(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】レーザ光センシング及びプロファイリングのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20240415BHJP
G01J 1/50 20060101ALI20240415BHJP
G01J 1/42 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G01J1/02 L
G01J1/50
G01J1/42 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561601
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022024053
(87)【国際公開番号】W WO2022217074
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523274230
【氏名又は名称】ラム フォトニクス インダストリアル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】アダムソン,パー
(72)【発明者】
【氏名】チンクイーノ,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ローソン,ジョーイ
(72)【発明者】
【氏名】ライドネル,ジョーダン
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AA11
2G065AB09
2G065AB20
2G065BA05
2G065BA24
2G065BA26
2G065BA29
2G065BC11
2G065BC13
2G065CA18
2G065DA05
(57)【要約】
レーザ光のプロファイルを決定するためのシステムは、ヒートスプレッダおよび熱電冷却器と熱の伝達を行うサーモクロミック液晶フィルム(TLCF)を有する検出器を含む。液晶フィルムは、受信したレーザ光によるフィルムの加熱がフィルムで検出可能な色応答を作成するようなサーモクロミック応答性を有する。本システムは、イメージセンサと、TECの動作電流を出力し、センサから画像を受信するように構成されるコントローラも含む。TLCFの温度応答帯域幅が狭すぎるため、単一のカラースポットで全ビームプロファイルを表示できない場合でも、本システムはTECの温度設定点を選択的に変化させてTLCFの定常状態温度を変化させ、受信ビームの全強度プロファイルを調べることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を検出するためのシステムであって、
一連の電気信号を提供するために動作可能なコントローラと、
高温側と低温側とを含む熱電冷却器であって、前記熱電冷却器は、前記コントローラから前記一連の電気信号を受信するために動作可能である、熱電冷却器と、
第1の表面と第2の表面とを含むヒートスプレッダであって、前記ヒートスプレッダは前記熱電冷却器と熱の伝達を行う、ヒートスプレッダと、
前記ヒートスプレッダとの熱の伝達を行い、前記レーザ光を受信するように構成される、感温構造と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ヒートスプレッダは、前記熱電冷却器の前記低温側に取り外し可能に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ヒートスプレッダの前記第2の表面と前記熱電冷却器の前記低温側との間の界面をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記界面は物理的接触によって画定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記界面は、前記ヒートスプレッダの前記第2の表面と前記熱電冷却器の前記低温側との間に配置された熱伝導性補助剤によって画定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱伝導性補助剤は熱伝導性化合物または熱伝導性シートを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記一連の電気信号は、前記熱電冷却器の前記低温側の一連の平衡温度に対応する、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記感温構造は、サーモクロミック応答により特徴付けられる感温シートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記感温シートは液晶フィルムを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記レーザ光は、ビーム経路によって画定され、前記システムは、前記ビーム経路から外れた位置に配置され、前記感温構造から反射された光を受信するように構成された光学センサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光学センサは、前記コントローラにデータを送信するように動作可能であり、前記データは、前記光センサで受信された光に対応する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記光学センサから前記データを受信し、前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記熱電冷却器に提供する前記一連の電気信号のうちの1つを選択するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
冷却面を備えるヒートスプレッダと、
前記ヒートスプレッダと熱の伝達を行い、レーザ光を受信するように構成される、感温構造と、
を備える、レーザ光検出器。
【請求項14】
前記感温構造が複数のサーモクロミック液晶フィルムを含む、請求項13に記載のレーザ光検出器。
【請求項15】
前記複数のサーモクロミック液晶フィルムの第1のサーモクロミック液晶フィルムは、前記冷却面の第1の部分に接する、第1のサーモクロミック液晶フィルムと、
前記複数のサーモクロミック液晶フィルムの第2のサーモクロミック液晶フィルムは、前記第1の部分に隣接する前記冷却面の第2の部分に接する、第2のサーモクロミック液晶フィルムと、
をさらに備える、請求項14に記載のレーザ光検出器。
【請求項16】
前記第1のサーモクロミック液晶フィルムは、第1の動作温度帯域によって特徴付けられ、前記第2のサーモクロミック液晶フィルムは、前記第1の動作温度帯域とは異なる第2の動作温度帯域によって特徴付けられる、請求項15に記載のレーザ光検出器。
【請求項17】
前記複数のサーモクロミック液晶フィルムの第3のサーモクロミック液晶フィルムは前記第1の部分に隣接する前記冷却面の第3の部分に接する、第3のサーモクロミック液晶フィルムと、
前記複数のサーモクロミック液晶フィルムの第4のサーモクロミック液晶フィルムは前記第2の部分および前記第3の部分に隣接する前記冷却面の第4の部分に接する、第4のサーモクロミック液晶フィルムと、
をさらに備える、請求項16に記載のレーザ光検出器。
【請求項18】
前記第3のサーモクロミック液晶フィルムは、前記第1の動作温度帯域と前記第2の動作温度帯域とは異なる第3の動作温度帯域によって特徴付けられ、前記第4のサーモクロミック液晶フィルムは、前記第1の動作温度帯域、前記第2の動作温度帯域および前記第3の動作温度帯域とは異なる第4の動作温度帯域によって特徴づけられる、請求項17に記載のレーザ光検出器。
【請求項19】
検出器のサーモクロミック界面で、ビーム強度プロファイルによって特徴付けられるレーザ光を受信するステップと、
前記検出器の温度設定点を選択するステップであって、前記温度設定点が前記サーモクロミック界面における平衡温度に対応する、ステップと、
前記サーモクロミック界面の画像を取り込むステップと、
前記画像から、前記ビーム強度プロファイルの少なくとも一部に対応する部分強度プロファイルを決定するステップと、
前記部分強度プロファイルを使用して、再構築されたビームプロファイルを組み立てるステップと、
前記再構築されたビームプロファイルが完全でない場合、
前記検出器の更新された温度設定点を選択するステップと、
前記サーモクロミック界面の追加画像を取り込むステップと、
前記追加画像から、追加の部分強度プロファイルを決定するステップと、
前記追加の部分強度プロファイルを使用して、前記再構築されたビームプロファイルを組み立てるステップと、
前記再構築されたビームプロファイルが完了したと判断するステップと、
前記再構築されたビームプロファイルを出力するステップと、
を備える方法。
【請求項20】
前記検出器が、前記サーモクロミック界面と熱の伝達を行う熱電冷却器を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サーモクロミック界面を可視スペクトルの光で照明するステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記更新された温度設定点を選択するステップは、前記画像に少なくとも部分的に基づく、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
検出器のサーモクロミック界面で、レーザ光を受信するステップと、
前記検出器の温度設定点を選択するステップであって、前記温度設定点が前記検出器の動作温度に対応する、ステップと、
前記サーモクロミック界面の画像を取り込むステップと、
前記画像から、光学系に対する前記レーザ光の電流アライメントに対応する1つまたは複数のパラメータを決定するステップと、
前記光学系に対して前記レーザ光の更新されたアライメントを得るため、前記レーザ光を少なくとも部分的に前記1つまたは複数のパラメータに基づいてアライメントするステップと、を備える方法。
【請求項24】
前記サーモクロミック界面は、サーモクロミック液晶フィルムを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記1つまたは複数のパラメータは、ビームプロファイル非対称性、ビーム非点収差、ビーム閉塞、ビーム収差、またはビームワンダを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記検出器の更新された温度設定点を選択するステップと、
前記サーモクロミック界面の追加画像を取り込むステップと、
前記追加画像から、前記更新されたアライメントに対応する1つまたは複数の更新されたパラメータを決定するステップと、
後続のアライメントを得るため、前記レーザ光をアライメントするステップと、
前記後続のアライメントの1つが最終的なアライメントに対応することを決定するステップと、
をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記最終的なアライメントが1つまたは複数の最終パラメータに対応する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記後続のアライメントの1つが前記最終的なアライメントに対応することを決定するステップは、前記1つまたは複数の更新されたパラメータのうちの少なくとも1つが、前記1つまたは複数の最終パラメータのうちの少なくとも1つと一致すると決定することを含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
[0001] 本出願は、2021年4月9日に出願された米国仮出願第63/172,871号の利益を主張し、その内容は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0002] レーザ光は、高いスペクトルコヒーレンスおよび狭いスペクトルプロファイルによって特徴付けられる。空間的にコヒーレントなレーザ光の場合、高濃度の領域に小さくて強いスポットを形成するために光を集束することができる。レーザ光の空間プロファイルと空間コヒーレンスは、他の光学特性の中でも焦点のエネルギー密度に影響を与える。
【0004】
[0003] レーザ光プロファイルを特徴付ける上でなされた進歩にもかかわらず、レーザ光センシングおよびプロファイリングに関連する改善された方法およびシステムに対する当技術分野の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004] 本発明の実施形態は、光学系内のレーザ光の検出に関する。より詳細には、いくつかの実施形態は、制御可能な冷却器と熱接触する感熱材料を使用するレーザ光の視覚的検出に有用な方法およびシステムを提供する。感熱構造または感熱界面と呼ぶことができる感熱材料は、例えば受信レーザ光によって局所加熱に応答して視覚的表示を提供するために使用することができる。この視覚的表示は、ビームスポットのプロキシとして使用でき、ビームプロファイルの特性を決定するために画像化することができる。制御可能な冷却器は、レーザ光による長時間の加熱による飽和や熱拡散を防ぐため、感熱界面での熱蓄積を制限するために使用できる。制御可能な冷却器によって提供される冷却を制御することにより、レーザ光検出システムは、レーザ光の二次元強度プロファイルの調整可能なスキャンを提供することができる。
【0006】
[0005] いくつかの実施形態において、感熱材料は、入射レーザ光によって生じる加熱に応答して、フィルム中に特徴的な色温度プロファイルを生成するサーモクロミック液晶フィルム(TLCF)であり得る。TLCFの動作応答帯域を、レーザ光によって引き起こされる加熱に関連する温度の範囲よりも狭い温度範囲に制限することができ、光が長期間にわたって検出器に入射し得るため、本発明の実施形態は、感熱材料における熱蓄積を緩和する技術を利用する。
【0007】
[0006] 本発明の実施形態によると、レーザ光を検出するためのシステムが提供される。本システムは、熱電冷却器を制御するための一連の電気信号を提供するために動作可能なコントローラを含む。熱電冷却器は、高温側と低温側を有する。本システムは、第1の表面および第2の表面を有するヒートスプレッダと、熱電冷却器と熱の伝達を行うヒートスプレッダも含む。ヒートスプレッダは、熱電冷却器の低温側に取り外し可能に結合することができる。本システムは、ヒートスプレッダとの熱の伝達における感温構造も含み、レーザ光を受信するように構成される。感温構造は、サーモクロミック応答により特徴付けられる感温シートであってもよい。感温シートは、液晶フィルムを含むことができる。
【0008】
[0007] ヒートスプレッダおよび熱電冷却器との間の熱の伝達は、ヒートスプレッダの第2の表面と熱電冷却器の低温側との間の界面によって達成され得る。一例において、界面は、物理的接触によって画定され得る。別の例において、界面は、ヒートスプレッダの第2の表面と熱電冷却器の低温側との間に配置された熱伝導性補助剤を含み得る。熱伝導性補助剤は、熱伝導性化合物や熱伝導性シートであってもよい。
【0009】
[0008] 本システムは、レーザ光を画定するビーム経路から外れた位置に配置される光学センサを含むこともできる。光学センサは、感温構造から反射された光を受信するように構成することができる。光学センサは、感温構造からの受信光に対応するコントローラにデータを送信するために動作可能であってもよい。コントローラは、送信されたデータを受信し、データに基づいて、熱電冷却器に提供する一連の電気信号の1つを選択するように構成されてもよい。
【0010】
[0009] 本発明の他の実施形態によると、レーザ光検出器が提供される。レーザ光検出器は、ヒートスプレッダと、ヒートスプレッダの冷却面と熱の伝達を行う感温構造とを含む。感温構造は、複数のTLCFを備えることができ、複数のTLCFの各TLCFは、動作温度帯域を有する。特定の実装形態において、感温構造は、複数のTLCFの第2のTLCFに隣接する複数のTLCFの第1のTLCFを有することができる。他の実装形態は、ヒートスプレッダの冷却面上にTLCFのグリッド、アレイ、または他の適切な配置を形成するために隣接して配置された3つ、4つ、またはそれ以上のTLCFを含むことができる。
【0011】
[0010] 本発明の具体的な実施形態によると、レーザ光を検出する方法が提供される。本方法は、検出器のサーモクロミック界面で、ビーム強度プロファイルによって特徴付けられるレーザ光を受信すること、検出器の温度設定点を選択すること、サーモクロミック界面の画像を取り込むこと、画像から、ビーム強度プロファイルの少なくとも一部に対応する部分強度プロファイルを決定すること、部分強度プロファイルを使用して再構築されたビームプロファイルを組み立てることを含む。本方法は、再構築されたビームプロファイルが完全であるかどうかを判断できる。本方法は、検出器の更新された温度設定点を選択すること、サーモクロミック界面の追加画像を取り込むこと、追加の画像から部分強度プロファイルを決定すること、追加の部分強度プロファイルを使用して再構築されたビームプロファイルを組み立てることも含む。再構築された完全なビームプロファイルが出力される。本方法は、可視スペクトルの光でサーモクロミック界面を照明することをさらに含み得る。
【0012】
[0011] 本発明の別の具体的な実施形態によると、光学系内でレーザ光をアライメントする方法が提供される。本方法は、検出器のサーモクロミック界面でレーザ光を受信し、検出器の温度設定点を選択することを含む。サーモクロミック界面は、サーモクロミック液晶フィルムを含むことができる。温度設定点は、検出器の動作温度に対応する。本方法は、サーモクロミック界面の画像を取り込み、その画像から、光学系に対するレーザ光の電流アライメントに対応する1つまたは複数のパラメータを決定することも含む。少なくとも部分的に1つまたは複数のパラメータに基づき、光学系に対するレーザ光のアライメントが更新される。1つまたは複数のパラメータは、ビームプロファイル非対称性、ビーム非点収差、ビーム閉塞、ビーム収差、またはビームワンダを含む。
【0013】
[0012] 本方法は、検出器の更新された温度設定点を選択すること、およびサーモクロミック界面の追加画像を取り込むことをさらに含むことができる。追加画像から、更新されたアライメントに対応する1つまたは複数の更新されたパラメータを決定することができる。本方法は、後続のアライメントを得るためにレーザ光をアライメントすること、および後続のアライメントの1つが最終的なアライメントに対応することを決定することも含む。最終的なアライメントは、1つまたは複数の最終パラメータに対応することができる。後続のアライメントの1つが最終的なアライメントに対応することを決定することは、1つまたは複数の更新されたパラメータのうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の最終パラメータのうちの少なくとも1つと一致することを決定することを含むことができる。
【0014】
[0013] 従来の技術に勝る本発明の方法によって多くの利益が達成される。従来のビームプロファイラは、通常、比較的壊れやすいCMOS、CCD、またはマイクロボロメータ検出器を含み、検出器の損傷を避けるため、CMOS、CCD、またはマイクロボロメータ検出器に入射する前に、CO2レーザ光などの高出力ビームの大幅な減衰が必要になる場合がある。ビームを減衰させるには追加の機器が必要になる場合があり、ビーム経路とビームプロファイルとのずれが発生する可能性がある。さらに、これらの検出器は、不適切に減衰したビームから生じた損傷の際の交換に高額な費用がかかる可能性がある。対照的に、TLCFおよび熱電冷却器(TEC)は比較的安価である。損傷したTLCFは容易に交換でき、TECは損傷することなく相当な熱電力を受け取り、ポンピングし、放散するように構成できる。本発明の実施形態によって提供される検出器の動作温度を選択することで、光学システムの追加構成なしに様々なレーザ光およびビーム強度をプロファイリングすることができる。例えば、ビームプロファイルを決定するために使用されるのと同じ検出器を使用して、レーザ光の様々な種類および出力のずれを迅速に検出および補正することもできる。従来のビームビューイングカードは、ビーム中心を見るための選択可能な温度制御と検出器材料内の熱拡散の制御を提供せず、ビーム中心でのみ見え得る光学効果の検出を妨げていた。本発明のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くと共に、以下の本文および対応する図と併せてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0014] 本開示の態様を、添付の図面を参照して以下により完全に説明するが、これらの図面は、本要約、詳細な説明、および具体的に議論されるか、または他の方法で開示される任意の好ましいおよび/または特定の実施形態の両方と併せて読まれることが意図される。しかしながら、様々な態様は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、例示としてのみ提供され、その結果、本開示は徹底的かつ完全であり、当業者に全範囲を完全に伝えるであろう。
【
図1】いくつかの実施形態による、熱電冷却器と熱の伝達を行うサーモクロミックフィルムを組み込んだレーザ光検出器の簡略化された斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、レーザ光を検出するためのシステムの概略図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、ビームの伝播方向に垂直な平面におけるレーザ光の強度を示す。
【
図3B】
図3Aに示されるレーザ光の一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
【
図4A】いくつかの実施形態による、初期温度で動作するレーザ光検出器のサーモクロミック界面上のビームスポットの説明図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、
図4Aに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
【
図4C】いくつかの実施形態による、初期温度よりも高い中間温度で動作するレーザ光検出器のサーモクロミック界面上のビームスポットの説明図である。
【
図4D】いくつかの実施形態による、
図4Cに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
【
図4E】いくつかの実施形態による、中間温度よりも高い最終温度で動作するレーザ光検出器のサーモクロミック界面上のビームスポットの説明図である。
【
図4F】いくつかの実施形態による、
図4Eに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
【
図5】
図3Bに示すレーザ光の強度プロファイルを再構築するために、
図4B、4D、および4Fに示す強度プロファイルの組み合わせを示すプロットのセットである。
【
図6】いくつかの実施形態による、ヒートスプレッダの表面に貼付された4つの異なるサーモクロミックシートの簡略図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、制御可能な冷却器に貼付されたサーモクロミック界面の画像を使用してレーザ光プロファイルを再構築する方法を示すフローチャートである。
【
図8】いくつかの実施形態による、サーモクロミック界面を有する検出器を使用して光学系内でレーザ光をアライメントする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0029]
図1は、いくつかの実施形態による、熱電冷却器と熱の伝達を行うサーモクロミックフィルムを組み込んだレーザ光検出器の簡略化された斜視図である。
図1に示すように、いくつかの実施形態によると、レーザ光検出器100は、熱電冷却器(TEC)104と熱の伝達を行うサーモクロミック液晶フィルム(TLCF)102を含むことができる。TLCF102は、外向きの面でレーザ光120を受信することができる。TLCFによって生じるビームの吸収は、TLCF102の一部の加熱を引き起こし、レーザ光120に対応するカラースポット122をもたらす。TLCF102は、熱伝導接着剤を介してヒートスプレッダ106の表面に貼付することができる。いくつかの実施形態において、TLCF102を表面に対して保持するように構成されたスプリングクリップ、ブラケット、クランプ、または他の拘束具のような機械的拘束(図示せず)を介し、TLCF102をヒートスプレッダ106に固定することができる。別のTLCFが必要な場合、機械的な拘束によりTLCF102を迅速に取り外し、交換することができる。いくつかの実施形態において、TLCF102は、感熱紙または、例えばロイコ染料または類似のサーモクロミック材料を含有する別のシートを含むサーモクロミック応答を示す他の感温構造によって置き換え可能である。
【0017】
[0030] 通常、TLCFは厚さ10~50μmの層に堆積されたマイクロカプセル化液晶インクで構成される。特徴的な最低温度Tminを下回ると、フィルムは可視スペクトルの波長を選択的に反射せず、吸収する背景に取り付けると黒く見える。Tminを超えると、フィルムは赤色の波長から始まり、温度が上昇するにつれて緑と青の波長を通って移り、選択的に光を反射し始める。特徴的な最高温度Tmaxでは、選択反射が停止する。その後、フィルムは再び黒く見える可能性がある。TminからTmaxまでの温度は、TLCFの動作温度帯域を画定できる。動作温度帯域は、第1の検出可能な赤色光成分が反射される温度と、第1の検出可能な青色光成分が反射される温度との間の範囲として交互に画定され得る。TminとTmaxの間の温度依存は、シグモイド関数、アークタンジェント関数、またはその他の応答関数によってモデル化することができ、TLCFはTminおよびTmaxの近傍で低下した温度分解能を示す一方で、範囲の中間の温度値に対してはほぼ線形応答性を有する。一般的に入手可能なTLCFは、薄いプラスチック基板上に液晶フィルムが堆積され、その上に第2の薄いプラスチック層を設けて、TLCF102用の柔軟なパッケージを作成する。基板は、ヒートスプレッダ106の冷却面を含む所望の場所にTLCF102を取り付けるための不透明なバッキング層および接着層をさらに含むことができる。
【0018】
[0031] レーザ光120は、その伝播方向を横切る平面内に光学強度プロファイルを有することができる。横断面は、レーザ光の伝播方向がz方向になるように、x-y平面にすることができる。強度プロファイルは、ガウスプロファイル、フラットトッププロファイル、高次横電磁(TEM)モードを含むモードプロファイル、またはその他の形状など、さまざまな形式をとることができる。強度プロファイルは、特定のレーザ、レーザアプリケーション、および/またはレーザ光が伝播する光学系に依存する可能性がある。例として、本明細書で論じるいくつかの実施形態は、
図3Aに示すような例示的なレーザ光120として、ガウスプロファイルを有するTEM
00モードビームを利用する。
【0019】
[0032] レーザ光がTLCF102に入射すると、TLCF102の加熱はレーザ光の入射から生じる。材料界面での吸収光のエネルギー堆積は、ビーム強度に比例する。TLCF102を加熱することで、レーザ光の強度プロファイルに比例するTLCF102の温度プロファイルをもたらし、対応するカラースポット122の作成をもたらすことができる。一般に、カラースポット122は入射光と同様の「プロファイル」を有するので、スポット122は
図3Aにグレースケールで描かれているのと同様のカラーグラデーションを有するが、TLCF内の熱伝導からの影響を含むことができるため、プロファイルのガウス特性が変化する。TLCFのサーモクロミック応答とそのカラーグラデーションの正確なキャリブレーション、およびTEC104を介した適切な熱管理により、TLCFの動作温度帯域の端近傍で熱拡散または非線形サーモクロミック応答などの効果が存在する場合にビームプロファイルを再構築できる。
【0020】
[0033] 再び
図1に戻ると、ヒートスプレッダ106は、熱伝導性プレート、例えば金属プレートであり得、外向きの冷却面および冷却面に対向する取り付け面とを備える。同様に、TEC104は、高温側と、高温側とは反対側の低温側とを含むことができる。ヒートスプレッダ106の取り付け面が、低温側のすべてまたは実質的にすべてを覆うように、TEC104の低温側にヒートスプレッダ106を取り付けることができる。TEC104の通常動作は、低温側から高温側に熱を伝達することである。ヒートスプレッダ106は熱伝導性であるため、TEC104の動作は、ヒートスプレッダ106からTEC104の高温側に熱を伝達することになる。いくつかの実施形態において、TEC104の低温側と一致することが示されているが、ヒートスプレッダ106はTEC104の端を越えて延び、TEC104の低温側よりも大きいヒートスプレッダ106の冷却面を作り出すことができる。ヒートスプレッダ106は、機械的圧縮、熱伝導性接着剤、はんだ取り付けなどを含む様々な方法でTEC104に接続することができる。機械的圧縮は、TEC104の端を越えて延びるヒートスプレッダ106の一部を通過し、バッキングマウント、例えばヒートシンク108のねじ穴と係合するねじ付きファスナ(図示せず)によって達成することができる。TEC104の低温側とヒートスプレッダ106との間の界面は、2つの構成要素間の表面接触を改善し、十分な熱伝達能力を確保するために、熱伝導性化合物または熱伝導性シートを含むことができる。いくつかの実施形態において、TLCF102と同様、ヒートスプレッダ106は、TLCF102を取り付けたヒートスプレッダを含み、ヒートスプレッダ106の迅速な取り外しと交換を可能にする機構を介してTEC104に取り付けることができる。この機構は、ヒートスプレッダ106を拘束し、係合中にTEC104の低温側に対して圧縮力を加えるように構成されたスプリングクリップ、ロックレバークリップ、または他の保持クリップを含むことができる。
【0021】
[0034] レーザ光120の強度に応じて、例えば、TLCF102に有意な熱エネルギーを堆積させない低強度レーザと併せて使用される場合、TEC104は、追加の受動的または能動的冷却機構なしで、高温側で十分な熱を放散することができてもよい。一部のレーザは、TLCF102でかなりの熱を生成し、TEC104の高温側から熱を放散するための追加の方法を必要とする。図示のように、放射フィンおよび/または他の熱放散構造を有する大きな熱伝導性ブロックであり得るヒートシンク108にTEC104を取り付けることができる。ヒートシンクのフィンを通して周囲空気を吹き付けて、ヒートシンク108からの放熱を増加させることにより、能動的な冷却を提供するためにヒートシンク108はファン110にさらに接続することができる。空気がフィン内に押し下げられ、次にヒートシンク108の側面から排出されるように、ファンはヒートシンク108の裏側から空気を供給するように配向される。
【0022】
[0035] 能動的冷却の他の方法が検討される。例えば、ヒートシンク108は、ヒートパイプまたは作動流体を含む他の構造が通過するサーマルブロックであり得、ヒートパイプが水冷却器、蒸気交換冷却器、ヒートポンプ、または他の外部冷却機構のような別の冷却機構に熱的に結合される。したがって、他の実施形態において、ヒートシンク108の液体(例えば、水)冷却は放熱仕様に応じて利用することができる。いくつかの実施形態において、特にレーザ光検出器100が光学系内に手動で配置される実施形態において、ヒートシンク108は、
図1に示すよりも著しく薄くなるように構成することができ、ファン110は、図示のように裏側ではなく、ヒートシンク108の片側に沿って取り付けられる。この構成において、ファン110は、ヒートシンク108のフィンを通してヒートシンク108の取り付け面を横切る方向に空気を吹き付けることができる。ファン110を側面に配置し、ヒートシンク108を薄くすることで、ファン110によって提供される能動的冷却を犠牲にすることなく、光学系内で手でより容易に操作可能な実質的により薄い検出器を実現することが出来る。
【0023】
[0036]
図2は、いくつかの実施形態によるレーザ光を検出するためのシステムの概略図である。
図2に示すように、システム200は検出器201を含むことができる。検出器201は、
図1においてレーザ光検出器100として実装することができ、感温構造202と、ヒートスプレッダ206と、TEC204と、ヒートシンク208とを含むことができる。これらの構成要素は、
図1を参照して説明される検出器100の対応する要素に類似し得る。例えば、感温構造202はTLCF102として実装されてもよく、ヒートスプレッダ206はヒートスプレッダ106に類似していてもよく、TEC204はTEC104に類似していてもよく、ヒートシンク208はヒートシンク108に類似していてもよい。TEC204は、高温側と、高温側とは反対側の低温側とを含むことができる。検出器201は、感温構造202の表面でレーザ光220を受信するように構成することができる。この表面は、検出器201のセンシング界面とすることができる。
【0024】
[0037] TEC204は、TEC204のための電源を含むことができるコントローラ230に接続することができる。電源は、安定し選択された電流を含む電気信号をTEC204に出力して、低温側から高温側への熱の伝達を可能にする制御可能なDC電流源であり得る。選択された各電流は、TEC全体の熱伝達率に対応する。すなわち、選択された電流が大きいほど、TECの低温側がより低い定常状態(例えば、平衡状態)温度を達成するように、熱伝達率が増加する。したがって、TECの低温側に強力な熱源がない場合、選択された各電流は低温側を特定の定常状態温度に到達させ、より高い電流は低温側でより低い温度に対応する。定常状態温度は、検出器201の動作温度であり得る、感温構造202は、ヒートスプレッダ206および熱伝導性化合物または熱伝導性シートのような任意の中間熱伝導性補助剤を介してTEC204の低温側と熱の伝達を行うため、検出器201の動作温度は、熱源がない場合の感温構造202の定常状態温度となる。
【0025】
[0038] レーザ光220が感温構造202に入射すると、構造は、レーザ光の直径に対応する領域において局所的に加熱されることになる。次に、局所的に加熱された領域は、感温構造202上にカラースポットを作り出すことができる。上からの例を続けると、レーザ光220は、ガウシアンビームプロファイルを有するレーザ光であり得る。ガウシアンビームは、その伝播方向を横切る平面全体でゼロ以外の強度を持ち得るが、レーザ光の強度のほとんどは、ガウシアンビームの有限で識別可能な直径内に閉じ込められる。この直径は、半値全幅(FWHM)強度、1/e2直径(すなわち、ビームウエスト)、または他の一般的に画定されたビーム直径に対応することができる。所与の動作温度に対して、ビーム径の外側領域におけるビーム強度は、感温構造を最低動作温度Tmin以上に加熱するには不十分であり得る。ただし、ビームの中心での加熱に起因し、熱拡散効果がビーム径外の領域での加熱を引き起こし得る。これらの場合、TEC204への入力電流を介した動作温度の制御は、感温構造202の平面から離れる十分な熱伝達を提供することによって拡散を制限することができる。
【0026】
[0039] いくつかの実施形態において、システム200は、検出器201の感温構造202において生じるカラースポットを記録するカメラ232または他の画像システムを含むことができる。カメラ232は、カラーRGB画像センサを含むことができ、レーザ光220のビーム経路から離れた位置に配置することができる。画像センサは、CCDまたはCMOSセンサおよび/または他の光センサを含むいくつかの既知のセンサのいずれかであり得る。カメラ232をコントローラ230に接続して、コントローラ230が画像センサを用いて得られた画像を受信、記憶、処理することができる。これらの実施形態において、コントローラ230は、カメラ232ならびにTEC204の電源と通信し、制御するために構成されたコンピュータであり得る。画像処理は、感温構造202の表面に対する画像センサの位置を補正すること、センサの色空間内の色相を識別すること、および感温構造202のサーモクロミック応答に基づいて感温構造202における対応する温度を決定することを含むことができる。また、いくつかの実施形態において、コントローラ230は、カメラ232から受信した画像に基づいて、感温構造202において生成されたカラースポットが感温構造202のカラーグラデーションを飽和させたかどうかを検出するように構成することができる。次に、検出器201の動作温度が飽和を排除するように変更されるように、TEC204の新しい出力電流を選択する。他の実施形態において、コントローラ230は、TEC204の一連の出力電流を掃引し、対応する各動作温度でカメラ232から画像を受信するように構成することができる。
【0027】
[0040] いくつかの他の実施形態において、カメラ232は、モノクロ画像センサまたは他の類似のセンサを含むことができる。これらの実施形態において、カメラ232によって生成される画像は、単色(例えば、グレースケール)であってもよく、感温構造202から反射された光の強度情報を表す。コントローラ230は、色相または他の色情報がない場合の単色画像に基づき、感温構造202のカラースポットの彩度を決定するように構成することができる。
【0028】
[0041] いくつかの実施形態において、感温構造202は、検出器システム200が照明器240をさらに含むことができるようにTLCFであり得る。TLCFは液晶構造で異なる波長の光を選択的に反射するため、可視波長の外部照明を利用して知覚されるカラースポットを作成する。照明器240は、カメラ232でカラースポットを撮像するための十分な光源を提供するために白色光を出力することができる。他の実施形態において、感温構造202は、蛍光発光を発し、熱効果に応答して光を放射するために外部光源を利用しない蛍光構造であり得る。このような蛍光構造は、外部照明光源を使用して断続的に「帯電」させ、入射レーザ光の存在下で蛍光を発するようにすることができる。他の実施形態において、照明器240は単色光源または掃引単色光源であり得、サーモクロミック応答の単一帯域のみがカメラ232によって記録される。単色光源は、単一波長発光ダイオード、可視スペクトルで動作し、レーザ光120とは異なる波長で動作する低出力レーザ、フィルタリングされた白色光源、または他の適切な単色照明器であり得る。
【0029】
[0042] 前述の実施形態の具体例として、レーザ光220がガウシアンビームであり、使用者がビームの特性を決定するためにビームのプロファイルの測定を希望するシナリオを検討する。システム200は、レーザ光220の強度プロファイルの測定シーケンスを実行するように構成することができる。検出器201は、レーザ光220をTLCFで受信するように構成することができる。コントローラは、動作温度T0に対応するTEC204の出力電流を選択することができる。動作温度T0は、一連の動作温度の初期動作温度に対応することができる。初期動作温度は、レーザ光220による加熱に起因するTLCFの温度上昇ΔTが、TLCFの最大動作温度Tmax、すなわちT0+ΔT≦Tmaxを超えないように選択することができる。TLCFが初期温度にある場合、レーザ光220の中央部分のみが、TLCFを動作温度帯域に加熱するのに十分な強度を有し得る。次に、コントローラ230は、レーザ光220からの局所加熱から生じるカラースポットを含むTLCFの表面画像を取り込むようにカメラ232に指示することができる。画像はカラースポットがTLCFの動作温度帯域の最高温度を超えなかったことを示すことができ、コントローラ230がシーケンス内の次の温度を選択し、対応する電流をTEC204に出力することができる。
【0030】
[0043] いくつかの実施形態において、選択された初期動作温度は、温度上昇ΔTがTmax、すなわち、T0+ΔT≧Tmaxを超えるのを防ぐために十分に低くなくてもよい。このシナリオにおいて、TLCFのカラースポットは、Tmaxを超える領域で飽和してもよい。第1の画像がカラースポットの飽和を有する場合、コントローラ230は、検出器201の動作温度を下げ、光のピークがカラースポットで解消されるまで追加の画像を取り込むことができる。満足のいく初期画像が取り込まれると、検出器201の動作温度を離散間隔で上昇させ、後続の各動作温度でTLCF表面の追加の画像を取り込むことができる。検出器が比較的高い動作温度に達すると、TEC204はLCFの平面内での著しい熱拡散を防ぐためにTLCFから熱を伝達することができなくなり、カラースポットが明確な外縁を失う可能性がある。コントローラ230は、カメラ232によって取り込まれた画像内でカラースポットが区別できなくなったことを検出し、測定シーケンスを停止することができる。いくつかの実施形態において、動作温度の順序を予め決定することができる。また、特定の温度でカラースポットの画像を取得するため、オペレータが動作温度を手動で調整することができる。
【0031】
[0044] カメラ232によって取り込まれた各画像について、コントローラ230または他の画像処理システムは、TLCFの動作温度帯域内の最大および最小動作温度、T
maxおよびT
minに対応する色相またはRGB色成分を有するピクセルを識別することができる。コントローラ230は、TLCFの同じ温度に対応する連続画像内のピクセルを識別することもできる。連続画像は異なる動作温度を有することができるため、識別されたピクセルは、レーザ光220による温度上昇ΔTが連続画像間の動作温度の差に等しいTLCFの領域に対応することができる。
図4A~
図4Fに関して以下でより詳細に論じられるように、連続画像内の対応するピクセルを識別することで、例えば、識別されたピクセルに対応する境界で画像を結合することによって、システムがそれらの識別されたピクセルで連続した画像を結合してビームプロファイルを再作成することができる。
【0032】
[0045] 例えば、検出器201の動作温度を0°Cに設定し、受信レーザ光220のピーク強度がその中心に25°Cの温度上昇を生じさせて、第1の画像を撮影することができる。TLCFの動作温度帯が20~25°Cの場合、ビームの周辺強度がTLCFを20°C以上に加熱するのに十分ではない可能性があるため、結果として生じるカラースポットは中心で最高温度に達し、中心点から少し離れた場所で検出することができない20°Cに低下する。動作温度は5°Cまで上げることができる。この温度では、ビームの中心はLCFで依然として25°Cの上昇を生じさせるが、これはTLCFのTmaxを超え、色のグラデーションを飽和させる。温度が検出可能な25°CTmaxしきい値を下回るまで、飽和はビームの中心から離れた位置まで広がる。第2の動作温度で25°Cの温度を記録する飽和境界のピクセルは、第1の動作温度で20°Cを記録するピクセルに対応することができ、したがって、ビームプロファイルの同じ強度値に対応することができる。次に、再構築されたビームプロファイルを作成するため、プロファイルを対応するピクセルの場所で組み合わせることができる。
【0033】
[0046]
図3Aは、いくつかの実施形態による、ビームの伝播方向に垂直な平面におけるレーザ光の強度を示す。
図3Aに示すように、レーザ光は、その伝播方向を横切るx-y平面内のレーザ光の断面302において強度プロファイルを有することができる。ここに示される光は、ガウスプロファイルを有し、
図1のレーザ光120に対応することができる。強度はグレースケールでプロットされ、暗い点はより高い強度に対応する。図に示すように、強度は円形領域の中心で最大になり、中心から外側に放射状に減少する。破線304は、二次元断面302を通る線プロファイルを表す。
【0034】
[0047]
図3Bは、
図3Aに示されるレーザ光の一次元における強度プロファイルを示すプロットである。プロット306は、
図3Aに示されるレーザ光の一次元における強度プロファイル308を含む。強度プロファイル308は、破線304に対応する。図に示すように、強度プロファイルはガウシアンである。レーザ光は軸対称であるため、
図3Aの二次元プロファイルの中心を通る異なるラインアウトは、強度プロファイル308と同じ強度プロファイルを作成する。単位面積あたりの電力(W/m
2)として測定される強度は、次の議論を容易にするために任意の単位で表示される。プロファイル308は、6つの任意の単位のピーク強度と、10mmの1/e
2直径を有する。
【0035】
[0048]
図4A~4Fは、レーザ光検出器のサーモクロミック界面における一連のカラースポットの例、およびサーモクロミック界面に入射するレーザ光に対し得られる対応する計算された強度プロファイルを示す。
図4Aおよび
図4Bは、初期動作温度で動作するレーザ光検出器に対応する。
図4Cおよび4Dは、初期動作温度よりも高い中間動作温度で動作するレーザ光検出器に対応する。
図4Eおよび
図4Fは、中間動作温度よりも高い最終動作温度で動作するレーザ光検出器に対応する。
【0036】
[0049]
図4Aは、いくつかの実施形態による、初期温度で動作するレーザ光検出器のサーモクロミック界面上のビームスポットの説明図である。
図4Aに示すように、レーザ光は、初期温度で動作するレーザ光検出器のサーモクロミック界面402に入射し、カラースポット404を作り出してもよい。レーザ光検出器は、
図1のレーザ光検出器100または
図2の検出器201と同様であってもよい。いくつかの実施形態において、サーモクロミック界面402はTLCFであり得る。サーモクロミック界面402で受信されるレーザ光は、
図3Aおよび3Bの強度断面302および強度プロファイル308を有するレーザ光であり得る。カラースポット404は、スポットのより暗い灰色または黒色が、サーモクロミック界面402のサーモクロミック応答で高い温度を表す色に対応するようにグレースケールで描かれ、黒色は界面材料のT
maxを超える温度を示し、白色は界面材料のT
min未満の温度を示す。検出器の初期動作温度は、T
0で表すことができ、ビームの中心のみがサーモクロミック界面402を十分に加熱して動作温度帯に入る程度に十分に低くすることができる。例えば、T
0=0°C、T
min=20°C、T
max=25°Cである。
【0037】
[0050] 点AおよびBは、サーモクロミック材料の動作温度帯域内にあるビーム中心から最も遠い範囲を表し、温度がTminの点に対応する。図に示すように、点AおよびBはビーム中心から約1.7mmと-1.7mmで発生する可能性があり、負の値はビーム中心からプロット位置軸に沿って左に離れた距離を示す。サーモクロミック界面402の画像は、RGBセンサまたは他のカラーセンサで取り込むことができ、カラースポット404を界面材料の応答曲線に従って測定された温度値を示すRGBピクセルにマッピングすることができる。破線406は、カラースポット404によって表される強度の一部から外れた線が計算される経路を示し、破線406に沿った各点の温度値は、レーザ光の対応する強度値に変換されて、サーモクロミック界面402で加熱を生じさせる。
【0038】
[0051]
図4Bは、いくつかの実施形態による、
図4Aに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
図4Bに示すように、プロット410は、カラースポット404の強度プロファイル408を含むことができる。強度プロファイル408は、破線406に沿って決定される。点AおよびBは、プロット410において識別され、サーモクロミック界面402上に描かれた同一の点AおよびBである。レーザ光検出器の構成およびサーモクロミック界面402の特性に応じて、熱拡散は、ガウスではない検出プロファイルをもたらし得る。補正および近似技術を使用して、基礎となる熱プロセスのモデルに従って検出されたプロファイルを調整することができる。ここに示すように、プロファイルは任意の単位で表され、受信ビームのピーク強度を表すために4から6の間に収まるようにシフトされている。
【0039】
[0052]
図4Cを参照すると、レーザ光検出器の動作温度は、受信されたレーザ光の追加部分がサーモクロミック界面402の動作温度帯域内になるように上昇させることができる。いくつかの実施形態によると、動作温度はT
1と指定することができ、
図4Aに関して説明された初期温度T
0よりも大きい。例えば、T
1=5°Cで、界面の動作温度帯域は20~25°Cのままである。上述の説明と同様に、点CおよびDは、サーモクロミック界面402上の点をT
minで表すことができ、カラースポット414がこれらの点を超えて検出されないようにする。検出器の動作温度が上昇したため、ビーム中心近傍の加熱は、カラースポット414の黒一色の内部によって示される領域においてT
maxを超えるようになった。T
1とT
0の差(すなわち、この例においては5°C)は、サーモクロミック界面の動作温度帯域と同じであるため、カラースポット414の飽和領域の端は、
図4Aの点AおよびBに対応することができ、これらは現在T
maxにある。破線416は、サーモクロミック界面402の画像を処理する際に強度プロファイルが計算されるのと同じ線を表す。
【0040】
[0053]
図4Dは、いくつかの実施形態による、
図4Cに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。図示のように、プロット420は、
図4Cに示すカラースポット414の破線416に沿って計算された強度プロファイル418を含む。プロファイル418は、カラースポット414が飽和した、明らかに平坦な上部を有する。飽和により失われた情報は、動作温度T
0で得られた強度プロファイル408を使用して回復できる。点AおよびBは、温度がT
maxである対応する点を示す。点CおよびDは、
図4Cの破線416に沿った同じ点CおよびDであり、温度がT
minである点に対応する。点CおよびDは、ビームスポットの中心から約3.3mmと-3.3mmで発生する。
【0041】
[0054]
図4Eを参照すると、検出器の動作温度は、受信レーザ光の残りの検出可能部分がサーモクロミック界面402の動作温度帯域内に収まるようにさらに上昇させることができる。いくつかの実施形態によると、動作温度はT
2と指定することができ、
図4Cに関して説明される温度T
1よりも大きい。例えば、T
2=10°Cであり、界面の動作温度帯域は20~25°Cのままである。前と同様に、点EおよびFは、検出器がT
2で動作しているときのT
minにおけるサーモクロミック界面402上の点を表すことができ、カラースポット424がこれらの点を超えて検出されないようにする。検出器の動作温度がさらに上昇したため、ビーム中心近傍の加熱は、大きな飽和領域でT
maxを超えている。T
2とT
1の違いもまた、サーモクロミック界面の動作温度帯域と同じである。カラースポット424の飽和領域の端は、
図4Cからの点CおよびDに対応することができ、これらは現在T
maxである。破線426は、サーモクロミック界面402の画像を処理する場合、強度プロファイルが計算されるのと同じ線を表す。
【0042】
[0055]
図4Fは、いくつかの実施形態による、
図4Eに示すビームスポットの一次元における強度プロファイルを示すプロットである。
図4Fに示すように、プロット430は、
図4Eに示すビームスポットの破線426に沿って計算された強度プロファイル428を含むことができる。強度プロファイル428は、界面応答のT
maxを超えるかなりの部分を有する。点CおよびDは、温度がT
maxである対応する点を示す。点EおよびFは、
図4Eの破線426に沿った同一の点EおよびFであり、温度がT
minである点に対応する。点EおよびFは、ビームスポットの中心から約5mmと-5mmで発生する。点AおよびBは、
図4A~
図4Dに示す点AおよびBと同一であり、強度プロファイル428の飽和領域内の点に対応する。
【0043】
[0056]
図5は、
図3Bに示すレーザ光の強度プロファイルを再構築するために、
図4B、4D、および4Fに示された強度プロファイルの組み合わせを示すプロットのセットである。図示のように、プロット500は、強度プロファイル308を再構築するための強度プロファイル408、418、および428の組み合わせを含む。点A~Fは、
図4A~
図4Fに関して上述されるものと同一であり、サーモクロミック界面のT
minまたはT
maxのいずれかに対応するプロファイル上の点を示す。全てのビームプロファイルを再構築するために、回復されたプロファイルは、識別された点に従って整列および結合される。強度プロファイル408、418の点AおよびBは、強度プロファイル418、428の点CおよびDと同様に整列される。プロファイルの結合は、各プロファイルを同じゼロ値にシフトした後のプロファイル合計を含むことができる。測定装置内の既知のプロセス(例えば、TECの高い動作温度で動作するときに飽和フラットトッププロファイルを「広げる」熱拡散)によって引き起こされる予想されるガウス形状からのプロファイルの偏差を説明するために、加重合計および最小二乗カーブフィッティングを含む他の技術を採用することができる。
【0044】
[0057] いくつかの実施形態において、選択された動作温度で取り込まれた界面の画像を、レーザ光の全温度プロファイルの二次元画像を作成するために共同アライメントする。共同アライメントは、検出器の動作温度の変化を考慮した上で、同じ温度に対応する連続する画像内のピクセルを決定することに基づくことができる。アライメントは、
図5に示されている2点アライメントよりも、より多くの対応するアライメントピクセルでより忠実度が高い可能性があるため、個々の強度プロファイルを組み合わせるのではなく、画像を共同アライメントすることが望ましい場合がある。例えば、T
0で動作するサーモクロミック界面の画像は、T
maxの値に対応するリングのピクセルを有してもよく、一方、T
1で動作する界面の画像は、T
minに対応する同サイズのリングのピクセルを有してもよい。リング内のすべてのピクセルからの情報を含む技術を使用して2つの画像をアライメントすることで、画像のアライメントが改善し、より正確な強度測定を構築できる。選択した動作温度に対して収集されたすべての画像をアライメントした上で、画像全体を通して選択したライン全体で強度プロファイルを計算できる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0045】
[0058]
図6は、いくつかの実施形態による、ヒートスプレッダの表面に貼付された4つの異なる感温シートの簡略図である。
図6に示すように、感温シートは、ヒートスプレッダ600の表面602に貼り付けることができる。ヒートスプレッダ600は、それぞれ
図1および2のヒートスプレッダ106および206を含む、本明細書で論じる他のヒートスプレッダと同様であり得る。感温シートは、異なる動作温度帯域のTLCFであり得る。例えば、TLCF604の動作温度帯域は20~25°C、TLCF606は20~21°C、TLCF608は25~30°C、TLCF610は20~30°Cであり得る。動作温度帯域の他の多くの組み合わせが可能である。TLCF604~610は、熱伝導性接着剤によって、または機械的拘束によって表面602に貼り付けることができる。いくつかの実施形態において、アレイは、2枚、3枚、または4枚以上の感温シートを含むことができる。シートの配置は、グリッドパターン、放射状パターン、または他の適切なパターンを含むことができる。
【0046】
[0059] 単一のヒートスプレッダ上に複数の熱感知構造を配列することで、多くの利点を提供することができる。ほとんどのレーザ光は軸対称であるため、検出器界面でのTLCFアレイは、各TLCFでビームの対称部分を同時に取り込むことができる。結果として生じるビームスポットは、ビームによって入射する各TLCFに対応する異なる構成要素を有するであろう。
図6の4つの構造アレイにおいて、中心に置かれたレーザ光の場合、ビームスポットは4つのTLCF604~610によって覆われる4つの象限の各々において異なる構成要素を有するであろう。結果として生じるスポットの画像を取り込むと、4つの異なる動作温度帯域内の温度情報が同時に提供される。TLCFを適切に選択して、異なる帯域幅で重複する動作温度帯域を作成すると、入射レーザ光の強度プロファイルを計算する際の画像のアライメントを改善できる。また、複数のTLCFから追加された情報は、完全なビームプロファイルを取り込むために必要な動作温度の数を減らすことで、検出器の異なる動作温度でのスキャンをより効率的にすることができる。
【0047】
[0060] いくつかの実施形態において、複数のセンシング構造のアレイにより、各構造におけるビームプロファイルの効率的な検査を別々に行うことができる。例えば、オペレータはヒートスプレッダ600を組み込んだ検出器を使用して、光学系内のレーザ光のアライメントを検証することができる。オペレータは、4つのTLCF604~610の各々が定常状態でその温度で動作するように、検出器の動作温度を選択することができる。次に、オペレータは、ビームが一度に1つのTLCFにのみ入射するように検出器をレーザの経路に配置することができる。例えば、オペレータは、TLCF604のサーモクロミック応答に従ってカラースポットを作成するため、TLCF604内のビームをセンタリングすることから始めることができる。検出器の動作温度を調整して異なるビームプロファイル情報を表示する代わりに、オペレータはビームが次のLDF、例えば、TLCF604とは異なる動作温度帯域を有するTLCF606の中心に来るように検出器を移動することができる。このような技術は、TECへの電源を調整せずに検出器の温度感度を迅速に変更したい場合に、光学系内のビームにアライメント調整を行う場合に役立つ。
【0048】
[0061]
図7は、いくつかの実施形態による、制御可能な冷却器に貼付されたサーモクロミック界面の画像を使用してレーザ光プロファイルを再構築する方法を示すフローチャートである。図示のプロセスは、
図3~5を参照して上述した技術のうちの1つまたは複数に対応することができる。本プロセスは、
図2を参照して説明したような検出器システムによって実行することができる。
図7に示すように、ビームプロファイルを再構築する方法は、異なる温度設定点に対する検出器のサーモクロミック界面の画像の取得を表す反復ループを利用する。検出器のサーモクロミック界面はレーザ光を受信することができ、レーザ光は、ビーム強度プロファイルによって特徴付けられる(710)。検出器の初期温度設定点を選択することができる(712)。温度設定点は、サーモクロミック界面と熱の伝達を行うよう構成された制御可能な冷却器の動作温度に対応することができ、動作温度はサーモクロミック界面の定常状態温度となる。特定の実施形態によると、制御可能な冷却器はTECであり得る。
【0049】
[0062] レーザ光は、サーモクロミック界面の局所加熱を引き起こし、可視光の選択的に反射された波長に基づいてカラースポットを生成する可能性がある。画像センサまたは他の画像システムは、サーモクロミック界面の画像を取り込むことができる(714)。いくつかの実施形態において、サーモクロミック界面は、サーモクロミック界面での選択反射のための光を提供するために可視スペクトルの光で照らされてもよい。画像から、ビーム強度プロファイルの少なくとも一部に対応する部分強度プロファイルを決定することができる。決定は、画像解析のためのコントローラまたは他の適切な計算システムによって行うことができる。部分強度プロファイルは、サーモクロミック界面の画像を通る線に沿って取られた線プロファイルに対応することができる。
【0050】
[0063] 再構築されたビームプロファイルを組み立てるため、部分強度プロファイルを使用することができる(718)。単一の部分強度プロファイルは、完全なビームプロファイルを再構築するのに十分ではない可能性がある。再構築されたビームプロファイルが完全でない場合(720)、検出器の更新された温度設定点を選択することができる(722)。サーモクロミック界面の追加画像を取り込むことができ、更新された画像から追加の部分強度プロファイルを決定することができる。次に、再構築されたビームプロファイルを組み立てるため、追加の部分強度プロファイルを部分強度プロファイルとともに使用することができる。組み立ては、サーモクロミック界面の検出TmaxおよびTminに対応する強度値に基づく部分強度プロファイルのアライメントを含むことができる。いくつかの実施形態において、アライメントは、界面の特徴的なサーモクロミック応答の線形領域内で検出された温度に対応する強度値に基づくことができる。
【0051】
[0064] ビームプロファイルが完成すると、再構築されたビームプロファイルを出力することができる(724)。再構築されたビームプロファイルが完全であるかどうかは、プロファイルパラメータの十分な定義について現在の再構築プロファイルを調べることによって、例えば、再構築されたプロファイルに1/e2直径を超えるビーム半径位置のプロファイル情報が含まれているかどうかによって決定することができる。再構築されたビームプロファイルを出力することは、再構築されたビームプロファイルに対応するデータを格納すること、再構築されたビームプロファイルを表示すること、またはデータを処理するための他のプロセスを含むことができる。
【0052】
[0065]
図7に示される特定のステップは、本発明の一実施形態によるレーザ光の強度プロファイルを測定する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実行され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図7に示す個々のステップは、個々のステップに適宜様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップは、特定の用途に応じて追加または削除されてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0053】
[0066]
図8は、いくつかの実施形態による、サーモクロミック界面を有する検出器を使用して光学系内でレーザ光をアライメントする方法を示すフローチャートである。図示のプロセスは、
図1および
図6を参照して上述した技術のうちの1つまたは複数に対応することができる。本プロセスは、
図1を参照して説明したような検出器によって実行することができる。
【0054】
[0067] 検出器は、サーモクロミック界面でレーザ光を受信することができる(810)。いくつかの実施形態において、サーモクロミック界面はTLCFで有り得る。検出器の温度設定点は、例えば、サーモクロミック界面と熱の伝達を行うにあたり制御可能な冷却器を動作するために構成されたコントローラによって選択することができる(812)。温度設定点は、検出器の動作温度に対応することができる。
【0055】
[0068] レーザ光は、サーモクロミック界面の局所加熱を引き起こし、可視光の選択的に反射された波長に基づいてカラースポットを作り出すことができる。画像センサまたは他の画像システムは、サーモクロミック界面の画像を取り込むことができる(814)。画像から、光学系に対するレーザ光の電流アライメントに対応する1つまたは複数のパラメータを決定することができる(816)。決定は、画像解析のためのコントローラまたは他の適切な計算システムによって行うことができる。いくつかの実施形態において、決定は、画像の目視検査を用いてオペレータによって行うことができる。1つまたは複数のパラメータは、ビームプロファイルの非対称性、ビーム非点収差、ビーム閉塞(例えば、アパーチャのずれ)、ビーム収差(例えば、コマ)または光学系内の光学要素によって誘発される他の収差、ビームワンダ、またはビームジッタを含むことができる。
【0056】
[0069] 決定されたパラメータに基づいて、更新されたアライメントを得るためにビームを光学系に対しアライメントすることができる(818)。ビームのアライメントは、光学系内の1つまたは複数の光学要素を調整することによって、例えば、ミラーまたは他の反射体の向きを調整すること、レンズの向きを調整すること、障害物を除去することなどによって達成することができる。
【0057】
[0070] いくつかの実施形態において、光学系に対するビームのアライメントをさらに洗練するために、更新された温度設定点で追加画像を取り込むことができる。本プロセスは、レーザ光の所望のアライメントまたは最終的なアライメントが達成されるまで反復的に繰り返される上述の動作に類似し得る。最終的なアライメントは、レーザ光に望まれる1つまたは複数の最終パラメータを有することによって特徴付けることができる。例えば、最終的なアライメントは、検出可能な閉塞を有さないか、または閾値未満の定量化された非対称性を有するかによって特徴付けられ得る。
【0058】
[0071] 上記の技術の一例として、いくつかの実施形態において、オペレータは、レーザ光の経路に検出器を配置し、TLCFの動作温度帯域におけるビーム周辺を示す検出器の高い動作温度でビームスポットを観察することができる。軸対称ビームがビーム経路内の物体の不透明な端によってその周辺で部分的に遮られている場合、プロファイルは閉塞され、TLCFで生じたカラースポットは障害物に対応する端を示す。オペレータは、光学系のビームアライメントを補正し、補正を確認するためTLCF上のビームスポットを観察できる。次に、オペレータは、ビームの中心がTLCFの動作温度帯域内に収まるよう検出器の動作温度を下げることができる。ビームが光学系の光軸からずれると、TLCFのカラースポットにコマのような収差が見られる。この場合も、オペレータはTLCF上のビームスポットを観察しながらビームアライメントを補正できる。検出器の動作温度を素早く変更できるため、光学系の複数の場所で複数のアライメントチェックを迅速かつ効率的に行うことができる。
【0059】
[0072]
図8に示す特定のステップは、本発明の一実施形態によるサーモクロミック界面を有する検出器を用いてレーザ光をアライメントさせる特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実行され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図8に示す個々のステップは、個々のステップに適宜様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップは、特定の用途に応じて追加または削除され得る。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0060】
[0073] 開示された原理の例および特徴が本明細書に記載されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、修正、適応、および他の実施が可能である。また、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(including)」、およびその他の同様の形式は、同等の意味であり、これらの単語のいずれかに続く項目または複数の項目がそのような項目または複数の項目の網羅的なリストであることを意図していない、またはリストされた項目または複数の項目のみに限定されることを意図している点でオープンエンドであることが意図されている。本明細書で使用される単数形「1つの」または「その」は、文脈がそうでないことを明らかに指図しない限り、複数の指示対象を含むことも留意しなければならない。
【0061】
[0074] また、本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者に提案され、本出願の精神および範囲および以下の添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることも理解される。
【国際調査報告】