(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】熱管理制御方法、装置、記憶媒体及び車両
(51)【国際特許分類】
F01P 7/16 20060101AFI20240416BHJP
F01P 7/14 20060101ALI20240416BHJP
F01P 7/04 20060101ALI20240416BHJP
F02D 29/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
F01P7/16 505B
F01P7/16
F01P7/14 N
F01P7/16 502A
F01P7/04 A
F01P7/16 502Z
F02D29/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560294
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2022088511
(87)【国際公開番号】W WO2022228309
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110458536.8
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】朱福堂
(72)【発明者】
【氏名】王春生
(72)【発明者】
【氏名】黄秋萍
【テーマコード(参考)】
3G093
【Fターム(参考)】
3G093AA01
3G093DA05
3G093DB01
3G093DB05
3G093DB09
(57)【要約】
熱管理制御方法、装置(124)、記憶媒体及び車両(100)であり、熱管理制御方法は、エンジン(110)の現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタット(123)の開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジン(110)の最低燃料消費量MAPに基づいて、エンジン(110)の総目標放熱量を決定するステップと、総目標放熱量、空冷ラジエーター(122)の吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システム(120)の最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプ(121)の目標回転数と空冷ラジエーター(122)の目標回転数を決定するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの熱管理制御方法であって、前記エンジンは、熱管理システムに接続され、前記熱管理システムは、ウォーターポンプ、空冷ラジエーター及びサーモスタットを含み、前記エンジンと前記ウォーターポンプは、接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップと、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、
前記ウォーターポンプの回転数を前記ウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を前記空冷ラジエーターの目標回転数に制御するステップと、を含む、ことを特徴とするエンジンの熱管理制御方法。
【請求項2】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップは、
前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、前記エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項3】
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップは、
閉ループ方式による第1フィードバック制御によって前記総目標放熱量を決定するステップを含み、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量は、前記第1フィードバック制御の入力量であり、前記エンジンの現在の温度は、前記第1フィードバック制御のフィードバック変数であり、前記総目標放熱量は、前記第1フィードバック制御の出力量である、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理制御方法。
【請求項4】
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、前記ウォーターポンプの目標理論回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数を決定するステップと、
ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップと、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項5】
ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップは、前記ウォーターポンプの目標回転数が前記ウォーターポンプの基本回転数と前記ウォーターポンプの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又は前記ウォーターポンプの目標回転数が前記ウォーターポンプの基本回転数と前記ウォーターポンプの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含み、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、前記空冷ラジエーターの目標回転数が前記空冷ラジエーターの基本回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又は前記空冷ラジエーターの目標回転数が前記空冷ラジエーターの基本回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理制御方法。
【請求項6】
前記ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップは、前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、ウォーターポンプの安定回転数MAPを検索して、前記ウォーターポンプの基本回転数を決定するステップを含み、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、空冷ラジエーターの安定回転数MAPを検索して、前記空冷ラジエーターの基本回転数を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理制御方法。
【請求項7】
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、前記ウォーターポンプの目標回転数と前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、
現在の車速及び環境風速に基づいて、前記空冷ラジエーターの吸気速度を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項8】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御するステップと、
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの開度を前記サーモスタットの目標開度に制御するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項9】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
閉ループ方式による第2フィードバック制御によって前記サーモスタットの目標開度を決定するステップを含み、前記エンジンの目標温度は、前記フィードバック制御の入力量であり、前記エンジンの現在の温度は、前記第2フィードバック制御のフィードバック変数であり、前記サーモスタットの目標開度は、前記フィードバック制御の出力量である、ことを特徴とする請求項8に記載の熱管理制御方法。
【請求項10】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標理論開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの基本開度及び前記サーモスタットの目標理論開度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の熱管理制御方法。
【請求項11】
前記サーモスタットの基本開度及び前記サーモスタットの目標理論開度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
前記サーモスタットの目標開度が前記サーモスタットの基本開度と前記サーモスタットの目標理論開度との和に等しいことを決定するか、又は前記ウォーターポンプの目標回転数が前記サーモスタットの基本開度と前記サーモスタットの目標理論開度のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項12】
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、サーモスタットの安定開度MAPを検索して、前記サーモスタットの基本開度を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項13】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標理論開度を決定するステップは、
前記エンジンの目標温度と前記エンジンの現在の温度との差を比例・積分・微分処理したり、比例・積分処理したり、比例・微分処理したりして、前記サーモスタットの目標理論開度を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項14】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値よりも小さい場合、前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、かつ前記サーモスタットの開度を0に制御するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1~14のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1~14のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実行するように構成される、ことを特徴とする車両の熱管理制御装置。
【請求項17】
エンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムは、ウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、請求項16に記載の熱管理制御装置とを含み、
前記エンジンと前記ウォーターポンプは、接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年4月27日に提出された、出願番号が202110458536.8で、名称が「熱管理制御方法、装置、記憶媒体及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に属し、特に、熱管理制御方法、装置、記憶媒体及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における車両エンジンの熱管理制御方法は、サーモスタットの開度、電子ウォーターポンプの回転数、ラジエーターファンの回転数を優先度の高い順に調整することにより、各動作状況における放熱要求を満たすが、熱管理システムの消費電力とエンジンの燃料消費量の共同最適化を行うことで車両全体の最適なエネルギー消費を実現することを考慮していない。
【発明の概要】
【0004】
上記技術的課題に対して、本開示の第1目的は、エンジンを、燃料消費量が最低であるときの温度に維持し、熱管理システムの消費電力を最低にし、車両全体の最適なエネルギー消費を実現するように、所定のエンジンの最低燃料消費量MAP及び熱管理システムの最低消費電力MAPに基づいて、ウォーターポンプの回転数と空冷ラジエーターの回転数を制御するエンジンの熱管理制御方法を提供することである。
【0005】
本開示の第2目的は、コンピュータ可読記憶媒体を提供することである。
【0006】
本開示の第3目的は、車両の熱管理制御装置を提供することである。
【0007】
本開示の第4目的は、車両を提供することである。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様の実施例は、エンジンの熱管理制御方法であって、エンジンが、熱管理システムに接続され、熱管理システムが、ウォーターポンプ、空冷ラジエーター及びサーモスタットを含み、エンジンとウォーターポンプが、接続されて第1冷却サイクルを形成し、空冷ラジエーターが、サーモスタットによってエンジン及びウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの総目標放熱量を決定するステップと、総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を空冷ラジエーターの目標回転数に制御するステップと、を含む、エンジンの熱管理制御方法を提供する。
【0009】
所定のエンジンの最低燃料消費量MAPにより、現在の動作状況における燃料消費量が最低であるか又は効率が最高であるときのエンジンの温度、即ち、エンジンの目標温度を決定し、さらにエンジンの目標温度に達するのに必要な総目標放熱量を決定し、そして、所定の熱管理システムの最低消費電力MAPにより、現在の環境における消費電力が最低であるときのウォーターポンプの回転数と空冷ラジエーターの回転数の最適な組み合わせ、即ち、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定することにより、エンジンの燃料消費量と熱管理システムの消費電力の共同最適化を実現し、車両全体の最適なエネルギー消費を実現する。
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の第2態様の実施例は、プロセッサによって実行されると、上記第1態様の実施例に係る熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0011】
上記目的を達成するために、本開示の第3態様の実施例は、互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、メモリが、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサが、プログラム命令を呼び出して、上記第1態様の実施例に係る熱管理制御方法を実行するように構成される、車両の熱管理制御装置を提供する。
【0012】
上記目的を達成するために、本開示の第4態様の実施例は、エンジン及び熱管理システムを含み、熱管理システムが、ウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、上記第3態様の実施例に係る熱管理制御装置とを含み、エンジンとウォーターポンプが、接続されて第1冷却サイクルを形成し、空冷ラジエーターが、サーモスタットによってエンジン及びウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する、車両を提供する。
【0013】
本開示の理論的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本開示の実施例に係る熱管理制御方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例に係る熱管理制御方法の第1フィードバック制御のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例に係る熱管理制御方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例に係る熱管理制御方法の第2フィードバック制御のフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例に係る熱管理制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、或いは、同一又は類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0016】
以下、
図1~
図6を参照して、本開示の実施例の車両100、その熱管理制御方法、熱管理制御装置及びコンピュータ可読記憶媒体を説明する。
【0017】
図1に示すように、車両100は、エンジン110及び熱管理システム120を含み、熱管理システム120は、ウォーターポンプ121、空冷ラジエーター122、サーモスタット123及び熱管理制御装置124を含む。熱管理制御装置124は、互いに接続されたプロセッサ124a及びメモリ124bを含み、メモリ124bは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサ124aは、プログラム命令を呼び出して、本実施例に係る熱管理制御方法を実行するように構成される。また、本開示の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、本開示の実施例に係る熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0018】
図1に示すように、エンジン110とウォーターポンプ121は、接続されて第1冷却サイクルを形成し、即ち、冷却液は、ウォーターポンプ121により汲み出されてエンジン110を流れることで、エンジン110を冷却する。空冷ラジエーター122は、サーモスタット123によってエンジン110及びウォーターポンプ121に接続されて第2冷却サイクルを形成し、即ち、サーモスタット123が開く場合、冷却液は、ウォーターポンプ121により汲み出されてエンジン110を流れることで、エンジン110を冷却し、その後、サーモスタット123を流れて空冷ラジエーター122に入って冷却する。なお、第1冷却サイクルは、エンジン110を冷却する小サイクルであり、第2冷却サイクルは、エンジン110を冷却する大サイクルである。
【0019】
図2に示すように、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、以下のステップS1~S3を含む。
【0020】
S1では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの総目標放熱量を決定する。
【0021】
エンジン110の温度が所定の温度閾値以上である場合、エンジン110の暖機が完了したと考えられ、このとき、熱管理システム120は、エンジン110の温度を継続的に制御する必要があり、いくつかの実施例では、所定の温度閾値は、60℃~80℃であってもよい。具体的には、所定の温度閾値は、80℃であってもよい。なお、本開示において、エンジン110の温度に関するパラメータは、冷却液がエンジン110から流出するときの温度である。サーモスタット123の開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジン110が放熱要求の高い動作状態に入ったと考えられ、いくつかの実施例では、所定の開度閾値は、95%~100%であってもよく、具体的には、所定の開度閾値は、100%であり、即ち、サーモスタット123は、全開である。
【0022】
したがって、エンジン110が放熱要求の高い動作状態に入った後、ウォーターポンプ121と空冷ラジエーター122は、いずれもエンジン110の冷却に参加し、エンジン110は、燃料消費量が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達する必要がある。具体的には、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度を入力パラメータとして、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジン110が、燃料消費量が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にする総目標放熱量を最終的に出力する。エンジンの最低燃料消費量MAPは、車両100の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、エンジン110の燃料消費量を最低にすることを条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。現在の環境温度とは、車両外の空気温度、即ち、エンジン110の吸気温度と空冷ラジエーター122の吸気温度である。
【0023】
S2では、総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定する。
【0024】
サーモスタット123の開度が所定の開度閾値以上である場合、第2冷却サイクルによりエンジン110を冷却し、エンジン110が、燃料消費量が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にするウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の組み合わせは、無数であり、本開示の実施例では、総目標放熱量、空冷ラジエーター122の吸気速度及び現在の環境温度を入力パラメータとして、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数の最適な組み合わせを出力することにより、熱管理システム120は、最低消費電力状態で動作する。熱管理システムの最低消費電力MAPは、熱管理システム120の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、熱管理システム120の消費電力を最低にすることを条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。いくつかの実施例では、現在の車速及び環境風速に基づいて、空冷ラジエーター122の吸気速度を決定する。
【0025】
S3では、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を空冷ラジエーターの目標回転数に制御する。
【0026】
所定のエンジンの最低燃料消費量MAPにより、現在の動作状況における、エンジンが、最低燃料消費量又は最高効率状態に達するのに必要な総目標放熱量を決定し、そして、所定の熱管理システムの最低消費電力MAPにより、現在の環境における消費電力が最低であるときのウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の最適な組み合わせ、即ち、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定し、かつウォーターポンプ121と空冷ラジエーター122を制御してそれぞれウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数で運転させることにより、熱管理システムの消費電力とエンジンの燃料消費量の共同最適化を実現し、さらに車両全体の最適なエネルギー消費を実現する。なお、空冷ラジエーター122の回転数とは、空冷ラジエーター122のファンの回転数である。
【0027】
いくつかの実施例では、ステップS1は、以下のステップS110~S130を含む。
【0028】
S110では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0029】
S120では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定する。
【0030】
S130では、エンジンの現在の温度、エンジンの目標温度及びエンジンの発熱量に基づいて、総目標放熱量を決定する。
【0031】
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度を入力パラメータとして、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジン110が、燃料消費量が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にするエンジンの目標温度を出力する。いくつかの実施例では、エンジンの現在の温度とエンジンの目標温度との差△Tに基づいて、エンジンの現在の温度から目標温度までに必要な熱量がC・M・△Tであることを算出することができ、Cは、冷却液の比熱容量であり、Mは、冷却液の質量であり、冷却液の質量は、流量に関連する。したがって、エンジンの発熱量とC・M・△Tの差を取って、エンジンを冷却する総目標放熱量を得ることができる。
【0032】
図3に示すように、いくつかの実施例では、ステップS130は、具体的に、閉ループ方式による第1フィードバック制御によって総目標放熱量を決定するステップを含み、エンジンの目標温度及びエンジンの発熱量は、第1フィードバック制御の入力量であり、エンジンの現在の温度は、第1フィードバック制御のフィードバック変数であり、総目標放熱量は、第1フィードバック制御の出力量である。フィードバック制御によって総目標放熱量を閉ループに制御することにより、エンジンは、常に、燃料消費量が最低であり、効率が最高であるときの温度で安定して動作することができる。いくつかの実施例では、ステップS130は、具体的に、以下のステップS131~S134を含む。
【0033】
S131では、エンジンの目標温度を入力量とし、エンジンの現在の温度をフィードバック変数として第1加算器に入力して、目標温度差△Tを出力する。
【0034】
S132では、目標温度差△Tを第1演算器に入力して、エンジンに必要な熱量C・M・△Tを出力する。
【0035】
S133では、エンジンに必要な熱量C・M・△Tとエンジンの発熱量を第2演算器に入力して、総目標放熱量を出力する。
【0036】
S134では、S2及びS3の後、エンジンの現在の温度を再び取得し、フィードバック変数として第1加算器に入力する。
【0037】
図3に示すように、いくつかの実施例では、ステップS2は、以下のステップS210~S230を含む。
【0038】
S210では、総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標理論回転数と空冷ラジエーターの目標理論回転数を決定する。
【0039】
S220では、ウォーターポンプの基本回転数及びウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、ウォーターポンプの目標回転数を決定する。いくつかの実施例では、ウォーターポンプの基本回転数及びウォーターポンプの目標理論回転数を第3演算器に入力して、ウォーターポンプの目標回転数を出力する。
【0040】
S230では、空冷ラジエーターの基本回転数及び空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、空冷ラジエーターの目標回転数を決定する。いくつかの実施例では、空冷ラジエーターの基本回転数及び空冷ラジエーターの目標理論回転数を第3演算器に入力して、空冷ラジエーターの目標回転数を出力する。
【0041】
第1フィードバック制御によって出力された総目標放熱量とフィードバックされたエンジンの現在の温度が大きく変動することを回避するために、ウォーターポンプ121及び空冷ラジエーター122は、一定の回転数、即ち、ウォーターポンプの基本回転数及び空冷ラジエーターの基本回転数があることを保証する必要がある。
【0042】
いくつかの実施例では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、ウォーターポンプの安定回転数MAPを検索して、ウォーターポンプの基本回転数を決定する。エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、空冷ラジエーターの安定回転数MAPを検索して、空冷ラジエーターの基本回転数を決定する。つまり、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度を入力パラメータとして、ウォーターポンプの安定回転数MAPを検索して、ウォーターポンプの基本回転数を出力する。エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク、空冷ラジエーター122の吸気速度及び現在の環境温度を入力パラメータとして、空冷ラジエーターの安定回転数MAPを検索して、空冷ラジエーターの基本回転数を出力する。なお、ウォーターポンプの安定回転数MAPと空冷ラジエーターの安定回転数MAPは、エンジン110及び熱管理システム120の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、シミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。
【0043】
いくつかの実施例では、ステップS220は、ウォーターポンプの目標回転数がウォーターポンプの基本回転数とウォーターポンプの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又はウォーターポンプの目標回転数がウォーターポンプの基本回転数とウォーターポンプの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む。ステップS230は、空冷ラジエーターの目標回転数が空冷ラジエーターの基本回転数と空冷ラジエーターの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又は空冷ラジエーターの目標回転数が空冷ラジエーターの基本回転数と空冷ラジエーターの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む。異なる実施例では、ウォーターポンプの目標回転数がウォーターポンプの基本回転数以上であることを保証する必要があり、異なる計算方式によって、熱管理システムの最低消費電力MAPを調整することにより、消費電力が最低であるときのウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の最適な組み合わせを決定する。
【0044】
図4に示すように、いくつかの実施例では、本開示に係る熱管理制御方法は、ステップS4~S7をさらに含む。
【0045】
S4では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を0に制御する。
【0046】
サーモスタット123の開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、エンジン110が温度の高い動作状態に入っていないと考えられ、このとき、第2冷却サイクルにおいて、空冷ラジエーターが能動的に放熱する必要がなく、自然な吸気を利用すればよく、また、ウォーターポンプが最低回転数で運転し、エンジン110の局部的な過熱を回避し、このとき、熱管理システム120が最低消費電力状態にある。なお、ウォーターポンプの安全回転数は、安全流量での回転数であり、安全流量とは、一定の負荷下で、エンジンのシリンダブロック及びシリンダヘッドを冷却することができる最小流量値であり、即ち、局所的な過熱、沸騰を引き起こさない流量である。いくつかの実施例では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、ウォーターポンプの安全回転数MAPを検索して、ウォーターポンプの安全回転数を決定する。ウォーターポンプの安全回転数MAPは、エンジン110の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、エンジン110が局所的に過熱しない最小冷却流量を条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。
【0047】
S5では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0048】
S6では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定する。
【0049】
S7では、サーモスタットの開度をサーモスタットの目標開度に制御する。
【0050】
エンジン110の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタット123の開度が所定の開度閾値未満である場合、エンジン110の暖機が完了したが、エンジン110が温度の高い動作状態に入っていないと考えられ、このとき、サーモスタット123の開度を制御することにより、エンジン110が目標温度に達して最低燃料消費量、最高効率状態で動作し、また、ウォーターポンプ121が最低回転数で運転し、空冷ラジエーターの運転が停止するため、熱管理システム120が最低消費電力状態になる。
【0051】
いくつかの実施例では、ステップS6は、具体的には、閉ループ方式による第2フィードバック制御によってサーモスタットの目標開度を決定するステップを含み、エンジンの目標温度は、フィードバック制御の入力量であり、エンジンの現在の温度は、第2フィードバック制御のフィードバック変数であり、サーモスタットの目標開度は、フィードバック制御の出力量である。フィードバック制御によってサーモスタットの目標開度を閉ループに制御することにより、エンジンは、常に、燃料消費量が最低であり、効率が最高であるときの温度で安定して動作することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、ステップS6は、具体的に、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標理論開度を決定するステップと、サーモスタットの基本開度及びサーモスタットの目標理論開度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップと、を含む。第2フィードバック制御によって出力されたサーモスタットの目標開度とフィードバックされたエンジンの現在の温度が大きく変動することを回避するために、サーモスタット123は、一定の開度、即ち、サーモスタットの基本開度があることを保証する必要がある。
【0053】
いくつかの実施例では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、サーモスタットの安定開度MAPを検索して、サーモスタットの基本開度を決定する。つまり、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクを入力パラメータとして、サーモスタットの安定開度MAPを検索して、サーモスタットの基本開度を出力する。なお、サーモスタットの安定開度MAPは、エンジン110及び熱管理システム120の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、シミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。
【0054】
いくつかの実施例では、サーモスタットの基本開度及びサーモスタットの目標理論開度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップは、サーモスタットの目標開度がサーモスタットの基本開度とサーモスタットの目標理論開度との和に等しいことを決定するか、又は、ウォーターポンプの目標回転数がサーモスタットの基本開度とサーモスタットの目標理論開度のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む。異なる実施例では、サーモスタットの目標開度がサーモスタットの基本開度以上であることを保証する必要があり、異なる計算方式によって、サーモスタット安定開度MAPを調整することにより、第2フィードバック制御の変動が最も小さいときのサーモスタット123の開度を決定する。
【0055】
いくつかの実施例では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標理論開度を決定するステップは、エンジンの目標温度とエンジンの現在の温度との差を比例・積分・微分処理したり、比例・積分処理したり、比例・微分処理したりして、サーモスタットの目標理論開度を得るステップを含む。比例・積分・微分処理は、PID(Proportion、Integral、Differential)調節であり、比例・積分処理は、PI(Proportion、Integral)調節であり、比例・微分処理は、PD(Proportion、Differential)調節であり、PID調節、PI調節又はPD調節のうちの1つの調節方式を選択することにより、エンジンの目標温度及びエンジンの現在の温度を含むパラメータを出力して、サーモスタットの目標理論開度を出力する。PID調節、PI調節又はPD調節を利用することにより、サーモスタットの目標開度の偏差を効果的に補正して、サーモスタットの目標開度を安定状態にすることができる。
【0056】
図5に示すように、いくつかの実施例では、ステップS6は、具体的に、以下のステップS610~S640を含む。
【0057】
S610では、エンジンの目標温度を入力量とし、エンジンの現在の温度をフィードバック変数として第2加算器に入力して、目標温度差△Tを出力する。
【0058】
S620では、目標温度差△Tを第4演算器に入力し、目標温度差△Tに対してPID調節、PI調節又はPD調節を行って、サーモスタットの目標理論開度を出力する。
【0059】
S630では、サーモスタットの目標理論開度及びサーモスタットの基本開度を第5演算器に入力して、サーモスタットの目標開度を出力する。
【0060】
S640では、S7の後、エンジンの現在の温度を再び取得し、フィードバック変数として第2加算器に入力する。
【0061】
いくつかの実施例では、本開示に係る熱管理制御方法は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値よりも小さい場合、空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、かつサーモスタットの開度を0に制御するステップをさらに含む。エンジン110の温度が所定の温度閾値よりも小さい場合、エンジン110が依然として暖機状態にあると考えられるため、サーモスタット123が開く必要がなく、即ち、第2冷却サイクルがエンジン110の冷却に参加する必要がない。したがって、空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、サーモスタットの開度を0に制御することにより、熱管理システム120を最低消費電力状態にする。
【0062】
図6に示すように、いくつかの実施例では、本開示に係る熱管理制御方法は、ステップS101~S112を含む。
【0063】
S101では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、S102を実行し、Noであれば、S112を実行する。
【0064】
S102では、サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、S103を実行し、Noであれば、S107を実行する。
【0065】
S103では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0066】
S104では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を出力する。
【0067】
S105では、エンジンの現在の温度、エンジンの目標温度及びエンジンの発熱量に基づいて、総目標放熱量を決定する。
【0068】
S106では、総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定する。
【0069】
S107では、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を空冷ラジエーターの目標回転数に制御する。
【0070】
S108では、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を0に制御する。
【0071】
S109では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0072】
S110では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定する。
【0073】
S111では、サーモスタットの開度をサーモスタットの目標開度に制御する。
【0074】
S112では、空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、かつサーモスタットの開度を0に制御する。
【0075】
所定のエンジンの最低燃料消費量MAPにより、現在の動作状況における燃料消費量が最低であるか又は効率が最高であるときのエンジンの温度、即ち、エンジンの目標温度を決定し、さらにエンジンの目標温度に達するのに必要な総目標放熱量を決定し、そして、所定の熱管理システムの最低消費電力MAPにより、現在の環境における消費電力が最低であるときのウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の最適な組み合わせ、即ち、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定し、かつウォーターポンプ121と空冷ラジエーター122を制御してそれぞれウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数で運転させることにより、熱管理システムの消費電力とエンジンの燃料消費量の共同最適化を実現し、さらに車両全体の最適なエネルギー消費を実現する。
【0076】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0077】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするものとして理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0078】
フローチャート又は本開示で他の方式で説明された任意のプロセス又は方法についての説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ以上の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント又は部分を示すと理解されてもよく、また、本開示の好ましい実施形態の範囲は、別の実現形態を含み、示されたか又は説明された順序ではなく、係る機能に応じてほぼ同時に又は逆の順序で機能を実行してもよく、これは、本開示の実施例が属する技術分野の当業者に理解されるべきである。
【0079】
フローチャートに示されるか又は本開示で他の方式で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けられたリストとしてみなされてもよく、具体的には、任意のコンピュータ可読記憶媒体に具体的に実現されることにより、命令実行システム、装置若しくは機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置若しくは機器から命令を読み取って命令を実行できる他のシステム)によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されてもよい。本明細書において、「コンピュータ可読記憶媒体」は、命令実行システム、装置若しくは機器によって使用されるか、これらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されるプログラムを格納、記憶、通信、伝播又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読記憶媒体は、さらに、例えば、紙又は他の媒体を光学的にスキャンし、次に編集し、解釈するか、又は必要に応じて他の適切な方式で処理することにより、上記プログラムを電子的に取得し、その後にコンピュータメモリに記憶することができるので、上記プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよい。
【0080】
なお、本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせによって実現することができることを理解されたい。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアによって実現される場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの本分野の公知技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0081】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法に含まれる全部又は一部のステップは、プログラムにより関連ハードウェアに命令を出して完成することができ、上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該プログラムが実行されるとき、方法の実施例のステップの1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0082】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてもよく、別々に物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットを1つのモジュールに統合してもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。上記統合されたモジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0083】
上記言及された記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよい。以上、本開示の実施例を示し説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0084】
100 車両
110 エンジン
120 熱管理システム
121 ウォーターポンプ
122 空冷ラジエーター
123 サーモスタット
124 熱管理制御装置
124a プロセッサ
124b メモリ
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの熱管理制御方法であって、前記エンジンは、熱管理システムに接続され、前記熱管理システムは、ウォーターポンプ、空冷ラジエーター及びサーモスタットを含み、前記エンジンと前記ウォーターポンプは、接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップと、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、
前記ウォーターポンプの回転数を前記ウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を前記空冷ラジエーターの目標回転数に制御するステップと、を含む、ことを特徴とするエンジンの熱管理制御方法。
【請求項2】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップは、
前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、前記エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項3】
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップは、
閉ループ方式による第1フィードバック制御によって前記総目標放熱量を決定するステップを含み、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量は、前記第1フィードバック制御の入力量であり、前記エンジンの現在の温度は、前記第1フィードバック制御のフィードバック変数であり、前記総目標放熱量は、前記第1フィードバック制御の出力量である、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理制御方法。
【請求項4】
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、前記ウォーターポンプの目標理論回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数を決定するステップと、
ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップと、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項5】
ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップは、前記ウォーターポンプの目標回転数が前記ウォーターポンプの基本回転数と前記ウォーターポンプの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又は前記ウォーターポンプの目標回転数が前記ウォーターポンプの基本回転数と前記ウォーターポンプの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含み、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、前記空冷ラジエーターの目標回転数が前記空冷ラジエーターの基本回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数との和に等しいことを決定するか、又は前記空冷ラジエーターの目標回転数が前記空冷ラジエーターの基本回転数と前記空冷ラジエーターの目標理論回転数のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理制御方法。
【請求項6】
前記ウォーターポンプの基本回転数及び前記ウォーターポンプの目標理論回転数に基づいて、前記ウォーターポンプの目標回転数を決定するステップは、前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、ウォーターポンプの安定回転数MAPを検索して、前記ウォーターポンプの基本回転数を決定するステップを含み、
空冷ラジエーターの基本回転数及び前記空冷ラジエーターの目標理論回転数に基づいて、前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、空冷ラジエーターの安定回転数MAPを検索して、前記空冷ラジエーターの基本回転数を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理制御方法。
【請求項7】
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低消費電力MAPを検索して、前記ウォーターポンプの目標回転数と前記空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップは、
現在の車速及び環境風速に基づいて、前記空冷ラジエーターの吸気速度を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の熱管理制御方法。
【請求項8】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御するステップと、
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費量MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの開度を前記サーモスタットの目標開度に制御するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項9】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
閉ループ方式による第2フィードバック制御によって前記サーモスタットの目標開度を決定するステップを含み、前記エンジンの目標温度は、前記フィードバック制御の入力量であり、前記エンジンの現在の温度は、前記第2フィードバック制御のフィードバック変数であり、前記サーモスタットの目標開度は、前記フィードバック制御の出力量である、ことを特徴とする請求項8に記載の熱管理制御方法。
【請求項10】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標理論開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの基本開度及び前記サーモスタットの目標理論開度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の熱管理制御方法。
【請求項11】
前記サーモスタットの基本開度及び前記サーモスタットの目標理論開度に基づいて、前記サーモスタットの目標開度を決定するステップは、
前記サーモスタットの目標開度が前記サーモスタットの基本開度と前記サーモスタットの目標理論開度との和に等しいことを決定するか、又は前記ウォーターポンプの目標回転数が前記サーモスタットの基本開度と前記サーモスタットの目標理論開度のうちの大きい値に等しいことを決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項12】
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、サーモスタットの安定開度MAPを検索して、前記サーモスタットの基本開度を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項13】
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、前記サーモスタットの目標理論開度を決定するステップは、
前記エンジンの目標温度と前記エンジンの現在の温度との差を比例・積分・微分処理したり、比例・積分処理したり、比例・微分処理したりして、前記サーモスタットの目標理論開度を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の熱管理制御方法。
【請求項14】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値よりも小さい場合、前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、かつ前記サーモスタットの開度を0に制御するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1~14のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1~14のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実行するように構成される、ことを特徴とする車両の熱管理制御装置。
【請求項17】
エンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムは、ウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、請求項16に記載の熱管理制御装置とを含み、
前記エンジンと前記ウォーターポンプは、接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する、ことを特徴とする車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
S134では、S132及びS133の後、エンジンの現在の温度を再び取得し、フィードバック変数として第1加算器に入力する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
いくつかの実施例では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標理論開度を決定するステップは、エンジンの目標温度とエンジンの現在の温度との差を比例・積分・微分処理したり、比例・積分処理したり、比例・微分処理したりして、サーモスタットの目標理論開度を得るステップを含む。比例・積分・微分処理は、PID(Proportion、Integral、Differential)調節であり、比例・積分処理は、PI(Proportion、Integral)調節であり、比例・微分処理は、PD(Proportion、Differential)調節であり、PID調節、PI調節又はPD調節のうちの1つの調節方式を選択することにより、エンジンの目標温度及びエンジンの現在の温度を含むパラメータを入力して、サーモスタットの目標理論開度を出力する。PID調節、PI調節又はPD調節を利用することにより、サーモスタットの目標開度の偏差を効果的に補正して、サーモスタットの目標開度を安定状態にすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】