(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】容器を把持し、且つ動的に制御された熱接触及び熱設定によって前記容器の内容物を加熱するための可動グリッパ
(51)【国際特許分類】
H05B 3/34 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
H05B3/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023568019
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-29
(86)【国際出願番号】 US2022027594
(87)【国際公開番号】W WO2022235742
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519372065
【氏名又は名称】デュポン エレクトロニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トレメル,ジェームス・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マネリス,マシュー・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,チュン・ギョン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ストラバー,トッド・マーロン
【テーマコード(参考)】
3K034
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA06
3K034AA15
3K034AA17
3K034BA08
3K034BA13
(57)【要約】
本発明の実施形態は、フレキシブルインナースリーブを含む可動グリッパエレメントを含む装置に向けられている。機械的エネルギー源機構が前記可動グリッパエレメントに通信可能に結合され、且つ前記フレキシブルスリーブが開口部を画定する。前記機械的エネルギー源機構が前記可動グリッパエレメントに対し、前記可動アウタースリーブを動かし、前記調整可能な開口部のサイズを縮小し、且つ前記フレキシブルインナースリーブを前記調整可能な開口部内に配置された容器との初期レベルの熱接触にするように構成された把持力を伝達する。前記機械的エネルギー源機構が前記初期のレベルの熱接触を確立した後に前記把持力を調整するように構成され、把持力の前記調整が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面における熱接触点を増加させ、且つ前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面から空気を変位させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルインナースリーブを含む可動グリッパエレメントと、
前記可動グリッパエレメントに通信可能に結合される機械的エネルギー源機構を含み、
前記フレキシブルインナースリーブが調整可能な開口部を画定し、
前記機械的エネルギー源機構が前記可動グリッパエレメントに対し、前記可動アウタースリーブを動かし、前記調整可能な開口部のサイズを縮小し、且つ前記フレキシブルインナースリーブを前記調整可能な開口部内に配置された容器との初期レベルの熱接触にするように構成される把持力を伝達し、
前記機械的エネルギー源機構が前記初期レベルの熱接触を確立した後に前記把持力を調整するように構成され、
前記把持力の前記調整が
前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面における熱接触点を増加させ、且つ
前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面から空気を変位させる
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記把持力の前記調整が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面における界面パラメータに少なくとも部分的に基づく前記把持力の動的調整を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フレキシブルインナースリーブが前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面において圧縮可能な材料の層を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フレキシブルインナースリーブが熱を生成するように構成された発熱体を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記フレキシブルインナースリーブの寸法が、前記発熱体が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面に向かう経路に沿って前記熱を優先的に伝播するように選択されることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記発熱体が加熱ゾーンを含むように構成され、且つ
前記加熱ゾーンのそれぞれが前記熱のパターンを生成するために個別に起動又は停止される
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記フレキシブル発熱体が、前記発熱体に結合される熱伝導層をさらに含み、且つ前記発熱体によって生成された前記熱を前記容器に伝達するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記発熱体が電圧を受けることに応答して前記熱を生成する炭素充填ポリイミド層を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記発熱体が抵抗金属箔を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記抵抗金属箔が少なくとも1つの蛇行パターンを画定し、前記少なくとも1つの蛇行パターンが、第1の端子から対向する第2の端子まで延び、且つ前記第1の端子、前記抵抗金属箔及び前記第2の端子を流れる電流に応答して前記熱を生成するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
装置を製造する方法であって、前記方法が
フレキシブルインナースリーブを含む可動グリッパエレメントを提供することと、
機械的エネルギー源機構を提供することと、
前記機械的エネルギー源機構を前記可動グリッパエレメントに通信可能に結合することを含み、
前記フレキシブルインナースリーブが調整可能な開口部を画定し、
前記機械的エネルギー源機構が前記可動グリッパエレメントに対し、前記可動アウタースリーブを動かし、前記調整可能な開口部のサイズを縮小し、且つ前記フレキシブルインナースリーブを前記調整可能な開口部内に配置された容器との初期レベルの熱接触にするように構成された把持力を伝達するように構成され、
前記機械的エネルギー源機構が前記初期のレベルの熱接触を確立した後に前記把持力を調整するように構成され、
前記把持力の前記調整が
前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面における熱接触点を増加させ、且つ
前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面から空気を変位させる
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記把持力の前記調整が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面における界面パラメータに少なくとも部分的に基づく前記把持力の動的調整を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フレキシブルインナースリーブが前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面において圧縮可能な材料の層を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記フレキシブルインナースリーブが熱を生成するように構成された発熱体を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記フレキシブルインナースリーブの寸法が、前記発熱体が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の前記界面に向かう経路に沿って前記熱を優先的に伝播するように選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記発熱体が加熱ゾーンを含むように構成され、且つ
前記加熱ゾーンのそれぞれが前記熱のパターンを生成するために個別に起動又は停止されるように構成される
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記フレキシブル発熱体が前記発熱体に結合される熱伝導層をさらに含み、且つ前記発熱体によって生成された前記熱を前記容器に伝達するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記発熱体が、電圧を受けることに応答して前記熱を生成するように構成された炭素充填ポリイミド層を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記発熱体が抵抗金属箔を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記抵抗金属箔が少なくとも1つの蛇行パターンを画定し、前記少なくとも1つの蛇行パターンが、第1の端子から対向する第2の端子まで延び、且つ前記第1の端子、前記抵抗金属箔及び前記第2の端子を流れる電流に応答して前記熱を生成するように構成されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2022年5月5日に出願された米国出願第17/313,141号の利益を主張するものである。
本発明は、加熱システム全般に関するものである。より具体的には、本発明は、可動グリッパと容器の間の界面又はその近傍における熱接触及び熱設定を動的に制御することによって容器を把持し、且つ容器の内容物に熱を伝えるように構成された可動グリッパを有する加熱システムに関するものである。本発明のいくつかの態様では、グリッパサブアセンブリは、可動グリッパが動的に容器を把持し、且つ容器の内容物に熱を伝える間、可動グリッパを揺動するように構成される。
【背景技術】
【0002】
加熱器は、容器の内容物を加熱するために開発されたものである。例としては、マイクロ波加熱技術又は誘導加熱技術のいずれかを使用する加熱器が挙げられる。マイクロ波加熱器(一般に電子レンジと呼ばれる)は、マイクロ波周波数範囲の電磁放射の形で外部熱源に曝すことによって容器(典型的にプラスチック又は他の種類の誘電材料で製造されている)を加熱できる。電磁放射は、容器を効果的に透過し、且つ格納された液体によって吸収され、それによって液体を加熱する。電子レンジは、マイクロ波放射が遮蔽されず、且つ吸収された液体を加熱するために透過できるように、非金属製又はポリマー製の容器を必要とする。
【0003】
誘導加熱器は、典型的に、電磁石と、電磁石を介して高周波交流(AC)を通電する電子発振器を含む。交流磁界は、導電性対象物を通過し、導電性対象物内に電流を発生させる。これらの電流(「渦電流」と呼ばれる)は、導電性対象物自体の内部で発生し、且つ導電性材料の抵抗を通ってジュール熱効果を誘発する。マイクロ波加熱器と異なり、誘導加熱器は、導電性容器自体の内部で熱を発生し、それによって導電性対象物に入れられた液体を伝導によって加熱する。誘導加熱器は、金属製又は導電性の容器を必要とし、且つポリマー製又は誘電性の容器では動作しない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、フレキシブルインナースリーブを含む可動グリッパエレメントを含む装置に向けられている。機械的エネルギー源機構が前記可動グリッパエレメントに通信可能に結合され、且つ前記フレキシブルスリーブが開口部を画定する。前記機械的エネルギー源機構が、前記可動アウタースリーブを動かし、前記調整可能な開口部のサイズを縮小し、且つ前記フレキシブルインナースリーブを前記調整可能な開口部内に配置された容器との初期レベルの熱接触にするように構成された把持力を前記可動グリッパエレメントに伝達する。前記機械的エネルギー源機構が前記初期レベルの熱接触を確立した後に前記把持力を調整するように構成され、把持力の前記調整が前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面における熱接触点を増加させ、且つ前記フレキシブルインナースリーブと前記容器の間の界面から空気を変位させる。
【0005】
本発明の実施形態は、上記特徴及び機能を有する装置を形成する方法にさらに向けられている。
【0006】
さらなる特徴及び利点は、本明細書で説明される技術を通じて実現される。本発明の他の実施形態及び態様は、本明細書で詳細に説明される。理解を深めるために、説明及び図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明とみなされる主題は、明細書の結論にある特許請求の範囲において特に指摘され、且つ明確に主張されている。上記の並びに他の特徴及び利点は、添付の図面と合わせて解釈される以下の詳細な説明から明らかである。
【0008】
【
図1】本発明の非限定的な実施形態による加熱装置のブロック図を示す。
【0009】
【
図2】本発明の非限定的な実施形態による可動グリッパの斜視図を示す。
【0010】
【
図3】本発明の非限定的な実施形態による可動グリッパの斜視図を示す。
【0011】
【
図4A】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すブロック図を示す。
【0012】
【
図4B】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すブロック図を示す。
【0013】
【
図4C】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すブロック図を示す。
【0014】
【
図4D】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すブロック図を示す。
【0015】
【
図5】本発明の非限定的な実施形態に従って様々な界面-パラメータを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する方法を説明する表を示す。
【0016】
【
図6A】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すグラフ及び対応するブロック図を示す。
【0017】
【
図6B】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Aと材料Bの間の界面を介して熱を効率的に伝達し、且つ均等に分配するために、材料Bと十分な熱接触(すなわち、界面において動的に増加した熱接触点及び動的に変位した空気)をする圧縮されたフレキシブル材料Aを示すグラフ及び対応するブロック図を示す。
【0018】
【
図6C】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Bと接触する材料Aを示すグラフ及び対応するブロック図を示す。
【0019】
【
図6D】本発明の非限定的な実施形態に従って材料Aと材料Bの間の界面を介して熱を効率的に伝達し、且つ均等に分配するために、材料Bと十分な熱接触(すなわち、界面において動的に増加した熱接触点及び動的に変位した空気)をする圧縮されたフレキシブル材料Aを示すグラフ及び対応するブロック図を示す。
【0020】
【
図6E】本発明の非限定的な実施形態に従って、必要に応じて、把持/加熱設定の調整を決定して、目標界面熱抵抗レベル(すなわち、2つの材料間で動的に増加した熱接触点、及び2つの材料間の界面で動的に変位した空気)、熱伝達効率、及び/又は均一な熱分布を達成するためにコントローラ及びセンサネットワークがどのように使用され得るかの一例を示す。
【0021】
【
図7A】本発明の非限定的な実施形態に従って様々な界面-パラメータがどのように動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得るかを説明する表を示す。
【0022】
【
図7B】本発明の非限定的な実施形態に従って不規則な表面トポロジーを有する容器壁と非圧縮接触するフレキシブルインナースリーブを示すブロック図を示す。
【0023】
【
図7C】本発明の非限定的な実施形態に従って不規則な表面トポロジーを有する容器壁と圧縮接触するフレキシブルインナースリーブを示すブロック図を示す。
【0024】
【
図7D】本発明の非限定的な実施形態に従ってフレキシブルインナースリーブが適合可能な不規則な表面トポロジーを有する容器壁にどのように接触し、且つ適合するかを説明する一連のブロック図を示す。
【0025】
【
図8A】本発明の非限定的な実施形態による円筒形に圧延された
図1~
図3に示される可動グリッパに含まれるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの斜視図を示す。
【0026】
【
図8B】本発明の非限定的な実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの第1の選択可能な加熱ゾーンを示す。
【0027】
【
図8C】本発明の非限定的な実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの第2の選択可能な加熱ゾーンを示す。
【0028】
【
図8D】本発明の非限定的な実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの第3の選択可能な加熱ゾーンを示す。
【0029】
【
図9A】本発明の非限定的な実施形態によるインナースリーブヒータアセンブリの断面図を示す。
【0030】
【
図9B】本発明の非限定的な実施形態によるインナースリーブヒータアセンブリの断面図を示す。
【0031】
【
図9C】本発明の非限定的な実施形態によるインナースリーブヒータアセンブリの断面図を示す。
【0032】
【
図9D】本発明の非限定的な実施形態によるインナースリーブヒータアセンブリの断面図を示す。
【0033】
【
図10A】本発明の非限定的な実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの断面図を示す。
【0034】
【
図10B】本発明の非限定的な実施形態による蛇行パターンを画定するためにエッチングされた抵抗金属箔層を有するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの一部のトップダウン斜視図を示す。
【0035】
【
図10C】本発明の非限定的な実施形態による複数の蛇行パターンを画定するためにエッチングされた抵抗金属箔層を有するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリの一部のトップダウン図を示す。
【0036】
【
図11A】本発明の実施形態に従った方法を説明するフロー図を示す。
【0037】
【
図11B】本発明の実施形態に従った方法を説明するフロー図を示す。
【0038】
【
図11C】本発明の実施形態に従った方法を説明するフロー図を示す。
【0039】
【
図12】本発明の態様を実施するために利用され得る機械学習システムを示す。
【0040】
【
図13】
図12に示された機械学習システムによって実施され得る学習フェーズを示す。
【0041】
【
図14】本発明の様々な態様を実施することができる例示的なコンピューティングシステムの詳細を示す。
【0042】
添付の図面及び本発明の開示された実施形態の以下の詳細な説明において、図に示される様々な要素には、2桁、3桁、又は4桁の参照番号が付けられている。ほとんどの場合、各参照番号の左端の桁は、その要素が最初に示されている図に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
簡潔にするために、本発明の態様の製造及び使用に関連する従来の技術は、本明細書で詳細に説明されてもよいし、説明されなくてもよい。特に、本明細書で説明される様々な技術的特徴を実施するための材料、構造、コンピューティングシステム、及び特定のコンピュータプログラムの様々な態様は周知である。したがって、簡潔にするために、多くの従来の実施の詳細は、本明細書において簡単に言及されるだけか、又は周知のシステム及び/又はプロセスの詳細を提供することなく完全に省略される。
【0044】
ここで、本発明の態様に、より具体的に関連する技術の概要に目を向けると、マイクロ波加熱器及び誘導加熱器は、消費できる飲食品又は飲料などの材料をすばやく加熱することができる既知の加熱器である。しかし、これらの従来の技術は制限を受ける。例えば、誘導加熱器は、典型的に特定の加熱装置を必要とし、さらに、加熱する材料が特定の誘導加熱システムで動作するように特別に作られた容器内又は容器上にある必要がある。マイクロ波加熱器は、金属材料がマイクロ波エネルギーを反射し、そしてそれは材料に到達することを妨げ、且つアーク放電や損傷を引き起こす可能性があるため、金属容器内又は金属容器上に支持された材料を加熱することができない。さらに、マイクロ波加熱器は、材料の特定の場所又は「ゾーン」をターゲットにする精度も欠けている。
【0045】
ここで、本発明の態様の概要に目を向けると、本発明の実施形態は、様々なサイズ、形状、柔軟性レベル、及び表面トポロジーを有する容器を把持するように構成された可動グリッパを含むグリッパサブアセンブリを有する加熱システムを提供することによって、既知の加熱システムの上記欠点に対処する。加熱システムは、容器を介して容器の内容物に熱を効率的に伝達し、且つ均等に分配する動的に制御された方法で容器を把持し、且つ容器に熱を伝えるように構成されている。本発明のいくつかの態様では、可動グリッパと容器の間の熱接触点を増加及び/又は最大化し、且つ可動グリッパと容器の間の界面における空気を動的に変位(すなわち、エアギャップを縮小)して、可動グリッパと容器の間の界面における空気を減少及び/又は最小化する動的に制御された把持力によって容器を把持するように可動グリッパを構成することによって、効率的な熱伝達及び均一な熱分布が強化される。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、可動グリッパは、フレキシブルインナースリーブが調整可能な開口部を画定するように、フレキシブルスリーブヒータアセンブリに物理的に結合された可動アウタースリーブヒータアセンブリを含む。容器が調整可能な開口部内に配置されると、グリッパサブアセンブリは、上記把持力を可動アウタースリーブに動的に加えることができ、そして、把持力は、調整可能な開口部のサイズを縮小し、且つフレキシブルインナースリーブと容器の間の所定のレベルの熱接触を動的に制御し、改善し、及び/又は達成する方法で可動アウタースリーブ及びフレキシブルインナースリーブを動かす。本発明の態様によれば、所定のレベルの熱接触は、フレキシブルインナースリーブと容器の間の熱接触点を増加させるために把持力を動的に制御し、且つフレキシブルインナースリーブと容器の間の界面における空気を変位させるために把持力を動的に制御することによって、制御され、改善され、及び/又は達成される。本発明の態様によれば、フレキシブルインナースリーブと容器の間の所定のレベルの熱接触は、フレキシブルインナースリーブと容器の間の熱接触の最大(又は最大化)レベルであり得る。本発明の態様では、最大レベルの熱接触は、上記の動的に制御された把持力のさらなる増加がフレキシブルインナースリーブと容器の間の熱接触のレベルをもはや増加させない熱接触レベルであり得る。
【0047】
本発明の実施形態によれば、「熱接触」(TC)という用語及びその派生語は、第1の材料と第2の材料の間の熱を交換するのに十分な第1の材料と第2の材料の間の界面における接触を説明するために本明細書で使用される。「目標レベルの熱接触」(TLTC)という用語及びその派生語は、界面において所定のレベルの熱交換を達成する第1の材料と第2の材料の間の界面における熱接触のレベルを説明するために本明細書で使用される。本発明の態様によれば、熱接触の「目標レベル」は、第1の材料と第2の材料の間の熱接触の「最大レベル」(又は最大化レベル)(例えば、フレキシブルインナースリーブと容器の間の熱接触の上記最大(又は最大化)レベル)を含むことができる。本発明の態様によれば、界面における所定のレベルの熱交換は、第1の材料と第2の材料の間のエアギャップである第1/第2の材料界面領域のパーセンテージ、第1/第2の材料界面における温度勾配、及び/又は第1/2の材料界面における界面熱抵抗レベルを含むがこれらに限定されないTLTCプロキシ測定値及び/又は推定値(測定値/推定値)の目標値及び/又は範囲を達成することによって達成され得る。「エアギャップパーセンテージ」(AG%)という用語は、第1の材料と第2の材料の間の空気を有する第1及び第2の材料の間の界面における界面領域のパーセンテージを説明するために本明細書で使用される。「界面熱抵抗」(ITR)という用語は、第1の材料と第2の材料の間の界面における熱流に対する抵抗の尺度を説明するために本明細書で使用される。容器の外面が硬質又は半硬質であり、且つトポロジー(例えば、隆起、折り目などのパターン)を含む場合、本発明のいくつかの態様では、フレキシブルインナースリーブが、容器の外面と界面で連結するフレキシブルインナースリーブの表面が把持力に応答して容器の外面のトポロジーに実質的に適合することを可能にするのに十分な柔軟性及び厚さを有する。容器の外面が実質的にフレキシブルであり、且つトポロジー(例えば、隆起、折り目等のパターン)を含む場合、本発明のいくつかの態様では、フレキシブルインナースリーブがフレキシブルな接合面を含むが、その接合面は、把持力に応答して実質的にフレキシブルな容器外面のトポロジーをインナースリーブの接合面のトポロジーに実質的に適合させることを可能にするのに十分な剛性がある。したがって、本発明の実施形態では、容器の外面がトポロジーを含む場合であっても、フレキシブルインナースリーブと容器の間の界面において熱接触が動的に制御され及び/又は改善され得る。
【0048】
「密接な熱接触」(ITC)という用語及びその派生物は、界面において約0パーセントから約10パーセントの範囲のエアギャップパーセンテージを達成するか、又は界面において約5パーセント未満のエアギャップパーセンテージを達成する第1の材料と第2の材料の間の界面における熱接触のレベルを説明するために本明細書で使用される。本発明のいくつかの実施形態では、TLTCがITCを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、容器の外面がトポロジーを含む場合であっても、フレキシブルインナースリーブと容器の間でITCが達成され得る。
【0049】
本発明のいくつかの態様では、効率的な熱伝達及び均一な熱分布は、熱分配要素に熱的に結合された発熱体を含むようにフレキシブルインナースリーブを構成することによって提供され、ここで、熱分布要素は、発熱体によって生成された熱を、フレキシブルインナースリーブとTLTC内にある容器の一部に均等に分配する。また、熱分配素子は、特に発熱体を損傷し、及び/又はフレキシブルインナースリーブ全般を損傷し得る「ホットスポット」と呼ばれる特定の場所での過度の加熱を防ぐ。本発明のいくつかの態様では、効率的な熱伝達及び均一な熱分布は、発熱体を個々の加熱ゾーン又は領域に分割することによってさらに提供され、各加熱ゾーンは、フレキシブルインナースリーブの利用可能な表面積のどれだけが容器に積極的に熱を伝えているかを事実上カスタマイズするために独立して起動又は停止され得る。本発明の実施形態では、任意の数の制御可能な(又はアドレス可能な)加熱ゾーンを設けることができ、それによって、フレキシブルインナースリーブの起動(すなわち、熱送出)部分のサイズを容器のサイズ及び形状に、より密接に一致させることを可能にするので、効率的な熱伝達及び均一な熱分布をさらに改善することができる。本発明の実施形態では、加熱ゾーンの起動/停止が動的に制御され得る。
【0050】
本発明のいくつかの態様では、可動グリッパが容器を把持し、加熱し、及び容器とTLTCになる間、可動グリッパを揺動するように構成されたグリッパサブアセンブリを設けることによって、効率的な熱伝達及び均一な熱分布がさらに強化される。グリッパサブアセンブリ及び可動グリッパが容器を揺動する本発明の態様では、容器を揺動している間、可動グリッパが容器に対してその把持力を維持することを確実にするために把持力がさらに動的に制御され得る。グリッパサブアセンブリ及び可動グリッパが容器を揺動する本発明の態様では、容器が揺動されている間、可動グリッパが容器を損傷することなく容器に対してその把持力を維持することを確実にするために把持力がさらに動的に制御され得る。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、グリッパサブアセンブリは、フレキシブルインナースリーブと容器の間の界面におけるTLTCを動的に制御するために、加熱システムの様々な態様を制御するように構成されたコントローラを含む。より具体的には、フレキシブルインナースリーブと容器の間の界面におけるTLTCを達成し、並びに容器の壁を介して容器の内容物への熱の実質的に効率的な伝達及び均等な分配を達成するために、コントローラを使用して、加熱システムの把持及び/又は加熱(把持/加熱)設定を動的に設定及び/又は調整し得る。本発明の態様によれば、把持/加熱(又はグリッパ/熱)設定は、加熱システムによって実行される把持及び/又は加熱動作に関与する様々なシステム設定のうちの1つ以上を含むことができる。本発明のいくつかの態様では、把持/加熱設定は、任意の組み合わせで、可動グリッパに適用される様々な把持力、発熱体の加熱ゾーンに適用される起動及び/又は停止パターン(すなわち、加熱パターン)、加熱ゾーンに適用される電力、加熱ゾーンに適用される電力が連続的かパルス的か、加熱ゾーンに適用されるパルスパワーのデューティサイクル(持続時間、パルス幅、及びパルス振幅)、加熱ゾーンに適用される電力の開始、及び/又は可動グリッパが把持し、容器を介して容器の内容物に熱を伝達している間、加熱システムが可動グリッパを揺動するかどうかを含む。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、上記コントローラは、フレキシブルインナースリーブと容器の間のTLTCを制御し、改善し、及び/又は達成し、並びに容器の壁を介して容器の内容物への熱の実質的に効率的な伝達及び均等な分配を達成する把持力を動的に制御し、計算し、検索し、及び/又はシミュレートするために、様々なデータソースからの様々なデータタイプを利用するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、発熱体が生成する最大レベルの熱を動的に制御し、計算し、検索し、及び/又はシミュレートするために、様々なデータソースからの様々なデータタイプを利用するように構成され、ここで、最大発熱体熱レベルは、容器を損傷するであろう熱レベルを下回る。例えば、データタイプは、容器材料の最高使用温度(Tmax)に関するデータであり得、ここで、Tmaxは、劣化、化学変化、機械的変化、及び/又は過度のクリープを含むがこれらに限定されない材料の特性に大きな変化なしに、材料が長期間使用され得る最高温度である。コントローラは、発熱体によって生成される最大熱レベルを容器材料のTmax未満に維持するために、温度センサのネットワークからのフィードバックに加えてこのデータを使用できる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、シミュレーションアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、リレーショナルデータベースなどを含むがこれらに限定されない様々な既知のコンピュータ解析技術を用いて、把持力、発熱体温度、及び他のパラメータを計算し、検索し、及び/又はシミュレートするために、様々なデータソースからの様々なデータタイプを利用するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、データタイプ/ソースは、センサから収集された容器に関するデータを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、データタイプ/ソースは、ネットワーク(例えば、クラウドコンピューティングシステム)を介してリモートプロセッサからコントローラにダウンロードされた容器に関するデータを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、データタイプ/ソースは、コントローラへの手動入力によって受信される容器に関するデータを含むことができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、フレキシブルインナースリーブの利用可能な表面積のどれだけが容器に積極的に熱を伝えているかをカスタマイズし、且つ加熱ゾーンを容器のサイズ及び形状に一致させることによって、事実上、熱伝達効率をさらに改善し、且つ熱を均等に分配するために、加熱ゾーンを独立して起動又は停止するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、潜在的に競合する制約の全てが満たされ得るか否かを決定するために、把持力に対する潜在的に競合する制約を評価するように構成される。例えば、本発明のいくつかの態様では、把持力は、フレキシブルインナースリーブと容器の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分であり、グリッパーサブアセンブリが容器を揺動する間、容器を保持するのに十分であり、且つ容器を損傷するには不十分である必要がある。
【0055】
ここで、本発明の態様のより詳細な説明に目を向けると、
図1は、本発明の非限定的な実施形態による加熱装置100を説明するブロック図を示す。本発明の態様によれば、加熱装置100は、グリッパサブアセンブリ102、可動グリッパ106、電源120、コントローラ112、及びセンサシステム/ネットワーク117を含み、図示されるように構成及び配置される。本発明の実施形態では、センサネットワーク117は、測定センサ116、画像センサ114、及び/又は機械的エネルギー源センサ119を含むことができるがこれらに限定されない。本発明の実施形態では、グリッパサブアセンブリ102は、機械的エネルギー源128及び結合機構132を含み、ここで、結合機構132は、本発明のいくつかの実施形態では、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122を含むことができる。結合機構132を実施するためのグリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122の使用は、一例であり、また、本発明の実施形態は、結合機構132の他の実施を利用することができる。本発明の実施形態では、可動グリッパ106は、フレキシブルインナースリーブヒータエレメント108に物理的且つ通信可能に結合される可動アウタースリーブヒータエレメント110に物理的に結合されたフラップ124を含む。本発明の実施形態では、可動グリッパ106のフレキシブルインナースリーブヒータエレメント108は、容器104を保持できる調整可能な開口部126を画定する。本発明の実施形態では、容器104は、様々なサイズ、形状、柔軟性レベル、適合性レベル、表面トポロジー、及び容器材料を有することができる。
【0056】
コントローラ112は、加熱装置100内の任意の場所に配置され得る。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、加熱装置100の外部に配置され得る。本発明の実施形態では、コントローラ112は、センサシステム/ネットワーク117から様々なデータタイプを受信し、ユーザから様々な手動入力111を受信し、且つ加熱装置100の様々な動作を動的に制御するために、センサシステム/ネットワーク117(画像センサ114、機械的エネルギー源センサ119、及び/又は測定センサ116を含む)、ディスプレイ(例えば、
図14に示されるディスプレイ1408)、グリッパサブアセンブリ102、及び/又は可動グリッパ106と有線及び/又は無線で電子通信する。また、コントローラ112は、通信経路1425(
図14に示される)及び/又はクラウドコンピューティングシステム50を介して追加のリモートコンピューティングリソース(図示せず)及び/又は追加のリモートデータソース115と有線又は無線で通信し得る。本発明の実施形態では、リモートデータソース115は、容器104の一部となり得る様々な容器のサイズ、形状、材料、及び/又は表面トポロジーに関する様々な詳細を提供する遠隔に格納された容器データを含む。本発明のいくつかの実施形態では、リモートデータソース115は、リモートコンピューティングリソースと統合される。本発明の実施形態では、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106が容器104を把持し、容器104に熱を伝える方法を特定の容器のサイズ、形状、材料、及び/又は表面トポロジーのためにカスタマイズするために、容器データを使用するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、遠隔に配置され、且つ通信経路1425(
図14に示される)及び/又はクラウドコンピューティングネットワーク50を介して加熱装置100の様々な構成要素と有線及び/又は無線で通信する。
【0057】
本発明の態様によれば、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106は、調整可能な開口部126によって容器104を受け入れ、可動グリッパ106と容器104の部分間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する方法で容器104を把持し、且つ容器104を介して容器104の内容物に熱を加えるように構成される。本発明の実施形態では、容器104の内容物は、コーヒー、紅茶、スープなどを含むがこれらに限定されない消費できる液体又は飲料であり得る。本発明の実施形態では、加熱装置100は、容器104に伝達される熱が、劣化、化学変化、機械的変化、及び/又は過度のクリープ又は変形を含むがこれらに限定されない容器材料の特性を変化させるであろう閾値熱レベル(例えば、Tmax)を下回るように、容器104を介して伝達される熱を動的に制御するように構成される。本発明の実施形態では、容器104は、容器104を劣化させることなく、容器104の内容物に所定レベルの熱を伝えるのに十分な厚さ、熱伝導率、及び機械的堅牢性を有する任意の材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、容器104は、密閉された又は密封された金属容器であり得、その例としては、アルミニウム金属缶又は錫メッキスチール缶が挙げられるがこれらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態では、容器104は、密閉された又は密封された半硬質プラスチック容器であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、容器104は、密閉された又は密封された実質的にフレキシブル及び/又は適合可能なプラスチック容器であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、容器104は、実質的に円筒形又は不規則な形状であり得る。
【0058】
本発明の態様によれば、可動グリッパ106は、調整可能な開口部126を、容器104を受け入れるのに十分な大きさのサイズに設定できる。容器104が調整可能な開口部126内に配置された後、可動グリッパ106は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するために、調整可能な開口部126のサイズを縮小し、且つ可動グリッパ106の一部(すなわち、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108)を容器104と熱接触させる方法で動き得る。
図1には示されていないが、加熱装置100は、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106が容器104の加熱を終えた後に所望の温度を維持するために任意に加熱され得る容器装填サブアセンブリ及び分配トレイサブアセンブリなどの追加のサブアセンブリを含み得る。容器装填サブアセンブリは、1つ以上の容器104を入れることができ、また、容器104の一例を可動グリッパ106の調整可能な開口部126に(例えば、自動又は手動で)装填することができる。加熱サイクルの完了に続いて、加熱された容器104は、分配トレイサブアセンブリに(例えば、自動又は手動で)分配されることができ、それは人又は別の自動サブアセンブリによって回収され得る。
【0059】
本発明の実施形態では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の内壁に物理的に結合される。本発明のいくつかの実施形態では、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110は、実質的に半硬質材料から形成(又は実質的に半硬質材料を含むように形成)され得る。本明細書で使用される「半硬質材料」、「半硬質体」、「半硬質構造」という用語及びそれらの同義語は、力又は他の圧力源の影響を受けない場合、一般に所定の形状を維持するが、亀裂、分離、或いは材料の構造的完全性を損なうことなく、加えられた力又は圧力に応答して曲げられ、屈曲され、或いは変形され得る材料を指す。言い換えれば、半硬質材料の場合、材料内又は材料上の任意の2点間の距離は、十分な外力が材料に加えられない限り、時間的に実質的に一定に保たれます。本発明のいくつかの実施形態では、アウタースリーブヒータアセンブリ110を形成するための好適な半硬質材料は、高温ポリマー、高温プラスチック材料、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、及び/又はそれらの複合体を含むが、これらに限定されない他の高温エンジニアリングプラスチックなどの高温フレキシブル材料を含むことができる。本明細書で使用される「高温」という用語は、材料を修飾するために用いる場合、摂氏約100度を超えるTmaxを有する材料を指す。
【0060】
本明細書で前述したように、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108及び可動アウタースリーブヒータアセンブリ110は、容器104を受け入れ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する方法で容器104を把持し、且つ容器104を介してその内容物に熱を加えるように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110が動いたときにフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108が曲がることを可能にするフレキシブル材料から形成される。本明細書で使用される「フレキシブル材料」、「フレキシブル体」、「フレキシブル構造」という用語及びそれらの同義語は、材料の通常の使用条件下で割れたり剥離したりすることなく、容易に何度も曲げ又は圧縮する能力を特徴とする材料を指す。本発明の実施形態では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の内壁に貼り付けた場合、可動アウタースリーブアセンブリ110が動いたときに割れることなく容易に撓み又は圧縮されるフレキシブル材料から形成されている。本発明のいくつかの実施形態では、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110もフレキシブル材料から形成され、及び/又はフレキシブル材料を含むように形成され得る。また、インナースリーブヒータアセンブリ108の柔軟性及び可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の可動性は、可動グリッパ106が、多種多様なサイズ、形状、柔軟性レベル、適合性レベル、及び/又は表面トポロジー(例えば、折り目、隆起など)を有する容器とのTLTCを受け入れ且つ確立することを可能にする。本発明のいくつかの実施形態では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間の界面においてフレキシブル材料と圧縮可能な材料の両方を含むように構成され、それによって、圧縮可能な材料が把持力の影響下で容器104のトポロジーに実質的に適合することを可能にする。本発明の態様に従ったフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の多層実装の様々な構成要素のさらなる詳細は、
図9A~
図10Cに示され、且つ本明細書で後で説明される。
【0061】
本発明の実施形態では、コントローラ112は、コントローラ112がコントローラ112の様々な記憶素子に格納された様々なアルゴリズム及びコンピュータ可読プログラム命令を実行することを可能にするコンピュータシステム1400(
図14に示される)の特徴及び機能を含むように実装され得る。本発明の1以上の非限定的な実施形態では、コントローラ112は、1つ以上の画像センサ114、1つ以上の機械的エネルギー源センサ119、及び/又は1つ以上の測定センサ116を含むがこれらに限定されないセンサネットワーク117と信号通信する。測定センサ116は、圧力センサ、フレキシブルインナースリーブ108の内面を容器104に押し付けて界面(例えば、
図4A~
図4Dに示される界面406、416)を形成するために、可動グリッパ106に適用され、可動グリッパ106によって伝達される把持力(例えば、
図4A~
図4Dに示される把持力404、414)を検出するように構成された把持圧力センサ、容器104に接触するフレキシブルインナースリーブ108の内壁上の位置で温度を測定するようにフレキシブルインナースリーブ108上に配置されるフレキシブルインナースリーブ温度センサ、フレキシブルインナースリーブ108に接触する容器104の外壁上の位置で温度を測定するようにフレキシブルインナースリーブ108上に配置される容器温度センサ、周囲/環境温度センサ、振動センサ、フレキシブルインナースリーブ108と容器104の間の界面で空気を検出するように構成されるエアギャップセンサ、調整可能な開口部126内で及び/又はフレキシブルインナースリーブ108に対する容器104の位置を検出するように構成される位置センサ、加速度計、ジャイロスコープ、及びサーミスタを含むことができるがこれらに限定されない。画像センサ114は、フォトダイオード、バーコードリーダー、クイックレスポンス(QR)コードリーダー、及び可視又は赤外線周波数カメラを含むことができるがこれらに限定されない。画像センサ114は、容器104に含まれるコードをスキャンすることができ、ここで、コードは、容器104の特性に関する様々な情報を含む。画像センサ114は、容器104の画像を取り込むこともでき、ここで、画像は、容器104の特性に関する様々な情報も含む。コントローラ112は、容器104の出所、容器104の材料、容器104の材料の柔軟性、容器104の形状/サイズ/寸法、容器104の任意の表面トポロジー(例えば、隆起、折り目など)のサイズ/寸法/位置、及び/又は容器104に格納された内容物(例えば、スープ、コーヒー、紅茶、野菜など)を含むがこれらに限定されない容器104の様々な特性を決定するために、スキャンされたコード又は取り込まれた画像を処理及び分析できる(例えば、画像認識を実行する)。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、フレキシブルインナースリーブ温度センサ、フレキシブルインナースリーブ108の特性及び/又はパラメータに関するデータ、及び/又は容器104の特性及び/又はパラメータに関するデータから読み取る温度に基づいて、容器104の外壁上の位置における温度の推定値を計算するように構成され得る。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、把持力センサ、可動グリッパ106の特性及び/又はパラメータに関するデータ、及び容器104の特性及び/又はパラメータに関するデータから読み取る把持力に基づいて、フレキシブルインナースリーブ108と容器104の間の界面(例えば、
図4A~
図4Dに示される界面406、416)で適用される界面圧力又は力のレベルの推定値を計算するように構成され得る。
【0063】
本発明の実施形態では、機械的エネルギー源センサ119は、機械的エネルギー源温度センサ、機械的エネルギー源振動センサ、機械的エネルギー源加速度計、及び/又は機械的エネルギー源ジャイロスコープを含むことができる。本発明の実施形態では、コントローラ112は、機械的エネルギー源センサ119、電源120及び/又は機械的エネルギー源128と信号通信する。したがって、コントローラ112は、機械的エネルギー源センサ119から出力されるデータ又は測定値に応答して電源120及び/又は機械的エネルギー源128を動的に制御することができる。加えて、コントローラ112は、画像センサ114、測定センサ116(把持圧力センサを含む)、手動入力111、及び/又はリモートデータソース115からの出力に応答して電源120及び/又は機械的エネルギー源128を動的に制御することができる。本発明の1以上の非限定的な実施形態では、測定センサ116は、結合機構132によって可動グリッパ106のフラップ124に加えられる把持圧力を感知するように構成及び配置された把持圧力センサを含むことができる。コントローラ112は、感知された把持圧力に基づいて第1及び第2の可動アーム122を調整するために、結合機構132を動的に制御することができる。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、コントローラ112は、フレキシブルインナーヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分な把持圧力閾値に達するか、又はそれを超えるまで可動グリッパ106に適用される把持圧力を増加させるために、結合機構132を動的に制御することができる。
【0064】
本発明の実施形態では、コントローラ112は、加熱システム100のオペレータからの様々な手動入力111を受信することができる。本発明の実施形態では、手動入力111は、容器104の内容物の目標温度を含むがこれらに限定されないユーザ/オペレータからの最良の供給源である入力を含むことができる。本発明の実施形態では、手動入力111は、例えば、容器タイプ(例えば、容器材料の種類)、容器サイズ、及び/又は容器104の内容物に関する詳細を含むセンサネットワーク117によって生成された入力のタイプと同じものを含むことができる。
【0065】
本発明の実施形態では、コントローラ112は、容器104として利用され得る様々な容器タイプに関する様々な詳細を提供する遠隔に保存された容器データをダウンロードするために、通信経路1425(
図14に示される)及び/又はクラウドコンピューティングシステム50を介してリモートデータソース115にアクセスすることができる。例えば、コントローラ112は、センサネットワーク117(例えば、114、116)及び/又は手動入力111からA社が販売したチキンヌードルスープの12オンスの一人前の缶として、現在、調整可能な開口部126内にある容器104を識別するデータを受信することができる。コントローラ112は、データソース115が、A社が販売したチキンヌードルスープの12オンスの一人前の缶に関する容器データを有するか否かを判定するために、データソース115に問い合わせることができる。本発明のいくつかの態様では、コントローラ112によって送信されたクエリは、クエリに一致する特定の遠隔に保存された容器データの識別を支援するために、商品名、ラベル画像、及び遠隔に保存された容器データと比較され得る他の容器識別情報/データを含むことができる。リモートデータソース115が一致を識別すると、データソース115は、通信経路1425及び/又はクラウドコンピューティングシステム50を介して一致する容器データをコントローラ112に送信する。前述したクエリの例では、A社が販売したチキンヌードルスープの12オンスの一人前の缶のマッチング容器データは、例えば、容器タイプ(例えば、容器材料の種類)、容器のサイズ及び形状、及び/又は容器104の内容物に関する詳細を含むセンサネットワーク117によって生成された入力のタイプと同じものを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、マッチング容器データは、例えば、容器材料の堅牢性に関する様々な詳細を含むセンサネットワーク117によって容易に決定されない容器104に関する情報を含むことができる。容器材料の堅牢性に関する詳細の例としては、容器材料の厚さ、融点、Tmax、柔軟性、剛性、適合性、軟化点、ガラス転移温度、破裂圧力などが挙げられる。本発明の実施形態では、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106が容器104を把持し、熱を容器104に伝える方法を含むがこれに限定されないグリッパサブアセンブリ102が本発明の態様の様々な特徴及び機能を実行する方法をその容器(例えば、A社が販売したチキンヌードルスープの12オンスの一人前の缶)に合わせてカスタマイズするために、ダウンロードされたマッチング容器データを使用するように構成される。
【0066】
本発明の実施形態では、コントローラ112は、通信経路1425(
図14に示される)及び/又はクラウドコンピューティングシステム50とのデータ交換を容易にするデータインターフェース(例えば、コントローラ112とは別に示されていない無線インターフェース)も含むことができる。このようにして、コントローラ112は、局地気象データ、容器データ(例えば、容器サイズ、容器形状、容器材料の種類など)、顧客プロファイルデータ、顧客の嗜好、顧客の製品購入要求などを含むがこれらに限定されない様々なタイプのデータをリアルタイムで積極的に取得することができる。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、気象データ、製品データ、顧客プロファイルデータ及び/又は顧客の製品購入要求に基づいて、加熱サイクルの加熱特性(例えば、
図8Cに示されるサーマルフィルムヒータ208に適用される電力、容器の内容物の達成されるべき目標温度など)を調整することができる。
【0067】
本発明の態様によれば、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102の動作(例えば、把持力、熱伝達設定、揺動など)を動的に制御し、及び/又は可動グリッパ106の動作を動的に制御することを含むがこれらに限定されない本明細書で説明される様々な機能及び動作を実行するために、測定センサ116、画像センサ114、手動入力111、及び/又はリモートデータソース115から取得した容器データを利用するように構成される。これらの機能及び動作を実行するために、コントローラ112は、コンピュータハードウェア、アルゴリズム、及びコントローラ112の様々な記憶素子に格納されたコンピュータ可読プログラム命令を含むように構成される。例えば、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106を動的に制御して、熱を生成し、且つその熱を可動グリッパ106の調整可能な開口部126に配置された容器104に供給することを支援するために、シミュレーションアルゴリズム、機械学習(ML)アルゴリズム、検索テーブル(例えば、リレーショナルデータベース)、及び他の演算技術を含む様々なコンピュータ制御技術及び機能を利用するように構成される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、受信された情報(例えば、センサデータ、ダウンロードされたデータ、手動で入力されたデータなど)及び/又は受信された情報に基づく推定値又は計算値に少なくとも部分的に、上記の動的に制御された動作及び/又は機能をベースとして構成される。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112によって動作又は機能を実行するために使用される(又は必要とされる)情報は、センサを使用して直接測定することが困難であり得るか、又はコントローラ112によって使用され又は必要とされる情報は、ダウンロード又は手動入力のために容易に入手できない。このような状況では、コントローラ112は、必要な情報の推定値を計算するように構成され得る。このような計算の一例は、
図6Eに示されている。本発明のいくつかの態様では、本明細書で説明される動作及び/又は機能を実行するためにコントローラ112によって使用され又は必要とされる情報は、その情報が他の情報源から入手可能であるか否かにかかわらず、推定され及び/又は計算され得る。したがって、コントローラ112が特定のタイプの情報源(例えば、センサ読み取り)に依拠するように説明される本明細書で説明される本発明の実施形態のいずれも、特定のタイプの情報源は、他のタイプの情報源(例えば、センサ読み取り、ダウンロードされたデータ、手動入力、及び/又は推定値/計算値)で置き換えられ得ることが理解される。コントローラ112が本発明の態様に従って様々なタイプのデータソース及び制御技術を利用する方法の追加の詳細は、本明細書で後に、より詳細に説明される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、グリッパサブアセンブリ102は、結合機構132に取り付けられた機械的エネルギー源128として形成された機械的エネルギー機構を含む。結合機構132は、発生源128によって生成された機械的エネルギーを把持力に変換し、それを可動グリッパ106のフラップ124に適用するように構成されている。本発明の態様によれば、把持力は、可動グリッパ106を動かし、且つフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分であるように動的に制御される。本発明の実施形態によれば、グリッパサブアセンブリ102の機械的エネルギー機構128、132は、特定の状況下で、可動グリッパ106が容器104を把持し、且つ容器104の内容物に熱を伝えている間、可動グリッパ106を揺動するようにさらに構成される。様々な結合機構132は、本明細書で説明される結合機構動作を実行するのに適している。本発明のいくつかの実施形態では、結合機構は、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122を含む。機械的エネルギー源128は、電源120からの電力の受電に応答して動作可能である。
【0070】
グリッパアクチュエータ121は、第1の端部及び対向する第2の端部を含み、ここで、第1の端部は、機械的エネルギー源128に可動に結合され、ここで、対向する第2の端部は、クランプアセンブリ123に結合される。クランプアセンブリ123は、グリッパアクチュエータ121の動作に応答して調整可能な把持力を適用するように構成されている。クランプアセンブリ123は、調整可能な把持力を適用することができる様々な把持機構構成を含むことができる。好適な把持機構構成は、1つ以上の可動アーム122、1つ以上の可動ケーブル、バイアスヒンジ、スプリングクランプ、リードスクリュークランプ、ホースクランプ、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態では、機械的エネルギー源128は、把持力を発生させるように構成及び配置された電子ソレノイド及び/又は空気圧式素子を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、機械的エネルギー源128は、X/Y/Z軸102に沿って様々な方向に可動グリッパ106を動かし及び/又は揺動するように構成及び配置された1つ以上の電子制御モータを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、機械的エネルギー源128の前述した繰り返しの例の任意の組み合わせは、把持力(例えば、
図4A~
図4Dに示される把持力404、414)を生成するために使用され得る。本発明のいくつかの実施形態では、機械的エネルギー源128の前述した繰り返しの例の任意の組み合わせは、X/Y/Z軸102に沿って様々な方向に可動グリッパ106を動かし及び/又は揺動するために使用され得る。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、可動グリッパ106は、把持力が可動グリッパ106を調節可能な開口部126のサイズを縮小し、且つフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を容器104とTLTCにするのに十分な距離動かす前に、調整可能な開口部126内で容器104を支持するレッジ、オフセット、及び/又は他の支持構造を含むように構成され得る。容器104が調整可能な開口部126内に配置された後、コントローラ112は、次いで、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110のフラップ124に把持力を適用するために、機械的エネルギー機構(例えば、機械的エネルギー源128、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122)を動的に制御することができ、ここで、適用された把持力は、調整可能な開口部126のサイズを縮小し、且つフレキシブルインナースリーブ108を容器104とTLTCにする。
【0072】
本発明の実施形態では、グリッパアクチュエータ121は、空気圧縮機又は交換可能な供給タンク(図示せず)などの外部供給源から供給される変動空気圧に応答してクランプアセンブリ123及び可動アーム122を調整するように構成された空気圧システムを含むことができる。グリッパアクチュエータ121は、クランプアセンブリ123を動かし又は調整することができる他のタイプのシステム又は構成も含むことができる。例えば、グリッパアクチュエータ121は、スクリュー又はスクロール機構、機械的エネルギー源128(例えば、電気モーター)によって駆動されるロッド及びギア装置、及び/又は電磁ソレノイドクランプ装置を含むことができるがこれらに限定されない。ロッド及びギアアセンブリは、例えば、ロッドを回転調整して(例えば、機械的エネルギー源128によって)、可動アーム122の位置を調整するように、クランプアセンブリ123を介して可動アーム122に回転可能に結合され得る。
【0073】
本発明の1以上の非限定的な実施形態では、システム100によって実行される揺動動作の特性(例えば、揺動頻度、揺動速度、回転範囲、及び揺動の持続時間)は、例えば、
図6Eに示され、本明細書で後により詳細に説明されるサブシステム610を使用して積極的且つ動的に制御される。本発明のいくつかの実施形態では、システムによって実行される揺動動作の特性は、測定センサ116の中に含まれる温度センサからのフィードバックに基づいて動的に制御される。本発明のいくつかの実施形態では、測定センサ116の中に含まれる温度センサは、様々なタイプの温度勾配データを生成するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、温度勾配データは、容器104上の第1の位置で測定された温度と容器104上の第2の位置で測定された温度の間の勾配(又は差)を表し、ここで、容器104上の第1及び第2の位置の間の距離は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108から容器104に伝達される熱が容器104の高さ及び/又は幅の寸法に沿ってどの程度均等に分配されているかの表示を提供するのに十分である。この場合、閾値を超える温度勾配データは、フレキシブルインナースリーブ発熱体108が容器104に熱を伝えるときの不均一な熱分布のレベルを表す。本発明の態様によれば、このタイプの温度勾配データは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリから可動グリッパ106によって把持されている容器104に伝達されている熱をより均等に分配するため、容器104の高さ及び/又は幅の寸法に沿った熱分布のレベルが十分に不均一であると判定して、加熱サイクル中に揺動動作を開始するようにコントローラ112をトリガするために、コントローラ112によって使用され得る。
【0074】
本発明の実施形態では、システム100によって実行される(例えば、
図6Eに示されるサブシステム610を使用して)揺動の特性(例えば、揺動頻度、揺動速度、回転範囲、及び揺動の持続時間)は、容器104から容器の内容物の中点までの温度勾配を推定するために(例えば、
図6Eに示されるサブシステム610の他の推定パラメータ613)コントローラ112によって実行されるシミュレーション及び/又はモデリング動作に加えて、測定センサ116の中に含まれる温度センサからのフィードバックに基づいて、積極的且つ動的に制御される。本発明のいくつかの実施形態では、推定された温度勾配は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108から容器104に伝達される熱が容器104の内容物にどの程度均等に分配されているかの表示を提供する。この場合、閾値を超える推定温度勾配データは、フレキシブルインナースリーブ発熱体108が容器104に熱を伝えるときの不均一な熱分布のレベルを表す。本発明の態様によれば、このタイプの推定温度勾配データは、容器104が可動グリッパ106によって把持されている間にフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108から容器104に伝達されている熱をより均等に分配するため、容器104の内容物の中の熱分布のレベルが十分に不均一と判定して、揺動動作を開始するようにコントローラ112をトリガするために、コントローラ112によって使用され得る。本発明の態様によれば、コントローラ112は、可動グリッパ106が揺動動作中に容器104を落下させないのに十分な力で容器104を保持できるようにするのに十分であるように、把持力を動的に制御するようにさらに構成される。
【0075】
可動グリッパ106は、本発明の実施形態に従って
図2及び
図3においてより詳細に図示されている。より具体的には、
図2及び
図3は、本発明の態様に従って把持力が可動グリッパ106の可動アウタースリーブヒータアセンブリ110にどのように適用され得るかの例を示している。本発明のいくつかの実施形態では、可動グリッパ106は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に結合された第1及び第2の対向するフラップ124を含む。第1のフラップ124は、第1の可動アーム122に結合され、第2のフラップ124は、第2の可動アーム122に結合されている。第1及び第2の対向するフラップ124並びに第1及び第2の可動アーム122が説明されるが、可動グリッパ106をクランプアセンブリ123に結合するための他の構成は、本発明の範囲を逸脱することなく想定され得ることを理解されたい。したがって、可動グリッパ106は、本発明のいくつかの実施形態では、半硬質材料から形成され、調整可能な開口部126の形状に対応する円筒形又は略円筒形に撓んでいる。本発明の1以上の非限定的な実施形態では、可動グリッパ106は、例えば、約100ミリメートル(mm)から約180mmまでの範囲の垂直高さを有することができる。調整可能な開口部126は、例えば、約50ミリメートル(mm)から約85mmまでの範囲であり得る可変直径を画定することができる。
【0076】
図2に示されるように、第1及び第2の可動フラップ124を(例えば、方向矢印129で示されるように横方向に)調整することによって、可動グリッパ106を圧縮することができ(方向矢印129で示されるように)、且つ調整可能な開口部126の直径又はサイズを容器104の多種多様なサイズ及び形状に対応するように変化させることができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、調整可能な開口部126の直径又はサイズは、約50ミリメートル(mm)から約85mmまでの間で変化させることができる。本発明のいくつかの実施形態では、調整可能な開口部126の直径又はサイズは、約90mmから約100mmまでの間で変化させることができる。このようにして、可動グリッパ106は、多種多様な形状及びサイズを有する容器を受け入れることができる。可動グリッパ106は、円筒形のプロファイルを有するものとして本明細書で説明されているが、可動グリッパ106は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の形状及びプロファイルを有するように構成することができる。
【0077】
図3に示されるように、フラップ124を一緒に圧縮する把持力(例えば、圧搾力)を加えるのではなく、
図3に示されるフラップ124は、把持力(例えば、引っ張り力)がフラップ124に引張力(方向矢印130で示される)を加えるように構成されている。したがって、可動グリッパ106は、調整可能な開口部126に挿入された容器104(
図1~
図3に示される)に張力を加える。
【0078】
本発明の実施形態では、機械的エネルギー源128は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に物理的に結合し、且つコントローラ112の影響下で動作して、可動グリッパ106及び可動グリッパ106によって把持されている容器104に揺動を加える揺動動作を開始し及び動的に制御する機械的エネルギー源機構の一部である。本発明のいくつかの実施形態では、モータ機構は、機械的エネルギー源128及び機械的エネルギー源128によって生成された機械的エネルギーを可動グリッパ106による運動に変換するように構成された結合機構132を含み、ここで、運動は、可動グリッパ106を揺動するX/Y/Z軸102に沿った任意の方向への運動を含む。本発明のいくつかの実施形態では、結合機構は、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122として実装され得る。可動グリッパ106内に配置された容器104の内容物に熱を均等に(又は均一に)分配する方法を強化又は改善する指令を受信することに応答して、又は可動グリッパ106内に配置された容器104の内容物に熱が均等に(又は均一に)分配されていないとの判定に基づいて、コントローラ112は、可動グリッパ106を繰り返し又は連続的に揺動するために、機械的エネルギー源128を動的に制御することができる。本発明のいくつかの実施形態では、揺動は、加熱プロセス又はサイクルの選択された部分の間に行うことができ、一方、本発明のいくつかの実施形態では、揺動は、加熱プロセス又はサイクルの全期間にわたって連続的に行うことができる。
【0079】
本発明の1以上の実施形態では、コントローラ112は、機械的エネルギー源センサ119によって提供されたフィードバックデータ(例えば、回転周波数又は速度)に基づいて、機械的エネルギー源128がグリッパアクチュエータ121をX/Y/Z軸102に沿って任意の方向に動かす揺動持続時間、揺動頻度、揺動速度、加速度及び/又は回転範囲を動的に制御することができる。本発明の実施形態では、揺動の特性(例えば、揺動頻度、揺動速度、回転範囲、及び/又は揺動の持続時間)は、手動入力111及び/又は可動グリッパ106内に配置された容器104に対応する容器データに基づいて、コントローラ112によって積極的に決定され得る。容器データとしては、例えば、容器104の製造者(又は供給元)、容器の内容物、容器104の材料、容器104の形状、容器104のサイズ/寸法などが挙げられる。本発明の1以上の非限定的な実施形態では、システム100によって実行される揺動の特性(例えば、揺動頻度、揺動速度、回転範囲、及び揺動の持続時間)は、測定センサ116の中に含まれる温度センサからのフィードバックに基づいて、積極的且つ動的に制御される。
【0080】
図4A~
図6Eは、本発明の実施形態に従って、把持力414がフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108(例えば、材料A)と容器104(例えば、材料B)の間のTLTCの目標レベルを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分であるように、可動アウタースリーブ110(
図1に示される)に適用される把持力404、414(
図4A~
図4D及び
図6A~
図6Dに示される)を動的に制御することによって、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108(例えば、材料A)と容器104の壁(例えば、材料B)の間の効率的な熱伝達がどのように提供されるかを説明するグラフ及びブロック図を示す。
【0081】
最初に、
図4A~
図4Dに目を向けると、材料Bの一部(容器104の壁に対応する)と接触する材料Aの一部(フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108に対応する)を例示するブロック図が示されている。
図4Aにおいて、本発明の態様によれば、材料Aは、適合性及び/又は圧縮性の様々なレベルを有するフレキシブル材料であり得、材料Bは、硬質及び/又は半硬質材料であり得る。本明細書で使用される「圧縮可能」という用語は、圧力(又は平均応力)変化に対する応答としてその体積が変化し得るという特性を有する材料を定義するために使用されている。本明細書で使用される「適合可能」という用語は、第1及び第2の材料が互いに接触するように押されたときに、その形状(及び/又はその表面トポロジー)が第2の材料のトポロジーに適合又は追随し得る特性を有する第1の材料を定義するために使用されている。本明細書で使用される圧縮可能材料は、フレキシブル及び適合可能の両方であると理解される。しかしながら、フレキシブル材料は、フレキシブル材料の特定の物理的特性に応じて圧縮可能である場合とそうでない場合があり得、フレキシブル材料は、フレキシブル材料の特定の物理的特性に応じて適合可能である場合とそうでない場合があり得る。同様に、本明細書で使用される「適合可能」材料は、フレキシブルであると理解される。しかしながら、適合可能材料は、適合可能材料の特定の物理的特性に応じて圧縮可能である場合とそうでない場合があり得る。本発明のいくつかの実施形態では、材料Bは、硬質材料、半硬質材料、及び/又は様々なレベルの適合性を有する材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、材料Aは、多層化され得る。本発明のいくつかの実施形態では、材料Bは、多層化され得る(例えば、容器104の壁とラベル材料の層)。
【0082】
図4Aにおいて、距離2の界面406でフレキシブル材料Aを材料Bと接触させるために、距離1でフレキシブル材料Aに把持力404が加えられる。本発明の実施形態では、把持力404が動的に制御され、これは、コントローラ112が、可動グリッパ106、容器104、及び/又は界面406の様々なパラメータ及び/又は特性の少なくとも一部に基づいて、把持力404の値を自動的及び/又は連続的に調整するように構成されることを意味する。したがって、第1のタイプの容器104についてコントローラ112によって決定される把持力404の値は、第2のタイプの容器104についてコントローラ112によって決定される把持力404の値と異なり得る。フレキシブル材料Aが適合可能及び/又は圧縮可能領域を含む本発明の実施形態では、把持力404は、界面406においてフレキシブル材料A及び/又は材料Bを実質的に圧縮する及び/又は適合させることなく、フレキシブル材料Aを材料Bと接触させるのに十分である。本発明の実施形態では、接着剤が界面406に存在しないので、把持力404のみが材料Aを材料Bと接触させ続ける。本発明の態様では、測定センサ116の中に含まれる位置センサは、フレキシブルインナースリーブ108が容器104と接触して界面406を形成したと判定するために、コントローラ112によって使用されることができ、測定センサ116の中に含まれる圧力センサは、フレキシブルインナースリーブ108を容器104と接触させて界面406を形成し続ける把持力404を決定するために、コントローラ112によって使用されることができる。
【0083】
図4Bでは、本発明の態様に従って、フレキシブル材料Aを材料Bに押し付けるために、距離1でフレキシブル材料Aに把持力414が加えられ、それによって距離2で界面416が作られる。本発明の実施形態では、把持力414が動的に制御され、これは、コントローラ112が、可動グリッパ106、容器104、及び/又は界面416の様々なパラメータ及び/又は特性の少なくとも一部に基づいて、把持力414の値を自動的及び/又は連続的に調整するように構成されることを意味する。したがって、第1のタイプの容器104についてコントローラ112によって決定される把持力414の値は、第2のタイプの容器104についてコントローラ112によって決定される把持力414の値と異なり得る。
図4Bでは、本発明の態様に従って、材料Aが界面416で非適合及び非圧縮であり、材料Bが硬質材料、半硬質材料、及び/又は適合性の様々なレベルを有する材料である(又は含む)。本発明の実施形態では、
図4B~
図4Dに示される材料A及び材料Bが適合可能及び/又は圧縮可能であるか否かに応じて、把持力414は、界面416における材料Aと材料Bの間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分である。本発明のいくつかの実施形態では、材料Bは、適合可能ではなく、界面416におけるその外面はトポロジーを有していない。材料Bが適合可能であり、界面416におけるその外面が適合可能なトポロジーを有する本発明の実施形態では、把持力414は、界面416における材料Bの外面の適合可能なトポロジーを界面416における材料Aの外面に適合させるのに十分である。
【0084】
図4Cでは、本発明の態様に従って、材料Aは、界面416において適合可能であるが圧縮可能ではなく、材料Bは、硬質材料、半硬質材料、及び/又は、適合性の様々なレベルを有する材料である(又は含む)。本発明の実施形態では、把持力414は、界面416において材料Aと材料Bの間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するのに十分である。材料Bが適合可能ではなく、界面416においてその外面がトポロジーを有する本発明の実施形態では、把持力414は、界面416における材料Aの適合可能な外面を界面416における材料Bの外面のトポロジーに適合させるのに十分である。材料Bが適合可能であり、界面416におけるその外面がトポロジーを有する本発明の実施形態では、把持力414は、界面416における材料Aの適合可能な外面と、界面416における材料Bの外面の適合可能なトポロジーを互いに適合させるのに十分である。
【0085】
図4Dでは、本発明の態様に従って、材料Aは、界面416において適合可能及び圧縮可能であり、材料Bは、硬質材料、半硬質材料、及び/又は適合性の様々なレベルを有する材料である(又は含む)。本発明の態様によれば、距離2の界面416でフレキシブル材料Aを材料Bに対して圧縮するために、距離1でフレキシブル材料Aに把持力414が加えられる。材料Bが適合可能ではなく、界面416においてその外面が適合可能ではないトポロジーを有する本発明の実施形態では、把持力414は、界面416における材料Aの圧縮可能及び適合可能な外面を界面416における材料Bの外面の適合可能ではないトポロジーに適合させるのに十分である。材料Bが適合可能であり、界面416におけるその外面が適合可能なトポロジーを有する本発明の実施形態では、把持力414は、界面416における材料Aの適合可能/圧縮可能な外面と界面416における材料Bの外面の適合可能なトポロジーを互いに適合させるのに十分である。
【0086】
本明細書で前述したように、「熱接触」(TC)という用語及びその派生語は、第1の材料と第2の材料の間の熱を交換するのに十分な第1の材料と第2の材料の間の界面における接触を説明するために本明細書で使用される。さらに、「目標レベルの熱接触」(TLTC)という用語及びその派生語は、界面において所定のレベルの熱交換を達成する第1の材料と第2の材料の間の界面における熱接触のレベルを説明するために本明細書で使用される。本発明の態様によれば、熱接触の「目標レベル」は、第1の材料と第2の材料の間の熱接触の「最大レベル」(又は最大化レベル)を含むことができる(例えば、フレキシブルインナースリーブと容器の間の熱接触の前述した最大(又は最大化)レベル)。
図4B~
図4D及び
図5において、本発明の態様によれば、界面416における所定のレベルの熱交換は、界面416におけるエアギャップ(すなわち、前述したAG%)のパーセンテージ、界面416における温度勾配、及び/又は界面416における界面熱抵抗(ITR)レベルを含むがこれらに限定されないTLTCプロキシ測定値の目標値及び/又は範囲を達成することによって達成され得る。
【0087】
図5は、本明細書に記載され且つ本明細書で説明された本発明の実施形態を使用して動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る動的に制御された把持力414(
図4B~
図4Dに示される)と界面416における様々なパラメータ(
図4B~
図4Dに示される)の間の関係の一部を説明するテーブル500を示す。より具体的には、テーブル500は、把持力414(左から右への最初の列)、把持力414によって動的に制御され、改善され、及び/又は達成される界面416における界面-パラメータ(左から右への2番目の列)、界面416における界面-パラメータのレベルを評価するための様々なプロキシ測定値及び/又は推定値(測定/推定)(左から右への3番目の列)、及び界面-パラメータプロキシ測定値/推定値の様々な目標値及び/又は目標範囲(左から右への4番目の列)の間の関係を示す。関係の例は、把持力414の複数の例、すなわちGF1-A、GF1-B、GF1-C、GF2-A、GF2-B、GF3-A、及びGF3-Bに対して、界面-パラメータの複数の例、すなわち界面416におけるTLTCとともに、行502、504、506、508、510、512、514に示されている。本発明のいくつかの実施形態では、材料A及び/又は材料Bの適合性及び/又は圧縮性(
図4A~
図4Dに示される)に基づいて、TLTCが最大化され得る。
【0088】
行502については、把持力414がGF1-Aであり、界面-パラメータが界面416における目標レベルの熱接触(
図6Bに示されるTLTC-1)であり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値がGF1-Aに起因する界面416におけるエアギャップパーセンテージ(AG%)であり、本発明の態様を使用して達成され得る界面416におけるAG%の目標値/範囲が約0パーセントから約10パーセントの範囲、又は約5パーセント未満のAG%を含む。本発明の態様によれば、GF1-Aを使用して達成されたTLTCは、「密接な熱接触」とみなすことができる。本明細書で前述したように、「密接な熱接触」(ITC)という用語及びその派生語は、約0パーセントから約10パーセントの範囲の界面におけるエアギャップパーセンテージを達成するか、又は約5パーセント未満の界面におけるエアギャップパーセンテージを達成する第1の材料と第2の材料の間の界面における熱接触のレベルを説明するために使用される。行504については、把持力414がGF1-Bであり、界面-パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値がGF1-B(AG%-GF1-B)に起因する界面416におけるAG%であり、本発明の態様を使用して達成され得るAG%-GF1-Bの目標値/範囲がAG%-プレGF1-B未満のAG%-GF1-Bを含み、ここで、AG%-プレGF1-Bは、GF1-Bの適用前の界面416におけるAG%である。列506については、把持力414がGF1-Cであり、界面-パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値がGF1-Cに起因する界面416におけるAG%(AG%-GF1-C)であり、本発明の態様を使用して達成され得るAG%-GF1-Cの目標値/範囲がAG%-GF1-Cを最小化すること及び/又はAG%-GF1-Cを目標AG%-プレGF1-C未満にすることを含み、ここで、AG%-プレGF1-Cは、GF1-Cの適用前の界面416におけるAG%である。
【0089】
列508については、把持力414がGF2であり、界面-パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値がGF2(ΔT-GF2)に起因する界面416におけるΔT(温度の変化)であり、本発明の態様を使用して達成され得るΔT-GF2の目標値/範囲がΔT-プレGF2未満のΔT-GF2を含み、ここで、ΔT-プレGF2は、GF2の適用前の界面416におけるΔTである。列510については、把持力414がGF2であり、界面-パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値がGF2(ΔT-GF2)に起因する界面416におけるΔTであり、本発明の態様を使用して達成され得るΔT-GF2の目標値/範囲がΔT-GF2を最小化すること及び/又はΔT-GF2を目標ΔT-GF2閾値未満にすることを含む。
【0090】
行512については、把持力414がGF3であり、界面-パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値が材料Aパラメータ、材料Bパラメータ、及びGF3の影響下で界面416における界面熱抵抗(ITR)を計算/推定するために使用され得る界面パラメータ416のパラメータ(ITR-GF3)であり、本発明の態様を使用して達成され得るITR-GF3の目標値/範囲がITR-プレGF3未満のITR-GF3を含み、ここで、ITR-プレGF3は、GF3の適用前の界面416におけるITRである。行514については、把持力414がGF3であり、界面パラメータが界面416におけるTLTCであり、界面パラメータプロキシ測定値/推定値が材料Aパラメータ、材料Bパラメータ、及びGF3の影響下で界面416におけるITRを計算/推定するために使用され得る界面416のパラメータ(ITR-GF3)であり、本発明の態様を使用して達成され得るITR-GF3の目標値/範囲がITR-GF3を最小化すること及び/又はITR-GF3を目標ITR-GF3閾値未満にすることを含む。
【0091】
【0092】
図6A及び
図6Bは、テーブル500(
図5に示される)の行502、504、506に示された関係を説明するグラフ及びブロック図を示す。最初に
図6Aに目を向けると、
図4Aに示されたブロック図と同じものである対応するブロック図とともに、グラフ602が示されている。
図6Aのブロック図は、材料Bの一部と接触する材料Aの一部を示している。本発明の態様によれば、材料Aはフレキシブル材料であり、材料Bは、硬質、半硬質、及び/又は適合可能材料である。本発明の態様によれば、材料Aは、適合性及び/又は圧縮性の様々なレベルを有するフレキシブル材料であり得、材料Bは、硬質及び/又は半硬質材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、材料Bは、様々なレベルの適合性を有する硬質材料又は半硬質材料であり得る。把持力404は、距離2の界面406でフレキシブル材料Aを材料Bと接触させるために、距離1でフレキシブル材料Aに加えられている。フレキシブル材料Aが界面406において適合可能及び/又は圧縮可能である本発明の実施形態では、把持力404は、界面406においてフレキシブル材料A及び/又は材料Bを実質的に圧縮する及び/又は適合させることなく、フレキシブル材料Aを材料Bと接触させるのに十分である。
【0093】
本発明の態様によれば、フレキシブル材料Aは、フレキシブル材料A、材料A/材料B界面(406及び/又は416であり得る)、及び材料Bを介して伝播する熱を生成するように構成された発熱素子(例えば、
図8A~
図10Cに示される素子208、208’)を含む。材料Bが容器104に対応する本発明の実施形態では、容器104を介して伝播する熱は、容器104の内容物を加熱するために、容器104の内容物の中に進入する。本発明の実施形態では、コントローラ112は、把持力404、414に対する様々な値の適用中に、選択された電力レベル及び時間で発熱素子を起動又は開始するように構成され得る。例えば、コントローラ112は、フレキシブル材料Aが把持力404の下で材料Bに接触して界面406を形成したという判定の頃(例えば、直前又は直後)に、選択された電力レベルで発熱素子を開始/起動するように構成され得る。把持力406の確立後に適用される把持力の調整は、把持力414の調整とみなされる。把持力404の確立後に、コントローラ112は、把持力414を動的に制御するように構成され、これは、コントローラ112が、可動グリッパ106、容器104、容器104の内容物、及び/又は界面416の様々なパラメータ及び/又は特性(測定、推定、ダウンロード、入力など)の少なくとも一部に基づいて、把持力414の値を自動的及び/又は連続的に調整するように構成されることを意味する。例えば、コントローラ112は、界面416におけるAG%を最小化するという目標に向けて把持力414を動的に制御するように構成され得る。したがって、コントローラ112は、時間1で界面416におけるAG%を決定し(例えば、センサデータ及び/又は計算によって)、時間2で把持力414を調整し、時間3で界面416におけるAG%を決定し、且つ時間1のAG%と時間3のAG%を比較することができる。時間1におけるAG%が時間3におけるAG%より大きくない場合、コントローラ112は、時間2において加えられた把持力414がAG%を減少させなかったと結論し、コントローラ112は、AG%が最小化されたとさらに結論する。一方、時間1におけるAG%が時間3におけるAG%よりも大きい場合、コントローラ112は、時間2における把持力414がAG%を減少させたと結論する。コントローラ112は、把持力414の調整がAG%の減少をもはやもたらさなくなるまで、時間1、時間2、及び時間3で使用される動作のパターンを継続し、また、コントローラ112は、それによって、AG%が最小化されたと結論する。テーブル500(
図5に示される)に示された他の界面-パラメータ測定値/推定値に対して追加の同様の例が生成され得る。
【0094】
別の例では、コントローラ112は、コントローラ112が把持力414の初期値を選択して適用するまで、選択された電力レベルで発熱素子を開始/起動することを遅らせるように構成され得る。本発明のいくつかの態様では、把持力414の初期値はランダムに選択され得る。本発明のいくつかの態様では、把持力414の初期値は、界面416のTLTC目標を達成するために把持力414の最終値がどうあるべきかの推定値に基づくことができる。本明細書で前述したように、フレキシブル材料Aを材料Bと接触させて界面406を形成する把持力404を設定した後は、把持力に対する追加の調整が把持力414に対する調整とみなされる。把持力414の初期値を確立した後は、コントローラ112が把持力414を動的に制御するように構成され、これは、コントローラ112が、可動グリッパ106、容器104、容器104の内容物、及び/又は界面416の様々なパラメータ及び/又は特性(測定、推定、ダウンロード、入力など)の少なくとも一部に基づいて、把持力414の値を自動的及び/又は連続的に調整するように構成されることを意味する。例えば、コントローラ112は、界面416におけるAG%を最小化するという目標に向かって把持力414を動的に制御するように構成され得る。したがって、コントローラ112は、時間1で界面416におけるAG%を決定し(例えば、センサデータ及び/又は計算によって)、時間2で把持力414を調整し、時間3で界面416におけるAG%を決定し、且つ時間1のAG%と時間3のAG%を比較することができる。時間1におけるAG%が時間3におけるAG%より大きくない場合、コントローラ112は、時間2で加えられた把持力414がAG%を減少させなかったと結論し、また、コントローラ112は、AG%が最小化されたとさらに結論する。一方、時間1におけるAG%が時間3におけるAG%よりも大きい場合、コントローラ112は、時間2で加えられた把持力414がAG%を減少させたと結論する。コントローラ112は、把持力414の調整がAG%の減少をもはやもたらさなくなるまで、時間1、時間2、及び時間3で使用される動作のパターンを継続し、また、コントローラ112は、それによって、AG%が最小化されたと結論する。テーブル500(
図5に示される)に示された他の界面-パラメータ測定値/推定値に対して追加の同様の例が生成され得る。
【0095】
コントローラ112が、フレキシブル材料Aが把持力404の下で材料Bに接触して界面406を形成したという判定の頃(例えば、直前又は直後)に選択された電力レベルで発熱素子を起動又は開始する本発明の実施形態では、フレキシブル材料Aの発熱素子は、フレキシブル材料Aに熱を付与し、距離1でフレキシブル材料Aの温度を上昇させる。フレキシブル材料Aの固有の熱伝導特性により、熱がフレキシブル材料Aを通過すると、ある程度の熱伝達があり、その結果、フレキシブル材料Aの温度は、距離1の初期温度レベルから距離2の低い温度レベルに変化する。フレキシブル材料Aで生成された熱が距離2でフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面406を横切ると、界面における温度は、距離2の低い温度レベルから再度降下して、距離2で界面416を横切って移動する。距離2で界面406を横切るこの温度降下は、把持力404の影響下での材料Aと材料Bの間の熱接触の初期レベル(TC-1)、並びに把持力404の影響下でのフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面熱抵抗の初期レベル(ITR-1)を表す。
【0096】
距離2におけるフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面406を通過する熱伝達には、2つのモードがある。第1の熱伝達モードは、フレキシブル材料Aと材料Bの間の固体間の経由点を通り、第2の熱伝達モードは、フレキシブル材料Aと材料Bの間のガスで満たされた(例えば、空気で満たされた)ギャップを通るものである。比較的高い熱伝導率を有するフレキシブル材料Aを選択することによって、フレキシブル材料Aと材料Bの間の固体間接触時の熱伝達が比較的効率的になる。しかしながら、フレキシブル材料Aと材料Bの間のガス/空気で満たされたギャップでの熱伝達は、フレキシブル材料A及び材料Bと比較してガス/空気の低い熱伝導率のため、本質的に非効率的である。2つの表面が滑らかに加工されている場合でも、機械加工及び他のプロセスの制限によって加工後の表面粗さができ、それは、表面が互いに接触したときに、表面間に比較的多数の小さなガス/エアギャップをもたらす。
【0097】
さらに
図6Aを参照すると、グラフ602は、把持力404の影響下で材料Bと接触している材料Aのエアギャップ%(AG%)対距離のプロットである。距離2で示されるように、AG%-aは、フレキシブル材料Aと材料Bの間の比較的高レベルのガス/エアギャップを表し、把持力404の影響下での界面406におけるフレキシブル材料Aと材料Bの間の比較的低い初期レベルの熱接触(TC-1)をもたらす。加えて、本発明の実施形態によれば、材料Bは、材料B(例えば、ここで材料Bは容器104の壁である)の審美的及び/又は機能的要件に基づくトポロジー(例えば、隆起、折り目など)を有することができる。距離2における材料B上の表面トポロジーの存在は、把持力404の影響下でのフレキシブル材料Aと材料Bの間のガス/エアギャップをさらに増加させ、それによって、把持力404の影響下での界面406におけるフレキシブル材料Aと材料Bの間のTC-1のレベルをさらに低下させる。
【0098】
図6Bは、グラフ602Aを、本発明の態様に従って把持力414の影響下で界面416において材料Bと接触する圧縮されたフレキシブル材料Aを示す対応するブロック図とともに示している。グラフ602Aは、グラフ602Aが、材料Bに対してフレキシブル材料Aを圧縮するためにフレキシブル材料Aに把持力414が加えられ、その結果、
図6Bに示される距離1から距離2’までの距離が
図6Aに示される距離1から距離2までの距離よりも短くなることから生じる界面416におけるAG%を示すことを除いて、グラフ602(
図6Aに示される)と実質的に同じである。
図6Bに示されるブロック図は、
図4Dに示されるブロック図と同じである。本発明の態様によれば、把持力414及び圧縮されたフレキシブル材料Aの柔軟性は、材料A/材料B界面416において圧縮されたフレキシブル材料Aを、材料A及び/又は材料Bの接触面上の粗さ及び/又はトポロジーから生じる前述したガス/空気で満たされた空間に押し込むのに十分であり、それによって、材料A/材料B界面416におけるガス/エアギャップを減少させ及び/又は実質的に排除する(
図6BにおいてAG%-a’として示される)。したがって、
図6Bは、AG%-aがAG%-a’よりも大きいことを示し、さらに、AG%-a’から生じるTLTC-1がAG%-aから生じるTC-1よりも大きいことを示している。
【0099】
図6C及び
図6Dは、テーブル500(
図5に示される)の行508、510に示された関係をさらに説明するグラフ及びブロック図(
図4A及び
図4Dに示されるブロック図に対応する)を示す。最初に
図6Cに目を向けると、材料Bの一部と接触する材料Aの一部を示す対応するブロック図とともに、グラフ604が示されている。グラフ604は、材料Bと接触する材料Aの温度対距離のプロットであり、
図6Cに示されるブロック図は、
図4Aに示されるブロック図と同じである。本発明の態様によれば、
図6Cのブロック図は、フレキシブル材料としての材料Aと、硬質、半硬質、及び/又は適合可能材料としての材料Bを示す。本発明の態様によれば、材料Aは、適合性及び/又は圧縮性の様々なレベルを有するフレキシブル材料であり得、材料Bは、硬質及び/又は半硬質材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、材料Bは、様々なレベルの適合性を有する硬質材料又は半硬質材料であり得る。把持力404は、距離2の界面406でフレキシブル材料Aを材料Bと接触させるために、距離1でフレキシブル材料Aに加えられている。フレキシブル材料Aが適合可能及び/又は圧縮可能である本発明の実施形態では、把持力404は、界面406においてフレキシブル材料A及び/又は材料Bを実質的に圧縮及び/又は適合させることなく、フレキシブル材料Aを材料Bと接触させるのに十分である。本発明の態様によれば、フレキシブル材料Aは、フレキシブル材料Aに熱を付与し、フレキシブル材料Aの温度を距離1でT1まで上昇させる発熱素子を含む。フレキシブル材料Aの固有の熱伝導特性によって、熱がフレキシブル材料Aを通過するときにある程度の熱損失があり、その結果、フレキシブル材料Aの温度が距離1のT1から距離2のT2aに変化する。フレキシブル材料Aで生成された熱が距離2においてフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面406を横切ると、界面の温度はT2aからT2bに降下し、この降下がフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面熱抵抗(ITR-1)である。
【0100】
本明細書で前述したように、距離2におけるフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面406を通過する熱伝達には、2つのモードがある。第1の熱伝達モードは、フレキシブル材料Aと材料Bの間の固体間の経由点を通り、第2の熱伝達モードは、弾性材料Aと材料Bの間のガスで満たされた(例えば、空気で満たされた)ギャップを通るものである。比較的高い熱伝導率のフレキシブル材料Aを選択することによって、フレキシブル材料Aと材料Bの間の固体間接触時の熱伝達が比較的効率的になる。しかしながら、フレキシブル材料Aと材料Bの間のガス/空気で満たされたギャップでの熱伝達は、フレキシブル材料A及び材料Bと比較してガス/空気の熱伝導率が低いため、本質的に非効率的である。2つの表面が滑らかに加工されている場合でも、機械加工及び他のプロセスの制限によって加工後の表面粗さができ、それは、表面が互いに接触したときに、表面間に比較的多くの小さなガス/エアギャップをもたらす。したがって、距離2において、フレキシブル材料Aと材料Bの間にガス/エアギャップが存在すると、T2aからT2bへの温度降下をもたらし、この温度降下は、フレキシブル材料Aと材料Bの間の初期熱接触のレベル(TC-2)を反映する。加えて、本発明の実施形態によれば、材料Bは、材料B(例えば、ここで材料Bは容器104の壁である)の審美的及び/又は機能的要件に基づくトポロジー(例えば、隆起、折り目など)を有することができる。距離2において材料B上に表面トポロジーが存在すると、フレキシブル材料Aと材料Bの間のガス/エアギャップがさらに増加し、それによって、TC-1がさらに増加する。材料A/材料B界面406における熱が材料Bを通って移動すると、温度は、距離2のT2bから距離3のT3に変化し、T2bからT3への変化は、実質的に材料Bの固有の熱伝導率特性によるものである。
【0101】
図6Dは、グラフ604Aを、本発明の態様に従って、界面416において材料BとTLTCの圧縮されたフレキシブル材料Aを示す対応するブロック図とともに示している。グラフ604Aは、材料Bと接触する圧縮されたフレキシブル材料Aの温度対距離のプロットである。
図6Dの材料Bは、
図6Cの材料Bと実質的に同じである。
図6Dの圧縮されたフレキシブル材料Aは、本発明の態様に従って材料Bに対してフレキシブル材料Aを圧縮するために
図6Dのフレキシブル材料Aに把持力414が加えられ、その結果、
図6Dに示される距離1から距離2’までの距離が
図6Cに示される距離1から距離2までの距離よりも短くなることを除いて、
図6Cのフレキシブル材料Aと実質的に同じである。
【0102】
本発明の態様によれば、把持力414及び界面416で圧縮されたフレキシブル材料Aの柔軟性は、材料A/材料B界面416において圧縮されたフレキシブル材料Aを、材料A及び材料Bの接触面上の粗さ及び/又はトポロジーから生じる前述したガス/空気で満たされた空間に押し込むのに十分であり、それによって、材料A/材料B界面416におけるガス/エアギャップを減少させ及び/又は実質的に排除する。本発明の態様によれば、圧縮されたフレキシブル材料Aで生成された熱が距離2’で圧縮されたフレキシブル材料Aと材料Bの間の界面416を横切ると、界面における温度はT2a’からT2b’に降下し、この温度降下は、圧縮されたフレキシブル材料Aと材料Bの間の目標熱接触(TLTC-2)を表す。本発明の実施形態によれば、T2a’とT2b’の差(測定センサ116を使用して検出され得る)は、T2aとT2bの差(測定センサ116を使用して検出され得る)よりも小さく、且つTLTC-2は、TC-2よりも大きい。本発明の態様によれば、把持力414及び圧縮されたフレキシブル材料Aの柔軟性は、T2a’とT2b’の差が所定の閾値未満になるという結果をもたらすのに十分であり、これは、TLTC-2が所定の閾値よりも大きいことを反映している。材料A/材料B界面の熱が材料Bを通って移動すると、温度は、距離2’のT2b’から距離3’のT3’に変化し、T2b’からT3’への変化は、実質的に材料Bの固有の熱伝導率特性によるものである。
【0103】
図6Eは、システム100のサブセットである支持システム610をさらに説明するブロック図を示す。支持システム610は、システム100の様々な態様を制御して界面416における熱接触を動的に制御するために使用され得る。より具体的には、支持システム610は、界面416においてTLTCを達成し、並びに容器104の壁を介して容器104の内容物への熱の実質的に効率的な伝達及び均等な分配を達成するため、システム100の把持及び/又は加熱(把持/加熱)設定614を動的に設定及び/又は調整するために使用され得る。本発明の態様によれば、把持/加熱設定614は、システム100によって実行される把持及び/又は加熱動作に関与する様々なシステム設定のうちの1つ以上を含むことができる。本発明のいくつかの態様では、把持/加熱設定614は、把持力404、414、加熱ゾーンA、B(
図8A~
図10Cに示される208A、208B、208’)に適用される起動及び/又は停止パターン(すなわち、加熱パターン)、加熱ゾーンA、Bに適用される電力、加熱ゾーンA、Bに適用される電力が連続的かパルス的か、加熱ゾーンA、Bに適用されるパルスパワーのデューティサイクル(持続時間、パルス幅、及びパルス振幅)、加熱ゾーンA、Bに適用される電力の開始、及び/又は可動グリッパ106が容器104を把持し、且つ容器104を介して容器104の内容物に熱を伝達している間、システム100が可動グリッパ106を揺動するかどうかを含む。本発明の態様では、界面416におけるTLTCは、テーブル500(
図5に示される)の行502~514に示された関係に基づいて決定され得る。
【0104】
支持システム610は、センサネットワーク117に通信可能に結合されたコントローラ112を含む。センサネットワーク117は、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値612、他の推定パラメータ613、及び加熱/把持設定614の値に関するシステム100(
図1に示される)からのデータを受信するように構成される。界面-パラメータプロキシ測定値/推定値612は、材料Aパラメータ(ここで、材料Aは、フレキシブルインナースリーブ108に対応する)、材料Bパラメータ(ここで、材料Bは、容器104に対応する)、及び界面416のパラメータを含む。他の推定パラメータ613は、容易に検出されない及び/又は容易にアクセスできない(例えば、手動入力111又は追加のデータソース115によって)様々なパラメータを含むことができ、その例は、容器104(ここで、容器104は、材料Bに対応する)の内容物の中心線に沿った様々な点における温度を推定することを含み、これは、熱が容器104の内容物にどの程度均等又は均一に伝達されているかについてのフィードバックを提供する。コントローラ112は、機械学習アルゴリズム615、シミュレーションアルゴリズム616、及び/又はリレーショナルデータベース618を含むように構成され、これらは、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値612、他の推定パラメータ613、及び/又は把持/加熱設定614の値/設定に少なくとも部分的に基づいてタスク620を実行するために、個別に又は任意の組み合わせで使用され得る。本発明の実施形態では、タスク620は、界面416におけるTLTCを達成し、並びに容器104の壁を介して容器104の内容物への熱の実質的に効率的な伝達及び均等な分配を達成するために、必要に応じて、把持/加熱設定614の動的調整を生成することを含む。本発明のいくつかの態様では、TLTCは、機械学習アルゴリズム615、シミュレーションアルゴリズム616、及び/又はリレーショナルデータベース618を使用してコントローラ112によってなされる目標界面熱抵抗(ITR)レベルの予測を含むことができる表500(
図5に示される)に示される界面-パラメータプロキシ測定値/推定値によって表される。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102、可動グリッパ106、容器104、及び/又は容器104の内容物のモデルを生成及びトレーニングするために、機械学習アルゴリズム615を利用することによってタスク620を実行するように構成され得る。より具体的には、モデルは、システム100に適用された把持/加熱設定614に応答してフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間の界面の性質を分類及び/又は予測するようにトレーニングされ得る(例えば、
図5及び
図7Aに示される表500、700に示されるように、及び
図6A~
図6Eにおいて使用される技術を使用して)。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102、可動グリッパ106、及び/又は容器104の特性をシミュレートするために、シミュレーションアルゴリズム616を利用することによってタスク620を実行するように構成され得る。より具体的には、シミュレーションアルゴリズム616は、システム100に適用された把持/加熱設定614に応答してフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の外壁の間の界面の性質をシミュレートするように構成及び配置された既知のシミュレーションアルゴリズムであり得る(例えば、
図5及び
図7Aに示される表500、700に示されているように、及び
図6A~
図6Eにおいて使用される技術を使用して)。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、コントローラ112の記憶場所に格納されたリレーショナルデータベース618を動的に制御及びアクセスすることによってタスク620を実行するように構成され得る。本発明の実施形態に関連して使用され得る好適なリレーショナルデータベース618は、情報及び情報間の関係がそこから取り出され得るような方法で、関連情報(例えば、界面-パラメータプロキシ測定値/推定値612、他の推定設定613、及び/又は把持/加熱設定614)を蓄積する手段を提供するように構成された任意のリレーショナルデータベースである。リレーショナルデータベース内のデータは、共通のキー又は概念に従って関連付けることができ、テーブルから関連データを取り出す機能は、リレーショナルデータベースという用語の基礎である。コントローラ112のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、データ及び他の情報が蓄積され、維持され、及びコントローラ112のリレーショナルデータベースから取得される方法を決定するタスクを実行する。例えば、目標ITRがXで示される値である場合、リレーショナルデータベース618は、現在の界面-パラメータプロキシ測定値/推定値612に基づいて、目標ITR値Xを達成するための把持力414が値Yの把持力414であるべきであると決定するために使用され得る。次いで、コントローラ112は、把持力414の電流値を評価し、把持力値Yを達成し維持するために把持力414に必要なあらゆる調整を行う制御信号を出力する。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態では、タスク620の一部として実行される動的調整は、コントローラ112が界面416の現在の状態に基づいて選択し、開始する緩和戦略とみなし得る。例えば、他の推定パラメータ613が、容器104の内容物の上部領域が、容器104の内容物の下部領域よりも速く(又はより高い温度に)加熱されていることを示している場合、コントローラ112は、容器104の内容物の上部領域と下部領域の間の熱分布をより均一に行うように構成された一連の緩和動作から選択することによって、タスク620の動的調整を実行するように構成され得る。例えば、コントローラ112は、容器104の内容物の上部領域と下部領域の間の熱分布をより均一にするのに最も可能性が高い緩和動作又は緩和動作の組み合わせを決定するために、システム100、界面416、容器104、及び容器104の内容物のモデルを使用するように構成され得る。本発明の実施形態では、緩和動作は、サーマルフィルムヒータ208、208’の加熱ゾーンに適用される起動及び/又は停止パターン(すなわち、加熱パターン)を変更すること、サーマルフィルムヒータ208、208’の加熱ゾーンに適用される電力を調整すること、加熱ゾーンに適用される電力が連続的かパルス的であるかを決定すること、加熱ゾーンに適用されるパルスパワーのデューティサイクル(持続時間、パルス幅、及びパルス振幅)を調整すること、及び可動グリッパ106が容器104を把持し、且つ容器104を介して容器104の内容物に熱を伝達している間、システム100が可動グリッパ106を揺動するか否かを決定することを含み得る。
【0109】
図7Aは、把持力414(
図4B~
図4Dに示される)、界面416における材料Aの性質(
図4B~
図4Dに示される)、界面416における材料Bの性質、界面416における材料Bのトポロジー(例えば、隆起、折り目など)の性質(
図4B~
図4Dに示される)、及び本発明の実施形態を使用して動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る界面-パラメータの関係を説明する表700を示す。本発明のいくつかの実施形態では、材料Aは、界面416で圧縮可能であり得、表700の行702、704、706、708は、界面416における材料B及び界面416における材料Bのトポロジーの様々な組み合わせに基づいて動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る界面-パラメータを示す。図示されているように、材料Aが界面416において圧縮可能である場合、把持力414(GF4、GF5、GF6、GF7)は、ITCを含むことができるTLTC(例えば、
図6Bに示されるTLTC-1)を動的に制御し、改善し、及び/又は達成するように適用され得る。本発明の態様に従って、TLTCは、表500(
図5に示される)に示される適用可能な界面-パラメータプロキシ測定値/推定値、及び
図6A~
図6Eに示される適用可能な技術のいずれかを使用して評価され得る。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、材料Aは、界面416において適合可能であり得、表700の行710、712、714、716は、界面416における材料B及び界面416における材料Bのトポロジーの様々な組み合わせに基づいて、動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る界面-パラメータを示す。行710、712、716に示されるように、材料Aが界面416において適合可能であり、且つ界面416における材料Bと界面416における材料Bトポロジーの組み合わせである場合、把持力414(GF8、GF9、GF11)は、ITCを含むことができる界面416におけるTLTC(例えば、
図6Bに示されるTLTC-1)を動的に制御し、改善し、及び/又は達成するように適用され得る。本発明の態様によれば、TLTCは、表500(
図5に示される)に示される界面-パラメータプロキシ測定値/推定値、及び
図6A~
図6Eに示される適用可能な技術のいずれかを使用して評価され得る。行714に示されるように、材料Aが界面416において適合可能であり、界面416において材料Bがトポロジーを有する硬質材料である場合、把持力414(GF10)は、界面416においてTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するように適用され得る。本発明の実施形態によれば、界面416におけるTLTCは、材料Aが材料Bトポロジーから生じる界面416における窪みを埋めるのに十分にフレキシブルである場合、ITCを含むことができる。本発明の態様によれば、界面416におけるTLTCは、表500に示される適用可能な界面-パラメータプロキシ測定値/推定値、及び
図6A~
図6Eに示される適用可能な技術のいずれかを使用して評価され得る。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、材料Aは、フレキシブルであり得るが界面416において適合可能ではなく、及び表700の行718、720、722、724は、界面416における材料B及び界面416における材料Bのトポロジーの様々な組み合わせに基づいて動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る界面-パラメータを示す。行718、720、724に示されるように、材料Aがフレキシブルであるが界面416において適合可能ではなく、且つ界面416における材料Bと界面416における材料Bトポロジーの組み合わせの場合、把持力414(GF12、GF13、GF15)は、ITCを含むことができるTLTC(例えば、
図6Bに示されるTLTC-1)を動的に制御し、改善し、及び/又は達成するように適用され得る。本発明の態様によれば、TLTCは、表500(
図5に示される)に示される界面-パラメータプロキシ測定値/推定値、及び
図6A~
図6Eに示される適用可能な技術のいずれかを使用して評価され得る。行722に示されるように、材料Aがフレキシブルであるが界面416において適合可能ではなく、且つ界面416の材料Bがトポロジーを有する硬質材料である場合、把持力414(GF14)は、界面416においてTLTC(例えば、
図6Bに示されるTLTC-1)を動的に制御し、改善し、及び/又は達成するように適用され得る。しかしながら、行722のTLTCは、材料Aがフレキシブルではあるが材料Bトポロジーから生じる界面416における窪みを埋めるのに十分なフレキシブルではないため、ITCを含むのに十分ではないであろう。本発明の態様によれば、界面416におけるTLTCは、表500に示される適用可能な界面-パラメータプロキシ測定値/推定値、及び
図6A~
図6Eに示される適用可能な技術のいずれかを使用して評価され得る。
【0112】
図7B、
図7C、及び
図7Dは、表700に示された関係のいくつかをさらに説明する構造の断面図を示し、材料Aがフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108に対応し、材料Bが容器104の外壁に対応する。
図7B及び
図7Cは、本発明の態様に従って、表700(
図7Aに示される)の行702、704、706、708に示された関係を説明するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の壁104Aの間の相互作用の一例を示す。図示及び説明を容易にするために、フレキシブルインナースリーブ108及び容器壁104Aは、
図7B及び
図7Cにおいて、それぞれ実質的に平面である。しかしながら、実際には、フレキシブルインナースリーブ108及び容器壁104Aが、それぞれ実質的に非平面であり得ることが理解される。フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、圧縮可能な界面層108Bとともに、1つ以上の層を有する領域108Aを含む。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、エラストマー材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、熱伝導性を高めるために熱伝導性粒子を充填したエラストマー又は複合材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、熱伝導性粒子は、圧縮可能な界面層108Bが適合可能ではない容器壁トポロジー104Bの存在に基づいて存在するどんな高さ(又は深さ)の凹凸でも適合することを可能にする十分な厚さを有しながら界面層108Bの圧縮が圧縮可能な界面層108Bの前記充填エラストマー又は複合材料の熱伝導率を向上させる熱伝導性粒子のパーコレートされたネットワークを作成するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、シリコーンエラストマー材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、熱伝導性粒子を有するシリコーンエラストマー材料であり得る。適合可能ではない容器壁トポロジー104B(例えば、隆起、折り目、窪みなど)は、容器壁104Aの審美的及び/又は機能的要件に基づいて提供され得る、又は容器壁104Aの外面の製造又は加工から生じる粗さであり得る。
【0113】
図7Bは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を容器壁104Aに接触させるが、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を圧縮しない把持力404の影響下で厚さD1を有するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を示す。
図7Cは、容器壁104Aに対して圧縮可能な界面層108Bを押し付ける把持力414の影響下でのフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を示す。本発明の実施形態によれば、圧縮可能な界面層108Bは、適合可能ではない容器壁トポロジー104Bと界面で連結する圧縮可能な界面層108Bの表面を、把持力414に応答して、容器壁104Aの容器壁トポロジー104Bに実質的に適合させることを可能にするのに十分な柔軟性及び厚さを有する。したがって、本発明の実施形態では、容器壁104Aの外面がトポロジー104Bを含む場合であっても、表500に示された関係に従って、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間でTLTCが動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る。把持力414の影響下で、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の厚さは、D1よりも薄いD2まで減少する。
【0114】
図7Dは、フレキシブルインナースリーブ108を有する可動グリッパ106が、本発明の非限定的な実施形態に従って、容器104の容器壁104Aに接触し、且つ適合する方法のトップダウン断面図を示す一連のブロック図を示し、容器壁104Aは、適合可能な不規則な表面トポロジーを含む。
図7Dに示された例は、表700(
図7Aに示される)の行724で定義される関係の一例である。左端の図は、可動グリッパ106によって画定されるが、把持力414の適用前の調整可能な開口部126内の容器104を示す。中央の図は、把持力414の適用中の容器104及び可動グリッパ106を示し、ここで、可動グリッパ106のフレキシブルインナースリーブ108は、容器壁104Bに接触し、容器壁104Bの適合可能なトポロジーを可動グリッパ106の形状に適合させるプロセスを開始した。右端の図は、容器104及び可動グリッパ106を示し、ここで、把持力414は、可動グリッパ106に対して、容器壁104Bの適合可能なトポロジーを可動グリッパ106の形状に適合させるように促し、それによって、エアギャップを実質的に減少させ、且つ熱伝達を実質的に改善する。
【0115】
図8A、
図8B、
図8C、及び
図8Dは、本発明の実施形態に従ってフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108がどのように実施され得るかのさらなる詳細を示す。より具体的には、
図8Aは、実質的に円筒形のフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を示す。本発明の実施形態では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108が可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に結合されるとき(
図2及び
図3に最もよく示される)に、
図8Aに示される実質的に円筒形に保持される。フレキシブルインナースリーブ108の様々な構成部品は、点線構造として
図8Aに図示されている。
図8B、
図8C、
図8Dは、本明細書では選択可能な加熱パターンとも称される、異なる選択可能な加熱ゾーンに従って動作するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を示す。3つの加熱ゾーン250a(
図8Bに示される)、250b(
図8Cに示される)、250c(
図8Dに示される)が示されているが、任意の数の加熱ゾーンを設けることができることを理解されたい。
【0116】
図8Aに最もよく示されているように、本発明の態様では、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、印加電圧を受けることに応答して熱を生成するように構成されたサーマルフィルムヒータ208を含む。本発明の1以上の非限定的な実施形態では、サーマルフィルムヒータ208及びバスバー211は、個々のフレキシブル層、シート及び/又は薄膜の積層配置に含まれており、その一例は、
図9A~
図9D及び
図10A~
図10Cに示され、本明細書で後でより詳細に説明される。本発明の実施形態では、バスバー211は、受けた電流に応答して熱を生成するサーマルフィルムヒータ208に電流を流す。本発明の実施形態では、バスバー211は、導電性材料の層を堆積させ、次いで、導電性材料の層を選択的にエッチングして、バスバー211を画定することによって形成される。サーマルフィルムヒータ層208は、薄膜ヒータとして機能し、炭素充填ポリイミド(例えば、
図9A~
図9Dに示される素子208)を含むがこれに限定されない様々な熱生成材料を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、バスバー211を除去することができ、サーマルフィルムヒータ層208は、抵抗金属及び/又はエッチングされた抵抗金属箔(例えば、
図10A~
図10Cに示される素子208’)であり得る。サーマルフィルムヒータ層208の厚さは、例えば、約12.5ミクロン(μm)~75μmの範囲とすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、熱伝導層200(
図9A~
図9D及び
図10Aに示される)は、サーマルフィルムヒータ208と容器104(
図1~
図3に示される)の間に配置され、サーマルフィルムヒータ層208によって生成された熱を、容器104の内容物に熱を均一に分配することを支援するように、調整可能な開口部126に配置された容器104に均一に伝達するのを助ける役割を果たす。
【0117】
個々の加熱ゾーンA及びBは、互いに独立して選択的に起動及び停止されることができ、これは、インナースリーブヒータアセンブリ108によって受け取られた異なるサイズ、形状、及び/又は材料の容器を均一に加熱する能力を提供する。さらに、第1の起動した加熱ゾーンの第1の温度は、第2の起動した加熱ゾーンの第2の温度とは独立して制御され得る。したがって、インナースリーブヒータアセンブリ108の異なる位置における温度は、容器に適用される熱の精度を向上させるために、独立して調整され得る。例えば、短い容器に熱を集中するように、短い容器を加熱するために、下部の加熱ゾーンが利用され得る。別の例では、容器上部と比較して容器底部に異なる材料を有する容器を適切に加熱するために、可動グリッパ106の上部が第1の温度とは異なる第2の温度で加熱される間、可動グリッパ106の下部が第1の温度で加熱され得る。別の例では、測定センサ116は、熱が容器104に不均一に供給されていることを検出でき、各加熱ゾーン(すなわち、加熱ゾーンパターン)に供給される熱は、不均等な熱分布を補償及び補正するように構成された方法で制御され得る(例えば、コントローラ112によって)。本発明の実施形態では、測定センサ116を使用して、容器104上の第1の所定位置における温度と容器104上の第2の所定位置における温度の差が閾値を超えていると判定することによって、不均等な熱分布が検出され得る。本発明の実施形態では、測定センサ116を使用して、容器104の第1の端部における温度と容器104上の第2の反対側の端部における温度の差が閾値を超えることを判定することによって、不均等な熱分布が検出され得る。本発明の実施形態では、測定センサ116及びコントローラ112を使用して、容器104上の位置と容器104の内容物の中心点の温度差を推定することによって、不均等な熱分布が検出され得る。
【0118】
電気端子213は、バスバー211に取り付けられており、電線(図示せず)がバスバー211に電力を供給するために電気端子213に結合され得る。複数のタイプの測定センサ116は、コントローラ112(
図1、及び
図6Eに示される)によって実行される様々な制御プロセスへの入力を提供するために、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108上の様々な位置に配置される。本明細書で前述したように、測定センサ116は、圧力センサ、容器温度センサ、周囲/環境温度センサ、振動センサ、加速度計、ジャイロスコープ、サーミスタなどを含むがこれらに限定されない。測定センサ116は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な位置に個別に結合され得る。本発明のいくつかの実施形態では、測定センサ116は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を形成する個々のフレキシブル層、シート及び/又は薄膜のうちの1つ以上に印刷され得る(例えば、積層造形技術を用いて)。例えば、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108上の特定の位置で単一の個別の測定センサ116を結合するよりもむしろ測定センサ116のアレイが個々のフレキシブル層のうちの1つ以上(例えば、
図9Bに示される電気絶縁体領域204を形成する第1の電気絶縁層)に印刷され得る。
【0119】
フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を構成するフレキシブル層は、垂直に延びる中心軸Y(基準軸102で示される)の周りで折り曲げられ又は丸められるほど十分にフレキシブルである。したがって、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に取り付けられたときのフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110によって画定される円筒形を追随しながら可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の運動に追随するのに十分にフレキシブルである。したがって、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110及びフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、調整可能な開口部126を画定する。調整可能な開口部126は、様々なサイズ、形状、及び外面トポロジーを有する容器(例えば、容器104)をその中に配置することを可能にする。
【0120】
図8Bは、本発明の実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の選択可能な加熱ゾーン250aを示す。加熱ゾーン250aは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の第1のバスバー211aから第2のバスバー211bに及ぶフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108全体を効果的に含む。加熱ゾーン250aは、第1端子213aを経由して第1のバスバー211aに第1の電位(例えば、正電圧)を印加し、且つ第2の端子213bを経由して第2のバスバー211bに第2の電位(例えば、負電圧又は接地電位)を印加することによって選択及び起動され得る。このようにして、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108のサーマルフィルムヒータ208全体にわたって電位が印加され、これは、サーマルフィルムヒータ層208全体を通る電流の流れを逐次誘発する。次いで、電気リード線が、それらの電力をサーマルフィルムヒータ層208に送出するバスバー211に取り付けられ得る(例えば、はんだ付け又は電気端子213a、213b、213cを介して)。このようにして、サーマルフィルムヒータ層208は、画定されたバスバー211のうちの1つ以上に印加される電圧に応答して熱を生成することができる。
【0121】
図8Cは、本発明の実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の選択可能な加熱ゾーン250bを示す。加熱ゾーン250bは、第3のバスバー211cから第1のバスバー211a(ファントムで示される)に及ぶフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の上部(例えば、
図8B及び
図8Cに示される加熱ゾーンA)を除外しつつ第3のバスバー211cから第2のバスバー211bに及ぶフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の下部(例えば、
図8B及び
図8Cに示される加熱ゾーンB)を含む。加熱ゾーン250bは、第3の端子213cを経由して第3のバスバー211cに第1の電圧(例えば、正電圧)を印加し、且つ第2の端子213bを経由して第2のバスバー211bに第2の電圧(例えば、負電圧又は接地電位)を印加することによって選択及び起動され得る。このようにして、インナースリーブヒータアセンブリ108のサーマルフィルムヒータ層208の一部分のみに電位が印加される。その結果、電流は、サーマルフィルムヒータ層208全体を通るのではなく、第3のバスバー211cから第2のバスバー211bまでのサーマルフィルムヒータ層208を通って流れる。
【0122】
図8Dは、本発明の実施形態によるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の選択可能な加熱ゾーン250cを示す。加熱ゾーン250bは、第3のバスバー211cから第2のバスバー211b(ファントムで示される)に及ぶフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の下部(例えば、
図8B及び
図8Cに示される加熱ゾーンB)を除外しつつ第1のバスバー211aから第3のバスバー211cに及ぶフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の上部(例えば、
図8B及び
図8Cに示される加熱ゾーンA)を含む。第3の加熱ゾーン250cは、第1の端子213aを経由して第1のバスバー211aに第1の電圧(例えば、正電圧)を印加し、且つ第3の端子213cを経由して第3のバスバー211cに第2の電圧(例えば、負電圧又は接地電位)を印加することによって選択及び起動され得る。ここでも電位は、インナースリーブヒータアセンブリ108のサーマルフィルムヒータ層208の一部分のみに印加される。しかしながら、このシナリオでは、電流は、第1のバスバー211aから第3のバスバー211cまでのサーマルフィルムヒータ層208を流れる。
【0123】
図8B、
図8C、
図8Dをさらに参照すると、コントローラ112は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108に結合された測定センサ116a及び116bとともに、電源120と信号通信することができる。コントローラ112は、電源120がバスバー211a、211b、211cに印加する電圧を制御して、加熱ゾーン250a、250b、250cのうちの目標とされた1つを選択及び起動するために、電源120を制御することができる。本発明の実施形態では、コントローラ112は、加熱ゾーン250a、250b、250cのそれぞれに位置する測定センサ116a、116b、116cから出力される測定データ(例えば、温度)を監視することもできる。測定センサ116a、116b、116cは、測定センサ116(例えば、
図8Aに示される測定センサ116)の具体例である。このようにして、コントローラ112は、選択された加熱ゾーンを自動的に起動及び停止し、及び/又は各加熱ゾーン250a、250b、250cの温度を、それらの尊重される加熱ゾーン250a、250b、250cに位置する測定センサ116a、116b、116cから出力される測定された温度データに基づいて、互いに独立して積極的に調整することができる。本発明の実施形態では、コントローラ112は、挿入された容器104を加熱する間に形成される1つ以上のホットスポットを検出することができ、また、サーマルフィルムヒータ層208の損傷を回避するために、加熱ゾーン250a、250b、250cのうちの1つ以上を自動的に停止することができる。
【0124】
図9A~
図9Dは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の例示的な多層実装の断面図を示し、ここで、
図9A及び
図9Bは、多層フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Cとしてのフレキシブルインナースリーブ108の実装を示し、ここで、
図9B及び
図9Cは、多層フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Dとしてのフレキシブルインナースリーブ108の実装を示す。説明を容易にするために、フレキシブルインナースリーブ108C、108Dは、実質的に平面として示されている。しかしながら、実際には、フレキシブルインナースリーブ108C、108Dは、実質的に非平面であり得ることが理解される。
図9Aに示されるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Cの個々のフレキシブル層は、熱伝導層200、電気絶縁体領域204、サーマルフィルムヒータ層ゾーンA208A、サーマルフィルムヒータ層ゾーンB208B、及び複数の間隔を空けてバスバー211として形成された導電層を含み、図示のように構成及び配置される。
図9Aに示される層の一部又は全部は、任意の好適な接着剤又は接着材料(個々に図示されていない)を使用して所定の位置に固定され得る。本発明の実施形態では、接着材料は、例えば、任意の組み合わせで使用されるポリイミド接着剤、エポキシ接着剤、感圧接着剤、アクリル系接着剤、及び/又はフッ素ポリマー接着剤を含むがこれらに限定されない様々な接着材料を含むことができる。接合材料の各々の個々の領域の厚さは、例えば、約12.5ミクロン(μm)から約125μmの範囲であり得る。
【0125】
熱伝導層200は、例えば、アルミニウム、銅、金、又は銀を含むがこれらに限定されない様々な熱伝導性金属材料を含むことができる。熱伝導層200の厚さは、例えば、約0.76mm(0.030インチ)から約1mm(約0.035インチ)の範囲であり得る。
【0126】
電気絶縁体領域204は、ポリイミドフィルム、ポリエステル(PET)フィルム、フッ素ポリマーフィルム、及びシリコーンエラストマーを含むがこれらに限定されない様々な電気絶縁材料を含むことができる。電気絶縁体領域204の厚さは、例えば、約25ミクロン(μm)から50μmの範囲であり得る。電気絶縁体領域204は、熱伝導層200及び周囲環境に対するサーマルフィルムヒータ層208及びバスバー211の電気的短絡を防止する。電気絶縁体領域204は、熱伝導層200内の任意の金属に対して、又は可動アウタースリーブヒータアセンブリ110又は可動アウタースリーブヒータアセンブリ110のカットアウトを介してヒータフィルム208に接触し得る他の構成要素に対して、サーマルフィルムヒータ層208を電気的短絡から保護するための電気的保護層として機能する。本発明のいくつかの実施形態では、
図9Aに示される様々な層を接合する接着材料が十分な電気絶縁性を提供する場合、電気絶縁体領域204が省略され得る。
【0127】
複数間隔をあけたバスバー211は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、錫(Sn)、及びアルミニウム(Al)を含むがこれらに限定されない様々な導電性材料を含むことができる。垂直軸Yに沿ったバスバー211の厚さは、例えば、約12.5ミクロン(μm)から約75μmの範囲であり得る。サーマルフィルムヒータ層208が炭素充填ポリイミドの層として実装される本発明の実施形態では、バスバー211が形成される導電層は、サーマルフィルムヒータ層208と永久接着を形成するように恒久的に接着され得る。
【0128】
図9Bにおいて、多層フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Dは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Dが、
図7B及び
図7Cに示される圧縮可能な界面層108Bと実質的に同じ特徴及び機能性を有する圧縮可能な界面層108Bを含むことを除いて、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Cと実質的に同じである。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、エラストマー材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、熱伝導性を高めるために熱伝導性粒子を充填したエラストマー又は複合材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、熱伝導性粒子は、圧縮可能な界面層108Bが適合可能ではない容器壁トポロジー104Bの存在に基づいて存在するどんな高さ(又は深さ)の凹凸でも適合することを可能にする十分な厚さを有しながら界面層108Bの圧縮が圧縮可能な界面層108Bの前記充填エラストマー又は複合材料の熱伝導率を向上させる熱伝導性粒子のパーコレートされたネットワークを作成するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、シリコーンエラストマー材料であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、圧縮可能な界面層108Bは、熱伝導性粒子を有するシリコーンエラストマー材料であり得る。
図7B及び
図7Cに示される圧縮可能な界面層108Bと同様に、
図9Bの圧縮可能な界面層108Bは、把持力414の影響下で、容器壁104A及び隣接する容器104に押し付けられる。本発明の実施形態によれば、圧縮可能な界面層108Bは、適合可能ではない容器壁トポロジー(例えば、
図7B及び
図7Cに示される104B)と界面で連結される圧縮可能な界面層108Bの表面が、把持力414に応答して、容器壁トポロジーに実質的に適合することを可能にするのに十分な柔軟性及び厚さを有する。したがって、本発明の実施形態では、TLTCは、容器壁104Aの外面がトポロジーを含む場合であっても、表500に示された関係に従って、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Dと容器104の間で動的に制御され、改善され、及び/又は達成され得る。
【0129】
図9C及び
図9Dは、本発明の態様に従って熱がサーマルフィルム加熱ゾーンA208Aから電気絶縁体領域204、熱伝導層200、及び任意に圧縮可能な界面層108Bを介してどのように伝達されるかの例を示す。同様の熱伝達経路は、加熱ゾーンB208B単独で、及び/又は加熱ゾーンA208A及びB208Bを組み合わせて生成され得る。
図9A及び
図9Bを合わせて参照すると、ジュール加熱現象によって、電位がバスバー211を介して加熱ゾーンA208Aを横切って印加されると、サーマルフィルム加熱ゾーンA208Aによって熱が生成される。
図9C及び
図9Dに示されるように、加熱ゾーンB208Bが起動していない間、加熱ゾーンA208Aは起動している。加熱ゾーンA208Aで生成された熱は、上向き(例えば、正方向の軸yに沿って)、下向き(例えば、負方向の軸yに沿って)及び横方向(例えば、正方向の軸x及び負方向の軸zに沿って)に伝播するが、最も抵抗の小さい経路(すなわち、最も短い又は「最も薄い」経路)に沿って優先的に又は選択的に伝播し、これは、
図9C及び
図9Dに優先加熱経路206B(例えば、負方向の軸yに沿って)として示されている。「優先的(preferential)」、「優先的に(preferentially)」、「選択的な(selective)」、「選択的に(selectively)」という用語及びそれらの同義語は、例えば、「目標とされた経路に沿って熱を優先的に伝播する」が、熱が利用可能な目標とされていない経路に沿って伝播するよりも速い速度で熱が目標とされる経路に沿って伝播することを意味するようなものである。したがって、フレキシブルインナースリーブ108C、108Dの様々な層/領域204、200、108Bの厚さは、優先経路206Bがサーマルフィルムヒータ208から容器104であるように選択され、さらに、サーマルフィルムヒータ208から発せられる熱の目標(又は最大化)パーセンテージが優先経路206Bに沿っているように選択される。より具体的には、サーマルフィルムヒータ208及び介在する任意の接着材料の下にある領域204の部分は非常に薄く、典型的にミクロンの厚さで測定されるのに対し、横方向(軸xに沿った)の距離はセンチメートルで測定される。加えて、サーマルフィルムヒータ208の上にある領域204の部分の厚さ及びバスバー211の厚さは、サーマルフィルムヒータ208及び介在する任意の接着材料の下にある領域204の部分の厚さよりも厚い。したがって、優先加熱経路206B(すなわち、熱抵抗が最も小さい経路)は、加熱ゾーンA208Aと熱伝導層200の間、及び/又は加熱ゾーンA208Aと圧縮可能な界面層108Bの間の最も直接的な経路となり、これらはいずれも、加熱ゾーンA208Aから、熱伝導層200及び/又は圧縮可能な界面層108Bと接触する容器104まで熱が移動する最短距離でもある。
【0130】
図10Aは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eとして実装されるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の断面図の一例を示し、ここで、サーマルフィルムヒータ層208は、エッチングされた抵抗金属箔208’として実装される。抵抗金属箔208’は、第1の電気絶縁層204の上に且つ第2の電気絶縁層214に下に接着されている(例えば、前述した種類の接着材料を使用して)。本発明の実施形態では、抵抗金属箔208’は、白銅(CuNi)及び様々なタイプの耐酸化腐食性材料を含むがこれらに限定されない様々な抵抗金属材料から形成され得る。白銅は、ニッケルと、鉄やマンガンなどの強化元素を含む銅の合金である。
【0131】
図10Bは、電源120及びコントローラ112に結合された領域1002Aを示す。領域1002Aは、
図10Aに示されたフレキシブルインナースリーブヒータ層108Eの領域1002の分解傾斜図である。領域1002Aは、本発明の実施形態において、抵抗金属箔208’が、第1の端子213dから第2の端子213eまで横断する蛇行パターン220内の抵抗金属箔の狭い細長い部分を画定するために、エッチングされ得ることを示す。本発明の実施形態では、「蛇行パターン」という用語及びその同義語は、曲がりくねり、且つ交互に湾曲するパターンを指す。第1の電圧極性(例えば、正電圧)は、第1の端子213dに印加され、第2の電圧極性(例えば、負電圧又は接地)は、第2の端子213eに印加され得る。蛇行パターン220内の抵抗金属箔208’の両端に印加される電圧は、抵抗金属箔208’を通る電流を発生させ、これは、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108EとTLTCで把持力414によって維持されている容器104(
図1~
図3に示される)に熱を伝えるために、効率的かつ優先的に(例えば、
図9C及び
図9Dに示される優先加熱経路206Bと同じものを使用して)フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eの残りの層(204、200、及び任意に108B)を通過する熱を逐次誘発する。
【0132】
図10Cは、電源120及びコントローラ112に結合された領域1002Bを示す。領域1002Bは、
図10Aに示されたフレキシブルインナースリーブヒータ層108Eの領域1002の分解トップダウン図である。領域1002Bは、本発明の実施形態において、抵抗金属箔208’が、複数の蛇行パターン220a、220bを画定するために、エッチングされ得ることを示す。2つの蛇行パターン220a、220bが
図10Cに示されているが、任意の数の蛇行パターン220が設けられ得る。本発明の実施形態によれば、蛇行パターン220aは、第1の端子213dから第2の端子213eまで横断し、蛇行パターン220bは、第3の端子213fから第4端子213gまで横断する。本発明の実施形態では、抵抗金属箔208’が、複数の個別の蛇行パターン220a、220bを画定するために、エッチングされる。213d及び213fが電気的に接続されると、蛇行パターン220a、220bは、
図8Bに示された加熱ゾーン250aに対応する第1の加熱ゾーンを画定する。蛇行パターン220aは、
図8Dに示された加熱ゾーン250cに対応する第2の加熱ゾーンを画定する。蛇行パターン220bは、
図8Cに示された加熱ゾーン250bに対応する第3の加熱ゾーンを画定する。本発明の実施形態では、電流は、コントローラ112を使用して電源120を動的に制御して、電圧を互いに独立して蛇行パターン220a、220bに選択的に印加することによって、所与の蛇行パターン220a、220bを通って流れるように誘導され得る。このようにして、複数の加熱ゾーンは、本明細書で説明されるように実現され得る。
【0133】
本発明の実施形態では、第1の加熱ゾーン220a、220bは、蛇行パターン220a及び220bの両方にわたって電圧を印加することによってもたらされ得る(端子213e及び213fは、1つのより大きなヒータを作成するために電気的に結合され得る)。したがって、第1の加熱ゾーン220a、220bは、実質的にフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eの全体から熱を効果的に生成することができる。第2の加熱ゾーン220aは、電圧を蛇行パターン220bから切断しながら、蛇行パターン220aに電圧を印加することによって実行され得る。したがって、熱は、起動した蛇行パターン220aを含むフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eの第1の部分から効果的に生成される。第3の加熱ゾーン220bは、電圧を蛇行パターン220aから切断しながら、蛇行パターン220bに電圧を印加することによって実行され得る。したがって、熱は、起動した第2の蛇行パターン220bを含むフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eの第2の部分から効果的に生成される。
図10A~
図10Cには図示されていないが、測定センサ116も実装でき、コントローラ112はフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108Eを監視することができる(例えば、
図6Eに示されたサブシステム610を使用してタスク620を実行する)。したがって、コントローラ112は、本明細書で説明される本発明の様々な態様に従ってフレキシブルインナースリーブ108Eから容器104に熱が伝達される方法を動的に制御するために、本明細書で詳細に説明されるように、個々の蛇行パターン220、220a、220b及び加熱ゾーンを積極的且つ動的に制御することができる。
【0134】
図11Aは、本発明の態様に従ってコンピュータによって実施される方法1100を説明するフロー図を示す。本発明の態様によれば、方法1100の複数の繰り返しは、グリッパサブアセンブリ102を制御して、動的に制御された把持力414を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用するために、コントローラ112によって実施され得る。本発明の実施形態では、グリッパサブアセンブリ102は、グリッパサブアセンブリ102の機械的エネルギー源機構を使用して把持力414(
図4B、
図4C、
図4D、
図6B、
図6D、
図6Eに示される)を適用するように構成されている。本発明のいくつかの実施形態によれば、機械的エネルギー源機構は、結合素子に物理的に結合された機械的エネルギー源128を含む。本発明の態様では、結合素子は、機械的エネルギー源128によって生成される機械的エネルギー(又は力)を把持力414に変換し、把持力414を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用するように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、機械的エネルギー源128によって生成された機械的エネルギーを把持力414に変換するために、多種多様な結合機構が使用され得る。本発明のいくつかの実施形態では、結合素子は、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122として実装され、
図1に示したように構成及び配置される。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、把持力414を発生させ、可動アーム122を使用して、把持力を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用する方法で、機械的エネルギー源128、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122を動的に制御することによって、方法1100を実施することができる。方法1100によって説明されるような本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、把持力414が、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に属するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する(
図5に示された表500に示した方法で)のに十分であるように把持力414を動的に制御する。方法1130(
図11Bに示される)によって例示されるような本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、把持力414が、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に属するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する(表500に示した方法で)のに十分であり、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動する間、容器を保持し、且つ容器104を損傷しないように、把持力414を動的に制御する。方法1160(
図11Cに示される)によって説明されるような本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、把持力414が、容器104を損傷することなく、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に属するフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する(表500に示した方法で)のに十分であるように、把持力414を動的に制御する。
【0135】
図11Aに示されるように、方法1100は、コントローラ112を使用して、ブロック1102、1103、1104における動作を実行することによって開始する。ブロック1102において、コントローラ112は、センサ114、116からのデータにアクセスするために使用される。ブロック1103において、コントローラ112は、容器データをダウンロードするために使用され、ここで、容器データは、既知の容器の出所、既知の容器の材料、既知の容器の形状/サイズ/寸法、既知の容器の表面トポロジー、既知の容器に格納された内容物、及び/又は容器の内容物を安全に消費するための推奨温度を含むがこれらに限定されない多種多様な既知の容器の特性を含む。ブロック1104において、コントローラ112は、手動入力111にアクセスするために使用される。センサ114、116は、前述した画像センサ114及び測定センサ116を含むことができる。手動入力111は、ユーザによってコントローラ112に入力された、又はコントローラ112によってユーザに提示されたオプションのメニューからユーザによって選択された容器104の様々な特性に関する前述した詳細を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、センサ114、116は任意であり、容器104に関する詳細は、ダウンロードされた容器データ及び/又は手動入力111から完全に決定される。本発明のいくつかの実施形態では、ダウンロードされた容器データは任意であり、容器104に関する詳細は、センサ114、116及び手動入力111から完全に決定される。本発明のいくつかの実施形態では、手動入力111は任意であり、容器104に関する詳細は、ダウンロードされた容器データ及び/又はセンサ114、116から完全に決定される。本発明のいくつかの実施形態では、センサ114、116、ダウンロードされた容器データ、及び手動入力111は、容器104の詳細に関するデータを提供するために使用される。
【0136】
ブロック1106において、コントローラ112は、ブロック1102、1103、及び/又は1104からの出力を使用して、容器104の位置及び特性を決定する。本発明の実施形態では、容器104の位置は、調整可能な開口部126内の容器の位置である。本発明の実施形態において、容器の特性は、容器104の出所、容器104の材料、容器104の形状/サイズ/寸法、及び/又は容器104に格納された内容物を含むがこれらに限定されない。例えば、コントローラ112は、画像センサ114から容器画像データを受信し、容器画像データを処理して、容器104が、16オンスの容積、7インチの高さ寸法、4インチの円周寸法、及び16オンスの重量を有する淹れたてのコーヒーの実質的に円筒形の缶であると判定することができる。
【0137】
ブロック1108において、コントローラ112は、任意に、例えば、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の全体の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の個々の層の様々な個々の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層を形成する様々な材料、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層のそれぞれの柔軟性、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の半硬質材料の柔軟性などを含む、可動アーム122に適用される把持力の推定に関連するグリッパサブアセンブリ102及び/又は可動グリッパ106のパラメータにアクセスする。本発明の態様によれば、ブロック1108の出力は、任意に、ブロック1109及び/又はブロック1110に提供される。
【0138】
ブロック1109において、コントローラ112は、任意に、ブロック1106で決定された容器の位置及び/又は特性を、任意に、ブロック1108で決定されたグリッパサブアセンブリ102のパラメータとともに使用して、フレキシブルインナースリーブヒータエレメント108の加熱ゾーンパターンを決定する。本発明の1以上の非限定的な実施形態によれば、フレキシブルインナースリーブヒータエレメント108は、任意の数の個々にアドレス可能な加熱ゾーン(例えば、
図9Aに示されるサーマルフィルムヒータ208のゾーンA及びゾーンB、又は
図10Cに示されるサーマルフィルムヒータ208のゾーンA及びゾーンB)を有するアレイにセグメント化され得る。本発明の態様によれば、フレキシブルインナースリーブヒータエレメント108の各加熱ゾーンは、各加熱ゾーンが加熱ゾーンアレイ内の他の加熱ゾーンとは独立して熱的に起動され得るという点で個々にアドレス可能であり、それによって、加熱ゾーンアレイの熱的に起動された加熱ゾーンから形成された加熱ゾーンパターンを作成する。フレキシブルインナースリーブヒータエレメント108が、個々にアドレス可能な加熱ゾーンのアレイを含むように構成される本発明の態様では、コントローラ112は、アドレス可能な加熱ゾーンを選択的に起動及び停止するようにプログラムして、コントローラ112によって容器104と接触するように決定されるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108のそれらの部分に対する発熱動作を選択的に標的とすることができる。本発明の実施形態では、容器104のどの部分が容器104と接触しているかをコントローラ112によって決定することが任意の適切な方法で行うことができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、ブロック1102、1103、1104における動作によって生成された容器104に関する様々なタイプのデータの分析を通じてブロック1106で決定された容器104の位置及び特性を受信することによって、容器104と接触している(又は接触するであろう)フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の部分を決定することができる。
【0139】
ブロック1109が実施され得る方法の一例として、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の高さ寸法が、約10インチの高さ寸法を有する容器を収容するように構成され、調整可能な開口部126(
図1及び
図8Aに示される)内の容器104が、約5インチの高さ寸法を有する場合、コントローラ112は、加熱ゾーンパターンを生成して実施するように構成され、ここで、加熱ゾーンパターンは、容器104が調整可能な開口部126内にあり、且つコントローラ112がフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を容器104に接触させるように機械的エネルギー源機構を動的に制御したときに、容器104と接触している(又は接触するであろう)フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の部分に熱を伝えるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の加熱ゾーンのみを起動する。ブロック1109が実施され得る方法の別の例として、容器104の底部が約6インチの円周を有し、容器104の上部が約3インチの円周に先細りしている場合、容器104が調整可能な開口部126内にあるとき、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108は、動くと、容器104の底部に接触するが、容器104の頂部には接触しない。この例では、コントローラ112は、加熱ゾーンパターンを生成して実施するように構成され、ここで、加熱ゾーンパターンは、容器104が調整可能な開口部126内にあり、且つコントローラ112がフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108を容器104と接触させるように機械的エネルギー源機構を動的に制御したときに、容器104と接触している(又は接触するであろう)フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の底部に熱を伝えるフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の加熱ゾーンのみを起動する。
【0140】
ブロック1110において、コントローラ112は、ブロック1106、1108、及び/又は1109からの出力を使用して、インナースリーブヒータアセンブリ108の表面と容器104の外壁の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成するために必要な把持力414の推定値を生成する。本発明の実施形態では、ブロック1110は、
図5、
図7Aに示された様々な界面-パラメータプロキシ測定値/推定値をフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の外壁の間の界面におけるTLTCのプロキシ又は代替として利用することができる。したがって、
図11A、
図11Bに示されたフロー図に示された熱接触の推定値は、
図6A~
図6Eに示された技術を使用して表500(
図5に示される)及び/又は表700(
図7Aに示される)に示された界面-パラメータプロキシ測定関係及び目標値/範囲に従って実施できることが理解される。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、ブロック1106、1109における決定、並びに、機械学習アルゴリズム、シミュレーションアルゴリズム、リレーショナルデータベースなどを含むがこれらに限定されない様々なコンピュータによって実施される分析方法(その例は、
図6Eに示されている)を使用してブロック1110において決定される推定値を実施するように構成され得る。ブロック1110における動作を例にとると、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102、可動グリッパ106、及び/又は容器104のモデルを生成及びトレーニングするように構成される機械学習アルゴリズム(例えば、
図12に示される分類装置1210)を利用することによってブロック1110を実施するように構成され得る。より具体的には、モデルは、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用される把持力414に応答して、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間の界面の性質を分類するようにトレーニングされ得る(例えば、
図5及び
図7Aに示される表500、表700に示されているように、及び
図6A~
図6Eで使用されている技術を使用して)。
【0142】
本発明のいくつかの実施形態では、方法1100(例えば、ブロック1106、1109、1110)の決定及び/又は推定動作は、グリッパサブアセンブリ102、可動グリッパ106、及び/又は容器104の特性をシミュレートするために、既知のシミュレーションアルゴリズムを利用することによって実行され得る。より具体的には、シミュレーションアルゴリズムは、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用される把持力414に応答して、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の外壁の間の界面の性質をシミュレートするように使用され得る(例えば、
図5及び
図7Aに示される表500、表700に示されているように、及び
図6A~
図6Eで使用されている技術を使用して)。
【0143】
コントローラ112の記憶場所に格納されたリレーショナルデータベースを制御及びアクセスすることによって、方法1100(例えば、ブロック1106、1109、1110)の決定及び/又は推定動作を実行する本発明の実施形態では、本発明の実施形態に関連して使用され得る好適なリレーショナルデータベースは、情報及び情報間の関係をそこから取り出せるような方法で関連情報を蓄積する手段を提供するように構成された任意のリレーショナルデータベースである。リレーショナルデータベース内のデータは、共通のキー又は概念に従って関連付けることができ、表から関連データを取得する機能は、リレーショナルデータベースという用語の基礎である。コントローラ112のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、データ及び他の情報が蓄積され、維持され、及びコントローラ112のリレーショナルデータベースから取得される方法を決定するタスクを実行する。本発明の態様によれば、機械学習アルゴリズム、シミュレーションアルゴリズム、及び/又はリレーショナルデータベースがブロック1110を実施するために使用され得る方法の例がブロック1106、1109に等しく適用される。
【0144】
判定ブロック1112は、ブロック1110から、インナースリーブヒータアセンブリ108の表面と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する推定把持力414を受け取る。判定ブロック1112は、ブロック1110で生成される推定把持力414が、容器104の物理的完全性を維持するための閾値を上回っているか、又は下回っているかを判定する。判定ブロック1112で使用される把持力閾値は、ブロック1102、1103、及び/又は1104で生成されたデータを使用して決定されるように、容器104の特定のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び材料のために決定されるという点で動的である。ブロック1110と同様に、判定ブロック1112で使用される動的把持力閾値は、容器104の物理的完全性を損なうことなく容器104を把持することを可能にする動的把持力閾値を推定するように構成及び配置されたシミュレーションアルゴリズム及び/又は機械学習アルゴリズム(又はモデル)を使用して生成され得る。容器104の物理的完全性を損なう例としては、容器104のへこみ、穿刺、亀裂又は押し潰しが挙げられる。判定ブロック1112での問い合わせに対する回答が「いいえ」である場合、方法1100は、ブロック1114に移動し、容器の物理的完全性を損なうことなく、TLTCがフレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間で制御され、改善され、及び/又は達成され得ないことを伝える(例えば、ユーザに)エラーメッセージを生成する。判定ブロック1112における問い合わせに対する答えが「はい」である場合、方法1100は、ブロック1110で決定された推定把持力414をブロック1116に渡す。ブロック1116において、コントローラ112は、ブロック1110で決定された把持力414を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用するグリッパサブアセンブリ102に必要な制御(例えば、機械的エネルギー源128の設定及び制御)を決定し、適用する。
【0145】
判定ブロック1118において、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102及び可動グリッパ106の様々なセンサ(例えば、センサ116の中のグリッププレッサーセンサ)からのセンサデータを使用して、ブロック1110で決定された把持力414が、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間の界面においてTLTCを制御し、改善し、及び/又は達成したか否かを評価する。本発明のいくつかの実施形態では、判定ブロック1118で決定される評価は、
図6A~
図6Fに示される技術とともに、表500に反映された関係を使用して実行され得る。
【0146】
判定ブロック1118における問い合わせに対する回答が「はい」である場合、方法1100は、ブロック1122に移動して終了する。判定ブロック1118における問い合わせに対する回答が「いいえ」である場合、方法1100は、ブロック1120に移動し、判定ブロック1118で行われた決定を分析し、方法1100の最後の(又はそれ以前の)繰り返しにおいてブロック1110で行われた決定に対する調整のための勧告を行い、ブロック1120で開発された変更勧告を考慮に入れた方法1100の次の繰り返し部分のためにブロック1110に戻る。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1120でなされた勧告は、方法1100の最後の(又は以前の)繰り返しにおいて、ブロック1110で決定を行うために利用されたシミュレーション及び/又は機械学習アルゴリズムを活用する。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1120における動作は、測定センサ116(グリッププレッサーセンサを含む)を使用して、現在の実際の把持力を捕捉し、それをブロック1110で決定された現在計算された推定把持力と比較することを含むことができる。推定把持力と現在の実際の把持力の間に差がある場合、その差は、ブロック1120で生成される勧告に組み込むことができる。例えば、ブロック1120は、実際の現在の把持力が推定把持力よりも10%小さいと決定することができ、ブロック1120で生成される勧告は、推定把持力を10%増加させることを含むことができる。
【0147】
図11Bは、本発明の態様に従ってコンピュータによって実施される方法1130を説明するフロー図を示す。本発明の態様によれば、方法1130の複数の繰り返しを実施することができ、それによって、コントローラ112は、把持力414が、一組の制約のうちの1つ、2つ、又は3つすべてを、すなわち、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する(表500に示される方法で)(ブロック1136)、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動する間、容器を保持する(ブロック1138)、及び/又は容器104を損傷しない(ブロック1134)を満たすのに十分であるように、把持力414を動的に制御する。本発明のいくつかの実施形態では、方法1130は、
図11Aに示される方法1100を修正及び/又は補足することができる。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、方法1100は、方法1100のブロック1112、1114、及び1116を、方法1130のブロック1140、1142、1144で置き換えることによって修正され得る。加えて、方法1100のブロック1110は、ブロック1136で定義される制約と実質的に同じであるが、方法1130のブロック1134及び1138は、判定ブロック1140に入力される追加の制約を提供する。加えて、本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1132は、方法1100のブロック1109と実質的に同じ入力で実質的に同じ方法を実施することができる。本発明のいくつかの実施形態では、方法1130は、方法1100の中に統合される。本発明のいくつかの実施形態では、方法1130は、スタンドアロンの方法として実施される。簡潔にするために、方法1130の後述する説明は、方法1130がスタンドアロンの方法としてどのように機能するかというコンテキストである。しかしながら、方法1130に関連して説明される特徴及び機能性の全てが、方法1130が方法1100に統合される本発明の実施形態に等しく適用されることは、関連技術分野の当業者によって理解されるであろう。
【0148】
本発明の実施形態では、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102の機械的エネルギー源機構128、132が把持力414を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用する方法を動的に制御することによって、方法1130を実施する。本発明の実施形態では、機械的エネルギー源機構は、機械的エネルギー源128、グリッパアクチュエータ121、クランプアセンブリ123、及び可動アーム122を含むように構成され、
図2及び
図3に示されるように構成及び配置される。本発明のいくつかの態様に従って、コントローラ112は、把持力414が方法1130のブロック1134、1136、1138で定義される3つの制約を満たすのに十分であるように、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用される把持力414を動的に制御する。
【0149】
ブロック1134において、コントローラ112は、容器104を損傷するには不十分な把持力の推定値を生成する。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1134は、容器104を損傷しない最大把持力の推定値を生成するように構成される。ブロック1134で推定される把持力は、容器104の特定のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び/又は材料のために決定されるという点で動的である。本発明の実施形態では、容器104のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び/又は材料を決定することができるデータは、例えば、
図11Aに示される方法1100のブロック1102、1103、及び/又は1104に示された動作を使用して、ブロック1134に提供される。ブロック1134において、コントローラ112は、調整可能な開口部126内の容器104の位置、容器104の出所、容器104の材料、容器104の形状/サイズ/寸法、容器104の外面のトポロジー、及び/又は容器104に格納された内容物を含むがこれらに限定されない容器104の位置及び/又は特性を決定する。本発明のいくつかの態様では、ブロック1134において、コントローラ112は、
図11Aに示される方法1100のブロック1106と実質的に同じ方法で、容器104の位置及び/又は特性について決定することができる。本発明のいくつかの態様では、ブロック1134において、コントローラ112は、一般にグリッパの形態の推定に関連するグリッパサブアセンブリ102の様々なパラメータを任意に考慮することによって、容器104の位置及び/又は特性について決定することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1134は、
図11Aに示される方法1100のブロック1108で実行される動作に対応する動作からの出力を受け取ることができる。本明細書で前述したように、ブロック1108における動作は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の全体の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層を形成する様々な材料、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層のそれぞれの柔軟性、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の半硬質材料の柔軟性などを含むグリッパサブアセンブリ102のパラメータにアクセスすることを含む。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、容器104の特性、及びグリッパサブアセンブリ102によって容器104に適用される様々な把持力に容器104がどのように応答するかをシミュレートするために、既知のシミュレーションアルゴリズムを利用することによって、ブロック1134で定義される推定を実行するように構成され得る。より具体的には、既知のシミュレーションアルゴリズムは、特定の把持力が容器104の物理的完全性を損なうか否かをシミュレートするように構成され得る。容器104の物理的完全性が損なわれ得る方法の例には、容器104のへこみ、穿刺、亀裂又は押し潰しが含まれる。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、容器104の特性、及びグリッパサブアセンブリ102によって容器104に適用される様々な把持力に容器104がどのように応答するかを表す1つ以上のモデルを作成及びトレーニングするために、既知の機械学習アルゴリズムを利用することによって、ブロック1134で定義される推定を実行するように構成され得る。より具体的には、機械学習モデルは、特定の把持力が容器104の物理的完全性を損なうか否かを分類するように構成され得る。容器104の物理的完全性を損なう例としては、容器104のへこみ、穿刺、亀裂又は押し潰しが挙げられる。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、コントローラ112の記憶場所に格納されたリレーショナルデータベースを動的に制御及びアクセスすることによって、ブロック1134で定義される推定を実行するように構成することができ、ここで、リレーショナルデータベースは、様々な容器の特性、様々な把持力、及び様々な把持力が容器の完全性に与える影響を蓄積するように構成される。一旦、コントローラ112が調査対象容器の特性を決定すると、コントローラ112は、リレーショナルデータベースにアクセスして、調査対象容器に関連する把持力及び完全性の影響を決定することができる。例えば、コントローラ112が、調査対象容器が、一定の缶の高さ及び缶径を有する円筒形の12オンスのチキンヌードルスープのアルミニウム缶であると決定した場合、リレーショナルデータベースを使用して、既知の12オンス缶の完全性を損なうことなく、対応する既知のチキンヌードルスープの12オンス缶に適用できる最大把持力を事実上検索することができる。本発明の実施形態に関連して使用され得る好適なリレーショナルデータベースは、情報及び情報間の関係をそこから取り出すことができるような方法で関連情報を蓄積する手段を提供するように構成された任意のリレーショナルデータベースである。リレーショナルデータベース内のデータは、共通のキー又は概念に従って関連付けることができ、テーブルから関連データを取得する機能は、リレーショナルデータベースという用語の基礎である。コントローラ112のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、データ及び他の情報が蓄積され、維持され、及びコントローラ112のリレーショナルデータベースから取得される方法を決定するタスクを実行する。
【0153】
ブロック1136において、コントローラ112は、フレキシブルインナースリーブ108と容器104の間のTLTCを動的に制御し、改善し、及び/又は達成する把持力の推定値を生成する。本明細書で前述したように、ブロック1136は、方法1100のブロック1110(
図11Aに示される)と実質的に同じ方法で実施することができ、方法1100のブロック1102、1103、1104、1106、1108で実行される動作と実質的に同じ動作からの出力を利用することができる。ブロック1110と同様に、ブロック1136は、特殊なコンピュータ機能を必要としないコンピュータ解析技術(例えば、シミュレーションアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、リレーショナルデータベースなど)を使用して実施することができる。
【0154】
ブロック1138において、コントローラ112は、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間、容器104を保持するには不十分な把持力の推定値を生成する。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1136は、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間、容器を保持する最小把持力の推定値を生成するように構成される。ブロック1138で推定される把持力は、容器104の特定のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び/又は材料のために決定されるという点で動的である。本発明の実施形態では、容器104のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び/又は材料を決定することができるデータは、例えば、
図11Aに示される方法1100のブロック1102、1103、及び/又は1104に示された動作を使用して、ブロック1138に提供される。ブロック1138において、コントローラ112は、容器104の出所、容器104の材料、容器104の形状/サイズ/寸法、容器104の外面のトポロジー、及び/又は容器104に格納された内容物を含むがこれらに限定されない容器104の特性を決定する。本発明のいくつかの態様では、ブロック1138において、コントローラ112は、一般にグリッパの形態の推定に関連するグリッパサブアセンブリ102の様々なパラメータを任意に考慮することによって、その決定をすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1138は、
図11Aに示される方法1100のブロック1108で実行される動作に対応する動作からの出力を受け取ることができる。本明細書で前述したように、ブロック1108における動作は、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の全体の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な個々の層の個々の厚さ、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層を形成する様々な材料、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108の様々な層のそれぞれの柔軟性、可動アウタースリーブヒータアセンブリ110の半硬質材料の柔軟性などを含むグリッパサブアセンブリ102のパラメータにアクセスすることを含む。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、容器104の特性、及びグリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に、グリッパサブアセンブリ102によって容器104に適用される様々な把持力に容器104がどのように応答するかをシミュレートするために、既知のシミュレーションアルゴリズムを利用することによって、ブロック1138で定義される推定を実行するように構成され得る。より具体的には、既知のシミュレーションアルゴリズムは、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に、特定の把持力が容器104を保持するか否かをシミュレートするように構成され得る。本発明のいくつかの実施形態では、既知のシミュレーションアルゴリズムは、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に容器104を保持する最小把持力を決定するように構成され得る。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、容器104の特性、及びグリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に、グリッパサブアセンブリ102によって容器104に適用される様々な把持力に容器104がどのように応答するかを表す1つ以上のモデルを作成及びトレーニングするために、既知の機械学習アルゴリズムを利用することによって、ブロック1138で定義される推定を実行するように構成され得る。より具体的には、機械学習モデルは、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に、特定の把持力が容器104を保持するか否かを分類するように構成され得る。本発明のいくつかの実施形態では、機械学習モデルは、グリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に容器104を保持する最小把持力を決定するように構成され得る。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラ112は、コントローラ112の記憶場所に格納されたリレーショナルデータベースを動的に制御及びアクセスすることによって、ブロック1138で定義される推定を実行するように構成することができ、ここで、リレーショナルデータベースは、様々な容器の特性、様々な把持力 及びグリッパサブアセンブリ102が容器104を揺動している間に容器104を保持する様々な把持力の能力を蓄積するように構成される。一旦、コントローラ112が調査対象容器の特性を決定すると、コントローラ112は、リレーショナルデータベースにアクセスして、調査対象容器に関連する把持力及び容器保持能力を決定することができる。例えば、コントローラ112が、調査対象容器が、一定の缶の重量、缶の高さ、及び缶径を有する円筒形の12オンスのチキンヌードルスープのアルミニウム缶であると決定した場合、リレーショナルデータベースを使用して、グリッパサブアセンブリ102が対応する既知のチキンヌードルスープの12オンス缶を揺動している間、対応する既知のチキンヌードルスープの12オンス缶を保持するために、対応する既知のチキンヌードルスープの12オンス缶に適用し得る最小把持力を事実上検索することができる。本明細書で前述したように、本発明の実施形態に関連して使用され得る好適なリレーショナルデータベースは、情報及び情報間の関係をそこから取り出すことができるような方法で関連情報を蓄積する手段を提供するように構成された任意のリレーショナルデータベースである。
【0158】
判定ブロック1140は、ブロック1134、1136、1138から、ブロック1134、1136、1138で定義された制約のそれぞれを満たす推定把持力を受け取る。判定ブロック1140は、ブロック1134、1136、1138で定義された制約の全てを満たす単一の把持力414が存在するか否かを判定する。判定ブロック1140における問い合わせに対する回答が「いいえ」である場合、方法1130は、ブロック1142に移動し、ブロック1134、1136、1138で定義された3つの制約の全てを満たすことができないことを伝える(例えば、ユーザに)エラーメッセージを生成する。判定ブロック1140での問い合わせに対する回答が「はい」である場合、方法1130は、判定ブロック1140で決定された単一の把持力をブロック1144に渡す。ブロック1144において、コントローラ112は、判定ブロック1140で決定された単一の把持力414を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用するグリッパサブアセンブリ102に必要な制御(例えば、機械的エネルギー源128の設定及び制御)を適用する。
【0159】
本発明の実施形態では、方法1130において実行されるすべての動作は、特殊なコンピュータ機能を必要としない既知のコンピュータ解析技術(例えば、シミュレーションアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、リレーショナルデータベースなど)を使用して実行され得る。本発明の実施形態では、方法1130は、ブロック1132~1144に示された動作の任意の組み合わせを含むように実施され得る。
【0160】
図11Cは、本発明の態様に従ってコンピュータによって実施される方法1160を説明するフロー図を示す。本発明の態様によれば、方法1160の複数の繰り返しは、グリッパサブアセンブリ102を動的に制御して、容器104を損傷する温度を下回るレベルの熱を容器104に適用するために、コントローラ112によって実施され得る。本発明の実施形態では、方法1160の部分は、
図11Aに示された方法1100の部分と実質的に同じ方法で実施される。より具体的には、方法1160のブロック1162、1164、1166、1168、1170、1172は、
図11Aに示された方法1100のブロック1102、1103、1104、1106、1108、1109と実質的に同じ方法で実施され得る。
【0161】
ブロック1174において、コントローラ112は、容器104を損傷しない最高容器温度(MCT)の推定値を生成し、フレキシブルインナースリーブヒータアセンブリ108によって出力される温度(例えば、発熱体温度(HET))を、推定されたMCT以下になるように制御又は調整するために、ブロック1168、1172、及び/又は1170からの出力を使用する。本発明の実施形態では、ブロック1174は、インナースリーブヒータアセンブリ108の表面と容器104の間のTLTCを達成し維持するために必要な把持力を推定するために、方法1100のブロック1110(
図11Aに示される)で使用される実質的に同じコンピュータ制御の特徴及び機能を使用してMCTを推定することができる。本発明の実施形態では、ブロック1174は、方法1100のブロック1116(
図11Aに示される)で使用される実質的に同じコンピュータ制御の特徴及び機能を使用して、推定されたMCT以下になるようにHETを動的に制御又は調整することができ、ブロック1110で決定された把持力を可動アウタースリーブヒータアセンブリ110に適用及び維持するために、グリッパサブアセンブリ102に制御を適用する。
【0162】
判定ブロック1176は、ブロック1174から、容器104を損傷しないと推定されたMCTを受け取る。判定ブロック1176は、容器104の実際の温度が、ブロック1174で生成された推定MCTを上回っているか又は下回っているかを判定する。判定ブロック1176で使用される推定MCT閾値は、ブロック1162、1164、及び/又は1166で生成されたデータを使用して決定されるように、容器104の特定のサイズ、形状、重量、表面トポロジー、及び材料のために決定されるという点で動的である。判定ブロック1176で使用される動的MCT閾値は、容器104の物理的完全性を損なわないMCT閾値を推定するように構成及び配置されたシミュレーションアルゴリズム及び/又は機械学習アルゴリズム(又はモデル)を使用して生成され得る。容器104の物理的完全性を損なう例としては、容器104の一部又は全部についてTmaxを超えることが挙げられる。判定ブロック1176での問い合わせに対する回答が「はい」である場合、方法1160は、判定ブロック1178に移動し、グリッパサブアセンブリ102によって容器104に適用されている加熱サイクルが終了したか否かを判定する。判定ブロック1178での問い合わせに対する回答が「はい」である場合、方法1160は、ブロック1182に移動して終了する。判定ブロック1178での問い合わせに対する回答が「いいえ」である場合、方法1160は、判定ブロック1176への入力に戻る。判定ブロック1176での問い合わせに対する回答が「いいえ」である場合、方法1160は、ブロック1180に移動し、判定ブロック1174で行われた決定を分析し、方法1160の最後の(又はそれ以前の)繰り返しにおいてブロック1174で行われた決定に対する調整のための勧告をし、ブロック1180で開発された変更勧告を考慮に入れた方法1160の次の部分の繰り返しのためにブロック1174に戻る。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1180でなされた勧告は、方法1160の最後の(又はそれ以前の)繰り返しにおいてブロック1174で決定を行うためにコントローラ112によって使用されるコンピュータ解析技術を活用する。本発明のいくつかの実施形態では、ブロック1180における動作は、測定センサ116を使用して、容器104に適用されている現在の実際の温度を捕捉し、それをブロック1174で決定された現在計算されたHETと比較することを含むことができる。現在計算されたHETと容器104で現在検出された実際の温度の間に差がある場合、その差は、ブロック1180で生成された勧告に組み込むことができる。例えば、ブロック1180は、容器104で現在検出されている実際の温度が現在計算されたHETよりも10%低いと決定することができ、ブロック1180で生成された勧告は、現在計算されたHETを10%増加させることを含むことができる。
図11A及び
図11Bに示された方法1100、1130と同様に、コントローラ112は、本明細書で前述した方法と実質的に同じ方法で、機械学習アルゴリズム、シミュレーションアルゴリズム、リレーショナルデータベースなどを使用して方法1160を実施することができる。
【0163】
コントローラ112の部分を実施するために使用され得る機械学習技術のさらなる詳細が、ここで提供されるであろう。本明細書で説明される様々なタイプのコンピュータ制御機能(例えば、コントローラ112の推定、決定、判定、勧告など)は、機械学習及び/又は自然言語処理技術を使用して実施され得る。一般に、機械学習技術は、一連の機械学習アルゴリズムを実行するように構成されたプログラム可能なコンピューターとして実施され得る、いわゆる「ニューラルネットワーク」上で実行される。ニューラルネットワークには、神経生理学、認知科学/心理学、物理学(統計力学)、制御理論、計算機科学、人工知能、統計学/数学、パターン認識、コンピュータビジョン、並列処理、及びハードウェア(例えば、デジタル/アナログ/VLSI/光学)を含む様々な分野の知識が組み込まれている。
【0164】
ニューラルネットワークとその機械学習アルゴリズムの基本的な機能は、一種の機械認識によって非構造化センサデータを解釈することによって、パターンを認識することである。ネイティブ形式の非構造化実世界のデータ(例えば、画像、音声、テキスト、又は時系列データ)は、コンピューターによって理解及び操作され得る数値形式(例えば、大きさ及び方向を有するベクトル)に変換される。機械学習アルゴリズムは、実世界のデータベクトルに含まれるパターン(又は関係)が明らかにされ学習されるまで、実世界のデータベクトルに対して学習ベースの分析を複数回繰り返す。学習したパターン/関係は、例えば、実世界データの分類(又はラベル付け)及び実世界データのクラスタリングを含む様々なタスクを実行するために使用され得る予測モデルとして機能する。分類タスクは、多くの場合、ラベルとデータの間の相関関係を認識するようにニューラルネットワーク(つまり、モデル)をトレーニングするために、ラベル付きデータセットの使用に依存している。これは、教師あり学習として知られている。分類タスクの例としては、画像内の人物/顔の検出、画像内の顔の表情(例えば、怒っている、喜んでいるなど)の認識、画像内の物体の識別(例えば、一時停止標識、歩行者、車線マーカーなど)、ビデオ内のジェスチャーの認識、音声の検出、オーディオ内の音声の検出、特定の話者の識別、スピーチのテキストへの書き起こしなどが挙げられる。クラスタリングタスクは、オブジェクト間の類似点を識別し、それらの共通する特性に従ってグループ化し、他のオブジェクトグループと区別する。これらのグループは「クラスター」と呼ばれている。
【0165】
本発明の態様を実施するために使用され得る機械学習技術の一例を、
図12及び
図13を参照して説明する。本発明の実施形態に従って構成及び配置された機械学習モデルについて、
図12を参照して説明する。本明細書で説明される本発明の実施形態のうちの1つ以上を実施することができるコンピューティングシステム及びネットワークアーキテクチャの一例の詳細な説明は、
図14を参照して提供される。
【0166】
図12は、本明細書で説明される本発明の様々な態様を実施することができる分類装置システム1200を示すブロック図を示す。より具体的には、システム1200の機能性は、本発明の実施形態においてコンピュータ機能を実施するために使用され得る様々なモデル及びサブモデルを生成するために、本発明の実施形態で使用される。システム1200は、ネットワーク1204を介して分類装置1210と通信する複数のデータソース1202を含む。本発明のいくつかの態様では、データソース1202は、ネットワーク1204を迂回して、分類装置1210に直接供給することができる。データソース1202は、本発明の実施形態に従って分類装置1210によって評価されるであろうデータ/情報入力を提供する。また、データソース1202は、分類装置1210によって作成されたモデル1216をトレーニング及び/又は更新するために分類装置1210によって使用され得るデータ/情報入力を提供する。データソース1202は、リアルタイムデータ、データリポジトリ(トレーニングデータリポジトリを含む)、及び他の分類装置からの出力を収集するように構成されたセンサ含むがこれらに限定されない多種多様なデータソースとして実施され得る。ネットワーク1204は、ローカルネットワーク、広域ネットワーク、プライベートネットワーク、インターネットなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプの通信ネットワークであり得る。
【0167】
分類装置1210は、処理システム1400(
図14に示される)などのプログラム可能なコンピュータによって実行されるアルゴリズムとして実施され得る。
図12に示されるように、分類装置1210は、一組の機械学習(ML)アルゴリズム1212、自然言語処理(NLP)アルゴリズム1214、及びMLアルゴリズム1212によって生成された(又は学習された)関係(又は予測)アルゴリズムであるモデル1216を含む。分類装置1210のアルゴリズム1212、1214、1216は、図示及び説明を容易にするために別々に示されている。本発明の実施形態では、分類装置1210の様々なアルゴリズム1212、1214、1216によって実行される機能は、図示とは異なる方法で分配され得る。例えば、分類装置1210がサブタスクを有する全体的なタスクを実行するように構成されている場合、一組のMLアルゴリズム1212は、MLアルゴリズム1212の一部が各サブタスクを実行し、MLアルゴリズム1212の一部が全体のタスクを実行するようにセグメント化され得る。加えて、本発明のいくつかの実施形態では、NLPアルゴリズム1214は、MLアルゴリズム1212の中に統合され得る。
【0168】
NLPアルゴリズム1214は、分類装置1210、より具体的にはMLアルゴリズム1212が、自然言語データ(テキスト及び音声)を受信し、言語処理、情報検索、及び機械学習の要素を適用して、自然言語入力から意味を導き出し、導出された意味に基づいて潜在的に行動を起こすことを可能にする音声認識機能を含む。本発明の態様に従って使用されるNLPアルゴリズム1214は、分類装置1210が結果1220を自然言語(テキスト及び音声)に翻訳して、結果1220の態様を自然言語通信として伝えることを可能にする音声合成機能も含むことができる。
【0169】
NLP及びMLアルゴリズム1214、1212は、データソース1202から入力データ(すなわち、トレーニングデータ及び分析対象データ)を受信し、評価する。MLアルゴリズム1212は、入力データのフォーマットを解釈し、利用するために必要な機能性を含む。例えば、データソース1202が画像データを含む場合、MLアルゴリズム1212は、画像データを解釈するように構成された視覚認識ソフトウェアを含むことができる。MLアルゴリズム1212は、経時的に、分類装置1210が完了するように設計されているタスク全体及びサブタスクをモデル化する1つ以上のモデル1216を作成/トレーニング/更新するために、受信したトレーニングデータ(例えば、データソース1202のうちの1つ以上から受信したデータ)に機械学習技術を適用する。
【0170】
ここで、
図12及び
図13を合わせて参照すると、
図13は、上記モデル1216を生成するためにMLアルゴリズム1212によって実行される学習フェーズ1300の一例を示す。学習フェーズ1300において、分類装置1210は、トレーニングデータから特徴を抽出し、MLアルゴリズム1212によって認識及び分析され得るベクトル表現に特徴を変換する。特徴ベクトルは、MLアルゴリズム1212によって分析され、ターゲットモデル(又はモデルのタスク)に対してトレーニングデータを「分類」し、分類されたトレーニングデータ間の関係及び分類されたトレーニングデータの中の関係を明らかにする。MLアルゴリズム1212の好適な実施の例としては、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン(SVM)、ロジスティック回帰、決定木、隠れマルコフモデル(HMM)などが挙げられるがこれらに限定されない。MLアルゴリズム1212によって実行される学習又はトレーニングは、教師あり、教師なし、又は教師あり学習と教師なし学習の態様を含むハイブリッドであり得る。教師あり学習とは、トレーニングデータが既に利用可能で、分類/ラベル付けされている場合である。教師なし学習は、トレーニングデータが分類/ラベル付けされていない場合であり、したがって、分類装置1210及びMLアルゴリズム1212の繰り返しによって開発されなければならない。教師なし学習は、例えば、クラスタリング、異常検出、ニューラルネットワーク、深層学習などを含む追加の学習/トレーニング方法を利用することができる。
【0171】
モデル1216がMLアルゴリズム1212によって十分にトレーニングされると、「実世界」データを生成するデータソース1202がアクセスされ、結果1220の使用可能なバージョンを生成するために、「実世界」データがモデル1216に適用される。本発明のいくつかの実施形態では、結果1220は、分類装置1210にフィードバックされ、モデル1216を更新及び/又は改良するための追加のトレーニングデータとしてMLアルゴリズム1212によって使用され得る。
【0172】
本発明の態様では、MLアルゴリズム1212及びモデル1216は、特定の結果/決定の全体的な精度を向上させるために、それらの結果/決定(結果1220を含む)の様々なものに信頼レベル(CL)を適用するように構成され得る。MLアルゴリズム1212及び/又はモデル1216が、CLの値が所定の閾値(TH)を下回る(すなわち、CL<TH)決定又は結果を生成する場合、その結果/決定は、その決定/結果が有効ではないという結論を正当化するために十分に低い「信頼度」を有するものとして分類することができ、この結論は、その決定/結果が下流処理でいつ処理されるか、どのように処理されるか、及び/又は処理されるかどうかを決定するために使用され得る。CL>THの場合、判定/結果は有効とみなすことができ、この結論は、決定/結果が下流処理でいつ処理されるか、どのように処理されるか、及び/又は処理されるがどうかを決定するために使用され得る。多くの異なる所定のTHレベルが提供され得る。CL>THという決定/結果は、その決定/結果が下流処理でいつ処理されるか、どのように処理されるか、及び/又は処理されるかどうかに優先順位を付けるために、最高のCL>THから最低のCL>THまでランク付けされ得る。
【0173】
本発明の態様では、分類装置1210は、結果1220に信頼レベル(CL)を適用するように構成され得る。分類装置1210が、結果1220におけるCLが所定の閾値(TH)を下回る(すなわち、CL<TH)と決定すると、結果1220は、結果1220における「信頼なし」の分類を正当化するために十分に低いものとして分類され得る。CL>THの場合、結果1220は、結果1220が有効であるという決定を正当化するために十分に高いものとして分類され得る。CL>THという結果1220が最高のCL>THから最低のCL>THまでランク付けされ得るように、多くの異なる所定のTHレベルが提供され得る。
【0174】
分類装置1210によって、より具体的にはMLアルゴリズム1212によって実行される機能は、重み付き有向グラフとして編成することができ、ここで、ノードは、人工ニューロン(例えば、人間の脳のニューロンをモデル化したもの)であり、重み付き有向エッジは、ノードを接続する。分類装置1210の有向グラフは、特定のノードが入力層ノードを形成し、特定のノードが隠れ層ノードを形成し、及び特定のノードが出力層ノードを形成するように編成され得る。入力層ノードは、出力層ノードに結合する隠れ層ノードに結合する。各ノードは、それぞれが接続強度を有する方向矢印として示され得る接続経路によって隣接する層のすべてのノードに接続されている。複数の入力層、複数の隠れ層、及び複数の出力層が提供され得る。複数の隠れ層が設けられている場合、分類装置1210は、分類装置1210の割り当てられたタスクを実行するための教師なし深層学習を実行することができる。
【0175】
人間の脳の機能と同様に、各入力層ノードは、接続強度の調整やノードの合計なしで入力を受信する。各隠れ層ノードは、関連する接続経路に関連付けられた接続強度に従ってすべての入力層ノードから入力を受信する。同様の接続強度の乗算とノードの合計が隠れ層ノード及び出力層ノードに対して実行される。
【0176】
分類装置1210の重み付き有向グラフは、データレコード(例えば、データソース1202からの出力)を一度に1つずつ処理し、レコードの初期の任意の分類をレコードの既知の実際の分類と比較することによって「学習」する。「バックプロパゲーション」(すなわち、「エラーの後方伝播」)として知られているトレーニング方法論を使用して、第1のレコードの初期分類からのエラーは、分類装置1210の重み付き有向グラフにフィードバックされ、重み付き有向グラフの重み付き接続を2回目に修正するために使用され、このフィードバックプロセスは、多くの繰り返しにわたって継続される。分類装置1210の重み付き有向グラフのトレーニングフェーズでは、各レコードに対する正しい分類が知られており、したがって、出力ノードに「正しい」値を割り当てることができる。例えば、正しいクラスに対応するノードのノード値「1」(又は0.9)と、その他のクラスのノード値「0」(又は0.1)である。したがって、出力ノードの重み付き有向グラフの計算値をこれらの「正しい」値と比較し、各ノードの誤差項(つまり、「デルタ」ルール)を計算することが可能である。次いで、これらの誤差項を使用して隠れ層の重みを調整し、次の繰り返しで出力値が「正しい」値に近づくようにする。
【0177】
図14は、コンピュータシステム1400の高レベルのブロック図を示し、これは、本発明の態様に従って1つ以上のコンピュータ処理動作を実施するために使用され得る。1つの例示的なコンピュータシステム1400が示されているが、コンピュータシステム1400は、コンピュータシステム1400を追加のシステム(図示されていない)に接続する通信経路1425を含み、インターネット、イントラネット、及び/又は無線通信ネットワークなどの1つ以上の広域ネットワーク(WAN)及び/又はローカルエリアネットワーク(LAN)を含むことができる。コンピュータシステム1400及び追加のシステムは、例えば、それらの間でデータを通信するために、通信経路1425を経由して通信している。本発明のいくつかの実施形態では、追加のシステムは、1つ以上のクラウドコンピューティングシステム50として実装され得る。クラウドコンピューティングシステム50は、コンピュータシステム1400を使用して実施され得る、この詳細な説明で説明されるあらゆる全てのコンピューティングシステムを含むコンピュータシステム1400の機能の一部又は全部(任意の組み合わせで)を補完、サポート、又は置き換えることができる。さらに、この詳細な説明で説明される様々なコンピューティングシステムの機能の一部又は全部は、クラウドコンピューティングシステム50のノードとして実施され得る。
【0178】
コンピュータシステム1400は、プロセッサ1402などの1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサ1402は、通信インフラストラクチャ1404(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、又はネットワーク)に接続される。コンピュータシステム1400は、表示ユニット1408に表示するために、通信インフラストラクチャ1404から(又は図示されていないフレームバッファから)グラフィックス、テキスト、及び他のデータを転送するディスプレイインターフェース1406を含むことができる。また、コンピュータシステム1400は、メインメモリ1410、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)を含み、二次メモリ1412も含むことができる。二次メモリ1412は、例えば、ハードディスクドライブ1414及び/又は例えば、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、又は光ディスクドライブを代表するリムーバブルストレージドライブ1416を含むことができる。リムーバブルストレージドライブ1416は、当該技術分野の当業者に周知の方法でリムーバブルストレージユニット1418から読み出し及び/又はリムーバブルストレージユニット1418に書き込む。リムーバブルストレージユニット1418は、例えば、フロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープ、又はリムーバブルストレージドライブ1416によって読み書きされる光ディスク、フラッシュドライブ、ソリッドステートメモリなどを表す。理解されるように、リムーバブルストレージユニット1418は、その中にコンピュータソフトウェア及び/又はデータを格納したコンピュータ可読媒体を含む。
【0179】
本発明の代替実施形態では、二次メモリ1412は、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステムにロードできるようにするための他の同様の手段を含むことができる。このような手段は、例えば、リムーバブルストレージユニット1420及びインターフェース1422を含むことができる。このような手段の例は、プログラムパッケージ及びパッケージインターフェース(ビデオゲーム装置に見られるようなものなど)、リムーバブルメモリチップ(EPROM、又はPROMなど)及び関連するソケット、並びにソフトウェア及びデータがリムーバブルストレージユニット1420からコンピュータシステム1400に転送されることを可能にする他のリムーバブルストレージユニット1420及びインターフェース1422を含むことができる。
【0180】
コンピュータシステム1400は、通信インターフェース1424を含むこともできる。通信インターフェース1424は、コンピュータシステムと外部デバイスの間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にする。通信インターフェース1424の例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、又はPCM-CIAスロット及びカードなどを含むことができる。通信インターフェース1424を経由して転送されるソフトウェア及びデータは、例えば、通信インターフェース1424によって受信され得る電子的、電磁的、光学的、又は他の信号であり得る信号の形態である。これらの信号は、通信経路(すなわち、チャネル)1425を経由して通信インターフェース1424に提供される。通信経路1425は、信号を搬送するものであり、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、及び/又は他の通信チャネルを使用して実装され得る。
【0181】
本説明において、「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、「コンピュータプログラム製品」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、メモリなどの媒体を一般的に指すように使用される。コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)はメモリに格納される。このようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じるような本発明の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、コントローラが本明細書で説明される特徴及び動作を実行することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラとなり得る。
【0182】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び格納できる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、又は前述の任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード又は溝に命令が記録された隆起した構造などの機械的に符号化されたデバイス、及び前述の任意の好適な組み合わせ。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波路又は他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを介して伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0183】
この明細書で説明されている機能ユニットの多くは、モジュールとしてラベル付けされている。本発明の実施形態は、多種多様なモジュールの実装に適用される。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイ、ロジックチップ、トランジスタ、又はその他のディスクリートコンポーネントなどの既製の半導体で構成されるハードウェア回路として実装され得る。また、モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスにも実装され得る。
【0184】
モジュールは、様々なタイプのプロセッサによって実行するためにソフトウェアにも実装され得る。実行可能コードの識別されたモジュールは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、又は関数として編成され得るコンピュータ命令の1つ以上の物理的又は論理的なブロックを含むことができる。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に配置される必要はなく、互いに論理的に結合されたときにモジュールを構成し、モジュールの指定された目的を達成する、異なる場所に格納された異種の命令を含むことができる。
【0185】
以下の定義及び略語は、特許請求の範囲及び明細書の解釈に使用される。本明細書で使用される「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contains)」若しくは「含む(containing)」、又はそれらの他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素の列挙を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、そのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置に明示的に列挙されていない又は固有の他の要素を含むことができる。
【0186】
本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0187】
さらに、「例示的」という用語及びその変形は、本明細書で「例(example)、例(instance)又は例(illustration)として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として記載される任意の実施形態又は設計は、必ずしも他の実施形態又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。「少なくとも1つ」、「1以上」という用語及びそれらの変形は、1以上の任意の整数、すなわち、1、2、3、4などを含むことができる。「複数」という用語及びその変形は、2以上の任意の整数、すなわち、2、3、4、5などを含むことができる。「接続」という用語及びその変形は、間接的な「接続」と直接的な「接続」の両方を含むことができる。
【0188】
「約」、「実質的に」、「おおよそ」という用語及びそれらの変形は、出願時に利用可能な機器に基づく特定の数量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。例えば、「約」には、指定された値の±8%又は5%、又は2%の範囲を含めることができる。
【0189】
「信号通信する」、「~と通信する」、「~に通信可能に結合する」という句及びそれらの変形は、本明細書で交換可能に使用することができ、交換が無線で行われるか有線接続を介して行われるかにかかわらず、任意のシステム、ハードウェア、ソフトウェア、プロトコル、又はフォーマットを使用して、情報又はデータを交換するために電気信号を使用する任意の結合、接続、又は相互作用を指すことができる。
【0190】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図において、フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びブロックの組み合わせは、コンピュータ可読なプログラム命令によって実施され得ることが理解されるであろう。
【0191】
図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、又は指定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な命令を含む命令の一部を表してもよい。いくつかの代替実施では、ブロックに記された機能は、図に記された順序から外れて出現し得る。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよいし、関係する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能を実行するか、又は特別な目的のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを動作又は実行する特別な目的のハードウェアベースのシステムによって実施され得ることにも留意されたい。
【0192】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段又はステップに加えて機能要素の対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に請求される他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、又は行為を含むことを意図する。本発明の説明は、図示及び説明の目的で提示されたが、開示された形態で発明を網羅又は限定することを意図するものではない。多くの修正及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明の実施形態は、本発明の原理及び実用化を最もよく説明し、また、当業者が、企図される特定の用途に適しているように、様々な変形を施した様々な実施形態について本発明を理解できるようにするために選択され、記載されたものである。
【0193】
当業者は、現在及び将来において、以下の特許請求の範囲内に収まる様々な改良及び強化を行い得ることが理解されるであろう。
【国際調査報告】