(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】以前に幹細胞移植を受けた患者におけるT細胞療法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20240415BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240415BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240415BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240415BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20240415BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240415BHJP
A61K 35/28 20150101ALN20240415BHJP
A61K 35/51 20150101ALN20240415BHJP
A61K 48/00 20060101ALN20240415BHJP
A61K 35/76 20150101ALN20240415BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240415BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240415BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20240415BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P35/00
A61P35/02
A61K47/68
A61K39/395 T
C12N5/0783 ZNA
C12N5/10
A61K35/28
A61K35/51
A61K48/00
A61K35/76
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563316
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 US2022025130
(87)【国際公開番号】W WO2022221737
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508027464
【氏名又は名称】セルジーン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【氏名又は名称】佐藤 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】リトレウスキー,ジュリー アン
(72)【発明者】
【氏名】マシャディ-ホセイン,アフシン
(72)【発明者】
【氏名】フラー,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ティモシー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93Y
4B065AA94X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
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4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4C076AA95
4C076BB13
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA13
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA13
4C084ZB261
4C084ZB271
4C085AA14
4C085BB01
4C085BB12
4C085BB31
4C085BB50
4C085CC03
4C085CC31
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG02
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087BB44
4C087BB59
4C087BC83
4C087CA04
4C087CA12
4C087CA16
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA13
4C087ZB26
4C087ZB27
(57)【要約】
腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫)を治療するための、T細胞、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の使用であって、治療されている対象は、幹細胞移植を事前に受けたことがある、使用が本明細書で提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)幹細胞移植(SCT)を前記対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(d)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含む、方法。
【請求項2】
工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(c)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含み、工程(a)の前に、前記対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
【請求項5】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(c)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含み、前記対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
【請求項9】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、前記対象が、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象が、本工程前の約9カ月未満に、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(d)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含む、方法。
【請求項12】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の約12カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、前記対象が、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(c)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含み、前記単離の時点で、前記対象が、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
【請求項15】
前記対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、前記対象が、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、患者から単離された末梢血単核細胞(PBMC)から製造されたT細胞を前記対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、前記対象が、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、SCTを最後に受けた、方法。
【請求項18】
前記対象が、前記PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを最後に受けた、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、前記PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、SCTを最後に受けた、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記腫瘍またはがんが、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記がんが、非ホジキンリンパ腫であり、前記非ホジキンリンパ腫が、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、前記ハイリスク多発性骨髄腫が、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、請求項23から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記SCTが、自己幹細胞移植である、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記製造されたT細胞が、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記製造されたT細胞が、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)幹細胞移植(SCT)を前記対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)前記PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで
(d)前記BCMA CAR T細胞を前記対象に投与する工程
を含む、方法。
【請求項33】
工程(b)が、幹細胞移植(SCT)を前記対象に投与する工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
工程(b)が、幹細胞移植(SCT)を前記対象に投与してから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで
(c)前記BCMA CAR T細胞を前記対象に投与する工程
を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
【請求項36】
前記対象が、工程(a)の約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;
(c)前記BCMA CAR T細胞を前記対象に投与する工程であって、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、工程
を含み、
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
【請求項40】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植SCTを投与されており、前記方法が、
(a)前記対象が、本決定工程前の約9カ月未満に、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程であって、SCTが前記対象に投与されてから少なくとも9カ月後に行われる工程;
(c)前記PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで
(d)前記BCMA CAR T細胞を前記対象に投与する工程
を含む、方法。
【請求項43】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の約12カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、前記対象が、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで
(c)前記BCMA CAR T細胞を前記対象に投与する工程
を含み、前記単離の時点で、前記対象が、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
【請求項46】
前記対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、前記対象が、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、前記患者から単離された末梢血単核細胞(PBMC)から製造された、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を前記対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、前記対象が、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、SCTを最後に受けた、方法。
【請求項49】
前記対象が、前記PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを最後に受けた、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記対象が、前記PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前にSCTを受けた、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、請求項32から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記がんが、非ホジキンリンパ腫であり、前記非ホジキンリンパ腫が、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、前記ハイリスク多発性骨髄腫が、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、請求項53から55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、請求項32から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、請求項32から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記SCTが、自己幹細胞移植である、請求項32から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
対象においてT細胞療法の後に血小板減少症から回復するまでの時間を短縮させる方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程;次いで
(c)製造されたT細胞を前記対象に投与する工程
を含み、前記対象が、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
【請求項61】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(c)前記PBMCからT細胞を製造する工程
を含む、方法。
【請求項63】
工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程;
を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、前記対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
【請求項66】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある、請求項65から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程
を含み、
前記対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
【請求項70】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
対象からT細胞を製造する方法であって、前記対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象が、本決定工程前の約9カ月未満に、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(c)前記PBMCからT細胞を製造する工程
を含む、方法。
【請求項73】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
工程(a)において、前記対象が、決定する工程前の約12カ月未満に、SCTを投与されていない、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
対象からT細胞を製造する方法であって、前記対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCからT細胞を製造する工程
を含み、前記単離の時点で、前記対象が、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
【請求項76】
前記対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、請求項75または76に記載の方法。
【請求項78】
前記腫瘍またはがんが、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である、請求項62から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、請求項62から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記がんが、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、請求項81または82に記載の方法。
【請求項84】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、前記ハイリスク多発性骨髄腫が、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、請求項81から83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、請求項62から84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、請求項62から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記SCTが、自己幹細胞移植である、請求項62から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記製造されたT細胞が、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である、請求項62から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記製造されたT細胞が、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)である、請求項62から88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を前記対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(c)前記PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含む、方法。
【請求項91】
工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、請求項90または91に記載の方法。
【請求項93】
対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含み、
工程(a)の少なくとも9カ月前に、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
【請求項94】
前記対象が、工程(a)の約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、請求項93または94に記載の方法。
【請求項96】
前記対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、請求項93から95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含み、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり、
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
【請求項98】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項97または98に記載の方法。
【請求項100】
対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象が、本決定工程前の約9カ月未満に、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(c)前記PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含む、方法。
【請求項101】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
工程(a)が、前記対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、請求項100または101に記載の方法。
【請求項103】
対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、前記対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、前記方法が、
(a)前記対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで
(b)前記PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含み、前記単離の時点で、前記対象が、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
【請求項104】
前記対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、請求項103または104に記載の方法。
【請求項106】
前記がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、請求項90から105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記がんが、非ホジキンリンパ腫であり、前記非ホジキンリンパ腫が、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記がんが、多発性骨髄腫である、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、請求項108または109に記載の方法。
【請求項111】
前記多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、前記ハイリスク多発性骨髄腫が、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、請求項108から110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、請求項90から111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、請求項90から112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記SCTが、自己幹細胞移植である、請求項90から113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
PMBCからのT細胞の製造が、
(a)白血球アフェレーシス試料からPBMCを単離する工程;次いで
(b)前記単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程
を含む、請求項32から114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記製造が、
(a)白血球アフェレーシス試料からT細胞を単離する工程;次いで
(b)前記単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程
を含む、請求項32から114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記導入が、CARをコードする組換え核酸を含むウイルスベクターでの形質導入による導入である、請求項115または116に記載の方法。
【請求項118】
前記ウイルスベクター粒子(partical)が、レンチウイルスベクターである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記導入の前に、前記製造が、T細胞を活性化することが可能な薬剤で、T細胞の組成物を刺激することをさらに含む、請求項115から118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記薬剤が、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記製造が、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸が導入された細胞を拡大増殖させることをさらに含む、請求項115から120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記CARが、抗BCMA CARである、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、前記BCMAに対するCARが、BCMAを標的とする抗体または抗体断片を含む、請求項32から61または88から122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、前記BCMAに対するCARが、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む、請求項32から59または90から123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記キメラ抗原受容体(CAR)が、BCMAに結合する細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達領域を含む、請求項32から59または88から124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそれらのシグナル伝達部分を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の膜貫通ドメインと、細胞質内シグナル伝達ドメインとの間にある、請求項126または127に記載の方法。
【請求項129】
前記膜貫通ドメインが、CD28またはCD8からの膜貫通ドメインであるか、またはこれを含み、ヒトCD28またはCD8からの膜貫通ドメインであってもよく、またはそれを含んでいてもよい、請求項125から128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記CARが、抗原結合ドメインと膜貫通ドメインとの間に、細胞外スペーサーをさらに含む、請求項32から59または88から129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記スペーサーが、CD8からのものであり、前記スペーサーが、CD8αヒンジであってもよい、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記膜貫通ドメインおよびスペーサーが、CD8からのものである、請求項130または131に記載の方法。
【請求項133】
前記BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、前記BCMAに対するCARが、配列番号38を含む、請求項32から59または90から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記BCMA CAR T細胞が、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である、請求項32から59または89から133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
BCMA CAR T細胞が、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である、請求項32から59または90から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記対象にT細胞を投与する前に、前記対象がアフェレーシス手順を受けて、T細胞の製造のためのPBMCが収集される、請求項1から31、60から89、および115から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記アフェレーシス手順が、白血球アフェレーシス手順である、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、前記対象がアフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される、請求項32から59または90から135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記アフェレーシス手順が、白血球アフェレーシス手順である、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記T細胞が、静脈内注入によって投与される、請求項1から31、60から89、および115から132、136、ならびに137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記BCMA CAR T細胞が、静脈内注入によって投与される、請求項32から59、90から135、138、または139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記対象が、ヒトである、請求項1から141のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「T CELL THERAPY IN PATIENTS WHO HAVE HAD PRIOR STEM CELL TRANSPLANT」というタイトルの2021年4月16日に出願された米国特許仮出願第63/176,192号の優先権を主張し、その内容は、参照によりそれら全体が本明細書に取り込まれる。
【0002】
配列表の参照による取り込み
本出願は、電子フォーマットで配列表と共に出願されている。配列表は、2022年4月15日に作成された683772002140SeqList.txtというタイトルのファイルとして提供され、サイズは、418,478バイトである。配列表の電子フォーマットにおける情報は、参照によりその全体が組み入れられる。
【0003】
技術分野
本明細書で示される開示は、腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫)を治療するための方法に関する。より特定すると、本開示は、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)を使用して腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫)を治療するための改善された方法であって、治療されている対象は、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法に関する。本開示はまた、抗体またはその抗原結合断片(例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片)を含むキメラ抗原受容体(CAR)、およびこれらのCARを発現するように遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)を使用して、腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫)を治療するための方法にも関する。本開示はまた、腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫)を治療するための抗体またはその抗原結合断片(例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片)を含むT細胞およびCARを製造するための方法にも関する。
【背景技術】
【0004】
現在、がんの治療にアプローチするための多くの選択肢が利用可能であり、その例としては、例えば、従来の化学療法アプローチ、加えて免疫療法(例えば、キメラ抗原受容体CAR)T細胞療法が挙げられる。ある特定の場合において、ある療法または手順を使用すると、その後の投与を最適未満にする可能性がある。したがって、がん療法、例えば、T細胞療法、例えば、CAR-T療法が患者に投与される場合、例えば、他のがん療法またはがん療法に関連する手順と逐次的に投与される場合、このような療法の投与を最適化することが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の開示は、一般的に、B細胞関連のがん、例えば、多発性骨髄腫などの腫瘍またはがんを治療する改善された方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、B細胞成熟抗原(BCMA)CAR構築物(抗BCMA02 CAR)の概略図を示す図である。
【
図2】
図2は、再発性および難治性多発性骨髄腫患者からの白血球アフェレーシス中に収集された細胞の表現型を示す図である。示されている結果は、患者の以前の自家幹細胞移植(ASCT)療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づいてグループ分けされている。白血球アフェレーシス試料を、抗BCMAキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の産物のために収集した。
【
図3】
図3は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づきCAR T細胞療法後の患者の疾患進行の確率を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
【
図4】
図4は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づき、CAR T細胞療法後にグレード3またはそれよりも高い血小板減少症から患者が回復するまで時間を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
【
図5】
図5は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づき、白血球アフェレーシス中に収集された末梢血単核球(PBMC)の表現型に対する効果を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0008】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(lipomachronic lymphocytic leukemia)(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、改訂版国際病期分類(R-ISS)ステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0009】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0010】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0011】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0012】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0013】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0014】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0015】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0016】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0017】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0018】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0019】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0020】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0021】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0022】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0023】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも12カ月後に行われる。
【0024】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0025】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0026】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0027】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0028】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0029】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0030】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0031】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。
【0032】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性骨髄腫である。
【0033】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0034】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0035】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0036】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0037】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0038】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0039】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている。
【0040】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0041】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0042】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0043】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0044】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0045】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0046】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0047】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植(SCT)を最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を受けた。
【0048】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0049】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0050】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0051】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0052】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0053】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0054】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0055】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0056】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0057】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0058】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0059】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0060】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0061】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセルidecabtagene vicleucel)細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル(ciltacabtagene autoleucel)細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0062】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0063】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0064】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0065】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0066】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0067】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0068】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0069】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0070】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0071】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0072】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0073】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0074】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0075】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な別の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0076】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0077】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0078】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0079】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0080】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0081】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0082】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程であって、幹細胞移植(SCT)が対象に投与されてから少なくとも9カ月後に行われる、工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。
【0083】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0084】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な別の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0085】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0086】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0087】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0088】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0089】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0090】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0091】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0092】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0093】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な別の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0094】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0095】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0096】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0097】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0098】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0099】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0100】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造された、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植(SCT)を最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。
【0101】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0102】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な別の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0103】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0104】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0105】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0106】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、例えば、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0107】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0108】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0109】
別の態様では、対象においてT細胞療法の後に血小板減少症から回復するまでの時間を短縮させる方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、SCTを事前に受けたことがある。
【0110】
別の態様では、対象からT細胞を製造する方法であって、(a)腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCからT細胞を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0111】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0112】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0113】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0114】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0115】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0116】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0117】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0118】
別の態様では、対象からT細胞を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0119】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0120】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0121】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0122】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0123】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0124】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0125】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0126】
別の態様では、対象からT細胞を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0127】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0128】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0129】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0130】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0131】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0132】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0133】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0134】
別の態様では、対象からT細胞を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCからキメラT細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。
【0135】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0136】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0137】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0138】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0139】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0140】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0141】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0142】
別の態様では、対象からT細胞を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0143】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0144】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0145】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0146】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0147】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0148】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0149】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0150】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0151】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0152】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0153】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0154】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0155】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0156】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0157】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0158】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0159】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0160】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0161】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0162】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0163】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0164】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0165】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0166】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0167】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0168】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0169】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0170】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0171】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0172】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0173】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0174】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0175】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0176】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0177】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0178】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0179】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0180】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0181】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0182】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0183】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0184】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0185】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0186】
別の態様では、対象からBCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(c)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA T細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0187】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0188】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。別の具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0189】
特定の実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。
【0190】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。
【0191】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0192】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02scFvを含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0193】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0194】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0195】
特定の実施形態では、PBMCからのT細胞の製造は、(a)白血球アフェレーシス試料からPBMCを単離する工程;次いで(b)単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程を含む。
【0196】
特定の実施形態では、製造は、(a)白血球アフェレーシス試料からT細胞を単離する工程;次いで(b)単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程を含む。
【0197】
特定の実施形態では、導入は、CARをコードする組換え核酸を含むウイルスベクターでの形質導入による導入である。
【0198】
特定の実施形態では、ウイルスベクター粒子(partical)は、レンチウイルスベクターである。
【0199】
特定の実施形態では、導入の前に、製造は、T細胞を活性化することが可能な薬剤で、T細胞の組成物を刺激することをさらに含む。
【0200】
特定の実施形態では、薬剤は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を含む。
【0201】
特定の実施形態では、製造は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸が導入された細胞を拡大増殖させることをさらに含む。
【0202】
特定の実施形態では、CARは、抗BCMA CARである。
【0203】
特定の実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)は、BCMAに結合する細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達領域を含む。
【0204】
特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達領域は、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む。
【0205】
特定の実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそれらのシグナル伝達部分を含む。
【0206】
特定の実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の膜貫通ドメインと、細胞質内シグナル伝達ドメインとの間である。
【0207】
特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD28またはCD8からの膜貫通ドメインであるかまたはそれを含み、ヒトCD28またはCD8からの膜貫通ドメインであってもよいし、またはそれを含んでいてもよい。
【0208】
特定の実施形態では、CARは、抗原結合ドメインと膜貫通ドメインとの間に、細胞外スペーサーをさらに含む。
【0209】
特定の実施形態では、スペーサーは、CD8からのものである。特定の実施形態では、スペーサーは、CD8αヒンジである。
【0210】
特定の実施形態では、膜貫通ドメインおよびスペーサーは、CD8からのものである。
【0211】
(図面の簡単な説明)
図1は、B細胞成熟抗原(BCMA)CAR構築物(抗BCMA02 CAR)の概略図を示す図である。
図2は、再発性および難治性多発性骨髄腫患者からの白血球アフェレーシス中に収集された細胞の表現型を示す図である。示されている結果は、患者の以前の自家幹細胞移植(ASCT)療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づいてグループ分けされている。白血球アフェレーシス試料を、抗BCMAキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の産物のために収集した。
図3は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づきCAR T細胞療法後の患者の疾患進行の確率を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
図4は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づき、CAR T細胞療法後にグレード3またはそれよりも高い血小板減少症から患者が回復するまで時間を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
図5は、患者の以前のASCT療法と白血球アフェレーシスとの間の時間の長さに基づき、白血球アフェレーシス中に収集された末梢血単核球(PBMC)の表現型に対する効果を示す、訓練されたランダムフォレストモデルの累積局所効果(ALE)プロットを示す図である。
【0212】
配列識別子の簡単な説明
配列番号1~3は、本明細書で企図されるBCMA CARの例示的な軽鎖CDR配列のアミノ酸配列を示す。
【0213】
配列番号4~6は、本明細書で企図されるBCMA CARの例示的な重鎖CDR配列のアミノ酸配列を示す。
【0214】
配列番号7は、本明細書で企図されるBCMA CARの例示的な軽鎖配列のアミノ酸配列を示す。
【0215】
配列番号8は、本明細書で企図されるBCMA CARの例示的な重鎖配列のアミノ酸配列を示す。
【0216】
配列番号9は、シグナルペプチド(アミノ酸1~21)を有する、本明細書で企図される例示的なBCMA CARのアミノ酸配列を示す。BCMA02の成熟型のアミノ酸配列は配列番号37に示されている。
【0217】
配列番号10は、本明細書で企図される例示的なBCMA CARをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
【0218】
配列番号11は、ヒトBCMAのアミノ酸配列を示す。
【0219】
配列番号12~22は、種々のリンカーのアミノ酸配列を示す。
【0220】
配列番号23~35は、プロテアーゼ切断部位および自己切断型ポリペプチド切断部位のアミノ酸配列を示す。
【0221】
配列番号36は、例示的なBCMA CARをコードするベクターのポリヌクレオチド配列を示す。表1を参照されたい。
【0222】
配列番号37は、本明細書で企図される例示的な成熟BCMA CAR(つまり、シグナル配列を有さない)のアミノ酸配列を示す。
【0223】
配列番号38は、BCMA02 scFvのアミノ酸配列を示す。
【0224】
表1: 配列表:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0225】
詳細な説明
I.T細胞を使用して腫瘍またはがんを治療するための方法およびT細胞を製造する方法
本明細書で示される開示は、一般的に、腫瘍またはがん(例えば、B細胞関連の疾患またはがん、例えば多発性骨髄腫など)を治療するための改善された方法に関する。本明細書で示される開示はまた、T細胞、例えばCAR T細胞(例えば、BCMAに対するCAR T細胞(BCMA CAR T細胞))を製造する方法にも関する。用語「B細胞関連の状態」は、本明細書で使用される場合、不適切なB細胞の活性やB細胞悪性腫瘍を含む状態に関する。
【0226】
本明細書で示される特定の実施形態は、T細胞(例えば、遺伝子改変された免疫エフェクター細胞、例えば、CAR T細胞)を使用する、疾患(例えば、腫瘍もしくはがん、またはB細胞関連の疾患もしくはがん、例えば、多発性骨髄腫など)の、改善された養子細胞療法に関する。遺伝学的アプローチは、がん細胞の免疫認識および排除を強化するための将来性のある手段を提供する。1つの有望な戦略は、細胞傷害性をがん細胞にリダイレクトするキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように免疫エフェクター細胞を遺伝学的に操作することである。
【0227】
本明細書で開示されるT細胞療法が投与される前に、幹細胞移植(SCT)を投与された(例えば、放射線療法、化学療法、またはその両方での治療と関連して(例えば、その後に))対象(例えば、患者)における使用のためのT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)を投与する改善された方法は、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程が、幹細胞移植が対象に投与された後の期間(すなわち、「ウォッシュアウト」期間)の後に行われる、方法を含む。本明細書で開示されるT細胞療法が投与される前に、幹細胞移植を投与された(例えば、放射線療法、化学療法、またはその両方での治療と関連して(例えば、その後に))対象における使用のためのT細胞療法(例えば、CAR T細胞療法)を投与する改善された方法は、容易に拡大増殖でき、インビボで長期持続性を示すことができる遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、CAR T細胞)、例えば、B細胞成熟抗原(BCMA、CD269または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー17;TNFRSF17としても公知)を発現するB細胞を標的化することによって体液性免疫の障害を低減する、遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、CAR T細胞)と共に使用することができる。幹細胞移植を投与された(例えば、放射線療法、化学療法、またはその両方での治療と関連して(例えば、その後に))患者から単離されたPBMCからT細胞、例えば、CAR T細胞(例えば、BCMA CAR T細胞)を製造する改善された方法も本明細書で開示される。
【0228】
BCMAは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーである(例えば、Thompson et al., J. Exp. Medicine, 192(1): 129-135, 2000、およびMackay et al., Annu. Rev. Immunol, 21: 231-264, 2003を参照。BCMAは、B細胞活性化因子(BAFF)および増殖誘導リガンド(APRIL)と結合する(例えば、Mackay et al., 2003 and Kalled et al., Immunological Reviews, 204: 43-54, 2005を参照)。非悪性細胞のなかでも、BCMAは、主に、形質細胞および成熟B細胞のサブセットで発現されることが報告されている(例えば、Laabi et al., EMBO J., 77(1): 3897-3904, 1992; Laabi et al., Nucleic Acids Res., 22(7): 1147-1154,, 1994; Kalled et al., 2005; O'Connor et al., J. Exp. Medicine, 199(1): 91-97, 2004;およびNg et al., J. Immunol., 73(2): 807-817, 2004を参照。BCMAが欠乏したマウスは、健常であり、正常な数のB細胞を有するが、寿命が長い形質細胞の生存が損なわれている(例えば、O'Connor et al., 2004; Xu et al., Mol. Cell. Biol., 21(12): 4067-4074, 2001;およびSchiemann et al., Science, 293(5537): 2 111-21 14, 2001を参照)。BCMA RNAは、多発性骨髄腫細胞や他のリンパ腫において普遍的に検出されており、BCMAタンパク質は、ある研究者によって、多発性骨髄腫患者からの形質細胞の表面上で検出されている(例えば、Novak et al., Blood, 103(2): 689-694, 2004; Neri et al., Clinical Cancer Research, 73(19): 5903-5909, 2007; Bellucci et al., Blood, 105(10): 3945-3950, 2005;およびMoreaux et al., Blood, 703(8): 3148-3157, 2004を参照。
【0229】
一態様では、例えば、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約6カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0230】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0231】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0232】
具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月後、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月後、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月後、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月後、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月後、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月後、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月後、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月後、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月後、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0233】
別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、または工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。
【0234】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。
【0235】
具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0236】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0237】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0238】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0239】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0240】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0241】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。
【0242】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある。
【0243】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0244】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0245】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0246】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0247】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0248】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0249】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0250】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0251】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞(例えば、CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0252】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞(例えば、CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、対象が、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。
【0253】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0254】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約9カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約8カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約9カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約10カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約11カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約12カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約13カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約14カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約18カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0255】
別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから13カ月~約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。
【0256】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0257】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0258】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0259】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0260】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0261】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0262】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0263】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約6カ月未満、幹細胞移植を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む、方法が本明細書において提供される。
【0264】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。
【0265】
特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約6カ月未満、約7カ月未満、約8カ月未満、約9カ月未満、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。
【0266】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0267】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0268】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0269】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0270】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0271】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0272】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約6カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0273】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCからT細胞を製造する工程;次いで(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている。
【0274】
具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月~約18カ月前、少なくとも約6カ月~約17カ月前、少なくとも約6カ月~約16カ月前、少なくとも約6カ月~約15カ月前、少なくとも約6カ月~約14カ月前、少なくとも約6カ月~約13カ月前、少なくとも約6カ月~約12カ月前、少なくとも約6カ月~約11カ月前、少なくとも約6カ月~約10カ月前、少なくとも約6カ月~約9カ月前、少なくとも約6カ月~約8カ月前、または少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約7カ月~約18カ月前、少なくとも約7カ月~約17カ月前、少なくとも約7カ月~約16カ月前、少なくとも約7カ月~約15カ月前、少なくとも約7カ月~約14カ月前、少なくとも約7カ月~約13カ月前、少なくとも約7カ月~約12カ月前、少なくとも約7カ月~約11カ月前、少なくとも約7カ月~約10カ月前、少なくとも約7カ月~約9カ月前、または少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月~約18カ月前、少なくとも約8カ月~約17カ月前、少なくとも約8カ月~約16カ月前、少なくとも約8カ月~約15カ月前、少なくとも約8カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月~約10カ月前、または少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約18カ月前、少なくとも約9カ月~約17カ月前、少なくとも約9カ月~約16カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月前、少なくとも約9カ月~約14カ月前、少なくとも約9カ月~約13カ月前、少なくとも約9カ月~約12カ月前、少なくとも約9カ月~約11カ月前、または少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月~約18カ月前、少なくとも約10カ月~約17カ月前、少なくとも約10カ月~約16カ月前、少なくとも約10カ月~約15カ月前、少なくとも約10カ月~約14カ月前、少なくとも約10カ月~約13カ月前、少なくとも約10カ月~約12カ月前、または少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約11カ月~約18カ月前、少なくとも約11カ月~約17カ月前、少なくとも約11カ月~約16カ月前、少なくとも約11カ月~約15カ月前、少なくとも約11カ月~約14カ月前、少なくとも約11カ月~約13カ月前、または少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約18カ月前、少なくとも約12カ月~約17カ月前、少なくとも約12カ月~約16カ月前、少なくとも約12カ月~約15カ月前、少なくとも約12カ月~約14カ月前、または少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約13カ月~約18カ月前、少なくとも約13カ月~約17カ月前、少なくとも約13カ月~約16カ月前、少なくとも約13カ月~約15カ月前、または少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約14カ月~約18カ月前、少なくとも約14カ月~約17カ月前、少なくとも約14カ月~約16カ月前、または少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約15カ月~約18カ月前、少なくとも約15カ月~約17カ月前、または少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約16カ月~約18カ月前、または少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0275】
別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月もしくは9カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月もしくは9カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月もしくは9カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月もしくは9カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月もしくは9カ月~約10カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月もしくは16カ月前、少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月もしくは16カ月前、少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月もしくは16カ月前、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月もしくは16カ月前、または13カ月~約15カ月もしくは16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0276】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0277】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0278】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0279】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0280】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0281】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0282】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造されたキメラ抗原受容体(CAR T細胞)を発現するT細胞を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。
【0283】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造されたキメラ抗原受容体(CAR T細胞)を発現するT細胞を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植(SCT)を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に幹細胞移植(SCT)を最後に受けた。
【0284】
具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約11カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約10カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約9カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約8カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約11カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約10カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約9カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約11カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約10カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約11カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約12カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約13カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約15カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約14カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~約16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~約15カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約14カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約14カ月~約17カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約14カ月~約16カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約15カ月~約18カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約15カ月~約17カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約16カ月~約18カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0285】
別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。
【0286】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0287】
具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植(SCT)は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0288】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0289】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0290】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0291】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0292】
別の態様では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造されたキメラ抗原受容体(CAR T細胞)を発現するT細胞を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、PBMCは、少なくとも約20%のT細胞を含む、方法が本明細書において提供される。
【0293】
具体的な実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であるまたは再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。具体的な実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0294】
具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。
【0295】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0296】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0297】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0298】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0299】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約6カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(d)CAR T細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植を対象に投与する工程(a)の、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植を対象に投与する工程(a)の少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植を対象に投与する工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0300】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0301】
具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月後、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月後、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月後、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月後、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月後、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月後、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月後、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月後、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月後、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0302】
別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。
【0303】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、本方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0304】
特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0305】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0306】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0307】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0308】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0309】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0310】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0311】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、9カ月前、10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある。
【0312】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0313】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0314】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0315】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0316】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0317】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0318】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0319】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0320】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0321】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0322】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0323】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0324】
別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0325】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0326】
特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。
【0327】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0328】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0329】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0330】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0331】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0332】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0333】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0334】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、患者は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約6カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0335】
別の実施形態では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、患者は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり、工程(a)は、対象が幹細胞移植(SCT)を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0336】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約9カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約8カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約9カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約10カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約11カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後、または少なくとも約に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後、または少なくとも約に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約12カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約13カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約14カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。
【0337】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約18カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0338】
別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0339】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。
【0340】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0341】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0342】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0343】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0344】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0345】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約6カ月未満、幹細胞移植を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程であって、幹細胞移植が対象に投与されてから少なくとも6カ月後に行われる工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約6カ月未満、約7カ月未満、約8カ月未満、約9カ月未満、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植を投与されていない。
【0346】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程であって、SCTが対象に投与されてから少なくとも9カ月後に行われる工程;(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を製造する工程;次いで(d)BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、SCTを投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、SCTを投与されていない。
【0347】
特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0348】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0349】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0350】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0351】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0352】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0353】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0354】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象が、幹細胞移植を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0355】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;次いで(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている。
【0356】
具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月~約18カ月前、少なくとも約6カ月~約17カ月前、少なくとも約6カ月~約16カ月前、少なくとも約6カ月~約15カ月前、少なくとも約6カ月~約14カ月前、少なくとも約6カ月~約13カ月前、少なくとも約6カ月~約12カ月前、少なくとも約6カ月~約11カ月前、少なくとも約6カ月~約10カ月前、少なくとも約6カ月~約9カ月前、少なくとも約6カ月~約8カ月前、または少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約7カ月~約18カ月前、少なくとも約7カ月~約17カ月前、少なくとも約7カ月~約16カ月前、少なくとも約7カ月~約15カ月前、少なくとも約7カ月~約14カ月前、少なくとも約7カ月~約13カ月前、少なくとも約7カ月~約12カ月前、少なくとも約7カ月~約11カ月前、少なくとも約7カ月~約10カ月前、少なくとも約7カ月~約9カ月前、または少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月~約18カ月前、少なくとも約8カ月~約17カ月前、少なくとも約8カ月~約16カ月前、少なくとも約8カ月~約15カ月前、少なくとも約8カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月~約10カ月前、または少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約18カ月前、少なくとも約9カ月~約17カ月前、少なくとも約9カ月~約16カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月前、少なくとも約9カ月~約14カ月前、少なくとも約9カ月~約13カ月前、少なくとも約9カ月~約12カ月前、少なくとも約9カ月~約11カ月前、または少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月~約18カ月前、少なくとも約10カ月~約17カ月前、少なくとも約10カ月~約16カ月前、少なくとも約10カ月~約15カ月前、少なくとも約10カ月~約14カ月前、少なくとも約10カ月~約13カ月前、少なくとも約10カ月~約12カ月前、または少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約11カ月~約18カ月前、少なくとも約11カ月~約17カ月前、少なくとも約11カ月~約16カ月前、少なくとも約11カ月~約15カ月前、少なくとも約11カ月~約14カ月前、少なくとも約11カ月~約13カ月前、または少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約18カ月前、少なくとも約12カ月~約17カ月前、少なくとも約12カ月~約16カ月前、少なくとも約12カ月~約15カ月前、少なくとも約12カ月~約14カ月前、または少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約13カ月~約18カ月前、少なくとも約13カ月~約17カ月前、少なくとも約13カ月~約16カ月前、少なくとも約13カ月~約15カ月前、または少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約14カ月~約18カ月前、少なくとも約14カ月~約17カ月前、少なくとも約14カ月~約16カ月前、または少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約15カ月~約18カ月前、少なくとも約15カ月~約17カ月前、または少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約16カ月~約18カ月前、または少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0357】
別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0358】
特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0359】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、例えば、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0360】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0361】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0362】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0363】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0364】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0365】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞(PBMC)から製造された、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。
【0366】
別の態様では、治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造された、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、SCTを最後に受けた、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植(SCT)を最後に受けた。特定の実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に幹細胞移植(SCT)を最後に受けた。
【0367】
具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約6カ月~約18カ月前、少なくとも約6カ月~約17カ月前、少なくとも約6カ月~約16カ月前、少なくとも約6カ月~約15カ月前、少なくとも約6カ月~約14カ月前、少なくとも約6カ月~約13カ月前、少なくとも約6カ月~約12カ月前、少なくとも約6カ月~約11カ月前、少なくとも約6カ月~約10カ月前、少なくとも約6カ月~約9カ月前、少なくとも約6カ月~約8カ月前、または少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植(SCT)を最後に受けた。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約7カ月~約18カ月前、少なくとも約7カ月~約17カ月前、少なくとも約7カ月~約16カ月前、少なくとも約7カ月~約15カ月前、少なくとも約7カ月~約14カ月前、少なくとも約7カ月~約13カ月前、少なくとも約7カ月~約12カ月前、少なくとも約7カ月~約11カ月前、少なくとも約7カ月~約10カ月前、少なくとも約7カ月~約9カ月前、または少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約8カ月~約18カ月前、少なくとも約8カ月~約17カ月前、少なくとも約8カ月~約16カ月前、少なくとも約8カ月~約15カ月前、少なくとも約8カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月~約10カ月前、または少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約9カ月~約18カ月前、少なくとも約9カ月~約17カ月前、少なくとも約9カ月~約16カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月前、少なくとも約9カ月~約14カ月前、少なくとも約9カ月~約13カ月前、少なくとも約9カ月~約12カ月前、少なくとも約9カ月~約11カ月前、または少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月~約18カ月前、少なくとも約10カ月~約17カ月前、少なくとも約10カ月~約16カ月前、少なくとも約10カ月~約15カ月前、少なくとも約10カ月~約14カ月前、少なくとも約10カ月~約13カ月前、少なくとも約10カ月~約12カ月前、または少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月前~約18カ月前、少なくとも約11カ月前~約17カ月前、少なくとも約11カ月前~約16カ月前、少なくとも約11カ月前~約15カ月前、少なくとも約11カ月前~約14カ月前、少なくとも約11カ月前~約13カ月前、または少なくとも約11カ月前~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前~約18カ月前、少なくとも約12カ月前~約17カ月前、少なくとも約12カ月前~約16カ月前、少なくとも約12カ月前~約15カ月前、少なくとも約12カ月前~約14カ月前、または少なくとも約12カ月前~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月前~約18カ月前、少なくとも約13カ月前~約17カ月前、少なくとも約13カ月前~約16カ月前、少なくとも約13カ月前~約15カ月前、または少なくとも約13カ月前~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約14カ月前~約18カ月前、少なくとも約14カ月前~約17カ月前、少なくとも約14カ月前~約16カ月前、または少なくとも約14カ月前~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約15カ月前~約18カ月前、少なくとも約15カ月前~約17カ月前、または少なくとも約15カ月前~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約16カ月前~約18カ月前、または少なくとも約16カ月前~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0368】
別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、またはPBMCが単離される時点の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。別の具体的な実施形態では、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を最後に受けた。
【0369】
特定の実施形態では、がんは、白血病である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0370】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0371】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0372】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0373】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0374】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0375】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0376】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0377】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0378】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0379】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0380】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0381】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0382】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0383】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約6カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0384】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)腫瘍またはがんを治療するための幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCからT細胞を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0385】
具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月後、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月後、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月後、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月後、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月後、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月後、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月後、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月後、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月後、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0386】
別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。
【0387】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0388】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0389】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0390】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0391】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0392】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0393】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、腫瘍またはがんを治療するための幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある。
【0394】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0395】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0396】
別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0397】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0398】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0399】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0400】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0401】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0402】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0403】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0404】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程を含み、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0405】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程を含み、対象は、腫瘍またはがんを治療するための幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0406】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約9カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約8カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約9カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約10カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約11カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約12カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約13カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約14カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。
【0407】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約18カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0408】
別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月または16カ月後に行われる。本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0409】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0410】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0411】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0412】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0413】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0414】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0415】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約6カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、T細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約6カ月未満、約7カ月未満、約8カ月未満、約9カ月未満、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約9カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。
【0416】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんを治療するための幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCからT細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。特定の実施形態では、工程(a)において、対象は、決定する工程前の約12カ月未満、幹細胞移植(SCT)を投与されていない。
【0417】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0418】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0419】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0420】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0421】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0422】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0423】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約6カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0424】
別の態様では、対象からT細胞(例えば、CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCからT細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている。
【0425】
具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月~約18カ月前、少なくとも約6カ月~約17カ月前、少なくとも約6カ月~約16カ月前、少なくとも約6カ月~約15カ月前、少なくとも約6カ月~約14カ月前、少なくとも約6カ月~約13カ月前、少なくとも約6カ月~約12カ月前、少なくとも約6カ月~約11カ月前、少なくとも約6カ月~約10カ月前、少なくとも約6カ月~約9カ月前、少なくとも約6カ月~約8カ月前、または少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約7カ月~約18カ月前、少なくとも約7カ月~約17カ月前、少なくとも約7カ月~約16カ月前、少なくとも約7カ月~約15カ月前、少なくとも約7カ月~約14カ月前、少なくとも約7カ月~約13カ月前、少なくとも約7カ月~約12カ月前、少なくとも約7カ月~約11カ月前、少なくとも約7カ月~約10カ月前、少なくとも約7カ月~約9カ月前、または少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月~約18カ月前、少なくとも約8カ月~約17カ月前、少なくとも約8カ月~約16カ月前、少なくとも約8カ月~約15カ月前、少なくとも約8カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月~約10カ月前、または少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約18カ月前、少なくとも約9カ月~約17カ月前、少なくとも約9カ月~約16カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月前、少なくとも約9カ月~約14カ月前、少なくとも約9カ月~約13カ月前、少なくとも約9カ月~約12カ月前、少なくとも約9カ月~約11カ月前、または少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月~約18カ月前、少なくとも約10カ月~約17カ月前、少なくとも約10カ月~約16カ月前、少なくとも約10カ月~約15カ月前、少なくとも約10カ月~約14カ月前、少なくとも約10カ月~約13カ月前、少なくとも約10カ月~約12カ月前、または少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約11カ月~約18カ月前、少なくとも約11カ月~約17カ月前、少なくとも約11カ月~約16カ月前、少なくとも約11カ月~約15カ月前、少なくとも約11カ月~約14カ月前、少なくとも約11カ月~約13カ月前、または少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約18カ月前、少なくとも約12カ月~約17カ月前、少なくとも約12カ月~約16カ月前、少なくとも約12カ月~約15カ月前、少なくとも約12カ月~約14カ月前、または少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約13カ月~約18カ月前、少なくとも約13カ月~約17カ月前、少なくとも約13カ月~約16カ月前、少なくとも約13カ月~約15カ月前、または少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約14カ月~約18カ月前、少なくとも約14カ月~約17カ月前、少なくとも約14カ月~約16カ月前、または少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約15カ月~約18カ月前、少なくとも約15カ月~約17カ月前、または少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約16カ月~約18カ月前、または少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0426】
別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0427】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0428】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0429】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0430】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0431】
特定の実施形態では、対象にT細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、T細胞(例えば、CAR T細胞)の製造のためのPBMCが収集される。
【0432】
特定の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0433】
別の態様では、対象からキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0434】
別の態様では、対象からキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0435】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0436】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0437】
別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0438】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0439】
特定の実施形態では、腫瘍またはがんは、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0440】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0441】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0442】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0443】
特定の実施形態では、対象にCAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0444】
特定の実施形態では、CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0445】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)がんの治療の一部として、幹細胞移植を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約6カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0446】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる。
【0447】
具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月後、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月後、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月後、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月後、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月後、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月後、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月後、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月後、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月後、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月後、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月後、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月後、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月後、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。
【0448】
別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(b)は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。
【0449】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0450】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0451】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0452】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0453】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0454】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0455】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0456】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0457】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、工程(a)の前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある。
【0458】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0459】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0460】
別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0461】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0462】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0463】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0464】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0465】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0466】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0467】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0468】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0469】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0470】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0471】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約9カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約8カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約6カ月~約7カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約9カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約7カ月~約8カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約10カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月~約9カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約11カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約10カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約12カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~約11カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約13カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~約12カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約14カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約13カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~約15カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~約15カ月後、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約17カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約14カ月~約15カ月後に行われる。
【0472】
具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約18カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約15カ月~約17カ月後、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約18カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約16カ月~約17カ月後に行われる。具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約17カ月~約18カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後、または対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月後に行われる。別の具体的な実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月後に行われる。
【0473】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0474】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0475】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0476】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0477】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0478】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0479】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0480】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0481】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約6カ月未満、幹細胞移植を投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから、少なくとも約6カ月後、少なくとも約7カ月後、少なくとも約8カ月後、少なくとも約9カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、または少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約9カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象が幹細胞移植を受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0482】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含む、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる。特定の実施形態では、工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる。
【0483】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0484】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0485】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0486】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0487】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0488】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0489】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0490】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA T細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約6カ月前に幹細胞移植(SCT)を投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、または少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0491】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている。特定の実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている。
【0492】
具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約6カ月~約18カ月前、少なくとも約6カ月~約17カ月前、少なくとも約6カ月~約16カ月前、少なくとも約6カ月~約15カ月前、少なくとも約6カ月~約14カ月前、少なくとも約6カ月~約13カ月前、少なくとも約6カ月~約12カ月前、少なくとも約6カ月~約11カ月前、少なくとも約6カ月~約10カ月前、少なくとも約6カ月~約9カ月前、少なくとも約6カ月~約8カ月前、または少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約7カ月~約18カ月前、少なくとも約7カ月~約17カ月前、少なくとも約7カ月~約16カ月前、少なくとも約7カ月~約15カ月前、少なくとも約7カ月~約14カ月前、少なくとも約7カ月~約13カ月前、少なくとも約7カ月~約12カ月前、少なくとも約7カ月~約11カ月前、少なくとも約7カ月~約10カ月前、少なくとも約7カ月~約9カ月前、または少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月~約18カ月前、少なくとも約8カ月~約17カ月前、少なくとも約8カ月~約16カ月前、少なくとも約8カ月~約15カ月前、少なくとも約8カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月~約10カ月前、または少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約18カ月前、少なくとも約9カ月~約17カ月前、少なくとも約9カ月~約16カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月前、少なくとも約9カ月~約14カ月前、少なくとも約9カ月~約13カ月前、少なくとも約9カ月~約12カ月前、少なくとも約9カ月~約11カ月前、または少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約10カ月~約18カ月前、少なくとも約10カ月~約17カ月前、少なくとも約10カ月~約16カ月前、少なくとも約10カ月~約15カ月前、少なくとも約10カ月~約14カ月前、少なくとも約10カ月~約13カ月前、少なくとも約10カ月~約12カ月前、または少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約11カ月~約18カ月前、少なくとも約11カ月~約17カ月前、少なくとも約11カ月~約16カ月前、少なくとも約11カ月~約15カ月前、少なくとも約11カ月~約14カ月前、少なくとも約11カ月~約13カ月前、または少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約18カ月前、少なくとも約12カ月~約17カ月前、少なくとも約12カ月~約16カ月前、少なくとも約12カ月~約15カ月前、少なくとも約12カ月~約14カ月前、または少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約12カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約13カ月~約18カ月前、少なくとも約13カ月~約17カ月前、少なくとも約13カ月~約16カ月前、少なくとも約13カ月~約15カ月前、または少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約14カ月~約18カ月前、少なくとも約14カ月~約17カ月前、少なくとも約14カ月~約16カ月前、または少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約15カ月~約18カ月前、少なくとも約15カ月~約17カ月前、または少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約16カ月~約18カ月前、または少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0493】
別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、約9カ月~約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。別の具体的な実施形態では、対象は、約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を投与されたことが決定されている。
【0494】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0495】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0496】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0497】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0498】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0499】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0500】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0501】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、BCMAを発現する細胞によって引き起こされるがんの治療の一部として、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約6カ月前、少なくとも約7カ月前、少なくとも約8カ月前、少なくとも約9カ月前、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0502】
別の態様では、対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;次いで(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程を含み、対象は、PBMCからBCMA CAR T細胞を製造する工程を事前に受けたことがあり;対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある、方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。特定の実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0503】
具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約6カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約9カ月前、工程(a)の少なくとも約6カ月~約8カ月前、または工程(a)の少なくとも約6カ月~約7カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約7カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約7カ月~約9カ月前、または工程(a)の少なくとも約7カ月~約8カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月~約10カ月前、または工程(a)の少なくとも約8カ月~約9カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約11カ月前、または工程(a)の少なくとも約9カ月~約10カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約10カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~約12カ月前、または工程(a)の少なくとも約10カ月~約11カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約11カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~約13カ月前、または工程(a)の少なくとも約11カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約15カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~約14カ月前、または工程(a)の少なくとも約12カ月~約13カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約13カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約16カ月前、工程(a)の少なくとも約13カ月~約15カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~約14カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約14カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約17カ月前、工程(a)の少なくとも約14カ月~約16カ月前、または工程(a)の少なくとも約14カ月~約15カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約15カ月~約18カ月前、工程(a)の少なくとも約15カ月~約17カ月前、または工程(a)の少なくとも約15カ月~約16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約16カ月~約18カ月前、または工程(a)の少なくとも約16カ月~約17カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約17カ月~約18カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約14カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約13カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約11カ月前、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約10カ月前、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約10カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約11カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前、または工程(a)の少なくとも約13カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約8カ月または9カ月~約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月~約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。別の具体的な実施形態では、対象は、工程(a)の少なくとも約12カ月~少なくとも約15カ月または16カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある。
【0504】
本明細書で示される方法の特定の実施形態では、方法は、T細胞の機能性、例えばT細胞の老化を決定する工程(例えば、白血球アフェレーシスの前に)、例えば、老化したT細胞の比率、ナイーブT細胞の比率、および/またはCD4:CD8T細胞の比率を決定することによって決定する工程を含む。本明細書で示される方法において、決定は、関連分野における当業者に周知の標準的な技術を用いて行うことができる。例えば、本明細書で示される方法において、決定する工程は、PBMCの免疫表現型検査などの技術を利用することによって行ってもよいし、例えば、T細胞の分化、メモリー、老化、および/または消耗に関連するマーカーの場合、多色フローサイトメトリーによって行ってもよい)。
【0505】
特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫または再発性および/もしくは難治性多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患ではない。特定の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である。
【0506】
特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、およびタンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己幹細胞移植、二重の同種幹細胞移植、自己幹細胞移植とそれに続く同種幹細胞移植、または同種幹細胞移植とそれに続く自己幹細胞移植)のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、および臍帯血幹細胞移植のうちの1つまたはそれ以上である。具体的な実施形態では、SCTは、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、自己幹細胞移植である。具体的な実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植である。
【0507】
特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である。特定の実施形態では、製造されたT細胞は、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のうちの1つまたはそれ以上である。
【0508】
特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0509】
特定の実施形態では、対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象は、アフェレーシス手順、例えば白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される。
【0510】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、静脈内注入によって投与される。
【0511】
特定の実施形態では、CAR T細胞療法は、BCMA02、JCARH125、JNJ-68284528(LCAR-B38M;cilta-cel;CARVICTY(商標))(Janssen/Legend)、P-BCMA-101(Poseida)、PBCAR269A(Poseida)、P-BCMA-Allo1(Poseida)、Allo-715(Pfizer/Allogene)、CT053(Carsgen)、Descartes-08(Cartesian)、PHE885(Novartis)、ARI-002(Hospital Clinic Barcelona、IDIBAPS)、CTX120(CRISPR Therapeutics);CD19 CAR T療法、例えば、Yescarta、Kymriah、Tecartus、リソカブタゲンマラルユーセル(lisocabtagene maraleucel)(liso-cel)、または他のあらゆる細胞表面マーカーを標的化するCAR T療法である。
【0512】
特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。
【0513】
上記実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、がんは、脳がん、膠芽腫、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、黒色腫、肺がん、子宮がん、卵巣がん、結腸直腸がん、肛門がん、肝臓がん、肝細胞癌、胃がん、睾丸がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、腸がん、甲状腺がん、副腎がん、膀胱がん、腎臓がん、乳がん、多発性骨髄腫、肉腫、肛門がんまたは扁平上皮がんである。
【0514】
具体的な実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(例えば、BCMA CAR T細胞)の製造における使用のためのPBMCから単離されたT細胞の数は、少なくとも約1×106~1×107、1×107~1×108、1×108~1×109、または1×109~1×1010である。具体的な実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(例えば、BCMA CAR T細胞)の製造における使用のためのPBMCから単離されたT細胞の数は、少なくとも約1×106~1×1010、1×107~1×1010、1×108~1×1010、または1×109~1×1010である。具体的な実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(例えば、BCMA CAR T細胞)の製造における使用のためのPBMCから単離されたT細胞の数は、少なくとも約1×106~1×107、1×106~1×108、1×106~1×109、または1×106~1×1010である。具体的な実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(例えば、BCMA CAR T細胞)の製造における使用のためのPBMCから単離されたT細胞の数は、少なくとも約1×107~1×108、1×107~1×109、1×107~1×1010、または1×108~1×1010である。
【0515】
本明細書で示される方法は、当業界において公知のあらゆる幹細胞移植または幹細胞移植技術を利用することができる。利用することができる幹細胞移植の非限定的な例としては、例えば、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、胚性幹細胞(ESC)移植、誘導多能性幹細胞(iPSC)移植、造血幹細胞(HSC)移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血幹細胞移植、間葉幹細胞(MSC)移植(例えば、骨髄または臍帯マトリックス(例えば、ホウォートンゼリー)からのMSC)、神経幹細胞(NSC)移植、または内皮前駆細胞(EPC)移植が挙げられる。特定の実施形態では、幹細胞移植は、骨髄移植である。
【0516】
本明細書に記載される幹細胞移植で使用されることになる幹細胞は、当業界において公知の方法を使用して得てもよいし、または生産してもよい。非限定的な例において、本明細書に記載される幹細胞移植で使用されることになる幹細胞は、骨髄、末梢血液、または臍帯血からのものであってもよい。非限定的な例として、幹細胞の他の源としては、胎盤、羊水、臍帯静脈、および脱落膜、腎臓、脂肪細胞、または皮膚が挙げられる。
【0517】
ある特定の実施形態では、幹細胞移植は、臍帯血、骨髄、末梢血液、または分化した胚性幹細胞から得られた造血幹細胞を含む。
【0518】
ある特定の実施形態では、幹細胞移植は、レシピエントとドナーとの関係に従って類別される当業界において公知のあらゆる幹細胞移植である。ある特定の実施形態では、幹細胞移植は、同系、同種、または自己幹細胞移植である。ある特定の実施形態では、幹細胞移植は、同系移植(例えば、免疫学的に同一なドナーおよびレシピエントを含む(例えば、2人の一卵性双生児間の移植)である。特定の実施形態では、幹細胞移植は、同種幹細胞移植(例えば、免疫学的に同一ではないドナーおよびレシピエントを含む)である。特定の実施形態では、幹細胞移植は、自己移植(例えば、対象自身の幹細胞の除去および貯蔵とそれに続く再注入を含む)である。ある特定の実施形態では、幹細胞移植は、タンデム幹細胞移植(例えば、二重の自己、自己移植とそれに続く同種移植)である。幹細胞移植は、対象の造血系の一部または全部に再び生着させるために、および/または非造血細胞である別の組織または系統(例えば、神経組織および系統)に生着させるために使用することができる。
【0519】
上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、対象は、ヒト(例えば、ヒト患者)である。上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、対象は、哺乳動物である。特定の実施形態では、哺乳動物は、ペット、実験調査動物、または家畜である。一部の実施形態では、ペット、調査動物または家畜は、イヌ、ネコ、ウマ、サル、ウサギ、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、ブタ、またはウシである。
【0520】
上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含む。具体的な実施形態では、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、配列番号37を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。ある特定の実施形態では、BCMAに対するCARは、配列番号10によってコードされる。ある特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、BCMA CAR Tをコードする、例えば、配列番号9、配列番号37、または配列番号38のアミノ酸22~493または1~493を含むBCMA CAR Tをコードする核酸、例えばベクターを含むか、または配列番号10を含む核酸、例えばベクターを含む。上記の態様または実施形態のいずれかの特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0521】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞は、細胞150×106個~細胞450×106個、細胞300×106個~細胞600×106個、細胞350×106個~細胞600×106個、細胞350×106個~細胞550×106個、細胞400×106個~細胞600×106個、細胞150×106個~細胞300×106個、または細胞400×106個~細胞500×106個の範囲の用量で投与される。一部の実施形態では、免疫細胞は、細胞約150×106個、細胞約200×106個、細胞約250×106個、細胞約300×106個、細胞約350×106個、細胞約400×106個、細胞約450×106個、細胞約500×106個、または細胞約550×106個の用量で投与される。一実施形態では、免疫細胞は、細胞約450×106個の用量で投与される。一部の実施形態では、対象は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞の1回の注入が投与される。一部の実施形態では、CARを発現する免疫細胞の投与は、繰り返される(例えば、免疫細胞の第2の用量が対象に投与される)。一部の実施形態では、対象は、B細胞成熟抗原(BCMA)に対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞の1回の注入が投与される。一部の実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞の投与は、繰り返される(例えば、免疫細胞の第2の用量が対象に投与される)。
【0522】
本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約150×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約350×106個~細胞約550×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約400×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約150×106個~細胞約250×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約300×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約350×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約300×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約250×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約300×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約250×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約350×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約400×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約400×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約200×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約200×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約200×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約450×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約250×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約250×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)は、細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞は、T細胞(例えば、自己T細胞)である。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、対象に免疫細胞を投与する前に、治療されている対象は、アフェレーシス手順、例えば、白血球アフェレーシス手順を受けて、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)の製造のための自己免疫細胞が収集される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0523】
本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約150×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約550×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約150×106個~細胞約250×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約450×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約460×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞は、細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞は、T細胞(例えば、自己T細胞)である。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、治療されている対象は、対象に免疫細胞を投与する前に、アフェレーシス手順、例えば、白血球アフェレーシス手順を受けて、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞の製造のための自己免疫細胞が収集される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0524】
本明細書で開示された態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)の投与の前に、治療されている対象は、リンパ球除去(lymphodepleting)(LD)化学療法が投与される。具体的な実施形態では、LD化学療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドを含む。具体的な実施形態では、LD化学療法は、1、2、3、4、5、6、または7日(例えば、3日)の期間にわたる、フルダラビン(例えば、静脈内投与の場合、約30mg/m2)およびシクロホスファミド(例えば、静脈内投与の場合、約300mg/m2)を含む。他の具体的な実施形態では、LD化学療法は、セクション5.9に記載される化学療法剤のいずれかを含む。具体的な実施形態では、対象は、LD化学療法の投与の1、2、3、4、5、6、または7日後に(例えば、LD化学療法の投与の2または3日後に)、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)が投与される。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも1週間またはそれより長い間、少なくとも2週間またはそれより長い間(少なくとも14日またはそれより長い間)、少なくとも3週間またはそれより長い間、少なくとも4週間またはそれより長い間、少なくとも5週間またはそれより長い間、または少なくとも6週間またはそれより長い間、LD化学療法の開始の前にいかなる療法も受けていない。本明細書で開示される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)の投与の前に、治療されている対象は、単回の先行する治療レジメンのみを受けている。
【0525】
本明細書で開示された態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞の投与の前に、治療されている対象は、リンパ球除去(LD)化学療法が投与される。具体的な実施形態では、LD化学療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドを含む。具体的な実施形態では、LD化学療法は、1、2、3、4、5、6、または7日間(例えば、3日間)の期間にわたる、フルダラビン(例えば、静脈内投与の場合、約30mg/m2)およびシクロホスファミド(例えば、静脈内投与の場合、約300mg/m2)を含む。他の具体的な実施形態では、LD化学療法は、セクション5.9に記載される化学療法剤のいずれかを含む。具体的な実施形態では、対象は、LD化学療法の投与の1、2、3、4、5、6、または7日後に(例えば、LD化学療法の投与の2または3日後に)、B細胞成熟抗原(BCMA)に対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞が投与される。具体的な実施形態では、対象は、少なくとも1週間またはそれより長い間、少なくとも2週間またはそれより長い間(少なくとも14日またはそれより長い間)、少なくとも3週間またはそれより長い間、少なくとも4週間またはそれより長い間、少なくとも5週間またはそれより長い間、または少なくとも6週間またはそれより長い間、LD化学療法の開始の前にいかなる療法も受けていない。本明細書で開示される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、B細胞成熟抗原(BCMA)に対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞の投与の前に、治療されている対象は、単回の先行する治療レジメンのみを受けている。
【0526】
上記実施形態のいずれかに関して、対象は、アフェレーシスを受けて、前記免疫細胞、例えばT細胞が収集および単離される。上記実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記対象は、前記アフェレーシスの時点で、Mタンパク質(血清タンパク質電気泳動[sPEP]もしくは尿タンパク質電気泳動[uPEP]):sPEP≧0.5g/dLもしくはuPEP≧200mg/24時間;血清もしくは尿中に測定可能な疾患がなく、血清免疫グロブリン遊離軽鎖≧10mg/dLおよび異常な血清免疫グロブリンカッパラムダ遊離軽鎖比を有する、軽鎖多発性骨髄腫;ならびに/または米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)性能ステータス≦1を示す。より具体的な実施形態では、アフェレーシスの時点の前記対象は、加えて、プロテアソーム阻害剤、免疫調節剤(レナリドマイドまたはポマリドマイド)および抗CD38抗体での前の治療を含む前記前手順の治療のうち少なくとも3つを受け;進行性疾患が治療の手順に対する最良の応答でない限り、前の治療の前記少なくとも3つの手順のそれぞれにつき少なくとも2回の連続した治療サイクルを受け;前の治療の直近の手順から60日に、またはそれから60日以内に、進行性疾患の証拠を有し;および/または前記治療の先行の手順の少なくとも1つに対する応答(最小の応答またはより優れた応答)を達成している。上記実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記対象は、前記投与のときに、Mタンパク質(血清タンパク質電気泳動[sPEP]または尿タンパク質電気泳動[uPEP]):sPEP≧0.5g/dLまたはuPEP≧200mg/24時間;血清または尿中に測定可能な疾患がなく、血清免疫グロブリン遊離軽鎖≧10mg/dLおよび異常な血清免疫グロブリンカッパラムダ遊離軽鎖比を有する、軽鎖多発性骨髄腫;および/または米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)性能ステータス≦1を示す。別のさらなる具体的な実施形態では、前記対象は、加えて、単回の先行の抗骨髄腫治療レジメンのみを受けている;以下のハイリスク因子:R-ISSのステージIII、および(i)対象が誘導に加えて幹細胞移植を受けた場合、最初の移植の日付から12カ月未満の進行性疾患(PD);または(ii)対象が誘導のみを受けた場合、最低でもプロテアソーム阻害剤、免疫調節剤およびデキサメタゾンを含有していなければならない最後の治療レジメンの日付から12カ月未満のPDと定義された早期再発を有する。
【0527】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記CARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。より具体的な実施形態では、前記CARは、単鎖Fv抗体断片(scFv)を含む。より具体的な実施形態では、前記CARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記免疫細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、CARVYKTI(商標)細胞(CARVYKTI(商標)免疫療法で使用される細胞)である。
【0528】
一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウス単鎖Fv抗体断片を含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMAポリペプチド、例えば、ヒトBCMAポリペプチド、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するマウス抗BCMA scFvを含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウスscFvを含み、scFvは、配列番号9の抗BCMA02 CARのscFvである。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号9または配列番号37であるかまたはそれを含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号9であるかまたはそれを含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号37であるかまたはそれを含む。本明細書におけるいずれかの実施形態のより具体的な実施形態では、前記免疫細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel)細胞である。一実施形態では、免疫細胞は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウス単鎖Fv抗体断片を含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、BCMAポリペプチド、例えば、BCMA、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するマウス抗BCMA scFvを含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、配列番号9または配列番号37であるかまたはそれを含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、配列番号9であるかまたはそれを含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、配列番号37であるかまたはそれを含むキメラ抗原受容体を含む。
【0529】
他の実施形態では、本明細書において予期される遺伝子改変された免疫エフェクター細胞は、B細胞関連の状態、例えばB細胞悪性腫瘍を有する患者に投与される。
【0530】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、CAR T細胞)は、細胞150×106個~細胞450×106個、細胞300×106個~細胞600×106個、細胞350×106個~細胞600×106個、細胞350×106個~細胞550×106個、細胞400×106個~細胞600×106個、細胞150×106個~細胞300×106個、または細胞400×106個~細胞500×106個の範囲の用量で投与される。一部の実施形態では、免疫細胞は、細胞約150×106個、細胞約200×106個、細胞約250×106個、細胞約300×106個、細胞約350×106個、細胞約400×106個、細胞約450×106個、細胞約500×106個、または細胞約550×106個の用量で投与される。一実施形態では、免疫細胞は、細胞約450×106個の用量で投与される。一部の実施形態では、対象は、免疫細胞(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞)の1回の注入が投与される。一部の実施形態では、免疫細胞(例えば、CARを発現する免疫細胞)の投与は、繰り返される(例えば、免疫細胞の第2の用量が対象に投与される)。一部の実施形態では、対象は、免疫細胞(例えば、B細胞成熟抗原(BCMA)に対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞)の1回の注入が投与される。一部の実施形態では、免疫細胞の投与(例えば、BCMAに対するCARを発現する免疫細胞)は、繰り返される(例えば、免疫細胞の第2の用量が対象に投与される)。
【0531】
本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約150×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約550×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約150×106個~細胞約250×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約300×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約350×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約600×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約400×106個~細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約200×106個~細胞約300×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約450×106個~細胞約500×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約400×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約250×106個~細胞約350×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、CARを発現する免疫細胞は、細胞約450×106個の投薬量で投与される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞は、T細胞(例えば、自己T細胞)である。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、治療されている対象は、対象にCARを発現する免疫細胞を投与する前に、アフェレーシス手順、例えば、白血球アフェレーシス手順を受けて、CARを発現する免疫細胞の製造のための自己免疫細胞が収集される。本明細書に記載される実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、免疫細胞(例えば、T細胞)は、静脈内注入によって投与される。
【0532】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記CARは、目的の抗原を標的化する抗体または抗体断片を含む。目的の抗原は、あらゆる目的の抗原であってもよく、例えば、腫瘍細胞上の抗原であってもよい。腫瘍細胞は、例えば、固形腫瘍中の細胞、または血液のがんの細胞であってもよい。抗原は、あらゆる腫瘍またはがんタイプの細胞上で発現されるあらゆる抗原であってもよく、例えば、リンパ腫、白血病、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、例えば、悪性黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫などの細胞上で発現されるあらゆる抗原であってもよい。より具体的な実施形態では、前記リンパ腫は、慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫であってもよい。
【0533】
ある特定の実施形態では、抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異性抗原(TSA)である。様々な具体的な実施形態では、これらに限定されないが、腫瘍関連抗原または腫瘍特異性抗原は、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、上皮細胞膜タンパク質(EMA)、上皮性腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、黒色腫関連抗原(MAGE)、CD19、CD20、CD34、CD45、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、グロス嚢胞性疾患液タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、タンパク質メラン-A(MART-1)、myo-D1、筋特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤性アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス(synaptophysis)、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、ピルビン酸キナーゼイソ酵素M2型の二量体の形態(腫瘍M2-PK)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質である。
【0534】
ある特定の実施形態では、TAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-ESO-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、またはTPTEである。
【0535】
ある特定の他の実施形態では、TAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GM1、GM2(腫瘍胎児性抗原免疫原性-1;OFA-I-1);GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3などである。
【0536】
ある特定の他の実施形態では、TAAまたはTSAは、アルファアクチニン-4、Bage-1、BCR-ABL、Bcr-Abl融合タンパク質、ベータカテニン、CA125、CA15-3(CA27.29\BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、Casp-8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-1、dek-can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タンパク質、HLA-A2、HLA-A11、hsp70-2、KIAAO205、Mart2、Mum-1、2、および3、neo-PAP、クラスIミオシン、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、Gage3、4、5、6、7、GnTV、Herv-K-mel、Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、MAGE-1、MAGE-3、RAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15(58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、H-Ras、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TAG72、TLP、TPS、CD19、CD22、CD27、CD30、CD70、GD2(ガングリオシドG2)、EGFRvIII(上皮増殖因子バリアントIII)、精液タンパク質17(Sp17)、メソテリン、PAP(前立腺性酸性ホスファターゼ)、プロステイン(prostein)、TARP(T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、STEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質である。別の具体的な実施形態では、前記腫瘍関連抗原または腫瘍特異性抗原は、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、K-Ras(V-Ki-ras2キルスティンラット肉腫ウイルスオンコジーン)、またはRal-Bである。
【0537】
具体的な実施形態では、TAAまたはTSAは、CD20、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、ROR1、FAP、MUC1、PSCA、EGFRvIII、EPHA2、またはGD2である。さらなる具体的な実施形態では、TAAまたはTSAは、CD123、CLL-1、CD38、またはCS-1である。具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CS-1と結合する。さらなる具体的な実施形態では、細胞外ドメインは、エロツズマブの単鎖バージョンおよび/またはエロツズマブの抗原結合断片を含む。具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CD20と結合する。より具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CD20に結合するscFvまたはその抗原結合断片である。
【0538】
他の腫瘍関連および腫瘍特異性抗原は、当業者に公知である。
【0539】
TSAおよびTAAに結合する抗体およびscFvsは当業界において公知であり、それらをコードするヌクレオチド配列も同様である。
【0540】
ある特定の具体的な実施形態では、抗原は、TSAまたはTAAとみなされないが、それでも腫瘍細胞または腫瘍によって引き起こされる損傷に関連する抗原である。具体的な実施形態では、抗原は、腫瘍微小環境関連抗原(TMAA)である。ある特定の実施形態では、例えば、TMAAは、例えば、増殖因子、サイトカインまたはインターロイキンであり、例えば、血管新生または脈管形成に関連する増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンである。このような増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンとしては、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)を挙げることができる。腫瘍はまた、腫瘍に局所的に低酸素環境を作り出すこともできる。そのようなものとして、他の具体的な実施形態では、TMAAは、低酸素関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、正常な組織に局所的な損傷を引き起こす可能性があり、それが、損傷関連分子パターン分子(DAMP;アラーミンとしても公知)として公知の分子の放出の原因となる。それゆえに、ある特定の他の具体的な実施形態では、TMAAは、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度グループボックス1(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸であってもよい。具体的な実施形態では、TMAAはVEGF-A、EGF、PDGF、IGF、またはbFGFである。
【0541】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記CARは、目的の抗原を標的化する抗体または抗体断片を含む。より具体的な実施形態では、前記CARは、単鎖Fv抗体断片(scFv)を含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、目的の抗原、例えば、腫瘍細胞上の抗原、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するscFvを含む。腫瘍細胞は、例えば、固形腫瘍中の細胞、または血液のがんの細胞であってもよい。抗原は、あらゆる腫瘍またはがんタイプの細胞上で発現されるあらゆる抗原であってもよい。一実施形態では、免疫細胞は、目的の抗原を標的化する単鎖Fv抗体断片を含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、目的の抗原、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するscFvを含むキメラ抗原受容体を含む。
【0542】
上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記CARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む。より具体的な実施形態では、前記CARは、単鎖Fv抗体断片(scFv)を含む。より具体的な実施形態では、前記CARは、BCMA02 scFv、例えば、配列番号38を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの具体的な実施形態では、前記免疫細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウス単鎖Fv抗体断片を含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMAポリペプチド、例えば、ヒトBCMAポリペプチド、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するマウス抗BCMA scFvを含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウスscFvを含み、scFVは、配列番号9または配列番号37の抗BCMA02 CARのものである。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号9であるかまたはそれを含む。一実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号37であるかまたはそれを含む。本明細書におけるいずれかの実施形態のより具体的な実施形態では、前記免疫細胞は、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel)細胞である。一実施形態では、免疫細胞は、BCMA、例えばBCMAを標的化するマウス単鎖Fv抗体断片を含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、BCMAポリペプチド、例えば、BCMA、CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインと結合するマウス抗BCMA scFvを含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、配列番号9であるかまたはそれを含むキメラ抗原受容体を含む。一実施形態では、免疫細胞は、配列番号37であるかまたはそれを含むキメラ抗原受容体を含む。
【0543】
他の実施形態では、本明細書において予期される遺伝子改変された免疫エフェクター細胞は、B細胞関連の状態、例えば、B細胞に関連する自己免疫疾患またはB細胞悪性腫瘍を有する患者に投与される。
【0544】
上記の態様または実施形態のいずれかの別の具体的な実施形態では、対象は、先行の療法の1つまたはそれ以上の手順を受けた。より具体的な実施形態では、前記先行の療法の1つまたはそれ以上の手順は、プロテアソーム阻害剤、レナリドマイド、ポマリドマイド、サリドマイド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、カーフィルゾミブ、イキサゾミブ、シスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、抗CD38抗体パノビノスタット、またはエロツズマブを含む。より具体的な実施形態では、前記投与の前に、前記対象は、ダラツムマブ、ポマリドマイド、およびデキサメタゾン(DPd);ダラツムマブ、ボルテゾミブ、およびデキサメタゾン(DVd);イキサゾミブ、レナリドマイド、およびデキサメタゾン(IRd);ダラツムマブ、レナリドマイドおよびデキサメタゾン;ボルテゾミブ、レナリドマイドおよびデキサメタゾン(RVd);ボルテゾミブ、シクロホスファミドおよびデキサメタゾン(BCd);ボルテゾミブ、ドキソルビシンおよびデキサメタゾン;カーフィルゾミブ、レナリドマイドおよびデキサメタゾン(CRd);ボルテゾミブおよびデキサメタゾン;ボルテゾミブ、サリドマイドおよびデキサメタゾン;レナリドマイドおよびデキサメタゾン;デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシドおよびボルテゾミブ(VTD-PACE);レナリドマイドおよび低用量デキサメタゾン;ボルテゾミブ、シクロホスファミドおよびデキサメタゾン;カーフィルゾミブおよびデキサメタゾン;レナリドマイド単独;ボルテゾミブ単独;ダラツムマブ単独;エロツズマブ、レナリドマイド、およびデキサメタゾン;エロツズマブ、レナリドマイドおよびデキサメタゾン;ベンダムスチン、ボルテゾミブおよびデキサメタゾン;ベンダムスチン、レナリドマイド、およびデキサメタゾン;ポマリドマイドおよびデキサメタゾン;ポマリドマイド、ボルテゾミブおよびデキサメタゾン;ポマリドマイド、カーフィルゾミブおよびデキサメタゾン;ボルテゾミブおよびリポソームドキソルビシン;シクロホスファミド、レナリドマイド、およびデキサメタゾン;エロツズマブ、ボルテゾミブおよびデキサメタゾン;イキサゾミブおよびデキサメタゾン;パノビノスタット、ボルテゾミブおよびデキサメタゾン;パノビノスタットおよびカーフィルゾミブ;またはポマリドマイド、シクロホスファミドおよびデキサメタゾンを含む先行の療法の1つまたはそれ以上の手順を受けた。
【0545】
本明細書で示される主題の実施は、そうではないことが別段示されない限り、当業界の技術の範囲内の化学、生化学、有機化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、遺伝学、免疫学、および細胞生物学の従来の方法を採用し、これらの多くは、例証の目的で後述される。このような技術は、文献で詳細に説明される。例えば、Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (3rd Edition, 2001); Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Edition, 1989); Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (1982); Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons, updated July 2008); Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience; Glover, DNA Cloning: A Practical Approach, vol. I & II (IRL Press, Oxford, 1985); Anand, Techniques for the Analysis of Complex Genomes, (Academic Press, New York, 1992); Transcription and Translation (B. Hames & S. Higgins, Eds., 1984); Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning (1984); Harlow and Lane, Antibodies, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1998) Current Protocols in Immunology Q. E. Coligan, A. M. Kruisbeek, D. H. Margulies, E. M. Shevach and W. Strober, eds., 1991); Annual Review of Immunology;加えて、Advances in Immunologyなどのジャーナルにおける研究論文を参照されたい。
【0546】
II.定義
別様に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な任意の方法および物質を本開示の実施または試験に使用することができるが、組成物、方法、および物質の好ましい実施形態を本明細書に記載する。本開示の目的のため、以下の用語を下記で定義する。
【0547】
冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書では、冠詞の文法的対象の1つまたは1つよりも多く(つまり、少なくとも1つ、または1つもしくはそれ以上)を指すために使用される。例として、「要素」は、1つの要素または1つもしくはそれ以上の要素を意味する。
【0548】
選択肢(例えば、「または」)の使用は、選択肢のいずれか1つ、両方、またはそれらの任意の組合せを意味すると理解されるべきである。
【0549】
「および/または」という用語は、選択肢のいずれか一方または両方を意味すると理解されるべきである。
【0550】
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、基準の分量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%だけ変動する分量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さを指す。一実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、基準の分量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さについて±15%、±10%、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、または±1%の分量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さの範囲を指す。
【0551】
本明細書全体を通して、文脈が別様に要求しない限り、「含む(comprises)」、「含む(comprises)」、および「含むこと(comprising)」という用語は、記載の工程もしくは要素または工程もしくは要素の群を含むが、任意の他の工程もしくは要素または工程もしくは要素の群を除外しないことを意味すると理解されるだろう。「からなる(consisting of)」とは、「からなる」という語句に続くすべてのものをすべて含み、それらに限定されることを意味する。したがって、「からなる」という語句は、列挙されている要素が必要であるかまたは必須であり、他の要素が存在してはならないことを示す。「から本質的になる(consisting essentially of)」とは、その語句の後に列挙されている任意の要素、および列挙されている要素について本開示で特定されている活性または作用を妨げもせず寄与もしない他の要素に限定される任意の要素を含むことを意味する。したがって、「から本質的になる」という語句は、列挙されている要素が必要であるかまたは必須であるが、列挙されている要素の活性または作用に実質的に影響を及ぼす他の要素は存在しないことを示す。
【0552】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「ある特定の実施形態」、「追加の実施形態」、または「さらなる実施形態」、またはそれらの組合せに対する言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特質が、本明細書で提示される開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して種々の箇所に出現する上述の語句は、必ずしも全て同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特質は、1つまたはそれ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせることができる。一実施形態における特徴の明確な記載は、特定の実施形態においてその特徴を除外するための根拠としての役目を果たすことも理解される。
【0553】
「ヒトBCMA」は、ヒト対象に見出され、例えば配列番号11を有するBCMAを指す。
【0554】
III.キメラ抗原受容体
一部の実施形態では、免疫エフェクター細胞の細胞傷害性をB細胞に向け直す遺伝子操作された受容体が提供される。こうした遺伝子操作された受容体は、本明細書ではキメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる。CARは、所望の抗原(BCMAなど)に対する抗体ベースの特異性と、T細胞受容体活性化細胞内ドメインとを組み合わせて、特異的な抗BCMA細胞免疫活性を呈するキメラタンパク質を生成する分子である。本明細書で使用される場合、「キメラ」という用語は、異なる起源に由来する異なるタンパク質またはDNAの一部分で構成されていることを表す。
【0555】
本提供の方法および使用の一部の実施形態では、T細胞などの操作された細胞は、所望の抗原(例えば、腫瘍抗原)に対する特異性を提供するリガンド結合ドメイン(例えば、抗体または抗体断片)を細胞内シグナル伝達ドメインと組み合わせた1つまたはそれ以上のドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)などのキメラ受容体を発現する。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次活性化シグナルを提供する、T細胞活性化ドメインなどの活性化細胞内ドメイン部分である。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、エフェクター機能を促進する共刺激シグナル伝達ドメインを含むかまたはさらに含む。受容体は、分子、例えば抗原に特異的に結合すると、一般に、ITAM伝達シグナルなどの免疫刺激シグナルを細胞に送達し、それにより疾患または状態を標的とした免疫応答を促進する。一部の実施形態では、キメラ受容体は、免疫細胞へと遺伝子操作されている場合、T細胞活性をモジュレートすることができ、一部の場合では、T細胞分化または恒常性をモジュレートすることができ、それにより、インビボでの寿命、生存、および/または持続性が向上した、養子細胞療法で使用するためなどの遺伝子操作された細胞がもたらされる。
【0556】
「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、「超可変領域」または「HVR」と同義であり、当技術分野では、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の不連続配列を指すことが公知である。一般に、各重鎖可変領域には3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)が存在し、各軽鎖可変領域には3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。当技術分野では、「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが公知である。一般に、各全長重鎖可変領域(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)には4つのFRが存在し、各全長軽鎖可変領域(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)には4つのFRが存在する。
【0557】
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabat et al. (1991), "Sequences of Proteins of Immunological Interest," 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」付番スキーム);Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(「Chothia」付番スキーム);MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262:732-745 (1996), "Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography," J. Mol. Biol. 262, 732-745."(「Contact」付番スキーム);Lefranc MP et al., "IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains," Dev Comp Immunol, 2003 Jan;27(1):55-77(「IMGT」付番スキーム);Honegger A and Pluckthun A, "Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool," J Mol Biol, 2001 Jun 8;309(3):657-70(「Aho」付番スキーム);およびMartin et al., "Modeling antibody hypervariable loops: a combined algorithm," PNAS, 1989, 86(23):9268-9272(「AbM」付番スキーム)に記載されているものを含む、少なからぬ周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定することができる。
【0558】
所与のCDRまたはFRの境界は、特定に使用されるスキームに応じて様々であり得る。例えば、Kabatスキームは構造アラインメントに基づき、Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatスキームおよびChothiaスキームの付番は両方とも、最も一般的な抗体領域配列長に基づいており、一部の抗体には、挿入文字、例えば「30a」に対応する挿入および欠失がある。この2つのスキームでは、ある特定の挿入および欠失(「インデル」)が異なる位置に配置され、異なる付番がもたらされる。Contactスキームは複雑な結晶構造の分析に基づいており、多くの点でChothia付番スキームと類似している。AbMスキームは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される定義に基づく、Kabat定義とChothia定義とを折衷させた定義である。
【0559】
下記の表2Aには、Kabatスキーム、Chothiaスキーム、AbMスキーム、およびContactスキームによりそれぞれ特定されるCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な位置境界が列挙されている。CDR-H1の場合、残基付番は、KabatおよびChothiaの両付番スキームを使用して列挙されている。FRはCDR間に位置し、例えばFR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2との間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置するなどである。示されているKabat付番スキームでは、H35AおよびH35Bに挿入が配置されているため、示されているKabat付番慣習を使用して付番した場合、Chothia CDR-H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34の間で変化することに留意されたい。
【0560】
【0561】
したがって、別様の指定がない限り、所与の抗体またはその領域の「CDR」または「相補的決定領域」、またはその可変領域などの個々の指定されたCDR(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、上述のスキームまたは他の公知スキームのいずれかにより定義される(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解されるべきである。例えば、特定のCDR(例えば、CDR-H3)が、所与のVHまたはVL領域アミノ酸配列における対応するCDRのアミノ酸配列を含むと記載されている場合、そのようなCDRは、上述のスキームまたは他の公知スキームのいずれかにより定義される、可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を有すると理解される。一部の実施形態では、特定のCDR配列が指定される。提供される抗体の例示的なCDR配列は、種々の付番スキームを使用して記載されるが、提供される抗体は、他の上述の付番スキームまたは当業者に公知の他の付番スキームのいずれかに従って記載されるCDRを含んでいてもよいことが理解される。
【0562】
同様に、別様の指定がない限り、所与の抗体またはその可変領域などのその領域のFRまたは個々の指定のFR(例えば、FR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知スキームのいずれかにより定義される(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解されるべきである。一部の場合では、Kabat法、Chothia法、AbM法、IMGT法、またはContact法、または他の公知スキームにより定義されるCDRなど、特定のCDR、FR、またはFR(複数)、またはCDR(複数)を特定するためのスキームが指定される。他の場合では、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が示される。
【0563】
抗体断片は、無傷抗体のタンパク質分解消化ならびに組換え宿主細胞による産生を含むがこれらに限定されない種々の技法により製作することができる。一部の実施形態では、抗体は、合成リンカー、例えばペプチドリンカーにより接合された2つもしくはそれよりも多くの抗体領域もしくは鎖を有するものなど、天然には存在しない配置を含む断片、および/または天然に存在する無傷抗体の酵素消化により産生され得ない断片など、組換えにより産生される断片である。一部の態様では、抗体断片はscFvである。
【0564】
本明細書に記載の実施形態が適用されるCAR T細胞療法には、BCMA02、JCARH125、JNJ-68284528(LCAR-B38M;cilta-cel;CARVICTY(商標))(Janssen/Legend)、P-BCMA-101(Poseida)、PBCAR269A(Poseida)、P-BCMA-Allo1(Poseida)、Allo-715(Pfizer/Allogene)、CT053(Carsgen)、Descartes-08(Cartesian)、PHE885(Novartis)、ARI-002(Hospital Clinic Barcelona、IDIBAPS)、CTX120(CRISPR Therapeutics)などのBCMA CAR T細胞療法;CD19 CAR T療法、例えば、Yescarta、Kymriah、Tecartus、lisocabtagene maraleucel(liso-cel)、および任意の他の細胞表面マーカーを標的とするCAR T療法などの任意のCAR T療法が挙げられる。
【0565】
ポリペプチドの細胞外ドメイン(結合ドメインまたは抗原特異的結合ドメインとも呼ばれる)は、目的の抗原に結合する。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、前記抗原に結合する受容体または受容体の部分を含む。細胞外ドメインは、例えば、前記抗原に結合する受容体または受容体の部分であってもよい。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体もしくはその抗原結合性部分を含むかまたは抗体もしくはその抗原結合性部分である。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、単鎖Fvドメインを含むかまたは単鎖Fvドメインである。単鎖Fvドメインは、例えば、可撓性リンカーによりVHに連結されたVLを含んでいてもよく、前記VLおよびVHは、前記抗原に結合する抗体に由来する。
【0566】
ポリペプチドの細胞外ドメインが結合する抗原は、任意の目的の抗原であってもよく、例えば、腫瘍細胞上の抗原であってもよい。腫瘍細胞は、例えば、固形腫瘍中の細胞、または血液のがんの細胞であってもよい。抗原は、あらゆる腫瘍またはがんタイプの細胞上で発現されるあらゆる抗原であってもよく、例えば、リンパ腫、白血病、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、例えば、悪性黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫などの細胞上で発現されるあらゆる抗原であってもよい。より具体的な実施形態では、前記リンパ腫は、慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫であってもよい。
【0567】
ある特定の実施形態では、抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異性抗原(TSA)である。様々な具体的な実施形態では、これらに限定されないが、腫瘍関連抗原または腫瘍特異性抗原は、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、上皮細胞膜タンパク質(EMA)、上皮性腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、黒色腫関連抗原(MAGE)、CD19、CD20、CD34、CD45、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、グロス嚢胞性疾患液タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、タンパク質メラン-A(MART-1)、myo-D1、筋特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤性アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、ピルビン酸キナーゼイソ酵素M2型の二量体の形態(腫瘍M2-PK)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質である。
【0568】
ある特定の実施形態では、TAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-ESO-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、またはTPTEである。
【0569】
ある特定の他の実施形態では、TAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GM1、GM2(腫瘍胎児性抗原免疫原性-1;OFA-I-1);GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3などである。
【0570】
ある特定の他の実施形態では、TAAまたはTSAは、アルファアクチニン-4、Bage-1、BCR-ABL、Bcr-Abl融合タンパク質、ベータカテニン、CA125、CA15-3(CA27.29\BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、Casp-8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-1、dek-can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タンパク質、HLA-A2、HLA-A11、hsp70-2、KIAAO205、Mart2、Mum-1、2、および3、neo-PAP、クラスIミオシン、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、Gage3、4、5、6、7、GnTV、Herv-K-mel、Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、MAGE-1、MAGE-3、RAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15(58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、H-Ras、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TAG72、TLP、TPS、CD19、CD22、CD27、CD30、CD70、GD2(ガングリオシドG2)、EGFRvIII(上皮増殖因子バリアントIII)、精液タンパク質17(Sp17)、メソテリン、PAP(前立腺性酸性ホスファターゼ)、プロステイン、TARP(T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、STEAP1(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質である。別の具体的な実施形態では、前記腫瘍関連抗原または腫瘍特異性抗原は、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、K-Ras(V-Ki-ras2キルスティンラット肉腫ウイルスオンコジーン)、またはRal-Bである。
【0571】
具体的な実施形態では、TAAまたはTSAは、CD20、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、ROR1、FAP、MUC1、PSCA、EGFRvIII、EPHA2、またはGD2である。さらなる具体的な実施形態では、TAAまたはTSAは、CD123、CLL-1、CD38、またはCS-1である。具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CS-1と結合する。さらなる具体的な実施形態では、細胞外ドメインは、エロツズマブの単鎖バージョンおよび/またはエロツズマブの抗原結合断片を含む。具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CD20と結合する。より具体的な実施形態では、CARの細胞外ドメインは、CD20に結合するscFvまたはその抗原結合断片である。
【0572】
他の腫瘍関連および腫瘍特異性抗原は、当業者に公知である。
【0573】
TSAおよびTAAに結合する抗体およびscFvsは当業界において公知であり、それらをコードするヌクレオチド配列も同様である。
【0574】
ある特定の具体的な実施形態では、抗原は、TSAまたはTAAとみなされないが、それでも腫瘍細胞または腫瘍によって引き起こされる損傷に関連する抗原である。具体的な実施形態では、抗原は、腫瘍微小環境関連抗原(TMAA)である。ある特定の実施形態では、例えば、TMAAは、例えば、増殖因子、サイトカインまたはインターロイキンであり、例えば、血管新生または脈管形成に関連する増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンである。このような増殖因子、サイトカイン、またはインターロイキンとしては、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)を挙げることができる。腫瘍はまた、腫瘍に局所的に低酸素環境を作り出すこともできる。そのようなものとして、他の具体的な実施形態では、TMAAは、低酸素関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、正常な組織に局所的な損傷を引き起こす可能性があり、それが、損傷関連分子パターン分子(DAMP;アラーミンとしても公知)として公知の分子の放出の原因となる。それゆえに、ある特定の他の具体的な実施形態では、TMAAは、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度グループボックス1(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸であってもよい。具体的な実施形態では、TMAAはVEGF-A、EGF、PDGF、IGF、またはbFGFである。
【0575】
ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、リンカー、スペーサー、またはヒンジポリペプチド配列、例えばCD28に由来する配列により前記膜貫通ドメインに接合されている。
【0576】
ある特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、BCMAに結合する細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。CARの抗BCMA抗原結合ドメインと標的細胞表面上のBCMAとの係合は、CARのクラスター化をもたらし、CAR含有細胞に活性化刺激を送達する。CARの主な特質は、免疫エフェクター細胞特異性を向け直し、それにより増殖、サイトカイン産生、ファゴサイトーシス、または主要組織適合性(MHC)非依存的様式で標的抗原発現細胞の細胞死を媒介することができる分子の産生を引き起こし、モノクローナル抗体、可溶性リガンド、または細胞特異的共受容体の細胞特異的標的指向性能力を活用する能力である。
【0577】
種々の実施形態では、CARは、マウス抗BCMA(例えば、ヒトBCMA)特異的結合ドメインを含む細胞外結合ドメイン;膜貫通ドメイン;1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;および一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0578】
特定の実施形態では、CARは、マウス抗BCMA(例えば、ヒトBCMA)抗体またはその抗原結合性断片を含む細胞外結合ドメイン;1つまたはそれ以上のヒンジドメインまたはスペーサードメイン;膜貫通ドメイン;1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;および一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0579】
A.結合ドメイン
特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、B細胞上に発現されるヒトBCMAポリペプチドに特異的に結合するマウス抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片を含む細胞外結合ドメインを含む。本明細書で使用される場合、「結合ドメイン」、「細胞外ドメイン」、「細胞外結合ドメイン」、「抗原特異的結合ドメイン」、および「細胞外抗原特異的結合ドメイン」という用語は、同義的に使用され、目的の標的抗原、例えばBCMAに特異的に結合する能力をCARに提供する。結合ドメインは、天然、合成、半合成、または組換え供給源のいずれに由来してもよい。
【0580】
「特異的結合親和性」または「特異的に結合する」または「特異的に結合した」または「特異的結合」または「特異的に標的とする」という用語は、本明細書で使用される場合、抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片(またはそれを含むCAR)が、バックグラウンド結合よりも大きな結合親和性でBCMAに結合することを記述する。結合ドメイン(または結合ドメインを含むCARもしくは結合ドメインを含む融合タンパク質)は、例えば約105M-1よりも大きいかまたは等しい親和性またはKa(つまり、1/Mの単位で表される、特定の結合相互作用の平衡結合定数)でBCMAに結合または付随する場合、BCMAに「特異的に結合」する。ある特定の実施形態では、結合ドメイン(またはその融合タンパク質)は、約106M-1、107M-1、108M-1、109M-1、1010M-1、1011M-1、1012M-1、または1013M-1よりも大きなまたは等しいKaで標的に結合する。「高親和性」結合ドメイン(またはその単鎖融合タンパク質)は、少なくとも107M-1、少なくとも108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも1011M-1、少なくとも1012M-1、少なくとも1013M-1、またはそれよりも大きなKaを有する結合ドメインを指す。
【0581】
代替的に、親和性は、Mの単位で表される、特定の結合相互作用の平衡解離定数(Kd)(例えば、10-5M~10-13M、またはそれよりも小さな)として定義することができる。本開示による結合ドメインポリペプチドおよびCARタンパク質の親和性は、従来の技法を使用して、例えば、競合ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)により、あるいは標識リガンドを使用するかまたはBiacore,Inc.、ピスカタウエイ、ニュージャージー州から入手可能なBiacore T100などの表面プラズモン共鳴デバイス、もしくはそれぞれCorningおよびPerkin Elmerから入手可能なEPICシステムもしくはEnSpireなどの光学的バイオセンサー技術(Scatchard et al. (1949) Ann. N.Y. Acad. Sci. 51:660;米国特許第5,283,173号明細書;同第5,468,614号明細書またはその均等物なども参照)を使用する結合付随または置換アッセイにより、容易に決定することができる。
【0582】
一実施形態では、特異的結合の親和性は、バックグラウンド結合の約2倍より大きく、バックグラウンド結合の約5倍より大きく、バックグラウンド結合の約10倍より大きく、バックグラウンド結合の約20倍より大きく、バックグラウンド結合の約50倍より大きく、バックグラウンド結合の約100倍より大きく、またはバックグラウンド結合の約1000倍より大きく、またはそれよりも大きい。
【0583】
結合親和性を評価するための、および/または結合分子(例えば、抗体またはその断片)が特定のリガンド(例えば、BCMAタンパク質などの抗原)に特異的に結合するか否かを決定するための様々なアッセイが公知である。抗原、例えばBCMAに対する結合性分子、例えば抗体の結合親和性を決定することは、当業者のレベルの範囲内である。例えば、一部の実施形態では、BIAcore(登録商標)機器を使用し、2つのタンパク質(例えば、抗体またはその断片、およびBCMA細胞表面タンパク質、可溶性BCMAタンパク質などの抗原)間の複合体の結合動力学および結合定数を、表面プラズモン共鳴(SPR)分析を使用して(例えば、Scatchard et al., Ann. N.Y. Acad. Sci. 51:660, 1949;Wilson, Science 295:2103, 2002;Wolff et al., Cancer Res. 53:2560, 1993;および米国特許第5,283,173号明細書、もしくは同第5,468,614号明細書またはその均等物などを参照)決定することができる。
【0584】
SPRは、分子が表面に結合または表面から解離する際の、センサー表面の分子濃度の変化を測定する。SPRシグナルの変化は表面付近の質量濃度の変化に正比例するため、2つの分子間の結合動力学の測定が可能になる。複合体の解離定数は、バッファーがチップ上を通過する時間に対する屈折率の変化をモニターすることにより決定することができる。1つのタンパク質と別のタンパク質との結合を測定するための他の好適なアッセイとしては、例えば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)などのイムノアッセイ、またはタンパク質の分光学的または光学的特性の変化を蛍光、UV吸収、円二色性、もしくは核磁気共鳴(NMR)によりモニターすることによる結合の決定が挙げられる。他の例示的なアッセイとしては、ウエスタンブロット、ELISA、分析超遠心分離、分光法、フローサイトメトリー、配列決定、およびポリヌクレオチド発現またはタンパク質結合を検出するための他の方法が挙げられるが、それらに限定されない。
【0585】
特定の実施形態では、CARの細胞外結合ドメインは、抗体またはその抗原結合性断片を含む。「抗体」は、免疫細胞により認識されるものなどの抗原決定基を含むペプチド、脂質、ポリサッカリド、または核酸などの抗原のエピトープを特異的に認識および結合する少なくとも軽鎖または重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドである結合剤を指す。
【0586】
「抗原(Ag)」は、動物に注射または吸収される組成物(がん特異的タンパク質を含むものなど)を含む、動物における抗体の産生またはT細胞応答を刺激することができる化合物、組成物、または物質を指す。抗原は、本開示の抗原などの異種性抗原により誘導されるものを含む特異的な体液性免疫または細胞性免疫の産物と反応する。特定の実施形態では、標的抗原は、BCMAポリペプチドのエピトープである。
【0587】
「エピトープ」または「抗原決定基」は、結合剤が結合する抗原の領域を指す。エピトープは、連続アミノ酸、またはタンパク質の三次元フォールディングにより並置される非連続アミノ酸の両方で形成されていてもよい。連続アミノ酸で形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒に曝露されても保持されるが、三次元フォールディングにより形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒で処理すると失われる。エピトープは、典型的には、固有の空間的立体構造にある少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個、約9個、または約8~10個のアミノ酸を含む。
【0588】
抗体としては、その抗原結合性断片、例えば、ラクダIg、Ig NAR、Fab断片、Fab’断片、F(ab)’2断片、F(ab)’3断片、Fv、単鎖Fvタンパク質(「scFv」)、bis-scFv、(scFv)2、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)、および単一ドメイン抗体(sdAb、ナノボディ)、および抗原結合を担う全長抗体の部分が挙げられる。この用語は、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロコンジュゲート抗体(二重特異性抗体など)、およびそれらの抗原結合性断片などの、遺伝子操作された形態も含む。Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford, IL); Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W. H. Freeman & Co., New York, 1997も参照されたい。
【0589】
当業者であれば理解するようにおよび本明細書の他の箇所に記載のように、完全な抗体は2つの重鎖および2つの軽鎖を含む。各重鎖は、可変領域ならびに第1、第2、および第3の定常領域からなり、各軽鎖は可変領域および定常領域からなる。哺乳動物重鎖は、α、δ、ε、γ、およびμに分類される。哺乳動物軽鎖は、λまたはκに分類される。α、δ、ε、γ、およびμ重鎖を含む免疫グロブリンは、免疫グロブリン(Ig)A、IgD、IgE、IgG、およびIgMに分類される。完全な抗体は「Y」字形を形成する。Yのステムは、結合して一緒になった2つの重鎖の第2および第3の定常領域(ならびにIgEおよびIgMの場合は、第4の定常領域)からなり、ヒンジにはジスルフィド結合(鎖間)が形成されている。重鎖γ、α、およびδは、3つの直列の(一列に並んだ)Igドメインで構成される定常領域および可撓性を高めるためのヒンジ領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリンドメインで構成される定常領域を有する。第2および第3の定常領域は、それぞれ「CH2ドメイン」および「CH3ドメイン」と呼ばれる。Yの各アームは、単一軽鎖の可変領域および定常領域に結合した単一重鎖の可変領域および第1の定常領域を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原結合を担う。
【0590】
軽鎖および重鎖可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域により分断された「フレームワーク」領域を含む。CDRは、例えば、Kabat et al (Wu, TT and Kabat, E. A., J Exp Med. 132(2):211-50, (1970); Borden, P. and Kabat E. A., PNAS, 84: 2440-2443 (1987)(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, 1991を参照。この文献は、これにより参照により組み込まれる)に従って配列により;またはChothia et al (Chothia, C. and Lesk, A.M., J Mol. Biol., 196(4): 901-917 (1987), Chothia, C. et al, Nature, 342: 877 - 883 (1989))に従って構造により、従来の方法で定義または特定することができる。
【0591】
異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、ヒトなどの種内では比較的保存されている。抗体のフレームワーク領域、つまり構成要素である軽鎖および重鎖のフレームワーク領域を組み合わせたものは、CDRを三次元空間に配置およびアラインさせる役目を果たす。CDRは、主として抗原のエピトープとの結合を担う。各鎖のCDRは、典型的には、CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれ、N末端から始めて順番に付番されており、典型的には、特定のCDRが位置する鎖によっても特定される。したがって、抗体の重鎖の可変ドメインに位置するCDRは、CDRH1、CDRH2、およびCDRH3と呼ばれるが、抗体の軽鎖の可変ドメインに位置するCDRは、CDRL1、CDRL2、およびCDRL3と呼ばれる。異なる特異性(つまり、異なる抗原に対する異なる結合部位)を有する抗体は、異なるCDRを有する。CDRは抗体毎に異なるが、CDR内の限定的な数のアミノ酸位置のみが抗原結合に直接関与する。CDR内のこうした位置は、特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。本明細書で企図されるヒト化BCMA CARを構築するのに好適な軽鎖CDRの具体的な例としては、配列番号1~3に示されているCDR配列が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で企図されるヒト化BCMA CARを構築するのに好適な重鎖CDRの具体的な例としては、配列番号4~6に示されているCDR配列が挙げられるが、それらに限定されない。
【0592】
「VH」または「VH」への言及は、抗体、Fv、scFv、dsFv、Fab、または本明細書で開示の他の抗体断片の可変領域を含む、免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、抗体、Fv、scFv、dsFv、Fab、または本明細書で開示される他の抗体断片の可変領域を含む、免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
【0593】
「モノクローナル抗体」は、Bリンパ球の単一クローンにより、または単一抗体の軽鎖遺伝子および重鎖遺伝子がトランスフェクトされた細胞により産生される抗体である。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法により、例えば、骨髄腫細胞と免疫脾臓細胞との融合物からハイブリッド抗体形成細胞を製作することにより産生される。モノクローナル抗体としては、ヒト化モノクローナル抗体が挙げられる。
【0594】
「キメラ抗体」は、ヒトなどの1つの種に由来するフレームワーク残基、およびマウスなどの別の種に由来するCDR(一般に抗原結合性を付与する)を有する。特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、キメラ抗体またはその抗原結合性断片である抗原特異的結合ドメインを含む。
【0595】
「ヒト化」抗体は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(例えば、マウス、ラット、または合成)免疫グロブリンに由来する1つまたはそれ以上のCDRを含む免疫グロブリンである。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは「ドナー」と称され、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは「アクセプター」と称される。
【0596】
本提供のCARに含まれる抗BCMA抗体の中にも、ヒト抗体がある。「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞、またはヒト抗体レパートリーもしくはヒト抗体ライブラリーを含む他のヒト抗体コード配列が使用されている非ヒト供給源により産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、すべてまたは実質的にすべてのCDRが非ヒトであるものなど、非ヒト抗原結合領域を含む非ヒト抗体のヒト化形態を除外する。この用語には、ヒト抗体の抗原結合性断片が含まれる。
【0597】
ヒト抗体は、抗原負荷に応答して、無傷ヒト抗体またはヒト可変領域を有する無傷抗体を産生するように改変されているトランスジェニック動物に免疫原を投与することにより調製することができる。そのような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換えるか、または染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれているヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または部分を含む。このようなトランスジェニック動物では、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般に不活性化されている。また、ヒト抗体は、ヒトレパートリーに由来する抗体コード配列を含むファージディスプレイおよび無細胞ライブラリーを含むヒト抗体ライブラリーに由来してもよい。
【0598】
特定の実施形態では、マウス抗BCMA(例えば、ヒトBCMA)抗体またはその抗原結合性断片としては、ラクダIg(ラクダ科動物抗体(VHH))、Ig NAR、Fab断片、Fab’断片、F(ab)’2断片、F(ab)’3断片、Fv、単鎖Fv抗体(「scFv」)、bis-scFv、(scFv)2、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)、および単一ドメイン抗体(sdAb、ナノボディ)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0599】
「ラクダIg」または「ラクダ科動物VHH」は、本明細書で使用される場合、重鎖抗体の最小既知抗原結合単位を指す(Koch-Nolte, et al, FASEB J., 21: 3490-3498 (2007))。「重鎖抗体」または「ラクダ科動物抗体」は、2つのVHドメインを含み、軽鎖を含まない抗体を指す(Riechmann L. et al, J. Immunol. Methods 231:25-38 (1999);国際公開第94/04678号パンフレット;国際公開第94/25591号パンフレット;米国特許第6,005,079号明細書)。
【0600】
「免疫グロブリン新抗原受容体」の「IgNAR」は、1つの可変新抗原受容体(VNAR)ドメインおよび5つの定常新抗原受容体(CNAR)ドメインのホモ二量体からなるサメ免疫レパートリーに由来する抗体のクラスを指す。IgNARは、最小既知免疫グロブリンベースのタンパク質スキャフォールドの幾つかであり、安定性が高く、効率的な結合特質を有する。固有の安定性は、(i)マウス抗体に見出される従来抗体VHおよびVLドメインと比較して、相当数の荷電親水性表面露出残基を示す基盤Igスキャフォールド;ならびに(ii)ループ間ジスルフィド架橋およびループ内水素結合のパターンを含む相補性決定領域(CDR)ループの構造的特徴の安定化の両方に起因し得る。
【0601】
抗体のパパイン消化は、各々が単一の抗原結合部位を有する「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合性断片、およびその名称が容易に結晶化する能力を反映する残りの「Fc」断片をもたらす。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原を架橋することが可能なF(ab’)2断片を産出する。
【0602】
「Fv」は、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。一実施形態では、二鎖Fv種は、緊密な非共有付随による1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。単鎖Fv(scFv)種では、軽鎖および重鎖が付随して二鎖Fv種の構造に類似した「二量体」構造をとることができるように、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインが、可撓性ペプチドリンカーにより共有結合で連結されていてもよい。この構成では、各可変ドメインの3つの超可変領域(HVR)が相互作用して、VH-VL二量体の表面に抗原結合部位を画成する。6つのHVRは集団で抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのHVRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位全体よりも低い親和性ではあるものの、抗原を認識および結合する能力を有する。
【0603】
Fab断片は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、また軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域に由来する1つまたはそれ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に少数の残基が追加されている点でFab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’の本明細書における名称である。F(ab’)2抗体断片は、元々は、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として生成された。抗体断片の他の化学カップリングも公知である。
【0604】
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する抗体断片を指し、この断片は、同一のポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)(VH-VL)を含む。2つのドメインを同一鎖で対合させるには短すぎるリンカーを使用することにより、ドメインは強制的に別の鎖の相補的ドメインと対合し、2つの抗原結合部位が作出される。ダイアボディは、二価または二重特異性であってもよい。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号明細書;国際公開第1993/01161号パンフレット;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003);およびHollinger et al., PNAS USA 90: 6444-6448 (1993)に、より詳細に記載されている。Hudson et al., Nat.Med. 9:129-134 (2003)には、トリアボディおよびテトラボディも記載されている。
【0605】
「単一ドメイン抗体」または「sdAb」または「ナノボディ」は、抗体重鎖の可変領域(VHドメイン)または抗体軽鎖の可変領域(VLドメイン)からなる抗体断片を指す(Holt, L., et al, 2003, Trends in Biotechnology, 21(11): 484-490)。
【0606】
「単鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、こうしたドメインは、単一のポリペプチド鎖にいずれかの向きで存在する(例えば、VL-VHまたはVH-VL)。一般に、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、例えば、Pluckthun, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., (Springer-Verlag, New York, 1994), pp. 269-315を参照されたい。
【0607】
ある特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、マウスscFvである抗原特異的結合ドメインを含む。単鎖抗体は、所望の標的に特異的なハイブリドーマのV領域遺伝子からクローニングすることができる。そのようなハイブリドーマの産生は日常的になっている。可変領域重鎖(VH)および可変領域軽鎖(VL)をクローニングするために使用することができる技法は、例えば、Orlandi et al., PNAS, 1989; 86: 3833-3837に記載されている。
【0608】
一部の実施形態では、CARは、抗体の重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域、例えばscFv抗体断片などの、抗体分子の1つまたはそれ以上のBCMA結合部分を含む。CARなどのキメラ受容体は、一般に、抗体分子の部分、一般に抗体の重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域、例えばscFv抗体断片などの細胞外抗原結合ドメインを含む。一部の実施形態では、本提供のBCMA結合CARは、本提供のCARにBCMA結合特性を付与する、抗BCMA抗体などの抗体、またはその抗原結合性断片を含む。一部の実施形態では、抗体または抗原結合ドメインは、記載されている任意の抗BCMA抗体であってもよく、または記載されている任意の抗BCMA抗体に由来するものであってもよい。例えば、Carpenter et al., Clin. Cancer Res., 2013, 19(8):2048-2060;Feng et al., Scand. J. Immunol. (2020) 92:e12910;米国特許第9,034,324号明細書 米国特許第9,765,342号明細書;米国特許出願公開第2016/0046724号明細書、米国特許出願公開第20170183418号明細書;および国際公開第2016090320号パンフレット、国際公開第2016090327号パンフレット、国際公開第2016094304号パンフレット、国際公開第2016014565号パンフレット、国際公開第2016014789号パンフレット、国際公開第2010104949号パンフレット、国際公開第2017025038号パンフレット、国際公開第2017173256号パンフレット、国際公開第2018085690号パンフレット、または国際公開第2021091978号パンフレットを参照されたい。そのような抗BCMA抗体または抗原結合性断片はいずれも、本提供のCARに使用することができる。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、1つまたはそれ以上の単一ドメイン抗BCMA抗体を含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の単一ドメイン抗BCMA抗体は、国際公開第2017025038号パンフレットまたは国際公開第2018028647号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、2つの単一ドメイン抗BCMA抗体を含む。一部の実施形態では、2つの単一ドメイン抗BCMA抗体は、国際公開第2017025038パンフレットまたは国際公開第2018028647号パンフレットに記載の1つまたはそれ以上の抗体に由来する。一部の実施形態では、BCMA結合ドメインは、国際公開第2017025038号パンフレットまたは国際公開第2018028647号パンフレットに記載されており、例えば、国際公開第2017025038号パンフレットまたは国際公開第2018028647号パンフレットの配列番号300、301、および302(シグナルペプチドの有無に関わらず)に提供されているA37353-G4S-A37917(G4Sは2つの結合ドメイン間のリンカーである)を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvである抗原結合ドメインを含む。一部の実施形態では、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvは、国際公開第2016090320号パンフレットまたは国際公開第2016090327号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvは、国際公開第2019/090003号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvは、国際公開第2016094304号パンフレットまたは国際公開第2021091978号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvは、国際公開第2018133877号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含むscFvは、国際公開第2019149269号パンフレットに記載の抗体に由来する。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、国際公開第2019173636号パンフレットまたは国際公開第2020051374号パンフレットに記載のいずれかである。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、国際公開第2018102752号パンフレットに記載のもののいずれかである。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、国際公開第2020112796号パンフレットまたは国際公開第2021173630号パンフレットに記載のもののいずれかである。
【0609】
一部の実施形態では、抗体、例えば、抗BCMA抗体または抗原結合性断片は、記載されている重鎖および/もしくは軽鎖可変(VHもしくはVL)領域配列、またはその十分な抗原結合性部分を含む。一部の実施形態では、抗BCMA抗体、例えば抗原結合性断片は、記載されているCDR-H1、CDR-H2、および/またはCDR-H3を含むVH領域配列またはその十分な抗原結合性部分を含む。一部の実施形態では、抗BCMA抗体、例えば抗原結合性断片は、記載されているCDR-L1、CDR-L2、および/またはCDR-L3を含むVL領域配列または十分な抗原結合性部分を含む。一部の実施形態では、抗BCMA抗体、例えば抗原結合性断片は、記載されているCDR-H1、CDR-H2、および/またはCDR-H3を含むVH領域配列を含み、記載されているCDR-L1、CDR-L2、および/またはCDR-L3を含むVL領域配列を含む。そうした抗体の中にも、そのような配列と、少なくとも90%もしくは約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%同一である配列を有するものがある。
【0610】
一部の実施形態では、抗体は、上記に記載のVH配列(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、および/またはCDR-H4)のいずれかなどの、VH領域配列またはその十分な抗原結合性部分のみを含む単一ドメイン抗体(sdAb)である。
【0611】
一部の実施形態では、本明細書で提供される抗体(例えば、抗BCMA抗体)またはVH領域を含むその抗原結合性断片は、軽鎖またはその十分な抗原結合性部分をさらに含む。例えば、一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、VH領域およびVL領域、またはVHおよびVL領域の十分な抗原結合性部分を含む。そのような実施形態では、VH領域配列は、上記に記載のVH配列のいずれであってもよい。一部のそのような実施形態では、抗体は、FabまたはscFvなどの抗原結合性断片である。一部のそのような実施形態では、抗体は、定常領域も含む全長抗体である。
【0612】
一部の実施形態では、CARは、BCMA、例えばヒトBCMAに特異的な抗BCMA CARである。マウス抗ヒトBCMA抗体およびヒト抗ヒトBCMA抗体を含む抗BCMA抗体を含むキメラ抗原受容体、およびそのようなキメラ受容体を発現する細胞は、以前に報告されている。Carpenter et al., Clin Cancer Res., 2013, 19(8):2048-2060、米国特許第9,765,342号明細書、国際公開第2016/090320号パンフレット、国際公開第2016090327号パンフレット、国際公開第2010104949号パンフレット、国際公開第2016/0046724号パンフレット、国際公開第2016/014789号パンフレット、国際公開第2016/094304号パンフレット、国際公開第2017/025038号パンフレット、および国際公開第2017173256号パンフレットを参照されたい。
【0613】
一部の実施形態では、抗BCMA CARは、国際公開第2016094304号パンフレットまたは国際公開第2021091978号パンフレットに記載の抗体に由来する可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含む、scFvなどの抗原結合ドメインを含む。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、可変重鎖(VH)領域および可変軽鎖(VL)領域を含む抗体断片である。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、国際公開第2016/090320号パンフレットまたは国際公開第2016090327号パンフレットに記載の抗体に由来する可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域を含む、scFvなどの抗原結合ドメインを含む。
【0614】
一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、可変重鎖(VH)領域および可変軽鎖(VL)領域を含む抗体断片である。一部の態様では、VH領域は、配列番号8、56、58、60、66、68、70、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、178、180、182、および184のいずれかに示されているVH領域アミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%配列同一性を有するアミノ酸配列であるかもしくはそれを含み、ならびに/またはVL領域は、配列番号7、57、59、61、67、69、71、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、179、181、183、および185のいずれかに示されているVL領域アミノ酸配列と、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列であるかもしくはそれを含む。
【0615】
一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号8に示されているVHおよび配列番号7に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号56に示されているVHおよび配列番号57に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号58に示されているVHおよび配列番号59に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号60に示されているVHおよび配列番号61に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号66に示されているVHおよび配列番号67に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号68に示されているVHおよび配列番号69に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号70に示されているVHおよび配列番号71に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号75に示されているVHおよび配列番号76に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号77に示されているVHおよび配列番号78に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号79に示されているVHおよび配列番号80に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号81に示されているVHおよび配列番号82に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号83に示されているVHおよび配列番号84に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号85に示されているVHおよび配列番号86に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号87に示されているVHおよび配列番号88に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号89に示されているVHおよび配列番号90に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号91に示されているVHおよび配列番号92に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号93に示されているVHおよび配列番号94に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号95に示されているVHおよび配列番号96に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号97に示されているVHおよび配列番号98に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号99に示されているVHおよび配列番号100に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号101に示されているVHおよび配列番号102に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号103に示されているVHおよび配列番号104に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号105に示されているVHおよび配列番号106に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号107に示されているVHおよび配列番号108に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号109に示されているVHおよび配列番号110に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号178に示されているVHおよび配列番号179に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号180に示されているVHおよび配列番号181に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号182に示されているVHおよび配列番号183に示されているVLを含む。一部の実施形態では、scFvなどの抗原結合ドメインは、配列番号184に示されているVHおよび配列番号185に示されているVLを含む。一部の実施形態では、VHまたはVLは、上述のVHまたはVL配列のいずれかと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれよりも高い配列同一性を呈し、BCMAとの結合を保持するアミノ酸の配列を有する。一部の実施形態では、VH領域は、VL領域のアミノ末端側にある。一部の実施形態では、VH領域は、VL領域のカルボキシ末端側にある。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖はリンカーにより接続されている。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号63、22、64、または72に示されている。
【0616】
提供される抗BCMA CARの中には、抗体または抗原結合性断片が、配列番号8に示されている配列、あるいは配列番号8と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約92%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域;ならびに配列番号7に示されている配列、あるいは配列番号7と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含むCARがある。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号4、5、および6のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号1、2、および3のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号222、223、および224のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号225、226、および227のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号228、229、および230のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号231、232、および233のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号234、235、および236のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号237、238、および239のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、VH領域は配列番号8に示されている配列を含み、VL領域は配列番号7に示されている配列を含む。一部の実施形態では、抗体または抗原結合性断片は、scFvなどの単鎖抗体断片である。一部の実施形態では、scFvは、配列番号38に示されているアミノ酸の配列、あるいは配列番号38と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸の配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、配列番号37に示されているアミノ酸の配列、あるいは配列番号37と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸の配列を有する。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、配列番号240に示されているポリヌクレオチド配列、あるいは配列番号240と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のポリヌクレオチド配列によりコードされている。
【0617】
提供される抗BCMA CARの中には、抗体または抗原結合性断片が、配列番号60に示されている配列、あるいは配列番号60と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸配列を含むVH領域を含み;配列番号61に示されている配列、あるいは配列番号61と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸配列を含むVL領域を含むCARがある。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号206、207、および208のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号216、217、および218のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号209、210、および211のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号216、217、および218のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号211、211、および208のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号216、217、および218のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、本提供のCARの抗体または抗原結合性断片は、それぞれ配列番号213、214、および215のアミノ酸配列を含むCDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有するVH領域、ならびにそれぞれ配列番号219、220、および221のアミノ酸配列を含むCDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有するVL領域を含む。一部の実施形態では、VH領域は配列番号60に示されている配列を含み、VL領域は配列番号61に示されている配列を含む。一部の実施形態では、抗体または抗原結合性断片は、scFvなどの単鎖抗体断片である。一部の実施形態では、scFvは、配列番号221に示されているアミノ酸の配列、あるいは配列番号221と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸の配列を含む。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、配列番号157に示されているアミノ酸の配列、あるいは配列番号157と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸の配列を有する。一部の実施形態では、抗BCMA CARは、配列番号158に示されているアミノ酸の配列、あるいは配列番号158と少なくとも90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、または99%もしくは約99%同一性のアミノ酸の配列を有する。
【0618】
一部の実施形態では、scFvは、配列番号241~272のいずれか1つに示されているアミノ酸配列、または配列番号241~272のいずれか1つに示されている配列と少なくとも90、95、96、97、98、99、もしくは100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0619】
一部の実施形態では、抗原結合ドメインはsdAbを含む。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、配列番号77に示されている配列を含む。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、配列番号77に示されている配列と少なくともまたは約50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、もしくは100%同一の配列を含む。
【0620】
一部の実施形態では、CARは、配列番号37および124~174のいずれか1つに示されているアミノ酸配列、または配列番号37および124~174のいずれか1つに示されている配列と少なくとも90、95、96、97、98、もしくは99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0621】
特定の実施形態では、抗原特異的結合ドメインは、ヒトBCMAポリペプチドに結合するマウスscFvである。本明細書で企図されるBCMA CARを構築するのに好適な可変重鎖の具体的な例としては、配列番号8に示されているアミノ酸配列が挙げられるが、それに限定されない。本明細書で企図されるBCMA CARを構築するのに好適な可変軽鎖の具体的な例としては、配列番号7に示されているアミノ酸配列が挙げられるが、それに限定されない。
【0622】
また、本明細書で提供されるBCMA特異的結合ドメインは、1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。そのようなCDRは、軽鎖のCDRL1、CDRL2、およびCDRL3ならびに重鎖のCDRH1、CDRH2、およびCDRH3から選択される非ヒトCDRまたは変更された非ヒトCDRであってもよい。ある特定の実施形態では、BCMA特異的結合ドメインは、(a)軽鎖CDRL1、軽鎖CDRL2、および軽鎖CDRL3を含む軽鎖可変領域、ならびに(b)重鎖CDRH1、重鎖CDRH2、および重鎖CDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0623】
B.リンカー
ある特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、例えば、分子の適切な間隔および立体構造のために付加されるリンカー残基を種々のドメイン間に含んでいてもよい。特定の実施形態では、リンカーは可変領域連結配列である。「可変領域連結配列」は、VHドメインおよびVLドメインを接続し、得られるポリペプチドが、同一の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含む抗体と同一の標的分子に対する特異的結合親和性を保持するように、2つのサブ結合ドメインの相互作用に適合性のスペーサー機能を提供するアミノ酸配列である。本明細書で企図されるCARは、1、2、3、4、または5つ、またはそれよりも多くのリンカーを含んでいてもよい。特定の実施形態では、リンカーの長さは、約1~約25アミノ酸、約5~約20アミノ酸、または約10~約20アミノ酸、または任意のアミノ酸介在長である。一部の実施形態では、リンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれよりも多くのアミノ酸長である。
【0624】
リンカーの具体的な例としては、グリシンポリマー(G)n;グリシン-セリンポリマー(G1~5S1~5)n(式中nは少なくとも1、2、3、4、または5の整数である):グリシン-アラニンポリマー;アラニン-セリンポリマー;および当技術分野で公知の他の可撓性リンカーが挙げられる。グリシンおよびグリシン-セリンポリマーは比較的構造化されていないため、本明細書に記載のCARなどの融合タンパク質のドメイン間の中性係留鎖としての役目を果たすことができる可能性がある。グリシンは、アラニンと比べてさえ著しく大きなファイ-プサイ空間にアクセスし、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制限が少ない(Scheraga, Rev. Computational Chem. 11173-142 (1992)を参照)。当業者であれば、特定の実施形態におけるCARの設計は、すべてが可撓性であるかまたは部分的に可撓性であるリンカーを含んでいてもよく、リンカーは、可撓性リンカー、ならびに所望のCAR構造を提供するために可撓性がより低い構造を付与する1つまたはそれ以上の部分を含んでいてもよいことを認識するだろう。
【0625】
他の例示的なリンカーとしては、以下のアミノ酸配列:GGG;DGGGS(配列番号12);TGEKP(配列番号13)(例えば、Liu et al., PNAS 5525-5530 (1997)を参照);GGRR(配列番号14)(Pomerantz et al. 1995、上記);(GGGGS)n(式中、n=1,2,3,4、または5、GGGGSは、配列番号15に特定されている)(Kim et al., PNAS 93, 1156-1160 (1996.));EGKSSGSGSESKVD(配列番号16)(Chaudhary et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 87:1066-1070);KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号17)(Bird et al., 1988, Science 242:423-426),GGRRGGGS(配列番号18);LRQRDGERP(配列番号19);LRQKDGGGSERP(配列番号20);LRQKd(GGGS)2ERP(配列番号21)が挙げられるが、それらに限定されない。代替的に、可撓性リンカーは、DNA結合部位およびペプチド自体の両方をモデル化することが可能なコンピュータープログラムを使用して(Desjarlais & Berg, PNAS 90:2256-2260 (1993), PNAS 91:11099-11103 (1994))、またはファージディスプレイ法により合理的に設計してもよい。一実施形態では、リンカーは、以下のアミノ酸配列:GSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号22)(Cooper et al., Blood, 101(4): 1637-1644 (2003))を含む。
【0626】
一部の実施形態では、抗体は、重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域などの2つの抗体ドメインまたは領域を接合する1つまたはそれ以上のリンカーを含む、scFvなどの抗原結合性断片である。リンカーは、典型的には、ペプチドリンカー、例えば可撓性および/または可溶性ペプチドリンカーである。リンカーの中には、グリシンおよびセリンならびに/または一部の場合ではスレオニンに富むものがある。一部の実施形態では、リンカーは、溶解度を向上させることができる、リシンおよび/またはグルタミン酸などの荷電残基をさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、1つまたはそれ以上のプロリンをさらに含む。一部の態様では、グリシンおよびセリン(および/またはスレオニン)に富むリンカーは、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のそのようなアミノ酸を含む。一部の実施形態では、そうしたリンカーは、少なくとも50%もしくは約50%、55%もしくは約55%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、または75%もしくは約75%のグリシン、セリン、および/またはスレオニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、実質的に全体がグリシン、セリン、および/またはスレオニンで構成されている。リンカーは、一般に、約5~約50アミノ酸長、典型的には10もしくは約10~30もしくは約30、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30、一部の例では10~25アミノ酸長である。例示的なリンカーとしては、そのような配列の2、3、4、および5つのリピート間など、種々の繰返し数の配列GGGGS(4GS;配列番号15)またはGGGS(3GS;配列番号62)を有するリンカーが挙げられる。例示的なリンカーとしては、配列番号63(GGGGSGGGGSGGGGS)、配列番号22(GSTSGSGKPGSGEGSTKG)、配列番号64(SRGGGGSGGGGSGGGGSLEMA)、または配列番号72(ASGGGGSGGRASGGGGS)に示されている配列を有するかまたはからなるものが挙げられる。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号22に示されている配列であるかまたはそれを含む。
【0627】
C.スペーサードメイン
特定の実施形態では、CARの結合ドメインの後には、抗原結合ドメインをエフェクター細胞表面から遠ざけて適正な細胞/細胞接触、抗原結合、および活性化を可能にする領域を指す1つまたはそれ以上の「スペーサードメイン」が続く(Patel et al., Gene Therapy, 1999; 6: 412-419)。スペーサードメインは、天然、合成、半合成、または組換え供給源のいずれに由来してもよい。ある特定の実施形態では、スペーサードメインは、1つまたはそれ以上の重鎖定常領域、例えばCH2およびCH3を含むが、それらに限定されない免疫グロブリンの部分である。スペーサードメインは、天然に存在する免疫グロブリンヒンジ領域または変更された免疫グロブリンヒンジ領域のアミノ酸配列を含んでいてもよい。
【0628】
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの抗体部分は、スペーサーをさらに含み、スペーサーは、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、IgG1ヒンジ領域、CH1/CL、および/またはFc領域などの免疫グロブリン定常領域またはそのバリアントもしくは修飾型の少なくとも部分であってもよくまたはそれを含んでいてもよい。一実施形態では、スペーサードメインは、IgG1またはIgG4のCH2およびCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、組換え受容体は、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含む。一部の実施形態では、定常領域または部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。一部の態様では、定常領域の部分は、抗原認識成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域としての役目を果たす。
【0629】
CARの結合ドメインの後には、一般に、抗原結合ドメインをエフェクター細胞表面から離れるように配置して、適正な細胞/細胞接触、抗原結合、および活性化を可能にする役割を果たす1つまたはそれ以上の「ヒンジドメイン」が続く。CARは、一般に、結合ドメインと膜貫通ドメイン(TM)との間に1つまたはそれ以上のヒンジドメインを含む。ヒンジドメインは、天然、合成、半合成、または組換え供給源のいずれに由来してもよい。ヒンジドメインは、天然に存在する免疫グロブリンヒンジ領域または変更された免疫グロブリンヒンジ領域のアミノ酸配列を含んでいてもよい。
【0630】
「変更されたヒンジ領域」は、(a)最大で30%のアミノ酸変化(例えば、最大で25%、20%、15%、10%、または5%のアミノ酸置換または欠失)を有する天然に存在するヒンジ領域、(b)少なくとも10アミノ酸長(例えば、少なくとも12、13、14、または15アミノ酸長)であり、最大で30%のアミノ酸変化(例えば、最大で25%、20%、15%、10%、または5%のアミノ酸置換または欠失)を有する天然に存在するヒンジ領域の部分、あるいは(c)コアヒンジ領域(4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15アミノ酸長、または少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸長であってもよい)を含む天然に存在するヒンジ領域の部分を指す。ある特定の実施形態では、天然に存在する免疫グロブリンヒンジ領域の1つまたはそれ以上のシステイン残基は、1つまたはそれ以上の他のアミノ酸残基(例えば、1つまたはそれ以上のセリン残基)により置換されていてもよい。変更された免疫グロブリンヒンジ領域は、代替的にまたは加えて、野生型免疫グロブリンヒンジ領域のプロリン残基が別のアミノ酸残基(例えば、セリン残基)により置換されていてもよい。
【0631】
本明細書に記載のCARでの使用に好適な他の例示的なヒンジドメインとしては、CD8α、CD4、CD28、およびCD7などの1型膜タンパク質の細胞外領域に由来し、こうした分子の野生型ヒンジ領域であってもよくまたは変更されていてもよいヒンジ領域が挙げられる。別の実施形態では、ヒンジドメインは、CD8αヒンジ領域を含む。
【0632】
スペーサーは、スペーサーが存在しない場合と比較して、抗原結合後の細胞応答性の増加をもたらす長さであってもよい。例示的なスペーサー、例えばヒンジ領域としては、国際公開第2014031687号パンフレットに記載のものが挙げられる。一部の例では、スペーサーは、12アミノ酸長であるかもしくは約12アミノ酸長であるか、または12アミノ酸長以下である。例示的なスペーサーとしては、列挙されている範囲のいずれかの端点間の任意の整数を含む、少なくとも約10~229アミノ酸、約10~200アミノ酸、約10~175アミノ酸、約10~150アミノ酸、約10~125アミノ酸、約10~100アミノ酸、約10~75アミノ酸、約10~50アミノ酸、約10~40アミノ酸、約10~30アミノ酸、約10~20アミノ酸、または約10~15アミノ酸を有するものが挙げられる。一部の実施形態では、スペーサー領域は、約12個もしくはそれよりも少ないアミノ酸、約119個もしくはそれよりも少ないアミノ酸、または約229個もしくはそれよりも少ないアミノ酸を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、少なくとも110、125、130、135、140、145、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250アミノ酸長などの少なくとも100アミノ酸である長さを有するなど、少なくとも特定の長さを有するスペーサーである。例示的なスペーサーとしては、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが挙げられる。例示的なスペーサーとしては、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが挙げられる。例示的なスペーサーとしては、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが挙げられる。例示的なスペーサーとしては、Hudecek et al., Clin. Cancer Res., 19:3153 (2013)、Hudecek et al. (2015) Cancer Immunol Res. 3(2): 125-135、国際公開第2014031687号パンフレット、米国特許第8,822,647号明細書、または米国特許出願公開第2014/0271635号明細書に記載のものなどが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、スペーサーは、免疫グロブリンヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域の配列を含む。一部の実施形態では、ヒンジ、CH2、およびCH3の1つまたはそれ以上は、全部または一部がIgG4またはIgG2に由来する。一部の場合では、ヒンジ、CH2、およびCH3はIgG4に由来する。一部の態様では、ヒンジ、CH2、およびCH3の1つまたはそれ以上はキメラであり、IgG4およびIgG2に由来する配列を含む。一部の例では、スペーサーは、IgG4/2キメラヒンジ、IgG2/4CH2、およびIgG4CH3領域を含む。
【0633】
一部の実施形態では、スペーサーは、全部または一部がIgG4および/またはIgG2に由来してもよく、1つまたはそれ以上のドメインに1つまたはそれ以上の単一アミノ酸突然変異などの突然変異を含んでいてもよい。一部の例では、アミノ酸修飾は、IgG4のヒンジ領域におけるセリン(S)のプロリン(P)置換である。一部の実施形態では、アミノ酸修飾は、グリコシル化不均一性を低減するためのアスパラギン(N)のグルタミン(Q)置換、例えば、全長IgG4 Fc配列のCH2領域の177位におけるN177Q突然変異、または全長IgG4 Fc配列のCH2領域の176位におけるN176Qである。
【0634】
一部の実施形態では、スペーサーは、配列ESKYGPPCPPCP(配列番号39に示されている)を有し、配列番号40に示されている配列によりコードされる。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号41に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは配列番号42に示されている配列を有する。一部の実施形態では、コードされたスペーサーは、配列番号65に示されている配列であるかまたはそれを含む。一部の実施形態では、定常領域または部分は、IgDのものである。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号43に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号123に示されている配列を有する。
【0635】
他の例示的なスペーサー領域としては、CD8a、CD28、CTLA4、PD-1、またはFcγRIIIaに由来するヒンジ領域が挙げられる。一部の実施形態では、スペーサーは、CD8a、CD28、CTLA4、PD-1、またはFcγRIIIaの短縮細胞外ドメインまたはヒンジ領域を含む。一部の実施形態では、スペーサーは、短縮CD28ヒンジ領域である。一部の実施形態では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば、アラニンまたはアラニンおよびアルギニンを含むもの、例えば、アラニントリプレット(AAA)またはRAAA(配列番号177)などの、2~10アミノ酸長のリンカーが、CARのscFvとスペーサー領域との間に存在し、連結を形成する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号112に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号114に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号115~117のいずれかに示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号118に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号120に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号122に示されている配列を有する。
【0636】
一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号39、41、42、43、65、112、114、115、116、117、118、120、122、または123もいずれかと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を有する。
【0637】
一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号190~198に示されている配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号190~198のいずれかと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を有する。
【0638】
E.膜貫通ドメイン
抗原結合ドメインは、一般に、1つまたはそれ以上の細胞内シグナル伝達成分、例えば、CARの場合では、TCR複合体などの抗原受容体複合体による刺激および/または活性化を模倣し、および/または別の細胞表面受容体を介してシグナルを伝達するシグナル伝達成分に連結されている。したがって、一部の実施形態では、抗原結合成分(例えば、抗体)は、1つまたはそれ以上の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結されている。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する膜貫通ドメインを含む。膜貫通(TM)ドメインは、細胞外結合部分と細胞内シグナル伝達ドメインとを融合させ、CARを免疫エフェクター細胞の原形質膜に固定するCARの部分である。一実施形態では、受容体、例えばCARのドメインの1つと天然で付随している膜貫通ドメインが使用される。一部の場合では、膜貫通ドメインは、同一または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインとそのようなドメインとの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるように選択されているかまたはアミノ酸置換により修飾されている。
【0639】
TMドメインは、天然、合成、半合成、または組換え供給源のいずれに由来してもよい。TMドメインは、T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD-1に由来してもよい(つまり、その少なくとも膜貫通領域を含んでいてもよい)。特定の実施形態では、TMドメインは合成であり、主にロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を含む。一部の態様では、合成膜貫通ドメインの各末端には、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンのトリプレットが見出されるだろう。一部の実施形態では、連結は、リンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメインによる。
【0640】
一部の態様では、膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通部分を含む。膜貫通ドメインの例示的な配列は、配列番号46、113、119、121、175、または176に示されている配列であるかまたはそれらを含む。
【0641】
一実施形態では、本明細書で企図されるCARは、CD8αに由来するTMドメインを含む。別の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、CD8αに由来するTMドメイン、およびCARのTMドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸長の間の短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカーを含む。細胞内シグナル伝達ドメインの中には、天然の抗原受容体によるシグナル、共刺激受容体との組合せでそのような受容体によるシグナル、および/または共刺激受容体単独によるシグナルを模倣または近似するものがある。グリシン-セリンベースのリンカーは、特に好適なリンカーを提供する。一部の実施形態では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば、グリシンおよびセリンを含むもの、例えばグリシン-セリンダブレットなどの、2~10アミノ酸長のリンカーが、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間に存在し、連結を形成する。
【0642】
F.細胞内シグナル伝達ドメイン
特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、ヒトBCMAポリペプチドに対する有効なBCMA CAR結合のメッセージを免疫エフェクター細胞の内部に伝達して、CAR結合標的細胞への細胞傷害性因子の放出、または細胞外CARドメインとの抗原結合により誘発される他の細胞応答を含む、エフェクター細胞機能、例えば、活性化、サイトカイン産生、増殖、および細胞傷害活性の誘発に関与するCARの一部を指す。
【0643】
「エフェクター機能」という用語は、免疫エフェクター細胞の分化機能を指す。T細胞のエフェクター機能は、例えば、サイトカインの分泌を含む、細胞溶解活性またはヘルパー活性であってもよい。したがって、「細胞内シグナル伝達ドメイン」という用語は、エフェクター機能シグナルを伝達し、分化機能の実施を細胞に指図するタンパク質の部分を指す。通常、細胞内シグナル伝達ドメイン全体を使用することができるが、多くの場合では、ドメイン全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの短縮部分が使用される場合、エフェクター機能シグナルが伝達される限り、ドメイン全体の代わりにそのような短縮部分を使用することができる。細胞内シグナル伝達ドメインという用語は、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な細胞内シグナル伝達ドメインの任意の短縮部分を含むことを意味する。
【0644】
一部の実施形態では、受容体は、T細胞刺激および/または活性化ならびに細胞障害性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ゼータ鎖など、TCR複合体の細胞内成分を含む。したがって、一部の態様では、抗原結合性部分は、1つまたはそれ以上の細胞シグナル伝達モジュールに連結されている。一部の実施形態では、細胞シグナル伝達モジュールとしては、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインが挙げられる。
【0645】
一部の実施形態では、CARまたは他のキメラ受容体がライゲーションすると、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫細胞、例えば、CARを発現するように操作されたT細胞の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを刺激および/または活性化する。例えば、一部の状況では、CARは、サイトカインまたは他の因子の分泌など、細胞溶解活性またはTヘルパー活性などのT細胞の機能を誘導する。一部の実施形態では、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの短縮部分は、例えばそれがエフェクター機能シグナルを伝達する場合、無傷免疫刺激鎖の代わりに使用される。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、一部の態様では、天然の状況において抗原受容体係合後にそのような受容体と協働してシグナル伝達を開始する共受容体の細胞質配列、および/またはそのような分子の任意の誘導体もしくはバリアント、および/または同一の機能的能力を有する任意の合成配列も含む。
【0646】
TCRを介して生成されるシグナルのみでは、T細胞の完全な活性化には不十分であり、二次または共刺激シグナルも必要であることが公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの異なるクラスの細胞内シグナル伝達ドメイン:TCR(例えば、TCR/CD3複合体)を介して抗原依存性一次活性化を開始する一次シグナル伝達ドメイン、および抗原非依存的様式で作用して二次または共刺激シグナルを提供する共刺激シグナル伝達ドメインにより媒介されると言うことができる。したがって、一部の実施形態では、完全な活性化を促進するために、二次または共刺激シグナルを生成するための成分もCARに含まれる。他の実施形態では、CARは、共刺激シグナルを生成するための成分を含まない。一部の態様では、追加のCARが同一細胞内で発現され、二次または共刺激シグナルを生成するための成分を提供する。
【0647】
ある特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、1つまたはそれ以上の「共刺激シグナル伝達ドメイン」および「一次シグナル伝達ドメイン」を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0648】
一次シグナル伝達ドメインは、TCR複合体の一次活性化を刺激性または阻害性のいずれかで調節する。刺激的様式で作用する一次シグナル伝達ドメインは、免疫受容体チロシンベース活性化モチーフまたはITAMとして公知であるシグナル伝達モチーフを含んでいてもよい。
【0649】
本明細書で提示される主題に特に有用であるITAM含有一次シグナル伝達ドメインの具体的な例としては、TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来するものが挙げられる。特定の実施形態では、CARは、CD3ζ一次シグナル伝達ドメインおよび1つまたはそれ以上の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたはそれ以上の追加の分子の部分をさらに含む。例えば、一部の態様では、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3-ゼータ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25、またはCD16との間にキメラ分子を含む。細胞内一次シグナル伝達ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインのカルボキシル末端に任意の順序で直列に連結されていてもよい。
【0650】
本明細書で企図されるCARは、CAR受容体を発現するT細胞の有効性および拡大増殖を増強するための1つまたはそれ以上の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。本明細書で使用される場合、「共刺激シグナル伝達ドメイン」または「共刺激ドメイン」という用語は、共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインを指す。共刺激分子は、抗原との結合時にTリンパ球の効率的な活性化および機能に必要な第2のシグナルを提供する、抗原受容体またはFc受容体以外の細胞表面分子である。そのような共刺激分子の具体的な例としては、CARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70が挙げられる。一実施形態では、CARは、CD28、CD137、およびCD134からなる群から選択される1つまたはそれ以上の共刺激シグナル伝達ドメイン、ならびにCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0651】
別の実施形態では、CARは、CD28およびCD137共刺激シグナル伝達ドメインおよびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0652】
さらに別の実施形態では、CARは、CD28およびCD134共刺激シグナル伝達ドメインならびにCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0653】
一実施形態では、CARは、CD137およびCD134共刺激シグナル伝達ドメインならびにCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0654】
一部の実施形態では、CARは、CD28、4-1BB、OX40(CD134)、CD27、DAP10、DAP12、ICOS、および/または他の共刺激受容体などの共刺激受容体のシグナル伝達領域および/または膜貫通部分を含む。一部の態様では、同一のCARは、一次細胞質シグナル伝達領域および共刺激シグナル伝達成分を両方とも含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間などに、T細胞共刺激分子またはその機能的バリアントに由来する細胞内ドメインを含む。一部の態様では、T細胞共刺激分子は、CD28または41BBである。
【0655】
一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の異なる組換え受容体は、1つまたはそれ以上の異なる細胞内シグナル伝達領域またはドメインを含んでいてもよい。一部の実施形態では、一次細胞質シグナル伝達領域は1つのCAR内に含まれているが、共刺激成分は、別の受容体、例えば別の抗原を認識する別のCARにより提供される。一部の実施形態では、CARは、両方とも同一細胞上で発現される、活性化または刺激性CARおよび共刺激性CARを含む(国際公開第2014/055668号パンフレットを参照)。
【0656】
一部の態様では、細胞は、1つまたはそれ以上の刺激性または活性化CARおよび/または共刺激性CARを含む。一部の実施形態では、細胞は、疾患または状態に関連付けられるかまたは特異的であるもの以外の抗原を認識するCARなど、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215) (2013)を参照)をさらに含み、それにより疾患標的指向性CARにより送達される活性化シグナルは、阻害性CARがそのリガンドに結合することにより消失または阻害され、オフターゲット効果が低減される。
【0657】
一部の実施形態では、2つの受容体は、それぞれ細胞に対する活性化シグナルおよび阻害シグナルを誘導し、受容体の1つとその抗原とのライゲーションは細胞を活性化するかまたは応答を誘導するが、第2の阻害性受容体とその抗原とのライゲーションは、応答を抑制または減衰させるシグナルを誘導する。例は、活性化CARおよび阻害性CAR(iCAR)の組合せである。そのような戦略は、例えば、活性化CARは、疾患または症状で発現されるが正常細胞でも発現される抗原に結合し、阻害性受容体は、正常細胞では発現されるが、疾患または状態の細胞では発現されない別の抗原に結合するという状況において、オフターゲット効果の可能性を低減するために使用することができる。
【0658】
一部の態様では、キメラ受容体は、阻害性CAR(例えば、iCAR)であるかまたはそれを含み、細胞内のITAM促進性応答および/または共刺激促進性応答などの免疫応答を減衰または抑制する細胞内成分を含む。そのような細胞内シグナル伝達成分の例は、PD-1、CTLA4、LAG3、BTLA、OX2R、TIM-3、TIGIT、LAIR-1、PGE2受容体、A2ARを含むEP2/4アデノシン受容体を含む免疫チェックポイント分子に見出されるものである。一部の態様では、操作された細胞は、そのような阻害性分子のまたはそれに由来するシグナル伝達ドメインを含む阻害性CARを含み、例えば、活性化および/または共刺激性CARにより誘導される細胞の応答を減衰する役目を果たす。
【0659】
ある特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28膜貫通ドメインおよびCD3(例えば、CD3-ゼータ)細胞内ドメインに連結されたシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
【0660】
一部の実施形態では、CARは、細胞質部分に、1つまたはそれ以上の、例えば2つまたはそれよりも多くの共刺激ドメインおよび一次細胞質シグナル伝達領域を包含する。例示的なCARは、CD3-ゼータ、CD28、CD137(4-1BB)、OX40(CD134)、CD27、DAP10、DAP12、NKG2D、および/またはICOSの細胞内シグナル伝達領域またはドメインなどの細胞内成分を含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、例えば、CD28、CD137(4-1BB)、OX40(CD134)、CD27、DAP10、DAP12、NKG2D、および/またはICOSに由来する、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達領域またはドメインを、一部の場合では、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達領域またはドメインとの間に含む。一部の態様では、T細胞共刺激分子は、CD28、CD137(4-1BB)、OX40(CD134)、CD27、DAP10、DAP12、NKG2D、および/またはICOSの1つまたはそれ以上である。
【0661】
一部の場合では、CARは、第1世代、第2世代、および/または第3世代CARと呼ばれる。一部の態様では、第1世代CARは、抗原結合時にCD3鎖誘導性シグナルのみを提供するものであり;一部の態様では、第2世代CARは、CD28またはCD137などの共刺激受容体に由来する細胞内シグナル伝達ドメインを含むものなど、そのようなシグナルおよび共刺激シグナルを提供するものであり;一部の態様では、第3世代CARは、異なる共刺激受容体のそれ以上の共刺激ドメインを含むものである。
【0662】
一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、抗体または抗体断片を含む細胞外部分を含む。一部の態様では、キメラ抗原受容体は、抗体または断片を含む細胞外部分および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、抗体または断片はscFvを含み、細胞内ドメインはITAMを含む。一部の態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する膜貫通ドメインを含む。一部の態様では、膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通部分を含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインは、直接的または間接的に連結されていてもよい。一部の実施形態では、細胞外ドメインおよび膜貫通は、本明細書に記載のもののいずれかなどのスペーサーにより連結されている。一部の実施形態では、受容体は、CD28細胞外部分など、膜貫通ドメインが由来する分子の細胞外部分を含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間などに、T細胞共刺激分子またはその機能的バリアントに由来する細胞内ドメインを含む。一部の態様では、T細胞共刺激分子は、CD28または41BBである。
【0663】
一部の実施形態では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的バリアントであるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、およびCD28のシグナル伝達部分またはその機能的バリアントを含む細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータのシグナル伝達部分またはその機能的バリアントを含む。一部の実施形態では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的バリアントであるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、および4-1BBのシグナル伝達部分またはその機能的バリアントを含む細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータまたはその機能的バリアントのシグナル伝達部分を含む。一部のそのような実施形態では、受容体は、Ig分子、例えばヒトIg分子、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジの部分を含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
【0664】
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28(例えば受託番号P10747.1)もしくはCD8a(受託番号P01732.1)の膜貫通ドメイン、あるいは配列番号46、113、175、もしくは176に示されているアミノ酸の配列または配列番号46、113、175、もしくは176と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む膜貫通ドメインなど、それらのバリアントであるかまたはそれを含む。一部の実施形態では、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、配列番号47に示されているアミノ酸の配列、あるいはそれと少なくとも85%もしくは約85%、86%もしくは約86%、87%もしくは約87%、88%もしくは約88%、89%もしくは約89%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%、またはそれよりも高い配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む。
【0665】
一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8αに由来する膜貫通ドメインである。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、Milone et al., Mol. Ther. (2009) 12(9):1453-64に記載されているもののいずれかである。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、配列番号176に示されている配列であるかまたはそれを含む。
【0666】
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達成分は、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアントもしくは部分、例えば、天然CD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するドメインを含む。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号48もしくは49に示されているアミノ酸の配列、または配列番号48もしくは49と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含んでいてもよい。一部の実施形態では、細胞内ドメインは、4-1BB(例えば、受託番号Q07011.1)の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアントもしくは部分、例えば、配列番号50に示されているアミノ酸の配列、または配列番号50と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。
【0667】
一部の実施形態では、細胞内ドメインは、4-1BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメインを含み、一部の実施形態では、4-1BB共刺激分子は、Milone et al., Mol. Ther. (2009) 12(9):1453-64に記載されているもののいずれかである。一部の実施形態では、共刺激分子は、配列番号50に示されている配列を有する。
【0668】
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ刺激性シグナル伝達ドメインまたはその機能的バリアント、例えばヒトCD3ζのアイソフォーム3(受託番号P20963.2)の112AA細胞質ドメインまたは米国特許第7,446,190号明細書もしくは米国特許第8,911,993号明細書に記載のCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。例えば、一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号51、52、もしくは53に示されているアミノ酸の配列、または配列番号51、52、もしくは53と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。一部の実施形態では、CD3-ゼータドメインは、Milone et al., Mol. Ther. (2009) 12(9):1453-64に記載されているもののいずれかである。一部の実施形態では、CD3-ゼータは、配列番号51に示されている配列であるかまたはそれを含む。
【0669】
一部の態様では、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えば、IgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えば、配列番号39または配列番号123に示されているヒンジのみのスペーサーを含む。他の実施形態では、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに連結されていてもよいIgヒンジ、例えばIgG4由来ヒンジであるかまたはそれを含む。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号42に示されているものなど、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号41に示されているものなど、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。一部の実施形態では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または既知の可撓性リンカーなどの他の可撓性リンカーであるかまたはそれを含む。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号115~117のいずれかに示されているものなどのCD8aヒンジ、配列番号122に示されているものなどのFcγRIIIaヒンジ、配列番号118に示されているものなどのCTLA4ヒンジ、または配列番号120に示されているものなどのPD-1ヒンジである。一部の実施形態では、スペーサーはCD8に由来する。一部の実施形態では、スペーサーはCD8αヒンジ配列である。一部の実施形態では、ヒンジ配列は、Milone et al., Mol. Ther. (2009) 12(9):1453-64に記載されているもののいずれかである。一部の実施形態では、ヒンジは、配列番号116に示されている配列であるかまたはそれを含む。
【0670】
例えば、一部の実施形態では、CARは、scFvを含む抗体断片などの抗体、重鎖分子のヒンジ領域および/または1つもしくはそれ以上の定常領域などの免疫グロブリン分子の部分を含むスペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサーなどのスペーサー、CD28由来膜貫通ドメインの全部または部分を含む膜貫通ドメイン、CD28由来細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、CARは、scFvなどの抗体または断片、Igヒンジ含有スペーサーのいずれかなどのスペーサー、CD28由来膜貫通ドメイン、4-1BB由来細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータ由来シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、CARは、scFvなどの抗体または断片、Igヒンジ含有スペーサーのいずれかなどのスペーサー、CD8由来膜貫通ドメイン、4-1BB由来細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータ由来シグナル伝達ドメインを含む。
【0671】
特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、B細胞上に発現されるBCMAポリペプチド、例えばヒトB細胞上に発現されるヒトBCMAに特異的に結合するヒト抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片を含む。
【0672】
特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、B細胞上に発現されるBCMAポリペプチド、例えば、ヒトB細胞上に発現されるヒトBCMAに特異的に結合するマウス抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片を含む。
【0673】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来する一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0674】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dからなる群から選択されるポリペプチドに由来する1つまたはそれ以上の一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0675】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;IgG1ヒンジ/CH2/CH3、IgG4ヒンジ/CH2/CH3、およびCD8αヒンジからなる群から選択されるヒンジドメイン;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来する一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0676】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;IgG1ヒンジ/CH2/CH3、IgG4ヒンジ/CH2/CH3、およびCD8αヒンジからなる群から選択されるヒンジドメイン;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dからなる群から選択されるポリペプチドに由来する1つまたはそれ以上の一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0677】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;IgG1ヒンジ/CH2/CH3、IgG4ヒンジ/CH2/CH3、およびCD8αヒンジからなる群から選択されるヒンジドメイン;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;TMドメインをCARの細胞内シグナル伝達ドメインに連結する、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸長の間の短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来する一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0678】
一実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;IgG1ヒンジ/CH2/CH3、IgG4ヒンジ/CH2/CH3、およびCD8αヒンジからなる群から選択されるヒンジドメイン;T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD4、CD5、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD27、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD152、CD154、およびPD1からなる群から選択されるポリペプチドに由来する膜貫通ドメイン;TMドメインをCARの細胞内シグナル伝達ドメインに連結する、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸長の間の短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー;ならびにCARD11、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD137(4-1BB)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD273(PD-L2)、CD274(PD-L1)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、およびZAP70からなる群から選択される共刺激分子に由来する1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにTCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dからなる群から選択されるポリペプチドに由来する1つまたはそれ以上の一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0679】
特定の実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;IgG1ヒンジ/CH2/CH3ポリペプチドおよびCD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン;約3~約10アミノ酸のポリペプチドリンカーを含むCD8α膜貫通ドメイン;CD137細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;ならびにCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0680】
特定の実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン;約3~約10アミノ酸のポリペプチドリンカーを含むCD8α膜貫通ドメイン;CD134細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0681】
特定の実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン;約3~約10アミノ酸のポリペプチドリンカーを含むCD8α膜貫通ドメイン;CD28細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0682】
特定の実施形態では、CARは、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA scFv;CD8αポリペプチドを含むヒンジドメイン;CD8α膜貫通ドメイン;CD137(4-1BB)細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;およびCD3ζ一次シグナル伝達ドメインを含む。
【0683】
さらに、本明細書で企図されるCARの設計は、未修飾T細胞または他のCARを発現するように修飾されたT細胞と比較して、CARを発現するT細胞における拡大増殖、長期持続性、および耐容可能な細胞傷害特性の向上を可能にする。
【0684】
G.その他
一部の実施形態では、抗原受容体はマーカーをさらに含み、および/またはCARもしくは他の抗原受容体を発現する細胞は、受容体を発現する細胞の形質導入または操作を確認するために使用することができる、細胞表面マーカーなどの代理マーカーをさらに含む。一部の実施形態では、マーカーは、T細胞上には天然では見出されないかもしくはT細胞の表面には天然では見出されない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその部分である。一部の実施形態では、分子は、非自己分子、例えば非自己タンパク質、つまり細胞が養子移入されることになる宿主の免疫系により「自己」であると認識されないものである。一部の実施形態では、マーカーは、治療機能を果たさず、および/または遺伝子操作のための、例えば操作が成功した細胞を選択するためのマーカーとして使用されること以外に効果をもたらさない。他の実施形態では、マーカーは、治療用分子であってもよく、またはそうでなければ、養子移植時およびリガンドとの遭遇時に細胞の応答を増強および/もしくは減衰させる共刺激もしくは免疫チェックポイント分子などの、インビボで遭遇する細胞のリガンドなど、何らかの所望の効果を発揮する分子であってもよい。一部の態様では、マーカーとしては、CD34、NGFR、または上皮増殖因子受容体、例えばそのような細胞表面受容体の短縮型(例えば、tEGFR)の全部または一部(例えば短縮形態)が挙げられる。一部の実施形態では、マーカーをコードする核酸は、切断可能リンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結している。例えば、マーカーおよび適宜リンカー配列は、国際公開第2014031687号パンフレットに開示されているもののいずれかであってもよい。例えば、マーカーは、T2A切断可能リンカー配列などのリンカー配列に連結されていてもよい短縮型EGFR(tEGFR)であってもよい。一部の実施形態では、そのようなCAR構築物は、例えばCARの下流に、T2Aリボソームスキッピングエレメントおよび/またはtEGFR配列をさらに含む。
【0685】
短縮型EGFR(例えば、tEGFR)の例示的なポリペプチドは、配列番号45もしくは199に示されているアミノ酸の配列、または配列番号45もしくは199と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。例示的なT2Aリンカー配列は、配列番号44もしくは200に示されているアミノ酸の配列、または配列番号44もしくは200と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列を含む。
【0686】
一部の実施形態では、そのようなCAR構築物をコードする核酸分子は、例えば、CARをコードする配列の下流に、T2Aリボソームスキッピングエレメントおよび/またはtEGFR配列をコードする配列をさらに含む。一部の実施形態では、この配列は、配列番号44もしくは200に示されているT2Aリボソームスキッピングエレメント、または配列番号44もしくは200と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列をコードする。一部の実施形態では、抗原受容体(例えばCAR)を発現するT細胞は、非免疫原性選択エピトープとして短縮型EGFR(EGFRt)を発現するように生成することもでき(例えば、T2Aリボソームスイッチにより隔てられたCARおよびEGFRtをコードする構築物を導入して、同一構築物から2つのタンパク質を発現させることにより)、次いで短縮型EGFRをそのような細胞を検出するマーカーとして使用することができる(例えば、米国特許第8,802,374号明細書を参照)。一部の実施形態では、この配列は、配列番号45もしくは199に示されているtEGFR配列、または配列番号45もしくは199と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれよりも高い配列同一性を呈するアミノ酸の配列をコードする。
【0687】
一部の実施形態では、コードされたCAR配列は、CARが発現される細胞の表面へとCARを方向付けるかまたは送達するシグナル配列またはシグナルペプチドをさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、シグナルペプチドは膜貫通タンパク質に由来する。一部の例では、シグナルペプチドは、CD8a、CD33、またはIgGに由来する。例示的なシグナルペプチドとしては、配列番号73、74、および186に示されている配列が挙げられる。一部の例では、シグナルペプチドはCD8αに由来する。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、受託番号NM_001768に示されている配列である。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号73に示されている配列を含む。
【0688】
IV.ポリペプチド
本開示では、部分的には、CARポリペプチドおよびそれらの断片、それらを含む細胞および組成物、ならびにポリペプチドを発現するベクターが企図される。特定の実施形態では、配列番号9に示されている1つまたはそれ以上のCARを含むポリペプチドが提供される。特定の実施形態では、配列番号37に示されている1つまたはそれ以上のCARを含むポリペプチドが提供される。
【0689】
「ポリペプチド」、「ポリペプチド断片」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、特に断りのない限り従来の意味に従って、つまりアミノ酸の配列として同義的に使用される。ポリペプチドは特定の長さに限定されず、例えば、ポリペプチドは、全長タンパク質配列または全長タンパク質の断片を含んでいてもよく、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化など、ならびに天然に存在するものおよび天然に存在しないものの両方の当技術分野で公知の他の修飾を含んでもよい。種々の実施形態では、本明細書で企図されるCARポリペプチドは、タンパク質のN末端に、翻訳中にまたは翻訳後にタンパク質の移送を指図するシグナル(またはリーダー)配列を含む。本明細書で開示されるCARに有用である好適なシグナル配列の具体的な例としては、IgG1重鎖シグナル配列およびCD8αシグナル配列が挙げられるが、それらに限定されない。ポリペプチドは、様々な周知の組換え技法および/または合成技法のいずれかを使用して調製することができる。本明細書で企図されるポリペプチドは、特に、本開示のCAR、または本明細書で開示されるCARの1つまたはそれ以上のアミノ酸の欠失、付加、および/または置換を有する配列を包含する。
【0690】
「単離されたペプチド」または「単離されたポリペプチド」などは、本明細書で使用される場合、細胞環境からおよび細胞の他の成分との付随から、ペプチドまたはポリペプチド分子をインビトロで単離および/または精製されていること、つまり生体内物質と著しくは付随していないことを指す。同様に、「単離された細胞」は、インビボ組織または臓器から得られた、細胞外基質を実質的に含まない細胞を指す。
【0691】
ポリペプチドには、「ポリペプチドバリアント」が含まれる。ポリペプチドバリアントは、1つまたはそれ以上の置換、欠失、付加、および/または挿入の点で、天然に存在するポリペプチドと異なっていてもよい。そのようなバリアントは、天然に存在するものであってもよく、または例えば上記のポリペプチド配列の1つもしくはそれ以上を修飾することにより合成的に生成してもよい。例えば、特定の実施形態では、CARポリペプチドの結合ドメイン、ヒンジ、TMドメイン、共刺激シグナル伝達ドメイン、または一次シグナル伝達ドメインに、1つまたはそれ以上の置換、欠失、付加、および/または挿入を導入することにより、CARの結合親和性および/または他の生物学的特性を向上させることが望ましい場合がある。ある特定の実施形態では、そのようなポリペプチドとしては、それと少なくとも約65%、70%、75%、85%、90%、95%、98%、または99%アミノ酸同一性を有するポリペプチドが挙げられる。
【0692】
ポリペプチドには、「ポリペプチド断片」が含まれる。ポリペプチド断片は、天然に存在するかまたは組換え産生されたポリペプチドのアミノ末端欠失、カルボキシル末端欠失、および/または内部欠失もしくは置換を有する、単量体または多量体であってもよいポリペプチドを指す。ある特定の実施形態では、ポリペプチド断片は、少なくとも5~約500アミノ酸長のアミノ酸鎖を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、断片は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、150、200、250、300、350、400、または450アミノ酸長であることが理解されるだろう。特に有用なポリペプチド断片としては、抗体の抗原結合ドメインまたは断片を含む機能的ドメインが挙げられる。マウス抗BCMA(例えば、ヒトBCMA)抗体の場合、有用な断片としては、重鎖または軽鎖のCDR領域、CDR3領域;重鎖または軽鎖の可変領域;および2つのCDRを含む抗体鎖または可変領域の部分などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0693】
また、ポリペプチドを、ポリペプチドの合成、精製、もしくは特定を容易にするための(例えば、ポリ-His)、または固体支持体へのポリペプチドの結合を増強するためのリンカーまたは他の配列に、インフレームで融合またはコンジュゲートされていてもよい。
【0694】
上記で述べたように、本開示のポリペプチドは、アミノ酸置換、欠失、短縮、および挿入を含む種々の方法で変更することができる。そのような操作のための方法は当技術分野で一般に公知である。例えば、参照ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントは、DNAの突然変異により調製することができる。突然変異誘発およびヌクレオチド配列変更のための方法は当技術分野で周知である。例えば、Kunkel (1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82: 488-492)、Kunkel et al., (1987, Methods in Enzymol, 154: 367-382)、米国特許第4,873,192号明細書、Watson, J. D. et al., (Molecular Biology of the Gene, Fourth Edition, Benjamin/Cummings, Menlo Park, Calif., 1987)およびそれらで引用されている参考文献を参照されたい。目的のタンパク質の生物活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関する指針は、Dayhoff et al., (1978) Atlas of Protein Sequence and Structure (Natl. Biomed. Res. Found., Washington, D.C.)のモデルに見出すことができる。
【0695】
ある特定の実施形態では、バリアントは保存的置換を含むことになる。「保存的置換」は、ペプチド化学に関する当業者であれば、ポリペプチドの二次構造および疎水性親水性性質が実質的に変化しないだろうと予想されるように、アミノ酸が同様の特性を有する別のアミノ酸に置換される置換である。本開示のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの構造に修飾をなしても、望ましい特質を有するバリアントまたは誘導体ポリペプチドをコードする機能的分子を依然として得ることができる。ポリペプチドのアミノ酸配列を変更して同等のさらには向上したバリアントポリペプチドを作出することが望ましい場合、当業者であれば、例えば、表2Bに従って、例えば、コードDNA配列のコドンの1つまたはそれ以上を変更することができる。
【0696】
【0697】
生物活性を消失させずにどのアミノ酸残基を置換、挿入、または欠失させることができるかを決定するための指針は、DNASTAR(商標)ソフトウェアなどの、当技術分野で周知のコンピュータープログラムを使用して見出すことができる。好ましくは、本明細書で開示されるタンパク質バリアントにおけるアミノ酸変更は、保存的アミノ酸変化、つまり同様の荷電または非荷電アミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化には、その側鎖に関するアミノ酸ファミリーの1つの置換が伴う。天然に存在するアミノ酸は、一般に、4つのファミリー:酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性アミノ酸(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、および非荷電極性アミノ酸(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン)に分けられる。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、共に芳香族アミノ酸として分類されることがある。ペプチドまたはタンパク質では、アミノ酸の好適な保存的置換は当業者に公知であり、一般に、得られる分子の生物活性を変更することなく行うことができる。当業者であれば、一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は、生物活性を実質的に変更しないことを認識している(例えば、Watson et al. Molecular Biology of the Gene, 4th Edition, 1987, The Benjamin/Cummings Pub. Co., p.224を参照)。例示的な保存的置換は、米国特許仮出願第61/241,647号明細書に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0698】
そのような変化を加える際には、アミノ酸の疎水性親水性指数を考慮してもよい。タンパク質に相互作用性生物学的機能を付与する際の疎水性親水性アミノ酸指標の重要性は、当技術分野において一般に理解されている(Kyte and Doolittle, 1982、参照により本明細書に組み込まれる)。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特質に基づき疎水性親水性指標が割り当てられている(Kyte and Doolittle, 1982)。そうした値は以下の通りである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リシン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。
【0699】
ある特定のアミノ酸を、同様の疎水性親水性指標またはスコアを有する他のアミノ酸で置換しても、同様の生物活性を有するタンパク質を依然としてもたらすことができ、つまり生物機能的に同等のタンパク質を依然として得ることができることは当技術分野で公知である。そのような変化を加える場合、その疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のものが特に好ましく、±0.5以内のものがさらにより特に好ましい。当技術分野では、類似アミノ酸の置換は親水性に基づき効果的に行うことができることも理解されている。
【0700】
米国特許第4,554,101号明細書に詳述されているように、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。アミノ酸を、同様の親水性値を有する別のもので置換しても、生物学的に等価な、特に免疫学的に等価なタンパク質を得ることができることが理解される。そのような変化を加える場合、その親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のものが特に好ましく、±0.5以内のものがさらにより特に好ましい。
【0701】
上記に概説されているように、アミノ酸置換は、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、およびサイズなどに基づいてもよい。
【0702】
ポリペプチドバリアントとしては、グリコシル化形態、他の分子との凝集コンジュゲート、および無関連化学部分との共有結合コンジュゲート(例えば、ペグ化分子)がさらに挙げられる。共有結合バリアントは、当技術分野で公知のように、アミノ酸鎖またはN末端もしくはC末端残基に見出される基に官能基を連結することにより調製することができる。また、バリアントとしては、対立遺伝子バリアント、種バリアント、およびムテインが挙げられる。タンパク質の機能的活性に影響を及ぼさない領域の短縮または欠失もバリアントである。
【0703】
一実施形態では、2つまたはそれよりも多くのポリペプチドの発現が所望である場合、それらをコードするポリヌクレオチド配列は、本明細書の他所で考察されているIRES配列により隔てられていてもよい。別の実施形態では、2つまたはそれよりも多くのポリペプチドを、1つまたはそれ以上の自己切断型ポリペプチド配列を含む融合タンパク質として発現させてもよい。
【0704】
本明細書で開示されるポリペプチドとしては、融合ポリペプチドが挙げられる。ある特定の実施形態では、融合ポリペプチドおよび融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えばCARが提供される。融合ポリペプチドおよび融合タンパク質は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個、またはそれよりも多くのポリペプチドセグメントを有するポリペプチドを指す。融合ポリペプチドは、典型的には、C末端がN末端に連結されているが、C末端がC末端に、N末端がN末端に、またはN末端がC末端に連結されていてもよい。融合タンパク質のポリペプチドは、任意の順序であってもよくまたは特定の順序であってもよい。また、融合ポリペプチドまたは融合タンパク質としては、融合ポリペプチドの所望の転写活性が保存される限り、保存的に修飾されたバリアント、多型バリアント、対立遺伝子、突然変異体、部分配列、および種間ホモログを挙げることができる。融合ポリペプチドは、化学合成法によりもしくは2つの部分間の化学連結により生成してもよく、または一般に他の標準技法を使用して調製してもよい。融合ポリペプチドを含むライゲートされたDNA配列は、本明細書の他所で考察されている好適な転写または翻訳制御エレメントに作動可能に連結している。
【0705】
一実施形態では、融合パートナーは、天然の組換えタンパク質よりも高い収率でのタンパク質発現を支援する配列(発現エンハンサー)を含む。他の融合パートナーは、タンパク質の溶解度を増加させるように、またはタンパク質が所望の細胞内区画へと標的化され得るように、または細胞膜を通過する融合タンパク質の輸送を促進するように選択することができる。
【0706】
融合ポリペプチドは、本明細書に記載のポリペプチドドメインの各々の間にポリペプチド切断シグナルをさらに含んでいてもよい。加えて、ポリペプチド部位を任意のリンカーペプチド配列に入れることができる。例示的なポリペプチド切断シグナルとしては、プロテアーゼ切断部位、ヌクレアーゼ切断部位(例えば、希少制限酵素認識部位、自己切断型リボザイム認識部位)、および自己切断型ウイルスオリゴペプチドなどのポリペプチド切断認識部位が挙げられる(deFelipe and Ryan, 2004. Traffic, 5(8); 616-26を参照)。
【0707】
好適なプロテアーゼ切断部位および自己切断型ペプチドは、当業者に公知である(例えば、Ryan et al., 1997. J. Gener. Virol. 78, 699-722;Scymczak et al. (2004) Nature Biotech. 5, 589-594を参照)。例示的なプロテアーゼ切断部位としては、ポティウイルスNIaプロテアーゼ(例えば、タバコエッチウイルスプロテアーゼ)、ポティウイルスHCプロテアーゼ、ポティウイルスP1(P35)プロテアーゼ、ビオウイルス(byovirus)NIaプロテアーゼ、ビオウイルスRNA-2コードプロテアーゼ、アフトウイルスLプロテアーゼ、エンテロウイルス2Aプロテアーゼ、ライノウイルス2Aプロテアーゼ、ピコルナ3Cプロテアーゼ、コモウイルス24Kプロテアーゼ、ネポウイルス24Kプロテアーゼ、RTSV(イネツングロ球状ウイルス)3C様プロテアーゼ、PYVF(パースニップ黄斑ウイルス)3C様プロテアーゼ、ヘパリン、トロンビン、第Xa因子、およびエンテロキナーゼの切断部位が挙げられるが、それらに限定されない。その切断厳密性が高いため、一実施形態では、TEV(タバコエッチウイルス)プロテアーゼ切断部位、例えば、EXXYXQ(G/S)(配列番号23)、例えば、ENLYFQG(配列番号24)およびENLYFQS(配列番号25)が好ましく、配列中、Xは任意のアミノ酸を表す(TEVによる切断はQとGとの間またはQとSとの間で生じる)。
【0708】
特定の実施形態では、自己切断型ペプチドとしては、ポティウイルスおよびカルジオウイルス2Aペプチド、FMDV(口蹄疫ウイルス)、A型ウマ鼻炎ウイルス、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス、およびブタテッショウウイルスから得られるポリペプチド配列が挙げられる。
【0709】
ある特定の実施形態では、自己切断型ポリペプチド部位は、2Aまたは2A様部位、配列、またはドメインを含む(Donnelly et al., 2001. J. Gen. Virol. 82:1027-1041)。
【0710】
表3: 例示的な2A部位としては以下の配列が挙げられる:
【表3】
【0711】
ある特定の実施形態では、本明細書で企図されるポリペプチドは、CARポリペプチドを含む。
【0712】
V.ポリヌクレオチド
ある特定の実施形態では、1つまたはそれ以上のCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば配列番号10が提供される。本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、メッセンジャーRNA(mRNA)、RNA、ゲノムRNA(gRNA)、プラス鎖RNA(RNA(+))、マイナス鎖RNA(RNA(-))、ゲノムDNA(gDNA)、相補的DNA(cDNA)、または組換えDNAを指す。ポリヌクレオチドには、一本鎖および二本鎖ポリヌクレオチドが含まれる。好ましくは、本明細書で開示されるポリヌクレオチドとしては、本明細書に記載の参照配列(例えば、配列表を参照)のいずれかと、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%配列同一性を有するポリヌクレオチドまたはバリアントが挙げられ、典型的にはバリアントは、参照配列の少なくとも1つの生物活性を維持する。種々の例示的な実施形態では、本開示は、部分的には、発現ベクター、ウイルスベクター、およびトランスファープラスミドを含むポリヌクレオチド、ならびにそれらを含む組成物および細胞を企図する。
【0713】
特定の実施形態では、ポリペプチドの少なくとも約5、10、25、50、100、150、200、250、300、350、400、500、1000、1250、1500、1750、または2000個、またはそれよりも多くの連続アミノ酸残基、ならびにすべての中間の長さをコードするポリヌクレオチドが本開示により提供される。この状況における「中間の長さ」とは、6、7、8、9など、101、102、103など;151、152、153など;201、202、203などの引用値間の任意の長さを意味することが容易に理解されるだろう。
【0714】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチドバリアント」および「バリアント」などの用語は、参照ポリヌクレオチド配列と実質的な配列同一性を示すポリヌクレオチド、または以下で定義されるストリンジェントな条件下で参照配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドを指す。こうした用語には、参照ポリヌクレオチドと比較して、1つまたはそれ以上のヌクレオチドが付加もしくは欠失されているかまたは異なるヌクレオチドで置き換えられているポリヌクレオチドが含まれる。この点に関して、変更されたポリヌクレオチドが参照ポリヌクレオチドの生物学的機能または活性を保持する、突然変異、付加、欠失、および置換を含むある特定の変更を参照ポリヌクレオチドに対してなすことができることが当技術分野では良好に理解されている。
【0715】
「配列同一性」または例えば「~と50%同一の配列」を含むという記載は、本明細書で使用される場合、配列が比較ウィンドウにわたってヌクレオチド毎またはアミノ酸毎に同一である程度を指す。したがって、「配列同一性のパーセンテージ」は、最適にアラインされた2つの配列を比較ウィンドウにわたって比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同一のアミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、Cys、およびMet)が両配列に存在する位置の数を決定して一致位置の数を算出し、一致位置の数を、比較ウィンドウの位置の総数(ウィンドウサイズ)で除算し、その結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを算出することにより計算することができる。本明細書に記載の参照配列のいずれかと、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%配列同一性を有するヌクレオチドおよびポリペプチドが挙げられ、典型的にはポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドの少なくとも1つの生物活性を維持する。
【0716】
2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の配列関係性を記述するために使用される用語としては、「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性のパーセンテージ」、および「実質的同一性」が挙げられる。「参照配列」は、ヌクレオチドおよびアミノ酸残基を含み、少なくとも12単量体単位長だが、しばしば15~18、多くの場合少なくとも25単量体単位長である。2つのポリヌクレオチドは各々、(1)2つのポリヌクレオチド間で類似している配列(つまり、完全なポリヌクレオチド配列の部分のみ)、および(2)2つのポリヌクレオチド間で相違している配列を含んでいる可能性があるため、2つ(またはそれよりも多く)のポリヌクレオチド間の配列比較は、典型的には、配列類似性の局所領域を特定および比較するために2つのポリヌクレオチドの配列を「比較ウィンドウ」にわたって比較することにより実施される。「比較ウィンドウ」は、2つの配列を最適にアラインした後で配列が同一数の連続位置の参照配列と比較される、少なくとも6個の連続位置、通常は約50~約100、より通常には約100~約150個の概念的セグメントを指す。比較ウィンドウは、2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して約20%またはそれよりも少ない付加または欠失(つまりギャップ)を含んでいてもよい。比較ウィンドウをアラインするための配列の最適アラインメントは、アルゴリズムのコンピューターインプリメンテーション(Wisconsin Geneticsソフトウェアリリース7.0、Genetics Computer Group、575 サイエンスドライブ、マジソン、ウィスコンシン州、米国のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)により、または選択された種々の方法のいずれかにより生成される調査および最良のアライメント(つまり、比較ウィンドウにわたって最も高い相同性パーセンテージをもたらす)により実施することができる。また、例えば、Altschul et al., 1997, Nucl. Acids Res. 25:3389に開示されているBLASTファミリーのプログラムを参照することができる。配列分析の詳細な考察は、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc, 1994-1998, Chapter 15の19.3節に見出すことができる。
【0717】
本明細書で使用される場合、「単離されたポリヌクレオチド」は、天然に存在する状態でそれにフランキングする配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば、通常は断片に隣接している配列から取り出されたDNA断片を指す。また、「単離されたポリヌクレオチド」は、相補的DNA(cDNA)、組換えDNA、または天然には存在せず、人の手により作られた他のポリヌクレオチドを指す。
【0718】
ポリヌクレオチドの向きを記述する用語としては、5’(通常は、遊離リン酸基を有するポリヌクレオチドの末端)および3’(通常は、遊離ヒドロキシル(OH)基を有するポリヌクレオチドの末端)が挙げられる。ポリヌクレオチド配列は、5’から3’方向または3’から5’方向に注釈を付けることができる。DNAおよびmRNAの場合、5’から3’の鎖は、その配列がプレメッセンジャー(premRNA)の配列と同一であるため、「センス」鎖、「プラス」鎖、または「コード」鎖と呼ばれる[ただし、DNAのチミン(T)の代わりに、RNAではウラシル(U)である]。DNAおよびmRNAの場合、RNAポリメラーゼにより転写される鎖である相補的な3’から5’の鎖は、「鋳型」、「アンチセンス」、「マイナス」、または「非コード」鎖と称される。本明細書で使用される場合、「逆向き」という用語は、3’から5’方向に書かれた5’から3’の配列、または5’から3’方向に書かれた3’から5’の配列を指す。
【0719】
「相補的な」および「相補性」という用語は、塩基対合則により結び付けられるポリヌクレオチド(つまり、ヌクレオチドの配列)を指す。例えば、DNA配列5’AGTCATG3’の相補鎖は3’TCAGTAC5’である。後者の配列は、多くの場合、5’末端が左側で3’末端が右側の逆相補体5’CATGACT3’として書かれる。その逆相補体と等しい配列は、パリンドローム配列と言われる。相補性は「部分的」であってもよく、その場合、核酸の塩基の一部のみが塩基対合則に従って一致している。または、核酸間には「完全な」もしくは「全面的な」相補性が存在してもよい。
【0720】
さらに、当業者であれば、遺伝子コードの縮重の結果として、本明細書に記載のポリペプチドまたはその断片もしくはバリアントをコードするヌクレオチド配列は多数存在することが理解されるだろう。こうしたポリヌクレオチドの一部は、任意の天然遺伝子のヌクレオチド配列に対して最小限の相同性を有する。それにもかかわらず、コドン使用頻度の違いにより異なるポリヌクレオチド、例えばヒトおよび/または霊長類コドン選択のために最適化されたポリヌクレオチドは、本開示により特に企図される。さらに、本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子を使用することもできる。対立遺伝子は、ヌクレオチドの欠失、付加、および/または置換など、1つまたはそれ以上の突然変異の結果として変更されている内因性遺伝子である。
【0721】
「核酸カセット」という用語は、本明細書で使用される場合、RNAを発現し、その後タンパク質を発現することができる、ベクター内の遺伝子配列を指す。核酸カセットは、CARなどの目的の遺伝子を含む。核酸カセットは、カセットの核酸がRNAへと転写され、必要に応じてタンパク質またはポリペプチドへと翻訳され、形質転換細胞での活性に必要とされる適切な翻訳後修飾を受け、適切な細胞内区画への標的化または細胞外区画への分泌により、生物活性に適切な区画へと移送され得るように、ベクター内に配置され連続して配向されている。好ましくは、カセットは、ベクターへと容易に挿入されるように構成されたその3’および5’末端を有し、例えば、各末端に制限エンドヌクレアーゼ部位を有する。一実施形態では、核酸カセットは、腫瘍またはがんを治療するために使用されるキメラ抗原受容体の配列を含む。一実施形態では、核酸カセットは、B細胞悪性腫瘍を治療するために使用されるキメラ抗原受容体の配列を含む。カセットは、取り出して、プラスミドまたはウイルスベクターに単一ユニットとして挿入することができる。
【0722】
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの目的のポリヌクレオチドを含む。本明細書で使用される場合、「目的のポリヌクレオチド」という用語は、発現ベクターに挿入された、発現させることが所望であるポリペプチド(つまり、目的のポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを指す。ベクターは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の目的のポリヌクレオチドを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、目的のポリヌクレオチドは、疾患または障害の治療または予防に治療効果を提供するポリペプチドをコードする。目的のポリヌクレオチド、およびそれによりコードされるポリペプチドとしては、野生型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにそれらの機能的バリアントおよび断片の両方が挙げられる。特定の実施形態では、機能的バリアントは、対応する野生型参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一性を有する。ある特定の実施形態では、機能的バリアントまたは断片は、対応する野生型ポリペプチドの生物活性の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%を有する。
【0723】
一実施形態では、目的のポリヌクレオチドは、ポリペプチドをコードしないが、miRNA、siRNA、またはshRNA、リボザイム、または他の阻害性RNAを転写するための鋳型としての役目を果たす。種々の他の実施形態では、ポリヌクレオチドは、CARをコードする目的のポリヌクレオチド、ならびにsiRNA、miRNA、shRNA、およびリボザイムを含むが、それらに限定されない阻害性核酸配列を含むがそれに限定されない、1つまたはそれ以上の追加の目的のポリヌクレオチドを含む。
【0724】
本明細書で使用される場合、「siRNA」または「低分子干渉RNA」という用語は、動物における配列特異的転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、転写阻害、またはエピジェネティックRNAiのプロセスを媒介する短いポリヌクレオチド配列を指す(Zamore et al., 2000, Cell, 101, 25-33;Fire et al., 1998, Nature, 391, 806; Hamilton et al., 1999, Science, 286, 950-951;Lin et al., 1999, Nature, 402, 128-129; Sharp, 1999, Genes & Dev., 13, 139-141;およびStrauss, 1999, Science, 286, 886)。ある特定の実施形態では、siRNAは、同一数のヌクレオシドを有する第1の鎖および第2の鎖を含むが;第1および第2の鎖は、第1および第2の鎖の2つの末端ヌクレオシドが相補鎖の残基と対合しないようにオフセットされている。ある特定の場合では、対合しない2つのヌクレオシドはチミジン残基である。siRNAは、標的遺伝子に対して十分に相同性である領域を含み、siRNAまたはその断片が標的遺伝子の下方制御を媒介することができるように、ヌクレオチドの点で長さが十分であるべきである。したがって、siRNAは、標的RNAに対して少なくとも部分的に相補的である領域を含む。siRNAと標的との間に完璧な相補性が存在する必要はないが、その対応性は、siRNAまたはその切断生成物が、標的RNAのRNAi切断などによる配列特異的サイレンシングを指図することを可能にするのに十分なものでなければならない。相補性、すなわち標的鎖との相同性の程度は、アンチセンス鎖において最も重要である。特にアンチセンス鎖では、完璧な相補性が望ましいことが多いが、一部の実施形態は、標的RNAに対して、1つまたはそれ以上だが、好ましくは、10、8、6、5、4、3、2つ、またはそれよりも少数のミスマッチを含む。ミスマッチは、末端領域において最も許容され、存在する場合、好ましくは1つまたはそれ以上の末端領域、例えば、5’および/または3’末端の6、5、4、または3ヌクレオチド以内に存在する。センス鎖は、分子の全体的二本鎖特質を維持するようにアンチセンス鎖と十分に相補的であればよい。
【0725】
加えて、siRNAは修飾されていてもよく、またはヌクレオシドアナログを含んでもよい。siRNAの一本鎖領域は、修飾されていてもよく、またはヌクレオシドアナログを含んでいてもよく、例えば、ヘアピン構造の1つまたはそれ以上の不対合領域、例えば2つの相補的領域を連結する領域は、修飾またはヌクレオシドアナログを有してもよい。siRNAの1つまたはそれ以上の3’末端または5’末端を、例えばエキソヌクレアーゼに対して安定化するための、またはアンチセンスsiRNA剤がRISCに進入することを促進するための修飾も有用である。修飾としては、C3(またはC6、C7、C12)アミノリンカー、チオールリンカー、カルボキシルリンカー、非ヌクレオチドスペーサー(C3、C6、C9、C12、無塩基、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール)、ホスホラミダイトとして提供され、別のDMT保護ヒドロキシル基を有し、RNA合成中に複数のカップリングを可能にする特殊なビオチンまたはフルオレセイン試薬が挙げられる。siRNAの各鎖の長さは、30、25、24、23、22、21、または20ヌクレオチドと等しくてもよくまたは未満であってもよい。鎖は、好ましくは少なくとも19ヌクレオチド長である。例えば、各鎖は21~25ヌクレオチド長であってもよい。好ましいsiRNAは、17、18、19、29、21、22、23、24、または25ヌクレオチド対の二重鎖領域、および2~3ヌクレオチドの1つまたはそれ以上のオーバーハング、好ましくは2~3ヌクレオチドの1つまたは2つの3’オーバーハングを有する。
【0726】
本明細書で使用される場合、「miRNA」または「マイクロRNA」という用語は、典型的にはpre-miRNAとして知られている約70ヌクレオチドのフォールドバックRNA(fold-back RNA)前駆体構造から切除された20~22ヌクレオチドの小型非コードRNAを指す。miRNAは、miRNAと標的との相補性の度合いに応じて、2つの方法の1つで標的を負に調節する。まず、タンパク質コードmRNA配列と、完璧なまたはほぼ完璧な相補性で結合するmiRNAは、RNA媒介性干渉(RNAi)経路を誘導する。mRNA標的の3’非翻訳領域(UTR)内の不完全な相補性部位に結合することにより調節効果を発揮するmiRNAは、RNAi経路に使用されるものと類似するかまたはおそらくは同一であるRISC複合体を介して、転写後に標的遺伝子発現を翻訳レベルで明らかに抑制する。翻訳制御と一致して、この機序を使用するmiRNAは、標的遺伝子のタンパク質レベルを低減させるが、こうした遺伝子のmRNAレベルは最小限の影響しか受けない。miRNAは、天然に存在するmiRNA、ならびに任意のmRNA配列を特異的に標的とすることができる人工的に設計されたmiRNAを両方とも包含する。例えば、一実施形態では、当業者であれば、ヒトmiRNA(例えば、miR-30またはmiR-21)一次転写物として発現される短鎖ヘアピンRNA構築物を設計することができる。この設計では、ヘアピン構築物にドローシャプロセシング部位が追加されており、ノックダウン効率が大幅に向上することが示されている(Pusch et al., 2004)。ヘアピンステムは、22ntのdsRNA(例えば、アンチセンスは、所望の標的に対して完璧な相補性を有する)およびヒトmiRに由来する15~19ntループからなる。ヘアピンの片側または両側にmiRループおよびmiR30フランキング配列を追加すると、マイクロRNAを用いない従来のshRNA設計と比較して、発現されたヘアピンのドローシャおよびダイサープロセシングの10倍よりも大きな増加がもたらされる。ドローシャおよびダイサープロセシングの増加は、siRNA/miRNA産生の増大、および発現されたヘアピンの効力の増大に結び付く。
【0727】
本明細書で使用される場合、「shRNA」または「短鎖ヘアピンRNA」という用語は、単一の自己相補性RNA鎖により形成される二本鎖構造を指す。阻害には、標的遺伝子のコード配列または非コード配列のいずれかの部分と同一のヌクレオチド配列を含むshRNA構築物が好ましい。標的配列に対して挿入、欠失、および単一点突然変異を有するRNA配列も、阻害に効果的であることが見出されている。阻害性RNAと標的遺伝子の部分との間の90%よりも高い配列同一性またはさらには100%配列同一性が好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、shRNAの二重鎖形成部分の長さは、少なくとも20、21、または22ヌクレオチド長であり、例えば、ダイサー依存性切断により産生されるRNA産物のサイズに相当する。ある特定の実施形態では、shRNA構築物は、少なくとも25、50、100、200、300、または400塩基長である。ある特定の実施形態では、shRNA構築物は、400~800塩基長である。shRNA構築物は、ループ配列およびループサイズの変動に対して高度に耐容性である。
【0728】
本明細書で使用される場合、「リボザイム」という用語は、標的mRNAの部位特異的切断が可能な触媒活性RNA分子を指す。ハンマーヘッド型リボザイムおよびヘアピン型リボザイムなど、幾つかのサブタイプが報告されている。リボザイム触媒活性および安定性は、非触媒性塩基のリボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドに置換することにより向上させることができる。部位特異的認識配列でmRNAを切断するリボザイムを使用して特定のmRNAを破壊することができ、ハンマーヘッド型リボザイムの使用が好ましい。ハンマーヘッド型リボザイムは、標的mRNAと相補的塩基対を形成するフランキング領域により決定される位置でmRNAを切断する。唯一の要件は、標的mRNAが、2塩基の配列:5’-UG-3’を有することである。ハンマーヘッド型リボザイムの構築および産生は、当技術分野で周知である。
【0729】
ある特定の実施形態では、siRNA、miRNA、shRNA、またはリボザイムを含む目的のポリヌクレオチドのデリバリーの方法は、例えば、強力な構成的pol III、例えば、本明細書の他所に記載の、ヒトU6 snRNAプロモーター、マウスU6 snRNAプロモーター、ヒトおよびマウスH1 RNAプロモーター、ならびにヒトtRNA-valプロモーター、または強力な構成的pol IIプロモーターなどの1つまたはそれ以上の調節配列を含む。
【0730】
本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、コード配列自体の長さに関わらず、本明細書の他所に開示のまたは当技術分野で公知の、プロモーターおよび/またはエンハンサー、非翻訳領域(UTR)、シグナル配列、コザック配列、ポリアデニル化シグナル、追加の制限酵素部位、マルチクローニングサイト、内部リボソーム進入部位(IRES)、リコンビナーゼ認識部位(例えば、LoxP、FRT、およびAtt部位)、終止コドン、転写終結シグナル、および自己切断型ポリペプチド、エピトープタグをコードするポリヌクレオチドなどの他のDNA配列と組み合わせることができ、それらの全体的な長さは大幅に異なっていてもよい。したがって、ほぼあらゆる長さのポリヌクレオチド断片を使用することができ、好ましくは、全長は、意図されている組換えDNAプロトコールでの調製および使用の容易さにより制限されることが企図される。
【0731】
ポリヌクレオチドは、当技術分野で公知であり利用可能な様々な、十分に確立された技法のいずれかを使用して、調製、操作、および/または発現させることができる。所望のポリペプチドを発現させるために、そのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を適切なベクターに挿入することができる。ベクターの例は、プラスミド、自律複製配列、および転位因子である。追加の例示的なベクターとしては、限定ではないが、プラスミド、ファージミド、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、またはP1由来人工染色体(PAC)などの人工染色体、ラムダファージまたはM13ファージなどのバクテリオファージ、および動物ウイルスが挙げられる。ベクターとして有用な動物ウイルスのカテゴリーの例としては、限定ではないが、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、パピローマウイルス、およびパポバウイルス(例えば、SV40)が挙げられる。発現ベクターの例は、哺乳動物細胞での発現用のpClneoベクター(Promega);哺乳動物細胞でのレンチウイルス媒介性遺伝子移入および発現用のpLenti4/V5-DEST(商標)、pLenti6/V5-DEST(商標)、およびpLenti6.2/V5-GW/lacZ(Invitrogen)である。特定の実施形態では、本明細書で開示されるキメラタンパク質のコード配列は、哺乳動物細胞にてキメラタンパク質を発現させるための発現ベクターにライゲートされていてもよい。
【0732】
一実施形態では、本明細書で企図されるCARをコードするベクターは、配列番号36に示されているポリヌクレオチド配列を含む。
【0733】
特定の実施形態では、ベクターは、エピソームベクターまたは染色体外に維持されるベクターである。本明細書で使用される場合、「エピソーム」という用語は、宿主の染色体DNAに組み込まれることなく、および分裂宿主細胞から徐々に失われることなく複製することができるベクターを指し、前記ベクターは染色体外でまたはエピソーム的に複製することも意味する。このベクターは、リンパ球指向性ヘルペスウイルスまたはガンマヘルペスウイルス、アデノウイルス、SV40、ウシパピローマウイルス、または酵母に由来するDNA複製起点または「ori」、特にEBVのoriPに対応する、リンパ球指向性ヘルペスウイルスまたはガンマヘルペスウイルスの複製起点をコードする配列を保持するように操作されている。特定の態様では、リンパ球指向性ヘルペスウイルスは、エプスタインバーウイルス(EBV)、カポジ肉腫ヘルペスウイルス(KSHV)、ヘルペスウイルスサイミリ(HS)、またはマレック病ウイルス(MDV)であってもよい。また、エプスタインバーウイルス(EBV)およびカポジ肉腫ヘルペスウイルス(KSHV)は、ガンマヘルペスウイルスの例である。典型的には、宿主細胞は、複製を活性化するウイルス複製トランス活性化因子タンパク質を含む。
【0734】
発現ベクターに存在する「制御エレメント」または「調節配列」は、ベクターの非翻訳領域である、複製起点、選択カセット、プロモーター、エンハンサー、翻訳開始シグナル(シャインダルガーノ配列またはコザック配列)イントロン、ポリアデニル化配列、5’および3’非翻訳領域、であり、これらは宿主細胞タンパク質と相互作用して転写および翻訳を実施する。そのようなエレメントは、それらの強度および特異性が様々であってもよい。使用するベクター系および宿主に応じて、遍在性プロモーターおよび誘導性プロモーターを含む、任意の数の好適な転写エレメントおよび翻訳エレメントを使用することができる。
【0735】
特定の実施形態では、本明細書で使用するためのベクターとしては、発現ベクターおよびウイルスベクターが挙げられるが、それらに限定されず、プロモーターおよび/またはエンハンサーなどの外因性、内因性、または異種性制御配列を含むことになる。「内因性」制御配列は、ゲノム内の所与の遺伝子と天然で連結している配列である。「外因性」制御配列は、遺伝子の転写が、連結されているエンハンサー/プロモーターにより指図されるように、遺伝子操作(つまり、分子生物学的技法)によりその遺伝子に並んで配置される配列である。「異種性」制御配列は、遺伝子操作されている細胞とは異なる種に由来する外因性配列である。
【0736】
「プロモーター」という用語は、本明細書で使用される場合、RNAポリメラーゼが結合するポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)の認識部位を指す。RNAポリメラーゼは、プロモーターに作動可能に連結したポリヌクレオチドを開始および転写する。特定の実施形態では、哺乳動物細胞で作動するプロモーターは、転写が開始される部位からおよそ25~30塩基上流に位置するATリッチ領域、および/または転写開始部から70~80塩基上流に見出される別の配列であるCNCAAT領域(配列中、Nは任意のヌクレオチドであってもよい)を含む。
【0737】
「エンハンサー」という用語は、転写の増強を提供することが可能な配列を含み、一部の場合では、別の制御配列に対するそれらの向きとは無関係に機能することができるDNAのセグメントを指す。エンハンサーは、プロモーターおよび/または他のエンハンサーエレメントと協同的にまたは相加的に機能することができる。「プロモーター/エンハンサー」という用語は、プロモーター機能およびエンハンサー機能を両方とも提供することが可能な配列を含むDNAのセグメントを指す。
【0738】
「作動可能に連結した」という用語は、記載されている成分がそれらの意図されている様式で機能することを可能にする関係性で並んでいることを指す。一実施形態では、この用語は、核酸発現制御配列(プロモーターおよび/またはエンハンサーなど)と第2のポリヌクレオチド配列、例えば目的のポリヌクレオチドとの間の機能的連結であって、発現制御配列は第2の配列に対応する核酸の転写を指図する、機能的連結を指す。
【0739】
本明細書で使用される場合、「構成的発現制御配列」という用語は、作動可能に連結した配列の転写を絶えずまたは連続的に可能にするプロモーター、エンハンサー、またはプロモーター/エンハンサーを指す。構成的発現制御配列は、幅広く様々な細胞タイプおよび組織タイプでの発現を可能にする「遍在性」プロモーター、エンハンサー、もしくはプロモーター/エンハンサーであってもよく、またはそれぞれ限定的な種類の細胞タイプおよび組織タイプでの発現を可能にする「細胞特異的」、「細胞タイプ特異的」、「細胞系統特異的」、もしくは「組織特異的」なプロモーター、エンハンサー、もしくはプロモーター/エンハンサーであってもよい。
【0740】
本明細書で提示される特定の実施形態での使用に好適な例示的な遍在性発現制御配列としては、それらに限定されないが、以下のものが挙げられる:サイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、ウイルスサルウイルス40(SV40)(例えば、初期または後期)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)LTRプロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTR、単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーター、ワクシニアウイルスに由来するH5、P7.5、およびP11プロモーター、伸長因子1-アルファ(EF1a)プロモーター、初期増殖応答1(EGR1)、フェリチンH(FerH)、フェリチンL(FerL)、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、真核生物翻訳開始因子4A1(EIF4A1)、熱ショック70kDaタンパク質5(HSPA5)、熱ショックタンパク質90kDaベータ、メンバー1(HSP90B1)、熱ショックタンパク質70kDa(HSP70)、a-キネシン(a-KIN)、ヒトROSA 26遺伝子座(Irions et al., Nature Biotechnology 25, 1477 - 1482 (2007))、ユビキチンCプロモーター(UBC)、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(PGK)プロモーター、サイトメガロウイルスエンハンサー/ニワトリa-アクチン(CAG)プロモーター、a-アクチンプロモーター、および骨髄増殖性肉腫ウイルスエンハンサー、負の制御領域欠失、dl587revプライマー結合部位置換(MND)プロモーター(Challita et al., J Virol. 69(2):748-55 (1995))。
【0741】
一実施形態では、本開示のベクターは、MNDプロモーターを含む。
【0742】
一実施形態では、本開示のベクターは、ヒトEF1a遺伝子の最初のイントロンを含むEF1aプロモーターを含む。
【0743】
一実施形態では、本開示のベクターは、ヒトEF1a遺伝子の最初のイントロンを欠如しているEF1aプロモーターを含む。
【0744】
特定の実施形態では、CARを含むポリヌクレオチドをT細胞特異的プロモーターから発現させることが望ましい場合がある。
【0745】
本明細書で使用される場合、「条件的発現」は、誘導可能な発現;抑制可能な発現;特定の生理学的、生物学的、または疾患状態などを有する細胞または組織での発現を含むが、それらに限定されない、あらゆるタイプの条件的発現を指すことができる。この定義は、細胞タイプまたは組織特異的な発現を除外することを意図したものではない。ある特定の実施形態は、目的のポリヌクレオチドの条件的発現を提供し、例えば、発現は、細胞、組織、生物などを、ポリヌクレオチドの発現を引き起こすか、または目的のポリヌクレオチドによりコードされたポリヌクレオチドの発現の増加もしくは減少を引き起こす治療または条件に供することにより制御される。
【0746】
誘導性プロモーター/系の具体的な例としては、ステロイド誘導性プロモーター、例えば、グルココルチコイドまたはエストロゲン受容体をコードする遺伝子のプロモーター(対応するホルモンによる治療により誘導可能)、メタロチオニン(metallothionine)プロモーター(種々の重金属による治療により誘導可能)、MX-1プロモーター(インターフェロンにより誘導可能)、「GeneSwitch」ミフェプリストン調節可能な系(Sirin et al., 2003, Gene, 323:67)、クメート(cumate)誘導性遺伝子スイッチ(国際公開第2002/088346号パンフレット)、テトラサイクリン依存性調節系などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0747】
また、条件的発現は、部位特異的DNAリコンビナーゼを使用することにより達成することができる。ある特定の実施形態によると、ベクターは、部位特異的リコンビナーゼにより媒介される組換えのための少なくとも1つ(典型的には2つ)の部位を含む。本明細書で使用される場合、「リコンビナーゼ」または「部位特異的リコンビナーゼ」という用語は、1つまたはそれ以上の組換え部位(例えば、2、3、4、5、7、10、12、15、20、30、50個など)を含み、野生型タンパク質(Landy、Current Opinion in Biotechnology 3:699-707 (1993)を参照)、または突然変異体、誘導体(例えば、組換えタンパク質配列またはそれらの断片を含む融合タンパク質)、それらの断片およびバリアントであってもよい、組換え反応に関与する切出し可能なまたは組込み可能なタンパク質、酵素、補因子、または関連タンパク質を含む。本明細書での使用に好適なリコンビナーゼの具体的な例としては、Cre、Int、IHF、Xis、Flp、Fis、Hin、Gin、OC31、Cin、Tn3リゾルバーゼ、TndX、XerC、XerD、TnpX、Hjc、Gin、SpCCE1、およびParAが挙げられるが、それらに限定されない。
【0748】
ベクターは、幅広く様々な部位特異的リコンビナーゼのいずれかのための1つまたはそれ以上の組換え部位を含んでいてもよい。部位特異的リコンビナーゼの標的部位は、ベクター、例えばレトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターの組込みに必要な任意の部位に加えてであることが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「組換え配列」、「組換え部位」、または「部位特異的組換え部位」という用語は、リコンビナーゼが認識および結合する特定の核酸配列を指す。
【0749】
例えば、Creリコンビナーゼの1つの組換え部位は、8塩基対コア配列をフランキングする2つの13塩基対逆方向リピート(リコンビナーゼ結合部位としての役目を果たす)を含む34塩基対の配列であるloxPである(Sauer, B., Current Opinion in Biotechnology 5:521-527 (1994)の
図1を参照)。他の例示的なloxP部位としては、lox511(Hoess et al., 1996; Bethke and Sauer, 1997)、lox5171(Lee and Saito, 1998)、lox2272(Lee and Saito, 1998)、m2(Langer et al., 2002)、lox71(Albert et al., 1995)、およびlox66(Albert et al., 1995)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0750】
FLPリコンビナーゼの好適な認識部位としては、FRT(McLeod, et al., 1996)、F1,F2,F3(Schlake and Bode, 1994)、F4,F5(Schlake and Bode, 1994)、FRT(LE)(Senecoff et al., 1988)、FRT(RE)(Senecoff et al., 1988)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0751】
認識配列の他の例は、attB、attP、attL、およびattR配列であり、これらはリコンビナーゼ酵素eインテグラーゼ、例えばphi-c31によって認識される。oC31 SSRは、異型部位attB(34bp長)とattP(39bp長)との間でのみ組換えを媒介する(Groth et al., 2000)。attBおよびattPは、それぞれ細菌ゲノムおよびファージゲノムのファージインテグラーゼの結合部位にちなんで名付けられており、両方とも、oC31ホモ二量体が結合する可能性が高い不完全な逆方向リピートを含む(Groth et al., 2000)。生成物部位であるattLおよびattRは、さらなるoC31媒介性組換えに対して事実上不活性であり(Belteki et al., 2003)、反応を不可逆的なものにする。挿入を触媒するために、attB保持DNAは、attP部位がゲノムattB部位へと挿入されるよりも容易にゲノムattP部位へと挿入されることが見出されている(Thyagarajan et al. 2001;Belteki et al., 2003)。したがって、典型的な戦略では、attP保持「ドッキング部位」を相同組換えにより規定の遺伝子座に配置し、次いでそれを挿入のためにattB保持入力配列と連係させる。
【0752】
本明細書で使用される場合、「内部リボソーム進入部位」または「IRES」は、シストロン(タンパク質コード領域)の、ATGなどの開始コドンへの直接的内部リボソーム進入を促進し、それによりキャップ非依存性遺伝子翻訳をもたらすエレメントを指す。例えば、Jackson et al., 1990. Trends Biochem Sci 15(12):477-83およびJackson and Kaminski. 1995. RNA 1(10):985-1000を参照されたい。特定の実施形態では、本明細書で企図されるベクターは、1つまたはそれ以上のポリペプチドをコードする1つまたはそれ以上の目的のポリヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、複数のポリペプチドの各々の効率的な翻訳を達成するために、ポリヌクレオチド配列は、1つまたはそれ以上のIRES配列または自己切断型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列により隔てられていてもよい。
【0753】
本明細書で使用される場合、「コザック配列」という用語は、リボソームの小型サブユニットに対するmRNAの初期結合を大幅に促進し、翻訳を増加させる短いヌクレオチド配列を指す。コンセンサスコザック配列は、(GCC)RCCATGGであり、配列中、Rは、プリン(AまたはG)である(Kozak, 1986. Cell. 44(2):283-92、およびKozak, 1987. Nucleic Acids Res. 15(20):8125-48)。特定の実施形態では、本明細書で企図されるベクターは、コンセンサスコザック配列を有し、所望のポリペプチド、例えばCARをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0754】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを保持する細胞は、直接的毒性および/または制御されない増殖のリスクを低減するために、誘導性自殺遺伝子を含む自殺遺伝子を使用する。特定の態様では、自殺遺伝子は、ポリヌクレオチドまたは細胞を保持する宿主に対して免疫原性ではない。使用することができる自殺遺伝子のある特定の例は、カスパーゼ-9、またはカスパーゼ-8、またはシトシンデアミナーゼである。カスパーゼ-9は、特定の化学的二量体化誘導剤(CID)を使用して活性化することができる。
【0755】
ある特定の実施形態では、ベクターは、本開示の免疫エフェクター細胞、例えばT細胞を、インビボでのネガティブ選択に対して感受性にする遺伝子セグメントを含む。「ネガティブ選択」とは、注入した細胞を、個体のインビボ状態の変化の結果として除去することができることを意味する。ネガティブ選択可能な表現型は、投与された薬剤、例えば化合物に対する感受性を付与する遺伝子の挿入によりもたらすことができる。ネガティブ選択可能な遺伝子は当技術分野で公知であり、特に以下のもの:ガンシクロビル感受性を付与する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(HSV-1 TK)遺伝子(Wigler et al., Cell 11:223, 1977);細胞性ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、および細菌性シトシンデアミナーゼ(Mullen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89:33 (1992))が挙げられる。
【0756】
一部の実施形態では、T細胞などの遺伝子改変された免疫エフェクター細胞は、インビトロでネガティブ選択可能な表現型の細胞の選択を可能にするポジティブマーカーをさらに含むポリヌクレオチドを含む。ポジティブ選択可能なマーカーは、宿主細胞に導入されると、その遺伝子を有する細胞のポジティブ選択を可能にする優性表現型を発現する遺伝子であってもよい。このタイプの遺伝子は当技術分野で公知であり、特に、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与するハイグロマイシン-Bホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)、抗生物質G418に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoまたはaph)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子(ADA)、および多剤耐性(MDR)遺伝子が挙げられる。
【0757】
好ましくは、ポジティブ選択可能なマーカーおよびネガティブ選択可能なエレメントは、ネガティブ選択可能なエレメントの喪失が必然的にポジティブ選択可能マーカーの喪失をも伴うように連結されている。さらにより好ましくは、ポジティブ選択可能なマーカーおよびネガティブ選択可能なマーカーは、一方の喪失が他方の喪失に必ず結び付くように融合されている。上記に記載の所望のポジティブ選択特徴およびネガティブ選択特徴を両方とも付与するポリペプチドを発現生成物として産出する融合ポリヌクレオチドの例は、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼチミジンキナーゼ融合遺伝子(HyTK)である。この遺伝子の発現により、インビトロでのポジティブ選択のためのハイグロマイシンB耐性、およびインビボでのネガティブ選択のためのガンシクロビル感受性を付与するポリペプチドが得られる。Lupton S. D., et al, Mol. and Cell. Biology 1 1:3374- 3378, 1991を参照されたい。加えて、ある特定の実施形態では、キメラ受容体をコードするポリヌクレオチドは、融合遺伝子、特にインビトロでのポジティブ選択のためのハイグロマイシンB耐性、およびインビボでのネガティブ選択のためのガンシクロビル感受性を付与するものを含むレトロウイルスベクター、例えば、上記Lupton, S. D. et al. (1991)に記載のHyTKレトロウイルスベクターに存在する。ドミナントポジティブ選択可能なマーカーとネガティブ選択可能なマーカーとの融合に由来する二機能性選択可能融合遺伝子の使用が記載されているS.D.LuptonによるPCT US91/08442号パンフレットおよびPCT US94/05601号パンフレットの広報も参照されたい。
【0758】
ポジティブ選択可能なマーカーは、例えば、hph、nco、およびgptからなる群から選択される遺伝子に由来してもよく、ネガティブ選択可能なマーカーは、例えば、シトシンデアミナーゼ、HSV-I TK、VZV TK、HPRT、APRT、およびgptからなる群から選択される遺伝子に由来してもよい。特定の実施形態では、マーカーは、二機能性選択可能融合遺伝子であって、ポジティブ選択可能なマーカーは、hphまたはneoに由来し、ネガティブ選択可能なマーカーは、シトシンデアミナーゼまたはTK遺伝子または選択可能マーカーに由来する、二機能性選択可能融合遺伝子である。
【0759】
VI.ウイルスベクター
特定の実施形態では、細胞(例えば、免疫エフェクター細胞)は、CARをコードするレトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターで形質導入される。例えば、免疫エフェクター細胞は、CD3ae、CD28、4-1BB、Ox40、またはそれらの任意の組合せの細胞内シグナル伝達ドメインを有するBCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA抗体またはその抗原結合性断片を含むCARをコードするベクターで形質導入される。代替的に、免疫エフェクター細胞は、CD3ae、CD28、4-1BB、Ox40、またはそれらの任意の組合せの細胞内シグナル伝達ドメインを有する細胞外抗原、例えば腫瘍抗原に結合する抗体またはその抗原結合性断片を含むCARをコードするベクターで形質導入される。したがって、こうした形質導入細胞は、CAR媒介性細胞傷害応答を誘発することができる。
【0760】
レトロウイルスは、遺伝子デリバリーのための一般的なツールである(Miller, 2000, Nature. 357: 455-460)。特定の実施形態では、レトロウイルスを使用して、キメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリヌクレオチドを細胞に送達する。本明細書で使用される場合、「レトロウイルス」という用語は、そのゲノムRNAを線状二本鎖DNAコピーへと逆転写し、その後そのゲノムDNAを宿主ゲノムに共有結合で組み込むRNAウイルスを指す。ウイルスは、宿主ゲノムに組み込まれると、「プロウイルス」と呼ばれる。プロウイルスは、RNAポリメラーゼIIの鋳型としての役目を果たし、新しいウイルス粒子の産生に必要な構造タンパク質および酵素をコードするRNA分子の発現を指図する。
【0761】
特定の実施形態での使用に好適な例示的なレトロウイルスとしては、モロニーマウス白血病ウイルス(MMuLV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(MoMSV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MuMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、ネコ白血病ウイルス(FLV)、スプマウイルス、フレンドマウス白血病ウイルス、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)、およびレンチウイルスが挙げられるが、それらに限定されない。
【0762】
本明細書で使用される場合、「レンチウイルス」という用語は、複雑なレトロウイルスの群(または属)を指す。例示的なレンチウイルスとしては、HIV(ヒト免疫不全ウイルス;HIV1型およびHIV2型を含む);ビスナ-マエディウイルス(VMV)ウイルス;ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV);ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV);ネコ免疫不全ウイルス(FIV);ウシ免疫不全ウイルス(BIV);およびサル免疫不全ウイルス(SIV)が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、HIVベースのベクター骨格(つまり、HIVシス作用性配列エレメント)が使用される。特定の実施形態では、レンチウイルスを使用して、CARを含むポリヌクレオチドを細胞に送達する。
【0763】
レトロウイルスベクター、より詳細にはレンチウイルスベクターを、本明細書で開示される特定の実施形態の実施に使用することができる。したがって、「レトロウイルス」または「レトロウイルスベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、それぞれ「レンチウイルス」および「レンチウイルスベクター」を含むことを意味する。
【0764】
「ベクター」という用語は、本明細書では、別の核酸分子を移入または輸送することが可能な核酸分子を指すために使用される。移入される核酸は、一般に、ベクター核酸分子に連結、例えば挿入されている。ベクターは、細胞での自律複製を指図する配列を含んでもよく、または宿主細胞DNAへの組込みを可能にするのに十分な配列を含んでもよい。有用なベクターとしては、例えば、プラスミド(例えば、DNAプラスミドまたはRNAプラスミド)、トランスポゾン、コスミド、細菌人工染色体、およびウイルスベクターが挙げられる。有用なウイルスベクターとしては、例えば、複製欠損レトロウイルスおよびレンチウイルスが挙げられる。
【0765】
当業者であれば明らかであるように、「ウイルスベクター」という用語は、典型的には、核酸分子の移入もしくは細胞のゲノムへの組込みを容易にするウイルス由来の核酸エレメントを含む核酸分子(例えば、トランスファープラスミド)、または核酸移入を媒介するウイルス粒子のいずれかを指すために広く使用されている。ウイルス粒子は、典型的には、種々のウイルス成分を含むことになり、場合によっては核酸に加えて宿主細胞成分も含むことになる。
【0766】
ウイルスベクターという用語は、核酸を細胞に移入することが可能なウイルスもしくはウイルス粒子、または移入された核酸自体のいずれかを指すことができる。ウイルスベクターおよびトランスファープラスミドは、主としてウイルスに由来する構造的および/または機能的遺伝子エレメントを含む。「レトロウイルスベクター」という用語は、主としてレトロウイルスに由来する、構造的および機能的遺伝子エレメントまたはそれらの部分を含むウイルスベクターまたはプラスミドを指す。「レンチウイルスベクター」という用語は、主としてレンチウイルスに由来するLTRを含む、構造的および機能的遺伝子エレメントまたはそれらの部分を含むウイルスベクターまたはプラスミドを指す。「ハイブリッドベクター」という用語は、レトロウイルス配列、例えばレンチウイルス配列および非レンチウイルスウイルス配列を両方とも含むベクター、LTR、または他の核酸を指す。一実施形態では、ハイブリッドベクターは、逆転写、複製、組込み、および/またはパッケージングのためのレトロウイルス配列、例えばレンチウイルス配列を含むベクターまたはトランスファープラスミドを指す。
【0767】
特定の実施形態では、「レンチウイルスベクター」および「レンチウイルス発現ベクター」という用語は、レンチウイルストランスファープラスミドおよび/または感染性レンチウイルス粒子を指すために使用することができる。本明細書において、クローニング部位、プロモーター、調節エレメント、異種性核酸などのエレメントが参照される場合、こうしたエレメントの配列は、本開示のレンチウイルス粒子ではRNA形態で存在し、本開示のDNAプラスミドではDNA形態で存在することが理解されるべきである。
【0768】
プロウイルスの各末端には、「長い末端反復」または「LTR」と呼ばれる構造が存在する。「長い末端反復(LTR)」という用語は、天然配列の状況ではダイレクトリピートであり、U3領域、R領域、およびU5領域を含む、レトロウイルスDNAの末端に位置する塩基対のドメインを指す。LTRは、一般に、レトロウイルス遺伝子の発現(例えば、遺伝子転写物の促進、開始、およびポリアデニル化)およびウイルス複製の基盤となる機能を提供する。LTRは、転写制御エレメント、ポリアデニル化シグナル、ならびにウイルスゲノムの複製および組込みに必要な配列を含む、数多くの調節シグナルを含む。ウイルスLTRは、U3、R、およびU5と呼ばれる3つの領域に分けられる。U3領域は、エンハンサーエレメントおよびプロモーターエレメントを含む。U5領域は、プライマー結合部位とR領域との間にある配列であり、ポリアデニル化配列を含む。R(リピート)領域は、U3領域およびU5領域によりフランキングされている。LTRは、U3領域、R領域、およびU5領域で構成されており、ウイルスゲノムの5’末端および3’末端の両方に見られる。5’LTRには、ゲノムの逆転写(tRNAプライマー結合部位)およびウイルスRNAの粒子への効率的なパッケージング(プサイ部位)に必要な配列が隣接している。
【0769】
本明細書で使用される場合、「パッケージングシグナル」または「パッケージング配列」という用語は、ウイルスカプシドまたは粒子へのウイルスRNAの挿入に必要な、レトロウイルスゲノム内に位置する配列を指す。例えば、Clever et al., 1995. J. of Virology, Vol. 69, No 4; pp. 2101-2109を参照されたい。幾つかのレトロウイルスベクターには、ウイルスゲノムのカプシド形成に必要な最小限のパッケージングシグナル(プサイ[ψ]配列とも呼ばれる)が使用されている。したがって、本明細書で使用される場合、「パッケージング配列」、「パッケージングシグナル」、「プサイ」、および記号「ψ」は、ウイルス粒子形成中のレトロウイルスRNA鎖のカプシド形成に必要な非コード配列に関して使用される。
【0770】
種々の実施形態では、ベクターは、修飾された5’LTRおよび/または3’LTRを含む。LTRのいずれかまたは両方は、1つまたはそれ以上の欠失、挿入、または置換を含むがそれらに限定されない1つまたはそれ以上の修飾を含んでいてもよい。3’LTRの修飾は、ウイルスを複製欠損にすることによりレンチウイルス系またはレトロウイルス系の安全性を向上させるために行われることが多い。本明細書で使用される場合、「複製欠損」という用語は、感染性ビリオンが産生されないように、完全で効果的な複製が可能ではないウイルスを指す(例えば、複製欠損レンチウイルス子孫)。「複製可能な」という用語は、ウイルスのウイルス複製により感染性ビリオン(例えば、複製可能なレンチウイルス子孫)を産生することが可能なように複製が可能である野生型ウイルスまたは突然変異ウイルスを指す。
【0771】
「自己不活化」(SIN)ベクターは、U3領域として知られている右側(3’)LTRエンハンサー-プロモーター領域が、ウイルス複製の最初のラウンド以降のウイルス転写を防止するように修飾されている(例えば、欠失または置換により)複製欠損ベクター、例えばレトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターを指す。これは、ウイルス複製中に、右側(3’)LTR U3領域が、左側(5’)LTR U3領域の鋳型として使用され、したがってU3エンハンサー-プロモーター無しではウイルス転写物を製作することができないためである。さらなる実施形態では、3’LTRは、U5領域が、例えば理想的なポリ(A)配列で置き換えられるように修飾されている。3’LTR、5’LTR、または3’および5’LTRの両方に対する修飾などの、LTRに対する修飾も本明細書に含まれることに留意されたい。
【0772】
5’LTRのU3領域を異種性プロモーターで置き換えて、ウイルス粒子の産生中にウイルスゲノムの転写を駆動することにより、さらなる安全性強化がもたらされる。使用することができる異種性プロモーターの例としては、例えば、ウイルスサルウイルス40(SV40)プロモーター(例えば、初期または後期)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(例えば、前初期)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、および単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーターが挙げられる。典型的なプロモーターは、Tat非依存性様式で高レベルの転写を駆動することができる。ウイルス産生系には完全なU3配列が存在しないため、この置き換えにより、複製可能なウイルスを生成するための組換えの可能性が低減される。ある特定の実施形態では、異種性プロモーターは、ウイルスゲノムが転写される様式の制御にさらなる利点を有する。例えば、異種性プロモーターは、誘導因子が存在する場合にのみウイルスゲノムの全部または一部の転写が生じることになるように、誘導可能であってもよい。誘導因子としては、1つまたはそれ以上の化学化合物、または宿主細胞が培養される温度もしくはpHなどの生理学的条件が挙げられるが、それらに限定されない。
【0773】
一部の実施形態では、ウイルスベクターはTARエレメントを含む。「TAR」という用語は、レンチウイルス(例えば、HIV)LTRのR領域に位置する「トランス活性化応答」遺伝子エレメントを指す。このエレメントは、レンチウイルストランス活性化因子(tat)遺伝子エレメントと相互作用して、ウイルス複製を増強する。しかしながら、このエレメントは、5’LTRのU3領域が異種性プロモーターにより置き換えられている実施形態では必要ない。
【0774】
「R領域」は、キャッピング基の開始部(つまり、転写の開始部)から始まり、ポリAトラクトの開始部直前で終了するレトロウイルスLTR内の領域を指す。また、R領域は、U3領域およびU5領域によりフランキングされていると定義される。R領域は、逆転写中にゲノムの一方の末端から他方の末端への新生DNAの移行を可能にする役割を果たす。
【0775】
本明細書で使用される場合、「FLAPエレメント」は、その配列がレトロウイルス、例えばHIV-1またはHIV-2の中央ポリプリントラクトおよび中央終止配列(cPPTおよびCTS)を含む核酸を指す。好適なFLAPエレメントは、米国特許第6,682,907号明細書およびZennou, et al., 2000, Cell, 101:173に記載されている。HIV-1逆転写中、中央ポリプリントラクト(cPPT)でのプラス鎖DNAの中央開始および中央終止配列(CTS)での中央終止は、三本鎖DNA構造:HIV-1中央DNA flapの形成に結び付く。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、DNA flapは、レンチウイルスゲノム核搬入のシス活性決定因子として作用することができ、および/またはウイルスの力価を増加させることができる。特定の実施形態では、レトロウイルスまたはレンチウイルスベクター骨格は、ベクター内の目的の異種性遺伝子の上流または下流に、1つまたはそれ以上のFLAPエレメントを含む。例えば、特定の実施形態では、トランスファープラスミドはFLAPエレメントを含む。一実施形態では、ベクターは、HIV-1から単離されたFLAPエレメントを含む。
【0776】
一実施形態では、レトロウイルストランスファーベクターまたはレンチウイルストランスファーベクターは、1つまたはそれ以上の搬出エレメントを含む。「搬出エレメント」という用語は、細胞の核から細胞質へのRNA転写物の輸送を調節するシス作用性転写後調節エレメントを指す。RNA搬出エレメントの例としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)rev応答エレメント(RRE)(例えば、Cullen et al., 1991. J. Virol. 65: 1053;およびCullen et al., 1991. Cell 58: 423を参照)およびB型肝炎ウイルス転写後調節エレメント(HPRE)が挙げられるが、それらに限定されない。一般に、RNA搬出エレメントは、遺伝子の3’UTR内に配置されており、1つまたはそれ以上のコピーとして挿入することができる。
【0777】
特定の実施形態では、ウイルスベクターでの異種性配列の発現は、転写後調節エレメント、効率的なポリアデニル化部位、および適宜、転写終結シグナルをベクターに組み込むことにより増加される。様々な転写後調節エレメント、例えばウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE; Zufferey et al., 1999, J. Virol., 73:2886);B型肝炎ウイルスに存在する転写後調節エレメント(HPRE)(Huang et al., Mol. Cell. Biol., 5:3864);および他のもの(Liu et al., 1995, Genes Dev., 9:1766)は、タンパク質の異種性核酸の発現を増加させることができる。特定の実施形態では、ベクターは、WPREまたはHPREなどの転写後調節エレメントを含んでいてもよい。
【0778】
特定の実施形態では、一部の場合では、こうしたエレメントが細胞形質転換のリスクを増加させ、および/またはmRNA転写物の量を実質的にもしくは著しくは増加させず、またはmRNA安定性を増加させないため、ベクターは、WPREまたはHPREなどの転写後調節エレメント(PTE)を欠如しているかまたは含んでいない。したがって、一部の実施形態では、ベクターは、PTEを欠如しているかまたは含まない。他の実施形態では、ベクターは、追加の安全対策としてWPREまたはHPREを欠如しているかまたは含まない。
【0779】
異種性核酸転写物の効率的な終結およびポリアデニル化を指図するエレメントは、異種性遺伝子発現を増加させる。転写終結シグナルは、一般に、ポリアデニル化シグナルの下流に見出される。特定の実施形態では、ベクターは、発現させようとするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのポリアデニル化配列3’を含む。「ポリA部位」または「ポリA配列」という用語は、本明細書で使用される場合、RNAポリメラーゼIIによる新生RNA転写物の終結およびポリアデニル化の両方を指図するDNA配列を指す。ポリアデニル化配列は、コード配列の3’末端にポリAテールを追加することによりmRNA安定性を促進し、したがって翻訳効率の増加に貢献することができる。ポリAテールを欠如している転写物は不安定であり急速に分解されるため、組換え転写物の効率的なポリアデニル化が望ましい。本明細書のベクターにおいて使用することができるポリAシグナルの具体的な例としては、理想的なポリA配列(例えば、AATAAA、ATTAAA、AGTAAA)、ウシ成長ホルモンポリA配列(BGHpA)、ウサギβグロビンポリA配列(rβgpA)、または当技術分野で公知の別の好適な異種性もしくは内因性ポリA配列が挙げられる。
【0780】
ある特定の実施形態では、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターは、1つまたはそれ以上のインスレーターエレメントをさらに含む。インスレーターエレメントは、レンチウイルス発現配列、例えば、治療用ポリペプチドを、ゲノムDNAに存在するシス作用性エレメントにより媒介され、移入配列の発現調節解除に結び付く可能性がある組込み部位効果(つまり、位置効果;例えば、Burgess-Beusse et al., 2002, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 99:16433;およびZhan et al., 2001, Hum. Genet., 109:471を参照)から保護することに寄与することができる。一部の実施形態では、トランスファーベクターは、1つまたはそれ以上のインスレーターエレメント3’LTRを含み、プロウイルスが宿主ゲノムに組み込まれると、プロウイルスは、3’LTRの複製により5’LTRまたは3’LTRの両方に1つまたはそれ以上のインスレーターエレメントを含む。本明細書での使用に好適なインスレーターとしては、ニワトリa-グロビンインスレーター(Chung et al., 1993. Cell 74:505; Chung et al., 1997. PNAS 94:575;およびBell et al., 1999. Cell 98:387を参照。この文献は参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、それに限定されない。インスレーターエレメントの例としては、ニワトリHS4などのa-グロビン遺伝子座に由来するインスレーターが挙げられるが、それに限定されない。
【0781】
ある特定の詳細な実施形態によると、ウイルスベクター骨格配列のほとんどまたはすべては、レンチウイルス、例えばHIV-1に由来する。しかしながら、レトロウイルス配列および/またはレンチウイルス配列の多数の異なる供給源を使用してもよくまたは組み合わせてもよく、ある特定のレンチウイルス配列における数多くの置換および変更は、本明細書に記載の機能を実施するトランスファーベクターの能力を損なうことなく収容することができることが理解されるべきである。さらに、様々なレンチウイルスベクターが当技術分野で公知である。Naldini et al., (1996a, 1996b, and 1998);Zufferey et al., (1997);Dull et al., 1998、米国特許第6,013,516号明細書;および同第5,994,136号明細書を参照されたい。これらの多くを適用して、本開示のウイルスベクターまたはトランスファープラスミドを産生することができる。
【0782】
種々の実施形態では、本明細書に記載のベクターは、CARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結したプロモーターを含んでいてもよい。ベクターは、1つまたはそれ以上のLTRを有してもよく、いずれかのLTRは、1つまたはそれ以上のヌクレオチド置換、付加、または欠失などの1つまたはそれ以上の修飾を含む。ベクターは、形質導入効率を増加させるために1つまたはそれ以上のアクセサリーエレメント(例えば、cPPT/FLAP)、ウイルスパッケージング(例えば、プサイ(ψ)パッケージングシグナル、RRE)、および/または治療用遺伝子発現を増加させる他のエレメント(例えば、ポリ(A)配列)をさらに含んでいてもよく、適宜、WPREまたはHPREを含んでもよい。
【0783】
特定の実施形態では、トランスファーベクターは、左側(5’)レトロウイルスLTR;中央ポリプリントラクト/DNA flap(cPPT/FLAP);レトロウイルス搬出エレメント;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;および右側(3’)レトロウイルスLTR;および適宜、WPREまたはHPREを含む。
【0784】
特定の実施形態では、トランスファーベクターは、左側(5’)レトロウイルスLTR;レトロウイルス搬出エレメント;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;右側(3’)レトロウイルスLTR;およびポリ(A)配列;および適宜、WPREまたはHPREを含む。別の特定の実施形態では、本明細書には:左側(5’)LTR;cPPT/FLAP;RRE;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;右側(3’)LTR;およびポリアデニル化配列;および適宜、WPREまたはHPREを含むレンチウイルスベクターが提供される。
【0785】
ある特定の実施形態では、本明細書には:左側(5’)HIV-1 LTR;プサイ(ψ)パッケージングシグナル;cPPT/FLAP;RRE;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;右側(3’)自己不活化(SIN)HIV-1 LTR;およびウサギa-グロビンポリアデニル化配列;および適宜、WPREまたはHPREを含むレンチウイルスベクターが提供される。
【0786】
別の実施形態では、本明細書には:少なくとも1つのLTR;中央ポリプリントラクト/DNA flap(cPPT/FLAP);レトロウイルス搬出エレメント;および本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;および適宜、WPREまたはHPREを含むベクターが提供される。
【0787】
特定の実施形態では、本明細書には、少なくとも1つのLTR;cPPT/FLAP;RRE;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;およびポリアデニル化配列;および適宜、WPREまたはHPREを含むベクターが提供される。
【0788】
ある特定の実施形態では、本明細書には、少なくとも1つのSIN HIV-1 LTR;プサイ(ψ)パッケージングシグナル;cPPT/FLAP;RRE;本明細書で企図されるCARポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した、T細胞で活性なプロモーター;およびウサギa-グロビンポリアデニル化配列;および適宜、WPREまたはHPREが提供される。
【0789】
種々の実施形態では、ベクターは、組込みウイルスベクターである。
【0790】
種々の他の実施形態では、ベクターは、エピソーム性または非組込みウイルスベクターである。
【0791】
種々の実施形態では、本明細書で企図されるベクターは、非組込みまたは組込み欠損レトロウイルスを含む。一実施形態では、「組込み欠損」レトロウイルスまたはレンチウイルスは、ウイルスゲノムを宿主細胞のゲノムに組み込む能力が欠如しているインテグラーゼを有するレトロウイルスまたはレンチウイルスを指す。種々の実施形態では、インテグラーゼタンパク質は、そのインテグラーゼ活性を特異的に減少させるように突然変異されている。組込み不能レンチウイルスベクターは、インテグラーゼタンパク質をコードするpol遺伝子を改変し、組込み欠損インテグラーゼをコードする突然変異型pol遺伝子をもたらすことにより得られる。そのような組込み不能ウイルスベクターは、国際公開第2006/010834号パンフレットに記載されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0792】
インテグラーゼ活性を低減させるために好適なHIV-1 pol遺伝子における例示的な突然変異としては、H12N、H12C、H16C、H16V、S81R、D41A、K42A、H51A、Q53C、D55V、D64E、D64V、E69A、K71A、E85A、E87A、D116N、D1161、D116A、N120G、N1201、N120E、E152G、E152A、D35E、K156E、K156A、E157A、K159E、K159A、K160A、R166A、D167A、E170A、H171A、K173A、K186Q、K186T、K188T、E198A、R199c、R199T、R199A、D202A、K211A、Q214L、Q216L、Q221L、W235F、W235E、K236S、K236A、K246A、G247W、D253A、R262A、R263A、およびK264Hが挙げられるが、それらに限定されない。
【0793】
インテグラーゼ活性を低減させるために好適なHIV-1 pol遺伝子における例示的な突然変異としては、D64E、D64V、E92K、D116N、D1161、D116A、N120G、N1201、N120E、E152G、E152A、D35E、K156E、K156A、E157A、K159E、K159A、W235F、およびW235Eが挙げられるが、それらに限定されない。
【0794】
特定の実施形態では、インテグラーゼは、アミノ酸D64、D116、またはE152の1つまたはそれ以上に突然変異を含む。一実施形態では、インテグラーゼは、アミノ酸D64、D116、およびE152に突然変異を含む。特定の実施形態では、欠損HIV-1インテグラーゼはD64V突然変異を含む。
【0795】
「宿主細胞」には、本明細書で開示される組換えベクターまたはポリヌクレオチドによりインビボ、エクスビボ、またはインビトロで電気穿孔、トランスフェクト、感染、または形質導入された細胞が含まれる。宿主細胞としては、パッケージング細胞、プロデューサー細胞、およびウイルスベクターに感染した細胞を挙げることができる。特定の実施形態では、本明細書で開示されるウイルスベクターに感染させた宿主細胞が、治療を必要とする対象に投与される。ある特定の実施形態では、「標的細胞」という用語は宿主細胞と同義的に使用され、所望の細胞タイプのトランスフェクト、感染、または形質導入された細胞を指す。特定の実施形態では、標的細胞はT細胞である。
【0796】
妥当なウイルス力価を達成するには、多くの場合、大規模なウイルス粒子産生が必要である。ウイルス粒子は、ウイルス構造遺伝子および/またはアクセサリー遺伝子、例えば、gag、pol、env、tat、rev、vif、vpr、vpu、vpx、もしくはnef遺伝子、または他のレトロウイルス遺伝子を含むパッケージング細胞系にトランスファーベクターをトランスフェクトすることにより産生される。
【0797】
本明細書で使用される場合、「パッケージングベクター」という用語は、パッケージングシグナルを欠如し、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くのウイルス構造遺伝子および/またはアクセサリー遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターまたはウイルスベクターを指す。典型的には、パッケージングベクターは、パッケージング細胞に含まれており、トランスフェクション、形質導入、または感染により細胞に導入される。トランスフェクション、形質導入、または感染の方法は当業者に周知である。本明細書で開示されるレトロウイルス/レンチウイルストランスファーベクターを、トランスフェクション、形質導入、または感染によりパッケージング細胞系に導入し、プロデューサー細胞または細胞系を生成することができる。本明細書で開示されるパッケージングベクターは、例えばリン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクション、または電気穿孔を含む標準的な方法によりヒト細胞または細胞系に導入することができる。一部の実施形態では、パッケージングベクターを、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ブラストシジン、ゼオシン、チミジンキナーゼ、DHFR、Glnシンテターゼ、またはADAなどの優性選択可能マーカーと共に細胞に導入し、続いてクローンを適切な薬物の存在下で選択および単離する。選択可能なマーカー遺伝子を、パッケージングベクターにより、例えばIRESまたは自己切断型ウイルスペプチドによりコードされる遺伝子に物理的に連結することができる。
【0798】
ウイルスエンベロープタンパク質(env)は、細胞系から生成される組換えレトロウイルスにより最終的に感染および形質転換することができる宿主細胞の範囲を決定する。HIV-1、HIV-2、SIV、FIV、およびEIVなどのレンチウイルスの場合、envタンパク質としては、gp41およびgp120が挙げられる。好ましくは、本明細書で開示されるパッケージング細胞により発現されるウイルスenvタンパク質は、以前に記載されているように、ウイルスgag遺伝子およびpol遺伝子とは別々のベクターにコードされている。
【0799】
本明細書で使用することができるレトロウイルス由来env遺伝子の具体的な例としては、MLVエンベロープ、10A1エンベロープ、BAEV、FeLV-B、RD114、SSAV、エボラ、センダイ、FPV(家禽ペストウイルス)、およびインフルエンザウイルスエンベロープが挙げられるが、それらに限定されない。同様に、RNAウイルス(例えば、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、カルシウイルス科(Calciviridae)、アストロウイルス科(Astroviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、ブンヤウイルス科(Bunyaviridae)、アレナウイルス科(Arenaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、ビルナウイルス科(Birnaviridae)、レトロウイルス科(Retroviridae)のRNAウイルス科)、ならびにDNAウイルス(例えば、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)、サーコウイルス科(Circoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、ポキシウイルス科(Poxyiridae)、およびイリドウイルス科(Iridoviridae)の科)に由来するエンベロープをコードする遺伝子を使用することができる。代表的な例としては、FeLV、VEE、HFVW、WDSV、SFV、狂犬病、ALV、BIV、BLV、EBV、CAEV、SNV、ChTLV、STLV、MPMV、SMRV、RAV、FuSV、MH2、AEV、AMV、CT10、およびEIAVが挙げられる。
【0800】
他の実施形態では、本開示に関連してウイルスをシュードタイピングするためのエンベロープタンパク質としては、以下のウイルスに由来するいずれかが挙げられるが、それらに限定されない:H1N1、H1N2、H3N2、およびH5N1(トリインフルエンザ)などのA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、C型インフルエンザウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ロタウイルス、ノーウォークウイルス群の任意のウイルス、腸管アデノウイルス、パルボウイルス、デング熱ウイルス、サル痘、モノネガウイルス目、狂犬病ウイルスなどのリッサウイルス、ラゴスコウモリウイルス、モコラウイルス、ドゥベンヘイジウイルス、ヨーロッパコウモリウイルス1および2ならびにオーストラリアコウモリウイルス、エフェメロウイルス、ベシクロウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、単純ヘルペスウイルス1型および2型などのヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス(HHV)、ヒトヘルペスウイルス6型および8型、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、パピローマウイルス、マウスガンマヘルペスウイルス、アルゼンチン出血熱ウイルスなどのアレナウイルス、ボリビア出血熱ウイルス、サビア関連出血熱ウイルス、ベネズエラ出血熱ウイルス、ラッサ熱ウイルス、マチュポウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、クリミア-コンゴ出血熱ウイルスなどのブニヤウイルス科(Bunyaviridiae)、ハンタウイルス、腎症候群を引き起こすウイルスによる出血熱、リフトバレー熱ウイルス、エボラ出血熱およびマルブルグ出血熱を含むフィロウイルス科(フィロウイルス)、キャサヌール森林病(Kaysanur Forest disease)ウイルスを含むフラビウイルス科、オムスク出血熱ウイルス、ダニ媒介性脳炎を引き起こすウイルスならびにヘンドラウイルスおよびニパウイルスなどのパラミクソウイルス科、大痘瘡および小痘瘡(天然痘)、ベネズエラウマ脳炎ウイルスなどのアルファウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)、西ナイルウイルス、ならびに脳炎を引き起こすあらゆるウイルス。
【0801】
一実施形態では、本明細書には、VSV-G糖タンパク質でシュードタイプ化された組換えレトロウイルス、例えばレンチウイルスを産生するパッケージング細胞が提供される。
【0802】
「シュードタイプ」または「シュードタイピング」という用語は、本明細書で使用される場合、そのウイルスエンベロープタンパク質が、好ましい特質を有する別のウイルスのエンベロープタンパク質で置換されているウイルスを指す。例えば、HIVは、通常、HIVエンベロープタンパク質(env遺伝子によりコードされる)によりCD4+提示細胞を標的にするため、水疱性口内炎ウイルスGタンパク質(VSV-G)エンベロープタンパク質でシュードタイプ化して、それによりHIVがより広範囲の細胞に感染することを可能にすることができる。一実施形態では、レンチウイルスエンベロープタンパク質をVSV-Gでシュードタイプ化する。一実施形態では、本明細書には、VSV-Gエンベロープ糖タンパク質でシュードタイプ化された組換えレトロウイルス、例えばレンチウイルスを産生するパッケージング細胞が提供される。
【0803】
本明細書で使用される場合、「パッケージング細胞系」という用語は、パッケージングシグナルを含まないが、ウイルス粒子を正しくパッケージングするために必要であるウイルス構造タンパク質および複製酵素(例えば、gag、pol、およびenv)を安定的にまたは一過性に発現する細胞系に関して使用される。任意の好適な細胞系を使用して、本開示に関連するパッケージング細胞を調製することができる。一般に、細胞は哺乳動物細胞である。特定の実施形態では、パッケージング細胞系を産生するために使用される細胞はヒト細胞である。使用することができる好適な細胞系としては、例えば、CHO細胞、BHK細胞、MDCK細胞、C3H10T1/2細胞、FLY細胞、Psi-2細胞、BOSC23細胞、PA317細胞、WEHI細胞、COS細胞、BSC1細胞、BSC40細胞、BMT10細胞、VERO細胞、W138細胞、MRC5細胞、A549細胞、HT1080細胞、293細胞、293T細胞、B-50細胞、3T3細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞、Saos-2細胞、Huh7細胞、HeLa細胞、W163細胞、211細胞、および211A細胞が挙げられる。特定の実施形態では、パッケージング細胞は、293細胞、293T細胞、またはA549細胞である。別の特定の実施形態では、細胞はA549細胞である。
【0804】
本明細書で使用される場合、「プロデューサー細胞系」という用語は、パッケージング細胞系およびパッケージングシグナルを含むトランスファーベクター構築物を含む、組換えレトロウイルス粒子を産生することが可能な細胞系を指す。感染性ウイルス粒子およびウイルスストック溶液の生成は、従来技法を使用して実施することができる。ウイルスストック溶液を調製するための方法は当技術分野で公知であり、例えば、Y. Soneoka et al. (1995) Nucl. Acids Res. 23:628-633、およびN. R. Landau et al. (1992) J. Virol. 66:5110-5113に例示されている。感染性ウイルス粒子は、従来技法を使用してパッケージング細胞から収集することができる。例えば、感染性粒子は、当技術分野で公知であるように、細胞溶解、または細胞培養上清の収集により収集することができる。適宜、収集したウイルス粒子を必要に応じて精製してもよい。好適な精製技法は当業者に周知である。
【0805】
トランスフェクションではなくウイルス感染による、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターを使用した遺伝子または他のポリヌクレオチド配列のデリバリーは、「形質導入」と呼ばれる。一実施形態では、レトロウイルスベクターは、感染およびプロウイルス組込みにより細胞に形質導入される。ある特定の実施形態では、標的細胞、例えばT細胞は、ウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターを使用した感染により細胞に送達された遺伝子または他のポリヌクレオチド配列を含む場合、「形質導入」されている。特定の実施形態では、形質導入された細胞は、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターによりその細胞ゲノムに送達される1つもしくはそれ以上の遺伝子または他のポリヌクレオチド配列を含む。
【0806】
特定の実施形態では、1つまたはそれ以上のポリペプチドを発現する、本明細書で開示されるウイルスベクターで形質導入された宿主細胞は、B細胞悪性腫瘍を治療および/または予防するために対象に投与される。本明細書のある特定の実施形態に従って使用することができる、遺伝子治療におけるウイルスベクターの使用に関する他の方法は、例えば、Kay, M. A. (1997) Chest 111(6 Supp.) :138S-142S;Ferry, N. and Heard, J. M. (1998) Hum. Gene Ther. 9:1975-81;Shiratory, Y. et al. (1999) Liver 19:265-74;Oka, K. et al. (2000) Curr. Opin. Lipidol. 11:179-86;Thule, P. M. and Liu, J. M. (2000) Gene Ther. 7:1744-52;Yang, N. S. (1992) Crit. Rev. Biotechnol. 12:335-56;Alt, M. (1995) J. Hepatol. 23:746-58;Brody, S. L. and Crystal, R. G. (1994) Ann. N.Y. Acad. Sci. 716:90-101;Strayer, D. S. (1999) Expert Opin. Investig. Drugs 8:2159-2172;Smith-Arica, J. R. and Bartlett, J. S. (2001) Curr. Cardiol. Rep. 3:43-49;およびLee, H. C. et al. (2000) Nature 408:483-8に見出すことができる。
【0807】
VII.遺伝子改変された細胞
特定の実施形態では、本明細書には、腫瘍またはがんの治療に使用するための、本明細書で企図されるCARを発現するように遺伝子改変された細胞が開示される。特定の実施形態では、本明細書には、B細胞関連状態の治療に使用するための、本明細書で企図されるCARを発現するように遺伝子改変された細胞が開示される。本明細書で使用される場合、「遺伝子操作された」または「遺伝子改変された」という用語は、DNAまたはRNAの形態の追加の遺伝物質を、細胞の全遺伝物質に追加することを指す。「遺伝子改変された細胞」、「修飾された細胞」、および「向け直された細胞」という用語は、同義的に使用される。本明細書で使用される場合、「遺伝子治療」という用語は、遺伝子の発現を回復、修正、もしくは修飾するか、または治療用ポリペプチド、例えばCARを発現させる目的で、DNAまたはRNAの形態の追加の遺伝物質を細胞の全遺伝物質に導入することを指す。
【0808】
特定の実施形態では、本明細書で企図されるCARは、免疫エフェクター細胞の特異性を目的の標的抗原、例えばBCMAポリペプチドに向け直すように免疫エフェクター細胞に導入され、そこで発現される。「免疫エフェクター細胞」は、1つまたはそれ以上のエフェクター機能(例えば、細胞傷害性殺細胞活性、サイトカインの分泌、ADCCおよび/またはCDCの誘導)を有する免疫系のあらゆる細胞である。
【0809】
本開示の免疫エフェクター細胞は、自己/自家(「自己由来」)または非自己(「非自己由来」、例えば、同種、同系、または異種)であってもよい。
【0810】
「自己細胞」は、本明細書で使用される場合、同一対象に由来する細胞を指す。
【0811】
「同種細胞」は、本明細書で使用される場合、比較する細胞とは遺伝的に異なる同一種の細胞を指す。
【0812】
「同系細胞」は、本明細書で使用される場合、比較する細胞と遺伝的に同一である異なる対象の細胞を指す。
【0813】
「異種細胞」は、本明細書で使用される場合、比較する細胞と異なる種の細胞を指す。ある特定の実施形態では、本開示の細胞は同種である。
【0814】
本明細書で企図される例示的な免疫エフェクター細胞としては、Tリンパ球が挙げられる。「T細胞」または「Tリンパ球」という用語は当該技術分野で認識されており、胸腺細胞、未熟Tリンパ球、成熟Tリンパ球、休止Tリンパ球、または活性化Tリンパ球を含むことが意図される。T細胞は、ヘルパーT(Th)細胞、例えば、ヘルパーT1(Th1)またはヘルパーT2(Th2)細胞であってもよい。T細胞は、ヘルパーT細胞(HTL;CD4+T細胞)CD4+T細胞、細胞傷害性T細胞(CTL;CD8+T細胞)、CD4+CD8+T細胞、CD4-CD8-T細胞、またはT細胞の他の任意のサブセットであってもよい。本明細書で企図される他の例示的なT細胞としては、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が挙げられる。特定の実施形態での使用に好適な他の例示的なT細胞集団としては、ナイーブT細胞およびメモリーT細胞が挙げられる。当業者であれば、1つまたはそれ以上の免疫エフェクター細胞を、本明細書で企図される方法に従って使用することができることを理解するだろう。
【0815】
当業者であれば理解することになるように、他の細胞も、本明細書に記載のCARを有する免疫エフェクター細胞として使用することができる。特に、免疫エフェクター細胞としては、NK細胞、NKT細胞、好中球、およびマクロファージも挙げられる。免疫エフェクター細胞としては、エフェクター細胞の前駆細胞も挙げられ、そのような前駆細胞は、免疫エフェクター細胞に分化するようにインビボまたはインビトロで誘導することができる。したがって、特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞としては、対象に投与すると成熟免疫エフェクター細胞へと分化するか、またはインビトロで誘導して成熟免疫エフェクター細胞へと分化させることができる、臍帯血、骨髄、または動員された末梢血に由来する細胞のCD34+集団内に含まれる造血幹細胞(HSC)などの、免疫エフェクター細胞の前駆体が挙げられる。
【0816】
本明細書で使用される場合、BCMA特異的CARを含むように遺伝子操作された免疫エフェクター細胞は、「BCMA特異的リダイレクト免疫エフェクター細胞」と呼ばれる場合がある。
【0817】
「CD34+細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、その細胞表面にCD34タンパク質を発現する細胞を指す。「CD34」は、本明細書で使用される場合、細胞間接着因子として作用することが多く、リンパ節へのT細胞の進入に関与する細胞表面糖タンパク質(例えば、シアロムチンタンパク質)を指す。CD34+細胞集団は、患者に投与すると、T細胞、NK細胞、NKT細胞、好中球、および単球/マクロファージ系統の細胞を含むあらゆる造血系統に分化および寄与する、造血幹細胞(HSC)を含む。
【0818】
ある特定の実施形態では、本明細書には、本明細書で企図されるCARを発現する免疫エフェクター細胞を製作するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、免疫エフェクター細胞が本明細書に記載の1つまたはそれ以上のCARを発現するように、個体から単離された免疫エフェクター細胞をトランスフェクトまたは形質導入する工程を含む。ある特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞は、個体から単離され、さらなる操作をせずにインビトロで遺伝子改変される。次いで、そのような細胞を、個体に直接再投与することができる。さらなる実施形態では、免疫エフェクター細胞は、CARを発現するように遺伝子改変される前に、まずインビトロで活性化および刺激して増殖させる。これに関して、免疫エフェクター細胞は、遺伝子改変される(つまり、本明細書で企図されるCARを発現するように形質導入またはトランスフェクトされる)前および/または後で培養してもよい。
【0819】
特定の実施形態では、本明細書に記載の免疫エフェクター細胞のインビトロ操作または遺伝子改変の前に、細胞の供給源を対象から得る。特定の実施形態では、CAR修飾免疫エフェクター細胞はT細胞を含む。T細胞は、末梢血単核球、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位に由来する組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含むが、それらに限定されない少なからぬ供給源から得ることができる。ある特定の実施形態では、T細胞は、対象から収集した血液の単位から、沈降、例えばFICOLL(商標)分離など、当業者に公知の任意の数の技法を使用して得ることができる。一実施形態では、個体の循環血液に由来する細胞をアフェレーシスにより得る。アフェレーシス生成物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒細胞、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および血小板を含むリンパ球を含む。一実施形態では、アフェレーシスにより収集した細胞を洗浄して、血漿画分を除去し、その後の処理のために細胞を適切なバッファーまたは培地に入れてもよい。細胞を、PBSで、またはカルシウム、マグネシウム、および他のすべてではないにしてもほとんどの二価陽イオンを欠如している別の好適な溶液で洗浄してもよい。当業者であれば理解することになるように、洗浄工程は、半自動フロースルー遠心分離機を使用するなど、当業者に公知の方法により達成することができる。例えば、Cobe2991細胞処理装置、またはBaxter CytoMateなど。洗浄後、細胞を、様々な生体適合性バッファーまたはバッファーを有するかもしくは有しない他の生理食塩水に再懸濁してもよい。ある特定の実施形態では、アフェレーシス試料の望ましくない成分は、細胞直接再懸濁培地中で除去することができる。
【0820】
ある特定の実施形態では、赤血球を溶解し、単球を枯渇させることにより、例えばPERCOLL(商標)勾配による遠心分離により、T細胞を末梢血単核球(PBMC)から単離する。以下のマーカー:CD3、CD28、CD4、CD8、CD45RA、およびCD45ROの1つまたはそれ以上を発現するT細胞の特定の部分集団を、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離してもよい。一実施形態では、CD3、CD28、CD4、CD8、CD45RA、およびCD45ROを発現するT細胞の特定の部分集団を、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離する。例えば、ネガティブ選択によるT細胞集団の富化は、ネガティブ選択された細胞に固有の表面マーカーに対する抗体の組合せにより達成することができる。本明細書で使用するための1つの方法は、ネガティブ選択された細胞上に存在する細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体のカクテルを使用した、ネガティブ磁気免疫付着またはフローサイトメトリーによる細胞選別および/または選択である。例えば、ネガティブ選択によりCD4+細胞を富化するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。また、フローサイトメトリーおよび細胞選別を使用して、本開示に従って使用するための目的の細胞集団を単離してもよい。
【0821】
PBMCを直接遺伝子改変して、本明細書で企図される方法を使用してCARを発現させてもよい。ある特定の実施形態では、PBMCを単離した後、Tリンパ球をさらに単離し、ある特定の実施形態では、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球の両方を、遺伝子改変および/または拡大増殖の前または後のいずれかで、ナイーブT細胞部分集団、メモリーT細胞部分集団、およびエフェクターT細胞部分集団に選別してもよい。
【0822】
標準的な方法を使用することによりCD8+細胞を得ることができる。一部の実施形態では、CD8+細胞を、こうしたタイプのCD8+細胞の各々に関連付けられる細胞表面抗原を特定することにより、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞にさらに選別する。
【0823】
ある特定の実施形態では、ナイーブCD8+Tリンパ球は、CD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127、およびCD45RAを含む、ナイーブT細胞の表現型マーカーの発現により特徴付けられる。
【0824】
特定の実施形態では、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+サブセットおよびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8および抗CD62L抗体で染色した後、CD62L-CD8+画分とCD62L+CD8+画分に選別される。一部の実施形態では、セントラルメモリーT細胞の表現型マーカーの発現は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、およびCD127を含み、グランザイムBに対して陰性である。一部の実施形態では、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+、CD8+T細胞である。
【0825】
一部の実施形態では、エフェクターT細胞は、CD62L、CCR7、CD28、およびCD127に対して陰性であり、グランザイムBおよびパーフォリンに対して陽性である。
【0826】
ある特定の実施形態では、CD4+T細胞を、部分集団へとさらに選別する。例えば、細胞表面抗原を有する細胞集団を特定することにより、CD4+ヘルパーT細胞を、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞に選別することができる。CD4+リンパ球は標準的な方法で得ることができる。一部の実施形態では、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+CD4+T細胞である。一部の実施形態では、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L陽性およびCD45RO陽性である。一部の実施形態では、エフェクターCD4+細胞は、CD62LおよびCD45RO陰性である。
【0827】
T細胞などの免疫エフェクター細胞は、公知の方法を使用して単離した後で遺伝子改変してもよく、または免疫エフェクター細胞は、遺伝子改変する前にインビトロで活性化および拡大増殖(または前駆細胞の場合には分化)させてもよい。特定の実施形態では、T細胞などの免疫エフェクター細胞を、本明細書で企図されるキメラ抗原受容体で遺伝子改変し(例えば、CARをコードする核酸を含むウイルスベクターで形質導入し)、次いでインビトロで活性化および拡大増殖させる。種々の実施形態では、T細胞は、例えば、米国特許第6,352,694号明細書;同第6,534,055号明細書;同第6,905,680号明細書;同第6,692,964号明細書;同第5,858,358号明細書;同第6,887,466号明細書;同第6,905,681号明細書;同第7,144,575号明細書;同第7,067,318号明細書;同第7,172,869号明細書;同第7,232,566号明細書;同第7,175,843号明細書;同第5,883,223号明細書;同第6,905,874号明細書;同第6,797,514号明細書;同第6,867,041号明細書;および米国特許出願公開第20060121005号明細書に記載の方法を使用して、CARを発現するように遺伝子改変する前または後で活性化および拡大増殖させることができる。
【0828】
一般に、T細胞は、CD3 TCR複合体関連シグナルを刺激する薬剤およびT細胞の表面上の共刺激分子を刺激するリガンドがそれに付着している表面と接触させることにより拡大増殖させる。T細胞集団は、表面上に固定化された抗CD3抗体もしくはその抗原結合性断片または抗CD2抗体と接触させることにより、あるいはカルシウムイオノフォアと併せてプロテインキナーゼC活性化因子(例えば、ブリオスタチン)と接触させることにより刺激してもよい。T細胞の表面上のアクセサリー分子の共刺激も企図される。
【0829】
特定の実施形態では、PBMCまたは単離されたT細胞を、IL-2、IL-7、および/またはIL-15などの適切なサイトカインを有する培地中で、一般にはビーズまたは他の表面に付着させた、抗CD3抗体および抗CD28抗体などの刺激剤および共刺激剤と接触させる。CD4+T細胞またはCD8+T細胞のいずれかの増殖を刺激するために、抗CD3抗体および抗CD28抗体が使用される。抗CD28抗体の例としては、9.3、B-T3、XR-CD28(Diacione、ブザンソン、フランス)が挙げられ、これらは、当技術分野で一般的で公知である他の方法と同様に使用することができる(Berg et al., Transplant Proc. 30(8):3975-3977, 1998;Haanen et al., J. Exp. Med. 190(9): 13191328, 1999;Garland et al., J. Immunol Meth. 227(1-2):53-63, 1999)。同一ビーズに付着している抗CD3抗体および抗CD28抗体は、「代理」抗原提示細胞(APC)としての役目を果たす。他の実施形態では、T細胞は、米国特許第6040177号明細書;米国特許第5827642号明細書;および国際公開第2012129514号パンフレットに記載の方法などの方法を使用して、フィーダー細胞ならびに適切な抗体およびサイトカインで活性化および刺激して増殖させることができる。
【0830】
他の実施形態では、K562、U937、721.221、T2、およびC1R細胞を操作して、様々な共刺激分子およびサイトカインの安定した発現および分泌を指図することにより、人工APC(aAPC)を製作する。特定の実施形態では、K32またはU32 aAPCは、1つまたはそれ以上の抗体ベース刺激分子をAAPC細胞表面上に提示するように指図するために使用される。aAPCの遺伝子の種々の組合せを発現させることにより、ヒトT細胞活性化要件を正確に決定することができ、そのため特定の増殖要件および別個の機能を有するT細胞サブセットの最適な増殖に合わせてaAPCを調整することできる。aAPCは、天然APCの使用とは対照的に、外因性サイトカインの添加を必要とせずに、機能的なヒトCD8 T細胞のエクスビボ増殖および長期拡大増殖を支援する。T細胞の集団は、CD137L(4-1BBL)、CD134L(OX40L)、および/またはCD80もしくはCD86を含むが、それらに限定されない様々な共刺激分子を発現するaAPCで拡大増殖させることができる。最終的に、aAPCは、遺伝子改変されたT細胞を拡大増殖させ、CD8 T細胞上でのCD28発現を維持するための効率的なプラットフォームを提供する。国際公開第03/057171号パンフレットおよび米国特許出願公開第2003/0147869号明細書で提供されるaAPCは、これによりそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0831】
一実施形態では、CD34+細胞を、本開示による核酸構築物で形質導入する。ある特定の実施形態では、形質導入されたCD34+細胞は、対象、一般に細胞が当初単離された対象へと投与した後、インビボで成熟免疫エフェクター細胞へと分化する。別の実施形態では、CD34+細胞は、本明細書に記載のCARに曝露する前にまたはそれで遺伝子改変した後で、以下のサイトカイン:Flt-3リガンド(FLT3)、幹細胞因子(SCF)、巨核球増殖分化因子(TPO)、IL-3、およびIL-6の1つまたはそれ以上により、以前に記載の方法に従ってインビトロで刺激することができる(Asheuer et al., 2004, PNAS 101(10):3557-3562; Imren, et al., 2004)。
【0832】
ある特定の実施形態では、本明細書には、腫瘍またはがんを治療するための修飾免疫エフェクター細胞の集団が提供され、修飾免疫エフェクター細胞は、本明細書で開示されるCARを含む。例えば、修飾免疫エフェクター細胞の集団は、本明細書に記載のB細胞悪性腫瘍を有すると診断された患者(自己ドナー)から得られる末梢血単核球(PBMC)から調製される。PBMCは、CD4+、CD8+、またはCD4+およびCD8+であってもよい不均質なTリンパ球集団を形成する。
【0833】
また、PBMCとしては、NK細胞またはNKT細胞などの他の細胞傷害性リンパ球を挙げることができる。本明細書で企図されるCARのコード配列を有する発現ベクターを、ヒトドナーT細胞、NK細胞、またはNKT細胞の集団に導入することができる。形質導入に成功した、発現ベクターを有するT細胞を、フローサイトメトリーを使用して選別して、CD3陽性T細胞を単離し、次いで、抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体ならびにIL-2を使用した細胞活性化、または本明細書の他所に記載の当技術分野で公知の任意の他の方法による細胞活性化に加えて、こうしたCARタンパク質発現T細胞の数を増加させるためにさらに増殖させることができる。ヒト対象で使用するための保管および/または調製のために、CARタンパク質を発現するT細胞を凍結保存するための標準手順が使用される。一実施形態では、T細胞のインビトロ形質導入、培養、および/または拡大増殖は、ウシ胎仔血清およびウシ胎児血清などの非ヒト動物由来生成物の非存在下で実施される。PBMCの不均質集団は遺伝子改変されているため、得られる形質導入細胞は、本明細書で企図されるCAR(例えば、BCMA標的指向性CAR)を含む修飾細胞の不均質集団である。
【0834】
さらなる実施形態では、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれよりも多くの異なる発現ベクターの混合物であって、各ベクターは本明細書で企図される異なるキメラ抗原受容体タンパク質をコードする、混合物を、免疫エフェクター細胞のドナー集団の遺伝子改変に使用することができる。得られる修飾免疫エフェクター細胞は、修飾細胞の混合集団を形成し、修飾細胞の集団は1つよりも多くの異なるCARタンパク質を発現する。
【0835】
一実施形態では、本明細書には、BCMAタンパク質を標的とする、遺伝子改変されたマウス、ヒト、またはヒト化CARタンパク質を発現する免疫エフェクター細胞を選別するための方法であって、免疫エフェクター細胞を、解凍した際に細胞が依然として生存可能なように凍結保存する工程を含む方法が提供される。CARタンパク質を発現する免疫エフェクター細胞の一部分を、当技術分野で公知の方法により凍結保存して、腫瘍もしくはがんまたはB細胞関連状態を患う患者の将来の治療のための、そのような細胞の恒久的供給源を提供することができる。必要に応じて、凍結保存した形質転換免疫エフェクター細胞を解凍し、より多くのそのような細胞を得るために増殖および拡大増殖させることができる。
【0836】
本明細書で使用される場合、「凍結保存」は、(典型的には)77Kまたは-196℃(液体窒素の沸点)など、氷点下の温度に冷却することによる細胞の保存を指す。氷点下の温度では、低温での凍結または室温への加温による細胞の損傷を防止するために、凍結保護剤が使用されることが多い。凍結保存剤および最適な冷却速度により、細胞傷害から保護することができる。使用することができる凍結保護剤としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)(Lovelock and Bishop, Nature, 1959; 183: 1394-1395;Ashwood-Smith, Nature, 1961; 190: 1204-1205)、グリセロール、ポリビニルピロリドン(Rinfret, Ann. N.Y. Acad. Sci., 1960; 85: 576)、およびポリエチレングリコール(Sloviter and Ravdin, Nature, 1962; 196: 48)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい冷却速度は1~3℃/分である。少なくとも2時間後、T細胞は-80℃の温度に到達し、長期極低温保管容器などでの恒久的保管のために液体窒素(-196℃)へと直接入れることができる。
【0837】
VIII.T細胞製造プロセス
本明細書で企図される方法により製造されるT細胞は、向上した養子免疫療法組成物を提供する。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、本明細書で企図される方法により製造されるT細胞組成物は、生存の増加、分化が相対的に存在しない拡大増殖、およびインビボでの持続性を含む優れた特性を有すると考えられる。一実施形態では、T細胞を製造するための方法は、細胞を、PI3K細胞シグナル伝達経路をモジュレートする1つまたはそれ以上の薬剤と接触させる工程を含む。一実施形態では、T細胞を製造するための方法は、細胞を、PI3K/Akt/mTOR細胞シグナル伝達経路をモジュレートする1つまたはそれ以上の薬剤と接触させる工程を含む。種々の実施形態では、任意の供給源からT細胞を得て、製造プロセスの活性化および/または拡大増殖段階中に薬剤と接触させてもよい。得られるT細胞組成物では、増殖し、以下のバイオマーカー:CD62L、CCR7、CD28、CD27、CD122、CD127、CD197、およびCD38の1つまたはそれ以上を発現する能力を有する発生可能なT細胞が富化されている。一実施形態では、1つまたはそれ以上のPI3K阻害剤で治療されているT細胞を含む細胞の集団は、以下のバイオマーカー:CD62L、CD127、CD197、およびCD38の1つもしくはそれ以上またはすべてを共発現するCD8+ T細胞の集団が富化されている。
【0838】
一実施形態では、維持レベルの増殖および分化の減少を含む修飾T細胞が製造される。特定の実施形態では、T細胞は、1つまたはそれ以上の刺激シグナルおよびPI3K細胞シグナル伝達経路の阻害剤である薬剤の存在下でT細胞を刺激して活性化および増殖させることにより製造される。
【0839】
次いで、T細胞を修飾して、CAR(例えば、BCMA標的指向性CAR)を発現させることができる。一実施形態では、T細胞は、本明細書で企図されるCAR(例えば、抗BCMA CAR)を含むウイルスベクターをT細胞に形質導入することにより修飾される。ある特定の実施形態では、T細胞は、PI3K細胞シグナル伝達経路の阻害剤の存在下で刺激および活性化する前に修飾される。別の実施形態では、T細胞は、PI3K細胞シグナル伝達経路の阻害剤の存在下で刺激および活性化した後で修飾される。特定の実施形態では、T細胞は、PI3K細胞シグナル伝達経路の阻害剤の存在下で刺激および活性化した12時間、24時間、36時間、または48時間以内に修飾される。
【0840】
T細胞を活性化した後、細胞を培養して増殖させる。T細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、6、もしくは7日間、少なくとも2週間、少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6ケ月、またはそれよりも長期間にわたって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10ラウンド、またはそれよりも多くのラウンドの拡大増殖で培養してもよい。
【0841】
種々の実施形態では、T細胞組成物は、PI3K経路の1つまたはそれ以上の阻害剤の存在下で製造される。阻害剤は、経路内の1つもしくはそれ以上の活性または単一の活性を標的にすることができる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、製造プロセスの刺激、活性化、および/または拡大増殖段階中に、T細胞を、PI3K経路の1つまたはそれ以上の阻害剤で治療する、またはPI3K経路の1つまたはそれ以上の阻害剤と接触させると、若いT細胞が優先的に増加し、それにより優れた治療用T細胞組成物がもたらされることが企図される。
【0842】
特定の実施形態では、操作されたT細胞受容体を発現するT細胞の増殖を増加させるための方法が提供される。そのような方法は、例えば、対象からT細胞の供給源を回収する工程、PI3K経路の1つまたはそれ以上の阻害剤の存在下でT細胞を刺激および活性化する工程、CAR(例えば、抗BCMA CAR、より詳細には抗BCMA02 CAR)を発現するようにT細胞を修飾する工程、ならびにT細胞を培養中で拡大増殖させる工程を含んでいてもよい。
【0843】
ある特定の実施形態では、以下のバイオマーカー:CD62L、CCR7、CD28、CD27、CD122、CD127、CD197、およびCD38の1つまたはそれ以上の発現が富化されたT細胞の集団を産生するための方法。一実施形態では、若いT細胞は、以下の生物学的マーカー:CD62L、CD127、CD197、およびCD38の1つもしくはそれ以上またはすべてを含む。一実施形態では、CD57、CD244、CD160、PD-1、CTLA4、TIM3、およびLAG3の発現が欠如している若いT細胞が提供される。本明細書の他所で考察されているように、若いT細胞バイオマーカーの発現レベルは、より分化したT細胞または免疫エフェクター細胞集団におけるそのようなマーカーの発現レベルに対する相対的なものである。
【0844】
一実施形態では、末梢血単核球(PBMC)が、本明細書で企図されるT細胞製造方法におけるT細胞の供給源として使用される。PBMCは、CD4+、CD8+、またはCD4+、およびCD8+であってもよいTリンパ球の不均質集団を形成し、単球、B細胞、NK細胞、およびNKT細胞などの他の単核細胞を含んでいてもよい。本明細書で企図される操作されたTCRまたはCARをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、ヒトドナーT細胞、NK細胞、またはNKT細胞の集団に導入することができる。形質導入に成功した、発現ベクターを有するT細胞を、フローサイトメトリーを使用して選別して、CD3陽性T細胞を単離し、次いで抗CD3抗体および/もしくは抗CD28抗体ならびにIL-2、IL-7、および/もしくはIL-15を使用した細胞活性化、または本明細書の他所に記載の当技術分野で公知の任意の他の方法による細胞活性化に加えて、修飾T細胞の数を増加させるためにさらに増殖させることができる。
【0845】
本明細書で企図される製造方法は、ヒト対象で使用するための保管および/または調製のために修飾T細胞を凍結保存する工程をさらに含んでいてもよい。T細胞は、細胞が解凍時に依然として生存可能であるように凍結保存される。必要に応じて、凍結保存した形質転換免疫エフェクター細胞を解凍し、より多くのそのような細胞を得るために増殖および拡大増殖させることができる。本明細書で使用される場合、「凍結保存」は、(典型的には)77Kまたは-196℃(液体窒素の沸点)など、氷点下の温度に冷却することによる細胞の保存を指す。氷点下の温度では、低温での凍結または室温への加温による保存されている細胞の損傷を防止するために、凍結保護剤が使用されることが多い。凍結保存剤および最適な冷却速度により、細胞傷害から保護することができる。使用することができる凍結保護剤としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)(Lovelock and Bishop, Nature, 1959; 183: 1394-1395;Ashwood-Smith, Nature, 1961; 190: 1204-1205)、グリセロール、ポリビニルピロリドン(Rinfret, Ann. N.Y. Acad. Sci., 1960; 85: 576)、およびポリエチレングリコール(Sloviter and Ravdin, Nature, 1962; 196: 48)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい冷却速度は、1~3℃/分である。少なくとも2時間後、T細胞は-80℃の温度に到達し、長期極低温保管容器などでの恒久的保管のために液体窒素(-196℃)へと直接入れることができる。
【0846】
IX.T細胞
本開示では、向上したCAR T細胞組成物の製造が企図される。CAR T細胞産生に使用されるT細胞は、自己細胞/自家細胞(「自己由来」)または非自己細胞(「非自己由来」、例えば同種、同系、または異種)であってもよい。ある特定の実施形態では、T細胞は哺乳動物対象から得られる。より特定の実施形態では、T細胞は霊長類対象から得られる。好ましい実施形態では、T細胞はヒト対象から得られる。
【0847】
T細胞は、末梢血単核球、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位に由来する組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含むがそれらに限定されない少なからぬ供給源から得ることができる。ある特定の実施形態では、T細胞は、対象から収集した血液の単位から、沈降、例えばFICOLL(商標)分離など、当業者に公知の任意の数の技法を使用して得ることができる。一実施形態では、個体の循環血液に由来する細胞をアフェレーシスにより得る。アフェレーシス生成物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒細胞、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および血小板を含む、リンパ球を含む。一実施形態では、アフェレーシスにより収集した細胞を洗浄して、血漿画分を除去し、その後の処理のために細胞を適切なバッファーまたは培地に入れてもよい。細胞を、PBSで、またはカルシウム、マグネシウム、および他のすべてではないにしてもほとんどの二価陽イオンを欠如している別の好適な溶液で洗浄してもよい。当業者であれば理解することになるように、洗浄工程は、半自動フロースルー遠心分離機を使用するなど、当業者に公知の方法により達成することができる。例えば、Cobe2991細胞処理装置、またはBaxter CytoMateなど。洗浄後、細胞を、様々な生体適合性バッファーまたはバッファーを有するかもしくは有しない他の生理食塩水に再懸濁してもよい。ある特定の実施形態では、アフェレーシス試料の望ましくない成分は、細胞直接再懸濁培地中で除去することができる。
【0848】
特定の実施形態では、T細胞、例えばPBMCを含む細胞の集団が、本明細書で企図される製造方法で使用される。他の実施形態では、単離または精製されたT細胞の集団が、本明細書で企図される製造方法で使用される。細胞は、赤血球を溶解し単球を枯渇させることにより、例えば、PERCOLL(商標)勾配による遠心分離により、末梢血単核球(PBMC)から単離することができる。一部の実施形態では、PBMCの単離後、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球の両方を、活性化、拡大増殖、および/または遺伝子改変の前または後のいずれかで、ナイーブT細胞部分集団、メモリーT細胞部分集団、およびエフェクターT細胞部分集団に選別してもよい。
【0849】
以下のマーカー:CD3、CD4、CD8、CD28、CD45RA、CD45RO、CD62、CD127、およびHLA-DRの1つまたはそれ以上を発現するT細胞の特定の部分集団を、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離することができる。一実施形態では、(i)CD62L、CCR7、CD28、CD27、CD122、CD127、CD197;または(ii)CD38もしくはCD62L、CD127、CD197、およびCD38からなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上を発現するT細胞の特定の部分集団を、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離する。種々の実施形態では、製造されたT細胞組成物は、以下のマーカー:CD57、CD244、CD160、PD-1、CTLA4、TIM3、およびLAG3の1つまたはそれ以上を発現しないかまたは実質的に発現しない。
【0850】
一実施形態では、CD62L、CD127、CD197、およびCD38からなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上の発現は、PI3K阻害剤を用いずに活性化および拡大増殖されたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、またはそれよりも増加する。
【0851】
一実施形態では、CD57、CD244、CD160、PD-1、CTLA4、TIM3、およびLAGからなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上の発現は、PI3K阻害剤を用いて活性化および拡大増殖されたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5分の1、少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも25分の1、またはそれよりも減少する。
【0852】
一実施形態では、本明細書で企図される製造方法は、ナイーブまたは発生可能なT細胞の1つまたはそれ以上のマーカーを含むCAR T細胞の数を増加させる。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、T細胞を含む細胞の集団を1つまたはそれ以上のPI3K阻害剤で治療すると、発生可能なT細胞の拡大増殖の増加がもたらされ、既存のCAR T細胞療法と比較して、よりロバストで有効な養子CAR T細胞免疫療法が提供されると考える。
【0853】
本明細書で企図される方法を使用して製造したT細胞において増加されるナイーブまたは発生可能なT細胞のマーカーの具体的な例としては、CD62L、CD127、CD197、およびCD38が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、ナイーブT細胞は、以下のマーカー:CD57、CD244、CD160、PD-1、BTLA、CD45RA、CTLA4、TIM3、およびLAG3の1つまたはそれ以上を発現しないかまたは実質的に発現しない。
【0854】
T細胞に関して、本明細書で企図される種々の拡大増殖方法論から得られるT細胞集団は、使用される条件に応じて、様々な特定の表現型特性を示すことができる。種々の実施形態では、拡大増殖させたT細胞集団は、以下の表現型マーカー:CD62L、CD127、CD197、CD38、およびHLA-DRの1つまたはそれ以上を含む。
【0855】
一実施形態では、そのような表現型マーカーとしては、CD62L、CD127、CD197、およびCD38の1つもしくはそれ以上またはすべての発現の増強が挙げられる。特定の実施形態では、CD62L、CD127、CD197、およびCD38を含むナイーブT細胞の表現型マーカーが発現されることにより特徴付けられるCD8+Tリンパ球が拡大増殖される。
【0856】
特定の実施形態では、CD45RO、CD62L、CD127、CD197、およびCD38を含むセントラルメモリーT細胞の表現型マーカーが発現されること、およびグランザイムBに対して陰性であることにより特徴付けられるT細胞が拡大増殖される。一部の実施形態では、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+、CD8+T細胞である。
【0857】
ある特定の実施形態では、CD62Lを含むナイーブCD4+細胞の表現型マーカーが発現されること、ならびにCD45RAおよび/またはCD45ROの発現が陰性であることにより特徴付けられるCD4+Tリンパ球が拡大増殖される。一部の実施形態では、CD4+細胞は、CD62LおよびCD45RO陽性であることを含む、セントラルメモリーCD4+細胞の表現型マーカーが発現されることにより特徴付けられる。一部の実施形態では、エフェクターCD4+細胞は、CD62L陽性およびCD45RO陰性である。
【0858】
ある特定の実施形態では、T細胞を個体から単離し、CAR(例えば、抗BCMA CAR)を発現するように遺伝子改変する前に、インビトロで活性化および刺激して増殖させる。これに関して、T細胞は、遺伝子改変する(つまり、本明細書で企図されるCAR、例えば抗BCMA CARを発現するように形質導入またはトランスフェクトする)前および/または後に培養してもよい。
【0859】
A.活性化および拡大増殖
十分な治療用量のT細胞組成物を達成するために、T細胞を、1ラウンドまたはそれ以上のラウンドの刺激、活性化、および/または拡大増殖に供することが多い。T細胞は、一般に、例えば米国特許第6,352,694号明細書;同第6,534,055号明細書;同第6,905,680号明細書;同第6,692,964号明細書;同第5,858,358号明細書;同第6,887,466号明細書;同第6,905,681号明細書;同第7,144,575号明細書;同第7,067,318号明細書;同第7,172,869号明細書;同第7,232,566号明細書;同第7,175,843号明細書;同第5,883,223号明細書;同第6,905,874号明細書;同第6,797,514号明細書;および同第6,867,041号明細書に記載の方法を使用して活性化および拡大増殖させることができる。こうした文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。CAR(例えば、抗BCMA CAR)を発現するように修飾されたT細胞は、T細胞を修飾する前および/または後で活性化および拡大増殖させることができる。加えて、T細胞を、活性化および/または拡大増殖の前、最中、および/または後で、PI3K細胞シグナル伝達経路をモジュレートする1つまたはそれ以上の薬剤と接触させてもよい。一実施形態では、本明細書で企図される方法により製造されるT細胞は、1、2、3、4、または5ラウンド、またはそれよりも多くのラウンドの活性化および拡大増殖を受け、それらの各々は、PI3K細胞シグナル伝達経路をモジュレートする1つまたはそれ以上の薬剤を含んでいてもよい。
【0860】
一実施形態では、共刺激リガンドは、T細胞上の同族共刺激分子に特異的に結合する抗原提示細胞(例えば、aAPC、樹状細胞、およびB細胞など)に提示され、それにより、例えばTCR/CD3複合体の結合により提供される一次シグナルに加えて、所望のT細胞応答を媒介するシグナルが提供される。好適な共刺激リガンドとしては、CD7、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、PD-L1、PD-L2、4-1BBL、OX40L、誘導性共刺激リガンド(ICOS-L)、細胞間接着分子(ICAM)、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、MICB、HVEM、リンホトキシンベータ受容体、ILT3、ILT4、Tollリガンド受容体に結合するアゴニストまたは抗体、およびB7-H3と特異的に結合するリガンドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0861】
特定の実施形態では、共刺激リガンドは、CD27、CD28、4-IBB、OX40、CD30、CD40、PD-1、1COS、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドを含むがそれらに限定されない、T細胞上に存在する共刺激分子に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性断片を含む。
【0862】
好適な共刺激リガンドとしては、可溶性形態で提供され、または修飾T細胞で発現される操作されたTCRまたはCARに結合する、APCまたはaAPC上に発現させることができる標的抗原がさらに挙げられる。
【0863】
種々の実施形態では、本明細書で企図されるT細胞を製造するための方法は、T細胞を含む細胞の集団を活性化する工程、およびT細胞の集団を拡大増殖させる工程を含む。T細胞活性化は、T細胞TCR/CD3複合体を介するかまたはCD2表面タンパク質の刺激により一次刺激シグナルを提供すること、およびアクセサリー分子、例えばCD28を介して二次共刺激シグナルを提供することにより達成することができる。
【0864】
TCR/CD3複合体は、T細胞を、好適なCD3結合剤、例えばCD3リガンドまたは抗CD3モノクローナル抗体と接触させることにより刺激することができる。CD3抗体の具体的な例としては、OKT3、G19-4、BC3、および64.1が挙げられるが、それらに限定されない。
【0865】
別の実施形態では、CD2結合剤を使用して、T細胞に対して一次刺激シグナルを提供することができる。CD2結合剤の具体的な例としては、CD2リガンドおよび抗CD2抗体、例えば、T11.1またはT11.2抗体と組み合わせたT11.3抗体(Meuer, S. C. et al. (1984) Cell 36:897-906)および9.1抗体(Yang, S. Y. et al. (1986) J. Immunol. 137:1097-1100)と組み合わせた9.6抗体(TI 1.1と同一エピトープを認識する)が挙げられるが、それらに限定されない。上記に記載の抗体のいずれかと同一エピトープに結合する他の抗体も使用することができる。追加の抗体または抗体の組合せは、本明細書の他所で開示される標準的技法により調製および特定することができる。
【0866】
TCR/CD3複合体によるかまたはCD2を介して提供される一次刺激シグナルに加えて、T細胞応答の誘導には、第2の共刺激シグナルが必要である。特定の実施形態では、CD28結合剤を使用して共刺激シグナルを提供することができる。CD28結合剤の具体的な例としては、天然CD28リガンド、例えば、CD28の天然リガンド(例えば、B7-1(CD80)およびB7-2(CD86)などのタンパク質のB7ファミリーのメンバー);ならびに抗CD28モノクローナル抗体またはCD28分子を架橋することが可能なその断片、例えばモノクローナル抗体9.3、B-T3、XR-CD28、KOLT-2、15E8、248.23.2、およびEX5.3D10が挙げられるが、それらに限定されない。
【0867】
一実施形態では、一次刺激シグナルを提供する分子、例えばTCR/CD3複合体またはCD2を介して刺激を提供する分子、および共刺激分子は、同一表面にカップリングされる。
【0868】
ある特定の実施形態では、刺激シグナルおよび共刺激シグナルを提供する結合剤は、細胞の表面上に局在化される。これは、細胞表面での発現に好適な形態の結合剤をコードする核酸を細胞にトランスフェクトまたは形質導入することにより、または代替的には、結合剤を細胞表面にカップリングすることにより達成することができる。
【0869】
別の実施形態では、一次刺激シグナルを提供する分子、例えばTCR/CD3複合体またはCD2を介して刺激を提供する分子、および共刺激分子は、抗原提示細胞上に提示される。
【0870】
一実施形態では、一次刺激シグナルを提供する分子、例えばTCR/CD3複合体またはCD2を介して刺激を提供する分子、および共刺激分子は、別々の表面に提供される。
【0871】
ある特定の実施形態では、刺激シグナルおよび共刺激シグナルを提供する結合剤の一方は可溶性であり(溶液で提供され)、他方の薬剤は1つまたはそれ以上の表面上に提供される。
【0872】
特定の実施形態では、刺激シグナルおよび共刺激シグナルを提供する結合剤は両方とも可溶性形態で提供される(溶液で提供される)。
【0873】
種々の実施形態では、本明細書で企図されるT細胞を製造するための方法は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を用いてT細胞を活性化する工程を含む。
【0874】
本明細書で企図される方法により製造されるT細胞組成物は、PI3K細胞シグナル伝達経路を阻害する1つまたはそれ以上の薬剤の存在下で活性化および/または拡大増殖されたT細胞を含む。CAR(例えば、抗BCMA CAR)を発現するように修飾されたT細胞は、T細胞を修飾する前および/または後で活性化および拡大増殖させることができる。特定の実施形態では、T細胞の集団を活性化し、CAR(例えば、抗BCMA CAR)を発現するように修飾し、次いで拡大増殖のために培養する。
【0875】
一実施形態では、本明細書で企図される方法により製造されるT細胞は、高い増殖能および自己再生能力を示すマーカーを発現するが、T細胞分化のマーカーを発現しないかまたは発現が実質的に検出不可能である増加した数のT細胞を含む。こうしたT細胞は、繰り返し活性化してロバストに拡大増殖させ、それにより向上した治療用T細胞組成物を提供することができる。
【0876】
一実施形態では、PI3K細胞シグナル伝達経路を阻害する1つまたはそれ以上の薬剤の存在下で活性化および拡大増殖させたT細胞の集団は、PI3K阻害剤を用いずに活性化および拡大増殖させたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはそれよりも拡大増殖される。
【0877】
一実施形態では、若いT細胞のマーカーを発現することにより特徴付けられ、PI3K細胞シグナル伝達経路を阻害する1つまたはそれ以上の薬剤の存在下で活性化および拡大増殖させたT細胞の集団は、PI3K阻害剤を用いずに活性化および拡大増殖させたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはそれよりも拡大増殖される。
【0878】
一実施形態では、本明細書で企図される方法により活性化されたT細胞の拡大増殖は、T細胞を含む細胞の集団を、数時間(約3時間)から約7日間~約28日間にわたって、またはその間の任意の時間単位の整数値にわたって培養する工程をさらに含む。別の実施形態では、T細胞組成物を14日間培養してもよい。特定の実施形態では、T細胞を約21日間培養する。別の実施形態では、T細胞組成物を約2~3日間培養する。T細胞の培養時間が60日間またはそれよりも長期にできるような、数サイクルの刺激/活性化/拡大増殖も望ましい可能性がある。
【0879】
特定の実施形態では、T細胞培養に適切な条件としては、適切な培地(例えば、最小必須培地またはRPMI培地1640またはX-vivo 15、(Lonza))、ならびに血清(例えば、ウシ胎児血清またはヒト血清)、インターロイキン-2(IL-2)、インスリン、IFN-a、IL-4、IL-7、IL-21、GM-CSF、IL-10、IL-12、IL-15、TGFa、およびTNF-a、または当業者に公知である細胞増殖に好適な任意の他の添加剤を含むがそれらに限定されない、増殖および生存能に必要な1つまたはそれ以上の因子が挙げられる。
【0880】
細胞培養培地のさらなる具体的な例としては、アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、およびビタミンが添加され、無血清であるかもしくは適切な量の血清(もしくは血漿)で補完されているかのいずれかであるか、または規定のセットのホルモン、ならびに/またはT細胞の増殖および拡大増殖に十分な量のサイトカインが添加された、RPMI1640、Clicks、AIM-V、DMEM、MEM、a-MEM、F-12、X-Vivo 1 5、およびX-Vivo 20、Optimizerが挙げられるが、それらに限定されない。
【0881】
T細胞拡大増殖のための他の添加剤の具体的な例としては、界面活性剤、ピアスマネート(piasmanate)、HEPESなどのpHバッファー、およびN-アセチル-システインおよび2-メルカプトエタノールなどの還元剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0882】
抗生物質、例えばペニシリンおよびストレプトマイシンは、実験培養物にのみ含まれ、対象に注入しようとする細胞の培養物には含まれていない。標的細胞は、増殖を支援するのに必要な条件下で、例えば、適切な温度(例えば、37℃)および雰囲気(例えば、空気+5%のCO2)で維持される。
【0883】
特定の実施形態では、PBMCまたは単離されたT細胞を、IL-2、IL-7、および/またはIL-15などの適切なサイトカインを有する培地中で、一般にビーズまたは他の表面に付着させた、抗CD3抗体および抗CD28抗体などの刺激剤および共刺激剤と接触させる。
【0884】
他の実施形態では、人工APC(aAPC)は、K562、U937、721.221、T2、およびC1R細胞を操作して、様々な共刺激分子およびサイトカインの安定した発現および分泌を指図することにより製作することができる。特定の実施形態では、K32またはU32 aAPCは、AAPC細胞表面に1つまたはそれ以上の抗体ベース刺激分子の提示を指図するために使用される。T細胞の集団は、CD137L(4-1BBL)、CD134L(OX40L)、および/またはCD80もしくはCD86を含むがそれらに限定されない様々な共刺激分子を発現するaAPCで拡大増殖させることができる。最終的に、aAPCは、遺伝子改変されたT細胞を拡大増殖させ、CD8 T細胞上でのCD28発現を維持するための効率的なプラットフォームを提供する。国際公開第03/057171号パンフレットおよび米国特許出願公開第2003/0147869号明細書で提供されるaAPCは、これによりそれらの全体が参照により組み込まれる。
【0885】
B.薬剤
種々の実施形態では、未分化または発生可能なT細胞を拡大増殖させる、T細胞を製造するための方法であって、T細胞を、細胞のPI3K経路をモジュレートする薬剤と接触させる工程を含む方法が提供される。種々の実施形態では、未分化または発生可能なT細胞を拡大増殖させる、T細胞を製造するための方法であって、T細胞を、細胞のPI3K/AKT/mTOR経路をモジュレートする薬剤と接触させる工程を含む方法が提供される。細胞は、活性化および拡大増殖の前、最中、および/または後で接触させてもよい。T細胞組成物は、十分なT細胞効力を保持し、分化を実質的に増加させることなく複数ラウンドの拡大増殖を起こすことができる。
【0886】
本明細書で使用される場合、「モジュレートする」、「モジュレーター」、もしくは「モジュレート剤」という用語、または同等の用語は、細胞シグナル伝達経路の変化を誘発する薬剤の能力を指す。モジュレーターは、経路成分の量、活性を増加もしくは減少させることができるか、または細胞シグナル伝達経路の所望の効果もしくは出力を増加もしくは減少させることができる。一実施形態では、モジュレーターは阻害剤である。別の実施形態では、モジュレーターは活性化因子である。
【0887】
「薬剤」は、PI3K/AKT/mTOR経路のモジュレーションに使用される化合物、小分子、例えば小型有機分子、核酸、ポリペプチド、またはそれらの断片、アイソフォーム、バリアント、アナログ、もしくは誘導体を指す。
【0888】
「小分子」は、約5kD未満、約4kD未満、約3kD未満、約2kD未満、約1kD未満、または約0.5kD未満の分子量を有する組成物を指す。小分子は、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、ペプトイド、炭水化物、脂質、それらの成分、または他の有機もしくは無機分子を含んでいてもよい。真菌抽出物、細菌抽出物、または藻類抽出物などの化学的および/または生物学的混合物のライブラリーは当技術分野で公知であり、本開示のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングすることができる。分子ライブラリーを合成するための方法は、当技術分野で公知である(例えば、Carell et al., 1994a;Carell et al., 1994b;Cho et al., 1993;DeWitt et al., 1993;Gallop et al., 1994;Zuckermann et al., 1994を参照)。
【0889】
「アナログ」は、本開示の所望の活性を有する化合物、ヌクレオチド、タンパク質もしくはポリペプチド、または化合物と類似のまたは同一の活性または機能を有するが、好ましい実施形態の配列または構造と類似するかまたは同一である配列または構造を必ずしも含む必要はない小型有機化合物、ヌクレオチド、タンパク質、またはポリペプチドを指す。
【0890】
「誘導体」は、アミノ酸残基の置換、欠失、もしくは付加の導入により変更されている親タンパク質もしくはポリペプチドのアミノ酸配列を含む化合物、タンパク質、もしくはポリペプチド、あるいはヌクレオチドの置換もしくは欠失、付加、または突然変異の導入のいずれかにより修飾されている核酸またはヌクレオチドのいずれかを指す。誘導体核酸、ヌクレオチド、タンパク質、またはポリペプチドは、親ポリペプチドと同様のまたは同一の機能を有する。
【0891】
種々の実施形態では、PI3K経路をモジュレートする薬剤は、経路の成分を活性化する。「活性化因子」または「アゴニスト」は、限定ではないが、PI3Kの1つまたはそれ以上の活性を阻害する分子を含む、PI3K/AKT/mTOR経路の分子の1つまたはそれ以上の活性を促進、増加、または誘導する薬剤を指す。
【0892】
種々の実施形態では、PI3K経路をモジュレートする薬剤は、経路の成分を阻害する。「阻害剤」または「アンタゴニスト」は、限定ではないがPI3Kを含む、PI3K経路の分子の1つまたはそれ以上の活性を阻害、減少、または低減させる薬剤を指す。一実施形態では、阻害剤は二分子阻害剤である。特定の実施形態では、阻害剤は、同一または実質的に同様の活性を有する分子のクラスを阻害することができるか(汎阻害剤)、または分子の活性を特異的に阻害することができる(選択的または特異的阻害剤)。阻害は不可逆的であってもよくまたは可逆的であってもよい。
【0893】
一実施形態では、阻害剤は、少なくとも1nM、少なくとも2nM、少なくとも5nM、少なくとも10nM、少なくとも50nM、少なくとも100nM、少なくとも200nM、少なくとも500nM、少なくとも1iM、少なくとも10iM、少なくとも50iM、または少なくとも100iMのIC50を有する。IC50決定は、当技術分野で公知の任意の従来技法を使用して達成することができる。例えば、IC50は、一連の濃度の研究対象の阻害剤の存在下で所定の酵素の活性を測定することにより決定することができる。次いで、実験的に得られた酵素活性の値を、使用した阻害剤濃度に対してプロットする。50%の酵素活性を示す阻害剤の濃度(阻害剤が一切存在しない場合の活性と比較して)を「IC50」値とする。同様に、他の阻害濃度も、活性を適切に決定することにより規定することができる。
【0894】
種々の実施形態では、T細胞は、少なくとも1nM、少なくとも2nM、少なくとも5nM、少なくとも10nM、少なくとも50nM、少なくとも100nM、少なくとも200nM、少なくとも500nM、少なくとも1iM、少なくとも10iM、少なくとも50iM、少なくとも100iM、または少なくとも1Mの濃度のPI3K経路の1つまたはそれ以上のモジュレーターと接触させるかまたはそれで治療するかまたはそれと共に培養する。
【0895】
特定の実施形態では、T細胞は、少なくとも12時間、18時間、少なくとも1、2、3、4、5、6、もしくは7日間、少なくとも2週間、少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6ケ月、またはそれよりも長期間にわたって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10ラウンド、またはそれよりも多くラウンドの拡大増殖で、PI3K経路の1つまたはそれ以上のモジュレーターと接触させるかまたはそれで治療するかまたはそれと共に培養してもよい、
【0896】
C.PI3K/Akt/mTOR経路
ホスファチジル-イノシトール-3キナーゼ/Akt/ラパマイシン経路の哺乳動物標的は、増殖因子シグナル伝達を、細胞増殖、分化、代謝、および生存と統合するためのパイプ役としての役目を果たす。PI3Kは、高度に保存された細胞内脂質キナーゼのファミリーである。クラスIA PI3Kは、増殖因子受容体チロシンキナーゼ(RTK)により、直接的にまたはアダプター分子のインスリン受容体基質ファミリーとの相互作用を介してのいずれかで活性化される。この活性により、セリン/スレオニンキナーゼAktの調節因子であるホスファチジル-イノシトール-3,4,5-トリホスフェート(PIP3)の産生がもたらされる。mTORは、異なる活性を付与する異なる結合パートナーにより各々が特徴付けられる2つの異なる複合体により基準的PI3K経路を介して作用する。mTORC1(PRAS40、raptor、およびmLST8/GbLと複合体を形成したmTOR)は、PI3K/Aktシグナル伝達の下流エフェクターとして作用し、増殖因子シグナルをタンパク質翻訳、細胞成長、増殖、および生存に結び付ける。mTORC2(rictor、mSIN1、protor、およびmLST8と複合体を形成したmTOR)は、Aktの上流活性化因子として作用する。
【0897】
増殖因子受容体媒介性PI3K活性化の際、Aktは、そのプレクストリン相同ドメインとPIP3との相互作用により膜に動員され、それによりその活性化ループが露出し、構成的に活性なホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)によるスレオニン308(Thr308)のリン酸化が可能になる。活性を最大化するため、AktのC末端疎水性モチーフのセリン473(Ser473)もmTORC2によりリン酸化される。DNA-PKおよびHSPも、Akt活性の調節に重要であることが示されている。Aktは、TSC2の阻害性リン酸化によりmTORC1を活性化し、それによりTSC1と共に、mTORC1の正の制御因子であるRheb GTPaseを阻害することにより、mTORC1を負に調節する。mTORC1は、p70S6K(以下、S6K1と呼ぶ)および4E-BP1という、両方ともタンパク質合成の調節に極めて重要である2つの詳細に明らかにされている基質を有する。したがって、mTORC1は、PI3Kの重要な下流エフェクターであり、増殖因子シグナル伝達をタンパク質翻訳および細胞増殖に結び付ける。
【0898】
D.PI3K阻害剤
本明細書で使用される場合、「PI3K阻害剤」という用語は、PI3Kに結合して、その少なくとも1つの活性を阻害する核酸、ペプチド、化合物、または小型有機分子を指す。PI3Kタンパク質は、クラス1 PI3K、クラス2 PI3K、およびクラス3 PI3Kの3つのクラスに分けることができる。クラス1 PI3Kは、4つのp110触媒サブユニット(p110α、p110β、p110δ、およびp110γ)の1つおよび2つのファミリーの調節サブユニットのうちの1つからなるヘテロ二量体として存在する。特定の実施形態では、本開示のPI3K阻害剤は、クラス1 PI3K阻害剤を標的とする。一実施形態では、PI3K阻害剤は、クラス1 PI3K阻害剤の1つまたはそれ以上のアイソフォームに対する選択性(つまり、p110α、p110β、p110δ、およびp110γ、またはp110α、p110β、p110δ、およびp110γの1つまたはそれ以上に対する選択性)を示すことになる。別の態様では、PI3K阻害剤は、アイソフォーム選択性を示さず、「汎PI3K阻害剤」とみなされることになる。一実施形態では、PI3K阻害剤は、ATPとの結合をPI3K触媒ドメインと競合することになる。
【0899】
ある特定の実施形態では、PI3K阻害剤は、例えば、PI3KならびにPI3K-AKT-mTOR経路における追加のタンパク質を標的とすることができる。特定の実施形態では、mTORおよびPI3Kを両方とも標的とするPI3K阻害剤は、mTOR阻害剤またはPI3K阻害剤のいずれとも呼ぶことができる。PI3Kのみを標的とするPI3K阻害剤は、選択的PI3K阻害剤と呼ぶことができる。一実施形態では、選択的PI3K阻害剤は、PI3Kに対して、mTORおよび/または経路内の他のタンパク質に対する阻害剤のIC50よりも、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも30分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも1000分の1、またはそれよりも低い50%の阻害濃度を呈する薬剤を指すと理解することができる。
【0900】
特定の実施形態では、例示的なPI3K阻害剤は、約200nMまたはそれよりも低いか、好ましくは約100nmまたはそれよりも低いか、さらにより好ましくは約60nMまたはそれよりも低いか、約25nM、約10nM、約5nM、約1nM、100μM、50μM、25μM、10μM、1μM、またはそれよりも低いIC50(活性の50%を阻害する濃度)でPI3Kを阻害する。一実施形態では、PI3K阻害剤は、約2nM~約100nm、より好ましくは約2nM~約50nM、さらにより好ましくは約2nM~約15nMのIC50でPI3Kを阻害する。
【0901】
本明細書で企図されるT細胞製造方法での使用に好適なPI3K阻害剤の具体的な例としては、BKM120(クラス1 PI3K阻害剤、Novartis)、XL147(クラス1 PI3K阻害剤、Exelixis)、(汎PI3K阻害剤、GlaxoSmithKline)、およびPX-866(クラス1 PI3K阻害剤;p110α、p110β、およびp110γアイソフォーム、Oncothyreon)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0902】
選択的PI3K阻害剤の他の具体的な例としては、BYL719、GSK2636771、TGX-221、AS25242、CAL-101、ZSTK474、およびIPI-145が挙げられるが、それらに限定されない。
【0903】
汎PI3K阻害剤のさらなる具体的な例としては、BEZ235、LY294002、GSK1059615、TG100713、およびGDC-0941が挙げられるが、それらに限定されない。
【0904】
E.AKT阻害剤
本明細書で使用される場合、「AKT阻害剤」という用語は、AKTの少なくとも1つの活性を阻害する核酸、ペプチド、化合物、または小型有機分子を指す。AKT阻害剤は、脂質ベース阻害剤(例えば、AKTの原形質膜への局在化を妨げる、AKTのプレクストリン相同ドメインを標的とする阻害剤)、ATP競合阻害剤、およびアロステリック阻害剤を含む幾つかのクラスにグループ分けすることができる。一実施形態では、AKT阻害剤は、AKT触媒部位に結合することにより作用する。特定の実施形態では、Akt阻害剤は、mTORなどの下流AKT標的のリン酸化を阻害することにより作用する。別の実施形態では、AKT活性は、Aktを活性化する入力シグナルを阻害することにより、例えば、AKTのDNA-PK活性化、AKTのPDK-1活性化、および/またはAktのmTORC2活性化を阻害することにより阻害される。
【0905】
AKT阻害剤は、3つのAKTアイソフォーム、AKT1、AKT2、AKT3すべてを標的とする場合もあり、またはアイソフォーム選択的であり、AKTアイソフォームの1つまたは2つのみを標的とする場合もある。一実施形態では、AKT阻害剤は、AKTだけでなく、PI3K-AKT-mTOR経路における追加のタンパク質も標的とすることができる。AKTのみを標的とするAKT阻害剤は、選択的AKT阻害剤と呼ぶことができる。一実施形態では、選択的AKT阻害剤は、AKTに対して、この経路の他のタンパク質に対する阻害剤のIC50よりも、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも30分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも1000分の1、またはそれよりも低い50%の阻害濃度を呈する薬剤を指すと理解することができる。
【0906】
特定の実施形態では、例示的なAKT阻害剤は、約200nMまたはそれよりも低いか、好ましくは約100nmまたはそれよりも低いか、さらにより好ましくは約60nMまたはそれよりも低いか、約25nM、約10nM、約5nM、約1nM、100iM、50iM、25iM、10iM、1iM、またはそれよりも低いIC50(活性の50%を阻害する濃度)でAKTを阻害する。一実施形態では、AKTは、約2nM~約100nm、より好ましくは約2nM~約50nM、さらにより好ましくは約2nM~約15nMのIC50でAKTを阻害する。
【0907】
アウリスタチンベース抗体-薬物コンジュゲートと組み合わせて使用するためのAKT阻害剤の具体的な例としては、例えば、ペリフォシン(Keryx)、MK2206(Merck)、VQD-002(VioQuest)、XL418(Exelixis)、GSK690693、GDC-0068、およびPX316(PROLX Pharmaceuticals)が挙げられる。
【0908】
選択的Akt1阻害剤の例示的で非限定的な例は、A-674563である。
【0909】
選択的Akt2阻害剤の例示的で非限定的な例は、CCT128930である。
【0910】
特定の実施形態では、Akt阻害剤は、AktのDNA-PK活性化、AktのPDK-1活性化、AktのmTORC2活性化、またはAktのHSP活性化を阻害する。
【0911】
DNA-PK阻害剤の具体的な例としては、NU7441、PI-103、NU7026、PIK-75、およびPP-121が挙げられるが、それらに限定されない。
【0912】
F.mTOR阻害剤
「mTOR阻害剤」または「mTORを阻害する薬剤」という用語は、例えば、その基質(例えば、p70S6キナーゼ1、4E-BP1、AKT/PKB、およびeEF2)の少なくとも1つに対するセリン/スレオニンプロテインキナーゼ活性など、mTORタンパク質の少なくとも1つの活性を阻害する核酸、ペプチド、化合物、または小型有機分子を指す。mTOR阻害剤は、mTORC1、mTORC2、またはmTORC1およびmTORC2の両方に直接的に結合してそれらを阻害することができる。
【0913】
mTORC1活性および/またはmTORC2活性の阻害は、PI3K/Akt/mTOR経路のシグナル伝達の低減により決定することができる。幅広く様々な測定値を使用して、そのようなシグナル伝達経路の出力の低減を明らかにすることができる。一部の非限定的な例示的な測定値としては、(1)5473およびT308を含むがそれらに限定されない残基におけるAktのリン酸化の減少;(2)例えば、Fox01/O3a T24/32、GSK3a/a;S21/9、およびTSC2 T1462を含むがそれらに限定されないAkt基質のリン酸化の低減により証明されるAktの活性化の減少;(3)リボソームS6 S240/244、70S6K T389、および4EBP1 T37/46を含むがそれらに限定されない、mTORの下流のシグナル伝達分子のリン酸化の減少;ならびに(4)がん性細胞の増殖の阻害が挙げられる。
【0914】
一実施形態では、mTOR阻害剤は活性部位阻害剤である。活性部位阻害剤は、mTORのATP結合部位(ATP結合ポケットとも呼ばれる)に結合し、mTORC1およびmTORC2の両方の触媒活性を阻害するmTOR阻害剤である。本明細書で企図されるT細胞製造方法での使用に好適な活性部位阻害剤の1つのクラスは、PI3KおよびmTORの両方を標的として直接阻害する二重特異性阻害剤である。二重特異性阻害剤は、mTORおよびPI3Kの両方のATP結合部位に結合する。そのような阻害剤の具体的な例としては、イミダゾキナゾリン、ワートマニン、LY294002、PI-103(Cayman Chemical)、SF1126(Semafore)、BGT226(Novartis)、XL765(Exelixis)、およびNVP-BEZ235(Novartis)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0915】
本明細書で企図される方法での使用に好適な別のクラスのmTOR活性部位阻害剤は、1つまたはそれ以上のI型ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ、例えばPI3キナーゼα、β、γ、またはδと比べて、mTORC1活性およびmTORC2活性を選択的に阻害する。こうした活性部位阻害剤は、mTORの活性部位には結合するが、PI3Kには結合しない。そのような阻害剤の具体的な例としては、ピラゾロピリミジン、Torin1(GuertinおよびSabatini)、PP242(2-(4-アミノ-1-イソプロピル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-1H-インドール-5-オール)、PP30、Ku-0063794、WAY-600(Wyeth)、WAY-687(Wyeth)、WAY-354(Wyeth)、およびAZD8055(Liu et al., Nature Review, 8, 627-644, 2009)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0916】
一実施形態では、選択的mTOR阻害剤は、mTORC1および/またはmTORC2に対して、1つ、2つ、3つ、もしくはそれよりも多くのI型PI3キナーゼまたはI型PI3キナーゼのすべてに対する阻害剤のIC50よりも、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも1000分の1、またはそれよりも低い50%の阻害濃度(IC50)を呈する薬剤を指す。
【0917】
本開示で使用するための別のクラスのmTOR阻害剤は、本明細書では「ラパログ」と呼ばれる。本明細書で使用される場合、「ラパログ」という用語は、mTOR FRBドメイン(FKBPラパマイシン結合ドメイン)に特異的に結合し、構造的にラパマイシンに関連し、mTOR阻害特性を保持する化合物を指す。ラパログという用語にはラパマイシンは含まれない。ラパログとしては、ラパマイシンのエステル、エーテル、オキシム、ヒドラゾン、およびヒドロキシルアミン、ならびにラパマイシンコア構造の官能基が、例えば還元または酸化により修飾されている化合物が挙げられる。そのような化合物の薬学的に許容される塩もラパマイシン誘導体であるとみなされる。本明細書で企図される方法での使用に好適なラパログの具体的な例としては、限定ではないが、テムシロリムス(CC1779)、エベロリムス(RAD001)、デフォロリムス(AP23573)、AZD8055(AstraZeneca)、およびOSI-027(OSI)が挙げられる。
【0918】
一実施形態では、薬剤は、mTOR阻害剤ラパマイシン(シロリムス)である。
【0919】
特定の実施形態では、本明細書で使用するための例示的なmTOR阻害剤は、約200nMまたはそれよりも低いか、好ましくは約100nMまたはそれよりも低いか、さらにより好ましくは約60nMまたはそれよりも低いか、約25nM、約10nM、約5nM、約1nM、100iM、50iM、25iM、10iM、1iM、またはそれよりも低いIC50(活性の50%を阻害する濃度)で、mTORC1、mTORC2、またはmTORC1およびmTORC2の両方のいずれかを阻害する。一態様では、本明細書で使用するためのmTOR阻害剤は、約2nM~約100nm、より好ましくは約2nM~約50nM、さらにより好ましくは約2nM~約15nMのIC50で、mTORC1、mTORC2、またはmTORC1およびmTORC2の両方のいずれかを阻害する。
【0920】
一実施形態では、例示的なmTOR阻害剤は、約200nMまたはそれよりも低いか、好ましくは約100nmまたはそれよりも低いか、さらにより好ましくは約60nMまたはそれよりも低いか、約25nM、約10nM、約5nM、約1nM、100iM、50iM、25iM、10iM、1iM、またはそれよりも低いIC50(活性の50%を阻害する濃度)で、PI3KおよびmTORC1もしくはmTORC2、またはmTORC1およびmTORC2の両方およびPI3Kのいずれかを阻害する。一態様では、本明細書で使用するためのmTOR阻害剤は、約2nM~約100nm、より好ましくは約2nM~約50nM、さらにより好ましくは約2nM~約15nMのIC50で、PI3KおよびmTORC1もしくはmTORC2、またはmTORC1およびmTORC2の両方およびPI3Kを阻害する。
【0921】
本明細書で企図される特定の実施形態での使用に好適なmTOR阻害剤のさらなる具体的な例としては、AZD8055、INK128、ラパマイシン、PF-04691502、およびエベロリムスが挙げられるが、それらに限定されない。
【0922】
mTORは、ウェスタンブロッティングにおいてリン特異的抗体により測定すると、生理学的基質タンパク質p70 S6リボソームプロテインキナーゼI(p70S6K1)およびeIF4E結合タンパク質1(4EBP1)に対してロバストで特異的な触媒活性を表すことが示されている。
【0923】
一実施形態では、PI3K/AKT/mTOR経路の阻害剤は、BI-D1870、H89、PF-4708671、FMK、およびAT7867からなる群から選択されるs6キナーゼ阻害剤である。
【0924】
X.組成物および製剤
本明細書で企図される組成物は、本明細書で企図される1つまたはそれ以上のポリペプチド、ポリヌクレオチド、それらを含むベクター、遺伝子改変された免疫エフェクター細胞などを含んでいてもよい。組成物としては、医薬組成物が挙げられるが、それらに限定されない。「医薬組成物」は、単独で、または1つもしくはそれ以上の他の治療モダリティと組み合わせて、細胞または動物に投与するための、薬学的に許容されるかまたは生理学的に許容される溶液で製剤化された組成物を指す。必要に応じて、本開示の組成物は、例えば、サイトカイン、増殖因子、ホルモン、小分子、化学療法剤、プロドラッグ、薬物、抗体、または他の種々の薬学的に活性な薬剤などの他の薬剤とも組み合わせて投与することができる。組成物に含まれていてもよい他の成分には、追加の薬剤が、意図されている治療を送達する組成物の能力に悪影響を及ぼさない限り、事実上制限はない。
【0925】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合う化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために使用される。
【0926】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」としては、限定ではないが、ヒトまたは飼育動物での使用が許容されると米国食品医薬品局により承認されているあらゆるアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、界面活性剤、または乳化剤が挙げられる。例示的な薬学的に許容される担体としては、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター、ワックス、動物性および植物性脂肪、パラフィン、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、酸化亜鉛;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどのバッファー剤;アルギン酸;無発熱物質水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸バッファー溶液;ならびに医薬製剤に使用される任意の他の適合性物質が挙げられるが、それらに限定されない。
【0927】
特定の実施形態では、本明細書で提示される組成物は、本明細書で企図される量のCAR発現免疫エフェクター細胞を含む。本明細書で使用される場合、「量」という用語は、臨床結果を含む、有益なまたは所望の予防または治療結果を達成するための、遺伝子改変された治療用細胞、例えばT細胞の「有効な量」または「有効量」を指す。
【0928】
「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するのに有効な遺伝子改変された治療用細胞の量を指す。典型的には、しかしながら必ずというわけではないが、予防用量は疾患の前またはより初期の段階で対象に使用されるため、予防的有効量は治療有効量よりも少ない。
【0929】
遺伝子改変された治療用細胞の「治療有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する幹細胞および前駆細胞の能力などの要因に応じて様々であってもよい。また、治療有効量は、治療上有益な効果が、ウイルスまたは形質導入された治療用細胞のあらゆる毒性または有害効果を上回る量である。「治療有効量」という用語には、対象(例えば、患者)を「治療する」のに有効な量が含まれる。治療量が示されている場合、投与しようとする本開示の組成物の正確な量は、患者(対象)の年齢、体重、腫瘍サイズ、感染または転移の程度、および状態における個体差を考慮して医師により決定することができる。一般に、本明細書に記載のT細胞を含む医薬組成物は、範囲内のすべての整数値を含む、102~1010細胞/kg体重、好ましくは105~106細胞/kg体重の用量で投与することができると述べることができる。細胞の数は、組成物が意図されている最終的な使用に依存することになり、同様に組成物に含まれる細胞のタイプにも依存することになる。本明細書で提供される使用の場合、細胞は、一般に、1リットル以下の容量であり、500mLまたはそれよりも少ない容量、さらには250mLまたは100mLまたはそれよりも少ない容量であってもよい。したがって、所望の細胞の密度は、典型的には、106細胞/mlよりも大きく、一般に107細胞/mlより大きく、一般に108細胞/mlまたはそれよりも大きい。臨床的に意義のある数の免疫細胞を、累積で105、106、107、108、109、1010、1011、または1012個と等しいかまたはそれを超える細胞の複数回の注入に配分してもよい。一部の態様では、特に、すべての注入細胞が特定の標的抗原(例えば、eまたはe軽鎖)に向け直されることになるため、106個/キログラム(1患者当たり106~1011個)の範囲のより少ない数の細胞を投与してもよい。細胞組成物は、こうした範囲内の投薬量で複数回投与してもよい。細胞は、治療を受けている患者にとって同種性、同系、異種性、または自己性であってもよい。必要に応じて、治療としては、免疫応答の誘導を増強するための本明細書に記載のマイトジェン(例えば、PHA)またはリンホカイン、サイトカイン、および/またはケモカイン(例えば、IFN-a、IL-2、IL-12、TNF-アルファ、IL-18、およびTNFベータ、GM-CSF、IL-4、IL-13、Flt3-L、RANTES、MIP1aなど)の投与も挙げることができる。
【0930】
一般に、本明細書に記載の活性化および拡大増殖された細胞を含む組成物は、免疫無防備状態の個体に生じる疾患の治療および予防に使用することができる。特に、本明細書で企図されるCAR修飾T細胞を含む組成物は、腫瘍もしくはがんの治療、またはB細胞悪性腫瘍の治療に使用される。本開示のCAR修飾T細胞は、単独で、あるいは担体、希釈剤、賦形剤、および/またはIL-2もしくは他のサイトカインもしくは細胞集団などの他の成分と組み合わせた医薬組成物としてのいずれかで投与してもよい。特定の実施形態では、本明細書で企図される医薬組成物は、1つまたはそれ以上の薬学的にまたは生理学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて、ある量の遺伝子改変されたT細胞を含む。
【0931】
T細胞(例えば、CAR発現T細胞)などの免疫エフェクター細胞集団を含む本開示の医薬組成物は、中性緩衝生理食塩水、およびリン酸緩衝生理食塩水などのバッファー;グルコース、マンノース、スクロース、またはデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;ポリペプチドまたはグリシンなどのアミノ酸;抗酸化剤;EDTAまたはグルタチオンなどのキレート剤;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);ならびに保存剤を含んでもよい。ある特定の態様では、本開示の組成物は、非経口投与、例えば、血管内(静脈内または動脈内)、腹腔内、または筋肉内投与用に製剤化されている。
【0932】
液体医薬組成物は、溶液、懸濁物、または他の類似形態であるか否かに関わらず、以下の1つまたはそれ以上を含んでいてもよい:注射用水、生理食塩水、好ましくは生理学的食塩水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウムなどの滅菌希釈剤、溶媒または懸濁媒体、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒としての役目を果たすことができる合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの固定油;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などのバッファー、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度を調整するための薬剤。非経口調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数用量バイアルに封入することができる。注射可能な医薬組成物は、好ましくは無菌である。
【0933】
特定の実施形態では、本明細書で企図される組成物は、有効量の免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現免疫エフェクター細胞)を、単独でまたは1つもしくはそれ以上の治療剤と組み合わせて含む。したがって、免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現免疫エフェクター細胞)組成物は、単独で、または放射線療法、化学療法、移植、免疫療法、ホルモン療法、光力学療法などの他の公知のがん治療と組み合わせて投与することができる。組成物は、抗生物質と組み合わせて投与することもできる。そのような治療剤は、特定のがんなど、本明細書に記載の特定の疾患状態に対する標準治療として当技術分野において許容することができる。企図される例示的な治療剤としては、サイトカイン、増殖因子、ステロイド、NSAID、DMARD、抗炎症薬、化学療法剤、放射線療法剤、治療用抗体、または他の活性剤および補助剤が挙げられる。
【0934】
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現免疫エフェクター細胞)を含む組成物は、任意の数の化学療法剤、例えば抗がん剤と併せて対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、化学療法剤、例えば抗がん剤は、CAR T細胞療法、例えばBCMA CAR T細胞療法が投与された後で、CAR T細胞療法が対象にとって治療上有益ではないことを示す、本明細書の他所に記載のある特定の状態が生じた場合、対象に投与される。化学療法剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる:チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロールオメラミンレジューム(trimethylolomelamine resume)を含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン(methylamelamine);クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン(例えば、メルファラン塩酸塩)、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロスウレア(nitrosureas);アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、アウトラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、ミトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの抗代謝物質;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FUなどのピリミジンアナログ;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗アドレナリン薬;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補給剤;アセグラトン;アルドホスファミドグルコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デホファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、プリンストン、ニュージャージー州)およびドキセタキセル(doxetaxel)(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rohrer、アントニー、フランス);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金アナログ;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオミチン(difluoromethylomithine)(DMFO);Targretin(商標)(ベキサロテン)、Panretin(商標)(アリトレチノイン)などのレチノイン酸誘導体;ONTAK(商標)(デニロイキンジフチトクス);エスペラミシン;カペシタビン;および上記のもののいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体。この定義には、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、4(5)-イミダゾールを阻害するアロマターゼ、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン;ならびにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;ならびに上記のもののいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体などの、がんに対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤も含まれる。
【0935】
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるCAR発現免疫エフェクター細胞(例えば、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞(BCMA CAR T細胞)、例えば、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel、idecabtagene vicleucel)細胞)を含む組成物は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与後の維持療法としてのレナリドミドと併せて対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、または25mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、または25mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、繰返し28日サイクルの1日目~21日目に約25mgの投薬量で1日1回経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、多発性骨髄腫(MM)を治療するために、繰返し28日サイクルの1日目~21日目に約25mgの投薬量で1日1回対象に経口で投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、繰返し28日サイクルの1日目~28日目に連続して約10mgの投薬量で1日1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約2.5mgの投薬量で1日1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約5mgの投薬量で1日1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約10mgの投薬量で1日1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、約15mgの投薬量で2日に1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、繰返し28日サイクルの1日目~21日目に約25mgの投薬量で1日1回経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミドは、最大で12サイクルの繰返し28日サイクルの1日目~21日目に約20mgの投薬量で1日1回経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、レナリドミド維持療法はすべての患者に推奨される。ある特定の実施形態では、レナリドミド維持療法は、骨髄が十分に回復した際、またはide-cel注入90日後のいずれか遅い方から開始されるべきである。
【0936】
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるCAR発現免疫エフェクター細胞(例えば、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞(BCMA CAR T細胞)、例えば、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel)細胞)を含む組成物は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与後の維持療法としてのポマリドミドと併せて対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、約1mg、2mg、3mg、または4mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、約1mg、2mg、3mg、または4mgの投薬量で1日1回投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、疾患進行まで繰返し28日サイクルの1日目~21日目に経口摂取される1日当たり約4mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミドは、多発性骨髄腫(MM)を治療するために、疾患進行まで繰返し28日サイクルの1日目~21日目に経口摂取される1日当たり約4mgの投薬量で対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、ポマリドミド維持療法はすべての患者に推奨される。ある特定の実施形態では、ポマリドミド維持療法は、骨髄が十分に回復した際、またはide-cel注入90日後のいずれか遅い方から開始されるべきである。
【0937】
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるCAR発現免疫エフェクター細胞(例えば、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞(BCMA CAR T細胞)、例えば、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel)細胞)を含む組成物は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与後の維持療法としてのCC-220(イベルドミド(iberdomide))と併せて対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、約0.15mg、0.3mg、0.45mg、0.6mg、0.75mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、または1.2mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、28日サイクルの21日間にわたって毎日、例えば28日サイクルの1日目~21日目に毎日、必要に応じて28日サイクルを繰り返して、約0.15mg、0.3mg、0.45mg、0.6mg、0.75mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、または1.2mgの投薬量で経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、多発性骨髄腫(MM)を治療するために対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220維持療法はすべての患者に推奨される。ある特定の実施形態では、CC-220維持療法は、骨髄が十分に回復した際、またはide-cel注入90日後のいずれか遅い方から開始されるべきである。
【0938】
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される免疫エフェクター細胞(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、例えばBCMAに対するCARを発現する免疫細胞(BCMA CAR T細胞)、例えば、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel)細胞)を含む組成物は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与後の維持療法としてのCC-220(イベルドミド)およびデキサメタゾンと併せて対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与直後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1週間後、2週間後、3週間後、または4週間後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、CAR発現免疫エフェクター細胞を含む組成物の投与の1カ月後、2カ月後、3カ月後、4カ月後、5カ月後、6カ月後、7カ月後、8カ月後、9カ月後、10カ月後、11カ月後、または12カ月後に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、約0.15mg、0.3mg、0.45mg、0.6mg、0.75mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、または1.2mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、約20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、または60mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、約40mgの投薬量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、28日サイクルの21日間にわたって毎日、例えば28日サイクルの1日目~21日目に毎日、必要に応じて28日サイクルを繰り返して、約15mg、0.3mg、0.45mg、0.6mg、0.75mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、または1.2mgの投薬量で経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、約20~60mgの用量で投与してもよい。ある特定の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、および22日目に、必要に応じて28日サイクルを繰り返して、約20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、または60mgの投薬量で経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220は、28日サイクルの21日間にわたって毎日、例えば、28日サイクルの1日目~21日目に毎日、必要に応じて28日サイクルを繰り返して、約15mg、0.3mg、0.45mg、0.6mg、0.75mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、または1.2mgの投薬量で経口投与してもよく、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、および22日目に、必要に応じて28日サイクルを繰り返して、約20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、または60mgの投薬量で経口投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾンは、多発性骨髄腫(MM)を治療するために対象に投与してもよい。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾン維持療法はすべての患者に推奨される。ある特定の実施形態では、CC-220およびデキサメタゾン維持療法は、骨髄が十分に回復した際、またはide-cel注入90日後のいずれか遅い方から開始されるべきである。
【0939】
様々な他の治療剤を、本明細書に記載の組成物と併せて使用してもよい。一実施形態では、免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現免疫エフェクター細胞)を含む組成物は、抗炎症剤と共に投与される。抗炎症剤または抗炎症薬としては、ステロイドおよびグルココルチコイド(ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンを含む)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、抗TNF薬、シクロホスファミド、およびミコフェノレートを含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0940】
他の例示的なNSAIDは、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、VIOXX(登録商標)(ロフェコキシブ)およびCELEBREX(登録商標)(セレコキシブ)などのCox-2阻害剤、ならびにシアリレートからなる群から選択される。例示的な鎮痛剤は、アセトアミノフェン、オキシコドン、トラマドール、およびプロポキシフェン塩酸塩からなる群から選択される。例示的なグルココルチコイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、およびプレドニゾンからなる群から選択される。例示的な生物学的応答修飾剤としては、細胞表面マーカー(例えば、CD4、CD5など)、TNFアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))、およびインフリキシマブ(REMICADE(登録商標))などのサイトカイン阻害剤、ケモカイン阻害剤、および接着分子阻害剤に対して向けられた分子が挙げられる。生物学的応答修飾剤としては、モノクローナル抗体ならびに組換え形態の分子が挙げられる。例示的なDMARDとしては、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサート、ペニシラミン、レフルノミド、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、金(経口(オーラノフィン)および筋肉内)、およびミノサイクリンが挙げられる。
【0941】
本明細書で企図されるT細胞(例えば、CAR修飾T細胞)との組合せに好適な治療用抗体の具体的な例としては、バビツキシマブ、ベバシズマブ(アバスチン)、ビバツズマブ、ブリナツモマブ、コナツムマブ、ダラツムマブ、デュリゴツマブ(duligotumab)、ダセツズマブ、ダロツズマブ(dalotuzumab)、エロツズマブ(HuLuc63)、ゲムツズマブ、イブリツモマブ、インダツキシマブ(indatuximab)、イノツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、ミラツズマブ、モキセツモマブ(moxetumomab)、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オファツムマブ、リツキシマブ、シルツキシマブ、テプロツムマブ(teprotumumab)、およびウブリツキシマブ(ublituximab)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0942】
PD-1またはPD-L1および/もしくはCTLA-4に対する抗体を、本明細書で開示されるT細胞、例えばBCMA CAR T細胞、例えば、BCMA-2単鎖Fv断片を含むキメラ抗原受容体を発現するCAR T細胞、例えばイデカブタゲンビクルユーセル細胞と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、BCMA CAR T細胞は、ABECMA(登録商標)細胞(ABECMA(登録商標)免疫療法で使用される細胞)である。特定の実施形態では、PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびピディリズマブからなる群から選択される。特定の実施形態では、PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびBMS-986559からなる群から選択される。特定の実施形態では、CTLA-4抗体は、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群から選択される。
【0943】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、サイトカインと併せて投与される。「サイトカイン」とは、本明細書で使用される場合、1つの細胞集団により放出され、別の細胞に対して細胞間メディエーターとして作用するタンパク質の総称を意味する。そのようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、および伝統的なポリペプチドホルモンである。サイトカインには、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなどの成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)などの糖タンパク質ホルモン;肝臓増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤ラクトゲン;腫瘍壊死因子アルファおよびベータ;ミュラー管阻害物質;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF-ベータなどの神経成長因子;血小板増殖因子;TGF-アルファおよびTGF-ベータなどのトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子-Iおよび-II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロンアルファ、ベータ、およびガンマなどのインターフェロン;マクロファージ-CSF(M-CSF)などのコロニー刺激因子(CSF);顆粒細胞-マクロファージ-CSF(GM-CSF);ならびに顆粒細胞-CSF(G-CSF);IL-1、IL-1アルファ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12;IL-15、IL-21などのインターロイキン(IL)、TNF-アルファまたはTNF-ベータなどの腫瘍壊死因子;ならびにLIFおよびkitリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子がある。本明細書で使用される場合、サイトカインという用語には、天然供給源に由来するかまたは組換え細胞培養に由来するタンパク質、および天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価物が含まれる。
【0944】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、サイトカイン放出症候群(CRS)を治療するための療法と併せて投与される。CRSは、ある特定の生物学的治療薬、例えばキメラ抗原受容体発現T細胞またはNK細胞(CAR T細胞またはCAR NK細胞)、例えばBCMA CAR T細胞の投与後に起こり得る全身性炎症性免疫応答である。CRSは、以下のように、同様の臨床表現型およびバイオマーカーシグネチャーを有する状態であるサイトカインストームと区別することができる。CRSでは、T細胞は腫瘍抗原を認識すると活性化されるが、サイトカインストームでは、免疫系は腫瘍標的化とは無関係に活性化される。CRSでは、IL-6が重要なメディエーターであり、したがって抗IL-6または抗IL-6受容体(IL-6R)阻害剤を使用して症状を軽減することができるが、サイトカインストームでは、腫瘍壊死因子アルファ(TNFアルファ)およびインターフェロンガンマ(IFNガンマ)が重要なメディエーターであり、症状は、抗炎症療法、例えばコルチコステロイドを使用して軽減することができる。トシリズマブなどの抗IL-6受容体(IL-6R)抗体を使用して、適宜、支持療法によりCRSを管理することができる。シルツキシマブなどの抗IL-6抗体を追加的にまたは代替的に使用して、適宜、支持療法によりCRSを管理することができる。CAR T細胞またはCAR NK細胞を注入した患者がグレード1、グレード2、グレード3、またはグレード4のいずれかのCRSを示す場合、IL-6遮断薬(例えば、抗IL-6R抗体または抗IL-6抗体を使用)を使用することができるが、典型的にはより重篤なグレード(例えばグレード3またはグレード4)のために保留される。コルチコステロイドは、CRSに伴うかまたはCRSにより引き起こされる神経毒性を管理するために、またはIL-6遮断薬で治療された患者に投与することができるが、一般にCRSの第一選択治療としては使用されない。CRSを管理するための他のモダリティは、例えば、Shimabukuro-Vornhagen et al., "Cytokine Release Syndrome," J. Immunother. Cancer 6:56 (2018)に記載されている。
【0945】
表4: CRSは、Pennグレード尺度を使用して等級付けることができる。
【表4】
【0946】
表5: CRS は、CTCAE (国立がん研究所有害事象共通用語規準)v4.0によっても等級付けすることができる。
【表5】
【0947】
表6: CRSは、Lee et al. ("Current concepts in the diagnosis and management of cytokine release syndrome," Blood, 2014, 124:188-195)の方式によっても等級付けすることができる:
【表6】
【0948】
特定の実施形態では、組成物は、本明細書で開示されるPI3K阻害剤の存在下で培養され、以下のマーカー:CD3、CD4、CD8、CD28、CD45RA、CD45RO、CD62、CD127、およびHLA-DRの1つまたはそれ以上を発現し、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離することができる、本明細書で企図されるT細胞(例えば、CAR T細胞)を含む。一実施形態では、組成物は、CD62L、CCR7、CD28、CD27、CD122、CD127、CD197;およびCD38またはCD62L、CD127、CD197、およびCD38からなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上を発現し、ポジティブ選択またはネガティブ選択技法によりさらに単離される、T細胞の特定の部分集団を含む。種々の実施形態では、組成物は、以下のマーカー:CD57、CD244、CD160、PD-1、CTLA4、TIM3、およびLAG3の1つまたはそれ以上を発現しないかまたは実質的に発現しない。
【0949】
一実施形態では、CD62L、CD127、CD197、およびCD38からなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上の発現は、PI3K阻害剤を用いずに活性化および拡大増殖されたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、またはそれよりも増加する。
【0950】
一実施形態では、CD57、CD244、CD160、PD-1、CTLA4、TIM3、およびLAG3からなる群から選択されるマーカーの1つまたはそれ以上の発現は、PI3K阻害剤を用いて活性化および拡大増殖されたT細胞の集団と比較して、少なくとも1.5分の1、少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも25分の1、またはそれよりも減少する。
【0951】
XI.治療法
本明細書で企図される遺伝子改変された免疫エフェクター細胞は、腫瘍もしくはがんの治療に使用するための、または免疫調節状態および血液学的悪性腫瘍が挙げられるがそれらに限定されないB細胞関連状態の治療に使用するための養子免疫療法の向上された方法を提供する。
【0952】
A.基本実施形態
特定の実施形態では、一次免疫エフェクター細胞を遺伝子改変することにより(例えば、本明細書で企図されるCARを用いて)、一次免疫エフェクター細胞の特異性を腫瘍またはがんに向け直す。種々の実施形態では、ウイルスベクターを使用して、抗原、例えば腫瘍抗原に結合するドメイン;ヒンジドメイン;膜貫通(TM)ドメイン、TMドメインをCARの細胞内シグナル伝達ドメインに連結する短いオリゴペプチドまたはポリペプチドリンカー;および1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;および一次シグナル伝達ドメインを含むCARをコードする特定のポリヌクレオチドで免疫エフェクター細胞を遺伝子改変する。
【0953】
特定の実施形態では、一次免疫エフェクター細胞を本明細書で企図されるCARを用いて遺伝子改変することにより、一次免疫エフェクター細胞の特異性をB細胞に向け直す。種々の実施形態では、ウイルスベクターを使用して、BCMAポリペプチド、例えばヒトBCMAポリペプチドに結合するマウス抗BCMA抗原結合ドメイン;ヒンジドメイン;膜貫通(TM)ドメイン、TMドメインをCARの細胞内シグナル伝達ドメインに連結する短いオリゴペプチドまたはポリペプチドリンカー;および1つまたはそれ以上の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン;および一次シグナル伝達ドメインを含むCARをコードする特定のポリヌクレオチドで免疫エフェクター細胞を遺伝子改変する。
【0954】
一実施形態では、腫瘍細胞またはがん細胞を標的とするCARを発現するようにT細胞が遺伝子改変されるタイプの細胞療法が含まれる。別の実施形態では、CAR T細胞をIL-2およびPI3K阻害剤の存在下で培養して、CAR T細胞の治療特性および持続性を増加させる。次いで、CAR T細胞を、それを必要とするレシピエントに注入する。注入した細胞は、レシピエントにおいて疾患を引き起こす腫瘍またはがん細胞を死滅させることができる。抗体療法とは異なり、CAR T細胞はインビボで複製することができ、継続的ながん治療に結び付けることができる長期持続性がもたらされる。
【0955】
一実施形態では、BCMA発現B細胞を標的とするCARを発現するようにT細胞が遺伝子改変されるタイプの細胞療法が含まれる。別の実施形態では、抗BCMA CAR T細胞をIL-2およびPI3K阻害剤の存在下で培養して、CAR T細胞の治療特性および持続性を増加させる。次いで、CAR T細胞を、それを必要とするレシピエントに注入する。注入した細胞は、レシピエントにおいて疾患を引き起こすB細胞を死滅させることができる。抗体療法とは異なり、CAR T細胞はインビボで複製することができ、継続的ながん治療に結び付けることができる長期持続性がもたらされる。
【0956】
一実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、インビボでロバストなT細胞拡大増殖を起こすことができ、長期間存続することができる。別の実施形態では、T細胞(例えば、CAR T細胞)は、再活性化されると任意の追加の腫瘍形成または腫瘍増殖を阻害することができる特異的メモリーT細胞に進化する。
【0957】
特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞(例えば、本明細書で企図されるCARを含む免疫エフェクター細胞)を含む組成物は、腫瘍またはがんの治療に使用される。
【0958】
特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞(例えば、本明細書で企図されるCARを含む免疫エフェクター細胞)を含む組成物は、異常なB細胞活性に関連付けられる状態の治療に使用される。
【0959】
免疫エフェクター細胞(例えば、本明細書で企図されるCARを含む免疫エフェクター細胞)を使用して治療、予防、または改善することができる状態の具体的な例としては、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病(idiopathic thrombocytopenia purpura)、抗リン脂質症候群、シャーガス病、グレーブス病(Grave’s disease)、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、抗リン脂質症候群、ANCA関連血管炎、グッドパスチャー病、川崎病、および急速進行性糸球体腎炎が挙げられるが、それらに限定されない。
【0960】
修飾された免疫エフェクター細胞は、重鎖病、原発性または免疫細胞関連アミロイドーシス、および意義不明のモノクローナルガンマグロブリン血症(MGUS)などの形質細胞障害にも応用することができる。
【0961】
本明細書で使用される場合、「B細胞悪性腫瘍」は、以下で考察されているように、B細胞(免疫系細胞の一タイプ)に形成されるがんのタイプを指す。
【0962】
特定の実施形態では、本明細書で企図されるT細胞(例えば、CAR修飾T細胞)を含む組成物は、例えば多発性骨髄腫(MM)および非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞悪性腫瘍を含むがそれに限定されない血液悪性腫瘍の治療に使用される。
【0963】
多発性骨髄腫は、こうしたタイプの細胞の単一クローンの腫瘍性形質転換により特徴付けられる成熟形質細胞形態のB細胞悪性腫瘍である。こうした形質細胞は、骨髄(BM)で増殖し、隣接する骨および場合によっては血液に侵入する可能性がある。多発性骨髄腫のバリアント形態としては、顕性多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、非分泌性骨髄腫、IgD骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、孤立性骨形質細胞腫、および髄外形質細胞腫が挙げられる(例えば、Braunwald, et al. (eds), Harrison’s Principles of Internal Medicine, 15th Edition (McGraw-Hill 2001)を参照)。
【0964】
多発性骨髄腫は、以下のように病期分類することができる。
【0965】
表7: Durie-Salmon MM病期分類基準
【表7】
【0966】
表8: 国際病期分類方式MM病期分類基準
【表8】
【0967】
非ホジキンリンパ腫は、リンパ球(白血球)のがんの大きな群を包含する。非ホジキンリンパ腫は、あらゆる年齢で生じる可能性があり、通常よりも大きなリンパ節、発熱、および体重減少により特徴付けられることが多い。非ホジキンリンパ腫には多数の異なるタイプが存在する。例えば、非ホジキンリンパ腫は、進行性(急速に増殖する)タイプおよび緩徐進行性(ゆっくりと増殖する)タイプに分けることができる。非ホジキンリンパ腫はB細胞およびT細胞に由来する場合もあるが、本明細書で使用される場合、「非ホジキンリンパ腫」および「B細胞非ホジキンリンパ腫」という用語は、同義的に使用される。B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)としては、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、およびマントル細胞リンパ腫が挙げられる。骨髄または幹細胞移植後に生じるリンパ腫は、通常、B細胞非ホジキンリンパ腫である。
【0968】
慢性リンパ性白血病(CLL)は、Bリンパ球またはB細胞と呼ばれる未熟白血球のゆっくりとした増加を引き起こす、緩徐進行性(ゆっくりと増殖する)がんである。がん細胞は血液および骨髄を介して広がり、リンパ節または肝臓および脾臓などの他の臓器にも影響を及ぼす可能性がある。CLLは最終的に骨髄不全を引き起こす。場合によっては、この疾患は、この疾患の後期では小リンパ球性リンパ腫と呼ばれる。
【0969】
特定の実施形態では、本明細書で企図される治療有効量の免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現免疫エフェクター細胞)またはそれを含む組成物を、単独でまたは1つもしくはそれ以上の治療剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法が提供される。ある特定の実施形態では、本開示の細胞は、腫瘍またはがんを発生するリスクがある患者の治療に使用される。したがって、ある特定の実施形態では、本明細書には、腫瘍またはがんを治療または予防するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で企図される治療有効量の免疫エフェクター細胞(例えば、CAR修飾細胞)を投与する工程を含む方法が提示される。ある特定の他の実施形態では、本開示の細胞は、異常なB細胞活性またはB細胞悪性腫瘍に関連付けられる状態を発生するリスクがある患者の治療に使用される。したがって、ある特定の他の実施形態では、本明細書には、異常なB細胞活性またはB細胞悪性腫瘍に関連付けられる状態を治療または予防するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で企図される治療有効量の免疫エフェクター細胞(例えば、CAR修飾細胞)を投与する工程を含む方法が提示される。
【0970】
本明細書で使用される場合、「個体」および「対象」という用語は、同義的に使用されることが多く、本明細書の他所で開示される遺伝子治療ベクター、細胞ベース治療薬、および方法で治療することができる、疾患、障害、または状態の症状を呈するあらゆる動物、好ましくはヒトを指す。特定の実施形態では、対象としては、本明細書の他所で開示される遺伝子治療ベクター、細胞ベース治療薬、および方法で治療することができる腫瘍またはがんの症状を呈するあらゆる動物が挙げられる。特定の実施形態では、対象としては、本明細書の他所で開示される遺伝子治療ベクター、細胞ベース治療薬、および方法で治療することができる造血系の疾患、障害、または状態、例えばB細胞悪性腫瘍の症状を呈するあらゆる動物が挙げられる。好適な対象(例えば、患者)としては、実験動物(マウス、ラット、ウサギ、またはモルモットなど)、農場動物、および飼育動物またはペット(ネコまたはイヌなど)が挙げられる。非ヒト霊長類および好ましくはヒト患者が含まれる。典型的な対象としては、腫瘍もしくはがんを有するか、腫瘍もしくはがんと診断されたか、または腫瘍もしくはがんを有するリスクがあるヒト患者が挙げられる。典型的な対象としては、B細胞悪性腫瘍を有するか、B細胞悪性腫瘍と診断されたか、またはB細胞悪性腫瘍を有するリスクがあるヒト患者も挙げられる。
【0971】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、本明細書の他所で開示される遺伝子治療ベクター、細胞ベース治療薬、および方法で治療することができる特定の疾患、障害、または状態を有すると診断されている対象を指す。
【0972】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」には、疾患または病理学的状態の症状または病理に対するあらゆる有益なまたは望ましい効果が含まれ、治療しようとする疾患または状態の1つまたはそれ以上の測定可能なマーカーの最小限の低減さえも含まれ得る。治療は、適宜、疾患または状態の症状の低減もしくは改善、または疾患もしくは状態の進行の遅延のいずれかを含むことができる。「治療」は、疾患もしくは状態またはそれに関連付けられる症状の完全な根絶または治癒を必ずしも示すものではない。
【0973】
本明細書で使用される場合、「予防する」、および「予防された」、「予防すること」などの類似の単語は、疾患または状態の発生または再発の可能性を予防、阻害、または低減するための手法を示す。また、このような単語は、疾患もしくは状態の開始もしくは再発を遅延させること、または疾患もしくは状態の症状の発生もしくは再発を遅延させることを指す。また、本明細書で使用される場合、「予防」および類似の単語には、疾患または状態の開始または再発の前に、疾患または状態の強度、効果、症状、および/または負担を低減することが含まれる。
【0974】
「増強する」または「促進する」または「増加させる」または「拡大増殖させる」とは、一般に、本明細書で企図される組成物、例えば、CARをコードする遺伝子改変されたT細胞またはベクターが、ビヒクルもしくは対照分子/組成物のいずれかにより引き起こされる応答と比較してより大きな生理学的応答(つまり、下流効果)をもたらすか、誘発するか、または引き起こす能力を指す。測定可能な生理学的応答としては、当技術分野での理解および本明細書の説明から明らかなように、とりわけ、T細胞拡大増殖、活性化、持続性の増加、および/またはがん細胞死滅能力の増加を挙げることができる。「増加した」または「増強された」量は、典型的には、「統計的に有意な」量であり、ビヒクルまたは対照組成物によりもたらされる応答の1.1、1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30倍、またはそれを上回る(例えば、500、1000倍)(すべての整数およびその間のおよび1を上回る小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)増加を含むことができる。
【0975】
「減少する」または「低下する」または「軽減する」または「低減する」または「弱める」とは、一般に、ビヒクルまたは対照分子/組成物のいずれかにより引き起こされる応答と比較して、より少ない生理学的応答(つまり、下流効果)をもたらすか、誘発するか、または引き起こす、本明細書で企図される組成物の能力を指す。「減少」または「低減された」量は、典型的には、「統計的に有意な」量であり、ビヒクル、対照組成物によりもたらされる応答(参照応答)または特定の細胞系列における応答の1.1、1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30分の1、またはそれを下回る(例えば、500、1000分の1)(すべての整数およびその間のおよび1を上回る小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)減少を含むことができる。
【0976】
「維持する」または「保存する」または「維持」または「無変化」または「実質的に変化しない」または「実質的に減少しない」とは、一般に、ビヒクル、対照分子/組成物のいずれかにより引き起こされる応答、または特定の細胞系列における反応と比較して、細胞において実質的に同様の生理学的応答(つまり、下流効果)をもたらすか、誘発するか、または引き起こす、本明細書で企図される組成物の能力を指す。同等の応答は、参照応答と著しくは異ならないかまたは測定可能なほど異ならない応答である。
【0977】
一実施形態では、治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療するための方法は、本明細書で企図される遺伝子改変された免疫エフェクター細胞を含む、有効量の、例えば治療有効量の組成物を投与する工程を含む。投与量および投与頻度は、患者の状態、ならびに患者の疾患のタイプおよび重症度のような要因により決定されることになるが、適切な投薬量は臨床試験により決定してもよい。
【0978】
一実施形態では、治療を必要とする対象におけるB細胞関連状態を治療するための方法は、本明細書で企図される遺伝子改変された免疫エフェクター細胞を含む、有効量の、例えば治療有効量の組成物を投与する工程を含む。投与量および投与頻度は、患者の状態、ならびに患者の疾患のタイプおよび重症度のような要因により決定されることになるが、適切な投薬量は臨床試験により決定してもよい。
【0979】
一実施形態では、対象に投与される組成物中のT細胞の量は、少なくとも0.1×105細胞、少なくとも0.5×105細胞、少なくとも1×105細胞、少なくとも5×105細胞、少なくとも1×106細胞、少なくとも0.5×107細胞、少なくとも1×107細胞、少なくとも0.5×108細胞、少なくとも1×108細胞、少なくとも0.5×109細胞、少なくとも1×109細胞、少なくとも2×109細胞、少なくとも3×109細胞、少なくとも4×109細胞、少なくとも5×109細胞、または少なくとも1×1010細胞である。特定の実施形態では、約1×107CAR T細胞~約1×109CAR T細胞、約2×107CAR T細胞~約0.9×109CAR T細胞、約3×107CAR T細胞~約0.8×109CAR T細胞、約4×107CAR T細胞~約0.7×109CAR T細胞、約5×107CAR T細胞~約0.6×109CAR T細胞、または約5×107CAR T細胞~約0.5×109CAR T細胞が対象に投与される。
【0980】
一実施形態では、対象に投与される組成物中のT細胞の量は、少なくとも0.1×104細胞/kg体重、少なくとも0.5×104細胞/kg体重、少なくとも1×104細胞/kg体重、少なくとも5×104細胞/kg体重、少なくとも1×105細胞/kg体重、少なくとも0.5×106細胞/kg体重、少なくとも1×106細胞/kg体重、少なくとも0.5×107細胞/kg体重、少なくとも1×107細胞/kg体重、少なくとも0.5×108細胞/kg体重、少なくとも1×108細胞/kg体重、少なくとも2×108細胞/kg体重、少なくとも3×108細胞/kg体重、少なくとも4×108細胞/kg体重、少なくとも5×108細胞/kg体重、または少なくとも1×109細胞/kg体重である。特定の実施形態では、約1×106CAR T細胞/kg体重~約1×108CAR T細胞/kg体重、約2×106CAR T細胞/kg体重~約0.9×108CAR T細胞/kg体重、約3×106CAR T細胞/kg体重~約0.8×108CAR T細胞/kg体重、約4×106CAR T細胞/kg体重~約0.7×108CAR T細胞/kg体重、約5×106CAR T細胞/kg体重~約0.6×108CAR T細胞/kg体重、または約5×106CAR T細胞/kg体重~約0.5×108CAR T細胞/kg体重が、対象に投与される。
【0981】
当業者であれば、所望の治療を達成するには、本開示の組成物の複数回の投与が必要である可能性があることを認識するであろう。例えば、組成物は、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、1年、2年、5年、10年、またはそれよりも長期間にわたって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回、またはそれよりも多くの回数で投与してもよい。
【0982】
ある特定の実施形態では、活性化された免疫エフェクター細胞を対象に投与し、次いでその後再採血し(またはアフェレーシスを実施し)、本開示に従ってそれに由来する免疫エフェクター細胞を活性化し、こうした活性化および拡大増殖された免疫エフェクター細胞を患者に再注入することが望ましい場合がある。このプロセスは、数週間ごとに複数回実施することができる。ある特定の実施形態では、10cc~400ccの採血に由来する免疫エフェクター細胞を活性化してもよい。ある特定の実施形態では、20cc、30cc、40cc、50cc、60cc、70cc、80cc、90cc、100cc、150cc、200cc、250cc、300cc、350cc、または400cc、またはそれよりも多くの採血に由来する免疫エフェクター細胞が活性化される。理論に束縛されるものではないが、この複数回の採血/複数回の再注入プロトコールの使用は、免疫エフェクター細胞のある特定の集団を選択する役目を果たすことができる。
【0983】
本明細書で企図される組成物の投与は、エアロゾル吸入、注射、摂取、注入、埋込み、または移植を含む任意の便利な方法で実施することができる。一実施形態では、組成物は非経口的に投与される。「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、本明細書で使用される場合、通常は注射による、経腸および局所投与以外の投与様式を指し、限定ではないが、血管内、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、腫瘍内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内の注射および注入が挙げられる。一実施形態では、本明細書で企図される組成物は、腫瘍、リンパ節、または感染部位への直接注射により対象に投与される。
【0984】
一実施形態では、それを必要とする対象に有効量の組成物を投与して、対象における腫瘍またはがんに対する細胞性免疫応答を増加させる。免疫応答は、感染細胞を死滅させることが可能な細胞傷害性T細胞、調節性T細胞、およびヘルパーT細胞応答により媒介される細胞性免疫応答を含むことができる。B細胞を活性化し、したがって抗体産生をもたらすことが可能なヘルパーT細胞により主として媒介される体液性免疫応答も誘導することができる。本開示の組成物により誘導される免疫応答のタイプを分析するために、様々な技法を使用することができ、それらは当技術分野;例えばCurrent Protocols in Immunology, Edited by: John E. Coligan, Ada M. Kruisbeek, David H. Margulies, Ethan M. Shevach, Warren Strober (2001) John Wiley & Sons, NY, N.Y.において十分に説明されている。
【0985】
一実施形態では、それを必要とする対象に有効量の組成物を投与して、対象におけるB細胞関連状態に対する細胞性免疫応答を増加させる。免疫応答は、感染細胞を死滅させることが可能な細胞傷害性T細胞、調節性T細胞、およびヘルパーT細胞応答により媒介される細胞性免疫応答を含むことができる。B細胞を活性化し、したがって抗体産生をもたらすことが可能なヘルパーT細胞により主として媒介される体液性免疫応答も誘導することができる。本開示の組成物により誘導される免疫応答のタイプを分析するために、様々な技法を使用することができ、それらは当技術分野;例えばCurrent Protocols in Immunology, Edited by: John E. Coligan, Ada M. Kruisbeek, David H. Margulies, Ethan M. Shevach, Warren Strober (2001) John Wiley & Sons, NY, N.Y.において十分に説明されている。
【0986】
T細胞媒介性死滅の場合、CARリガンド結合は、T細胞へのCARシグナル伝達を開始させ、種々の機序により標的細胞アポトーシスを誘導することが可能なタンパク質を産生または放出するようにT細胞を誘導する様々なT細胞シグナル伝達経路の活性化をもたらす。こうしたT細胞媒介性機序としては、T細胞から標的細胞への細胞内細胞傷害性顆粒の移入、標的細胞死滅を直接的に(または他のキラーエフェクター細胞の動員を介して間接的に)誘導することができる炎症促進性サイトカイン、および標的細胞上の同族デスレセプター(例えば、Fas)との結合後に標的細胞アポトーシスを誘導する、T細胞表面上のデスレセプターリガンド(例えば、FasL)の上方制御が挙げられる(しかしながら、それらに限定されない)。
【0987】
一実施形態では、本明細書には、腫瘍またはがんを有すると診断された対象を治療するための方法であって、腫瘍またはがんを有すると診断された対象から免疫エフェクター細胞を取り出す工程、前記免疫エフェクター細胞を、本明細書で企図されるCARをコードする核酸を含むベクターを用いて遺伝子改変し、それにより修飾免疫エフェクター細胞の集団を生成する工程、および修飾免疫エフェクター細胞の集団を同一対象に投与する工程を含む方法が提供される。特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞はT細胞を含む。
【0988】
一実施形態では、本明細書には、B細胞関連状態を有すると診断された対象を治療するための方法であって、BCMA発現B細胞関連状態を有すると診断された対象から免疫エフェクター細胞を取り出す工程、前記免疫エフェクター細胞を、本明細書で企図されるCARをコードする核酸を含むベクターを用いて遺伝子改変し、それにより修飾免疫エフェクター細胞の集団を生成する工程、および修飾免疫エフェクター細胞の集団を同一対象に投与する工程を含む方法が提供される。特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞はT細胞を含む。
【0989】
ある特定の実施形態では、本明細書には、対象において標的細胞集団に対する免疫エフェクター細胞媒介性免疫モジュレーター応答を刺激するための方法であって、CAR分子をコードする核酸構築物を発現する免疫エフェクター細胞集団を対象に投与する工程を含む方法も提供される。
【0990】
本明細書に記載の細胞組成物を投与するための方法としては、対象において本開示のCARを直接的に発現するエクスビボで遺伝子改変された免疫エフェクター細胞を再導入すること、または対象に導入されるとCARを発現する成熟免疫エフェクター細胞へと分化する免疫エフェクター細胞の遺伝子改変された前駆細胞を再導入することのいずれかをもたらすのに有効であるあらゆる方法が挙げられる。1つの方法は、本開示による核酸構築物をエクスビボで末梢血T細胞に形質導入する工程、および形質導入細胞を対象に戻す工程を含む。
【0991】
本明細書に引用されているすべての刊行物、特許出願、および発行済み特許は、個々の刊行物、特許出願、または発行済み特許があたかも参照により組み込まれることが具体的および個々に示されているかのごとく、それらの全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
【0992】
上述の発明は、理解を明確にするための例示および例によりある程度詳細に記載されているが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、それに対してある特定の変更および改変をなすことが可能であることは容易に明らかであろう。以下の例は、例示を目的として提供されているに過ぎず、限定を目的とするものではない。当業者であれば、本質的に同様の結果をもたらすように変更または改変することができる様々な非重要パラメーターを容易に認識するだろう。
【0993】
XII.例示的な実施形態
本提供の実施形態には以下のものがある。
1.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含む方法。
2.工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態1に記載の方法。
3.工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
4.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含み、工程(a)の前に、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
5.対象が、工程(a)の少なくとも約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態4に記載の方法。
6.対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、実施形態4または実施形態5に記載の方法。
7.対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態4から6のいずれか1つに記載の方法。
8.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含み、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
9.工程(a)が、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態8に記載の方法。
10.工程(a)が、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態8または実施形態9に記載の方法。
11.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(d)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含む、方法。
12.工程(a)において、対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態11に記載の方法。
13.工程(a)において、対象が、決定する工程前の約12カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態11または実施形態12に記載の方法。
14.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
15.対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、実施形態14に記載の方法。
16.対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、実施形態14または実施形態15に記載の方法。
17.治療を必要とする対象における腫瘍またはがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞PBMCから製造されたT細胞を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、SCTを最後に受けた、方法。
18.対象が、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを最後に受けた、実施形態17に記載の方法。
19.対象が、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前に、SCTを最後に受けた、実施形態17または実施形態18に記載の方法。
20.腫瘍またはがんが、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
21.がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
22.がんが、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、実施形態21に記載の方法。
23.がんが、多発性骨髄腫である、実施形態21に記載の方法。
24.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、実施形態23に記載の方法。
25.多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、実施形態23または実施形態24に記載の方法。
26.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、実施形態23から25のいずれかに記載の方法。
27.SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
28.SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、実施形態1から27のいずれか1つに記載の方法。
29.SCTが、自己幹細胞移植である、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
30.製造されたT細胞が、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
31.製造されたT細胞が、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞である、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
32.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;および
(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程
を含む方法。
33.工程(b)が、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態32に記載の方法。
34.工程(b)が、幹細胞移植(SCT)を対象に投与してから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態32または実施形態33に記載の方法。
35.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;および
(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程
を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
36.対象が、工程(a)の約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態35に記載の方法。
37.対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、実施形態35または実施形態36に記載の方法。
38.対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態35から37のいずれか1つに記載の方法。
39.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;
(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程であって、対象が、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、工程
を含み、
工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
40.工程(a)が、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態39に記載の方法。
41.工程(a)が、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態39または実施形態40に記載の方法。
42.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植SCTを投与されており、方法は、
(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程であって、対象にSCTが投与されてから少なくとも9カ月後に行われる工程;
(c)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;および
(d)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程
を含む、方法。
43.工程(a)において、対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態42に記載の方法。
44.工程(a)において、対象が、決定する工程前の約12カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態42または実施形態43に記載の方法。
45.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCから、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する工程;および
(c)BCMA CAR T細胞を対象に投与する工程
を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
46.対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、実施形態45に記載の方法。
47.対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、実施形態45または実施形態46に記載の方法。
48.治療を必要とする対象におけるB細胞成熟抗原(BCMA)を発現する細胞によって引き起こされるがんを治療する方法であって、対象は、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、患者から単離された末梢血単核細胞(PBMC)から製造された、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を対象に投与する工程を含み、前記PBMCが単離される時点で、対象は、PBMCが単離される時点の少なくとも約9カ月前に、SCTを最後に受けた、方法。
49.対象が、PBMCが単離される時点の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを最後に受けた、実施形態48に記載の方法。
50.対象が、PBMCが単離される時点の少なくとも約12カ月前にSCTを受けた、実施形態48または実施形態49に記載の方法。
51.がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、実施形態32から49のいずれか1つに記載の方法。
52.がんが、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、実施形態51に記載の方法。
53.がんが、多発性骨髄腫である、実施形態51に記載の方法。
54.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、実施形態53に記載の方法。
55.多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、実施形態53または実施形態54に記載の方法。
56.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、実施形態53から55のいずれかに記載の方法。
57.SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、実施形態32から56のいずれか1つに記載の方法。
58.SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、実施形態32から57のいずれか1つに記載の方法。
59.SCTが、自己幹細胞移植である、実施形態32から58のいずれか1つに記載の方法。
60.対象においてT細胞療法の後に血小板減少症から回復するまでの時間を低減させる方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;
(b)PBMCからT細胞を製造する工程;および
(c)製造されたT細胞を対象に投与する工程
を含み、対象は、工程(a)の少なくとも約9カ月前に、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
61.対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態60に記載の方法。
62.対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(c)PBMCからT細胞を製造する工程
を含む方法。
63.工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態62に記載の方法。
64.工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態62または実施形態63に記載の方法。
65.対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCからT細胞を製造する工程;
を含み、工程(a)の少なくとも9カ月前に、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
66.対象が、工程(a)の少なくとも約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態65に記載の方法。
67.対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、実施形態65または実施形態66に記載の方法。
68.対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前に、幹細胞移植を事前に受けたことがある、実施形態65から67のいずれか1つに記載の方法。
69.対象からT細胞を製造する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCからT細胞を製造する工程
を含み、
対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがあり;
工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
69.工程(a)が、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態68に記載の方法。
71.工程(a)が、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態69または実施形態68に記載の方法。
72.対象からT細胞を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(c)PBMCからT細胞を製造する工程
を含む、方法。
73.工程(a)において、対象が、決定する工程前の、約10カ月未満、約11カ月未満、約12カ月未満、約13カ月未満、または約14カ月未満、約15カ月未満、約16カ月未満、約17カ月未満、または約18カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態72に記載の方法。
74.工程(a)において、対象が、決定する工程前の約12カ月未満、SCTを投与されていない、実施形態72または実施形態73に記載の方法。
75.対象からT細胞を製造する方法であって、対象は、腫瘍またはがんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCからT細胞を製造する工程
を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
76.対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、実施形態75に記載の方法。
77.対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、実施形態75または実施形態76に記載の方法。
78.腫瘍またはがんが、リンパ腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胆管細胞癌、神経膠腫、結腸腺癌、脊髄形成異常、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、黒色腫、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫慢性リンパ球性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、脾性辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人性Tリンパ球白血病/リンパ腫、節外性NK/Tリンパ球リンパ腫、鼻型、腸疾患型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞型リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または多発性骨髄腫である、実施形態62から77のいずれか1つに記載の方法。
79.がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、実施形態62から77のいずれか1つに記載の方法。
80.がんが、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、実施形態79に記載の方法。
81.がんが、多発性骨髄腫である、実施形態79に記載の方法。
82.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、実施形態81に記載の方法。
83.多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、実施形態81または実施形態82に記載の方法。
84.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、実施形態81から83のいずれか1つに記載の方法。
85.SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、実施形態62から84のいずれか1つに記載の方法。
86.SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、実施形態62から85のいずれか1つに記載の方法。
87.SCTが、自己幹細胞移植である、実施形態62から86のいずれか1つに記載の方法。
88.製造されたT細胞が、腫瘍特異的T細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたT細胞受容体(TCR)T細胞、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である、実施形態62から87のいずれか1つに記載の方法。
89.製造されたT細胞が、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)である、実施形態62から88のいずれか1つに記載の方法。
90.対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を対象に投与する工程;
(b)工程(a)の少なくとも約9カ月後に、対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含む方法。
90.工程(b)が、工程(a)の、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態89に記載の方法。
92.工程(b)が、工程(a)の少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態90または実施形態91に記載の方法。
93.対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含み、
工程(a)の少なくとも9カ月前に、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、方法。
94.対象が、工程(a)の約9カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態93に記載の方法。
95.対象が、工程(a)の、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを事前に受けたことがある、実施形態93または実施形態94に記載の方法。
96.対象が、工程(a)の少なくとも約12カ月前にSCTを事前に受けたことがある、実施形態93から95のいずれか1つに記載の方法。
97.対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を事前に受けたことがある、工程
を含み、
工程(a)は、対象がSCTを受けてから少なくとも約9カ月後に行われる、方法。
98.工程(a)が、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態97に記載の方法。
99.工程(a)が、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態97または実施形態98に記載の方法。
100.対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象が、決定する工程前の約9カ月未満、SCTを投与されていないことを決定する工程;
(b)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(c)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含む方法。
101.工程(a)が、対象がSCTを受けてから、少なくとも約10カ月後、少なくとも約11カ月後、少なくとも約12カ月後、少なくとも約13カ月後、少なくとも約14カ月後、少なくとも約15カ月後、少なくとも約16カ月後、少なくとも約17カ月後、または少なくとも約18カ月後に行われる、実施形態100に記載の方法。
102.工程(a)が、対象がSCTを受けてから少なくとも約12カ月後に行われる、実施形態100または実施形態101に記載の方法。
103.対象から、BCMAに対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞(BCMA CAR T細胞)を製造する方法であって、対象は、がんの治療の一部として、幹細胞移植(SCT)を投与されており、方法は、
(a)対象から末梢血単核細胞(PBMC)を単離する工程;および
(b)PBMCから、BCMA CAR T細胞を製造する工程
を含み、単離の時点で、対象は、少なくとも約9カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、方法。
104.対象が、少なくとも約10カ月前、少なくとも約11カ月前、少なくとも約12カ月前、少なくとも約13カ月前、少なくとも約14カ月前、少なくとも約15カ月前、少なくとも約16カ月前、少なくとも約17カ月前、または少なくとも約18カ月前に、SCTを投与されたことが決定されている、実施形態103に記載の方法。
105.対象が、少なくとも約12カ月前にSCTを投与されたことが決定されている、実施形態103または実施形態104に記載の方法。
106.がんが、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病、または非ホジキンリンパ腫である、実施形態90から105のいずれか1つに記載の方法。
107.がんが、非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫は、バーキットリンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である、実施形態106に記載の方法。
108.がんが、多発性骨髄腫である、実施形態106に記載の方法。
109.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫である、実施形態108に記載の方法。
110.多発性骨髄腫が、再発性および/または難治性多発性骨髄腫である、実施形態108または実施形態109に記載の方法。
111.多発性骨髄腫が、ハイリスク多発性骨髄腫であり、ハイリスク多発性骨髄腫は、R-ISSのステージIIIの疾患および/または早期再発を特徴とする疾患である、実施形態108から110のいずれか1つに記載の方法。
112.SCTが、自己幹細胞移植、同種幹細胞移植、同系幹細胞移植、またはタンデム幹細胞移植である、実施形態90から111のいずれか1つに記載の方法。
113.SCTが、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、または臍帯血幹細胞移植である、実施形態90から112のいずれか1つに記載の方法。
114.SCTが、自己幹細胞移植である、実施形態90から113のいずれか1つに記載の方法。
115.PMBCからのT細胞の製造が、
(a)白血球アフェレーシス試料からPBMCを単離する工程;および
(b)単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程
を含む、実施形態32から114のいずれか1つに記載の方法。
116.製造が、
(a)白血球アフェレーシス試料からT細胞を単離する工程;および
(b)単離された細胞に、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸を導入する工程
を含む、実施形態32から114のいずれか1つに記載の方法。
117.導入が、CARをコードする組換え核酸を含むウイルスベクターでの形質導入による導入である、実施形態115または実施形態116に記載の方法。
118.ウイルスベクター粒子(partical)は、レンチウイルスベクターである、実施形態117に記載の方法。
119.導入の前に、製造が、T細胞を活性化することが可能な薬剤で、T細胞の組成物を刺激することをさらに含む、実施形態115から118のいずれか1つに記載の方法。
120.薬剤が、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を含む、実施形態119に記載の方法。
121.製造が、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする組換え核酸が導入された細胞を拡大増殖させることをさらに含む、実施形態115から120のいずれか1つに記載の方法。
122.CARが、抗BCMA CARである、実施形態121に記載の方法。
123.BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、BCMAを標的化する抗体または抗体断片を含む、実施形態32から61または88から122のいずれか1つに記載の方法。
124.BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、単鎖Fv抗体または抗体断片(scFv)を含む、実施形態32から59または90から123のいずれか1つに記載の方法。
125.キメラ抗原受容体(CAR)が、BCMAに結合する細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達領域を含む、実施形態32から59または88から124のいずれか1つに記載の方法。
126.細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
127.共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそれらのシグナル伝達部分を含む、実施形態126に記載の方法。
128.共刺激シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の膜貫通ドメインと、細胞質内シグナル伝達ドメインとの間である、実施形態126または実施形態127に記載の方法。
129.膜貫通ドメインが、CD28またはCD8からの膜貫通ドメインであるかまたはそれを含み、ヒトCD28またはCD8からの膜貫通ドメインであってもよいしまたはそれを含んでいてもよい、実施形態125から128のいずれか1つに記載の方法。
130.CARが、抗原結合ドメインと膜貫通ドメインとの間に、細胞外スペーサーをさらに含む、実施形態32から59または88から129のいずれか1つに記載の方法。
131.スペーサーが、CD8からのものであり、スペーサーが、CD8αヒンジであってもよい、実施形態130に記載の方法。
132.膜貫通ドメインおよびスペーサーが、CD8からのものである、実施形態130または実施形態131に記載の方法。
133.BCMA CAR T細胞が、BCMAに対するCARを含み、BCMAに対するCARは、配列番号38を含む、実施形態32から59または90から132のいずれか1つに記載の方法。
134.BCMA CAR T細胞が、イデカブタゲンビクルユーセル細胞である、実施形態32から59または89から133のいずれか1つに記載の方法。
135.BCMA CAR T細胞が、シルタカブタゲンオートルユーセル細胞である、実施形態32から59または90から132のいずれか1つに記載の方法。
136.対象にT細胞を投与する前に、対象はアフェレーシス手順を受けて、T細胞の製造のためのPBMCが収集される、実施形態1から31、60から89、および115から132のいずれか1つに記載の方法。
137.アフェレーシス手順が、白血球アフェレーシス手順である、実施形態136に記載の方法。
138.対象にBCMA CAR T細胞を投与する前に、対象はアフェレーシス手順を受けて、BCMA CAR T細胞の製造のためのPBMCが収集される、実施形態32から59または90から135のいずれか1つに記載の方法。
139.アフェレーシス手順が、白血球アフェレーシス手順である、実施形態138に記載の方法。
140.T細胞が、静脈内注入によって投与される、実施形態1から31、60から89、および115から132、136、ならびに137のいずれか1つに記載の方法。
141.BCMA CAR T細胞が、静脈内注入によって投与される、実施形態32から59、90から135、138、または139のいずれか1つに記載の方法。
142.対象が、ヒトである、実施形態1から141のいずれか1つに記載の方法。
【実施例】
【0994】
XIII.実施例
実施例1:例示的なBCMA CARの構築
抗BCMA scFv抗体を含むCARを、抗BMCA scFvに作動可能に連結したMNDプロモーター、CD8アルファに由来するヒンジおよび膜貫通ドメイン、ならびにCD137共刺激ドメイン、続いてCD3ゼータ鎖の細胞内シグナル伝達ドメインを含むように設計した。例えば、
図1を参照されたい。国際公開第2016/094304号パンフレットも参照されたい。この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、特に、BCMA CARおよびそれらの特徴付けの開示が組み込まれる。
図1で示されているBCMA CARは、免疫エフェクター細胞での表面発現のためにCD8アルファシグナルペプチド(SP)配列(アミノ酸残基1~21)を含む。例示的なBCMA CARのポリヌクレオチド配列は、配列番号10(抗BCMA02 CARのポリヌクレオチド配列)で示されており;BCMA CARの例示的なポリペプチド配列は、配列番号9(抗BCMA02 CARのポリペプチド配列)で示されており、成熟CARは配列番号9のアミノ酸残基22から始まり;例示的なCAR構築物のベクターマップは、
図1で示されている。BCMA CARの別の例示的なポリヌクレオチド配列は、配列番号37で示されている。表9には、
図1に示されているBCMA CAR構築物を含むBCMA CARレンチウイルスベクターの種々のヌクレオチドセグメントの同一性、GenBank参照番号(該当する場合)、供給元名称、および引用が示されている。
【0995】
【0996】
実施例2:自己治療のための患者T細胞に対する自己幹細胞移植の事前の効果、および得られるCAR T細胞治療の転帰
実施例1に記載の抗BCMA CARを発現するCAR-T細胞を、再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者から得た白血球アフェレーシス材料から単離したPBMCから製造し、次いで、製造したBCMA標的化T細胞を、臨床試験において第三次以降の(3L+)治療として自己細胞療法により患者に再投与した。患者には、以前の治療として自己幹細胞移植(ASCT)を以前に受けたことがあった患者が含まれていた。
【0997】
投与されたCAR T細胞のT細胞特質、および患者における自己幹細胞移植(ASCT)から白血球アフェレーシスの時点までの時間の遡及的分析は、ASCT後、CAR T細胞を製造するための白血球アフェレーシスを実施するまで、少なくとも9カ月、好ましくは、少なくとも12カ月待機することが有利だったことを示した。こうした結果により、ASCTの少なくとも9カ月後に実施された白血球アフェレーシスから得られたT細胞は、ASCTと白血球アフェレーシスとの間の期間が9カ月未満だった患者から得られたものよりも高品質であることが示された。簡単に説明すると、T細胞の品質向上としては、老化T細胞の減少、ナイーブT細胞の増加、およびCD4:CD8 T細胞比の上昇が挙げられる。特に、白血球アフェレーシス前の0~6カ月以内にASCTに最近曝露されたT細胞は、ASCTへの曝露の6~12カ月または12~18カ月後の患者から白血球アフェレーシスにより得られたT細胞と比較して、より高いパーセンテージの老化CD3+細胞により証明されるように、より多くのT細胞老化を呈していた(
図2)。ASCTへの最近の曝露は、ナイーブCD3+ T細胞の減少にも関連付けられた(
図2)。
【0998】
例示的な教師あり機械学習モデルであるランダムフォレストモデルを、治療患者からのデータを使用して訓練した。モデルトレーニングに使用した特徴には、CAR T細胞療法による治療前に患者が受けた治療の局面が含まれていた。こうした特徴を使用して、CAR T細胞療法による治療後の例示的な患者転帰である無進行生存期間を予測した。
【0999】
個々の特徴の蓄積局所効果(ALE)を含む、訓練されたモデルの出力は、ASCT療法による最近の治療(例えば、白血球アフェレーシス前9カ月未満のASCT)が、CAR T細胞療法による治療後の疾患進行の確率がより高いことに関連付けられたことを示した(
図3)。最近のASCT療法治療は、グレード3またはそれよりも高い血小板減少症から回復するまでの時間がより長いことにも関連付けられた(
図4)。理論に束縛されることを望むものではないが、患者転帰に対するこうした効果は、上記に記載のように患者のT細胞計数および表現型に対するASCT療法の影響に関する可能性があり、こうした影響は、次いでCAR T細胞療法剤の産生に使用される出発T細胞材料の量および品質に影響を及ぼす可能性がある。上記に記載の知見と一致して、訓練されたモデルから生成されたALEプロットは、ASCT曝露後の期間(ウォッシュアウト期間)が長くなるほど、CD28(ナイーブT細胞マーカー)陽性のPBMCの数が大きくなる一方で、老化マーカーCD57陽性の細胞のパーセンテージは低減されたことも示した(
図5)。このように、ASCT曝露後の時間は、モデルトレーニングに使用した他の特徴とは無関係だったPBMC表現型に影響を及ぼした。
【1000】
まとめると、こうした結果は、以前の臨床試験に関して通常遵守される期間(6カ月)よりも長い、以前のASCT療法とCAR T細胞療法のための白血球アフェレーシスとの間のウォッシュアウト期間、例えば、少なくとも9カ月または12カ月のウォッシュアウト期間では、CAR T細胞療法後の患者転帰を向上させることができることを示唆する。
【1001】
PBMCの特質を決定するための方法は当技術分野で公知であり、T細胞分化、記憶、老化、および疲弊に関連付けられるマーカーでの多染性フローサイトメトリーによるPBMCの免疫表現型決定が挙げられるが、これらに限定されない。
【1002】
一般に、以下の特許請求の範囲において使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の範囲全体と共にすべての考え得る実施形態を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示により限定されない。本明細書で引用されているすべての参考文献は、特許であるか非特許であるかに関わらず、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【1003】
配列表
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【表10-5】
【表10-6】
【表10-7】
【表10-8】
【表10-9】
【表10-10】
【表10-11】
【表10-12】
【表10-13】
【表10-14】
【表10-15】
【表10-16】
【表10-17】
【表10-18】
【表10-19】
【表10-20】
【表10-21】
【表10-22】
【表10-23】
【表10-24】
【配列表】
【国際調査報告】