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特表2024-517257可搬式クレーンを支持するベースおよび風力タービンの主ベアリングの取り外し方法
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  • 特表-可搬式クレーンを支持するベースおよび風力タービンの主ベアリングの取り外し方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】可搬式クレーンを支持するベースおよび風力タービンの主ベアリングの取り外し方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/50 20160101AFI20240412BHJP
【FI】
F03D80/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568149
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022061836
(87)【国際公開番号】W WO2022233861
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】PA202170204
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521101778
【氏名又は名称】リフトラ アイピー エイピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ピア、エスケ、フェンガ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA20
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB77
3H178BB79
3H178CC25
3H178DD03X
3H178DD08X
3H178DD67Z
(57)【要約】
風力タービンの構成要素を操作する可搬式クレーンを支持するベース(100)。ベース(100)は風力タービンに取り付け可能であり、第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成される。第1構成では、ベース(100)は風力タービンの主ベアリングにより支持されて可搬式クレーンで風力タービンのギアボックス(303)を持ち上げられるよう構成される。第2構成では、ベース(100)は風力タービンのナセルの台板により支持されて可搬式クレーンで主ベアリング(304)を持ち上げられるよう構成される。ベースは、第1構成と第2構成の間で切り替えを行っている間は可搬式クレーンを支持するよう構成される。風力タービンの主ベアリングを取り外す方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンの構成要素を操作する可搬式クレーンを支持するベースであって、前記ベースは前記風力タービンに取り付け可能で、第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成されていて、前記第1構成では前記ベースは前記風力タービンの主ベアリングにより支持されて、前記可搬式クレーンで前記風力タービンのギアボックスを持ち上げられるよう構成され、前記第2構成では前記ベースは前記風力タービンのナセルの台板により支持されて、前記可搬式クレーンで前記主ベアリングを持ち上げられるよう構成されて、前記第1構成と前記第2構成の間で切り替えを行っている間は前記ベースは前記可搬式クレーンを支持するよう構成される、ベース。
【請求項2】
前記ベースは、前記第1構成では前記主ベアリングにより支持される2つのベアリングアダプタであって、前記第1構成では前記可搬式クレーンを支持するよう構成されている前記2つのベアリングアダプタをさらに含む、請求項1に記載のベース。
【請求項3】
前記ベースは、前記ベースの前記第2構成では前記ナセルの前記台板により支持されるよう構成されている2つの側部構造物であって、前記ベースの前記第2構成では前記可搬式クレーンを支持するよう構成されている前記2つの側部構造物をさらに含む、請求項1または2に記載のベース。
【請求項4】
前記2つの側部構造物は、前記ベースの前記第2構成では前記ナセルの前記台板に直接連結されるよう構成される、請求項3に記載のベース。
【請求項5】
前記ベースは前記可搬式クレーンを支持するよう構成されている2つの縦方向梁をさらに含み、前記2つの縦方向梁のそれぞれは前記2つのベアリングアダプタのうちの一つおよび前記2つの側部構造物のうちの一つに連結可能であり、前記第1構成では前記2つのベアリングアダプタは前記2つの縦方向梁に連結され、前記ベースは、前記2つの側部構造物を前記2つの縦方向梁および前記ナセルの前記台板に連結させて前記主ベアリングから前記2つのベアリングアダプタを分離することで前記第1構成から前記第2構成へ切り替えられるよう構成される、請求項2および請求項3または4に記載のベース。
【請求項6】
前記ベースを前記第1構成から前記第2構成へ切り替える際に前記2つのベアリングアダプタは前記2つの縦方向梁から分離され、垂直に持ち上げられて、前記2つの縦方向梁に再連結されるよう構成される、請求項5に記載のベース。
【請求項7】
前記ベースは、前記ベースの前記第2構成では前記ナセルのロータロックの少なくとも一部を介して前記ナセルの前記台板に連結されるよう構成されるロータロック支持板であって、前記ベースの前記第2構成では前記可搬式クレーンを支持するよう構成されている前記ロータロック支持板をさらに含む、請求項1または2に記載のベース。
【請求項8】
前記ロータロック支持板は、前記ロータロックの最も小さな部分を受けるよう構成されている貫通穴を含む、請求項7に記載のベース。
【請求項9】
前記ロータロック支持板は、前記ベースの前記第2構成で前記主ベアリングが前記ロータロック支持板を通過できるよう構成されている開口を含む、請求項7または8に記載のベース。
【請求項10】
前記ベースは前記可搬式クレーンを支持するよう構成されている横方向梁をさらに含み、前記横方向梁は前記2つのベアリングアダプタおよび前記ロータロック支持板に連結可能であり、前記ベースの前記第1構成では前記2つのベアリングアダプタは前記横方向梁に連結され、前記ベースは、前記ロータロック支持板を前記横方向梁に連結させて前記主ベアリングから前記ベアリングアダプタを分離することで前記第1構成から前記第2構成へ切り替えることができる、請求項2および7、8、または9に記載のベース。
【請求項11】
風力タービンの構成要素を操作するクレーンシステムであって、請求項1~10のいずれか一項に記載のベースと可搬式クレーンとを含む、クレーンシステム。
【請求項12】
風力タービンのナセル内に取り付けられ、前記第1構成では前記ベースは前記風力タービンの主ベアリングにより支持され、前記第2構成では前記ベースは前記風力タービンのナセルの台板により支持される、請求項11に記載のクレーンシステム。
【請求項13】
風力タービンの主ベアリングを取り外す方法であって以下のステップ、すなわち、
- 第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成されている、風力タービンに取り付け可能なベースを用意することであって、前記第1構成では前記ベースは前記風力タービンの前記主ベアリングにより支持されるよう構成され、前記第2構成では前記ベースは前記風力タービンのナセルの台板により支持されるよう構成されて、前記第1構成と前記第2構成の間で切り替えを行っている間は前記ベースは可搬式クレーンを支持するよう構成される、用意することと、
- 前記ベースに取り付け可能な可搬式クレーンを用意することと、
- 前記風力タービンの前記ナセルへ前記ベースを取り付けることと、
- 前記可搬式クレーンを前記ベースに取り付けることと、
- 前記ベースが前記第1構成となっている場合、前記ベースを前記第1構成から前記第2構成へ切り替えることと、
- 前記可搬式クレーンを用いて前記主ベアリングを持ち上げることと、
を含む方法。
【請求項14】
- 前記ベースを前記第1構成から前記第2構成へ切り替えることと、
- 前記可搬式クレーンを用いて前記ギアボックスを持ち上げることと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンの構成要素を操作する可搬式クレーンを支持するベース、および風力タービンの主ベアリングの取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービンにより発生する風力は環境に優しい存続可能なエネルギー源として支持を得ているエネルギー源の一つである。風力タービンは、典型的には塔と、塔の最上部に配置されるナセルと、1つまたは複数の回転翼を含むロータとを含む。ナセルは、風力タービンの構成要素、例えば発電機やギアボックス、主ベアリングなどを支持する台板を含む。
【0003】
組み立て、保守、修理、および分解に関連する風力タービンの構成要素の操作は、それら構成要素がしばしば重くかさばるために複雑な作業となりうる。この問題は、構成要素の操作が地上または海面から高い場所にあるナセルで行われる場合に特に顕著になる。
【0004】
可搬式クレーンは、典型的には大きな構成要素、例えば風力タービンのナセル内のギアボックスや主ベアリングを操作するのに用いられる。可搬式クレーンは、例えばナセル内に恒久的に取り付けられたより小さいクレーンを用いてナセルまでつり上げられ、可搬式クレーンでナセル内部の構成要素を操作できるようにナセルに取り付けられる。風力タービンの構造により、可搬式クレーンを直接安全に取り付けることはしばしばできないため、可搬式クレーンは、典型的には構成要素を操作する間に可搬式クレーンを支持するよう構成されているベースに取り付けられる。ナセル内で利用できる空間は限られているため、ベースはしばしば風力タービンの1つまたは複数の構成要素に取り付けられ、このため、可搬式クレーンで操作することが可能な構成要素に関して制約が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、本発明は、風力タービンの構成要素を操作する可搬式クレーンを支持するための、ナセル内の構成要素の操作に関してより大きな汎用性を提供する、改善されたベースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、風力タービンに取り付け可能で第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成されているベースで達成され、第1構成ではベースは風力タービンの主ベアリングにより支持されてクレーンで風力タービンのギアボックスを持ち上げられるよう構成され、第2構成ではベースは風力タービンのナセルの台板により支持されてクレーンで主ベアリングを持ち上げられるよう構成されて、第1構成と第2構成の間で切り替えを行っている間はベースはクレーンを支持するよう構成される。
【0007】
その結果、ベースはギアボックスと主ベアリングのいずれかを持ち上げる際の使用に限定されず、両方の目的のために使用することが可能である。ナセル内部の構成要素を操作するのを容易にすることに加えて、異なる構成要素を持ち上げる必要がある場合にベース一つだけを風力タービンへ運べばよいので、ベースに関連する物流管理も削減される。
【0008】
さらに、第1構成と第2構成の間で切り替えを行っている間は可搬式クレーンはベースで支持されることで、ベースから可搬式クレーンを取り外す必要なしにベースを第1構成と第2構成の間で切り替えることが可能である。
【0009】
これに関連して、「風力タービンの構成要素を操作する」とは、風力タービンの保守、風力タービンの部品の交換、風力タービンの設置、風力タービンの分解などに関連するあらゆる活動を含むと理解されたい。
【0010】
これに関連して、ある品物が別の品物により支持されることについての言及は、それらの間で直接的な接触がなければいけないという意味には限定されない。それどころか、特に記載されていない限りは、中間要素がそれらの間に配置されていてもよい。同様に、複数の品物が互いに連結されていることについての言及は、2つの品物が1つまたは複数の中間要素を介して連結されている間接的な連結を含むことが意図されている。
【0011】
これに関連して、「ベースは第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成される」という表現は、ベースが第1構成または第2構成のいずれかで配置されるよう設計されていると解釈されたい。切り替えは、可搬式クレーンが主ベアリング、ギアボックス、または風力タービンの別の構成要素を持ち上げるのに用いられるのか、などのベースに必要な条件に応じて行われる。以下では、こうした使用法で主ベアリングまたはギアボックスのいずれかを持ち上げるためのベースおよび可搬式クレーンに関して言及が行われるが、ベースはこうした使用法に限定されない。
【0012】
ベースの第1構成と第2構成の間での切り替えは、手作業により、または自動的に行われる1つまたは複数のステップを含みうる。ベースの第1構成と第2構成の間での切り替えは、1つまたは複数の道具の利用を含みうる。
【0013】
ベースは、好ましくはボルト留め、ネジ留め、または他の解除可能な連結により風力タービンに取り付け可能であるが、本発明の範囲内では、ベースは重力の影響下で主ベアリングおよび/またはギアボックスの上に直接的または間接的にただ置かれるよう構成される。
【0014】
好ましくは、ベースは風力タービンの塔の上に取り付けられるよう構成される、つまり、ベースは風力タービンのナセルまで運ばれて窓タービンの構成要素、例えばナセルの台板や主ベアリングに連結される。ベースは、風力タービンのナセルに取り付けられた、可搬式クレーンより小さな追加のクレーンを用いてナセルまで持ち上げることができる。
【0015】
ナセルの台板は、好ましくは上から見た場合に略矩形状の板として形成される。台板は長手方向に沿って長手方向に延び、長手方向に対して垂直な横方向に沿って横方向に延びる。台板はナセル内に配置された他の構成要素、例えば発電機やギアボックス、主ベアリングを支持する。ギアボックスおよび主ベアリングは、通常は長手方向に沿って互いに連続して配置される。
【0016】
ベースの第1構成では、ベースは風力タービンの主ベアリングにより支持されるよう構成される。ベースは主ベアリングに直接連結させる、または主ベアリングに間接的に連結させることができる。例えば、ベースを主ベアリングに連結された風力タービンの構成要素に連結することで、主ベアリングとベースの間で間接的連結が得られる。ベースが第1構成となっている場合、可搬式クレーンはそれゆえ主ベアリングにより完全に、または部分的に支持されることになる。ベースと主ベアリングまたは主ベアリングに連結された1つまたは複数の他の構成要素との間の連結は、ボルト留め、ネジ留め、または他の解除可能な連結により行うことができる。第1構成では、可搬式クレーンは風力タービンのギアボックスを持ち上げることができる、つまり、ベースはギアボックスを介して可搬式クレーンを支持することはない。
【0017】
ベースの第2構成では、ベースは風力タービンのナセルの台板により支持される。ベースは台板に直接連結させる、または台板に間接的に連結させることができる。例えば、ベースを台板に連結された風力タービンの構成要素に連結することで、台板とベースの間で間接的連結が得られる。ベースが第2構成となっている場合、可搬式クレーンは台板を介して完全に、または部分的に支持される。ベースと台板または台板に連結された他の構成要素との間の連結は、ボルト留め、ネジ留め、または他の解除可能な連結により行うことができる。第2構成では、可搬式クレーンは風力タービンの主ベアリングを持ち上げることができる、つまり、ベースは主ベアリングを介して可搬式クレーンを支持することはない。
【0018】
一実施形態では、ベースは、第1構成では主ベアリングに連結されるよう構成されて、第1構成では可搬式クレーンを支持するよう構成されている1つまたは複数のベアリングアダプタをさらに含む。
【0019】
1つまたは複数のベアリングアダプタは主ベアリングに直接連結させる、つまり、主ベアリングに当接させるか、そうでなければ接触させることができる。あるいは、1つまたは複数のベアリングアダプタは1つまたは複数のベアリング用シムを介して連結させることができる。1つまたは複数のベアリング用シムは、主ベアリングに対するベアリングアダプタの高さの調節を可能とする。あるいは、ベアリングアダプタまたはベアリング用シムは主ベアリングに間接的に連結させる、例えば、主ベアリングに連結された構成要素に連結させることができる。1つまたは複数のベアリングアダプタは、好ましくはボルト、ネジ、または他の解除可能な連結により主ベアリングに連結される。1つまたは複数のベアリングアダプタは、主ベアリングのピロー型軸受箱に連結させることができる。2つのベアリングアダプタを用いる場合、それらのベアリングアダプタは好ましくは主ベアリングの反対側、つまり、台板により規定される長手方向に関して互いに対称に配置される。一部の実施形態では、1つまたは複数のベアリングアダプタは第1構成では単に可搬式クレーンを支持するよう構成される。
【0020】
一実施形態では、ベースは、ベースの第2構成ではナセルの台板に連結されるよう構成されて、ベースの第2構成では可搬式クレーンを支持するよう構成されている1つまたは複数の側部構造物をさらに含む。
【0021】
1つまたは複数の側部構造物はナセルの台板に直接連結させる、つまり、台板に当接させるか、そうでなければ接触させることができる。あるいは、1つまたは複数の側部構造物は1つまたは複数の側部シムを介して連結させることができる。1つまたは複数の側部シムは、台板に対する側部構造物の高さの調節を可能とする。あるいは、1つまたは複数の側部構造物は台板に間接的に連結させる、例えば、台板に連結された構成要素に連結させることができる。1つまたは複数の側部構造物は、好ましくはボルト、ネジ、または他の解除可能な連結により台板に連結される。一部の実施形態では、1つまたは複数の側部構造物は、台板へ固定的に連結されることなしに台板の上に置かれることで台板に連結される。可搬式クレーンが構成要素、例えば主ベアリングを長手方向に沿って持ち上げる場合、側部構造物によりクレーンを支持するには側部構造物をナセルの台板の上に置くだけで充分となりうる。1つまたは複数の側部構造物はさらに、またはあるいは、風力タービンのギアボックスのピロー型軸受箱に連結させることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の側部構造物は第2構成では単に可搬式クレーンを支持するよう構成される。2つの側部構造物を用いる場合、それらの側部構造物は好ましくは主ベアリングの反対側、つまり、台板の長手方向伸展部により規定される長手方向に関して互いに対称に配置される。
【0022】
一実施形態では、ベースは可搬式クレーンを支持するよう構成されている1つまたは複数の縦方向梁をさらに含み、各縦方向梁はベアリングアダプタおよび側部構造物に連結可能であり、第1構成では1つまたは複数のベアリングアダプタは2つの縦方向梁に連結され、ベースは、1つまたは複数の側部構造物を1つまたは複数の縦方向梁およびナセルの台板に連結させて主ベアリングから1つまたは複数のベアリングアダプタを分離することで第1構成から第2構成へ切り替えられるよう構成される。
【0023】
その結果、第1構成と第2構成の間でベースを切り替えるための簡易な構造が得られる。さらに、記載したプロセスは容易に逆にすることができて、つまり、1つまたは複数のベアリングアダプタを主ベアリングに連結させて台板および/または1つまたは複数の縦方向梁から1つまたは複数の側部構造物を分離することで、第2構成から始めて第1構成とすることができる。さらに、上記の構造によって、第1構成から始めて第2構成とする間にベースで可搬式クレーンを支持することが可能となり、逆もまた同様である。
【0024】
それぞれがベアリングアダプタと側部構造物に連結可能で使用中の主ベアリングの反対側に配置されている2つの縦方向梁をベースが含むことは現在では有利であると考えられる。
【0025】
1つまたは複数の縦方向梁は、好ましくはボルト、ネジ、または他の解除可能な連結により側部構造物とベアリングアダプタに連結される。1つまたは複数の縦方向梁は側部構造物とベアリングアダプタに直接連結させる、つまり、互いに当接させるか、そうでなければ互いに接触させることができる。あるいは、1つまたは複数の縦方向梁は、1つまたは複数の梁用シムを介して側部構造物とベアリングアダプタに連結させることができる。
【0026】
これに関連して、「分離する」は連結を解除することと理解されたい。例えば、側部構造物が台板および/または2つの縦方向梁から分離されると書いた場合、それらを連結しているボルトまたはネジが取り除かれることで、側部構造物が台板および/または2つの縦方向梁から分離されると解釈することができる。さらに、分離するということは、直接的な連結または間接的な連結を解除することの両方を指しうる。
【0027】
一実施形態では、ベースを第1構成から第2構成へ切り替える際に2つのベアリングアダプタは2つの縦方向梁から分離され、垂直に持ち上げられて、2つの縦方向梁に再連結されるよう構成される。その結果、ベアリングアダプタを持ち上げることで、主ベアリングを持ち上げる追加の隙間が与えられる。ベアリングアダプタは手作業で持ち上げることができる。あるいは、ベアリングアダプタはジャッキや類似のものを利用することで持ち上げることができる。ベアリングアダプタは、ボルト、ネジ、または他の解除可能な連結により再連結することができる。
【0028】
一実施形態では、ベースは、ベースの第2構成ではナセルのロータロックの少なくとも一部を介してナセルの台板に連結されるよう構成されて、ベースの第2構成では可搬式クレーンを支持するよう構成されているロータロック支持板をさらに含む。
【0029】
ロータロック支持板は、風力タービンのロータロックに直接連結させる、つまり、ロータロックに当接させるか、そうでなければ接触させることができる。ロータロック支持板は、好ましくは台板の長手方向端部に配置されて、台板の長手方向へと横方向へ延びる。一部の実施形態では、ロータロック支持板は、ロータロックへ固定的に連結されることなしにロータロックの上に置かれることでロータロックに連結される。一部の実施形態では、ロータロック支持板は第2構成では単に可搬式クレーンを支持するよう構成される。一実施形態では、ロータロック支持板は、ロータロックの少なくとも一部を受けるよう構成されている貫通穴を含む。
【0030】
その結果、簡易で容易な連結が得られる。ほとんどの風力タービンにはピンを含めたロータロックが設けられて、そのようなピンを受け入れるよう構成されている貫通穴を追加することで、追加の道具や設備を必要とすることなく、ロータロック支持板をロータロックへ係合させることが可能となる。
【0031】
一実施形態では、ロータロック支持板にはベースの第2構成で主ベアリングがロータロック支持板を通過できるよう構成されている開口が設けられる。
【0032】
その結果、ロータロック支持板はせん断応力に対抗して支持する必要はなく、正常な応力に対抗して支持するだけでよくなりうる。好ましくは、開口は、主ベアリングがナセルの長手方向に沿って動かされて開口を通過できるよう構成される。好ましくは、開口は長手方向に対して垂直な面内で延びる。
【0033】
一実施形態では、ベースは可搬式クレーンを支持するよう構成されている横方向梁をさらに含み、この横方向梁は2つのベアリングアダプタおよびロータロック支持板に連結可能であり、ベースの第1構成では2つのベアリングアダプタは横方向梁に連結され、ベースは、ロータロック支持板を横方向梁に連結させて主ベアリングからベアリングアダプタを分離することで第1構成から第2構成へ切り替えることができる。
【0034】
その結果、第1構成と第2構成の間でベースを切り替えるための簡易な構造が得られる。さらに、記載したプロセスは容易に逆にすることができて、つまり、ベアリングアダプタを主ベアリングに連結させてロータロックおよび横方向梁からロータロック支持板を分離することで、第2構成から始めて第1構成とすることができる。さらに、この構造によって、第1構成から始めて第2構成とする間にベースで可搬式クレーンを支持することが可能となり、逆もまた同様である。横方向梁は、好ましくはボルト、ネジ、または他の解除可能な連結によりロータロック支持板とベアリングアダプタに連結される。横方向梁はロータロック支持板とベアリングアダプタに直接連結させる、つまり、互いに当接させるか、そうでなければ互いに接触させることができる。あるいは、横方向梁は、1つまたは複数の梁用シムを介してロータロック支持板とベアリングアダプタに連結させることができる。
【0035】
本発明の第2態様によれば、本発明の第1態様に係るベースと可搬式クレーンを含む風力タービンの構成要素を操作するクレーンシステムにより目的が達成される。
【0036】
本発明の第3態様によれば、風力タービンの主ベアリングを取り外す方法により目的が達成され、この方法は以下のステップ、すなわち
第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成されている、風力タービンに取り付け可能なベースを用意することであって、第1構成ではベースは風力タービンの主ベアリングにより支持されるよう構成され、第2構成ではベースは風力タービンのナセルの台板により支持されるよう構成されて、第1構成と第2構成の間で切り替えを行っている間はベースは可搬式クレーンを支持するよう構成される、用意することと、
ベースに取り付け可能な可搬式クレーンを用意することと、
風力タービンのナセルへベースを取り付けることと、
可搬式クレーンをベースに取り付けることと、
ベースが第1構成となっている場合、ベースを第1構成から第2構成へ切り替えることと、
可搬式クレーンを用いて主ベアリングを持ち上げることと、
を含む。
【0037】
他の現在好ましい実施形態および更なる利点は、この後の詳細な説明と図面から明らかとなるであろう。
【0038】
特に記載されていない限りは、本発明の態様の一つに関連して記載された特徴は他の態様に組み込むことも可能であり、特徴の利点はその特徴が組み込まれたすべての態様へ適用可能である。
【0039】
以下の記述で、本発明の実施形態について略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】ナセルの台板に取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベースの概略斜視図である。
図2】ナセルの台板に取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベースの概略側面図である。
図3】ナセルの主ベアリングに取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベースの概略側面図である。
図4】ナセルの台板に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベースの概略斜視図である。
図5】ナセルの台板に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベースの概略正面図である。
図6】ナセルの台板に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベースの概略側面図である。
図7】風力タービンの主ベアリングの取り外し方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な説明では、本発明の好ましい実施形態について説明する。ただし、異なる実施形態の特徴は、他に何かが特に示されていない限りは実施形態の間で交換可能であり、異なる方法で組み合わせうることを理解されたい。また、分かりやすくするため、図面に示される特定の構成要素の寸法は実際の実装における対応する寸法とは異なっていることがあることに留意されたい。
【0042】
「上(up)」、「下(down)」、「左側(left-hand)」、「右側(right-hand)」、「外部(exterior)」、「内部(interior)」、「外側(outer)」、「内側(inner)」などの用語は、問題となっている視点を指すことに留意されたい。
【0043】
まず図1を参照すると、ナセル300の台板301に取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベース100の概略斜視図が示されている。本発明の理解を容易にするため、ナセル300は簡略化されており、複数の部品が省略されている。ナセル300は、台板301、ギアボックス303、ギアボックスのピロー型軸受箱、および主ベアリング304と共に示されている。ナセルの台板301は長手方向LDへ長手方向に延びている。
【0044】
ベース100は風力タービンの構成要素を操作する可搬式クレーン(図示せず)を支持するよう構成され、示されている実施形態では、ベース100は第2構成となっており、ナセル300の台板301により支持されている。ベース100は、さらにギアボックスのピロー型軸受箱302により支持されている。第2構成では、ベース100は主ベアリング304により支持されていないので、ベース100に取り付けられた可搬式クレーンで主ベアリング304を持ち上げることが可能となる。
【0045】
ベース100は主ベアリング304に関して対称に配置されている2つのベアリングアダプタ101を含み、このベアリングアダプタについては図3を参照してより詳細に説明される。ベース100は主ベアリング304に関して対称に配置されている2つの側部構造物102をさらに含み、この側部構造物については図2を参照してより詳細に説明される。ベース100は2つの縦方向梁103をさらに含み、この縦方向梁のそれぞれは2つのベアリングアダプタ101のうちの一つと2つの側部構造物102のうちの一つと連結可能である。ベースの第1構成では、2つのベアリングアダプタ101は2つの縦方向梁103に連結される。ベースの第2構成では、2つの側部構造物102は2つの縦方向梁103に連結される。2つの縦方向梁103は長手方向LDに平行に長手方向へ延び、主ベアリング304に関して対称に配置される。
【0046】
2つの縦方向梁103上には2つの横方向梁104が配置されている。2つの横方向梁104は2つの縦方向梁103に対して垂直に延び、対向する端部において縦方向梁103に連結される。横方向梁104上にはクレーン受け部108が配置される。クレーン受け部108は可搬式クレーンを受けて、可搬式クレーンをベース100に連結させて可搬式クレーンがベース100により支持されるよう構成される。あるいは、可搬式クレーンは横方向梁104および/または縦方向梁103に直接連結させることができる。
【0047】
この実施形態では、追加のクレーン200がギアボックスの枕打撃302に取り付けられる。追加のクレーン200は、ベース100全体の部品をナセル300まで持ち上げるのを助けることができる。また、追加のクレーン200は可搬式クレーンを持ち上げてベース100に取り付けて、可搬式クレーンをベース100に設置するのを助けることができる。実施形態において、ベース100が第2構成でギアボックスの両方のピロー型軸受箱302の上に置かれる必要がある場合、追加のクレーン200を分解して取り外す必要がありうる。
【0048】
図2を参照すると、ナセル300の台板301に取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベース100の概略側面図が示されている。
【0049】
図2では、第2構成となっているベース100が示されている。ベース100の第2構成では、側部構造物102はクレーン受け部108で支えられている可搬式クレーンを支持するよう構成される。側部構造物102は長手方向LDに平行に長手方向に延びているのがわかる。側部構造物102は側部シム106を介して台板301に連結され、類似のシムが主ベアリング304の反対側にある側部構造物で見られる。側部シム106は台板301および側部構造物102に直接接触している。示される実施形態における側部構造物102は、重力により側部シム106の上に置かれている。あるいは、側部構造物102は側部シムを介して台板301にボルト留めする、または台板301の上に直接置くことができる。側部構造物102は、さらにギアボックスのピロー型軸受箱302に連結されている。その結果、ベース100は、台板301と、側部構造物102を介してギアボックスのピロー型軸受箱302により支持される。ベース100を台板301およびギアボックスのピロー型軸受箱302により支持することで、クレーン受け部108により支えられている可搬式クレーンで主ベアリング304を持ち上げることが可能となる。
【0050】
この実施形態では、側部構造物102は2つの取付けブラケット105を介して縦方向梁103に、またボルトを介して縦方向梁103に連結される。側部構造物102は、ベアリングアダプタ101に覆いかぶさるように縦方向梁103に連結される。
【0051】
図3を参照すると、ナセル300の主ベアリング304に取り付けられた、本発明の第1実施形態に係るベース100の概略側面図が示されている。
【0052】
ここではベース100は第1構成となっている。ベアリングアダプタ101は長手方向LDに平行に長手方向に延びているのがわかる。示されていないが、別のベアリングアダプタ101が主ベアリング304の反対側に、示されている側部アダプタ102とは対称に配置されている。ベアリングアダプタ101は側部シム106を介して主ベアリング304に連結される。具体的には、ベアリングアダプタ101は主ベアリング304に関連するピロー型軸受箱に連結される。ベアリングアダプタ101は複数のベアリング用シム107を介して主ベアリングに連結される。ベアリング用シム107は主ベアリング304およびベアリングアダプタ101に直接接触している。ベアリングアダプタ101と主ベアリング304の間の連結によって、ベアリングアダプタ101がクレーン受け部108により支えられている可搬式クレーンを支持することが可能となる。さらに、ベース100はギアボックス303により支持されていないので、クレーン受け部により支えられている可搬式クレーンでギアボックス303を持ち上げることが可能となる。
【0053】
この実施形態では、ベアリングアダプタ101は略H形状で形成される。H形状の2つの脚が2つの異なる位置で主ベアリング304に連結される。H形状の最上部はボルトを介して縦方向梁103に連結される。ベアリングアダプタ101は、異なる2つの位置で縦方向梁103に連結させることができる。示されているように、第1位置は第1構成におけるベース100に関連し、第2位置は第2構成におけるベース100に関連する。第2位置で縦方向梁103に連結された場合、ベアリングアダプタ100は第1位置と比べて持ち上げられる。縦方向梁103には、例えばベアリングアダプタ101を第1位置で縦方向梁に連結するための複数のボルト穴の第1セットを、ベアリングアダプタ101を第2位置で縦方向梁に連結するための複数のボルト穴の第2セットを設けることができる。
【0054】
図3のベアリングアダプタ101はギアボックスのピロー型軸受箱302に連結されていないので、他の構造物をギアボックスのピロー型軸受箱302に連結することが可能となる。示されている実施形態では、追加のクレーン200がギアボックスのピロー型軸受箱302に連結されている。
【0055】
ここで図2図3の両方を参照する。ベースを図3に示される第1構成から図2に示される第2構成へ切り替えると、2つの側部構造物102は縦方向梁103とナセル300の台板301に連結される。そして2つのベアリングアダプタ101は主ベアリング304から分離される。このプロセスの間、クレーン受け部108により支えられている可搬式クレーンはベース100により支持される。さらに、主ベアリング304を持ち上げる隙間を提供するために、ベアリングアダプタ101を縦方向梁103から分離して持ち上げ、縦方向梁103に再連結することができる。あるいは、ベアリングアダプタ101がベアリング用シム107の上に置かれる場合は、主ベアリング304を持ち上げる隙間を提供するにはこれらのベアリングアダプタ101を取り外すことで充分となりうる。
【0056】
図4を参照すると、ナセル300の台板301に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベース100の概略斜視図が示されている。
【0057】
示されている実施形態では、ベース100は第2構成となっており、ナセル300の台板301により支持されている。ベース100は、さらにギアボックスのピロー型軸受箱302により支持されている。第2構成では、ベースは主ベアリング304により支持されていないので、ベース100に取り付けられた可搬式クレーンで主ベアリング304を持ち上げることが可能となる。
【0058】
本発明の理解を容易にするため、示されている実施形態におけるナセル300は簡略化されており、複数の部品が省略されている。ナセル300は、台板301、ギアボックスのピロー型軸受箱302、主軸305、および主ベアリング304と共に示されている。ナセルの台板301は長手方向LDへ長手方向に延びている。
【0059】
示されている実施形態におけるベース100は、ベース100が第2構成となっている場合は2つの縦方向梁103がギアボックスのピロー型軸受箱302と2つの横方向梁104に連結されているという点で第1実施形態とは異なる。ベース100が第1構成となっている場合、2つのベアリングアダプタ101が挿入されて、2つの縦方向梁103と主ベアリング304に連結される。
【0060】
図5を参照すると、ナセル300の台板に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベース100の概略正面図が示されている。
【0061】
この実施形態では、ロータロック支持板102は上記の側部構造物とほぼ同じ目的を果たし、そのため同じ参照番号が与えられている。
【0062】
ロータロック支持板は、開口を規定する略U形状で形成される。開口は、ベース100が第2構成となっている場合に主ベアリング304がロータロック支持板102を通過できるよう構成される。この開口により、クレーン受け部108で支えられている可搬式クレーンで主ベアリング304を持ち上げて長手方向LDに沿って開口を通すことができる。主ベアリング304を持ち上げるのを容易にするため、ヨーク(図示せず)を与えてもよい。
【0063】
示されているロータロック支持板102は、貫通穴109をさらに含む。貫通穴109は、図6に示されるロータロックを受け入れるよう構成される。
【0064】
図6を参照すると、ナセル300の台板301に取り付けられた、本発明の第2実施形態に係るベース100の概略側面図が示されている。
【0065】
示されている実施形態におけるベース100は第2構成となっている。ロータロック支持板102はロータロック306に連結される。ロータロック306はピンを含み、このピンがロータロック支持板102の貫通穴109に挿入されることで2つの部品が連結される。
【0066】
ロータロック支持板102はさらに横方向梁104のうちの一つに連結される。その結果、ベース100の第2構成では、ベース100はロータロック支持板102とロータロック306の間の連結および縦方向梁103とギアボックスのピロー型軸受箱302の間の連結により支持されて、クレーン受け部108により支えられている可搬式クレーンで主ベアリング304を持ち上げることが可能となる。
【0067】
この実施形態では、ロータロック支持板102には横方向梁104と共にボルト留めされているフランジが設けられている。
【0068】
1つまたは複数のロータロック用シムを横方向梁104とロータロック支持板102との中間に配置することができる。1つまたは複数のロータロック用シムは、貫通穴109の位置をロータロック306と合わせるのを容易にすることができる。
【0069】
第2実施形態におけるベース100は、ベアリングアダプタを主ベアリング304に連結することで第2構成から第1構成へ変更して、ロータロック支持板102を横方向梁104から分離することができる。
【0070】
図7を参照すると、本発明の実施形態に係る、風力タービンの主ベアリングを取り外す方法のフローチャートが示されている。
【0071】
第1ステップ401では、ベースが用意される。ベースは風力タービンのナセル上に取り付け可能である。上述されたように、ベースは第1構成と第2構成の間で切り替えられるよう構成されており、第1構成ではベースは風力タービンの主ベアリングに連結され、第2構成ではベースはナセルの台板に連結されて、第1構成と第2構成の間で切り替えを行っている間はベースは可搬式クレーンを支持するよう構成される。
【0072】
第2ステップ402では、ベースに取り付け可能な可搬式クレーンが用意される。
【0073】
第3ステップ403では、ベースは風力タービンのナセルの中に取り付けられる。
【0074】
第4ステップ404では、可搬式クレーンはベースに取り付けられる。
【0075】
第5ステップ405では、ベースが当初は第1構成となっている場合にベースは第1構成から第2構成へ切り替えられる。
【0076】
第6ステップ406では、主ベアリングは可搬式クレーンを用いて持ち上げられる。主ベアリングの持ち上げは、主ベアリングを交換すること、主ベアリングに対して保守作業を行うこと、または同種のことを含みうる。
【0077】
方法は第7ステップ407と第8ステップ408とをさらに含む。第7ステップ407では、ベースは第2構成から第1構成へ切り替えられる。第8ステップ408では、ギアボックスは可搬式クレーンを用いて持ち上げられる。ギアボックスの持ち上げは、ギアボックスを交換すること、ギアボックスに対して保守作業を行うこと、または同種のことを含みうる。
【0078】
当業者は、本発明は前述の好ましい実施形態に決して限定されないことを認識する。それどころか、多くの改良および変形が添付の請求項の範囲内で可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】