(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】電子セキュリティシステム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20240415BHJP
E05B 19/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
E05B49/00 Z
E05B19/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023531580
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 CZ2021050151
(87)【国際公開番号】W WO2022152337
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523192015
【氏名又は名称】ティルパ ミロスラフ
【氏名又は名称原語表記】TYRPA, Miroslav
【住所又は居所原語表記】Korunni 1024/28, 70900 Ostrava(CZ)
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティルパ ミロスラフ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA03
2E250AA11
2E250BB08
2E250CC01
2E250CC11
2E250DD02
2E250FF33
2E250FF49
(57)【要約】
ワンタイム制御コード3、識別子10及び/またはブロッキングコード11も記憶するための内部メモリ2を装備するポータブル電子コントローラ1と、コントローラとは構造的に分離され、機能的に接続される少なくとも1つの電子リリースユニット4とを備え、ユニット4は、バックアップ用ワンタイム制御コードのセット8及び識別子10も記憶するため設けられた中央メモリ5と、アクチュエータ7と、中央メモリ5、内部メモリ2、およびアクチュエータ7に通信可能に接続された制御プロセッサ6と、を備える、電子セキュリティシステム。アクチュエータ7はバックアップ用制御コードのセット8に、内部メモリ2に記憶された制御コード3と同一の未使用のバックアップ用制御コード3’が存在する場合に動作する。システムは特に最大レベルのセキュリティが必要な対象物および施設に提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源および/または自律電源からの電気によって給電され、特に対象物のロックをロックおよびロック解除するために提供される電子セキュリティシステムであって、ワンタイム制御コード(3)を記憶するための内部メモリ(2)を有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラ(1)と、前記ポータブル電子コントローラ(1)とは別個に配置された少なくとも1つの電子リリースユニット(4)であって、中央メモリ(5)と、制御プロセッサ(6)と、前記システムのアクチュエータ(7)とを有する、電子リリースユニット(4)とを備える、電子セキュリティシステムにおいて、
前記ポータブル電子コントローラ(1)に割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット(8)が、各電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に記憶され、
前記システムの前記制御プロセッサ(6)が、前記ワンタイム制御コード(3)と前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記セット(8)内のバックアップ用ワンタイム制御コード(3’)とをペアリングし、その後前記アクチュエータ(7)を動作させ、前記ポータブル電子コントローラ(1)の前記内部メモリ(2)内の使用済み前記ワンタイム制御コード(3)を前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記セット(8)からの次の前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)のコピーと置き換えるようにプログラムされ、
前記制御プロセッサ(6)が、前記中央メモリ(5)および前記アクチュエータ(7)の両方ならびに前記内部メモリ(2)にも通信可能に接続され、
前記制御プロセッサ(6)との接触接続は、前記電子リリースユニット(4)の起動接点(14)および前記ポータブル電子コントローラ(1)の接続接点(13)によって実現可能であることを特徴とする、電子セキュリティシステム。
【請求項2】
1つの前記ポータブル電子コントローラ(1)によって制御される2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の場合、前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)の同一のセットが、2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に常に記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた2つ以上の前記ポータブル電子コントローラ(1)の場合、前記電子リリースユニット(4)の各々の前記中央メモリ(5)が、前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた前記ポータブル電子コントローラ(1)の数に等しい数のメモリセグメント(9)に分割され、
前記電子リリースユニット(4)の前記メモリセグメント(9)のうちの1つが、前記ポータブル電子コントローラ(1)の各々に割り当てられ、
前記メモリセグメント(9)内には、1つの前記1つのポータブル電子コントローラ(1)に排他的に割り当てられた前記バックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセット(8)が記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項4】
各ポータブル電子コントローラ(1)の前記内部メモリ(2)が独自の識別子(10)をさらに備え、
特定の前記ポータブル電子コントローラ(1)に排他的に属する、前記識別子(10)の識別データもまた、前記バックアップ用ワンタイム制御コードのセット(8)とは別個に、前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に記憶され、
前記システムの前記制御プロセッサ(6)が、前記識別子(10)の前記データと前記中央メモリ(5)内に記憶された前記データとを最初にペアリングするようにプログラムされており、
同一の前記ポータブル電子コントローラ(1)によって制御される2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の場合、前記識別子(10)の前記データはすべての前記電子リリースユニット(4)の中央メモリ(5)内に記憶され、
少なくとも1つの前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた2つ以上の前記ポータブル電子コントローラ(1)の場合、特定の前記ポータブル電子コントローラ(1)の前記識別子(10)のデータもまた、関連する前記電子リリースユニット(4)の前記ポータブル電子コントローラ(1)に割り当てられた前記メモリセグメント(9)内に記憶されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項5】
前記ポータブル電子コントローラ(1)が、ブロッキングコード(11)およびそのアンブロッカ(12)を装備していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項6】
前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内またはその特定の前記メモリセグメント(9)内に記憶された前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記固有のセット(8)の各々が、任意の数の任意の組合わせられた数字、アルファベット、句読点、および電子メモリ内にそれぞれ登録することができる他の文字から構成された複数の前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に最大レベルのセキュリティを必要とする対象物のロックをロックおよびロック解除するために提供される電子セキュリティシステムに関し、電子セキュリティシステムは、ワンタイム制御コードを記憶するための内部メモリを有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラと、少なくとも1つの電子リリースユニットであって、バックアップ用ワンオフ制御コードを記憶するための中央メモリと、制御プロセッサと、ロックおよびロック解除アクチュエータとをそれぞれ有する少なくとも1つの電子リリースユニットと、を備える。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子ロックをロック位置からロック解除位置にするためのワンタイムリリースコードを生成する方法を開示している。この方法の原理は、ロックをロック解除するために電子ロックのメモリに記憶されたリリースコードを使用した直後に、暗号化アルゴリズムの使用および暗号化キーの適用によるその暗号化によって、新しい使用可能なリリースコードが生成され、新しいリリースコードは、電子キーのメモリ内の古いリリースコードの位置を占有するが、新しいリリースコードはまた、ロックのメモリ内に記憶されなければならず、ロックの次のロック解除に使用されることである。ロックのすべてのロック解除に新しい解除コードが利用可能であるという事実により、このロックは、高いセキュリティレベルを達成する。しかし、その欠点は、比較的高い構造的複雑さであり、新しいリリースコードを生成するために暗号化アルゴリズムおよび暗号化キーが必要である。別の欠点は、電子キーの紛失または盗難の場合、それが不正者によって使用または不正使用される可能性があることである。このシステムはまた、不正者が新たに生成されたリリースコードの暗号化アルゴリズムを明らかにすることに成功した場合にも不正使用される可能性がある。この発明の主題は、リリースコードを生成するための方法であるが、それを使用するには、各ロックがそれ自体のキーを有さなければならず、すなわち、1つのキーに複数のキーが必要である場合、または複数のロックを制御するために1つのキーを使用する必要がある場合には使用できないことは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011103134号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の主題は、主電源および/または自律電源からの電気によって給電され、特に対象物のロックをロックおよびロック解除するために設けられた電子セキュリティシステムであり、電子セキュリティシステムは、ワンタイム制御コードを記憶するための内部メモリを有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラと、ポータブル電子コントローラとは別個に配置された電子リリースユニットであって、中央メモリと、ポータブル電子コントローラの内部メモリと電子リリースユニットの中央メモリとの機能的通信のための制御プロセッサと、同様に本システムのアクチュエータとを備える、電子リリースユニットとを備える。本発明の重要な点は、各電子リリースユニットの中央メモリ内に、バックアップ用ワンタイム制御コードのセットが記憶され、バックアップ用ワンタイム制御コードのセットは、1つの特定のポータブル電子コントローラに排他的に割り当てられ、その制御プロセッサは、バックアップ用ワンタイム制御コードのセット内のバックアップ用ワンタイム制御コードとワンタイム制御コードとをペアリングして、その後、バックアップ用ワンタイムコードのセット内に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合にアクチュエータを動作させ、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用済みワンタイム制御コードを、電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたそれらのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされるという事実にある。このシステムの制御プロセッサは、電子リリースユニットの中央メモリおよびアクチュエータの両方に、また、ポータブル電子コントローラの内部メモリにも、有線または無線で接続される。この内部メモリへの制御プロセッサの有線(接触)接続は、電子リリースユニットの起動接点およびポータブル電子コントローラの接続接点によって実施可能である。
【0006】
電子セキュリティシステムが1つのポータブル電子コントローラによって制御可能な多数の電子リリースユニットを備える場合、このポータブル電子コントローラに割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの同一のセットは、それらの中央メモリ内に常に記憶される。これらの電子リリースユニットの制御プロセッサは、ポータブル電子制御装置が接触する電子リリースユニットのバックアップ用ワンタイム制御コードのセット内で、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合に、それらのアクチュエータを動作させ、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用済みワンタイム制御コードを、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたバックアップ用ワンタイムコードのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされる。
【0007】
別の場合には、2つ以上のポータブル電子コントローラで1つまたは複数の電子リリースユニットを制御することが意図される場合、これらの電子リリースユニットの中央メモリは、それらを制御するために設けられたポータブル電子コントローラの数に等しい数のメモリセグメントに分割される。関連する電子リリースユニットのメモリセグメントのうちの1つは、これらのポータブル電子コントローラの各々に割り当てられ、前記1つのポータブル電子コントローラに排他的に割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、前記メモリセグメント内に記憶される。制御プロセッサは、この特定の電子リリースユニットのこの特定のメモリセグメント内に、使用されるポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合にアクチュエータを動作させ、このポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用されたばかりのワンタイム制御コードを、接触されたリリースユニットの使用されたメモリセグメント内に記憶されたセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされる。
【0008】
全体としての電子セキュリティアセンブリおよびそれらの物理的に分離された部品としての電子リリースユニットの上述の構造的配置は、比較的単純で費用効率が高いが、特に非常に効果的で安全なセキュリティデバイスを作りだすことを可能にする。ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶された制御コードのワンタイム利便性、および、ヒューマンファクタとは無関係に動作する、関連する電子リリースユニットの中央メモリ内、またはその関連するメモリセグメント内に記憶されたこれらのコードのセットからのこれまで使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えられる制御コードのワンタイム利便性は、ワンタイム制御コードを置き換えるバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーがこの使用されたばかりのワンタイム制御コードから生成されないので、ワンタイム制御コードが別の方法でコピーまたは不正使用されることからの完璧な保護を保証し、したがって、このバックアップ用ワンタイム制御コードは、いかなる方法でもこのワンタイム制御コードに依存せず、したがって、いかなる方法でも追跡、復号または計算することはできない。実用的な観点から、本発明による電子セキュリティシステムの重要な利点の1つは、1つのポータブル電子コントローラでより多くの電子リリースユニットを制御すること、または逆に、複数のポータブル電子コントローラをその複数のユーザのために1つの電子リリースユニットに割り当てることも可能にすることである。しかし、本発明による電子セキュリティシステムの利点は、特に、複数のポータブル電子コントローラを複数の電子リリースユニットに同じおよび異なるアクセスオプションで割り当てることを可能にすることを含む。
【0009】
本発明による電子セキュリティシステムのセキュリティレベルのさらなる改善は、ポータブル電子コントローラの内部メモリが、このポータブル電子コントローラに排他的に属する識別データを有する独自の識別子を備え、これらの識別データが同時に電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶され、このポータブル電子コントローラにこれも排他的に属するバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、識別データとは別に記憶されるという事実によって達成される。このようにして考えられた電子セキュリティシステムの制御プロセッサは、アクチュエータを動作させ、使用済みワンタイム制御コードをバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えることに加えて、ポータブル電子コントローラの内部メモリおよび電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶された識別子の識別データの整合性の検証に基づいて、電子リリースユニットと通信するために使用されるポータブル電子コントローラの認証を最初に検証するようにもプログラムされている。1つのポータブル電子コントローラによって制御される複数のリリースユニットの場合、その識別子のデータは、これらの電子リリースユニットの各々の中央メモリ内に記憶される。1つまたは複数の電子リリースユニットを制御するように意図された複数のポータブル電子コントローラの場合、これらの電子リリースユニットの中央メモリは、これらを制御するために設けられたポータブル電子コントローラの数に対応する数のセグメントに分割される。次いで、特定のポータブル電子コントローラの識別子の識別データは、メモリセグメント内にこれも記憶されているバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットとは別に、関連する電子リリースユニット、またはより多く存在する場合には複数の関連する電子制御ユニットの、そのポータブル電子コントローラに割り当てられたメモリセグメント内に記憶される。
【0010】
本発明による電子セキュリティシステムの最も重要であり、事実上唯一のセキュリティリスクである盗難または紛失によって、不正者がポータブル電子コントローラを使用することを回避するために、ポータブル電子コントローラの内部メモリにブロッキングコードを装備することができ、アンブロッカへのブロッキングコードの入力によるブロック解除無しに、ポータブル電子コントローラは、電子リリースユニットとの通信を確立することができず、その結果、そのアクチュエータを作動させることができない。次いで、このブロッキングコードのアンブロッカをポータブル電子コントローラの手動部分に設置することができる。ポータブル電子コントローラのブロッキングコードは、好ましくはPINコードであってもよく、そのアンブロッカは、このPINコードを入力するように適合されたキーパッドである。この追加のセキュリティ要素の導入は、ポータブル電子コントローラの紛失または盗難の場合であっても、本発明による電子セキュリティシステムを実質的に強力にする。
【0011】
本発明による電子セキュリティシステムの重要な利点はまた、相互に異なるバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、電子メモリ、この場合は電子リリースユニットの中央メモリ、またはその後ポータブル電子コントローラの内部メモリにも登録することができる任意の数の任意の文字から構成される英数字コードのセットを含むことができることである。したがって、制御コードの構成は、バイナリまたは他の数値システムの文字のみに限定される必要はなく、数字の他に、すべての既存のアルファベットの文字、句読点、または電子メモリに書き込むことができる他の文字を使用することもできる。これは、様々な文字の実質的に無制限の数の組み合わせ、したがってほぼ無制限のサイズのバックアップ用ワンタイム制御コードのセットを作りだす可能性を提供する。
【0012】
アクチュエータを作動させるあらゆる試みにおいて、本発明による電子セキュリティシステムは、特に制御プロセッサの対応するプログラミングに基づいて実現される個々のステップを特徴とする。1つまたは複数の電子リリースユニット用の1つのポータブル電子コントローラを備える電子セキュリティシステムの場合、ステップは以下の通りである:
-ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の通信をそれらの接触または非接触接続を介して確立することによって電子セキュリティシステムを起動する。
-電子リリースユニットの中央メモリ内に、または複数のユニットの場合、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット内に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードがあるかどうかを判定する。ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の接触通信方法の場合、この決定は、制御プロセッサによって、すなわち、接続接点および起動接点を介して提供される電気信号の直接経路によって実現される。ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の非接触通信方法の場合、この決定は、ポータブル電子コントローラから、接触された電子リリースユニットにワンタイム制御コードを送信するために使用される無線、光学、または音響信号を電気信号に変換することによって可能になる。
-前のステップにおいて、使用済みポータブル電子コントローラのワンタイム制御コードと、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたこれらのコードのセット内のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードとの間で一致が見つかった場合、アクチュエータが所定の動作を実行するためのコマンドが、制御プロセッサを介して発行される。アクチュエータの起動を引き起こすペアリングの肯定的な結果は、既に使用されている特定のワンタイムコードになり、このコードはもはや使用することができない。アクチュエータの作動は、電子セキュリティシステムのリリース、例えば対象物のロックのロック解除につながる。
【0013】
同時に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用されたばかりのワンタイム制御コードを、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたこれらのコードのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるためのコマンドが、制御プロセッサによって発行される。接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に位置するそれらのセットからのバックアップ用ワンタイム制御コードのこのコピーは、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されることによって、その新しいワンタイム制御コード、すなわち1回だけ使用することができるコードになり、電子リリースユニットの中央メモリ内のバックアップ用ワンタイム制御コードのセットは、1回だけ使用することができるこれらの制御コードのいくつかのスタックを表す。
【0014】
電子リリースユニットが複数のポータブル電子コントローラによって制御可能であり、電子リリースユニットの中央メモリ、または複数の電子リリースユニットが存在する場合には複数の電子リリースユニットの複数の中央メモリをメモリセグメントに対応して分割する場合、このプロセスは、メモリセグメント内で同じステップで進行し、そのバックアップ用ワンタイム制御のセット内には、使用されるポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されているワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが発見された。
【0015】
本発明は、図面を参照してより詳細にさらに明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】1つのポータブル電子コントローラと3つの電子リリースユニットとを備える例示的な実施形態における本発明によるシステムの図である。
【
図2】4つのポータブル電子コントローラと1つの電子リリースユニットとを備える例示的な実施形態における本発明によるシステムの図である。
【
図3】ブロッキングコードおよびそのブロック解除用のキーパッドを備えたポータブル電子コントローラを表す、本発明によるシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施形態1
図1に概略的に示す例示的な実施形態による電子セキュリティシステムは、1つのポータブル電子コントローラ1と3つの電子リリースユニット4とを備える。これは、1人が所有する3つの対象物、例えばアパート、オフィスおよびガレージのロックする(および当然ながらロック解除する)のための電子セキュリティアセンブリである。ポータブル電子コントローラ1は、内部メモリ2を有する外部フラッシュディスクを備え、内部にはワンタイム制御コード3が記憶され、そのブートトラック内に記憶されたサイズ、シリアル番号および製造日に関するデータは、同時にこのポータブル電子コントローラ1の識別子10を表す。特定の電子リリースユニット4は、中央メモリ5を備え、それらの各々内に、ポータブル電子コントローラ1の識別子10のデータと、それにのみ割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの同一のセット8とが、互いに別々に記憶される。これらの電子リリースユニットは、アクチュエータ7と、同一にプログラムされた制御プロセッサ6とをさらに装備する。制御プロセッサ6の各々は、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶された識別子10のデータと、関連する電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶された識別子のデータとの間で一致が見つかった場合、および接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に位置するバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8内に、それと同時に、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されたワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’が位置する場合、これに割り当てられたアクチュエータ7を動作させるようにプログラムされる。制御プロセッサ6の各々はまた、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を、その関連するアクチュエータ7が作動し始めた場合に、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8からの次のワンタイム制御コード3’のコピーと置き換えるようにプログラムされる。ポータブル電子コントローラ1は接続接点13を備え、各電子制御ユニット4は起動接点14を備える。すべての電子リリースユニット4の起動接点14は、ポータブル電子コントローラ1の接続接点13(USB接点)への相互機械的接続に構造的に適合されており、これにより、ポータブル電子コントローラ1と、中央メモリ5およびアクチュエータ7の両方に有線方式で接続されている制御プロセッサ6を有する個々の電子リリースユニット4との間の直接(接触)通信接続が可能になる。電子リリースユニット4は、主電源(図示せず)からの電気によって給電される。
【0018】
この実施形態における電子セキュリティシステムの動作時に、ポータブル電子コントローラ1の接続接点13は、どの対象物がロック解除される必要があるかに応じて、最初に電子制御ユニット4のうちの1つの起動接点14に差し込まれる。上記のこの動作は、通信回路を閉じ、関連する電子リリースユニット4の制御プロセッサ6、その中央メモリ5、およびポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2の間で電子通信が確立される。関連する制御プロセッサ6によって、まず、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に含まれる識別子10のデータが、接触された電子制御ユニット4の中央メモリ5内に記憶されたそのデータと同一であるかどうかが判明する。この動作により、ポータブル電子コントローラ1の認証された使用であるか否かが検証される。これらが一致することが判明した場合、関連する制御プロセッサ6は、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されたワンタイム制御コード3が、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8に含まれるまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’と同一であるかどうかを検証するためにさらに使用される。そのようなまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’がそれらの関連するセット8内で見つかった場合、制御プロセッサ6は、それによって制御されるアクチュエータ7に信号を送り、アクチュエータ7はその後、所定のリリースアクションを実行する。同時に、関連する制御プロセッサ6によって、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8から、次に続くバックアップ用ワンタイム制御コード3’が選択され、そのコピーは、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3と置き換えるために使用される。ここで、バックアップ用ワンタイム制御コード3’のこのコピーは、その後のワンタイム使用に備えた新たなワンタイム制御コード3となる。関連する制御プロセッサ6によって、使用されたばかりのバックアップ用ワンタイム制御コード3’の使用の記録が、関連する電子リリースユニット4の中央メモリ5内で行われる。この一度使用されたバックアップ用ワンタイム制御コード3’は、これが、残りの電子リリースユニット4の中央メモリ5内では使用されなかったという事実にも関わらず、ワンタイム制御コード3と置き換えるために2度使用することはできず、そのような使用の記録無しに中央メモリ内に留まる。この電子セキュリティシステムのさらなる動作のために、このバックアップ用ワンタイム制御コード3’は、それらの残りの電子リリースユニット4の中央メモリ5内ではより長く使用不可能なままである。
【0019】
実施形態2
図2に概略的に示す例示的な実施形態による電子セキュリティシステムは、4つのポータブル電子コントローラ1と、それらによって制御可能な1つの電子リリースユニット4とを備える。これにより、1つの電子リリースユニット4、例えばドアロックを4つのポータブル電子コントローラ1で制御することが可能になる。ポータブル電子コントローラ1は、USB接点として設けられた接続接点13を備えた外部フラッシュディスクの形態を有する。これらは、割り当てられたワンタイム制御コード3が記憶された内部メモリ2を装備し、それらのブートトラック内に同時に記録されたそのデータサイズ、製造番号および製造日が、これらのポータブル電子コントローラ1の識別子10を表す。電子リリースユニット4は、4つすべてのポータブル電子コントローラ1の接続接点13に接続されるように適合されたUSB接点の形態も有する起動接点14を装備している。これは、さらに、4つのメモリセグメント9に分割された中央メモリ5を装備しており、各メモリセグメント9は、ポータブル電子コントローラ1のうちの1つのために設けられている。これらのメモリセグメント9内には、割り当てられたポータブル電子コントローラ1の識別子10のデータが記憶され、それらとは別個に、バックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8も記憶される。電子リリースユニット4は、さらに、アクチュエータ7と、制御プロセッサ6であって、中央メモリ5およびアクチュエータ7の両方に有線で接続され、電子リリースユニット4の起動接点14およびポータブル電子コントローラ1の接続接点13を介してそれらの内部メモリ2にも接続される、制御プロセッサとを備える。制御プロセッサ6は、それらのメモリセグメント9のうちの1つに、使用されるポータブル電子コントローラ1に属する識別子10のデータが記憶されている場合にのみ、電子セキュリティシステムを起動するようにプログラムされている。制御プロセッサ6は、さらに、このようにして識別されたメモリセグメント9内に、現在使用されているこのポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されているワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’も存在するかどうかをその後決定するようにプログラムされている。このような一致の場合、アクチュエータ7が動作する。同時に、制御プロセッサ6は、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を、接触されたメモリセグメント9内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8からの次のバックアップ用ワンタイム制御コード3’と置き換えるようにプログラムされる。電子リリースユニット4は、主電源(図示せず)からの電気によって給電される。
【0020】
本実施形態における電子セキュリティシステムを動作させるとき、ポータブル電子コントローラ1のうちの1つの接続接点13は、電子リリースユニット4の起動接点14に差し込まれる。これにより、通信回路が閉じられ、制御プロセッサ6、使用されるポータブル電子コントローラ1の関連する内部メモリ2、および同時に、電子リリースユニット4の中央メモリ5のメモリセグメント9の間に通信が確立される。制御プロセッサ6によって、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に含まれる識別子10の識別データが、メモリセグメント9のうちの1つ内に記憶されているかどうかが同時に最初に判明する。そうでない場合、通信は終了する。そうである場合、このように識別されたメモリセグメント9内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8内に、使用されるポータブル電子コントローラ1のワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’もあるかどうかをさらにチェックする。そうでない場合、通信は終了する。このチェックの結果も肯定的である場合、制御プロセッサ6は、アクチュエータ7にコマンドを送信し、アクチュエータ7は、提供されたアクションを実行する。同時に、次に続くバックアップ用ワンタイム制御コード3’が、接触されたメモリセグメント9内に記憶されたセット8からコピーされ、このコードのコピーは、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を置き換えるために使用される。使用されたばかりのバックアップ用ワンタイム制御コード3’の使用の記録は、電子リリースユニット4の関連するメモリセグメント9内に、制御プロセッサ6によって行われる。
【0021】
実施形態3
本発明による電子セキュリティシステムの別の好ましい実施形態は、
図3に示すようなポータブル電子コントローラ1を使用することからなり、その内部メモリ2は、有利にはPINコードの形態のブロッキングコード11を装備し、このブロッキングコード11を入力するように適合され、優先的にはポータブル電子コントローラ1の外側に配置されたキーパッドの形態のアンブロッカ12は、それらのブロック解除のために使用される。ブロッキングコード11のブロック解除は、それを知る唯一のユーザであるユーザがアンブロッカ12にブロッキングコードを入力するようにポータブル電子コントローラ1の使用のたびに実行され、ポータブル電子コントローラ1が紛失または盗難の場合でも不正使用されるのを防ぐ。したがって、この実施形態では、電子セキュリティシステムは、最大のセキュリティレベルを達成する。ブロッキングコード11はまた、ポータブル電子コントローラ1の識別子10の一部であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明による電子セキュリティシステムは、非常に広範囲の用途を有する。建物および部屋のドアの従来の機械的または電気機械的ロックから始まり、金庫および銀行の金庫、軍事および他の厳格に保護された対象物のロック機構を介して、銀行口座へのアクセスに至る。これは、不正者のアクセスから何かを保護すべき場所であればどこでも使用することができる。これはまた、より高度な方法で個人身分証明書カードまたは同様の身分証明書の最新バージョンさえも置き換え得る、人の識別システムを導入するために使用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ポータブル電子コントローラ
2 内部メモリ
3 ワンタイム制御コード
3’ バックアップ用ワンタイム制御コード
4 電子リリースユニット
5 中央メモリ
6 制御プロセッサ
7 アクチュエータ
8 バックアップ用ワンタイム制御コードのセット
9 メモリセグメント
10(ポータブル電子コントローラ)の識別子
11 ブロッキングコード
12 アンブロッカ
13 接続接点
14 起動接点
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に最大レベルのセキュリティを必要とする対象物のロックをロックおよびロック解除するために提供される電子セキュリティシステムに関し、電子セキュリティシステムは、ワンタイム制御コードを記憶するための内部メモリを有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラと、少なくとも1つの電子リリースユニットであって、バックアップ用ワンオフ制御コードを記憶するための中央メモリと、制御プロセッサと、ロックおよびロック解除アクチュエータとをそれぞれ有する少なくとも1つの電子リリースユニットと、を備える。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子ロックをロック位置からロック解除位置にするためのワンタイムリリースコードを生成する方法を開示している。この方法の原理は、ロックをロック解除するために電子ロックのメモリに記憶されたリリースコードを使用した直後に、暗号化アルゴリズムの使用および暗号化キーの適用によるその暗号化によって、新しい使用可能なリリースコードが生成され、新しいリリースコードは、電子キーのメモリ内の古いリリースコードの位置を占有するが、新しいリリースコードはまた、ロックのメモリ内に記憶されなければならず、ロックの次のロック解除に使用されることである。ロックのすべてのロック解除に新しい解除コードが利用可能であるという事実により、このロックは、高いセキュリティレベルを達成する。しかし、その欠点は、比較的高い構造的複雑さであり、新しいリリースコードを生成するために暗号化アルゴリズムおよび暗号化キーが必要である。別の欠点は、電子キーの紛失または盗難の場合、それが不正者によって使用または不正使用される可能性があることである。このシステムはまた、不正者が新たに生成されたリリースコードの暗号化アルゴリズムを明らかにすることに成功した場合にも不正使用される可能性がある。この発明の主題は、リリースコードを生成するための方法であるが、それを使用するには、各ロックがそれ自体のキーを有さなければならず、すなわち、1つのキーに複数のキーが必要である場合、または複数のロックを制御するために1つのキーを使用する必要がある場合には使用できないことは明らかである。
【0003】
特許文献2は、ハードウェアおよびソフトウェアマスターキーを使用してマルチレベル認証を使用してアクセスを容易に作りだす方法を開示しており、このロックを操作するために各レベルで3種類のソフトウェアおよびハードウェアの使用を必要とする。各レベルにおいて各キー内に記憶されるコードは、常に不変である。キーおよびロックデバイスは、キーと、スタンドアロンロックとを備える。キーは、第1のメモリと第1の接点とを有する電子回路を有する。ロックは、第2のメモリ手段と、第1の接触手段と協働するように配置された第2の接触手段とを有する電子回路を有する。また、認証されたキーがロックに挿入されない限り、ロックの動作をブロックするように適合されたブロッキング機構が存在する。キーのメモリは、同一のメカニカルコードを有するキーのグループを識別するキーの公開識別項目を記憶する。ロックのメモリ内には、認証されたキーの公開識別項目および秘密識別項目のリストと、認証されないキーの公開識別項目のリストとが提供される。公開識別項目および秘密識別項目が認証されたキーのリスト内に存在し、その公開識別項目が、認証されないキーのリストに存在しない場合、キーは認証される。これにより、キーおよびロックデバイスを認証し、システムに新しいキーを追加する簡単で柔軟な方法が提供される。
【0004】
特許文献3は、暗号ロックと、ジェネレータを使用してコードを生成する方法とを開示している。この発明は、ロック本体とキー本体とを備える自律ランダム動的暗号文ロックシステムを提供する。ロック本体およびキー本体の両方にそれぞれ不揮発性メモリがあり、各メモリは、対応する暗号文のセットを記憶する。ロック解除時、ロック本体内のマイクロプロセッサは暗号文をチェックする。一致する場合、ロックはロック解除され、別様ではアラームを止める。ロック解除後、マイクロプロセッサは、次にロック解除するために両方のメモリ内の対応する実ランダム暗号文のセットを更新する。これは、毎回1つの暗号化機能を達成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011103134号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/028298号明細書
【特許文献3】米国特許第6415386号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題は、主電源および/または自律電源からの電気によって給電され、特に対象物のロックをロックおよびロック解除するために設けられた電子セキュリティシステムであり、電子セキュリティシステムは、ワンタイム制御コードを記憶するための内部メモリを有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラと、ポータブル電子コントローラとは別個に配置された電子リリースユニットであって、中央メモリと、ポータブル電子コントローラの内部メモリと電子リリースユニットの中央メモリとの機能的通信のための制御プロセッサと、同様に本システムのアクチュエータとを備える、電子リリースユニットとを備える。本発明の重要な点は、各電子リリースユニットの中央メモリ内に、バックアップ用ワンタイム制御コードのセットが記憶され、バックアップ用ワンタイム制御コードのセットは、1つの特定のポータブル電子コントローラに排他的に割り当てられ、その制御プロセッサは、バックアップ用ワンタイム制御コードのセット内のバックアップ用ワンタイム制御コードとワンタイム制御コードとをペアリングして、その後、バックアップ用ワンタイムコードのセット内に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合にアクチュエータを動作させ、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用済みワンタイム制御コードを、電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたそれらのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされるという事実にある。このシステムの制御プロセッサは、電子リリースユニットの中央メモリおよびアクチュエータの両方に、また、ポータブル電子コントローラの内部メモリにも、有線または無線で接続される。この内部メモリへの制御プロセッサの有線(接触)接続は、電子リリースユニットの起動接点およびポータブル電子コントローラの接続接点によって実施可能である。
【0008】
電子セキュリティシステムが1つのポータブル電子コントローラによって制御可能な多数の電子リリースユニットを備える場合、このポータブル電子コントローラに割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの同一のセットは、それらの中央メモリ内に常に記憶される。これらの電子リリースユニットの制御プロセッサは、ポータブル電子制御装置が接触する電子リリースユニットのバックアップ用ワンタイム制御コードのセット内で、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合に、それらのアクチュエータを動作させ、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用済みワンタイム制御コードを、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたバックアップ用ワンタイムコードのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされる。
【0009】
別の場合には、2つ以上のポータブル電子コントローラで1つまたは複数の電子リリースユニットを制御することが意図される場合、これらの電子リリースユニットの中央メモリは、それらを制御するために設けられたポータブル電子コントローラの数に等しい数のメモリセグメントに分割される。関連する電子リリースユニットのメモリセグメントのうちの1つは、これらのポータブル電子コントローラの各々に割り当てられ、前記1つのポータブル電子コントローラに排他的に割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、前記メモリセグメント内に記憶される。制御プロセッサは、この特定の電子リリースユニットのこの特定のメモリセグメント内に、使用されるポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが存在する場合にアクチュエータを動作させ、このポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用されたばかりのワンタイム制御コードを、接触されたリリースユニットの使用されたメモリセグメント内に記憶されたセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるようにプログラムされる。
【0010】
全体としての電子セキュリティアセンブリおよびそれらの物理的に分離された部品としての電子リリースユニットの上述の構造的配置は、比較的単純で費用効率が高いが、特に非常に効果的で安全なセキュリティデバイスを作りだすことを可能にする。ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶された制御コードのワンタイム利便性、および、ヒューマンファクタとは無関係に動作する、関連する電子リリースユニットの中央メモリ内、またはその関連するメモリセグメント内に記憶されたこれらのコードのセットからのこれまで使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えられる制御コードのワンタイム利便性は、ワンタイム制御コードを置き換えるバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーがこの使用されたばかりのワンタイム制御コードから生成されないので、ワンタイム制御コードが別の方法でコピーまたは不正使用されることからの完璧な保護を保証し、したがって、このバックアップ用ワンタイム制御コードは、いかなる方法でもこのワンタイム制御コードに依存せず、したがって、いかなる方法でも追跡、復号または計算することはできない。実用的な観点から、本発明による電子セキュリティシステムの重要な利点の1つは、1つのポータブル電子コントローラでより多くの電子リリースユニットを制御すること、または逆に、複数のポータブル電子コントローラをその複数のユーザのために1つの電子リリースユニットに割り当てることも可能にすることである。しかし、本発明による電子セキュリティシステムの利点は、特に、複数のポータブル電子コントローラを複数の電子リリースユニットに同じおよび異なるアクセスオプションで割り当てることを可能にすることを含む。
【0011】
本発明による電子セキュリティシステムのセキュリティレベルのさらなる改善は、ポータブル電子コントローラの内部メモリが、このポータブル電子コントローラに排他的に属する識別データを有する独自の識別子を備え、これらの識別データが同時に電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶され、このポータブル電子コントローラにこれも排他的に属するバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、識別データとは別に記憶されるという事実によって達成される。このようにして考えられた電子セキュリティシステムの制御プロセッサは、アクチュエータを動作させ、使用済みワンタイム制御コードをバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えることに加えて、ポータブル電子コントローラの内部メモリおよび電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶された識別子の識別データの整合性の検証に基づいて、電子リリースユニットと通信するために使用されるポータブル電子コントローラの認証を最初に検証するようにもプログラムされている。1つのポータブル電子コントローラによって制御される複数のリリースユニットの場合、その識別子のデータは、これらの電子リリースユニットの各々の中央メモリ内に記憶される。1つまたは複数の電子リリースユニットを制御するように意図された複数のポータブル電子コントローラの場合、これらの電子リリースユニットの中央メモリは、これらを制御するために設けられたポータブル電子コントローラの数に対応する数のセグメントに分割される。次いで、特定のポータブル電子コントローラの識別子の識別データは、メモリセグメント内にこれも記憶されているバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットとは別に、関連する電子リリースユニット、またはより多く存在する場合には複数の関連する電子制御ユニットの、そのポータブル電子コントローラに割り当てられたメモリセグメント内に記憶される。
【0012】
本発明による電子セキュリティシステムの最も重要であり、事実上唯一のセキュリティリスクである盗難または紛失によって、不正者がポータブル電子コントローラを使用することを回避するために、ポータブル電子コントローラの内部メモリにブロッキングコードを装備することができ、アンブロッカへのブロッキングコードの入力によるブロック解除無しに、ポータブル電子コントローラは、電子リリースユニットとの通信を確立することができず、その結果、そのアクチュエータを作動させることができない。次いで、このブロッキングコードのアンブロッカをポータブル電子コントローラの手動部分に設置することができる。ポータブル電子コントローラのブロッキングコードは、好ましくはPINコードであってもよく、そのアンブロッカは、このPINコードを入力するように適合されたキーパッドである。この追加のセキュリティ要素の導入は、ポータブル電子コントローラの紛失または盗難の場合であっても、本発明による電子セキュリティシステムを実質的に強力にする。
【0013】
本発明による電子セキュリティシステムの重要な利点はまた、相互に異なるバックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセットが、電子メモリ、この場合は電子リリースユニットの中央メモリ、またはその後ポータブル電子コントローラの内部メモリにも登録することができる任意の数の任意の文字から構成される英数字コードのセットを含むことができることである。したがって、制御コードの構成は、バイナリまたは他の数値システムの文字のみに限定される必要はなく、数字の他に、すべての既存のアルファベットの文字、句読点、または電子メモリに書き込むことができる他の文字を使用することもできる。これは、様々な文字の実質的に無制限の数の組み合わせ、したがってほぼ無制限のサイズのバックアップ用ワンタイム制御コードのセットを作りだす可能性を提供する。
【0014】
アクチュエータを作動させるあらゆる試みにおいて、本発明による電子セキュリティシステムは、特に制御プロセッサの対応するプログラミングに基づいて実現される個々のステップを特徴とする。1つまたは複数の電子リリースユニット用の1つのポータブル電子コントローラを備える電子セキュリティシステムの場合、ステップは以下の通りである:
-ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の通信をそれらの接触または非接触接続を介して確立することによって電子セキュリティシステムを起動する。
-電子リリースユニットの中央メモリ内に、または複数のユニットの場合、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット内に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されたワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードがあるかどうかを判定する。ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の接触通信方法の場合、この決定は、制御プロセッサによって、すなわち、接続接点および起動接点を介して提供される電気信号の直接経路によって実現される。ポータブル電子コントローラと電子リリースユニットとの間の非接触通信方法の場合、この決定は、ポータブル電子コントローラから、接触された電子リリースユニットにワンタイム制御コードを送信するために使用される無線、光学、または音響信号を電気信号に変換することによって可能になる。
-前のステップにおいて、使用済みポータブル電子コントローラのワンタイム制御コードと、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたこれらのコードのセット内のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードとの間で一致が見つかった場合、アクチュエータが所定の動作を実行するためのコマンドが、制御プロセッサを介して発行される。アクチュエータの起動を引き起こすペアリングの肯定的な結果は、既に使用されている特定のワンタイムコードになり、このコードはもはや使用することができない。アクチュエータの作動は、電子セキュリティシステムのリリース、例えば対象物のロックのロック解除につながる。
【0015】
同時に、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内の使用されたばかりのワンタイム制御コードを、接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に記憶されたこれらのコードのセットからの次のバックアップ用ワンタイム制御コードのコピーと置き換えるためのコマンドが、制御プロセッサによって発行される。接触された電子リリースユニットの中央メモリ内に位置するそれらのセットからのバックアップ用ワンタイム制御コードのこのコピーは、ポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されることによって、その新しいワンタイム制御コード、すなわち1回だけ使用することができるコードになり、電子リリースユニットの中央メモリ内のバックアップ用ワンタイム制御コードのセットは、1回だけ使用することができるこれらの制御コードのいくつかのスタックを表す。
【0016】
電子リリースユニットが複数のポータブル電子コントローラによって制御可能であり、電子リリースユニットの中央メモリ、または複数の電子リリースユニットが存在する場合には複数の電子リリースユニットの複数の中央メモリをメモリセグメントに対応して分割する場合、このプロセスは、メモリセグメント内で同じステップで進行し、そのバックアップ用ワンタイム制御のセット内には、使用されるポータブル電子コントローラの内部メモリ内に記憶されているワンタイム制御コードと同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コードが発見された。
【0017】
本発明は、図面を参照してより詳細にさらに明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】1つのポータブル電子コントローラと3つの電子リリースユニットとを備える例示的な実施形態における本発明によるシステムの図である。
【
図2】4つのポータブル電子コントローラと1つの電子リリースユニットとを備える例示的な実施形態における本発明によるシステムの図である。
【
図3】ブロッキングコードおよびそのブロック解除用のキーパッドを備えたポータブル電子コントローラを表す、本発明によるシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態1
図1に概略的に示す例示的な実施形態による電子セキュリティシステムは、1つのポータブル電子コントローラ1と3つの電子リリースユニット4とを備える。これは、1人が所有する3つの対象物、例えばアパート、オフィスおよびガレージのロックする(および当然ながらロック解除する)のための電子セキュリティアセンブリである。ポータブル電子コントローラ1は、内部メモリ2を有する外部フラッシュディスクを備え、内部にはワンタイム制御コード3が記憶され、そのブートトラック内に記憶されたサイズ、シリアル番号および製造日に関するデータは、同時にこのポータブル電子コントローラ1の識別子10を表す。特定の電子リリースユニット4は、中央メモリ5を備え、それらの各々内に、ポータブル電子コントローラ1の識別子10のデータと、それにのみ割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの同一のセット8とが、互いに別々に記憶される。これらの電子リリースユニットは、アクチュエータ7と、同一にプログラムされた制御プロセッサ6とをさらに装備する。制御プロセッサ6の各々は、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶された識別子10のデータと、関連する電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶された識別子のデータとの間で一致が見つかった場合、および接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に位置するバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8内に、それと同時に、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されたワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’が位置する場合、これに割り当てられたアクチュエータ7を動作させるようにプログラムされる。制御プロセッサ6の各々はまた、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を、その関連するアクチュエータ7が作動し始めた場合に、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8からの次のワンタイム制御コード3’のコピーと置き換えるようにプログラムされる。ポータブル電子コントローラ1は接続接点13を備え、各電子制御ユニット4は起動接点14を備える。すべての電子リリースユニット4の起動接点14は、ポータブル電子コントローラ1の接続接点13(USB接点)への相互機械的接続に構造的に適合されており、これにより、ポータブル電子コントローラ1と、中央メモリ5およびアクチュエータ7の両方に有線方式で接続されている制御プロセッサ6を有する個々の電子リリースユニット4との間の直接(接触)通信接続が可能になる。電子リリースユニット4は、主電源(図示せず)からの電気によって給電される。
【0020】
この実施形態における電子セキュリティシステムの動作時に、ポータブル電子コントローラ1の接続接点13は、どの対象物がロック解除される必要があるかに応じて、最初に電子制御ユニット4のうちの1つの起動接点14に差し込まれる。上記のこの動作は、通信回路を閉じ、関連する電子リリースユニット4の制御プロセッサ6、その中央メモリ5、およびポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2の間で電子通信が確立される。関連する制御プロセッサ6によって、まず、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に含まれる識別子10のデータが、接触された電子制御ユニット4の中央メモリ5内に記憶されたそのデータと同一であるかどうかが判明する。この動作により、ポータブル電子コントローラ1の認証された使用であるか否かが検証される。これらが一致することが判明した場合、関連する制御プロセッサ6は、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されたワンタイム制御コード3が、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8に含まれるまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’と同一であるかどうかを検証するためにさらに使用される。そのようなまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’がそれらの関連するセット8内で見つかった場合、制御プロセッサ6は、それによって制御されるアクチュエータ7に信号を送り、アクチュエータ7はその後、所定のリリースアクションを実行する。同時に、関連する制御プロセッサ6によって、接触された電子リリースユニット4の中央メモリ5内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8から、次のバックアップ用ワンタイム制御コード3’が選択され、そのコピーは、ポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3と置き換えるために使用される。ここで、バックアップ用ワンタイム制御コード3’のこのコピーは、その後のワンタイム使用に備えた新たなワンタイム制御コード3となる。関連する制御プロセッサ6によって、使用されたばかりのバックアップ用ワンタイム制御コード3’の使用の記録が、関連する電子リリースユニット4の中央メモリ5内で行われる。この一度使用されたバックアップ用ワンタイム制御コード3’は、これが、残りの電子リリースユニット4の中央メモリ5内では使用されなかったという事実にも関わらず、ワンタイム制御コード3と置き換えるために2度使用することはできず、そのような使用の記録無しに中央メモリ内に留まる。この電子セキュリティシステムのさらなる動作のために、このバックアップ用ワンタイム制御コード3’は、それらの残りの電子リリースユニット4の中央メモリ5内ではより長く使用不可能なままである。
【0021】
実施形態2
図2に概略的に示す例示的な実施形態による電子セキュリティシステムは、4つのポータブル電子コントローラ1と、それらによって制御可能な1つの電子リリースユニット4とを備える。これにより、1つの電子リリースユニット4、例えばドアロックを4つのポータブル電子コントローラ1で制御することが可能になる。ポータブル電子コントローラ1は、USB接点として設けられた接続接点13を備えた外部フラッシュディスクの形態を有する。これらは、割り当てられたワンタイム制御コード3が記憶された内部メモリ2を装備し、それらのブートトラック内に同時に記録されたそのデータサイズ、製造番号および製造日が、これらのポータブル電子コントローラ1の識別子10を表す。電子リリースユニット4は、4つすべてのポータブル電子コントローラ1の接続接点13に接続されるように適合されたUSB接点の形態も有する起動接点14を装備している。これは、さらに、4つのメモリセグメント9に分割された中央メモリ5を装備しており、各メモリセグメント9は、ポータブル電子コントローラ1のうちの1つのために設けられている。これらのメモリセグメント9内には、割り当てられたポータブル電子コントローラ1の識別子10のデータが記憶され、それらとは別個に、バックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8も記憶される。電子リリースユニット4は、さらに、アクチュエータ7と、制御プロセッサ6であって、中央メモリ5およびアクチュエータ7の両方に有線で接続され、電子リリースユニット4の起動接点14およびポータブル電子コントローラ1の接続接点13を介してそれらの内部メモリ2にも接続される、制御プロセッサとを備える。制御プロセッサ6は、それらのメモリセグメント9のうちの1つに、使用されるポータブル電子コントローラ1に属する識別子10のデータが記憶されている場合にのみ、電子セキュリティシステムを起動するようにプログラムされている。制御プロセッサ6は、さらに、このようにして識別されたメモリセグメント9内に、現在使用されているこのポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に記憶されているワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’も存在するかどうかをその後決定するようにプログラムされている。このような一致の場合、アクチュエータ7が動作する。同時に、制御プロセッサ6は、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を、接触されたメモリセグメント9内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードの関連するセット8からの次のバックアップ用ワンタイム制御コード3’と置き換えるようにプログラムされる。電子リリースユニット4は、主電源(図示せず)からの電気によって給電される。
【0022】
本実施形態における電子セキュリティシステムを動作させるとき、ポータブル電子コントローラ1のうちの1つの接続接点13は、電子リリースユニット4の起動接点14に差し込まれる。これにより、通信回路が閉じられ、制御プロセッサ6、使用されるポータブル電子コントローラ1の関連する内部メモリ2、および同時に、電子リリースユニット4の中央メモリ5のメモリセグメント9の間に通信が確立される。制御プロセッサ6によって、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内に含まれる識別子10の識別データが、メモリセグメント9のうちの1つ内に記憶されているかどうかが同時に最初に判明する。そうでない場合、通信は終了する。そうである場合、このように識別されたメモリセグメント9内に記憶されたバックアップ用ワンタイム制御コードのセット8内に、使用されるポータブル電子コントローラ1のワンタイム制御コード3と同一のまだ使用されていないバックアップ用ワンタイム制御コード3’もあるかどうかをさらにチェックする。そうでない場合、通信は終了する。このチェックの結果も肯定的である場合、制御プロセッサ6は、アクチュエータ7にコマンドを送信し、アクチュエータ7は、提供されたアクションを実行する。同時に、次のバックアップ用ワンタイム制御コード3’が、接触されたメモリセグメント9内に記憶されたセット8からコピーされ、このコードのコピーは、使用されるポータブル電子コントローラ1の内部メモリ2内の使用されたばかりのワンタイム制御コード3を置き換えるために使用される。使用されたばかりのバックアップ用ワンタイム制御コード3’の使用の記録は、電子リリースユニット4の関連するメモリセグメント9内に、制御プロセッサ6によって行われる。
【0023】
実施形態3
本発明による電子セキュリティシステムの別の好ましい実施形態は、
図3に示すようなポータブル電子コントローラ1を使用することからなり、その内部メモリ2は、有利にはPINコードの形態のブロッキングコード11を装備し、このブロッキングコード11を入力するように適合され、優先的にはポータブル電子コントローラ1の外側に配置されたキーパッドの形態のアンブロッカ12は、それらのブロック解除のために使用される。ブロッキングコード11のブロック解除は、それを知る唯一のユーザであるユーザがアンブロッカ12にブロッキングコードを入力するようにポータブル電子コントローラ1の使用のたびに実行され、ポータブル電子コントローラ1が紛失または盗難の場合でも不正使用されるのを防ぐ。したがって、この実施形態では、電子セキュリティシステムは、最大のセキュリティレベルを達成する。ブロッキングコード11はまた、ポータブル電子コントローラ1の識別子10の一部であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明による電子セキュリティシステムは、非常に広範囲の用途を有する。建物および部屋のドアの従来の機械的または電気機械的ロックから始まり、金庫および銀行の金庫、軍事および他の厳格に保護された対象物のロック機構を介して、銀行口座へのアクセスに至る。これは、不正者のアクセスから何かを保護すべき場所であればどこでも使用することができる。これはまた、より高度な方法で個人身分証明書カードまたは同様の身分証明書の最新バージョンさえも置き換え得る、人の識別システムを導入するために使用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 ポータブル電子コントローラ
2 内部メモリ
3 ワンタイム制御コード
3’ バックアップ用ワンタイム制御コード
4 電子リリースユニット
5 中央メモリ
6 制御プロセッサ
7 アクチュエータ
8 バックアップ用ワンタイム制御コードのセット
9 メモリセグメント
10(ポータブル電子コントローラ)の識別子
11 ブロッキングコード
12 アンブロッカ
13 接続接点
14 起動接点
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源および/または自律電源からの電気によって給電され、特に対象物のロックをロックおよびロック解除するために提供される電子セキュリティシステムであって、ワンタイム制御コード(3)を記憶するための内部メモリ(2)を有する少なくとも1つのポータブル電子コントローラ(1)と、前記ポータブル電子コントローラ(1)とは別個に配置された少なくとも1つの電子リリースユニット(4)であって、中央メモリ(5)と、制御プロセッサ(6)と、前記システムのアクチュエータ(7)とを有する、電子リリースユニット(4)とを備える、電子セキュリティシステムにおいて、
関連する前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた前記ポータブル電子コントローラ(1)
のそれぞれに割り当てられたバックアップ用ワンタイム制御コードの
固有のセット(8)が、各電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に記憶され、
前記システムの前記制御プロセッサ(6)が、
前記バックアップ用ワンタイム制御コードのセット(8)で検索することによって、前記ワンタイム制御コード(3)と前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記セット(8)内のバックアップ用ワンタイム制御コード(3’)とをペアリングし、その後前記アクチュエータ(7)を動作させ、前記ポータブル電子コントローラ(1)の前記内部メモリ(2)内の使用済み前記ワンタイム制御コード(3)を前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記セット(8)からの次の前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)のコピーと置き換え、
関連する前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内の使用されたばかりの前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)の使用を記録して、1回使用した前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)が2回目に使用されるのを防止するようにプログラムされ、
前記制御プロセッサ(6)が、前記中央メモリ(5)および前記アクチュエータ(7)の両方ならびに前記内部メモリ(2)にも通信可能に接続され、
前記制御プロセッサ(6)との接触接続は、前記電子リリースユニット(4)の起動接点(14)および前記ポータブル電子コントローラ(1)の接続接点(13)によって実現可能であることを特徴とする、電子セキュリティシステム。
【請求項2】
1つの前記ポータブル電子コントローラ(1)によって制御される2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の場合、前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)の同一のセットが、2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に常に記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた2つ以上の前記ポータブル電子コントローラ(1)の場合、前記電子リリースユニット(4)の各々の前記中央メモリ(5)が、前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた前記ポータブル電子コントローラ(1)の数に等しい数のメモリセグメント(9)に分割され、
前記電子リリースユニット(4)の前記メモリセグメント(9)のうちの1つが、前記ポータブル電子コントローラ(1)の各々に割り当てられ、
前記メモリセグメント(9)内には、1つの前記ポータブル電子コントローラ(1)に排他的に割り当てられた前記バックアップ用ワンタイム制御コードの固有のセット(8)が記憶されることを特徴とする、請求項1に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項4】
各ポータブル電子コントローラ(1)の前記内部メモリ(2)が独自の識別子(10)をさらに備え、
特定の前記ポータブル電子コントローラ(1)に排他的に属する、前記識別子(10)の識別データもまた、前記バックアップ用ワンタイム制御コードのセット(8)とは別個に、前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内に記憶され、
前記システムの前記制御プロセッサ(6)が、前記識別子(10)の前記データと前記中央メモリ(5)内に記憶された前記データとを最初にペアリングするようにプログラムされており、
同一の前記ポータブル電子コントローラ(1)によって制御される2つ以上の前記電子リリースユニット(4)の場合、前記識別子(10)の前記データはすべての前記電子リリースユニット(4)の中央メモリ(5)内に記憶され、
少なくとも1つの前記電子リリースユニット(4)を制御するために設けられた2つ以上の前記ポータブル電子コントローラ(1)の場合、特定の前記ポータブル電子コントローラ(1)の前記識別子(10)のデータもまた、関連する前記電子リリースユニット(4)の前記ポータブル電子コントローラ(1)に割り当てられた前記メモリセグメント(9)内に記憶されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項5】
前記ポータブル電子コントローラ(1)が、ブロッキングコード(11)およびそのアンブロッカ(12)を装備していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【請求項6】
前記電子リリースユニット(4)の前記中央メモリ(5)内またはその特定の前記メモリセグメント(9)内に記憶された前記バックアップ用ワンタイム制御コードの前記固有のセット(8)の各々が、任意の数の任意の組合わせられた数字、アルファベット、句読点、および電子メモリ内にそれぞれ登録することができる他の文字から構成された複数の前記バックアップ用ワンタイム制御コード(3’)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子セキュリティシステム。
【国際調査報告】