(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】担持されたニコチン組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/465 20060101AFI20240415BHJP
A61P 25/34 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240415BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/68 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
A61K31/465
A61P25/34
A61K47/10
A61K47/04
A61K47/02
A61K47/12
A61K9/16
A61K9/14
A61K9/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563170
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 GB2022050893
(87)【国際公開番号】W WO2022219310
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523388434
【氏名又は名称】ザノプリマ ライフサイエンシズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボンデュ、ヴィノード クマール レディー
(72)【発明者】
【氏名】マッケイグ、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】カースルズ - スミス、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ナラシムハン、アショク スリニヴァサン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA69
4C076BB01
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4C076DD21Q
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4C076FF36
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4C076GG01
4C086AA01
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4C086MA02
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4C086MA35
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4C086MA43
4C086MA47
4C086MA52
4C086MA57
4C086NA03
4C086NA10
4C086ZC39
(57)【要約】
本発明は、ニコチン及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとを含む組成物であって、組成物がパウチ内にあり、パウチが口に入れることを意図されている、組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとを含む組成物であって、前記組成物がパウチ内にあり、前記パウチが口に入れることを意図されている、組成物。
【請求項2】
前記パウチが唾液透過性パウチである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記パウチが、熱融着性パウチ、好ましくは熱融着性不織布パウチである、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記パウチが、頬と歯茎との間及び/又は唇と歯茎との間、好ましくは頬と歯茎との間の口に入れることを意図されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記パウチ内の前記組成物が、約0.5重量%~約4重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約0.5重量%~約2重量%の範囲のニコチンを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記パウチが、約100mg~約500mgの前記組成物を含み、好ましくは、前記パウチが、約200mg~約400mgの前記組成物を含む、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
タバコ代替製品に使用するためのものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ニコチンが、合成ニコチン又はタバコから抽出されたニコチンのいずれかから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ニコチン塩が、合成ニコチン又はタバコから抽出されたニコチンのいずれかから形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
合成ニコチン、タバコから抽出されたニコチン、及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとの重量比が約5%:95%~約75%:25%の範囲であり、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項8又は9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、酸、エタノール、二酸化炭素、グリセロール、又はそれらの任意の組合せを更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物中のニコチン及び/又はニコチン塩の安定化のための請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物であって、好ましくは前記組成物が、酸性エタノール、二酸化炭素、グリセロール又はそれらの任意の組合せ、好ましくは酸を含む、組成物。
【請求項13】
前記酸が、ピルビン酸、安息香酸、レブリン酸、クエン酸、グルコン酸、グルクロン酸、リボン酸、アラビノン酸又はガラクトン酸から選択される、請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
前記酸がヒドロキシ酸である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記酸がクエン酸又はグルコン酸のいずれかである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、約5~約70重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約70重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約90重量%の酸を含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項11から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約5~約70重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約70重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約90重量%のエタノールを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
ニコチン/ニコチン塩と二酸化炭素との重量比が約90%:10%~約50%:50%の範囲であり、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項11に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約5~約80重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約50重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約50重量%のグリセロールを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項11に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が二酸化炭素及びグリセロールを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が粉末成分及び顆粒成分を含み、前記組成物が前記粉末成分及び/又は前記顆粒成分の形態であり、好ましくは前記粉末成分及び前記顆粒成分の形態である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
約5重量%~約70重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約5重量%~約70重量%の範囲のニコチンを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、プレミックス組成物。
【請求項23】
前記プレミックス組成物が、約20重量%~約60重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約10重量%~約60重量%の範囲のニコチンを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、請求項22に記載のプレミックス組成物。
【請求項24】
前記プレミックス組成物が、請求項7から21のいずれか一項に記載の組成物の特徴を更に含む、請求項22又は23に記載のプレミックス組成物。
【請求項25】
前記プレミックス組成物が二酸化炭素を更に含む、請求項22から24のいずれか一項に記載のプレミックス組成物。
【請求項26】
前記プレミックス組成物が、水、好ましくは約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を更に含む、請求項22から25のいずれか一項に記載のプレミックス組成物。
【請求項27】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックスを含む製剤であって、前記製剤が、約0.05重量%~約5重量%のニコチンを含み、前記ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、好ましくは約0.2重量%~約3重量%のニコチンである、製剤。
【請求項28】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックスを含む製剤であって、約0.07重量%~約15重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%の前記プレミックス組成物を含む、製剤。
【請求項29】
非燃焼加熱製品に使用するための、請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤。
【請求項30】
パウチ、ロゼンジ、錠剤又はチューインガムに使用するための、請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤。
【請求項31】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含むロゼンジ。
【請求項32】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含むチューインガム。
【請求項33】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含む錠剤。
【請求項34】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含む非燃焼加熱製品。
【請求項35】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含むパウチ。
【請求項36】
請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を含むパッチ。
【請求項37】
ニコチン及び/又はニコチン塩をケイ酸カルシウムと混合することを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物又は請求項22から26のいずれか一項に記載のプレミックス組成物又は請求項27若しくは請求項28に記載の製剤を調製する方法。
【請求項38】
前記方法が、前記ニコチン及び/又はニコチン塩を酸、エタノール又はグリセロールと混合して、溶液を形成し、その後前記溶液を前記ケイ酸カルシウムと混合することを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記溶液が、ケイ酸カルシウムと混合する前は均質である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記溶液が、前記ケイ酸カルシウムに漸増的に導入される、請求項38又は39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
自由流動性粉末が調製されるまで混合を継続する、請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記方法が、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に、ケイ酸カルシウムを二酸化炭素で前処理することを含む、ニコチン組成物を調製する方法。
【請求項43】
前記方法が、ケイ酸カルシウムと、二酸化炭素及びニコチン及び/又はニコチン塩とを混合することを含む、ニコチン組成物を調製する方法。
【請求項44】
ニコチン組成物を調製する方法であって、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に二酸化物を含み、好ましくは前記組成物、プレミックス組成物又は製剤が約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を含む、方法。
【請求項45】
ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に、ケイ酸カルシウムを水及び二酸化炭素で前処理することを含み、好ましくは前記組成物、プレミックス組成物又は製剤が約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を含む、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン及びケイ酸カルシウムを含む特定の組成物、特にニコチンの担持組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン製品、主にタバコの代替品に対する需要がある。この目的のために、ニコチンの適切な製剤が特定されなければならず、この点に関して、いくつかの基準が理想的に満たされるべきである。第1に、ニコチンは特定のプロファイルで放出されるべきであり、経口投与又は蒸気の吸入用の製品の場合、可能な限り最良のユーザ体験を提供するべきである。典型的には、即時的に心地よい「ヒット」を提供するための製剤からのニコチンの迅速な放出と、それに続く経験を延長するための持続的な送達期間とを含む。更に、ニコチン自体は、取り扱い、保存及び製剤化が困難な油性液体であるため、一般に、その投与に使用されるビヒクルに組成物を物理的に収容するためにいくらかの希釈剤又は支持体を必要とする。更に、ニコチンは酸化分解しやすいため、担持形態は安定性が向上するはずである。更に、組成物は、その使用に有益な他の材料、例えば、特定の香味料成分の組み込みに対応できるものでなければならない。
【0003】
上記の特性は、ニコチン用の支持材料によって満たすことができ、その多くの例は当技術分野で公知である。例えば、イオン交換樹脂(Polacrilex)に担持されたニコチンは、ニコチンを頬側に送達するためのガム及びハードロゼンジに使用される市販品である。ニコチンを放出するチュアブル口腔内崩壊錠の支持体を提供するための微結晶セルロース及び/又は圧縮性糖アルコール粒子の使用も以前に記載されている。あるいは、固体脂質粒子をニコチン粉末組成物中の支持体として使用することができる。更に、徐放性のニコチン含有チューインガム又は粒子状材料を提供するための天然又は沈降炭酸カルシウムに基づく支持体として作用する無機鉱物充填剤材料が以前に開示されている。しかしながら、一般に、先行技術に記載される支持体は、経口投与製品にのみ適している。多くの場合、製造業者は様々な形態のニコチン代替製品を提供し、したがって、製造業者は様々な製品に様々なニコチン粉末組成物を使用しなければならず、それによって製造コストが増加する。
【0004】
例えばパウチ又はロゼンジに使用するためのニコチンの既知の製剤は、ニコチンの酒石酸塩又はそのような他の塩と、水との反応時に遊離ニコチンを放出する炭酸水素ナトリウムなどの塩基との混合物から構成される。しかしながら、これは望ましくないことに、塩味及びユーザの血圧に影響を及ぼし得る大量のナトリウム塩の摂取をもたらす可能性がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記で特定された問題を軽減することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、ニコチン及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとを含む組成物が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、ニコチン及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとを含む組成物であって、組成物がパウチ内にあり、パウチが口に入れることを意図されている、組成物が提供される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、約5重量%~約70重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約5重量%~約70重量%の範囲のニコチンを含み、ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量であるプレミックス組成物が提供される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のプレミックスを含む製剤であって、約0.05重量%~約5重量%のニコチンを含み、ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である製剤が提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のプレミックスを含む製剤であって、約0.07重量%~約15重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%のプレミックス組成物を含む製剤が提供される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含むロゼンジが提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含むチューインガムが提供される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含む錠剤が提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含む非燃焼加熱製品が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含むパウチが提供される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、ニコチン及び/又はニコチン塩をケイ酸カルシウムと混合することを含む、本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を調製する方法が提供される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、組成物、プレミックス組成物又は製剤を調製する方法であって、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に、ケイ酸カルシウムを二酸化炭素で前処理することを含む方法が提供される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、組成物、プレミックス組成物又は製剤を調製する方法であって、ケイ酸カルシウム、水、並びにニコチン及び/又はニコチン塩を混合することを含む方法が提供される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、組成物、プレミックス組成物又は製剤を調製する方法であって、ケイ酸カルシウムを二酸化炭素並びにニコチン及び/又はニコチン塩と混合することを含む方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、第1に、ニコチン及び/又はニコチン塩とケイ酸カルシウムとを含む組成物であって、組成物がパウチ内にあり、パウチが口に入れることを意図されている、組成物に関する。
【0021】
ケイ酸カルシウムは、経口投与用の組成物及び吸入装置での使用の両方に適したニコチンの有用な支持体を提供することが見出された。支持体は、油からのニコチンを扱いやすい固体粉末製剤にすること、及びニコチンが容易に放出される媒体をユーザに提供することの両方に有効である。
【0022】
更に、ケイ酸カルシウムを支持体として使用することにより、追加の成分、例えば、ユーザの体験を向上させるために必要な香味料及び他の成分を組成物と共に使用することが可能になる。
【0023】
更に、炭酸水素ナトリウムなどの追加の塩基は必要とされず、したがって、ニコチンを摂取している間に大量のナトリウム塩を摂取することはない。
【0024】
ケイ酸カルシウム及びニコチンの両方を含有する組成物は、先行技術に記載されている。しかしながら、先行技術の製剤中のケイ酸カルシウムの目的は、ニコチンを支持することではなく、むしろ得られた組成物の物理的特性を改善すること、例えば流動特性を改善することであった。先行技術で使用される目的のために、ケイ酸カルシウムは一般に低い割合で使用されているが、ニコチンの担持形態を提供する目的では、ケイ酸カルシウムの割合はより高い。更に、ケイ酸カルシウムは、ニコチン用のパウチ製剤において先行技術では使用されていない。同様に、先行技術の目的のために、ニコチンは組成物中に低い割合で存在するが、ニコチンの担持形態を提供する目的、特にプレミックスを提供する目的の本発明に関しては、ニコチンはより高い割合で存在する。
【0025】
R.C.Fuiszの米国特許出願公開第2018/0084820号は、1~70%のタバコ含有量を有する完全に溶解可能な唾液の出ない溶融紡糸組成物に関する。タバコ中のニコチン含有量が典型的には約1%であることを考慮すると、それらの組成物は一般に1%未満のニコチン含有量である。組成物はケイ酸カルシウムを含有するが、その目的は、均一な加工のために組成物ブレンドの流動性を促進することであり、その用途では10%まで、好ましくは3~5%までしか規定されていない。同特許の例では、2~4%の範囲のケイ酸カルシウムが示されている。存在するニコチン及びケイ酸カルシウムの割合が比較的低いことを除いて、組成物は、唾液が出ることなく口に完全に溶解するように設計されており、したがって本発明のパウチ組成物とは明確に異なる。
【0026】
同様に、R.C.Fuiszのオーストラリア特許第2014/202362号は、ユーザの粘膜と接触させることによってニコチンなどの生物活性製品を送達するための熱可塑性ポリマーを含有するシート状の非水性押出可能組成物に関する。総タバコ量が75mgの組成物を指す。タバコが約1%のニコチンを含有することを考慮すると、これらの組成物は約0.75mgのニコチンを含有することを示唆している。これとは別に、本特許における典型的な例は、25%のタバコを含有し、これは約0.25%のニコチンを意味する。特定の組成物はケイ酸カルシウムを含むが、その目的は流動性を促進し、最終製品の均質性及び均一性をもたらす流動剤としてである。したがって、ケイ酸カルシウムは、比較的少量でのみ使用され、例えば2~6%の範囲である。ニコチン及びケイ酸カルシウムの両方を含有する組成物を明示的に記載していないが、ニコチン及びデンプンを含む組成物を記載しており、ケイ酸塩がデンプンに取って代わることができることを示している。それにもかかわらず、組成物中のニコチン及びケイ酸カルシウムの割合が比較的低いことを除いて、組成物は、ユーザの口腔粘膜との接触によって直接溶解するように設計されている。製剤を入れるために口に入れるパウチを使用しておらず、実際、そのようなパウチは、製剤が必要とする口腔粘膜と組成物との直接接触が妨げられる。組成物がパウチ内にあることができると述べているが、包装の実施形態として使用されることになるパウチのみを指し、組成物は、使用するためにユーザによってパウチから取り出されることになり、そのようなパウチは唾液透過性ではなく、口に入れることを意図しない。特に、自社の製品を他のスヌース型製品と比較しており、特に、75mgタバコを含む自社の組成物は、2mgニコチンを含有するスヌース型製品よりも高い血漿ニコチン含有量をもたらし、したがって優れているとしている。他社のスヌース型の製品は、唾液透過性のパウチを使用している。自社の製品が優れていると述べていることを考慮すると、実際には、押出可能な組成物を唾液透過性パウチ内で使用する概念から遠ざかっていると教示している。
【0027】
R.G.Baylessらの英国特許出願公開第2016897号は、可燃性多糖類材料にカプセル化され、次いで微粒子有機充填剤と組み合わせることができる、ニコチンを含む可燃性タバコ代替喫煙材料に関する。一例は、充填剤などの他の成分約75g内に、ニコチン約20%のマイクロカプセル化ニコチンシトラート約2.2部があることを示している。組成物全体におけるニコチンの割合は1%未満であるため、タバコに関して同様であることは明らかであろう。可能な充填剤材料として、14種類の陽イオンのいずれかと9種類の陰イオンとの可能な組合せを列挙しており、その中で、1つが「カルシウム」である6種類の陽イオン、1つが「ケイ酸」である8種類の陰イオンが好ましが、しかしながら、ケイ酸は3つの最も好ましい陰イオンのうちの1つではない。更に、特定の充填剤材料のリストは、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム及び炭酸カルシウムを含み、ケイ酸カルシウムを特に調べておらず、したがって、ケイ酸カルシウムが得られた組成物にどのような特定の特性を付与し得るかを知らなかったと推定することができる。更に、組成物の設計は、ニコチンを多糖内に封入することであり、それによって充填剤はニコチンから分離されたままであり、ニコチン及び多糖のみのプレミックスに相当するものが存在し、後にその説明に従って充填剤材料と混合される。更に、得られる組成物は、喫煙のための可燃性タバコ代替物のみを目的としており、口に入れることを意図したパウチなど、ニコチン投与のための他の種類の製剤において、無機材料がどのように機能し得るかを知る方法はない。
【0028】
L Daehneらの米国特許出願公開第2014/0246033号は、装置が、ニコチンがガラス、ケイ酸塩又はケイ酸アルミニウムなどの材料のナノ粒子内に吸着されたデポーを含み、デポーの領域が加熱されると、気化したニコチンが空気流に放出され、ユーザが吸入するように、デポーを通る空気流を可能にするマクロポーラス構造を有する、非燃焼加熱システムを記載している。しかしながら、説明は「ケイ酸塩」に言及しているが、ケイ酸カルシウムのいかなる使用も例示していない。三ケイ酸アルミニウムに焦点が当てられている。更に、それらの用途は、ニコチンを含む蒸気流を生成する手段としての非燃焼加熱装置のみに関する。他の形態のニコチン送達における有用性につながり得る情報を提供せず、特に、口中に摂取される組成物中のケイ酸塩の有用性、及び固体を加熱するのとは対照的に唾液の侵入に起因してニコチンの放出が引き起こされる場合の有効性を示唆する適用はない。本出願における1つのコメントは、ナノポーラス状粒子中に存在するニコチンがより安定であることであり、しかしながら、ケイ酸カルシウムを用いた本発明者らの観察によれば、そのように吸着されたニコチンが酸化分解に対してあまり安定ではなく、その安定性を改善するために、以下で論じるように水、グリセロール、二酸化炭素又はエタノールなどの他の安定化剤を添加する必要があることを示唆している。これは、本発明で使用されるケイ酸カルシウムと、本発明で言及されるケイ酸塩の種類との間の挙動の違いを反映し得る。また、唾液に対して透過性であるような、口に入れることを意図されたパウチのための製剤に関しても、全く異なる特性が必要とされる。毒性のために、口に入れる組成物にケイ酸アルミニウムを使用することは望ましくない。
【0029】
本発明での使用に適したケイ酸カルシウムの例は、(i)日本、徳島のTomita Pharmaceutical Co.LtdのFlorite(登録商標)PS-200、(ii)同じくTomitaのFlorite(登録商標)R、(iii)ドイツ、ハーナウ-ヴォルフガングのEvonik Resource Efficiency GmbHのZeofree(登録商標)250沈降ケイ酸カルシウムNF、及び(iv)インド、カーンプルのMLA Industriesの「ケイ酸カルシウム水和物BP/USP」である。
【0030】
本発明で使用するためのケイ酸カルシウムの好ましい形態は、商標名Florite(登録商標)のTomita Pharmaceuticalによって市販されている合成ケイ酸カルシウムである。Florite(登録商標)は、既知のケイ酸カルシウムと比較して比較的開いた構造を有し、かなりの量のニコチン/ニコチン塩を吸着することができる。しかしながら、本発明の目的のために、任意の形態のケイ酸カルシウムが使用されてもよい。
【0031】
好ましくは、パウチは唾液透過性パウチである。ニコチンが水溶性であるため、パウチからのニコチンの放出を助ける。
【0032】
好ましくは、パウチは、熱融着性パウチ、好ましくは熱融着性不織布パウチである。このようなパウチは、ニコチンが口腔内で利用できるようにするためにパウチを溶かす必要がないため、唾液がパウチを通ってニコチンまで迅速に通過することを可能にする。
【0033】
好ましくは、パウチは、約8mm~約20mm、好ましくは約10mm~約16mmの範囲、例えば約14mmの幅を有する。好ましくは、パウチは、約20mm~約40mm、好ましくは約25mm~約35mmの範囲、例えば約30mmの長さを有する。そのようなサイズは、頬と歯茎との間又は唇と歯茎との間など、口の中にパウチを配置するのに有利である。
【0034】
好ましくは、パウチは、頬と歯茎との間及び/又は唇と歯茎との間、好ましくは頬と歯茎との間の口に入れることを意図されている。ここは、パウチから体内へのニコチンの吸収に適した位置である。
【0035】
好ましくは、パウチ内の組成物は、約0.5重量%~約4重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約0.5重量%~約2重量%の範囲のニコチンを含み、ニコチンの量は、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である。これは、ケイ酸カルシウムによるニコチンの安定化及び口腔内へのニコチンの吸収に適した量である。
【0036】
好ましくは、パウチは、約100mg~約500mgの組成物を含み、好ましくは、パウチは、約200mg~約400mgの組成物を含む。このような量は、パウチ及び組成物が、ニコチンをユーザの口に送達するのに適したサイズを有することを意味する。
【0037】
好ましくは、組成物はタバコ代替製品に使用するためのものである。本発明の組成物及びプレミックス組成物は、粉末を使用することが可能な任意のタバコ代替製品、例えば非燃焼加熱装置、ロゼンジ、錠剤、パウチ及び/又はチューインガムにニコチンを使用することを可能にする。
【0038】
好ましくは、ニコチンは、合成ニコチン又はタバコから抽出されたニコチンのいずれかから選択される。好ましくは、ニコチン塩は、合成ニコチン又はタバコから抽出されたニコチンのいずれかから形成される。合成ニコチンは、タバコから抽出されたニコチンよりも純粋であるが、両方とも本組成物に使用することができる。本組成物は、合成ニコチンのみ、タバコから抽出されたニコチンのみ、又は両方の混合物を含有してもよい。
【0039】
好ましくは、ニコチン/ニコチン塩対ケイ酸カルシウムの重量比は、約5%~約95%から約75%~約25%の範囲である。「ニコチン/ニコチン塩」という用語は、ニコチン及び/又はニコチン塩を意味する。
【0040】
好ましくは、ニコチンの量は、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である。
【0041】
好ましくは、ニコチン/ニコチン塩対ケイ酸カルシウムの重量比は、約10%~約90%から約70%~約30%の範囲である。
【0042】
好ましくは、ニコチン/ニコチン塩対ケイ酸カルシウムの重量比は、約25%~約75%から約60%~約40%の範囲である。
【0043】
誤解を避けるために、本明細書で言及される範囲は、最終製品の製造に使用される原料に使用する範囲である。例えば、パウチ用途のための最終ブレンド製剤は、約0.75重量%及び約1.5重量%のニコチンのみを含有し得る。
【0044】
更に、本明細書における範囲を計算する場合、指定されたもの以外の成分は、比率を考慮するときに無視されるべきである。例えば、組成物は、ニコチン、ケイ酸カルシウム及び香味料を含み得る。しかしながら、ニコチン対ケイ酸カルシウムの比を考慮する場合、存在する香味料の量は無視されるべきである。
【0045】
好ましくは、組成物は、組成物中のニコチンの安定化のためのものである。本発明の組成物はニコチンを安定化し、したがって、組成物を含有する任意の製品の貯蔵寿命を延長することができることが見出された。
【0046】
本明細書で使用される「安定な」、「安定化された」、「安定化」という用語又は「安定な」という単語の任意の派生語は、安定化をもたらす成分を有さない組成物中のニコチンよりも分解が少ない組成物中のニコチンを指す。例えば、この文脈における「安定な」は、2ヶ月を超えて最小限の分解徴候(例えば、10%未満のニコチン酸化領域)を示す組成物を意味し得るが、そのように言及されていない組成物は、同じ期間に10%を超えるニコチン酸化を示し得る。そのようなニコチン酸化は、ミオスミン、ニコチン-N-オキシド及びコチニンなどの分解生成物を生成する。
【0047】
好ましくは、組成物は、酸、エタノール、二酸化炭素、グリセロール、又はそれらの任意の組合せのいずれかを更に含む。
【0048】
本発明の組成物中のこれらの成分の1つを使用することにより、ニコチンの安定性が改善されるが、関連する用途に対するニコチンの良好な放出性は維持される。
【0049】
好ましくは、酸は、ピルビン酸、安息香酸、レブリン酸、クエン酸、グルコン酸、グルクロン酸、リボン酸、アラビノン酸又はガラクトン酸から選択される。
【0050】
好ましくは、酸は、ヒドロキシ酸、例えば、グルコン酸、グルクロン酸、リボン酸、アラビノン酸及びガラクトン酸などの糖酸である。好ましくは、酸は、クエン酸又はグルコン酸である。
【0051】
好ましくは、酸は、ニコチンと反応してニコチン塩を形成する。ニコチン塩の形成は、ニコチンの安定性を改善し得る。
【0052】
好ましくは、組成物は、約5~約70重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約70重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約90重量%の酸を含む。
【0053】
好ましくは、組成物は、約5~約65重量%のニコチン/ニコチン塩、約10~約60重量%のケイ酸カルシウム及び約10~約80重量%の酸を含む。
【0054】
好ましくは、組成物は、約10~約55重量%のニコチン/ニコチン塩、約14~約50重量%のケイ酸カルシウム及び約15~約72重量%の酸を含む。
【0055】
好ましくは、ニコチンがケイ酸カルシウムに約1~20重量%の濃度で負荷される場合、グルコン酸は(50%水性ベースで)約5~75重量%で存在する。好ましくは、ニコチンがクエン酸を用いてケイ酸カルシウムに負荷される場合、クエン酸は最大約50重量%の濃度で存在する。
【0056】
好ましくは、組成物は、約5~約70重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約70重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約90重量%のエタノールを含む。
【0057】
好ましくは、組成物は、約5~約65重量%のニコチン/ニコチン塩、約10~約60重量%のケイ酸カルシウム及び約10~約80重量%のエタノールを含む。
【0058】
好ましくは、組成物は、約10~約55重量%のニコチン/ニコチン塩、約14~約50重量%のケイ酸カルシウム及び約15~約72重量%のエタノールを含む。
【0059】
好ましくは、組成物は、約5~約80重量%のニコチン/ニコチン塩、約5~約50重量%のケイ酸カルシウム及び約5~約50重量%のグリセロールを含む。
【0060】
好ましくは、組成物は、約20~約65重量%のニコチン/ニコチン塩、約10~約40重量%のケイ酸カルシウム及び約10~約35重量%のグリセロールを含む。
【0061】
好ましくは、組成物は、約30~約60重量%のニコチン/ニコチン塩、約10~約35重量%のケイ酸カルシウム及び約15~約25重量%のグリセロールを含む。
【0062】
グリセロールを使用して調製された組成物は、製品に滑らかな味/感触を与えることができ、ユーザが好ましいと感じることができる。
【0063】
好ましくは、ニコチン/ニコチン塩対二酸化炭素の重量比は、約90%:10%~約50%:50%の範囲内である。本明細書で表される二酸化炭素の量は、組成物を製造するために使用される量であり、その結果生じる可能性のある二酸化炭素分子の量ではなく、例えば本発明の組成物を製造する場合に、二酸化炭素がケイ酸カルシウムと反応して炭酸カルシウム及びシリカを形成する可能性があり、CO2原子は依然として存在するが二酸化炭素として存在しない。例に示すように、二酸化炭素の使用は、ニコチン中の不純物のレベルを低下させる。
【0064】
好ましくは、組成物は二酸化炭素及びグリセロールを含む。グリセロールは、二酸化炭素の溶解度を高める。
【0065】
好ましくは、組成物は、粉末成分及び顆粒成分を含み、組成物は、粉末成分及び/又は顆粒成分の形態であり、好ましくは粉末成分及び顆粒成分の形態である。好ましくは、粉末成分は、顆粒成分よりも速くニコチンを放出する。好ましくは、粉末は自由流動性粉末である。迅速な初期ニコチン放出、それに続くニコチンの持続放出を提供するという利点を有する。本発明の利点は、必要な放出プロファイルを与えるように組成物を製剤化できることである。
【0066】
本発明は、約5重量%~約70重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約5重量%~約70重量%の範囲のニコチンを含み、ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、プレミックス組成物に関する。そのような組成物は、ニコチンの安定化を補助し、体内へのニコチンの放出を助けることができる。プレミックスは、本明細書に開示される広範囲のニコチン製品に使用できるという利点がある。
【0067】
好ましくは、プレミックス組成物は、約20重量%~約60重量%の範囲のケイ酸カルシウム及び約10重量%~約60重量%の範囲のニコチンを含み、ニコチンの量は、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である。
【0068】
好ましくは、プレミックス組成物は二酸化炭素を更に含む。二酸化炭素の使用は、ニコチンの安定性を高めることが示されている。
【0069】
好ましくは、プレミックス組成物は、水、好ましくは約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を更に含む。水の使用は、ニコチンの安定性を高めることが示されている。
【0070】
本発明は、本明細書に記載のプレミックスを含む製剤であって、製剤が、約0.05重量%~約5重量%のニコチンを含み、ニコチンの量が、ニコチンとして存在する、及び/又はニコチン塩として提供されるニコチンの等価量である、好ましくは約0.2重量%~約3重量%のニコチンである製剤に関する。これは、エンドユーザ用途のための製剤を製造するためにプレミックスを使用できることを示している。同じプレミックスを使用して異なる製剤を作製することができることが利点である。
【0071】
本発明は、本明細書に記載のプレミックスを含む製剤であって、約0.07重量%~約15重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%のプレミックス組成物を含む製剤に関する。
【0072】
本明細書中に記載される組成物の特徴は、好ましくはまた、プレミックス及び製剤に関する。
【0073】
ガム及びロゼンジを噛むための製剤を製造するためには、エタノールを使用して調製されたプレミックス組成物が好ましい。このような組成物は、非燃焼加熱装置にも有用である。存在する場合、エタノールの風味は、満足のいくものであり、及び/又は賦形剤の一部を部分的に溶解して組成物を一緒に溶融することによって、製剤の製造を助けることができる。必要に応じて、エタノールは、最終製剤を調製する際に蒸発によって除去することができる。
【0074】
好ましくは、プレミックス組成物は、非燃焼加熱製品に使用される。他の電子ニコチン送達システムとは異なり、非燃焼加熱製品は、加熱され、ニコチンが放出されて蒸気流を提供する固体組成物を必要とする。したがって、本組成物は、粉末形態であるので、非燃焼加熱装置に有用である。この目的のために、加熱時に、組成物の成分が分解を受けて、有害であるか、そうでなければユーザの体験を損なう可能性がある不純物を蒸気中に形成しないことが有用である。この点において、支持体として無機材料、すなわちケイ酸カルシウム又は炭酸カルシウムを使用することによって、有機不純物は蒸気中に放出されない。
【0075】
本発明の組成物、プレミックス組成物又は製剤は、加熱時にニコチン蒸気を放出してユーザが吸入する手段として、非燃焼加熱装置に有用である。
【0076】
好ましくは、組成物、プレミックス組成物又は製剤は、パッチ、パウチ、ロゼンジ、錠剤又はチューインガムに使用するためのものである。
【0077】
本発明の組成物、プレミックス組成物及び製剤は、経時的に著しく変色しないことが見出された。従来技術のいくつかの組成物に伴う問題は、変色すると、パウチの布地を通して現れ、使用を妨げることである。この問題は、組成物を内部に隠す着色パウチの開発を促した。しかし、本発明の組成物では、白色半透明パウチを使用することができる。
【0078】
パッチ、パウチ、ロゼンジ、錠剤又はチューインガムは、本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を自由流動性粉末及び/又は顆粒形態で含み得る。自由流動性粉末と顆粒形態の両方が存在する場合、自由流動性粉末は最初のニコチンヒットを提供し、その後、顆粒からニコチンがゆっくり放出される。
【0079】
粒状形態は、当業者に公知の任意の方法によって製造することができる。そのような方法の例は、本発明の方法によって製造された自由流動性粉末を微結晶セルロース並びにヒドロキシプロピルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合することである。そのような顆粒形態を作製することは、必要に応じてニコチンの放出プロファイルを変えることができる。
【0080】
本発明は、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含むパッチ、パウチ、ロゼンジ、チューインガム及び/又は錠剤に関する。
【0081】
本発明の組成物又はプレミックス組成物は、様々な製品に使用することができ、これは、製造業者が原料として単一の製剤を製造するだけでよく、製造コストを削減することができることを意味する。
【0082】
本明細書に記載のチューインガムは、好ましくは、ガムベース、希釈剤、流動促進剤、香味料、甘味料、潤滑剤、結合剤、可塑剤、溶媒、糖コーティング、着色剤、表面研磨剤又はそれらの2つ以上の組合せ、好ましくはガムベース顆粒、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、香味料、甘味料、アセスルファムカリウム、HPMC、スクラロース、ポリソルバート80、キシリトール、アラビアガム、二酸化チタン、カルナウバワックス、又はそれらの2つ以上の組合せを更に含む。
【0083】
パウチは、典型的には頬と歯茎との間に配置され、放出されたニコチンは口腔粘膜を通して吸収され、ニコチンが放出されると血流への直接経路を提供する。ロゼンジ及びガムは、同様に配置されてもよく、又は口の中で移動させてもよい。本発明の組成物、プレミックス組成物及び製剤は、ニコチンの即時放出とそれに続く持続放出を提供するので、パウチ、ロゼンジ、錠剤及びチューインガムに好ましい放出プロファイルを提供する。
【0084】
本発明は、本明細書に記載の本発明による組成物、プレミックス組成物又は製剤を含む非燃焼加熱製品に関する。タバコ代替品としてニコチンを提供する別の手段は、適切な装置からのニコチンを含有する蒸気によるものである。本発明の組成物、プレミックス組成物又は製剤は、電子タバコ及び非燃焼加熱製品を含む任意の適切な装置に使用することができる。通常、非燃焼加熱製品はタバコを含むが、本組成物を使用することにより、非燃焼加熱技術は、タバコを使用せずにニコチンをユーザに送達することができる。
【0085】
本明細書では、明確で簡潔な明細書を書くことを可能にする方法で実施形態を説明したが、実施形態は、本発明から逸脱することなく様々に組み合わせたり分離したりすることができることを意図しており、理解されるであろう。
【0086】
本明細書内で、「約」という用語は、プラス又はマイナス20%、より好ましくはプラス又はマイナス10%、更により好ましくはプラス又はマイナス5%、最も好ましくはプラス又はマイナス2%を意味する。
【0087】
組成物はまた、安定剤、湿潤剤、乳化剤、香味料、緩衝剤などの従来の添加剤を含有してもよい。
【0088】
液体製剤は、活性物質を水又は他の適切なビヒクルに溶解又は懸濁することによって調製することができる。錠剤及び顆粒は、従来の方法でコーティングされてもよい。
【0089】
経口投与の場合、組成物は軟ゼラチンカプセル又は錠剤の形態であってもよく、通常、不活性希釈剤又は食用担体を含む。適合する結合剤及び/又はアジュバント材料を組成物の一部として含めることができる。錠剤、ロゼンジ、丸剤、カプセル、トローチ、パウチなどは、以下の成分、又は似通った性質の化合物のいずれかを含有することができる:微結晶セルロース、トラガカントゴム又はゼラチンなどの結合剤;デンプン、乳糖、マルチトール、アラビアガムなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、Sterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロース、サッカリン、アセスルファムカリウムなどの甘味料;又はペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香味料などの香味剤。これに加えて、又はこれに代えて、組成物は、口の中での円滑な放出を調節するためのグリセロール、及び/又は別の方法で得られた粉末への結合剤若しくはコーティングを含み、物理的特性、ニコチンの放出プロファイル、又は含まれるニコチンの安定性を改善することができる。
【0090】
適切に製剤化された化合物を含有する組成物は、投与のための説明書と共に容器、パック、又はディスペンサーに含めることができる。
【0091】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の組成物又はプレミックス組成物を調製する方法であって、ニコチン及び/又はニコチン塩をケイ酸カルシウムと混合することを含む方法が提供される。好ましくは、本方法は安定化ニコチンの調製のためのものである。
【0092】
好ましくは、本方法は、ニコチン及び/又はニコチン塩を酸、エタノール、二酸化炭素、グリセロール又はそれらの組合せと混合して、溶液をケイ酸カルシウムと混合する前に溶液を形成することを更に含む。
【0093】
好ましくは、本方法がエタノールを使用する場合、本方法は、混合工程の後にエタノールを蒸発させる工程を更に含む。
【0094】
好ましくは、溶液はケイ酸カルシウムと混合する前は均質である。
【0095】
好ましくは、溶液はケイ酸カルシウムに漸増的に導入される。あるいは、ケイ酸カルシウムは、溶液に漸増的に導入することができる。
【0096】
好ましくは、自由流動性粉末が調製されるまで混合を継続する。
【0097】
自由流動性粉末は、様々な用途/装置/製品に使用することができる。
【0098】
自由流動性粉末は、当業者に公知の任意の方法によって顆粒形態にすることができる。そのような方法の例は、本発明の方法によって製造された自由流動性粉末を微結晶セルロース並びにヒドロキシプロピルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合することである。
【0099】
本発明の別の態様によれば、ニコチン組成物を調製する方法であって、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に、ケイ酸カルシウムを二酸化炭素で前処理することを含む方法が提供される。
【0100】
本発明の別の態様によれば、組成物、プレミックス組成物又は製剤を調製する方法であって、ケイ酸カルシウム、水、及びニコチン及び/又はニコチン塩を混合することを含み、好ましくは、組成物、プレミックス組成物又は製剤が約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を含む方法が提供される。好ましくは、ケイ酸カルシウムは、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に二酸化水で前処理される。
【0101】
好ましくは、本方法は、ニコチン及び/又はニコチン塩と混合する前に、ケイ酸カルシウムを水及び二酸化炭素で前処理することを含み、好ましくは組成物、プレミックス組成物又は製剤は、約5重量%~約30重量%の水、好ましくは約10重量%~約25重量%の水を含む。
【0102】
本発明の別の態様によれば、ニコチン組成物を調製する方法であって、ケイ酸カルシウムを二酸化炭素並びにニコチン及び/又はニコチン塩と混合することを含む方法が提供される。
【0103】
二酸化炭素は、製剤の調製においてニコチンと共に導入することができ、又はケイ酸カルシウムは、二酸化炭素で前処理してそのアルカリ度をニコチンの導入の前に及び別々に低下させることができる。二酸化炭素は、ケイ酸カルシウム支持体の表面で反応して炭酸カルシウムを形成し、それによって安定化ニコチン組成物を形成すると推定される。これに関して、非燃焼加熱用途に対する特定の価値は、二酸化炭素の導入によるケイ酸カルシウムのアルカリ度の調整である。二酸化炭素はまた、非燃焼加熱用途での使用中に支持体からニコチンのための噴射剤として使用することもできる。グリセロール及び/又はエタノールの使用はまた、熱的に安定な組成物を提供するので、非燃焼加熱用途にも有用であり得る。
【0104】
本明細書に記載の現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者には明らかであることを理解されたい。そのような変更及び修正は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、またそれに付随する利点を損なうことなく行うことができる。したがって、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【0105】
以下、本発明の例示的な実施形態を説明する。ニコチンと、グルコン酸又はクエン酸などの酸とを含む以下の例は、好ましくはニコチン塩のインサイツ形成をもたらすことが理解されよう。
【0106】
例1.グルコン酸を用いたケイ酸カルシウム(Florite(登録商標))へのニコチン負荷
Florite(登録商標)PS-200グレード(50g)を、ニコチン(25g)及びニコチンの12.5重量%に相当する50%水性グルコン酸(125g)と混合することによって、自由流動性粉末を得た。バランス上の1リットルの広口容器を使用して、最初にグルコン酸を秤量し、ニコチンを添加して混合した。次いで、容器を回転させながら、Florite粉末を少しずつ添加した。最後に、容器に蓋をし、混合物を激しく振盪して完了した。
【0107】
同様に、Florite(登録商標)PS-200グレード(25g)、ニコチン(25g)、及びニコチンの14.3重量%を表す50%グルコン酸水溶液(125g)を含む混合物を作製したが、この混合物はペースト状の特徴を有していた。
【0108】
例2.グルコン酸を用いない及び用いたケイ酸カルシウム(Florite(登録商標))に担持されたニコチンの安定性
Florite(登録商標)PS-200グレード及びFlorite(登録商標)Rグレードで、10重量%、20重量%及び50重量%のニコチンの混合物を調製した。
【0109】
0.25gのニコチン、1.21gの50%グルコン酸及び1.04gのFloriteから調製したニコチン及び50%グルコン酸水溶液(2当量)の混合物は、ニコチン10重量%のFlorite(登録商標)PS-200又はFlorite(登録商標)Rグレードのいずれにおいても、2ヶ月後及び4ヶ月後にニコチンの分解を示さなかった。比較すると、グルコン酸なしでは、20%ニコチン試料を用いた3ヶ月後のHPLC分析では、PS-200グレードで10%の分解、Rグレードで18%の分解が示唆され、試料は明らかに黄色になった。
【0110】
これらの実験で使用したニコチンの不純物ミオスミンの出発レベルは、0.14%であった。5ヶ月後、グルコン酸をPS-200及びRグレードのFloriteと共に使用した場合、ミオスミンのレベルは、それぞれ0.20%及び0.32%であり、その他の不純物は認められなかった。6ヶ月後、PS-200及びRグレードのFloriteを使用した場合、ミオスミンのレベルは、それぞれ0.22%及び0.49%であり、コチニンは、それぞれ0.03%及び0.04%であり、いずれの試料も0.02%のニコチン-N-オキシドを示した。
【0111】
例3.グルコン酸を用いたケイ酸カルシウム(Florite(登録商標)に担持されたニコチンの味覚試験
例2からのグルコン酸含有試料を用いた味覚試験により、組成物からのニコチンの迅速な放出が明らかになった。これは溶解研究と一致している(例7参照)。
【0112】
例4.クエン酸を用いたケイ酸カルシウム(Florite(登録商標))に担持されたニコチンの安定性
0.5当量のクエン酸を含むFlorite(PS-200又はRグレード)上の25重量%ニコチンからなる組成物を作製し、4.8gの無水クエン酸を7.1gの水と混合し、8.1gのニコチンを添加した。12.4gのFloriteを添加し、混合物を完全に混合して自由流動性粉末を得た。ミオスミン不純物の出発レベルは0.14%であった。2週間後、いずれのグレードのFloriteについてもミオスミンのレベルは0.04%に低下し、不純物は見られなかった。5週間後、いずれの試料の分解も観察できなかった。
【0113】
例5.グルコン酸を用いたケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの分取スケール合成。
組成物は、以下を混合することによって作製した:
A:(S)-ニコチン(合成ニコチン)(31.25g、0.192mol)、グルコン酸(50%水性、156.25g、0.398mol)及びケイ酸カルシウム(62.5g、Florite(登録商標)PS200グレード)、並びに
B:(S)-ニコチン(50.0g、0.308mol)、グルコン酸(50%水性、125.0g、0.319mol)及びケイ酸カルシウム(75.0g、フローライト(登録商標)PS200グレード)。
【0114】
これらの組成物A及びBは、それぞれ12.5重量%及び20.0重量%のニコチンに相当する。ニコチン及びグルコン酸を均一な溶液を形成するまで混合し、次いでプラネタリーミキサーによってゆっくり混合しながら5分間にわたってケイ酸カルシウム粉末に導入し、その後混合を15分間続けて自由流動性粉末を得て、これを密封ポリバッグに回収した。得られた粉末は、15日間の貯蔵後に変色を示さなかった。900mlのpH7.4リン酸緩衝液中で試料を撹拌することによって溶解試験を行った。式Aによる組成物は、2分後に93.0%及び92.6%、4分後に94.1%及び94.3%、8分後に98.1%及び99.3%のニコチンを放出した。式Bによる組成物は、2分後に89.8%、4分後に93.6%及び8分後に99.2%のニコチンを放出した。
【0115】
例6.セルロースを用いた担持されたニコチン/グルコン酸を使用した顆粒製剤の調製
プレミックスは、例5の組成物A(12.5重量%のニコチン)であった。
【0116】
顆粒製剤を以下を用いて作製した:
(i)プレミックス(32.0g)、微結晶セルロースPH102(210.5g)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel-LF、7.5g)、
(ii)プレミックス(16.0g)、微結晶セルロースPH102(226.5g)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、Klucel-LF、7.5g)、
(iii)プレミックス(32.0g)、微結晶セルロースPH102(209.5g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、低粘度、8.75g)、
(iv)プレミックス(24.0g)、微結晶セルロースPH102(340.0g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、11.25g)、
(v)プレミックス(48.0g)、微結晶セルロースPH102(319.5g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、7.5g)、
(vi)プレミックス(24.0g)、微結晶セルロースPH102(343.5g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、7.5g)。
【0117】
これらの粒状組成物は、1.6重量%ニコチン(i、iii、v)又は0.8重量%ニコチン(ii、iv、vi)のいずれかである。調製手順では、結合剤(HPC又はHPMC)を精製水中で5重量%溶液にし、よく混合して塊のない半透明溶液を得る。別に、ニコチンプレミックス及び微結晶セルロースの量をプラネタリーミキサーで中速で混合した。次いで、結合剤溶液を3~4グラム/分の速度で蠕動ポンプによって導入し、一貫した顆粒が得られるまで混合を続けた。次いで、顆粒をふるい分けして塊を除去し、トレイ上に置き、50℃で一晩乾燥させ、二重に裏打ちされたポリバッグに詰めた。
【0118】
例7.ケイ酸カルシウム上にニコチン及びグルコン酸を含むパウチ製剤
例6からの顆粒を例5からのプレミックスと共に使用して、表1の量に従ってパウチ製剤用の組成物を調製した。
【表1】
【0119】
香味料は表にアスタリスクで示されており、液体形態であるものは、最初に混合することによってプレミックスと共処理した。賦形剤(マルチトール、アラビアガム、アセスルファムカリウム甘味料)をそれぞれ20メッシュのふるいに通してふるい分けし、次いで、上の表に従ってニコチンプレミックス、顆粒、希釈剤、結合剤及び甘味料をコーンブレンダー内で中速で15分間混合して組み合わせる。次いで、香味料を含有するプレミックスを添加し、15分間混合し、最終ブレンドを包装する。最終ブレンドを900mlのpH7.4リン酸緩衝液中で撹拌し、HPLC分析することによって溶解試験を行った。試料は、2分後に89.0%~94.3%のニコチン、4分後に92.6%~94.8%及び8分後に95.4~98.3%のニコチンを遊離した。最終ブレンドを、最終ブレンド400mgの5%以内のパウチあたりの目標充填重量として、投入ユニット、パウチ充填密封機を用いて熱融着性不織布パウチ(3.5cm×1.5cm)に最終的に充填した。
【0120】
例8.クエン酸を用いたケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの分取スケール合成
組成物は、以下を混合することによって作製した:
A:ニコチン(63,1g、0.39mol)、無水クエン酸(37.4g、0.195mol)、水(55.3g)及びケイ酸カルシウム(94.2g、Florite(登録商標)PS200グレード)並びに
B:ニコチン(100.0g、0.62mol)、無水クエン酸(30.0g、0.156mol)、水(30.0g)及びケイ酸カルシウム(60.0g)。
【0121】
これらの混合物は、それぞれA:25重量%及びB:45重量%のニコチンである。混合には、例5と同様の方法を用い、生成物を密封ポリバッグに保存した。15日後に変色は観察されなかった。900mlのpH7.4リン酸緩衝液中で試料を撹拌することによって溶解試験を行った。式Aによる組成物は、2分後に96.1%のニコチン及び4分後に100%のニコチンを放出した。
【0122】
例9.セルロースを用いた担持されたニコチン/クエン酸を使用した顆粒製剤の調製
プレミックスは、例8の組成物A(25重量%のニコチン)であった。
【0123】
顆粒製剤を以下を用いて作製した:
(i)プレミックス(24.0g)、微結晶セルロースPH102(337.9g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、13.1g)、
(ii)プレミックス(12.0g)、微結晶セルロースPH102(351.75g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、11.25g)。
【0124】
得られたニコチン含有量は、それぞれ(i)1.6重量%及び(ii)0.8重量%であった。混合方法は例6と同様とした。
【0125】
例10.ケイ酸カルシウム上にニコチン及びクエン酸を含むパウチ製剤
例8からのプレミックス(A)と共に、例9からの顆粒(400mgパウチブレンド中の(i)6mgニコチン又は(ii)3mgニコチンのいずれか)を使用して、表2の量に従ってパウチ製剤用の組成物を作製した。
【表2】
【0126】
方法は例7と同様であった。pH7.4リン酸緩衝液(900ml)中、2分間隔後の、撹拌した後のパウチからの含有物の溶解放出を、C-18カラムを用いたHPLCにより85%超と決定した。
【0127】
例11.ケイ酸カルシウム上にクエン酸を含むニコチン含有製剤を含有するニコチン放出用のパウチについての評価
3mgのニコチン含有量を有する例10からの400mgのブレンドを含有し、ウィンターグリーン香味料(例10の表の最初のデータ欄)を有する5つのプロトタイプ試料パウチを使用して、ニコチン送達感覚のみに注目して評価を実施した。
【0128】
表3は、示された事象に達するための「わずかな咀嚼を伴う積極的な吸引」の後の秒単位の時間間隔を示す。初期送達が十分に早く、ニコチン放出の持続時間で良好であったため、好意的に受け止められた。
【表3】
【0129】
例12.グリセロールを用いたケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの分取スケール合成
組成物は、以下を混合することによって作製した:
A:ニコチン(18.0g、0.11mol)、グリセロール(9.0g、0.10mol)及びケイ酸カルシウム(9.0g、Florite(登録商標)Rグレード)、
B:ニコチン(24.0g、0.15mol)、グリセロール(6.0g、0.065mol)及びケイ酸カルシウム(10.0g)、C:ニコチン(90.0g、0.55mol)、グリセロール(45.0g、49mol)及びケイ酸カルシウム(45.0g)。
【0130】
これらの混合物は、それぞれA:50重量%、B:60重量%及びC:50重量%のニコチンである。混合には、例5と同様の方法を用い、生成物を密封ポリバッグに保存した。15日後に変色は観察されなかった。900mlのpH7.4リン酸緩衝液中で試料を撹拌することによって溶解試験を行った。HPLCにより、式Cによる組成物は、2分後に93.0%のニコチンを、4分後に95.0%及び8分後に99.4%のニコチンを放出した。
【0131】
例13.セルロースを用いた担持されたニコチン/グリセロールを使用した顆粒製剤の調製
プレミックスは、例12の組成物C(50重量%のニコチン)であった。顆粒製剤を以下を用いて作製した:
(i)プレミックス(12.0g)、微結晶セルロースPH102(349.9g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、13.1g)、
(ii)プレミックス(12.0g)、微結晶セルロースPH102(355.5g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度、7.5g)。
【0132】
顆粒製剤のニコチン含有量は、(i)及び(ii)の両方について1.6重量%であった。混合方法は例6と同様とした。
【0133】
例14.ケイ酸カルシウム上にニコチン及びグリセロールを含むパウチ製剤
例13の顆粒を使用して、表4の量に従ってパウチ製剤用の組成物を調製した。
【表4】
【0134】
方法は例7と同様であった。pH7.4リン酸緩衝液(900ml)中、2分間隔後の、撹拌した後のパウチからの含有物の溶解放出は、85%超であった。
【0135】
ユーザは6mgの柑橘類香味料を好んだ。
【0136】
例15.エタノールを使用したケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの分取スケール合成
ニコチン(18.0g、0.11mol)、エタノール(200.0g)及びケイ酸カルシウム(72.0g、Florite(登録商標)Rグレード)を混合することによって組成物を作製した。6.0重量%のニコチンであった。ケイ酸カルシウムをプラネタリーミキサーに入れ、エタノール中のニコチンの溶液を蠕動ポンプによって4グラム/分の速度で導入しながらゆっくり撹拌した。更に15分間撹拌した後、均一な粉末を得て、密封ポリバッグに回収した。この組成物は、15日間の貯蔵後に変色を示さなかった。900mlのpH7.4リン酸緩衝液中で試料を撹拌することによって溶解試験を行った。それは、2分後に93.9%のニコチンを、4分後に97.9%及び8分後に98.4%のニコチンを放出した。
【0137】
この組成物は、チューインガム及びロゼンジ製剤に使用され、また、一般に、最終製剤を作成する際の一部としてエタノールを蒸発させて除去することができる非燃焼加熱装置にも使用されることが想定される。
【0138】
例16.ニコチンパウチブレンドの特性評価
ニコチンパウチブレンドの組成物を以下の表5に示す。
【表5】
【0139】
ニコチンプレミックスは、それぞれグルコン酸又はクエン酸のいずれかを用いてケイ酸カルシウム(Florite(登録商標))に担持されたニコチンを含む。
【0140】
HPMCを精製水と混合し、100RPMで撹拌して塊のない半透明溶液を形成することによって、結合剤組成物を作製した。秤量した量の微結晶セルロースをプラネタリーミキサーに入れ、中速で15分間混合した。3~4グラム/分の添加速度で、蠕動ポンプを使用して半透明溶液をプラネタリーミキサーに添加し、中速で造粒した。造粒後、組成物をふるい分けし、トレイ上に置き、50℃で一晩乾燥させた。乾燥した顆粒をふるい分けし、二重に裏打ちされたポリバッグに詰めた。
【0141】
ニコチン最終ブレンドは、全ての賦形剤(ソルビトール、アラビアガム、甘味料)を20メッシュで別々にふるい分けし、それらを二重に裏打ちされたポリバッグに別々に回収することによって作製した。プラセボ顆粒(バッチA及びCのみ)、ニコチンプレミックス、ふるい分けした賦形剤をダブルコーンブレンダーに入れ、中速で15分間混合した。フレーバーミックスをブレンダーに添加し、中速で15分間混合した。最終ブレンドを二重に裏打ちされたポリバッグに取り出した。
【0142】
最終ブレンドを熱融着性不織布パウチに充填し、適切な投入ユニットを使用して適切に密封した。パウチあたりの目標充填重量は、250mg±10%である。
【0143】
表6は、ニコチンパウチブレンドの特性評価を示す。NDは、検出されなかったことを意味し、BQLは、定量可能なレベル未満を意味し、LODは、乾燥時の損失を意味する。データは、ニコチン分解物のレベルが検出できないか、又は定量可能なレベル未満であることを示している。これは、ニコチンが安定化された形態で存在することを示している。
【表6】
【0144】
例17:直接ブレンドプロセスを用いた可溶性、不溶性、及び希釈剤の組合せを有するニコチンパウチの評価
ニコチンパウチブレンドの組成物を以下の表7に示す。
【表7】
【0145】
ニコチンプレミックスは、それぞれグルコン酸又はクエン酸のいずれかを用いてケイ酸カルシウム(Florite(登録商標))に担持されたニコチンを含む。
【0146】
ニコチン最終ブレンドは、全ての賦形剤(ソルビトール、アラビアガム、甘味料)を20メッシュで別々にふるい分けし、それらを二重に裏打ちされたポリバッグに別々に回収することによって作製した。ニコチンプレミックス及びふるい分けした賦形剤をダブルコーンブレンダーに入れ、中速で15分間混合した。フレーバーミックスをブレンダーに添加し、中速で15分間混合した。最終ブレンドを二重に裏打ちされたポリバッグに取り出した。
【0147】
最終ブレンドを熱融着性不織布パウチに充填し、適切な投入ユニットを使用して適切に密封した。パウチあたりの目標充填重量は、250mg±10%である。
【0148】
表8は、ニコチンパウチブレンドの特性評価を示す。データは、ニコチン分解物のレベルが検出できないか、又は定量可能なレベル未満であることを示している。これは、ニコチンが安定化された形態で存在することを示している。
【表8】
【0149】
例18:ニコチンパウチブレンドの安定性の結果
例16及び17に記載の組成物を有するパウチ中のニコチンブレンド組成物を25℃で4ヶ月間保存した。次いで、それらをニコチン分解物について分析し、結果を表9に示した。結果は、ニコチン分解のレベルが非常に低いことを示している。
【表9】
【0150】
例19:ニコチンパウチからのニコチン放出の特性評価(インビボ)
各バッチを、3つのパウチを用いたニコチン放出の特性評価について評価した。ユーザは、ガムと唇との間にパウチを最大30分間又は一時間置くように指示された。表10は、必要なニコチン放出プロファイルを提供するために、組成物を調整することができる柔軟性を示している。Zyn及びOnは市販品である。ケイ酸カルシウム組成物の中には、市販品Zynの放出プロファイルと同様の放出プロファイル(すなわち遅い)を示すものがあるが、異なる市販品Onの放出プロファイルと同様の放出プロファイル(すなわち、より速い)を示すものもある。更に、CO
2で処理した組成物では、非常に速い放出プロファイルが得られる。NAは、試料中のニコチンが測定ウィンドウに到達しないほど速く使い果たされたことを意味する。本発明の組成物は、調整された放出プロファイルを提供するという利点を有する。ニコチンの放出を調節するために可溶性緩衝剤を必要とせずにこれを達成する。市販品Zyn及びOnが有する欠点は、可溶性緩衝剤を含有し、緩衝剤が望ましくない塩味を与えることである。
【表10】
【0151】
表10Aは、Y1製剤の詳細を示す。表13は、AA4及びAA6製剤の詳細を示す。
【表10A】
【0152】
例20:抽出データ
不織布パウチからのニコチンの放出を、水又は人工唾液のいずれかを用いて分析した。水又は人工唾液20gをシャーレに入れ、その上に濾紙を置いた。パウチを濾紙の上に置き、5分間放置した。次いで、パウチを取り外し、水又は人工唾液中のニコチンの濃度を測定して、溶解したニコチンの量を計算した。人工唾液を使用した場合、ニコチンの放出はより多かった。自由流動性粉末組成物G1は、造粒組成物C1よりも高い放出を示した。これは、ニコチンの速い放出又は遅い放出のいずれかを与えるように組成物を製剤化できることを示している。
【表11】
【0153】
例21:異なる貯蔵条件での3つの戦略によるニコチンプレミックス安定性の結果
表12のデータは、クエン酸又はグルコン酸を使用した場合、ニコチンがグリセロールと比較して経時的により高い安定性を有することを示している。これは、グルコン酸又はクエン酸のいずれかを使用した場合のニコチン塩の形成に起因すると予想される。
【表12】
【0154】
例22:二酸化炭素で処理した組成物及び二酸化炭素で処理していない組成物の安定性データ
以下の表13は、組成物を示す。表13による初期組成物AA1~AA6を、ドライアイスの添加によって生成された二酸化炭素の4~5バールの圧力下で一晩保持し、圧力を解放した。実験では、AA1~AA4及びAA6のニコチンは初期組成物に存在せず、代わりに二酸化炭素処理後に添加した。組成物AA18~AA23は、二酸化炭素処理を行わなかった。全ての実験について、ケイ酸カルシウム(Tomita Florite(登録商標)PS-200グレード)及びニコチンの量はそれぞれ20グラムであった。4~5日後、得られた組成物の色を観察し、酸化分解の尺度としてニコチン分解物レベルについて試験した。特定の組成物はまた、水、エタノール又はグリセロールのいずれかを含んでいた。
【0155】
数日後に、得られた組成物の色について、及びニコチンの酸化分解の量を表すニコチン-N-オキシドのレベルについて試験した。最も性能の良い試料は、組成物を二酸化炭素で前処理し、水、エタノール又はグリセロールのいずれか1つを更に含む場合、及び二酸化炭素処理後にニコチンを添加した場合であった。
【0156】
データは、ニコチン分解物のレベルが低いことを更に示しており、ニコチンが組成物によって安定化されることを示している。バッチAA1は黄色であり、バッチAA2~AA6は白色であった。これは、バッチに水、エタノール及びグリセロールを使用する利点として、ニコチンの分解が少ないことを示している。
【表13】
【表14】
【0157】
表14は、ニコチン分解物を示し、二酸化炭素で処理したプレミックス組成物及び二酸化炭素で処理していないプレミックス組成物を比較する。データは、二酸化炭素による処理がニコチン分解物の全体的なレベルを低下させることを示しており、これはニコチンが安定化されることを示している。更に、プレミックス組成物中に水を含めることにより、ニコチンが更に安定化される。
【0158】
例23:様々なケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの酸化分解の更なる測定
ケイ酸カルシウムに担持されたニコチンの酸化分解からの不純物の測定値を表15に示す。これは、異なる形態のケイ酸カルシウムが本発明において使用され得ることを示している。クエン酸又はグルコン酸による安定化を伴う様々なケイ酸カルシウム材料に担持されたニコチンの酸化分解からの不純物の測定を行った。ケイ酸カルシウム材料は、Tomita Florite(登録商標)-PS-200、Tomite Florite(登録商標)-Rグレード、Evonik Zeofree(登録商標)250及びMLA Industriesのケイ酸カルシウム水和物であった。組成物の調製後6ヶ月まで、わずか数例の試料において、ニコチンに対して0.02%のコチニンが存在することが明らかになった。驚くべきことに、ニコチン中で測定されたミオスミン不純物は、いくつかの試料おいて、最初の0.14%から0.04~0.12%の範囲に減少した。
【表15】
【0159】
例24.非燃焼加熱組成物
S-ニコチン(合成)(1.0g)、50%グルコン酸水溶液(5.0g)、ケイ酸カルシウム(Florite(登録商標)PS-200グレード、3.0g)、グリセロール及びタバコ香味料(0.1g)を混合することによって組成物を作製した。10~12mgのニコチンを含有する250~300mgの試料をPODAヴェポライザー非燃焼加熱装置(podalifestyle.com)のポッドに導入し、試験した。中温設定で吸入すると、ニコチン由来の強い感覚が得られた。
【0160】
例25 直接ブレンド及び圧縮プロセスによるニコチンロゼンジの組成物
表16は、使用したニコチンプレミックス組成物を示す。
【表16】
【0161】
ニコチンロゼンジの調製手順
工程1(ふるい分け):全ての賦形剤を20メッシュで別々にふるい分けし、それらを二重に裏打ちされたポリバッグに回収した。
【0162】
工程2 ブレンド1:ふるい分けしたマンニトール200SD、ソルビトール、キサンタンガム、HPMC、及び25%ニコチンプレミックスをダブルコーンブレンダーに装填し、中速で15分間混合した。
【0163】
工程2 ブレンド2:上記工程にふるい分けしたコロイド状二酸化ケイ素、アスパルテーム、矯味剤及び香味料を投入し、工程2の材料と共に八角形ブレンダー内で12RPMで20分間混合した。
【0164】
工程3 潤滑:上記工程に潤滑剤を投入し、中速で5分間混合する。最終ブレンドを二重に裏打ちされたポリバッグに入れる。
【0165】
工程4:圧縮:それぞれのパンチを使用して潤滑ブレンドを圧縮した。
【0166】
【0167】
例26 湿式造粒、ブレンド、及び圧縮プロセスを使用することによるニコチンロゼンジの組成物
表16は、使用したニコチンプレミックス組成物を示す。
【0168】
ニコチンロゼンジの調製手順
結合剤の調製
工程1:秤量した量の精製水をガラス容器に移し、ガラス容器の中央の撹拌機に入れ、最適RPMで撹拌した。秤量した量の結合剤を上記工程に徐々に添加し、塊のない半透明溶液になるまで十分に混合する。
【0169】
造粒
工程2:計量した量のニコチンプレミックス、マンニトール、キサンタンガム、及びHPMC乾燥結合剤をプラネタリーミキサーに入れ、中速で15分間混合する。
【0170】
工程3:2~4グラム/分の添加速度で、蠕動ポンプを使用して工程2に工程1の造粒溶液を徐々に添加し、中速で造粒した。造粒の終点が達成されるまで混合を継続する。
【0171】
工程4:造粒の終点に達した後、造粒物をふるい分けし、トレイに載せて乾燥させた。流動化空気を使用して顆粒を50℃で乾燥させ、LOD NMT 3.0%を目標とした。
【0172】
工程5:#20メッシュスクリーンを通して乾燥した顆粒をスクリーニングし、粉砕のために#20の保持物を回収する。1.5mmのふるいを取り付けたマルチミルを使用した保持顆粒を粉砕し、粉砕した顆粒を#20メッシュふるいに通してふるい分けする。
【0173】
ブレンド及び潤滑
工程1(ふるい分け):全ての賦形剤を20メッシュで別々にふるい分けし、それらを二重に裏打ちされたポリバッグに回収した。
【0174】
工程2(ブレンド1):薬物顆粒を充填し、ふるい分けした賦形剤(二酸化ケイ素、アセスルファムカリウム、矯味剤、及び香料)を、工程1のダブルコーンブレンダーに入れ、12RPMで30分間混合した。
【0175】
工程3(ブレンド2):潤滑剤ステアリン酸マグネシウム混合物を上記工程に投入し、12RPMで5分間混合した。最終ブレンドを二重に裏打ちされたポリバッグに入れる。
【0176】
圧縮:それぞれのパンチを使用して潤滑ブレンドを圧縮した。
【0177】
【0178】
例27 ニコチンプレミックスを含むチューインガムの調製
表16は、使用したニコチンプレミックス組成物を示す。
【0179】
ニコチンチューインガムの調製手順
工程1(ふるい分け):全ての賦形剤を20メッシュで別々にふるい分けし、それらを二重に裏打ちされたポリバッグに回収した。
【0180】
工程2 ブレンド1:ふるい分けしたガムベース顆粒フレーバープレミックス、ソルビトール、甘味料、及びニコチンプレミックス25をダブルコーンブレンダーに装填し、中速で15分間混合する。
【0181】
工程2 ブレンド2:上記工程にふるい分けしたコロイド状二酸化ケイ素を投入し、工程2の材料と共に八角形ブレンダー内で12RPMで10分間混合した。
【0182】
工程3 潤滑:上記工程に潤滑剤を投入し、中速で5分間混合する。最終ブレンドを二重に裏打ちされたポリバッグに入れる。
【0183】
圧縮:14.5mm×13.5mmの長方形のパンチを使用して、潤滑ガムベース顆粒を圧縮した。
【0184】
【0185】
例28 ニコチンチューインガムプロセスの調製は、コアガム、サブコーティング、及びサクサクした糖コーティングを包含する
表16は、使用したニコチンプレミックス組成物を示す。
【0186】
プロセス:例QBと同じコアチューインガム調製プロセス並びに標準的な糖コーティング手順によるサブコーティング及び糖コーティングプロセス。
【0187】
【国際調査報告】