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特表2024-517312ブラインドメイト電気接続を行うための導波管コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ブラインドメイト電気接続を行うための導波管コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/02 20060101AFI20240412BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H01P5/02 601Z
G01R31/28 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569735
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 US2022028048
(87)【国際公開番号】W WO2022240675
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】17/320,825
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】シンズハイマー、 ロジャー エー.
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AE10
2G132AL03
(57)【要約】
例示的な導波管コネクタは、第一の導波管と第二の導波管との間のブラインドメイト電気接続を行うためのものである。導波管コネクタは、第一の導電チャネルを含む第一の導波管に接続された雄部と、第二の導電チャネルを含む第二の導波管に接続された雌部とを含む。雌部は、雄部がスライドして入って、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間のブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含む。自己整列機構は、雄部又は雌部の少なくとも一方にある。自己整列機構は、雄部と雌部との位置ずれを修正しながら、雄部を受容部に案内するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の導波管と第二の導波管との間のブラインドメイト電気接続を行うための導波管コネクタであって、
第一の導電チャネルを含む前記第一の導波管に接続された雄部と、
第二の導電チャネルを含む前記第二の導波管に接続された雌部であって、前記雄部がスライドして入って、前記第一の導電チャネルと前記第二の導電チャネルとの間の前記ブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含む雌部と、
前記雄部又は前記雌部の少なくとも一方における自己整列機構であって、前記雄部と前記雌部との位置ずれを修正しながら、前記雄部を前記受容部に案内するための自己整列機構と
を含む導波管コネクタ。
【請求項2】
前記第一の導電チャネルと前記第二の導電チャネルとの間の電気接続を形成するために、前記雄部と前記雌部との間に導体をさらに含む、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項3】
前記導体は、導電性エラストマー材料を含む、請求項2に記載の導波管コネクタ。
【請求項4】
前記導体は、実質的にディスク形状であり、
前記導体は、前記第一の導電チャネル及び前記第二の導電チャネルと整列するように構成された中心開口を有する、請求項2に記載の導波管コネクタ。
【請求項5】
前記導体は、柔軟な皿ばねを含む、請求項2に記載の導波管コネクタ。
【請求項6】
前記雄部と前記第一の導波管との間の電気接続を形成するための第一の導電ジョイントと、
前記雌部と前記第二の導波管との間の電気接続を形成するための第二の導電ジョイントと
をさらに含む、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項7】
前記雄部は、前記第一の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み、
前記第一の導波管は、実質的に矩形の断面を有し、
前記雌部は、前記第二の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み、
前記第二の導波管は、実質的に矩形の断面を有する、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項8】
前記雄部は、前記第一の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み、
前記第一の導波管は、実質的に円形の断面を有し、
前記雌部は、前記第二の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み、
前記第二の導波管は、実質的に円形の断面を有する、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項9】
前記自己整列機構は、
前記雄部における整列機構と、
前記雌部における案内チャネルであって、前記整列機構を受けるように構成される案内チャネルと
を含む、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項10】
前記整列機構及び前記案内チャネルが、中心軸まわりの一の共有回転角度に存在することにより、前記案内チャネルが前記整列機構を受けるとき、前記第一の導波管の断面が、前記第二の導波管の断面と回転方向において整列され、
前記第一の導波管の前記断面及び前記第二の導波管の前記断面は、それぞれ非円形である、請求項9に記載の導波管コネクタ。
【請求項11】
前記雄部及び前記雌部は、それぞれ導電材料を含む、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項12】
前記導電材料は、銀めっき銅又は金メッキ真鍮の1つ以上を含む、請求項11に記載の導波管コネクタ。
【請求項13】
前記雌部に接続された整列ばねをさらに含み、
前記整列ばねは、前記ブラインドメイト電気接続がもたらされるとき、前記雄部と接触して、前記雄部及び雌部を整列させるように構成される、請求項1に記載の導波管コネクタ。
【請求項14】
前記第一の導波管及び前記第二の導波管は可撓性であり、
前記第一の導波管及び前記第二の導波管は、1つ以上の次元で曲がるように構成される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項15】
試験システムであって、
被試験デバイス(DUT)を保持するように構成されたデバイスインタフェースボード(DIB)と、
高周波(RF)信号を試験のために前記DUTの1つ以上に送信するためのRF試験機器を含む試験機器と、
前記RF試験機器と前記DIBとの間の第一の導波管と、
前記DIBと前記DUTとの間の第二の導波管と、
前記第一の導波管と前記第二の導波管との間のブラインドメイト電気接続を行うためのコネクタと
を含み、
前記コネクタの少なくとも一部は、前記DIBに取り付けられ、
前記コネクタは、
第一の導電チャネルを含む前記第一の導波管に接続された雄部と、
第二の導電チャネルを含む前記第二の導波管に接続された雌部であって、前記雄部がスライドして入って、前記第一の導電チャネルと前記第二の導電チャネルとの間の前記ブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含む雌部と、
前記雄部又は前記雌部の少なくとも一方における自己整列機構であって、雄部と前記雌部との位置ずれを修正しながら、前記雄部を前記受容部に案内するための自己整列機構と
を含む、試験システム。
【請求項16】
前記雄部と前記雌部との前記位置ずれは、
前記第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のピッチ位置ずれ、
前記第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のヨー位置ずれ、又は
前記第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のロール位置ずれ
の少なくとも1つを含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項17】
前記試験機器を保持するための試験ヘッドを含み、
前記DIBは、前記試験ヘッドに取り付けられ、
前記ブラインドメイト電気接続は、前記試験ヘッドの中に存在する、請求項15に記載の試験システム。
【請求項18】
前記第一の導波管及び前記第二の導波管は可撓性であり、
前記第一の導波管及び前記第二の導波管は、1つ以上の次元で曲がるように構成される、請求項15に記載の試験システム。
【請求項19】
前記試験機器を前記第一の導波管に電気的に接続するための第一の同軸ケーブル及び前記第一の同軸ケーブル上の電磁気的横波(TEM)信号と、前記第一の導波管上の電気的横(TE)波との間の変換を行うための第一のアンテナシステムと、
前記DUTを前記第二の導波管に電気的に接続するための第二の同軸ケーブル及び前記第一の導波管上のTE波と、前記第二の同軸ケーブル上のTEM信号との間の変換を行うための第二のアンテナシステムと
をさらに含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項20】
前記導波管コネクタは、前記第一の導電チャネルと前記第二の導電チャネルとの間の電気接続を形成するために、前記雄部と前記雌部との間に導体をさらに含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項21】
前記導体は、導電性エラストマー材料を含む、請求項20に記載の試験システム。
【請求項22】
前記導体は、実質的にディスク形状であり、
前記導体は、前記第一及び第二の導電チャネルと整列するように構成された中心開口を含む、請求項20に記載の試験システム。
【請求項23】
前記導体は、柔軟な皿ばねを含む、請求項21に記載の試験システム。
【請求項24】
前記雄部と前記第一の導波管との間の電気接続を形成するための第一の導電ジョイントと、
前記雌部と前記第二の導波管との間の電気接続を形成するための第二の導電ジョイントと
をさらに含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項25】
前記雄部は、前記第一の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み、
前記第一の導波管は、実質的に矩形の断面を有し、
前記雌部は、前記第二の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み、
前記第二の導波管は、実質的に矩形の断面を有する、請求項15に記載の試験システム。
【請求項26】
前記自己整列機構は、
前記雄部上の整列機構と、
前記雌部上の案内チャネルであって、前記整列機構を受けるように構成される案内チャネルと
を含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項27】
前記整列機構及び前記案内チャネルが、中心軸まわりの一の共有回転角度に存在することにより、前記案内チャネルが前記整列機構を受けるとき、前記第一の導波管の断面が、前記第二の導波管の断面と回転方向において整列され、
前記第一の導波管の前記断面及び前記第二の導波管の前記断面は、それぞれ非円形である、請求項26に記載の試験システム。
【請求項28】
前記雄部は、前記第一の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み、
前記第一の導波管は、実質的に円形の断面を有し、
前記雌部は、前記第二の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み、
前記第二の導波管は、実質的に円形の断面を有する、請求項15に記載の試験システム。
【請求項29】
前記第一の導波管及び第二の導波管には、誘電性プラスチック材料が充填される、請求項15に記載の試験システム。
【請求項30】
前記雄部及び前記雌部は、導電材料を含む、請求項15に記載の試験システム。
【請求項31】
前記導電材料は、銀めっき銅又は金メッキ真鍮の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の試験システム。
【請求項32】
前記コネクタは、前記雌部に接続された整列ばねをさらに含み、
前記整列ばねは、前記ブラインドメイト電気接続がもたらされるとき、前記雄部と接触して、前記雄部及び雌部を軸方向に整列させるように構成される、請求項15に記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2つの導波管間のブラインドメイト電気接続を行うための例示的な導波管コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の銅製導体は、高周波信号を伝送するための最善の方法ではない場合がある。導波管は、このような信号をより広い周波数範囲にわたってより正確に伝送し得る。ある例示的な導波管は、エネルギ伝送を一方向に誘導する構造を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある例示的な導波管コネクタは、第一の導波管と第二の導波管との間のブラインドメイト電気接続を行うためのものである。この導波管コネクタは、第一の導電チャネルを含む第一の導波管に接続された雄部と、第二の導電チャネルを含む第二の導波管に接続された雌部とを含む。雌部は、雄部がスライドして入って、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間のブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含む。自己整列機構は、雄部又は雌部の少なくとも一方にある。自己整列機構は、雄部と雌部との位置ずれを修正しながら、雄部を受容部に案内するように構成される。導波管コネクタは、以下の特徴の1つ以上を単独で又は組み合わせて含み得る。
【0004】
導管コネクタは、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間の電気接続を形成するために、雄部と雌部との間に導体を含み得る。導体は、導電性エラストマー材料及び/又は柔軟な皿ばねを含み得る。導体は、ディスク形状であり得、且つ第一の導電チャネル及び第二の導電チャネルと整列するように構成された中心開口を有し得る。
【0005】
導波管コネクタは、雄部と第一の導波管との間の電気接続を形成するための第一の導電ジョイントと、雌部と第二の導波管との間の電気接続を形成するための第二の導電ジョイントとを含み得る。雄部は、第一の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み得る。第一の導波管は、実質的に矩形の断面を有し得る。雌部は、第二の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み得る。第二の導波管は、実質的に矩形の断面を有し得る。雄部は、第一の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み得る。第一の導波管は、実質的に円形の断面を有し得る。雌部は、第二の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み得る。第二の導波管は、実質的に円形の断面を有し得る。
【0006】
自己整列機構は、雄部上の整列機構と、雌部上の案内チャネルとを含み得る。案内チャネルは、整列機構を受けるように構成され得る。整列機構及び案内チャネルは、中心軸の周囲で共有の回転角度にあり得、それにより、案内チャネルが整列機構を受けるとき、第一の導波管の断面は、第二の導波管の断面と回転整列される。第一の導波管の断面及び第二の導波管の断面は、それぞれ非円形であり得る。雄部及び雌部は、それぞれ導電材料を含み得る。導電材料は、銀めっき銅又は金メッキ真鍮の1つ以上を含み得る。導波管コネクタは、雌部に接続された整列ばねを含み得る。整列ばねは、ブラインドメイト電気接続がもたらされるとき、雄部と接触して、雄部及び雌部を整列させるように構成され得る。第一の導波管及び第二の導波管は、可撓性であり、且つ1つ以上の次元で曲がるように構成され得る。
【0007】
例示的な試験システムは、被試験デバイス(DUT)を保持するように構成されたデバイスインタフェースボード(DIB)と、高周波(RF)信号を試験のためにDUTの1つ以上に送信するためのRF試験機器を含む試験機器と、RF試験機器とDIBとの間の第一の導波管と、DIBとDUTとの間の第二の導波管と、第一の導波管と第二の導波管との間のブラインドメイト電気接続を行うためのコネクタとを含む。コネクタの少なくとも一部は、DIB上に取り付けられ得る。コネクタは、第一の導電チャネルを含む第一の導波管に接続された雄部と、第二の導電チャネルを含む第二の導波管に接続された雌部とを含む。雌部は、雄部がスライドして入って、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間のブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含み得る。コネクタは、雄部又は雌部の少なくとも一方における自己整列機構も含む。自己整列機構は、雄部と雌部との位置ずれを修正しながら、雄部を受容部に案内するように構成される。試験システムは、以下の特徴の1つ以上を単独で又は組み合わせて含み得る。
【0008】
雄部と雌部との位置ずれは、第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のピッチ位置ずれ、第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のヨー位置ずれ又は第一の導波管若しくは第二の導波管の中心軸の周囲のロール位置ずれの少なくとも1つを含み得る。システムは、試験機器を保持するための試験ヘッドを含み得る。DIBは、試験ヘッドに取り付けられ得る。ブラインドメイト電気接続は、試験ヘッド内におけるものであり得る。第一の導波管及び第二の導波管は、可撓性であり、且つ1つ以上の次元で曲がるように構成され得る。
【0009】
試験システムは、試験機器を第一の導波管に電気的に接続するための第一の同軸ケーブル及び第一の同軸ケーブル上の電磁気的横波(TEM)信号と、第一の導波管上の電気的横(TE)波との間の変換を行うための第一のアンテナシステムを含み得る。試験システムは、DUTを第二の導波管に電気的に接続するための第二の同軸ケーブル及び第一の導波管上のTE波と、第二の同軸ケーブル上のTEM信号との間の変換を行うための第二のアンテナシステムを含み得る。
【0010】
導波管コネクタは、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間の電気接続を形成するために、雄部と雌部との間に導体を含み得る。導体は、導電性エラストマー材料を含み得る。導体は、実質的にディスク形状であり得、且つ第一及び第二の導電チャネルと整列するように構成された中心開口を含み得る。導体は、柔軟な皿ばねを含み得る。
【0011】
試験システムは、雄部と第一の導波管との間の電気接続を形成するための第一の導電ジョイントと、雌部と第二の導波管との間の電気接続を形成するための第二の導電ジョイントとを含み得る。雄部は、第一の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み得る。第一の導波管は、実質的に矩形の断面を有し得る。雌部は、第二の導波管の一部を収容するための実質的に矩形の中空キャビティを含み得る。第二の導波管は、実質的に矩形の断面を有し得る。
【0012】
自己整列機構は、雄部上の整列機構と、雌部上の案内チャネルとを含み得る。案内チャネルは、整列機構を受けるように構成され得る。整列機構及び案内チャネルは、中心軸の周囲で共有の回転角度にあり得、それにより、案内チャネルが整列機構を受けるとき、第一の導波管の断面は、第二の導波管の断面と回転整列される。第一の導波管の断面及び第二の導波管の断面は、それぞれ非円形であり得る。雄部は、第一の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み得る。第一の導波管は、実質的に円形の断面を有し得る。雌部は、第二の導波管の一部を収容するための実質的に円形の中空キャビティを含み得る。第二の導波管は、実質的に円形の断面を有し得る。
【0013】
第一の導波管及び第二の導波管は、誘電性プラスチック材料を充填され得る。雄部及び雌部は、導電材料を含み得る。導電材料は、銀めっき銅又は金メッキ真鍮の少なくとも1つを含み得る。コネクタは、雌部に接続された整列ばねを含み得る。整列ばねは、ブラインドメイト電気接続がもたらされるとき、雄部と接触して、雄部及び雌部を軸方向に整列させるように構成され得る。
【0014】
この概要部を含む本明細書に記載の特徴の2つ以上を組み合わせて、本明細書に明記されていない実装形態を形成し得る。
【0015】
本明細書に記載の試験システムの少なくとも一部は、1つ以上の処理装置上において、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体に記憶された命令を実行することによって構成又は制御され得る。非一時的機械可読記憶媒体の例は、リードオンリメモリ、光ディスクトライブ、メモリディスクドライブ及びランダムアクセスメモリを含む。本明細書に記載のシステム及び技術の少なくとも一部は、1つ以上の処理装置及び各種の制御動作を実行するために1つ以上の処理装置によって実行可能な命令を記憶するメモリで構成されるコンピューティングシステムを用いて構成又は制御され得る。本明細書に記載のシステム、技術、コンポーネント、構造及びその変形形態は、例えば、設計、構築、大きさ、形状、配置、設置、プログラミング、動作、始動、停止及び/又は制御を通して構成され得る。
【0016】
1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示される。他の特徴及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】導波管コネクタを用いた例示的システムのブロック図である。
図2】例示的な導波管コネクタの斜視図である。
図3】切断されたその部品、すなわちソケット及びプラグを示す例示的な導波管コネクタの斜視図である。
図4】他の例示的な導波管コネクタの断面図である。
図5】そのソケット及びプラグが接続されていない状態の図3の導波管コネクタの断面図である。
図6】軸方向に完全に分離されているそのソケット及びプラグを示す図3の導波管コネクタの断面図である。
図7】途中まで接続されたそのソケット及びプラグを示す図3の導波管コネクタの断面図である。
図8】例示的な導波管コネクタの斜視図である。
図9図1~8のものと同様の導波管コネクタアセンブリを含み得る例示的な試験システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面間で同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【0019】
例示的な導波管は、エネルギ(波)の伝送を一方向に制約する構造を含む。本明細書では、各々が電磁波を伝送するための導電チャネルを含む2つの導波管間のブラインドメイト電気接続を行うための例示的な導波管コネクタ及びその変形形態を説明する。導波管コネクタは、雄部を含み、これは、本明細書ではプラグと呼ばれ、導波管の第一のものに接続される。導波管コネクタは、雌部も含み、これは、本明細書ではソケットと呼ばれ、導波管の第二のものに接続される。ソケットは、プラグがスライドして入って、第一の導電チャネルと第二の導電チャネルとの間にブラインドメイト電気接続をもたらす受容部を含む。自己整列機構群は、プラグ、ソケット又はプラグ及びソケットの両方に含められる。自己整列機構は、プラグ及びソケットのX-Y-ロール-ピッチ-ヨーの位置ずれを修正しながら、プラグを受容部に案内するように構成され得る。
【0020】
例示的なブラインドメイト電気接続は、場合により、ツールを使用せずに実行可能な前述のスライド動作を用いて実装され得る。このような接続の嵌合は、少なくとも場合により、それが、コネクタがコネクタを含むユニット又はモジュール全体を挿入することを通して嵌合させることができる固有の許容度を有する点でブラインドである。したがって、個々のコネクタは、技術者から見えなくても嵌合させることができる。本明細書に記載の例示的な導波管コネクタ及びその変形形態(まとめて「導波管コネクタ」と呼ぶ)に含まれる自己整列機構により、このようにして導波管をブラインドで嵌合させることができる。ブラインドメイト導波管は、試験システムを含むが、これに限定されない各種の異なるシステムで有利であり得る。
【0021】
これに関して、導波管の特定の周波数での1メートルあたりの信号損失は、同軸ケーブル又は他の有線伝送媒体より小さい。例えば、導波管の損失は、1メートルあたり一桁前半デシベル(dB)であり得る一方、同軸ケーブルの損失は、同程度の周波数で20dB~30dBであり得る。幾つかの例では、導波管は、90ギガヘルツ(GHz)~140GHzの周波数で信号を伝送するように構成され得るが、本明細書に記載のシステムは、この周波数範囲に限定されない。その低損失及び高周波数伝送範囲により、導波管は、高速電子デバイスの試験に使用され得る。例えば、高周波(RF)又はミリ波(mm波)デバイスを試験するように構成された試験システムは、導波管を使用すれば有利であり得る。これに関して、ある例示的な定義では、RF信号の周波数範囲は、約20キロヘルツ(KHz)~約300GHzである。ある例示的な定義では、mm波信号の周波数範囲は、約30GHz~約300GHzである。しかしながら、RF及びmm波の定義は、時間と共に且つ地域ごとに異なり得る。そのため、本明細書でRF又はmm波と呼ぶ信号は、上述の周波数の数値範囲に限定されない。
【0022】
ブラインドメイト機能を導波管コネクタに組み込むことにより、これまでその使用が不可能であった可能性がある試験状況での導波管の使用が可能となり得る。その結果、試験で発生する信号損失又は他の劣化は、特に試験信号源が被試験デバイス(DUT)から遠く、例えばそこから1メートル以上離れた場所にある場合に減少し得る。
【0023】
図1は、例示的な実装形態のシステム100を示すブロック図であり、これは、装置104a及び104b間の波、例えば電気信号を搬送するための前述のもののような導波管コネクタ102を含む。コネクタ102は、第一の導波管106aと第一の装置104aとの間及び第二の導波管106bと第二の装置104bとの間の接続の一部である。ある例では、第一の装置104aは、試験機器であり得るか又はそれを含み得、第二の装置104bは、DUTであり得るか又はそれを含み得るが、図1のシステムは、これらの装置に限定されない。追加的に、接続は、同軸又は他の伝送媒体を含み得る。例えば、各導波管と各装置との間に同軸ケーブルがあり得る。コネクタ102は、プラグ108a(雄部)及びソケット108b(雌部)を含む。導波管106a、106b(まとめて106)間の接続は、プラグ及びソケットが電気的且つ物理的に接続されると完了する。
【0024】
図2は、導波管コネクタ102の例示的な実装形態を示す。導波管コネクタ102は、プラグ108a及びソケット108bを含み、これらは、嵌合して第一及び第二の導波管106a、106b間の電気接続を形成する。プラグ108a及びソケット108bの各々は、ブラインドメイト接続を形成するための相補的な形状を有する自己整列機構を含む。図3も参照すると、プラグ108aの自己整列機構は、矩形の突出部502を含む。この例では、ソケット108bの自己整列機構は、プラグ108a及びソケット108bが接続されたときに矩形の突出部502を受けるための案内チャネル504を含む。これに関して、プラグ108aがソケット108bに接続されると、コネクタ102は、導波管106a及び106b間の電気接続をもたらす。この電気接続により、波として伝送される電気信号は、導波管106a及び導波管106b間で移動することができる。そのために、後述のように、プラグ108a及びソケット108bの両方が導電材料を含んで、接続されたときの導波管16a、106b間の電気接続を支援する。例えば、プラグ108a及びソケット108bの各々は、全体的又は部分的に銀めっき銅又は金メッキ真鍮等の導電材料で形成され得る。
【0025】
図3に示されるように、プラグ108aは、ソケット108b内に嵌合するように構成され、例えばそのような大きさ及び形状にされる。ソケット108bは、プラグ108aの本体部分108cを受けるように構成された受容部506、すなわち「主チャネル」と、本体部分108c上の矩形の突出部502を受けるように構成される案内チャネル504とを含む。この例では、矩形の突出部502及び案内チャネル504は、前述のようなコネクタ102のロール軸自己整列機構である。これに関して、案内チャネル504は、図2に示されるように、部品108a、108bが回転及び軸方向整列されると、矩形の突出部502を受けるように構成される。
【0026】
矩形の突出部502及び案内チャネル504は、これらの2つを接続するために正確な嵌合が必要とならないように許容度を有して構成され、例えばそのような大きさ及び形状にされ得る。例えば、矩形の突出部502及び案内チャネル504は、それらの接続地点でわずかに丸くされた縁部及び/又は角度の付いた縁部を有し得、それにより、矩形の突出部502及び案内チャネル504は、精密な軸方向及び回転整列がなくても嵌合でき得る。他の例では、案内チャネル504は、矩形の突出部502よりわずかに大きくてよく、それにより、矩形の突出部502及び案内チャネル504は、精密な軸方向及び回転整列がなくても嵌合でき得る。幾つかの例では、このような特徴の組合せにより、プラグ及びソケットに回転及び/又は軸方向の1%以上、2%以上、3%以上、4%以上又は5%以上の位置ずれがあっても嵌合可能となる。
【0027】
これに関して、例えば、ヨー、ピッチ又はロール自由度の位置ずれは、本明細書に記載のコネクタ102の特徴による接続プロセス中に自動的に修正され得る。コネクタ部品108a、108b間に位置ずれがあった場合にそれを修正することにより、したがって本明細書中でより詳細に述べるように、導波管106a、106bは、プラグ108a及びソケット108bが嵌合した後に確実に適正に整列され、接続されることになる。導波管106a、106b間のブラインドメイト接続を行い得ることは、多くの導波管間の接続が使用される場合、例えば多数の導波管接続が2つの装置間で行われる場合に特に有利となり得る。
【0028】
図4は、コネクタ102の異なる実装形態の、図2の線110に沿った縦断面図を示す。図5は、プラグ及びソケット並びにしたがって導波管が外れた状態の導波管コネクタ102の斜視断面図を示す。図4及び5の例では、各導波管106(106a、106b)は、複数の層を含む。導波管106の各々は、導電チャネル202を含む。導電チャネル202は、銅等の導電材料で製作され得るか又はそれを含み得る。導電チャネル202は、空気等の誘電材料204も含み、それが全体的又は部分的に導電チャネルに充填される。内側ライナ206は、導電チャネル202の内面の導電チャネルと誘電材料204との間に配置される。外装208は、導電チャネル202の外部にあり、導電チャネルを保護する。幾つかの例では、内側ライナ206及び外装208は、プラスチック等の誘電材料であり得るか又はそれを含み得る。幾つかの例では、ライナ206の代わりに、202が巻き付けられた中実構造物がある。この構成では、中実構造物は、損失接線が極めて低い材料、例えばePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)で製作され得る。
【0029】
図2及び4に示されるように、第一の導波管106aは、プラグ108aの中央にある中空キャビティ131内に嵌合する。第二の導波管106bは、ソケット108bの中央に位置する中空キャビティ132内に嵌合する。前述のように、ソケット108bは、プラグ108aを受けるように構成され、それにより導波管106を整列させ、電気的に連結する。図4に示されるように、コネクタ102は、導体302、例えば導電性エラストマー材料を含み、これは、導電チャネル202を電気的に連結して、導波管106間の電気接続を支援及び/又は確立する(導体302は、図3のばね702から置き換えられている)。幾つかの実装形態では、プラグ108aの一部は、第一の導波管106aの導電チャネル202と導体との間に位置付けられる一方、ソケット108bの一部は、第二の導波管106bの導電チャネル202と導体302との間に位置付けられる。追加的又は代替的に、図5に示されるように、プラグ108a及びソケット108bは、それぞれの導波管106の付近のポケット402を含み得る。ポケット402は、導電チャネル202の周囲に沿っている。ポケット402に導電性ペースト又ははんだを充填して、導電チャネル202と導体302との間の電気接続を支援及び/又は確立することができる。例えば、はんだプリフォーム又ははんだペーストをギャップ402(図5)内に導入し得、加熱して溶融させ得る。加熱されたはんだが冷却された後、その結果として得られた構造は、永久的な導電ジョイントを形成する。このようにして、導電チャネル202は、電気的に相互に接続され、それにより導波管106a及び106b間でコネクタ102を通して波を伝送することが可能となる。
【0030】
図6及び7は、プラグ108aをソケット108b内にスライドさせることによって導波管106を接続しているときのコネクタ102の断面を示す。図6は、導波管106が完全に分離されている地点のコネクタ102を示す。図7は、プラグ108aの一部がソケット108b内に入っているが、依然として接続が完了していないコネクタ102を示す。導波管106間の最終的な完了後の接続は、図2及び4に示されている。ソケット108bは、受容部506を含み、これは、プラグ108aの円柱端を受けるように構成され、例えばそのような大きさ及び形状にされる。ソケット108bの端は、傾斜した縁部508を含むことができ、これは、プラグ108aの端を受容部506内に方向付けることを支援して、これらの部品を整列させる役割を果たし得る。プラグ108aの端は、自己整列機構502、すなわちタブを含み、これは、ソケット108bの端によって形成される案内チャネル504の内部に受けられるように構成される。すでに説明したように、案内チャネル504は、自己整列機構として機能する。一般に、自己整列機構502及び案内チャネル504は、それぞれの部品108a、108bの共有の回転位置に位置付けられる。接続が行われるとき、プラグ108a及びソケット108bは、軸方向において、例えばX軸144に沿って相互に向かって移動され得る。幾つかの実装形態では、接続中、プラグ又はソケットの一方のみが移動され得る。
【0031】
幾つかの実装形態では、導波管間の導体302は、図示のようなディスク形状の導電構造であり得、導波管106a、106bの中心の周囲に位置付けられた中心開口を有する。導体302は、最初にソケット108bの端の受容部506内の表面に固定され得る。導体302をソケット108bに固定することにより、プラグ及びソケットが結合されたとき、導体302は、導波管106a、106b間に位置付けられる。
【0032】
幾つかの実装形態では、コネクタ102と共に使用される導波管は、円形の断面を有し得る。図に示される例では、導波管106は、実質的に矩形の断面を有する。これらの例では、導波管106は、例えば、長さ方向の中心軸X(図6)の周囲の共有の回転位置で回転整列されるように接続される。これを実現するために、整列機構502及び案内チャネル504は、接続中、中心軸Xの周囲の同じ回転位置にある。したがって、整列機構502は、プラグ108aの端の外周から突出し、整列機構502が案内チャネル504によって形成される切欠き部と回転整列しない限り、受容部506内に受けられないような幅を有する。
【0033】
接続プロセス中、プラグ108a及びソケット108bが接触すると、プラグ108a及びソケット108bを相互に関して回転させて、案内チャネル504が機構502を受けるようにし、その地点において、導波管106a、106bは、適正に回転整列され、ソケット108bがプラグ108aを受ける。導波管106a、106bも同様に共有の回転位置にあり、それにより整列機構502及び案内チャネル504が回転整列されると、導波管106a、106bも同様に回転整列される。このような接続により、プラグ108a及びソケット108bが接続された後に導波管106間の整列が確実にされ得る。幾つかの例では、導波管106は、可撓性であり、且つ1つ以上の次元で曲がり得、接続プロセス中の操作が容易になる。
【0034】
ある例では、プラグ108a及びソケット108bが相互に圧迫されると、プラグ108a及びソケット108bの軸方向の回転により、突出部502が案内チャネル504によって受けられて、プラグ108a及びソケット108b間のブラインドメイトが行われる。その時点で、プラグ108a及びソケット108bは、前述のように物理的に相互に接続され、導波管106は、それらの断面が非円形であっても整列される。案内チャネル504内に位置付けられる突出部502は、接続が形成された後に中心軸Xの周囲のロール位置ずれが生じないようにもする。さらに、接続されると、プラグ108aの端は、ソケット108bの円柱形の受容部506内に確実に着座して、ピッチ又はヨー位置ずれが完全に防止される。
【0035】
再び図3を参照すると、幾つかの実装形態では、導波管コネクタ102は、複数のばね702を含み得る。ばね702は、108aと108bとの間に必要な電気経路を作るための代替的な方法である。この例では、ばね702は、可撓性であり、接続中にプラグ108aの端と係合する。したがって、部品108a、108bが嵌合した後であっても小さいピッチ又はヨー位置ずれがある場合、ばね702によって導波管106a、106bの外側全体の周囲で電気接続をもたらすことができる。これに関して、この構成では、106a内の導電チャネル202と、106b内の導電チャネル202との間において、できるだけ連続的な経路である電気経路が作られる(図7を参照されたい)。この経路内に何れかの障害があると、信号損失の原因になり得る。
【0036】
図8を参照すると、他の例示的な導波管コネクタ802が示されている。導波管コネクタ802は、図4の導波管コネクタと実質的に同じであるが、それ以外に図示され、本明細書に記載されている点が異なる。特に、導波管コネクタ802は、プラグ808a及びソケット808bに異なる自己整列機構を含む。コネクタ802は、プラグ808a上において、プラグ808aの側壁から半径方向に外側に延びる円柱形の突出部のような形状の自己整列機構804を含む。それに対応して、ソケット808bは、部品808a、808bの軸方向の回転を防止しながら、自己整列機構804を受けるような大きさ及び形状の案内チャネル806を含む。自己整列機構804の1つの利点は、それが、既知の製造技術を用いて容易に製造され、プラグ808aに追加され得る単純な円柱形であることであり得る。
【0037】
本明細書に記載の例示的な導波管コネクタは、図9に示されるような自動試験装置(ATE)900等の試験システムで使用され得る。ATE 900は、試験ヘッド902及び制御システム904を含む。制御システムは、コンピューティングシステムを含み得、これは、1つ以上のマイクロプロセッサ又は本明細書に記載の他の適切な処理装置を含む。図9では、破線は、試験システムのコンポーネント間の考え得る信号経路を概念的に表す。
【0038】
ATE 900は、試験される装置を保持するプリント回路基板(PCB)を含み得る。PCBは、デバイスインタフェースボード(DIB)906である。DIB 906は、試験ヘッド902に直接又は間接的に接続され、ATE 900によって試験されているか又は試験される1つ以上の被試験デバイス(DUT)との機械的及び電気的インタフェースを含む。そのために、DIB 906は、DUTを接続し得る地点908を含み、これは、ピン、ボールグリッドアレイ(BGA)、導電トレース又は他の電気的及び機械的接続点を含み得る。試験信号、応答信号、電圧信号及び他の信号は、試験チャネルを通してDUTと試験機器との間の地点を通過する。DIB 906は、試験機器、地点908に接続されたDUT及び他の回路構成間で信号をルーティングするためのコネクタ、導電トレース及び他の電子回路構成も含み得る。
【0039】
制御システム904は、試験ヘッド902のコンポーネントと通信して試験を制御する。例えば、制御システム904は、試験ヘッド902内の試験機器912A~912N(まとめて912と呼ぶ)に試験プログラムセットをダウンロードし得る。試験機器912の1つ以上は、試験ヘッドの外部にあり得る。試験機器912は、ハードウェアデバイスを含み、これらは、1つ以上の処理装置並びに他の回路構成、例えばパターン発生器、波形発生器、ピン電子部品及び/又はパラメータ測定ユニット(PMU)を含み得る。試験機器912は、試験プログラムセットを実行して、試験機器912と通信するDUTを試験し得る。制御システム904は、試験ヘッド902内の試験機器912に、命令、試験データ及び/又は試験機器912が、DIB 906とインタフェースするDUTに対して適切な試験を実行するために使用可能な他の情報も送信し得る。試験は、異なる温度条件で行われ得る。幾つかの実装形態では、この情報は、コンピュータ若しくは他の種類のネットワークを介して又は直接的な電気経路を介して送信され得る。幾つかの実装形態では、この情報は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介して送信され得る。
【0040】
試験プログラムは、DUTに提供される試験フロー(命令セット)を生成する。試験フローは、例えば、DUTからの応答を引き出すための信号を出力するように記述される。試験フローは、高周波(RF)又は他の無線信号を含む信号を出力し、これらの信号に対する応答をDUTから受信し、この応答を解析して、装置が試験に合格であるか又は不合格であるかを特定するように記述され得る。
【0041】
幾つかの実装形態では、試験機器912の1つ以上は、本明細書に記載されているような導波管アセンブリ914を通してDIB 906に接続され得る。導波管は、導波管コネクタを用いて接続され得、その例は、本明細書に記載の導波管コネクタ102又は802を含む。例えば、試験機器912Aは、RF信号をDIB 906に対して発出し得、これは、図1~8に示される構成を有し得る導波管アセンブリ914を通して送信され得る。導波管コネクタ102は、インタフェースボード910にあり得、試験機器への経路に沿って106a等の第一の導波管に、且つDIBへの経路に沿って106b等の第二の導波管に接続される。
【0042】
幾つかの実装形態では、試験機器と第一の導波管との間に第一の同軸ケーブル又は他の有線伝送線があり、DIBと第二の導波管との間に第二の同軸ケーブル又は他の有線伝送線がある。第一のアンテナシステムは、第一の同軸ケーブル又は他の有線伝送線上の電磁気的横波(TEM)信号と、第一の導波管上の電気的横(TE)波との間の変換を行う。第二のアンテナシステムは、第二の同軸ケーブル又は他の有線伝送線上のTEM信号と第二の導波管上のTE波との間の変換を行う。幾つかの実装形態では、導波管コネクタ102、802は、試験ヘッド902内の導波管間の接続を完成させるためにも使用され得る。
【0043】
前述のように、図9のATE 900は、複数の試験機器912を含み、その各々は、必要に応じて試験及び/又は他の機能の1つ以上を実行するように構成され得る。4つのみの試験機器912が示されているが、システムは、任意の適切な数の試験機器を含み得、これは、試験ヘッド902の外部にあるものを含む。幾つかの実装形態では、1つ以上の試験機器912は、DUTを、例えば制御システムによって提供されるデータに基づいて試験するためのマイクロ波、RF又はmm波の波信号を出力し、DUTから応答信号を受信するように構成され得る。異なる試験機器912は、異なる種類の試験を実行するように構成され得、且つ/又は異なるDUTを試験するように構成され得る。受信信号は、試験信号に基づく応答信号及び/又は試験信号によって促されたものではない(例えば、それに対する応答ではない)、DUTから発せられた信号を含み得る。幾つかの実装形態では、DUT、DIB 906及び試験機器インタフェース間に同軸ケーブル及び/又は他の信号伝送線があり得、それを通して試験及び応答信号が送信される。
【0044】
信号は、複数の試験チャネルを通してDUTに送信され、且つそれから受信され得る。これらの試験チャネルの各々は、1つ以上の信号伝送線又は他の有線若しくは無線伝送媒体を含み得る。幾つかの例では、試験チャネルは、1つ以上の物理的伝送媒体によって画定され得、それを通して信号が試験機器912からDUTに送信され、それを通して信号がDUTから受信される。幾つかの例では、試験チャネルは、信号が1つ以上の物理的伝送媒体上で送信される周波数範囲によって画定され得る。試験チャネルは、DIB上に導電トレースを含み得る。
【0045】
本明細書に記載の試験システム及びプロセス並びにそれらの様々な変形形態の全て又は一部は、少なくとも部分的に、1つ以上のコンピュータ又は1つ以上の情報キャリア、例えば1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体内に実体的に具現化される1つ以上のコンピュータプログラムによって構成又は制御され得る。コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含む何れの形態のプログラミング言語で記述され得、これは、スタンドアロンプログラムとして、モジュール、パート、サブルーチン若しくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして等、何れの形態でも展開され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上又は1つの地点にあるか若しくは複数の地点にわたって分散されて、ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0046】
本明細書に記載の電圧源、試験システム及びプロセスを構成又は制御することに関連する動作は、1つ以上のコンピュータプログラムを実行して、前述のウェル形成動作の全て又は幾つかを制御するための1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。試験システム及びプロセスの全て又は一部は、専用の論理回路構成、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途集積回路)によって構成又は制御され得る。
【0047】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用及び専用の両方のマイクロプロセッサ並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータの何れか1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取専用記憶領域若しくはランダムアクセス記憶領域又はその両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの要素は、命令を実行するための1つ以上のプロセッサ並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上の記憶領域装置を含む。一般に、コンピュータは、データを記憶するための大量記憶装置、例えば磁気、磁気光ディスク又は光ディスク等の1つ以上の機械可読記憶媒体を含むか又はそれに動作的に連結され得、それからデータを受信するか若しくはそれにデータを送信するか又はその両方も行う。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した非一時的機械可読億媒体は、あらゆる形態の不揮発性記憶領域を含み、これは、例えば、半導体記憶領域デバイス、例えばEPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)及びフラッシュ記憶領域デバイス、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク、磁気光ディスク、CD-ROM(コンパクトディスク読出し専用メモリ)及びDVD-ROM(デジタル多用途ディス読出し専用メモリ)を含む。
【0048】
記載の様々な実装形態の要素を組み合わせて、上記で明記されていない他の実装形態を形成し得る。要素は、その動作又はシステム全体の動作に不利な影響を与えることなく、前述のシステムから省かれ得る。さらに、様々な別の要素を組み合わせて1つ以上の個々の要素として、本明細書に記載の機能を実行し得る。
【0049】
本明細書に明記されていない他の実装形態も後述の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】