
医療品係合部は溝であってもよい。溝は任意の適切な形状を有することができる。例えば、溝は、C字形、U字形、又はV字形であってもよい。
【0039】
固定具は、任意の適切な手段によって基部及び/又は身体係合部材と係合するように構成されてもよい。例えば、固定具は一方の側で基部及び/又は身体係合部材に固定して結合されてもよいが、反対側で移動可能に結合されてもよく、又は両側で移動可能に結合されてもよい。
【0040】
好ましい実施形態では、固定具が常に医療品係合部に対して垂直な角度で配置されてもよい。有利には、この構成が医療品係合部に受容される医療品に最大のクランプ力を提供することができ、したがって、医療品が外力を受けても、医療品の回転運動、長手方向運動、及び横方向運動を最小限にするか、又は排除する。
【0041】
基部及び/又は身体係合部材は、固定具が開放形態にあるときに、固定具を受容し、スリットを通る固定具の長手方向軸に沿った固定具の移動を可能にするように構成された少なくとも1つのスリット、開口、又はチャネルを規定してもよい。固定具は、スリット又は開口を通って嵌合又は摺動するように構成されてもよい。
【0042】
スリット又は開口は、孔、直線スリット、又は湾曲スリット、又はL字形スリットであってもよい。基部は固定具チャネルを形成するように、互いに接続された少なくとも2つの開口を規定してもよい。固定具は、スリット又は開口を通って嵌合又は摺動するように構成されてもよい。固定具チャネルは、実質的に直線であってもよく、又は蛇行経路を規定してもよい。いくつかの実施形態では、2つのスリット又は開口が2つのスリットのうちの第2のスリットに対して実質的に垂直に配置されてよく、したがって、L字形の固定具チャネルを形成する。蛇行経路を有する固定具チャネルを提供することは、医療品がトルク、表面張力、又は引張り運動などの力を受けているときに、医療品係合部に収容された医療品の動きを回避又は制限するために、固定具に表面張力を付与することになるので、有利であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、固定具が少なくとも1つのスリット、開口、又は固定具チャネルを通って摺動することができる。固定具を締め付けるために、医療品係合部と、医療品係合部の反対側(例えば、真上又は真横に)に配置された固定具の一部又は部分との間の距離は、例えば、固定具に力を加えること(例えば、固定具をその長手方向軸に沿って引っ張ること、又は固定具を基部に向かって押すこと)によって、減少され得る。
【0044】
固定具は医療品係合部の一方の側で基部に結合されてもよい(例えば、固定的に又は枢動可能に固定されてもよい)。結合は、直接的又は間接的であってもよい。例えば、固定具の一端は基部が動かないように、基部にクランプされるか、又は他の方法で固定されてもよい。いくつかの実施形態では、固定具が医療品係合部の一方の側で基部に枢動可能に(直接的又は間接的に)結合されてもよい。例えば、固定具の一端は、基部に枢動可能に連結されてもよい。いくつかの実施形態では固定具の一端が基部上の相補的な特徴部(例えば、ピンを受容するための開口)と係合するように構成された特徴部(例えば、ピン)を備え得、その結果、基部は固定具を保持し、一方、固定具はピボット軸の周りで回転することを可能にする。いくつかの実施形態では、固定具が基部に動作可能に接続されたヨークに結合されてもよい(例えば、固定的に又は枢動可能に結合されてもよい)。ヨークは、基部と身体係合部材との間に配置されてもよい。固定具の他端は、医療品係合部材と可逆的に係合するように構成されてもよい。例えば、固定具の他端は任意の好適な手段(例えば、医療品係合部材を通ってスライドし、ラチェットで固定される)によって、医療品係合部材(又はその基部)に解放可能に固定可能であるように構成されてもよく、又は、医療品係合部を越えて、医療品係合部の反対側で医療品係合部材と係合し、固定具が基部に結合される場所に係合する。
【0045】
いくつかの実施形態では、固定具が第1の端部及び第2の端部を有する弾性ストラップであってもよい。第1の端部は、ロック機構の基部又はロック構成要素に固定又は旋回可能に固定されてもよい。第2の端部は固定具を閉鎖形態で基部に可逆的に固定するために基部上の係合部位と係合し、開放形態で基部の係合部位と係合しないように構成されてもよい。
【0046】
基部は医療品係合部の反対側(すなわち、固定具が基部に固定的に又は枢動可能に連結される場所とは反対側)に固定具のための係合部位を規定してもよい。係合部位は固定具が基部から外れたり、解放されたり、又は外れたりするのを防止するための任意の好適な手段又は器具を備えてもよい。言い換えれば、係合部位は、固定具を基部に可逆的に固定するための任意の配置又は手段であってもよい。固定具のための係合部位は、固定具が固定的に又は枢動可能に結合される医療品係合部の反対側で基部上に規定される少なくとも1つのスリット、開口、又は固定具チャネルであってもよい。係合部位は、固定具を基部に可逆的に固定するためのラッチであってもよい。係合部位は固定具を基部に可逆的に固定するための弾性タブ(例えば、片持ちタブ)であってもよい。係合部位は、固定具を基部に可逆的に固定するためのリーバであってもよい。係合部位は固定具の一部を受け入れるための開口と、固定具を基部に可逆的に固定するための任意の好適な手段(例えば、ボタン)によって操作されるラッチと、を備えてもよい。
【0047】
使用時には、医療品が医療品係合部に対して静止するか、又は医療品係合部内に挿入されてもよく、固定具は(例えば、医療品係合部からの医療品の取り外しを防止するために)医療品の上及び/又は周囲に配置されてもよい。固定具は固定具を基部に可逆的に固定し、基部の回転を防止するために、基部の係合部位と解放可能に係合するように構成されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、固定具が医療品係合部の反対側に配置された少なくとも1つのスリット、開口、又は固定具チャネルを通して供給されるように構成されてもよい。医療用品が正しい位置に配置され、固定具が締め付け/固定されると、固定具は、医療用品係合部に対する医療品の移動を最小限に抑えるか、又は防止するように固定されるように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、基部が医療品係合部の両側に少なくとも1つのスリット、開口、又は固定具チャネルを規定してもよい。これらの実施形態では使用時に、医療品は医療品係合部に対して静止するか、又は医療品係合部内に挿入されてもよく、固定具は(例えば、医療品係合部からの医療品の取り外しを防止するために)医療品の上又は周囲に配置されてもよい。固定具は、医療品係合部のいずれかの側に配置された少なくとも1つのスリット、開口、又は固定具チャネルの各々を通って供給されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、固定具がスリットのうちの1つ又は複数において、固定具から長手方向外向きに(医療品係合部から離れる方向に)引っ張ることによって、(使用時に、医療品の周りで)締め付けられてもよい。しかしながら、他の実施形態では、固定具が任意の他の適切な手段によって締め付けられてもよい。医療品が正しい位置に配置され、固定具が締め付けられると、固定具は、医療品係合部に対する医療品の移動を最小限に抑えるか又は防止するように固定されるように構成されてもよい。
【0050】
身体係合部材は、基部の頂部と底部との間に配置されてもよい。固定具を閉鎖形態に移動させ、医療品の一部の周りで前記固定具を締め付けることは、基部の頂部及び/又は底部と身体係合部材との間の距離を低下させることができる(基部の頂部と身体係合部材との間のより緊密な接触を提供する)。加えて、固定具を閉鎖形態に移動させること(及び任意選択で、医療品の一部分の周りで前記固定具を締め付けること)は、基部と、基部と係合される医療品の一部分との間の距離を減少させ、身体係合部材を基部に向かって引張り、それによって、ロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。
【0051】
身体係合部材は、着用者の身体部分に面するように構成された下面と、着用者の身体部分から離れて面するように構成された反対側の上面とを規定してもよい。いくつかの実施形態では、基部の底部の少なくとも一部が身体係合部材の下面に隣接して配置され得る。基部の頂部は、身体係合部材の上面に隣接して配置されてもよい。
【0052】
基部の頂部及び底部は、一体であってもよい。基部の底部は、身体係合部材内に規定された開口を通ってスナップ嵌めするように構成されてもよい。基部は、頂部と底部との間に凹部又は溝を規定してもよい。凹部又は溝は、身体係合部の一部を収容するように構成されてもよい。使用時、基部の底部は身体係合部材の開口の下に(すなわち、身体係合部材の下面に)配置されてもよく、基部の頂部は身体係合部材の開口の上に(すなわち、身体係合部材の上面に)配置されてもよく、基部の凹部又は溝は、身体係合部材の開口に挿入されてもよい。
【0053】
基部の頂部及び底部は、別個の部分であってもよい。底部は身体係合部材の下面に隣接して配置されるように構成された下側プレートと、身体係合部材の上面の上方で基部の頂部と係合するように構成された少なくとも1つの突出部(例えば、アーム、突出部、又は直立突出部)とを備えてもよい。基部の頂部は、基部の底部の少なくとも1つの突出部を受容するように構成された少なくとも1つの開口を規定してもよい。いくつかの実施形態では底部の下部プレートが身体係合部材の上面の上方で基部の頂部に係合するように構成された第1及び第2の突出部を備え得、基部の頂部は第1及び第2の開口を規定し得、頂部の第1の開口は基部の底部の第1の突出部を受容するように構成され、頂部の第2の開口は基部の底部の第2の突出部を受容するように構成される。
【0054】
基部の少なくとも1つの突出部は、身体係合部材の開口を通過するように構成されてもよい。少なくとも1つの突出部は、身体係合部材を覆って折り畳まれ、身体係合部材の上面の上方で基部の頂部に係合するように構成されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、基部が1つの部品のみで構成されてもよい。基部は、身体係合部材の上面に隣接して配置されてもよい。基部は、身体係合部材に回転可能に結合されるように構成されてもよい。基部は、身体係合部材にスナップ嵌めするように構成されてもよい。身体係合部材は基部が身体係合部材にスナップ嵌めされ得るように、基部を受容するためのリップを規定し得る。スナップ嵌め結合は身体係合部材に対する基部の回転を可能にしながら、身体係合部材上に基部を保持することができる。基部及び身体係合部材は身体係合部材が基部を保持することを可能にし、同時に基部が身体係合部材に対して回転することを可能にする、円形状のスナップ嵌め器具の手段によって係合されるように構成され得る。
【0056】
器具は、基部と身体係合部材との間に追加の要素を備えてもよい。例えば、器具は、基部と身体係合部材との間にロック構成要素を備えてもよい。ロック構成要素はヨークであってもよい。ロック構成要素は例えば、約3°~約10°、好ましくは約5°旋回することができてもよい。固定具は、ロック構成要素を介して基部に間接的に結合されてもよい。ロック構成要素は、固定具を受容するように構成された特徴部を規定するヨークであってもよい。例えば、ロック構成要素は固定具の対応する雄型特徴部(例えば、ピン)を受容するように構成された雌型特徴部(例えば、開口)を規定し得る。いくつかの実施形態では、ロック構成要素が固定具の対応する雌型特徴部(例えば、一致する形状を有する開口又は特徴部)に受容されるように構成された雄型特徴部(例えば、ピン又は突出部)を規定し得る。固定具は(例えば、固定具の雌形特徴部及び雄形特徴部とロック配置要素とを係合させることによって)ロック配置要素に枢動可能に連結されてもよい。ロック構成要素は、基部に動作可能に結合され得る。例えば、基部は、ロック構成要素の一部が突出し得る開口又はスリットを規定し得る。固定具は、ロック構成要素が基部に動作可能に結合されると、ロック構成要素に結合され得る。基部は、成形プラスチックなどの硬質材料、及び/又はエラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂などの弾性材料を含んでもよい。
【0057】
基部の頂部は、硬質材料を含むことができる。硬質材料は、医療品係合部において軟質又は弾性材料で(少なくとも医療品係合部において)裏打ちされてもよい。例えば、基部の頂部は、エラストマー材料又はシリコーンで裏打ちされた硬質プラスチック材料を含んでもよい。ライニング材料は微動を防止するために、ならびに異なる形状及び/又はサイズの医療品を収容するために、医療品に対して摩擦を提供するように構成されてもよい。あるいは、上面がゴム、シリコーンなどの弾性材料で成形されてもよい。有利には弾性材料又はシリコーン樹脂もしくはゴムなどの軟質材料で作られた、又はそれで裏打ちされた医療品係合部を提供することは医療品と接触するように構成された材料の摩擦係数を最大化し、したがって、医療品係合部によって医療品に及ぼされる摩擦力を最大化し、器具内の医療品のクランプ及び固定を更に支援して、器具内の医療品の長手方向、横方向、及び/又は回転運動を防止することができる。
【0058】
固定具は、任意の適切な形状又は形態をとることができる。例えば、固定具は、剛性クランプであってもよい。固定具は、少なくとも1つのバンドを備えてもよい。少なくとも1つのバンドは、可撓性ストラップであってもよい。固定具は複数のバンド(例えば、ストラップ)を備えてもよい。複数のバンドのうちの少なくとも1つは医療品係合部の一方の側に固定して又は旋回可能に取り付けられてもよく、複数のバンドのうちの少なくとも1つは医療品係合部の他方の側に固定して又は旋回可能に取り付けられてもよい。固定具は、ねじ以外の締結固定具であってもよい。
【0059】
固定具及び/又は基部の少なくとも一方は、固定具を基部に解放可能に固定するように構成された締結具を備える。ファスナーは、フックアンドループファスナー、スナップ嵌め、アイレット及びピン、フックアンドアイレット、ボタン及びアイレット、ポッパー、孔及びリンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、D環、磁石のスナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、サイドリリースバックル、タイバックル、ラチェット歯及び爪、ラッチ、レバー、ラッチを設定/解除するためのボタンなどのうちの1つ又は複数から選択され得る。固定具が医療品係合部の一方の側に固定して又は枢動可能に取り付けられる実施形態では、締結具が医療品係合部の反対側に配置されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、固定具が異なる長さで基部に固定されてもよい。言い換えれば、固定具は異なる長さで(例えば、締結具によって)締め付け及び緩めることが可能であり得る。固定具は、例えば、固定具のラチェット歯又は孔の間の距離によって決まる、異なる所定の長さで締め付けることができる。所定の長さは、0.5mm~約15mm、好ましくは約10mm~約14mmであってもよい。有利には、異なる長さで締結され得る固定具を提供することは医療品固定器具が異なるサイズの医療品と共に使用されることを可能にする。例えば、医療品がカニューレである場合、医療品固定器具は異なる直径のカニューレを固定することができ、したがって、普遍的であり得る。
【0061】
開放形態では、固定具が固定具の長手方向軸に沿った基部に対する固定具の移動を可能にするように、基部に係合するように配置されてもよい。固定具の長手方向軸に沿った基部に対する固定具の移動は、基部の医療品係合部と、基部の医療品係合部に反対して配置された固定具の部分との間の距離を修正するように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、固定具が固定具の反対の長手方向への逆の移動を防止する一連の隆起部を備える。例えば、いくつかの実施形態では、固定具が少なくとも1つの一連のラチェット歯、リッジ、又は突出部を備え、基部は固定具及び基部を解放可能に固定し、固定具の少なくとも第1の長手方向に基部に対する固定具の移動を可能にするように構成された少なくとも1つのロッキング歯、爪、又はインデクサを備える。固定具は、医療品を医療品係合部材の基部に解放可能に固定するように構成されてもよい。固定具は身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を可逆的にロックする(すなわち、任意の方向への回転を防止する)ように構成されてもよい。固定具が固定具の長手方向軸に沿って引張り力を受けるとき、ロック歯、爪、又はインデクサは固定具の1つの長手方向(すなわち、固定具の第1の長手方向に沿って)において基部に対する固定具の移動を可能にしてもよいが、反対方向では不可能でもよい(すなわち、第2の長手方向の移動は防止されてもよい)。第1の長手方向は固定具の長手方向軸に沿って、基部から離れていてもよく、第2の長手方向は固定具の長手方向軸に沿って、基部に向かっていてもよい。固定具を第1の長手方向(すなわち、基部から離れる方向)に力(例えば、引っ張り力)にさらすと、固定具を締め付けることができる。固定具が固定具の長手方向軸に実質的に垂直な方向で基部に向かって力を受けるとき(例えば、固定具が基部に向かって押し下げられるとき)、固定具は固定具を開放形態に移動させるために、基部の少なくとも1つのロッキング歯、爪、又はインデクサを対応するラチェット歯、隆起、又は突出部から解放するように構成されてもよく、固定具の反対方向(すなわち、固定具の第2の長手方向)への固定具の移動を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、基部のチャネル又はスリットが固定具の爪、ロック歯、又はインデクサとして作用する。
【0063】
固定具の締結具は、可逆的にロック及び/又は締め付けられ、ロック解除/解放/緩められてもよい。有利には、固定具のこの可逆的な固定作用が固定具が同じ患者上で、又は患者の異なる身体部分上で、又は異なる患者上で、異なる医療品(例えば、異なるサイズの医療物品)のために使用され得ることを確実にする。これは、装置の再使用を可能にすることによって、医療品固定器具の二酸化炭素排出量及び/又はコストを削減するために有益であり得る。また、利用者(例えば看護師)に高度な制御を提供し、利用者の経験又は患者からのフィードバック(例えば、よりきつく又はより緩く)に基づいてファスナーを調整できるようにすることもできる。
【0064】
いくつかの実施形態では、固定具が、固定具の長手方向軸に沿って離間された少なくとも1つの孔又は複数の孔を備えてもよい。基部は、少なくとも1つのフック、突出部、又は翼部を備えてもよい。閉鎖形態では、フックが固定具の長手方向軸に沿った基部に対する固定具の移動を防止するために、固定具の少なくとも1つの孔に係合するように配置されてもよい。開放形態では、フックが固定具の任意の孔に係合しないように構成されてもよい。
【0065】
閉鎖形態では、固定具が医療品係合部材の基部を身体係合部から離れる引張り力にさらすように構成されてもよい。言い換えれば、第2の構成では、固定具が基部を上方に(身体係合部材から離れる方向に)引っ張ることができる。閉鎖形態では、固定具が基部上に配置された医療品を基部に向かって押す力にさらすように構成されてもよい。
【0066】
固定具は可撓性材料を含むことができる。固定具は、拭き取り可能な材料を含むことができる。固定具は、生分解性材料及び/又はリサイクル可能材料を含むことができる。固定具は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布、及びそれらの類似の材料から選択される1つ又は複数の材料を含んでもよい。固定具は、硬質材料を含むことができる。例えば、固定具は、硬質プラスチックを含むことができる。使用時、固定具は、可撓性であるが非弾性の材料を含んでもよい。硬質又は非弾性材料は、医療品への荷重力に強く耐えることができる。しかしながら、それらは、医療品の異なるサイズ又は形状に適合することができない。例えば、固定具がクランプである実施形態では、クランプが特定のサイズ/形状又はサイズ/形状のわずかなばらつきを有するサイズの医療品のみを収容することができる。クランプ構成は非常に素早く設定及び解除することができ、器具からの移動又は脱落を防止するために、医療器具の非常に強力な固定を提供することができる。
【0067】
固定具は、弾性材料を含むことができる。弾性材料は、(使用時に)医療品の周りに成形及び/又は把持するように構成されてもよい。有利には、弾性材料が異なる形状及び/又はサイズの医療品の輪郭に適合することができ、同時に、医療品にかかる荷重力(例えば、上方及び/又は後方への撓み)に対して弾性的に変形しない弾性を有し、それにより、器具内に固定された医療品を保持することができる。弾性材料を用いた固定具は迅速に展開(設定/設定解除)することができ、医療品の異なる形状及びサイズに適合可能であり、器具をより普遍的にする(1つのサイズが全てに適合する)ので有利である。
【0068】
固定具は材料の混合物を含むことができる。例えば、固定具は、硬質材料と、硬質材料の把持性を増加させ、医療品の形状及び/又はサイズの小さな変動に対応するための弾性インサートと、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、固定具が使用中の医療品の把持性を増加させるために弾性インサート(例えば、シリコーン樹脂)で裏打ちされた硬質材料(例えば、プラスチック製)を含むクランプであってもよい。固定具は医療品係合部分及び/又はロック機構の基部としっかりと係合するための硬質材料で作製されたオーバーモールド成形要素(例えば、ピン又は突出部)を備えてもよい。固定具はまた、医療品と係合して固定することができるように、オーバーモールド成形要素としっかりと係合する弾性材料を備えてもよい。この構成は弾性材料(例えば、ストラップ内)の適合性と、医療品係合部材及び/又はロック機構への強力な結合のために必要な強度とを有する固定具を与える。いくつかの実施形態では、固定具がストラップを形成するために、さもなければ補強されていない弾性材料に固定された小さなオーバーモールド成形要素を備えてもよい。他の実施形態では、固定具が医療品の外形に対する把持特徴部を提供するために、固定具の下側周囲に沿って延びる硬質であるが可撓性の材料のリブを備えてもよい。更に他の実施形態では、固定具が弾性材料(例えばストラップ)内に埋め込まれた半剛性(例えば硬質であるが可撓性の)補強部材(例えばラダー構造)を含んでもよい。補強部材は弾性材料の伸縮特性を低減し、使用時の荷重力に耐える能力を増大させることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、固定具がシリコーン又はゴムなどの弾性材料を含んでもよい。有利には弾性材料で作られた固定具は、使用中に医療品固定器具内に固定される医療品に及ぼされる任意の力に対して、減衰又は衝撃吸収効果を有し得る。加えて、弾性材料は固定具の材料の摩擦係数を最大にすることができ、したがって、固定具によって医療品に及ぼされる摩擦力を最大にすることができ、したがって、器具内の医療品のクランプ及び固定を更に支援して、器具内の医療品の長手方向、横方向及び/又は回転運動を防止する。
【0070】
いくつかの実施形態では、固定具が(閉じた構成で)基部のラッチ又は弾性タブと可逆的に係合するように構成され得る。例えば、開放形態から閉鎖形態に移動するとき、固定具は弾性タブを押圧し、弾性タブを変位させ、弾性タブの下にラッチされるように構成されてもよい。固定具は、ラッチ又は弾性タブを偏向させることによって、ラッチ又は弾性タブから解放されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、固定具がクランプ又はスナップキャップであってもよい。クランプは特定のサイズの医療品の周りに適合し、固定するようにサイズ決めされてもよい。固定具(クランプ又はスナップキャップ)は、固定具(クランプ又はスナップキャップ)の一端で基部に枢動可能又はヒンジ結合されてもよい。固定具の他端は、開放形態で基部と係合せず、閉鎖形態で基部と可逆的に係合するように構成される。基部は、クランプ又はスナップキャップの一端を基部に枢動可能に又はヒンジで固定するための任意の好適な手段を規定するか、又は備えることができる。固定具及び基部を組み立てるために、固定具の端部は、基部上にスナップ嵌めするように構成されてもよい。例えば、基部はクランプ又はスナップキャップの一部分を収容し、基部に対するクランプ又はスナップキャップの旋回運動を可能にしながら、クランプ又はスナップキャップの一部分を定位置に保持するように構成された、凹部、突出部、又はフックを規定し得る。基部はクランプ又はスナップキャップの端部を受容し、クランプ又はスナップキャップの端部を旋回可能に係合するように構成された、医療品係合部分の一方の側に、凹部、突出部、又はフックを規定してもよい。
【0072】
基部は、クランプを閉じた構成で基部に可逆的に固定するための任意の好適な手段を規定するか、又は備えることができる。例えば、基部は、クランプを閉じた構成で基部に可逆的に固定するためのラッチ又は弾性タブを規定してもよい。クランプを開放形態から閉鎖形態に移動させると、クランプ(又はスナップキャップ)の自由端(すなわち、基部にヒンジ結合されていない端部)はラッチ又は弾性タブを押圧し、ラッチ又は弾性タブの下を移動するためにそれを偏向させ、その中に保持されるように構成され得る。ラッチ又は弾性タブはクランプと係合するラッチ又は弾性タブの部分がクランプが撓んでいるときにクランプと係合するラッチ又は弾性タブの部分の位置よりも基部の下面に近い(すなわち、ロック機構よりも低い、及び/又は近い)位置に向かって付勢されて、クランプがラッチ又は弾性タブから離れることを可能にする(例えば、開放形態から閉鎖形態に移動する、及びその逆に移動する)。クランプを弾性タブ(又はラッチ)に押し付けると、弾性タブ(又はラッチ)が撓んで、弾性タブが弾性タブの下を通過できるようになる。クランプが閉鎖形態に達すると、弾性タブはその元の位置に跳ね返り、したがって、クランプが不注意に/偶発的に解放し、開くことを防止する。したがって、開放形態から閉鎖形態に移動するために、クランプは基部(すなわち、弾性のつまみ又はラッチ)にクランプを固定するために、手段に対して枢動可能に移動され、押圧され得る。クランプを基部に固定するための手段はクランプを固定するために、クランプが前記手段から離れて通過することを可能にし、その元の位置にスプリングバックし、したがって、クランプを所定の位置にロックするように移動することができる。したがって、クランプは、閉じた構成にスナップ嵌め(又はクイックセット)することができる。加えて、クランプの離型を容易に達成することができ、係合部位は使用者が係合部位を作動させたときにクランプを容易に離型することができるが、誤って(患者が器具を引っ張ったり、触ったりするだけで)離型しない迅速な離型を提供する。
【0073】
クランプ又はスナップキャップは硬質材料又は剛性材料を含んでもよい。例えば、クランプ又はスナップキャップは、金属、任意の適切なプラスチックなどの剛性ポリマー原料を含んでもよい。クランプ又はスナップキャップの材料はクランプ又はスナップキャップを押して閉じた構成に移動させ、器具内に固定された医療品を引っ張るか又は引っ張られたりすることによって及ぼされる引張り力に抵抗するのに十分な剛性を有し得る。有利には、固定具として剛性材料を含むクランプ又はスナップキャップを提供することは医療用固定器具の閉鎖形態に固定されたときに、医療品の垂直変位に対してより強力な固定を提供する。
【0074】
クランプ又はスナップキャップは弾性インサート(例えば、ゴム、シリコーン樹脂、医療グレードシリコーン樹脂、弾性ポリマー材料などから作製される)を備えてもよい。弾性インサートはクランプ又はスナップキャップが閉鎖形態にあるとき、医療品と接触するように構成され得る。弾性インサートは、クランプ又はスナップキャップがサイズのわずかな変動(例えば、サイズの0.1~2.5mmの変動)を有する医療品を固定することを可能にし得る。弾性インサートは、高い摩擦係数を有することができる。弾性インサートは、器具及び医療品が固定される患者の動きによって医療品に及ぼされる力を吸収するように構成され得、器具内の医療品の動きに抵抗し得る。
【0075】
クランプ又はスナップキャップは、上面(使用中、医療品から離れる方向を向いている)に配置された弾性材料を含んでもよい。クランプ又はスナップキャップの弾性インサートは、クランプ/スナップキャップの原料を覆って成形されるか、又はその原料を通って延在することができる。有利には、クランプ/スナップキャップの上面に配置された弾性材料が固定具(クランプ/スナップキャップ)の上面にテクスチャ加工されたタッチポイント(例えば、軟質/ゴム状)を提供することができる。これは、固定具を閉じるためにどこを押すべきかについての明確な触覚表示を利用者に提供することができ、触覚特徴部に依存する視覚障害を有する患者を支援することができる。クランプ/スナップキャップの上面に配置された弾性材料は、発光材料又は発光着色を含むことができる。これは、医療品固定器具の低光可視化を(例えば、夜間、又は現場でしばしば遭遇する低光条件で)改善することができる。
【0076】
使用時に、クランプ(又はスナップキャップ)を基部に固定することは、医療品係合部内に係合された医療品の長手方向の、回転及び/又は横方向の動きを防止し、身体係合部材に対する基部の回転軸の周りの基部の回転を防止する。クランプの開放形態では、基部がその回転軸を中心に回転することができる。回転は自由回転又はインデックス回転であり得る(すなわち、基部は、所定の間隔で回転することが可能であり得る)。回転がインデックス化される実施形態では、利用者は基部が回転されているという聴覚指示(例えば、クリック音及び/又は感触)を受信することができる。
【0077】
有利には、クランプが片手で行うことができる迅速かつ迅速な固定作用を可能にする。これは、本明細書に記載される医療品固定器具に固定されている間、医療品の微動を最小限に抑えることができる。クランプのスナップ嵌め閉鎖機構は片手で迅速に展開し、患者が器具が取り付けられている身体部分を動かすときに起こり得る医療品の望ましくない放出に対して医療品を固定し、医療品を解放する必要があるときに、医療従事者が開いた位置に戻すことが容易である。
【0078】
いくつかの実施形態では固定具の開放形態において、ロック機構は医療品係合部材の一方向(例えば、時計回り又は反時計回り)への回転を可能にし得るが、反対方向への回転は可能ではない。他の実施形態では、固定具の開放形態において、ロック機構は第1及び第2の方向(例えば、時計回り及び反時計回り)への医療品係合部材の回転を可能にし得る。固定具の閉鎖形態では、ロック機構が医療品係合部材の基部のいずれかの方向への回転を防止することができる。
【0079】
ロック機構は、第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素を備えてもよい。第1及び第2のロック構成要素は相補的であってもよい。例えば、第1のロック構成要素は、第2のロック構成要素と相補的な形状を規定してもよい。第1及び第2のロック構成要素は閉鎖形態で係合されるように構成され得る。第1及び第2のロック構成要素は開放形態で係合しないように構成されてもよい。第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との間の距離は固定具が開放形態にあるとき、固定具が閉鎖形態にあるときよりも大きくなるように構成され得る。理論に拘束されることを望むものではないが、第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との間のより小さい距離はロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の移動を防止することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のロック構成要素が基部上に配置されてもよく、第2のロック構成要素は身体係合部材上に、又は身体係合部材に結合されるか、又は身体係合部材の一部であるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のロック構成要素が固定具上に配置されてもよく、第2のロック構成要素は身体係合部材上に、又は身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は身体係合部材の一部上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のロック構成要素が基部と身体係合部材との間に配置されたインサート上に配置されてもよく、第2のロック構成要素は身体係合部材上に、又は身体係合部材に結合されるか、又は身体係合部材の一部であるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では第1のロック構成要素が基部上に配置され得、第2のロック構成要素は基部と身体係合部材との間に配置されたインサート上に配置され得る。本開示の文脈内では、第1のロック構成要素又は第2のロック構成要素は交換可能であり得る。
【0081】
ロック機構はロック構成要素間の摩擦ロック、一方向又は双方向ラチェット機構、第1のロック構成要素内の一連の歯、及びロック構成要素上のつめ(又は歯ロック、又はインデクサ)、第1のロック構成要素内の一連の歯、及び第2のロック構成要素上の対応する一連の歯、第1のロック構成要素内の少なくとも1つの雄型特徴部(たとえば、ポスト)、及び第2のロック構成要素内の対応する雌型特徴部(たとえば、開口、スロット、又は孔)のうちの少なくとも1つを備え得る。
【0082】
第1のロック構成要素は歯付き特徴部を備えてもよく、第2のロック構成要素は第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された対応する歯付き特徴部を備えてもよい。第1のロック構成要素は少なくとも1つの雄型特徴部(例えば、突出部又はポスト)を備えてもよく、第2のロック構成要素は第1のロック構成要素の雄型特徴部を受容し、それと係合するように構成された雌型特徴部(例えば、孔、スロット、又は開口)を備えてもよい。
【0083】
第1及び第2のロック構成要素の歯付き特徴部は、相補的であってもよく、任意選択で、テーパ状であってもよい。テーパ状の歯を提供することは係合が閉鎖形態に移動するときに、第1及び第2のロック構成要素の改善された嵌合をロックに与えることができる(すなわち、第1及び第2のロック構成要素のテーパ状の歯は互いに積極的に係合する)。言い換えれば、テーパ状の歯が互いに対して跳ね返ろうとする場合、テーパ状の形状は、固定具によって加えられる下向きの圧力の下で歯が「スライド」係合する可能性をより高くする。このことは、利用者にとって、瞬間的ではないにしても迅速なロック/係合が可能であるという手段である。加えて、テーパ状の歯は、開放形態における第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との間の回転のための改善されたクリアランスを提供する。これは、ロックの第1及び第2の構成要素の歯付き特徴部が負に係合する可能性が低い(すなわち、詰まる可能性が低い)、より強いロックを提供する。
【0084】
ロック機構は、医療品係合部材の基部と身体係合部材との間に配置されたロック構成要素を備えてもよい。ロック部材は、医療品係合部材の基部及び固定具に動作可能に連結されてもよい。ロック構成要素は固定具が閉鎖形態にあるときに基部又は身体係合部材上に配置された第2のロック構成要素と係合し、固定具が開放形態にあるときに第2のロック構成要素と係合しないように構成された第1のロック構成要素を備え得る。ロック部材は、固定具が開放形態にあるときの第1の位置と、固定具が閉鎖形態にあるときの第2の位置との間で旋回するように構成され得る。ロック部材は、少なくとも2つの対向する位置において、基部及び/又は身体係合部材と係合してもよい。
【0085】
固定具がクランプ又はスナップキャップである実施形態では、基部が第2のロック構成要素からある距離に配置された第1のロック構成要素を備えてもよい。第1のロック構成要素は身体係合部材に対して実質的に平行に、かつ第2のロック構成要素から近い距離で延在するが、クランプ(又はスナップキャップ)が開放形態にあるときに、身体係合部材に対する基部の自由な回転を可能にする、歯付き弾性タブ又はカンチレバーアームであり得る。第2のロック構成要素は、第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部であってもよい。第2のロック構成要素は、歯付きリングであってもよい。歯付きリングは、身体係合部材上に配置されてもよい。歯付きリングは、身体係合部材と基部との間に配置されたインサート上に配置されてもよい。歯付きリングは、身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は基部上に配置されてもよい。例えば、凹部又は基部は、身体係合部材をインサート又は基部に固定するために身体係合部材(例えばストラップ)を通すことができるスロット又は孔を含むことができる。クランプを押すことは、クランプを枢動移動させ、基部に枢動可能に連結されていないクランプの端部は第1のロック構成要素を押圧し、第1のロック構成要素の歯が第2のロック構成要素の歯と係合するまで、クランプを撓ませることができる。クランプは、クランプが誤って開放形態に移動することを防止するためのラッチとして作用し得る第2の弾性タブ又は片持ちアームによって、閉じた構成に固定され得る。したがって、閉鎖形態では、医療品係合部内に配置された医療品がクランプと医療品係合部との間に挟まれ、したがって、横方向及び/又は回転運動が防止される。同時に、クランプを閉鎖形態に移動させることは、ロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。クランプを開位置に移動させるために、ラッチ(又は弾性タブ)は、クランプが開放形態に戻るように旋回するためのクリアランスを提供するように偏向される。これにより、弾性タブ(又はカンチレバーアーム)が第2のロック構成要素の歯と係合していない元の位置に跳ね返り、したがって、医療品係合部材が再び回転することが可能になる。
【0086】
固定具がクランプ又はスナップキャップである他の実施形態では、第1のロック構成要素がクランプ(又はスナップキャップ)と身体係合部材又はそのインサートとの間に位置するロックインサート上に配置されてもよい。ロックインサートは、歯付き特徴部又は輪郭を備える片持ちタブを備えてもよい。第2のロック構成要素は、第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部であってもよい。第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素の歯付き特徴部は、角度が付けられ、又はテーパが付けられ、互いに相補的であり得る。第2のロック構成要素は、歯付きリングであってもよい。歯付きリングは、身体係合部材上に配置されてもよい。歯付きリングは、身体係合部材と基部との間に配置されたインサート上に配置され得る。歯付きリングは、身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は基部上に配置されてもよい。例えば、インサート又は基部は、身体係合部材をインサート又は基部に固定するために身体係合部材(例えばストラップ)を通すことができるスロット又は孔を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、開放形態では第1のロック構成要素の歯付き特徴部が第2のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成され得る。開放形態で医療品係合部材に回転力をかけることは、片持ちタブの撓みを強制し得、クリック音を伴う回転を可能にし得る。クランプを押すことは、クランプを旋回運動させ、クランプの端部はロックインサートを押圧し、第1のロック構成要素の歯が第2のロック構成要素の歯と密接に係合するまで、クランプを偏向させることができる。いくつかの実施形態では、基部の医療品係合部の両側に配置された第1のロック構成要素を備える2つのインサートが存在し得る。言い換えれば、2つのロックインサートは、直径方向に対向していてもよい。有利には、この構成がクランプが閉鎖形態にあるとき、第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との対向する係合力を可能にし得る。したがって、この構成はひずみの下で破損する可能性がより低い、より強力なロックを提供することができる。
【0088】
他の実施形態では、ロックインサート又はインサートが身体係合部又はそのインサートのテーパ付きポケット内に配置される。ロックインサートは、テーパ状ポケットの形状に一致するボスを有する可能性がある。この構成は、開放形態において、第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との間にクリアランスを提供することができる。言い換えれば、開放形態では、第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素の歯付き特徴部は係合されない。クランプ(又はスナップキャップ)の閉鎖形態に移動するとき、クランプの端部はロックインサートを押圧し、カンチレバー部分を偏向させ、第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素の歯が係合するまで、ボスをテーパ状ポケットに沿って摺動させる。有利には、この構成が閉鎖形態における第1及び第2のロック構成要素の歯付きインターフェース/特徴部の間の最大係合を提供する。この構成はまた、歯の高さを増加させ、これは、より大きな係合を可能にし、したがって、より強力なロックを可能にする。
【0089】
クランプは、クランプが誤って開放形態に移動することを防止するためのラッチとして作用し得る弾性タブ又は片持ちアームによって、閉じた構成に固定され得る。したがって、閉鎖形態では、医療品係合部内に配置された医療品がクランプと医療品係合部との間に挟まれ、したがって、横方向及び/又は回転運動が防止される。同時に、クランプを閉鎖形態に移動させることは、ロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。クランプを開位置に移動させるために、ラッチ(又は弾性タブ)は、クランプが開放形態に戻るように旋回するためのクリアランスを提供するように偏向される。これにより、弾性タブ(又はカンチレバーアーム)が第2のロック構成要素の歯と係合していない元の位置に跳ね返り、したがって、医療品係合部材が再び回転することが可能になる。
【0090】
固定具がクランプ又はスナップキャップであるさらなる実施形態では、クランプが第1のロック構成要素を備えてもよい。第1のロック構成要素は、クランプの一端又は両端に配置された歯付き特徴部/インターフェースであってもよい。例えば、クランプは、医療品係合部分の一方の側でロック構成要素と係合するように構成された端部に歯付き特徴部、及び/又は医療品係合部分の反対側に第2の歯付き特徴部を備えてもよい。クランプが医療品係合部の両側に配置された2つの位置に配置された歯付き特徴部を備える実施形態では、クランプが閉鎖形態にあるとき、第2のロック構成要素との対向する係合力を可能にすることができる。したがって、この構成は、ひずみによる故障が起こりにくい、より強力なロックを提供する可能性がある。第1のロック構成要素は、雄型特徴部を備えてもよい。例えば、第1のロック構成要素は、クランプから突出する少なくとも1つのペグ又はポストを備えてもよい。雄型特徴部は一端又は両端においてクランプ上に配置されてもよく、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止するために、第2のロック構成要素上の対応する雌型特徴部に係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のロック構成要素が少なくとも1つの歯付き特徴部と少なくとも1つの雌型特徴部の両方を備える。これは、第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との間のより強い係合を可能にし得、したがって、より強力なロックを生成し得る。
【0091】
第2のロック構成要素は、第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部/インターフェースであってもよい。第2のロック構成要素は、歯付きリングであってもよい。第2のロック構成要素は第1のロック構成要素の雄型特徴部を受容するように構成された雌型特徴部(例えば、孔、スロット、又は開口)であってもよい。歯付きリング及び/又は雌型特徴部は、身体係合部材上に配置されてもよい。歯付きリング及び/又は雌型特徴部は、身体係合部材と基部との間に配置されたインサート上に配置されてもよい。歯付きリング及び/又は雌型特徴部は、身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は基部上に配置されてもよい。例えば、インサート又は基部は、身体係合部材をインサート又は基部に固定するために身体係合部材(例えばストラップ)を通すことができるスロット又は孔を含むことができる。
【0092】
クランプを押すことはクランプを旋回運動させ、クランプの第1のロック構成要素又は構成要素は身体係合部材又は身体係合部材のインサートの第2のロック構成要素又は構成要素と係合することができる。例えば、第1のロック構成要素が歯付き特徴部であり、第2のロック構成要素が歯付きリングである実施形態では、クランプを閉鎖形態に移動させることによって、クランプの歯が身体係合部材(又はそのインサート)の歯付きリングに係合し、医療品係合部の回転を防止することができる。第1のロック構成要素が雄型特徴部であり、第2のロック構成要素が雌型特徴部である(又はその逆)実施形態では、クランプを閉鎖形態に移動させることは雄型特徴部を雌型特徴部と係合させることができる。第1のロック構成要素が歯付き特徴部及び雄型又は雌型特徴部を備え、第2のロック構成要素が相補的な歯付き特徴部(例えば、歯付きリング)及び相補的な雌型又は雄型特徴部を構成する実施形態では、ロックがより強くてもよく、引張り力又は引張り力に耐えてもよい。クランプが閉鎖形態においてロック構成要素が医療品係合部分のいずれかの側で対応する第2のロック構成要素と係合するように、両端に第1のロック構成要素又は構成要素を備える実施形態では、反対の係合力がより強いロックを提供し得る。
【0093】
クランプは、クランプが誤って開放形態に移動することを防止するためのラッチとして作用し得る弾性タブ又は片持ちアームによって、閉鎖形態に固定され得る。したがって、閉鎖形態では、医療品係合部内に配置された医療品がクランプと医療品係合部との間に挟まれ、したがって、横方向及び/又は回転運動が防止される。同時に、クランプを閉鎖形態に移動させることは、ロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。クランプを開位置に移動させるために、ラッチ(又は弾性タブ)は、クランプが開放形態に戻るように旋回するためのクリアランスを提供するように偏向される。クランプを開放形態に旋回させることにより、第1のロック構成要素が第2のロック構成要素から係合解除され、したがって医療品係合部材が再び回転することが可能になる。
【0094】
身体係合部材は、医療品固定器具を人間又は動物の身体部分に固定することが可能であり得る。身体部分は、胴体、首、肢、手、足、指、足指、胸部、腹部、頭部、鼠径部、腋窩、生殖器などの任意の身体部分であってもよい。身体部分は四肢であってもよい。身体部分は腕であっても脚であってもよい。身体部分は、上腕、手、下腕、上腿、下腿、又は足のどこにでも位置するように構成されてもよい。身体部分は、手、手首、肘、足、足首、ふくらはぎ、大腿部、鼠径部であってもよい。身体部分は上腕であってもよい。また、医療品固定具は、左右両方の手足に固定可能であってもよい。換言すれば、医療品固定具は両手利きであってもよい。例えば、医療品固定具は、左腕と右腕、左手と右手、左足と右足、又は左足と右足の両方に固定することができる。
【0095】
身体係合部材は、任意の適切な形状又は形態を有することができる。いくつかの実施形態では、身体係合部材が接着剤を含んでもよい。他の実施形態では、身体係合部材が接着剤を含まなくてもよい。例えば、身体係合部材はストラップ(例えば、1つ以上のストラップ)、接着ストリップ、スリーブ、フック、クリップ、クランプ、ブレスレットなどを備えてもよい。身体係合部材は、概して細長くてもよい。身体係合部材は、幅よりも長くてもよい。身体係合部材は、非半径方向形状を規定してもよい。有利には、概して細長い又は非半径方向の形状を有する身体係合部材を提供することは身体係合部材を合金化して、身体部分の周りに巻き付け、身体医療品固定器具を患者にしっかりと固定することができる。
【0096】
好ましい実施形態では、身体係合部材が接着剤を含まなくてもよい。有利には、器具を身体部分に固定するために接着剤に依存しない医療用品固定器具を提供することは全ての条件、特に高湿度条件において医療用品の確実な固定を提供する。これは、医療品固定器具がしばしば高い発汗率を示す病気の患者、又は高い周囲湿度条件で使用される場合に特に重要である。湿度は接着剤を粘着性にし、接着剤の有効性を低下させ得る。加えて、接着剤の使用を回避することは、敏感な皮膚を有する患者におけるアレルギー反応又は皮膚過敏症を最小限に抑えることができる。
【0097】
医療品固定器具は、任意の適切な材料を含み得る。医療品固定器具は、拭き取り用材料を含むことができる。医療品固定器具は、アルコール系溶剤などの消毒性溶剤に耐えることができる。有利には、これはアルコール拭き取りをベースとした洗浄が使用前又は使用中に器具を消毒することを可能にし得る。有利には、拭き取り用の清潔な原料を使用することにより、医療品固定器具が着用者への感染又は汚れの蓄積のリスクなしに、長期間にわたって着用され得ることが保証される。(例えば、生体液、薬剤、汗、又はこぼれによって)医療品固定器具が汚れた場合であっても、器具は器具もはや必要とされなくなるまで、着用者によって拭き取り、使用され得る。
【0098】
医療品固定器具は、医療グレードの原料を含むことができる。医療グレードの原料を使用することは、医療品固定器具を着用した結果として着用者が被る感染及びアレルギーのリスクを最小限に抑えることができる。
【0099】
医療品固定器具、又はその1つ以上の構成部品は、熱可塑性材料などのリサイクル可能な材料、又は生分解性プラスチック材料などの生分解性材料から作製され得る。植物基部のポリマー又は樹脂に基づくセルロース系又は他のプラスチック材料としての生分解性プラスチック材料は、当技術分野で知られている。有利にはリサイクル可能又は生分解性材料を用いて医療品固定器具を製造することは器具の環境影響を低減し、したがって、医療品固定器具を使い捨てアイテムとして使用することを可能にし、これは患者間の交差感染を最小限に抑える必要があるヒト又は動物の医療環境において非常に便利である。
【0100】
身体係合部材は、医療品固定器具を身体部分の周りに固定するための締結具を備えてもよい。締結具は、任意の適切な形状又は形態を有する可能性がある。例えば、ファスナーはフック及びループ(例えば、Velcro(登録商標))、スナップ嵌め、アイレット及びピン、フック及びアイ、孔及びリンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、D環、磁石のスナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、サイドリリースバックル、タイバックル、又は当技術分野で公知の任意の他の嵌合/インターフェース特徴部のうちの1つ又は複数から選択され得る。
【0101】
身体係合部材は、可撓性材料を含む。身体係合部材は弾性材料を含む。身体係合部は、拭き取り可能な材料を含むことができる。身体係合部材は、生分解性材料及び/又はリサイクル可能材料を含んでもよい。身体係合部は、軟質材料を含んでもよい。身体係合部は、弾性材料を含んでもよい。身体係合部は、伸縮性材料を含んでもよい。
【0102】
身体係合部は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布、多孔質材料から選択される1つ以上の材料を含み得る。好ましい実施形態では、身体係合部がシリコーン樹脂を含んでもよい。
【0103】
理論に拘束されることを望むものではないが、着用者の皮膚に面する柔らかく、伸縮性及び/又は弾性材料を有する身体係合部材を提供することは着用者の快適さを最大化し、患者の身体部分上の身体係合部材の把持部を最大化し得る。
【0104】
身体係合部材は患者が器具を装着したときの汗の蓄積を最小限に抑えるために、1つ又は複数の換気開口を備えてもよい。いくつかの実施形態では、身体係合部材の締結具が身体係合部材の1つ又は複数の開口を通って嵌合し、固定するように構成されたバックルである。身体係合部材の開口は、身体係合部材の締結手段の一部として、及び通気開口として二重になる。
【0105】
身体係合部材は、伸張に対して抵抗性の強化セグメントを備えてもよい。補強セグメントは、身体係合部材の非補強部分よりも下側伸張を有することができる。強化セグメントは成形プラスチック(例えば、ポリプロピレン)などの剛性材料を含んでもよい。補強されたセグメントは器具がそれに取り付けられたときに患者の肢又は他の身体部分の一部の周りに湾曲されるように十分に可撓性であり得るが、使用時にストラップ間に加えられる横方向の力の作用下では実質的に変形されない。
【0106】
有利には、補強セグメントが医療品固定器具が取り付けられる着用者の身体部分に対する360°止血帯効果を防止する(すなわち、血流を防止する)ことができる。
【0107】
第2のロック構成要素は補強セグメント内に規定され得る。
【0108】
身体係合部材は、着用者の皮膚に面するように構成されたライニングを備えてもよい。ライニングは、軟質材料を含むことができる。ライニングは、弾性材料を含むことができる。理論に拘束されることを望むものではないが、着用者の皮膚に面する軟質又は弾性材料を含むライニングを有する身体係合部材を提供することは着用者の快適さを最大にし、医療品固定器具が取り付けられる着用者の身体部分に対する止血帯効果を防止しながら、身体係合部材のための任意の適切な材料の使用を可能にし得る。
【0109】
身体係合部材のサイズは可変であってもよい。身体係合部材は、異なるサイズの身体部分に適合するように調整可能であってもよい。例えば、身体係合部材は、ほとんどのサイズに適合するように構成された調整可能なストラップであってもよい。身体係合部材は、普遍的なサイズで、又は調整可能な成人及び子供のサイズで利用可能であってもよい。身体係合部材のサイズは、肥満患者に対してスリムの上肢周囲の周囲に適合するように可変であってもよい。
【0110】
医療品は、導管を備える侵襲性器具であってもよい。医療用品はカテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、カニューレ用の無針コネクタ(NFC)、無針コネクタ流体ラインコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)接合部、リンパ管アクセス器具、末梢血管アクセス器具、輸血及び/又は透析針などの針、中心血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、ライン、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科的ドレーンから選択され得る。
【0111】
医療品固定器具又はその構成部品は、発光被膜を備えてもよく、又は発光顔料もしくは染料を含浸させてもよい。これは例えば、夜間又は低光条件で医療品固定器具を配置するのを助けることができ、又は患者が依然として医療品固定器具を装着していることを患者に思い出させるのに役立つことができる。
【0112】
有利には、医療器具固定器具が侵襲的医療器具の破壊又は故障に影響を及ぼす生体力学的要因に集合的に対処することによって、医療器具を効果的に固定し、その寿命を促進することができる非侵襲的医療用具である。
【0113】
医療品固定器具は身体部分(例えば、上肢)上のその正しい位置に医療品(例えば、カニューレ)を固定し、医療品使用のための固定プラットフォームを提供し、向上した固有感覚を通して医療品の患者認識を改善し得る。
【0114】
医療用品固定器具は医療用品が身体部分に固定されたときに、医療用品の関連部分の可視化及びアクセスを可能にすることができる。例えば、医療品がカニューレである実施形態では、カニューレのルアーロック部分又はルアー又は針フリーコネクタが医療品固定器具に固定されてもよく、一方、例えば、チューブ、カニューレを介して挿入される必要のある流体、洗浄などを調整又は変化するために、BD Smart Site(商標)などのルアー又は針フリーコネクタのアクセス及び可視化を可能にする。
【0115】
医療品固定器具は、組み立てられると、単一のユニットであってもよい。言い換えれば、使用のために組み立てられると、医療品固定器具は、一緒に組み立てられる必要があるか、又は器具から容易に外れるか、又は外れる可能性がある、異なる部品又は部分を備えなくてもよい。これは、利用者が医療品を身体部分に迅速に固定する必要があり、固定具の複数の部分と嵌合する時間がない、ハイペースの医療セットにおいて望ましい。加えて、複数の部品を有する器具とは異なり、単一(又は単一ユニット)の医療品固定器具は、器具の一部からの汚染が床から外れて落下する傾向が低くなり得る。
【0116】
器具は粘着性ドレッシング材(例えば、Tegaderm(登録商標))などのドレッシング材と一体化することが可能であり得る。
【0117】
器具は、ユニバーサルであってもよい。器具は、様々なタイプ及び/又はサイズの医療品を収容するように構成されてもよい。例えば、医療品がカニューレである場合、医療用固定器具は異なるカニューレタイプ、流体ライン、及び構成を収容し、固定することが可能であり得る。
【0118】
医療品固定器具は訓練なしに、短時間(例えば、15秒未満)で、患者の身体部分に医療品を容易に固定することができる。
【0119】
医療品固定器具は粘着性ドレッシング材(例えば、3M Tegaderm(登録商標))などの既存のドレッシング材の上に適用することが可能であり得る。医療用固定器具は、医療品の部位及び皮膚の完全性の連続的な可視化を可能にし得る。
【0120】
医療品固定器具の少なくとも一部は、粘着性無菌ドレッシング材などのドレッシング材のためのクリアランスを提供するように成形されてもよい。医療用品が無針コネクタ(例えば、カニューレ用)である実施形態では、医療用品固定器具の少なくとも一部が無針コネクタの翼部に隙間を提供するように成形されてもよい。例えば、基部及び/又は身体係合部材は、カニューレ又は針フリーコネクタがその軸の周りで屈曲又は回転して、翼部及び/又は粘着性ドレッシング材の少なくとも一部が器具の下に配置されることを可能にするために、トリミングされるか、又は別様に成形されてもよい。いくつかの実施形態では、医療品固定器具の身体係合部材及び/又は基部が使用時に翼部及び/又は粘着性ドレッシング材のためのクリアランスを提供するために、隆起したリムプロファイルを提示してもよい。
【0121】
医療用固定器具は医療品を身体部分に固定するための単純であるが効果的な器具であり、大量かつ低コストの大量製造に適している。
【0122】
第3の態様では、第1の態様による医療品固定器具用の部品のキットが提供される。部品のキットは、
頂部及び底部を有する基部であって、前記頂部が医療用品係合部を備え、任意選択的に、前記頂部及び前記底部が相互接続するように構成された別個の部品である、基部と、
医療用品を基部に固定するための固定具と、
基部及び/又は固定具の少なくとも一方に設けられた締結具と、
身体係合部材であって、任意選択的に、身体係合部材を身体部分の周りに固定するための締結具を備える、身体係合部材と、を備える。
【0123】
部品のキットは、組立説明書を更に含むことができる。部品のキットは、使用説明書を更に含んでもよい。
【0124】
第4の態様では、医療品を固定する方法が提供され、
第1の態様による医療品固定器具を提供するステップと、
所望の位置で患者の身体部分上に配置された医療品へ医療品固定器具を接近させるステップと、
医療品の下の医療品固定器具を案内するステップと、
医療品係合部を医療品と位置合わせするために、医療品係合部材を身体係合部材に対して任意に回転させるステップと、
開放形態の固定具を用いて、医療品の少なくとも一部を医療品係合部分と係合させるステップと、
固定具を閉鎖形態に移動させることによって医療品を医療品係合部材に固定するステップと、
医療品固定器具の身体係合部材を患者の身体部分に固定するステップと、を含む。
【0125】
固定器具を閉鎖形態に移動させることによって医療品を医療品係合部材に固定するステップは、ロック機構をロックし、基部の回転軸の周りの身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。
【0126】
誤解を避けるために、患者の身体部分上の所望の位置に医療品を配置することは、本方法の一部ではない。
【0127】
医療品は、導管を備える侵襲性器具であってもよい。医療品は、カテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、リンパ管アクセス器具、末梢血管アクセス器具、中央血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、ライン、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科ドレーンから選択され得る。
【0128】
身体部分は、胴体、首、肢、手、足、指、足指、頭部、鼠径部、腋窩、生殖器などの任意の身体部分であってもよい。身体部分は四肢であってもよい。身体部分は、腕又は脚であってもよい。身体部分は、上腕、手、下腕、上脚、下脚、又は足のどこに位置してもよい。身体部分は、手、手首、肘、足、足首、ふくらはぎ、大腿、鼠径部であってもよい。身体部分は、上腕であってもよい。身体部分係合部材は、医療品固定器具が左肢及び右肢の両方に固定されることが可能であり得る。換言すれば、医療品固定器具は両側性であり得る。例えば、医療品固定器具は、左腕と右腕、左手と右手、左脚と右脚、又は左足と右足の両方に固定することが可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態による医療品固定器具の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の医療品係合部材及び身体係合部材を示す。
【
図5A-5B】
図5A及び5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、医療品固定器具の基部の頂部の斜視図及び正面図を示す。
【
図6A-6D】
図6A-6Cは、本発明のいくつかの実施形態による医療品固定器具の垂直断面を示す。
図6Bは閉鎖形態の器具を示す(明確にするために、その中に医療品を含まない)。
図6Aは、開放形態における器具を示す。
図6Cは、医療品固定器具が開放形態から閉鎖形態に移動するときに伴う力の模式図を示す。
図6Dは使用中の医療品固定器具及び医療品の異なる部分の軸を示すために、カニューレを有する本発明の実施形態による医療品固定器具の模式図を示す。
【
図7A-7B】
図7A及び7Bは、本発明の一実施形態による医療品係合部材の斜視図を示す。
【
図8A-8B】
図8A及び8Bは、本発明の一実施形態による医療品係合部材の斜視図を示す。
【
図9A-9B】
図9Aは、本発明の一実施形態による医療品係合部材の斜視図を示し、
図9Bは
図9Aの医療品係合部材の正面図を示す。
【
図11A-11D】
図11Aは本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分の分解図を示し、
図11B及び11Cは
図11Aの医療品固定器具の同じ部分を示し、医療品係合部材は身体係合部材と組み立てられ、2つの異なる方向に回転される。
図11Dは
図11A-
図11Cの完全な医療品固定器具の斜視図を示す。
【
図12A-12D】
図12A及び12Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図12C及び12Dは、
図12A及び12Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具はクランプである。
【
図13A-13D】
図13A及び13Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図13C及び13Dは、
図13A及び13Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図12A-12Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。
【
図14A-14D】
図14A及び14Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図14C及び14Dは、
図14A及び14Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図13A-13Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。
【
図15A-15D】
図15A及び15Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図15C及び15Dは、
図15A及び15Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図12A-12D及び
図14A-14Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。
【
図16A-16C】
図16A及び16Bは、閉鎖形態における本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図16Cは
図16Aに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図15A-15Dに示されるものと同様であるが、わずかに修正されたロック機構を有するクランプである。
【
図17A-17B】
図17A及び17Bは、本発明による医療品固定器具のレンダリングを示す。この実施形態における固定具はクランプである。
図17Bにおいて、器具は、カニューレのスマートサイト又は無針コネクタを保持するように示される。
【
図18】
図18は、医療環境においてIVを固定するために使用される、
図17A及び17Bの器具のレンダリングを有する患者の画像である。
【
図19A】
図19Aは、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の分解斜視図である。この実施形態では、固定具は、医療品係合部材の基部と身体係合部材(またはそのインサート又は基部)との間に配置されたロック構成要素に回動可能に連結されたストラップである。ロック構成要素は、装置のロック機構の第2の部分を担持し、一方、ロック機構の第1の部分は、医療品係合部材の基部上に配置される。
【
図19B-19C】
図19B及び19Cは
図19Aの器具の側面図を示し、開放形態(固定具が締め付けられていないとき)及び閉鎖形態(固定具が締め付けられているとき)における器具のロック機構の透視詳細をそれぞれ示す。
【
図19D】
図19Dは
図19a、19B、及び19Cの器具の断面を示し、医療品係合部材の基部と身体係合部材との間の環状スナップ構成の詳細が透視され、ならびに医療品係合部材の基部とロック構成要素との間の係合が示される。
【
図19E】
図19Eはカニューレ用の無針コネクタ(NFC)を収容する
図19A、19B、及び19C、及び19Dの器具の斜視図を示し、器具が、それに接着された翼及び/又はドレッシングを有するNFCを収容するようにどのように構成されるかを示す。
【
図19F】
図19Fは、異なるサイズのNFCをホストする
図19A、19B、19C、19D、及び19Eの器具の斜視図及び側面図を示す。
【
図20A】
図20Aは、
図19A-Fの実施形態と同様の、本発明の別の実施形態による別の医療品固定器具の斜視図を示す。この実施形態では、固定具はまた、基部の突出部に固定されるように構成された開口を有するストラップである。
【
図21A-21B】
図21A及び21Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具のロック機構の斜視図を示す。
【
図22A】
図22Aは、固定具の3つの実施形態1930A、1930、及び1930Cの斜視図を示す。
【
図22B】
図22Bは、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の斜視図を示す。
【
図22C】
図22Cは、
図22Aの固定具ストラップ1930A、1930B、又は1930Cのうちのいずれか1つを伴う、
図22Bの医療品固定器具1900の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0130】
図1は、本発明の実施形態による医療品固定器具100の斜視図を示す。器具100は、以下を含む医療品係合部材150、すなわち、
医療品の一部を受け入れるように構成された少なくとも1つの医療品係合部152(又はホルダ)を規定する基部120と、
医療品を基部120に可逆的に固定するための固定具130であって、開放形態及び閉鎖形態を規定する固定具130と、を備え、
器具100は、更に
医療品固定器具100を人間又は動物の身体部分に固定するように構成された身体係合部材140と、
医療品係合部材150及び身体係合部材140のためのロック機構(この図では見えない)と、を含む。
【0131】
この実施形態では、ロック機構が、医療品係合部材150の固定具130が開配置にあるときに、基部120の回転軸Rを中心とする身体係合部材140に対する医療品係合部材150(基部120及び固定具130)の回転を可能にするように配置される。ロック機構は医療品係合部材150の固定具130が閉鎖形態にあるとき、基部120の回転軸Rを中心とする身体係合部材140に対する医療品係合部材150の基部120の回転を防止するように構成される。
【0132】
この実施形態では、身体係合部材140は、人間又は動物の身体部分の周りに配置され、締結具142によって身体部分に固定されるように構成されたストラップ146であり、この実施形態では、ストラップの開口144の1つに係合するように構成されたバックルである。
【0133】
この実施形態では、身体係合部材140のストラップ146は、弾力性のある材料(例えば、シリコーン)で作られており、使用中に患者の皮膚に対して最大限の摩擦を与えて、使用中の固定器具100の微小運動を最小限に抑え、固定器具100を身体部分の正しい位置に固定する。ストラップ146は、複数の開口146を規定し、この開口146は、締結具142用の孔(バックルに引っ掛けることができるバックル位置として機能し、従って、装置を異なるサイズの身体部位の周囲に固定することを可能にする)としても機能し、また、患者が器具100を装着する際に汗(発汗)の蓄積を最小限に抑えるための通気開口としても機能する。
【0134】
身体係合部材140は、伸張に抵抗する補強セグメント又はインサート148を備える。補強セグメント148は器具がそれに取り付けられたときに患者の肢又は他の身体部分の一部の周りに湾曲するのに十分に可撓性であるが、使用時にストラップ間に加えられる横方向の力の作用下で実質的に変形されない任意の材料から成形される。例えば、補強セグメントは、ポリプロピレンから成形されてもよい。補強セグメントはストラップ(例えば、シリコーン樹脂ストラップ)146が伸張するように伸張しなくてもよい。補強セグメント148はシリコーン樹脂ストラップ146内に封入されるように構成されてもよく、したがって、使用中、補強セグメント148は患者の皮膚と接触しなくてもよい。有利には、補強セグメント148が使用時に医療品固定器具が取り付けられる着用者の身体部分に対する360°止血帯効果を防止する(すなわち、血流を防止する)ことができる。
【0135】
医療品係合部材150は、開放形態で身体係合部材140に対して360°回転可能である。回転は、基部120の回転軸Rの周りに生じてもよく、時計回り及び/又は反時計回り方向であってもよい。有利には、この360°の回転が無限の医療品の向き、並びに左又は右の四肢における器具100の使用に適応し得る。医療品係合部材150は、5°、又は10°、又は15°、又は20°、又は25°、又は30°、又は35°、又は40°、又は45°の間隔など、5°~45°の間隔など、所定の間隔で回転してもよい。言い換えれば、医療品係合部の回転は、指標付けされてもよい。有利なことに、医療品係合部材150の回転を割り出すことは、医療品係合部材150の位置の正確かつ迅速な微調整を可能にする。
【0136】
身体係合部材に対する医療品係合部材の回転は、器具が正しく固定されていることを利用者に安心させることができる、クリック音及び/又は触覚クリックなどの可聴及び/又は触覚フィードバックなどの聴覚フィードバックを提供することができる。聴覚フィードバックは、医療品係合部が上記で定義されたように所定の間隔又は距離だけ回転するたびに生成されてもよい。聴覚フィードバックは医療品係合部(例えば、基部)上にインデクサ(例えば、ばね荷重又は弾性インデクシングタブはポール)を設けることによって達成され得、インデクサは身体係合部上又は身体係合部が取り付けられるインサート上に配置された歯付き特徴部(例えば、歯付きリング)上を移動する。身体係合部(又はそのインサート)に対する医療品係合部の回転時に、インデクサはすべての歯の輪郭を覆い、歯の頂部を通過した後、次の歯の凹部に移動し、クリック音及び感触を提供することができる。
【0137】
器具100の分解図を示す
図2により良く示されるように、医療品係合部材150は、この実施形態では別個の部品である頂部122及び底部124を有する基部120を備える。身体係合部材140(ストラップ146及びその補強セグメント148)は、基部120の頂部122と底部124との間に挟まれる。底部124は、身体係合部材140の上面の上方で基部の頂部122に係合するように構成された2つの突出部126を備える。突出部126は、ストラップ146及び補強セグメント148に規定された開口143を通って供給される。
【0138】
基部の頂部122は2つのチャネル123を規定し、各々は、基部120の底部124の対応する突出部126を受容するように構成される。
【0139】
基部120は、成形プラスチックなどの硬質材料、及び/又はエラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂などの弾性材料を含むことができる。基部120の頂部122は、硬質材料を含むことができる。硬質材料は、医療品係合部において軟質又は弾性材料で(少なくとも医療品係合部152において)裏打ちされてもよい。例えば、基部の頂部分は、エラストマー材料又はシリコーンで裏打ちされた硬質プラスチック材料を含んでもよい。ライニング材料は微動を防止するために、ならびに異なる形状及び/又はサイズの医療品を収容するために、医療品に対して摩擦を提供するように構成されてもよい。あるいは、上面がゴム、シリコーンなどの弾性材料で成形されてもよい。有利には弾性材料又はシリコーン樹脂もしくはゴムなどの軟質材料で作られた、又はそれで裏打ちされた医療品係合部を提供することは医療品と接触するように構成された材料の摩擦係数を最大化し、したがって、医療品係合部によって医療品に及ぼされる摩擦力を最大化し、器具内の医療品のクランプ及び固定を更に支援して、器具内の医療品の長手方向運動、横方向運動、及び/又は回転運動を防止することができる。
【0140】
この実施形態における固定具130は弾性材料(例えば、ゴム又はシリコーン)で作られたプルバンド又はストラップであり、フック又は翼部128に引っ掛かるように構成された開口132を規定し、固定具130を異なる長さで基部120に固定することができる。言い換えれば、固定具130は異なる所定の長さ(開口132間の分離によって規定される)で(例えば、締結具によって)締め付けられ、緩められることが可能である。所定の長さは、0.5mm~約15mm、好ましくは約10mm~約14mmであってもよい。有利には、異なる長さで締結され得る固定具を提供することは医療品固定器具が異なるサイズの医療品(例えば、異なる直径のカニューレ)と共に使用されることを可能にし、したがって、普遍的であることを可能にする。
【0141】
有利には、固定具130の弾性材料が(使用時に)医療品固定器具100内に固定される医療品に及ぼされる任意の力に対して、減衰又は衝撃吸収効果を有する。加えて、弾性材料は固定具の材料の摩擦係数を最大化し、したがって、固定具130によって医療品に加えられる摩擦力を最大化し、したがって、器具100内の医療品のクランプ及び固定を更に支援して、器具100内の医療品の長手方向、横方向、及び/又は回転運動を防止する。
【0142】
開放形態では、固定具130が固定具130の長手方向軸に沿った基部120に対する固定具130の移動を可能にするように、基部120に係合するように構成される。固定具130の長手方向軸に沿った基部120に対する固定具130の移動は、基部120の医療品係合部152と、基部の医療品係合部に反対して配置された固定具130の部分との間の距離を修正するように構成される。具体的には、バンドが基部のスリット又はチャネル221を通って供給されるときに、プルバンド130から、プルバンド130の両端の一方の基部120から引き離すと、プルバンド130がこの実施形態ではV字形チャネルである医療品係合部152に向かって締め付けられる。所望の表面張力が達成されると(器具がカニューレなどの医療品を受容すると)、引きバンド130は開口132を引っ掛けることによって固定され、これは基部のフック128に所望の表面張力を提供する。医療品を取り外す必要があるとき、又はセットを調整する必要があるとき、プルバンド130は、再び基部から引き離され、フック128から解放され得、したがって、器具100を開放形態に移動させる。
【0143】
この実施形態におけるロック機構160は、医療品係合部材(基部の頂部122の下面129に配置された歯)上の第1のロック構成要素162と、身体係合部材140上の第2のロック構成要素164(補強セグメント148上に規定され、身体係合部材140の開口143を通して基部の頂部122の歯162と相互作用するように構成された対応する歯164)とを備える。
【0144】
図6A~6Cは、本発明のいくつかの実施形態による医療品固定器具の垂直断面を示す。
図6Bは閉鎖形態の器具を示す(明確にするために、その中に医療品を含まない)。
図6Aは、開放形態における器具を示す。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、200だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0145】
この第1のロック構成要素364と第2のロック構成要素362との間の距離の変化は歯362が歯364と係合し、身体係合部材140に対する医療品係合部材350の回転を防止する摩擦及び機械的ロックを提供することが見て取れる
図6Bにおいてより良好に観察される。この実施形態では、基部の頂部322と基部の底部324との間の距離もまた、閉鎖形態において減少し、したがって、基部の頂部322と底部324との間に挟まれる身体係合部材はより緊密に圧迫され、また、身体係合部材340との基部の摩擦係合を補助し、したがって、基部の回転を更に防止する。
【0146】
対照的に、
図6Aでは開放形態(例えば、固定具330が緩いとき)では歯362、364間の距離は歯が係合解除され、身体係合部材340に対する医療品係合部材350の回転を可能にするのに十分大きいことが示されている。
【0147】
図6Cは医療品係合部内の医療品を用いて、開放形態から閉鎖形態に移動するときに、器具300に関与する力の模式図である(医療品は、関与する力をより良く表すために器具内に示されていない)。固定具330を基部から引き離すと、固定具は基部の底部324を身体係合部材340から引き離す力に供し、同時に、基部の頂部322に押し付け力(この画像では下向き)を及ぼす。身体係合部材340は、基部の頂部322と底部との間にクランプされ、したがって、第1のロック構成要素362及び第2のロック構成要素364の歯を強制的に係合させ、したがって、基部のさらなる回転を防止する。閉鎖形態では、固定具330が医療品係合部352上に配置された医療品(例えば、カニューレのルアーロック)を、基部に向かって押す力にさらす。
【0148】
これらの対向する力は医療品係合部(すなわち、ホルダ)内に係合されたカニューレの長手方向の動き、回転、及び/又は横方向の動きを防止する。有利には医療用係合部材がロック又はピンサーとして作用し、基部320と固定具330との間にカニューレをクランプし、したがって、カニューレの変位又はその長手方向軸線Lの周りのカニューレの回転を防止する。これは固定具330及び基部(又はその医療品係合部352)が共に、カニューレに加えられる任意の力(例えば、引張り力、又は例えば、カニューレのルアーロックに接続された管類を変更又は切り離すために、ヒト又は動物のヘルスケアセットにおいて適用されることがしばしば必要とされる回転力)に対抗するように構成されるので、特に有利である。
【0149】
図6Dは医療品(この実施形態ではカニューレ)の長手方向軸LMAを示し、これは、医療品係合部又はホルダの長手方向軸LHに平行である。LMA及びLHの両方は、基部320の回転軸Rに対して約55°~約90°の角度αで、かつ固定具330の端部A、A’の間に規定される固定具330の長手方向軸Lに対して約0°~約35°の角度βで配置される。この実施形態では、基部320の頂部がシリコーン樹脂などの弾性材料で成形することができる。
【0150】
器具100のロック機構160は身体係合部材140の補強セグメント148の歯164(ロック機構の視覚化を容易にするために、この図ではストラップ142は省略されている)と、基部の頂部122の対応する歯162とを明確に示す
図4B及び
図4Aでより良く観察することができる。
図4Bの矢印によって示されるように、ロック機構はまた、身体係合部材140の下面(例えば、補強セグメント148の下面上)と基部の底部124の上面との間に配置され得る。
【0151】
また、
図4Aには、基部の頂部122に規定された2つのスリット又はチャネル123が明確に示されている。固定具130(プルバンド)は、これらのチャネル123を通って供給され、チャネル123を通って摺動するように構成され、一方で、固定具130の長手方向軸に沿って移動して、固定具130を締め付け及び/又は解放することを可能にする。
図1は、固定具130の各端部がチャネル123のうちの1つを通して供給され、その後、固定具130の開口132を基部のフック又は翼部128に引っ掛けることによって、固定具が閉鎖形態に移動したことを示す。
【0152】
図3は、本発明の別の実施形態による医療品固定器具200の医療品係合部材250及び身体係合部材240を示す。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、100だけ増分された同様の参照番号を備える。この実施形態では、基部220が1つの部品から作製され、頂部222及び底部224を備え、それらの間に溝又は凹部226を規定する。凹部226は身体係合部材のストラップ246の開口243内に配置されるように構成され、基部220の底部224はストラップ246の下面に配置され、頂部222はストラップの上面に配置される。
【0153】
この実施形態では、ロック機構がストラップ246の下面に規定された一連の歯262と、基部220の底部224の上面に規定されたインデクサ又は突出部264とを備える。使用時に、インデクサ264はストラップ246の歯262と係合し、開放形態ではあるが閉鎖形態ではない医療品係合部材250の回転を可能にする。誤解を避けるために、ストラップの下面は、使用時に器具200が取り付けられる着用者の身体部分に面するように構成される。
【0154】
図2及び
図3の医療品係合部材150及び250の両方において、医療品係合部152は、基部の頂部の上面127、227上に規定されたV字形チャネルである。チャネル152は、基部の底部及び身体係合部材140、240に対して、頂部の下面129、229に対してある角度で配置される。角度は、約0°~約35°、好ましくは約7°であってもよい。チャネルの先細りの性質は、
図5Aにおいてより良好に観察することができる。医療品を受容するための傾斜した先細のチャネルを提供することは、医療品の重量及び患者への医療品の挿入角度に起因して、侵襲性医療用品(経皮医療用品、例えばカニューレなど)が引き抜かれるか又は落下する傾向に対抗するので、最適である。
【0155】
チャネル、好ましくは医療品係合部としてV字形チャネルを設けることにより、チャネルが医療品をそのサイズにかかわらず楔で固定するか、又は確実に保持することができるので、異なるサイズの医療品を有する医療品固定器具の汎用使用が可能になり得る。例えば、医療品がカニューレである場合、医療品固定器具は異なる直径のカニューレを固定することができ、したがって、汎用的であり得る。これは、
図5Bの模式図においてより良好に観察される。
図5Bでは、直径が40%異なる2つの医療品が同じ医療品係合部材内に独立して配置され得ることが分かる。
【0156】
図7Aは、本発明の別の実施形態による医療品係合部材450の斜視図を示す。
図7Bは、
図7Aの医療品係合部材450の正面図を示す。医療品係合部材150と共通する医療品係合部材450の特徴部は、300だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0157】
固定具430は医療品係合部452の一方の側で基部に固定的に又は枢動可能に結合された可撓性バンド(例えば、シリコン製)である。基部は、医療品係合部452の反対側に固定具スリット又はチャネル421を規定する。使用時には、医療品(カニューレのルアーロックが
図7Aに示されている)が医療品係合部452に当接し、固定具430は医療品係合部からの医療品の脱落又はその中の動きを防止するために、カニューレのルアーロックの上及び周りに配置される。医療品が正しい位置に配置され、固定具が締め付けられると、固定具は医療品係合部452に対する医療品の移動を最小限に抑えるか、又は防止するために、締結具428で固定されるように構成される。
【0158】
図8Aは、本発明の別の実施形態による医療品係合部材550の斜視図を示す。
図8Bは、開放形態における固定具530の締結具528の拡大図を示す。医療品係合部材150と共通する医療品係合部材550の特徴部は、400だけ増分された同様の参照番号を備える。この実施形態では、基部が医療品係合部の両側に配置された2つのスリット又は医療品固定具のスリット又はチャネル521を規定する。医療品固定具530はスリット521を通ってスライドし、器具内に受容されたカニューレの周りに締め付けられる。固定具を固定するために、締結具528は固定具530を捕捉し、器具内でのカニューレの移動を防止するために押し下げられる。
【0159】
図9Aは、本発明の別の実施形態による医療品係合部材650の斜視図を示す。
図9Bは、
図9Aの医療品係合部材の正面図を示す。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、500だけ増分された同様の参照番号を備える。この実施形態では、固定具630が医療品係合部652をV字型チャネルとして形成するために基部に固定される2つのバンド(例えば、シリコーン樹脂)を含む。ストラップ630の各々は反対側から医療品を包み、その周りを取り囲むように構成され、医療品係合部652の両側の基部上に形成されたフック628上に固定される。
【0160】
図10A~10Dは手に固定された
図1の医療品固定器具100を示し、
図10Eは、前腕に固定された
図10A~10Dの医療品固定器具を示す。
図10A、
図10B、及び
図10Eでは、固定具730の長手方向軸Lが医療品(例えば、カニューレ)が真っ直ぐに挿入されたときに(すなわち、その長手方向軸LMAが患者の腕の方向に沿って配置された状態で)固定され得るように、身体係合部材の長手方向軸と整列される。
図10C及び
図10Dは患者へのカニューレの挿入の任意の角度に適応するために、並びに患者の左肢又は右肢上での器具の使用を可能にするために、医療品係合部材550が、時計回り又は反時計回りの方向で基部520の回転軸Rの周りに回転され得ることを示す。身体係合部材は、前腕のより大きい直径、ならびに患者の腕のより小さい直径に適合するように調整することができる。
【0161】
図11Aは、本発明の別の実施形態による医療品固定器具700の一部分の分解図を示す。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、600だけ増分された同様の参照番号を備える。この実施形態では、医療品係合部材の基部720が使用時に身体係合部材740の上面に位置する頂部のみを含む(
図11B~11Dに見られるように)。基部720はその下面に一連の歯762を規定し、その上面に医療品係合部752を規定する。医療品係合部は本明細書に記載される他の実施形態のようにV字形チャネルであり、それは、更に詳細には説明されない。身体係合部材740は、閉じた構成で歯762と係合するように構成された対応する歯764のセットを規定する。身体係合部はまた、ロック機構の両側に突出部を規定する。各突出部はスリット又はチャネル721を規定し、これは、固定具(図示せず)を受容し、固定具のための締結具として作用するように配置される。
【0162】
図11B及び11Cでよりよく分かるように、基部720は時計回り及び反時計回りに回転することができ、その結果、利用者(例えば、看護師、看護助手、ベット、又は医師)は医療品係合部752を、以前に患者に配置又は挿入された医療品(例えば、カニューレ)と整列させることができる。医療品係合部752及び医療品(図示せず)の長手方向軸が整列されると、医療品は基部720の医療品係合部752に挿入され得、固定具は身体係合部材740のスリット721を通して供給され、締め付けられ得る。医療品の周りの固定具を締めることは、基部720に向かって医療品に下向きの力を加え、同時に身体係合部材740(又はその突出部)に上向きの力を加え、これにより、ロック歯764及び762が係合し、ロック機構を作動させ、したがって、身体係合部材740に対する基部720のさらなる回転を防止する。
【0163】
図11Dは、
図11A~
図11Cの完全な医療品固定器具の斜視図を示す。この図では、身体係合部分はまた、ポッパー742と、ポッパー742に係合することができる複数の開口744とを有する締結具を備え、大部分の子供及び成人の身体部分に適合することができる調節可能な身体係合部材を提供することが観察され得る。
【0164】
図12A及び12Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具の一部分を示す。
図12C及び12Dは、
図12A及び12Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では、固定具はクランプである。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、700だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0165】
これらの図は、医療品係合部材850を含む医療品固定器具800を示す。
医療品係合部材850は、
医療品(カニューレ、無針コネクタ、又は流体ラインコネクタを含むが、これらに限定されない)の一部を受容するように構成された少なくとも1つの医療品係合部852を規定する基部820と、
この実施形態では医療品を基部820に可逆的に固定するための剛性材料(例えば、プラスチック製)で作製されたクランプ830である固定具と、を含む。
クランプ830の一端A’は、医療品係合部(医療用品を受容するためのチャネル)の一方の側で基部820に枢動可能に結合される。クランプ830は基部820に回動可能に連結されていないクランプの端部Aが基部820と係合していない開放形態(
図12A)と、係合部においてクランプ830の端部Aが基部820と可逆的に係合する閉鎖形態(
図12B)とを規定しており、この場合、リーバ828、ラッチ又はタブは、クランプのクイックセット(又はスナップ嵌め)閉鎖を提供し、クランプ830の端部Aを解放できるようにエンドユーザがリーバ828をたわませるとクイックリリースを可能にする。係合部は、ばね荷重をかけられ、閉鎖形態にあるときにクランプを解放することができない位置に向かって付勢される。クランプ830の長手方向軸Lは、クランプの端部A-A’の間に規定される。
図12Bに見られるように、クランプ830の長手方向軸Lは固定具が閉鎖形態にあるとき、基部の回転軸Rに対して実質的に垂直である(
図12B)。したがって、クランプ830は、クイックリリース/クイックセット固定具である。
【0166】
これらの図では、人間又は動物の身体部分に器具800を取り付けるように構成された身体係合部材のインサート又は基部848のみが示されている。器具800は、医療品係合部材及び身体係合部材のためのロック機構862、864をそれぞれ有する。基部820は、身体係合部材の剛性インサート又は基部848上に配置された歯付きリングで第2のロック構成要素864から距離を置いて配置された第1のロック構成要素827を備える。第1のロック構成要素は、歯862を有する弾性タブ又はカンチレバーアーム827である。タブ827は身体係合部材のインサート/基部848に対して実質的に平行に、第2のロック構成要素864から近接距離で延在するが、クランプが開放形態にあるとき(
図12A)、身体係合部材(及びインサート/基部848)からの基部820の自由な回転を可能にする。第2のロック構成要素864は、第1のロック構成要素の歯付き特徴部862と係合するように構成された歯付き特徴部(環)である。身体係合部材のインサート又は基部848は、身体係合部材を挿入し、又は基部848に固定するために身体係合部材(例えば、ストラップ)を通すことができるスロット又は孔を備える。開放形態(
図12A)から始めて、クランプ830を押すことは、クランプを枢動移動させ、基部に枢動可能に連結されていないクランプAの端部は第1のロック構成要素827/862を押圧し、第1のロック構成要素の歯862が第2のロック構成要素864の歯と係合するまでそれを偏向させ得る。クランプは、リーバ、ラッチ、又はタブ828によって閉鎖形態に固定されてもよい。閉鎖形態では、医療品係合部内に配置された医療品がクランプと医療品係合部との間に挟まれ、したがって、横方向及び/又は回転運動が防止される。同時に、クランプ830を閉鎖形態に移動させることは、ロック機構を作動させ、身体係合部材に対する医療品係合部材の回転を防止する。クランプを開位置に移動させるために、ラッチ(又は弾性タブ)は、クランプが開放形態に戻るように旋回するためのクリアランスを提供するように偏向される。これにより、弾性タブ(又はカンチレバーアーム)が第2のロック構成要素の歯と係合していない元の位置に跳ね返り、したがって、医療品係合部材が再び回転することが可能になる。
【0167】
図12Dは、基部820が身体係合部材インサート/基部848の第2のロック構成要素の歯864の歯と接触するように構成されたインデクサタブ829も有することを最もよく示す。身体係合部材に対して基部が回転すると、インデクサタブは歯864に対してブラシをかけ、クリック感及び音を生成する。
【0168】
図12D及び12Cは基部820が頂部822及び底部824を有し、身体係合部材のインサートが頂部822と底部824との間に挟まれるように構成されることを示す。
【0169】
図13A及び13Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具900の一部分を示す。
図13C及び13Dは、
図13A及び13Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図12A~12Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、800だけ増分された同様の参照番号を備える。
図12A~12Dの器具と共通する特徴部は、動作原理及び一般的な構造が同じであるので、詳細には説明しない。
【0170】
図13A~13Dのクランプは
図12A~12Dのものと同様に機能するが、ロック機構は第1のロック構成要素962がクランプ930の両端A、Aに設けられた歯であり、第2のロック構成要素が身体係合部材のインサート/基部948上に配置された歯付きリング964のままであるので、異なる。クランプは、閉鎖形態(
図13B)では医療品係合部952の両側に配置される2つの位置に配置される歯付き特徴部を備えるので、この器具はクランプが閉鎖形態にあるときに、第1のロック構成要素962と第2のロック構成要素964との対向する係合力を受ける。クランプが閉鎖形態に向かって旋回し始めると、第1の組の歯1062は歯付きリング964と係合し、回転ロック作用を開始する。端部Aがリーバ928との係合部で係合するまでクランプが更に押されると、第2の組の歯962もまた、直径方向に対向する位置で歯付きリング964と係合する。したがって、この構成はひずみによる破損を生じる可能性がより低い、より強力なロックを提供することができる。
図13Dに見られるように、基部はまた、回転が行われていることを聴覚的に示すインデクス化された回転を提供するために、インデクサ929を規定する。
【0171】
図14A及び14Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具1000の一部分を示す。
図14C及び14Dは、
図14A及び14Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図13A~13Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、900だけ増分された同様の参照番号を備える。
図13A~13Dの器具と共通する特徴部は、動作原理及び一般的な構成が同じであるので、詳細には説明しない。
【0172】
器具1000は器具900と同じ構造を有し、クランプ1030の両端A、A’の下面に歯付き特徴部1062が配置され、前記歯付き特徴部1062は、身体係合部材インサートの歯付きリング1064の対応する歯と係合するように構成される。加えて、クランプ1030の自由端Aは、身体係合部材のインサート1048上に規定された一連の開口1065と係合する一連の雄型突出部(ペグ)1063を備える。クランプ1030の嵌合雄型/雌型機構1063/1065及び身体係合部材のインサート1048の形態の第3のロックの追加は第1のロック成分と第2のロック成分との間のより強力な係合を可能にし、したがって、より強力なロックを作り出す。
【0173】
図15A及び15Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具1100の一部分を示す。
図15C及び15Dは、
図15A及び15Bに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図12A~12D及び14A~14Dに示されるものと同様であるが、異なるロック機構を有するクランプである。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、1000だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0174】
図15A~Dの実施形態のクランプは、第1のロック構成要素を支持しない。代わりに、第1のロック構成要素1162はクランプ1130と身体係合部材1148のインサートとの間に位置する2つのロックインサート上に、直径方向に対向する位置に設けられる。ロックインサート1162は、歯付き特徴部又は輪郭を備える片持ちタブを備える。第2のロック構成要素1164は、身体係合部材1148のインサート上に配置され、直径方向に対向する位置で第1のロック構成要素1162の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付きリングである。第1のロック構成要素1162及び第2のロック構成要素1164の歯付き特徴部は、角度が付けられ、又はテーパが付けられ、互いに相補的であり得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、開放形態では第1のロック構成要素1162の歯付き特徴部が第2のロック構成要素1164の歯付き特徴部と係合するように構成され得る。開放形態で医療品係合部材に回転力をかけることは、片持ちタブ1162の撓みを強制し得、クリック音を伴う回転を可能にし得る。クランプ1130を押すことは、クランプを枢動移動させることができ、クランプの端部はロックインサートを押圧し、第1のロック構成要素1162の歯が第2のロック構成要素1164の歯と密接に係合するまで、ロックインサートを偏向させることができる(
図15B)。有利には、直径方向に対向する位置に配置された2つのロック構成要素を設けることにより、クランプが閉鎖形態にあるときに、第1のロック構成要素と第2のロック構成要素との対向する係合力を可能にすることができる。したがって、この構成はひずみの下で破損する可能性がより低い、より強力なロックを提供することができる。
【0176】
図16A~16Cは、本発明の別の実施形態による医療品固定器具1200の一部を示す(
図16Aは減差構成のみを示す)。
図16Cは、
図16Aに示される医療品固定器具の部分の分解図を示す。この実施形態では固定具が
図15A~15Dに示されるものと同様であるが、わずかに修正されたロック機構を有するクランプである。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、1100だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0177】
この実施形態では、第1のロック構成要素のロックインサート1262が身体係合部のインサート1248のテーパ状ポケット1250内に配置される。ロックインサート(
図16Cに拡大して示す)は、テーパ状ポケット1250の形状に一致するボスを有する。この構成は、開放形態における第1のロック構成要素1262と第2のロック構成要素1264との間のクリアランスを提供する。言い換えれば、開放形態では、第1のロック構成要素タブ1262の歯付き特徴部と、第2のロック構成要素(歯付きリング)1264の歯付き特徴部とは係合しない。クランプ1230の閉鎖形態に移動するとき、クランプの端部A、A’はロックインサート1262を押圧し、カンチレバー部分を偏向させ、カンチレバータブ1262の歯と歯付きリング1248とが係合するまで、ボスをテーパ状ポケット1250に沿って摺動させる。有利には、この構成が閉鎖形態における第1及び第2のロック構成要素の歯付きインターフェース/特徴部の間の最大係合を提供する。この構成はまた、歯の高さを増加させ、これは、より大きな係合を可能にし、したがって、より強力なロックを可能にする。
【0178】
図17A及び17Bは、本発明による医療品固定器具1300のレンダリングを示す。この実施形態における固定具はクランプ1330である。
図17Bでは、カニューレのスマート部を保持する器具が示されている。固定器具100と共通の固定器具の特徴部は、1200だけ増分された同様の参照番号を備える。
【0179】
器具1300は固定具としてのクランプ1330を有する。
図17Aに明確に示されるように、硬質材料から製造されるクランプ1330は弾性インサート1335(例えば、ゴム、シリコーン樹脂、医療グレードシリコーン樹脂、弾性ポリマー原料から作製される)を含む。弾性インサート1335はクランプ又はスナップキャップが閉鎖形態にあるとき、医療品1400と接触するように構成される(
図17B)。弾性インサート1335は、クランプ又はスナップキャップがサイズのわずかな変動(例えば、サイズの0.1~2.5mmの変動)を有する医療品を固定することを可能にし得る。医療品係合部1352はまた、弾性インサート1353を含む。弾性インサートは、高い摩擦係数を有することができる。弾性インサート1353、1335は、器具及び医療品が固定される患者の動きによって医療品1400に及ぼされる力を吸収するように構成され得、器具1300内の医療品1400の動きに抵抗し得る。
【0180】
クランプ1330はまた、上面(使用中、医療品から離れる方向を向いている)に配置された弾性材料1337を含む。クランプ1330の弾性インサート1335は、クランプ1330の原料を覆って成形されるか、又はクランプの上面まで延在することができる。有利には、クランプ1330の上面に配置された弾性材料が固定具(クランプ/スナップキャップ)の上面にテクスチャ加工されたタッチポイント(例えば、軟質/ゴム状の)を提供することができる。これは、固定具を閉じるためにどこを押すべきかについての明確な触覚表示を利用者に提供することができ、触覚特徴部に依存する視覚障害を有する患者を支援することができる。クランプ1330の上面に配置された弾性材料は、発光材料又は発光着色を含むことができる。これは、医療品固定器具の低照度下での可視化を(例えば、夜間、又は現場でしばしば遭遇する低光条件で)改善することができる。
【0181】
この実施形態では、身体係合部材が身体係合部材インサート1348上の輪に結合され、患者の身体部分の周りに器具を固定するための固定手段(例えば、留め金)1342を備える、2つの可撓性ストラップ1346を備える。
【0182】
図18は、医療環境においてIVを固定するために使用される、
図17A及び17Bの器具のレンダリングを有する患者の画像である。この場合、医療品固定器具1300は器具1300内に固定されたカニューレ1400の回転、長手方向及び/又は横方向の動きを防止するために、カニューレ1400(又はそのスマート部)を器具1300に固定するために、患者のアーム1500に取り付けられる。
【0183】
図19Aは、本発明の別の実施形態による医療品固定器具1600の分解図を示す。この実施形態では、固定具1630が医療品係合部材1650の基部と身体係合部材1648(又はそのインサート又は基部)との間に配置されたロック構成要素1665に接続されたストラップである。ロック構成要素1665は、器具1600のロック機構の第2のロック構成要素1664(この実施形態では歯付き部分である)を担持する。ロック機構の第1のロック構成要素1662は、身体係合部材1648の基部又はインサート上に形成される。第1のロック構成要素1662は、ロック構成要素1665の第2のロック構成要素1664の歯付きプロファイル(同様にL字形)と相補的な歯付きプロファイルを有する逆L字形である。器具1600が組み立てられると、第2のロック構成要素1664は、器具1600の閉鎖形態で第1のロック構成要素1662と係合するように構成される。有利には両方のロック構成要素1662、1664上のL字形の歯構造は強力なロックを提供する。
【0184】
固定具(ストラップ)1630は、この実施形態ではピン1635及びヨーク1667器具の手段によって、一端でロック構成要素1665に枢動可能に接続される。器具1600が組み立てられると、ロック構成要素1665は、医療品係合部材1650の基部と身体係合部材1648の基部又はインサートとの間に挟まれる。医療品係合部材1650の基部は身体係合部材1648の基部又はインサートに、隆起した環状リップ1649の間にスナップ嵌めされる。これは、身体係合部材1648に対する医療品係合部材1650の基部の回転を可能にしながら、部品の非常に強力な接続を提供するので有利である。
【0185】
医療品係合部材1650の基部は、ロック構成要素1665のヨーク1667及び/又はそれに接続されたストラップ1630が通過するチャネル又は開口を規定する(
図19Dに最もよく見られる)。この実施形態ではストラップ1630(固定具)、ロック構成要素1665、及び医療品係合部材1650の基部は組み立てられたユニットとして時計回り及び反時計回りの両方で回転することができる。好ましい実施形態では、時計回り方向及び反時計回り方向への30°の回転が患者に取り付けられた後に医療品(例えば、カニューレのNFC)を収容するために器具の位置を調整する60°の範囲を提供するので、好ましい。回転は、自由であってもよく、又は所定の間隔/増分で生じてもよい。いくつかの実施形態では回転が約10°の増分で生じてもよいが、増分は器具の調整要件に応じて調整されてもよい。
【0186】
図19B及び19Cは、開放形態(固定具1630が締め付けられていないとき)及び閉鎖形態(固定具1630が締め付けられているとき)における器具1600のロック機構の詳細を透視した
図19Aの器具の側面図である。
図19Bに見られるように、固定具1630が締め付けられないとき(すなわち、器具1600の開放形態で)、第1のロック構成要素1662と第2のロック構成要素1664との間の距離は両方のロック構成要素の歯のクリアランスを可能にし、医療品係合部材のロック構成要素1665及び基部1650は、回転軸を中心に回転することができる。固定具1630の閉鎖形態では(すなわち、固定具1630が医療品係合部1652の反対側に向かって引っ張られて固定具1630を締め付けるとき)、ロック構成要素1665は上方に引っ張られ、したがって、第1のロック構成要素1662と第2のロック構成要素1664との間の距離を低減し、したがって、歯が係合し、ロック構成要素1665及び基部1650のさらなる回転を防止する。
【0187】
ロック構成要素1665は医療品係合部材の基部と係合し、器具の開放形態から閉鎖形態に移動するときにロック構成要素1665が旋回することが可能な旋回点として作用する2つのポスト1669を有する。
図19Bでよりよく分かるように、ロック構成要素1665は開放形態で身体係合部材1648の基部に対して平らに置かれるが、
図19Cに示される閉鎖形態ではロック構成要素1665がポスト1669の周りで旋回し、したがって、器具をロックするために身体係合部材1648の歯付きプロファイル1662と係合するために、ロック構成要素1665の歯付きプロファイル1664を持ち上げる。ロック構成要素は開放形態と閉鎖形態との間で枢動可能(例えば、約5°)であってもよい。ロック構成要素1665のポスト1669は医療品係合部材1650の基部の特徴部によって支持されるので、ロック構成要素は荷重下で堅牢である。ロック構成要素は、少なくとも2つの対向する位置において、基部及び/又は身体係合部材と係合してもよい。これは、閉鎖形態におけるより強いロックにつながり得る。
【0188】
身体係合部材は、任意の適切な手段によって患者の身体部分に固定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、身体係合部材が粘着剤上に装填されるか、又は他の方法で患者の身体部分に粘着剤で固定されてもよい。他の実施形態では、身体係合部材1648が身体係合部材1648の基部の孔を覆うストラップ(例えば、オーバーモールドされたストラップ)を更に備えてもよい。ストラップを使用することは、器具が同じ患者で複数回使用され、使用の間又は患者間で交換及び/又は洗浄されることを可能にするので、有利である。オーバーモールドされたストラップは、身体係合部材の柔軟性、把持部、ならびに強度及び伸縮特性を最適化するので有利である。
【0189】
図19Dは、
図19A、19B、及び19Cの器具1600の断面、医療品係合部材1650の基部と身体係合部材1648との間の環状スナップ具の詳細を透視したもの、並びに医療品係合部材の基部とロック要素との間の係合を示す。環状スナップは回転を可能にしながら、医療品係合部材の基部1650と身体係合部材1648との間に非常に強い係合を提供する。環状スナップ具はまた、器具を組み立てるために必要とされる部品の数を低減することができ、これは、製造可能性を改善し、製造コストを低減する。
【0190】
図19Eはカニューレ用の無針コネクタ(NFC)を収容する
図19A、19B、19C、及び19Dの器具の斜視図を示し、器具が、それに接着された翼部及び/又はドレッシングを有するNFCを収容するようにどのように構成されるかを示す。器具1600が回転されると、カニューレ翼部2010は屈曲するように強制されるか、又はカニューレもしくはNFC2000はその長手方向軸の周りを回転して、翼部2010及び粘着剤ドレッシングが身体係合部材1648の基部の下に行くことを可能にすることができる。これは、身体係合部材1648の一方の端部及び医療品係合部材1650の一方の端部の切り取られた又は切り取られたプロファイル1647によって促進される。
【0191】
図19Fは、異なるサイズのNFCを収容する
図19A、19B、19C、19D、及び19Eの器具の斜視図及び側面図を示す。例えば、左側画像上のNFC2000Aは直径10mmのNFCであってもよく、右側画像上のNFCは直径15mmのNFC2000Bであってもよい。有利には、単一の医療品固定器具を使用して、異なる形状及び直径の医療品(この場合、NFC)を収容することができる。
【0192】
これらの図では医療品固定器具がカニューレのNFCを受容するように示されているが、利用者はカニューレ/NFCを異なる場所に固定することができる。例えば、カニューレが患者の身体部分に挿入されると、利用者は、流体ラインとNFCとの間、又は流体ラインとカニューレのルアーロック/アクセスポイントとの間の接合部を本発明の器具で固定することによって、カニューレを身体部分に固定することができる。この固定位置は、カニューレの垂直方向のテントを減らし、カニューレ/創傷部位に適用される粘着性ドレッシング材(例えば、Tegaderm(登録商標))の乱れを最小化又は回避する、より低いプロファイルを維持する可能性がある。
【0193】
図20Aは、
図19A~Fの実施形態と同様の、本発明の別の実施形態による別の医療品固定器具の斜視図を示す。この実施形態は
図19A~Fの実施形態と非常に類似しているが、固定具1730がロック構成要素に接続される方法が異なる。この実施形態では、固定具はまた、医療品係合部材の基部1750の突出部1728に固定されるように構成された開口1732を有するストラップ1730である。
【0194】
図20B及び20Cは、
図20Aの器具の上面及び側面斜視図を、ロック機構の詳細を透視して示す。
図20B及び20Cに最もよく見られるように、ストラップ1730は、旋回なしでロック構成要素1765に固定的に接続され(それは剛性インサート又はリブにクランプされるか、又は別様に固定的に固定され得る)、したがって、
図19A~Fの器具のものよりも強固なアンカーを提供する。
【0195】
図21A及び21Bは、それぞれ、開放形態及び閉鎖形態における、本発明の別の実施形態による医療品固定器具1800のロック機構の斜視図を示す。この器具は
図19及び
図20の器具と非常に類似しているが、ストラップ1830がロック構成要素1865の保持プロファイル1867内に保持されるストラップ1830上のオーバーモールド/プロファイル1835の手段によって、ロック構成要素1865に固定される点で異なる。この係合構成は、ロック構成要素1865とストラップ1830との間の係合面がより大きいので、より強固な結合を提供することができる。
【0196】
有利には
図19A~F、
図20A~C、及び
図21A~Bの器具はロックが器具の前部で第1及び第2のロック構成要素1662/1664、1762/1764、及び1862/1864と、器具の後部で医療品係合部材1650、1750の基部のポスト(ピボット)1669、1769、1869と、対応する特徴部とを係合することによって提供されるので、医療品係合部材の回転のための非常に堅牢なロックを提供する。器具の前端及び後端におけるこの二重ロックは、大きな回転負荷及び力に耐えることができる。
【0197】
これらの器具のための固定具は、ジップタイ、孔、又は任意の他の適切な固定具などの任意の適切な手段によって固定することができる。
【0198】
図19A~F、
図20A~C、及び
図21A~Bの実施形態はすべて、カニューレ又はNFCの異なる形状や大きさに適合することができる可撓性及び弾性の固定具(ストラップ)を採用し、したがって、異なる医療品を収容することができる汎用器具をもたらす。
【0199】
図22Aは、固定具の3つの実施形態1930A、1930、及び1930Cの斜視図を示す。固定具1930Cは、医療品係合部の基部上の対応する受容特徴部又は器具のロック構成要素と係合するように構成されたオーバーモールド1935Cを規定する、小型剛性片を備える。剛性部品は固定具(ストラップ)1930Cと基部/ロック構成要素との確実な結合を提供するために、プラスチックなどの剛性材料から製造されてもよい。剛性片はまた、弾性ストラップ1930Cに係合するように構成された短い剛性/半剛性リブ1937Cを有する。固定具1930Aは類似しているが、短いリブの代わりに、固定具1930Aは使用時に医療品(例えば、NFC)の縁部に対する把持特徴部を提供するために、ストラップの下側周囲に沿って延びる半剛性リブ1937Aを備える。固定具1930Bはストラップの伸張を低減し、それを補強するためにストラップ内部の固定具1930の長さに沿って延在するはしご構造1937Bの形態の半剛性補強構造を備え、したがって、荷重力に耐えるストラップ1930Bの容量を増加させる。
【0200】
図22Bは本発明の一実施形態による医療品固定器具の斜視図を示し、弾性ストラップ(例えば、シリコーン樹脂)の形態の身体係合部材1940が雄型特徴部又は突出部1942と係合するときに、ストラップが異なるサイズの身体部分の周りに固定されることを可能にするように構成された開口1944を有する。医療品係合部材の基部1950は硬質材料から形成され、医療品(例えば、カニューレ/無針コネクタ/ルアーロックなど)を受容するための医療品係合部1952を規定する。医療品係合部1952は、ある角度で配置された先細のチャネルである。この実施形態では、それはリブを規定する弾性材料から作製されたインサート又はインサート1953で裏打ちされ、医療品に加えられる負荷に抵抗するために、医療品とインサートとの間の摩擦を増加させることによって、医療品とのより良好な係合を提供する。使用時には、医療品固定具1930が医療品係合部1952の一方の側でロック構成要素に固定的に結合された開口を有する弾性ストラップであり、医療品係合部分の反対側で突出部1928と係合するように構成される。
【0201】
図22Cは、
図22Aの固定具ストラップ1930A、1930B、又は1930Cのうちのいずれか1つを伴う、
図22Bの医療品固定器具1900の分解図を示す。この図では
図19及び20の実施形態と同様に、身体係合部材(ストラップ1940)の強化材部分又はインサート1948は医療品係合部材の基部1950を受容するための円形スナップ特徴部を有することが最も理解され得る。基部1950と身体係合部材のインサート/補強要素1948との間に挟まれたロック構成要素1965がある。ロック構成要素1965は固定具1930A、1930B、又は1930Cのオーバーモールドされた特徴部1935A、1935B、又は1935Cをそれぞれ受容し、固定するための保持プロファイル1967を規定する。
【0202】
有利には、
図22Aに示される固定具がチャネルと固定具との間に強い摩擦接触を提供する。医療品係合部のインサートの弾性材料及び前記インサートのリブ付きプロファイルは、固定具、医療品係合部、及び医療品の間の摩擦接触を更に増加させる。固定具はこの構成では医療品(例えば、異なるサイズのNFC)の周りを成形/把持する弾性を有し、上方及び後方への撓みなどの医療品(例えば、カニューレ)への荷重力に対して弾性的に変形しない弾性を有していなければならない。
【0203】
誤解を避けるために、図に示される実施形態はほとんどの図においてカニューレの無針コネクタを固定するが、器具は他の医療品を固定するように適合され得る。更に、器具がカニューレ又はカニューレの任意の要素を固定するために使用される場合、利用者(例えば、医療従事者)は、カニューレのどの部分が器具で固定される必要があるかを決定し得る。例えば、器具は、カニューレ、カニューレの無針コネクタ(NFC)、又はNFC又はカニューレに係合する流体ラインのルアーコネクタに接触して固定することができる。有利なことに、これは、利用者がIV接続のどの側面が固定される必要があるかを決定することを可能にする。ストラップなどの弾性固定具を有する器具の普遍的な性質は、器具のこの汎用性を容易にする。
【0204】
いくつかの例ではNFCが大径の場合、ルアー接続部とNFCとの間の接合部を固定することが有益であり得、これはこの固定位置がその垂直角度に関してカニューレの任意の望ましくない隆起を軽減するからである。例えば、
図19F(右)の設定では、利用者が前述の効果を達成するために、ルアーロックがNFCに接続するラインを更に後ろに固定することが推奨される。
【0205】
本発明の全ての器具は、単一ステップで、又は最小限のステップ数で、単純な移動で作動させることができる2次元的(開/閉又はオン/オフ)な固定及びロック機構を提供する。医療用品(例えば、カニューレ)が所望の場所に配置されると、本発明の器具は器具を固定するために長いプロセス(例えば、ボルトをねじ込むこと)を経る必要なしに、医療品を患者の身体部分に簡単かつ効率的に固定することができる。これにより、熟練していないスタッフは医療品を患者に固定することができ、医療品が本発明の器具で固定される前に、その医療品の脱落のリスクを最小限に抑えることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
医療品係合部は、固定具の長手方向軸に実質的に垂直な軸に沿って配置されてもよい。医療品係合部は、基部の回転軸に対してある角度で配置されてもよい。医療品係合部材は、身体係合部材に対してある角度で配置されてもよい。医療品係合部は、基部の回転軸から約55°~約90°、又は約60°~約85°、又は約70°~約80°、又は約75°~約80°、又は約75°~約90°、又は約70°~約80°の角度αで配置され得る長手方向軸を規定し得る。いくつかの実施形態では、医療品係合部が基部の回転軸から約80°~約75°、好ましくは約80°の角度αで配置され得る長手方向軸を規定し得る。換言すれば、医療品係合部は、身体係合部材に対して傾斜するように構成されてもよい。医療品係合部は、身体係合部材に対して、及び/又は医療品係合部材の基部の下面に対して、約5°~約25°、又は約10°~約25°、又は約15°~約25°、又は約20°~約25°、又は約10°~約15°、又は約5°~約10°に配置された長手方向軸を規定し得る。有利には、医療品係合部を身体係合部材に対して(及び使用時に身体係合部材が取り付けられる患者の身体部分に対して)ある角度で配置することは医療品(特にカニューレなどの細長い医療品)が受けるモーメントを打ち消すことができ、その重心は医療品の端部(例えば、カニューレの尾端部)に、又はそれに向かって配置され、その重心は接続された流体ラインの残留引張と一緒に、医療品を後方に傾かせ、それによって、前後の微動の機会を作り出す。角度は、器具内に受容されるべき医療品のタイプ及び寸法に応じて修正されてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
この実施形態では、身体係合部材140のストラップ146は、弾力性のある材料(例えば、シリコーン)で作られており、使用中に患者の皮膚に対して最大限の摩擦を与えて、使用中の固定器具100の微小運動を最小限に抑え、固定器具100を身体部分の正しい位置に固定する。ストラップ146は、複数の開口146を規定し、この開口144は、締結具142用の孔(バックルに引っ掛けることができるバックル位置として機能し、従って、装置を異なるサイズの身体部位の周囲に固定することを可能にする)としても機能し、また、患者が器具100を装着する際に汗(発汗)の蓄積を最小限に抑えるための通気開口としても機能する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0147】
図6Cは医療品係合部内の医療品を用いて、開放形態から閉鎖形態に移動するときに、器具300に関与する力の模式図である(医療品は、関与する力をより良く表すために器具内に示されていない)。固定具330を基部から引き離すと、固定具は基部の底部324を身体係合部材340から引き離す力に供し、同時に、基部の頂部322に押し付け力(この画像では下向き)を及ぼす。身体係合部材340は、基部の頂部322と底部との間にクランプされ、したがって、第1のロック構成要素
364及び第2のロック構成要素
362の歯を強制的に係合させ、したがって、基部のさらなる回転を防止する。閉鎖形態では、固定具330が医療品係合部352上に配置された医療品(例えば、カニューレのルアーロック)を、基部に向かって押す力にさらす。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0177】
この実施形態では、第1のロック構成要素のロックインサート1262が身体係合部のインサート1248のテーパ状ポケット1250内に配置される。ロックインサート(
図16Cに拡大して示す)は、テーパ状ポケット1250の形状に一致するボスを有する。この構成は、開放形態における第1のロック構成要素1262と第2のロック構成要素1264との間のクリアランスを提供する。言い換えれば、開放形態では、第1のロック構成要素タブ1262の歯付き特徴部と、第2のロック構成要素(歯付きリング)1264の歯付き特徴部とは係合しない。クランプ1230の閉鎖形態に移動するとき、クランプの端部A、A’はロックインサート1262を押圧し、カンチレバー部分を偏向させ、カンチレバータブ1262の歯と歯付きリング
1264とが係合するまで、ボスをテーパ状ポケット1250に沿って摺動させる。有利には、この構成が閉鎖形態における第1及び第2のロック構成要素の歯付きインターフェース/特徴部の間の最大係合を提供する。この構成はまた、歯の高さを増加させ、これは、より大きな係合を可能にし、したがって、より強力なロックを可能にする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0186
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0186】
図19B及び19Cは、開放形態(固定具1630が締め付けられていないとき)及び閉鎖形態(固定具1630が締め付けられているとき)における器具1600のロック機構の詳細を透視した
図19Aの器具の側面図である。
図19Bに見られるように、固定具1630が締め付けられないとき(すなわち、器具1600の開放形態で)、第1のロック構成要素1662と第2のロック構成要素1664との間の距離は両方のロック構成要素の歯のクリアランスを可能にし、医療品係合部材のロック構成要素1665及び
医療品係合部材1650の基部は、回転軸を中心に回転することができる。固定具1630の閉鎖形態では(すなわち、固定具1630が医療品係合部1652の反対側に向かって引っ張られて固定具1630を締め付けるとき)、ロック構成要素1665は上方に引っ張られ、したがって、第1のロック構成要素1662と第2のロック構成要素1664との間の距離を低減し、したがって、歯が係合し、ロック構成要素1665及び
医療品係合部材1650の基部のさらなる回転を防止する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0189
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0189】
図19Dは、
図19A、19B、及び19Cの器具1600の断面、医療品係合部材1650の基部と身体係合部材1648との間の環状スナップ具の詳細を透視したもの、並びに医療品係合部材の基部とロック要素との間の係合を示す。環状スナップは回転を可能にしながら、医療品係合部材
1650の基部と身体係合部材1648との間に非常に強い係合を提供する。環状スナップ具はまた、器具を組み立てるために必要とされる部品の数を低減することができ、これは、製造可能性を改善し、製造コストを低減する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0193
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0193】
図20Aは、
図19A~Fの実施形態と同様の、本発明の別の実施形態による別の医療品固定器具の斜視図を示す。この実施形態は
図19A~Fの実施形態と非常に類似しているが、固定具1730がロック構成要素に接続される方法が異なる。この実施形態では、固定具はまた、医療品係合部材
1750の基部の突出部1728に固定されるように構成された開口1732を有するストラップ1730である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0205
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0205】
本発明の全ての器具は、単一ステップで、又は最小限のステップ数で、単純な移動で作動させることができる2次元的(開/閉又はオン/オフ)な固定及びロック機構を提供する。医療用品(例えば、カニューレ)が所望の場所に配置されると、本発明の器具は器具を固定するために長いプロセス(例えば、ボルトをねじ込むこと)を経る必要なしに、医療品を患者の身体部分に簡単かつ効率的に固定することができる。これにより、熟練していないスタッフは医療品を患者に固定することができ、医療品が本発明の器具で固定される前に、その医療品の脱落のリスクを最小限に抑えることができる。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
医療品固定器具であって、
該医療品固定器具は、
医療品係合部材であって、
医療品を受容するように構成された少なくとも1つの医療品係合部を規定する基部と、
前記医療品を前記基部に可逆的に固定するための固定具であって、開放形態及び閉鎖形態を規定する固定具と、を備える医療品係合部材と、
前記医療品固定器具を人間又は動物の身体部分に固定するように構成された身体係合部材と、
ロック機構であって、前記医療品係合部材の前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記基部の回転軸周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を可能にするように構成され、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部の回転軸の周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を防止するように構成される、ロック機構と、
を備える医療品固定器具。
[態様2]
前記固定具はクイックリリース/クイックセット固定具であり、任意選択的に、前記固定具はねじ以外の締結固定具である、態様1に記載の医療品固定器具。
[態様3]
前記医療品係合部材の前記固定具は長手方向軸を規定し、前記固定具の前記長手方向軸は、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるとき、前記基部の前記回転軸に対して実質的に垂直である、態様1又は2に記載の医療品固定器具。
[態様4]
前記固定具はクランプ又は少なくとも1つのバンドを備え、任意選択的に、前記少なくとも1つのバンドは可撓性ストラップであり、更に任意選択的に、前記可撓性ストラップは弾性材料を含む、態様1~3の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様5]
前記固定具及び/又は前記基部のうちの少なくとも1つは、前記固定具を前記基部に解放可能に固定するように構成された締結具を備え、
任意選択的に、前記締結具は、以下のうちの1つ又は複数から選択されるもの、すなわち、
フック&ループファスナー、スナップ嵌めファスナー、アイレット&ピン、フック&アイレット、ボタン&アイレット、ポッパー、孔&リンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、Dリング、磁気スナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、サイドリリースバックル、タイバックル、ラチェット歯&爪、弾性又は片持ちタブである、態様1~4の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様6]
前記固定具は前記医療品係合部の一方の側で前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に結合され、任意選択的に、前記基部は前記固定具が固定又は枢動可能に結合される前記医療品係合部の反対側で前記固定具の係合部を規定し、任意選択的に、前記固定具は該固定具を前記閉鎖形態で前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の前記係合部と係合し、前記開放形態で前記基部の前記係合部と係合しないように構成される、態様1~5の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様7]
前記固定具は第1の端部及び第2の端部を有する弾性ストラップであり、前記第1の端部は、前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に固定され、前記第2の端部は前記固定具を前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の係合部と係合するように構成され、前記開放形態において前記基部の前記係合部と係合しない、態様1~6の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様8]
前記固定具は医療品の周りに嵌合するように構成されたクランプであり、該クランプは第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は前記基部に枢動可能に結合され、前記第2の端部は前記開放形態で前記基部と係合せず、前記閉鎖形態で前記基部と係合するように構成され、
任意選択的に、前記クランプは剛性材料を含み、
更に任意選択的に、前記クランプは、該クランプの内側に配置された弾性インサート、及び/又は前記クランプの外面に配置された弾性材料を含む、態様1~6の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様9]
前記開放形態において、前記固定具は該固定具の長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動を可能にするように前記基部に係合するように構成され、前記固定具の前記長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動は前記基部の前記医療品係合部と、前記基部の前記医療品係合部に反対して配置された前記固定具の部分との間の距離を修正するように構成される、態様3~7の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様10]
前記固定具は少なくとも1つの一連のラチェット歯を備え、前記基部は、前記固定具及び前記基部を解放可能に固定し、前記固定具の少なくとも第1の長手方向に前記基部に対する前記固定具の移動を可能にするように構成された少なくとも1つのロック歯を備えるか、又は
前記固定具は該固定具の長手方向軸に沿って離間した少なくとも1つの孔又は複数の孔を備え、前記基部は少なくとも1つのフックを備え、該フックは、前記閉鎖形態で、前記固定具の前記長手方向軸に沿って前記基部に対する前記固定具の移動を防止するように、前記固定具の少なくとも1つの孔に係合するように構成される、態様1~7及び9の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様11]
前記基部は頂部及び底部を有し、使用時に、前記頂部は前記医療品と相互作用するように構成され、前記底部は着用者の身体部分に向かって面するように構成され、
任意選択的に、前記医療品の少なくとも一部は前記医療品係合部内に受容されるように構成され、前記医療品の長手方向軸は前記基部の前記底部に対して約0°~約35°の角度で配置され、
任意選択的に、前記医療品係合部と前記基部の前記底部との間の角度及び/又は前記身体係合部材は可変である、態様1~10の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様12]
前記身体係合部材は、可撓性材料と、伸張に耐性のある補強セグメント又はインサートとを備え、任意選択的に、前記身体係合部材及び/又は前記補強セグメント又はインサートは細長い、態様1~11の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様13]
前記身体係合部材は前記基部の前記頂部と前記底部との間に配置される、態様11又は12に記載の医療品固定器具。
[態様14]
前記基部は前記固定具を受容するように配置された少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを規定し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを通る前記固定具の長手方向軸に沿った前記固定具の移動を可能にし、
任意選択的に、前記スリットは、直線状スリット、湾曲スリット、又はL字形スリットである、態様1~7及び9~13の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様15]
前記身体係合部材は、使用時に、着用者の身体部分に面するように構成された下面と、前記着用者の前記身体部分から離れて面するように構成された反対の上面と、を有し、
前記基部の前記底部の少なくとも一部は前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置され、前記基部の前記頂部は前記身体係合部材の前記上面に隣接して配置され、
任意選択的に、以下の構成のうちの一つの構成を含み、すなわち、
前記基部の前記頂部及び前記底部は一体であり、任意選択的に、前記基部の前記底部は前記身体係合部材に規定された開口を通ってスナップ嵌めされるとの構成、又は
前記基部の前記頂部と前記底部とは別個の部分であり、任意選択的に、前記底部は、前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置されるように構成された下側プレートと、前記身体係合部材の前記上面の上方で前記基部の前記頂部と係合するように構成された少なくとも1つの突出部とを備えるとの構成、であり、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記基部の前記頂部は、前記基部の前記底部の少なくとも1つの突出部を受容するように構成された少なくとも1つの開口を規定するとの構成、
前記基部の前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の前記開口を通過するように構成されるか、又は前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の上で折り畳まれ、前記身体係合部材の上面の上で前記基部の前記頂部と係合するとの構成である、態様11~14の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様16]
前記医療品係合部は、チャネル、又は前記医療品の一部分と係合し、前記基部に対する前記医療品の長手方向の変位を防止するように構成されたスナップ嵌め機構と、を備え、
任意選択的に、前記医療品係合部は、V字形、U字形、又はC字形を規定するチャネルである、態様1~15の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様17]
前記ロック機構は第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素を備え、前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の距離は前記固定具が前記閉鎖形態にあるときよりも、前記固定具が前記開放形態にあるときの方が大きく、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は前記基部上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記固定具上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたインサート上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるか、又は前記身体係合部材の一部であるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に配置されるとの構成である、態様1~16の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様18]
前記ロック機構は、以下の少なくとも一つを含む、すなわち、
前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の摩擦ロック、一方向又は双方向ラチェット機構、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第1及び第2のロック構成要素上の爪(又はロック歯、又はインデクサ)、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第2のロック構成要素上の対応する一連の歯、前記第1のロック構成要素内の少なくとも1つの雄型特徴部(たとえばポスト)及び前記第2のロック構成要素内の対応する雌型特徴部(たとえば開口又は孔)である、態様17に記載の医療品固定器具。
[態様19]
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の前記歯付き特徴部と係合するように構成された対応する歯付き特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素は少なくとも1つの雄型特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は、前記第1のロック構成要素の雄型特徴部を受容して、係合するように構成された雌型特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素はクランプの一端又は両端に配置された歯付き特徴部/インターフェースであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートに配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記基部から延びる片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部又はプロファイルを備える片持ちタブを備える少なくとも1つのロックインサートであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであり、更に任意選択的に、前記第1のロック構成要素はそれぞれ片持ちタブを備える2つのロックインサートを備え、該2つのロックインサートは直径方向に対向する位置で前記第2のロック構成要素と係合するとの構成である、態様17又は18に記載の医療品固定器具。
[態様20]
前記ロック機構は前記医療品係合部材の前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたロック構成要素を備え、前記ロック構成要素は前記医療品係合部材の前記基部と前記固定具とに動作可能に結合され、
任意選択的に、前記ロック構成要素は、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部又は前記身体係合部材上に配置された第2のロック構成要素と係合し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記第2のロック構成要素と係合しないように構成された第1のロック構成要素を備える、態様17~19の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様21]
前記ロック構成要素は、前記固定具が前記開放形態にあるときの第1の位置と、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときの第2の位置との間で旋回するように構成され、任意選択的に、前記ロック構成要素は、少なくとも2つの対向する位置で前記基部及び/又は前記身体係合部材と係合する、態様20に記載の医療品固定器具。
[態様22]
前記固定具は、クランプであり、以下の構成の一つである、すなわち、その構成は、
第1のロック構成要素は、前記身体係合部材に実質的に平行に前記基部から延在し、前記第2のロック構成要素から近い距離に配置されるが、クランプ(又はスナップキャップ)が前記開放形態にあるときに前記身体係合部材に対して前記基部の自由回転を可能にする歯付きカンチレバーアームであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成される歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は、前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は前記基部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプと前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートとの間に配置されたロックインサート上に配置された歯付き特徴部を備える少なくとも1つの片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置され、任意選択的に、少なくとも1つの片持ちタブは前記身体係合部材又はそのインサートのテーパ付きポケット内に配置され、前記ロックインサートの少なくとも1つは前記テーパ付きポケットの形状に一致するボスを有するとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプの第1の端部及び/又は第2の端部のうちの少なくとも1つに配置された歯付き特徴部及び/又は雄型特徴部のうちの少なくとも1つを備え、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置された歯付き特徴部及び/又は対応する雌型特徴部のうちの少なくとも1つを備えるとの構成である、態様17~21の何れか一項による医療品固定器具。
[態様23]
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記身体係合部材は前記医療品固定器具を前記身体部分に接着剤なしで固定されるとの構成、
前記身体係合部材は前記医療品固定器具を身体部分の周りに固定するように構成され、任意選択的に、前記身体係合部材は1つ以上のストラップ又はスリーブであり、更に任意選択的に、前記身体係合部材のサイズは可変であり、前記身体係合部材は前記医療品固定器具を前記身体部分の周りに固定するための締結具を備え、任意選択的に、前記締結具は、フック&ループ、スナップ嵌め、アイレット&ピン、フック&アイ、孔&リンク、スライダー、クラスプ、スクイーズバックル、Dリング、磁性スナップ、カムバックル、ラチェットバックル、スライドバックル、側方解放バックル、タイバックル、のうちの1つ以上から選択されるとの構成である、態様1~22の何れか一項記載の医療品固定器具。
[態様24]
身体部分がヒト又は動物の肢であり、任意選択的に、前記身体部分がヒト又は動物の腕又は脚であり、更に任意選択的に、前記身体部分が上腕であり、更に任意選択的に、前記医療品固定器具が左肢及び右肢の両方に固定されることが可能であり、任意選択的に、前記医療品固定器具が、左腕及び右腕の両方に固定されることが可能である、態様1~23の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様25]
前記医療品は導管を含む侵襲性器具であり、
任意選択的に、前記医療品は、カテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、リンパ管アクセス器具、末梢血管アクセス器具、中央血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、線、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科的ドレーンから選択される、態様1~24の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様26]
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記身体係合部材は弾性材料を含み、任意選択的に、前記身体係合部材は拭き取り可能な材料、リサイクル可能材料、生分解性材料のうちの少なくとも1つを含み、更に任意選択的に、前記身体係合部材は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は弾性材料を含み、任意選択的に、前記固定具は拭き取り可能な材料を含み、更に任意選択的に、前記固定具は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は、成形プラスチックなどの硬質又は剛性材料と、任意選択的に弾性インサートとを含むとの構成、
前記基部は、成形プラスチックなどの硬質材料、及び/又はエラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂などの弾性材料を含むとの構成である、態様1~25の何れか一項に記載の医療品固定器具。
[態様27]
医療品を固定する方法であって、
態様1~26の何れか一項に記載の医療品固定器具を提供するステップと、
所望の位置で患者の身体部分上に配置された医療品に対して前記医療品固定器具を接近させるステップと、
前記医療品の下へ前記医療品固定器具を案内するステップと、
医療品係合部を前記医療品と位置合わせするために、前記医療品係合部材を前記身体係合部材に対して随意に回転させるステップと、
前記開放形態での前記固定具を用いて、前記医療品の少なくとも一部を前記医療品係合部と係合させるステップと、
前記固定具を前記閉鎖形態に移動させることによって、前記医療品を前記医療品係合部材に固定するステップと、
前記医療品固定器具の前記身体係合部材を患者の身体部分に固定するステップと、を含み、
前記固定具を前記閉鎖形態に移動させることによって、前記医療品を前記医療品係合部材に固定するステップは、ロック機構をロックし、前記基部の回転軸の周りで前記身体係合部材に対する前記医療品係合部材の回転を防止し、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記医療品は導管を含む侵襲性器具であり、任意選択的に、前記医療品は、カテーテル、カニューレ、血管アクセス器具、リンパ管アクセス器具、針、末梢血管アクセス器具、中心血管アクセス器具、動脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、静脈血管アクセス器具、ライン、正中線、末梢インサート中心カテーテル(PICC)、中心動脈アクセス器具、中心静脈アクセス器具、中心静脈カテーテル(CVC)、鎖骨下線、内頚線、大腿線、尿道カテーテル、外科的ドレーンから選択されるとの構成、
前記身体部分はヒト又は動物の肢であり、任意選択的に、前記身体部分はヒト又は動物の腕又は脚であり、更に任意選択的に、前記身体部分は上腕であるとの構成である、医療品を固定する方法。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療品固定器具であって、
該医療品固定器具は、
医療品係合部材であって、
医療品を受容するように構成された少なくとも1つの医療品係合部を規定する基部と、
前記医療品を前記基部に可逆的に固定するための固定具であって、開放形態及び閉鎖形態を規定する固定具と、を備える医療品係合部材と、
前記医療品固定器具を人間又は動物の身体部分に固定するように構成された身体係合部材と、
ロック機構であって、前記医療品係合部材の前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記基部の回転軸周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を可能にするように構成され、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部の回転軸の周りの前記医療品係合部材の前記基部の回転を防止するように構成される、ロック機構と、
を備える医療品固定器具。
【請求項2】
前記固定具はクイックリリース/クイックセット固定具であり、任意選択的に、前記固定具はねじ以外の締結固定具である、請求項1に記載の医療品固定器具。
【請求項3】
前記医療品係合部材の前記固定具は長手方向軸を規定し、前記固定具の前記長手方向軸は、前記医療品係合部材の前記固定具が前記閉鎖形態にあるとき、前記基部の前記回転軸に対して実質的に垂直である、請求項1又は2に記載の医療品固定器具。
【請求項4】
前記固定具はクランプ又は少なくとも1つのバンドを備え、任意選択的に、前記少なくとも1つのバンドは可撓性ストラップであり、更に任意選択的に、前記可撓性ストラップは弾性材料を含む、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項5】
前記固定具は前記医療品係合部の一方の側で前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に結合され、任意選択的に、前記基部は前記固定具が固定又は枢動可能に結合される前記医療品係合部の反対側で前記固定具の係合部を規定し、任意選択的に、前記固定具は該固定具を前記閉鎖形態で前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の前記係合部と係合し、前記開放形態で前記基部の前記係合部と係合しないように構成される、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項6】
前記固定具は第1の端部及び第2の端部を有する弾性ストラップであり、前記第1の端部は、前記ロック機構の前記基部又はロック構成要素に固定又は枢動可能に固定され、前記第2の端部は前記固定具を前記基部に可逆的に固定するために前記基部上の係合部と係合するように構成され、前記開放形態において前記基部の前記係合部と係合しない、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項7】
前記固定具は医療品の周りに嵌合するように構成されたクランプであり、該クランプは第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は前記基部に枢動可能に結合され、前記第2の端部は前記開放形態で前記基部と係合せず、前記閉鎖形態で前記基部と係合するように構成され、
任意選択的に、前記クランプは剛性材料を含み、
更に任意選択的に、前記クランプは、該クランプの内側に配置された弾性インサート、及び/又は前記クランプの外面に配置された弾性材料を含む、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項8】
前記開放形態において、前記固定具は該固定具の長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動を可能にするように前記基部に係合するように構成され、前記固定具の前記長手方向軸に沿った前記基部に対する前記固定具の移動は前記基部の前記医療品係合部と、前記基部の前記医療品係合部に反対して配置された前記固定具の部分との間の距離を修正するように構成される、請求項
3に記載の医療品固定器具。
【請求項9】
前記基部は頂部及び底部を有し、使用時に、前記頂部は前記医療品と相互作用するように構成され、前記底部は着用者の身体部分に向かって面するように構成され、
任意選択的に、前記医療品の少なくとも一部は前記医療品係合部内に受容されるように構成され、前記医療品の長手方向軸は前記基部の前記底部に対して約0°~約35°の角度で配置され、
任意選択的に、前記医療品係合部と前記基部の前記底部との間の角度及び/又は前記身体係合部材は可変である、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項10】
前記身体係合部材は前記基部の前記頂部と前記底部との間に配置される、請求項
9に記載の医療品固定器具。
【請求項11】
前記基部は前記固定具を受容するように配置された少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを規定し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記少なくとも1つの開口、スリット、又はチャネルを通る前記固定具の長手方向軸に沿った前記固定具の移動を可能にし、
任意選択的に、前記スリットは、直線状スリット、湾曲スリット、又はL字形スリットである、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項12】
前記身体係合部材は、使用時に、着用者の身体部分に面するように構成された下面と、前記着用者の前記身体部分から離れて面するように構成された反対の上面と、を有し、
前記基部の前記底部の少なくとも一部は前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置され、前記基部の前記頂部は前記身体係合部材の前記上面に隣接して配置され、
任意選択的に、以下の構成のうちの一つの構成を含み、すなわち、
前記基部の前記頂部及び前記底部は一体であり、任意選択的に、前記基部の前記底部は前記身体係合部材に規定された開口を通ってスナップ嵌めされるとの構成、又は
前記基部の前記頂部と前記底部とは別個の部分であり、任意選択的に、前記底部は、前記身体係合部材の前記下面に隣接して配置されるように構成された下側プレートと、前記身体係合部材の前記上面の上方で前記基部の前記頂部と係合するように構成された少なくとも1つの突出部とを備えるとの構成、であり、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記基部の前記頂部は、前記基部の前記底部の少なくとも1つの突出部を受容するように構成された少なくとも1つの開口を規定するとの構成、
前記基部の前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の前記開口を通過するように構成されるか、又は前記少なくとも1つの突出部は前記身体係合部材の上で折り畳まれ、前記身体係合部材の上面の上で前記基部の前記頂部と係合するとの構成である、請求項
9又は10に記載の医療品固定器具。
【請求項13】
前記医療品係合部は、チャネル、又は前記医療品の一部分と係合し、前記基部に対する前記医療品の長手方向の変位を防止するように構成されたスナップ嵌め機構と、を備え、
任意選択的に、前記医療品係合部は、V字形、U字形、又はC字形を規定するチャネルである、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項14】
前記ロック機構は第1のロック構成要素及び第2のロック構成要素を備え、前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の距離は前記固定具が前記閉鎖形態にあるときよりも、前記固定具が前記開放形態にあるときの方が大きく、
任意選択的に、以下の構成の少なくとも1つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は前記基部上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記固定具上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に、又は前記身体係合部材の一部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたインサート上に配置され、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材に結合されるか、又は前記身体係合部材の一部であるように構成されたプラットフォーム又はインサート上に配置されるとの構成である、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【請求項15】
前記ロック機構は、以下の少なくとも一つを含む、すなわち、
前記第1のロック構成要素と前記第2のロック構成要素との間の摩擦ロック、一方向又は双方向ラチェット機構、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第1及び第2のロック構成要素上の爪(又はロック歯、又はインデクサ)、前記第1のロック構成要素内の一連の歯及び前記第2のロック構成要素上の対応する一連の歯、前記第1のロック構成要素内の少なくとも1つの雄型特徴部(たとえばポスト)及び前記第2のロック構成要素内の対応する雌型特徴部(たとえば開口又は孔)である、請求項
14に記載の医療品固定器具。
【請求項16】
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の前記歯付き特徴部と係合するように構成された対応する歯付き特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素は少なくとも1つの雄型特徴部を備え、前記第2のロック構成要素は、前記第1のロック構成要素の雄型特徴部を受容して、係合するように構成された雌型特徴部を備えるとの構成、
前記第1のロック構成要素はクランプの一端又は両端に配置された歯付き特徴部/インターフェースであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートに配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は前記基部から延びる片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであるとの構成、
前記第1のロック構成要素は歯付き特徴部又はプロファイルを備える片持ちタブを備える少なくとも1つのロックインサートであり、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサート上に配置された歯付き特徴部であり、前記第1のロック構成要素は前記第2のロック構成要素と係合するように構成され、任意選択的に、前記第2のロック構成要素は歯付きリングであり、更に任意選択的に、前記第1のロック構成要素はそれぞれ片持ちタブを備える2つのロックインサートを備え、該2つのロックインサートは直径方向に対向する位置で前記第2のロック構成要素と係合するとの構成である、請求項
14又は
15に記載の医療品固定器具。
【請求項17】
前記ロック機構は前記医療品係合部材の前記基部と前記身体係合部材との間に配置されたロック構成要素を備え、前記ロック構成要素は前記医療品係合部材の前記基部と前記固定具とに動作可能に結合され、
任意選択的に、前記ロック構成要素は、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときに、前記基部又は前記身体係合部材上に配置された第2のロック構成要素と係合し、前記固定具が前記開放形態にあるときに、前記第2のロック構成要素と係合しないように構成された第1のロック構成要素を備える、請求項
14に記載の医療品固定器具。
【請求項18】
前記ロック構成要素は、前記固定具が前記開放形態にあるときの第1の位置と、前記固定具が前記閉鎖形態にあるときの第2の位置との間で旋回するように構成され、任意選択的に、前記ロック構成要素は、少なくとも2つの対向する位置で前記基部及び/又は前記身体係合部材と係合する、請求項
17に記載の医療品固定器具。
【請求項19】
前記固定具は、クランプであり、以下の構成の一つである、すなわち、その構成は、
第1のロック構成要素は、前記身体係合部材に実質的に平行に前記基部から延在し、前記第2のロック構成要素から近い距離に配置されるが、クランプ(又はスナップキャップ)が前記開放形態にあるときに前記身体係合部材に対して前記基部の自由回転を可能にする歯付きカンチレバーアームであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成される歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は、前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されるインサート又は前記基部上に配置されるとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプと前記身体係合部材又は前記身体係合部材のインサートとの間に配置されたロックインサート上に配置された歯付き特徴部を備える少なくとも1つの片持ちタブであり、前記第2のロック構成要素は前記第1のロック構成要素の歯付き特徴部と係合するように構成された歯付き特徴部であり、前記第2のロック構成要素の歯付き特徴部は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置され、任意選択的に、少なくとも1つの片持ちタブは前記身体係合部材又はそのインサートのテーパ付きポケット内に配置され、前記ロックインサートの少なくとも1つは前記テーパ付きポケットの形状に一致するボスを有するとの構成、
前記第1のロック構成要素は、前記クランプの第1の端部及び/又は第2の端部のうちの少なくとも1つに配置された歯付き特徴部及び/又は雄型特徴部のうちの少なくとも1つを備え、前記第2のロック構成要素は前記身体係合部材上に、又は前記身体係合部材が取り付けられるように構成されたインサート又は前記基部上に配置された歯付き特徴部及び/又は対応する雌型特徴部のうちの少なくとも1つを備えるとの構成である、請求項
14による医療品固定器具。
【請求項20】
以下の構成の少なくとも一つの構成を含む、すなわち、その構成は、
前記身体係合部材は弾性材料を含み、任意選択的に、前記身体係合部材は拭き取り可能な材料、リサイクル可能材料、生分解性材料のうちの少なくとも1つを含み、更に任意選択的に、前記身体係合部材は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は弾性材料を含み、任意選択的に、前記固定具は拭き取り可能な材料を含み、更に任意選択的に、前記固定具は、可撓性プラスチック、エラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂、天然不織布、合成不織布を含むとの構成、
前記固定具は、成形プラスチックなどの硬質又は剛性材料と、任意選択的に弾性インサートとを含むとの構成、
前記基部は、成形プラスチックなどの硬質材料、及び/又はエラストマー材料、合成ゴム、天然ゴム、医療グレードシリコーン樹脂などの弾性材料を含むとの構成である、請求項
1に記載の医療品固定器具。
【国際調査報告】