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特表2024-517585手術システムのための座屈防止のデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(54)【発明の名称】手術システムのための座屈防止のデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
A61B1/00 713
A61B1/00 655
A61B1/00 552
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561126
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022025616
(87)【国際公開番号】W WO2022231923
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/181,105
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/195,432
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522237117
【氏名又は名称】ノア メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チュン,バイロン リーファー
(72)【発明者】
【氏名】ババ,ヒロノリ
(72)【発明者】
【氏名】ロモ,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】マンペッタ,アニッシュ クマール
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA07
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF21
4C161GG13
4C161HH32
4C161HH55
4C161JJ01
4C161LL02
(57)【要約】
座屈防止デバイスが提供される。座屈防止デバイスは、複数のモジュラセグメントを備え、各モジュラセグメントは、キャップ及びチューブを備える。キャップは、細長い部材を支持するために構成された支持機構を備え、チューブは、所与のモジュラセグメントを別のモジュラセグメントと係合するように構成された結合機構を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュラセグメントを備え、各モジュラセグメントはキャップ及びチューブを有する座屈防止デバイスであって、
前記キャップは、細長い部材を支持するために構成された支持機構を備え、
前記チューブは、所与のモジュラセグメントを別のモジュラセグメントと係合するように構成された結合機構を備える、座屈防止デバイス。
【請求項2】
前記細長い部材は、近位端及び遠位端を備え、
前記近位端は、ハンドルを介してロボットアームに取り外し可能に取り付けられ、
前記遠位端は、画像化デバイス、位置センサ、及び照明デバイスと一体化される、請求項1に記載の座屈防止デバイス。
【請求項3】
前記遠位端は、前記画像化デバイス、前記位置センサ、及び前記照明デバイスを受け取るための構造を備える、請求項2に記載の座屈防止デバイス。
【請求項4】
前記画像化デバイス、前記位置センサ、及び前記照明デバイスは、コンパクトな構成内に配置される、請求項2に記載の座屈防止デバイス。
【請求項5】
前記ハンドルは、前記座屈防止デバイスの第1の端部に接続される、請求項2に記載の座屈防止デバイス。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記ロボットアームに取り付けられた計器駆動メカニズムに前記ハンドルを結合するように構成されたインターフェースを備える、請求項2に記載の座屈防止デバイス。
【請求項7】
前記細長い部材は、1本以上のプルワイヤによって連接された曲げセクションを更に備える、請求項2に記載の座屈防止デバイス。
【請求項8】
前記支持機構は、前記細長い部材の寸法に合致する寸法を有する第1の開口を備える、請求項1に記載の座屈防止デバイス。
【請求項9】
前記支持機構は、縮小状態にあるときに、モジュラセグメントを近接するモジュラセグメントと位置合わせするように構成される、請求項1に記載の座屈防止デバイス。
【請求項10】
前記キャップは、前記チューブに解除可能に結合される、請求項1に記載の座屈防止デバイス。
【請求項11】
縮小状態にあるときに、前記複数のモジュラセグメントの移動を防止するためのロック機構を更に備える、請求項1に記載の座屈防止デバイス。
【請求項12】
細長い部材を支持するための材料のシートで形成されるらせん状回転構造と、
前記らせん状回転構造の遠位端に接続された第1の構成要素と、
前記らせん状回転構造の近位端に接続された第2の構成要素と、
を備える座屈防止デバイスであって、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記座屈防止デバイスが縮小状態にあるときに、解除可能に接続される、座屈防止デバイス。
【請求項13】
前記材料は、紙又は布である、請求項12に記載の座屈防止デバイス。
【請求項14】
前記第1の構成要素は、前記座屈防止デバイスを患者のベッドにおける構成要素に接続する、請求項12に記載の座屈防止デバイス。
【請求項15】
前記第2の構成要素は、前記座屈防止デバイスを前記細長い部材のハンドル部分に接続する、請求項12に記載の座屈防止デバイス。
【請求項16】
前記らせん状回転構造は、前記細長い部材に連続支持を提供する、請求項12に記載の座屈防止デバイス。
【請求項17】
前記第1の構成要素は、第3の構成要素を介して前記らせん状回転構造の前記遠位端に接続される、請求項12に記載の座屈防止デバイス。
【請求項18】
前記第1の構成要素は、前記第3の構成要素を介して前記らせん状回転構造の前記遠位端に接続される、請求項17に記載の座屈防止デバイス。
【請求項19】
前記第3の構成要素は、前記細長い部材の遠位端への支持を提供する、請求項18に記載の座屈防止デバイス。
【請求項20】
前記第3の構成要素は、前記座屈防止デバイスが縮小状態にあるときに、位置合わせを支援するための自己センタリング機構を備える、請求項17に記載の座屈防止デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年4月28日出願の米国仮特許出願第63/181,105号及び2021年6月1日出願の米国仮特許出願第63/195,432号の優先権を主張し、その各々が全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 内視鏡検査手順は、身体の中空臓器又は体腔の内部を検査するために内視鏡を使用する。多くの他の医用画像化技法とは異なり、内視鏡は臓器内に直接挿入される。直感的操縦及び制御を送達できる柔軟な内視鏡は、身体内の任意の天然腔を介してアクセス可能な疾患を診断及び治療する際に有用である。臨床適応に依存して、内視鏡は、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、胃カメラ、ENT鏡、及び様々なその他として指定され得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本明細書では、信頼性及び安定性が向上した外科的処置又は診断動作を実行することが可能な、低侵襲性システムが求められていることが認められる。本開示は、医療処置を実行する際に使用するのに良く適したロボット手術システム及びデバイスを提供する。手術システムは、気管支鏡、泌尿器科、婦人科、関節鏡、整形外科、ENT、胃腸内視鏡、神経外科、及び様々なその他などの、様々な応用例での診断及び治療のための、低コストで単回利用の、連接可能内視鏡を含み得る。本開示の手術システムは、座屈防止デバイスを備えるロボット内視鏡システムであり得る。座屈防止デバイスは、細長い部材の動きを制御するための安定性及び正確さを向上させ得る。
【0004】
[0004] 本発明のいくつかの実施形態において、細長い部材は、患者の身体に挿入されるべき、及び使い捨ての、カテーテルであり得る。例えば、カテーテル部分は、外科的実行能力及び機能を維持しながら、低コストで使い捨てできるように設計され得る。提供される内視鏡システムは、心臓、膀胱、及び肺の組織を含む様々なタイプの組織に関与する、様々な低侵襲性外科的処置、治療、又は診断処置において、並びに、食道、肝臓、胃、結腸、尿路を含むが限定されない消化器系、又は、気管支、肺、及び様々なその他を含むが限定されない呼吸器系などの、患者の身体の他の解剖学的領域において、使用可能であることに留意されたい。
【0005】
[0005] 本開示の一態様において、座屈防止デバイスが提供される。座屈防止デバイスは、複数のモジュラセグメントを備え、各モジュラセグメントはキャップ及びチューブを備える。キャップは、細長い部材を支持するために構成された支持機構を備え、チューブは、所与のモジュラセグメントを別のモジュラセグメントと係合するように構成された結合機構を備える。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、細長い部材は近位端及び遠位端を備え、近位端は、ハンドルを介してロボットアームに取り外し可能に取り付けられ、遠位端は、画像化デバイス、位置センサ、及び照明デバイスと一体化される。場合によっては、遠位端は、画像化デバイス、位置センサ、及び照明デバイスを受け取るための構造を備える。場合によっては、画像化デバイス、位置センサ、及び照明デバイスは、コンパクトな構成内に配置される。場合によっては、ハンドルは、座屈防止デバイスの第1の端部に接続される。場合によっては、ハンドルは、ロボットアームに取り付けられた計器駆動メカニズムにハンドルを結合するように構成されたインターフェースを備える。場合によっては、細長い部材は、1本以上のプルワイヤによって連接された曲げセクションを更に備える。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、支持機構は、細長い部材の寸法に合致する寸法を有する第1の開口を備える。いくつかの実施形態において、支持機構は、縮小状態にあるときに、モジュラセグメントを近接するモジュラセグメントと位置合わせするように構成される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、キャップはチューブに解除可能に結合される。いくつかの実施形態において、座屈防止デバイスは、縮小状態にあるときに、複数のモジュラセグメントの移動を防止するためのロック機構を更に備える。
【0009】
[0009] 別の態様において、らせん状回転構造を備える座屈防止デバイスが提供される。座屈防止デバイスは、細長い部材を支持するための材料のシートで形成されるらせん状回転構造と、らせん状回転構造の遠位端に接続された第1の構成要素と、らせん状回転構造の近位端に接続された第2の構成要素と、を備える。場合によっては、第1の構成要素及び第2の構成要素は、座屈防止デバイスが縮小状態にあるときに、解除可能に接続される。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、材料は紙又は布である。いくつかの実施形態において、第1の構成要素は、座屈防止デバイスを患者のベッドにおける構成要素に接続する。いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、座屈防止デバイスを細長い部材のハンドル部分に接続する。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、らせん状回転構造は、細長い部材に連続支持を提供する。いくつかの実施形態において、第1の構成要素は、第3の構成要素を介してらせん状回転構造の遠位端に接続される。場合によっては、第1の構成要素は、第3の構成要素を介してらせん状回転構造の遠位端に接続される。いくつかのインスタンスにおいて、第3の構成要素は、細長い部材の遠位端への支持を提供する。場合によっては、第3の構成要素は、座屈防止デバイスが縮小状態にあるときに、位置合わせを支援するための自己センタリング機構を備える。
【0012】
[0012] 本開示の追加の態様及び利点は、当業者であれば、本開示の単なる例示的実施形態が図示及び記述される下記の詳細な説明から容易に明らかとなろう。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が実行可能であり、そのいくつかの細部は、すべて本開示を逸脱することなく、様々な明らかな点における修正が可能である。したがって、図面及び説明は、本来例示的なものであり、制限的なものではないと見なされるべきである。
【0013】
(参照による援用)
[0013] 本明細書に記載されるすべての文献、特許、及び特許出願は、本明細書では、各個別の文献、特許、又は特許出願が、具体的及び個別に参照により援用されるように示された場合と同程度まで、参照により援用される。参照により援用される文献及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のこうした矛盾する材料に取って代わる、及び/又は、優先することが意図される。
【0014】
[0014] 本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に説明する。本発明の特徴及び利点をより良く理解するには、本発明の原理が利用される例示的実施形態、及び添付の図面(本明細書では「Figure」及び「FIG.」でもある)を記述する、下記の詳細な説明を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]本発明のいくつかの実施形態に従った、ロボット内視鏡システムの一例を示す図である。
図2】[0016]座屈防止デバイスを伴うロボットカテーテルアセンブリの一例を示す図である。
図3】[0017]座屈防止メカニズム及びハンドルのアセンブリの例を示す図である。
図4】[0018]スコープハンドル及び座屈防止チューブアセンブリの一例を示す図である。
図5】[0019]座屈防止デバイスのアセンブリ及びカテーテルアセンブリの例を示す図である。
図6】[0019]座屈防止デバイスのアセンブリ及びカテーテルアセンブリの例を示す図である。
図7】[0020]本発明のいくつかの実施形態に従った、座屈防止メカニズムの複数の伸縮セグメントの一例を示す図である。
図8】[0021]モジュラセグメントの一例を示す図である。
図9】[0021]モジュラセグメントの一例を示す図である。
図10】[0022]チューブ構成要素の一例を示す図である。
図11】[0023]チューブ構成要素の別のビューを示す図である。
図12A】[0024]キャップ構成要素の一例を示す図である。
図12B】[0025]キャップ構成要素との係合のためのスナップ機構を有するチューブ構成要素の一例を示す図である。
図13】[0026]結合されたモジュラセグメントの例を示す図である。
図14】[0027]モジュラセグメントの別の例を示す図である。
図15】[0027]モジュラセグメントの別の例を示す図である。
図16】[0027]モジュラセグメントの別の例を示す図である。
図17】[0028]ロック機構を伴う座屈防止デバイスの例を示す図である。
図18】[0028]ロック機構を伴う座屈防止デバイスの例を示す図である。
図19】[0029]他のロック機構の例を示す図である。
図20】[0030]伸長状態におけるらせん状座屈防止デバイスの一例を示す図である。
図21】[0030]伸長状態におけるらせん状座屈防止デバイスの一例を示す図である。
図22】[0031]縮小状態におけるらせん状座屈防止デバイスを示す図である。
図23】[0032](縮小状態における)らせん状座屈防止デバイスの側面及び断面を示す図である。
図24】[0033]座屈防止デバイスに挿入されたカテーテルの一例を示す図である。
図25】[0034]座屈防止デバイスのアセンブリ及びカテーテルアセンブリの例を示す図である。
図26】[0034]座屈防止デバイスのアセンブリ及びカテーテルアセンブリの例を示す図である。
図27】[0035]遠位先端におけるコネクタを備える座屈防止デバイスの一例を示す図である。
図28】[0036]遠位先端におけるコネクタを備える座屈防止デバイスの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0037] 本明細書において本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、当業者であれば、こうした実施形態は単なる例として与えられていることが明らかであろう。当業者であれば、本発明を逸脱することなく多数の変形、変更、及び置換を思い付き得る。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替が採用され得ることを理解されたい。
【0017】
[0038] 本開示は、手術システムにおける柔軟な細長い部材に座屈防止のデバイス及び方法を提供する。例えば、カテーテルの柔軟な部分が、伸長メカニズムによって気管支鏡を介して患者内に挿入されるとき、1つ以上のセクションが屈曲又は座屈し得る。場合によっては、内視鏡が患者に向かって進む間、カテーテルの座屈を防止するために、座屈防止メカニズムがカテーテルを支持するためにロボット内視鏡(例えば、内視鏡のハンドル部分)に結合され得る。
【0018】
[0039] 例示的実施形態は、主に、連接可能な柔軟内視鏡を対象にしているが、当業者であれば、これは限定的であることを意図しておらず、本明細書で説明する座屈防止のデバイス及び方法は、他の柔軟デバイスにも使用され得ること、並びに、様々な治療又は診断処置において、及び、食道、肝臓、胃、結腸、尿路を含むが限定されない消化器系、又は、気管支、肺、及び様々なその他を含むが限定されない呼吸器系などの、患者の身体の様々な解剖学的領域において、利用可能であることを理解されよう。
【0019】
[0040] 「少なくとも」、「より大きい」、又は「より大きいか又は等しい」という用語が、一連の2つ以上の数値における第1の数値に先行する場合は必ず、「少なくとも」、「より大きい」、又は「より大きいか又は等しい」という用語は、その一連の数値における各々の数値に適用される。例えば、1、2、又は、3より大きいか又は等しいとは、1より大きいか又は等しい、2より大きいか又は等しい、或いは、3より大きいか又は等しいと、等価である。
【0020】
[0041] 「以下」、「未満」、又は「未満又は等しい」という用語が、一連の2つ以上の数値における第1の数値に先行する場合は必ず、「以下」、「未満」、又は「未満又は等しい」という用語は、その一連の数値における各々の数値に適用される。例えば、3、2、又は1未満又は等しいとは、3未満又は等しい、2未満又は等しい、或いは、1未満又は等しいと、等価である。
【0021】
[0042] 本明細書で使用される際、遠位及び近位という用語は、一般に、装置を基準にしたロケーションを指し、解剖学的基準とは反対の可能性がある。例えば、内視鏡又はカテーテルの遠位ロケーションは、患者の細長い部材の近位ロケーションに対応し得、内視鏡又はカテーテルの近位ロケーションは、患者の細長い部材の遠位ロケーションに対応し得る。
【0022】
[0043] 本明細書で説明するシステムは、カテーテルなどの細長い部分又は細長い部材を含む。「細長い部材」及び「カテーテル」という用語は、文脈が特に示唆しない限り、本明細書全体を通じて交換可能に使用される。細長い部材は、身体の内腔又は身体の空洞内に直接配置可能である。いくつかの実施形態において、システムは、細長い部材の移動及び/又は動作を駆動、支持、位置決め、又は制御するための、ロボットマニピュレータ(例えば、ロボットアーム)などの支持装置を、更に含み得る。代替又は追加として、支持装置は、ロボットシステムを含むか又は含まない可能性のある、ハンドヘルドデバイス又は他の制御デバイスであり得る。いくつかの実施形態において、システムは、被験者の身体内のターゲット部位への細長い部材のナビゲーションを支援及び/又は容易にする、画像化システムなどの周辺デバイス及びサブシステムを、更に含み得る。
【0023】
[0044] 伸縮メカニズムなどの既存の座屈防止メカニズムは、カテーテルの柔軟部分が依然として屈曲又は座屈し得るような、満足できる性能を有し得ない。例えば、従来の座屈防止デバイスは、両方の端部がオープンエンドである複数の円筒状チューブを備え得る。円筒状要素の直径は徐々に増加し得る。これらの円筒状チューブは、共に結合され得、互いの内部で縮小又は拡張可能である。最小直径を伴う円筒の直径は、細長い部材の直径よりも大きく、したがって、細長い部材は、円筒が伸長するときに前方へと移動可能である。直径の違いによって、座屈防止デバイスが後退又は除去されるときに、カテーテルが引き出されないようにすることができる。しかしながらカテーテルは、伸縮メカニズムの直径がカテーテルの外径よりもかなり大きいセグメント内では、依然として座屈し得る。例えば、円筒の直径が増加するにつれて、細長い部材は、より大きな屈曲が生じるまで相対的に大きなチューブの壁部との接触に至ることはない。
【0024】
[0045] 本開示は、改良された座屈防止メカニズムを提供する。座屈防止メカニズムは、改良された座屈防止性能を用いて、挿入シャフト又はカテーテルの座屈を防止するために使用される。座屈防止メカニズムは、患者の体内に挿入されるとき、及び体内から引き出されるときに、カテーテルの送出を支持するために伸長及び収縮する、複数のモジュラセグメントを備え得る。いくつかの実施形態において、座屈防止メカニズムのモジュラセグメントの各々は、向上した安定性を伴う挿入及び引き抜きの間にカテーテルの座屈防止を達成するための、内部構造を備え得る。複数のモジュラセグメントは、容易な組み立て及び分解を可能にするように設計され得る。例えば、モジュラセグメントは容易に取り換え可能である。場合によっては、複数のモジュラセグメントは、特別な結合手段(例えば、接着剤、ねじなど)無しで結合/分離され得る。
【0025】
[0046] いくつかの実施形態において、複数のモジュラセグメントは意図せずに伸長し得、動作中にカテーテルを挿入することを困難にする。また、重力に起因して抜け落ちる場合もある。提供される座屈防止メカニズムは、望ましくない伸長を防止するためのロック機構を含み得る。
【0026】
[0047] 本開示のいくつかの実施形態において、低コストで向上した性能を用いて外科手術又は診断を実行するために、ロボット内視鏡システムが提供される。例えば、ロボット内視鏡システムは、全体が使い捨ての操縦可能カテーテルを備え得る。図1は、本発明のいくつかの実施形態に従った、ロボット内視鏡システムの一例を示す。図1に示されるように、ロボット内視鏡システムは、操縦可能カテーテルアセンブリ105と、操縦可能カテーテルアセンブリを支持又は搬送するための、ロボット支持システム110と、を備え得る。操縦可能カテーテルアセンブリは内視鏡とすることができる。いくつかの実施形態において、操縦可能カテーテルアセンブリは、単回利用のロボット内視鏡であり得る。いくつかの実施形態において、ロボット内視鏡システムは、ロボット支持システムのアームに取り付けられた、計器駆動メカニズム103を備え得る。計器駆動メカニズムは、ロボットシステムを含むか又は含まない場合のある、任意の適切なコントローラデバイス(例えば、ハンドヘルドコントローラ)によって提供され得る。計器駆動メカニズムは、操縦可能カテーテルアセンブリ105への機械的及び電気的インターフェースを提供し得る。機械的インターフェースは、操縦可能カテーテルアセンブリ105が、計器駆動メカニズム103に解除可能に結合できるようにし得る。例えば、操縦可能カテーテルアセンブリのハンドル部分は、磁石、ばね荷重レベルなどの即時設置/解除手段を介して、計器駆動メカニズムに取り付け可能である。場合によっては、操縦可能カテーテルアセンブリは、ツールを使用せずに手動で、計器駆動メカニズムに結合、又は計器駆動メカニズムから解除し得る。計器駆動メカニズムは、細長い部材又はロボットカテーテルアセンブリを、2度以上の自由度(例えば、連接)で制御するために使用され得る。
【0027】
[0048] ロボット支持システムは、ロボットアーム107及び移動式カート109を備え得る。ロボットアーム107は、ロボットカテーテルアセンブリ又は他のロボット計器の位置決めを始動し得る。場合によっては、ユーザインターフェース、ロボット制御モジュール、及びロボットアームが、移動式カートに搭載され得る。移動式カートは、ユーザインターフェースのための特定用途向けソフトウェアを記憶する1つ以上のコンピュータを含む、オンボード機器のための電源としての複数のAC及びDCレセプタクルについて、ポータブル電子デバイス、コンバータ、変圧器、及びサージ保護装置のための充電ポートを提供する、電気パネルとの電気通信における再充電可能電源などの、様々な要素を含み得る。ロボットアーム、ロボット内視鏡システム、ユーザインターフェース、カテーテルアセンブリ、及び、システムの他の構成要素は、2020年12月18日出願の、国際出願第PCT/US20/65999号に記載のものと同一であり得、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
[0049] 操縦可能カテーテルアセンブリ105は、ハンドル部分に結合された柔軟な細長い部材を備え得る。ロボット内視鏡システムは、使用中、細長い部材の座屈を防止するための、座屈防止デバイス101を備え得る。座屈防止デバイスは、下記で更に詳細に説明する。
【0029】
[0050] 図2は、座屈防止デバイス201を備えるロボットカテーテルアセンブリの別の例を示す。操縦可能カテーテルアセンブリは、画像データを処理し、電力を提供し、又は、他の外部デバイスとの通信を確立するように構成された、構成要素を含み得る、ハンドル部分211を備え得る。例えばハンドル部分211は、操縦可能カテーテルアセンブリと計器駆動メカニズム221と、任意の他の外部システム又はデバイスと、の間での、電気通信を可能にする回路要素及び通信要素を含み得る。別の例では、ハンドル部分211は、内視鏡の電子機器(例えば、カメラ及びLEDライト)に電力を供給するための電源などの回路要素を備え得る。場合によっては、ハンドル部分は、電気的インターフェース(例えば、プリント回路板)を介して計器駆動メカニズム221と通信状態であり得るため、画像/ビデオデータ及び/又はセンサデータは、計器駆動メカニズムの通信モジュールによって受信可能であり、他の外部デバイス/システムに伝送され得ることになる。代替又は追加として、計器駆動メカニズム221は機械的インターフェースのみを提供し得る。ハンドル部分は、センサデータの送信及び/又は制御信号の受信のために、モジュラワイヤレス通信デバイス又は任意の他のユーザデバイス(例えば、ポータブル/ハンドヘルドデバイス又はコントローラ)と、通信状態であり得る。
【0030】
[0051] 操縦可能カテーテルアセンブリは、ハンドル部分211に結合された柔軟な細長い部材213(すなわち、カテーテル)を備え得る。いくつかの実施形態において、柔軟な細長い部材は、シャフト、操縦可能先端、及び操縦可能セクションを備え得る。操縦可能カテーテルアセンブリは、単回利用のロボット内視鏡であり得る。場合によっては、細長い部材のみが使い捨てであり得る。場合によっては、細長い部材の少なくとも一部(例えば、シャフト、操縦可能先端など)が使い捨てであり得る。場合によっては、ハンドル部分及び細長い部材を含む操縦可能カテーテルアセンブリ全体が使い捨てであり得る。柔軟な細長い部材及びハンドル部分は、操縦可能カテーテルアセンブリ全体が低コストで処分可能であるように設計される。
【0031】
[0052] ロボット内視鏡は、計器駆動メカニズム221に解除可能に結合可能である。計器駆動メカニズム221は、前述のように、ロボット支持システムのアームに、又は任意の始動された支持システムに、装着され得る。計器駆動メカニズムは、ロボット内視鏡への機械的及び電気的インターフェースを提供し得る。機械的インターフェースは、ロボット内視鏡を計器駆動メカニズムに解除可能に結合できるようにし得る。更に、ロボット内視鏡のハンドル部分は、磁石及びばね荷重レベルなどの即時設置/解除手段を介して、計器駆動メカニズムに取り付け可能である。場合によっては、ロボット内視鏡は、ツールを使用せずに手動で、計器駆動メカニズムに結合又は計器駆動メカニズムから解除され得る。いくつかの実施形態において、計器駆動メカニズム221は、カテーテルのプルワイヤのセットを回転駆動させるために始動される、モータのセットを備え得る。カテーテルアセンブリのハンドル部分211は、計器駆動メカニズム上に装着され得るため、そのプーリアセンブリはモータのセットによって駆動されることになる。プーリの数は、プルワイヤ構成に基づいて変動し得る。場合によっては、カテーテルを連接するために、1本、2本、3本、4本、又はそれ以上のプルワイヤが利用され得る。
【0032】
[0053] ハンドル部分は、ロボット内視鏡を低コストで使い捨てにでき得るように設計され得る。例えば、従来の手動ロボット内視鏡は、内視鏡ハンドルの近位端内にケーブルを有し得る。ケーブルはしばしば、照明ファイバ、カメラビデオケーブル、及び、EMセンサ又は形状感知ファイバなどの他のセンサファイバ又はケーブルを含む。こうした複雑なケーブルは、内視鏡のコストに加えて高価な可能性がある。提供されるロボット内視鏡は、機械的及び電気的機能性を保持しながら、簡略化された構造及び構成要素が採用可能であるように、最適化設計を有し得る。場合によっては、ロボット内視鏡のハンドル部分は、カテーテルに機械的/電気的インターフェースを提供しながら、ケーブル無しの設計を採用し得る。
【0033】
[0054] 場合によっては、ハンドル部分は、ハウジングであり得るか、又は、画像データを処理する、電力を提供する、又は他の外部デバイスとの通信を確立するように構成された、構成要素を備え得る。場合によっては、通信はワイヤレス通信であり得る。例えば、ワイヤレス通信は、Wi-Fi、無線通信、Bluetooth、IR通信、又は他のタイプの直接通信を含み得る。こうしたワイヤレス通信機能は、プラグアンドプレイ様式でのロボット気管支鏡機能を可能にし得、1回の使用後に都合良く処分することができる。場合によっては、ハンドル部分は、ロボット気管支鏡又はカテーテル内に配設された電子機器(例えば、カメラ及びLED光源)に電力を提供するための電源などの、回路要素を備え得る。
【0034】
[0055] ハンドル部分は、ケーブル又はファイバを無くすことができるように、カテーテルと関連して設計され得る。例えば、カテーテル部分は、計器がロボット気管支鏡を通過できるようにする単一のワーキングチャネル、並びに、カテーテルの機械的構造に従って最適なロケーションに位置する、先端チップ(chip-on-tip)カメラなどの低コスト電子機器、発光ダイオード(LED)などの照明源、及び、EMセンサを有する、設計を採用し得る。これが、ハンドル部分の簡略化された設計を可能にし得る。例えば、照明用のLEDを使用することによって、ハンドル部分における終端は、電気はんだ又はワイヤ圧着のみに基づくことができる。例えば、ハンドル部分は、カメラケーブル、LEDケーブル、及びEMセンサケーブルが終端する近位板を含み得、近位板はハンドル部分のインターフェースに接続し、計器駆動メカニズムへの電気接続を確立する。前述のように、計器駆動メカニズムはロボットアーム(ロボット支持システム)に取り付けられ、ハンドル部分への機械的及び電気的インターフェースを提供する。これは、有利なことに、アセンブリ及び実装効率を向上させ得、並びに、製造プロセス及びコストを簡略化し得る。場合によっては、ハンドル部分並びにカテーテルは、1回使用後に処分し得る。
【0035】
[0056] いくつかの実施形態において、操縦可能カテーテルアセンブリは、1つ以上の構成要素がカテーテルと一体化し得、それによって、操縦可能カテーテルの運動の動的な性能を保持しながら、アセンブリ、製造プロセスを簡略化する、実質的に一体化設計を有し得る。例に示されるように、操縦可能カテーテルアセンブリは、検査されるべき組織及び/又は領域の近位に至る細長い部材213又はプロービング部分を備え得る。細長い部材213は、場合によっては、カテーテルとも呼ばれ得る。カテーテル213は、ツールを挿入できるようにするワーキングチャネルなどの内部構造を備え得る。一例として、ワーキングチャネルは、標準ツールと互換性があるおよそ2mmの直径などの寸法を有し得る。ワーキングチャネルは、適用例に基づく任意の他の適切な寸法を有し得る。
【0036】
[0057] カテーテル213は、所望の柔軟性又は曲げ剛性に適した材料からなり得る。場合によっては、カテーテルの材料は、内部構造(例えば、ワーキングチャネル)に対する構造的支持を維持できるように、並びに、実質的に柔軟である(例えば、様々な方向及び向きに屈曲できる)ように、選択され得る。例えば、カテーテルは、ウレタン、ビニル(ポリ塩化ビニルなど)、ナイロン(ベスタミド、グリルアミドなど)、ペレセン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、シリコン、シリコンエラストマ、アセテートなどの、任意の適切な材料で作ることができる。場合によっては、材料は、ポリマー材料、生体適合性ポリマー材料であり得、カテーテルは、被験者に痛みを生じさせることなく、小さな湾曲を伴う経路を介して進行するように十分に柔軟であり得る。場合によっては、カテーテルはシースを備え得る。シースはカテーテルと同じ長さではない場合がある。シースは、所望の支持を提供するために、カテーテルより短い場合がある。代替として、カテーテルは実質的に単一の構成要素であり得る。
【0037】
[0058] 場合によっては、カテーテルの遠位部分又は先端は、1つ以上の方向(例えば、ピッチ、ヨー)に操縦可能なように、実質的に柔軟であり得る。いくつかの実施形態において、カテーテルは、縦軸方向に沿って可変曲げ剛性を有し得る。例えば、カテーテルは、異なる曲げ剛性を有する(例えば、柔軟、半剛体、及び剛体)複数のセグメントを備え得る。曲げ剛性は、異なる剛性/硬さを伴う材料を選択すること、異なるセグメントにおいて構造を変化させること、追加の支持構成要素を加えること、又は、上記の任意の組み合わせによって、変化し得る。場合によっては、カテーテルの近位端は高度に屈曲させる必要がないため、カテーテルの近位端は、より大きな曲げ剛性を達成するために、追加の機械構造(例えば、材料の追加層)によって強化され得る。こうした設計は、カテーテルに支持及び安定性を提供し得る。場合によっては、可変曲げ剛性は、カテーテルの押し出し中に、異なる材料を使用することによって達成され得る。これは有利なことに、異なる材料の追加の固定又はアセンブリング無しに、押し出し製造プロセスにおいて、カテーテルのシャフトに沿った異なる剛性レベルを可能にし得る。
【0038】
[0059] カテーテルの遠位部分は、1つ以上のプルワイヤによって操縦され得る。カテーテルの遠位部分は、プルワイヤによって屈曲させることが可能なように、コポリマー、ポリマー、金属、又は合金などの任意の適切な材料で作ることができる。いくつかの実施形態において、1本以上のプルワイヤの近位端又は部分は、カテーテルアセンブリのハンドル部分における様々なメカニズム(例えば、ギア、プーリなど)に動作可能に結合され得る。プルワイヤは、金属のワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得るか、又は、ポリマーのワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得る。プルワイヤは、天然又は有機材料又はファイバでも作り得る。プルワイヤは、変形、著しい変形、又は破損無しに、様々な種類の負荷を支持することが可能な、任意のタイプの適切なワイヤ、ケーブル、又はスレッドとすることができる。1本以上のプルワイヤの遠位端又は部分は、カテーテルの遠位部分に固定又は一体化され得るため、プルワイヤの制御ユニットによる動作は、カテーテルの少なくとも遠位部分(例えば、柔軟部分)を操縦又は連接(例えば、上、下、ピッチ、ヨー、又は中間の任意の方向に)し得る遠位部分に、力又は張力を印加し得ることになる。
【0039】
[0060] 前述のように、プルワイヤは、ステンレス鋼(例えば、SS316)、金属、合金、ポリマー、ナイロン、又は生体適合性材料などの、任意の適切な材料で作り得る。プルワイヤは、ワイヤ、ケーブル、又はスレッドであり得る。いくつかの実施形態において、異なるプルワイヤは、プルワイヤの耐荷重能力を変化させるために異なる材料で作り得る。いくつかの実施形態において、プルワイヤの異なるセクションは、プルに沿った剛性及び/又は耐荷重を変化させるために、異なる材料で作り得る。いくつかの実施形態において、プルワイヤは電気信号の転送に利用され得る。
【0040】
[0061] カテーテルは、1つ以上の電子構成要素をカテーテルに一体化させることができるような寸法を有し得る。例えば、遠位先端の外径はおよそ4から4.4ミリメートル(mm)であり得、ワーキングチャネルの直径はおよそ2mmであり得るため、1つ以上の電子構成要素をカテーテルの壁部又はカテーテルの隙間に埋め込むことができるようになる。しかしながら、異なる適用例に基づいて、外径は、4mmより小さいか又は4.4mmより大きい任意の範囲内とすることが可能であり、ワーキングチャネルの直径は、ツールの寸法又は特定の適用例に従って、任意の範囲内とすることができることに留意されたい。
【0041】
[0062] 1つ以上の電子構成要素は、画像化デバイス、照明デバイス、又はセンサを備え得る。いくつかの実施形態において、画像化デバイスはビデオカメラであり得る。画像化デバイスは、画像データをキャプチャするための光学要素及び画像センサを備え得る。画像センサは、光の波長に応答して画像データを生成するように構成され得る。相補型金属酸化物半導体(CMOS)又は電荷結合素子(CCD)などの、画像データをキャプチャするための様々な画像センサが採用され得る。画像化デバイスは低コストカメラであり得る。場合によっては、画像センサは回路板上に提供され得る。回路板は、画像化プリント回路板(PCB)であり得る。PCBは、画像信号を処理するための複数の電子要素を備え得る。例えば、CCDセンサのための回路は、CCDセンサによって提供されるアナログ信号を増幅及び変換するための、A/D変換器及び増幅器を備え得る。任意選択として、画像センサは、アナログ信号をデジタル信号に変換するために、増幅器及び変換器と一体化され得るため、回路板は不要であり得る。場合によっては、画像センサ又は回路板の出力は画像データ(デジタル信号)であり得、カメラ回路又はカメラのプロセッサによって、更に処理可能である。場合によっては、画像センサは光学センサのアレイを備え得る。
【0042】
[0063] 照明デバイスは、遠位先端に位置決めされた1つ以上の光源を備え得る。光源は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、量子ドット、又は任意の他の適切な光源であり得る。場合によっては、光源は、コンパクト設計用の小型LED又はデュアルトーンフラッシュLED照明であり得る。
【0043】
[0064] いくつかの実施形態において、カテーテルは柔軟なように設計され得る。カテーテルの柔軟部分が、伸長メカニズムによって内視鏡を介して患者内に挿入されるとき、1つ以上のセクションは屈曲又は座屈し得る本開示は、カテーテルを支持するためにロボット内視鏡のハンドル部分に結合され得る、座屈防止メカニズム201を提供する。
【0044】
[0065] 本開示は、改良された座屈防止メカニズムを提供する。座屈防止メカニズムは、挿入シャフトの座屈を防止するために使用される。座屈防止メカニズム201は、挿入及び引き抜きの間にカテーテルの座屈防止を達成するための内部メカニズムを備える、伸縮式伸長デバイスであり得る。座屈防止メカニズム201は、一方の端部でロボット内視鏡のハンドル部分に着脱可能に接続され得、他方の端部で支持面203に着脱可能に接続され得る。座屈防止メカニズムは、チューブホルダアタッチメントを介して患者のベッドに固定される固定具に取り付けられた、遠位端における遠位板を含み得る。固定具は、ベッドに固定される支柱とすることができ、この場合、座屈防止デバイスが縮小するときに患者に特別な力がかからないでよい。他の実施形態において、固定具はベッド上の柵とすることができる。
【0045】
[0066] 例に示されるように、座屈防止チューブは計器駆動メカニズム上のブラケットに取り付けられ得、即時解除メカニズムを介して処置後に取外し可能であり、使い捨てであり得る。サポートアームは、気管内チューブ取り付け具を支持し、圧縮されたときに圧迫するために座屈防止チューブの遠位端に支持面を提供する、ロボット移動式カートによって支持され得る。サポートアームは、回転し、上下垂直に移転するように制御され得、及び/又は、拡張及び収縮するブームアームであり得るため、患者の口の上に精密に位置決めし、気管内チューブ取り付け具に取り付けることが可能となる。サポートアームの位置決めはロボットアームの動きと同期され得、カテーテルの入口点のロケーションを追跡し得る。図3は、座屈防止メカニズム301及びハンドル303のアセンブリの例を示す。例は、ハンドルに接続された座屈防止メカニズムを、収縮/縮小状態及び完全伸長状態で示す。
【0046】
[0067] 場合によっては、本明細書におけるシステム及びデバイスは、座屈防止メカニズム及び内視鏡をアセンブルするための簡略化されたセットアップフローを可能にし得る。例えば、座屈防止メカニズム及びスコープハンドルは、座屈防止メカニズムとスコープハンドルとの間の横方向接続を介してアセンブルされ得、アセンブルされた部片を単一部片として計器駆動メカニズム上に頂部装填し得る。この便利なアセンブリ機能は、計器駆動メカニズムの状態及び現在の位置に関係なく、有益なことに、スコープハンドル及び座屈防止アセンブリの、ロボットアームへの結合を可能にする。図4は、スコープハンドル及び座屈防止チューブアセンブリの例を示す。座屈防止デバイスは、接続機構を介してハンドルに解除可能に接続可能である。これによってユーザは、座屈防止デバイス401及びスコープの接続されたアセンブリを、ハンドル403のインターフェースを介して計器駆動メカニズム405上に配置することができる。スコープ及び座屈防止メカニズムを計器駆動メカニズム上に装填する前にアセンブルすることは、ワークフローを有益に簡略化し得る。図5及び図6は、座屈防止デバイス501及びスコープ(カテーテルアセンブリ)503のアセンブリの例を示す。場合によっては、座屈防止デバイスは、1回の使用後に処分できる分離可能デバイスであり得る。代替として、座屈防止デバイスは、再使用され得るか又は複数回の使用に適切であり得る。
【0047】
[0068] 座屈防止メカニズムは、順次接続された複数の伸縮セグメントを備え得る。図7は、本発明のいくつかの実施形態に従った、座屈防止メカニズムの複数の伸縮セグメントの例を示す。
【0048】
[0069] いくつかの実施形態において、座屈防止デバイスは、寸法(例えば、モジュラセグメントの直径)が徐々に減少する複数のモジュラセグメント701、703を含み得る。モジュラセグメントは伸縮セグメントとも呼ばれ得、本明細書全体を通じて交換可能に使用される。複数のモジュラセグメントは、軸方向の軸に沿って、同軸にアセンブル又は接続され得る。
【0049】
[0070] いくつかの実施形態において、各モジュラセグメントは、キャップ及びチューブを備え得る。キャップは、カテーテル705の座屈を防ぐための支持機構などの、内部機構を含み得る。使用中、カテーテル又は細長い部材705は、座屈防止デバイス内に配置され得る。ハンドル部分又は計器駆動デバイスが遠位に進むにつれて、複数のモジュラセグメントは、より短い構成を形成するために互いに関して後退し得る。ハンドル部分又は計器駆動デバイスが近位に移動されるにつれて、複数のモジュラセグメントは、伸びた構成を形成するためにそれぞれの近接チューブの外に伸びる。
【0050】
[0071] カテーテル(細長い部材)は、チューブによって集合的に形成された内腔内に収容され、キャップの支持機構によって座屈が防止される。細長い部材は、各モジュラセグメントのキャップの支持機構によって支持され得る。細長い部材のわずかな屈曲が、細長い部材を、それぞれのモジュラセグメントのキャップ(例えば、キャップの支持機構)と接触させるため、細長い部材の長さ全体を通じたいずれの座屈も効果的に防止される。これは、有利なことに、複数のモジュラセグメントの外寸に関係なく、座屈防止デバイス内部の長さに沿ったいずれの方向及びいずれのロケーションにおいても、細長い部材の座屈を防止する。
【0051】
[0072] いくつかの実施形態において、チューブは、追加の結合手段(例えば、グルー、留め具など)を必要とすることなく、別のチューブとの好都合な結合を可能にするための結合機構と共に形成され得る。これは、有益なことに、モジュラセグメントを容易に取り換えること、又は、新しい/異なるセグメントに置き換えることを可能にし得る。即時結合及び解除機構は、遠位端及び/又は近位端から1つ以上のモジュラセグメントを追加/除去することによって、調整可能な座屈防止デバイスも可能にし得る。
【0052】
[0073] 図8及び図9は、モジュラセグメント801の一例を示す。図9は、モジュラセグメントの断面図を示す。モジュラセグメント801は、チューブ構成要素803及びキャップ構成要素805を備え得る。チューブ構成要素及びキャップ構成要素は、結合機構などを介して、モジュラセグメントを形成するために共に解除可能に結合され得る。結合機構は、チューブ構成要素及び/又はキャップ構成要素上に一体化して形成され得るため、追加の結合手段は不要であり得る。場合によっては、結合機構はスナップ機構を含み得る。キャップは、追加のツール又は結合手段を必要とすることなく、チューブに接続され得る。例えばキャップは、チューブの一方の端部でチューブ上にスナップ留めされ得る。場合によっては、キャップは、近位端においてチューブにアセンブルされ得る。代替として、キャップは遠位端においてチューブにアセンブルされ得る。
【0053】
[0074] アセンブルされたモジュラセグメントは、結合構造を介して別のモジュラセグメントに解除可能に結合され得る。図10は、チューブ構成要素1000の一例を示す。チューブ構成要素は、任意の適切な形状(例えば、円形、矩形など)の断面を有し得る。図示される例において、チューブ構成要素1000は、実質的に薄い壁からなる円筒形であり得る。場合によっては、チューブの内部表面は、射出成形のための抜き勾配を有し得る。この抜き勾配は、モジュラセグメントが伸長されるときに垂れ下がるのを防止するのも助ける。代替として、チューブの内部表面は抜き勾配を有さない場合がある。チューブは、射出成形、CNC機械加工、ブロー成形、3Dプリンティング、及び様々な他の方法などの、任意の適切な製造方法を使用して製造可能である。
【0054】
[0075] チューブは、チューブと別のモジュラセグメントのチューブとを係合するための、結合構造を備え得る。場合によっては、結合構造は、第1の端部における内側停止リップ機構1005、及び、チューブの反対端部における外側停止リップ機構1001を含み得る。外側停止リップ機構(例えば、円筒の外径よりもわずかに大きい半径方向の突起)は、それぞれのモジュラセグメントが近接する外側モジュラセグメントから外れるのを防止し得る。内側停止リップ機構は、近接する内側モジュラセグメントがそれぞれのモジュラセグメントから外れるのを防止し得る。場合によっては、内側停止リップ機構1005及び外側停止リップ機構1001は、チューブと一体化して形成され得る。
【0055】
[0076] 内側停止リップ機構及び外側停止リップ機構は、座屈防止デバイスが伸長する間に、チューブ/モジュラセグメントの切り離しを防止し得る。例えば、近接する外側モジュラセグメント1010のチューブは、外側チューブの内側停止リップ機構1011及び内側チューブの外側停止リップ機構1001を介して、モジュラセグメント1000のチューブと係合し得る。
【0056】
[0077] 前述のように、チューブ1000は、キャップと係合するためのスナップ機構1003も備え得る。図11は、チューブの別のビューを示す。スナップ機構1003は、いずれの追加の結合手段(例えば、接着剤又は留め具)も無しにチューブがキャップとアセンブルできるようにし得る。
【0057】
[0078] チューブ構成要素は、任意の適切な材料から形成可能である。例えば、チューブは、コストを削減してスナップ機構を形成するために、プラスチック材料からなり得る。適切な材料は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン(Pebax(商標))、ナイロン、ポリエチレン、デルリン(商標)、ポリエステル、ケブラー(商標)、炭素、セラミック、シリコン、カプトン(商標)ポリイミド、テフロン(商標)コーティング、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、プラスチック(無孔質、多孔質)、ラテックス、ポリマー、又は金属材料を含むが限定されない、非金属材料であり得る。場合によっては、モジュラセグメントの材料は、近接するチューブ間の摩擦を低減させるように選択され得る。
【0058】
[0079] 図12Aは、キャップ構成要素1200の一例を示す。キャップ構成要素は、患者への送出の間にカテーテルを支持するための支持機構を含む。キャップ構成要素は、内部モジュラセグメントが外側モジュラセグメント(図13に図示)の近位端から出るのを防止するためのストップとしても働き得る。キャップ構成要素1200は、チューブの外側表面の寸法/ジオメトリクスに合致する外側寸法/ジオメトリクスを有し得る。キャップ構成要素の外側寸法/ジオメトリクスは、対応するチューブの寸法/ジオメトリクスに依存して変化し得る。キャップ構成要素は、図12Bに示されるようなアセンブリのためにチューブ構成要素上でスナップと係合するための、カットアウト1203を備え得る。これにより、有利なことに、チューブからのキャップの容易な結合/解除、及び、追加のツール無しのキャップ/チューブの取り換えを可能にする。場合によっては、キャップ構成要素は、近位端においてそれぞれのチューブ構成要素と係合され得る。代替として、キャップ構成要素は、遠位端においてそれぞれのチューブ構成要素と係合され得る。
【0059】
[0080] いくつかの実施形態において、キャップ構成要素は、カテーテルに支持を提供するため、及び屈曲/座屈を防止するための、支持機構1201を備え得る。場合によっては、支持機構は実質的に円錐構造を有し得る。場合によっては、支持機構1201は、カテーテル/シースよりもわずかに大きな直径を伴う第1の開口1205(円錐構造の底部開口)を有し得る。場合によっては、第1の開口の寸法は、許容可能なカテーテルたわみ、カテーテル直径、及び/又は許容範囲に基づいて選択され得る。例えば、第1の開口は、より大きなカテーテルたわみが可能なとき、より大きな直径を有し得る。
【0060】
[0081] すべてのモジュラセグメントのキャップのための第1の開口の直径は同一であり得るため、カテーテルの動きは、長さに沿った任意のロケーションにおける座屈防止デバイスに関した断面において制約され得る。キャップの中央に位置する第1の開口1205は、カテーテルが駆動軸に沿って滑らかにスライドできるようにし得、テレスコープが伸長されるとき、カテーテルの屈曲又は座屈を防止するために、通常の圧縮を提供し得る。支持機構は、第2の開口1207(円錐構造の頂部開口)を有し得る。場合によっては、第2の開口1207は、カテーテルへの支持も提供し得る。カテーテルは、座屈防止デバイスの内側に屈曲するとき、支持機構又はチューブのいずれかの部分と接触し得る。場合によっては、第2の開口1207又は支持構造の寸法は、モジュラセグメントの異なるサイズに基づいて変化し得る。第2の開口及び支持構造は、縮小状態にあるとき(図13に図示)、複数の結合されたモジュラセグメントの位置合わせも支援し得る。
【0061】
[0082] 支持構造は円形の円錐構造として示されているが、支持構造の第1の開口が、カテーテルの寸法/形状に対応する寸法/形状を有する限り、様々な形状(例えば、矩形断面)又は寸法を有することが可能であることに留意されたい。
【0062】
[0083] 図13は、結合されたモジュラセグメントの例を示す。複数のモジュラセグメント1301、1303のキャップは、共同でカテーテルを支持し得、座屈を防止し得る。複数のモジュラセグメント/座屈防止デバイスが縮小するとき、複数のキャップ1305は、複数のモジュラセグメントが互いに位置合わせするのを容易にし得る。例えば、近接キャップの支持構造は、それぞれのモジュラセグメントが縮小状態にあるとき、積み重ね及び自己センタリングされ得る。複数のモジュラセグメントが伸長状態にあるとき、各チューブの内側及び外側の停止リップ機構は、アセンブリが分離するのを防止する。
【0063】
[0084] 図14図16は、モジュラセグメント1400の別の例を示す。モジュラセグメント1400は、実質的に矩形の断面を有し得る。モジュラセグメントは、単一部分であり得る。モジュラセグメントの一方の端部は、カテーテルを支持するためのクリアランスホール1407を伴う端部表面1405を含み得る。端部表面は、モジュラセグメントの側壁1409と一体型で形成され得る。側壁1409は、複数のモジュラセグメントのアセンブリを可能にするために、スナップ機構1401及びカットアウト窓1403を備え得る。図15は、外側モジュラセグメントの窓1503と係合された、内側モジュラセグメント1501のスナップ機構を示す。例えば、内側モジュラセグメントは、外側モジュラセグメントの近位端から挿入され得、内側モジュラセグメントのスナップ機構が外側モジュラセグメントの窓と係合すると、ロックされる。これにより、有益には、追加のツール又は特別な結合手段無しに、モジュラセグメントをアセンブルすることが可能になり得る。図16は、縮小状態及び伸長状態それぞれの、結合されたモジュラセグメントの例を示す。
【0064】
[0085] いくつかの実施形態において、座屈防止デバイスは、複数のモジュラセグメントが意図せずに伸長することを防止するための、ロック機構を更に備え得る。ロック機構は、複数のモジュラセグメントが縮小状態にあるときに、移動する(例えば、軸方向に沿った並進運動)のを防止し得る。図17図18は、ロック機構を備える座屈防止デバイスの例を示す。いくつかの実施形態において、最も内側(最小)のモジュラセグメントは、座屈防止デバイス1701の最も外側のモジュラセグメント上に形成された構造と係合する、突出構造1703と共に形成された伸長表面を有し得る。ロック機構は、最も内側のモジュラセグメントの遠位端に取り付けられた遠位端要素の一部であり得る。複数のモジュラセグメントが縮小状態にあるとき、ユーザはロック機構を一方向にねじって、図18に示すように座屈防止デバイスをロックし(例えば、ロック状態1801)、反対方向に回転させることによってデバイスをアンロックする(例えば、アンロック状態1803)。図19は、他のロック機構の例を示す。図に示されるように、場合によっては、遠位端要素と最も外側のモジュラセグメントとの間に係合を生み出すために、スナップ機構を含め得る。
【0065】
[0086] 別の態様において、本開示は座屈防止デバイスにらせん構造を提供する。らせん状になった座屈防止デバイスは、薄い材料で形成される伸長可能及び縮小可能ならせん構造を備え得る。らせん状座屈防止デバイスは、改良、カテーテルへの連続支持、コンパクトなサイズ、材料の重み/質量の低減、及び製造コストの削減などの、固有の利点を提供し得る。図20図27は、らせん状座屈防止デバイスの例を示す。
【0066】
[0087] 図20及び図21は、伸長状態のらせん状座屈防止デバイス2000の一例を示す。図22は、縮小状態のらせん状座屈防止デバイスを示す。いくつかの実施形態において、らせん状座屈防止デバイス2000は、コネクタ構成要素2001、らせん状回転構造2003、チューブ構成要素2005、及びストロー構成要素2007を含む、複数の構成要素/構造を備え得る。
【0067】
[0088] らせん状回転構造2003は、カテーテルに支持を提供し得る。らせん状回転構造2003は、材料の薄いシートで形成され得る。材料の薄いシートは、カテーテルの寸法に対応する所望の半径まで回転させることが可能であり得る。材料の薄いシートは、縦軸に沿って伸長及び縮小可能なように、らせん状に回転させ得る。場合によっては、材料は、紙、ポリエチレンファイバ(例えば、Tyvek)などの軽量で耐久性のある材料、プラスチックシート(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、布、シートメタル(例えば、アルミニウム)、及び他の軽い耐久性のある材料などの、軽量材料であり得る。らせん状回転構造2003は、ロール成形などの任意の適切な製造方法を使用して製作され得る。このらせん状設計は薄いシート材料と共に、有益なことに、全体としてコンパクトなサイズ及び低減した重みをデバイスに提供し得る。
【0068】
[0089] らせん状回転構造2003は、カテーテルの寸法を収容するための寸法又はサイズを有し得る。らせん状回転構造2003は、実質的に円錐形状を有し得る。カテーテルが各セグメントにおいて離散点によって支持される、伸縮構造とは異なり、らせん状回転構造は、長さに沿って連続的に増加/減少する直径を有し、それによってカテーテルに連続支持を与える。
【0069】
[0090] 場合によっては、らせん状回転構造2003の寸法及び材料は、シート間の摩擦を減少させるため、及び/又は、デバイスの曲げ及び軸方向剛性について最適化するために、選択され得る。場合によっては、寸法及び材料は、デバイスが高い挿入力での過度の座屈を防ぐことが可能なように選択され得る。例えば、所定量の力に耐え得る適切な材料及び構造を選択することによって、回転構造は、ある特定量の力が印加されたときに著しくねじれ及び裂ける可能性がある。これが有利には、内視鏡システムが患者に過度な力を加える可能性がある前に、座屈防止デバイスは壊れるため、患者の怪我の可能性を軽減し、特別な安全性を提供する。加えて、らせん状回転構造の近位端での直径はカテーテルの外径よりも大きいため、カテーテルは、ある程度座屈する傾向があり得る。しかしながら、カテーテルへの連続支持に起因して、こうしたわずかな座屈は挿入プロセスに影響を与えない可能性がある。こうした座屈は、前述のようにらせん状回転構造の破壊点(例えば、閾値力)を選択することによって、許容レベル内に制御される。
【0070】
[0091] チューブ構成要素2005は、近位端においてらせん状回転構造2003に接続される。例えば、らせん状回転構造2003の外側をチューブ構成要素に取り付け得る。チューブ構成要素2005は、ロボット内視鏡(例えば、内視鏡のハンドル部分)に解除可能に結合できるような機構を有し得る。
【0071】
[0092] らせん状座屈防止デバイスは、遠位端においてコネクタ構成要素2001を備え得る。コネクタ構成要素2001は、使用中、ベッドサイドモジュールに取り付けられ得る。図23は、らせん状座屈防止デバイス(縮小状態)の側面図2300及び断面図2310を示す。コネクタ構成要素2001は、らせん状座屈防止デバイスに対して「ペンキャップ」として働き得る。例えば、らせん状座屈防止デバイスが縮小状態にあるとき、コネクタ構成要素2001及びチューブ構成要素2005は、コネクタ構成要素が望まない伸長を防ぎ得るように、共に押されることなどによって、接続され得る。場合によっては、コネクタ構成要素2001及びチューブ構成要素2005は、摩擦嵌合を介して共に接続/結合され得る。代替として、コネクタ構成要素2001とチューブ構成要素2005とを解除可能に接続するために、他の接続機構(例えば、ロック機構)が含まれ得る。場合によっては、コネクタ構成要素2001は、座屈防止デバイスを伸長するときにユーザがつかむことができる人間工学的機構を有し得る。
【0072】
[0093] いくつかの実施形態において、コネクタ構成要素2001は実質的に円筒形状を有し得る。コネクタ構成要素2001は、摩擦嵌合を提供し(縮小状態にあるとき)、ストロー構成要素2007を中心に置くために、チューブ構成要素2005の外形と位置合わせする寸法及びジオメトリクスを有し得る。コネクタは任意の他の形状又は寸法を有し得る。図27は、形状が円筒形でない、異なるコネクタ設計を伴う座屈防止デバイスの一例を示す。図28は、図27の座屈防止デバイスの断面図を示す。コネクタ2801は、縮小状態にあるとき、チューブ構成要素2803又は近位本体2809に解除可能に接続可能である、キャップとしても働き得る。コネクタ構成要素2001は、ストロー構成要素2805の遠位端の外径に適合する寸法及びジオメトリクスを伴う構造2802を備え得る。ストロー構成要素2805の遠位部分は、らせん状回転構造2807の遠位部分にも取り付けられ得る。
【0073】
[0094] ストロー構成要素2007は、コネクタ構成要素をらせん状回転構造に接合させるように、コネクタ構成要素2001及びらせん状回転構造の遠位端に取り付けられ得る。ストロー構成要素2007は、実質的に直径が一定の円筒形状を有し得る。ストロー構成要素2007は、らせん状回転構造の最小直径に合致する外径を有し得る。場合によっては、ストロー構成要素2007は、コネクタ構成要素と一体型に形成され得る。例えば、ストロー構成要素及びコネクタ構成要素は、射出成形又は他の適切な方法を使用して、単体として形成され得る。代替として、ストロー構成要素2007は、別々の部分として形成され、コネクタ構成要素及び回転構造にアセンブルされ得る。例えばストロー構成要素は、押出成形によって製造され、コネクタ構成要素にアセンブルされ得る。
【0074】
[0095] 場合によっては、ストロー構成要素2007は、位置合わせを支援するために自己センタリング機構を備え得る。自己センタリング機構は、縮小されているときに座屈防止デバイスの位置合わせを誘導し得る。例えば、ストロー構成要素2007の近位端は、漏斗型機構(例えば、雄部分)を有し得、座屈防止デバイスが閉じているとき、雄の漏斗型機構は、円錐型のより大きな直径を伴う回転構造又はチューブ構成要素(例えば、雌部分)とインターフェースすることによって、自己センタリングし得る。
【0075】
[0096] ストロー構成要素は、カテーテルの遠位端と接触状態であり得、それによって、カテーテルの遠位端に支持を提供する。図24は、座屈防止デバイス内に挿入されたカテーテル2400の一例を示す。カテーテルの遠位端2300は、ストロー構成要素2007によって支持される。ストロー構成要素の寸法(例えば、直径)は、カテーテルの直径に依存し得る。場合によっては、ストロー構成要素の長さは、回転構造との十分な摩擦を提供するように選択され得る。遠位端における直径などの回転構造の寸法は、ストロー構成要素の直径に依存し得るが、近位端における直径はチューブ構成要素の直径に対応し得る。
【0076】
[0097] チューブ構成要素2005は、近位端においてらせん状回転構造2003に接続される。例えば、らせん状回転構造2003の外側はチューブ構成要素に接続し得る。チューブ構成要素2005は、ロボット内視鏡(例えば、内視鏡のハンドル部分)に解除可能に結合できるようにする機構を有し得る。
【0077】
[0098] 前述のように、本明細書におけるシステム及びデバイスは、座屈防止メカニズム及び内視鏡をアセンブルするための簡略化されたセットアップフローを可能にし得る。例えば、座屈防止メカニズム及びスコープハンドルは、座屈防止メカニズムとスコープハンドルとの間の取り外し可能接続を介してアセンブルされ得、アセンブルされた部片を単一部片として計器駆動メカニズム上に頂部装填し得る。この便利なアセンブリ機能は、計器駆動メカニズムの状態及び現在の位置に関係なく、有益なことに、スコープハンドル及び座屈防止アセンブリの、ロボットアームへの結合を可能にする。図25及び図26は、座屈防止デバイス2500及びカテーテルアセンブリ2510のアセンブリの例を示す。場合によっては、らせん状座屈防止デバイスは、1回の使用後に処分できる分離可能デバイスであり得る。らせん状座屈防止デバイスは、接続機構を介してカテーテルアセンブリ2510のハンドルに解除可能に接続できる。これによってユーザは、座屈防止デバイス及びスコープの接続されたアセンブリを、ハンドルのインターフェースを介して、計器駆動メカニズム2520(例えば、ロボット資本設備)上に設置することができる。
【0078】
[0099] 前述のように、提供されるらせん状座屈防止デバイスは、コスト削減された軽量でコンパクトな設計を可能にし得る。らせん状回転構造は、軽量で耐久性のある材料の薄いシートで形成され得る。これらのチューブ構成要素、コネクタ構成要素、及びストロー構成要素は、プラスチック材料、アクリロニトリルブタジエンスチレンなどの熱可塑性ポリマー、ポリプロピレン、ポリウレタン(Pebax(商標))、ナイロン、ポリエチレン、デルリン(商標)、ポリエステル、PE、PP、及び様々なその他からなり得る。場合によっては、金属などの他の非プラスチック材料が利用可能である。これらの構成要素は、コスト削減された射出成形プラスチックで容易に(例えば、射出成形)製造可能である。3Dプリンティング(例えば、多重ジェット融合、プラスタベース3Dプリンティング(PP)などの、粉末ベースプロセス)、CNC機械加工、及びブロー成形などの、任意の適切な製造方法も採用可能である。
【0079】
[0100] 座屈防止デバイスの実施形態を、医用ロボットシステムを参照しながら説明してきたが、本明細書で説明する座屈防止デバイスは、細長く柔軟な構成を有する任意の医用デバイスに座屈防止機構を提供するために使用され得ることに留意されたい。例えば、他の実施形態において、本明細書で説明する座屈防止デバイスの実施形態は、内視鏡、柔軟な把持器具、レーザファイバなどの、医療分野において、任意の柔軟なツールを支持するために使用され得る。
【0080】
[0101] 本明細書において、本発明の好ましい実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、こうした実施形態は単なる例として提供されていることが明らかとなろう。次に当業者であれば、本発明を逸脱することなく、様々な変形、変更、及び置換を思いつくであろう。本明細書で説明する本発明の実施形態に対する様々な代替は、本発明の実践において採用され得ることを理解されたい。下記の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、及び、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの等価物は、それらによってカバーされることが意図される。
図1
図2
図3
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図5
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図8
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図10
図11
図12A
図12B
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図15
図16
図17
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図20
図21
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図23
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図26
図27
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【国際調査報告】