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特表2024-517561協力するためにデジタル記録を管理するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】協力するためにデジタル記録を管理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/101 20230101AFI20240416BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240416BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240416BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20240416BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240416BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q10/101
G06F3/0481
G06F3/0484
H04N7/15 150
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/00 510H
G09G5/00 550B
G09G5/00 510Z
H04M3/56 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558313
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 IB2022051849
(87)【国際公開番号】W WO2022200879
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,515
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,リサ エム.
(72)【発明者】
【氏名】フェアベアーン,スコット アール.
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,ヘザー エム.
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン,ウィレム ヴェ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィンセイザー,ジョーゼフ シー.
(72)【発明者】
【氏名】アクセルソン,ポンタス
(72)【発明者】
【氏名】ロトステイン,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】エルゲネコン,エムレ ベー.
(72)【発明者】
【氏名】アンスマン ガーツ,ニクラス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジンティニ,マリナ
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
5E555
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164VA12P
5C164VA16P
5C164VA42P
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB04
5C182AB06
5C182AB08
5C182AB09
5C182AB37
5C182BA06
5C182BA12
5C182BA14
5C182BA65
5C182BA66
5C182BA68
5C182BB21
5C182BB28
5C182BC01
5C182BC26
5C182DA65
5E555AA61
5E555BA01
5E555BA10
5E555BB01
5E555BC09
5E555BC19
5E555BD05
5E555BD09
5E555CA42
5E555CB08
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB48
5E555CC19
5E555FA00
5K201BB09
5K201BB10
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
デジタル記録を使用して協力するための方法。ファシリテータは、参加者とのビデオ会議中にセッションを開始し、参加者と画面を共有することができる。この画面には、コード、セッションID、及びリンクが表示される。参加者は、カメラでコードをスキャンするか、セッションIDを入力するか、又はリンクにアクセスすることによってセッションに参加する。セッション中、参加者は、デジタル記録を作成するか又は物理的記録をスキャンして、それらをデジタル記録に変換させることができる。ファシリテータは、セッション中に参加者から送信されたデジタル記録を受信して、そのデジタル記録をファシリテータの画面上のグループに移動させる。ファシリテータの画面は参加者と共有されるため、いかなる参加者も、ファシリテータによって制御されるように、協力するために全ての参加者からのグループ内のデジタル記録を見ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録を使用して協力するための方法であって、プロセッサによって実行されるステップとして、
ファシリテータによって、参加者とのビデオ会議中に、コード、セッションID、及びリンクのうちの少なくとも1つを使用してセッションを開始するステップと、
前記参加者がカメラで前記コードをスキャンするか、前記セッションIDを入力するか、又は前記リンクにアクセスすると、前記参加者を前記セッションに参加させるステップと、
前記ファシリテータによって、前記セッション中に、前記参加者から送信されたデジタル記録を受信するステップと、
前記ファシリテータによって、前記セッション中に、前記デジタル記録を前記参加者が見ることができるグループに移動させるステップと、
前記セッションが終了すると、前記セッションを閉じるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ファシリテータによって、前記グループ用のボードを受信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ファシリテータによって、デジタル記録を前記ボードに追加するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ファシリテータによって、前記ボードのための別のグループを受信するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記移動させるステップが、前記ファシリテータによって、前記セッション中に前記参加者が見ることができる前記ファシリテータの画面上で前記デジタル記録を前記別のグループに移動させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記移動させるステップが、前記ファシリテータによって、前記デジタル記録を前記グループに移動させるためのドラッグアンドドロップ操作を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記参加者の各々に、前記参加者のドラフトデジタル記録のためのセクション、及び前記ファシリテータによって受信された前記参加者の送信デジタル記録のためのセクションを表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記参加者によって、前記参加者によって作成されたデジタル記録を前記ドラフトデジタル記録の1つとして受信するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記参加者によって、前記参加者によってスキャンされた物理的記録に対応するデジタル記録を前記ドラフトデジタル記録の1つとして受信するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ファシリテータによって、前記ファシリテータによって前記グループのために作成されたデジタル記録を受信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ファシリテータによって作成された前記デジタル記録を、前記グループ内で表示するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ファシリテータによって、前記ファシリテータによってスキャンされた物理的記録に対応するデジタル記録を受信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ファシリテータによってスキャンされた前記物理的記録に対応する前記デジタル記録を、前記グループ内で表示するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記セッション用のデフォルトタイマを設定するステップを更に含み、前記閉じるステップが、前記タイマが満了すると前記セッションを閉じることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ファシリテータによって前記セッション用のタイマを受信するステップを更に含み、前記閉じるステップが、前記タイマが満了すると前記セッションを閉じることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記受信するステップが、前記参加者によるスワイプ又はタップ操作の対象となる前記デジタル記録を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記参加させるステップが、前記参加者が前記デジタル記録を作成するためのソフトウェアアプリケーションを開くことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記参加者のうちの1人の画像取り込みデバイスを介して物理的記録を自動的に検出するステップと、前記検出された物理的記録を対応するデジタル記録に変換するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記開始するステップが、前記セッションのために前記ファシリテータによって画面を共有することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記移動させるステップが、前記ファシリテータによって、前記デジタル記録を前記ファシリテータの共有画面上の前記グループに移動させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記セッションが終了したとき又は前記セッションが終了した後に、前記デジタル記録を前記参加者に送信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
記録を使用して協力するための方法であって、プロセッサによって実行されるステップとして、
ビデオ会議の参加者の画像取り込みデバイスを介して物理的記録を自動的に検出するステップであって、前記画像取り込みデバイスが前記ビデオ会議のために使用される、ステップと、
前記検出された物理的記録を対応するデジタル記録に変換するステップと、
前記デジタル記録を前記参加者に送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記デジタル記録を前記ビデオ会議の他の参加者に送信するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサを備える、記録を使用して協力するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アイデア及び情報を記録、共有、及び連絡する際に、紙の記録が広く使用されてきた。例えば協力セッション(例えば、ブレーンストーミングセッション)時に、参加者は再配置可能な付箋紙、ホワイトボード、又は紙にアイデアを書き込んでから、互いに共有する。更に、人々は一般に、一日を通して、その個人が忘れたくない情報又はコンテンツを記念しておくために記録を使用する。その他の例として、人々は、電話をかける、文書を修正する、又はタイムシートに記入するなど、将来に行うアクション又はイベントのリマインダとして頻繁に記録を使用する。
【0002】
現在では、コンピュータユーザがデジタル形式でソフトウェアベースの記録を作成し、そのデジタル記録をコンピューティング環境内で利用できるようにするソフトウェアプログラムが存在する。例えば、コンピュータユーザは、デジタル記録を作成し、そのデジタル記録をコンピューティング環境によって提示される電子文書、デスクトップ又は電子ワークスペースに「添付する」ことができる。
【発明の概要】
【0003】
記録を使用して協力するための方法は、コード、セッションID、及びリンクのうちの少なくとも1つを使用して、参加者とのビデオ会議中にセッションのファシリテータにより、セッションを開始することを含む。参加者は、参加者がカメラでコードをスキャンするか、セッションIDを入力するか、又はリンクにアクセスすると、セッションに参加する。ファシリテータは、セッション中に参加者から送信されたデジタル記録を受信し、セッション中に参加者が見ることができるグループにデジタル記録を移動させる。セッションが終了すると、セッションは閉じられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】モバイルデバイス上の画像取り込みデバイスを使用して、記録が置かれた作業場所の画像を撮影するユーザの一例を示す表現である。
図1B】モバイルデバイスの一例を示すブロック図である。
図1C】モバイルデバイス上で実行している記録管理アプリケーションの一例を示すブロック図である。
図1D】記録認識システムの別の実施形態を示す。
図1E】記録管理システムの別の実施形態を示す。
図2】協力セッションを実行するための方法のフローチャートである。
図3A】協力セッションを開始するためのユーザインタフェースを示す図である。
図3B】協力セッションを共有して参加するためのユーザインタフェースを示す図である。
図3C】協力セッションを実行するためのユーザインタフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概観
本開示は、物理的記録を表現するソフトウェア記録を作成及び操作する技法を記載する。例えば、物理的環境内に存在する物理的記録を認識し、そこから情報を取り込み、物理的記録に対応するデジタル表現を作成する技法が記載され、この表現は、本明細書においてデジタル記録又はソフトウェアベースの記録と称される。更に、本開示の少なくともいくつかの態様は、複数の記録を管理する技法を対象とする。
【0006】
一般に、記録には、物理的記録及びデジタル記録が含まれ得る。物理的記録は一般に、全体的な境界と認識可能なコンテンツとを有するオブジェクトを指す。物理的記録としては、例えば紙、ホワイトボード、又は入力を受け入れる他のオブジェクトなどのオブジェクト上に、人が筆記、描画、又は他のタイプの入力することにより得られた結果のオブジェクトが挙げられ得る。例として、物理的記録としては、手書きの再配置可能な付箋、紙、フィルム、図が描かれたホワイトボード、ポスター、看板が挙げられ得る。いくつかの事例では、物理的記録は、例えば、印刷可能な再配置可能な付箋紙への印刷又は印刷された文書の印刷などのデジタル手段を使用して生成され得る。いくつかの事例では、1つのオブジェクトが、いくつかの記録を含み得る。例えば、いくつかのアイデアが、1枚のポスター用紙又はホワイトボードに書き込まれ得る。物理的記録は、二次元又は三次元であり得る。物理的記録は、様々な形状及びサイズを有し得る。例えば、ある物理的記録は、3インチ×3インチの記録であってもよく、ある物理的記録は、26インチ×39インチのポスターであってもよく、ある物理的記録は、三角形の金属看板であってもよい。いくつかの事例では、物理的記録は、既知の形状及び/又はサイズを有する。デジタル記録は、一般に、情報及び/又はアイデアを有するデジタルオブジェクトを指す。デジタル記録は、デジタル入力を使用して生成できる。デジタル入力としては、例えばキーボード、タッチスクリーン、デジタルカメラ、デジタル録画デバイス、スタイラス、デジタルペンなどが挙げられ得る。いくつかの事例では、デジタル記録は、物理的記録の表現であってもよい。
【0007】
記録管理システム
図1Aは、記録認識環境10の例を示す。図1Aの例では、環境10は、作業場所20から1つ以上の記録22を取り込んで認識するモバイルデバイス15を含む。本明細書に記載されるように、モバイルデバイスは、記載されるように、作業場所20からの記録22の集合体などの多数の物理的記録から記録コンテンツを効率的に取り込み、抽出することのできる、1つ以上のソフトウェアアプリケーションの実行環境を提供する。この例では、記録22は、複数の参加者を有する協力ブレーンストーミングセッションの結果であってもよい。記載されるように、モバイルデバイス15及びその上で実行しているソフトウェアは様々な記録関連動作を実施してもよく、それらの動作には、作業場所20の物理的記録22を表現するデジタル記録の自動作成が含まれる。
【0008】
この実装形態例では、モバイルデバイス15は、他の構成要素の中でも、画像取り込みデバイス18及び提示デバイス28を含む。更に、図1Aには示されていないが、モバイルデバイス15は、本明細書に記載の機能を提供するためにソフトウェア又はファームウェアを実行する1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、内部メモリ及び/又はデータストレージ、並びに他の電子回路を含んでもよい。
【0009】
一般に、画像取り込みデバイス18は、作業場所20及び、その中に配置された記録22を表現する画像データを取り込むように構成された、カメラ又は他の構成要素である。換言すれば、画像データは、作業場所20などの、複数の視覚的記録を有する環境の視覚表現を取り込む。画像取り込みデバイス18は、モバイルデバイス15のカメラとして説明されるが、ビデオレコーダ、赤外線カメラ、CCD(電荷結合素子)アレイ、レーザスキャナなどの、画像データを取り込むことができる他の構成要素を含んでもよい。更に、取り込まれた画像データは、画像、ビデオ、画像のシーケンス(すなわち、ある期間内に、及び/又は、ある順序で撮られた複数の画像)、画像の集合体などのうち少なくとも1つを含み得、本明細書では、入力画像という用語は様々な例示的なタイプの画像データを指すために使用される。
【0010】
提示デバイス28としては、モバイルデバイス28と共に使用するための、液晶ディスプレイ(LCD)又は他のタイプのディスプレイデバイスなどの電子的にアドレス可能なディスプレイが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、モバイルデバイス15は、提示デバイス28上に表示する記録のコンテンツを、例えば、行及び/又は列にグループ化されたリスト、フロー図など様々なフォーマットで生成する。いくつかの場合では、モバイルデバイス15は、タブレットコンピュータ、プロジェクタ、電子掲示板、又は他の外部デバイスなどの他のデバイスで表示するために、表示情報を通信してもよい。
【0011】
本明細書に記載されるように、モバイルデバイス15及びモバイルデバイス15上で実行するソフトウェアは、物理的記録22を表現したデジタル記録を作成して操作するためのプラットフォームを提供する。例えば、一般にモバイルデバイス15は、画像取り込みデバイス18によって生成された画像データを処理して、作業場所20内に配置された物理的記録22のうち少なくとも1つを検出して認識するように構成されている。いくつかの例では、モバイルデバイス15は、記録の全体的な境界を判断することによって記録を認識するように構成されている。記録を認識した後に、モバイルデバイス15は、1つ以上の記録のうち少なくとも1つのコンテンツを抽出し、コンテンツとは、記録22の視覚情報である。
【0012】
いくつかの例示的な実装形態では、モバイルデバイス15は、ユーザ26がデジタル記録をクラウドベースのリポジトリ(例えば、クラウドサーバ12)又は他のコンピューティングデバイス(例えば、コンピュータシステム14又はモバイルデバイス16)などの他のシステムにエクスポートできる機能を提供する。
【0013】
図1Aの例では、モバイルデバイス15は、携帯電話として示されている。しかし、他の例では、モバイルデバイス15は、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、メディアプレーヤ、電子書籍リーダ、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、時計、アイウェア、グローブ)、又は本明細書に記載の技法を実施するのに適した任意の他のタイプのモバイル若しくは非モバイルのコンピューティングデバイスであってもよい。
【0014】
図1Bは、本明細書に記載の技法に従って動作するモバイルデバイスの例を示すブロック図である。例を目的として、図1Bのモバイルデバイスは、図1Aのモバイルデバイス15に関して説明される。
【0015】
この例では、モバイルデバイス15は、デバイスの動作のためのコア機能を提供する様々なハードウェア構成要素を含む。例えば、モバイルデバイス15は、典型的にはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス若しくはフラッシュメモリデバイスなどのコンピュータ可読媒体又はデータストレージ68に記憶されている実行可能命令(すなわち、プログラムコード)に従って動作するように構成された、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ70を含む。図1Aに記載されるように、I/O76は、キーボード、カメラボタン、電源ボタン、音量ボタン、ホームボタン、バックボタン、メニューボタン、又は提示デバイス28などの1つ以上のデバイスを含んでもよい。送信器72及び受信器74は、図1Aに記載されるとおりの無線通信インタフェースを介して、図1Aに記載されるとおりのクラウドサーバ12、コンピュータシステム14、又は他のモバイルデバイス16などの他のデバイスとの高周波無線周波数(RF)信号などの無線通信を提供するが、RF信号に限定されない。マイクロフォン71が、音声情報を対応する電気信号に変換する。スピーカ73が、電気信号を対応する音声情報に変換する。振動モータ75が、モバイルデバイス15又はそのハウジングを振動させるために使用される。モバイルデバイス15は、図1Bに示されていない、付加的な別個のデジタルロジック又はアナログ回路を含んでもよい。
【0016】
一般に、プロセッサ70上でオペレーティングシステム64を実行して、記録管理アプリケーション78を含めた1つ以上のユーザアプリケーション77(一般に「アプリ」と呼ばれる)に動作環境を提供する。ユーザアプリケーション77は、例えば、プロセッサ70によって実行するための、コンピュータ可読記憶デバイス(例えば、データストレージ68)に記憶された実行可能なプログラムコードを含んでもよい。他の例として、ユーザアプリケーション77はファームウェアを含んでもよく、又はいくつかの例では、別個のロジックで実装されてもよい。
【0017】
動作中、モバイルデバイス15は、入力画像データを受信し、本明細書に記載の技法に従って入力画像データを処理する。例えば、画像取り込みデバイス18は、図1Aの記録22を有する作業場所20などの、複数の記録を有する環境の入力画像を取り込んでもよい。別の例として、モバイルデバイス15は、クラウドサーバ15、コンピュータシステム14、又はモバイルデバイス16などの外部ソースから受信器74を介して画像データを受信してもよい。一般に、モバイルデバイス15は、記録管理アプリケーション78及び/又は他のユーザアプリケーション77によってアクセス及び処理するために、データストレージ68に画像データを記憶する。
【0018】
図1Bに示すように、ユーザアプリケーション77は、オペレーティングシステム64のカーネル機能を呼び出して、モバイルデバイスのユーザに情報を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)79を出力してもよい。以下で更に説明するように、記録管理アプリケーション78は、GUI79を構築及び制御して、物理的記録22を表現した対応するデジタル記録を生成して操作するための改善された電子環境を提供することができる。例えば、記録管理アプリケーション78は、特定の特性をもつ記録を取り込んだことに応答して自動的にトリガされるイベントをユーザ26が容易に制御することを可能にする機構を含むように、GUI79を構築してもよい。更に、記録管理アプリケーション78は、ユーザ26がデジタル記録のグループ間の関係を管理することを可能にする機構を含むように、GUI79を構築してもよい。
【0019】
図1Cは、本明細書に記載の技法に従って動作する記録管理アプリケーション78の1つの例示的な実装形態を示すブロック図である。ユーザアプリケーション77は、モバイルデバイス15上で実行するとして記載されているが、本明細書に記載の例は、クラウドサーバ12、コンピュータシステム14、又は他のモバイルデバイスなどの、任意のコンピューティングデバイスに実装されてもよい。
【0020】
この例では、記録管理アプリケーション78は、画像処理及びオブジェクト認識機能を提供する画像処理エンジン82を含む。画像処理エンジン82は、画像通信モジュール90、記録識別モジュール86、及びデジタル記録生成モジュール88を含んでもよい。更に、画像処理エンジン82は、画像処理エンジン82の他の構成要素によって使用するための、例えば、画像の2値化、マスキング、フィルタリング、縁部検出などの画像操作機能のライブラリを提供する、画像処理アプリケーションプログラミングインタフェース(API)95を含む。
【0021】
一般に、画像データは、データ記憶デバイス68に記憶されてもよい。この例では、記録管理アプリケーション78は、データ記憶デバイス68に画像97を記憶する。画像97の各々は、図1Aの作業場所20などの、複数の物理的画像を有する環境のピクセルデータを含み得る。
【0022】
本明細書に記載されるように、記録識別モジュール86は、画像97を処理し、画像内の複数の物理的記録を識別する(すなわち、認識する)。デジタル記録生成モジュール88は、画像97内で認識された物理的記録に対応するデジタル記録99を生成する。例えば、デジタル記録99の各々は、入力画像97で識別された物理的記録のうち1つに対応する。このプロセスの間に、デジタル記録生成モジュール88は、デジタル記録のレコードを含むようにデータベース94を更新し、また、記録識別モジュール86によって検出された物理的記録の決定された境界内の入力画像から抽出された情報(例えば、コンテンツ)をデータベースに記憶してもよい。更に、デジタル記録生成モジュール88は、デジタル記録をデジタル記録の1つ以上のグループに関連付けるメタデータをデータベース94に記憶してもよい。
【0023】
更に、記録管理アプリケーション78は、特定の特性を有する物理的記録の検出に応答してアクションをトリガする規則101を、例えばユーザ入力26によって指定するように構成されてもよい。例えば、ユーザインタフェース98は、ユーザ入力に基づいて、記録の特定の特性にアクションをマッピングしてもよい。記録管理アプリケーション78は、記録グループ化アクション、又は、カレンダーアプリケーションに関連するアクションなどのモバイルデバイスで実行している別のソフトウェアアプリケーションに関連するアクションなどの、アクションを伴う規則をユーザが指定することのできるユーザインタフェース98を出力してもよい。ユーザインタフェース98は、各規則について、アクションをトリガするための基準をユーザが定義することを可能にする。この構成プロセスの間、ユーザインタフェース98は、アクションをトリガし、画像データを処理して色又はコンテンツなどの特性を抽出するための例示的な記録を表現した画像データを取り込むようにユーザに促してもよい。次いで、ユーザインタフェース98は、その例示的な記録に対応する規則を定義することを支援するために、決定された基準をユーザに提示してもよい。
【0024】
画像通信モジュール90は、モバイルデバイス15と、クラウドサーバ12、コンピュータシステム14、モバイルデバイス16、又は画像取り込みデバイス18などの外部デバイスとの間の画像データの通信を制御する。いくつかの例では、画像通信モジュール90は、例えば、環境及び/又はデジタル記録の処理済み若しくは未処理の画像97と、そこから抽出された関連情報とを、データベース68からのメタデータを含めてユーザが通信することを可能にしてもよい。いくつかの例では、画像通信モジュール90は、このデータを、FTP、HTTP、電子メール、Bluetooth又は他の機構によって通信され得るzipファイルにエクスポートする。
【0025】
図1Cの例では、記録管理アプリケーション78は、GUI79(図1B)を構築して制御するユーザインタフェース98を含む。以下に記載されるように、いくつかの例では、ユーザインタフェース98は、複数のデジタル記録99にオーバーレイされた入力画像97を表示するために出力してもよく、対応する物理的記録の代わりにデジタル記録の各々がオーバーレイされる。更に、ユーザインタフェース98は、ユーザによって指定されたデジタル記録99のグループを表示してもよい。このデジタル記録99のグループは、例えば、特定の入力画像97内で認識されたデジタル記録のサブセットであってもよい。ユーザインタフェース98は、この指定されたデジタル記録のグループ(セット)をGUI79の第2の部分に表示し、ユーザ26が指定されたグループからデジタル記録99を容易に追加又は消去することを可能にしてもよい。
【0026】
いくつかの例示的な実装形態では、ユーザインタフェース98は、ユーザがオーバーレイ画像及び/又はデジタル記録を編集することを可能にする画像エディタ96を提供する。別の例では、デジタル記録生成モジュール88は、入力画像から抽出された情報を強化するプロセス又は複数のプロセスを含んでもよい。
【0027】
図1Dは、記録認識システム100Aの別の例示的な実施形態を示す。システム100Aは、処理ユニット110、1つ以上の記録120、センサ130、及び記録コンテンツリポジトリ140を含み得る。処理ユニット110は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コンピュータ、サーバ、及び他のコンピューティングデバイスを含み得る。センサ130、例えば画像センサは、1つ以上の記録120を有するシーンの視覚表現を取り込むように構成されている。センサ130は、カメラ、ビデオレコーダ、赤外線カメラ、CCD(電荷結合素子)アレイ、スキャナなどのうち少なくとも1つを含み得る。視覚表現は、画像、ビデオ、画像のシーケンス(すなわち、ある期間内に、及び/又は、ある順序で撮られた複数の画像)、画像の集合体などのうち少なくとも1つを含み得る。処理ユニット110は、センサ130に結合され、視覚表現を受信するように構成されている。いくつかの事例では、処理ユニット110は、センサ130に電子的に結合される。処理ユニット110は、視覚表現から、1つ以上の記録120のうち少なくとも1つを認識するように構成されている。いくつかの実施形態では、処理ユニット110は、記録の全体的な境界を判断することによって記録を認識するように構成されている。記録を認識した後、処理ユニット110は記録のコンテンツを抽出する。いくつかの事例では、処理ユニット110は、それらの記録を有するシーンの視覚表現から、2つ以上の記録のコンテンツを認識及び抽出するように構成されている。
【0028】
いくつかの事例では、処理ユニット110は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア又はファームウェアを実行して、システム100Aの様々なプロセス(例えば、記録を認識する、記録を抽出するなど)を実装することができる。記録コンテンツリポジトリ140は、単一のコンピュータ、サーバ、記憶デバイス、クラウドサーバ上などで実行してもよい。いくつかの他の場合では、記録コンテンツリポジトリ140は、一連のネットワークコンピュータ、サーバ、又はデバイス上で実行してもよい。いくつかの実装形態では、記録コンテンツリポジトリ140は、ローカル、リージョナル、及び中央を含む、データ記憶デバイスの階層を含む。記録120は、協力スペースに規則的又はランダムに配置された物理的記録を含むことができ、センサ130は協力スペース内にある記録120の視覚表現を生成する。
【0029】
いくつかの実装形態では、記録認識システム100Aは、どの記録が認識されているか、及び/又はどの記録のコンテンツが抽出されているかをユーザに示す、提示デバイス(図1Dには示されていない)を含み得る。更に、記録認識システム100Aは、抽出されたコンテンツを提示デバイスを介して提示することができる。いくつかの実施形態では、処理ユニット110は、記録のコンテンツを抽出する前に、記録を認証することができる。記録が認証された場合は、コンテンツを抽出し、記録コンテンツリポジトリ140に記憶する。
【0030】
図1Eは、記録管理システム100Bの実施形態を示す。この実施形態では、記録管理システム100Bは、処理ユニット110、1つ以上の記録120、1つ以上の記録ソース150、及び記録コンテンツリポジトリ140を含む。いくつかの事例では、システム100Bは、提示デバイス160を含む。処理ユニット110、記録120、及び記録コンテンツリポジトリ140は、図1Aに示すとおりの記録認識システム100Aの構成要素と同様である。記録ソース150は、1つ以上の記録を有するシーンの視覚表現などの物理的記録のコンテンツを提供するソースと、キーボードから入力されたデータストリームなどのデジタル記録のコンテンツを提供するソースと、を含み得る。いくつかの実施形態では、記録管理システム100Bは、第1のソース及び第2のソースを含み、第1のソースは、1つ以上の記録120を有するシーンの視覚表現である。第1のソース及び第2のソースは、異なるデバイスによって生成される。第2のソースは、テキストストリーム、画像、ビデオ、ファイル、及びデータエントリのうち少なくとも1つを含む。処理ユニット110は、記録認識システム100Aについて説明したように、第1のソースから記録のうち少なくとも1つを認識し、記録のコンテンツを抽出する。いくつかの場合では、処理ユニット110は、記録にカテゴリをラベル付けする。処理ユニット110は、記録の特定の形状、色、コンテンツ、及び/又は他の情報に基づいて、記録をラベル付けすることができる。例えば、記録の各グループは、異なる色(例えば、赤、緑、黄色など)を有することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、記録管理システム100Bは、記録120のコンテンツをユーザに示すために、1つ以上の提示デバイス160を含み得る。提示デバイス160は、液晶ディスプレイ(LCD)、タブレットコンピュータ、プロジェクタ、電子掲示板、携帯電話、ラップトップなどの電子的にアドレス可能なディスプレイを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、処理ユニット110は、提示デバイス160上に表示する記録のコンテンツを、例えば、行及び/又は列にグループ化されたリスト、フロー図など様々なフォーマットで生成する。
【0032】
記録認識システム及び記録管理システムの、処理ユニット、画像センサ、及び記録コンテンツリポジトリなどの様々な構成要素は、通信インタフェースを介して通信することができる。通信インタフェースとしては、有線又は無線の短距離及び長距離の任意の通信インタフェースが挙げられるが、これらに限定されない。短距離通信インタフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、Bluetooth規格、IEEE802規格(例えば、IEEE802.11)、IEEE802.15.4規格に基づくZigBee又は同様の仕様など、又は他の公共若しくは独自の無線プロトコルなどの、既知の通信規格に準拠するインタフェースであってもよい。長距離通信インタフェースは、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラーネットワークインタフェース、衛星通信インタフェースなどであってもよい。通信インタフェースは、イントラネットなどのプライベートコンピュータネットワーク内、又はインターネットなどの公共コンピュータネットワーク上のいずれかにあってもよい。
【0033】
記録を使用して協力すること
協力セッションは、参加者が、セッションを開始して実行するファシリテータによって制御される参加者のグループ内でデジタル記録を共有することを可能にする。ファシリテータは、参加者からデジタル記録を受信し、セッションの参加者が見るために、それらをボード内のグループに編成することができる。
【0034】
図2は、協力セッションを実行するための方法のフローチャートである。この方法は、モバイルデバイス15内のプロセッサ70によって実行するためのソフトウェア又はファームウェアに実装することができる。この方法は、更に後述されるように、以下のものを含む。ファシリテータは、この協力機能用のソフトウェアアプリケーションとのセッションを開始するために、ボードを作成又は選択し(ステップ200)、参加者をセッションに参加させるように画面を共有する(ステップ202)。ファシリテータは、参加者がファシリテータの画面を見ることができるように、ネットワークを介してビデオ会議中に参加者と画面を共有することができる。ビデオ会議アプリケーションの例には、Microsoft CorporationによるTeams製品、及びZoom Video Communications,Inc.によるZoom製品が含まれる。あるいは、ファシリテータは、参加者に画面を共有又は提示することを可能にするネットワーク接続を通して、画面を共有することができる。
【0035】
次いで、参加者は、ファシリテータからの共有画面上に表示されたコードをスキャンすることによって、又はセッションID及び任意選択のパスワードを入力することによって、又はリンクにアクセスすることによって、セッションに参加することができる(ステップ204)。パスワードは、セッションがパスワードなしで実行され得るという点で任意選択的であるか、又はパスワードがセッションIDの一部であり得る。コードは、例えば、Quick Response(QR)コード又はApp Clipコードであり得る。リンクは、例えば、ネットワークリンク又はインターネットウェブアドレスリンクであり得る。セッションに参加することはまた、参加者デバイス上のソフトウェアアプリケーションの開始をもたらすことができ、ここでソフトウェアアプリケーションは、参加者がデジタル記録を作成すること、又は物理的記録を対応するデジタル記録に変換することを可能にする、例えば、記録管理システムのセクションにおいて上述したソフトウェアアプリケーションである。また、セッションへの参加により、インターネットウェブアドレスなどのネットワークリンクを介して参加者のデバイスをファシリテータのデバイスに電子的に接続する。
【0036】
セッション中、参加者は、ソフトウェアアプリケーションで物理的記録を取り込んで、それらを対応するデジタル記録に変換させるか、又はソフトウェアアプリケーションを使用してデジタル記録を作成することができる(ステップ206)。次いで、参加者は、ネットワークリンクを介してファシリテータにデジタル記録を送信することができ(ステップ208)、ファシリテータは、記録をボード内のグループに移動させることができる(ステップ210)。参加者の各々が他の参加者によって提出された記録を見ることによって協力するために、ファシリテータが参加者と画面を共有していることで、グループは全ての参加者が見ることができる。
【0037】
セッションが継続すると(ステップ212)、参加者は、参加者が見ることができるボード内に含めるために、ファシリテータにデジタル記録を送信し続けることができる(ステップ206、208、210)。セッションが終了すると(ステップ212)、ファシリテータがセッションを閉じるか、又はセッションが満了する際のタイマに基づいてセッションを自動的に閉じることができる(ステップ214)。
【0038】
ステップ202の代替案として、ファシリテータの画面を共有することは、画面共有なしでセッションが実行され得るという点で任意選択的である。その代替案の場合、参加者は、自分が見ることができるコードをスキャンするか、セッションIDを入力するか、又はリンクにアクセスすることによって、同じ又は同様の方法でセッションに参加することができ、ファシリテータは、受信したデジタル記録を参加者が見ることができるグループに移動させるか、又は場合によっては、セッションでの後の時間に又はセッションが終了したときに又はセッションが終了した後に、受信した記録を参加者に送信することができる。デジタル記録は、例えば、ポータブルドキュメントフォーマット(PDF)ファイルなどの電子文書で送信することができる。
【0039】
図3A図3Cは、協力機能を示す電子ユーザインタフェース(又は画面)の図である。これらのユーザインタフェースは、例えば、モバイルデバイス15の記録管理アプリケーション78内のプレゼンテーションデバイス28上に電子的に表示され得る。
【0040】
図3Aは、協力セッションを開始するためのユーザインタフェースを示している。ユーザインタフェース220には、グループ222を含む記録のグループが含まれる。ユーザインタフェース224は、ファシリテータがセッション用のボードとしてグループ222を選択したことを示しており、そのボードの記録が、ユーザインタフェース224内にボード226として表示されている。ボード226とのセッションを開始するために、ファシリテータは、セッションを開始するようにユーザインタフェース230を起動する又は開くアイコン228を選択する。ユーザインタフェース230は、ボード226などのセッション用のボードを作成又は選択するためのセクション232、セッション用の名前を入力するためのセクション234、セッション用の任意選択のパスワードを入力するためのセクション236、及びセッション用の任意選択のタイマを入力するためのセクション238、を含む。ソフトウェアアプリケーションには、任意選択的に、セッションIDを事前記入することができる。タイマは、デフォルトタイマ、又はファシリテータによって設定された特定の時間フレームで実装することができる。タイマに加えて、又はタイマとは別に、セッションには、セッションの開始及び終了に関する日付及びタイムスタンプを含むことができる。
【0041】
ユーザインタフェース230にセッション用の情報を入力した後、ファシリテータは、次のセクション240を選択することができ、これにより、セッション用の第1のボードのためのユーザインタフェース242を起動又は開く。ファシリテータは、受信箱244からのデジタル記録を追加するか、又はプラスアイコン246を選択して、物理的記録を対応するデジタル記録に変換するソフトウェアアプリケーションを使用してセッション用のデジタル記録を作成することができる。
【0042】
図3Bは、協力セッションを共有して参加するためのユーザインタフェースを示している。ユーザインタフェース248は、受信箱244からの記録、又はプラスアイコン246を選択することによって作成された記録と共に、セッション用の第1のボードを表示している。ファシリテータは、アイコン250を選択して、ビデオ会議又は他のネットワーク接続中に参加者と画面を共有する。ファシリテータは、参加者がセッションに参加するためのユーザインタフェース252を有する画面を共有する。ユーザインタフェース252は、例えば、デジタル記録を作成して、物理的記録を対応するデジタル記録に変換するように機能する、ソフトウェアアプリケーションから生成され得る。ユーザインタフェース252は、セッションに参加するためのコード(例えば、QRコード又はApp Clipコード)を有するセクション254、セッションIDを有するセクション256、任意選択のセッションパスワードを有するセクション258、セッションに参加するためのリンクを有するセクション260、及びセッションを終了するためのセクション262、を含む。コードは、参加者とファシリテータとの間のネットワーク接続を提供するために、リンク、例えばインターネットウェブアドレス又はユニフォームリソースロケータ(URL)を組み込むことができる。
【0043】
ユーザインタフェース264は、セッションに参加するために、例えば、参加者のモバイルデバイス上で参加者に表示される。ユーザインタフェース264は、セッションのIDを入力するためのセクション266、セッションの任意選択のパスワードを入力するためのセクション268、並びにID及び任意選択のパスワードを入力した後にセッションに参加するための選択用のセクション272、を含む。参加者はまた、自分のモバイルデバイス上のカメラを使用して、カメラアイコン270によって示される(ファシリテータの共有画面上の)セクション254内のコードをスキャンすることによって、セッションに参加することができ、又はユーザインタフェース252内のセクション260からネットワークリンクをコピーしてアクセスすることによって、セッションに参加することができる。セッションに参加することはまた、参加者デバイス上のソフトウェアアプリケーションの開始をもたらすことができ、ここでソフトウェアアプリケーションは、参加者がデジタル記録を作成すること、又は物理的記録を対応するデジタル記録に変換することを可能にする、例えば、記録管理システムのセクションにおいて上述したソフトウェアアプリケーションである。
【0044】
図3Cは、協力セッションを実行するためのユーザインタフェースを示している。ユーザインタフェース274は、セッションに参加した後に参加者に表示され、参加者がファシリテータにデジタル記録を送信することを可能にする。ユーザインタフェース274は、セッション名276、デジタル記録のドラフトのためのセクション278、及びファシリテータに送信されたデジタル記録のためのセクション280、を含む。この参加者がファシリテータにデジタル記録282を送信すると、デジタル記録は、ファシリテータの受信箱内に記録286として現れる。参加者は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ上でスワイプ操作を実行してデジタル記録をユーザインタフェース外に移動させることによって、又はタッチスクリーンディスプレイ上でデジタル記録をタップすることによって、ファシリテータにデジタル記録を送信することができる。デジタル記録は、セッションのために、ネットワークリンク、例えばインターネットウェブアドレスを介してファシリテータに送信され、本質的にリアルタイムでファシリテータによって受信される。参加者は、デジタル記録上で個人的に作業し、参加者のデジタル記録は、デジタル記録がファシリテータに送信されてグループと共有された後に、他の参加者だけが見ることができる。参加者がビデオ会議中にファシリテータに記録を送信している場合、参加者はまた、協力するために自分及び他の参加者のデジタル記録に対してコメントすることができる。
【0045】
参加者は、セッションに参加している際に開かれたソフトウェアアプリケーション、例えば、記録管理システムのセクションにおいて上述したソフトウェアアプリケーションを使用して、デジタル記録を作成するか、又は物理的記録を対応するデジタル記録に変換することができる。参加者はまた、ソフトウェアアプリケーションが物理的記録を対応するデジタル記録に変換するために、1つ以上の物理的記録を参加者デバイス上のカメラに対して保持することによって、インスタント通信機能を使用してデジタル記録を作成することができる。
【0046】
このインスタント通信機能は、物理的記録、乾式消去ホワイトボード、又はカメラ、例えば画像取り込みデバイス18を通して見られる他の物理的製品によって、即時に通信するための方法である。カメラは、例えば、ウェブカメラ、又はコンピュータ、携帯電話若しくは同様のデジタルデバイスカメラであり得る。この方法により、例えば、システムにログインする必要なしに、又は電子メールシステムを通してデジタル的に送信するために記録又はコンテンツをタイプする動作を実行する必要なしに、グループ又は個人とのより高速な通信を可能にする。この方法は、キーボード又はカーソル制御デバイスを使用する必要性を排除して、参加者がホワイトボード又は物理的記録をスケッチすることを可能にし、これにより例えば、カメラを介して検出して対応するデジタル記録に変換した後に、他の人が見ることができる。
【0047】
例えば、リモートで又は自分のラップトップコンピュータ上で作業している参加者によって既に使用されているカメラを利用することによって、このインスタント通信機能は、参加者が単に物理的記録上で書き込み、次いでその記録をカメラに対して保持してソフトウェアアプリケーションによって取り込ませて、対応するデジタル記録に変換するための方法を作成し、これにより、次にデジタル記録をデジタルツールに追加するか、又はファシリテータに送信して、協力を継続することができる。参加者はまた、ホワイトボードにカメラを向けることによって協力することができ、かつファシリテータ又は他の参加者が見るホワイトボードにコンテンツをスケッチ又は追加することができ、そのようなコンテンツは、ファシリテータに送信されてグループに追加される、対応するデジタル記録に変換される。カメラはまた、オンにされると、会議室の乾式消去壁に向くスマートカメラであってもよい。物理的記録を壁上に配置するだけで、カメラをトリガして記録を自動的に取り込み、それを対応するデジタル記録に変換してリモート参加者と共有することができる。
【0048】
このインスタント通信方法の1つのバージョンでは、参加者又は他のユーザは、物理的記録上に書き込み、その物理的記録を既にオンになっているカメラにアップして保持すると、記録のデジタルバージョンが、本明細書で説明する協力機能などのデジタル協力ツール内に現れる。物理的記録は、ソフトウェアアプリケーションがカメラビュー内の物理的記録の存在を自動的に検出して、物理的記録を対応するデジタル記録に変換することによって、対応するデジタル記録に変換され得る。この変換は、記録管理システムのセクションにおいて上述したように起こり得る。
【0049】
記録は、記録として適格化するビデオフレーム内のオブジェクトを認識するために、機械学習技法を使用して、カメラ(例えば、画像取り込みデバイス18)からのビデオフィード内のビデオフレームを処理することによって、自動的に検出することができる。ビデオフレームは、ビデオ会議を実行しているサーバ側でビデオフィードから取得されて処理され得る。あるいは、ビデオフレームは、ソフトウェアアプリケーションを通してビデオフィードをルーティングするために、ソフトウェアアプリケーションをカメラにリンクされた仮想カメラとして使用することによって、クライアント側で取得されて処理され得る。
【0050】
あるいは、参加者又はユーザは、書き込まれたテキストをスキャンして、スキャンされたテキストをビデオ会議の「チャット」ウィンドウ内に移動させることができる。書き込まれたテキストには、独自の記録、例えばApp Clip、ロゴ、又は任意の印刷されたグラフィックデザインを要求するために、書き込み面上に受託者マーク(例えば、物理的記録、乾式消去ボード)を含むことができる。別のオプションは、参加者又はユーザが、ノート又は別の書き込み面における記録の周りに四角形を描いて、記録として取り込むべきコンテンツを示すことである。また、複数の物理的記録を、同時に取り込むことができる。物理的記録の対応するデジタル記録への変換と共に取り込まれ得る他のコンテンツには、参加者がカメラビュー内で保持している物理的記録の音声説明などのリッチコンテンツ、並びに記録の作成者及び場合によっては日付及びタイムスタンプなどのメタデータが含まれる。取り込まれた物理的記録はまた、その後のアクションを示すために、又は記録を様々なカテゴリ(例えば、新しいアクションアイテム、新しいアイデア、又は別のものへの委任)に編成するために使用され得る。
【0051】
「インスタント」という用語は、このインスタント通信機能のラベルとしてのみ使用され、カメラビュー内の物理的記録の対応するデジタル記録への変換は、典型的にはリアルタイムで生じるが、瞬間的である必要はない。
【0052】
ファシリテータは、次いで、デジタル記録を、受信箱から、参加者と共有されるセッション用のボード内の任意のグループに移動させることができる。この例では、ファシリテータは、ユーザインタフェース284に示されるように、デジタル記録286をセクション288内のグループ1に移動させている。ファシリテータは、例えば、タッチスクリーンディスプレイ上でのドラッグアンドドロップ操作を使用してデジタル記録をグループに移動させて、デジタル記録をグループに移動させることができる。ユーザインタフェース292は、ユーザインタフェース292を表示するファシリテータの共有画面を介して参加者が見るために、記録286がグループ1に移動されたことを示している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C
【国際調査報告】