(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】温度制御一体型の金属製流通式反応装置モジュールの製造方法、及び製造されたモジュール
(51)【国際特許分類】
B23K 20/00 20060101AFI20240416BHJP
B01J 19/24 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B23K20/00 340
B01J19/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559759
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022021279
(87)【国際公開番号】W WO2022212115
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】バーキー,ジョージ エドワード
(72)【発明者】
【氏名】クイン,リチャード アラン
【テーマコード(参考)】
4E167
4G075
【Fターム(参考)】
4E167AA03
4E167AC07
4E167CA11
4E167CB01
4E167CB02
4E167CB03
4E167DB01
4G075AA02
4G075AA39
4G075AA56
4G075BA10
4G075DA01
4G075DA12
4G075FB01
4G075FB02
(57)【要約】
流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法は、第1の金属プレートの第1の主面上にフラックス保持構成を形成するステップと、その後、第1の主面にフラックスを塗布するステップと、を含む。フラックス保持構成は、フラックスの少なくとも一部を第1の主面上に保持するように構成されている。本方法は、第2の金属プレートの第2の主面を第1の金属プレートの第1の主面に対して配置するステップをさらに含む。第2の金属プレートは、1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が第2の金属プレートの第2の主面に画成されている。フラックスは、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間に配置される。また本方法は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部を熱接合させるステップをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップと、
前記フラックスが前記フラックス保持構成に接するように、第1の金属プレートの第1の主面、及び、第2の金属プレートの第2の主面、のうちの一方以上に前記フラックスを塗布するステップと、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気又は不活性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部を熱接合させるステップと、
を含む、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法。
【請求項2】
前記1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第1の主面に画成されるとともに、前記1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第2の主面に画成されており、
少なくとも一部が前記第1の主面に画成されている前記1本以上の流路が、少なくとも一部が前記第2の主面に画成されている前記1本以上の流路と位置合わせされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラックスが、炭化物粉末と窒化物粉末のうちの一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを加熱するステップが、加熱と同時に、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて一体にプレスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フラックス保持構成が、
前記フラックスを塗布する前に前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上に塗布される接着剤
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上におけるテクスチャ、及び
前記フラックスを含む水性混合物であって、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップの前に、前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上に塗布されるように構成されている混合物
のうちの1つ以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
流体コネクタの一部、及び、前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートの少なくとも一方を通って延びるポートであって、前記金属製流通モジュールの外部から前記1本以上の流路と流体連通するように構成されているポート、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記流体コネクタの前記一部と前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの前記少なくとも一方との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記ポートに前記流体コネクタを接続するステップと、
前記流体コネクタと、前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気又は前記不活性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の金属プレートの、前記第2の主面とは反対側の第3の主面、及び、第3の金属プレートの第4の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第3の主面及び前記第4の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第3の主面及び前記第4の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気又は前記不活性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の主面を有する第1の金属プレートと、
第2の主面を有する第2の金属プレートと、
を備え、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとは、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている、流通式反応装置用の金属製流通モジュール。
【請求項9】
第3の主面を有する第3の金属プレートと、
第5の主面を有する第4の金属プレートと、
をさらに備え、
前記第3の主面、及び、前記第1の金属プレートの、前記第1の主面とは反対側の第4の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第3の金属プレートとは、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、
前記第5の主面、及び、前記第2の金属プレートの、前記第2の主面とは反対側の第6の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第2の金属プレートと前記第4の金属プレートとは、前記第5の主面と前記第6の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている、
請求項8に記載の流通モジュール。
【請求項10】
流体コネクタをさらに備え、
前記流体コネクタは、該流体コネクタと前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの少なくとも一方との第2の当接部におけるフラックス接合により、前記1本以上の流路と流体連通するように合体されている、請求項8に記載の流通モジュール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年3月29日を出願日とする米国仮特許出願第63/167154号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、この仮出願のすべての開示内容は、参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、流通式反応装置において有用に利用することのできる金属製流通モジュールの製造方法に関し、より詳細には、金属製流通モジュール、特に、冷却一体型ステンレス鋼製モジュール本体内に貫通通路を内包していることを特徴とするステンレス鋼製流通モジュールを、効率的かつ低コストに製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
流路の形状をマイクロメートルやミリメートル、さらにそれ以下などのセンチメートル未満の規模まで小さくすることにより、容積に対する表面積の比率が大きくなるため、物質と熱の移動を強化させることができる。これにより、従来のバッチ処理の場合には数分から数時間かかっていた反応時間を、数秒にまで短縮できることも珍しくない。そして、かかるプロセス強化により反応速度を上昇させることによって、反応体積あたりの生成物合成速度を向上させることができる。また、このような流路を採用した連続流通式反応装置の応用範囲は拡大しており、あらゆる規模の有機合成のみならず、その他の化学処理用途でも採用が広がっている。
【0004】
このようなデバイスに対する関心が急速に高まっている背景には、このデバイスから得られる利点が幅広いことが考えられる。通常、マイクロメートルやミリメートル、さらにそれ以下などのセンチメートル未満の規模の流路を採用した連続流通式反応装置は、従来のバッチ式反応装置に比べて、熱や物質の移動が促進され、安全性が向上するとともに、制御性も高い。さらに、多くの場合、複数の反応工程、精製工程、分析工程を1つの連続製造ユニットに統合することもできる。
【0005】
流通式のシステムは通常、ポリマー製又は金属製のチューブなどの比較的単純な既製パーツと標準コネクタとを組み合わせて、複数の流通式反応装置モジュールを1つに合体させることにより構築される。このようなパーツは、入手が容易で安価ではあるが、プロセス強化の用途、特に激しい物質移動又は熱交換が望まれる用途で用いた場合には、実現できる設計の複雑性が制限されてしまう。一方、流通式反応装置モジュールの内部には、より複雑な流路構造を設けることができる。このモジュールデバイスには、混合構造(mixing structure)や、滞留時間流路、分離ユニット、インライン分析用インタフェースなどのいくつかの構造的要素が組み込まれている。
【0006】
流通式反応装置モジュールは、様々な既製の設計で市販されており、このような既製のモジュールは、様々な不活性材料(最も一般的な不活性材料としては、ガラス、ステンレス鋼/ハステロイ(Hastelloy)(登録商標)金属、炭化ケイ素セラミックが挙げられる)で形成されている。モジュールの製造は、マイクロマシニング、レーザアブレーション、エッチング、レーザ焼結、型枠成形などの様々な技術で行うことができるが、これらの技術は特に低コストというわけではない。比較的低コストで製造する方法として、組み合わせて用いる金属プレートの合わせ面の一方又は両方の面に溝を加工した後に、プレートの合わせ面同士を圧縮エラストマーガスケットで封着する方法がある。この封着を利用した手法は、比較的低コストではあるものの、封着の持つ性質により、流体式モジュールの動作温度と圧力が制限されてしまっていた。
【0007】
また、一部の流通式システムでは、反応が強化された結果、発熱性が非常に高くなるため、安全かつ効率的に反応を行うために補助冷却が必要になる場合もある。補助冷却としては、反応装置モジュールの両側を覆う冷却ジャケットを挙げることができる。冷却ジャケットは、冷却ジャケットへの出入口ポートと、冷却ジャケットと流体式モジュールの側部との間の合わせ面とに、エラストマーガスケットを備えることができる。この方法もやはり低コストではあるが、封着を利用した手法であるため、封着の性質のために、冷却ジャケットの動作温度と圧力に制限が課されてしまっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、高性能流通式反応装置をより低コストに製造する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のいくつかの態様によれば、金属製流通モジュールを形成する方法は、第1の金属プレートの第1の主面上にフラックス保持構成を形成するステップと、第1の金属プレートの第1の主面にフラックスを塗布するステップと、第2の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が第2の金属プレートの第2の主面に画成されており、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置されるように、第2の金属プレートの第2の主面を第1の金属プレートの第1の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部を熱接合させるステップと、を含む。
【0010】
複数の実施形態において、第1の金属プレートは、1本以上の流路をさらに有することができる。当該1本以上の流路の少なくとも一部が第1の主面に画成されており、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路は、第2の主面に画成されている1本以上の流路と位置合わせされる。
【0011】
複数の実施形態において、フラックスは、炭化物粉末又は窒化物粉末を含む。炭化物粉末又は炭化物粉末混合物、具体的には炭化ホウ素を含むもの、が最も好ましい。
【0012】
複数の実施形態において、プレートを加熱するステップは、プレート同士を一体にプレスしながら行う。あるいは、これに代えて、プレート周縁部に配置した締結具、又はプレート周縁部とプレート中央部(中心部)の選択された位置の両方に配置した締結具でプレート同士を合体させるなどにより、プレートを加熱する前に、プレート同士を機械的に締め付けておくこともできる。
【0013】
複数の実施形態において、第1のプレート及び第2のプレートを互いに対して配置する前に、第1のプレート及び第2のプレートの主面の少なくとも一部を、耐薬品性被膜で被覆しておくことができる。被覆される部分は、流路の位置に対応し、流路の位置に位置合わせされるように画定される。あるいは、これに代えて、プレート同士を合わせて非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の金属プレートの主面と第2の金属プレートの主面との当接部を熱接合させた後に、流路を耐薬品性被膜で被覆することもできる。いずれの場合も、耐薬品性被膜が望ましく、耐薬品性被膜は、炭化物被膜、好ましくは炭化ケイ素を含む。
【0014】
複数の実施形態において、本方法は、機械加工などにより、1本以上の流路を第1のプレートの上記主面に形成して、1本以上の流路の少なくとも一部を第1のプレートの上記主面に画成するステップをさらに含む。
【0015】
複数の実施形態において、本方法は、流体コネクタの一部にフラックスを塗布するステップと、流体コネクタが1本以上の流路と流体連通されるように、第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの一方に流体コネクタを接続するステップであって、流体コネクタの上記一部と第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの上記一方との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように流体コネクタを接続するステップと、流体コネクタと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む。
【0016】
複数の実施形態において、本方法は、第2の金属プレートの、第2の主面とは反対側の第3の主面にフラックスを塗布するステップと、第3の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が第3の金属プレートの第4の主面に画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第3の金属プレートの第4の主面を第2の金属プレートの第3の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む。
【0017】
複数の実施形態において、本方法は、第3の金属プレートの第3の主面にフラックスを塗布するステップと、第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第1の金属プレートの、第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第1の金属プレートの第4の主面を第3の金属プレートの第3の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む。
【0018】
他の実施形態では、流通式反応装置などの流体処理用の流通モジュールは、第1の主面を有する第1の金属プレートと、第2の主面及び1本以上の流路を有する第2の金属プレートと、を備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第2の主面に画成されており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、第1の主面と第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0019】
他の実施形態では、本流通モジュールは、第3の主面及び1本以上の流路を有する第3の金属プレートをさらに備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第3の主面に画成されており、第2の金属プレートと第3の金属プレートとは、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第4の主面と第3の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0020】
他の実施形態では、本流通モジュールは、第3の主面を有する第3の金属プレートをさらに備え、第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第1の金属プレートの、第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、第1の金属プレートと第3の金属プレートとは、第3の主面と第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0021】
さらに他の実施形態では、本流通モジュールは、第5の主面及び1本以上の流路を有する第4の金属プレートをさらに備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第5の主面に画成されており、第2の金属プレートと第4の金属プレートとは、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第6の主面と第5の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0022】
さらに他の実施形態では、流通式反応装置又は他の流体処理において有用な流通モジュールが提供される。本流通モジュールは、互いに反対側の第1の主面と第2の主面を有する第1の金属プレートと、互いに反対側の第1の主面と第2の主面と、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路とを有する第2の金属プレートと、を備えており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、それぞれの第1の主面を互いに向き合わせた状態で、互いに向かい合う面の間にフラックスを助剤とした相互拡散、融合又はその両方を起こすことによって一体化されている。
【0023】
本開示の方法及びこれにより製造されるモジュールによれば、金属製又はステンレス鋼製の流通式反応装置モジュールを低コストに製造する方法が提供される。モジュールに流体カプラを埋め込んだ構成とすれば、モジュールへの接続を簡単に行う手段をユーザに提供することができる。また、かかる埋め込みを行うプロセスもまた簡便なプロセスである上、このプロセスにより、一体化されたプレートとカプラとの間に強固な封着が生成される。また、本方法及びモジュールにより、ガスケットやOリングなどの有機材料を使用せずに封着(密閉)された流通式反応装置モジュールが提供されるため、高温プロセス(高温反応)などの、有機材料では対応できなかったプロセス(反応)を行うことが可能となる。
【0024】
以下の詳細な説明において、さらなる特徴及び利点を記載する。下記のさらなる特徴及び利点は、当業者であれば、その説明からただちに理解するか、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって理解するであろう。
【0025】
上述の概略的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、例示的なものであり、本開示及び添付の特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することのみを意図したものであることを理解されたい。
【0026】
添付の図面は、本開示の原理のさらなる理解のために添付するものであり、本明細書に組み込まれるとともにその一部をなすものとする。図面は、1つ以上の実施形態を例示的に示すものであり、以下の詳細な説明と併せて、本開示の原理及び作用を例示的に説明するものである。本明細書及び図面に開示される本開示の種々の特徴は、ありとあらゆる組み合わせで用いることができることを理解されたい。限定を意図するものではないが、例えば、以下の実施形態に従って、本開示の様々な特徴を互いに組み合わせることができる。
【0027】
以下は、添付図面に含まれる図面の説明である。なお、図面は、必ずしも縮尺通りに図示されているわけではなく、分かりやすくしたり簡潔にしたりするために、図面内の特定の特徴や特定の図の縮尺や形を誇張して示している場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の複数の態様に係る流通モジュールを形成する方法を示すフロー図
【
図2】本開示の複数の態様に係る金属プレートの一実施形態であって、1本以上の流路が機械加工された金属プレートを撮影したデジタル写真
【
図3】本開示の複数の態様に係る流通モジュールの一実施形態を撮影したデジタル写真
【
図4】本開示の複数の態様に係る流通モジュールの他の実施形態を撮影したデジタル写真
【
図5】本開示の複数の態様に係る流通モジュールの一実施形態の端部を近接撮影したデジタル写真であって、流通モジュールの第1のプレートと第2のプレートとの間の封着を示す写真
【
図6】本開示に係る流通モジュールを形成する複数の態様を模式的に示す分解斜視図
【
図7】本発明の複数の態様に係る流通モジュールの簡略的な断面模式図であり、流通モジュール内を延びる流路の形状を示す図
【
図8】流通モジュールが一体型冷却を備える場合の、
図1に示す方法の続きの部分を示すフロー図
【
図9】本開示に係る冷却一体型流通モジュールを形成する複数の態様を模式的に示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明において、さらなる特徴及び利点を記載する。下記のさらなる特徴及び利点は、当業者であれば、詳細な説明から明らかとなるであろうし、あるいは、特許請求の範囲及び添付の図面とともに以下の詳細な説明に記載される実施形態を実施することにより理解するであろう。
【0030】
本明細書において、「及び/又は」という用語を2つ以上の項目の列記において使用する場合、列記された項目のうちいずれか1つを単独で使用してもよく、又は列記された項目のうち2つ以上を任意の組み合わせで使用してもよいことを意味している。例えば、組成物が成分A、B及び/又はCを含有すると記載している場合、この組成物は、A単独、B単独、C単独、AとBとの組み合わせ、AとCとの組み合わせ、BとCとの組み合わせ、又はAとBとCとの組み合わせを含有することができる。
【0031】
本明細書において、第1(first)と第2(second)、上(top)と下(bottom)などの関係性用語は、ある実体又は動作を他の実体又は動作と区別するためにのみ用いるものであり、これらの実体又は動作間の何らかの実際の関係又は順序を必ずしも要求又は示唆するものではない。
【0032】
当業者及び本開示を製造又は使用する者であれば、本開示の変形例を想起するであろう。従って、当然ながら、図面に示す上述の各実施形態は、例示を目的としたものに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の範囲は、後述の特許請求の範囲により規定されるものであり、特許請求の範囲は、均等論(doctrine of equivalents)を含む特許法原則に従って解釈されるものである。
【0033】
本開示の目的に沿った趣旨では、「結合(coupled)」という用語(couple、coupling、coupledなどのすべての変化形を含む)は、2つのコンポーネントが直接的又は間接的に互いに合体(join)している状態を広く意味している。かかる合体は、固定的な合体である場合もあれば、可動性のある合体である場合もある。かかる合体は、2つのコンポーネントと任意の補助的な中間部材とを一体形成して、全体が相互に一体化された状態とするか、2つのコンポーネントが一体化された状態とすることにより実現することができる。なお、特に断りのない限り、かかる合体は、恒久的な合体であっても、取り外し(着脱)可能な合体であってもよい。
【0034】
本明細書において、「約(about)」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータなどの数量や特性が、必ずしも厳密なものではなく、厳密にその値である必要もなく、むしろ、公差や、換算係数、端数処理、測定誤差などの当業者に公知の他の因子を必要に応じて織り込んだ、その数量や特性の近似値及び/又はそれに前後する値とすることができることを意味している。よって、「約」という用語が、或る値又は或る範囲の一端点の記述に使用されている場合には、その特定の値又は特定の端点が本開示に含まれるものと理解されたい。なお、本明細書において、或る数値又は或る範囲の一端点が「約」で導かれているか否かにかかわらず、当該数値又は範囲の端点は、「約」による修飾を受けた実施形態と「約」による修飾を受けない実施形態という2つの実施形態を含むことが意図されている。また、各範囲の両端点が持つ意味は、互いに相関しているとともに互いに独立でもあることも理解されるであろう。
【0035】
本明細書において、「実質的な(substantial)」や「実質的に(substantially)」という用語、及びその変化形は、記載した特徴が、値又は記載に等しい又は略等しいことを付記することを意図したものである。例えば、「実質的に平坦な(substantially planar)」面は、平坦又は略平坦な面を指すことを意図している。また、「実質的に」によって、2つの値が等しい又はほぼ等しいことを示すことも意図している。いくつかの実施形態では、「実質的に」によって、互いの誤差が約10%以内である値を示すことができ、例えば、互いの誤差が約5%以内、又は、互いの誤差が約2%以内である値を示すことができる。
【0036】
本明細書において、方向性を示す用語(例えば、上へ(up)、下へ(down)、右(right)、左(left)、前(front)、後(back)、上(top)、下(bottom)など)は、図面を参照したものに過ぎず、絶対的な向きを意味することを意図するものではない。
【0037】
本明細書において、「the(その/前記)」、「a」又は「an」は、「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、特にそうではない旨が明記されている場合を除き、「1つだけ(only one)」を意味するものと限定されるべきではない。従って、例えば、或るコンポーネントを冠詞「a」で導く表現は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、そのコンポーネントを2つ以上有する実施形態も包含する。
【0038】
図1は、金属製流通モジュールを形成する方法100を示すフロー図である。
図2~
図7は、金属製流通モジュール200の実施形態を示しており、これらの図を参照して、方法100を説明する。金属製流通モジュール200は、第1の主面204を有する第1の金属プレート202と、第2の主面208を有する第2の金属プレート206とを備えている。第1の金属プレート202は、第1の主面204の反対側に第3の主面210を有している。第2の金属プレート206は、第2の主面208の反対側に第4の主面212を有している。また、第2の金属プレート206は、1本以上の流路214をさらに有している。1本以上の流路214の少なくとも一部が、第2の主面208に画成されている。いくつかの実施形態では、第1の金属プレート202も、1本以上の流路216を有している。1本以上の流路216の少なくとも一部が、第1の主面204に画成されている。
【0039】
図1に示す方法100は、第1の金属プレート202の第1の主面204にフラックスを塗布するステップ110を含んでいる。次のステップとして、方法100は、第1の金属プレート202の第1の主面204を第2の金属プレート206の第2の主面208に対して配置するステップ120を含んでいる。この配置では、第1の主面204と第2の主面208とが互いに向き合い、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置される。本明細書において、(第1の当接部、第2の当接部などの)「当接部(contacting portion)」とは、この用語を使用する際に言及している面の一部であって、これらの面同士を相対するように配置した場合に、フラックスがなければ接していたと考えられる部分を意味している。具体的には、第1の当接部は、第1の主面204の一部及び第2の主面208の一部であって、第1の主面204を第2の主面208に対して配置した場合に、フラックスがなければ接していたと考えられる部分のことである。
【0040】
第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206の両方に(1本以上の)流路214、216を備える実施形態では、配置するステップ(ステップ120)において、ねじロッドなどの位置合わせ機構を複数利用して、第1の金属プレート202と第2の金属プレート206の位置を合わせることができる。金属製流通モジュール200が一体型冷却を備えない場合(ステップ130で「いいえ」の場合)、方法100は、非酸化性雰囲気中で第1の金属プレート202と第2の金属プレート206を合わせた状態で加熱して、第1の主面204及び第2の主面208の当接部を熱接合させるステップ140を含んでいる。金属製流通モジュールが一体型冷却を備える場合(ステップ130で「はい」の場合)は、方法100は、さらなるステップに進む。これについては、本開示の
図8を参照した説明において後述する。
【0041】
好ましい実施形態(
図7がこれを最もよく示す図である)では、第2の金属プレート206の(1本以上の)流路214が、第1の金属プレート202の(1本以上の)流路216と位置合わせされて、各流路214、216が、金属製流通モジュール200内を延びる少なくとも1本の共通流路218の一部を画成する。(1本以上の)流路214、216は、隣接する流路面同士が出会う箇所にエッジフィレット217を有することが好ましい。エッジフィレット217により、流路内の圧力による機械的応力が軽減され、流路を通る流体の流れが整えられる。
【0042】
流路214、216それぞれの経路、又は流路214、216に共通する経路に沿った流路214、216の深さは、第1の主面204と第2の主面208との第1の当接部により画定される平面P(
図7)に関して、対称であっても、非対称であってもよく、あるいは対称な部分と非対称な部分を含む構成とすることもできる。第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206のうちの一方のみが流路を有している実施形態では、第1の当接部の平面Pからの流路の深さは、最大約7mm、又さらには最大約10mmである。
図7に示すような、第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206の両方が流路を有しているさらなる実施形態では、第1の当接部の平面Pからの各流路の深さは、最大約3.5mm、又さらには最大約5mmであり、流路の軸方向最表面間の総距離は最大約7mm、又さらには最大約10mmである。さらなる実施形態では、平面Pからの流路の深さ、又は流路の総深さは、10mmより大きくすることができ、あるいは3.5mmより小さくすることもできる。
【0043】
第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206の金属は、316Lステンレス鋼である。316Lステンレス鋼は、様々な厚さやサイズで容易に入手することができる高耐食性の金属である。ただし、「ハステロイ」などの他のステンレス鋼やさらに他の金属を使用することもできる。
【0044】
フラックスは、完成したモジュールの耐薬品性を保つための炭化物粉末とすることが好ましい。任意の炭化物粉末(炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化ハフニウムなど)又はそれらの混合物を使用することができる。窒化物粉末(窒化ケイ素)の中にも同様の接合性を有するものはあるものの、炭化物粉末フラックスの方が窒化物に比べて耐食性の点で優れていることが確認されている。いくつかの実施形態では、堆積又は散布により、第1の主面を炭化物粉末又は炭化物粉末混合物で完全に被覆する。
【0045】
いくつかの実施形態では、炭化物粉末又は炭化物粉末混合物が第1の主面上に形成する層は、単子層(monolayer)状の厚さを有している。この単子層状の厚さとは、フラックスを形成する粉末粒子の単粒子層の厚さに近似した厚さのことである。流路の深さが1mmを上回る場合、又は好ましくは、2mm、3mm、若しくは5mmを上回る場合には、炭化物粉末又は炭化物粉末混合物の層を、単子層状の厚さよりも大きい厚さまで堆積させることができる。
【0046】
一方、流路の深さが1mm以下の場合には、第1の主面上に微量の炭化物粉末又は炭化物粉末混合物を堆積させた層とすることができる。さらに、第1の当接部同士の密着性を良好なものとするためには、第1の主面204及び第2の主面208を平滑な平坦面とする必要がある。また、第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206の加熱時の両プレート間でのイオンの拡散を促進するため、ピーク接合温度は、少なくとも1210℃とすることが好ましい。
【0047】
複数の実施形態において、本方法は、金属プレート表面に塗布したフラックス粉末が所定の位置に保持されるように構成されたフラックス保持構成を形成するステップを含む。複数の実施形態において、フラックス保持構成は、フラックス粉末を塗布する前に金属プレートの主面にミスト状に噴霧される接着剤である。接着剤の上に粉末を塗布した後、金属プレートの主面を均一に摩擦することにより余分な粉末が除去される。また、複数の実施形態において、金属プレートは、主面におけるテクスチャの形態のフラックス保持構成を備えることもできる。かかる構成は、例えば、ステンレス鋼器具の表面に施されるブラシ仕上げに類似したテクスチャとすることができる。さらなる実施形態では、フラックス保持構成は、フラックス粉末を含む水性混合物である。例えば、刷毛塗り、ローラ塗り、噴霧などにより、混合物を主面に塗布することにより、混合物を、塗布後も主面上のほぼ所定の位置に留まらせることができる。さらなる実施形態では、炭化物粉末又は炭化物粉末混合物がかかったあらゆる表面で、フラックス保持構成が働く。
【0048】
フラックス接合プロセスは、非酸化性雰囲気又は不活性雰囲気(アルゴン、真空など)で行う必要がある。炭化物粉末の場合、ピーク温度で90分間処理することにより、適切に接合プロセスを行うことができる。炭化ホウ素のピーク接合温度は約1210℃と、他の炭化物粉末のピーク接合温度よりかなり低いため、封着温度を低くしたい場合に好ましいフラックス剤は炭化ホウ素である。例えば、炭化ケイ素を用いたフラックスの場合には、約1340℃のピーク接合温度が必要となる。
【0049】
接合ステップは外側からのプレスなしで行うこともできるが、複数の実施形態によれば、プレート同士を一体にプレスしながら、加熱ステップを行うことができる。ただし、プレートが比較的大きくなるにつれて、プレート周縁部に配置したねじやボルトでプレート同士を合体させるなどにより、加熱前にプレート同士を機械的に締め付けておくことが好ましくなる。
【0050】
図2は、本開示の方法で使用されるプレート206を示している。プレート206はステンレス鋼であり、プレートの主面208には、機械加工などにより流路214が形成されている。
図2の写真では直接見ることができないが、プレート206の主面212は、主面208の反対側に位置している。流路214は、2つの入口219と、出口220とを有している。
【0051】
図3は、加熱ステップを終えた、完成した(封着された)状態のモジュール200を示している。また、金属製の流体コネクタ221が追加されている。
【0052】
図4は、加熱ステップを終えた、別の完成した(封着された)状態のモジュール200を示している。モジュール200は、複数の締結具223を備えている。締結具223は、モジュール200の周縁部の位置に配置され、プレート202、206同士を合わせた状態で保持して、加熱時の反りや分離の防止を図るものである。この例でもやはり、金属製の流体コネクタ221が追加されている。
【0053】
本方法の他の態様によれば、流体の出入口に使用される流体コネクタ221(スウェージロック社(Swagelok)(登録商標)製継手など)のねじ部分をフラックス材で被覆してから、流体コネクタ221を各プレートにねじ込み、その後、加熱ステップを行う。これにより、流体コネクタ221とモジュール200の間に恒久性と耐久性を有する封着が形成される。フラックスを助剤とした熱接合でコネクタをプレートに接合させない場合には、高い圧力をかけた場合に漏れが発生してしまう恐れがある。この目的で用いるフラックスは、炭化ケイ素粉末と炭化ホウ素粉末とを含む水性塗料混合物の形態をとることができる。
【0054】
用途によっては、ステンレス鋼の持つ耐食性よりもさらに高い耐食性が必要になる場合もある。そのような用途の場合には、金属プレートの流路を画成する表面部分に、炭化ケイ素などの炭化物膜の形態の耐薬品性被膜を堆積した後に、プレートを配置するステップや加熱・接合プロセスを行う。いくつかの実施形態では、炭化物膜は流路の表面のみに選択的に施される。これらの実施形態では、金属プレートの当接部をマスクで覆った状態で、プラズマ蒸着により炭化物膜を施すことができる。またこれに代えて、加熱・接合ステップ後の完成したモジュール内の流路に被膜を施すこともできる。
【0055】
本開示の他の態様として提供される、流通式反応装置又は他の流体処理において有用な流通モジュールは、互いに反対側の第1の主面と第2の主面を有する第1の金属プレートと、互いに反対側の第1の主面と第2の主面と、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路とを有する第2の金属プレートと、を備えており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、それぞれの第1の主面を互いに向き合わせた状態で、フラックス接合により一体化されている。
【0056】
また、本開示のさらに他の態様として提供される、流通式反応装置又は他の流体処理において有用な流通モジュールは、互いに反対側の第1の主面と第2の主面を有する第1の金属プレートと、互いに反対側の第1の主面と第2の主面と、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路とを有する第2の金属プレートと、を備えており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、それぞれの第1の主面を互いに向き合わせた状態で、互いに向かい合う面の間にフラックスを助剤とした相互拡散、融合又はその両方を起こすことによって一体化されている。
【0057】
図5は、本開示の複数の態様に係る流通モジュールの一実施形態の端部を近接撮影したデジタル写真である。
図5には、モジュール200の第1のプレート202と第2のプレート206との間の封着が示されている。図示の通り、界面260では、プレート202とプレート206との互いに向き合う面の間に、フラックスを助剤とした相互拡散、融合又はその両方が生じており、これにより強固な封着が生成されている。
【0058】
図8は、金属製流通モジュールが一体型冷却を備える場合の、方法100の続きの部分を示すフロー図である。
図9は、金属製流通モジュール300を示しており、この図を参照して、方法100の追加説明を行う。金属製流通モジュール300は、第5の主面224と第6の主面226とを有する第3の金属プレート222をさらに含む。第6の主面226は第5の主面224の反対側の面である。金属製流通モジュール300は、第7の主面230と第8の主面232とを有する第4の金属プレート228をさらに含む。第8の主面232は第7の主面230の反対側の面である。また、第4の金属プレート228は、1本以上の流路234をさらに有している。1本以上の流路234の少なくとも一部が、第7の主面230に画成されている。金属製流通モジュール300において、第1の金属プレート202が1本以上の流路236をさらに有しており、1本以上の流路236の少なくとも一部が、第3の主面210に画成され、第1の主面204から流路216を省略するのが好ましい点を除けば、金属製流通モジュール200と金属製流通モジュール300との間で、第1の金属プレート202及び第2の金属プレート206は本質的に同一である。
【0059】
図8に示す方法100は、第3の金属プレート222の第5の主面224にフラックスを塗布するステップ150をさらに含んでいる。次のステップとして、方法100は、第1の金属プレート202の第3の主面210を第3の金属プレート222の第5の主面224に対して配置するステップ160を含んでいる。この配置では、第3の主面210と第5の主面224とは互いに向き合い、第3の主面と第5の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置される。次のステップとして、方法100は、第2の金属プレート206の第4の主面212にフラックスを塗布するステップ170を含んでいる。次のステップとして、方法100は、第4の金属プレート228の第7の主面230を第2の金属プレート206の第4の主面212に対して配置するステップ180を含んでいる。この配置では、第4の主面212と第7の主面230とは互いに向き合い、第4の主面と第7の主面との第3の当接部の間にフラックスが配置される。そして次のステップとして、方法100は、非酸化性雰囲気中で第1の金属プレート202と第2の金属プレート206と第3の金属プレート222と第4の金属プレート228を合わせた状態で加熱して、第1の主面204と第2の主面208との第1の当接部の熱接合、第3の主面210と第5の主面224との第2の当接部の熱接合、及び第4の主面212と第7の主面230との第3の当接部の熱接合を起こすステップ190を含んでいる。
【0060】
本開示の方法及びモジュールによれば、金属製又はステンレス鋼製の流通式反応装置モジュールを低コストに製造する方法が提供される。モジュールに流体カプラを埋め込んだ構成とすれば、モジュールへの接続を簡単に行う手段をユーザに提供することができる。また、かかる埋め込みを行うプロセスもまた簡便なプロセスである上、このプロセスにより、一体化されたプレートとカプラとの間に強固な封着が生成される。また、本方法により、ガスケットやOリングなどの有機材料を使用せずに封着(密閉)された流通式反応装置モジュールが提供されるため、高温プロセス(高温反応)などの、有機材料では対応できなかったプロセス(反応)を行うことが可能となる。
【0061】
本開示の第1の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法を含む。本方法は、フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップと、フラックスがフラックス保持構成に接するように、第1の金属プレートの第1の主面、及び、第2の金属プレートの第2の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第1の主面及び第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置されるように、第1の主面及び第2の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部を熱接合させるステップと、を含む。
【0062】
本開示の第2の態様は、1本以上の流路の少なくとも一部が、第1の主面に画成されるとともに、1本以上の流路の少なくとも一部が、第2の主面に画成されており、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路が、少なくとも一部が第2の主面に画成されている1本以上の流路と位置合わせされる、第1の態様に係る方法を含む。
【0063】
本開示の第3の態様は、フラックスが、炭化物粉末と窒化物粉末のうちの一方を含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0064】
本開示の第4の態様は、フラックスが、炭化ホウ素粉末を含む、第3の態様に係る方法を含む。
【0065】
本開示の第5の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを加熱するステップが、加熱と同時に、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて一体にプレスするステップを含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0066】
本開示の第6の態様は、加熱するステップの前に、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップをさらに含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0067】
本開示の第7の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、プレート周縁部に配置した締結具で合体させるステップを含む、第6の態様に係る方法を含む。
【0068】
本開示の第8の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、プレート中心部に配置した少なくとも1つの締結具で合体させるステップを含む、第6の態様に係る方法を含む。
【0069】
本開示の第9の態様は、第1の主面及び第2の主面の少なくとも一部を、耐薬品性被膜で被覆するステップをさらに含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0070】
本開示の第10の態様は、被覆される部分が、1本以上の流路の位置に対応し、1本以上の流路の位置に位置合わせされるように画定される、第9の態様に係る方法を含む。
【0071】
本開示の第11の態様は、耐薬品性被膜が炭化物被膜である、第9の態様に係る方法を含む。
【0072】
本開示の第12の態様は、フラックス保持構成が、フラックスを塗布する前に第1の主面及び第2の主面のうちの上記一方以上に塗布される接着剤を含んでいる、第1の態様に係る方法を含む。
【0073】
本開示の第13の態様は、フラックス保持構成が、第1の主面及び第2の主面のうちの一方以上におけるテクスチャを含んでいる、第1の態様に係る方法を含む。
【0074】
本開示の第14の態様は、フラックス保持構成が、フラックスを含む水性混合物であり、当該混合物は、第1の主面及び第2の主面を互いに対して配置するステップの前に、第1の主面及び第2の主面のうちの上記一方以上に塗布されるように構成されている、第1の態様に係る方法を含む。
【0075】
本開示の第15の態様は、流体コネクタの一部、及び、第1の金属プレート及び第2の金属プレートの少なくとも一方を通って延びるポートであって、金属製流通モジュールの外部から1本以上の流路と流体連通するように構成されているポート、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、流体コネクタの上記一部と第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの上記少なくとも一方との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、ポートに流体コネクタを接続するステップと、流体コネクタと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0076】
本開示の第16の態様は、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第3の主面、及び、第3の金属プレートの第4の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第3の主面及び第4の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第3の主面及び第4の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第1の態様に係る方法を含む。
【0077】
本開示の第17の態様は、第1の金属プレートの第1の主面とは反対側の第5の主面、及び、第4の金属プレートの第6の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第5の主面及び第6の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第5の主面と第6の主面との第3の当接部の間にフラックスが配置されるように、第5の主面及び第6の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートと、第4の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部、第2の当接部、及び第3の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第16の態様に係る方法を含む。
【0078】
本開示の第18の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法を含む。本方法は、第1の金属プレートの第1の主面及び第2の金属プレートの第2の主面のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第1の主面及び第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置されるように、第1の主面及び第2の主面を互いに対して配置するステップと、流体コネクタの一部、及び、第1の金属プレート及び第2の金属プレートの少なくとも一方を通って延びるポートであって、金属製流通モジュールの外部から1本以上の流路と流体連通するように構成されているポート、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、流体コネクタの上記一部と第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの上記少なくとも一方との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、流体コネクタをポートに接続するステップと、流体コネクタと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、を含む。
【0079】
本開示の第19の態様は、フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップをさらに含み、第1の当接部及び第2の当接部のうちの1つ以上において、フラックスがフラックス保持構成に接する、第18の態様に係る方法を含む。
【0080】
本開示の第20の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法を含む。本方法は、第1の金属プレートの第1の主面及び第2の金属プレートの第2の主面のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第1の主面及び第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置されるように、第1の主面及び第2の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートの第1の主面とは反対側の第3の主面、及び、第3の金属プレートの第4の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第3の主面及び第4の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第3の主面及び第4の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、を含む。
【0081】
本開示の第21の態様は、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第5の主面、及び、第4の金属プレートの第6の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、第5の主面及び第6の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、第5の主面と第6の主面との第3の当接部の間にフラックスが配置されるように、第5の主面及び第6の主面を互いに対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートと、第4の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部、第2の当接部、及び第3の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第20の態様に係る方法を含む。
【0082】
本開示の第22の態様は、フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップをさらに含み、フラックスは、フラックス保持構成に接する、第20又は第21の態様に記載の方法を含む。
【0083】
本開示の第23の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを含む。本流通モジュールは、第1の主面を有する第1の金属プレートと、第2の主面を有する第2の金属プレートと、を備え、第1の主面及び第2の主面のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、第1の主面と第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0084】
本開示の第24の態様は、第3の主面を有する第3の金属プレートをさらに備え、第3の主面、及び、第1の金属プレートの第1の主面とは反対側の第4の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、第1の金属プレートと第3の金属プレートとは、第3の主面と第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、第23の態様に係る流通モジュールを含む。
【0085】
本開示の第25の態様は、第5の主面を有する第4の金属プレートをさらに備え、第5の主面、及び、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第6の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、第2の金属プレートと第4の金属プレートとは、第5の主面と第6の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている、第24の態様に係る流通モジュールを含む。
【0086】
本開示の第26の態様は、流体コネクタをさらに備え、流体コネクタは、当該流体コネクタと第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの少なくとも一方との第2の当接部におけるフラックス接合により、1本以上の流路と流体連通するように合体されている、第23の態様に係る流通モジュールを含む。
【0087】
本開示の第27の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法を含む。本方法は、第1の金属プレートの第1の主面上にフラックス保持構成を形成するステップと、第1の主面にフラックスを塗布するステップであって、フラックス保持構成が、フラックスの少なくとも一部を第1の主面上に保持するように構成されている、ステップと、第2の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が第2の金属プレートの第2の主面に画成されており、第1の主面と第2の主面との第1の当接部の間にフラックスが配置されるように、第2の金属プレートの第2の主面を第1の金属プレートの第1の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部を熱接合させるステップと、を含む。
【0088】
本開示の第28の態様は、1本以上の流路の少なくとも一部が第1の主面に画成されており、少なくとも一部が第1の主面に画成されている1本以上の流路が、少なくとも一部が第2の主面に画成されている1本以上の流路と位置合わせされる、第27の態様に係る方法を含む。
【0089】
本開示の第29の態様は、フラックスが、炭化物粉末と窒化物粉末のうちの一方を含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0090】
本開示の第30の態様は、フラックスが、炭化ホウ素粉末を含む、第29の態様に係る方法を含む。
【0091】
本開示の第31の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを加熱するステップが、加熱と同時に、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて一体にプレスするステップを含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0092】
本開示の第32の態様は、加熱するステップの前に、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップをさらに含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0093】
本開示の第33の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、プレート周縁部に配置した締結具で合体させるステップを含む、第32の態様に係る方法を含む。
【0094】
本開示の第34の態様は、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、第1の金属プレートと第2の金属プレートとを、プレート中心部に配置した少なくとも1つの締結具で合体させるステップを含む、第32の態様に係る方法を含む。
【0095】
本開示の第35の態様は、第1の主面及び第2の主面の少なくとも一部を、耐薬品性被膜で被覆するステップをさらに含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0096】
本開示の第36の態様は、被覆される部分が、1本以上の流路の位置に対応し、1本以上の流路の位置に位置合わせされるように画定される、第35の態様に係る方法を含む。
【0097】
本開示の第37の態様は、耐薬品性被膜が炭化物被膜である、第35の態様に係る方法を含む。
【0098】
本開示の第38の態様は、流体コネクタの一部にフラックスを塗布するステップと、流体コネクタが1本以上の流路と流体連通されるように、第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの一方に流体コネクタを接続するステップであって、流体コネクタの上記一部と第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの上記一方との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように流体コネクタを接続するステップと、流体コネクタと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0099】
本開示の第39の態様は、第2の金属プレートの、第2の主面とは反対側の第3の主面にフラックスを塗布するステップと、第3の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が第3の金属プレートの第4の主面に画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第3の金属プレートの第4の主面を第2の金属プレートの第3の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0100】
本開示の第40の態様は、第3の金属プレートの第3の主面にフラックスを塗布するステップと、第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第1の金属プレートの、第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、第3の主面と第4の主面との第2の当接部の間にフラックスが配置されるように、第1の金属プレートの第4の主面を第3の金属プレートの第3の主面に対して配置するステップと、第1の金属プレートと、第2の金属プレートと、第3の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、第1の当接部及び第2の当接部を熱接合させるステップと、をさらに含む、第27の態様に係る方法を含む。
【0101】
本開示の第41の態様は、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを含む。本流通モジュールは、第1の主面を有する第1の金属プレートと、第2の主面及び1本以上の流路を有する第2の金属プレートと、を備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第2の主面に画成されており、第1の金属プレートと第2の金属プレートとは、第1の主面と第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている。
【0102】
本開示の第42の態様は、第3の主面及び1本以上の流路を有する第3の金属プレートをさらに備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第3の主面に画成されており、第2の金属プレートと第3の金属プレートとは、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第4の主面と第3の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、第41の態様に係る流通モジュールを含む。
【0103】
本開示の第43の態様は、第3の主面を有する第3の金属プレートをさらに備え、第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第1の金属プレートの、第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、第1の金属プレートと第3の金属プレートとは、第3の主面と第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、第41の態様に係る流通モジュールを含む。
【0104】
本開示の第44の態様は、第5の主面及び1本以上の流路を有する第4の金属プレートをさらに備え、当該1本以上の流路の少なくとも一部が、第5の主面に画成されており、第2の金属プレートと第4の金属プレートとは、第2の金属プレートの第2の主面とは反対側の第6の主面と第5の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている、第43の態様に係る流通モジュールを含む。
【0105】
本開示の第45の態様は、流体コネクタをさらに備え、流体コネクタは、当該流体コネクタと第1の金属プレート及び第2の金属プレートのうちの少なくとも一方との第2の当接部におけるフラックス接合により、1本以上の流路と流体連通するように合体されている、第41の態様に係る流通モジュールを含む。
【0106】
以上、説明のために、例示的な実施形態及び実施例について記載したが、上述の説明は、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定することを何ら意図するものではない。従って、本開示の趣旨及び諸原則から実質的に逸脱しない範囲で、上述の実施形態及び実施例に対して変形や変更を加えることができる。そして、そのようなすべての変更や変形が、本開示の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲の保護の対象となることが意図されている。
【0107】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0108】
実施形態1
フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップと、
前記フラックスが前記フラックス保持構成に接するように、第1の金属プレートの第1の主面、及び、第2の金属プレートの第2の主面、のうちの一方以上に前記フラックスを塗布するステップと、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部を熱接合させるステップと、
を含む、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法。
【0109】
実施形態2
前記1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第1の主面に画成されるとともに、前記1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第2の主面に画成されており、
少なくとも一部が前記第1の主面に画成されている前記1本以上の流路が、少なくとも一部が前記第2の主面に画成されている前記1本以上の流路と位置合わせされる、実施形態1に記載の方法。
【0110】
実施形態3
前記フラックスが、炭化物粉末と窒化物粉末のうちの一方を含む、実施形態1に記載の方法。
【0111】
実施形態4
前記フラックスが、炭化ホウ素粉末を含む、実施形態3に記載の方法。
【0112】
実施形態5
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを加熱するステップが、加熱と同時に、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて一体にプレスするステップを含む、実施形態1に記載の方法。
【0113】
実施形態6
前記加熱するステップの前に、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0114】
実施形態7
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、プレート周縁部に配置した締結具で合体させるステップを含む、実施形態6に記載の方法。
【0115】
実施形態8
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、プレート中心部に配置した少なくとも1つの締結具で合体させるステップを含む、実施形態6に記載の方法。
【0116】
実施形態9
前記第1の主面及び前記第2の主面の少なくとも一部を、耐薬品性被膜で被覆するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0117】
実施形態10
前記被覆される部分が、前記1本以上の流路の位置に対応し、前記1本以上の流路の位置に位置合わせされるように画定される、実施形態9に記載の方法。
【0118】
実施形態11
前記耐薬品性被膜が炭化物被膜である、実施形態9に記載の方法。
【0119】
実施形態12
前記フラックス保持構成が、前記フラックスを塗布する前に前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上に塗布される接着剤を含んでいる、実施形態1に記載の方法。
【0120】
実施形態13
前記フラックス保持構成が、前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上におけるテクスチャを含んでいる、実施形態1に記載の方法。
【0121】
実施形態14
前記フラックス保持構成が、前記フラックスを含む水性混合物であり、
該混合物は、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップの前に、前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの前記一方以上に塗布されるように構成されている、実施形態1に記載の方法。
【0122】
実施形態15
流体コネクタの一部、及び、前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートの少なくとも一方を通って延びるポートであって、前記金属製流通モジュールの外部から前記1本以上の流路と流体連通するように構成されているポート、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記流体コネクタの前記一部と前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの前記少なくとも一方との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記ポートに前記流体コネクタを接続するステップと、
前記流体コネクタと、前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0123】
実施形態16
前記第2の金属プレートの前記第2の主面とは反対側の第3の主面、及び、第3の金属プレートの第4の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第3の主面及び前記第4の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第3の主面及び前記第4の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0124】
実施形態17
前記第1の金属プレートの前記第1の主面とは反対側の第5の主面、及び、第4の金属プレートの第6の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第5の主面及び前記第6の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第5の主面と前記第6の主面との第3の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第5の主面及び前記第6の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートと、前記第4の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部、前記第2の当接部、及び前記第3の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
【0125】
実施形態18
第1の金属プレートの第1の主面及び第2の金属プレートの第2の主面のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップと、
流体コネクタの一部、及び、前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートの少なくとも一方を通って延びるポートであって、前記金属製流通モジュールの外部から前記1本以上の流路と流体連通するように構成されているポート、のうちの一方以上に前記フラックスを塗布するステップと、
前記流体コネクタの前記一部と前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの前記少なくとも一方との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記流体コネクタを前記ポートに接続するステップと、
前記流体コネクタと、前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
を含む、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法。
【0126】
実施形態19
前記フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップをさらに含み、
前記第1の当接部及び前記第2の当接部のうちの1つ以上において、前記フラックスが前記フラックス保持構成に接する、実施形態18に記載の方法。
【0127】
実施形態20
第1の金属プレートの第1の主面及び第2の金属プレートの第2の主面のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第1の主面及び前記第2の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートの前記第1の主面とは反対側の第3の主面、及び、第3の金属プレートの第4の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第3の主面及び前記第4の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第3の主面及び前記第4の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
を含む、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法。
【0128】
実施形態21
前記第2の金属プレートの前記第2の主面とは反対側の第5の主面、及び、第4の金属プレートの第6の主面、のうちの一方以上にフラックスを塗布するステップと、
前記第5の主面及び前記第6の主面のうちの少なくとも一方に、1本以上の流路が画成されており、前記第5の主面と前記第6の主面との第3の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第5の主面及び前記第6の主面を互いに対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートと、前記第4の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部、前記第2の当接部、及び前記第3の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態20に記載の方法。
【0129】
実施形態22
前記フラックスを所定の位置に保持するように構成されたフラックス保持構成を形成するステップをさらに含み、
前記フラックスは、前記フラックス保持構成に接する、実施形態20又は21に記載の方法。
【0130】
実施形態23
第1の主面を有する第1の金属プレートと、
第2の主面を有する第2の金属プレートと、
を備え、
前記第1の主面及び前記第2の主面のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとは、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている、流通式反応装置用の金属製流通モジュール。
【0131】
実施形態24
第3の主面を有する第3の金属プレートをさらに備え、
前記第3の主面、及び、前記第1の金属プレートの前記第1の主面とは反対側の第4の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第3の金属プレートとは、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、実施形態23に記載の流通モジュール。
【0132】
実施形態25
第5の主面を有する第4の金属プレートをさらに備え、
前記第5の主面、及び、前記第2の金属プレートの前記第2の主面とは反対側の第6の主面、のうちの一方以上に、1本以上の流路が画成されており、
前記第2の金属プレートと前記第4の金属プレートとは、前記第5の主面と前記第6の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている、実施形態24に記載の流通モジュール。
【0133】
実施形態26
流体コネクタをさらに備え、
前記流体コネクタは、該流体コネクタと前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの少なくとも一方との第2の当接部におけるフラックス接合により、前記1本以上の流路と流体連通するように合体されている、実施形態23に記載の流通モジュール。
【0134】
実施形態27
第1の金属プレートの第1の主面上にフラックス保持構成を形成するステップと、
前記第1の主面にフラックスを塗布するステップであって、前記フラックス保持構成が、前記フラックスの少なくとも一部を前記第1の主面上に保持するように構成されている、ステップと、
第2の金属プレートが1本以上の流路を有しており、該1本以上の流路の少なくとも一部が前記第2の金属プレートの第2の主面に画成されており、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第2の金属プレートの前記第2の主面を前記第1の金属プレートの前記第1の主面に対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部を熱接合させるステップと、
を含む、流通式反応装置用の金属製流通モジュールを形成する方法。
【0135】
実施形態28
1本以上の流路の少なくとも一部が前記第1の主面に画成されており、
少なくとも一部が前記第1の主面に画成されている前記1本以上の流路が、少なくとも一部が前記第2の主面に画成されている前記1本以上の流路と位置合わせされる、実施形態27に記載の方法。
【0136】
実施形態29
前記フラックスが、炭化物粉末と窒化物粉末のうちの一方を含む、実施形態27に記載の方法。
【0137】
実施形態30
前記フラックスが、炭化ホウ素粉末を含む、実施形態29に記載の方法。
【0138】
実施形態31
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを加熱するステップが、加熱と同時に、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて一体にプレスするステップを含む、実施形態27に記載の方法。
【0139】
実施形態32
前記加熱するステップの前に、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0140】
実施形態33
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、プレート周縁部に配置した締結具で合体させるステップを含む、実施形態32に記載の方法。
【0141】
実施形態34
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを合わせて機械的に締め付けるステップが、前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとを、プレート中心部に配置した少なくとも1つの締結具で合体させるステップを含む、実施形態32に記載の方法。
【0142】
実施形態35
前記第1の主面及び前記第2の主面の少なくとも一部を、耐薬品性被膜で被覆するステップをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0143】
実施形態36
前記被覆される部分が、前記1本以上の流路の位置に対応し、前記1本以上の流路の位置に位置合わせされるように画定される、実施形態35に記載の方法。
【0144】
実施形態37
前記耐薬品性被膜が炭化物被膜である、実施形態35に記載の方法。
【0145】
実施形態38
流体コネクタの一部にフラックスを塗布するステップと、
前記流体コネクタが前記1本以上の流路と流体連通されるように、前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの一方に前記流体コネクタを接続するステップであって、前記流体コネクタの前記一部と前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの前記一方との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように前記流体コネクタを接続するステップと、
前記流体コネクタと、前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0146】
実施形態39
前記第2の金属プレートの、前記第2の主面とは反対側の第3の主面にフラックスを塗布するステップと、
第3の金属プレートが1本以上の流路を有しており、該1本以上の流路の少なくとも一部が前記第3の金属プレートの第4の主面に画成されており、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第3の金属プレートの前記第4の主面を前記第2の金属プレートの前記第3の主面に対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0147】
実施形態40
第3の金属プレートの第3の主面にフラックスを塗布するステップと、
前記第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、該1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第1の金属プレートの、前記第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部の間に前記フラックスが配置されるように、前記第1の金属プレートの前記第4の主面を前記第3の金属プレートの前記第3の主面に対して配置するステップと、
前記第1の金属プレートと、前記第2の金属プレートと、前記第3の金属プレートとを、前記非酸化性雰囲気中で加熱して、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を熱接合させるステップと、
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0148】
実施形態41
第1の主面を有する第1の金属プレートと、
第2の主面及び1本以上の流路を有する第2の金属プレートと、
を備え、
該1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第2の主面に画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとは、前記第1の主面と前記第2の主面との第1の当接部におけるフラックス接合により合体されている、流通式反応装置用の金属製流通モジュール。
【0149】
実施形態42
第3の主面及び1本以上の流路を有する第3の金属プレートをさらに備え、
該1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第3の主面に画成されており、
前記第2の金属プレートと前記第3の金属プレートとは、前記第2の金属プレートの前記第2の主面とは反対側の第4の主面と前記第3の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、実施形態41に記載の流通モジュール。
【0150】
実施形態43
第3の主面を有する第3の金属プレートをさらに備え、
前記第1の金属プレートが1本以上の流路を有しており、該1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第1の金属プレートの、前記第1の主面とは反対側の第4の主面に画成されており、
前記第1の金属プレートと前記第3の金属プレートとは、前記第3の主面と前記第4の主面との第2の当接部におけるフラックス接合により合体されている、実施形態41に記載の流通モジュール。
【0151】
実施形態44
第5の主面及び1本以上の流路を有する第4の金属プレートをさらに備え、
該1本以上の流路の少なくとも一部が、前記第5の主面に画成されており、
前記第2の金属プレートと前記第4の金属プレートとは、前記第2の金属プレートの、前記第2の主面とは反対側の第6の主面と前記第5の主面との第3の当接部におけるフラックス接合により合体されている、実施形態43に記載の流通モジュール。
【0152】
実施形態45
流体コネクタをさらに備え、
前記流体コネクタは、該流体コネクタと前記第1の金属プレート及び前記第2の金属プレートのうちの少なくとも一方との第2の当接部におけるフラックス接合により、前記1本以上の流路と流体連通するように合体されている、実施形態41に記載の流通モジュール。
【符号の説明】
【0153】
200、300 金属製流通モジュール
202 第1の金属プレート
206 第2の金属プレート
214、216、234、236 流路
217 エッジフィレット
218 共通流路
219 流路の入口
220 流路の出口
221 流体コネクタ
222 第3の金属プレート
223 締結具
228 第4の金属プレート
【国際調査報告】