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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】分析装置用キャップ
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240415BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G01N35/02 B
G01N35/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562874
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021027762
(87)【国際公開番号】W WO2022220843
(87)【国際公開日】2022-10-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300824
【氏名又は名称】プレクシアム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Plexium, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】マハカルカル,カピル
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ル,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス,エドガー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,イー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC01
2G058CC05
2G058CC17
2G058CC18
2G058CC19
2G058DA07
(57)【要約】
分析装置コンポーネントと、分析装置コンポーネントに嵌合した生体適合性取外し可能キャップと、を含む分析装置。分析装置コンポーネントの上面は複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含む。各ウエルはウエル床と、ウエル径と、ウエル高さと、によって規定されている。分析装置コンポーネントの上面は複数のウエルの上面を含む。上面を有するプラットフォームは少なくとも1つの列の各側面上に延在し、分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結する。少なくとも1つの列のそれぞれはプラットフォームの上面から後退していて、それによって、プラットフォームの頂部の下に存在する凹みを規定する。凹みの底は分析装置コンポーネントの上面を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
前記表面間仕切り(16)と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の前記表面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれの列(20)と、を備え、
前記分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成され、
前記キャップ(30)は底面(31)を有し、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
前記密閉通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の前記流体連通を提供する、
分析装置(1)。
【請求項2】
前記列(20)は少なくとも平方ミリメートル当たり10ウエルのウエル(10)の密度を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置(1)の前記間仕切り(16)のそれぞれは、前記間仕切り(16)上の表面(2)の少なくとも一部上に組み込まれた疎水性撥水層を含む、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、単一の列と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との単一の対と、を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、複数の列(20)と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との複数の対と、を含み、
それぞれの対はそれぞれの列(20)に整列されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
プラットフォーム(7)は、分析装置コンポーネント(1a)の上面の一部上に組み込まれ、プラットフォーム(7)の頂部が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より高くなるように十分に上向きに延在する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
取入口ポート(3a)は取入口槽(3b)と流体連通し、取出口ポート(4a)は取出口槽(4b)と流体連通している、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
プラットフォーム(7)は、キャップ(30)の底面上に組み込まれ、キャップ(30)の前記底面(31)が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より低くならないように十分に下向きに延在する、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
プラットフォーム(7)は、列(20)以外の表面(2)の一部上に配置された膜(7a)であり、列(20)をプラットフォーム膜(7a)の下に後退させ、それによって、列(20)を隔離する、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
プラットフォーム(7)は、列(20)のそれぞれの側面に隣接して配置され、取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延びた一対の肩(7b)であり、列(20)を肩(7b)の下に後退させる、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
プラットフォーム(7)は、表面(2)の周囲に配置された一連の肩(7b)であり、列(20)を肩(7b)の下に後退させる、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置(1)は10,000から2,500,000個のウエル(10)を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記取入口槽(3)は所望の流体を搭載した注射器またはピペットであり、前記注射器またはピペットの取出口先端部は取入口ポート(3a)と嵌合し、嵌合すると、前記通路(5)への流体の導入を可能にする、
請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記取入口槽(3)は、所望の流体を含むポンプに接続された針であり、針が取入口ポート(3a)と嵌合してポンプが流体を制御された圧力および送達速度のもとで通路(5)に継続的に送達可能となる、
請求項7に記載の装置。
【請求項15】
前記取入口槽(3)は取入口ポート(3a)の上で所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取入口槽(3)内の流体が取入口ポート(3a)を介して流れ、その後、通路(5)内に流れ、通路(5)を通過するように、前記取入口ポート(3a)と流体連通している、
請求項7に記載の装置。
【請求項16】
流体取出口(4)は、取出口ポート(4a)から溢れ出し、通路(5)の体積容量を超えた流体は取出口ポート(4a)から流れ出る、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
流体取出口(4a)は、取出口ポート(4a)上で所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取出口ポート(4a)と流体連通しており、通路(3)の体積容量を超えた流体が取出口ポート(4a)から流体取出口(4)内に流れ、その後、取り出し口(4)内に流れる、
請求項7に記載の装置。
【請求項18】
前記装置の前記ウエル(10)は分析を行うために十分な分析コンポーネント(60)を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記ウエルは疎水性流体層によって覆われている、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
部品のキットであって、
A) 分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
前記間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する、分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれ列(20)と、
を備え、
分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は取外し可能な生体適合性キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成された、
分析装置(1)と、
B) 底面(31)を有する取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム膜(7a)の高さによって規定され、
通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の前記流体連通を提供する、
取外し可能な生体適合性キャップ(30)と、
を備える、
部品のキット。
【請求項21】
分析装置(1)であって、
A)
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれの列(20)と、
を備え、
装置コンポーネント(1b)は生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成され、
B) 底面(31)を有する取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(2)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定され、密閉された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
密閉流体通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の前記流体連通を提供し、
前記密閉流体通路は、疎水性流体を含む、
キャップ(30)、
を備える、
分析装置(1)。
【請求項22】
分析装置であって、
a)上面を有する分析装置コンポーネントおよびb)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップ、であって、前記分析装置コンポーネントの前記上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含み、前記複数のウエルのそれぞれのウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定され、前記分析装置コンポーネントの前記上面は前記複数のウエルの上面を含む、分析装置コンポーネントおよび生体適合性取外し可能キャップと、
上面を有するプラットフォームであって、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面上に延在し、前記分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、前記少なくとも1つの列の上には延在せず、これにより、前記プラットフォームの前記上面から前記少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、これにより、前記プラットフォームの上部の下に位置する凹みを規定し、前記凹みの底は前記分析装置コンポーネントの前記上面を含む、プラットフォームと、
を備え、
前記生体適合性取外し可能キャップは前記分析装置コンポーネントの前記プラットフォーム上に嵌合し、これにより、凹みを隔離し、前記凹みは1つの端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結し、
前記凹みは、前記プラットフォームおよび前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面とともに、前記取入口槽/取入口ポートから前記取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定し、
前記密閉された通路または導管は、ウエルの頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
分析装置。
【請求項23】
前記装置は、単一の列と、前記取入口槽/取入口ポートと前記取出口槽/取出口ポートとの単一の対と、を含み、前記取入口槽は前記取入口ポートと流体連通し、前記取出口槽は前記取出口ポートと流体連通している、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置は、複数の列と、前記取入口槽/取入口ポートと前記取出口槽/取出口ポートとの複数の対と、を含み、それぞれの対はそれぞれの列と整列され、それぞれの取入口ポートは取入口槽と流体連通し、それぞれの取出口ポートは取出口槽と流体連通している、
請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記プラットフォームは、前記分析装置コンポーネントの前記上面の一部上に組み込まれ、前記プラットフォームの前記上面が前記取入口ポートおよび前記取出口ポートより高くなるように十分に上向きに延在する、
請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記取入口ポートは前記取入口槽と流体連通し、前記取出口ポートは前記取出口槽と流体連通している、
請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記プラットフォームは前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面上に組み込まれ、前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面が取入口ポートおよび取出口ポートよりも低くならないように、十分に下向きに延在する、
請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記プラットフォームは、前記少なくとも1つの列以外の表面の一部上にわたって配置された膜であり、前記少なくとも1つの列を前記プラットフォーム膜の下に後退させ、それによって、前記少なくとも1つの列を隔離する、
請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記プラットフォームは、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面に隣接して配置され、取入口ポートから取出口ポートに延びる一対の肩であり、前記少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させる、
請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記プラットフォームは、前記分析装置の上面の周囲に配置された一連の肩であり、前記少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させる、
請求項22に記載の装置。
【請求項31】
前記装置は、10,000から2,500,000個のウエルを含む、
請求項22に記載の装置。
【請求項32】
流体取出口は前記取出口ポートから溢れ出しのために設けられ、前記密閉された通路または導管の体積容量を超えた流体は前記取出口ポートから流れ出る、
請求項22に記載の装置。
【請求項33】
前記流体取出口は前記取出口ポート上の所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取出口ポートと流体連通しており、前記密閉された通路または導管の前記体積容量を超えた流体が流体取出口ポートから前記流体取出口内に流れ出す、
請求項32に記載の装置。
【請求項34】
分析装置であって、
a)上面を有する分析装置コンポーネントおよびb)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップ、であって、前記分析装置コンポーネントの前記上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含み、前記複数のウエルのそれぞれのウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定され、前記分析装置コンポーネントの前記上面は前記複数のウエルの上面を含む、分析装置コンポーネントおよび生体適合性取外し可能キャップと、
上面を有するプラットフォームであって、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面上に延在し、前記分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、前記少なくとも1つの列の上には延在せず、これにより、前記プラットフォームの前記上面から前記少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、これにより、前記プラットフォームの上部の下に位置する凹みを規定し、前記凹みの底は前記分析装置コンポーネントの前記上面を含む、プラットフォームと、
を備え、
前記分析装置コンポーネント、前記プラットフォーム、取入口槽/取入口ポート、取出口槽/取出口ポート、および、前記取外し可能生体適合性キャップの前記底面の構成により、前記取外し可能生体適合性キャップが前記プラットフォーム上に嵌合されて、前記凹みを隔離し、前記凹みは、1つの端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結し、
前記凹みは、前記プラットフォームおよび前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面とともに、前記取入口槽/取入口ポートから前記取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定し、
前記取外し可能生体適合性キャップは前記分析装置コンポーネントへの載置、または、からの除去が可能であり、
前記密閉された通路または導管は、ウエルの頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は組み合わせライブラリ(combinatorial libraries)のための分析を行うための装置および方法を提供する。この装置は多数のウエルおよび取外し可能キャップを含む。ウエルが水性分析溶液を含んだ際、キャップはその溶液の汚染から保護する。加えて、本明細書で説明するキャップは分析装置内のウエルの頂部上にわたって流体通路を作り、それによって、ウエルおよび装置の上面上にわたる疎水性流体の層の載置を可能にする。この流体層はウエル内の水溶液からの水分の蒸発を防止し、これらのウエルへの汚染物質の進入を抑止する。
【背景技術】
【0002】
組み合わせライブラリは文献ではよく知られ、しばしばビードを利用し、各ビードはリンカ(linker)によってビードに結合された単一化合物の多数のコピーを含んでいる。加えて、典型的に、ビードはビード上の単一化合物の構造の分析を可能にするDNAなどのレポート要素を含む。これらのライブラリの多くには、試験を行っている化合物が分析中にビード上に残留することによって限界がある。そのため、分析が生み出した生物学的データは、結合している化合物が最適な標的に効果的には結合できないという可能性によって潜在的に棄損されている。これは、ビードから生じる物理的干渉、ならびに、化合物をビードに接続しているリンカによる可能な立体構造上の干渉によるとすることができよう。後者に関しては、この連結が、あるいは有効な化合物の能力を標的への適切な結合から抑止することがあり、これにより、その化合物の実際の有効性よりも低く証拠立てる分析結果を提供することがあろう。
【0003】
この問題に対処する1つの選択肢は、適切な刺激(例えば、光)のもとで開裂し、それによって、ビードから化合物を解放する開裂可能なリンカの使用である。一旦化合物が試験ウエル内などの溶液中に入れば、化合物は自由になり、分析において最大の有効性を提供する形で自身を順応させる。さらに、これらの化合物の放出は、意味のある用量依存データを提供するために、放出される化合物の量が制御されるような形で実施可能である。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2019-0358629号を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可能な限り多くの試験化合物を分析が採用することは一般に望ましい。しかし、一回の分析で試験可能な個々の化合物の数は一般に分析装置上のウエルの数によって限られている。より大きなライブラリを収容するために個々のウエルの数を増やすことはさらに他の問題を引き起こす。隣接するウエルが互いに近すぎれば、1つのウエル内の溶液の一部がこぼれ出して隣接するウエル内の溶液を汚染することがある。1つのウエルから隣接するウエルへのいかなるこぼれ出しも隣接するウエルを汚染する。このような汚染は、活性化合物の報告された活量に虚偽の肯定または希薄化のいずれかをもたらすことで結果を改変可能なものである。前者が発生可能となるのは、溶液中の試験化合物が第1のウエル内で活性であり、その溶液の一部が不活性化合物を有する隣接ウエルに「こぼれ出した」時である。この結果、隣接ウエルは今や活性化合物を溶液中に有することとなり、この溶液はそのウエル内に活量があるという誤った報告をもたらす。後者が発生可能となるのは、用量依存の形で報告された際に報告された活量が実際の活量より少なくなるように、不活性化合物を有するウエルからのこぼれ出しが活性化合物を有する隣接ウエルを汚染し、その活性化合物の濃度を低下させた時である。
【0005】
このこぼれ出しの問題は、分析装置が互いに近接した大量のウエルを備えた際に特に現実的なものとなる。装置にとって稼働可能なサイズを維持するために、1つのウエル内の水溶液がこぼれ出し可能となって隣接ウエルを汚染可能となるところまでウエル密度を高めている。この密度においては、セル密度が高まるにつれて低下する信頼性によって分析結果の信頼性が低下する。このことは、技術者たちに困難な状況をもたらしている。一事例では、分析装置が大量のウエルをそれ以上収容できない距離だけウエルを互いから離した(例えば、ウエル密度が低すぎる)分析装置が使用可能である。他の事例では、こぼれ出しの発生を考慮した分析装置が使用可能である。
【0006】
この問題への1つの解決策は米国特許出願第16-774871号において「Assay Devices for Combinatorial Libraries(組合せライブラリのための分析装置)と題されて説明されている。しかし、以下に述べるようにさらなる改良が必要である。
【0007】
さらに、単一の装置上に非常に大量のウエルを許容するためには、各ウエルの体積が非情に小さくなくてはならない。例えば、容量の約40%まで部分的に満たした際の直径約150ミクロンで深さ150ミクロンのウエルは約0.001ミリリットルの水溶液を有している。このような少量の流体には、(例えば、空気を介した汚染による)ウエルの汚染に対して、かつ、ウエルからの水分の蒸発を防止するために保護が必要である。後者は、特定のウエルからの水分のいかなる蒸発もそのウエル内の化合物の濃度を変化させる濃度依存の形で分析を行っている際に特に現実的なものとなる。
【0008】
ウエル上にわたる固定または恒久的キャップを分析装置内に含めることは、各ウエルへの分析コンポーネント(例えば、ビード、水溶液、標的など)の追加を困難または不可能にする。さらに、分析装置の上面上に合う一時的なキャップは、装置に対してこのキャップの何らかの吸引が生じた場合にこのキャップが除去されると、こぼれ出しをもたらす。
【0009】
このように、各ウエルで行われた分析の結果が信頼できるものとなるように、各ウエルの水溶液を汚染および/または蒸発から保護するように設計された分析装置を提供する現時点での必要性がある。このような装置は当技術分野における必需品を代表するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本開示はウエル(10)を含む分析装置(1)を提供し、この分析装置は、ウエル(10)の上面に近接するが当接しない取外し可能キャップ(30)を含む。このキャップ(30)は、汚染および/または蒸発に対して保護するウエル(10)の上にわたる密閉流体通路(5)を作るように構成されている。
【0011】
一実施形態において、本開示は分析装置(1)を提供し、この分析装置(1)は、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
表面間仕切り(16)と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する前記分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) その上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上にわたって延在するが、列(20)の上にわたっては延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、および、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結する各列(20)と、を含み、
分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は、生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成され、
前記キャップ(30)は底面(31)を含み、分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成は、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の底面(31)と、によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定するために、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持されることを可能にし、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
前記密閉通路(5)はウエル(10)の頂部を基準として実質的に水平方向の前記流体連通を提供する。
【0012】
一実施形態において、本開示は部品のキットを提供し、このキットは、
A) 分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) その上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上にわたり延在するが、列(20)の上にわたっては延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、および、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結する各列(20)と、を含み、
分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は、取外し可能な生体適合性キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成された分析装置と、
B) 底面(31)を含む取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成は、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)、前記プラットフォーム(7)、および、前記キャップ(30)の底面(31)によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定するために、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持されることを可能にし、前記空間の高さはプラットフォーム膜(7a)の高さによって規定され、
通路(5)はウエル(10)の頂部を基準として実質的に水平方向の前記流体連通を提供する、取外し可能な生体適合性キャップ(30)を含む、部品のキット。
【0013】
一実施形態において、分析装置(1)の列(20)は、これの上に整列された高密度のウエル(10)を含み、前記ウエル(10)のそれぞれは、
a) 寸法が分析コンポーネント(60)を保持するように構成された直径(14)および深さ(15)を規定する床(12)および高さ(15)と、
b) いずれの隣接した2つのウエル(10a)および(10b)をも互いから分離するが、それぞれは第1のウエル(10a)の最も近い縁から第2のウエル(10b)の最も近い縁までの長さが少なくとも約10ミクロンである間仕切り(16)であって、前記第2のウエル(10b)は第1のウエル(10a)からの最も近い隣のウエルである間仕切り(16)と、を含む。
【0014】
一実施形態において、前記装置(1)の前記間仕切り(16)のそれぞれは、前記間仕切り(16)上の表面(2)の少なくとも一部上に組み込まれた疎水性撥水層を含む。
【0015】
一実施形態において、前記列(20)は平方ミリ当たり少なくとも10個のウエルのウエル(10)密度を有する。
【0016】
一実施形態において、キャップ(30)は列(20)を覆い、プラットフォーム(7)とともに、分析コンポーネント(1a)の表面(2)上の密閉導管内に列(20)を隔離している。
【0017】
一実施形態において、前記分析装置(1)は、単一の列と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との単一の対と、を含む。
【0018】
一実施形態において、前記分析装置(1)は、多数の列(20)と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との多数の対と、を含み、各対は各列(20)に整列されている。
【0019】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、分析装置コンポーネント(1a)の上面の一部上に組み込まれ、プラットフォーム(7)の頂部が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より高くなるように十分に上向きに延在している。一実施形態において、取入口ポート(3a)は取入口槽と流体連通し、取出口ポート(4a)は取出口槽と流体連通している。
【0020】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、キャップ(30)の底面上に組み込まれ、キャップ(30)の底面(31)が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より高いが取入口槽(3)および取出口槽(4)の頂部の下になるように十分に下向きに延在している。
【0021】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、列(20)を前記プラットフォーム膜(7a)の下に後退させ、それによって、列(20)を隔離するために、列(20)以外の表面(2)のその部分上にわたり搭置されたプラットフォーム膜(7a)である。この実施形態において、列(20)は今や膜(7a)を基準として後退している。
【0022】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、列(20)を前記肩(7b)の下に後退させるために、列(20)の各側面に隣接して搭置され、取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延びる一対の肩(7b)である。
【0023】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、列(20)を前記肩(7b)の下に後退させるために、表面(2)の周囲に載置された一連の肩(7b)である。
【0024】
上記実施形態のそれぞれにおいて、プラットフォーム(7)は、キャップ(30)が前記プラットフォーム(7)上に位置する際に密閉通路(5)が作られるように、キャップの底(31)が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)の上方だが取入口(3)および取出口(4)の下に空間を空けるように、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)を基準としてキャップ(30)底(31)を載置する。前記密閉通路は、前記取入口ポート(3a)から、プラットフォーム(7)、列(20)、キャップ(30)、および、取出口ポート(4a)に規定された空間を介して延びる。
【0025】
一実施形態において、分析装置(1)は10,000から2,500,000個のウエル(10)を含む。
【0026】
一実施形態において、分析装置(1)は単一の列(20)を含む。
【0027】
一実施形態において、分析装置(1)は、好ましくは平行に整列された多数の列(20)を含む。
【0028】
一実施形態において、分析装置(1)は、
A) 分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) その上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上にわたって延在するが、列(20)の上にわたっては延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、および、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結する各列(20)と、を含み、
装置コンポーネント(1b)は生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成された分析装置(1)と、
B) 底面(31)を有する取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成は、列(2)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)、前記プラットフォーム(7)、および、キャップ(30)の底面(31)によって規定され、密閉された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定するために、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持されることを可能にし、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
密閉流体通路(5)はウエル(10)の頂部を基準として実質的に水平方向の前記流体連通を提供する、キャップ(30)と、を含み、
C)前記分析装置(1)内の前記ウエル(10)は分析を行うために十分な分析コンポーネント(60)を含む。
【0029】
一実施形態において、取入口槽(3)は、所望の流体を搭載した注射器またはピペットであり、前記注射器またはピペットの前記取出口先端部は、取入口ポート(3a)と組み合い、組み合うと、通路(5)への流体の導入を可能にする。
【0030】
一実施形態において、取入口槽(3)は、所望の流体を含むポンプに接続された針である。前記針は取入口ポート(3a)と組み合い、ポンプが制御された圧力および送達速度のもとで前記流体を通路(5)内に継続的に送達可能となる。
【0031】
図示する一実施形態において、取入口槽(3)は、取入口ポート(3a)の上わたって所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、取入口槽(3)内の流体が取入口ポート(3a)を介して、かつ、通路(5)を介してこれに流れるように、前記取入口ポート(3a)と流体連通している。
【0032】
一実施形態において、流体取出口(4)は取出口ポート(4a)からの溢れ出し口であり、通路(5)の体積容量を超えた流体は(4a)から流れ出る。
【0033】
図示する一実施形態において、流体取出口(4a)は、取出口ポート(4a)上にわたって所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、通路(3)の体積容量を超えた流体が取出口ポート(4a)から流体取出口(4)内に流れ出すように、前記取出口ポート(4a)と流体連通している。
【0034】
分析装置が提供される。この分析装置はa)上面を有する分析装置コンポーネントと、b)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップを含んでよい。前記分析装置コンポーネントの上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含んでよい。複数のウエルの各ウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定されてよい。前記分析装置コンポーネントの上面は前記複数の前記ウエルの上面を含んでよい。
【0035】
分析装置は、なくとも1つの列の各側面上に延在し、分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、少なくとも1つの列の上にわたっては延在せず、それによって、プラットフォームの上面から少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、それによって、前記プラットフォームの頂部の下に存在する凹みを規定する上面を有するプラットフォームを含んでよい。前記凹みの底は分析装置コンポーネントの上面を含んでよい。
【0036】
前記生体適合性取外し可能キャップは、分析装置コンポーネントのプラットフォーム上に嵌合し、それによって、凹みを隔離してよい。この凹みは一方の端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結していてよい。
【0037】
凹みは、プラットフォームおよび生体適合性取外し可能キャップの底面とともに、取入口槽/取入口ポートから取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定してよい。
【0038】
前記密閉された通路または導管は、ウエルの頂部を基準として実質的に水平方向の流体連通を提供してよい。
【0039】
前記装置は、単一の列と、取入口槽/取入口ポートと取出口槽/取出口ポートとの単一の対と、を含んでよい。前記取入口槽は前記取入口ポートと流体連通してよく、前記取出口槽は前記取出口ポートと流体連通してよい。
【0040】
前記装置は、多数の列と、取入口槽/取入口ポートと取出口槽/取出口ポートとの多数の対と、を含んでよい。各対は各列と整列されてよい。各取入口ポートは取入口槽と流体連通してよく、各取出口ポートは取出口槽と流体連通してよい。
【0041】
プラットフォームは、分析装置コンポーネントの上面の一部上に組み込まれてよく、プラットフォームの上面が取入口ポートおよび取出口ポートより高くなるように、十分に上向きに延在する。
【0042】
取入口ポートは取入口槽と流体連通してよく、取出口ポートは前記取出口槽と流体連通している。
【0043】
プラットフォームは生体適合性取外し可能キャップの底面上に組み込まれてよく、生体適合性取外し可能キャップの底面が取入口ポートおよび取出口ポートよりも低くならなくてよいように、十分に下向きに延在してよい。
【0044】
プラットフォームは、少なくとも1つの列を前記プラットフォーム膜の下に後退させ、それによって、少なくとも1つの列を隔離するために、少なくとも1つの列以外の表面の部分上にわたって搭置された膜であってよい。
【0045】
プラットフォームは、少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させるために、少なくとも1つの列の各側面に隣接して搭置され、取入口ポートから取出口ポートに延びる一対の肩であってよい。
【0046】
プラットフォームは、少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させるために、前記分析装置の上面の周囲に載置された一連の肩であってよい。
【0047】
前記装置は10,000から2,500,000個のウエルを含んでよい。
【0048】
流体取出口は取出口ポートから溢れ出しのために設けられてよい。密閉された通路または導管の体積容量を超えた流体は前記取出口ポートから流れ出てよい。
【0049】
前記流体取出口は、取出口ポート上にわたって所定の位置に固定されたウエルであってよい。前記ウエルは、密閉された通路または導管の体積容量を超えた流体が取出口ポートから前記流体取出口内に流れ出すように、前記取出口ポートと流体連通していてよい。
【0050】
分析装置が提供される。この分析装置は、a)上面を有する分析装置コンポーネントと、b)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップと、を含んでよい。前記分析装置コンポーネントの上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含んでよい。複数のウエルの各ウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定されてよい。前記分析装置コンポーネントの上面は前記複数の前記ウエルの上面を含んでよい。
【0051】
分析装置はプラットフォームを含んでよい。プラットフォームは、少なくとも1つの列の各側面上に延在し、分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、少なくとも1つの列の上にわたっては延在せず、それによって、プラットフォームの上面から少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、それによって、前記プラットフォームの頂部の下に存在する凹みを規定する上面を有してよい。前記凹みの底は分析装置コンポーネントの上面を含んでよい。
【0052】
分析装置コンポーネント、プラットフォーム、取入口槽/取入口ポート、取出口槽/取出口ポート、および、取外し可能生体適合性キャップの底面の構成は、凹みを隔離するために、取外し可能生体適合性キャップがプラットフォーム上に嵌合することを可能にしてよい。凹みは、一方の端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結してよい。
【0053】
凹みは、プラットフォームおよび生体適合性取外し可能キャップの底面とともに、取入口槽/取入口ポートから取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定してよい。
【0054】
前記取外し可能生体適合性キャップは分析装置コンポーネントへ載置、または、から除去してよい。
【0055】
密閉された通路または導管は、ウエルの頂部を基準として実質的に水平方向の流体連通を提供してよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1A】キャップ(30)と併せて使用された際に密閉流体通路(5)を規定する分析装置(1)の断面図である。
図1B】薄層、または、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)を含む分離したシートであるプラットフォーム膜(7a)の使用を含めた装置のいくつかの態様を示す分析装置(1)の立体分解図である。
図2】流体取入口(3)/流体取入口ポート(3a)および流体取出口(4)/流体取出口ポート(4a-図1Bに示す)を有する分析装置(1)の列(20)を示す図であり、肩(7b)が分析装置コンポーネント(1a)の表面周囲上に載置されている。
図3】流体取入口(3)/流体取入口ポート(3a)および流体取出口(4)/流体取出口ポート(4a-図1Bに示す)を有する分析装置(1)の列(20)を示す図であり、肩(7b)が分析装置コンポーネント(1a)の表面周囲上に載置されている。
図4】ウエル(10)、(10a)、および、(10b)を含む列(20)の一部を示す図である。
図5A】分析装置(1)の残りの部分の上面(2)上にわたって並べられた取外し可能キャップ(30)を示す図である。
図5B】分析装置(1)の残りの部分の上面(2)上に載置された取外し可能キャップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
流体取入口(3)および流体取出口(4)は、前記シートの上面に固定されて、流体取入口(3)から通路(5)を介して取入口ポート(3a)を介してこれの中に入り、取出口ポート(4a)および流体取出口(4)を介して外に出る流体導管を提供する任意自立型のコンポーネントである。
【0058】
図1Aを参照すると、装置(1)の一実施形態の断面を示している。装置(1)は分析装置コンポーネント(1a)を含み、これは、ビード、細胞、または、これらの組み合わせでよい個々の分析コンポーネント(60)を保持するように構成された複数のウエル(10)を含む。分析装置(1)は取外し可能なキャップ(30)も特徴とし、これは、装置(1)上に載置されても、装着されていない形で提供されてもよい。装置(1)上に載置された際、キャップ(30)はプラットフォーム(7)上に置かれ、この位置は分析装置コンポーネント(1a)の上面、キャップ(30)の底面、および、プラットフォーム(7)の壁面に拘束された密閉流体通路(5)を作る。密閉流体通路(5)は、ウエル(10)の内容物を覆い(かつ、それによって内容物を保護する)密閉流体通路(5)を満たすための流体(典型的には、水より密度の低い油)の導入を可能にする取入ポート(3a)を介して流体取入口(3)と連通している。分析装置(1)を介した流体導入という設計は、ウエル(10)の内容物の阻害を回避し、1つのウエルから隣のウエルへの内容物の飛散を防止するために、流体の水平な流れによって満たすための密閉流体通路(5)を可能にしている。取出口ポート(4a,例えば図1Bを参照)は取入口ポート(3a)から遠位に設けられている。取出口ポート(4a)は、過剰な流体がポート(4a)から現れるほどに密閉流体通路(5)が完全に満たされていることをユーザが視覚的に分かることを可能にしている。最後に、プラットフォーム(7)は分析装置コンポーネント(1a)と一体に構成されてよく、これはキャップ(30)のプラットフォーム(7)上への載置を可能にし、または、プラットフォーム(7)はキャップ(30)と一体に構成されてよく、これはプラットフォーム(7)の分析装置コンポーネント(1a)の表面上への載置を可能にする。しかし、本発明をより詳細に説明するに先立ち、先ず、以下の用語を定義する。定義されていない場合、本明細書で使用する用語は一般に認められている科学的な意味を有する。
【0059】
参照を容易にするために、本明細書で使用する多くの装置および番号を以下の通り要約する。
【0060】
<分析装置>
分析装置(1)―は分析装置コンポーネント(1a)を含み、その上面(2)が1つまたは複数の列(20)を有し、そのそれぞれは多数のウエル(10)を含み、ここで分析を行う。本明細書に記載する(1)から(7b)までのいずれの番号も、以下のようにウエル(10)以外の分析装置(1)の要素に対応する。
分析装置 (1)
分析装置コンポーネント(ウエル付) (1a)
装置コンポーネント (1b)(1aと7aとの組合せ)
分析装置コンポーネントの上面 (2)
流体取入口または取入口槽 (3)
流体取入口ポート (3a)
流体取出口または取出口槽 (4)
流体取出口ポート (4a)
密閉流体通路 (5)
プラットフォーム (7)
プラットフォーム膜 (7a)
肩 (7b)
【0061】
<ウエル>
ウエル(10)は、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)に見出される。ウエル(10)は、上面(2)の一部または全体上にわたって、を含めて、前記上面(2)上にいずれかの適した方法で配列されている。本明細書に記載の(10)から(19)の範囲のいずれの番号も以下のようにウエル(10)の要素に対応する。
ウエル (10)
第1のウエル (10a)
第2のウエル(最も近い隣のウエル) (10b)
ウエル表面 (11)
ウエル床 (12)
ウエル径 (14)
ウエル高さ (15)
ウエル間仕切り (16)
撥水層 (22)
間仕切り表面 (19)
【0062】
<列>
列(20)はウエル(10)を含む。これらのウエル(10)は、好ましくは、分析装置(1)の上面(2)上で1つまたは複数の列(20)に配列されている。それらは単一の列(20)または多数の分離した各列(20)とすることが可能であり、後者は、好ましくは、平行に配列されている。本明細書に記載の(20)から(29)の範囲のいずれの番号も以下のように列(20)の要素に対応する。
列 (20)
列表面 (21)
撥水層 (不図示)
疎水性流体層 (不図示)
【0063】
<キャップ>
キャップ(30)は底面(31)を有し、その寸法はキャップ(30)が分析装置(1)の表面(2)、流体取入口ポート(3a)、および、流体取出口ポート(4a)の上方に存在し、それによって、本明細書で説明する密閉流体通路(5)を規定することを可能にしている。本明細書に記載の(30)から(31)の範囲のいずれの番号も以下のようにウエル(10)の要素に対応する。
キャップ (30)
キャップの底面 (31)
キャップの上面 (31の反対側)
【0064】
<ビード>
ビードは同じ化合物の多数のコピーを含み、直径および高さを有する磁性または非磁性のビードとすることが可能である。ビードが球状であると、直径と高さは同一である。
【0065】
<細胞>
細胞は、(ヒトの細胞を含めて)マウスの細胞、ブタの細胞、霊長類の細胞などの哺乳類の細胞などである。細胞は試験化合物の生物活性を評価するために分析装置(1)内で使用可能である。
【0066】
<分析コンポーネント>
分析コンポーネント(60)は、分析を行うためにウエル(10)内で使用するいずれのコンポーネントも指す。一実施形態において、分析コンポーネント(60)は以下の1つまたは複数である―ビード、HeLa細胞などのヒトの細胞を含めた細胞、緩衝物、塩、栄養物、水、レポーター分子、DNA、RNAなど。以下に言及するいずれの特徴も以下のように分析コンポーネント(60)に対応する。
分析コンポーネント (60)
標的 (不図示)
【0067】
本明細書で使用する専門用語は特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用するように、単数形「a」、「an」、および、「the」は、文脈が明確に他の場合を示していない限り、複数形も同じく含むことを意図されている。
【0068】
「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」とは、これに続けて説明する事象または状況が発生可能か、または、発生可能でないこと、および、その事象または状況が発生する事例および発生しない事例をその説明が含むことを意味する。
【0069】
例えば、範囲を含めて、温度、時間、数量、濃度、その他の数値による指定の前で使用する時、用語「約(about)」は、(+)または(-)10%、5%、1%、だけ変化してよい近似値、または、それらの間の部分的範囲もしくは下位の値を示す。好ましくは、数量に関して使用された際、用語「約(about)」はその数量が+/-10%だけ変化してよいことを意味する。
【0070】
「含んだ(comprising)」または「含む(comprises)」は、組成および方法が記載された要素を含むが、他の要素を排除しないことを意味することが意図されている。
【0071】
「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、組成および方法を定義するために使用された際、述べられた目的のための組合せに対する何らかの本質的な重要性を有する他の要素を排除することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義する要素から、不可欠に、なる組成は、主張された発明の基本的かつ新規な特性には実質的に影響を及ぼさない他の物質または工程を排除しない。
【0072】
「~からなる(consisting of)」とは、他の含有物の微量元素および方法の実体のある工程よりも多くを排除することを意味するものとする。これらの転換語のそれぞれによって定義された実施形態は本発明の範囲内にある。
【0073】
用語「分析装置(assay device)」は、標的に対して多数の試験化合物を同時に分析可能な装置を指す。この装置は多数のウエルを含み、各ウエルは、好ましくは、実質的に同じである化合物の多数のコピーを含む。この装置は膨大な数のウエルを含む。一実施形態において、ウエルの数は約5,000から約2,000,000個に及ぶ。一実施形態において、装置上のウエルの密度は少なくとも平方ミリ当たり10ウエルであり、ウエルの数は少なくとも約5,000個である。
【0074】
用語「分析コンポーネント(assay component)」は特定の分析を行うことが必要なコンポーネントを指す。分析コンポーネントは、水、塩、緩衝物、ビード、細胞、栄養物、試験化合物、マーカー化合物などを限定せずに含む。
【0075】
用語「ビード(bead)」は、組合せ化学での使用のために当技術分野ではよく知られているビードを指す。一実施形態において、ビードの表面は、開裂可能なリンカを介してこの表面に結合した多数の同じ試験化合物を含む。ビードは、試験化合物の構造またはその化合物の合成に使用する合成工程を記録したDNAバーコードも含んでよい。これらのバーコードは、開裂可能または開裂不可能なリンカのいずれかによってビードに取り付けられている。バーコードが開裂可能なリンカを介して取り付けられていれば、好ましくは、バーコードとともに使用された開裂可能なリンカは試験化合物の機構とは異なった機構によって開裂させられる。
【0076】
他の実施形態において、ビードは、試験化合物の多数のコピーが結合した同じビード上に、または、別個のビード上のいずれかに、同じレポーター分子の多数のコピーを含む。レポーター分子の一例は、開裂可能なリンカを介してビードに結合した蛍光分子である。好ましくは、レポーター分子は、試験化合物をビードに結合するために使用した同じ開裂可能なリンカを使用して取り付けられている。このように使用されると、ビードは、発生する蛍光を低減するために、ビード上の蛍光分子に接近して結合した消光分子を含んでよい。好ましくは、この消光分子は、開裂不可能な結合、または、蛍光分子をビードに結合するために使用した開裂可能なリンカとは異なる機構によって好ましくは開裂させられる開裂可能な結合のいずれかによってビードに結合している。分析中に、開裂可能な結合を開裂させる刺激によってビードから放出された試験化合物の程度についての知識がその分析に不可欠となることがある。レポーター分子を備えたビードの使用は、検量線に対する、ビードからの、かつ、消光物からは離れている蛍光化合物の放出によって発生する蛍光の変化を測定することによってその知識を提供可能である。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2019年8月7日出願の”Oligonucleotide Encoded Chemical Libraries”(「オリゴヌクレオチド符号化化学ライブラリ」)と題された米国特許出願第2019-0358629号を参照されたい。
【0077】
ビードは、典型的に、その一部が自身を磁力感応性にするために十分なFeも含むにも拘らず、形の上では重合によるものとなっている。多くのビードが市販され、サイズも種々であり、例えば、約0.1ミクロンから10ミクロン以上にわたり、アミノ官能基化ビード、カルボキシル官能基化ビード、官能基を持つ磁性ビード、などを含む。例えば、Spherotech Inc.、Lake Forest,Illinois,USA、および、Agilent Inc.、Santa Clara,California,USAを参照されたい。これらのビードは、当技術分野ではよく知られている従来の化学を使用して試験化合物および/またはレポーター分子を含むように直ちに官能基化される。5ミクロンの公称直径を持つビードが、数平均が5ミクロンである5ミクロンより小さな、および、これより大きなビードを含むことは理解されよう。多数のビードの単一のウエル(10)内への載置を避けるために、小さなビードは、設定直径を下回るビードを通過させる一方、この直径を上回るビードを回収するフィルタを使用したサイズ排除濾過によって排除可能である。したがって、ある実施形態において、5ミクロンのビードサイズは、5ミクロンより小さいビードの実質的にすべてを取り除くために濾過されたビードを指す。このようなビードは本明細書において「サイズ排除ビード」と称する。本明細書で述べるすべての事例において、サイズ排除ビードはビードの好ましい部分集団を表す。サイズは、端点を含めて、記載された範囲内のいずれの値または部分的範囲であってよい。
【0078】
一実施形態において、分析コンポーネントはヒトの細胞などの成長可能な哺乳類の細胞(60)である。この細胞は、特定の試験化合物の、もし存在すれば、生物活性を評価するために分析で使用される。哺乳類の細胞を使用した分析は当技術分野ではよく知られている。適した細胞は、がん細胞、インスリンの発現を担うベータ細胞、ニューロンなどを含む。
【0079】
用語「試験化合物(test compaund)」とは、ビードに放出可能に結合し、放出されると、分析装置(1)のウエル(10)内で行う分析で生物活性について試験される化合物を意味する。
【0080】
用語「放出可能に結合し(releasably bound)」とは、ビードに結合した試験化合物がその結合を破壊する刺激の適用によって放出可能であることを意味する。このような結合は、本明細書では時に「開裂可能な」結合と称する。この技術分野には開裂可能な結合およびこの結合を破壊する適切な刺激の例が豊富にある。開裂可能な結合の非限定的な例は、いくつか挙げると、pHの変化、酵素活性、酸化的変化、酸化還元、紫外線、赤外線、超音波、磁場の変化によって放出されるものを含む。そのような開裂可能な結合およびこれらの結合を開裂させるために必要な対応する刺激の包括的な概要は、参照により全体が本明細書に組み込まれるTaresco他、”Self-Responsive Prodrug Chemistries for Drug Delivery”(「薬物送達のための自己応答性プロドラッグ化学」)、Wiley Online Library、2018、onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/adtp.201800030が提供している。
【0081】
用語「プラットフォーム(platform)」とは、前記プラットフォーム(7)を基準として後退して存在する列(20)などの列(20)以外の、分析装置コンポーネント(1a)上面(2)の一部に固定され、かつ、延在する膜または層を意味する。プラットフォーム(7)は、好ましくは、水および疎水性流体の双方に不溶のポリマ(例えば、プラスチック)などの生体適合性物質である。
【0082】
用語「疎水性流体(hydrophobic fluid)」は、水に不溶かつ密度が水よりも小さい生体適合性液体を指す。疎水性流体の例はシリコーン油、鉱油などを含む。
【0083】
<分析装置>
分析装置(1)に移ると、図1Bは、ウエル(10―図1Aおよび図4に示す)の多数の列(20)を有する分析装置(1)の一実施形態を示す。各列(20)は、その近位端部において、取入口槽(3)に接続する取入口ポート(3a)と接続し、その遠位端部において、取出口ポート(4a)および取出口槽(4)と接続する。取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)は、取出口槽(3)から取出口槽(4)への流体の流量を計測する穴を含む分離した層として示す。いくつかの実施形態において、プラットフォームは、列(20)上、および、列(20)から取入口ポート(3a)と取出口ポート(4a)に延在する部分を除いた分析装置コンポーネント(1a)の部分の上にわたって合う層または膜(7a)である。この膜または層は、好ましくは、片面で分析装置コンポーネント(1a)の表面に、かつ、プラットフォーム(7)が両ポートを覆っていないならば、取入口ポート(3a)と取出口ポート(4a)を含む膜または層に粘着する片面または両面のテープである。
【0084】
一実施形態において、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)は、整列した穴を備えた分離した層よりも、むしろ、例えば取入口槽(3)および取出口槽(4)の底における、小さな開口部として構成可能である。この場合、テープは槽(3)および(4)の底に粘着するが、やはり、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)を規定する開口部の上にわたっては粘着しない。
【0085】
図2に示す一実施形態において、プラットフォーム(7)は肩(7b)を含み、これは、取外し可能なキャップ(30―図5Aおよび図5Bに示す)のための基台を提供するために十分に上向きに延在する分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)の周囲に載置されている。
【0086】
図3に示す一実施形態において、単一の列(20)が採用され、肩(7b)を含むプラットフォーム(7)が、取外し可能なキャップ(30)のための基台を提供するために十分に上向きに延在する列(20)の両側に載置されている。単一の列(20)が採用されると、その列の幅は分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)のほとんどを覆うように延在可能であることを理解されよう。
【0087】
各実施形態において、プラットフォーム(7)は、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に載置された際に取入口ポート(3a)、取出口ポート(4a)、および、列(20)を覆う取外し可能なキャップ(30)のための基台を提供するために十分に上向きに延在している。一実施形態において、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)は、列(20)の上面の上方に同じ高さで位置している。他の実施形態において、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)は列(20)の上面の上方に異なる高さで位置している。取入口槽(3)/取入口ポート(3a)は、唯一の差異が、流体(不図示)が最初に導入される場所に関するものであるため、取出口槽(4)/取出口ポート(4a)と相互交換が可能であることを理解されよう。簡単のため、分析装置(1)の左側は、本明細書では時に近位側と称し、これに対して、分析装置(1)の右側は遠位側と称する。同様に、便宜のため、かつ、近位側と遠位側の任意の割当てと関連付けるために、近位側は流体を受け取り、遠位側は流体を回収すると定義する。
【0088】
各実施形態において、密閉流体導管が取入口ポート(3a)から、列(20)、プラットフォーム(7)、および、キャップ(30)によって規定された空間を介して取出口ポート(4a)内へと作られている。この導管は、疎水性流体層の載置が、分析コンポーネント(60)で満たされた際にウエル(10)上にわたって位置することを可能にする。前記疎水性流体層は深さを有し、最大深さはプラットフォーム(7)の高さによって規定されている。取入口槽(3)に加えられた疎水性流体が取入口ポート(3a)を介して前記導管を介して取出口ポート(4a)の外に横切ることを理解されよう。取入口槽(3)および取出口槽(4)が採用された際、取入口槽内への過剰な流体の追加は、平衡が達成された後に双方の槽に等量の流体を提供する。槽(3)への疎水性流体の追加はピペット、注射器、または、ポンプで遂行可能である。
【0089】
疎水性流体は、特に、分析コンポーネント(60)として細胞とともに使用された際に、生体適合性でなければならず、これは言わば、この流体が前記細胞に対して有毒ではないということである。加えて、使用するいずれの生体適合性疎水性流体も、疎水性流体層が水に浮くように、水に不溶であり、水より密度が小さいことが必要である。好ましくは、使用する疎水性流体はシリコーン油、鉱油などである。
【0090】
図4はウエル(10)を含む列(20)の拡大部分図を示す。各ウエル(10)は床(12)、直径(14)、および、高さ(15)を有する。一実施形態において、列(20)内のウエルの密度は少なくとも平方ミリ当たり約10個のウエルである。一実施形態において、各ウエル(10)は約50から約300ミクロンの高さ(15)、約50から約300ミクロンの直径(14)を有する。一実施形態において、ウエル(10)は形状が円筒状である。ウエル(10)は、隣接するウエル(10a)および(10b)の縁の間の最も近い距離が少なくとも約10ミクロンとなるように列(20)内に整列されている。サイズは、端点を含めて、記載された範囲内のいずれの値または部分的範囲とすることが可能である。
【0091】
分析装置(1)において、各ウエル(10)は、ビードなどの分析コンポーネント(60)上に設置された単一の試験化合物の分析を行うように構成されている。このような分析は、好ましくは、各ウエル(10)への単一のビードの導入によって行う。このようなビードは、従来の分割/プール組合せ合成によってビード上に典型的に合成された単一の試験化合物の多数のコピーを含む。ウエル内に載置された他の試験化合物は、例としてのみだが、哺乳類の細胞、緩衝物を含む水溶液、塩、細胞栄養物などを含む。
【0092】
図5Aおよび図5Bは、この場合に外壁または肩(7b)となるプラットフォーム(7)上にわたるキャップ(30)の載置を示す。載置されると、キャップ(30)はキャップ(30)の底面(31)、プラットフォーム(7)、および、分析装置コンポーネント(1a)によって規定された密閉空間を作る。取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)はともに密閉空間内に位置し、それによって、取入口ポート(3a)で開始して取出口ポート(4a)で終了する一方で密閉空間の全体を介して延びる流体導管を規定する。この流体導管は上記のようにウエル(10)上にわたる疎水性流体層の載置を可能にする。
【0093】
<装置の準備>
本明細書で説明する分析装置コンポーネント(1a)および他の支持構造体は、Zeon Specialty Materials,Inc.(San Jose,California,USA)から市販されている環状オレフィンポリマ(COP)、Polyplastics USA,Inc.(「Farmington Hills,Michigan,USA」などの多くの供給元から市販されている環状オレフィン共重合体(COC)、Putnam Plastics(Dayville,Connecticut,USA)などの多くの供給元から市販されているポリイミド、Forster Corporation(Punam,Connecticut,USA)などの多くの供給元から市販されているポリカーボネート、Edge Embossing(Medford,Massachusetts,USA)から市販されているポリジメチルシロキサン、および、Parchem Fine&Specialty Chemicals(New Rochelle,New York,USA)から市販されているポリメタクリル酸メチルなどのポリマを限定せずに含めた多くの生体適合性物質のいずれかを含むことが可能である。
【0094】
本発明の分析装置コンポーネント(1a)のウエル(10)は、当技術分野ではよく知られ、ガラス転移温度をちょうど超えた温度まで加熱することで軟化させたポリマにパターンを押し付けるステップを含む熱エンボス加工法によって直ちに準備可能である。これに続くポリマの冷却ステップが、本明細書で説明する装置のウエルの高い密度を提供する。代案として、射出成型技術が使用可能であり、これは当技術分野ではよく知られている。さらに、適切なサイズ、体積、および、形状を有し、ならびに、所望のウエル密度を備えた所望の数のウエルを導入するために、生体適合性ポリマの固形ブロックをレーザーエッチングすることが可能である。
【0095】
ウエル(10)の形成において、各間仕切り(16)は、好ましくは、第1のウエル(10a)からその最も近い隣のウエル(10b)へは長さで少なくとも約10ミクロン離れている。しかし、第1のウエル(10a)からその最も近い隣のウエル(10b)へは少なくとも約5ミクロンなどの、または、第1のウエル(10a)からその最も近い隣のウエル(10b)へは少なくとも約1ミクロンさえのさらに短い距離が考えられる。ウエル(10)間のこの最短距離は(こぼれ出しのない)均一な水溶液が各ウエル(10)に含まれるように、かつ、各ウエル(10)が、結合した同じ試験化合物の多くのコピーを含む1つまたは複数のビードを含むように、ウエルの完全さを保証するものである。好ましい実施形態において、間仕切り(16)は最も近い隣のウエルから測定した長さが約20ミクロンであり、より好ましくは、長さが約20ミクロンから約50ミクロン未満である。サイズは端点を含めて記載された範囲内のいずれかの値または部分的範囲とすることができる。
【0096】
ウエル(10)は従来の熱エンボス加工法によって作成され、この方法では、熱可塑性ポリマを、このプラスチックを軟化させるために、そのガラス転移温度より僅かに高い温度に加熱する。所望の密度で表面上に均一に載置された多くの円形プロングを含むスタンプを選択する。各プロングは、上述のウエル(10)のサイズに関連した直径および深さを有するサイズになっている。いずれの2つの隣接プロング間の距離は少なくとも約10ミクロンである(すなわち、間仕切り(3)は厚さが少なくとも約10ミクロンである)。スタンプは、プロングを含む部分がシートの上面内に合うようにサイズが取られている。プロングの全長をシートに確実に沈ませるために、スタンプに十分な力をかける。必要な力はシートの柔らかさの程度に依存し、当業者によって直ちに確認可能である。シートが冷めると、ウエル(10)および間仕切り(16)を今や含むシートを提供するために、プロングは除去される。
【0097】
代案として、一体的構造体の一部としてのプラットフォーム(7)があっても無くても、部分的に形成された装置(1)は、スタンプの突起に対応する突起を備えた一方(オス金型半体)および装置の基礎部分を形成する他方(メス金型半体)の2つの金型半体を使用する従来の射出成型によって準備可能である。金型反体は、装置(1)の形状の空洞を形成するために、互いに向けて並べられる。重合が後に続くこの空洞へのモノマまたは反応性オリゴマ組成物の注入は、ウエル(10)および間仕切り(16)を今や含む(プラットフォーム(7)のある、または、無い)装置(1)を提供する。
【0098】
一実施形態において、熱エンボス加工または金型成型の後、二酸化ケイ素のコーティングを従来のスパッタ技術によって底面(すなわち、ウエル(10)の床壁)を含めた装置(1)の上面に塗布してもよい。好ましくは、二酸化ケイ素層の厚さは約0.5から約100ナノメータであり、より好ましくは、約10から50ナノメータである(値は端点を含めて記載された範囲内のいずれかの値または部分的範囲とすることが可能である)。二酸化ケイ素コーティングは撥水層と生体適合性層の双方を結合する反応層を提供する。
【0099】
装置(1)の構造の仕様に関して、ウエル(10)の底面を含む装置(1)の上面への二酸化ケイ素コーティングの塗布の後、各間仕切り(16)は、1つのウエルから他のウエルへの水溶液のこぼれ出しを抑止する生体適合性の疎水性撥水層を含むように修正される。この撥水層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのブロック共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、(トリクロロ)オクタデシルシラン(OTS)、(CYTOP(登録商標)などの)非晶質フッ素重合体、および、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの生体適合性疎水性撥水物質を含む。
【0100】
生体適合性撥水層は従来のコーティング技術によって作成する。例えば、1つのそのような技術は、装置に適合性のある適切な溶媒中に溶解した生体適合性撥水物質の溶液のディスクへの塗布を含む。約1から5ミクロンの溶液薄膜を作成するためにディスクを回転させる。回転を止め、装置(1)の上面を薄膜の上/中に載置する。約1から5分以内に装置(1)をディスクから外し、乾燥させ、厚さが約1から5ミクロンの撥水層を形成する。値は端点を含めて記載された範囲のいずれかの値または部分的範囲とすることが可能である。
【0101】
代案実施形態において、撥水性生体適合性層の形成は、所望の厚さへの射出成型によって行う。撥水性生体適合性層の追加がウエルのそれぞれの深さに加わるため、上述のウエルの合計深さが撥水層の形成後の深さを指すことを理解されよう。
【0102】
いくつかの実施形態において、分析装置コンポーネントは、ウエル(10)の底の上に標的捕獲(層)要素をさらに含むことが可能である。これは、ウエル(10)内でのいずれの分析コンポーネント(60)の移動も防止するために機能することが可能である。例示的な標的捕獲要素は、例示の目的のみに使用するが、ポリーD―リシン(PDL)である。例えば、約0.1mg/mLの濃度を達成するように水溶液に十分なPDLを溶解する。PDLは多くの供給元から市販されている。PDLの1つの供給元はカタログ番号A389040としてThermoFisher Scientific,10010 Mesa Rim Road,San Diego,California,USAからである。標的捕獲要素の他の例は、フィブロネクチン(ThermoFisher Scientific、カタログ番号33016015)、ビトロネクチン(Sigma Aldrich、カタログ番号5051)などを含む。
【0103】
PDL標的捕獲要素の無い部分的に形成された装置(1)を、PDL溶液を含む容器内に浸す。浸漬は約1時間続ける。装置(1)を取り除き、乾燥させる。装置(1)の上面上の疎水性コーティングはその面上でのPDLの堆積を遅らせ、それによって、ウエル(10)の底面および、恐らくは、ウエル(10)の側壁上に、標的捕獲要素をもたらす。
【0104】
標的捕獲要素はウエル(10)の底面(12)と生体適合性があり、一旦堆積すると標的転座を妨げるために堆積の場所で標的に付着するか、または、標的が溶液中に存在するか懸濁となっている際に標的と生体適合性を持つかのいずれかである。好ましくは、標的捕獲要素の全体的な特性は疎水性であるが、疎水性を持つ領域は認められている。一実施形態において、標的捕獲要素はウエル(10)の底面(12)、および、その上に堆積した標的に付着するように選択する。各実施形態において、標的捕獲要素への標的の結合は約1×10-3を超えない、かつ、より好ましくは、1×10-5μmol/μLを超えないKdを提供する(値は端点を含めて記載された範囲内のいずれかの値または部分的範囲とすることが可能である)。標的捕獲要素は、ポリ(アミノ酸)、DNA、RNA、siRNA、抗体、抗体の破片、蛋白質、ポリペプチドなどの物質を含む。特定の標的捕獲要素は、採用した標的を基準として選択し、その選択は当業者にはよく知られている。一実施形態において、標的はヒトHela細胞などの哺乳類の細胞であり、標的捕獲要素はD―リシンの重合体(PDL)である。約1×10から約1×1014個のリシン残基を有するD―リシンの重合体が好ましい(値は端点を含めて記載された範囲内のいずれかの値または部分的範囲とすることが可能である)。
【0105】
用語「標的(target)」とは、その標的への試験化合物の結合親和性および、任意に、その結合の生物学的影響の評価を所望する生物学的物質などの物質を意味する。例示的な標的は、単クローン性または多クローン性の抗体、単クローン性または多クローン性の抗体の破片、哺乳類の細胞、DNA、RNA、siRNA、蛋白質(例えば、融合蛋白質、酵素、サイトカイン、ケモカインなど)、ウィルスなどを含む。好ましい一実施形態において、標的はヒトの細胞などの哺乳類の細胞である。
【0106】
撥水性生体適合性層を標的捕獲要素と組み合わせて使用すると、本明細書で説明する装置(1)は、平方ミリ当たりの密度が非情に高いウエル、ならびに、電磁エネルギー検出手段(例えば、光)を使用したウエル(2)内に堆積した細胞の再現性のある検出の維持を可能にする。本明細書で説明する撥水性生体適合性層の存在は、隣接するウエルからの水溶液のこぼれ出しを抑止または排除する。
【0107】
<プラットフォームの組み込み>
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、列(20)の上以外の分析装置コンポーネント(1a)の上面の少なくとも一部の上にわたって合う膜または層を含み、この部分は列(20)から取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)に延在する。一実施形態において、この層または膜(7a)は、列(20)を取り囲むがその上にわたっては延在しないように構成された感圧接着剤(PSA)などの両面テープを含むことが可能である。他の実施形態において、この層または膜(7a)は、同じく、列(20)を取り囲むがその上にわたっては延在しないように構成されたプラスチックの薄いシートを含むことが可能である。PSAテープは当技術分野ではよく知られ、例としてのみだが、3M Company,St.Paul,Minnesota,USAから入手可能なAdhesive Transfer Tape F9473PCを含めた多数の販売者から入手可能である。
【0108】
一実施形態において、プラットフォーム(7)は、列(20)のそれぞれのための切り欠きを含むように事前に作成され、列(20)の近位終端から取入口ポート(3a)に延在し、列(20)の遠位終端から取出口ポート(4a)に延在する膜(7a)を含む。このシートは、好ましくは、当技術分野ではよく知られている従来の方法で作成する。一実施形態において、プラットフォーム(7)は、キャップ(30)の上面(2)から上向きに、または、その底面(31)から下向きに延在する肩(7b)を含む。これらの肩(7b)は列(20)を隔離するように位置している。
【0109】
一般に、プラットフォームは、膜(7a)としても肩(7b)としても、約50から約1,000ミクロン、かつ、好ましくは、約100から約500ミクロンの厚さ(高さ)を有する(値は端点を含めて記載された範囲内のいずれかの値または部分的範囲とすることが可能である)。
【0110】
次に、採用されると、流体取入口(3)および流体取出口(4)は装置コンポーネント(1b)に固定される。一実施形態において、流体取入口(3)は取入口槽を含み、流体取出口(4)は取出口槽を含む。双方の槽は、ともにその槽の頂部から下向きに部分的に延在するが、槽の底へは通じていないウエルを有する。槽の基台には穴が開けられ、槽を介して延在して槽の外へ出て行き、そこで後退した列(20)と遭遇する。取入口槽内の前記穴の底の終端は、取入口ポート(3a)として特定され、取出口槽内の前記穴の底は取出口ポート(4a)として特定される。この穴は密閉流体通路(5)内へと通過する流体の量を計測するように機能する。
【0111】
代案として、各槽内のウエルは、槽の頂部から下向きに、かつ、槽の底へと延在している。各ウエルの基台には、各槽の底に位置合わせした穴を含むシートまたは膜がある。前記穴のそれぞれは、取入口ポート(3a)または取出口ポート(4a)のいずれかを規定し、通路(5)を通過する流体の量を計測するために採用されている。
【0112】
流体取入口(3)および流体取出口(4)の製造は射出成型などの従来技術によって行う。同様に、取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)を形成するために使用するプラスチックシートは当技術分野ではよく知られ、使用する疎水性流体には不活性となるように作成する。
【0113】
装置コンポーネント(1b)上へのこれらのコンポーネントの載置も当産業分野ではよく知られている従来技術によって行う。例えば、PSAなどの両面テープは各取入口(3)および取出口(4)をプラットフォーム(7)に接着するために使用する。代案として、紫外線誘導性接着剤、または、従来の化学結合が使用可能である。
【0114】
一旦これらのコンポーネントが所定の位置に揃えば、装置が完成しキャップ(30)を受け入れる準備が完了する。しかし、キャップ(30)の載置に先立ち、従来技術によってウエルに分析コンポーネントを加える。1つまたは複数の分析コンポーネントは、装置コンポーネント(1b)上への取入口(3)および取出口(4)の載置に先立ち、または、その後に追加可能である。
【0115】
<キャップ>
キャップ(30)は、プラットフォーム(7)に可逆的に粘着する生体適合性で取外し可能な膜またはシートを含む。この膜またはシートは、好ましくは、気体透過性であり、かつ、これが取り付けられるプラットフォームの輪郭に合うように構成されている。適した膜またはシートの例は、Thermo Fisher Scientific(上記を参照)からのマイクロタイタープレート用Mylarプレートシーラーを含む。一実施形態において、キャップ(30)の上面は、把手、タブ、ネジ山、または、分析装置(1)からのキャップの取り外しを容易にする他のいずれかの要素などの付属品を有する。
【0116】
<方法>
実際には、先ず、ウエル(10)を分析コンポーネント、および、実施する分析の要件(例えば、pH、緩衝物、塩など)に対応する水溶液で部分的または完全に満たす。
【0117】
キャップ(30)は、満たした後、プラットフォーム(7)上に嵌合され、それによって、ウエル(10)を含む各列(20)の上にわたって延在する密閉された導管または通路(7)を形成する。各ウエル(10)の内容物を汚染および/または蒸発から保護するために、生体適合性疎水性流体層を、前記疎水性流体層が前記取入口槽に下向きに流れ込み、取入口ポート(3a)から外出する十分な量で取入口ポート(3)に導入する。前記疎水性流体層は列(20)の表面(2)上わたって流れ、部分的に満たされているいずれのウエル(10)も前記疎水性流体で満たし、この流体はキャップ(30)の底面(31)まで前記通路(5)にも蓄積される。過剰な疎水性流体層は取出口ポート(4a)を介して横断する。流体はピペット、注射器などの適した槽から、または、ポンプを介して導入する。流体の注入速度は、ウエル(10)内の分析コンポーネント(60)が途絶せずに列(20)の表面上にわたる水平な流れを提供するように選択する。好ましくは、流体は毎秒約100μLを超えない速度で注入する。
【0118】
この点において、キャップ(30)は維持または除去が可能であり、分析は完了まで継続が許容される。
【0119】
分析の完了において、(保持されている場合)キャップを取り外し、分析結果を定量化する。生物活性を示すウエル(10)を特定し、前記ビードに結合した化合物を決定する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
記間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させる(recess)ために、分析装置コンポーネント(1a)の前記面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれの列(20)と、を備え、
前記分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成され、
前記キャップ(30)は底面(31)を有し、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
前記密閉通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
分析装置(1)。
【請求項2】
前記列(20)は少なくとも平方ミリメートル当たり10ウエルのウエル(10)の密度を有する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記装置(1)の前記間仕切り(16)のそれぞれは、前記間仕切り(16)上の表面(2)の少なくとも一部上に組み込まれた疎水性撥水層を含む、
請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記装置は、単一の列と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との単一の対と、を含む、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
前記装置は、複数の列(20)と、取入口槽(3)/取入口ポート(3a)と取出口槽(4)/取出口ポート(4a)との複数の対と、を含み、
それぞれの対はそれぞれの列(20)に整列されている、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
プラットフォーム(7)は、分析装置コンポーネント(1a)の上面の一部上に組み込まれ、プラットフォーム(7)の頂部が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より高くなるように十分に上向きに延在する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
取入口ポート(3a)は取入口槽(3b)と流体連通し、取出口ポート(4a)は取出口槽(4b)と流体連通している、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項8】
プラットフォーム(7)は、キャップ(30)の底面上に組み込まれ、キャップ(30)の前記底面(31)が取入口ポート(3a)および取出口ポート(4a)より低くならないように十分に下向きに延在する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項9】
プラットフォーム(7)は、列(20)以外の表面(2)の一部上に配置された膜(7a)であり、列(20)をプラットフォーム膜(7a)の下に後退させ、それによって、列(20)を隔離する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項10】
プラットフォーム(7)は、列(20)のそれぞれの側面に隣接して配置され、取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延びた一対の肩(7b)であり、列(20)を肩(7b)の下に後退させる、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項11】
プラットフォーム(7)は、表面(2)の周囲に配置された一連の肩(7b)であり、列(20)を肩(7b)の下に後退させる、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項12】
前記装置(1)は10,000から2,500,000個のウエル(10)を含む、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項13】
前記取入口槽(3)は所望の流体を搭載した注射器またはピペットであり、前記注射器またはピペットの取出口先端部は取入口ポート(3a)と嵌合し、嵌合すると、前記通路(5)への流体の導入を可能にする、
請求項7に記載の分析装置。
【請求項14】
前記取入口槽(3)は、所望の流体を含むポンプに接続された針であり、針が取入口ポート(3a)と嵌合してポンプが流体を制御された圧力および送達速度のもとで通路(5)に継続的に送達可能となる、
請求項7に記載の分析装置。
【請求項15】
前記取入口槽(3)は取入口ポート(3a)の上で所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取入口槽(3)内の流体が取入口ポート(3a)を介して流れ、その後、通路(5)内に流れ、通路(5)を通過するように、前記取入口ポート(3a)と流体連通している、
請求項7に記載の分析装置。
【請求項16】
流体取出口(4)は、取出口ポート(4a)から溢れ出し、通路(5)の体積容量を超えた流体は取出口ポート(4a)から流れ出る、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項17】
流体取出口(4a)は、取出口ポート(4a)上で所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取出口ポート(4a)と流体連通しており、通路(3)の体積容量を超えた流体が取出口ポート(4a)から流体取出口(4)内に流れ、その後、取り出し口(4)内に流れる、
請求項7に記載の分析装置。
【請求項18】
前記装置の前記ウエル(10)は分析を行うために十分な分析コンポーネント(60)を含む、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項19】
前記ウエルは疎水性流体層によって覆われている、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項20】
部品のキットであって、
A) 分析装置(1)であって、
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
前記間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する、分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれ列(20)と、
を備え、
分析装置コンポーネント(1a)およびプラットフォーム(7)は取外し可能な生体適合性キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成された、
分析装置(1)と、
B) 底面(31)を有する取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(20)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム膜(7a)の高さによって規定され、
通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
取外し可能な生体適合性キャップ(30)と、
を備える、
部品のキット。
【請求項21】
分析装置(1)であって、
A)
i) それぞれがウエル床(12)と、ウエル径(14)と、ウエル高さ(15)と、によって規定されたウエル(10)の少なくとも1つの列(20)を有し、いずれの第1のウエル(10a)も隣接する第2のウエル(10b)から間仕切り(16)によって分離されている分析装置コンポーネント(1a)であって、
間仕切り(16)の表面と、前記ウエル(10)の頂部と、を含む上面(2)において終結する分析装置コンポーネント(1a)と、
ii) プラットフォーム(7)の上面から列(20)を後退させるために、分析装置コンポーネント(1a)の表面(2)の少なくとも一部の上に延在するが、列(20)の上には延在しないプラットフォーム(7)と、
iii) 1つの端部が取入口ポート(3a)で、かつ、反対側の端部が取出口ポート(4a)で終結するそれぞれの列(20)と、
を備え、
装置コンポーネント(1b)は生体適合性取外し可能キャップ(30)を受け入れ、かつ、維持するように構成され、
B) 底面(31)を有する取外し可能な生体適合性キャップ(30)であって、
分析装置コンポーネント(1a)、プラットフォーム(7)、取入口(3a)、取出口(4a)、および、キャップ(30)の底面(31)の構成により、キャップ(30)がプラットフォーム(7)上に維持され、列(2)を隔離し、それによって、分析装置コンポーネント(1a)の上面(2)と、前記プラットフォーム(7)と、キャップ(30)の前記底面(31)と、によって規定され、密閉された空間を介して取入口ポート(3a)から取出口ポート(4a)に延在する密閉流体通路(5)を規定し、前記空間の高さはプラットフォーム(7)の高さによって規定され、
密閉流体通路(5)はウエル(10)の前記頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供し、
前記密閉流体通路は、疎水性流体を含む、
キャップ(30)、
を備える、
分析装置(1)。
【請求項22】
分析装置であって、
a)上面を有する分析装置コンポーネントおよびb)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップ、であって、前記分析装置コンポーネントの前記上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含み、前記複数のウエルのそれぞれのウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定され、前記分析装置コンポーネントの前記上面は前記複数のウエルの上面を含む、分析装置コンポーネントおよび生体適合性取外し可能キャップと、
上面を有するプラットフォームであって、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面上に延在し、前記分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、前記少なくとも1つの列の上には延在せず、これにより、前記プラットフォームの前記上面から前記少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、これにより、前記プラットフォームの上部の下に位置する凹みを規定し、前記凹みの底は前記分析装置コンポーネントの前記上面を含む、プラットフォームと、
を備え、
前記生体適合性取外し可能キャップは前記分析装置コンポーネントの前記プラットフォーム上に嵌合し、これにより、凹みを隔離し、前記凹みは1つの端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結し、
前記凹みは、前記プラットフォームおよび前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面とともに、前記取入口槽/取入口ポートから前記取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定し、
前記密閉された通路または導管は、ウエルの頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
分析装置。
【請求項23】
前記装置は、単一の列と、前記取入口槽/取入口ポートと前記取出口槽/取出口ポートとの単一の対と、を含み、前記取入口槽は前記取入口ポートと流体連通し、前記取出口槽は前記取出口ポートと流体連通している、請求項22に記載の分析装置。
【請求項24】
前記装置は、複数の列と、前記取入口槽/取入口ポートと前記取出口槽/取出口ポートとの複数の対と、を含み、それぞれの対はそれぞれの列と整列され、それぞれの取入口ポートは取入口槽と流体連通し、それぞれの取出口ポートは取出口槽と流体連通している、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項25】
前記プラットフォームは、前記分析装置コンポーネントの前記上面の一部上に組み込まれ、前記プラットフォームの前記上面が前記取入口ポートおよび前記取出口ポートより高くなるように十分に上向きに延在する、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項26】
前記取入口ポートは前記取入口槽と流体連通し、前記取出口ポートは前記取出口槽と流体連通している、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項27】
前記プラットフォームは前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面上に組み込まれ、前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面が取入口ポートおよび取出口ポートよりも低くならないように、十分に下向きに延在する、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項28】
前記プラットフォームは、前記少なくとも1つの列以外の表面の一部上にわたって配置された膜であり、前記少なくとも1つの列を前記プラットフォーム膜の下に後退させ、それによって、前記少なくとも1つの列を隔離する、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項29】
前記プラットフォームは、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面に隣接して配置され、取入口ポートから取出口ポートに延びる一対の肩であり、前記少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させる、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項30】
前記プラットフォームは、前記分析装置の上面の周囲に配置された一連の肩であり、前記少なくとも1つの列を前記肩の下に後退させる、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項31】
前記装置は、10,000から2,500,000個のウエルを含む、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項32】
流体取出口は前記取出口ポートから溢れ出しのために設けられ、前記密閉された通路または導管の体積容量を超えた流体は前記取出口ポートから流れ出る、
請求項22に記載の分析装置。
【請求項33】
前記流体取出口は前記取出口ポート上の所定の位置に固定されたウエルであり、前記ウエルは、前記取出口ポートと流体連通しており、前記密閉された通路または導管の前記体積容量を超えた流体が流体取出口ポートから前記流体取出口内に流れ出す、
請求項32に記載の分析装置。
【請求項34】
分析装置であって、
a)上面を有する分析装置コンポーネントおよびb)これに嵌合し、底面を有する生体適合性取外し可能キャップ、であって、前記分析装置コンポーネントの前記上面は、複数のウエルを有する少なくとも1つの列を含み、前記複数のウエルのそれぞれのウエルは、ウエル床、ウエル径、および、ウエル高さによって規定され、前記分析装置コンポーネントの前記上面は前記複数のウエルの上面を含む、分析装置コンポーネントおよび生体適合性取外し可能キャップと、
上面を有するプラットフォームであって、前記少なくとも1つの列のそれぞれの側面上に延在し、前記分析装置コンポーネントの近位および遠位の端部において終結するが、前記少なくとも1つの列の上には延在せず、これにより、前記プラットフォームの前記上面から前記少なくとも1つの列のそれぞれを後退させ、これにより、前記プラットフォームの上部の下に位置する凹みを規定し、前記凹みの底は前記分析装置コンポーネントの前記上面を含む、プラットフォームと、
を備え、
前記分析装置コンポーネント、前記プラットフォーム、取入口槽/取入口ポート、取出口槽/取出口ポート、および、前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面の構成により、前記生体適合性取外し可能キャップが前記プラットフォーム上に嵌合されて、前記凹みを隔離し、前記凹みは、1つの端部が取入口槽/取入口ポートで、および、他方の端部が取出口槽/取出口ポートで終結し、
前記凹みは、前記プラットフォームおよび前記生体適合性取外し可能キャップの前記底面とともに、前記取入口槽/取入口ポートから前記取出口槽/取出口ポートへの密閉された通路または導管を規定し、
記生体適合性取外し可能キャップは前記分析装置コンポーネントへの載置、または、からの除去が可能であり、
前記密閉された通路または導管は、ウエルの頂部に対して実質的に水平方向の流体連通を提供する、
分析装置。
【国際調査報告】