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特表2024-517434手術患者の腹臥位の位置決めのためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】手術患者の腹臥位の位置決めのためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 13/12 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
A61G13/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565217
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025759
(87)【国際公開番号】W WO2022226193
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/258,241
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399278
【氏名又は名称】キーラ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KYRA MEDICAL, INC
【住所又は居所原語表記】102 Otis St. NORTHBOROUGH, Massachusetts 01532, US
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェシー ドレイク
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー マクファーソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マッカーシー
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341MM04
4C341MN17
4C341MP03
4C341MQ03
4C341MS04
4C341MS30
(57)【要約】
手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、複数の患者支持部と、支持フレームに装着された可動キャリッジであって、可動キャリッジは、支持フレームに対して第1の方向及び第2の方向に沿って可動であり、可動キャリッジは、その上に患者支持部が装着されるマウントブロックを含む、可動キャリッジと、可動キャリッジを第1及び第2の方向に動かす作動機構とを含み、患者支持部は、一端で支持フレームに取り外し可能に取り付けられ、別の端部で可動キャリッジに取り付けられ、マウントブロックは、可動キャリッジの第1及び第2の方向のあらゆる動きと無関係に回転可能である、患者支持システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、
支持フレームと、
複数の患者支持部と、
前記支持フレームに装着された可動キャリッジであって、前記可動キャリッジは、前記支持フレームに対して第1の方向及び第2の方向に沿って可動であり、前記可動キャリッジは、その上に前記患者支持部が装着されるマウントブロックを含む、可動キャリッジと、
前記可動キャリッジを前記第1及び第2の方向に動かす作動機構とを含み、
前記患者支持部は、一端で前記支持フレームに取り外し可能に取り付けられ、別の端部で前記可動キャリッジに取り付けられ、
前記マウントブロックは、前記可動キャリッジの前記第1及び第2の方向のあらゆる動きと無関係に回転可能である、患者支持システム。
【請求項2】
前記可動キャリッジは支持ロッドを含み、前記マウントブロックは、前記患者支持部の間の距離を調整するために、前記支持ロッドに沿って可動である、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項3】
前記支持ロッドは、スプライン支持ロッドの周面の50%未満を覆うスプラインを有する、請求項2に記載の患者支持システム。
【請求項4】
前記支持ロッドは、前記作動機構に装着される、請求項2に記載の患者支持システム。
【請求項5】
前記マウントブロックは、前記支持ロッド上に回転して支持され、前記可動キャリッジは、前記マウントブロックのそれぞれに対応し、前記支持ロッド上に支持される作動マウントを更に含み、マウントブロックが前記支持ロッドに関連して回転される時に、前記作動マウントは、前記支持ロッドに関連して回転しない、請求項2に記載の患者支持システム。
【請求項6】
前記作動マウントのそれぞれは、作動ボタンアセンブリ及び作動ボタンを含み、マウントブロックが、前記作動ボタンを作動することにより、前記支持ロッドに関連して回転される時に、前記作動ボタンアセンブリ及び作動ボタンは、支持ロッドに関連し、及びフレームに関連して回転しない、請求項5に記載の患者支持システム。
【請求項7】
前記フレームは、前記フレームの全上部面積の少なくとも80%に等しい大きさのその中心部に切欠を有する、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項8】
前記患者支持部は、パッドが入った可撓性部材を含む、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項9】
前記フレームは、その横、遠位及び近位側面の中に形成されたハンドルを有する、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項10】
前記フレームは、医療ベッド又は手術台の付属レールを受け入れるような大きさにされた、その側面の中に形成されたチャネルを含む、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項11】
前記フレームは、その側面のそれぞれの中に形成された少なくとも1つのハンドルを含む、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項12】
前記フレームは、その端部のそれぞれの中に形成された少なくとも1つのハンドルを含む、請求項1に記載の患者支持システム。
【請求項13】
前記支持ロッドは、前記作動機構により駆動ネジに沿って長手方向に可動である、スプラインロッドマウントに装着される、請求項2に記載の患者支持システム。
【請求項14】
前記作動機構は、前記駆動ネジを駆動させるクランクロッドを含む、請求項13に記載の患者支持システム。
【請求項15】
前記クランクロッドは、アルミニウム及び炭素繊維を含む群から選択された、放射線透過特性を備えた材料から作成される、請求項14に記載の患者支持システム。
【請求項16】
前記クランクロッドは、クランクハンドルによって駆動されるように構成される、請求項14に記載の患者支持システム。
【請求項17】
手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、前記支持フレームに取り外し可能に取り付けられた複数の患者支持部とを含み、前記支持フレームは、手術台上の手術レールの周りを通る、可撓性の防水ストラップによって前記手術台に取り外し可能に取り付けることができ、前記ストラップは、一端で前記支持フレームに接続され、その他端で前記支持フレームに取り外し可能に取り付けられる、患者支持システム。
【請求項18】
前記防水バンド又はストラップは、その中に形成された穴を有する、請求項17に記載の特許支持システム。
【請求項19】
前記穴を囲む前記ストラップの一部は、増加した厚さを有する、請求項18に記載の患者支持システム。
【請求項20】
少なくとも2つのストラップブラケットを更に含み、それぞれは、前記ストラップが手術台のサイドレールの周りに巻き付けられ、前記ストラップブラケットの上及び中に通して巻き付けられ、スタンドオフに取り付けられることが可能であるように、前記支持フレームの上面に装着されたスタンドオフを有する、請求項18に記載の患者支持システム。
【請求項21】
前記穴は、スタンドオフに嵌合する大きさにされる、請求項18に記載の患者支持システム。
【請求項22】
手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、複数の患者支持部とを含み、前記患者支持部は、その外側断面にノッチ部を含む自在板を含み、それによって前記自在板が前記フレームを越えて幅方向に延在することができる、患者支持システム。
【請求項23】
前記ノッチ部は、前記幅方向に1インチ~4インチの寸法を有する、請求項22に記載の患者支持システム。
【請求項24】
前記フレームは、1片の単一体フレームである、請求項22に記載の患者支持システム。
【請求項25】
前記フレームは、ガラス充填ポリカーボネート、炭素繊維、ガラス充填ポリカーボネートと炭素繊維の混合物を含む群から選択された材料から形成される、請求項24に記載の患者支持システム。
【請求項26】
2つの対向側面を有する本体であって、各側面は、ストラップを係合して支持するように構成される、本体と、前記対向側面の一方の上にそれぞれが形成された2つの突起であって、各突起は、前記ストラップを前記それぞれの対向側面に固定するように、前記ストラップ内の穴と係合するように構成される、2つの突起とを含む、ストラップバックル。
【請求項27】
各対向側面は、そこから前記それぞれの突起が外方に延在する実質的な平面を含む、請求項26に記載のストラップバックル。
【請求項28】
前記突起のそれぞれは、それぞれの平面に対して傾斜する、請求項27に記載のストラップバックル。
【請求項29】
前記突起のそれぞれと前記それぞれの平面との間に形成された鋭角は、約39度~約89度の範囲内である、請求項28に記載のストラップバックル。
【請求項30】
前記本体の各対向側面上に形成された少なくとも2つのストラップホルダを更に含み、各ストラップホルダは、それを前記ストラップが通過することができる実質的に長方形の開口を提供する、請求項26に記載のストラップバックル。
【請求項31】
前記突起は、湾曲形状であり、約10mm~100mmの範囲の曲率半径を有する曲線で、前記対向側面のそれぞれの平面から遠ざかって延在する、請求項27に記載のストラップバックル。
【請求項32】
前記突起は、前記対向側面のそれぞれの平面からストラップホルダの高さより高く遠ざかって延在するように構成される、請求項27に記載のストラップバックル。
【請求項33】
ストラップホルダと反対の領域内の前記対向側面内に形成された切欠を更に含む、請求項27に記載のストラップバックル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条の下で2021年4月21日に出願された米国仮特許出願第63/258,241号明細書の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に手術中に患者の腹臥位の位置決めを支持するための手術台に取り外し可能に取り付けることができる、患者位置決めデバイスに関する。より詳細には、本開示は、種々の患者の胴幅に対して脊椎又は背部の手術中に、最適な腹臥位を提供するように構成された、手術付属品又は手術付属フレームに関する。
【背景技術】
【0003】
整形外科処置などの多くの手術処置中及び特定の脊椎手術の際に、X線透視画像は、ロッド、ネジ及びピンなどの整形外科器具の移植、又は脊髄若しくは他の神経に近い椎間板の置換/除去を導くために利用される。
【0004】
腹臥位の位置決めを必要とするこれらの処置の間に、患者の腹部又は胴を障害物なしに下方に垂らすことが必要である。例えば患者の腹部又は胴は、下にある台構造によって支持することができない。これにより、処置の間に出血が増加することがある、患者の下大静脈に掛る圧力が確実に最小になる。死亡率及び罹患率は、脊椎手術中に獲得した感染症の合併であることが公知であるので、感染から守ることも重要である。追加として、患者が支持面上に支えられた腹臥位にある時は、損傷若しくは潰瘍を生じる可能性がある剪断力又は摩擦から、患者の皮膚を守ることが重要である。
【0005】
腹臥位の位置決めは、背部の手術中に重要な考慮すべきことである。現在の技術分野におけるデバイスは、腹臥位に位置決めしている間に患者の前胴を支持し、患者の腹部を自由に垂らして支えないことが可能であるように設計されている。これらのデバイスによって提供された支持は、2つの可撓性で、患者の胴が一般的である限り、概ね平行な自在板の上に装着されたパッドを含んでもよい。市場に出ている脊椎フレームの一部の例は、Mizuho/OSIが製造販売しているWilson(商標)Radiolucent Frame、及びHillromが製造販売しているAllen(登録商標)Bow(登録商標)Frameを含む。
【0006】
そのような従来のデバイスでは、平行な自在板は、概ね直線の支持フレームの上に装着される。現在の技術分野では、支持フレームは、ほとんどの手術台の上に見出される付属サイドレールの周りに巻き付けられる、フック及びループストラップ(VELRO(登録商標)商標ストラップを含む)を使用して、手術台に取り外し可能に固定される。
【0007】
フック及びループストラップは、本質的に清掃が難しく、デブリを引き付けて保持もし、デブリは、疾病を広げる病原体を含み、手術患者を危険にすることがある。追加として、現在の技術分野では、支持構造を動かす近位手段は、それに支持構造が装着されるキャリッジに取り付けられる。こうしてそれに支持構造の近位端が装着されるキャリッジが、消耗品を置くために回転される(自在板の遠位端を垂直方向に動かす)時、作動手段は、フレームに向かって下方に回転され、使用者が作動特徴に接近することが難しくなり、使用者を挟む危険を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、添付の特許請求の範囲に列挙された1つ若しくは複数の特徴、及び又は特許の主題を単独で若しくは組み合わせて含んでもよい、以下の特徴を含む。
【0009】
本開示の少なくとも1つの実施形態の1つの目的は、清掃及び消毒がより容易であり、それによって外科処置の間及び後に患者の安全に重要である感染制御課題を改善する、腹臥位の位置決めシステムを提供することである。本開示の少なくとも1つの実施形態の追加目的は、支持構造を回転する時に起きることがある、これらのシステムから挟む危険を取り除く一方で、作動手段に容易に接近することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、複数の患者支持部と、支持フレームに装着された可動キャリッジであって、可動キャリッジは、支持フレームに対して第1の方向及び第2の方向に沿って可動であり、可動キャリッジは、その上に患者支持部が装着されるマウントブロックを含む、可動キャリッジと、可動キャリッジを第1及び第2の方向に動かす作動機構とを含み、患者支持部は、一端で支持フレームに取り外し可能に取り付けられ、別の端部で可動キャリッジに取り付けられ、マウントブロックは、可動キャリッジの第1及び第2の方向のあらゆる動きと無関係に回転可能である、患者支持システムが提供される。
【0011】
本開示の別の実施形態によれば、可動キャリッジは支持ロッドを含み、マウントブロックは、患者支持部の間の距離を調整するために支持ロッドに沿って可動である。
【0012】
本開示の別の実施形態によれば、支持ロッドは、前記スプライン支持ロッドの周面の50%未満を覆うスプラインを有する。
【0013】
本開示の別の実施形態によれば、支持ロッドは、作動機構に装着される。
【0014】
本開示の別の実施形態によれば、マウントブロックは、支持ロッド上に回転して支持され、可動キャリッジは、マウントブロックのそれぞれに対応し、支持ロッド上に支持される作動マウントを更に含み、マウントブロックが支持ロッドに関連して回転される時に、作動マウントは、支持ロッドに関連して回転しない。
【0015】
本開示の別の実施形態によれば、作動マウントのそれぞれは、作動ボタンアセンブリ及び作動ボタンを含み、マウントブロックが、作動ボタンを作動することにより、支持ロッドに関連して回転される時に、作動ボタンアセンブリ及び作動ボタンは、支持ロッドに関連して及びフレームに関連して回転しない。
【0016】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、前記フレームの全上部面積の少なくとも80%に等しい大きさのその中心部に切欠を有する。
【0017】
本開示の別の実施形態によれば、患者支持部は、パッドが入った可撓性部材を含む。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、その横、遠位及び近位側面の中に形成されたハンドルを有する。
【0019】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、医療ベッド又は手術台の付属レールを受け入れるような大きさにされた、その側面の中に形成されたチャネルを含む。
【0020】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、その側面のそれぞれの中に形成された少なくとも1つのハンドルを含む。
【0021】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、その端部のそれぞれの中に形成された少なくとも1つのハンドルを含む。
【0022】
本開示の別の実施形態によれば、支持ロッドは、作動機構により駆動ネジに沿って長手方向に可動である、スプラインロッドマウントに装着される。
【0023】
本開示の別の実施形態によれば、作動機構は、駆動ネジを駆動させるクランクロッドを含む。
【0024】
本開示の別の実施形態によれば、クランクロッドは、アルミニウム及び炭素繊維を含む群から選択された、放射線透過特性を備えた材料から作成される。
【0025】
本開示の別の実施形態によれば、クランクロッドは、クランクハンドルによって駆動されるように構成される。
【0026】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、支持フレームに取り外し可能に取り付けられた複数の患者支持部とを含み、支持フレームは、手術台上の手術レールの周りを通る、可撓性の防水ストラップによって手術台に取り外し可能に取り付けることができ、ストラップは、一端で支持フレームに接続され、その他端で支持フレームに取り外し可能に取り付けられる、患者支持システムが提供される。
【0027】
本開示の別の実施形態によれば、防水バンド又はストラップは、その中に形成された穴を有する。
【0028】
本開示の別の実施形態によれば、前記穴を囲むストラップの一部は、増加した厚さを有する。
【0029】
本開示の別の実施形態は、少なくとも2つのストラップブラケットを含み、それぞれは、ストラップが手術台のサイドレールの周りに巻き付けられ、ストラップブラケットの上及び中に通して巻き付けられ、スタンドオフに取り付けられることが可能であるように、支持フレームの上面に装着されるスタンドオフを有する。
【0030】
本開示の別の実施形態によれば、穴は、スタンドオフに嵌合する大きさにされる。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、手術中に患者を支持するための患者支持システムであって、支持フレームと、複数の患者支持部とを含み、患者支持部は、その外側断面にノッチ部を含む自在板105を含み、それによって自在板がフレームを越えて幅方向に延在することができる、患者支持システムが提供される。
【0032】
本開示の別の実施形態によれば、ノッチ部は、幅方向に1インチ~4インチの寸法を有する。
【0033】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、1片の単一体フレームである。
【0034】
本開示の別の実施形態によれば、フレームは、ガラス充填ポリカーボネート、炭素繊維、ガラス充填ポリカーボネートと炭素繊維の混合物を含む群から選択された材料から形成される。
【0035】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、2つの対向側面を有する本体であって、各側面は、ストラップを係合して支持するように構成される、本体と、対向側面の一方の上にそれぞれが形成された2つの突起であって、各突起は、ストラップをそれぞれの対向側面に固定するように、ストラップ内の穴と係合するように構成される、2つの突起とを含む、ストラップバックルが提供される。
【0036】
本開示の別の実施形態によれば、各対向側面は、そこからそれぞれの突起が外方に延在する実質的な平面を含む。
【0037】
本開示の別の実施形態によれば、突起のそれぞれは、それぞれの平面に対して傾斜する。
【0038】
本開示の別の実施形態によれば、突起のそれぞれとそれぞれの平面との間に形成された鋭角は、約39度~約89度の範囲内である。
【0039】
本開示の別の実施形態は、本体の各対向側面上に形成された少なくとも2つのストラップホルダを含み、各ストラップホルダは、それをストラップが通過することができる実質的に長方形の開口を提供する。
【0040】
本開示の別の実施形態によれば、突起は、湾曲形状であり、約10mm~100mmの範囲の曲率半径を有する曲線で、対向側面のそれぞれの平面から遠ざかって延在する。
【0041】
本開示の別の実施形態によれば、突起は、対向側面のそれぞれの平面からストラップホルダの高さより高く遠ざかって延在するように構成される。
【0042】
本開示の別の実施形態は、ストラップホルダと反対の領域内の対向側面内に形成された切欠を含む。
【0043】
本開示の利点及び本発明の利点の他の態様は、図面及び記載を追従することから明らかにすることができ、それらの全ては、例のみとして本発明の様々な態様を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】可撓性自在板を設置していない、位置決めシステムの一実施形態の斜視図を例示する。
図2】可撓性自在板を設置した、位置決めシステムの一実施形態の斜視図を例示する。
図3】可撓性自在板を設置し、可撓性自在板上にパディングを設置した、位置決めシステムの一実施形態の斜視図を例示する。
図4】可撓性自在板を設置していない、位置決めシステムの一実施形態の上平面図を例示する。
図5A】可撓性自在板を設置した、位置決めシステムの一実施形態の上面図を例示する。
図5B】可撓性自在板を設置した、位置決めシステムの一実施形態の上面図を例示する。
図6】可撓性自在板を設置していない、位置決めシステムの一実施形態の図4のA-A断面を例示する。
図7】可撓性自在板を設置していない、位置決めシステムの一実施形態の図4のB-B断面の図を示す。
図8図5の位置決めシステムの一実施形態のC-C断面の図を例示する。
図9図7の位置決めシステムの一実施形態のE-E断面の図を例示する。
図10】位置決めシステムの一実施形態の遠位端のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図11図1の位置決めシステムの一実施形態のF-F断面の斜視図を例示する。
図12】位置決めシステムの一実施形態の遠位端の一部のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図13A】可撓性自在板を設置した、位置決めシステムの一実施形態の遠位部のいくつかの態様の側面図を例示する。
図13B】異なる型の台に装着された位置決めを例示する。
図13C】異なる型の台に装着された位置決めを例示する。
図13D】異なる型の台に装着された位置決めを例示する。
図14】位置決めシステムの一実施形態の構成要素のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図15】位置決めシステムの一実施形態の構成要素のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図16】位置決めシステムの一実施形態の構成要素のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図17A】位置決めシステムの一実施形態の一実施形態の図4のT-T断面の図を例示する。
図17B】作動ボタンアセンブリ108Aの選択された構成要素の図を例示する。
図18A】位置決めシステムの一実施形態の構成要素のいくつかの態様の分解図を例示する。
図18B】スプラインロッド120及び係止バー142の詳細図を例示する。
図18C】スプラインロッド120及び係止バー142の詳細図を例示する。
図19】位置決めシステムの一実施形態の図18Aの構成要素のサブアセンブリのいくつかの態様の斜視図を例示する。
図20A】位置決めシステムの一実施形態のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図20B】位置決めシステムの一実施形態のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図20C】位置決めシステムの一実施形態のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図20D】位置決めシステムの一実施形態のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図20E】位置決めシステムの一実施形態のいくつかの態様の斜視図を例示する。
図21】位置決めシステムの一実施形態の下面の一部の部分平面図を含む。
図22】位置決めシステムの一実施形態の近位端のいくつかの態様の斜視図を提供する。
図23】位置決めシステムの一実施形態の近位端のいくつかの態様の斜視図を提供する。
図24】位置決めシステムの一実施形態の遠位端のいくつかの態様の斜視図を提供する。
図25A】ストラップバックルを示す。
図25B】ストラップバックルを示す。
図25C】ストラップバックルを示す。
図25D】ストラップバックルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示は、患者支持部及び位置決め装置、並びに関連方法のためのものである。背部又は脊椎の手術を受ける患者は、多くの場合、腹臥位にされなければならない。本開示は、患者を腹臥位に位置決めすることができ、脊柱側湾症、脊柱後湾症の椎間板除去及び/若しくは融合、又は椎間板の置換などの脊椎変形又は損傷の矯正のような、脊椎手術処置のために患者の脊椎或いは背部を調整することができる、脊椎位置決めシステムに関する。本開示は、装置の手術台に取り付けることができ、装置は、掃除がより容易である一方で、挟む危険を取り除き、特徴を使用しやすくする。
【0046】
図1及び図2は、脊椎手術用の腹臥位の位置決めシステムの一実施形態の態様を例示し、以下、位置決めシステム100と呼ばれる。位置決めシステム100は、支持フレーム100Aを含む。システムは、マウントブロック107をロッド120(図1及び図16参照)に沿って動かすことにより、支持部104の幅を図3に示されたような矢印MDによって示された中間及び横方向に調整することができる。患者支持部104の図3のMD方向の動きにより、使用者は、システム100を種々の患者の胴幅に調整することができる。システムは、図2の自在板105をLDによって示された遠位及び近位方向に動かすこともできる。図2の105の自在板の遠位端は、固定されているので、方向LDに動かされると、自在板105は、上方又は下方に撓み、患者の脊椎/背部を脊椎手術のために最適な位置に曲げることができる。
【0047】
図1図2及び図3は、概して側面102及びフレーム切欠106、遠位端101を備えたフレーム100Aを含み、図3の患者支持部104を含む、位置決めシステム100の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を例示する。図3の患者支持部104は、パディング104Aによって覆われた図2の可撓性自在板105を含んでもよい。少なくとも一部の実施形態では、支持フレーム100Aは、単一体フレームのように一片として作成することができ、単一体フレームは、ガラス充填ポリカーボネート、炭素繊維、又はガラス充填ポリカーボネートと炭素繊維若しくは他の適切な材料の混合物などの材料から形成することができる。
【0048】
図1に示されたように、位置決めシステムは、マウントブロック107(例には1対が例示されている)、遠位端101、近位端103、側面102及びフレーム切欠106を備えたフレーム100Aを更に含んでもよい。取り外し可能なクランクハンドル109は、クランクハウジング109Aの中に嵌合され、クランクロッド(図示せず)に取り付けられてもよい。位置決めシステム100は、この例示及び実施形態では、可撓性自在板が設置されないで示されている。取付ストラップ114は、システムを手術台(図示せず)のサイドレール(図示せず)に固定する。
【0049】
図2は、自在板105が設置された、位置決めシステム100の一実施形態の斜視図の別の例示である。この実施形態では、自在板105のそれぞれは、その近位端でそれぞれのマウントブロック107に堅固に取り付けられる。自在板105のそれぞれの遠位端は、フレーム100Aの遠位端101内に提供されたスロット(図2には示されていない)の中に取り外し可能に受領される。スロットは、ノッチ105Aを備えた自在板105の遠位端が、図13A及び図5Bに関して以下に記載されるように、前記スロットの中に固定して嵌合するように形成することができる。位置決めシステムは、回転可能で取り外し可能なクランク109を更に含み、クランク109は、方向Qに回転した時に、マウントブロック107を方向LDに動かすことにより、可撓性自在板105が曲がり又は撓む。F-F断面図(図1参照)のいくつかの態様は、図11に例示されている。
【0050】
図3は、設置された患者支持部104を示す、位置決めシステム100の一実施形態の斜視図を例示する。患者支持部104は、パディング104Aによって覆われた自在板(図示せず)を含む。患者支持部104は、矢印MD及びLDによって示された方向に調整することができる。
【0051】
図4は、自在板が設置されていない、位置決めシステム100の一実施形態の上平面図を例示する。フレーム100Aは、フレーム切欠106を備えた、側面102、遠位端101及び近位端103を有する。マウントブロック107(対として例示されている)は、それに取り付けられた作動マウント108を有する。図4のA-A断面の特定の態様は、図6に例示されている。図4のB-B断面の特定の態様は、図7に例示されている。
【0052】
図5Aは、切欠106を備えたフレーム100A及び設置された自在板105を有する、位置決めシステム100の一実施形態の上平面図を例示する。クランクハウジング109Aを備えた取り外し可能なクランクハンドル109も示されている。自在板105は、マウントブロック107(対で例示されている)の中に嵌合され、近位端103でフレーム100Aの遠位端101のスロット101Aの中に取り外し可能に取り付けられる。マウントブロック107は、それに取り付けられた作動マウント108を有する。図5のC-C断面の特定の態様は、図8に例示されている。図5Bに示されたように、自在板105は、その外側部に形成されたノッチ部105を含むことができる。ノッチ部105Aにより、自在板がフレーム100Aを越えて幅方向に延在することができ、それによって自在板がフレーム100Aの幅を増加させることなく、より大きい幅を収容できる。ノッチ部105Aは、幅方向に1インチ~4インチの寸法を有することができる。
【0053】
図6は、フレーム100A及び取り外し可能なクランクハンドル109を備えた、位置決めシステム100の一実施形態の図4の1つの態様の近位端の図である、A-A断面を例示する。スプライン支持ロッド120は、スプラインロッドマウント119に取り付けられ、スプラインロッドマウント119は、次いで位置決めシステム100のフレーム100Aの近位端103の上面に取り付けられる。スプラインロッド120は、スプラインロッド120をスプラインロッドマウント119に取り付ける前に、マウントブロック107(対で例示されている)及び作動ボタンアセンブリ108Aを備えた、作動マウント108内の貫通穴(図示せず)の中を通って位置決めされる。A-A断面の特定の態様は、図17Aに例示されている。
【0054】
図7は、取り外し可能なクランクハンドル109を備えた、位置決めシステム100の一実施形態の図4からB-B側面図を例示する。ハンドル118は、フレーム100Aの側面102の中に切り込まれ又は形成される。ストラップブラケット116(この図では対で例示されている)は、遠位端101及び近位端103の両方に近い、位置決めシステム100の側面102の上面に取り付けられる。ストラップブラケット116は、その上面に取り付けられたスタンドオフ115を有する。取付ストラップ114は、手術台サイドレール(図示せず)の周りに巻き付けられ、次いでストラップブラケット116の上及び中を通って巻き付けられ、次いでスタンドオフ115に取り付けられる。マウントブラケット107は、スプラインロッド(図示せず)の上に装着され、スプラインロッドは、位置決めシステム100の上面に取り付けられたスプラインロッドマウント119に取り付けられる。取り外し可能なクランクハンドル109は、位置決めシステム100の側面(図示せず)の中に取り付けられる。E-E断面の特定の態様は、図9に例示されている。少なくとも一部の実施形態では、スプラインロッドマウント119は、青銅から作成することができ、その中にスプラインロッドと一体形成された青銅ナットを含むことができる。
【0055】
図8は、フレーム100Aを備えた位置決めシステム100の一実施形態の図5のC-C切り落とし断面図を例示する。ストラップブラケット116は、側面102の上面の上に装着される。円Tは、マウントブラケット116のない側面102を示すが、マウントブラケット(円T内に示されていないが、反対側に示されている)を側面102の上面に取り付ける、マウントブラケット螺合ボルト116Aを例示する。スプラインロッド120は、螺合ネジ120Aによりスプラインロッドマウント119に取り付けられる。マウントブロック107は、作動マウント108に取り付けられる。スプラインロッド120は、マウントブロック107内の貫通穴(図示せず)及び作動マウント108内の貫通穴(図示せず)を通過する。ストラップブラケット116は、位置決めシステム100の側面102の上面に取り付ける。駆動ネジ112は、スプラインロッドマウント119の螺合穴(図示せず)の中に係合される。
【0056】
図9は、位置決めシステム100の一実施形態の図7からE-E断面の一態様を例示する。位置決めシステム100は、側面102及び近位端103を有する。取り外し可能なクランクハンドル109は、クランクハウジング109A内でクランクロッド110(図10参照)と接続する。クランクロッド110は、クランクロッドギア111を有し、クランクロッドギア111は、駆動ネジ112のネジ駆動ギア117と係合する。マウントブラケット113は、フレーム100Aの近位端103の上面に固着される。駆動ネジ112の非螺合近位端(図示せず)は、マウントブラケット113に固着される。駆動ネジ112は、スプラインロッドマウント119内の螺合穴(図示せず)を通ってねじ込まれて係合される。取り外し可能なクランクハンドル109の回転により、クランクロッド110と係合し、クランクロッド110を回転させると、クランクロッドギア111は、ネジ駆動ギア117と係合し、ネジ駆動ギア117を回転させることがわかる。次いで駆動ギア117の回転により、駆動ネジ112が回転する。駆動ネジ112は、マウントブラケット113に固着されているので、駆動ネジ112の回転は、スプラインマウント119の方向LDの線形運動に変換し、これにより、マウントブロック107及び作動マウント108が動き(図5図6図7及び図8参照)、これらは一緒に可動キャリッジを形成する。クランクロッド110は、クランクロッドの下に解剖的構造の画像の構成を抑制しないように、アルミニウムから、又は炭素繊維などの放射線透過特性を備えた他の材料から作成することができる。
【0057】
図10は、位置決めシステム100の一実施形態の近位端のいくつかの構成要素の斜視図を例示する。わかりやすくするために、フレーム100Aは示されていない。マウントブラケット116は、下部プラットフォーム125への取付ストラップ114の取付点114Aを示すために、例示の領域「L」から意図的に除外されている。下部プラットフォーム125(図17A参照)は、ボルト130により上部プラットフォーム126(図17A参照)に取り付けられ、ボルト130は貫通穴130Aを通り、貫通穴130Aは、両方のプラットフォームの中に形成され、互いに位置合わせされる。ボルト130は、上部プラットフォーム126及び下部プラットフォーム125を互いに取り付け、遠位位置決めシステム100(図示せず)の下面の底側面にも取り付ける。穴113Aを備えたマウントブラケット113は、ボルト(図示せず)により上部プラットフォーム126に取り付けられ、ボルトは、マウントブラケット113の下面(図示せず)内の整合穴(図示せず)の中に嵌合する、下部プラットフォーム125及び上部プラットフォーム126内の貫通穴(図示せず)を通る。駆動ネジ112の非螺合近位端(図示せず)は、マウントブラケット113の穴113Aの中に嵌合される。駆動ネジ112は、スプラインロッドマウント119内の螺合穴(図示せず)の中に嵌合される。駆動ネジギア117は、駆動ネジ112の遠位端に装着される。スプラインロッド120は、マウントブロック107内の貫通穴及び作動マウント108内の貫通穴の中を通る。スプラインロッド120は、次いで平頭ネジ120Aによりロッドマウント119の上に装着される。可撓性自在板105は、マウントブロック107内のスロット(図示せず)の中に嵌合される。取り外し可能なクランクハンドル109は、クランクロッド110の上に嵌合される。
【0058】
図11は、位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの構成要素の図1のF-F断面図を例示する。スタンドオフ115を備えたストラップブラケット116は、位置決めシステム100のフレーム100Aの側面102の上面に装着される。穴(図示せず)を備えた取付ストラップ114は、位置決めシステム100のフレーム100Aの遠位端101で下部プラットフォーム125の上面の上に取り付けられる。
【0059】
取付ストラップ114は、手術台のサイドレール(示されていないが空間Xによって示されている)の下に置かれ、横開口116Aを通り、ストラップブラケット116の中間側面116Bの周りに巻き付けられ、取付ストラップ116内の穴(図示せず)はスタンドオフ115の上に係合され、こうしてフレーム100Aの遠位端を手術台のサイドレール(示されていないが空間Xによって示されている)に取り外し可能に固定する。
【0060】
図12は、位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの構成要素の斜視図を示す。ストラップブラケット116は、遠位端101の近くで位置決めシステム100のフレーム100Aの側面102の上面に装着される。取付ストラップ114は、下部プラットフォーム(図示せず)の下面に固着される。取付ストラップ114は、手術台のサイドレール(示されていないが空間Xによって示されている)の下に置かれ、ストラップブラケット116の横開口116Aを通り、ストラップブラケット116の中間側面116Bの周りに巻き付けられ、取付ストラップ114内の穴(図示せず)は、スタンドオフ115の上に係合され、それによってこの遠位端をフレーム100Aに取り外し可能に取り付ける。可撓性自在板105は、フレーム100Aの遠位端101内のスロット(図示せず)の中に嵌合される。ハンドル118は、フレーム100Aの側面102の一部の裏面の中に形成される。
【0061】
図13Aは、位置決めシステム100及びフレーム100Aの一実施形態のいくつかの態様の側面図を例示する。ストラップブラケット116は、フレーム100Aの上面102に取り付けられ、フレーム100Aは、その下面の一部内に形成されたハンドル118を有する。可撓性自在板105は、遠位端101のスロット101Aの中に嵌合される。
【0062】
取付ストラップ114は、手術台のサイドレール「X-X」の下面の周りに巻き付けられ、開口116Aを通過し、ストラップブラケット116の上を通り、取付ストラップ114の穴(図示せず)は、スタンドオフ115と係合され、位置決めシステム100及びフレーム100Aは、手術台のサイドレールX-Xを介して手術台(図示せず)に取り外し可能に取り付ける。位置決めシステムは、図13B、13C及び13Dのそれぞれに示されたように、ジャクソン平面台、手術台又はジャクソンレールに装着することもできる。
【0063】
図14は、位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの構成要素の図を例示する。下部プラットフォーム126は、穴128Bを備えたUマウント128(対で例示されている)に沿って、その上面に設置されたマウントブラケット113を有する。非螺合端部112Aを備えた駆動ネジ112は、マウントブラケット113の穴113Aの中に装着される。螺合穴119Aを備えたスプラインロッドマウント119は、ネジ駆動112上のネジ山と係合される一方で、非螺合遠位端112Bは、Uマウント128内の穴128Bの中に係合される。
【0064】
図15は、位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの構成要素の図を例示する。駆動ネジ112は、非螺合近位端112A、及び駆動ネジギア(図示せず)を装着するための貫通穴112Dを備えた非螺合遠位端112Bを有する。穴119A及び螺合穴119Cを備えたスプライン・マウント・ロッド119は、ネジ駆動112上のネジ山と係合することができる。
【0065】
図16は、位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの組み立てられた構成要素の斜視図を例示する。上部プラットフォーム126は、その上面に設置されたマウントブラケット113を有する。駆動ネジ112は、スプラインロッドマウント119の螺合穴(図示せず)の中に係合される。駆動ネジ112の非螺合近位端(図示せず)は、マウントブラケット113内の穴(図示せず)の中に挿入される。Uマウント128は、プラットフォーム126の上面に装着される。駆動ネジ112の非螺合遠位端は、Uマウント128内の貫通穴(図示せず)を通る。クランクロッド110は、Uマウント128内の貫通穴を通る。
【0066】
図17Aは、フレーム100Aを備えた位置決めシステム100の一実施形態の一部の図5からK-K断面図を例示する。作動マウント108は、その中に形成された穴108Bを有する。作動ボタンアセンブリ108Aは、付勢バネ141Aを備えたロッド141を含み、ロッド141は、近位係止バー142Aを通過し、近位係止バー142Aから出て、付勢バネ141Aは、係止歯142Aを有する係止バー142に対してロッド141を付勢する。係止歯142Aは、ロッド141によって付勢された時に、図18A~18Cに示されたように、スプラインロッド120内のスプラインの中に嵌合する。作動ボタン108A1は、ロッド141の上に嵌合することができ、ロッド141は、穴108B1の中に係合され、作動ボタン108A1を作動ボタンアセンブリ108Aに固定する。作動マウント108は、図17Bに示されたように、作動ボタンアセンブリ108Aの上に嵌合することができる。作動ボタン108Aを押すと、付勢バネ141Aを圧縮し、係止バー142及び係止歯142Aをスプラインロッド120内のスプライン(図示せず)の係合から解除させ、それによって支持ロッド120を中心に作動マウント108を回転させることができる。下部ブラケット150は、取付ストラップ114を下部プレート125の下面に取り付ける。可撓性自在板105の近位端は、マウントブロック107及びマウントプレート107Aの上に嵌合され、マウントブロック107とマウントプレート107Aとの間に挟まれる。下部プレート125は、整合穴(図示せず)を通してボルト130により上部プレート126に取り付けられる。クランクロッド110は、それに取り付けられたクランクロッドギア111を有する。下部ブラケット150は、取付ストラップ114のT字形端部(図示せず)を位置決めシステム100に固定するために、螺合ボルト(図示せず)により下部プレート125に取り付けられる。図17Bは、スプラインロッド120上に装着された作動ボタンアセンブリ108Aを例示する。
【0067】
図18Aは、位置決めシステム100の一実施形態の選択された構成要素の特定の態様の斜視分解図を例示する。穴を備えた作動ボタンアセンブリ108Aは、係止バー142に対して付勢されたロッド141の上に嵌合することができ、係止バー142は、ロッド141の上に係合することができる。作動ボタンアセンブリ108Aは、スプラインロッド120の上を摺動して係合することができる。作動マウント108は、スプラインロッド120の上を摺動し、作動ボタンアセンブリ108Aの上に嵌合して取り付けることができる。穴107Dを備えたマウントブロック107は、作動マウント108に取り付けることができ、スプラインロッド120の上を摺動されてもよい。マウントプレート107Aは、近位端の可撓性自在板(図示せず)が、マウントブロック107の上部の上を摺動した後、マウントブロック107に固着することができる。マウントブラケット113は、上部プラットフォーム125の上に装着することができる。駆動ネジ112の非螺合近位端112Aは、マウントブラケット113の穴113Aの中に挿入することができる。駆動ネジ112は、マウントブラケット119の螺合穴119Aの中に係合することができる。クランクロッドギア111を取り付けたクランクロッド110が示されている。ネジ駆動ギア117は、駆動ネジ112の非螺合遠位端112Bの上に嵌合することができる。穴128Bを備えたUマウント128は、駆動ネジ112の非螺合遠位端112Bをその中に嵌合された上部プラットフォーム125に取り付けられてもよい一方で、クランクロッド110の端部は、穴128Bの中に入って通過してもよい。貫通穴130Aは、構成要素を装着し、ボルト130(例が示されている)を使用してそれをフレーム(図示せず)及び下部プレート(図示せず)に取り付けるために、上部プラットフォーム125の中に形成される。
【0068】
図19は、作動ボタンアセンブリ108Aを備えた作動マウント108、マウントプレート107A、及びほぼ可撓性自在板(図示せず)の深さの大きさにされたマウントブロック107とマウントプレート107Aとの間の遠位ギャップ107Eを備えたマウントブロック107を含む、位置決めシステム100の特定の組み立てられた構成要素のいくつかの態様を例示する。平頭ネジ107Fは、可撓性自在板(図示せず)の近位端が、マウントプレート107Aの下に置かれた後に、マウントプレート107Aをマウントブロック107に固定するために使用される。マウントプレート125を下部プレート(図示せず)に装着するための貫通穴130Aを備えた上部プレート125、穴119Aを備えたスプラインロッドマウント119、マウントブラケット113、駆動ギア117が取り付けられた駆動ネジ112、クランクロッドギア111が取り付けられたクランクロッド117、及びスプラインロッド120も示されている。可撓性自在板105が、作動ボタン108A1を押すことによって回転される時、例えば可撓性自在板105が、図22に示されたように、フレーム100Aの近位端103に向かって上方に回転される時、作動ボタンアセンブリ108A及び作動ボタン108A1は回転せず、スプラインロッド120に対して、及びフレーム100Aに対して、それらの回転位置を維持する。これにより、作動ボタン108A1が、フレーム100Aの上の位置に維持され、挟む危険が増加するスプラインロッド120の下の位置に回転しないので、可撓性自在板105が上方に回転する時に、挟む危険を最小にする働きをする。すなわち、可撓性自在板105が、図22に示されたように回転する時に、マウントブロック107のみが、スプラインロッド120に関連して回転する一方で、作動ボタンアセンブリ108Aは、スプラインロッド120に対して、及びフレーム100Aに対してその回転位置を維持する。
【0069】
図20A~20Dは、図20Dに示されたフレーム100Aの側面102の下面を備えた、遠位端(図示せず)付近の位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの態様を例示する。図20Cに示された穴114Bを備えた取付ストラップ114は、フレーム100Aの側面102の上面のストラップブラケット(図示せず)上のストラップブラケットスタンドオフ(図示せず)と係合することができる。「T」字形114Aは、図20Cに示されたように、穴114Bを備えた取付ストラップ114の一端の中に形成される。穴150Bを備えた下部ブラケット150は、図20Bに例示されており、図20Aに更に例示されている。より詳細には、図20Aは、フレーム100Aの側面102の下面内に形成された穴(図示せず)の中に係合された、螺合ボルト150Aを備えた下部ブラケット150を例示する。図20Aにおける距離X1は、図20Cにおける距離Xより約0.001インチ~約0.009インチ大きいことが可能である一方で、図20Cの距離Qは、距離X1(図20A)より約0.15インチ~約0.5インチ大きいことが可能である。取付ストラップ114の「T」字形端部114Aは、下部ブラケット150の中間側面を通って嵌合することができる一方で、取付ストラップ114の一部は、設置される前に下部ブラケット150の下に置くことができる。
【0070】
螺合ボルト150Aは、下部ブラケット150内の穴150Dの中に係合して通過し、フレーム100Aの側面102の下面の中に形成された穴(図示せず)の中に係合することができ、取付ストラップ114をフレーム100Aに固定する。
【0071】
図21は、近位端103を備えた位置決めシステム100の一実施形態の一部のいくつかの態様を例示する。ストラップブラケット150は、側面下部プレート125の底面の上に装着され、側面下部プレート125は、ボルト130Aにより上部プレート(図示せず)の下面に取り付けられる。取付ストラップ114のT字形遠位端114Aは、マウントブラケット150の遠位縁部の中に嵌合され、取付ストラップ114を下部プレート125に固定する。
【0072】
図22は、可撓性自在板105、並びに作動ボタンアセンブリ108A及び作動ボタン108A1を備えた作動マウント108を含む、フレーム100Aを備えた位置決めシステム100の一実施形態の一部のいくつかの態様を例示する。可撓性自在板105は、フレーム100Aの近位端103に向かって上方に、床にほぼ垂直に回転される一方で、作動ボタンアセンブリ108A1は、回転するのではなく、フレーム100Aに関連してその位置を維持する。これにより、作動ボタン108A1が、フレーム100Aの上の位置に維持され、上に記載されたように挟む危険が増加するスプラインロッド120の下の位置に回転しないので、可撓性自在板105が上方に回転する時に挟む危険を最小にする働きをする。換言すると、可撓性自在板105の回転により、作動ボタン108A1は回転しない。
【0073】
図23は、可撓性自在板(図示せず)が設置されていない、フレーム100Aを備えた位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの態様を例示する。フレーム100Aは、その中に形成された切欠106を有し、側面102、遠位端101及び近位端103を有する。フレーム100Aは、遠位端101を有し、その中に形成された切欠101Cは、フランジ101Bを互いから分離する。切欠101Cは、患者が遠位端に衝突するのを防ぐことにより、患者の解剖学的構造への圧力を緩和することができる。溝101Aは、可撓性自在板(図示せず)を受け入れるような大きさにされ、フレーム100Aの遠位端101の近位側面の幅に沿って形成される。溝100Aは、遠位端101の幅に及ぶ。その上面にスタンドオフ115を備えたストラップブラケット116は、フレーム100Aの側面102の上面に取り付けられる。ストラップを受領する切欠116Cは、フレーム101Aの側面102の下縁部内に形成される。ハンドル118は、フレーム100Aの側面102の下面内に形成される。ハンドル170は、フレーム100Aの近位端103の下面の中に形成される。手術台のサイドレールの溝171は、手術台のサイドレール(図示せず)の上に嵌合して手術台のサイドレールと係合するような大きさにされ、フレーム100Aの側面102の下面の中に形成され、側面102の長さに及ぶ。マウントプレート107Aは、ボルト130によりマウントブロック107に取り付けられる。作動ボタンアセンブリ108Aを備えた作動マウント108は、マウントブロック107に取り付けられる。スプラインロッド120は、スプラインロッドマウント119に装着される。マウントブロック107内の貫通穴内で係合されたスプラインロッド120、及び作動ボタンアセンブリ108Aを備えた作動マウント108は、平頭ネジ120Aによりスプラインロッドマウント119に取り付けられる。
【0074】
図24は、可撓性自在板105が設置された、フレーム100Aを備えた位置決めシステム100の一実施形態のいくつかの態様を例示する。遠位端101は、その下縁部の中心に形成されたハンドル174を有する。スタンドオフ115を備えたストラップブラケット116は、フレーム100Aの側面102の上面に取り付けられる。ストラップを受領する切欠116Cは、フレーム100Aの側面102の下縁部内に形成される。ハンドル118は、フレーム100Aの側面102の下面内に形成される。手術台のサイドレールの溝171は、フレーム100Aの遠位端101の下面の中に形成することができる。手術台のサイドレールの溝171は、手術台のサイドレール(図示せず)の上に嵌合して係合するような大きさにされ、側面102の長さに及ぶ。可撓性自在板105は、マウントプレート107Aの間に嵌合し、マウントプレート107Aは、マウントプレート107A内の穴(図示せず)にボルト130によりマウントブロック107に取り付けられる。作動ボタン108Aを備えた作動マウント108は、マウントブロック107に取り付けられる。スプラインロッド120は、平頭螺合ネジ120Aによりスプラインロッドマウント119に装着することができる。マウントブロック107、作動ボタンアセンブリ108Aを備えた作動マウント108は、スプラインロッド120の上に装着される。
【0075】
図25A~25Dは、フレーム100Aを手術台に直接取り付けるために、前述のストラップ114と共に使用することができる、ストラップバックル200を示す。上に記載されたように、ストラップは、手術台の付属取付レールの周りに巻き付け、次いでそれらの他端で取付ストラップ114上の取付点に固定することができる。図25A及び25Bに示されたように、ストラップ114は、手術台の周りに各ストラップ114を巻き付け、次いでストラップバックル200を使用して一緒にストラップを締め付けることにより、フレーム100Aをレール取付部のない標準台(すなわち平上面の台、撮像上面台、その他)に取り付けるために使用することもできる。図25Cに示されたように、ストラップバックル200は、2つの対向側面220a及び220bを有する本体220を含む。各対向側面は、ストラップ114の1つを係合して支持するために、実質的な平面を含む。ストラップ114の各端部は、図25Dに示されたように、ストラップバックル200の本体220の対向側面220a及び220b上に形成された、ストラップホルダ210の中に挿入することができる。図25B及び25Cに示されたように、各ストラップホルダ210は、それをストラップ114が通過できる、実質的に長方形の開口を提供する。図25B及び25Cは、各対向側面上に2つのストラップホルダを示すが、1つ又は3つ以上のストラップホルダを対向側面のそれぞれの上に形成することができる。図25B及び25Cに示されたように、突起230は、対向側面のそれぞれの上に形成され、各突起230は、それぞれの対向側面から延在し、ストラップ114を本体220のそれぞれの対向側面に固定するように、ストラップ内の穴114Bと係合するように構成される。突起230のそれぞれは、図25Cに示されたように、それぞれの対向側面の平面に対して鋭角に傾斜することができる。突起のそれぞれとそれぞれの平面との間に形成されたこの鋭角は、約33度~約89度の範囲内であることが可能である。別法として、突起は、約20mm~100mmの範囲内の曲率半径を有する曲線で、対向側面の平面から遠ざかって延在するように、湾曲形状であることが可能である。突起は、対向側面の平面からストラップホルダの高さより高く遠ざかって延在するように構成することができる。切欠240は、図25Cに示されたように、ストラップホルダと反対の領域内で対向側面220a及び220bに形成することができる。
【0076】
特定の例示的実施形態が、上に詳細に記載されているが、本明細書に記載されたように、及び以下の特許請求の範囲に定義されたように、本開示の範囲及び精神に収まるはずである、多くの実施形態、変形形態、及び修正形態が可能である。本明細書の本開示は、従って本明細書に開示されたいかなる特定の実施形態にも限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲の全ての範囲が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
【国際調査報告】