(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】洗濯機の上蓋及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/14 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
D06F39/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562761
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2022079216
(87)【国際公開番号】W WO2022218055
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110402926.3
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李文明
(72)【発明者】
【氏名】韓珊珊
(72)【発明者】
【氏名】劉譲雷
(72)【発明者】
【氏名】趙成龍
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA32
3B165BA82
3B165CA11
3B165CA17
3B165GH03
3B165JM02
(57)【要約】
洗濯機の上蓋を提供する。上蓋の後端には、外側へ突出するヒンジベース(2)が設けられている。ヒンジベースには、上下に貫通する複数の導水口(3)が開設されている。導水口(3)の外周には、導水口よりも高くなったブロックリブ(4)が設けられている。洗濯機の上蓋の導水口にブロックリブを設けることで、ヒンジベースに流入した水流を導水口に集めることが可能となり、且つ、水流が洗濯機内に飛散して洗濯機の内部部材を破損させるとの事態も回避される。また、更に、当該洗濯機の上蓋が取り付けられた洗濯機について説明する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側へ突出するヒンジベース(2)が後端に設けられている洗濯機の上蓋において、
前記ヒンジベース(2)には、上下に貫通する複数の導水口(3)が開設されており、前記導水口(3)の外周には、導水口(3)よりも高くなったブロックリブ(4)が設けられていることを特徴とする洗濯機の上蓋。
【請求項2】
前記ブロックリブ(4)は、突出するよう上方へ延伸して、上向きに開口する導水室(15)を取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項3】
前記導水室(15)の一方の側には上下に延伸する縦リブ(5)が設けられており、前記縦リブ(5)の下端には水平に屈曲する折り返し(6)が設けられており、縦リブ(5)の最も高い箇所はブロックリブ(4)よりも高くなっており、
好ましくは、縦リブ(5)とブロックリブ(4)は密着して設けられ、
より好ましくは、縦リブ(5)とブロックリブ(4)は一体的に成形されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項4】
前記折り返し(6)の上平面には、水流を通過させる複数の凹溝(7)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項5】
導水口(3)の内壁に沿って、下方に延伸する複数の導水溝(9)が設けられており、前記導水溝(9)は縦リブ(5)に沿って折り返し(6)の端部まで延伸していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項6】
前記折り返し(6)の下平面における導水溝(9)と折り返し(6)の上平面における凹溝(7)はずらして設けられることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項7】
前記ヒンジベース(2)は円弧形のヒンジ継手(10)を含み、前記ヒンジ継手(10)には取付孔が開設されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗濯機の上蓋。
【請求項8】
上端にパネルベースが設けられている洗濯機において、
上記請求項1~7のいずれか1項に記載の洗濯機の上蓋が取り付けられており、前記上蓋はヒンジベースを介して洗濯機のパネルベース内に取り付けられ、前記パネルベース(200)内にはマイクロスイッチ(1)が設けられており、前記マイクロスイッチ(1)は、一端がヒンジベースに固定され、他端がパネルベース(200)内に固定されることを特徴とする洗濯機。
【請求項9】
前記ヒンジベース(2)には取付孔(11)が設けられており、前記パネルベース(200)には突出軸(12)が備わっており、前記突出軸(12)が取付孔(11)内に挿接されることで、上蓋(100)をパネルベース(200)内で反転させて開放することが可能となることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記洗濯機には取付プレート(13)が設けられており、前記取付プレート(13)には貫通孔が開設されており、これに対応して、前記上蓋(100)の一端にはいくつかの挿接部(14)が突設されており、
好ましくは、前記挿接部(14)の横断面の最大幅は、前記貫通孔内に締り嵌めされるよう、前記貫通孔の孔径よりも大きくなっていることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の分野に属し、具体的には、洗濯機の上蓋及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機に設けられているマイクロスイッチは、洗濯機の洗浄過程、特に、脱水過程において、使用者が洗濯機の蓋体を突然開放した場合や、貯水槽が大きく偏心して運転した場合に、検出信号を洗濯機の制御装置に迅速に伝達して洗濯機の回転を停止させるよう制御することで、高速回転する貯水槽が使用者を負傷させたり、大きく偏心したときに洗濯機の筐体に衝突したりするのを回避することを目的としている。
【0003】
現在存在する洗濯機は、コスト節約のために、一般的にマイクロスイッチの開閉によって上蓋の開閉を識別している。しかし、マイクロスイッチを使用する場合には次のような顕著な欠点が存在する。即ち、上蓋とパネルベースは嵌め合いが動的であるため、これらの間には比較的大きな隙間が存在する。また、マイクロスイッチは上蓋に直接接触し、且つ、マイクロスイッチの金属片が外部にそのまま露出している。そのため、上蓋とパネルベースとの隙間に水が逆流し、且つ上蓋が開閉された場合には、水がマイクロスイッチの金属片に接触する恐れがあり、安全上の懸念が存在する。
【0004】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、上蓋とパネルベースとの隙間の水がマイクロスイッチの金属片に接触するのを防止し、マイクロスイッチに対するオーバーフロー保護作用を実現することで、マイクロスイッチの製品使用寿命を延ばし、且つ洗濯機の製品品質も保証する洗濯機の上蓋及び洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0007】
洗濯機の上蓋において、前記上蓋の後端には、外側へ突出するヒンジベースが設けられている。前記ヒンジベースには、上下に貫通する複数の導水口が開設されている。導水口の外周には、導水口よりも高くなったブロックリブが設けられている。
【0008】
更に、前記ブロックリブは、突出するよう上方へ延伸して、上向きに開口する導水室を取り囲んでいる。
【0009】
更に、前記導水室の一方の側には上下に延伸する縦リブが設けられており、前記縦リブの下端には水平に屈曲する折り返しが設けられている。縦リブの最も高い箇所はブロックリブよりも高くなっている。
【0010】
好ましくは、縦リブとブロックリブは密着して設けられる。
【0011】
より好ましくは、縦リブとブロックリブは一体的に成形される。
【0012】
更に、前記折り返しの上平面には、水流を通過させる複数の凹溝が設けられている。
【0013】
更に、導水口の内壁に沿って、下方に延伸する複数の導水溝が設けられている。前記導水溝は縦リブに沿って折り返しの端部まで延伸している。
【0014】
更に、前記折り返しの下平面における導水溝と折り返しの上平面における凹溝はずらして設けられる。
【0015】
更に、前記ヒンジベースは円弧形のヒンジ継手を含み、前記ヒンジ継手には取付孔が開設されている。
【0016】
本発明は、更に、洗濯機について説明する。洗濯機の上端にはパネルベースが設けられている。洗濯機には上記で説明した洗濯機の上蓋が取り付けられている。前記上蓋はヒンジベースを介して洗濯機のパネルベース内に取り付けられる。前記パネルベース内にはマイクロスイッチが設けられている。前記マイクロスイッチは、一端がヒンジベースに固定され、他端がパネルベース内に固定される。
【0017】
更に、前記ヒンジベースには取付孔が設けられており、前記パネルベースには突出軸が備わっている。前記突出軸が取付孔内に挿接されることで、上蓋をパネルベース内で反転させて開放することが可能となる。
【0018】
更に、前記洗濯機には取付プレートが設けられている。前記取付プレートには貫通孔が開設されており、これに対応して、前記上蓋の一端にはいくつかの挿接部が突設されている。
【0019】
好ましくは、前記挿接部の横断面の最大幅は、前記貫通孔内に締り嵌めされるよう、前記貫通孔の孔径よりも大きくなっている。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
1.洗濯機の上蓋の導水口にブロックリブを設けることで、ヒンジベースに流入した水流を導水口に集めることが可能となり、且つ、水流が洗濯機内に飛散して洗濯機の内部部材を破損させるとの事態も回避される。
【0022】
2.ヒンジベースにブロックリブや縦リブ等の構造を設けることで、マイクロスイッチが水蒸気と接触して錆び付き、マイクロスイッチに接触不良が生じるとの事態を回避して、洗濯機の製品品質を保証する。
【0023】
3.本発明では、ヒンジベースに縦リブが設けられているため、水に対する導流を形成して、垂直に落下させることが可能となる。これにより、水がマイクロスイッチに流入しないよう更に保証される。
【0024】
4.本発明では、縦リブの折り返しとマイクロスイッチとの接触面に凹溝を追加しており、強度の保証を前提に、凹溝の深さをできるだけ深くしている。ユーザの異常な操作によって水が上蓋とマイクロスイッチとの接触面に流入した場合、水はマイクロスイッチに接触することなく、凹溝に沿って洗濯機の内槽へと直接流入する。
【0025】
且つ、本発明は構造がシンプルであり、効果が著しく、利用普及に適している。
【0026】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0027】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における上蓋とパネルベースの間の分解時の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における
図1の一部の概略拡大図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における別の角度からの上蓋とパネルベースの間の分解時の概略構造図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例における
図2の一部の概略拡大図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例における上蓋の分解時の概略構造図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例における
図4の一部の概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0030】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0031】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0032】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0033】
図1~
図6に示すように、本発明の実施例では、洗濯機のパネルベース200に取り付けられる洗濯機の上蓋について説明する。洗濯機のパネルベース200内にはマイクロスイッチ1が設けられており、上蓋100のヒンジ端と連携する。前記ヒンジ端には、更に、マイクロスイッチ1をオーバーフロー保護するヒンジベース2が取り付けられている。前記ヒンジベース2はマイクロスイッチ1の上方に取り付けられる。マイクロスイッチ1は外部に露出しており、且つ水に接触すると錆びやすいため、上蓋100におけるパネルベース200とのヒンジ接続端にマイクロスイッチ1をオーバーフロー保護可能なヒンジベース2を設けることで、洗濯機の製品使用寿命を延ばす。
【0034】
本発明の実施例において、前記上蓋100の後端には、外側へ突出するヒンジベース2が設けられている。好ましくは、ヒンジベース2は上蓋100と一体的に成形されている。前記ヒンジベース2には、上下に貫通する複数の導水口3が設けられている。前記導水口3の周囲には、導水口3よりも高くなったブロックリブ4が設けられている。
【0035】
図4に示すように、上下に貫通する導水口3をヒンジベース2内に設けることで、上蓋100とパネルベース200との隙間に水が進入したときに、水はマイクロスイッチ1の金属片に接触することなく、導水口3に沿って洗濯機の内槽へ直接流入する。且つ、導水口3の周囲には、導水口3よりも高くなったブロックリブ4が設けられている。好ましくは、ブロックリブ4はヒンジベース2と一体的に射出成形される。且つ、ブロックリブ4は、突出するよう上方へ延伸して、上向きに開口する導水室15を取り囲んでいる。これにより、水流を導水口3に集めることが可能となり、周囲への水流の飛散も回避可能となる。また、本発明の実施例において、導水室15の一方の側には側壁が存在せず、割れ目として設けられる。好ましくは、割れ目は左側に開設される。このように設けるのは、水流が過剰となった場合に導水口からの排水が間に合わなくなるのを防止して、側壁が存在しない一端から内槽への流入を可能にすることが目的である。
【0036】
図2~
図6に示すように、本発明の実施例において、導水室15の一方の側には上下に延伸する縦リブ5が設けられている。前記縦リブ5は上蓋100に対向して設けられる。縦リブ5の最も高い箇所はブロックリブ4の位置よりも高くなっている。縦リブ5の下端には、ブロックリブ4から離れる方向へ水平に屈曲する折り返し6が備わっている。上下に延伸する縦リブ5を設けることで、水を縦リブ5の方向に沿って下端へ流動させてから、折り返し6にならって洗濯機の内槽へ流入させることが可能となる。縦リブ5の最高端は、ブロックリブ4よりも高くなるよう設けられる。これにより、マイクロスイッチ1とブロックリブ4との接触面に流入しようとする水流を有効にブロック可能となる。好ましくは、縦リブ5とブロックリブ4は密着して設けられる。より好ましくは、縦リブ5とブロックリブ4は一体的に成形される。ブロックリブ4と縦リブ5を一体的に成形するよう設けることで、上蓋100の金型を製作しやすくなり、量産が可能となって、コストが低下する。且つ、ヒンジベース2をより多くの洗濯機の上蓋100に適用することも可能となる。
【0037】
本発明の実施例において、折り返し6の上平面には、水流を通過させる複数の凹溝7が設けられている。折り返し6に凹溝7を設けることで、ユーザが異常な操作を行ったときに、水が折り返し6に流入した場合には、水流が凹溝に沿って内槽へ流入可能となる。
【0038】
本発明の実施例では、導水口3の内壁に沿って、下方に延伸する複数の導水溝9が設けられている。導水口3の下端は吐水口8となっている。前記導水溝9は、縦リブ5に沿って折り返し6の端部まで延伸している。吐水口8に複数の導水溝9を設けることで、導水口3からの水を吐水口8経由で導水溝9に沿って洗濯機の内槽へ流入させることが可能となる。且つ、導水溝9は折り返し6の端部まで延伸している。よって、上蓋100が開放されると、折り返し6上の導水溝9はちょうど垂直状態となって、ヒンジベース2に残留している水を折り返し6の導水溝9に沿って垂直に落下させられる。
【0039】
図6に示すように、本発明の実施例において、導水溝9は吐水口8から延伸し始めて、折り返し6の端部まで延伸している。吐水口8に位置する導水溝9の側壁は徐々に狭くなっており、三角形に類似している。水流が上端の導水口3から流入した場合には、吐水口8から流出する際に、水圧が比較的大きくなるため水流が飛散する。しかし、上記のように設けることで、周壁が、周囲に対するより多くの水流の飛散を防止し得るとともに、導流の作用も奏することで、水流を周壁内の導水溝9にならって洗濯機の内槽へ流入させる。なお、折り返し6の下平面における導水溝9と折り返し6の上平面における凹溝7はずらして設けられる。
【0040】
本発明の実施例において、前記ヒンジベース2にはヒンジ継手10が更に設けられている。前記ヒンジ継手10は、一部が円弧形をなしており、ヒンジベース2と一体的に成形されるよう設けられる。前記ヒンジ継手10には取付孔11が設けられており、前記パネルベース200には突出軸12が備わっている。前記突出軸12が取付孔11内に挿接されることで、上蓋100をパネルベース200内で反転させて開放することが可能となる。
【0041】
ヒンジ継手10に取付孔11を開設することで、上蓋100とパネルベース200との組み付けが容易となる。また、後の解体及び修繕が容易となる。
【実施例2】
【0042】
本実施例では、洗濯機について説明する。前記洗濯機には、上記実施例で説明した洗濯機の上蓋100が取り付けられている。前記洗濯機はパネルベース200を含む。前記上蓋100は、ヒンジ接続によりパネルベース200に回動可能に接続される。
【0043】
ヒンジ接続の方式としては、具体的に、パネルベース200にダンパーが設けられており、前記ダンパーが、伸出する突出軸12を有している。また、前記上蓋100には、一体的に成形されるヒンジベースが備わっている。前記ヒンジベースは水平な取付孔11を有しており、突出軸12が取付孔11内に挿入されることで回動可能なヒンジ接続構造を形成する。
【0044】
上蓋100の見栄え上の要求から、露出する各接続構造は、いずれも蓋体又は脚パッド等の構造を有して装飾される。前記ダンパーは、ダンパーカバーを有して上蓋100に固定的に取り付けられる。また、ネジ接続箇所は脚パッドを有する。これにより、上蓋100とパネルベース200の間に緩衝防震構造を形成可能としつつ、ネジに対し防水作用を奏することも可能となり、且つ見栄え上の作用も有する。
【0045】
パネルベース200内にはマイクロスイッチ1が固定的に取り付けられている。マイクロスイッチ1はヒンジベース2の下端に取り付けられ、且つ一端がヒンジベース2に接触する。これにより、水蒸気との接触による錆び付きを回避可能とすることで、マイクロスイッチ1の接触不良を回避して、洗濯機の品質を保証する。マイクロスイッチ1内の押し棒は、溝内に係入されることでマイクロスイッチ1外部の上蓋100との接続が実現されるとともに、溝を支点として運動可能である。よって、接続方式が簡単であり、押し棒を異なる溝内に係入することでマイクロスイッチ1のストロークを相応に変化させられる。即ち、これに伴って、接続される溝を支点とする押し棒の回動角度を変化させることで、マイクロスイッチ1のストロークの調節を実現できる。
【0046】
マイクロスイッチ1は、洗濯機のコントロールパネルベース200内に設置可能であり、且つ上蓋100のヒンジ端と連携する。押し棒の受力端はヒンジベース2に掛接される。これにより、上蓋100の開閉時に、上蓋100が押し棒を解除又は押圧することで、可動接点と固定接点を接触又は離脱させる。
【0047】
本発明の実施例において、マイクロスイッチ1は、一端が折り返し6に固定され、他端がパネルベース200内に固定される。前記マイクロスイッチ1と折り返し6との接触面には、水流を通過させる凹溝7が設けられている。凹溝7の周壁はできるだけ高くなるよう設けられる。凹溝7を設けることで、水流を縦リブ5に沿って下方へ流動させ、凹溝7にならって所定の洗濯機の内槽へ流入させられるため、水流とマイクロスイッチ1との接触を有効に回避できる。また、マイクロスイッチ1と縦リブ5の間には一定の隙間が設けられており、水流を縦リブ5に沿って折り返し6まで流動させられる。
【0048】
上蓋100とパネルベース200との隙間に水流が存在する場合には、まず、導水口3を通じて縦リブ5沿いに洗濯機の内槽へ流入させることで、水流とマイクロスイッチ1との接触を回避する。また、ユーザの異常な操作によって水流がヒンジベース2とマイクロスイッチ1との接触面に流入した場合、水はマイクロスイッチ1に接触することなく、マイクロスイッチ1とヒンジベース2の間の凹溝7に沿って洗濯機の内槽へと直接流入する。
【0049】
本発明の実施例では、ヒンジベースに導水口を設け、水を内槽に案内可能とすることで、水流がマイクロスイッチに接触するのを回避する。また、導水口の外周にブロックリブを設けているのも、同様に、水流がマイクロスイッチに接触するのを回避するためである。上記のように設けることで、マイクロスイッチに対しオーバーフロー保護の作用を奏することが可能となる。
【0050】
本発明の実施例において、洗濯機は筐体を含む。前記筐体は、衣類投入口に取り付けられる取付プレート13を含む。取付プレート13の表面にはいくつかの貫通孔が開設されており、前記上蓋100の一端における各挿接部14が前記貫通孔内にそれぞれ挿入される。また、上蓋100の後端は、ヒンジベース2を介してパネルベース200に接続される。
【0051】
上記の方案において、上蓋100の前端における各挿接部14は、取付プレート13の貫通孔内に挿入される。また、上蓋100の後端は、上蓋100を回動させるようパネルベース200に挿接される。そして、最後に、パネルベース200全体が筐体に組み付けられる。ユーザが上蓋100を開放したい場合、取付プレートは挿接部周りに上方へ反転可能である。このとき、上蓋は半開状態となる。ユーザが上蓋全体を開放したい場合には、引き続き上蓋100を上方へ開放するだけでよい。
【0052】
本発明の実施例において、パネルベース200は収容溝を有する。前記収容溝は、前記表示モジュール及び/又は制御モジュールを配置するために用いられる。表示モジュールが収容溝内に配置されると、表示モジュールの表示パネルがカバープレートに結合されて、カバープレートの対応位置に表示領域が形成される。制御モジュールについても同様である。制御モジュールが収容溝に配置されると、表示モジュールの制御パネルが上蓋100に結合されて、上蓋100と対応する位置に制御領域が形成される。
【0053】
組み立て過程では、表示制御モジュールを前記収容溝に配置したあと、表示制御モジュールの脱け落ち又は変位を防止するために、表示制御モジュールを前記収容溝内に固定する必要がある。これにより、その後の組み立て過程が容易となる。
【0054】
前記パネルベース200は収容溝を有する。前記収容溝は、表示制御モジュールを配置及び固定するために用いられる。また、収容溝の一方の側には、表示制御モジュールをコントロールパネル等の構造に電気的に接続するためにアウトレットが設けられている。また、アウトレットの外部には、導線等の構造を固定するためのクランプが備わっている。これにより、回路が上蓋100の内部で移動して摩耗することによる電気回路の故障が防止される。
【0055】
上蓋100はパネルベース200に接続する必要があるため、パネルベース200には接続部材の回避部が更に設けられている。前記パネルベース200は、ダンパー取付部及びヒンジベース回避部を有する。前記ダンパーは、ネジによりパネルベース200に固定可能である。ダンパーは、上蓋100に取り付けられるヒンジベースに対し回動可能に接続する必要がある。よって、パネルベース200には、ヒンジベースを回避してヒンジ構造を正常に回動可能とするためのヒンジベース回避部が設けられている。
【0056】
本発明の実施例において、表示制御モジュールは通電部品である。洗濯機が内部に洗浄水を有するのに対し、上蓋100は内槽の上部に位置するため水の進入リスクがある。そこで、上蓋100の対応位置に防水構造を設けることで、表示制御モジュールの正常な機能が損なわれないよう保証せねばならない。
【0057】
前記上蓋100とパネルベース200の間には、シールリングが設けられており、且つ、観察窓のサイドフレームに設けられている。前記シール構造は、防水材料によって、進入の恐れのある洗浄水を収容溝の外側にブロックすることで、表示制御モジュールへの進入を防止する。前記シールリングは、上蓋100とパネルベース200が組み付けられたあと、上蓋100とパネルベース200にそれぞれ当止することで、収容溝に防水空間を形成する。前記シールリングはゴムシールリングとしてもよい。
【0058】
収容溝の周囲には第1シールリング凹溝が設けられている。前記第1シールリング凹溝に第1シールリングが装入されたあと、上蓋100とパネルベース200を組み付けて接続及び固定することで、シールリングがパネルベース200と上蓋100により押圧される。これにより、シール構造を形成することで、収容溝の外部の洗浄水を隔離して、電気を使用するモジュールへの進入を防止する。
【0059】
本発明の実施例において、前記上蓋100とパネルベース200との接続構造は挿接構造となっている。前記上蓋100は取付孔11を有し、前記パネルベース200は突出軸12を有する。前記突出軸12はパネルベース200に一体的に設けられる。或いは、上蓋100は一体的に設けられる突出軸12を有し、パネルベース200は取付孔11を有する。
【0060】
突出軸12はパネルベース200に一体的に設けられているため、余分な接続部材を要することなく、パネルベース200自体が接続構造を形成し得る。即ち、組み立てのステップが減少するとともに、コスト全体も低下する。
【0061】
前記突出軸12は、先端部の周方向に突起が設けられている。更に、突起の辺縁には、取付孔11内に滑り込んで位置規制可能とする斜面が備わっている。また、これに対応して、取付孔11の先端にも、取付孔11内への突起の挿入及び位置規制を容易とする斜面が備わっている。
【0062】
上蓋100には、表示及び制御機能が集積されるほか、観察機能が備わっていてもよい。通常の洗濯機の上蓋100は、透明な材質からなり、ユーザは上蓋100を通じて洗濯機を観察可能である。
【0063】
図5に示すように、本発明の実施例において、上蓋100の前側には取付プレート13が設けられている。前記取付プレート13には貫通孔が開設されており、これに対応して、前記上蓋100の一端にはいくつかの挿接部14が突設されている。前記挿接部14の横断面の最大幅は、前記貫通孔内に締り嵌めされるよう、前記貫通孔の孔径よりも大きくなっている。
【0064】
上記の方案において、挿接部14は水平に突出する柱状構造となっており、挿接部14を取付プレート13の貫通孔に締り嵌めするよう挿接することで上蓋100を取り付ける。上蓋100の一端における各挿接部14がそれぞれ貫通孔内に挿入されると、取付プレート13と上蓋100が一緒にパネルベース200内に取り付けられて、パネルベース200の開口を封止する。前記貫通孔は、前記挿接部14を切欠くことで切欠き溝を形成している。これにより、上蓋100の位置がより有効に規制されるため、運搬又は落下の過程で上蓋100が変位して取付プレート13との取付隙間が増大する結果、製品の精密化に不具合が生じ、ユーザエクスペリエンスに影響を及ぼすとの問題が防止される。
【0065】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではなく、本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、上記で提示した技術内容を用いて当業者が実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例である。上記実施例における実施方案は、更なる組み合わせ又は置き換えが可能であるが、本発明の技術方案の内容を逸脱することなく、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる何らかの簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0066】
100 上蓋
200 パネルベース
1 マイクロスイッチ
2 ヒンジベース
3 導水口
4 ブロックリブ
5 縦リブ
6 折り返し
7 凹溝
8 吐水口
9 導水溝
10 ヒンジ継手
11 取付孔
12 突出軸
13 取付プレート
14 挿接部
15 導水室
【国際調査報告】