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特表2024-517328所定長のワークピースを製造するための工作機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】所定長のワークピースを製造するための工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/18 20060101AFI20240412BHJP
   B23D 55/04 20060101ALI20240412BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20240412BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
B23Q3/18 A
B23D55/04 H
B23Q17/24 C
B23Q17/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570004
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022061973
(87)【国際公開番号】W WO2022238198
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】BE2021/5379
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ティム・アルスタース
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ゲンセ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ・タラッハ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・マルテン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデマール・ゾマー
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング・レイ
【テーマコード(参考)】
3C016
3C029
3C040
【Fターム(参考)】
3C016HA14
3C016HA17
3C029AA01
3C029AA40
3C029FF05
3C040GG44
3C040HH24
3C040JJ05
(57)【要約】
本発明は、所定長のワークピース(2)を製造するための工作機械(1)に関する。工作機械(1)は、長手方向(X)に延在し、ワークピース(2)の少なくとも一部を長手方向(X)に案内するように構成された、ワークピース(2)を受け入れるフレーム(3)を有している。工作機械(1)は、受け取られるワークピース(2)を加工位置で切断するための切断ツール(4)を備えている。また工作機械(1)は、受け取られるワークピース(2)を加工位置に移動させるために、好ましくは長手方向(X)に変位可能にフレーム(3)に取り付けられた駆動可能なストッパ要素(5)を有している。更に工作機械(1)は、好ましくは長手方向(X)に変位可能にフレーム(3)に取り付けられ、受け取られるワークピース(2)が駆動可能なストッパ要素(5)によって移動されるときに、受け取られるワークピース(2)を案内するように構成された少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長のワークピース(2)を製造するための工作機械(1)であって、
前記ワークピース(2)を受け取るためのフレーム(3)であって、長手方向(X)に延在し、前記ワークピース(2)の少なくとも一部を前記長手方向(X)に案内するように構成された、フレーム(3)を有しており、
前記工作機械(1)は、受け取られる前記ワークピース(2)を加工位置で切断するための切断ツール(4)を備え、
前記工作機械(1)は、受け取られるワークピース(2)を加工位置に移動させるために、好ましくは前記長手方向(X)に変位可能に前記フレーム(3)に取り付けられた駆動可能なストッパ要素(5)を有し、且つ、
前記工作機械(1)は、好ましくは長手方向(X)に変位可能に前記フレーム(3)に取り付けられ、受け取られる前記ワークピース(2)が駆動可能な前記ストッパ要素(5)によって移動されるときに、受け取られる前記ワークピース(2)を案内するように構成された少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)を有している、
工作機械。
【請求項2】
前記少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)は、該少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)の少なくとも1つの接触部分(6A、6B)を介して、受け取られる前記ワークピース(2)によって作動されるように構成されている、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)の少なくとも1つの接触部分(6A、6B)は、好ましくは前記長手方向(X)に対して横方向に、受け取られる前記ワークピース(2)のためのストッパ部を形成している、請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)は、前記駆動可能なストッパ要素(5)と前記切断ツール(4)との間で長手方向(X)に変位可能に取り付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工作機械(1)は、少なくとも1つの光バリア(7)を有し、該光バリア(7)は、前記切断ツール(4)上に配置され、受け取られる前記ワークピース(2)上の少なくとも1つのゼロ位置を決定するか、または、受け取られる前記ワークピース(2)に伝送されて、受け取られる前記ワークピース(2)によって反射された少なくとも1つの光信号(LS)若しくは反射されない光信号(LS)である少なくとも1つの光信号(LS)によって、前記切断ツール(4)による機械加工のためにゼロ位置を定義するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項6】
前記工作機械(1)は、信号接続(S)を介して、少なくとも前記切断ツール(4)、前記駆動可能なストッパ要素(5)、及び前記光バリア(7)に接続された制御・調整ユニット(9)を有し、
該制御・調整ユニット(9)は、好ましくは、受け取られる前記ワークピース(2)に伝送されて、受け取られる前記ワークピース(2)によって反射された前記光バリア(7)の少なくとも1つの光信号(LS)、または反射されない光信号である前記光バリア(7)の少なくとも1つの光信号(LS)の関数として、受け取られる前記ワークピース(2)を加工位置に並進移動させるために、前記信号接続(S)を介して前記駆動可能なストッパ要素(5)を作動させるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項7】
前記工作機械(1)は、前記信号接続(S)を介して少なくとも前記制御・調整ユニット(9)に接続され、少なくとも前記ワークピース(2)の所定長を照会するように構成された表示・操作ユニット(8)を有している、請求項6に記載の工作機械。
【請求項8】
前記工作機械(1)は、受け取られる前記ワークピース(2)の存在を少なくとも第1の時点及び第2の時点で検出するために、少なくとも1つのセンサユニット(10)を有している、請求項1~7のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサユニット(10)は、前記少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)上に配置されている、請求項8に記載の工作機械。
【請求項10】
前記フレーム(3)は、前記ワークピース(2)を受け入れるための加工プレート(3P)を有するテーブル(2)として少なくとも部分的に構成され、前記少なくとも1つの作動可能な摺動要素(6)を変位可能に取り付けるため及び/または前記駆動可能なストッパ要素(5)を案内するために、前記長手方向(X)に延在している溝(3NA)または凹部(3NA)が前記加工プレート(3P)上に好ましくは形成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項11】
前記フレーム(3)は、前記駆動可能なストッパ要素(5)と前記切断ツール(4)との間に前記ワークピース(2)の受け部(3A)を有しており、該受け部は、前記長手方向(X)に少なくとも2000mm延在している、請求項1~10のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項12】
前記駆動可能なストッパ要素(5)は、受け取られる前記ワークピース(2)の少なくとも一部を解除可能に固定するように設計されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向に延在し、少なくとも部分的に長手方向にワークピースを案内するように構成されたワークピースを受けるためのフレームを有する、好ましくは所定長に切断するためのワークピースを製造するための工作機械(machine tool)に関する。
【背景技術】
【0002】
支持レールのようなワークピースを切断するための工作機械は、従来技術において複数の異なる構成で知られている。製造または機械加工されるワークピースは、手作業で複雑な方法で工具に挿入されなければならないことが多い。これは、主に、細長いロッドプロファイルを切断するために提供される工作機械に当てはまる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ワークピースを所望の長さに切断するためのクロスカッティングシステム(cross-cutting system)と、長手方向ストッパ(longitudinal stop)及び切断ツールを有する機械加工装置とが知られている。長手方向ストッパは、ワークピースの決定された長さに調整するために、加工方向に変位可能に取り付けられる。距離測定装置を使用して、所望の長さを決定している。いずれの場合も、距離測定装置は、通信モジュールを介して処理装置への無線または有線の通信接続を有している。長手方向ストッパを変位させるために、距離測定装置によって検出された距離の関数として所望の長さを調整するアクチュエータが設けられる。加工されるワークピースをそれに対して配置することができるサイドストッパは、ワークピース支持体上に固定して配置されている。
【0004】
特許文献2には、パネル鋸用のストッパレールが記載されており、ピボット軸受によって切断面に対して枢動することができる。第1の長手方向ストッパ面及び第2の長手方向ストッパ面は、切断される2つの寸法に応じてワークピースを位置決めするために、ねじ付きスピンドルの形態のアクチュエータを介して、ストッパレールの長手方向に沿って独立して移動及びロック可能に案内されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015211692同明細書
【特許文献2】欧州特許第1837110号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、好ましくは所定長に切断して、所定長のワークピースを製造するための工作機械であって、取り扱い及び操作に関して改良された工作機械を提供することである。とりわけ、工作機械は、好ましくは支持レールのような細長いワークピースの最適化された製造によって特徴付けられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項1の特徴によって達成される。本発明の更なる例示的な実施形態及び適用は、従属請求項から得られ、図面を部分的に参照しながら以下の説明においてより詳細に説明される。
【0008】
一般的な態様によれば、本発明は、好ましくは所定長に切断するための、ワークピース、好ましくは支持レールを製造するための工作機械に関し、この工作機械は、
ワークピースを受け取るためのフレームであって、長手方向に延在し、ワークピース、すなわち受け取られるワークピースを少なくとも部分的に長手方向に案内するように構成された、フレームを有しており、
この工作機械は、受け取られるワークピースを加工位置で切断するための切断ツールを備え、
この工作機械は、受け取られるワークピースを加工位置に移動させるために、好ましくは長手方向に変位可能にフレームに取り付けられた駆動可能なストッパ要素を有し、且つ、
この工作機械は、好ましくはほぼ長手方向に変位可能にフレームに取り付けられ、受け取られるワークピースが駆動可能なストッパ要素によって移動されるときに、受け取られるワークピースを案内するように構成された少なくとも1つの作動可能な摺動要素を有している。
【0009】
本発明による工作機械は、例えば、堅固に固定されたストッパ、すなわち、非可動ストッパ、ストリップまたはランプに代えて、少なくとも1つの可動な案内要素が、受け取られるワークピースを案内するために使用され、この可動な案内要素は、受け取られるワークピースと共に、少なくとも部分的に一方向に移動し、前記ワークピースを案内することを特徴としている。
【0010】
このようにして、特に、例えば2000mmの初期長さを有する例えば支持レールのような比較的長い及び/またはロッド状(rod-shaped)のワークピースの場合に、切断ツールへのワークピースの問題の無い且つ位置的に正確な供給を保証することができる。従って、工作機械は、好ましくは、所定長のワークピースを製造するために、ロッド状及び/またはバー状(bar-shaped)のワークピースを切断する形態で製造するように構成することができる。本発明に係る工作機械によれば、ワークピースを所定長に自動的に切断することができる。
【0011】
切断ツールは、ワークピースを長手方向に貫通させることができるように構成されていることが好ましい。換言すれば、切断ツールは、受け取られるワークピースの切断が行われる貫通開口または貫通チャネルを有することができる。切断ツールは、切断プロセス中に少なくとも部分的にワークピースを解除可能に固定するためのクランプ機構を有することができる。駆動可能なストッパ要素は、例えば、油圧または電気モータによって駆動することができる。駆動可能なストッパ要素は、保持部分を有することができ、例えば、クランプ接続(clamping connection)によって、または差し込み接続(plug-in connection)によって、ワークピースの自由端を保持部分に取り外し可能に固定することができる。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、少なくとも1つの作動可能な摺動要素は、少なくとも1つの作動可能な摺動要素の少なくとも1つの接触部分を介して、受け取られるワークピースによって作動されるように構成される。従って、ワークピースは、それ自体で、少なくとも1つの作動可能な摺動要素を移動させることができ、例えば、追加の駆動は必要無い。この目的のために、少なくとも1つの作動可能な摺動要素は、それに応じて、変位可能であるようにフレーム上に取り付けることができる。少なくとも1つの接触部は、例えば、受け取られるワークピースが少なくとも部分的に接触する、ピン形状またはプレート形状の平坦なまたはプレート形状の湾曲した接触部とすることができる。
【0013】
少なくとも1つの作動可能な摺動要素の少なくとも1つの接触部分、好ましくは少なくとも1つの更なる接触部分が、好ましくは長手方向に対して横方向に、受け取られるワークピースのためのストッパ部を形成することが可能である。これにより、好ましくはワークピースが切断ツールによって切断される前に、フレーム及び/または切断ツールに対して受け取られるワークピースの規定された及び/または正確な位置を確保することができる。
【0014】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの作動可能な摺動要素が、駆動可能なストッパ要素と切断ツールとの間で長手方向に変位可能に取り付けられる。従って、特に比較的長くて薄いワークピースの場合には、受け取られるワークピースの均一な取付け及び案内を保証することができる。
【0015】
工作機械は、少なくとも1つの光バリア(light barrier)を有し、この光バリアは、切断ツール上に配置され、受け取られるワークピース上の少なくとも1つのゼロ位置を決定するか、または、受け取られるワークピースに伝送されて、この受け取られるワークピースによって反射された少なくとも1つの光信号若しくは反射されない光信号である少なくとも1つの光信号によって、切断ツールによる機械加工のためにゼロ位置を定義するように構成される。
【0016】
本発明の更なる態様によれば、工作機械は、信号接続を介して、少なくとも切断ツール、駆動可能なストッパ要素、及び光バリアに接続された制御・調整ユニット(control and regulating unit)を有し、この制御・調整ユニットは、好ましくは、受け取られるワークピースに伝送されて、受け取られるワークピースによって反射された光バリアの少なくとも1つの光信号、または反射されない光信号である光バリアの少なくとも1つの光信号の関数として、受け取られるワークピースを加工位置に並進的に移動させる、好ましくは変位させるために、信号接続を介して駆動可能なストッパ要素を作動させるように構成される。
【0017】
工作機械は、信号接続を介して少なくとも制御・調整ユニットに接続され、少なくともワークピースの所定長を照会する(query)ように構成された表示・操作ユニットを有することが可能である。表示・操作ユニットは、例えば、タッチスクリーンとして設計することができる。
【0018】
信号接続は、有線または無線の信号接続とすることができる。
【0019】
工作機械は、受け取られるワークピースの存在を少なくとも第1の時点及び第2の時点で検出するために、少なくとも1つのセンサユニットを有することが可能である。少なくとも1つのセンサユニットは、例えば、誘導センサを含むことができる。
【0020】
本発明の更なる態様によれば、少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの作動可能な摺動要素上に配置される。
【0021】
フレームが、ワークピースを受け入れるための加工プレートを有するテーブルとして少なくとも部分的に構成されることが可能であり、少なくとも1つの作動可能な摺動要素を変位可能に取り付けるため、及び/または駆動可能なストッパ要素を案内するために、ほぼ長手方向に延在している溝または凹部が、加工プレート上に好ましくは形成されている。受け取られるワークピース自体は、好ましくは、テーブル、すなわちテーブルの加工プレートに接触しないことに言及すべきである。
【0022】
本発明の更に他の態様によれば、前記フレームは、前記駆動可能なストッパ要素と前記切断ツールとの間にワークピースの受け部を有することができ、この受け部は、長手方向に少なくとも2000mm延在している。このようにして、既に上述したように、支持レールの形態の比較的長くて薄いワークピースを工作機械上に受け取り、工作機械によって生産することができる。
【0023】
駆動可能なストッパ要素は、受け取られるワークピースの少なくとも1つの部分を取り外し可能に固定するように設計及び/または構成されることが可能である。この目的のために、駆動可能なストッパ要素は、好ましくはクランプ装置を備えた差し込み部分及び/またはクランプ部分を含むことができる。受け取られるワークピースの少なくとも1つの部分は、受け取られるワークピースの自由端であることが好ましい。従って、受け取られるワークピースは、例えば、駆動可能なストッパ要素と摺動要素のみによって支持されている。
【0024】
以上説明した本発明の実施形態及び特徴は、任意に組み合わせることができる。本発明の更なるまたは他の詳細及び有利な効果は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による工作機械の第1の例示的な実施形態の斜視図である。
図2図1に示した工作機械の正面図である。
図3図1に示した工作機械の平面図である。
図4図1に示した工作機械の側面図(左から見た側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
同一または機能的に同等の部品または要素は、図において同じ参照符号で示されている。その説明のために、繰り返しを避けるために、他の例示的な実施形態及び/または図面の説明も部分的に参照する。
【0027】
図面に示された例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、より詳細な説明または明確化のために供するものであり、いかなる意味においても本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0028】
図1は、本発明に係る工作機械1の概略的に示す第1の実施形態の斜視図である。工作機械1は、ワークピース2を製造するように構成されており、以下、より詳細に説明する。図1は、ワークピース2を受け取った工作機械1を示す。
【0029】
ワークピース2は、対応する長さの支持レールであることが好ましい。特に好ましくは、ワークピース2は、標準のNS35/15支持レール(「帽子形プロファイルを有するDINレール」として知られている)として設計することができる。工作機械1は、例えば2000mmの初期長さを有する支持レールの形態のワークピース2を加工するように構成することができる。
【0030】
工作機械1は、ワークピース2を受けるフレーム3を有している。フレーム3は、工作機械1の長手方向Xに沿って延在し、受け取られるワークピース2の少なくとも一部を長手方向Xに案内している。更に、フレーム3は、後述する更なる部品及び要素を介して受け取られるワークピース2を支持している。フレーム3は、好ましくは、テーブルとして構成されるか、または少なくとも1つの略平面の加工プレート3Pを有している。これにより、例えば、ワークピース2を工作機械1に挿入して、工作機械1の少なくとも2つの側面を加工することができる。
【0031】
加工プレート3Pには、工作機械1の他の部品を装着して案内するための溝部3NAまたは凹部3NAがほぼ長手方向Xに延在している。フレーム3は、例えば、鋳鉄、鋼または軽金属から製造することができ、それに対応して十分な強度及び剛性を有している。
【0032】
工作機械1は、好ましくはカッターとして構成される切断ツール4を備えている。切断ツール4は、例えば、レーザビームカッターやウォータジェットカッターである。切断ツールの更なるまたは他の実施形態及び構成が可能である。これにより、例えば、切断ツール4を鋸として設計することができる。
【0033】
切断ツール4は、フレーム3の端面3Sに長手方向Xに沿って配置されている。切断ツール4は、受け取られるワークピース2を通過させることができるように構成されている。換言すれば、切断ツール4は、受け取られるワークピース2が通過するためにほぼ長手方向Xに延在している貫通開口を備える(図1には詳細に示されていない)。加工位置において、ワークピース2は、切断ツール4によって切断することができ、好ましくは切断することができる。好ましくは、ワークピース2は、切断ツール4内で、且つ機械加工位置で、すなわちワークピース2が対応する位置にあるときに切断される。
【0034】
工作機械1は、駆動可能なストッパ要素5を備えている。駆動可能なストッパ要素5は、互いに略直角に配列された2つの板状部を有している。駆動可能なストッパ要素5は、曲がった及び/またはパンチされた部品として設計されることが可能である。
【0035】
駆動可能なストッパ要素5は、好ましくは保持部分5Aを有しており、例えば、クランプ接続または差し込み接続(図1には示されていない)によって、ワークピース2の自由端を保持部分5Aに取り外し可能に固定することができる。この目的のために、保持部分5Aは、そこから突出または突出する差し込みピンまたは壁部分(図1では見えない)を有することができ、これらは少なくとも部分的にワークピース2との確実な接続を形成することができる。
【0036】
駆動可能なストッパ要素5は、ほぼ長手方向Xに延在している溝部3NAまたは凹部3NAに部分的に装着されている。駆動可能なストッパ要素5は、溝部3NAまたは凹部3NA内をほぼ長手方向Xに移動するために、駆動ユニット、例えば、電気モータまたは油圧ポンプ(図1には示されていない)によって作動させることができる。駆動可能なストッパ要素5は、受け取られるワークピース2を加工位置に移動させるために設けられている。すなわち、駆動可能なストッパ要素5は、受け取られるワークピース2を切断ツール4の方向に移動させる。
【0037】
工作機械1は、作動可能な摺動要素6を備えている。本発明の別の実施形態によれば、工作機械1は、複数の作動可能な摺動要素6を有することが可能である。作動可能な摺動要素6の数は、例えば、製造されるワークピース2の所定長(初期長さ)の関数として選択することができる。
【0038】
作動可能な摺動要素6は、フレーム3上、すなわち、長手方向Xに延在している溝部3NAまたは凹部3NA内の加工プレート3P上に変位可能に取り付けられており、後述する駆動可能なストッパ要素5によって移動されると、受け取られるワークピース2を案内するように構成されている。このようにして、工作機械1は、例えば、堅固に固定された非可動ストッパ、ストリップまたはランプを用いて受け取られるワークピース2を案内するのではなく、受け取られるワークピース2と共に少なくとも部分的に一方向に移動する案内要素が存在することを特徴としている。作動可能な摺動要素6は、好ましくは、駆動可能なストッパ要素5と切断ツール4との間で長手方向Xに変位可能に取り付けられる。
【0039】
作動可能な摺動要素6は、第1の接触部6Aと第2の接触部6Bとを備えている。第2の接触部6Bは、溝部3NAまたは凹部3NA内に変位可能に設けられ、一部が板状に形成されている。第2の接触部6Bは、受け取られるワークピース2に対して、長手方向Xに対して横方向のストッパ、すなわち規制部(limit)を形成している。
【0040】
作動可能な摺動要素6は、例えば、滑り軸受によって変位可能に取り付けられ得る。あるいは、作動可能な摺動要素6を、転がり軸受(図示せず)を介して変位可能に取り付けることも可能である。第1の接触部6Aは、受け取られるワークピース2によって作動するように構成されている。すなわち、受け取られるワークピース2は、第1の接触部6Aに接触しても、作動可能な摺動要素6を移動させることができる。第1の接触部6Aは、例えば、受け取られるワークピース2に少なくとも部分的に接触する少なくとも1つの突出ボルトを有することができる。
【0041】
工作機械1は、センサユニット10を備えている。センサユニット10は、少なくとも第1の時点及び第2の時点で、受け取られるワークピース2の存在を検出するように構成されている。これにより、例えば、工作機械1は、受け取られるワークピース2がある場合にのみ、ワークピース2の分離工程や切断工程といった生産工程を開始することができる。図1に示すように、センサユニット10は、好ましくは、作動可能な摺動要素6上に配置されている。本発明の別の実施形態では、センサユニット10は、例えば切断ツール4の進入領域に配置することもできる。
【0042】
工作機械1は、光バリア7を備えている。光バリア7は、好ましくは切断ツール4上に配置され、受け取られるワークピース2上の少なくとも1つのゼロ位置を決定するか、または、受け取られるワークピース2に伝送されて、この受け取られるワークピース2によって反射された少なくとも1つの光信号LS若しくは反射されない光信号LSである少なくとも1つの光信号LSによって、切断ツール4による機械加工のためにゼロ位置を定義するように構成されている。
【0043】
工作機械1は、制御・調整ユニット9を備えている。制御・調整ユニット9は、好ましくは、電子ハードウェアコンポーネント(例えば、CPU、RAM、ROM、バスシステム等)及びソフトウェアコンポーネント(リアルタイム対応オペレーティングシステム、切断ツール4及び駆動可能なストッパ要素5を制御及び/または調整するためのアプリケーションプログラム等)を有している。制御・調整ユニット9は、信号接続Sを介して、少なくとも切断ツール4、駆動可能なストッパ要素5、光バリア7、センサユニット10、作動可能な摺動要素6、及び表示・操作ユニット8に接続されている。信号接続Sは、有線または無線の信号接続Sとすることができる。工作機械1の関連する部品及び要素に対応して調整された作動は、制御・調整ユニット9を介して行うことができる。
【0044】
表示・操作ユニット8は、例えば、タッチスクリーンとして設計することができ、それを介して、好ましくはワークピース2の所定長に対する、加工されるワークピース2のパラメータ、及び工作機械1を操作するための設定が照会され、入力される。工作機械1は、例えば2000mmの初期長を有するワークピース2を加工するように構成及び/または設計されることが好ましい。すなわち、ワークピース2を受け取るフレーム3の受け部3Aは、少なくとも2000mmの長さに亘って延在している。受け部3Aは、駆動可能なストッパ要素5と切断ツール4との間に位置している。
【0045】
図2図1に示す工作機械1の正面図であり、図3図1に示す工作機械1の平面図である。図1から図3の組み合わせから、フレーム3が略立方形であることが分かる。また、フレーム3の端面3Sにおいて、受け取られるワークピース2が切断ツール4を通過し、ワークピース2の被切断部が切断ツール4から突出していることが分かる。図2及び図3は、受け取られるワークピース2が例えばクランプされる駆動可能なストッパ要素5の保持部分5Aを少なくとも部分的に示す。
【0046】
図4は、図1に示す工作機械1の側面図(左から見た側面図)である。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。むしろ、複数の変形及び修正が可能であり、それらもまた発明の着想を利用し、従って保護の範囲内に入る。本発明はまた、引用されるクレームとは独立して、従属クレームの主題及び特徴についての保護をクレームすることが好ましい。
【符号の説明】
【0048】
1 工作機械
2 ワークピース
3 フレーム
3A 受け部
3P フレームの加工プレート
3NA 溝部または凹部
3S 端面
4 切断ツール
5 駆動可能なストッパ要素
5A 保持部
6 作動可能な摺動要素
6A 第1の接触部
6B 第2の接触部
7 光バリア
8 表示・操作ユニット
9 制御・調整ユニット
10 センサユニット
LS 光信号
S 信号接続
X 長手方向
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】