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特表2024-517330着用中の眼鏡の状態を検出するための装置
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  • 特表-着用中の眼鏡の状態を検出するための装置 図1
  • 特表-着用中の眼鏡の状態を検出するための装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-19
(54)【発明の名称】着用中の眼鏡の状態を検出するための装置
(51)【国際特許分類】
   G02C 11/00 20060101AFI20240412BHJP
   G02C 5/14 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G02C11/00
G02C5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570033
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022061198
(87)【国際公開番号】W WO2022238121
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】102021000011999
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196523
【氏名又は名称】ルックスオティカ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】LUXOTTICA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Valcozzena, 10, I-32021 AGORDO (Italy)
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミケロン,ディーノ
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AA00
(57)【要約】
着用中の眼鏡の状態を検出するための装置(1)であって、眼鏡のテンプル(3)の内側に収容されるように適合され、少なくとも1つの第1の活性領域(4)と、少なくとも1つの第2の活性領域(5)とを備えるセンサ(2)を備え、第1の活性領域(4)は、ユーザの頭部に向けられるように適合され、第2の活性領域(5)は、外側に向けられるように適合される、装置(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用中の眼鏡の状態を検出するための装置(1)であって、1対の眼鏡のテンプル(3)の内側に収容されるように適合されたセンサ(2)を備え、前記センサ(2)は、少なくとも1つの第1の活性領域(4)および少なくとも1つの第2の活性領域(5)を備え、前記第1の活性領域(4)は、ユーザの頭部に向けられるように適合され、前記第2の活性領域(5)は、外側に向けられるように適合されることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
眼鏡が着用されていない期間中の基準値(10)および眼鏡が着用されている期間中の値(11)を計算するように適合された処理および計算手段(8)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理および計算手段(8)は、眼鏡が着用されている前記期間中に計算された前記値(11)と、眼鏡が着用されていない前記期間中の前記基準値(10)との間の差として定義される閾値を計算するように適合されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記閾値はヒステリシス値(15)で重み付けされることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
測定値は、前記第1の活性領域(4)によって測定された値と前記第2の活性領域(5)によって測定された値との間の差によって与えられることを特徴とする、先行する請求項の1項または複数項に記載の装置。
【請求項6】
着用中の眼鏡の状態を検出するための方法であって、
-眼鏡を着用していない期間中の基準値(10)を計算するステップと、
-眼鏡を着用している期間中の値(11)を計算するステップと、
-前記基準値(10)と眼鏡が着用されている前記期間中に計算された前記値(11)との間の差として定義される閾値(12)を計算するステップと、
-ヒステリシス値で前記閾値(12)を重み付けして、重み付けされた閾値(15)を得るステップと、
-眼鏡が着用されているかどうかを判定するために、着用中の眼鏡の前記状態を検出するための装置(1)の少なくとも1つの第1の活性領域および少なくとも1つの第2の活性領域(4,5)によって値を測定し、前記測定値が前記重み付けされた閾値(15)よりも高いかどうかを比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記測定値は、着用中の眼鏡の前記状態を検出するための前記装置(1)の前記第1および第2の活性領域(4,5)の測定値の前記差によって与えられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
着用中の眼鏡の前記状態は、前記測定値が前記重み付けされた閾値(15)よりも高い連続した測定回数の後に判定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用中の眼鏡の状態を検出する装置に関する。より具体的には、本発明は、ユーザが電子タイプの眼鏡を着用したか否かを検出するように適合された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、「電子眼鏡」または、より一般的には「スマートグラス」は、眼鏡がユーザによって着用されているときにのみ起動されなければならない、ユーザが利用可能な複数の機能を有する。これは、バッテリ消費を低減し、したがってユーザの電子機能の使用期間を延長するためである。
【0003】
現在、眼鏡が着用されているか否かを検出することを可能にする解決策が存在する。そのような解決策は、1対の眼鏡がユーザによって着用されているか否かの標示を提供することができるタッチ感知領域、または赤外線センサ、温度センサなどを利用する。
【0004】
しかしながら、そのような解決策は、多くの偽陽性を報告する傾向があり、したがって、眼鏡が着用されているか別様の、眼鏡の明確な標示を提供するのに十分な信頼性がない。
【0005】
明らかに、偽陽性の数が過度に多い場合、装置はもはや信頼性がなく、したがって眼鏡の分野での使用にもはや有用ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、偽陽性を最小限に抑えることができる、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的の範囲内で、本発明の目的は、眼鏡が正しく着用されているか、あるいは、例えば手に持っているかまたは折り畳まれてTシャツの襟にあるかを区別することを可能にする、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【0008】
また、本発明の別の目的は、眼鏡を着用しているユーザの頭部の形状および大きさを可能な限り無視することを可能にする、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、任意のタイプの電子眼鏡に使用することができる、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、1対の電子眼鏡に組み込むことができる、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、信頼性が高く、容易かつ実用的に実装され、低コストの、着用中の眼鏡を検出するための装置を提供することである。
【0012】
この目的ならびに以下でより明らかになるだろうこれらおよび他の目的は、着用中の眼鏡の状態を検出するための装置によって達成され、この装置は、1対の眼鏡のテンプルの内側に収容されるように適合されたセンサを備え、前記センサは、少なくとも1つの第1の活性領域および少なくとも1つの第2の活性領域を備え、前記第1の活性領域は、ユーザの頭部に向けられるように適合され、前記第2の活性領域は、外側に向けられるように適合されることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な例として示されている、本発明による装置の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による装置が挿入された眼鏡テンプルの斜視図である。
図2】本発明による装置によって検出された値のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図を参照すると、同一の参照番号は同一の要素を指しており、本発明による検出装置は、概して参照番号1で示されている。
【0016】
装置は、1対の眼鏡のテンプル3の内側に収容されるように構成されたセンサ2を備え、センサ2は、テンプル3の内側、すなわち眼鏡を着用しているユーザの頭部に向けられるように意図された少なくとも1つの活性領域4と、テンプル3から外側に向けられるように意図された少なくとも1つの活性領域5とを備える。
【0017】
2つの活性領域4および5は、2つの異なる値を供給し、眼鏡の着用または非着用の指標として検出および使用される最終値は、内部活性領域4によって検出された値と外部活性領域5によって検出された値との差によって構成される。
【0018】
本発明による装置は、偽陽性またはいずれの場合にも誤った信号を回避するように、ユーザの特定の頭部に合わせてそれ自体を較正することができる。
【0019】
装置は、閾値に加えて、基準値および高値を計算することができる。基準値は、眼鏡が着用されていないときに装置によって検出される値として定義される。一般に、考慮される期間は3秒であるが、これは要件に応じて変化し得る。
【0020】
一方、高値は眼鏡が着用されている期間中の値として算出される。この場合も、期間は3秒以上とすることができる。
【0021】
この時点で、閾値は、高値と基準値との差として計算される。
したがって、装置は、例えばテンプル3または眼鏡の前面に一体化された処理および計算手段8を備え、これらは、眼鏡が着用されていない期間中の基準値、および眼鏡が着用されている期間中の値(高値)を計算するように適合される。
【0022】
図2のグラフは、上述したことを示している。基準値は参照番号10で示され、高値は符号11で示され、閾値は参照番号12で示される。
【0023】
参照番号13は、採取されたサンプルの数(平均係数)を示し、様々な参照番号13の間の距離は、使用されるサンプリング周波数14を示す。
【0024】
閾値12は、ヒステリシス値で重み付けされており、デフォルトのヒステリシス値は、例えば、0.33とすることができる。この場合、例えば、眼鏡が着用されていないときには1-ヒステリシスの値、すなわち1-0.33=0.66、眼鏡が着用されているときにはヒステリシス値=0.33となる。
【0025】
閾値のヒステリシス(すなわち、ヒステリシス値で重み付けされた閾値)は、図2において参照番号15で示されている。
【0026】
眼鏡が着用されている状態は、図2において参照番号16で示されている測定値がヒステリシス15で重み付けされた閾値を上回ったときに発生する。
【0027】
眼鏡が着用されている状態は、眼鏡が着用されている連続した発生回数の後に、すなわち、活性領域によって測定された値が重み付けされた閾値を上回る、例えば5回の連続した測定回数の後に判定される。
【0028】
各測定値は、短い遅延、例えば約1ミリ秒だけ離間したいくつかの個々の測定値の平均である。
【0029】
データの測定は、例えば150ミリ秒毎に周期的に繰り返される。
このプロセスは、眼鏡が着用されていない期間中に基準値10が計算される第1のステップを含む。その後、眼鏡を着用している期間中に値11が計算される。
【0030】
次に、基準値10と眼鏡着用中に計算された値11との間の差によって与えられる閾値12が計算される。
【0031】
次に、閾値をヒステリシス値で重み付けして重み付けされた閾値15を得る。
上記は、1対の眼鏡がユーザによって着用されているか否かを判定するために、測定値との比較に使用される重み付けされた閾値15を得ることを可能にする較正のステップを構成する。
【0032】
上述した、1対の眼鏡が着用されているか否かを検出するように適合された測定プロセスは、最初に自己較正の形態を実行することによって、システムをユーザの特定の頭部に合わせて較正することを可能にし、例えば、眼鏡がテーブルに置かれている、眼鏡が折り畳まれてTシャツの襟またはネックレスにかけられている、または眼鏡が手に持たれている状態といった外乱の影響を受けない。
【0033】
実際には、本発明による装置および対応する方法は、ユーザの特定の頭部に合わせて測定値を自己較正することによって、偽陽性の数を最小限に抑えながら眼鏡の着用状態を検出することを可能にし、したがって上述のような外部または内部の変化の影響を受けないままにするという点で、意図された目的および目的を達成することが分かった。
【0034】
このように考えられた装置および方法は、多数の修正および変形が可能であり、それらはすべて添付の特許請求の範囲内にある。
【0035】
さらに、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素によって置き換えられてもよい。
実際には、使用される材料、ならびに偶発的な形状および寸法は、要件および最新技術に応じて任意であり得る。
【0036】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第102021000011999号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
任意の請求項に記載された技術的特徴の後に参照符号が続く場合、それらの参照符号は、請求項の明瞭性を高めることのみを目的として含まれており、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として特定される各要素の解釈にいかなる限定的な影響をも及ぼさない。
図1
図2
【国際調査報告】