(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-22
(54)【発明の名称】マルチデバイスワイヤレス充電器のアクティブ冷却
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20240415BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240415BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571160
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029476
(87)【国際公開番号】W WO2022245745
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック,ハインデル
(72)【発明者】
【氏名】マケルレア,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ペトロヴィッチ,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。ワイヤレス充電装置は、複数の平面状電力伝送コイル、ドライバ回路、およびチャネルが中に形成された少なくとも1つの基板を具える。チャネルは、空気流を入口ポートで受け取り、空気流を基板を通して出口ポートに導くことができる。平面状電力伝送コイルは、少なくとも1つの基板によって支持され得る。平面状電力伝送コイルの各々は、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成され得る。ドライバ回路は、充電式デバイスがワイヤレス充電装置の上やその近傍に配置されたときに、平面状電力伝送コイルのうちの1つまたは複数に充電電流を供給するように構成され得る。1または複数のチャネルは、平面状電力伝送コイルおよびドライバ回路を通過する空気流を導くように構成され得る。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス充電装置において、
1つまたは複数のチャネルが形成された少なくとも1つの基板であって、当該1つまたは複数のチャネルは、空気の流れを受け、当該空気の流れを前記少なくとも1つの基板を通して出口に導くように構成されている、少なくとも1つの基板と、
前記少なくとも1つの基板に支持された複数の平面状電力伝送コイルであって、各平面状電力伝送コイルは、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成されている、複数の平面状電力伝送コイルと、
充電式デバイスが前記ワイヤレス充電装置の上または近くに置かれたときに、前記複数の平面状電力伝送コイルのうちの1つまたは複数に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路とを具え、
前記1つまたは複数のチャネルは、前記複数の平面状電力伝送コイルおよびドライバ回路を通過したあるいはそこを通る空気の流れを導くように構成されていることを特徴とする、ワイヤレス充電装置。
【請求項2】
各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成され、前記マルチストランドワイヤの各ストランドは、前記マルチストランドワイヤの他のそれぞれのストランドから電気的に絶縁されている、請求項1に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項3】
さらに、1つまたは複数の穴が中に設けられたプリント回路基板を具え、前記1つまたは複数の穴は、2つの基板のチャネル間の空気の流れの少なくとも一部を導くように構成されている、請求項1に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの基板は、複数の切り欠きが形成されたコイル基板を備え、前記複数の切り欠きは、前記複数の平面電力送信コイルを予め構成された三次元配置で固定するように構成されている、請求項1に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項5】
前記予め構成された三次元配置は、前記複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、前記コイル基板の上面を介した充電面を提供し、前記空気の流れの一部は前記充電面に向けられる、請求項4に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項6】
前記充電面は、当該充電面に向けられた空気の流れの一部を前記ワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含む、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項7】
前記予め構成された三次元配置は、複数の垂直面において平面状電力伝送コイルを提供する、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項8】
前記コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャネルを有する、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項9】
前記1以上の水平チャネルおよび前記複数の垂直ダクトは、成形時に前記コイル基板に形成される、請求項8に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項10】
前記コイル基板は三次元印刷によって形成され、印刷中に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルおよび垂直ダクトを含む、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項11】
前記コイル基板が、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項12】
前記空気の流れを受けることは、内部または外部のファンまたはインペラから受ける、請求項5に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項13】
ワイヤレス充電装置の動作方法において、
前記ワイヤレス充電デバイスの入口ポートに空気の流れを供給するステップであって、前記入口ポートは、前記ワイヤレス充電デバイスの少なくとも1つの基板内の1または複数のチャネルに流体結合されており、前記1または複数のチャネルは、前記少なくとも1つの基板を通して出口ポートに空気の流れを導くように構成されている、ステップと、
前記少なくとも1つの基板に支持される1または複数の平面状電力伝送コイルに充電電流を供給するステップであって、各平面状電力伝送コイルは、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成されている、ステップと、
前記1または複数の平面状電力伝送コイルおよび充電電流を供給するドライバ回路を通るか通過するように前記空気の流れを導くステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成され、前記マルチストランドワイヤの各ストランドは、前記マルチストランドワイヤの他のそれぞれのストランドから電気的に絶縁されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの基板が、1つまたは複数の穴が貫通して設けられたプリント回路基板を具え、前記1つまたは複数の穴が、2つの基板のチャネル間の空気の流れの少なくとも一部を導くように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの基板は、複数の切り欠きが形成されたコイル基板を含み、前記複数の切り欠きは、前記複数の平面状電力伝送コイルを予め構成された三次元配置で固定するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記予め構成された三次元配置は、前記複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、前記コイル基板の上面を介した充電面を提供し、前記空気の流れの一部は前記充電面に向けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記充電面は、当該充電面に向けられた空気の流れの一部を前記ワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記予め構成された三次元配置は、複数の垂直面において平面状電力伝送コイルを提供する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャネルを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記1以上の水平チャネルおよび前記複数の垂直ダクトは、成形時に前記コイル基板に形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記コイル基板は三次元印刷によって形成され、印刷中に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルおよび垂直ダクトを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記コイル基板が、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2022年5月13日に米国特許庁に出願された仮特許出願第17/744,613号、2021年5月16日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/189,222号および2021年5月18日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/190,196号の優先権および利益を主張するものであり、これらの出願の内容全体は以下に完全に記載されているかのようにその全体およびすべての適用目的のために参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、モバイルコンピューティング機器のバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、具体的には、ワイヤレス充電装置の充電面からの熱の除去に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、特定のタイプのデバイスが物理的な充電接続を使用せずに内部バッテリを充電できるようにするために開発されてきた。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイルコンピューティング/プロセッシング機器やモバイル通信機器などがある。ワイヤレスパワーコンソーシアムが定めるQi規格などの標準規格では、第1のサプライヤが製造した機器を、第2のサプライヤが製造した充電器でワイヤレス充電することが可能である。ワイヤレス充電の規格は、比較的単純な構成のデバイス向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスや変化するフォームファクタをサポートし、ワイヤレス充電装置の新しい用途をサポートするため必要である。例えば、より高い電力で供給する充電装置が求められている。また、ワイヤレス充電システムの温度を制御し、ワイヤレス充電システムで生じる損失や他の非効率性によって発生する熱を除去、放散、または制限する必要もある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される特定の態様に従ってワイヤレス充電装置の充電面を提供するために採用され得る充電セルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得るワイヤレス充電装置の充電面のセグメントの単一層上の充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書に開示される特定の態様により適合され得るワイヤレス充電装置の充電面のセグメント内で充電セルの複数の層が重ねられたときの充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の充電面によって提供される電力伝送領域の配置を示す図である。
【
図5】
図5は、本明細書に開示される特定の態様による、充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタを示す図である。
【
図6】
図6は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジを示す図である。
【
図7】
図7は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置における直流駆動をサポートする第2のトポロジを示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の特定の態様に従って構成された充電セルのレイアウトを示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の特定の態様に従って構成されたリッツ伝送コイルの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の特定の態様による複数の重なり合うリッツコイルが設けられた充電面の一部の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の特定の態様によるリッツコイルから構成されたワイヤレス充電装置の充電面を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の特定の態様に従って提供されるリッツコイル基板の特定の態様を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の特定の態様に従って構成されたマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置の断面図である。
【
図14】
図14は、本開示の特定の態様に従って熱を除去するように構成されるリッツコイル基板の特定の態様を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電装置が気流に結合されるシステムの第1の例を示す図である。
【
図16】
図16は、本開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電装置が気流を受けるシステムの第2の例を示す図である。
【
図17】
図17は、本開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電装置が気流に結合される第3のシステムの例を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示の特定の態様に従って、外部ファンによって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置の第1の側の図である。
【
図19】
図19は、本開示の特定の態様に従って、外部ファンによって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置の第2の側の図である。
【
図20】
図20は、本開示の特定の態様に従って、内部インペラファンによって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置の第1の側の図である。
【
図21】
図21は、本開示の特定の態様に従って、内部インペラファンによって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置の第2の側の図である。
【
図22】
図22は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置内に配置されたファンアセンブリによって生成される強制気流によって冷却され得るマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置の側面図である。
【
図23】
図23は、本開示の特定の態様による、強制気流アタッチメントによって冷却され得るマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、本開示の特定の態様による、ハイブリッド強制気流によるマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置の冷却を示す図である。
【
図27】
図27は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用する装置の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、本開示の特定の態様による充電装置の構成方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0007】
次に、ワイヤレス充電システムの特定の態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0008】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1以上のプロセッサを含む「処理システム」で実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離ワイヤレス通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0009】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置を含む、複数の伝送コイルを用いるか複数の受電デバイスを同時に充電できる自由配置充電面を提供するワイヤレス充電装置に関するシステム、装置、および方法に関する。一態様では、ワイヤレス充電装置のコントローラは、充電されるデバイスの位置を特定し、受電デバイスに電力を供給するように最適に配置された1つまたは複数の伝送コイルを構成することができる。充電セルは、1つまたは複数の誘導伝送コイルを備えるかこれを構成することができ、複数の充電セルは、充電面を提供するように配置または構成することができる。充電対象デバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。いくつかの例では、位置の感知は、容量性、抵抗性、誘導性、接触、圧力、負荷、歪み、および/または別の適切なタイプの感知を使用して実装することができる。
【0010】
本開示の一態様において、複数の充電セル内の各充電セルは、中央の電力伝送領域を有するリッツコイルを提供する平面または実質的に平坦な巻線を形成するために、リッツ線を用いて構成され得る。各充電セルは、同軸または重なった電力伝送領域を有する複数のリッツコイルを含むか、またはそれに関連し得る。複数の充電セルは、充電セルが重ならないように、充電装置の充電面に隣接して配置され得る。
【0011】
一例では、ワイヤレス充電装置は、その中に1以上のチャネルが形成された少なくとも1つの基板を有する。1または複数のチャネルは、空気流を入口ポートで受け取り、空気流を基板を通して出口ポートに導くように構成され得る。ワイヤレス充電装置は、少なくとも1つの基板に支持された複数の平面状の電力伝送コイルを有する。平面状の電力伝送コイルの各々は、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成され得る。ワイヤレス充電装置は、充電式デバイスがワイヤレス充電装置の上やその近傍に配置されたときに、複数の平面状電力伝送コイルのうちの1つまたは複数に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路を有する。1または複数のチャネルは、複数の平面状の電力伝送コイルおよびドライバ回路を通過する空気流を導くように構成され得る。
【0012】
充電セル
本開示の特定の態様は、複数の伝送コイルを有する、または複数の受電デバイスを同時に充電できる自由配置充電面を提供するワイヤレス充電装置に適用可能なシステム、装置、および方法に関する。一態様では、ワイヤレス充電装置のコントローラは、充電されるデバイスの位置を特定し、受電デバイスに電力を供給するように最適に配置された1つまたは複数の伝送コイルを構成することができる。充電セルは、1つまたは複数の誘導伝送コイルを備えるかこれを構成することができ、複数の充電セルは、充電面を提供するように配置または構成することができる。充電対象デバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。いくつかの例では、位置の感知は、容量性、抵抗性を使用して実装することができる。
【0013】
本明細書に開示される特定の態様によれば、ワイヤレス充電装置の充電面は、充電装置の表面に隣接配置された充電セルを使用して提供され得る。一実施例では、充電セルは、充電面の下または隣接する1または複数の層にハニカムパッケージ構成に従って配備される。充電セルは、それぞれがコイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場を誘導することができる1以上のコイルを使用してワイヤレス充電装置に実装することができる。本明細書において、充電セルとは、各コイルが充電セル内の他のコイルによって生成される場に対して加算的であって共通の軸に沿うか近接して配向される電磁場を生成するように構成された1以上のコイルを有する構成要素いう。本開示では、充電セル内のコイルは、充電コイル、伝送コイル、リッツコイル、またはこれらの用語の組み合わせを用いて呼ばれることもある。
【0014】
いくつかの実装例では、充電セルは、共通の軸に沿って積層され、および/または、充電装置の表面に実質的に直交するように誘導された磁界に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの実施態様では、充電セルは、充電装置の表面の規定された部分内に配置され、充電表面の規定された部分内の誘導磁場に寄与するコイルを含み、磁場は、充電面に実質的に直交して流れる磁束に寄与する。
【0015】
いくつかの実装例では、充電セルは、1以上の動的に定義される充電セルに含まれるコイルに励起電流を供給することによって構成可能であり得る。例えば、ワイヤレス充電装置は、充電面全体に配置された複数のコイルのスタックを含み、ワイヤレス充電装置は、1以上のコイルのスタックへの近接性に基づいて、充電されるデバイスの位置を検出することができる。充電装置は、コイルのスタックのいくつかの組み合わせを選択して、充電されるデバイスに隣接する充電セルを定義または提供することができる。いくつかの実装例では、充電セルは、単一のコイルを含むか、単一のコイルとして特徴付けられ得る。しかしながら、充電セルは、複数の積層コイルおよび/または複数の隣接するコイルもしくはコイルの積層を含むことができることを理解されたい。本明細書では、コイルを、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、伝送器コイル、伝送コイル、送電コイル、電力トランスミッタコイルなどと呼ぶことがある。
【0016】
図1は、ワイヤレス充電装置の充電面を提供するために配備され、および/または構成され得る充電セル100の一例を示す。本開示において、充電面は、プリント回路基板の1以上の基板106上に設けられた充電セル100のアレイ、または1以上の基板106から形成された構造内に埋め込まれた充電コイルのアレイを含むと理解され得る。1以上の基板106上に、1以上の集積回路(IC)および/またはディスクリート電子部品からなる回路を設けることができる。この回路は、受電デバイスに電力を伝送するために使用するコイルに供給される電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含み得る。この回路は、本明細書に開示される特定の機能を実行するように構成され得る1以上のプロセッサおよび/または1以上のコントローラを含む処理回路を用いて実装することができる。いくつかの実施例では、処理回路の一部または全部を充電装置の外部に設けてもよい。いくつかの実施例では、電源を充電装置に結合することができる。
【0017】
充電セル100は、充電装置の外表面領域の近くに設けることができ、その上に充電のために1つまたは複数のデバイスを配置することができる。充電装置は、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一実施例では、充電セル100は、1以上のコイル102を区切るか囲む実質的に六角形の形状を有する。各コイルは、電力伝送領域104に電磁界を生成するのに十分な電流を受け取ることができる導体、ワイヤ、または回路基板トレースを用いて構築され得る。様々な実施態様において、いくつかのコイル102は、
図1に例示される六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である全体形状を有することができる。いくつかの実施態様では、1以上のコイルは、平坦な螺旋形状または実質的に円形の形状を有し得る。他の実装例では、円形または楕円形、あるいは他の形状を持つコイル102が提供される。コイル102の形状は、少なくとも部分的に各コイルの巻線数、製造技術の能力または制限、および/またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するように決定され得る。各コイル102は、螺旋構成のワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実装することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通軸108に中心を持つように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層にわたることができる。
【0018】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合された充電システムに含まれ得る充電面のセグメントまたはその一部の単一層に設けられた充電セル202の配列200の一例を示す図である。充電セル202は、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。本実施例では、充電セル202は、重なり合うことなく端と端を合わせて配置されている。この配置は、スルーホールやワイヤ配線なしで提供することができる。充電セル202の一部が重なり合う配置など、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルのワイヤをインターリーブしたり、同心円状に配置したり、ある程度重ねたりしてもよい。
【0019】
図3は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る充電面のセグメントまたは部分内で複数の層が重ね合わされる場合の、2つの視点300、310からの充電セルの配置の一例を示す。この例では、4層の充電セル302、304、306、308が充電面内に設けられている。各層の充電セル302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。一実施例では、充電セル302、304、306、308の銅の層が、4層以上のプリント回路基板上に形成され得る。充電セル100の配置は、図示されたセグメントに隣接する割り当てられた充電領域を完全にカバーするように選択することができる。
【0020】
図4は、本明細書に開示される特定の態様による充電システムによって提供される充電面400に規定または構成される電力伝送領域の配置を示す図である。図示された充電面400は、4層の充電セル402、404、406、408を用いて構成されている。
図4において、第1層の充電セル402の充電セルが提供する各電力伝送領域が「L1」と記され、第2層の充電セル404の充電セルが提供する各電力伝送領域が「L2」と記され、第3層の充電セル406の充電セルが提供する各電力伝送領域が「L3」と記され、第4層の充電セル408の充電セルが提供する各電力伝送領域が「L4」と記されている。
【0021】
ワイヤレストランスミッタ
図5は、ワイヤレス充電装置のベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタ500の特定の態様を示す図である。ワイヤレス充電装置のベースステーションは、ワイヤレス充電装置の動作を制御するために使用される1以上の処理回路を含み得る。コントローラ502は、フィルタ回路508でフィルタリングされるか、他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、共振回路506に交流を供給するドライバ回路504の動作を制御し得る。いくつかの例では、コントローラ502は、ドライバ回路504によって出力される交流電流の周波数を制御するために使用されるデジタル周波数基準信号を生成する。いくつかの例では、デジタル周波数基準信号は、プログラマブルカウンタなどを使用して生成され得る。いくつかの例では、ドライバ回路504は、直流電源または入力から交流電流を生成するために協働する電力インバータ回路および1つまたは複数の電力増幅器を含む。いくつかの例では、デジタル周波数基準信号は、ドライバ回路504によって生成されてもよいし、別の回路によって生成されてもよい。共振回路506は、コンデンサ512とインダクタ514を含む。インダクタ514は、交流電流に応答して磁束を生成する充電セル内の1または複数の伝送コイルを表すか含み得る。共振回路506は、本明細書においてタンク回路、LCタンク回路、またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路506のLCノード510で測定される電圧516はタンク電圧とも呼ばれる。
【0022】
パッシブping技術は、LCノード510で測定または観測された電圧および/または電流を使用して、本明細書に開示された特定の態様に従って適合されたデバイスの充電パッドに近接する受電コイルの存在を識別することができる。従来のワイヤレス充電装置は、共振回路506のLCノード510の電圧や共振回路506の電流を測定する回路を含む。これらの電圧と電流は、電力調整目的および/またはデバイス間の通信をサポートするために監視され得る。本開示の特定の態様によれば、
図5に示すワイヤレストランスミッタ500のLCノード510の電圧は、共振回路506を介して伝送されるエネルギーの短いバースト(ping)に対する共振回路506の応答に基づいて、充電式デバイスまたは他の物体の存在を検出できるパッシブping技術をサポートするために監視され得る。
【0023】
パッシブPingディスカバリ技術を用いて、高速で低消費電力のディスカバリを提供することができる。パッシブPingは、共振回路506を含むネットワークを通して、少量のエネルギーを含む高速パルスで駆動することによって生成することができる。高速パルスは共振回路506を励起し、注入されたエネルギーが減衰して消滅するまで、その固有の共振周波数でネットワークを発振させる。高速パルスに対する共振回路506の応答は、共振LC回路の共振周波数によって部分的に決定され得る。パッシブPing(初期電圧V
0)に対する共振回路506の応答は、LCノード510で観測される電圧V
LCにより、次のように表すことができる。
【0024】
共振回路506の電圧または電流は、コントローラ502または他のプロセッサが物体の存在を検出するためにデジタルPingを使用しているときに監視され得る。デジタルPingは、共振回路506を一定時間駆動することで生成される。共振回路506は、ワイヤレス充電装置の伝送コイルを含む同調ネットワークである。受電デバイスは、変調信号のシグナリング状態に応じて受電回路が示すインピーダンスを変更することにより、共振回路506で観測される電圧または電流を変調することができる。次に、コントローラ502または他のプロセッサは、受電デバイスが近くにあることを示すデータ変調応答を待つ。
【0025】
選択的コイル励起
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内の電力伝送コイルを選択的にアクティブ化して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、電力伝送コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。充電セル単位で最適な充電設定を選択することができる。いくつかの例では、充電設定は、充電されるデバイスと整列しているか、またはデバイスの近くに位置していると判断される充電面の充電セルを含み得る。コントローラは、充電されるデバイスの位置の検知に基づく充電設定に基づいて、単一の電力伝送コイルを作動させてもよいし、電力伝送コイルの組み合わせを作動させてもよい。いくつかの実施態様では、ワイヤレス充電装置は、充電イベント中に1つまたは複数の電力伝送コイルまたは1つまたは複数の所定の充電セルを選択的に作動させることができるドライバ回路を有し得る。
【0026】
図6は、本明細書に開示される特定の態様により適合されたワイヤレス充電装置において使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジ600を示す図である。ワイヤレス充電装置は、受電デバイスを充電するために1以上の充電セル100を選択することができる。使用しない充電セル100は、電流から遮断することができる。
図2、3に例示するハニカムパッケージング構成では、対応する数のスイッチを必要とする比較的多数の充電セル100を使用することができる。本明細書に開示される特定の態様によれば、充電セル100は、特定のセルに給電できるようにする2以上のスイッチに接続された複数のセルを有するマトリクス608に論理的に配置され得る。図示された第1のトポロジ600では、2次元マトリクス608が提供され、次元はXおよびY座標によって表され得る。スイッチの第1のセット606の各々は、セル列の各セルの第1の端子を、ワイヤレス充電中にコイルを励起するために電流を供給する電圧源または電流源602の第1の端子に選択的に結合するように構成される。スイッチの第2のセット604の各々は、セル列の各セルの第2の端子を、電圧源または電流源602の第2の端子に選択的に結合するように構成される。セルの両端子が電圧源または電流源602に結合されると、充電セルはアクティブとなる。
【0027】
マトリクス608を使用することで、同調LC回路のネットワークを動作させるために必要なスイッチングコンポーネントの数を大幅に削減することができる。例えば、個別に接続されたN個のセルは少なくともN個のスイッチを必要とするが、N個のセルを有する2次元マトリクス608は、√N個のスイッチで動作させることができる。マトリクス608を使用することで、大幅なコスト削減を実現し、回路および/またはレイアウトの複雑さを軽減することができる。1例では、9セルの実装例は、6つのスイッチを使用して3x3マトリクス608で実装することができ、3つのスイッチを節約することができる。別の例では、16セルの実装は、8つのスイッチを使用して4x4マトリクス608で実装することができ、8つのスイッチを節約することができる。
【0028】
動作中は、少なくとも2つのスイッチが閉じられ、1つのコイルまたは充電セルを電圧源または電流源602にアクティブに結合する。複数のコイルまたは充電セルの電圧源または電流源602への接続を容易にするために、複数のスイッチを一度に閉じることができる。例えば、複数のスイッチを閉じて、受電デバイスに電力を転送する際に、複数の伝送コイルを駆動する動作モードを有効にすることができる。
【0029】
図7は、本明細書に開示される特定の態様に従って、各個のコイルまたは充電セルがドライバ回路702によって直接駆動される第2のトポロジ700を示す。ドライバ回路702は、コイルグループ704から1以上のコイルまたは充電セル100を選択して、受電デバイスを充電するように構成され得る。充電セル100に関連してここに開示された概念は、個々のコイルまたはコイルスタックの選択的励起に適用され得ることを理解されたい。使用されていない充電セル100は電流が流れない。比較的多数の充電セル100を使用することができ、個々のコイルまたはコイルグループを駆動するためにスイッチングマトリクスを採用することができる。一例では、第1のスイッチングマトリクスは、充電イベント中に使用される充電セルまたはコイル群を定義する接続を構成することができ、第2のスイッチングマトリクスは、充電セルおよび/または選択されたコイル群を励起するために使用することができる。
【0030】
図8は、本開示の特定の態様に従って構成された充電セルのレイアウト800を示す図である。図示の例では、充電セルレイアウト800は、絶縁接着層826によって接着または接合された一対の2層プリント回路基板(PCB)822または824の金属層上に実装された4層構造を使用して提供される。他の例では、4層構造は単一の4層プリント回路基板(PCB)の金属層上に実装されてもよい。図示の例では、アクティブ充電セル802が4層構造の第1層に設けられ、他の3層に設けられた充電セル804、806、808がアクティブ充電セル802の巻線と重なる巻線を有し得る。一例では、各充電セルは、PCB822または824の片側に半径が減少するトレース812または816として形成された巻線を有する伝送コイルを含み、巻線は電力伝送領域(
図1参照)と同心であり、および/または電力伝送領域を取り囲んでいる。一例では、半径が減少するトレース812は、実質的に滑らかな曲線の螺旋形状を有する。別の例では、半径が減少するトレース816はセグメント化され、ほぼ六角形状である。半径が減少するトレース812および816は、それぞれ磁性コア材料814および818に隣接して設けられ得る。磁性コア材料814および818は、ソフトフェライトなどの低保磁力材料から形成され得る。一例では、磁性コア材料814および818は接着層に一体化される。別の例では、磁性コア材料814および818は、接着剤層に取り付けられるか、接着層の間に挟まれ得る。
【0031】
2層PCB822または824の横断面810の部分
図820は、充電セルレイアウト800のさらなる態様を示す。いくつかの例では、第2層の充電セル804、第3層の充電セル806、第2層の充電セル808は、アクティブ充電セル802と部分的に重なる。金属層832、834、836、838の巻線が占める領域は黒く塗りつぶされており、個々のトレースは明示されていない。各金属層832、834、836および838は、PCB822または824の側に設けられている。PCB822と824の隣接する2つの金属層834と836の間には平面磁性コア842が設けられる。平面磁性コア842は、接着層に含まれていてもよいし、接着層826、828の間に含まれてもよい。平面磁性コア842と接着層826、828は電気的に非導電性である。
【0032】
PCB上に形成された伝送コイルを使用するシングルコイルやマルチコイルのワイヤレス充電システムには、いくつかの課題がある。これらの課題には、伝送コイルを形成または供給するトレースの通電能力、表皮効果、隣接する巻線から誘導される渦電流、およびその他の電磁気の問題による非効率的な電力供給が含まれる。電流はトレースまたはワイヤの最も外側の範囲(表皮)に流れる傾向があり、表皮効果による損失は、高周波信号を伝送するトレースやワイヤで発生する。トレースまたはワイヤの表皮に電流が集中すると、高周波AC電流を流すために使用されるトレースまたはワイヤの断面積の割合が減少するため、トレースまたはワイヤの抵抗が効果的に増加し得る。ワイヤレス充電装置におけるより高い電力伝送速度に対する需要の高まりは、ワイヤレス充電装置の伝送コイルを介した電力伝送の効率を改善することによって、少なくとも部分的に満たすことができる。前世代の受電デバイスはトランスミッタに最大5Wを要求することがあるが、次世代の受電デバイスは充電プロセスを促進するために15W以上を要求する可能性がある。電力伝送レベルの増加に伴う損失は、しばしば熱発生の増加として現れ、高レベルで電力を供給する充電装置は、一般に、充電装置または受電デバイスに熱が蓄積するため、効率的に放熱するか、電力伝送を抑制する必要がある。
【0033】
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置が、熱の問題を軽減しながら、受電デバイスへのワイヤレス電力伝送効率を向上させることができる。伝送コイルの設計と関連する製造技術の改善により、伝送電力を増加させることができる。本開示の一態様では、伝送コイルは、損失を低減し、それによって電力伝送中の発熱を低減できる多撚ワイヤから形成され得る。ワイヤレス充電装置は、あらかじめ割り当てられた3次元(3D)位置にコイルを受けて維持する基板を使用して、組み立てられ、整列を維持することができる複数のワイヤで形成された伝送コイルを採用することができる。
【0034】
図9は、本開示の特定の態様に従って構成された伝送コイルの一例を示す図である。伝送コイルは多撚リッツ線904で巻くことができ、リッツコイル900と呼ばれ得る。リッツ線904の各ストランド906は、表皮効果損失を緩和または実質的に低減するのに十分に細い絶縁導体として形成されている。表皮効果損失は、高周波信号を伝送するワイヤで発生し、電流はワイヤの最外周(表皮)に流れる傾向がある。リッツ線904のストランド906は個々の性質を維持するために絶縁されており、個々のストランド906の相対的な位置がリッツ線904の長さにわたって変化するように撚られている。いくつかの例では、ストランド906は外部絶縁層908によって結合される。リッツコイル900は、電力伝送領域902に対応する開放内部を有する実質的に平面状のコイルとして巻かれる。
【0035】
図10は、複数の重なり合うリッツコイル900で提供される充電面1000の一部の例を示す図である。図示の例では、充電面1000は3層のリッツコイル900を使用して構成されているが、充電面1000におけるリッツコイル900の層の数および配置は、用途、充電面1000のサイズ、およびリッツコイル900あたりの電力伝送要件に応じて変化し得る。
【0036】
充電面1000のリッツコイル900の配置は、設計要件によって正確に定義することができる。組み立てられるリッツコイル900の数が多くなると、管理や位置合わせが難しくなり、リッツコイル900の位置がばらつくと、完成した装置によってはコイルの構成が不正確になることがある。場合によっては、リッツコイル900は接着剤やエポキシ樹脂を使用して定位置に保持してもよい。しかしながら、接着剤や樹脂を塗布する前にリッツコイル900を正確に位置決めする必要があり、接着剤や樹脂を塗布する際に動きが生じると、完成したワイヤレス充電装置の動作に影響を与える可能性がある。本開示の特定の態様によれば、リッツコイル900を受ける基板が提供され、この基板はワイヤレス充電装置の寿命の間、リッツコイル900を所望の構成に維持するように構成され得る。
【0037】
図11は、本開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電装置の充電面を提供するために使用されるリッツコイル基板内に保持されたリッツコイルの透過
図1100を提供する。分解
図1120は、リッツコイルを受けて、設計者によって定義された公差を満たすコイル間の3次元変位を有する所定の多層リッツコイル構造1124にリッツコイルを維持するように構成されたリッツコイル基板1122を示す。また、リッツコイル基板1122は、多層リッツコイル構造1124とフェライト層1126または他の種類の磁気ハーフコアとの間の空間的関係を規定してもよい。
【0038】
図12は、本開示の特定の態様に従って提供されるリッツコイル基板1200の特定の態様を示す図である。リッツコイル基板1200は、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレン、および/または他の材料から形成され得る。リッツコイル基板1200は、リッツコイル900を順序付けられたアセンブリの所定の位置に配置できるようにする複数の切込みを有することができる。いくつかの例では、製造時にリッツコイル基板1200が3D印刷、成形、押出成形、および/または低圧膨張によって作成される際に、切込みが予め形成されてもよい。いくつかの例では、切込みは、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学浸食、化学溶解、またはリッツコイル基板1200を形成するのに使用される材料に用いるのに適した別の技術によって形成され得る。
【0039】
リッツコイル基板1200の特定の態様を断面
図1220に示す。図示のリッツコイル基板1200は4層の充電面を提供し、断面
図1220は4つのリッツコイル1224a~1224dの配置と組み立ての例を示している。リッツコイル基板1200は、第1のリッツコイル1224aを受ける深い第1の切込み1226aを有する。この第1の切込み1226aは、いくつかの例では、完全な円として形成され得る。他の例では、第1の切込み1226aは、リッツコイル基板1200の同一平面内の別の切込みと重なってもよい。
【0040】
第1のリッツコイル1224aが第1の切込み1226a内に固定されると、第2のリッツコイル1224bがリッツコイル基板1200の第2の切込み1226b内に配置され得る。第2のリッツコイル1224bは、リッツコイル基板1200内の位置にある場合に、第1のリッツコイル1224aを含む平面の上に位置する。第2のリッツコイル1224bの一部は、第1のリッツコイル1224aの一部と重なる。第1のリッツコイル1224aと第2のリッツコイル1224bの水平中心線を含む平面の分離は、第1の切込み1226aと第2の切込み1226bの深さの相対的な差に基づいて構成または定義され得る。
【0041】
第3のリッツコイル1224cは、リッツコイル基板1200の深い第3の切込み1226cによって受けられる。この第3の切込み1226cは、いくつかの例では、完全な円として形成され得る。他の例では、第3の切込み1226cは、同一平面内の別の切込みと重なってもよい。一例では、第3の切込み1226cは、第1のリッツコイル1224aの下面が第3のリッツコイル1224cの上面または他の部分と同一平面上にある場合に、第1の切込み1226aと部分的に重なり、結果としてスルーホールが形成されてもよい。
【0042】
第3のリッツコイル1224cが第3の切込み1226c内に固定されると、第4のリッツコイル1224dが第4の切込み1226d内に配置され得る。第4のリッツコイル1224dは、第3のリッツコイル1224cを含む平面の下方に位置する。第4のリッツコイル1224dの一部は、リッツコイル基板1200内に固定されたときに第3のリッツコイル1224cの一部と重なる。第3のリッツコイル1224cと第4のリッツコイル1224dの水平中心線を含む平面の分離は、第3の切込み1226cと第4の切込み1226dの相対的な深さの差によって構成され得る。
【0043】
リッツコイル1224a~1224dは、リッツコイル基板1200が発泡材料から製造される場合を含め、圧力嵌めによってリッツコイル基板1200内に固定され得る。いくつかの例では、リッツコイル1224a~1224dは、接着剤によってリッツコイル基板1200内に固定され得る。いくつかの例では、リッツコイル1224a~1224dは、機械的手段によってリッツコイル基板1200内に固定され得る。
【0044】
本開示の特定の態様は、リッツコイルを採用するワイヤレス充電装置を含むワイヤレス充電装置の熱の問題を軽減する技術を提供する。本開示の特定の態様により適合されたワイヤレス充電システムは、従来のシステムよりも電力使用効率の向上を示すことができる。リッツコイルや他の機械的・電磁的な設計技術を使用することで得られる効率の改善は、ワイヤレス充電システムの発熱を引き起こすワイヤレス充電システムの他の非効率性によって相殺されたり、制限されたりする可能性がある。場合によっては、ワイヤレス充電システムの全体的な効率が50%を超えない使用例もある。非効率性は、パッケージング、PCB、相互接続、締結具、回路基板に誘導される渦電流による損失から生じる可能性がある。電圧変換回路でも非効率が生じることがある。従来の熱管理システムは通常、温度上昇が検出されたときに電力伝送を選択的に減らすことによって発熱を制御する。ワイヤレス充電装置の伝送コイル、ドライバ回路、ハウジング、および充電されるデバイスの伝送コイル、受信回路、筐体に誘導される熱が軽減されないと、ワイヤレス充電システムで利用可能な電力伝送レベルが制限される場合がある。熱管理が不適切だと、過剰な熱の蓄積を避けるために電力伝送が抑制されたときに、デバイスの充電時間が長くなる場合がある。不適切な熱管理の影響は、ワイヤレス充電システムの性能問題として認識され得る。
【0045】
本開示の特定の態様によれば、ワイヤレス充電システムは、冷却流体流を受け取り、その流れをワイヤレス充電装置の蓄熱要素および表面、場合によっては充電されるデバイスの表面に向けるように構成され得る。冷却流には、冷却空気または強制空気を用いることができる。いくつかの例では、空気流はファン、ブレードレスファン、または静電ブロワーによって押送され得る。いくつかの例では、空気流は空調システムを通すか、空調システムから受けるものであり得る。
【0046】
図13は、本開示の特定の態様に従って構成されたマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置の実施例を示す断面図である。ワイヤレス充電装置1300は、ワイヤレス充電装置1300内の特定の構造、空洞、層、基板、および/または回路を介して空気流を受け取って導くように適合され得る。図示された実施例では、第1の2層PCB1304は、当該第1の2層PCB1304の最上層にわたって配置された伝送コイル1302a、1302b、1302cを提供する。第2の2層PCB1308は、第2の2層PCB1308の最上層にわたって配置された伝送コイル1306a、1306bを提供する。本明細書では、特定の冷却技術の説明を容易にするために2つのPCB実装の例を使用するが、PCBの他の組み合わせおよび構成を様々な実装で採用することができる。他の例では、伝送コイルは、第1の2層PCB1304および/または第2の2層PCB1308の上層および下層に設けられてもよい。
【0047】
第1の2層PCB1304の最上層は、ワイヤレス充電装置1300の充電表面を提供するように構成され得る。例えば、第1の2層PCB1304の最上層は、コンフォーマルコーティングまたは他のオーバーレイ1318でコーティングされてもよい。PCB1304、1308は、機械的に結合されてもよいし、1以上の接着剤層1312およびスペーサ層1314を使用して結合されてもよい。スペーサ層1316も第2のPCB1308の下部に示されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、接着剤層1312は多層または多面であり得る。一例では、接着層1312は、フェライト層、電気絶縁層および/または断熱層を含む複合層である。一例では、接着層1312は、1以上の伝送コイル1302a、1302b、1302c、1306a、1306bの位置に基づいて配置される部分的なフェライト層または絶縁層を提供する複合層である。
【0049】
水平ダクト(本明細書ではチャネルと呼ぶ)を、スペーサ層1314、1316内に形成または作製することができる。いくつかの例では、チャネルは垂直ダクト1320a~1320eと相互接続するように構成されている。入口ポート(図示せず)から受け取った1以上の空気流1310a、1310b、1310cは、出口ポート(図示せず)から出る前に、チャネルおよび垂直ダクト1320a~1320eを通って導かれ得る。空気流1310a~1310cは、PCB1304、1308の表面から、伝送コイル1302a、1302b、1302c、1306a、1306bから、および/またはワイヤレス充電装置1300の充電面から、熱を除去するように構成され得る。
【0050】
いくつかの実施態様において、コンフォーマルコーティングまたは他のオーバーレイ1318は、熱伝導性材料を含み、1以上の空気流1310a、1310b、1310cとともに、充電対象デバイスにおいて発生する熱、または充電対象デバイスとワイヤレス充電装置1300の充電面との間の物理的界面において発生する熱の放散を促進することができる。いくつかの実施例では、コンフォーマルコーティングまたは他のオーバーレイ1318は、空気流1310a~1310cが少なくとも部分的に充電対象デバイスの方へ送気されるようにする多孔性材料を含む。この多孔質材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの非導電性材料を含み得る。
【0051】
図14は、本開示の特定の態様に従って熱除去を促進するように構成されたリッツコイル基板1400の特定の態様を示す図である。リッツコイル基板1400は、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンおよび/または他の種類の材料から形成され得る。リッツコイル基板1400は、リッツコイル900を順序付けられたアセンブリの所定の位置に配置できるようにする複数の切り込みを有し得る。いくつかの例では、リッツコイル基板1400が3D印刷、成形、押出成形、および/または低圧膨張によって製造されるときに、切り込みが予め形成されてもよい。いくつかの例では、切り込みは、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学浸食、化学溶解、またはリッツコイル基板1400を形成するのに使用される材料に用いるのに適した別の技術によって形成され得る。
【0052】
リッツコイル基板1400の特定の態様を断面
図1420に示す。図示されたリッツコイル基板1400は4層の充電面を提供し、断面
図1420は全体を1440で示すワイヤレス充電装置における4つのリッツコイル1424a~1424dの配置と組み立ての例を示している。リッツコイル基板1400は、当該リッツコイル基板1400内に、第1のリッツコイル1424aを受ける深い第1の切込み1426aを有する。この第1の切込み1426aは、いくつかの例では、完全な円として形成され得る。他の例では、第1の切込み1426aは、リッツコイル基板1400の同一平面内の別の切込みと重なってもよい。
【0053】
第1のリッツコイル1424aが第1の切込み1426a内に固定されると、第2のリッツコイル1424bがリッツコイル基板1400の第2の切込み1426b内に配置され得る。第2のリッツコイル1424bは、リッツコイル基板1400内の定位置にある場合に、第1のリッツコイル1424aを含む平面の上に位置する平行面内に位置する。第2のリッツコイル1424bの一部は、第1のリッツコイル1424aの一部と重なる。第1のリッツコイル1424aと第2のリッツコイル1424bの水平中心線を含む平面の分離は、第1の切込み1426aと第2の切込み1426bの深さの相対的な差によって構成され得る。
【0054】
第3のリッツコイル1424cは、リッツコイル基板1400の深い第3の切込み1426cによって受けられる。この第3の切込み1426cは、いくつかの例では、完全な円として形成され得る。他の例では、第3の切込み1426cは、同一平面内の別の切込みと重なってもよい。一例では、第3の切り込み1426cは、第1のリッツコイル1424aの下面が第3のリッツコイル1424cの上面または他の部分と同一平面上にある場合に、第1の切り込み1426aと部分的に重なって貫通孔を形成してもよい。
【0055】
第3のリッツコイル1424cが第3の切込み1426c内に固定されると、第4のリッツコイル1424dが第4の切込み1426d内に配置され得る。第4のリッツコイル1424dは、第3のリッツコイル1424cを含む平面の下方に位置する。第4のリッツコイル1424dの一部は、リッツコイル基板1400内に固定されたときに第3のリッツコイル1424cの一部と重なる。第3のリッツコイル1424cと第4のリッツコイル1424dの水平中心線を含む平面の分離は、第3の切込み1426cと第4の切込み1426dの相対的な深さの差によって構成され得る。
【0056】
リッツコイル1424a~1424dは、リッツコイル基板1400が発泡材料から製造される場合を含め、圧入によってリッツコイル基板1400内に固定されてもよい。いくつかの例では、リッツコイル1424a~1424dは、接着剤によってリッツコイル基板1400内に固定され得る。いくつかの例では、リッツコイル1424a~1424dは、機械的手段によってリッツコイル基板1400内に固定され得る。
【0057】
断面
図1420には、相互接続チャネルまたはダクトのシステム1428を見ることができる。一例では、水平ダクト(本明細書ではチャンネルと呼ぶ)は垂直ダクトと相互接続する。相互接続チャネルまたはダクト1428のシステムは、受け取った空気流1442をリッツコイル1424a~1424dの周囲またはリッツコイル1424a~1424dを通ってワイヤレス充電装置の充電面に向けて誘導または伝導するように構成され得る。二次元透視
図1440を参照すると、空気流1442は、入口ポート1444を介して受け取られ、相互接続チャネルまたはダクト1428のシステムを通って導かれ、その後、出口ポート1448を介して排気流1446として出ることができる。一例では、入口ポート1444および/または出口ポート1448は、空気流1442および排気流1446を、例えば自動車、バス、電車、飛行機、船舶、または他の乗り物に見られるような外部の冷却または換気システムに結合するように構成されたねじ付きパイプを具える。他の例では、入口ポート1444および/または出口ポート1448は、スナップフィットカプリングまたはゴム、ラテックスまたは合成ゴム材料などの弾性材料を使用して固定されるカプリングの一部である。相互接続チャネルまたはダクト1428を通って流れる空気は、リッツコイル1424a~1424dの表面、リッツコイル基板1400、およびワイヤレス充電装置の1または複数の表面から熱を除去することができる。
【0058】
図15は、結合機構1508を使用して、空調システムなどから受け取った空気流1504をワイヤレス充電装置1502に供給するシステム1500を示す図である。システム1500は、自動車、バス、電車、飛行機、船舶、あるいは空調、強制換気、または他の気流源を提供する他の乗り物に配備することができる。ワイヤレス充電装置1502は、例えば
図13と14に示されるタイプの相互接続チャネルまたはダクトを含むことができる。代替的または追加的に、ワイヤレス充電装置1502は、ワイヤレス充電装置1502内の処理回路1514または電流駆動回路上またはその周囲に空気流を提供する開放領域、チャネルまたはダクトを含んでもよい。図示の例では、排気流はポート1512を通ってワイヤレス充電装置1502の外部に排出される。他の例では、排気流は空調システムによって回収されてもよい。
【0059】
結合機構1508は、ワイヤレス充電装置1502を気流源に機械的に固定するように構成され得る。図示の例では、結合システムは、スナップフィット結合、スクリューフィット結合、またはゴム、ラテックス、合成ゴム材料などの弾性材料を使用して固定されるカップリングを提供する。一例では、結合機構1508は、ワイヤレス充電装置1502に固定され、空気流が送られる金属、セラミックまたはポリマーのノズルまたは漏斗1506と係合するように構成されたゴム製レセプタクル1510を含む。排気流は、ポート1512を介してワイヤレス充電装置1502の外部へ、またはワイヤレス充電装置1502の表面1516の多孔質材料を介して、または空気流の発生源への戻り接続を介して、または他の機構もしくは導管を通して排気され得る。
【0060】
いくつかの例では、結合機構1508は、ワイヤレス充電装置1502のマウントとして機能するのに十分な機械的強度を有し得る。
【0061】
図16は、ワイヤレス充電装置1602が空調システム、換気システム、またはその他の強制空気源から空気流1604を受け取るシステム1600を示す図である。特定の例では、システム1600は、自動車、バス、列車、飛行機、船舶、または空調や強制換気を提供する他の乗り物に配備することができる。ワイヤレス充電装置1602は、例えば
図13と14に示すような相互接続チャネルまたはダクトを含むことができる。代替的または追加的に、ワイヤレス充電装置1602は、ワイヤレス充電装置1602内の処理回路1612または電流駆動回路上またはその周囲に空気流を導くように構成された開放領域、チャネルまたはダクトを含んでもよい。
【0062】
図示の例では、複数の空気流1608、1610がワイヤレス充電装置1602の外部に向けて導かれる。ワイヤレス充電装置1602が開放領域、チャネルまたはダクトへの冷却空気の流入を受けるように、空気流1608、1610のうちの1以上は、ワイヤレス充電装置1602の開放入力ポートに向けられ得る。図示の例では、空気流1608、1610は、空調システム、換気システム、または他の強制空気源から受け取った空気流1604を分配するように構成されたマニホールド1606内のノズルまたは通気口の何らかの組み合わせによって提供される。ワイヤレス充電装置1602の側面に沿って設けられた細長いノズルまたは通気口1614は、ワイヤレス充電装置1602の表面を横切る空気の幅広い流れを方向付けることができる。
【0063】
図17は、ワイヤレス充電装置1702が、空調システム、換気システム、またはその他の強制空気源から受け取る空気の流入1704に結合されている組み合わせシステム1700を示す。第1の通気口、ダクト、またはノズルは、空気の流入1704の一部を、ワイヤレス充電装置1702の外面に向けられる外部空気流1708として導くように構成または配置される。第2のダクトまたはノズルは、空気の流入1704の一部をワイヤレス充電装置1702の内部に直接導入するように構成されている。組合せシステム1700は、空調または空気流源を提供する自動車または他のタイプの乗り物に配備することができる。ワイヤレス充電装置1702は、例えば
図13と14に示すような相互接続チャネルまたはダクトを含むことができる。代替的または追加的に、ワイヤレス充電装置1702は、ワイヤレス充電装置1702内の処理回路または電流駆動回路上またはその周囲に空気流を提供する開放領域、チャネルまたはダクトを含んでもよい。
【0064】
結合システム1710は、空気の流入1704を分配するマニホールド1706にワイヤレス充電装置1702を固定することができる。結合システム1710は、スナップフィット結合、スクリューフィット結合、またはゴム、ラテックス、合成ゴム材料などの弾性材料を介して固定されるカップリングを含み得る。一例では、結合システム1710は、ワイヤレス充電装置1702に固定され、空気流が送られる金属、セラミックまたはポリマーのノズルまたは漏斗と係合するように構成されたゴム製レセプタクルを含む。空気流は、ワイヤレス充電装置1702によって出口ポートを介して、または表面1712の多孔質材料を介して、または空気流の発生源への戻り接続を介して、または他の手段によって排気され得る。他の例では、空気流は空調システムによって回収されてもよい。
【0065】
1または複数の気流1708が、ワイヤレス充電装置1702の外側に向けてもよい。一例では、ワイヤレス充電装置1702が開放領域、チャネルまたはダクトへの冷却空気の流入を受けるように、外部気流1708がワイヤレス充電装置1702の入力ポートに向けられる。別の実施例では、ワイヤレス充電装置1702の表面および充電対象デバイスが冷却空気の流入を受けるように、外部気流1708がワイヤレス充電装置1702の充電面1712に向けられる。外部空気流1708は、マニホールド1706によって供給されるノズルまたは通気口のいくつかの組み合わせから受けることができる。ワイヤレス充電装置1702の側面に沿って設けられた細長いノズルまたは通気口は、ワイヤレス充電装置1702の表面を横切る空気の幅広い流れを方向付けることができる。いくつかの例では、マニホールド1706は、ワイヤレス充電装置1702のマウントとして機能するのに十分な機械的強度を有し得る。
【0066】
本開示の特定の態様によれば、ワイヤレス充電装置は、冷却ファン、インペラ、または送風機を具えることができる。いくつかの例では、ワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電装置を設置するための狭いか比較的小さな容積スペースを提供する車両に配置または設置され得る。冷却ファン、インペラ、または送風機は、車両の客室内の周囲騒音を大幅に増加させることなく作動させることができる。
【0067】
図18は、外部ファン1806によって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置1800の第1の側の図である。ワイヤレス充電装置1800は、マルチコイル自由配置型ワイヤレス充電システムとして動作するように構成され得る。外部ファン1806はワイヤレス充電装置1800の外面に配置されている。
【0068】
図示の例では、ワイヤレス充電装置1800は、前面部1802と背面部1804を有するハウジングを具える。外部ファン1806は、ワイヤレス充電装置1800内に空気流を送り込むか、ワイヤレス充電装置1800の内部から排気流を引き出すように構成された軸流ファンを具え得る。外部ファン1806は背面部1804に直接取り付けられてもよい。いくつかの例では、背面部1804は、少なくとも部分的に、放熱を助けることができるアルミニウムや銅などの金属から構成される。図示の例では、外部ファン1806はハウジングのアルミニウム製背面部1804の外側に取り付けられている。外付けファンを有する構成は、ハウジング内に組み込むのに適さないプロファイルや高さのファンタイプに対応することができる。いくつかの例では、外部ファンは50mm×50mmの断面積を持ち、高さは10mmから32mmまで変化し得る。図示された外部ファン1806の物理的寸法は、外部ファン1806によって移動される空気の体積によって決定され得る。いくつかの例では、外部ファン1806によって移動される空気の体積は、立方フィート毎分(CFM)として測定または特徴付けられる。一例として、50mmx50mmの軸流ファンは最大31.6CFMの空気流を発生させることができる。後者の例では、軸流ファンを可変出力で運転し、6.3CFM~31.6CFMを発生させることができる。
【0069】
図19は、外部ファン1906によって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置1900の第2の側の図である。ワイヤレス充電装置1900は、
図18のワイヤレス充電装置1800に対応しており、マルチコイル自由配置型ワイヤレス充電システムとして動作するように構成され得る。外部ファン1906はワイヤレス充電装置1900の外面に配置されている。
【0070】
図示の例では、ワイヤレス充電装置1900は、前面部1902と背面部1904を有するハウジングを具える。ここで、背面部1904は、空気の流れを補助するように適合または構成されている。図面では、前面部1902は透明な部品として図示されており、背面部1904の特定の内部特徴を露出している。
【0071】
外部ファン1906は、ワイヤレス充電装置1900内に空気流を送り込むか、ワイヤレス充電装置1900の内部から排気流を引き出すように構成された軸流ファンを具え得る。外部ファン1906は背面部1904に直接取り付けられてもよい。いくつかの例では、背面部1904は、放熱を助けることができるアルミニウムや銅などの金属を含むか、それらから構成される。図示の例では、ファン1906はハウジング内に取り付けられている。
【0072】
背面部1904の内面は、ファン1906から流れる空気をワイヤレス充電装置1900の送電コイル、電流生成回路、およびコントローラに対応する領域にわたって導くチャネル1910または溝を設けて構成され得る。いくつかの例では、チャネル1910は、チャネル1910から受け取った流出空気1908を排出するように動作する、背面部1904上のスロット付き細長い開口部への通路を提供する。チャネル1910の幅、高さ、経路は、空気流のニーズや要件に応じて設定することができる。
【0073】
図20は、1以上の内部インペラファン2006、2008によって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置2000の第1の側の図である。ワイヤレス充電装置2000は、マルチコイル自由配置型ワイヤレス充電システムとして動作するように構成され得る。内部インペラファン2006、2008は、大部分がワイヤレス充電装置2000のハウジング内に配置され得る。
【0074】
図示の例では、ワイヤレス充電装置2000は、前面部2002および後背部または背面部2004を有するハウジングを有し、能動的な冷却は、背面部2004の内面に隣接して取り付けることができる2つの内部インペラファン2006、2008を使用して達成される。いくつかの例では、背面部2004は、放熱を助けることができるアルミニウムや銅などの金属を含むか、それらから構成される。図示の例では、内部インペラファン2006、2008がハウジングの内側に取り付けられているため、使用できるファンの種類やサイズが制限される可能性がある。いくつかの例では、2より多い内部インペラファン2006、2008がワイヤレス充電装置2000に設けられてもよい。ある実施例では、アクティブな内部インペラファン2006、2008の数は、所望または要求される最大空気流を生成するように動的に構成されてもよい。ある実施例では、内部インペラファン2006、2008の動作速度は、所望または要求される最大空気流を生成するように動的に構成されてもよい。
【0075】
図21は、1以上の内部インペラファン2106、2108によって生成される強制空気流によって冷却され得るワイヤレス充電装置2100の第2の側の図である。ワイヤレス充電装置2100は、
図20のワイヤレス充電装置2000に対応しており、マルチコイル自由配置型ワイヤレス充電システムとして動作するように構成され得る。内部インペラファン2106、2108は、大部分がワイヤレス充電装置2100のハウジング内に配置され得る。
【0076】
図示の例では、ワイヤレス充電装置2100は、前面部2102と背面部2104を有するハウジングを具える。前面部2102および/または背面部2104は、空気の流れを補助するように適合または構成され得る。図面では、前面部2102は透明な部品として図示されており、それによって背面部2104の特定の内部特徴を露出している。
【0077】
内部インペラファン2106、2108は背面部2104に直接取り付けられてもよい。いくつかの例では、背面部2104は、放熱を助けることができるアルミニウムや銅などの金属を含むか、それらから構成される。背面部2104の内面は、内部インペラファン2106、2108から流れる空気をワイヤレス充電装置2100の伝送コイル、電流生成回路、およびコントローラに対応する領域にわたって導くチャネルまたは溝を設けて構成され得る。いくつかの例では、チャネルは、空気チャネルから受け取った流出空気を排出するように動作する、背面部2104上のスロット付き細長い開口部への通路を提供する。空気チャネルの幅、高さ、経路は、空気流のニーズや要件に応じて設定することができる。
【0078】
図22は、ワイヤレス充電装置2200のハウジング内の大部分に配置されたファンアセンブリ2208によって生成される強制気流によって冷却され得るマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置2200の側面図である。ファンアセンブリ2208は、1以上の内部インペラファンを具え得る。図示の例では、ワイヤレス充電装置2200は、前面部2202と背面部2204を有するハウジングを具える。前面部2202および/または背面部2204は、空気の流れを補助するように適合または構成され得る。ワイヤレス充電装置2200は、
図18~21のいずれかに示すワイヤレス充電装置2000または2100に対応し得る。
【0079】
吸気口および/またはファンアセンブリ2208は、空気の流入2212を受けるように構成され得る。図示の例では、ファンアセンブリ2208のインペラは、本開示の特定の態様に従って構成された空気チャネルを介して、ワイヤレス充電装置2300または2100の送電コイル、電流生成回路、およびコントローラを含む内部コンポーネントに空気を直接送り込む。
【0080】
図23は、強制気流アタッチメントによって冷却され得るマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置2300の一例を示す図である。ここでは、空気流は、ワイヤレス充電装置2300に取り付けることができ、漏斗として動作する、別個の取り付け可能な冷却装置2310によって生成される。図示の例では、ワイヤレス充電装置2300は、前面部2302および後背部または背面部2304を含むハウジングを有し、取り付け可能な冷却デバイス2310は、スナップフィット構造またはファスナを使用してワイヤレス充電装置2300のハウジングに取り付けられるように構成され得る。
【0081】
空気流は1つまたは複数のファン2308によって生成され、これが漏斗を介して出口2312、2314、2316に空気を送り込み、これらの出口がワイヤレス充電装置2300の充電面および/またはワイヤレス充電装置2300によって充電される受電デバイスに空気を向けるように構成されている。冷却装置2310は、底部または上部排出口2312と側部排出口2314、2316を具え得る。いくつかの例では、冷却装置2310は、放熱を助けることができるポリマーまたはアルミニウムや銅などの金属を含むか、またはそれらから構成され得る。
【0082】
図24は、
図23に示すワイヤレス充電装置2300にいくつかの点で対応し得る、取り付け可能な冷却装置2400の背面図である。取り付け可能な冷却装置2400の出口2404、2406、2408は、取り付けられたワイヤレス充電装置の充電面とインターフェースするように構成された表面2402に設けられた隙間に、または隙間を横切って、空気を導くことができる。
【0083】
図25は、
図23に示すワイヤレス充電装置2300にいくつかの点で対応し得る、ワイヤレス充電装置2500の側面図である。冷却装置2510の側面出口2508は、ワイヤレス充電装置2500の充電面2502上またはそれを横切って、そして、ワイヤレス充電装置2500によって充電される受電デバイス2504上に空気を導くことができる。
【0084】
図26は、ハイブリッド強制気流によって冷却され得るマルチコイル自由配置型ワイヤレス充電装置2600の一例を示す図である。ここで、空気流は、ワイヤレス充電装置2600のハウジング内の大部分に配置された1以上のインペラファン2606と、漏斗として動作する別個の取り付け可能な冷却装置2608とによって提供される。
【0085】
図示の例では、ワイヤレス充電装置2600は、前面部2602および後背部または背面部2604を有するハウジングを有し、能動的な冷却は、背面部2604の内面に隣接して取り付けることができる一対のインペラファン2606を使用して達成される。いくつかの例では、背面部2604は、放熱を助けることができるアルミニウムや銅などの金属を含むか、それらから構成される。
【0086】
冷却装置2608は漏斗として動作することができ、スナップフィット構造またはファスナを使用してワイヤレス充電装置2600のハウジングに取り付けることができる。冷却装置2608は1つまたは複数のファンを用いて空気流を生成し、これが漏斗を介して出口2610、2612に空気を送り込み、これらの出口がワイヤレス充電装置2600の充電面および/またはワイヤレス充電装置2600によって充電される受電デバイスに空気を向けるように構成されている。いくつかの例では、冷却装置2608は、放熱を助けることができるポリマーまたはアルミニウムや銅などの金属を含むか、またはそれらから構成され得る。
【0087】
処理回路の例
図27は、バッテリをワイヤレス充電することを可能にする充電装置または受電デバイスに組み込むことができる装置2700のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置2700が、本明細書に開示の1以上の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せを、処理回路2702を用いて実装することができる。処理回路2702は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1以上のプロセッサ2704を含むことができる。プロセッサ2704の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1以上のプロセッサ2704は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール2716の1つによって構成、増強または制御され得る。1以上のプロセッサ2704は、初期化中にロードされるソフトウェアモジュール2716の組合せを通じて構成されてもよく、動作中に1以上のソフトウェアモジュール2716をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されてもよい。
【0088】
図示の例では、処理回路2702が、概してバス2710で示されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス2710は、処理回路2702の特定の用途および全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス2710は、1以上のプロセッサ2704およびストレージ2706を含む様々な回路をリンクする。ストレージ2706は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ2706は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0089】
バス2710は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路をリンクしてもよい。バスインターフェース2708は、バス2710と1以上のトランシーバ2712との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置2700が充電装置または受電デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ2712を設けることができる。また、装置2700の性質に応じて、ユーザインターフェース1718(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック)が提供されてもよく、バス2710に直接またはバスインターフェース2708を介して通信可能に結合することができる。
【0090】
プロセッサ2704は、バス2710の管理と、ストレージ2706を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ2704を含む処理回路2702は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実装するために使用することができる。ストレージ2706は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ2704によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0091】
処理回路2702の1以上のプロセッサ2704は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに拘わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ2706に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ2706は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2706は、例えば、搬送波、伝送線、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を伝送するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2706は、処理回路2702に存在していても、プロセッサ2704に存在していても、処理回路2702の外部にあっても、処理回路2702を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2706は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0092】
ストレージ2706は、本明細書でソフトウェアモジュール2716とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール2716の各々は、処理回路2702にインストールまたはロードされて、1以上のプロセッサ2704によって実行されると、1以上のプロセッサ2704の動作を制御するランタイムイメージ2714に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路2702に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0093】
ソフトウェアモジュール2716のいくつかは、処理回路2702の初期化中にロードされるものであってもよく、これらのソフトウェアモジュール2716は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路2702を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール2716は、プロセッサ2704の内部デバイスおよび/または論理回路2722を構成することができ、トランシーバ2712、バスインターフェース2708、ユーザインターフェース2718、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール2716は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路2702が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ2712へのアクセス、ユーザインターフェース2718などを含むことができる。
【0094】
処理回路2702の1以上のプロセッサ2704は多機能であり、それによってソフトウェアモジュール2716のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1以上のプロセッサ2704は、例えばユーザインターフェース2718、トランシーバ2712およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1以上のプロセッサ2704は、マルチタスク環境を提供するように構成されてもよく、それによって複数の機能の各々が、必要に応じて1以上のプロセッサ2704によって提供されるタスクのセットとして実装される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ2704の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム2720を使用して実装されてもよく、それによって各タスクは、未処理の動作の完了時および/または割り込みなどの入力に応答して、1以上のプロセッサ2704の制御をタイムシェアリングプログラム2720に戻す。タスクが1以上のプロセッサ2704の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム2720は、オペレーティングシステム、ラウンドロビン方式で制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1以上のプロセッサ2704の制御を割り当てる機能、および/または、1以上のプロセッサ2704の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0095】
一実施態様では、装置2700は、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1以上のプロセッサ2704に含まれ得るコントローラとを有するワイヤレス充電装置を含むか、またはそのように動作する。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成され得る。少なくとも1つのコイルが、各充電セルの電荷伝送領域を通して電磁場を導くように構成され得る。
【0096】
一例では、ワイヤレス充電装置は、複数の平面状電力伝送コイル、ドライバ回路、および1または複数のチャネルが中に形成された少なくとも1つの基板を具える。1または複数のチャネルは、空気流を入口ポートで受け取り、空気流を基板を通して出口ポートに導くように構成され得る。複数の平面状電力伝送コイルは、少なくとも1つの基板によって支持され得る。平面状の電力伝送コイルの各々は、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成され得る。ドライバ回路は、充電式デバイスがワイヤレス充電装置の上やその近傍に配置されたときに、複数の平面状電力伝送コイルのうちの1つまたは複数に充電電流を供給するように構成され得る。1または複数のチャネルは、複数の平面状の電力伝送コイルおよびドライバ回路を通過する空気流を導くように構成され得る。
【0097】
一例では、各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成され、マルチストランドワイヤの各ストランドは、マルチストランドワイヤの各ストランドから電気的に絶縁されている。
【0098】
一例として、ワイヤレス充電装置は、1つまたは複数の穴が設けられたPCBを有する。1つまたは複数の穴は、2つの基板のチャネル間で空気流の少なくとも一部を導くように構成され得る。
【0099】
いくつかの例では、ワイヤレス充電装置は、複数の切込みが中に形成されたコイル基板を有する。複数の切り込みは、複数の平面状電力伝送コイルを予め構成された三次元配置に固定するように構成され得る。予め構成された三次元配置は、複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、コイル基板の上面を介して充電面を提供する。空気流の一部を充電面に向けてもよい。充電面は、充電面に向けられた空気流の一部をワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含んでもよい。予め構成された三次元配置は、複数の垂直面に平面状電力伝送コイルを提供することができる。
【0100】
一例では、コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャンネルを有する。1以上の水平チャネルおよび複数の垂直ダクトは、成形中にコイル基板に形成することができる。
【0101】
一例では、コイル基板は三次元印刷によって形成され、印刷中にコイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む。
【0102】
一例では、コイル基板はポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際にコイル基材に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む。
【0103】
図28は、ワイヤレス充電装置の動作方法を示すフローチャート2800である。ブロック2802において、空気の流れがワイヤレス充電装置の入口ポートに供給される。入口ポートは、ワイヤレス充電装置の少なくとも1つの基板内の1または複数のチャネルに流体的に結合することができる。1または複数のチャネルは、少なくとも1つの基板を通して空気の流れを出口ポートに導くように構成され得る。一例として、空気の流れは空調システムから受け取られる。別の例では、空気の流れはファンまたはブロワーから受け取られる。
【0104】
ブロック2804において、少なくとも1つの基板に支持された1以上の平面状電力伝送コイルに充電電流を供給される。平面状の電力伝送コイルの各々は、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成され得る。ブロック2806において、空気の流れは、複数の平面状電力伝送コイルおよび充電電流を供給するドライバ回路を通過するように方向付けられ得る。
【0105】
一例では、各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成される。マルチストランドワイヤの各ストランドは、当該マルチストランドワイヤの他のストランドから電気的に絶縁され得る。
【0106】
一例では、少なくとも1つの基板は、1つまたは複数の貫通穴が設けられたPCBを含む。1つまたは複数の穴は、2つの基板のチャネル間で空気流の少なくとも一部を導くように構成され得る。
【0107】
いくつかの例では、少なくとも1つの基板は、複数の切込みが中に形成されたコイル基板を有する。複数の切り込みは、複数の平面状電力伝送コイルを予め構成された三次元配置に固定するように構成され得る。予め構成された三次元配置は、複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、コイル基板の上面を介して充電面を提供し得る。空気流の一部を充電面に向けてもよい。充電面は、充電面に向けられた空気流の一部をワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含んでもよい。予め構成された三次元配置は、複数の垂直面に平面状電力伝送コイルを提供することができる。
【0108】
一例では、コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャンネルを有する。1以上の水平チャネルおよび複数の垂直ダクトは、成形中にコイル基板に形成することができる。
【0109】
一例では、コイル基板は三次元印刷によって形成され、印刷中にコイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む。
【0110】
一例では、コイル基板はポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際にコイル基材に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む。
【0111】
いくつかの実装例を以下の番号の項目に記載する。
1.ワイヤレス充電装置において、1つまたは複数のチャネルが形成された少なくとも1つの基板であって、当該1つまたは複数のチャネルは、空気の流れを受け、当該空気の流れを前記少なくとも1つの基板を通して出口に導くように構成されている、少なくとも1つの基板と、前記少なくとも1つの基板に支持された複数の平面状電力伝送コイルであって、各平面状電力伝送コイルは、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成されている、複数の平面状電力伝送コイルと、充電式デバイスが前記ワイヤレス充電装置の上または近くに置かれたときに、前記複数の平面状電力伝送コイルのうちの1つまたは複数に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路とを具え、前記1つまたは複数のチャネルは、前記複数の平面状電力伝送コイルおよびドライバ回路を通過したあるいはそこを通る空気の流れを導くように構成されていることを特徴とする、ワイヤレス充電装置。
【0112】
2.各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成され、前記マルチストランドワイヤの各ストランドは、前記マルチストランドワイヤの他のそれぞれのストランドから電気的に絶縁されている、項目1に記載のワイヤレス充電装置。
【0113】
3.さらに、1つまたは複数の穴が中に設けられたプリント回路基板を具え、前記1つまたは複数の穴は、2つの基板のチャネル間の空気の流れの少なくとも一部を導くように構成されている、項目1または項目2に記載のワイヤレス充電装置。
【0114】
4.前記少なくとも1つの基板は、複数の切り欠きが形成されたコイル基板を備え、前記複数の切り欠きは、前記複数の平面状電力送信コイルを予め構成された三次元配置で固定するように構成されている、項目1~3のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0115】
5.前記予め構成された三次元配置は、前記複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、前記コイル基板の上面を介した充電面を提供し、前記空気の流れの一部は前記充電面に向けられる、項目4に記載のワイヤレス充電装置。
【0116】
6.前記充電面は、当該充電面に向けられた空気の流れの一部を前記ワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含む、項目5に記載のワイヤレス充電装置。
【0117】
7.前記予め構成された三次元配置は、複数の垂直面において平面状電力伝送コイルを提供する、項目5または項目6に記載のワイヤレス充電装置。
【0118】
8.前記コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャネルを有する、項目5~7のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0119】
9.前記1以上の水平チャネルおよび前記複数の垂直ダクトは、成形時に前記コイル基板に形成される、項目8に記載のワイヤレス充電装置。
【0120】
10.前記コイル基板は三次元印刷によって形成され、印刷中に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルおよび垂直ダクトを含む、項目5~7のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0121】
11.前記コイル基板が、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む、項目5~7のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0122】
12.前記空気の流れを受けることは、内部または外部のファンまたはインペラから受ける、項目1~11のいずれかに記載のワイヤレス充電装置。
【0123】
13.ワイヤレス充電装置の動作方法において、前記ワイヤレス充電デバイスの入口ポートに空気の流れを供給するステップであって、前記入口ポートは、前記ワイヤレス充電デバイスの少なくとも1つの基板内の1または複数のチャネルに流体結合されており、前記1または複数のチャネルは、前記少なくとも1つの基板を通して出口ポートに空気の流れを導くように構成されている、ステップと、前記少なくとも1つの基板に支持される1または複数の平面状電力伝送コイルに充電電流を供給するステップであって、各平面状電力伝送コイルは、電力伝送領域を取り囲む螺旋状の巻線として形成されている、ステップと、前記1または複数の平面状電力伝送コイルおよび充電電流を供給するドライバ回路を通るか通過するように前記空気の流れを導くステップと、を含むことを特徴とする方法。
【0124】
14.各平面状電力伝送コイルは、マルチストランドワイヤを螺旋状に巻くことによって形成され、前記マルチストランドワイヤの各ストランドは、前記マルチストランドワイヤの他のそれぞれのストランドから電気的に絶縁されている、項目13に記載の方法。
【0125】
15.前記少なくとも1つの基板が、1つまたは複数の穴が貫通して設けられたプリント回路基板を具え、前記1つまたは複数の穴が、2つの基板のチャネル間の空気の流れの少なくとも一部を導くように構成されている、項目13または項目14に記載の方法。
【0126】
16.前記少なくとも1つの基板は、複数の切り欠きが形成されたコイル基板を含み、前記複数の切り欠きは、前記複数の平面状電力送信コイルを予め構成された三次元配置で固定するように構成されている、項目13~15のいずれかに記載の方法。
【0127】
17.前記予め構成された三次元配置は、前記複数の平面状電力伝送コイルの電力伝送領域の組み合わせとして、前記コイル基板の上面を介した充電面を提供し、前記空気の流れの一部は前記充電面に向けられる、項目16に記載の方法。
【0128】
18.前記充電面は、当該充電面に向けられた空気の流れの一部を前記ワイヤレス充電装置の外部に通す多孔質材料を含む、項目17に記載の方法。
【0129】
19.前記予め構成された三次元配置は、複数の垂直面において平面状電力伝送コイルを提供する、項目17または項目18に記載の方法。
【0130】
20.前記コイル基板は成形ポリマーから形成され、複数の垂直ダクトと相互接続する1以上の水平チャネルを有する、項目17~19のいずれかに記載の方法。
【0131】
21.前記1以上の水平チャネルおよび前記複数の垂直ダクトは、成形時に前記コイル基板に形成される、項目20に記載の方法。
【0132】
22.前記コイル基材が三次元印刷によって形成され、印刷中にコイル基材に形成される相互接続された水平チャネルおよび垂直ダクトを含む、項目13~21のいずれかに記載の方法。
【0133】
23.前記コイル基板が、ポリマー、アセテート、ビニル、ニトリルゴム、ラテックス、押出発泡ポリスチレンから形成され、印刷成形、フライス加工、研削、エッチング、研磨、化学的浸食または化学的溶解の際に前記コイル基板に形成される相互接続された水平チャネルと垂直ダクトを含む、項目13~21のいずれかに記載の方法。
【0134】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1以上」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1以上を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。クレームの要素は、その要素が「means for」という語句で明示的に記載されているか、方法クレームの場合には「step for」という語句で記載されていなければ、35U.S.C.§112、第6章の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】