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特表2024-517490パフ補償を提供するエアロゾル生成装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】パフ補償を提供するエアロゾル生成装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240415BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240415BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570276
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 KR2022008088
(87)【国際公開番号】W WO2023277375
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0085038
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン スン
(72)【発明者】
【氏名】リ、スン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD03
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
本開示の一実施形態は、エアロゾル生成基質を含むシガレット、パフを感知するパフ感知センサ、及びシガレットを加熱するヒータに供給される電力を制御する制御部を含み、該制御部は、パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出し、第2時点において、算出された累積吸入量を基に、既設定の喫煙時間の延長いかんを決定する、エアロゾル生成装置を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成基質を含むシガレットと、
パフを感知するパフ感知センサと、
前記シガレットを加熱するヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出し、前記算出された累積吸入量を基に、既設定の喫煙時間の延長いかんを決定する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に、前記喫煙時間に追加される追加時間を決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に、前記喫煙時間に追加される追加パフ回数を決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第2時点において、出力部を介して喫煙時間の延長いかんに係わる案内メッセージが出力されるように制御し、ユーザの入力により、前記喫煙時間の延長いかんを決定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第1時点は、
最初パフ開始時点から、2分~3分30秒経過後の時点であり、
前記第2時点は、
前記喫煙時間終了まで残り20秒ないし40秒の時点である、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第1時点は、
最初パフ開始時点から、2分~3分30秒経過後の時点であり、
前記第2時点は、
前記パフ感知センサが感知した結果から、前記制御部が11回目パフを判断した時点である、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記喫煙時間は、
最初パフ開始時点から、3分ないし6分のうちいずれか1時点が経過した時間である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記パフ感知センサは、圧力センサを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記パフ感知センサは、温度センサを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
パフごとに感知される圧力を前記第1時点まで積分し、前記累積吸入量を算出する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出する段階と、
前記算出された累積吸入量が、パフ補償のための条件を満足したか否かということを判断する段階と、
前記条件が満足されれば、残余パフ回数または残余時間を変更する段階と、を含む、エアロゾル生成装置でパフ補償を提供する方法。
【請求項12】
前記残余パフ回数または前記残余時間を変更する段階は、
前記条件が満足されれば、既設定のパフ回数、または第2時点に達するか否かということをモニタリングし、前記パフ回数または前記第2時点に達すれば、前記残余パフ回数または前記残余時間を変更する、請求項11に記載のエアロゾル生成装置でパフ補償を提供する方法。
【請求項13】
前記変更された残余時間は、
前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に算出される、請求項11に記載のエアロゾル生成装置でパフ補償を提供する方法。
【請求項14】
前記変更された残余パフ回数は、
前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に算出される、請求項11に記載のエアロゾル生成装置でパフ補償を提供する方法。
【請求項15】
前記残余パフ回数または前記残余時間を変更する段階は、
第2時点において、出力部を介して案内メッセージが出力されるように制御し、ユーザの入力により、前記残余パフ回数または前記残余時間を変更する、請求項11に記載のエアロゾル生成装置でパフ補償を提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びその方法に係り、さらに具体的には、ユーザがエアロゾル生成装置を介して十分な喫煙経験を提供されえないことを感知し、さらなる喫煙経験を補償するエアロゾル生成装置、及びその装置を具現するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法を求める需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
加熱式エアロゾル生成装置は、既設定ほどの十分な量のエアロゾルをユーザに提供することができるように設計されるが、ユーザの個人的な事情により、ユーザに十分な時間が確保されなければ、ユーザは、エアロゾル生成装置によって提供されるエアロゾルを完全に吸入することができず、不満足な喫煙経験を経ることになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1以上の実施形態は、ユーザのパフ状態をモニタリングし、ユーザがエアロゾル生成装置を介して十分にエアロゾルを吸入することができないことを把握し、ユーザにパフ補償を提供するエアロゾル生成装置、及びその装置を具現する方法を含む。
【0005】
一実施形態によれば、装置は、エアロゾル生成基質を含むシガレットと、パフを感知するパフ感知センサと、前記シガレットを加熱するヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出し、前記算出された累積吸入量を基に、既設定の喫煙時間の延長いかんを決定する。
【0006】
1以上の実施形態によれば、前記制御部は、前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に、前記喫煙時間に追加される追加時間を決定することができる。
【0007】
1以上の実施形態によれば、前記制御部は、前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に、前記喫煙時間に追加される追加パフ回数を決定することができる。
【0008】
1以上の実施形態によれば、前記制御部は、第2時点において、出力部を介して喫煙時間の延長いかんに係わる案内メッセージが出力されるように制御し、ユーザの入力により、前記喫煙時間の延長いかんを決定することができる。
【0009】
1以上の実施形態によれば、前記第1時点は、最初パフ開始時点から、2分~3分30秒経過後の時点であり、前記第2時点は、前記喫煙時間終了まで残り20秒ないし40秒の時点でもある。
【0010】
1以上の実施形態によれば、前記第1時点は、最初パフ開始時点から、2分~3分30秒経過後の時点であり、前記第2時点は、前記パフ感知センサが感知した結果から、前記制御部が11回目パフを判断した時点でもある。
【0011】
1以上の実施形態によれば、前記喫煙時間は、最初パフ開始時点から、3分ないし6分経過後の時間でもある。
【0012】
1以上の実施形態によれば、前記パフ感知センサは、圧力センサでもある。
【0013】
1以上の実施形態によれば、前記パフ感知センサは、温度センサでもある。
【0014】
一実施形態によれば、方法は、パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出する段階と、前記算出された累積吸入量が、パフ補償のための条件を満足したか否かということを判断する段階と、前記条件が満足されれば、既設定のパフ回数、または第2時点に達するか否かということをモニタリングする段階と、前記パフ回数または前記第2時点に達すれば、残余パフ回数または残余時間を変更する段階と、を含む。
【0015】
1以上の実施形態によれば、前記条件が満足されれば、既設定のパフ回数、または第2時点に達するか否かということをモニタリングし、前記パフ回数または前記第2時点に達すれば、前記残余パフ回数または前記残余時間を変更することができる。
【0016】
1以上の実施形態によれば、前記変更された残余時間は、前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に算出されうる。
【0017】
1以上の実施形態によれば、前記変更された残余パフ回数は、前記第1時点までの累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に算出されうる。
【0018】
1以上の実施形態によれば、前記残余パフ回数または前記残余時間を変更する段階は、前記第2時点において、出力部を介して案内メッセージが出力されるように制御し、ユーザの入力により、前記残余パフ回数または前記残余時間を変更することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の実施形態によれば、ユーザがエアロゾルを十分に吸入していないとき、ユーザにパフ補償を安定して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を図示した図である。
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を図示した図である。
図4】シガレットの一例を図示した図である。
図5】シガレットの他の一例を図示した図である。
図6図3のエアロゾル生成装置で使用される二重媒質シガレットの一例を図示した図である。
図7】一実施形態によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
図8図7で説明されたエアロゾル生成装置の側面図である。
図9】本開示の一実施形態について説明するための、時間変化に係わる、温度と吸入量変化とのグラフである。
図10】エアロゾル生成装置に含まれる制御部を図式化して示した図である。
図11】出力部を介して出力される案内メッセージの一例を示した図である。
図12】ユーザが出力部に入力を加える例を図式的に示した図である。
図13】パフフィルタ値をグラフで示した図である。
図14図13のパフフィルタ値に係わる大きさ分析グラフを示した図である。
図15図13のパフフィルタ値に係わるインターバル分析グラフを示した図である。
図16】制御部が判断する累積吸入量のグラフを図式的に示した図である。
図17】一実施形態によるパフ補償提供方法の一例のフローチャートを図示した図である。
図18】一実施形態によるパフ補償提供方法の他の一例のフローチャートを図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一実施形態によれば、装置は、エアロゾル生成基質を含むシガレットと、パフを感知するパフ感知センサと、前記シガレットを加熱するヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記パフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出し、前記算出された累積吸入量を基に、既設定の喫煙時間の延長いかんを決定する。
【0022】
本実施形態で使用される用語は、多様な実施形態における構造的要素の機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それらは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などにもよる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該実施形態の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、多様な実施形態で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、多様な実施形態の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、 それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあることを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0024】
以下においては、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、非制限的な(non-limiting)実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、さまざまに異なる形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図1及び図2は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【0026】
図1及び図2を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180を含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット200が挿入されうる。
【0027】
図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。しかしながら、図1及び図2に図示された構成要素以外に、汎用的な構成要素が、エアロゾル生成装置10にさらに含まれるものでもあるということは、本実施形態と係わる技術分野で通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0028】
また、図1及び図2には、エアロゾル生成装置10にヒータ130が含まれているように図示されているが、一部実施形態により、ヒータ130は、省略されうる。
【0029】
図1には、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130が一列に配されているように図示されている。また、図2には、蒸気化器180及びヒータ130が並列に配されているように図示されている。しかしながら、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図1または図2に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10の実施形態により、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0030】
シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器180を作動させ、蒸気化器180からエアロゾルを発生させることができる。蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。蒸気化器180に係わる説明は、下記においてさらに詳細に行う。
【0031】
バッテリ120は、エアロゾル生成装置10が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ120は、ヒータ130または蒸気化器180が加熱されうるように、電力を供給することができ、制御部110が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ120は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0032】
制御部110は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部110は、バッテリ120、ヒータ130及び蒸気化器180だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他構成の動作を制御する。また、制御部110は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作することができる状態であるか否かということを判断することもできる。
【0033】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されもするということは、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0034】
ヒータ130は、バッテリ120から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレット200が、エアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ130は、シガレット200の外部に位置することができる。従って、加熱されたヒータ130は、シガレット200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0035】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)が含まれ、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかしながら、ヒータ130は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置10に既設定のものでもあり、ユーザにより、所望する温度に設定されもする。
【0036】
なお、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むものでもあり、該シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。
【0037】
図1及び図2には、ヒータ130が、シガレット200の外部に配されるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、ヒータ130は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含むものでもあり、該加熱要素の形態により、シガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0038】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ130が複数個配されもする。このとき、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるように配されもし、シガレット200の外部に配されもする。また、複数個のヒータ130のうち一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配され、残りは、シガレット200の外部に配されうる。また、ヒータ130の形状は、図1及び図2に図示されたところに限定されるものではなく、多様な形状に作製されうる。
【0039】
蒸気化器180は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルがシガレット200を通過し、ユーザに伝達されるように構成されうる。
【0040】
例えば、蒸気化器180は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10にも含まれる。
【0041】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体保存部は、蒸気化器180から/に脱着/付着されるようにも作製され、蒸気化器180と一体にも作製される。
【0042】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0043】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0044】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、液体伝達手段に巻かれてもいる。該加熱要素は、電流供給によって加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0045】
例えば、蒸気化器180は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0046】
なお、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110及びヒータ130以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報の出力のためのモータを含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット200が挿入された状態においても、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出されうる構造に作製されうる。
【0047】
図1及び図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ120の充電に利用されうる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置10とが結合された状態において、ヒータ130が加熱されもする。
【0048】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、シガレット200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれもする。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が、第2部分に挿入されもする。
【0049】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に、第1部分の一部だけ挿入されもし、また第1部分、及び第2部分の一部が挿入されもする。ユーザは、第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入することができる。このとき、該エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0050】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、シガレット200の内部にも流入される。
【0051】
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された他の例を図示した図面である。
【0052】
図3のところと、図1及び図2を介して説明されたエアロゾル生成装置とを比較すれば、蒸気化器180が省略されているということが分かる。図3に図示されたエアロゾル生成装置に挿入される二重媒質シガレット300に、蒸気化器180の機能を遂行する要素が含まれているので、図3によるエアロゾル生成装置には、図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置と異なり、蒸気化器180が含まれない。
【0053】
図3によるエアロゾル生成装置10は、二重媒質シガレット300が挿入されれば、二重媒質シガレット300を外部加熱することにより、二重媒質シガレット300から、ユーザが吸入可能なエアロゾルが生成されうる。また、二重媒質シガレット300については、図6を介して具体的に説明する。
【0054】
以下、図4を参照し、シガレット200の一例について説明する。
【0055】
図4は、シガレットの一例を図示した図面である。
【0056】
図4を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図1及び図2を参照して説明した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0057】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また、一実施形態により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0058】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔が形成されうる。一例として、シガレット200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、シガレット200は、2枚以上のラッパ240によって重畳的に包装されもする。例えば、第1ラッパにより、タバコロッド210が包装され、第2ラッパにより、フィルタロッド220が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパにより、シガレット200全体がさらに包装されうる。もしタバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが、複数のセグメントによって構成されているならば、それぞれのセグメントが、個別ラッパによって包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が、他のラッパによってさらに包装されうる。
【0059】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによって添加されうる。
【0060】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコに作製されもする。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を均一に分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。このとき、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0061】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。なお、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型(cylindrical type)ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型(tube type)ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型(type)ロッドでもある。もしフィルタロッド220が、複数のセグメントによって構成されている場合、該複数のセグメントのうち少なくとも一つは、異なる形状にも作製される。
【0062】
フィルタロッド220は、香味が生じるように作製されもする。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射されもし、該加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220の内部に挿入されもする。
【0063】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0064】
もしフィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造されうる。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(PLA:polylactic acid)だけによって作製されうるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによって作製されうる。しかしながら、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を遂行することができるものであるならば、制限なしに該当しうる。
【0065】
なお、図4には、図示されていないが、一実施形態によるシガレット200は、前端フィルタをさらに含むものでもある。該前端フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置する。該前端フィルタは、タバコロッド210が外部に離脱されることを防止することができ、喫煙中、タバコロッド210から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置100(図1及び図2)に流れ出すことを防止することができる。
【0066】
図5は、シガレットの他の一例を図示した図面である。
【0067】
図5を参照すれば、シガレット200は、十字チューブ205、タバコロッド210、並びにチューブ220a及びフィルタ220bが、最終ラッパ240aを含む複数のラッパ240によって覆い包まれる形態を有するということが分かる。図5において、複数のラッパ240は、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bをそれぞれ覆い包む個別ラッパと、該個別ラッパによって覆い包まれた十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bの周囲を一つに覆い包む最終ラッパ240aを含む。
【0068】
図1及び図2を参照して説明した第1部分は、十字チューブ205及びタバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。説明の便宜のために、以下においては、図1及び図2を参照して説明するが、図4で説明されたところと重複する説明は、省略する。
【0069】
十字チューブ205は、タバコロッド210に連結される十字状のチューブを意味する。
【0070】
十字チューブ205は、シガレット200が、エアロゾル生成装置に挿入されれば、タバコロッド210と共に、シガレット感知センサによってセンシングされる部分であり、タバコロッド210と同一の銅合紙ラッパによって覆い包まれ、シガレット感知センサが挿入されたシガレット200が、エアロゾル生成装置が支援する種類のシガレット(自社で作製されたシガレット)であるか否かということを把握するのに活用されうる。該銅合紙ラッパについては、図7ないし図9を介して後述する。
【0071】
タバコロッド210は、エアロゾル生成装置10のヒータ130によって加熱されてエアロゾルを生成させるエアロゾル生成基質を含む。
【0072】
チューブ220aは、タバコロッド210のエアロゾル生成基質が、ヒータ130から十分な量のエネルギーを受けて加熱されるときに生成されるエアロゾルを、フィルタ220bに伝達させる機能を遂行する。チューブ220aは、酢酸セルローストウに、可塑剤であるトリアセチン(TA)を一定以上加え、円形(circle)に成形する方式によって製造されるチューブであり、十字チューブ205と比較すれば、形態が異なるだけでなく、タバコロッド210とフィルタ220bとを連結する点において、配置上の違いがある。
【0073】
フィルタ220bは、タバコロッド210で生成されたエアロゾルが、チューブ220aを介して伝達されれば、エアロゾルを通過させることにより、ユーザが、フィルタ220bによって濾過されたエアロゾルを吸入するようにする機能を遂行する。フィルタ220bは、酢酸セルローストウを基にして作製された酢酸セルロースフィルタでもある。
【0074】
最終ラッパ240aは、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a及びフィルタ220bをそれぞれ覆い包む紙であり、十字チューブラッパ240b、タバコロッドラッパ240c、チューブラッパ240d及びフィルタラッパ240eをいずれも含むものでもある。
【0075】
図5において、十字チューブラッパ240bは、アルミニウムラッパであり、チューブラッパ240dは、MFWラッパまたは24Kラッパであり、フィルタラッパ240eは、耐油ハードラッパ、またはポリ乳酸(PLA)材質の合紙である。タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240については、以下においてさらに詳細に後述する。
【0076】
タバコロッドラッパ240cは、タバコロッド210を取り囲むラッパであり、ヒータ130によって伝達される熱エネルギーの効率性を極大化させるために、熱伝導性向上物質がコーティングされもする。例えば、タバコロッドラッパ240cは、銀箔紙(Ag)、アルミニウム箔紙(Al)、銅箔紙(Cu)、カーボン紙(carbon paper)、充填剤(filler)、セラミックス(AlN、Al)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、クエン酸ナトリウム(Na citrate)、クエン酸カリウム(K citrate)、アラミド繊維(aramid fiber)、ナノセルロース(nano cellulose)、ミネラル紙(mineral paper)、グラシン紙(glassine paper)、SWNT(single-walled carbon nanotube)のうち少なくとも一つが、一般ラッパまたは離型原紙にコーティングされる方式によって作製されうる。該一般ラッパは、広く知られたシガレットに適用されているラッパを意味し、手抄紙試験を経て、紙製造作業性及び熱伝導性が、いずれも一定値以上を超える検証された材質によって作製された多孔性ラッパを意味する。
【0077】
また、本開示の実施形態において、最終ラッパ240は、タバコロッドラッパ240cにコーティングされる多様な物質のうち、充填剤、セラミックス、シリコンカーバイド、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、アラミド繊維、ナノセルロース、SWNTのうち少なくとも一つが、MFW原紙にコーティングされる方式によって作製されうる。
【0078】
図1及び図2で説明された外部加熱式エアロゾル生成装置10に含まれるヒータ130は、制御部110によって制御される対象であり、タバコロッド210に含まれているエアロゾル生成基質を加熱させ、エアロゾルが生成されるようにし、このとき、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーは、放射熱75%、対流熱15%、伝導熱10%の比率で構成される。一実施形態により、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーを構成する放射熱、対流熱、伝導熱の比率は、異なりうる。
【0079】
本開示の実施形態によれば、ヒータ130が、エアロゾル生成基質に直接接触し、熱エネルギーを伝達することができない特性上、迅速なエアロゾルの生成が困難であることを克服するために、前述のところのように、タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240aに熱伝導性向上物質をコーティングし、タバコロッド210のエアロゾル生成基質に熱エネルギーが効率的に伝達されるように促進することにより、ヒータ130が十分に加熱される前の初期パフ時にも、ユーザに十分な量のエアロゾルを提供することができる。
【0080】
一実施形態により、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240aのうちいずれか一つについてのみ、熱伝導性向上物質がコーティングされ、前述の例だけではなく、既設定値の熱伝導率を有する有機金属、無機金属、繊維、高分子素材が、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240aにコーティングされる方式でもって、本開示の実施形態が具現されもする。
【0081】
図6は、図3の装置で使用される二重媒質シガレットの一例を図示した図面である。
【0082】
図6において、「二重媒質シガレット」という名称は、図4及び図5で説明されたシガレットと区別するための目的だけではなく、本開示の実施形態に係わる説明を簡潔にさせるために命名されたものであり、一実施形態により、一般的なシガレットと同一に呼称されうる。
【0083】
図6を参照すれば、二重媒質シガレット300は、エアロゾル基材部310、媒質部320、冷却部330及びフィルタ部340が、最終ラッパ350によって覆い包まれる形態を有することを知ることができる。図6において、最終ラッパ350は、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340をそれぞれ覆い包む個別ラッパと、個別ラッパによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340と、を一つに覆い包む外被を意味する。
【0084】
エアロゾル基材部310は、パルプ(pulp)基盤の紙に保湿剤を含有させ、既設定の形態に成形された部分である。エアロゾル基材部310に入る保湿剤(基材)には、プロピレングリコール及びグリセリンがある。エアロゾル基材部310の保湿剤は、原紙重量対比で、一定重量比率を有するプロピレングリコール及びグリセリンが含まれる。エアロゾル基材部310は、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、ヒータ130により、一定以上の温度に加熱されれば、保湿剤蒸気を生成する。
【0085】
媒質部320は、シート、ストランド、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコのうち1以上を含み、ユーザに喫煙経験を提供するために、ニコチンを発生させる部分である。媒質部320は、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されても、ヒータ130から直接加熱されず、加熱されるエアロゾル基材部310及び媒質部320を覆い包んでいる媒質部ラッパ(または、最終ラッパ)から、伝導方式、対流方式及び輻射方式によって間接加熱されうる。本開示の実施形態においては、媒質部320に含まれる媒質が到達しなければならない温度が、エアロゾル基材部310に含まれた保湿剤が到達しなければならない温度よりさらに低いという特性を考慮し、外部加熱式ヒータ130でもって、エアロゾル基材部310を加熱した後、迂迴的に媒質部320の温度が上昇されるようにする。媒質部320に含まれた媒質の温度が、一定以上の温度に上昇されれば、媒質部320からニコチン蒸気が生成される。
【0086】
一実施形態により、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、媒質部320の一部が、ヒータ130と対向する方向になり、ヒータ130から加熱されもする。
【0087】
冷却部330は、所定重量の可塑剤を含むチューブフィルタによって作製され、エアロゾル基材部310及び媒質部320から生成された保湿剤蒸気及びニコチン蒸気が混合されてエアロゾル化(aerosolization)され、冷却部330を通過されながら冷却され、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340とは異なるように、個別ラッパで覆い包まれない。
【0088】
フィルタ部340は、酢酸セルロースフィルタでもあるが、フィルタ部340の形状には、制限がない。フィルタ部340は、円柱型円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型でもある。もしフィルタ部340が複数のセグメントによって構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが、異なる形状に作製されもする。フィルタ部340は、香味が発生されるように作製されもする。一例として、フィルタ部340に加香液が噴射されもし、該加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタ部340の内部に挿入されもする。
【0089】
また、フィルタ部340には、少なくとも1つのカプセルが含まれるものでもある。ここで、該カプセルは、香味を発生させる機能を遂行することもできる。例えば、該カプセルは、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもあり、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0090】
最終ラッパ350は、個別ラッパによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340を一つに覆い包む外被を意味し、最終ラッパ350は、後述する媒質部ラッパと同一材質によって構成されうる。
【0091】
図7は、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
【0092】
図7を参照すれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及び二重媒質シガレット300を含むことということを知ることができる。図7は、説明の便宜のために、エアロゾル生成装置10の一部構成のみに焦点を合わせて示されているので、他の構成が追加されても、前述の構成を含むものであるならば、本実施形態の範疇を外れるものではないということは、当該分野の通常の知識を有する者に自明であろう。
【0093】
また、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図7に図示されているところに限定されるものではなく、一実施形態により、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及び二重媒質シガレット300の配置は、異なりうる。図7の各構成に係わる説明は、図1ないし図3ですでに説明されているので、省略する。
【0094】
図8は、図7のエアロゾル生成装置の側面図である。
【0095】
図8を参照すれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置10は、PCB(printed circuit board)11、制御部110、バッテリ120、第1ヒータ130A、第2ヒータ130B、ディスプレイ150及びシガレット挿入空間160を含むことを知ることができる。以下においては、図1で説明された構成に係わる説明と重複する説明は、省略する。
【0096】
PCB 11は、制御部110と通信しながら、エアロゾル生成装置10の情報を収集する各種構成要素を電子的に統合する機能を遂行し、PCB 11の表面には、制御部110及びディスプレイ150が固定されて装着され、PCB 11に連結された素子に電力を供給するためのバッテリ120が連結される。
【0097】
第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bは、図8のエアロゾル生成装置のシガレット挿入空間160に挿入される二重媒質シガレット300の2つの媒質部を互いに異なる温度で加熱する。第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bは、互いに異なる物質によって構成されもし、同一物質によって構成された状態でもって、制御部110から互いに異なる制御信号を伝達され、互いに異なる温度に加熱されもする。
【0098】
ディスプレイ150は、エアロゾル生成装置10で生成される情報のうち、ユーザに情報が視覚的な情報として出力されるように制御する装置であり、制御部110から受信された情報を基にし、エアロゾル生成装置10の前面に具備されているLCDパネル(または、LEDパネル)に出力される情報を制御する。
【0099】
シガレット挿入空間160は、シガレット200または二重媒質シガレット300が挿入されるようにするために、エアロゾル生成装置10の内部に向けて一定深さに凹状に掘り込まれている空間を意味する。シガレット挿入空間160は、スティック状のシガレット200または二重媒質シガレット300が安定して装着されるように、筒状(cylindrical shape)であり、シガレット挿入空間160の高さ(深さ)は、シガレット200または二重媒質シガレット300において、エアロゾル生成物質が含まれた領域の長さによって異なりうる。
【0100】
例えば、シガレット挿入空間160に、図6で説明された二重媒質シガレット300が挿入されるならば、シガレット挿入空間160の高さは、エアロゾル基材部310及び媒質部320の長さを合算した値と同じでもある。シガレット挿入空間160に、シガレット200または二重媒質シガレット300が挿入されれば、シガレット挿入空間160に隣接している第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bが加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。
【0101】
図9は、本開示の実施形態について説明するための、時間変化に係わる、温度と吸入量変化とのグラフである。
【0102】
図9を参照すれば、図9に図示された全体グラフ900は、エアロゾル生成装置の出力部910、ヒータの温度変化曲線930、予熱完了地点950及び圧力変化曲線970を含むということを知ることができる。
【0103】
まず、エアロゾル生成装置の出力部910は、該エアロゾル生成装置の一側面に位置したLCDパネル(LEDパネル)のようなディスプレイ装置を意味するものであり、該エアロゾル生成装置に含まれる制御部(プロセッサ)の制御信号を受け、ユーザに、各種情報を視覚的に提供することができる。特に、本開示の実施形態において、エアロゾル生成装置の出力部910は、ヒータの予熱(pre-heating)が完了した時点から一定時間が経過し、時点t3’や時点t3’’に達することになれば、ユーザに、喫煙時間の延長いかんに係わるお知らせメッセージを視覚的に出力する機能を遂行する。
【0104】
ユーザは、出力部910に表示されたお知らせメッセージを確認した後、エアロゾル生成装置に一定入力を加え、喫煙時間が延長されるようにすることができる。また、ユーザは、出力部910に表示されたお知らせメッセージを確認した後、エアロゾル生成装置に何らの入力も加えないことにより、喫煙時間が延長されないようにすることもできる。該喫煙時間、及び該喫煙時間の延長については、圧力変化曲線970に係わる説明と共に後述する。
【0105】
図9において、ヒータの温度変化曲線930は、エアロゾル生成装置の制御部に保存されているヒータの温度プロファイル(temperature profile)を、時間の変化により、視覚的に示したグラフを意味する。具体的には、エアロゾル生成装置のヒータは、制御部の制御信号により、電力を供給され始め、最初温度Tから、温度TないしTを経て、最大温度であるTに達した後、一定レベル減温された状態において、シガレットからエアロゾルが生成されうるように制御される。ここで、最初温度Tは、0℃ではなく、エアロゾル生成装置が動作する前の常温におけるヒータの温度を意味し、TないしTは、それぞれ210℃、215℃、225℃、245℃及び265℃にもそれぞれなる。前述のヒータの温度値は、エアロゾル生成装置の特性、ファームウェアバージョン、使用されるシガレットの媒質特性により、実施形態別に異なりうるということは、当該分野の通常の技術者に理解されうるであろう。
【0106】
図9のヒータの温度変化曲線930によれば、ヒータの温度は、最初温度Tから始マリ、最大温度Tまで高くなった後、温度Tまで減温された状態で予熱が完了し、ユーザが使用可能な状態になる。続けて、該ヒータは、温度Tまで減温された以後、エアロゾル生成装置の制御部により、当該温度が維持されながら、エアロゾルが安定して生成されるように制御される。図9のヒータの温度変化曲線930には、エアロゾルが安定して生成される温度Tが変化なしに維持されるように図示されているが、実質的には、ユーザのパフが生じるたびに、ヒータの温度が一時的に冷却され、該制御部は、冷却されたヒータの温度を一定に補償するために、PID(proportional-integral-differential)制御技法を使用することができる。
【0107】
図9において、予熱完了地点950は、エアロゾル生成装置のヒータが、シガレットを加熱させるに十分な温度に加熱されたことを示す地点である。図9においては、予熱完了地点950の温度は、温度Tが安定して維持される地点として図示されているが、一実施形態により、温度TないしTのうちから選択された他の温度でもある。
【0108】
図9において、圧力変化曲線970は、エアロゾル生成装置を使用するユーザによって感知される圧力を、時間の変化により、図式的に示したものを意味する。圧力変化曲線970と時間軸との間の面積は、ユーザの吸入行為を介してユーザに吸入された空気またはエアロゾルの総量を意味する。例えば、図9の面積Sは、ヒータの予熱が完了した時点において、ユーザの最初のパフを介し、ユーザに実質的に提供されたエアロゾルの量を意味する。
【0109】
また、図9の縦軸の圧力単位は、圧力を測定するためのさまざまな単位のうち一つでもあり、特定の単位に制限されるものではない。特に、図9において、圧力変化曲線970は、温度変化曲線930と共に、1枚の図面で直観的に表現するために、x軸(時間軸)を基準に反転されており、負(negative)の圧力を示すものではない。
【0110】
また、図9に図示された圧力変化曲線970を全体的に解釈すれば、ユーザのパフは、時点tまで総9回なされ、各パフを介してユーザが吸入したエアロゾルの量が互いに異なるということを知ることができる。図9において、面積SないしSの総和は、累積吸入量とも称され、該累積吸入量は、後述するパフ補償いかんを判断するための主要パラメータにもなる。
【0111】
図9を介し、本開示の実施形態について説明すれば、以下の通りである。
【0112】
本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置は、ユーザの電源ボタン入力に対応してヒータを予熱し、ユーザは、予熱が完了したエアロゾル生成装置を、時点tから使用し始める。一例として、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置の喫煙モードは、14回のパフが行われるか、あるいは4分30秒の加熱維持時間(時点tと温度tとの間の時間長)が経過することに基づき、制御部によって自動的に使用終了されると仮定する。
【0113】
ユーザは、エアロゾル生成装置を介して9回のパフを行い、t時点において、パフを中断することになり、制御部は、圧力変化曲線970を分析し、ユーザの累積吸入量を算出する。該制御部は、累積吸入量が、既設定の基準吸入量に至っていないと判断されれば、パフ補償値を算出する。該制御部により、パフ補償値が算出されてから、該制御部は、t’時点またはt’’時点において、エアロゾル生成装置の出力部910を介し、喫煙時間の延長いかんに係わるお知らせメッセージが出力されるように制御する。
【0114】
ここで、t’時点は、11回目パフが終わり、喫煙モードの自動使用終了まで、3回のパフだけが残った時点にもなり、t’’時点は、喫煙モードの自動使用終了まで、30秒残った時点にもなる。また、エアロゾル生成装置の内部設定(configuration)、ファームウェアバージョン、温度プロファイルなどにより、前述の具体的な値は、異なりうる。
【0115】
ユーザが、出力部910を介して出力されるお知らせメッセージを確認し、喫煙時間を延長させることになれば、制御部が、最初の喫煙モードの自動使用が終了されるように制御する時点である時点tにおいて、ヒータの加熱状態が終了せず、喫煙時間は、パフ補償値ほど延長される。例えば、該パフ補償値がパフ2回であり、1パフ所要時間が15秒に設定されているならば、延長される時間は30秒であり、エアロゾル生成装置の喫煙モードは、2回のパフが追加して感知された以後、制御部により、自動的に使用終了される。
【0116】
説明の便宜のために、図9における時点tは、9回目パフが遂行された時点と図示されているが、時点tは、制御部が出力部910にお知らせメッセージを出力させるか否かということを判断するために、累積吸入量を算出する時点を意味するのみ、最後のパフが行われた時点を意味するものではない。例えば、図9において、3回のパフだけによってなるとしても、該制御部が累積吸入量を算出する時点は、3回目のパフが終了した時点ではなく、t時点である。一例として、該t時点は、自動使用終了時点である時点t(4分30秒超過時点)から、1分45秒前の所定時点にもなり、該時点tと該時点tとの間の時間は、一実施形態により、1分45秒よりも、さらに長かったり短かったりもする。
【0117】
制御部は、累積吸入量が、既設定の基準吸入量を超えるか、あるいは基準吸入量にわずかに達していない場合、ユーザが、エアロゾル生成装置を介して十分な喫煙経験を経たと判断し、パフ補償値を算出しない。ここで、該パフ補償値を算出しないということは、t’時点またはt’’時点において、出力部910にお知らせメッセージが出力されないことを意味する。
【0118】
前述の内容を整理すれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置(例えば、エアロゾル生成装置の制御部)は、第1時点(t時点)において、ユーザがエアロゾル生成装置を介して十分にエアロゾルを吸入したか否かということを判断し、該判断結果、ユーザにパフ補償を提供しなければならない必要性が認められれば、第2時点(t’時点またはt’’時点)において、パフ補償に係わる案内メッセージを出力することにより、パフ補償を所望するユーザに、パフ補償を提供することができる。本開示の実施形態において、パフ補償を提供されるユーザは、パフを何回かだけ行って中断したユーザにもなり、パフの回数が十分であるとしても、弱い吸引行為でもってパフを行い、十分にエアロゾルを提供されることができなかったユーザにもなる。
【0119】
前述の実施形態において、エアロゾル生成装置の喫煙モードが自動的に使用終了される14回パフ数または4分30秒は、例示的な値であるので、本開示によるエアロゾル生成装置は、14回よりさらに少ないか、あるいは多くのパフ、または4分30秒よりさらに短いか、あるいは長い加熱維持時間(tとt4との間の時間長)に基づき、自動的に使用終了されもする。
【0120】
図10は、エアロゾル生成装置に含まれる制御部を図式化して示した図面である。
【0121】
図10を参照すれば、本開示の実施形態による制御部110は、第1条件判断部111、第2条件判断部113、補償判断部115及び補償処理部117を含むということを知ることができる。制御部110に含まれた各モジュールの名称は、説明の便宜のために、その機能によって命名されたものであるので、実施形態別に、図10と互いに異なるように呼称され、当該モジュールと同一機能を遂行するならば、名称が異なっていても、実質的に同一モジュールであるということは、当該分野の通常の技術者に自明であろう。以下においては、図9を参照して説明する。
【0122】
制御部110は、エアロゾル生成装置に含まれたパフ感知センサによって感知されたパフを基に、第1時点までの累積吸入量を算出し、第2時点においては、算出された累積吸入量を基に、既設定の喫煙時間の延長いかんを決定する機能を遂行する。既設定の喫煙時間の延長いかんは、ユーザの入力によっても決定されるということは、図9を介してすでに説明されてある。
【0123】
第1条件判断部111は、エアロゾル生成装置のパフ回数をモニタリングし、自動使用終了されるためのパフ回数よりさらに少ない一定回数に達しているか否かということを判断し、出力部910に、吸引時間の延長いかんに係わるお知らせメッセージが出力されるようにする。例えば、第1条件判断部111は、図9において、時点tから1分45秒先に進んだ時点である時点tに達すると判断し、そのときまでの累積吸入量が不十分である(すなわち、所定吸入量より少ない)と決定されたところに基づき、パフ回数が11回になるt’時点において、出力部910にお知らせメッセージが出力されるようにする。このとき、第1条件判断部111は、t’時点までのパフ回数カウンタ(puff counter)として動作し、累積吸入量に係わる情報は、補償判断部115から伝達されうる。
【0124】
第2条件判断部113は、エアロゾル生成装置の動作時間をモニタリングし、自動使用終了時間から一定時間先に進んだ時点に達しているか否かということを判断し、出力部910に、喫煙時間の延長いかんに係わるお知らせメッセージが出力されるようにする。例えば、第2条件判断部113は、図9において、時点tから1分45秒先に進んだ時点である時点tに達しているか否かということを判断し、そのときまでの累積吸入量が不十分である(すなわち、所定吸入量より少ない)と決定されたところに基づき、喫煙モードの使用終了時点から、30秒先に進んだt’’時点において、出力部910にお知らせメッセージが出力されるようにする。このとき、第2条件判断部113は、t’’時点に対する時間モニタリングを行い、累積吸入量に係わる情報は、補償判断部115から伝達されうる。一実施形態により、出力部910にお知らせメッセージが出力されるt’’時点は、喫煙モードの使用終了時点から、20秒から40秒のうちいずれか1つの時間ほど先に進んだ時点でもある。
【0125】
一実施形態により、第2条件判断部113は、エアロゾル生成装置の動作時間をモニタリングしながら、最初パフ開始時点から、一定時間経過した時点に達しているか否かということを判断することもできる。例えば、第2条件判断部113は、図9において、時点tから2分45秒経過した時点である時点tが達しているか否かということを判断し、そのときまでの累積吸入量が不十分であると(すなわち、所定吸入量より少ない)で決定されたところに基づき、t’’時点において、出力部910にお知らせメッセージが出力されるようにすることもできる。一実施形態により、第2条件判断部113が判断するt時点は、tから2分45秒経過した時点よりも、さらに前であるか、あるいは後である時点でもある。
【0126】
補償判断部115は、ユーザの累積吸入量を算出し、既設定の基準吸入量と比較し、喫煙時間の延長いかんを決定する。図9で説明されたように、11回のパフ回数に達するか、あるいは喫煙モードの使用終了まで30秒が残った状態においても、ユーザに十分なエアロゾルが提供されるのであるならば、喫煙時間の延長される必要がないので、出力部910には、喫煙時間延長いかんに係わる案内メッセージが出力されるものではない。補償判断部115が決定する喫煙時間の延長については、図13ないし図16を介して具体的に説明する。
【0127】
補償処理部117は、補償判断部115により、喫煙時間の延長(パフ補償)が決定されたとき、既存喫煙時間の終了条件につき、さらなる喫煙時間であるか、あるいはさらなるパフ回数を加算する機能を遂行するモジュールを意味する。補償処理部117は、補償判断部115において、喫煙時間の延長が決定されたとき、算出された累積吸入量と、既設定の基準吸入量との差を基に、追加時間または追加パフ回数を算出するためのアルゴリズムをさらに含むものでもある。例えば、累積吸入量が1,000であり、既設定の基準吸入量が1,600であり、1パフ当たり、一般的に吸入量が200であり、1パフ当たり、一般的に所要時間が15秒であるならば、補償処理部117は、内蔵されたアルゴリズムを介し、パフ回数を3回追加し、使用終了時間を45秒さらに延長させることができる。
【0128】
図11は、出力部を介して出力される案内メッセージの一例を示した図面である。
【0129】
図11を参照すれば、図11のエアロゾル生成装置の出力部1110に、喫煙時間の延長いかんを問い合わせる案内メッセージが出力されており、ユーザは、案内メッセージを確認し、適切な入力を加えることにより、喫煙時間を延長させることができる。
【0130】
図12は、ユーザが出力部に入力を加えるところを図式的に示した図面である。
【0131】
図12に図示されているように、ユーザは、出力部1110を介して案内メッセージを確認し、一定時間内に入力を加え、喫煙時間が延長されるようにすることができる。例えば、ユーザは、図11において「more」と表示された部分に、入力1210を加え、喫煙時間が延長処理されるようにすることができる。
【0132】
ユーザが、一定時間内に喫煙時間を延長させる趣旨の入力を加えなければ、最初に設定された喫煙時間及び最大パフ回数ほどユーザに提供され、エアロゾル生成装置の喫煙モードは、中止される。
【0133】
図13は、パフフィルタ値をグラフで示した図面である。
【0134】
さらに具体的には、図13は、エアロゾル生成装置に含まれるパフ感知センサから感知された値をフィルタリングした結果を示したものであり、図13のグラフのx軸は、時間を意味し、y軸は、フィルタリング結果値を意味する。図13は、パフフィルタ結果に係わる説明を容易にするためのグラフであり、ヒータの自動使用終了時間は、別途に設定されていないと仮定する。本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置で使用されうるパフ感知センサには、圧力センサだけではなく、温度センサも含まれるので、パフフィルタ値の単位は、特定の物理量単位に限定されるものではない。
【0135】
まず、実線によって表示されたところは、フィルタAで感知された結果値を意味する。図13を参照すれば、フィルタAに対するパフフィルタ(puff filter)値は、最小-53、最大20まで変化し、ユーザの息吸いと息吐きとを反映させ、正値と負値とが共存するということを知ることができる。
【0136】
点線によって表示されているところは、フィルタBで感知された結果値を意味する。図13を参照すれば、フィルタBに係わるパフフィルタ値は、最小-55から、最大15まで変化し、フィルタAの結果と同一に、正値と負値とが共存するということを知ることができる。
【0137】
図13に図示された2つの結果は、エアロゾル生成装置に、2つのパフ感知センサが存在するということを意味するものではなく、2人互いに異なるユーザにより、互いに異なるパフパターンが適用されたとき、図13のように、パフ感知結果が異なるということを意味する。図13を参照すれば、大体のところ、フィルタAに係わるユーザが、フィルタBに対するユーザよりさらに周期的に類似した強度でパフを行っていると解釈されうる。
【0138】
図14は、図13のパフフィルタ値に係わる大きさ(amplitude)分析グラフを示した図面である。
【0139】
図14は、図13で説明されたパフフィルタ値の大きさを、既設定のアルゴリズムによって演算処理した結果を示したものであり、絶対値が適用されるので、図13と異なり、正値と負値とが混在せず、一方(負値)のみ存在するということを知ることができる。
【0140】
図14は、図9で説明された圧力変化曲線の他の例であり、図14を参照すれば、図9で説明されたように、圧力変化曲線を基に、パフ当たりの吸入量面積及び累積吸引量を算出することができるということを知ることができる。
【0141】
図14は、図13を基に生成された大きさグラフであるので、フィルタAに係わるユーザのパフ別吸入量面積が、フィルタBに係わるユーザのパフ別吸入量面積よりさらに広いということを知ることができる。言い替えれば、図14のグラフは、フィルタAのユーザのパフ行為が、フィルタBのユーザのパフ行為よりさらに効率的になされているということを図式的に示している。
【0142】
図15は、図13のパフフィルタ値に係わるインターバル(interval)分析グラフを示した図面である。
【0143】
図15は、図13で説明されたパフフィルタ値のインターバルを、制御部における既設定のアルゴリズムによって演算処理した結果を示したものである。各パフの間隔が短いほど、パフの規則性が認められ、図15のインターバル大きさ値は、大きくなり、反対に、パフが早期に中断される場合、図15のインターバル大きさ値は、小さくなる。
【0144】
図16は、制御部が判断する累積吸入量のグラフを図式的に示した図面である。
【0145】
図16による累積吸入量は、ユーザのパフ累積による吸入量を統括して示したものである、経時的に値が大きくなり、図14で説明されたパフ当たり面積を合算した結果と同一傾向性を有する。
【0146】
【数1】
【0147】
数式1は、制御部が算出する累積吸入量に係わる数式の一例である。
【0148】
数式1において、AAは、累積吸入量を意味し、tは、ユーザがパフを最初に始める時点を意味し、tは、該制御部が喫煙時間の延長いかんを判断する時点を意味し、S(t)は、圧力変化曲線970の関数を意味し、Sは、k番目パフに係わる吸入量をそれぞれ意味する。すなわち、数式1は、パフごとに感知される吸入量を、第1時点まで積分することにより、累積吸入量を算出することができるということを数学的に示している。
【0149】
一実施形態により、累積吸入量は、図15で説明されたインターバル大きさに係わる分析結果を追加して含むものでもある。
【0150】
【数2】
【0151】
数式2は、制御部が算出する累積吸入量に係わる数式の他の一例である。数式2において、Iは、図15において説明されたインターバル大きさ値を意味する。該制御部は、数式1または数式2を活用して、図16のような累積吸入量を算出し、算出された累積吸入量を、既設定の基準吸入量と比較し、該比較結果を介し、喫煙時間を終了する条件に追加する追加時間または追加パフ回数を決定することができる。
【0152】
例えば、制御部は、累積吸入量と基準吸入量との差を基に、第2時点において、喫煙時間を終了する条件に追加される追加時間を決定することができる。ユーザがパフを8回行い、一定時間パフを行わず、喫煙モードの使用終了時間まで30秒残ることになれば、該制御部は、既設定の喫煙時間の終了条件に追加時間をさらに追加し、ユーザが追加してパフすることができるように補償することができる。本実施形態において、ユーザは、出力部910に出力された案内メッセージを確認し、それに対応する入力を加えることにより、本来残っていた30秒に、追加された追加時間を加えた時間が、いずれも経過するまで喫煙を満喫することができることになる。
【0153】
他の一例として、制御部は、累積吸入量と基準吸入量との差を基に、第2時点において、喫煙時間を終了する条件に追加される追加パフ回数を決定することができる。該制御部に設定されている温度プロファイルにより、14回の最大パフ回数、及び4分30秒の加熱維持時間が補償されており、ユーザがパフを早く10回行い、t時点で算出された累積吸入量が1,400であり、既設定の基準吸入量が2,000であると仮定する。以上のような仮定において、1回のパフによって吸入される吸入量が200であるならば、該制御部は、3回の追加パフ回数を、喫煙時間の終了条件に追加して適用しながら、同時に3回のパフを行うための時間まで、喫煙時間の終了条件に加算することができる。
【0154】
【数3】
【0155】
数式3は、制御部が、追加パフ回数を算出するために使用する数式の一例である。数式3において、PNは、追加パフ回数を意味し、Quotientは、2つのパラメータを因子として受け、最初パラメータを2番目パラメータで除した分を戻す関数を意味し、Inhalestandardは、既設定の基準吸入量を意味し、AAは、t時点までの累積吸入量を意味し、Inhalepuffは、既設定のパフ当たり吸入量をそれぞれ意味する。ここで、既設定の基準吸入量は、t時点を基準にする固有値であり、該制御部に、喫煙モードの使用終了時点(t時点)の基準吸入量だけが設定されているならば、該制御部は、比例式を介し、t時点の基準吸入量を追加して算出し、算出された値でもってPNを算出することもできる。
【0156】
前述の例と異なる実施形態として、制御部は、累積吸入量と基準吸入量との差を基に、第2時点において、喫煙時間の終了条件に追加される追加時間または追加パフ回数を決定すると共に、シガレットの媒質限界量を考慮することもできる。
【0157】
例えば、ユーザが3回のパフのみを行った場合、制御部は、パフ補償判断時点であるt時点で算出された累積吸入量が非常に少なく、過度に長い追加時間、または過度に多くの追加パフ回数を補償値として決定することになる問題点が生してしまう。ユーザの吸入行為とは別個に、シガレットに含まれているエアロゾル生成基質(媒質)は、ヒータによって加熱され、持続的に消耗されるので、パフ補償値は、一定範囲内に制限されることが望ましい。該制御部は、t時点の媒質限界量に係わるデータを参照するか、あるいは追加時間や追加パフ回数に上限値を事前に設定することにより、ユーザがシガレットを介し、一定品質のエアロゾルを安定して吸入するように誘導することができる。該制御部は、本実施形態を具現するために、t時点の媒質限界量及び追加時間または追加パフ回数の上限値に係わるデータをさらに含むものでもある。
【0158】
【表1】
【0159】
表1は、前述の実施形態を例示値としてまとめた表である。
【0160】
表1を参照すれば、制御部が、数式1ないし数式3を介し、追加時間または追加パフ回数を算出することにより、ユーザにパフ補償を提供することができることになる。また、表1の事例番号4によれば、本開示の実施形態によるエアロゾル生成装置は、シガレットの媒質限界量を考慮し、適切なパフ補償を提供することができることになる。
【0161】
図17は、本開示の実施形態によるパフ補償提供方法の一例のフローチャートを図示した図面である。
【0162】
図17による方法は、前述のエアロゾル生成装置を介して具現されるので、以下においては、前述の図面を参照して説明する。
【0163】
制御部110は、第1時点まで、ユーザのパフを特性データとして累積し(S1710)、パフ補償のための条件が満足されているか否かということを判断する(S1730)。
【0164】
制御部110は、段階S1730において、パフ補償のための条件が満足されるならば、パフ回数またはパフ時間のうち少なくとも一つを補償処理する(S1750)。
【0165】
制御部110は、段階S1730において、パフ補償のための条件が満足されていないのであるならば、既設定の温度プロファイルにより、ヒータの温度を制御する(S1770)。
【0166】
図18は、本開示の実施形態によるパフ補償提供方法の他の一例のフローチャートを図示した図面である。
【0167】
図18による方法は、前述のエアロゾル生成装置を介して具現されるので、以下においては、前述の図面を参照して説明し、重複説明は、省略する。
【0168】
制御部110は、第1時点まで、ユーザのパフを特性データとして累積し(S1810)、パフ補償のための条件が満足されているか否かということを判断する(S1820)。段階S1810において、特性データとして累積されたユーザのデータは、累積吸入量を意味する。
【0169】
制御部110は、段階S1820において、パフ補償のための条件が満足されるのであるならば、既設定の残余パフ回数、または第2時点に達するまで待機する(S1830)。
【0170】
制御部110は、既設定のパフ回数、または第2時点に達すれば(S1840)、出力部910を介し、ユーザにパフ補償を受けるか否かということを尋ねる案内メッセージを出力する(S1850)。
【0171】
制御部110は、ユーザが、出力部910の案内メッセージを確認し、追加して入力を加えれば(S1860)、パフ回数またはパフ時間のうち少なくとも一つを補償処理する(S1870)。制御部110は、パフ補償のための条件が満足されていないか、既設定のパフ回数であるか、第2時点に達していないか、あるいはユーザのさらなる入力が感知されなければ、既設定の温度プロファイルにより、ヒータの温度を制御することになる(S1880)。
【0172】
本開示の実施形態によれば、ユーザが安定してエアロゾル生成装置を使用することができていないことを総合的に考慮し、ユーザに、適切なパフ補償を提供することができる。
【0173】
また、本開示の実施形態によれば、ユーザが、一定期間パフを中断した場合にも、当該シガレットを廃棄せず、さらなるパフを最大限に満喫することができるようになり、経済的である。
【0174】
本開示の実施形態によれば、「喫煙時間」は、エアロゾル生成装置の喫煙モード、及び喫煙モードの終了のための条件を意味しうる。例えば、該喫煙モードは、シガレットの喫煙が可能になるように、エアロゾル生成装置の制御部が、エアロゾル生成装置の他の構成要素(例:ヒータ)を制御する状態でもある。本実施形態によれば、該終了条件は、喫煙モードが終了するまでの時間、または許容されたパフ回数を含むものでもある。本実施形態によれば、喫煙時間を延長させるために、終了条件が変更されもする。
【0175】
以上で説明された本開示による実施形態は、コンピュータ上において、多様な構成要素を介して実行されうるコンピュータプログラムの形態に具現され、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録されうる。そのとき、該媒体は、ハードディスク、プロッピィディスク及び磁気テープのような磁気媒体;CD-ROM(compact disc read only memory)及びDVD(digital versatile disc)のような光記録媒体;フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical medium);及びROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリのような、プログラム命令語を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むものでもある。
【0176】
なお、前記コンピュータプログラムは、本開示の実施形態のために特別に設計されて構成されたものでもあり、あるいはコンピュータソフトウェア分野の当業者に理解されうるところでもある。該コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作われるような機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用し、コンピュータによって実行されうる高級言語コードも含まれるものでもある。
【0177】
本開示で説明される特定実行は、一実施形態であり、いかなる方法によっても、本開示の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は、省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結、または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、代替体可能であったり、追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結として示されうる。また、「必須な」、「重要に」というように、具体的な言及がなければ、本開示の適用のために必ずしも必要な構成要素ではないのである。
【0178】
本開示で説明された内容(特に、特許請求の範囲)において、「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当するのである。また、本開示において、範囲(range)が記載されている場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した実施形態を含むものであり(それに反する記載がなければ)、明細書に、前記範囲を構成する各個別的な値を記載した通りである。最後に、本開示による方法を構成する段階につき、明白に順序を記載するか、あるいはそれに反する記載がなければ、前記段階は、適切な順序で行われるものである。必ずしも前記段階の記載により、本開示の実施形態が限定されるのではない。本開示において、全ての例、または例示的な用語(「例えば」など)の使用は、単に本開示について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、前述の例、または例示的な用語により、本開示の範囲が限定されるものではない。また、当業者であるならば、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうることを知ることができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】