(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】磁性又は磁化可能な顔料粒子を含み、1つ又は複数のしるしを示す光学効果層を作製する方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/38 20060101AFI20240416BHJP
B41M 3/14 20060101ALI20240416BHJP
B41M 3/00 20060101ALI20240416BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240416BHJP
B05D 5/12 20060101ALI20240416BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20240416BHJP
B05D 3/14 20060101ALI20240416BHJP
B42D 25/369 20140101ALI20240416BHJP
【FI】
B05D1/38
B41M3/14
B41M3/00 Z
B05D7/24 303D
B05D7/24 301T
B05D5/12 A
B05D3/06 Z
B05D3/14
B05D7/24 303E
B42D25/369
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559832
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2022058389
(87)【国際公開番号】W WO2022207692
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】311007051
【氏名又は名称】シクパ ホルディング ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SICPA HOLDING SA
【住所又は居所原語表記】Avenue de Florissant 41,CH-1008 Prilly, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】マルティーニ, ティボー
(72)【発明者】
【氏名】ピットット, エルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェヤ, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ルッジェロン, リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ガルニエ, ジャン
【テーマコード(参考)】
2C005
2H113
4D075
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HB01
2C005HB02
2C005HB03
2C005HB04
2C005HB09
2C005HB10
2C005HB13
2C005JB11
2C005JB23
2H113AA04
2H113AA06
2H113BA01
2H113BA03
2H113BA09
2H113BA39
2H113BA41
2H113BB02
2H113BB07
2H113BB09
2H113BB22
2H113BC11
2H113CA37
2H113CA39
2H113FA42
2H113FA43
2H113FA48
4D075AC06
4D075AC07
4D075AC47
4D075AE03
4D075AE04
4D075AE13
4D075BB43Z
4D075BB54Z
4D075BB81Z
4D075BB99Z
4D075CA24
4D075DA03
4D075DB31
4D075DC50
4D075EA21
4D075EA33
4D075EA41
4D075EA43
4D075EB23
4D075EB24
4D075EB52
4D075EC03
4D075EC10
4D075EC11
4D075EC23
4D075EC37
4D075EC38
(57)【要約】
本発明は、例えば、偽造及び違法複製に対する紙幣及びアイデンティティ文書などのセキュリティ文書の保護の分野に関する。特に、本発明は、基材(x20)上に、1つ又は複数のしるし(x30)を示す光学効果層(OEL)を作製する方法であって、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含むコーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップと、コーティング層(x10)上にトップコーティング組成物を1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップと、コーティング層(x10)及び1つ又は複数のしるし(x30)を、少なくとも部分的に硬化装置(x50)で硬化するステップとを含む、方法を提供する。
【選択図】
図2A-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学効果層(OEL)を作製する方法であって、前記OELは、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含み、基材(x20)上の1つ又は複数のしるし(x30)を示す単一の、付与され、かつ硬化された層からなる少なくとも2つのエリアからなるモチーフを含み、
方法は、
a)基材(x20)表面上に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子及び約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物を含む放射線硬化性コーティング組成物を付与するステップであり、前記放射線硬化性コーティング組成物は、コーティング層(x10)を形成するために第1の液体状態である、ステップと、
b)ステップa)後に、コーティング層(x10)上にトップコーティング組成物を少なくとも部分的に付与するステップであり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与され、前記トップコーティング組成物は、約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物を含む、ステップと、
c)ステップb)と部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、350nm~470nmの間で放射するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップと、
d)ステップc)後に、コーティング層(x10)を非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、磁界発生装置の磁界にさらすステップと、
e)ステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップとを含み、
放射線硬化性コーティング組成物及びトップコーティング組成物はカチオン硬化性組成物であり、
ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物及びステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、以下の組合せのうちの1つに従って選択される、方法:
i)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、チオキサントン化合物である;
ii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、アントラセン化合物である;
iii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、クマリン化合物である;
iv)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
v)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィド;(4-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(3-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス(4-メチルフェニル)フェニル-スルホニウム;[(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(1-メチルエチル)フェニル]フェニル-スルホニウム;[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;(4-メトキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;1-ナフタレニルジフェニル-スルホニウム;トリス(4-メチルフェニル)-スルホニウム;(4-ブロモフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ヨードフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フルオロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-クロロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フェノキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4’-メチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ジフェニル-スルホニウム;トリス(4-プロピルフェニル)-スルホニウム;ビス(4-ブチルフェニル)フェニル-スルホニウム;トリス[4(1-メチルエチル)フェニル]-スルホニウム;S,S’-1,3-フェニルエンビス[S,S’-ジフェニル]-スルホニウム;(4-ドデシルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ベンゾイルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)(4-メチルフェニル)-スルホニウム;トリス[4-[1,1-ジメチルエチル)フェニル]-スルホニウム;トリフェニル-スルホニウム,5-(4-メチルフェニル)-ジベンゾチオフェニウム;10-(4-メチルフェニル)-9H-チオキサンテニウム;ジフェニル[4-[[(4-フェニルチオフェニル]チオ]フェニル]-スルホニウム;フェニルビス[4-フェニルチオ)フェニル]-スルホニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-チアントレニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-ジベンゾチオフェニウム;10-[4-(ジフェニルチオ)フェニル]-9H-チオキサンテニウム;5-フェニル-チアントレニウム;10-フェニル-9H-チオキサンテニウム;5-(4-メチルフェニル)-チアントレニウム;5-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-チアントレニウム;又はS,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)]フェニル]-スルホニウム;5-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]チアントレニウムであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、アントラセン化合物である;
vi)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、チオキサントン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、ヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
vii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
viii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、クマリン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、ヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
ix)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩であり、カチオン部分は、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウム又は[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムである;
x)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するオキソニウム塩であり、カチオン部分は、2,4,6-トリフェニルピリリウム;2,4,6-トリス(4-メチルフェニル)-ピリリウム;2,4,6-トリス(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;2,6-ビス(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;3-メチル-2,4,6-トリフェニル-ピリリウム;2,4,6-トリス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-ピリリウム;4-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2,6-ジフェニル-ピリリウム、又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-ピリリウムである;
xi)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウム;10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウム;又は(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)ジフェニル-スルホニウムである。
【請求項2】
ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物及びステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、以下の組合せのうちの1つに従って選択される、請求項1に記載の方法:
i’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩であり、カチオン部分は、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム;ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ヨードニウム;(4-イソプロピルフェニル)(4-メチルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウム;(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム;ビス(2,4-ジメチルフェニル)]ヨードニウム;ビス(3,4-ジメチルフェニル)]ヨードニウム;(4-メチルフェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウム;ビス[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム;ビス(4-ブチルフェニル]ヨードニウム;ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-ヘキシルイルフェニル]ヨードニウム;ビス(4-デシルフェニル)ヨードニウム;(4-デシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-ヘキサデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-ヘプタデシルフェニル)ヨードニウム;ビス(4-オクタデシルフェニル)ヨードニウム;(4-デシルフェニル)(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム;(4-デシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム;(4-デシルフェニル)(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム;(4-ドデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム;(4-ドデシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム;(4-ドデシルフェニル)(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム;(4-トリデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム;(4-テトラデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム;(4-テトラデシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム;p-(オクチロキシフェニル)フェニルヨードニウム;[4-[(2-ヒドロキシテトラデシル)オキシ]フェニル]フェニルヨードニウム;フェニル[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム;ビス(4-フルオロフェニル)ヨードニウム;(4-ニトロフェニル)フェニルヨードニウム;(4-ニトロフェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウムであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン;4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン;2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン);2-クロロ-9H-チオキサンテン-9-オン;1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン;1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン;α-[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]-ω-[[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]オキシ]-ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル;α-[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]-ω-[[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]オキシ]-ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル;それらのオリゴマー及びポリマー化合物並びにそれらの混合物からなる群から選択されるチオキサントン化合物である;
ii’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、i’)のヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、9,10-ジエトキシ-アントラセン;9,10-ジブトキシ-アントラセン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアントラセン化合物である;
iii’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、i’)のヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、3-(4-ドデシルベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン、3-(4-C
10-C
13-ベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるクマリン化合物である;
iv’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、i’)のヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、9,10-ジエトキシ-ナフタレンであるナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、9,10-ジエトキシ-アントラセン;9,10-ジブトキシ-アントラセン、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
v’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィド;(4-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(3-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス(4-メチルフェニル)フェニル-スルホニウム;[(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(1-メチルエチル)フェニル]フェニル-スルホニウム;[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;(4-メトキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;1-ナフタレニルジフェニル-スルホニウム;トリス(4-メチルフェニル)-スルホニウム;(4-ブロモフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ヨードフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フルオロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-クロロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フェノキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4’-メチル[1’,1-ビフェニル]-4-イル)ジフェニル-スルホニウム;トリス(4-プロピルフェニル)-スルホニウム;ビス(4-ブチルフェニル)フェニル-スルホニウム;トリス[4(1-メチルエチル)フェニル]-スルホニウム;S,S’-1,3-フェニルエンビス[S,S’-ジフェニル]-スルホニウム;(4-ドデシルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ベンゾイルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)(4-メチルフェニル)-スルホニウム;トリス[4-[1,1-ジメチルエチル)フェニル]-スルホニウム;トリフェニル-スルホニウム;5-(4-メチルフェニル)-ジベンゾチオフェニウム;10-(4-メチルフェニル)-9H-チオキサンテニウム;ジフェニル[4-[[(4-フェニルチオフェニル]チオ]フェニル]-スルホニウム;フェニルビス[4-フェニルチオ)フェニル]-スルホニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-チアントレニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-ジベンゾチオフェニウム;10-[4-(ジフェニルチオ)フェニル]-9H-チオキサンテニウム;5-フェニル-チアントレニウム;10-フェニル-9H-チオキサンテニウム;5-(4-メチルフェニル)-チアントレニウム;5-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-チアントレニウム;又はS,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-スルホニウムであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ii’)のアントラセン化合物である;
vi’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、v’)のスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、i’)のチオキサントン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、i’)のヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
vii’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、v’)のスルホニウム塩であり、
ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、9,10-ジエトキシ-ナフタレンであるナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、9,10-ジエトキシ-アントラセン、9,10-ジブトキシ-アントラセン、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
viii’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、v’)のスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、iii’)のクマリン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、i’)のヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
ix’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v’)のもののいずれかであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩であり、カチオン部分は、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウム又は[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムである;
x’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v’のもののいずれかであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するオキソニウム塩であり、カチオン部分は、2,4,6-トリフェニルピリリウム;2,4,6-トリス(4-メチルフェニル)-ピリリウム;2,4,6-トリス(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;2,6-ビス(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;3-メチル-2,4,6-トリフェニル-ピリリウム;2,4,6-トリス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-ピリリウム;4-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2,6-ジフェニル-ピリリウム(又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-ピリリウムである;
xi’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v’のもののいずれかであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウム;10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウム;又は(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)ジフェニル-スルホニウムである。
【請求項3】
ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物及びステップb)の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、以下の組合せのうちの1つに従って選択される、請求項1又は2に記載の方法:
i’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート又はビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートであるヨードニウム塩であり;ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン、チオキサントンオリゴマー又はポリマー、又は1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパンであるチオキサントン化合物である;
ii’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセンであるアントラセン化合物である;
iii’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、3-(4-ドデシルベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オンであるクマリン化合物である;
iv’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセンであるアントラセン化合物であり、少なくとも他の1つは、9,10-ジエトキシ-ナフタレンであるナフタレン化合物である;
v’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートであるスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセンであるアントラセン化合物である;
vi’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートであるスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オンであるチオキサントン化合物であり、少なくとも他の1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであるヨードニウム塩である;
vii’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートであるスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセンであるアントラセン化合物であり、少なくとも他の1つは、9,10-ジエトキシ-ナフタレンであるナフタレン化合物である;
xi’’)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであるヨードニウム塩であり、又は4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートであるスルホニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムである。
【請求項4】
コーティング層(x10)を、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、磁界発生装置の磁界にさらすステップを更に含み、前記ステップは、ステップb)の後又は部分的に同時に、かつステップc)の前に実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コーティング層(x10)を、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、磁界発生装置の磁界にさらすステップを更に含み、前記ステップは、ステップa)の後、かつステップb)の前に実行される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
コーティング層(x10)をさらすステップd)及び/又は請求項4又は5の、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップは、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
コーティング層(x10)をさらすステップd)及び/又は請求項4又は5の、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップは、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために実行され、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子であり、粒子の主な延在面を定義するX軸及びY軸を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング層(x10)をさらす前記ステップd)が、前記小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向して、それらのX軸及びY軸の両方を前記基材表面に実質的に平行にするために実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップd)及び/又は請求項4又は5の、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップは、2つのステップ、コーティング層(x10)を、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、磁界発生装置の磁界にさらす第1のステップ、及びコーティング層(x10)を、少なくとも小板状の磁性又は磁化可能な粒子の一部を単軸方向に配向するために、第2の磁界発生装置の磁界にさらす第2のステップからなり、前記第2のステップは、第1のステップと部分的に同時に、同時に、又は後に実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記放射線硬化性コーティング組成物を付与する前記ステップa)は、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択されるプロセスによって実行される、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記トップコーティング組成物を付与する前記ステップb)が、非接触流体マイクロディスペンシング技術、好ましくは、インクジェット印刷プロセスによって実行される、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記非球状の磁性又は磁化可能な粒子の少なくとも一部が、非球状の光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子によって構成される、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記非球状の光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子が、磁性薄膜干渉顔料、磁性コレステリック液晶顔料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ又は複数のしるしが、コード、シンボル、英数字のシンボル、モチーフ、幾何学模様、文字、単語、数、ロゴ、図、ポートレート、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の方法によって作製された光学効果層(OEL)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
[001]本発明は、磁気的に配向された非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む光学効果層(OEL)を作製するための磁界発生装置及び方法の分野に関する。特に、本発明は、OELを作製するためにコーティング層中で非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を磁気的に配向する磁界発生装置及び方法、並びに前記OELの装飾の目的と同様にセキュリティ文書又はセキュリティ物品に対する偽造防止の手段としての使用を提供する。
【0002】
[発明の背景]
[002]例えば、セキュリティ文書の分野において、セキュリティ要素の作製に対して、配向された磁性又は磁化可能な顔料粒子、特に、また、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子を含むインク、組成物、コーティング、又は層を使用することは本技術分野において公知である。配向された磁性又は磁化可能な顔料粒子を含むコーティング又は層は、例えば、米国特許第2,570,856号;米国特許第3,676,273号;米国特許第3,791,864号;米国特許第5,630,877号、及び米国特許第5,364,689号において開示されている。配向された磁性カラーシフト顔料粒子を含むコーティング又は層は、特に魅力的な光学的効果をもたらし、セキュリティ文書の保護に役立ち、国際公開第2002/090002号及び国際公開第2005/002866号において開示されている。
【0003】
[003]例えば、セキュリティ文書についてのセキュリティ特徴は、一般に、一方では「秘密」セキュリティ特徴に、他方では「公然」セキュリティ特徴に分類することができる。秘密セキュリティ特徴によってもたらされる保護は、そのような特徴が検知するのが難しいという原理に依存し、典型的には、専門的な装置及び検知のための知識を必要とする一方で、「公然」セキュリティ特徴は、自力での人間感覚で容易に検知できる概念に依存し、例えば、そのような特徴は、作製及び/又は複製することが依然として困難である一方、可視である、及び/又は触覚によって検知可能であり得る。しかし、公然セキュリティ特徴の有効性は、セキュリティ特徴としてそれらの容易な認識に著しく依存する。
【0004】
[004]印刷インク又はコーティング中の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、対応して構成された磁界の付与による磁気誘導画像、デザイン及び/又はパターンの作製を可能にさせ、未硬化(つまり湿潤)コーティングにおける磁性又は磁化可能な顔料粒子の局所的配向、その後コーティングの硬化を引き起こす。この結果は、固定安定磁気誘導画像、デザイン、又はパターンである。コーティング組成物中の磁性又は磁化可能な顔料粒子の配向のための材料及び技術は、例えば、米国特許第2,418,479号;米国特許第2,570,856号;米国特許第3,791,864号、独国特許出願公開第2006848号、米国特許第3,676,273号、米国特許第5,364,689号、米国特許第6,103,361号、欧州特許第0406667号;米国特許出願公開第2002/0160194号;米国特許出願公開第2004/0009309号;欧州特許出願公開第0710508号;国際公開第2002/09002号;国際公開第2003/000801号;国際公開第2005/002866号;国際公開第2006/061301号において開示されている。そのような方法では、偽造に対して耐性の高い磁気誘導パターンを作製することができる。問題のセキュリティ要素は、磁性又は磁化可能な顔料粒子又は対応する顔料インク及び前記インクを印刷し、印刷されたインク中で前記顔料を配向するために使用される特定の技術の両方にアクセスすることによってのみ作製することができる。
【0005】
[005]土及び/又は水分の使用及び時間への時期尚早の不利益な影響から磁気誘導画像を含むセキュリティ文書又は物品を保護する目的で、慣行的に保護ワニスを付与している。前記保護ワニスは、既に調製された乾燥/硬化磁気誘導画像上に連続層として付与される。
【0006】
[006]国際公開第2011/012520号は、デザインの形態を有するコーティング層を含む転写箔を開示し、前記デザインは、画像、しるし、又はパターンを表す配向された光学的可変磁性顔料を含む。転写箔は、トップコーティング層を更に含んでいてもよく、前記トップコーティング層は、光学的可変磁性顔料を含む層の付与の前に付与される。前記転写箔を作製するプロセスは、a)トップコーティング層を付与し、前記トップコーティング層を硬化(hardening)/硬化(curing)するステップ、及びb)光学的可変磁性顔料を含む層を付与し、粒子を磁気的に配向し、前記層を硬化(hardening)/硬化(curing)するステップを含む。開示された方法は、個人用可変しるしを示すのに必要な磁気誘導画像を作製するのに適切でない。
【0007】
[007]欧州特許第1641624号、欧州特許第1937415号、及び欧州特許第2155498号は、しるしを、光学効果層(OEL)を形成するために磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む未硬化(つまり湿潤)コーティング組成物に磁気的に転写するための装置及び方法を開示している。開示された方法は、顧客固有の磁気的デザインを有するセキュリティ文書及び物品の作製を可能にする。しかし、開示された磁気デバイスは、顧客固有の磁気的デザインを満足するように調製され、前記デザインが、ある物品から他の物品に変わることが必要とされる場合、変更することができず、したがって、方法は、個人用可変しるしを示すのに必要なOELを作製するのに適切でない。
【0008】
[008]欧州特許第3170566号、欧州特許出願公開第3459758号、欧州特許第2542421号及び国際公開第2020/148076号は、光学的可変磁気インクへの可変しるしの作製のための異なる方法を開示している。しかし、前記方法は、フォトマスク、レーザー又はアドレス可能LEDなどの特別の装置の使用を必要とする。
【0009】
[009]セキュリティ文書又は物品に磁気特性を有する可変情報をもたらす目的で、磁気粒子を含むインクジェットインクは、磁気インキ文字認識(MICR)を可能にするように開発されている。しかし、前記インクジェットインクは、特に、前記インクの有効期限安定性、インク印刷性、不均一磁気インクデポジット、及び印刷ヘッド目詰りに関係する様々な問題に直面する。欧州特許第2223976号は、MICR特徴を含む書類の作製のための方法を開示し、前記方法は、ゲル化剤を含む硬化性インクのパターンを基材上にインクジェットによって付与するステップ、インクをインクのゲル化温度より下の温度に冷却するステップ、インクに磁性材料を付与するステップ、最後に前記インクを硬化するステップを含む。あるいは、磁気粒子を含むトナーも開発されており、例えば、米国特許第10,503,091号及び米国特許第10,359,730号において開示されている。しかし、特定の専用装置はそれらのトナーを印刷することが必要である。
【0010】
[010]したがって、汎用的に、工業規模上で1つ又は複数のしるしを示すカスタマイズされた光学効果層を作製する方法の必要性があり、前記光学効果層は目立つ効果を示す。さらに、前記方法は、信頼でき、実施することが簡単で、高い作製速度で機能することが可能であるべきである。
【0011】
[発明の概要]
[011]したがって、本発明は、先行技術の欠陥を克服することを目的とする。これは、光学効果層(OEL)を作製する方法であって、前記OELは、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含み、基材(x20)上の1つ又は複数のしるし(x30)を示す単一の、付与され、かつ硬化された層からなる少なくとも2つのエリアからなるモチーフを含み、
方法は、
a)基材(x20)表面上に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子及び約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物を含む放射線硬化性コーティング組成物を付与するステップであり、前記放射線硬化性コーティング組成物は、コーティング層(x10)を形成するために第1の液体状態である、ステップと、
b)ステップa)後に、コーティング層(x10)上にトップコーティング組成物を少なくとも部分的に付与するステップであり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与され、前記トップコーティング組成物は、約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物を含む、ステップと、
c)ステップb)と部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、350nm~470nmの間で放射するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップと、
d)ステップc)後に、コーティング層(x10)を非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、磁界発生装置の磁界にさらすステップと、
e)ステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップとを含み、
放射線硬化性コーティング組成物及びトップコーティング組成物はカチオン硬化性組成物であり、
ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物及びステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、以下の組合せのうちの1つに従って選択される、方法:
i)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、チオキサントン化合物である;
ii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、アントラセン化合物である;
iii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、クマリン化合物である;
iv)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
v)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィド;(4-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(3-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス(4-メチルフェニル)フェニル-スルホニウム;[(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;ビス[4-(1-メチルエチル)フェニル]フェニル-スルホニウム;[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム;(4-メトキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;1-ナフタレニルジフェニル-スルホニウム;トリス(4-メチルフェニル)-スルホニウム;(4-ブロモフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ヨードフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フルオロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-クロロフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-フェノキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4’-メチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ジフェニル-スルホニウム;トリス(4-プロピルフェニル)-スルホニウム;ビス(4-ブチルフェニル)フェニル-スルホニウム;トリス[4(1-メチルエチル)フェニル]-スルホニウム;S,S’-1,3-フェニルエンビス[S,S’-ジフェニル]-スルホニウム;(4-ドデシルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;(4-ベンゾイルフェニル)ジフェニル-スルホニウム;ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)(4-メチルフェニル)-スルホニウム;トリス[4-[1,1-ジメチルエチル)フェニル]-スルホニウム;トリフェニル-スルホニウム,5-(4-メチルフェニル)-ジベンゾチオフェニウム;10-(4-メチルフェニル)-9H-チオキサンテニウム;ジフェニル[4-[[(4-フェニルチオフェニル]チオ]フェニル]-スルホニウム;フェニルビス[4-フェニルチオ)フェニル]-スルホニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-チアントレニウム;5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-ジベンゾチオフェニウム;10-[4-(ジフェニルチオ)フェニル]-9H-チオキサンテニウム;5-フェニル-チアントレニウム;10-フェニル-9H-チオキサンテニウム;5-(4-メチルフェニル)-チアントレニウム;5-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-チアントレニウム;又はS,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)]フェニル]-スルホニウム;5-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]チアントレニウムであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、アントラセン化合物である;
vi)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、チオキサントン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、ヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
vii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む;
viii)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、クマリン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、ヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む;
ix)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩であり、カチオン部分は、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウム又は[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムである;
x)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するオキソニウム塩であり、カチオン部分は、2,4,6-トリフェニルピリリウム;2,4,6-トリス(4-メチルフェニル)-ピリリウム;2,4,6-トリス(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;2,6-ビス(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-ピリリウム;3-メチル-2,4,6-トリフェニル-ピリリウム;2,4,6-トリス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-ピリリウム;4-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2,6-ジフェニル-ピリリウム、又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-ピリリウムである;
xi)ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩、カチオン部分及びアニオン部分を有し、カチオン部分は、v)のもののうちのいずれか1つであるスルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩であり、カチオン部分は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウム;10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウム;又は(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)ジフェニル-スルホニウムである
を提供することによって達成される。
【0012】
[012]1つの好ましい実施形態では、放射線硬化性コーティング組成物を付与するステップa)は、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択されるプロセスによって実行される。
【0013】
[013]1つの好ましい実施形態では、トップコーティング組成物を付与するステップb)は、非接触流体マイクロディスペンシング技術、好ましくは、インクジェット印刷プロセスによって実行される。
【0014】
[014]また、本明細書に記載する方法によって作製された光学効果層(OEL)及びセキュリティ文書、並びに本明細書に記載する1つ又は複数の光学OELを含む装飾要素及び装飾体が本明細書に記載されている。
【0015】
[015]また、セキュリティ文書、又は装飾要素若しくは装飾体を製造する方法が記載され、方法は、a)セキュリティ文書、又は装飾要素若しくは装飾体を設けること、及びb)本明細書に記載するもの、特に本明細書に記載する方法によって得られるものなどの光学効果層を設けて、それはセキュリティ文書又は装飾要素若しくは装飾体によって含まれることを含む。
【0016】
[016]本明細書に記載する方法は、有利には、単層からなり、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物からなる2つ以上のエリアを含む光学効果層(OEL)の作製を可能にし、前記2つ以上のエリアは、高解像度で異なる配向パターンに従って配向された非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含み、前記方法は、フォトマスク又はレーザーを備えた硬化ユニット、又はアドレス可能LED硬化ユニットの使用を必要としない。
【0017】
[017]本明細書に有利に記載する方法は、2つの組成物を有利に使用し、前記2つの組成物は、ウェットオンウェット状態で互いに付与される。特に、本発明による方法は、汎用的に1つ又は複数のしるしを示す光学効果層(OEL)の作製を可能にし、高い作製速度で工業規模で容易に実施することができる。本明細書に記載する方法において使用される2つの組成物は、第1の組成物として、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む、基材(x20)上に付与される放射線硬化性コーティング組成物、及び放射線硬化性コーティング組成物がまだ湿潤未重合状態である場合、顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物上に少なくとも部分的に付与され、前記組成物に部分的に重なり(つまり、少なくとも1つのエリアで重なり)、1つ又は複数のしるしの形態で付与される第2の組成物としてのトップコーティング組成物を含む。
【0018】
[018]本発明は、本明細書に記載する1つ又は複数のしるしを示す目立つ光学効果層(OEL)を作製する、信頼でき、実施することが容易な方法を提供する。開示する方法は、有利には、各可変又は個別化されたしるしについて、及び各及び全ての顧客固有の光学効果層(OEL)について非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を配向するために使用される磁石アセンブリのオーダーメイドを必要とすることなく、かつフォトマスクを備えた硬化ユニット又はアドレス可能LED硬化ユニットの使用を必要とすることなく、汎用のオンライン変化で、実施することが容易で、非常に信頼できる方法で1つ又は複数のしるしも示す顧客固有の磁気設計を有するセキュリティ文書及び品物の作製を可能にする。
【0019】
[019]本明細書に記載する基材(x20)上に1つ又は複数のしるし(x30)を示す光学効果層(OEL)を作製する、本明細書に記載する方法は、図面及び特有の実施形態を参照してより詳細に以下に記載する。
図1は、非球状の、特に小板状の顔料粒子を概略的に説明する。
図2A~2Kは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明し、特に:
図2A1、2は、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を少なくとも部分的に付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を、単軸方向に配向するために(2A1)又は2軸方向に配向するために(2A2)、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2A1)、又はステップd)後に(
図2A2)、コーティング層(210)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Bは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記配向ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Cは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb)、ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Dは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);前記ステップ後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ;及び前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Eは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2F、2Gは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及び、ステップd)と部分的に同時に(
図2F)、又はステップd)後に(
図2G)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2H、2Iは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2H)、又はステップd)後に(
図2I)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Jは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図2Kは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
図3A、Bは、基材(320)上にコーティング層(310)中に磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向(
図3A)又は単軸方向(
図3B)に配向する磁界発生装置を概略的に説明する。
図4A~Dは、本発明(E1~E36)による方法で調製され、比較の方法(C1~C26)によって調製されたOELの写真を示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、非球状の、特に小板状の顔料粒子を概略的に説明する。
【
図2A-1】
図2A1、2は、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を少なくとも部分的に付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を、単軸方向に配向するために(2A1)又は2軸方向に配向するために(2A2)、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2A1)、又はステップd)後に(
図2A2)、コーティング層(210)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2A-2】
図2A1、2は、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を少なくとも部分的に付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を、単軸方向に配向するために(2A1)又は2軸方向に配向するために(2A2)、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2A1)、又はステップd)後に(
図2A2)、コーティング層(210)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2B】
図2Bは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記配向ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2C】
図2Cは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb)、ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2D】
図2Dは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);前記ステップ後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ;及び前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2E】
図2Eは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2F】
図2F、2Gは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及び、ステップd)と部分的に同時に(
図2F)、又はステップd)後に(
図2G)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2G】
図2F、2Gは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及び、ステップd)と部分的に同時に(
図2F)、又はステップd)後に(
図2G)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2H】
図2H、2Iは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2H)、又はステップd)後に(
図2I)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2I】
図2H、2Iは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に(
図2H)、又はステップd)後に(
図2I)、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2J】
図2Jは、本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップと部分的に同時に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、1つ又は複数のしるし(230)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図2K】本発明による基材(220)上に光学効果層(OEL)を作製する方法を概略的に説明する。方法は、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ;前記ステップ後に、コーティング層(210)上にトップコーティング組成物を付与するステップb)であり、前記トップコーティング組成物は、1つ又は複数のしるし(230)の形態で付与されるステップb);ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(230)の下のコーティング層(210)の1つ又は複数のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc);ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd);及びステップd)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(x10)を、250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(260)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【
図3A】
図3A、Bは、基材(320)上にコーティング層(310)中に磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向(
図3A)又は単軸方向(
図3B)に配向する磁界発生装置を概略的に説明する。
【
図3B】
図3A、Bは、基材(320)上にコーティング層(310)中に磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向(
図3A)又は単軸方向(
図3B)に配向する磁界発生装置を概略的に説明する。
【
図4A】
図4A~Dは、本発明(E1~E36)による方法で調製され、比較の方法(C1~C26)によって調製されたOELの写真を示す。
【
図4B】
図4A~Dは、本発明(E1~E36)による方法で調製され、比較の方法(C1~C26)によって調製されたOELの写真を示す。
【
図4C】
図4A~Dは、本発明(E1~E36)による方法で調製され、比較の方法(C1~C26)によって調製されたOELの写真を示す。
【
図4D】
図4A~Dは、本発明(E1~E36)による方法で調製され、比較の方法(C1~C26)によって調製されたOELの写真を示す。
【0021】
[詳細な説明]
(定義)
[020]次の定義は、詳細な説明で検討され、特許請求の範囲に列挙される用語の意味を解釈するために使用される。
【0022】
[021]本明細書において使用される用語「少なくとも1つ」は、1つ又は1つより多い、例えば、1、2又は3を定義するように意味される。
【0023】
[022]本明細書において使用される用語「約」及び「実質的に」は、問題となる量又は値が、指定した特定値、又はその近傍の他のある値を意味する。一般に、ある値を示す用語「約」及び「実質的に」は、値の±5%以内の範囲を示すことが意図される。一例として、表現「約100」は、100±5の範囲、つまり95~105の範囲を示す。一般に、用語「約」及び「実質的に」が使用される場合、本発明による同様の結果又は効果を指示値の±5%の範囲内で得ることができることが期待できる。
【0024】
[023]用語「実質的に平行」は、平行配列から10°以下外れることを指し、用語「実質的に垂直」は、垂直配列から10°以下外れることを指す。
【0025】
[024]本明細書において使用される用語「及び/又は」は、前記グループの要素の全て又は1つのみが存在していてもよいことを意味する。例えば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、又はBのみ、又はA及びBの両方」を意味するものとする。「Aのみ」の場合には、用語は、Bが存在しない可能性、つまり「AのみでありBはない」も包含する。
【0026】
[025]本明細書において使用される用語「含む」は、非排他的及び比限定的であるように意味される。したがって、例えば、化合物Aを含むコーティング組成物は、Aに加えて他の化合物を含んでいてもよい。しかし、用語「含む」は、その特定の実施形態として、より限定的な意味の「から実質的になる」及び「からなる」も包含し、その結果、例えば、「A、B及び任意選択でCを含む湿し水」は、また、(実質的に)A及びBからなってもよく、又は(実質的に)A、B及びCからなってもよい。
【0027】
[026]本明細書において使用される用語「光学効果層」(OEL)は、配向された磁性又は磁化可能な顔料粒子を含むコーティング層を表し、前記磁性又は磁化可能な顔料粒子は、磁界によって配向され、配向された磁性又は磁化可能な顔料粒子は、磁気誘導画像を形成するために、それらの配向及び位置に固定/固化される(つまり硬化後)。
【0028】
[027]用語「コーティング組成物」は、固体基材上に光学効果層(OEL)を形成することができ、限定するものではないが好ましくは印刷方法によって付与することができるいずれの組成物を指す。コーティング組成物は、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子、及び本明細書に記載するバインダーを含む。用語「トップコーティング組成物」は、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含まない組成物を指す。
【0029】
[028]本明細書において使用される用語「湿潤」は、未硬化のコーティング層、例えば、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子が、それらに作用する外力の影響下でそれらの位置及び配向を依然として変更することができるコーティング層を指す。
【0030】
[029]用語「セキュリティ文書」は、少なくとも1つのセキュリティ特徴による偽造又は不正行為から通常保護される書類を指す。セキュリティ文書の例としては、限定されないが、価値書類及び価値商品が挙げられる。
【0031】
[030]用語「セキュリティ特徴」は、認証目的に使用することができる画像、パターン、又は図形要素を表すために使用される。
【0032】
[031]本詳細な説明が「好ましい」実施形態/特徴を指す場合、これらの「好ましい」実施形態/特徴の組合せはまた、この「好ましい」実施形態/特徴の組合せが技術的に意味のある限り開示されるように判断されるものともする。
【0033】
[032]本発明は、基材(x20)上の1つ又は複数のしるし(x30)を示す光学効果層(OEL)を作製する方法を提供し、前記OELは、磁気的に配向された非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子に基づき、1つ又は複数のしるし(x30)を更に示す。前記プロセスの好ましい例は、
図2A~2Kに示される。
【0034】
[033]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するコーティング層(x10)を形成するために、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子及び本明細書に記載する約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物を含む放射線硬化性コーティング組成物を、本明細書に記載する基材(x20)表面に付与するステップa)を含み、前記組成物は、層としてのその付与を可能にし、まだ硬化されていない(つまり、湿潤)状態の第1の液体状態であり、顔料粒子は層内で移動、回転することができる。本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物が基材(x20)表面上に設けられることになるので、放射線硬化性コーティング組成物は、少なくともバインダー材料及び磁性又は磁化可能な顔料粒子を含み、前記組成物は、所望の印刷又はコーティング機器でのその処理を可能にする形態にある。好ましくは、前記ステップa)は、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、凹版印刷(刻印銅印刷、刻印鋼ダイ印刷としても本技術分野において称する)、パッド印刷、及びカーテンコーティングからなる群から好ましくは選択され、より好ましくは凹版印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷、及びフレキソ印刷、更に好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択される印刷プロセスによって実行される。好ましい実施形態によれば、ステップa)は、スクリーン印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷からなる群から選択される印刷プロセスによって実行される。
【0035】
[034]本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、好ましくは、扁長若しくは扁平楕円体形状、小板状若しくは針形状の磁性又は磁化可能な顔料粒子、又はそれらの2つ以上の混合物、より好ましくは小板状の粒子である。
【0036】
[035]本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、それらの非球形状により、硬化されたバインダー材料が少なくとも部分的に透明である入射電磁放射線に対して異方性反射率を有しているとして定義される。本明細書において使用される用語「異方性反射率」は、粒子によって反射される第1の角度からある(観察)方向(第2の角度)への入射放射線の割合が粒子の配向の関数であること、つまり、第1の角度に対する粒子の配向の変化が、観察方向への反射の異なる大きさを引き起こすことができることを表す。好ましくは、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、粒子の配向の変化がある方向へのその粒子による反射の変化をもたらすように、一部に、又は約200~約2500nm、より好ましくは約400~約700nmの完全な波長領域において入射電磁放射線に対して異方性反射率を有する。当業者によって公知のように、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子は、従来の顔料粒子が、粒子配向と無関係に同じ色及び反射率を示すという点で、前記従来の顔料とは異なる一方、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子は、粒子配向に依存する反射若しくは色、又は両方を示す。
【0037】
[036]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物及び本明細書に記載するコーティング層(x10)は、本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状磁性又は磁化可能な顔料粒子を、好ましくは約5重量%~約40重量%、より好ましくは10重量%~約30重量%の量で含み、重量割合は、放射線硬化性コーティング組成物又はコーティング層(x10)の全重量に基づく。
【0038】
[037]本明細書に記載するOELでは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子は、磁性又は磁化可能な顔料粒子の配向及び位置を固定する、硬化されたバインダー材料を含む放射線硬化性コーティング組成物に分散される。バインダー材料は、少なくとも硬化又は固体状態(本明細書において第2の状態とも称する)であり、200nm~2500nmの波長の範囲、つまり「光学スペクトル」と典型的に称し、電磁スペクトルの赤外、可視、及びUV部分を含む波長範囲の電磁放射線に少なくとも部分的に透過性である。したがって、硬化又は固体状態のバインダー材料に含まれる粒子及びそれらの配向依存反射率は、この範囲内のいくつかの波長でバインダー材料を通じて認識されることができる。好ましくは、硬化されたバインダー材料は、200nm~800nm、より好ましくは400nm~700nmの波長の範囲の電磁放射線に少なくとも部分的に透過性である。本明細書において、用語「透過性」は、OELに存在する硬化されたバインダー材料の20μmの層を通じた電磁放射線の透過(非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含まないが、そのような成分が存在する場合、OELの他の全ての任意成分を含む)は、関連波長で少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも70%であることを示す。これは、十分に確立した試験方法、例えば、例えば、DIN5036-3(1979-11)に従って硬化されたバインダー材料(非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含まずに)の試験片の透過率を測定することによって決定することができる。OELが秘密セキュリティ特徴として機能を果たすなら、そのとき、典型的に、技術手段は、選択された非可視波長を含むそれぞれの照明条件で、OELによって生じた(完成した)光学的効果を検知することが必要であり、前記検知は、入射放射線の波長が可視範囲外、例えば、近UV範囲において選択されることを必要とする。
【0039】
[038]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の適切な例としては、限定されないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される磁性金属;鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、又はそれらの2つ以上の混合物の磁性合金;クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はそれの2つ以上の混合物の磁性酸化物;又はそれらの2つ以上の混合物を含む顔料粒子が挙げられる。金属、合金、及び酸化物に関する用語「磁性」は、強磁性又はフェリ磁性金属、合金、及び酸化物を対象とする。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物は、純粋又は混合酸化物であってもよい。磁性酸化物の例としては、限定されないが、赤鉄鉱(Fe2O3)、磁鉄鉱(Fe3O4)、二酸化クロム(CrO2)、磁性フェライト(MFe2O4)、磁性スピネル(MR2O4)、磁性ヘキサフェライト(MFe12O19)、磁性オルトフェライト(RFeO3)、磁性ガーネットM3R2(AO4)3などの酸化鉄が挙げられ、Mは2価金属を表し、Rは3価金属を表し、Aは4価金属を表す。
【0040】
[039]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の例としては、限定されないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、又はニッケル(Ni)などの磁性金属;及び鉄、コバルト、又はニッケルの磁性合金のうちの1つ以上からなる磁性層Mを含む顔料粒子が挙げられ、前記磁性又は磁化可能な顔料粒子は、1つ又は複数の更なる層を含む多層構造であってもよい。好ましくは、1つ又は複数の更なる層は、弗化マグネシウム(MgF2)などの金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化アルミニウム(Al2O3)からなる群から選択される1つ以上、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO2)から独立的になる層A;又は金属及び金属合金からなる群から選択される、好ましくは反射金属及び反射合金からなる群から選択される、より好ましくは銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)からからなる群から選択される1つ以上、更により好ましくはアルミニウム(Al)から独立的になる層B;又は上記のものなどの1つ又は複数の層A及び上記のものなどの1つ又は複数の層Bの組合せである。上記多層構造である小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の代表例としては、限定されないが、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A/多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A/多層構造が挙げられ、層A、磁性層M、及び層Bは、上記のものから選択される。
【0041】
[040]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、非球状、好ましくは小板状、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子、及び/又は光学的可変特性を有さない非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含んでいてもよい。好ましくは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部は、非球状、好ましくは小板状、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子によって構成される。自力の人間の感覚を使用して、本明細書に記載するインク、コーティング組成物、又は光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子を含むコーティング層を支持する物品又はセキュリティ文書をそれらの考えられる偽造品から容易に検知、認識及び/又は識別することを可能にする、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子のカラーシフト特性によってもたらされる公然のセキュリティに加えて、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子の光学的特性も、OELの認識用の機械読み取り可能のツールとして使用されてもよい。したがって、光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子の光学的特性は、顔料粒子の光学(例えば、スペクトル)特性が解析される認証プロセスにおいて秘密又は半秘密セキュリティ特徴として同時に使用され、したがって偽造抵抗性を向上させ得る。
【0042】
[041]OELを作製するためのコーティング層における非球状、好ましくは小板状の光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子の使用は、そのような材料がセキュリティ文書印刷業に確保され、一般に市販されていないので、セキュリティ文書用途でのセキュリティ特徴としてOELの有意性を向上させる。
【0043】
[042]上記のように、好ましくは、非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部は、非球状、好ましくは小板状の光学的可変磁性又は磁化可能な顔料粒子によって構成される。これらは、磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料及びそれらの2つ以上の混合物を含む干渉被覆顔料粒子からなる群から選択されることが好ましい。
【0044】
[043]磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者に公知であり、例えば、米国特許第4,838,648号;国際公開第2002/073250号;欧州特許第0686675号;国際公開第2003/000801号;米国特許第6,838,166号;国際公開第2007/131833号;欧州特許第2402401号;国際公開第2019/103937号;国際公開第2020/006286号、及びそれらに引用された文献において開示されている。好ましくは、磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は6層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は7層ファブリペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は1つ又は複数の多層ファブリペロー構造を組み合わせた多層構造を有する顔料粒子を含む。
【0045】
[044]好ましい5層ファブリペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からからなり、反射体及び/又は吸収体は、磁性層でもあり、好ましくは反射体及び/又は吸収体は、ニッケル、鉄、及び/又はコバルト、及び/又はニッケル、鉄、及び/又はコバルトを含む磁性合金、及び/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含む磁性層である。
【0046】
[045]好ましい6層ファブリペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/誘電体/吸収体の多層構造からなる。
【0047】
[046]好ましい7層ファブリペローの多層構造は、米国特許第4,838,648号において開示されるなどの吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からなる。
【0048】
[047]1つ又は複数のファブリペロー構造を組み合わせた多層構造を有する好ましい顔料粒子は、国際公開第2019/103937号に記載されるものであり、少なくとも2つのファブリペロー構造の組合せからなり、前記2つのファブリペロー構造は、独立的に反射体層、誘電体層、及び吸収体層を含み、反射体及び/又は吸収体層は、それぞれ独立的に1つ又は複数の磁性材料を含むことができる、及び/又は磁性層は2つの構造間のサンドイッチである。国際公開第2020/006/286号及び欧州特許出願公開第3587500号は、多層構造を有する更に好ましい顔料粒子を開示している。
【0049】
[048]好ましくは、本明細書に記載する反射体層は、金属及び金属合金からなる群から選択される、好ましくは反射金属及び反射金属合金からなる群から選択される、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、プラチナ(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びそれらの合金からなる群から選択される、更に好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びそれらの合金からなる群から選択される1つ以上から独立的になり、更に好ましくはアルミニウム(Al)から独立的になる。好ましくは、誘電体層は、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、ナトリウムフッ化アルミニウム(例えば、Na3AlF6)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)などの金属フッ化物、及び酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの金属酸化物からなる群から選択される、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)及び二酸化ケイ素(SiO2)からなる群から独立的に選択される1つ以上から独立的になり、更に好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)から独立的になる。好ましくは、吸収体層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、それらの金属酸化物、それらの金属硫化物、それらの金属炭化物、及びそれらの金属合金からなる群から選択される、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、それらの金属酸化物、及びそれらの金属合金からなる群から選択される、更に好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びそれらの合金からなる群から選択される1つ以上から独立的になる。好ましくは、磁性層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co);及び/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性合金;及び/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含む。7層ファブリペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましい場合、磁性薄膜干渉顔料粒子は、Cr/MgF2/Al/Ni/Al/MgF2/Cr多層構造からなる7層ファブリペロー吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造を含むことが特に好ましい。
【0050】
[049]本明細書に記載する磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境にとって安全なものとして考えられ、例えば、5層ファブリペロー多層構造、6層ファブリペロー多層構造、7層ファブリペロー多層構造に基づく多層顔料粒子及び1つ又は複数の多層のファブリペロー構造を組み合わせる多層構造を有する顔料粒子であってもよく、前記顔料粒子は、約40重量%~約90重量%の鉄、約10重量%~約50重量%のクロム、及び約0重量%~約30重量%のアルミニウムを含む実質的にニッケルを含まない組成物を有する磁性合金を含む1つ又は複数の磁性層を含む。人間の健康及び環境にとって安全なものとして考えられる多層顔料粒子の代表例は、欧州特許第2402401号に見出すことができ、この記載内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
[050]光学的可変特性を示す適切な磁性コレステリック液晶顔料粒子としては、限定されないが、磁性単層コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層コレステリック液晶顔料粒子が挙げられる。そのような顔料粒子は、例えば、国際公開第2006/063926号、米国特許第6,582,781号、及び米国特許第6,531,221号において開示されている。国際公開第2006/063926号は、単層及びそこから得られる顔料粒子を開示し、高い輝度及びカラーシフト特性を備え、着磁性などの更なる特定の特性を備えている。開示された単層及び顔料粒子は、前記単層を粉砕することによってそこから得られ、3次元的に架橋されたコレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582,781号及び米国特許第6,410,130号は、シーケンスA1/B/A2を含む小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示し、A1及びA2は同一であっても異なっていてもよく、各々は少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは、層A1及びA2によって透過される光の全て又は一部を吸収し、前記中間層に磁気特性を付与する中間層である。米国特許第6,531,221号は、シーケンスA/B、及び任意選択でCを含む小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示し、A及びCは、磁気特性を付与する顔料粒子を含む吸収層であり、Bは、コレステリック層である。
【0052】
[051]1つ又は複数の磁性材料を含む適切な干渉被覆顔料としては、限定されないが、1つ又は複数の層で被覆されたコアからなる群から選択される基材からなる構造が挙げられ、コアの少なくとも1つ又は1つ又は複数の層は磁気特性を有する。例えば、適切な干渉被覆顔料は、上記のものなどの磁性材料からなるコアを含み、前記コアは、1つ又は複数の金属酸化物からなる1つ又は複数の層で被覆され、又はそれらは、合成又は天然マイカ、層状ケイ酸塩(例えば、タルク、カオリン、及びセリサイト)、ガラス(例えば、ホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、グラファイト、及びそれらの2つ以上の混合物からなるコアからなる構造を有する。さらに、着色層などの1つ又は複数の更なる層が存在していてもよい。
【0053】
[052]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、好ましくは約2μm~約50μmのサイズd50(直接光学粒度分布によって測定された)を有する。
【0054】
[053]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、コーティング組成物及びコーティング層で起こり得る劣化からそれらを保護する、及び/又は前記コーティング組成物及びコーティング層へのそれらの組み込みを促進するために処理された表面であってもよく、典型的には、腐食抑制材料及び/又は湿潤剤を使用してもよい。
【0055】
[054]本明細書に述べるように、本明細書に記載する方法は、磁性又は磁化可能な顔料粒子をそれらの採用された位置及び配向に固定するために、コーティング層(x10)を第2の状態に少なくとも部分的に硬化するステップc)及びe)を含む。放射線硬化性コーティング組成物の第1の液体状態では、磁性又は磁化可能な顔料粒子が移動、回転することができ、第2の状態では、磁性又は磁化可能な顔料粒子は、あるタイプの放射線硬化性コーティング組成物を使用することによって固定、設けられる。例えば、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子以外の放射線硬化性コーティング組成物の成分は、セキュリティ用途、例えば、紙幣の印刷において使用されるものなどインク又は放射線硬化性コーティング組成物の形態をとっていてもよい。前述の第1及び2の状態は、電磁放射線への暴露に反応して粘性の増加を示す材料を使用することによってもたらされる。すなわち、流動性バインダー材料が硬化又は固化される場合、前記バインダー材料は第2の状態に変わり、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子は、それらの現在位置及び配向に固定され、もはやバインダー材料内で移動、回転することができない。本明細書において使用される「コーティング層(x10)を少なくとも部分的に硬化すること」によって、非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子がそれらの採用された位置及び配向に固定/固化され、もはや移動、回転することができないことを意味する(本技術分野において粒子の「ピン止め」とも称する)。
【0056】
[055]本明細書に記載するコーティング層(x10)を作製するために使用した放射線硬化性コーティング組成物は、本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子、及び本明細書に記載する約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の化合物を含む。放射線硬化、特にUV-Vis硬化は、照射への暴露後にコーティング組成物の粘性の瞬間的な増加に有利に結びつき、したがって、顔料粒子の更なる移動、その結果、磁気配向ステップ後の情報の消失を防止する。
【0057】
[056]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子、及び本明細書に記載する約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物を含む放射線硬化性コーティング組成物は、カチオン硬化性組成物である。言い換えれば、放射線硬化性コーティング組成物、好ましくはUV-Vis硬化性コーティング組成物は、カチオン硬化性化合物であるモノマー及び/又はオリゴマーを含む。
【0058】
[057]カチオン硬化性組成物は、モノマー及び/又はオリゴマーを反応及び/又は架橋し、それによってコーティング組成物を硬化するために、酸などのカチオン種を解放し、次に硬化を開始する1つ又は複数の化合物の放射線による活性化を典型的に含むカチオン機構によって硬化される1つ以上からカチオン化合物を含む。好ましくは、1つ又は複数のカチオン硬化性化合物は、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、エポキシド、オキセタン、グリシジルエーテル及びテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ラクトン、環状チオエーテル、ビニルチオエーテル、プロペニルチオエーテル、水酸基含有化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはビニルエーテル、プロペニルエーテル、エポキシド、オキセタン、及びテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ラクトン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるカチオン硬化性化合物である。
【0059】
[058]好ましくは、本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物は、二官能性又は多官能性であってもよい1つ又は複数の脂環式エポキシドを含み、ビニルエーテル、オキセタン、ポリヒドロキシ化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の成分を任意選択で更に含み得る。
【0060】
[059]好ましくは、本明細書に独立に記載する1つ又は複数の脂環式エポキシドは、少なくとも1つのシクロヘキサン基及び少なくとも2つのエポキシ基を含む。好ましい脂環式エポキシドは、1つより多い(つまり、少なくとも2つの)シクロヘキサン基を含み、構造式(I)を有する:
【化1】
式中、-X-は、1つ又は複数の原子を含む単結合又は二価基を表す。
【0061】
[060]1つの実施形態によれば、Xは、炭素数1~18の直鎖又は分枝鎖アルキレン基である2価炭化水素基であり、前記直鎖又は分枝鎖アルキレン基としては、限定されないが、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びトリメチレン基が挙げられる。
【0062】
[061]1つの実施形態によれば、Xは、二価脂環式炭化水素基又はシクロアルキン基、例えば、1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、及びシクロヘキシリデン基である。
【0063】
[062]1つの実施形態によれば、Xは、-CO-、-O-CO-O-、-COO-、及び-O-である1つ又は複数の酸素含有連結基を含む二価基である。1つの実施形態によれば、好ましいエポキシの誘導体は、1つより多いシクロヘキセンオキシド基を含み、構造式(I)を有し、Xは、-CO-、-O-CO-O-、-COO-、-O-である1つ又は複数の酸素含有連結基を含む二価基であり、構造式(II)、(III)、又は(IV)を有する:
【化2】
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートに相当し、R
1~R
9は、独立に、水素、又は1~12の炭素原子を含み、好ましくは1~3の炭素原子を含む直鎖若しくは分枝アルキルラジカル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、及びドデシル)であり、好ましくは、構造式(II)を有する脂環式エポキシドは、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチル-シクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-2-メチル-シクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-2-メチル-シクロヘキサンカルボキシレート、及び3,4-エポキシ-4-メチル-シクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-4-メチルシクロヘキサンカルボキシレートである;
【化3】
ジカルボン酸の脂環式ジエポキシドエステルに相当し、R
1~R
9は、独立に、水素、又は1~12の炭素原子を含み、好ましくは1~3の炭素原子を含む直鎖若しくは分枝アルキルラジカル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、及びデシル)であり、Aは、原子価結合、又は一般に1~12の炭素原子を含み、好ましくは3~8の炭素原子を含む直鎖若しくは分枝二価炭化水素ラジカル、例えば、アルキレンラジカル(例えば、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、及び2-エチルヘキシレン)及び脂環式ラジカル(例えば、1,4-シクロヘキサン、1,3-シクロヘキサン、及び1,2-シクロヘキサン)であり、好ましくは、構造式(III)を有するジカルボン酸の脂環式ジエポキシドエステルは、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、及びビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)セバケートである;
【化4】
R
1~R
9は、独立に、水素、又は1~3の炭素原子を含む直鎖若しくは分枝炭化水素基であり、構造式(IV)を有する脂環式ジエポキシドの好ましい例は、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタ-ジオキサンである。
【0064】
[063]1つの実施形態によれば、本明細書に記載する1つ又は複数の脂環式エポキシドは、構造式(V)又は(VI)を有する:
【化5】
【0065】
[064]本明細書に記載する1つ又は複数の脂環式エポキシドは、ヒドロキシ変性又は(メタ)アクリレート変性されていてもよい。例としては、Daicel社によるCyclomer A400(CAS:64630-63-3)及びCyclomer M100(CAS:82428-30-6)、又はTetraChem/JiangsuによるTTA15及びTTA16の名称で市販されている。
【0066】
[065]放射線硬化性コーティング組成物が、本明細書に記載する1つ又は複数のビニルエーテルを含む実施形態について、前記1つ又は複数のビニルエーテルは、好ましくは約25重量%未満の量、好ましくは約3重量%以上約20重量%以下の量で存在し、その重量パーセントは放射線硬化性コーティング組成物の全重量を基準としている。ビニルエーテルは、硬化を加速し、粘着性を低減し、それによって、印刷シートが印刷硬化直後に積み重ねて置かれる場合のブロッキング及び裏移りの危険を制限することが本技術分野で公知である。それらはまた、印刷されたセキュリティ成分の物理的抵抗性及び耐薬品性を向上させ、印刷、硬化されたインク層の柔軟性を向上させ、それは、発明のセキュリティインクがプラスチック又はポリマー支持体に印刷される場合に有利であり得る。ビニルエーテルはまた、インクビヒクルと強く共重合しながらインクの粘性を低減することを促進する。
【0067】
[066]好ましいビニルエーテルの例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソ-ブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、tert-アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4-(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチルベンゾエート、フェニルビニルエーテル、メチルフェニルビニルエーテル、メトキシフェニルビニルエーテル、2-クロロエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、4-(ビニルオキシ)ブチルベンゾエート、ビス[4-(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4-(ビニルオキシ)ブチル]サクシネート、ビス[4-(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート、4-(ビニルオキシ)ブチルステアレート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンカーボネートのプロペニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリ(テトラヒドロフラン)ジビニルエーテル、ポリエチレングリコール-520メチルビニルエーテル、pluriol-E200ジビニルエーテル、トリス[4-(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、1,4-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-ビニルオキシエトキシフェニル)プロパン、ビス[4-(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]テレフタレート、ビス[4-(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]イソフタレートが挙げられる。適切なビニルエーテルは、EVE、IBVE、DDVE、ODVE、BDDVE、DVE-2、DVE-3、CHVE、CHDM-di、HBVEの名称でBASFによって市販されている。本明細書に記載する1つ又は複数のビニルエーテルは、ヒドロキシ変性又は(メタ)アクリレート変性されていてもよい(例えば:VEEAR(登録商標)、日本触媒の2-(2-ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート(CAS:86273-46-3))。
【0068】
[067]放射線硬化性コーティング組成物が、本明細書に記載する1つ又は複数のオキセタンを含む実施形態について、前記1つ又は複数のオキセタンは、好ましくは約20重量%以下、好ましくは約3重量%以上約15重量%以下の量で存在し、その重量パーセントは放射線硬化性コーティング組成物の全重量を基準としている。
【0069】
[068]オキセタンは、硬化を加速し、粘着性を低減し、それによって、印刷シートが印刷硬化直後に積み重ねて置かれる場合のブロッキング及び裏移りの危険を制限することが本技術分野で公知である。それらはまた、組成物と強く共重合しながらインクの粘性を低減することを促進する。オキセタンの好ましい例としては、トリメチレンオキサイド、3,3-ジメチルオキセタン、トリメチロールプロパンオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]オキセタン、3,3-ジシクロメチルオキセタン、3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン、ビス([1-エチル(3-オキセタニル)]メチル)エーテル、1,4-ビス[3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3,3-ジメチル-2(p-メトキシ-フェニル)-オキセタン、3-エチル-[(トリ-エトキシシリルプロポキシ)メチル]オキセタン、4,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、及び3,3-ジメチル-2(p-メトキシ-フェニル)オキセタンが挙げられる。本明細書に記載する1つ又は複数のオキセタンは、ヒドロキシ変性又は(メタ)アクリレート変性されていてもよい(例えば:LambsonのUvi-Cure S170 CAS(CAS:37674-57-0))。
【0070】
[069]放射線硬化性コーティング組成物が、本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物を含む実施形態について、前記1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、好ましくは約15重量%以下、より好ましくは約1重量%~約10重量%の量で存在し、その重量パーセントは放射線硬化性コーティング組成物の全重量を基準としている。
【0071】
[070]ポリヒドロキシ化合物は、セキュリティ文書、特に紙幣の分野でますます普及しているプラスチック又はポリマー基材などの、劣った接着性を示すことが知られている基材に対する接着性を向上させることが知られている。
【0072】
[071]本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、好ましくは2つより多い水酸基を含み、直鎖、分枝、又は超分枝であってもよい(本技術において樹木状としても称する)。好ましくは、本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、三官能性、四官能性化合物、六官能性化合物等の多官能化合物である。
【0073】
[072]本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、脂肪族又は芳香族ポリエーテルのポリヒドロキシ誘導体、ポリエステルのポリヒドロキシ誘導体、ポリカーボネートのポリヒドロキシ誘導体、グリセロール、トリメチロールプロパン、ジ-トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される。
【0074】
[073]本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、少なくとも部分的にアルコキシル化されていてもよい。したがって、本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、アルコキシル化単位、好ましくはエトキシル化及び/又はプロポキシル化単位を有していてもよい。
【0075】
[074]好ましい実施形態によれば、本明細書に記載する1つ又は複数のポリヒドロキシ化合物は、三官能性化合物、好ましくはグリセロール及びトリメチロールプロパン、四官能性化合物、好ましくはジ-トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール、六官能化化合物、好ましくはジペンタエリスリトール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、前記化合物、好ましくは前記トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールは、アルコキシル化(エトキシル化、及び/又はプロポキシル化)されていてもよい。
【0076】
[075]放射線硬化性コーティング組成物が、本明細書に記載する1つ又は複数のグリシジルエーテル化合物を含む実施形態について、前記1つ又は複数のグリシジルエーテルは、約1重量%~約5重量%の量で存在することが好ましく、その重量パーセントは放射線硬化性コーティング組成物の全重量を基準としており、又はトップコーティング組成物の全重量を基準として1重量%~25重量%である。
【0077】
[076]UV-Vis放射線硬化性インクでのエポキシドの使用は、インクビヒクルと強く共重合しながらインクの粘性を低減することと同様に、硬化を促進し、粘着性低下させることに役立つ。本明細書に記載する環状脂肪族エポキシド以外のエポキシドの好ましい例としては限定されないが、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノール-Aジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2-エチル-ヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、C12/C14アルキルグリシジルエーテル、C13/C15-アルキルグリシジルエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。脂環式エポキシド以外の適切なエポキシドは、Grilonit(登録商標)(例えば、Grilonit(登録商標)V51-63又はRV1806)の登録商標でEMS Griltechによって市販されている。
【0078】
[077]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物は、有機顔料粒子、無機顔料微粒子、及び有機染料からなる群から選択される1つ又は複数の着色成分、及び/又は1つ又は複数の添加剤を更に含んでいてもよい。後者の例としては、限定されないが、粘性(例えば、溶媒、糊稠剤、及び界面活性剤)、稠度(例えば、沈降防止剤、充填剤、及び可塑剤)、発泡性(例えば、消泡剤)、潤滑性(ワックス、油)、UV安定性(光安定剤)、接着性、帯電防止性、保存安定性(重合防止剤)などのコーティング組成物の物理的、レオロジー的、及び化学的パラメータを調節するために使用される化合物及び材料が挙げられる。本明細書に記載する添加剤は、添加剤の寸法の少なくとも1つが1~1000nmの範囲にあるいわゆるナノ材料を含めて、本技術分野において公知の量及び形態でコーティング組成物中に存在していてもよい。
【0079】
[078]本明細書に記載する非球状、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物は、磁性材料(本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子と異なる)、発光材料、電界発光材料、アップコンバート材料、電気的導電材料、及び赤外線吸収材料からなる群から選択される1つ又は複数の標識物質又は識別用添加剤、及び/又は1つ又は複数の機械読み取り可能材料を更に含んでいてもよい。本明細書において使用される用語「機械読み取り可能の材料」は、装置又は機械によって検知可能であり、その検知及び/又は認証に対して特定の装置の使用によってコーティング又は前記コーティングを含む物品を認証する方法を与えるために、前記コーティングに含むことができる、少なくとも1つの独特の性質を示す材料を指す。
【0080】
[079]本明細書に記載する放射線硬化性コーティング組成物は、本明細書に記載するバインダー材料の存在下で存在する場合に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子及び1つ又は複数の添加剤を分散又は混合し、液状組成物を形成することによって調製されてもよい。存在する場合、1つ又は複数の光開始剤は、他の全ての成分の分散又は混合ステップの間に組成物に添加されてもよく、又は後の段階、つまり、液体コーティング組成物の形成後に添加されてもよい。
【0081】
[080]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するステップa)後に、本明細書に記載するコーティング層(x10)上に、少なくとも部分的に本明細書に記載するトップコーティング組成物を付与するステップb)を更に含む。本明細書に記載するトップコーティング組成物は、本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与され、部分的に本明細書に記載するコーティング層(x10)に重なり(つまり、少なくとも1つのエリアで重なり)、コーティング層(x10)の放射線硬化性コーティング組成物は、湿潤未重合状態であり、磁性又は磁化可能な顔料粒子は自由に移動、回転可能である。
【0082】
[081]本明細書において使用される用語「しるし」は、マーキング又はサイン又はパターンの識別からなる連続及び不連続層を意味する。好ましくは、本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)は、コード、シンボル、英数字のシンボル、モチーフ、幾何学模様(例えば、円、三角形、及び規則的又は不規則的多角形)、文字、単語、数、ロゴ、図、ポートレート、及びそれらの組合せからなる群から選択される。コードの例としては、コード化された英数字データ、一次元バーコード、二次元バーコード、QRコード(登録商標)、データ行列、及びIR読み取りコードなどのコード化されたマークが挙げられる。本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)は、固体しるし及び/又はラスターしるしであってもよい。
【0083】
[082]本明細書に記載するトップコーティング組成物は、付与プロセス、好ましくはスプレーコーティング、エアロゾルインクジェット印刷、電気流体力学印刷、スロットダイコーティング、及びインクジェット印刷からなる群から好ましくは選択される非接触流体マイクロディスペンシングプロセス、より好ましくはインクジェット印刷プロセスによって本明細書に記載する1つ又は複数のしるしの形態(x30)で付与され、前記非接触流体マイクロディスペンシング印刷プロセスは、本明細書に記載する光学効果層(OEL)上、又はその層内の1つ又は複数のしるし(x30)の特有の作製を可能にする可変情報印刷方法である。付与プロセスは、作製される1つ又は複数のしるしのデザイン及び分解能の関数として選択される。
【0084】
[083]インクジェット印刷は、可変ハーフトーンを含む、本明細書に記載する1つ又は複数のしるしを示す光学効果層(OEL)を作製するために有利に使用され得る。インクジェットハーフトーン印刷は、可変インクジェット付着量又は坪量の付与による、無数の色又は灰色を含む連続階調画像をシミュレートする複写技術である。
【0085】
[084]スプレーコーティングは、ノズルを介して組成物を押し進めて微細なエアロゾルが形成される技術である。キャリヤガス及び静電帯電は、プリントされる表面にエアロゾルを向けるように機能するために関連し得る。スプレー印刷は、スポット及びラインを印刷することを可能にする。スプレー印刷に適切な組成物は、典型的には、約10mPa.s~約1Pa.s(25℃(1000s-1)の粘性を有する。スプレーコーティング印刷の分解能は、ミリメートル範囲にある。スプレー印刷は、例えば、F.C.Krebs、Solar Energy Materials & Solar Cells(2009)、93、407頁に記載されている。
【0086】
[085]エアロゾルインクジェット印刷(AJP)は、広範囲の基材上で微細な特徴をもたらすことを目的とした新たな非接触直接書き込みアプローチである。AJPは、広い材料範囲及び自由形状の堆積と対応し、配向の独立性に加えて、比較的大きな離間距離(例えば、1~5mm)と一緒に高解像度(約10マイクロメートル程度)を可能にする。技術は、超音波又は空気圧アトマイザーを使用するエアロゾル発生を含み、典型的に約1mPa.s~約1Pa.s(25℃(1000s-1)の粘性を有する組成物からエアロゾルを発生する。エアロゾルジェット印刷は、例えば、N.J.Wilkinsonら、The International Journal of Advanced Manufacturing Technology(2019)105:4599~4619頁に記載されている。
【0087】
[086]電気流体力学的インクジェット印刷は、高解像度インクジェット印刷技術である。電気流体力学的インクジェット印刷技術は、外部的に付与される電界を使用して、基材上に小滴サイズ、放出回数、及び配置を操作して高い作製速度を維持しながら従来のインクジェット印刷より高い解像度を得る。電気流体力学的インクジェット印刷の分解能は、従来のインクジェット印刷技術より約2桁高く、したがって、それは、ナノスケールパターン及びミクロスケールパターンの配向に使用することができる。電気流体力学的インクジェット印刷は、DOD又は連続モードの両方で使用されてもよい。電気流体力学的インクジェット印刷用組成物は、典型的には約1mPa.s~約1Pa.s(25℃(1000s-1)の粘性を有する。電気流体力学的インクジェット印刷技術は、例えば、P.V.Raje and N.C.Murmu、International Journal of Emerging Technology and Advanced Engineering、(2014)、4(5)、174~183頁に記載されている。
【0088】
[087]スロットダイコーティングは、1次元コーティング技術である。スロットダイコーティングは、異なる材料のストライプが互いの上に層状に重ねられた多層コーティングを作製することによく適する材料のストライプのコーティングを可能にする。パターンの整列は、コーティングヘッドをウェブ移動の方向に垂直な方向に沿って移動することによってもたらされる。スロットダイコーティングヘッドは、スロットダイコーティングインクが分散されるコーティングヘッドのスロットを規定するマスクを含む。スロットダイコーティングヘッドの一例は、F.C.Krebs、Solar Energy Materials & Solar Cells(2009)、93、405~406頁において説明されている。スロットダイコーティングに適切な組成物は、典型的に約1mPa.s~約20mPa.s(25℃(1000s-1)の粘性を有する。
【0089】
[088]1つの実施形態によれば、本明細書に記載するトップコーティング組成物は、インクジェット印刷プロセス、好ましくは連続インクジェット(CI)印刷プロセス、又はドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷プロセス、より好ましくはドロップオンデマンド(DOD)インクジェット印刷プロセスによって本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)の形態で印刷される。ドロップオンデマンド(DOD)印刷は、非接触印刷プロセスであり、小滴は、印刷に必要な場合、ジェットを不安定にすることによるのではなく一般に排出機構によって単に作製される。小滴を作製するために印刷ヘッドにおいて使用される機構によって、DOD印刷は、圧電インパルス、サーマルジェット、バルブジェット(約1mPa.s~約1Pa.s(25℃(1000s-1)の粘性)、及び静電プロセスに分割される。
【0090】
[089]1つの実施形態によれば、本明細書に記載するトップコーティング組成物は、カチオン硬化性化合物、例えば、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物について本明細書に記載し、特に、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、環状エーテル、例えば、エポキシド、オキセタン及びテトラヒドロフラン、それらの混合物、並びに1つ又は複数の溶媒からなる群から選択されるものである1つ又は複数のモノマー及び/又はオリゴマーを含む。トップコーティング組成物が、インクジェット印刷プロセスによって付与される実施形態について、前記トップコーティング組成物は、例えば、放射線硬化性インクジェットの分野において使用される湿潤剤、消泡剤、界面活性剤、(共)溶媒、及びそれらの混合物などの従来の添加剤及び成分を更に含んでいてもよい。
【0091】
[090]本明細書に記載するトップコーティング組成物は、1つ又は複数の標識物質又はタガント及び/又は1つ又は複数の機械可読材料、例えば、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物について記載されたものを、前記物質、タガント、又は機械可読材料のサイズが、本明細書に記載する付与プロセスに適していれば更に含んでいてもよい。
【0092】
[091]その1つ又は複数のしるし(x30)を示す光学効果層(OEL)の作製する方法は、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップ、及びコーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップを含み、特定の組合せを要求して方法の異なる段階で1つ又は複数のしるし(x30)及びコーティング層(x10)の選択的な硬化を可能にする。したがって、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物、及びステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、以下の実施形態に記載する組合せのうちの1つに従って選択される。
【0093】
[092]第1の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩である。好ましくは、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の前記1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、アニオン部分は、好ましくはSbF6
-(ヘキサフルオロアンチモネート、CAS Nr 17111-95-4);PF6
-(ヘキサフルオロホスフェート、CAS Nr 16919-18-9);AsF6
-(ヘキサフルオロアルセネート、CAS Nr 16973-45-8);F4B-(テトラフルオロボレート、CAS Nr 14874-70-5);(C6F5)4B-(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、CAS Nr 47855-94-7);(CF3SO2)3C-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、CAS Nr 130447-45-9);(CF3)SO3
-(トリフルオロメタンスルホネート、CAS Nr 37181-39-8);(CH3C6H4)SO3
-(4-メチルベンゼンスルホネート、CAS Nr 16722-51-3);(CF3)CO2
-(トリフルオロアセテート、CAS Nr 14477-72-6);(C4F9)SO3
-(1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホネート、CAS Nr 45187-15-3);(C4F9)CO2
-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノエート、CAS Nr 45167-47-3);好ましくはSbF6
-、PF6
-又は(C6F5)4B-であり、カチオン部分は、好ましくはビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 71786-69-1);ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 61267-44-5);(4-イソプロピルフェニル)(4-メチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 178233-71-1);ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 46449-56-3);(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 344562-79-4);ビス(2,4-ジメチルフェニル)]ヨードニウム(CAS Nr 78337-07-2);ビス(3,4-ジメチルフェニル)]ヨードニウム(CAS Nr 66482-57-3);(4-メチルフェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 758629-51-5);ビス[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 157552-66-4);ビス(4-ブチルフェニル]ヨードニウム(CAS Nr 76310-29-7);ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 94564-97-3);ビス(4-ヘキシルイルフェニル]ヨードニウム(CAS Nr 249300-48-9);ビス(4-デシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 137141-44-7);(4-デシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-83-3);ビス(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-61-7);ビス(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 124053-08-3);ビス(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-63-9);ビス(4-ヘキサデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 137141-41-4);ビス(4-ヘプタデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 144095-91-0);ビス(4-オクタデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 202068-75-5);(4-デシルフェニル)(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-67-3);(4-デシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-77-5);(4-デシルフェニル)(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-81-1);(4-ドデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-71-9);(4-ドデシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-69-5);(4-ドデシルフェニル)(4-テトラデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-65-1);(4-トリデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-73-1);(4-テトラデシルフェニル)(4-ウンデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-79-7);(4-テトラデシルフェニル)(4-トリデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 167997-75-3);p-(オクチロキシフェニル)フェニルヨードニウム(CAS Nr 121239-74-5);[4-[(2-ヒドロキシテトラデシル)オキシ]フェニル]フェニルヨードニウム(CAS Nr 139301-14-7);フェニル[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 789443-26-1);ビス(4-フルオロフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 91290-88-9);(4-ニトロフェニル)フェニルヨードニウム(CAS Nr 46734-23-0);(4-ニトロフェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 1146127-10-7);より好ましくは、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 71786-69-1);ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 61267-44-5);(4-イソプロピルフェニル)(4-メチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 178233-71-1);ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウム(CAS Nr 46449-56-3);又は(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 344562-79-4)である。好ましくは、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4);ビス[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 61358-25-6);(4-イソプロピルフェニル)(4-メチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(CAS Nr 178233-72-2);ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0);(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 344562-80-7)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、より好ましくはビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4);ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0);及びそれらの混合物からなる群から選択されるヨードニウム塩である。本発明の第1の実施形態についてのヨードニウム塩の特に好適な例は、LambsonのSpeedCure937(CAS Nr 71786-70-4)、SpeedCure938(CAS Nr 61358-25-6)、SpeedCure939(CAS Nr 178233-72-2)、IGM ResinsのOMNICAT250(CAS Nr 344562-80-7)及びOMNICAT440(CAS Nr 60565-88-0)、及びDEUTERONのDEUTERON UV1240(CAS Nr 71786-70-4)及びDEUTERON UV1242(CAS Nr 71786-70-4)の名称下で市販されている。
【0094】
[093]前記第1の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、チオキサントン化合物であり、好ましくは2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1);4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 83846-86-0);2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 82799-44-8);2-クロロ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 86-39-5);1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1);1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン(CAS Nr 1003567-83-6);α-[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]-ω-[[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]オキシ]-ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル(CAS Nr 813452-37-8);2-[2-[1-[2-[[2-(9-オキソチオキサンテン-2-イル)オキシアセチル]アミノ]-3-[1-[2-(2-プロプ-2-エノイルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]-2-[1-[2-(2-プロプ-2-エノイルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシメチル]プロポキシ]エトキシ]エトキシ]エチルプロプ-2-エノアート(CAS Nr 1427388-03-1);α-[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]-ω-[[2-[(9-オキソ-9H-チオキサンテニル)オキシ]アセチル]オキシ]-ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル)(CAS Nr 813452-37-8);それらのオリゴマー及びポリマー化合物(CAS Nr 515139-51-2及び2055335-46-9);及び好ましくは、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1);4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 83846-86-0);1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1);1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン(CAS Nr 1003567-83-6);それらのオリゴマー及びポリマー化合物(CAS Nr 2055335-46-9);及びそれらの混合物からなる群から選択されるそれらの混合物である。本発明の第1の実施形態についてのチオキサントン化合物の特に好適な例は、LambsonのSpeedCure2-ITX(CAS Nr 5495-84-1)、2-クロロ-チオキサントン(CAS Nr 86-39-5)、SpeedCure CPTX(CAS Nr 142770-42-1)、及びSpeedCure7010/7010L(CAS Nr 1003567-83-6);IGM ResinsのOmnirad ITX(CAS Nr 5495-84-1及び83846-86-0)、Omnirad DETX(CAS Nr 82799-44-8)、Omnipol TX(CAS Nr 813452-37-8)、Omnipol 3TX(CAS Nr 1427388-03-1)、及びRahnのGenopol(登録商標)TX-1(CAS Nr 515139-51-2)、Genopol(登録商標)TX-2(CAS Nr 2055335-46-9)の名称で市販されている。
【0095】
[094]第2の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、ヨードニウム塩であり、第1の実施形態について上述したものである。
【0096】
[095]前記第2の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、9,10-ジエトキシ-アントラセン(CAS Nr 68818-86-0);9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)、及びそれらの混合物からなる群からから好ましくは選択されるアントラセン化合物、好ましくは9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)である。本発明の第2の実施形態についてのアントラセン化合物の特に好適な例は、川崎化成社のANTHRACURE(登録商標)UVS1101(CAS Nr 68818-86-0)、ANTHRACURE(登録商標)UVS 1331(CAS Nr 76275-14-4)の名称で市販されている。
【0097】
[096]第3の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、ヨードニウム塩であり、第1の実施例について上述したものである。
【0098】
[097]前記3の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、クマリン化合物、好ましくは3-(4-ドデシルベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2170153-43-0)、3-(4-C10-C13-ベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2243703-91-3)である。本発明の第3の実施形態についてのクマリン化合物の特に好適な例は、IGM ResinsのSACURE3644(CAS Nr 2243703-91-3)の名称で市販されている。
【0099】
[098]第4の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、ヨードニウム塩であり、第1の実施形態について上述したものである。
【0100】
[099]前記第4の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、ナフタレン化合物であり、好ましくは9,10-ジエトキシ-ナフタレン(CAS Nr 27294-37-7)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、9,10-ジエトキシ-アントラセン(CAS Nr 68818-86-0);9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)、及びそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される1つ又は複数のアントラセン化合物、好ましくは9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)を更に含む。本発明の第4の実施形態についてのナフタレン化合物の特に好適な例は、川崎化成社のANTHRACURE(登録商標)ET2201(CAS Nr 27294-37-7)の名称で市販されている。本発明の第4の実施形態についてのアントラセン化合物の特に好適な例は、川崎化成社のANTHRACURE(登録商標)UVS1331(CAS Nr 76275-14-4)の名称で市販されている。
【0101】
[0100]第5の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩である。好ましくは、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の前記1つ又は複数の化合物は、スルホニウム塩であり、アニオン部分は、好ましくはSbF6
-(ヘキサフルオロアンチモネート、CAS Nr 17111-95-4);PF6
-(ヘキサフルオロホスフェート、CAS Nr 16919-18-9);AsF6
-(ヘキサフルオロアルセネート、CAS Nr 16973-45-8);F4B-(テトラフルオロボレート、CAS Nr 14874-70-5);(C6F5)4B-(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、CAS Nr 47855-94-7);(CF3SO2)3C-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、CAS Nr 130447-45-9);(CF3)SO3
-(トリフルオロメタンスルホネート、CAS Nr 37181-39-8);(CH3C6H4)SO3
-(4-メチルベンゼンスルホネート、CAS Nr 16722-51-3);(CF3)CO2
-(トリフルオロアセテート、CAS Nr 14477-72-6);(C4F9)SO3
-(1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホネート(CAS Nr 45187-15-3);(C4F9)CO2
-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノエート、CAS Nr 45167-47-3);好ましくはSbF6
-又はPF6
-であり、カチオン部分は、好ましくは4-(フェニルチオ)フェニルジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 47480-44-4);ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィド(CAS Nr 74227-34-2);(4-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 47045-31-8);(3-メチルフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 347841-49-0);ビス(4-メチルフェニル)フェニル-スルホニウム(CAS Nr 70082-58-5);[(4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 66482-54-0);ビス[4-(1-メチルエチル)フェニル]フェニル-スルホニウム(CAS Nr 70084-21-8);[(4-(2-メチルプロピル)フェニル]ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 255056-41-8);(4-メトキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 70084-23-0);1-ナフタレニルジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 116808-68-5);トリス(4-メチルフェニル)-スルホニウム(CAS Nr 47197-43-3);(4-ブロモフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 70244-60-9);(4-ヨードフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 255056-45-2);(4-フルオロフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 70084-25-2);(4-クロロフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 47045-32-9);(4-フェノキシフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 82617-07-0);(4’-メチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 868610-38-2);トリス(4-プロピルフェニル)-スルホニウム(CAS Nr 935399-09-0);ビス(4-ブチルフェニル)フェニル-スルホニウム(CAS Nr 518991-23-6);トリス[4(1-メチルエチル)フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 592518-39-3);S,S’-1,3-フェニルエンビス[S,S’-ジフェニル]-スルホニウム(CAS Nr 641638-18-8);(4-ドデシルフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 108493-55-6);(4-ベンゾイルフェニル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 127855-23-6);ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)(4-メチルフェニル)-スルホニウム(CAS Nr 91815-48-4);トリス[4-[1,1-ジメチルエチル)フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 91815-56-4);トリフェニル-スルホニウム(CAS Nr 18393-55-0);5-(4-メチルフェニル)-ジベンゾチオフェニウム(CAS Nr 49867-39-2);5-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-チアントレニウム(CAS Nr 492466-55-4);10-(4-メチルフェニル)-9H-チオキサンテニウム(CAS Nr 66482-77-7);ジフェニル[4-[[(4-フェニルチオフェニル]チオ]フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 101200-54-8);フェニルビス[4-フェニルチオ)フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 101200-59-3);5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-チアントレニウム(CAS Nr 101200-56-0);5-[4-(フェニルチオ)フェニル]-ジベンゾチオフェニウム(CAS Nr 492466-67-8);10-[4-(ジフェニルチオ)フェニル]-9H-チオキサンテニウム(CAS Nr 903907-41-5);5-フェニル-チオキサンテニウム(CAS Nr 47041-10-1);10-フェニル-9H-チオキサンテニウム(CAS Nr 53512-22-4);5-(4-メチルフェニル)-チオキサンテニウム(CAS Nr 47124-94-7);5-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-チオキサンテニウム(CAS Nr 478774-67-3);又はS,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)]フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 106220-69-3);より好ましくは4-(フェニルチオ)フェニルジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 47480-44-4)又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィド(CAS Nr 74227-34-2)である。好ましくは、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0);ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9);4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 75482-18-7);ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 74227-35-3);S,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)]フェニル]-スルホニウムビス[ヘキサフルオロホスフェート](CAS Nr 106220-70-6);S,S’-(チオジ-4,1-フェニレン)ビス[S,S’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)]フェニル]-スルホニウムビス[ヘキサフルオロアンチモネート](CAS Nr 125054-47-9);5-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]チアントレニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 492466-56-5);及びそれらの混合物からなる群から選択される;より好ましくは4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0);ビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9);及びそれらの混合物からなる群から選択されるスルホニウム塩である。本発明の第5の実施形態についてのスルホニウム塩の特に好適な例は、LambsonのSpeedCure976(CAS Nr 71449-78-0及び89452-37-9)及びSpeedCure992(CAS Nr 75482-18-7及び74227-35-3)、DoubleBondのDoubleCure(登録商標)1172(CAS Nr 617711-03-2)、IGM ResinsのESACURE1187(CAS Nr 492466-56-5)、及びAdekaのOptomer SP150(CAS Nr 106220-70-6)、Optomer SP170(CAS Nr 125054-47-9)の名称で市販されている。
【0102】
[0101]前記第5の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、第2の実施形態について記載されたものであるアントラセン化合物である。
【0103】
[0102]第6の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、スルホニウム塩であり、第5の実施形態について上述したものである。
【0104】
[0103]前記第6の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、第1の実施形態について上述したものであるチオキサントン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、第1の実施形態について上述したものであるヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む。
【0105】
[0104]第7の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、スルホニウムであり、第5の実施形態について上述したものである。
【0106】
[0105]前記第7の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物は、第4の実施形態について上述したものであるナフタレン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、第4の実施形態について上述したものである1つ又は複数のアントラセン化合物を更に含む。
【0107】
[0106]第8の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、スルホニウム塩であり、第5の実施形態について上述したものである。
【0108】
[0107]前記第8の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、第3の実施形態について上述したものであるクマリン化合物であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、第1の実施形態について上述したものであるヨードニウム塩である1つ又は複数の化合物を更に含む。
【0109】
[0108]第9の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、第5の実施形態について上述したものであるヨードニウム塩、スルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。ヨードニウム塩の限定しない例は、本明細書に記載するもの、標準書籍で見つけることができる他のものであり、書籍としては、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」、3巻、G.Bradley編、SITA Technology Limitedと共同してJohn Wiley & Sonsによる1998年に公表された、J.V.Crivello & K.Dietlikerの「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerization」、第二版が挙げられ;スルホニウム塩の限定しない例は、第5の実施形態について上述したものである。
【0110】
[0109]前記第9の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するヨードニウム塩である。好ましくは、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、ヨードニウム塩であり、アニオン部分は、好ましくはSbF6
-(ヘキサフルオロアンチモネート、CAS Nr 17111-95-4);PF6
-(ヘキサフルオロホスフェート、CAS Nr 16919-18-9);AsF6
-(ヘキサフルオロアルセネート、CAS Nr 16973-45-8);F4B-(テトラフルオロボレート、CAS Nr 14874-70-5);(C6F5)4B-(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、CAS Nr 47855-94-7);(CF3SO2)3C-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、CAS Nr 130447-45-9);(CF3)SO3
-(トリフルオロメタンスルホネート、CAS Nr 37181-39-8);(CH3C6H4)SO3
-(4-メチルベンゼンスルホネート、CAS Nr 16722-51-3);(CF3)CO2
-(トリフルオロアセテート、CAS Nr 14477-72-6);(C4F9)SO3
-(1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホネート、CAS Nr 45187-15-3);(C4F9)CO2
-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノエート、CAS Nr 45167-47-3);好ましくはSbF6
-又はPF6
-であり、カチオン部分は、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウム(CAS Nr 2091854-11-2)である。好ましくは、ステップb)の放射線硬化性コーティング組成物は、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 2091854-12-3);[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 2091854-13-4);及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数のヨードニウム塩を含む。本発明の第9の実施形態についてのヨードニウム塩の特に好適な例は、Synthos Group S.AのSylanto(登録商標)7MP(CAS Nr 2091854-12-3)及びSylanto(登録商標)7MS(CAS Nr 2091854-13-4)の名称で市販されている。
【0111】
[0110]第10の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、第5の実施形態について上述したものであるヨードニウム塩、スルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。ヨードニウム塩の限定しない例は、本明細書に記載するもの、標準書籍で見つけることができる他のものであり、書籍としては、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」、3巻、G.Bradley編、SITA Technology Limitedと共同してJohn Wiley & Sonsによる1998年に公表された、J.V.Crivello & K.Dietlikerの「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerization」、第二版が挙げられ;スルホニウム塩の限定しない例は、第5の実施形態について上述したものである。
【0112】
[0111]前記第10の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するオキソニウム塩であり、アニオン部分は、好ましくはSbF6
-(ヘキサフルオロアンチモネート、CAS Nr 17111-95-4);PF6
-(ヘキサフルオロホスフェート、CAS Nr 16919-18-9);AsF6
-(ヘキサフルオロアルセネート、CAS Nr 16973-45-8);F4B-(テトラフルオロボレート、CAS Nr 14874-70-5);(C6F5)4B-(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、CAS Nr 47855-94-7);(CF3SO2)3C-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、CAS Nr 130447-45-9);(CF3)SO3
-(トリフルオロメタンスルホネート、CAS Nr 37181-39-8);(CH3C6H4)SO3
-(4-メチルベンゼンスルホネート、CAS Nr 16722-51-3);(CF3)CO2
-(トリフルオロアセテート、CAS Nr 14477-72-6);(C4F9)SO3
-(1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホネート、CAS Nr 45187-15-3);(C4F9)CO2
-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノエート、CAS Nr 45167-47-3);好ましくはF4B-であり、カチオン部分は、好ましくは2,4,6-トリフェニルピリリウム(CAS Nr 15959-35-0);2,4,6-トリス(4-メチルフェニル)-ピリリウム(CAS Nr 47551-87-1);2,4,6-トリス(4-メトキシフェニル)-ピリリウム(CAS Nr 47659-08-5);2,6-ビス(4-フルオロフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-ピリリウム(CAS Nr 1621587-27-6);3-メチル-2,4,6-トリフェニル-ピリリウム(CAS Nr 33225-59-1);2,4,6-トリス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-ピリリウム(CAS Nr 114987-61-0);4-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2,6-ジフェニル-ピリリウム(CAS Nr 47551-72-4)又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-ピリリウム(CAS Nr 47589-11-7);より好ましくは2,4,6-トリフェニルピリリウム(CAS Nr 15959-35-0)である。好ましくは、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、2、4、6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボレート(CAS Nr 448-61-3)である。
【0113】
[0112]第11の実施形態によれば、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物約350nm~約470nmの範囲において吸収しない1つ又は複数の光反応性化合物は、第5の実施形態について上述されたものであるヨードニウム塩、スルホニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。ヨードニウム塩の限定しない例は、本明細書に記載するもの、標準書籍で見つけることができる他のものであり、書籍としては、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」、3巻、G.Bradley編、SITA Technology Limitedと共同してJohn Wiley & Sonsによる1998年に公表された、J.V.Crivello & K.Dietlikerの「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerization」、第二版が挙げられ;スルホニウム塩の限定しない例は、第5の実施形態について上述したものである。
【0114】
[0113]前記第11の実施形態によれば、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、カチオン部分及びアニオン部分を有するスルホニウム塩である。好ましくは、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の化合物は、スルホニウム塩であり、アニオン部分は、SbF6
-(ヘキサフルオロアンチモネート、CAS Nr 17111-95-4);PF6
-(ヘキサフルオロホスフェート、CAS Nr 16919-18-9);AsF6
-(ヘキサフルオロアルセネート、CAS Nr 16973-45-8);F4B-(テトラフルオロボレート、CAS Nr 14874-70-5);(C6F5)4B-(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、CAS Nr 47855-94-7);(CF3SO2)3C-(トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、CAS Nr 130447-45-9);(CF3)SO3
-(トリフルオロメタンスルホネート、CAS Nr 37181-39-8);(CH3C6H4)SO3
-(4-メチルベンゼンスルホネート、CAS Nr 16722-51-3);(CF3)CO2
-(トリフルオロアセテート、CAS Nr 14477-72-6);(C4F9)SO3
-(1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホネート、CAS Nr 45187-15-3);(C4F9)CO2
-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノエート(CAS Nr 45167-47-3);好ましくはSbF6
-又はPF6
-であり、カチオン部分は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 953084-12-3);10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウム(CAS Nr 591773-91-0);又は(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イル)ジフェニル-スルホニウム(CAS Nr 1140908-08-2);より好ましくはトリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウム(CAS Nr 953084-12-3)又は10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウム(CAS Nr 591773-91-0)である。好ましくは、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の約350nm~約470nmの範囲において吸収する1つ又は複数の光反応性化合物は、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 953084-13-4);10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 591773-92-1);及びそれらの混合物からなる群から選択されるスルホニウム塩である。本発明の第11の実施形態についてのスルホニウム塩の特に好適な例は、IGM RESINSのOMNICAT270(CAS Nr 953084-13-4)及びOMNICAT550(CAS Nr 591773-92-1)の名称で市販されている。
【0115】
[0114]本明細書に記載する第1、第2、第3、第4、第5、第7、第9及び第10の実施形態について、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、第1の実施形態について上述したものである1つ又は複数のヨードニウム塩、及び/又は第5の実施形態について上述したものである1つ又は複数のスルホニウム塩を更に含んでいてもよい。
【0116】
[0115]本明細書に記載する第11の実施形態について、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物は、第1の実施形態について上述したものである1つ又は複数のヨードニウム塩、及び/又は第1の実施形態について上述したものである1つ又は複数のチオキサントン、及び/又は第6の実施形態について上述したものであるヨードニウム塩及びアントラセンの1つ又は複数の混合物、及び/又は第2の実施形態について上述したものである1つ又は複数のアントラセン、及び/又は第3の実施形態について上述したものである1つ又は複数のクマリン、及び/又は第4の実施形態について上述したものであるナフタレンとアントラセンの1つ又は複数の混合物、及び/又は第5の実施形態について上述したものである1つ又は複数のスルホニウム塩、及び/又は第9の実施形態について上述したものである、カチオン及びアニオン部分を有する1つ又は複数のヨードニウム塩、及び/又は第10の実施形態について上述したものである1つ又は複数のオキソニウム塩を更に含んでいてもよい。
【0117】
[0116]好ましい実施形態は本明細書に記載する第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第11に上述するものである。
【0118】
[0117]本明細書に記載する第1の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)又はビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4)であるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、2-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1)、2-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1)及び4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 83846-86-0)の混合物、チオキサントンオリゴマー又はポリマー(CAS Nr 2055335-46-9)又は1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン(CAS Nr 1003567-83-6)であるチオキサントン化合物である;より好ましくは組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)であるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)であるチオキサントン化合物であり;ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)であるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、チオキサントンオリゴマー又はポリマー(CAS Nr 2055335-46-9)である;ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4)であるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1)又は4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 83846-86-0)である;又はステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4)であるヨードニウム塩であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン(CAS Nr 100356-7-83-6)であるチオキサントンである。
【0119】
[0118]本明細書に記載する第2の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)である。
【0120】
[0119]本明細書に記載する第3の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、3-(4-ドデシルベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2243703-91-3)である。
【0121】
[0120]本明細書に記載する第4の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)であり、少なくとも他の1つは、9,10-ジエトキシ-ナフタレン(CAS Nr 27294-37-7)であるナフタレン化合物である。
【0122】
[0121]本明細書に記載する第5の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及び/又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)である。
【0123】
[0122]本明細書に記載する第6の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及び/又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)であり、少なくとも他の1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)である。
【0124】
[0123]本明細書に記載する第7の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)であり、少なくとも他の1つは、9,10-ジエトキシ-ナフタレン(CAS Nr 27294-37-7)であるナフタレン化合物である。
【0125】
[0124]本明細書に記載する第8の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、3-(4-C10-C13-ベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2243703-91-3)であり、少なくとも他の1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)である。
【0126】
[0125]本明細書に記載する第9の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 2091854-13-4)である。
【0127】
[0126]本明細書に記載する第10の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)、又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、2,4,6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボレート(CAS Nr 448-61-3)である。
【0128】
[0127]本明細書に記載する第11の実施形態の好ましい例は、組合せであり、ステップa)の放射線硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)、又はビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)であり、ステップb)のトップ硬化性コーティング組成物の1つ又は複数の化合物の少なくとも1つは、トリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 953084-13-4)である。
【0129】
[0128]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するステップb)と部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、発光ダイオード(LED)硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)を含む。一方、電磁スペクトルのUV-A、UV-B、及びUV-C領域に発光バンドを有する中圧水銀ランプに、UV-LEDランプは、例えば、約350nm~約470nmの範囲においてUV-A領域及び/又は可視(Vis)領域の放射線を放射する。さらに、現在のUV-LED及びVis-LEDランプは、疑似単色放射を放射する、つまり、1つの波長、例えば、365nm、385nm、395nm、405nm、又は450nmでのみ放射する。1つ又は複数のしるし(x30)を少なくとも部分的に硬化するステップc)は、LED硬化ユニット(x50)から放射される、LED硬化ユニット(x50)でのUV光に、好ましくは約355nm~約415nmの間の1つ又は複数の波長に、より好ましくは365nm及び/又は385nm及び/又は395nmでのUV光にさらすことによって実行される。「部分的に同時に」は、両方のステップが部分的に同時に行われること、つまり、各ステップを行う時間が部分的に重複することを意味する。本明細書に記載する文脈では、硬化が付与ステップb)と部分的に同時に行われる場合、硬化が完全又は部分的硬化の前に1つ又は複数のしるし(x30)の形成後に有効になることは理解されるに違いない。ステップc)は、本明細書に記載するステップb)後に実行されるべきであり、前記2つのステップの間の時間は、好ましくは10秒未満であり、より好ましくは5秒未満である。
【0130】
[0129]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するステップc)後に、非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、本明細書に記載する磁界発生装置の磁界にコーティング層(x10)をさらすステップd)を含む。1つの実施形態によれば、ステップd)は、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために実行される。他の実施形態によれば、ステップd)は、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向して基材表面と実質的に平行なX軸及びY軸の両方を有するように実行される。本明細書に記載する方法が、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(x10)を本明細書に記載する磁界発生装置の磁界にさらすステップを含む実施形態について、コーティング層(x10)は、前記磁界発生装置に後に2回以上さらされてもよい。
【0131】
[0130]コーティング層(x10)を本明細書に記載する磁界発生装置の磁界にさらすステップが、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために実行される本明細書に記載する方法の実施形態について、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部は、粒子の主な延在面を定義するX軸及びY軸を有する小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子からなることが要求される。一次元の粒子と考えることができる針形状の顔料粒子とは対照的に、小板状の顔料粒子は、粒子の主な延在面を定義するX軸及びY軸を有する。言い換えれば、小板状の顔料粒子は、
図1から理解できるように、それらの寸法の大きなアスペクト比による二次元の粒子であると考えられてもよい。
図1に示されるように、小板状の顔料粒子は、寸法X及びYが寸法Zより実質的に大きい二次元の構造と考えることができる。小板状の顔料粒子は、本技術分野において楕円粒子又はフレークとも称する。そのような顔料粒子は、顔料粒子を横断する最長の寸法に対応する主軸X及び前記顔料粒子内にも位置するXに垂直な第2の軸Yで説明され得る。
【0132】
[0131]非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の本明細書に記載する磁化配向ステップの間、コーティング層(x10)を支持する基材(x20)は、1つ又は複数の非磁性材料からなる非磁性支持板(x40)に配置されていてもよい。
【0133】
[0132]磁性又は磁化可能な顔料粒子の本明細書に記載する磁化配向ステップの間、磁界発生装置の位置は限定されず、作製される磁化配向パターンの選択及び設計によって決まる。作製される磁化配向パターンの選択及び設計によって、磁界発生装置(B1、B2、B3)は、基材(x20)下、又はコーティング層(x10)上に設置されてもよい。
【0134】
[0133]磁性又は磁化可能な顔料粒子が、それらの主軸のみが磁界によって拘束されるように配向される単軸配向とは対照的に、二軸配向を実行することは、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子が、それらの主な2つの軸が拘束されるように配向させることを意味する。すなわち、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子はそれぞれ、顔料粒子の面における長軸及び顔料粒子の面における直交短軸を有すると考えることができる。小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の長軸及び短軸を各々磁界に従って配向させる。有効に、これは、実質的に互いに平行に間隙を介して、互いに近接して隣接する小板状の磁気顔料粒子をもたらす。言い換えると、二軸配向は、前記顔料粒子の面が隣接する(四方八方に)小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の面に対して実質的に平行に配向されるように小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の面を整列させる。本明細書に記載する磁界発生装置及び方法は、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子が、基材(x20)表面と好ましくは実質的に平行なそれらのX及びY軸を有するシート状の構造を形成し、前記二次元で平坦化されるように、本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向に配向することを可能にする。
【0135】
[0134]本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子を単軸方向に配向するのに適切な磁界発生装置は限定されないが、例えば、双極子磁石、四極子磁石、及びそれらの組合せが挙げられる。次の装置は、実例として本明細書にて提供される。
【0136】
[0135]フリップフロップ効果(本技術分野においてスイッチ効果としても称する)として知られている光学的効果は、移行部によって分離された第1の印刷部分及び第2の印刷部分を含み、顔料粒子は、第1の部分における第1の面に平行に整列し、第2の部分における顔料粒子は第2の面に平行に整列する。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、米国特許出願公開第2005/0106367号及び欧州特許第1819525号において開示されている。
【0137】
[0136]米国特許出願公開第2005/0106367号において開示されるようなローリングバー効果として知られている光学的効果ももたらされてもよい。「ローリングバー」効果は、コーティングにわたって曲面を模倣する顔料粒子配向に基づく。観察者は、画像が傾けられる場合に観察者から離れる、又は観察者の方に向かう鏡面反射ゾーンを見る。顔料粒子は湾曲して整列し、凸曲面(本技術において負の曲面配向とも称する)又は凹曲面(本技術において正の曲面配向とも称する)に続く。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、欧州特許出願公開第2263806号、欧州特許第1674282号、欧州特許出願公開第2263807号、国際公開第2004/007095号、国際公開第2012/104098号、及び国際公開第2014/198905号において開示されている。
【0138】
[0137]ベネチアンブラインド効果として知られている光学的効果ももたらされてもよい。ベネチアンブラインド効果は、基材表面上又は中に存在するしるし又は他の特徴が、それらが観測の他の方向に沿った視認性を妨害しながら観察者に明白になるように、観察の特定方向に沿って、下層の基材表面に視認性を与えるように配向される顔料粒子を含む。前記効果をもたらすための方法及び磁石は、例えば、米国特許第8,025,952号及び欧州特許第1819525号において開示されている。
【0139】
[0138]移動リング効果として知られている光学的効果ももたらされてもよい。移動リング効果は、前記光学効果層の傾斜角に依存する任意のx-y方向に移動するように見えるじょうご、円錐、ボウル、円、楕円、及び半球などの物体の光学的錯覚画像からなる。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、欧州特許出願公開第1710756号、米国特許第8,343,615号、欧州特許出願公開第2306222号、欧州特許出願公開第2325677号、国際公開第2011/092502号、米国特許出願公開第2013/0084411号、国際公開第2014108404号、及び国際公開第2014/108303号において開示されている。
【0140】
[0139]前記光学効果層の傾斜時に移動する明暗エリアのパターンの光学的印象をもたらす光学効果ももたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、国際公開第2013/167425号において開示されている。
【0141】
[0140]前記光学効果層の傾斜時に変化するサイズを有するループ形状体の光学的印象をもたらす光学効果ももたらされてもよい。これらの光学的効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、国際公開第2017/064052号、国際公開第2017/080698号、及び国際公開第2017/148789号において開示されている。
【0142】
[0141]光学効果層を傾斜させる際に形状が変化する1つ又は複数のループ形状体の光学的印象ももたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、国際公開第2018/054819号において開示されている。
【0143】
[0142]傾斜時に移動、回転する月の三日月の光学的印象をもたらす光学的効果ももたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、国際公開第2019/215148号において開示されている。
【0144】
[0143]傾斜時にサイズ及び形状が変化するループ形状体の光学的印象をもたらす光学的効果はもたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、同時係属PCT特許出願の国際公開第2020/052862号において開示されている。
【0145】
[0144]オルト視差効果の光学的印象をもたらす光学的効果は、つまり、この場合、基材が水平/緯度軸の周りに傾斜される場合縦方向に移動する、又は基材が長手軸の周りに傾斜される場合、水平/緯度方向に移動する明るい反射垂直バーの形態でもたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、同時係属PCT特許出願の国際出願PCT/EP2020/052265号において開示されている。
【0146】
[0145]1つ又は複数のループ形状体に囲まれた1つのループ形状体の光学的印象をもたらす光学効果がもたらされてもよく、前記1つ又は複数のループ形状体は、傾斜時に変化するそれらの形状及び/又はそれらの輝度を有する。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、同時係属PCT特許出願の国際出願PCT/EP2020/054042号において開示されている。
【0147】
[0146]基材が垂直/長手軸の周りで傾斜される場合、斜め方向に移動及び/又は出現及び/又は消失するだけでなく、基材が傾斜される場合、斜め方向に移動及び/又は出現及び/又は消失する複数の暗いスポット及び複数の明るいスポットの光学的印象をもたらす光学的効果は、もたらされてもよい。前記効果をもたらす方法及び磁石は、例えば、同時係属の欧州特許出願EP19205715.6号及び欧州特許出願19205716.4号において開示されている。
【0148】
[0147]本明細書に記載する磁界発生装置は、1つ又は複数の非磁性材料からなる、非磁性支持マトリックスに少なくとも部分的に埋め込まれていてもよい。
【0149】
[0148]本明細書に記載する非磁性支持板(x40)及び本明細書に記載する非磁性支持マトリックスの非磁性材料は、好ましくは、非磁性金属並びにエンジニアリングプラスチック及びポリマーからなる群から独立的に選択される。非磁性金属としては、限定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮(銅及び亜鉛の合金)、チタン、チタン合金、及びオーステナイト鋼(つまり、非磁性鋼)が挙げられる。エンジニアリングプラスチック及びポリマーとしては、限定されないが、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)及びその誘導体、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK);ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、コポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)共重合体、フッ素化及び過フッ素化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、及び液晶ポリマーが挙げられる。好ましい材料は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリオキシメチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン(登録商標)(ポリアミド)、及びPPSである。
【0150】
[0149]本明細書に記載する磁界発生装置は、1つ又は複数のレリーフ、刻印又は切り込みを支持する磁性プレートを含んでもよい。国際公開第2005/002866号及び国際公開第2008/046702号は、そのような刻印磁気板についての例である。
【0151】
[0150]本明細書に記載する磁界発生装置は、1つ又は複数のしるしを凹み及び/又は突起の形態で支持する軟磁性板、又は1つ又は複数のしるしの形状を有する1つ又は複数の空間を含む軟磁性板であってもよく、配向ステップは、軟磁性板上のコーティング層(x10)を支持する基材(x20)のアセンブリを形成することによって実行され、国際公開第2018/019594号及び国際公開第2018/033512号に記載するように、小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、静磁界発生装置(x40)の不均一磁場によって前記アセンブリが移動される。
【0152】
[0151]本明細書に記載する磁界発生装置は、国際公開第2020/025218号に記載するように、1つ又は複数の双極子磁石を収容するための1つ又は複数の空間を含み、1つ又は複数の連続的なループ形状のしるし及び/又は1つ又は複数の不連続のループ形状のしるしを形成する1つ又は複数の凹み及び/又は1つ又は複数の突起を含む軟磁性板を含む磁性アセンブリ(x30)、又は国際公開第2020/025482号に記載するように、1つ又は複数の空間及び1つ又は複数の空間内に配置される1つ又は複数の双極子磁石を含み、前記1つ又は複数の空間及び/又は軟磁性板の下に配置される1つ又は複数の空間と一定間隔で配置される1又は複数対の2つの双極子磁石に対向する1つ又は複数の双極子磁石を含む軟磁性板を含む磁性アセンブリであってもよい。
【0153】
[0152]本明細書に記載する小板状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向に配向するのに適切な磁界発生装置は限定されない。
【0154】
[0153]顔料粒子を2軸方向に配向するための特に好ましい装置は、欧州特許出願公開第2157141号において開示されている。顔料粒子を含むコーティング層を支持する基材の動作に際して、欧州特許出願公開第2157141号において開示される装置は、主軸の両方(X軸及びY軸)が基材表面と実質的に平行になるまで、その方向を変更して顔料粒子を急速に振動させる動的な磁界をもたらし、つまり、顔料粒子は、それらのX及びY軸が基材表面と実質的に平行な安定したシート状の形成物となるまで回転し、前記二次元において平坦化される。
【0155】
[0154]顔料粒子を2軸方向に配向するための他の特に好ましい装置は、直線状の永久磁石ハルバッハアレイ、つまり、異なる磁化方向を有する複数の磁石及びシリンダ装置を含む装置を含む。ハルバッハ永久磁石の詳細な説明は、Z.Q.Zhu and D.Howe(Halbach permanent magnet machines and applications:a review、IEE.Proc.Electric Power Appl、2001、148、299~308頁)によって与えられた。そのようなハルバッハアレイによってもたらされる磁界は、それが一方の側では集中される一方、他の側でほぼ0に弱められる特性を有する。直線状のハルバッハアレイは、例えば、国際公開第2015/086257号及び国際公開第2018/019594号において開示されており、ハルバッハシリンダ装置は、欧州特許第3224055号において開示されている。
【0156】
[0155]顔料粒子を2軸方向に配向するための他の特に好ましい装置は回転磁石であり、前記磁石は、それらの径に沿って実質的に磁化される円盤状の回転磁石又は磁界発生装置を含む。適切な回転磁石又は磁界発生装置は、米国特許出願公開第2007/0172261号に記載されており、前記回転磁石又は磁界発生装置は、放射対称時変磁界を発生し、未硬化コーティング組成物の磁性又は磁化可能な顔料粒子の2重配向を可能にする。これらの磁石又は磁界発生装置は、外部モーターに接続された軸(又はスピンドル)によって駆動される。中国特許第102529326号は、磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向に配向するのに適切であろう回転磁石を含む装置の例を開示している。好ましい実施形態では、磁性又は磁化可能な顔料粒子を2軸方向に配向するために適切な装置は、非磁性、好ましくは非導電材料からなる筐体において抑制された軸なしの円盤状の回転磁石又は磁界発生装置であり、筐体の周りに巻きつけられた1つ又は複数のマグネットワイヤーコイルによって駆動される。そのような軸なしの円盤状の回転磁石又は磁界発生装置の例は、国際公開第2015/082344号、国際公開第2016/026896号、及び国際公開第2018/141547号において開示されている。
【0157】
[0156]顔料粒子を2軸方向に配向するための他の特に好ましい装置は、
図3Aに示され、a)少なくとも第1の組(S1)及び第2の組(S2)であり、第1及び第2の組(S1、S2)の各々は、磁化配向中に基材と実質的に平行に配向する磁気軸を有する第1のバー双極子磁石、及び基材に実質的に垂直に配向された磁気軸を有する2つのバー双極子磁石を含む第1の組(S1)及び第2の組(S2);及びb)基材に実質的に平行に配向する磁気軸を有する第3のバー双極子磁石の対(P1)、例えば、同時係属中の欧州特許出願第20176506.2号に開示するものを含む。
【0158】
[0157]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。
【0159】
[0158]本明細書に記載する方法は、本明細書に記載するステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を含む。「部分的に同時に」によって、両方のステップは、部分的に同時に行われる、つまり、各ステップを行う時間は、部分的に重なることが意味される。本明細書に記載する文脈では、硬化が付与ステップc)と部分的に同時に行われる場合、硬化が完全又は部分的硬化の前にコーティング層(x10)における非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子の配向後に有効になることは理解されるに違いない。
【0160】
[0159]1つの実施形態によれば、例えば、
図2A1及び2A2に示されるように、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
基材(x20)表面上に、本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を付与するステップa);
ステップa)後に、本明細書に記載するコーティング層(x10)上に、トップコーティング組成物を1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップb)、
ステップb)と部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、前記1つ又は複数のしるし(x30)の下にないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd)であり、前記ステップd)は、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2A1)、2軸方向に配向するために(
図2A2)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよい、ステップd);
ステップd)と部分的に同時に、又は後にコーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)。
【0161】
[0160]1つの実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップを更に含み、前記ステップは、ステップb)後、又は部分的に同時に、及びステップc)の前に実行されてもよい。
【0162】
[0161]例えば、
図2Bに示される1つの実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を基材(x20)表面上に付与するステップa);
ステップa)後に、トップコーティング組成物を1つ又は複数のしるし(x30)の形態で本明細書に記載するコーティング層(x10)上に付与ステップb)、
ステップb)後、又は部分的に同時に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2B)、2軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよく、
ステップb)及び上記磁界発生装置(B1)での配向ステップ後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、前記1つ又は複数のしるし(x30)の下ではないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd)であり、前記ステップd)は、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2B)、2軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよいステップd)、及び
ステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)。
【0163】
[0162]他の実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップを更に含み、前記ステップは、ステップa)後に及びステップb)前に実行されてもよい。
【0164】
[0163]例えば、
図2C/2D/2E/2J/2Kに示される1つの実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を、基材(x20)表面上に付与するステップa);
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2C及びD)、2軸方向に配向するために(
図2E)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、
図2J及び2K)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよく、
上記磁界発生装置(B1)での配向ステップと部分的に同時に、又は後に、トップコーティング組成物を本明細書に記載するコーティング層(x10)上に1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップb)、
ステップb)後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2、
図2C/2E)、又は第3の磁界発生装置(B3、
図2J/2K)、又は第2及び第3の磁界発生装置(B2、次いでB3、
図2D)の磁界にさらすステップd)であり、前記ステップd)は、前記複数のしるし(x30)の下ではないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2C/2E/2J/2K)、2軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、
図2D)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよく;及び
ステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)。
【0165】
[0164]例えば、
図2F/2G/2H/2Iに示される1つの実施形態によれば、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を、基材(x20)上に付与するステップa)、
ステップa)後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップa)であり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に配向するために(
図2F/2G/2H/2I)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよく、
上記磁界発生装置(B1)での配向ステップと部分的に同時に、又は後に、トップコーティング組成物を本明細書に記載するコーティング層(x10)上に1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップb)、
ステップb)後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2F/2G/2H/2I)、2軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよく;
コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、前記1つ又は複数のしるし(x30)の下でないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)であり、前記ステップd)は、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために(
図2F/2G/2H/2I)、2軸方向に配向するために(図示せず)、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために(2ステップ、図示せず)、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために(1ステップ、図示せず)実行されてもよいステップd);及び
ステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)。
【0166】
[0165]3つの下記ステップ:本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を基材(x20)表面上に付与するステップa);ステップa)後に、トップコーティング組成物を、本明細書に記載するコーティング層(x10)上に1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップb)、ステップb)と部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップc)は、二回以上実行されてもよく、本明細書に記載する2つ以上のステップa)~c)を備えた前記方法は、最後のステップc)後に、前記1つ又は複数のしるし(x30)の下ではないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd)を更に含み、前記ステップd)は、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に配向するために、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために実行されてもよく;及びステップd)と部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップe)を更に含む。
【0167】
[0166]あるいは、ステップa)及びb)は、交換されてもよく、つまり、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
トップコーティング組成物を、基材表面上に本明細書に記載する1つ又は複数のしるしの形態で付与するステップ、
本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を1つ又は複数のしるし上に付与するステップ、
本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層を磁界発生装置の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に配向するために、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために実行されてもよいステップ;
配向ステップと部分的に同時に、又は後に、1つ又は複数のしるし及び前記1つ又は複数のしるし(x30)上のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアを、本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップ、
その後、前記1つ又は複数のしるし(x30)上ではないコーティング層(x10)のエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に配向するために、又は2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために実行されてもよいステップ;及び
配向ステップと部分的に同時に、又は後に、コーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップ。
【0168】
[0167]あるいは、本明細書に記載するトップコーティング組成物をコーティング層(x10)の表面全体に付与する第2のステップが、1つ又は複数のしるし(x30)及び前記1つ又は複数のしるし(x30)の下のコーティング層(x10)の1つ又は複数のエリアをLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップの後に実行される条件で、コーティング層(x10)を、本明細書に記載する250nm~320nmの間で少なくとも放射する硬化ユニット(x60)で少なくとも部分的に硬化するステップは、コーティング層(x10)を本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップと置き換えられてもよい。例えば、本明細書に記載する方法は、下記ステップからなる:
本明細書に記載する非球状の磁性又は磁化可能な顔料粒子を含む放射線硬化性コーティング組成物を、基材表面上に付与するステップ;
前記ステップ後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に配向するために、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために、好ましくは二軸方向に配向するために実行されてもよいステップ、
上記磁界発生装置(B1)での配向ステップと部分的に同時に、又は後に、本明細書に記載するトップコーティング組成物を、本明細書に記載するコーティング層(x10)上に1つ又は複数のしるし(x30)の形態で付与するステップ、
前記ステップ後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に、次いで単軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために、好ましくは単軸方向に配向するために実行されてもよいステップ;
コーティング層(x10)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、又は後に、トップコーティング組成物及び下部のコーティング層(x10)を、本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップ;
前記ステップ後に、本明細書に記載するトップコーティング組成物を本明細書に記載するコーティング層(x10)の表面全体上に付与するステップ;
前記ステップ後に、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために、コーティング層(x10)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップであり、前記ステップは、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、2軸方向に配向するために、又は二軸方向に及び単軸方向に同時に配向するために、好ましくは単軸方向に配向するために実行されてもよいステップ;及び
前記ステップと部分的に同時に、又は後に、トップコーティング組成物及びコーティング層(x10)を、本明細書に記載するLED硬化ユニット(x50)で少なくとも部分的に硬化するステップ。
【0169】
[0168]本発明は、本明細書に記載する基材(x20)上に1つ又は複数のしるし(x30)を示す光学効果層(OEL)及びその得られた1つ又は複数の光学効果層(OEL)を含む基材(x20)を作製する、本明細書に記載する方法を提供する。本明細書に記載する基材(x20)は、好ましくは、セルロース、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、及びそれらの2つ以上の混合物又は組合せなどの紙又は他の繊維状材料(織物及び不織布繊維状材料を含む)からなる群から選択される。典型的な紙、紙状又は他の繊維状材料は、限定されないが、アバカ、綿、亜麻布、木材パルプ、及びそれらの混合物を含む様々な繊維からなる。当業者によく知られているように、綿及び綿/亜麻布の混合物は、紙幣に好ましく、一方、木材パルプは、非紙幣セキュリティ文書において一般に使用されている。他の実施形態によれば、本明細書に記載する基材(x20)は、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、及びそれらの2つ以上の混合物又は組合せに基づく。プラスチック及びポリマーの好適な例としては、ポリエチレン(PE)及び2軸配向ポリプロピレン(BOPP)を含むポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタラート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトアート)(PEN)などのポリエステル、及びポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられる。商標Tyvek(登録商標)で販売されるものなどのスパンボンドオレフィン繊維は、また、基材として使用されてもよい。メッキプラスチック又はポリマーの代表例としては、表面上に連続又は不連続に金属を配置した上記プラスチック又は高分子材料が挙げられる。金属の代表例としては、限定されないが、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、それらの合金、及び前述の金属の2つ以上の組合せが挙げられる。前記プラスチック又は高分子材料の金属化は、電着プロセス、高真空コーティングプロセス、又はスパッタリングプロセスによって行われてもよい。複合材料の代表例としては、限定されないが、紙の多層構造又は積層品及び上記のものなどの少なくとも1つのプラスチック又は高分子材料、並びに上記のものなどの紙状又は繊維状材料に組み込まれたプラスチック及び/又はポリマー線維が挙げられる。当然、基材は、充填剤、糊剤、漂白剤、加工助剤、補強剤、又は湿潤強度増強剤などの、当業者に公知の更なる添加剤を含むことができる。本発明によって作製された1つ又は複数のしるし(x30)を示すOELが、例えば、爪のラッカーを含む装飾又は化粧目的に使用される場合、前記OELは、動物又は人間の爪、人工爪、又は他の部分を含む他のタイプの基材上に作製されてもよい。
【0170】
[0169]また、セキュリティ文書、又は装飾要素若しくは装飾体を製造する方法を本明細書に記載し、方法は、a)セキュリティ文書、又は装飾要素若しくは装飾体を準備すること、b)特に、本明細書に記載する方法によって得られたものなどの、本明細書に記載する1つ又は複数の光学効果層を、セキュリティ文書、又は装飾要素若しくは装飾体に含まれるように準備することを含む。
【0171】
[0170]本発明によって作製されたOELが、セキュリティ文書又は物品上にあれば、前記セキュリティ文書又は物品の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び抵抗性を更に向上させることを目的として、基材は、印刷、コーティング、又はレーザーマーク若しくはレーザー穿孔しるし、水量標、偽造防止糸、繊維、プランシェット、発光化合物、窓、箔、デカール、及びそれらの2つ以上の組合せを含んでいてもよい。セキュリティ文書及び物品の偽造及び違法複製に対するセキュリティレベル及び抵抗性を更に向上させる同じ目的で、基材は、1つ又は複数の標識物質又は識別用添加剤及び/又は機械読み取り可能物質(例えば、発光物質、UV/可視/IR吸収物質、磁性体、及びそれらの組合せ)を含んでいてもよい。
【0172】
[0171]必要に応じて、プライマー層は、ステップa)の前に基材に付与されてもよい。これは、本明細書に記載するOELの質を高める、又は接着を促進し得る。そのようなプライマー層の例は、国際公開第2010/058026号に見出され得る。
【0173】
[0172]汚れに対する耐久性又は耐薬品性及び清浄度、したがって本明細書に記載する方法によって得られたOELを含むセキュリティ文書、物品、又は装飾要素若しくは装飾体の循環寿命を向上させる目的で、又はそれらの美観性(例えば、光学的光沢)を変更する目的で、1つ又は複数の保護層がOEL上に付与されてもよい。存在する場合、1つ又は複数の保護層は、典型的に保護ワニスからなる。保護ワニスは、放射線硬化性組成物、熱乾燥組成物、又はそれらの任意の組合せであってもよい。好ましくは、1つ又は複数の保護層は、放射線硬化性組成物、より好ましくはUV-Vis硬化性組成物である。保護層は、OELの形成後に典型的に付与される。
【0174】
[0173]本発明は、本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)を示し、本明細書に記載する方法によって作製された光学効果層(OEL)を更に提供する。本明細書に記載する光学効果層(OEL)の形状は、連続又は不連続であってもよい。1つの実施形態によれば、コーティング層(x10)の形状は、1つ又は複数のしるし、ドット、及び/又はラインを表し、前記しるしは、本明細書に記載するトップコーティング組成物からなる1つ又は複数のしるし(x30)と同じ形状を有していてもよく、異なる形状を有していてもよい。
【0175】
[0174]本明細書に記載する1つ又は複数のしるし(x30)を示すOELは、それが永久に残る基材上に直接設けられてもよい(紙幣用途など)。あるいは、光学効果層は、また、OELがその後に取り除かれる作製目的の仮基材上に設けられてもよい。これは、特に、バインダー材料がまだその流体状態にある間、例えば、光学効果層(OEL)の作製を促進し得る。その後、OELの作製用のコーティング組成物を硬化した後、仮基材は、OELから取り除かれてもよい。
【0176】
[0175]あるいは、他の実施形態では、接着剤層は、1つ又は複数の示すしるし(x30)上に存在してもよく、又はOELを含む基材側に存在してもよく、前記接着剤層は、OELが設けられる側と反対の基材上又はOELと同じ側、及びOEL上にあってもよい。したがって、接着剤層は、OEL又は基材に付与されてもよく、前記接着剤層は、硬化ステップが終了後に付与されてもよい。そのような物品は、機械類及びかなり高い効果を伴う印刷及び他のプロセスなしで様々な種類の書類又は他の物品若しくは商品に取り付けられてもよい。あるいは、本明細書に記載するOELを含む本明細書に記載する基材は、転写箔の形態であってもよく、それは、個別の転写ステップで書類又は物品に付与されることができる。この目的のために、基材には剥離コーティングが設けられ、その上に本明細書に記載するようにOELが作製される。1つ又は複数の接着剤層は、そのように作製された光学効果層に付与されてもよい。
【0177】
[0176]また、本明細書に記載する方法によって得られた1つより多い、つまり2、3、4つなどの光学効果層(OEL)を含む基材を本明細書に記載する。
【0178】
[0177]また、本発明によって作製された光学効果層(OEL)を含む物品、文書、特に、セキュリティ文書、装飾要素、及び装飾体を本明細書に記載する。物品、特にセキュリティ文書、装飾要素、又は装飾体は、本発明によって作製された1つより多い(例えば、2、3つなど)OELを含んでいてもよい。
【0179】
[0178]上述されるように、本発明によって作製されたOELは、装飾の目的に、及びセキュリティ文書を保護及び認証するために使用されてもよい。
【0180】
[0179]装飾要素又は装飾体の代表例としては、限定されないが、高級品、化粧品包装、自動車部品、電子/電気器具、家具及び爪の物品が挙げられる。
【0181】
[0180]セキュリティ文書としては、限定されないが、価値書類及び価値商品が挙げられる。価値書類の代表例としては、限定されないが、紙幣、証書、チケット、請求書、証明書、収入印紙、及び税ラベル、協定等、旅券、身分証明書、ビザ、運転免許、バンクカード、クレジットカード、取引カード、アクセス書類又はカード、入場券、公共交通チケット、学術卒業証書又は権利等、好ましくは紙幣、アイデンティティ文書、権利付与文書、運転免許、及びクレジットカードなどのアイデンティティ文書が挙げられる。用語「価値商品」は、特に、化粧品、栄養補助食品、医薬品、アルコール、タバコ物品、飲料又は食料、電気/電子物品、織物又は宝石、つまり、例えば、本物の医薬品用などの包装の内容物を保証するために偽造及び/又は違法複製から保護される物品のためのパッケージング材料を指す。これらのパッケージング材料の例としては、限定されないが、認証ブランドラベル、タンパ証明ラベル、及びシールなどのラベルが挙げられる。本発明の範囲を制限することなく、開示された基材、価値書類、及び価値商品は、もっぱら例示のために与えられることが指摘される。
【0182】
[0181]あるいは、本明細書に記載する光学効果層(OEL)は、例えば、セキュリティスレッド、セキュリティストライプ、箔、デカール、窓、又はラベルなどの補助基材上に作製され、したがって、個別のステップでセキュリティ文書に転写されてもよい。
【0183】
[0182]当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、上記特定の実施形態からいくつかの変更を予測することができる。そのような変更は、本発明に包含される。
【0184】
[0183]さらに、明細書全体を通して参照した文献は全て、本明細書において十分に記載するように、参照によりその全体が組み込まれる。
【実施例】
【0185】
[0184]本発明は、以下、非限定的な実施例を参照してより詳細に説明する。下記実施例は、1つ又は複数のしるしを長方形の形態で示す光学効果層(OEL)の作製についてより詳細に述べる。磁性顔料粒子(VIAVI Solutions(サンタローザ、カリフォルニア州)から得られた、約10.7μmの径d
50及び約1μmの厚みのフレーク形状を有する7層緑青の小板状の光学可変磁性顔料粒子;及びVIAVI Solutions(サンタローザ、カリフォルニア州)から得られた、約19μmの径d
50及び約1μmの厚みのフレーク形状を有する5層の銀磁性顔料粒子)を含むスクリーン印刷組成物が調製されており、表1Aに記載されている。トップコーティングインクジェット印刷組成物が調製されており、表1B-1及び1B-2に記載されている。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0186】
(組成物の調製)
[0185]スクリーン印刷組成物を、ディスパーマットCV-3を使用して、2000rpmで10分間、表1Aに示す成分を混合することによって独立的に調製した。
【0187】
[0186]インクジェットトップコーティング印刷組成物を、ディスパーマットLC220-12を使用して、室温及び1000rpmで10分間、表1B1及び1B2に示す成分を混合することによって独立的に調製した。
【0188】
[0187]プライマー組成物は、Dispermat CV-3を使用して、表2に列挙される成分を2000rpmで10分間混合して調製された。
【0189】
[0188]組成物の粘性を、ブルックフィールド粘度計(型式「DV-I Prime」、スクリーン印刷組成物及びプライマー組成物については100rpmでスピンドルS27及びトップコーティングインクジェット印刷組成物については50rpmでS00)で25℃で独立的に測定し、表1A/B及び表2に示す。
【0190】
(光学効果層(OEL)の調製法)
[0189]光学効果層(OEL)を、本発明の方法(E1~E36)及び比較の方法(C1~C26)によって調製した。表5A1~5A4は、i)方法中に使用される組成物の組合せ、ii)方法自体を概略的に示す図、iii)スクリーン印刷組成物が付与された基材、及びiv)磁性配向ステップ中に使用された磁界発生装置の概要を提供する。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
磁界発生装置は以下のものであった:
MD1:上述し、
図3Aに示す磁性アセンブリ(二軸配向用)
MD2:以下に記載するバー双極子磁石(単軸配向用)
MD3:以下に記載し、
図3Bに示す磁性アセンブリ(単軸配向用)
基材(x20)S1~S4は、以下のものであった:
基材S1は、ポリマー基材(CCL SecureのGuardian(登録商標)である、
基材S2は、ハイブリッド基材である(LouisenthalのLongLife(登録商標)である、
基材S3は、基準紙(Louisenthal BNP紙、100g/m
2)である、
基材S4は、表2(プライマー厚さ:20μm)に開示するプライマー組成物を備えたT90スクリーンを使用して、ハンドスクリーン印刷によってコーティングされた基準紙であり(Louisenthal BNP紙、100g/m
2)、250nm~320nm(2つのランプ:IST Metz GmbHの鉄ドープ水銀ランプ200W/cm
2+水銀ランプ200W/cm
2;2回通過、100m/min)の間で少なくとも放射する硬化ユニットを使用する紫外線照射によって硬化された。
【0191】
[0190]
図2A1では、方法は、下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、しるし(230)を形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップd)、
ステップd)と部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0192】
[0191]
図2Bでは、方法は、下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、しるし(230)を形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
ステップb)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第1の磁界発生装置(B1)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、本明細書に記載する磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd)、
ステップd)と部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0193】
[0192]
図2Cでは、方法は、下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第1の磁界発生装置(B1)を維持しながら、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B1)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd)、
ステップd)と部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0194】
[0193]
図2Dでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第1の磁界発生装置(B1)を維持しながら、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、コーティング層(210)の付近に第1の磁界発生装置(B1)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd)、
ステップd)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ後に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
図2Dに示される方法に従って製造された実施例E17について、第3の磁界発生装置(B3)での配向ステップとステップe)との間は約0.5秒であった。
【0195】
[0194]
図2Eでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をコーティング層(210)上にインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0196】
[0195]
図2Fでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
ステップb)と部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0197】
[0196]
図2Gでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をコーティング層(210)上にインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ後に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
図2Gに示される方法に従って製造された実施例E19について、第3の磁界発生装置(B3)での配向とステップe)との間は約0.5秒であった。
【0198】
[0197]
図2Hでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
ステップb)後に、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層210のまだ硬化されたエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0199】
[0198]
図2Iでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物インクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらす前記ステップ後に、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアをLED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップ後に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
図2Iに示される方法に従って製造された実施例E21について、第3の磁界発生装置(B3)での配向とステップe)との間は約0.5秒であった。
【0200】
[0199]
図2Jでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第2の磁界発生装置(B2)を維持しながら、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0201】
[0200]
図2Kでは、方法は下記ステップを含んでいた:
コーティング層(210)を形成するために、基材(220)上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップa)(図示せず)、
ステップa)後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B1)の磁界にさらすステップ後に、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第2の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ、
コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B2)の磁界にさらすステップ後に、しるし(230)を形成するために、コーティング層(210)上にトップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップb)、
ステップb)後に、しるし(230)及び前記しるし(230)の下のコーティング層(210)のエリアを、LED硬化ユニット(250)で少なくとも部分的に硬化するステップc)、
ステップc)後に、コーティング層(210)のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層(210)を第1の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップd)、
コーティング層(210)を第3の磁界発生装置(B3)の磁界にさらすステップと部分的に同時に、光学効果層を形成するために、コーティング層(210)の付近に磁界発生装置(B3)を維持しながら、コーティング層(210)及びしるし(230)をHg硬化ユニット(260)で硬化するステップe)。
【0202】
[0201]比較例C1~C26は以下の方法に従って製造された:
方法1(C1~C20)は以下を含む:
コーティング層を形成するために、基材上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップ、
しるしを形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップ、
その後、コーティング層をLED硬化ユニットにさらすステップ、
その後、コーティング層のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第1の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
コーティング層を第1の磁界発生装置の磁界にさらすステップと部分的に同時に、コーティング層の付近に第1の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をHg硬化ユニットにさらすステップ。
方法2(C21)は以下を含む:
コーティング層を形成するために、基材上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層を第1の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
その後、しるしを形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第2の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
部分的に同時に、コーティング層の付近に第2の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をLED硬化ユニットにさらすステップ、
その後、コーティング層のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第3の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
部分的に同時に、コーティング層の付近に第3の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をHg硬化ユニットにさらすステップ。
方法3(C22及びC24)は以下を含む:
コーティング層を形成するために、基材上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップ、
その後、しるしを形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップ、
その後、コーティング層をLED硬化ユニットにさらすステップ、
コーティング層のまだ硬化されていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
その後、コーティング層をHg硬化ユニットにさらすステップ。
方法4(C23及びC25)は以下を含む:
コーティング層を形成するために、基材上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層を第1の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
その後、しるしを形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップ、
その後、コーティング層をLED硬化ユニットにさらすステップ、
その後、コーティング層(210)のまだ硬化されたていないエリアにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第2の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
部分的に同時に、コーティング層の付近に第2の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をHg硬化ユニットにさらすステップ。
方法5(C26)は以下を含む:
コーティング層を形成するために、基材上にスクリーン印刷組成物をスクリーン印刷するステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために、コーティング層を第1の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
その後、しるしを形成するために、トップコーティングインクジェット印刷組成物をインクジェット印刷するステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第2の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
部分的に同時に、コーティング層の付近に第2の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をHg硬化ユニットにさらすステップ、
その後、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために、コーティング層を第3の磁界発生装置の磁界にさらすステップ、
部分的に同時に、コーティング層(210)の付近に第3の磁界発生装置を維持しながら、コーティング層をLED硬化ユニットにさらすステップ。
【0203】
(スクリーン印刷組成物のスクリーン印刷)
[0202]表1Aに記載されたスクリーン印刷組成物は、次の寸法:25mm×25mm及び厚さ約20μmを有するコーティング層(x10)を形成するために、表5に記載する基材(x20)(70mm×70mm)上にT90スクリーンを使用してハンドスクリーン印刷によって独立的に付与した。
【0204】
(トップコーティングインクジェット印刷組成物のインクジェット印刷)
[0203]表1B-1及び1B2に記載するトップコーティングインクジェット印刷組成物は、以下の寸法:20mm×12mmを有する長方形の形状を有するしるしを形成するために、京セラKJ4A-TA印字ヘッド(600dpi)を使用して、DODインクジェット印刷によって約5g/m2で別々に付与された。
【0205】
(スクリーン印刷組成物の磁気配向)
[0204]コーティング層(x10)を以下に記載する磁界発生装置の磁界にさらすステップは、スクリーン印刷組成物からなるコーティング層に含まれた磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を配向するために別々に実行された。
【0206】
〔2軸配向用の磁界発生装置MD1(
図3Aに示される)〕
[0205]磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を2軸方向に配向するために使用される磁界発生装置MD1は、a)第1の棒状双極子磁石(371)及び2つの第2の棒状双極子磁石(372
a及び372
b)を含む第1のセット(S1)及び第1の棒状双極子磁石(371)及び第2の棒状双極子磁石(372
a及び372
b)を含む第2のセット(S2)、及びb)第3の棒状双極子磁石(373
a及び373
b)の一対(P1)を含んでいた。
【0207】
[0206]第1及び第2のセット(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(371)の、第1及び第2のセット(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)の、及び一対(P1)の第3の棒状双極子磁石(373a及び373b)の最表面は、同一面であった。
【0208】
[0207]第3の棒状双極子磁石(373a)は、ラインを形成するために、第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372a)及び第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372a)と位置合わせされた。第3の棒状双極子磁石(373b)は、ラインを形成するために、第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372b)及び第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372b)と位置合わせされた。
【0209】
[0208]第1及び第2のセット(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(371)は、次の寸法:第1の厚さ(L1)5mm、第1の長さ(L4)60mm、及び第1の幅(L5)40mmを有していた。第1及び第2のセット(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)の各々は、次の寸法:第2の厚さ(L2)10mm、第2の長さ(L6)40mm、及び第2の幅(L7)10mmを有していた。一対の(P1)の第3の棒状双極子磁石(373a及び373b)の各々は、次の寸法:第3の厚さ(L3)10mm、第3の長さ(L8)20mm、及び第3の幅(L9)10mmを有していた。
【0210】
[0209]第1のセット(S1)の第1の棒状双極子磁石(371)及び第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)は位置合わせされて列を形成し、第2のセット(S2)の第1の棒状双極子磁石(371)及び第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)は位置合わせされて列を形成した。本明細書に記載する各セット(S1、S2)及び各列について、第1の棒状双極子磁石(371)及び2つの第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)は、第2の距離(d2)2mmだけ離間していた。本明細書に記載する各ラインについて、第3の棒状双極子磁石(373a及び373b)及び2つの第2の棒状双極子磁石(372a)は、第3の距離(d3)2mmだけ離間していた。
【0211】
[0210]第1及び第2のセット(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(371)は、基材(320)と実質的に平行に配向された磁軸を有しており、第1のセット(S1)の第1の棒状双極子磁石(371)は、第2のセット(S2)の第1の棒状双極子磁石(371)の磁気方向と反対の磁気方向を有しており、第3の長さ(L8)及び2つの第3の距離(d3)の合計に対応する)第1の距離(d1)24mmだけ離間していた。
【0212】
[0211]第1及び第2のセット(S1、S2)の2つの第2の棒状双極子磁石(372a及び372b)は、第1の平面に実質的に垂直に、基材(320)に実質的に垂直に配向された磁軸を有していた。第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372a)のS極は、第1の平面及び基材(320)に向かい、第2の棒状双極子磁石(372b)のN極は、基材(320)に向かい、第1のセット(S1)の第1の棒状双極子磁石(371)のN極は、第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372b)に向かっていた。第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372a)のN極は、第1の平面及び基材(320)に向かい、第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372b)のS極は、基材(320)に向かい、第2のセット(S2)の第1の棒状双極子磁石(371)のN極は、第2のセット(S2)の第2の棒状双極子磁石(372a)に向かっていた。
【0213】
[0212]第3の棒状双極子磁石(373a)のS極は、第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372a)に向かい、前記第2の棒状双極子磁石(372a)は、基材(320)に向かうS極を有し、第3の棒状双極子磁石(373b)のN極は、第1のセット(S1)の第2の棒状双極子磁石(372b)に向かい、前記第2の棒状双極子磁石(372b)は、基材(320)に向かうN極を有する。
【0214】
[0213]第1及び第2のセット(S1、S2)の第1の棒状双極子磁石(371)、第1及び第2のセット(S1、S2)の第2の棒状双極子磁石(373a及び373b)、及び一対(P1)の第3の棒状双極子磁石(372a及び372b)は、NdFeB N42からなり、次の寸法:115mm×115mm×12mmを有するポリオキシメチレン(POM)からなる、非磁性支持マトリックス(図示せず)に埋め込まれた。
【0215】
[0214]磁気配向中に、コーティング層(310)を支持する基材(320)は、アセンブリを形成するために、コーティング層(310)が環境に面して上記POMからなる非磁性支持板上に配置され、前記非磁性支持板(340)は、次の寸法:180mm×130mm×2mmを有し、コーティング層(310)が、磁界発生装置(300)に面して、中央に位置合わせされた開口(48mm×48mm)を含んでいた。アセンブリは、磁界発生装置(300)の近傍及び上で前記装置の上面から約2mmの距離で前後に3回移動した。
【0216】
〔単軸配向用磁界発生装置MD2〕
[0215]磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために使用される磁界発生装置MD2は、長さ約30mm、幅約24mm、及び約6mmの厚さを有する棒状双極子磁石を含んでおり、前記棒状双極子磁石は、POMからなり、次の寸法:40mm×40mm×15mmを有するマトリックスに埋め込まれた。棒状双極子磁石のN-S磁軸は、基材(320)表面と平行で、幅と平行であった。棒状双極子磁石は、NdFeB N42からなっていた。
【0217】
[0216]磁気配向中に、コーティング層(310)を支持する基材(320)は、アセンブリを形成するために、コーティング層(310)が環境に面する上記POMからなる非磁性支持板上に配置された。アセンブリは、基材(320)が、棒状双極子磁石の表面の上面から約6mmの距離であるように磁界発生装置の近傍及び上に置かれた。
【0218】
〔単軸配向用磁界発生装置MD3(
図3Bに示される)〕
[0217]同時係属中の欧州特許出願第19205715.6号の
図6Aにおいて、磁性又は磁化可能な顔料粒子の少なくとも一部を単軸方向に配向するために使用される磁界発生装置MD3が開示されており、第1の正方形の支持マトリックス(332)に埋め込まれた第1の磁界発生装置(330)及び第2の正方形の支持マトリックス(342)に埋め込まれた第2の双極子磁石(341)を含む第2の磁界発生装置(340)を含み、第2の磁界発生装置(340)は、第1の磁界発生装置(330)の下に配置されており、第1の磁界発生装置(330)は、コーティング層(310)を支持する基材(320)と第2の磁界発生装置(340)との間に配置されていた。第1の磁界発生装置(330)及び第2の磁界発生装置(340)は、互いに対して中心に位置決めされた。
【0219】
[0218]第1の磁界発生装置(330)は、9つの平行直線α
i(α
1~9)及び9つの平行直線β
j(β
1~9)を含むグリッドの交差上にそれぞれの中心を配置した41個の第1の双極子磁石(331
1~41)を含んでおり、直線α
i(α
1~9)は互いに平行であり、直線β
j(β
1~9)は互いに平行であり、直線α
iは直線β
jに垂直であった。9本の線α
i(α
1~9)は、等間隔に配置されており、近接線は2.5mmの距離だけ離れていた。5本の線α
i(α
1/3/5/7/9)は、5つの第1の双極子磁石を含み、4つの線α
i(α
2/4/6/8)は、第1の双極子磁石の総数が41個(331
1~41)であるように4つの第1の双極子磁石を含んでいた。9本の線β
j(β
1~9)は、等間隔に配置されており、近接線は2.5mmの距離だけ離れていた。
図3Bに示すように、第1の双極子磁石(331
1~41)の各々は、グリッドの交差上に配列されているが、前記グリッドの交差のうちのいくつかは、第1の双極子磁石を含んでいなかった。
【0220】
[0219]41個の第1の双極子磁石(331
1~41)は、以下の寸法:2mm(A4、径)×2mm(A5、長さ)を有する円筒状であり、NdFeB N45からなった。第1の双極子磁石(331
1~41)は、
図3BにおいてS→Nの矢印によって示されるように、全て長さ(A5)方向に磁化され、基材(320)表面と平行で、同じ方向に全てを向ける直線α
i(α
1~α
9)に対して平行に配向した磁気軸を有していた。第1の磁界発生装置(330)は、基材(320)表面と実質的に平行なベクトル和H1を有していた。
【0221】
[0220]第1の磁界発生装置(330)の第1の正方形の支持マトリックス(332)は、以下の寸法:50mm×50mm×3mmを有し、ポリオキシメチレン(POM)からなり、41個の第1の双極子磁石(3311~41)を保持するための41個の凹みを含み、前記凹みは、前記41個の第1の双極子磁石(3311~41)と同じ寸法を有し、その結果、前記41個の第1の双極子磁石(3311~41)の最上面は、第1の正方形の支持マトリックス(332)の最上面と同一平面であった。第2の磁界発生装置(340)の第2の双極子磁石(341)は、正方形の双極子磁石であり、以下の寸法:30mm(B4)×30mm(B5)×2mm(B3)を有し、NdFeB N52からなった。第2の双極子磁石(341)は、基材(320)表面と実質的に平行な南北磁気軸を有していた。第2の磁界発生装置(340)は、基材(320)と実質的に平行なベクトル和H2(第2の双極子磁石(341)の磁気軸に対応する)を有していた。
【0222】
[0221]第2の磁界発生装置(340)の第2の正方形の支持マトリックス(342)は、以下の寸法:50mm×50mm×2mmを有し、ポリオキシメチレン(POM)からなり、第2の双極子磁石(341)を保持するための凹み/孔を含み、前記凹み/孔は、第2の双極子磁石(341)と同じ形状及び寸法(つまり、30mm(B4)×30mm(B5)×2mm(B3))を有し、その結果、前記第2の双極子磁石(341)の最上面及び最下面は、第2の正方形の支持マトリックス(342)の最上面及び最下面と同一平面であった。
【0223】
[0222]第1の磁界発生装置(330)の第1の正方形の支持マトリックス(332)の最上面(41個の第1の双極子磁石(3311~41)の上表にも相当する)と磁性アセンブリ(300)に面する基材(320)の表面との間の距離(h1)は1.5mmであった。第2の磁界発生装置(340)の第2の双極子磁石(341)の上面と、第1の磁界発生装置(330)の正方形の支持マトリックス(332)の最下面との間の距離(h2)は0mm、つまり、第1(330)及び第2(340)の磁界発生装置は直接接触していた。
【0224】
(硬化ユニット)
[0223]以下のユニットは光学効果層の調製に使用された:
LED硬化ユニット(x50):露光時間が約0.5秒のPhoseon(FireLineタイプ、125×20mm、395nm、8W/cm2)のUV-LEDランプ
Hg硬化ユニット(x60):2つのランプ:IST Metz GmbHの鉄ドープ水銀ランプ200W/cm2+水銀ランプ200W/cm2;100m/minで2回通過
【0225】
[0224]硬化ステップ後に、各試料をティッシュペーパーで擦ってコーティング層(x10)及びしるし(x30)の両方の硬化を確認した。
図4に示される写真から分かるように、硬化が完全又は十分でなかった比較例では、1つ又は両方の層の少なくともの一部が除去された。
【0226】
(実施例及び比較例の写真(
図4A~D))
[0225]上述するようにして作製された光学効果層の写真が、
図4A~Dに提供されている。
【0227】
[0226]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71786-70-4)、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の塩と、b)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のチオキサントン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 5495-84-1);4-(1-メチルエチル)-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 83846-86-0)、それらのオリゴマー及び高分子化合物(CAS Nr 2055335-46-9)、1,3-ジ[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシ]-2,2-ビス[[α-[1-クロロ-9-オキソ-9H-チオキサンテン-4-イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]]オキシメチルプロパン(CAS Nr 1003567-83-6)、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の化合物との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスにおける使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0228】
[0227]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第2の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩と、b)第2の実施形態に開示する1つ又は複数のアントラセン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0229】
[0228]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第3の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩と、b)第3の実施形態に開示する1つ又は複数のクマリン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における3-(4-ドデシルベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2170153-43)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動をだけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0230】
[0229]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第4の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩と、b)第4の実施形態に開示するナフタレン化合物及びアントラセン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における9,10-ジエトキシ-ナフタレン(CAS Nr 27294-37-7)及び9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0231】
[0230]
図4Aに開示する写真によって示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第1の実施形態の組合せによって得られたOELは、E1~E4、E8、及びE9で示され;請求されたプロセス及び本明細書に記載する第2の実施形態の組合せによって得られたOELは、E5で示され;請求されたプロセス及び本明細書に記載する第3の実施形態の組合せによって得られたOELは、E6で示され;及び請求されたプロセス及び本明細書に記載する第4の実施形態の組合せによって得られたOELは、E7で示される。
【0232】
[0231]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第5の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)からなる群から選択される1つ又は複数の塩と、b)第5の実施形態に開示する1つ又は複数のアントラセン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における9,10-ジブトキシ-アントラセン(CAS Nr 76275-14-4)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0233】
[0232]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第6の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)と、b)本明細書に記載する第6の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、c)第6の実施形態に開示する1つ又は複数のチオキサントン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0234】
[0233]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第7の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)と、b)本明細書に記載する第7の実施形態に開示するナフタレン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における9,10-ジエトキシ-ナフタレンと、c)アントラセン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における9,10-ジブトキシ-アントラセンとの組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0235】
[0234]
図4Aに示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第5の実施形態の組合せによって得られたOELは、E10で示され;請求されたプロセス及び本明細書に記載する第6の実施形態の組合せによって得られたOELは、E11で示され;及び請求されたプロセス及び本明細書に記載する第7の実施形態の組合せによって得られたOELは、E12で示される。
【0236】
[0235]
図4Dに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第8の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)からなる群から選択される1つ又は複数の塩と、b)本明細書に記載する第8の実施形態に開示する1つ又は複数のクマリン化合物、特に、3-(4-C10-C13-ベンゾイル)-5,7-ジメトキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-オン(CAS Nr 2243703-91-3)、及び本明細書に記載する第8の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
図4Dに示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第8の実施形態の組合せによって得られたOELは、E30で示される。
【0237】
[0236]
図4Dに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第9の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は本明細書に記載する第9の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)、b)本明細書に記載する第9の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における[(7-メトキシ-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 2091854-13-4)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
図4Dに開示する写真によって示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第9の実施形態の組合せによって得られたOELは、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第9の実施形態の組合せによって得られたOELで示され、E31及びE32で示される。
【0238】
[0237]
図4Dに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第10の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は明細書に記載する第10の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物における4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)と、b)本明細書に記載する第10の実施形態に開示する1つ又は複数のピリリウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における2、4、6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボレート(CAS Nr 448-61-3)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
図4Dに開示する写真によって示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第10の実施形態の組合せによって得られたOELは、E33及びE34で示される。
【0239】
[0238]
図4Dに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)、又は本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物において4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)、b)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物におけるトリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 953084-13-4)との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした。
図4Dに開示する写真によって示すように、請求された及び本明細書に記載する第11の実施形態の組合せプロセスによって得られたOELは、E35及びE36で示される。
【0240】
[0239]本発明による実施例に反して、スクリーン印刷組成物における化合物及びトップコーティングインクジェット印刷組成物における化合物が本明細書に記載する実施形態からならなかった以外、請求されたプロセスと同じプロセスで製造した比較例(C1~C20)は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動をしるしと組み合わせて示すことができなかった。比較例C1~C8及びC20は、粒子の磁界発生装置での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動を示したが、トップ硬化性コーティング組成物における約350nm~約470nmの範囲において吸収する特定の1つ又は複数の化合物がないため、又は本明細書に記載する実施形態からならなかったスクリーン印刷組成物における化合物及びトップコーティングインクジェット印刷組成物における化合物の組合せのためしるしを示すことができなかった。比較例C10、C12、C14、及びC17は、粒子の特定の磁化配向パターンがない(粒子のランダム配向)ため基材を傾けた際のローリングバーの動的移動を示すことができず、コーティング層(x10)及びしるし(x30)の表面全体が、ステップc)においてLED硬化ユニットで硬化され、その後、いずれの再配向も妨げないので、しるしを示すことができなかった。比較例C11、C13、C15、C16、及びC18は、前記スクリーン印刷組成物の硬化が不足するのでスクリーン印刷組成物を示すことができなかった。C9及びC19は、前記スクリーン印刷組成物及び前記トップコーティングインクジェット印刷組成物の硬化が不足するので、スクリーン印刷組成物及びトップコーティングインクジェット印刷組成物を示すことができなかった。
【0241】
[0240]本発明による実施例に反して、スクリーン印刷組成物における化合物及びトップコーティングインクジェット印刷組成物における化合物が本明細書に記載する実施形態からならなかった以外、請求されたプロセスと同じプロセスで製造した比較例C21は、傾けた際のローリングバーの動的移動を示すことができたが、スクリーン印刷組成物における化合物及びトップコーティングインクジェット印刷組成物における化合物が本明細書に記載する実施形態からならなかったのでしるしを示すことができなかった。
【0242】
[0241]本発明による実施例に反して、トップコーティングインクジェット印刷組成物が本明細書に記載する化合物がなかった以外、請求されたプロセスと同じプロセスで製造した比較例C22及びC23は、傾けた際のローリングバーの動的移動を示すことができたが、しるしを示すことができなかった。
【0243】
[0242]本発明による実施例に反して、トップコーティングインクジェット印刷組成物が本明細書に記載する化合物がなかった以外、請求されたプロセスと同じプロセスで製造した比較例C24及びC25は、傾けた際のローリングバーの動的移動を示すことができず、しるしを示すことができなかった。
【0244】
[0243]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物おけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、b)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物におけるトリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 953084-13-4);10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 591773-92-1);及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の化合物との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした(
図4AのE13参照)。
【0245】
[0244]
図4Aに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物おける4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 71449-78-0)及びビス[4-(ジフェニルスルホニウム)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート(CAS Nr 89452-37-9)からなる群から選択される1つ又は複数の塩と、b)本明細書に記載する第11の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物におけるトリス[4-(4-アセチルフェニルスルファニル)フェニル]-スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 953084-13-4);10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 591773-92-1);及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の化合物との組合せの本明細書に記載する請求されたプロセスでの使用は、粒子、明るい高反射エリアの磁界発生装置(B1)での磁化配向による基材を傾けた際のローリングバーの動的移動だけでなくしるしを示す光学効果層を作製することを可能にした(
図4AのE14参照)。
【0246】
[0245]
図4Aに開示する写真によって示すように、請求されたプロセス及び本明細書に記載する第11の実施形態の組合せによって得られたOELは、E13及びE14で示される。
【0247】
[0246]
図4Bに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、b)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のチオキサントン化合物、特に、本発明による異なるプロセスでのトップコーティングインクジェット印刷組成物における1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)との組合せの使用は、基材を傾けた際のローリングバー(
図4BのE18及びE23参照)又は基材を傾けた際のローリングバー(しるし外のエリア)、及び移動及び/又は出現及び/又は消滅する複数の暗いスポット及び複数の明るいスポットの動的移動(しるしのエリア内)(
図4BのE15~E17及びE19~E22参照)を示すだけでなくしるしも示した。
【0248】
[0247]
図4Bに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第2の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、b)本明細書に記載する第2の実施形態に開示する1つ又は複数のアントラセン化合物、特に、本発明による異なるプロセスでのトップコーティングインクジェット印刷組成物におけるANTHRACURE(登録商標)UVS 1331(CAS Nr 76275-14-4)との組合せの使用は、基材を傾けた際のローリングバー(しるし外のエリアにおける)、及び移動及び/又は出現及び/又は消滅する複数の暗いスポット及び複数の明るいスポット(しるしのエリア内)(
図4BのE24参照)を示すだけでなくしるしも示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0249】
[0248]
図4Bに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第5の実施形態に開示する1つ又は複数のスルホニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるSpeedCure976(CAS Nr 71449-78-0及び89452-37-9)と、b)本明細書に記載する第5の実施形態に開示する1つ又は複数のアントラセン化合物、特に、本発明による異なるプロセスでのトップコーティングインクジェット印刷組成物におけるANTHRACURE(登録商標)UVS 1331(CAS Nr 76275-14-4)との組合せの使用は、基材を傾けた際のローリングバー(しるし外のエリアにおける)、及び移動及び/又は出現及び/又は消滅する複数の暗いスポット及び複数の明るいスポット(しるしのエリア内)(
図4BのE25参照)を示すだけでなくしるしも示す光学効果層を作製することを可能にした。
【0250】
[0249]本発明による実施例に反して、a)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、b)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のチオキサントン化合物、特に、トップコーティングインクジェット印刷組成物における1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)との組合せであるが、要求されたプロセス、つまり、コーティング層及びしるしが、第2の磁界発生装置の磁界にコーティング層をさらすステップ後に、Hg硬化ユニットによって硬化されるプロセスとは異なるプロセスで製造された比較例C26は、前記層のHg硬化ユニットでの硬化によって固定され(つまり、それ以上、第3の磁界発生装置での粒子の更なる再配向は起こらなかった)、しるしを示すことができなかった。C26は、しるしを示すことなく基材を傾けた際に移動及び/又は出現及び/又は消滅する複数の暗いスポット及び複数の明るいスポットの動的移動を示した。
【0251】
[0250]
図4Cに開示する写真によって示すように、a)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のヨードニウム塩、特に、スクリーン印刷組成物におけるビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(CAS Nr 60565-88-0)と、b)本明細書に記載する第1の実施形態に開示する1つ又は複数のチオキサントン化合物、特に、異なる基材(S1~S4)上のトップコーティングインクジェット印刷組成物における1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(CAS Nr 142770-42-1)との組合せの使用は、基材を傾けた際のローリングバー(
図4CのE1及びE26参照)、又は基材を傾けた際の移動及び/又は出現及び/又は消滅する複数の明るいスポット(
図4CのE27~E29)を示すだけでなくしるしも示す光学効果層を作製することを可能にした。
【国際調査報告】