(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を測定する装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 11/16 20060101AFI20240415BHJP
G01N 11/14 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G01N11/16 A
G01N11/14 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562269
(86)(22)【出願日】2022-04-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 SG2022050225
(87)【国際公開番号】W WO2022220756
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10202103946T
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523382041
【氏名又は名称】デイブ チンタン
【氏名又は名称原語表記】DAVE, Chintan
【住所又は居所原語表記】27 Sembawang Crescent #06-15 Parc Life Singapore 757056 SG
(74)【代理人】
【識別番号】100135194
【氏名又は名称】田中 智雄
(72)【発明者】
【氏名】ムラルカ アポルバ
(72)【発明者】
【氏名】デイブ チンタン
(57)【要約】
少なくとも1つの信号の関数として流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を測定する装置である前記装置は、以下を具備する。前記部材に結合された少なくとも1つの慣性測定ユニットを搭載する少なくとも1つの部材と、前記部材に関連して前記の少なくとも1つの信号を測定するように構成されている前記慣性測定ユニットならびに前記部材を振動部材に含めるために前記部材に結合された少なくとも1台のモータを搭載し、前記結合モータの作動時に前記部材が、粘度または1種類か複数のレオロジー特性が測定される流体に浸漬されるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を少なくとも1つの信号の関数として測定する装置である前記装置は、以下を具備する。
- 前記部材に結合された少なくとも1つの慣性測定ユニットを搭載する少なくとも1つの部材であって、前記慣性測定ユニットは、前記部材に関連して前記の少なくとも1つの信号を測定するように構成されている、加えて
- 前記部材を振動部材に含める目的で、前記部材に結合された少なくとも1台のモータを搭載し、前記結合されたモータの稼働時に、前記部材が粘度または1種類か複数のレオロジー特性が測定される流体に浸漬されるように構成されている。
【請求項2】
請求項1に記載されている装置である前記部材は、棒部材、円筒状部材、シム部材、長方形部材、楕円体部材、直方体部材、硬質ストリップ部材からなる部材の群から選択される。
【請求項3】
請求項1に記載されている装置である前記慣性計測ユニットは、加速度計を搭載し、前記部材に取り付けられ、前記加速度計は、1つか複数の直交軸に関する加速度を測定するように構成されている。
【請求項4】
請求項1に記載されている装置である前記慣性測定ユニットは、前記部材に取り付けられたジャイロスコープを搭載し、前記ジャイロスコープは、1つか複数の直交軸に関する角速度、および/または角変位、および/または方向(姿勢)を測定するように構成されている。
【請求項5】
請求項1に記載されている装置である前記慣性計測ユニットは、MEMSジャイロスコープ、NEMSジャイロスコープ、角速度センサ、レート積分ジャイロスコープ、コリオリ効果に基づく角速度センサ、加速度計、磁力計、MEMS加速度計、NEMS加速度計、MEMS磁力計、圧力センサ、気圧計、温度センサからなる要素の群から選択される少なくとも1つの要素を具備する。
【請求項6】
請求項1に記載されている装置である前記慣性測定ユニットは、前記部材上の1つの点に位置し、前記の点が、前記部材上の稼働遠位端部から直線的に増加すると規定される点の軌跡から選択され、前記稼働遠位端部が流体に浸漬されるように構成されており、前記の点が示す軌跡は所望の感度に相関しているが、すなわち、前記稼働遠位端部から比較的近い点は、比較的高い感度を提供し、比較的遠い点は、前記稼働遠位端部から、比較的低い感度を提供する。
【請求項7】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、前記部材上に1つか複数の慣性測定ユニットを搭載し、前記の各慣性測定ユニットは、互いに離間して配置され、前記部材の稼働遠位端部からの距離に対して位置決めされており、前記遠位端部は、流体に浸漬されるように構成されている。
【請求項8】
請求項1に記載されている装置である前記慣性計測ユニットは、前記部材に当接する。
【請求項9】
請求項1に記載されている装置である前記モータは、前記部材に当接する。
【請求項10】
請求項1に記載されている装置であって、前記出力をおこなう前記モータは、前記出力の振幅および/または周波数とともに、前記モータに印加される電圧または電流を変化させることによって制御される。
【請求項11】
請求項1に記載されている装置である前記部材は、1台か複数の温度センサを具備する。
【請求項12】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、フィンを具備し、前記部材に取り付けられ、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
【請求項13】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、フィンを具備し、前記部材に取り付けられ、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴としているが、すなわち、1枚か複数の振動フィンは、1つか複数の対応する振動数で振動するように構成されており、 前記の1つか複数の対応する周波数は、互いに同一または異なっている。
【請求項14】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、フィンを具備し、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴としているが、すなわち、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外部ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンのうちの1枚か複数は、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡上に位置し、これにより、稼働する中央振動フィンから一番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから二番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側において、前記流体において等しいせん断速度を確立するために前記第二距離と等しい。
【請求項15】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、フィンを具備し、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは前記部材の一部を覆うように構成されている外部ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンのうちの1枚か複数が、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離に位置する点の軌跡の1つか複数に位置し、これにより、稼働する中央振動フィンから一番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離を規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側に、前記流体において、2つの異なるせん断速度を確立するために前記第二距離とは異なる。
【請求項16】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、フィンを具備し、前記部材に取り付けられ、稼働時の前記フィンは、前記部材に対して下向き、同軸、横方向、または放射状に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
【請求項17】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、以下を具備する。
- 稼働時に下方に突出するフィンは、前記フィンが振動するように構成されているか、または静的であるように構成されているが、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている、 加えて
- 前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンであって、前記静的フィンの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に対して平行であるか、または角変位の45度以内にある平面に沿ってそれらの最大の面を有するようになっているが、すなわち、1番目の横方向静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離は、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定される第二距離に固定または可変である。
【請求項18】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、前記装置に取り付けられたフィンを具備し、前記部材は、前記フィンが1枚か複数の温度センサを具備する。
【請求項19】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、以下を具備する。
- 稼働時に下方に突出するフィンである前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的であるように構成されており、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている、 加えて
- 前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンにおいて前記静的フィンの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に平行であるか、または角変位の45度以内の平面に沿ってそれらの最大の面を有するようになっているが、すなわち、1番目の横方向静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離と、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定される第二距離に固定または可変であり、前記静的フィンが1台か複数の温度センサを具備する。
【請求項20】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、以下を具備する。
- 前記部材に取り付けられたフィンは、稼働時に下方に突出する前記フィンであり、前記フィンは任意選択で、1台か複数の温度センサを具備し、前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的に構成されている、 加えて
- 前記部材を固定し、前記部材に前記フィンを取り付けることを可能にする1番目のカラー(環状部品)。
【請求項21】
請求項1に記載されている装置である前記装置は、以下を具備する。
- 稼働時に下方に突出するフィンである前記フィンは、任意選択で、1枚か複数の温度センサを具備し、前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
- 前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンであって、前記静的フィンの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に対して平行であるか、または角変位の45度以内の平面に沿ってそれらの最大の面を有するようになっているが、すなわち、1番目の横方向の静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離と、固定または可変である第二距離であって、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定され、前記静的フィンは、1つか複数の温度センサを具備する。
- 前記部材を固定し、前記部材に前記フィンを取り付けることを可能にする1番目のカラー、加えて
- 前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングを包含し、前記内側に位置する振動フィンの周囲に前記静的フィンを可変に配置することを可能にする2番目のカラー。
【請求項22】
流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を1つか複数の信号の関数として測定する方法である前記方法は、以下を具備する。
- 少なくとも1つの部材を振動させ、少なくとも1つのモーし、前記部材に結合し、前記部材は、粘度または1種類か複数のレオロジー特性が測定される流体に浸漬されるように構成されている。
- 前記の流体浸漬振動部材の運動を、前記部材に結合された少なくとも1つの慣性測定ユニットを用いて、前記慣性測定ユニットのセンサの1つか複数の直交軸に関する1つか複数の信号に変換する、加えて
- 前記流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を前記1つか複数の信号の関数として決定する。
【請求項23】
請求項22に記載されている方法である前記の1つか複数の信号は、以下からなる信号群から選択される。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動幅に相関する1番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動数に相関する2番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振幅変化に相関する3番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動数の変化に相関する4番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動加速度の振幅変化に相関する5番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される振動加速度の振幅変化に相関する6番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される角速度の振幅変化に相関する7番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される角速度の振幅変化に相関する8番目の信号。
- 前記モータを駆動する信号の位相に相関する9番目の信号。
- 前記モータを駆動する電圧信号に相関する10番目の信号。
- 前記モータを駆動する信号と前記1番目の信号との間の位相差に相関する11番目の信号。
- 前記モータを駆動する信号と前記2番目の信号との間の位相差に相関する12番目の信号。
- 前記モータを駆動する信号と前記3番目の信号との間の位相差に相関する13番目の信号。
- 前記モータを駆動する信号と前記4番目の信号との間の位相差に相関する14番目の信号。
- 前記流体の温度に相関する15番目の信号。
- 前記流体の圧力に相関する16番目の信号。
- 電流センサまたは電流検出集積回路または電子回路を用いて測定される前記モータを流れる電流に相関する17番目の信号。
- 周囲温度に相関する18番目の信号。
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される時間領域角速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の振幅変化に相関する19番目の信号、加えて
- 前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される時間領域加速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の振幅変化に相関する20番目の信号。
【請求項24】
請求項22に記載されている方法である前記「粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程」は、以下の工程を具備する。
- 振動のse感知振幅は、空気中の前記振動部材に対する前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿っている。
- 振動の感知周波数は、空気中の前記振動部材に対する前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿っている。
- 前記振動部材を流体媒体に浸漬する工程。
- 一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して1番目の信号を得ると振動の振幅変化を測定する工程。
- 一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して2番目の信号を得ると振動の振幅変化を測定する工程。
- 任意選択で、モータを駆動する信号との間の位相(または位相差)である3番目の信号と、前記1番目の信号および/または前記2番目の信号を測定する工程、加えて
- 前記1番目の信号および/または前記2番目の信号、またはそれらの組み合わせを用いて、任意選択で、3番目の信号を用いて、前記流体媒体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を計算する工程。
【請求項25】
請求項22に記載の方法である前記少なくとも1つの信号は、加速度信号、速度信号、変位信号、角速度信号、角加速度信号、角変位信号、および/またはこれらの信号の組み合わせの信号であり、すなわち、ここで、加速度信号が、加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定され、ここで、角速度信号および/または角加速度信号および/または角変位信号が、角速度センサまたはジャイロスコープまたは速度積分ジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される。
【請求項26】
請求項22に記載されている方法である前記粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、少なくとも1つか複数のフィンを介して前記流体のせん断速度を決定する工程を含み、稼働時に下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記部材に取り付けられている前記振動フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている前記静的フィンであり、1枚か複数の振動フィンは、1つか複数の対応する振幅で振動するように構成されており、前記1つか複数の対応する振幅は、互いに等しいかまたは異なるものである。
【請求項27】
請求項22に記載されている方法である粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、1枚か複数のフィンを介して前記流体の少なくとも1つのせん断速度を決定する少なくとも1つの工程を含み、稼働時に下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記振動フィンが前記部材に取り付けられ、前記静的フィンが前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンの1枚か複数が、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡に配置されており、これにより、稼働する中央振動フィンから1番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記第二距離に等しいせん断速度を確立するために、前記流体において、前記振動フィンのいずれかの側に等しいせん断速度を確立する。
【請求項28】
請求項22に記載されている方法である粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、1つか複数のフィンを介して前記流体の少なくとも1つのせん断速度を決定する少なくちも1つの工程を含み、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記振動フィンが前記部材に取り付けられ、前記静的フィンが前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられ、前記フィンが振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記静的フィンの1つか複数が、前記振動フィンの1つか複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡に配置されており、 これにより、稼働する中央振動フィンから1番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側に、前記流体において、2つの異なるせん断速度を確立するために、前記第二距離とは異なる。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、計測および電子工学の分野に関するものである。
特に本発明は、流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性の測定および感知に関するシステム、方法、装置に関するものである。
【発明の背景】
【0002】
流体のレオロジー特性は、流体材料が持ついくつかの流動特性のいずれか1つに関連している。通常「レオロジー特性」という用語は、特に粘度、チキソトロピー指数、ディスペンス速度、たるみ抵抗などのパラメータに関して使われる。
第一に、普及している先行技術メカニズムは、他のセンサー、反射器などと連動させて機能するアクチュエータを含む大型トランスデューサを使用することから、かさばることが観察された。
装置の持ち運びを可能にする目的から精度を損なうことなく、常にその小型化を進めていく必要性がある。さらに、測定/センシング時の精密度および正確さが、特に複雑さやコストがより低い装置で向上できるのであれば、まさに好ましい特徴である。
さらに、普及している先行技術メカニズムは、校正および/または正確なセンシングの手段として、振動部材/要素/シャフトの一定の振幅および/または速度を維持するトランスデューサおよび/またはセンサからのフィードバックを必要とすることが観察された。そのような場合、アクチュエータおよび/または任意の取り付けられた振動部材/要素/シャフトは、システムの機械的(または電気機械的)振動の共振周波数で駆動する。
したがって、流体のレオロジー特性(粘度など)の開ループ測定と閉ループ測定の両方において、検出方法とメカニズムの複雑さを軽減する必要がある。このようなセンシング/測定の複雑さを軽減する技術進歩は、同様に、関連する設計、製造、組み立て、メンテナンスの複雑さを軽減し、これによりコストを削減し、持ち運びやすさを実現する。
さらに、小型化された電子機器、特に加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、および慣性測定ユニット(IMU)におけるそれらの組み合わせなどのマイクロおよびナノ電気機械システム(MEMS / NEMS)の出現にもかかわらず、レオロジー特性を検出する分野へのそれらの用途は制限されたが、すなわち先行技術は、このような小型化されたセンシングおよび作動システムを正確に使用しながら、流体の粘度を感知する装置の構築方法を開示していない。以前の小型レオロジーセンシングシステムは、性能、使いやすさ、持ち運びやすさを損なうことが多いマイクロ流体ラボオンチップのデモンストレーションに限定されてきたことから、商業用途がほとんど存在しない。
その他に、小型化された電子機器の出現にもかかわらず、レオロジー特性を感知する分野へのそれらの用途は制限されていたことが観察され、すなわち先行技術は、特にこれらの小型化されたセンサおよびアクチュエータの入出力を使用して、流体の1種類か複数のレオロジー特性(例えば粘度)を感知するための信号処理方法を開示していない。
また、先行技術文献では、実際のセンサ(またはセンシング機構の一部)を振動部材上に展開する必要があるので、センシング機構のサイズ/質量/重量がこの振動部材に物理的(サイジング、機械的)制約を課すことが観察された。先行技術文献に記載されているセンシング機構(圧電素子および/または電気コイルと磁気システムのかさばる組み合わせ)も、マイクロスケールの寸法で小型化するのが困難である。 したがって、小型化されたセンシング機構(特にMEMS / NEMSセンサシステム)を使用することによって、粘度/レオロジー特性測定装置の設計および性能に対するセンサシステムの物理的寸法および質量の影響を排除または大幅に限定できるという利点がある。さらに、小型化されたセンシングシステムを使用することによって、感度、ダイナミックレンジなど、1つか複数の全体的なデバイスパフォーマンスメトリックを最大化する作動およびセンシングシステムの配置における柔軟性を高めるなど、システム設計全体の複雑さが軽減される。
例えば、先行技術文献では、センシングに使用する識別可能な信号を生成する目的で、センシング機構を支持する振動部材の重量が、センシング機構自体の重量と相関していることが観察された。
したがって、この依存性/相関を切り離す必要がある。
【発明の目的】
【0003】
発明の目的は、装置を軽量化、持ち運び可能、かつ正確なものにすることによって、流体の粘度および/または少なくとも1種類のレオロジー特性を感知する装置および方法を提供することである。
発明に関する別の目的は、流体のレオロジー特性測定にかかる時間を短縮することによって、流体の粘度および/または少なくとも1種類のレオロジー特性を感知する装置および方法を提供することである。
発明に関するさらに別の目的は、その設計/構築における複雑さを軽減することによって、流体の粘度および/または少なくとも1種類のレオロジー特性を感知する装置および方法を提供することである。
発明に関する追加の目的は、流体内で一定の振動変位および/または速度振幅を維持するために(共振周波数または他の任意の駆動周波数で)、複雑な閉ループフィードバック機構、関連するセンシング、駆動電子機器を使用する必要性を排除することによって、流体の粘度および/または少なくとも1種類のレオロジー特性を感知する装置および方法を提供することである。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を少なくとも1つの信号の関数として測定する装置が提供され、前記装置は、以下を具備する。
- 前記部材に結合された少なくとも1つの慣性測定ユニットを搭載する1つの部材であり、前記慣性測定ユニットは、前記部材に関連して少なくとも1つの信号を測定するように構成されている。
- 前記部材を振動部材に含めるために、前記部材に結合された少なくとも1台のモータを搭載し、前記結合されたモータの稼働時に、前記部材が粘度または1種類か複数のレオロジー特性が測定される流体に浸漬されるように構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記部材は、棒部材、円筒物体部材、シム部材、長方形部材、楕円体部材、直方体部材、硬質ストリップ部材からなる部材の群から選択される。
少なくとも1種類の実施形態で前記慣性測定ユニットは、加速度計を搭載し、前記部材に取り付けられ、前記加速度計は、1つか複数の直交軸に関する加速度を測定するように構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記慣性測定ユニットは、前記部材に取り付けられたジャイロスコープを搭載し、前記ジャイロスコープは、1本か複数の直交軸に関する角速度、および/または角変位、および/または方向(姿勢)を測定するように構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記慣性測定ユニットは、MEMSジャイロスコープ、NEMSジャイロスコープ、角速度センサ、速度積分ジャイロスコープ、コリオリ効果に基づく角速度センサ、加速度計、磁力計、MEMS加速度計、NEMS加速度計、MEMS磁力計、圧力センサ、気圧計、温度センサからなる要素の群から選択される少なくとも1つの要素を具備する。
少なくとも1種類の実施形態で前記慣性測定ユニットは、前記部材上の1つの点に位置し、前記の点が、前記部材上の稼働遠位端部から直線的に増加すると規定される点の軌跡から選択され、前記稼働遠位端部が流体に浸されるように構成されており、前記の点の軌跡は所望の感度に相関し、すなわち、前記稼働遠位端部から比較的近い点は、比較的高い感度を提供し、前記稼働遠位端部から比較的遠い点は、比較的低い感度を提供する。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、前記部材上に1つか複数の慣性測定ユニットを搭載し、前記の各慣性測定ユニットは、互いに離間して配置され、前記部材の稼働遠位端部からの距離に対して位置決めされており、前記遠位端部は流体に浸漬されるように構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記慣性計測ユニットは、前記部材に当接する。
少なくとも1種類の実施形態で前記モータは、前記部材に当接する。
少なくとも1種類の実施形態で出力をおこなう前記モータは、前記出力の振幅および/または周波数とともに、前記モータに印加される電圧または電流を変化させることによって制御される。
少なくとも1種類の実施形態で前記部材は、1台か複数の温度センサを具備する。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、フィンを具備し、前記部材に取り付けられ、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、フィンを具備し、前記部材に取り付けられ、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴としているが、すなわち、1枚か複数の振動フィンは、1つか複数の対応する振動数で振動するように構成されており、前記の1つか複数の対応する周波数は、互いに同一または異なっている。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、フィンを具備し、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴としているが、すなわち、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外部ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンのうちの1枚か複数は、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡上に位置し、これにより、稼働する中央振動フィンから一番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから二番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側において、前記流体において等しいせん断速度を確立するために前記第二距離と等しい。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、フィンを具備し、稼働時の前記フィンは下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴としているが、すなわち、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外部ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンのうちの1枚か複数が、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離にある点の軌跡の1つか複数に位置し、これにより、稼働する中央振動フィンから1番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離を規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側に、前記流体において、2つの異なるせん断速度を確立するために前記第二距離とは異なる。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、前記部材に取り付けられたフィンを具備し、稼働時の前記フィンは、前記部材に対して下向きに、同軸的に、横方向に、または放射状に突出し、前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、以下を具備する。
稼働時に下方に突出するフィンは、前記フィンが振動するように構成されているか、または静的であるように構成されており、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている。
前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンであって、前記静的フィンの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に対して平行であるか、または角変位の45度以内にある平面に沿ってそれらの最大の面を有するようになっているが、すなわち、1番目の横方向静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離は、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定される第二距離に固定または可変である。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、前記部材に取り付けられたフィンを具備し、前記フィンは、1台か複数の温度センサを具備する。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、以下を具備する。
稼働時に下方に突出するフィンは、前記フィンが振動するように構成されているか、または静的であるように構成されているが、前記振動フィンは前記部材に取り付けられ、前記静的フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている。
前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンにおいて、前記静的フィンのうちの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に平行であるか、または角変位の45度以内の平面に沿ってそれらの最大の面を有するようになっているが、すなわち、1番目の横方向静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離が、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定される第二距離に固定または可変であり、前記静的フィンは、1台か複数の温度センサを具備する。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、以下を具備する。
前記部材に取り付けられたフィンは、稼働時に下方に突出する前記フィンであり、前記フィンは任意選択で、1台か複数の温度センサを具備し、前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
前記部材を固定し、前記部材に前記フィンを取り付けることを可能にする1番目のカラー(環状部品)。
少なくとも1種類の実施形態で前記装置は、以下を具備する。
稼働時に下方に突出するフィンである前記フィンは、任意選択で、1台か複数の温度センサを具備し、前記フィンは、振動するように構成されているか、または静的に構成されている。
前記フィンの両側に横方向に配置された1枚か複数の静的フィンであって、前記静的フィンの1枚か複数が、内側に位置する振動フィンの最大面に対応する平面に対して平行であるか、または角変位の45度以内の平面に沿ってそれらの最大の面を有しているが、すなわち、1番目の横方向静的フィンと内側に位置する振動フィンとの間に規定される第一距離が、2番目の横方向静的フィンと前記内側に位置する振動フィンとの間に規定される第二距離に固定または可変であり、前記静的フィンは、1台か複数の温度センサを具備する。
前記部材を固定し、前記部材に前記フィンを取り付けることを可能にする1番目のカラー。
前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングを包含し、前記内側に位置する振動フィンの周囲に前記静的フィンを可変に配置することを可能にする2番目のカラー。
本発明によると、流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を1つか複数の信号の関数として測定する方法が提供されており、前記方法は、以下を具備する:
少なくとも1つの部材を振動させ、少なくとも1つのモータを搭載し、前記部材に結合され、前記部材は、粘度または1種類か複数のレオロジー特性が測定される流体に浸漬されるように構成されている。
前記の流体浸漬振動部材の運動を、前記部材に結合された少なくとも1つの慣性測定ユニットを使用して、前記慣性測定ユニットのセンサの1つか複数の直交軸に関する1つか複数の信号に変換する。
前記流体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を前記1つか複数の信号の関数として決定する。
少なくとも1種類の実施形態で前記の1つか複数の信号は、以下からなる信号群から選択される。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動幅に相関する1番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動数に相関する2番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振幅変化に相関する3番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動数の変化に相関する4番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される振動加速度の振幅変化に相関する5番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される振動加速度の振幅変化に相関する6番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される角速度の振幅変化に相関する7番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される角速度の振幅変化に相関する8番目の信号。
前記モータを駆動する信号の位相に相関する9番目の信号。
前記モータを駆動する電圧信号に相関する10番目の信号。
前記モータを駆動する信号と前記1番目の信号との間の位相差に相関する11番目の信号。
前記モータを駆動する信号と前記2番目の信号との間の位相差に相関する12番目の信号。
前記モータを駆動する信号と前記3番目の信号との間の位相差に相関する13番目の信号。
前記モータを駆動する信号と前記4番目の信号との間の位相差に相関する14番目の信号。
前記流体の温度に相関する15番目の信号。
前記流体の圧力に相関する16番目の信号。
電流センサまたは電流検出集積回路または電子回路を用いて測定される前記モータを流れる電流に相関する17番目の信号。
周囲温度に相関する18番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される時間領域角速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の振幅変化に相関する19番目の信号。
前記振動部材に対する前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される時間領域加速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の振幅変化に相関する20番目の信号。
少なくとも1種類の実施形態において前記「粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程」は、以下の工程を具備する。
振動の感知振幅は、空気中の前記振動部材に対する前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿っている。
振動の感知周波数は、空気中の前記振動部材に対する前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿っている。
前記振動部材を流体媒体に浸漬する工程。
一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して1番目の信号を得ると振動の振幅変化を測定する工程。
一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して2番目の信号を得ると振動の振幅変化を測定する工程。
任意選択で、モータを駆動する信号との間の位相(または位相差)である3番目の信号と、前記1番目の信号および/または前記2番目の信号を測定する工程。
前記1番目の信号および/または前記2番目の信号、またはそれらの組み合わせを用いて、任意選択で、3番目の信号を用いて、前記流体媒体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を計算する工程。
少なくとも1種類の実施形態において前記少なくとも1つの信号は、加速度信号、速度信号、変位信号、角速度信号、角加速度信号、角変位信号、および/またはこれらの信号の組み合わせの信号であり、すなわち、ここで、加速度信号が、加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定され、ここで、角速度信号および/または角加速度信号および/または角変位信号が、角速度センサまたはジャイロスコープまたは速度積分ジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態において粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、少なくとも1枚か複数のフィンを介して稼働時に下方に突出する1枚か複数のフィンを介して前記流体のせん断速度を決定する工程を含み、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的であるように構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記部材に取り付けられている前記振動フィンは、前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられている前記静的フィンであり、1枚か複数の振動フィンは、1つか複数の対応する振幅で振動するように構成されており、前記1つか複数の対応する振幅は、互いに等しいかまたは異なるものである。
少なくとも1種類の実施形態において粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、1枚か複数のフィンを介して前記流体の少なくとも1つのせん断速度を決定する少なくとも1つの工程を含み、稼働時に下方に突出し、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記振動フィンが前記部材に取り付けられ、前記静的フィンが前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられ、前記静的フィンの1枚か複数が、前記振動フィンのうちの1枚か複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡に配置されており、これにより、稼働する中央振動フィンから1番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記第二距離に等しいせん断速度を確立するために、前記流体において、前記振動フィンのいずれかの側に等しいせん断速度を確立する。
少なくとも1種類の実施形態において 粘度または1種類か複数のレオロジー特性を決定する工程は、1枚か複数のフィンを介して前記流体の少なくとも1つのせん断速度を決定する少なくちも1つの工程を含み、前記フィンは振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記振動フィンが前記部材に取り付けられ、前記静的フィンが前記部材の一部を覆うように構成されている外側ハウジングに取り付けられ、前記フィンが振動するように構成されているか、または静的に構成されていることを特徴とするが、すなわち、前記静的フィンの1枚か複数が、前記振動フィンの1枚か複数から等距離にある点の1つか複数の軌跡に配置されており、 これにより、稼働する中央振動フィンから1番目の静的フィンの第一距離と、前記稼働する中央振動フィンから2番目の静的フィンの第二距離とを規定し、前記第一距離は、前記振動フィンの両側に、前記流体において、2つの異なるせん断速度を確立するために、前記第二距離とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、添付の図面に関連して説明されているが、以下がその中に含まれる。
図1は、本発明の本装置の1種類の実施形態を示す。
図2は、その振動スタンスにおいて、本発明の装置が単一のIMUを有することを示す。
図3は、2つのIMUを備えた本発明の装置の別の実施形態を示す。
図4は、
図3の装置の別の実施形態における等価な抽象的概略図を示す。
図5は、本発明の装置の使用方法のフローチャートを示す。
図6は、本発明の装置に関連して用いられる例示的な実施形態のモータ仕様を示す。
図7は、本発明の装置に続くシステムレベルのブロック図を示す。
図8は、振動部材をカレーケチャップの体積に繰り返し浸漬および除去した場合に、測定/記録される加速度計出力のグラフを示す。
図9は、蜂蜜の体積に振動部材を浸漬および除去した場合に、測定/記録された加速度計出力のグラフを示す。
図10は、異なる粘度の流体(
図8のカレーケチャップと
図9の蜂蜜)の加速度振幅変化のグラフ比較を示す。
図11は、カレーケチャップの体積から繰り返し浸漬および除去される本発明の振動/振動要素または部材として得られる/測定される/記録されるジャイロスコープ(または角速度センサ)出力のグラフプロットを示す。
図12は、
図11に示す測定値の一部のみがプロットされたグラフプロットを示す。
図13a、13b、13cは、せん断速度レオメトリー装置、または好ましくは
図1の粘度計装置用のアタッチメントの様々な図を示す。
図14aは、せん断速度レオメトリー装置、または好ましくは、
図1の粘度計装置用のアタッチメントの1つの図を示す。
図14bは、
図14aの図の90度軸回転図を示す。
図15aは、せん断速度レオメトリー装置、または好ましくは、
図1の粘度計装置用のアタッチメントの1つの図を示す。
図15bは、
図15aの図の90度軸方向に回転した図を示す。
図16は、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)に示すように、振動部材または振動機構に取り付けられている(または一部)1面か複数の平行な平面(すなわちフィンおよび/またはプレート)を備えるフィンまたはプレートを備えた粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置のいくつかの代替実施形態を示す。
図17は、大量の蜂蜜に振動部材を浸漬した場合に、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープの出力または角速度のグラフを示す。
図18は、ジャイロスコープの直交軸の1本か複数に関して測定された角速度における平方和の平方根として計算された等価角速度を示す。
図19は、振動部材を空気中に戻す前に、ケチャップの体積に浸漬し保持した場合に、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープの出力または角速度を示す。
図20は、振動部材を各流体、蜂蜜、ケチャップの体積に別々に浸漬して保持した場合に、異なる粘度の流体について、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープ出力の振幅または角速度の変化を比較したもの。
図21は、各流体、蜂蜜、オリーブオイル、醤油の体積に振動部材を別々に浸漬して保持した後、繰り返し浸漬しない場合に、直交軸の1本に関して測定された加速度センサー出力の振幅変化を比較したもの。
図22は、各流体、蜂蜜、オリーブオイル、ヒマシ油の体積に振動部材を別々に浸漬して保持した後、繰り返し浸漬しない場合に、直交軸の1本に関して測定された加速度センサー出力の振幅変化を比較したもの。
図23は、流体の体積に振動部材を浸漬して保持した後、繰り返し浸漬しない場合に、直交軸の1本に関して測定された加速度計または加速度の生で未処理の出力を示す(青いプロット)
図24は、装置部材が空気中で振動しているとき(黒)、および装置部材が蜂蜜などの粘性流体に浸漬されて振動しているとき(赤)に、角速度センサまたはジャイロスコープの出力に対応する時間領域スペクトルの大きさを示す。
【添付図面についての詳細な説明】
【0006】
本発明によれば、流体の粘度および/または1種類か複数のレオロジー特性を測定する装置および方法が提供される。 本発明の装置は、通常、慣性測定ユニットを用いて、粘度および/または少なくとも1つの信号(例えば振幅信号、周波数信号、および/または同様の信号)の関数としての1種類か複数のレオロジー特性を感知/検出するように構成されている(加速度計を搭載し、加速度を感知/測定するように構成されており、1本か複数の直交軸に関して、また任意選択でジャイロスコープと合わせて、1本か複数の直交軸に関して角速度/角変位/角度方向および/または姿勢を感知/測定するように構成されている)。装置によって感知または測定される流体のレオロジー的および/または物理的特性はまた、そのチキソトロピー指数、分注速度、たるみ抵抗、粘度、静的粘度、動的粘度、動粘度、圧縮性、体積弾性、密度、温度、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
図1は、本発明における1種類の実施形態ならびに本装置を示す。
少なくとも1種類の実施形態で装置(100)は、部材(12)に結合された慣性測定ユニット(14)を含む部材(12)から構成される。本部材(12)には、本部材(12)に振動を与え、部材(12)を振動部材にするモータ(16)も結合されている。本部材(12)は、粘度および/または1種類か複数のレオロジー特性が測定/感知/記録されるべき流体に浸漬されるように構成されている。モータは、一般的に電気駆動モータまたは電気モータであると理解されている。1種類か複数の実施形態において装置(100)は、アンカー、クランプ、部材が手で保持される点(15)から構成される。
少なくとも1種類の実施形態で部材(12)は、棒部材、円筒状物体部材、シム部材、長方形部材、楕円体部材、直方体部材、硬質ストリップ部材からなる部材の群から選択される。
少なくとも1種類の実施形態で慣性測定ユニット(14、14a、14b)は、加速度計を搭載し、加速度を感知/測定するように構成されており、1本か複数の直交軸に関して、また任意選択でジャイロスコープと合わせて、1本か複数の直交軸に関して角速度/角変位/角度方向および/または姿勢を感知/測定するように構成されている。いくつかの実施形態において加速度計は、振動部材に取り付けられる。いくつかの実施形態においてIMUは、単一のダイ上、または単一のパッケージおよび/またはハウジング内の特定用途向け集積回路(ASIC)と統合された複数のダイ上に、MEMS/NEMSジャイロスコープ(角速度センサおよび/または速度積分ジャイロスコープ)、加速度計、磁力計、圧力センサ、気圧計、温度センサのうちの1つか複数を具備する。
少なくとも1種類の実施形態において、モータ(16)は、振動モータ、偏心回転質量振動モータ、ブラシレス直流モータ、コインモータ、ブラシ付き偏心回転質量振動モータ、ブラシレス直流偏心回転質量振動モータ、線形共振アクチュエータからなるモータ群から選択されるモータである。代替実施形態では、アクチュエータまたはモータ(16)は、電圧または時間変化する電圧が印加されたときにひずみ、屈曲または振動する圧電素子に置き換えることができる。
図2は、その振動スタンスにおいて、本発明の装置が単一のIMUを有することを示す。
図2は、部材(12)がその長さに沿って位置r_1で移動した円弧長S_1を示す。 S_1=r_1・θ、ここで r_1 は、慣性測定ユニット(IMU)および/または加速度計/ジャイロスコープ/センサと部材のアンカー/クランプ(15)間の有効距離である。 θ は、所定の持続時間(または期間もしくは時間間隔)で、部材アンカー点/軸において振動部材(12)が移動する角度である。
図2は、部材(12)の遠位端部によって移動される円弧長S_2を示す。S_2=r_2・θ、ここで r_2 は、部材(12)の遠位端部と部材のアンカー/クランプ(15)との間の有効距離である。 θ は、所定の持続時間(または期間または時間間隔)で、部材アンカーポイント/軸において振動部材が移動した角度である。
図3は、2つのIMUを有する本発明の装置の別の実施形態を示す。
図4は、
図3の装置の別の実施形態の等価な抽象的概略図を示す。
代替実施形態では、部材アンカー点/軸から任意の有効距離r_2にIMU/加速度計/ジャイロスコープ/センサを置くこと/配置することができ、その結果、部材上の点において所与の持続時間(または期間または時間間隔)で部材によって移動される円弧長S_2 は、S_2=r_2・θによって与えられる。さらに別の実施形態では、有効距離r_1、またはr_2によって示される部材に沿ったIMU/加速度計/ジャイロスコープ/センサの位置を測定装置の感度を増減するように変更することができ、または、測定/取得信号強度、または信号振幅、信号範囲および/または信号対雑音比(SNR)などの1つか複数の測定/取得信号パラメータを変更することができる。例えば、所与の部材振動数または所与のモータ作動電圧(または電流)について、IMU加速度計(14)またはスタンドアロン加速度計(または加速度センサ)から得られる信号の振幅を増加させるために、部材(12)上に、部材アンカーポイント(15)(または部材ピボット軸または部材クランプ)からさらに離れた位置に置かれた/配置されたIMU加速度計またはスタンドアロン加速度計(または加速度センサ)は、それぞれ、図 2、図 3、図 4 で、有効距離r_2およびr_1によって示されるように、アンカー点の近くに配置されたものよりも大きな信号振幅を出力する。
さらに別の実施形態では(
図3に示されるように、
図4に示される単純化された等価な回路図を用いて)、1つか複数のIMU/加速度計/ジャイロスコープ/センサ(14a、14b)は、部材のアンカー点/軸(15)から有効距離r_1およびr_2で、部材(12)に沿って配置/結合することができる。そのような種類の実施形態では、有効距離r_2に位置する慣性センサ(IMU/加速度計/ジャイロスコープおよび温度センサ)の第2のセットは、粘度および/またはレオロジー測定中に流体に浸漬される部材(または装置)(12)のいくつかの上に配置される。さらに別のそのような実施形態では、慣性センサの第2のセット(IMU/加速度計/ジャイロスコープおよび温度センサ)を有効距離r_2に配置することができ、部材(12)に取り付けられ、粘度および/またはレオロジー特性測定中に流体に浸漬される複数のフィンまたは複数のプレートの上に配置される。
いくつかの実施形態では、慣性測定ユニット(14)は、円弧長w.r.t時間、粘度を伴うs(t)、異なる流体の変動、ηにおける毎秒変動を測定する加速度計を有する。あるいは、異なる粘度の流体への振動部材(12)の浸漬による加速度(a)波形出力の振幅の変化は、2つの媒体(例えば、流体と空気)間の粘度の変化に比例し、既知の/測定された温度と圧力、つまりΔa∝Δη=η_fluid-η_airで、空気の既知の粘度(または既知の/較正された粘度または関連するレオロジーパラメータを有する別の流体)が与えられた流体の未知の粘度を計算に使用することができる。
いくつかの実施形態において、慣性測定ユニット(14)は、異なる流体の粘度(η) (または関連するレオロジーパラメータ)を伴うθ(t) 変動を測定するジャイロスコープ/角速度センサを具備する。移動した円弧(
図3のs )はIMU 2の位置(14b)に対するIMU 1の位置(14a)とで異なるため、位置1の線速度は位置2の線速度よりも遅くなり、2つの加速度計/IMUで異なる粘性減衰力が発生し、異なる抗力速度(必要な場合)で粘度(または関連するレオロジーパラメータ)を同時に測定できる。両方の位置でジャイロスコープによって測定された角速度ω=dθ/dtは、加速度計による粘度(または関連するレオロジーパラメータ)の測定をさらに裏付けるために、互いに等しいか非常に近い値である必要がある。当粘度値は、例えばZahn/Fordカップユーザーが現在得ている動粘度(流体の密度に対する粘度の比)値の置き換えや補足が可能である。
部材(12)が振動すると、慣性測定ユニット(14)は、そのセンサを用いて振動部材の動きを電気信号に変換し、振動の振幅(変化)に相関する信号を少なくとも1つ検出し、振動の振動数(変化)に相関する信号を少なくとも1つ検出する。 流体では、一旦、振動部材が浸漬されると、その振動が減衰し、振動数と振動振幅が変化する。当減衰(または変化)信号が感知され、振動部材が配置されている流体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)を決定するために使用される。すなわち、当粘度(または関連するレオロジーパラメータ)は、信号の関数のうちの1つである。
少なくとも1種類の実施形態では、1番目の信号は、前記振動部材の振動振幅に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、2番目の信号は、前記振動部材の振動数に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、3番目の信号は、前記振動部材の振動時振幅変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、4番目の信号は、前記振動部材の振動数変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、5番目の信号は、前記振動部材の加速度の振幅変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、6番目の信号は、前記振動部材の加速度の周波数変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットの1つか複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、7番目の信号は、前記振動部材の角速度の振幅変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される
少なくとも1種類の実施形態では、8番目の信号は、前記振動部材の角速度の周波数変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される
少なくとも1種類の実施形態では、9番目の信号は、前記モータを駆動する信号の位相に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、10番目の信号は、前記モータを駆動する電圧信号と相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、11番目の信号は、前記モータを駆動する信号と前記1番目の信号との間の位相差に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、12番目の信号は、前記モータを駆動する信号と前記2番目の信号との間の位相差に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、13番目の信号は、前記モータを駆動する信号と前記3番目の信号との間の位相差に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、14番目の信号は、前記モータを駆動する信号と前記4番目の信号との間の位相差に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、15番目の信号は、前記流体の温度に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、16番目の信号は、前記流体の圧力に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、17番目の信号は、電流センサまたは電流検知集積回路または電子回路を用いて測定される前記モータを流れる電流と相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、18番目の信号は周囲温度に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、19番目の信号は、前記振動部材の時間領域角速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の周波数変化に相関しており、前記振動は、前記慣性測定ユニットの1台か複数のジャイロスコープの1本か複数の直交軸に関して測定される。
少なくとも1種類の実施形態では、前記振動部材の時間領域加速度信号の周波数領域スペクトルに存在する1つか複数のピーク時の周波数変化に相関しており、20番目の信号は、前記振動の1つか複数の加速度計の1本か複数の直交軸に関して測定される。
好ましい実施形態では、慣性測定ユニット(IMU)は、装置の感度を改善または最適化するために、振動部材のアンカーまたはクランプからさらに離れた位置に配置される。あるいは、慣性測定ユニットを振動要素のクランプされていない、または自由端の近くに配置することに対応する。いくつかの実施形態では、慣性測定ユニット(14)は、部材(12)に対して同軸である。一般的な意味で装置から出力される検出信号の感度または強度は、IMUが振動要素クランプまたはアンカーから離れて配置されているほど増加する。
ある実施形態では、モータ(16)は部材(12)に対して同軸である。さらに別の実施形態では、モータは振動要素または部材に当接する。
ある実施形態では、振動要素または部材の長さに対するモータの位置は、その自由端(振動端)および/または1つか複数のIMUの位置における振動要素(または部材)の加速度および/または角速度を最大化するように最適化される。
好ましい実施形態では、モータ(16)は、振動モータまたは偏心回転質量振動モータである。
さらに別の実施形態では、モータ(16)は、振動要素または部材に取り付けられるか、または振動要素または部材に同軸である出力回転軸を有する。
さらに別の実施形態では、モータ(16)は、線形共振アクチュエータ(LRA)である。
さらに別の実施形態では、作動機構は、2つ以上のモータを含み、各モータは、同じタイプのものでも、上述の1つ以上のタイプのモータの組み合わせたものでもよい。
様々なセンサの位置は、静的または動的であり、センサ出力感度および/またはダイナミックレンジなどの最適な信号パラメータを得るために、製造前にリアルタイムで変更するか、または固定できることが理解されるべきである。
1台または複数のモータ/アクチュエータの位置は、静的または動的であり、センサ出力感度および/またはダイナミックレンジなどの最適な信号パラメータを得るために、製造前にリアルタイムで変更するか、または固定できることが理解されるべきである。
本発明の装置は、可変できるクランプアンカーポイントの位置によって、手持ちまたはクランプできることが理解されるべきである。
図1および
図2を参照すると、添付の図面のうち、部材(12)によって移動される円弧長s=r・θ、ここで、rは、慣性測定ユニット(IMU)(14)および/または加速度計/センサと部材(12)および/または/クランプとの間の有効距離である。θは、振動部材(12)が部材のアンカーポイント/軸(15)で移動する角度である。
剛体振動部材(12)については、
s=r×θを得る。
上記の方程式をw.r.t時間微分すると、
v=r・dθ/dt=r・ω を得る。
ここで、 vは各IMU位置(加速度計出力の積分w.r.t時間)で検出される線速度であり、部材(12)の角速度である。IMU(14)のジャイロスコープ(角速度センサー、ARS)は、各位置で同じか、またはほぼ類似ωを測定する必要がある。
上述の方程式を再びw.r.t時間微分すると、
a=r・dω/dt=r・α を得る。
ここで、aは(加速度計によって)各IMU位置で感知された振動部材(12)の線形加速度であり、部材(12)の角加速度である。流体が振動部材(12)に加える粘性抗力は、部材の線形加速度を減少させるので、部材(12)の角加速度は、媒体の粘度が高いために(上述の式に示されるように)比例して減少する。 さらに、α=dω/dt=d(dθ/dt)/dt=(d^2 θ)/[dt]^2 であるため、IMUのジャイロ/ARSが流体の粘度によるωでの変化を検出することが期待できる。これは、 Δa∝Δη および Δα=1/r Δaであるため、 Δα∝Δη=η_fluid-η_air を得て、したがって、積分を介して、Δω∝Δη および Δθ∝Δη、および流体粘性抗力によるこの信号は、IMUジャイロ/ARS出力にも現れるはずである。[ここでは、記号 ∝は「~に比例する」を表すために使用されていることに注意すること。当記号は、時間、空間、媒体、温度、密度などの別の変数または変数のセットに関するパラメータ、量、変数の変化を表すために用いられていることに注意すること。]
少なくとも1種類の実施形態では、流体の粘度および/または1種類か複数のレオロジーおよび/または物理的特性(例えばそのチキソトロピーインデックス、ディスペンス速度、たるみ抵抗、粘度、静的粘度、動的粘度、動粘度、圧縮性、体積弾性、密度、温度、またはそれらの組み合わせ)を検出/感知する方法が開示されているが、方法は、以下を具備する。
前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿って空気中の前記振動部材の振動振幅を感知する工程。
前記慣性測定ユニットのセンサの1本か複数の直交軸に沿って空気中の前記振動部材の振動数を感知する工程。
前記振動部材を流体媒体に浸漬する工程。
一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して1番目の信号を得ると、振動の振幅変化を測定する工程。
一旦、前記振動部材を前記流体媒体に浸漬して2番目の信号を得ると、振動数の変化を測定する工程。
モータを駆動し、前記1番目の信号および/または前記2番目の信号との間にある信号間の位相(または位相差)である3番目の信号を測定する工程、加えて
前記1番目の信号および/または前記2番目の信号、またはそれらの組み合わせを用いて、任意選択で3番目の信号を用いて、前記流体媒体の粘度および/または1種類か複数のレオロジー特性を計算する工程。
少なくとも1種類の実施形態では、前記振幅は、加速度信号、速度信号、変位信号、角速度信号、角加速度、および/またはこれらの信号の組み合わせの振幅である。すなわち、ここで加速度信号は、加速度計の1本か複数の直交軸の出力であり、ここで角速度信号および/または角加速度信号は、角速度センサまたはジャイロスコープの1本か複数の直交軸の出力である。振幅は、検出または測定された変位、速度、および/または加速度の振幅を示すことができる。
少なくとも1種類の実施形態では、前記周波数は、加速度信号、速度信号、変位信号、角速度信号、角変位信号、および/またはこれらの信号の組み合わせの周波数である。すなわち、ここで加速度信号は、加速度計の1本か複数の直交軸の出力であり、ここで角速度信号および/または角変位信号は、角速度センサまたはジャイロスコープの1本か複数の直交軸の出力である。振幅は、検出または測定された変位、速度、および/または加速度の振幅を示すことができる。周波数は、検出または測定された角周波数、角速度および/または角変位の周波数を示すことができる。
図5は、本発明の装置の使用方法のフローチャートを示す。
501: 電源オン
Step 502: モータ電源オン
Step 503: IMUからのデータ収集/温度/タイマー開始
Step 504: 「n」秒の待機状態かどうかを確認する。待機状態である場合は、工程 505 に進む。待機状態でない場合は、工程 503 に進む。
Step 505: ディップインジケーターがオン状態かどうかを確認する。オンの場合は、工程 506 に進む。そうでない場合は、工程504に進む。
Step 506: 振動部材を流体に浸漬した後のデータ収集
Step 507: 「n」秒の待機状態かどうかを確認する。待機状態である場合は、工程 508 に進む。待機状態でない場合は、工程 506 に進む
Step 508: データの保存と処理
Step 509: 処理済みデータの表示
Step 510: データストレージとプロセス間の全二重通信(509)とBluetooth伝送(510)
Step 511: Bluetooth伝送(510)とクラウド/周辺機器(511)間の全二重通信
Step 512: クラウドからの外部ディスプレイ/周辺機器 (511)
Step 513: 測定の確認が再度必要。確認する場合は、工程 502に移動 - モータ電源がオンになっている。確認しない場合は、工程514に進む
Step 514: 電源オフ
追加的または代替的な測定モードは、較正モードまたは較正ルーチン、または較正サブルーチンから構成されており、ここで、ユーザーは、流体または試験流体の粘度および/または1種類か複数のレオロジー特性を測定する前に、以下によって、予め定義された測定ルーチン/複数のルーチンを実行することによって、本発明の装置を較正する。
まず、試験流体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)の測定に際して、同じ装置を使用する前に、既知の(または事前に較正された、または基準の)粘度(または関連するレオロジーパラメータ)値を有する流体または流体試料(以降、「較正流体」と呼ぶ)に本発明の装置を浸漬する。
この既知の、または事前に較正された、または基準粘度(または関連するレオロジーパラメータ)値は、毎秒温度、湿度、毎秒せん断速度(特異な値または各パラメータ値の範囲)などのさまざまなパラメータに対して与えられる(または知られている、または測定される、または参照される)可能性がある、加えて
この既知の、または事前に較正された、または較正流体の基準粘度(または関連するレオロジーパラメータ)値は、較正手順/ルーチン/サブルーチンの実行の前または後に、装置自体を使用するか、またはコンピュータ、ラップトップ、電子スマートウォッチ、電話、スマートフォン、スマートフォンアプリケーション、携帯電話またはデバイス、複数の電子イヤフォンまたは複数のヘッドフォンまたは複数の補聴器またはスマートスピーカーなどのスマート聴覚デバイスなどの周辺計算、入力、通信デバイスを使用することのいずれかで、本発明の装置に登録され、またはユーザーによって入力することができる。
さらに、同じまたは異なる粘度(または関連するレオロジーパラメータ)値の1つか複数の較正流体を本明細書に記述する較正手順/ルーチン/サブルーチンに利用することができる。
図6は、本発明の装置に関連して使用される例示的な実施形態のモータ仕様を示す。
図7は、本発明の装置に続くシステムレベルのブロック図を示す。
非限定的な例示的実施形態によれば、本発明の装置は、単軸出力を有する加速度計と、当加速度計を有する部材を搭載して構成されており、当加速度計は、カレーケチャップまたは蜂蜜などの粘性媒体または流体(ニュートンまたは非ニュートン)の体積から浸漬および除去される。
図8は、振動部材をカレーケチャップの体積に繰り返し浸漬および除去する場合に、測定/記録される加速度計出力のグラフを示す。
添付図面の
図8に示すプロットにおいて、加速度計出力は、振動/振動粘度計部材をカレーケチャップの体積に浸漬および除去する場合に、測定/記録される。プロットは、振動部材を囲む媒体の粘度がカレーケチャップの体積で増加するにつれて、加速度計によって感知される加速度の振幅が減少することを示す。振動部材の運動にかかる反対抗力は、部材を囲む媒体の粘度が増加するにつれて増加し、引いては、所与の/一定の(またはほぼ一定の)部材の励起/駆動力(モータによって提供される)に対して部材に作用する正味の力を減少させる。プロットが示すように、正味の力が減少すると、引いては、部材がより粘性のある流体で振動しているときに加速度振幅が小さくなる。さらに、以下のプロットが示すように、振動部材が流体から除去されて、再び空気中に取り外されると、加速度振幅は以前の大きな値(複数)に戻る。加速度振幅の変化は、振動部材を取り囲む2つの媒体の粘度の差に依存し、また前記振動部材を取り囲む2つの媒体の粘度の差に比例する。すなわち、 ∝Δη=η_fluid-η_air を得る。そして、この関係は、既知の/測定された温度および圧力における空気の既知の粘度を与えられた場合(精度をあげるために)、流体の未知の粘度を計算するのに使用することができる。
図9は、蜂蜜の体積に振動部材を浸漬および除去する場合に測定/記録される加速度計出力のグラフを示す。
カレーケチャップについて説明した加速度測定は、ヒューリスティックにより、粘性のある液体である蜂蜜に対して繰り返される。加速度測定は、カレーケチャップの場合と同じ傾向を示し、蜂蜜に振動部材を浸漬するたびに加速度振幅が減少し、部材を蜂蜜から取り出して空気中に放出するたびに以前の値に戻る。
図10は、異なる粘度の流体(
図8のカレーケチャップと
図9の蜂蜜)の加速度振幅変化のグラフ比較を示す。
添付図面の
図10のプロットに示されている振動部材の加速度波形を、カレーケチャップと蜂蜜について同じ軸にプロットし、より粘性のある流体における部材振動の加速度振幅のより大きな変化(減少)を比較および強調する。蜂蜜はカレーケチャップよりも目に見えて/ヒューリスティックに粘性が高い(「厚い」)ため、カレーケチャップに比べて振動部材を浸漬すると加速度振幅が小さくなることが予想された。
図10のプロットは、振動部材の加速度振幅がカレーケチャップよりも蜂蜜の方が有意に小さいという傾向を示している。また、振動部材が粘性流体(カレーケチャップであろうと蜂蜜であろうと)から取り除かれると、加速度振幅が空気中で公称値に戻り、当公称値が浸漬から浸漬まで、および測定から測定まで(異なる流体間で)ほぼ同じであることも注目に値する。
図10のプロットでは、蜂蜜波形(赤)が時間軸に沿ってシフトし、カレーケチャップ波形(青)が粘性流体の振動周期を大まかに揃えるようにシフトしており、それによって2組の測定セット(蜂蜜対カレーケチャップ)間の加速度振幅の比較を容易にすることに注意すること。
したがって、蜂蜜とカレーケチャップ(ベースラインとしてw.r.t.空気)についての加速度データを比較するプロットは、
図10に見られるように、部材加速度の変化が振動部材を取り囲む媒体が変化するにつれて粘度の変化に比例することを示す。すなわち、 ∝Δη=η_fluid-η_air が得られるが、これは本発明のある実施形態において所望されるとおりである。
図11は、カレーケチャップの体積から繰り返し浸漬および除去される本発明の振動/振動要素または部材として得られる/測定される/記録されたジャイロスコープ(または角速度センサ)出力のグラフプロットを示す。
図11のプロットは、振動部材をカレーケチャップの体積に浸漬したときに振動部材を囲む媒体の粘度が増加するにつれて、角速度センサー/ジャイロスコープによって感知される角速度の振幅が減少することを示す。さらに、
図11に示すプロットの振幅が減少した期間中のピーク時の密度がまばらであること(空気中での振動中に測定/記録されたものと比較して)によって示されるように、部材がより粘性のある媒体で振動している場合にも、検出された角速度信号の周波数は減少する。
図12は、
図11に示す測定の一部のみがプロットされ、周波数の減少と、より粘性のある流体への浸漬中の連続するピーク間の時間期間の対応する増加を強調するグラフプロットを示す。角速度の周波数は、振動部材の角速度の時間変化率、すなわち角加速度に比例するパラメータに対応する。したがって、
図12のプロットは、角加速度の変化が振動部材の周囲の媒体が変化するにつれて粘度の変化に比例することを示す。すなわち、 α∝Δη=η_fluid-η_airが得られる。
ある実施形態では、温度センサは、部材(12)上(またはその遠位端部)に構成され、その粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)が感知/検出される流体に部材が浸漬されたときに、温度センサが流体温度を感知する。ここでは、温度データを検知した別の信号が測定される。これによりユーザーは、粘度(または関連するレオロジーパラメータ)値を温度値と同時に取得できる。当信号は、さらに粘度(または関連するレオロジーパラメータ)を計算し、および/または流体の粘度および/または他のレオロジーおよび/または物理的パラメータの測定値を調整するために使用される。
ある実施形態では、振動部材(12)の表面機能化またはナノ構造化またはテクスチャリングまたはコーティングは、塗料/接着剤/血液/他の非ニュートン流体/またはニュートン流体/または流体が部材に付着せず、ロッドが測定後に洗浄または再利用することが容易になるように行うことができる。
いくつかの実施形態では、圧力センサは、部材(12)上(またはその遠位端部またはハンドルもしくはモータハウジングにおいて)に構成され、その部材が粘度(または関連するレオロジーパラメータ)が感知/検出される流体に浸漬されたときに流体圧力を感知する。
ここでは、感知された圧力データである別の信号が測定される。これにより、ユーザーは圧力値と同時に粘度値を取得できる。この他の信号は、さらに粘度(または関連するレオロジーパラメータ)を計算し、および/または流体の粘度および/または他のレオロジーおよび/または物理的パラメータの測定値を調整するために使用される。
図13a、13b、13cは、せん断速度レオメトリー装置、または望ましくは
図1の粘度計装置用のアタッチメントの様々な図を示す。
図14aは、せん断速度レオメトリー装置、または望ましくは
図1の粘度計装置用のアタッチメントの一図を示す。
図14bは、
図14の図の90度軸回転図を示す。
2枚の平行プレートの間を流れる流体のせん断速度Rshearは、一方が一定の速度または速度で移動し、もう一方が静止している場合、以下の式で得られる。
R_shear= v/d
ここで、d は2枚の平行プレート間の距離である。粘性流体の単純なせん断の場合、それはその流体の速度の勾配である。流体力学では、一方が他方に対してそれ自身の平面内で接線方向に動いている2つの平行な表面の間の空間における粘性流体の流れの前述の構成は、クエット流れとしても説明される。移動プレートの速度vが、毎秒メートル(ms-1)で測定され、2枚の平行プレート間の距離dがメートルで測定される場合、せん断速度の単位は、reciprocal seconds(秒の逆数)またはinverse seconds毎秒(s-1)で測定される。平行プレートの一方の正弦波調和運動または正弦波運動または振動運動の場合、それ自身の平面において、他方のプレートに対して(または静止プレートに対して)、移動プレートの速度vも正弦波である。前述の正弦波調和運動の場合、粘性流体のせん断速度は、固定プレートに対する移動プレートvRMSの二乗平均平方根(RMS)値(振動サイクルの整数数にわたる)に比例する。あるいは、正弦波調和運動におけるプレートの速度のRMS値vRMSは、その速度振幅V0、すなわちV_0=√2・V_RMSに比例するため、粘性流体のせん断速度も、静止プレートに対する移動プレートの速度V0の振幅に比例する。
粘度測定装置またはレオメトリー装置の例示的な実施形態では、装置部材上に配置された、および/または装置部材に取り付けられたフィン/プレート上に配置された1台か複数の加速度計および/または1つか複数のジャイロスコープの出力を用いて、装置部材が浸漬される粘性流体のせん断速度を計算/電算機で算出するために、装置の正弦波振動または振動部材(またはロッド)に取り付けられた移動プレートまたは可動フィンの速度を測定または計算または電算機で算出することができる装置の正弦波振動または振動部材(またはロッド)に取り付けられた移動プレートまたは可動フィンの速度を測定または計算または電算機で算出することができる。したがって当実施形態では、装置は、異なるせん断速度における流体の粘度または静的粘度(または他のレオロジー特性)を特徴付けるために、またはせん断速度値の範囲の関数として使用することができる。流体粘度および/または他のレオロジー特性を持ったせん断速度依存性のこのような特性評価は、ニュートン流体を含む多種多様な流体、特に非ニュートン流体にとって重要であり、しばしば極めて重要である。非ニュートン流体の粘度は、流体のせん断速度に依存する。したがって、装置の前述の実施形態を用いて、それが浸漬される粘性流体の既知のせん断速度を確立し、そのせん断速度でのその流体の粘度を測定することができる。流体せん断速度は、したがって、平行フィンまたはプレートに対して(または平行な固定プレートに対して)、それ自体の平面内で動いているフィンまたはプレートの移動速度またはスピードを変えることによって、または正弦波調和運動において、装置部材の振動数を変えることによって(モータの振動数を変えることによって、印加されるモータ電圧および/または電流を変えることによって)変わってくることもある。その後、流体粘度測定を別の流体せん断速度値で繰り返すことができる。流体せん断速度の範囲にわたって、流体せん断速度(および温度などの他のパラメータ)の関数として、流体の粘度、静的粘度、レオロジー特性を特徴付けるために、当工程を繰り返すことができる。
せん断速度レオメトリー装置、またはアタッチメントは、通常、振動フィン(20)の両側に1枚または2枚の静的フィンまたはプレート(25)を備え、静的フィン(25)は、内側に位置する振動フィン(20)に対して、内側振動フィン(20)の周囲に横方向に配置され、角変位に平行であるか、または角変位の45度以内の平面に沿って最大の面を有するようにする。距離XおよびYは、振動フィン(20)の両側の粘性流体において、同じせん断速度を確立するために同じであり得るか、またはそれらが所与の振動フィン/部材周波数に対する粘性流体中の2つの異なるせん断速度を確立するために2つの異なる値であるように設計および製造される。
本発明の実施形態では、装置は、振動部材(12)に同一線上の、および取り付けられたフィンを具備する。通常、これらのフィン(20)は、稼働時に振動部材(12)から下方に突出する。すなわち、これらのフィン(20)は、振動フィン(20)または静的(非振動)フィン(25)の可能性がある。これらのフィン(20)は、取り外し可能または恒久的なアタッチメントとして提供される。これらのフィン(それらの振動相またはそれらの静的相のいずれか)は、振動部材(12)と共に、レオロジー特性が測定される流体のせん断速度を決定するために、本発明の装置に搭載して使用される。通常、これらのフィン/プレートが、本質的に平面表面であることから、流体に浸漬される装置の部分的表面積を増加させる。すなわち、引いては流体によって加えられ、装置の振動部分によって経験される毎秒抗力およびまたは毎秒粘性力を増加させる。すなわち、引いては装置の振動部分に作用する毎秒総力が減少する。これらの力を感知して、本発明の装置を用いて、流体の粘度(または1つか複数のレオロジーパラメータ)および流体の他のレオロジー特性を決定することができる。
いくつかの実施形態では、稼働時のフィンは、前記部材に対して、下向きに、同軸的に、横方向に、放射状に突出する。
粘性流体中の振動部材が遭遇するインピーダンスを表す式は、以下の次式で得られる。
Z_mech=A√πηρf
ここで、Aは振動フィンの平面表面積、fは振動部材の周波数、ηは流体の粘度、ρは流体の密度である。
このようなフィン/プレートを使うことによって、感度、測定信号強度、信号忠実度、信号精度、信号精度のうちの少なくとも1つが増加する。
いくつかの実施形態では、外側ハウジング(10)は、振動部材(12)の遠位端部/スタブが、そのレオロジーパラメータが測定される流体に浸漬されることになっている振動部材(12)の遠位端部/スタブが突出するように、振動部材(12)の一部に押し付けるか取り付けられる。
好ましい実施形態において、振動フィン(20)は、振動部材(12)に対して同一線上および同軸であり、動作部材の遠位端部を超えて、稼働時は下方に突出している。
好ましい実施形態において、静的フィン(25)は、振動フィン(20)から離して配置される。好ましくは、静的フィン(25)は、2枚の、直径方向に対向する、中央の振動フィン(20)に平行な/対向する平面を有するフィンである。
いくつかの実施形態では、静的フィン(25)は、振動フィン(20)から等距離にある点の軌跡上に位置する。これらは、値 X (中央の振動フィンからの最初の静的フィンの距離) を値 Y (中央の振動フィンから静的フィンの距離) と同じくする。距離XとYを同じにして、振動フィンの両側で同じせん断速度を確立することができる。
いくつかの実施形態では、静的フィン(25)は、振動フィン(20)から等距離でない点の軌跡上に位置する。すなわち、これらは、値 X (中央の振動フィンからの最初の静的フィンの距離) を値 Y (中央の振動フィンから静的フィンの距離) とは異なったままにする。距離XとYは、振動フィンの両側で異なるせん断速度(2つの異なるせん断速度を確立するための2つの異なる値)を確立するために異なる可能性がある。これによって、より高速な測定、より良好な相関、より正確なデータが可能になる。
ある実施形態において、本発明の流体粘度(または1つか複数のレオロジーパラメータ)測定/特性評価装置および流体に部分的または完全に浸漬された(その粘度および/またはレオロジー特性が測定される)装置または部材(12)の部分は、図示のように拡大された面(20)を有することができるので、少なくとも、
図13a、13b、13cにおいて、測定装置の感度を増加させるか、または信号振幅、信号範囲、および/または信号対雑音比(SNR)などの1つか複数の測定/取得信号または信号パラメータの強度を増加させる。面が拡大されたこれらの構造体は、通常、装置の感度、測定信号強度、測定信号忠実度、測定信号精度、測定信号精度、測定信号精度を向上させるフィン、プレート、または構造体(中空の球殻や中実の球状の物体など)である。振動または振動する装置の部分(部材など)面を拡大すると、装置の拡大した部分が振動/移動/振動している流体/液体/媒体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)によって、装置に作用する抗力または摩擦力と相互作用する装置の表面積が増加する。装置の振動/移動/振動部分が受ける抗力または摩擦力は、流体/液体/媒体の粘度(またはいくつかのそのようなレオロジー特性)によって、装置の可動部における表面積に比例し、可動部の動きに対抗する。流体/液体/媒体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)に起因して、装置の振動/移動/振動部分に加えられる抗力または摩擦力は、流体/液体/媒体の粘度に比例する。例示的な実施形態では、流体粘度測定装置または流体レオロジー特性特徴付け装置の抗力または粘性力を感知および/または測定し、処理することができ、流体/液体媒体の粘度、または1種類か複数のレオロジー特性を計算/測定するのに用いることができる。
流体/液体/媒体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)に起因して装置の振動/移動/振動部分に加えられる抗力または摩擦力は、装置の可動部の表面積に比例するので、より大きな表面積、したがって、より大きな抗力(または摩擦力または粘性力)をもたらし、それは振動/移動/振動部分/要素の動きに対抗または妨げる前記装置、引いては装置(部材)の稼働中の振動要素(12)に作用する総力(または正味の力の合計)を減少させる。装置の振動/移動/振動部分/要素に作用する総力(または正味の力の合計)の減少は、部分的に装置の振動要素が液体/流体などの、より粘性のある媒体に浸漬されたときに、装置の振動/揺動要素の移動速度における加速度および振幅の減少をもたらす。振動部材の角速度の振幅や振動部材の角変位の振幅などのパラメータについても同様の減少が観察される。装置の振動/移動/揺動要素に作用する総力(または正味の力の合計)のこの減少、および加速度の振幅、または移動速度の振幅、または角速度の振幅、または角変位の振幅の関連する減少、装置の振動/揺動要素、装置の部分的な揺動要素が、液体/流体などのより粘性のある媒体に浸漬される場合、その液体/流体/媒体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)に比例し、および/または、流体の密度、または粘度(または関連するレオロジーパラメータ)と流体の密度との積の平方根、または粘度(または関連するレオロジーパラメータ)の積の平方根、流体の密度および装置要素の振動/振動の周波数など、液体/流体媒体の1種類か複数のレオロジー特性またはパラメータに比例する。例示的な実施形態では、本発明の流体粘度測定装置または流体レオロジー特性特性評価装置で、本発明の装置のその部分的な揺動要素が液体/流体など、より粘性のある媒体に浸漬され、粘度(または関連するレオロジーパラメータ)と流体/液体の密度との積、またはその静的粘度などの流体/液体媒体の粘度または1種類か複数のレオロジー特性を感知および/または測定、処理、計算/測定するために使用される場合、前述の装置の振動/移動/揺動要素に作用する総力(または正味の力の合計)の減少、装置の振動/揺動要素の加速度の振幅の減少、移動速度の振幅の減少、角速度の振幅の減少、または角変位の振幅の減少がある。あるいは、粘度(または関連するレオロジーパラメータ)と流体/液体の密度との積、またはその静的粘度などの流体/液体媒体の計算/測定された粘度、または1種類か複数のレオロジー特性を流体/液体のせん断速度の関数として、または装置の可動部の振動/揺動/作動周波数の関数として測定または指定することができる。
前述の装置の振動/移動/揺動要素に作用する総力(または正味の力の合計)の減少(または変化)、または加速度の振幅の減少(または変化)、または速度の振幅の減少(または変化)、または角速度の振幅の減少(または変化)、または装置の振動/可動部の角変位の振幅の減少(または変化)があるため、振動要素の一部が液体/流体など、より粘性のある媒体に浸漬され、流体/液体媒体の粘度(または関連するレオロジーパラメータ)に起因して装置に加えられる抗力または摩擦力と相互作用する装置の表面積に比例する場合、前記流体/液体に浸漬される装置の可動部の部分の表面積を増加させるフィンまたはプレートまたは構造体(中空シェル(複数)、または固体球状(複数)の物体等)など表面積が拡大した構造体の存在は、本装置の測定感度または測定信号強度または測定信号忠実度または測定信号精度または測定信号精度を高めるのに採用することができる。拡大された面(複数)を有するそのような構造体のいくつかの例示的な実施形態が、少なくとも
図13および
図16に示されている。
測定装置の1種類の例示的な実施形態において、
図16(c)で示すように、フィン状、または板状、またはシェル状、または中空球シェル状の、拡大された面(複数)の構造体を移動/振動/揺動するように作動させることができる測定装置の単一の(モノリシック)要素(モータに取り付けることができる部材など)の一部として形成することができる。測定装置の別の例示的な実施形態では、
図16(a)、16(b)、16(c)、16(d)、16(e)で示すように、フィン状、または板状、またはシェル状、または中空の球状のシェル状の拡大された面(複数)の構造体を移動/振動/揺動するように作動させることができる装置の要素(モータに取り付けられた部材など)に取り付けることができる。拡大された面を持つ構造体は、
図13(b)、13(c)、14(a)、14(b)、15(a)、15(b)、15(b)、15(b)、16(a)、16(b)、16(c)、16(d)、16(e)、16(f)、16(g)に示すように、その要素の周囲にスナップフィットまたはねじフィットまたは磁気ロックフィットするように作動させることができる装置の要素のアタッチメントとなる。
別の実施形態では、
図16(f)に示されるような板状のスポーク、または
図16(g)に示されるような個々の円筒状の棒状構造体のいずれかが、部材から突出することができる。これらの形状の変化は、感度/忠実度/精度および/または精度を向上させ、特定の流体または測定条件に最適な粘度(または関連するレオロジーパラメータ)測定モードを可能にする。
図16(f.1)は、
図16(f)の装置の1種類の実施形態の底面図を示す。
図16(f.2)は、
図16(f)の装置の別の実施形態の底面図を示す。
図16(g.1)は、
図16(g)の装置の1種類の実施形態の底面図を示す
装置の可動部(その一部も粘性流体/液体に浸漬される)を作動または移動または振動または揺動させる際に、装置の電源として消費されるエネルギーまたは電力量を減少または最小化する目的で、可動部および拡大面の付随する構造体(前述したフィン状、板状、またはシェル状、または中空球状シェル状構造など)を比較的高い(部材およびフィンの両方を合わせた)総表面積対質量比および/または比較的高い総表面積対体積比を有するように設計することが賢明である。設計にあたって前述の制約を用いた場合、モータ電圧、モータ電流、振動モータ周波数、モータ入力電力などの所定の作動パラメータのセットに対して、装置の可動部のより高い公称加速度および速度をより効率的に達成できる。比較的高い総表面積対質量比および/または比較的高い総表面積対体積比は、可動部の他の部分を可能な限り軽量化(質量または重量的に)したままで、流体に浸漬される装置の可動部の一部/領域の面を拡大することによって達成できる。携帯して操作するために、比較的高いまたはより高い総表面積対質量比(およびより高い信号対雑音比またはより高い測定感度)を実現する装置の可動部における設計例は、その非クランプまたは非アンカー端部において、1つか複数の平面フィン状または板状構造に取り付けられる中空(または中実)円筒状部材などの細長い構造を採用する。本設計のいくつかの追加の実施形態例は、
図16(a)、16(b)、16(c)、16(d)、16 (e)、16(f)、16(g)に示すとおりである。
例示的な信号は、IMUセンサ(複数)または加速度センサ(複数)(または加速度計(複数))または角速度センサ(複数)(またはジャイロスコープ(複数))またはモータ電流または電流センサ(複数)の出力の振幅および/または周波数である。別の例示的な信号は、2つの期間、つまり、1つは装置または部材が空気中に保持されている場合(およびモータが作動状態にあり、部材が振動状態にある場合)、もう1つは、装置または部材が流体/液体に浸漬されて保持されている場合(およびモータが作動状態にあり、部材が振動または振動状態になっている場合)に生じるIMUセンサまたは加速度センサ(複数)(または加速度計(複数))または角速度センサ(複数)(またはジャイロスコープ(複数))またはモータ電流または電流センサの出力の振幅および/または周波数の差、または差の大きさである。
さらに別の信号は、IMUセンサまたは加速度センサ(または加速度計)または角速度センサ(複数)(またはジャイロスコープ(複数))またはモータ電流または電流センサの出力を含む、前述の信号の周波数スペクトルにおける1つか複数のピーク時の振幅差である。前述の信号の周波数領域スペクトルは、信号(複数)の時間領域と周波数領域の間でフーリエ変換(または高速フーリエ変換)などの変換を用いて取得できる。さらに別の信号は、IMUセンサ(複数)または加速度センサ(複数)(または加速度計(複数))または角速度センサ(複数)(またはジャイロスコープ(複数))の複数個の軸(例えばX、Y、Z)の出力に対応する信号を含む(ただしこれらに限定されない)上述の2つ以上の信号間の相関関係に相関または比例する信号である。
いくつかの実施形態において、振動フィン(20)は、一体型温度センサを具備する。
いくつかの実施形態では、静的フィン(25)は、統合された温度センサを具備する。
少なくとも1種類の実施形態では、好ましくは振動部材(12)をスコンスする1番目のカラー(22)は、振動フィン(20)を振動部材(12)に取り付けることを可能にする。
少なくとも1種類の実施形態では、2番目のカラー(24)は、好ましくは前記部材の一部を覆うように構成された外側ハウジング(10)を囲み、振動フィン(20)の周囲に静的フィン(25)を配置することを可能にする。2番目のカラー(24)の外側ハウジング(10)への取り付け方法は、スナップフィットアタッチメント、スクリューフィットアタッチメント、磁気ロックフィットアタッチメントのいずれであってもよい。
図15は、
図14の代替実施形態、せん断速度レオメトリー装置、粘度計装置用の取り付け方法を示す。当代替せん断速度レオメトリー装置またはアタッチメントは、振動フィン(20)の両側に1枚または2枚の静的フィンまたはプレート(25)を備え、静的フィン(25)が複数の振動フィン(20)のそれに平行な最大の面(または平面)を有するものである。当実施形態では、距離Xおよび/またはYまたは両方を既知の値だけ、ユーザーが変更できるようにする調整ダイヤルまたはノブが提供される。変更は、マイクロメータのターンノブまたはダイヤルまたはネジを使っておこなえる。ここに示す装置設計は、せん断速度を確立し変化させるための追加の方法を可能にし、モータの振動数(モータ電圧および/または電流を介して)を変更することによって、電子的に変化するせん断速度に依存する方法を補完するものである。
図15aは、せん断速度レオメトリー装置、または好ましくは
図1の粘度計装置用のアタッチメントの一図を示す。
図15bは、
図15aの図の90度軸回転図を示す。
図15aおよび
図15bの代替実施形態では、静的フィン(25)と振動フィン(20)との間の距離(Xおよび/またはY)を手動で調整する代わりに、ノブまたはダイヤルまたはスクリューを使って、またフィン(20、25)間の分離は、ハウジング(10)上のボタンを押すことによって、または既存のセンサ読み取り値を考慮に入れてることにより、せん断速度の動的制御を可能にするオンボード電子機器によって自動化される。
バンドパスフィルタリング、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、またはそれらの組み合わせなどの信号処理技術は、収集データを処理して、装置を手持ちで操作することなど、さまざまなソースからのノイズを除去するために使用可能である。例示的な実施形態では、前述の信号処理技術をデバイス外側ハウジング(10)に取り付けられている静的フィン/プレート(25)に対して、振動部材および/または振動フィン/プレート(20)の加速度および/または角速度および/または速度(部材を介して機械的作動モータに取り付けられている)などの1つか複数の測定信号に適用することができる。これにより、引いては流体粘度および/または流体せん断速度のより精密な、またはより正確な決定が可能になる。
図16は、ここで(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、振動部材または振動機構に取り付けられる(またはその一部)1面か複数の平行な平面(すなわちフィンおよび/またはプレート)を有するフィンまたはプレートを搭載した粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置のいくつかの代替実施形態を示す。(a)に示す実施形態は、3枚以上の平行なプレート/フィンを具備し、これらのプレートは、互いに等距離(すなわち、XはYである距離)または互いに異なる距離(XはYと異なる)の可能性がある。これらの複数のフィン/プレートは、ここで(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、これらのフィン/プレートに直交する1面か複数の表面を用いて、単一のアセンブリ/ボディ/カラー/アタッチメントの一部に結合するか、または部分的に形成することができる。(a)、(b)、(c)、(d)に示すこれらのフィン/プレート取り付けデザインは、
図16(e)に示すように、粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置の縦軸を中心に90度回転した後に見たときに、同様の形状を共有する。
いくつかの実施形態では、これらの平行フィン/プレートは、同じ速度(剛体運動)で(同相で)振動するように構成され、作動すると、感度または測定信号振幅(および信号対雑音比)を増加させる可能性がある。そのため、粘度のダイナミックレンジを本発明の装置で測定することが可能である。複数の平行フィンが流体と接触する面を増加させ、フィンが粘性流体/媒体中で移動/振動する際に、フィンが受ける毎秒抗力(または毎秒粘性力またはフィン/プレート運動に対抗する毎秒摩擦力)を増加させ、引いては粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置の感度を増加させるからである。
図16(a)、
図16(b)、
図16(c)、
図16(d)に示すフィン/プレートの取り付けデザインは、
図16(e)に示すように、粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置の縦軸を中心に90度回転した後に見たときに、同様の形状を共有する。
フィン/プレートを構成する複数の平面表面に加えて、本発明の粘度(または1種類か複数のレオロジー特性)測定装置は、
図16(a)、16(b)、16(c)、16(d)の例示的な実施形態にも示されているように、互いに直交する追加の表面を含むことも可能である。これらは、1面か複数の直交する表面を、2枚以上または複数のフィン/プレートに接合することを可能にするか、または単一のアセンブリ/ボディ/カラー/アタッチメントの一部として形成することを可能にする。さらに、これらの直交表面により、流体質量密度(単位体積あたりの質量)などの追加の流体パラメータ測定も可能になる。
上記部材(12)は、各種プラスチック、複合材料、ポリマー、炭素繊維、炭素繊維強化ポリマー、熱硬化性ポリマーなどの1種以上の材料から作製することができるか、またはこれらに限定されない。例として、エポキシ、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱可塑性プラスチック(複数)(ガラス繊維、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素)、金属(複数)(アルミニウム、銅、ニッケル、金、合金、ステンレス鋼、鋼、真ちゅう、青銅)、木材、樹脂、アセテート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはテフロン)、ポリフッ化ビニリデンまたはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、3D印刷樹脂、3D印刷インクまたはフィラメント、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMAまたはアクリルまたはアクリルガラスまたはプレキシグラスまたはパースペックス)、ポリカーボネートなど。
前述のフィン/プレート(20、25)は、これらに限定されないが、これらから作製され、またはそれらから作製され得るか、または以下から構成され得るが、これらに限定されない。例として、各種プラスチック、複合材料、ポリマー、炭素繊維、炭素繊維強化ポリマー、エポキシなどの熱硬化性ポリマー、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱可塑性プラスチック、ガラス繊維、ガラス繊維、シリコン、二酸化ケイ素、金属(アルミニウム、銅、ニッケル、金、合金などの金属、ステンレス鋼、鋼、真ちゅう、青銅)、木材、樹脂、酢酸塩、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはテフロン)、 ポリフッ化ビニリデンまたはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、3Dプリント樹脂、3D印刷インクまたはフィラメント、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMAまたはアクリルまたはアクリルガラスまたはプレキシグラスまたはパースペックス)、ポリカーボネートなど。
前述のフィン/プレートおよび/または装置部材はまた、テクスチャー加工、マイクロテクスチャー、またはナノテクスチャー加工、または1種類か複数の界面活性剤(複数)でコーティングされた、または薄膜コーティングもしくは親水性もしくは疎水性性質のコーティング、自己組織化分子層(SAMs)、防食コーティング、アンチスティクションコーティング、アンチスティックコーティング、ノンスティックコーティング、耐久性のある滑りやすいコーティング、またはそれらの組み合わせとすることができる。
図13に描写されるような非限定的な例示的な実施形態に従って、本装置の発明の一例が作製された。
装置の1つの非限定的な例示的発明の一例によれば、蜂蜜およびケチャップの粘度に関するデータが収集された。本データを図 17、18、19、20 に示す。生データは、任意の単位で収集される。プロットの水平軸は、時間軸である。データは、1000Hzのサンプリング周波数で収集される。
図17は、大量の蜂蜜に振動部材を浸漬したときに、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープの出力または角速度のグラフを示す。測定/検知された信号の振幅は、空気中の部材振動の振幅と比較して、装置の振動部材が、蜂蜜などのより粘性のある流体に浸漬されると減衰する。
図18は、ジャイロスコープの角速度の平方和の平方根として計算された等価角速度を直交軸の1本か複数に関して測定したものである。本パラメータは、振動部材がある媒体から別の媒体に移動する際の、信号の変化を裏付ける補足データを提供する。
図19は、振動部材をケチャップの体積に浸漬して保持し、空気中に戻す前に、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープの出力または角速度を示す。測定/検知された信号の振幅は、装置の振動部材をケチャップに浸漬すると、空気中の部材振動の振幅と比較して減衰する。減衰した信号は、流体から除去され、空気中で振動し続けるにつれて、空気中で元の振幅に戻る。
図20は、振動部材を各流体、蜂蜜、ケチャップの体積に別々に浸漬して保持したときの、異なる粘度の流体について、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープ出力の振幅または角速度の変化を比較している。測定/検出された信号の振幅は、ケチャップ(青)よりも蜂蜜(オレンジ)で有意に大きく減衰し、それによって、振動部材がケチャップの移動と比較して、蜂蜜中を移動するときに遭遇するより高い機械的インピーダンスを示す。ケチャップの減衰と比較して蜂蜜の信号振幅減衰のより高い程度は、引いてはケチャップの減衰と比較して、蜂蜜のより高い粘度および/または静的粘度を示す。
図21は、振動部材を浸漬して保持し、その後、各流体、蜂蜜、オリーブオイル、醤油の体積に別々に浸漬して保持し、繰り返し浸漬しないときに、直交軸の1本に関して測定されたジャイロスコープ出力の振幅または角速度の変化を比較している。空気中の信号振幅に対するジャイロスコープ出力の振幅の最大の変化は、最も高い粘度を有する蜂蜜について観察される。これにオリーブオイルが続き、3種類の液体の中で、最も粘性の低い醤油が続く。
図22は、振動部材を浸漬して保持し、その後、各流体、蜂蜜、オリーブオイル、ヒマシ油の体積に別々に浸漬して保持し、繰り返し浸漬しないときに、異なる粘度の流体について、直交軸の1本に関して測定された加速度センサー出力の振幅または加速度の変化を比較している。空気中の信号振幅に対する加速度計出力の振幅の最大の変化は、最も高い粘度を有する蜂蜜について観察される。これにヒマシ油が続き、3種類の液体の中で、最も粘性の低いオリーブオイルが続く。
図23は、振動部材を流体の体積(青いプロット)に繰り返し浸漬して保持し、その後、浸漬されていないときの直交軸の1本に関して測定された加速度計の生の未処理の出力、または加速度を示している。次に、本加速度信号のセグメントをデジタルバンドパスフィルタで処理して、装置を手持ちで操作することによる機械的振動ノイズなど、さまざまなソースからノイズを除去する。ノイズは、フィルタリングしないと、流体粘度測定結果の忠実度を低下させる。測定された加速度信号の対応するバンドパスフィルタリングされたセグメント(空気中の緑、流体中の赤)は、測定された生の未処理の加速度信号(青)にオーバーレイされ、ノイズを低減するために採用された信号処理技術の有効性を強調する。
図24は、装置部材が空気中で振動しているとき(黒)、および装置部材が蜂蜜などの粘性流体に浸漬されて振動しているとき(赤)の、直交センサ軸の1本に沿った角速度センサまたはジャイロスコープの出力に対応する時間領域信号の周波数領域スペクトルの大きさを示している。部材が浸漬される流体の粘度または静的粘度(流体粘度と流体密度の積)による装置部材の振動周波数の変化は、信号スペクトルのピーク時の周波数(または中心周波数)Δfのシフトによって示される。装置および粘度測定方法の例示的な実施形態において、装置振動数におけるこのシフトの大きさは、装置部材が浸漬される流体の粘度、または静的粘度、またはせん断速度依存粘度、または1種類か複数のレオロジー特性に相関する。
少なくとも1種類の実施形態では、装置は、部材と一体化されるか、部材に結合されるか、または部材に取り付けられた1枚か複数のフィン/プレートに結合された温度センサを具備する。温度センサは、MEMS温度センサ、ダイオード、サーミスタ、温度センサ、アナログ温度センサ、またはデジタル温度センサ、電子温度センサ、またはそれらの組み合わせにすることができる。請求項1に記述されているように、部材上、部材内、フィン/プレート上、フィン/プレート内、装置のハウジング内、または流体に浸漬される部材またはフィンの一部、または流体に浸漬されていない部材またはハウジングまたは装置の一部などの異なる位置で、単一の装置内に1台か複数の温度センサが存在し、装置に統合または結合される。
装置の1つか複数の慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、センサー、温度センサーは、これらのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラまたはコンピュータ、ラップトップ、電子スマートウォッチ、電話、スマートフォン、スマートスピーカー、携帯電話またはデバイス、電子イヤフォン、ヘッドフォン、補聴器などのスマート聴覚デバイス、またはクラウドなどの周辺機器上で実行されている1つか複数の回路または集積回路またはデジタル信号処理回路またはマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラまたはプログラムまたはアルゴリズムと通信するか、統合するか、またはそれらの測定データまたは測定値を保存および/または送信することができる。
ある実施形態では、本装置は、部材(12)に取り付けられた電動機械かく拌機構または任意のかく拌ベースのオプションの一体化を具備する。このようなかく拌またはかく拌機構は、事前定義された応力またはせん断、またはそれらの組み合わせを特性評価中の流体に加えることを可能にする。これはまた、既知のせん断速度で、または血液、血漿、食品中の増粘剤、シーラント、接着剤、クリーム、ゲル、および他の添加剤またはレオロジー調整剤などの流体のレオロジー測定に必要な流体の粘度および/または他のレオロジーおよび/または物理的パラメータの測定を可能にする。
さらに、このようなかく拌またはかく拌機構は、流体がレオロジー調整剤を使用して希釈または改質されるときに、流体の粘度および/または他のレオロジーおよび/または物理的パラメータのリアルタイム測定を可能にする。
いくつかの実施形態では、本装置は、流体の粘度および/または他のレオロジー的および/または物理的パラメータの読み出しを可能にするディスプレイを具備する。
いくつかの実施形態では、装置およびその構成アクチュエータ、モータ、センサ、複数の慣性測定ユニット(IMUs)は、1つか複数の電池、ボタン電池、電気セルおよび/または光起電力セルなどの電源を介して電気的に給電される。これらの電源は装置上に配置される。これらの電源のうちの1つか複数は、交換可能および/または再充電可能な場合がある。
さらに、任意選択で、装置およびその構成アクチュエータ、モータ、センサ、複数の慣性測定ユニット(IMUs)は、コンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォン(そのような周辺機器に電力を供給するバッテリを含むことができる)などのポータブル電源への有線接続を介して、および/または壁コンセントまたは他の任意の非ポータブル電源への有線接続を介して電気的に電力供給を受ける。
本デバイス概念の代替実施形態ではまた、関連する測定情報のリモートデバイスへの無線および/または有線送信を可能にする。例えば、携帯電話、スマートフォン、コンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマート聴覚デバイスまたは「ヒアラブル(聞こえる)」、イヤホンまたはカナル型イヤホン、ヘッドフォン、補聴器、またはスマートウェアラブル電子デバイス、スマートスピーカ、コンピュータまたはサーバまたは「クラウド」および/またはデジタル/電子ノートまたは実験ノートなどのリモートデバイス上に記憶された電子データベースを含む。
本デバイス概念の代替実施形態では、機械学習および/またはディープラーニングおよび/または人工知能によって支援または通知される、またはそれに基づくアルゴリズムを利用して、本発明に記載される装置を構成するセンサおよびアクチュエータの出力/信号/データを融合、統合、同化、増強する。
1つか複数のセンサー出力を使って、密度、粘度、静的粘度、動的粘度、動粘度、圧縮率および/または体積弾性、チキソトロピーインデックス、ディスペンス速度、およびたるみ抵抗などの流体の以下の特性の1つか複数を電算機で算出、計算、または測定できる。
本発明の技術的進歩は、結合ジャイロスコープ測定および/または加速度計測定と共に、振動部材を使って流体の粘度および/または1種類か複数のレオロジー特性を測定/感知/検出/記録することにある。先行技術は、部材の運動の一定振幅を維持するために、従来のモータフィードバックおよび制御方法を用いて、モータ駆動電流を感知し、その電流を測定されている流体の粘度および/またはレオロジー特性/レオロジーパラメータに相関させるが、本明細書に記述されている発明は、結合されたジャイロスコープ(角速度センサ)および/または加速度計と共に振動部材または要素を用いることによって、これらの制限をなくすものである。小型化されたMEMS加速度センサーおよびジャイロスコープを使うことは、引いては先行技術のものと比較して、駆動およびセンスエレクトロニクスの複雑さを軽減する。これによって、これらの装置(粘度計)の小型化と携帯性を可能にし、製造、組み立て、保守の複雑さとコストを大幅に削減する。
1番目、2番目などの用語は、本明細書において、様々な要素/部材/信号を記述するために用いられるが、これらの要素/部材/信号は、これらの用語によって任意の順序に限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素/部材/信号を別の要素/部材/信号と区別する目的でのみ用いられる。「2番目」もしくはそれ以上の序数がある場合、必ずしも違いや他の関係なしに、その数の分だけ要素がなければならない、というだけである。例えば、1番目の要素/部材/信号を2番目の要素/部材/信号と呼ぶことができ、同様に、2番目の要素/部材/信号を、実施形態例の範囲から逸脱することなく、1番目の要素/部材/信号と呼ぶことができる。本明細書で使われる場合、用語の「および/または」は、関連する列挙項目のうちの1つか複数のすべての組み合わせを含む。用語の「~など」の使用は、「~など(列挙)」と定義され、任意の「および/または」の組み合わせに、先行項目の同じグループに属する他のすべての要素を含めることを示す。
本詳細にわたる説明は、例示の目的で、一定数の特別な実施形態を開示したが、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲からの逸脱を構成しない様々な修正が当業者には明らかであり、前述の記述事項は単に本発明の例示として解釈されるべきであり、限定としてではないことを明確に理解されるべきである。
【国際調査報告】