(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】動的光散乱アセンブリを有する装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20240415BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20240415BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
C12M1/34 B
C12Q1/68 100Z
C12M1/34 D
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563295
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022024936
(87)【国際公開番号】W WO2022221609
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521126302
【氏名又は名称】ナットクラッカー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サニ、ババク
(72)【発明者】
【氏名】エルドリッジ、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、シミアオ
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ジョディ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA23
4B029DC04
4B029DC05
4B029FA04
4B029GB01
4B029GB06
4B063QA01
4B063QA11
4B063QQ53
4B063QR45
4B063QR48
4B063QS39
4B063QX01
(57)【要約】
装置は、プロセスチップ(800)及び動的光散乱アセンブリを含む。プロセスチップ(800)は、動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされ得る。プロセスチップ(800)は、流体チャンバ(802)を含む。動的光散乱アセンブリは、本体(900)、第1の光ファイバ(1010)、及び第2の光ファイバ(1020)を含む。本体(900)は、プロセスチップ(800)の外面に近接して位置決めされ得る。本体の第1のポートは、第1の光ファイバ(1010)によって放出された光を、プロセスチップ(800)の光透過性材料を通して流体チャンバ(802)の中に方向付けるものである。第2の光ファイバ(1020)は、第1の光ファイバ(1010)に対して斜めに配向されている。第2の光ファイバ(1020)は、第1の光ファイバ(1010)が流体チャンバ(802)内に光を放出することに応答して、流体チャンバ(802)内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
プロセスチップであって、前記プロセスチップが、
第1の外面と、
第2の外面と、
前記第1の外面と前記第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバであって、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む、流体チャンバと、前記第1の外面と前記流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料と、を含む、プロセスチップと、
動的光散乱アセンブリであって、前記プロセスチップが、前記動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされており、前記動的光散乱アセンブリが、
本体であって、第1のポートと、第2のポートと、を含み、前記第1の外面に近接して位置決めされる本体と、前記本体の前記第1のポートに結合された第1の光ファイバであって、前記第1の光ファイバが、光を放出し、前記第1のポートが、前記第1の光ファイバによって放出された前記光を、前記光透過性材料を通して、かつ前記流体チャンバ内に方向付ける、第1の光ファイバと、
前記本体の前記第2のポートに結合された第2の光ファイバであって、前記第2のポートにおける前記第2の光ファイバが、前記第1のポートにおける前記第1の光ファイバに対して斜めに配向されており、前記第1の光ファイバが前記流体チャンバ内に光を放出することに応答して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する、第2の光ファイバと、を含む、動的光散乱アセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記流体チャンバが、円形上部内面と、円形下部内面と、前記円形上部内面から前記円形下部内面まで延在する内部側壁と、を有する、円筒形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体チャンバ入口が、前記円形下部内面の近くの前記内部側壁の領域に位置決めされている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体チャンバ出口が、前記円形上部内面の近くの前記内部側壁の領域に位置決めされている、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセスチップが、第1の混合段を更に備え、前記第1の混合段が、第1の複数の流体成分を混合して、第1の流体混合物を形成し、前記流体チャンバ入口が、前記第1の流体混合物を受容する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の混合段が、第1の混合入口と、第2の混合入口と、第1の混合出口と、を含み、前記第1の混合入口が、第1の流体成分を受容し、前記第2の混合入口が、第2の流体成分を受容し、前記第1の混合出口が、前記第1の流体混合物を出力し、前記第1の流体混合物が、少なくとも前記第1の流体成分と、前記第2の流体成分と、を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセスチップが、
前記第1の混合入口に入る前記第1の流体成分の圧力を感知するための第1の圧力センサと、
前記第2の混合入口に入る前記第2の流体成分の圧力を感知するための第2の圧力センサと、を更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサが、前記動的光散乱アセンブリと、前記第1の圧力センサと、前記第2の圧力センサと、からデータを受信する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記動的光散乱アセンブリと、前記第1の圧力センサと、前記第2の圧力センサと、から受信された、前記データを更に相関させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセスチップが、前記第1の混合出口と流体的に結合された、追加の流体チャネルを更に備える、請求項6~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセスチップが、前記第1の混合出口から、前記追加の流体チャネル、前記流体チャンバ入口、又は前記追加の流体チャネルと前記流体チャンバ入口との組み合わせのいずれかへの流体の連通を提供する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセスチップが、前記第1の混合出口を介して、前記追加の流体チャネルから前記流体チャンバ入口への流体の連通を提供する、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセスチップが、第2の混合出口を有する第2の混合段を更に備え、前記第2の混合段が、第2の複数の流体成分を混合して、第2の流体混合物を形成し、前記流体チャンバ入口が、前記第2の混合出口から前記第2の流体混合物を受容する、請求項5~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセスチップが、少なくとも1つの弁を更に備え、前記少なくとも1つの弁が、前記流体チャンバ入口が一度に前記第1の流体混合物又は前記第2の流体混合物のうちの1つのみを選択的に受容するように、前記第1及び第2の混合出口から前記流体チャンバ入口への流体の流れを調節する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセスチップが、マニホールドを更に備え、前記マニホールドが、前記第1及び第2の混合出口から前記流体チャンバ入口に流体を方向付ける、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセスチップが、4つの角を有する正方形形状を有し、前記動的光散乱アセンブリが、前記4つの角のうちの1つに位置決めされている、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記動的光散乱アセンブリが、前記第1のポート内にコリメータを更に含み、前記コリメータが、前記第1の光ファイバの端部と前記第1の外面との間に介在する、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のポートが、前記コリメータと前記第1の外面との間に介在する焦点体積を更に含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記焦点体積が、円錐形状を画定する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記動的光散乱アセンブリが、前記コリメータと前記焦点体積との間に介在する集束レンズを更に含む、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記動的光散乱アセンブリが、前記第2のポート内に光学フィルタを更に含み、前記光学フィルタが、前記第2の光ファイバの端部と前記第1の外面との間に介在する、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記本体が、前記光学フィルタと前記第1の外面との間に介在するチャネルを更に画定する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記本体が、前記第1の外面に対向するチップ対向面を含み、前記チップ対向面が、第1の開口部及び第2の開口部を画定し、前記第1のポートが、前記第1の光ファイバによって放出された前記光を、前記第1の開口部を通して、前記光透過性材料に到達するように方向付け、前記第2の光ファイバが、前記第2の開口部を介して散乱光を受容する、請求項1~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記チップ対向面が、前記第1の外面からある間隙距離だけ離間している、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサが、少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定する、請求項1~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記プロセッサが、少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するために、自己相関を使用する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセスチップが、カプセル化されたヌクレオチドを含む粒子を形成する、請求項1~26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記カプセル化されたヌクレオチドが、カプセル化されたmRNAを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ヌクレオチドが、界面活性剤中にカプセル化されている、請求項27又は28に記載の装置。
【請求項30】
装置であって、
プロセスチップであって、前記プロセスチップが、
第1の外面と、
第2の外面と、
前記第1の外面と前記第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバであって、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む、流体チャンバと、前記第1の外面と前記流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料と、
複数の流体成分を混合して、流体混合物を形成する混合段であって、前記流体チャンバ入口が、前記流体混合物を受容し、前記流体混合物が、粒子を含む、混合段と、
前記混合段に入る流体成分の圧力を感知するための複数の圧力センサと、を含む、プロセスチップと、
動的光散乱アセンブリであって、前記プロセスチップが、前記動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされており、前記動的光散乱アセンブリが、前記光透過性材料を介して前記流体チャンバ内に光を放出し、前記流体チャンバ内の前記流体混合物中の粒子から散乱された光を受容する、動的光散乱アセンブリと、を備える、装置。
【請求項31】
前記動的光散乱アセンブリからデータを受信するプロセッサを更に備える、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサが、少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも前記動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定する、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記プロセッサが、前記複数の圧力センサからデータを更に受信する、請求項31又は32に記載の装置。
【請求項34】
前記プロセッサが、少なくとも前記複数の圧力センサからのデータを使用して、前記混合段が流量制限を有するかどうかを判定する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記プロセッサが、前記動的光散乱アセンブリと、前記複数の圧力センサと、から受信された、前記データを更に相関させる、請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
装置であって、
プロセスチップであって、前記プロセスチップが、
第1の外面と、
第2の外面と、
第1の混合出口を有する第1の混合段であって、前記第1の混合段が、第1の複数の流体成分を混合して、第1の流体混合物を形成し、前記第1の混合出口を通して、前記第1の流体混合物を外に連通させ、前記第1の流体混合物が、粒子を含む、第1の混合段と、
第2の混合出口を有する第2の混合段であって、前記第2の混合段が、第2の複数の流体成分を混合して、第2の流体混合物を形成し、前記第2の混合出口を通して、前記第2の流体混合物を外に連通させ、前記第2の流体混合物が、粒子を含む、第2の混合段と、を含む、プロセスチップと、
前記第1の混合段の近くに位置決めされる第1の動的光散乱アセンブリであって、前記第1の流体混合物内に光を放出し、前記第1の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容する、第1の動的光散乱アセンブリと、
前記第2の混合段の近くに位置決めされる第2の動的光散乱アセンブリであって、前記第2の流体混合物内に光を放出し、前記第2の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容する、第2の動的光散乱アセンブリと、を備え、前記プロセスチップが、前記第1及び第2の動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされている、装置。
【請求項37】
前記第1の動的光散乱アセンブリが、前記第1の混合出口内に光を放出する、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第2の動的光散乱アセンブリが、前記第2の混合出口内に光を放出する、請求項36又は37に記載の装置。
【請求項39】
前記プロセスチップが、マニホールドを更に含み、前記マニホールドが、流体を、前記第1及び第2の混合出口から共有出口チャネルに方向付ける、請求項36~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記プロセスチップが、前記第1の外面と前記第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバを更に含み、前記流体チャンバが、前記共有出口チャネルから前記第1の流体混合物及び前記第2の流体混合物のうちの選択された1つを受容し、
前記装置が、
第3の動的光散乱アセンブリを更に備え、前記第3の動的光散乱アセンブリが、前記流体チャンバ内に光を放出し、かつ前記流体チャンバ内の前記第1の流体混合物又は前記第2の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容する、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサが、前記第1及び第2の光散乱アセンブリからのデータを、前記第3の動的光散乱アセンブリからのデータと相関させる、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記プロセスチップが、前記第1及び第2の混合出口から前記共有出口チャネルへの流体の流れを選択的に計量するための1つ以上の弁を更に備える、請求項39~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
複数の圧力センサを更に備え、前記複数の圧力センサが、前記第1及び第2の混合段に入る、前記第1及び第2の流体成分の圧力を感知する、請求項36~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
プロセッサを更に備え、前記プロセッサが、前記第1の動的光散乱アセンブリと、前記第2の動的光散乱アセンブリと、前記複数の圧力センサと、からデータを受信する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記プロセッサが、前記第1及び第2の動的光散乱アセンブリからの前記データを、前記複数の圧力センサからの前記データと更に相関させる、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
方法であって、
流体を、プロセスチップを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を生成することと、
第1の光ファイバを介して前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することであって、前記カプセル化された粒子が、前記放出された光を散乱させ、前記放出された光が、前記プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達される、放出することと、
前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することであって、前記受容された光が、前記プロセスチップの前記第1の側上の前記光透過性材料を通して伝達され、前記受容された光が、前記第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容され、前記第1及び第2の光ファイバが、前記プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着されている、受容することと、
前記受容された光に対して自己相関を実施することと、
少なくとも前記自己相関を使用して、前記カプセル化された粒子のサイズ、少なくとも前記自己相関を使用して、前記カプセル化された粒子のサイズ分布、又は少なくとも前記自己相関を使用して、前記カプセル化された粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することと、を含む、方法。
【請求項47】
前記カプセル化された粒子が、カプセル化されたヌクレオチドを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記カプセル化されたヌクレオチドが、カプセル化されたmRNAを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記カプセル化されたmRNAが、少なくとも1つの送達ビヒクル分子によってカプセル化されたmRNAを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの送達ビヒクル分子が、アミノ-脂質化ペプトイドを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
流体を、前記プロセスチップを通して前記連通させて、流体中にカプセル化された粒子を生成することが、2つ以上の流体成分を、混合アセンブリを通して連通させて、前記カプセル化された粒子を生成することを含む、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記プロセスチップを通して連通される流体の圧力を監視することを更に含む、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
監視された圧力値を、判定されたカプセル化された粒子のサイズ値、又は判定されたカプセル化された粒子のサイズ分布値、の一方又は両方と相関させることを更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
監視された圧力値が許容範囲外にあると判定することと、
監視された圧力値が許容範囲外にあると判定したことに応答して、前記プロセスチップの少なくとも一部分を通る流体の連通を停止することと、を更に含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
判定されたカプセル化された粒子サイズ又はサイズ分布が許容範囲外であると判定することと、
判定されたカプセル化された粒子サイズ又はサイズ分布が許容範囲外であると判定することに応答して、前記プロセスチップの少なくとも一部分を通る流体の連通を停止することと、を更に含む、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記放出された光が、第1の軸に沿って放出され、前記受容された光が、第2の軸に沿って受容され、前記第1及び第2の軸が、収束点で交差し、前記収束点が、前記プロセスチップ内に位置決めされている、請求項46~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1及び第2の軸が、一緒に斜角を画定する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記斜角が、約10度~約45度の範囲内である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
方法であって、
流体中にカプセル化された粒子を含む混合物を生成するために、プロセスチップの混合アセンブリを通して流体を連通させることと、
前記混合アセンブリを通して連通される流体の圧力を監視することと、
動的光散乱アセンブリを作動させて、前記流体中の前記カプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することであって、前記動的光散乱アセンブリが、前記流体が前記プロセスチップ内にある間に前記粒子から光を散乱させる、判定することと、
前記監視された流体の圧力を、前記判定された粒子サイズ又はサイズ分布と相関させることと、を含む、方法。
【請求項60】
少なくとも前記監視された圧力を使用して、前記混合アセンブリを通る流体の前記連通を調整することを更に含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
監視された圧力が所定の範囲外にあると判定することを更に含み、前記動的光散乱アセンブリを前記作動させることが、監視された圧力が所定の範囲外にあるという判定に応答して実施される、請求項59又は60に記載の方法。
【請求項62】
前記動的光散乱アセンブリを作動させることが、
第1の光ファイバを介して前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することであって、前記カプセル化された粒子が、前記放出された光を散乱させ、前記放出された光が、前記プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達される、放出することと、
前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することであって、前記受容された光が、前記プロセスチップの前記第1の側上の前記光透過性材料を通して伝達され、前記受容された光が、前記第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容され、前記第1及び第2の光ファイバが、前記プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着されている、受容することと、
前記受容された光に対して自己相関を実施することと、
少なくとも前記自己相関を使用して、前記カプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することと、を含む、請求項59~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
方法であって、
流体を、プロセスチップの第1の混合アセンブリを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を含む第1の混合物を生成することと、
流体を、前記プロセスチップの第2の混合アセンブリを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を含む第2の混合物を生成することと、
前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することであって、前記第1の混合物中の前記粒子が、前記放出された光を散乱させる、放出することと、
前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することと、
前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記受容された光に対して自己相関を実施することと、
前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記受容された光に対する前記自己相関を少なくとも使用して、前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することと、
前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することであって、前記第2の混合物中の前記粒子が、前記放出された光を散乱させる、放出することと、
前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することと、
前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記受容された光に対して自己相関を実施することと、
前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記受容された光に対する前記自己相関を少なくとも使用して、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することと、を含む、方法。
【請求項64】
前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて前記光を放出すること、前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容すること、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することが、単一の動的光散乱アセンブリによって実施される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の混合物を前記単一の動的光散乱アセンブリの流体チャンバに選択的に連通させることであって、前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて前記光を放出すること、及び前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することが、前記第1の混合物が前記流体チャンバ内にある間に実施される、連通させることと、
前記第2の混合物を前記流体チャンバに選択的に連通させることであって、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて前記光を放出すること、及び前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することが、前記第2の混合物が前記流体チャンバ内にある間に実施される、連通させることと、を更に含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
第1の動的光散乱アセンブリを作動させて、前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて前記光を放出すること、及び前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容すること、を実施することと、
第2の動的光散乱アセンブリを作動させて、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて前記光を放出すること、及び前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容すること、を実施することであって、前記第2の動的光散乱アセンブリが、前記第1の動的光散乱アセンブリと分離している、実施することと、を更に含む、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の混合物を、第3の動的光散乱アセンブリの流体チャンバに選択的に連通させることと、
前記第1の混合物が前記流体チャンバ内にある間に、前記第1の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することと、
前記第1の混合物が前記流体チャンバ内にある間に、前記第1の混合物中の前記カプセル化された散乱された粒子から前記光を受容することと、
前記第2の混合物を、前記流体チャンバに選択的に連通させることと、前記第2の混合物が前記流体チャンバ内にある間に、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子に向けて光を放出することと、
前記第2の混合物が前記流体チャンバ内にある間に、前記第2の混合物中の前記カプセル化された粒子から散乱された前記光を受容することと、を更に含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1及び第2の混合物を、マニホールドを通して連通させることを更に含み、前記第1及び第2の混合物が、前記流体チャンバに到達する前に前記マニホールドを通過する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
装置であって、
本体であって、第1のポートと、第2のポートと、を含み、プロセスチップの第1の外面に近接して位置決め可能である本体と、
前記本体の前記第1のポートに結合された第1の光ファイバであって、前記第1の光ファイバが、光を放出し、前記第1のポートが、前記第1の光ファイバによって放出された前記光を、前記プロセスチップの光透過性材料を通して、かつ前記プロセスチップの流体チャンバ内に方向付ける、第1の光ファイバと、
前記本体によって支持された集束レンズであって、前記第1の光ファイバによって放出された光を集束させるように位置決めされ、かつ構成されている、集束レンズと、
前記本体の前記第2のポートに結合された第2の光ファイバであって、前記第2のポートにおける前記第2の光ファイバが、前記第1のポートにおける前記第1の光ファイバに対して斜めに配向されており、前記第1の光ファイバが前記流体チャンバ内に光を放出することに応答して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する、第2の光ファイバと、
前記本体によって支持された光学フィルタであって、前記流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された前記光をフィルタリングするように位置決めされ、かつ構成されている、光学フィルタと、を備える、装置。
【請求項70】
前記本体に対して取り外し可能に位置決めされるプロセスチップを更に備え、前記プロセスチップが、
第1の外面と、
第2の外面と、
前記第1の外面と前記第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバであって、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む、流体チャンバと、
前記第1の外面と前記流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料と、を含む、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
プロセスチップ装着具を有する基部を更に備え、前記プロセスチップ装着具が、前記プロセスチップを取り外し可能に受容し、前記本体が、前記プロセスチップ装着具に隣接して位置決めされている、請求項69又は70に記載の装置。
【請求項72】
前記本体が、前記プロセスチップの前記外面に垂直な軸に沿って前記第1の光ファイバを配向する、請求項69又は70に記載の装置。
【請求項73】
前記本体が、前記プロセスチップの前記外面に対して斜めに配向された軸に沿って前記第2の光ファイバを配向する、請求項69~72に記載の装置。
【請求項74】
装置であって、
プロセスチップを取り外し可能に受容するプロセスチップ装着具と、
本体であって、前記本体が、第1のポートと、第2のポートと、を含み、前記本体が、前記プロセスチップ装着具に対して固定的に固着されており、前記プロセスチップ装着具が、前記本体と前記プロセスチップ装着具との間に前記プロセスチップを取り外し可能に受容する、本体と、
前記本体の前記第1のポートに結合された第1の光ファイバであって、前記第1の光ファイバが、光を放出し、前記第1のポートが、前記第1の光ファイバによって放出された前記光を、前記プロセスチップ装着具によって受容されたプロセスチップの光透過性材料を通して前記プロセスチップの流体チャンバ内に向ける、第1の光ファイバと、
前記本体の前記第2のポートに結合された第2の光ファイバであって、前記第2のポートにおける前記第2の光ファイバが、前記第1のポートにおける前記第1の光ファイバに対して斜めに配向されており、前記第1の光ファイバが前記流体チャンバ内に光を放出することに応答して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する、第2の光ファイバと、を含む、動的光散乱アセンブリと、を備える、装置。
【請求項75】
前記プロセスチップ装着具に取り外し可能に受容されるプロセスチップを更に備え、前記プロセスチップが、
第1の外面と、
第2の外面と、
前記第1の外面と前記第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバであって、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む、流体チャンバと、
前記第1の外面と前記流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料と、を含む、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記プロセスチップが、治療用組成物を形成するように構成されている、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記治療用組成物が、粒子を含有する流体を含む、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記第1のポートが、前記第1の光ファイバによって放出された前記光を、前記プロセスチップの前記光透過性材料を通して方向付けて、前記治療用組成物の前記流体に到達させる、請求項77に記載の装置。
【請求項79】
前記第2の光ファイバが、前記治療用組成物の前記粒子によって散乱された光を受容する、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
少なくとも前記治療用組成物の前記粒子によって散乱された光を使用して、前記治療用組成物中の粒子のサイズ、又は少なくとも前記治療用組成物の前記粒子によって散乱された光を使用して、前記治療用組成物中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するプロセッサを更に備える、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
装置であって、
プロセスチップであって、前記プロセスチップが、
流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む、流体チャンバと、
前記流体チャンバに隣接する光透過性材料と、
動的光散乱アセンブリであって、前記プロセスチップが、前記動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされており、前記動的光散乱アセンブリが、光を、前記光透過性材料を通して前記流体チャンバ内に方向付け、前記動的光散乱アセンブリが、前記第1の光ファイバが前記流体チャンバ内に光を放出することに応答して、前記流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を更に受容し、それによって、光散乱データを捕捉する、動的光散乱アセンブリと、
前記捕捉された光散乱データに基づいて、前記流体チャンバ内の流体の粘度を判定するためのプロセッサであって、前記捕捉された光散乱データに基づいて、前記流体中の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を更に判定するプロセッサと、を備える、装置。
【請求項82】
前記プロセスチップが、
第1のチャネルであって、前記流体チャンバ入口が、前記第1のチャネルから第1の流体を受容するように構成されている、第1のチャネルと、
第2のチャネルであって、前記流体チャンバ入口が、前記第2のチャネルから第2の流体を受容するように更に構成されている、第2のチャネルと、を更に含む、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
前記第1の流体が治療用組成物を含む、請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記治療用組成物が前記粒子の少なくとも一部を含む、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記治療用組成物の前記粒子がmRNAを含む、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
前記第2の流体が前記粒子の少なくとも一部を含む、請求項82~85のいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記第2の流体の前記粒子がビーズを含む、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記第1の流体が、粒子を含む治療用組成物を含む、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
前記治療用組成物の前記粒子が、第1の直径を有し、前記ビーズが、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記第2の直径が前記第1の直径よりも大きい、請求項89に記載の装置。
【請求項91】
前記第1の流体が第1の種類の粒子を含み、前記第2の流体が第2の種類の粒子を含む、請求項82~90のいずれか一項に記載の装置。
【請求項92】
前記プロセッサが、前記第1及び第2の種類の粒子によって散乱された光に基づいて、前記第1の流体内の前記第1の種類の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を判定する、請求項91に記載の装置。
【請求項93】
前記第2の種類の粒子が既知のサイズを有する、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記第2の流体が希釈剤を含む、請求項82~93のいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
前記プロセスチップが、前記離散的な量の希釈剤を、前記第1の流体に順次選択的に添加するように構成されている、請求項94に記載の装置。
【請求項96】
前記プロセスチップが、前記希釈剤の前記第1の流体への送達を選択的に制御する少なくとも1つの弁を含む、請求項95に記載の装置。
【請求項97】
前記プロセスチップが、前記希釈剤の移動を選択的に駆動する少なくとも1つのポンプを更に含む、請求項95又は96に記載の装置。
【請求項98】
前記プロセッサが、
前記離散的な量の希釈剤を前記第1の流体に添加するシーケンス中に、前記捕捉された光散乱データの自己相関を追跡し、かつ
前記追跡された自己相関に基づいて、前記流体中の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を判定する、請求項94~97のいずれか一項に記載の装置。
【請求項99】
前記プロセスチップが、前記希釈剤を前記第1の流体と混合するための混合チャンバを更に含む、請求項94~98のいずれか一項に記載の装置。
【請求項100】
前記混合チャンバが、前記流体チャンバに隣接して位置決めされている、請求項99に記載の装置。
【請求項101】
前記プロセスチップが、第1のポンプ及び第2のポンプを更に備え、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプが、交互に作動し、それによって、前記希釈剤と前記第1の流体との組み合わせを、前記混合チャンバを通して、前後に駆動するように構成されている、請求項99又は100に記載の装置。
【請求項102】
方法であって、
粒子を含む流体混合物を、プロセスチップを通して連通させることと、
第1の光ファイバを介して前記流体混合物に向けて光を放出することであって、前記流体混合物中の前記粒子が、前記放出された光を散乱させる、放出することと、
前記流体混合物中の前記粒子から散乱された前記光を受容することであって、前記受容された光が、前記第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容され、前記第1及び第2の光ファイバが、前記プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着されている、受容することと、
前記受容された光に対して自己相関を実施することと、
少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物の粘度を判定することと、
少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ、少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ分布、又は少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することと、を含む、方法。
【請求項103】
前記プロセスチップを通して流体を連通させることが、
前記粒子の少なくとも一部を含む第1の流体成分を連通させることと、
第2の流体成分を連通させることと、
前記第1及び第2の流体成分を一緒に混合して、前記流体混合物を形成することと、を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記第1の流体成分の粒子が治療用粒子を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記治療用粒子がmRNAを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記mRNAが送達ビヒクル中にカプセル化されている、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記第2の流体成分が前記粒子の少なくとも一部を含む、請求項103~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記第2の流体成分の前記粒子がビーズを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記第1の流体成分の前記粒子が、第1の直径を有し、前記第2の流体成分の前記粒子が、前記第1の直径とは異なる第2の直径を有する、請求項107又は108に記載の方法。
【請求項110】
前記第2の直径が前記第1の直径よりも大きい、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記第1の流体成分の前記粒子が、第1の種類の粒子を含み、前記第2の流体成分の前記粒子が、前記第1の種類の粒子とは異なる第2の種類の粒子を含む、請求項107~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記流体混合物中の前記粒子から散乱された前記光を受容することが、
前記第1の流体成分の粒子によって散乱された光を受容することと、
前記第2の流体成分の粒子によって散乱された光を受容することと、を含む、請求項107~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ、少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ分布、又は少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することが、少なくとも前記自己相関を使用して、前記第1の流体成分の前記粒子のサイズ、少なくとも前記自己相関を使用して、前記第1の流体成分の前記粒子のサイズ分布、又は少なくとも前記自己相関を使用して、前記第1の流体成分の前記粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記第2の流体成分が希釈剤を含む、請求項103~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記プロセスチップを通して前記流体混合物を連通させることが、前記離散的な量の希釈剤を、前記第1の流体成分に順次添加することを更に含む、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
離散的な量の前記希釈剤が順次前記第1の流体成分に添加されるたびに、前記光を放出することと、前記光を受容することと、前記自己相関を実施することと、を繰り返すこと、を更に含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
離散的な量の前記希釈剤が順次前記第1の流体成分に添加されるたびに、前記光を放出することと、前記光を受容することと、前記自己相関を実施することと、の各繰り返しを通して前記自己相関を追跡することを更に含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物の粘度を判定することが、前記追跡された自己相関を使用して、前記流体混合物の粘度を判定することを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ、少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ分布、又は少なくとも前記自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することが、前記追跡された自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ、前記追跡された自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ分布、又は前記追跡された自己相関を使用して、前記流体混合物中の前記粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することを含む、請求項117又は118に記載の方法。
【請求項120】
前記第1の流体成分に添加される前記離散的な量の希釈剤が、前記離散的な量の希釈剤が前記第1の流体成分に順次添加されるたびに同じ量の希釈剤である、請求項115~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記第1及び第2の流体成分を一緒に混合して、前記流体混合物を形成することが、少なくとも2つのポンプを交互に作動させて、前記第1及び第2の流体成分を、前記プロセスチップの混合チャンバを通して前後に駆動することを含む、請求項103~120のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本節で考察される主題は、単に本節で言及された結果として先行技術であると想定されるべきではない。同様に、本節で言及される問題、又は背景として提供される主題に関連する問題は、先行技術において以前に認識されていたと想定されるべきではない。本節における主題は、異なるアプローチを表すに過ぎず、それらアプローチ自体もまた、特許請求される技術の実装形態に対応し得る。
【0002】
ポリヌクレオチド治療薬(例えば、mRNA治療薬など)を製造及び製剤化するためのいくつかの現在利用可能な技術は、生成物を汚染及び分解に曝露し得る。いくつかの利用可能な集中生産は、おそらく複数のポリヌクレオチド種を含む治療製剤で使用するには、費用がかかりすぎるか、遅すぎるか、又は汚染されやすい可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
スケーラブルなポリヌクレオチド製造の開発、単一患者投与量の生産、汚染を制限するためのタッチポイントの排除、臨床製造要件を満たすための入力及びプロセス追跡、並びにポイントオブケア手術における使用は、これらの治療モダリティの使用を前進させ得る。マイクロ流体計器及びプロセスは、これらの目標を達成する際に利点を提供し得る。マイクロ流体システム内で粒子サイズ及び/又はサイズ分布を測定することが望ましい場合がある。本明細書では、既存の課題を克服し、本明細書に記載される利益を達成するために、マイクロ流体システム内の粒子サイズ及び/又はサイズ分布を測定するためのデバイス、システム、及び方法について記載する。そのようなマイクロ流体システムは、個別化医療のための治療薬などの生体分子含有製品の製造及び製剤化のために使用され得る。
【0004】
一実装形態は、プロセスチップを含む装置に関する。プロセスチップは、第1の外面と、第2の外面と、第1の外面と第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバと、を含む。流体チャンバは、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口と、第1の外面と流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料と、を含む。本装置は、動的光散乱アセンブリを更に含む。プロセスチップは、動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされる。動的光散乱アセンブリは、本体を含む。本体は、第1のポートと、第2のポートと、を含む。本体は、第1の外面に近接して位置決めされる。動的光散乱アセンブリは、本体の第1のポートに結合された第1の光ファイバを更に含む。第1の光ファイバは、光を放出する。第1のポートは、第1の光ファイバによって放出された光を、光透過性材料を通して、かつ流体チャンバ内に方向付ける。動的光散乱アセンブリは、本体の第2のポートに結合された第2の光ファイバを更に含む。第2のポートにおける第2の光ファイバは、第1のポートにおける第1の光ファイバに対して斜めに配向されている。第2の光ファイバは、第1の光ファイバが流体チャンバ内に光を放出することに応答して、流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する。
【0005】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、流体チャンバは、円形上部内面と、円形下部内面と、円形上部内面から円形下部内面まで延在する内部側壁と、を有する、円筒形状を有する。
【0006】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、流体チャンバ入口は、円形下部内面の近くの内部側壁の領域に位置決めされている。
【0007】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、流体チャンバ出口は、円形上部内面の近くの内部側壁の領域に位置決めされている。
【0008】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の混合段を更に含む。第1の混合段は、第1の複数の流体成分を混合して第1の流体混合物を形成する。流体チャンバ入口は、第1の流体混合物を受容する。
【0009】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1の混合段は、第1の混合入口と、第2の混合入口と、第1の混合出口と、を含む。第1の混合入口は、第1の流体成分を受容する。第2の混合入口は、第2の流体成分を受容する。第1の混合出口は、第1の流体混合物を出力する。第1の流体混合物は、少なくとも第1の流体成分と、第2の流体成分と、を含む。
【0010】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の圧力センサと、第2の圧力センサと、を更に含む。第1の圧力センサは、第1の混合入口に入る第1の流体成分の圧力を感知するためのものである。第2の圧力センサは、第2の混合入口に入る第2の流体成分の圧力を感知するためのものである。
【0011】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセッサを更に含む。プロセッサは、動的光散乱アセンブリと、第1の圧力センサと、第2の圧力センサと、からデータを受信する。
【0012】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、動的光散乱アセンブリと、第1の圧力センサと、第2の圧力センサと、から受信したデータを更に相関させるものである。
【0013】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の混合出口と流体的に結合された、追加の流体チャネルを更に含む。
【0014】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の混合出口から、追加の流体チャネル、流体チャンバ入口、又は追加の流体チャネルと流体チャンバ入口との組み合わせのいずれかへの流体の連通を提供するものである。
【0015】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の混合出口を介して、追加の流体チャネルから流体チャンバ入口への流体の連通を提供するものである。
【0016】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第2の混合出口を有する第2の混合段を更に含む。第2の混合段は、第2の複数の流体成分を混合して、第2の流体混合物を形成するものである。流体チャンバ入口は、第2の混合出口から第2の流体混合物を受容するものである。
【0017】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、少なくとも1つの弁を更に含む。少なくとも1つの弁は、流体チャンバ入口が一度に第1の流体混合物又は第2の流体混合物のうちの1つのみを選択的に受容するように、第1及び第2の混合出口から流体チャンバ入口への流体の流れを調節するものである。
【0018】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、マニホールドを更に含む。マニホールドは、第1及び第2の混合出口から流体チャンバ入口に流体を方向付けるものである。
【0019】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、4つの角を有する正方形形状を有する。動的光散乱アセンブリは、4つの角のうちの1つに位置決めされている。
【0020】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、動的光散乱アセンブリは、第1のポート内にコリメータを更に含む。コリメータは、第1の光ファイバの端部と第1の外面との間に介在する。
【0021】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1のポートは、コリメータと第1の外面との間に介在する焦点体積を更に含む。
【0022】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、焦点体積は、円錐形状を画定する。
【0023】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、動的光散乱アセンブリは、コリメータと焦点体積との間に介在する集束レンズを更に含む。
【0024】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、動的光散乱アセンブリは、第2のポート内に光学フィルタを更に含む。光学フィルタは、第2の光ファイバの端部と第1の外面との間に介在する。
【0025】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本体は、光学フィルタと第1の外面との間に介在するチャネルを更に画定する。
【0026】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本体は、第1の外面に対向するチップ対向面を含む。チップ対向面は、第1の開口部及び第2開口部を画定する。第1のポートは、第1の光ファイバによって放出された光を、第1の開口部を通して、光透過性材料に到達するように方向付けるものである。第2の光ファイバは、散乱光を、第2の開口部を介して受容するものである。
【0027】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、チップ対向面は、第1の外面からある間隙距離だけ離間している。
【0028】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセッサを更に含む。プロセッサは、少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するものである。
【0029】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するために、自己相関を使用するものである。
【0030】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、カプセル化されたヌクレオチドを含む粒子を形成するものである。
【0031】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、カプセル化されたヌクレオチドは、カプセル化されたmRNAを含む。
【0032】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、ヌクレオチドは、界面活性剤中にカプセル化されている。
【0033】
別の実施態様は、プロセスチップと、動的光散乱アセンブリと、を含む装置に関する。プロセスチップは、第1の外面と、第2の外面と、第1の外面と第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバと、を含む。流体チャンバは、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む。プロセスチップは、第1の外面と流体チャンバとの間に位置決めされた光透過性材料を更に含む。プロセスチップは、混合段を更に含む。混合段は、複数の流体成分を混合して流体混合物を形成するものである。流体チャンバ入口は、流体混合物を受容するものである。流体混合物は、粒子を含む。プロセスチップは、複数の圧力センサを更に含む。複数の圧力センサは、混合段に入る流体成分の圧力を感知するものである。プロセスチップは、動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされる。動的光散乱アセンブリは、光透過性材料を介して流体チャンバ内に光を放出し、流体チャンバ内の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容するものである。
【0034】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセッサを更に含む。プロセッサは、動的光散乱アセンブリからデータを受信するものである。
【0035】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ、又は少なくとも動的光散乱アセンブリからのデータを使用して、流体チャンバ内の流体中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するものである。
【0036】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、複数の圧力センサからデータを更に受信するものである。
【0037】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、少なくとも複数の圧力センサからのデータを使用して、混合段が流量制限を有するかどうかを判定するものである。
【0038】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、動的光散乱アセンブリと、複数の圧力センサと、から受信されたデータを更に相関させるものである。
【0039】
別の実施態様は、プロセスチップと、第1の動的光散乱アセンブリと、第2の動的光散乱アセンブリと、を含む装置に関する。プロセスチップは、第1の外面と、第2の外面と、第1の混合段と、第2の混合段と、を含む。第1の混合段は、第1の混合出口を有する。第1の混合段は、第1の複数の流体成分を混合して、第1の流体混合物を形成し、第1の混合出口を通して、第1の流体混合物を外に連通させるものである。第1の流体混合物は、粒子を含む。第2の混合段は、第2の混合出口を有する。第2の混合段は、第2の複数の流体成分を混合して、第2の流体混合物を形成し、第2の混合出口を通して、第2の流体混合物を外に連通させるものである。第2の流体混合物は、粒子を含む。第1の動的光散乱アセンブリは、第1の混合段の近くに位置決めされる。第1の動的光散乱アセンブリは、第1の流体混合物内に光を放出し、第1の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容するものである。第2の動的光散乱アセンブリは、第2の混合段の近くに位置決めされる。第2の動的光散乱アセンブリは、第2の流体混合物内に光を放出し、第2の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容するものである。プロセスチップは、第1及び第2の動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされる。
【0040】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1の動的光散乱アセンブリは、第1の混合出口内に光を放出するものである。
【0041】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の動的光散乱アセンブリは、第2の混合出口内に光を放出するものである。
【0042】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、マニホールドを更に含む。マニホールドは、流体を、第1及び第2の混合出口から共有出口チャネルに方向付けるものである。
【0043】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1の外面と第2の外面との間に位置決めされた流体チャンバを更に含む。流体チャンバは、共有出口チャネルから、第1の流体混合物及び第2の流体混合物のうちの、選択された1つを受容するものである。本装置は、第3の動的光散乱アセンブリを更に含む。第3の動的光散乱アセンブリは、流体チャンバ内に光を放出し、かつ流体チャンバ内の第1の流体混合物又は第2の流体混合物中の粒子から散乱された光を受容するものである。
【0044】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセッサを更に含む。プロセッサは、第1及び第2の光散乱アセンブリからのデータを、第3の動的光散乱アセンブリからのデータと相関させるものである。
【0045】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1及び第2の混合出口から共有出口チャネルへの流体の流れを選択的に計量するための1つ以上の弁を更に含む。
【0046】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、複数の圧力センサを更に含む。複数の圧力センサは、第1及び第2の混合段に入る第1及び第2の流体成分の圧力を感知するものである。
【0047】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセッサを更に含む。プロセッサは、第1の動的光散乱アセンブリと、第2の動的光散乱アセンブリと、複数の圧力センサと、からデータを受信する。
【0048】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、第1及び第2の動的光散乱アセンブリからのデータを、複数の圧力センサからのデータと更に相関させる。
【0049】
別の実施態様は、流体を、プロセスチップを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を生成することを含む方法に関する。本方法は、第1の光ファイバを介してカプセル化された粒子に向けて光を放出することを更に含み、カプセル化された粒子は、放出された光を散乱させ、放出された光は、プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達される。本方法は、カプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含み、受容された光は、プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達され、受容された光は、第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容され、第1及び第2の光ファイバは、プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着される。本方法は、受容された光に対して自己相関を実施することを更に含む。本方法は、少なくとも自己相関を使用して、カプセル化された粒子のサイズ、少なくとも自己相関を使用して、カプセル化された粒子のサイズ分布、
又は少なくとも自己相関を使用して、カプセル化された粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することを更に含む。
【0050】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの方法のいくつかの実施態様では、カプセル化された粒子は、カプセル化されたヌクレオチドを含む。
【0051】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、カプセル化されたヌクレオチドは、カプセル化されたmRNAを含む。
【0052】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実施態様では、カプセル化されたmRNAは、少なくとも1つの送達ビヒクル分子によってカプセル化されたmRNAを含む。
【0053】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、少なくとも1つの送達ビヒクル分子は、アミノ-脂質化ペプトイドを含む。
【0054】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、流体を、プロセスチップを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を生成することは、2つ以上の流体成分を、混合アセンブリを通して連通させて、カプセル化された粒子を生成することを含む。
【0055】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、プロセスチップを通して連通される流体の圧力を監視することを更に含む。
【0056】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、監視された圧力値を、判定されたカプセル化された粒子のサイズ値、又は判定されたカプセル化された粒子のサイズ分布値の、一方又は両方と相関させることを更に含む。
【0057】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、監視された圧力値が許容範囲外にあると判定することを更に含む。本方法は、監視された圧力値が許容範囲外にあると判定したことに応答して、プロセスチップの少なくとも一部分を通る流体の連通を停止することを更に含む。
【0058】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、判定されたカプセル化された粒子サイズ又はサイズ分布が許容範囲外であると判定することを更に含む。本方法は、判定されたカプセル化された粒子サイズ又はサイズ分布が許容範囲外であると判定することに応答して、プロセスチップの少なくとも一部分を通る流体の連通を停止することを更に含む。
【0059】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、放出光は、第1の軸に沿って放出される。受容された光は、第2の軸に沿って受容される。第1及び第2の軸は、収束点で交差している。収束点は、プロセスチップ内に位置決めされている。
【0060】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の軸及び第2の軸は、一緒に斜角を画定する。
【0061】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、斜角は、約10度~約45度の範囲内である。
【0062】
別の実施態様は、流体を、プロセスチップの混合アセンブリを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を含む混合物を生成することを含む方法に関する。本方法は、混合アセンブリを通して連通される流体の圧力を監視することを更に含む。本方法は、動的光散乱アセンブリを作動させて、流体中のカプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することを更に含む。動的光散乱アセンブリは、流体がプロセスチップ内にある間に粒子から光を散乱させる。本方法は、監視された流体の圧力を、判定された粒子サイズ又はサイズ分布と相関させることを更に含む。
【0063】
本概要の先行する段落で説明したような方法のいくつかの実装形態では、本方法は、少なくとも監視された圧力を使用して、混合アセンブリを通る流体の連通を調整することを更に含む。
【0064】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、監視された圧力が所定の範囲外にあると判定することを更に含む。動的光散乱アセンブリを作動させることは、監視された圧力が所定の範囲外にあるという判定に応答して実施される。
【0065】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、動的光散乱アセンブリを作動させることは、第1の光ファイバを介してカプセル化された粒子に向けて光を放出することを含む。カプセル化された粒子は、放出された光を散乱させる。放出された光は、プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達される。動的光散乱アセンブリを作動させることは、カプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含む。受容された光は、プロセスチップの第1の側上の光透過性材料を通して伝達される。受容された光は、第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容される。第1及び第2の光ファイバは、プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着されている。本方法は、受容された光に対して自己相関を実施することを更に含む。本方法は、少なくとも自己相関を使用して、カプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することを更に含む。
【0066】
別の実施態様は、流体を、プロセスチップの第1の混合アセンブリを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を含む第1の混合物を生成することを含む方法に関する。本方法は、流体を、プロセスチップの第2の混合アセンブリを通して連通させて、流体中にカプセル化された粒子を含む第2の混合物を生成することを更に含む。本方法は、第1の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出することを更に含む。第1の混合物中の粒子は、放出された光を散乱させる。本方法は、第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含む。本方法は、第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された受容された光に対して自己相関を実施することを更に含む。本方法は、第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された受容された光に対する自己相関を少なくとも使用して、第1の混合物中のカプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することを更に含む。本方法は、第2の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出することを更に含む。第2の混合物中の粒子は、放出された光を散乱させる。本方法は、第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含む。本方法は、第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された受容された光に対して自己相関を実施することを更に含む。本方法は、第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された受容された光に対する自己相関を少なくとも使用して、第2の混合物中のカプセル化された粒子のサイズ又はサイズ分布を判定することを更に含む。
【0067】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容すること、第2の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することは、単一の動的光散乱アセンブリによって実施される。
【0068】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、第1の混合物を単一の動的光散乱アセンブリの流体チャンバに選択的に連通させることを更に含む。第1の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することは、第1の混合物が流体チャンバ内にある間に実施される。本方法は、第2の混合物を流体チャンバに選択的に連通させることを更に含む。第2の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することは、第2の混合物が流体チャンバ内にある間に実施される。
【0069】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実施態様では、本方法は、第1の動的光散乱アセンブリを作動させて、第1の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容すること、を実施することを更に含む。本方法は、第2の動的光散乱アセンブリを作動させて、第2の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出すること、及び第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容すること、を実施することを更に含む。第2の動的光散乱アセンブリは、第1の動的光散乱アセンブリと分離している。
【0070】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、第1の混合物を、第3の動的光散乱アセンブリの流体チャンバに選択的に連通させることを更に含む。本方法は、第1の混合物が流体チャンバ内にある間に、第1の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出することを更に含む。本方法は、第1の混合物が流体チャンバ内にある間に、第1の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含む。本方法は、第2の混合物を流体チャンバに選択的に連通させることを更に含む。本方法は、第2の混合物が流体チャンバ内にある間に、第2の混合物中のカプセル化された粒子に向けて光を放出することを更に含む。本方法は、第2の混合物が流体チャンバ内にある間に、第2の混合物中のカプセル化された粒子から散乱された光を受容することを更に含む。
【0071】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、第1及び第2の混合物を、マニホールドを通して連通させることを更に含む。第1及び第2の混合物は、流体チャンバに到達する前にマニホールドを通過する。
【0072】
別の実装形態は、本体と、第1の光ファイバと、集束レンズと、第2の光ファイバと、光学フィルタと、を含む装置に関する。本体は、第1のポートと、第2のポートと、を含む。本体は、プロセスチップの第1の外面に近接して位置決め可能である。第1の光ファイバは、本体の第1のポートに結合されている。第1の光ファイバは、光を放出する。第1のポートは、第1の光ファイバによって放出された光を、プロセスチップの光透過性材料を通して、かつプロセスチップの流体チャンバ内に方向付けるものである。集束レンズは、本体によって支持されている。集束レンズは、第1の光ファイバによって放出される光を集束させるように位置決めされ、かつ構成されている。第2の光ファイバは、本体の第2のポートに結合されている。第2のポートにおける第2の光ファイバは、第1のポートにおける第1の光ファイバに対して斜めに配向されている。第2の光ファイバは、第1の光ファイバが流体チャンバ内に光を放出することに応答して、流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する。光学フィルタは、本体によって支持されている。光ファイバは、流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光をフィルタリングするように位置決めされ、かつ構成されている。
【0073】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、本体に対して取り外し可能に位置決めされるプロセスチップを更に含む。プロセスチップは、第1の外面と、第2の外面と、流体チャンバと、光透過性材料と、を含む。流体チャンバは、第1の外面と第2の外面との間に位置決めされている。流体チャンバは、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む。光透過性材料は、第1の外面と流体チャンバとの間に位置決めされている。
【0074】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセスチップ装着具を有する基部を更に含む。プロセスチップ装着具は、プロセスチップを取り外し可能に受容するものである。本体は、プロセスチップ装着具に隣接して位置決めされている。
【0075】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本体は、プロセスチップの外面に垂直な軸に沿って第1の光ファイバを配向する。
【0076】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本体は、プロセスチップの外面に対して斜めに配向された軸に沿って第2の光ファイバを配向する。
【0077】
別の実装形態は、プロセスチップ装着具と、本体と、第1の光ファイバと、第2の光ファイバと、を含む、装置に関する。プロセスチップ装着具は、プロセスチップを取り外し可能に受容するものである。本体は、第1のポートと、第2のポートと、を含む。本体は、プロセスチップ装着具に対して固定的に固着されている。プロセスチップ装着具は、本体とプロセスチップ装着具との間にプロセスチップを取り外し可能に受容するものである。第1の光ファイバは、本体の第1のポートに結合されている。第1の光ファイバは、光を放出する。第1のポートは、第1の光ファイバによって放出された光を、プロセスチップ装着具によって受容されたプロセスチップの光透過性材料を通して、プロセスチップの流体チャンバ内に方向付けるものである。第2の光ファイバは、本体の第2のポートに結合されている。第2のポートにおける第2の光ファイバは、第1のポートにおける第1の光ファイバに対して斜めに配向されている。第2の光ファイバは、第1の光ファイバが流体チャンバ内に光を放出することに応答して、流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を受容する。
【0078】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、プロセスチップ装着具内に取り外し可能に受容されるプロセスチップを更に含む。プロセスチップは、第1の外面と、第2の外面と、流体チャンバと、光透過性材料と、を含む。流体チャンバは、第1の外面と第2の外面との間に位置決めされている。流体チャンバは、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む。光透過性材料は、第1の外面と流体チャンバとの間に位置決めされている。
【0079】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、治療用組成物を形成するように構成されている。
【0080】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、治療用組成物は、粒子を含有する流体を含む。
【0081】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1のポートは、第1の光ファイバによって放出された光を、プロセスチップの光透過性材料を通して方向付けて、治療用組成物の流体に到達させる。
【0082】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の光ファイバは、治療用組成物の粒子によって散乱された光を受容するものである。
【0083】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、本装置は、少なくとも治療用組成物の粒子によって散乱された光を使用して、治療用組成物中の粒子のサイズ、又は少なくとも治療用組成物の粒子によって散乱された光を使用して、治療用組成物中の粒子のサイズ分布、の一方又は両方を判定するプロセッサを更に含む。
【0084】
別の実装形態は、プロセスチップと、動的光散乱アセンブリと、プロセッサと、を含む装置に関する。プロセスチップは、流体チャンバと、流体チャンバに隣接する光透過性材料と、を含む。流体チャンバは、流体チャンバ入口及び流体チャンバ出口を含む。プロセスチップは、動的光散乱アセンブリに対して取り外し可能に位置決めされる。動的光散乱アセンブリは、光を、光透過性材料を通して、かつ流体チャンバ内に方向付けるものである。動的光散乱アセンブリは更に、第1の光ファイバが流体チャンバ内に光を放出することに応答して、流体チャンバ内の流体中の粒子によって散乱された光を更に受容し、それによって、光散乱データを捕捉するものである。プロセッサは、捕捉された光散乱データに基づいて流体チャンバ内の流体の粘度を判定するものである。プロセッサは、捕捉された光散乱データに基づいて、流体中の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を更に判定するものである。
【0085】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、第1のチャネル及び第2のチャネルを更に含む。流体チャンバ入口は、第1のチャネルから第1の流体を受容するように構成されている。流体チャンバ入口は、第2のチャネルから第2の流体を受容するように更に構成されている。
【0086】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1の流体は、治療用組成物を含む。
【0087】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、治療用組成物は、粒子の少なくとも一部を含む。
【0088】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、治療用組成物の粒子は、mRNAを含む。
【0089】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の流体は、粒子の少なくとも一部を含む。
【0090】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の流体の粒子はビーズを含む。
【0091】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1の流体は治療用組成物を含む。治療用組成物は粒子を含む。
【0092】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、治療用組成物の粒子は、第1の直径を有する。ビーズは、第1の直径とは異なる第2の直径を有する。
【0093】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の直径は第1の直径よりも大きい。
【0094】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第1の流体は第1の種類の粒子を含む。第2の流体は第2の種類の粒子を含む。
【0095】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、第1及び第2の種類の粒子によって散乱された光に基づいて、第1の流体内の第1の種類の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を判定する。
【0096】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の種類の粒子は既知のサイズを有する。
【0097】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、第2の流体は希釈剤を含む。
【0098】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、離散的な量の希釈剤を、第1の流体に順次選択的に添加するように構成されている。
【0099】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、希釈剤の第1の流体への送達を選択的に制御するための少なくとも1つの弁を含む。
【0100】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、希釈剤の移動を選択的に駆動する少なくとも1つのポンプを更に含む。
【0101】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセッサは、
離散的な量の希釈剤を第1の流体に添加するシーケンス中に、捕捉された光散乱データの自己相関を追跡するものである。プロセッサはまた、追跡された自己相関に基づいて、流体中の粒子のサイズ又はサイズ分布、の一方又は両方を判定するものである。
【0102】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、希釈剤を第1の流体と混合するための混合チャンバを更に含む。
【0103】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、混合チャンバは、流体チャンバに隣接して位置決めされている。
【0104】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの装置のいくつかの実装形態では、プロセスチップは、第1のポンプ及び第2のポンプを更に含む。第1のポンプ及び第2のポンプは、交互に作動し、それによって、希釈剤と第1の流体との組み合わせを、混合チャンバを通して、前後に駆動するように構成されている。
【0105】
別の実施態様は、流体混合物を、プロセスチップを通して連通させることを含む方法に関する。流体混合物は、粒子を含む。本方法は、第1の光ファイバを介して流体混合物に向けて光を放出することを更に含む。流体混合物中の粒子は、放出された光を散乱させる。本方法は、流体混合物中の粒子から散乱された光を受容することを更に含む。受容された光は、第1の光ファイバに対して斜めに配向された第2の光ファイバによって受容される。第1及び第2の光ファイバは、プロセスチップの近くに位置決めされた本体に固着されている。本方法は、受容された光に対して自己相関を実施することを更に含む。本方法は、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物の粘度を判定することを更に含む。本方法は、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ分布、又は少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定すること、を更に含む。
【0106】
本概要の先行する段落に記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、流体を、プロセスチップを通して連通させることは、第1の流体成分を連通させることを含み、第1の流体成分は、粒子の少なくとも一部を含む。プロセスチップを通して流体を連通させることは、第2の流体成分を連通させることを更に含む。プロセスチップを通して流体を連通させることは、第1及び第2の流体成分を一緒に混合して、流体混合物を形成することを更に含む。
【0107】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の流体成分の粒子は治療用粒子を含む。
【0108】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、治療用粒子はmRNAを含む。
【0109】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実施態様では、mRNAは送達ビヒクル中にカプセル化されている。
【0110】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第2の流体成分は粒子の少なくとも一部を含む。
【0111】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第2の流体成分の粒子はビーズを含む。
【0112】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の流体成分の粒子は、第1の直径を有する。第2の流体成分の粒子は、第1の直径とは異なる第2の直径を有する。
【0113】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第2の直径は第1の直径よりも大きい。
【0114】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の流体成分の粒子は、第1の種類の粒子を含む。第2の流体成分の粒子は、第1の種類の粒子とは異なる第2の種類の粒子を含む。
【0115】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、流体混合物中の粒子から散乱された光を受容することは、第1の流体成分の粒子によって散乱された光を受容することを含む。流体混合物中の粒子から散乱された光を受容することは、第2の流体成分の粒子によって散乱された光を受容することを更に含む。
【0116】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ分布、又は少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することは、少なくとも自己相関を使用して、第1の流体成分の粒子のサイズ、少なくとも自己相関を使用して、第1の流体成分の粒子のサイズ分布、又は少なくとも自己相関を使用して、第1の流体成分の粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することを含む。
【0117】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第2の流体成分は希釈剤を含む。
【0118】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、プロセスチップを通して流体混合物を連通させることは、
離散的な量の希釈剤を、第1の流体成分に順次添加することを更に含む。
【0119】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、本方法は、離散的な量の希釈剤が順次第1の流体成分に添加されるたびに、光を放出することと、光を受容することと、自己相関を実施することと、を繰り返すこと、を更に含む。
【0120】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装では、本方法は、離散的な量の希釈剤が順次第1の流体成分に添加されるたびに、光を放出することと、光を受容することと、自己相関を実施することと、の各繰り返しを通して自己相関を追跡することを更に含む。
【0121】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物の粘度を判定することは、追跡された自己相関を使用して、流体混合物の粘度を判定することを含む。
【0122】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ、少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ分布、又は少なくとも自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することは、追跡された自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ、追跡された自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ分布、又は追跡された自己相関を使用して、流体混合物中の粒子のサイズ及びサイズ分布、のいずれかを判定することを含む。
【0123】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1の流体成分に添加される離散的な量の希釈剤は、離散的な量の希釈剤が第1の流体成分に順次添加されるたびに同じ量の希釈剤である。
【0124】
本概要の先行する段落のいずれかに記載されたものなどの方法のいくつかの実装形態では、第1及び第2の流体成分を一緒に混合して、流体混合物を形成することは、少なくとも2つのポンプを交互に作動させて、第1及び第2の流体成分を、プロセスチップの混合チャンバを通して前後に駆動することを含む。
【0125】
前述の概念及び以下でより詳細に考察される追加の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)は、本明細書で開示される本発明の主題の一部であり、本明細書に記載される利益/利点を達成するものとして企図されることを理解されたい。具体的には、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図される。
【図面の簡単な説明】
【0126】
1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【
図1】マイクロ流体プロセスチップを含むシステムの一例の概略図を示す。
【
図2】
図1のシステムの構成要素の例の分解斜視図を示す。
【
図3】
図1のシステムに組み込まれ得るプロセスチップの一例の上面図を示す。
【
図4A】
図3のプロセスチップの第1の動作状態における側断面図を示す。
【
図4B】
図3のプロセスチップの第2の動作状態における側断面図を示す。
【
図4C】
図3のプロセスチップの第3の動作状態における側断面図を示す。
【
図4D】
図3のプロセスチップの第4の動作状態における側断面図を示す。
【
図4E】
図3のプロセスチップの第5の動作状態における側断面図を示す。
【
図4F】
図3のプロセスチップの第6の動作状態における側断面図を示す。
【
図5】
図3のプロセスチップに組み込まれ得る混合段の一例の斜視図を示す。
【
図6】混合段を組み込んだプロセスチップの一例の一部分の上面図を示す。
【
図7A】
図3のプロセスチップに組み込まれ得る圧力感知段の、弾性層が偏向していない状態にある一例の概略断面図を示す。
【
図7B】
図7Aの圧力感知段の、弾性層が偏向した状態にある概略断面図を示す。
【
図8】
図7Aの圧力感知段の一部分の上面図を示す。
【
図9】プロセスチップと、動的光散乱段のための本体と、を含む、例示的アセンブリの斜視図を示す。
【
図12】
図9のプロセスチップ内の混合アセンブリの拡大上面図を示す。
【
図13】
図9のプロセスチップ内の動的光散乱チャンバの拡大平面図を示す。
【
図16】
図9のアセンブリの動的光散乱段の本体の斜視図を、関連する光学的構成要素の概略図とともに示す。
【
図17】
図9のアセンブリの動的光散乱段の本体の斜視図を、本体と分離されたコリメータ及び光学フィルタとともに示す。
【
図18】
図9のアセンブリの動的光散乱段の本体の上面図を示す。
【
図19】
図9のアセンブリの動的光散乱段の本体の底面図を示す。
【
図20】
図18の線20-20に沿って取った、
図9のアセンブリの動的光散乱段の本体の断面図を示す。
【
図21】
図9のアセンブリの動的光散乱段における、マルチモード光ファイバの使用に関連付けられた自己相関関数の一例をプロットしたグラフを示す。
【
図22】
図9のアセンブリの動的光散乱段における、シングルモード光ファイバの使用に関連付けられた自己相関関数の一例をプロットしたグラフを示す。
【
図23】プロセスチップと、いくつかの対応する動的光散乱段のいくつかの本体と、を含む、アセンブリの斜視図を示す。
【
図25】プロセスチップに組み込まれ得る測定段の斜視図を示す。
【
図26】
図25の測定段を使用してプロセスチップ内の粘度を測定するためのプロセスの一例を表すフローチャートを示す。
【
図27】
図25の測定段を通した
図26のプロセスの実行に関連付けられた自己相関関数の例をプロットしたグラフを示す。
【
図28】
図25の測定段を使用してプロセスチップ内の粘度を測定するためのプロセスの別の例を表すフローチャートを示す。
【
図29】
図25の測定段を通した
図26のプロセスの実行中に得られ得るガンマ値の一例をプロットしたグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0127】
いくつかの態様では、治療用ポリヌクレオチドを処理するための装置及び方法が本明細書に開示される。具体的には、これらの装置及び方法は、動作中の手動操作を最小化又は排除するように構成された閉路装置及び方法であり得る。閉路装置及び方法は、ほぼ完全に無菌の環境を提供し得、構成要素は、最初の入力(例えば、テンプレート)から出力(例えば、配合された治療薬)までの処理のための滅菌経路を提供し得る。装置への材料投入物(例えば、ヌクレオチド、及び任意の化学成分)は、滅菌されていてよく、実質的に任意の手動インタラクションを必要とせずに、システムに投入されてよい。
【0128】
本明細書に記載される装置及び方法は、非常に高い再現性で非常に迅速なサイクル時間で治療薬を生成し得る。本明細書に記載される装置は、単一の統合された装置において、1つ以上の治療用組成物の合成、精製、透析、調合、及び濃縮を提供するように構成されている。代替的に、これらのプロセスのうちの1つ以上は、本明細書に記載されるような2つ以上の装置において行われ得る。いくつかのシナリオでは、治療用組成物は、治療用ポリヌクレオチドを含む。そのような治療用ポリヌクレオチドとしては、例えば、リボ核酸又はデオキシリボ核酸が挙げられ得る。ポリヌクレオチドは、天然ヌクレオチド単位のみを含み得るか、又は任意の種類の合成若しくは半合成ヌクレオチド単位を含み得る。処理ステップの全部又は一部は、本明細書のいくつかの事例ではプロセスチップ又はバイオチップとも称される(ただしチップは必ずしもバイオ関連用途で使用される必要はない)1つ又は一連の消耗マイクロ流体経路デバイスとして構成され得る、連続した流体処理経路内で実施され得る。これは、ポイントオブケア(例えば、病院、診療所、薬局など)において、患者特異的治療薬が合成されることを可能にし得、これは患者特異的治療薬を調合することを含む。
【0129】
I.マイクロ流体プロセスチップを含むシステムの概要
図1は、システム(100)に組み込まれ得る様々な構成要素の例を示す。この例のシステム(100)は、1つ以上のマイクロ流体プロセスチップ(111)を取り外し可能に保持し得る着座装着具(115)を囲繞するハウジング(103)を含む。換言すれば、システム(100)は、プロセスチップ(111)を取り外し可能に収容するように構成された構成要素を含み、プロセスチップ(111)自体が1つ以上のマイクロ流体チャネル又は流体経路を画定する。プロセスチップ(111)と流体的に相互作用するシステム(100)(例えば、ハウジング(103)内)の構成要素は、必ずしもマイクロ流体とみなされない流体チャネル又は経路を含み得る(例えば、そのような流体チャネル又は経路は、プロセスチップ(111)内のマイクロ流体チャネル又は流体経路よりも大きい)。いくつかのバージョンでは、プロセスチップ(111)は、単回使用デバイスとして提供及び利用され、システム(100)の残りの部分は、再使用可能である。ハウジング(103)は、(例えば、蓋又はドアなどを介して)閉鎖されて、それによって内部を封止し得る開口部を伴う、チャンバ、エンクロージャなどの形態であり得る。ハウジング(103)は、温度調節器を囲繞し得、かつ/又は温度調節された環境(例えば、冷蔵ユニットなど)内に囲繞されるように構成され得る。ハウジング(103)は、無菌バリアを形成し得る。いくつかの変形例では、ハウジング(103)は、加湿された又は湿度制御された環境を形成し得る。加えて、又は代替において、システム(100)は、キャビネット(図示せず)内に位置決めされ得る。そのようなキャビネットは、温度調節された(例えば、冷蔵された)環境を提供し得る。そのようなキャビネットはまた、空気濾過及び空気流管理を提供し得、製造プロセスを通して試薬が所望の温度に保たれることを促進し得る。加えて、そのようなキャビネットは、プロセスチップ(111)及びシステム(100)の他の構成要素の滅菌のためのUVランプを備え得る。システム(100)を収納するキャビネットに組み込まれ得る様々な好適な特徴は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0130】
着座装着具(115)は、プロセスチップ(111)を固定された、かつ事前定義された配向に保持するように構成された1つ以上のピン又は他の構成要素を使用して、プロセスチップ(111)を固着するように構成され得る。したがって、着座装着具(115)は、プロセスチップ(111)がシステム(100)の他の構成要素に対して適切な位置及び配向で保持されることを容易にし得る。本実施例では、着座装着具(115)は、プロセスチップ(111)が地面と平行になるように、プロセスチップ(111)を水平配向で保持するように構成されている。
【0131】
いくつかの変形例では、熱制御部(113)は、着座装着具(115)に隣接して位置し、着座装着具(115)内に装着される任意のプロセスチップ(111)の温度を変調し得る。熱制御部(113)は、着座装着具(115)内に装着された任意のプロセスチップ(111)の全部又は一部分の温度を制御するための熱電構成要素(例えば、ペルチェ素子など)及び/又は1つ以上のヒートシンクを含み得る。いくつかの変形例では、プロセスチップ(111)の1つ以上の領域のうちの異なる領域の温度を別々に調節するなどのために、2つ以上の熱制御部(113)が含まれ得る。熱制御部(113)は、プロセスチップ(111)及び/又は熱制御部(113)のフィードバック制御のために使用され得る1つ以上の熱センサ(例えば、熱電対など)を含み得る。
【0132】
図1に示されるように、流体インターフェースアセンブリ(109)は、プロセスチップ(111)を圧力源(117)に結合し、それによって、以下でより詳細に記載されるように、圧力源(117)からプロセスチップ(111)の1つ以上の内部領域に連通される正圧又は負圧の流体(例えば、ガス)のための1つ以上の経路を提供する。1つの圧力源(117)のみが示されているが、システム(100)は、2つ以上の圧力源(117)を含み得る。いくつかのシナリオでは、圧力は、圧力源(117)以外の1つ以上の源によって生成され得る。例えば、試薬保管フレーム(107)内の1つ以上のバイアル又は他の流体源が加圧され得る。加えて、又は代替において、プロセスチップ(111)上で実行される反応及び/又は他のプロセスが、追加の流体圧力を生成し得る。本実施例では、流体インターフェースアセンブリ(109)はまた、プロセスチップ(111)を試薬保管フレーム(107)と結合し、それによって、以下でより詳細に記載されるように、液体試薬などが試薬保管フレーム(107)からプロセスチップ(111)の1つ以上の内部領域に連通される1つ以上の経路を提供する。
【0133】
いくつかのバージョンでは、少なくとも1つの圧力源(117)からの加圧流体(例えば、ガス)は、試薬保管フレーム(107)が圧力源(117)と流体インターフェースアセンブリ(109)との間の流体経路内に介在する1つ以上の構成要素を含むような、試薬保管フレーム(107)を介して、流体インターフェースアセンブリ(109)に到達する。いくつかのバージョンでは、1つ以上の圧力源(117)は、正圧流体(例えば、正圧ガス)又は負圧流体(例えば、吸引ガス又は他の負圧ガス)が、試薬保管フレーム(107)を迂回して流体インターフェースアセンブリ(109)に到達するように、流体インターフェースアセンブリと直接結合されている。流体インターフェースアセンブリ(109)が圧力源(117)と流体インターフェースアセンブリ(109)との間の流体経路に介在するかどうかにかかわらず、流体インターフェースアセンブリ(109)は、流体インターフェースアセンブリ(109)の少なくとも一部分が使用と使用との間の滅菌のために取り外され得るように、システム(100)の残りの部分に取り外し可能に結合され得る。以下でより詳細に記載されるように、圧力源(117)は、プロセスチップ(111)上の1つ以上のチャンバ領域を選択的に加圧し得る。加えて、又は代替において、圧力源はまた、試薬保管フレーム(107)によって保持される1つ以上のバイアル又は他の流体保管容器を選択的に加圧し得る。
【0134】
試薬保管フレーム(107)は、複数の流体試料ホルダを収容するように構成されており、流体試料ホルダの各々は、プロセスチップ(111)への送達のために試薬(例えば、ヌクレオチド、溶媒、水など)を保持するように構成された流体バイアル又はカセットを保持し得る。いくつかのバージョンでは、試薬保管フレーム(107)内の1つ以上の流体バイアル、カセット、又は他の保管容器は、プロセスチップ(111)の内部から生成物を受容するように構成され得る。加えて、又は代替において、第2のプロセスチップ(111)は、1つ以上の流体が1つのプロセスチップ(111)から別のプロセスチップ(111)に移送されるように、第1のプロセスチップ(111)の内部から生成物を受容し得る。いくつかのそのようなシナリオでは、第1のプロセスチップ(111)は、第1の専用機能(例えば、合成など)を実施し得、第2のプロセスチップ(111)は、第2の専用機能(例えば、カプセル化など)を実施する。本例の試薬保管フレーム(107)は、複数の圧力ライン及び/又はマニホールドを含み、複数の圧力ライン及び/又はマニホールドは、1つ以上の圧力源(117)を、プロセスチップ(111)に印加され得る複数の圧力ラインに分割するように構成されている。そのような圧力ラインは、独立して制御されても集合的に(下位組み合わせで)制御され得る。
【0135】
流体インターフェースアセンブリ(109)は、複数の流体ライン及び/又は圧力ラインを含み得、その場合、そのような各ラインは、プロセスチップ(111)が着座装着具(115)内に保持されるときに各流体及び/又は圧力ラインをプロセスチップ(111)に個々に独立して駆動する、付勢された(例えば、バネ仕掛けの)ホルダ又は先端を含み得る。いかなる関連する管類(例えば、流体ライン及び/又は圧力ライン)も、流体インターフェースアセンブリ(109)の一部であり得、かつ/又は流体インターフェースアセンブリ(109)に接続し得る。いくつかのバージョンでは、各流体ラインは可撓性管類を備え、この可撓性管類は、試薬保管フレーム(107)とプロセスチップ(111)との間を、バイアルを管類にロック係合(例えば、フェルール)で結合するコネクタを介して接続する。いくつかのバージョンでは、流体ライン/圧力ラインの端部は、以下で記載されるように、例えば、プロセスチップ(111)内に形成された対応する封止ポートにおいて、プロセスチップ(111)に対して封止するように構成され得る。本実施例では、圧力源(117)とプロセスチップ(111)との間の接続、及び試薬保管フレーム(107)内のバイアルとプロセスチップ(111)との間の接続は全て、プロセスチップ(111)が着座装着具(115)内に着座するときに隔離される、封止され閉鎖された経路を形成する。そのような封止され閉鎖された経路は、治療用ポリヌクレオチドを処理するときに汚染に対する保護を提供し得る。
【0136】
試薬保管フレーム(107)のバイアルは、加圧され得る(例えば、2atm、3atm、5atm又はそれ以上などの、1atm超の圧力)。いくつかのバージョンでは、バイアルは、圧力源(117)によって加圧される。したがって、負圧又は正圧が印加され得る。例えば、流体バイアルは、約1~約20psig(例えば、5psig、10psigなど)まで加圧され得る。代替的に、プロセスの終了時に、流体をバイアル(例えば、貯蔵場所としての役割を果たすバイアル)内に引き戻すために、真空(例えば、約-7psig又は約7psia)が印加され得る。流体バイアルは、以下に記載されるように、空気圧弁よりも低い圧力で駆動され得、これは、漏出を防止又は低減し得る。いくつかの変形例では、流体弁と空気圧弁との間の圧力差は、約1psi~約25psi(例えば、約3psi、約5psi、7psi、10psi、12psi、15psi、20psiなど)であり得る。
【0137】
本実施例のシステム(100)は、プロセスチップ(111)の領域に磁場を生じさせるように構成された磁場アプリケータ(119)を更に含む。磁場アプリケータ(119)は、磁場を移動させ、それによって試薬保管フレーム(107)内のバイアル又は他の保管容器内の磁気捕捉ビーズに付着した生成物を選択的に単離するように動作可能な可動ヘッドを含み得る。
【0138】
本実施例のシステム(100)は、1つ以上のセンサ(105)を更に含む。いくつかのバージョンでは、そのようなセンサ(105)は、1つ以上のカメラ及び/又は他の種類の光学センサを含む。そのようなセンサ(105)は、バーコード、試薬保管フレーム(107)内に保持された流体バイアル内の流体レベル、着座装着具(115)内に装着されているプロセスチップ(111)内の流体移動、及び/又は他の光学的に検出可能な状態、のうちの1つ以上を感知し得る。センサ(105)がバーコードを感知するために使用されるバージョンでは、そのようなバーコードは、センサ(105)が試薬保管フレーム(107)内のバイアルを識別するために使用され得るように、試薬保管フレーム(107)のバイアル上に含まれ得る。いくつかのバージョンでは、単一のセンサ(105)が、試薬保管フレーム(107)内のバイアル上のそのようなバーコード、試薬保管フレーム(107)内のバイアル内の流体レベル、着座装着具(115)内に装着されているプロセスチップ(111)内の流体移動、及び/又は他の光学的に検出可能な状態を同時に見るように位置決め及び構成される。いくつかの他のバージョンでは、そのような状態を見るために、2つ以上のセンサ(105)が使用される。いくつかのそのようなバージョンでは、異なるセンサ(105)が、センサ(105)が特定の対応する光学的に検出可能な状態専用であり得るように、対応する光学的に検出可能な状態を別々に見るように位置決め及び構成される。
【0139】
センサ(105)が少なくとも1つの光学センサを含むバージョンでは、歩留まりを推定するために、視覚/光学マーカが使用され得る。例えば、蛍光体でタグ付けすることによってプロセス収率又は残留材料を検出するために、蛍光が使用され得る。加えて、又は代替において、プロセスチップ(111)の一部分(例えば、プロセスチップ(111)の混合部分など)内の粒子サイズ分布を測定するために、動的光散乱(dynamic light scattering、DLS)が使用され得る。いくつかの変形例では、センサ(105)は、光(例えば、レーザ光)をプロセスチップ(111)内に運び、プロセスチップ(111)から出てくる光信号を検出するために、1つ又は2つの光ファイバを使用して測定値を提供し得る。センサ(105)がプロセス収率又は残留材料などを光学的に検出するバージョンでは、センサ(105)は、可視光、蛍光、紫外線(ultraviolet、UV)吸光度信号、赤外線(infrared、IR)吸光度信号、及び/又は任意の他の好適な種類の光学フィードバックを検出するように構成され得る。
【0140】
センサ(105)がビデオ画像を捕捉するように構成されている少なくとも1つの光学センサを含むバージョンでは、そのようなセンサ(105)は、プロセスチップ(111)上の少なくともいくつかのアクティビティを記録し得る。例えば、材料(例えば、治療用RNA)を合成及び/又は処理するための実行全体が、プロセスチップ(111)を(例えば、上方から)可視化し得るビデオセンサ(105)を含む、1つ以上のビデオセンサ(105)によって記録され得る。プロセスチップ(111)上の処理は、視覚的に追跡され得、このビデオ記録は、後の品質管理及び/又は処理のために保持され得る。したがって、処理のビデオ記録は、その後のレビュー及び/又は分析のために保存、記憶、及び/又は送信され得る。加えて、以下でより詳細に記載されるように、ビデオは、このビデオ内で捕捉された少なくとも視覚的に観察可能な条件を使用して処理に影響を及ぼし得るリアルタイムフィードバック入力として使用され得る。
【0141】
本実施例のシステム(100)は、コントローラ(121)によって制御される。コントローラ(121)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるように、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のメモリ、及び様々な他の電気構成要素を含み得る。いくつかのバージョンでは、コントローラ(121)の1つ以上の構成要素(例えば、1つ以上のプロセッサなど)は、システム(100)内に埋め込まれる(例えば、ハウジング(103)内に収容される)。加えて、又は代替において、コントローラ(121)の1つ以上の構成要素(例えば、1つ以上のプロセッサなど)は、システム(100)の他の構成要素に着脱可能に取り付けられ得るか、又は着脱可能に接続され得る。したがって、コントローラ(121)の少なくとも一部分は、取り外し可能であり得る。更に、コントローラ(121)の少なくとも一部分は、いくつかのバージョンではハウジング(103)から離れている場合がある。
【0142】
コントローラ(121)による制御は、他のタスクの中でもとりわけ、圧力源(117)を作動させてプロセスチップ(111)を通して圧力を印加して、流体移動を駆動することを含み得る。コントローラ(121)は、完全に若しくは部分的にハウジング(103)の外側にあり得るか、又は完全に若しくは部分的にハウジング(103)の内側にあり得る。コントローラ(121)は、システム(100)のユーザインターフェース(123)を介してユーザ入力を受信し、かつユーザインターフェース(123)を介してユーザに出力を提供するように構成され得る。いくつかのバージョンでは、コントローラ(121)は、ユーザ入力が必要とされない点まで完全に自動化される。いくつかのそのようなバージョンでは、ユーザインターフェース(123)は、ユーザに出力のみを提供し得る。ユーザインターフェース(123)は、モニタ、タッチスクリーン、キーボード、及び/又は任意の他の好適な特徴を含み得る。コントローラ(121)は、1つ以上の流体をプロセスチップ(111)上に移動させること、1つ以上の流体をプロセスチップ(111)上で混合すること、プロセスチップ(111)に1つ以上の構成要素を追加すること、プロセスチップ(111)内で流体を計量すること、プロセスチップ(111)の温度を調節すること、磁場を印加すること(例えば、磁気ビーズを使用する場合)などを含む処理を調整し得る。コントローラ(121)は、センサ(105)からリアルタイムフィードバックを受信し、センサ(105)からのそのようなフィードバックに従って制御アルゴリズムを実行し得る。センサ(105)からのそのようなフィードバックには、試薬保管フレーム(107)内のバイアル内の試薬の識別、試薬保管フレーム(107)内のバイアル内の検出された流体レベル、プロセスチップ(111)内の流体の検出された移動、プロセスチップ(111)内の流体内のフルオロフォアの蛍光などが含まれ得るが、これらに限定される必要はない。コントローラ(121)には、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアが含まれ得る。コントローラ(121)はまた、例えば、装置の動作を追跡するため、材料(例えば、ヌクレオチドなどの構成要素、プロセスチップ(111)など)を並べ替えるため、及び/又はプロトコルをダウンロードするなどのために、遠隔サーバと通信し得る。
【0143】
図2は、システム(100)の様々な構成要素が取り得る特定の形態の例を示す。具体的には、
図2は、試薬保管フレーム(150)、流体インターフェースアセンブリ(152)、着座装着具(154)、熱制御部(156)、及びプロセスチップ(200)を示す。この例の試薬保管フレーム(150)、流体インターフェースアセンブリ(152)、着座装着具(154)、熱制御部(156)、及び処理チップ(200)は、それぞれ、上に記載される試薬保管フレーム(107)、流体インターフェースアセンブリ(109)、着座装着具(115)、熱制御部(113)、及び処理チップ(111)と同様に構成され、動作可能であり得る。これらの構成要素は、基部(180)に対して固着される。1組のロッド(182)が、流体インターフェースアセンブリ(152)上に試薬保管フレーム(150)を支持する。
【0144】
図2に示されるように、1組の光学センサ(160)が、基部(180)に沿った4つのそれぞれの場所に位置決めされる。光学センサ(160)は、上に記載されるセンサ(105)のように構成され、動作可能であり得る。光学センサ(160)は、既製のカメラ又は任意の他の好適な種類の光学センサを含み得る。光学センサ(160)は、試薬保管フレーム(150)内に保持された流体バイアルが光学センサ(160)のうちの1つ以上の視野内にあるように位置決めされる。加えて、プロセスチップ(200)は、光学センサ(160)のうちの1つ以上の視野内にある。各光学センサ(160)は、各光学センサ(160)が各対応するレール(184)に沿って横方向に並進するように構成されるように、対応するレール(184)を介して基部(180)に移動可能に(例えば、ガントリー配置で)固着される。リニアアクチュエータ(186)は、各光学センサ(160)に固着されており、それによって、対応するレール(184)に沿った各光学センサ(160)の横方向並進を駆動するように動作可能である。各アクチュエータ(186)は、駆動ベルト、駆動チェーン、駆動ケーブル、又は任意の他の好適な種類の構造の形態であり得る。コントローラ(121)は、アクチュエータ(186)の動作を駆動し得る。光学センサ(160)は、試薬保管フレーム(150)及び/又はプロセスチップ(200)内のバイアルの適切な領域の視認を容易にするために、システム(100)の動作中にレール(184)に沿って移動され得る。いくつかのシナリオでは、光学センサ(160)は、対応するレール(184)に沿って一斉に移動する。いくつかの他のシナリオでは、光学センサ(160)は、対応するレール(184)に沿って独立して移動する。
【0145】
図2では、光学センサ(160)は、基部(180)に装着されているように示されているが、光学センサ(160)は、基部(180)に装着されることに加えて、又はその代わりに、システム(100)内の他の場所に位置決めされ得る。例えば、試薬保管フレーム(107)のいくつかのバージョンは、頭上視野を提供するように位置決めされ構成された1つ以上の光学センサ(160)を含み得る。いくつかのそのようなバージョンでは、そのような光学センサ(160)は、レール、可動カンチレバーアーム、又はシステム(100)の動作中にそのような光学センサ(160)が再位置決めされることを可能にする他の構造に装着され得る。光学センサ(160)が位置決めされ得る他の好適な場所は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。図示されていないが、システム(100)はまた、光学センサ(160)による光学感知を補助する照明を提供するために、1つ以上の光源(例えば、エレクトロルミネセントパネルなど)を含み得る。
【0146】
いくつかのバージョンでは、光学センサ(160)によるシステム(100)の構成要素の可視化を容易にするために、1つ以上の鏡が使用される。そのような鏡は、光学センサ(160)が、そうでなければセンサ(160)の視野内にない可能性があるシステム(100)の構成要素を視認することを可能にし得る。そのような鏡は、光学センサ(160)に直接隣接して置かれ得る。加えて、又は代替において、そのような鏡は、光学センサ(160)によって視認されるシステム(100)の1つ以上の構成要素に隣接して置かれ得る。
【0147】
システム(100)の使用において、オペレータは、実行するプロトコルを(例えば、事前設定されたプロトコルのライブラリから)選択し得るか、又はユーザは、ユーザインターフェース(123)を介して新たなプロトコルを入力し得る(又は既存のプロトコルを修正し得る)。プロトコルにより、コントローラ(121)は、どの種類のプロセスチップ(111)を使用すべきか、試薬保管フレーム(107)内のバイアルの内容物が何であるべきか、及び試薬保管フレーム(107)内のどこにバイアルを置くべきかをオペレータに指示し得る。オペレータは、プロセスチップ(111)を着座装着具(115)に装填し、かつ所望の試薬バイアルを装填し、バイアルを試薬保管フレーム(107)に搬出し得る。システム(100)は、所望の周辺機器の存在を確認し、プロセスチップ(111)を識別し、試薬保管フレーム(107)内の各試薬及び製品バイアルの識別子(例えば、バーコード)をスキャンして、バイアルが選択されたプロトコルの試薬表と一致するのを容易にし得る。出発材料及び機器を確認した後、コントローラ(121)は、プロトコルを実行し得る。実行中、弁及びポンプが作動されて、以下でより詳細に記載されるように試薬を送達し、試薬が混ぜ合わされ、温度が制御され、反応が起こり、測定が行われ、生成物が試薬保管フレーム(107)内の宛先バイアルにポンプ圧送される。
【0148】
II.プロセスチップの例
図3及び
図4A~
図4Fは、プロセスチップ(200)の例を更に詳細に示す。プロセスチップ(200)は、システム(100)の残りの部分と組み合わせて、治療用ポリヌクレオチドを含むが、これに限定されない、治療用組成物のインビトロ合成、精製、濃縮、製剤化、及び分析を提供するために利用され得る。
図3に示されるように、この例のプロセスチップ(200)は、複数の流体ポート(220)を含む。各流体ポート(220)は、プロセスチップ(200)内に形成された関連付けられた流体チャネル(222)を有し、その結果、流体ポート(220)内に連通される流体は、対応する流体チャネル(222)を通って流れる。以下でより詳細に記載されるように、各流体ポート(220)は、対応する流体ライン(206)からの流体を流体インターフェースアセンブリ(109)から受容するように構成されている。本実施例では、各流体チャネル(222)は、以下でより詳細に記載されるように、対応する流体チャネル(222)からの流体がプロセスチップ(200)に沿って更に連通されることを選択的に阻止又は許容するように動作可能である、弁チャンバ(224)につながる。
【0149】
また、
図3に示されるように、この例のプロセスチップ(200)は、本明細書に記載される治療用組成物を産生するプロセス中に異なる目的を果たすために使用され得る、複数の追加のチャンバ(230、250、270)を含む。単なる例として、そのような追加のチャンバ(230、250、270)は、1つ以上の治療用組成物の合成、精製、透析、調合、及び濃縮を提供するために使用され得、又は任意の他の好適な機能を実施するために使用され得る。流体は、流体コネクタ(232)を介して1つのチャンバ(230)から別のチャンバ(230)に連通され得る。いくつかのバージョンでは、流体コネクタ(232)は、(例えば、弁チャンバ(224)と同様に)開状態と閉状態との間で、弁のように動作可能である。いくつかの他のバージョンでは、流体コネクタ(232)は、治療用組成物を作製するプロセス全体を通して開いたままである。本実施例では、チャンバ(230)は、ポリヌクレオチドの合成を提供するために使用されるが、チャンバ(230)は、代替的に、任意の他の好適な目的を果たし得る。
【0150】
図3に示される例では、別の弁チャンバ(234)が、チャンバ(230)のうちの1つとチャンバ(250)のうちの1つとの間に介在し、それにより、流体がチャンバ(230)からチャンバ(250)に選択的に連通され得る。チャンバ(250)は対で設けられ、プロセスチップ(200)がチャンバ(250)間で流体を前後に連通させ得るように、互いに結合される。本実施例では、一対のチャンバ(250)が設けられているが、1つのみのチャンバ(250)又は3つ以上のチャンバ(250)を含む、任意の他の好適な数のチャンバ(250)が使用され得る。チャンバ(250)は、流体の精製を提供するために使用され得、かつ/又は本明細書に記載される他の様々な目的のうちのいずれかを果たし得、また任意の好適な構成を有し得る。チャンバ(250)が精製のために使用されるバージョンでは、チャンバ(250)は、チャンバ(250)内の流体混合物から選択された部分を吸収するように構成された材料を含み得る。いくつかのそのようなバージョンでは、材料は、混合物から二本鎖mRNAを選択的に吸収し得るセルロース材料を含み得る。いくつかのそのようなバージョンでは、セルロース材料は、対のチャンバ(250)のうちの一方のチャンバ(250)のみに挿入され得、その結果、流体を対のうちの第1のチャンバ(250)から第2のチャンバ(250)へ混合すると、mRNA及び/又は何らかの他の成分が流体混合物から効果的に除去され得、次いで、このmRNA及び/又は何らかの他の成分は、更なる処理又は搬出のために更に下流の別の対のチャンバ(270)に移送され得る。代替的に、チャンバ(250)は、任意の他の好適な目的のために使用され得る。
【0151】
追加の弁チャンバ(252)は、流体が弁チャンバ(252)を介してチャンバ(250)からチャンバ(270)に選択的に連通され得るように、各チャンバ(250)と対応するチャンバ(270)との間に介在する。チャンバ(270)はまた、プロセスチップ(200)がチャンバ(270)間で流体を前後に連通させ得るように、互いに結合される。チャンバ(270)は、流体の混合を提供するために使用され得、かつ/又は本明細書に記載される他の様々な目的のうちのいずれかを果たし得、また任意の好適な構成を有し得る。
【0152】
図3に示されるように、チャンバ(270)はまた、対応する流体チャネル(223)及び弁チャンバ(225)を介して、追加の流体ポート(221)と結合される。流体ポート(221)、流体チャネル(223)、及び弁チャンバ(225)は、上に記載される流体ポート(220)、流体チャネル(222)、及び弁チャンバ(224)のように動作可能に構成され得る。いくつかのバージョンでは、流体ポート(221)は、追加の流体をチャンバ(270)に連通させるために使用される。加えて、又は代替において、流体ポート(221)は、流体をプロセスチップ(200)から別のデバイスに連通させるために使用され得る。例えば、チャンバ(270)からの流体は、流体ポート(221)を介して、別のプロセスチップ(200)、試薬保管フレーム(107)内の1つ以上のバイアル、又は他の場所に直接連通され得る。
【0153】
プロセスチップ(200)は、いくつかのリザーバチャンバ(260)を更に含む。この例では、各リザーバチャンバ(260)は、対応するチャンバ(250、270)に、又はそこから連通されている流体を受容し、かつ貯蔵するように構成される。各リザーバチャンバ(260)は、対応する入口弁チャンバ(262)及び出口弁チャンバ(264)を有する。各入口弁チャンバ(262)は、リザーバチャンバ(260)と対応するチャンバ(250、270)との間に介在し、それによって、リザーバチャンバ(260)と対応するチャンバ(250、270)との間の流体の流れを許容するか又は阻止するように動作可能である。各出口弁チャンバ(264)は、リザーバチャンバ(260)と対応する流体ポート(266)との間の流体の流れを計量するように動作可能である。いくつかのバージョンでは、各流体ポート(266)は、流体を、試薬保管フレーム(107)内の対応するバイアルから対応するリザーバチャンバ(260)に連通させるように構成されている。加えて、又は代替において、各流体ポート(266)は、流体を、対応するリザーバチャンバ(260)から試薬保管フレーム(107)内の対応するバイアルに連通させるように構成され得る。本実施例では、リザーバチャンバ(260)は、プロセスチップ(200)に、かつ/又はそこから連通される流体の計量を提供するために使用される。代替的に、リザーバチャンバ(260)は、プロセスチップ(200)に、かつ/又はそこから連通される流体を加圧することを含むが、これに限定されない、任意の他の好適な目的のために利用され得る。
【0154】
また、
図3に示されるように、この例のプロセスチップ(200)は、複数の圧力ポート(240)を含む。各圧力ポート(240)は、プロセスチップ(200)内に形成された関連付けられた圧力チャネル(244)を有し、その結果、圧力ポート(240)を通して連通された加圧ガスは、対応する圧力チャネル(244)を通して更に連通される。以下でより詳細に記載されるように、各圧力ポート(240)は、対応する圧力ライン(208)からの加圧ガスを流体インターフェースアセンブリ(109)から受容するように構成されている。本実施例では、各圧力チャネル(244)は、対応するチャンバ(224、225、230、234、250、252、260、262、264、270)につながり、それによって、以下でより詳細に記載されるように、そのようなチャンバ(224、225、230、234、250、252、260、262、264、270)を介して弁調節又は蠕動ポンプ圧送を提供する。
【0155】
プロセスチップ(200)はまた、電気接点、ピン、ピンソケット、容量性コイル、誘導性コイル、又はシステム(100)の他の構成要素との電気通信を提供するように構成された他の機構を含み得る。
図3に示す例では、プロセスチップ(200)は、そのような電気通信特徴部を含む電気的活性領域(212)を含む。電気的活性領域(212)は、電気回路及び他の電気部品を更に含み得る。いくつかのバージョンでは、電気的活性領域(212)は、電力、データなどの通信を提供し得る。電気的活性領域(212)は、プロセスチップ上の1つの特定の場所に示されているが、電気的活性領域(212)は、代替的に、任意の他の好適な1つの場所又は複数の場所に位置決めされ得る。いくつかのバージョンでは、電気的活性領域(212)は省略される。
【0156】
図4A~
図4Fに示されるように、プロセスチップ(200)は、第1のプレート(300)、弾性層(302)、第2のプレート(304)、及び第3のプレート(306)を更に含む。以下でより詳細に記載されるように、弾性層(302)のいくつかのバージョンは、可撓性膜の形態である。第1のプレート(300)は、上面(210)及び下面(310)を有し、下面(310)は、弾性層(302)と並置されている。第2のプレート(304)は、上面(312)及び下面(314)を有し、上面(312)は、弾性層(302)と並置されており、下面(314)は、第3のプレート(306)と並置されている。したがって、弾性層(302)は、第1のプレート(300)と第2のプレート(304)との間に介在する。本実施例では、第2のプレート(304)と第3のプレート(306)との間に別の弾性層(316)も介在するが、この弾性層(316)は、任意選択的である。
【0157】
本実施例のプレート(300、304、306)は、可視光及び/又は紫外線光に対して実質的に半透明である。「実質的に半透明」とは、半透明材料と比較して、光の少なくとも90%(場合によっては100%を含む)が材料を透過することを意味する。いくつかの変形例では、プレート(300、304、306)のうちの1つ以上は、可視光及び/又は紫外線光に対して実質的に透明である材料を含み得る。「実質的に」半透明とは、完全に透明な材料と比較して、光の少なくとも90%(場合によっては100%を含む)が材料を透過することを意味する。別の例として、プレート(300、304、306)のうちの1つ以上は、約0.4%~約15%を含む、又は約0.5%~約10%を含む、約0.2%~約20%の範囲の透過率における、約260nmの波長の紫外線光の透過を提供し得る。
【0158】
また、本実施例のプレート(300、304、306)は剛性でもある。いくつかの他のバージョンでは、プレート(300、304、306)のうちの1つ以上は半剛性である。プレート(300、304、306)は、ガラス、プラスチック、シリコーン、及び/又は任意の他の好適な材料を含み得る。いくつかのバージョンでは、プレート(300、304、306)のうちの1つ以上は、各プレート(300、304、306)が必ずしも単一の均質な材料の連続体として形成される必要がないように、材料の2つ以上の層の積層として形成される。プレート(300、304、306)のうちの1つを構成する材料はまた、他のプレート(300、304、306)を構成する材料と異なり得る。
【0159】
本実施例の弾性層(302)は、液体不透過性可撓性膜として形成される。いくつかのバージョンでは、弾性層(302)は、液体不透過性であるにもかかわらず、気体透過性である。いくつかのそのようなバージョンでは、弾性層(302)の特定の領域は、ガス透過性となるように処理されるが、弾性層(302)の未処理領域はガス不透過性である。以下に記載されるように、弾性層(302)は、蠕動ポンプ圧送作用を介してプロセスチップ(200)を横切って流体を駆動するために使用され得る。また、以下に記載されるように、弾性層(302)は、プロセスチップ(200)に沿った様々な場所に弁を提供するために使用され得る。いくつかのバージョンでは、弾性材料の単一のシートが、弾性層(302)を形成するためにプロセスチップ(200)の幅にわたって広がる。いくつかの他のバージョンでは、弾性層(302)を形成するために弾性材料の2つ以上の別個の片が使用され、そのような弾性材料の別個の片は、プロセスチップ(200)の幅にわたって異なる場所に位置決めされる。単なる例として、弾性層(302)は、ポリジメチルシリコーン(polydimethylsilicone、PDMS)エラストマーフィルムを構成する膜を含み得る。
【0160】
図4A~
図4Fで最もよく分かるように、第1及び第2のプレート(300、304)は、協働して複数のチャンバ(320、322、324、326)を画定し、弾性層(302)は各チャンバ(320、322、324、326)を対応する上部チャンバ領域(330)と下部チャンバ領域(332)とに二分する。
図3に示されるチャンバ(224、225、230、234、250、252、260、262、264、270)は、
図4A~
図4Fに示されるチャンバ(320、322、324、326)のように構成され、動作可能であり得る。例えば、チャンバ(320)はチャンバ(264)に類似し得、チャンバ(322)はチャンバ(260)に類似し得、チャンバ(324)はチャンバ(262)に類似し得、チャンバ(326)はチャンバ(250)に類似し得る。
【0161】
図4A~
図4Fに示されるように、流体ポート(220)は、第1のプレート(220)を通って形成される。対応する開口部(342)は、流体ポート(220)の下にある弾性層(302)の領域を通って形成される。流体チャネル(222)は、開口部(342)から第1のチャンバ(320)の下部チャンバ領域(332)まで延在する。上記のように、流体ポート(220)は、流体インターフェースアセンブリ(109)から流体ライン(206)を受容するように構成されている。流体ライン(206)の遠位端は、流体ポート(220)によって露出される弾性層(302)の領域に対して封止し、開口部(342)を通して流体(207)を連通させるように構成されている。いくつかのバージョンでは、ばね又は他の弾性部材は、流体ライン(206)に弾性付勢を提供し、流体ポート(220)によって露出される弾性層(302)の領域に対して流体ライン(206)の遠位端を付勢し、それによって封止を維持する。流体ライン(206)からの流体(207)は、流体チャネル(222)を介して第1のチャンバ(320)の下部チャンバ領域(332)に到達する。以下でより詳細に記載されるように、この流体(207)は、弾性層(302)を介して提供される蠕動ポンプ圧送作用によって、第1のチャンバ(320)から他のチャンバ(322、324、326)に更に連通され得る。第4のチャンバ(326)に到達した後、流体(207)は、プロセスチップ(200)内の他のチャンバ若しくは他の機構に更に連通され得、試薬保管フレーム(107)内の保管バイアルに連通され得るか、又は別様に処理され得る。したがって、流体(207)のための経路は、必ずしも第4のチャンバ(326)で終端する必要はない。
図3に示される他の流体ポート(221、266)のいずれも、
図4A~
図4Fに示される流体ポート(220)のように構成され、動作可能であり得ることも理解されたい。
【0162】
圧力ポート(240)は、第1のプレート(220)を通って形成される。対応する開口部(344)は、流体ポート(240)の下にある弾性層(302)の領域を通って形成される。圧力チャネル(244)は、開口部(344)から第1のチャンバ(320)の上部チャンバ領域(330)まで延在する。上記のように、圧力ポート(240)は、流体インターフェースアセンブリ(109)から圧力ライン(208)を受容し、それによって圧力源(117)から加圧ガスを受容するように構成されている。圧力ライン(208)の遠位端は、圧力ポート(240)によって露出される弾性層(302)の領域に対して封止し、開口部(344)を通して正圧ガス又は負圧ガスのいずれかを連通させるように構成されている。いくつかのバージョンでは、ばね又は他の弾性部材は、圧力ライン(208)に弾性付勢を提供し、圧力ポート(240)によって露出される弾性層(302)の領域に対して圧力ライン(208)の遠位端を付勢し、それによって封止を維持する。圧力ライン(208)からの正圧ガス又は負圧ガスは、圧力チャネル(244)を介して第4のチャンバ(326)の上部チャンバ領域(330)に到達する。
【0163】
図4A~
図4Fは、プロセスチップ(200)と結合されている1つの圧力ライン(208)のみを示すが、プロセスチップ(200)は、いくつかの結合された圧力ライン(208)を有し得、そのような圧力ライン(208)は、プロセスチップ(200)の対応するチャンバ(320、322、324、326)に正圧又は負圧を独立して印加する。いくつかのバージョンでは、チャンバ(320、322、324、326)のうちの1つ以上は、それ自体の専用圧力ライン(208)及び対応する圧力チャネル(244)を有する。加えて、又は代替において、チャンバ(320、322、324、326)のうちの1つ以上は、同じ圧力チャネル(244)を介して、又は別々の圧力チャネル(244)を介して、共通の圧力ライン(208)を共有し得る。
図4A~
図4Fは、第2のプレート(304)を通って形成された圧力チャネル(244)を示すが、いくつかの圧力チャネル(244)(又は圧力チャネル(244)の領域)は、第1のプレート(300)によって形成され得る。例えば、いくつかの圧力チャネル(244)(又は圧力チャネル(244)の領域)は、第1のプレート(300)の下面の凹部と弾性層(302)の上面との間に形成され得る。
【0164】
A.弾性層を介して駆動される弁調節及び蠕動ポンプ圧送の実施例
上記のように、弾性層(302)は、蠕動ポンプ圧送作用によってプロセスチップ(200)を通して流体を駆動し、弁作用を提供することによってプロセスチップ(200)を通る流体の移動を阻止するように動作し得る。そのような動作の一例が、
図4A~
図4Fを通して示されるシーケンスに示されている。この例では、チャンバ(320、324)は、弁チャンバとして機能し、チャンバ(322)は、計量チャンバとして機能する。チャンバ(326)は、合成、精製、透析、調合、濃縮、又はいくつかの他のプロセスがチャンバ(326)内で実施されるように、作業チャンバとして機能する。チャンバ(320、322、324、326)のこの構成、配置、及び使用法は、具体例として提供されている。チャンバ(320、322、324、326)は、代替的に、他の方法で構成、配置、及び使用され得る。
【0165】
図4Aは、流体がプロセスチップ(200)にまだ連通されておらず、かつ加圧ガスがまだプロセスチップ(200)に連通されていない状態のプロセスチップ(200)を示す。
図4Bでは、正圧ガスがチャンバ(324)の上部チャンバ領域(330)に連通され、負圧ガスがチャンバ(320、322)の上部領域(330)に連通され、流体(207)がチャンバ(320、322)に連通されている。この状態では、正圧ガスは、弾性層(302)がチャンバ(324)の下部チャンバ領域(332)の表面に接して着座するように、チャンバ(324)内の弾性層(302)の部分を変形させる。チャンバ(324)の下部チャンバ領域(332)の表面に接した、弾性層(302)のこの着座は、流体(207)がチャンバ(324)に進入することを阻止し、その結果、チャンバ(324)は、
図4Bに示される状態において閉鎖弁のように動作する。チャンバ(320、322)の上部チャンバ領域(330)内の負圧ガスは、チャンバ(320、322)内の弾性層(302)の対応する部分を、変形させ、チャンバ(320、322)の上部チャンバ領域(330)に接して着座させる。これにより、流体(207)がチャンバ(320、322)の全容量を占有することを可能にする。
【0166】
図4Bに示される状態に達した後、正圧ガスがチャンバ(320)の上部チャンバ領域(330)に連通される一方で、チャンバ(322、324)の空気圧状態は変化しないままであり得る。この結果、
図4Cに示す状態となる。示されるように、正圧ガスは、弾性層(302)がチャンバ(320)の下部チャンバ領域(332)の表面に接して着座するように、チャンバ(320)内の弾性層(302)の部分を変形させる。チャンバ(320)の下部チャンバ領域(332)の表面に接した、弾性層(302)のこの着座は、流体(207)をチャンバ(320)の外へ駆動し、チャンバ(320)が
図4Cに示される状態において閉鎖弁のように動作することをもたらす。しかしながら、チャンバ(322)内の流体(207)の体積は、
図4Cに示される状態において影響を受けない。したがって、チャンバ(322)は、正確な所定の体積の流体(207)のみがプロセスチップ(200)に沿って更に連通されるように、流体(207)の計量を提供するために使用され得る。単なる例として、そのような計量された体積は、およそ10nL、20nL、25nL、50nL、75nL、100nL、1マイクロリットル、5マイクロリットル程度などであり得る。
【0167】
適切な計量体積が達成されると、チャンバ(320、322)の空気圧状態が変化しないままであり得る一方で、負圧ガスがチャンバ(324、326)の上部チャンバ領域(330)に連通される。この結果、
図4Dに示す状態となる。示されるように、チャンバ(324、326)の上部チャンバ領域(330)内の負圧ガスは、チャンバ(324、326)内の弾性層(302)の対応する部分を、変形させ、チャンバ(324、326)の上部チャンバ領域(330)の表面に接して着座させる。これにより、チャンバ(324)によって形成される弁を効果的に開放し、チャンバ(326)を流体(207)を受容する状態にする。これはまた、流体(207)をチャンバ(322)からチャンバ(324)内に引き込む負圧をチャンバ(324)内に生み出す。
【0168】
チャンバ(324)によって形成される弁が開状態にあると、正圧ガスがチャンバ(322)の上部チャンバ領域(330)に連通される一方で、チャンバ(320、324、326)の空気圧状態は変化しないままであり得る。この結果、
図4Eに示す状態となる。示されるように、チャンバ(322)の上部チャンバ領域(330)内の正圧ガスは、チャンバ(322)内の弾性層(302)の対応する部分を、変形させ、チャンバ(322)の下部チャンバ領域(332)の表面に接して着座させる。弾性層(302)のこの変形は、流体(207)をチャンバ(322)の外へ駆動する。チャンバ(320)によって形成される弁は閉状態にあり、チャンバ(324)によって形成される弁は開状態にあるので、流体(207)は、チャンバ(322)からチャンバ(324)内に進む。本実施例では、チャンバ(322)の容量はチャンバ(324)の容量よりも大きく、その結果、チャンバ(322)からの流体(207)が、チャンバ(324)からチャンバ(326)へと溢れる。
【0169】
流体(207)がチャンバ(322)からチャンバ(324、326)に連通されると、正圧ガスがチャンバ(324)の上部チャンバ領域(330)に連通される一方で、チャンバ(320、322、326)の空気圧状態は変化しないままであり得る。この結果、
図4Fに示す状態となる。示されるように、チャンバ(324)の上部チャンバ領域(330)内の正圧ガスは、チャンバ(324)内の弾性層(302)の対応する部分を、変形させ、チャンバ(324)の下部チャンバ領域(332)の表面に接して着座させる。弾性層(302)のこの変形は、流体(207)をチャンバ(324)の外へ駆動する。チャンバ(324)内の弾性層(302)の変形した部分が、(例えば、チャンバ(324)が閉状態の弁のように動作しているように)チャンバ(324)からチャンバ(324)を効果的に封止しているので、流体(207)は、チャンバ(324)からチャンバ(326)内に進む。
【0170】
図4Fに示す段階では、流体(207)はチャンバ(320、332、324)から排出されており、チャンバ(326)は、チャンバ(322)内で正確に計量された量の流体(207)を収容している。チャンバ(326)内の流体(207)は、本明細書の教示に従って、チャンバ(326)内で更に処理され得る。加えて、又は代替において、チャンバ(326)内の流体(207)は、プロセスチップ(200)内の1つ以上の他のチャンバに連通され得るか、試薬保管フレーム(107)内のバイアルに連通され得るか、又は別様に取り扱われ得る。流体(207)がチャンバ(326)に到達した後に流体(207)を用いて何が行われたかにかかわらず、流体(207)は、正圧ガス又は負圧ガスがチャンバ(320、322、324、326)の上部チャンバ領域(330)に特定の順番で連通されていることに応答して、チャンバ(326)に到達するまで、弾性層(302)を通して生成された蠕動作用を介してチャンバ(320、322、324)に沿って順次連通されたことを理解されたい。そのような蠕動ポンプ圧送は、粘性であり得るか又は精製若しくは捕捉ビーズなどの懸濁粒子を含有し得る流体を移動させるために、特に有利であり得る。弾性層(302)の選択的な変形によるそのような蠕動ポンプ圧送は、空気バリア偏向又は「空気圧偏向(pneumodeflection)」とも称され得る。
【0171】
いくつかのシナリオでは、プロセスチップ(200)内の1つ以上の流体経路から、空気又は他のガスを除去することが望ましい場合がある。これを達成するために、プロセスチップ(200)は、流体経路の換気を提供するように、又は別様に流体経路からガスを排出するように構成された1つ以上のチャンバを含み得る。例えば、そのような換気又は排出は、流体が最初にプロセスチップ(200)に導入される際に、プライミングプロセスの一部として実施され得る。加えて、又は代替において、そのような換気又は排出は、治療用組成物を形成するプロセスの間に流体中に生成されるガスを解放するために実施され得る。そのような換気又はガス解放チャンバは、「真空キャップ」と称され得る。いくつかのバージョンでは、少なくとも、真空キャップ内に位置決めされている弾性層(302)の領域(弾性層(302)の全体ではない場合)は、ガス透過性である(一方、依然として液体不透過性である)。負圧ガスは、真空キャップとして使用されているチャンバの上部チャンバ領域(330)に印加され得、この負圧ガスは、弾性層(302)の対応する領域を通して流体経路から空気又はガスを引き出し得る。いくつかのバージョンでは、真空キャップとして使用されているチャンバの上部チャンバ領域(330)は、弾性層(302)の対応する領域が、真空キャップとして使用されているチャンバの上部チャンバ領域(330)の表面に接して完全に着座することを防止する、1つ以上の突起又はスタンドオフ機構を含む。これにより、真空キャップを介した空気又は他のガスの排出が更に促進され得る。
【0172】
B.混合段の実施例
チャンバ(270)は、(例えば、チャンバ(270)間で流体を前後に繰り返し連通させることによって)流体の混合を実施するために使用され得るが、チャンバに向かう流体経路に沿って異なって構成された混合段を提供することが望ましい場合がある。
図5は、プロセスチップ(111、200)に組み込まれ得るそのような混合段(400)の一例を示す。混合段(400)はまた、「混合器」と称され得、したがって、「混合器」及び「混合段」という用語は、互換的に読まれるべきである。この例の混合段(400)は、互いにオフセットされており、かつ一緒に組み合わされ得る1つ以上の物質(例えば、生体分子生成物、緩衝剤、担体、副成分)を輸送するように構成されている、2つの流体入口チャネル(402、404)を含む。2つの入口チャネル(402、404)が示されているが、3つ以上(4つ、5つ、6つなど)が使用され得、また同じ混合段(400)に収束し得る。流体混合物は、正圧下で入口チャネル(402、404)を通過し得る。この圧力は、一定、可変、増加、減少、及び/又は脈動であり得る。入口チャネル(402、404)は、本明細書に記載される様々な種類のチャンバ又は流体ポートのいずれかから流体を受容し得る。
【0173】
入口チャネル(402、404)は、合流チャネル(408)につながる交点(406)で収束する。本実施例では、合流チャネル(408)は、各入口チャネル(402、404)の断面積よりも小さい断面積を有する。低減された断面積は、入口チャネル(402、404)のチャネル高さよりも小さいチャネル高さ、及び/又は入口チャネル(402、404)のチャネル幅よりも小さいチャネル幅を含み得る。この低減された断面積は、入口チャネル(402、404)を介して導入される流体の混合を促進し得る。
【0174】
第1の渦混合チャンバ(414)は、合流チャネル(408)の下流に位置決めされており、流体は、入口開口部(410)を介して第1の渦混合チャンバ(414)に流入する。入口開口部(410)は、第1の渦混合チャンバ(414)の角の近くに位置決めされる。出口開口部(412)は、第1の渦混合チャンバ(414)の別の角の近くに位置決めされる。第1の渦混合チャンバ(414)は、合流チャネル(408)の高さ及び幅よりも大きい高さ及び幅を有する。これらのより大きな寸法は、入口開口部(410)及び出口開口部(412)の相対的な位置決めとともに、第1の渦混合チャンバ(414)内の渦の形成を促進し得る。そのような渦は、流体が第1の渦混合チャンバ(414)を通って流れるときに、流体の混合を更に促進し得る。
【0175】
接続チャネル(416)は、第1の渦混合チャンバ(414)を第2の渦混合チャネル(420)と接続する。接続チャネル(416)は、第1の渦混合チャンバ(414)の高さ及び幅よりも小さい高さ及び幅を有する。第2の渦混合チャネル(420)は、接続チャネル(416)の高さ及び幅よりも大きい高さ及び幅を有する。流体は、接続チャネル(416)から、第2の渦混合チャンバ(420)の角の近くに位置決めされた入口開口部(418)を介して第2の渦混合チャンバ(420)内に流れる。流体は、第2の渦混合チャンバ(420)から、第2の渦混合チャンバ(420)の別の角に位置決めされた出口開口部(422)を介して流出する。出口開口部(420)は、出口チャネル(424)につながる。出口チャネル(424)は、第2の渦混合チャンバ(420)の高さ及び幅よりも小さい高さ及び幅を有する。第2の渦混合チャンバ(420)のより大きな寸法(チャネル(416、424)の寸法に対して、並びに入口開口部(418)及び出口開口部(422)の相対的な位置決めは、第2の渦混合チャンバ(420)内の渦の形成を促進し得る。そのような渦は、流体が第2の渦混合チャンバ(420)を通って流れるときに、流体の混合を更に促進し得る。
【0176】
流体が出口チャネル(424)を通って流出するときまでに、流体は、混合段(400)によって十分に混合され得る。そのような混合流体は、更なる処理のために他のチャンバ又はポートに更に連通され得る。この例の混合段(400)は、2つの渦混合チャンバ(414、420)を有するが、他のバージョンは、1つだけの渦混合チャンバ又は3つ以上の渦混合チャンバを有し得る。
【0177】
図6は、2つの混合段を組み込んだプロセスチップ(500)の領域の一例を示す。この例では、第1の流体は、第1の入口弁(510)を通過し、次いで蛇行チャネルの形態の第1の流量制限器(520)を通り、次いで第1の真空キャップ(530)を通ってから、第1の混合段の第1の入口(540)に到達する。第2の流体は、第2の流体入口弁(512)を通過し、次いで蛇行チャネルの形態の第2の流量制限器(522)を通り、次いで第2の真空キャップ(532)を通ってから、第1の混合段の第2の入口(542)に到達する。入口(540、542)は、合流チャネル(544)を通る単一の流路を提供するように収束し、これは渦混合チャンバの第1のセット(550)につながる。第1のセット(550)の渦混合チャンバは、上に記載される渦混合チャンバ(414、420)のように構成され、動作可能であり得る。この例では、4つの渦混合チャンバが第1のセット(550)に含まれるが、第1のセット(550)は、代わりに、任意の他の好適な数の渦混合チャンバを有し得る。
【0178】
渦混合チャンバの第1のセット(550)を通って流れた後、流体は、第2の混合段の第1の入口(560)に到達する。第3の流体は、第3の流体入口弁(514)を通過し、次いで蛇行チャネルの形態の第3の流量制限器(524)を通り、次いで第3の真空キャップ(534)を通ってから、第2の混合段の第2の入口(562)に到達する。入口(560、562)は、合流チャネル(564)を通る単一の流路を提供するように収束し、これは渦混合チャンバの第2のセット(552)につながる。第2のセット(552)の渦混合チャンバは、上に記載される渦混合チャンバ(414、420)のように構成され、動作可能であり得る。この例では、2つの渦混合チャンバが第2のセット(552)に含まれるが、第2のセット(552)は、代わりに、任意の他の好適な数の渦混合チャンバを有し得る。
【0179】
渦混合チャンバの第2のセット(552)を通って流れた後、流体は、第4の真空キャップ(536)を通過する。第4の真空キャップ(536)を通過した後、流体は、渦混合チャンバの両方のセット(550、552)によって実質的に混合され得、いかなる気泡も、真空キャップ(530、532、534、536)によって除去されている場合がある。混合された流体は、第4の真空キャップ(536)を通過した後、更なる処理のために他のチャンバ又はポートに更に連通され得る。
【0180】
プロセスチップ(500)がどのように使用され得るかの一例では、ポリヌクレオチド(例えば、水中のmRNA)が、第1の入口弁(510)を介して導入され得る一方で、流体媒体(例えば、エタノール又は何らかの他の流体媒体)中の送達ビヒクル分子が、第2の入口弁(512)を介して導入され得る。これらの流体は、渦混合チャンバの第1のセット(550)を通して混合されて、複合ナノ粒子を形成し得る。希釈剤(例えば、クエン酸塩ベースの緩衝溶液又は他の種類の緩衝剤)は、第3の入口弁(514)を介して導入されて、希釈剤が渦混合チャンバの第2のセット(552)内で複合ナノ粒子と混合される際にpH調整を提供し得る。プロセスチップ(500)が使用され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0181】
前述の構造は、異なる供給源からの流体の混合がプロセスチップ(111、200、500)においてどのように実行され得るかの例である。プロセスチップ(111、200、500)内の異なる供給源からの流体の混合を提供するために、様々な他の種類の構造が使用され得ることが企図される。
【0182】
C.圧力感知段の例
いくつかのシナリオでは、プロセスチップ(111、200、500)内の流体の圧力を感知するように動作可能な1つ以上のセンサを提供することが望ましい場合がある。
図7A~
図7Bは、プロセスチップ(710)の一部分と、カメラ(702)と、コントローラ(121)と、を含む、圧力感知段(700)の一例を示す。以下に記載される特徴及び機能を含むことに加えて、プロセスチップ(710)は、プロセスチップ(111、200、500)の文脈において上に記載される他の特徴及び機能のいずれかを含み得る。換言すれば、圧力感知段(700)に関する以下の教示は、本明細書に記載の様々なプロセスチップ(111、200、500)のいずれにも容易に適用され得る。
【0183】
本実施例のカメラ(702)は、カメラ(702)がプロセスチップ(700)の光学的特徴部(760)の画像を捕捉し得る視野(704)を提供するように位置決めされている。コントローラ(121)は、カメラ(702)から画像信号を受信し、これらの画像信号を処理して、以下でより詳細に記載されるように流体圧力値を判定する。コントローラ(121)は、少なくともそのような判定された流体圧力値を使用して、様々なアルゴリズムを更に実行し得、これについても以下でより詳細に記載される。本実施例では、圧力感知段(700)のコントローラ(121)は、上に記載されるようにシステム(100)において他の動作を実施するために使用されるコントローラ(121)と同じである。いくつかの他のバージョンでは、少なくともカメラ(702)からの画像信号を使用して流体圧力値を判定するために、別々のコントローラが使用される。そのようなバージョンでは、別々のコントローラは、圧力ベースのアルゴリズムを実行するために、それらの判定された流体圧力値をコントローラ(121)に通信し得る。代替的に、判定された流体圧力値は、任意の他の好適なハードウェア構成要素によって、任意の他の好適な様式で利用され得る。
【0184】
本例のプロセスチップ(710)は、第1のプレート(720)、弾性層(730)、第2のプレート(740)、及び第3のプレート(750)を含む。弾性層(730)は、プレート(720、740)の間に介在する。第3のプレート(750)は、第2のプレート(740)と協働して、流体が流れ得るチャネル(742)を画定する。
図7A~
図7Bの左側のチャネル(742)の領域は、圧力感知段(700)の流体入口ポートとみなされ得、一方、
図7A~
図7Bの右側のチャネル(742)の領域は、圧力感知段(700)の流体出力ポートとみなされ得る。プロセスチップ(710)のプレート(720、740、750)は、プロセスチップ(200)のプレート(300、304、306)のように構成され、動作可能であり得る。同様に、プロセスチップ(710)の弾性層(730)は、プロセスチップ(200)の弾性層(302)のように構成され、動作可能であり得る。したがって、弾性層(730)は、弾性層(730)がプロセスチップ(710)の他のチャンバ内でも機能(例えば、弁調節、蠕動ポンプ圧送、換気など)を実施し得るように、プロセスチップ(710)の幅の全部又はかなりの部分にわたって延在し得る。
【0185】
第2のプレート(740)は、開口部(744)が弾性層(730)の一部分(732)をチャネル(742)内の流体に露出させるように、チャネル(742)と流体的に結合された開口部(744)を画定する。第1のプレート(720)は、第2のプレート(740)の開口部(744)と位置合わせされた開口部(722)を画定する。本実施例では、開口部(744)が、チャネル(742)内の流体が弾性層(730)の部分(732)に到達するための経路を提供し、開口部(722)が、弾性層(730)が変形するための隙間を提供する状態で、弾性層(730)の部分(732)は、チャネル(742)内の流体の正圧に応答して、
図7Bに示されるような変形された状態を達成し得る。
【0186】
光学的特徴部(760)は、弾性層(730)の部分(732)の頂部に位置決めされる。光学的特徴部(760)は、弾性層(730)とともに変形するように構成されている。例えば、
図7A(非加圧状態)から
図7B(加圧状態)への移行に示されるように、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)は、チャネル(742)内の流体の正圧に応答して、中心軸(central axis、CA)に沿って上向きに一緒に変形する。
【0187】
この例では、中心軸(CA)は、弾性層(730)が変形されていない状態(
図7A)にあるときは、弾性層(730)によって画定される平面に対して垂直であり、開口部(722)の半径方向中心に位置決めされている。
図7Bに示される加圧状態は、本明細書に記載される様々な動作のいずれかの間に、チャネル(742)の上流のある場所からチャネル(742)の下流の別の場所への流体の蠕動駆動中に生じ得る。加えて、又は代替において、
図7Bに示される加圧状態は、限定ではないが、チャネル(742)内の流体が試薬保管フレーム(107)内のすでに加圧された流体源からのものであること、周囲圧力の変化、配管による圧力損失、及び/又は様々な他の条件を含む、様々な他のシナリオにおいて生じ得る。光学的特徴部(760)が直接又は間接的にカメラ(702)の視野(704)内にある状態で、カメラ(702)は、光学的特徴部(760)の変形の画像を捕捉し、画像データをコントローラ(121)に送信するように動作可能である。コントローラ(121)は、以下でより詳細に記載されるように、画像データをチャネル(742)内の流体の圧力を示す圧力値に変換するように動作可能である。
【0188】
弾性層(730)及び光学的特徴部(760)は、チャネル(742)内の流体の正圧に応答して中心軸(CA)に沿って一緒に変形するので(
図7B)、弾性層(730)及び光学機構(760)はまた、中心軸(CA)に対して横方向の横方向寸法(lateral dimension、LD)に沿って変形し得る。以下でより詳細に記載されるように、カメラ(702)及びコントローラ(121)は、チャネル(742)内の流体の圧力を判定するために、横方向寸法(LD)に沿ってこの「横方向変形」を特に追跡するように動作され得る。弾性層(730)及び光学的特徴部(760)のそのような横方向の変形は、中心軸(CA)に沿った弾性層(730)及び光学的特徴部(760)の変形を追跡することに加えて、又はその代わりに追跡され得る。
【0189】
図7Bは、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)が、チャネル(742)内の流体の正圧に応じて中心軸(CA)に沿って上向きに変形しているのを示しているが、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)が、チャネル(742)内の流体の負圧に応じて中心軸(CA)に沿って下向きに変形するシナリオもあり得る。そのようなシナリオでは、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)はまた、上に記載されるような横方向の変形を達成し得る。したがって、カメラ(702)及びコントローラ(121)は、圧力が正である(中心軸(CA)に沿って上向きの変形をもたらす)か、又は負である(中心軸(CA)に沿って下向きの変形をもたらす)かにかかわらず、チャネル(742)内の流体の圧力を判定するために、この横方向の変形を追跡するように動作され得る。
【0190】
図8に示されるように、光学的特徴部(760)は、開口部(722)の全半径方向距離(D
1)にわたって広がる。代替的に、光学的特徴部(760)は、開口部(722)の全半径方向距離(D
1)の一部分のみにわたって広がり得る。いくつかのバージョンでは、光学的特徴部(760)の特定の環状領域(762)を介して弾性層(730)の横方向変形を追跡することが望ましい場合がある。換言すれば、光学的特徴部(760)の環状領域(762)内で光学的特徴部(760)を光学的に追跡することによって、弾性層(730)の特定の環状領域の変形を追跡することが望ましい場合がある。この例では、環状領域(762)は、中心軸(CA)から半径方向外向きにオフセットされており、開口部(722)の外周から半径方向内側にオフセットされている。環状領域(762)は、第1の部分的な半径方向距離(D
2)と第2の部分的な半径方向距離(D
3)との間に画定される。したがって、環状領域(762)は、これらの部分的な半径方向距離(D
2、D
3)の間に半径方向寸法(D
4)を有する。
【0191】
単なる例として、開口部(722)は、約0.75mm~約3.5mmの範囲の全半径方向距離(D1)であり得る。更なる単なる例として、第1の部分的な半径方向距離(D2)は、約0.2mm~約2.0mmの範囲であり得る。更なる単なる例として、第2の部分的な半径方向距離(D3)は、約1.0mm~約3.0mmの範囲であり得る。更なる単なる例として、環状領域(762)の半径方向寸法(D4)は、約0.5mm~約2.25mmの範囲であり得る。別の例として、光学的特徴部(760)は、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲の距離だけ互いに離間した同心リングの形態を採り得る。
【0192】
本例では、光学的特徴部(760)は、弾性層(730)の弾性に影響を及ぼさない。いくつかのバージョンでは、光学的特徴部(760)は、接着剤を介して弾性層(730)に接着される。いくつかの他のバージョンでは、光学的特徴部(760)は、弾性層(730)に適用されるフィルムの形態である。いくつかの他のバージョンでは、光学的特徴部(760)は、弾性層(730)上に直接印刷される。いくつかの他のバージョンでは、光学的特徴部(760)は、弾性層(730)上に刻まれる。いくつかの他のバージョンでは、光学的特徴部(760)は、弾性層(730)上のテクスチャとして形成される。代替的に、光学的特徴部(760)は、任意の他の好適な様式で弾性層(730)に固着され得るか、又は別様に組み込まれ得る。いくつかのバージョンでは、光学的特徴部(760)は、開口部(722)の全半径方向距離(D
1)によって画定されるように、弾性層(730)の部分(732)の全領域にわたって広がる。いくつかの他のバージョンでは、光学的特徴部(760)は、開口部(722)内の弾性層(730)の部分(732)の全領域にわたって広がることなく、開口部(722)内の弾性層(730)の部分(732)の1つ以上の別個の領域上にのみ位置決めされる。例えば、いくつかのバージョンでは、光学的特徴部(760)は、
図8に示される環状領域(762)内にのみ位置決めされており、その結果、光学特徴部(760)は、第1の部分的な半径方向距離(D
2)を通って、又は第2の部分的な半径方向距離(D
3)と完全な半径方向距離(D
1)との間の空間を通って延在しない。
【0193】
本実施例では、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)の圧力感知部分(732)は、弾性層(730)及び光学的特徴部(760)の変形が、少なくともチャネル(742)内の流体の圧力と大気圧との間の差を使用するように、大気に露出される。いくつかの他のバージョンでは、弾性層(730)の圧力感知部分(732)及び光学的特徴部(760)の、上方のプロセスチップ(700)の領域は、囲繞され、システム(100)によって既知の圧力レベルで加圧される流体経路に露出され得る。そのようなシナリオでは、コントローラ(121)は、この既知のシステム生成圧力レベルに対するチャネル(742)内の流体の圧力を測定し得る。そのようなバージョンは、弾性層(730)の圧力感知部分(732)及び光学的特徴部(760)が大気に露出されるバージョンにおいて別様に発生し得る様式で、大気圧の変化が圧力感知プロセスに影響を及ぼすことを防止し得る。
【0194】
III.動的光散乱を介した粒子サイズ感知の例
上記のように、1つ以上のプロセスチップ(111、200、500)は、ポリヌクレオチド治療薬(例えば、mRNA治療薬など)を調製するために利用され得る。例えば、水中のmRNAなどのポリヌクレオチドは、エタノール中の1つの送達ビヒクル分子又は複数の送達ビヒクル分子と混合されて、複合体ナノ粒子を形成し得る。mRNA治療用組成物を調製するためにプロセスチップ(111、200、500)が利用されるいくつかのシナリオでは、直径が100nm程度の粒子内にmRNAをカプセル化することが望ましい場合がある。カプセル化のプロセスは、上に記載される混合段(400)などの混合段を介したmRNAと送達ビヒクル分子との調整された混合を含み得る。このような送達ビヒクル分子としては、リピトイド系分子(例えば、アミノ脂質化ペプトイド)が挙げられ得る。このプロセスの間、混合段(400)の温度は、混合段(400)における混合のための混合を強化するように較正される温度若しくは温度範囲(例えば、約2℃~約20℃)に制御され得る。高められた混合温度は、混合チャンバの特定の幾何形状内で混合される製剤(いくつかの例では、mRNA及び/又は送達ビヒクルの配列)に基づき得る。
【0195】
本明細書で使用される場合、「送達ビヒクル」は、標的細胞若しくは組織(例えば、腫瘍など)へのポリヌクレオチドのインビボ、インビトロ、又はエクスビボ送達を少なくとも部分的に容易にする任意の物質を指す。送達ビヒクルとして何かを言及することは、送達ビヒクルが治療効果も有する可能性を排除する必要はない。送達ビヒクルのいくつかのバージョンは、更なる治療効果を提供し得る。いくつかのバージョンでは、送達ビヒクルは、mRNAを少なくとも部分的にカプセル化し得るアミノ-脂質化ペプトイド送達ビヒクルであり得る。
【0196】
混合チャンバ(414、420、550、552)の形状、流量、化学組成、及び混合比の変動は全て、粒子サイズ及び/又はサイズ分布に影響を及ぼす可能性があり、これは次に治療有効性に影響を及ぼす可能性がある。これらの変動は、プロセス制御の制限に起因して生じる場合があるが、これらの変動はまた、プロセスの動的性質に起因して経時的に変化する場合もある。例えば、材料は、経時的に混合チャンバ(414、420、550、552)の壁に堆積及び蓄積し、それによって混合チャンバ(414、420、550、552)の特性を変化させ、それによって混合チャンバ(414、420、550、552)からの出力を変化させる場合がある。いくつかのそのような変化は、ある程度まで許容可能であり得るが、混合チャンバ(414、420、550、552)の出力が許容範囲を超えて逸脱したかどうかを監視するための品質管理特徴を提供することが有益であり得る。流体がプロセスチップ(111、200、500)から外部品質管理段に連通されることを必要とせずに、そのような品質管理特徴がプロセスチップ(111、200、500)上でそのような監視を提供することが更に望ましい場合がある。
【0197】
上に提供されたカプセル化されたmRNA粒子の例の文脈において、変動し得る混合チャンバ(414、420、550、552)出力パラメータは、カプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又はサイズ分布を含む。混合チャンバ(414、420、550、552)からのカプセル化されたmRNAの粒子サイズ及び/又はサイズ分布が許容範囲を超えて逸脱した場合、そのような逸脱は、混合チャンバ(414、420、550、552)の壁上の材料の過剰な蓄積及び/又は他の望ましくない状態を示し得る。更に、カプセル化されたmRNAの許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布によって、そのようなカプセル化されたmRNA粒子は治療において使用不能になる場合があり、したがって、粒子サイズ及び/又はサイズ分布が許容範囲を超えて逸脱しているカプセル化されたmRNA粒子を出力している任意の混合チャンバ(414、420、550、552)からの出力を直ちに停止することが望ましい場合がある。
【0198】
粒子(例えば、カプセル化されたmRNA粒子など)のサイズ及び/又はサイズ分布を測定するために使用され得る1つの方法は、動的光散乱(DLS)である。DLSは、粒子を含有する液体に、光を投射することを含み、液体中の粒子は、光を散乱させる。光学センサを使用して、粒子によって散乱された光のパターンを感知する。この散乱パターンは、粒子がブラウン運動を通じて液体中に分散するにつれて経時的に変化する。ブラウン運動により、粒子は最初に高度に相関されている可能性があり、その後、最終的には無相関状態に遷移する。自己相関は、経時的な散乱パターンの変化を追跡するために使用され得る。自己相関関数を経時的にプロットすると、得られた曲線を分析して粒子拡散を判定し得、これを使用して、粒子サイズ及び/又はサイズ分布を判定し得る。いくつかのシナリオでは、自己相関関数曲線の形状は、1つ以上の混合チャンバ(414、420、550、552)を通して実施されたカプセル化プロセスが成功した(すなわち、許容範囲内にある)かどうかを示し得る。
【0199】
以下の例は、DLSがプロセスチップ(111、200、500)にどのように組み込まれ得るかを示す。これらの例は、カプセル化されたmRNA粒子の文脈において提供されるが、同じ教示は、何らかの他の種類の粒子がプロセスチップ(111、200、500)を通して生成されている他の文脈に容易に適用され得る。同様に、これらの例は、混合チャンバからの出力の文脈において提供されるが、同じ教示は、プロセスチップ(111、200、500)内の他の種類の段からの出力に容易に適用され得る。したがって、以下の教示は、カプセル化されたmRNA粒子、又は混合チャンバからの出力に必ずしも限定されない。
【0200】
A.動的光散乱のためのプロセスチップ構成の例
図9~
図11は、プロセスチップ(800)及び本体(900)の一例を示す。この例のプロセスチップ(800)は、カプセル化されたmRNA粒子を生成するために使用され得、一方、本体(900)は、以下に記載されるような他の光学的構成要素と結合されて、動的光散乱段を提供し得る。この例のプロセスチップ(800)は、概ね正方形形状を有し、本体(900)は、正方形形状の角の近くに位置決めされている。そのような位置決めにより、プロセスチップ(800)の上面(806)上への本体(900)の侵入を最小化し得、それによって、他の構成要素がプロセスチップ(800)の上面(806)上に位置決めされる余地が残され、かつ本体(900)がセンサ(105、160)又はカメラ(702)などによって視覚的に観察される必要があり得るプロセスチップ(800)の領域を実質的に覆い隠すことを、防止し得る。以下に別段の記載がある場合を除いて、プロセスチップ(800)は、上に記載されるプロセスチップ(111、200、500)のように構成され、動作可能であり得る。
【0201】
図10で最もよく分かるように、この例のプロセスチップ(800)は、複数の流体チャネル(802)を含む。各流体チャネル(802)は、流体ポート(804)を有し、それによって、流体は、対応する流体ポート(804)を介して流体チャネル(802)に連通され得る。いくつかの流体ポート(804)は、試薬保管フレーム(107)内の対応するバイアルから流体を受容し得る。加えて、又は代替において、いくつかの流体ポート(804)は、別のプロセスチップ(111、200、500)の対応する流体出力から流体を受容し得る。代替的に、流体ポート(804)は、任意の他の好適な供給源から流体を受容し得る。
【0202】
流体チャネル(802)は、プロセスチップ(800)に一体化されているいくつかの混合アセンブリ(820)につながっている。いくつかのバージョンでは、プロセスチップ(800)上の全ての混合アセンブリ(820)は、同じ種類の流体入力を有し、全てが同じ種類の流体出力を生成するように意図されている。
図12で最もよく分かるように、各混合アセンブリ(820)は、1組の真空キャップ(822)と、1組の入口弁(824)と、1組の混合チャンバ(830、840)と、を含む。他の混合アセンブリ(820)を代表するものとして1つの混合アセンブリ(820)を参照すると、混合アセンブリ(820)は、第1の流体チャネル(802a)から流体を受容する第1の真空キャップ(822a)と、第2の流体チャネル(802b)から流体を受容する第2の真空キャップ(822b)と、第3の流体チャネル(802c)から流体を受容する第3の真空キャップ(822c)と、を含む。第1の弁(824a)は、第1の真空キャップ(822a)から第1の混合チャンバ(830)へとつながる第1のチャネル(826a)への流体の流れを計量する。第2の弁(824b)は、第2の真空キャップ(822b)から第1の混合チャンバ(830)へとつながる入口チャネル(826b)への流体の流れを計量する。チャネル(826a、826b)は合流して、第1の混合チャンバ(830)につながる入口チャネル(832)を形成する。したがって、チャネル(826a、826b)からの流体は、第1の混合チャンバ(830)内で一緒に混合される。
【0203】
第3の弁(824c)は、第3の真空キャップ(822c)から第2の混合チャンバ(840)へとつながる第3のチャネル(826c)への流体の流れを計量する。第1の混合チャンバ(830)からの出口チャネル(834)は、第3のチャネル(826c)と合流して、第2の混合チャンバ(840)につながる入口チャネル(842)を形成する。したがって、チャネル(834、826c)からの流体は、第2の混合チャンバ(840)内で一緒に混合される。第2の混合チャンバ(840)内で混合された流体は、出口チャネル(844)を通して出力される。
【0204】
カプセル化されたmRNAを提供するために混合アセンブリが使用されるいくつかのバージョンでは、mRNAと水との組み合わせは、第1の流体チャネル(802a)を通って連通され得、エタノール中の送達ビヒクル分子は、第2の流体チャネル(802b)を通って連通され得る。したがって、そのようなバージョンでは、mRNA及び送達ビヒクル分子は、第1の混合チャンバ(830)内でカプセル化のために組み合わされ得る。希釈剤(例えば、クエン酸系緩衝溶液など)は、第3の流体チャネル(802c)を通って連通され得る。したがって、そのようなバージョンでは、第2の混合チャンバ(840)は、pH調整を提供するために使用され得る。いくつかの変形例では、mRNA及び水は、第1の流体チャネル(802a)の上流にある別の混合チャンバ(図示せず)内で組み合わされる。同様に、送達ビヒクル分子及びエタノールは、第2の流体チャネル(802b)の上流にある別の混合チャンバ(図示せず)内で組み合わされ得る。
【0205】
追加のチャネル(852)は、開口部(850)を介して出口チャネル(844)と流体的に結合される。チャネル(852)は、試薬保管フレーム(107)内の収集バイアル(例えば、保管などのため)、別のプロセスチップ(111、200、500、800)(例えば、更なる処理などのため)、又は他のものと流体的に結合され得る。別の弁(854)は、出口チャネル(844)及び開口部(850)の下流に、かつマニホールド入口チャネル(856)の上流に位置決めされる。弁(854)が閉状態にあるとき、出口チャネル(844)からの流体は、開口部(850)及びチャネル(852)のみを通って流れ得る。弁(854)が開状態にあるとき、出口チャネル(844)からの流体の少なくとも一部は、マニホールド入口チャネル(856)を通って流れ得る。いくつかの変形例では、別の弁(図示せず)がチャネル(852)内に置かれる。そのようなバージョンでは、出口チャネル(844)からの流体が、マニホールド入口チャネル(856)のみを通って流れ、チャネル(852)を通って流れないことを確実にするために、この、他の弁は、弁(854)が開状態にあるときに、閉状態に移行され得る。チャネル(852)内の、この、他の弁は、弁(854)が閉状態にあるときに開状態に移行され得る。
【0206】
全ての混合段(820)のマニホールド入口チャネル(856)は全て、共有マニホールドチャネル(858)と流体的に結合されており、共有マニホールドチャネル(858)は最終的にマニホールド出口チャネル(860)につながる。したがって、チャネル(856、858、860)は協働してマニホールドを形成する。本実施例では、弁(854)は、1つのマニホールド入口チャネル(856)のみからの流体が任意の所与の時間にチャネル(858、860)に連通されるように動作され得る。換言すれば、プロセスチップ(800)のいくつかの動作モードの間、任意の所与の瞬間に1つの弁(854)のみが開状態にあり、他の弁(854)は閉状態にある。これは、1つの混合アセンブリ(820)のみの出力が、任意の所与の時間に(以下でより詳細に記載されるように)DLS試験に供されることを確実にし得る。いくつかのシナリオでは、全ての弁(854)は、特定の時間期間の間、閉状態であり得る。
【0207】
図10に戻って参照すると、この例のプロセスチップ(800)は、3つの圧力感知領域(810)を含む。第1の圧力感知領域(810a)は、第1の圧力感知領域(810a)が第1の流体チャネル(804a)内の流体の圧力を検出し得るように、第1の流体チャネル(804a)と流体的に結合されている。第2の圧力感知領域(810b)は、第2の圧力感知領域(810b)が第2の流体チャネル(804b)内の流体の圧力を検出し得るように、第2の流体チャネル(804b)と流体的に結合されている。第3の圧力感知領域(810c)は、第3の圧力感知領域(810c)が第3の流体チャネル(804c)内の流体の圧力を検出し得るように、第3の流体チャネル(804c)と流体的に結合されている。圧力感知領域(810)は、上に記載される圧力感知段(700)のように構成され動作可能な圧力感知段の一部であり得る。
図10は、1組の圧力感知領域(810)が1つの混合アセンブリ(820)のみと結合されていることを示すが、他のバージョンは、全ての各混合アセンブリ(820)に対して圧力感知領域(810)の同じ配置で構成され得る。
【0208】
以下でより詳細に記載されるように、圧力感知領域(810)における圧力感知段は、混合アセンブリ(820)内への流体入口に関連付けられた圧力データを提供し得、この圧力データを使用して、混合アセンブリ(820)を通る流体流量を判定し得る。そのような流量は、混合アセンブリ(820)が許容可能なパラメータ内で動作しているかどうかを判定するために、DLS段からの粒子サイズ及び/又はサイズ分布データと相関され得る。換言すれば、DLSデータが、カプセル化されたmRNAの粒子サイズ及び/又はサイズ分布が許容範囲を超えて逸脱していることを示すときに、圧力感知領域(810)における圧力感知段からのデータは、対応する故障がプロセスチップ(800)内のどこで発生しているかの更なる指示を提供し得る。
【0209】
図13~
図15は、プロセスチップ(800)に統合されるDLS段の構成要素を示す。示されるように、混合アセンブリ(820)からのマニホールド出口チャネル(860)は、DLSチャンバ(870)に向かってつながる。本実施例では、マニホールド出口チャネル(860)からの流体は、DLSチャンバ(870)の入口チャネル(872)に到達する前に、DLS前段(890)を通過する。いくつかのバージョンでは、DLS前段(890)は、希釈段を含み、希釈段は、流体がDLSチャンバ(870)に到達する前に流体を希釈する。そのような希釈段は、任意の好適な様式で構成され、動作可能であり得る。加えて、又は代替において、DLS前段(890)は、任意の他の好適な形態を採り得、任意の他の好適な機能(例えば、換気など)を提供し得る。いくつかのバージョンでは、DLS前段(890)は省略される。
【0210】
図14~
図15で最もよく分かるように、本実施例のDLSチャンバ(870)は、円形上壁(876)と、円形下壁(878)と、壁(876、878)間に延在する円筒形側壁(880)と、を含む。壁(876、878)及び側壁(880)は、協働して中空内部を画定する。入口チャネル(872)は、円形下壁(878)の近くの側壁(880)を通して、DLSチャンバの中空内部への流体入口を提供する。出口チャネル(874)は、円形上壁(876)の近くの側壁(880)を通して、DLSチャンバの中空内部からの流体出口を提供する。DLSチャンバ(870)の端部から見ると、チャネル(872、874)は、側壁(880)に対して概ね接線方向に配向され、かつ約180°だけ互いに角度的に離間している。DLSチャンバ(870)の円筒状構成は、チャネル(872、874)の鉛直位置決め及び接線方向配向とともに、DLSチャンバ(870)の内部を通る流体の掃引流を提供し得、これは、そうでなければDLSプロセスに悪影響を及ぼす可能性があるDLSチャンバ(870)からの気泡の除去を支援し得る。いくつかのシナリオでは、この流れは、DLSプロセス中にDLSチャンバ(870)内で実質的に停止される。
【0211】
DLSチャンバ(870)は、本実施例では(例えば、円形断面形状を有する)円筒状構成を有するが、DLSチャンバ(870)は、代替的に、任意の他の好適な構成を有し得る。例えば、DLSチャンバ(870)は、示されるような円形断面形状の代わりに、楕円形断面形状(上から下に見て)、vesica piscis形断面形状(上から下に見て)、又は任意の他の好適な断面形状を有し得る。同様に、チャネル(872、874)は、概ね矩形断面形状を有するものとして示されているが、チャネル(872、874)は、任意の他の好適な断面形状を有し得る。単なる例として、チャネル(872、874)のいくつかのバージョンは、鉛直寸法に沿って、かつ/又は水平寸法に沿って、先細になり得る。いくつかのそのようなバージョンでは、先細のより広い端部がDLSチャンバ(870)にあり、先細のより狭い端部がDLSチャンバ(870)から更に離れている場合がある。そのような先細は、直線状及び/又は曲線状であり得る。
【0212】
以下でより詳細に記載されるように、DLSプロセスは、光がDLSチャンバ(870)内の流体中にある粒子から散乱するように、光をDLSチャンバ(870)内に投射することを含む。散乱光は検出され、処理されて、自己相関曲線を確立する。本実施例では、投射及び散乱光は、DLSチャンバ(870)の上方のプロセスチップ(800)の領域を通過する。したがって、プロセスチップ(800)の少なくともこの領域は、光透過性材料(例えば、ガラス、プラスチック、シリコーン、及び/又は任意の他の好適な材料)を含む。そのような材料は、そのような材料が、(そうでなければDLS読み取り値の精度に悪影響を及ぼす可能性がある)光の追加の散乱を引き起こすことなく、投射され散乱された光がプロセスチップ(800)の上面(806)とDLSチャンバ(870)との間の領域を通過することを可能にし得る。
【0213】
加えて、円形下壁(878)にある、若しくはその下にあるプロセスチップ(800)の領域、及び/又はプロセスチップ(800)の他の領域は、光吸収材料を含み得る。例えば、そのような材料は、プロセスチップ(800)の下面(808)の領域に塗布され得るか、又は下面(808)とDLSチャンバ(870)の円形下壁(878)との間のどこかに塗布され得る。そのような光吸収材料は、そうでなければ起こる可能性のあるDLSチャンバ(870)への周囲光の侵入を阻止又は最小化し得る。いくつかのバージョンでは、円形下壁(878)及び側壁(880)は、光を散乱させない不透明材料でコーティングされる。別の変形例として、円形下壁(878)及び/又はプロセスチップ(800)の他の領域における又はその下の材料は、本体(900)内の感知光ファイバ(1020)(
図16)から離れるように光を指向的に反射するように配向されるか、又は別様に構成され得る。例えば、くさび形のスモークガラス片などが、円形下壁(878)及び/又はプロセスチップ(800)の他の領域に又はその下に位置決めされ得る。
【0214】
本実施例のプロセスチップ(800)は、DLSチャンバ(870)の出口チャネル(874)と流体的に結合されたDLS後段(892)を更に含む。いくつかのバージョンでは、DLS後段(892)をDLS前段(890)と組み合わせて使用して、DLSチャンバ(870)内で試験される流体から気泡をパージする。例えば、流体は、段(890、892)の間で前後にポンプ圧送されてから、DLSプロセスのためにDLSチャンバ(870)内で静置することを可能にし得る。加えて、又は代替において、DLS後段(892)は、任意の他の好適な形態を採り得、任意の他の好適な機能(例えば、換気など)を提供し得る。いくつかのバージョンでは、DLS後段(892)は省略される。出口チャネル(896)は、DLS後段(892)と流体的に結合され、出力ポート(898)につながる。したがって、DLSチャンバ(870)を通過した流体は、最終的に、出口チャネル(896)及び出力ポート(898)を介してプロセスチップ(800)から外へ連通され得る。DLS後段(892)が省略されるバージョンでは、DLSチャンバ(870)の出口チャネル(874)は、出力ポート(898)と直接流体的に結合され得る。
【0215】
いくつかのバージョンでは、出力ポート(898)からの流体は、廃棄物貯蔵区画に連通される。そのような廃棄物貯蔵区画は、別のプロセスチップ(111、200、500)内、試薬保管フレーム(107)内、又は他の場所に位置し得る。いくつかの他のバージョンでは、出力ポート(898)からの流体は、治療用組成物を形成するために更に処理される。そのような更なる処理は、流体を別のプロセスチップ(111、200、500、800)、試薬保管フレーム(107)内のバイアル、又は他の場所に連通させることを含み得る。別の選択肢として、出力ポート(898)からの流体は、何らかの他の品質管理試験において(例えば、別のプロセスチップ(111、200、500、800)又は他の場所で)使用され得る。代替的に、出力ポート(898)からの流体は、任意の他の好適な様式で取り扱われ得る。
【0216】
B.動的光散乱のための光学的構成要素の実施例
図16~
図20は、本体(900)をより詳細に示す。本実施例の本体(900)は、細長い鉛直部分(910)と、横方向部分(920)と、装着フランジ(930)と、を含む。鉛直部分(910)は、上部チャネル(912)と、上部チャネル(912)の下方に位置決めされたレンズ着座領域(915)と、レンズ着座領域(915)の下方に位置決めされた閉じた集束体積(916)とを画定する。
図16~
図17に示されるように、上部チャネル(912)は、コリメータ(1000)を受容するようにサイズ決めされる。レンズ着座領域(915)は、集束レンズ(1002)を受容するようにサイズ決めされる。クランプフランジ(914)は、鉛直部分(910)から横方向に延出する。コリメータ(1000)が上部チャネル(912)内に挿入されると、ねじ又は他の構成要素がクランプフランジ(914)に固着し得、それにより、鉛直部分(910)がコリメータ(1000)を把持し、コリメータ(1000)を上部チャネル(912)内にしっかりと保持し得る。代替的に、コリメータ(1000)は、任意の他の好適な様式で保持され得る。集束レンズ(1002)は、コリメータ(1000)と閉じた集束体積(916)との間に捕捉される。閉じた集束容積(916)は、本体(900)の下面(902)を通って形成された開口部(918)に向かって先細になる円錐形の光路を画定する。本実施例では、閉じた集束容積(916)の側壁(917)は、光吸収材料を含む。以下でより詳細に記載されるように、鉛直部分(910)は、第1の軸(A
1)に沿って開口部(918)を通る光の投射を提供する。
【0217】
横方向部分(920)は、鉛直部分(910)から横方向に延在する。横方向部分(920)は、上部チャネル(922)及び下部チャネル(928)を画定し、フィルタスロット(926)が下部チャネル(928)を遮断している。
図16に示されるように、上部チャネル(922)は、感知光ファイバ(1020)を受容するようにサイズ決めされる。いくつかのバージョンでは、感知光ファイバ(1020)は、マルチモードファイバである。いくつかのそのようなバージョンでは、感知光ファイバ(1020)は、約50μm~約400μmの範囲、又は約50μmのコア直径を有する。いくつかの他のバージョンでは、感知光ファイバ(1020)は、シングルモードファイバである。いくつかのそのようなバージョンでは、感知光ファイバ(1020)は、約2μm~約11μmの範囲、又は約5μmのコア直径を有する。
【0218】
感知光ファイバ(1020)が上部チャネル(922)に挿入されると、ねじ(924)が横方向部分(920)に挿入され、締め付けられ得、それによって横方向部分(920)が感知光ファイバ(1020)を固着し、感知光ファイバ(1020)を上部チャネル(922)内にしっかりと保持し得る。本実施例では、フェルール(図示せず)が、横方向部分(920)に挿入される感知光ファイバ(1020)の領域の周りに位置決めされ、それによって横方向部分(920)は、フェルールを介して感知光ファイバ(1020)を効果的に把持する。代替的に、感知光ファイバ(1020)は、任意の他の好適な様式で保持され得る。下部チャネル(928)は、本体(900)の下面(902)を通って形成された開口部(929)につながる円筒形の光路を画定する。本実施例では、下部チャネル(928)は光吸収材料を含む。以下でより詳細に記載されるように、横方向部分(920)は、第2の軸(A
2)に沿って開口部(929)を通って受容された光の伝達を提供する。
図19~
図20で最もよく分かるように、本実施例では、開口部(918、929)は、開口部(918、929)が互いに重なり合わないように、互いに離間している。
【0219】
図17に示されるように、光学フィルタ(1004)は、フィルタスロット(926)に挿入され得る。したがって、光学フィルタ(1004)は、開口部(929)及び下部チャネル(928)を通って受容された光を、そのような光が上部チャネル(922)内の感知光ファイバ(1020)に更に伝達される前にフィルタリングし得る。このフィルタリングの一部として、光学フィルタ(1004)は、周囲照明に関連付けられた光の波長を除去するのを手助けし得る。したがって、光学フィルタ(1004)は、以下でより詳細に記載されるように、光源光ファイバ(1010)を通って放出される光(すなわち、入射光)の波長に整合する(又は別様に適応する)ように調整され得る。いくつかの変形例では、光学フィルタ(1004)はまた、(例えば、光源光の波長をフィルタ除去することによって)蛍光を検出するために使用され得る。光学フィルタ(1004)に使用され得る様々な好適な形態及び構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0220】
装着フランジ(930)は、横方向部分(920)に隣接して、鉛直部分(910)から横方向に延在する。装着フランジ(930)は、本体(900)が基部(180)に対して固定的に固着され得るように、ねじ(930)(
図16)を受容し、それによって本体(900)を固定具(例えば、基部(180)の着座装着具(154))に固着するように構成されている。換言すれば、本実施例では、本体(900)はプロセスチップ(800)に固着されていない。代わりに、
図11に示されるように、本体(900)は、本体(900)の下面(902)がプロセスチップ(800)の上面(806)と平行になるように、かつ下面(902)が上面(806)からある間隙距離(d)だけ離間するように、装着フランジ(930)を介して固着され得る。単なる例として、この間隙距離(d)は、約0mm~約0.5mmの範囲であり得るか、又は約0mmであり得る。代替的に、任意の他の好適な間隙距離(d)が使用され得る。本体(900)の下面(902)がプロセスチップ(800)の上面(806)に接触するような、間隙距離(d)が0mmであるバージョンでは、下面(902)又は上面(806)の一方又は両方が、プロセスチップ(800)に対する本体(900)の位置を適切に合わせ込むことを手助けする相補的な表面特徴部(例えば、突出部及び/又は凹部)を含み得る。
【0221】
本体(900)が、上面(806)から間隙距離(d)で固着されていると、チップ(800)を処理する場合、軸(A1、A2)は、DLSチャンバ(870)内に位置する収束点(convergence point、CP)で収束する。収束点(CP)の位置は、軸(A1、A2)によって形成される角度(θ)によって定められ得る。単なる更なる例として、軸(A1、A2)によって形成される角度(θ)は、約10度~約90度の範囲、又は約10度~約45度の範囲、又は約28.8度であり得る。単なる更なる例として、収束点(CP)は、下面(902)から、約1mm~約5mmの範囲の距離、又は約1.2mmの距離だけ離れて位置決めされ得る。
【0222】
図16に示されるように、光源光ファイバ(1010)の一方の端部は、コリメータ(1000)と結合され得る。光源光ファイバ(1010)の他方の端部は、コヒーレント光源(1012)と結合され得る。単なる例として、光源(1012)は、プロセスチップ(800)が光学的に透過性である波長で光を放出するように動作可能な単一周波数レーザを含み得る。光源(1012)は、基部(180)に装着され得るか、又は別様にシステム(100)に組み込まれ得る。いくつかのバージョンでは、光源(1012)は、コントローラ(121)と通信する。例えば、コントローラ(121)は、光源(121)を選択的に作動させ、光源(121)によって生成される光の強度を調整するように動作可能であり得る。加えて、又は代替において、コントローラ(121)は、光源(121)の動作に関するフィードバックを受信し得る。いくつかの他のバージョンでは、光源(121)は、コントローラ(121)とは独立して制御及び/又は監視される。本実施例では、光源(1012)によって生成された光は、光源光ファイバ(1010)に沿ってコリメータ(1000)に伝達される。コリメート光が人間のオペレータに対して安全上の懸念を呈する限りにおいて、コリメータ(1000)を、コリメート光が人間のオペレータの眼に到達しない本体(900)内に位置決めすることが有益である可能性がある。コリメータ(1000)からのコリメート光は、更に集束レンズ(1002)を通過し、閉じた集束体積(916)を通り、次いで開口部(918)を通って出る。投射光は、最終的に、上記のようにDLSチャンバ(970)に到達する。
【0223】
また、
図16に示されるように、感知光ファイバ(1020)の一方の端部は、上部チャネル(922)内に固着され得、感知光ファイバ(1020)の他方の端部は、光子計数器(1022)と結合され得、光子計数器(1022)は、自己相関器(1024)と更に結合され得る。光子計数器(1022)及び自己相関器(1024)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるように、任意の好適な形態を採り得る。開口部(918)を通って投射された光がDLSチャンバ(970)内の流体中の粒子から散乱されると、散乱光は、開口部(929)、下部チャネル(928)、及び光学フィルタ(1004)を通って伝達され、最終的に感知光ファイバ(1020)に到達する。感知光ファイバ(1020)は、光を、光子計数器(1022)に更に伝達し、光子計数器(1022)は、光子を計数し、対応する光子計数データを自己相関器(1024)に通信する。自己相関器(1024)は、このデータに対して自己相関関数を実施して、
図21~
図22に示され、以下でより詳細に記載されるような自己相関曲線を生成する。自己相関器(1024)は、コントローラ(121)が自己相関器(1024)からの自己相関データを処理し、少なくともそのようなデータを使用してアルゴリズムを実行し得るように、コントローラ(121)と更に結合され得る。少なくとも自己相関データを使用して実行され得るプロセスの例は、以下でより詳細に記載される。
図16は、自己相関器(1024)及びコントローラ(121)を別々の構成要素として示すが、コントローラ(121)のいくつかの変形形態は、自己相関モジュールを直接統合するか、又は別様に自己相関機能を提供し得る。換言すれば、いくつかのバージョンは、自己相関器(1024)及びコントローラ(121)を、別々の構成要素として有しない場合がある。
【0224】
図21は、上に記載されるようなDLS段を使用して展開され得る自己相関曲線(1110、1120)の例をプロットしたグラフ(1100)を示す。
図21に示される例では、自己相関曲線(1110)は、光散乱ビーズを含有する流体中のDLSを検出する感知光ファイバ(1020)用に、マルチモードファイバを使用して取得されたデータを表す。自己相関曲線(1120)は、水中(すなわち、対照として)のDLSを検出する感知光ファイバ(1020)用に、マルチモードファイバを使用して取得されたデータを表す。この例では、自己相関曲線(1110)は、約0.009においてy切片を有する。自己相関曲線(1110)が、期間の非常に早い段階の間にいくらか不規則であるか又はノイズがある範囲においては、自己相関曲線(1110)は、すぐにノイズが非常に少ない比較的滑らかな曲線に遷移する。
【0225】
図22は、上に記載されるようなDLS段を使用して展開され得る自己相関曲線(1210、1220)の他の例をプロットしたグラフ(1200)を示す。
図22に示される例では、自己相関曲線(1210)は、光散乱ビーズを含有する流体中のDLSを検出する感知光ファイバ(1020)用に、シングルモードファイバを使用して取得されたデータを表す。自己相関曲線(1220)は、光散乱ビーズを含有する流体中のDLSを検出する感知光ファイバ(1020)用に、マルチモードファイバを使用して取得されたデータを表す。換言すれば、
図22の自己相関曲線(1220)は、
図21の自己相関曲線(1110)に類似している。この実施例では、自己相関曲線(1220)は、約0.55においてy切片を有し、これは自己相関曲線(1110、1220)のy切片よりもはるかに高い。自己相関曲線(1220)が、期間の非常に早い段階の間にいくらか不規則であるか又はノイズがある範囲においては、自己相関曲線(1220)は、すぐにノイズが非常に少ない比較的滑らかな曲線に遷移する。
【0226】
図21~
図22に示されるグラフ(1100、1200)を考慮すると、感知光ファイバ(1020)にマルチモードファイバを使用すること、又は感知光ファイバ(1020)にシングルモードファイバを使用することは、許容可能な結果をもたらし得る。シングルモードファイバがその自己相関曲線(1210)において実質的により高いy切片を生成し得る範囲において、マルチモードファイバは、依然として有用かつ信頼性のある自己相関曲線(1110)をもたらし得る。
【0227】
C.動的光散乱段を使用する方法の例
プロセスチップ(800)を動作させる方法では、様々な流体成分が、流体ポート(804)及び流体チャネル(802)を通って連通されて、混合アセンブリ(820)に到達し得る。そのような流体成分は、mRNA、界面活性剤、pH調節緩衝液、エタノール、水、及び/又は他の成分を含み得る。各混合アセンブリ(820)の出力は、カプセル化されたmRNA粒子を含み得る。弁(854)は、各混合アセンブリ(820)の出力を、チャネル(858、860)を介してDLS段に向けて順次方向付けるように動作され得る。1つの混合アセンブリ(820)の流体出力の試料体積がDLSチャンバ(870)に到達すると、光源(1012)からの光は、光源光ファイバ(1010)及び本体(900)の関連構成要素を介してDLSチャンバ(870)内に放出され得る。いくつかのバージョンでは、DLSチャンバ(870)内の流体の流れは、DLSプロセス中に停止され、その結果、DLSチャンバ(870)内の流体が実質的に静止状態に達すると、光源(1012)からの光がDLSチャンバ(870)内に放出される。いくつかの他のバージョンでは、光源(1012)からの光は、DLSチャンバ(870)内の流体が流動状態にある間にDLSチャンバ(870)内に放出される。
【0228】
光源(1012)からの光がDLSチャンバ(870)内に放出されるとき、DLSチャンバ(870)内の流体が静止しているか流れているかにかかわらず、光は、DLSチャンバ(870)内の試料体積中の粒子によって散乱され得る。この散乱光は、感知光ファイバ(1020)及び本体(900)の関連する構成要素を通って伝達され、最終的に光子計数器(1022)に到達し得る。自己相関器(1024)は、光子計数器(1022)からの対応するデータを処理し、
図21~
図22に示すものと同様の自己相関曲線を生成し得る。自己相関曲線をベースライン曲線と比較して、自己相関曲線が許容範囲内にあるかどうかを判定し得る。いくつかのバージョンでは、この比較は、コントローラ(121)によって実行される。自己相関曲線が許容範囲内にあるかどうかの判定は、曲線のy切片が適切なレベルにあるかどうか、曲線がベースライン曲線の経路からの許容偏差内にある経路をたどるかどうか、曲線が特定のモデル(例えば、キュムラントなど)にどれだけうまく適合するか、曲線が0に近い値に下降するかどうか、遷移が起こるときの自己相関時間、及び/又は自己相関曲線が他の基準を満たすかどうか、を判定することを含み得る。
【0229】
自己相関曲線が許容範囲内である場合、これは、DLSチャンバ(870)内の粒子(例えば、カプセル化されたmRNA粒子など)のサイズ及び/又はサイズ分布が適切であること、並びにDLSチャンバ(870)内で試料体積を生成した混合アセンブリ(820)が適切に動作していることを示し得る。次いで、プロセスチップ(800)は、その混合アセンブリ(820)の出力を後続の段(例えば、試薬保管フレーム(107)内の保管バイアル、別のプロセスチップ(111、200、500)など)に送達し続け得る。自己相関曲線が許容範囲外である場合、これは、DLSチャンバ(870)内の粒子(例えば、カプセル化されたmRNA粒子など)のサイズ及び/又はサイズ分布が不適切であること、並びにDLSチャンバ(870)内で試料体積を生成した混合アセンブリ(820)が不適切に動作していることを示し得る。次いで、プロセスチップ(800)は、その混合アセンブリ(820)の出力の送達を停止し得る。
【0230】
各DLS測定プロセスは、任意の好適な持続時間にわたって実施され得る。例えば、いくつかのバージョンでは、流体の試料体積がDLSチャンバ(870)に到達した時点から、流体内に光を放出し、散乱光を収集するプロセスは、約1秒~約60秒の範囲の持続時間にわたって実施され得るか、又は持続時間は、約10秒であり得る。DLSが流体の試料体積に対して実施された後、その流体の試料体積は、任意の好適な様式で取り扱われ得る。例えば、DLSが、流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が適切であることを示す場合、試料体積は、試薬保管フレーム(107)内のバイアルに、更なる処理のために別のプロセスチップ(111、200、500)に、廃棄物リザーバに、又は他の場所に更に連通され得る。DLSが、流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が不適切であることを示す場合、試料体積は、廃棄物リザーバ又は他の場所に更に連通され得る。いくつかのバージョンにおいて、DLS測定は、数回(例えば、1回~20回の範囲、又は具体的には10回の反復)実施され得る。そのような反復測定は、統計を収集し、時間変動条件を捕捉するなどのために使用され得る。
【0231】
混合アセンブリ(820)の出力が、許容可能な又は許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布をもたらしたかどうかにかかわらず、プロセスチップ(800)は、第1の混合アセンブリ(820)の出力がDLS段において分析された後、次の混合アセンブリ(820)の出力をDLS段に連通するように弁(854)を動作させ得る。このシーケンスは、各混合アセンブリ(820)の出力がDLS段で分析されるまで継続され得る。最後の混合アセンブリ(820)の出力がDLS段で分析されると、プロセスは、第1の混合アセンブリ(820)に戻って開始され、プロセスチップ(800)の動作の持続時間にわたってシーケンスを継続し得る。いずれかの混合アセンブリ(820)が、それらの出力がDLS段で失敗したことに起因してシャットダウンされた場合、そのような混合アセンブリ(820)は、プロセスチップ(800)がDLS段において混合アセンブリ(820)出力を試験するシーケンスを反復する際に渡され得る。
【0232】
場合によっては、混合アセンブリ(820)の出力の間にDLS段を通して何らかの種類のスペーサ又はパージ流体を提供することが望ましい場合がある。例えば、気泡が、混合アセンブリ(820)の出力間でDLSチャンバ(870)を通して連通され得る。加えて、又は代替において、所定の水又は何らかの他の液体が、混合アセンブリ(820)の出力間でDLSチャンバ(870)を通して連通され得る。いずれの場合も、空気、水、又は他の流体は、次の混合アセンブリ(820)の出力がDLSチャンバ(870)に到達する前に、そうでなければDLSチャンバ(870)内に残る可能性がある任意の粒子をパージすることを手助けし得る。
【0233】
プロセスチップ(800)が、上に記載される圧力感知段(700)のように構成され動作可能な圧力感知段の一部である圧力感知領域(810)を含むバージョンでは、そのような圧力感知段は、多くの方法でDLS段と組み合わせて使用され得る。いくつかのバージョンでは、コントローラ(121)は、1つ以上の流体チャネル(802)の圧力レベルが許容範囲外であることを圧力データが示すまで、DLS段を作動させることなく、圧力感知段からの圧力データのみを最初に監視する。例えば、流体チャネル(802)の圧力レベルが所定の閾値を超えた場合、この上昇した圧力レベルは、流体チャネル(802)によって供給されている混合アセンブリ(820)内に障害物が形成されている(又は形成された)ことを示し得る。これが生じた場合、コントローラ(121)は、その混合アセンブリ(820)の下流の弁(854)を開放して、試験のために、その混合アセンブリ(820)からの出力をDLS段に方向付け得る。その混合アセンブリ(820)からの出力がDLSチャンバ(870)に到達すると、DLS段を使用して、その混合アセンブリ(820)からの粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が適切であるかどうかを判定し得る。それらが適切である場合、DLS段を使用してその混合アセンブリ(820)の出力を監視し続けて、粒子サイズ及び/又はサイズ分布が許容範囲外になるかどうか、かついつ許容範囲外になるかを判定し得る(その時点で、混合アセンブリ(820)は、効果的にシャットダウンされ得る)。
【0234】
プロセスチップ(800)が、上に記載される圧力感知段(700)のように構成され動作可能な圧力感知段の一部である圧力感知領域(810)を含むいくつかの他のバージョンでは、コントローラ(121)は、許容範囲外にある粒子サイズ及び/又はサイズ分布をDLS段が検出することに応答して、圧力データを観察し得る。換言すれば、DLS段が、混合アセンブリ(820)からの出力が許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布を含むと判定した場合、コントローラ(121)は、その混合アセンブリ(820)への入口として機能する流体チャネル(802)の流体圧力を観察し、それらの流体チャネル(802)のいずれかが許容範囲外の流体圧力を有するかどうかを判定し得る。例えば、DLS段が、混合アセンブリ(820)からの出力が許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布を含むと判定した場合、コントローラ(121)は、その混合アセンブリ(820)に供給する流体チャネル(802)のうちの1つが許容不能に高い流体圧力を有すると判定し得、これは、その混合アセンブリ(820)内に障害物が形成されている(又は形成された)ことを示し得る。次いで、そのプロセスチップ(800)上の他の混合アセンブリ(820)のみが、その後に(又は障害物を除去するための処置が完了するまで)使用されるように、その混合アセンブリ(820)は、障害物を除去するために効果的にシャットダウン及び/又は処理(例えば、化学的など)され得る。DLS段が、混合アセンブリ(820)からの出力が許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布を含み、その混合アセンブリ(820)に供給する流体チャネル(802)の流体圧力に異常がないと判定した場合、これは、何らかの他の種類の問題(例えば、化学組成変動など)があることを示し得、適切な是正措置が取られ得る。
【0235】
流体圧力測定及びDLS測定が行われる順序(すなわち、最初に圧力測定、次にDLS測定を行う、最初にDLS測定、それに続いて流体圧力測定を行う、又は圧力測定及びDLS測定を並行して行う)にかかわらず、コントローラ(121)は、DLS測定値と流体圧力測定値との間の相関から学習する際にある程度の人工知能を提供し得る。例えば、コントローラ(121)は、流体圧力レベルが、DLS測定値が許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布を示す点に達する傾向があるときを学習し得、それによって、コントローラ(121)は、混合アセンブリ(820)が許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布を生み出す前に、事前に混合アセンブリ(820)を遮断し得る。換言すれば、コントローラ(121)は、感知された流体圧力と検出された許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布との間の相関を少なくとも使用して、流体圧力閾値を調整し得る。
【0236】
圧力感知領域(810)からの圧力データがDLSデータと相関されるかどうか、又はどのように相関されるかにかかわらず、圧力感知領域(810)からの圧力データはまた、いくつかのバージョンにおいて、流体ポート(804)を介して入力を変化させるために利用され得る。例えば、圧力感知領域(810a)における圧力データが、流体チャネル(802a)内の流体の圧力が特定の値を上回ることを示す場合、コントローラ(121)は、圧力源(117)を作動させて、ポート(804a)内に連通されている流体の圧力を低減させ得る。同様に、圧力感知領域(810a)における圧力データが、流体チャネル(802a)内の流体の圧力が特定の値を下回ることを示す場合、コントローラ(121)は、圧力源(117)を作動させて、ポート(804a)内に連通されている流体の圧力を増加させ得る。したがって、圧力感知領域(810)における圧力感知段を使用して、ポート(804)に連通される流体の圧力に対するリアルタイム調整を可能にするフィードバックループを提供して、それによって、所望の圧力値の一貫性を達成し得る。
【0237】
いくつかのシナリオでは、圧力感知領域(810)からの圧力データが、圧力源(117)によってポート(804)の上流にある対応する流体チャネルに提供されている流体の圧力と比較されて、圧力感知領域(810)からの圧力データがポート(804)の上流にある対応する流体チャネル内の圧力から許容可能に逸脱しているかどうかを判定する。これに関連して、圧力感知領域(810)内の流体圧力が、ポート(804)の上流にある対応する流体チャネル内の流体圧力よりも低いなど、何らかの逸脱が予想され得る。同様に、圧力感知領域(810)からの圧力データを、圧力源(117)によってポート(804)の上流にある対応する流体チャネルに提供されている流体の圧力と比較して、流体チャネル(802)を通って流れる流体の流量を判定し得る。そのような流量データは、DLSが、静止しているのではなく流れている流体に対して実施されるシナリオにおいて、特に有用であり得る。DLSが、流れている流体に対して実施される更なる例は、以下でより詳細に記載される。
【0238】
ポート(804)に連通される流体の圧力に対するリアルタイム調節を可能にするフィードバックループを提供するために、圧力感知領域(810)における圧力感知段がどのように使用され得るかの別の例として、所与の混合アセンブリ(820)に関連付けられた圧力感知領域(810a、810b、810c)からの圧力データは、チャネル(802a、802b、802c)に沿った流体圧力が互いに適切に均衡していることを確実にするために評価され得る。同様に、圧力感知領域(810a、810b、810c)からの圧力データが、ポート(804a、804b、804c)の上流にある対応する流体チャネルからの圧力データと比較されて、チャネル(802a、802b、802c)を通る流量を判定する場合、チャネル(802a、802b、802c)を通る流量は、チャネル(802a、802b、802c)を通る流量が互いに適切に均衡していることを確実にするために評価され得る。チャネル(802a、802b、802c)内の流体圧力及び/又は流量が互いに適切に均衡しなかった場合、コントローラ(121)は、圧力源(117)を作動させて、そのような調整が保証される任意のポート(804a、804b、804c)内に連通されている流体の圧力を増加又は低減させ得る。
【0239】
リアルタイムフィードバックループで使用されている圧力データの前述の例は、ポート(804)に連通されている流体の圧力を増加又は低減させるために、圧力源(117)を介して行われる圧力調整を指す。いくつかの変形例では、流体圧力は、(例えば、プロセスチップ(111、200、500)の文脈で上に記載されるように)プロセスチップ(800)上で実施される蠕動ポンプ圧送を介して生成されるか、又は別様に制御される。そのような変形例では、コントローラ(121)は、圧力感知領域(810)からの圧力データに応答して、プロセスチップ(800)上の蠕動ポンプ圧送作用を調節し得る。
【0240】
D.複数の動的光散乱段を有するプロセスチップの例
図9~
図11は、1つのDLS段のみがプロセスチップ(800)とともに使用される配置を示すが、プロセスチップ(800)にいくつかのDLS段が含まれる配置を提供することが望ましい場合がある。
図23~
図24は、そのような代替的な配置の一例を示す。この例では、1つの本体(900)が、
図9~
図11に示す配置と同様に、プロセスチップ(800)の角の近くに位置決めされている。しかしながら、
図9~
図11に示される配置とは異なり、
図23~
図24に示される配置は、いくつかの追加の本体(901)を更に含み、各追加の本体(901)は、それぞれの混合アセンブリ(820)の上に位置決めされている。これらの追加の本体(901)は、上に記載される本体(900)のように構成され、動作可能であり得る。
図23~
図24に示される配置では、各本体(900、901)は、上に記載されるような対応するDLS段の一部を形成し得る。したがって、各混合アセンブリ(820)は、
図23~
図24に示される配置において関連するDLS段を有する。
【0241】
この例における各本体(901)は、本体(901)に関連付けられた混合アセンブリ(820)の対応する出口チャネル(844)の上に位置決めされている。したがって、各本体(901)に関連付けられた各DLS段は、各混合アセンブリ(820)の直接出力内の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を測定するために使用され得る。この配置のいくつかのバージョンでは、本体(901)に関連付けられたDLS段は、流体が流動状態にあるときに流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を測定し、一方、本体(900)に関連付けられたDLS段は、流体が静止状態にあるときに流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を測定する。換言すれば、本体(901)に関連付けられたDLS段は、動的流体試験を提供するものとみなされ得、本体(900)に関連付けられたDLS段は、静的流体試験を提供するものとみなされ得る。
【0242】
図23~
図24に示される配置のいくつかのバージョンでは、本体(901)に関連付けられたDLS段は、流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を、絶えず(すなわち、流体が対応する出口チャネル(844)を通って流れ続けている際に)測定し、一方、本体(900)に関連付けられたDLS段は、流体中の粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を、アドホックに測定するだけである。例えば、流体の試料体積は、(本体(901)に関連付けられたDLS段からの)流体圧力データ及び/又はDLSデータDLSデータが、特定の混合アセンブリ(820)に関して問題がある可能性があることを示す場合にのみ、本体(900)に関連付けられたDLS段に連通され得る。そのような場合、この特定の混合アセンブリ(820)の出力は、混合アセンブリ(820)によって生成された粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が許容範囲内であるかどうかを判定するために、本体(900)に関連付けられたDLS段に送られ得る。
【0243】
別の変形例として、本体(900)と関連付けられたDLS段は連続的に動作し得、混合アセンブリ(820)からの出力は、本体(901)と関連付けられた連続的に動作しているDLS段に加えて、そのDLS段に順次、連通される。そのようなシナリオでは、本体(900)に関連付けられた段からのDLSデータは、出力がDLSチャンバ(870)内にある混合アセンブリ(820)に対応する本体(901)に関連付けられた段からのDLSデータと相関され得る。例えば、これらのDLS段からの自己相関曲線は、互いに比較され得、コントローラ(121)は、これらの曲線間の偏差が事前定義された許容範囲内にあるかどうかを判定し得る。
【0244】
上に記載されるようなDLS感知を提供することに加えて、前述の配置はまた、レーザドップラ速度測定を提供し得る。レーザドップラ速度測定は、流れ状態を判定することを手助けするために使用され得る。別の変形例として、調整可能な電場が、粒子電荷状態を示すゼータ電位を判定するために使用され得る。mRNAは特徴的な電荷を有し得るので、そのような粒子電荷データは、mRNAが粒子中に存在する程度を示し得る。
【0245】
IV.動的光散乱を介した粘度感知の例
上に記載されるように、プロセスチップ(800)を使用してカプセル化されたmRNA粒子を形成するにつれて、カプセル化されたmRNA粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が変化する傾向があり得るため、プロセスチップ(800)を介してカプセル化されたmRNA粒子を形成するプロセス中に、カプセル化されたmRNA粒子のサイズ及び/又はサイズ分布を監視することが望ましい場合がある。プロセスチップ(800)を使用してカプセル化されたmRNA粒子を形成するにつれて粘度も変化する傾向があり、流体の初期粘度が分からない場合があるので、カプセル化されたmRNA粒子を担持する溶液の粘度を判定及び監視することもまた望ましい場合がある。例えば、いくつかの溶液は、mRNA及び水(例えば、流体チャネル(802a)を介して導入される)、エタノール中の1つ又は複数の送達ビヒクル分子(例えば、流体チャネル(802b)を介して導入される)、並びに希釈剤又は緩衝液(例えば、流体チャネル(802c)を介して導入される)の組み合わせを含み得る。エタノールと水との混合物は、粘度の有意な変化を生じさせ得、したがって、エタノール濃度変動に非常に敏感であり得る。
【0246】
以下により詳細に記載されるように、溶液の粘度は、上に記載されるようなDLS段を使用して監視され得る。更に、カプセル化されたmRNAの粒子サイズ及び/又はサイズ分布を監視するために使用される同じDLS段も使用して、カプセル化されたmRNA粒子を担持する溶液の粘度を監視し得る。
【0247】
いくつかのシナリオでは、溶液の粘度の変動は、溶液中のカプセル化されたmRNAの粒子サイズの変動によって生じる測定効果に匹敵する測定効果を生じる傾向があり得るため、溶液の粘度を判定及び監視することが重要であり得る。これは、以下の式(I)によって観察され得る。
【0248】
【数1】
式中、「d」は、カプセル化されたmRNAの粒径であり、
「λ」は、光源(1012)によって放出されるレーザの波長であり、
「v」は、溶液の粘度であり、
「Γ」は、自己相関曲線適合値(すなわち、自己相関曲線への適合から判定される値)であり、
「T」は、溶液の温度であり、
「n」は、溶液の屈折率であり、
「θ」は、測定媒体(例えば、液体又は気体)中で本体(900)の軸(A
1、A
2)によって形成される散乱測定角度であり、
「k
B」は、ボルツマン定数である。
【0249】
したがって、溶液内のカプセル化されたmRNAの粒子サイズ及び/又はサイズ分布の信頼できる測定値を得るために、溶液の粘度の測定値を得ることが望ましい場合がある。以下の記載は、カプセル化されたmRNA粒子を担持する溶液の粘度を測定及び監視すると同時に、溶液中のそれらのmRNA粒子の粒子サイズ及び/又はサイズ分布を測定及び監視するために、上に記載されるDLS段がどのように使用され得るかの例を提供する。以下に記載される例の各々は、センサと測定に供されている溶液との間のいかなる接触も必要とせずに、溶液粘度の測定及び監視を提供する。
【0250】
以下の例は、溶液の粘度、溶液中の粒子のサイズ、及び溶液中の粒子のサイズ分布を判定するための方法を記載するが、同じ方法が、屈折率又は温度などの他のパラメータを判定するために使用され得る。そのようなパラメータは、以下に記載されるように収集されたデータと併せて、式(I)を使用して実施され得る。
【0251】
A.溶液粘度測定を提供するためのプロセスチップ特徴の実施例
図13を参照して上述したように、プロセスチップ(800)は、DLS前段(890)と、DLS後段(892)と、を含み得、DLSチャンバ(870)は、DLS前段(890)とDLS後段(892)との間の流体経路内に位置決めされている。
図25は、DLS前段(890)及びDLS後段(892)を効果的に形成するために使用され得る測定段(1300)構成要素の一例を示す。したがって、
図25の測定段(1300)は、プロセスチップ(800)のようなプロセスチップに組み込まれ得ることを理解されたい。測定段(1300)は、試料入口チャネル(1302)、試験流体入口チャネル(1304)、及び出口チャネル(1306)と流体連通している。プロセスチップ(800)の文脈において、試料入口チャネル(1302)は、試料入力チャネル(1302)が、混合段(820)からの出力として、カプセル化されたmRNA粒子を担持する溶液のアリコート(すなわち、試料体積)を受容するように、マニホールド出口チャネル(860)に類似しているとみなされ得る。試験流体入口チャネル(1304)は、試験流体源(図示せず)と流体連通している。以下でより詳細に記載されるように、試験流体は、ビーズを含む流体、ビーズを含まない希釈剤(例えば、緩衝流体、水など)、及び/又は任意の他の好適な種類の流体を含み得る。出口チャネル(1306)は、溶液が出口チャネル(896)を介して測定段(1300)から出得るように、出口チャネル(896)と類似しているとみなされ得る。単なる例として、出口チャネル(1306)は、最終的に、廃棄物貯蔵区画、溶液が治療用組成物を形成するために利用されるいくつかの他の段、又はいくつかの他の構成要素につながり得る。
【0252】
本例の測定段(1300)はまた、第1の弁(1310)、第1のチャネル(1312)、第1のポンプ(1314)、第2の弁(1316)、第2のチャネル(1318)、第3のチャネル(1320)、混合チャンバ(1322)、DLSチャンバ(1324)、第4のチャネル(1326)、第3の弁(1328)、第5のチャネル(1330)、第2のポンプ(1332)、第6のチャネル(1334)、及び第4の弁(1336)も含む。この例の弁(1310、1316、1328、1336)は、上に記載される弁(824、854)のように構成され、動作可能であり得る。したがって、弁(1310、1316、1328、1336)は、弁(1310、1316、1328、1336)に対応するプロセスチップ(800)の領域において弾性層に圧力を選択的に印加する(又は弾性層に対する圧力を解放する)ことによってプロセスチップ(800)の弾性層(例えば、弾性層(302)のような)を駆動することによって、開状態と閉状態との間で移行され得る。したがって、弁(1310、1316、1328、1336)は、流体の流れを選択的に阻止又は許容するために使用され得る。ポンプ(1314、1332)はまた、ポンプ(1314、1332)に対応するプロセスチップ(800)の領域内のプロセスチップ(800)の弾性層(例えば、弾性層(302)のような)に圧力を選択的に印加し、それによって、蠕動ポンプ圧送作用を通して流体流を駆動することによって動作され得る。
【0253】
第1の弁(1310)は、第1の弁(1310)が試料入口チャネル(1302)と第1のチャネル(1312)との間の流体の流れを選択的に阻止又は許容するように動作可能であるように、試料入口チャネル(1302)と第1のチャネル(1312)との間に介在する。第1のチャネル(1312)は、第1のポンプ(1314)と更に流体連通している。第2の弁(1314)は、第2の弁(1314)が試験流体入口チャネル(1304)と第2のチャネル(1318)との間の流体の流れを選択的に阻止又は許容するように動作可能であるように、試験流体入口チャネル(1304)と第2のチャネル(1318)との間に介在する。第2のチャネル(1318)は、第1のポンプ(1314)と更に流体連通している。第1のポンプ(1314)は、第3のチャネル(1320)とも流体連通している。第1のポンプ(1314)は、試料入口チャネル(1302)及び/又は試験流体入口チャネル(1304)からの流体を、各それぞれの弁(1310、1316)の状態に応じて、第3のチャネル(1320)に向けてポンプ圧送するように動作可能である。
【0254】
第3のチャネル(1320)は、混合チャンバ(1322)と更に流体連通している。混合チャンバ(1322)は、第1のポンプ(1314)を介して混合チャンバ(1322)内に圧送される、試料入口チャネル(1302)及び試験流体入口チャネル(1304)からの流体を混合するように構成されている。単なる例として、混合チャンバ(1322)は、本明細書に記載される任意の混合チャンバのように構成され、動作可能であり得る。代替的に、混合チャンバ(1322)は、任意の他の好適な様式で構成され、動作可能であり得る。
【0255】
混合チャンバ(1322)は、DLSチャンバ(1324)に直接つながる。DLSチャンバ(1324)は、上に記載されるDLSチャンバ(870)のように構成され、動作可能であり得る。したがって、本体(900)は、光源光ファイバ(1010)がDLSチャンバ(1324)内に光を放出し得るように、かつ感知光ファイバ(1020)が、上に記載されるようにDLSチャンバ(1324)内の流体中の粒子から散乱された光を受容し得るように、DLSチャンバ(870)に隣接して位置決めされ得る。散乱光は、光子計数器(1022)に到達し得、対応するデータは、上に記載されるように、かつ以下でより詳細に記載されるように、自己相関器(1024)によって処理され得る。
【0256】
DLSチャンバ(1324)は、第4のチャネル(1326)と更に流体連通しており、第4のチャネル(1326)は、第3の弁(1328)につながる。第3の弁(1328)は、第5のチャネル(1330)と更に流体連通している。したがって、第3の弁(1328)は、第4のチャネル(1326)と第5のチャネル(1330)との間の流体の流れを選択的に阻止又は許容するように動作可能である。第5のチャネル(1330)は、第2のポンプ(1332)と更に流体連通している。第2のポンプ(1332)は、第6のチャネル(1334)とも流体連通している。第2のポンプ(1332)は、第5のチャネル(1330)からの流体を、第6のチャネル(1334)に向けて圧送するように動作可能である。第2のポンプ(1332)はまた、流体を、第5のチャネル(1330)に向けて圧送して戻すように動作可能である。
【0257】
第6のチャネル(1334)は、第4の弁(1336)と更に流体連通している。第4の弁(1336)はまた、第4の弁(1336)が第6のチャネル(1334)と出口チャネル(1306)との間の流体の流れを選択的に阻止又は許容するように動作可能であるように、出口チャネル(1306)と流体連通している。
【0258】
ポンプ(1314、1332)は、2つの別々の供給源からの流体を、DLSチャンバ(1324)に向けて、かつそこから離れるように駆動し得ることを、上記から理解されたい。加えて、弁(1310、1316、1328、1336)は、ポンプ(1314、1332)の動作と連動して、プロセスチップ(600)の異なるそれぞれの領域における流体の流れを選択的に阻止し得る。測定段(1300)を、
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素と組み合わせて、粘度、粒子サイズ、及び粒子サイズ密度を感知するためにどのように使用され得るかの例は、以下でより詳細に記載される。
【0259】
B.ビーズの添加を使用した粘度感知の例
いくつかのシナリオでは、溶液の粘度は、既知のビーズを溶液に導入し、次いでビーズを含む溶液に対してDLSを実施することによって測定され得る。この文脈において、「既知のビーズ」は、既知の直径を有するビーズを含む。本明細書で使用される場合、「ビーズ」という用語は、製造された球状構造に必ずしも限定されるものとして読まれるべきではない。例えば、「ビーズ」は、既知のサイズの較正分子などの他の較正物質を含み得る。較正分子の形態の較正物質ビーズの一例は、デキストランである。代替的に、任意の他の好適な種類の較正分子(又は他の較正物質)が使用され得る。
【0260】
図26は、
図25に示される測定段(1300)を介してビーズを利用するプロセスの一例を示す。この例では、
図26のブロック(1400)に示されるように、ビーズ含有溶液及びカプセル化されたmRNA粒子含有溶液が、測定段(1300)に連通される。これは、第1の弁(1310)を開くことと、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートを、チャネル(1302、1312)を介して第1のポンプ(1314)に向けて駆動することと、を含む。これはまた、第2の弁(1316)を開くことと、ある体積のビーズ含有溶液を、チャネル(1304、1318)を介して第1のポンプ(1314)に向けて駆動することと、を含む。この例では、ビーズ含有溶液中のビーズは、既知のサイズであり、一方、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液中のカプセル化されたmRNA粒子は、未知のサイズであり、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液は、未知の粘度である。
【0261】
いくつかのシナリオでは、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液及びビーズ含有溶液は、第1のポンプ(1314)に向けて同時に駆動される。いくつかの他のシナリオでは、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液及びビーズ含有溶液は、第1のポンプ(1314)に向けて連続して駆動される(例えば、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液が最初に駆動され、続いてビーズ含有溶液が駆動される、又はビーズ含有溶液が最初に駆動され、続いてカプセル化されたmRNA粒子含有溶液が駆動される)。異なる溶液が第1のポンプ(1314)に向けて連続して駆動されるバージョンでは、一方の弁(1310、1316)は、他方の弁(1310、1316)が開かれている間、閉状態のままであり得る。
【0262】
両方の溶液が第1のポンプ(1314)に到達すると、両方の弁(1310、1316)が閉じられ得、ブロック(1402)に示されるように、第1のポンプ(1314)が作動されて、2つの溶液を、DLSチャンバ(1324)に向けて駆動し得る。第3の弁(1328)は、プロセスのこの部分の間、閉状態のままであり得る。DLSチャンバ(1324)への途中で、溶液は、DLSチャンバ(1324)が2つの溶液の混合物を受容するように、第3のチャネル(1320)及び混合チャンバ(1322)を通過する。
【0263】
この段では、混合物がDLSチャンバ(1324)内に残るように、第1のポンプ(1314)は、作動停止され得、弁(1310、1316、1328)は、閉じたままであり得る。混合物がDLSチャンバ(1324)内に保持された状態で、
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素が上に記載されるように作動されて、ブロック(1404)に示されるように、混合物に対してDLSを実施し、それによって混合物のDLS測定を行い得る。このDLS測定は、混合物中に光を投射することと、混合物中のビーズ及び粒子によって散乱された光を受容することと、ビーズ及び粒子がブラウン運動によって液体中に分散する際の散乱パターン変化を経時的に追跡することと、を含み得る。DLSデータは、ブロック(1406)に示されるように、かつまたより詳細に上に記載されるように、自己相関曲線を生成するために使用され得る。
【0264】
図27は、DLSチャンバ(1324)を介して得られ得る自己相関曲線(1452、1454、1456、1458)の例を含むグラフ(1450)を示す。例えば、曲線(1452)は、カプセル化されたmRNA粒子が比較的小さい直径(例えば、約60nm)を有する、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液によって生成された自己相関曲線を表す。曲線(1458)は、ビーズが比較的大きな直径(例えば、約600nm)を有する、ビーズ含有溶液によって生成された自己相関曲線を表す。曲線(1454)は、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液とビーズ含有溶液との混合物によって生成された自己相関曲線を表す。曲線(1456)は、2母集団解からの自己相関曲線を単一母集団モデルに適合することに基づく、特定の単一粒子サイズ母集団に対応する自己相関曲線の一例を表す。曲線(1456)は、2つの母集団を含有する溶液から得られる自己相関曲線が、単分散(単一)母集団を含有する溶液の自己相関曲線とは異なることを意味する。
【0265】
図26に示されるプロセスに戻ると、自己相関曲線からのデータを使用して、次のステップは、データを以下の式(II)に適用して、ブロック(1408)に示されるように、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液の粘度を判定することを含み得る。
【0266】
【数2】
式中、「y」は、自己相関値であり、
「A」は、自己相関曲線の鉛直オフセットであり、
「B」は、1つの単一母集団(例えば、カプセル化されたmRNA粒子)に関連付けられた指数関数の大きさであり、
「Γ
1」は、自己相関曲線への適合から判定される、カプセル化されたmRNA粒子に関連付けられた自己相関曲線適合値であり、
「D」は、別の単一母集団(例えば、ビーズ)に関連付けられた指数関数の大きさであり、
「Γ
2」は、自己相関曲線への適合から判定される、ビーズに関連付けられた自己相関曲線適合値であり、
「x」は、自己相関のタイムラグである。
【0267】
式(II)の「Γ1」及び「Γ2」値は、各々が独立して式(I)と一致し得、より大きい「Γ」値は、より大きい既知のビーズ直径に対応する。したがって、式(I)は、以下の式(III)のように効果的に書き換えられ得る。
【0268】
【数3】
式中、「v」は、アリコートとビーズ溶液との混合物の粘度であり、
「Γ
2」は、自己相関曲線への適合から判定される、ビーズに関連付けられた自己相関曲線適合値であり、
「d
ビーズ」は、ビーズの直径であり(この値は本例では既知である)、
「K」は、式(I)における残りのパラメータであり、簡略化のため式(III)においては「K」として表される。
【0269】
したがって、ブロック(1408)に示されるように、式(III)を解いて、混合物の粘度を判定し得る。これは、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液とビーズ含有溶液との組み合わせの粘度を表すと理解されるべきである。また、この例では、既知のサイズのビーズが、粘度を判定するための較正ツールとして使用されることも理解されたい。
【0270】
混合物の粘度が判定されると、カプセル化されたmRNA粒子のサイズは、以下の式(IV)を使用して判定され得る。
【0271】
【数4】
式中、「d
粒子」は、カプセル化されたmRNA粒子の直径であり、
「Γ
1」は、自己相関曲線への適合から判定される、カプセル化されたmRNA粒子に関連付けられた自己相関曲線適合値であり、
「v」は、(例えば、式(III)によって判定される)混合物の粘度であり、
「K」は、式(I)における残りのパラメータであり、簡略化のため式(III)においては「K」として表される。
【0272】
ブロック(1408、1410)に従って混合物の粘度及びカプセル化されたmRNAの粒子サイズが判定されると、第3の弁(1328)が開状態に移行され、第1のポンプ(1324)が作動されて、混合物を、第4のチャネル(1326)及び第5のチャネル(1330)を介して第2のポンプ(1332)に向けて駆動し得る。第4の弁(1336)は、開状態に移行され得、第2のポンプ(1332)は、作動されて、混合物を、第6のチャネル(1334)を介して出口チャネル(1306)に向けて駆動し得る。いくつかのバージョンでは、混合物は、出口チャネル(1306)を介して測定段(1300)を出た後、廃棄物貯蔵区画内に受容される。いくつかの他のバージョンでは、混合物は、出口チャネル(1306)を介して測定段(1300)を出た後、治療用組成物を形成するために利用される。代替的に、混合物は、出口チャネル(1306)を介して測定段(1300)を出た後、任意の他の好適な様式で取り扱われ得る。
【0273】
図26~
図27を参照して上に記載されるプロセスは、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液の異なるアリコートを試験するために繰り返し実行され得る。いくつかのバージョンでは、弁(854)は、各混合アセンブリ(820)の出力を測定段(1300)に向けて順次方向付けるように動作する。測定されたカプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布は、実際のカプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布が許容範囲内であるかどうかを判定するために、閾値又は所定の範囲に対して比較され得る。この比較は、測定段(1300)を通して処理されたアリコートを生成した混合アセンブリ(820)が正しく動作しているかどうかを示し得る。カプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布が許容範囲外であった場合、これは、測定段(1300)におけるカプセル化されたmRNA粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が不適切であること、並びに測定段(1300)においてアリコートを生成した混合アセンブリ(820)が不適切に動作していることを示し得る。次いで、プロセスチップ(800)は、その混合アセンブリ(820)の出力の送達を停止し得る。
【0274】
混合アセンブリ(820)の出力が、許容可能な又は許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布をもたらしたかどうかにかかわらず、プロセスチップ(800)は、
図26~
図27を参照して上に記載されるプロセスに従って第1の混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)において分析された後、次の混合アセンブリ(820)の出力を測定段(1300)に連通させるように弁(854)を動作させ得る。このシーケンスは、各混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)で分析されるまで継続され得る。最後の混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)で分析されると、プロセスは、第1の混合アセンブリ(820)に戻って開始され、プロセスチップ(800)の動作の持続時間にわたってシーケンスを継続し得る。任意の混合アセンブリ(820)が、それらの出力が測定段(1300)で失敗したことに起因してシャットダウンされた場合、そのような混合アセンブリ(820)は、プロセスチップ(800)が測定段(1300)において混合アセンブリ(820)出力を試験するシーケンスを反復する際に渡され得る。
【0275】
図26~
図27を参照して上に記載されるように、溶液の粘度を測定するための較正ツールとして既知のサイズのビーズが使用される測定段(1300)のいくつかの変形例では、第2のポンプ(1332)、及び第3の弁(1328)又は第4の弁(1336)のいずれかが省略される。換言すれば、溶液の粘度を測定するための較正ツールとして既知のサイズのビーズを使用する上に記載されるプロセスは、第2のポンプ(1332)、及び第3の弁(1328)又は第4の弁(1336)のいずれかを伴わずに行われ得る。溶液の粘度を測定するための較正ツールとして既知のサイズのビーズを使用する上に記載されるプロセスはまた、測定段(1300)の他の変形例を使用して実施され得、それにより、
図25に示される特徴及び配置は、必ずしもこのプロセスを実施するために使用され得る唯一の特徴及び配置ではない。
【0276】
測定段(1300)及び
図26~
図27の文脈において具体的に提供された前述の教示に加えて、測定段(1300)を含むプロセスチップ(800)のバージョンは、プロセスチップ(800)の動作に関して上記で提供された他の教示に従って動作され得る。
【0277】
本明細書に記載される他の計算及び実施されるアルゴリズムと同様に、
図26に示されるプロセスは、コントローラ(121)によって実行され得る。これは、弁(1310、1316、1328、1336)と、ポンプ(1314、1332)と、
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素と、を駆動する構成要素を作動させるコントローラ(121)を含み得る。これはまた、コントローラ(121)が、自己相関器(1024)からの自己相関データを処理して自己相関曲線を生成し、上に記載されるブロック(1408、1410)に関連付けられた計算を実施することを含み得る。当然のことながら、コントローラ(121)は、本明細書に明示的に記載される他の機能を含むが、これらに限定されない、
図26に示されるプロセスに関連する様々な他の機能を実施し得る。
【0278】
C.連続希釈を使用した粘度感知の例
溶液の粘度を測定するための較正ツールとして既知のサイズのビーズを使用することに加えて、又はその代わりに、溶液の粘度は、溶液の制御された連続希釈を提供し、連続希釈に基づいて溶液の変化を追跡することによって測定され得る。そのような連続希釈プロセスの一例を
図28に示す。この例では、ブロック(1500)に示されるように、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートはDLSチャンバ(1324)に向かって連通され、初期DLS測定値が得られる。これは、第1の弁(1310)を開くことと、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートを、チャネル(1302、1312)を介して第1のポンプ(1314)に向けて駆動することと、を含む。アリコートが第1のポンプ(1314)に到達すると、第1の弁(1310)は閉じられ、次いで、第1のポンプ(1314)が作動されて、アリコートを、チャネル(1320)及び混合チャンバ(1322)を介してDLSチャンバ(1324)内に駆動する。第3の弁(1328)は、プロセスのこの部分の間、閉状態のままであり得る。代替的に、第3の弁(1328)は、開状態であり得、アリコートは、混合チャンバ(1322)、DLSチャンバ(1324)、及び第2のポンプ(1332)内に存在し得る。アリコートの少なくとも一部分がDLSチャンバ(1324)内に保持された状態で、
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素が上に記載されるように作動されて、アリコートに対してDLSを実施し、それによってアリコートの初期又はベースラインDLS測定を行い得る。
【0279】
アリコートの初期DLS測定が行われると、ブロック(1502)に示されるように、アリコートに希釈剤が添加される。単なる例として、希釈剤は、緩衝液又は任意の他の好適な種類の希釈剤を含み得る。更に、希釈剤の粘度は、既知であり得る。プロセスのこの部分は、第2の弁(1316)を開くことと、第1の体積の希釈剤を、チャネル(1304、1318)を介して第1のポンプ(1314)に向けて駆動することと、を含み得る。いくつかのバージョンでは、希釈剤の第1の体積は、希釈剤の第1の体積の少なくとも一部が測定段(1300)において第1のポンプ(1314)を過ぎて連通されるように、第1のポンプ(1314)の容量を超えている。第1の体積の希釈剤が測定段(1300)に導入されると、第2の弁(1316)は閉じられ、次いで、第1のポンプ(1314)が作動されて、第1の体積の希釈剤をチャネル(1320)及び混合チャンバ(1322)を介してDLSチャンバ(1324)内に駆動して、第1の体積の希釈剤がDLSチャンバ(1324)内のカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートと混合するようにする。いくつかのバージョンでは、第1の体積の希釈剤とカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートとを合わせた体積は、混合チャンバ(1322)、DLSチャンバ(1324)、少なくとも1つのポンプ(1314、1332)、及びチャネル(1320、1326、1330)を合わせた容量にほぼ等しい。
【0280】
第1の体積の希釈剤とカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートとを更に混合するために、ポンプ(1314、1332)は、所定の回数の繰り返しの間、順次作動され得る。例えば、弁(1310、1316、1336)は、弁(1328)が開状態に保たれている間、閉状態に保たれ得、次いで、第1のポンプ(1314)が作動されて、混合物を第2のポンプ(1332)に向けて駆動し得る。次に、第2のポンプ(1332)が作動されて、混合物を第1のポンプ(1314)に向けて戻すように駆動され得る。このようにして、ポンプ(1314、1332)は、任意の好適な回数、交互に作動され得る。混合物がポンプ(1314、1332)の間を流れる際、混合物は、混合チャンバ(1322)を通って繰り返し流れ得、これは、第1の体積の希釈剤とカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートとの混合を更に促進し得る。
【0281】
第1の体積の希釈剤がカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートと好適に混合されると、第1の体積の希釈剤をカプセル化されたmRNA粒子含有溶液のアリコートと更に混合するためにポンプ(1314、1332)が交互に作動されないシナリオであっても、混合物はDLSチャンバ(1324)内に保持され得、かつ
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素が上に記載されるように作動されて、ブロック(1504)に示されるように、混合物に対してDLSを実施し、それによって混合物のDLS測定を行い得る。このDLS測定は、混合物中に光を投射することと、混合物中のビーズ及び粒子によって散乱された光を受容することと、ビーズ及び粒子がブラウン運動によって液体中に分散する際の散乱パターン変化を経時的に追跡することと、を含み得る。DLSデータは、ブロック(1506)に示されるように、かつまたより詳細に上に記載されるように、自己相関曲線を生成するために使用され得る。
【0282】
その後、いくらかの追加の体積の希釈剤を混合物に添加して、混合物を更に希釈し得る。各追加の体積の希釈剤は、希釈剤の第1の体積と同じ体積であり得る。各追加の体積の希釈剤はまた、上に記載される手順に従って、先に形成された希釈剤とアリコートとの混合物に添加(及び混合)され得る。したがって、プロセスの一部は、ブロック(1508)に示されるように、追加の体積の希釈剤が添加されるべきかどうかを判定することを含む。いくつかのバージョンでは、追加の体積の希釈剤が添加され(ブロック(1502))、対応するDLS測定が行われ(ブロック(1504))、対応する自己相関曲線が所定の回数だけ適合される(ブロック(1506))。いくつかの他のバージョンでは、DLS測定プロセスを通して得られたデータは、十分なデータが得られたかどうかを判定するために監視され、それにより、希釈、DLS測定、及び自己相関曲線適合の反復数は、プロセスごとに変動し得る。
【0283】
所定数の反復が使用されるバージョンでは、コントローラ(121)又は何らかの他の構成要素は、ブロック(1506)に示されるように、追加の体積の希釈剤が添加された回数を追跡し得、かつ所定数の希釈剤体積が添加されるまで、追加の体積の希釈剤が添加され、対応するDLS測定が行われ(ブロック(1504))、対応する自己相関曲線が適合される(ブロック(1506))ことを確実にし得る。同様に、コントローラ(121)は、DLS測定プロセスを通じて得られたデータを追跡して、十分なデータが得られたかどうかを判定し得、コントローラ(121)が十分なデータが得られたと判定すると、更なる反復を停止し得る。いずれのシナリオにおいても、コントローラ(121)又は何らかの他の構成要素は、連続希釈、対応するDLS測定、及び対応する自己相関曲線適合のサブルーチンを駆動し得る。いくつかのバージョンでは、希釈(ブロック(1502))の各反復は、50%希釈をもたらす。代替的に、任意の他の好適な持続時間率が使用され得るが、依然として、希釈のありとあらゆる反復に対して同一の希釈率を提供することが有益であり得る。
【0284】
適切な数の希釈剤体積が添加され(例えば、希釈の動作(ブロック(1502))が所定の回数繰り返されるか、又は更なる反復が不要であることをデータが示すなど)、対応するDLS測定が行われ(ブロック(1504))、対応する自己相関曲線が適合されると(ブロック(1506))、ブロック(1510)に示されるように、希釈混合物の粘度が判定され得る。本実施例では、カプセル化されたmRNA粒子は、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液が、カプセル化されたmRNA粒子と、エタノールと、を含むように、エタノールを含有する流体媒体中で運ばれ、一方で、希釈剤は、水を含む。代替的に、任意の他の好適な流体媒体が、カプセル化されたmRNA粒子を運ぶために使用され得、かつ任意の他の流体が、希釈剤として使用され得る。本例に戻ると、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液中のエタノールの正確な量は未知であり得るが、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液中のエタノールの量は、およそ一定量(例えば、約15%など)であると仮定され得る。混合物の粘度は、以下の式(V)に示されるように、エタノール濃度とともに直線的に増加し得る。
【0285】
【数5】
式中、「v」は、アリコートと希釈剤との混合物の粘度であり、
「f([エタノール])」は、エタノール含有量の線形関数としての粘度であり、
「m([エタノール])」は、エタノールの濃度を表す、式中の線形化項であり、
「b」は、エタノールを含まない初期粘度を表す、式中の線形化項である。
【0286】
式(V)を使用して上に記載されるように判定される混合物の粘度を用いて、プロセスの次のステップは、ブロック(1512)に示されるように、カプセル化されたmRNA粒子サイズについて解くことを含む。その目的のため。混合物中のエタノールの濃度は、希釈(ブロック(1502))の各反復で既知の係数(「f」)だけ低減するので、希釈の数に対する自己相関ガンマ値(「Γi」)の値は、以下の式(VI)に従って判定され得る。
【0287】
【数6】
式中、「Γ
i」は、希釈(ブロック(1502))の各反復について自己相関曲線を適合することから判定される自己相関曲線適合値であり、
「K」は、式(I)における残りのパラメータであり、簡略化のため式(III)においては「K」として表され、
「d」は、カプセル化されたmRNA粒子の直径であり、
「b」は、エタノールを含まない初期粘度を表す、式中の線形化項であり、
「m([エタノール])
0」は、エタノールの初期濃度を表す、式中の線形化項であり、
「f」は、マイクロ流体体積によって判定される希釈係数であり(例えば、入力マイクロ流体緩衝液が毎回試料を半分に希釈した場合、毎回50%の希釈係数を有することになり、これは、マイクロ流体幾何学形状/体積によって判定されるように、各希釈サイクルに導入される緩衝液体積によって判定されることになる)、
「A」は、K/dを表す適合パラメータであり、
「B」は、bを表す適合パラメータであり、
「C」は、m([エタノール])
0を表す適合パラメータである。
【0288】
この例では、値「A」は、アリコート中のカプセル化されたmRNA粒子のサイズの判定を可能にし得、値「C」は、アリコート中のエタノールの濃度の判定を可能にし得る。
【0289】
図29は、希釈(ブロック1502)の20回の反復の過程にわたって「Γ
i」の値の一例をプロットした曲線(1552)の一例を含むグラフ(1550)を示し、希釈(ブロック1502)の各反復は、50%の希釈率をもたらす。示されるように、「Γ
i」の値は、約3回目の希釈(ブロック1502)の反復から約9回目の希釈反復まで実質的に増加し、次いで、約10回目の希釈(ブロック(1502))の反復で始まる実質的なプラトーに達する。したがって、この例では、希釈(ブロック(1502))が約3~9回繰り返され得、追加の希釈(ブロック(1502))の反復が必ずしも有益であるとは限らないことが判定され得る。これは、単なる具体例に過ぎず、異なるプロセスが、希釈(ブロック(1502))のより多くの又はより少ない反復を保証し得ることを理解されたい。
【0290】
上記を考慮して、希釈ステップ(ブロック(1502))の各繰り返しにより、測定段(1300)における試料の濃度は、測定段(1300)の設計に特徴的な既知の係数だけ低減される。この係数は、ポンプ(1314、1332)、混合チャンバ(1322)、DLSチャンバ(1324)などの容積に応じて増減し得る。
【0291】
図28~
図29を参照して上に記載されるプロセスは、カプセル化されたmRNA粒子含有溶液の異なるアリコートを試験するために繰り返し実行され得る。いくつかのバージョンでは、弁(854)は、各混合アセンブリ(820)の出力を測定段(1300)に向けて順次方向付けるように動作する。測定されたカプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布は、実際のカプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布が許容範囲内であるかどうかを判定するために、閾値又は所定の範囲に対して比較され得る。この比較は、測定段(1300)を通して処理されたアリコートを生成した混合アセンブリ(820)が正しく動作しているかどうかを示し得る。カプセル化されたmRNA粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布が許容範囲外であった場合、これは、測定段(1300)におけるカプセル化されたmRNA粒子のサイズ及び/又はサイズ分布が不適切であること、並びに測定段(1300)においてアリコートを生成した混合アセンブリ(820)が不適切に動作していることを示し得る。次いで、プロセスチップ(800)は、その混合アセンブリ(820)の出力の送達を停止し得る。
【0292】
混合アセンブリ(820)の出力が、許容可能な又は許容不能な粒子サイズ及び/又はサイズ分布をもたらしたかどうかにかかわらず、プロセスチップ(800)は、
図28~
図29を参照して上に記載されるプロセスに従って第1の混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)において分析された後、次の混合アセンブリ(820)の出力を測定段(1300)に連通させるように弁(854)を動作させ得る。このシーケンスは、各混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)で分析されるまで継続され得る。最後の混合アセンブリ(820)の出力が測定段(1300)で分析されると、プロセスは、第1の混合アセンブリ(820)に戻って開始され、プロセスチップ(800)の動作の持続時間にわたってシーケンスを継続し得る。任意の混合アセンブリ(820)が、それらの出力が測定段(1300)で失敗したことに起因してシャットダウンされた場合、そのような混合アセンブリ(820)は、プロセスチップ(800)が測定段(1300)において混合アセンブリ(820)出力を試験するシーケンスを反復する際に渡され得る。
【0293】
測定段(1300)及び
図28~
図29の文脈において具体的に提供された前述の教示に加えて、測定段(1300)を含むプロセスチップ(800)のバージョンは、プロセスチップ(800)の動作に関して上記で提供された他の教示に従って動作し得る。
【0294】
本明細書に記載される他の計算及び実施されるアルゴリズムと同様に、
図28に示されるプロセスは、コントローラ(121)によって実行され得る。これは、弁(1310、1316、1328、1336)と、ポンプ(1314、1332)と、
図9~
図11及び
図16~
図20に示されるDLS構成要素と、を駆動する構成要素を作動させるコントローラ(121)を含み得る。これはまた、コントローラ(121)が、自己相関器(1024)からの自己相関データを処理して自己相関曲線を生成し、上に記載されるブロック(1408、1410)に関連付けられた計算を実施することを含み得る。当然のことながら、コントローラ(121)は、本明細書に明示的に記載される他の機能を含むが、これらに限定されない、
図28に示されるプロセスに関連する様々な他の機能を実施し得る。
【0295】
V.その他
前述の説明は、当業者が本明細書に記載される様々な構成を実践することを可能にするために提供される。主題の技術は、様々な図及び構成を参照して具体的に説明されてきたが、これらは例示目的のみのためであり、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0296】
主題の技術を実装するための多くの他の方法が存在し得る。本明細書に記載される様々な機能及び要素は、主題の技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なって区分され得る。これらの実装形態への様々な修正は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義される一般原理は、他の実装形態に適用され得る。したがって、多くの変更及び修正が、主題の技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって本技術に対して行われ得る。例えば、異なる数の所与のモジュール又はユニットが用いられ得るか、1つ若しくは複数の異なるタイプの所与のモジュール若しくはユニットが用いられ得るか、所与のモジュール若しくはユニットが追加され得るか、又は所与のモジュール若しくはユニットが省略され得る。
【0297】
本明細書において、ある特徴若しくは要素が別の特徴若しくは要素の「上に」あると言及される場合、それは他の特徴若しくは要素の直接上にあり得るか、又は介在する特徴及び/若しくは要素が存在し得る。対照的に、ある特徴若しくは要素が別の特徴又は要素の「上に直接」あると言及される場合、介在する特徴若しくは要素は存在しない。ある特徴若しくは要素が、別の特徴若しくは要素に「接続されている」、「取り付けられている」、又は「結合されている」と言及される場合、それは、他の特徴若しくは要素に直接接続され得るか、取り付けられ得るか、若しくは結合され得るか、又は介在する特徴若しくは要素が存在し得る。対照的に、ある特徴若しくは要素が別の特徴若しくは要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、又は「直接結合されている」と言及される場合、介在する特徴若しくは要素は存在しない。一実施形態に関して記載又は図示されるが、そのように記載又は図示される特徴及び要素は、他の実施形態に適用され得る。別の特徴に「隣接して」配設される構造又は特徴への言及は、隣接する特徴と重なり合う又はその下にある部分を有し得ることも、当業者によって理解されるであろう。
【0298】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含み、「/」と略記される場合がある。
【0299】
「下の(under)」、「下方の(below)」、「下部の(lower)」、「上の(over)」、「上部の(upper)」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるように、1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を説明するための説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示された配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図中のデバイスが反転される場合、他の要素又は特徴の「下の(under)」又は「真下の(beneath)」として記載される要素は、他の要素又は特徴の「上に(over)」配向されるであろう。したがって、「下の(under)」という用語は、上及び下の両方の配向を包含し得る。デバイスは、別様に配向され得(90度又は他の配向で回転される)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。同様に、「上方へ」、「下方へ」、「鉛直に」、「水平に」などの用語は、本明細書では、具体的に別段の指示がない限り、説明のみを目的として使用される。
【0300】
本明細書で使用される「垂直な」という用語は、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが一緒に90度の角度を画定するように、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが配向される配置を含むと理解されるべきである。本明細書で使用される「垂直な」という用語はまた、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが一緒に約90度である角度(例えば、85度~90度の範囲の角度)を画定するように、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが配向される配置を含むと理解されるべきである。したがって、本明細書で使用される「垂直な」という用語は、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが一緒に正確に90度の角度を画定するように、2つの物体、軸、平面、表面、又は他のものが配向されることを必ずしも必要とするものとして読まれるべきではない。
【0301】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書において様々な特徴/要素(ステップを含む)を記載するために使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈が別段に示さない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用され得る。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、下で考察される第1の特徴/要素を第2の特徴/要素と呼ばれ得、同様に、下で考察される第2の特徴/要素を第1の特徴/要素と呼ばれ得る。
【0302】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という語、並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などの変形は、様々な構成要素が、方法及び物品(例えば、デバイス及び方法を含む組成物及び装置)において共同で用いられ得ることを意味する。例えば、「含む(comprising)」という用語は、任意の記述された要素又はステップを含むが、任意の他の要素又はステップを除外しないことを意味すると理解されよう。概して、本明細書に記載される装置及び方法のいずれも包括的であると理解されるべきであるが、構成要素及び/又はステップの全部又は下位セットは、代替的に排他的であり得、様々な構成要素、ステップ、下位構成要素、又は下位ステップ「からなる」又は代替的に「から本質的になる」と表現され得る。
【0303】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、例において使用される場合を含めて、別段に明示的に指定されない限り、全ての数字は、「約」又は「およそ」という語が明示的に現れていなくても、その語が前に置かれているかのように読まれ得る。「約」又は「およそ」という句は、大きさ及び/又は位置を記載するときに、記載される値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予想範囲内にあることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記述された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記述された値(又は値の範囲)の+/-1%、記述された値(又は値の範囲)の+/-2%、記述された値(又は値の範囲)の+/-5%、記述された値(又は値の範囲)の+/-10%などである値を有し得る。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈上別段の指示がない限り、約その値、又はおよそその値を含むものと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全ての下位範囲を含むことが意図される。
【0304】
また、ある値がその値「以下」であると開示される場合、当業者に適切に理解されるように、「その値以上」、及び値の間の可能な範囲も開示されることも理解される。例えば、値「X」が開示された場合、「X以下」並びに「X以上」(例えば、Xが数値である場合)もまた開示される。また、本出願全体を通して、データはいくつかの異なる形式で提供され、このデータは終点及び開始点、並びにデータ点の任意の組み合わせの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」及び特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10及び15より大きい、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下、並びに10及び15に等しいは、10と15との間と同様に開示されているとみなされることが理解される。2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13、及び14もまた開示される。
【0305】
本明細書で使用される場合、「システム」、「装置」、及び「デバイス」という用語は、互いに交換可能であると読み取られ得る。システム、装置、及びデバイスは、各々、互いに様々な種類の構造的及び/又は機能的関係を有する複数の構成要素を含み得る。
【0306】
本明細書に記載される例のいくつかのバージョンは、バスサブシステムを介していくつかの周辺デバイスと通信する少なくとも1つのプロセッサを含み得るコンピュータシステムを使用して実装され得る。コンピュータシステムを使用して実装される本明細書に記載される例のバージョンは、本明細書に記載される方法を実施するようにプログラムされた汎用コンピュータを使用して実装され得る。代替的に、コンピュータシステムを使用して実装される本明細書に記載される例のバージョンは、本明細書に記載される方法を実施するように配置されたハードウェアを用いて構築される特定目的コンピュータを使用して実装され得る。本明細書に記載される例のバージョンはまた、少なくとも1つの汎用コンピュータと少なくとも1つの特定目的コンピュータとの組み合わせを使用して実装され得る。
【0307】
コンピュータシステムを使用して実装されるバージョンでは、各プロセッサは、コンピュータシステムの中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、他の種類のハードウェア構成要素、及びそれらの組み合わせを含み得る。コンピュータシステムは、複数のタイプのプロセッサを含み得る。コンピュータシステムの周辺デバイスは、例えば、メモリデバイス及びファイル記憶サブシステムを含む記憶サブシステム、ユーザインターフェース入力デバイス、ユーザインターフェース出力デバイス、並びにネットワークインターフェースサブシステムを含み得る。入力及び出力デバイスは、コンピュータシステムとのユーザインタラクションを可能にし得る。ネットワークインターフェースサブシステムは、他のコンピュータシステム内の対応するインターフェースデバイスへのインターフェースを含む、外部ネットワークへのインターフェースを提供し得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、又はグラフィックスタブレットなどのポインティングデバイス、スキャナ、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システム及びマイクロフォンなどのオーディオ入力デバイス、並びに他のタイプの入力デバイスを含み得る。概して、「入力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステムに情報を入力するための全ての可能なタイプのデバイス及び方法を含むことを意図している。
【0308】
コンピュータシステムを使用して実装されるバージョンでは、ユーザインターフェース出力デバイスは、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス機、又はオーディオ出力デバイスなどの非視覚ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(cathode ray tube、CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)などのフラットパネルデバイス、投影デバイス、又は可視画像を作成するための何らかの他の機構を含み得る。ディスプレイサブシステムはまた、オーディオ出力デバイスなどの非視覚ディスプレイを提供し得る。概して、「出力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステムからユーザ又は別の機械若しくはコンピュータシステムに情報を出力するための全ての可能なタイプのデバイス及び方法を含むことが意図される。
【0309】
コンピュータシステムを使用して実装されるバージョンでは、記憶サブシステムは、本明細書に記載されるモジュール及び方法の一部又は全部の機能を提供するプログラミング及びデータ構造を記憶し得る。これらのソフトウェアモジュールは、概して、コンピュータシステムのプロセッサによって単独で、又は他のプロセッサと組み合わせて実行され得る。記憶サブシステムで使用されるメモリは、プログラム実行中に命令及びデータを記憶するためのメインランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)と、固定命令が記憶される読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)と、を含む、いくつかのメモリを含み得る。ファイル記憶サブシステムは、プログラム及びデータファイルのための永続的記憶域を提供し得、ハードディスクドライブ、関連する取り外し可能媒体を有するフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、光ドライブ、又は取り外し可能媒体カートリッジを含み得る。特定の実装形態の機能性を実装するモジュールは、記憶サブシステム内のファイル記憶サブシステムによって、又はプロセッサによってアクセス可能な他のマシン内に記憶され得る。
【0310】
コンピュータシステムを使用して実装されるバージョンでは、コンピュータシステム自体は、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータ端末、ネットワークコンピュータ、テレビ、メインフレーム、サーバファーム、広く分散された1組の疎にネットワーク化されたコンピュータ、又は任意の他のデータ処理システム若しくはユーザデバイスを含む様々なタイプのものであり得る。コンピュータ及びネットワークの絶えず変化する性質に起因して、本明細書に記載されるコンピュータシステムの例は、開示される技術を例示する目的のための特定の例としてのみ意図される。本明細書に記載されるコンピュータシステムよりも多い又は少ない構成要素を有するコンピュータシステムの多くの他の構成が可能である。
【0311】
方法ではなく製造物品として、非一時的コンピュータ可読媒体(computer readable medium、CRM)に、プロセッサによって実行可能なプログラム命令がロードされ得る。プログラム命令は、実行されたときに、上に記載されるコンピュータ実装方法のうちの1つ以上を実装する。代替的に、プログラム命令は、非一時的CRMにロードされ得、適切なハードウェアと組み合わされたときに、開示された方法を実践するコンピュータ実装システムのうちの1つ以上の構成要素になり得る。
【0312】
下線付き及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜上使用されているに過ぎず、主題技術を限定するものではなく、主題技術の説明の解釈に関連して言及されていない。当業者に既知である、又は後に既知となるようになる、本開示全体にわたって記載される様々な実装形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、本主題技術によって包含されることが意図される。更に、本明細書で開示されるものは、そのような開示が上記の記載において明示的に述べられているかどうかにかかわらず、公衆に提供されることを意図していない。
【0313】
前述の概念及び以下でより詳細に考察される追加の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)は、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されることを理解されたい。具体的には、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図される。
【国際調査報告】