(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)組成物、それらの製造方法、及びそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7084 20060101AFI20240415BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240415BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240415BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240415BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/68 20060101ALI20240415BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240415BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240415BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240415BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
A61K31/7084
A61K9/127
A61K47/24
A61K9/48
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/22
A61K9/08
A61K9/107
A61K9/20
A61K9/68
A61P17/00
A61P43/00 107
A61K8/60
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568424
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 IB2022000021
(87)【国際公開番号】W WO2022234336
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416391
【氏名又は名称】ソヴィダ ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】ホルツマイスター,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】アール,ハンス-エーベルハルト
(72)【発明者】
【氏名】アブリアット,アン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA22
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076DD22
4C076DD26
4C076DD30
4C076DD37
4C076DD38
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4C083AC122
4C083AD601
4C083AD602
4C083CC02
4C083EE01
4C083EE12
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
(57)【要約】
リポソームにカプセル化されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの混合物を含む組成物が、本明細書に開示され、該組成物は、様々な貯蔵温度で強化された化学、物理、及び/または微生物貯蔵安定性を示す。ある特定の実施形態では、組成物は安定であり、正の透過性及び老化結果を有する。そのような組成物を調製するための方法、及びそのような組成物を使用する方法もまた、本明細書に開示される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
リポソームと、
前記リポソームにカプセル化された活性剤と、を含み、
前記活性剤が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、前記組成物。
【請求項2】
前記活性剤が、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項3】
前記活性剤が、NAD+を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の総重量に基づいて、0重量%超~最大約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%のNADまたはその誘導体が、前記リポソームにカプセル化される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記リポソームが、小胞形成脂質を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記小胞形成脂質が、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、スフィンゴミエリン(SM)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレグリコール、ポリアスパルトアミド、レシチン、ジパルミトイルレシチン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはそれらの混合物から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記小胞形成脂質が、レシチンを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の総重量に基づいて、0重量%超~最大約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%の量で小胞形成脂質を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
溶媒をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記溶媒が、アルコール、水、またはそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記溶媒が、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル、モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、またはそれらの混合物から選択されるアルコールを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記溶媒が、前記組成物の総重量に基づいて、50重量%~約99重量%、約70重量%~約97重量%、または約85重量%~約95重量%の範囲の量で存在する、請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記溶媒が、水、グリセロール、及びペンチレングリコールを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記水が、前記組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約50重量%、約5重量%~約40重量%、または約10重量%~約30重量%の範囲の量で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記グリセロールが、前記組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約90重量%、約30重量%~約80重量%、または約50重量%~約70重量%の範囲の量で存在する、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
前記ペンチレングリコールが、前記組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%の範囲の量で存在する、請求項13~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
pH調整剤をさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸、塩酸、またはそれらの混合物から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記pH調整剤が、水酸化ナトリウムを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記pH調整剤が、前記組成物のpHを約4~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲に調整するための有効量で存在する、請求項17~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記pH調整剤が、前記組成物の総重量に基づいて、最大約3重量%、最大約2重量%、または最大約1重量%の量で存在する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
酸化防止剤をさらに含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記酸化防止剤が、トコフェロールを含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記酸化防止剤が、前記組成物の総重量に基づいて、最大約0.5重量%、最大約0.3重量%、または最大約0.1重量%の量で存在する、請求項22または23に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、均質である、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、液体である、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、約2℃~約8℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記活性剤を維持する、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、約20℃~約30℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記活性剤を維持する、請求項1~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物が、約35℃~約45℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記活性剤を維持する、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物が、局所投与、経口投与、または非経口投与に好適である、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物が、血清、エマルション、クリーム、発泡体、スプレー、軟膏、ゲル、ローション、パッド、ロールオン塗布製剤、錠剤、カプセル、カプレット、舐剤、トローチ、チュアブル錠剤、ガム、グミ、シロップ、液体溶液、懸濁液、エマルション、口腔内フィルム、舌下フィルム、経口接着フィルム、粉末、固体結晶、経口崩壊剤錠、ペースト、経口クリーム、経口ゲル、または経口軟膏のうちの1つ以上の形態である、請求項30または31に記載の組成物。
【請求項33】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの混合物を製剤化する方法であって、前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物をリポソームにカプセル化することを含む、前記方法。
【請求項34】
約2℃~約8℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物が維持される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
約20℃~約30℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物が維持される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
約35℃~約45℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の前記組成物中の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の前記NAD+、前記その前駆体、前記その誘導体、または前記それらの混合物が維持される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
請求項1~32のいずれか1項に記載の組成物を調製する方法であって、
活性剤及び溶媒を含む溶液を形成することと、
前記溶液を小胞形成脂質と組み合わせることと、を含み、
前記活性剤が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、前記方法。
【請求項38】
請求項1~32のいずれか1項に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、状態を治療する方法。
【請求項39】
前記投与が、局所、経口、または非経口である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象が、皮膚の硬さの喪失、皮膚の厚さの減少、小じわ、しわ、弾力性の喪失、たるみ、乾燥、老年斑、ターンオーバー率の低下、異常な落屑、真皮中の細胞外マトリックスの密度及び混乱の減少ならびに他の組織学的変化、皮膚の粗さ、皮膚の滑らかさ、明るさ、輝き、紫外線損傷、フリーラジカル損傷、放射線損傷、汚染損傷、環境毒素または刺激物またはアレルゲンからの損傷、肌の色合い、日に焼けた外見、黄変、皮膚の毛穴が目立たなくなる、色素沈着、瘢痕、皮膚表面の不規則性、酒さ、外因性湿疹、にきび、乾癬、皮膚の再生及び再生プロセス、赤み、魚鱗症、触覚の滑らかさの欠如、視覚的な滑らかさの欠如、柔らかさの欠如、明るさの欠如、輝きの欠如、皮膚の質感、目尻のしわ、ほうれい線、色素異常、クレープ紙のような皮膚の質感、皮膚の弾力性の低下、他の損傷皮膚状態、疲労、慢性疲労症候群、神経認知障害、睡眠障害、運動後の倦怠感、頭痛、筋肉の衰弱、関節痛、筋肉痛、アレルギー、リンパ節の腫脹及び圧痛、うつ病、ならびに他のストレス関連の状態または細胞エネルギー代謝を調節することから利益を得ることができる状態のうちの1つ以上について処置される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
ヒト内皮細胞の細胞老化の低減をもたらす、請求項1に記載の組成物。
【請求項42】
ヒト表皮細胞の細胞老化の低減をもたらす、請求項1に記載の組成物。
【請求項43】
インビボでの前記低減をもたらす、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
インビトロでの前記低減をもたらす、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
インビボでの前記低減をもたらす、請求項42に記載の組成物。
【請求項46】
インビトロでの前記低減をもたらす、請求項42に記載の組成物。
【請求項47】
少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%の老化細胞の低減をもたらす、請求項41に記載の組成物。
【請求項48】
前記細胞が、ヒト大動脈内皮細胞である、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%の老化細胞の低減をもたらす、請求項42に記載の組成物。
【請求項50】
前記細胞が、ヒト表皮ケラチノサイトである、請求項47に記載の組成物。
【請求項51】
培養されたヒト内皮細胞の細胞生存が増加する、請求項1に記載の組成物。
【請求項52】
前記リポソームを含まないNAD+と比較したとき、約30%増の前記活性剤が、前記皮膚に浸透する、請求項1に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物が、前記皮膚への前記活性剤の浸透を増加させる、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月4日に出願された米国仮特許出願第63/183,174号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、その誘導体、その前駆体、またはそれらの組み合わせを含む組成物に関する。ある特定の実施形態では、組成物は安定であり、正の透過性及び老化結果を有する。本開示はまた、そのような組成物を調製する方法、及びそのような組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞外β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の酸化形態は、生細胞における多くの酸化還元反応のための非常に重要な補因子であり、多数の酵素の基質である1(1Kim UH,Han MK,Park BH,Kim HR,An NH:Function of NAD glycohydrolase in ADP-ribose uptake from NAD by human erythrocytes.Biochim Biophys Acta 1993;1178:121-126、Lee HC,Aarhus R:ADP-ribosyl cyclase:an enzyme that catalyzes NAD+into a calciummobilizing metabolite.Cell Regul 1991;2:203-209、Travo P,Muller H,Shuber F:Calf spleen NAD glycohydrolase.Comparison of the catalytic properties of the membrane-bound and the hydrosoluble forms of the enzyme.EurJ.Biochem 1979;96:141-149)。このように、NAD+は、様々な状態を緩和する上で潜在的に有益な特性を有し得る。
【0004】
上記にもかかわらず、NAD+、その前駆体、及び/またはその誘導体の使用は、それらの限定された安定性のために制限される。例えば、NAD+は、比較的不安定であることが知られている2(2Ganti T,Fodor J:Studies on the kinetics of NAD-decomposition.Acta Physiol Acad Sci Hung 1965;26:199-205、Lawry OH,Passonneau JV,Rock MK:The stability of pyridine nucleotides.J Biol Chem 1961;236:2756-2759)。NAD+を安定化する試みにおいて様々な努力が為されてきたが3(3A.Wozniacka,P.Szajerski,J.Adamus,J.Gebicki,A.Sysa-Jedrzejowska:In Search of New Antipsoriatic Agents:NAD+ Topical Composition.Skin Pharmacol.Physiol.2007;20:37-42.)、冷蔵条件外での長期安定性は依然として課題である。
【0005】
したがって、NAD+、その前駆体、及び/またはその誘導体を含み、様々な貯蔵条件(例えば、様々な温度)で長期間の貯蔵安定性(例えば、化学、物理、及び/または微生物安定性のうちの1つ以上)を維持する組成物を同定することは、継続的な努力である。
【発明の概要】
【0006】
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソーム及びリポソームにカプセル化された活性剤を含む組成物を対象とし、活性剤は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0007】
ある特定の実施形態では、組成物は、約2℃~約8℃、約20℃~約30℃、または約35℃~約45℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の組成物中のNAD+、その前駆体、その誘導体、またはそれらの混合物の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%のNAD+、その前駆体、その誘導体、またはそれらの混合物を維持する。
【0008】
ある特定の実施形態では、組成物中の活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択される。一実施形態では、活性剤は、NAD+を含む。
【0009】
ある特定の実施形態では、組成物中のリポソームは、小胞形成脂質を含み、これは、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、スフィンゴミエリン(SM)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレグリコール、ポリアスパルトアミド、レシチン、ジパルミトイルレシチン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはそれらの混合物から選択され得る。一実施形態では、小胞形成脂質は、レシチンを含む。
【0010】
ある特定の実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の賦形剤をさらに含む。
【0011】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、溶媒、例えば、限定されないが、アルコール、水、またはそれらの混合物を含む。ある特定の実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル、モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、またはそれらの混合物から選択されるアルコールを含む。一実施形態では、溶媒は、水、グリセロール、及びペンチレングリコールを含む。
【0012】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、pH調整剤を含み、これは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸、塩酸、またはそれらの混合物から選択され得る。ある特定の実施形態では、pH調整剤は、組成物のpHを約5~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲に調整するための有効量で組成物中に存在する。
【0013】
ある特定の実施形態では、組成物は、限定されないが、炭水化物、酸化防止剤、キレート剤、低分子量タンパク質、高分子量ポリマー、ゲル形成剤、安定剤、添加剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び/または分散剤、アルカリ化剤、着色剤、合成ダイ、充填剤、希釈剤、鉱物酸化物、保存剤、またはそれらの混合物などの1つ以上の追加の賦形剤を含んでもよい。
【0014】
ある特定の実施形態では、組成物は、局所投与、経口投与、または非経口投与に好適である。
【0015】
ある特定の実施形態では、本開示は、活性剤をリポソームにカプセル化することによって、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む活性剤を安定化するための方法を対象とし得る。
【0016】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを調製する方法に関し得る。例えば、この方法は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせなどの活性剤、及び溶媒を含む溶液を形成することを含んでもよい。ある特定の実施形態では、この方法は、活性剤溶液を小胞形成脂質と組み合わせることをさらに含み得る。ある実施形態では、この方法は、活性剤溶液及び小胞形成脂質を1つ以上の追加の賦形剤と組み合わせて、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成することをさらに含み得る。
【0017】
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを、それを必要とする対象に投与することによって状態を治療する方法を対象とする。ある特定の実施形態では、投与は、局所、経口、または非経口であり得る。
【0018】
ある特定の実施形態では、対象は、皮膚の硬さの喪失、皮膚の厚さの減少、小じわ、しわ、弾力性の喪失、たるみ、乾燥、老年斑、ターンオーバー率の低下、異常な落屑、真皮中の細胞外マトリックスの密度及び混乱の減少ならびに他の組織学的変化、皮膚の粗さ、皮膚の滑らかさ、明るさ、輝き、紫外線損傷、フリーラジカル損傷、放射線損傷、汚染損傷、環境毒素または刺激物またはアレルゲンからの損傷、肌の色合い、日に焼けた外見、黄変、皮膚の毛穴が目立たなくなる、色素沈着、瘢痕、皮膚表面の不規則性、酒さ、外因性湿疹、にきび、乾癬、皮膚の再生及び再生プロセス、赤み、魚鱗症、触覚の滑らかさの欠如、視覚的な滑らかさの欠如、柔らかさの欠如、明るさの欠如、輝きの欠如、皮膚の質感、目尻のしわ、ほうれい線、色素異常、クレープ紙のような皮膚の質感、皮膚の弾力性の低下、及び他の損傷皮膚状態のうちの1つ以上について処置され得る。
【0019】
ある特定の実施形態では、対象は、疲労(例えば、慢性疲労症候群)、神経認知障害、睡眠障害、運動後の倦怠感、頭痛、筋力低下、関節痛、筋肉痛、アレルギー、リンパ節の腫脹及び圧痛、うつ病、ならびに他のストレス関連の状態または細胞エネルギー代謝の調節から利益を得ることができる状態のうちの1つ以上について治療され得る。
【0020】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、皮膚の老化を遅らせる方法で利用される。
【0021】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、皮膚微小循環を改善する方法で利用される。
【0022】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、皮膚向性を減少させる方法で利用される。
【0023】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、肌の色合いを改善する方法で利用される。
【0024】
本開示は、例として、限定としてではなく、添付の図面の図に示されており、
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】透過性研究の外植体が分析のために6つの部分にどのように分割されたかを示す。
【
図2】製剤P1及びP2のFTIRスペクトルである。
【
図3】バッチTJ1、P1J1及びP2J1について約1030cm
-1のバンドのAUCの変動を表すFTIR化学画像である。
【
図4】2930/2960cm
-1の比の変動を表すFTIR化学画像である。
【
図5】各バッチにおける活性成分シグネチャーの寄与のNCLSスコアを示す。
【
図6】また、異なるバッチのNCLSスコアを示す。
【
図7】ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)における細胞生存結果を表すグラフである。
【
図8】ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)における細胞老化結果を表すグラフである。
【
図9】ヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)における細胞老化結果を表すグラフである。
【0026】
定義
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「活性剤」への言及は、単一の活性剤ならびに2つ以上の異なる活性剤の混合物を含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに2つ以上の異なる賦形剤の混合物などを含む。
【0027】
本明細書で使用されるとき、測定された量に関連して「約」という用語は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合ったレベルのケアを行う当業者によって予想される、その測定された量の正常な変化を指す。ある特定の実施形態では、「約」という用語は記載された数字±10%を含み、したがって、「約10」は9~11を含むであろう。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「活性剤」、「活性成分」、及び「活性医薬成分」という用語は、その目的のために政府機関によって承認されているかどうかにかかわらず、治療的、予防的、または他の意図された効果を生み出すことが意図される任意の材料を指す。特定の薬剤に関するこれらの用語には、すべての薬学的に活性な薬剤、それらのすべての薬学的に許容される塩、複合体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物、及びそれらの混合物が含まれ、その形態は薬学的に活性である。
【0029】
本明細書で使用する場合、「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子のすべての異性体に対する一般用語である。それは、互いの鏡像ではない1つ以上のキラル中心を有する化合物の鏡像異性体及び異性体(ジアステレオマー)を含む。
【0030】
「鏡像異性体」または「鏡像異性体的」という用語は、その鏡像上に非重畳可能であり、したがって光学的に活性である分子を指し、鏡像異性体は、偏光面をある程度一方向に回転させ、その鏡像が偏光面を同じ程度であるが反対方向に回転させる分子を指す。
【0031】
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合する炭素原子を指す。
【0032】
「患者」という用語は、治療の必要性を示唆する特定の症状(複数可)の臨床症状を呈している、状態に対して予防的(preventatively)にまたは予防的(prophylactically)に治療されている、または治療される状態と診断されている、対象、動物、またはヒトを指す。「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、そうでなければ健康である個体を除外しない。
【0033】
「薬学的に許容される塩」には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;及びトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N′-ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
「状態」または「状態(複数)」という用語は、有効量の活性剤を対象に投与することによって治療または予防することができる医学的状態または審美的状態を指す。
【0035】
「の治療」及び「治療すること」という用語は、状態の重症度の軽減もしくは停止、または状態の症状の重症度の軽減もしくは停止を含む。
【0036】
「予防」及び「予防すること」という用語は、状態の発症の回避を含む。
【0037】
ある特定の実施形態では、「治療」または「治療すること」という用語は、結果に関係なく、薬力学的効果を提供する意図を有する投与を意味する。ある特定の実施形態では、「治療」または「治療すること」は、「状態にプラスの効果を有する」ことを意味し、状態の重症度の低減、状態の少なくとも1つの症状の軽減及び/または緩和、状態の重症度の低減、改善、及び/または緩和、状態の進行の遅延、防止、もしくは阻害、または治療の結果として知覚される改善もしくは利益を包含する。本明細書で使用されるとき、治療は、状態の完全な硬化を必要としない。ある特定の実施形態では、本開示の組成物は、患者の生活の質の改善を提供し得るか、または状態の1つ以上の症状の発症を遅延、予防、阻害し得るか、または知覚される利益を提供し得る。本明細書で使用される場合、これらの用語はまた、組成物を含有する開示された活性剤の適用時に、例えば、皮膚に対する審美的改善を包含する。
【0038】
「治療有効量」という用語は、対象において、例えば、状態を治療もしくは予防するため、または状態の症状を治療するための活性剤の量、または活性剤の組み合わせの量を含むことが意図される。
【0039】
「有効量」という用語は、ある特定の結果または特性を達成するための成分の量、または成分の組み合わせの量を含むことが意図されており、例えば、6.0のpHを達成するためのpH調整剤の有効量は、6.0のpHに到達するための1つ以上のpH調整剤の量を含むことが意図される。
【0040】
開示された局所組成物または開示された局所組成物を使用する方法に関する「適用」、「適用する」、及び「適用すること」という用語は、医学的または美容学的実践において、組成物を患者の皮膚表面に送達する、患者の皮膚に局所組成物を投与する任意の方法を指す。本明細書で使用されるとき、開示される局所組成物を、好適なデバイスの助力の有無にかかわらず、患者の皮膚に塗りつけること、こすりつけること、広げること、噴霧することはすべて、「適用」という用語の範囲内に含まれる。開示された製剤の投与または適用に関する「局所的」または「局所的に」という用語は、皮膚への上皮投与もしくは適用、または投与を指す。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「経口送達」または「経口投与」は、組成物が口を通して摂取される投与経路を指す。経口投与は経腸投与の一部であり、頬側投与(頬の内側に溶解)、唇下投与(唇の下に溶解)、及び舌下投与(舌の下に溶解)も含まれる。ある特定の実施形態では、経口投与は、組成物が摂取される投与経路を含む。ある特定の実施形態では、経口投与は、組成物が吸入される投与経路を含む。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「非経口投与」は、薬学的剤形が、例えば、筋肉(筋肉内投与)、静脈(静脈内投与)、皮膚下(皮下投与)に注射される投与経路を指す。
【0043】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または合理的な利益/リスク比に見合った他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適な化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0044】
「徐放性」という用語は、例えば、1日1回または1日2回の剤形を提供するために、一定期間にわたって放出される活性剤を指す。
【0045】
「即時放出」という用語は、活性剤の溶解または吸収を遅延または延長することを意図せずに、活性剤を胃腸管に溶解させる組成物を指す。例えば、水性培地(pH1~8)において室温で、USP装置1(#40メッシュバスケット)、USP装置2(パドル)、またはUSP装置3(往復運動シリンダ)中でのインビトロ溶解によって測定される、約5分、約15分、約30分、約45分、または約60分での少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の活性剤の放出。
【0046】
本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別様が示されない限り、単に、範囲内に収まる各々の別個の値を個々に指す速記方法としての役割を果たすことが意図され、各々の別個の値は、本明細書に個々に列挙されるかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別様が示されない限り、または文脈によって別様が明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書中提示されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば、「例えば(such as)」)の使用は、ある特定の材料及び方法をより理解しやすくすることを意図するに過ぎず、特許請求の範囲に制限をかけることはない。本明細書のいかなる言葉も、開示されている材料及び方法の実施にとって必須として任意の請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0047】
組成物
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソームにカプセル化された活性剤を含む安定した組成物を対象とし、活性剤は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0048】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、それらのリン酸基を介して接合された2つのヌクレオチドを含む。一方のヌクレオチドは、アデニン核酸塩基を含有し、他方のニコチンアミドを含有する。NADの酸化形態は、NAD+と略され、NADの還元形態は、NADHと略される。NADの酸化形態はまた、「β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」及び「遊離酸(NAD)」と称されることもある。
【0049】
NADはまた、限定されないが、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)などの様々な前駆体及び誘導体を有する。
【0050】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおいてリポソームにカプセル化された活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択され得る。一実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおいてリポソームにカプセル化された活性剤は、NAD+であってもよい。
【0051】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける活性剤(例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせ)は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、もしくは約1重量%~約10重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、NAD+は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、もしくは約1重量%~約10重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で組成物中に存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の活性剤の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、活性剤の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0052】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける活性剤(例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、その前駆体、その誘導体、またはそれらの組み合わせ)は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%のうちのいずれか~約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、もしくは約20重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の活性剤の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、活性剤の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0053】
ある特定の実施形態では、NAD+は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%のうちのいずれか~約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、もしくは約20重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかに存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化されたNAD+の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中のNAD+の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、NAD+の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0054】
リポソームは、小胞形成脂質(リン脂質及びそれらの誘導体など)が水性溶媒(水など)に分散されるときに形成される。水性溶媒中に分散すると、小胞形成脂質は、「リポソーム」と呼ばれる閉じた小胞を形成し、これは、水性コアをカプセル化する脂質二重層を特徴とする。
【0055】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかのリポソームは、小胞形成脂質を含み得る。ある特定の実施形態では、小胞形成脂質は、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、スフィンゴミエリン(SM)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレグリコール、ポリアスパルトアミド、レシチン、ジパルミトイルレシチン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはそれらの混合物から選択され得る。一実施形態では、小胞形成脂質は、レシチンを含む。
【0056】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける小胞形成液体は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、もしくは約1重量%~約10重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、レシチンは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、もしくは約1重量%~約10重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で組成物中に存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の小胞形成剤の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、小胞形成脂質の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0057】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける小胞形成脂質は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%のうちのいずれか~約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、もしくは約20重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の小胞形成脂質の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、小胞形成脂質の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0058】
ある特定の実施形態では、レシチンは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%のうちのいずれか~約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、もしくは約20重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかに存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中のレシチンの量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、レシチンの濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0059】
ある特定の実施形態では、活性剤対小胞形成脂質の重量対重量比は、約10:1~約1:10、約8:1~約1:8、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、約1:1~約1:10、約1:1~約1:8、約1:1~約1:5、約1:1~約1:3、もしくは約1:1~約1:2の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値である。ある特定の実施形態では、組成物中の活性剤の最小量は、治療上有効な量である。ある特定の実施形態では、組成物中の活性剤の最大量は、均質な単一液相を維持するための有効量である。ある特定の実施形態では、活性剤は、相分離を生じる量で組成物に添加されない。
【0060】
ある特定の実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の賦形剤をさらに含む。
【0061】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、溶媒、例えば、限定されないが、アルコール、水、またはそれらの混合物を含む。ある特定の実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル、モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、またはそれらの混合物から選択されるアルコールを含む。
【0062】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約70重量%~約98重量%、約80重量%~約95重量%、もしくは約85重量%~約92重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約70重量%、約72重量%、約74重量%、約76重量%、約78重量%、約80重量%、約82重量%、約84重量%、約85重量%、もしくは約86重量%のうちのいずれか~約88重量%、約90重量%、約92重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、もしくは約98重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の溶媒の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、溶媒の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0063】
一実施形態では、溶媒は、水、グリセロール、及びペンチレングリコールを含む。
【0064】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける水は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約50重量%、約5重量%~約40重量%、もしくは約10重量%~約30重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける水は、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、もしくは約25重量%のうちのいずれか~約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、もしくは約50重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の水の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、水の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0065】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおけるグリセロールは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約90重量%、約30重量%~約80重量%、もしくは約50重量%~約70重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおけるグリセロールは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、もしくは約50重量%のうちのいずれか~約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、もしくは約90重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中のグリセロールの量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、グリセロールの濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0066】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおけるペンチレングリコールは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、もしくは約1重量%~約10重量%の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおけるペンチレングリコールは、組成物の総重量に基づいて、0重量%超、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%のうちのいずれか~約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、もしくは約20重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中のペンチレングリコールの量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、ペンチレングリコールの濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0067】
ある特定の実施形態では、ペンチレングリコールの代わりに、またはペンチレングリコールに加えて、他の無機溶媒を好適に使用してもよい。例示的な好適な溶媒としては、限定されないが、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル、モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、またはそれらの混合物から選択されるアルコールが挙げられる。これらの溶媒または他の好適な溶媒のうちのいずれも、ペンチレングリコールについて上述したのと同様の濃度で含まれ得る。
【0068】
ある特定の実施形態では、リポソームを形成するために小胞形成脂質とともに利用される水性溶媒は、主にグリセロールである。グリセロールは、自己保存的であり、必ずしも保存剤または貯蔵剤を含むことなく、微生物安定性を示す。ある特定の実施形態では、組成物は、約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の防腐剤及び/または保存剤を有するか、または含まない(例えば、0重量%)。
【0069】
ある特定の実施形態では、組成物中のグリセロール対他の溶媒(例えば、水及び/またはペンチレングリコール、個々にもしくは累積的に一緒に)の重量対重量比は、約15:1~約1:5、約10:1~約1:5、約8:1~約1:3、約5:1~約1:1、または約3:1~約1:5:1の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値である。
【0070】
ある特定の実施形態では、1つ以上の追加の賦形剤は、pH調整剤を含み、これは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、硫酸、リン酸、硝酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸、塩酸、またはそれらの混合物から選択され得る。一実施形態では、pH調整剤は、水酸化ナトリウムである。ある特定の実施形態では、pH調整剤は、組成物のpHを約4~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲に調整するための有効量で組成物中に存在する。
【0071】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおけるpH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム)は、組成物の総重量に基づいて、最大5重量%、最大約4重量%、最大約3重量%、最大約2重量%、もしくは最大約1重量%の量、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中のpH調整剤の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、pH調整剤の濃度及び/または組成物の最終pHが、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0072】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、約4、約4.3、約4.5、約4.7、約5、約5.3、約5.5、約5.8、約6.0、約6.2、約6.5、約6.8、もしくは約7のうちのいずれか~約7.3、約7.5、約7.7、約8.0、約8.3、約8.5、約8.7、もしくは約9.0のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値のpHを有する。
【0073】
ある特定の実施形態では、組成物は、限定されないが、炭水化物、酸化防止剤、キレート剤、低分子量タンパク質、高分子量ポリマー、ゲル形成剤、安定剤、添加剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤及び/または分散剤、アルカリ化剤、着色剤、合成ダイ、充填剤、希釈剤、鉱物酸化物、保存剤、またはそれらの混合物などの1つ以上の追加の賦形剤を含んでもよい。
【0074】
ある特定の実施形態では、組成物は、酸化防止剤をさらに含む。ある実施形態では、酸化防止剤は、例えば、ホスファイトのような三価のリン、フェノール酸化防止剤、ヒドロキシルアミン、置換ベンゾフラノンなどのラクトンを含み得る。ヒンダードフェノール、チオ相乗剤及び/またはヒンダードアミンは、ポリマーの長期的な安定性に有用であるが、以下の酸化防止剤は、活性物質が酸化される状況でも使用するのに好適である:酸(アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチドロン酸、没食子酸、低リン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、プロピオン酸など)、フェノール(例えば、BHA、BHT、t-ブチルヒドロキノン、没食子酸ドデシル、没食子酸オクチル、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)、有機塩及び無機塩(アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム)、エステル(アスコルビン酸カルシウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオイドプロピオン酸ジミリスチル)、ピラノン(マルトール)、ならびにビタミンE(トコフェロール、D-α-トコフェロール、DL-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、d-α-トコフェロールアセテート、dl-α-トコフェリルアセテート。しかしながら、当該技術分野において既知の他の酸化防止剤を、本発明に従って使用してもよい。
【0075】
ある特定の実施形態では、好適な酸化防止剤としては、限定されないが、立体妨害フェノール、アリールアミン、チオ尿素、チオカルバメート、ホスファイト、チオエーテルエステル、及び前述の組み合わせが挙げられる。酸化防止剤の他の好適な例としては、アルキル化モノフェノール(限定されないが、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジ-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖における直鎖状または分岐鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルウンデセ-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルヘプタデセ-1′-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1′-メチルトリデセ-1-イル)フェノール及びそれらの混合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール(限定されないが、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-フチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオエチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールを含む)、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン(限定されないが、2,6-ジ-tert-フチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tort-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペートを含む)、トコフェロール(限定されないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)を含む)、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル(限定されないが、2,2′-チオビス(6-tort-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-チオビス(4-オエチルフノール)、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4′-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4′-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-ジスルフィドを含む)、アルキリデンビスフェノール(限定されないが、2、2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)-フェノール]、2,2′-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2′-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2′-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2′-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2′-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2′-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4′-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4′-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-test-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3′-tert-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3′-tert-ブチル-2′-ヒドロキシ-5′-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンを含む)、O-、N-及びS-ベンジル化合物(限定されないが、3,5,3′,5′-テトラ-tert-ブチル-4,4′-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートを含む)、ヒドロキシベンジル化マロネート(限定されないが、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネートを含む)、芳香族ヒドロキシベンジル化合物(限定されないが、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノールを含む)、トリアジン化合物(限定されないが、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソ-シアヌレートを含む)、ベンジルホスホネート(限定されないが、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tent-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩を含む)、アシルアミノフェノール(限定されないが、4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメートを含む)、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス-(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、6-(3,5-dジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸の一価値または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、例えば、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルA-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N′-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N′-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミドのアミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyalにより供給される)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アミン系酸化防止剤(限定されないが、N,N′-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N′-ジメチル-N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミンを含む)、オクチル化ジフェニルアミン(限定されないが、p,p′-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N′,N′-テトラメチル-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1′,3′-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミンを含む)、モノアルキル化及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化teak-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化tert-オクチル-フェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N′,N′-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、ならびに前述の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
一実施形態では、酸化防止剤は、トコフェロールを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかにおける酸化防止剤(例えば、トコフェロール)は、組成物の総重量に基づいて、最大約0.5重量%、最大約0.4重量%、最大約0.3重量%、最大約0.2重量%、もしくは最大約0.1重量%、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の量で存在し得る。ある特定の実施形態では、これらの濃度は、活性剤、リポソーム、及びリポソームにカプセル化された活性剤の均質な単相液体組成物を形成するのに好適な1つ以上の追加の賦形剤を含む(含む、からなる、または本質的になる)組成物中の酸化防止剤の量を指す。本開示はまた、例えば、経口組成物、局所組成物、または非経口組成物を形成するための追加の薬学的に許容される賦形剤を含み得る組成物を包含し、そのような組成物では、組成物中の酸化防止剤の濃度が、様々な実施形態においてこれらの範囲内に収まる場合も収まらない場合もある。
【0077】
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソームにカプセル化されたNAD+を含む組成物を対象とする。一実施形態では、リポソームは、レシチンである小胞形成脂質を含む。一実施形態では、組成物は、水及び無機アルコール、例えば、グリセロール及び/またはペンチレングリコールのうちの1つ以上を含む。一実施形態では、組成物は、水酸化ナトリウムなどのpH調整剤を含む。一実施形態では、組成物は、トコフェロールなどの酸化防止剤を含む。
【0078】
ある特定の実施形態では、本開示は、a)0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%のNAD+;b)0重量%超~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%の小胞形成脂質(例えば、レシチン);c)0重量%超~約90重量%、約30重量%~約80重量%、約50重量%~約70重量%、または約55重量%~約65重量%のグリセロール;d)0重量%~約50重量%、約5重量%~約40重量%、または約10重量%~約30重量%の水;e)0重量%~約20重量%、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%のペンチレングリコール;f)最大約5重量%、最大約4重量%、最大約3重量%、最大約2重量%、または最大約1重量%のpH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム);及び/またはg)最大約0.5重量%、最大約0.4重量%、最大約0.3重量%、最大約0.2重量%、または最大約0.1重量%の酸化防止剤(例えば、トコフェロール)のうちの1つ以上を含むNAD+のリポソーム組成物を対象とし、すべての重量%は、a)~g)の総重量に基づいている。
【0079】
ある特定の実施形態では、本開示は、薬学的組成物、化粧品組成物、美容組成物、栄養補助組成物、または栄養組成物をさらに対象とし得る。「薬学的組成物」という用語は、医薬目的で使用するために製造された組成物を指す。「美容組成物」という用語は、医学的特性を有することが科学的に証明された化粧品組成物を指す。「化粧品組成物」という用語は、皮膚に浸透したり、皮膚の機能を変更したりすることなく、維持、保護、洗浄、香りの追加、外観の変更などを行うことができる組成物を指す。「栄養補助組成物」という用語は、栄養以外にも医薬目的で使用され得る組成物を指す。「栄養組成物」という用語は、追加の栄養素を提供することによって対象の食事を補完することを意図したサプリメントを指す。
【0080】
ある特定の実施形態では、本開示は、経口投与に好適な経口組成物を対象とし得る。ある特定の実施形態では、本開示は、局所投与に好適な局所組成物を対象とし得る。ある特定の実施形態では、本開示は、非経口投与に好適な注射組成物を対象とし得る。
【0081】
(経口、局所、もしくは非経口投与に好適であるかどうかにかかわらず)薬学的組成物、化粧品組成物、美容組成物、栄養補助組成物、栄養組成物などのうちのいずれも、リポソームにカプセル化された活性剤及び薬学的に許容される賦形剤を含んでもよく、活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択され、好ましくは、活性剤は、NAD+を含む。
【0082】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アクリル、セルロース誘導体、多糖類、単糖、ガム、天然もしくは合成ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカプロラクトン、そのポリメタクリレートコポリマー、及びそれらの混合物)、リポソーム、崩壊剤(例えば、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、またはそれらの混合物)、流動促進剤、潤滑剤、吸収促進剤、界面活性剤、結合剤、軟化剤、可塑剤(例えば、レシチン、水添植物油、グリセロールエステル、ラノリン、メチルエステル、ペンタエリスリトールエステル、米ぬかワックス、ステアリン酸、ステアリン酸カリウムナトリウムなど)、ワックス、脂肪、乳化剤、充填剤、酸化防止剤、香味剤、着色剤、希釈剤、加工助剤(例えば、造粒助剤)、咀嚼可能な組成物に関して上述したような甘味剤、固定剤(例えば、限定されないが、ソルビトール、モルチトール/イソマルト、マンニトール、デンプンなどのポリオール)、pH調整剤、粘度調整剤、溶解度増加剤もしくは減少剤、浸透圧剤、溶媒、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0083】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、ポリビニルピロリドン、天然及び合成ガム、ポリビニルアルコール、トウモロコシデンプン、親水性及び疎水性材料、例えば徐放性ポリマー、アクリル樹脂、タンパク質由来材料、ワックス、シェラック、ならびに固体または半固体油、例えば水添ヒマシ油及び水添植物油を含み得る。より具体的には、制御放出材料は、例えば、エチルセルロース、アクリル及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)コポリマー、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸グリシジルコポリマー、及び前述のうちのいずれかの混合物)などのアルキルセルロース、ならびにヒドロキシルセルコース(例えば、ヒドロキシルピルメチルセルコース)及びカルボキシルアルキルセルロースなどのセルロースエーテルであり得る。ワックスとしては、例えば、天然及び合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、及びこれらの混合物(例えば、蜜蝋、カルナウバワックス、ステアリン酸及びステアリルアルコール)が挙げられる。
【0084】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ゲル化剤、例えば限定されないが、糖または糖由来のアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトールなど、デンプン及びデンプン誘導体、セルロース誘導体(例えば、微結晶セルロース、カボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル-エーテル、アシル酸セルロース、ジアシル酸セルロース、トリアシル酸セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチル酢酸コハク酸セルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、及びそれらの混合物)、アタパルジャイト、ベントナイト、デキストリン、アルゲン酸塩、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸カリウムなどの塩、カゼイン、ステアリン酸、シェラック、カラギーナン、トラガントガム、アカシアガム、アラビアガム、プルランガム、デキストリン、ゲランガム、アガーガム、タラガム、カラヤ、グアーガム、ウェランガム、ラムサンガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、ゼラチン、カオリン、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、カルボマー及びカルボポール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、二酸化ケイ素、界面活性剤、混合界面活性剤/湿潤剤系、乳化剤、他の高分子材料、及びそれらの混合物が含まれる。
【0085】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、親水性賦形剤、例えば、限定されないが、水、低分子量ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。他の好適な親水性担体の例としては、限定されないが、ソルビタンエステルのポリオキシエチレン誘導体、例えば、ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレート(ポリソルベート85)、酢酸、ギ酸、他の親水性界面活性剤、及びそれらの混合物が挙げられる。例示的な低分子量ポリオールとしては、限定されないが、約200ダルトン、約400ダルトン、約600ダルトン、約800ダルトン、もしくは約1000ダルトンのうちのいずれか~約2000ダルトン、約3000ダルトン、約4000ダルトン、約5000ダルトン、約6000Da、もしくは約7000Daのうちのいずれか、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の数平均分子量を有するもの(例えば、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600など)が挙げられる。
【0086】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、可塑剤、例えば、トリアセチン、イソマルト、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ダルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコール可塑剤;またはポリオール可塑剤、例えば、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の例示的な可塑剤としてはまた、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、小有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、多ブロックポリマー、単一ブロックポリマー、クエン酸エステル型可塑剤、及びトリアセチンが挙げられる。そのような可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0087】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、可塑剤、例えば、限定されないが、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱物油;脂肪酸及びエステル;アセチル化水添綿実グリセリド及びアセチル化水添大豆油グリセリドを含む脂肪アルコール、植物油及び水添植物油;アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油、ジアセチル化モノグリセリド、サリチル酸ジプロピレングリコールグリセリン、ヤシ油脂肪酸グリセリル、モノアセチル化及びジアセチル化モノグリセリド、ニトロベンゼン、炭素ジスルフィド、fl-サリチル酸ナフチル、グリコール酸フタリル、フタル酸ジオシル;ソルビトール、ソルビトールグリセリルトリシトレート;オクタ酢酸スクロース;a-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、リン酸エステル;フタル酸エステル;アミド;鉱物油;脂肪酸及びエステル;脂肪アルコール;ならびに植物油、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びミリスチルアルコールを含む脂肪アルコール;アビエト酸メチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、アジピン酸ジイソオクチル、オレイン酸アミル、リシノレイン酸ブチル、安息香酸ベンジル、脂肪酸のブチル及びグリコールエステル、炭酸ブチルジグリコール、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ジ(ベータ-メトキシエチル)アジペート、セバシン酸ジブチル、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、トリエチレングリコールジ(ベータ-エチルブチラート)、ポリエチレングリコールジ(2-エチルヘキソエート)、ジエチレングリコールモノラウレート、モノマーポリエチレンエステル、ロジンの水添メチルエステル、オレイン酸メトキシエチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ベータ-(p-tert-アミルフェノキシ)エタノール、ベータ(p-tert-ブチルフェノキシエチル)エタノール、樟脳、Cumar W-1、Cumar MH-1、Cumar V-1、フタル酸ジアミル、(ジアミルフェノキシ)エタノール、酸化ジフェニル、技術的ヒドロアビエチルアルコール、ベッコリン、ベンゼンヘキサヒドロクロンデ、Clorafin 40、Piccolastic A-5、Piccalastic A-25、Flexol B-400、グリセロールアルファ-メチルアルファ-フェニルエーテル、塩化ナフタレン、HB-40、モノアミルフタレート、Nevillac 10 o-ニトロジフェニル及びParacril 26が含まれ得る。
【0088】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤としては、可塑剤、例えば、限定されないが、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ダルシトール、ペンタエリスリトール、もしくはマンニトールなどの糖アルコール可塑剤;またはポリオール可塑剤、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、最大10,000MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。他の例示的な可塑剤としては、限定されないが、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、油、小有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、多ブロックポリマー、単一ブロックポリマー、クエン酸エステル型可塑剤、及びトリアセチンが挙げられる。そのような可塑剤としては、1,2-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グリセリル、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及びグリコール酸アリル、ならびにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0089】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、天然及び/または合成香料原料などの香料を含み得る。例えば、水溶性香油と混合していてもいなくてもよい油溶性香油。油溶性香料材料は、オレンジオイル、ラベンダーオイル、パインオイル、ユーカリオイル、レモンオイル、クローブリーフ、ペパーミントオイル、シダーウッドオイル、ローズマリーオイル、ベルガモットオイル、ラバンディンオイル、パチョリオイル、カモミールオイル、ジャスミンオイル、スパイクオイル、ローズオイル、ベチバーオイル、フェンネルオイル、アニスオイル、タイムオイル、ゲルマニウムオイル、メントール、及びマジョラムオイルなどの天然またはネイチャーアイデンティカル(natural-identical)のエッセンシャルオイルである。動物性香料は、例えば、ムスク、カストリウム、アベール、またはジベットである。スパゲリックエッセンスもまた、当業者に既知である。それらは、次いで最終製品に加工されたある特定のハーブを発酵させることによって作製される。合成香料成分は、例えば、リナロール、テルピノール、ネロール、シトロネラル、ベンズアルデヒド、シナモンアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、またはメチルアセトフェノンなどの単一の化合物で構成される合成エッセンシャルオイルである。香料材料はまた、香料炭化水素、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、エステル、ポリエン誘導体からなる通常の群から選択される合成油溶性香料油であってもよい。使用され得る他の香料は、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Volumes I and II(1960,1969;reprint 2000)、Allured’s Flavor and Fragrance Materials(2005)などの参考文献及びデータベース、ならびにResearch Institute for Fragrance Materialsによってwww.rifm.orgにおいて維持されているデータベースにカタログ化及び記載されている。
【0090】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、香油を含み得る。好適な香油としては、天然香料及び合成香料の混合物が挙げられる。天然香料は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン-イラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、フルーツ(アニス、コリアンダー、クミン、ジュニパー)、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メイス、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス(costus)、アイリス、カルムス(calmus))、木材(パインウッド、サンダルウッド、ガイアックウッド、シダーウッド、ローズウッド)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針及び枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂及び樹液(ガルバナム、エレミ(elemi)、ベンゾイン、ミルラ(myrrh)、オリバナム、オポポナックス(opoponax))からの抽出物である。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素タイプの生成物である。エステルタイプの香料化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを含み、アルデヒドは、例えば、8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル及びブルゲオナールを含み、ケトンは、例えば、イオノン、α-イソメチリオノン及びメチルセドリルケトンを含み、アルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールを含み、炭化水素は、主にテルペン及びバルサムを含む。
【0091】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、芳香成分として主に使用される比較的低い揮発性のエッセンシャルオイルを含んでもよく、香料オイル、例えば、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、メリッサオイル、ミントオイル、シナモンリーフオイル、リンデンブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバナムオイル、ラボラナムオイル及びラバンディンオイルとしても好適である。他の好適な油には、単独または混合物中のベルガモットオイル、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、boisambrene forte、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモンオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコレート、cyclovertal、ラバンディンオイル、クラリセージオイル、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix coeur、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット、イロチル、及びフローラマット(floramat)が含まれる。
【0092】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、保存剤を含み得る。本明細書で使用されるとき、「保存剤」という用語は、風味、臭気、色、質感、外観、治療価値、または安全性の劣化を遅らせるまたは防止することによって、剤形の貯蔵寿命を延ばす薬剤を指す。保存剤は、部分的または完全な微生物細胞破壊または無力化をもたらす致命的で不可逆的な作用を提供する必要はない。滅菌剤、殺菌剤、消毒剤、殺胞子剤、殺ウイルス剤及び殺結核剤は、そのような不可逆的な作用様式を提供し、「殺菌」作用と呼ばれることもある。対照的に、保存剤は、保存剤が除去された場合、標的微生物が増殖を再開することができるという点で、可逆的な阻害作用または抑菌作用を提供することができる。保存剤と殺菌剤との主な違いは、主に作用様式(保存剤は微生物を殺傷するのではなく成長を防ぐ)及び曝露時間(保存剤は作用するのに数日~数ヶ月かかるが、殺菌剤は作用するのに数分しかかからない)を含む。好適な保存剤としては、限定されないが、フェノキシエタノール、パラベン、ペンタンジオール、及びソルビン酸の溶液、ならびに銀錯体が挙げられる。
【0093】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、例えば、限定されないが、例えば、白色、黒色、黄色、青色、緑色、ピンク色、赤色、オレンジ色、紫色、藍色、及び褐色などの着色剤を含んでもよい。
【0094】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、多くの場合、エタノールまたは水などの溶媒を使用することにより、原料、例えば、動物または植物材料の一部を抽出することによって得られる「フレーバー抽出物」、花、果物、根などから、または植物全体からエッセンシャルオイルを抽出することによって得られる天然エッセンスを含み得る。本明細書に記載される組成物の追加の例示的な香味剤としては、限定されないが、メントール、スペアミント、及びシナモン、コーヒー豆、他のフレーバーまたは香料、例えばフルーツフレーバー(例えば、チェリー、オレンジ、ブドウなど)、四級アンモニウム塩基などが挙げられ得る。フレーバーの効果は、酒石酸、クエン酸、バニリンなどのフレーバーエンハンサーを使用して強化され得る。
【0095】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、限定されないが、1つ以上の人工甘味料、1つ以上の天然甘味料、またはそれらの組み合わせなどの甘味剤を含み得る。人工甘味料としては、例えば、アセスルファム及びその様々な塩、例えば、カリウム塩(Sunett(登録商標)として入手可能)、アリテーム(alitame)、アスパルテーム(NutraSweet(登録商標)及びEqual(登録商標)として入手可能)、アスパルテーム-アセスルファムの塩(Twinsweet(登録商標)として入手可能)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、ジヒドロカルコン化合物、ネオテーム(neotame)、シクラミン酸ナトリウム、サッカリン及びその様々な塩、例えば、ナトリウム塩(Sweet’N Low(登録商標)として入手可能)、ステビア、スクラロース(Kaltame(登録商標)及びSplenda(登録商標)として入手可能)などのスクロースのクロロ誘導体、ならびにモグロシドが挙げられる。天然甘味料には、例えば、グルコース、デキストロース、転換糖、フルクトース、スクロース、グリチルリチン;グリチルリチン酸モノアンモニウム(商標名MagnaSweet(登録商標)で販売);ステビア(Stevia rebaudiana)(ステビオシド)、Lo Han Kuoなどの天然の強い甘味料、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトールなどのポリオールが含まれる。
【0096】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アルカリ化剤(複数可)、例えば、限定されないが、酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及び/またはリン酸二ナトリウムが含まれ得る。
【0097】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、潤滑剤(複数可)/剥離剤(複数可)、例えば、限定されないが、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート及び脂肪アミドが含まれ得る。他の好適な潤滑剤には、限定されないが、ベヘン酸グリセリル(Compritol(商標)888)、ステアリン酸金属(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ナトリウム)、ステアリン酸、水添植物油(例えば、Sterotex(商標))、タルク、蜜蝋及びカルナウバワックス、シリカ、ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、ステアリン酸カルシウム、長鎖脂肪アルコール、ホウ酸、安息香酸ナトリウム及び酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム(Pruv(商標))、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、鉱油、パラフィン、微結晶セルロース、グリセリン、プロピレングリコール及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0098】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、希釈剤、例えば、限定されないが、ラクトースUSP、ラクトースUSP(無水)、ラクトースUSP(スプレー乾燥)、デンプンUSP、直接圧縮デンプン、マンニトールUSP、ソルビトール、デキストロース一水和物、微結晶セルロースNF、リン酸二塩基カルシウム二水和物NF、スクロースベースの希釈剤、菓子の砂糖、一塩基性硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物NF、乳酸カルシウム三水和物顆粒NF、デキストレートNF(例えば、Emdex(商標))、デキストロース(例えば、セレロース(商標))、イノシトール、Maltrons(商標)及びMor-Rex(商標)などの加水分解された穀物固体、アミロース、粉末セルロース(例えば、Elcema(商標)、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリビニルピロリドンなどが含まれ得る。
【0099】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、油及び脂肪、例えば、限定されないが、アーモンド油、アルガン油、アボカド油、キャノーラ油、カシュー油、ヒマシ油、ココアバター、ココナッツ油、コルザ油、トウモロコシ油、綿実油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヘンプ油、ヒドロキシル化レシチン、レシチン、亜麻仁油、マカダミア油、マンゴーバター、マニラ油、モンゴンゴナッツ油、オリーブ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ピーカン油、ペリラ油、パインナッツ油、ピスタチオ油、ポピーシード油、パンプキンシード油、米ぬか油、サフラワー油、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、スイカの種子油が含まれ得る。PVAシェルの充填中にあり得る他の油及び脂肪には、限定されないが、魚油(オメガ-3)、クリル油、動物性または植物性脂肪(例えば、それらの水添形態)、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-、及びC22-脂肪酸を有するモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドが含まれ得る。
【0100】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、グレープシードタンパク質、乳清タンパク質、乳清タンパク質単離物、血液タンパク質、卵タンパク質、アクリレート化タンパク質、水溶性多糖、例えば、アルギネート、カラギーナン、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ゲランガム、アラビアガム及び関連するガム(ガムガッチ(gum ghatti)、カラヤガム、トラガンカントガム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:アルキルセルロースヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキルアルキルアルキルセルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシルブチルメチルセルロース、セルロースエステル、及びヒドロキシルアルキルセルロースエステル、例えば、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えば、カルボキシメチルセルロース及びそれらのアルカリ金属塩;ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、及びポリアクリル酸エステルなどの水溶性合成ポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ならびにポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマー、及びポリクロトン酸;また好適である、フタル化ゼラチン、コハク酸ゼラチン、架橋ゼラチン、シェラック、デンプンの水溶性化学誘導体、カチオン修飾アクリレート、及び例えば、必要に応じて四級化され得るジエチルアミノエチル基などの三級または四級アミノ基を有するメタクリレート;ならびに他の同様のポリマー;マグネシウムアルミニウム、シリコーン、チタンなどの酸化物などの無機充填剤が含まれ得る。
【0101】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、限定されないが、消化可能な長鎖(C8~C50、特にC12~C40)を含む疎水性材料、天然または合成ワックス(例えば、蜜蝋、グリコワックス(glycowax)、カスターワックス(castor wax)、及びカルナウバワックス)などの置換または非置換の炭化水素、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル、または好ましくはセトステアリルアルコールなど)、限定されないが、中鎖脂肪酸のモノジグリセリド(カプリル酸、カプンリ酸、カプロン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸など)を含む脂肪酸、中鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリセリド(モノ、ジ、及びトリグリセリド)、水添脂肪、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ならびに炭化水素骨格を有する疎水性及び親水性材料が含まれ得る。
【0102】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、酢酸ポリビニル、ポリカルボン酸及び塩、酢酸、カプリル酸、オレイン酸、ポリアミノ酸またはペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタンなどの天然ガム、及びカラゲナンが含まれ得る。例えば、ポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、及びそれらの組み合わせから、またはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メタクリル酸/メチルメタクリレート、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマー、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸コハク酸ヒドロキシルプロピルプロピルメチルセルロース、トリメット酸ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、PEG-35ヒマシ油、カプリロカプロイルポリオキシ-8グリセリセリド、ジステアリン酸グリセリル、及びそれらの組み合わせから選択することができる。
【0103】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、高HLB界面活性剤、例えば、限定されないが、ポリソルベート80-ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシル40水添ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0104】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、充填剤、例えば、限定されないが、ラクトース、微結晶性セルロース、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0105】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然ガム(例えば、天然の植物ガム)が含まれ得る。好適な天然ガムには、限定されないが、グアーガム、キャロブガム、コンニャクガム、キサンタンガム、スクレロチウムガム、アカシアガム、セルロースガム(修飾されているか否かにかかわらず)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0106】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、PEG-4ジラウレート、PEG-8ジオレエート、PEG-40ソルビタンペルオレエート、PEG-7グリセリルココエート、PEG-20アーモンドグリセリド、PEG-25水添ヒマシ油、ステアリン酸グリセリル(及び)PEG-100ステアレート、PEG-7オリーブ油脂肪酸、PEG-8オレエート、PEG-8ラウレート、PEG-60アーモンドグリセリド、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-80ソルビタンラウレート、Steareth-2,Steareth-12、Oleth-2、Ceteth-2、Laureth-4、Oleth-10、Oleth-10/ポリオキシル10オレイルエーテル、Ceteth-10、lsosteareth-20、Ceteareth-20、Oleth-20、Steareth-20、Steareth-21、Ceteth-20、lsoceteth-20、Laureth-23、Steareth-100、ステアリン酸クエン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE(自己乳化)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ポリグリセリル-3-メチルグリコースジステアレート、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0107】
さらなる好適な乳化剤は、リン酸エステル及びその塩、例えば、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、リン酸ジエタノールアミンセチル(Amphisol(登録商標)DEA)、リン酸セチルカリウム(Amphisol(登録商標)K)、セテアリル硫酸ナトリウム、グリセリルオレイン酸ナトリウム、リン酸グリセリルオレイン酸ナトリウム、リン酸水添植物グリセリド、及びそれらの混合物である。さらなる好適な乳化剤は、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セテアリルグルコシド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ポリステアリン酸スクロース、及び水和ポリイソブテンである。さらに、1つ以上の合成ポリマーが、乳化剤として使用され得る。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、及びそれらの混合物。
【0108】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、キレート剤、例えば、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びニトリロ三酢酸(NTA)が含まれ得る。
【0109】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪アルコール、例えば、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、C12~C15アルコールの安息香酸塩、アセチル化ラノリンアルコールなどを含む、6~18、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコールなどが含まれ得る。
【0110】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、脂肪酸のエステル、例えば、限定されないが、直鎖状C6~C24脂肪酸の直鎖状C3~C24アルコールとのエステル、分岐鎖状C6~C13カルボン酸の直鎖状C6~C24脂肪アルコールとのエステル、直鎖状C6~C24脂肪酸の分岐鎖状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸の直鎖状または分岐鎖状C6~C22脂肪酸、特にリンゴ酸ジオクチルとのエステル、直鎖状及び/または分岐鎖状脂肪酸の多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールもしくは三量体トリオール)及び/またはゲルベアルコールとのエステル、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エレイド酸、ペトロセリン酸、リノレイン酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸、ならびにアルコール、例えば、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコールとのそれらの技術グレードの混合物(例えば、天然脂肪及び油の圧力除去において、レーレンのオキソ合成(Roelen’s oxosynthesis)からのアルデヒドの還元において、または不飽和脂肪酸の二量体化において得られる)、ならびにそれらの工業用グレードの混合物(例えば、脂肪及び油、またはレーレンのオキソ合成からのアルデヒドに基づく工業用グレードのメチルエステルの高圧水添において、ならびに不飽和脂肪アルコールの二量体化におけるモノマー画分として得られる)が含まれ得る。エステル油の追加の好適な例は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキシルパルミテート、2-ヘキシルラウレート、2-ヘキシルデシルステアレート、2-オレイルパルミテート、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、オクタン酸セテアリル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘニル酸セチル、酢酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、ジカプリル酸/カプリル酸プロピレングリコール、ヘプタン酸ステアリル、マレイン酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチルなどである。
【0111】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、他のアジュバント、例えば、限定されないが、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、ジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)-スクシネート及びジイソトリデシルアセラート、ならびにジオールエステル、例えば、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートも含まれ得る。C6~C24脂肪アルコール及び/またはゲルベアルコールの、芳香族カルボン酸(飽和及び/または不飽和)、特に安息香酸とのエステル、C2~C12ジカルボン酸の、1~22個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状アルコール、または2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル。
【0112】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、天然または合成トリグリセリド(グリセリルエステル及び誘導体を含む)、例えば、限定されないが、他のアルコール(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、小麦胚グリセリドなど)との反応によって修飾された、C6~C18脂肪酸に基づくジグリセリドまたはトリグリセリドが含まれ得る。ポリグリセリンの脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-2イソステアレートなどのポリグリセリル-n、またはヒマシ油、水添植物油、スイートアーモンド油、小麦胚芽油、ゴマ油、水添綿実油、ココナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、水添ヒマシ油、シアバター、ココアバター、大豆油、ミンク油、ヒマワリ油、紅花油、マカダミナッツ油、オリーブ油、水添牛脂、アプリコット核油、ヘーゼルナッツ油、ボラージ油など)。追加の好適な賦形剤としては、長鎖酸及びアルコールのエステルを含むワックス、ならびにワックス様特性を有する化合物、例えば、カルナウバワックス、蜜蝋(白色または黄色)、ラノリンワックス、カンデリラワックス、オゾケライト、日本ワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成蜜蝋などが挙げられる。また、セテアリルアルコールとしての親水性ワックスまたは部分グリセリド。
【0113】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、真珠光沢のあるワックス、例えば、限定されないが、アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール、脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド、部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;6~22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの多価、非置換、またはヒドロキシ置換カルボン酸のエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル、及び脂肪炭酸塩(これらは合計で少なくとも24個の炭素原子を有する)、特にラウリルエーテル及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12~22個の炭素原子を有する脂肪アルコール及び/または2~15個の炭素原子及び2~10個のヒドロキシ基を有するポリオール、及びそれらの混合物との開環生成物が含まれ得る。
【0114】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、炭化水素油、例えば、限定されないが、鉱油(軽量または重量)、ワセリン(黄色または白色)、微結晶ワックス、パラフィン及びイソパラフィン化合物、ポリデセン及びポリブテンとしての水添イソパラフィン分子、水添ポリイソブテン、スクワラン、イソヘキサデカン、イソデカン、ならびに植物界及び動物界からの他のものが含まれ得る。
【0115】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、シリコーンまたはシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、例えば、限定されないが、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびにアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド、及び/またはアルキル修飾シリコーン化合物が含まれ得、これらは、室温で液体または樹脂の形態のいずれかであり得る。直鎖状ポリシロキサン、ジメチコン(Dow Corning 200液、Rhodia Mirasil DM)、ジメチコノール、環状シリコーン液、シクロペンタシロキサン揮発性物質(Dow Corning 345液)、フェニルトリメチコン(Dow Corning 556液)。また、平均鎖長が200~300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコンと水添ケイ酸塩との混合物である、シメチコンも好適である。Todd et al.による、好適な揮発性シリコーンの詳細な調査は、加えてCosm.Toil.91,27(1976)に見出すことができる。
【0116】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、乳化剤、例えば、限定されないが、カルボン酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのアルカリ性石鹸、カルシウムまたはマグネシウムの金属石鹸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸などの有機ベースの石鹸が含まれ得る。リン酸アルキルまたはリン酸エステル、酸リン酸塩、リン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸カリウム。エトキシル化カルボン酸またはポリエチレングリコールエステル、PEG-nアシレート。12~22個の炭素原子を有する脂肪酸と、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとを有する、2~30モルのエチレンオキシド及び/または0~5モルのプロピレンオキシドから分岐した、8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコール。ラウレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-nなどの脂肪アルコールポリグリコールエーテル。PEG-nステアレート、PEG-nオレエート、PEG-nココエートなどの脂肪酸ポリグリコレエーテル。モノグリセリド及びポリオールエステル。ポリオールを有する1~30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノエステル及びジエステル。モノステアリン酸グリセロール、ジイソステアロイルポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル-2-セスキイソステアレートまたはダイマ酸ポリグリセリルなどの脂肪酸及びポリグリセロールエステル。複数のそれらの物質クラスからの化合物の混合物もまた、好適である。モノステアレートジエチレングリコールなどの脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、スクロエステルなどの脂肪酸及びサッカロースエステル、スクログリセリドなどのグリセロール及びサッカロースエステル。ソルビトール及びソルビタン、6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステル及びジエステル、ならびにエチレンオキシド付加物。ポリソルベート-nシリーズ、セスキイソステアレート、ソルビタン、PEG-(6)-イソステアレートソルビタン、PEG-(10)-ソルビタンラウレート、PEG-17-ジオレエートソルビタンなどのソルビタンエステル。グルコース誘導体、C8~C22アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド、ならびに糖成分として好ましいグルコースを有するエトキシル化類似体。メチルグルセス-20セスキステアレート、ソルビタンステアレート/スクロースココエート、メチルグルコースセスキステアレート、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシドなどのO/W型乳化剤。メチルグルコースジオレエート/メチルグルコースイソステアレートなどのW/O型乳化剤。硫酸塩及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホスクシネート、コハク酸ジオクチル、ラウリル硫酸アルキル、直鎖状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピエンスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、アンモニウム及びエタノールアミンラウリル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホスクシネート、アセチルイソチオネート、硫酸アルカノールアミド、タウリン、メチルタウリン、硫酸イミダゾール。ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体、ジメチコン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー、シリコーングリコールコポリマー。プロポキシル化またはPOE-nエーテル(Meroxapol)、Polaxamerまたはポリ(オキシエチレン)m-ブロック-ポリ(オキシプロピレン)n-ブロック(オキシエチレン)。分子内に少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つのカルボキシレート基及び/またはスルホン酸基を担持する両性イオン界面活性剤。特に好適な両性イオン界面活性剤は、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及びアルキルまたはアシル基中に各々8~18個の炭素原子を有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインなどのベタインである。アルキルイミダゾリン、アルキルペプチド、リポアミノアシド、自己乳化型塩基、及びK.F.DePolo,A short textbook of cosmetology,Chapter 8,Table 8-7,p250-251に記載されている化合物。
【0117】
好適な非イオン性塩基には、限定されないが、PEG-6密蝋(及び)PEG-6ステアレート(及び)ポリグリセリル-2-イソステアレート、ステアリン酸グリセリル(及び)PEG-100ステアレート、PEG-5グリセリルステアレート、オレイン酸ソルビタン(及び)ポリグリセリル-3リシノレイン酸塩、ステアリン酸ソルビタン及びヤシ脂肪酸スクロース、ステアリン酸グリセリル及びラウレス-23、セテアリルアルコール及びセテス-20、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド、セテアリルアルコール及びセテアレス-20、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシル油及び硫酸セテアリルナトリウム、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、セテアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10、ステアリン酸グリセリル及びPEG-75ステアレート、プロピレングリコールセテス-3アセテート、プロピレングリコールイソセス-3アセテート、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12、PEG-6ステアレート及びPEG-32ステアレート、PEG-6ステアレート及びセテス-20及びステアレス-20、PEG-6ステアレート及びセテス-20、ならびにステアリン酸グリセリル及びステアレス-20、ステアリン酸グリセリル及びセテアレス-20が含まれる。
【0118】
好適なアニオン性アルカリ塩基には、限定されないが、PEG-2ステアレートSE、硫酸グリセリルSE、プロピレングリコールステアレートが含まれる。セテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム、トリラネス-4ホスフェート及びステアリン酸グリコール及びPEG-2ステアレート、ステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン酸塩基。セテアリルアルコール及び臭化セトリモニウムなどのカチオン酸塩基。
【0119】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、アジュバント及び添加剤、例えば、限定されないが、界面活性剤、超脂肪剤、一貫性調節剤、増粘剤、ポリマー、安定剤、生体活性成分、膨潤剤、さらなる紫外線保護因子、酸化防止剤、向水性剤、保存剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、細菌阻害剤などが含まれ得る。
【0120】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、超脂肪剤、例えば、限定されないが、ラノリン及びレシチン、ならびにポリエトキシル化またはアセチル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、及び脂肪酸アルカノールアミドが含まれ得、後者は同時に泡安定剤として作用する。
【0121】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、界面活性剤、例えば、限定されないが、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、硫酸モノグリセリド、モノアルキル及び/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、アルファ-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及び/またはタンパク質脂肪酸縮合生成物が含まれ得、後者は好ましくは小麦タンパク質に基づいている。
【0122】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、一貫性調節剤/増粘剤及びレオロジー改質剤、例えば、限定されないが、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、多糖類もしくはそれらの誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギネート、カラゲナン、ゲラン、ペクチン、またはヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの修飾セルロースが含まれ得る。さらに、ポリアクリレートまたは網状アクリル酸及びポリアクリルアミドのホモポリマー、カルボマー(CARBOPOLタイプ980、981、1382、ETD2001、ETD2020、ULTREZ10)またはSALCARE範囲、例えば、SALCARE SC80(ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー)、Salcare SC81(アクリレートコポリマー)、Salcare SC91及びSalcare AST(アクリル酸ナトリウムコポリマー/PPG-1トリデセス-6)、SEPIGEL 305(ポリアクリルアミド/ラウレス-7)、SIMULGEL NS及びSIMULGEL EG(ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)、STABILEN 30(アクリレート/ビニルイソデカノートクロスポリマー)、PEMULEN TR-1(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、LUVIGEL EM(アクリル酸ナトリウムコポリマー)、ACULYN 28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)など。
【0123】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、ポリマー、例えば、限定されないが、そこで考慮されるアニオン性、両性イオン性、両性及び非イオン性のポリマー、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールと架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル-tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに任意選択で誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンが含まれ得る。さらに、EP1093796(3~8ページ、17~68段落)に記載されているポリマーが使用され得る。
【0124】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、酸化防止剤、例えば、限定されないが、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド(例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン、リコピン及びそれらの誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、オーロチオグリコース、プロピルチオラシル、及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、リノレイル、コレステリル及びそれらのグリセリルエステル)ならびにそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィト酸、ラクトフェリン)、ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EDDS、EGTA及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンA及び誘導体(例えば、パルミチン酸ビタミンA)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、二ナトリウム塩)、セレニウム及びその誘導体(例えば、セレニウムメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)、ならびに言及された活性成分の本発明による好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)が含まれ得る。HALS(=「ヒンダードアミン光安定剤」)化合物も言及され得る。
【0125】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、向水性剤、例えば、限定されないが、エトキシル化もしくは非エトキシル化モノアルコール、低い炭素原子数を有するジオールもしくはポリオール、またはそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-ジプロパンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び同様の製品)が含まれ得る。その目的のために考慮されるポリオールは、好ましくは、2~15個の炭素原子及び少なくとも2つのヒドロキシ基を有する。ポリオールはまた、さらなる官能基、特にアミノ基を含有してもよく、及び/または窒素で修飾されてもよい。典型的な例は、以下の通りである:グリセロール、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びまた100~1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;1.5~10の固有の縮合度を有する技術的オリゴグリセロール混合物、例えば、40~50重量%のジグリセロール含有量を有する技術的ジグリセロール混合物;特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールなどのメチロール化合物;低級アルキルグルコシド、特に、アルキルラジカル中に1~8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトール;5~12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコースまたは糖;アミノ糖、例えば、グルカミン;ジエタノールアミンまたは2-1,3-プロパンジオールなどのジアルコールアミン。
【0126】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤は、保存剤、例えば、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル-パラベン、塩化ベンザルコニウム、2-ブロモ-2-ニトロ-プロパン-1,3-ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2-ジクロロ-ベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチルジブロモグルタニトリル、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン、及び以下の参考文献に列挙されるさらなる物質クラスを含み得る。K.F.DePolo-A short textbook of cosmetology,Chapter 7,Table 7-2,7-3,7-4 and 7-5,p210-219。
【0127】
ある特定の実施形態では、好適な薬学的に許容される賦形剤には、バクテリア阻害剤、例えば、限定されないが、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’-トリクロロカルバニリド)が含まれ得る。多数の芳香族物質及びエーテル油もまた、抗菌特性を有する。典型的な例は、クローブオイル、ミントオイル、及びタイムオイル中の活性成分であるオイゲノール、メントール、及びチモールである。目的の天然消臭剤は、テルペンアルコールファルネゾール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)であり、これはライムブロッサムオイルに存在する。モノラウリン酸グリセロールもまた、静菌剤であることが証明されている。
【0128】
他の薬学的に許容される賦形剤もまた、当業者に認識されるように利用され得る。
【0129】
ある特定の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、もしくは約50重量%のうちのいずれか~約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、もしくは約99重量%のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の濃度で、本明細書に記載される薬学的組成物、化粧品組成物、美容組成物、栄養補給組成物、栄養組成物に(個別にまたは累積的に)含まれてもよい。
【0130】
ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、ヒト内皮細胞の細胞老化の低減をもたらす。低減は、インビボまたはインビトロであり得る。ある特定の実施形態では、例えば、対照と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%の老化細胞の低減。ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、NAD+非リポソーム組成物と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%の老化細胞の低減をもたらす。ある特定の実施形態では、内皮細胞は、ヒト大動脈内皮細胞である。
【0131】
ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、ヒト表皮細胞の細胞老化の低減をもたらす。低減は、インビボまたはインビトロであり得る。ある特定の実施形態では、例えば、対照と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%の老化細胞の低減。ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、NAD+非リポソーム組成物と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも15%の老化細胞の減少をもたらす。ある特定の実施形態では、表皮細胞は、ヒト表皮ケラチノサイトである。
【0132】
ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、ヒト内皮細胞の細胞生存の増加をもたらす。増加は、インビボまたはインビトロであり得る。ある特定の実施形態では、増加は、例えば、対照と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%である。ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、NAD+非リポソーム組成物と比較して、少なくとも25または少なくとも5%の細胞生存の増加をもたらす。ある特定の実施形態では、内皮細胞は、ヒト大動脈内皮細胞である。
【0133】
ある特定の実施形態では、リポソーム組成物は、ヒト表皮細胞の細胞生存の増加をもたらす。低減は、インビボまたはインビトロであり得る。ある特定の実施形態では、表皮細胞は、ヒト表皮ケラチノサイトである。
【0134】
ある特定の実施形態では、本発明のリポソーム製剤は、ヒト皮膚にわたって増加した透過性を有する。透過性は、インビボであり得るか、またはperfex vivoモデルなどの外部モデルであり得る。ある特定の実施形態では、増加は、例えば、対照に対するNCLSスコアによって測定した場合、少なくとも約135%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、少なくとも約175%、または少なくとも約190%である。ある特定の実施形態では、増加は、例えば、非リポソーム製剤に対するNCLSスコアによって測定した場合、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、または少なくとも約50%である。
【0135】
ある実施形態では、本発明の組成物は、約2℃~約30℃、約2℃~約20℃、または約2℃~約10℃の温度で貯蔵される。
【0136】
ある実施形態では、本発明の組成物は、約2℃~約30℃、約2℃~約20℃、または約2℃~約10℃の温度を有する。
【0137】
ある特定の実施形態では、本発明は、製品を冷凍下で、例えば、電気(例えば、冷凍装置)、化学(例えば、ドライアイスなどのアイスパック)、機械的手段(例えば、クーラー)、またはそれらの組み合わせによって輸送することにより、本明細書に記載される製剤を分配する方法を対象とする。
【0138】
安定性
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、長期貯蔵安定性を示す。本明細書に記載される「貯蔵安定性」という用語は、化学安定性、物理安定性、及び/または微生物安定性のうちの1つ以上を指す。
【0139】
「化学安定性」という用語は、貯蔵開始前の活性剤の量(もしくは含有量)と比較して、貯蔵期間後(例えば、1ヶ月貯蔵後(t=1)、3ヶ月貯蔵後(t=3)、6ヶ月貯蔵後(t=6)、もしくは12ヶ月貯蔵後(t=12))の組成物中の活性剤の量(もしくは含有量)の変化、例えば、減少または増加の評価を指す。所与の貯蔵期間後の組成物中の活性剤の量(含有量)のより小さな変化(または変化なし)は、所与の組成物中の活性剤の化学安定性を示す。活性剤の化学安定性は、好適なHPLC法で分析してもよい。
【0140】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約2℃~約8℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の組成物中の活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の活性剤を維持する。
【0141】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約20℃~約30℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の組成物中の活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の活性剤を維持する。
【0142】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約35℃~約45℃の温度で、約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間の貯蔵後、貯蔵前(t=0)の組成物中の活性剤の重量と比較して、約90重量%超、約92重量%超、約94重量%超、約96重量%超、約98重量%超、約99重量%超、または約100重量%の活性剤を維持する。
【0143】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約-80℃~約100℃、約-50℃~約80℃、約-20℃~約60℃、約-5℃~約50℃、0℃~約45℃、約2℃~約8℃、約20℃~約30℃、約35℃~約45℃の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の温度で、約30%~約50%の範囲の相対湿度で、長期間(例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月、もしくは24ヶ月、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値)にわたる貯蔵時に、上記の化学安定性のうちのいずれかを示し得る。
【0144】
「物理安定性」という用語は、貯蔵開始前(t=0)の組成物の同じ物理特性と比較して、貯蔵期間後(例えば、1ヶ月貯蔵後(t=1)、3ヶ月貯蔵後(t=3)、6ヶ月貯蔵後(t=6)、または12ヶ月貯蔵後(t=12))の組成物の物理特性(例えば、限定されないが、色、pH、粘度、均質性、相分離など)の変化の評価を指す。所与の貯蔵期間後の組成物の物理特性のより小さな変化(または変化なし)は、所与の組成物の物理安定性を示す。試験されている特性に応じて、組成物の物理安定性を分析するために様々な方法を使用することができる。例えば、pHプローブを利用して、様々な時点での組成物のpHを評価することができる。別の実施例では、粘度計を使用して、様々な時間における組成物の粘度を評価することができる。
【0145】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約2℃~約8℃の温度で約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間貯蔵した後、約4~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲のpHを維持する。
【0146】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約20℃~約30℃の温度で約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間貯蔵した後、約4~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲のpHを維持する。
【0147】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約35℃~約45℃の温度で約1ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、または約12ヶ月間貯蔵した後、約4~約9、約5.5~約8.5、または約6~約7の範囲のpHを維持する。
【0148】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約-80℃~約100℃、約-50℃~約80℃、約-20℃~約60℃、約-5℃~約50℃、0℃~約45℃、約2℃~約8℃、約20℃~約30℃、約35℃~約45℃の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の温度で、約30%~約50%の範囲の相対湿度で、長期間(例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月、もしくは24ヶ月、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値)にわたる貯蔵時に、物理安定性を示し得る。
【0149】
「微生物安定性」という用語は、貯蔵開始前(t=0)の組成物中の微生物含有量と比較して、貯蔵期間後(例えば、1ヶ月貯蔵後(t=1)、3ヶ月貯蔵後(t=3)、6ヶ月貯蔵後(t=6)、もしくは12ヶ月貯蔵後(t=12))の組成物中の微生物含有量の変化、例えば、増加または減少を指す。所与の貯蔵期間後の組成物の微生物含有量は、所与の組成物の微生物安定性を示す。
【0150】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかは、約-80℃~約100℃、約-50℃~約80℃、約-20℃~約60℃、約-5℃~約50℃、0℃~約45℃、約2℃~約8℃、約20℃~約30℃、約35℃~約45℃の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の温度で、約30%~約50%の範囲の相対湿度で、長期間(例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月、もしくは24ヶ月、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値)にわたる貯蔵時に、微生物安定性を示し得る。
【0151】
ある特定の実施形態では、本開示は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択される活性剤を安定化するための方法を対象とする。一実施形態では、本開示は、NAD+を安定化するための方法を対象とする。
【0152】
ある特定の実施形態では、本方法は、本明細書で上述される活性剤のうちのいずれか(例えば、限定されないが、NAD+)をリポソームにカプセル化することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書で上述される活性剤のうちのいずれか(例えば、限定されないが、NAD+)をリポソームにカプセル化することは、様々な温度で長期貯蔵安定性を示すリポソーム組成物を提供する。ある特定の実施形態では、長期とは、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、もしくは約6ヶ月のうちのいずれか~約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約21ヶ月、もしくは約24ヶ月のうちのいずれかの範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の期間を指す。ある特定の実施形態では、貯蔵安定性は、化学安定性、物理安定性、及び/または微生物安定性のうちの1つ以上を指す。ある特定の実施形態では、様々な温度は、約-80℃~約100℃、約-50℃~約80℃、約-20℃~約60℃、約-5℃~約50℃、0℃~約45℃、約2℃~約8℃、約20℃~約30℃、約35℃~約45℃の範囲、またはそれらの中の任意の部分範囲もしくは単一の値の温度を指す。
【0153】
調製方法
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを調製する方法に関する。ある特定の実施形態では、本方法は、活性剤及び溶媒を含む溶液を形成することを含む。
【0154】
ある特定の実施形態では、活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択される。一実施形態では、活性剤は、NAD+であり得る。
【0155】
ある特定の実施形態では、溶媒は、限定されないが、アルコール、水、またはそれらの混合物を含み得る。ある特定の実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル、モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、またはそれらの混合物から選択されるアルコールを含む。ある特定の実施形態では、溶媒は、水、グリセロール、及びペンチレングリコールを含む。
【0156】
ある特定の実施形態では、活性剤及び溶媒を含む溶液を形成することは、活性剤を第1の溶媒と混合し、任意選択でpH調整剤を添加し、続いて第2の溶媒を添加することを含む。例示的な実施形態では、活性剤を、水中のグリセリンの溶液と混合し、続いてpH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム)を添加し、続いてペンチレングリコールを添加する。
【0157】
ある特定の実施形態では、この方法は、リポソームマトリックスを活性剤溶液に結合(例えば、添加及び混合)して、活性剤をリポソームにカプセル化することをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、リポソームマトリックスは、前述の小胞形成脂質(例えば、限定されないが、レシチン)のうちのいずれか、前述の溶媒(例えば、限定されないが、グリセリン、水、ペンチレングリコール、またはそれらの混合物)のうちの1つ以上、任意選択でpH調整剤(例えば、限定されないが、水酸化ナトリウム)、及び任意選択で酸化防止剤(例えば、限定されないが、トコフェロール)を含み得る。
【0158】
ある特定の実施形態では、この方法は、pH調整剤(水酸化ナトリウムなど)を添加することによって、組成物のpHを調整することをさらに含む。
【0159】
ある特定の実施形態では、本開示は、薬学的組成物、化粧品組成物、美容組成物、栄養補助組成物、または栄養組成物を調製する方法を対象とし得る。「薬学的組成物」という用語は、医薬目的で使用するために製造された組成物を指す。「美容組成物」という用語は、医学的特性を有することが科学的に証明された化粧品組成物を指す。「化粧品組成物」という用語は、皮膚に浸透したり、皮膚の機能を変更したりすることなく、維持、保護、洗浄、香りの追加、外観の変更などを行うことができる組成物を指す。「栄養補助組成物」という用語は、栄養以外にも医薬目的で使用され得る組成物を指す。「栄養組成物」という用語は、追加の栄養素を提供することによって対象の食事を補完することを意図したサプリメントを指す。
【0160】
ある特定の実施形態では、これらの組成物のうちのいずれかは、リポソームにカプセル化された活性剤を、ある特定の組成物(例えば、薬学的組成物、化粧品組成物、美容組成物、栄養補助組成物、または栄養組成物)を形成するために好適な1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤(上記に詳述されるか、もしくは当業者によって理解されるものなど)と組み合わせることによって調製され得る。
【0161】
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソームにカプセル化された活性剤を、1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることによって、局所組成物を調製する方法を対象とすることができ、活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択され、好ましくは、活性剤は、NAD+である。
【0162】
例示的な局所組成物は、血清、エマルション、クリーム、発泡体、スプレー、軟膏、ゲル、ローションの形態であってもよく、またはパッドもしくはロールオン塗布製剤であってもよい。当業者によって理解されるように、局所組成物の他の好適な形態もまた、本明細書で企図される。
【0163】
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソームにカプセル化された活性剤を、1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることによって、経口組成物を調製する方法を対象とすることができ、活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択され、好ましくは、活性剤は、NAD+である。
【0164】
例示的な経口組成物は、錠剤、カプセル、カプレット、舐剤、トローチ、チュアブル錠剤、ガム、グミ、シロップ、液体溶液、懸濁液、エマルション、口腔内フィルム、舌下フィルム、経口接着フィルム、粉末、固体結晶、経口崩壊錠剤、ペースト、経口クリーム、経口ゲル、または経口軟膏の形態であり得る。当業者によって理解されるように、他の好適な形態の経口組成物もまた、本明細書で企図される。
【0165】
ある特定の実施形態では、本開示は、リポソームにカプセル化された活性剤を、1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることによって、非経口組成物を調製する方法を対象とすることができ、活性剤は、ニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド+水素(NADH)、ニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、またはそれらの混合物から選択され、好ましくは、活性剤は、NAD+である。
【0166】
本明細書に記載されり様々な組成物は、限定されないが、即時放出プロファイル、制御放出プロファイル、遅延放出プロファイル、腸放出プロファイル、ゼロ次放出プロファイル、一次放出プロファイル、脈動放出プロファイル、体内のある特定の位置(胃腸管内の標的位置など)における標的放出など、活性剤のためのカスタマイズされた放出プロファイルを有するように製剤化され得る。
【0167】
治療方法
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される組成物(リポソームカプセル化型NAD、その前駆体、その誘導体、またはそれらの混合物、好ましくはNAD+を含む)のうちのいずれかを、それを必要とする対象に投与することによって、対象の状態を治療する方法を対象とする。投与は、経口組成物の経口投与、局所組成物の局所投与、または注射組成物の非経口投与であり得る。
【0168】
ある特定の実施形態では、皮膚の硬さの喪失、皮膚の厚さの減少、小じわ、しわ、弾力性の喪失、たるみ、乾燥、老年斑、ターンオーバー率の低下、異常な落屑、真皮中の細胞外マトリックスの密度及び混乱の減少ならびに他の組織学的変化、皮膚の粗さ、皮膚の滑らかさ、明るさ、輝き、紫外線損傷、フリーラジカル損傷、放射線損傷、汚染損傷、環境毒素または刺激物またはアレルゲンからの損傷、肌の色合い、日に焼けた外見、黄変、皮膚の毛穴が目立たなくなる、色素沈着、瘢痕、皮膚表面の不規則性、酒さ、外因性湿疹、にきび、乾癬、皮膚の再生及び再生プロセス、赤み、魚鱗症、触覚の滑らかさの欠如、視覚的な滑らかさの欠如、柔らかさの欠如、明るさの欠如、輝きの欠如、皮膚の質感、目尻のしわ、ほうれい線、色素異常、クレープ紙のような皮膚の質感、皮膚の弾力性の低下、及び他の損傷皮膚状態のうちの1つ以上について処置され得る対象。
【0169】
ある特定の実施形態では、対象は、疲労(例えば、慢性疲労症候群)、神経認知障害、睡眠障害、運動後の倦怠感、頭痛、筋力低下、関節痛、筋肉痛、アレルギー、リンパ節の腫脹及び圧痛、うつ病、ならびに他のストレス関連の状態または細胞エネルギー代謝の調節から利益を得ることができる状態のうちの1つ以上について治療され得る。
【0170】
ある特定の実施形態では、方法は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを、約1週間~約52週間、約2週間~約40週間、約4週間~約20週間、約8週間~約16週間の範囲、またはそれらの中の任意の単一の値もしくは部分範囲の期間にわたって定期的に投与することを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、少なくとも16週間、少なくとも20週間、または少なくとも24週間の期間にわたって定期的に投与することを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを、最長10年、最長8年、最長5年、最長3年、最長2年、最長1年、最長9ヶ月、最長6ヶ月、または最長3ヶ月の期間にわたって定期的に投与することを含み得る。
【0171】
ある特定の実施形態では、投与は、月に1回~1日に4回、2週間に1回~1日に2回、もしくは1週間に1回~1日に1回の範囲、またはそれらの中の任意の単一の値もしくは部分範囲(例えば、限定されないが、1日に2回、1日に3回、2日に1回、3日に1回など)であってもよい。
【0172】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物の定期的な投与は、皮膚の硬さの喪失、皮膚の厚さの減少、小じわ、しわ、弾力性の喪失、たるみ、乾燥、老年斑、ターンオーバー率の低下、異常な落屑、真皮中の細胞外マトリックスの密度及び混乱の減少ならびに他の組織学的変化、皮膚の粗さ、皮膚の滑らかさ、明るさ、輝き、紫外線損傷、フリーラジカル損傷、放射線損傷、汚染損傷、環境毒素または刺激物またはアレルゲンからの損傷、肌の色合い、日に焼けた外見、黄変、皮膚の毛穴が目立たなくなる、色素沈着、瘢痕、皮膚表面の不規則性、酒さ、外因性湿疹、にきび、乾癬、皮膚の再生及び再生プロセス、赤み、魚鱗症、触覚の滑らかさの欠如、視覚的な滑らかさの欠如、柔らかさの欠如、明るさの欠如、輝きの欠如、皮膚の質感、目尻のしわ、ほうれい線、色素異常、クレープ紙のような皮膚の質感、皮膚の弾力性の低下、及び他の損傷皮膚状態のうちの1つ以上における実際のまたは知覚される改善を示す。
【0173】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物の定期的な投与は、疲労(例えば、慢性疲労症候群)、神経認知障害、睡眠障害、運動後の倦怠感、頭痛、筋力低下、関節痛、筋肉痛、アレルギー、リンパ節の腫脹及び圧痛、うつ病、ならびに他のストレス関連の状態または細胞エネルギー代謝の調節から利益を得ることができる状態のうちの1つ以上における実際のまたは知覚される改善を示す。
【0174】
ある特定の実施形態では、局所組成物を投与することは、患者の皮膚表面に局所組成物を適用することを含む。開示された局所組成物または開示された局所組成物を使用する方法に関する「適用」、「適用する」、及び「適用すること」という用語は、医学的または美容学的実践において、組成物を患者の皮膚表面に送達する、患者の皮膚に局所組成物を投与する任意の方法を指す。本明細書で使用されるとき、開示される局所組成物を、好適なデバイスの助力の有無にかかわらず、患者の皮膚に塗りつけること、こすりつけること、広げること、噴霧することはすべて、「適用」という用語の範囲内に含まれる。開示された製剤の投与または適用に関する「局所的」または「局所的に」という用語は、皮膚への上皮投与もしくは適用、または投与を指す。
【0175】
ある特定の実施形態では、口腔組成物を投与することは、口腔組成物を摂取すること、口腔組成物を吸入すること、患者の口腔に口腔組成物を適用すること、または患者の口腔に口腔組成物を配置することを含む。
【0176】
ある特定の実施形態では、患者に非経口組成物を投与することは、組成物を患者の筋肉に注射すること(筋肉内投与)、患者の静脈に注射すること(静脈内投与)、または患者の皮膚の下に注射すること(皮下投与)を含む。
【実施例】
【0177】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載されており、もちろん、本明細書に記載され、特許請求される本発明を具体的に限定するものと解釈されるべきではない。当業者の技量内であろう、現在既知であるかまたは後に開発されるすべての均等物の置換、及び製剤における変更または実験計画における小さな変更を含む本発明のそのような変形形態は、本明細書に組み込まれている発明の範囲内に含まれるものとして解釈されたい。
【0178】
実施例1-保存剤を含まない、自己保存性のグリセリン/水中のNAD+のリポソーム濃縮物
本開示の実施形態による、グリセリン/水中のNAD+のリポソーム濃縮物を、バッチ調製1で調製した。バッチ調製1は、以下の表に示される濃度を有した。
【表1】
【0179】
バッチ調製1は、流体の外観及びベージュの濁った色を有した。25℃でのバッチ調製1のpH値は、5.5~7の範囲(SOP法0009による)であり、20℃での密度(SOP法0007による)は、1.175~1.195g/cm3であり、20℃での屈折率(SOP法0008による)は、1.435~1.455であり、含水率(SOP法0025による)は、21.0~25.0重量%の範囲であった。バッチ調製1からの試料の溶解度を10%水中で評価したとき、溶液は濁っていた。バッチ調製1からの試料の溶解度をIPAで評価したとき、それは沈殿した。バッチ調製1の中温好気性菌(SOP法0216による)は、最大100cfu/gであった。バッチ調製1の酵母及びカビ(SOP方法0217よる)は、最大50cfu/gであった。バッチ調製1のe.coli(SOP方法0254による)は、陰性であった。
【0180】
「バッチ調製1」と称される100kgのバッチ(上の表で調製2として概説されている組成物を含む)を、以下に詳述されるプロセスに従って調製した。
【0181】
すべての成分/構成要素は、予め冷却された。その後、68.8kgの85%グリセリン溶液を撹拌タンクに投入し、続いて5.0kgのNAD+を添加し、続いて15分間混合し、続いて3.0kgの10% NaOH溶液を添加し、続いて短時間混合し、続いて3.0kgのペンチレングリコールを添加し、続いて短時間混合し、続いて20.0kgのNatipide(商標)Ecoを添加し、続いて15分間混合し、続いてpHをNaOHでpH6.5に調整した。バッチ調製物1を、安定性研究の開始まで2~8℃で貯蔵した。
【0182】
実施例2-安定性研究
3つのバッチ調製物は、以下のように調製される。
○バッチ調製物1-実施例1に従って調製されたリポソーム(グリセリン+水中の5% NAD+)
○バッチ調製物2-リポソーム形成のない、グリセリン+水中の5% NAD+の混合物
○バッチ調製物3-pHをNaOHで4.2に調整し、いかなる追加の成分も含まない、保存剤(0.15%ソルビン酸カリウム及び0.3%安息香酸ナトリウム)を含む水中の5% NAD+
【0183】
各バッチ調製からの試料は、以下の温度で貯蔵される。
○4℃~8℃で冷蔵
○約21℃~25℃の室温(RT)
○約40℃のオーブン
【0184】
各温度での各バッチ調製からの試料は、以下の貯蔵期間の時点後に分析される。
○T=0(貯蔵開始前)
○T=1(1ヶ月の貯蔵後)
○T=3(3ヶ月の貯蔵後)
○T=6(6ヶ月の貯蔵後)
○T=12(12ヶ月の貯蔵後)
【0185】
安定性研究は、湿度制御なしで実施され、様々な貯蔵条件での湿度は、約30%~約50%の範囲であった。
【0186】
各時点で、試料を分析し、ベースライン仕様に対するNAD+アッセイ(含有量)を測定することによって、それらの化学安定性を評価する。NAD+含有量の測定は、カスタマイズされたHPLC法で行った。各時点で、試料を分析し、外観、色、臭気、及びpHのうちの1つ以上などの特性を評価することによって、それらの物理安定性を評価する。
【表2】
【表3】
【表4】
【0187】
6℃、RT、及び40℃でのバッチ調製物1の物理特性もまた、T=0、T=1、T=3、T=6、及びT=12で分析した。結果を下の表に要約する。
【表5】
【表6】
【表7】
【0188】
バッチ1は、活性物質が追加の賦形剤への曝露を受け、リポソーム調製による分解の可能性があったにもかかわらず、バッチ2と同様のデータを有していたことが分かった。さらに、最適な安定性のために、NAD+は、例えば、約6℃で冷たく保管されるべきであることが見出された。これは、NAD+を含む市販の化粧品が、寒さの中で取り扱われることも貯蔵されることもないため、注目に値する。むしろ、これらの化粧品は、室温で貯蔵される。
【0189】
異なる濃度及び様々な温度でのNAD+リポソーム含有量の製剤を確認するために、追加の試験を実施した。この試験から、最終的な化粧品をより長時間にわたって保管され得ることが保証された。
【0190】
製剤1を、NAD+リポソーム含有量が1%であるように調製した。製剤2を、NAD+リポソーム含有量が5%であるように調製した。NAD+リポソームの量を、異なる時点で測定した。結果を下の表に提示する。
【表8】
【0191】
この研究から、1%及び5%を有する製剤は、6℃及び室温での安定性に関して同様の結果を有し、両方とも、20℃で最低3ヶ月間、及び6℃で6ヶ月間安定であったことが見出された。
【0192】
透過性研究
透過性研究を行い、凍結したヒト皮膚外植体をPerfex vivoで使用する赤外線分光法によって、ヒト皮膚を通る2つの製剤の透過性を評価した。製剤Aを、リポソームを含まないグリセリン及び水中の5% NAD+を使用して調製し、製剤Bを、5% NAD+リポソーム濃縮物を使用して調製した。
【0193】
この研究は、3つの連続したステージで実施されるように設計された。ステージ1では、実現可能性研究を実施した。実現可能性研究中に、製剤A及びBのスペクトルシグネチャーは、赤外線アッセイによって分析された分子に特異的なピークを検出することが可能であることを確認するように決定された。結果が負である場合、研究を終了する。ステージ2では、予備試験を実施して、24時間後にPerfex vivoでヒト皮膚を通る製剤の浸透を試験した。製剤が皮膚で検出できない場合、研究を終了する。ステージ3では、完全な浸透試験を実施する。
【0194】
試験した2つの製剤を下に提示する。製剤Aでは、NAD+は、5%濃度である。製剤を、研究期間前、研究期間内、及び研究期間後に4℃で貯蔵した。
【表9】
【0195】
試験のための製剤Aを調製するために、それを滅菌蒸留水に5%で溶解した。製剤Bを、その純粋な形態で試験した。
【0196】
Perfex vivo外植体を調製するために、29歳の白人女性(参照:P2389-AB29)由来の直径38mmの13個の円形皮膚外植体(II型表現型を有し、ストレッチマークなし、毛髪なし)を、腹腔形成術から調製した。外植体は、皮膚が引き伸ばされているグリッドによって乗り越えられた培養培地のリザーバーで構成された特別に設計された支持体上に保持された。皮膚支持体を、流体回路によって培養培地の第2のリザーバーに接続し、培養培地を37℃(高RH%+5% CO2)のインキュベーターで貯蔵した。培養培地の循環は、蠕動ポンプによって確保した。
【0197】
Perfex vivo外植体を、以下のように3つのバッチに分けた。
【表10】
【0198】
0日目(D0)に、試験生成物P1及びP2を、外植体当たり9μL(2μL/cm2)に基づいて局所的に適用し、小さなへらを使用して広げた。対照Tは、いかなる処理も受けなかった。
【0199】
D1上で、バッチT0を形成する3つの外植体を収集し、3つの部分に切断した。4分の1を緩衝ホルマリン溶液に固定し、4分の1を組織学的分析のために-80℃で凍結し、半分を-80℃で保ち、ラマン分光法分析のために送った。D1では、関連するバッチから3つの外植体を収集し、D0と同じ方法で処理した。D1では、各バッチの外植体が試料採取されている。各Perfex vivo外植体を-80℃で凍結する。各外植体を、6つの部分に連続して切片化した。
図1に示されるように、3つの部分を-80℃で貯蔵し、3つの部分を-80℃で凍結させて、凍結切片化した。
【0200】
外植体の切片を、組織学的処理のために調製した。この切片を調製するために、10μm厚の切片を、Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して作製し、切片を、赤外線分光法イメージング分析のためのCaF2特異的支持体上に載置した。
【0201】
取得パラメータの赤外線も行った。取得パラメータを最適化するために、スポットライト400(Perkin Elmer)を用いてデータ収集を行った。異なる取得パラメータを試験して、研究された皮膚切片に適応させた。
-スペクトル範囲:750-4000cm-1
-スペクトル解像度:4cm-1スペクトル解像度
-ピクセルサイズ(空間解像度):6.25*6.25μm2
-ハイパースペクトル画像のスペクトルの平均数15000スペクトル
-ハイパースペクトル画像の平均表面:500000μm2(0.5mm2)
-ハイパースペクトルFTIR画像当たりの平均取得時間:12時間
【0202】
製剤P1及びP2について6つの参照スペクトルを収集した。FTIRシグナルの前処理及び処理も行った。古典的なデータ前処理(大気補正、シグナル対ノイズ評価、平滑化、ベースライン補正及び正規化)を行った。
-大気補正は、スペクトル画像の各スペクトルから大気中のH2O及びCO2の寄与を排除することを可能にした
-シグナル対ノイズ評価は、収集されたスペクトルを皮膚切片の外側から排除することを可能にした
-平滑化は、12点のウィンドウを持つ4次多項式Savitzky-Golayアルゴリズムで構成された
-ベースラインの除去:多項式関数を使用して、ベースラインを補正した
-正規化:すべてのスペクトルを、2800~3000cm-1のCHストレッチバンドの積分AUCに基づいて正規化した。
【0203】
Matlab(Matworks)を使用し、この研究のために社内データ処理手順を開発した。表皮における「P1」及び「P2」を検出及び追跡するために、単変量及び多変量データ分析の両方を適用した。半定量的評価のために、ハイパースペクトル画像についてすべてのデータを抽出し、関心領域からの値を平均化し、標準偏差を計算した。この研究では、「SD」は標準偏差を指し、「D」及び「J」は日を指す。「J」は、図で使用される日のフランス語の単語である「Jours」を表すことに留意されたい。
【0204】
ステージ1:製剤P1及びP2を、それらの分子シグネチャーを決定し、皮膚全体の浸透を追跡するために使用される化学トレーサー(ピーク)を決定するために、赤外線分光法によって分析した。
図2は、製剤P1及びP2のFTIRスペクトルである。
図2では、およそ1030cm
-1のバンドが、活性成分スペクトルにおいて最高の強度を示し、皮膚への製品の浸透を追跡するために選択された。
図2のスペクトルを観察すると、活性成分及びリポソームの両方が高波数領域に寄与していることがわかる。製品「P2」は、2930cm
-1のスペクトルバンドを提示し、その結果、リポソームに潜在的に関連付けられる。このピークもまた、皮膚への製品の浸透を追跡するために使用した。
【0205】
ステージ2及び3:1030cm
-1バンドの分析を行った。バッチTJ1、P1J1及びP2J1について、約1030cm
-1のバンドのAUCの変動を表すFTIR化学画像を
図3に提示する。1日目に、対照バッチで、1030cm
-1のバンドについて、角質層及び表皮の両方で非常にわずかなシグナルを検出した。バッチP1J1では、約1030cm
-1のバンドのわずかなシグナルが角質層において観察され、表皮において非常にわずかに観察された。バッチP2J1では、約cm
-1のバンドのかなり明確なシグナルが角質層において観察され、中等度のシグナルが表皮において観察された。
【0206】
2930cm
-1バンドの分析も行った。CH
2延伸バンド(2930cm
-1)は、脂質記述子として定期的に使用され、CH
3延伸バンド(2960cm
-1)は、タンパク質記述子として使用される。製剤P2は、2930cm
-1のスペクトルバンドを示すため、脂質対タンパク質比を追跡するために一般に使用される比2930/2960cm
-1を研究で使用して、ハイパースペクトル画像の各ピクセルにおける活性成分及びリポソームの寄与を検出した。2930/2960cm
-1の比の変動を表す化学画像を
図4に示す。角質層中の脂質の含有量が高いため、2930/2960cm
-1の比の分析は、生存表皮及び乳頭真皮においてのみ実現される。対照TJ1の1日目に、2930/2960cm
-1の比は表皮で弱く、乳頭真皮では非常に弱かった。バッチP1J1の1日目に、2930/2960cm
-1の比は表皮が弱く、乳頭真皮が非常に弱かった。バッチP2J2の1日目に、2930/2960cm
-1の比は表皮で中程度であり、乳頭真皮では弱かった。
【0207】
非負制約を伴う古典的最小二乗(CLS)適合:第3の分析でのスペクトル適合について、非負制約を伴う古典的最小二乗(NCLS)分析が実現された。それは、これらのシグネチャーの測定された線形混合の観点から、既知のスペクトルシグネチャーの濃度(または存在分数)を推定することを目的としたスペクトルアンミキシング法であった。この方法の独創性は、古典的な最小二乗手順に濃度の正の制約を加えることである。計算の詳細は、文献(2009、Tfayli et al.)に報告されている。NCLS適合は、ハイパースペクトル画像内の各スペクトル内の基準スペクトルの寄与パーセンテージを推定する。いくつかのスペクトル特徴が皮膚と主活性成分との間で重複していることを考えると、対照試料中にわずかなパーセンテージの寄与を有するいくつかのピクセルを有することが一般的である。画像の各ピクセルについて、参照スペクトルの正の存在分数は、CLSアルゴリズムを使用して個別に推定された。各バッチにおける活性成分シグネチャーの寄与のスコアを
図5に示す。
【0208】
1日目に、ブランクバッチTJ1において、ブランクバッチスペクトル上の活性成分の非常にわずかな寄与が観察された。バッチP1J1では、NCLSスコアは中程度であった。バッチP2J1では、NCLSスコアはかなり明確であった。
【0209】
NCLSスコアの分析:NCLSスコアの分析は、活性剤の皮膚への浸透を半定量化することを可能にする。次いで、バッチP1とバッチP2との間の活性成分浸透の変動のパーセンテージを決定することが可能である。
【0210】
異なるバッチのNCLSスコアを以下に示す。
【表11】
【0211】
異なるバッチのNCLSスコアも
図6に提示する。ブランクバッチTJ1では、NCLSスコアは、0.050607に等しかった。NCLSスコアに対する製品適用の効果を、ブランクバッチTJ1と比較した。製剤P1は、123%の有意な増加を誘導した。製剤P2は、191%の有意な増加を誘導した。バッチP1J1と比較した場合、製剤P2は、30%の有意な増加を誘導した。したがって、製剤P2は、製剤P1と比較したとき、30%の活性成分浸透の有意な増加を誘導した。
【0212】
上記の実験条件に従って、製剤Aの浸透:滅菌蒸留水(P1)及びNAD+-リポソームカスタマイズドディベロップメント(P2)中の5%でのNAD+(参照740103.00.0)を、約1030cm-1のバンド、2930cm-1のバンドに従って、及びNCLSスコアを赤外線分光法によって分析することによって評価した。ハイパースペクトル画像は、皮膚表面下約1030cm-1のバンドのおかげで活性成分を検出することができた。その存在は、「P2」で処理された皮膚切片上でより顕著であり、製剤A:5%でのNAD+(参照740103.00.0)(P1)と比較して、製品NAD+-リポソームカスタマイズドディベロップメント(P2)のより良い浸透を明らかにした。NCLSスコア(ハイパースペクトル画像における各スペクトル内の活性成分スペクトルの寄与パーセンテージ)の分析により、製品NAD+-リポソームカスタマイズドディベロップメント(P2)が、活性成分A:NAD+(参照740103.00)の30%**の有意な増加を誘導したと決定された。これらの結果は、製品P2に存在するリポソームが、皮膚へのNAD+の浸透を好むことを示した。**は、p<0.01(99%)として理解されることに留意されたい。
【0213】
細胞生存及び老化研究
初代ヒトケラチノサイト及び内皮細胞における細胞生存、NAD+細胞内送達及び細胞老化に対するNAD+のリポソーム製剤の有効性を試験するために研究を行った。
【0214】
材料及び方法:
細胞培養
一次ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)及びヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)を、Lonza(Basel,Switzerland)で購入した。接着細胞を、それぞれHAEC及びHEKaのために、内皮成長培地(EGM-2、Lonza)または真皮基底細胞培地(DCBM、Lonza)中のフィブロネクチンでコーティングされた75cm2フラスコ中でコンフルエンスまで増殖させた。培地を、10%ウシ胎仔血清(FBS)で補充した。
【0215】
ウェスタンブロット及び細胞生存アッセイ
細胞をトリプシン/EDTAを使用することによって分離し、6ウェルプレート(180,000/ウェル)に再播種した。細胞を80%コンフルエンスまで増殖させ、0.5% FBSを含有する培地中で24時間休止状態にした。次に、細胞を、異なる濃度(1:1、1:2、または1:3)のリポソームマトリックス(LIPONAD)中のNAD+200μMまたはNAD+で24時間処理した。その後、上清を収集し、細胞を、Tris 50mM、NaCl 150mM、EDTA 1mM、NaF 1mM、DTT 1mM、アプロチニン10mg/mL、ロイペプチン10mg/mL、Na3VO40.1mM、フェニルメチルスルホニルフッ化物(PMSF)1mM、及びNP-40 0.5%を含有する溶解緩衝液で処理した。タンパク質濃度は、製造業者の推奨事項(Bio-Rad Laboratories AG,Fribourg,Switzerland)に従って決定した。約20~30μgの全タンパク質溶解物を10% SDS-PAGE上で分離した後、湿式移送法(Bio-Rad)を使用してポリフッ化ビニリデン膜に移送した。膜を、SIRT1に対する一次抗体(1:1000、Abcam,Cambridge,UK)とともに、シェーカー上で4℃で一晩インキュベートした。次の二次抗体とのインキュベーション(抗マウス1:2000、Southern Biotechnology,Birmingham,AL,USA)を室温で1時間行った。密度測定分析(Amersham Imager 600,GE Healthcare Europe GmbH,Glattbrugg,Switzerland)を行い、タンパク質発現をGAPDHに正規化した。乳酸脱水素酵素(LDH)放出を比色アッセイ(Roce Diagnostics GmBH,Mannheim,Germany)によって測定した。マイクロプレートリーダー(Tecan,Mannendorf,Switzerland)で490nmの波長(参照>600nm)を使用して吸光度を測定した。吸光度値を、1% TritonX-100での処理によって得られた最大放出に正規化した。細胞生存を(100-細胞死%)と定義し、対照に正規化した。
【0216】
細胞老化アッセイ
細胞をトリプシン/EDTAを使用することによって分離し、2ウェルスライド(100,000/ウェル)に再播種した。その後、細胞をNAD+200μMまたはNAD+200μM+LIPONAD 1:3で48時間処理した。老化細胞は、老化関連β-ガラクトシダーゼ(SABG)(Merck KGaA,Darmstadt,Germany)の染色によって明らかにした。陽性に染色された細胞のパーセンテージを、顕微鏡を使用して各スライドの4つの視野でカウントし、対照に正規化した。
【0217】
統計分析
値は、平均±SEMとして表される。タイプI誤差確率の有意閾値は、0.05未満に設定された。対応のないt検定を使用して、2つの群間の比較を行った。複数の群間の比較は、Tukey事後分析を用いたANOVA検定を使用して行った。
【0218】
結果:対照(+19.5%、95% C.I.6.8~32.3%)及びNAD+単独(+4.3%、95% C.I.1.2~7.4%)と比較して、LIPONAD 1:3で処理したHAECにおける細胞生存の有意な増加が見られた。これを
図7に示す。代わりに、HEKaでは有意でない増加が観察された。
【0219】
NAD+細胞内送達
SIRT1発現の誘導によって、NAD+の細胞内送達を測定した。HAECまたはHEKAのいずれにおいても、処理された細胞と処理されていない細胞との間でSIRT1発現の有意な増加は観察されなかった。追加の試験が進行中であり、それによって、SIRT1発現は、ウェスタンブロットとは対照的に、ELISAによってアッセイされる。
【0220】
細胞老化
老化細胞の数の有意な低減は、LIPONAD 1:3で処理したHAEC及びHEKaの両方において観察された。特に、対照と比較して、老化細胞数の平均低減は、HAECについては51.3%(95% C.I.3.9~63.9%)、及びHEKAについては36.6%(95% C.I.1.6~66.3%)であった(
図2a及び3a)。NAD+単独と比較して、平均低減は、HAEC及びHEKaについて、それぞれ28.7%(95% C.I.9.4~33.9%)及び15.4%(95% C.I.4.9~24.3%)であった。これは、
図8及び9に見ることができる。
【0221】
これらの結果は、NAD+(LIPONAD)のリポソーム製剤が、培養されたヒト内皮及び表皮細胞の細胞老化を低減する点でNAD+単独よりも優れていることを示す。同時に、培養したヒト内皮細胞の細胞生存を増加する点でNAD+単独よりも優れている。
【0222】
実験結果に基づき、かつ翻訳の観点から、NAD+LIPONADによる処理は、皮膚の老化を遅らせる点でNAD+単独よりも優れていると考えられる。特に、内皮細胞に関する結果は、NAD+LIPONADが、皮膚の向性及び色合いの重要な要因である、皮膚の微小循環の機能を改善することを示唆している。
【0223】
説明を簡単にするために、本開示の方法の実施形態は、一連の動作として描写され、説明される。しかしながら、本開示に従った動作は、様々な順序で及び/または同時に、ならびに本明細書に提示及び説明されていない他の動作とともに起こり得る。さらに、開示の主題に従って方法を実装するために、すべての例示される動作が必要とされ得るわけではない。加えて、当業者は、代替的に、方法が、状態図または事象を介して一連の相互に関連する状態として表現され得ることを理解し、評価するであろう。
【0224】
上記の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、特定の材料、寸法、プロセスパラメータなどの多くの具体的な詳細が述べられている。特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方法で組み合わせられ得る。「例」または「例示的な」という単語は、本明細書では、例(example)、実例(instance)、または例示(illustration)として役立つことを意味するように使用される。本明細書に「例」または「例示的」として説明されるいかなる態様または設計も、必ずしも、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利と解釈されるべきではない。むしろ、「例」または「例示的」という単語の使用は、具体的な方法で概念を提示することが意図される。本出願で使用されるとき、「または」は、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することが意図される。すなわち、別様に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを含む」とは、あらゆる自然な包括的置換を意味することが意図される。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、またはXがAとBの両方を含む場合には、「XはAまたはBを含む」は、あらゆる上記の実例の下で満たされる。「ある実施形態(an embodiment)」、「ある特定の実施形態(certain embodiments)」、または「一実施形態(one embodiment)」に対する本明細書全体での言及は、その実施形態と関係して記載される特定の機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所で出現する「ある実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を言及しているわけではない。
【0225】
本発明を、その特定の例示的な実施形態を参照して説明された。したがって、明細書及び図面は、限定する意味ではなく例示的なものとみなされる。本明細書に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変形態が、当業者にとって明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】